FC2ブログ

穂乃果(23)「新人ホスト募集中…未経験OK、時給5000円!?」【後編】

285: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/01/29(日) 02:02:23.17 ID:1dQnYBsS0
前スレ:

穂乃果(23)「新人ホスト募集中…未経験OK、時給5000円!?」【前編】



真姫「じゃあ…私は出かけるわ」

穂乃果「あ、仕事?私も早いけど行こうかな…」

真姫「常連とのデートよ。それに、今日は2人とも休みでしょ」

穂乃果「…!そうでした」

真姫「はぁ…。やっぱり何かおかしいわね」

ガチャッ バタン


穂乃果「そっか…、休みか」

穂乃果「ツバサさんは今日仕事で忙しいって言ってたしなぁ…うーん」


穂乃果「この前が給料日だったから、服とか買いに行ってもいいけど…1人じゃアレだし」

穂乃果「…!!あ、良い事思いついた!」


注目記事




287: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/01/29(日) 02:07:56.66 ID:1dQnYBsS0
───────


雪穂「お姉ちゃん、ほんとにいいの?」

穂乃果「うん!給料日でお金持ちだから♪」

雪穂「やった!お姉ちゃんがこうやって買い物に連れてってくれることあんまりないし…しかも、好きなの買ってもいいって」

穂乃果「ふふん。ありがたく思うんだよ~」

穂乃果(たった3か月で貯金が200万を超えた…。こんなの、前の仕事じゃどれくらいかかるか)

穂乃果(やっぱりお金があるっていいね)


雪穂「んーじゃあね…とりあえずいこ!どこでもいいし!」



~大通り~


穂乃果「わー…すごい人」

雪穂「当たり前だよ。休日のお昼だし」
289: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/01/29(日) 02:13:45.25 ID:1dQnYBsS0
穂乃果(そ、そっか…。確かにそうだよね。夜しか出歩かないから感覚が…)


雪穂「このブランドのバッグ可愛いなぁ。…あ、でも」

穂乃果「ん?これが欲しいの?」

雪穂「いいよ!うっわ、30万もするし…。こんなの大人になって暫くしないと買えないだろうなぁ」ムムウ


穂乃果「すみません、これください」

店員「はっはい!カードでお支払いですか?」

穂乃果「えっと…現金で」パサ

店員「!?かしこまりました…」


穂乃果(財布重いし、カード作っとこうかな…)


雪穂「おねーちゃん!何やってんの!?」

穂乃果「え?プレゼントだよ」
290: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/01/29(日) 02:15:23.84 ID:1dQnYBsS0
雪穂「月給30万もないのにやばいじゃん!!私がお母さんに怒られちゃうよ!」

穂乃果「大丈夫!」

雪穂「はぁ…??何言ってんのさ!」

穂乃果(ってやばい!雪穂に仕事のことは内緒にしてるんだった…!)


穂乃果「え…っとぉ、宝くじが……当たって」

雪穂「へっ!!?すごい!それで買ってくれるなんて流石はお姉ちゃんだねっ」

穂乃果「あはは…まぁね」

雪穂「ありがとう!!ほんと…お姉ちゃん大好き!見直したよっ」


穂乃果(危なかった……)
292: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/01/29(日) 02:20:14.24 ID:1dQnYBsS0
キャッキャッ

「ねーこのコスメかわいくなーい?」

「それより早くプリとろーよー」



穂乃果「……雪穂さ、大学楽しい?」

雪穂「ん?急にどうしたの?」

穂乃果「い、いや…実はさ。友達の妹さんが大学生で…雪穂と同じ年なんだよね」


穂乃果(本当のその子は私の常連さんで、それも一番のエースの子なんだけど…)


雪穂「ふんふん」

穂乃果「なんか、学校で苛められてるっていうか…友達がいないらしくて。それでね、ホストクラブにはまっちゃったみたいなんだ」

雪穂「えー…!!ホストかぁ…それきついね」

穂乃果「やっぱり雪穂は…そういうの、嫌いだよね」

雪穂「ホストって甘い誘惑して、お客さんからお金巻き上げる事しか考えてないじゃん。そこに通うなんて馬鹿みたいだよ」
295: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/01/29(日) 02:24:32.43 ID:1dQnYBsS0
穂乃果(そりゃそう思うよね…。良かった、雪穂は安全な思考だ)


雪穂「ついでに言うとホスト自体もアレだよね。お客さんにヘコヘコしてさ、売上のことばっか考えて。いっつも酔っぱらってそう」

穂乃果(その通りなんだよねぇ……)


雪穂「その子って、ずっと通ってるの?」

穂乃果「いや…少し前みたい」

雪穂「お姉ちゃんその子と面識あるなら言ってあげれば?辞めなよって」

雪穂「まだ大学生活は少しあるんだし、いくらでもやり直せるよ。ただ退学とかしたらきついかもしれないけど…でも、若さで何とかなる!」

穂乃果「そうだね……。言っとくよ」

雪穂「もし良かったらだけど…私も友達になれるかもしれないし。ほら、同い年なんでしょ」

穂乃果「そう…かもね。あはは…」


穂乃果(そんなのわかってる…。私があの子の将来を奪うために、甘い言葉を吐いてるってことは…痛いほどわかってるんだ)

穂乃果(雪穂と同じ年…そういえば、あの子も喜怒哀楽が激しくて雪穂と同じ。まだ子供っぽいとこあるもんなぁ)
297: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/01/29(日) 02:28:05.34 ID:1dQnYBsS0
雪穂「あ!!亜里沙だー!すごい、偶然じゃない?」


穂乃果「え?待ち合わせしてたの?」

雪穂「ううん。たまたまだよ。ほら、少し遠くの…あそこの辺」

穂乃果「えー…どこ?見えないよ」

雪穂「って絵里さんもいるじゃん!うわー、私達と同じ。姉妹で買い物かなぁ?絵になる~」

穂乃果「へっ!?ちょ…っと、雪穂!!」グイッ

雪穂「いたいいたい!なにするの~!?」

穂乃果「いいから!!待って!」



穂乃果(こんなところで鉢合わせしたら…うぅ、タイミング悪すぎるよ!)
299: 名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@ (ワッチョイ 3e83-0eeR) 2017/01/29(日) 02:30:11.12 ID:LiqJVRhT0
良心の呵責に耐えられるか
374: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/02/01(水) 00:16:37.83 ID:QADmv/FR0
亜里沙「うーん♡このクレープおいしい…」モグモグ

絵里「亜里沙、ほっぺにクリームがついてるわよ」ニコ

亜里沙「わわっ!ほんとだ」

絵里「そんなに慌てなくても誰も取らないわ」

亜里沙「えへへ…🎵」


穂乃果(絵里ちゃん……なの?)

穂乃果(店ではあんな姿見たことない。笑顔を浮かべてる時も目の奥は笑ってないし)

穂乃果(でも、亜里沙ちゃんに向けられた今の微笑みは…優しさに満ちてた)


亜里沙「あれ…?あ、やっぱりそうだ!ゆーきーほー!」フリフリ

雪穂「お~い!こっちだよーっ!」ブンブン
375: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/02/01(水) 00:18:39.53 ID:QADmv/FR0
穂乃果「だ、ダメだって…!!雪穂っ!」

雪穂「なに恥ずかしがってんのさ、大丈夫だよ!」グイッ

穂乃果「そういうことじゃなくてっ……うわぁぁ!!」


亜里沙「ハラショー、穂乃果さんも一緒だったんですね♪お買い物ですか?」

穂乃果「う……うん」


絵里「………あなたは」


穂乃果「──っ」ゾクッ


穂乃果(今朝の夢の出来事が…意識しなくても頭を過る)

穂乃果(海未ちゃんに羽交い絞めにされて、にこちゃんが注射器の針を………)ハッ

穂乃果(でも、腕にはそんな痕はないから…やっぱり夢なんだよね)
376: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/02/01(水) 00:21:45.50 ID:QADmv/FR0
雪穂「ほんと偶然だね!あ、絵里さんもお久しぶりですっ」

絵里「えぇ。…元気そうでよかったわ」

雪穂「ほらお姉ちゃん、黙ってないで挨拶とかしなよ」

穂乃果「……え、絵里ちゃん…その、」

絵里「あなたが雪穂ちゃんのお姉さん?私は絢瀬絵里よ、よろしくね」ニコ

穂乃果「うぇっ!?…あの…よろしく」


穂乃果(どういうこと…??絵里ちゃんとはもう何回も会ってるはずなのに)

穂乃果(……もしかして、妹の前だから気を使ってくれた?)


亜里沙「今日はね、2人で久々のお出かけなの。お姉ちゃんが忙しいから予定が合わなくて」

雪穂「あー…流石ですよね、絵里さんって皆から頼られてそうだし!」

絵里「ふふっ。ありがとう。でも大したことないわよ」
377: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/02/01(水) 00:24:43.46 ID:QADmv/FR0
雪穂「いやいや、少なくともうちのお姉ちゃんよりはしっかりしてますもん!」

穂乃果「なっ…」

絵里「そんな風に言うものじゃないわ。気付かないだけで、誰しも優れた何かを持っているから」

雪穂「あ……そう、ですよね。ごめんお姉ちゃん…つい調子に乗っちゃって」


絵里「それに、彼女は…私よりも綺麗な目をしてる」

穂乃果「……!」


亜里沙「ぅん…?あ、このまま4人で遊びませんか?お姉ちゃんに穂乃果さんとも仲良くなって欲しいし」

絵里「…亜里沙、ごめんね。私そろそろ用事があるの」

亜里沙「そっかぁ…。お姉ちゃん忙しいもんね、わかった!」

雪穂「絵里さんまたお会いしましょうね!」

絵里「ふふ、またね」スタスタ


穂乃果「わ…私もそろそろ仕事だった!」

雪穂「え??休みって言わなかったっけ?」
379: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/02/01(水) 00:26:40.16 ID:QADmv/FR0
穂乃果「休日出勤ってやつ!大学生にはわかんないよ」

亜里沙「なら…雪穂、一緒に遊ぼう?」

雪穂「うん…私は全然いいけど」

穂乃果「亜里沙ちゃん、雪穂のことよろしくね!じゃあまた」タタッ



雪穂「変だなぁ…。お姉ちゃんどうしちゃったんだろ」

亜里沙「……私も、心配」

雪穂「え?」

亜里沙「お姉ちゃんはいつも笑顔だけど…たまに、怖い顔してる」

雪穂「絵里さんが?見間違えじゃない?」

亜里沙「ううん…でも私は全然お姉ちゃんのこと知らないから。別の住んでる場所も教えてくれないし…お仕事は普通の会社って言うけど、普通ってなぁに?」

雪穂「普通…事務とか?あ、でも私もお姉ちゃんがどこで働いてるかしらないんだよね…」
380: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-WSvd) 2017/02/01(水) 00:29:24.86 ID:QADmv/FR0
雪穂(あと、仕事を変えてからお姉ちゃんの雰囲気が変わった感じがする。根拠はないんだけど…)



亜里沙「ならタンテイしよう!」

雪穂「へっ??」

亜里沙「探偵!テレビでやってたよ?」

雪穂「あぁ…探偵ごっこみたいな?」

亜里沙「うんっ♪雪穂がいれば怖くないと思うの」

雪穂「んー…あー……、いいよ。私も気になるのは本当だし」

亜里沙「ハラショー!えへへ、雪穂と探偵ごっこ…」


雪穂(バレない程度にやろう。…こんなの、ちょっと後をつければわかっちゃうよね。また今度にでもしようかな)
383: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 00:36:59.88 ID:QADmv/FR0
─────


~ホストクラブ~


穂乃果「………」フゥ

穂乃果(いつまでもビビってちゃだめだ。よし…今日も頑張ろう)


ことり「…あ。穂乃果ちゃん」

穂乃果「っ!?」ピタ

穂乃果(不味い…ことりちゃんだ!ど、どうしよう。ここは普通に会話し…)


ことり「おはよう♪また後でね」ニコ

穂乃果「あ……う、うん」


穂乃果(……そうだよ。ことりちゃんは私の事を無視したりなんてしない)

穂乃果(確かにことりちゃんは仕事に関してストイックだけど…応援するって言ってくれたんだ。だから、私はそれに応えてナンバーワンを目指してみせる)
384: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 00:39:48.80 ID:QADmv/FR0
凛「ふわぁ…ぅあ、穂乃果ちゃん?」

花陽「おはよう♡また相席したらよろしくねっ」

穂乃果(…!良かった、凛ちゃんと花陽ちゃんだ)ホッ

穂乃果「おはよう!2人は今日も一緒なんだね?仲良しだなぁ」

凛「当たり前だよ~。だってかよちんは凛とラブラブだもん!」ギュッ

花陽「凛ちゃんっ!//だ…ダメだよぉ…///」

凛「みんなの公認だから大丈夫にゃ!」

穂乃果「…不思議に思ってたんだけど、2人って付き合ってるんだよね。お客さんには内緒で」

凛「うんっ!」

穂乃果「恋人がいるのに…こういうお店で働くのは辛くないの?その気が無くても、体が触れ合ったりするでしょ」


凛「……辛くないわけないにゃ」
386: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 00:46:44.53 ID:QADmv/FR0
穂乃果「えっ?」

凛「そりゃね、かよちんが他の女の子と楽しそうにお話してたら妬いちゃうよ」

穂乃果(だよね…、それが普通だもん)

穂乃果(じゃあやっぱりツバサさんに…私は無理をさせちゃってるのかな。恋人という関係になっても、私は仕事を続けてきた)

穂乃果(それでもツバサさんは変わらずに応援してくれた…。こんな私を、支えてくれた)


花陽「最初はね…確かに、嫌だったなぁ。でも私達を助けてくれた人に恩返しがしたかったのと、生きていく為にはお金を稼がなきゃいけないから…この道を選んだの」

穂乃果「…なら2人は」

花陽「でもね、私達はお互いを心から信じてる。だから例え凛ちゃんが他の女の子と抱き合ってても…平気だよ」ニコ

凛「……うん。どこにいても気持ちは繋がってるって思うから。だから、辛くてもここでやってこれた」
387: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 00:52:48.83 ID:QADmv/FR0
凛「まぁ穂乃果ちゃんもそのうち分かるよ!相手を想う心があれば…全て上手くいくにゃ」

穂乃果「…強いね。普通の恋人なら、こんなのすぐに別れちゃうよ」

花陽「穂乃果ちゃんには……大切な人がいるの?」

穂乃果「っ……ま、まぁね…」

花陽「そうだったんだ。…大切にしてあげてね。やっぱり仕事柄、凄く不安になるから。いつか捨てられるんじゃないかって…」

穂乃果「私はそんな事しないよ…!」

凛「穂乃果ちゃんはするつもり無くても、相手の人はわかんないよ?ホストは夢を見させる仕事だから」

凛「その途中、何かの拍子でお客さんと付き合っちゃうかもしれないし。でも真姫ちゃんみたいに……」

花陽「…!!凛ちゃんっ」

凛「ご…ごめん!」ビク

穂乃果「真姫ちゃんも…そうだったの?」

凛「………」

花陽「穂乃果ちゃん、ごめんね。私達からは何も言えないよ…」


海未「3人とも、早く準備をしてください。にこにどやされますよ」

穂乃果「は、はーい!」

穂乃果(わからないけど…真姫ちゃんも、今の私と同じような時があったってこと?)
388: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 00:57:01.24 ID:QADmv/FR0
──────



にこ「じゃ、ミーティング始めるわよ。ほぼ全員出勤してるわね?」

にこ「今日が今月の締め日だから。今夜の売上で、新しいランキングを発表するわ」

ザワザワ

ホスト1「よし…目指すはナンバー入りだね!」

ホスト2「今月こそは〇〇に勝ってみせる!」


穂乃果(今日が一番の山場だ…。みんな、それぞれに常連客を連れてくるはず)

穂乃果(お客さん側も、今夜が締め日なのはわかってるから。…全力でお気に入りのホストにボトルをおろしてくる)

穂乃果(私はその中で、誰よりも多く稼がなきゃ勝てないんだ)
390: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:02:23.80 ID:QADmv/FR0
ことり「………」

海未「ことり…?大丈夫ですか」

ことり「…、うんっ♡今日は楽しくなりそうだね」

海未「そうですか……」ニコ

海未(しかし…近頃のあなたはどこか無理をしているようで。私がもっと頼りになれば…)シュン



真姫「…くだらない」

絵里「あら。真姫は今日もご機嫌斜めみたいね?」

真姫「今までにない雰囲気だからよ。みんなナンバーの座を狙っていたけど、表立って売上を競うような事は無かった」

絵里「あの子が台風の目になっているのは確かね。私も少し頑張らないと…」

真姫「負ける気なんてないくせによく言うわ」

絵里「…やっぱり真姫って、私のこと嫌いだったりする?」ニコ
391: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:04:42.69 ID:QADmv/FR0
真姫「なら好きって言えばいいの?キモチワルイ」

絵里「私は好きよ?真姫のこと…」

真姫「っ…//やめて。口説くのは客だけにしときなさいよ」

絵里「心配しなくても、私と希はずっとあの子の傍にいるわ。どんな時も支えてみせる」

真姫「そう。…でも私には関係の無い話ね」スタスタ


絵里「……ふぅ」

絵里「難しい子ね。可愛げはあるんだけど…私には上手く掴めないわ」

希「あれ?人タラシのえりちでも苦手なことあるんやなぁ」

絵里「…多分、不器用なのよ。私は希みたいに何もかも出来るわけじゃないから」

希「でも大丈夫。きっと真姫ちゃんには伝わってるよ」ニコ

絵里「えぇ。ありがとう」

希「さ、もうすぐ開店の時間やね。今夜が山場になる…楽しみやなぁ」

絵里「穂乃果がどこまで仕掛けてくるかは未知数。でも…それよりも」チラ


ことり「………」
392: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:08:21.74 ID:QADmv/FR0
─────


ウェイター「いらっしゃいませ。お客様、ご指名は…」




穂乃果(遂に始まった……。やっぱり予想通りだ、普段の3倍はお客さんが来てる)

穂乃果(でもそのほとんどは常連客。新規の人はホストを回せなくなるから拒否してるらしい)

穂乃果「つまり……」


客1「あ、私は海未ちゃん指名で」

客2「ことりちゃん♪約束通り来たよ~」

客3「絵里ちゃんに呼ばれたから…♡」


穂乃果(うん。実力差が浮き彫りになるね…)

大学生「穂乃果ちゃん…?」

穂乃果「あっ、ごめん!よそ見しちゃってた」

大学生「みんな凄いもんね…。穂乃果ちゃん、このテーブルから離れなくていいの?」
394: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:11:45.98 ID:QADmv/FR0
穂乃果「うん。他にもお客さんは呼んであるけど、最初に来てくれたのは〇〇ちゃんだけだよ…本当にありがとう」

大学生「……ううん///恋人だもん、当たり前だよ」

穂乃果「じ、じゃあ…」

大学生「そうだね…。私、とりあえずドンペリ頼もうかな」

穂乃果「…ありがとう。今夜は楽しんでいってね」ニコ

大学生「うんっ…///」


穂乃果(確か今日は1夜指名も無くなるんだっけ。じゃあ暇な人はほんとに暇になっちゃうなぁ)

穂乃果(売上は今のところ5万円…。これじゃまだまだ足りないよね…)



ウェイター「シャンパンタワーはいりまーーす!!」
395: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:17:20.63 ID:QADmv/FR0
穂乃果「えっ…」

大学生「シャンパン…タワー!?それってよくドラマとかで見る…あれだよね?」


穂乃果(誰…??一体誰が)


ことり「ありがとう…♡大好きだよ」

女性「ううん、ことりちゃんのためだもの」

ことり「でも飲み切れるかなぁ…?余った分は他のテーブルにも分けていい?」

女性「もちろんよ♪」


穂乃果(っ、ことりちゃん……。まだ始まって1時間もたってないのに)

穂乃果(あれだけのシャンパンを開けたら300万くらいはするよね…。あのお客さん大丈夫なのかな…)
396: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:24:24.69 ID:QADmv/FR0
絵里「……あっちは騒がしいわね」チラ

客1「私達は私達で楽しみましょう、優雅に…華麗に」

客2「それとも絵里はああいったものがお好み?なら今からやりましょう」

絵里「私はあなた達が隣にいてくれるだけで充分よ」

客1「…まぁ、私達もエースとしてことりちゃんに負けさせるわけにはいかないわ。もちろん海未ちゃんにもね」

客2「ブランデー、いくつ卸して欲しい?」

絵里「……そうね。5本あればあのタワーに釣り合うわ」

客1「決まりね。ウェイターを呼びましょう」



穂乃果(…ちょっと、これ不味いかもしれない……)

穂乃果(あの2人が絵里ちゃんのエースさん…、明らかに女社長って感じでお金持ちだよ)

穂乃果(じゃあやっぱり……どれだけ頑張っても)
397: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:25:48.77 ID:QADmv/FR0
カランカラン♪


ウェイター「お客様、いらっしゃいませ」


穂乃果「えっ……!?」

ツバサ「…ごめんなさい。来ちゃったわ」ニコ

穂乃果「ツバサさん…!いいよ、私は大丈夫だから…!」ヒソヒソ

ツバサ「私も頑固だったりするの。持ち合わせは多くないけど…協力させて」


大学生「あ、あの…この人は」

穂乃果「えっと……!私の、お客さん」

ツバサ「どうも。こんにちは」

大学生「……」ジー

穂乃果「ね、ねぇ?2人とも見つめあってないで座ってお酒飲もうよ…」ニコニコ
398: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:29:46.19 ID:QADmv/FR0
ツバサ「私に敵対心を持つのは結構だけど、あなたの力だけじゃ穂乃果さんをナンバーワンにする事は出来ないわ」

大学生「そ……それは…」

ツバサ「だから私達は協力する必要がある。…わかるわね?」

大学生「……そうですね」

穂乃果「そ、そこまでして貰わなくても……」

ツバサ「周りをよく見てみなさい。これは集団戦なの。決して個人戦じゃない」

ツバサ「言うならば、アイドル総選挙と同じよ。ファンが力を合わせどこまで引き上げられるかに全てがかかっている」


穂乃果「……!」バッ


穂乃果(海未ちゃんを囲んでる人達…みんなお揃いのブレスレットをつけてる。それに、誰かがお酒を頼んだら全員で分けて…まるで1つのチームみたいだ)

穂乃果(凛ちゃんと花陽ちゃんは2人一緒のテーブルにいて、お互いの常連さんも仲良さそうにしてる。ここは同盟でも結んでたりするのかな…)
400: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:32:24.12 ID:QADmv/FR0
穂乃果(真姫ちゃんや希ちゃんには…海未ちゃん程多くはないけど、常連さんが高めのボトルを卸してるね。でもここは、普段と変わらずにゆっくりお酒を楽しんでる)

穂乃果(そして、ことりちゃん…。多分ほとんどのお客さんを呼んだんだろうな。今この店で誰よりも忙しそうだよ…)



ツバサ「…次にやるべき事はわかるわね?」

穂乃果「えっ…と。うん」

穂乃果「他のお客さんも呼んでみるよ。来れないって人は仕方ないけど…少しだけでもって誘ってみる」

大学生「人が少しでも多い方がいいもんね…」

ツバサ「じゃあ私は…この店で一番強いお酒をお願いするわ。金額は20万までにしてくれるとありがたいんだけれど」

穂乃果「えっ!?一番強いのって…大丈夫?帰れなくなっちゃうよ!」

ツバサ「平気よ。私は飲まないから」ニコ
402: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:36:09.11 ID:QADmv/FR0
穂乃果「…??」

ツバサ「他のメンバー…特に絵里さんや海未さん、ことりさんのテーブルにグラスを配るわ。飲みきれない分を渡すのは普通でしょう」

穂乃果「え?どういうこと…?」

大学生「……もしかして、潰すつもり?」

ツバサ「卑劣な手ではないわ。ただの罠よ。メンバーが酔い潰れることによって、接客を不可能にできるから。常連客は相手にされないと帰ってしまう」

穂乃果「ぅぇえ…!?それ…、不味いんじゃ…」

ツバサ「このぐらいで躊躇していれば負けるわよ。…そもそも、私は穂乃果さんを助けに来たの。やれるだけの事はやらせて貰う」



穂乃果「………わ、わかったよ」

大学生「………」

ツバサ「本来ならあなたにやってもらいたいところなんだけれどね」チラ

大学生「…私は……その、人見知りだから…。協調性とかもないし…」
403: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:38:40.11 ID:QADmv/FR0
ピロン♪

穂乃果「あっ…Lineだ」


<穂乃果ちゃん、今からお店いくねっ

<今日締め日は知らなかったよ~!せっかくナンバー3になったから維持しよう!

<了解。私の友達も連れていく♪


穂乃果「み……みんな…」ウルウル

ツバサ「…良かったわね。それがあなたの魅力と人望よ」

ツバサ「誰のケアも怠らないことで、多くの集客を見込むことが出来る。…これは私の仕事の話なんだけどね」

穂乃果「ツバサさん……本当にありがとう。このままじゃ普通に負けてたよ…」

ツバサ「ふふっ、気が早いんじゃない?まだ勝ったわけじゃないわ。大切なのは今からよ」

穂乃果「よし……っ、今から挽回するよ!」


大学生(穂乃果ちゃんを一番にしてあげたい。でも…そこまでのお金はない)

大学生(この人みたいに上手く話せる力があったら…穂乃果ちゃんは笑ってくれる?)

大学生(私じゃ……穂乃果ちゃんの一番になれないのかな…)
404: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:44:09.34 ID:QADmv/FR0
ことり(さっきから入ってくるお客さんが…みんな穂乃果ちゃんの方に行ってる)

ことり(ちょっと不味いかな…。あぁもうっ…)


女性「ことりちゃん…?」


ことり「…!あ、なぁに?♡」

女性「あの…もう帰ろうかなって思ってて……」

ことり「えぇ~…そんなぁ、寂しいよ…」ウルウル

女性「ごめんっ!もうちょっと持ち合わせあればなぁ~」

ことり「…掛けでもいいですよ?〇〇さんにはいつも来てもらってるから♪」

女性「うーん…じゃあピンドン1つ降ろすよ。掛けで来週までボトルキープしといてね」

ことり「わーいっ、ありがとう♡♡」

女性「あ、さっきシャンパンタワーしてたお客さんもういないの?」

ことり「明日お仕事だから帰っちゃった。どうかしたの?」

女性「いやぁ、あれ総額400万でしょ?あの子そんなお金持ちかな~って」

ことり「新しくカード作ってくれるって言ってたよ。だから…払ってくれると思う。今日のところは半分掛けだけど…」

女性「え!カード作らせたの!?やるね~」

ことり「私は無理しないでねって言ってるよ?♡」

女性「怖い怖い。ま、これでうちの陣営は安全圏かな~。あの新人に負けたのは本当にごめんね。私達の中でも色々話し合いがあったのよ」

女性「今度こそ…ことりちゃんをナンバーワンにしようねってなった」

ことり「……みんなには申し訳ないけど…本当に感謝してるよ。私のためにありがとう」ニコ

女性「うん!じゃあキープお願いね、来週また来るから!」
405: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:49:38.87 ID:QADmv/FR0
──────


穂乃果「ぐへぇ……疲れたぁ…」グテ


凛「穂乃果ちゃんお疲れ様~!」

花陽「流石に今日は凄かったね…えへへ」

穂乃果「あれ…?でも他の人はまたホールにいるの?」

凛「絵里ちゃんは希ちゃんと夜風に当たってくるって言ってたよ!真姫ちゃんは海未ちゃんの事を介抱してるにゃ」

穂乃果「え?」

凛「立てないくらい酔っちゃったみたい。いっぱい飲んじゃったのかな?海未ちゃんって、元々お酒に強くないみたいだから…」

花陽「でもお仕事の中では潰れる事なんて滅多に無かったよ…?こっそりお酒に色々混ぜて飲んだりしてるのを見かけるし」

穂乃果「そ…そっか。大丈夫かなぁ」


穂乃果(きっとあのブランデーを間違えて飲んじゃったんだ…。私達が、用意した…あれを…)ブル

穂乃果「…って、真姫ちゃんが介抱するなんて珍しい事もあるんだね。何となく…他の人に任せそうな感じじゃない?」

花陽「内緒だよ…?真姫ちゃんはお家が病院みたいで、少し知識があるみたいなの。だからじゃないかな」

穂乃果「ぅえ!?家が病院なのに…ここで働いてるの??」

凛「わかんないよ。ただ、みんなそれぞれに事情を抱えてるから…凛達は触れるべきじゃない」

穂乃果「………うん」
406: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:51:50.61 ID:QADmv/FR0
──────



真姫「ちょっと、本当に大丈夫なの?」

海未「はい…すみません。水を飲んだら大方マシになりました……ありがとうございます」

真姫「まだ顔赤いんだけど…。全く、無理し過ぎなのよ」

海未「こんなに酔ったのは久しぶりで…面目ありません」

真姫「…まぁいいわ。お疲れ様。これでひとまず落ち着くわね」

海未「どうでしょうか。月の初めでも、この雰囲気は変わらなさそうで…今までとは大きく違いますね」

真姫「どれもこれも穂乃果が大きな要因ね。ま、私には関係無いことだけど」


ガチャッ


ことり「海未ちゃん…!もう平気なのっ!?」

真姫「…ことりも来たことだし、私は出ていくわ。感謝しなさいよ」
407: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 01:54:01.77 ID:QADmv/FR0
海未「なっ…何にですか!//」

真姫「ことり、もうすぐ発表があるわ。それまでに海未を向こうに連れてきて」

ことり「うん…わかったよ」

ガチャッ バタン


海未「ことり…今日は凄かったみたいですね。誰もがあなたの事を話していましたよ」

ことり「あ…うん。ありがとう」

海未「私は思うようにいきませんでした。体力も最後まで持たなくて…」

ことり「海未ちゃんもいっぱいお客さん来てたよ?それより…もう本当に大丈夫?」

海未「はい。何とか歩いて帰れそうです」


海未「…えっと、タワーをしたんですよね?他にも飾りボトルが多くテーブルにありました。流石はことりですね」

ことり「ううん…大したことないよ。ありがとう」ニコ

海未「あの…それで、全て支払わせましたか?」

ことり「……うん。少しだけ掛けにはなったけどちゃんと貰ったよ♪」

海未「そうですか…」



ことり「あ、もう行こっか?発表始まっちゃっうよ」

海未「はい。…すみません、慣れるまで肩を支えてもらってもいいですか?」

ことり「うん♡ゆっくり歩こうね」ニコ
408: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 02:07:16.27 ID:QADmv/FR0
─────



にこ「みんな今月もお疲れ様。じゃあ発表させてもらうわね」


穂乃果(……緊張するなぁ)ドキドキ

穂乃果(正直、あのままじゃ前月よりも下がるのは目に見えた…。でもツバサさんのお陰で時間が経つ事に売上が増えて)

穂乃果(その上で、どこまで行けるかってことなんだけど…っく…)


凛「……みんな怖い顔してるにゃ」ボソ

花陽「あんなに競い合ってるんだもん…。そうなっちゃうよ」


絵里「………」

希「えりち。傍にいてもいい?」

絵里「…えぇ」

希(珍しく緊張してるなぁ…)
410: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 02:27:30.84 ID:QADmv/FR0
にこ「5位から1位までを発表するわ。まず、5位は…真姫。340万ね、6位の希と僅差だったわ」

希「お、真姫ちゃんおめでとう♪」

真姫「…ありがとう。5位が340なら上は凄いことになってそうね」



ことり「………」

穂乃果(次だ…。4位には呼ばれたくない)

穂乃果(前はことりちゃんだったけど、数字が近かったから…わかんないよ)

穂乃果(でも……こんなところで止まってられないんだ…!)


にこ「4位は……えっと…海未。680万よ」


穂乃果「……へっ」

凛「にゃ…!?!?」
412: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 02:36:05.74 ID:QADmv/FR0
花陽「今度は海未ちゃん…!こんなにもランキングが大きく変動したことは今までに無かったのにっ」

海未「…キープ出来ませんでしたね。残念です」

真姫「売上が恐ろしいことになってるわよ…。全体的に右肩上がりだけど、ここまでなんて」

ことり「……、」ゴクッ

絵里「そう…海未がね」

希「………」



にこ「んで、3位は……穂乃果ね。750万」


穂乃果「あ…3位か。って750万!?」

希「うわ~…手取り500くらいあるんやない?凄いなぁ」

凛「どれだけお酒売ったらそこまでいくんだにゃ…」

穂乃果(でも3位……ってことは。ことりちゃんに負けちゃったんだ)チラ
414: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 02:44:50.42 ID:QADmv/FR0
ことり「…………っはぁ…」


穂乃果(ことりちゃん……)



にこ「2位が……絵里。780万。んで、1位がことり。785万」


ことり「……っっ!!」


穂乃果「え…、嘘」

希「………」

凛「…よくわからないけどヤバイ気がするにゃ」

花陽「デッドヒート過ぎますっ…まさか、ここまで僅差になるなんて」

海未「っ……ことり…絵里…」

真姫「……」チラ


にこ「言っとく。各自、あんまり順位に拘りすぎないように」

絵里「そう。…残念ね」

希「えりち…」
415: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 2a00-1eU6) 2017/02/01(水) 02:51:59.10 ID:QADmv/FR0
絵里「ことり、おめでとう。あなたはナンバーワンになったのよ」ニコ

ことり「絵里ちゃ……」ウルウル

ことり「……わ、私……!遂に、やっ…」フラッ


海未「ことり…!?」タタッ

ギュッ

ことり「…………すぅ…すぅ」


にこ「…寝かせといてやりなさい。緊張の糸が切れたんでしょ」


穂乃果(……絵里ちゃんが2位??そんな…私の目標が…先にことりちゃんによって達成されてしまった)

穂乃果(じゃあ…ツバサさんの言う通り、私が甘かった?あと数十万の差はどこにあるの?)


穂乃果「…………」ギリッ


希「ね、もう帰ろう。もう…、休もう。今日はうちが泊まるよ」

絵里「…ごめんなさい。あなたに気を使わせてしまってるわね」ニコ


にこ(…予想通り。めちゃくちゃ荒れてるわね)

にこ(ただ……その中でも心配なのが…)チラ
431: 名無しで叶える物語(庭)@ (アウアウカー Sa5b-AHWw) 2017/02/01(水) 09:22:22.72 ID:BoV5uUmYa

どんどんヤバそうなフラグが増えていくな…
460: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 00:28:39.38 ID:6UH8KFpq0
─────



ダダダッ…


ツバサ「っはぁ…、穂乃果さんっ!?一体どうし…」ガチャッ


穂乃果「あぁ、ごめんね。いきなり呼んじゃって…」

ツバサ「…とにかく平気そうで良かったわ。あんなLineを送ってきたから、何事かと思ったの」

ツバサ(漢字変換もせず、いつもの可愛らしいスタンプもなく…ただ『いますぐあいたい』なんて)


穂乃果「……私、才能があるとか何とか…皆から囃し立てられて勘違いしてたのかな」

穂乃果「でも現実は甘くなかった。ナンバーワンの座…ことりちゃんに取られちゃったんだ」

ツバサ「そ……そんな」

穂乃果「ツバサさんのせいじゃないよ。私が弱かったから…甘かったから」
461: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 00:35:23.05 ID:6UH8KFpq0
ツバサ「……あなたのライバルは絵里さんか海未さんだと思っていたわ。とんだ刺客がいたものね」


穂乃果「もうわからないんだ。……裏で何をしているのかは知らない。けど、私は絵里ちゃんに憧れてた。この業界に入ったばかりの頃から…ずっと尊敬してた」

穂乃果「だから初めて絵里ちゃんを超えるのは私だって、決めてたのに…。それで、認めて欲しかったのに」

穂乃果「結局、私は絵里ちゃんに勝つどころか……ことりちゃんにさえ届かなかった」


ツバサ「…でも、あなたはまだ」

穂乃果「新人だからってのは言い訳にはならない。締め日にはほとんどの常連さんに来てもらったし、普段もボトルを卸して貰えるように努力したよ」

穂乃果「私はお客さんの中で名前が挙がるくらい期待されてた。それなのに!絶好のチャンスのはずなのに……!また3位なんてっ」

穂乃果「今この街では、舞蝶のナンバーワンが交代したって話題で持ちきりだよ。……私は所詮この程度だったんだって…思うと、もう…」
462: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 00:38:24.55 ID:6UH8KFpq0
ツバサ「……前にもこういう事があったわね。覚えているかわからないけれど」


穂乃果「………」


ツバサ「でもその時のあなたは酷く怯えた瞳をしていた。この世界の闇に対面して…戸惑い、戦き、私に助けを求めたわね」

ツバサ「でも今のあなたは違う。まるで負け犬のようにキャンキャンと吠えて…何になるの?」


穂乃果「っ……!」


ツバサ「そんな穂乃果さんは見たくないわ。私は…あなたの力強い瞳と、カリスマ性に惹かれたの」

穂乃果「……でも…、でもっ…ツバサさん…」

ツバサ「…チャンスはいくらでもある。だって、恋人が隣にいるんだもの。あなたの心が折れない限りまだ戦えるわ」ニコ


ツバサ「いくら弱音を吐いたっていい、泣いてもいい。でも後ろは振り向かないで。私もあなたの苦しみを背負うから」
463: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 00:49:13.62 ID:6UH8KFpq0
穂乃果「……うぅっ…、うわぁぁぁっっん…!!」

ツバサ「…好きよ、穂乃果さん。愛してるわ」ギュッ

穂乃果「ごめん……。私…やるよ。最後まで諦めない…」

穂乃果「どんな事があったって、ツバサさんがいれば…乗り越えられると思うからっ」


ツバサ「…ありがとう。人に必要とされるのって、こんなにも嬉しい事なのね」


穂乃果「感謝するのは私のほうだよ…、ここまでやってこれたのもツバサさんが支えてくれたから。愛って、こんなにも大きな力を持ってるんだね」

穂乃果「私は恋なんてした事なかったし……もうこれからする事も無いんだと思ってた」

穂乃果「ありがとう。私に新しい世界を見せてくれて…この気持ちを、教えてくれて」ニコ
464: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 00:53:56.63 ID:6UH8KFpq0
ツバサ「……///やっぱりあなたには、笑顔が一番似合うわね」


穂乃果「ふぅ…。色々言いたい事吐き出したら楽になった…」

ツバサ「なら、次に目指すべき道は見えるわね?」

穂乃果「もちろん。ナンバーワンだよ」

ツバサ「過去の経験を踏まえて…また作戦を練り直しましょう。穂乃果さんが正当法で行きたいのなら、また違った方向から…」

穂乃果「ううん…何でもするよ。もう甘い心は捨てたから」

ツバサ「…、えぇ。わかったわ」


ツバサ「まずは色々聞かせてくれる?店のこと、ライバルのこと、お客さんのこと」

穂乃果「うん。えっと…まずはメンバーについて。前にも言ったけどオーナーはにこちゃんで、幹部は絵里ちゃん、希ちゃん…海未ちゃんもかな」

穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんはいつも一緒にいるんだ。恋人だけど、2人の意思でこの世界にいるみたい」
465: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 00:57:21.19 ID:6UH8KFpq0
ツバサ「…ことりさんという人が、現在のナンバーワンなのよね?」

穂乃果「うん。ことりちゃんのお客さんには色々な人がいるんだ。その中でも一番多いのは夜の店で働く人かな…。やっぱりお金を持ってるから景気良いね」

穂乃果「あとは…真姫ちゃん。私のルームシェア相手で、全然競走に加わらないのが不思議なんだけど……元々お嬢様だからかなって思ってる」

ツバサ「お嬢様?ホストなのにそんな人がいるの?」

穂乃果「家が大病院らしくて。ほんと変だよね、私がお金持ちならこんな仕事はしないよ」

ツバサ「なるほど…まずは要注意人物を改めて設定する必要がありそうね。あと、店のシステムを上手く利用して少しでも売上を計上しましょう」

穂乃果「要注意人物か…。絵里ちゃんのお客さんには社長さんが多くて、希ちゃんのお客さんは………」



ツバサ(……私もつくづく甘いわね)

ツバサ(初めはこんな予定じゃなかったのに…。あなただけは助けたいともう1人の私が訴えるの)

ツバサ(どれもこれも…あなたのせいよ。私の心を掻き乱すから……)
468: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:04:59.29 ID:6UH8KFpq0
prrrrrr…


ツバサ「…ごめんなさい。電話だわ」

穂乃果「あっ…うん!待ってるよ」ニコ



ツバサ『なに?』

??『目標、屋内に潜ったまま出てきません。ご指示を』

ツバサ『…そのまま偵察を続けて』

??『了解しました』


ピッ


ツバサ(勘付かれている…?いや、うちのはよりすぐりの先鋭を集めてるのよ)

ツバサ(……面倒ね。奴らを炙り出すのにはまだ何かが足りないっていうの)


穂乃果「ツバサさん…??」

ツバサ「ご…ごめんなさい。それで、続きを聞かせてもらえる?」

穂乃果「うん!えっと……」


ツバサ(……危険な任務にはなるけど、もう少し協力して貰うことになりそうだわ。穂乃果さん)
469: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:11:47.65 ID:6UH8KFpq0
──────



にこ「……あいつ、大丈夫なの?」

希「ぅん?…えりちのこと?」

にこ「そーよ。まぁ本気で心配しちゃいないけど…い、一応ね」

希「素直やないなぁ。目の前でそうやって言ってあげればいいのに」

にこ「っ、恥ずかしいでしょ。なんか…。だから希に聞いてるの」

希「えりちは今まで色んなこと経験してきてるんやで?……まぁでも、やっぱりことりちゃんに抜かされてからは…元気ないかなぁ」

にこ「…そ。売上が僅差だったことも関係してそうね」

希「たった5万やもん。そりゃ悔しいよ。うちだって…隣にいたから、えりちの気持ちが痛いほど伝わってきて」
471: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:14:30.17 ID:6UH8KFpq0
にこ「じゃ、これからも隣にいてやりなさいよ。アンタがいれば絵里は大丈夫でしょ」

にこ「とにかくその件は任せるわ。…私が今回の件で本当に心配なのは、穂乃果よ」

希「穂乃果ちゃん…?」

にこ「先月の売上を発表した日…私は全員の反応を見てた。嬉しさを全面に出したり、涙を溜めてたり、妬みの目を向けてたり…色んなのがいたけど」

にこ「穂乃果だけは…違った。あの子の瞳からは何も感じられなくて」

希「今回の結果は3位やった。上がってもなく、下がってもないなら…何やろう。このメンバーの中で維持出来るのって、凄い事なんやけど」

にこ「普通ならそう思うわ。でも違う。そうね…強いて言うなら……虚無。全てが終わってしまったような絶望感」

にこ「何があの子をそこまでさせたのか。確かに私達はある程度の期待はしてた、でも追い詰めるほどじゃない」

希「……ナンバーワンを目指す。穂乃果ちゃんはにこっちにそう言ったんやんな?」

にこ「えぇ。でも入って3ヵ月ぐらいで、本気で絵里に敵うとでも思ったの?」
473: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:26:31.31 ID:6UH8KFpq0
希「うーん…。勝負に拘る性格で、野心家なら有り得る話やと思うよ。穂乃果ちゃんがそれに当てはまるかは…わからへん」

にこ「海未の報告にもあった、穂乃果が誰かの助言で動いてるってのがいよいよ現実味を帯びてきたわね。ったく…めんどくさい」

希「…でも、それって穂乃果ちゃんの問題じゃない?うちらが口を出せることじゃないよ」


にこ「そうね。でも今回は別よ」

にこ「穂乃果は明らかに変わってる。初めに会った頃、あんな表情をしたことは無かった」

にこ「己の欲望のままに動いて、痛い目を見てきた奴は腐るほど知ってるわ」

希「ふ~ん…。ちょっといい?にこっちがそこまで穂乃果ちゃんに拘る理由って何かなぁ。ただの従業員、やなかったん?」ニコ


にこ「………昔の私にそっくりだからよ。私は売上に誰よりも執念を燃やして…この世界で頂点を取ったけど、多くのものも失った」

にこ「あの子には…後悔させたくないだけ。闇に自分から染まりにいくなんて、馬鹿げてるっての」

希「…ふふっ。やっぱり優しいなぁ、にこっちは」

にこ「うっさい。別に理由はそれだけじゃ無いわよ」


希「まだ何かあるん?」

にこ「最近うちを嗅ぎ回ってるネズミがいるらしいわ。だから、そろそろネコでも放とうかと思ってね」ニコ


希「……ふぅん。それってほんまにネズミなんかな?」ニコ
474: 名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@ (ワッチョイ cf83-v6wd) 2017/02/03(金) 01:31:53.38 ID:PUL6rgCL0
ミスリードであってほしい
476: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@ (アメ MMc7-/WSt) 2017/02/03(金) 01:35:56.41 ID:RxzDUEWAM
こわいこわいこwし
477: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:36:16.33 ID:6UH8KFpq0
──────



~ホストクラブ(ホール)~


ことり(…あの日から、世界が全て変わってみえた)

ことり(最初は順位なんてどうでも良かったの。私は…ただ、海未ちゃんがいたからこの店で副職をしようと思っただけ)

ことり(でも本業だったはずのデザイナーの仕事は…芽が出ないのが辛くて、辞めちゃった)

ことり(それからだった。私が…この店で一番になりたいと思ったのは)

ことり(その頃から絵里ちゃんはずっとナンバーワンで、小さかった店は徐々に大きくなって…今では歌舞伎町で一、二を争う程になって)

ことり(私は絵里ちゃんの背中を見て…少しでも上にあがろうと努力し続けてきたの。それがやっと…実る時が来た)


ことり(……穂乃果ちゃんに抜かされるのは誤算だったけどね。でも、これでやっと……私は…)


海未「ことり!!」
478: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:37:58.72 ID:6UH8KFpq0
ことり「っ…ふぇ、??」ビク



海未「もう、ボーッとしてどうしたんですか。…何度も呼んでいたんですよ」

ことり「ご…ごめんね。ちょっと眠くて…えへへ♡」

凛「それにしても、ことりちゃんおめでとう。ほんと凄いにゃ」

花陽「みんな言ってたよ。歴史が変わった瞬間を見たかもしれないって…」

ことり「そんな大げさな…あはは」

海未「…いえ、あなたは本当に努力家でしたから。私が誰よりも知っています。頑張りましたね」ニコ

ことり「……海未ちゃん…」

花陽「でも…絵里ちゃんや穂乃果ちゃんも僅差だったよね。本当に戦国時代って感じで…ぴゃあ」

凛「戦国か~。それって織田信長とかのやつだよね?でもその時代って裏切ったり裏切られたり、天下統一目前まで行った人が負けちゃったり…怖い世界だにゃ~」
479: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:40:01.83 ID:6UH8KFpq0
海未「…凛、意外と勉強もしてたんですね」

凛「なっ…!失礼だにゃ~!言っていいことと悪いことがあるよぉ!」

花陽「凛ちゃんは高校でも勉強頑張ってたから♪英語は欠点だったけど…」

凛「うわぁぁっ!そんな過去のこと忘れてよ~!」


ことり(……戦国時代、かぁ)


ガラッ


凛「あっ!真姫ちゃんどこいってたの?」

真姫「…別にどこでもいいでしょ。まだ営業時間じゃないんだから」

凛「むっ…なんか機嫌悪いにゃ~」

真姫「悪くないわよ」
480: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:42:50.16 ID:6UH8KFpq0
花陽「真姫ちゃんは…いつも静かだもんね」ニコ

凛「も~。意地っ張りだなぁ。真姫ちゃんも一緒に話そうよ!」

真姫「それより、今日は強制指名日よ。連絡は取ってあるの?」

海未「はい。誰も忘れてはいないでしょう、にこも先日言っていましたから」

凛「強制指名日にお客さん呼べなかったら罰金だもんね~。まぁ、よっぽど人気が無い人以外は大丈夫だにゃ」

花陽「罰金って言っても5万円くらいだから…本当の目的は『日頃からお客さんを蔑ろにしないこと』なんだろうね」

ことり「ここにいるメンバーなら大丈夫だよ♡でも強制指名日だから…みんな来なくちゃいけないね」

凛「あ…絵里ちゃんも来るのかな?」

花陽「どうだろう……。でも、にこちゃんが風邪ひいてるって言ってなかった?」

海未「体調が悪いところを無理やり出させるのは良くありません。そこはにこに任せましょう」


真姫「風邪ね…」チラ
481: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:47:24.69 ID:6UH8KFpq0
ことり(……ごめんね。絵里ちゃんを傷つけたいわけじゃないけど…でも、これからは私が皆を引っ張っていくから)


ホスト1「あの~。すみません、ホール掃除したいので…場所移動してもらっても」


海未「ご苦労様です。ではそろそろ着替えましょうか?」

花陽「そうだね♪」

凛「ふわぁ…今日も早く帰れるといいにゃ~」

真姫「いつもそれ言ってるわね…」


ことり(一応もう1度連絡しておこうかな。あの子は来れないみたいだから、この前の締め日に来てくれた子に……)


prrrrrr……prrrrrr…


prrrrrr……prrrrrr….


ことり(あれ…??どうしたんだろう)


ピッ


『おかけになった電話番号は…現在使われておりません……』
482: 名無しで叶える物語(庭)@ (アウアウカー Sae7-prEo) 2017/02/03(金) 01:47:51.40 ID:pLNV1zAta
ひぃ
486: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:53:09.29 ID:6UH8KFpq0
──────



希「えりち、今日行くん…?無理せんくていいんよ?」

絵里「大丈夫よ。数日休み貰ったんだもの。もう平気だから」ニコ

希「そっか…。じゃあ、にこっちに風邪治ったって言っとくね」

絵里「ありがとう。迷惑掛けちゃったわね…」

希「迷惑なんて思ってないよ。休みは必要やもん」

絵里「…なら、一生休んで暮らしたいわね」

希「ってそれニートやん!」

絵里「あはは。冗談よ、私は静かに暮らせるようになるまで働くわ」

希「静かに暮らすかぁ…でもそれいいね。最後までみんな一緒にいれたら楽しいんやろうなぁ」

絵里「ちょっと、みんなってあの店全員のこと?勘弁して欲しいわ…私のこと嫌いで嫌いで仕方ない子もいるのよ?」

希「ふふっ、えりちはそんな小さな妬みなんて痛くも痒くもないやろ?それに…みんなって言うのは、一緒にいて心が安らぐ人だけよ」
487: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:57:42.00 ID:6UH8KFpq0
希「それを仲間って言うんかな…?まぁそれぞれの事情もあるやろうし、最低でもうちとえりち、にこっちの3人でずっと一緒にいれたらいいかな♪」

絵里「にこは嫌がりそうね。でも、私達はあの子の隣にいると決めたんだから…我慢して貰わないと」ニコ


希「そやね。…じゃ、行こっか?」

絵里「えぇ。今日も頑張りましょう」

希「そいえば強制指名日やった…えりち、大丈夫?」

絵里「誰とも連絡取ってないけど多分大丈夫よ。いざとなったら、そこらで新規のお客さんに声掛けるわ」

希「あはは…。流石やね、ほんまに何とかなりそう」




~路地~


希「……ね、お店に着く前に差し入れ持っていかへん?」

絵里「それはいい考えね。みんな疲れてるだろうし…」
488: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 01:59:08.41 ID:6UH8KFpq0
希「うーん何にしようかな。疲れにいいのはやっぱり甘いもの?」

絵里「スイーツといえば…確かこの近くに最近ケーキ屋さんが出来たらしいわ」

希「あ、じゃあそこにしよ♪」

絵里「えっと……あれかしら?」


『いらっしゃいませ~!オープンセールでショートケーキ半額です!』


希「半額…、って、めっちゃ並んでるやん!早く行かなきゃ間に合わないし!」ダッ

絵里「ちょっ…希!もう。ほんと早いわね…」クス



「……これはこれは。まさかこんな所で会えるとはな」


絵里「っ…!?あなたは……」


英玲奈「朱雀の統堂英玲奈だ。以後、お見知りおきを」
489: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 02:03:49.71 ID:6UH8KFpq0
絵里「…あなたの事は知っているわ。この世界では有名人だもの」

英玲奈「ほぅ。光栄に思うよ」


絵里「それで…私に何か用?あいにく忙しいんだけれど」


英玲奈「……話は聞いているぞ。南ことりにナンバーワンの座を奪い取られたようだな?」

絵里「…そんなこと。わざわざお祝いしに来てくれたの?」ニコ

英玲奈「いや、違う。一層執念を燃やす君が見れると思ってな…期待していたんたが」

絵里「………」

英玲奈「なんだこの様は。何をしている?何故ここまで頂点を守り続けてきたのに…こんな事で足を止めているんだ」

絵里「私は足を止めているつもりなんてないわ。ただ…休む事も大切だと、教えてもらったのよ」
490: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 02:07:18.65 ID:6UH8KFpq0
英玲奈「黙れ。ついには噛み付く事も忘れたか」

絵里「……あなたが何を言っているのかさっぱりね」


英玲奈「絢瀬絵里…今のお前は牙を抜かれた、ただの犬だ。金色の狼とさえ呼ばれた貴様が…腑抜けたな」

絵里「そんなのは昔の話で…」

英玲奈「笑わせるな。その言葉はお前を飼った、矢澤にこも侮辱する事になるぞ」

絵里「…私と勝負したかったんでしょう?なら不戦勝ね。あなたの勝ちよ」ニコ



英玲奈「馬鹿にするな!!」バシッ

絵里「つっ……!」ドサ


英玲奈「見損なった。心底軽蔑するぞ…お前を」

英玲奈「何を甘んじている。また傷つくのが怖いのか?」
491: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 02:11:33.69 ID:6UH8KFpq0
絵里「……そうよ。私は意外と臆病なの。悪いかしら」

英玲奈「確かに私はお前の事が嫌いだ。しかし、心の何処かで期待していた。またナンバー争いに全力を尽くす姿を見られる…とな」

絵里「………」

英玲奈「見下げ果てたよ。まぁ…是が非でも戦わなくてはならない時が直に来るだろう」

絵里「それって……どういうこと」


英玲奈「さぁな。私は知らん。この世界に平穏なんて来ないことぐらい…よく知っているだろう」

絵里「………」


英玲奈「私はライバルとして、この手でお前を潰したいんだ。2位のお前になど興味はない……わかってくれるな?」

絵里「っ…悪いけどね、今うちのナンバーワンはことりよ」
493: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/03(金) 02:14:22.78 ID:6UH8KFpq0
英玲奈「……ふふっ。あははは!!いいぞ、その顔だ。お前はやはり心の奥底では認めていない…現状を受け入れていない!」グイッ

絵里「私は……、あなたに何一つ言われる筋合いなんて…!」


希「…えりち!!」タタッ

絵里「希…!?」


英玲奈「ッチ…。また会おう」ザッ


希「いまっ…にこっちから電話が…!!」

絵里「にこ…?一体何が」



希「ことりちゃんの指名客が……掛けをそのままにして…、ほぼ全員飛んだって!!」

絵里「なっ……」
504: 名無しで叶える物語(もみじ饅頭)@ (ワッチョイ b32f-/j6a) 2017/02/03(金) 04:58:57.27 ID:tHeNe8Gk0
ことりがオヤツになっちゃう
558: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:08:17.48 ID:rQDNX/oi0
~ホストクラブ~


ガチャッ バンッ!!


希「にこっち!」

絵里「にこ…」

にこ「…来たわね。みんな事務所にいるわ。来て」



──────


花陽「そんな…何かの間違いだよ!きっと、一時的に連絡が取れないだけで…」

凛「ま、待ってたらお店に来るんじゃないかな……。全員がいなくなっちゃうなんてこと有り得ないにゃ」

真姫「現実を見なさい。現に今、ことりの指名客との連絡が完全に途絶えているの」
560: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:16:38.93 ID:rQDNX/oi0
ことり「っ…う、うぅ………」ブルブル


ことり「………なんで?おかしいよ…」


ことり「みんな、また来るねって……言ったのに…!!」ガタッ


希「ことりちゃん…っ、落ち着いて!」ギュッ

ことり「離して……離してよぉっ!!」

花陽「ことりちゃん…!今は私達しかいないよ、だから怖がらないで…」

凛「ゆっくり息を吸うにゃ、大丈夫だから…」トントン


ことり「──っ!わ、私……」



絵里「…厄介な事になったわね。にこ、何処まで把握してる?」

にこ「まだ何も掴めてない。恐らくアイツらの電話番号やメール、Lineは全て変更されてて、こっちから接触するのは難しいとだけ」
562: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:20:36.17 ID:rQDNX/oi0
絵里「そう……。でもまだ住所や身内がいるわ。そっちに方針を変えましょう」

にこ「わかってる。…絶対に逃がさないっての」


真姫「少しいい?借用書はあるの?」

にこ「これよ。ことりが客に書かせたものね。…相手の住所も載ってるから、とりあえず家をあたってみましょ」

絵里「…その前に、1度インターネットで調べてみた方がいいかもしれないわ」

にこ「は?嘘でしょ…。まさか、そんなこと」


カタカタカタカタ…カチッ



にこ「ってあるじゃない」ホッ

真姫「……待って。でもここ…空き地ね」
564: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:27:32.92 ID:rQDNX/oi0
にこ「空き地…!?」

絵里「この調子だと…恐らく他の住所も、適当な場所が書かれているんでしょうね。実際に行ってみたら別の人が住んでるとか」

にこ「ふざけた真似してくれんじゃない……」ギリ


花陽「で、でもことりちゃんが…何の疑いも持たないわけないよ。相手の情報が住所や電話番号だけなら確認するだろうし」

凛「うぅん…そうかな?凛だって、そこまで念入りに調べないよ。大きなお金だったら慎重になるけど…」

希「ことりちゃん…?教えてくれる?」


ことり「……何の仕事をしてるとか、その人の友達関係まで知ってたし…」

ことり「その場で家族に連絡を取ってもらって、私は確かに声を聞いてるの……」
565: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:30:46.02 ID:rQDNX/oi0
希「えっ…そこまで情報を提供して飛ぶなんて、追いかけてくださいって言ってるようなものやん」

真姫「……しかも相手は一般人。夜の店で働いているのがいると言っても、全員が全員…飛ぶことを前提に掛けをしたなんて見抜けないわ」

花陽「飛ぶことを前提に掛け…!?いくら何でもそれは……」


絵里「少なくとも…その電話相手や、友人のフリをしていた人間が協力していたんでしょうね」

絵里「彼らの存在がことりを欺いたの。1枚噛んでいるのは明らかよ。…となると、ちょっと厳しいかもしれない」

にこ「っ…じゃあどうすんのよ!このまま指をくわえて見逃すっての!?」

絵里「見逃すつもりなんて毛頭ないわ。でも…今までのように簡単に捕まえられると思わずに、挑む必要がある」


希「…ちなみにやけど……負債はどのくらいになるんかな」
566: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:34:10.85 ID:rQDNX/oi0
ことり「……っ…ふぅぅ……えっ、と…」


ことり「…わからない……。もう自分でも…っ、いくら掛けにしたのか…わかんないよぉっ!」



凛「……うぅ、見てられないにゃ…」

凛「ことりちゃん、凛と一緒に外の空気吸いにいこう?ねっ!いいでしょ?」チラ

にこ「そうね、1回心を落ち着けた方がいい。凛……連れて行ってあげて」

真姫「…外は冷えるから上に何か羽織りなさいよ」

凛「わかってるよ!さ、こっちにゃ」ニコニコ


希「…ごめん、にこっち。うちも行っていい?万が一何かあったら……」ヒソ

にこ「えぇ。ことりのこと頼むわよ」


ガチャン
567: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:39:38.98 ID:rQDNX/oi0
絵里「大丈夫かしら…」

にこ「平気よ。希と凛がついてるんだから」

絵里「……私もあんなに取り乱すことりを、これ以上見るのは辛かったわ」

にこ(凛や絵里だけじゃない。誰だって……そう思ってる。だってあのことりが、足元から崩れ落ちて泣きじゃくってたのに…)チラ


海未「…………」



にこ(なんで海未は下を向いたまま、何も動こうとしないの…?)


花陽「えぇと…今までの借用書を見ればきっと、金額も書いてあるから……」ペラ

真姫「この項目ね。全て足しましょう」


花陽「………950」

にこ「……マジで」

花陽「でも…少額を口約束した人もいたと思うから…たぶん、総額だと1000万円くらいに」
568: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:46:05.10 ID:rQDNX/oi0
絵里「……あの子が、そんなに掛けをしていたなんて」


真姫「…必死だったもの」

花陽「えっ?」

真姫「ことりはこの1か月…ほぼ毎日店に来て接客してた。目の下のクマを化粧で隠して、私が声をかけても気丈に振舞っていたわ」

真姫「これだけの掛けをしてでもナンバーワンになりたかったんでしょうね。……何が彼女をそうさせたのかは、わからないけど」


花陽「あぅぅ…ことりちゃん……」

絵里「………」

にこ「何でよ!……何で、そんな馬鹿なこと」


バンッ!!


にこ「──っ」ビク


海未「にこ……あなたに、何がわかるんですか」
570: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:50:00.62 ID:rQDNX/oi0
にこ「………」チラ


絵里「……海未、落ち着きなさい」

真姫「……はぁ」

花陽「あわわわ……」



海未「ことりがどれだけの想いで……今までやってきたか……知っているのですか!?」ガシッ

にこ「っぐぅ………う、み……」


花陽「だ、ダメだよぉ…!今は仲間同士で争うべきじゃ…」アタフタ


絵里「………」

真姫「………」

花陽「絵里ちゃんっ、真姫ちゃん!!早く、海未ちゃんを一緒に止めようよ…!」
571: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@ (アメ MMc7-/WSt) 2017/02/04(土) 01:51:50.26 ID:7R2MzP9EM
怖い怖い怖い怖い
573: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:54:55.01 ID:rQDNX/oi0
真姫「…いい」

花陽「ふぇっ…!?」

絵里「手出しはするな……あんな目で制されたら、従うしかないわ」


ガツン!!


海未「つっ……う…」フラ


花陽(ぴやぁぁ…!!にこちゃん、あんな勢いよく頭突きを……)


にこ「アンタね、怒るか泣くか…どっちかにしろっての!!」


海未「……に、にこ…」


にこ「自分を責めるのはやめなさい。海未の気持ちは…痛いほどわかる。私だって悔しい」

にこ「あの子があんな風になるまで……私は気づいてやれなかったから。情けないわ、オーナー失格ね」
574: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 01:58:14.07 ID:rQDNX/oi0
海未「……私は…いつもことりの隣にいました」


海未「しかし、何も出来なかった。彼女が穂乃果に抜かされた時も…1位になった時も。……薄々わかってはいたんです」

海未「向けられた笑顔の裏にある……その闇に」


花陽「海未ちゃん……」ウルウル

にこ「ったく……ほんと、ここの連中って心の内を見せないのが多いわね」

絵里「にこが選んだんでしょう?」ニコ

にこ「…おっしゃる通りで」


海未「空になった薬の箱を見る度に…心が痛むんです。なぜことりが、ここまで身を削らなければならないのか」

海未「でも彼女はナンバーワンを目指していた。その努力や…信念の強さは、確かなものでした」

海未「だから私は……もう何も分からなくなって。止めるべきなのか、背中を押すべきなのか…」
576: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:08:10.78 ID:rQDNX/oi0
にこ「………」

海未「ことりは元々…積極的に営業を行ってはいなかった。仕事もありましたし、あくまでもこちらは副業ですから」

海未「でも…彼女は私と肩を並べるため、いつからかその天性的な才能で…次々と常連客をつけていきました」

絵里「……そうね。たった3日で、私達と変わらないくらいの売上をあげたんだもの。あれは伝説ね」


海未「………」

海未「順位が落ちた日に、暗いベランダで泣いていた時も……多額の売り掛けをしていないと答える際に、動揺した時も…っ」

海未「私は見て見ぬ振りをしました。助けられるチャンスはいくらでもあった!でも、その度に理由をつけて……!!」


真姫「やめて。懺悔なんて…聞きたくない」


海未「……っ」


花陽「ま、真姫ちゃん…!?そんな言い方は」


真姫「あなたまで自分を見失ってどうするのよ。誰がことりを支えるの?」

海未「そ……それは……」
577: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:10:41.69 ID:rQDNX/oi0
真姫「……今やるべきなのは、一刻も早くこの問題を解決すること。そして日常を保つこと」

真姫「他に知られたら不安の種を撒くことになるわ。だから私達8人は…隠し通さなきゃいけない」


絵里「…その通りね。海未、あなたの存在は…今まであの子を支えていた。これは確かよ」

絵里「だから気に病むことなんてない。誰かが道を踏み外したら、全員で引き戻せばいいの」

海未「…………」グスッ

花陽「うんっ…!私達はずっとそうやってきたもんね♪」


にこ「とりあえずこれだけは言える。敵が組織ぐるみでことりを罠に嵌めたんなら、相手取ったのはこの店よ」



にこ「──だから、その喧嘩買ってやるわよ。私達は絶対に許さない」
578: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:13:51.17 ID:rQDNX/oi0
海未「……っ…にこ、ありがとうございます」



にこ「じゃ…悪いけど、花陽と真姫は表に出て希呼んできてくれる?ことりのことは3人に任せるわ」

真姫「……はいはい」

花陽「えっと……」

にこ「ここから先は〝大人〟に任せなさい」ニコ


真姫「…行くわよ。花陽」

花陽「う、うん!」


ガチャッ


絵里「……真姫って、あんなことも言うのね。少し意外だわ」
579: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:15:02.41 ID:rQDNX/oi0
にこ「クールでしょ。とりあえず…借用書って法的な効力は無いのよね?」

海未「はい。裁判で訴える時に使用するくらいです」

にこ「んー…じゃあ無理か。相手も掴めないようじゃ余計ね」


海未「……あの、ことりの事なんですが…」

にこ「わかってる。しばらく休業させるわ」

絵里「あの子がそれで納得するの?」

にこ「これは命令よ。敵の思うツボなのは重々把握してるけど…精神的な負担がね」

絵里「……そう」

にこ「だから絵里、海未。アンタらにはより頑張ってもらうことになるわ」

海未「私はいくらでも働きます。ことりが…本当に休めるのなら」
580: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:17:21.32 ID:rQDNX/oi0
にこ「ま、穂乃果もいるからカバーは何とか出来ると思ってるけど」

絵里「……穂乃果ね」


海未「それで……にこ、ことりの売り掛けはどうなるんですか」

にこ「原価分は貰うわ。あとは…taxもあるけど、私が全部負担する。これで結構少なくなるでしょ」

にこ「うちの稼ぎ頭だったからね。それぐらいはさせて」

海未「……ありがとうございます」


ギィィ…


希「うちのこと呼んだ?」

にこ「遅い。何してたのよ、もう」
581: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:19:48.62 ID:rQDNX/oi0
希「ことりちゃんを泣き止ませてたん」

海未「希…!その…ことりは」

希「大丈夫。もう落ち着いてくれたよ」ニコ

海未「………」ホッ


にこ「とりあえず、店の皆には売り掛けを安易に行わないようにだけ伝えるわ」

絵里「対策としてはそれが一番ね」

希「あとは…気をつけることとして、情報の漏洩とかかな?」

海未「はい。これ以上の被害を出したくはありませんから」



シーン……


絵里「じゃあ本格的に話しましょうか」

にこ「……えぇ」
582: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:21:36.99 ID:rQDNX/oi0
─────


~ホストクラブ~


ガチャン


穂乃果「あれ…?いつもホールには凛ちゃんや花陽ちゃんがいるのに…」


真姫「っ……」ビクッ


穂乃果「あ、真姫ちゃん!珍しいね?」

真姫「まぁ…今日は少し早く来たの」

穂乃果「他のみんなは?」

真姫「……さっきね、ことりが体調不良で倒れたらしいのよ」


穂乃果「えっ……!?!?」

真姫「だからじゃないかしら。詳しくは知らないわ」
584: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/04(土) 02:24:55.80 ID:rQDNX/oi0
穂乃果(そんな……ことりちゃんが…っ)


穂乃果「じ、じゃあ…もう働かないの?」


真姫「…しばらく休むみたいよ」

穂乃果「そっ……か」


穂乃果(あれ…???)


穂乃果(なんで…、今……私は)

穂乃果(そっか、なんて言葉が出たんだろう)

穂乃果(…なんで…心が軽くなったんだろう……)


真姫「…穂乃果?」

穂乃果「……!ご、ごめん」


穂乃果(最悪だ……最低だよ。でも、頭の中ではわかってる…)

穂乃果(これはチャンスなんだって…っ)チラ


【ナンバー1 絵里】

【ナンバー2 穂乃果】

【ナンバー3 海未】



穂乃果「………」ゴクッ
626: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 18:22:35.08 ID:CtZz6PHq0
─────


ツバサ「……、ふぅ」ギシ


ツバサ(今日はいい天気ね…。こうして室内にいるのは勿体無い気がするわ)

ツバサ(…といっても、外に出る予定なんてないから)

ツバサ(普段忙しいと…暇な時間を持て余してしまうわね)


ピロン♪


ツバサ「……あら?」


穂乃果<ねっ。今から会えるかな?


ツバサ「穂乃果さん…?」



ツバサ<えぇ、大丈夫よ
627: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 18:25:16.62 ID:CtZz6PHq0
ツバサ(どうしたのかしら…。また悩んでいるとか?)

ツバサ(といっても今は朝の9時。これだと会うのはお昼過ぎになりそうね)


穂乃果<わーい!じゃあ1時間後、〇〇駅前に来てね♪


ツバサ「え……はっ??」


ツバサ<ちょっと穂乃果さん、それだと15分しか準備する時間が無いんだけど

穂乃果<あー…急でごめんね!でも10時には来て欲しいです!

穂乃果<スタンプ(土下座クマ)



ツバサ「唐突過ぎるわね……」


ツバサ(まぁでも…断る理由はないわ)
628: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 18:32:48.57 ID:CtZz6PHq0
~駅前~



ツバサ「……って、来ないじゃない!!」

ツバサ「あれだけ呼んでおいて本人が遅刻ってどういうことよ!?もう!」


ツバサ(あんなに慌てて用意したのに…。だって、変な格好じゃ恥ずかしいし…)

ツバサ(この私が……馬鹿みたいね)フッ


通行人1「なにあの子…」

通行人2「あれじゃない?ドタキャンされたとか」

通行人1「まぁあんまり見ないようにしよう」


ツバサ「……っ、ゴホンゴホン」


ツバサ(ダメよ…。私、もっとクールに……)ワナワナ
629: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 18:35:23.62 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「ごめーーんっっ!!」ズサー


ツバサ「……!穂乃果さん」


穂乃果「ごめんなさい!!歩いてたら近所のおばちゃんに世間話されて、そのあと外国の人に道案内を頼まれて、駅前でセールスの人に捕まって、更に電車が目の前で行っちゃったの…」

ツバサ「さ、災難だったわね……」ヒキツリ


穂乃果「もー疲れた…。なんで皆声かけてくるんだろう。下手に断れないし…むぅ」

ツバサ「…っふふ。きっと穂乃果さんの人相や人柄がいいからじゃない?」

穂乃果「へ…?」


ツバサ「つまり、話しやすいって事よ」

穂乃果「なるほど…。それって得なのかな?」

ツバサ「間違いなく得よ。人脈の幅が広がったり、人間として信頼されやすいわ」
630: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 18:40:39.37 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「わ、やった!」


ツバサ「あなたの仕事でも、それが発揮されているでしょう?」

穂乃果「確かに私達の仕事は人を惹き付けないと何もならないもんね。…ありがとう、ちょっと自信付いちゃうな」

ツバサ「……逆に損する事と言えば、利用されやすいという点ね」

穂乃果「利用…って、私が?」

ツバサ「素直だから影響されやすいのよ。人によるかもしれないけど…」


穂乃果「……うーん。私の周りに悪い人はいないからよくわからないや」

穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃんはいい子だし…他の先輩にも親切な人はいる」

穂乃果「あっ。にこちゃん達のことは…ちゃんと警戒してるから、大丈夫だよ」
631: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 18:43:16.32 ID:CtZz6PHq0
ツバサ「………」


穂乃果「でも、やっぱりツバサさんが一番だよ。いつも色々お世話になってるから…感謝してる」ニコ

ツバサ「……感謝されるほどの事はしていないわ」


穂乃果「あーーっ!!」

ツバサ「ま、まだ何かあるの…??」ビク


穂乃果「ヤバイ!このまま行くと…最後間に合わないよっ!」

ツバサ「え?」


グイッ

穂乃果「さ、行こう♪今日は私が全部エスコートするから!」

ツバサ「ちょっと…!」
632: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 18:54:42.50 ID:CtZz6PHq0
~遊園地~



ツバサ「えっと……ここは…」

穂乃果「見ての通り!遊園地です!」

ツバサ「何年ぶりかしら…こんなの」

穂乃果「あれ?ツバサさんってあんまりこういうの……好きじゃナカッタ…?」アセアセ

ツバサ「い、いえ!嬉しいわ!」

穂乃果「良かった…。出だしからミスしちゃったかと思ったよ。セーフだね」

ツバサ(そもそもスタートに遅刻してる時点で……。って、思いっきり心の声が漏れてるわね)クス


穂乃果「最後に来たのはいつぐらいなの?」


ツバサ「………20年前?」

穂乃果「うえっ!?もしかしてツバサさん……、30代?」
634: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:01:30.71 ID:CtZz6PHq0
ツバサ「なっ…失礼ね!私がそんなオバサンなわけないでしょうっ///」

穂乃果「だ、だよね…!!びっくりしちゃった…あはは…」


ツバサ「歳はあなたの1つ上よ。全く…」

穂乃果「ごめん…怒らないで」シュン

ツバサ「………」チラ


ツバサ「嘘よ。別に、これぐらいで怒ったりしないわ」

穂乃果「えへへ♡ありがとう♡」

ツバサ(……もう少し怒っておけば良かったかしら…)


穂乃果「そんな前ってことは…ツバサさんが4歳くらいの時?」

ツバサ「えぇ。両親と一緒にね」
635: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:05:04.17 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「それから1回も行かなかったの…?」

ツバサ「…あまり家族行事をしない家だったの。ただそれだけよ」

穂乃果「……そっか…」


ツバサ「喋りすぎたわね。ごめんなさい、私の話なんて興味な…」

穂乃果「じゃあさ、今日は私といっぱい思い出作ろうよ」ニコ


ツバサ「……っ…///」


穂乃果「お姉さん!大人2枚でお願いしますっ」

受付「はい。3000円になります♪」

ツバサ「ね、ねぇ…私も払うわよ?」

穂乃果「大丈夫!言ったでしょ?今日は私に全部任せてよ♡」

ツバサ「………」


ツバサ(あなたって…人は)

ツバサ(私をどれだけ弄べば気が済むの…?)
636: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:07:36.85 ID:CtZz6PHq0
~園内~



穂乃果「よーし!とりあえずアトラクションに乗ろっか!」

ツバサ「私…そういうの、あまりよくわからないわ。小さい頃だったから記憶が無いの」

穂乃果「楽しいよ♪昇天とか特にね!」

ツバサ「昇天……?」

穂乃果「あれだよ、ほら。ジェットコースター!」ビシ

ツバサ(あぁ…よくある乗り物ね)クルッ


『ぎゃあああぁぁぁっっぅぁ!!!!』


ツバサ「」

穂乃果「うわー、いつ見ても凄いなぁ」

ツバサ「……ジェットコースターって、こんな悲鳴が聞こえるものなの…?」
637: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:12:56.64 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「え?そりゃスリルがあるアトラクションだし…」

ツバサ「いや、明らかに断末魔の叫びだったのだけれど」

穂乃果「気のせいじゃない?」


『いやぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁっっ………!!!』


ツバサ「絶対そうよね。もう泣いてるわよね」

穂乃果「きゃー!って叫んだ方が盛り上がるよ?」


ツバサ「………」

穂乃果「……??」

ツバサ「ところで、あのアトラクションの名前…昇天って言うのよね」

穂乃果「極楽浄土へ行っちゃいそうな感覚になるから、昇天って名前らしいよ!」
638: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:16:35.71 ID:CtZz6PHq0
ツバサ「ぜっったいに嫌よ!!」ズイッ


穂乃果「な、何がですか…!?」ビク

ツバサ「もう殺す気じゃない!大体名前の付け方が不謹慎過ぎるのよ、本当に事故が起きたらどうするつもりなの…!」

穂乃果「大丈夫!私が子どもの時からあるから、音がギシギシするだけで事故は起こってないよ!」

ツバサ「それ築何年よ!?もう私は乗らないから…!」

穂乃果「えーーー!!なんで…?」

ツバサ「こわ……そんな子どもっぽい乗り物、お断りさせてもらうわ」



ツバサ(もう!私が…怖いなんて……言える訳ないじゃない)
640: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:20:07.47 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「そんなぁ…。これをツバサさんと一緒に乗るのを楽しみにしてたのに……」ガクッ


ツバサ「………」

穂乃果「うぅ……ぐすん…」ウルウル

ツバサ「………っく…」

穂乃果「はぁぁ……」シュン


ツバサ「わ……わかったわ!!」


穂乃果「ぇっ…本当に!?」

ツバサ「で、でも……その…」



ツバサ「手を握ってくれるなら…//」ボソ

穂乃果「……うんっ///」
641: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:24:53.48 ID:CtZz6PHq0
─────



穂乃果「ん~♪やっぱりいつ乗っても楽しいなぁ」

ツバサ「………は、ははっ…」

ツバサ(三途の川が見えたわ……)


穂乃果「あ。そろそろお腹空かない?」

ツバサ「…園内にレストランでもあるの?」

穂乃果「あるけど…色々軽食を買ってさ、あそこのベンチで食べようよ。ワッフルとかクレープとか美味しいんだ!」

ツバサ「甘い物ばかりじゃない…」クス

穂乃果「うっ…」

ツバサ「でも、構わないわ。それもデートプランの1つ…なんでしょう?」

穂乃果「えへへ…♡ありがとう」
642: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:27:21.66 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「じゃ、今からかき集めてくる!!ちょっと待っててね!」ダッ

ツバサ「ちょっ……私も行くわよ!?」


タタタッッ…


ツバサ「……って、もういないし」

ツバサ(はぁ…、少し疲れたわね。大人しくベンチに座って穂乃果さんを待ちましょう)


ツバサ「それにしても……いい天気」ニコ





──

───


ツバサ「………ぅ…ん…」ウトウト

ツバサ「っ、ダメよ。寝るなんて失礼ね」

ツバサ(あれからどれくらい経ったのかしら…)チラ
643: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:29:51.42 ID:CtZz6PHq0
彼氏「おいおい、はしゃぎすぎだぞ」

彼女「だって嬉しいんだもん♡」

彼氏「遊園地くらい何回でも連れてきてやるよ」

彼女「でも…これから何が起こるかなんて、わからないでしょ?だから今日っていう1日が特別に思えるの」

彼氏「…お前と俺の気持ちが変わらない限り、何があったって大丈夫だよ」



ツバサ「…………」

ツバサ(その考え方は正しい。でも、何があっても大丈夫とは絶対に言いきれないわね)

ツバサ(信頼や愛情なんてのは…儚くて脆いものよ。いつ壊れても不思議じゃない)

ツバサ(だから皆…保険を掛けて、予防線を張って、自分が傷つかないように立ち回るの)


ツバサ(……そんな場面は、嫌という程見てきたから)フゥ
644: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:33:04.90 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「ツバサさん……?」ノゾキコミ

ツバサ「っ……!?」ビク


ツバサ「お、遅かったじゃない。何を買ってきてくれ…」

穂乃果「……辛いの?」

ツバサ「なっ……」

穂乃果「悲しい顔、してた。寂しくさせちゃったかな…?」ニコ

ツバサ「……え、えぇ…」

穂乃果「ごめん…」


ツバサ(考え事が表情に出てた??いや、この私が見抜かれるなんてこと)

ツバサ(まさか……これも穂乃果さんの才能だというの?)


穂乃果「あー…ダメダメだなぁ。他の皆みたいに、カッコよく出来ないよ」

穂乃果「ツバサさんにとって…特別な日にしたかったのにさ」

ツバサ「……まだ2時よ?その言葉は少し早いんじゃないかしら」

穂乃果「……ツバサさん」

ツバサ「それに…今こうして話すのも、私にとっては特別な時間よ」ニコ
645: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:37:04.63 ID:CtZz6PHq0
─────


穂乃果「ふぅ…、こっちこっち!」タッタッ

ツバサ「…これに乗るの?」


男「あーお客さん!もうすぐ遊園地が終わりなんで、受付は…」

穂乃果「えー!?お願いします!すぐ乗るから!」

男「観覧車をどうやって早く乗るんすか!?」

穂乃果「そこを何とか!!ねぇお兄さん!」

男(あ、あれ……この子かわいいぞ)


ツバサ「…仕方ないわね。もう諦めましょう」


男「すぐ!乗ってくださいねっ」ガチャン


穂乃果「わーい!ありがとうございます♪」

ツバサ「えぇ……」

穂乃果「ツバサさん!ほら、行こう」
647: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:39:30.00 ID:CtZz6PHq0
~観覧車~



穂乃果「綺麗だね~……」ホワーン

ツバサ「ちょうど夕日が沈みそうね」

穂乃果「うん…」


ツバサ「………」


ツバサ「この後……仕事、なのよね?」

穂乃果「ごめん…。今夜は休めそうにないんだ」

ツバサ「別の日にすれば…夜まで一緒にいれたのに。なぜ今日だったの?」

穂乃果「この前言ってたでしょ?今日は久しぶりの休みになりそうって」

ツバサ「あ…」
648: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:43:41.53 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「だから、もう今日しかないと思った!」

ツバサ「なるほどね」ニコ

穂乃果「急になっちゃったのは…その…サプライズしたかったからなんだ」

ツバサ「えっ…?」


パカッ


穂乃果「これ、ツバサさんに。安物のネックレスかもしれないけど…きっと似合うと思って」ニコ

ツバサ「っ……」


穂乃果「受け取ってくれるかな…?」

ツバサ「これを……私に…」

穂乃果「うんっ」ニコ

ツバサ「……ありがとう…///」ボソ

穂乃果「ふふっ♡どういたしまして!」
649: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:46:16.55 ID:CtZz6PHq0
ツバサ「あの…でも、私……何も持ってきていないの」

穂乃果「大丈夫だよ。私にとっては、ツバサさんといれた時間が最高のプレゼントだから」


ツバサ(……ずるいわね。本当にあなたは)


穂乃果「ね、私が今つけてあげる。後ろ向いて?」

ツバサ「えぇ…ありがとう」

カチッ

穂乃果「……うん。やっぱり似合ってる♡」

ツバサ「そ、そうかしら…//」

穂乃果「間違いないよ!」ニヘ


ツバサ「…ねぇ、穂乃果さん」

穂乃果「ぅん…?」


ツバサ「……好きよ」ギュゥ
650: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:48:03.64 ID:CtZz6PHq0
穂乃果「え、っと…ぉ…//」ドキドキ

ツバサ「また……連れてきてね…?」チュッ

穂乃果「んむっ……////、うんっ♡」

ツバサ「……」ニコ



穂乃果「うーんと…///あっ、そうだ!最後に記念撮影しよう?」

ツバサ「え…?」

穂乃果「ほら。思い出作りにさ…、後から見返す時に必要だよ」

ツバサ「……ごめんなさい。私、写真はあまり好きじゃないの」

穂乃果「へっ?あ…」

ツバサ「………」

穂乃果「いや…!私こそごめんね。全然大丈夫だよ!」


男「到着でーす、すぐ降りてください!」
652: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:52:09.74 ID:CtZz6PHq0
─────



海未「ことり、今日も体調は優れませんか?」


ことり「……うん」

海未「そうですか…」

ことり「………」ゴロン

海未「あの…暇潰しに、色々な雑誌を持ってきました」トン

海未「あとテーブルの上に、炒飯と煮物があります。食べてくださいね」ニコ

ことり「………」


海未「……では、行ってきます」ガチャ


バタン
653: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:55:07.06 ID:CtZz6PHq0
ことり(海未ちゃん……ごめんね…)ウルウル

ことり(私……もう…)



ことり(結局…請求された掛け分は、お店に全て返した)

ことり(後々に飛んだ人を見つけたら…私にその分を渡すって言われたけど、もう無理だよね…)

ことり(どれもこれも…私が弱かったから)

ことり(信じてた人達に裏切られて……、もう人とお話するのが怖いよ…)


ことり(私は皆に迷惑を掛けた。にこちゃんは気にするなって言ってくれたけど)

ことり(でも……それさえも信じられなくなってきて…)
654: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/05(日) 19:59:05.92 ID:CtZz6PHq0
ことり「っぐす……」チラ


ことり「わ…可愛い雑誌…。海未ちゃんらしいなぁ。私が好きそうなものを集めてくれたんだね……」


ことり(手芸、お料理、ペット…あれ?月刊川柳……海未ちゃんのも混ざってる)ニコ

ことり(海未ちゃんも本当は可愛い雑誌、読みたいのに隠してるんだよね…ことり知ってるよ♡)


ドサ

ことり「あっ……落としちゃった…」


【今の流行はコレ!最先端ファッション】


ことり「………」パラ


ことり(……こんなの見なくても、洋服のお店で大体の傾向はわかるよね…)

ことり(…あ。今のヨーロッパではこんなデザインが注目されてるんだ)

ことり(こっちは有名なデザイナーさんのインタビュー…。私が会った事のある人も掲載してある……)


ことり「………」
658: 名無しで叶える物語(しまむら)@ (ワッチョイ 7f64-TrxJ) 2017/02/05(日) 20:13:35.25 ID:vNRw74Mm0
(;8;)かわいそうちゅん...
668: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 00:59:31.79 ID:brL7Yf/W0
─────


~ホストクラブ~



穂乃果「ふわぁ……」

大学生「穂乃果ちゃん…疲れてる?」

穂乃果「ちょっとね…。最近出勤も増えて、寝不足なんだ」

大学生「そっか…。大変なんだね」

穂乃果「でも〇〇ちゃんと会えるから、どうってことないよ!」ニコ

大学生「ありがとう…///」


穂乃果(はぁ、ヤバイ。早くも酔いが回ってきた…やっぱり疲れてるなぁ)

大学生「そういえば、ことりちゃん…しばらくお休みするんだよね」

穂乃果「う、うん…。大変だよね。体調不良なんて」
669: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:07:18.53 ID:brL7Yf/W0
大学生「…表向きはそうなってるんだ」

穂乃果「え…?」


大学生「私、聞いちゃったの。ある日ここから帰るときに…誰かが話していた内容を」

穂乃果「それって……」

大学生「ことりちゃんのお客さんがね、多額の掛けを飛んだんだって。それで心身共に疲れ果てたから…お店をお休みする事になったって」

穂乃果「い…いや、私はそんなの全然聞いてないよ…?」

大学生「…?何でだろう。穂乃果ちゃんだけ?」

穂乃果「あ…でも、皆そう言ってた。真姫ちゃんも凛ちゃんも、花陽ちゃんも……体調不良だって」

大学生「あれ…、変だね。そういうことにしてるのかな。本来は違ったんだよ」
670: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:09:29.95 ID:brL7Yf/W0
穂乃果(あの3人や、他の先輩は知らないんだ)

穂乃果(ということは……。これ、幹部だけで内緒にしてる?)

穂乃果(まただ…。また、にこちゃん達だけが動いてる)

穂乃果(やっぱりこの店には……何かがある)



大学生「だからナンバーワンは絵里ちゃんになったんだよね。でも穂乃果ちゃんは2位だし…チャンスだねっ」

穂乃果「…そう、だね」

大学生「私…頑張るから!今月こそ1番になろう」


穂乃果「………あ、あのさ…」

大学生「なぁに?」
671: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:13:21.86 ID:brL7Yf/W0
穂乃果「今月末……、タワーして欲しいんだけど…ダメかな」

大学生「タワーって、シャンパンタワー?」

穂乃果「……うん」


大学生「えっと……待ってね。貯金あったかな…」

穂乃果「それがあれば…きっと絵里ちゃんに勝てると思うんだ」

大学生「う、うん……」

穂乃果「もう後がない…。ダラダラ続けてても、ナンバーワンになれない気がして。下克上は勢いが大事だと思うから」

穂乃果「だから…私が話題になってるうちじゃないと……」


大学生「お金って…いくらくらい必要なの?」

穂乃果「ボトルの値段によって全然違うんだけど……300万くらいかな」
673: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:15:53.42 ID:brL7Yf/W0
大学生「ちょ、ちょっとそれは…厳し」


穂乃果「お願い…っ!〇〇ちゃんにしか頼めないんだ…」ギュ

大学生「あぅっ……///」

穂乃果「私を助けてよ…。ナンバーワンになったら、一緒に〇〇ちゃんの好きなことしよう?」

大学生「……本当に?私と…何でもしてくれるの?」

穂乃果「うんっ!約束するよ」

大学生「わかった…。今月末だよね……?」

穂乃果「わっ、ありがとう…!大好きだよ♡」


大学生「ううん…///恋人だもの……当たり前よ」


穂乃果「…………」



穂乃果(っ…これでいいんだよね……?ツバサさん)
674: 名無しで叶える物語(庭)@ (アウアウカー Sae7-PTJn) 2017/02/06(月) 01:16:07.54 ID:IkNX25s9a
うわぁ……
675: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@ (ワッチョイ 4374-dY2R) 2017/02/06(月) 01:18:43.42 ID:7yfrYFcz0
やめてくれ…
677: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:20:39.23 ID:brL7Yf/W0
ウェイター「失礼致します。穂乃果様、あちらのお客様から一夜指名が入っております」

穂乃果「あ、はい!」

穂乃果(って…もうあと1時間しかないのに……。はぁ…)


大学生「……穂乃果ちゃん…」シュン


穂乃果「今日はもう帰ってこれないかも…。また来てね?」ニコ

大学生「……うん♡」


穂乃果「よっ、と…」スクッ


穂乃果(んー……どこのテーブルって言ってたっけ…)キョロキョロ


穂乃果「あぁそうだった、あそこの……っ」クラッ


穂乃果(やばい…!!目の前が…、グラグラして……)
678: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:22:37.97 ID:brL7Yf/W0
ドンッッ!


穂乃果「いたたたっ…!!」

「っつ……ぅ…」


穂乃果(あぁ……振り返った瞬間に、何かに頭をぶつけたんだ…)



海未「2人共…!何をしているんです!?」


真姫「っ、穂乃果が急に方向を変えたからよ!」


穂乃果「…え?真姫ちゃん!?」

真姫「はぁ…。頭が割れそうなんだけど……」

穂乃果「ご、ごめんなさい…!!」

海未「怪我をしているのなら、手当てさせましょうか?」
679: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:24:46.01 ID:brL7Yf/W0
真姫「私は…別にいいわ。どうせもう帰るところだから」

海未「…大事に至らなくて良かったです。穂乃果は?」

穂乃果「私も、大丈夫…!」フラッ


真姫「……いや、大丈夫じゃないでしょ」

海未「頭を見せてください」

穂乃果「うん……」


海未「…特には腫れてませんね。これなら安静にしていれば……」

真姫「待って」

海未「え?」

真姫「…じっとしてなさいよ」ピトッ


穂乃果(あわわっ///真姫ちゃんの手が…おでこに……じゃなくて、何でこんなに顔が近いの!?)
680: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:27:04.27 ID:brL7Yf/W0
真姫「やっぱり。発熱してるわ」

海未「熱があったのですか…!?」

穂乃果「え!?全然気付かなかったよ…」


真姫「多分…お酒だけで熱があるわけじゃ無さそうね。今日のあなた、ずっと眠そうだったから」

真姫「まぁ疲労からくる発熱…軽い風邪なんじゃない?今から上がる可能性もあるから、休んだ方がいいわ」

海未「そうだったんですか…。穂乃果、もう今日は帰って良いですよ。後のことは私がやっておきます」

穂乃果「えっ、と……ごめんね。最後まで出来なくて」

海未「大丈夫ですよ。…では、真姫?よろしくお願いしますね」ニコ


真姫「は…?」

海未「一緒の部屋でしょう?責任を持って連れて帰ってください」

真姫「な、なんで私がそこまで面倒見なきゃいけないのよ…!」

穂乃果「……真姫ちゃん…」

真姫「っぐ……」

海未「まぁ事故とはいえ、穂乃果は真姫とぶつかった訳なので…」

真姫「わ、わかったわよ…!!」



真姫「穂乃果!ほら…行きましょ」

穂乃果「うん…っ、真姫ちゃんありがとう」 ニコ
681: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:29:11.45 ID:brL7Yf/W0
~マンション~


真姫「…タオル冷やしてくるから、そこで寝てなさい」

穂乃果「はひぃ…」クタ


穂乃果(うぅぅっ……頭がボーッとする…)

穂乃果(さっき体温計で測ったら38度ちょっとあったし…真姫ちゃんの言ってた事が的中してるよ)

穂乃果(あのまま働いてたら…帰り道に倒れてたかも)



真姫「…じっとして」パサ

穂乃果「ぁっ……う…冷たい…」

真姫「悪いけど、一応マスクしてくれる?私にまで風邪が伝染ったら共倒れだから」

穂乃果「うん…そうだよね…っ!」ゴソゴソ
682: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/06(月) 01:30:47.36 ID:brL7Yf/W0
真姫「……酔いは覚めた?」

穂乃果「まだちょっと抜けてないかも…」

真姫「そう。なら1度寝た方がいいわ」


穂乃果「…ふわぁ……わかったよ……」ムニャ


穂乃果(あぁ……瞼が重い。すぐにでも意識が飛んじゃいそう…)


真姫「穂乃果…、ねぇ」


穂乃果「ぅ……ん?」


真姫「あなたは…」


穂乃果(あ、もう……ダメだ……)

穂乃果(風邪…ツバサさんにうつしてなきゃいいな……)


穂乃果「………」スゥ


真姫「…よっぽど眠かったのね」


真姫「おやすみ。穂乃果」
715: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:10:42.84 ID:AinNNIol0
─────


穂乃果「…んむ……」パチッ


穂乃果「うぅ、頭がズキズキする…」

穂乃果「あれ……昨日は何があったんだっけ…」


穂乃果(確かツバサさんとデートして、その後仕事に…それから……)


ガッシャーーン!!


穂乃果「ふぇっ!?」


ヴェェェ…



穂乃果「真姫ちゃん…?キッチンの方かな?」ガラッ


真姫「っ…穂乃果!?もう起きたのね……」
716: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:17:38.11 ID:AinNNIol0
穂乃果「ものすごい音がしたけど…大丈夫?」

真姫「な、何も無いわよっ」

穂乃果「いや…何も無いわけは」

真姫「ちょっと熱くてびっくりしたの…!//それだけよ!」

穂乃果「……??」



真姫「それより…その、食べなさいよ」コトン

穂乃果「えっと……これってお粥?」

真姫「えぇ。卵を入れておいたわ」

穂乃果「………」


穂乃果(卵っていうか…黒い玉子焼きが塊で入ってるようにしか見えないんだけどなぁ)アセアセ
717: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:25:10.57 ID:AinNNIol0
真姫「…遠慮しなくていいのよ。栄養をつけないと良くならないわ」

穂乃果「あははは…」

穂乃果(うぅぅ…どうしよう……)


真姫「……私、普段料理なんてしないから。食べたくなかったら無理し…」シュン

穂乃果「むぐっ…!!う、うわー!美味しいなぁ!」モグモグ

真姫「……!」パァァ

真姫「…っ、ゴホン……良かったわ」



穂乃果「ありがとう真姫ちゃんっ♡」

穂乃果(食べられないって味でもないし…、一生懸命作ってくれたものは貰わないとね)
718: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:29:20.35 ID:AinNNIol0
真姫「見た感じ、熱は下がってるみたいね」

穂乃果「あ…確かに体が軽いかも。頭も痛くないよ」

真姫「じゃあお風呂でも入ってきなさい」

穂乃果「うん!全部食べ終わったらいくね」


パクパクパク


穂乃果「あむっ……ん、ご馳走さまでした!」


真姫「余ってるけど…まだ食べる?」

穂乃果「あ…!ううん、お腹いっぱいになったし……」ニコニコ


穂乃果(もうちょっと塩を入れた方がいいっていうのは…言わない方がいいよね。うん。好意を無駄にしちゃう)

穂乃果(また一緒に、2人で何かを作った時にでも…)チラ
719: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:33:03.06 ID:AinNNIol0
穂乃果「あれ…、このお皿の底すごく可愛いね!」

真姫「えっ……?あぁ…」



穂乃果「真姫ちゃんってキャラクターもの好きなんだね♪ちょっと意外だなぁ」

真姫「…私じゃなくて、前に同居してた人の趣味よ」

穂乃果「ま、前に…?」

真姫「えぇ。ホストとしてあの店に入って来たけど……3ヵ月で辞めてしまったわ」

穂乃果「そうだったんだ…」


真姫「……今となっては懐かしい話ね」

穂乃果「ねぇ、その人って何で辞めちゃったの?」

真姫「彼女は…最後まで馴染めなかったわ。明るい人柄を買われて、あの店で働き始めたけど……徐々に暗くなっていった」
720: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:39:27.25 ID:AinNNIol0
真姫「でもそれが普通なの。皆そうやって去っていくから。私も、苦しむ彼女をあれ以上見たくなかった」

穂乃果「…それで、辞めたんだね」

真姫「私も誘われたわ。もうこんな業界で働くのは辞めて、まともな仕事についたらどうかって」

穂乃果「………」


真姫「でもね。あいにく私はまともじゃないの。この世界でしか生きられない…生きてはいけないから」

穂乃果「…それって……どういう意味なの?」

真姫「…言葉通りの意味よ」

穂乃果「えっ…と……」


真姫「とにかく、穂乃果は穂乃果らしく生きなさい。誰にも流されたり…干渉されることなく」

真姫「それがきっと正解なのよ。だから、エリーに勝ちたいなら頑張りなさい」ニコ
721: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:44:53.69 ID:AinNNIol0
穂乃果「……うん!ありがとう。頑張るよ」


真姫(最初に穂乃果を見た時は…1週間も持たないと思ったけど)

真姫(…不思議なものね。彼女は時間が経つ事に成長し、変化している)


穂乃果「あ!ところで真姫ちゃんってさ……もう私のこと好き?」

真姫「………!?!?///」ビク

穂乃果「初めに会った時はね、厳しくて怖い人だなぁって印象だったんだ。実際に全然構ってくれなかったし…家に帰ってもいないし」

穂乃果「でも今はまるっきり逆。優しくて可愛いくて、私が困ってるとさり気なく助けてくれたりするよね」ニコ


真姫「そ……っ、そんなの…気のせいよ//」ボソボソ

穂乃果「だから私は真姫ちゃんのこと、大好きだよ!凛ちゃんから歳下って聞いた時はびっくりしたけど…子どもっぽいとこもあるし、納得したなぁ♡」

真姫「ヴェェ……////と、歳上なのに…穂乃果の方が子どもっぽいじゃない!」

穂乃果「あはは♪そうかもねっ」
723: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:49:30.02 ID:AinNNIol0
真姫「……まぁでも…、あなたと会えて良かったわ」ニコ


穂乃果「…!?真姫ちゃん!もう一回言って!」ガシッ

真姫「ちょっ…///言わないわよっ!」

穂乃果「えー!録画して凛ちゃんや花陽ちゃんに聞かせたいんだよ~」

真姫「絶対言わないから!!」

穂乃果「うぇ……はぁい」


真姫「……ねぇ穂乃果、困ってる事や悩みがあれば…私達に言うのよ」

穂乃果「…ありがとう。でも私は大丈夫だよ♪」

真姫「他に言いづらいなら…わ、私でもいいし……」

穂乃果「ほんと!?じゃあ思いついたら相談するね!」ニコ


真姫「………えぇ」
724: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 01:57:27.07 ID:AinNNIol0
─────


~事務所~


カタカタカタ…



にこ「あー……腰痛い」


希「!?」ガタッ

絵里「にこ…ほどほどにしておきなさいよ」ポン

にこ「ほどほどにすんのはアンタらよ!!」

希「えー?昨日はお楽しみやったんやないの?」

にこ「誰とよ、ったく…いい加減にしなさいよ」

絵里「そりゃあ…ね?」ニコ

希「うん♪ま、にこっちの手にかかれば?どんな女の子もメロメロやんなぁ」

にこ「んなわけないでしょ。私は一部の需要があればそれでいーの」
725: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:02:51.37 ID:AinNNIol0
絵里「ちなみに私には需要ありありよ?」

にこ「あーはいはい」

希「流石にお巡りさんにお世話になるのは嫌やわ…」

にこ「未成年じゃないつーの!!」


絵里「今日もにこは忙しいわね…」

希「ほんまやね…」

にこ「…ほぼアンタらのせいなんだけどね」



絵里「……ふぅ。今日は誰かのバースデーイベントよね?」

にこ「そうよ。何人来るかは知らないけど、まぁ顔は立ててやって」

希「その子のお客さんが少なかったらやりにくいんよねぇ。うちのテーブルだけで騒げへんし」
726: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:05:50.08 ID:AinNNIol0
絵里「…でもある程度は好きにしていいと思うわよ。それも勉強だと思うから」

にこ「ってかバースデーに稼げないのなんて、もう引退した方がいいレベルよ」

希「……まぁ言えてるなぁ」


シーン…


絵里「ことりは元気そう?」

にこ「海未が言うには、まだ少し落ち込んでるって」

希「そっか…。うちらも会いにいきたいんやけど、プレッシャー掛けてまうとアレやし…」

にこ「2人が心配してるとは伝わってるわ。ことりも、時間が経てば戻ってくる。私達はそれを待ちましょ」

希「…結局、あの後何も情報を掴めへんかったね。やれる事はやったんやけど……」

にこ「ッチ…。今思い出してもムカつくわ。ほんと、何の手掛かりもないなんて」
727: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:07:37.15 ID:AinNNIol0
絵里「でも海未はまだ、執念深く足取りを追ってくれているし…」

にこ「その件に関しては私達より海未の方が適任だもの。いつまでも店をあける訳にはいかないから…悔しいけど、あの子に任せましょ」

希「そやね…」

絵里「………」

にこ「……」


絵里「……ことりは、私を超えようとして無理をしたのよね」

希「えりち、もうそれは…」

にこ「結果から言えばそうなるわね」

絵里「また誰かが、私を目標にしてああなると思うと……今自分が何をするべきかわからなくなるの」

絵里「私は今まで…この仕事に全てを費やしてきた。そして1位をキープする事によって、その見返りを得ていたわ」

絵里「でも、私の存在が……また誰かを不幸にするなら…」
728: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:13:21.28 ID:AinNNIol0
にこ「絵里はうちのナンバーワンでしょ?」

絵里「…先月以前はね」

にこ「やりたいようにやりなさいよ。絵里がその場所を維持したいなら、すればいい」

にこ「もう疲れたなら…引退するか、希みたいに楽にやればいい」

にこ「…今まで色々と助けてもらってるからね。経営を安定させてくれたのは紛れもなくあんた達だもの」


希「ふふっ…。だって?」

絵里「………」

にこ「ま、私はどっちでもいいわ。絵里が辞めたらまた新しい人材を見つけるだけだし?」

希「あっ。そんなこと言って~。ほんまは寂しいんやろ?声が上擦っとるよ?」ニコ

にこ「う、上擦ってないわよ…!」

希「今がそうやったやん!」

にこ「っぐ……」


絵里「ありがとう。にこ」

にこ「…答えは決まったの?」

絵里「えぇ。私はやっぱり…この場所に拘りたい」

にこ「そっ……じゃあこの店を頼むわよ、絵里」

絵里「任せて」ニコ
729: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:19:33.14 ID:AinNNIol0
─────



prrrrrr……ピッ


ツバサ『穂乃果さん…風邪はもう治ったの?』

穂乃果『うん。ごめんね、ツバサさんは大丈夫だった?』

ツバサ『私は平気よ。体は小さいけど…そういうのには強いの』

穂乃果『良かった…。流石だね♪』

ツバサ『今は何をしているの?』

穂乃果『仕事に行くところ。今は歩いてるよ。夕方ってさ…普通なら家路を急ぐ人が多いんだけど、この街は逆だね』

ツバサ『そういう店が多いからね』

穂乃果『…不思議だなぁ。まさか、こんな場所を私が歩いてるなんてさ。あの頃は想像もつかないよ』
730: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:23:05.49 ID:AinNNIol0
ツバサ『あら、夕日でも見て感傷に浸っているの?』

穂乃果『……バレちゃった?ふふっ』


ツバサ『私も今、同じものを眺めているわ。場所は違うけど……こうして考えると神秘的ね』

ツバサ『離れているのに、あなたと同じ景色を見ているなんて』ニコ


穂乃果『ほんとは一緒にいて、同じ景色を見たいんだけどね』

ツバサ『……そうね』


穂乃果『あっ。ごめん…もうすぐ着いちゃうよ』

ツバサ『頑張ってね、穂乃果さん。応援しているわ』

穂乃果『うん!ありがとうっ…またね』


ピッ
732: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:27:02.98 ID:AinNNIol0
穂乃果「ふー…。ダメだなぁ、最近はため息がよく出るよ…」


穂乃果「よし、今日も……頑張ろう」ガチャッ



ガヤガヤ

ホスト1「……でさー、あの子ってば」

ホスト2「あはは!面白すぎでしょ!」


穂乃果(んー……それにしてもちょっと早く着きすぎちゃった)

穂乃果(この時間だと凛ちゃんと花陽ちゃんはいない、かぁ…)


ホスト1「あ、穂乃果ちゃんおはよう!」

ホスト2「おはよう~今日は早いねぇ」

穂乃果「…??お、おはようございます……」
733: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:33:15.77 ID:AinNNIol0
穂乃果(この2人、いつも私の陰口言ってるのに…。どういう風の吹き回しなんだろう)


ホスト1「私達、穂乃果ちゃんのこと大好きなんだよね」

ホスト2「だから…これからも仲良くしてね?ふふっ」


穂乃果(……あぁ、私に人気が出たからか)

穂乃果(わかりやすいなぁ。このお店では派閥なんてものがあるとは聞いてたけど…)

穂乃果(たぶん、上位陣から相手にされてなくて…私なら上手く利用出来ると思ったのかな)


ホスト1「……でさ、良かったら新規のお客さん少し回してくれない?」

ホスト2「お願い!私達を助けると思って~」


穂乃果「…すみません。今夜は常連さんしか来ないと思うので」
734: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:36:17.07 ID:AinNNIol0
ホスト1「そ、そう…。ふーん」

ホスト2「なーんだ。もう行こうよ」ボソ

ホスト1「ほんと使えないな……」


穂乃果「………」ハァ


穂乃果(…あれ、そういえば真姫ちゃんは?)

穂乃果(確か…。私より早くクラブに行くって言ってたよね?)

穂乃果(お店の出入口のところも、出勤ってなってたし…)


穂乃果「うーん……」キョロキョロ

穂乃果(ホールにいない?じゃあ更衣室とか…?でも着替えるのには早すぎるよね)



穂乃果(…とりあえず、あそこの隅で縮こまってる子に聞いてみようかな)
736: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:41:48.37 ID:AinNNIol0
穂乃果「あのー…」チョン


女の子「ひぃぃぃっ!?」

穂乃果「え…??」

女の子「ほ、穂乃果さんが…末端の私なんかに…何か御用でしょうかぁ……」クスン

穂乃果(うぅ…なんかすごく怖がられちゃってる…)


穂乃果「えぇと、真姫ちゃん見てないかな…?」

女の子「真姫さん…?ぅんと、向こうの方へ行かれましたよぉ」

穂乃果「へ?向こう……って」


女の子「はい…っ、事務所の方へ……」
739: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 7f00-SU7p) 2017/02/07(火) 02:51:41.94 ID:AinNNIol0
─────


穂乃果(なんで真姫ちゃんが……事務所に?)

穂乃果(基本、あそこに普通の従業員は行かないし…そもそもお金とか色々なものが置いてあるから、許可がないと出入り出来ないよね)

穂乃果(だからよく幹部だけが集まる…んだけど)


穂乃果「なんで…だろう」


「…、………よね」

「……って……みたい…」


穂乃果(っ……事務所に、やっぱり誰かが…)コソッ



真姫「……美味しい」

にこ「ほんと?ふふん…砂糖は控えめにしてみたのよ」
740: 名無しで叶える物語(茸)@ (スププ Sd9f-SU7p) 2017/02/07(火) 02:59:43.24 ID:KQoJFOq9d
穂乃果(え……?)

穂乃果(なんで、真姫ちゃんが……にこちゃんと一緒にいるの…?)


真姫「私のために?」

にこ「まぁ…ね」

真姫「……ありがとう」ニコ

にこ「っ…//と、とりあえず…今日も終わったら家に来るんでしょ?」

真姫「…うん」


穂乃果(私が尋ねた時に真姫ちゃんは、絵里ちゃんや希ちゃん、にこちゃんとは……あんまり接しないって言ってたよね)

穂乃果(じゃあ普段から真姫ちゃんが出掛けてるのって…)


にこ「疲れてるなら無理しなくていいのよ?」

真姫「平気よ。今日は体調いい方だから…」

にこ「……そっか」


穂乃果(普段、にこちゃんと一緒にいるのは…絵里ちゃん、希ちゃん、海未ちゃんだけだ。そして…闇に染まってるのもそこだけだと思ってた)

穂乃果(真姫ちゃん…、なんで私にあんなこと言ったの?)

穂乃果(嘘をつく必要が……あったの、かな)
778: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 00:26:19.58 ID:uGoWxck80
─────



穂乃果「……はぁ……はぁっ」


穂乃果(2人の会話をあれ以上聞いていられなくて…飛び出してきちゃった)


穂乃果(真姫ちゃんも…そっち側の人間なの?)

穂乃果(多額の売り掛けを無理に押し付けたり、裏切った人を始末したり……)

穂乃果(そんな、事を…)


prrrrrr…


穂乃果(っ…ツバサさんだ)ピッ


ツバサ『穂乃果さん?まだ仕事は始まってないわよね…?』

穂乃果『…うん』
779: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 00:33:48.70 ID:uGoWxck80
ツバサ『元気が無いようね。どうかしたの?』


穂乃果『真姫ちゃんが…、嘘をついてたんだ。私は信じてたのに…っ』

穂乃果『2人で暮らす中……何でも話せる関係になって、この世界で働く不安を和らげてくれた』

穂乃果『そんな…、存在だったのに。にこちゃんと普段から一緒にいるみたいで…』


ツバサ『っ、本当に!?まさかそこも繋がっていたなんて…』

穂乃果『……もうどうすればいいか分からないよ』

ツバサ『とにかく、普段と変わらない素振りで過ごして。変に勘づかれるのが一番不味いわ』

穂乃果『………』

ツバサ『えっと…それでね。今こうして私があなたに電話したのは、ある事を伝えようと思ったからなの』
781: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 00:42:18.94 ID:uGoWxck80
穂乃果『ある事…?』


ツバサ『刑事の彼から聞いた内容よ。舞蝶の摘発に向けて、捜査班が本格的に動き出すみたい』

穂乃果『摘発…!?』

ツバサ『どうやら黒い噂が現実のものとなってきたようね。…ここからは、絶対に口外しないで欲しいんだけれど』

穂乃果『う……うん。わかってるよ。ツバサさんの立場もあるし…』

ツバサ『……ありがとう。これだけは本当にお願いね』

穂乃果『………』ゴクッ


ツバサ『不正な売り掛けや、借金返済に対する非道な仕打ちなんてものは所詮…表の顔に過ぎなかった』

穂乃果『え…??』


ツバサ『…あの店は、薬に手をつけているわ』
782: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 00:46:27.87 ID:uGoWxck80
穂乃果『くすり……って…』


ツバサ『種類まではわからないけど…麻薬よ。それも従業員が売人になって、客相手に売り捌いてるみたいね』

穂乃果『い、いや……!そんなのは1度も見たことないよっ!?』

ツバサ『店で堂々とやる訳ないじゃない。個人間で取引するのよ』

ツバサ『元々、ホストというのは人を惹き付ける仕事だから。甘い言葉で誘惑すれば簡単に堕ちるでしょうね』


穂乃果『そんな……』

ツバサ『あなたの話を聞く限り…、恐らく全員が手を染めているわけではなさそう。というか、大人数で行うと何処から情報が漏れるかわからないわ』

ツバサ『つまり、上層部だけが行っている可能性が高い。…ここが黒よ』


穂乃果『………っ、じゃあ…にこちゃん達が?』
783: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 00:52:14.07 ID:uGoWxck80
ツバサ『恐らくね。それも売上に計上し、店の資金源にしているんでしょう』


穂乃果『で、でも…!まずそういうのってどこから手に入れるの?それに…お店を経営してるのに、これ以上お金を稼ぐ必要なんてっ』


ツバサ『それら全てはたった1人の人物で説明がつく。……あの店には園田さんがいるわね?』

穂乃果『そのださん…?』

ツバサ『園田海未さん。知らないわけはないでしょう?』

穂乃果『え??海未ちゃんは知ってるよ…。でも自己紹介の時に、名字までは教えてくれなかったから…』

ツバサ『そう…。流石に徹底しているわね』

穂乃果『…海未ちゃんが、何か関係しているの?』


ツバサ『海未さんは、園田組の次期組長候補…つまりは若頭らしいの』
785: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 00:54:01.32 ID:uGoWxck80
穂乃果『………へっ…?』


ツバサ『表向きは古くから続く日本舞踊の名門家。でも、その裏の顔は……世間で反社会勢力に括られる暴力団よ』

穂乃果『っ……』

ツバサ『…私も驚いたわ。まさか、幹部クラスの人間が誰かの下で働いているなんてね』

穂乃果『待ってよ…!いきなりそんなこと言われたって……信じられないよっ』


ツバサ『穂乃果さん、以前…店の中に黒服の男がいると言っていたわね?』

穂乃果『う、うん…。警備員さんでしょ?』

ツバサ『いいえ。恐らく彼らは全員、海未さんの部下よ。いや…この場合だと舎弟と言った方がいいのかしら』

穂乃果『っ!?全員が……』

ツバサ『あなた達には気付かれないようにしていたんでしょうね。覚えてる?私とあなたが初めて出会った時…公園でも似たような男がいた事』
786: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 00:58:37.20 ID:uGoWxck80
穂乃果『あっ…黒服の……人だよね』

ツバサ『えぇ。今思えば…彼らは他店の暴力団だったのかもしれないわ』

穂乃果『うぇ…!?じゃあ私が絡まれたのは舞蝶のホストだから?』

ツバサ『そうでしょうね。でも1度目を付けられたのに、穂乃果さんに危害が無いのは…園田組が追い払ったからだと思う』

穂乃果『私の知らないところで……か』


ツバサ『…他にも心当たりはない?思い出して。あなたが、海未さんとことりさんに誘われて食事に行った時の事を』

穂乃果『あ…あの時は、高級な和食店に連れて行って貰っただけで…』

ツバサ『何か不審に思うことは無かった?』


穂乃果『………そういえば…』

穂乃果『お店の人達は海未ちゃんを見ただけで広い部屋に案内したし、わざわざ料理長が挨拶に…』
787: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:00:27.28 ID:uGoWxck80
ツバサ『そう。多分、そこも系列の会社か何かなのね。だから特上のもてなしをした』

穂乃果『ひっ……』


ツバサ『…あなたが無事で本当に良かったわ。あの時知っていれば引き止めていたもの』


穂乃果『っでもさ…!なんで海未ちゃんが…園田組が、うちの店に?』

ツバサ『海未さん自身があの店で働いている理由は…わからないわ。でも園田組の方は説明が付く』

ツバサ『まず結論から言うと、彼女達は舞蝶のケツ持ちをしているの』


穂乃果『な、なに…それ』

ツバサ『店がトラブルに見舞われた際に率先して解決する代わりに、みかじめ料として報酬を貰うことよ』
789: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:02:37.11 ID:uGoWxck80
ツバサ『風俗店やキャバクラ、ホスト、スナックなんて店にはトラブルが付き物なの。…その多くが他の暴力団等による嫌がらせ』

ツバサ『だから、バックにケツ持ちと呼ばれる人間に付いて貰うのね。店と店がトラブルになれば、暴力団同士の争いに繋がるから迂闊に手は出せない』


穂乃果『それって…みんながそうなの?』

ツバサ『いいえ。でも、特に繁華街は似たような店が多いから…顧客の取り合いになる。何らかのバックアップがないと経営破綻しやすいの』

ツバサ『そして彼ら彼女らは、縄張りというような範囲を持っていたり…会社を経営していたり、人脈が広い。だから繋がる方がメリットになると考えるのね』


穂乃果『っ…、全然知らなかったよ…』

穂乃果『……でもそういうのってさ。警察とかが取り締まるんじゃないかな…?』
790: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:06:43.93 ID:uGoWxck80
ツバサ『…法案で昔ほど派手には動けなくなっているから、彼らのやり口は多種多様に渡るの。つまり日々変化している』

ツバサ『そして警察も暇じゃない。事件が起こらない限り、暴力団の存在くらいでは動かないし…何より証拠が浮かんで来ないから逮捕も難しい』

穂乃果『む、難しいで終わらせちゃうの…?』


ツバサ『こういう業界はね、私怨で根も葉もない事実をでっち上げたり…汚い金のやり取りで争う事なんて日常茶飯事なのよ』

ツバサ『そういう訳で警察も腰が重い。……だから、みんな自己防衛で生きているの。その1つの手段として暴力団と仲良くするのは大切なんでしょうね』

穂乃果『確かに…全部に対応してくれるとは思えないよ。傷害事件とかなら動くだろうけど…見えにくい事の方が多そう』


ツバサ『………コホン。話を戻すわ』
791: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:09:41.48 ID:uGoWxck80
ツバサ『店とケツ持ちは、会社と会社の取引なの。何か物品を売って、その代金を渡す。これが事実上のみかじめ料に当たるのね』

穂乃果『ただお金を巻き上げたら恐喝とかになっちゃうからか…』

ツバサ『あとは脱税を疑われるからね。常に目を付けられているのもあるんでしょう』


ツバサ『…まぁ、これらを警察が本気で一掃するつもりなら暴力団なんてものは存在しない。…何処かで見逃してるのよ』


穂乃果『でも……今回の場合は見逃さないんだね』

ツバサ『えぇ。麻薬売買は立派な犯罪よ。現場を押さえれば現行犯逮捕出来るし、そこから芋ずる式に炙り出せる』

ツバサ『上手く行けば…組織を壊滅させる事が出来るわ。又と無いチャンスね』


穂乃果『………』ブルッ
794: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:12:45.10 ID:uGoWxck80
穂乃果『…わ、私も…捕まるのかな?』

ツバサ『いいえ。穂乃果さんは、そんな事にはならないわ。…普通にホストとして働いてるんだもの』


穂乃果『……どうしよう。怖くなってきたんだ、けど…』

ツバサ『待って。今、不自然に店を辞める方が危険よ。穂乃果さんは2位だから。そこまで上り詰めた人が急に業界自体を辞めるのは疑われる』

ツバサ『…暴力団に目をつけられたら厄介よ?』

穂乃果『ひぅっ、やめてよ…!!』ゾク

ツバサ『そして、他の店に移るのもNGね。引き抜かれは罰金対象でしょう?』


穂乃果『じゃあ…私はどうすればいいの……?』

ツバサ『今まで通りでいて。…真偽は不明だけど、営業停止になれば事実上の解雇よ。その時に他店に移ればいい』


穂乃果『………っ、わかった…』
796: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:18:19.10 ID:uGoWxck80
ツバサ『ごめんなさい。…あなたを脅しているみたいで』

穂乃果『ううん…!ツバサさんは私を何度も助けてくれてるんだもん。これも私の為に言ってるんだよね…』


ツバサ『いずれ落ち着いたら…一緒に暮らしましょう。もう何にも怯えなくていいの』

穂乃果『…うん。それまで頑張るよ』

ツバサ『2人で、頑張りましょう。この困難を乗り越えるの』

穂乃果『ありがとう。…私達は2人でひとつだもんね』


ツバサ『…それで、穂乃果さんの身の潔白を証明する代わりに……少し協力が欲しいと頼まれていて』

穂乃果『協力…?』

ツバサ『警察が踏み込んでもあなたは絶対に捕まらないわ。事情聴取すらされない。捜査に協力するお礼、というものよ』

穂乃果『じ、じゃあ私は…その、捜査班に力を貸せばいいの……?』

ツバサ『…えぇ。私がお願いするのも変な話だけど…、あなたがこっちに付いてくれればスムーズに行くって』
797: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:22:25.74 ID:uGoWxck80
穂乃果『………』

ツバサ『穂乃果さん…?』


穂乃果『…でも、さ。庇うわけじゃないけど…、お店の全員を売るような事…出来ないよ』


ツバサ『…っ、言い方が悪かったかしら。私は仲間を売れとは言っていないわ。むしろ、助ける為に協力してあげて欲しいの』

穂乃果『なんで助けることになるの…?』

ツバサ『麻薬売買に関わっていない従業員は捕まらないわ。だから逆に考えて。…今すぐにでも、犯罪と隣合わせの状況から解放してあげないと……』

ツバサ『いつ巻き込まれるかわからない。そうでしょう?』


穂乃果『……そう、なるね』

ツバサ『…それに犯罪は犯罪。悪いことなの。それをあなたは情だけで見逃すと?』

穂乃果『ううんっ、それはダメだよ…!』


ツバサ『…辛いのはわかるわ。でも凛さんや花陽さん、ことりさんを助けられるのよ?』
798: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:25:13.92 ID:uGoWxck80
ツバサ『そして真姫さんも、実際は何も知らないかもしれない。…上層部で関わっているのは限られた人かもしれない』

ツバサ『その可能性に掛けるの。それがあなたの優しさになるわ』


穂乃果『……その通り、だね…』

ツバサ『私も穂乃果さんに協力するわ。困ったことがあったら何でも言ってね』

穂乃果『うん』

ツバサ『じゃあ…くれぐれも内密に。今の所は普通にしていて欲しいそうよ』

穂乃果『……了解』


ピッ


穂乃果(話をあれだけ聞いたのに……、まだ心の何処かでは信じられない自分が…いる)


穂乃果(っはぁ……。体の震えが…止まらないよ)
799: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:28:21.59 ID:uGoWxck80
穂乃果(捜査班の人達はいいけど……私はバレたらどうなるの…?)

穂乃果(私が…、前に見た夢みたいになる?)

穂乃果(それとも……)


穂乃果(っ…あぁ。ただホストクラブで働いてただけなのに、まさかこんなことに巻き込まれるなんて)


…トントン

穂乃果(でも……ツバサさんは私を助けようとしてくれてるんだよね)

穂乃果(そうだよ。今までもそうだった…。ツバサさんはいつだって、私の事を)


グイッ


穂乃果「──っ…」ビク


海未「随分と取り乱していましたね。何かあったのですか」
801: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:31:53.78 ID:uGoWxck80
穂乃果(やばい……!海未ちゃっ…)


穂乃果「なっ、何も無いよ?」ニコ

海未「そんな風には見えませんでしたよ」


穂乃果「っ…!!」

海未「…どうかしましたか?」

穂乃果「えぇと…、今日お店に来るって言ってたお客さんに来れないって言われてさ……ほんと困っちゃうよねっ」


海未「………」

穂乃果「………」ドキドキ



海未「そうですか」

穂乃果「………」ホッ
803: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:33:27.25 ID:uGoWxck80
穂乃果「ね、ねぇ。それよりさ…!真姫ちゃん知らない?」

海未「真姫?」

穂乃果「先に仕事に行くって言ってたんだけど…お店にいなかったんだ。lineも返ってこないしさ」

海未「…さぁ。知りませんね」

穂乃果「そ、そっかぁ…。なら待ってようかな」ニコ


海未「はい。では、また」ニコ


穂乃果(びっくりした……っ、バレてないよね…?)

穂乃果(とにかく切り替えよう。今から仕事なんだ…暗い顔してちゃ質問攻めに合うよ)

穂乃果(その後に……色々考えれば、いい…)
804: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:38:45.35 ID:uGoWxck80
─────


~穂むら~


雪穂「………」

亜里沙「………」


シーン


亜里沙「ねぇ、雪穂…。やっぱりお姉ちゃん達って」

雪穂「本当だよ」

亜里沙「っ……」

雪穂「2人で私のお姉ちゃんの後をつけて、実際に見たでしょ」

亜里沙「…うん」


雪穂「でも、まさかホストやってたなんてさ。今も信じられないんだけど」
805: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:41:30.35 ID:uGoWxck80
雪穂「だってお姉ちゃんあんな感じなのに、ちゃんと出来てるの!?って感じ……あはは…」

雪穂「…………」


亜里沙「雪穂…。ホストって、どんなお仕事なの?」

雪穂「へっ?えっと……お酒を売る仕事だよ」

亜里沙「それだけ…?普通にお酒を置いてるお店とは何が違うの?」

雪穂「……大きく違うのは個人で売上を出さなきゃいけないとこだと思う。だからお客さんに媚売って、気に入られて…」


雪穂「はぁ…ほんと、馬鹿みたいな仕事だよ。その人の人生なんて考えて無いんだろうね」

亜里沙「……ぅんと、ホストを好きになる人なんているの?」


雪穂「そりゃいるよ。現実で嫌な事があっても…お店にいけば全部忘れられるんだもん」

雪穂「自分の悪いとこには目を瞑ってくれて、良いところだけを見てくれる。そりゃ、好意があるんじゃないかって勘違いしちゃうよね」
808: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:44:53.40 ID:uGoWxck80
亜里沙「じゃあ……ホストは悪い人なの?」

雪穂「え?………う、うん」


亜里沙「ならお姉ちゃんや穂乃果さんも…悪い人?」

雪穂「あー……いや…」


亜里沙「…亜里沙ね。よくわからないよ」

亜里沙「何をしていたとしても、変わらないから。優しくて、かっこよくて……自慢のお姉ちゃんなの」


雪穂「……亜里沙」


亜里沙「でもね、お姉ちゃんが雪穂のいう悪い人なら…なんで私に言ってくれないんだろうって、思って」

亜里沙「悪いことをしてるから後ろめたいのかな……?私に知られたくないのかな?」

亜里沙「ねぇ、雪穂……教えて」



雪穂「っ……、違うよ…!!」
809: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:49:33.69 ID:uGoWxck80
亜里沙「……え?」


雪穂「ごめん。私が間違ってた」

雪穂「あの世界の事なんて何も知らないのに…これじゃ、ただの偏見だね」

亜里沙「へん、けん…」


雪穂「ホストやってても…お姉ちゃんはいつものお姉ちゃんだった。嘘つくの下手だし、忘れっぽいし、頑固だし」

亜里沙「ぅ、えっと…。雪穂は、穂乃果さんのこと好きじゃない?」

雪穂「ううん。…大好きだよ」

雪穂「亜里沙と同じ。世界にたった1人しかいない、私のお姉ちゃんだもんね…」ニコ

亜里沙「…!うんっ♡」


雪穂「あとね、私達に隠してたってことは…やっぱり知られたくないんだと思う」

亜里沙「……」

雪穂「そもそも私達が勝手にやったわけだし、見なかった事にするのがいいのかも…」

亜里沙「…そうだね♪雪穂の言う通り」


雪穂「だから…何かが起こらない限りは、私達は普段と同じように妹でいようよ」ニコ
811: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:55:11.08 ID:uGoWxck80
──────



~マンション~


ガチャ…


真姫「…おかえり。穂乃果」

穂乃果「……ただいま」ニコ


真姫「仕事だったの?」

穂乃果「ううん。常連さんに買い物誘われてさ…」

真姫「そう。お疲れ様ね」

穂乃果「…真姫ちゃんも休みだったよね?」

真姫「えぇ。私も…穂乃果と同じよ」

穂乃果「じゃあ真姫ちゃんもお疲れ様!」


穂乃果(……同じ、ね)
812: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 01:58:24.13 ID:uGoWxck80
穂乃果(またにこちゃんと会ってたんだよね?真姫ちゃん)

穂乃果(そこで何をしてたの?ねぇ…教えてよ)


真姫「はぁ…。でも明日はゆっくり出来そう」

穂乃果「そうなんだ?いいなぁ。私は仕事だよ」

真姫「ちょっと働きすぎじゃない?」

穂乃果「いや~…ナンバーワン目指すなら、これぐらいで音は上げられないからさ」

真姫「……確かにね」


穂乃果「………」


真姫「ねぇ、もう食事は済ませたの?」

穂乃果「え?いや…まだだよ」
813: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:01:58.85 ID:uGoWxck80
真姫「…なら今から作りましょ」

穂乃果「い、今から?真姫ちゃんが?」

真姫「はぁ?一緒によ」

穂乃果(……急にどうしたんだろう)


真姫「…疑ってるわね」

穂乃果「ふぇっ!?そんな…」

真姫「この前のお粥を食べたの。…とても食べられるものじゃなかったわ」

穂乃果「あぁ……」

真姫「だから、少し勉強しようと思って。最低限はね…こういうのも必要でしょ」

穂乃果「流石は真姫ちゃんだね。ま、まぁ前のはそんなに不味くなかったけど……」


真姫「お世辞なんていらないわ」

穂乃果「……うぐ…」
814: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:06:54.95 ID:uGoWxck80
真姫「料理の中でも、パスタは難易度が低いみたいね。だから今日はそれを作るわよ」

穂乃果(へっ?意外と難しいけどなぁ…パスタって)


真姫「パスタに必要なものはもう買ってあるわ」

ゴソッ


穂乃果「……って、レトルトじゃん!!」

真姫「…そうだけど?」

穂乃果「こんなの誰でも作れるよ!?パスタ茹でて、ソースパックをチンしたら……」

真姫「………」

穂乃果「い、いや……レトルトも料理だもんね…うん」ニコニコ

真姫「当たり前よ。だって茹でるんだもの」


穂乃果(うーん……)
815: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:08:43.10 ID:uGoWxck80
真姫「とりあえず、袋を開けて…」ビリッ

穂乃果「……」


穂乃果(私は……信じたい)

穂乃果(あの話を聞いたって、嘘をつかれたって…)

穂乃果(真姫ちゃんは……そんな酷い事をする人じゃないって思うんだ。これも私の甘さなのかな…?)

穂乃果(でもね、やっぱり認めたくないんだ。だからさ…真姫ちゃん)

穂乃果(言ってよ。その口で…私は全くの無関係だって。やましい事はやってないって)

穂乃果(ねぇ……!真姫ちゃんっ)


ピロン♪


穂乃果「あっ……。私のスマホかな?」

真姫「いや、私みたい。ちょっと見るわね」

穂乃果「うん!」
816: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:14:53.62 ID:uGoWxck80
真姫「………」スッスッ

真姫「……ふふっ」


穂乃果「…嬉しそうだね。大切な人からだったの?」

真姫「なに…?」

穂乃果「え?いや…例えば恋人から連絡が来たらさ、笑顔になったりするよね」

真姫「………別に」

穂乃果「そ、そうかなぁ…。ほら、こういう仕事してるとさ……真姫ちゃんも恋人くらいいるでしょ?」

真姫「そんなの、凛と花陽を見てるだけで充分よ。店内であれだけイチャイチャするのは2人だけでいいわ」

穂乃果「そうじゃなくて…真姫ちゃんはお客さんと付き合ったりしてないの?」


真姫「……じゃあ穂乃果はしてるの?」

穂乃果「えっ…?う、うん」
817: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:19:25.09 ID:uGoWxck80
穂乃果「でもさ、やっぱり…お客さんでも本命の人はお店に来て欲しくないよね。もう2回も助けて貰っちゃってるけど……」ニコ

真姫「はっ…馬鹿みたい」



穂乃果「……ふえっ」


真姫「客に入れ込むなんて…穂乃果がそこまで浅はかだとは思わなかったわ」

穂乃果「ま、真姫ちゃん……何言って」


真姫「今すぐに別れるべきよ」


穂乃果「…え??」


真姫「そんなのは一時的な気の迷いなの。悪い事は言わないから…目を覚ましなさい」

穂乃果「っ…!なんでさ」
818: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:24:29.79 ID:uGoWxck80
真姫「言葉の通りよ。所詮、仕事の立場上でお互いの気持ちを勘違いしているだけ」

真姫「あなたはホストで相手は客。これは絶対に変わらないわ」


穂乃果「真姫ちゃんに、何がわかるの…?」

真姫「……は?」

穂乃果「私は、本気で…付き合ってるんだよ。勘違いなんかじゃない」

真姫「…だから、それが馬鹿みたいって言ってるのよ。いい加減にして」

穂乃果「っ……!!」


真姫「…なに?殴るの?」

穂乃果「殴る価値なんてないよ…」

穂乃果「……あの人は…そんな人じゃない。私達は、普段会えないけど…お互いの休みを合わせたりして、」
819: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:30:15.53 ID:uGoWxck80
真姫「…まさか、デートなんてしてるんじゃないわよね?」

穂乃果「それの何がいけないの?恋人って…そういうものだよ!」

真姫「どうやら本当に言葉の意味を履き違えてるみたいね。恋人というのは…お互いに隠し事をせず、心の底から信頼出来る関係を言うのよ」

真姫「穂乃果のはただの遊び。……店の延長戦。だから止めろと言ってるの」

真姫「…誰かから聞いたけど、今まで恋愛した事ないんでしょ?経験が……」


穂乃果「っ…だから……!!真姫ちゃんに私の何がわかるの!?」グイッ


真姫「つっ……離して。触らないで」


穂乃果「私達はそんなのじゃない…!本当に、心の底から通じあってる」

穂乃果「何も知らないのに、ただ表面だけで判断して……馬鹿にするなんてっ、最低だよ!!」
820: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/09(木) 02:32:55.30 ID:uGoWxck80
真姫「…最低ね。そう、もういいわ」

穂乃果「はぁ…っ?これだけ言っておいて…それは」

真姫「もういいって言ってるでしょ。あなたに、これ以上喋るのは…時間の無駄よ」



穂乃果「……うん、そうかもね」クルッ


真姫「どこに行くの?」


穂乃果「…放っておいてよ。私だってもういい」

真姫「……そう」


穂乃果「っ……」ガチャ


バタンッ


穂乃果(だめだ……感情を押さえきれない)

穂乃果(でもあんな風に貶されて…!!黙っていられないよ)

穂乃果(ツバサさんは…真姫ちゃんが思うような人じゃないっ)


穂乃果「……はぁ…。もうあの部屋には帰れないな…」
869: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:10:05.06 ID:KI01uspL0
─────


~カフェ~


大学生「……はぁ」


大学生(貯金なんてもう数十万円しか無いよ。穂乃果ちゃんごめんね…)

大学生(…そういえは私、あのお店でどれくらい使ったんだろう?……覚えてないや)


ピロン♪

大学生「あっ…。穂乃果ちゃんからだ」ニコ



穂乃果<ねぇ、明日来れる?♡


大学生「………うぅ」

大学生「でも…せっかく誘ってくれてるのに、断ったら嫌われないかな…」

大学生「どうしよう……」


穂乃果<やっぱり会えないと寂しくて…ダメかな?


大学生「……穂乃果ちゃん///もう、可愛いなぁ//」
872: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:16:34.06 ID:KI01uspL0
大学生「今までこんな求められたこと無かったし…ほんとに寂しいのかも」

大学生「えへへ…♡嬉しい。っふふ」


〇〇<うん♪行くね!

穂乃果<ほんと!?ありがとう(^O^)

〇〇<それで、明日は…アフターしてくれるの?


大学生(そもそもアフターって……どこまでを指すんだろう)

大学生(私達は一緒にご飯を食べるだけで、恋人らしい事は何もしてない。…あえて挙げるならハグくらいかなぁ)

大学生(うぅん…他の人はどうなんだろ。キスとか……え、エッチとかしちゃってたり…?///)


穂乃果<わかった!美味しいお店探しとくねっ


大学生「……はぁ。でもがっつくと引かれちゃうよね…」ズーン
873: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:24:40.77 ID:KI01uspL0
あんじゅ「ごめんなさい。隣…いいかしら?」


大学生「えっ!?あ、はい」

あんじゅ「ありがとう♡このカフェ、カウンター席なんてあるのね」

大学生「…いつもここに来るんです。道を行き交う人とか、景色とか…ボーッと見れますから」

あんじゅ「あら、本当。素敵だわ」

大学生「はい」


シーン…


あんじゅ「あなた、ホストクラブにハマっていたりする?」

大学生「へっ!?」

あんじゅ「いえ…カバンから名刺が見えていたから」

大学生「ほ…ほんとだっ」ゴソゴソ
874: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:31:46.24 ID:KI01uspL0
あんじゅ「意外ね。あなたみたいな人が、そういうの好きなんて」

大学生「……っ///ダメですかね」

あんじゅ「人の趣味にアレコレ言えるほどの立場ではないわ。それに…私もそうだったのよ」

大学生「…、あなたもなんですね」

あんじゅ「まぁ、正確にいえばもう少し若い時に好きだったかもしれないわ」


大学生「今も好きなんですか?」

あんじゅ「……そうね。やっぱり恋っていいものよ」

大学生「お金持ちなんですね…」

あんじゅ「それはあまり問題ではないと思うわ」

大学生「で、でも…お酒を頼んだりするのってお金がかかるし。何回も行くってことは」

あんじゅ「う~ん…。毎回高い酒を頼まれるようなら、そんな店辞めちゃいなさい」
875: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:38:15.05 ID:KI01uspL0
大学生「えっ…」

あんじゅ「そもそも、ホストクラブって会話を楽しむところだと思わない?」

大学生「…そうですね。でも、彼女はそんな事しないです」

あんじゅ「あら、それは良かったわ」


大学生「………」

あんじゅ「気を悪くさせてしまったかしら?」

大学生「いえ…!」

あんじゅ「つまり、私が言いたいのはね…。お金が全てじゃない。確かに楽しむには多少必要だけど…」

大学生「で、でも……舞蝶にはお金持ちがたくさん集まって」


あんじゅ「…、舞蝶に行っているの?」ニコ

大学生「あ……はい。穂乃果ちゃんって人が…好きなんですけど」

あんじゅ「えっと……最近ナンバー2位になった彼女ね?」
876: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:45:49.76 ID:KI01uspL0
大学生「知ってるんですか…!?」

あんじゅ「前に1度だけあった事があるの。ふぅん…そういう子が趣味なのねぇ♡」

大学生「っ…//からかわないでください」


あんじゅ「私、あの店には普段いかないんだけど…昔に指名してた子がオーナーしてるのよね」

大学生「…!嬉しい偶然ですね」

あんじゅ「どうかしら。会えて嬉しいのはこっちだけのようだったし…」

大学生「……忘れられたんですか?」

あんじゅ「というか、嫌われてるわね。ほんと酷い話よ…。あれだけ指名したのに」

大学生「………」

あんじゅ「私ね、本気で好きだったの。だから…あの子がナンバーワンになれるように頑張った」

あんじゅ「…結果的にそれは叶ったけど、私達の関係はそこで終わってしまったわ」
877: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:47:46.46 ID:KI01uspL0
大学生「……何かあったんですか?」

あんじゅ「相談も何もなく…人気絶頂の中、突然引退したのよ。…理由は疲れたからってだけ」

あんじゅ「私達はその頃付き合っていてね?同棲もしてたのに…。引退と同時に、私のマンションからも去ったわ」


大学生「酷い話ですね…」

あんじゅ「衣食住全てを与えていたのによ?ほんと…悲しいわ」

大学生「あの…私も、いまその子と恋人になれたんですけど…」

大学生「最後には…捨てられちゃうのかな。結局はホストとお客さんとしての関係に戻るのかな……」

あんじゅ「それはあなた次第ね。客と色恋営業をしているうちに、本気に好きになって店を辞めるホストなんてたくさん知ってるから」

あんじゅ「私の場合は…少し特殊だったってだけ」


大学生「……はぁ」
878: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 01:57:06.37 ID:KI01uspL0
あんじゅ「とにかく、頑張ってね」


大学生「あの…っ!お金が無くて困った時は…どうすればいいですかね」

あんじゅ「うーん。極端な例で言うと、風俗やキャバクラで働いて…その帰りにホストで遊ぶ人も少なくはないわ」

大学生「そ…それは…」

あんじゅ「それが嫌な子は、足りない月だけ金融機関で借りてるわね♪」

大学生「借金ってことですか…?」

あんじゅ「そうね。でも、いい会社があるのよ。金利がほぼ無くて1円からでも貸してくれるの」

大学生「えっ…!」

あんじゅ「返済も好きなタイミングでいいし…楽ね。だから人気があるわ」

大学生「それって、審査とか何もないんですか?」
879: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:06:07.86 ID:KI01uspL0
あんじゅ「お金を借りる時はね、保証人を立てるの。その人を会社側が信頼出来ると判断した場合はOKよ」

大学生「保証人……。私にはそんな人…」

あんじゅ「…私がなってあげてもいいわよ?」ニコ


大学生「…ふぇっ」

あんじゅ「あなた、悪い人じゃ無さそうだもの。何より昔の私そっくりで…助けたくなる」

あんじゅ「そんなに多額のお金は借りないんでしょう?だから構わないわ」

大学生「っ…でも、私が払えなくなったら……」


あんじゅ「私が払うことになるわね」


大学生「……」


あんじゅ「まぁ、あなたがそんな事をするような人に見えないから。そこの不安は無いわ」
880: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:08:09.23 ID:KI01uspL0
大学生「………」ゴクッ

大学生(…どうせ、今月末には300万円用意しなきゃいけないんだ)

大学生(せっかく保証人になってくれるこの人の好意を無駄にしちゃ……)



大学生「……お願いします」

あんじゅ「えぇ。私の紹介ってことにしておくから、サービスしてもらいましょ♪」

大学生「とりあえず…あの、まず30万くらい借りたいんですけど」

あんじゅ「30ね。電話番号を渡すわ、今日の4時以降ここに電話して?私がそれより前に話を通しておくから」

大学生「はい…、すみません。ありがとうございます!」

あんじゅ「うふふ♡」


prrrrrr…

あんじゅ「あら、ごめんなさい。呼ばれてるわ…」

大学生「あっ…」
881: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:11:30.80 ID:KI01uspL0
あんじゅ「私は少し寂しい結果になってしまったけれど…あなたには、そうはなって欲しくないの」

あんじゅ「何でしょうね…。昔の私を思い出すって言うの?応援したくなっちゃって♡」

大学生「…色々すみません」

あんじゅ「いいのよ、また会いましょう♪」ガタッ

大学生「は、はい…!」


大学生(……変な人だった)

大学生(初対面なのに、保証人にまでなるなんて…。あの人どれだけお人好しなんだろう)

大学生(……私は悪くない。いざとなったら、何も知らないフリして逃げちゃえば…)

大学生(そうだよ…。その為の保証人なんだもん)


ウェイター「お客様。お待たせ致しました」ゴトン


大学生「……」ポチポチ


【ホストクラブ板】


大学生(……ふぅ。昼間なのに相変わらず書き込み多いなぁ…)

大学生(えーっと……)
882: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:18:14.76 ID:KI01uspL0
【歌舞伎町】舞蝶総合スレ525杯目


大学生(……これこれ)


0357 名無しさん
んでことりちゃんはいつ戻ってくるの???

0358 名無しさん
※辞めました

0359 名無しさん
辞めてねーよ氏ね

0360 名無しさん
掛け飛ばれたからもう無理でしょ。だいぶ払ったんじゃない?

0361 名無しさん
出たよ何の根拠もないのに決めつけるやつ。
こういうのが舞蝶のスレを荒らすんだよね

0362 名無しさん
売り掛け飛んだったwwってスレ建てたのがいたじゃん

0363 名無しさん
ああいう屑はさっさと捕まればいいのに

0364 名無しさん
飛ばれる方が悪いよね~
ってかこの店サービス悪いし接客下手くそだし何がいいの?
ナンバーも顔がいいだけで中身薄っぺらそう笑笑。さっさと数百万円落としてヤることヤって破産しろ

0365 名無しさん
>>0364
朱雀のお客様はコチラ
【歌舞伎町】朱雀総合スレpart520


大学生(相変わらず荒れてるなぁ…。絵里ちゃんが2位になってからずっとこんな感じだよ)
883: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:21:56.80 ID:KI01uspL0
0589 名無しさん
今月のナンバーワンは誰だろうねぇ

0590 名無しさん
いや流石に絵里でしょ

0591 名無しさん
もう穂乃果ちゃんの時代だと思うよ
海未ちゃんも落ちたしなぁ

0592 名無しさん
調子乗るなよ
また個スレ荒らされたい?

0593名無しさん

wwwwww

0595 名無しさん
もー仲良くしなよほんとさぁ
いつからこんな殺伐としたスレになっちゃったんだ

0596 名無しさん
で、この店誰だったら枕してくれるの?
私は花陽ちゃんが好みなんだけど

0597 名無しさん
そこは絶対無理。

0598 名無しさん
絵里ちゃんとイチャイチャしたいよーー

0599 名無しさん
枕なんて都市伝説だから

0600 名無しさん
涙拭けよ…
884: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:29:30.16 ID:KI01uspL0
0601 名無しさん

絵里→容姿がそこそこ良くてボトル数本下ろせばいける。稀に趣味で寝るらしい
海未→基本的にガード固い。たぶん現状数人しか相手に出来ない。なお美少女に限る
ことり→この中なら1番抱けるかも…と思いきや案外断られる。でも一緒に寝た人はそこそこいる。ただしある程度の容姿は必要
希→おおよそ絵里と同じ。
決定的に違うのは趣味では寝ないことぐらい
真姫→当人が気まぐれ過ぎて難しい。恐らく無理。※なお
凛、花陽→不可能に近い。
穂乃果→???

結局世の中顔


0602 名無しさん
イケメンに限ると同じですねわかります

0603 名無しさん
抱きたい→真姫、海未、希、花陽
抱かれたい→絵里、凛、ことり、穂乃果

0604 名無しさん
ことりちゃんに抱かれたいとは珍しいタイプ

0605 名無しさん
全然わかってないな
今はオーナーやってるけど、にこが1番に決まってるじゃん

0606 名無しさん
んー穂乃果ちゃんはどっちなんだろう。
チョロそうだけどなぁ。グイグイ押したら出来そう。やってみようかなw



大学生「っ……」ギリ

大学生「何がやってみようかな…だよ。ふざけないで」
885: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:33:35.16 ID:KI01uspL0
大学生「………」ポチポチポチポチ

大学生「送信っと…」


0606 名無しさん
今月は穂乃果ちゃんがナンバーワンになるから。残念だけど諦めてね?


大学生「…ふふっ」


0607 名無しさん
は?

0608 名無しさん
太客なの?じゃあどれだけボトル下ろすのか教えてよ

0609 名無しさん
どうせ細客だって。ほんとに数百万円払うやつはここに居ないでしょ


大学生「……」ムッ


ポチポチポチポチ…


0610 名無しさん
じゃあ見てればいいよ。私がナンバーワンにしてみせる


大学生(穂乃果ちゃん…。一緒に頑張ろうね)ニコ
886: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:34:44.42 ID:KI01uspL0
─────



~ホストクラブ~


タタタッ…


穂乃果「はぁ……っはぁ」

凛「あれー?穂乃果ちゃん走ってきたの?」

穂乃果「…!!凛ちゃん。おはよう」

花陽「えっと、今日はお仕事じゃないよ?」

穂乃果「…ちょっとにこちゃんに用事があって。2人は仕事?」

凛「うん!」

穂乃果「そっか…頑張ってね」ニコ

花陽「ねぇ凛ちゃん、ご飯食べに行かないの…?お腹ペコペコだよぉ」

凛「よしっ、かよちんのお腹虫が鳴かないうちに行ってくるにゃ!」

穂乃果「あはは…仲良しだね♪」
887: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:35:56.86 ID:KI01uspL0
~事務所~


コンコン

にこ「ん、はーい」

穂乃果「…いきなりごめんね」ガチャ


にこ「穂乃果…?どうしたのよ?」

穂乃果「えっと……その」

にこ「……?」



穂乃果「私、1人部屋が欲しいんだ」

にこ「えっ」

穂乃果「ほら、絵里ちゃんや希ちゃんも1人部屋なんでしょ?だから私もそうしてよ」

にこ「ちょっ…いきなり何よ。真姫がいるのに何言ってるの」

穂乃果「…喧嘩しちゃってさ。だからもう一緒にはいられない」

にこ「………」

穂乃果「ダメかな」
888: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:38:31.87 ID:KI01uspL0
にこ「あのね、喧嘩なんて一時的な…」

穂乃果「…私、ちゃんと毎回仕事してるよ。売上もナンバー2位になるくらいあげてる」

穂乃果「だからさ…。これくらいのワガママは言ってもいいよね」



にこ「………わかった」

穂乃果「…ごめん。ありがとう」

にこ「部屋が決まるまではホテルにでも住みなさい。んで、そこの料金は後から精算する」

穂乃果「うん」


にこ「……でも寂しがるわよ、あの子」ボソ

穂乃果「私じゃダメだった。上手くいかなくて…。それに真姫ちゃんは私の事何とも思ってないよ」

にこ「仕方ないわね…」ハァ

穂乃果「じゃあ、また明日。お疲れ様」

にこ「…ん、またね」
889: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:41:12.59 ID:KI01uspL0
ガチャ バタンッ


穂乃果「……ふぅ」

穂乃果(1人暮らしか…。部屋に私しかいないなら、ツバサさんも来てくれるかな)

穂乃果(にこちゃんは寂しがるって言ったけど…きっと真姫ちゃんも1人暮らしに戻りたいよね)

穂乃果(…うん。いい解決法だよ)


穂乃果「よし、とりあえずホテルの部屋取りに行かなきゃ…」スタスタ


ホスト1「あれ、穂乃果ちゃんじゃん!」

穂乃果「うげ…」

ホスト2「休日出勤ってやつ~?面倒だね…」

穂乃果「…ううん。事務所に行ってただけだよ」

ホスト1「何か話したの?」

ホスト2「も、もしかして……辞めるとか?」
890: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:42:29.13 ID:KI01uspL0
穂乃果「辞めないよ。マンションの部屋を変えて貰っただけ」

ホスト2「良かったぁ~。穂乃果ちゃんに辞められたら困るよ…」

穂乃果(後ろ盾が無くなるもんね…)


ホスト1「マンションの部屋って、真姫ちゃんは?」

穂乃果「あーえっと……色々あってさ」

ホスト2「ふぅん…。喧嘩とか?」

穂乃果「そんなとこ」

ホスト1「へー、あの人って喧嘩なんてするんだ。感情を表に出さないから意外だわ」

ホスト2「わかる~。話しかけても凄く愛想悪いもんね」


穂乃果「………」
891: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:44:14.01 ID:KI01uspL0
ホスト1「あ、ごめんね?悪口言いたいわけじゃないんだけど。私達の中ではあんまり人気無いからさ」

ホスト2「だってオーナーのお気に入りだよ?…あんなの目に見えてわかるっての」

穂乃果「お気に入り?」

ホスト2「いっつも気にかけてるし、あの子が体調悪いって言えば休ませるし…営業しなくても何も言わないし。お姫様みたいな扱いしてるじゃん」

穂乃果「そ、そうなんだ……」


ホスト1「はーぁ…気に食わないなぁ。でも怖くて話しかけられないんだよね」

ホスト2「ってか、なんであんなのがうちにいるの?事実なんでしょ。…アレ」


穂乃果「……私ね、真姫ちゃんと仲良かったけど…今考えれば何も知らないんだ」

穂乃果「でも2人が言うほど悪い人じゃないよ。こうして喧嘩してるけどさ…」
892: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:46:30.00 ID:KI01uspL0
ホスト1「いやいや…穂乃果ちゃんほんとに何も知らないの?」

ホスト2「それで一緒に住んでたなんて……詐欺じゃん。あんなの押し付けられて可哀想だよ~」


穂乃果「ん……なにが?」



ホスト1「だって、あの子は殺人してんだよ?」ヒソ


穂乃果「───っ…!?」


ホスト2「これ、マジなんだよね。…新聞にも載ったくらいだもん」


穂乃果「い、いや……っ、まさかそんな…」


ホスト1「……あんま大きい声で言えないんだけど…」キョロキョロ


ホスト1「とある客を薬漬けにして、自殺に追い込んだって」
893: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:49:43.88 ID:KI01uspL0
穂乃果「……っ」


ホスト2「新聞に載ってた事で言うと…その客の口座残高は0円で、死因は首を吊った事による窒息死」

ホスト2「貯金のほとんどをあの子に注ぎ込んで、麻薬すら買えなくなって…苦しみの末に死んだんだろうね」

穂乃果「待ってよ……、でもそれじゃ、真姫ちゃんがその人を薬に染めたってことには」


ホスト1「何言ってんのさ。親が医者で、実家が病院だよ?麻薬なんて簡単に手に入る」


穂乃果(信じたくなかった。でも…今までの事もあって、納得してしまう自分がいる)

穂乃果(直接手を下して無くても…殺人は殺人だよね……)


ホスト2「麻薬はね~…ほんと恐ろしいわ。私も流石に手は出せない」
894: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:51:18.46 ID:KI01uspL0
穂乃果(麻薬……。その言葉を聞いた時、ツバサさんが話してた事が脳裏を過ぎった)

穂乃果(従業員が客相手に麻薬を売り捌いて、利益を上げる。…真姫ちゃんもそのうちの1人なの?)


ホスト2「いや~…やっぱヤバイわ。目つけられたらいつ殺されるか…」

ホスト1「しかもアレでしょ?うちの幹部が揉み消したって話」


穂乃果「揉み消す……その事件を?」

ホスト1「うん。捜査で警察とか色々来るじゃん?それからあの子を守ったらしい」

ホスト2「証拠とか見つかんなくて、結局ただの自殺ってことになったんだよね」

穂乃果「そんな……」

ホスト1「だからヤバイのよ、うちの店。…もっと凄いことに手をつけてるかもしれない」
895: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/11(土) 02:53:12.41 ID:KI01uspL0
ホスト1「ま、私らはここでしか働けないんだし…関係ないけどね。警察に厄介になるような事してませんから~」

ホスト2「うんうん♪」

穂乃果「………」


ホスト1「しかもね、今までにあの子と一緒の部屋になった子は…みんな店を辞めちゃうんだ」

ホスト2「ほんと不思議だよね。だから…穂乃果ちゃんが真姫ちゃんと同じ部屋になった時も、私達の中では同情の声が多かったんだよ」

ホスト2「新人が押し付けられてて可哀想…ってね」


穂乃果「……っ…」


ホスト1「…これ以上喋ってるとやばいかも。多分、もうすぐ海未ちゃん辺りが来る」

ホスト2「だね。あ、ここでの話はナイショだよ?消されたく無かったら…ってやつ♪」


穂乃果「……うん」
2: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 00:57:04.98 ID:agehDSDq0
─────


ガラッ


ことり「…ねぇ、海未ちゃん」

海未「はい…?」


ことり「明日が締め日だよね」

海未「……そうですね」

ことり「……」

海未「どうしました?」ニコ


ことり「…ううん。頑張ってね、海未ちゃん」

海未「皆の顔を見に来てもいいのですよ?」

ことり「もうあれから一ヶ月くらい経つもんね…。凛ちゃんや花陽ちゃんは元気かなぁ」

ことり「真姫ちゃんと、にこちゃんは…喧嘩してない?絵里ちゃんと希ちゃんは?」
4: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:01:20.22 ID:agehDSDq0
海未「…ふふっ。やはり気になるんですね」


ことり「う……//」

海未「みんなそれぞれに頑張ってますよ。ことりにも会いたがっていましたし」

ことり「…穂乃果ちゃんも元気そう?」


海未「穂乃果は……、」

ことり「どうしたの?」

海未「い、いえ。何でもないです」

ことり「そっか…。私ね、あんな風に穂乃果ちゃんを敵対視してた時…自分が自分じゃないみたいだった」

ことり「もう無我夢中で…売上をどうしたらあげられるか、お客さんを満足させられるかってことばかり考えてたもん」

海未「…睡眠時間を削ったりしていましたね。私も、その時に止められたら良かったのですが……すみません」

ことり「海未ちゃんのせいじゃないよ。それに、もうその話は終わったでしょ?」ニコ
5: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:03:02.93 ID:agehDSDq0
海未「………はい」


ことり「それでね、私は穂乃果ちゃんが心配なの」

ことり「今は絵里ちゃんと一騎打ちの状況なんだよね。それって…私と穂乃果ちゃんの関係に似てるから」

海未「確かに穂乃果はナンバーワンを目指していますから、絵里とぶつかるのは必然と言えますが…」

海未「しかし…それでも、普通なら絵里が勝つ筈です」

ことり「普通なら?」

海未「……っ、すみません。休養中のことりに話すべきではないのかも知れませんね」

ことり「ううん。私…お店は辞めないよ。早く皆の所に帰りたいって思ってる。そのために…今は少し休憩してるの」

ことり「だって、今までずっと一緒にやってきた仲間だもん。…違うかな?」ニコ
6: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:09:34.18 ID:agehDSDq0
海未「…いいえ。あなたは私達にとって、掛け替えのないメンバーです。舞蝶は誰1人として見捨てたりしません」

ことり「えへへ♡」


海未「……やっぱりことりには笑顔が似合いますね」ニコ

ことり「海未ちゃん…最近ずっと元気無かったよね。何か悩んでたりするの?」

海未「先程の話に戻りますが、穂乃果が絵里に勝とうと思っても…まだ時間が必要だと思うんです」

ことり「それが普通なら、ってことかな…?」

海未「はい。しかし、今は普通ではありません」

ことり「……」


海未「理由は全く掴めませんが、明日私達がどれだけ収益をあげても…先月の総額は超えられないでしょう」
7: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:12:06.32 ID:agehDSDq0
ことり「そんなに不味いの…?」


海未「ことりが抜けてしまった事も、多少は影響しているでしょうね。でもそれ以前に…舞蝶に来るお客様の数が減少しています」

海未「何人かの常連客と連絡が取れなくなったとの報告が10件。新規客に至っては、恐らく他店に流れている状況で」

ことり「そんな…。舞蝶の評判が落ちたってこと?でも私達は順調にやってきたよね。最初は小さなお店だったけど…」

海未「…評判が落ちているかどうかはわかりません。ですから、理由が掴めないのです」

ことり「うぅん……」

海未「私の常連さんも…先日、1人と連絡が取れなくなりました」

海未「そして、絵里でさえもこの被害を被っているようで。今までこんな事がなかった故に、困惑しているようです」
8: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:14:34.41 ID:agehDSDq0
ことり「にこちゃんは何て言ってるの?」

海未「今はやるべき事をやれ、と。抱えているお客様をこれ以上逃がさないように努力する事が、この事態への解決法になる…」

ことり「…うん。その通りだね……今はそのくらいしか出来ないよ」

海未「はぁ…私がいながら、面目ありません」

ことり「海未ちゃんのせいじゃないよ…!いつもお疲れ様って言いたいくらいだもん…。みんな同じ気持ちじゃないかな」

海未「…その言葉に救われます」


ことり「そっか…。じゃあ明日は締め日だけど、あんまり期待出来ないんだね」

海未「はい。…穂乃果以外は」


ことり「えっ?」
9: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:16:18.45 ID:agehDSDq0
海未「えぇと……何故か穂乃果だけは、指名客を次々と獲得しているようで。恐らく先月の売上を超えるのではないでしょうか」

ことり「わぁ…凄いね。ほんとに才能なんだ……」

海未「………」


ことり「…海未ちゃん?」

海未「あ、いえ…」ニコ



ことり「私…今までいっぱい迷惑掛けちゃったから、今日くらいはお返しさせて?」

海未「そんな……お礼をされるようなことは」

ことり「ううん。ことりね、…海未ちゃんに助けられたの。隣にいてくれるだけで…心から安心できたよ」

海未「っ…、ことり」


ギュッ


ことり「ありがとう…♡海未ちゃんっ」

海未「……はい//」
10: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:19:08.05 ID:agehDSDq0
─────


~ホストクラブ~



凛「う~…。締め日って嫌いだにゃ」

花陽「あはは…遅くまで帰れないもんね」ニコ

真姫「今日くらい頑張りなさいよ」

凛「は~い。わかってるよ」


花陽「でも……なんか、静かだね…」

真姫「………」

凛「うん…。みんな来るの遅いね」


凛「そういえば真姫ちゃん、穂乃果ちゃんと一緒に来なかったの?」

真姫「…知らないわ」

花陽「あれぇ…最近は2人で来てなかった…?」
11: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:20:08.82 ID:agehDSDq0
真姫「もう一緒に住んでないもの」



凛「にゃ、にゃにゃ!?!?」

花陽「えっ……」


真姫「…時間まで外にいるわ。後でね」クスッ

凛「うん…」

花陽「………」


ガチャ バタン


凛「どうしたんだろう、真姫ちゃん」

花陽「喧嘩とか…?でもそれぐらいで別々に住むのかな……?」
12: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:22:15.02 ID:agehDSDq0
凛「よくわかんないけど…凛達がとやかく言っていいことじゃないよね」

花陽「うん。相手も穂乃果ちゃんだし、いずれ仲直りしてくれると思うけど…」

凛「それにしても、真姫ちゃんめんどくさいにゃ。変なとこで頑固だから…意地張っちゃったのかなぁ」

花陽「うーん…。あんまり長く続くようなら、にこちゃんがどうにかしてくれると思う」

凛「…そうだね。じゃあ、あんまり触れないようにしよう!」

花陽「うん♪」


花陽(でも本当に大丈夫かな……心配です…)

花陽(それに、最近はみんなピリピリしてるし…雰囲気良くないなぁ)
13: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:28:41.48 ID:agehDSDq0
─────



穂乃果(んー……)


女の子1「穂乃果ちゃん、飲んで飲んで♪」

女の子2「あーずるい!隣キープしないでよ~」

女の子3「ねぇ、こっちは構ってくれないの?」


穂乃果「み、みんな…仲良くしよう?ねっ?♡」


キャーキャー!!

女の子1「ちょっと!お触り禁止よ!?」

女の子2「アンタだってくっつきすぎなのよ!」

女の子3「ねぇ穂乃果ちゃんにあんまり近寄らないで!」

穂乃果「ぅぐぐ…」
14: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:28:43.64 ID:agehDSDq0
─────



穂乃果(んー……)


女の子1「穂乃果ちゃん、飲んで飲んで♪」

女の子2「あーずるい!隣キープしないでよ~」

女の子3「ねぇ、こっちは構ってくれないの?」


穂乃果「み、みんな…仲良くしよう?ねっ?♡」


キャーキャー!!

女の子1「ちょっと!お触り禁止よ!?」

女の子2「アンタだってくっつきすぎなのよ!」

女の子3「ねぇ穂乃果ちゃんにあんまり近寄らないで!」

穂乃果「ぅぐぐ…」
15: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:30:18.22 ID:agehDSDq0
穂乃果(だめだ、まるで聞いてない)

穂乃果(うぅ……まだ始まったばかりなのに、こんなに大勢の常連さん相手に出来るかな)


ホスト1「穂乃果ちゃん、フォローするよ!」

ホスト2「いま全然お客さん来てなくてさ~。だからヘルプ付くね」

穂乃果「あっ…ありがとう。助かるよ」


穂乃果(でも、この先輩達…締め日なのにお客さん来てないって大丈夫なのかな?)



ホスト1「いやぁ絶好調だね?」

穂乃果「あはは…そんなことないよ」

ホスト2「いまこんなに盛り上がってるテーブルここだけじゃない?ヤバイねぇ」
16: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:31:15.21 ID:agehDSDq0
穂乃果「え?でも、海未ちゃんとか希ちゃんとか……」

ホスト1「お客さんは来てるっぽいけど、こっちの勢いに負けてるよ。なんか約束通りに来ない人がいて困ってるみたい」


穂乃果「…じゃあ、絵里ちゃんは?」

ホスト2「あっちは通常運転だね。結構頑張らないとナンバーワン取れないかも~」

穂乃果「………」



穂乃果(絶対に負けない……。今月こそ、結果を出すんだ)


穂乃果「……あの子、まだかな」
17: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:36:17.27 ID:agehDSDq0
女の子1「えー?穂乃果ちゃん誰か待ってるの?」

穂乃果「あ、えっと…あはは」



穂乃果(〇〇ちゃん、すぐ来るって言ったのに…。大学の授業が長引いてる?)

穂乃果(でも学校行ってないっぽいよね…どうなんだろう)

穂乃果(連絡しても返信来ないし……。絵里ちゃんに勝つにはあの子の力が必要なのに)


穂乃果「………」チラ


ワイワイガヤガヤ


女性1「とりあえず50万のボトル3本おろしてくれる?」

絵里「えぇ、わかったわ」
18: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:37:20.36 ID:agehDSDq0
女性1「ふふっ。今月こそ死守して見せるわよ♪」

絵里「…ありがとう」ニコ

女性2「私はあんまり手持ちないけど…ピンドンでいい?ごめんね」

絵里「ううん。来てくれるだけで嬉しいわ」



穂乃果(……まさか、来ないなんて事ないよね?)


穂乃果「っ……はぁ…」イライラ


ウェイター「お客様、いらっしゃいませ」


大学生「穂乃果ちゃん…!!」タタッ


穂乃果「……、ありがとう。待ってたよ」ニコ
19: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:38:56.99 ID:agehDSDq0
大学生「ごめんね、ちょっと色々あって…」

穂乃果「そっか。でも来てくれて嬉しいなぁ♪」

大学生「うん…♡」

穂乃果「今日は最後までいてくれるの?」

大学生「そのつもりだよ」ニコ

穂乃果「やった♡じゃあ、早速だけど…何か飲む?」


大学生「……シャンパンにしようかな」

穂乃果「わかった。どれにする?」

大学生「…タワーで」ニコ


ウェイター「シャンパンタワー入ります!」
20: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:44:24.74 ID:agehDSDq0
『えっ…誰!?どこのエースが入れたの?』

『あの子よ、あの子…。穂乃果ちゃんの』

『嘘…やばい。うちも何か頼まなきゃ』


大学生「……っふふ」


大学生(皆が私を見てる…!私に、畏怖の念を抱いてる…!!)

大学生(これで、私は穂乃果ちゃんのエースだって認識された……)

大学生(穂乃果ちゃんがナンバーワンになれるのは私のおかげ。私がいなきゃ、穂乃果ちゃんは何も出来ない)

大学生(ここまでしてるんだもん…。私のお願い、一つくらいは聞いてくれるよね?)

大学生(だって、この店で上にいられるのは私っていう存在がいるからだよ……?恋人は大切にしなきゃだよね)
21: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:45:51.98 ID:agehDSDq0
穂乃果「ありがとう…。本当に大好きだよ」ニコ

大学生「私もっ、私も……大好き」



真姫「………」

海未「タワーですか…。やはり厳しいですね」


真姫「…もう諦めてるわけ?」

海未「いえ、そんな事は…」

真姫「最後まで頑張りなさいよ。…って言いたいけど、もう勝敗は見えたわね」

海未「真姫は……穂乃果がナンバーワンになると思いますか?」

真姫「昨日の売上だけなら、エリーと穂乃果はそんなに変わらないけど…今日が全く違う」

海未「あなたも…そう思うんですね」

真姫「………まぁどうでもいいわ」

海未「…真姫、いい加減に仲直りしてはどうです?」

真姫「嫌よ。…そういう問題じゃないの」

海未「……ではあなたに任せます。私はもう、テーブルに戻りますね」

真姫「えぇ」
23: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 01:53:52.55 ID:agehDSDq0
─────



絵里「……タワーね。やっぱり最後に攻めてきたわ」

女性1「…あの子の常連はどうなってるの??若い子から大人まで…お金落としすぎでしょ」

絵里「私にはさっぱりよ。それだけ、穂乃果に魅力があったという話なら……負けても悔いはないわ」


女性1「でも…!私達は諦めないわよっ」

絵里「…実はね、あと30分程で彼女達が来てくれるの」

女性1「ふふっ。やっぱり諦めてないんじゃない。それがあなたらしいけど」

絵里「最後まで戦わないと失礼でしょう?私は私なりに…色々考えてるのよ」

女性1「……もしかして呼んだのって、あの女社長?ほっんとキャリアウーマンってのは厄介だわ。高飛車しかいないし」

絵里「あはは…。仲良くしてね」ニコ
25: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:00:05.47 ID:agehDSDq0
女性1「ま、増援がくればあんな新人…すぐに抜かせる。それまで私達は繋ぐわ」

絵里「………」



絵里(……穂乃果、あなたは…)

絵里(自分の全てを犠牲にするつもりなの…?その覚悟があるっていうの?)


絵里(初めてあの子と会ったとき……私は、綺麗だと思った)

絵里(穂乃果の事は何も知らないのに。ただ、その純粋な笑顔に…見入ってしまった)


絵里(この世界では誰も見せない光を、あの子は灯していた。だから、ここまで続くなんて想定していなかったのに)

絵里(…今は、そんな穂乃果に私が追い詰められているなんてね)ニコ
26: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:03:54.30 ID:agehDSDq0
ガタッ


絵里「……?」

女の子「ね、絵里ちゃん。私もう帰ろうかな……」

絵里「あら…もう帰っちゃうのね。でもありがとう。わざわざ来てくれて」

女の子「うん……」


絵里(……元気がないわね。そういえば最初からこんな感じだったけど…)


女の子「お見送り、来てくれる?」

絵里「もちろん」ニコ


ウェイター「お客様、ご来店ありがとうございました。お会計…10万円になります」
27: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:09:02.51 ID:agehDSDq0
女の子「…カードで」

ウェイター「かしこまりました」


ピッピッ

ウェイター「カード、お返しします」


絵里「ごめんね。今日は忙しいから…店の外までは送れないわ」

女の子「ううん…大丈夫だよ。ここでいい。ホールから離れられないもんね…」


絵里「……何かあった?今日は笑ってくれなかったわね」シュン

女の子「…ねぇ絵里ちゃん、人の幸せってさ……なんだと思う?」


絵里「え…?」
28: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:13:46.24 ID:agehDSDq0
女の子「基本的にさ、自分の幸せは誰かの不幸から生まれてるよね」

絵里「……そうかしら」

女の子「そうだよ。全員が幸せを手に入れられるわけない。だからハッピーエンドなんて、元々は存在しない」

女の子「…ただ気付かれないだけで、誰かが不幸になってるからね」


絵里「気付かれない…じゃなくて、見て見ぬ振りをしているんじゃないかしら」

女の子「わぁ…。その通りだよ。流石は絵里ちゃん」

絵里「…確かに、ハッピーエンドは誰かにとってのバッドエンドかもしれない。でもそれが世の中の条理なの」

女の子「………」
29: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:15:29.56 ID:agehDSDq0
絵里「資本主義の日本では特にそうね。…だからこそ慈愛の精神や思いやりが美徳とされるのよ」

女の子「……でも、そんなのって結局は綺麗ごとだよね。みんな自分自身が可愛いのに、建前だけ並べてさ」

女の子「ほんと…笑っちゃうよ。何にも面白くないのに可笑しいね」


絵里「…嫌なことでもあったの?」

女の子「ううん。いつも通りだよ、いつもの…日常」

女の子「でもたまにね、そんな日常を変えて……私も幸せになってみたいって思うの」

絵里「誰にでも幸せになる権利はあるわ。人によって形は様々だけど…」



女の子「やっぱり……絵里ちゃんは優しいね」
31: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:24:11.53 ID:agehDSDq0
絵里「ん…?」

女の子「私みたいなのに、構ってくれるなんて。他にお客さんはいっぱいいるのにね」

絵里「私を指名してくれたからには…最後まで楽しんで貰いたいの。ただそれだけよ」


女の子「そっか…ありがとう」

絵里「…辛いことがあったらまた話してみて?私に出来ることがあれば協力するわ」

女の子「………」


絵里「じゃあ、寒いから…気をつけて帰っ」

女の子「絵里ちゃん。私…幸せになってもいいのかな」

絵里「………」
32: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:25:37.91 ID:agehDSDq0
女の子「誰かが不幸になっても……私が幸せになるのがハッピーエンドだ…も、ん…ね」

絵里「……ねぇ、あなた本当に大丈夫…?」


女の子「もう……私ね、生きていくのが怖いの…」ウルウル

女の子「このままじゃあどうにかなっちゃいそう、っで……この人生が辛くて…」


女の子「幸せになれる事をやっと見つけたのに…それさえも、私には許されないって……思うと」ブルブル



ギュッ

女の子「ぇ、絵里ちゃ……///」
33: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:37:27.91 ID:agehDSDq0
絵里「……言ったでしょう?みんな幸せになっていいのよ」

女の子「……そっ、か…」ニコ


絵里「だから、あなたも……」

女の子「ありがとう。勇気もらえたよ…。私、幸せになっていいんだねっ」

絵里「…そうね」


女の子「じゃあ私のハッピーエンドに付き合ってね…♡絵里ちゃん」


絵里「……えっ?」


ザクッ


女の子「……ごめんね。絵里ちゃんが私のものになってくれないなら…こうするしかないの」ニコ
35: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:42:11.56 ID:agehDSDq0
─────



『キャーーーッ!!』

『誰か!誰かきて!!』


穂乃果「えっ…??何があったの?」

大学生「あっちの方が騒がしいね…」


海未「絵里っ!!」ダッ


穂乃果「海未ちゃん…?」


大学生「ぁ、穂乃果ちゃん……!あれ…っ」ブルブル


穂乃果「……えっ」
36: 名無しで叶える物語(笑)@ (ワッチョイ 0fb2-VTds) 2017/02/12(日) 02:43:59.64 ID:F88h1w0X0
ひいええぇえええ
39: 名無しで叶える物語(庭)@ (アウアウカー Sa1f-Y9cy) 2017/02/12(日) 02:45:53.65 ID:YO49JNn9a
腹傷(ハラショー)
40: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:46:52.18 ID:agehDSDq0
女の子「離してっ…!!離してよぉぉぉっ!!」ジタバタ

ウェイター「大人しくしろ!!」


希「えりち…っ、ねぇ!えりち!!」

海未「絵里……!私がわかりますか!?意識は…」


『ちょっと、押さないでよ!!』

『早く出口に通してっ!!嫌ぁぁあっ』


凛「み、みんな…!落ち着いてよ!」

花陽「危ないから店内を走っちゃ…ひゃぁっ」
42: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:51:11.79 ID:agehDSDq0
大学生「嘘……。地面に転がってるの、って……ナイフよね」

穂乃果「い、いや……そんなわけ」

大学生「刺されたの…??」

穂乃果「そ、そんな…はず……」


真姫「2人共どいて!!」


希「嫌や…っ!ねぇ、目を開けてよ…!!」

海未「真姫っ…絵里が……」

真姫「いいから離れて!止血しないと最悪の事態になるわよ!!」

海未「っ、は…はい!希、私と一緒に来てください!絵里は大丈夫ですからっ」グイッ
43: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/12(日) 02:53:02.95 ID:agehDSDq0
穂乃果「うそだ……」


穂乃果(あの床を染める液体から…目が逸らせなくなる)

穂乃果(あぁ…目の前に起こったことが信じられないと、人って何も出来ないんだなって……)


ガチャッ

にこ「っ、うちの従業員は今すぐ残ってる客を避難させなさい!!」

凛「う、うんっ!!」

花陽「みんな私達の指示に従ってください…!」



海未「にこ!どう、しましょう…」

にこ「…もう言ってられないでしょ。警察と救急車呼んで!あと、海未は希をしっかり押さえときなさいよ!」

海未「はい…っ」


にこ「穂乃果!!」


穂乃果「えっ、あ…」

にこ「今は黙って真姫ちゃんを手伝ってあげて!」

穂乃果「う……うんっ。お店はどうなるの…?」

にこ「こんな状況で営業出来るわけないでしょうが!」

穂乃果「そ、そうだよね……ごめん」
45: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@ (ドコグロ MMa3-hp/Q) 2017/02/12(日) 02:55:02.94 ID:prw6j+53M

絵里ちゃん…
51: 名無しで叶える物語(庭)@ (アウアウカー Sa1f-XENI) 2017/02/12(日) 03:15:52.09 ID:XEtOhAtja
絵里ちゃん死んじゃ嫌だあああああ
52: 名無しで叶える物語(庭)@ (アウアウカー Sa1f-6Cpf) 2017/02/12(日) 03:23:25.76 ID:j8phvMr4a
絵里イイイ!!!
91: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:23:17.09 ID:KPfE9i8M0
──────



穂乃果「真姫ちゃんっ……、私は」


真姫「そこの戸棚の中に、新品のタオルがあるわ!あるだけ持ってきて!」

穂乃果「う、うん!」


花陽「にこちゃん!お客さんの避難終わったよ!」

にこ「ありがと。凛と一緒に表に出て、救急隊の誘導してくれる?」

花陽「はいっ!」タッ

凛「任せるにゃ…!」ダダッ


にこ「真姫ちゃん…絵里は助かるわよね?」

真姫「……正直わからないわ。刃物が引き抜かれた事によって、大量出血してるから」

にこ「そんな…」

真姫「でも、私が死なせない。もう私の周りでは…誰も……」ギリ
92: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:31:48.09 ID:KPfE9i8M0
ドサッ


穂乃果「っはぁ…タオル、持ってきたよ!!」


真姫「…ありがとう」

真姫(腹部の止血は難しい…。今この場で出来ることは限られてるけど、やるしかないわ)


絵里「っぅ………」


希「えりちっ…」ギュ

海未「意識が戻ったのですね…!」

真姫「…でも、まだ油断できない。傷はそこまで深く無さそうだけど…」


穂乃果「絵里ちゃん……頑張って」

穂乃果「嫌だ、…嫌だよっ。今まで絵里ちゃんを目標にしてきたのに…」

穂乃果(こんな形でナンバーワンになったって……嬉しくなんてない)
94: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:39:19.67 ID:KPfE9i8M0
女の子「んふふ…、はははははっ……!」


穂乃果「…!?」


女の子「ほんっと…馬鹿みたい」


女の子「あなたみたいな屑はね、そうやって…地に転がってるのがお似合いよ」

女の子「私の気持ちを踏み躙った事、一生後悔すればいい!!」


ザワザワ

女の子「あぁ……そこでボーッと見てるアンタらも同類だからね?」ニヤ


にこ「……もう一回言ってみなさいよ」

海未「にこ、今は耐えてください…!」ガシッ
95: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:41:22.84 ID:KPfE9i8M0
ピーポーピーポー


穂乃果「……!」ハッ


凛「警察も救急車も来たにゃ!」


『どいてどいて!通してください!』ダダッ


真姫「…腹部を刃物で刺されてから、5分経過しているわ。応急処置は施したけど出血は止まってない」


『了解しました、至急搬送します。どなたか付き添われる方はいますかっ』


海未「……真姫?」

真姫「私は乗れないわ。…合わせる顔がないもの」

希「じゃあ、うちが行くよ…!」

花陽「希ちゃんお願いしますっ」
96: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:47:06.26 ID:KPfE9i8M0
穂乃果「あ、あの!警察の人は?」


『私達の後ろにおられましたので、もうすぐ…』


ガチャッ!!


警察官2「…通報を受けて来ました」


ウェイター「この人です!」グイッ

警察官1「では、引渡しとして殺人未遂罪で逮捕します」カチャリ

女の子「……あははっ……はは…」


警察官2「えーっと…ですね。当時の状況などを聞かせていただきたいんですが」チラ


海未「………」

にこ「…私が行くわ。この店のオーナーよ」
97: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:50:42.91 ID:KPfE9i8M0
警察官2「では、一度署にご同行願えますか?」


「「「ちょっと待ったぁ!!」」」


穂乃果「ぅえっ…!?」



ヒデコ「1人だけじゃ細かいところまで分からないかもしれないよね?」

フミコ「全く…これだから新人は。あ、私達はたまたま通りかかっただけですよ」

ミカ「だから~、そこの……蒼い髪のお姉さんも一緒にお話聞かせて欲しいな☆」


海未「……その前に名乗る必要があるのでは?」


ヒデコ「これは失礼。私達は……」
98: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:53:25.88 ID:KPfE9i8M0
『警視庁組織犯罪対策課、3人合わせてヒ・フ・ミ!!』ジジャーン


穂乃果(組織犯罪…??)

穂乃果(それって…、なんの意味があってうちの店に来たんだろう)



海未「…どうも。ではさっさと行きましょう」

男「お嬢…!待ってください!」

海未「すぐに帰ります。留守番、頼みますね」ニコ


ミカ「大丈夫ですよ~!丁重に扱わせていただきますから☆」


穂乃果「にこちゃん…!あの、お店は…」

にこ「1日くらい戻って来れないかも。店は閉めといて」

穂乃果「う…うん」

にこ「なに?…心配しなくても私達はまた元通りになれるわよ」

穂乃果「……そうだよね」ニコ
99: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:57:44.54 ID:KPfE9i8M0
─────


~カフェ~



ツバサ「っごほ…!?」


穂乃果「ごめん…びっくりするよね。こんな話。でも本当なんだ」


ツバサ「いえ…ごめんなさい。私も、今月でナンバーワンになったって報告されると思ってたから」

穂乃果「ナンバーワンね…。現状はそうだよ」


穂乃果「ランキングは発表されなかったけど、私が1位で絵里ちゃんが2位、海未ちゃんが3位みたいだし」


ツバサ「…でもおめでとう。やっとあなたの悲願が叶ったのね」


穂乃果「……あんまり嬉しくないよ。なんだろう…真正面からぶつからないと、納得がいかないっていうか」
100: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 01:59:50.42 ID:KPfE9i8M0
ツバサ「…意外ね。あれだけ努力していたなら…少しくらいは喜んでいいと思うけれど」

穂乃果「ごめん…。欲張りなのかな」


ツバサ「それで…その、警視庁の3人組が来て…海未さんとにこさんが同行したのね?」

穂乃果「うん…」



ツバサ「組織犯罪対策課……何の目的があってそうしたのかしら」

穂乃果「えっ…?ツバサさん、その人達のこと知らないの?」


ツバサ「私の知り合いの人はね、言わば特殊部隊なのよ。表立っては動かない」

ツバサ「その理由は警察官の中に内通者がいる事への警戒らしいわ。暴力団から賄賂を貰っている人がいないわけじゃないから」

ツバサ「…だから、同じ警視庁の中でも2つのグループが出来ているのかも」
101: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:01:12.67 ID:KPfE9i8M0
穂乃果「そ、そうなんだ…。すごい」


ツバサ「でも、それだけの人数が躍起だって行動を起こしてるなんて…。手柄をあげるのに必死みたいね」

穂乃果「って事は…もう先は長くないってこと?」


ツバサ「恐らく。証拠などが集まってきているんでしょう」

穂乃果「………」


ツバサ「とにかく、穂乃果さんはいつも通りでいて。不審な動きをする従業員や、探りを入れてくる客には警戒を緩めないでね」

穂乃果「…わかったよ」


ツバサ「……もう少しの辛抱よ。これが終われば、私達は一緒にいられるわ」

穂乃果「うん…」ニコ
102: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:07:07.57 ID:KPfE9i8M0
─────


~西木野総合病院~


海未「……本当に…良かったです…」ホッ


希「でもね…もう少し出血が多かったら危なかったかもって、お医者さんに言われたんよ」

にこ「真姫ちゃんに感謝しなきゃいけないわね。ま、絵里の悪運の強さも関係してそうだけど…」チラ


絵里「………」スゥスゥ


にこ「……はぁ。ったく…気持ち良さそうに寝ちゃって」

海未「憎まれ口を叩いていますが、ずっと絵里のことを気にかけていたんですよ」クス

にこ「ず、ずっとじゃないでしょ…!」

希「にこっちが心配してたよ~って言ったら…えりち喜ぶやろなぁ」ニコ

にこ「大体…絵里はこんな事でくたばるわけないって思ってたし」
103: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:09:17.46 ID:KPfE9i8M0
海未「力が弱くて助かりましたね。もっと深々と突き刺さり、位置が悪ければどうなっていたか…」


希「あの子…捕まったんやんな」

にこ「えぇ。あれだけの目に触れてたんだもの。現行犯って奴よ」

希「………っ」ギリ


にこ「馬鹿なこと考えんじゃないわよ。あれに関わってやる価値もないわ」

海未「…憎い気持ちはわかります。しかし私達は、それより先にやるべき事が……」

希「……お店のこと…?」

にこ「えぇ。ことりの件は、完全に誰かの操作によるものだと思ってるわ。でも今回はわからないの」

にこ「個人的な逆恨みで襲った…ってのが警察の見方だった。私達もそれしか思い当たる節がない」

にこ「でも、うちのナンバーワンである絵里が……店から離れる事になったのを偶然で済ませていいかって考えると…」
104: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:12:59.24 ID:KPfE9i8M0
希「…やっぱり組織ぐるみでうちらを潰そうとしてるんかな」

海未「私も部下を使って探させていますが、今は何の手掛かりも…」


にこ「……… ほんと、敵が見えないってのは厄介ね」

希「ねぇ、警察でどんなこと聞かれたん?結構長い時間かかったんやんね」

にこ「表向きはあの時の状況を聞かれたけど、段々話がズレていったわ」

にこ「…答える必要のない質問は黙秘してやったけどね」

海未「……あの人達も執念深いですね」


希「そっか…」


にこ「とりあえず、もう少し経ったらまた通常通り営業するから」

希「えっ!えりちがこんなことになってるのに…?」
105: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:14:28.72 ID:KPfE9i8M0
にこ「これで足止めされたら、喜ぶのは他店の奴らよ。…私達は負けない」

希「っ……でも…!」


海未「…希が絵里の事を大切に思うのはわかります。私も…同じような事がありましたから」

海未「ですから、絵里の容態が良くなるまで側にいてあげてください」ニコ


希「………っ」


にこ「大丈夫。店は…アンタらが帰ってくるまで潰れないわ」

にこ「それに、絵里が目覚めた時に誰もいなかったら泣くかもしれないでしょ?ふふっ、夜だったら尚更ね」

希「ごめん…。うち、えりちのこと支えてみせるから」

にこ「よろしく。任せたわよ」ニコ


海未「では…そろそろ帰りましょうか」

にこ「そうね。やることは山積みだし…。このまま店に向かいましょ」

海未「……あぁ、すみません」


にこ「ん…?」


海未「私はその前に、少し穂乃果と話してきます」
107: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:19:30.38 ID:KPfE9i8M0
─────


~マンション~


穂乃果「……はぁ」


穂乃果(結局、あの後…にこちゃん達がどうなったかは知らないし)

穂乃果(絵里ちゃんにも会えてない。店も閉まってるから凛ちゃん達とも会えないまま)


穂乃果(こんな暇な時は、ツバサさんと一緒にいたいけど…忙しいみたいだしなぁ)


穂乃果「んー……」


穂乃果(絵里ちゃんがあんなことになってから3日が経った。ネットニュースに取り上げられて話題になったけど…もう世間では過去の話だ)

穂乃果(でも、私達にとっては忘れられない鮮明な…記憶)
108: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:23:30.76 ID:KPfE9i8M0
穂乃果(私が知ってるだけでも、店のホスト5人が辞表を出したらしい)

穂乃果(あんな怖い光景を目の当たりにしちゃ…仕方ないのかもしれないけど)

穂乃果(ことりちゃんが去って、絵里ちゃんが去って、次々に戦力が削られていくのに……このままじゃ本当に)


穂乃果(あぁ…でも、この店は後少しで終わっちゃうんだよね…)

穂乃果(ヒフミって人達が早いか、ツバサさんの知り合いの特殊部隊が早いか……)


穂乃果(どっちにしろ、舞蝶の行く末は地獄しかないけど……)ポチッ


キャスター『ニュースです。俳優として働いている〇〇が麻薬所持で現行犯逮捕されました』

キャスター『警視庁は入念な捜査の賜物だと、コメントを発表しています』



穂乃果「私は……これでいいんだよね…?」
109: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:28:16.62 ID:KPfE9i8M0
穂乃果(この店に来てから色々な事があった)


穂乃果(最初は…お金を稼ぐために始めたこの仕事も、負けず嫌いだった私は…ナンバーワンを目指すようになって)

穂乃果(オーナーとして皆をまとめるにこちゃん、私を助けてくれた絵里ちゃん、いつも優しい希ちゃん)

穂乃果(話しやすい凛ちゃんに…可愛い花陽ちゃん。ライバルとして競ってくれたことりちゃん、教育係としてお世話してくれた海未ちゃん)

穂乃果(そして……私と一緒の部屋で過ごした、真姫ちゃん)


穂乃果(最初の頃、私に言ったよね?「あなたは絶対に後悔する事になる」…ってさ)


穂乃果(…当たってるよ。私は後悔してる)


穂乃果(でも……それ以上に、ツバサさんと出会えた事が何よりの奇跡だって思うんだ。…ごめんね)
110: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:29:56.61 ID:KPfE9i8M0
穂乃果「………」


穂乃果(もう、最後になるかもしれない。全てが終わるなら…その前に、伝えなきゃ…)


ポチポチポチ


穂乃果<真姫ちゃん。あんな風に感情的になってごめんね

穂乃果<でも私は、やっぱり恋人を裏切ることは出来ない

穂乃果<考え方の違いなんだと思う。だから、私は真姫ちゃんの言うことを批判したりはしないよ


穂乃果<もう前みたいにはなれないかもしれないけど


穂乃果<私は…真姫ちゃんのこと、大好きだよ


穂乃果(……ふぅ…)



ダンダンダンッ!!


穂乃果「っ、ぃ!?」
111: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:36:46.77 ID:KPfE9i8M0
ピンポーンピンポーン


穂乃果「だ、誰??怖いよ…っ」


「穂乃果ちゃーんっ!いるにゃー!?」

「花陽ですっ!…あと、凛ちゃんも!」


穂乃果(凛ちゃんに花陽ちゃん??慌ててるみたいだけど…一体何が…)


ガチャッ

凛「ごめん…、おっきい音出しちゃって」

穂乃果「大丈夫だよ。それで…どうしたの?」


花陽「あぅ……えっと…穂乃果ちゃんの部屋に、真姫ちゃん来てないかなぁって…」


穂乃果「え?」


凛「ほ、ほら…仲直りして一緒にいるかもって思ったの!」


穂乃果「ごめん。いない、けど…」


「「………」」


穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃん…!何があったの…?」

凛「……、」

花陽「えっと…その……真姫ちゃんが、どこを探してもいないんですっ…!!」
112: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:40:01.79 ID:KPfE9i8M0
─────



タタッ

花陽「ふぅ…ふぅ……真姫ちゃんの部屋ってここだよねっ?」

凛「502号室…合ってるにゃ!」


穂乃果「ねぇ、連絡が取れないって…ほんとなの」


凛「うん…。電話しても出ないんだにゃ」

花陽「でね、穂乃果ちゃんの部屋か、真姫ちゃんが住んでる部屋で倒れてるんじゃないかって思って…」

穂乃果「…それで、合鍵を持ってる私のところに来たんだね」

凛「穂乃果ちゃん!早く開けてよ…!」


穂乃果「うんっ…」
113: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:45:19.46 ID:KPfE9i8M0
穂乃果(真姫ちゃんがいなくなった??そんなの…きっと何かの間違いだよ)

穂乃果(でも……この扉を開けて、真姫ちゃんが絵里ちゃんと同じように…血塗れで倒れていたら?)

穂乃果「………」ゴクッ


ガチャッ…


穂乃果「……誰も、いない…っ」


ダッ

凛「部屋の中を全部探すにゃ…!」

花陽「真姫ちゃんっ、どこにいるの…?」


穂乃果「探すって……そ、そんな…」キョロキョロ


穂乃果(あれ?鍋が…まだ温かい)

穂乃果(その横には茹でられてないパスタ……)
115: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:46:15.03 ID:KPfE9i8M0
穂乃果「ね、ねぇ…さっきまで真姫ちゃんは、この部屋にいたんじゃないかな」


凛「えっ?でも、電話出なかったんだよっ?」


花陽「あっ…。これ真姫ちゃんのスマホじゃないかな…?」

凛「ほんとだ!……でも、電源切れてるにゃ…」


穂乃果「前にね、一緒にパスタを作ろうとした時があって…。パスタを茹でるには塩がいるんだ」

穂乃果「でも……いつも塩の入ってる容器が、空っぽになってる」


花陽「それって…」
116: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:47:24.94 ID:KPfE9i8M0
穂乃果「一緒に暮らしてたからわかるんだ。真姫ちゃんが普段から、調味料の袋を収納していた所にも…塩の袋はない」


凛「さっきまでパスタを作ろうとしてたのに…塩が無いから作れなかった?」

花陽「そっか…!じゃあ真姫ちゃんは、お塩をどこかに買いに行ったんじゃないかな?」


穂乃果「多分ね。その店もわかるよ。…よく一緒に行った場所だから」


凛「じゃあ早く行こうよ!…なーんだ。真姫ちゃんってば…心配かけさせて酷いにゃ~」

花陽「良かったぁ……」ホッ



穂乃果「うん…本当に良かったよ」ニコ
118: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/13(月) 02:59:08.20 ID:KPfE9i8M0
──────



海未(……このまま一方的にされるがままなんて、許すわけにはいきません)

海未(私は全員を守る義務がある…。だから、仲間を疑うなんて事はしたくありませんが)

海未(もうこうなってしまった以上、身内を疑うしか手はないのです)


海未(外部からの接触は全て私達が切り捨てている…。なのに、情報が漏れているということは)

海未(やはり、内通者がいるしか考えられない)


海未「……まずは穂乃果からですね…」


海未(色々思う所もありますが…。彼女が、そんなことをするようには見えない)

海未(…これも仕事のうちです。私が気になっている事を単刀直入に聞いてみましょう)


prrrrrr…


ピッ


海未『…穂乃果、少しよろしいですか?』


穂乃果『……いない』

海未『え…?』


穂乃果『靴がっ…路地裏に…、転がってるんだ』

海未『穂乃果…?あなた何を言って…』


穂乃果『……真姫ちゃんが』


穂乃果『誰かに、連れさらわれちゃった……』
138: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:10:01.88 ID:vkGuQWr40
─────


~病室~


ガチャッ!


亜里沙「お姉ちゃん…っ」タタッ

雪穂「亜里沙、走っちゃ危ないよ!」



ギュッ


絵里「……わざわざ来てくれたの」ナデナデ

亜里沙「うわぁぁっん……怖かった…」ヒック

亜里沙「お姉ちゃんが遠くに行っちゃうんじゃ、ないかって…」ウルウル


絵里「……ごめん。心配かけちゃったわね」ニコ
139: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:19:11.16 ID:vkGuQWr40
雪穂「………」


希「あなたは、亜里沙ちゃんのお友達?」

雪穂「あ、えっと…その…」

絵里「穂乃果の妹さんよ。…雪穂ちゃん、お見舞いありがとう」

希「……えっ」


雪穂「高坂雪穂です…。初めまして」

希「雪穂ちゃん…って言うんやね。うちは東條希。今日は来てくれてありがとうなぁ」ニコ


雪穂(どうしよう。絵里さんがどういう経緯で負傷したかは知ってるわけだし、この人達やお姉ちゃんがホストなのは…わかってるけど)

雪穂(こういう職業の人って、あんまり深入りされるのを嫌ったりするんじゃないかな…)
140: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:24:09.38 ID:vkGuQWr40
雪穂(あぁ…絵里さんと面識があるからってだけで来るのは、間違いだったかも)


希「……お姉ちゃんのこと、嫌わないであげて?」

雪穂「へっ」

希「やっぱり世間からは厳しく見られがちやけど、うちらはこれでも一生懸命やってるんよ」

希「穂乃果ちゃんも…悪戦苦闘しながら、ひたむきに頑張ってた。ほんまに努力家やね」


雪穂「嫌ったりなんて…。それに、今の言葉を聞いて少し安心しました」

雪穂「やっぱりお姉ちゃんなりにしっかりやってたんだ、って」ニコ


絵里「……あの子も愛されてるわね」

亜里沙「お姉ちゃん…、お腹はまだ痛い?」

絵里「いいえ。もう大丈夫よ」
142: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:30:06.75 ID:vkGuQWr40
亜里沙「ほんとっ?じゃあお家に帰ってきてくれる?」

雪穂「亜里沙、まだダメだよ。手術したばかりなんだから」

亜里沙「……そうだよね」

絵里「また一緒に買い物に行きましょう。それまで…待っていてくれる?」

亜里沙「うんっ…!亜里沙も大人だから、寂しくなんてないもん」

絵里「ふふっ、私から見ればまだ可愛い子どもよ」



雪穂「あの…希さん」

希「…ん?」

雪穂「こんな事件があって、お店はお休みで……。大丈夫なんですか?」
143: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:32:05.83 ID:vkGuQWr40
希「…お姉ちゃんが心配なん?」ニコ

雪穂「えぇと……」

希「穂乃果ちゃんの事は任せて。うちらが守ってみせる」

雪穂「……あの、私達に何か出来ることがあれば」


絵里「必要ないわ」


雪穂「っ……」ビク


絵里「雪穂ちゃん、亜里沙を任せてもいい?私はこの子の近くにいられないから…」ニコ

亜里沙「なんで…?もう会えないの?」シュン

絵里「騒動が収まるまでよ。今、私達の近くにいるのは危険なの」

絵里「あなた達は無関係でも……相手はそう優しくない。どんな手を使ってくるかわからない以上、巻き込んでしまう可能性がある」

希「…こういうのを見越して、うちらはわざわざ部屋を借りて住んでるんよ」
144: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:37:05.18 ID:vkGuQWr40
亜里沙「………」グスッ


雪穂「…わかりました」

絵里「ごめんなさい。また埋め合わせはさせてもらうわ」

雪穂「とんでもないです…」

絵里「だからね、亜里沙。もうお見舞いには来ないで欲しいの」

亜里沙「……」

絵里「私は大丈夫だから。ね?」

亜里沙「………うん」


希「これ、2人にお土産。オレンジジュースしかないけど…いいかな?」

雪穂「あっ…はい。ありがとうございます」

亜里沙「……、」

絵里「気をつけて帰るのよ。人気のない道は歩かないこと」

亜里沙「またね…お姉ちゃん」
145: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:40:55.53 ID:vkGuQWr40
ガチャッ バタン



絵里「ふぅ……」ギシ


希「…いくら心配させたくないからって、あの態度は不自然やない?」

絵里「あぁ、怪我のこと?でも本当に大丈夫よ」


希「ふーん……?」チョン


絵里「い゛っ…!!」


希「うちに着替え手伝って貰ってるのに、大丈夫なわけないよね」

絵里「あはは……。その節はお世話になってます…」

希「もう…。ちゃんと安静にしてて」

絵里「わかってるわ。部屋から出るなって言われてるんだし…。だから希、ずっとここに居なくても」
146: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:49:03.07 ID:vkGuQWr40
希「あ、無理。うちが居なくなったら抜け出すつもりみたいやし」

絵里「…痛くて痛くて歩けないもの、大人しくしてるわよ」

希「何年一緒にいると思ってるん?無茶する性格なのはわかってる。…今の間も、嘘つく前の迷いやろ」

絵里「うぐ……」

希「それに、にこっちから言われてるんよ。『外出禁止時間までは見張っておいて』って」


絵里「…流石にこね。用意周到というか、私をよくわかってるというか……はぁ」

希「そもそも数日前まで死にかけてたのに…。出歩けるわけないやん、全く」

絵里「……だって、このままじゃ…次にまた誰かが」


希「………」
147: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 01:53:56.59 ID:vkGuQWr40
希(…今日の朝、かかってきた一本の電話)

希(真姫ちゃんが居なくなったって聞いた時は…頭が真っ白になって……。その事実を認められ無かった)


希(でも、にこっちの震える声が…うちを冷静にさせ、そこで気づく事ができた)

希(動揺しきっている今のにこっちを支えられるのは、うちしかいないって。…この電話は助けを乞うものなんだって)



絵里「……希?」

希「あ、ごめん…。ボーッとしてた」ニコ

絵里「穂乃果や真姫と会えてないんだけど…。2人は元気かしら」

希「…うん。それに、仲直りしたみたい」

絵里「本当に?」

希「明日から……5人でお店を回してくれてるよ。だから、えりちは身体をゆっくり休めて」

絵里「……そう」


希(ごめん。こうでもしないと…この人は静かに眠ることも出来ないって、うちは知ってるから)
148: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:01:11.36 ID:vkGuQWr40
─────



海未「…すみません」


にこ「ううん、ご苦労さま。真姫ちゃん…まだ見つからないのね」

海未「…はい」

にこ「……あの子、ああ見えて寂しがり屋なのよ」

にこ「だから泣いてなきゃいいけど…。早く迎えに行ってあげたいのに、叶わないなんて……歯痒いわね…」ニコ


海未「………」

パサッ

にこ「えっ…??これって」


海未「休暇届です」


にこ「そう。海未も……居なくなっちゃうのね」


海未「…申し訳ありません」


にこ「ねぇ…もしかして」
149: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:05:41.09 ID:vkGuQWr40
海未「何も聞かないでもらえますか」


にこ「…私はオーナーよ。理由を尋ねるくらいの権利はあるでしょ」


海未「………私は、私のケジメをつけます」


海未「これ以上…身内が傷つくのを見ていられませんから」


にこ「……」


海未「私は園田組の次期当主。どう足掻いても、その事実は変わりません」

海未「幼い頃から家柄に囚われ、これからの人生を悲観するだけだった私ですが…今初めて自分の出生に感謝しています」

海未「この力を、仲間のために使えるのですから」


にこ「…そ。わかったわ」


海未「今までお世話になりました。一般人として接してくれる、あなた達と過ごせて幸せでした」

にこ「何言ってんのよ。…これからも付き合って貰うっての」

海未「……はい」ニコ
150: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:10:44.56 ID:vkGuQWr40
─────



~ホストクラブ~


穂乃果「……あれ」


凛「…おはよう」

花陽「今日はちょっと早いね…♪」


穂乃果「えっと…皆は?やけに人数が少ないような…」


凛「………」

花陽「あのね、半分くらいの人が辞めちゃったみたいなの」

穂乃果「え…」


凛「…無理もないにゃ。ナンバーがあれだけ店にいないんだもん」

花陽「お客さんも…めっきり少なくなっちゃったね」ニコ
151: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:17:34.02 ID:vkGuQWr40
穂乃果「でも、希ちゃんや海未ちゃんがまだ…」


凛「その2人も来ないよ。だから今この店の主戦力は…凛、かよちん、穂乃果ちゃんだけ」


穂乃果「………そう、なんだ」


花陽「…みんな暗い顔してる」

凛「っ、かよちん!」

花陽「にこちゃん達が何を考えているかはわからないけど…。でもね、私は思うの」

花陽「ここまでしてお店を続ける意味があるのかって…」

穂乃果「……」


花陽「何より……真姫ちゃんを、返してくれるなら私はっ…何でもするよぉ…!!」ポロポロ

凛「そ、そんなの……凛だって!悔しいよっ…」ウル
152: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:21:25.26 ID:vkGuQWr40
穂乃果(真姫ちゃんが居なくなってから、既に3日が経とうとしていた)

穂乃果(その時間は…私達にとって、果てしなく長いものだった)

穂乃果(でも状況は何も変わらない。恐らく、にこちゃん達は手掛かりを何一つ見つけられていない)

穂乃果(……もう、舞蝶に前みたいな活気は無かった)



穂乃果「真姫ちゃん、どこに…いるんだろう」


凛「…たぶん、凛達を潰そうとしている人に捕まってるんだと思う」

花陽「海未ちゃんがそう言ってたね…」


穂乃果「じゃあ、生きてるんだよね?」
153: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:23:55.87 ID:vkGuQWr40
凛「…決まってるよ!それ以外なんて認めないにゃっ!!」


穂乃果「そ……そうだよ、ね」


凛「穂乃果ちゃんは真姫ちゃんのこと、心配じゃないの…!?」

穂乃果「っ、そりゃ心配だよ…」

凛「いくら喧嘩してたからって…そんな事言うなんて、ありえないよ!!」グイッ

穂乃果「………」

花陽「凛ちゃんっ、やめて!今ここで争っても何にもならないよ…!」


凛「っぐ……、ごめん…」ストン


穂乃果「ううん。私こそ…ごめん」


花陽「……真姫ちゃん…」グスッ
154: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:28:04.58 ID:vkGuQWr40
穂乃果(この2人は…優しいから、ここまでの事が言えるんだ)

穂乃果(でも私は……今からこの店の悪事を暴く側の人間で)

穂乃果(情を掛けるなって、ツバサさんから何度も言われてるのに……)


穂乃果(真姫ちゃんの事が……心配で、おかしくなりそうな自分がいることが)


穂乃果(たまらなく怖いよ)



花陽「ねぇ、穂乃果ちゃん……」

穂乃果「…なに?」


花陽「一緒に暮らしてた時の真姫ちゃん…笑ってた?」
155: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:39:51.79 ID:vkGuQWr40
穂乃果「えっ?」


花陽「………」

穂乃果「……うん」

花陽「そっか…、」ニコ


穂乃果「…あのさ。少し、聞いてもいいかな」


凛「……どうしたの?」


穂乃果(なんで、私……)

穂乃果(今更…よりによって、この2人に…)



穂乃果「真姫ちゃんが……昔にさ。人を…」


穂乃果「殺した、って本当なの?」


『………っ』
156: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:50:26.73 ID:vkGuQWr40
ガタッ!!


凛「誰から聞いたの」

穂乃果「っ、えっと……この店の先輩が、言ってたんだ…」

凛「だから!誰が……」


花陽「真姫ちゃんがそんなことする訳ないよっっ…!!!」ダンッ


穂乃果「──っ…」ビク



花陽「あれだけ苦しんで、追い詰められてたのに!!まだ咎めるの…?」ゼェ

凛「っ、かよちん……落ち着いて」ギュッ


穂乃果「…ごめん。教えてくれないかな?知りたいんだ」

穂乃果「真姫ちゃんの、過去を」
157: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 02:56:26.11 ID:vkGuQWr40
凛「……穂乃果ちゃんは何て聞いたの?」


穂乃果「お客さんを薬漬けにして…お金を搾り取った後、自殺に追い込んだって」


凛「……っ。違うよ」


凛「そのお客さんは、路地裏で声を掛けられて自分から薬に手をつけた。真姫ちゃんは何も関係ない」

穂乃果「……そ、そうなんだ…。やっぱり心のどこかでは信じられない部分があって、」

凛「…でも、全く無関係ってわけにはいかなかったんだにゃ」

穂乃果「え?」


凛「真姫ちゃんね、お客さんだったその子と付き合ってたの。有名なピアニストみたいで…よく一緒に音楽の話をしてたよ」
158: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:04:49.14 ID:vkGuQWr40
穂乃果(へっ、そのお客さんと……恋人同士だったの…!?)

穂乃果(あの真姫ちゃんが……)



凛「でもね、女の子は薬の影響で…次第におかしくなっていくんだ」

凛「それは僅かな変化だったけど…お医者さんを目指してた真姫ちゃんが気づかないわけない」


穂乃果「それで……真姫ちゃんはどうしたの?」


凛「一度は咎めたんだって。でもその子に反発されて、何も言えなくなっちゃった」


穂乃果「…嫌われたく無かったんだね」

凛「そうだと思う」
160: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:15:53.14 ID:vkGuQWr40
凛「だからね、その子の貯金が無かったのは……店で遊ぶ費用とは別に、麻薬にお金を使うようになったから」

凛「…次第にその額が大きくなって残高が尽きても、薬を求めて真姫ちゃんからお金を借りたりしてたみたい」


穂乃果(もう、何も見えなくなるまで……中毒だったんだね。隣にいる大切な人でさえも)

穂乃果(あれ……?じゃあ、あの時…)

穂乃果(真姫ちゃんが私の恋人を全否定したのは……)



凛「そして、遂にその時は来てしまった」

凛「…真姫ちゃんはその子に呼ばれて、いつも通りマンションの部屋を訪れたんだ」

凛「鍵が掛かってたからインターホンを押したけど、反応が無かった。だから合鍵を使って……」


穂乃果「………」ゴクッ


凛「扉を開けると…そこには、廊下で首を吊ってるその子がいた」
161: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:21:25.53 ID:vkGuQWr40
穂乃果「そ、そんなの…って…」


凛「嘘みたいな話だよね。凛も…信じられなかった」


花陽「………そこで終われば良かったのにね」


穂乃果「えっ…」


花陽「その子の足元には…遺書があったの。何が書かれていたと思う?」

穂乃果「真姫ちゃんに宛てた…メッセージ、とか……?」


花陽「ううん。違うよ」

花陽「そこにはね、『こうして自分が死ぬことになったのは何もかもアイツのせいだ』って記述から始まる……真姫ちゃんに全てを擦り付ける文が並んでた」


穂乃果「……っ」ゾクッ
162: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:26:46.07 ID:vkGuQWr40
花陽「同じように部屋へ呼ばれていたその子の友達が、警察に通報して……」

花陽「死因の特定が終わるまで、真姫ちゃんは家に帰れなくなった」


穂乃果「そ、そりゃ疑われるよね…。第一発見者で……遺書を処分しようとしたのかもしれないし、首を絞めた後に吊るしたとか…」


凛「…でも真姫ちゃんはやってない。だから、最終的には釈放されるんだよ」


穂乃果「………」


凛「真姫ちゃんの無実を証明するために…凛達も戦ったけど、あいつらは聞く耳を持たなかったにゃ」

凛「犯人が見つかった方が早く終わるから…、自白させればいいと思ってたんだろうね」

花陽「…今思い出してもっ、おかしくなっちゃいそうだよ……」
163: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:35:16.77 ID:vkGuQWr40
凛「…うん。みんな、真姫ちゃんを助けようとしてた。最後まで諦めなかった」

凛「結果的に自殺って断定されて……やっと解決したって思ったけど、本当の試練はここからだった」


穂乃果「試練…?」


凛「尋問のストレスと、裏切られたことによるショックで…心を閉ざしちゃったんだ」


穂乃果(あぁ…そりゃそうなるよね……。目の前で恋人が死んでて、その全てを自分のせいに…)


花陽「…でもね、真姫ちゃんはその子を恨んでなかったの。むしろ逆だった。だからこそ…私は何もしてあげられなかった」

穂乃果「逆って…」


花陽「その子を助けてあげられなかった自分の事を責めてたの。…理解出来ないけど、きっと2人の中に存在していた何かがそうさせたんだと思う」
164: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:44:09.53 ID:vkGuQWr40
穂乃果「っ、そんな酷いことされて…まだ肩を持ってたの!?」


凛「きっと、一種の病気だったんだよ。凛はそう思うようにしてる…」

花陽「………」


穂乃果「……そこから、どうやって真姫ちゃんは立ち直ったの?」


凛「真姫ちゃんは自分で何も考えたくないみたいだったから、凛達で答えを出したんだ」

凛「もうこの世界から離れて……静かに暮らすべきだって」


花陽「でもね、真姫ちゃんはお家が病院でしょ?大学を辞めて医者の道に進まなかったから、帰るところが無かったの」

花陽「それでも生きていくには働かなきゃいけない。…そうなると、ここ以外の仕事を今から一人でやっていく方が酷なんじゃないかって話になった」
165: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:49:11.43 ID:vkGuQWr40
穂乃果「それで…そんな事があっても、真姫ちゃんは舞蝶で働いてたんだね」


凛「普通なら…もう、同じように働くことなんて出来ないと思う。でも今までやってこれたのは、にこちゃんの力が強かったんだよ」


穂乃果「…にこちゃんが?」


花陽「うん。誰よりも先に真姫ちゃんの心を開いたの。……ただ一緒にいるだけでいい、いつか通じ合えるからって…そう言ってたね」


穂乃果(……それで、真姫ちゃんはにこちゃんと一緒にいたんだ…)

穂乃果(あれ?じゃあ2人の、事務所でのやり取りは私が勘違いしてたの……?)



凛「…長くなっちゃったね。でも、穂乃果ちゃんには全部知って欲しかったから」

穂乃果「…ううん。ありがとう、話してくれて」
166: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ b200-eqlU) 2017/02/14(火) 03:53:11.15 ID:vkGuQWr40
穂乃果(この話が本当なら……真姫ちゃんは麻薬売買には関わってない)

穂乃果(でも確かに、この店ではそれが行われてる)

穂乃果(……じゃあ誰が?どこで?)


ピロン♪


穂乃果「───っ…」ビク

花陽「…誰から?」

穂乃果「ごめん…ちょっと待ってね。お客さんだよ」


ツバサ<突然ごめんなさい。一つだけ頼みがあるんだけれど、いいかしら

穂乃果<どうしたの?

ツバサ<絵里さんと希さんについての有力な情報が手に入ったみたいでね


穂乃果「……っ!」


ツバサ<あなたの報告では…彼女達は今、病院にいるんでしょう?

ツバサ<確認として、少し話を聞いてきて欲しいの
168: 名無しで叶える物語(しまむら)@ (ワッチョイ e264-XENI) 2017/02/14(火) 03:59:40.99 ID:6UB/3A0x0
ツバサさん...
信じて良いんだよな...
224: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:03:03.90 ID:ez0lD/Uw0
──────

 

にこ(ことり、絵里、希、海未が店から姿を消して…それを追うように従業員と客も減っていった)

にこ(凛と花陽、穂乃果は前と変わらず頑張ってくれてるけど…3人にかかる負担は凄まじいものになってる)


にこ(そして……5日。あの子が居なくなって、それだけの日数が経ってしまった)

にこ(でも、私は海未と違って無力で。凛と花陽から事件の進展を尋ねられても、何も答えられない)

にこ(悔しかった。惨めだった。…だから……私は出来る限りの事をする)

 

にこ「…もう、意地張ってられないわね」ボソ


ガラッ

警察官1「…何か御用で?」


にこ「ホストクラブでオーナーやってる者よ。店の子が失踪したの。担当に話通して」

警察官1「は、はぁ…失踪ですか。少々お待ちください。取次ぎます」ピッ


にこ「………」


警察官1「あのですねぇ……ホストが失踪したと……。はい。…いや、追い返すのは流石に不味くないっすか……了解っす」ヒソヒソ

ガチャリ

警察官1「…こちらにどうぞ。ご案内します」
226: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:11:13.95 ID:ez0lD/Uw0
~警察署~


男「で、居なくなったのは西木野真姫って子ね


にこ「…えぇ」


男「……またか」

にこ「何が言いたいわけ」

男「いや?私は、数年前にも彼女について事件を担当していたチームの1人でね」

にこ「あ、そう。そりゃお世話になったわね」

男「どうも。君達が毎日のように押しかけてきた事は覚えているよ」


にこ「……アンタらが随分と真姫に執着してたみたいだから」

男「まだ根に持たれてるようだな。まぁ…構わないさ」ニヤ

にこ(こいつ…!)

 
 
男「ホストの誰が失踪したか…私達はそんな事に時間を割いてられないんだ。お引き取り願えるかな?」
227: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:15:33.34 ID:ez0lD/Uw0
にこ「っ…、警察なんでしょ!なのに、事件を選ぶっての!?」

男「そもそも前提が違う。この話には事件性を感じない。無論、我々は動かない」

にこ「なっ…ふざけんじゃないわよ!5日も連絡が一切取れなくて、明らかに不自然な点も…」

男「ホストなんだろう?きっと彼女は飛んだのではないのか?良くある話だ」ニコ

にこ「だから…!!」


ダンッッ

 
にこ「……っ」

 

男「ッチ。うるせぇな…大体なぁ、お前らみたいなのに構ってられねぇんだっつーの」

男「警察は善良な一般市民を守るのが仕事だ。社会の屑共なんて知ったこっちゃねぇ」
228: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:20:45.73 ID:ez0lD/Uw0
にこ「………」ギリ

 

男「その辺で野垂れ死んでたら自殺として処理してやるよ。せめてもの情けってやつだ」


にこ「屑と呼ばれようが、どんなに蔑まれようが……私達はこれでも必死に生きてんのよ」

男「………」

にこ「もうここでしか生きられない、そんな子だっている。この世にはアンタ達みたいなエリートばかりじゃないの」

にこ「……受け皿が必要なのよ。どんなに汚れたって、傷だらけになったって、明日を迎えるには働くしかない」


男「…なるほど、実に興味深い意見だ。私には到底辿り着けそうもないよ」


男「いいだろう。捜査班を立ちあげよう」

にこ「……!」


男「ただし、条件がある」
229: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:23:09.59 ID:ez0lD/Uw0
にこ「…条件?」


男「君のところにいる蒼髪の……」

にこ「…っ」


男「園田さんをこちらに引き渡してくれないか?」

にこ「な、何でよ」

男「語弊があったか。引き渡すといっても…身柄を拘束して物理的に、では無い。間接的にだ」

男「彼女が店でどういう役割なのか…君達が何をしているのか。それを吐いてくれれば失踪した友人を探そう」

にこ「どこまでも汚いわね…。そんなに尻尾振って、ご主人様に気に入られようっての?」


男「まぁな。所詮、我々は国家の犬だ。成果を挙げたいのさ」

男「…この近辺で、最近立て続けに事件が起こっている。ここらを取り仕切っているのは彼女だろう。疑いの目が向くのは当然だ」
230: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:29:04.45 ID:ez0lD/Uw0
にこ「…悪いけど、私は何も知らない。そもそも海未は従業員として雇っているだけ。それ以外の意味なんて無い」

男「ほう。あくまでもシラを通すか。なら、君達がやって来たことも全て彼女に擦り付けて引き渡せばいい。我々は急いでいるんだ」

にこ「はぁ?何言ってんのかさっぱりなんだけど」

男「………」


にこ「なら有りもしない情報を吐けばいいわけ?お忙しいなら時間の無駄よ」

男「黙れ、お前らに手錠を掛けるのは時間の問題だ。証拠は次々と集まっているんだからな」

にこ「なっ……そんなわけ、」


男「……あぁ、いい事を思いついた。それでも君がその子を探したいと言うなら、他の方法は2つある」

にこ「……」
231: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:31:02.69 ID:ez0lD/Uw0
男「1つは、西木野夫妻が捜索願を出すことだ。最悪身代金を要求される可能性があるからな、本家に脅迫状が届いているかもしれない」

男「だがこれは難しいだろう…。過去に見捨てている子どもなど、救う価値が無い。医者の跡取りは院内に腐るほどいる」

にこ「…じゃあ、もう一つは」

 

男「君がここで土下座する事だ」


にこ「……っ、ほんと悪趣味ね」


男「我々に泣きついてきたのは君達で解決出来なくなったからだろう。今更、力を簡単に貸すわけにはいかないさ」

男「それなりの代償を支払ってもらう。それで過去の因縁は水に流そうじゃないか」ニコ

 

にこ「……本当に、私が土下座すれば協力してくれるのね」
233: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:34:31.51 ID:ez0lD/Uw0
男「…これは驚いた。こんなにもあっさり了承するとは……ホストというのはプライドの塊だと思っていたよ」


にこ「そんなもの、とっくの昔に捨ててきたわよ」


男「……丁度良かった。まぁ、それだけで済ますつもりは毛頭無かったから」


にこ「は…?」

 

男「しかし、あいにく金は足りてるんだ。なら……わかるね?」


にこ「っぐ……」


男「君みたいに芯の通った子が…どうなるのか、とても興味深い。それこそ涎が出そうなくらいに……くくくっ」
234: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:37:49.97 ID:ez0lD/Uw0
にこ「……死ねばいいのに」


男「おぉ怖い怖い。闇討ちだけは止めてくれよ?」


にこ「いいわ。…好きにすれば」


男「……あぁもう我慢でき…。い、いやまずは土下座からだな」ニヤ

 

にこ(…これで、真姫ちゃんが帰ってくるなら)

にこ(……これで、もう誰も傷つかないなら)


にこ「海未……ごめん」ボソ

 

 
ヒデコ「いやぁ、最近は警察官の不祥事が多くて多くて…困っちゃうね。真面目にやってる私達が報われない」


にこ「………」ピタッ

男「…お、お前ら……!?!?」
236: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:42:42.35 ID:ez0lD/Uw0
フミコ「あれ~。先輩、この前高校生と援助交際した男性に説教垂れてませんでしたっけ?」

ミカ「ほんとビックリですよぉ。先輩も……高校生が好きだったなんて」

ヒデコ「いやそこじゃないよね?」


男「な、なんだよっ…!!俺は…いや、私はここ最近の事件を解決しようと…」


ヒデコ「そちらは私達が進めているのでご心配なく。…それより、さっきの発言は本当ですか?」


男「ひっ……ゆ、許してくれ!!冗談だったんだ!!」ダダダッ
 


フミコ「…逃げた」

ミカ「逃げたね☆」

ヒデコ「まぁ報告はするけどね」
237: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:44:19.04 ID:ez0lD/Uw0
にこ「……何のつもり」


ヒデコ「犯罪を見逃さないのが警察なので!」ニコ

にこ「はっ…あれだけ私達を尋問しといて、そんなわけ無いでしょ」

フミコ「引き受けますよ?西木野真姫さんの捜索」

にこ「……!」


ミカ「私達ヒフミにお任せあれ♪パパーっと事件解決しちゃうよ!」


にこ「…腹の底が読めないわね」

フミコ「え?だって警察ですから」


にこ「たった一人の為に、わざわざ組織犯罪対策課が重い腰を上げるっての?それに失踪は専門外でしょ」
238: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:47:23.94 ID:ez0lD/Uw0
ヒデコ「……まぁそうなるよね」

にこ「……」


ヒデコ「え~前にも言いましたが、私達はあなた達を絶対に逮捕します!」


にこ「どいつもこいつも……どれだけ手錠掛けたいのよ」ハァ


ミカ「だって私達がボサボサしてたら、エリート(笑)で作られた捜査班に負けちゃうんだもん!」

にこ「……は?」

ミカ「あっ」

フミコ「ちょっ…ちょっと!それ駄目なやつ!!」


にこ「…ほんと警察ってのは暇なのね。私達をどれだけ叩いたって、何も出てきやしないのに」


ヒデコ「さぁ、それはどうでしょう」ニコ


にこ「…ふぅん。そのエリート様に負けたくないから張り切ってるんだ?」
239: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:53:55.48 ID:ez0lD/Uw0
ヒデコ「…まぁ、ここまで来たらもう隠したって意味ないね」

ヒデコ「その班がエリートって言われてる理由…。それは、逮捕までのスピードが圧倒的に違うから」

ヒデコ「つまり……情報を手に入れる早さが尋常じゃない」

にこ「…そりゃ、とんだバケモノ集団ね」


ヒデコ「つまりね。先鋭班の常套手段はスパイを使うことよ」

ヒデコ「……あなた達の中に、裏切り者がいる。それも店の中心に近い人物」


にこ「………」


ヒデコ「ここまでサービスしたのは、もう手遅れだからよ。着々と準備は進んでる」

ヒデコ「でも……その、エリートには捕まらないでね。私達の努力が水の泡なの」

にこ「…悪いけどアンタらみたいな新人にも、そのエリート様にも捕まる予定は無いわ」ニコ
 


ヒデコ「……Ruthless Killer、無慈悲な殺人鬼。…利益の為ならどんな事にでも手をつける」

にこ「……」ピク


ヒデコ「そのグループを…あなたは知っている」
241: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 07:59:54.44 ID:ez0lD/Uw0
──────


 
~病院~


穂乃果(……大丈夫。私が調査に協力してる事は…バレてない)キョロキョロ


穂乃果(…ツバサさんから聞いた有力な情報っていうのは…衝撃的な内容だった)

穂乃果(絵里ちゃんと希ちゃんが、とある悪いグループのメンバーだってこと)

穂乃果(そのグループは……色々部門に別れていて、その中の1つに麻薬売買がある)

穂乃果(そして2人が……その…)


 
ガラッ


希「…あれ、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ぅぇっ…!?!?」ビクッ
242: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 08:05:26.91 ID:ez0lD/Uw0
希「お見舞い…来てくれたんやね」ニコ

穂乃果「う、うん…ごめんね。今まで来れなくて」

希「それはえりちに言ってあげて。…でも、真姫ちゃんが居なくなった事は内緒にしてな」

穂乃果「えっ?」

希「すぐにでも病院を飛び出してしまいそうやから。今は…」

穂乃果「…そうだね。わかったよ」


スタスタ


 
絵里「穂乃果…?久しぶりね」ニコ


穂乃果「ごめん、なかなか…来られなくて。締め日にあんな事になって、現実を受け入れられなかったんだ」

絵里「そう思うのも無理はないわ、いいのよ」
243: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 08:07:08.46 ID:ez0lD/Uw0
穂乃果「……具合はどう?」

絵里「平気よ。でもね、今日やっとお粥を食べられるようになったんだけど…味がしないの」

希「こってこての味のお粥なんてないやろ~」

絵里「それはそうだけど……。はぁ、濃い味の食べ物が恋しいわ…」

希「ふふっ。帰ったらね」


穂乃果「あ、あのさ…」

希「ぅん?」

絵里「…どうしたの?」


 
穂乃果「先月の中旬辺り…2人でどこか遠くに行ったりしなかった?」


『………』
244: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 08:10:46.65 ID:ez0lD/Uw0
穂乃果(ま、不味い…!直接的過ぎたかな!?)

穂乃果(でも上手い言い方なんて思いつかないし…!!どうしようっ)


絵里「…そうね、行ったわ。でもそれが何?」

穂乃果「え、えっと……どこに行ったの?」

希「なんで?」

穂乃果「ぅんと…気に、なるから…」ドキドキ

絵里「…どうして?」ニコ


穂乃果(ううぅっ……)


穂乃果「…ふ、2人が……変装して…駅に向かうのが見えたから」


絵里「あぁ。そう」

穂乃果「………」
245: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 08:14:52.13 ID:ez0lD/Uw0
絵里「鎌倉に行ったのよ。気分転換にね、日帰り旅行」ニコ

穂乃果「──そ、そっか…」


希「ごめんなぁ。お土産はないよ~?」

穂乃果「いいよ!全然…大丈夫」


穂乃果(ツバサさんの言った通りだった…。やっぱり2人は、鎌倉に……行ったんだ)

穂乃果(そこで……そのグループの、会合があったって。本当なんだ)


希「…あっそうや。穂乃果ちゃん、うちの占いしない?」

穂乃果「占い…?」

希「うん。どうかな?」

絵里「結構当たるのよ、希の占い」


穂乃果「じ、じゃあ…お願いしようかな」ニコ
246: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 08:17:20.87 ID:ez0lD/Uw0
希「ちょっと待ってね。タロットで占うから」ササッ


穂乃果(タロットなんて使うんだ…初めて見たなぁ)


希「………」

穂乃果(あれ…カードを引いたなり、黙っちゃったんだけど……)

希「えっと、ね…。この5枚のカードの意味を合わせると」


 
希「これから穂乃果ちゃんには血反吐を吐くくらいの辛い出来事が待ってる。全てを失うけど、それが新たな始まりでもある」

穂乃果「………えっ?え?」

希「死神のカードがあるからまだ……。でも、それ以外のカードが最悪やなぁ…」

穂乃果「えぇっと…あはは……」


穂乃果(で、でもこれは…あくまでも占いだよね。本当に起きることじゃない)
247: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/16(木) 08:18:18.42 ID:ez0lD/Uw0
絵里「珍しいわね。そんなカードが出るなんて」

希「うん…。ちょっと放置するのは不味いかも」

穂乃果「そ、そんなに…ダメなの?」


希「…あっ。そうや」ゴソゴソ


希「はい、これ。うちのラッキーパワーが詰まったお守り♪」

穂乃果「指輪…?」

希「シルバーリングって言うんよ。昔、魔よけとかに使われてたものみたい」

穂乃果「魔よけ…ありがとう。ちょっと心が軽くなったよ」

絵里「いいわね、羨ましいわ。…無くしちゃダメよ?穂乃果」

穂乃果「うんっ!じゃあ私はこれで…♡」


ガチャリ


穂乃果(うぅっ、あんな怖いこと言われちゃ……ほんとにお守りにすがりたくなるよ。つけておこう…)スッ

穂乃果「それにしても綺麗だなぁ……これ」
287: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:15:37.13 ID:A+FMU0g/0
──────

 

ことり「………」


【ホストクラブ舞蝶】

 

ことり「私が少し離れてる間に……色々な事があったんだね…」ボソ
 

ことり(絵里ちゃんや真姫ちゃんの身に何が起こったのか…。それを聞いた時は信じられなかった)

ことり(何より……。海未ちゃんがお部屋に帰ってこなくなって、私の心はぽっかり穴が空いたような…)

 
 
ザッ


ことり「…何かご用ですかぁ?」ニコ


英玲奈「フッ。…いや、たまたま通りすがっただけだ」
288: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:19:45.77 ID:A+FMU0g/0
ことり「………」


英玲奈「私を疑っている。といったような顔だな」


ことり「舞蝶がこれだけの被害を受けているのに…朱雀は無傷どころか、売上は伸びる一方」

ことり「…これって、何かおかしくないですか?♡」

英玲奈「勘弁してくれ。私達は何も知らないぞ。むしろ、君達を気の毒に思っているくらいだ」

ことり「ふぅん……。あれだけ私達の後を付け回していたのに?」

英玲奈「…!?お前っ…」


ことり「あ…そうなんですねぇ。やっぱり朱雀が1枚噛んでるんだ」


英玲奈(こいつ…さっきのはカマをかけたのか!?)
 


ことり「で、次は誰が標的なんですか…?希ちゃん?にこちゃん?」
289: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:24:53.27 ID:A+FMU0g/0
英玲奈「おいおい…」

 

ことり「…真姫ちゃんを返して」

英玲奈「物騒なことを言うな。我々は関わっていないのだから答えられる筈も無い」


英玲奈「…確かに後をつけた事は認めよう。だがそれは、君達の客層を探るためだ」

英玲奈「ライバル店の実態を知るのは最も効果的な戦術だからな」


ことり「………せんから」


英玲奈「…何?」


ことり「私達は…負けませんから」


英玲奈「……それはそれは。是非とも頑張ってくれ」ニコ
290: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:27:40.26 ID:A+FMU0g/0
ことり「はい。英玲奈さんも頑張ってくださいね♪」

英玲奈「………」

 

英玲奈(ッチ。南ことり…潰したと思っていたが、侮っていい相手では無かったようだ)

英玲奈(しかし、あいにく私は絢瀬絵里にしか興味がない。…だから刺されたと聞いた時は驚いたよ)

英玲奈(私と対決して、負けるまで……君には仕事を続けて貰わなければならないというのに。実に残念だ)

英玲奈(そして未だ病室にいるらしいな。……いや、死んだのか?どちらにせよ、あの傷なら何もできまい)クルッ


スタスタ…

 

雪穂「…あれが、朱雀のナンバーワン……」ボソ
292: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:33:31.44 ID:A+FMU0g/0
亜里沙「……お姉ちゃん達のライバルなんだよね」

雪穂「うん。やっぱり…ここ最近の事件は朱雀が関わってるのかな」パラッ

亜里沙「でも警察の人が動かないってことは、証拠もないってことだよね」

雪穂「…だね。そもそも確証もないし」


亜里沙「はぁ、難しいなぁ…」

雪穂「そこを突き止めるのが私達でしょ?」

亜里沙「…うん。じゃあ次、行こっか」

雪穂「……了解」

亜里沙「Xорошо!私達、探偵になったみたい♡」


雪穂「一応…探偵ごっこ、なんだけどね」ニコ
295: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:36:22.00 ID:A+FMU0g/0
──────



穂乃果「っは……はっ、」タタタッ


 
穂乃果(いつものカフェ。そこでツバサさんは…私を待ってる)

穂乃果(さっき絵里ちゃんと希ちゃんから聞いた事を、しっかり伝えなきゃ)


カランカラン♪


店員「いらっしゃいませ♪1名様でよろしいでしょうか?」

穂乃果「あ、いや…!待ち合わせです」

店員「失礼致しました」ペコ

 

穂乃果「えぇと……ツバサさん…」キョロキョロ


穂乃果「………?」
296: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:38:13.69 ID:A+FMU0g/0
穂乃果「…あれ?い、いない…??」


穂乃果(なんで?いや、でも確かにここで待ってるって…)

穂乃果(ツバサさんが今まで約束を破ったことなんて一度もない。それに、もし来れなくても連絡を……)

 

穂乃果「あの…!少し前に、身長が低くて…髪の短い女の人が来ませんでしたか!?」

店員「髪の短い……あぁ、前髪も短い方ですか?」

穂乃果「はい!その人です!」

店員「30分ほど前に、電話をされながら店を出られました。でもコーヒーはそのままで…私に、すぐ戻ってくると一言」

穂乃果「30分って……」


穂乃果(電話だけでそんなにかかるものなの…??それに、私との約束の時間はもう過ぎてる)
297: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:45:27.87 ID:A+FMU0g/0
穂乃果(……まさか)


 
店員「東通りがどこかを尋ねられたので、恐らくあの路地を通って行かれましたよ」

穂乃果「ありがとうございますっっ」ガチャッ


穂乃果(ツバサさん…!!)ダダッ
 

穂乃果(東通りは…ここから5分くらい歩いたところにある。でも店員さんの言った通り、この裏路地を突っ切れば3分で……)

 

 
穂乃果「………え?」

穂乃果「こ…これって……血じゃ、ないよね…?」


穂乃果(地面に描かれた赤い丸が…点々と続いてる)

穂乃果(この路地の先へ……)ハッ

 

穂乃果「……ぁ…こ、これって…ツバサさんの鞄…?」
298: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:49:15.84 ID:A+FMU0g/0
穂乃果「なんで、こんなところに転がって……」ガクッ


穂乃果(……誘拐された?それとも…もう…)

 

穂乃果「……っははは。そうだよ…。この世で同じ鞄なんて、いくらでもあるじゃん…」ピッ


prrrrrr…


穂乃果「……」ゴクッ
 


~~♪♪


【着信:穂乃果さん】

 

穂乃果「………ぅ…」

 
 
 

穂乃果「うわぁぁぁぁっっっ…!!!」
299: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:57:29.94 ID:A+FMU0g/0
─────


~ホストクラブ~

 

大学生「…お客さん、少なくなっちゃったね」


穂乃果「………」

大学生「私はこっちの方が落ち着いてて好きだけど…」ニコ

穂乃果「……うん」ボソ

大学生「穂乃果ちゃん…、どこか調子悪いの?」

穂乃果「…別に」


大学生「……そっ、か」



大学生(私には…やっぱり何も話してくれないんだね)

大学生(どうしたら貴方の一番になれる?ねぇ、教えてよ…)
300: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 00:59:10.41 ID:A+FMU0g/0
大学生(穂乃果ちゃんはこの店のナンバーワンになった。それに、もう誰も敵わない程の売上で)

大学生(私のおかげ…だよね?私が穂乃果ちゃんを支えて…恋人でいたから)


大学生(それなのに、私達はお店だけの付き合いで……)


穂乃果「………」ハァ

大学生「わ、私…何か頼もっか?今月もキープしなきゃだもんねっ」ニコニコ


穂乃果「いいよ。もう」

大学生「えっ……?」


穂乃果「迷ってるんだ。店…辞めようかなって」


大学生「な、なんで…??え?」


穂乃果「…疲れたから」
301: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:01:37.16 ID:A+FMU0g/0
大学生「……待ってよ、私…!これだけ、穂乃果ちゃんに……」


穂乃果「………」


 
凛「あ、穂乃果ちゃんの常連さんだ!こんばんは~♪」


大学生「えっ……あ…こんばんは」


穂乃果「もう凛ちゃん、またサボってるの?怒られちゃうよ~?」ニコ

凛「にゃ!?ちょっとくらい内緒にしてよ…」

穂乃果「あははっ」

 

大学生(っ、さっきまで…俯いて、私の方を一瞥もしなかったのに)

大学生(まるで人が変わったみたいに……)
302: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:07:44.84 ID:A+FMU0g/0
凛「もうすぐ終わっちゃうでしょ?だから凛はかよちんと先に帰るね」

穂乃果「はーい。言っとくよ」

凛「また明日ね~っ」

 

大学生「……穂乃果ちゃん」


穂乃果「…ん?どうかした?」ニコ

大学生「あ、えっと…その…。アフター空いてたりする…?」

穂乃果「うんっ♡全然空いてるよ~♪」

大学生「そっか…。出来れば、私のアパート来てくれないかな…?見せたいものがあって」

穂乃果「わぁ、初めて行くよ。楽しみだなぁ」

 

大学生(穂乃果ちゃんが…この店を辞めたら、私とはもう会ってくれないの?)

大学生(私はこんなに好きなのに…捨てられるの?)


大学生「……っ…」グス


穂乃果「〇〇ちゃん?」

大学生「な、何でもないよ…」ニコ
303: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:09:06.01 ID:A+FMU0g/0
──────


 
~アパート~


穂乃果「お邪魔しまーす…」ガチャ


大学生「狭くてごめんね。穂乃果ちゃん、もっといい所に住んでるでしょ?」

穂乃果「ううん。あんまり変わんないよ~」ニコ

大学生「ちょっと下がゴチャゴチャしてるから…ベッドに座ってくれていいよ」

穂乃果「うん!」ストン


大学生「紅茶しかないけど…待ってね」カチャカチャ


穂乃果「…ね、高校卒業してからここに住んでるの?」

大学生「そうだよ。実家は東京にあるんだけど、自由になりたかったから一人暮らししたの」

穂乃果「いいなぁ。私なんてずっと実家暮らしだよ」
304: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:10:46.36 ID:A+FMU0g/0
大学生「……1人は、色々大変だったりするよ。何もかも自分だけでやらなきゃいけないし」

穂乃果「気楽そうだけどなぁ…でも確かに大変だね」


コトン

大学生「どうぞ♪」

穂乃果「いただきまーす♡」フーフー


 
大学生「…穂乃果ちゃん、お店辞めるって本当?」

穂乃果「え…?」

大学生「っ、私に言ったよね。疲れたって…」

穂乃果「……ごめん。酔ってたのかな。適当なこと…」


大学生「誤魔化さないでっ」ガタッ

穂乃果「…!」ビク
305: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:13:46.43 ID:A+FMU0g/0
大学生「あれは、間違いなく穂乃果ちゃんの本音だった…!!不意に漏れた…あなたの心の声だった!」

穂乃果「お、落ち着いてよ…」

大学生「ねぇ穂乃果ちゃん…!本当に、あの店を辞めるの?」ガシッ

穂乃果「………」

 

穂乃果「…ごめん」

大学生「ふざけないで…!!」オシタオシ


穂乃果「っ……!」ドサッ


大学生「私達……恋人だよね?ずっと一緒にいてくれるんだよね…?」

穂乃果「待って、待ってよ…!」


大学生「穂乃果ちゃんが言ったんだよ!?だから、私はあの店に何百万も使った」

大学生「それなのに!!あなたは私に見向きもしてくれなかった!恋人らしい事と言ったら…手を繋いだくらいって……」
306: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:16:57.83 ID:A+FMU0g/0
大学生「ふふっ、そんな馬鹿げた話ある…?」グイッ


穂乃果「……ねぇっ…やめて。一旦話し合いで…」

大学生「私はどれだけ待てばいいの!?あなたの本命になれるまで…!?それとも私が破産するまで!?」ググッ

穂乃果「っけほ……」


大学生「…聞かなくても、わかったの。ツバサさんって人が本当の恋人なんだって」

大学生「その人を見る…穂乃果ちゃんの安心し切った微笑みは、今まで見たこと無かったからっ」


穂乃果「………」

 

大学生「穂乃果ちゃん…。言ったよね?ナンバーワンになったら、一緒に私の好きなことしようって」
307: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:20:25.88 ID:A+FMU0g/0
大学生「ずっと考えてたの。私達は恋人だから。恋人らしい事…しよう?」ニコ

穂乃果「…やめてよ……」ボソ


大学生「私ね、初めてだけど…////上手く出来るように練習したから」


穂乃果「………」


大学生「穂乃果ちゃん……。大好きだよ」


大学生(あぁ…///キスって、どんな味がするのかな?)

大学生(遥か遠くの存在だった人の唇に、今やっと触れられるなんて……)ゾクッ

 

 
穂乃果「……、」ウルウル


大学生「……あっ…」
308: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:23:14.76 ID:A+FMU0g/0
穂乃果「…ひぐっ…ツバサさん……、ツバサさんっ…」 ポロポロ


大学生「ご、ごめんなさい…!!」バッ

 

大学生(私…今、何を……)ブル

大学生(穂乃果ちゃんの泣き顔なんて、見たくない筈なのに…っ)


穂乃果「ごめんっ……もう…、今日は…」

大学生「………」


ギュッ


大学生「私には…穂乃果ちゃんが何に悩んでいるのかなんて、見当もつかない」

大学生「でもね……。悲しみを共有するくらいはさせて?」


穂乃果「っ…うぅ……、うわぁぁっん……!」グス


大学生(どうか泣かないで…。私の、大切な人)
309: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:26:10.06 ID:A+FMU0g/0
──────

 

~ホストクラブ~


ホスト1「穂乃果ちゃん、お疲れ様~。今夜も暇だったわぁ」

穂乃果「…うん。お疲れ様」ニコ

ホスト2「にしても真姫ちゃんがいなくなって6日かぁ…。ヤバいね」


穂乃果(……やっぱり私のせいなのかもしれない)

穂乃果(私と一緒に住んでた真姫ちゃんが消えて、その次は…恋人のツバサさんが……っ)

穂乃果(…なんでこんな酷いこと…。一体誰が)


 
ホスト1「最近さ~。事務所を黒服の男がよく出入りしてんのよ」

ホスト2「あー確かに。遂に何かおっ始めるのかね?」
310: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:28:27.16 ID:A+FMU0g/0
穂乃果「…その人達って、にこちゃんに用があるの?」

ホスト1「そうそう。一緒に話してるのよく見るし」

 

穂乃果「……変なこと言うけど…。真姫ちゃんが居なくなったのって、自作自演じゃないよね」

ホスト2「…!え、マジ!?」

ホスト1「いや~…流石に……ないでしょ」


穂乃果「だって、もう6日も経ってるのに…警察の人が聞き込みに来たこともないし、営業も通常通り」

穂乃果「普通なら……大事件だから対応に追われるよね」


ホスト2「まぁ…確かに」

ホスト1「でもさ、幹部の自作自演なら何が目的なわけ?」
311: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:30:50.39 ID:A+FMU0g/0
ホスト2「メリットないよね」

ホスト1「それに、後々大変になる気もするけど…。何か思いつくの?」

 

穂乃果「……例えば。裏切り者を粛清する為、とか」


ホスト1「…え?それって真姫ちゃんのこと?」


穂乃果「違うよ。そっちじゃない」


ホスト2「そっち…?え?」


穂乃果「…ごめん。もう帰るね」ガチャッ

 

ホスト1「ん、どういうこと…?」

ホスト2「…わかんない」
312: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:32:59.99 ID:A+FMU0g/0
~路地~


 
スタスタ

穂乃果(私の予想は……当たってるのかもしれない)

穂乃果(やっぱり真姫ちゃんは白で、私と仲がいいから…表舞台から姿を消された)

穂乃果(ツバサさんが居なくなったのは、私と一番距離が近い人だから)


穂乃果(その目的は…私が動きにくい状況を作って、現場を押さえるため?)

穂乃果(どれにせよ、怪しまれてることに変わりはないみたいだね……)

 

穂乃果(そしてこれが出来るのは……にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん、海未ちゃんくらい)

穂乃果(絵里ちゃんと希ちゃんは病院にいるから除外して、残るは2人…)
313: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:35:03.43 ID:A+FMU0g/0
穂乃果(海未ちゃんなら人攫いぐらい簡単だ。でも真姫ちゃんを私から守りたかったなら、にこちゃんが最も有力になる)

穂乃果「あぁ…、もうわからないよ……」ピタッ


コツン


穂乃果「……?」クルッ


シーン


穂乃果(…今のは、多分コンクリートの上で足を止めた音だ)

穂乃果(いや、でも……まさかね)スタスタ


タッタッ

穂乃果「……」ピタッ

 

コツン
314: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:40:42.68 ID:A+FMU0g/0
穂乃果(……誰かが、ついてきてる…!!)

穂乃果(それも一定の距離を保って……)ブル

 

穂乃果「…ぁ…そうだ……」


穂乃果(今思えば……こうやって誰かの視線を感じる事が、昨日も一昨日もあった)

穂乃果(きっと…同一人物なんだ。だとすると、私はそれにずっと見張られてるってことになる……)


穂乃果「っ……」ダッ


『!?』


穂乃果(このまま振り切って…少し先に十字路がある。そこで左に曲がって、更にもう2回左に曲がれば…)

穂乃果(私の後をつけてくる奴らの姿が見れる…!!)
315: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:42:55.37 ID:A+FMU0g/0
タタタタタタッ!!


穂乃果(誰……!?一体誰が、私を……っ)


穂乃果「っはぁ……」ゼェ


「あ、あれ……見失った??」

「うーん…どうしよう…」


 
穂乃果「………嫌だ…」ボソ

穂乃果「こんなの…って…」

 
 

凛「それにしても穂乃果ちゃん、足速いにゃ……」

花陽「…今日はもう諦めよっか?」


穂乃果(あぁ………)

穂乃果(もう…私の味方なんて、誰も居なかったんだ)
317: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:47:49.70 ID:A+FMU0g/0
─────


 
雪穂「亜里沙…、こっちだよ」ヒソ

亜里沙「うんっ…」

雪穂「ほら…。あの場所にいるのが」

 

あんじゅ「ふぅん。まだ諦めてはくれないのねぇ」

男「…えぇ。そうみたいです」

あんじゅ「じゃあ………にしようかしら」

男「かしこまりました」


雪穂(あの人が朱雀の経営者……。きっとこの事件の黒幕だ)

雪穂(周りにいる人達も普通っぽくないし……きっと悪いことぐらいやってるはず)
318: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:49:01.25 ID:A+FMU0g/0
亜里沙「………」ブル


雪穂「…亜里沙、怖い?」ヒソ


亜里沙「ううん…。お姉ちゃんの為だもん、頑張れるよ」


雪穂(絵里さん…ごめんなさい。でも亜里沙は本気なんです。本気で、真犯人を探そうとしてる)

雪穂(それは私も同じ。お姉ちゃんが何かに巻き込まれる前に…この事件を暴かないと)


あんじゅ「……なるほどね」


雪穂「亜里沙…いつでもシャッターきれるようにしててね」


亜里沙「了解っ」
320: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:51:05.82 ID:A+FMU0g/0
男「そして、これが例の……」スッ

あんじゅ「うふふ♡ご苦労様」

 

雪穂「…あ、あれ…って…」


ガサッ


亜里沙「……!!」

雪穂(っ、不味い!!!)


 
あんじゅ「少し待って。…まずはネズミを駆除しないと」


あんじゅ「……ね?♡」


男「あそこだ!捕まえろ!!」


『はっ!!』
321: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:52:15.40 ID:A+FMU0g/0
─────


~ホストクラブ~


ガラッ


凛「あ、穂乃果ちゃんおはよ~」

花陽「おはよう」ニコ


穂乃果「………おはよう」


凛「どうしたの?元気ないね」

穂乃果「ちょっと風邪気味で…」

花陽「あんまり無理しないでね。インフルエンザも流行ってるみたいだし…」

穂乃果「ありがとう」


凛「あ、そういえばさ……」


凛「穂乃果ちゃんって昨日の仕事終わり…どこかに行ったりした?」
322: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:54:36.31 ID:A+FMU0g/0
穂乃果「……なんで?」


凛「え?んーと…何となくにゃ!」

穂乃果「行ってないよ」

凛「そ、そう…」


花陽「穂乃果ちゃんって、行きつけのカフェとかあったりする?」ニコ

穂乃果「…いや、ないかな」

花陽「そっかぁ…そういうのあるのかなって」



穂乃果「……先に着替えてくるね」

凛「いってらっしゃい!」


ガチャッ


穂乃果「……」ハァ
323: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:58:05.14 ID:A+FMU0g/0
ホスト1「あれ~暗い顔してどうしたの?」

ホスト2「嫌なことあった?」


穂乃果「ちょっと聞きたいんだけど……」

ホスト1「ん?」

 

穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんってさ…、上と繋がりあるの?」

ホスト2「上?…あ、幹部のことか」

穂乃果「見た感じ自由気ままに働いてるって感じだし…どうなのかなって」

ホスト1「いや繋がってはないよ」

穂乃果「そっか…」ホッ


ホスト1「でもオーナーとの関係は強いものだと思う」
324: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 01:59:35.47 ID:A+FMU0g/0
穂乃果「え…?」


ホスト2「…だから、あの2人は矢澤にこの右腕的な存在なのよ」

穂乃果「な、なんで……?絵里ちゃんや希ちゃんじゃなくて?」

ホスト1「そことはまた違う…なんて言うんだろ。多分、凛ちゃんと花陽ちゃんはオーナーの言う事なら何でもやると思う」


穂乃果「何でもって…!繋がりも何も無いのに……」

ホスト2「その2人がこの店に入ったのはね…ガールズバーみたいなので働いてた所を、にこちゃんがスカウトしたんだって」

ホスト2「なんか店長に騙されてるらしくてさ。働いても働いても借金が減らなくて…困ってるのを見抜いたんじゃない?」


穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんがそこで働いてたのは…理由があるの……?」
325: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 02:05:40.80 ID:A+FMU0g/0
ホスト1「2人で生きていくって決めたけど、周りの風当たりが強いから家を出たんだって。それで歌舞伎町に来たと」


穂乃果「あぁ…そうなんだ」


ホスト1「で、ホスト始めた。最初は全然稼げなかったけど…その間、随分と良いようにしてもらったんじゃない?」

ホスト1「あの2人が懐いてるのは過去の恩義を感じてるからだと思うよ」


穂乃果「……ありがとう」

 

穂乃果(にこちゃんの頼みは何でもやる…なるほどね)

穂乃果(じゃあやっぱり、私の周りを消してるのはにこちゃんだ…)

穂乃果(理不尽だよ……!そんなの、ツバサさんなんて全く関係ないのに!)


穂乃果(あくまでも邪魔な者は消す。…そうなんでしょ?にこちゃん)


穂乃果(なら……警察より早く、私が暴いてあげるよ)

穂乃果(そうすれば全てが終わる…。私が消される前に、ツバサさんを助けなきゃ)
326: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 02:12:53.97 ID:A+FMU0g/0
─────


~事務所~

 

穂乃果(…鍵を開けっ放しにするなんて、不用心すぎるよ)ガチャッ

穂乃果(やっぱり……秘密があるとしたらここだ)


穂乃果(にこちゃんはまだ来てないみたいだし、他の従業員もホールにいる)


穂乃果(だから……今しかない)


ゴソゴソ


穂乃果(机の上は…、書類ばっかりだね)

穂乃果(これは売上のもの。こっちは備品関係…)

穂乃果(うぅん。決定的な手掛かりになりそうなものはないかな……)
327: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 02:15:10.30 ID:A+FMU0g/0
穂乃果(こっちの棚は…どうだろう。色々入ってそうだけど、案外整頓されてる。希ちゃん辺りが片付けてるのかな)ガサゴソ

穂乃果(食べかけのスナック菓子に…甘そうなチューハイ。これはにこちゃん用っぽい)

穂乃果(あとは……雑誌、裁縫道具、医療品、文房具…)


穂乃果「……っ、何もないの…!?」ボソ


穂乃果(いや…絶対に何かある。幹部以外を入れない部屋なんて、やましい事があるから…)


パサッ


穂乃果(……?この布に包まれた袋…って)ゴソッ


穂乃果「……え、なに…これ」


 
穂乃果(白い粉が…小分けにされて、たくさん……)
328: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 02:16:51.94 ID:A+FMU0g/0
穂乃果(粉…?あっ……これだ!!)


 
『っ……』ブンッ


穂乃果「ぅぐ……っ!」ドサ

 

穂乃果(頭が………、)

 

穂乃果(誰……?誰が……私を)ボンヤリ

 

穂乃果(だ、めだ……目を閉じちゃ……)

 

穂乃果(あと少し……なのに…)
329: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/18(土) 02:26:38.42 ID:A+FMU0g/0
──────

 

穂乃果「……んっ……ぁ…」パチ


穂乃果(いてて…頭がズキズキする…)

穂乃果(寒いし暗い…。下はコンクリートか何かかな……)


穂乃果(ここは……一体…)


ピカッ

穂乃果「あぅ…眩しっ……!」


 
ツバサ「…穂乃果さん」


穂乃果「っ……ツバサさん…!?」


ツバサ「えぇ。ごめんなさい…心配させてしまったわね」ニコ


穂乃果「ううん…!会いたかった……会いたかったよっ」タタッ

ツバサ「…私もよ」


穂乃果「ねぇっ、今まで何をして……」


カチッ


ツバサ「………」


穂乃果(ツバサさんが私に向けたのは、優しい笑顔でも…大きく広げた両手でも無かった)

 

 
穂乃果(それは……彼女に似合わないような…冷たくて硬い、銃口だった)


ツバサ「大人しくして。…私も、撃ちたくはないの」
332: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@ (ワッチョイ dbe9-vVLf) 2017/02/18(土) 02:34:56.07 ID:ITu1e1WZ0
もう(誰を信じたらいいのか)わかんねぇな
382: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 01:24:38.74 ID:utlBL+7M0
穂乃果「………えっ」


穂乃果(なんで……?)

穂乃果(ねぇ。なんでそんな怖いもの、持ってるの)


穂乃果(なんで今、私に会いに来てくれたの)


ツバサ「………っ」


穂乃果(なんで……あなたが辛そうな顔をしてるの…?)

 

『穂乃果ちゃんっっ』


穂乃果「…!?」ビク

 

大学生「今すぐここから逃げてぇぇっ!!」
383: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 01:30:01.45 ID:utlBL+7M0
穂乃果「えっ!?ど、どうして……〇〇ちゃんが…」


大学生「そいつらの仲間に連れてこられたの…!そしたら目の前で穂乃果ちゃんが倒れてて…っ、それで…!!」


ツバサ「あなたは黙ってて貰えるかしら」


大学生「穂乃果ちゃん、目を覚まして!コイツは……あなたの思うような人じゃ」


パンッ!!


大学生「ひぃっ!!」


 
ツバサ「聞こえなかった?…2度目は無いわよ」


穂乃果「ツバサさん!どうしたのさ…こんなの、もうやめようよ……!!」
384: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 01:35:40.58 ID:utlBL+7M0
穂乃果「私は何もわからないけど、その子は無実なんだ!普通のお客さんで…犯罪にも関わってない」

穂乃果「だから、ツバサさんのお世話になる事もないんだよ…!!」


ツバサ「…いいえ」


穂乃果「……っ。だって、ツバサさんは……警察」


ツバサ「あなたは誤解してる」


穂乃果「誤解じゃないよ。…薄々わかってたんだ。もしかしたらツバサさん……関係者なのかなって、」


ツバサ「私は警察や公安でなければ、ましてや麻薬取締官でもない」
 


穂乃果「……えっ」

 

 
ツバサ「私たち……Ruthless killerと呼ばれる組織なの。わかりやすく言えば、マフィアよ」
385: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 01:40:04.13 ID:utlBL+7M0
穂乃果「な……なに、言ってるの…?ツバサさんは…ツバサさんだよ……」


ツバサ「…今まで黙っていてごめんなさい」


穂乃果「………」


ツバサ「世間ではkillerと略される事が多いのだけれど、そのキラーという言葉は私の苗字からきているわ」

ツバサ「私は綺羅ツバサ。先祖代々、この組織を取りまとめている家系に生まれたの」

 

穂乃果「…う……嘘だ……」ガクッ


ツバサ「…………」

 

穂乃果「そんなのっ……急に言われたって…信じられるわけないよ」


穂乃果「だ、だって……さ…」ブルブル


穂乃果(あんなに優しくて、可愛くて、恥ずかしそうに笑うツバサさんが…)

穂乃果(じゃあ…それは全て仮の姿だったの……?)
386: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 01:46:21.42 ID:utlBL+7M0
ツバサ「っは……」ググッ


ツバサ「……穂乃果さん、」


ガチャッ


英玲奈「ツバサ。いい加減に決心をつけろ」

ツバサ「…わかってるわ」ボソ


穂乃果「英玲奈さん…!?」


英玲奈「ふっ。また会えたな…嬉しく思うぞ」

穂乃果「な……なんで、ここに…」


英玲奈「私もkillerのメンバーだからだ。言ってしまえば、あんじゅもそうだな」

穂乃果「っ…!?でも、朱雀でホストをやってたのに……!」

英玲奈「全てのメンバーが実質的な活動をしているわけではない。我々は世界各地に潜伏し、そこで得た収入の一部を本部へ献上する」

英玲奈「私とあんじゅは日本に滞在し、ツバサは世界を飛び回っていたが…最近になって来日したんだ」
388: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 01:54:09.19 ID:utlBL+7M0
穂乃果「……そんなの、何の為に…」


英玲奈「とある因縁にケリをつけるためだな。詳しくは言わないが」チラ

ツバサ「………」


英玲奈「さて。早く終わらせよう」

ツバサ「…えぇ」

 

ツバサ「穂乃果さん…。私の事は好き?」ニコ


穂乃果「………当たり前だよ…」


ツバサ「あなたに選んで欲しいの。私を取るか、その子を取るか」


大学生「っぐす……」


穂乃果「どういうこと…?」


ツバサ「その子は私が運営している金融会社で借金をしたわ。そして…今ではその額が3千万を超えた」

穂乃果「さんぜ…!?」
389: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 01:57:28.43 ID:utlBL+7M0
大学生「うわぁぁぁんっっ…!こんなの、詐欺じゃない!!金利があるなんて聞いてないっ」

英玲奈「お前、タダより怖いものはないという言葉を知らないのか?しっかり契約書にもサインしているしな」


穂乃果「3千万なんて…この子に払えるわけないよ…!」


ツバサ「…でしょうね。だから身体で払ってもらう事にしたの」

ツバサ「と、いっても売春じゃない。体そのものを売るのよ」


穂乃果「…っ、まさか……!」


 
ツバサ「具体的な方法は2つあるわ」

ツバサ「1つは東南アジアで若い女の子を探している金持ちに売り飛ばす。もう1つは…臓器を売って累計3千万にする」


大学生「ひいっっ……」
390: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:02:58.47 ID:utlBL+7M0
ツバサ「…でも、あなたにはチャンスが一度だけある」


大学生「なに…!?どうすれば、助けてくれるのっ!?」

 

ツバサ「穂乃果さんが身代わりになる事よ」


穂乃果「……なるほどね…」


大学生「っ…そんなの……!!」


英玲奈「命が欲しければ頼み込むんだな。私の代わりに死んでくれ、と」


大学生「なんで、なんで穂乃果ちゃんなのよぉぉ…!!」


英玲奈「お前も軽い気持ちで借りたんだろう?いざとなったらあんじゅに全て押し付ければいい…そんな思いで」

英玲奈「自業自得だ。怨むならお前の浅はかさを怨め」


大学生「でも……でもっ……!!!」
391: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:07:14.95 ID:utlBL+7M0
英玲奈「それに、お前がここまでの借金を抱えることになった原因は穂乃果にある。ならば…連帯保証人として責任が飛ぶのも仕方の無い事だ」


穂乃果「………」

大学生「っうぐぅぅぅっ……ひぐっ…」ポロポロ

 
 

穂乃果(私が…身代わりなれば、この子は助かる)

穂乃果(でもそれは……ほぼ命を投げ打ったも同然だ)

穂乃果(そしたらもう、お母さんにもお父さんにも……雪穂にも会えなくなる)


穂乃果(私の人生は……ここで終わる)


 
大学生「嫌っ…嫌ぁぁっ!!死にたくないよぉっ!!」グスッ


英玲奈「喚くな。自分の行動に責任を持て」
392: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:12:29.07 ID:utlBL+7M0
ツバサ「……穂乃果さん…」


穂乃果「……っ…」チラ


ツバサ「お願いだから…、私を選んで」


ツバサ「あなたを救いたい。心からそう思う…!でもこうしないと…っ、私は信頼して貰えないの」


穂乃果「えっ……」

 

英玲奈「初めはお前を利用するつもりだったんだが、まぁ見事に惚れ込んでいてな。我々も手のつけようがないんだ」

英玲奈「普通なら私情を持ち込んだ時点で始末するが…ツバサは次のボスとなる人物。そんな事もできん」

英玲奈「で、試してみることにした。穂乃果が我々の仲間に相応しいのかどうかを」


穂乃果「仲間!?私が…??」


英玲奈「……まぁ言い過ぎたか。仲間にならなくてもいい。ただ、共犯者になれと言っているんだ」

英玲奈「そうなっても、今まで通り日本で普通の生活を送れるぞ。……もしくはツバサの隣で世界を回ってもいい」
394: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:19:21.10 ID:utlBL+7M0
英玲奈「さぁ天秤にかけろ。自分の命を犠牲にするか、そこの数ヶ月前に会っただけの娘を切り捨てるか」


穂乃果「──っ………」ググッ

 
 

穂乃果「…無理だ。選べないよ……」


ツバサ「っ…穂乃果さん!!迷ってはダメ、余計なことは考えなくていいの……」


ツバサ「私と一緒に来て欲しい…。また2人で色々なところに行きましょう…っ?」

ツバサ「…そして私を……また遊園地に連れて行って……」


 
穂乃果(…っあぐ………ぅ…)ヨロ

 

穂乃果(私は……)チラ


 
大学生「許して……、もう、許してください…っ!!」ウルウル
397: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:24:01.38 ID:utlBL+7M0
穂乃果(私は………、)チラ


ツバサ「………っ…」

 

穂乃果(ツバサさんさえいれば…何もいらないんだって、思ってた……)

穂乃果(この仕事を今まで続けてこれたのも、私の人生に楽しみを与えてくれたのも…ツバサさんだ)

穂乃果(2人で本当に色々なところに行ったよね。一番思い出深いのは遊園地だけど…会える日はいつも顔を合わせてた)

穂乃果(その度に……私のつまんない話にも付き合ってくれて、笑ってくれて)

穂乃果(へこたれてる時は本気で叱ってくれて……ずっと側で寄り添ってくれて…)

 
 

穂乃果(あなたは………私の、全てだった)
399: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:30:48.28 ID:utlBL+7M0
穂乃果「………っは……」スゥ


英玲奈「答えは決まったか?」


 
穂乃果「……この子の…代わりに、」

大学生「穂乃果ちゃん!!やめて…っっ」ガシッ


ツバサ「っ、穂乃果さん……あなたはもう共犯者なのよっ!!」


穂乃果「──な、なに…」


ツバサ「あなたが意識を失った日、舞蝶に捜査班が突入したわ。あの店は摘発されたの…!」


穂乃果「……!!」


ツバサ「…矢澤にこさんをはじめ、従業員の半数近くが捕まった。……あなたのお友達も全員逮捕された」


ツバサ「麻薬所持と、使用や売買の疑いでね」
400: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:37:00.92 ID:utlBL+7M0
英玲奈「これは嘘じゃないぞ。この写真が証拠だ」ピラッ


穂乃果(……っ、舞蝶の店前にパトカーがいっぱい停まってる…!?)



ツバサ「…でも安心して。数ヶ月ほどしたら、店の中心にいた人物以外は釈放されると思うわ」


穂乃果「一度捕まったのに…そんなこと、」


 
ツバサ「だって、あの店は麻薬売買なんてやっていないから」


穂乃果「──ぁ……えっ…??」


ツバサ「…全て私があなたに吹き込んだ嘘よ。捜査班は実際にいたけど、私達はそのうちの2人を買収している」

ツバサ「警察内にも、舞蝶の中にも私達の仲間は存在する。…だから全ての情報が把握できたの」
401: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:44:18.80 ID:utlBL+7M0
穂乃果「……じゃ…あ、まさか…。にこちゃん達は……」


ツバサ「…あなたが私に協力してくれたお陰で、麻薬売買の罪を被せられているわ」

ツバサ「あの人達は過去にも警察と一悶着あったみたいだし……今回の事も何の疑いもなく逮捕に至ったんでしょうね」


英玲奈「補足しておくと、警察内に偽装の証拠を流したり…摘発当日に事務所へ麻薬を運んだのも我々の仲間がやった事だ」


英玲奈「入ってこい」


ガチャッ


ホスト1「穂乃果ちゃんごめんね~」

ホスト2「…ちょっとお金に目がくらんじゃってさ」


穂乃果「……そ……んな……」


英玲奈「余計なものを発見したお前を殴り、ここへ運んだのも彼女達だぞ」
402: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:49:48.54 ID:utlBL+7M0
穂乃果「…………」ガクッ


 
ツバサ「…さっきの話だけど、偽装した証拠だから釈放される人はされる可能性があるわ」

ツバサ「でも舞蝶の評判は地の底。摘発された店で飲みたい客なんていない」

ツバサ「私達は…あの店を潰せれば良かったの。朱雀を繁盛させる為にね」


穂乃果「にこちゃん達は……、帰ってこれるの……?」

 

英玲奈「さぁな。そこは警察がどこまで見抜けるかにかかっているだろう」

英玲奈「…しかし無能なあいつらの事だ、まとめて牢獄にぶち込むかもな」


穂乃果「…酷いよ……っ」ギリ


穂乃果「何でそんなこと……!!」
403: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 02:56:28.68 ID:utlBL+7M0
英玲奈「何を言っているんだ。今回の仕掛けで一番の貢献者は穂乃果だぞ?」ニコ

英玲奈「この2人のホストでは入りにくい…幹部の輪の中に溶け込んで、全ての情報を我々に提供してくれた」

英玲奈「舞蝶が摘発されたのは穂乃果のおかげだ。ご苦労だったよ」


 
穂乃果「………あっ…、う……」アトズサリ


穂乃果(私が……最も手助けをした…)

穂乃果(皆が捕まったのは……全部、私がツバサさんに喋ったから…)


ツバサ「…穂乃果さん、あなたにはもう戻る場所なんて無いの。彼女達はきっと穂乃果さんを怨んでる」

ツバサ「元の生活に戻ってもいいけれど…また辛い仕事をイチからする?また苦悩の日々を過ごす…?」

ツバサ「ね。だから……何も迷う事なんてない。私と一緒に来て」スッ


ツバサ「2人で世界を見て回りましょう。素敵な景色がある場所、たくさん知っているのよ…」ニコ
404: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:03:16.62 ID:utlBL+7M0
ツバサ「……私は…、あなたと生きたいの」

 

ツバサ「さぁ…。この手を取って」スッ

 

穂乃果(そ…っか。私は……皆を裏切ったんだ)

穂乃果(にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃん……真姫ちゃん)


穂乃果(何もかも始めてだった私に、この世界の厳しさや優しさを教えてくれたのも…舞蝶の皆だった)

穂乃果(なのにっ…私が……この手で、全てを終わらさせたんだ……)


穂乃果(合わせる顔なんて……ないよ…)

 

ツバサ「…っ…穂乃果さん……」シュン


穂乃果「……決まったよ。答え」
405: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:08:27.90 ID:utlBL+7M0
ツバサ「……!!」

 
 
 

穂乃果「私……ツバサさんと一緒に行けない」


ツバサ「──えっ……」

 

穂乃果「この子を許してあげて欲しい。……私が代わりになる」


英玲奈「………ほぅ」


大学生「待って……待ってよぉ!穂乃果ちゃんっ…!!」


穂乃果「…次は間違えちゃダメだよ。そして私みたいな…悪い奴に騙されないで」


大学生「そんなっ……」


穂乃果「私にも同じ歳の妹がいるって言ったよね。……どうしても被っちゃって。もう、こうするしか無いんだ…」ニコ
406: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:14:06.58 ID:utlBL+7M0
ツバサ「嫌……」

英玲奈「ツバサ」


ツバサ「嫌よっ、穂乃果さん……!!」ギュッ


英玲奈「諦めろ。試しておいて正解だったな」

英玲奈「…やはり一般人。我々の世界に足を踏み入れるのを怖気付いたか」


ツバサ「っ……怒ってる…わよね」


ツバサ「当たり前だわ。私は…あなたをずっと騙していた、んだから……」グスッ


ツバサ「……ごめんなさい。自分でも…わかってたのに。引き返せなかった……」ウルウル

 

穂乃果「……ねぇ、ツバサさん」


ツバサ「……っ…」ギュ
407: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:19:08.99 ID:utlBL+7M0
穂乃果「…ごめんね。私、馬鹿だから全然わかんなかったよ」


ツバサ「──なっ……」

 

穂乃果「私が気づけてればずっと一緒にいれたのかな……。それとも別の形で側にいれたのかな」


 
ツバサ(ねぇ……教えて)


ツバサ(……なぜ、あなたが……)


ツバサ(私に謝るの……?)

 

穂乃果「……ネックレス、まだつけてくれてるんだね」ギュッ


ツバサ「っ……」


穂乃果「あはは…嬉しいなぁ。それ選ぶの苦労したんだ」ニコ
408: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:25:57.80 ID:utlBL+7M0
ツバサ(…教えてよ)


ツバサ(なんで……、こんな仕打ちをした私に、微笑むの…)

 

穂乃果「……今までありがとう。大好きだったよ」


ツバサ「っぅ……ぐ……」ポロポロ


 
英玲奈「…では連帯保証人として、お前が負債を支払う。これでいいな?」


穂乃果「うん」


大学生「……穂乃果ちゃぁぁん…っ…」グスン

 

ツバサ「………」


英玲奈「ツバサ!しっかりしろ、お前は私達の頭になるんだぞ」

ツバサ「……っ、わかってる…」
409: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:35:16.70 ID:utlBL+7M0
英玲奈「…頼むから。私も調子が狂うじゃないか」

ツバサ「……」

 

英玲奈「諦めろ、としか言ってやれん。……可哀想だが」

英玲奈「私達はこういう仕事柄、一人の人間に執着するべきじゃない。…そう言っていたのはツバサだろう」

英玲奈「目を覚ませ!!お前は誰だ…、Ruthless killerの綺羅ツバサ!」


ツバサ「……えぇ…。ごめんなさい」


 
英玲奈(……悪いな。私ではもうどうにも…)

英玲奈(とりあえず、穂乃果をどこかへ縛りつけて…)チラ


英玲奈「……は??」


ホスト「………」フイ
410: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:37:05.16 ID:utlBL+7M0
英玲奈「おいお前!!穂乃果は何処に行った!?」グイッ


ホスト1「し、知りません…!ほんとだもんっ」

ホスト2「あー!!なんか、そこを通っていった気がするような…」


英玲奈「ッチ……逃げたか。往生際の悪い奴だ」

英玲奈「おい…!」グイッ


大学生「ひゃぁっ…!!」


英玲奈「ツバサ!!この娘を始末しておけ。そして頭を冷やしてからこっちへ合流しろ」


ツバサ「………わかった」


英玲奈(この状態では何も出来そうにない…。とにかく正気に戻さなければ)


英玲奈「私は高坂穂乃果を追う!後で会おう!」ダッ
411: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:44:25.00 ID:utlBL+7M0
──────

 

穂乃果「っは……んっ、ぐ……」ゼェゼェ

 

穂乃果(もう…、遅いのかもしれない)


穂乃果(それでも周りの人全てを不幸にした私は…罪を償うべきなんだと思う)


穂乃果(だから……っ、せめて…!!)

 

穂乃果「真姫ちゃぁぁぁぁんっっ!!!」


穂乃果(きっと……、この建物のどこかに…)ゴクッ


穂乃果(多分ツバサさん達は私を追ってくる。その間に〇〇ちゃんが逃げれたらいいんだけど…っ)

穂乃果(…無茶な賭けだとは思う。でも、私の命が続くまで……最後の最後まで、にこちゃん達に償いたい)


穂乃果(真姫ちゃんさえ助け出せれば…、皆の無実を証明できる…!!)
412: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:46:31.96 ID:utlBL+7M0
ダダダッ


穂乃果「……っ…この部屋は……」

 

ピカッ


穂乃果「──ぁう…眩し……」


あんじゅ「はろ~♡うふふ、やっぱり脱走してきたのねぇ♪」


穂乃果「……!!あんじゅさんっ…」


あんじゅ「また会えて嬉しいわぁ。修羅の道を歩いた感想はどう?」ニコ


穂乃果「……最高の気分だよ」


あんじゅ「あはははっ……あなたって冗談も言えるのねぇ♡気に入ったわ」


あんじゅ「だから特別に…会わせてあ・げ・る♡」
413: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:56:12.33 ID:utlBL+7M0
穂乃果「へっ……」

 

あんじゅ「でもここにはいないの。もっと大きい部屋にいるから」

あんじゅ「あ、ちなみに~…ここってね。海沿いにある廃工場なのよ。それに今は真夜中」

あんじゅ「だから誰も助けには来ない。これだけは覚えておいて?」ニコ


穂乃果「………」


 
ガチャッ…バタン

 

あんじゅ「ほらほら、起きなさい?あなたにお客様よ」


穂乃果「ぁ……、真姫ちゃんっっ…!!」


 
真姫「…っ……ほの……か…?」
414: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 03:58:13.97 ID:utlBL+7M0
スチャッ


あんじゅ「はぁい♡それ以上動いちゃだめよ。真姫ちゃんを撃っちゃうわよ~?」


穂乃果「っぐ………」

 

あんじゅ「私も殺したくなんてないの。こんなに可愛い子を…あっさり拳銃でなんて、もったいないじゃない?」


真姫「ッチ。……ほんと…、気持ち…悪い」

あんじゅ「ん~??」グイッ


穂乃果(っ、真姫ちゃん…身体中傷だらけ…。それに…服に血が滲んでる)

穂乃果(今までどんな酷いことを……っ)


 
あんじゅ「んもぅ。ほんと可愛げが無いわね…。私がいじめても甘い声一つあげてくれないのよ?」
415: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:06:32.07 ID:utlBL+7M0
穂乃果「………っ…」ギリ


あんじゅ「そんな怖い顔しないで。この子が標的になったのは、ある偶然が重なったからなのよ」

あんじゅ「あなたに一番恐怖心を与えられること、使い道が無くなっても令嬢で身代金が要求出来ること……そして」

あんじゅ「計画が失敗した場合、人質として利用すること」


穂乃果「……じゃあ…また、私のせいなんだね…」

あんじゅ「かもね♪」


穂乃果「っ……!!」


 
真姫「……穂乃果っ!」


穂乃果「真姫ちゃ……」


真姫「今すぐ…、逃げなさい……私の事はいいから」
416: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:08:35.01 ID:utlBL+7M0
穂乃果「私は真姫ちゃんを助けるって決めたんだ…!!絶対に…っ」


真姫「…馬鹿ね……。でも、変わっていなくて安心したわ…」ニコ

 

ガチャッ!!


英玲奈「やはりここか!!」


あんじゅ「あら、英玲奈じゃない♡どうしたの?」


英玲奈「穂乃果を追ってきたんだ!…ツバサは、暫く使い物にならない。怪我をさせることになる」


あんじゅ「…なるほどね。やっぱり英玲奈は優しいわ」


英玲奈「そんなことより、もう私は連れて行くぞ」

あんじゅ「まぁ待って。穂乃果ちゃんはツバサを選ばなかったんでしょう?なら少し遊びましょ」


英玲奈「遊ぶ…?」
417: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:09:44.71 ID:utlBL+7M0
あんじゅ「穂乃果ちゃん。この子を返して欲しい?」


穂乃果「………」コクン


 
あんじゅ「…なら、今からゲームをしましょう。あなたは真姫ちゃんの代わりに痛めつけられてね?」

真姫「…っ、やめて……!」


あんじゅ「声を出したら真姫ちゃんにチェンジ。そして真姫ちゃんが声を出したら、また穂乃果ちゃんにチェンジ」


あんじゅ「タイムリミットは……どっちかが息絶えるまで」ニコ


穂乃果「っ……」


英玲奈「全く…。相変わらずだな」ハァ


あんじゅ「うふふ。だからね…自分が助かりたかったら、悲鳴をあげればいいのよ♡」


真姫「認めない…っ、そんなの……!!」
418: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:11:27.68 ID:utlBL+7M0
あんじゅ「ほんと強情ね~。そろそろ折れてもいいのよ?」


真姫「…私達は負けない。だから、あなたのような人に……屈するつもりはないわ」


真姫「……この拷問狂」


あんじゅ「はぁ……」

 

あんじゅ「この通り。何を聞いても全然話してくれないの」

あんじゅ「そろそろ痛みから快楽へと手順を変えようかなって思っていたんだけど…、まぁいいわ」


あんじゅ「英玲奈」


英玲奈「…了解だ」


スタスタ


穂乃果「──っ……」
419: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:17:40.44 ID:utlBL+7M0
あんじゅ「ルールはさっき説明した通り。そして…もう一つ、追加するわ」

あんじゅ「英玲奈は私の指示で手を下す」


穂乃果(私が耐え抜けば……真姫ちゃんはもう酷い目に合わされない)

穂乃果(そして……)


穂乃果(真姫ちゃんを助けられる)

 

 
あんじゅ「じゃあ1回目。英玲奈、左横腹を狙って」


英玲奈「…いくぞっ!!」ボコッ


穂乃果「っぁ……、ぅ……」ドサッ


穂乃果(息が……っ…できな……)


真姫「穂乃果っ……穂乃果……!!」


あんじゅ「流石に最初は耐えて見せたわね♪」


穂乃果(こんなのっ……何回も受けたら…)
421: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:25:15.31 ID:utlBL+7M0
英玲奈「立て。立ち上がることが出来なかったら交代になるぞ」

穂乃果「…っはは……まだまだ…」ヨロ


あんじゅ「次、2回目。右頬」


英玲奈「……ふんっ!」バシィッ


穂乃果「──っ……ぁ」フラッ


あんじゅ「3回目。腹部」


英玲奈「…っ!!!」ドゴォッ


穂乃果「っぐぇ……ぅ、げほっ……」ピチャ


英玲奈「……今のはノーカウントか?」

あんじゅ「えぇ。ちゃんと甘美な声をあげるまで……」


あんじゅ(ふぅん…なかなかしぶといわね)


真姫「……っ、もう……もうやめて…」ウルウル


あんじゅ(…あらあら。こっちの方が見応えありそうだわ♪)


 
穂乃果(苦しい……)


穂乃果(辛い。もう、参ったって叫びたい)


 
あんじゅ「はい。4回目……右脚」
422: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:27:24.39 ID:utlBL+7M0
──────


 
ホスト1「じ、じゃあ…私達はこれで♪」

ホスト2「お金は振込お願いしますね~…」


ガチャッ バタン


大学生「っ……」ブルブル


ツバサ「……ねぇ」


大学生「は……はい…」


ツバサ「あなたは穂乃果さんのどこが好きなの……?」


大学生「わ…私……?」

大学生「えっと……その…」


大学生「優しくて、天然で…明るいところが好きです……」


ツバサ「……そう」


大学生「………」


カチャッ

大学生「ひいっっ……!!」


ツバサ「……私もよ」


バンッッ!!
424: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:35:02.17 ID:utlBL+7M0
─────


ポタッ……ポタポタ


 
穂乃果「んぁ…ぅ………」


真姫「っ………もう…見てられない…」ギュ

 

あんじゅ「64回目。……鳩尾」


英玲奈「……」バキッ

 

穂乃果「──かは…っ……」ドサッ


穂乃果(あぁ…まただ……。また、息ができない…)

穂乃果(身体中が、悲鳴をあげてる……)


穂乃果(でも……まだ終われない…)
425: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:38:56.93 ID:utlBL+7M0
英玲奈「…出血が多くなってきたな。先ほど喀血も見た」

英玲奈「あんじゅ。これ以上やると危険だぞ」


あんじゅ「……うーん。でもねぇ」


穂乃果「…つ…続ければ、いい……!!」

穂乃果「私は……まだ……」


あんじゅ「…らしいから続行で構わないわよ」

英玲奈「おい…!3千万はどうするんだ」

あんじゅ「どうしても必要ならそれぐらい私が払うわ♪」

英玲奈「……全く…」

 

真姫「次は私が受けるから……、穂乃果を離しなさいっ…!!」
426: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:44:37.66 ID:utlBL+7M0
英玲奈「それは無理だ。…私も彼女の覚悟を見て見ぬ振りはできない」

真姫「っ……いいから、」


 
あんじゅ「ちゃんと本音を言いなさい。もうこれ以上…自分の前で人が死ぬのは見たくない、でしょ?」


真姫「──っ…」ビク


 
あんじゅ「そうよねぇ。またあなたのせいで人が死んだら…罪悪感に苛まれながら生きていかなきゃいけなくなる」

あんじゅ「でもね、前のように逃げればどう?過去のことなんて全て忘れて……好きなように過ごすの」


あんじゅ「それが一番よ♪」

 

真姫「っ……、私は……もう逃げない」
427: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:50:12.32 ID:utlBL+7M0
真姫「後悔している暇があったら、私は少しずつでも前に進みたい…!」


真姫「…そう、教えてくれた人達がいるから」


 
あんじゅ「あーあ…つまらない」


あんじゅ「ただの人殺しが何言ってるの?あなたが彼女を引き止めなかったから、彼女は死んだのよ」

あんじゅ「好意的にやった事が仇となった。悲しいわね~…でも、救えた命なんじゃない?」


真姫「っ……それは……」

 

あんじゅ「全てはあなたが弱かったから。だから……あの子は今でも怨んでる」

あんじゅ「なんで私は死んだのに、お前はのうのうと聞いてるの…って」


 
真姫「っ……」
428: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:54:16.61 ID:utlBL+7M0
あんじゅ「所詮は人殺しのくせに、人の輪に入りやがって……なんても思われてるかもね」


真姫「…私、は……」


あんじゅ「そうよ。きっと…あなたの周りもそうじゃない?いい迷惑だと感じてるわ」

あんじゅ「殺人鬼のお世話をして…気を使って、ご機嫌をとって」

あんじゅ「まるで赤ちゃんみたいね。あははっ……」


あんじゅ「今回こうやって…あなたが消え、せいせいしたんじゃない?」


穂乃果「………」ギリ


あんじゅ「──親からは見捨てられ、仲間からは愛想を尽かされ…そのくせ一人では何も出来ず、わかっていながら恋人を見殺しにした」


真姫「……っ…ぅ…」ポロポロ


あんじゅ「もう、死んだ方が楽なんじゃ……」

 

穂乃果「あなたに真姫ちゃんの何がわかるの……!?」
429: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 04:59:05.35 ID:utlBL+7M0
あんじゅ「……なに?」ニコ


穂乃果「だから……っ、真姫ちゃんと全く同じ経験をした事ないあなたが…」

穂乃果「なにを偉そうに言ってるのさ…!!!」


あんじゅ「はぁ…あのねぇ。それを言うなら…」


穂乃果「……確かに私は、当時の真姫ちゃんと面識は無かったし…悩んでいた時の真姫ちゃんも知らない」


穂乃果「でも……!これだけは言える」

穂乃果「あんな風に微笑む人は…殺人なんてしない!!」


穂乃果「真姫ちゃんは…厳しいことも言うけど、やっぱり優しいんだよ。あの時も…その優しさが裏目に出ただけで…」


穂乃果「だから、大きな壁を超えた真姫ちゃんを責められる人なんて誰もいない」
430: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 05:02:05.75 ID:utlBL+7M0
穂乃果「壁にぶち当たって悩んで…また悩んで。そうやってみんな答えを見つけていくんだ。…勿論それが正解かなんてわからない」

穂乃果「でも……正解なんて後からついてくる。その時の選択肢を間違えても、いくらでもやり直せるよ」

穂乃果「間違いの無い、完璧な人生なんて無いんだから……」ニコ


真姫「……穂乃果…」


穂乃果「遅くなっちゃった、ね……」


穂乃果「仲直りしてくれる…?あの時は言い過ぎたよ…ごめん」


真姫「…ううん。私こそ……ごめんなさい」


穂乃果「……ふふっ。ありがとう」


 
あんじゅ「──あぁもう!イライラするわねっっ」
431: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 5f00-PAwv) 2017/02/20(月) 05:09:02.41 ID:utlBL+7M0
あんじゅ「英玲奈!!さっさと殴り殺してしまいなさい!」


英玲奈「っ……あぁ!」


穂乃果(……どうせ、私は死ぬ運命なんだ)

穂乃果(ここで死のうが…東南アジアだろうが、もう関係ない)


穂乃果(ごめんね。お母さん、お父さん…雪穂。…生まれ変わっても一緒の家族がいいな)

穂乃果(そして……舞蝶のみんな。本当に…本当に、ごめん。私はもうこのぐらいしか出来ないけど…)

穂乃果(許して欲しいとは言わない。だからどうか……また皆で楽しく暮らせる日々を…送ってほしい)


英玲奈「……!!」ブンッ


真姫「いやっ……穂乃果ぁぁぁっ…!!!」


 
 
『…頑張ったわね。後は任せなさい』


穂乃果「……あははっ、幻でも……見てるのかな…」


グググッ

あんじゅ(あの英玲奈のパンチを…受け止めた!?)


英玲奈「……貴様は…」ギリッ


 
絵里「こんばんは。…うちの子が随分とお世話になったようね」ニコ
557: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 0a00-ehdK) 2017/02/24(金) 07:39:54.43 ID:KP0IP/3B0
──────


英玲奈「っ……絢瀬絵里…!!なぜお前がここにいる!?」


 

絵里「穂乃果、立てそう?」

穂乃果「…ん……なん、とか…」ヨロヨロ


穂乃果(幻なんかじゃない…。本物だ)

穂乃果(初めての仕事のとき、私を助けてくれた時と同じ……)

穂乃果(優しい笑顔の絵里ちゃんだ)


絵里「…希のお守り、ちゃんと持っててくれたのね。おかげで間に合ったみたい」

穂乃果「えっ…?」

絵里「えぇと…スピリチュアルパワーって事にしておいて」ニコ

 

あんじゅ「一体どういう事……!?!?間違いなく無力化した筈よ!!」
558: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 0a00-ehdK) 2017/02/24(金) 07:44:56.67 ID:KP0IP/3B0
ザッ


あんじゅ「っ……!」クルッ

 
 
にこ「ほんと甘いわね。昔っからそう。……アンタは詰めが甘い」


穂乃果「に…にこちゃん……っ!!」


にこ「アホのか!罰金は数千万にしといてあげる!!」

穂乃果「いっ……!?」

にこ「漏洩はダメだって言ったでしょっ」

穂乃果「……ご、ごめん…。そうだよね…私が皆の個人情報を」

にこ「…でも今回は相手が悪すぎた。だから特別に、私が一緒に払ってあげる」

穂乃果「……!」


にこ「いい?全員で帰るわよ。…こんな所で死ぬんじゃない!!」
559: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 0a00-ehdK) 2017/02/24(金) 07:49:19.31 ID:KP0IP/3B0
あんじゅ「…うふふ♡♡誰かと思えば……にこじゃない♪こんな所でどうしたの?♡」


にこ「…ふん、白々しいっての」


あんじゅ「これは違うのよ??私も巻き込まれただけで…♪」ニコニコ

にこ「好き勝手やってくれたわね。……私はアンタ達を絶対に許さない」

あんじゅ「ねぇ、待って……何を言ってるのか…」


にこ「売られた喧嘩は買う。それだけよ」


あんじゅ「……っ、あぁぁっっ!!もう!何がどうなってるのよ!?」

あんじゅ(確かに私達は舞蝶を壊滅させた…。警察に拘束される瞬間も、部下が目の当たりにしてる)

あんじゅ(あとは……この、2人を…始末すれば終わる筈だったのに)
 


真姫「……待ちくたびれたわ。随分と遅かったじゃない」


にこ「…ありがとう。生きててくれて」
560: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 0a00-ehdK) 2017/02/24(金) 07:52:15.44 ID:KP0IP/3B0
真姫「そんな顔……らしくないわよ」

にこ「ごめん。帰ったら埋め合わせするから」

真姫「…楽しみにしてる」ニコ


あんじゅ「っ……黙って!!!そこから1歩でも動いてみなさい、この子の頭に穴が開くわよ!!」グイッ


にこ「…やっぱりあんたと関係を終わらせて正解だったようね」


あんじゅ「よく言うわ……!私無しで生きれなかったあなたが、今更何を粋がっているの!!」

あんじゅ「孤独に呑まれそうだった時に、手を差し伸べたのは誰!?恩を仇で返すつもりっ??」

にこ「悪いけど、もうアンタの言いなりになんてならないわ」

あんじゅ「この……っ、」カチャッ


真姫「………」


にこ「今の私は、昔みたいに弱い私じゃない」


にこ「……だって」
561: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 0a00-ehdK) 2017/02/24(金) 07:54:40.81 ID:KP0IP/3B0
 
 

凛「真姫ちゃんを返せーー!!」ガブッ

花陽「えいっ!!」グイッ


あんじゅ「なっ……!?!?」クルッ


にこ「支え合える仲間がいてくれるから」ニコ


あんじゅ「いっ、いたたたっ……!!ちょっと!!」ググッ

凛「むぐぐ…ぅ!」ガブガブ

花陽「あなただけは……許しません!!」ギュッッ


あんじゅ「卑怯よっ!!たった1人に…」


にこ「へぇ、どの口が言うんだか」

 

希「真姫ちゃんっ!!」ギュッ

真姫「希……!来てくれたのね」

希「ごめん。遅くなったね…。すぐに手当するから」
562: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 0a00-ehdK) 2017/02/24(金) 07:56:47.83 ID:KP0IP/3B0
あんじゅ「あぁ!!その子を返しなさ……ふぐっ……」

 
 

英玲奈「ふふっ……ははは!!これは驚いた。もう死んだものと思っていたぞ」


絵里「この世に未練がありすぎてね」


英玲奈「言ったはずだ。私は牙を抜かれたお前に興味はない」


絵里「だから…そのセンスの欠けらも無い肩書き、やめて欲しいんだけど」


英玲奈「…なら、お前は何のために戦う。仲間のためか?歌舞伎町ナンバーワンの座のためか」


絵里「そうね。両方よ」ニコ


絵里「あれだけ争っていても決着がつかなかったなら…もう、こうした方が早いわね」


英玲奈「……面白い。受けて立つぞ」


絵里「こういうの、あんまり好きじゃないんだけど…。ちょうど虫の居所も悪いし。遠慮なくいかせてもらうわ」
563: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 0a00-ehdK) 2017/02/24(金) 07:59:13.70 ID:KP0IP/3B0
英玲奈「フッ…忘れたか。不意をつかれたとはいえ、少女に刺される程度のお前が…」


絵里「私、可愛い女の子には弱いのよね」


英玲奈「は……?」

 
 
絵里「だから今は全力を出せそうだわ」ニコ


英玲奈「………ほう…」ピキピキ


絵里「…あ、もしかして気にしてた?」

英玲奈「なっ!?そ……そんなわけないだろう///!!」


絵里「この子達の分まで、きっちり返させてもらうわよ」


英玲奈「…!!やってみるがいい!」
567: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 08:27:24.98 ID:OdwD4ys20
あんじゅ「ちょっ……英玲奈!?何してるの、私を助けなさい!」

英玲奈「すまない。私はこの勝負にケリをつける」

あんじゅ「しっかりして!あなたは私を守る義務があるでしょう!?」


絵里「…穂乃果、ここから逃げなさい」

穂乃果「で、でも……!」

絵里「その体では何も出来ないわ。そこの通路を抜けたら、倉庫がある。出口はその先よ」


穂乃果「………」


絵里「…私達はあなたを怨んでない。むしろ、これは別の戦いでもある。だからね…全員で帰りましょう」ニコ


絵里「そして……心残りがあるなら、それも終わらせるべきよ」
568: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 08:32:17.15 ID:OdwD4ys20
穂乃果「……ごめん。また、外で」フラッ

タタッ


英玲奈「ふん…。あの怪我ではそう遠くまで行けそうにないぞ」

絵里「あの子、根性はあるから平気よ」


英玲奈「それよりも気になるな。なぜお前達はたった数人でここに来た?」

英玲奈「こんな戦力で何が出来る。killerに抗うには全く足りん」


絵里「…きっと皆、考えるより先に体が動いちゃったのね」

絵里「真姫と穂乃果は…私達の仲間だから」


英玲奈「…なら死をもって後悔させてやろう!!」ブンッ

絵里「っぐ……」


英玲奈「どうした!?我々に復讐するんじゃなかったのか!」ドガッ


絵里(速い……。それに全く迷いがない)

絵里(流石はマフィアの武闘派ね。私がどれだけ持つかわからないけど……)


絵里(やれるだけの事はやらせてもらうっ)
569: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 08:34:08.01 ID:OdwD4ys20
──────


~倉庫~


…カツカツ


ツバサ「……」

 

ツバサ(穂乃果さんは私を選ばなかった。その事実は…もう、変わらない)

ツバサ(初めて会ったときは……まさか、こんなことになるなんて思わなかったわ)

ツバサ(利用出来ればいいとさえ思っていたのに…いつからか、私の心はあなたに夢中だった)

ツバサ(こんな日々がいつまでも続けばいい……。そんな叶いもしない事を願うしか無かった私は…どうすれば良かったの)

カタン

ツバサ「っ……!?」ダッ


バンッッ!!


ツバサ(なぜ……彼女が、ここにっ)
570: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 08:36:38.77 ID:OdwD4ys20
ツバサ「…初対面でいきなり発砲なんて、マナーがなってないんじゃない?」
 
 


海未「すみません。しかし挨拶など無くとも知っているでしょう」


ツバサ「……その拳銃。やっと腹を括ったようね」ニコ


海未「あなたが綺羅ツバサですね?……探し求めていた黒幕がこんなにも近くに…灯台下暗しとはよく言ったものです」


ツバサ「……こうして会えるのをどれだけ待ち望んだことか」

ツバサ「そもそも、私が日本に来たのはあなたに復讐するためだから」


海未「…えぇと、職業柄怨まれるのには慣れていますが。私個人となるといまひとつ覚えがありませんね」


ツバサ「………」
571: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 08:38:04.42 ID:OdwD4ys20
ツバサ「数年前、私達の部下はこの地域で活動を開始した。闇金会社を立ち上げたり、麻薬売買を行ったり……やり方は多種多様だったわ」


ツバサ「でも、暫く経たないうちに私へある報告が入った。…いきなり正体不明の組織に阻まれ、計画は全て台無しに」

ツバサ「そう。……後々になって調査をしてみれば、邪魔をしたのはあなたが率いる園田組だったのよ」


海未「……では私を殺しにきたんですね。しかしチャンスは幾らでもありましたよ」


ツバサ「あれだけの取り巻きがいて、ガードが四六時中付いてる人物を手に掛けるのは容易ではないわ。大きな騒ぎは起こしたくない」

ツバサ「…それに、あなたの全てを奪ってから決着をつけたかった。これが私達のやり方なの」


海未「……それが今、というわけですか」


ツバサ「悪く思わないで。先に手を出したのはそっちよ、私は過去の因縁にケリをつけに来ただけ」
572: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 08:40:18.72 ID:OdwD4ys20
ツバサ「日本のマフィアがRuthless killerに売った喧嘩を買ってやれ……という父の命を受けてね」


海未「ここら一帯は私達の島です。縄張りにズカズカと入り込み、一般市民にまで危害を加えようとした者を追い返したまで」

海未「世界で悪名高いマフィアか何か知りませんが、私達も同じ穴の狢。目の前の敵に恐れ戦くなど有り得ない」

海未「この街にも警察の目を掻い潜り、非常に悪徳な事をする輩はいます。それらを影で戒めるのが私達の仕事ですから」


ツバサ「……わからないわね。なぜあなたがそこまで拘るの?」


海未「この街を守るためです」ニコ


海未「歌舞伎町には様々な組織が、それぞれの思惑を持って集まっています。これらを牽制する何かが無いと…やがて無法地帯と化してしまう」

海未「そして武力衝突などが起これば、繁華街は閉鎖に追い込まれる。…私は暗闇に包まれるこの街を見たくありません」

海未「ですから私達が糸を引き、お互いがお互いに目を光らせることで争いを回避させているのです」


ツバサ「……素晴らしい心掛けだわ。でも…もう遅い」
573: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 08:44:07.12 ID:OdwD4ys20
ツバサ「仲間一人さえ守れないあなたが、この街を守れるわけもない。そうでしょう」


海未「…私はずっと躊躇していました。次期当主としての立場を全うする絶好の機会に直面してもなお、役目を果たせる自信が無かった」


海未「この拳銃を……仲間の為に、使えるのかと」


ツバサ「……例え私を今ここで殺したとしても、あなたの望みは叶わない」

ツバサ「あの店は終わった。あなた達も、もうじきバラバラになる」


ツバサ「残念だったわね。……最後くらいは、元の立場を忘れて」


海未「ではあの子に……穂乃果に、心を奪われたあなたも同じですね」


ツバサ「──っ…」


海未「最後くらいは組織の事を忘れ、ただの恋人として。彼女に別れを告げてみてはどうですか」

 

ツバサ「………私は綺羅ツバサよ。もう迷わない」


海未「最も、私は…穂乃果の気持ちを踏み躙ったあなたを許すつもりはありませんから」


ツバサ「…さぁ。終わらせましょう」カチャ


海未「………」スチャッ


ツバサ「どちらかの灯火が消えるまで…」
575: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:04:26.43 ID:OdwD4ys20
──────


絵里「っ……はぁ…はぁ……」


カツカツ


英玲奈「座り込んでどうした。休憩か?」


絵里(執拗に左の脇腹を狙ってくるわね…。それに恐らくさっきの一撃で、傷が開き始めてる)

絵里(ある程度出血すれば立ってはいられない。短時間で終わらせないとっ…)ヨロ


英玲奈「…ふん。すぐに楽にさせてやろう」


希「っ、えりち……!!」タタッ


絵里「希!?こっちに来ちゃダメだって……」
576: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:05:57.77 ID:OdwD4ys20
希「そんなのっ……ただ見てるだけなんて無理や!」


絵里「真姫と一緒に、ここを出なさいって言ったでしょう!」


希「うちの気持ちも考えてよ…!」ギュッ

絵里「……!」


希「…いっつも無茶するんやから。誰かが隣にいなきゃダメ」

絵里「希……」


英玲奈「………」イライライラ


英玲奈「いい加減にしろ。ドラマや漫画のような展開は必要ない、正々堂々と戦うぞ!」


希「だから…ね……」

絵里「………」
577: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:11:44.55 ID:OdwD4ys20
英玲奈「さぁ立て!リアルファイトで決着を…」


絵里「…降参するわ」


英玲奈「………は?」


絵里「だから。あなたの勝ちよ」ニコ


英玲奈「…ふ、ざけるなぁ!最後まで諦めるんじゃない!」


絵里「──って。そもそも軍隊並みの訓練を受けてそうなあなたと私じゃ、雲泥の差があるのよね」

絵里「どうやっても敵いそうにないし。悔しいけど……」


英玲奈「……見損なったぞ。私が数年かけて戦っていたのは、こんな腑抜けた奴だったとは」
578: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:13:08.91 ID:OdwD4ys20
ガチャッ!!


黒服達『あんじゅ様!!遅くなりました!』


あんじゅ「遅い!!早くこのネズミ達を捕らえなさいっっ」


黒服達『はっ!!』


にこ「…ッチ、不味い……。やっぱり伏兵が」


黒服a「おい!あんじゅ様から離れろ!」ググッ

花陽「ぴゃぁっっ……!!」


黒服b「コレを押さえるのを誰か手伝ってくれ!!」

凛「うあぁぁっ!!離せーーっ!!」ジタバタ
 


あんじゅ「っふふ……。形勢逆転、ね」ニコ
579: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:16:07.93 ID:OdwD4ys20
黒服c「2人共じっとしてろ!」


にこ「……ッチ…」

真姫「………」


あんじゅ「傷つけちゃだめよ。みーんな…私のコレクションに加えてあげるんだから」


あんじゅ「美しい子はイジメがいがあるのよ。顔の系統も、性格も偏ってなくて……多種多様な楽しみ方がありそうだわぁ♡」ゾクゾク


黒服d「手を挙げろ!」


絵里「……希、黙って従いなさい」

希「………っく…」

 

英玲奈「おいあんじゅ!!こっちの戦いに手を出すな!」


あんじゅ「もうそんなことはいいの。決着もついたんでしょ?」
580: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:16:58.31 ID:OdwD4ys20
あんじゅ「……それに、これ以上…遊びに付き合ってる時間はないわ」


にこ「あんじゅ!!こんなことして許されると思ってんの…!?」


あんじゅ「はぁ…。あなた達も少し、おいたが過ぎたわね」

あんじゅ「全員を地面に押さえつけなさい。……そうね、試しに」カチャッ


花陽「ふぇっ……」ビクッ

凛「っ……かよちんを撃つなら、凛を撃てばいいっ!!」

花陽「凛ちゃん……!やめてよぉっ…、」ウルウル


あんじゅ「ふふっ♡6人ね…。なら1人くらい減らしても大丈夫そう♪」
581: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:21:51.44 ID:OdwD4ys20
あんじゅ「さぁ、名乗り出る子はいないの~?」

あんじゅ「一生私の玩具になるか…今ここで死ぬか。わざわざ選ばせてあげるのよ?」


にこ「…私にしなさい」


あんじゅ「だめよ~♡あなたは私のお楽しみなんだから…」


にこ「1度知り尽くしてる相手なんて、あんたからすれば退屈でしょ。さっさと殺しなさい」


あんじゅ「……それ、本気で言ってるの?」


にこ「それに私はオーナーなの。最後までこの子達を守らなきゃいけないし」


あんじゅ「あのね。でも、」


にこ「アンタに好き勝手されるくらいなら舌噛んで死んでやるわ」
583: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:25:09.58 ID:OdwD4ys20
あんじゅ「……悲しいわ。そこまで私のこと」


にこ「大っ嫌いよ。ちょっと懐いただけで勘違いする面倒な女」


あんじゅ「………あぁそう」

あんじゅ「ねぇ知ってる?朱雀っていうのは鳥を指すのよ」

あんじゅ「それらは主に虫を捕食する。つまり、舞蝶の天敵は鳥ってことになるわね」


あんじゅ「……最初から、このシナリオは決まっていたの」ニコ


にこ「…………」


あんじゅ「じゃあお望み通り…」カツカツ


あんじゅ「数発は撃ち込んであげるから覚悟しなさい」スッ


にこ「……残念ね。アンタの負けよ」


あんじゅ「今さら何を……」

 

ガチャッ!!!!


ヒフミ『突入!!撃てーーっ!!!』
584: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:26:44.72 ID:OdwD4ys20
ババババババッッ!!


 
あんじゅ「きゃっ……!?!?」


黒服「伏せてください!!」ガシッ

 

ヒデコ「どんどん撃てーっ!最優先は市民の救助!!被弾に注意!」


フミコ「……ね、これ…発砲許可とかもらってたっけ」

ミカ「マフィアに全て押しつけるらしいよ☆」

フミコ「始末書で済まない気がしてきた……」

 

黒服「くそ!!応戦しろ!」

警察「足を狙え!ただし状況によっては部位を問わない!!」
585: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:31:47.22 ID:OdwD4ys20
英玲奈「あんじゅ!!後ろに下がれ!」グイッ

あんじゅ「っ……一体どうなってるのよ!」

英玲奈「よくわからんが警察だ!」

あんじゅ「警察って……動けるわけないじゃない!!何の証拠もない、そもそも捕まえるべきは舞蝶の…」


英玲奈「とにかく今は退くぞ!銃撃戦は部下に任せるんだ!」


あんじゅ「っ……何が起きてるの!?!?」

 
 
─────

警察「皆さん、こちらへ…!裏口から出られます!」


絵里「っつ……」

にこ「ちょっと、大丈夫なの…?」

絵里「平気よ。上手くいったわね」ニコ

希「一時はどうなるかと思ったんやけど…」
586: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:32:46.01 ID:OdwD4ys20
凛「真姫ちゃんっ…!真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃーんっ!!」ギュッ

真姫「…もうっ、凛。苦しいわよ……」ニコ

花陽「ずるいよ凛ちゃんっ。私だって……」ギュウウ

真姫「花陽…、ありがとう」

 
 

絵里「直前になって、あなたからこの話を聞いた時は驚いたわ」

にこ「…私だってそうよ。本当に逮捕されて、警察署から1歩も出られなくなった時は驚きを通り越して……はぁ」


絵里「……希は何か知ってる?」

希「ううん。何も」

希「うちらは釈放される前に警察署を抜け出して、発信機を頼りに…ここまで来た」

希「にこっちから警察が後から来るって聞いたのは、えりちと一緒よ」
587: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:37:41.95 ID:OdwD4ys20
にこ「釈放の手続きとか待ってたら穂乃果や真姫ちゃんが危なかったかもしれない。助けをくれた海未の部下に感謝ね」

絵里「でも……私達、容疑も晴れてないのに脱獄して大丈夫なの?…罪が重なった気がするんだけど」

にこ「あぁ、それは…」

 

『大丈夫です!!』


 
にこ「……悪いわね、ありがとう」


亜里沙「お姉ちゃんっ…!!会いたかったよぉっ…」ギュッ

絵里「亜里沙…!?」


希「雪穂ちゃん……これって」
588: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:38:30.46 ID:OdwD4ys20
雪穂「私達が撮った写真で、希さん達の冤罪が発覚し…killerの存在が炙り出されました!!」

雪穂「その写真に写ってたのは白い粉で、アタッシュケースの中にあったので…いかにも怪しい物だと思ったんです」

雪穂「そして、それをヒフミさんって人のとこに持っていったら…飛び上がって喜んでくれて。その後にこさんと会わせてもらって」


にこ「変装して迎えに来た海未の部下から、穂乃果達の場所を聞いたのよ。そして皆を連れて乗り込んだ」

にこ「危険だったけど…警察の突入を悠長に待ってられなかったから」

 

希「…そうだったんやね。2人とも、本当にありがとう」

絵里「えぇ。あなた達のおかげで助かったわ」
589: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:39:24.05 ID:OdwD4ys20
亜里沙「ううん!私達ね…1度、あんじゅって人にバレそうになった時があるの」

亜里沙「でも、黒い服を着た人達が注意を逸らしてくれて…こっちには追いかけて来なかった」


にこ「黒い服……?あぁ、海未のとこの」


雪穂「それからあんじゅって人がツバサと会ったんで、会話を録音をしたんです!」


真姫「末恐ろしいわね…」

凛「でもありがとうにゃ…!」


にこ「…海未も、独自に組を動かしてkillerを追ってたのね。雪穂ちゃんと亜里沙ちゃん、海未のどちらかが失敗してたら今は無いわ」

にこ「勘づかれて更に周到な罠を張られる。そしたらまた…誰かが被害に遭ってた」

絵里「私達がここまで来れたのも…その2グループのおかげなのね」

希「上手いこと助け合いがあったんやなぁ…」
590: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:40:20.43 ID:OdwD4ys20
花陽「あのっ……でも、海未ちゃんと穂乃果ちゃんは…!?」

花陽「それにことりちゃんとも連絡が取れてないし…」


雪穂「お姉ちゃん…まだ中なんですね」

亜里沙「雪穂……」

 

にこ「ことりは証拠が足りなくて、捕まってないはずよ。だから何処にいるかわからない」

真姫「…穂乃果、まだ外に出られてないのね」

凛「海未ちゃんは……!?一体どこにいるのっ?」

にこ「……海未は、誰よりも早く脱獄したから。もしかしてまだ中にいるかも」


絵里「あの子……1人で終わらせる気なの?」

希「嘘、そんなことしたら…海未ちゃんが!」
591: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:41:08.59 ID:OdwD4ys20
真姫「組のことは…動きがない限り警察も見逃してる。でも今回、マフィアとの衝突だと判断されたら」

花陽「……今度こそ捕まっちゃうよ」


希「っ……うち、中に戻る」


絵里「ダメよ…!裏口から入った部屋は銃撃戦が続いてる。それ以外の通り道もどんな危険があるかわからないわ」

希「でも…、放っておけるわけない!」


凛「…信じようよ」

凛「怪我をしてるメンバーもいる。また中に入って…せっかく海未ちゃんが助けてくれたのに、誰かが傷ついたら意味無いよ」


真姫「えぇ。私達はそうするしかないわ」


にこ「そもそも、中で海未がツバサと衝突してたら……無事でいられるとも限らない」

にこ「あの子がどんな事をしても、生きて帰って来てくれたらいい。…そうでしょ」
592: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:41:45.34 ID:OdwD4ys20
絵里「……そうね」


警察1「あの、事情を簡潔にお話いただいてもいいですか!」

警察2「我々が先だ!事件をもっと鮮明に…」


凛「にゃぁっ~…!!」

花陽「押さないで……っ」

真姫(……結局、これじゃ1歩も動けないじゃない)


雪穂「…亜里沙、こっち」ヒソ


亜里沙「雪穂…?」


雪穂「まだやるべき事は残ってる。警察署で聞いた、あの子のこと…」

亜里沙「穂乃果さんのお友達の……大学生の人?」
593: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ a300-ehdK) 2017/02/24(金) 09:42:28.69 ID:OdwD4ys20
雪穂「うん。数日前に失踪して、学生証が道に落ちてたって言ってたでしょ」

亜里沙「ってことは……この中にいるのかな…?」

雪穂「可能性は高いよ」


亜里沙「でもっ…危ない!」

雪穂「絵里さん達は、警察に見張られてて動けない。私達がやるしかないよ」


雪穂「あの子を助けないと…!銃撃戦に巻き込まれる前に!」

亜里沙「………私達と同じ歳、なんだもんね」


亜里沙「うん…!今なら誤魔化せる。いこう、雪穂!」
717: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 16:51:28.02 ID:hG80xCgu0
─────


パンッ!!パンパンパンッ


ツバサ「……そう闇雲に乱れ打ちするものじゃないわ」スチャッ


ガキィン!!!


海未(幸いにもここは錆びれたコンテナが多く置かれていて、身を隠す場所には困りません)

海未(……だから一瞬の隙を突けば…勝機はある)


ツバサ「ほらほら。出てきなさい」


海未「では先に、あなたの姿を見せてもらえますか。私も習いましょう」


ツバサ「ふふっ……面白いわ。私がのこのこ近寄ったら引き金を引くのに」


海未「当たり前です」


ツバサ「…やっぱりここで消すには惜しいわね。でも、もう遅い」
718: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 16:53:07.95 ID:hG80xCgu0
海未(……不意をつくには奇襲が有効ですが、この距離感と…ツバサが今どこにいるのかが掴めない以上は…)


ツバサ「蜂の巣にしてあげる」ガチャン

 

海未「──なっ、 」


海未(機関銃!?どこからそんなものを…!!)

 

ツバサ「さぁ…そこかしら。行くわよ」


ガガガガガガガガッッ!!!


海未「っく…!!」ダッ


ツバサ「…そう。そうやって鉄ごと撃ち抜かれないように、場所を移動しないとね」クス


海未(どうすれば……こうやって逃げ回っても、何も)
720: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 16:57:03.42 ID:hG80xCgu0
ツバサ「まだ諦めないんでしょう?」ガチャ


ガガガガガンッ!!! キィン!!!


ツバサ「ここは私達のアジトでもあった。…だから、こんな武器ぐらい持っていても不思議じゃないわ」

海未「えぇ…そのようですね。笑えませんが」

ツバサ「…私はそうでもないわよ」クス

 

海未(相手が弾を交換するタイミングで、こちらも反撃しましょう…。距離を詰められるのは不味いですから)カチャ


パンパンパンッ!!


ツバサ「……っと、今のはスレスレだったわ」


海未(しかし、私が逃げ回っている間にツバサが新たな武器を手に入れれば厄介です)

海未(そして私の弾薬も残り2発)

海未(…だから、すぐに勝負をつける必要がある)
722: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:00:45.19 ID:hG80xCgu0
ツバサ「……今度こそ」

 

海未(彼女が機関銃を持ち上げた時。あの物陰から体を見せた瞬間……そこに全てを賭けます)

海未(場所は把握している…。後は私の腕次第っ)


ツバサ「園田海未……!!覚悟しなさいっ」ガタン


海未「……、今です!」パンッ


 
キィン…

 

海未「…えっ」


海未(いない……??何処にも、彼女の姿が)


海未(なぜ…そんなっ)
723: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:02:03.75 ID:hG80xCgu0
ツバサ「残念。ハズレよ」


パァン!!


海未「──っぐ……」

 

ツバサ(右肩を撃ち抜かれたんじゃ、もう銃は握れない。反撃も不可能ね)


ツバサ(…次の1発で終わりよ)スチャッ


タタッ…!


ツバサ「あっ………」ハァ

ツバサ「どこに身を隠そうとも、もうあなたの負けよ。諦めた方がいいわ」


…シーン


ツバサ(最後まで抗う、と)

ツバサ(まぁいいわ。…この血痕を辿れば位置を特定することなんて容易いもの)カツカツ
724: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:03:35.01 ID:hG80xCgu0
─────


ポタッ…ポタッ


海未(不味い……出血が止まりません)

海未(そして、ここまで逃げて来たはいいものの…見事に袋小路へ迷い込んだようですね)


ザッ


海未「……!」ハッ


ツバサ「時間の無駄よ。…そこの裏ね?」


海未(銃弾は残り1発。しかし、距離があるせいで左手を使って撃つのは不安定です)

海未(もう少し近くで……それこそ至近距離で放てたら)

海未(しかし、彼女の前に姿を表せば今度こそ負ける)

海未(……もう方法は一つしかないようですね)
725: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:05:17.88 ID:hG80xCgu0
ツバサ「さぁ…辞世の句は読み終わった?」スチャッ


ガタン


ツバサ「……そこっ!!」バンッ

 

ツバサ「って……何処にも姿が」


海未「はぁぁぁぁっ!!!」バシッ

ツバサ「──っ…!?!?」


ツバサ(いつの間に、私の後ろに回り込んだの…!)

海未「その物騒なものは没収させて貰いますっ」ガシッ

ツバサ「ちょっ……あぁっ!!」

ゴトン

ツバサ(私の銃を投げた……。こんなの、どこまで飛んでいったのかもわからないじゃない!)


海未「この距離ならっ……当たる!!」カチャ
726: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:06:16.45 ID:hG80xCgu0
ツバサ(……なるほど、私を無力化して自分は銃で仕留めるつもりね)

ツバサ(利き腕が使えなくても取っ組み合っている今の状況なら…トリガーさえ引ければ弾は命中する)


ツバサ「でも…そう易々とっ、撃たせてあげないわよ!」ガシッ


海未(……!?銃身を…鷲掴みにっ…)


ツバサ「えぃっ!!」ブンッ


カランッカラン…


ツバサ「……これでお互いの獲物は無くなった。フェアにいきましょ」


海未「…リアルファイトですか。意外と泥臭い試合を望むんですね」


ツバサ「生憎……私、接近戦の方が得意だったりするの」ニコ
727: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:10:04.16 ID:hG80xCgu0
海未「…ならば全力でいきます」


ツバサ「………」


海未「………」スゥ


ツバサ(相手は恐らく…日本武術を極めてる。身長の差もリーチになって、私の方が一見不利ね)


ツバサ(……でも)


海未「やぁぁっ!!」ブンッ


ツバサ「──私には敵わない」スッ


 
サクッ

海未「っ……!?」

 

ツバサ「毒針で経穴を突いたわ。…すぐに身体中に毒が回るでしょう」クルッ


海未「……ぅ…ぁ…」ドサ
728: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:10:55.84 ID:hG80xCgu0
ツバサ「…私ね、幼い頃からこういった暗殺の手口を教えこまれていたの。特に中国では武術を習った」

ツバサ「所詮、マフィアと日本のヤクザじゃ…天と地ほどの差があるのよ」


ツバサ「さようなら…」


 
「離れてっ……!!」


ツバサ「……、あなたは」


ことり「海未ちゃんから……離れて」ブルブル


ツバサ「その手に持ってるのは…そこに転がっていた、海未さんの拳銃ね?」


ことり「っ……早く…しないと、」スチャッ


ツバサ「ふふっ。私を殺すつもり?」
730: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:12:57.91 ID:hG80xCgu0
ことり「………」


…ガタガタガタ


ツバサ「腕が震えているわよ。もっと伸ばして…左手の指で右手を包み込む」


ツバサ「銃と手首の中央を合わせて。隙間がないようにしなさい」


ことり「………っ…うぅ…」


ツバサ「そして……人差し指で、トリガーを引く!!」


ことり「海未ちゃん……海未ちゃんっ……」ポロポロ


ツバサ「………」


 
ことり「私は……皆を傷つけたあなたを…」


ことり「海未ちゃんを傷つけたあなたをっ」
731: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:14:05.22 ID:hG80xCgu0
ツバサ「………ふっ」

 

ことり「許しませんっ……!!」カチッ


ツバサ「………」


ことり「えっ…?あれ……」カチカチ


ツバサ「どうやら弾切れみたいね。…あなたの負けよ」


ことり「そんな………」


ツバサ「それ、リボルバーなの。だから素人じゃなければ目視でわかるわ」

 

ことり「………あぅ…ぅぅっ…」ドサ
732: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:15:02.32 ID:hG80xCgu0
ツバサ「助けに来たみたいだけど…無駄だったわね。ここで彼女と仲良く死にたい?」

ツバサ「それとも……ここで見た事を全て忘れて、普通の生活に戻る?」


ことり「………」


ツバサ「…選びなさい。無論、少しでも喋ればあなたの家族ごと始末しなければならなくなるけど」

ツバサ「これは私と彼女の問題だったから。あなたぐらい見逃してあげる」

 

ことり「………っふ」


ツバサ「……?」


ことり「あははははっっ……」
733: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:16:14.37 ID:hG80xCgu0
ツバサ「な……何がおかしいの」


ことり「だって…私達、負けてないもん」ニコ


ツバサ「……は?」


ドゴッッ!!


ツバサ「あぐ……っ!!」ガタン


 
海未「…私が死ぬ幻影でも見ましたか?」


ツバサ「つぅ……なぜ、なぜあなたが…」


海未「そう簡単には沈みませんよ」


ツバサ(じゃあ私が仕留めたのは…残像か何かだったというの…!?)

ツバサ(とにかく立たないと……)ヨロッ


ツバサ「っ……!」ドサ


ツバサ(はぁ……さっきの蹴り、打ち所が悪かったみたいね。頭が割れるように痛い)
734: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:18:40.67 ID:hG80xCgu0
ことり「海未ちゃん……っ」ギュッ


海未「もう…ダメですよ。こんな危ない所へ来ては」

ことり「私の事を大切にしてくれてるのはわかってる。でも…私だって、一緒に戦いたい」

ことり「海未ちゃんがそうしてくれたように……ことりも、隣で支えたいの!」

海未「……ことり」

ことり「………」

 

ツバサ「……話は済んだかしら」


海未「綺羅ツバサ。あなたがこうして負けたのは…決定的なミスを犯したせいです」

海未「ただのマフィアとしてでなく、1人の人間として穂乃果と接してしまった」

海未「あの子を使い捨てなかった事により…足取りや多くの証拠が残ることになった。私達はそれを追ってこの真相にたどり着きました」
735: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:19:35.90 ID:hG80xCgu0
ツバサ「…そうね。やっぱり私は甘いんだと思う」


海未「ならば……その甘さを怨みなさい」


ツバサ「…こういう世界はね、引き際を弁えるのも大切なのよ。私はもう諦めてる」


海未「………」

ことり「海未ちゃん……」チラ

 

海未「…っ、やはりダメです。私はあなたを許せない」スッ


海未「この最後の銃弾で…全てを終わらせます」


ツバサ「…なるほど。私に掴みかかった時に持っていたのはダミーだったのね」

ツバサ「振り払われたり、奪われた時の保険として…本命は胸のポケットに隠していたと」
736: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:20:59.62 ID:hG80xCgu0
海未「土壇場の作戦が功を奏したようで、良かったですよ」


ツバサ「あなたの方が上手だった。…えぇ、悔いは無いわ」


海未「………」カチャ


ツバサ(………っ…)ギュ

 

「海未ちゃんっ……!!!」ガチャッ


海未「──っ…!」ビク


バンッッ!!

 
 
 

ツバサ「……外してるわよ」
737: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:22:15.01 ID:hG80xCgu0
ことり「穂乃果ちゃんっ…!?」


穂乃果「やめてよ…!もう……これ以上、傷つけ合うのはやめようよ…!!」


海未「しかし…!あなた、自分で何を言っているのかわかっているのですか!?」


穂乃果「私にとって海未ちゃんは大事な…大事な友達だよ!!こんな事で手を汚させたくない!」

穂乃果「でも…ツバサさんも……。私にとっては大事な人なんだっ」ウルウル


 
海未「…………」


ことり「穂乃果ちゃん……それだけ怪我してるのにっ」


穂乃果「ツバサさん…!ねぇ、大丈夫……?」タタッ


ツバサ「…なぜ戻ってきたの」ボソ
738: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:23:10.11 ID:hG80xCgu0
穂乃果「私も一緒に行くから……だからさ…、もう自首しようよ」

ツバサ「………」


穂乃果「皆を傷つけて…悪いこともいっぱいしたんだ。その報いは受けなきゃいけない」

穂乃果「でも……誠意を見せて、罪を償えば…いつかきっと2人で暮らせるよ」

穂乃果「私も手伝うから!一緒に謝って…反省して、罪と向き合おう」

穂乃果「それにツバサさんが帰って来られるまで…ずっと支えてみせる」


ツバサ「………」


海未「……穂乃果」


穂乃果「こんなところでお別れなんていやだ…!!」

穂乃果「約束したでしょ。一方的に破るなんて酷いよ……!」グス
739: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@ (JP 0H3f-tCEH) 2017/03/02(木) 17:23:38.58 ID:j30eQ0D1H
病んでるなぁ
740: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:23:55.88 ID:hG80xCgu0
ツバサ「……まだ気づかないの?私はあなたを利用しただけ」


穂乃果「──っ…」


ツバサ「あの時にたまたま声を掛けられて、判断したの。あなたを使えば上手くコトが運ぶと」

ツバサ「だから今までの私は全て演技。用意された台本を淡々とこなす……ただの人形よ」


ツバサ「そんな人形に恋をしていたなんて、あなたも物好きね」


ことり「やめて…!穂乃果ちゃんのこと、そんな風に…!!」


海未「……ことり、今は…」ギュッ


ことり「……っ…」

 

穂乃果「…それでもいい」
741: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:25:13.52 ID:hG80xCgu0
ツバサ「なっ……」


穂乃果「人形だろうが、人間だろうが…もう何でもいいよ。……私はツバサさんが好きだから」

穂乃果「自分の心に嘘をつかないで。……そうやってわざと突き放したって、私は諦めないよ」


ツバサ「私はっ…、!!嘘をついてなんか…」


穂乃果「ううん……だってツバサさん、泣いてるんだもん」ニコ


ツバサ「え……」


 
ギュッ


穂乃果「……もう迷わないよ。一緒に生きよう」


ツバサ「……っ…ぅ…」ポタポタ
742: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:28:44.24 ID:hG80xCgu0
穂乃果「ツバサさん…?」


ツバサ「………ありがとう」


ツバサ「あなたと出会って…ほんのひとときだけれど、夢のような日々を過ごせて……幸せだったわ」


穂乃果「うん……私もそう思うよ」ニコ


ツバサ「だから……」トン


穂乃果「……っ…!?」クラッ


ことり「あっ……!」

海未「…いや……大丈夫です」


ドサッ


ツバサ「彼女達の側で……生きなさい」


穂乃果「………」スゥ
743: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:32:07.05 ID:hG80xCgu0
海未「…手刀ですか。それも暗殺スキルの一つだと?」

ツバサ「安心して。これは中国にいる私の師から習ったものだから…身体に影響は無いわ」


ことり「穂乃果ちゃんっ…!」ギュッ


ツバサ「……目が覚めたら好きなように言っていいわよ。あなた達に任せる」


海未「………」


ガチャッ!!


英玲奈「ツバサ…!無事か!?」

あんじゅ「あぁもうっ……、警察がそこまでせまってるわ!早く行きましょっ」


ツバサ「…お迎えみたいね」


海未「待ちなさい……!逃げるのですか!?」


ツバサ「私達はkillerなの。まだまだやる事は山積みでね…監獄で休憩してはいられないから」
745: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:33:03.20 ID:hG80xCgu0
英玲奈「……ツバサ!こっちだ!早くしろっ」


ツバサ「えぇ…でも痛くて上手く走れそうにないわ」

英玲奈「むっ…ならば私が抱き抱えよう」


海未「……もう2度と、私達の前に姿を表さない事ですね」

海未「次は容赦しません」


ツバサ「忠告ありがとう。……わかったわ」


穂乃果「…………」

 

ツバサ「……さようなら」ボソ


ガチャッ!!


ヒフミ『見つけたー!!』


英玲奈「ッチ…足の早い奴らだ」


あんじゅ「今、屋上にヘリが来たみたい。急ぐわよ!」


ヒデコ「逃がすかぁぁぁっ!」


ツバサ「…では失礼するわ」


海未「………」
746: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 17:35:31.20 ID:hG80xCgu0
──────


 
穂乃果「……ぁう……いてて…」パチッ


ことり「目が覚めたんだねっ…穂乃果ちゃん!」ウルウル


穂乃果「えっと……ここは…」

ことり「まだ倉庫の中なの。海未ちゃんが怪我してて穂乃果ちゃんを運べなくて…私も力がないから何も…」シュン


穂乃果「私は……寝てたの…?」


ことり「う、うん…。5分くらい……」


穂乃果「……」ムクッ

 

穂乃果「…ツバサさん、行ったんだね」


ことり「………」


海未「もう彼女の事は忘れなさい。…それが最善でしょう」


穂乃果「海未ちゃん……」


海未「それに、あなたは1人ではありません。私達がこうして傍にいます」

ことり「…うんっ♡そうだね」ニコ


穂乃果「……ありがとう」


海未「さぁ…皆が待っています。行きましょう」
768: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/02(木) 23:56:15.29 ID:hG80xCgu0
──────

 

 
凛「……あっ…!!おーいっ!」ブンブン

花陽「穂乃果ちゃーん!」


にこ「海未もことりも……無事だったのねっ」

絵里「……良かった」

希「うん…本当に」ニコ


真姫「穂乃果……!」タタッ


ギュッ


穂乃果「真姫ちゃん……おかえり」


真姫「えぇ。あなたもね」クス
771: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:02:44.64 ID:lErjLQaO0
希「って海未ちゃん怪我してるやん…!」

絵里「……大丈夫?」


海未「はい、大したことありませんよ」


海未「絵里も随分と派手にやり合ったようですが…平気ですか?」


絵里「ま…まぁね。ちょっと入院する期間が伸びたくらいよ」

希「また辛い病院食やなぁ」

絵里「うっ……」

 

花陽「ことりちゃんがどこにいるのか全然わからなかったけど…1人で動いてたんだね」


ことり「…私だけで何が出来るかって考えたの。皆みたいに上手くはなかったけど…じっとしていられなくて」


海未「あなたが助けに来てくれたおかげですよ。ありがとうございます」ニコ

ことり「えへへ……//」
772: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:07:44.80 ID:lErjLQaO0
凛「ねぇ見て…!ちょうど朝日が昇るにゃ!」


にこ「ほんと……綺麗ね。海から出てきてるみたい」

花陽「キラキラしてて…あったかいね」

絵里「……はぁ…やっと全てが終わったのね」

希「うん。もう誰も傷つかない、もう誰も…悲しませへんよ」


穂乃果「………」


真姫「…穂乃果?」


穂乃果「あっ…どうしたの?」


真姫「……これからもよろしくね」ニコ


穂乃果「うん……こちらこそ」ニコ

 

海未「……もうこれは必要ありませんね」ポチャン


にこ「えっ…!何を捨てたのよ?」
773: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:12:26.27 ID:lErjLQaO0
海未「結局、私は……染まりきれませんでした」

海未「…その直前で誰かに呼び止められてしまったものですから」


にこ「……そう。やっぱり海未は私達と馬鹿やってるのが似合ってるのよ」


海未「残念ながら、そのようですね」ニコ


にこ「ふんっ!…ありがとね。色々と」


海未「私は何もしていませんよ」

 
 

ことり「そういえば、9人揃って朝日を見るのって…あんまり無かったんじゃないかな?」

凛「うーん…確かにそうかも。仕事が終わるのは朝だから、お日様を見ることは多かったけど。全員でってのは珍しいにゃ」

花陽「……あっ…仕事…」

絵里「ま、まぁ今は絶賛無職中だけど…気にする事はないわよ!」

希「もー!ちょっとは穂乃果ちゃんに気ぃつかい!」バシッ

凛「で、でも…まだ間に合うんじゃないのかにゃ?」
774: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:18:52.52 ID:lErjLQaO0
にこ「はー。いや、もうあの店無理っぽいわ」


穂乃果「えっ…!」

にこ「朱雀は言うまでもなく閉店するだろうし。こっちも……色々騒動があり過ぎて続けられそうにない」

穂乃果「そんな…もう解散ってこと?」

にこ「…そうなるわね。舞蝶はここで終わりってことで」


穂乃果「………ごめんなさい」

絵里「穂乃果のせいじゃないわ。…いずれ起こりうる事だったのよ」

希「…そうやね」ニコ


真姫「……ちょっと意地悪が過ぎるんじゃない?」

にこ「はいはい。ごめん」


穂乃果「どういうこと?」


にこ「舞蝶は終わるけど……私達の関係は終わらないでしょ。だから別に、私は悲観する事ないと思ってる」
775: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:21:37.76 ID:lErjLQaO0
にこ「仕事なんて自分で見つければいくらでもあるわ。でも…仲間ってのは一度失えばもう戻ってこない」

にこ「…これからもあんた達と一緒にいれるなら、私は満足よ」ボソ


希「うちもそれに同意♪…最後辺りの、仲間同士で競い合ってた雰囲気もあんまり好きやなかったし…これで良かったんやないかな」


絵里「ふふっ、にこが珍しく素直だから明日は雪が降るわね。私も同じ気持ちよ」


にこ「じゃあまず、絵里抜きで打ち上げでもやりましょ」

絵里「なんでよ!!」


穂乃果「……そっか…」


花陽「穂乃果ちゃんも私達の大切な友達だもん♡だから、自分だけを責めないで」

凛「うんうん!また一緒に……ご飯食べたりしたいにゃっ」
776: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:28:05.64 ID:lErjLQaO0
海未「……そういえば、舞蝶という名前は誰が考えたんですか?」

ことり「誰だろう…にこちゃん?」


にこ「いや、希よ」

希「舞蝶って、蝶々の中でも美しいものとされてるやん?だからそう決めたん」


真姫「……そこも舞蝶らしく、短い命だったわね」

真姫「でも美しいものほど儚く散りやすいのよ。それに引き際を弁えるのも肝心だと思う」


絵里「んー……でも名前がないと締まらないわね。今までは舞蝶って名前だったけど…」


海未「…そうですね。何か私達にぴったりなものは無いでしょうか」


凛「じゃあ、9人だからナインスターズ!」

真姫「却下」

凛「酷いにゃー!!」

花陽「なんか…戦隊モノみたいだね」ニコ
779: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:30:44.82 ID:lErjLQaO0
ことり「うーん…ぴゅあぴゅあ♡ガールズとかどうかなぁ///」

絵里「そ、それは……」ヒキツリ

海未「私もちょっと…」


穂乃果(名前かぁ…)


穂乃果「やっぱり、9人ってことを押したいよね」


希「それなら……みゅーずってのはどう?」

にこ「何よそれ」

希「ギリシア神話に出てくる9人の女神様の名前!これは英語とかでの呼び方なんやけど…」


ことり「その神様も9人なら……私達にぴったりだね♡」

花陽「うん…!いいと思う♪」


絵里「じゃあそれでいきましょう。過ごす場所が違っても…例え遠く離れても、私達はμ'sよ」


真姫「…決まりね」

にこ「……といっても…今からの事なんて、何にも決まってないんだけどね」
780: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:31:45.31 ID:lErjLQaO0
ヒデコ「あの、ちょっと良いですか?」


にこ「…わかってる。責任なら私が全て取るわ」


フミコ「いや……でもその前に怪我人を病院に搬送します!」

ミカ「穂乃果さん、絵里さん、真姫さん、海未さん。歩けますか~?救急車がそこに来てます」


にこ「行ってきなさい。後のことは任せて」


海未「…しかし私は」


希「海未ちゃんは1人でたまたまここに迷い込んで、たまたま綺羅ツバサと遭遇し……そして負傷した」

希「そうやろ?」


ヒデコ「そういうことにしておきます。誤認逮捕で上層部は怒りまくってるので、エリート(笑)達の処分が楽しみ…」ゴホンゴホン


絵里「……って、海未が仲間と乗り込まなかったのはそれが狙いでしょ?」
781: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:33:45.28 ID:lErjLQaO0
海未「私は1人で終わらせるつもりだったので。巻き込みたく無かっただけです」


フミコ「皆さんの色々な手続きはこちらで済ませますから。一ヶ月もすれば、普通の生活に戻れますよ」

にこ「どれだけかかるのよ……」

ミカ「まぁまぁ事情聴取くらいは付き合ってください☆…killerを追う私達は、何より情報を求めてるので!」

穂乃果「………」


絵里「さ、穂乃果。行きましょう」

真姫「…もしかして歩けないの?」

穂乃果「ううん。平気だよ」


穂乃果(今どこにいるんだろう。……もう、遠くに行っちゃったのかな)

 

雪穂「おねーちゃーーんっ!!」
782: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:40:15.25 ID:lErjLQaO0
穂乃果「あっ…!!雪穂っ!」


雪穂「こっちも終わったよー!」


穂乃果「な、なに?」


亜里沙「…平気?どこも痛くない?」

大学生「うん。大丈夫だよ」ニコ


穂乃果「──っあ……」


雪穂「この子、部屋の隅でうずくまってたの。誰かが来る前に助けなきゃって大変だったんだよ!」

亜里沙「私達くらいの女の子はこの人だけだったから、すぐにわかりました♪」


穂乃果「どこも怪我してないの…!?」


大学生「…大丈夫だよ、穂乃果ちゃん」

大学生「あの人が……ツバサさんが助けてくれたから」
783: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:44:35.52 ID:lErjLQaO0
──────

 

~病院~


ガラッ


にこ「…久しぶり」

希「こんにちは♪…あ、お土産もあるよ」


穂乃果「…わざわざありがとう。1週間ぶりかな?」

にこ「あいつらに捕まって、なかなか自由に出来なかったのよ。でも全て終わったわ」

希「そういえば…あれからもうすぐ一ヶ月になるんやなぁ」


穂乃果「そっか…。私の他に入院した、真姫ちゃん達とも会えてなくてさ。元気そう?」


希「真姫ちゃんはもう退院しとるよ。海未ちゃんとえりちはもう少し安静にしろって言われて、退屈してるみたい」ニコ

穂乃果「良かった。他の皆は?」
784: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:46:34.56 ID:lErjLQaO0
にこ「…凛と花陽は、貯めた貯金を使って2人で花屋さんするんだって。退院したら行ってあげなさい」

穂乃果「そうなんだ…!ぴったりだね」

にこ「本当はラーメン屋にしようって事だったけど、『かよちんがご飯ばっかり食べても困るにゃ~』って無しになったみたい」


穂乃果「あははっ…それがいいかも」


希「ことりちゃんは、また服飾の仕事に戻ったよ。海未ちゃんから貰った雑誌がキッカケで…また最初から始めるんやって」

穂乃果「そうなんだ。……ことりちゃんならきっと出来ると思う。手先もすっごく器用だし…何より、努力家だから」


にこ「……んで、真姫ちゃんもまた医大に入り直すって言ってたわ」

穂乃果「……えっ」


にこ「あの子、頭はいいから。元々大学にいた頃に家を飛び出したわけだし…今回も勉強すれば大丈夫でしょ」

にこ「精神科医になって、依存に苦しむ人を助けたいんだって。過去に色々な事を見てきたから…余計にそう思うって」
785: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 00:49:33.64 ID:lErjLQaO0
穂乃果「…そっか。真姫ちゃんもまた新しい場所で頑張るんだね」ニコ


穂乃果「あっ…でも、両親との関係は」


希「それも解決したみたいよ。親御さんも、真姫ちゃんが帰ってくるのを待ってたみたいやし」

希「今までずっと縛り付けてたから……真姫ちゃんから行動を起こすまで、自分達は口出ししないでおこうって」


穂乃果「良かった…。また元の関係に戻れたんだ」

穂乃果「…えっと、海未ちゃんはどうするんだろう?」


にこ「海未は家内の仕事に専念するみたい。一応、日舞の伝統を守ってる家柄でしょ。あと書道教室もやるらしいわ」


穂乃果「…皆バラバラになっちゃうんだね」


にこ「んなことないわよ。ついでに言うと、私達3人はまた新しい店を始めるつもり」


穂乃果「え!?またホストクラブをやるの…?」


にこ「んー。いや、普通のバーみたいなやつよ」

にこ「もう私達もいい歳だし?まぁ…ひっそりとやってくわ」


希「だから時々遊びに来てね?待ってるよ♪」


穂乃果「……もちろん」ニコ
787: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:22:44.29 ID:3Tb/Q+f90
──────


~穂むら~

 

ガラッ

穂乃果「いらっしゃいませ!……あっ」


海未「こんにちは。元気そうですね」ニコ

ことり「今からね、真姫ちゃんも誘ってにこちゃん達のお店に行くの。穂乃果ちゃんも来ない?」

穂乃果「うーん…6時まで店番あるから、それ以降でもいい?」

ことり「全然いいよ♪凛ちゃんや花陽ちゃんも後から来るみたいだから」


海未「えっと…それで、このお饅頭を5つ貰えますか?」

穂乃果「はーい!お買い上げありがとうございます!」


ことり「…ふふっ♡海未ちゃんね、ここのお饅頭が好きだから、行く時に買っていこうって聞かなかったんだよ」

海未「ことり…!///やめてくださいっ///」
788: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:24:28.88 ID:3Tb/Q+f90
穂乃果「だって私が真心込めて作ってるんだよ?そりゃ美味しいもんね~?」


海未「……は、はい…//とても」ゴホン

 

ドタドタドタ!!


雪穂「おねーちゃーん!遊びに行ってくるね!」

穂乃果「うん。何時くらいに帰ってくる?」


ガラッ

亜里沙「雪穂遅いよ~。もう待ちくたびれちゃった」


大学生「ほんとほんと。電車は待ってくれないんだよ?」


雪穂「ご、ごめんって…!そんな責めなくてもぉ…」
789: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:26:03.97 ID:3Tb/Q+f90
穂乃果「気をつけて行くんだよ?絵里ちゃんも心配するだろうし」


雪穂「はいはーい!」


大学生「…こんにちは、穂乃果ちゃん」ニコ


穂乃果「あ、髪の毛染めたんだね。似合ってるよ」

大学生「亜里沙ちゃんから勧められたの」

亜里沙「とーってもхорошо!でしょ?」ニコ

穂乃果「うん、ハラショー!だねっ」


大学生「……あのね、今までずっと言えなかった事があるの」

穂乃果「ん…?」


大学生「色々な事があったけど…私ね、今幸せだよ。学校も楽しいって思えるようになった」

大学生「…それに、友達もできた」チラ
791: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:28:32.63 ID:3Tb/Q+f90
大学生「だからお礼を言いたくて。…ありがとう、穂乃果ちゃん」


穂乃果「私もありがとうね。…こうして一緒にいれて、嬉しいよ」ナデナデ


大学生「……えへへ//」


亜里沙「あっ、ずるい…!私もなでなでされたい!」

ことり「じゃあことりも~♡」

雪穂「ぅえっ…!?じ、じゃあ…私も…//」


海未「…大人気ですね」クス


穂乃果「もう人気者はコリゴリだよ…」

 
 

穂乃果(結局…あれからツバサさんはもう、私の前に現れなくなった)

穂乃果(私は警察の人に根掘り葉掘り聞かれて…全てに答えたけど、今思えばプライベートな事は何一つ知らなかったんだなぁ)

穂乃果(知ってたのは……幼い頃に遊園地に行ってた事とか、そんな些細なことで)
792: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:39:15.10 ID:3Tb/Q+f90
穂乃果(ツバサさんの写真も、私物も…何も持っていなかった私に、警察の人は残念そうな顔をしてた)


穂乃果(……もう手で触れることは出来ない。この目で見ることもできない)


穂乃果(だけど…私の記憶の中では、今だってツバサさんがいる)

 

穂乃果「……さよなら」


海未「穂乃果…?」


穂乃果「あっ、ううん…」ニコ


 
穂乃果(もう二度と会うことはないんだと思う。一生の別れになっちゃったんだね)


穂乃果(さよなら…そして、ありがとう。ツバサさん)
794: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:49:36.70 ID:3Tb/Q+f90
─────


~船~


ツバサ「………」


英玲奈「そう夜風に当たっていると…風邪をひくぞ」

ツバサ「ご心配ありがとう。でも、少し頭を冷やしたくて」

英玲奈「……まだ辛いのか?」

ツバサ「…いいえ」


ガタン

あんじゅ「恋は盲目…なんて言われているけれど、まさにその通りなのね」


ツバサ「これでも反省してるのよ。からかわないで」


あんじゅ「あなたを責める気はないわ。むしろ……同情してる」

あんじゅ「馬鹿みたいな話だけど…私ね、これでも本気で好きだったのよ。あの子のこと」


あんじゅ「…まぁ今では苦くもいい思い出ね」
795: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:55:52.11 ID:3Tb/Q+f90
英玲奈「……わからないな。私には、そのような軟弱な気持ちを抱くことすら理解が出来ない」

英玲奈「任務の邪魔になるだけだ。恋だの愛だの……つまらない」


あんじゅ「いずれ英玲奈もわかるわ。ツバサだって恋に溺れてしまったんだもの」


英玲奈「………」


あんじゅ「ほら、こっちに来なさい。1人にさせてあげましょ」

英玲奈「……わかった」

 
 

ツバサ「…………」スッ


ツバサ(このネックレス…あの人に、観覧車の中で貰ったものだったわね)

ツバサ(不自然な動きをしてると思ったら…いきなり箱を取り出して、サプライズのつもりだったのかしら)ニコ


ツバサ(でも……私はとても嬉しかった。心の底から…そう思った)パッ


ポチャン


ツバサ(さよなら。私の大切な人)


ツバサ(さよなら…私の、初恋)
796: 名無しで叶える物語(鮒寿司)@ (ワッチョイ 8b00-xJH3) 2017/03/03(金) 01:58:53.79 ID:3Tb/Q+f90
終わり
見てくれた人ありがとー
797: 名無しで叶える物語(たこやき)@ (ワッチョイ dbbc-NqFr) 2017/03/03(金) 02:02:17.18 ID:5zEPA1X10
おつ、面白かったぞ
希望と不安に溢れた新生活がはじまって、緩やかに日常が崩れていって、クライマックスのバトルがあって、良い感じの後日談
なんかパワポケを思い出したわ
813: 名無しで叶える物語(しまむら)@ (ワッチョイ 5f64-S5R3) 2017/03/03(金) 06:38:21.48 ID:rhZgoiex0
途中穂乃果ちゃん薬物っぽいの刺されてたっぽい演出あったけど本当に夢だったのか
821: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@ (ワッチョイ cb74-k3rX) 2017/03/03(金) 10:32:00.63 ID:FSe0hn4s0
けっこう好きな終わり方
乙でした


このシリーズSS:

穂乃果(23)「新人ホスト募集中…未経験OK、時給5000円!?」【前編】


穂乃果(23)「新人ホスト募集中…未経験OK、時給5000円!?」【後編】



その他この書き手のSS:

希「日曜日やし一緒にどっかいかへん?」にこ「あー。無理」


花陽「あれ…ここどこだろう」


雪穂「お姉ちゃんさ、家の仕事やりたくないなら外で働きなよ」穂乃果「えっ」


 

注目記事!




関連記事
  タグ:

コメントの投稿

とあるSSの訪問者

大変すばらしかったです…
この作者さんは最高です!
最終的な物語のオチも切ない感じで
長かったけれども最後まで見てよかった!!

とあるSSの訪問者

すごい長かったけれど、、面白かった


お知らせ
また、サイトを見やすいように改造しました

改造したところ:
カテゴリをあいうえお順にしました、

時折修正していきますので、今後ともよろしくお願いします

旧ブログはこちら  旧ブログ

Twitter

SSなびのTwitterアカウントです

最新記事
ピックアップカテゴリ
カテゴリ
人気記事
RSSリンクの表示
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


※メールの打ち間違いにお気をつけください。
返事無い時は、メールの打ち間違いの可能性がありますので、再度送信していただくか、コメント欄をご使用下さい。