- 1: 2017/01/08(日) 19:57:06.21 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「時給5000円って、たった時間働くだけで1万5000円じゃん!すごい!」
穂乃果「あっ……でもホストって男の人がやる仕事だよね。私には無理か…」
【当店は従業員全てが女性です。男性のご入店はお断りしています】
穂乃果「????これどういうこと?」
- 2: 2017/01/08(日) 20:01:27.85 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「女の子が働いてるお店といえば……キャバクラとか…ふ、風俗とかじゃ」
穂乃果「でもそれって、男の人がお客さんだよね」
穂乃果(……、)ピラッ
【給料明細書:今月分支給12万円】
穂乃果(12万なんか…すぐ稼げちゃうんだろうな) - 5: 2017/01/08(日) 20:05:40.17 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果(未経験OKってことは…穂乃果でも、大丈夫なのかな…?)
穂乃果「えっと…他に何が書いてあるんだろ」
【未成年お断り。戸籍上で女性の方を募集しています】
穂乃果(お店の名前は…舞蝶(アゲハ)か。調べてみよう)カタカタ
穂乃果「……ホストクラブなのに従業員の写真載ってないってアリ?」 - 7: 2017/01/08(日) 20:08:37.53 ID:mY7Ei3kU
- 【電話番号は〇〇〇…】
穂乃果「………」ゴクッ
雪穂「おねーちゃーん」ガラッ
穂乃果「わわっ!!な、なに!?」
雪穂「びっくりしすぎでしょ…。あのさ、友達と遊びに行きたいからお金貸してくれない?」
穂乃果「えー…雪穂、大学生なんだからバイトしたお金あるでしょ?」
雪穂「今月ピンチなのー!お願いしますっ」
穂乃果(私もそんなに余裕ないよ…) - 9: 2017/01/08(日) 20:12:05.38 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「は、はい…5000円」ピラッ
雪穂「ありがとうお姉ちゃん!」ガチャ
穂乃果(私も…大学行けば良かったかな)
穂乃果(いくら働いても全然稼げないし……)チラ
穂乃果(……電話、してみようかな)
穂乃果(キツかったら辞めればいいんだよ。うん、そうだよね)
prrrrrr… - 11: 2017/01/08(日) 20:16:13.49 ID:32rVfiBI
- なんだかヤバそうな雰囲気です…!
- 12: 2017/01/08(日) 20:17:34.13 ID:5pdTL8Qn
- 月12万はキツイわ
養ってあげたい - 13: 2017/01/08(日) 20:17:36.44 ID:mY7Ei3kU
- ~数日後~
穂乃果(3時にお店に来てって言われたけど……ここ思いっきり歌舞伎町のど真ん中だよね)
穂乃果(まだ電気ついてないから営業はしてないみたい)
「お嬢さん、いま暇なの?ちょっと私と遊ばない?」
穂乃果「ひ、暇じゃないですぅ!!えっと…あの、このお店で面接を…」
「ッチ…そっち側か。声掛け損だったわ」
穂乃果(急に態度が変わった…怖いよ……!)
「でもその店で働くなんて無茶するね、あんたも」
穂乃果「………」 - 15: 2017/01/08(日) 20:21:37.96 ID:mY7Ei3kU
- 『あー、ごめん。待った?』
穂乃果「ふぇっ…」
にこ「って、そこのあんた。まさかうちの前でその子に手ぇ出してないでしょーね?」
「ま、またまたぁ!何もしてませんよ♪じゃあ私はこれで…」タタッ
にこ「ったく…。どこの店の奴なのよアイツ」
穂乃果「………あ、あの」
にこ「あーちょっと中で話しましょ。裏口はこっちよ、入って」
穂乃果(この人高校生かな……?) - 17: 2017/01/08(日) 20:25:09.86 ID:mY7Ei3kU
- ガチャッ
にこ「まぁ座って。履歴書持ってきたー?」
穂乃果「は、はい!」スッ
にこ「ふんふん…穂乃果、ね。可愛い名前じゃない」ペラ
穂乃果(ここ事務所…?なんか、以外と綺麗に整頓されてるなぁ)
にこ「へぇ、音ノ木坂出身なんだ」
穂乃果「あっ…!やっぱり高卒だと…ダメですか?」
にこ「いやうちは学歴不問よ。女の子なら大体雇うし」
穂乃果(ホストクラブだから厳しい審査とかあるのかと思った…)ホッ - 19: 2017/01/08(日) 20:28:10.67 ID:mY7Ei3kU
- にこ「見た感じ…夜の店とかやって無さそうだし?」
穂乃果「え?」
にこ「たまーにいるのよ。他店で働いてて、うちの評判落とすために入ってくる奴」
穂乃果「そ、そんな人がいるんですね…」
にこ「まぁバレたらどうなるか見せしめてやったから、当分は来ないとは思ってるけど」
穂乃果(…見せしめ?)
にこ「じゃ、採用!転職おめでと!」
穂乃果「え!?て、適当過ぎじゃ…」 - 21: 2017/01/08(日) 20:33:58.87 ID:mY7Ei3kU
- にこ「いーのよ。中身はわかんないけど、あんた少なくとも顔はいいから」
穂乃果「えっ?そ、そうかなぁ…//」
にこ「これから働くにあたって聞きたいことある?」
穂乃果「えっと……あの、求人で時給5000円ってあったんですけど…それって」
にこ「ほんとよ」
穂乃果「…!!」
にこ「稼げたら、の話ね」ニヤ
穂乃果「え?」
にこ「うち完全歩合制だから。人気がある奴は稼ぐけど、指名されない奴は稼げない」 - 25: 2017/01/08(日) 20:38:49.76 ID:mY7Ei3kU
- にこ「…まっ、野垂れ死なれても困るから基本給は出してあげるわよ」
穂乃果「…良かった……」ホッ
にこ「他にはある?」
穂乃果「うーん……あ、服装とかは何着てくればいいですか?」
にこ「スーツよ。それはこっちで用意してあげるわ」
穂乃果「あ、無料で貸してく…」
にこ「初給料から天引きしとくわね」
穂乃果(ですよね……)
にこ「喋ってても仕方ないし、アンタの教育係呼びましょうか」 - 30: 2017/01/08(日) 20:44:42.65 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果(教育係ぃ!?え?ホストにそんなのあるの…!?)
穂乃果(いくら女の子だからって…絶対怖い人だ。上手くやらないと殴られたりするのかな…)
ガチャッ
海未「何かご用ですか?」ヒョコ
にこ「悪いわね、わざわざ来てもらって」
海未「いえ大丈夫ですよ」ニコ
穂乃果(えぇぇ!?ホストクラブのイメージと正反対の人が来た…!) - 32: 2017/01/08(日) 20:49:26.38 ID:mY7Ei3kU
- 海未「あなたが新人さんですか?」
穂乃果「は、はい…!高坂穂乃果です!」ガタッ
海未「ここでは苗字まで言わなくて結構ですよ。私は海未です、よろしくお願いしますね」
穂乃果「は…はぁ…」
にこ「海未、店の中を案内してあげて」
海未「わかりました」
にこ「あーそうだ。もう絵里来てる?」
海未「まだ来ていません。昨日あれだけ飲んでたので寝てるかもしれませんね」
にこ「はぁ……ったく。じゃあ頼んだわよ、私は迎えに行ってくるわ」 - 36: 2017/01/08(日) 20:56:34.77 ID:mY7Ei3kU
- ─────
海未「…ここが従業員部屋ですね。着替え、メイクなどは全てここで行います」
穂乃果(色んな衣装がある…メイク道具の数も凄いなぁ)
海未「先に言っておきますが、うちはあまり派手な格好を禁止しています」
穂乃果「あ、そうなんだ…。なんかホストって髪の毛がボワーってなってるイメージが」
海未「ネックレスやピアス程度ならOK、タトゥーなどは全面アウトだと思ってくれれば」
穂乃果「へぇ…以外とちゃんとしてるんですね」
海未「私達は美しい接客を一番の売りにしていますからね。まずは外見からです」 - 38: 2017/01/08(日) 21:02:40.07 ID:mY7Ei3kU
- 海未「そして、従業員部屋の隣は…厨房ですね。ここで働いているスタッフは私達とは別です」
穂乃果「!?す、すごいボトルの数…これ全部お酒なの…」
海未「はい、そうですよ」
穂乃果「うわぁ……。これとか綺麗な色してるなぁ…」カタ
海未「それは100万しますから落とさないでくださいね」
穂乃果「うぇぇっ!?!?」
海未「この店の売上のほとんどはお酒です。まぁ…実際の値段を知ったら驚くかもしれません」
穂乃果「じ、じゃあ……ぼったくりってことじゃ…」
海未「はい」
穂乃果(──平然と言ってのけた…!!) - 39: 2017/01/08(日) 21:07:52.49 ID:mY7Ei3kU
- ガチャッ
海未「そして、ここが……」
穂乃果「…!!」
海未「ゲストルーム。見ればわかりますが、お客様をおもてなしする大部屋です」
穂乃果(大きいシャンデリアにガラスのテーブル…ホストクラブなんて来たことないから初めて見るものばっかりだよ)
「う~ん……」フワァ
穂乃果「…え!?あそこのソファーに人が…」
海未「もう、ことり…そこで寝ていたら風邪をひきますよ」 - 42: 2017/01/08(日) 21:11:57.36 ID:mY7Ei3kU
- ことり「えへへ…海未ちゃんおはよう♡」
穂乃果「は、はじめまして…」
ことり「…??」
海未「今日からの新人さんです」
穂乃果「あ、えっと…穂乃果って言います!」
ことり「穂乃果ちゃん、って言うんだね♪可愛い名前……」
ことり「ふふっ。辞めないように頑張ってね♡」
穂乃果(……へっ)
ことり「ここ最近はすぐ飛んじゃう子ばっかりなんだもん…」
海未「ことり。それ以上はやめましょう」 - 43: 2017/01/08(日) 21:21:49.57 ID:mY7Ei3kU
- ことり「…はーい。ごめんね?昨日忙しくってイジワルになっちゃった…」
穂乃果「あ、いや……」
海未「案内はこんなところです。詳しい事は実際の仕事中に教えますね」
穂乃果「は、はい!」
海未「…それと、ここでは先輩禁止です。名前も好きなように呼んでください」
穂乃果「え…??」
海未「にこがそう決めたんです。その方が、お客様から見てホスト同士が仲良く感じると」
ことり「うん♪だからことりって呼んでね…穂乃果ちゃん♡」
穂乃果「は……う、うん!ことりちゃん」
海未「もう少ししたら他の従業員も来ますから、そこでまた会いましょうね」 - 44: 2017/01/08(日) 21:23:29.80 ID:bnEmFzyl
- 破産してでも通うわ
- 45: 2017/01/08(日) 21:26:03.09 ID:epDFvpGY
- ここ男入れるのかね?
- 46: 2017/01/08(日) 21:27:32.41 ID:KyDGfRQr
- 男性入店不可ってことは女性向けなんじゃない?
- 47: 2017/01/08(日) 21:32:35.76 ID:fIWmAcYY
- 女装していこう(提案
- 48: 2017/01/08(日) 21:32:41.83 ID:mY7Ei3kU
- ─────
穂乃果(面接にきただけなのに…結局、すぐに研修するなんて早すぎないかな)
穂乃果(あの後にこちゃんから聞いた話では、この店は18:00~24:00と5:00~11:00が営業時間らしい)
穂乃果(なんで夜中にやらないのかって聞いたら、それすると営業停止になるって言ってた。何だか難しいな…)
「あー!みーつけた!」
穂乃果「──っ!?」ビク
凛「穂乃果ちゃんっ!凛と仲良くして欲しいにゃ~」
花陽「り、凛ちゃん…いきなりすぎるよぉ!」 - 50: 2017/01/08(日) 21:34:30.11 ID:fTg/hTzh
- こんな感じの喫茶店の名作があったね
関連スレ:雪穂「お姉ちゃんさ、家の仕事やりたくないなら外で働きなよ」穂乃果「えっ」
- 51: 2017/01/08(日) 21:35:36.60 ID:C6zNq+Dg
- 前に喫茶店で働き始めたのと同じ人?
- 52: 2017/01/08(日) 21:40:36.31 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果(こ、この子たち…歳下だよね)
凛「わぁ。にこちゃんが見込んだだけあって、やっぱり可愛いにゃ~」
花陽「あ、あの…私みたいなのでもやっていけてるから、穂乃果ちゃんもきっと大丈夫だよっ」
穂乃果(見た感じ明るくて、いい子そうなのに……)
穂乃果「ねぇ…2人は何でここで働いてるの?」
凛「あ、ダメだよ!」
穂乃果「へ?」
凛「こういうお店はみんな色々あるから、詮索しちゃダメってにこちゃんが言ってたにゃ」
穂乃果(あぁ…そっか…) - 55: 2017/01/08(日) 21:53:46.49 ID:mY7Ei3kU
- カツ…カツ…
「あら、楽しそうね?」
りんぱな「───!」
穂乃果「…?だ、誰?」
絵里「ふふっ♡可愛い子猫ちゃん…どうしたの?」グイッ
穂乃果「はわわ…///」
凛「絵里ちゃん!穂乃果ちゃんは新人さんだにゃ…」
絵里「あぁ、うちの子だったの?ごめんなさい」ニコ
穂乃果「……///」カァァ - 57: 2017/01/08(日) 22:01:19.63 ID:mY7Ei3kU
- 絵里「穂乃果、よろしくね。お互い頑張りましょう」
穂乃果「う…うんっ!」
絵里「じゃあ私…着替えしないといけないから、もう行くわね」
カツカツ
穂乃果「綺麗な人だったなぁ…///」ホワワーン
花陽「絵里ちゃん、私達のお店のナンバーワンなんだよ。確かここ数ヶ月は連続だよね…?」
凛「うん。この前は凛の誕生日でイベントあったのに、絵里ちゃんの売上に叶わなかったにゃ~…はぁ」
穂乃果「ナンバーワンって…売上で決まるの?」
花陽「はい!絵里ちゃんの場合だと…1ヶ月で300万円くらい貰ってるんじゃないかな…」
穂乃果「!?」 - 62: 2017/01/08(日) 22:12:22.88 ID:mY7Ei3kU
- にこ「ちょっと、そこの3人。もーすぐ店開けるから準備作業しなさいよ」
凛「は~い」
花陽「穂乃果ちゃん、一緒にここの掃除しよっか?」
穂乃果「う、うん……」
穂乃果(私…今日、生きて帰れるのかな…)
─────
海未「…では、実際に穂乃果にはお客様の前に出ていただきます」
穂乃果「いきなり過ぎて何をしたらいいのかわかんないよ…!」
海未「大丈夫です。フォローはしますから」 - 65: 2017/01/08(日) 22:18:06.13 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「そんなぁ…」
海未「では行きますよ。…あと、襟が折れていますから直してください」
穂乃果「あっ…!」
ガチャッ
穂乃果(…っ!?クラシック音楽が流れて…ゲストルーム全体が明るい!)
穂乃果(普通のホストクラブって薄暗いよね……)
海未「では穂乃果、あそこのテーブルに座ってきてくださいね」
穂乃果「え??ど、どこ…?」
海未「あのお客様は真姫を指名していますが、他にも指名されている方がいるので。つまりはヘルプです」 - 67: 2017/01/08(日) 22:23:05.05 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「へるぷ…?」
海未「ほら、早く行く!」
穂乃果(もう…っ、どうにでもなれ!)ダッ
─────
穂乃果「こ、こんばんは~!」ニコニコ
女の子「…ん?誰この子」
真姫「今日からの新人みたいね」
女の子「ふぅん……。なんか普通ね」
穂乃果(うぐっ…!言いたい放題だなぁ…)
女の子「私は真姫しか見てないわよ♡」ギュッ - 68: 2017/01/08(日) 22:28:26.02 ID:mY7Ei3kU
- 真姫「えぇ…私もよ。でも、ちょっと離れなきゃいけないみたいなの」
女の子「えー…!」
真姫「穂乃果、任せるわ」ヒソ
穂乃果(うぇぇえ…!!1人にするの!?)
女の子「はぁ…行っちゃった」
穂乃果「……あ、あのぉ。グラスつぎましょうか?」
女の子「………」
穂乃果「あ!このネックレスすごく綺麗だね♪どこに売ってるの?」
女の子「………」
穂乃果(もう嫌だ……)クスン - 72: 2017/01/08(日) 22:33:53.56 ID:mY7Ei3kU
- 凛「穂乃果ちゃんっ」
穂乃果「え…?あ、凛ちゃん」
女の子「あら、凛じゃない!こっち座ってよ♡」
凛「わかったにゃ~♪」ニコ
凛「穂乃果ちゃん、凛が代わるから希ちゃんの方行ってきて」ヒソ
穂乃果「希ちゃん…?」
凛「あそこ!女の子2人組のとこ」
穂乃果(あそこって……すごくメイク濃い女の人が座ってるとこじゃん!)
穂乃果(もう行く前から足震えてるんだけど……) - 73: 2017/01/08(日) 22:41:57.36 ID:mY7Ei3kU
- 希「うんうん、わかるよ~。最近は景気上がってきたけど色々厳しいもんなぁ」
女性1「そうよねぇ…。まぁ、ここに来れるなら満足よ♪」
タッ
穂乃果「こ…こんばんは!新入りの穂乃果って言います…」ニコ
女性2「あら可愛い♡こっち座って?」
穂乃果「はい…!」ストン
希「穂乃果ちゃん?初めましてやね」
女性1「え、本当に今日が初めてなのねぇ」
穂乃果(すっごくお酒臭い…どれだけ飲んだんだろう)
女性2「あ、じゃあ希ちゃん♡この子の初仕事お祝いでボトル開けちゃって♪」
希「わぁほんまに?ありがとう~」ニコニコ - 74: 2017/01/08(日) 22:46:53.28 ID:mY7Ei3kU
- 「ボトル入りまーす!」
ゴトン
女性1「さ、希ちゃんも飲んで♪」
希「これ結構するけど…今月大丈夫なん?」
女性1「平気よ~♡お財布は潤ってる方だから…それに、希ちゃんの数字あげれるでしょう?」
希「ごめんなぁ…また今度遊ぼう?」
女性1「本当に?嬉しいわ♡」
女性2「さ、あなたのお祝いなんだから飲みなさい?」トプトプ
穂乃果「うわわ…は、はい…!」ゴクッ
穂乃果(…!?こ、こんな強いお酒飲んだ事ないよ…!)クラクラ
女性2「ほらほら♪もっと飲んで♪」 - 77: 2017/01/08(日) 22:54:20.51 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「んぐ…んぐっ」ゴクゴク
女性「飲みっぷりがいい子は好きよ♡ほらもっと…」
穂乃果(やばい……///顔が熱いよぉ…)
女性2「穂乃果ちゃんは……女の子と付き合ったこと、あるの?」
穂乃果「…ぅ…///あ、えぇと……」
女性2「ある?」
穂乃果「……うぅん…」ボー
女性2「そう…じゃあこういうのもまだなのね?」サワリ
穂乃果「ふぇっ……///あっ、ぅ…/////」
グイッ
絵里「穂乃果…もう潰れちゃったの?」ニコ - 82: 2017/01/08(日) 23:03:46.13 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「っ…!?///ぅ絵里ちゃ…」
女性2「って…///絵里ちゃんじゃない♪今日もかっこい…」
絵里「ごめんね、この子あんまり強くないみたい。あ…無理やり飲ませた訳じゃないのよね?」
女性2「えっ……あ、当たり前じゃない♪」
絵里「そう…このままじゃまともに話せそうにないから、裏に連れていってもいい?」
女性2「えー……」プク
絵里「彼女を介抱したら私があなたとお話したいんだけど…」
女性2「…!?も、もちろんよ///」
絵里「穂乃果、立てる?」ヒソ
穂乃果「ぅ……ぅん…///」ヨロヨロ - 87: 2017/01/08(日) 23:08:45.77 ID:nBx0eGew
- えりち…ただのイケメンやんけ
- 89: 2017/01/08(日) 23:14:12.74 ID:32rVfiBI
- こっ…これは…!素晴らしすぎますっ!
- 90: 2017/01/08(日) 23:14:20.41 ID:mY7Ei3kU
- ガチャッ
絵里「はい、水よ。飲みなさい」
穂乃果「っは……ふぅ…///ご、ごめんなさい…」グスン
絵里「…え?」
穂乃果「わ、私……よく分からなくて…その……こんなにフラフラだし、絵里ちゃんに迷惑掛けちゃって…」
絵里「いいのよ。ああいう悪質なお客様は上手く躱さないといけないんだけど…新人のあなたにはちょっと辛かったわね」
穂乃果「……かっこいいなぁ」
絵里「ん、なぁに?」
穂乃果「私……絵里ちゃんみたいに…なり、た……」クラッ
絵里「!?…ちょっと、急に寝るなんてびっくりしたじゃない…」ギュッ
穂乃果「………ぅぅん…」スゥスゥ
絵里(…仕方ないわね。にこに連絡して、寝かせといてあげましょうか) - 95: 2017/01/08(日) 23:22:16.37 ID:mY7Ei3kU
- ─────
穂乃果「ぅ………あれ…ここは……」パチ
にこ「あ、やっと起きたわね」
穂乃果「うえぇっ!?ここどこ……あっ」
にこ「はぁ…ずっと起きないから病院連れていこうかって思い始めたところだったわよ」
穂乃果「そうだ…私、昨日……」
にこ「絵里が潰れてるあんたを事務所に連れてきたわ。んで、今は朝の7時」
穂乃果「7時!?ほぼ半日寝てたんだ……あっ、お客さんはどうなったの…?」
にこ「あの後は絵里と海未が穂乃果の分をフォローしたから別に大丈夫よ」
穂乃果「………そっか…」シュン
にこ「…で、初仕事だったわけだけど。感想は?」 - 103: 2017/01/08(日) 23:32:54.49 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「……っ、厳しい世界だなって…思いました」
にこ「時給5000円は難しそう?」ニヤ
穂乃果「………」
にこ「ふふっ、いーのよ。穂乃果みたいなのは何人も来たんだから」
穂乃果「真姫ちゃんのヘルプに入った時は…まるで相手にされなかったんだ……」
にこ「客は基本的に目当てのホストしか見てないわ。つまり、奪い合いなのよ。どれだけ固定客を持つかで売上が大きく変わる」
にこ「だから稼ぎたいなら…ファンをつけることね。自分の魅力をどれだけ引き出せるかが大事なの」
穂乃果「………今まで、普通に生きて…普通に仕事して…。友達はいたけど…話上手ってわけでもない…」
穂乃果「……絵里ちゃん達みたいに出来る気がしないよ…」
にこ「ふーん。…で?昨日ぶっ倒れたからって、今日の夜も出勤してもらうわよ?」 - 104: 2017/01/08(日) 23:42:34.60 ID:mY7Ei3kU
- 穂乃果「……」
にこ「言っとくけど、今から3ヵ月経ったら基本給は半分になるから」
にこ「ただ給料が高いからって甘い考えでこの世界に飛び込んできたなら…早めに辞めた方が身のためよ」
穂乃果「………」スゥ
穂乃果「………やめます」
にこ「……そう」
にこ「…スーツは洗って返しなさいよ。あと、」
穂乃果「怯えてちゃ何も始まらない…絵里ちゃんみたいにはなれない。だから弱気になるの、やめます」
にこ「………!」
穂乃果「私は…、この店でナンバーワンになってみせる!!」 - 105: 2017/01/08(日) 23:45:21.65 ID:V04RICKE
- 流れ変わったな
- 106: 2017/01/08(日) 23:51:31.73 ID:mY7Ei3kU
- にこ「は……はぁぁぁ!?」
穂乃果「この店で誰よりも売上が多かったら…ナンバーワンになれるんだよね」
にこ「い、いやいやいや……あのね」
穂乃果「だから…精一杯頑張るから……。にこちゃん、これからもよろしくお願いしますっ!」ペコ
にこ「……ったく…凄いのを入れちゃったみたいね。でもわかってんの?」
にこ「この店の顔になるには…現時点でナンバーワンの絵里、その下の海未、ことりを抜かなきゃいけないのよ?」
穂乃果「………あ…確かに」ボソ
にこ「え?」
穂乃果「うわぁぁぁん…!どうしようっ」
にこ「」 - 173: 2017/01/10(火) 00:21:33.98 ID:+bydRS3T
- ─────
穂乃果「はぁ…。大見得を切っちゃった」トボトボ
穂乃果(それにしても凄い二日酔いだよ…。今日の夜も出勤だって言ってたから、早く治さなきゃ)
穂乃果(ん……もしかして家に1日帰ってない?でも連絡来ないから、遊びに行ってると思ってるんだろうな)
希「あっ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「え…?」クルッ
タッ
希「ごめんなぁ、もう大丈夫?…うち、同じテーブルに座ってたのに気が付かんくて」
穂乃果「全然大丈夫だよっ、私が多分悪かったんだと思うし…!」
希「あの人ね、うちが接客してたお得意様の枝さんやから。新人の穂乃果ちゃんにはいい機会かなって思って…放置しちゃったんよ」 - 174: 2017/01/10(火) 00:24:52.34 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「枝…?」
希「自分の事を指名してくれるお客さんを幹って言って、そのお客さんが連れてきた女の子を枝って言うん」
穂乃果「ってことは…その、枝ってのは初めてここに来た人?」
希「大体はね。だから本来は新人でも指名取りやすいんよ。未体験の女の子だとプロの接客まで求められへんし…」
希「でも……他のお店で遊び慣れてる人みたいやったね」
穂乃果「そっか…。じゃあ私は上手く遊ばれちゃったんだね」
希「あんまり気にしたらあかんよ。みんな最初はそんな感じやから」
穂乃果「うん…ありがとう」 - 176: 2017/01/10(火) 00:26:50.98 ID:+bydRS3T
- 穂乃果(そっか……。じゃあどんな風に接客したらいいんだろう)
真姫「希、ここにいたのね」
希「んー?」
穂乃果「あっ…ど、どうも!」ニコ
真姫「………」ムッ
穂乃果(…えーと……なんか怒ってる??)アセ
真姫「………悪かったわ。彼女、随分と人見知りなの」
穂乃果(彼女…?あ、私がヘルプに入った時にいたお客様さんか) - 177: 2017/01/10(火) 00:28:59.52 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「いや、私はほんとに初めてだったから何も出来なくて…上手く時間を取り持てなくてごめんなさい!」
真姫「別にいいわ。それよりまだ時間あるし1度寮に帰るでしょ?」
穂乃果「…??」
希「あれ、にこっちから聞いてないん?」
穂乃果「なにも…」
真姫「えぇ…嘘でしょ……」
希「ふふ。なら真姫ちゃんに先輩としてのお仕事任せたんかもね」ニコ
真姫「はぁ?教育係は海未なのに、なんで私が面倒みなきゃいけないのよ」 - 178: 2017/01/10(火) 00:32:37.22 ID:+bydRS3T
- 希「おーこわいこわい。でもにこっちから鍵渡されたんやったら…言う事聞かな不味いんじゃない?」
真姫「……希、あなた楽しんでるでしょ」
希「ぅん?」
真姫「エリーも希も…にこちゃんと距離が近いからってやりたい放題出来るって思ってるのかしら」
希「にこっちは皆のこと平等に見てるって言ってたよ♪」
真姫「………」ハァ
穂乃果(真姫ちゃんって尖ってる感じで怖いなぁ…。正直、海未ちゃんや希ちゃんに面倒みて貰いたいんだけど…)チラチラ
真姫「穂乃果。行くわよ」グイッ
穂乃果「え、え??」
希「ばいば~い♪」フリフリ - 180: 2017/01/10(火) 00:34:33.10 ID:+bydRS3T
- ─────
~マンションの1室~
ガチャッ
真姫「ここが私達の相部屋よ」
穂乃果「わー…!!すごい!」ダダッ
真姫「ちょっと…子どもじゃないんだからはしゃがないで」
穂乃果「だって、ここ歌舞伎町の街が見渡せるよ!?お店から歩いて5分だったし…便利だね…」
真姫「近いからここに部屋を借りてるのよ。酔ってる時に遠くまで帰るのは負担になるでしょ」
穂乃果「…他のみんなも相部屋?」
真姫「基本はね。凛と花陽、海未とことり。絵里と希は1つの部屋を貰ってるわ」 - 182: 2017/01/10(火) 00:37:18.99 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「そうなんだ…、でも歌舞伎町にマンション借りるのって……」
真姫「高いわ。だから折半して家賃を出してるの。…これからは穂乃果も払うのよ」
穂乃果「…!?」
真姫「当分はにこちゃんが出すから心配ないわ」
穂乃果「良かった……。お金払えないとすぐ黒服の人がやってきて、身ぐるみ剥がされた後に追い出されるのかと思ったよ…」
真姫「……っふ、くくくっ…」ブルブル
穂乃果「…ま、真姫ちゃん?」
真姫「随分とめちゃくちゃなイメージを抱いてるのね…。何もこの世界のこと知らないわけじゃないんでしょ?」
穂乃果「……わ、私…。今まで普通に仕事してきたから本当に初めてなんだ」
真姫「……!」 - 183: 2017/01/10(火) 00:42:24.26 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「そんなに不味いかな…?」
真姫「不味いとかいうか……無茶ね。穂乃果はこの業界にどんな印象を持ってるの?」
穂乃果「うーん…煌びやかで、皆が派手で、毎日がパーティみたいな…夜の世界?」
真姫「……少し違うわね。確かにこの世界は華やかだけど…杯を傾けながら高笑いする人の裏で、膝をついて泣きじゃくる人がいる」
真姫「私達はそんな世界の中で生きてるの。…今までにも色々な光景を見てきた。情に流されて、手を差し伸べたばかりに全てを失った人とかね」
真姫「だから誰も信用しない方がいいわ。にこちゃんも、エリーも。優しい海未や希、好意的な凛や花陽、…そしてことり」
真姫「もちろん……私もね」クス
穂乃果「………っ」 - 184: 2017/01/10(火) 00:43:58.25 ID:+bydRS3T
- 真姫「…随分とお気楽に考えてるみたいだから先に言っておいてあげるわ」
真姫「あなたはこれから先、絶対に後悔する事になる」
穂乃果「……後悔なんて…、」
真姫「……じゃ、私は今日仕事ないから出掛けててくるわね」
ガチャッ バタン
穂乃果「……そんなの、私が知ったことじゃないよ。ただ…お金を稼ぎに来たんだから」
穂乃果「ホストとして普通に働けばお金持ちになれるんだ…。ヘマなんてしない」 - 185: 2017/01/10(火) 00:46:17.49 ID:+bydRS3T
- ──────
~事務所~
穂乃果「こんばんはー…」ガチャ
にこ「おはようございます、よ。夜でもそう言うの」
穂乃果「あっ…おはようございます!」
にこ「ふふん、逃げずにちゃんと来たみたいね」
穂乃果「1度ああやって言ったんだから…やるよ。今日こそ少しでも売上を増やしてみせる」
にこ「じゃ、本入店ってことで。今からうちのルールを説明するわ」
穂乃果「ルールなんてあるの?」 - 188: 2017/01/10(火) 00:48:04.69 ID:+bydRS3T
- にこ「当たり前よ。穂乃果だって、前に働いてたとこで会社の規則とかあったでしょ?」
穂乃果「あー…そういうものか」
にこ「まず、この店のシステムについて。うちは席につく制限時間を一切設けてないの」
にこ「だから何時間で何万円ってのは無い。つまり、売上を伸ばしたいなら自分を指名してくれた客に飲食をさせる事!」
穂乃果「なるほど…海未ちゃんも言ってたけど、お酒が一番高いんだよね」
にこ「そうね。2千円から300万くらいのまであるけど…まぁ上のは滅多に出ないのよ。だから、シャンパンを何本も卸してくれた客には特別サービスがあるわ」
穂乃果「あ…、それってドラマとかでよく見るシャンパンタワー!?」
にこ「タワーね…。そうよ。男がやるホストだと全従業員で集まってコールとかやるんだけど、うちは指名したホストを除く2人を一定時間傍につけさせる事が出来るの」 - 190: 2017/01/10(火) 00:50:32.66 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「…??それってどういうこと?」
にこ「んー…例えば穂乃果が客で、絵里を指名してるとするじゃない?んで、高いボトルを卸した」
にこ「そしたら穂乃果は、絵里以外のホスト…つまり海未とことりさえも指名可能になる。ナンバー3までをこの夜だけ独占出来るの」
にこ「まぁそのホストが忙しかったり、新規のお客とかの場合は色々理由つけてヘルプをつけることもあるわ」
穂乃果「へぇ……でも…それだと、嫉妬とか起こらないの?」
にこ「それが狙いなのよ。私だけの〇〇ちゃんを傍に置きたいからボトルを注文する…売上も上がる。これぞwin-winでしょ?」ニコ
穂乃果(上手く出来てるなぁ…、) - 191: 2017/01/10(火) 00:52:37.78 ID:+bydRS3T
- にこ「で、次は穂乃果も気になってるであろうお金の話」
穂乃果「…!」
にこ「月の売上が200万未満ならあんたが稼いだ50%の売上を支給する。それ以上で300万未満なら60%、300万以上なら…70%ね」
穂乃果「つまり…一ヶ月に300万稼いだら×0.7で……210万円もらえるの!?」
にこ「そう」
穂乃果(凄い…!なんか、一気に現実感が出てきたよ!)
にこ「じゃ、最後。罰金について」
穂乃果「……ん??」
にこ「なに?」
穂乃果「罰金なんてあるの!?」 - 192: 2017/01/10(火) 00:53:46.01 ID:+bydRS3T
- にこ「そりゃあるわよ!」
穂乃果「えぇ…それってどんなの?あ、ノルマ…とか?」
にこ「特に決められたノルマは無いわ。罰金対象になるのは、無欠勤と遅刻」
穂乃果「あ、そういう」
にこ「無欠勤は30万、遅刻は10万ね」
穂乃果「!?!?」
にこ「まぁ…売れてたら細かくは言わないわ。ただ、こうやって厳しくしないと店にすら来ない奴がいるからなのよ」
穂乃果「あ…でもにこちゃん、私が初めて来た時に絵里ちゃんのこと迎えに行ってなかったっけ……?」 - 193: 2017/01/10(火) 00:55:07.63 ID:+bydRS3T
- にこ「アイツが来ないと50万以上の損失になるからよ。ほんと…自由で猫みたいだから、手懐けるのも一苦労ね」
穂乃果「なるほど……」
穂乃果(やっぱり売上を出せる人ほど重宝されるんだな…。当たり前だけど)
にこ「あ、あとはうち永久指名制だから。メンバーの客に手出したら罰金100万ね…まぁ気をつけて」
穂乃果「ひゃ…100万!?」
にこ「客の取り合いになると、メンバー同士の仲が悪くなるでしょ?不仲営業は儲からないので無しニコ~♡」
にこ「ま、穂乃果はそんなことしないと思うけど。過去には何人かいたから…一応言っとくわね」 - 236: 2017/01/10(火) 08:35:22.00 ID:M82agHUc
- ほのかちゃんを嫁として永久指名でお願いします!!
- 194: 2017/01/10(火) 00:56:16.98 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「そ……その人たちはどうなったの?」
にこ「んで、後は…」
ガチャッ
穂乃果「……っ!///」
絵里「にーこ、おはよう♡」
にこ「ん…今日は珍しく早く来たわね…」
絵里「今日はあの子のところに泊まってたから……って、穂乃果じゃない♪」
穂乃果「お、おはよう…!絵里ちゃんっ」ニコ - 195: 2017/01/10(火) 00:59:55.65 ID:+bydRS3T
- 絵里「もう体は平気?」
穂乃果「うん…!あの……、助けてくれてありがとう」
絵里「それは昨日ちゃんと聞いたわよ♪それより……」グイッ
絵里「まだ処女ってほんと…?」ニコ
穂乃果「──っ…!?///」カァァ
にこ「えっ!!嘘でしょ……?」
絵里「あら…この反応は本当なの?」 - 196: 2017/01/10(火) 01:01:14.38 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「うぅっ……///だ、だって…///私、誰とも付き合ったことないし…」ブツブツ
にこ「恋愛未経験でホストクラブ来るって……あんたやっぱり凄いわ」ハァ
穂乃果「そ、そんなの…!にこちゃんや絵里ちゃんは……それに、凛ちゃんや花陽ちゃんは純粋そうだしっ///」
絵里「……うーん」
にこ「…なんか不安になってきた」
絵里「あ、じゃあ私が穂乃果の初めてを貰ってあげるっていうのは?♡」ポンッ - 197: 2017/01/10(火) 01:02:26.13 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「うぇぇっ…!?!?///」
にこ「いーんじゃない?絵里にもらってもらえば?」ニヤ
穂乃果「な、なんでそうなるの…っ!穂乃果、初めては好きな人とって決めてるもん…///」
絵里「ふぅん…私のことは好きじゃないの?」アゴクイ-
穂乃果「わわっ……!///」
絵里「初めて見た時から可愛いって思ってたのよね♪私は別に構わないわよ?」
穂乃果「待って、待ってよ…!!//」
にこ「あのね、穂乃果。経験がないとめちゃくちゃ不利よ?」 - 198: 2017/01/10(火) 01:03:46.73 ID:+bydRS3T
- にこ「見ず知らずの奴とするくらいなら絵里にやっといてもらいなさい。私は出てってあげるし」
穂乃果「私は誰ともそんなことしない…!!」
穂乃果(やばい……逃げないと、このままじゃっ…っ)ダッ
穂乃果(確かに絵里ちゃんはカッコイイけど…///、でも緊張で死んじゃうよ!!)
ドンッ
穂乃果「つっ……いったぃ…!」
海未「な、何事ですか…!?」
穂乃果(あっ…海未ちゃんと思いっきりぶつかっちゃった!!) - 199: 2017/01/10(火) 01:04:55.85 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「ご、ごめん…!でもこれには訳が……」
絵里「もう穂乃果っ、逃げてたら……」
海未「……絵里?」
絵里「…!!」
にこ「あちゃー…じゃあにこはこれで…」
海未「…待ちなさい!」グイッ
にこ「あぐぐっっ…!!」
海未「絵里、まさか無理やりしようとしてました?」
絵里「誤解よ。私は穂乃果の為を思って……それに本気で追いかけてないじゃない!」 - 203: 2017/01/10(火) 01:08:08.68 ID:+bydRS3T
- 海未「ダメです!そういうのは営業でやるのであって、プライベートに持ち込まないでください」
絵里「営業って…あなたねぇ。穂乃果がこれからやっていくのに、何も出来ないわよ?」
海未「それは穂乃果が決めることです」
穂乃果「あ、あのー…営業営業って、それなに…?」
にこ「色々あるのよ。なんでこの世に男向けの風俗はあるのに、女向けのはほぼ無いんだと思う?」
穂乃果「え…??うーんと…需要がないから…」
にこ「ま、確かに男みたいな性欲の塊は少ないわ。…正解はそういう欲求に答えてる場所がもうあるからなのよ」 - 204: 2017/01/10(火) 01:11:29.58 ID:+bydRS3T
- 穂乃果「………まさか…」
にこ「ここら辺でもう1回言っとくわ。うちは枕禁止だから!!」
絵里「…建前上は、ね?」
海未「……私はそのようなやり方にはあまり賛成出来ませんが」
穂乃果「じゃ、じゃあ絵里ちゃんは……その…//」
絵里「いいえ。自分の価値を無闇に下げるべきじゃないわ。やり方があるのよ。そうね…最近は2人だけ」
にこ「金を貢ぐ見返りとしてアフターを求めてくる客も多い。穂乃果、それにあんたは答えられるの?」
穂乃果「だ、だって……//したことないもん…」 - 205: 2017/01/10(火) 01:12:49.98 ID:+bydRS3T
- にこ「まぁそういうのをやらない凛や花陽みたいなのもいるし、いいんじゃない?」
穂乃果(うぅん…思ったより…、この世界は厳しいのかもしれない……)
ヒョコ
ことり「…あっ。みんな集まってどうしたの~?♡」
希「騒がしいなぁ。何かあったん?」
にこ「何にもないわ。さ、開店準備やるわよ~」
穂乃果「あの、にこちゃん。私は掃除でいい…?」
にこ「んー…穂乃果は昨日ので店の雰囲気はわかっただろうし、今日は客引きやる?」 - 206: 2017/01/10(火) 01:13:45.85 ID:+bydRS3T
- にこ「のぞみー、ちょっと来てー」
希「ん~?」
穂乃果「客引き…?それってえっと…私、法律とかよく分かんないけど禁止されたんじゃないの?」
にこ「キャッチが禁止ね。店の前でちょっと飲みませんか~ってのがアウト」
希「穂乃果ちゃんにそれ教えたらいいん?」
にこ「そ、お願いね。プロでしょあんた」
希「またまたぁ~。にこっちのウルトラスーパーテクには敵わんわぁ。ま、違法やけど」
にこ「誰が高校生よ!!私は合法だっての!」
希「あはは♪じゃ、穂乃果ちゃん行こっか?」ニコ
穂乃果「うん…!」 - 207: 2017/01/10(火) 01:15:38.78 ID:+bydRS3T
- ─────
穂乃果「ここ、だいぶ店から離れたけど…いいの?」
希「その方がいいんよ。でも客引きする場所は気をつけてな~」
穂乃果「…なんで?あ、交番の前だと逮捕されちゃうから?」
希「ふふっ、穂乃果ちゃんほんまに面白いなぁ♡それもそうやけど、他のお店の縄張りはあかんってこと」
穂乃果「縄張り…?そんなのあるんだ」
希「やっぱり売上を下げる一番の要因ってライバル店やから。その店の常連さんを横取りすることになるやん?」
穂乃果「なるほど…」 - 208: 2017/01/10(火) 01:16:28.79 ID:+bydRS3T
- 希「あとは~……まぁこれはいっか♪とりあえずここでやってみよ」
ワイワイ ガヤガヤ
穂乃果「どうやって声かけるの?」
希「うちのお店に来ませんか、やとアウトやから。いま暇じゃない?って聞いたらいいよ♪」
希「ここそういう系統のバーが近くにあるんよ。だから2丁目みたいな感じ?」
穂乃果「そっか…それならただのナンパだもんね。でも、暇って言われたって…どうするの?」
希「一緒にご飯食べたり、カラオケ行ったりするん。で…最後に連絡先交換して、仲良くなってからお店に誘う」 - 209: 2017/01/10(火) 01:17:16.85 ID:+bydRS3T
- 希「そうすれば自分の指名とってくれるやん?」
穂乃果「結構時間が必要なんだね…。たった1人にそこまでしなきゃいけないんだ」
希「そのお客さんがいいお客さんになるか…すぐに飛んでっちゃう人なのか。その見極めも肝心よ」ニコ
穂乃果(……じゃあ外見は大事だね。あとはトーク力にかかってるってところかな…)
穂乃果「客引きって、絵里ちゃんや希ちゃんもするの?」
希「ある程度のお客さん抱えてる子はせーへんよ。それするのって基本お昼やから、仕事に備えて寝てたいし」 - 210: 2017/01/10(火) 01:18:13.48 ID:+bydRS3T
- 穂乃果(じゃあ新人か売れないホストぐらいなんだね…。完全歩合制になる前にどうにか指名を取らなきゃ)
希「じゃ、うちは帰ります♪」
穂乃果「え…!?」
希「ごめんなぁ。うち今日お客さんに呼ばれてるから…店戻らなきゃ」
穂乃果「うぅぅ……そっか…」
穂乃果「…でも仕方ないね。わかった、ありがとう。何とか1人で頑張ってみるよ!」グッ
希「……ふふっ。えりちが気に入ってる理由がわかるなぁ」
穂乃果「……??」 - 211: 2017/01/10(火) 01:21:41.87 ID:+bydRS3T
- ─────
穂乃果「あの、いま暇かなぁ?私とちょっと遊ばない?」ニコニコ
「なにー?暇じゃないわよ」
穂乃果「あー!そこの可愛い女の子!いま暇なんだけど…この後一緒に、」ニコニコ
「ナンパかなぁ?でも予定入ってま~す♡」
穂乃果「ねぇ!いま…」ニコニコ
「うるさい!!邪魔!」
穂乃果(……流石に心が折れそうになってきた…) - 212: 2017/01/10(火) 01:23:24.73 ID:+bydRS3T
- カツカツ…
穂乃果(はぁ…もう数撃てば当たるってやつだよね!)
穂乃果「あの!そこの綺麗なお姉さんっ」
「……私?」
穂乃果「うんっ♪あのね、私いま暇なんだ…。一緒に遊ばないかな?」ニコッ
「……っくすくす。えぇ、私も暇よ」
穂乃果「ほんと!?やったぁ…!えへへっ…♡」
ツバサ(この私に声を掛けるなんて……この子、面白いわね) - 213: 2017/01/10(火) 01:24:39.60 ID:8bxtnbo0
- 堕ちたな
- 320: 2017/01/11(水) 23:16:49.61 ID:QAP41A08
- ─────
~カフェ~
穂乃果「何がいい?好きなものどーぞ!」ニコ
ツバサ「…あら、奢ってくれるの?」
穂乃果「うんっ♪私から声掛けたわけだし!」
穂乃果(このくらいの出費は投資だと思えってにこちゃんも言ってたもんなぁ…)
ツバサ「じゃあ…エスプレッソを」ニコ
穂乃果「わかった。んー…穂乃果は…」
ツバサ「穂乃果……。それがあなたの名前なのね?」
穂乃果「あっ、うん…!そうだよっ。まだ自己紹介してなかったね…」テヘヘ - 321: 2017/01/11(水) 23:19:23.26 ID:QAP41A08
- ツバサ「とてもいい名前。私はツバサよ」
穂乃果「ツバサさんかぁ…、えっ、と……」
穂乃果「可愛いね♡スタイルもいいし…」
ツバサ「嫌味なの?私、身長低いから良くはないわよ?」ムッ
穂乃果「!?ぅ、んー…女の子は小さい方が可愛いんだよっ!」ニコニコ
ツバサ「あはは…っ!冗談よ、穂乃果さん」
穂乃果「へっ…??」
ツバサ「あなたって本当に面白いわね。好きよ…そういう純粋な人」
穂乃果(うぅん…。なかなか掴めないなぁ)
ツバサ「私ね、この街にはあまり来ないのよ。最近は海外に行ってて…帰ってきたばかりだから」
穂乃果「わぁ…!それって帰国子女ってやつだ!」 - 322: 2017/01/11(水) 23:21:26.08 ID:QAP41A08
- ツバサ「そんな大逸れたものじゃないわ。物流の仕事をしているから、転勤で飛ばされたのよ」
穂乃果「そっか…。大変なんだね」
ツバサ「えぇ。…ストレスとかが凄まじくてね。参っちゃうの」
穂乃果「ストレスかぁ…厄介だよね。精神的な疲れはとりにくいし」
穂乃果「…でも、穂乃果といたら少しは和やかに気持ちにならない?」ニコ
ツバサ「ふふ。そうかもしれないわ」
ツバサ「…それで、この後はどこに連れていってくれるの?まさかプランが無いなんて言わないわよね?」
穂乃果「…あるよ!うーん……公園とかどうかなっ」
ツバサ「こ、公園…?」
穂乃果「きっと楽しいよ!えへへ、そうしよう♪」
ツバサ(歌舞伎町まで来て公園ね…。でも、なぜか彼女の言う通り…楽しめそうな気がするわ) - 323: 2017/01/11(水) 23:23:43.69 ID:QAP41A08
- ─────
~公園~
穂乃果「うわー…!見てみて!この遊具懐かしいねっ」カチャン
ツバサ「それは…どうやって遊ぶものなの?」
穂乃果「あっ、知らない?この鎖を足場にしてね、上へ登っていくの。そして…一番上で反対側に移動する!」
ツバサ「随分と危険な遊具ね…。私の幼稚園には無かったわ」
穂乃果「えー!うちではこれ人気だったよ?穂乃果いっつも遊んでたもん」
ツバサ「あら、じゃあ今の腕前を見せてくれる?」
穂乃果「どうだろう…上手くできるかな。でもやってみるね!」ニコ - 324: 2017/01/11(水) 23:25:07.51 ID:QAP41A08
- 穂乃果「よいしょっ…と!」ヒョイ
穂乃果(うぐ…体が重い。幼稚園の時みたいに軽々とはいかないなぁ)
ツバサ「ねぇ、大丈夫?ふらついてるけど…、」
穂乃果「全然平気!!あとは反対側に移るだけだし…!」
黒服1「おいっ!ここで何やってんだ!」
穂乃果「わわっ…!?!?」ドサッ
黒服2「見かけない顔だな。こんな所まで彼女つれてアスレチックか?」
穂乃果「痛ったぁ…!んもぅ、びっくりしたじゃん!!」 - 325: 2017/01/11(水) 23:27:49.28 ID:QAP41A08
- ツバサ「穂乃果さんっ、大丈夫?腰を打ったみたいだけど…」
穂乃果「あ、大丈夫…こんなのどうってことないよ♪」
黒服1「その身なりはお前、ホストだろう。誰の島で客引きやってんだ」
ツバサ(ホスト……??)
穂乃果(あー……余計なことしてくれるなぁ…)
穂乃果「どこって…そんなのお兄さん達には関係ないよ!それに公園は皆の遊び場なんだよ!?」
ツバサ「ね、ねぇ…やめた方がいいんじゃないかしら…」
黒服2「ちょいと見過ごせないな。そこの女を渡せ、うちを荒らすんじゃねぇ」 - 326: 2017/01/11(水) 23:29:05.40 ID:QAP41A08
- 穂乃果「だから誤解だよ!この人とはもっと遠くの方で会ったんだもん!」
ツバサ「穂乃果さん…!もうやめましょう、」
穂乃果「大丈夫だよ。私が守るから」ギュッ
ツバサ「っ……//」
黒服1「ッチ…女だろうが容赦しねぇぞ!」
穂乃果(2人とも、年齢的にホストには見えない。じゃあ何が目的なの…?)
穂乃果(いや、とりあえず今はこの人達から逃げなきゃ!!)
穂乃果(って言っても…ツバサさんがヒールだから早く走れないし…)ウゥン - 327: 2017/01/11(水) 23:31:48.77 ID:QAP41A08
- 穂乃果(うー…でも力じゃ敵わない…どうしたら…)チラ
穂乃果「あっ。そうだ」
黒服2「おい、聞いてんのか!」
穂乃果「おまわりさーーん!!」ブンブン
黒服「!?」
穂乃果「こーこーにー、いかにも怪しい人がいまーーすっ!!!」
黒服1「アホかこいつ…!くそ、逃げるぞ!」
黒服2「覚えてろよ!!」
ダダッ
ツバサ(変ね、警官なんて何処にもいないけど……) - 329: 2017/01/11(水) 23:33:52.16 ID:QAP41A08
- 穂乃果「はぁっ……怖かった……」フニャフニャ
ツバサ「え…?」
穂乃果「ツバサさん…ごめんね。せっかく遊びに来たのに怖い思いさせて」
ツバサ「いえ……ありがとう。それに、あなたは私の前に立ってくれたじゃない」ニコ
穂乃果「ま、まぁ当然だよ…!」ガクガク
ツバサ「ねぇ……それより、穂乃果さんって」
穂乃果「うっ…騙すつもりは無かったんだ!ただ、一緒に話したいなって思って…」
穂乃果「私…ここで働いてるの」スッ
ツバサ「歌舞伎町ホストクラブ‘舞蝶’……」 - 330: 2017/01/11(水) 23:36:15.95 ID:QAP41A08
- 穂乃果「ご、ごめん!幻滅したかな…?」
ツバサ「…いえ、意外過ぎて言葉が出なかったの」
穂乃果「うん…やっぱり似合わないよね。あはは…、よく言われるよ」
ツバサ「…違うわ。穂乃果さんはとっても澄んだ瞳を持っているから」
ツバサ「私の勝手なイメージだけど…夜の世界で生きてる人は、あなたみたいに笑わないと思うの」
穂乃果「…そんな事ないよ?みんないつも笑顔だし、明るい人が多い。やっぱりサービス業だもんねっ!」
ツバサ「そういう事じゃないんだけど…まぁいいわ」
穂乃果「ぅん…?」 - 331: 2017/01/11(水) 23:38:29.86 ID:QAP41A08
- ツバサ「ねぇ、穂乃果さんが良かったら…連絡先交換しましょう?」
穂乃果「えっ…!!いいの?」
ツバサ「えぇ、是非お願いしたいわ。この出会いはきっと偶然じゃないと思う」
穂乃果「私の電話番号とLINEは名刺に書いてあるよ。だから…暇な時でいいし相手して欲しいな」ニコ
ツバサ「しばらくは日本にいるつもりなの。また連絡するわね」
穂乃果「…うんっ!♡ありがとうツバサさんっ」エヘヘ
ツバサ「………///」ニコ
穂乃果(やった…!初めて連絡先交換出来たよ!)
穂乃果(あ…でもツバサさんって可愛いし、いい人だし……私には勿体ないな…) - 332: 2017/01/11(水) 23:41:01.30 ID:QAP41A08
- ──────
~ホストクラブ~
ガチャ
穂乃果「おはようございます…!」
花陽「穂乃果ちゃんおはよう♡今日も来るの早いね?」
穂乃果「やっぱり新人のうちは早く来ないとアレかなって思って…。あれ、凛ちゃんは一緒じゃないの?」
花陽「あ、凛ちゃんは同伴するって言ってたよ」
穂乃果「同伴…?」
花陽「常連さんと食事をしたりして、その後一緒にお店へ行くの。ちゃんとバックもつきますよ♪」
穂乃果「バック…あ、手当ってこと?」 - 333: 2017/01/11(水) 23:43:21.83 ID:QAP41A08
- 花陽「うんっ。お店が暇な時にお客さんを連れてきたお礼として…5千円かな?」
穂乃果「へぇ…そんな制度があったんだね。にこちゃん教えてくれなかったよ…」
花陽「まだ指名も貰ってないからじゃない?マニュアルには書いてあるよ。えっと……はい♪これ私のだから使ってね♡」スッ
穂乃果「わぁ、ありがとう…!!大切に使うよ!」
ガチャ
花陽「あっ真姫ちゃんおはよう♪」
穂乃果「…!!」
真姫「……おはよう」 - 334: 2017/01/11(水) 23:45:12.65 ID:QAP41A08
- 花陽「久しぶりの出勤なんだね?えへへ…この前会えなかったから」
真姫「あぁ…。そのまた前は、時間が別だったから会えなかったわね。元気そうで良かったわ、花陽」ニコ
花陽「ふふっ…♡」
穂乃果(私の時と露骨に態度が違うよねぇ…)ジト
穂乃果(真姫ちゃん、私とルームシェアになってから滅多にマンションに帰って来ないし…たまに帰って来てもすぐ寝ちゃうし)
穂乃果(どこで寝泊まりしてるんだろう…)
花陽「じゃあそろそろ着替えよっか…?」
真姫「えぇ。そうね」 - 335: 2017/01/11(水) 23:45:58.31 ID:QAP41A08
- ガチャ バタン
男1「あ、どうも~。お疲れ様です」ペコ
花陽「…こんばんは♪」ペコ
穂乃果(……??)
穂乃果「ね、ねぇ真姫ちゃん…あの男の人だれ?」ヒソ
真姫「………」
花陽「あの人はね、警備員さんだよ。やっぱりお酒が回ると色々あるから…」
穂乃果「あ、やっぱりこういうお店には1人くらいいるんだね」
真姫「…早く行くわよ。穂乃果、今日の準備はあなたと他のヘルプでやっておいて」
穂乃果「はーい…」
花陽「私も手伝うよ…?」
真姫「もう花陽はやらなくていいのよ。一定以上の売上があるんだから…じゃないと他の子に示しがつかないでしょ」
花陽「うん…。売上で順位がついてる以上はそうするのが正しいんだよね」
穂乃果(ランク付けすることで仕事内容が変わるんだね…。確かにこうすれば、上を目指してやろうって気になる)
穂乃果(でも私…他のホストの人とあんまり喋ったことないよ……うぅ) - 336: 2017/01/11(水) 23:49:32.59 ID:QAP41A08
- ─────
『お待ちしておりました。舞蝶へようこそ!』
穂乃果(よーし…!気合入れて頑張ろうっ)
海未「穂乃果、今日も絵里のヘルプをお願いしますね」
穂乃果「うん…!」タタッ
穂乃果(まだ早い時間だし、いま絵里ちゃんを指名してる人は2人。私はそのうちの1人につくわけだけど…)
穂乃果(もう不安なんて無いよ。最近は会話もスムーズにこなせるし、お酒も少し飲めるようになってきた!)フフン
穂乃果(絵里ちゃんからも褒められて…やっと仕事してるなって感じだよ!) - 337: 2017/01/11(水) 23:51:04.55 ID:QAP41A08
- 穂乃果「こんばんは♪今日も寒いね~」
女の子「…………」ボー
穂乃果(ん…?なにも喋らないパターンなのかな?)
穂乃果(うーん。どうしよう!こういうのは慣れてるけど…まずは、)
穂乃果「準備に追われてたから喉乾いちゃってさ~。あの、ちょっとお酒貰ってもいいかなぁ…?」ニッコリ
女の子「……どうぞ」
穂乃果「ありがとう!いただきまーすっ…」ゴクッ
女の子「………」
穂乃果「……」ニコニコ
女の子「………」 - 338: 2017/01/11(水) 23:52:17.74 ID:QAP41A08
- 穂乃果(…うぅっ、怖い。この子テーブル見て全然動かないし…せっかくお店に来たのに楽しくなさそう)
穂乃果(普通こういうクラブに来たら、皆はしゃぐものなんじゃないの…?)
女の子「……ねぇっ」
穂乃果「は、はい!?」ビク
女の子「絵里はまだ来てくれないの…?」
穂乃果「ほんとだよね…!遅いね、ちょっと聞いてくるからっ」ニコ
タタッ
穂乃果「あの、ちょっといいですか…!」
ウェイター「はい?」 - 340: 2017/01/11(水) 23:55:50.90 ID:QAP41A08
- 穂乃果「絵里ちゃんってまだこっちのテーブルに座らないの?」
ウェイター「ちょっと待ってくださいね…。えーと…。あ、もう少しかかるかもです。あっちのお客様が5万の白ドンペリおろしたらしくて」
穂乃果「えー…!でもあっちの人って、海未ちゃんのお客さんだよね?」
ウェイター「はい。ボトルなんで、絵里さんに一夜指名入ったんです。あと15分くらいは戻せません」
穂乃果「あぁそうだった……。無理やり奪うにはそれより高いボトル入れなきゃいけないんだっけ…」チラ
女性「うふふっ…♡ほらほらぁ、もっと側に来ていいのよ?♡」
絵里「そう?じゃあもう少し近づいちゃおうかしら♪」 - 341: 2017/01/11(水) 23:58:26.26 ID:QAP41A08
- 海未「あっ…ダメですよ、絵里。この方の隣は私です!」
女性「そーよ///私は海未ちゃん一筋なんだから…♡」
絵里「むぅ…絶対私の方が幸せに出来ると思うわ」
海未「笑わせないでください。私は彼女の事を全て知ってるんですよ?明るくて、優しくて…でも寂しがり屋なんです」
海未「ふふっ、だから私に会いに来てくれるんですよね…?」ニコ
女性「……っ、恥ずかしいじゃない///絵里も海未も…私を取り合わないでよっ!//」
穂乃果(流石はナンバーワンツー…全く酔ってないし、お客さんをあれだけ楽しませてる) - 342: 2017/01/12(木) 00:00:22.70 ID:RuBwOXRI
- 穂乃果(でもヘルプって…忙しいメンバーのお客さんを暇にさせない仕事だよね)
穂乃果(よし…!あと15分なんだ、頑張って楽しんでもらおうっ)
穂乃果「ごめんね、絵里ちゃんあと少しかかるって…!」ニコ
女の子「………」
穂乃果「ねっ、好きな食べ物とかある?私はあま~い苺が好きなんだけど…苺はきらい?」
女の子「………、」
穂乃果「ちなみに、私の嫌いな食べ物はピーマンなんだけど…」
女の子「ぐすっ……なんでっ、何で来てくれないのよぉ……!!」
穂乃果「えっ……??」
穂乃果(こ、これ…私が泣かせたわけじゃないよね……) - 343: 2017/01/12(木) 00:02:35.39 ID:RuBwOXRI
- 女の子「………っ!」ガサゴソ
スッ
穂乃果(…え?いきなり鞄の中から封筒を取り出して…なにを、)
女の子「……ドンペリのピンクおろして!!」ドンッ
穂乃果「ふぇ!?は、はい!」ビク
穂乃果(えっと……待って待って!注文だよね…)
穂乃果(ドンペリにピンクとかあったっけ…??とりあえずメニューで金額を…)
▽ドン・ペリ二ヨン・ロゼ¥100,000
穂乃果(じゅ…10万!?) - 344: 2017/01/12(木) 00:04:05.73 ID:RuBwOXRI
- 女の子「早くしなさいよ!」
穂乃果「あ、あのー!!ウェイターさーん!」
ウェイター「はい。ご注文でございますね」
穂乃果「これ、こちらのお客様にお願いします!」
ウェイター「…かしこまりました。ピンクドンペリ入りまーす!」
ザワザワ…
穂乃果(うわ、一気にお客さんとメンバーの注目がこっちに…)
ストン
絵里「ごめん……寂しかった?」ナデナデ
女の子「バカぁ!なんで他の子に構うの…私がいるのにっ」 - 346: 2017/01/12(木) 00:06:52.37 ID:RuBwOXRI
- 絵里「本当はあなたの側にいたいわよ…。私がどれだけ好きか知ってるでしょう?」ギュッ
女の子「うぅっ……」グスン
絵里「…泣かないで。あなたにはいつも笑ってて欲しいの」
女の子「…っ、寂しかったんだもん……!」ウルウル
絵里「ずっと会いたかったわ。…私の可愛いお姫様」ニコ
女の子「っ……私も…//」
穂乃果(あぁ良かった…。機嫌直してくれたみたい)ホッ
穂乃果(あれ……、でもなんだろう…?この気持ち…)
ウェイター「あ、あの…一夜指名はどうなさいますか?」
女の子「そんなのいらない!絵里さえ居てくれればいいから…」
ウェイター「かしこまりました」 - 347: 2017/01/12(木) 00:08:07.78 ID:RuBwOXRI
- 絵里「穂乃果。ここはもういいから、他の席に移っていいわよ」
穂乃果「う、うん…!」
穂乃果(って言っても……どこに入ろうかな。今日はメンバーの数多いから、ほとんどのテーブルに2人いるし)
トントン
穂乃果「わっ…?」
ことり「穂乃果ちゃん、私のお客さん寝ちゃったの…♡だからこっちに来ない?」
穂乃果「寝ちゃった…?あ、酔いつぶれちゃったんだね」
ことり「うん。いつもはゆっくりお話するんだけどね…今日は疲れてるみたい」チラ - 348: 2017/01/12(木) 00:09:17.25 ID:RuBwOXRI
- 女の子「すぅ…すぅ……」
穂乃果「そっか…」
ことり「そういえば穂乃果ちゃん、絵里ちゃんの専属ヘルプになったりするの?」
穂乃果「絵里ちゃんの?…専属とかあるんだ」
ことり「うん♪お客様と色々なお話をして、その度に絵里ちゃんに報告したりするんだよ♡」
ことり「頑張って接客してたら枝さんの指名とれるかもしれないし…そうしたら1人前だね」ニコ
穂乃果「なるほど…そうやって指名増やしていけばいいんだね」
ことり「……あ。さっきのピンクボトルって、穂乃果ちゃんが促したの?」
穂乃果「え?」 - 349: 2017/01/12(木) 00:10:54.97 ID:RuBwOXRI
- ことり「ほら、あそこに座ってる絵里ちゃんのお客さん。穂乃果ちゃんがいる時に頼まなかった?」
穂乃果「うん…でも、私は特に何もしてないよ」
ことり「そっかぁ…。あれは全部絵里ちゃんの売上になっちゃうんだけど、穂乃果ちゃんが貢献してたらお小遣い貰えたのにね♪」
穂乃果「へー……」
ことり「…あれ、どうかした……?浮かない顔してるけど…」
穂乃果「え、っとね…。私がヘルプで接客した、さっきのお客さん……すごく追い詰められた目をしてたんだ」
ことり「………」
穂乃果「お金を確認する時に財布じゃなくて、封筒だったのは…銀行から直接下ろしてきたんじゃないかな」 - 350: 2017/01/12(木) 00:12:47.86 ID:RuBwOXRI
- 穂乃果「ここは飲食代と別にtaxっていう税金がつくんだよね。それが40%で…指名料と、他のお酒を足したらきっと20万ぐらいになる…」
穂乃果「でも…!どうみてもあの感じだと、」
ことり「穂乃果ちゃんっ。ここ、お店だよ?♡」
穂乃果「……!」ハッ
ことり「…可哀想って思う?」ボソッ
穂乃果「っ、それは……」
ことり「ううん。考えちゃダメ。私達は…私達のやり方があるから」
ことり「穂乃果ちゃんが本気で上にあがりたいって思うなら……余計にね♪」 - 351: 2017/01/12(木) 00:14:58.75 ID:RuBwOXRI
- 絵里「…もう帰っちゃうの?」
女の子「う、うん……。明日も仕事があって」
ことり「……」
穂乃果「………」チラ
絵里「そう…残念だわ。仕事終わったら連絡するから」ニコ
女の子「うんっ…!」
絵里「出口まで送るわよ?」ギュ
女の子「………」
ウェイター「お客様、お会計20万5000円になります」
女の子「……ね、ねぇ絵里」
絵里「ん…どうかした?」 - 352: 2017/01/12(木) 00:17:04.02 ID:RuBwOXRI
- 女の子「私…今月厳しかったの忘れてた。このお金も……生活費、なんだよね」
女の子「だ…だから、掛けにしてくれない?」
絵里「………無理ね」
女の子「なっ、なんでよ!絶対返すから…!!来月分が入ったらすぐに返すっ」
絵里「私もね…あなたの事は信用してるのよ。でも前の30万はどこにいったの?」
女の子「そ……それは…お母さんに借りてすぐ返すわよ!」
穂乃果「掛け…って、ツケといてってこと?」
ことり「うん。後から払って貰うお金だから…売掛金だね♪」
絵里「………はぁ。わかった。じゃあ18万でいいわよ」
女の子「え?」 - 353: 2017/01/12(木) 00:19:28.66 ID:RuBwOXRI
- 絵里「ここで18万払って、掛けで2万5000円。これでいい?」
女の子「たったそれっぽっちで来月まで暮らせって!?」グイッ
絵里「………っ、私はあなたの思いに答えてるのに、そういう事するのね」
女の子「…ぁ!ごめん…ごめんなさい…。嫌いにならないでっ」
ウェイター「お客様。これ以上は他のお客様のご迷惑となりますので」
女の子「18万……払うわ。残りは掛けにして」
絵里「また何かあったら言ってね。私も困らせたいわけじゃないのよ…」ニコ
女の子「うん、うん…っ。わかってるわ…」
穂乃果「……おかしいよ。生活費まで削るくらい遊んじゃダメだって、わかるはずなのに」
ことり「ううん、わからなくなるの…。麻薬と同じ。そこに恋愛感情が絡むからもっと闇が深いって…私は思うけどね♡」 - 345: 2017/01/12(木) 00:05:40.71 ID:+h2OSkmv
- クラブで酔った勢いでピンドン頼んで半年以上(ローン的に)後悔したトラウマ
- 354: 2017/01/12(木) 00:21:12.81 ID:zxpDo337
- トラウマを抉られる
- 355: 2017/01/12(木) 00:24:07.32 ID:RuBwOXRI
- ──────
~マンション~
ガチャッ
穂乃果「はー……つかれた」ゴロン
穂乃果(今日は色々あったな……)
真姫「ちょっと、玄関で寝転ばないでくれる?」
穂乃果「うぇぇ!?あっ……真姫ちゃんか、びっくりさせないでよ!」
真姫「はぁ…。元々2人で住んでるでしょ」
穂乃果「だって真姫ちゃんほとんど帰ってこないじゃん!」
真姫「エースのところに泊まってたりするの。そんな毎日帰らないわ」
穂乃果「エース…?外人?」 - 356: 2017/01/12(木) 00:25:00.26 ID:RuBwOXRI
- 真姫「一番お金を使ってくれる客をそういうのよ!ほんと何も知らないのねっ…」
穂乃果「へぇ…そういう意味でのエースなんだ」
真姫「何もしなくてもご飯が出てくるんだから皆やってるわよ」
穂乃果「……でも私、寂しいんだけど…」
真姫「……は?」
穂乃果「真姫ちゃんが帰ってきてくれないと1人なんだもんっ!もっとお話したいのにっ」ズイッ
真姫「ヴェェェッ…///い、イミワカンナイ!」
穂乃果「私、実家でずっと暮らしてたから…。それに妹もいるし1人きりなんてこと滅多にないの」
真姫「妹がいるの…?」 - 357: 2017/01/12(木) 00:25:42.01 ID:RuBwOXRI
- 穂乃果「うんっ♪雪穂っていうんだけど…これがね!歳下なのに生意気で、すぐ怒るのっ」
真姫「………」
穂乃果「でも…やっぱり可愛いよ。今だって小さい頃と同じように懐いてくるし。んー…でも良いように使われてるのかも…」ムムム
真姫「ねぇ…聞いてもいい?穂乃果」
穂乃果「うんっ!なに?」
真姫「なぜこの世界で働こうと思ったの?」
穂乃果「……え、えっと…」
穂乃果「お金を稼ぎたかったから。私は頭良くないし…家は和菓子屋だけど、継いでも収入はあんまり無いの」
真姫「……そう。お金ね」 - 358: 2017/01/12(木) 00:26:34.38 ID:RuBwOXRI
- 穂乃果「…うん。私はにこちゃんに、あの店でナンバーワンになるって宣言しちゃったんだ」
穂乃果「でも売上を伸ばす方法がわからない。新規のお客さんを任されて、仲良くなっても…その先が難しいよ」
真姫「……手っ取り早く指名を増やしたいなら、営業よ」
穂乃果「営業…?あ、絵里ちゃんや海未ちゃんが言ってたような」
真姫「友達、姉妹、色恋、趣味、枕営業の事ね。他にも色々あるわ」
真姫「友達や姉妹は、相手の性格によって使い分けるの。この人とは友達の関係、この人の前では姉っぽく、妹っぽく振舞おう…とか」
穂乃果「相手の性格…お客さんがお世話好きだったら妹営業なのかな。逆だと姉営業?」
真姫「そんな感じよ。趣味営業は、単純に自分のタイプのお客さんに好意を伝えるもの。枕は言わなくてもわかるわね?」 - 359: 2017/01/12(木) 00:27:41.68 ID:RuBwOXRI
- 穂乃果「え、えっと……///でも、女の子同士でそういうことするのって…役割とかはどうなってるの?」
真姫「役割?」
穂乃果「うーんと…男の子と女の子なら、せ、攻めるのは大体男の子でしょ…?///」
真姫「あぁ…。それも使い分けるわ」
真姫「タチのお客様なら抱かれるし、ネコなら抱く。メンバーによって結構違ったりするけど」
真姫「希やことりは抱きたがる人が多くて、エリーや海未は逆。…いや、海未は五分五分ね」
穂乃果「……やっぱり…、経験してないと不利なのかな」
真姫「私はどうも思わないわ。凛や花陽みたいに友達営業しかしない子もいる」 - 360: 2017/01/12(木) 00:28:39.92 ID:RuBwOXRI
- 真姫「…ただ、ひとつ言えるのは」
真姫「綺麗なまま上に上がることは滅多にない。それこそ、どんな手を使ってでもっていう野心がないと不可能に近いわ」
穂乃果「……じ、じゃあ…」ゴクッ
穂乃果「真姫ちゃん!穂乃果を抱いてくださいっ!!」
真姫「──っ…!?///」ビク
穂乃果「…なんて、簡単に言えたらいいんだろうけど…」ハァ
真姫「ふ、ふざけないで…!//馬鹿なんじゃないの…//」ボソボソ
穂乃果「そういうのはしないって決めたんだもん。だから私は、正当法でナンバーワンをとる!」
真姫「………」 - 361: 2017/01/12(木) 00:30:03.07 ID:RuBwOXRI
- 穂乃果「とりあえず営業が大事なんだよね。友達、姉妹、趣味……あれ?色恋営業ってなに?」
真姫「…それが一番効率的な営業よ。相手を自分に惚れさせ、本気にさせる。そして…付き合って欲しいって持ちかけるの」
穂乃果「……え?お客さんと付き合っちゃうの?」
真姫「数人とね。恋人を演じるのよ。で、お店に何度も呼ぶの…今日のエリーがそうだったみたいに」
prrrrrr…
穂乃果「ぅわっ…!!びっくりした…!」
真姫「…はぁ。じゃあ私は寝るわ。騒がしくしないでよ」
穂乃果「う、うん…!ありがとう」
穂乃果(ツバサさんから着信…どうしたんだろう) - 362: 2017/01/12(木) 00:31:39.29 ID:RuBwOXRI
- ─────
ガチャッ
にこ「あ、穂乃果おはよ。今日も絵里のヘルプ頼むわね~」
穂乃果「にこちゃん!あ、あの…私の友達がね。…今日お店に来てくれるって」
にこ「…え?」
~数時間後~
ウェイター「お嬢様いらっしゃいませ。失礼ですが、初回の方ですか?」
「えぇ。そうね」 - 363: 2017/01/12(木) 00:32:49.78 ID:RuBwOXRI
- ウェイター「では初回料金と致しますので、今夜に是非お気に入りのホストをお探し下さい」
ツバサ「ごめんなさい。もうこの人って決まってるの」ニコ
ウェイター「……!かしこまりました」
凛「うわぁ…、穂乃果ちゃんやったね!初指名だにゃ!」
花陽「おめでとう穂乃果ちゃんっ♪」
ツバサ「…ここなら気兼ねなく話せると思って。お邪魔だったかしら?」
穂乃果「ううん…!でもびっくりしたよ。まさか…お店に来てくれるなんて」 - 364: 2017/01/12(木) 00:33:41.37 ID:RuBwOXRI
- ツバサ「あなたがどんな風に接客してるのか見たくなったの。……でも良かった。私が初指名なのね」ニコ
穂乃果「えへへ♪嬉しいよ…!本当にありがとうっ」
新人ホスト1「ね、あの子初指名早くない…?」ヒソヒソ
新人ホスト2「もう枕でもやったんじゃない?それか……絵里さんの客奪ってたりして」
新人ホスト1「え~っ、それヤバいよ。マジで100万じゃん…」
新人ホスト2「だってさ、あんな子が2週間で指名取れるわけないよ」
新人ホスト1「そもそも幹部から贔屓されてるっぽくない?…あいつ」
穂乃果「……、つ、ツバサさん……何か飲む?」
ツバサ「そうね…」パラパラ - 365: 2017/01/12(木) 00:35:19.62 ID:RuBwOXRI
- ツバサ「…って、やっぱりクラブだけあって高いわね~。これなんて普通2万くらいよ」
穂乃果「あ、あはは…。ごめん…」ニコニコ
ツバサ「謝らないで。私は穂乃果さんに会いたくて来たの。お金がある方じゃないけど…このくらいの出費、痛くないわ」ニコ
穂乃果(うっ……)ズキン
穂乃果(なんだろ……おかしいな)
穂乃果(ツバサさんは大切な友達……、そして大切なお客様。でも…申し訳ない気持ちが…どんどん強くなる)
穂乃果(初指名で嬉しいはずなのに…、) - 368: 2017/01/12(木) 00:36:33.25 ID:RuBwOXRI
- ツバサ「すみません。この1万円のお願いできる?」
ウェイター「かしこまりました」
ツバサ「ごめんなさい。今日はこのぐらいしか払えないけど…」
穂乃果「ぜ、全然…!全然いいよっ♪」
ツバサ「…ね?今夜は色々話しましょ。あなたのこと…もっと知りたいの」ニコ
穂乃果「…うんっ♡」
にこ「…へぇ、あの穂乃果が指名取ったのね」
海未「みたいですね。絵里のヘルプもあそこまで卒なくこなしていましたし…凄まじい成長です」 - 369: 2017/01/12(木) 00:38:41.16 ID:RuBwOXRI
- 希「最初は何も出来なかったからうちらも不安やったんやけど…これからは別の心配をすべきかな?」ニコ
にこ「ふん、うちのは入って2週間の子にナンバー取られるようなタマじゃないでしょ」
海未「どうでしょうね。私はすぐに音をあげるものと思っていたので…全くの初心者がここまで食らいつくと予想出来ますか?」
希「えりちのお客さんからの評判もいいみたいよ~。人懐っこくて可愛いって」
にこ「……ま、いいわ。でも飛ばないようにだけ見張ってなさいよ」
海未「…はい。わかってますよ」
絵里(………ふぅん…)
女の子「ねぇ絵里~。どこ見てるのよぉ。こっち見て?」ギュッ
絵里「…はい、向いたわよ♪」ニコ
女の子「ん~…///」スリスリ
絵里(…やるじゃない、穂乃果) - 371: 2017/01/12(木) 00:40:21.42 ID:qhI/zfmA
- このエリーチカ怖くてゾクゾクするわ
ロシアのアイスドールやんけ - 373: 2017/01/12(木) 00:42:32.70 ID:F63c8LDJ
- 穂乃果ちゃんイイ子すぎてつらい
- 439: 2017/01/13(金) 00:25:59.07 ID:ah0u1ZqS
- ─────
穂乃果(そういえば、私がホストクラブで働き初めてからもうすぐ2ヵ月になるんだね…)
穂乃果(絵里ちゃんのヘルプをこなす毎日だったけど…最近は徐々に指名を取れるようになって、少しだけど売上も増えた)
穂乃果(どれもこれも…ツバサさんのおかげかな。あの人と話してると、仕事のストレスも軽く吹っ飛んじゃうんだ)
穂乃果(……でもお店には来なくていいよって言ってるのに、「穂乃果さんに会えるから」なんて…)
にこ「あ、いいとこにいた」
穂乃果「…にこちゃん??なにか用事?」
にこ「はい。今月もお疲れ様」スッ - 440: 2017/01/13(金) 00:30:48.25 ID:ah0u1ZqS
- 穂乃果「あっ…これ」
にこ「給料よ。今月に穂乃果が稼いだのは基本給より多かったから、そのままの取り分を入れてある」
穂乃果「…!!」ガサッ
穂乃果(うわ…っ、24万…!?)
穂乃果(これ……私の前の仕事の2倍だ)
にこ「まだ少ないって思うかもしれないけど、それは穂乃果の実力に比例していくわ。だから気を抜かないこと!」
にこ「…まっ。最近頑張ってるみたいじゃない…。期待、してるわよ」ニコ
穂乃果「にこちゃん…っ!」パァァ
にこ「明日明後日は絵里が来ないから、出勤しなくていいわ。穂乃果の指名客が来ても対応させとく」
穂乃果「あ、うんっ」
穂乃果(休みかぁ……。この仕事始めてから休みの日も夜に起きてるから、前みたいに買い物とか出来なくなっちゃったんだよね)
穂乃果(んー…連続で休み…) - 441: 2017/01/13(金) 00:32:51.23 ID:ah0u1ZqS
- ──────
~穂むら~
ガラッ
ほのママ「あら穂乃果!帰ってきたの?」
穂乃果「う、うん…っ。休みだから」
ほのママ「そう♪あの仕事辞めてた時はどうしたんだろうって思ったけど…新しい仕事頑張ってるのね」
穂乃果「あはは…まぁね!」
ほのママ「それにしても、少し遠くの飲食店って何処で働いてるの?」
穂乃果「あ~!また話すよ、ちょっと今急いでて…!」ダダッ - 444: 2017/01/13(金) 00:37:07.38 ID:ah0u1ZqS
- ガチャッ バタンッ
穂乃果(……っはぁ…やっぱり私の部屋が一番落ち着く)
穂乃果(でも…前も帰ってきたのに、凄く久しぶりに感じるなぁ)
トントンッ
雪穂「おねーちゃん?入っていい?」
穂乃果「…!いいよ、どうしたの?」
雪穂「いや、どうってことはないんだけどさ……」ギイィ
穂乃果「ん……?」 - 445: 2017/01/13(金) 00:40:19.66 ID:ah0u1ZqS
- 雪穂「あーもうっ、やっぱ言おう…!」
雪穂「お姉ちゃん、最近元気ないけど大丈夫?夜に電話しても出ないし…LINE帰ってくるのは朝とか昼過ぎだし…疲れてたりするの?」
穂乃果「……っ」ギク
雪穂「小さい頃みたいにずっと一緒にいるわけじゃなくて…、もう両方大人なんだけど、やっぱり気になっちゃうんだよ」
雪穂「新しい仕事先、そんなに辛い?それか人間関係で悩んでるとか…」
穂乃果「もぅ、雪穂そんなに慌ててどうしたの。私は全然大丈夫だってば」ニコ
穂乃果「新しい仕事も、前の仕事よりお給料がいいから満足してるよ」
雪穂「……そう、なんだ」 - 446: 2017/01/13(金) 00:45:11.68 ID:ah0u1ZqS
- 穂乃果「ただお店の事はね……。私は部屋を借りてるからあんまり帰って来れないけど、まだお母さん達は元気だから平気かなって」
雪穂「ねっ…聞いてもいい?」
雪穂「お姉ちゃん、なんで急に仕事変えたの?悩みとか…抱え込んでたりした?」
穂乃果「…ううん。ただ、やっぱりお金はある程度稼ぎたいなって思っただけだよ」
穂乃果「あとは……大学行ってないからって、妹にお金を貸せないくらいの稼ぎは…情けない…感じがして」
雪穂「……そっか…。頑張ってるのならそれでいいんだけどさ」
シーン
穂乃果「あっ!そういえば今日お給料貰ったんだ。今から何か食べに行かない?奢るよ」
雪穂「…わっ、ほんと?やったぁ!」
穂乃果(……お金があれば何でも手に入る)
穂乃果(不自由になる事もないし、誰かを喜ばすのだってこんなに簡単だ)
穂乃果(…うん。来月からも頑張らないとね) - 447: 2017/01/13(金) 00:46:47.91 ID:ah0u1ZqS
- ─────
~ホストクラブ~
ウェイター「いらっしゃいませ」
女の子「あ…〇〇です」
ウェイター「はい、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
穂乃果「あ、……ちゃん!久しぶり~♡元気だった?」
女の子「うんっ♪穂乃果ちゃんに会えなくて寂しかったよ…」
穂乃果「えへへ…嬉しいな//」
女の子「ねぇ聞いて?最近ね、大学の授業がつまらなくて死にそうなの」 - 448: 2017/01/13(金) 00:48:21.46 ID:ah0u1ZqS
- 穂乃果「それって高校とはどう違うの?」
女の子「んー……大学の方が専門的なことやるぐらい。あと時間が長いね」
穂乃果「あ~。じゃあ穂乃果には無理だねっ」ニコッ
女の子「そんなことないよ!穂乃果ちゃんと一緒に学校に行けたら……楽しいんだろうね」
穂乃果「一緒に行ってあげたいのは山々なんだけど…むむむ」
女の子「大丈夫っ♡私はここで会えるからいいの」
穂乃果「ふふ、可愛いなぁ♡」
女の子「あっごめん。喉乾いちゃうね。うーん…焼酎でいい…?」
穂乃果「全然!ありがとうっ」
女の子「……」ホッ - 449: 2017/01/13(金) 00:49:56.87 ID:ah0u1ZqS
- 穂乃果(……そういえばこの子、大学生なんだよね)
穂乃果(私を最初に指名してくれたのがツバサさんで、2人目がこの子だったんだけど…)
穂乃果(1週間に3回はお店に来て、毎回焼酎を入れてくれる)
穂乃果(焼酎でも最後はそこそこの額になるのに……大学生のこの子は、どうやってやりくりしてるんだろう)
女の子「私もね…穂乃果ちゃんに高いお酒入れてあげたい気持ちはあるんだよ」
穂乃果「えっ…??い、いいよ別に!焼酎も美味しいし」
女の子「だって、穂乃果ちゃんまだ売上は少ない方なんでしょ…。こんなにカッコよくて可愛いのに」
穂乃果「いやぁ…絵里ちゃん達がいるから仕方ない部分もあるっていうか…あはは」ニコニコ - 450: 2017/01/13(金) 00:51:12.50 ID:ah0u1ZqS
- 女の子「そんなことない…!こんな私の話を親身になって聞いてくれるのなんて穂乃果ちゃんだけだもんっ」
女の子「私、学校でも……居場所なんて…無いから」
穂乃果「………、」
女の子「だからね、こうやってたまたま立ち寄ったクラブで…穂乃果ちゃんに出会えたこと…奇跡だと思ってる//」
穂乃果「…ありがとう。でも、そんな風に改まって言われちゃうと…照れるよ…///」
女の子「………っすぅ…。あ、あのね…!」
穂乃果「ぅん…?」
女の子「私…穂乃果ちゃんの事が好き。その優しい瞳が…無邪気な笑顔が、大好きなのっ…///」 - 451: 2017/01/13(金) 00:54:24.66 ID:ah0u1ZqS
- 女の子「だ、だから……///その…私と、付き合ってください…」
穂乃果「っ…、ありがとう。でも私、こういう店で働いてるから…〇〇ちゃんの気持ちに答えられるかどうか」
女の子「私ね、本気なの。…最後の最後に私だけを見てくれれば、穂乃果ちゃんがお店で他の女の子に触れてたって…我慢できるわ」
女の子「だから……お願い、好きって気持ちは止められないのっ!」
穂乃果(あぁ…どうしよう)
穂乃果(…仮にここで私が振ったら、多分この子はお店に来なくなる)
穂乃果(でも…それは同時に、私の……お客さんが減る事になる) - 452: 2017/01/13(金) 00:56:11.17 ID:ah0u1ZqS
- ことり『考えちゃダメ。私達は…私達のやり方があるから。穂乃果ちゃんが本気で上にあがりたいって思うなら……余計にね♪』
真姫『綺麗なまま上にあがることなんて滅多にない。それこそ、どんな手を使ってでもっていう野心がないと不可能に近いわ』
にこ『最近頑張ってるみたいじゃない…。期待、してるわよ』
穂乃果「………う、ん。私も好きだよ」ニコ
女の子「本当…っ!?///嬉しい…っ」ウルウル
穂乃果(──っはぁ……。これで、いいんだよね) - 453: 2017/01/13(金) 00:57:42.56 ID:ah0u1ZqS
- ウェイター「穂乃果さん。他のお客様から一夜指名が入りました」
女の子「えっ…!」
穂乃果「一夜指名!?は、初めてだよ…びっくりした」
ウェイター「3番テーブルにお願いしますね」
穂乃果「ごめん…ちょっと行ってくるね。他の人が座ってくれると思うから、ちょっとだけ待ってて」
女の子「………うん…」シュン
穂乃果(あぁもう…タイミング悪いなぁ)
穂乃果(今日は人気メンバーが少ないから私が呼ばれたんだろうけど…、3番テーブルって全く話した事ない先輩のお客さんだし)
穂乃果(ツイてないよ…) - 454: 2017/01/13(金) 00:58:58.37 ID:ah0u1ZqS
- ストン
穂乃果「一夜指名ありがとうございますっ!」ニコニコ
女性「あ、噂の子!穂乃果ちゃんってあなたなのね~。可愛いじゃない♪」
穂乃果「あはは、そんなことないですよ…」チラ
先輩ホスト「………」イライラ
穂乃果(あーやりにくい…)
女性「この勢いでナンバーも夢じゃないかもね?♡」
穂乃果「で、でもうちは絵里ちゃんが圧倒的に人気ですから♪」
女性「絵里ちゃんね…、彼女も確かに凄まじい人気だわ。歌舞伎町ナンバーワンの称号まであと少しってところ?」 - 475: 2017/01/13(金) 08:47:19.27 ID:Gl8V8Q+m
- 穂乃果「歌舞伎町の…?この夜の街で一番って、凄いことですよね!」
女性「そうねぇ…。でも私、数年前に会ったことあるのよ♪その時の歌舞伎町ナンバーワンの子に」
先輩ホスト「え、それ凄いことじゃない?大体そういう人って有名な店にいて滅多に会えないものだし」
女性「うーん…彼女の場合は、そんな有名なお店にはいなかったのよ。引き抜きも全て断って、引退する最後までそこにいたらしいわ」
先輩ホスト「へー…」
女性「そのお店に来たらほとんどが彼女を指名するって恐ろしいでしょ。人を惹き付ける魅力、ってのがあるのかしら」
女性「でもね?ファンの数も凄かったけど…なにより、歌舞伎町のマダムに溺愛されたみたいでね。もう誰も売上では適わなかったって」
穂乃果「歌舞伎町の……マダム??」 - 476: 2017/01/13(金) 08:51:06.63 ID:D+RkrTaH
- 女性「私達お客の中で有名な人よ。彼女が訪れれば幸福が舞い降りるだろう…なんて、意味のわからない話も付いて回ってるぐらい」
女性「ま、そこらのホストが適当に作ったおとぎ話だと思うわ」
先輩ホスト「そんなのわからないかもよ?もしかしたらうちに来たりして…」
穂乃果(歌舞伎町のマダムってぐらいだから、財閥とかその辺りの人なんだろうな…。ここで遊ぶのはお金がいくらあっても足りないし)
穂乃果(そのマダムに溺愛されたホスト……どんな人なんだろう)
女性「……確か、名前は優木あんじゅ。それ以外はなーんにもわからない」 - 477: 2017/01/13(金) 08:52:04.32 ID:D+RkrTaH
- 穂乃果「あんじゅさん……かぁ。あ、もっと色々聞いてもいいですか?」
先輩ホスト「ねっ。あなたはあくまで一夜指名なんだから…♡このグラス、裏で新しいのと変えてきてくれる?」
穂乃果「は、はい…!」ニコ
穂乃果(そんなのウェイターさんに言えばやってくれるのに…。はぁ、私が指名されたのが面白くないんだろうなぁ)ガチャッ
穂乃果(あの大学生の子も待たせてるし……早くグラス取り替えて帰ろう)スタスタ
穂乃果(……新しいグラスってこれだよね?)ヒョイ
『………が……、だから』
『…いや、…………っ』 - 478: 2017/01/13(金) 08:54:09.11 ID:D+RkrTaH
- 穂乃果「……あれ?どこから聞こえてくるんだろ。この話し声」
ガタッ
穂乃果(事務所の方向…?)フラ
にこ「…へぇ。舐められたもんね」
穂乃果(……にこちゃん、誰と話してるの?今夜って幹部は誰も出勤してないよね…)
穂乃果(他のホストが仕事中に抜け出してるわけないし、真姫ちゃんはさっきゲストルームで見た)
穂乃果(じゃあ誰が……あそこにい)
グイッ
穂乃果「っ……!!」
海未「穂乃果、何をしてるんですか?」 - 479: 2017/01/13(金) 08:54:59.55 ID:D+RkrTaH
- 穂乃果「びっくりした…海未ちゃんかぁ。えっとね。先輩に言われて、グラスを替えに…」ドキドキ
海未「そうですか。でもまだ仕事中ですよ?早く戻ってくださいね」ニコ
穂乃果「うんっ…♡」
タッタッタッ
穂乃果(あんな風に後ろに立たれちゃ心臓に悪いよ……。しかも海未ちゃん、何か目が笑ってなかったような気がしたんだけど…)
穂乃果(あれ……海未ちゃんも……今日休みじゃなかったっけ?)ピタ
男「……」フゥ
穂乃果(うわ、また誰かいる!!とりあえず隠れて……って)ゴソッ - 480: 2017/01/13(金) 09:01:12.21 ID:D+RkrTaH
- 男「…………」
穂乃果(…ん?この人、さっきまであの廊下に立ってなかったよね)
穂乃果(何をしてるんだろう?壁に持たれかかって周りを警戒してるような…、ここは一本道なのに)
男「あー寒い…」
穂乃果(……って、あの人花陽ちゃんが言ってた警備員さんじゃん!)
穂乃果(なーんだ。本当にただの見張りだったんだ)
穂乃果「……って、何の?」ボソ - 481: 2017/01/13(金) 09:01:59.28 ID:D+RkrTaH
- 穂乃果(ここ店の中だよ??いつも見張ってる訳でもな…)
ダンッ!!
穂乃果「っ!?」
女「や、やめて…!!やめなさいよぉっ」
にこ「はぁ?払うまで逃がさないわよ」
女「…っ、このチビ…!!」
穂乃果「…!?!?」
穂乃果(事務所の方からだ…!姿は見えないけど、声が聞こえてくるっ) - 482: 2017/01/13(金) 09:03:05.57 ID:D+RkrTaH
- 絵里「……あなたね、本当に踏み倒せると思ったの?」
女「誰も払わないなんて一言も言ってないでしょうが!」
希「…でも別のクラブで飲んでたんやんな?」
女「飲んでないわ!コイツらに吹き込まれてるのよ…希ちゃんっ、信じて!」
穂乃果(ど、どういう状況なの…!?部屋にいるのは絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃんだよね)
穂乃果(そしてもう1人は………あっ。もしかして…私が初出勤の時にいた、希ちゃんのお客さん?)
穂乃果(私も喋ったからよく覚えてる…!そうだ、あの声は聞いたことある!) - 483: 2017/01/13(金) 09:04:08.34 ID:D+RkrTaH
- 希「……、悪いけど。ここお店やないんよね」
女「…!!っ、馬鹿なの!?私がどれだけ貢献してあげたと思って…!」
絵里「はいはい。じっとして」
女「触んじゃないわよっ!」
にこ「で。100万払うの?払わないの?さっきから何回も聞いてんだけど」
女「っ、そんな大金……払うけど…!」
にこ「んじゃ、今から一緒に銀行へおろしに行きましょっか」
女「嫌!分割払いにして…!!毎月5万返すわ!」
にこ「…っち。あのねぇ、」 - 484: 2017/01/13(金) 09:05:54.96 ID:D+RkrTaH
- 穂乃果(払う…払わない?3人は何かのお金を貰おうとしてるの?)
絵里「散々逃げ回っていた人が、今更継続して支払えると思わないわ」
女「私は…っ、希ちゃんの事が好きだから…、何本もボトルおろしちゃったの!」
絵里「仮にあなたが飛んでたら、この100万円は希が全額払うことになるんだけど」
女「そ、そんなこと……」
絵里「本当に好きなら掛けを無視して他の店で飲んだり、音信不通にはしないわよね?」
女「っ………あームカつくっ!!!」
穂乃果(ふぇっ…)ビク - 485: 2017/01/13(金) 09:08:20.23 ID:D+RkrTaH
- 女「なんでアンタらにそんな上から言われなきゃいけないのよッッ!!」
女「何も覚えてないぐらい酔ってる時に、高い酒を売りつけるなんて……卑怯よ、詐欺じゃない!」
女「詐欺師にくれてやる金なんて1銭もないわっ。顔がいいだけの…この腐れホスト!!私は帰るから!」ガチャッ
穂乃果(……やばい!こっちに来る!?)ビク
にこ「…そう、じゃああんたの身内に払ってもらう」
女「──っ!?」
にこ「言っとくけど電話番号なんてすぐに割れるわよ。あんたの実家も、家族構成も把握済みだから」 - 486: 2017/01/13(金) 09:08:59.23 ID:D+RkrTaH
- 女「やめて…!!親にバレたら殺されるじゃないっ!」
希「残念やけど…。そうするしかないんよ」
女「っぐ……、こういうので他に取立に行くのは法律違反だって、他のお店の子が言ってたわよ!!」
にこ「へぇ…入れ知恵されてんのね。でも、何も土足で上がり込んで払ってもらうわけじゃないわ」
にこ「あなたの娘さんが売掛金踏み倒そうとしてるんですけど~って相談するだけだし」ニコ
女「…!!どれだけ汚いのよぉ!」
絵里「じゃあ、この話はここで終わりにしましょう」 - 487: 2017/01/13(金) 09:09:52.28 ID:D+RkrTaH
- 女「ま、待って…!!私が払うってば!」
希「でも…事務職の収入やとちょっと厳しいんやない?」
にこ「まずは仕事を変えることから始めなきゃね」
女「あっ…そうよ!!私もこの店に入れてっ!いい考えだわ!」
にこ「この業界は性別が同じだから面倒なのよね…。今度は希と裏で恋愛するっての?」
絵里「顧客リストは全店舗にあるから、あなたみたいにクラブを利用した人は入れないわよ」
女「そんな…!!じゃあどこで働けってのよ…!」
にこ「昔っから決まってるでしょ?キャバクラは上に行かないとあんまり儲からないんだし、女が手っ取り早く稼ぐなら…」 - 488: 2017/01/13(金) 09:11:02.99 ID:54/hoYWu
- ヒエッ
- 489: 2017/01/13(金) 09:15:20.87 ID:TzoPVrrz
- 沈めるのか…
- 491: 2017/01/13(金) 09:17:31.27 ID:D+RkrTaH
- 希「大丈夫、〇〇ちゃん可愛いから…きっとお客さんもすぐ付くと思うよ♪」
女「あ、ぅ……うわぁぁぁぁんっ!!」
穂乃果「っ………そんな、そこまでさせるの…??」
穂乃果(にこちゃんも、絵里ちゃんも……いつもの感じとは違って凄むような声色だし)
穂乃果(だ、だめだ……。怖くなってきた…)ブルブル
にこ「海未、外まで送ってあげて」
海未「はい。では行きましょうか?」
女「そっ……外って、どこに連れていくのよ…っ!!」
海未「心配しなくても大丈夫ですよ。今から一緒に、お店に行って働き口を探しましょう」
穂乃果(にこちゃん達には感情ってものが無いの?うぅ…っ、ツバサさん…。早く会いたいよ) - 554: 2017/01/14(土) 00:06:16.84 ID:QtXtrUdq
- ──────
~カフェ~
穂乃果(……はぁ)
ツバサ「穂乃果さん…?どうしたの、元気なさそうね」
穂乃果「あっ…ううん!何も無いよ」
ツバサ「……何も無いことないでしょう?」
穂乃果「うーん…そう見えちゃうんだね」
ツバサ「あなたが嬉しいのか、悲しいのか、怒ってるのか…。もうわかるようになっちゃったの」ニコ
穂乃果「ツバサさん……」 - 555: 2017/01/14(土) 00:09:22.25 ID:QtXtrUdq
- 店員「失礼します、お待たせいたしました。スペシャル苺パフェです」ゴトン
穂乃果「え…?こんなの、頼んでな」
ツバサ「私からのささやかなプレゼントよ。…この店に来てから、穂乃果さんの様子を見てこっそり注文したの」
穂乃果「あっ、ごめん…!気を使わせちゃったね。でも嬉しいよ…///ありがとうっ♡」
ツバサ「……//」キュン
穂乃果「あーむっ♪…うーん!美味しいっ」ニコニコ
ツバサ「か、可愛い…」
穂乃果「へっ?」
ツバサ「──!!何でもないわ…///」 - 557: 2017/01/14(土) 00:14:57.16 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果「えー?顔赤いよ?」
ツバサ「もう、からかわないで。ここはお店じゃないのよ」クス
穂乃果「あー……そうだね…」シュン
ツバサ「…どうしたの?」
穂乃果「いや…ちょっと色々あってさ。もう何を信念にして働けばいいかわかんなくなって」
ツバサ「悩んでる、のね…?」
穂乃果「うー……うん。幹部の人達のこと、私は心から尊敬してたんだ。あんな風にカッコよくなりたいって思ってた」
穂乃果「でもあの笑顔の裏に…深い闇があるのを知って……こ、怖くなったんだ。自分もいつか巻き込まれるかもしれないし…」
ツバサ「…でも穂乃果さん言ってたじゃない。私はナンバーワンを目指すから、これからも頑張り続けるって」 - 558: 2017/01/14(土) 00:17:37.62 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果「それは…!本当だよっ。だから一生懸命やった、にこちゃんにも褒められた…。でもねっ」
穂乃果「私が……お客さんの生活を、1人の人生を壊そうとしてるんだって考えると…その」ブルブル
ツバサ「……優しいのね」
穂乃果「優しくなんて無い…!この間は、大学生の女の子に告白されたのをいい事に……色恋営業をしちゃったんだ」
穂乃果「本当なら、まだ若いんだからこんな所で夜遊びは止めて勉強しなよって言いたい。でも……私は利益を優先した」
ツバサ「………」
穂乃果「家に帰った後……凄く後悔したんだ。冷酷な判断を下す自分が心の中にいた事にも驚いたし、あの子に申し訳なくなって…!」
ツバサ「…なら、辞めればいい」
穂乃果「………っ…!!」 - 559: 2017/01/14(土) 00:20:05.47 ID:QtXtrUdq
- ツバサ「人に情けをかけるぐらいなら辞めなさい。じゃないと、あなたが大変な目に合ってしまう」
穂乃果「……うぅ…」
ツバサ「私にそれを言って、『そうね。大変だけど仕事柄仕方ないんじゃない?』とでも慰めてくれると思った?」
ツバサ「私は穂乃果さんの為に言うの。非情になれないなら、夢を諦めるべきよ」
ツバサ「誰も穂乃果さんの罪悪感を背負ってあげることは出来ないから…」
穂乃果「……そう、だよね。ツバサさんの言う通りだ…」シュン
穂乃果「もう……私…」
ツバサ「……手、冷たいのね」ギュッ - 560: 2017/01/14(土) 00:22:27.91 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果「……!」
ツバサ「でもね……穂乃果さんが本気なら、私は全力で応援したいと思ってるわ。あなたが目指す道を、一緒に歩みたい」
穂乃果「っ……!ダメだよ…。ツバサさんには、もっといい人が…」
ツバサ「…そんな捨てられた子犬みたいな顔して、説得力に欠けるわね」グイッ
穂乃果「───えっ」
チュッ
穂乃果「ぁ……んむっ…///」
ツバサ「んっ………」 - 562: 2017/01/14(土) 00:24:58.40 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果「ぷはっ……!っ、ツバサさん!///いきなりこんなの…」
ツバサ「私ね…。あなたの柔らかい笑顔を見るのが大好きなの」
ツバサ「ふふっ…まだ出会って少しなのに変ね。こんな気持ちいつぶりかしら」
穂乃果「えっ……」
ツバサ「…好きよ、穂乃果さん。だから…あなたが良ければ…その…」
ツバサ「付き合って欲しいの……///」
穂乃果「っ……ぐすっ……」ウルウル
ツバサ「え…!?」 - 563: 2017/01/14(土) 00:26:37.01 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果「ツバサさんっ……ありがとう…。本当に…嬉しくて、涙が…」
ツバサ「もう。私の前ではカッコよくするんじゃなかったの?」クス
穂乃果「えへへ……ダメダメだね」
ツバサ「それで、返事は貰ってもいいのかしら…」
穂乃果「わ、私も……好きだよ///これからもよろしくお願いします…!」
ツバサ「ありがとう。…しっかりと穂乃果さんを支えられるように頑張るわ」ニコ
穂乃果「あっ……でも、その話なんだけど…ツバサさんはお金使わないで欲しいんだ」 - 564: 2017/01/14(土) 00:28:50.39 ID:QtXtrUdq
- ツバサ「どうして…?ほんの少しだけれど、売上に貢献したいのよ」
穂乃果「うーん。…ほら、恋人のお金で売上ををとっても心から喜べないなって…」
穂乃果「私…クラブでは色々肩身が狭いんだ。それに、接客も大変で。だから…隣に居て話聞いてくれればそれでいいよ♡」
ツバサ「穂乃果さん……」
穂乃果「あそこでは1人で戦ってみせる!それでいつかは……ナンバーワンになるからねっ」
ツバサ「えぇ…!」
穂乃果(…ここまで言わせちゃうなんて……ほんと情けないよ)
穂乃果(でも、これで迷いは何も無くなった。もうウジウジ悩むもんか)
穂乃果(ツバサさんが一番近くにいてくれる…仕事でどんなに辛い思いをしたって、それだけで頑張れる気がするから…)グッ
穂乃果(よし……!私、すぐに絵里ちゃんを超えてみせる!) - 565: 2017/01/14(土) 00:30:49.95 ID:QtXtrUdq
- ─────
~ホストクラブ~
ワイワイ ガヤガヤ
凛「ねーかよちん…もう眠たくなっちゃった。かえろ…」
花陽「う~ん…まだ営業中だからダメだよ…。凛ちゃん昨日あんまり寝てなかった?」
凛「最近疲れが取れなくて参ったにゃ…。かよちんのお客さん帰っちゃったよね?凛も同じなんだ。2人でこっそり抜けちゃおう?」
花陽「まぁ、お客さんいないもんね…。でもこっそりは怒られちゃうから、ちゃんとにこちゃんに言ってからにしよう?♡」
凛「は~い。じゃ、凛が行ってくる!」
海未「あ、凛?どこに行くんです?」 - 567: 2017/01/14(土) 00:34:38.59 ID:QtXtrUdq
- 真姫「またサボるんでしょ?全く…」
凛「むー違うもん!にこちゃんのとこ行くだけにゃ」
花陽「指名のお客さん、もう今日は来てくれそうにないの。ダメかなぁ…?」
海未「それなら大丈夫だと思います。……しかし、凛と花陽が暇とは珍しいですね」
凛「だって…今日来てくれた新規のお客さん、穂乃果ちゃんに取られちゃったんだもん!」
花陽「最近の穂乃果ちゃん、凄いよねっ。波に乗ってるというか…穂乃果ちゃん目当てで来る人も出てきたし」
凛「よーし!!凛も負けないように頑張るにゃ♪」
真姫「…どうかしらね。凛と花陽、来月辺りには売上で抜かれてそうよ」 - 569: 2017/01/14(土) 00:37:12.33 ID:QtXtrUdq
- 凛「なっ……それはないよ!まだナンバーにランクインすらしないんじゃないの?」
真姫「あなた達は友達営業しかしないじゃない。…だから、何でもやるようになった穂乃果には次第に敵わなくなってくる」
花陽「え…??」
凛「…だ、だって凛達は付き合ってるから。かよちんを誰にも渡したくないもん!」
花陽「ふぇ…凛ちゃん…///でも、私も同じだよ♡」
海未「…真姫、さっきの話は本当ですか?」
真姫「へぇ…。てっきり海未辺りが最後に吹き込んだのかと思ってたけど、違うのね」
海未「私は何も言っていません…」 - 571: 2017/01/14(土) 00:39:50.29 ID:QtXtrUdq
- 真姫「……穂乃果に言ったの。上にあがりたいなら、綺麗なままじゃいられないわよって」
真姫「でも彼女はそれを否定した。『私は正当法でナンバーワンをとる』…確かにそう告げたわ」
海未「しかし、それと真姫の先程の言葉は矛盾していますよ…?」
真姫「穂乃果の中でいう正当法って定義が変わったか、単に上にあがる手段を選ばなくなったか…どちらかでしょうね」
凛「えっ…!穂乃果ちゃん、もしかして……色恋やってるの?」
花陽「あ……そういえばこの前も、同伴してからお店に来てたような…」
海未「あの穂乃果が……。私達は慣れていますから平気ですが、穂乃果はまだ新人なんですよ?」 - 573: 2017/01/14(土) 00:41:37.24 ID:QtXtrUdq
- 海未「色恋には様々なトラブルが付き物です。誰にも均等に、押し引きを見極めて接しないと…すぐに関係は崩れてしまう」
凛「…少し遠くのお店でもね、帰りに待ち伏せされて襲われたホストがいたらしいにゃ」
花陽「恋愛感情は人を狂わせる大きな要因だもんね…。みんな命懸けでやってるんだなぁ…」
真姫(穂乃果……。あなた、本気でエリーを引きずり落とすつもり?)
カランカラン♪
ウェイター「お客様、いらっしゃいませ。初回の方で…」
「…う~ん。このお店は初めてね♡」
ウェイター「では、今回は初回料金と…」
「いらないわ。私が安いお酒なんて飲めると思う…?」ニコ - 576: 2017/01/14(土) 00:46:53.85 ID:QtXtrUdq
- ウェイター「し…失礼ですが、お名前を頂いてよろしいでしょうか…」
あんじゅ「ふふっ、優木あんじゅよ♡」
穂乃果(へっ…!?優木…あんじゅ……??)ピクッ
穂乃果(じゃあ、あの人が……歌舞伎町のマダムなんだ…っ!)
客1『ちょっと、初めて見たんだけど…』
客2『あれが伝説の…なんで今日ここにいるの…??』
海未「えっ………」
花陽「ピャァ…こ、これ……にこちゃんに言わなきゃいけないよね。行ってくるっ」タッ
凛「な、なんでうちに来たんだろう…あの人、最近飲まなくなったって言われてたのにゃ……」ヒソ
真姫「………」
ことり「…あの人が……?ふぅん」ニコ - 577: 2017/01/14(土) 00:51:47.06 ID:WMUgEKDy
- 俺の危機感知センサーがビンビンなんですが
- 578: 2017/01/14(土) 00:52:12.50 ID:QtXtrUdq
- あんじゅ「~~♪」ツカツカ
ピタッ
あんじゅ「確か…あなたがこのお店の顔なのよね?♡」
絵里「………」
あんじゅ「そんな警戒しなくてもいいわよ…♪」ジー
あんじゅ「…なるほどね。透き通る金髪に整った鼻、薄い唇…。そして水晶玉のような碧眼……。実に美しい顔立ちだわ」
絵里「…私達の店に何かご用でも?」ニコ
あんじゅ「あら、私は普通のお客様としてここに来てるんだけど♡」 - 579: 2017/01/14(土) 00:54:03.44 ID:QtXtrUdq
- 絵里「……希。報告してきてくれない?」ボソ
希「う、うん…」
あんじゅ「そう、あなたが希さん…?とっても可愛らしいじゃない♡ここはレベル高いのね~」キョロキョロ
希「………」ゴクッ
あんじゅ「ところで…あの子は今も元気かしら?」
希「……あの子…?」
あんじゅ「あなたと絵里ちゃんをこの道に誘い込んだ張本人よ」ニコ
希「…!!」 - 582: 2017/01/14(土) 00:57:20.74 ID:QtXtrUdq
- ウェイター「し、失礼致します…あんじゅ様、ご指名はいかがなさいますか」
穂乃果(指名……?あ、そっか…)
穂乃果(でも、歌舞伎町のマダムは私達の誰を選ぶんだろう。そもそもvip対応になると思うし…もしかして、ナンバー全員で相手を…)
ガチャッ
あんじゅ「……ふふっ、手間が省けたわ。向こうから来てくれたみたい♡♡」
穂乃果(えっ……!?)
にこ「…今さら何しにきたのよ」
花陽「あわわ…」アタフタ
あんじゅ「矢澤にこ……いや、にこにーだったわね♪久しぶりの再会なのに…その態度は無いんじゃない?」 - 584: 2017/01/14(土) 01:01:37.31 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果(に……にこちゃん、白いスーツ着てる…。あんじゅさんの指名はにこちゃんってこと…??)
にこ「……はぁ。ほんっと嫌な女」
あんじゅ「あなたがお店を開くっていうからお祝いしたかったんだけど…あいにく都合がつかなくて」
あんじゅ「…評判は聞いてるわよ~。今ではこの街で1、2を争う人気クラブらしいわね?」
あんじゅ「流石は元歌舞伎町ナンバーワンホストだわ♡」
穂乃果(……へっ!?にこちゃんがあの…っ)
にこ「…絵里、希。他のお客様のこと頼んだわ」
絵里「え、えぇ…」
希「………」 - 585: 2017/01/14(土) 01:03:26.24 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果(一体どうするんだろう。あんじゅさんは本当にただ遊びにきただけ…?)チラ
あんじゅ「あら、ちゃんと隣に座ってくれるのね♪にこってば照れてたり…」
にこ「あー手始めにシャンパンタワーでもやっとく?もちろん一番高いのでね」
あんじゅ「うふふ♡相変わらず強引なんだから…ベッドの中ではあんなに可愛いのにね?」ニコ
にこ「っち……過去の話でしょ」
あんじゅ「私は今でも愛してるわよ?」
にこ「あっそ…」
あんじゅ「んもぅ。私はあれだけあなたに入れ込んだのに…つれないのねぇ」 - 587: 2017/01/14(土) 01:04:23.45 ID:QtXtrUdq
- にこ「私はもう引退してる。それに、あんたとの関係はもう終わったはずよ」
にこ「今は……この店が私の中心なの」
あんじゅ「……ふぅん」
あんじゅ「ならこの店が無くなれば、私のところに帰ってきたりする?♡」
にこ「なっ……」
穂乃果(い、今この人とんでも無いこと言わなかった…??)
ザワザワ
あんじゅ「なーんてね♪冗談よ、冗談…」 - 588: 2017/01/14(土) 01:06:00.25 ID:QtXtrUdq
- あんじゅ「私にはもう新しい子がいるの。とーっても可愛くて…従順で……昔の熱い記憶を思い出すわぁ」
にこ「…冷やかしなら帰りなさいよ。あんたと違って、こっちは忙しいの」
あんじゅ「はいはい♡」ギュッ
パシッ
にこ「触んないで。…穂乃果、出口まで送ってやってくれる?」
穂乃果「!?う、うんっ」
あんじゅ「…………」
穂乃果「さ、行こ…行きましょうか!」ニコ
スタスタ - 589: 2017/01/14(土) 01:08:12.56 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果「あの…私には、にこちゃんとあんじゅさんの間で何があったかは知らないですけど…」
穂乃果「もし良かったら、また是非いらしてくださいっ」
あんじゅ「…あの頃は楽しかったわね~。私は学生ながら経営者をしてた事もあって、ホストクラブを渡り歩いていたの」
穂乃果「……そ、そこで…にこちゃんに会ったんですね」
あんじゅ「えぇ。でも彼女はオーナーに頼んで高校の時から働いてたみたいで…周りに大人しかいないからか、居心地が悪そうだったのを覚えてるわ」
穂乃果「………そうなんですね」
あんじゅ「まぁ…数ヶ月後には誰もあの子に頭が上がらなかったわけだけど♡」 - 590: 2017/01/14(土) 01:09:50.23 ID:QtXtrUdq
- 穂乃果「あ、あの…!」
あんじゅ「……ふふっ…」
穂乃果「っ…!?」
あんじゅ「あはははっ………!」
あんじゅ「あなた、最近噂になってる穂乃果ちゃんよね?」ニコ
穂乃果「…は、はいっ」
あんじゅ「もう少し稼げるようになって、ナンバー5以上くらいに入れば他の店舗に移ったほうがいいわよ♡」
穂乃果「え…??なんでそんなこと……」
あんじゅ「だって、次に私がここに来る時は……幸福の女神じゃなくて死神だと思うから♪」 - 593: 2017/01/14(土) 01:12:19.48 ID:/4/BbTKd
- このフルハウスおばさんこええ…
- 601: 2017/01/14(土) 01:50:43.59 ID:exzMg/AP
- 面白いなぁ
μ'sがキャストのドラマ見てるみたいだわ - 609: 2017/01/14(土) 08:33:17.89 ID:9gNoyUvI
- 穂乃果はツバサを心の拠り所としてやっていけるのか…?
- 635: 2017/01/15(日) 00:54:41.87 ID:7Ri1c/mo
- ─────
~ホテル~
穂乃果「っあ……///んんぅ…///」ビクッ
ツバサ「……ふふ。ちゃんとイケて偉いわね」ニコ
穂乃果「…も、もう無理……」ドサッ
ツバサ「ちょっと強くし過ぎちゃった?ごめんなさい…」ナデナデ
穂乃果「はぁ……//はぁっ」
ツバサ「穂乃果さんとね、こうやって愛し合える事が嬉しくて…」
穂乃果「うぅん…謝らないで。穂乃果も嬉しいよ…///」
ツバサ「ありがとう。…ねぇ、恥ずかしい話なんだけど聞いてくれる?」 - 638: 2017/01/15(日) 00:57:18.46 ID:7Ri1c/mo
- 穂乃果「え、ツバサさんの恥ずかしい話…!?なになに?」
ツバサ「以前にあなたから、初めての恋人が私だって言われた時…酷く優越感に浸ってしまったの」
ツバサ「…穂乃果さんの体に触れられるのは私だけだってね」
穂乃果「や、やめてよ…それ私の方が恥ずかしい…///」カァァ
ツバサ「あと今思えば、穂乃果さんの初めてをもらう時はとても緊張したわ…」フゥ
穂乃果「もぅっ!///ツバサさん!」
ツバサ「ふふっ、ごめんなさい。調子に乗りすぎちゃったわね」 - 640: 2017/01/15(日) 01:00:02.76 ID:7Ri1c/mo
- 穂乃果「……でもさ。ツバサさん、さっきの話だと…私が他のお客さんと関係持つの嫌だよね…?」
ツバサ「気に病むことなんて無いのよ。言ったでしょう、私は穂乃果さんを全力で応援しているの」
ツバサ「ホストっていうのはそういう仕事だって割り切ってる…。だから、最後に私の側にいてくれれば…それだけで充分よ」
穂乃果「……そっか。迷惑掛けちゃうね、ありがとう」シュン
ツバサ「仕事といえば…この前に話していた大学生の女の子と仲は良好なの?」
穂乃果「うん。…この前はね、3万のシャンパン開けてくれたんだ」
ツバサ「へぇ、最近の大学生はお金持ちね」 - 641: 2017/01/15(日) 01:01:55.46 ID:7Ri1c/mo
- 穂乃果「…どうだろう。この子、高校の時からずっとバイトしてて貯金はあるって言ってたけど……」
ツバサ「そう、なら上手く扱えばいい資金源になりそうじゃない?」
穂乃果「……資金源って言い方は…アレだけど…」
ツバサ「穂乃果さん前に言ってたわよね?『本当なら、夜遊びは辞めなよって伝えたい』…と」
穂乃果「う、うん…」
ツバサ「それなら少しだけ、身をもって経験させてあげるのも手だと思うの。彼女は学生だからまだ修正は効くし…大丈夫よ」
穂乃果「……あの子はお客さん。商売相手、なんだよね。だから私は…相手の生き方に干渉すべきじゃない」
ツバサ「えぇ。そうやって自分に思い込ませないと…あなたが辛くなる」 - 642: 2017/01/15(日) 01:05:04.95 ID:7Ri1c/mo
- 穂乃果「…あーごめんっ。雰囲気壊しちゃったね。もう平気」ニコ
ツバサ「良かった…。でもそうやって相談してくれると、より恋人らしくて嬉しいわ♡」
穂乃果「えへへ♪ほんと?」
ツバサ「何でも話せる相手がいるのって…とても大切なことだと思うの」
穂乃果「そうだね。私もツバサさんと話すと、日頃のストレスとか疲れが無くなるし…」ニコ
穂乃果「あっ。そういえば……この前ね、あんじゅさんって人が店に来たよ。何でも歌舞伎町のマダムって呼ばれてるらしくて」
ツバサ「す、凄い肩書きね…」
穂乃果「でさ…。その人、私達のお店が気に入らないみたいなんだ」
ツバサ「え…??歌舞伎町を牛耳る人に嫌われるって、相当な事よ?」 - 643: 2017/01/15(日) 01:07:07.60 ID:7Ri1c/mo
- 穂乃果「だよね…!はぁ…怖すぎるよ。にこちゃんとも昔付き合ってたぐらいなのに、なんで…」
ツバサ「うーん……穂乃果さんが感じることで、何か不審な事は無い?」
穂乃果「不審なこと…?」
ツバサ「例えば…そうね。従業員が常にトラブルを起こしてるとか、お客さんを店が選んでるとか」
穂乃果「それは無いんじゃないかな。みんな真面目だし、幹部同士で派閥とかも無さそうだもん」
ツバサ「そう…。私達の会社も、同業者や利用者に嫌われたら仕事が無くなるからその点には注意してるの」
穂乃果「んー……あ、でも…」
ツバサ「…?」 - 644: 2017/01/15(日) 01:10:25.37 ID:7Ri1c/mo
- 穂乃果「うちの幹部、裏でなんか色々してるっぽい……」
ツバサ「えっ……」
穂乃果「い、いやまだわからないよ!?でも…明らかに他の従業員が寄り付かないようにして、売掛金を払わないお客さんと話してたんだ」
ツバサ「…掛けを払わないのは悪質ね。ただ、穂乃果さん達に内密で行動するのはよくわからないわ」
ツバサ「むしろ見せつけて、自分も踏み倒されたらどうしようって思わせる方が…」
穂乃果「何だろう…。その時にいた女の人は、『何も覚えてないぐらい酔ってる時に高い酒を売りつけられた』とか言ってたけど…」
ツバサ「え……??それじゃないの?」
穂乃果「へ?」 - 645: 2017/01/15(日) 01:13:22.62 ID:7Ri1c/mo
- ツバサ「その場で飲ませるだけ飲ませて、代金は掛け。これなら客に手持ちが無くても売上を増やせるわ」
穂乃果「いやいや…!いくら何でも希ちゃんがそんなことするかなっ?」
ツバサ「………」
ツバサ「私はその人のことを知らないから、こう言えるんだけどね。…人の印象はいくらでも操作出来るものよ」
穂乃果「…………」
穂乃果(もし…本当に、その手口で荒稼ぎしてるとしたら…)
穂乃果(あの場にいた絵里ちゃん、海未ちゃんも多分同じことをやってるよね…?にこちゃんの指示で…なのかな)
穂乃果(じゃあことりちゃんは?真姫ちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃんも…やってたり?)
穂乃果(あの4人だけで動くのは理由があるの…?) - 646: 2017/01/15(日) 01:14:47.97 ID:7Ri1c/mo
- ツバサ「…ねぇ、ちなみにその女の人は最後どうなったの?」
穂乃果「……!えっと…返済のために仕事を辞めて、たぶん風俗に行ったんだと思う…」
ツバサ「………うーん…」
ツバサ「さっきのはあくまでも仮説…でも従業員にさえ隠しているなら、やっぱりやましい事があるんじゃないかしら」
ツバサ「私は専門的な知識が無いから一概には決めつけられないけれどね…」
穂乃果「…………」
ツバサ「えっと…それで、穂乃果さん。……1つ聞いてもいい?」
穂乃果「な、何となくわかるけど…なに?」 - 647: 2017/01/15(日) 01:20:12.14 ID:7Ri1c/mo
- ツバサ「それを見たの、バレてないのよね…?」
穂乃果「バレてないって私は信じてる…!」
ツバサ「………とても心配になってきたんだけど…」
穂乃果「だ、大丈夫だよ。最近は売上も好調だし…真面目にやってるって思われてるぐらいで」
prrrrrr…
穂乃果「うわっ…!!」ビクッ
ツバサ「…電話よ」
【着信: 海未】
穂乃果「──っ…」ゴクッ - 648: 2017/01/15(日) 01:22:24.52 ID:7Ri1c/mo
- ピッ
穂乃果『…もしもし?海未ちゃんどうしたの~♡』
海未『穂乃果。今、何処にいますか?』
穂乃果『え、えーと……!マンションだよ』
海未『嘘ですね』
穂乃果(えっ…!?)
海未『いまあなたの部屋の前にいます。インターホンを押しても真姫すら出てきませんよ』
穂乃果(なっ、何で海未ちゃんが部屋の前にいるの…!?) - 649: 2017/01/15(日) 01:26:06.69 ID:7Ri1c/mo
- 穂乃果『……ごめん!すぐ帰るからマンションって適当に言っちゃった…あはは』
海未『…全く。穂乃果はいい加減なんですから』
穂乃果『それで、何か用事??』
海未『私とことり…穂乃果で食事に行こうと思って電話したんです。隣に、ことりもいますよ』
穂乃果『食事…わ、わかった!ちょっと待っててっ』ピッ
ツバサ「穂乃果さん……大丈夫?」
穂乃果「大丈夫…、ごめんね。また明後日辺りに!」ガチャッ
穂乃果(あーもう!すぐ帰るにはちょっと遠すぎるよぉ…!)タタッ - 694: 2017/01/16(月) 01:07:18.35 ID:aRx9NyO0
- ─────
ことり「穂乃果ちゃん、来てくれるのかな?」
海未「はい。何処にいるかは聞きそびれてしまいましたが」
ことり「……最近疲れてる…?」
海未「え?誰がですか?」
ことり「海未ちゃんだよ。仕事終わってもなかなか帰らないでしょ?」
海未「あ…それは、少し実家に寄っているからです」
ことり「そっか…。ごめんね、お部屋に1人だとたまに寂しくなっちゃう事がよくあって」
海未「ことり…」
穂乃果「っぜぇ……はぁ、やっと着いた…!」タッ - 696: 2017/01/16(月) 01:13:18.79 ID:aRx9NyO0
- ことり「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「ごめん…!今からご飯食べるんだよね?」
海未「はい。店は予約してありますので、着いてきてください」
ことり「なんだろう…イタリアンかなぁ?♡」
海未「えっ…ことりはそれが良かったのですか?」アタフタ
ことり「あっ、ううん♪私は何でも大丈夫だよ」
海未「良かったです…」ホッ
穂乃果(今思えば…海未ちゃんってことりちゃんのこと凄く気にかけてるなぁ) - 697: 2017/01/16(月) 01:14:59.27 ID:aRx9NyO0
- ~高級和食店~
穂乃果(え、えー!!)
穂乃果(これって日本庭園って奴だよね…?普通のお店なのに敷地に池があるってなに?)
穂乃果(お金…払えるかな…)ウヌヌ
海未「こんばんは」ニコ
女将「お待ち致しておりました。さ、こちらでございます」
ことり「わぁ♪ここに来たの久しぶりだね♡」
海未「そうですね、いつもは洋食が多いので」
ことり「ことり知ってるよ?海未ちゃんが、私の好みに合わせてくれてること…。いつもありがとう♡」
海未「っ…///い、行きましょう!」 - 698: 2017/01/16(月) 01:22:20.71 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果(わぁ。わかりやすい…)
スタスタ
女将「このお座敷でございます」ガラッ
海未「えぇ。いつもありがとうございます」ペコ
女将「とんでもありません。では、私はこれで」
穂乃果「あ、あのー…ここって気軽にご飯食べに来るレベルじゃないよね?」
ことり「う~ん…。でも完全個室だし、サービスもいいから高額でも納得しちゃうね♪」
穂乃果「やっぱ高額なんだ!?」
海未「心配せずとも、今回は私が払いますよ。この店を選んだのも私ですし」 - 699: 2017/01/16(月) 01:24:59.96 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「え、奢ってくれるの!」
海未「最近は頑張っているみたいですからね。それに一応あなたの教育係なので」
穂乃果「やった…!ありがとう!」
穂乃果(こんな高いもの滅多に食べれないし…お言葉に甘えていっぱい食べちゃおう)ジュルリ
料理長「ご来店感謝致します。そして、今回は京料理をご提供させていただきます」
穂乃果(……こういう店ってイチイチ料理の人が説明に来るの?)
女将「前失礼致しますね」コトン
穂乃果「は、はい!」 - 700: 2017/01/16(月) 01:25:42.52 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果(小さい皿に料理が1つずつ乗ってる…まずこれ何を煮込んでるんだろう…)
女将「お酒は飲まれますか?」
海未「私は結構です」
ことり「私も♪」
穂乃果「え、あ…私も大丈夫ですっ」
女将「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ♪」ガラッ
海未「ことり、本当に日本茶で良かったんですか?」
ことり「いつも仕事で飲むから普段はあんまり飲まないようにしてるの♪」
海未「それもそうですね。早く身体を壊すことになります」 - 701: 2017/01/16(月) 01:29:01.90 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「………」ジー
海未「ではいただきましょうか?」ニコ
穂乃果「…っ、いただきます!」
ことり「ふふっ♡穂乃果ちゃん嬉しそう~」
海未「ここの料理はどれも美味しいですから、お腹いっぱい食べてくださいね」
穂乃果「はーい!!」
モグモグモグ
穂乃果(わぁ、本当の和食ってこんな味なんだね。お母さんの作るとは大違いだよ!)
穂乃果(日本人なのに今まで食べてたのは何だったんだ~ってぐらい美味し……) - 702: 2017/01/16(月) 01:30:46.61 ID:aRx9NyO0
- ピロン♪
穂乃果(っ……Lineか…)カチッ
ツバサ<穂乃果さん、大丈夫?
穂乃果(そ、そうだった…!!あんなに警戒してたのに雰囲気に飲まれちゃってたよ)
穂乃果<うん…普通にご飯食べてる
ツバサ<どこで?
穂乃果<お庭がある日本料理店。なんか、名前も言ってないのに一番広い部屋に案内された
ツバサ<そう…気をつけて帰ってきてね。食事を奢られると、自分からは帰りにくいから
穂乃果<わかった…! - 703: 2017/01/16(月) 01:31:56.15 ID:aRx9NyO0
- 海未「ところで穂乃果」
穂乃果「!?は、はい?」
海未「この仕事を始めてからどうですか?もう慣れました?」
穂乃果「うん…!お蔭さまで」
ことり「…穂乃果ちゃん覚えるのも早いもんね。お客さんはどれくらい付いたの?」
穂乃果「え、えっと…8人くらい?」
海未「結構な数ですね」
穂乃果「あ、でも2週間に1回とかの人もいるから…全然だよ」ニコ
ことり「ふぅん……」
シーン - 704: 2017/01/16(月) 01:34:25.44 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果(な……なにこの空気…)
海未「そういえば、真姫とは仲良くやってますか?同じ部屋ですよね」
穂乃果「真姫ちゃんあんまり帰ってこないから…でも家にいる時はよく話すようにはなったよ」
海未「そうですか」
穂乃果「あ…あのさ。真姫ちゃんってあんまり絵里ちゃん達とつるまないけど、仲悪かったりする?」
ことり「うーん。どうだろうね」
海未「悪くはありませんよ。真姫は絵里みたいに積極的には営業したがらないので、波長が合わないだけじゃないですか」
穂乃果(あれ…?真姫ちゃん、お客さんの所によく泊まってるって言ってなかったっけ) - 705: 2017/01/16(月) 01:36:06.71 ID:aRx9NyO0
- ことり「真姫ちゃん…まだあのこと引きずってるのかな」
穂乃果「え?」
海未「ことり。お茶碗が机から落ちそうですよ」
ことり「あっ…ほんとだ。ごめんね」ニコ
穂乃果(逸らされちゃった…。確かに真姫ちゃんは可愛いし、クールな性格でお客さんに凄くモテそうなのに)
穂乃果(ナンバーは5付近なんだよね。本気でやってないってこと…?なんで?)
海未「………」ウトウト
ことり「海未ちゃん…?眠たい?」 - 706: 2017/01/16(月) 01:37:12.66 ID:aRx9NyO0
- 海未「あ……いえ。すみません」
穂乃果(目の下のクマ、隠しきれないもんなぁ。けど、海未ちゃん昨日は出勤してなかったよね)
穂乃果(もしかして……また、アレを?)
穂乃果「あ…あのさ。ちょっと聞いてもいいかな」ニコ
海未「…何でしょう?」
ことり「何かな」
穂乃果「えーっと……その…」
海未「…………」
ことり「…………」 - 707: 2017/01/16(月) 01:39:06.80 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果(っ、やっぱ無理だ…。怖い)
穂乃果(ここで聞いちゃって、もし本当にそうだったなら…私は家に帰れないかもしれないよね)
穂乃果(それこそ消され……)
海未「穂乃果?」
穂乃果「海未ちゃんやことりちゃんって…お店が始まった時からいたの?」
ことり「私は違うよ~」
海未「…そうですね。私の他には絵里や希もいましたが」
穂乃果「あ、やっぱりそうなんだね。2人はにこちゃんと仲良さそうだもん」ニコ - 709: 2017/01/16(月) 01:45:23.89 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「あ、ことりちゃんが初期メンバーじゃないのは以外だなぁ…」
ことり「私はただ、海未ちゃんがお店で働いてるって知ったから始めたんだよ♪」
穂乃果「そっか!でも、それだけでホストクラブに入っちゃったの…?」
ことり「私は…元々デザイナーをしてたの。その時は学生だったけど、一応コンテストとかで入賞したことあったりね」
穂乃果「わー…凄いね!」
穂乃果(じゃあ何で今ホストやってるんだろう…)
ことり「何でこの世界に今もいるのか…って思った?♡」 - 710: 2017/01/16(月) 01:48:24.79 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「へ…!?い、いや」ドキドキ
ことり「私も不思議なんだけど……実力さえあれば上を目指せるところに惹かれたのかなぁ。コネ何て無くても、人気があれば見える景色が変わるし♡」
穂乃果「確かに…この仕事って実力主義だもんね。売上がある人が絶対って感じだし」
海未「そういった意味では、ことりは絵里と似てるんですね」
穂乃果「…?絵里ちゃんもなの?」
海未「彼女は自分自身の価値を確かめるために、学生時代この世界に入ったみたいです」
海未「若いうちに出来ることは経験したい、と」
穂乃果「えーっと…それでずっとここで働いてるのかぁ」 - 711: 2017/01/16(月) 01:49:17.63 ID:aRx9NyO0
- 海未「…他にも理由はあるみたいですが。恐らく、にこ絡みで。あとそれは希と同じ理由だと思いますね」
ことり「にこちゃんのこと…絵里ちゃんや希ちゃんはすごく気にかけてるもんね」
ことり「反対ににこちゃんは、2人に全幅の信頼を置いてる」
穂乃果「………」ゴクッ
穂乃果「海未ちゃんもよくその3人と一緒にいるよね。あれって…」
海未「そうですか?」
穂乃果「え?」
ことり「海未ちゃん、いつもはホールで指示飛ばしてたりするから…よく一緒にいることはないんじゃない?」 - 712: 2017/01/16(月) 01:51:20.79 ID:VFh7q1DU
- これはやな予感
- 713: 2017/01/16(月) 01:53:14.98 ID:SHTDogL5
- うわぁ…怖
- 714: 2017/01/16(月) 01:54:42.36 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「そ、そうだっけ……??あれ~おかしいな。見間違えかも。あははっ…」
海未「………」
穂乃果(不味い…墓穴掘った?確かに海未ちゃんが3人といるのは店の奥が多かったけど)ドキドキ
海未「私は凛や花陽によく絡まれるので、あって彼女達だと思います」
ことり「あとは私とかね♡」
穂乃果「…確かにそうかも!」
穂乃果(早く話題を変えなきゃ…不自然に動揺しちゃうよ!)
穂乃果「あ、今更なんだけど…。海未ちゃんはどうしてあの店に…?」
海未「……成り行きです」
穂乃果「え?」
海未「…まぁ、スカウトみたいなものだと思ってくれれば」 - 715: 2017/01/16(月) 01:58:22.67 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「スカウトかぁ…海未ちゃん可愛い顔してるもんね」
ことり「スカウトは結構多いよね♪凛ちゃんや花陽ちゃん、真姫ちゃんもそうだし」
ことり「だから穂乃果ちゃんが入ってきたのは珍しい方だよ~」
穂乃果「ん?でも、にこちゃんは誰でも入れるって言ってたよ?」
海未「最近は悪質な人が多かったので、他の夜職から希望する者には身元調査をしてから合否を決めてたんです」
海未「スカウトは元々、容姿を見て勧誘していましたが…今では予め目星を付けた人に声を掛けています」
ことり「もちろん人気の出そうな子だよ♪」 - 717: 2017/01/16(月) 02:03:50.27 ID:aRx9NyO0
- 海未「穂乃果の場合は、実家が和菓子屋で妹が大学生。加えて昼職からの転職なので入店させたんでしょう」
穂乃果(ど、どこまで調べたんだろう……)
穂乃果「その、悪質な人っていうのは…どういう人?」
海未「店の売上を横領したり、他店に情報を流したり、他のホストの評判を下げるなどの行為を行う人です」
穂乃果「あー…お金絡みは普通に犯罪だよね」
ことり「警察に連れていく前に色々質問したりするんだよ。じゃないと、また同じ事の繰り返しになるよね♪」
穂乃果「なるほど……あ、あと」
海未「穂乃果は知りたい事がやけに多いんですね?」ニコ - 720: 2017/01/16(月) 02:07:25.00 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「…………っ、ダメかな?」ニコ
海未「この世界に来て色々と好奇心を持つのはわかります。しかし、首を突っ込んでいい事と悪い事がある」
海未「それと同様に…知る必要の無いこともあります」
穂乃果「………」ゴクッ
海未「あなたはナンバーワンを目指すんでしょう?なら、今は特に頑張り時ですよ」
穂乃果「…うん。そうだよね」
ことり「……、穂乃果ちゃん、最初の頃とお客さんへの接し方が変わったけど…何か自分の中で変化があったの?」
穂乃果「……単に、真姫ちゃんから色々教えて貰ったからだよ。甘いままじゃずっと新人だろうなって思って」
ことり「そっか……」ニコ - 721: 2017/01/16(月) 02:13:11.12 ID:aRx9NyO0
- 穂乃果「…ご、ごめん!そういえば常連さんと買い物に行く約束忘れてた!」ガタッ
ことり「へっ?」
穂乃果「海未ちゃんご馳走様!また…誘ってね」
タタッ
ことり「行っちゃった…」
海未「……いくら煌びやかとはいえ、この世界は常に深い闇と人間の欲望が渦巻いています」
海未「無知は恥と言いますが…私はそうは思いません。彼女自身が染まる中で徐々に知っていけばいいこと」
ことり「…確かにそれで辞めちゃう子も多いもんね。ふふっ、海未ちゃんは優しいなぁ♡」 - 722: 2017/01/16(月) 02:15:04.22 ID:mNreMIrv
- 怖すぎる
- 723: 2017/01/16(月) 02:16:18.05 ID:GdsCfuCz
- 海未ちゃんこわい…
- 724: 2017/01/16(月) 02:17:50.83 ID:aRx9NyO0
- 海未「優しくなどありませんよ。知っているでしょう」
ことり「みんなの前では優しいもん…」
海未「その言葉だけで救われます。最近は特に気が滅入りそうなこと続きで……」ハァ
ことり「………ナンバーワン、かぁ」
海未「穂乃果は絵里に勝てるんでしょうか?」
ことり「どうだろう。難しいかもしれないね…。でも、穂乃果ちゃんなら革命を起こせるかもしれない」
海未「……」
ことり(……でもね。私は負けないよ?)
ことり(穂乃果ちゃんが絵里ちゃんを抜かしても、絵里ちゃんが現状を維持しても)
ことり(私が……ナンバーワンになってみせる) - 850: 2017/01/18(水) 22:33:36.28 ID:ZgVoZnhH
- ──────
~穂むら~
穂乃果「はぁ…走ってたらここに着いちゃった」
prrrrrr…
穂乃果「っ、ツバサさんだ」ピッ
ツバサ『穂乃果さん…?』
穂乃果『…ついさっき食事終わったよ』
ツバサ『大丈夫なの?何もされなかった?』
穂乃果『うん…。平気。ただ、ちょっと怖い思いはしたかな…』
ツバサ『……そう、本当に無事で良かった。話してみてくれる?』
穂乃果『海未ちゃんにね、聞いたんだ。にこちゃん達といつも一緒にいるよねって』 - 851: 2017/01/18(水) 22:37:33.17 ID:ZgVoZnhH
- 穂乃果『でも、そんなことないって言われて…ことりちゃんも不思議がってたし…慌てちゃった』
ツバサ『そういう軽率な発言は慎んだ方がいいわ。彼女達が…それを隠してるとしたら、勘ぐられるのを最も嫌うはず』
穂乃果『そうだよね…。つい好奇心が勝っちゃって、ほんとに危なかったよ』
ツバサ『とにかく次回からの仕事は普段通りに出勤した方がいいわ』
穂乃果『うん…わかった』
ツバサ『私の方でも少し調べてみる。気をつけてね』
ツーツー…
穂乃果「………」 - 852: 2017/01/18(水) 22:43:02.41 ID:ZgVoZnhH
- 「あのぉ…どなたですか?」
穂乃果「えっ?」
穂乃果(…美少女だ。でも、なんでうちの前に)
雪穂「あっ!もう来てたんだね、亜里沙!」ガラッ
穂乃果「雪穂…??」
亜里沙「ううん!だいじょうぶ!」ニコ
雪穂「ん?おねーちゃん帰ってきてたの?」
穂乃果「いや…ついさっきね。この子はお友達?」
雪穂「うん♪大学の友達だよ」 - 853: 2017/01/18(水) 22:45:38.69 ID:ZgVoZnhH
- 亜里沙「雪穂のお姉さん…?わぁ、よろしくお願いします♪絢瀬亜里沙ですっ」
穂乃果「亜里沙ちゃん…よろしくね。いつも雪穂がお世話になってるみたいで」
雪穂「もー!余計なこと言わないで!」
穂乃果「えー本当のことじゃん」
雪穂「私もう子どもじゃないし!」
穂乃果「まだ私から見たら子どもだよ」ニコ
亜里沙「うわぁ……♡」キラキラ
穂乃果「……ん?」
亜里沙「ハラショー!雪穂はお姉さんととっても仲良しなんだねっ」 - 854: 2017/01/18(水) 22:52:29.31 ID:ZgVoZnhH
- 雪穂「それは亜里沙もでしょ?って、うちのお姉ちゃんとは月とスッポンって感じだけどさ」
穂乃果「スッポンってどっちがさ!」
雪穂「お姉ちゃんに決まってるじゃん!亜里沙のお姉さんはすっごく綺麗で優しいんだよ!」
穂乃果(今思えば亜里沙ちゃんって、どこかの国のハーフかな…?生まれつきっぽい金髪だし…目の色は…)
亜里沙「えへへ♪お姉ちゃんとあんまり会えないのは寂しいけど、私は平気なの」
雪穂「あーあ、絵里さんみたいなお姉ちゃんが欲しかったな~」
穂乃果「だから雪穂っ………え?」
雪穂「なにー?」
穂乃果「い、いや…そんな訳ないよね」 - 855: 2017/01/18(水) 22:55:23.78 ID:ZgVoZnhH
- 雪穂「そんな事あるってば!すっごく可愛い人なんだよ。亜里沙、写真ある?」
亜里沙「えーっと…これでいい?」スッ
穂乃果(………っ、こんな偶然ありえないよ…!!)ビク
穂乃果(世間は案外狭いって言うけど…いくら何でも、これは)
亜里沙「…私の自慢のお姉ちゃんなんです。月末になったら学費や生活費を渡してくれるし、時々お出かけにも連れて行ってくれて」
亜里沙「いつも眠そうにしてるけど…かっこいいお姉ちゃん」ニコ
穂乃果「……そう、なんだ」
雪穂「あ!亜里沙、映画の時間に遅れちゃうよっ」
亜里沙「ほんと…!急がないとだめ!」
雪穂「じゃあね、おねーちゃん!」タッ
穂乃果「亜里沙ちゃんっ…!」
亜里沙「…はい?」
穂乃果「その…またね!」
亜里沙「はいっ♡」
穂乃果(…なんだろう。あの人達の事を知れば知るほど、好奇心が湧いてきちゃうよ…) - 856: 2017/01/18(水) 23:00:58.22 ID:ZgVoZnhH
- ──────
~ホストクラブ~
『ありがとうございました~』
凛「穂乃果ちゃんっ♪今日もお疲れ様!」
穂乃果「お疲れ様。いや~人多かったね!」
花陽「金曜日は参っちゃうね。お酒も水で薄めて薄めて…それでも酔っちゃうぐらい飲んだよぉ」
凛「はーあ、12時回ったにゃ。帰って起きたら土曜の昼…夕方は仕事…。社畜だにゃ~」グテ
花陽「明日は私がお昼当番だからちょっと遅く寝ててもいいよ♪」
凛「ほんと!?わーい!」 - 857: 2017/01/18(水) 23:02:25.83 ID:ZgVoZnhH
- 穂乃果「ふふ、凛ちゃんはほんとに花陽ちゃんが好きだね」
凛「うんっ!大好き!」
花陽「凛ちゃんっ…!///」
ガチャッ
にこ「ちょっとあんた達。早く帰りなさいよ~」
凛「はぁい…ちぇっ!」
花陽「穂乃果ちゃん、行こう?」
穂乃果「うん…」
ガチャン
凛「じゃあまたね~!ばいばーい!」
花陽「気をつけてくださいねっ」 - 858: 2017/01/18(水) 23:04:32.23 ID:ZgVoZnhH
- 穂乃果「ありがとう、また明後日ね」
スタスタ…
スタスタ…
ピタッ
穂乃果(……まだ店にいるよね。にこちゃん達)クルッ
穂乃果(お店が終わったのに絵里ちゃん達も帰ってなかった。……暫くこの路地裏から見てよう)
シーン……
ガチャ
男1「………」キョロキョロ
穂乃果(っ…!あれって警備員さん…だよね?警戒してるのかな。辺りをしきりに見渡してる)
男1「…大丈夫です。どうぞ」 - 859: 2017/01/18(水) 23:07:13.76 ID:ZgVoZnhH
- 「ん~えりちやっぱり帰った方がいいんやない?」
「そうですよ。夜風に当たると悪化するかもしれません」
「…ううん、大丈夫よ」
「あんただけがダウンするならまだしも、他の子にうつさないでよ。……悪かったわ。ちょっとシフト入れ過ぎたわね」
「ふふっ。にこが珍しく素直ね」
「にこっち本当はえりちのこと大好きやもんね~」
「うっさい!」
穂乃果(この声って…間違いない)
穂乃果(でも、なんで皆それぞれに帽子を深く被ったり…マスクをしてたりするの?)
穂乃果(家に帰るだけなら変装なんてしなくても…。常連に後をつけられるから?) - 860: 2017/01/18(水) 23:08:52.06 ID:ZgVoZnhH
- 希「それにしても海未ちゃん、帰ってあげなくていいん?」
海未「え?」
にこ「ことりのことでしょ」
海未「…彼女は理解してくれていますから。大丈夫です」
絵里「とりあえず…海未は早いうちに告白してしまいなさいね!」
海未「なっ……!?///」
希「いやいや…あんなの誰が見てもわかるやん?」
海未「っ、違います!///からかわないでください…//」
絵里「そう?じゃあ私が食べちゃおうかしら♪」
海未「……!」キッ
絵里「ひっ」 - 861: 2017/01/18(水) 23:11:30.95 ID:ZgVoZnhH
- にこ「はいはいお遊びはそこまでよ」
男2「ただ今連絡付きました。向かいましょう」
穂乃果(よく見たら…あの男の人達、黒いスーツ着てるね。そんなのが取り巻きに5人もいる)
穂乃果(なんで…警備員さんがこんな夜に、にこちゃん達といるんだろ)
海未「ご苦労様です」
男1「ハッ!」
絵里「ねぇにこ!私…希と明日出掛けるから、早く終わらせましょ」
にこ「絶対夜明けまで時間かけるわ」
希「やーんにこっち嫉妬~?」
にこ「あーウザイ」 - 863: 2017/01/18(水) 23:16:30.10 ID:ZgVoZnhH
- 穂乃果(そっか、今から何処かに行くんだ)
穂乃果(…………)
穂乃果(少しだけ後をつけよう。この前の事もそこで何かわかるかもしれない)スクッ
ガシッ
穂乃果「……っ、!!」ビク
「振り向かなくていい。こんな薄暗い路地裏で何をしている?…待ち人でもいるのか?」
穂乃果(ヤバイ、これ……もしかしてバレたんじゃ)
「黙秘か…。まぁいい。どうせ私はお前に用があったんだ。待ち人がいても付き合って貰うさ」パッ
穂乃果「あ、あなたは…」クルッ - 864: 2017/01/18(水) 23:20:30.69 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「こういうものだ。よろしく頼む」スッ
【ホストクラブ朱雀/英玲奈】
穂乃果「え…??ホストクラブって、」
英玲奈「他店のホストとの交流は無かったのか?」
穂乃果「はい……」
英玲奈「そうか」
穂乃果(すっごく綺麗な人だ…。身長も高くて顔立ちが整ってる、モテそうだなぁ)
英玲奈「では穂乃果、さっそく来てもらおうか」
穂乃果「へっ!?」 - 865: 2017/01/18(水) 23:24:50.27 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「何もとって食いはしない。肩の力を抜け」
穂乃果「いやいやいやっ、怪しい人には着いていくなって…お母さんに言われてて!」
英玲奈「子どもか…」
英玲奈「とにかく嘘は言ってないぞ。私も同業者だ、それくらいの礼儀はあるさ」
英玲奈「それに興味くらいはあるだろう?私が…なぜお前に声を掛けたか」
穂乃果「………」ゴクッ
英玲奈「決まりだな」ニコ
穂乃果(何かあったら…すぐツバサさんに連絡出来るようにはしておこう) - 866: 2017/01/18(水) 23:26:01.53 ID:ZgVoZnhH
- ──────
英玲奈「着いたぞ。ここだ」
穂乃果「……」ピタ
英玲奈(何も数メートル離れて歩かなくても…)
英玲奈「入るぞ」ガチャッ
穂乃果(ここって……ホストクラブ朱雀?…うん。看板にもそう書いてある)
穂乃果(入ってもいいのかな…でも変な事されたらどうしよう)
穂乃果(…確かマニュアルには、他の店に行くこと自体は禁止されて無かったよね) - 867: 2017/01/18(水) 23:27:25.59 ID:ZgVoZnhH
- 穂乃果「………」ガチャ
ホスト「あっれー?やけに可愛い子が入ってきたじゃん」アゴクイー
穂乃果「わわっ!?///」
英玲奈「おい、手を出すなよ。私の客人だ」
ホスト「ふーん…」
穂乃果(うちと同じだ。見事に女の子しかいない…)
英玲奈「まぁここに座れ。酒くらい奢ろう」
穂乃果「……は、はい…」ストン
英玲奈「何がいい?流石に何十万のものは勘弁して貰いたいものだが」 - 868: 2017/01/18(水) 23:29:32.54 ID:ZgVoZnhH
- 穂乃果「いや、焼酎でいいです…!」
英玲奈「ほう。謙虚だな」
穂乃果(……これ…もしかして酔わせてから海外に売られたりする…?)
英玲奈「まぁ力を抜け。ここにお前を呼んだのには理由がある」
英玲奈「…その前にもう1度自己紹介をしておくか。ここで私は働いていて、最近はずっとナンバーワンだ」
穂乃果「え…!!」
英玲奈「お陰で目まぐるしい日々を強いられているがな」
穂乃果(この店って広いし、大通りの所にあるからきっと栄えてるよね)
穂乃果(朱雀ではこの人が……) - 869: 2017/01/18(水) 23:32:32.20 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「ちなみに今は営業してないから楽にしてくれ」
穂乃果「こんなに女の子がいるのに…?」
英玲奈「ほとんどが従業員で、残りは常連だ。各々好き勝手に話しているだけだから金は取らない」
穂乃果「そうですよね…一応日の出まで営業しちゃいけないから」
英玲奈「大きい店となると警察も目を光らせるからな。小さい店は好きにやってるんだろう」
英玲奈「摘発されたら何もかもが水の泡だ。それは皆わかっている」チラ
穂乃果「……わ、私…言いつけたりしませんよ」ブルブル
英玲奈「ふふっ。そんな事は気にしていない」
穂乃果(良かった……) - 870: 2017/01/18(水) 23:35:16.82 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「それでだな…単刀直入に言う」
英玲奈「うちの店で働かないか?」
穂乃果「…!?」
英玲奈「もちろん待遇は良くしよう。お前の取り分は売上に関係なく70%だ」
英玲奈「1人部屋も手配する。シフトも出たい日だけ出てくれればいい」
英玲奈「あと…」
穂乃果「ま、待って…!待ってください!」
英玲奈「なんだ?」
穂乃果「その…!えっと、どうして私なんですか?」 - 871: 2017/01/18(水) 23:40:28.41 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「私はな…嘘が嫌いなんだ。だから正直に伝えよう」
穂乃果「………」ゴクッ
英玲奈「お前には才能がある。人を惹きつけ魅了する力が生まれつき備わっているのさ」
英玲奈「しかし、残念な事にあの店はそれを活かしきれていない」
穂乃果「そ、そんなの…ありえないよ!私はこの仕事を初めてまだ3ヵ月も経たないくらいで…」
英玲奈「それだけあれば充分だ。多くの時間を費やして芽が出ない者もいれば、短期間で上まで登りつめる者もいる」
穂乃果「でも……私はまだ」 - 872: 2017/01/18(水) 23:44:44.72 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「…なら現実的な話をしようか。お前の売上が増えたとして、恐らくナンバーに入れても2位が良いところだろう」
穂乃果「えっ…?」
英玲奈「あのクラブは…何処かきな臭い噂が多い。加えてオーナーは闇金会社と繋がっているらしいしな」
穂乃果「そ、そんな……嘘だよ!みんな真面目に働いてるのに!」
英玲奈「あくまで噂だ。ただ、あの店のホストに虜になった奴は骨の髄まで搾り取られるのは確かだと思う」
英玲奈「…私達も同業者だからわかるんだ。朱雀の方が敷地面積も従業員数も上なのに、経営成績はほば同じ」
英玲奈「……ここから導かれる事はわかるな?」 - 873: 2017/01/18(水) 23:50:20.50 ID:ZgVoZnhH
- 穂乃果「っ……、」
英玲奈「お前がいくら働いてもトップを取れないと思うのは、現在ナンバーワンの絢瀬絵里が幹部だからだ」
穂乃果「絵里ちゃんが幹部だからって…そんなの、売上で順位づけされてるんだったら」
英玲奈「…ふん、あんな数字はいくらでも操作出来る」
英玲奈「矢澤にこがいつ失速するかもわからない新人のお前をナンバーワンにするか、絢瀬絵里のプライドを守るかを選択するなら…どっちを選ぶだろうな」
穂乃果(確かに……にこちゃんは絵里ちゃんと仲がいいけど…)
穂乃果(でもっ…みんな私に頑張れって、言ってくれたよね…) - 875: 2017/01/18(水) 23:58:06.36 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「……近頃は警察がこの周辺をウロウロしているのを見かける」ボソ
穂乃果「……!?」
英玲奈「巻き込まれないうちに我々のところに来い。こっちにもメリットはあるんだ、決して悪いようにはしない」
穂乃果「な……なんで、英玲奈さんはそこまで…詳しいんですか」
英玲奈「…何がだ?」
穂乃果「オーナーがにこちゃんって事も、ナンバーワンが絵里ちゃんって事も…普通に知ってたし」
穂乃果「それに私のことだって…!」
英玲奈「その2人はこの業界では有名だぞ、誰でも知っている。そこに東條希が加わっていることもな」 - 876: 2017/01/18(水) 23:59:13.90 ID:ZgVoZnhH
- 英玲奈「他の主戦力は南ことり、西木野真姫、星空凛、小泉花陽…そして園田海未」
英玲奈「いくつもの店を掛け持ちで遊び歩く客が喋るから、他店のナンバーは把握するのが自然だ」
穂乃果「──っ…」
英玲奈「さぁ答えを聞かせてくれ。うちのオーナーから直々のスカウトなんだ。こんなこと滅多にないぞ」
穂乃果(どうしよう……。こんな大事なこと…私1人じゃ決められないよ)
穂乃果(英玲奈さんの話にはやけに現実感があった…。だって、その内容は私が見たものとほぼ同じだから)
穂乃果(でも…引き抜きで店を飛んだら罰金じゃなかったっけ……)
穂乃果(うぅぅっ…お金が必要だからこの業界にはいたいけど) - 877: 2017/01/19(木) 00:01:32.95 ID:zQFbg2cK
- 穂乃果(……!そうだ、ツバサさんに相談してみよう…。ツバサさんならきっといい意見をくれる)
穂乃果「すみません…!あの、少しだけ待ってもらっても良いですか……?」
英玲奈「構わない。いい返事を期待している」ニコ
穂乃果「…失礼します」スクッ
英玲奈「ちなみに…引き抜かれると罰金があるのがネックだったりするのか?」
穂乃果「……!」
英玲奈「そこも安心して欲しい。我々は、穂乃果を絶対に守ってみせる。引き抜いた以上はな」
英玲奈「ではまた会おう」
穂乃果「………」 - 6: 2017/01/22(日) 11:44:30.04 ID:Z/eMXmsT0
- ─────
~ホストクラブ~
穂乃果「……」ボー
真姫「…珍しいわね。暇なんて」ストン
穂乃果「あっ…うん!」
真姫「私はさっき見送ったところなの。もう帰ろうかしら」
穂乃果「そっか…!お疲れ様だね」ニコ
真姫「ねぇ。あなた最近疲れてるみたいだけど…何かあったの?」
穂乃果「………!!」ビク
真姫「……」
穂乃果「何も無いよ♪ただ、ちょっと忙しくて参ってるんだ」
真姫「…そう」 - 7: 2017/01/22(日) 11:47:06.59 ID:Z/eMXmsT0
- タタッ
ウェイター「穂乃果さん、お客様です」
穂乃果「え…もう11時だよ?終わりまであと少ししかないのに」
大学生「……穂乃果ちゃん」
穂乃果「あっ…」
穂乃果(少し前に告白してきて…そのまま付き合った子だ)
真姫「じゃ、行くわね」スクッ
穂乃果「〇〇ちゃんどうしたの?こんな時間に来たこと無かっ…」
大学生「っ…!!」ギュッ
穂乃果「──えっ」 - 8: 2017/01/22(日) 11:48:03.77 ID:Z/eMXmsT0
- 大学生「…このままでいさせて。お願い」
穂乃果(目に涙が浮かんでる…?どうしたんだろう)
大学生「ぐすっ……うぅ…」
穂乃果「…大丈夫?何か辛いこと…あった?」ニコ
大学生「あのね…私、もう学校行きたくないの…」
穂乃果「え?」
大学生「前に言ったでしょ。学校に居場所なんて無いって」
穂乃果(そういえば……)
大学生「高校卒業して、大学デビューすれば友達なんていっぱい出来ると思った。でも…現実は違ったの」
大学生「最初の1年は私に何となく付き合ってくれる人はいたけど…今年なんて誰からも相手にされなくなった」 - 9: 2017/01/22(日) 11:49:52.62 ID:Z/eMXmsT0
- 大学生「きっとつまらない人間だってバレちゃったんだよね…あはは」
穂乃果「そんなことないよっ!……ちゃん、凄くいい子だもん。話上手だし…あと、」
大学生「…ありがとう///やっぱり私の味方は穂乃果ちゃんだけだね…嬉しい」
穂乃果「……うん。私はずっと一緒だよ」ニコ
大学生「うふふっ。じゃあ今日は頑張っちゃおうかな…」スッ
穂乃果(カード…??)
大学生「すみません、これ1つ」
▽ドルフィン¥200,000
ウェイター「…かしこまりました。ドルフィン入りまーす!」 - 11: 2017/01/22(日) 11:52:06.86 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「へっ!?」
大学生「えへへ♡ちょっとドキドキしちゃった…」
穂乃果「ね、ねぇ。これ多分…最後のお会計で30万くらいになるけど…」
大学生「心配しないで♪今日はクレジットカード持ってるから」
ホスト1「あの新人ドルフィンおろしたの…??」ヒソヒソ
ホスト2「こりゃ本格的にヤバいね……」
ホスト3「遂にナンバーの顔ぶれが変わる時が来たってわけ?」
ウェイター「お待たせ致しました。こちらになります」ゴトン
穂乃果(飾りボトルなんて入れてもらったの初めてだから…何か凄く綺麗に見えるよ) - 12: 2017/01/22(日) 11:54:25.74 ID:Z/eMXmsT0
- 大学生「穂乃果ちゃん、このイルカの中にお酒が入ってるの?」
穂乃果「うん…!ブランデーだったかな。…でもまだ飲みやすい方だって凛ちゃんが言ってた」
大学生「そうなんだ…。あっ、このイルカ2匹いるんだね」
穂乃果「ほんとだ!親子みたいに並んで泳いでるし、可愛いね…♪」
大学生「……私には、こっちのイルカが穂乃果ちゃんで、これが私に見えるなぁ……///」ドキドキ
穂乃果「ん…?」
大学生「だって、このイルカ達みたいに…穂乃果ちゃんはずっと一緒に居てくれるんだよね」ニコ
穂乃果「っ……そ、そっかぁ♡確かにそう言われれば私達みたいかも!」 - 13: 2017/01/22(日) 11:56:37.22 ID:Z/eMXmsT0
- 大学生「でしょっ?ふふっ…」
穂乃果「あ、あのさ。〇〇ちゃんって…やっぱりアルバイトとかしてたりするの?」
大学生「やっぱりってなぁに?」
穂乃果「いや~…学生なのにお金持ちで凄いなぁって思って!」
大学生「高校生の時に色々バイトしてたから。今も飲食店でやってるよ♪」
穂乃果(……それで30万もすぐ出しちゃうのって…)
穂乃果「そっか…!じゃあ今度行くねっ」
大学生「本当?来る日教えてね!ちゃんとしてなきゃ恥ずかしいから…///」
穂乃果(あー…言っちゃった。早く予定開けとかなきゃ) - 14: 2017/01/22(日) 11:58:02.89 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「えっと…、いま21だよね?実は私にも同じ歳の妹がいてさ」
大学生「わぁ、そうなの!?穂乃果ちゃんの妹なんて絶対可愛いよ~」
穂乃果「全然!大人になっても生意気だし…姉妹喧嘩もいっぱいするよ!」
大学生「あはは……羨ましいな」
穂乃果「ほんっとそうだよね~。…え?」
大学生「私ね…1人っ子で、お母さんしかいないの。だから羨ましい」ニコ
穂乃果「…ご、ごめん……何か気に障っちゃったかな…」
大学生「ううん♡むしろね、もっと穂乃果ちゃんの楽しそうなところ見たいなぁ」 - 15: 2017/01/22(日) 12:00:26.23 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「…?じゃあ、もう少しだけ話そうかな…」
ウェイター「お話中失礼致します。〇〇様、一夜指名はいかがなさいますか?」
大学生「一夜指名…??」
穂乃果「ほら、さっきドルフィン入れてくれたでしょ?だから…私以外の人でもこのテーブルに呼べるよ。2人までね」
大学生「……そんなのがあるんだ」
穂乃果「私はまだ下っ端だし…一夜指名とかあんまり呼ばれないけどね、あはは」
大学生「あの、この店のナンバー3を上から言ってもらっていいですか?」
ウェイター「はい…?かしこまりました」
穂乃果(あれ?玄関からホールに来る前の廊下に貼ってあると思うんだけど…見てないのかな) - 16: 2017/01/22(日) 12:02:22.10 ID:Z/eMXmsT0
- ウェイター「絵里様、海未様、ことり様ですね」
大学生「じゃあその上2人で」
穂乃果「えっ!?ほ、本当に…?」
大学生「だって呼べるんだよね?」ニコ
穂乃果「うん…ルール上は」
穂乃果(でもあんまり独り占めすると、他のお客さんから白い目で見られるっていうか…。暗黙のルール?みたいになってる気がする)
ウェイター「はい。しかし申し訳ございません、海未様は少々席を外しておりまして…」
大学生「なら…繰り下げてお願いします」
穂乃果(どういう目的なんだろう…。ただの好み?でも絵里ちゃんを指名する人は海未ちゃんや真姫ちゃんも好きだし) - 17: 2017/01/22(日) 12:03:43.84 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果(ことりちゃんは花陽ちゃんと系統が近い…。私は性格が似てるからか、よく凛ちゃんのお客さんに声は掛けられるけど)
穂乃果(希ちゃんには、落ち着いた雰囲気の大人っぽい人が多いなぁ…。今思えばこの市場は希ちゃんに独占されてるよね)
穂乃果(……やっぱり単純にナンバーを周りに座らせたくなった?)
ウェイター「では絵里様とことり様ですね。30分程度のお時間ですので、どうぞお楽しみに。少々お待ちくださいませ」ペコ
穂乃果「……、ぅぅ」
大学生「穂乃果ちゃん…?どうかした?」
穂乃果「あ、いや!!ちょっと緊張しちゃって…凄いメンバーだし!」
大学生「そっか…」 - 19: 2017/01/22(日) 12:07:17.19 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果(私のお客さんの一夜指名で呼ばれるなんて…あんまり良く思わないよね。その分常連さんを放置することになるし……)ドキドキ
絵里「こんばんは♪私を指名してくれたのは…そこの可愛いお姫様かしら?」ニコ
ことり「えへへ、初めまして♡私の事は好きに呼んでくれたら嬉しいなぁ…」ウワメ
穂乃果(──っ、完璧な営業スマイル!!やっぱりスゴい。誰のお客さんに対しても気を抜かないなんて…)
大学生「…そこ、座ってください」ニコ
穂乃果「あ、そうだ…!さっきのブランデー飲もっか…?ねっ?」
穂乃果(この2人を席に呼んどいて飲ませないのは流石に…あとは飲みながら適当に世間話で30分繋げばいいし)
大学生「うん。穂乃果ちゃん開けてくれる?♡」
穂乃果「わかったよ!」 - 20: 2017/01/22(日) 12:09:07.55 ID:Z/eMXmsT0
- ことり「…穂乃果ちゃんとはいつぐらいに出会ったのかなぁ?♡」
大学生「そうですね…1ヵ月かそれより少し前です」
穂乃果(…あ、あれ?何か器が固くて開かないんだけど……)アセアセ
絵里「見た限り、随分と気に入ってるようね。キッカケとか教えてくれる?」ニコ
大学生「全部に惹かれたんです。この空間で…一際輝いてた」
穂乃果(うー…やっと剥がせた!よし、早く開けてグラスに注がなきゃ…)ググッ
大学生「だから、簡単に抜かされちゃうと思いますよ。さっきの態度だって…見え見えの演技だし」
穂乃果「…!?!?」キュポン - 23: 2017/01/22(日) 12:11:58.71 ID:Z/eMXmsT0
- 絵里「………」
ことり「………」
穂乃果「あー…!!えっと……!〇〇ちゃん!?」
大学生「だから…慢心しないで頑張ってくださいね。あ、話はこれだけなので帰ってもらって大丈夫です」ニコ
穂乃果(いやいやいやっ!!ヤバイってレベルじゃないよっ!冗談って言っても許して貰えるかどうか…っ)
絵里「……っふふ。それだけ面と向かって言われたのはいつぶりかしらね」
ことり「…、ありがとう♡がんばるね」
穂乃果(あぁ…終わった……。店中が静かになってこっちに注目してるし…!) - 25: 2017/01/22(日) 12:15:34.41 ID:Z/eMXmsT0
- 絵里「私もこの地位に来る前は…少しでも好かれようと必死だったわ。でも途中で捨てられたりもした」
絵里「だから、本当に好きなら…穂乃果のことを最後まで支えてあげてね。それだけよ」ニコ
穂乃果「っ……絵里ちゃん」
ことり「…じゃあ私も帰るね♪」スクッ
穂乃果「…〇〇ちゃん、さっきみたいなのはやめて欲しいよ…。私達はライバルだけどこういう場で言うのは」
大学生「ふぇっ…!?」ビク
穂乃果「え…??」
大学生「ご……ごめん…。私、穂乃果ちゃんのためを思って…やった事なのっ。怒らないで……」ウルウル
穂乃果「ううん…怒ってないよ!だから泣かないで、ね?」
大学生「…っふ……うぅっ…ぐす」ギュッ
穂乃果(…この子の幸せって、何なんだろう) - 28: 2017/01/22(日) 12:17:57.35 ID:Z/eMXmsT0
- ──────
~カフェ~
ツバサ「…引き抜きの話をされた?」
穂乃果「うん…。朱雀って店なんだけど、知ってる?」
ツバサ「私…ホストクラブにはあまり行かないのよね。でも名前くらいは知ってるわ」
ツバサ「歌舞伎町の頂点を目指すクラブで、大型の店を構え、従業員数も多い。…このくらいね」
穂乃果「うん…。やっぱりそうなんだよね。みんなそれと同じこと言ってた」
ツバサ「って…穂乃果さん、声を掛けられてそのままついて行ったの?」
穂乃果「………はい」
ツバサ「……あなたね…」 - 30: 2017/01/22(日) 12:20:54.50 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「で、でも英玲奈さんいい人だったよ!私のこと大事にするって言ってたし…」
ツバサ「そこで働きたくなった?」
穂乃果「えー!いや、そんな簡単に言えないよ…。舞蝶には凛ちゃんや花陽ちゃん、真姫ちゃんもいるし…」
穂乃果「でも……見えない闇もあるから…うぅん」
ツバサ「あなたって案外優柔不断なのね」クス
穂乃果「未知の世界だからビビってるだけだよ…」
ツバサ「わかったわ。私なりに朱雀の事、少し調べておくから」
穂乃果「本当っ!?…あ、思いっきり巻き込んじゃってるね。ごめんっ」
ツバサ「仕事の合間を縫って行うから心配しないで。私の知り合いに生活安全課の刑事がいるの」 - 31: 2017/01/22(日) 12:23:03.26 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「刑事…?すごいねっ」
ツバサ「彼が、ね。私なんて大したことないわ」ニコ
穂乃果「ほぇ~…」
ツバサ「…ところで、私からも少しお願いがあるんだけど」
穂乃果「ん?なになに?」
ツバサ「従業員のどこまでが闇金会社に通じているのかを把握して、穂乃果さんには安全圏にいて欲しいの」
穂乃果「…闇金会社って、悪い人達の事だよね?」
ツバサ「……そうね。だから、もしもの事があった時にあなたも巻き込まれる可能性がある」
ツバサ「あの店で普通に働く上では問題ないと思うけど…まずは一緒に住んでる真姫さん辺りを調査するべきね」
ツバサ「そこが黒なら危ないわ」
穂乃果「うん…わかった。私に関わる大事な事だもんね」
ツバサ「えぇ。その解答によっては…対応を考えないと」 - 32: 2017/01/22(日) 12:24:52.18 ID:Z/eMXmsT0
- ──────
~マンション~
穂乃果「はぁ……最近は色々あるなぁ」ガチャ
真姫「…おかえり」
穂乃果「あっ珍しい…!真姫ちゃんだ」
真姫「って、元々ここは私の家よ!」
穂乃果「あはは…そうだねっ」
真姫「…この前の、凄いらしいじゃない。穂乃果の常連になってる大学生の女の子よ」
穂乃果「え…!?また何かやったの?」
真姫「SNSで好き勝手書いてるわ。その内容は…ほぼあなたに関する事だけど」 - 36: 2017/01/22(日) 12:27:04.14 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「へっ……」スッスッ
『穂乃果ちゃんが一番カッコイイのに…おかしいよ。他の人に魅力なんて無い』
『次に出勤する日いつなんだろう。LINEで聞けるんだけど…恥ずかしいし』
『最近ライバルの人が多くなってきてる……。嫌だな。みんな穂乃果ちゃんを指名しないでよ』
穂乃果「………」
真姫「一応忠告してあげなさいよ。これ以上店で暴れたらブラックリストに載せるって」
穂乃果「…え、入れなくなるの!?」
真姫「にこちゃんがそう決めたら絶対よ。私達の評判を下げられたら営業の邪魔になるわ」
穂乃果「そう……だよね。言っとくよ」
真姫「………」 - 37: 2017/01/22(日) 12:29:44.93 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「あ、あのさ。真姫ちゃん…ちょっと聞いてもいい?」
真姫「なに?」
穂乃果(海未ちゃんとことりちゃんとの食事会で…2人が気になることを言ってた)
穂乃果(確か……真姫ちゃんが絵里ちゃんの事をあまり良く思っていない事、何かをまだ引きずってる事)
穂乃果(……今がちょうどいい機会かもしれない)
穂乃果「真姫ちゃんってさ…凄いクール!って感じなのに、売上はナンバー5くらいをキープしてるよねっ」ニコ
真姫「はぁ…?売上とクールがどう関係するのよ」
穂乃果「ほら、絵里ちゃんがあんな感じだし…だから真姫ちゃんはもっと人気出ると思うんだけどな~」
真姫「エリーね。彼女みたいに割り切れたら……私も楽なんでしょうね」
穂乃果「えっ」 - 38: 2017/01/22(日) 12:31:25.30 ID:Z/eMXmsT0
- 真姫「知らないわ。忙しいのが嫌いだから、セーブしてるって言えばいい?」
穂乃果「そ、そっか…。ちなみに真姫ちゃんってあの店では誰と仲いいの?」
真姫「…凛と花陽よ。それがなに?」
穂乃果「あーわかる!私もあの2人好きだなぁ…人懐っこいよね♪」
穂乃果「じゃあ海未ちゃんとことりちゃんはどう?私はあの2人大好きなんだけど!」
真姫「…普通に仲良いわよ」
穂乃果「だよね~!なら希ちゃん、にこちゃん、絵里ちゃんは?」
真姫「そことはあまり接しないから良くわからないわ」
穂乃果「あ…そう、なんだ」
穂乃果(ってことは真姫ちゃんは潔白…。これ以上聞いても何もわからないかな)
真姫「…急になに?」
穂乃果「ううん!何でもないよっ」ニコニコ
真姫「少しは休みなさいよ。…出かけてくるわ」
穂乃果「どこ行くの?買い物?」
真姫「ただの散歩よ」 - 40: 2017/01/22(日) 12:33:11.26 ID:Z/eMXmsT0
- ──────
~ホストクラブ~
ガチャ
穂乃果「おはようございます~」ニコ
ホスト1「お、おはよう…」
ホスト2「…馬鹿、返事するなよ」ボソ
穂乃果(相変わらずだなぁ…もう慣れたけど)
穂乃果(…とりあえず今日含め、あと数日で締め日だ。そこで今月の売上ランキングが発表される)
穂乃果(私が少しでも上にいけてたら…いいな。あの子がドルフィンおろしてくれたから下がる事はないけど)
にこ「穂乃果、ちょっといい?」
穂乃果「え?あ…はい!」 - 41: 2017/01/22(日) 12:34:28.30 ID:Z/eMXmsT0
- にこ「もうすぐあんたがうちに来て3ヵ月よね。で、お祝いにご飯奢ってあげるわ」
穂乃果「………え??」
にこ「仕事終わるまでに店選んどいてよ。じゃ」スタスタ
穂乃果「…うん!!」
穂乃果(にこちゃんが奢ってくれる…って、いきなりどうしたんだろう)
ホスト1「えぇ…オーナー他の新人なんて相手にしないのに」ヒソヒソ
ホスト2「仕方ないよ。アイツの売上推移見た?右肩上がり過ぎて異常だし」
ホスト1「あーほんと気に食わないな…はぁ」
穂乃果(……つ、遂に消される?)ドキドキ
穂乃果(どうしよう……) - 42: 2017/01/22(日) 12:36:57.79 ID:Z/eMXmsT0
- ───────
希「ほな、行こっか♪」
穂乃果「……うん…♪」
にこ「じゃあ行くわよ穂乃果。タクシーにはあんたしか乗せないし」
希「ちょっと!酷いやん、うち何かした?」
にこ「今から何かしようとしてんでしょ!」
希「え~~うちも連れてってよ~。えりちが実家帰ったから暇なん」
にこ「じゃあ全員のを2人で割り勘ね」
希「わーい!ごちそうさま♡」
にこ「ぬわぁんでよ!!」
穂乃果(わ、私…どうしたら…)
にこ「ほら穂乃果が困ってんじゃない。全く…」
希「あーごめんね。基本的に漫才やと思ってくれていいし」
にこ「……!もうツッコまないわよ」
希「で、穂乃果ちゃんはどこ行きたいの?」ニコ
穂乃果「あ…えっと……。ファミレスで!!」 - 43: 2017/01/22(日) 12:39:02.40 ID:Z/eMXmsT0
- ~ファミレス~
カランカラン♪イラッシャイマセー
にこ「どこでもいいとは言ったけど……」
希「ふふっ♪いいやん、最近はあんまり来ないし」
穂乃果「高いお店は私に勿体ないから…慣れ親しんだここにしたんだけど…」
にこ「別にいいわよ。ここのメニュー全部頼むんでしょ?」ニヤ
穂乃果「……ほんと!?」
にこ「…いや、これ冗談だから」
希「じゃあ手始めにチキン系から制覇しよっか♪」
にこ「もー黙ってなさいよ!」
穂乃果(私の心配とは裏腹に、店を出てから凄く和やかな雰囲気が続いてる)
穂乃果(この2人も絵里ちゃんや海未ちゃんといる時はこんな感じだったもんな…) - 44: 2017/01/22(日) 12:40:07.21 ID:Z/eMXmsT0
- ピンポーン♪
ウェイトレス「はい、ただいま♪」
穂乃果「ってまだ決めてないよ…!!」ガバッ
希「ごめん…!押しちゃった」
にこ「あのね、いーい?こういうのは迷ったら全部頼むのよ」
穂乃果(やっぱりお金の使い方が違うよねぇ…私なんてファミレス来たら5分くらい悩んじゃう)
ウェイトレス「…はい。特製サラダとイチゴパフェですね。そちらのお客様はいかがなさいますか?」
穂乃果「あっ…グラタンで!」
ウェイトレス「はい、グラタンですね。少々お待ちください」タッ - 45: 2017/01/22(日) 12:41:54.21 ID:Z/eMXmsT0
- にこ「仕事終わった後なのに結構いくわねー」
穂乃果「お腹空いちゃって…!」
希「にこっちの激甘パフェよりマシやんな~?」
にこ「ひと口あげないわよ」
穂乃果「………」ドキドキ
にこ「…そうそう、穂乃果に聞きたいことがあったんだけど」
穂乃果(き…きた…!!やっぱりだ!)
穂乃果(何を聞かれるんだろ…この前の海未ちゃんとのこと?それとも最近調子乗ってるから…)
にこ「犬と猫だったらどっちが好き?」
穂乃果「……!?え、えっと…犬かな…」 - 46: 2017/01/22(日) 12:42:46.82 ID:Z/eMXmsT0
- 希「穂乃果ちゃん犬派かぁ。最近は猫ブームなんよ?」
にこ「猫は懐かないから犬の方が可愛いのよね。わかるわ」
穂乃果「でも私…家が和菓子屋だからペット飼えなくて」
穂乃果(全然見当違いの質問だった……。心臓が飛び出そうだったよ)
希「で、穂乃果ちゃんはもうすぐここに来て3ヵ月やけど…何か知りたいこととかある?」
穂乃果「知りたいこと…??」
にこ「何でもいいわよ」
穂乃果(……いい機会かもしれない。危ない所までは触れずに、にこちゃん達の事が知りたいから…) - 48: 2017/01/22(日) 12:43:44.69 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「この前店に来たあんじゅさんって…過去に、にこちゃんと知り合いだったの?」
にこ「…まぁね。前の店で指名されてて、一夜で500万おろしたこともあるわ」
穂乃果「っ…!?」
にこ「その後色々あって現役を引退して、店を始める時に絵里と希が来たのね」
希「…そやったね」
穂乃果「にこちゃん達は……何でこの世界に入ろうと思ったの?」
にこ「私は妹達を養うためよ。ママが病気になって、普通のアルバイトじゃやっていけなかったから」
にこ「昔はチビ達にも苦労させたけど…今は何でも食べさせてあげられるし、後悔はしてないわ」
穂乃果「………」 - 49: 2017/01/22(日) 12:46:07.46 ID:Z/eMXmsT0
- 希「うちらはね、にこっちが内緒で働いてることは知ってたんやけど…どう声を掛けたらいいかわからんくて」
希「結局高校生の時は見て見ぬ振りを突き通してしまった。だから…大学生になって、自由も出来た時にちゃんと向き直ったん」
穂乃果「じゃあ2人はにこちゃんのためにこの世界に入ったの…!?」
希「最初はね、罪償いのつもりで。開店して少し経ってからは経営も安定したし…もううちらの力は必要無かったんやけど」
希「結局、今までずっと居るね。この仕事の魅力に惹き込まれたのか…何なのかはよくわからない」
にこ「…馬鹿なのよ、あんたらは」
希「ふふっ。そうかもね」
穂乃果(1度この世界の蜜を舐めて…離れられなくなった?)
穂乃果(じゃあ私はすんなり辞めれるのかな…。お金が稼げなくなっても、この世界にしがみつく人はいっぱいいるだろうし…) - 50: 2017/01/22(日) 12:47:40.95 ID:Z/eMXmsT0
- にこ「海未は最初嫌がってたけど、やっぱにこの目に狂いはないわね!ふふん」
希「最初の頃はね~。うちらもなかなか酷かったし」
にこ「まぁ、だから困った事があれば私じゃなくて絵里や希に言ってもいいわよ」
穂乃果(…私は自分のためにこの世界で働くことを決意したのに、にこちゃん達は他人のためなんて)
穂乃果(私には詳しい事はさっぱりだけど…英玲奈さんが言ってたみたいに、にこちゃんが売上の数字を改ざんするようには見えない)
穂乃果(むしろ私がナンバーワンになったら…みんな祝ってくれそうで)
にこ「…穂乃果?」
穂乃果(うん…。止めよう。今日までお世話になってた店だもん、私はここで上を目指す)
穂乃果(……不安が解消されたわけじゃないけどさ) - 51: 2017/01/22(日) 12:52:02.58 ID:Z/eMXmsT0
- ──────
prrrrrr…
穂乃果『ツバサさん?この前のことで…話があるんだけど』
ツバサ『えぇ、私も電話しようとしていたところよ』
穂乃果『私…舞蝶でやっていくよ。黒い噂があったって、私は何も知らないから…どう思う?』
ツバサ『そうした方が懸命ね。どうやら朱雀って店、あなた達の事をよく思っていないみたい』
ツバサ『歌舞伎町で人気のある店が朱雀と舞蝶。だから、直接潰しにかかるつもりよ』
穂乃果『そんな…!でも、何で私が』
ツバサ『穂乃果さんの人気を取り込みたかったのは本当みたいね。でも…きっと良いように利用されて捨てられる』
ツバサ『英玲奈という人物は、歌舞伎町ナンバーワンになるのが夢らしいの。度々お客さんに話してる姿が目撃されてるから』 - 52: 2017/01/22(日) 12:53:52.54 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果『歌舞伎町ナンバーワンって…にこちゃんと同じやつだよね』
ツバサ『えぇ。でも、その前に最も邪魔な存在を消す必要があった』
穂乃果『それが…舞蝶ってこと?』
ツバサ『そう。特に絵里さんね』
穂乃果『…!そっか、舞蝶を潰せば絵里ちゃんは店を移るか辞めなきゃいけなくなる』
穂乃果『その間に英玲奈さんが……』
ツバサ『だから穂乃果さん、あなたが朱雀へ移ってもナンバーワンになんてなれないわ。絶対に、よ』
穂乃果『そうだったんだ……ありがとう、ツバサさん』
穂乃果『私のためにそこまで調べてくれるなんて…本当にありがとうっ!』
ツバサ『っ…//だって、穂乃果さんの頼みだもの…。それに私は応援すると言ったでしょう?』
穂乃果『うん…。じゃあ断ってくるね、直接行ってくる』
ツバサ『気をつけて。危害をくわえられることはないと思うけど…くれぐれもね』
穂乃果『わかったよ!』 - 53: 2017/01/22(日) 12:59:43.42 ID:Z/eMXmsT0
- ──────
~朱雀~
穂乃果(…確かこっちが事務所だよね。いまは昼だし、店は営業してない)
穂乃果(こっちに来れば……)ギィ
「……が………でないと」
「いえ、…………」
穂乃果(……!!この声って)
英玲奈「しかし、ああいったタイプは楽だな。少しいい条件を並べただけで食いつく」
あんじゅ「あの子はお金が欲しいみたいだからねぇ♡まぁ、もうすぐ返事するんじゃないかしら?」
英玲奈「……後々、高坂穂乃果が脅威になるのは予測できる。だからうちに引き抜くと言われた時は驚いたよ」 - 54: 2017/01/22(日) 13:04:18.44 ID:Z/eMXmsT0
- あんじゅ「私が経営するこの店に入れば…言うことは聞かなきゃいけないでしょ?♡」
あんじゅ「穂乃果ちゃんを初めに、他の子も引き抜いて…舞蝶にお客さんが集まらないようにすれば、朱雀が潤う」
英玲奈「あぁ。そうだな…そして私が真のナンバーワンとなる」
英玲奈「絢瀬絵里……実に邪魔だ。悪いがこの世界から消えてもらおう」
あんじゅ「舞蝶が経営難になればにこちゃんは私に助けを求める……うふふっ。お互いにメリットしかないわね♡」
穂乃果「っ……!!」バンッ
英玲奈「…!?お前っ」 - 57: 2017/01/22(日) 13:06:03.31 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「私は辞めませんから!!そして、舞蝶を潰させたりしない…!」
あんじゅ「あらあら…」
穂乃果「こんなやり方で、勝とうなんて…卑怯だよっ!まさかあんじゅさんと繋がってたなんてね!」
英玲奈「……やり方か。この世界では当たり前だぞ?」
穂乃果「そんなの知らないよ!ただ、私はもう絶対に朱雀には来ない」
あんじゅ「……そう。ならあの店で頑張ってね♪」
穂乃果「っ…失礼します!」ガチャ
英玲奈「…まさか聞かれていたとはな。面倒なことになった」
あんじゅ「普通ならホイホイついてきそうなものだけど…誰かが入れ知恵したのかしら?♡」
英玲奈「……まぁいい。別の方法を考えようか」
あんじゅ「修羅の道を突き進むその姿…美しいわぁ♡」 - 58: 2017/01/22(日) 13:07:41.81 ID:Z/eMXmsT0
- ─────
~ホストクラブ~
穂乃果「おはようございまー…」ガチャ
シーン…
穂乃果「あれ?今日は全員、営業時間の30分前には来てって連絡が来てたはずなんだけど」
穂乃果「やけに静かだな…」スタスタ
凛「あ、穂乃果ちゃんおはよー!」
花陽「久しぶりだね♪」
穂乃果「おはよう!今日って何かあるの?」
凛「先月の売上発表があるんだにゃ」
花陽「だからみんな緊張してるね…」 - 59: 2017/01/22(日) 13:10:42.02 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「売上…発表…!」
穂乃果(今までは上位陣にかすりもしなかったし、給料も30万には届かない…)
穂乃果(どのくらいかな。ナンバーっていうのは、一応10位までの人がそう呼ばれるけど…厳しいかな)
ことり「………」チラ
海未「ことり。どうかしましたか…?」
ことり「…ううん。なにもないよ♪」
海未「そうですか……」
ガチャ
にこ「みんないるわねー?んじゃ、先月の売上を集計したから発表するわ」
にこ「この金額は単純な売上で、給料とは別。そして売り掛けも売上に含める」 - 60: 2017/01/22(日) 13:19:02.25 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果「………」ゴクッ
にこ「いつもの如く、ナンバー5から口頭で言うわね。その他は貼り出してあるのを見て」
凛「ドキドキするにゃ~。でもいつも同じだもんね?」
花陽「うん。トップ3は変わらなくて、4と5を希ちゃんと真姫ちゃんが入れ替わるくらいだし…」
凛「それより特別賞の方が大事だよ!先月のがんばりましたで賞は誰かなぁ?」
にこ「んーと…5位、希。250万。今月は結構みんな頑張ってるわよ」
希「あ、負けちゃった。…遠方の人きたからそこそこやと思ったのになぁ」
真姫「いつもあんまり変わらないでしょ。それに…私、こういうの興味ないから」
希「なーんて♪大丈夫、うち気にしてないよ♡」 - 62: 2017/01/22(日) 13:25:33.96 ID:Z/eMXmsT0
- 穂乃果(うーん……250は流石に厳しいかな)
にこ「4位は……えっと、ことり。320万ね」
ことり「…ふぇっ……」
穂乃果「……!?」
海未「え…」
真姫「……」
凛「いやいや、嘘だにゃ!」
花陽「ことりちゃんが4位…!?じゃあ、真姫ちゃんが遂にトップ3入りしたんだね…」キラキラ
真姫(違う…、そうじゃない)
にこ「3位は……穂乃果。325万」
穂乃果「…ぁ……う、うそ…」
穂乃果(私が3位…!?先月そんなに売ったっけ…325万って…!!) - 65: 2017/01/22(日) 13:31:57.18 ID:Z/eMXmsT0
- 絵里(……まさかいきなり食い込むなんてね)チラ
絵里(いま穂乃果を見る周りの目は…決して、歓迎するものじゃないけど)
絵里(彼女はきっと…それさえも乗り越えてくる)
ことり「っ……」タタッ
海未「ことり!待ってください…!」ギュッ
ことり「ごめん…少し、一人にさせてくれないかな……」
海未「っ…こっちへ移動しましょう。もう部屋の中心にいる必要はありません」
ことり(そんな…たった3ヵ月で私が抜かれちゃうなんて……あはは)
ことり(っ……、もっとお客さんを作らなきゃ。このままで終わる気なんてないよ…!)
穂乃果(海未ちゃんが2位で絵里ちゃんが1位は変わらないけど……私が3位っ!!ツバサさんに連絡しなきゃ!) - 72: 2017/01/22(日) 13:41:02.96 ID:CWwLNyYza
- この誰も信用できない感じがこわい
穂乃果もいつもの謎の万能感がないからどう転ぶかわからなくてこわい - 73: 2017/01/22(日) 13:42:33.45 ID:x1wc8Maaa
- 上位に入ってからが闇
えれあんも闇だし
全部闇 - 155: 2017/01/26(木) 00:08:16.09 ID:sNxv8mv+0
- ───────
~カフェ~
穂乃果「ツバサさん…!ちょっと久しぶりだねっ」パァァ
ツバサ「あら、穂乃果さん…今日はやけにご機嫌ね?」ニコ
穂乃果「あのね…これは直接会って話したかったから、電話では言わなかったの」
穂乃果「なんと私、ナンバー3に入っちゃったんだ!!」
ツバサ「……!凄いじゃない!」
穂乃果「えへへ…でしょ?褒めて褒めて♪」
ツバサ「偉いわね♡」ナデナデ
穂乃果「んー…//」
ツバサ「でも、まだ気を抜いちゃだめよ。勝負はここからなんだから」
穂乃果「うんっ…そうだよね」 - 156: 2017/01/26(木) 00:17:41.15 ID:sNxv8mv+0
- ツバサ「穂乃果さん、いま指名客はどのくらい抱えているの?」
穂乃果「えーっと…20人くらい?でも1回だけで他のお店に行った人もいるし、来店頻度もみんなバラバラだよ」
ツバサ「そう…。なら目標は50人ね」
穂乃果「えぇぇ!?」
ツバサ「そのくらいは軽くこなしてくれないと、絵里さんに勝てないわよ?」
穂乃果「うっ……で、でもさ。あんまり八方美人に付き合うのは好かれないんじゃないかな」
ツバサ「…じゃあここで問題ね。AとBというホストがいて、Aには1回の来店で30万円を使う指名客10人。Bには1回の来店で3万円を使う指名客100人がいます」
ツバサ「この設定で、どっちのホストが最終的に上にいくと思う?」
穂乃果「え??でも…それって両方300万円だよ?」
ツバサ「そこがポイントなの」ニコ
穂乃果(うーん…。Bのお客さんは3万しか出してくれないから、Aのお客さんはお金持ちってことになる?)
穂乃果(にこちゃんとあんじゅさんみたいに、1人のホストに大富豪が入れ込んだら…Bは敵わないんじゃないのかな) - 157: 2017/01/26(木) 00:30:49.50 ID:sNxv8mv+0
- 穂乃果(あ!でもこれって……)
穂乃果「わかったよ!Bが勝ちやすい!」
ツバサ「……驚いたわ。流石ね、穂乃果さん」
穂乃果「お客さんが指名ホストに飽きて、他の店に移っちゃうことはよくあるんだ。それを見越して考えると…1人につきBは3万円が無くなるのに対してAは30万円も失うねっ」
ツバサ「そう、1人に掛ける負担の大きさとマイナスは比例するの。深く狭くの接客は上を目指すなら辞めた方がいいわね」
穂乃果「あとは…お金持ちがお客さんの中にいるチャンスがBの方が大きい!」
ツバサ「えぇ。単純に人数で考えれば10倍だから。…まぁ、最初から30万を払うのは庶民では無さそうだけど」
ツバサ「恐らく穂乃果さんが言いたいのは、太客に育てるチャンスが多いからということかしら」
穂乃果「へっ…?」
ツバサ「顧客はずっと3万円を支払い続けるわけじゃない。つまり、穂乃果さん次第で30万を払う指名客100人は作れるのよ」 - 159: 2017/01/26(木) 00:33:18.44 ID:sNxv8mv+0
- 穂乃果「あ…なるほど」
穂乃果(そこまではわかってなかったよ…内緒にしとこう)
ツバサ「だから将来性のある女の子は大事にするのよ?」
穂乃果「うん。だけど将来性って…みんな一緒のお客さんだよ」
ツバサ「いいえ。何度アプローチしても自分に染まらないと思ったら、即刻切り捨てたほうがいいわ」
ツバサ「そして、その時間を自分に夢中になってくれている女の子に費やすべきよ」
穂乃果「あー…うん。効率的だね…」
ツバサ「海未さんと絵里さんを抜きたいのなら…己に厳しくありなさい」
ツバサ「甘い心を捨てるの。そうすれば、もう誰もあなたに敵わなくなる」
穂乃果「……わかってるよ」 - 163: 2017/01/26(木) 00:42:11.23 ID:sNxv8mv+0
- ───────
~マンション~
海未「あの…ことり」
ことり「………」
海未(困りました…。少し前に先月売上が発表され、穂乃果が3位だという結果が出てからというもの…)
ことり「あっ♪海未ちゃんごめんね、ぼーっとしちゃってた」ニコ
海未「もう体調は大丈夫ですか?」
ことり「うんっ♡昨日海未ちゃんが看病してくれたから平気になったよ~♡」ギュッ
海未「よ…良かったです……///」
ことり「うーん♪今日は海未ちゃんもお休みかなぁ?」
海未「えっと…すみません。仕事があって」
ことり「そっかぁ…」シュン
海未(あぁ、暫くはことりの傍にいてあげたいんですが…どうしましょう。にこに相談すれば…?)
ことり「仕事なら仕方ないもんね。…じゃあ私、ちょっとお買い物いってきます♪」
海未「もう、またですか?部屋だ荷物でいっぱいになってしまいますよ」 - 165: 2017/01/26(木) 00:52:06.54 ID:sNxv8mv+0
- ことり「リップが無くなっちゃったの。なら海未ちゃん…貸してくれる?♡」
海未「ふぇっ…!?//」
ことり「ふふ♡…いってきまーすっ」ガチャ
海未「えぇと…///私はその…構わないですよ。リップくらい…」ポツポツ
海未(…しかしことりに貸したあと、私がそれを使えば…か、間接キスというものに///)
海未「すぅ…。ことりっ!」クルッ
海未「っていないじゃないですか……」
海未(あの発表から…ことりの柔らかい微笑みにどこか影がさしたような気がします)
海未(外出の回数も増え、にこによると出勤の日数も1.5倍にしたとか…)
海未(はぁ…。心配で胃に穴が空きそうです。でも私の立場から声を掛けては逆効果ですよね…) - 166: 2017/01/26(木) 00:55:02.14 ID:sNxv8mv+0
- ───────
~表通り~
ことり「……」
女の子「ことりちゃん♡こっちむいてよ~」
ことり「ぅん…?どうしたの?」ニコ
女の子「なんか元気ないし…疲れてたりする?」
ことり「ううん♪せっかくのデートなんだもん、楽しいですよ♡」
女の子「んーでもいきなり食事しようって誘ったから、普通に断られると思ってたんだよね。ことりちゃん小食だったっけ?」
ことり「えっと…ちょっと食欲なくて。ごめんね」
女の子「まぁことりちゃん細いしそんなもんかぁ。私いっぱい食べる子好きなんだけどさ」
ことり(そんなこと言われても…お昼ご飯自体は3回目だし食べれないよ…)
女の子「あ!これプレゼント。前に欲しいって言ってたブランドの指輪だよ♪」
ことり「わっ…本当にいいの?ありがとう♡」 - 167: 2017/01/26(木) 01:03:04.46 ID:sNxv8mv+0
- 女の子「ふふふ♪じゃあちょっと休憩…っていいたいところだけど、実はこのあと仕事なんだ~。また明日お店いくね」
ことり「そ、そっか…うんっ♪まってるねっ」ニコ
女の子「ばいばーい!」スタスタ
ことり「…………」ハァ
ことり(次はあの人と連絡取らなきゃ。あ、でもこの前の人からもlineが来てたしそっちを優先し……)グラッ
ことり「ひゃっ……!!」
ガシッ
英玲奈「よそ見をしたまま歩くのは危険だ。…いや、立ちくらみか?」
ことり「っ、あなたは…英玲奈さん…!」
ことり(一度も会ったことはないけど、写真でこの人見たことある…。なんで朱雀のナンバーワンがここにっ) - 168: 2017/01/26(木) 01:05:26.47 ID:sNxv8mv+0
- 英玲奈「私の名も有名になったものだな。しかし舞蝶のことり、こんなところで会えるとは」
ことり「……離してください」
英玲奈「随分と警戒されているようだ…我々は君たちと仲良くやっていきたいと思っているのに」
ことり「私達は他のお店と争うつもりなんてありません」
英玲奈「…そうか。ならいいが…お前、体が悲鳴をあげているぞ。少しは休んだらどうだ」
ことり「いいえ、平気です。昨日の仕事が終わるのが遅かったから…」
英玲奈「精神的な面で参っている、と言ってるんだがな」
ことり「…!?」ビク
英玲奈「図星のようだ」
ことり「………」
英玲奈「なぜそう思うのか?…答えは、今この町中の話題はとある新人で持ち切りだからさ」
ことり「穂乃果ちゃん凄いもんね。始めてからたった3か月なんて思えないし…にこちゃんからも期待されてて。やっぱり海未ちゃんが教育係だったのもあるのかなぁ」ニコ - 170: 2017/01/26(木) 01:11:26.25 ID:sNxv8mv+0
- 英玲奈「……おかしい。その言葉の中には、何か他の感情が含まれているように感じる」
ことり「そんなことないですよ?穂乃果ちゃんのこと、私は尊敬して…」
英玲奈「祝福する気なんて全く無いのに、その言葉を口にするのは辛くないか?」
ことり「……っ!」
英玲奈「私達でも知っているほどの情報だぞ。どうやら穂乃果に3位を奪われてしまったみたいだな」
ことり「………」
英玲奈「絵里という人物がトップを守り続けてきたのもあって、舞蝶ではナンバー争いがない。…というのが今までの噂話だが」
英玲奈「どうやら革命が起きそうだ。この機に乗じて下剋上の波が一気に押し寄せるだろう」
ことり「朱雀から見れば…この状況は、嬉しいことなんですね」
英玲奈「とんでもない。むしろ焦っていたりするよ」ニコ
英玲奈「仲間内で熾烈な争いを繰り広げられたら、その競争力で客を取られてしまう。困ったものだ」
ことり「……私、忙しいので。また会えたら話そうね♡」
英玲奈「逃げるのか?」 - 171: 2017/01/26(木) 01:39:25.24 ID:sNxv8mv+0
- ことり「っ、逃げてなんて…」
英玲奈「いや…すまない。言い方に語弊があったな」
英玲奈「逃げた方がいい。足掻いたところで、奴の勢いを止められるのは…絵里くらいだろう」
ことり「そんなの…!やってみなきゃわかんないよっ」
英玲奈「やっても無駄だと言ってるんだ。一度負けた君は、もう下から眺めるしかない」
ことり「私は……今まで努力して、いっぱい勉強もして、やっとあそこまで上り詰めたんだもん!そんな風に言わないでください…!」
英玲奈「そうか。まぁやれるだけやればいい。私は自分なりの経験で"アドバイス"したからな」
ことり「……」
英玲奈「では、失礼する」スタスタ
ことり「……負けないよ。絶対に」
ことり「ナンバーワンを取るって決めたから。私は穂乃果ちゃんに負けられない」 - 172: 2017/01/26(木) 01:53:06.53 ID:sNxv8mv+0
- ──────
絵里「んーー…」ムニャ
希「今日は一段とお疲れやなぁ」
絵里「そうね…。でも希にこうやって膝枕してもらってると平気」
希「ふふっ♪だってえりちのこんな姿、他では見せられへんし。皆の前ではカッコよくしてるもんね」
絵里「む…別に、演技しなくてもカッコいいのよ?」
希「えー?いま甘えんぼさんやのに説得力ないよ」ニコ
絵里「じゃあ…そんな希には、とっておきをプレゼントするわ」グイッ
希「ちょ…ちょっと、えりち…///」
にこ「だぁぁ!事務所で盛んな!!」バシ
絵里「っつ…もう、痛いじゃない」
にこ「はー……」 - 173: 2017/01/26(木) 02:02:10.07 ID:sNxv8mv+0
- 希「にこっちレジ閉め終わったー?」
にこ「うん。あとは金庫に色々入れておわり」
希「じゃうちらも帰る準備しよっか」
絵里「…ねぇ、にこ。今日の売上一覧見せてくれない?」
にこ「ん?いいけど…」ピラッ
絵里「………」
希「…もしかして、不味かったんかな?」ヒソ
にこ「別に絵里はいつも通りよ。ただ、穂乃果が今日もボトルおろしてた」
希「あーそういえば…」
にこ「まさかあの子があそこまで稼ぐことになるなんてね。初心者なのにちょっと不自然な伸び方ではあるけど、まぁ才能だと思う」
希「不自然、ね…。敢えて言うなら、入って1か月くらいの時はしょっちゅうお客さんに怒られてたりうちらがフォローしてたのに、少し前から人が変わったみたいになったなぁ」 - 175: 2017/01/26(木) 02:25:31.66 ID:sNxv8mv+0
- にこ「海未や真姫ちゃん辺りがアドバイスしたんじゃないの?」
希「いや、それが…海未ちゃんは大したこと言ってないし、真姫ちゃんは営業のやり方を教えただけやって」
希「しかもその時に穂乃果ちゃんは営業自体を嫌ってた…らしいんやけど」
にこ「んー…あの子の中で何か変化があったとか…」
絵里「はい、もういいわ。ありがとう」
にこ「…ねぇ。もしかして焦ってたりする?」ニヤ
絵里「いいえ。残念だけど、穂乃果にトップを渡すつもりは毛頭ないわ」ニコ
にこ「さっすがうちの顔ね」
希「…なーんか寂しい。うちも頑張ってみようかな」
絵里「ダメよ。希は自由にやってくれればいいの!」
にこ「ほんと過保護ね~」
希「経営者のにこっち的には今の状況ってどう見てるん?」
にこ「そりゃいい傾向よ。あんた達が頑張ってくれた方が売上も増えるから」
にこ「…ま、個人的な意見としてはこういうの避けたかったんだけどね」
絵里「にこは優しいのね」ニコ
にこ「ことりのケアは海未に任せてあるわ。…あまり気を病んでないといいんだけど」 - 227: 2017/01/29(日) 00:21:30.88 ID:1dQnYBsS0
- ──────
「……」
「………」
穂乃果「あれ…?」
穂乃果「もうお店は終わりのはずなのに、まだ奥の方は電気がついてる。なんでだろう」
ガチャッ
ことり「………」
穂乃果「あっ、ことりちゃん!いまから帰るの?」
ことり「……」フイッ
穂乃果「え…?」 - 229: 2017/01/29(日) 00:24:58.18 ID:1dQnYBsS0
- 穂乃果「あ、あの…ことりちゃ」
ことり「私に話しかけないでくれるかな」
穂乃果「っ!ごめん…!」
ことり「……はぁ」スタスタ
穂乃果(やっぱりことりちゃん…売上で私が抜いちゃったから、気にしてるよね)
穂乃果(声掛けなきゃよかったな…。無神経だったよ)
穂乃果(……でも、あんな態度取ることないじゃん!負けたからって辛く当たるのは…その、カッコ悪いよ)
穂乃果(あれ、そういえば凛ちゃんや花陽ちゃんは帰ったのかな?)
穂乃果(真姫ちゃんの姿も…見えないし)
ガッシャーーン!!
穂乃果「!?!?」 - 231: 2017/01/29(日) 00:28:19.42 ID:1dQnYBsS0
- 穂乃果(事務所の方からだ…っ)
穂乃果(ことりちゃんが出てきたから扉は開いてる。こんな夜中に、人の気配があるってことは…)ゴクッ
穂乃果「もしかして…」ボソ
穂乃果(……少しだけ。ここは中から死角だし、覗いてもバレないよね)ギィィ
女の子「何がよ。知らないつってんでしょ」
穂乃果「……え?」
穂乃果(スーツ姿の女の子…あぁ。あれって、いつも嫌がらせしてくる先輩だ…)
穂乃果(その他は…、事務椅子に座って頬杖をついてるにこちゃんに、お客さん用のソファに腰掛ける希ちゃん、壁にもたれかかって腕を組む海未ちゃんがいる)
穂乃果(…って絵里ちゃんは?) - 232: 2017/01/29(日) 00:34:20.52 ID:1dQnYBsS0
- にこ「ふーん。知らないんだ」
女の子「それ誰かからのチクリかなんかー?私の人気に嫉妬するなんて、暇な奴らね」
海未「では、妬まれるようなことをしたのですか?」
女の子「私にはさっぱりだわ。そもそもこの世界って裏切りや足の引っ張り合いなんて日常茶飯事じゃん」
にこ「…よくわかってんじゃない」ニコ
穂乃果(……なんの話だろう)
穂乃果(妬みとか裏切りとかって…)
希「それにしても困ったなぁ。まさか情報が流出してるなんて」
女の子「……」
海未「マンションの部屋番号やその週のシフト表、どの客と関係を持っているのか、そしてメンバー同士のことまでネットの掲示板やSNSに書き込まれていますね」 - 233: 2017/01/29(日) 00:38:38.40 ID:1dQnYBsS0
- 女の子「そ、そんなの……熱狂的な客が色々突き止めてんでしょ!」
希「試しに読んでみよっか~?」
希「『ことりちゃん、この前は仕事で会えないって言ってたのに…出勤してないじゃない』『真姫ってあの子とも付き合うとか性格悪い』」
希「『りんぱな付き合ってるとか嘘でしょ…。私達のことは完全に遊びってこと!?』『海未って絵里のこと嫌いで、嫌がらせしてるらしいね』」
穂乃果(うわぁ……そんなのがネット上で拡散されてるって、プライバシーも何もないじゃん!)
穂乃果(しかも半分くらい嘘だよね…。いや、こういうのってほぼ偽情報だったり……)
海未「…これらのせいで、絵里が一日中ストーカーに悩まされノイローゼ気味になりました。私達の指名客も減り全体の売上も落ち始めています」
希「えりち、ずっと元気ないし…大丈夫かなぁ。心配やわ」
女の子「ほんと女ってのは根も葉も無い噂が好きよね。私達はとんだ被害者よ」
にこ「いや、ネット使って情報操作してんのは他店の奴らよ。それはもう割れてる」 - 234: 2017/01/29(日) 00:43:43.49 ID:1dQnYBsS0
- 女の子「へ、へぇ~そうなんだ。じゃあそこをどうにかしないと…」
海未「………」
希「………」チラ
穂乃果(…え?)
女の子「なっ…なによ!!」
にこ「アンタさ。私達のこと売ったでしょ」
女の子「っっ!?!?」ビク
穂乃果(売った…??売るって、情報をってこと?誰に?)
女の子「私は知らないわよ!!」
海未「しかも…あなたが気に食わない人のだけが漏れている。余計に陰湿ですね」 - 235: 2017/01/29(日) 00:49:08.72 ID:1dQnYBsS0
- 女の子「だから!!私はっ」
にこ「吠えてるとこ悪いけど、もうお仲間が全部吐いてるわ」
女の子「えっ……」ピタ
希「…うちらの情報売っていくら貰ったん?」
女の子「何も貰ってない!!本当よっ、デタラメだって!」
にこ「しつこい。アンタのお喋りにいつまでも付き合ってられないっての」ピラッ
女の子「なに、これ…」
にこ「見ての通り写真よ。他の店の奴と密談してんのバレバレ」
女の子「……っ!?!?」
希「うちには優秀な諜報員がいるからなぁ♪さ、もう認めたら?」 - 236: 2017/01/29(日) 00:52:10.18 ID:1dQnYBsS0
- 穂乃果(写真が出た瞬間、女の子の表情が一変した…。そんなに決定的な証拠だったんだ)
穂乃果(もう……あの子、白状するしかないよ)
女の子「知らない!!私は売ったりしてない!無実よっ!!!」ガタッ
海未「往生際の悪さもここまでくると…絶望的ですね」
女の子「あ……うぅ…」
女の子「うわぁぁぁっん!!!わたし、は…っ、ぐすっ…ふぇぇぇ」
にこ「はん、いくら泣き喚こうが絶対に許さないわよ」
海未「にこの手を煩わせるまでもありませんね。私に任せてもらえれば全て終わらせます」
にこ「今から海に沈められちゃ困るんだけど」
海未「まさか。責任を取っていただくだけですよ」ニコ - 239: 2017/01/29(日) 01:00:06.44 ID:1dQnYBsS0
- 穂乃果(……っ)ゾクッ
穂乃果(この場合は規則違反で罰金…だよね。でも、少しぐらい高くてもこの仕事の給料なら何とか賄え…)
海未「私達にも情はあります。1000万で手を打ちましょう」
穂乃果(うぇ…!?!?)
希「んーまぁそのくらいになるんかな」
女の子「…ふ、ふざけてんじゃないわよぉぉっ!!!」
海未「大きい声を出さないでもらえますか?酔いが回った後で頭痛がするんです」
女の子「罰金ってのは…あっても何十万でしょうが!!何よその金額!頭沸いてんじゃないのぉ!?」
海未「その他の余罪も含めてみました。金銭のやり取り、他のメンバーの情報を漏洩、店の売上を落とす行為、指名横流し、引き抜かれ…ここまでで500万です」
海未「残り半分はナンバーの慰謝料や傷病手当金としましょう」 - 240: 2017/01/29(日) 01:03:23.85 ID:1dQnYBsS0
- 女の子「それで500万とかそんな馬鹿な話はないわっ!!いい加減にして!」
希「例えばやけど、あなたとえりちが1時間ここで働いたとして…発生するお金は全く違うんよ」
希「みんなそれぞれが抱えてる顧客を奪ったことで損失するお金と、働けなくなった人が本来稼ぐであろう売上も負担してもらわんとね」
女の子「っ……弁護士を雇って訴えてやる!!そうよ、もう今決めたから!」
海未「あ、はい。どうぞ」
女の子「は……??」
海未「契約書には店に不利益な行為をした場合の記述があります。あなたはそれに同意し、サインしている」
海未「まぁお好きにどうぞ。お金を払い続けられるなら弁護士の方は相手してくれるでしょう」
女の子「………っく…」 - 241: 2017/01/29(日) 01:04:21.14 ID:Gu+8fB840
- こわい
- 242: 2017/01/29(日) 01:06:14.00 ID:1dQnYBsS0
- 海未「払わないなら然るべき手段を取ります。まずは業界のブラックリストに載せるので、昼職でしか働けなくなりますね。時給いくらの世界で頑張ってください」
海未「次に親や親戚、兄弟姉妹、お友達にも相談させていただきます。私はこの件をネットに晒すようなことはしませんが…誰が何をするかまでは知りません」
海未「そして、最後は……」
女の子「わかった…!!わかったから!」
女の子「払えばいいんでしょ…っくそ!!」
女の子「別にいいわよ。このくらい…。金はあるっての!!でも流石に分割してよね、桁が大き…」
にこ「…あんた誰に口聞いてんの?」
女の子「はっ…?」
ダンッッ!!!!
穂乃果「──あっ」
穂乃果(っ、不味い…!!つい口に……にこちゃんがパイプ椅子を蹴り上げた音か。心臓が飛び出そうだったよ…) - 246: 2017/01/29(日) 01:12:03.37 ID:1dQnYBsS0
- にこ「言ったわよね?絶対に許さないって」
女の子「………」ブルブル
にこ「払えばいい思う腐った根性、その態度……気に食わないんだけど」
希「あーあ…早く謝っといた方がいいんやない?」
海未「………」フゥ
女の子「ご…ごめん……」
にこ「は?」
女の子「っ……」
にこ「そういえばアンタって無駄にプライド高かったわね」
にこ「決~めた。今すぐ500万用意して」
穂乃果(ごひゃ…!?それはいくら何でもっ) - 247: 2017/01/29(日) 01:16:22.27 ID:olft2CD/r
- お風呂屋さんに直行やな
- 248: 2017/01/29(日) 01:17:04.79 ID:1dQnYBsS0
- 女の子「むむむ無理よ!!!今の貯金は200万しか…」
にこ「へー。んじゃどうすんの?仕事柄、銀行とかは貸してくれないわよ」
女の子「だから、無理なんだって…無理なんです!」
海未「では今から中国辺りへ行って、臓器でも売ってはどうでしょうか」
女の子「!?!?」
海未「安くても腎臓1つでギリギリ足りるのではないかと」
女の子「ひぃっ……」
穂乃果(そんな…いくら何でも酷すぎるよ!!)
穂乃果(一緒の人間だとは思えない…。まるで人間の皮を被った……悪魔だ)
女の子「嫌だ…!!私はそんなので死にたくないよぉぉぉっ!!」 - 249: 2017/01/29(日) 01:23:13.14 ID:1dQnYBsS0
- 希「まぁ…麻酔かけられて全部取られちゃうこととかあるみたいやしなぁ。こわいこわい」
にこ「無理ねぇ…。あ、じゃあ1つ提案してあげるわ」
にこ「地面に頭擦り付けて土下座するなら…私の紹介で金融機関から借りてあげる」ニヤ
女の子「……!!!」
にこ「で?やるの、やんないの?」
穂乃果(こんなの……従うしか、ないよ)
穂乃果「………」ゴクッ
……ストン
女の子「ごめ……ごめん、なさ…い。許してください…お願いしますっ…」
海未「……惨めですね。最初からやらなければいいものを」 - 251: 2017/01/29(日) 01:27:13.53 ID:1dQnYBsS0
- 女の子「うぅぅぅぅっ……ひっく、うえぇ……」
にこ「だーかーらー、泣いても何にもならないって」
にこ「あ、そうだ。手始めにごめんなさいって100回言おっか」
女の子「えっ……あ、」
希「じゃあうちが数えるね♪よーい…スタート」
女の子「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
海未「少し聞いてもいいですか。それ、金融機関っていいます?」
にこ「え?闇金でも立派な金融よ」
希「あ、じゃあ一生かけて返させるん?」
にこ「当たり前でしょ。こういうのは徹底的にやって見せしめにしてこそ、秩序が保たれるの」
海未「ふふっ。抜け目ないですね」 - 253: 2017/01/29(日) 01:32:59.32 ID:1dQnYBsS0
- 希「えっと今何回やっけ…忘れちゃった」
にこ「もー数えなくていいわよ。声枯れるまでやらせとけばいい」
女の子「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
穂乃果(ダメだ…っ!もう見てられない!!)
穂乃果(やっぱりこの店の上層部は異常だよ、闇に染まり切ってる)
穂乃果(ツバサさんごめん。ナンバーワンは目指すけど、やっぱり私……)
「…好奇心は猫をも殺す」
穂乃果「──ぁ」
絵里「そんな言葉があるらしいわね?」ニコ - 254: 2017/01/29(日) 01:33:54.56 ID:Gu+8fB840
- やべーぞ絢瀬だ
- 255: 2017/01/29(日) 01:35:05.88 ID:f7EYtaG+0
- ひぃ…
- 260: 2017/01/29(日) 01:39:13.53 ID:1dQnYBsS0
- ガチャッ!
希「わっ!びっくりした…」
絵里「お客様よ。接待してあげて」グイッ
穂乃果「つっぅ………」ドサ
にこ「……っち」
海未「穂乃果…!?あなた、なぜここに」
穂乃果「ご、ご…ごめんなさい!!でもあの、たまたま通りかかっただけで…何も見てないし!」
にこ「とても残念よ。穂乃果」
穂乃果「えっ……」
にこ「世の中には知らなくて良い事もある。同時に、知っちゃいけない事もあるの」
穂乃果「待ってよ…!!違う!違うんだってば!」 - 262: 2017/01/29(日) 01:45:02.05 ID:1dQnYBsS0
- 希「どんな成功にも多少なりともの運は絡んでくるからなぁ。穂乃果ちゃんは…悪運が強かったんやね」
海未「……仕方ありませんね」
絵里「あなたとはいいライバルになれると思ってたわ。でも、これを見られてしまった以上は…」
穂乃果「いやいやいやっ、だから…皆が何を言っているのか……」
穂乃果(私を見る目が怖い…。まるで氷みたいな…突き刺すような眼差し)
穂乃果(逃げよう…!逃げるしかない!出入り口付近には希ちゃんが立ってる。このまま走り出して…希ちゃんを押しのけて、それからっ)
にこ「海未、穂乃果を押さえて」
海未「はい」ガシッ
穂乃果「や、やめてよ…!!何するの!?」
にこ「ちょっとチクっとするだけだから。…すぐに楽になれるわ」 - 263: 2017/01/29(日) 01:45:05.25 ID:CIwrxTZva
- 大変なことになってきた…
- 270: 2017/01/29(日) 01:49:53.81 ID:1dQnYBsS0
- 穂乃果(注射器っ…!?)
にこ「んー…どこに刺せばいい?」
希「出来れば血管がいいけど。まぁ腕ならどこでもいいと思うよ」
にこ「腕ね、了解」
海未「絵里!すみません、穂乃果が思いのほか力が強いので、左腕を押さえてもらえますか?」
絵里「えぇ…わかったわ」
穂乃果「うわぁぁぁぁっ!!嫌だぁぁぁぁ!」ジタバタ
穂乃果(こんなところで死にたくない…!!そんなの、御免だよ!)
穂乃果(ツバサさん……、ツバサさん!!助けて!!!) - 277: 2017/01/29(日) 01:55:13.54 ID:1dQnYBsS0
- ──────
穂乃果「助けっ……!!」ガバッ
ヴェェェェッ!?
穂乃果「あれ…???この声って」
真姫「……ほ、穂乃果…?」ビク
穂乃果「えっ?真姫ちゃん??」
真姫「…随分とうなされてたから、その…大丈夫?」ドキドキ
穂乃果「あっ…!!は、はい!ダイジョブ!」
真姫「……ほんとかしら」
穂乃果(これって……あぁ良かった…!全部夢だったんだ)
穂乃果(それにしてはリアルすぎだよ……ほんとに、死ぬのかと思った…)
穂乃果(謎の液体が入ってる注射器が…今でも頭に残ってる) - 278: 2017/01/29(日) 01:55:55.95 ID:wBAp2ah60
- ドキドキした
- 280: 2017/01/29(日) 01:56:34.12 ID:Qco5oPFba
- 実際に眠らされてた可能性
穂乃果(23)「新人ホスト募集中…未経験OK、時給5000円!?」【後編】
このシリーズSS:
穂乃果(23)「新人ホスト募集中…未経験OK、時給5000円!?」【前編】
穂乃果(23)「新人ホスト募集中…未経験OK、時給5000円!?」【後編】
その他この書き手のSS:
雪穂「お姉ちゃんさ、家の仕事やりたくないなら外で働きなよ」穂乃果「えっ」
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コメント
- とあるSSの訪問者 2018年03月10日
お知らせ
サイトのデザインを大幅に変更しました。まだまだ、改良していこうと思います。
まだ読んでいる途中だけども、すごい名作の予感