ほむら「魔女使い」【前編】

1: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:48:13.79 ID:PAVyh3iJo
まどマギに「ペルソナ3」「ペルソナ4」の要素と設定の一部を混ぜ込んだものです
新編ネタバレはありません
百合要素あり

次から本文

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385459293
2: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:49:02.55 ID:PAVyh3iJo
――魔女

それは、絶望を撒き散らす存在

私たち魔法少女が己の為に倒すべき敵

そして…魔法少女の成れの果ての姿

ソウルジェムが濁りきったとき、私たちはその呪われた姿へと変貌する

全ての魔法少女はいずれ魔女になってしまう。……ソウルジェムを砕かぬ限り

だが、ソウルジェムを砕かれた者は…その場で命を落とす。魔女化か、死か……

私たちの運命は、その2つしかなかった

……なかったはずだった
3: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:49:39.94 ID:PAVyh3iJo
ほむら「……」

ほむら「……今回もまた…しくじったわね……」

また、彼女を救えなかった。守れなかった

私がワルプルギスの夜に苦戦してるところを、アイツが見逃すはずがない

まどかを契約させて、ワルプルギスの夜を倒させ、彼女を魔女へと変貌させる

魔力を使い果たし、ソウルジェムはグリーフシードへ…まどかは魔女へと生まれ変わる

そして今、まどかの成れの果て…救済の魔女が、天高く聳え立っていた
4: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:50:18.23 ID:PAVyh3iJo
魔女「……」

QB「まどかが魔女になってくれたおかげで、大きなエネルギーを得ることができたよ」

ほむら「……ごめんなさい、まどか」

QB「あの魔女をどうにかするのは君たちの仕事さ。ほむら、君は戦わないのかい?」

ほむら「えぇ。私のすることではないわ」

QB「でも君は魔法少女だろう?」

ほむら「私の戦場はここじゃない」

盾の砂時計を逆転させ、時間を巻き戻す

私の意識は、1ヶ月前のあの日へと遡って行った
5: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:50:46.06 ID:PAVyh3iJo
ほむら「……これでもう、何度目かしらね」

ほむら「……何度目だろうが、関係ない。私はまどかを救う。ただ、それだけよ」

ほむら「……戻りましょう、あの日へ」

時間遡行魔法を行使し、1ヶ月前へと向かって歩き出す

その途中でふと、まどかとの話を思い返す

この時間のまどかとの、最後の会話を
6: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:51:35.53 ID:PAVyh3iJo
――――――

まどか「ほむら…ちゃん……」

ほむら「まどか……!どうして…どうして契約なんて……!」

まどか「わたしだって戦えるのに…黙って見てるだけ、なんて…できないから……」

ほむら「まどか…私は……!」

まどか「約束…破っちゃって、ごめん…ね……」

ほむら「まどか…もう少しだけ頑張って、今グリーフシードを探して……」

まどか「……ううん、いいの…ほむらちゃん、次の…時間に行って…そして……」

まどか「わたしを…みんなを、助けてあげて……」

ほむら「みんな…を……?」

まどか「わたしだけで…いい、なんて…きっと嘘だと思ったから…だから……」

ほむら「……わかった。何とかしてみる」

まどか「……ありがとう、ほむらちゃん……」
7: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:52:07.11 ID:PAVyh3iJo
まどか「……もう、ソウルジェムも…限界みたい」

ほむら「……あなたの手は汚させない。私が……」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん…わたし、思うんだ……」

まどか「魔女っていうのは…もうひとりの自分なんじゃないか、って……」

ほむら「まどか……?」

まどか「ソウルジェムが…本体で、それがグリーフシードになるって、聞いたとき…そう、思ったの……」

まどか「自分自身が…ソウルジェムが耐えられなくなったとき…もうひとりの自分が、わたしを殺して…姿を現す……」

ほむら「もうひとりの…自分……」
8: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:52:49.48 ID:PAVyh3iJo
まどか「その、もうひとりの自分が…力を、貸してくれたら…よかったのにな……」

ほむら「だけど、それは……」

まどか「うん…叶うわけないって、わかってる…でも……」

まどか「ほむらちゃんの中の…もうひとりのほむらちゃんが、力を貸してくれるようにって…わたし、祈ってるから……」

ほむら「まどか……!」

まどか「……そろそろ、お別れ、だね…ほむらちゃん、早く…行って……!」

ほむら「だけど、ソウルジェムは……!」

まどか「わたしのことは…いいから……!お願い、行って……!」

ほむら「そんな……」

まどか「……ほむら、ちゃん…また、1ヶ月前で…待ってるから……」

まどか「また、ね……」
9: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:53:38.66 ID:PAVyh3iJo
――――――

ほむら「……」

その言葉の直後、まどかは魔女へと姿を変えていった

しかし、まどかの言っていた魔女はもうひとりの自分だという話

姿形はともかく、その性質を考えるとあながち間違ってもいないように思える

美樹さやかの魔女を例に挙げれば、想い人に自分を見てほしい、愛してほしい…そんな思いで溢れている

もし、本当に魔女がもうひとりの自分だとしても…それを意のままに操るなどということはできないだろう

もしかしたら、契約の願いによってはそういった能力もあるのかもしれないが…それは特殊な例だ

だけど、まどかが私を思って祈ってくれたのだ。その命が燃え尽きる瞬間に

私の中にも、もうひとりの自分がいるのなら

私に、力を……。まどかを守れるだけの力を貸して……
10: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:54:24.98 ID:PAVyh3iJo
ほむら「……何をやっているのかしら。こんなこと、したところで……」

ほむら「それよりも、早く行きましょう……」

そう思い、いつの間にやら止まっていた足を動かす

だが、どこまで行っても一向に終わる気配がない

いつもならもう抜けていてもいい頃のはずだ

ほむら「どうなってるの……?何かの不具合かしら……」

ほむら「……?あれは…何……?」
11: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:55:11.10 ID:PAVyh3iJo
私の視線の先に、誰かが立っていた。人ではない何かが

この空間に私以外の何かが存在するなどというのは初めてだった

私は警戒しながらその何かに近づく。そして……

ほむら「こいつ…魔女……?」

その何かの側まで近づいて、それが魔女であることに気が付く

魔女は黒い三角帽子のようなものを被り、黒いマントを羽織っていた

どうしてここに魔女が、と思っていると

その魔女は私に語りかけた
12: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:56:02.28 ID:PAVyh3iJo
魔女「……よく来たわね」

ほむら「……!魔女が喋った……?」

魔女「確かに私は魔女。……だけど、あなたの知る魔女とは少し違う魔女」

ほむら「……何だかわからないけど、魔女というのなら……」

魔女「やめなさい…私に戦う気はないわ」

ほむら「……私も武器を持ってなかったわね。魔女を見逃すつもりじゃないけど…私は行かせてもらうわ」

その魔女を避けて通ろうとすると、魔女は私の前に立ち塞がる

私は魔女にその行動について問いただした

ほむら「……まだ私に何か用?」
13: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:56:37.81 ID:PAVyh3iJo
魔女「……あなた、本当に彼女を…まどかを救うつもり?」

ほむら「……!どうしてまどかを……!」

魔女「あなた1人で彼女を救えるというの?」

ほむら「……確かに私1人では辛いものがあるのは事実。だけど、他の魔法少女の協力を取り付ければ……」

魔女「あなたにそれができるの?険悪にさせるだけのあなたが」

ほむら「それは……」

魔女「利用できるだけ利用してやった方が楽よ?まどかを救えるのならそれでいいじゃない」

ほむら「……まどかに頼まれたもの。みんなを助けてあげて、と」

ほむら「まどかがそう願ったのなら、私はその願いの為に戦う。それだけよ」
14: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:57:28.63 ID:PAVyh3iJo
魔女「……とても辛い戦いになるわよ?まどか1人でさえ救えずにいるのだから」

ほむら「わかっているわ」

魔女「……あなたの覚悟、聞かせて頂戴」

魔女「まどかを守れるなら…その命、賭けられる?」

ほむら「まどかを救えるのなら…安いものよ」

魔女「まどかを救えるなら…自分はどうなろうとも構わない?」

ほむら「元より、人であることを捨てた身体よ。今更どうなろうと構わない」

魔女「……何が何でも、まどかを救うというの?」

ほむら「それが、私の存在理由よ。……覚悟なら、とうにできているわ」
15: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:58:08.19 ID:PAVyh3iJo
魔女「……わかったわ」

そう言うと魔女は、懐…のような部分から何を取り出し、私に差し出した

何かの書類のようだが、見たこともない文字で読むことはできなかった

魔女「この先に進むのなら、ここに署名を」

ほむら「……これは?」

魔女「そうね…契約書とでも言うべきかしら。まどかを救うという覚悟の契約」

ほむら「覚悟の契約……?そんなもの、あなたと契約せずとも……」

魔女「……」

ほむら「……署名せずには進ませてくれないというわけね……。わかったわ、書けばいいんでしょう?」
16: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:58:52.02 ID:PAVyh3iJo
愚痴をこぼしつつ、署名欄と思しき空欄に自分の名前を書き込む

そして、その書類を魔女へ手渡した

魔女「……あなたの覚悟、確かに受け取ったわ」

ほむら「なら、もういいでしょう?こんなところで立ち止まってる暇はないのよ」

魔女「……最後にひとつだけ」

魔女「時は全ての物事に結末を運んでくる。例え目と耳を塞いでいても、ね」

魔女「そして、その多くは確定された結末となる。運命とでも言うべきかしら」

ほむら「……それは、私ではまどかを救うことなどできないとでも?」

魔女「いいえ。あなたは時を操る魔法少女、暁美ほむら。あなたなら、その結末を変えることができるはずよ」
17: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 18:59:29.41 ID:PAVyh3iJo
ほむら「私の名前まで……?私を知っているの?」

魔女「……それはどうでもいいことよ。それよりも、次の時間が始まるわ」

ほむら「……」

魔女「……大丈夫。あなたなら、必ずまどかを救えるわ」

ほむら「魔女にそう言われるのも変な気分ね…それじゃ、私は行くわ」

魔女「えぇ。……また会う日まで」

魔女の言葉と同時に、目の前が白く霞んでくる。漸く次の時間へ行けるようだ

意識がなくなる直前、魔女が何かを言っていたような気がした

魔女「……あなたのことなら、誰よりもよく知っているわ。だって……」
18: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 19:00:29.98 ID:PAVyh3iJo





『私はあなた、あなたは私だもの……』



20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/11/26(火) 19:03:21.41 ID:hb1sghNAO
面白そう ペルソナ知らないけど期待
23: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:34:29.36 ID:PAVyh3iJo
遅くなっちゃった…
ペルソナ側で使うのはごく一部の設定だけなので分からなくてもお楽しみいただける…はず

次から本文
24: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:35:06.07 ID:PAVyh3iJo
――――――

ほむら「……」

ほむら「また…戻って来てしまったわね……」

ほむら「何かしら…時間遡行中に誰かと話したような気がするんだけど……」

ほむら「……気のせい、よね。あの空間に私以外の何かが存在するとも思えないし」

ほむら「……」

ほむら「……さて、準備を始めましょう」

ほむら「まどか……」
25: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:35:47.10 ID:PAVyh3iJo
もう何度、繰り返して来ただろうか

またしても、この病室に戻って来てしまった

特にここ何回かの時間は上手くいかない

まどかはおろか、美樹さやかたちさえまともに生存させることができないでいる

まどかの死と魔女化を連続して見てしまったせいか、私の心は酷く磨り減っていた

前回のループはそれが原因で余裕が無くなり、やることなすこと上手くいかなかった

それでも、立ち止まるわけには行かない。まどかを救うまでは
26: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:36:15.90 ID:PAVyh3iJo
ほむら「……これでよし、と」

ほむら「前回は余裕が無かったせいで全て裏目に出てしまったから…今回は……」

ほむら「……私にできるのかしら。まどかを救うなんて……」

ほむら「……だいぶ参ってるみたいね…そんな風に考えてしまうなんて……」

ほむら「できるできないじゃない。……やるしかないのよ」

ほむら「……何にせよ、今度こそまどかを……」
27: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:36:50.07 ID:PAVyh3iJo
――――――

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

何度目かわからない自己紹介

それを終え、まどかの方へ視線を向ける

まどかは少し驚いているようだったが、私の視線に気づくと優しい笑顔を返してくれた

休み時間になると、いつものように質問攻めに遭う

私はいつものようにまどかに声をかけ、保健室に案内してもらうことにした
28: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:37:28.32 ID:PAVyh3iJo
まどか「暁美さん、大丈夫?」

ほむら「えぇ、大丈夫……」

まどか「でもなんだか疲れてるっていうか…顔色があんまりよくないみたいだから……」

ほむら「そう…かしら……」

まどか「無理しちゃダメだよ?辛くなったらいつでも言ってね」

ほむら「……ありがとう、鹿目さん」

この時点のまどかにも気遣われてしまうなんて…きっと今の私はよほど酷い顔をしているのだろう

転校生の私にも優しく接してくれる…やっぱりまどかはまどかだ

まどかの笑顔から、少しだけ元気を分けてもらえたような気がした
29: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:38:04.11 ID:PAVyh3iJo
ほむら「鹿目……」

いつもここでまどかに警告をしているが…果たして通じているのだろうか

もしかして理解されてないのでは……。そんなことを考えていたら、まどかが話しかけてきた

まどか「暁美さん?」

ほむら「あ、いえ…鹿目さんのこと、まどか、って呼んでも……?」

まどか「うん!それじゃわたしも、ほむらちゃんって呼ぶね」

ほむら「よろしく、まどか」

まどか「よろしくね、ほむらちゃん。……えっと、その……」
30: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:39:01.33 ID:PAVyh3iJo
ほむら「……?」

まどか「……ほ、ほむらちゃん…あ、あのね……」

まどか「わたしと…友達になってくれないかな……?」

ほむら「友達……」

まどか「だ、ダメかな……?」

ほむら「……そんなことないわ。ありがとう、まどか」

私に…魔法少女に関わってほしくない。頭ではそう考えているはずなのに、その言葉が出せなかった

酷く磨り減り、疲弊しきった私の心がまどかの側にいたいと…そう思っているのだろうか

とにかく、こうなった以上はまどかの友達としてまどかを守ることにしよう

あとは、インキュベーターと接触させないようにするだけだ
31: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:39:41.45 ID:PAVyh3iJo
――――――

ほむら「おかしいわね……」

ほむら「いつもならこの付近にいるはずなのに……」

ほむら「ここにいないとすると…一体どこに……?」

まどかとインキュベーターを接触させないように、アイツを探しに来たが……

今回に限って、アイツを見つけられないでいた

時間をかければ、アイツがまどかを呼び出してしまう。早く…早く見つけなければ

『助けて……』

ほむら「……!」

『誰か…助けて……』
32: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:40:11.26 ID:PAVyh3iJo
そうこうしているうちに、アイツのテレパシーが聞こえてきてしまった

ぐずぐずしてはいられない。まどかより先にアイツを見つけなくては

テレパシーの聞こえてきた方へ向かうと、そこには結界の入り口が口を開けていた

ほむら「結界……?どうしてこんなところに……」

ほむら「……何にせよ、この中からのようね。まどかが入ってきてしまう前に……!」

結界の中へ足を踏み入れ、テレパシーを送っているインキュベーターを探す

しかし、結界の中で私が見たものは

今まで見たことのない光景だった
33: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:40:51.86 ID:PAVyh3iJo
使い魔「……」

QB「誰か…誰か、助けて……」

アイツが、使い魔に襲われていた

いつもなら演技のはずなのに

ほむら「一体、どうなっているの……?」

QB「そこの君…お願いだ、助けて……」

ほむら「……」

これはアイツを始末する絶好の機会。そのはずなのに

何故だか私は、アイツを助けなければならない気がした

いつもと違う状況に戸惑いつつも、私は盾から引っ張り出した機関銃で使い魔を薙ぎ払った
34: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:41:26.18 ID:PAVyh3iJo
ほむら「……これで、最後……!」

使い魔「!!」

ほむら「……追撃はないみたいね」

QB「ありがとう…助けてくれて……」

ほむら「……」

QB「それで…傷の手当てをしてもらえると…嬉しいんだけど……」

ほむら「私は回復魔法は……」

『キュゥべえ!!』
35: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:42:11.07 ID:PAVyh3iJo
聞き慣れた声が聞こえてきた

振り返るとそこには、魔法少女姿の彼女がいた

マミ「キュゥべえ!大丈夫!?」

QB「うん…何とかね……」

マミ「とにかく、今治すわね」

QB「ありがとう、マミ……」

巴マミがインキュベーターの傷を治していく

私はそれをただじっと見ていた
36: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:42:59.66 ID:PAVyh3iJo
マミ「……これでよし、っと」

QB「ありがとう、助かったよ」

マミ「いいのよ。……それよりも」

マミ「あなたは……?」

インキュベーターの治療が終わった巴マミが私に話しかける

彼女とは敵対してばかりだが…何も争いたいわけではない

インキュベーターを襲っていなかったことが幸いし、警戒はされているものの敵視されているわけではないようだ

私はできるだけ友好的に話すことにした
37: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:43:44.87 ID:PAVyh3iJo
ほむら「私は暁美ほむら。あなたと同じ、魔法少女」

マミ「私は巴マミ。この街で活動している魔法少女よ」

QB「ほむらは、僕が使い魔に襲われているところを助けてくれたんだ」

マミ「そうなの?ありがとう、キュゥべえを助けてくれて」

ほむら「私は別に……」

マミ「でもキュゥべえのテレパシーを聞いて、助けに来てくれたんでしょう?」

ほむら「確かにテレパシーは聞いたけど……」

QB「ほむら、助けてくれてありがとう」

ほむら「……」
38: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:44:19.45 ID:PAVyh3iJo
『あれ、ほむらちゃん?』

ほむら「……!」

声のした方へと振り向くと、テレパシーを聞いてしまったであろうまどかが美樹さやかと一緒に姿を見せる

巴マミとインキュベーターにばかり気を取られて、彼女たちがやって来るということをすっかり忘れてしまっていた

どうにか切り抜けられないかと考えたが、もう手遅れのようだ

まどか「ほら、やっぱりほむらちゃんだよ」

さやか「ほんとだ…こんなところで何してんの?」

ほむら「私は……」
39: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:44:54.10 ID:PAVyh3iJo
マミ「あなたたち、暁美さんのお友達?」

まどか「あ、はい。鹿目まどかって言います」

さやか「あたしは美樹さやかです。転校生…ほむらとは直接話してないけど、まどかの友達です」

マミ「私は巴マミ。見滝原中学の3年生よ」

まどか「わ、先輩ですか…よろしくお願いします、巴先輩」

マミ「ふふ、名前で呼んでくれていいわよ?」

さやか「えっと、それじゃ…よろしくお願いします、マミさん」

マミ「よろしくね、2人とも」
40: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:45:27.61 ID:PAVyh3iJo
まどか「それでマミさん、ひとつ聞きたいんですけど……」

マミ「何かしら?」

まどか「そこにいる白い動物、何ですか?」

QB「はじめまして、鹿目まどか、美樹さやか」

さやか「うおっ、喋った!」

まどか「び、びっくりした……」

QB「僕の名前はキュゥべえ」

QB「僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ!」

まどか「魔法…少女?」
41: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/26(火) 22:46:07.54 ID:PAVyh3iJo
マミ「あなたたち、キュゥべえが見えているのよね。それなら、ちゃんと説明したほうがよさそうね……」

マミ「私の家で説明するわ。いいかしら?」

まどか「あ、はい!」

さやか「お、お願いします!」

ほむら「……」

まどか「ほら、ほむらちゃんも行こうよ」

ほむら「え、えぇ……」

結局、まどかとインキュベーターを接触させてしまった

あのときどうしてアイツを始末しなかったのか…私にもわからない

でも奴を助けたことによって、巴マミとは敵対せずに済んだ。それでよしとしよう

今はとりあえず、彼女たちについて行くことにした
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/11/27(水) 03:45:09.86 ID:U4hUqBDbo
ディスガイアのクロス書いてた奴か

ほむら「魔法少女戦記ホムガイア」


49: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:11:50.85 ID:WvzKUf1No
――翌日――

マミ「それじゃ魔法少女体験ツアー、始めるわよ」

まどか「ほむらちゃん、マミさん、よろしくお願いします!」

さやか「よろしくお願いします!」

ほむら「はぁ……」

まどか「ほむらちゃん、どうしたの?また具合悪いの?」

ほむら「いえ…何でもないわ……」
50: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:13:00.79 ID:WvzKUf1No
昨日巴マミの家で聞いた魔法少女の話

基本的にはインキュベーターが言うような内容の話だった

その話の中で、例の魔法少女体験ツアーの話になったときに

私もそれに参加してほしい、と頼まれてしまった

正直あまり気は進まなかったが、まどかを守る為にも仕方なく参加することにした

そして今、私たちは薔薇園の魔女の結界の前にいる

マミ「それじゃみんな、行くわよ」

まどか「はい!」

さやか「よっしゃー!」

ほむら「はぁ……」
51: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:13:28.39 ID:WvzKUf1No
――結界内――

マミ「はっ!」

使い魔「!!」

マミ「やっ!」

使い魔「!!」

マミ「それっ!」

使い魔「!!」

さやか「うーん、マミさんの戦い方、優雅だなぁ……」

まどか「そうだねぇ」

さやか「それに比べて向こうは……」
52: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:14:00.00 ID:WvzKUf1No
私へと向かって来る使い魔へ機関銃の銃口を向け、引き金を引く

発砲炎が噴き上がり、撃ち出された弾丸の嵐が使い魔たちを一掃していく

そして、最後の使い魔を撃ち抜いて引き金から指を離したとき

美樹さやかの、私への感想が聞こえた

さやか「……どこが魔法なんだ、って話だよ……」

まどか「だ、ダメだよそんなこと言っちゃ……」

ほむら「聞こえてるわよ。悪かったわね……」

まどか「ご、ごめんね」
53: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:14:36.30 ID:WvzKUf1No
マミ「……どうやら、魔女はこの奥みたいね」

ほむら「私は2人の防御に付くわ。魔女との戦闘はあなたに任せていいかしら」

マミ「えぇ、わかったわ。2人をお願いするわね」

まどか「ほむらちゃん、よろしくね」

ほむら「えぇ、任せなさい」

マミ「それじゃ、行くわよ」
54: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:15:03.30 ID:WvzKUf1No
魔女「……」

マミ「あれが…魔女よ」

さやか「うわ、何かグロいなぁ……」

まどか「ほむらちゃんとマミさんは、いつもあんなのと戦ってるの?」

ほむら「えぇ、そうよ」

さやか「でも、あんな大きい相手にどうやって戦うの?」

ほむら「どうもこうも普通に……」

マミ「そこで使うのが、魔法少女のもうひとつの力よ」
55: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:15:46.10 ID:WvzKUf1No
さやか「もうひとつの力?」

マミ「そうよ。魔法少女には2つの力があるの。ひとつは願いに応じた魔法。私の場合ならリボンになるわね」

マミ「そして、魔法少女のもうひとつの力……」

もうひとつの力……?

少なくとも私は、願いに応じた固有魔法以外は聞いたことがない

そんな疑問を抱いていると巴マミが右手を翳す

その掌の中には、どういうわけかソウルジェムが浮かび上がっていた

浮かび上がったソウルジェムを握りつぶすと同時に、何かの名を叫んだ
56: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:16:14.76 ID:WvzKUf1No





マミ「キャンデロロ!!」



57: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:16:43.75 ID:WvzKUf1No
ロロ「……」

マミ「さぁ、行くわよ!」

ほむら「な……!」

それを見たとき、私は自分の目を疑った

巴マミの背後に現れたそれは

紛れもなく、彼女の魔女化したときの魔女だった

巴マミの魔女化した姿…おめかしの魔女はごく小さい姿だったはずだが、このおめかしの魔女は巴マミより少し大きい程度の大きさをしていた

それに、彼女が握りつぶしたあのソウルジェムは何だったのだろうか。ソウルジェムは私たちの魂のはずでは……

この時間軸…今までと何かが違うようだ
58: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:17:28.03 ID:WvzKUf1No
魔女「……!」

マミ「まずは…これでっ!」

巴マミは召喚したマスケット銃を構え、魔女へ向かって引き金を引く

発射された弾は魔女へ命中したようだが、威力が足りないのかあまりダメージを受けていないようだ

マミ「……私の攻撃じゃダメね」

魔女「……!」

魔女は巴マミへ向けて蔓を思いきり叩きつける

だが、その蔓の攻撃を巴マミの魔女がリボンのような腕で器用に受け止めた

マミ「それなら…ロロ、行くわよ!」
59: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:18:05.05 ID:WvzKUf1No
そう言うと、リボンのような両腕がマスケット銃へと形を変える

まさか彼女は、あの魔女を意のままに操っているとでも言うのだろうか

そんなことを考えていると、発砲音が聞こえた

どうやら巴マミが薔薇園の魔女へ攻撃を仕掛けたようだ

魔女「……!」

マミ「やっぱり魔女には魔女ね、これなら……!」

魔女「……」

マミ「無駄よ…拘束!」
60: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:18:44.67 ID:WvzKUf1No
魔女「……!」

マミ「ロロ、トドメよ!」

マスケット銃だった巴マミの魔女の両腕が再び形を変える

現れたのは、彼女の必殺の一撃の為の大砲。そして

マミ「ティロ……」

マミ「フィナーレ!!」

ロロ「……!」

彼女の号令と共に放たれた砲撃は真っ直ぐに飛んでいき、魔女を貫く

身体に風穴を開けられた魔女は、もうそこに存在していることができなくなったのかボロボロと崩れていった

さやか「すげー!マミさんカッコいい!」

まどか「ほんとに、あの大きいの…倒しちゃった」

ほむら「……」
61: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:19:22.21 ID:WvzKUf1No
この時間軸の魔法少女、私の知っている魔法少女とは違う

魔女化したときの魔女を使うだけでなく、彼女の必殺の砲撃もその魔女が大砲を作り、そこから発射している

本当に、あの魔女を自らの手足のように操っているのだろうか

とにかくわからないことが多すぎる。もっと詳しい話を巴マミから聞いたほうがよさそうだ

その巴マミは魔女が落としたグリーフシードを拾い上げ、私たちのところへと戻って来ていた

マミ「ふぅ、こんなところかしらね」

さやか「マミさん、何ですか今の!」

マミ「今の?……あぁ、私の魔女のこと?」

まどか「え?でも魔女って、今倒した……」

マミ「えぇ、そうよ。魔女を倒すために、こちらも魔女の力を借りているってわけ」

さやか「それってどういう……?」

マミ「昨日はその説明を省いちゃったから…私の家で詳しい話をすることにするわね」
62: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:20:02.54 ID:WvzKUf1No
――マミの家――

マミ「……さて。それじゃあ魔法少女のもうひとつの力、魔女の話をするわね」

QB「昨日まとめて説明すればよかったんじゃないのかい?」

マミ「難しい話を1度にしても覚えきれないでしょう?」

さやか「やっぱり、あれも魔女なんですか?」

マミ「えぇ。……でもどうしたものかしら、敵も私も魔女だとややこしいわね…別の呼び方を……」

ほむら「呼び方は何だっていいわ。それよりも説明を」

マミ「暁美さんだって魔法少女じゃ…まぁいいわ。見てくれたからわかると思うけど、あれは私が召喚した魔女よ」

まどか「召喚って……?」

マミ「キュゥべえが言うには、あの魔女は自分の中にいるもうひとりの自分ってことらしいの」

ほむら「もう1人の……」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「あ…何でもないわ。続けて」
63: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:20:42.40 ID:WvzKUf1No
マミ「私たち魔法少女は、キュゥべえと契約することによって始めて魔法少女となる。これは昨日言ったわよね」

まどか「はい、願いを何でもひとつ叶えてくれるって」

さやか「金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか考えたんだけど……」

まどか「さやかちゃん、最後のはちょっと……」

QB「叶えてあげられるのは契約時にひとつだけだから、よく考えた方がいいと思うよ」

マミ「話を戻すわね。キュゥべえと契約することによって、魔法少女となる。そのときの願いで、おおよその固有魔法が決まってくるの」

マミ「そして、それと同時にもうひとつの能力…魔女の召喚が行えるようになる」

マミ「さっきも言ったけど、召喚した魔女はもうひとりの自分。そのもう1人の自分の力を借りる…そう言った方がいいかしらね」

マミ「魔法少女になることでそのもうひとりの自分を呼び覚まし、自身の力にする。こんな感じでいいかしら」

まどか「何だか複雑だなぁ……」

マミ「魔法少女の力は固有魔法と魔女の召喚。それだけ覚えておいてくれたら大丈夫よ」
64: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:21:08.69 ID:WvzKUf1No
さやか「それにしてももうひとりの自分かぁ…なんだか漫画やゲームみたいな話ですねぇ……」

マミ「言いたいことはわかるわ。私も実際魔法少女なんてものが実在するとは思わなかったわけだし」

ほむら「……知らなければ知らなかったで、何の不都合も無いとは思うけど」

まどか「うーん…でも、わたしがキュゥべえの声に気づいたから、ほむらちゃんともこうしていられるんだと思うし……」

まどか「それに、もし気づかなかったらマミさんとも知り合えなかったと思うんだ」

QB「結果としてはほむらとマミに助けてもらえたけど…来てくれてありがとう、まどか」

ほむら「……」

マミ「……あ、そうそう。ここからはとても大事なこと。ちゃんと聞いてね」

まどか「……?わかりました」
65: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:21:59.70 ID:WvzKUf1No
マミ「この魔法少女というものだけど…とても危険なことなの」

マミ「魔女と戦うこともそうだけど、自分の魔女を使役することも…ね」

QB「姿形は違えど、あの魔女も君たち自身なんだ。自分の内にいるもうひとりの自分を引きずり出して戦う……」

QB「それだけで精神に大きな負担となる。自分で自分を操っているようなものだからね」

マミ「魔女は自分自身の精神や感情に影響されやすいの。不安や猜疑心、怒り、憎しみといった気持ちがあると、途端に不安定になる」

マミ「そして、自分で自分を制御できなくなったとき…魔女は暴走を引き起こす」

マミ「それだけに…魔法少女には自分で自分を律する覚悟が必要なの」

さやか「マジですか……」

まどか「……怖いんですね、魔法少女って」
66: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:22:43.02 ID:WvzKUf1No
ほむら「……」

巴マミの話を聞いて、この時間軸の魔法少女と魔女の関係はある程度理解できた

だが、やはり私の知る魔法少女とは大きくかけ離れていた

それに、さっきのもうひとりの自分が魔女という話…どうにも引っかかる

ひとつ前の時間のまどかともうひとりの自分が云々…という話をしたが、それとはまた違う

ここに来る以前にどこかで誰かと話をしたような気がする。自分の中の自分…私の心を見透かしたような誰かと

だが、いくら思い出そうとしても何も思い出すことはできなかった

まどか「ほむらちゃん?さっきから難しい顔してるけど、どうしたの?」

ほむら「……あ、いえ。何でもないわ」

さやか「そう言えばほむらも魔法少女だけど、どんな魔女を使うの?」

ほむら「私は……」
67: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:23:12.15 ID:WvzKUf1No
マミ「とにかく、魔女についての話はおしまい。今の話を聞いて、それでも魔法少女になると覚悟できたのなら……」

マミ「その時は一緒に戦ってくれる仲間として、歓迎するわ」

まどか「うーん…今はまだ…かな」

さやか「あたしも。……今はまだ、先輩と後輩として仲良くしてください、マミさん」

マミ「えぇ、わかったわ。いつでも遊びに来てね」

さやか「ありがとうございます。……それじゃ、そろそろ帰ろっか、まどか」

まどか「うん、そうだね。ほむらちゃんは?」

ほむら「……少し聞きたいことがあるの。魔法少女のことで」

さやか「じゃあ、あたしたちは先に帰るね。マミさん、おじゃましました」
68: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:23:51.10 ID:WvzKUf1No
マミ「……それで、私とキュゥべえに聞きたいことって?」

この時間軸の魔法少女は私とは違う魔法少女

もう少し踏み込んだ話がしたいと思い、巴マミとインキュベーターに聞いてみることにした

ほむら「……これからおかしなことを聞くかもしれないけど…正直に答えてほしいの」

マミ「……?わかったわ」

ほむら「まず最初に…あの掌に浮かび上がったソウルジェムは一体何なの?どうしてソウルジェムを握りつぶして生きているの?」

マミ「え?だってあれが魔女の召喚方法だし……」

QB「あれ以外の方法で召喚すると、召喚した魔女が不安定になりやすいからね」

ほむら「……キュゥべえ、ソウルジェムの真実…話して頂戴」

QB「真実と言われても…君が何を訊きたいのか、さっぱりわからないよ」

ほむら「……私たち魔法少女の本体は、このソウルジェムじゃないの?」

QB「君は何を言っているんだい?ソウルジェムは僕との契約の証、そして魔女の召喚器でしかないよ」
69: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:24:58.12 ID:WvzKUf1No
ほむら「ソウルジェムが肉体操作をしていたり、魔法を使う度にソウルジェムが濁るということは?」

QB「肉体操作というのはわけがわからない質問だね。ソウルジェムが濁るというのは事実だけど……」

QB「濁りの程度と精神状態にもよるけど、一晩休めば大抵はよくなるはずだよ」

ほむら「それは…ソウルジェムが砕けたり、濁りきっても…死ぬことはないと……?」

QB「ソウルジェムが濁りきるのはあんまりよくないことだけど…それが直接の死因にはならないね」

インキュベーターの話が本当なら、今までの魔法少女の真実というものが全てなくなっている

むしろ、魔法を使い、魔女を召喚することのできる人間という印象さえある

それに、ソウルジェムが従来のように濁らないというのなら…もうひとつ、聞いてみることにした
70: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:25:42.32 ID:WvzKUf1No
ほむら「……グリーフシードというものは知ってるわね?」

マミ「グリーフシード…確か魔女の元となる、魔女の種だったわね」

QB「うん。魔女を倒したときに落とすものだね」

ほむら「それの使い道って……」

QB「僕がある目的の為に集めているものだよ。他に用途はないはずだけど……」

どうやらこの時間軸のグリーフシードにソウルジェムの穢れを浄化する力は無いようだ

なら、私はこれからどうしたらいいのだろうか。この時間軸の魔法少女でない私は……

QB「君が何を心配しているのかはわからないけど…ちょっとソウルジェムを見せてごらん」

ほむら「……わかったわ」
71: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:26:23.01 ID:WvzKUf1No
QB「それじゃ、ちょっと失礼するね。……うん、君もマミと同じ魔法少女じゃないか」

ほむら「え……?」

QB「でも変だね。僕には君と契約した記憶がないんだけど…どういうことなんだろう」

ほむら「私…あなたと同じ……?」

マミ「暁美さん、あなたも魔法少女でしょう?……記憶でも失っているのかしら」

QB「……うーん、やっぱり君と契約した記憶はないなぁ」

マミ「単純にキュゥべえがど忘れしてしまったってことは?」

QB「それはないと思うんだけどなぁ…まぁ何にせよ、魔法少女と言うのならマミに力を貸してあげてほしいんだ」
72: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:26:52.47 ID:WvzKUf1No
ほむら「巴マミと協力してくれと…そういうことかしら」

QB「うん、そういうことだね。それにマミと一緒なら、いつ魔女が召喚できるようになっても大丈夫だしね」

ソウルジェムを浄化する必要がないのなら、無理に魔女と戦うこともない

だが、それでは彼女の協力を取り付けることはできないだろう

インキュベーターの提案に乗るのも何だか複雑な気分だが、私は巴マミに手を貸すことにした

ほむら「……わかった。よろしくお願いするわ」
73: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:27:18.83 ID:WvzKUf1No
マミ「よろしくね。……さてと、それじゃそろそろ夕飯にしようかしらね。暁美さん、よかったらどうかしら」

ほむら「いえ…私もこれで失礼するわ」

マミ「そう?気をつけてね」

ほむら「えぇ。……それじゃ」

マミ「暁美さん、明日からよろしくね」

ほむら「……そうね、よろしく」

マミ「じゃあ、また明日ね」

ほむら「……また、明日」

QB「……今度は上手くやれるといいね」

マミ「……そうね」
74: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/27(水) 22:27:57.77 ID:WvzKUf1No
ソウルジェムが砕けて死ぬことがない。濁りきって魔女になることもない

どうしてこんな時間軸に来てしまったのかはわからないが、これは大きなチャンスだ

いつもなら誰かしらが魔女になってしまうことを危惧していたが、その心配をする必要がなくなったのだ

なら、私が普段気を払うべきことはまどかの契約の阻止だけだ

いくら魔法少女が以前と違うものになっていたとしても、私はまどかに戦ってほしくない

まどかは、私が守る。その覚悟を取り交わしたはずだ

ほむら「……?覚悟を取り交わしたって…誰と……?」

ほむら「……とにかく、家に帰りましょう」
86: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:04:16.73 ID:kC/xlgUso
――数日後――

ほむら「……これで最後!」

使い魔「!!」

ほむら「……ふぅ。片付いたみたいね」

マミ「えぇ、お疲れさま。……それにしても」

マミ「まさかあなたの武器が実銃とは思わなかったわ」

ほむら「私には素質がないから…武器を生み出すことができない。だから……」

マミ「わかってるわ。魔女を召喚できるようになればいいのだけど、まだみたいね」

ほむら「えぇ、今のところは」
87: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:04:44.21 ID:kC/xlgUso
巴マミに手を貸して数日

今のところ魔女は現れず、使い魔の結界がいくつか現れた程度だ

そして、私の魔女の召喚も今のところそれができる様子もない

だが…魔女の召喚ということが、どうしても引っかかる。何かを忘れているような……

きっと、まだ魔女を召喚するということがしっくり来ないせいだろう

マミ「……それじゃ、今日のところは帰りましょうか」

ほむら「えぇ。それじゃマミ、また明日」

マミ「ふふ、最初は巴マミなんてフルネームで呼んでたのにね」

ほむら「……うるさいわね」

マミ「それじゃあ暁美さん、また明日」
88: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:05:20.72 ID:kC/xlgUso
――翌日 放課後――

まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん、今日これからって空いてる?」

さやか「ん?あたしらに何か用事?」

まどか「うん。わたしの家でほむらちゃんの歓迎会をしようかなって」

さやか「お、いいじゃんそれ」

まどか「それで、今日空いてる?」

ほむら「私は構わないわ」

さやか「本当は恭介のお見舞いに行くつもりだったんだけど…ま、いいか」
89: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:05:48.55 ID:kC/xlgUso
まどか「さやかちゃん、いいの?」

さやか「いいの。あっちはいつでも行けるんだからさ」

まどか「ありがとう、さやかちゃん」

さやか「いいってことよ。……そう言えば、ほむらはまどかの家は初めてだっけ」

ほむら「……えぇ、そうね」

まどか「じゃあ案内するね」

ほむら「お願いするわ」

さやか「よーし、それじゃ行くかー」
90: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:06:40.88 ID:kC/xlgUso
――――――

まどか「……それじゃあ、ほむらちゃんの歓迎会を始めます」

さやか「いえーい!」

ほむら「え、えっと……」

さやか「ほむらはこういうのに慣れてないの?」

ほむら「えぇ……」

さやか「そっか…まぁ、少しずつ慣れていけばいいよ」

ほむら「そうね…まどか、私の為にありがとう」

まどか「気にしないで、わたしがやりたいって思ったことだから」

まどか「それに…わたし、もっとほむらちゃんと仲良くなりたいし」

ほむら「まどか……」
91: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:07:16.37 ID:kC/xlgUso
さやか「……思ってたんだけどさ、ほむらってまどかにだけ態度が違わない?」

まどか「え?」

さやか「いやさ、あたしとマミさんはついこの間までフルネームだったのに、まどかだけは初日から名前で呼んでたし」

ほむら「それは……」

さやか「……ほむら、あんたもしかして…まどかの嫁になりたい、とか?」

ほむら「は……?」

さやか「でも残念でした!まどかはこのさやかちゃんの嫁になるんだからね!」

まどか「もー、さやかちゃんまたそんなこと言って…ごめんねほむらちゃん。さやかちゃんの冗談だから」

ほむら「え、えぇ……」
92: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:07:43.49 ID:kC/xlgUso
さやか「……ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるよ」

まどか「うん、わかった」

さやか「そんじゃ、しばらくはお2人だけでどうぞごゆっくりー」

そう言ってさやかは部屋を出て行ってしまった

部屋にいるのは、私とまどかの2人だけ

何を話したものかと考えていると、まどかの方から話しかけてきた

まどか「……ねぇ、ほむらちゃん。ちょっと相談があるんだけど」

ほむら「相談……?私に?」

まどか「うん…こんなこと、ほむらちゃんにしか話せないし」
93: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:08:17.65 ID:kC/xlgUso
私にしか話せない相談…となると、魔法少女についてのことだろう

この時間軸の魔法少女のことは話で聞いた以上のことはわからないが、とにかくまどかの話を聞いてみることにした

まどか「……わたしね、魔法少女になろうかなって…そう考えてるんだ」

ほむら「……」

まどか「わたし、得意なことも、自慢できることもなくて…ずっとそのことを悩んでたの」

まどか「でも、こんなわたしでも魔法少女になって、みんなを守れる…ほむらちゃんとマミさんの力になれるのなら……」

ほむら「やめておきなさい」

まどか「え……」

ほむら「魔法少女なんて…碌なものじゃないわ」
94: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:09:29.70 ID:kC/xlgUso
まどか「で、でも……」

ほむら「私たちの力になりたいと思ってくれているのは…嬉しいわ」

ほむら「……だけど、魔法少女になってしまったら…一生、その呪縛から逃れられなくなる」

ほむら「魔法少女が素敵なのは、漫画とアニメの中だけ。現実の魔法少女は…悲惨なだけよ」

まどか「……じゃあ、ほむらちゃんはどうして魔法少女になったの?」

ほむら「私は…そうしなければならなかったから。そうしなければ…何よりも大事なものを失ってしまうから」

まどか「何よりも…大事なもの……」

ほむら「魔法少女なんて、ならずに済めばそれに越したことはないの。……魔法少女にならずとも、まどかにはできることがあるはずよ」

まどか「……」

ほむら「だから、私はあなたには…魔法少女になってほしくない。それだけはわかってほしい」
95: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:09:58.70 ID:kC/xlgUso
まどか「……うん、わかった。わたし、魔法少女には…ならないよ」

ほむら「……ありがとう、まどか」

まどかを説得し、何とか考えを改めさせることができた

効果があるかわからないが、さやかにも念の為に話をしておいた方がよさそうだ

まどか「ほむらちゃん…ありがとう。話、聞いてくれて」

ほむら「……別に大したことはしてないわ」

まどか「わたし…探してみるよ。魔法少女にならなくても、自分にできることを」

ほむら「……そうね。必ず見つかるはずよ」
96: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:10:31.64 ID:kC/xlgUso
さやか「ただいまっと」

まどか「あ…おかえり、さやかちゃん」

さやか「それで、あたしがいない間2人は何の話で盛り上がってた?」

まどか「え?えっと……」

ほむら「まどかの部屋はこう…女の子らしくていいわねって話を」

さやか「……そんな話してたの?」

ほむら「……悪い?」
97: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:10:58.54 ID:kC/xlgUso
まどか「ほ、ほむらちゃんの家も見てみたいなぁ。今度、連れて行ってよ」

ほむら「……面白いものじゃないわよ。何もないし……」

まどか「うん、それでもいいよ」

さやか「あたしも気になるなぁ、ほむらの家」

ほむら「そこまで言うなら…今度招待するわ」

まどか「楽しみだなぁ…ありがとう、ほむらちゃん」
98: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:11:31.61 ID:kC/xlgUso
さやかが急に戻ってきたせいか、咄嗟に嘘の話題を言ってしまった。別に隠す必要もないと思うのだが

さっきの、魔法少女にならないでほしいという話をさやかにもしようと思い、口を開きかけたそのとき

私の携帯が鳴り響いた

ほむら「あら…マミから?どうしたのかしら……」

ほむら「……マミ?何か用かしら?」

マミ『あ、暁美さん!病院の入り口で結界の入り口を見つけたの!手を貸して!』

ほむら「……!わかった、すぐそっちへ向かうわ」

マミ『私は先行して中に入るわ!目印にキュゥべえを外に置いておくから、なるべく早く来てね!』

ほむら「えぇ。それじゃまた後で」
99: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:12:04.51 ID:kC/xlgUso
まどか「ほむらちゃん?どうしたの?」

ほむら「病院に魔女が現れたらしいの。……悪いけど、私はこれで失礼するわね」

さやか「病院って…恭介は大丈夫なの!?」

ほむら「病院の人たちに何もないように、私たちが行くのよ。2人は大人しく待っていて頂戴」

まどか「う、うん」

さやか「あたしも行くよ!恭介のことが心配だよ!」

ほむら「……結界の中には入らないで。いい?」

さやか「わかってる!ほむら、急ごう!」

ほむら「えぇ。……じゃあまどか、今日はこれで」

まどか「あ、うん。……気をつけてね」

ほむら「……ありがとう。行って来るわね」
100: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:12:37.52 ID:kC/xlgUso
――――――

QB「……あ、ほむら。こっちだよ」

病院前に到着すると、私を待っていたインキュベーターが声をかけてきた

インキュベーターの背後には結界の入り口が口を開けていた

ほむら「これね…それじゃ、私もすぐに行くわ」

さやか「あたし、恭介のところに行ってくる!」

ほむら「えぇ、そうしなさい。病院に影響が出る前に始末するわ」

さやか「うん…頼んだよ……!」

QB「気をつけてね」

さやか「……あたしは恭介のところに!」
101: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:13:09.21 ID:kC/xlgUso
さやか「恭介!」

恭介「わっ…何だ、さやかじゃないか。病院では静かにしないと駄目だよ」

さやか「あ…うん、そうだね。ごめん」

恭介「それで、今日はどうしたんだい?お見舞いにしては随分と遅かったけど……」

さやか「あー、えっと、それは……」

さやか(本当のことを言うわけにも…えぇい、こうなりゃ……)

さやか「きゅ、急に恭介に会いたくなっちゃってさ…それで、来てみたんだ」

恭介「え……」

さやか「……だ、ダメだったかな」

恭介「……そんなことないよ。ありがとう、さやか」

さやか「そ、そう?よかった、へへ……」

さやか(ほむら、マミさん…頑張って……!)
102: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:14:25.26 ID:kC/xlgUso
――結界内――

ほむら「マミ!」

マミ「来てくれてありがとう、暁美さん」

ほむら「それよりも、魔女は?」

マミ「幸い、まだ実体化してないみたいね」

ほむら「……そう言えば、あなたはどうしてこの結界を?」

マミ「いつものようにパトロールしてたら見つけたのよ。何となく、今日はこっちを探してみようと思って」

ほむら「……あなたの魔女で捜索をかけたら確実に見つけられるのでは?」

マミ「魔女は結界の中でしか使えないのよ。魔女だから仕方ないと思うけど」

ほむら「そう…だったかしら」

マミ「本当に何も知らないのね。……っと、そろそろ実体化するみたいね。やるわよ!」

ほむら「えぇ、わかってる……!」
103: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:15:03.53 ID:kC/xlgUso
部屋の中央からグリーフシードが浮かび上がり、そのまま宙に浮いていく

そして、グリーフシードを中心に魔女の身体が構築されていった

先ほどのマミの言葉…何のことかと思っていたが、確かにこれは孵化と呼べるものではない。実体化、召喚…そんな感じがした

だが、どうもおかしい。いつもなら魔女の外面のぬいぐるみのような奴がいるはずなのに

どういうわけか、そこに現れたのは中にいる本体の方だった

魔女「……」

マミ「暁美さんは後方支援を。まずは私が行くわ」

ほむら「えぇ、わかった」

マミ「……出なさい、キャンデロロ!!」
104: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:15:34.89 ID:kC/xlgUso
ロロ「……」

マミ「さぁ…私とロロの攻撃……!」

マミ「受けてみなさい!」

マミは手の中にマスケット銃を召喚すると、魔女へ向けて発砲する

それと同時に彼女の魔女…キャンデロロも腕部をマスケット銃に形を変え、魔女へと攻撃を開始した

魔女「……!」

マミ「これなら…一気に……!」
105: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:16:13.31 ID:kC/xlgUso
ほむら「次は私が行くわ」

マミ「え、ちょっと……!」

魔女「……」

ほむら「この時間の魔女相手に、どこまで戦えるか……」

ほむら「……これで!」

私は盾から機関銃を引っ張り出すと、魔女に狙いをつけ引き金を引く

倒せるとまでは行かないが、どうやら私の現代兵器による攻撃でも一定の効果はあるようだ
106: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:16:40.11 ID:kC/xlgUso
魔女「……!」

ほむら「ちゃんと効果はあるみたいね…なら、このまま……!」

マミ「ロロで援護するわ!」

ロロ「……!」

ほむら「助かるわ!……私たちの攻撃、いつまで耐えられるかしら!?」

そう言って、私とマミは魔女へ集中砲火を浴びせる

だが、敵もしぶとくこちらの攻撃をただじっと耐えていた
107: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:17:06.53 ID:kC/xlgUso
マミ「……埒が明かないわね、こうなったら一気に……!」

ほむら「待ちなさい、迂闊よ!」

一向に魔女を倒せないことに痺れを切らしたのか、マミが魔女へ向かって突っ走った

今のマミはあまりに無防備だ。敵もそれを見逃すほど甘くはない

蛇のような巨躯をマミへ向けて思い切り伸ばす。そして

マミの眼前で、その大口を開いた

魔女「……!」

マミ「あ…っ……」

ほむら「……っ!」
108: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:17:52.04 ID:kC/xlgUso
マミの目の前に魔女が迫った瞬間、私は考えるよりも先に時間停止を発動させる

その甲斐あって魔女に食らいつかれる寸前で、時間を止めることに成功した

ただ、当然マミの時間も止まってしまっている

ほむら「……ふぅ。さて、と」

指定者の時間は止めないなんて応用ができれば便利なのだが、できないことを言っても仕方がない

マミを退避させるついでと、魔女の口の中へ爆弾を放り込む

そして、安全な場所まで退避が完了したところで時間停止を解除する

解除したその瞬間、魔女の口に放り込んだ爆弾が炸裂し、轟音を響かせた

マミ「……あ、あら?私……」

ほむら「いくらなんでも迂闊すぎるわ。気をつけなさい」

マミ「暁美さん、あなたが私を……?」

ほむら「えぇ、私の魔法であなたを助けた。……それよりも、また来るわよ」
109: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:18:26.66 ID:kC/xlgUso
魔女「……!」

ほむら「……さすがに体内からの攻撃には弱いようね」

先ほど放り込んだ爆弾で、思った以上のダメージを与えることができたようだ

もう1度時間を止めて爆弾を放り込んでやろうかと、盾に手をかけたところで

後ろにいたはずのマミが、いつの間にか私の目の前に立っていた

マミ「……今のを見る限り、弱点は身体の中ということになるわね」

ほむら「……恐らくはね。あとは私に任せて……」

マミ「いえ、私がやるわ。今の借りも返さないといけないし」

ほむら「なら…任せたわ」
110: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:18:59.52 ID:kC/xlgUso
マミ「ありがとう。……それじゃ、行くわよ!」

そう言うと、マミは両手にマスケット銃を構え、魔女へ向けて発砲する

だがその弾は命中することなく、後ろの壁にめり込んだ

マミ「これで……!」

ほむら「マミ!命中してないわ、戻りなさい!」

外れたのが見えていないのか、再度魔女へ向かって走って行く

それと同時に、魔女もマミへ向けてその身体を延ばす

また同じことの繰り返しかと思ったそのとき

マミの放った弾からリボンが伸び、魔女の身体を締め上げた
111: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:19:48.12 ID:kC/xlgUso
ほむら「あなた、まさかこの為に……」

マミ「そう何度も同じ目に遭うわけないでしょう?こう見えてもベテランなのよ、私」

マミの目の前まで迫った魔女は、彼女に食らいつこうと大口を開けてもがいている

だが、リボンで雁字搦めにされた今は、もう成す術など何もなかった

マミ「私に食らいつこうなんて、10年早いのよ」

ほむら「……最初、私が助けてなかったら食らいつかれてたと思うけど」

マミ「そ、それは…とにかく、これでトドメ……!」

マミ「行くわよ、キャンデロロ!!」
112: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:20:30.32 ID:kC/xlgUso
マミがそう言うと、彼女の魔女…キャンデロロの両腕が大砲へと形を変える

魔女の口内へ狙いを定め、そして……

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

魔女「!!」

放たれた砲撃は口から尻尾へと縦一直線に魔女の身体を貫く

マミの攻撃を受けた魔女はボロボロと崩れていき、やがてグリーフシードがカランと地面に落ちた

ほむら「……何とか倒したわね」

マミ「そうね。……今回はごめんなさい、私……」

ほむら「気にすることはないわ。ただ、次からは気をつけて」

マミ「えぇ。……それじゃ、グリーフシードを回収して外に出ましょうか」
113: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:21:05.77 ID:kC/xlgUso
――――――

QB「……あ、マミ、ほむら」

さやか「よかった…2人が無事で……」

マミ「あら、美樹さん?」

ほむら「彼女の好きな人がここに入院してて、魔女が出たと聞いて心配になって様子を見に来たのよ」

さやか「ちょっ!?何を言ってんのよあんたは!?」

マミ「あらあら、そうだったの。でももう大丈夫よ、魔女は倒したから」

さやか「あ…ありがとうございます、マミさん」
114: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:22:02.82 ID:kC/xlgUso
QB「それでマミ、グリーフシードは……」

マミ「ちゃんと回収してきたわ。はい」

QB「ありがとう。それじゃ早速……」

さやか「……背中が開いて、食べちゃった」

QB「……これはお菓子の魔女、性質は執着…か」

さやか「それ、今2人が戦った魔女のグリーフシード?」

QB「うん。グリーフシードにはこういう魔女の情報が入っているんだ」

さやか「ふーん…まぁ無事魔女を倒せたのなら、そろそろ帰ろうよ」

ほむら「そうね…さやかはもういいの?」
115: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/28(木) 23:22:41.33 ID:kC/xlgUso
さやか「うん…2人が戦ってると思うと気が気じゃなくてね。そしたら……」

さやか「今日のさやかは何だか静かだね。でも、たまにはいいかもね…とか言われちゃって……」

さやか「何だか急に恥ずかしくなって、逃げるように出て来たところなんだよ……」

マミ「その子と上手くいくといいわねぇ……」

さやか「はい…じゃなくてですね、あたしはあいつとは別に……」

ほむら「私はこのまま帰るわ。それじゃ、また」

さやか「ほむら、まどかにちゃんと連絡してやりなよ。心配してるだろうからさ」

ほむら「そうね…家に着いたら連絡しておくわ」

マミ「じゃあ暁美さん、またね。今日はありがとう」

さやか「あ、マミさん。少し相談があるんですが……」
125: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:51:39.61 ID:MYwbzrcMo
家へ帰る途中、この時間軸の魔法少女と魔女について考える

魔女を倒すために、もうひとりの自分…魔女の力を借り、自らの力とする

そしてそれが、魔法少女の契約によって可能になるということ

何度考えてもわけのわからない時間軸だ。まさか魔女を使役するだなんて……

別の時間からやってきた私にはできない芸当だ

だが、以前インキュベーターにソウルジェムを見せたとき、言われたはずだ。マミと同じ魔法少女だと

それはつまり、私にも可能だということなのだろうか

何にせよ、魔女がいるというのなら必ず奴も…ワルプルギスの夜も現れるということだろう

どんな時間軸だろうが、私のやることはひとつだけ

まどかを守り、まどかとの約束を果たす。ただ、それだけだ
127: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:52:37.79 ID:MYwbzrcMo
――――――

???『……また会ったわね』

???『巴マミと協力し、彼女を守ることができた。……ここまでは順調ね』

???『だけど、まだこれからよ。美樹さやかの契約がそろそろ近づいている』

???『そして、近いうちに彼女もまた動き出すでしょうね』

???『何にせよ、あなたは私と覚悟の契約をした。その契約が成就するよう……』

???『あなたの内から祈ってるわ……』

――――――
128: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:53:08.82 ID:MYwbzrcMo
『……ら…ほむら……』

ほむら「ん……」

さやか「ほーむーら!おーきーろ!」

ほむら「……あら、私……」

まどか「おはよう、ほむらちゃん」

ほむら「えぇ…おはよう、まどか……。もしかして、私…寝てた……?」

さやか「もしかしなくても寝てたよ。ホームルーム中ずっと船漕いでたけど、ものの数分で寝てるとは思わなかったよ」

まどか「ほむらちゃん、疲れてるの?」

ほむら「いえ、それは大丈夫だと思うけど…それよりも、何か夢を見ていたような気が……」

まどか「夢?」

ほむら「えぇ、でも…忘れてしまったみたい。思い出せないわ」
129: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:53:58.20 ID:MYwbzrcMo
ほむら「……そう言えば、わざわざ起こしてくれたところを見ると、私に何か用かしら?」

まどか「あ、うん。この前のほむらちゃんの歓迎会したときに話したでしょ?ほむらちゃんの家、行ってみたいって」

まどか「それで、今日遊びに行きたいなって思って」

ほむら「今日?随分と急ね」

さやか「都合悪かった?別の日でもいいけど……」

ほむら「……いえ、構わないわ。以前も言ったけど、つまらないところよ」

まどか「いいんだよ、ほむらちゃんの家に遊びに行くってことが大事なんだから」

ほむら「……それじゃ、案内するわね」

まどか「楽しみだなぁ、ほむらちゃんの家」
130: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:54:27.78 ID:MYwbzrcMo
――――――

ほむら「……ここが私の家よ」

まどか「ここかぁ…素敵な家だね」

ほむら「そうかしら……?」

さやか「ここに1人で住んでるんでしょ?寂しくない?」

ほむら「もう慣れたわ」

マミ「何だか悪いわね、私まで誘ってもらっちゃって」

さやか「気にしないでくださいよ。多い方が楽しいじゃないですか」

ほむら「それじゃ…中へどうぞ」

まどか「ほむらちゃん、おじゃまします」
131: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:55:11.42 ID:MYwbzrcMo
先日の約束通り、私の家へみんなを招待することにした

まどかとさやか、そして途中で会ったマミを家へと上げる

だが、いつも使っているワルプルギスの夜の資料を纏めた部屋へ入れるわけにも行かない

この情報はまだ伝えるべきではない。なんとなく、そんな気がした

なので、何の変哲もない普通の部屋へとみんなを通した

まどか「面白くないって言ってたけど…そんなことないんじゃないかなぁ」

ほむら「まどかの部屋のように女の子らしくもないし、マミの部屋のように内装に凝ってるわけでもないし……」

まどか「でも、わたしは素敵だと思うよ。ほむらちゃんらしい、落ち着いた部屋で」

ほむら「……ありがとう、まどか」
132: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:55:48.44 ID:MYwbzrcMo
マミ「そうね…私も素敵だと思うわ」

さやか「あたしはダメだなー。なーんか落ち着かない……」

ほむら「ならお茶飲んでさっさと帰りなさい」

さやか「ごめん、ウソだって」

ほむら「……それで、今日は何をするつもりなの?」

まどか「あ…ごめんね、ほむらちゃんの家に遊びに行くことしか考えてなくて、その先は……」

ほむら「考えてなかったってわけね…さて、どうしましょうか」

マミ「何をするでもなく、お喋りしてるだけでもいいんじゃないかしら?」
133: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:56:29.86 ID:MYwbzrcMo
まどか「それじゃ、今日はみんなでのんびりお喋りでもしようよ。ね、ほむらちゃん」

ほむら「私は……」

まどか「……ほむらちゃん、魔女や使い魔と戦って、きっと疲れてるんだよ。だから放課後、眠っちゃったんだと思う」

まどか「だから今日くらい、ゆっくりしていようよ」

ほむら「……まどかがそこまで言うなら」

疲れて眠ってしまったわけではないと思うが、どうやらまどかはそう思ってしまっているようだ

まどかなりの私への気遣いを無碍にするわけにもいかず、私はその提案を受け入れることにした
134: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:56:59.63 ID:MYwbzrcMo
さやか「……相変わらず、まどかが相手だと甘いねぇ、ほむらは。あたし相手じゃ絶対こうはいかないよね」

ほむら「いいことを教えてあげる。日頃の行いって、とても大事だと思うわ」

さやか「……何も言い返せない」

マミ「でも2人が仲良しでいいことじゃない。そうでしょう?」

さやか「そうなんですけど…やっぱり不思議なんですよ。どうしてこの短期間であんな仲良くなれるのかって」

まどか「あの、そのことなんだけどね……」

ほむら「まどか?」

まどか「わたし、ほむらちゃんを…夢の中で見たんだ」
135: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:57:32.35 ID:MYwbzrcMo
さやか「……まどか、大丈夫?帰って寝る?」

まどか「う、嘘じゃないよ。ほむらちゃんが転校してくる前の日、夢でほむらちゃんを見たんだよ」

まどか「だからその夢のおかげも…少しだけあるかも。もちろん、わたしが仲良くなりたいって思ってるから、仲良くなれたんだと思うけど」

さやか「出会う前に夢で見て、その子が転校してきたねぇ……。あんたらきっと前世か何かで恋人同士だったんじゃないの?」

まどか「こ、恋人!?」

さやか「そうなんじゃないの?愛してるからこそ、時を超えて夢の中で再び出会うって感じで」

マミ「もしそうだとしたらとてもロマンチックね」

まどか「そ、そんなわけないですって!大体、わたしもほむらちゃんも女の子ですよ!?」

マミ「あら、もしかしたら前世は男女だったかもしれないわよ?」

まどか「もー!」
136: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:58:07.80 ID:MYwbzrcMo
まどかの夢に私が出て来た…もしかして、時間遡行による何らかの影響だろうか

だけど、そのおかげでまどかと仲良くなれたのなら…少しだけその夢に感謝することにした

まどか「……ねぇ、ほむらちゃんからも何か言ってよ!」

ほむら「……あ、えっと……?」

まどか「さやかちゃんとマミさんがからかってくるの…わたしとほむらちゃんが前世で恋人だーって」

さやか「あたしの嫁が実はほむらの嫁だったなんて…あたしゃ悲しいよ」

ほむら「……いい加減にしておきなさい。まどかが困ってるでしょう」

さやか「ごめんなさい…謝るから、そんな睨みつけないで……」

ほむら「全く…それにしてもまどかと恋人同士だった、ね……」

ほむら「……私が釣り合うわけ、ないわ」

まどか「……?ほむらちゃん、何か言った?」

ほむら「……いえ、何も。それよりも、何か違う話題に……」
137: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:58:38.65 ID:MYwbzrcMo
――――――

ほむら「……あら、もうこんな時間…そろそろ帰った方がいいんじゃないかしら?」

さやか「え?……あー、全然気がつかなかったな」

マミ「ついお喋りに夢中になってしまってたわね…今日はこれでお開きにしましょうか」

何をするでもなく、みんなとの会話を楽しむ

今までならそんなこと、絶対にしなかったと思う。……だけど

今はきっと…心に余裕があるおかげだと思う

1人で戦っているわけではないこと、魔女になることがないというのも要因のひとつ

だけど、1番はやはりまどかの側にいることによるものが大きいと思う

失敗続きで疲れきっていたはずの私の心も、まどかの側にいるだけで不思議と気持ちが楽になった

気を抜くわけではないが、たまにはこんなことがあっても構わないだろう
138: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 00:59:25.18 ID:MYwbzrcMo
さやか「それじゃ、そろそろ帰りますか」

まどか「うん、そうだね」

マミ「それじゃ暁美さん、またね」

ほむら「えぇ、気をつけて帰りなさい」

そう言って、まどかたちは帰って行った

たった今までみんなと話していたせいか、私1人になってしまい、酷く寂しいと感じてしまった

それだけあのひとときが楽しかったのだろう

ほむら「……またまどかと話、してみたいわね」
139: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:00:04.16 ID:MYwbzrcMo
――――――

さやか「……それで、まどかはほむらをどう思ってるの?」

まどか「どう、って……」

さやか「最近随分と仲がいいから、気になるんだよね」

まどか「うーん…ほむらちゃんともっと仲良くなりたいとは思ってるんだけど……」

まどか「考えてみると…ほむらちゃんのこと、知らないことが多いんだよね」

マミ「そうね…私は魔法少女としてだけど、気になる点があるわ」

マミ「前に聞いたときに口ごもった契約の理由。……まぁこれは話したくないのなら無理に聞き出すつもりはないんだけど」

マミ「それに暁美さん、見たところ随分長く魔法少女をやってるみたいだけど、魔女の召喚を知らなかったみたいだし……」
140: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:01:02.33 ID:MYwbzrcMo
さやか「うーん…そう考えると秘密が多いなぁ、ほむらは」

まどか「だけど…きっといつか話してくれるよ。わたしはそう思ってる」

さやか「まどか…うん、そうだね。ほむらを信じて待ってみるか」

マミ「えぇ、そうね。それに何があっても彼女はもう、友達で、仲間なんだから」

さやか「さて、それじゃあたしとまどかは向こうなんで」

マミ「もう暗いから気を付けてね」

さやか「はい、マミさんも……」
141: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:01:41.85 ID:MYwbzrcMo
まどか「……あれ?ねぇ、さやかちゃん」

さやか「うん?どした?」

まどか「あそこ歩いてるの、仁美ちゃんじゃない?」

さやか「仁美?今日も習い事で先に帰ったはずじゃ…ありゃ、ほんとだ」

マミ「お友達?」

まどか「はい、同じクラスの志筑仁美ちゃんです。あ、わたし、ちょっと声かけてくるよ」

さやか「話し込んで遅くなるなよー」
142: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:02:29.58 ID:MYwbzrcMo
まどか「仁美ちゃーん」

仁美「あらぁ…鹿目さん、ご機嫌よう……」

まどか「……?仁美ちゃん、今日習い事じゃなかったの?」

仁美「そんなこと、もうどうでもいいんですの……。これから素晴らしい世界へ旅立つんですもの……」

まどか「仁美…ちゃん……?」

仁美「鹿目さんとここで会ったのも何かの縁…素晴らしい世界へ、鹿目さんを招待しますわ……」

まどか「仁美ちゃん、何を言って……」

さやか「まどか、どうかした?」

まどか「あ、さやかちゃん…仁美ちゃんの様子が……」
143: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:03:19.92 ID:MYwbzrcMo
マミ「様子がおかしかったから来てみたんだけど、これは……」

仁美「美樹さんと…あら、こちらの方はどなたでしょう……」

マミ「私は巴マミ。見滝原中学の3年生よ」

仁美「そうでしたか…それではお2人も、招待しますわ……」

さやか「……一体どこに連れて行こうってのよ」

仁美「ふふ…今よりももっと素晴らしいところですわ……」

まどか「ま、マミさん、仁美ちゃん、どうしちゃったんですか?」

マミ「……恐らく魔女に操られているわ」

まどか「そんな……!元に戻るんですよね!?」

マミ「大丈夫、操っている魔女を倒せば元通りになるはずよ」
144: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:03:57.46 ID:MYwbzrcMo
QB(マミ、聞こえるかい?)

マミ「あら、キュゥべえから……?」

マミ(キュゥべえ?どうしたの?)

QB(どうやら工場地帯に魔女が現れたみたいなんだ。すぐに向かってくれるかい?)

マミ(工場地帯ね、わかったわ。暁美さんに連絡は?)

QB(多分テレパシーの圏外に出ちゃったんじゃないかな。通じないんだ)

マミ(彼女への連絡はこちらでするわね)

マミ(わかった。僕も工場地帯へ向かうよ。それじゃ、また後で)

マミ「……これではっきりしたわね。この子、魔女に支配されてしまってるわ」
145: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:04:32.90 ID:MYwbzrcMo
さやか「それじゃマミさん、早く魔女を……」

マミ「それなんだけど…この子に案内してもらおうかしら。間違いなく魔女のところまで連れて行ってくれるわ」

まどか「それは…大丈夫なんですか?」

マミ「絶対、守ってみせるから。それに、操られた人があちこちにいるより1ヶ所に集めた方が対処もしやすいわ」

まどか「……わかりました。マミさん、仁美ちゃんを助けてあげてください」

マミ「えぇ、わかってるわ。あなたたちは暁美さんに連絡したら、そのまま家に……」

さやか「……あたしたちも連れて行って下さい。マミさんと仁美が…心配なんです」

マミ「……わかったわ。志筑さん、だったわね?その素敵なところへ連れて行ってくれないかしら」

仁美「えぇ、勿論です…さぁ、こちらですわ……」

マミ「それじゃ…行きましょうか」

さやか「はい……!」
146: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:05:46.08 ID:MYwbzrcMo
――工場内――

マミ「これは……」

さやか「すごい人数…これみんな魔女に操られた人たちなんですか……?」

マミ「えぇ、そうよ。……鹿目さん、暁美さんへ連絡は?」

まどか「すぐにこっちへ来てくれるそうです」

マミ「そう…さて、これだけ集めて何を始めるつもりかしら……」

さやか「さぁ…でも、もしマミさんや仁美が危なくなるようなら、あたし……」

マミ「待って。この間も言ったけど、結論はちゃんと出たの?」

さやか「そ、それは……」

マミ「結論が出ないうちは契約をするべきじゃないと思うわ。ゆっくり考えなさい」

さやか「はい……」

まどか「さやかちゃん……?」

さやか(あたしは……)
147: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:06:40.48 ID:MYwbzrcMo
まどか「あれ…マミさん、何か始めるみたいで……」

まどか「ま、マミさん!あれ、あのバケツ!あれ、なんとかしないと!」

さやか「ま、まどか?」

まどか「今バケツに入れたのと、あの人が持ってるの、混ぜたらダメな奴だよ!」

マミ「どうやらこの魔女、この人たちを集団自殺させるつもりだったのね……」

さやか「と、とにかくあのバケツを何とかしないと……」

仁美「美樹さん…邪魔はしないでいただけます……?」

さやか「仁美!?何してんの、このままじゃあたしら全員……!」

仁美「えぇ、だからこそですわ。肉体という器を捨て、今よりも素晴らしい世界へ旅立てるのですから……」

さやか「わけわかんない…マミさん、あたしは大丈夫ですからバケツを!」
148: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:07:30.35 ID:MYwbzrcMo
マミ「早くあのバケツを……!」

工場長「てめぇ、何する気……」

マミ「邪魔…しないで!」

工場長「うぐ……」

マミ「あとで解きますから!……それよりも、バケツをどうしたら……」

マミ「あれは…窓……?それなら……!」

マミ「こんな危ないもの…飛んでいきなさい!ティロ……!」

マミ「フィナーレ!!」

さやか「バケツ、窓の外に……!」

まどか「や、やった……!」

さやか「……やったけど…やってないみたい」

まどか「へ?さやかちゃん、それってどういう……」
149: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:08:25.33 ID:MYwbzrcMo
仁美「……あなたたちは大変なことをしてくれましたね」

まどか「さやかちゃん…何だか操られた人たちの様子がおかしいよ……」

さやか「これは…もしかして怒ってる?邪魔されたから……」

まどか「ど、どうするの!?何だかすごい目でこっち見てるよ……」

マミ「2人とも、一旦逃げましょう!こっちよ!」

さやか「わかりました!まどか、行くよ!」

まどか「う、うん!」
150: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:09:55.10 ID:MYwbzrcMo
さやか「……ふぅ、何とかなったかな」

マミ「そうね…そう言えば、結界はどこかしら?ここに集められたってことは、この辺りのはずだけど……」

QB「あれ、マミ。2人を連れて来たのかい?」

マミ「あら、キュゥべえ。そうなの、2人の友達が操られて……」

QB「それはいいんだけど、この部屋に入れたのはマズいよ……。結界、ここなんだ」

マミ「え……」

まどか「あ…結界が……!」

さやか「そんな…あたしたちは逃げ……」

QB「もう無理みたいだね……」
151: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:11:45.21 ID:MYwbzrcMo
魔女「……」

使い魔「……」

マミ「……探す手間が省けたわね。わざわざお出迎えなんて」

マミ「2人とも、私の防御結界から絶対に出ないで!キュゥべえ、あとは頼んだわ!」

QB「わかったよ。マミ、頑張って」

まどか「マミさん、大丈夫だよね……」

さやか(あたし…どうしたらいいんだろ。あたしは、あいつのバイオリンが聴きたいだけ。でも……)

さやか(マミさんが言ってた…夢を叶えてほしいのか、その夢を叶えた恩人になりたいのか……)

さやか(見返りなんてなくたっていい…あいつのバイオリンが聴けて、ほむらとマミさんの力になれるのなら……)

まどか「さやかちゃん……?どうしたの?」

さやか「……何でもないよ」
152: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:12:41.42 ID:MYwbzrcMo
使い魔「……」

マミ「結構な数の使い魔ね…ならこっちも最初から全力で行かせてもらうわ……!」

マミ「出なさい、キャンデ……」

使い魔「……!」

マミ「っく…召喚させないつもり……?」

使い魔「……!」

マミ「まず数を減らさないと…魔女がいなくたって戦える……!」

マミ「全部…叩き落としてあげるわ!」
153: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:14:47.39 ID:MYwbzrcMo
使い魔「!!」

マミ「隙ができた……!今のうちに……」

マミ「……あら?魔女はどこに……」

さやか「マミさん!後ろっ!」

魔女「……」

マミ「……え?」

魔女「……!」

マミ「あ…う……!」

まどか「マミさん!」

さやか「マミさん、大丈夫ですか!?」
154: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:16:08.50 ID:MYwbzrcMo
マミ「あ…いや、私……!」

マミ「お願い…置いて行かないで……!」

さやか「マミさん!?どうしたんですか!」

マミ「ごめ…なさい……」

まどか「マミさん、どうしちゃったの……?」

QB「恐らくだけど、精神攻撃を受けてしまったんじゃないかな。今のマミには何か違うものが見えているんだろう」

QB「だから今の現状が見えてないし、僕たちの声も届いていないんだ」

さやか「現状?……まずいよ、使い魔と魔女がこっちに……!」

QB「マミが戦闘不能になってしまったからね…当然と言えば当然だよ」
155: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:18:39.04 ID:MYwbzrcMo
まどか「ほむらちゃん…早く来て……!」

さやか(……ほむらはいつ来るかわからない。マミさんは魔女の攻撃で戦闘不能……)

さやか(……あたしの覚悟はあとですればいい。今ここで2人を失ったら…きっと後悔する。だから……)

さやか「……キュゥべえ!あたし、契約するよ!」

まどか「え…さやかちゃん、何言って……」

さやか「……いいんだよ。どの道きっかけがほしかっただけなんだから」

まどか「でも…もっとよく考えた方が……」

さやか「あたしには…叶えたい願いがあるの。それに、今契約しないと多分、ずっと後悔すると思うから」

まどか「さやかちゃん……」
156: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:22:36.04 ID:MYwbzrcMo
QB「……本当にいいんだね?」

さやか「時間ないんだから、急いで!」

QB「……わかったよ。美樹さやか、君の願いはなんだい?」

さやか「……上条恭介の指の怪我、治して!」

QB「……その願いは、魂を差し出すに値するかい?」

さやか「そんなもんいいから!早く!」

QB「君の願い、確かに受け取ったよ。……さぁ、受け取るといい。契約の証、ソウルジェムを」

さやか「っ……!」
157: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:25:24.60 ID:MYwbzrcMo
まどか「さ、さやかちゃん……」

さやか「……これが、あたしの力……?」

QB「武器は剣のようだね。癒しの願いで契約したから治癒魔法も使えるはずだよ」

QB「あとは…魔法少女になったわけだから、魔女の召喚も……」

さやか「それはあとでいい!あの魔女を…倒さないと!」

魔女「……」

さやか「よくもマミさんを……!絶対、許さない!」

使い魔「……!」

さやか「遅いっ!」

魔女「……!」

まどか「速い……!」
158: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:28:02.16 ID:MYwbzrcMo
さやか「食らえ!」

魔女「!」

さやか「せいっ!」

魔女「!」

さやか「まだまだ!」

魔女「!」

使い魔「……!」

さやか「使い魔…なら、これで……!」

さやか「最後…だっ!!」

魔女「!!」
159: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:29:18.51 ID:MYwbzrcMo
QB「魔女が真っ二つに……」

まどか「すごい…魔女、やっつけちゃったよ」

QB「契約したてでここまで戦えるなんて…すごいじゃないか」

さやか「そ、そうかな?……それよりも、マミさんは……」

魔女「……!」

まどか「さ、さやかちゃん!後ろ!」

さやか「へ……?」

ズドォォォォォン

さやか「うおっ!?な、何事?」
160: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:29:52.33 ID:MYwbzrcMo
ほむら「……グリーフシードを確認するまでは気を抜かないことね」

まどか「あ…ほむらちゃん!」

ほむら「ごめんなさい、遅くなってしまったみたいね」

まどかから連絡をもらい、すぐにここに向かったが…どうやら少し遅かったようだ

さやかが魔法少女に…インキュベーターと契約してしまっていた

ほむら「さやか…あなた……」

さやか「……うん。見ての通り、魔法少女になったよ」

ほむら「……それは、しっかりと考えた上での契約かしら?」

さやか「……はっきりとそうだとは言えないよ、あんな状況だったし。でも……」

さやか「あたし、後悔だけはしてないよ。まどかとマミさんを守れて…よかったって思ってるから」

ほむら「そう……」
161: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:30:36.01 ID:MYwbzrcMo
まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「まどか……?」

さやかと話をしていると、不意に誰かが私に抱きついてきた

それがまどかであることはすぐにわかったが、何やら様子がおかしかった

まどか「ほむらちゃん…ごめんね、わたしたちがついて来たばっかりに……!」

まどか「それに…マミさんがやられちゃって…わたし、すごく怖かった……」

私に抱きついてきたまどかの体は、恐怖で震えていた

目の前でマミがやられ、何もできない自分たちへと使い魔と魔女が迫る。計り知れない恐怖を感じてしまったのだろう

私はまどかをそっと抱きしめてから、まどかに優しく語りかけた

ほむら「……ごめんなさい、まどか。私が遅くなったせいで、あなたに怖い思いをさせてしまって……」

ほむら「もう2度と…あなたに怖い思いはさせないから」

まどか「ほむらちゃん……」
162: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:31:27.19 ID:MYwbzrcMo
さやか「まどかー?あたしたちがいるの、忘れてない?」

まどか「へ?……あ、その、ごめんねほむらちゃん、抱きついちゃったりして……」

ほむら「気にしないで、別に嫌というわけじゃないから」

さやか「つまりほむらはまどかに抱きつかれて嬉しかった、と?」

ほむら「……悪い気はしないわ」

まどか「も、もう…やめてよ、2人とも……」

さやか「ごめんごめん。……それよりも、マミさんは……」
163: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:32:08.16 ID:MYwbzrcMo
マミ「ごめんなさい…不覚を取ったわ……」

ほむら「マミ、大丈夫?酷い顔してるけど……」

マミ「えぇ…見たくもないもの、見せられたせいでね……」

ほむら「そう…私が遅くなったせいね。ごめんなさい」

マミ「暁美さんのせいじゃないわ、油断した自分の責任よ。……さて、美樹さん」

さやか「……はい」

マミ「私を助けてくれたことは感謝してるわ。ありがとう。……でも、私が言ったこと…覚えてるわよね?」

さやか「……はい。でも、まだ答えは出てないんです。だけど…契約した以上、きちんと答えを出します」

マミ「状況が状況だったから仕方ないわね…だけど、その返事を聞いて安心したわ」

マミ「これからよろしくね、美樹さん」

さやか「はい、よろしくお願いします」
164: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:34:16.19 ID:MYwbzrcMo
ほむら「……さて、魔女も倒したことだし、帰りましょうか」

まどか「そうだね。パパとママも心配してるだろうし…怒られないといいけど」

ほむら「まどかは私が送って行くわ」

さやか「わかったよ。……それじゃ、あたしは帰るね」

QB「僕は魔法少女の基本についてさやかに説明してあげないとだから、さやかと一緒に行くね」

マミ「今日は早く帰って休みましょう…それじゃまた……」

まどか「……マミさん、大丈夫かな」

ほむら「きっと大丈夫よ。ほら、私たちも行くわよ」
165: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:36:14.58 ID:MYwbzrcMo
――――――

まどか「……ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「何?」

まどか「多分なんだけど…ほむらちゃん、わたしたちに秘密にしてることって…ない?」

ほむら「それ…は……」

まどか「ほむらちゃんと友達になってしばらく経つけど…ほむらちゃん、自分のことってあんまり話してくれないから……」

まどか「わたし、ほむらちゃんのこと…全然知らなくて…だから、もうちょっとほむらちゃんのこと、知りたいなって思って」

ほむら「まどか……」

まどか「ほむらちゃんが何を秘密にしてるのかはわからないけど…いつか、話してくれたら嬉しいな」

ほむら「……いつか、必ず話すわ」

まどか「ありがとう。……じゃあほむらちゃん、また明日」

ほむら「えぇ。また明日」
166: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 01:37:19.87 ID:MYwbzrcMo
私がもたもたしてたせいで、さやかが契約してしまった

この時間の魔法少女のルールなら魔女になることはないと思うが……

インキュベーターの本質が変わっていないのだとしたら、きっと何か裏があるに違いない

だが、契約してしまったものは仕方がない。今後は彼女のフォローもしてやらなければ

それにしても、私が隠し事をしているとまどかはどうしてそう思ったのだろう

今までより親密になれたせい…なのだろうか

何にせよ、今はまだ話すことはできない。もう1人…最後の仲間の協力を取り付けてから、明らかにしようと思う

私の、戦う理由を……
173: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:36:20.69 ID:MYwbzrcMo
時間が遅い…明日こそ10時までに投下したい

次から本文
174: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:37:00.70 ID:MYwbzrcMo
――翌日 放課後――

さやか「……それじゃ、あたしは恭介の様子を見に行くね」

ほむら「えぇ。今日はどうしようかしら、爆弾作成でも…でもまだストックは……」

さやか「……事情知ってるからいいけど、知らない人から見ると物騒な奴にしか見えないから気を付けた方がいいよ」

ほむら「わ、わかってるわよ。……じゃあ私は帰るわ。まどか、またね」

まどか「うん。またね、ほむらちゃん」

さやか「あんたたちも最近妙に仲良いよね、このさやかちゃんを差し置いてさ」

まどか「そんなこと……」

さやか「もしかすると…もしかしちゃうんじゃないの?」

まどか「べ、別に何もないってば。ほむらちゃんは友達だよ」

さやか「友達、ねぇ。……よし、そんじゃあたしもそろそろ行くね」

まどか「あ、うん。さやかちゃん、またね」
175: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:37:29.56 ID:MYwbzrcMo
――病院――

さやか「……」

さやか(う…何だか入りづらいな……)

さやか(……あたしはあいつのバイオリンが聴きたいから、怪我を治した。それだけ……)

さやか(だから…絶対、あたしが治したんだって知られちゃいけない。もし恭介が知ったら……)

さやか(あいつ、きっとあたしを恩人みたいに扱うと思うから…あたしはそんな関係、望んでない)

さやか(それに…ううん、これはいいや……)

さやか「……さて、と」
176: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:38:09.59 ID:MYwbzrcMo
さやか「し、失礼します……」

恭介「あれ、さやか。どうしたんだい?失礼します、だなんて」

さやか「悪かったわね、そういうセリフが似合わなくて」

恭介「ごめんごめん。そんなつもりじゃないんだ」

さやか「もう。……それで、怪我が治ったって……?」

恭介「うん…先生も驚いてたよ。急に動くようになるなんて、まるで奇跡だ、って」

さやか「奇跡…か……」

恭介「……実はね、先生に…もう2度と動かないだろうって、言われてたんだ……」
177: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:38:50.04 ID:MYwbzrcMo
さやか「え…そうだったの……?」

恭介「うん。だけど…現に今、こうしてまた動くようになったんだ」

恭介「……僕はね、さやかが起こしてくれた奇跡なんじゃないかって思うんだ」

さやか「あたしが……?」

恭介「僕が事故に遭ってから、さやかはずっとお見舞いに来てくれたよね」

恭介「僕の勘違いだったら恥ずかしいけど…きっと僕の怪我が治るようにって祈ってくれてたんだと思う」

恭介「だからその祈りが通じて…奇跡が起こったんじゃないかなって……」

さやか「恭介……」

恭介「さやか…ずっと僕を支えてきてくれて、ありがとう」

恭介「それと…ごめん。イライラしてさやかに八つ当たりしたこともあったし……」
178: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:39:20.73 ID:MYwbzrcMo
さやか「……気にしないでよ。あたしが好きでやってたことだからさ」

さやか「あたしは…また恭介のバイオリンが聴ければ、それで十分だよ」

恭介「それなら…さやかの為に心を込めて弾かせてもらうよ」

さやか「……ありがと。あたし、そろそろ行くね」

恭介「うん。きっと近いうちに退院できると思うから、また学校にも行けるようになるよ」

さやか「……それじゃ、またね」
179: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:39:59.89 ID:MYwbzrcMo
――――――

さやか「……」

QB「どうしたんだい、ソウルジェムを眺めたりして……」

さやか「……ううん、何でも。願い、ちゃんと叶ってたよ。ありがと、キュゥべえ」

QB「お礼を言うのは僕の方さ。魔法少女になってくれてありがとう、さやか」

さやか「これであたしも…魔女と戦うことができるようになったんだよね」

QB「そうだね。マミとほむらもいるんだ。大丈夫さ」

さやか「ん、そうだね…それじゃあたし、そろそろ寝るよ」

QB「じゃあ、僕も帰るよ。おやすみ、さやか」
180: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:40:45.88 ID:MYwbzrcMo
――――――

さやか「……ん、あれ?ここは……」

『やー、よく来たね』

さやか「え?だ、誰?」

魔女「誰って、あたしよ、あたし」

さやか「ま、魔女?何で魔女が……」

魔女「あんた、魔法少女になったんでしょ?説明受けてないの?」

さやか「あ…それじゃ、あんたがあたしの……?」

魔女「そ。美樹さやかの中の、もうひとりのあたし」

さやか「あんたが……」
181: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:41:25.22 ID:MYwbzrcMo
魔女「契約して魔法少女となった以上、あたしはあんたの力になる。だけど……」

魔女「本当によかったの?自分以外の為に願いを使っちゃって。それも、好意を寄せている人にさ」

さやか「べ、別に好意なかじゃ……」

魔女「隠したってムダだって、あたしはあんたなんだから。……あんた、ケガを治してどうしたいの?」

さやか「どうって…あたしはあいつのバイオリンが聴きたいだけで……」

魔女「本当にそうだって言い切れる?それを口実に何か見返りを求めたりしないって…覚悟できる?」

さやか「覚悟……?」

魔女「そう、覚悟。あんたにそれができる?」
182: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:42:02.01 ID:MYwbzrcMo
さやか「……あたしはあいつのバイオリンが聴ければ、それでいい。それは別に見返りじゃないよね」

魔女「まぁ、それを願って契約したわけだからね」

さやか「なら、それだけであたしは十分。ケガを治してやったからどうこうしてほしいなんて、思ってないよ」

魔女「そっか…それじゃ、覚悟はできてるんだね?」

さやか「……当然でしょ」

魔女「……わかった。それならいいんだよ。これからはあたしがあんたの剣になる。よろしくね」

さやか「あ、うん。よろしく」
183: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:42:37.89 ID:MYwbzrcMo
魔女「さっきも言ったけど、あたしはあんた、あんたはあたし。……忘れないで」

さやか「わかってるよ。……えーと」

さやか「あんた、なんて名前なの?」

魔女「あぁ、そうだね。名前がないと召喚できないからねぇ…うっかりしてたよ」

さやか「うっかりって……」

魔女「それじゃ、よく聞きなさいよ。あたしの名前は……」
184: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:43:14.80 ID:MYwbzrcMo
――翌日――

さやか「……という夢を見たんです」

マミ「もしかすると…美樹さんはもう魔女を召喚できるようになったんじゃないかしら」

マミ「まさか魔法少女になってからこんなにすぐできるようになるなんて思わなかったわ……」

さやか「あたしもですよ。まさかほむらよりも先になるなんてね……」

ほむら「悪かったわね」

さやか「別に悪いなんて言ってないのに…でもこれでマミさんとほむらの力になれるのなら……」

マミ「それはそうだけど…本当によかったの?見返りを求めないなんて覚悟、してしまって……」

さやか「いいんです。マミさんやほむら、まどか…それに恭介や仁美、この街の人たち」

さやか「みんなを守りたいんです。それが魔女と戦えるあたしの使命ですから」
185: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:43:51.86 ID:MYwbzrcMo
これからのことを話し合おうとマミの家に集まったとき、さやかから魔女との夢を見たという話を聞かされた

マミの話では、さやかが魔女の召喚ができるようになったということらしい

まさかさやかに先を越されるとは…別に悔しいというわけではないが

この時間に来てしばらく経つが…やはり魔女の召喚が未だに頭のどこかに引っかかる

だが、いくら考えても答えは出ない。私の魔女のことはひとまず後回しにして、今日これからのことを話すことにした

ほむら「……それじゃ、マミはさやかの指導にあたってもらえるかしら」

マミ「えぇ、任せておいて。とりあえず使い魔の結界あたりで、美樹さんの魔女を確認しておきたいわね」

ほむら「頼んだわ。私は…会いたい人がいるの。その人に会って来るわ」

さやか「会いたい人?」
186: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:44:19.46 ID:MYwbzrcMo
ほむら「……魔法少女の佐倉杏子という人物よ」

マミ「佐倉さんに……?」

さやか「マミさん、知ってるんですか?」

マミ「えぇ。佐倉さんに何の用なの?」

ほむら「……協力をお願いしたいの。これからの為に……」

マミ「それは…難しいわ。今の彼女は……」

ほむら「……?」

マミ「……とにかく、佐倉さんには近いうちに私が話をしてみるわ。それでいいかしら」

ほむら「……なら、任せるわ」
187: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:44:55.47 ID:MYwbzrcMo
マミ「……それじゃ美樹さん、そろそろ出ましょうか」

さやか「そうですね」

ほむら「私は…どうしようかしら」

さやか「今日はゆっくりしてればいいんじゃない?何ならまどかのとこに行っててもいいし」

ほむら「そう…ね。そうさせてもらおうかしら……」

マミ「今日の結果は明日話すわね」

ほむら「……さやかのこと、頼んだわ」

佐倉杏子に会いに行くつもりが、急に1日空いてしまった

マミの家の前で2人と別れ、家路に就いたがどうにも真っ直ぐ家に帰る気にはならない

私はさやかに言われたように、まどかの家へと向かって歩き出した
188: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:45:37.70 ID:MYwbzrcMo
さやか「……使い魔の結界とは言ったものの、そう都合よく見つかりますかね?」

マミ「どうかしら、こればっかりは……」

さやか「ですよねー…あれ、こんなとこにゲーセンなんてあったんだ……」

マミ「……あら、ソウルジェムに反応が…これ、使い魔のものかしら」

さやか「今度来てみようかな…え、使い魔、見つかったんです?」

マミ「恐らくだけど。とにかく行ってみましょう。こっちよ」

さやか「あ、ちょ、ちょっと待……」
189: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:46:12.40 ID:MYwbzrcMo
???「おっと……」

さやか「……っと、ごめん、大丈夫?」

???「あぁ、気にすんな。よそ見してたアタシも悪いんだからね」

マミ「美樹さん、どうし…佐倉さん……」

杏子「ん?……あぁ、マミか…久しぶりだな……」

マミ「……えぇ。佐倉さんも元気そうでよかったわ」

杏子「元気そう…ね。ま、死なない程度に生きてるよ」

さやか「佐倉さんって…じゃあ、この子がほむらの言ってた……」

マミ「そう…この子が、佐倉杏子……」
190: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:47:09.74 ID:MYwbzrcMo
杏子「……何だ?アタシに何か用か?」

マミ「えぇ…佐倉さん、もう1度戻って来てもらえないかしら」

杏子「……わかってんだろ。アタシはもう…戦えねぇって」

マミ「今回ばかりは…私ひとりの意見じゃないの。暁美ほむらさんからの依頼でもあるの」

杏子「暁美ほむら……?誰だそりゃ」

マミ「え?佐倉さん、知らないの?」

杏子「魔法少女の知り合いは…少なくともマミ以外にはいねぇよ」

マミ「じゃあ暁美さんはどこで佐倉さんを知ったのかしら……」

杏子「何だかわかんねぇが…アタシにはもう、一緒に戦う力はねぇんだよ……」
191: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:47:45.73 ID:MYwbzrcMo
さやか「あの、これ聞いていいのかわかんないけど…一体何があったんです……?」

杏子「……昔、ちょっとあってな…己以外の為に願いを使ったのが間違いだっただけさ」

さやか「自分以外の為に……?あたしと……」

杏子「……オイ、お前まさか、自分以外の奴に……」

さやか「え?う、うん……」

杏子「マミ…何で止めなかった?何でそんなバカげたことさせた?」

さやか「……バカなこと、だって?」

杏子「あぁ、そうさ。自分以外の為に願いを…魔法を使ったってロクなことになりゃしない」

さやか「あんた…何勝手なこと……!」

杏子「それが事実さ。他人の為に魔法を使ったところで…結局、何も残らないんだよ」
192: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:48:13.73 ID:MYwbzrcMo
さやか「……もういい。マミさん、結界に行きましょう」

マミ「え、えぇ……」

杏子「……やめとけって。別にアンタの友人家族がヤベェってわけでもねぇんだろ」

杏子「自分以外…完全な赤の他人の為に魔女や使い魔を倒したところで…何になるってんだ」

さやか「……あんたにはわからないだろうけど、あたしはマミさんに…憧れてるんだ」

さやか「だからあたしは…マミさんの力になりたいって、そう思ってる」

さやか「ほむらにも何か目的があるみたいだけど…そっちも、よほど変なことじゃなければ、協力したい」

杏子「他人の為、他人の為って…それがアンタの望んだことか?」
193: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:48:49.73 ID:MYwbzrcMo
さやか「……そうだ。仲間に…友達に力を貸すのが、そんなにおかしいこと?」

杏子「……いや。もう何も言う気はねぇよ」

さやか「……なら、あたしたちはもう行くよ。マミさん、急ぎましょう」

マミ「えぇ…佐倉さん、最後にひとつだけ」

杏子「何だ…アタシはもう、戦えねぇって……」

マミ「……さっき言った暁美さん。彼女、魔女を使わずに戦ってる子なの」

マミ「だから…佐倉さんが戦えないわけじゃいわ。あとは佐倉さんの覚悟次第よ」

杏子「……」

マミ「それだけよ。……また、いつでも遊びに来てくれて構わないから。……待ってるわ」

杏子「……チッ」
194: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:49:18.94 ID:MYwbzrcMo
――結界内――

使い魔「……」

マミ「よかった、使い魔の結界だったみたいね」

さやか「遅くなったから、ちゃっちゃと片付けましょうか」

マミ「美樹さん、忘れてない?今回は美樹さんの魔女の確認をしたいのだけど」

さやか「……あ、そうでした」

マミ「もう…人の話はちゃんと聞くこと。戦闘中に話やテレパシーの聞き漏らしがあると大変よ」

さやか「そうですよね…すいません」

マミ「……さて、それじゃ美樹さんの魔女、確認させてちょうだい」

さやか「はい!……行くよ、もうひとりのあたし……!」
195: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:49:47.67 ID:MYwbzrcMo





さやか「オクタヴィア!!」



196: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:50:15.77 ID:MYwbzrcMo
オクタヴィア「……」

さやか「これがあたしの魔女…オクタヴィアです」

マミ「これは…騎士、かしら。鎧に剣……」

さやか「だと思いますけど……」

マミ「でも…何で人魚?」

さやか「それはあたしにも……」

マミ「……まぁ、それはいいわ。せっかくだから、あの使い魔、魔女で倒してもらおうかしら」

さやか「わかりました!……行くよ、オクタヴィア!」

オクタヴィア「……」
197: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:51:13.48 ID:MYwbzrcMo
使い魔「……!」

さやか「よし……!食らえっ!」

オクタヴィア「……!」

使い魔「!!」

マミ「一撃…見た目通り、強いわね」

さやか「へへ、どんなもんです?」

マミ「気を抜かないで、もう1体いるわよ」

使い魔「!」

さやか「ありゃ、ほんとだ。まぁ、すぐに倒しますよ!」
198: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:51:46.12 ID:MYwbzrcMo
使い魔「!」

さやか「待てー!逃げるなー!」

オクタヴィア「……!」

使い魔「!」

さやか「くそ…全然当たらない……」

マミ「美樹さん、小さい使い魔相手に大振りしたって駄目よ」

さやか「わかってるんですけど、まだ上手く制御できなくて…あぁもう!オクタヴィア、突撃!」

マミ「ちょっ、美樹さん!?」
199: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:52:23.29 ID:MYwbzrcMo
ズドォン

さやか「え?あれ、使い魔が……?」

マミ「あの槍…もしかして……」

杏子「……動きにムダが多すぎだ。使い魔相手に全力出してどうすんだ、バカ野郎」

杏子「……相手をよく見ろ。どう動くか予測して、そこを狙え」

マミ「佐倉さん……」

さやか「あんた…何で……?」

杏子「……少し気になったんだよ。マミに憧れてる新米がどんな奴か」

杏子「それに…アタシを知ってるらしい暁美ほむらって奴のこともな」
200: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:53:22.98 ID:MYwbzrcMo
マミ「それじゃあ…また、一緒に……?」

杏子「……とりあえずはな。だけど、ここしばらくは魔女と戦ってないんだ」

杏子「だから…当分は戦力としては期待するなよ」

マミ「えぇ、それでも構わないわ。……また、よろしくね。佐倉さん」

杏子「……あぁ」

さやか「えっと……?」

杏子「さっきは変にイチャモン付けて悪かったな。……えーと」

さやか「さやか。美樹さやかだよ。……あんたの…杏子の考え方は、やっぱりまだ納得できない。でも」

さやか「マミさんとの話から…きっと何かあったんだと思う。……だから、これ以上は何も言わないよ」
201: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:53:54.55 ID:MYwbzrcMo
杏子「そうか…そうしてもらえると助かるよ」

さやか「うん。……だけど、いつかまた…ほかの人の…仲間のためにって思える日が来るからさ」

杏子「……何でそう思うんだ?」

さやか「何でって…何でだろ?でも、何となくそう思うんだよね」

杏子「そう、か…よろしくな、さやか」

さやか「よろしく、杏子」
202: ◆SjWXMdM6SY 2013/11/30(土) 22:54:34.19 ID:MYwbzrcMo
マミ「……それじゃ、せっかく佐倉さんも戻って来てくれることだし、私の家で歓迎会でもどう?」

さやか「いいですねそれ。……あ、まどかとほむらはどうしましょうか」

マミ「うーん…あの2人は2人で楽しくやってるでしょうから、いいんじゃないかしら」

さやか「あいつら最近妙に仲良くてあたし、ちょっと疎外感感じてるんですよね」

マミ「そうなの?それじゃ、それ以上に私と佐倉さんと仲良くなればいいのよ」

さやか「そうですよね!特に杏子とはすぐ仲良くなれる気がするんですよ!」

杏子「ウゼェ……」

マミ「ふふ…じゃあ、行きましょうか」

さやか「はい!ほら杏子、行くよ!」

杏子「だーっ!引っ張るなっての!」
210: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:52:50.76 ID:8w4wx5QQo
――翌日――

さやか「そういうわけで、佐倉杏子、連れて来たよ」

ほむら「は……?」

まどか「えっと……」

話があるから家に来てほしいとマミに言われ、まどかと一緒にマミの家へやって来た

部屋へと通されると、そこにはなぜか佐倉杏子の姿があった

ほむら「……一体、昨日何があったのかしら」

マミ「順を追って説明するわ。昨日は……」
211: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:53:33.02 ID:8w4wx5QQo
マミ「……ということなの」

ほむら「そう…昨日のことはわかったわ」

杏子「なぁ…アンタが暁美ほむら…なのか?」

ほむら「えぇ、そうよ」

杏子「アンタ…一体どこでアタシの名前を……?ここ最近はまともに魔法少女、やってなかったはずなんだが……」

ほむら「……それは、近いうちにきちんと話すわ。それよりも、私たちに協力してくれるということでいいのかしら?」

杏子「一応はな……。だけど、マミにも言ったが…今は魔女とはロクに戦えねぇ。それだけ…覚えといてくれ」

ほむら「……?」

今までの彼女と比べると…闘争心というか、覇気というか…何か弱気な感じがした

碌に魔女と戦えないとはどういう意味なのだろうか…杏子に聞いてみることにした
212: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:55:24.36 ID:8w4wx5QQo
ほむら「魔女と戦えないって…どういう意味?」

杏子「アタシは…もう、魔女を…召喚できねぇから……」

ほむら「魔女を……?」

杏子「昔、色々あってな…悪い、今はこれ以上は……」

ほむら「……構わないわ。話したくないことくらい、誰にだってあるでしょうし」

杏子「それより…アンタ、魔女を召喚しないで戦ってるって…本当なのか……?」

ほむら「えぇ。私は魔女を召喚することはできないわ」

杏子「そうか……。アンタは…強いんだな」

ほむら「杏子……?」
213: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:56:11.03 ID:8w4wx5QQo
マミ「それよりも…暁美さん?」

ほむら「何かしら?」

マミ「そろそろ、話してもらえないかしら。あなたの目的を」

まどか「ほむらちゃんの…目的……?」

マミ「私たちだけじゃなく、佐倉さんにまで協力を求めるなんて…あなたは一体、何をしようとしてるの?」

ほむら「あなた…気づいて……?」

さやか「気づいたのはあたし。……まぁ、気づいたっていうか、ただそんな気がしただけなんだけどね」

ほむら「……」

ここで私の目的…ワルプルギスの夜のことを話してもいいのだろうか

だが、当日が近くなってから言っても余裕がないだけで何もいいことはない

意を決し、私は目的…の一部を話すことにした
214: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:56:50.71 ID:8w4wx5QQo
ほむら「……まず最初に断っておくわ。私のしようとしてることは…命懸けよ」

さやか「命懸けって…一体何をしようってのさ」

ほむら「私の目的は…ワルプルギスの夜を、この世から始末すること」

マミ「ワルプルギスの夜…ですって……?」

杏子「……まさかここでその名を耳にするとは思わなかったよ」

さやか「マミさん?杏子?その、ワルプル…何とかって、何?」

まどか「ワルプルギスの夜だよ、さやかちゃん……」
215: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:57:27.34 ID:8w4wx5QQo
マミ「ワルプルギスの夜…結界を持つことなく、直接この世界に現れる巨大な魔女……」

杏子「その姿は…人であるとか、空飛ぶ要塞のようだとか…あやふやなんだ」

さやか「どういうこと……?」

マミ「そのワルプルギスの夜と戦って…生きて帰った者がいない、ということね」

まどか「そんな……」

ほむら「……実はあと2週間ほどで、この街に…ワルプルギスの夜が現れるの」

マミ「え…この見滝原に……?」

ほむら「えぇ。奴を倒す為に…あなたたちの力を貸してほしい……」
216: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:58:08.84 ID:8w4wx5QQo
杏子「力を貸すって言ってもな…奴は結界を持ってないんだ。だから……」

さやか「あ…あたしたち、魔女を召喚できない…ってこと?」

ほむら「……」

結界の中でなければ魔女を召喚することはできない。それは、私もマミから聞かされている

つまり、ワルプルギスの夜と戦いに魔女の力を借りることができないということだ

元々使うことのできない私はいいとして、それが当然としているマミ、新米のさやか、召喚不能の杏子……

果たして、協力してくれるのだろうか
217: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 22:59:11.39 ID:8w4wx5QQo
マミ「……疑うわけではないけど、その情報はどこから?」

ほむら「……杏子を知っている件と同じ。近いうちにちゃんと話させてもらうわ」

マミ「……わかった、私は協力させてもらうわ」

さやか「マミさん……?」

マミ「どうして理由を隠しているのかはわからないし、正直半信半疑ってところね。でも……」

マミ「もしそれが本当なら、この街の危機だもの」

さやか「うーん…マミさんが協力するって言ってるし、あたしも力を貸すよ」

杏子「アタシは…力にはなれそうにないよ」
218: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:00:02.49 ID:8w4wx5QQo
マミ「佐倉さん……?」

杏子「魔女も魔法も使えねぇ…槍ブン回すしかできないアタシが戦力になるとも思えないからな……」

さやか「そんな…あたしの修行はどうなんのさ」

杏子「約束した以上、それはきっちり面倒見てやるよ。……だけど、戦うことはできねぇ」

ほむら「……わかったわ。さやかの面倒、よろしく頼むわね」

杏子「……あぁ」

杏子が頑なに戦うことを拒む理由…この時間の彼女に一体何があったのだろうか

彼女の魔法…幻覚魔法が使えなくなったこと、魔女の召喚が行えないこと…きっとその辺りと関係しているはずだ

だが、今の彼女は戦う以外のことだが、協力はしてくれると言っている

お願いする立場の私はこれ以上は何も言えなかった
219: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:00:35.57 ID:8w4wx5QQo
杏子「……そろそろ訓練、始めるか。さやか、行くぞ」

さやか「わかった。とりあず、使い魔の結界を探さないと……」

杏子「見つからなかったら、お前本人の訓練だな。……んじゃ、行って来る」

マミ「えぇ、行ってらっしゃい」

そう言って2人は部屋から出て行った。さやかのことは杏子に頼んでおけば大丈夫だろう

私としては杏子自身のことが気にかかるが…これは本人が話してくれるまで待つことにした

考え事もそこそこに、魔女が出ない限りこれ以上はすることもない

そろそろ家に帰ろうか、そう思っていたときだった
220: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:01:07.66 ID:8w4wx5QQo
まどか「……ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「まどか?どうしたの?」

まどか「やっぱり、わたしも魔法少女に……」

ほむら「……どうしてそう思ったの?」

まどか「だって…今まで誰も生きて帰っていない魔女なんでしょ……?」

まどか「それを聞いて…不安なの。もしかして…ほむらちゃんたちも、帰って来ないんじゃないかって」

まどか「だから、わたしもほむらちゃんの力になりたくて……」

まどかが私のことを心配してくれている…そう思っていてくれているのはとても嬉しい

だが、私はまどかを契約させるつもりはない。絶対に
221: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:01:52.87 ID:8w4wx5QQo
ほむら「……まどか、あなたがそう思ってくれていることは嬉しいわ。……でも」

ほむら「あなたが契約する必要はないわ」

まどか「え……」

ほむら「あんな話を聞いたのだから、不安になるのも無理はないと思うけど……」

ほむら「さやかとマミが一緒に戦ってくれる。杏子だって、力を貸してくれる。……だから、大丈夫よ」

まどか「ほむらちゃん…うん、わたし、信じてるからね」

マミ「……あなたたちって、本当仲が良いわよね。案外、あの前世が恋人だって話も本当なんじゃない?」

まどか「ま、マミさん…またその話……」
222: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:02:23.15 ID:8w4wx5QQo
ほむら「……それじゃ、私はこれで失礼するわ」

マミ「そう?わかったわ」

まどか「わたしも一緒に帰るよ」

マミ「暁美さん、鹿目さんのこと、よろしくね」

ほむら「えぇ、わかってるわ。……じゃあ、帰りましょうか」

まどか「マミさん、おじゃましました」
223: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:02:52.37 ID:8w4wx5QQo
――――――

まどか「……あ、ここまででいいよ」

ほむら「そう…わかったわ」

まどか「送ってくれてありがとう。じゃあ、またね」

ほむら「えぇ、また」

まどかと別れ、1人家路に就く

歩きながら、今日聞いた話を整理する

1番気になることというと、やはり杏子のことだ。彼女を戦力外とすると、だいぶ厳しいことになるだろう

それとワルプルギスの夜のこと。人だったり要塞だったりあやふやとの話だが…一体どういうことなのだろうか

その辺りのことについては、今はまだ情報が足りない。早々に別のことを考えることにした
224: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:03:28.51 ID:8w4wx5QQo
ほむら「……やっぱり、まどかのこと、かしら」

この時間のまどかとはだいぶ…かなり仲良くなったと思う。前世で恋人だったと言われてしまうほどに

正直私もここまで仲良くなれるとは思ってなかった。だけど、仲良くなれたことは素直に嬉しく思う

今まではまどかを守る為だと言って、彼女を遠ざけ、必要以上に関わろうとしなかった

だが、今回は違う。まどかが私の側にいても、ここまで順調に進めることができた

ほむら「……いえ、まどかがいてくれたからこそね」

そんなことを考えながら歩いていると、不意にどこかから声が聞こえてきた
225: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:03:55.90 ID:8w4wx5QQo
『……ここまでは上手くやれているみたいね』

ほむら「な、何……?誰なの?」

『言わずとも分かるはず……。それよりも……』

『佐倉杏子が戦力にならない…このままだと、ワルプルギスの夜には勝てない』

ほむら「何を…言ってるの……」

『そして…直に美樹さやか最大の問題にも直面するでしょう。佐倉杏子、美樹さやか…2人の仲間……』

『どちらを欠いてもあなたは失敗してしまうでしょうね……』
226: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:04:23.72 ID:8w4wx5QQo
頭に響く声は私の問いかけにも応じず、一方的に話を続ける

しかしこの声、どこかで……

『あなたの目的は…まどかと、魔法少女の仲間を救うこと。そのはずでしょう?』

ほむら「誰だか知らないけど…言われるまでもないわ……!」

『そう…忘れていないのなら十分よ。その目的が果たされるよう……』

『あなたの内から祈っているわ……』
227: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:05:49.05 ID:8w4wx5QQo
ほむら「……」

それっきり、謎の声は聞こえなくなってしまった

冷静になって考えると、今の声は…恐らく私の魔女の声なのだろう

だが、特に何も召喚のことには触れられなかった。今はまだその時ではないということなのだろうか

ほむら「だけど…今の声、どこかで聞いたような…どこだったかしら……」

ほむら「何か…何かを忘れているような……」

何か大事なことを忘れている。何故かそんな気がした

ともかく、魔女からの声が聞こえたということは、近々私にも何か変化があるのだろう

そんなことを思いながら、再び家へと歩き出した
228: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:06:31.29 ID:8w4wx5QQo
――数日後――

マミ「……じゃあ、今のところは……」

ほむら「えぇ、特に何もないわね」

マミ「声が聞こえたのなら何かあってもいいと思うのだけど……」

あれから数日が経ったが、未だに何か起こる様子はない

あれは本当に自分の魔女の声だったのだろうか…そんな気さえしてきた

この時間で契約したわけではない私には、やはり使えないのだろうか

しかし、ソウルジェムはこの世界の規格のものに変わっている。一体どういうことなのだろうか

答えの出るはずのないことに頭を悩ませていると、杏子が姿を見せた
229: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:06:59.27 ID:8w4wx5QQo
杏子「……何だ、さやかの奴はまだ来てないのか」

マミ「いらっしゃい、佐倉さん。……そう言われると、確かに。鹿目さん、美樹さんは?」

まどか「さやかちゃんは友達…仁美ちゃんから話があるって言われて……」

マミ「この間助けたあの子ね。その後変わったことはない?」

まどか「はい。あのときは本当にありがとうございました」

マミ「気にしないで、って言いたいけど…あれは美樹さんの活躍よ。鹿目さんにも怖い思いをさせてしまったし……」

まどか「いえ、そんな……」

杏子「仕方ねぇ…少し待たせてもらうよ」

さやかが志筑仁美に呼び出される…上条恭介のことについての話だろう

あの声の言った通り、さやかにとって最大の問題がやって来てしまった

それからしばらくしてさやかが姿を見せる。だが、その様子はどこかおかしかった
230: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:07:31.50 ID:8w4wx5QQo
さやか「ごめんごめん、遅くなっちゃった。さ、杏子、今日もよろしく頼むよ!」

まどか「さやかちゃん…仁美ちゃんと何かあったの……?」

さやか「な、何かって何かな?べ、別に何も……」

ほむら「バレバレよ。そんな態度じゃ」

さやか「で、でもこれはあたしの問題……」

ほむら「嘘や隠し事をしても得はないわよ。話しなさい」

さやか「ほむらに言われたくは…まぁバレちゃってるみたいだし…ちょっと聞いてもらおうかな」
231: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:08:10.13 ID:8w4wx5QQo
そう言うとさやかは志筑仁美との間に起こったことを話し始める

私の思った通り、上条恭介のことについての話だった

彼と長く一緒にいるさやかが先に告白するべきということらしいが、彼女はどうしたらいいか迷っているようだ

さやか「あたしは…どうしたらいいんだろう……?」

まどか「告白…したらいいんじゃないかな」

さやか「だけどさ…あたしは見返りはいらないって…そう、覚悟したはずだし……」

マミ「美樹さんが…その上条君に、自分が怪我を治してあげた。だから付き合ってほしい…なんて言わなければ、それは見返りじゃないと思うわ」

ほむら「そうね。それを黙っていれば、彼のあなたへの好意次第というわけよね」

さやか「で、でも……」
232: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:08:40.25 ID:8w4wx5QQo
杏子「……いつまでもウジウジしてねぇで、スパっと言っちまえばいいんだよ」

さやか「杏子……?」

杏子「せっかく相手がお先にどうぞって言ってくれてるんだ。……告白、するしかないだろ」

さやか「そ、それにあたし…魔法少女だし……」

杏子「……それはさやかの個性ってことでいいんじゃないか」

さやか「個性……?」

杏子「あぁ。魔女と魔法が使える…そんな変わった中学生がいたっていいじゃねぇか」

まどか「そうだよ。さやかちゃんなら絶対、上手く行くよ」
233: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:09:06.48 ID:8w4wx5QQo
さやか「……わかった。あたし、恭介に…想いを伝えてみるよ」

杏子「その意気だ。……さっさと伝えに行って来い」

さやか「え、でも特訓は……」

杏子「んなもん今の調子で身が入るワケねぇだろ。……だから早く行けって」

さやか「……ありがと、杏子。マミさん、まどか、ほむらも」

マミ「上手く行くといいわね」

まどか「さやかちゃん、がんばって!」

ほむら「……頑張りなさい」
234: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:09:42.45 ID:8w4wx5QQo
さやか「うん……!あたし、ちょっと行って来る!」

そう言うとさやかは勢いよく飛び出して行った

これが吉と出るか凶と出るか、今の私にはわからない。でも

いつもと違うこの行動がきっといい結果になると、私は信じている

まどか「それにしても好きな人かぁ…仁美ちゃんもラブレターいっぱい貰ってるしなぁ」

マミ「鹿目さんはそういう人、いないの?」

まどか「うーん、今は何とも……。マミさんはいないんですか?」

マミ「魔法少女やってるとねぇ…恋してる暇もないっていうか……」

まどかとマミが恋話を始め、杏子はそれを頬杖をついて眺めている

そういった会話をしたことがない私がその会話に入れずにいると

まどかが、私に話を振って来た
235: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:10:14.79 ID:8w4wx5QQo
まどか「ねぇ、ほむらちゃんは好きな人っている?」

ほむら「え?わ、私?」

まどか「うん。ほむらちゃん、結構人気あるみたいだから気になって」

私の好きな人…そう言われて出てくる人物はひとりだけ

そういう意味で好きというわけではないのだろうが……

ほむら「……私はまどかが好きよ」

まどか「ちょ、ちょっとほむらちゃん?何言って……」
236: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:10:50.38 ID:8w4wx5QQo
ほむら「私、今まで恋なんてしたことなくて……」

まどか「そ、そうだったんだ…あ、もちろんわたしもほむらちゃんのこと、好きだよ」

まどかも私が好きだと返してくれた。友達として当然の返事

さやかやマミ、杏子への好きと何ら変わりのない気持ちだろう。だけど……

そう思ったら、少しだけ…胸に棘が刺さったような違和感を覚えた

一体何だろうと思う間もなく、マミがちょっかいをかけてくる
237: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:11:23.69 ID:8w4wx5QQo
マミ「あらよかったわね。鹿目さんの好きな人、こんな素敵な人だなんて」

まどか「だ、だからそういう意味じゃないんですってば!」

マミ「大丈夫、あなたたちならお似合いのカップルになれると思うわ」

まどか「もー…そもそもわたしたち、女の子同士なわけで……」

マミ「愛があればそれは大した問題じゃないと思うわ」

まどか「マミさん、お願いだから話聞いてください……」

もし、仮に…まどかが私をそういう意味で好きだとしたら、それは凄く嬉しい。だけど……

私にはまどかの隣は似合わない。私のような人間は……
238: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/01(日) 23:11:52.65 ID:8w4wx5QQo
杏子「……さやか、上手く行くといいな」

ほむら「杏子…えぇ、そうね……」

まどかとマミが変な言い合いをしている隣で、杏子がそう呟く

杏子は杏子なりにさやかのことを気にかけているのだろう

私も改めてさやかの成功を祈る。だが

その日、さやかが戻って来ることはなかった
241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/01(日) 23:30:39.00 ID:607jnhb0o

嫌な予感
243: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/02(月) 10:03:07.88 ID:ngnBEE0DO
杏子がしおらしくてかわいいな
ほむほむがなんとかせな
245: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:35:08.18 ID:k3TTIpSFo
――翌日――

ほむら「……結局、来なかったわね」

まどか「……さやかちゃん、どうしたんだろう」

マミ「ちょっと心配ね……」

翌日になってもさやかは姿を見せなかった

休み時間にさやかの携帯へ電話をかけてみたが、電源が切られているのか繋がらなかった
246: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:35:47.88 ID:k3TTIpSFo
ほむら「昨日の今日でこれだから…上条恭介への告白が原因だと思うけど……」

まどか「うん…さすがに上条君にさやかちゃんの告白をどうしたのかなんて聞けないし……」

マミ「美樹さんがいないって聞いたあと、佐倉さんに街で見かけたら教えてと伝えておいたけど……」

ほむら「……とにかく、今日の放課後まで待ちましょう。さやかを待つにしても、探しに出るとしても」

マミ「そう…ね……」

まどか「さやかちゃん……」
247: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:36:18.56 ID:k3TTIpSFo
――放課後 マミの家――

マミ「……美樹さん、やっぱり来ないわね」

まどか「マミさん、杏子ちゃんは?」

マミ「多分まだ美樹さんを探してくれてるんだと思うわ……」

まどか「そうですか……」

ほむら「……私たちも探しに出ましょうか」

まどか「うん…そうだね」

ほむら「マミは杏子と合流して。まどか、あなたはさやかの自宅に……」

いつまでも待っていても仕方ない。こちらからさやかを探しに出ようとしたとき

杏子から連絡が入った
248: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:36:49.35 ID:k3TTIpSFo
杏子(マミ、ほむら…聞こえてるか?)

ほむら「杏子……?」

まどか「ほむらちゃん?どうかした?」

ほむら「杏子から連絡が……」

マミ(佐倉さん?美樹さん、見つかったの?)

杏子(いや、そうじゃねぇが…魔女の結界を見つけた。一応、教えといた方がいいと思ってな)

マミ(魔女の……?こんなときに……)

杏子(……魔女はマミとほむらに任せる。アタシはさやかを探すよ)

ほむら(こうなった以上、仕方ないわね。さやかのこと、頼んだわよ)

杏子(あぁ…わかってる)
249: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:37:18.92 ID:k3TTIpSFo
まどか「杏子ちゃん、何だって……?」

ほむら「残念だけどさやかを見つけたということじゃないの。魔女の結界を見つけたみたいで……」

マミ「私たちは魔女を倒しに行くわ。なるべく早く倒して美樹さんの捜索をしたいところね……」

ほむら「さっきも言ったけど…まどかはさやかの自宅を見てきて頂戴。そのあとはあなたの判断に任せるわ」

まどか「わかったよ。……ほむらちゃん、気をつけてね」

ほむら「えぇ、わかってる。……マミ、私たちも行くわよ」

マミ「佐倉さんに場所を聞いておいたわ。行きましょう」
250: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:38:07.14 ID:k3TTIpSFo
――――――

ほむら「……あった、あれね」

マミ「今日は時間がないの……。最初から全力で行かせてもらうわ……!」

ほむら「確かに急ぎではあるけど、焦っては駄目よ」

マミ「わかってるわ。焦らず、迅速に……!」

ほむら「わかってるのならいいわ。……あら、あれ……」

杏子の言っていた結界が見えてきた

だが、その入り口の前に見慣れた人物が佇んでいた
251: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:38:34.78 ID:k3TTIpSFo
さやか「……」

マミ「美樹さん!」

さやか「……あ、マミさん…ほむら……」

ほむら「さやか……」

さやか「今日は…ごめん。多分心配かけちゃったと思うし……」

マミ「美樹さん…一体何が……」

ほむら「話は魔女を倒してからにしましょう。さやか、手を貸して」

さやか「……うん」

マミ「美樹さん、大丈夫?」

さやか「大丈夫…だと思います……」

マミ「本当に大丈夫なのね?……じゃあ、行きましょう」
252: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:39:11.05 ID:k3TTIpSFo
――結界内――

さやか「てりゃっ!」

使い魔「!!」

さやか「ふぅ……」

ほむら「後ろよ、さやか!」

さやか「え……」

使い魔「!!」

さやか「あ…ありがと、ほむら……」

ほむら「……あなた、本当に大丈夫なの?これで3度目よ?」

さやか「……ごめん」

さやかにも手を貸してもらったが…今の彼女ははっきり言って足手まといだ

注意力が散漫になってるのか、使い魔に何度も背後から攻撃されてしまう

その度私やマミが援護してはいるが……
253: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:39:43.65 ID:k3TTIpSFo
マミ「……魔女のところまで来たけど」

ほむら「さやか、あなたは下がってなさい」

さやか「え…でも……」

ほむら「……目の前のことに集中できないのなら、大人しくしてなさい」

ほむら「……その調子で戦ってたら…最悪、死ぬわよ」

マミ「私も暁美さんに賛成よ。今の美樹さんには戦わせられないわ」

さやか「……わかりました。だけど、2人が危ないようだったら…あたしも戦いますから」

ほむら「そのときはお願いするわ。そうならないように注意はするけど……」

マミ「それじゃ…行きましょう」
254: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:40:18.83 ID:k3TTIpSFo
魔女「……」

マミ「あの魔女…何かを祈ってるのかしら」

ほむら「そう見えなくもないわね。……魔女が何を祈ってるかなんて知ったことじゃないけど」

マミ「そう…ね。じゃあ美樹さん、あなたは後ろに下がってて。いいわね?」

さやか「……はい」

ほむら「私とマミ、どちらかが援護に回った方がいいかしらね」

マミ「なら、私がやるわ。……行くわよ、キャンデロロ!!」

ほむら「……わかったわ。援護は任せたわよ」
255: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:40:51.14 ID:k3TTIpSFo
提案したあとで思ったが、私が援護に回った方がよかったような気がした

私の銃器で果たして倒せるのだろうか……

最悪、射線を確保した上でマミに砲撃してもらうという手もあるが

とにかく考えていても仕方がない。私は盾から機関銃を引っ張りだすと、マミに目で合図を送る

それと同時に私は魔女へ向かって突っ走った

触手のような使い魔が私を捕らえようと四方八方から向かって来る

だが、そのほとんどは私に届く前にマミとキャンデロロによって次々に撃ち抜かれていった
256: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:41:51.67 ID:k3TTIpSFo
ほむら「さすがマミね…正面以外を気にしなくて済むのは助かるわ」

使い魔「……!」

ほむら「正面は自分で薙ぎ払えば……!」

マミの位置からは死角になっている自分の前方に残っている使い魔に機関銃の銃口を向け、引き金を引く

私の邪魔をしていた使い魔が一瞬で蜂の巣となり、消滅する

まだいくらか使い魔が残っていたが、全ての相手をするつもりはない

残りをマミに任せ、私は魔女へと向かって使い魔の群れの中を走り抜けた
257: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:42:35.76 ID:k3TTIpSFo
ほむら「抜けた……!あとは魔女を倒せば……!」

魔女「……」

ほむら「これでも…食らいなさい!」

使い魔の群れを抜けた私は機関銃を盾へ戻し、ロケット砲を引っ張り出す

そして、魔女へと狙いを定め、ロケット砲を発射した

発射された弾頭は魔女へ向かって飛んで行き、命中、爆発した

ほむら「どうかしら……?」

今の一撃で倒せたとも思えない。使い魔は姿を消しているが……

銃を構えて警戒していると、不意を突いて爆煙の中から魔女の触手が伸びてくる

咄嗟に銃の引き金を引くが撃ち落とせず、右腕を絡め取られてしまった

ほむら「……っ!そうだった、コイツも……!」
258: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:43:08.26 ID:k3TTIpSFo
さやか「ほむらが……!」

マミ「まずいわね…私が行くわ。美樹さんはここを動かないで」

さやか「で、でも……」

マミ「いいから、私に任せて。……暁美さん、今行くわ!」

さやか「あ…マミ、さん……」

さやか(あたし…あたしは……)

さやか(あたし…何やってんだろ…仲間が危ないっていうのに……)

さやか(それに…覚悟したはずじゃない…見返りを求めないって。でも……)

さやか(恭介……)
259: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:43:44.20 ID:k3TTIpSFo
ほむら「く…この……!」

絡め取られたのは右腕だけだったのは幸いだ。多少は時間稼ぎができるはず

だが、このままではいずれ全身を拘束され、影に引きずり込まれてしまうだろう

それだけは絶対に避けなければならない。何かいい手はないかと思案していると

マミがこちらへ向かって走って来る。だが、先ほど使い魔が現れた辺りの地面が妙だ

何か影のような……
260: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:44:14.98 ID:k3TTIpSFo
マミ「暁美さん!もうちょっとだけ頑張って!」

ほむら「あれ、まさか…マミ、踏み込んじゃ駄目!」

マミ「え?なっ……!」

悪い予感は的中し、マミの周囲から多数の使い魔が姿を現す

そして、マミ目がけて一斉に襲いかかった

マミならあの程度、大丈夫だと思うが…これでは私の救助に来ることはできそうもない

自分で何とかするしか……
261: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:44:42.91 ID:k3TTIpSFo
さやか「マミさん…ほむら……」

さやか「……あたしが…やらなきゃ。助けて…あげなきゃ……!」

さやか「ここであの2人を…仲間を助けられなきゃ…それこそ、あたしは……!」

さやか「あたし自身の問題で…あの2人に迷惑なんてかけたくない。だから……」

さやか「お願い…力を貸して……!」

さやか「……オクタヴィア!!」
262: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:45:10.44 ID:k3TTIpSFo
マミ「……暁美さんを助けないといけないのに…邪魔よ!」

使い魔「……」

マミ「倒しても倒しても…キリがない……!」

さやか「マミさん!今助けます!」

マミ「美樹さん…それにオクタヴィアも……」

さやか「邪魔…だっ!」

オクタヴィア「……!」

使い魔「!!」

マミ「凄い…一太刀で……!」

さやか「あとはほむら…あたしが助けないと……!」

マミ「美樹さん!待って、私も……!」
263: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:46:03.73 ID:k3TTIpSFo
魔女「……!」

ほむら「う…ぐ……!」

魔女に絡め取られながらも何とか抵抗していたが、それもそろそろ限界だ

時間停止を使っても魔女が私に触れてしまっている以上、それは無意味だった

そんな中、私を呼ぶ声が聞こえる

振り返ってみると、マミと魔女を従えたさやかがすぐそこまで来てくれていた

その足元には再び黒い影。そこへ踏み込むと、再度使い魔が姿を現した
264: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:46:34.66 ID:k3TTIpSFo
さやか「また……!」

マミ「美樹さん、あなたは暁美さんを!ここは任せて!」

さやか「マミさん…わかりました!」

使い魔「……!」

マミ「させないっ!」

使い魔「!!」

ロロ「……」

マミ「あなたたちの相手は私よ。……さぁ、かかってきなさい!」
265: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:47:07.15 ID:k3TTIpSFo
さやか「ほむら!今、助ける!」

魔女「……!」

さやか「邪魔を…するなっ!」

さやかの接近に気付いた魔女が彼女へと触手を伸ばす

だが、さやかは自身の魔女…オクタヴィアの両手の剣でそれを片っ端から切り落としていく。

そして、私を絡め取っていた触手をさやかの剣が断ち切った

ほむら「さやか…助かったわ、ありがとう」

さやか「お礼なんて…あたし、2人に迷惑かけちゃったし」
266: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:47:34.14 ID:k3TTIpSFo
ほむら「……その様子なら、もう大丈夫そうね。行ける?」

さやか「もう大丈夫。あとはあたしに任せて」

ほむら「なら…あの魔女、真っ二つにしてやりなさい。もしものときは援護するわ」

さやか「……うん。行くよ、オクタヴィア……!」

オクタヴィア「……」

さやか「魔女…あんたは、あたしが…斬る!」
267: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:48:25.27 ID:k3TTIpSFo
魔女「……!」

さやか「うわ、枝…かな……?だけど、そんなもの……!」

さやか「オクタヴィア!!」

オクタヴィア「……!」

魔女「!?」

魔女は向かって来たさやかを迎撃しようと枝を伸ばすも、オクタヴィアが一刀の下に斬り捨てる

そしてそのまま一気に魔女の懐へと潜り込んだ

さやか「これで…トドメだっ!」

魔女「!!」

オクタヴィアの大振りの剣が一閃する

次の瞬間には、魔女は真っ二つに両断されていた
268: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:49:09.71 ID:k3TTIpSFo
さやか「ハァ…ハァ…」

ほむら「さやか…よくやったわ」

さやか「あ…あたしが、魔女を……?」

ほむら「えぇ。あなたが倒したのよ。見事だったわ」

さやか「そ…っか。あたしでも…ちゃんと魔女、倒せるんだね……」

さやか「杏子から色々教わってたけど…なかなか上手く行かなくて…あたしじゃダメなんじゃないかって……」

ほむら「さやか……」
269: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:49:40.08 ID:k3TTIpSFo
マミ「暁美さん!大丈夫!?」

ほむら「えぇ。さやかのおかげで助かったわ」

マミ「そう、よかった…それよりも美樹さん、待っていてって言ったのに……」

さやか「あ…す、すいません……」

マミ「……ふふ、冗談よ。私と暁美さんを助けてくれてありがとう、美樹さん」

さやか「これで…あたしも2人の役に立てるかな」

マミ「えぇ。これから頼りにさせてもらうわ」

さやか「……!は、はい!頑張ります!」

マミ「それじゃ、戻りましょうか。……あ、そう言えばグリーフシード……」

ほむら「それなら私が回収しておいたわ。それよりも早くまどかと杏子に連絡を……」

マミ「結界を出たら連絡しておきましょうか」
270: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:50:07.58 ID:k3TTIpSFo
――――――

QB「やぁ、お疲れさま」

マミ「キュゥべえ…どうしてここに?」

QB「魔女の反応があって、来てみたら君たちがもう中で戦ってたみたいだったからね。ここで待ってたんだ」

マミ「そう……」

QB「それよりも、グリーフシードを渡してくれないかな」

ほむら「……ほら」

QB「ありがとう。それじゃ早速……」

QB「……影の魔女、性質は独善…か」
271: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:51:31.78 ID:k3TTIpSFo
さやか「……前々から思ってたんだけど、その食べたグリーフシードはどこに行くのさ」

さやか「あんたの中に詰まってるわけでもなさそうだし」

QB「そうだね…詳しく話してもきっとわからないだろうから簡潔に言うと、別の場所に転送されてるんだよ」

さやか「転送…ねぇ……」

QB「……さて、僕はそろそろ行かないと。それじゃ、また魔女を見つけたらよろしくね」

インキュベーターはそう言い残すと、私たちの前から去って行った

私たちも帰ろうとしたとき、マミがインキュベーターの行動について疑問を投げかける

マミ「……それにしても、キュゥべえはどうしてグリーフシードを集めてるのかしら」

さやか「あ、今聞けばよかったですかね…まぁ、次会ったときでいいかな」
272: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:52:09.74 ID:k3TTIpSFo
私の知っているインキュベーターと比べると、この時間の奴は多少は友好的に思える

だが、どこまで行っても奴らはインキュベーター。自身の都合と利益の為ならこちらを利用するような連中だ

あの態度の裏に何が隠されているかわからない。特に魔法少女に関したことは……

さやか「……おーい、ほむらー」

ほむら「……あ、何かしら」

さやか「どうかした?今、すごい顔してたよ。眉間に皺寄せちゃってさ」

ほむら「……何でもないわ」

さやか「ならいいけど。それよりも、まどかに連絡してあげてよ。あたしを探し回ってるんでしょ?」

ほむら「そうだったわね…杏子にはマミかさやかが……」

さやか「今マミさんが連絡してるよ。だからほむらはまどかに電話してあげて」

ほむら「わ、わかったわ……」
273: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:52:38.73 ID:k3TTIpSFo
ほむら「……えぇ。だからもう切り上げてもらっても大丈夫よ」

ほむら「ありがとう、まどか。それじゃ、またね」

マミ「暁美さん、終わった?」

ほむら「えぇ、今終わったわ」

さやか「まどか…なんだって……?」

ほむら「とても心配していたわ。さやかからも謝っておくことね」

マミ「もちろん佐倉さんにもよ。今日はずっと美樹さんを探していてくれていたのだから」

さやか「……うん。ちゃんと謝っておくよ」

マミ「……さて、私たちも帰りましょう」
274: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:53:05.86 ID:k3TTIpSFo
――――――

ほむら「……さやか、ちょっといいかしら」

さやか「うん?何?」

帰り道の途中で、私はさやかに声をかけた

本当は聞かない方がいいのだろうが…そういうわけにもいかなかった

ほむら「今日は…どうしてまたこんなことを?」

さやか「こんなこと…って……」

ほむら「学校を無断欠席したり、集中しきれていなかったり……」

ほむら「昨日あんな話をしたあとだから、そのことだと思うのだけど……」
275: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:53:34.55 ID:k3TTIpSFo
さやか「……マミさんとほむらには話しておこうかな。えっと……」

さやか「昨日…あのあと、恭介の家まで行って…恭介とちょっと外に出たんだ」

さやか「それで…恭介に告白したんだ。あたしと付き合ってください、って」

マミ「そ、それで……」

さやか「……見事にフられちゃいました」

ほむら「それで今日はそんな調子だったの……」

マミ「美樹さん…大丈夫なの?」

さやか「もう大丈夫ですよ。このくらいでへこたれるあたし…じゃ……」
276: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:54:09.46 ID:k3TTIpSFo
そう言いかけたところで、さやかの顔が青ざめていく

さやかの視線の先を見ると、そこには

上条恭介と、彼に寄り添って歩く志筑仁美の姿があった

さやか「恭…介……」

マミ「美樹さん……」

さやか(……わかっては…いるよ。もしあたしがダメなら…仁美が告白するってことは……)

さやか(だからきっと…恭介は仁美と…付き合うことになるんだろうって……)

さやか(仁美は友達だから…嫌いになるつもりも、嫌われるつもりもない。……でも、だけど……)
277: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:54:37.17 ID:k3TTIpSFo
さやか(ねぇ、恭介…やっぱり、あたしなんかより…仁美の方がいいの……?)

さやか(あたし…ずっと恭介を想って…お見舞いに行ってたんだよ……)

さやか(見返りを求めないって…バイオリンが聴ければ十分だって言ったけど…やっぱり、あたしは……!)

さやか(恭介のケガ…治したのはあたし…なのに、あんたは仁美を選ぶの……?)

さやか(そんな…そんなのって……)

ほむら「……さやか?」

さやか「……っ!ご、ごめん…あたし、先に帰る。それじゃ……」

マミ「あ、ちょっと、美樹さん!」
278: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:55:04.12 ID:k3TTIpSFo
そう言うと、さやかは走り去ってしまった

好きな人に告白を断られ、その直後に別の誰かと一緒にいるところを見てしまったのだ。無理もない

ただ、こればかりは私は何も言えない。誰かに恋したことのない私には……

ただひたすらにまどかを守る、まどかを救うと…まどかのことだけを考えてここまでやってきた私には……

ほむら「……好きな人…ね」

マミ「暁美さん?今、何か?」

ほむら「……何でもないわ。私たちも帰りましょう」
279: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:55:37.07 ID:k3TTIpSFo
マミ「え、でも美樹さんは……」

ほむら「さやかも帰ると言っていたし…家に帰ったのよ。……私たちから逃げ回るつもりもないでしょうし」

ほむら「……それに、私たちが何か口添えしても…最終的にはさやか自身がどうにかしなければならない問題だと思うわ」

マミ「それは…そうだけど……」

ほむら「まどかにも念の為に連絡しておくわ。……今日のところは帰りましょう」

マミ「えぇ……」
280: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/02(月) 22:56:11.33 ID:k3TTIpSFo
本来なら、さやかの魔女化だけは絶対に阻止しなければならない問題だった

だが、この時間は魔女になることはない。……インキュベーターの話を信じればの話だが

奴らの性質が変わっていないのだとしたら、絶対に何かを隠している

ソウルジェムが濁り切っても、それが直接の死因になることはない。……でも、何故か酷く嫌な予感がする

さやかのソウルジェムが濁り切る前に何とかしなければ

私の中の何かが、そう告げていた
285: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:45:41.79 ID:9CmxfvD0o
――――――

???『……お久しぶり。また会ったわね』

???『それにしても…まずいことになってるみたいね』

???『美樹さやかが姿を見せず、ソウルジェムの状態もわからない……』

???『彼女を救うのであれば、急がないと手遅れになるわ』

???『彼女のソウルジェムが濁りきる…その前に手を打たないと』

???『……非常に厄介なことになるわよ』

――――――
286: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:46:11.63 ID:9CmxfvD0o
ピピピピピピピピ

ほむら「う…ん、朝……」

ほむら「……何か夢を見ていたような……?」

ほむら「……駄目、全然思い出せない…最近変に多いわね、思い出せない夢が」

ほむら「別に夢だから覚えてなくても問題はないんでしょうけど……」

ほむら「……そろそろ支度しないと」
287: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:46:44.79 ID:9CmxfvD0o
――数日後 マミの家――

ほむら「……それで、さやかから連絡は?」

まどか「……今日も何もないんだ…ごめんね、ほむらちゃん」

ほむら「……まどかが謝ることじゃないわ」

マミ「でもどうしたら……」

あの日以来、さやかが学校に来ることはなかった

上条恭介と志筑仁美が何日も姿を見せない彼女を心配してか色々と聞きに来たりするが……
288: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:47:54.10 ID:9CmxfvD0o
ほむら「……帰り、いつも通り様子を見に行ってあげて」

ほむら「それと、もし余裕があれば…念の為ソウルジェムの様子も見てきてほしい」

まどか「うん…わかった」

あの日からさやかは、ずっと家に籠ってしまうようになった

さやかはきっと、あの2人が付き合うことになるのが怖いのだろう

実際は私たちも聞いたりしていないのでわからない

さやかも了承していたはずだ。自分の後に志筑仁美が告白することは

だが、その結果を知りたくない。そんな風に思って、部屋に籠ってしまったのだと思う
289: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:49:23.83 ID:9CmxfvD0o
>>288訂正

ほむら「……帰り、いつも通り様子を見に行ってあげて」

ほむら「それと、もし余裕があれば…念の為ソウルジェムの様子も見てきてほしい」

まどか「うん…わかった」

あの日からさやかは、ずっと家に籠ってしまうようになった

さやかはきっと、あの2人が付き合うことになるのが怖いのだろう

実際は私たちも聞いたりしていないのでわからない

さやかも了承していたはずだ。自分の後に志筑仁美が告白することは

だが、その結果を知りたくない。そんな風に思って、家に籠ってしまったのだと思う
290: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:49:50.97 ID:9CmxfvD0o
ほむら「あまり気が進まないけど…あの2人がどうなったのか、聞いた方がいいんじゃないかしら」

まどか「それはそうなんだと思うけど……」

マミ「えぇ…仮にあの2人が本当に付き合うことになっていたら、どう説明したらいいか……」

ほむら「……私、恋なんてしたことないからわからないのだけど…そんなに辛いものなのかしら」

マミ「そうね…相手を想っていればいるほど、それが実らなかったときの苦しみは計り知れないものだと思うわ」

マミ「届かない想いが心で渦を巻いて…身も心も引き裂かれて……」

まどか「……今、ちょっと想像したんだけど……」

まどか「もし…もしだよ?わたしがほむらちゃんに告白して、それを断られて……」

まどか「そのあと、別の誰かと一緒にいるのを見ちゃったとしたら、やっぱり…悲しくて、苦しくて、辛くて……」

まどか「きっと…耐えられないよ、わたしは」
291: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:50:33.76 ID:9CmxfvD0o
ほむら「ま、まどか?急に何を言って……」

マミ「あらあら、鹿目さんは暁美さんが好きなのね」

まどか「え?……あ、いや、そういうわけじゃ……!」

マミ「でもその割には具体的な想像だったじゃない。素直に言った方が楽になるわよ」

まどか「そ、それはただわたしが1番好きなのがほむらちゃんで、好きな人を取られちゃうのってどうなんだろうって……」

マミ「やっぱり好きなんじゃない。よかったわね、暁美さん」

ほむら「えっと…あ、ありがとう……?」

まどか「あ…う……」

とんでもないことを口走ってしまったまどかは真っ赤になって俯いてしまった

まどかの好きがどういう形の好きかは、わからないし…今は怖くて聞くこともできない。でも

彼女に好意を寄せられていると思うと、少し顔が熱くなった
292: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:50:59.67 ID:9CmxfvD0o
まどか「……それじゃ、わたしはそろそろ帰りますね」

ほむら「さやかのこと…頼むわね」

まどか「うん、わかってる。……じゃあ、おじゃましました」

そう言って、まどかは部屋を後にした

まどかが出て行って少ししてから、マミが私に問いかけてきた

マミ「暁美さんは鹿目さんのこと、どう思ってるの?」

ほむら「……さっきの話の続き?」

マミ「えぇ。何だか気になってしまって」
293: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:52:36.20 ID:9CmxfvD0o
ほむら「……別に、ただの仲の良い友達だと思うけど」

マミ「そう…じゃあ、鹿目さんに本当に告白されたら、どうする?」

ほむら「何を…大体、私もまどかも女同士よ?いくら何でもそんなこと……」

マミ「ないとは言いきれないと思うわ。あんな想像の話をするくらいだもの」

マミ「きっと…心のどこかであなたのこと、そういう風に見てるんじゃないかしら」

さっきの話に影響されたのか、マミまでそんな話をしてくるとは……

まどかのことは勿論好き。もっと言えば、他の誰よりも。私にとって、まどかは特別な人だ

だけど、それが恋愛対象として好きかと聞かれると…答えられなかった
294: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:53:05.67 ID:9CmxfvD0o
ほむら「……もし仮に、まどかが本当に私が好きで、告白してくれたら…それは嬉しいと思うけど」

ほむら「今はまだそれに応えることはできないと思う。私の目的…ワルプルギスの夜を倒すまでは……」

マミ「本当にこの街に現れるの?ワルプルギスの夜が」

ほむら「えぇ。間違いないわ」

マミ「どうもいまひとつ信じきれないのよね…心の準備だけはできているつもりだけど……」

マミとそんな話をしていると玄関のチャイムが鳴る

まどかとさやかではないだろうし、私とマミはここにいる。そうなるとやって来たのは杏子だろう

マミ「あら…佐倉さんかしら。ちょっと出てくるわ」

恐らく杏子であろう来客の対応へと、玄関に向かって行った

ワルプルギスの夜まであまり時間がない。だが、今は待つことしかできそうもない

少しばかりの焦りを感じながら、まどかを信じて連絡を待つことにした
295: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:53:43.50 ID:9CmxfvD0o
――――――

まどか「……」

まどか(えっと、わたしのやること…まずさやかちゃんを元気づけること。それと……)

まどか(ほむらちゃんに頼まれた、ソウルジェムの状態を見てくること)

まどか(さやかちゃんのことはわかるけど、ソウルジェムのことってどういうことなんだろう……?)

まどか「……ほむらちゃんのことだし、何か考えがあるんだと思うけど…それよりも……」

まどか「さやかちゃん…出て来ないなぁ……。どうしたんだろう……」

まどか「うーん、どうしよう…鍵かかってるだろうし、入れるわけ……」

まどか「……あれ、開いてる……?何で……?」

まどか(何だろ…何か嫌な予感がする……)

まどか「さやかちゃん、いる?鍵、開いてたから入るよ?」
296: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:54:25.93 ID:9CmxfvD0o
まどか「さやかちゃん?さやかちゃん、どこ?」

まどか「さやかちゃんってば!返事、してよ!」

まどか(さやかちゃんからの返事がない…あと探してないのはさやかちゃんの…自室……)

まどか(大丈夫…だよね。ただ、部屋で寝てるだけ。そうだよね、さやかちゃん……)

まどか「……さやかちゃん。部屋、入るよ?」

まどか「……いない…どこ行っちゃったの……?」

まどか「あれ、これ…置き手紙……?何が書いて……」

まどか(え…何、これ…嘘、だよね……?)

まどか(でも…現にさやかちゃん、いないし…どうしたら……)

まどか「……とにかく、ほむらちゃんに連絡しないと……!」
297: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:55:09.05 ID:9CmxfvD0o
――――――

ほむら「まどか!」

まどか「ほむらちゃん!」

まどかからの連絡を待っていたら、何やら慌てた様子のまどかから連絡が入った

何を言っているのかよくわからなかったが、肝心な部分は聞き取れた。さやかが家からいなくなった、と

ほむら「さやかが消えたってどういうことなの!?」

まどか「さやかちゃんの部屋に…これが置いてあったの」

そう言って、私はまどかから何かメモのようなものを受け取る

手渡されたのはどうやらさやかからの置き手紙のようだ
298: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:55:47.78 ID:9CmxfvD0o
『まどかへ』

『この手紙を見つけたってことは、心配で部屋まで見にきてくれたんだろうね。ありがと、まどか』

『あたしは、恭介のバイオリンが聴きたくて魔法少女になった。それは間違ってなかったと思う』

『そして、見返りを求めないという覚悟をした。……夢でだけど、もうひとりのあたしともその覚悟を交わした』

『もちろん最初はそのつもりだった。バイオリンが聴けるなら、それでいい…はずだった』

『だけど…今はもう、自信がない。見返りなんていらないって…はっきりそうだと言いきれない』

『仲間と友達…それに、この街を守る…それが自分の使命だって思ったのに…そう誓ったはずなのに』

『その誓いも守れそうにないよ』
299: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:56:34.24 ID:9CmxfvD0o
『この間の…恭介と仁美がいるところを見て、恭介を仁美に取られちゃうって感じて…それで……』

『あたしはどうして仁美を助けちゃったんだろうって、そんな風に考えてしまった』

『見返りを求めないはずだったのに、ケガを治してあげたんだから、あたしと付き合ってほしいって思ってしまった』

『マミさんに憧れてたはずなのに…まさか自分の友達をそんな風に思っちゃうなんて…最低だよね、あたし』

『結局のところ、覚悟が足りなかったんだろうね。……だけど、もう何もかもがどうでもよくなってきちゃったんだ』

『いつだったか、マミさんが言ってたよね。自分で自分を制御できなくなったとき、魔女は暴走を引き起こすって』

『今のあたしは魔女を暴走させない自信はない。だから、あたしは消えるよ。みんなに迷惑かけたくないから』

『最後に…まどか。ほむら。マミさん。杏子。ありがとう。ごめんなさい』
300: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:57:03.17 ID:9CmxfvD0o
ほむら「これは……」

その内容に目を通して、絶句した

さやかの胸の内が綴られた手紙を握りしめ、停止しかけた思考を巡らす

さやかはどこへ消えた?これからどうするべきか?自分の制御ができなくなり、暴走すると何が起きる?

とにかく、まずはさやかを見つけるのが最優先だ。マミと杏子にも手を貸してもらおう

そう考え、私はマミの携帯に連絡を入れた

まどか「ねぇ…さやかちゃん、大丈夫だよね……?」

ほむら「私にも…わからないわ……。だけど……」

ほむら「……早く見つけて何とかしないと…きっと取り返しのつかないことになるわ」

まどか「そんな……!」

ほむら「……あ、マミ?杏子もまだそこにいるわよね?実は……」

まどか(さやかちゃん…どこに行っちゃったの……?)
301: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:57:46.80 ID:9CmxfvD0o
ほむら「……えぇ、それじゃお願いするわ」

まどか「ほむらちゃん、マミさんは……」

ほむら「マミと杏子も捜索に当たってくれるそうよ」

まどか「よかった…ありがとう、マミさん、杏子ちゃん……」

ほむら「……さて、私たちも行きましょう」

まどか「う、うん。わたし、さやかちゃんが行きそうなところ、行ってみるよ!」

ほむら「頼んだわ。私は向こうを探してみる」

そう言ってまどかは走って行った

さやかにとってこの現状は酷く辛いものなのだろう。だが

何としてでも、立ち直らせてみせる
302: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:58:17.79 ID:9CmxfvD0o
――――――

さやか「……」

さやか「……あたしは…どうなるんだろうね」

さやか「……相当参ってるみたいね、あたしは。ソウルジェム、真っ黒になってる……」

さやか「……そう言えば、魔女の暴走ってどういうことなんだろ……?」

さやか「……でもまぁ、そんなことどうでもいいか。どうせあたしにはもう関係のないことだし」

さやか「……さて、と。そろそろ行こうかな」
303: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:59:02.81 ID:9CmxfvD0o
ほむら「どこに行くつもりなのかしら」

さやか「……ほむら…みんな……」

みんなで手分けして探したが、一向にさやかを見つけることができなかった

ふと、手紙に書いてあった文…私たちの前から消えるという部分

もしかしてこの街から消えるという意味ではないだろうかと思い、急いで駅へとやってきた

そこでベンチに座り、虚空を見つめているさやかを見つけたときには、辺りはすっかり暗くなってしまっていた
304: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 22:59:35.30 ID:9CmxfvD0o
ほむら「探したわよ、さやか」

さやか「……別に頼んじゃいないでしょうに。まぁ、心配してくれたことは…ありがと」

マミ「美樹さん…手紙、読ませてもらったわ。あれは…本当なの……?」

さやか「……そうですよ。あたしはもう…マミさんと一緒に戦う資格なんてないんです」

さやか「ほんの一瞬でも、友達を助けたことを…後悔してしまうような奴は……」

杏子「だけどよ、だからって……」

さやか「……杏子、初めて会ったとき、言ってたよね。自分以外に魔法を使うとろくなことにならないって」

さやか「もう少し早く出会って、それ、言ってくれてたなら…こうはならずに済んだのかな……」

杏子「さやか、お前……」
305: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:00:37.88 ID:9CmxfvD0o
まどか「ねぇ、さやかちゃん…そんな死んじゃうようなこと、言わないで……!」

さやか「死ぬ…か。案外、そうなるんじゃないかな……」

まどか「え……?」

さやか「魔女が暴走したら…どうなるかはわからない。だけど、案外死ぬだけで済むんじゃないかなって……」

まどか「死ぬだけって…そんなこと言わないでよ!」

さやか「……のよ……」

まどか「さやか…ちゃん……?」
306: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:02:07.96 ID:9CmxfvD0o
さやか「だったら…どうすりゃいいのよ!?ねぇ、教えてよ!!」

さやか「確かに、あたしは恭介のケガを治す願いで契約したよ!!見返りなんていらないとも言った!!」

さやか「だけど、あたしがケガを治したばっかりに、仁美が恭介を……!恭介のお見舞いにも、ほとんど来なかった仁美に……!」

さやか「ケガを治したから付き合ってくれなんて言うつもりなんてない!!だけど、こんなじゃ…言いたくもなるよ!!」

さやか「……もう、どうでもいいんだよ。何もかも……!」

まどか「さやかちゃん……」

精神が不安定になっているせいか、やけに攻撃的になってしまっている

自分が駄目だったから、志筑仁美が付き合うのだろうという思いが不安と猜疑心を煽り

どうして怪我を治してあげた自分じゃなく、彼女なのかという思いが怒りと憎しみを掻き立てる

そんな負のスパイラルに陥っているのだとしたら…非常にまずい。これ以上悪化させてしまうと、魔女が暴走してしまうのではないか
307: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:02:37.13 ID:9CmxfvD0o
さやか「だからさ…あたしのことはもう、放っておいて」

ほむら「……そうはいかないわ。私たち…仲間でしょう」

さやか「仲間…ね。今のあんたの仲間って言葉…ちょっと信用できないのよね」

ほむら「……」

さやか「隠し事の多いあんたのことだから、どうせまだ何か大事なことを隠してるんでしょ?」

さやか「そんな奴のこと、信用できるわけないでしょ」

まどか「さやかちゃん、ほむらちゃんを責めないで。教えてくれるまで、待って……」

さやか「……まどか、あんたもあたしにはついてくれないんだね」

杏子「さやか…お前、何を言って……」

さやか「そりゃそうだよね…はは、もうあたしの味方はいないんだね……」

さやか「……あたしって…ほんとバカ」
308: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:03:07.54 ID:9CmxfvD0o





『あんたって、ほんっとバカだよねぇ』



309: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:03:37.26 ID:9CmxfvD0o
さやか「え……?」

マミ「何……?どうなってるの……?」

杏子「さやかが……」

まどか「2人に……?」

どこからか声が聞こえる。その声の主を探し辺りを見回すと、さやかのすぐ側に誰かが立っている

どういうわけか、その人物はさやかとうり二つの姿をしていた

さやか?「どうも、はじめまして」

ほむら「あなた…まさか……」

さやか?「そう。あたしはもうひとりの美樹さやか。さやかの影とでも言うべきかな」
310: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:04:13.47 ID:9CmxfvD0o
唐突に姿を現したもうひとりのさやか

一体何故姿を見せたのかと考える

あのさやかの影はもうひとりの自分。魔女もまた、もうひとりの自分

そのもうひとりの自分が表に出て来た、ということは……

さやか「……それで、あたしに何か言いたいことでもあるの?」

さやかの影「言いたいこと…まぁ、そうなるのかな」

さやか「……はっきり言いなさいよ。一体、何しに出て来たっていうわけ?」
311: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:04:52.19 ID:9CmxfvD0o
さやかの影「……まさかあんたがここまでバカだったとは思わなくてね」

さやか「……何だと?」

さやかの影「マミさんに言われたはずでしょ。恭介のケガを治してどうしたいのかって」

さやかの影「答えの出ないうちに契約して、できもしない覚悟なんかしちゃってさ」

杏子「オイ、さやか…何を……」

さやかの影「杏子は黙ってて。これはあたし自身との話だから」

さやか「あたしは…覚悟してた。そのつもりで……」

さやかの影「だけど結局、あんたは見返りを求めた。ケガを治してあげたのはあたしなんだから、って」

さやかの影「そして、あんたは仁美を憎んだ。恨んだ。よくも恭介を奪った、と」

さやか「そんな…そんなこと……!」
312: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:05:29.56 ID:9CmxfvD0o
さやかの影「嘘を言ったってムダだよ。言ったはずさ、あんたはあたし、あたしはあんただって」

さやかの影「あんたが心の奥底に押し込めてるものはあたしには筒抜けなの」

さやか「う、嘘だ!あたしはそんなこと、思ってない!」

さやかの影「もっと言っちゃおうか。あんたは後悔してる」

さやか「後悔……?」

さやかの影「そう、後悔。あんたは魔法少女になったことを後悔してる」

さやか「な…そんなわけ……!」

さやかの影「……いや、違うか。魔法少女なったことじゃなくて、契約の願いのことだね。恭介の指のケガを治してほしいという願い」
313: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:07:20.06 ID:9CmxfvD0o
さやか影「あんな願いで契約してしまったから、恭介を仁美に取られてしまった。そう考えてる」

さやか「違う…あたしは……」

さやかの影「あんな願いでなければ、恭介は今もまだ入院してる。ずっと自分が恭介の側にいられた」

さやか「違う…違う……!」

さやかの影「あの状態だったなら、時間はいくらでもあった。ゆっくり時間をかけて、自分を意識させ、告白したらきっと成功してた」

さやかの影「あんたは今、あの状況を望んでる。病院で恭介と2人きりになれるから、って」

さやかの影「そして、それと同時に後悔している。あの願いによって恭介を退院させてしまったから、仁美に恭介を取られてしまった、と」

さやか「そんなこと…あたしは、後悔なんて…仁美のことだって……!」

さやかの影「了承したはずだよ?仁美の条件をさ。あんたのあとに告白するって」

さやかの影「その結果を認めたくないっていうのは、こうなってしまったことを後悔してるってこと。違う?」

さやか「それ、は……」
314: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:08:01.99 ID:9CmxfvD0o
さやかの影「でもまぁ、仁美に取られたというのなら、話は簡単じゃない。取り返せばいい」

さやか「あんた…何を……」

さやかの影「今から恭介のとこに行って、両手足を潰してやればいいのよ。動かなくなるまでね」

さやか「な…っ……!」

さやかの影「そうすれば、あんたはまた恭介の側にいられる。ゆっくりと、あんたなしじゃ生きられない体にしてやるのよ」

さやか「ふざけないで!そんなこと、できるわけないでしょ!?」

さやかの影「なら、あたしがしてあげる。遠慮はいらないよ、これも自分の為だしね」

そう言うと、さやかの影は魔法少女へと変身した

もうひとりの自分なのだから当然だが、武器から衣装まで、同じ姿をしていた

自分の影の凶行を阻止すべく、さやかも魔法少女へと変身する。そして

さやかは自分の影に切りかかった
315: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:09:19.83 ID:9CmxfvD0o
さやか「絶対に…行かせるもんか……!」

さやかの影「邪魔しないでよ。あたしはあんたが思ってることをやろうとしてるだけ」

さやか「あたしは…そんなひどいことなんて、考えてない!」

さやかの影「あんたは確かに思ったさ。恭介が入院したままだったなら…2人きりでいられたらってね」

さやか「違う……!こんな、こんなの……!」

さやかの影「違わないよ。あんたが心のどこかで思っていたことだ」

さやか「違う…違う、違う、違う!!」

胸の内に秘めていたことを容赦なく浴びせられる。それも、自分自身に

だが…いくら後悔しているとは言え、さやかがあんな酷いことを考えているはずはない

あの影は自分が思ったこと、感じたことを大幅に誇張して攻め立てているのだろうか

さやかの影の語ったことより、今はその影の凶行を止めなくては。私たちもさやかのところへと駆け寄る。だが

その増大された怒りと憎しみを孕んだ言葉に耐え切れなくなったさやかは

自分自身を否定した
316: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/03(火) 23:09:49.41 ID:9CmxfvD0o





さやか「違う!あんたは…あんたみたいな奴はあたしじゃない!!」



318: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/03(火) 23:11:44.06 ID:x5OYIlsho
これは熱い展開
乙!
323: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:11:40.34 ID:j4O9XPKWo
さやかの影「はは…あたしはあんたじゃない、ね……」

マミ「何……?様子が変よ……」

さやか「あんたが…あたしのわけない!!あんたは、あたしじゃない!!」

さやかの影「自分自身にヒドいこと言うね。だけど、あんたはあたしを否定した。だから……」

さやかの影「あたしはもうあんたじゃない。なら、あたしのこの怒りと憎しみの元を…破壊してやる!!」

さやかの影がそう叫ぶと、腹部のソウルジェムが形を変えていく

何が起こっているのかはわからない。だが、ただひたすらに嫌な予感がする
324: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:12:14.59 ID:j4O9XPKWo
まどか「ねぇ、ほむらちゃん…一体何が……」

ほむら「わからないわ……。とにかく、まどかはさやかと一緒にいて。杏子、2人をお願い」

杏子「あぁ、わかった……!」

さやかの影「仁美と恭介…2人の前に、あたしの邪魔をするあんたたちを…始末させてもらうよ!」

形を変えたソウルジェムを手にする。その手に握られていたのは

紛れもなく、グリーフシードだった

そのグリーフシードから結界が広がっていく。そして

私たちはあっという間に結界に飲み込まれてしまった
325: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:12:57.72 ID:j4O9XPKWo
マミ「……みんな、いる!?」

ほむら「えぇ。杏子、そっちは?」

杏子「まどかもさやかも大丈夫だ!」

さやか「あたし…あたしは……!」

まどか「さやかちゃん……」

さやかの影「あたしはもう美樹さやかじゃない。……そろそろ行かせてもらうよ」

ほむら「……!ちょっと待って、あの影はもうひとりのさやか…つまり、アイツは……!」

さやかの影「さすがはほむら、よく気づいたね。……だけどもう、手遅れだよ」

さやかの影「……あたしも、あんたたちもね」
326: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:13:53.30 ID:j4O9XPKWo
そう言い残し、彼女は黒い炎に包まれていった

その黒い炎を飲み込み、グリーフシードが宙へと浮いていく。そして

グリーフシードを中心に、魔女の身体が構築されていく

さやかの…人魚の魔女、オクタヴィアの巨体が私たちの目の前に姿を現した

魔女「……」

マミ「ちょっと…何であんなに大きいのよ!?元々美樹さんの魔女だったはずでしょ!?」

ほむら「恐らく…あれが魔女の暴走という奴じゃないかしら」

マミ「あれが……?」

ほむら「あなた、知ってるんじゃなかったの?」

マミ「魔女が暴走するというのは知ってるけど、実際どうなるかまでは……」

ほむら「……とにかく、今はあの魔女を何とかしないと……」
327: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:14:30.40 ID:j4O9XPKWo
さやか「あんな奴が…あたしの中に……」

杏子「た、確かにあの魔女はお前の魔女だけどよ…でも、あんなバカでかくなかっただろ?」

さやか「あんな…化け物があたしの中にいたんなら…そりゃ、狂っちゃうわけだよ……」

まどか「……違うよ」

杏子「まどか……?」

まどか「わたしにだってわかるよ。あの魔女…今はさやかちゃんじゃない」

まどか「きっと…怒りと憎しみでおかしくなっちゃってるだけなんだよ」

さやか「まどか…何でそんなこと……」

まどか「……何となくだけど、わかるんだ」
328: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:15:06.43 ID:j4O9XPKWo
魔女「……!」

ほむら「マミ、来るわよ!」

マミ「わかってるわ!……行くわよ、キャンデロロ!!」

ロロ「……」

機関銃を構え、マミに注意するよう声をかける

マミも魔女を召喚し、砲撃戦の用意をする。その直後、魔女が攻撃を仕掛けてきた

魔女「……!」

ほむら「……今よ、散開!」

魔女の巨大な剣が振り下ろされると同時に散開する。そして

魔女へ向けて、機関銃の引き金を引いた
329: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:15:57.30 ID:j4O9XPKWo
まどか「ほむらちゃん…マミさん……」

杏子「……すまねぇ。アタシも手を貸してやりたいけどよ……」

杏子「今のアタシが行ったところで、足手まといにしかならないからな……」

まどか「ううん、気にしないで。それに、ほむらちゃんとマミさんならきっと大丈夫だよ」

杏子「……ありがとよ、まどか。だけどよ、こっちは今魔女を召喚できるのはマミだけなんだよな……」

杏子「さやかのはあそこで暴れてるし、アタシとほむらは召喚自体が……」

まどか「……大丈夫。杏子ちゃんも、自分と向き合えば…覚悟を決めたのなら、きっとまた……」

杏子「まどか……?」

まどか「あ…ごめんね、魔法少女でもないわたしがこんなこと言って……」

杏子「……いや、別に気にしてねぇよ」

杏子(自分と向き合う…覚悟、か……)
330: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:16:52.34 ID:j4O9XPKWo
さやか(……あたし、また…またみんなに迷惑かけて……)

さやか(前の魔女のときだって…あたしがだらしないせいで、マミさんとほむらに迷惑を……)

さやか(今回もまた…それも、今度ばかりは完全にあたしのせい……)

さやか(……あたしのせいで、こんなことになっちゃったんだ……)

さやか「……」

まどか「さ、さやかちゃん……?」

さやか「……オクタヴィア!!」

さやか「……オクタヴィア!出てきてよ、オクタヴィア!!」

杏子「落ち着け、さやか。……お前の魔女はあそこで暴れてるだろ。だから…今はお前の中には……」
331: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:17:19.91 ID:j4O9XPKWo
さやか「あたしの中にいないって…やっぱり、あいつは……」

杏子「……」

さやか「でも…それでも、認めるもんか……!あいつは、あたしじゃない!」

杏子「あ、おい!待て、さやか!」

まどか「さやかちゃん!」

杏子「クソ…アタシまでここを離れるわけには……!」

まどか「さやかちゃん!戻って、さやかちゃん!」

杏子(アタシが…召喚さえできれば……!)
332: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:18:13.36 ID:j4O9XPKWo
魔女「……!」

ほむら「く……!マミ、大丈夫!?」

マミ「えぇ、何とか…ただ、正直余裕はないわね……」

遠距離からの銃による攻撃に対し、魔女は車輪を飛ばして反撃してくる

マミはともかく、その車輪を貫いて魔女まで届く攻撃手段を有していない私は思うように戦うことができなかった

ほむら「車輪ごとあなたの砲撃で吹き飛ばせない!?」

マミ「できないことはないと思うけど……!」

魔女「……!」

ほむら「……車輪のせいでそれも難しいってわけね……!」

マミ「えぇ…どうしたものかしら」
333: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:18:58.14 ID:j4O9XPKWo
近接型でない私たちが接近戦を挑んだところで、剣を持った魔女には敵わない

ならばと遠距離での戦いを選んだが、こっちはこっちで決め手が無い

時間を止め、マミに直接魔女を狙ってもらうべきか考えていたときだった

さやか「うあああぁぁぁぁっ!」

ほむら「ちょっと、さやか!?戻りなさい!」

さやか「あいつは…あたしが倒す!あたしの偽物は、あたしが……!」

マミ「偽物って、あれは美樹さんの……」

さやか「違う!あいつは…あたしの偽物だ!偽物でなけりゃ、あんなこと……!」

さやか「あたしを…騙るな!」

マミ「美樹さん!」
334: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:19:31.75 ID:j4O9XPKWo
魔女「……!」

さやか「そんなもの…当たるもんか!」

突っ込んでいくさやかに対し、魔女は無数の車輪を召喚する

さやかはその車輪の隙間を縫うように走って行く

そして、魔女の目の前まで近づいたところでさやかは思い切り飛び上がった

魔法陣を足場にして、魔女へと向かって突撃する。しかし

それを予見していたのか、魔女はさやかへ向けてその巨大な剣を振るう

さやかは自身の剣でそれを防ぐも、大きさが違いすぎる

そのままさやかは大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた
335: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:20:07.64 ID:j4O9XPKWo
さやか「……っぐ…う……!」

ほむら「さやか!」

さやか「……まだ、だ……!あたしはまだ…戦える!」

そう言って、さやかは再び魔女目がけて突っ走った

先ほどと同じように、車輪をすり抜け、魔女へと飛びかかる

だが、全く同じ手が通用するはずもなく巨大な剣により吹き飛ばされ、叩きつけられる

私たちの制止も聞かず、さやかは何度も立ち上がり、走り、吹き飛ばされ、そして叩きつけられた
336: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:20:55.78 ID:j4O9XPKWo
杏子「さやか…あのバカ、今のお前1人じゃ……!」

まどか「さやかちゃん!もうやめて!」

杏子(アタシには…何もできないのか……?)

杏子(アタシはアイツを…さやかを失いたくねぇ……!)

杏子(こんな短い間にも、アタシには…友人も、仲間もできた。もう、2度とできるはずもねぇと思ってた…だからこそ……)

杏子(もうたくさんだ…大切な誰かをを失うのは……。だから、アタシは……!)

杏子「……まどか、すまねぇ。アタシに行かせてくれ」

まどか「杏子ちゃん…うん、わかった。さやかちゃんを…助けてあげて」

杏子「……あぁ、任せろ!」

杏子(待ってろ、みんな……!)
337: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:21:40.04 ID:j4O9XPKWo
さやか「ぐあ…ッ……!」

ほむら「さやか!もういい加減にしなさい!死ぬわよ!?」

マミ「あの車輪さえなければ、リボンで縛ってでも止められるのに……!」

さやかが突っ込んでは弾き返されている間、魔女の標的を変えさせようと攻撃を仕掛ける

だが、魔女は私たちに見向きもせず、さやかに狙いを定めていた

ほむら「とにかく、奴の狙いを私かマミへ向けさせないと……!」

さやか「あいつは…あいつはあたしが倒す……!余計なこと、しないで!」

ほむら「待ちなさい、さやか!」
338: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:22:22.38 ID:j4O9XPKWo
杏子「……ちょっと待て、さやか」

さやか「杏子……」

ほむら「杏子…まどかは?」

杏子「まどかには許可もらってる。……それよりも、さやか」

杏子「あの戦い方は何だよ。ただがむしゃらに突っ込んだって無意味だ」

さやか「杏子には関係ないでしょ……!あいつはあたしが倒さなきゃダメなんだ……!」

杏子「……何がどうなってアイツが現れたのかはわからん。だけど、さやかはそれに責任感じちまってるんだろ?」

さやか「……」

杏子「だからって、全部お前1人で背負い込む必要なんてないだろうが。何の為にアタシらがいると思ってんだ」
339: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:23:08.88 ID:j4O9XPKWo
さやか「何のためって……」

杏子「1人で倒せないのなら、力を貸す。……そう言ってんだよ」

杏子「……アタシはな、さやか…お前が羨ましかったんだ。誰かの為に戦えるお前が」

杏子「アタシにはもう…そう思える、大事な家族も、仲間も…いなかったから……」

さやか「杏子……?」

杏子「……だけどよ、お前らと一緒にいて、思ったんだ。また、アタシにも仲間ができたんだって」

杏子「アタシは…1度は大切なものを失っちまった。だから…その分、大事だと思える人を守ろうって……」

杏子「誰かを失って、そのせいで悲しむ奴が生まれてほしくない。……少なくとも、アタシの周りでそんなことは起こさせない」
340: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:23:50.34 ID:j4O9XPKWo
杏子「アタシは…覚悟を決めたよ。本当の自分と向き合うって。仲間を守るんだって」

杏子「もう1度…アタシは戦う。自分の為じゃない、仲間の為に…戦う」

ほむら「杏子……」

マミ「佐倉さん……」

杏子「マミ、ほむら…アタシも力を貸すよ。さっさと大暴れしてるあのさやかを止めてやろうぜ」

ほむら「え、えぇ…でも杏子、あなた…戦えるの?」

杏子「大丈夫だ。相棒もまた力を貸してやるって言ってくれてるからな」

マミ「佐倉さん…それじゃ……!」

杏子「あぁ。……行くよ……!」

杏子はそう言うと右手を翳す

その掌の中には、胸に輝く宝石と同じ真紅のソウルジェムが浮かび上がっていた

そして、それを握りつぶすと同時に、魔女の名を叫んだ
341: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:24:16.74 ID:j4O9XPKWo





杏子「出ろ!オフィーリア!!」



342: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:24:47.00 ID:j4O9XPKWo
オフィーリア「……」

彼女の背後に現れたのは、槍を構え、馬に跨った騎兵のような姿の魔女

武旦の魔女、オフィーリア。もうひとりの杏子がついにその姿を現した

マミ「……佐倉さん、もう大丈夫ね」

杏子「長い間、迷惑かけちまったな。……でも、もう大丈夫だからよ」

さやか「杏…子……」

杏子「……行くぞ、アイツを倒しに」

さやか「……うん!」
343: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:25:19.85 ID:j4O9XPKWo
ほむら「そうは言っても…何かいい手でも?」

杏子「あぁ。……さやか、お前…オフィーリアに乗れ」

さやか「……はい?」

杏子「さやかをオフィーリアに乗せて突撃、そのあとさやかが飛び出して魔女を斬る。これでどうだ」

さやか「ちょ、ちょっと待ってよ。あたしは……」

杏子「何だ?あれだけ自分で倒すとか言ってたじゃねぇか。それとも倒す自信がねぇのか?」

さやか「な…いいよ、やってやろうじゃん!」

杏子「なら決まりだ。ほむら、マミ、もしものときの援護、頼んだ」

マミ「えぇ、わかった。任せて」
344: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:25:47.71 ID:j4O9XPKWo
杏子「……さやか、準備できたか?」

さやか「な、何とか」

結局、さやかはオフィーリアの背中にしがみつく形で同乗した

無理にさやかが倒す必要もないのだろうが…それがさやかのけじめのつけ方なのだろう

もしものときの為にいつでも時間を止められるように盾に手をかけ、成り行きを見守る

杏子「そんじゃ、行くぞ!」

オフィーリア「……!」

さやか「うおあっ!?」
345: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:26:21.05 ID:j4O9XPKWo
さやかを乗せたオフィーリアは魔女目がけて駆け出した

それを迎撃しようと車輪を召喚するが、オフィーリアはその巨大な槍で片っ端から叩き落としていく

なおも魔女へ接近すると、射程内に入ったのか魔女が剣を構える

だがその剣を振るうよりも速く、オフィーリアが懐へと辿り着く

手にした槍が閃いた次の瞬間には、槍が魔女の身体を貫いていた

魔女「……!?」

杏子「今だ、さやか!やれ!」

さやか「わかってる!」
346: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:27:00.70 ID:j4O9XPKWo
そう言うとさやかは剣を構え、飛び上がった

先ほどまでなら、また吹き飛ばされていただろう

しかし、槍で貫かれ、もがき苦しんでいる魔女にそうするだけの余裕はなかった

さやか「これで…どうだああぁぁぁっ!!」

魔女「!!」

がら空きになった魔女の胴体へと突っ込んでいく。そして

魔女の左胸に、その剣を深々と突き立てた
348: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:27:31.01 ID:j4O9XPKWo
さやか「これで倒し…え……?」

崩壊した魔女の身体の中から、グリーフシードが現れる

そのグリーフシードから黒い炎が燃え上がったかと思うと

炎の中から、もうひとりのさやかが姿を現した

さやかの影「……まさか、あたしが負けちゃうなんてね」

さやか「……当然でしょ。美樹さやかはあたし」

さやか「あたしを騙った偽物なんかに…負けるはずない」
349: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:28:36.01 ID:j4O9XPKWo
さやかの影「偽物…ね。あたし、何度も言ったよね。あんたはあたし、あたしはあんただって」

さやか「……」

さやかの影「確かに、あんたはあたしほど強い悪意を持ってるわけじゃない。だけど……」

さやかの影「恭介や仁美に抱いた、ほんの少しだけの嫉妬や恨めしい気持ち…それは間違いなく、あんたの本心」

さやか「黙れ!あたし…あたしは……!」

ほむら「……いい加減、認めたらどうかしら。目の前にいるあなたも…自分自身だって」

さやか「……頭じゃわかってるよ。こいつもあたしなんだって。だけど……!」

さやか「だから、余計に認めたくないんだよ!恭介や仁美に、あんなこと思っちゃうなんて……!」
350: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:29:23.47 ID:j4O9XPKWo
さやかは、目の前にいる自分の影が許せないのだろう

自身の感情が大きく誇張されていたとは言え、想い人と友人に少なからずそういった気持ちを持ってしまった

きっとその事実が、さやかを苦しめているのだと思う

どうさやかを説得するべきか悩んでいると

背後から、まどかの声が聞こえた

まどか「……さやかちゃん」

さやか「まど…か……」
351: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:30:04.49 ID:j4O9XPKWo
まどか「さやかちゃん…自分が許せないんだよね……」

まどか「上条君と仁美ちゃんに…ほんの少しでも、変なことを思っちゃったことが……」

さやか「……」

まどか「でも…わたし、それが普通なんだと思うよ」

さやか「……普通?」

まどか「うん。きっとさやかちゃんは…仁美ちゃんに嫉妬しちゃったんだよ」

まどか「上条君に対しても…仁美ちゃんを選んだことを、ほんのちょっとだけ恨めしいって思っちゃったんじゃないかな」
352: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:30:48.83 ID:j4O9XPKWo
さやか「……どっちにしろ、友達にそんなこと思っちゃうなんて」

まどか「……仕方ないよ。だって…それが恋ってことなんだと思うし」

まどか「さやかちゃんと仁美ちゃんみたいに、同じ人を好きになっちゃったら…どっちも断られちゃうこともあると思うけど」

まどか「どちらかが選ばれたのなら…もう片方の人は、選ばれた人、好きになった人、両方に嫉妬して、どうしてって思っちゃう」

まどか「だから、さやかちゃんがそう思っちゃったことは…おかしくなんてない。わたしは…そう思うよ」

さやか「あんたに…まどかに何がわかるってのよ……!恋なんてしたことのないまどかに……!」

まどか「……少しだけど、わかるよ。恋として好きかはわからない。けど……」

まどか「わたしにだって、好きな人…いるから」

さやか「まどか…あんた……」

まどか「その人にふられて…誰かと一緒にいるのを見ちゃったら…わたしだって、きっとさやかちゃんと同じこと思っちゃうよ」
353: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:31:44.20 ID:j4O9XPKWo
まどか「……さやかちゃん、もう…自分自身を許してあげて。認めてあげて」

まどか「このままだと、さやかちゃん…心が壊れちゃうよ。そうなっちゃったら…もう取り返しがつかなくなっちゃう」

さやかの影「……」

さやか「あたしはあんたで…あんたはあたし、ね……。全部ひっくるめてあたしってことか……」

さやかの影「……うん」

さやか「……恭介と仁美に…嫉妬したのは事実。それでも…あたしは恭介が好き。仁美が好き。だから……」

さやか「2人を守るために、あたしは戦う。……それがあたしの覚悟」

さやかの影「……今度こそ、信じてもいいんだね?」

さやか「……うん。もう迷わない」
354: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:32:24.45 ID:j4O9XPKWo
さやかの影「……わかった。あんたを信じるよ」

さやか「あんたはあたしなんでしょ?……自分を裏切るようなマネ、もうしないよ」

さやかの影「じゃあ…あたしは帰るよ。あんたの中に」

さやか「うん。また、戦いのときは…よろしく」

さやかの影「わかってるよ。……今後とも、よろしく」

さやかの影はそう告げると、その身体が光に包まれる。そして

その光はさやかのソウルジェムへと向かっていき、ソウルジェムの中へと消えていった

濁りきっていたはずのさやかのソウルジェムは、一点の曇りもなく煌めいていた
355: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:32:58.45 ID:j4O9XPKWo
さやか「……」

ほむら「……さやか」

さやか「……うん。もう大丈夫だから。みんな、ありがとう」

さやか「それと…ごめん。迷惑かけちゃって……」

マミ「気にしないで。私たち、仲間で…友達じゃない」

さやか「マミさん……」

杏子「その…何だ、悪かった。アタシが告白しろだなんて言っちまったから……」

さやか「……杏子が背中を押してくれなかったら、きっとあたし、何もしないで後悔してたと思う」

さやか「だから…ありがと、杏子」

杏子「……おう」
356: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:33:44.42 ID:j4O9XPKWo
まどか「さやかちゃん……」

さやか「まどか…ありがと。まどかのおかげで、あたし…自分と向き合えた」

まどか「わ、わたしは何も……」

さやか「それでも…ありがと、まどか」

さやか「……それはそれとして、まどかの好きな人って…一体誰のことなの?」

まどか「……え?」

さやか「さっき言ってたじゃん。好きな人がいるんだーって」

まどか「わ、わたし、そんなこと言ってた……?」

さやか「うん」

マミ「そう言えば……」

杏子「そんなこと言ってたな」
357: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:34:34.62 ID:j4O9XPKWo
まどか「う、嘘…さやかちゃんの説得に必死で、全然覚えてない……」

まどか「あ……!ほ、ほむらちゃん!ほむらちゃんはそんなの、聞いてない…よね……?」

まどかが私に聞いてくるが…正直に言えば、私も聞いてしまっている

どう答えたものかと少し考えたが答えは出ず、まどかから視線を逸らしてしまった

まどか「や…やっぱり聞こえちゃってる…よね……」

まどか「……どうしよう。ほむらちゃんに聞かれちゃった……」

顔を真っ赤にしたまどかが何かをボソボソと呟いていたが、何を言っているかは聞き取れなかった

そんなまどかを見てさやかが何かちょっかいを出したらしく、まどかの顔はさらに真っ赤になってしまった
358: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:35:19.63 ID:j4O9XPKWo
マミ「結界も消滅したみたいだし…そろそろ戻りましょう」

杏子「そうだな。さやかも無事に確保できたことだしな」

さやか「結局まどかの好きな人は誰だったのか聞けなかった……」

まどか「うぅ……」

さやか「……まぁ正直もう目星はついてるんだけどね。いやー、まどかも難儀な相手を……」

そう言ってさやかは私へと視線を向ける

さやかのその視線は、まどかの好きな人は私だと物語っていた

……まさか。さすがにそれはあり得ない。さやかの思い過ごしだろう

まどかの抱く私への好きは、さやかたちへの好きと同じもの。そう思っていると

以前にも感じた、妙な胸への違和感。だけど

その違和感は以前に増して大きくなり、私の胸を締め付ける

確かに私はまどかを好きだと言ったことはある。だけど、あれはそのつもりは……
359: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:35:58.33 ID:j4O9XPKWo
まどか「……らちゃん。ねぇ、ほむらちゃんってば」

ほむら「……え?」

まどか「もうここに用事もないし、そろそろ帰ろうよ」

ほむら「え、えぇ…そうね……」

まどか「……?ほむらちゃん、どうかした?」

ほむら「え?い、いえ、何でもないけど……」

何だか変にまどかのことを意識してしまう

別にまどかは私が好きだと決まったわけでもないのに、どうして私は……

ただ、まどかの好きな人が私であれば、と考えてしまう

そんなことを考えていると、暗闇から白い生き物が姿を現した
360: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:36:59.14 ID:j4O9XPKWo
QB「……やぁ、みんな」

マミ「あら、キュゥべえ。どうしたの、こんなところに」

QB「……この辺りで魔女の反応を確認してね。様子を見に来たんだけど」

ほむら「……それはさやかの魔女の暴走によるものだと思うわ」

QB「……それはどういうものだったんだい?」

さやか「あたしがひどく落ち込んで、何もかもどうでもよくなって……」

マミ「美樹さんのそばにもうひとりの美樹さんが現れて、美樹さんがそれを自分じゃないって否定したら……」

杏子「そのままさやかの魔女が巨大化して現れた、って感じだったな」
361: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:38:17.77 ID:j4O9XPKWo
QB「……うん。それは間違いなく魔女の暴走だね」

さやか「うわ、やっぱりそうだったんだ……」

QB「……だけど、見る限りさやかは無事に見えるけど」

さやか「うん、みんなが必死になってあたしを助けてくれたから……」

さやか「おかげさまで何とか無事に……」

QB「……さやかが生きてここにいるのはそういうことだったんだ。全く、余計なことをしてくれたようだね」

さやか「え……?」

QB「……率直に言わせてもらうよ。さやか、君はここで死ぬべきだったんだ」

マミ「……キュゥべえ?一体どういうこと?」

QB「どういうつもりかって?それは……」
362: ◆SjWXMdM6SY 2013/12/04(水) 23:38:53.45 ID:j4O9XPKWo





QB「さやかが死ねば、高純度のエネルギーが得られる。それだけだよ」



365: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/05(木) 00:11:42.45 ID:5JnyEoYeo

結局インキュベーターはインキュベーターか
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ほむら「魔女使い」【後編】


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