勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)【前編】

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:29:42 ID:6YXw5BZo
東の国 グリーンレイク
勇者(遥か西の果て。魔王の国が人間に対して宣戦布告をはじめて早10年)

勇者(魔王軍との戦いは多国籍軍との戦いがメインとなっている)

勇者(その隙に募集、または推薦などで勇者と称される者達が、秘密裏に魔王の元へと肉薄する)

勇者(という計画が以前続いているものの、未だに成果はあげられず)

勇者(そして、そこそこ腕がある自分にも遂に声がかかってしまった……)
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:33:29 ID:6YXw5BZo
勇者(当座の資金として1000Gに安価な武具、それに勇者の証を押し付けられてしまった)

勇者(一応、この証があれば色々と特典があるが、勇者としての使命をまっとうしなくてはならない)

勇者(証に使われている魔石は、本人以外が所持したら黒くなるから売っても安いし)

勇者(勇者名簿なるものがあるとも聞く)

勇者(今までも旅はしていたのだし、細々とやっていくとするか)

勇者(とは言え、この証を自分自身の物と設定するのに、自分が施した各地の転移魔法の標がリセットされたのは痛かった……)

勇者(それにしても……腹が減ったな)

勇者(よし、ここは景気づけに少し奮発していくか)
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:36:25 ID:6YXw5BZo
勇者(流石城下町、様々な店がある)

勇者(が、結構値が張るな。奮発とは言え、無闇に散財する訳にもいかない)

勇者(うーむ、中価格帯の料理屋がないものか)

勇者(仕方がない、無理を言わず大衆食堂にしておくか)


料理屋
「いらっしゃいませー」

勇者「ふう」

勇者(さて、何を食べようかな)
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:39:36 ID:6YXw5BZo
勇者(ここら辺はスライムが多いから、その手の料理はいくらでもあるんだよな)

勇者(スライムスープなんてものもあるのか。なんだか飲みづらそうだな)

勇者(うーん、よし、これだな)

勇者「すみませーん。このスライムチーズ焼きと薬草スープを下さい」

「はーい、かしこまりましたー」

勇者(無難だし、大して奮発もしていないけども、食べたいものを食べる。これでいいんだ)
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:42:53 ID:6YXw5BZo
「お待たせしましたー」

 スライムチーズ焼き 40G
  薄く延ばしたスライムにチーズを乗せてカリッカリに焼きあげたもの。パン付。
 薬草スープ 20G
  しんなり薬草たっぷりのコンソメスープ。肩身が狭そうにニンジンとピーマンが入っている。

勇者「良い香りだ。こいつは思わぬ当りかもしれない」バリッ

勇者「うんうん」ムグムグ

勇者(スライムってこんなカリカリになるんだ。驚きだなぁ)

勇者(でもこれだと、パンは余分な気がするな。どうやって食べるんだ)
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:45:43 ID:6YXw5BZo
勇者「薬草スープも」ズズゥ

勇者(! 苦味が全くない!)

勇者(薬草のスープと言えば大抵は草っぽい苦味があるのに、全く気にならない)

勇者(普通に葉菜類として食べられるのかぁ。調理方法なのか? それとも品種の問題だろうか?)

勇者(ともすれば、パンはスライムよりも、スープのつけ合わせとして食べる方が正解だぞ)ヒタ

勇者「むぐ」ムシャ

勇者「うん、良い味良い味」ムシャムシャ
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:48:48 ID:6YXw5BZo
……
「ありがとうございましたー」

勇者「ふう……」

勇者(料理はそこまで多くないけども、中々良かったな)

勇者(さて、腹ごしらえも済ましたし、そろそろ出発とするか)

勇者(各地を回り、情報を仕入れながら進もう)

勇者(未だに成功していないのは何故か。それも分からなければ同じ轍を踏むだけだしなぁ)
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:51:26 ID:6YXw5BZo
少し離れた町
勇者(これぐらいの距離なら、もう少し頑張って昨晩のうちに着けばよかったか)

勇者(それにしても、ここらの魔物は全く以って脅威じゃないな)

勇者(北西と中の国が凄いからかな。細かい敵もあんまり入り込めないんだろう)

勇者(さて、始めるか)


勇者(予想どおり情報らし情報はないか)

勇者「うん? これは?」

露天商「ああ、それは赤目石だね」

勇者「へえ、中に何かあるのかな? 変わった石だ」

露天商「見た目だけの土産物さ」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:54:40 ID:6YXw5BZo
勇者「ここら辺で取れる物なんですか?」

露天商「ここだけ、かは分からないけどな。町の裏手にある小さい洞窟から取れるんだ」

露天商「用途もない、珍しい石ころってだけだが」

勇者「ちょっと面白いな。これ、一つ貰えますか?」

露天商「毎度、10Gだよ」

勇者「どうも」

勇者(こういう珍しい物は、意外と他所でふっかけられるものだ)キラキラ
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 01:57:21 ID:6YXw5BZo
勇者(さて、そろそろ食事にしようかな)

勇者(三日ぶりのまともな飯だ。何かいい物はあるかな)キョロキョロ


勇者(いくつか店があるな)

勇者(一つは町の食堂かな)

勇者(もう一つはスープ物専門っぽいお店だな。あとはパン屋かぁ)

勇者(よし、ここは汁物で攻めてみるか)

勇者(外にメニューが出ているのか……ふむふむ、肉と野菜がメインのところか)
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 02:00:09 ID:6YXw5BZo
「いらっしゃいませ。こちらのお席へどうぞ」

勇者(さて、外のメニューでだいたいは分かったけども)ペラ

勇者(どうやらあれで全部……おや、トッピングの種類が多いな)

勇者(卵にチーズ、角切りパンかスライスパン、ミートボールなんてものもあるのか……)

勇者(ミートボールとパンはちょっと多いかな……)

勇者「すみません、このグリーンスライムの切干スープ。トッピングにミートボールでお願いします」

「はい、少々お待ち下さい」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 02:03:38 ID:6YXw5BZo
 グリーンスライムの切干スープ 35G
  思いの他安価。緑色の半透明な寒天状のものがたくさん入っている。
  キャベツと玉ねぎも盛りだくさんが嬉しい。
 トッピングのミートボール30G
  小振りなミートボールがごろごろ。納得のお値段。

勇者「ほー具沢山でいいじゃないか」

勇者(グリーンスライムってこの地方の原生種って話だし、特産スープになるよな?)

勇者(それにしても切干スライム……何だかパスタのように見えてきたな)

勇者「どれどれ」チュルン

勇者「へえ、うん」ムニュムニュ

勇者(中々弾力があって食べ応えがある。これだけ噛み応えがあるとちょっとミートボールが多く感じてきたぞ)
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 02:06:26 ID:6YXw5BZo
勇者(ブイヨンなのか。美味い美味い)

勇者「けれども、だんだん」ムニュムニュ

勇者「食べると言うより作業に近くなってくるのはいただけないな」ムニュムニュ

勇者(それにスライム自体に味がないのも残念だな。もう少し、スライムの量は少なくていいな)

勇者(と言う時にトッピング様が生きてくるわけですよ)ムシャ

勇者(小さいのに肉汁たっぷり。もうミートボールスープでもいいんじゃないかな)
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 02:08:22 ID:6YXw5BZo
勇者「ふう、美味しかった」

勇者「危うくパンもトッピングしてしまいそうだったけど、中々の英断っぷりだった」

勇者(次の町までは少し距離があるな……)

勇者(しっかりと準備していかないとだ)

勇者(薬草と保存食を多めに。いつもより干し肉の量も多くしておくか)

勇者「おや……あれは」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 03:56:21 ID:oC7fE5.c
孤独のダンジョン飯
段々食材がグレードアップしてゆくのかしらん
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 10:31:40 ID:lfTjKwOg
毎回思うがスライムって食べ物として有能だよな
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 12:08:01 ID:wNfC0SXM
いやぁ、不幸なことだと思うよ。
なまじ手軽なだけにスライムを応用した料理ばかりが発展していきそうだもの。
食卓に蒟蒻料理ばかりが並び続けるようなもんだろ。
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:24:22 ID:6YXw5BZo
馬車の中
勇者「いやあ助かります」

行商人A「いやいや、こちらこそ勇者様が護衛して下さるなんて感謝感激ですよ」

行商人B「勇者様を見るのは初めてですが、お一人で旅をされるものなのでしょうか?」

勇者「どうでしょうか? 自分は人と歩調を合わせるのが得意ではないので、一人旅をしているのですよ」

行商人A「そういう事でしたか」

行商人B「しかし何故あの町に? 言っては何ですが、位置的にも重要度的にも行く必要はないのでは?」

勇者「他の勇者達がどう生きて、今どうしているのか。失敗しているとしたらどうしてか」

勇者「それらが知りたくて、各地を回りながら進もうと思っているんですよ」

行商人A「おぉ、なんと!」
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:27:31 ID:6YXw5BZo
勇者「まあ、どうなるかは分かりませんが」

行商人A「勇者様には是非とも頑張って頂きものですな」

勇者「まあ、死なない程度に努力はしますよ」

行商人B「でしょうな。全ては命あっての物だねですし」

行商人A「お、良い時間ですな。そろそろ昼食にしましょうか。勇者様もご一緒にどうです?」

勇者「それではお言葉に甘えさせてもらいます」
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:30:17 ID:6YXw5BZo
 炙り干し肉とパン
  脂が浮き出て良い香りの干し肉を惜しげもなくパンに乗せる。
 リンゴの蜂蜜煮コンポート
  テラテラと輝く甘そうなリンゴのコンポート。

勇者「へえ、リンゴですか」

行商人A「コンポートというものでしてね、ジャムより薄めの砂糖水なんかで煮て、保存がきくようにするんですよ」

行商人B「これは蜂蜜を薄めたもので煮たんです」

勇者「それはまた贅沢ですね」

行商人A「ささ、どうぞどうぞ」

勇者「それでは頂きます」
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:33:31 ID:6YXw5BZo
勇者「はふ」ガブリ

勇者「はふはふ」モシャモシャ

勇者(噛み締める度に干し肉の旨みがじゅわっと広がる)

勇者(パンも出来立てのものを持ってきたんだろう。美味い美味い)

行商人B「しかし今日はやたらと魔物がいませんね」

行商人A「進みやすくていいですな。これなら三日で着けそうですな」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:36:42 ID:6YXw5BZo
勇者(さて、リンゴは……)モグモグ

勇者(やっぱりジャムのような甘ったるさはないのか。しかしこれはこれで良い甘さだ)

勇者(コンポート、やるじゃないか)モグモグ

行商人A「黙々と食べてらっしゃる……」

行商人B「しかしとても美味しそうな顔である……」

勇者「ふう……」

勇者(まさか野営中にこんな美味い食事が出来るなんて)

勇者(大して戦闘もないし、逆に申し訳なくなってくるな)
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:39:22 ID:6YXw5BZo
数日後
行商人A「それじゃあここまでで」

勇者「どうもありがとうございました」

行商人B「本当にこちらこそですよ」


勇者(さて、一回りしてみたけども)

勇者(何人か勇者が通過したというだけで、特にめぼしい情報はないか)

勇者(皆、周囲を回らずに真っ直ぐ西に向かっているのかな)
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:42:28 ID:6YXw5BZo
勇者(物資の補給も済ませたし、早めの昼食をとって出発するか)

勇者(料理屋とパン屋が一軒ずつか)

勇者(ここら辺の敵もまだまだ弱い魔物だし、パンでも買って歩きながら食べるか……)


パン屋
クー「いらっしゃいませっ」

勇者(へえ、随分と種類が多いんだな)
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:45:34 ID:6YXw5BZo
勇者(トーストに目玉焼き……お弁当パンか、美味しそうだな)

勇者(突進ウサギのサンドイッチも捨てがたいが、粗挽きウィンナーのスティックフランクもいいな)

勇者(このグラタンパン、ブロッコリーやベーコンがいっぱい入っているな。コーンマヨパンのコーンの多さも嬉しい)

勇者(ううむ、迷うなぁ)

勇者(うん? エクスプロージョンパン? 『中にたっぷりクリーム、一齧りで吹き出ます!』か、悪くないなぁ)

勇者(リンゴの焦がしバターのアップルパイかぁ、堪らないなぁ)
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:48:28 ID:6YXw5BZo
「ありがとうございましたっ!」


原っぱ
勇者(歩きながら、なんて思っていたけども、これはじっくり味わわないと勿体ないな)

 お弁当パン 25G
  トーストに目玉焼きが乗せてある王道パン。レジにある各種調味料をかけてテイクアウト。 
 突進ウサギのサンドイッチ 38G
  具が突進ウサギの挽肉の三角ミートサンドが二つ。
 グラタンパン 35G
  ブロッコリーやベーコンたっぷりのグラタン風パン。
 エクスプロージョンパン 25G
  たっぷりクリーム。一口齧ればボンッ。

勇者(うーん、ちょっと買いすぎたかな)
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:51:37 ID:6YXw5BZo
勇者「まずはお弁当パンから」アムッ

勇者(うんうん、この安定した感じ。凄く好き)モグモグ

勇者(ミートサンドも具が詰まっていていい感じだ)

勇者(へえ、ミートサンド、片方はマスタードがついているのか)パク

勇者(札の表示、見落としたかな。でもこれは嬉しい誤算だ)ムグムグ

勇者(そして間に食べるお弁当パン)アグッ

勇者(そろそろグラタンパンにいくか)ゴソソ
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/28(日) 21:54:55 ID:6YXw5BZo
勇者(うんうん、いいホワイトソースだ)モグモグ

勇者(しかもチーズもたっぷり。こんなに嬉しい事はない)ガブッ

勇者(ふぅっ。かなりの満足感だ)ゲフッ

勇者(しっかりと包みを抑えてエクスプロージョンっ!)ガブリュゥゥ

勇者(う、お、う、なんだこのクリーム量! 看板に偽りなし!)ウリュリュリュ

勇者(しかもクリームもとっても美味しい! 甘党には堪らない一品だ)ペロペロ

勇者(ああ、美味しかった……大満足だ)
29: 割と意味のない設定 2016/02/28(日) 22:04:44 ID:6YXw5BZo
国について
           ソードフォレスト        
                              タイニークリフ
                 

魔王国   ヒューズヒル   セントラルカーベース                     
                                  グリーンレイク

               ヴォルケイノ        
                            ウォーターサーフェス
グリーンレイク
 勇者の出身地。草原に風がそよぐと湖面のよう。
タイニークリフ
 山岳地帯。小さい崖と言っても無数にありすぎてそう見えるだけ。険しい。
セントラルカーベース
 商業都市
ソードフォレスト
 高い木々に囲まれた森の国。
ウォーターサーフェス
 水面の国。陸地の国土が少なく、埋立たり水上に建物を建てて生活の場を広げる。
ヴォルケイノ
 国土に火山のある国。
ヒューズヒル
 広大な丘。魔王軍の進撃に対抗すべく、国土を大爆発させて今はクレーターで戦場。
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 00:51:04 ID:vMVn.Op2
一週間後 別の町
勇者(さて、この町の北にある山を越えると)

勇者(北東の国、タイニークリフか)

勇者(山岳地帯が密集する国、その多さに大きい崖さえ小さく見えるという)

勇者(きっと他の勇者は寄っていないんだろうけども、タイニークリフ発の勇者の情報もあるだろうし)

勇者(何より転移魔法の標もないし行ってみるか)

勇者(さて、昼食用に食べる物も買ったし出発するか)
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 00:54:10 ID:vMVn.Op2
ゴブリン「ぎゃあああ!」ザンッ

勇者「火炎魔法!」

ゴブリン「ぐおおおお!」ボォォッ

勇者「これで片付いたか」

勇者(それにしてもここらはまだ緩やかだな)

勇者(普段は西からタイニークリフに向かうから、道が険しいんだよな)

勇者(これはこれで新鮮だなぁ)
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 00:56:52 ID:vMVn.Op2
勇者「さて……火炎魔法・極小」ポゥッ

薪「」ボォッ

勇者「木で組んだ上に金網を乗せて……」ポポイ

干し肉「 ジュ
干し魚 」 ゥゥ

勇者「軽く炙ってパンに、と」ヒョヒョィ


 炙り干し肉・干し魚乗せパン
  買ってきた肉と魚をいい感じに炙り、パンに乗っけてガブリ。
  安物の干物だから硬く食べ辛い。雰囲気食。
 肉団子スープ 40G
  トマトベースのスープに、肉団子にひよこ豆、玉ねぎが入っている。
  木製の筒に入れてテイクアウト。容器の問題で割高。
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 00:58:49 ID:vMVn.Op2
勇者「あちち、ふうふう」ガブリ

勇者「うん、まあこんなもんか」モグモグ

勇者(やっぱりあの商人達のはいい干し肉だったんだろうな)モグモグ

勇者「さて……」カポ

勇者「これこれ、この香り」ホワァ

勇者(ちょっと冷めてきてるけど)ズズゥ

勇者(うん、いい感じだ)

勇者(野外で店のスープが飲める贅沢。ついつい買ってしまうなぁ)
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:00:25 ID:vMVn.Op2
勇者(さて、次の町までまだまだ距離もあるし、少しここら辺で薬草を摘みながら進むか)

勇者(場合によっては食材も得ておかないと大変だしなぁ)

勇者(後は……まだオークの集落までは距離があるから警戒しておく必要はないか)


勇者(へえ、豊かなところだな)

勇者(木の実も多く手に入ったし、野草も色々と見つかったし)

勇者(明日は一日中、進むことを考えても良さそうだ)
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:02:25 ID:vMVn.Op2
数日後 タイニークリフ はずれの町
勇者(やっと着いたか)

勇者(確かここは美味しい山菜鍋のお店があったな)

勇者(確か噴水を3時の方角に……)

山菜保存食店

勇者(あれ? どっかの町の店と記憶がごっちゃになったかな)


勇者(おかしいな……見当たらない)ウロウロ
42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:04:25 ID:vMVn.Op2
勇者「あの」

町人「はい?」

勇者「こちらに山菜鍋のお店があったと思うんですが……」

町人「ああ……あそこのご主人が体を悪くしたんで、店を畳んじゃいましたよ」

町人「今は山菜の保存食売っているお店に変わっちゃいましたよー」

勇者「あ……そうでしたか、ありがとうございます」
43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:06:14 ID:vMVn.Op2
勇者(ショックっ。あーなくなってしまったのか)

勇者(困ったな……もうすっかり山菜鍋のつもりでいたからな)

勇者(他に食べたいものが思いつかない)

勇者(うーん……)ウロウロ

勇者(普通の鍋屋……肉って気分じゃないんだよなぁ)

勇者(酒場か……酒の肴は好きだけども今は)

勇者(すっかり迷ってしまったぞ)
44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:08:19 ID:vMVn.Op2
勇者(ここは……別の山菜鍋の店か)

勇者(前来た時はなかったな。あっちの店が畳んだから?)

勇者(えいっもうここでいいや)ガチャ

「いらっしゃいませー」

勇者(なんか、前の店と似た雰囲気だな)キョロキョロ

勇者(というか使っている椅子とか同じ物?)ガタタ
45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:10:32 ID:vMVn.Op2
勇者(あれ? メニューも同じ?)

勇者「あの、すみません」

「はい、お決まりですか?」

勇者「いえ、あのここってもしかして」

「あ、向こうのお店に行った事がある方でしたか?」

「あたし、あそこで働いていたんですけど、店長が体悪くして閉店になったんですよ」

「その時にまあ、看板を頂いたようなものですね」

勇者「じゃあ店内に使っている物って」

「格安で譲ってもらったんですよ。流石にお店までは買えないんで、安いところ借りてやっているんですよ」

勇者「へえ」
46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:12:50 ID:vMVn.Op2
勇者(これは俄然、食欲が湧いてきたぞぉ)

勇者(どのメニューも美味しいんだよな。根菜鍋に季節の山菜鍋)

勇者(高原薬草鍋か……新メニューかな)

勇者(根菜ソバ……? ソバって確かここら辺で取れる植物から作るパスタだっけ)

勇者「あの、ソバってパスタでしたっけ?」

「あー……パスタではないんですよ。ソバという穀物の実で作るからソバと言うんです」

勇者「ソバの実ですか」
47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:14:16 ID:vMVn.Op2
勇者(そういえばソバというものは食べた事がなかったな。よし)

勇者「すみませーん」


 根菜ソバ 65G
  ソバが見えないほど盛りだくさんの根菜類の鍋。
  醤油仕立てでかなりのボリューム。


勇者「ほう」

勇者(いい香りじゃないか)

勇者(それにこの野菜の量は頼もしい)
48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:16:38 ID:vMVn.Op2
勇者(思い出した。ソバは麺っていう種類ですすって食べるんだったか)

勇者(昔、別の料理を食べるのに練習したっけ。箸の使い方も)

勇者(どれどれ)ズゾゾ

勇者(ほう、ほう……いいじゃないか、これ)

勇者(野菜も美味い美味い)モグモグ

勇者(美味いんだが……よくよく考えたらこれは普通の作物の野菜だな)

勇者(となると、山菜も食べたくなってくるな)
49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:18:36 ID:vMVn.Op2
勇者「すみません、この山菜の漬物も下さい」

「はーい」


 山菜漬物 25G
  結構なボリュームの季節の山菜漬物。浅漬。


勇者「ふむふむ」パリパリ

勇者(結構あっさり目だな。うん、美味い美味い)

勇者(とすれば、山菜の保存食屋は当たりがあるかもしれない)

勇者(後で買いに行ってみないといけないな)
50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/03(木) 01:20:15 ID:vMVn.Op2
「ありがとうございましたー」

勇者(ふう食った食った)

勇者(今日はこのまま宿に泊まるとして、明日の朝にでも出発しよう)

勇者(ここから先は道も険しくなるし、しっかりと準備していかないとな)

勇者(それに山菜も)

勇者(さて、とっとと休むか)
51: 雑談 2016/03/03(木) 01:28:24 ID:vMVn.Op2
食べ物がメインの話は書いた事はない
予想の通り1G=10円、と言ってもかなり適当だけど

収入ら辺はほぼカットだけど
勇者の証持ち
 ある程度強いやつ(大きな集団のリーダーとか)を倒すと褒賞金
他の人
 依頼にある魔物を倒すと賞金。
 勇者のPTメンバーは公的に登録されていないので、賞金と報奨金の二重取りとかできちゃう
勇者
 得た薬草を調合し、簡単な薬の販売、魔物や動物の皮や骨の販売、遠くの地の特産等の販売
52: 明日役立たない雑学 2016/03/03(木) 01:34:56 ID:vMVn.Op2
コンポート
ヨーロッパの伝統的な果物の保存方法。
甘みが少ない、外れの果物を引いた時とかにコンポートにする事が多いらしい。
シロップやワインで煮込んだりもする。

根菜ソバ
ぶっちゃけけんちんそば。茨城の名物。
けんちん汁は元々精進料理で建長寺で作られていたとかいないとか。
名前の由来も建長寺説が有力らしい。
57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:06:10 ID:qN9UJNsk
次の町
勇者「やっと町かぁ……」

勇者(ちょっとオークが多かったな)

勇者(だいぶガタがきてるし、そろそろ装備も考えないと)

勇者(こんなところで鍛冶師もいないだろうし、買い替えかなぁ)


露店「」ガヤガヤ

勇者「へえ」

勇者(今日は市か何かをしているのかな)

勇者(何か掘り出し物でもあるといいな)
58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:08:24 ID:qN9UJNsk
勇者(とりあえず、装備を同程度の物に新調できたのは大きいな)

勇者(しかし、食べる物の類は少ないな)

勇者(殆ど物ばかりだ。干物の類とかあってもいいのに)

商人「お、あんた勇者様かい。これから出発ですかい?」

勇者「いえ、自分は他所からこちらに来た者です」チャラ

商人「はん? おいおいグリーンレイクの勇者様がなんだってこんな国に来てんだい」

勇者「分かるのですか?」

商人「聞いとらんのですかい? その勇者の証の魔石、国ごとに色が違うんでさあ」

勇者「へえ……緑って珍しいと思ったけどもそういう事でしたか」
59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:10:15 ID:qN9UJNsk
商人「一人旅ですかい? こりゃまた珍しい」

勇者「どうも自分は人と合わせるのが苦手でして」

商人「魔法はどうです?」

勇者「そこそこ、でしょうか。基本的な攻撃魔法と治癒魔法、転移魔法も使えます」

商人「お、いいですな。でしたらこの魔石はいかがでしょ」

勇者「それは?」

商人「伝達魔法を練り上げたもんでさ」

勇者「へえ?」
60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:12:17 ID:qN9UJNsk
商人「まあまあ、こいつを握って魔力を送ってみてくだせ」

何かのリスト「」ポォ

勇者「! なんだこの表は……視覚魔法も混ぜ込んであるのか」ハー

勇者(ある程度魔法が使えれば扱えそうだけど、魔石自体は結構複雑な構成をしていそうだ)

商人「その魔石を持っていれば、持っている同士で連絡……伝達魔法が飛ばせるって代物でしてね」

商人「中にはこうして所持している事をオープンにしているのもいるってもんですよ」

勇者「これ全部人の名前……店の名前も。あ、グリーンレイクもある。なるほど、国への連絡としても」

勇者「面白いなこれ。商いにも使えるんじゃ?」

商人「いやまあそうなんですが、魔法の才や知識がある程度必要なもんで」ポリポリ

勇者「なるほど……」
61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:14:12 ID:qN9UJNsk
商人「一度、使用者を登録すると使用者以外は動かせなくなるんで防犯もばっちり!」

勇者「今使えるのは?」

商人「未登録状態はオープンリストの確認まででさ」

勇者「なるほど……」

商人「お値段は4000Gですぜ、いかがです?」

勇者「4000G……」

勇者(簡単に買える額ではないけども)

勇者(今後、各地を回る事を考えると、特産の行商に活用できそうだな)

勇者(今までは細々とやってきたけど、本格的に取り組めそうだし……)

勇者「頂きます」

商人「毎度あり!」
62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:16:20 ID:qN9UJNsk
勇者(ええと登録してオープン設定)キィン

勇者(簡単、短い文なら登録できるのか。国の連絡先に異常なしってあったのは、旅人向けとかそんな感じか)

勇者(どうしようかな、各地特産販売、かな)キィン

勇者(よし)

勇者(痛い出費だけど投資投資)

勇者(さて、そろそろ何か食べるか)
63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:19:13 ID:qN9UJNsk
勇者(少し精もつけたいし肉かな)

勇者(こっちの道は店が多いんだな)

勇者(奥の方に料理屋があるのか。探す手間が省けてありがたいな)

勇者(ここは……炭焼き? 肉だろうとは思うけど何のだろう)

勇者(中が見えないのはちょっと勇気がいる店だな)

勇者(ここは菜食強めの料理屋か……こっちにはパン屋)

勇者(この店は……特に専門としているのはなさそうだな)

勇者(うーんどこも良い匂いで迷ってくるぞ)
64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:21:37 ID:qN9UJNsk
勇者(しかし、肉が強そうな店がないとは判断に困るな)ポリポリ

勇者(とは言え、うだうだしている訳にもいかないし)グゥ

勇者(ここは無難に無難に)ガチャ


普通の料理屋
「いらっしゃいませ」

勇者「さて」ゴクリ
65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:22:44 ID:qN9UJNsk
勇者(やっぱり普通の料理屋って感じか。さて何があるかな)

勇者(ほほう、ガーリックチキン。香草焼きもあるのか)

勇者(うん? オークステーキ? オーク? 本当に?)

勇者(亜人系なんて食べた事がないぞ)

勇者(しかしオークか……いや、男は度胸だ)

勇者「すみませーん。このオークステーキと……ミネストローネを下さい」
66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:24:33 ID:qN9UJNsk
 オークステーキ 175G
  でかでかと大きな肉だけが皿にのっている。本当にオークの肉。
  味付けはガーリック・自家製ソース・ブラックペッパーから選べる。
 ミネストローネ 65G
  玉ねぎニンジンベーコン、そして大きなニョッキが入ったミネストローネ。重たい。


勇者(うーん、随分と高いミネストローネだと思ったけど、これで一食賄うものだったか)

勇者(まあ今更言っても仕方がない)キコキコ

勇者「まずはステーキ」ムグ

勇者(ふむふむ、豚のようでかなりどっしりとした歯ごたえ。なるほどなるほどこういうのか)モギュモギュ

勇者(パンもポテトもついていないなんて珍しい、とは思ったけど肉だけで大満足のボリュームだ)
67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:26:50 ID:qN9UJNsk
勇者(うんうん、ガーリックがいい感じに引き立ててくれている)

勇者(さてミネストローネ)スス

勇者(うーん、このトマト特有の酸味感。これだよこれこれ。最近のはマイルドなのが多いから困る)スス

勇者(ここの店、よく分かってらっしゃる)パク

勇者(しかしこのニョッキは大きいし多いな。他の料理につけるミネストローネもあったのかな)モグモグ

勇者(ふーん、これはじゃがいもで作っているのか)パク

勇者(しかし、やはりこの量はくるなぁ。とってもニョッキ・ジョベディだぞ)
68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:30:09 ID:qN9UJNsk
勇者(これで似たような味だったら悲惨だったな。不幸とまでは言わないけど幸いだ)キコキコ

勇者(既にだいぶ腹が膨れてきたけど)モギュモギュ

勇者(うんうん、美味い美味い。これは幸せな悩みだ)


「ありがとうございましたー」

勇者「うぅ」ゲフゥ

勇者(流石に食いすぎたか。このまま出発するつもりだったけど、今日は宿に泊まってしまうか)

勇者(ちょっと散財し過ぎたな。注意しないと)
69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:32:33 ID:qN9UJNsk
しばらく後 タイニークリフ首都
勇者(節約に節約を重ねて路銀も貯まったし、そろそろ元の生活をしてもいいか)

勇者(とは言え首都は初めて来るな。場所が場所だけに高そうだな)

勇者(しかし、ここは標高もそこそこで少し体が冷えるな)

勇者(何か暖かい物が食べたいな)

勇者(汁物か……汁物だな。首都だし、何かしらそういう店はあるだろう)
70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:35:00 ID:qN9UJNsk
勇者(とは言ったものの専門にしている店はないか)

勇者(うーん、店の違いが分からない)

勇者(どこも普通の料理屋のように見えるし……)

勇者(何よりどこも良い匂いがして決めかねるなぁ)

「よっこらせっと」ガチャチャ

勇者(料理屋の人か出てきたか……よし)
71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:36:32 ID:qN9UJNsk
勇者「すみません、ここら辺で美味しい汁物……スープ類が食べられるお店はありますか?」

「うーん、何処の店でもありますよー」

勇者「と言いますと?」

「この辺りぐらいから北や標高の高いところは、暖かいスープの郷土料理があるんです」

「で、何処が一番というよりはお客さんに一番合う味付けのお店を、となってしまうんですよ」

勇者「因みにここのお店は?」

「……ふふ、秘密です」

勇者「敢えて言わない、ですか。中々商売上手ですね」

「まあ、どこのお店でもとっても美味しいですから、あまり深く考えなくてもいいと思いますよ」

勇者「ふーむ」

勇者(えい、何かの縁だしここにするかっ)
72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:38:36 ID:qN9UJNsk
カランカラン
「あはは、ありがとうございます。空いている席にお座り下さい」

勇者「ええと、先ほどの郷土料理というのは?」

「このコシード・ガジェゴというものです」

「肉や野菜をじっくり煮込んだ物で、最初にその煮汁でパスタを食べ、後に肉や野菜を食べるものです」

勇者「へえ、面白い食べ方ですね」

勇者「そのコシード・ガジェゴと……えーと」

勇者(うん? これは牛もつ煮込みか。肉かぁ、モツだし厳密には被らないな)

勇者「この……カジョス・ア・ラ……マドリレーニャをお願いします」

「はい、畏まりました」
73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:40:03 ID:qN9UJNsk
勇者(スープとは言え煮込み料理か……カジョスと被っちゃったかな)

勇者(まあ、味付けは違うだろうしいいか)

勇者(しかしパスタも付く事を考えると、ちょっと量が多いかもしれないか)

勇者(まあ、腹も空いているし何とでもなるだろう)

勇者(それにしても、勇者の情報はあまり集まらないな。やはりもう少し先に行かないといけないのか)

勇者(そろそろ西を目指してみるか)
74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:42:05 ID:qN9UJNsk
「はーい、お待たせしました」


 コシード・ガジェゴ 70G
  鶏肉や塩漬け豚のばら肉、じゃがいもにひよこ豆にニンジンなどの具が盛りだくさん。ポトフに近い。
  生ハムの骨等の出汁で煮込み、塩胡椒で味付け。スープパスタに具沢山スープと二度美味しい。
 カジョス・ア・ラ・マドリレーニャ 45G
  牛の腸やチョリソ等の他、トマトや玉ねぎ等の野菜と煮込んでいる。
  パプリカや鷹の爪で味付け。真っ赤。


勇者「ほほう!」

勇者(匂いを嗅いだだけで涎が溢れてきそうだ。これは堪らないな)

勇者(格式ばったところでもないし、パスタとスープを一緒に出してくれるのはありがたい)

勇者(これでパスタの後だなんて言われたら生殺しもいいところだ)
75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:44:33 ID:qN9UJNsk
勇者「まずはパスタ」アグ

勇者(うーん、この味、この素朴な味。いいよ、これ凄くいい)モグモグ

勇者(まさか首都でこんな物が食べられるだなんて思ってもみなかった)

勇者(さてさて、こうなってくると牛モツちゃんも期待が高まってくる)パク

勇者(へえ、こういう感じか。見た目とは裏腹に殆ど辛くない)モギュモギュ

勇者(下手に辛くするだけじゃない。噛めば噛むほど味が広がる)パク

勇者(これ、結構凄い気がする。とっても美味しいぞ)モギュモギュ
76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:47:05 ID:qN9UJNsk
勇者(そろそろスープも)カチャチャ

勇者(この豚肉の大きさ、なんて頼もしいんだ)バク

勇者(味があっさりとしつつ、深くしっかりと染み込んでいて堪らない)モギュモギュ

勇者(油断ならないぞ、首都で食べる郷土料理っ)バク

勇者(この味の染み込んだ野菜も泣かせてくるっ)モグモグ

勇者(初め見た時は結構量があるなんて思ったけども、今じゃ腹がはち切れても食べていたいと思っている)パク

勇者(恐るべき魔性の料理だっ)モグモグ
77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 00:49:57 ID:qN9UJNsk
「ありがとうございましたー」


勇者「ふぅ。久々に超満足だった」

勇者(それにしても辛い料理でもなかったのに、体がポッカポカだ)

勇者(きっと、ここの国の冬は皆あれを食べるんだろうな)

勇者(ふふ、今の自分の心はタイニークリフ人だ)

勇者(さあて、食休みをしたら明日に備えてから、宿に向かうか)

勇者(今日はいい夢が見れそうだ)
79: 明日役立たない雑学 2016/03/06(日) 01:03:32 ID:qN9UJNsk
ニョッキ
イタリア料理で昔は小麦粉練って茹でれば出来上がり。今はじゃがいもをメインにして練る。
名称は指の節目のnocca(ノッカ)から来ているらしい。
イタリアだと滋養のあるものや重い食べ物を木曜に食べる習慣があり、
ニョッキは腹に溜まる為、木曜に食べることが多くなったそうな。
だもんでgnocchi Giovedi(ニョッキ・ジョベディ)、木曜のニョッキと呼ばれるんだとか。

でも日本人で30代前後だと芋虫料理かと思うよね

  \ ニャッ! /
     ,,,
    (l l )
    |  |
    |  !、__
    ヽ、____)
80: 明日役立たない雑学 2016/03/06(日) 01:11:31 ID:qN9UJNsk
コシード・ガジェゴ
スペインの煮込み料理。
コシード(煮込み料理)・ガジェゴ(ガリシアの)って事で、ガリシア地方じゃ家庭の味だとか。
この他にもカルド・ガジェゴなんてのもあるけども、違いがよく分からない。
パスタなしのような。あと比較的こちらはカブを材料にするっぽい。

カジョス・ア・ラ・マドリレーニャ
スペイン、マドリッドの伝統料理。真っ赤な牛の腸の煮込み。
チョリソというパプリカで味付けした豚の腸詰や、
モルジージャという血入りの豚ソーセージと一緒に煮込む事も。
そもそもスペイン人は辛いものが苦手らしく、色の割にはたいして辛くないらしい。
81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/06(日) 01:31:32 ID:aoqH7giw
乙ニョッキ
なかなか造詣の深い>>1だな
85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:12:45 ID:cmtXZVaQ
タイニークリフ 南西
勇者「ふう、ふう……やっぱりここら辺は険しいな」

勇者「よっと……ふう。おっ町が見えてきたな」

勇者(しかし今日は疲れたな……早く休みたい)

勇者(あと美味しい物も食べたい)

勇者(ここら辺まで来ると暖かいスープものは少ないだろうなぁ)

勇者(むしろスープは冷たい物がいいな)
86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:15:10 ID:cmtXZVaQ
勇者(この辺りは色んな鉱石が取れるからか、色んな土産物に使われているな)

勇者(この緑の石……地域によってはかなり稀少だったような)

勇者(うんうん、ここもメモしておこう)

勇者(それにしても魔石、連絡は中々こないもんだな)

勇者(もっとこう、実際に取引してこの魔石使っているのを宣伝しないとかなぁ)

勇者(あまり、こちらから出向いて回るのは得意じゃないんだよなぁ)
87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:18:18 ID:cmtXZVaQ
道具屋「ほうほう……しかしうちでは特にはいらんかねぇ」

服屋「もう少し小さいのだったら欲しいけども」

家具屋「いいなぁ……ただ、そこまで装飾にこだわる余裕がないんだよなぁ、うち」


勇者(やはり難しいものか)

雑貨屋「ふーん、へー……お、この赤目石っていうのいくらぐらい?」

勇者「! そうですね、25G程度でしょうか」

雑貨屋「うーん、この大きさなら20Gにまけてよ」

雑貨屋「これより小さいの……これぐらいのサイズのがあったら40Gで買うからさ」

勇者「……。分かりました、商談成立という事で」

雑貨屋「お、ありがとさん」
88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:21:38 ID:cmtXZVaQ
勇者「因みに、この大きさだとして、いくつぐらい要りますか?」

雑貨屋「そうだなぁ。ちょっとした装飾に使いたいだけだから、あと10個もあれば十分かな」

勇者「分かりました。それでしたら、明後日に10個納品しますよ」

雑貨屋「ほんと?! わぁ、転移魔法使えるのか。助かるよー。あ、小さいのだったら別に20個欲しいな」

勇者「ええ、探してみますね」

雑貨屋「やったっ。しっかし、今後はどうやってこれを購入しようものか」

勇者「この伝達魔法の魔石で連絡先を設けているんですけどねぇ」

雑貨屋「そんなん持っていないし、魔法使えないよー」
89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:24:20 ID:cmtXZVaQ
雑貨屋「あ、役場にあったな」

勇者「そうなんですか?」

雑貨屋「有料だけど、使う事がなかったからなぁ。けど、それ使えば頼めるのか」

勇者「自分もまだ連絡を取り合った事がないので、実際どんなものかは分からないんですけどね」

雑貨屋「いいよいいよ、すぐにって事もないからさ」

勇者「はは、ですね」
90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:28:10 ID:cmtXZVaQ
勇者(思わぬ成果だ。やってみるもんだな)

勇者「よし、腹ごしらえをしたら転移魔法を使うか」

勇者(もの凄い便利だけど、一日一回の使用までの縛りも中々厳しいもんだな)

勇者(まあ、転移魔法まで使える人だと、大抵魔法に関する職業に就いたり、ギルドや協会に入っているからなぁ)

勇者(商人紛いな事、というか安直な事や低俗な事をしてると干されるって言うし。基準がよく分からないけど)

勇者(おまけに商人で魔法使える人は少ないから、往復二日でも大きなアドバンテージになる訳だ)

勇者(今後はもっと、足で稼いでみてもいいかもな)
91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:30:19 ID:cmtXZVaQ
勇者(さて、何か冷たい物が食べたい、が……)

勇者(それほど大きい町でもなし。料理屋が二軒に酒場が一軒か)

勇者(うーん、どちらの店もどう違うのか何とも……)

勇者(片方はちょっとお洒落な感じだな。たまにはこういう店でもいいか)


「いらっしゃい、空いているからどの席でもいいよ」

勇者(内装もお洒落でいて落ち着いた雰囲気だ)

勇者(の割に店主はフランクだな。変わった店だがさてさて)
92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:33:30 ID:cmtXZVaQ
勇者(うーん、結構普通だな……いや、スープ類が多いか)

勇者(お、デザートも充実してる。うんうん、これは楽しみになってきたぞ)

勇者(肉料理は少なめかぁ。でもそれなりに食べたいしなぁ)

勇者(ラム肉の網焼き、鶏の香草炒め……白身魚のムニエル、確か近くに小さい湖があったんだっけ)

勇者(お、トルティージャか。たまにはいいか)

勇者(へえ、冷製のミネストローネなんかあるんだ。うん? ガスパチョ? なんだろう)

勇者(トマトの冷製スープ? ミネストローネを冷やしたって訳じゃないんだよな?)

勇者(養鶏が盛んなのかな。プリンやらクレープやら卵を使ったデザートが多いな)

勇者(ふんふん、よし)
93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:36:32 ID:cmtXZVaQ
 トルティージャ 50G
  じゃがいもと玉ねぎたっぷりの円盤型のオムレツ。
 ガスパチョ 35G
  冷製トマトスープ。キュウリにピーマンにパンのざく切りと、細かくしたゆで卵が乗っている。
 クレマ・カタラナ 30G
  表面がパリパリのカラメル層のあるカスタード。


勇者「ほほう、これはこれは……」ザク

勇者(うんうん、このトルティージャ、具が多い)バク

勇者(ハム入りの方が好きだけど、贅沢は言えないか)

勇者(しかしちょっと小さいな。やっぱりお洒落な店は量の満足度が何ともいえないな)

勇者(にしてもガスパチョ。一緒に他の野菜を煮込んでいる訳じゃないのか)ススゥ

勇者(ほう、ニンニクがきいていて中々これは……)スス

勇者(うーん、良い味だ。これは暑い夏場に飲みたくなるなぁ)
94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:39:27 ID:cmtXZVaQ
勇者(何となくで選んだけども)バク

勇者(卵料理にトマトスープ。中々いいチョイスをしたな)

勇者(さてさてクレマ・カタラナ。なんだかクレームブリュレみたいだな)パク

勇者(うん、あれとの違いはよく分からないが美味い美味い)

勇者(しかし……ちょっと物足りないな。トルティージャ、もっと量があると思ったのに)

勇者(とは言え、もう一品主食というのもあれだしな……)

勇者(いや、量が少なそうだし逆にあれか? うーん、腹にしっかり溜まりそうなものの方が無難か?)
95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:44:22 ID:cmtXZVaQ
 ホットケーキ 40G
  生クリームとメイプルシロップがついたクレープ。
  クリームとシロップの量に比べて、ホットケーキが凄い大きい。


勇者「ほお……これはなかなか」

勇者(やはり養鶏が盛んなのは間違いなさそうだな。トルティージャは謎だけど、思ったとおりの大きさだ)サク

勇者(うんうん、この端っこのサクサク感、とっても大好きだ)

勇者(しかし、生クリームとメイプルシロップのダブルパンチは嬉しいけど、量が少ないな)

勇者(これは上手く調節して使わないと足りなくなるぞ)パク

勇者(とは言え、これも美味しいなぁ。うんうん、まん丸ホットケーキ、花丸だ)パク
96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:46:10 ID:cmtXZVaQ
「毎度ね。またきなよ」


勇者「ふう、満腹満腹」

勇者「もう一軒の店はどうなんだろう。やっぱり卵料理が多いのかな」

勇者(とすると鶏肉の保存食も売っていたりするのかな)

勇者(でも肉用の養鶏って結構規模が大きいところじゃないとあんまりないような)

勇者(近くにあったりしないのかな。ま、明後日探してから出発すればいいか)
97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:49:03 ID:cmtXZVaQ
数日後 タイニークリフ 南西
勇者(それにしても、あの商談。思った以上に大きいな)

勇者(探せば小さい赤目石もあるもんなんだな)

勇者(うんうん、今後の生活が決まった気がする。と言ってもそうは上手くいかないか)

勇者「うん?」

空に魚影「」サササー

勇者「へえ、飛翔魚っ。そういえば高地に生息しているんだったか」

勇者「群れを見るのは初めてだなぁ」

勇者「待てよ。もしや」
98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:51:11 ID:cmtXZVaQ

飛翔魚「」チビチビ

勇者(思ったとおりだ、湖の水を飲みに来ている)

勇者(よし……狙いをすまし小範囲で)

勇者「雷魔法」ビッ

飛翔魚「!」バリリィ

飛翔魚「!!」バッ

飛翔魚「」ピクピク

勇者「よし、取れた取れた」
99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:54:50 ID:cmtXZVaQ
勇者「三匹か……ちょっと物足りないけどまあいいか」

勇者「口から棒を刺してぐりっと捻り……」ズルゥ

勇者「内臓を抜いて中に香草を詰めて、ぱらっと塩を振る」パッ

勇者「あとは火を起こして……」ボゥッ


 飛翔魚の香草焼き
  簡易なアウトドア食。香草がないとただの塩焼き。
  ちょっとだけリッチな気分。


勇者「はふはふ」ガブリ

勇者「うん、まあこんなもんかな」モグモグ
100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/12(土) 21:57:08 ID:cmtXZVaQ
勇者「簡単に作ったとは言え、飛翔魚自体が美味しいからなぁ」ガブゥ

勇者「噛めば噛むほど味があるし、香草もいいアクセントになっている。丁度いい量だ」モグ

勇者(そういえば、誰かと旅をしていた時には)モグ

勇者(調味料やら料理にお金をかけ過ぎてよく喧嘩になったっけ)バク

勇者(何処までいっても、自分は誰かと旅をするのは向いていないな)モグモグ ゴクン

勇者「ふう……美味しかった」

勇者「さて、もうすぐ商業都市だ。何かいい事があればいいんだが……」
102: 明日役立たない雑学 2016/03/12(土) 22:12:38 ID:cmtXZVaQ
トルティージャ
スペインの平らに丸く焼いたオムレツ。
一般的にはじゃがいも、玉ねぎ、ほうれん草、ベーコンなどを具にして、塩で味付けするそうだ。
と言っても、具は人それぞれで生ハムいれたりエビ入れたり色々らしい。
本場のトルティージャだと、じゃがいもと玉ねぎをたっぷりの油で揚げる様に煮て作るんだとか。

ガスパチョ
スペイン・アンダルシアの冷製トマトスープ。
トマトメインな為にちょっともったりしているらしい。
同地域には更にトマトの量を増やしたトマトスープ、サルモレッホなんてのもある。
更にもったりしていて、ガスパチョのように具をトッピングして食べる。

クレマ・カタラナ
スペインのデザート。おフランスのクレームブリュレの起源と言われる説が強いらしい。
3月19日の聖ヨセフの日に食べるそうな。
因みに違いはクレマは湯煎しない、クリームを使わない。
最も、今は普通にクリーム入ってるらしいけど。
109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:14:31 ID:g2YaZO7Y
三週間後 馬車内
勇者(セントラルカーベース。行くのは久しぶりだなぁ)ゴトゴト

勇者(楽しみだなぁ。何を食べよう)

勇者(とは言え、周囲にまともな町がないのはいただけないな)

勇者(その分、休憩所のような小屋と馬車による、各地の行き来が充実しているから行くのは楽だけども)

勇者(まあ、これも旅の醍醐味ってやつなのかな。商業都市限定だけど)
110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:15:30 ID:g2YaZO7Y
小屋
「今日はここで宿泊となりまーす。明日の昼ごろにセントラルカーベースに到着の予定です」

行商人A「あーよっこらせ」

行商人B「楽なんですが少々高いのと、腰にくるのが何ともですな」

行商人A「ですな」ハハハ

勇者(さあて今日のご飯は何かなぁ)
111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:16:30 ID:g2YaZO7Y
 暴れ大鶏と玉ねぎとトマト炒め
  ごくごく普通の料理。ライス付き。量は普通。
 コンソメスープ
  玉ねぎとニンジンが入っているけど、量が少なく寂しいスープ。


勇者(やっぱりこんなもんか)

勇者(馬車移動の代金に含まれてる料理だし、食費も考えると決してそこまで高くない料金)

勇者(となると、連日こんなぐらいだよな)
112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:17:30 ID:g2YaZO7Y
勇者(だけどまあ、贅沢は言えないか)パク

勇者(肉があるだけ良しとしよう)モグモグ

勇者(うん、だけど具は悪いのを使っているわけじゃないから美味しいな)

勇者(暴れ大鶏もこの辺りに生息しているし、北側から東にかけて野菜の輸入ルートが多いからな)

勇者(南側だと魚が多いのかな)

勇者(しかしこのトマト、甘めだな。そういう品種なのかな)
113: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:18:30 ID:g2YaZO7Y
勇者(寂しいスープだけど……)ズズ

勇者(味はいいんだから文句は言えないな)

勇者「ふう……」

勇者(しかし)

勇者(……物足りないな)クゥゥ

勇者(やる事はないし、とっとと寝てしまおうか)
114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:19:51 ID:g2YaZO7Y
セントラルカーベース
勇者「うーん、久々の大都市だぁ」ノビー

勇者(一先ずは情報探しかな)


……
勇者(やっぱりここを通る勇者は多いな)

勇者(全員を見ればこの先の……ソードフォレストとヴォルケイノには誰かしらが進んでいる)

勇者(位置的に少し戻る事になるウォーターサーフェス行きの情報はないけども、どうなんだろうか)

勇者(一応行ってみるかな)グーキュウウウ
115: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:20:59 ID:g2YaZO7Y
勇者(それにしても、腹が減ったな)

勇者(とは言え……気づいてみればもうこんな時間か)トップリ

勇者(参ったな。どっかさっとでもいいから食べたいが酒場ぐらいしかやっていないかな)

勇者(宿は取っておいたけども、もう夕食はないだろうし)

勇者(完全に失敗したなぁ。酒場を探すしかないか……うん?)

勇者(なんだろう、あの店まだやっている?)

勇者(それにしては酒場っぽくないし。ちょっとよってみるか)
116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:21:49 ID:g2YaZO7Y
「いらっしゃーい」

勇者(これは……弁当屋みたいなものか?)

勇者(なるほど、首都ともなると遅くまで活動する人もいるんだろう)

勇者(夜間営業のお店もあるという訳か)

勇者(ここで買って宿屋で食べるとするか)

勇者(それにしても……意外と種類が多いな。これは迷うな)
117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:23:04 ID:g2YaZO7Y
勇者(うん? 肉料理はその場で調理? へえ、出来立てをテイクアウトっ)

勇者(夜中にホカホカをだなんて、都市が見せる大きな気遣い。泣かせてくれるじゃないの)

勇者(ラム肉のロースト、手長エビのロースト……突撃豚のステーキかぁ。うーん、札を見ているだけで涎が出る)

勇者(小魚のチップスに白身魚の蒸し焼きにガーリックチキンっ。豊富な肉類に魚! つけいる隙がないじゃないか)

勇者(うん? これはタルトのケーキ? パイ? あ、キッシュ・ロレーヌか。そういえば食べた事がないな)

勇者(トマトの冷製パスタか。これもそそるなぁ。へえ、ピザなんかもあるのか)

勇者(コーンスープにミネストローネ。ポトフまであるのか。心強いなぁ)

勇者(困ったなぁ。これは中々決められないぞ)
118: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:23:50 ID:g2YaZO7Y
勇者(魚介マリネにマンドラゴラサラダ、オニオンサラダも悪くない)

勇者(ウィンナーにチョリソのグリル、豚肉スライスロースト!)

勇者(単品のおかずまであるだなんて。このお店、死角なし!)

勇者(これはとんでもないお店だぞ。遅くまで時間がかかってよかった)

勇者(普通に過ごしていたら、ずっとここのお店知らずにいるところだったぞ)

勇者(しかし、ふむ……どうしたものか。ええい、迷った時は食べたい物を買って食べるっ)
119: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:25:15 ID:g2YaZO7Y
宿屋
勇者「さあて……」ゴソゴソ


 キッシュ・ロレーヌ 65G
  タルトにいっぱいのベーコン、玉ねぎ、アスパラガス。
  更にチーズどか盛り。中々お目にかかれない。ボリューミー。
 ペスカトーレ 55G
  魚介類のトマトソースのパスタ。イカや様々な魚の身が入っている。
  少し小さめ。
 ウィンナーのグリル 45G
  大きいウィンナー二本のグリル。ソースはお好みで。
 パンナ・コッタのブドウソース添え 38G
  カップ状の器にパンナ・コッタとブドウソースが層になっている。
  少なくとも添えではない。


勇者「この勢い余って買いすぎてしまった感」

勇者「まあ、最悪明日の朝食べるとするか」
120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:26:38 ID:g2YaZO7Y
勇者「さてまずは……」ザク

勇者「このキッシュ・ロレーヌ、チーズが凄いなぁ」ウニョー

勇者「聞いた話よりも凄いな。きっとこんな頼もしいキッシュはそうそうないぞ」バク

勇者「うーん、流石首都。良いチーズだ」モグモグ

勇者「この輝くアスパラもいい」パク

勇者「値段は高めだけどそれ以上の心遣い。嬉しいじゃないか」モグモグ

勇者「ペスカトーレもイカエビ貝類じゃないってのも珍しいな」アグ

勇者「しかもこの魚の身、一種類じゃないな」モグモグ

勇者「もしかしたら、雑魚とかなのかもしれない」モグモグ

勇者「その上でこの具の多さなら、あの店の店主は逆に天才ではないか」パク
121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:27:43 ID:g2YaZO7Y
勇者「うんうん、トマトもいい味してる」モグモグ

勇者「さて、と。こういう大きいウィンナーと言ったら」

勇者「粒マスタードをガンガンのせて」バグゥ

勇者「くーーっ美味い!」

勇者「ああ、なんて幸せなんだ。酒は飲めないが、これだけで十分幸せじゃないか」パク

勇者「しかしこうなってくると、キッシュ・ロレーヌがちょっと薄味に感じてきたな」モグモグ

勇者「仕切りなおしのスープでも買ってくればよかったか。まあこんなしくじりもアリか」バグ
122: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 00:28:42 ID:g2YaZO7Y
勇者「ううっぷ……流石に食べ過ぎたか……」

勇者「さてデザートを……」プリュン

勇者「うんうん」パク

勇者「ブドウの甘酸っぱさもいい感じだ。しかもこのソースの量。太っ腹だ」パク

勇者「しかしこれでほぼ40G。都会価格だなぁ」パク

勇者「ま、美味い物にケチつける程の額でもないか」パク

勇者「ふうう……満腹だぁ」

勇者「うーん、大満足。これで寝たら明日は牛になっていそうだ」

勇者「ふああ……とは言えいい時間。支度を済ましたら寝るとするかな」
123: 明日役立たない雑学 2016/03/14(月) 00:30:43 ID:g2YaZO7Y
キッシュ・ロレーヌ
フランスのアルザス・ロレーヌ地方の郷土料理。
パイ生地・タルト生地で作った器の中に、卵やひき肉アスパラガスなどを入れる。
そこへたっぷりのチーズをのせ、オーブンで焼き上げればキッシュの出来上がり。
これにクリームやベーコンを加えると、キッシュ・ロレーヌ(ロレーヌ風キッシュ)となる。

ペスカトーレ
ペスカトーレとは、漁師という意味の名を持つイタリア料理。
元は漁師が売れ残りの魚を、トマトソースで煮込んだのが始まりだとか。日本で言うあら汁。
特定のレシピがない為、魚介類をトマトソースで仕上げるとペスカトーレってつく事が多いらしい。

パンナ・コッタ
イタリアのお菓子。生クリーム(パンナ)を煮た(コッタ)もの。
生クリームの量が多いから高カロリーなんだとさ。
日本では90年代初め、森永乳業等が販売してブームになり、喫茶店やレストランのメニューになったそうな。
125: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 01:33:19 ID:DM6Yl186
絶対俺より幸せな生活してるわこの勇者
126: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/14(月) 05:22:56 ID:NNQ9Q8Fw
食べることを堪能している人は幸せそうだよな
129: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:25:51 ID:gLo3VR4w
勇者「ふう……悪くない値で売れたな」

勇者「やはり遠くの特産品は買い手さえいれば、商業都市だと高値で売れるな」

勇者「とは言え、その買い手を捜すのが大変な訳だが」

勇者「お陰で今日もとっぷりと暮れてしまったな」

勇者「昨日のお店、もいいけど、今日は別のところにするか」プラプラ

勇者「酒場以外に夜間営業のお店ってないのかな」
130: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:27:35 ID:gLo3VR4w
勇者「お? どう見ても喫茶店にしか見えないが……」

勇者「酒場、なのかな?」

勇者「ううーん。中が見えないのは勇気がいるなぁ」

勇者「うん? 誰か出てくるか」イソイソ

女性A「あー美味しかったね」カランカラン

女性B「でしょ? だからオススメだって言ったじゃん」

勇者「……」

勇者「酔っているようにも見えなかったし、本当に喫茶店なのかも……」

勇者「うん、ここだな」
131: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:30:19 ID:gLo3VR4w
カランカラン
マスター「いらっしゃい」

勇者(へえ、内装はこうなっているのか)チラッ

勇者(お酒、呑んでる人いるな。お酒が呑める喫茶店、て感じか)

勇者(となると、やっぱり量が少ないのかなぁ)

勇者(ディナーメニューもあるのか……。量は分からないけど、結構肉料理が多そうだな)ペラ

勇者(オーソドックスにローストにするか。うん? ユニコーンのタルタルステーキ?)

勇者(え? 嘘? ユニコーン? 本当なのか?)
132: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:33:31 ID:gLo3VR4w
勇者「……」チラッ

勇者「……」チラリ

勇者(それらしき物を食べている人はいない……都会じゃ珍しくないのか? 高いからか?)

勇者(それとも、別の肉をそう呼んでいるとか……ううん、しかしユニコーン)

勇者(食べた事がない分、俄然食べたくなってきてしまったぞ)

勇者(ここは騙されたと思って頼んでみるか)
133: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:36:13 ID:gLo3VR4w
 ユニコーンのタルタルステーキ 200G
  やや円柱状にした粗いみじん切りの生肉の上に、卵黄と様々な薬味がのっている。
  量はそこそこだがかなり高い。


勇者(ううーん、普通の肉に見える)

勇者(言っても仕方がないか)カチャチャ

勇者(卵をといて、薬味と肉を絡めて)パク

勇者「んん!」

勇者(なんだこれ! 柔らかくて、何とも言えないこの甘み!)モグモグ
134: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:39:21 ID:gLo3VR4w
勇者(よくある肉の甘みとも違うし、まさか砂糖を入れてあるとかじゃないよな)パク

勇者(うんうん、これ凄いな。ユニコーン肉、真贋なんてどうでもよくなる)モグモグ

勇者(ああ、まずい。いかんぞ。こんなの、もっと味わって食べないといけないのに)バク

勇者(手が止まらない、止められないぞ)モグモグ

勇者(本当の高級というものはこういう事なのか)パク

勇者(タルタルステーキってあんまり得意じゃなかったけども)モグモグ

勇者(このユニコーンの肉なら、いくらでも食べられるな)ゲフッ
135: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:42:39 ID:gLo3VR4w
カランカラン
勇者「ふう……」

勇者「まだ食えるけども、これぐらいにしておくか」

勇者「うん、ユニコーン肉。あれはユニコーン肉でいい」

勇者「それにしても、たまにはああいう高級な物もいいな」

勇者「それ相応の価値、良い物を知ってしまったなぁ」

勇者「さて、明日は出発だし早めに寝るか」
136: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:45:20 ID:gLo3VR4w
数日後 グリーンレイク 南西
勇者「ってところで転移魔法が活きてくる訳だ」

勇者「流石に商業都市からよりも、こっちの方が近いからなぁ」

勇者「あとしばらくすればウォーターサーフェスの領土」

勇者「早く魚介料理が食べたいな」ジュルリ

勇者「と言っても海岸線、ウォーターサーフェスの本番はもうちょっと先なんだよなぁ」
137: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:48:25 ID:gLo3VR4w
ミニオーガ「」

勇者「ふう……こんな所にミニオーガがいるなんて」

勇者「もっと険しい地にいるはずなのに」

勇者「やはり、魔王軍によってざわついているのは、人間だけじゃないんだな」

勇者「少し疲れたな」

勇者「ちょっと早いが休憩にするか……」

勇者「木々を組んで、火をつけて……さて」ゴソゴソ
138: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:50:33 ID:gLo3VR4w
 キラーダックのコンフィ 150G
  テイクアウトした水辺に棲むキラーダックのコンフィを、バリッと焼き上げた。
  ポテトとパンは他所で買って付け合せに。


勇者「あちち」ガブリ

勇者「うん、美味い美味い」モグモグ

勇者「こういうちゃんとした肉って肉、干し肉じゃ味わえないからなぁ」モグモグ

勇者「しかし、付け合せにとパンやら買ってきたけど」

勇者「お皿もないのに、ただ食べ辛いだけだな」
139: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:52:35 ID:gLo3VR4w
勇者「ある地方じゃ口内調味なんて考えもあるし」ガブリ

勇者「少し行儀が悪いが、肉を齧った口でそのままパンも」ガブリ

勇者「うんうん、ミートサンド、ではないけども美味い美味い」モグモグ

勇者「もっと魔法が上手ければ、肉類も冷凍したまま持ち運べるんだが……」

勇者「これ以上、贅沢は言えないよな」ガブガブ

勇者「少しデザート類が欲しくなってきたな」モグモグ

勇者「商業都市に行くと、つい贅沢してこの反動があるから、ついつい行くのを躊躇ってしまうんだよなぁ」
141: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/20(日) 23:54:47 ID:gLo3VR4w
勇者「ああ、美味しかった」

勇者「そういえば、この先の水辺はキラーダックが生息しているんだっけ」

勇者「上手くいけば、生肉手に入るのかな」

勇者「丸焼きなんていいなぁ」

勇者「香草を詰めてじっくり焼くのもありだ」

勇者「ふふ、食ったか傍からもう次の食事のことを考えている」

勇者「どれだけ腹ペコなんだろうな、俺」

勇者「ここら辺はまだ木々も多いし、少し仕掛けに使える枝を探してから行こうかな」
142: 明日役立たない雑学 2016/03/21(月) 00:11:46 ID:7vipBarA
タルタルステーキ
欧州の料理らしいけども、そのルーツは別にある料理。
諸説あるけども、モンゴル帝国の遊牧民の諸民族を漠然と指すタルタル人が由来だとか。
彼らは遠征時に馬を何頭も連れて行き、一部を食用とした。が、乗用なんでめっちゃ硬い。
だもんだから、細かく刻んだ肉を袋詰めして、鞍の下に敷いて潰してから味付けして食べたんだとか。
生ハンバーグ。

コンフィ
今ではフランスの高級料理だけど、元は重要な保存の効く調理法。
肉をオイルで低温でじっくり煮込み、密封して冷たい所に保管すれば数ヶ月の保存に耐えたとか。
発祥としては水鳥や豚肉らしいけど、真のコンフィは水鳥らしい。
地域によって、使われる油が異なり、その地で多く取れる物が用いられる。
一応、果物のコンフィもあるらしいけども、コンポートと同じっぽい。
145: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/22(火) 11:54:44 ID:twwpGorM
ユニコーン肉はやっぱり馬肉に近いんだろうか
しかし腹が減る
146: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:13:47 ID:DKSYuBBI
ウォーターサーフェス 中心地近辺
勇者「はーいつ来てもいい景観だなぁ」

勇者「この水面に浮かぶような木造の家の数々」

勇者「水に浸かってはいないけど水面で生活している感じ、とっても好きだな」

勇者「それにしても、ウォーターサーフェス発の勇者は数が少ないんだな……」

勇者「まあ……元来、漁師の多い国だし、お国柄、のんびりとしているからなぁ」
147: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:15:42 ID:DKSYuBBI
勇者「しかしそうなってくると、ウォーターサーフェスにいる意味はあまりないよなぁ」

勇者「出来れば各地の町へ転移魔法が使えるように、訪れておきたいがそれはまたの機会にするか」

勇者「とすると、このままヴォルケイノ向かってから、ソードフォレストかな」

勇者「どっかで魚料理を食べたら、ルートの確認をしておかないとか」

勇者「まだ時間もあるし、市場でも寄ってみるか」


勇者「うんうん、この魚だらけの市場。ワクワクしてくるなぁ」

勇者「とは言え、物ではない以上、あまり持ち歩く訳にはいかないからなぁ」

勇者「チェックだけして、購入は控えておくか」
148: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:18:09 ID:DKSYuBBI
勇者「へえ……海藻類の乾物。これ、お湯をかけたら磯の味のするスープになるのかな」

勇者「となると、こういう類の魚もあるのかな」

勇者「こういうのはいいな。日持ちもするし、自分でも使っていい」

勇者「しかし、果たして需要はどうなのだろう……。知名度の問題で売り込みをかけないとダメか?」

勇者「……」

勇者「ヴォルケイノあたりなら売れる、かな?」

勇者「うん、ものの試しだ。買ってみるか」
149: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:21:23 ID:DKSYuBBI
勇者「へえ、貝殻のペンダント。売り物にしているの、初めて見るなぁ」

勇者「しばらく来なかった間に随分と、外向きの商売も始めたんだな」

勇者「うん、これはもしかすると、思いがけずヒットする物が出てきそうだ」

勇者「少し、細かく調べてみるかな」


勇者「ふう……流石に疲れたな」

勇者「さて、そろそろ昼食にしようかな」
150: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:24:09 ID:DKSYuBBI
勇者「お、市場の隣にお店が出来たのか」

勇者「うーん、良い匂いだ。何時もは中央あたりのお店で食べるけど……」

勇者「うん、今日はここにしよう。新規開拓だ」


勇者(いらっしゃいませも何もない。感じとしては漁師が利用している、大衆食堂って感じか)

勇者(きっと魚料理で埋め尽くされているんだろうなぁ)

勇者(どれどれ……)
151: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:27:06 ID:DKSYuBBI
勇者(シーフードパエリアっ! 最初っから小洒落たメニューとは)

勇者(と思ったけど、多分正確にはただの魚介炊き込みご飯なんだろうな)

勇者(とは言え場所が場所。きっと美味しいに違いない)

勇者(ペスカトーレに魚介鍋。へえ、フライもあるのか)

勇者(うん? マルミタコ? なんだろう)

勇者(タコ? タコ料理? 何も書かれていないなぁ)チラッ

店員「……」

勇者(うーん、この疎外感。多分、顔なじみの漁師が来たら談笑したりするんだろうけど)

勇者(聞きづらいなぁ)
152: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:29:56 ID:DKSYuBBI
勇者(とは言え、興味が湧くなぁ)

勇者(うん、よし。決めた)

勇者「すみませーん」


 マルミタコ 50G
  魚とじゃがいものトマト煮。魚の種類はその時々、水揚げ次第。
  今回はマグロで、更にじゃがいもは煮崩れ気味。
 日替わり魚のフライ 40G
  こちらも水揚げ次第の三点フライ。
  一つ一つが大きく、この値段でこの大きさは中々お目にかかれない。


勇者(ほうほう、マルミタコはトマト煮なのか。タコの要素もなさそうだ)

勇者(ペスカトーレみたいなものか)
153: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:32:38 ID:DKSYuBBI
勇者(うん、美味っ。じゃがいもはごろっとしている方が好きだけど)アム

勇者(このぐらい煮崩れしていると、味が馴染んでいいな。これは考えを改めないとなぁ)

勇者(さて、こうなるとフライへの期待も鰻上り)

勇者(ソースも選べる上に一種のみじゃないのは、なんて心強いんだろうか)

勇者(一つはソース、もう一つはタルタルソース……これは)スンスン

勇者(レモンとにんにくか? 面白いソース置いてるなぁ)タララー

勇者(さて、まずはソース)パク

勇者(うんうん、美味い美味い。この噛む度に溢れる旨み、鮮度がなせる事だなぁ)
154: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:34:37 ID:DKSYuBBI
勇者(さあて、タルタルソースは……くおぉぉぉ美味い! なんだこれ! ソース自体が凄い美味い!)ガブ

勇者(卑怯だなこれは。こんなの何だって美味しくなるに決まってる。その上、この魚なんだからなぁ)

勇者(さてさて変り種は……)サクッ

勇者(ほうほう、こういう感じか。さっぱりしててガツンとくる。これは美味い。いかにも漁師っぽい)

勇者(ああ、いかんいかん、フライに夢中になっててマルミタコがおろそかだ)バク

勇者(完全にペースが崩されてしまったなぁ。もうフライが殆ど残ってないや)

勇者(まあマルミタコ自体、単体で食べても問題ないし、そこまで気にすることでなし、か)
155: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:39:04 ID:DKSYuBBI
店員「はい、どうも」


勇者「ふう、食べた食べた」

勇者「しかし、如何せん居心地が悪いところだったな」ポリポリ

勇者「でも、それに余りあるほどに美味しかった。また機会があったら来よう」

勇者「今度はご飯ものもいいな。面白い商品も見つかったし案外、次の機会は早いかもなぁ」

勇者「そう考えると、売込みする気力も沸き立つと言うものだ」

勇者「早くヴォルケイノに向かわないとだなぁ」
156: 明日役立たない雑学 2016/03/29(火) 00:41:14 ID:DKSYuBBI
マルミタコ
スペインのバスク地方の漁師料理。
マルミタっていう深い鍋で作る事が、名前の由来なんだとか。
マグロの他にカツオだったりメカジキだったり。
日本だと割りと刺身のする物が主力っぽい?
最も、マグロ自体がスペインだと火を入れて食べる魚の扱いだとか。
157: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:45:46 ID:DKSYuBBI
勢い余ってガルゴ・ガジェゴを作ってみようの会
食材は
スペアリヴ

じゃがいも
白いんげん
ってレシピを見たけど、白いんげん見当たらないから、
ひよこ豆・赤緑いんげんのミックスビーンズ

スペアリヴはタイムやオレガノに胡椒等で下ごしらえ
じゃがいもと蕪は乱切り。蕪は茎も葉も使えば更に栄養◎
158: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:50:27 ID:DKSYuBBI
スペアリヴの下ごしらえ、塩を書くの忘れていたけどそういう事で

で、リヴを軽く焼いて、脂をきって鍋へ投入
水とローリエ一枚入れてコトコト一時間煮込む。



次にじゃがいもと蕪、豆類を投入し30,40分煮込む。




今回は30分煮込んでから蕪の茎葉を投入し
軽く煮込んで最後に塩胡椒で味をつけて


完成?
159: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 00:55:13 ID:DKSYuBBI
お肉ホロホロで美味かった
味は薄味気味に味付けした所為もあって
ハーブ類の香りやら何やらが広がる素朴な感じ



けど、脂が凄かった
一時間煮込みの前に軽く煮立たせてから、煮汁を捨てて
そこから煮込んだ方がよかったかなぁ
料理スキル4ぐらいだから焼くだけで上手く脂を切るとか無理だった
161: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/29(火) 11:47:03 ID:S2bh6v4M
>>1の飯テロパワーが殺人級になってやがるぜ…
164: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/03/31(木) 10:15:10 ID:QCJVz2Jk
なんちゅう飯テロ……
いいだろう、今日の晩飯は少し豪勢にしてやる
165: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:27:18 ID:2KMgOB1.
ウォーターサーフェスとヴォルケイノの間の町
勇者「やっとここまで来たかぁ」

勇者「もう一息でヴォルケイノだな」

勇者「ここら辺から、天気が良い日はヴォルケイノの火山が見えるんだよなぁ」チラッ

勇者「うーん、流石にこの町からだと、よほど条件が揃わないと見えないか」

勇者「まあ、すぐにそのお姿も見えてくるし、焦らずに行くか」
166: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:30:56 ID:2KMgOB1.
役所
勇者「え? ウォーターサーフェスの勇者が?」

「ああ、この先の沼地でヴェノムフロッガーが湧いてね。君も気をつけなよ」

勇者「被害者は同行者含めて七名、ですか……」

「君が気に病む事じゃあないさ。僕がこんな事を言っちゃいけないんだろうけど」

「君達も大変だと思うし、魔王討伐なんかより生き抜く事を優先して欲しいよ。本当」

勇者「ええ、ありがとうございます」
167: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:34:05 ID:2KMgOB1.
勇者「うーん、遂に戦死者の情報か」

勇者「けれども、聞けてよかった。このまま沼地の脇を通るルートを予定していたからなぁ」

勇者「ヴェノムフロッガーか……もっと木々の多い奥地の沼で生息するものだけど」

勇者「そういえばミニオーガもそんなだったっけ」

勇者「思った以上に、突発的な死ってありえそうだな」

勇者「気をつけて行かないと、人間側の領土でさえ安全に行動できないそうだなぁ」

勇者「うーん、情報屋? しかし、リアルタイムでの情報収集は無理だし」

勇者「あの魔石を使っての兼業は無理そうだなぁ」
168: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:36:29 ID:2KMgOB1.
……
勇者「さて、物産も一通り見たし、腹も減ってきたな」

勇者「そういえば、ここら辺は沼地の泥魚の香草焼きがあったな」

勇者「生臭ささえどうにかなれば、中々美味しいだよなぁ」

勇者「うん、今日の晩御飯はこれだな」

勇者「食事できそうなところは一軒だけか」

勇者「悩む楽しみはあるものの、食べるものが決まっている時は楽でいいかな」
169: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:38:23 ID:2KMgOB1.
カランコラン
「いらっしゃいませー」

勇者(さて、さっと食って出てしまおう)

勇者(うん? あれ? 泥魚の料理、全部にシールが貼られている?)

勇者「あの、泥魚の料理って……」

「あーすみませんね。沼地に魔物が現れちゃって、泥魚が入荷しないんですよ」

勇者「あ、そうですか……」

勇者(うーん、困ったな。すっかり泥魚のつもりでいたから、急に他の物と言われてもなぁ)
170: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:40:53 ID:2KMgOB1.
勇者(カレーライスにパスタ類、うーん、何にしよう……)

勇者(魚は他にないんだよなぁ)

勇者(肉か……肉にするか……)

勇者(うーん、すると……お)


「お待たせしました」


 デミグラスオムライス 120G
  牛肉が乗っているデミグラスソースのオムライス。
  オムライスは半楕円じゃなく、丸くて表面がくしゃっとした半熟タイプ。


勇者(ほほう、代案としてはいいじゃないか)
171: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:42:20 ID:2KMgOB1.
勇者(少しだけどごろっとした牛肉が嬉しいな)パク

勇者(うんうん、美味い美味い)

勇者(初めはそんなに量が多くないかと思ったけど)パク

勇者(結構腹に溜まりそうだなぁ)

勇者(それにしてもこのオムライス)パク

勇者(卵が半熟でふわっふわだ。味は特別じゃないけど、普通に美味いなぁ)パク

勇者(この牛肉も美味しいなぁ)モッギュモッギュ
172: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:44:26 ID:2KMgOB1.
勇者「ふう、美味しかった」

勇者「中々良かったなぁ」

勇者「泥魚は食べられなかったけど、逆に良かったかもしれない」

勇者「さて、宿屋に戻って明日に備えよう」

勇者「出来る限り、沼地と水辺を通らないルートを考えないといけないしな」

勇者「それにしてもヴェノムフロッガーか……いなくなったら、泥魚が特産として買えたりしないかなぁ」
173: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:49:00 ID:2KMgOB1.
ヴォルケイノ 郊外の町
勇者「やっとヴォルケイノ領か」

勇者「何とか無事にたどり着けたかぁ」

勇者「ここまでくれば水辺もないし、ヴェノムフロッガーの脅威もないだろうし」

勇者「とは言え、何か別の事が起こっていないとも限らないし、油断はできないか」

勇者「それにしても……腹が減ったな。ここしばらく、落ち着いて食事できなかったし」

勇者「まずは腹ごしらえしてから行動するとするか」
174: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:51:08 ID:2KMgOB1.
勇者「ここら辺は来た事がないんだよなぁ」

勇者「何が美味しいんだろう……少しぶらぶらしながら見て回るか」

勇者「喫茶店に……麺屋? 麺ってあの麺? 専門店って初めて見るなぁ」

勇者「こっちは鉄板焼きのお店か。町の大きさの割りにお店が多いなぁ」

勇者「うーん、麺屋。そそるなぁ。だけど鉄板焼きも捨てがたい」

勇者「ヴォルケイノと言えば、暖かい気候の野菜類が豊富なところだし」

勇者「鉄板焼きの方ががっつりと食べられそうだなぁ」

勇者「うん。麺、捨てがたいが今日はこっちだな」
175: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:52:47 ID:2KMgOB1.
「いらっしゃい」

勇者(へえ、テーブルに鉄板が備え付けられている)

勇者(目の前で焼くのか。しかもこれ、自分で焼く方式か。珍しいなぁ)

勇者(さてさて、メニューはっと)ペラ

勇者(暴れ軍鶏? ああ、魔物の軍鶏か。ここら辺に生息しているのか)

勇者(ふーん、軍鶏にいくつか野菜がついてくるのか。ある程度セットになっているのかな)

勇者(あ、肉だけの単品もあるのか。面白いなぁここ)

勇者(それにしてもどのぐらいの量なんだろう。うーん、色々と悩むなぁ)

勇者(思いがけず肉も食べられそうだし……ここは一つ、大きく出るか)
176: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:56:41 ID:2KMgOB1.
 暴れ軍鶏 80G
  軍鶏単品。更にモリっと結構な量の肉。
  タレの種類が選べて、甘口を選択。
 野菜合わせ 40G
  特産の野菜盛り合わせ。ナスにピーマンに何故かきくらげも。
  無料トッピングとして唐辛子、生姜やあんかけもある。唐辛子をチョイス。
 甘野菜合わせ 30G
  輪切りにされたかぼちゃ、とうもろこしの盛り合わせ。ソースつき。


勇者(これはちょっと早まったかな)

勇者(凄い量になってしまったなぁ)

勇者(まあ、焼いていけばそんなでもなくなるだろう)
177: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 21:58:19 ID:2KMgOB1.
勇者(まずは少しだけ軍鶏を)ジュゥゥ

勇者(うーん、ただ肉を焼いているだけだけどこの香り)ジュウウウ

勇者(これはいい暴れ軍鶏に違いない)

勇者(これは普通にタレにつけて)パク

勇者(うん、イケるイケる。とっても美味しいじゃないか)モグモグ
178: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 22:00:57 ID:2KMgOB1.
勇者(軍鶏のポテンシャルも分かった事だし)

勇者(まずは軍鶏を投入して少し焼き)ジュウゥゥゥ

勇者(野菜合わせを投入っ!)ジュアァァァァ

勇者(刻み唐辛子も合わせて混ぜて)ジュァァジャッジャッ

勇者(軍鶏についてきたタレを絡めれば)ジュウウァァァ

勇者(甘辛軍鶏と野菜炒めの出来上がりだ)ジャァァァ

勇者(どれどれ、どんなもんだろう)パク

勇者「ほふっはふっ」モグモグ

勇者(うん、美味い美味い。ナイスジャッジだ、俺)パク
179: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 22:02:33 ID:2KMgOB1.
勇者(野菜も美味いし、このキクラゲ。中々侮れないな)モグモグ

勇者(この弾力、一際輝いて見えるぞ)コリュコリュ

勇者(結構な量だが、注文を間違えていなかったな)

勇者(デザートの類がない店で、このカボチャととうもろこしは嬉しい)

勇者(軍鶏野菜炒めを食べている間に、こっちをじっくり焼いておくか)バララ

勇者(うーん、蓋になるものとかあれば、蒸し焼きに出来るんだけど……今更聞くのもなんだかなぁ)パク

勇者(この失敗は次に活かすか)モグモグ
180: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 22:04:12 ID:2KMgOB1.
勇者(ふう、野菜炒め、美味しかった)

勇者(そろそろこっちもいいかな)

勇者(このソースをかけて……)パク

勇者(うんうん、甘くて美味しい)モグモグ

勇者(とってもヘルシーなデザートだ)パク

勇者(はは、とうもろこしとがぼちゃの鉄板焼きがデザートだなんて)モグモグ

勇者(うん、でもこれ、とっても甘くて美味しいな)パク

勇者(でも、一人で食べるにはちょっと多いかな。まあいいか)モグモグ
181: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/05(火) 22:06:19 ID:2KMgOB1.
「まいどー」


勇者「ふぅ……少し、食べ過ぎたか」

勇者「今日はもうのんびりして、明日の朝やる事をやって発てばいいだろう」

勇者「それにしても鉄板焼きである良さ、あまり分からなかったな」

勇者「まあ、美味しいものを食べたんだ。そんな愚痴は野暮ってもんか」

勇者「ううっぷ、久々に美味しい野菜をたらふく食べた気分だ……」

勇者「ウォーターサーフェスあたりから、ずっと魚ばっかりだったからなぁ」

勇者「さて、ヴォルケイノの都市まであと少しだ」
182: 明日役立たない雑学 2016/04/05(火) 22:09:03 ID:2KMgOB1.
オムライス
日本発の洋食。
元々は具入り卵焼きのような物が、お店の賄い食として出されたのが始まりだとか。

かぼちゃ
かぼちゃの皮は日光を浴びていないと、中の実と同じ色、つまり黄色になる。
市販の物はかぼちゃの下に白い布や鏡を置く事で、前面緑色にしている。
個人的には、食べごろが完全に見極められる底が黄色いかぼちゃこそ、流通して欲しいと思う。
北海道の底が黄色いかぼちゃは格別だった。
184: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/06(水) 01:08:12 ID:4zHGnBr.
あれ…この勇者全くモンスター倒してなくね?
泥魚がモンスターのせいで取れないのにスルーまさかこのまま食べ歩きで魔王の所までいやまさかね…
185: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/06(水) 01:25:20 ID:dCyrINjI
たぶん戦闘でレベル上がるシステムじゃないんだろう…(震え
190: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 21:52:07 ID:Mp6sHVcc
ヴォルケイノ 都市の近く
勇者「お……見えてきたな」

勇者「ふう、ようやっとでヴォルケイノか」

勇者「思いがけず暴れ軍鶏との連戦になって収穫になってくれたし」

勇者「ウォーターサーフェスの土産もある」

勇者「いい路銀稼ぎになってくれると嬉しいなぁ」
191: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 21:54:43 ID:Mp6sHVcc
ヴォルケイノ 都市
勇者「おー、流石。この賑わいはウキウキしてくるなぁ」

勇者「暴れ軍鶏はどうしようかな。どっかの市場に売りさばくか? それとも宿屋や料理屋?」

勇者「うーん、一応までに血抜きしているとは言え、あまり出来がいい訳じゃないし……」

勇者「うん、これを売り込むのは失礼だな。適当に買い取ってくれそうな所に卸してしまおう」


「へえ、ふーん。んー……一羽で150Gかな」

勇者「そんなものですか」

「もうちょっと丁寧に処理してくれていれば200G。毛毟ってツボ抜きまでしてあれば、350Gでもいいぐらいなんだけどねー」

「でもま、綺麗に倒してはくれているからね。食材としては扱い素人の人だと、100Gいかないとかザラだよ」

勇者(なるほどなー)
192: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 21:57:48 ID:Mp6sHVcc
勇者「さて……お土産は何処で売ろうかなー」

勇者「料理屋か宿屋かな」ブラブラ

勇者「お……」スンスン

「いらっしゃい! 出来立ての温泉饅頭はいかがですかー!」

勇者「温泉饅頭か……たまにはいいかな」

勇者「すみません、三つ……一つずつで三つ下さい」

「はい、まいどー!」
193: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:00:20 ID:Mp6sHVcc
 ヴォルケイノ温泉饅頭 一つ20G
  火山と温泉のヴォルケイノ都市名物の小振りなお饅頭。
  出来立てで湯気が立ち上っていてる。
  味は三種、粒餡・白餡・うぐいす餡。ウグイス餡は昔ながらの緑褐色。


勇者「はふ、あぐ、あぅっあふっ」モゴモゴ

勇者「うんうん。やっぱり出来立ては一味違うなぁ」モグモグ

勇者「もっと時間に余裕があれば、色んな店の温泉饅頭を食べ歩きしたいところだけど」パク

勇者「ほふっはぅっ、またの機会にしよう」モグモグ
194: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:03:06 ID:Mp6sHVcc
勇者「さて、小腹も満たしたし……そうだ、温泉の旅館なんか案外いいかもしれない」

勇者「確かこっちに……あったあった」

勇者「古き良き老舗。この古さと手入れの行き届いた感じの建物、実に味がある」

勇者「よーし、頑張ってみるか」


「そんな物があるのか」

勇者「どうでしょうか?」

「乾物か……個人で適量を使うってものか」

「とは言えどうもなぁ」

勇者(当然と言えば当然か)
195: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:06:27 ID:Mp6sHVcc
勇者「よろしければ、こちらを一部差し上げます。今、お使い頂いてご検討はして頂けないでしょうか?」

「いいのか? それじゃあちょっと試させてもらおうか」

「おーい、お湯を持ってきてくれ!」

勇者(分量は……こんなものか?)

「……ほう、お湯をかけると磯の香りが」

「どれ……」ススッ

「うん……? 思ったよりも薄いな」

勇者(少なめ、じゃないし、お湯も多くはない。となると、磯味が薄いのは、この乾物の限界って事か)
196: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:09:12 ID:Mp6sHVcc
「これじゃあなぁ……」モグモグ

「ふーむ、海藻類のこの歯ごたえはいいな」

勇者「本当ですか?」

「これだけの物は中々買えないからな」

「この汁物用の乾物は購入しない。が、もし海藻類の乾物が手に入るのなら、そちらは十分に利用する価値があるな」

勇者「ええと、海藻類ですか」ゴソゴソ

勇者「ええ、大丈夫です。ワカメでいいですか?」

「今のところ、常時扱う事があるのはそれぐらいだし、今回はそれにしておくか」

勇者(よし、何とか商談がまとまりそう)
197: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:11:37 ID:Z1beALLA
勇者というより商人だなww
198: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:12:43 ID:Mp6sHVcc
「出来れば生の方が有り難いが、毎日仕入れて貰う訳にもいかないし、乾物を大量に仕入れてくれ」

「価格はどんなもんだろうか?」

勇者(あそこ、かなり大雑把な売り方しているんだよなぁ)

勇者(100gぐらいで20Gだけど量がいい加減なんだよなぁ)

勇者(量を減らされる事前提として考えて……でも大口のお客さんになりそうだし)

勇者「1kgあたり350Gでいかがでしょうか?」

「なに? 350だと?!」

勇者(あ、あれ、相場そんなに外れていた?)

「買おう! 3、いや5kg買おう!」

勇者(安すぎた? まあいいか、ってそんなに使うのか?!)
199: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:15:30 ID:Mp6sHVcc
「はっはは。なに、これだけ格安で仕入れて貰えるなら、新しい料理の考案にも存分に使えるからな」

「それに魔王軍との戦時下とは言え、これから繁忙期だ」

勇者「へえ、そんなに他所から来るものですか?」

「ああ。それに今だと、戦線を交代してきた兵士の方が、利用しにきたりするからな」

「火山の奥のほうだと湯治場もあるし、その中継に立ち寄る事が多いのだよ」

「おっと、興奮してついつい話を逸らしてしまったか」

「納期は何時ごろになるだろうか?」

勇者「転移魔法があるので、市場に問題がなければ明日にはお持ちします」

「それは有り難いな!」
200: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:19:03 ID:Mp6sHVcc
「む、しかし今後の仕入れを考えるとどうしたものか。もっと多めに購入すべきか」

勇者「こちらの役場には連絡用の魔石というものはないのでしょうか?」

「ああ、確かそんな物があると聞いたな。利用したことはないが」

勇者(殆ど、首都が各地の情報収集する為の施設になっているんだろうなぁ)

勇者「あちらに私の名前が登録されていますので、必要になりましたらご連絡下さい」

「おお。そうであるならば遠慮なく頼らせてもらおう」

勇者「はい。他、仕入れのご相談がありましたら、そちらもどうぞご連絡下さい」

「はは、そうさせてもらおう」
202: 明日役立たない雑学 2016/04/07(木) 22:38:08 ID:Mp6sHVcc
うぐいす餡
熟した青エンドウを茹でて潰し、砂糖などを混ぜて作られる。
今でこそメジロのような色だけど、本来は緑がかった暗い茶色い色をした餡子。
この色こそウグイスの羽の色である。
今は着色料でメジロ色にしているが、銅鍋で茹でるだけでも多少は緑色になる。ちょっと裏技ちっく。


ウグイス
ウグイスとメジロは混同されがち。よくあるのは梅に鶯だろうか。
ウグイスは緑がかった暗い茶色で、メジロは明るい緑に目の縁が白と全然違う。

花札だってメジロじゃん、と言うけど目が赤い鳥が描かれている通り、メジロではない。
札が栄えるようにウグイスを明るい色にしよう

メジロと混同されるけど、本来のウグイスの色だと暗くて札が栄えない

目を赤くして、メジロじゃないって示そう
っていう花札逸話があるとかないとか。
まあ、白い鳥だったり青い鳥だったりするけどね。花札のウグイス。

後は現実だとウグイスより、メジロの方が梅とセットで見る機会が多いってのもある。
ウグイスは肉食性の強い雑食だから、そんなに花の蜜は吸わない為、梅の木を好むわけではない。
あと、あんだけ鳴いておいて警戒心が強いのか、あまり開けた場所に出てこない。

諺においてはお互いが調和しているとか似合ったりって事であって、
実際に花咲く梅の枝に鶯が止まるって意味ではない。
この二者の調和は、お互い春を告げるものという意味である。

因みに、万葉集においても梅と鶯がセットで歌われるものが多くあるけど、
同じ光景にいるってものは見かけない(気がする)
203: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/07(木) 22:43:25 ID:Mp6sHVcc
梅に鶯って
目の前の光景だけでなく、情緒的なものを大切にする万葉びとらしい諺だよね。
その時代に出来た諺かは知らないけど。

てところで、梅に鶯じゃなくて本当は梅に目白なんだぜ
ていうのはトンチンカンな話だから信じちゃダメなんだぜ
というお話。
213: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 20:45:52 ID:sG4rQtfE
……
勇者「ふう、大口の依頼が入ったぞ」ウキウキ

勇者「しかし、そうなると夕飯はまたウォーターサーフェスか」

勇者「まあ、明日はこっちで食べればいいか」

勇者「なんか、少しずつ軌道に乗っていっているんじゃないか?」

勇者「早く誰かが魔王を抑えてくれると有り難いな」

勇者「今後は気ままな行商でもやって、生活していくのも楽しそうだな」
214: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 20:48:42 ID:sG4rQtfE
翌日・昼
「お代の1750Gだ」

勇者「……はい、確かに1750G丁度頂きますね」

「それと、よかったらこれを持っていってくれ」

勇者「チケット? 一泊無料券っ」

「しーっ! 今日付けだから良ければ泊まっていってくれ」

勇者「ええと、口外しては不味いものなんですか?」

「家内に怒られる」

勇者(女将さんか何かという事か)
215: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 20:52:52 ID:sG4rQtfE
勇者「思いがけず良いところに泊まれてしまった」チャポン

勇者「ふぅぅ……久しぶりの温泉、身に染みるなぁ」

勇者「何だかとっても贅沢している気分だ。他の勇者に知られてたら絶対に顰蹙を買うぞ」

勇者「まあ、たまにはこんな事もあり、だ」

勇者「これから、もう少し火山を登ったところの町に行って火山を回りこんで向こう側へ」

勇者「出来ればヴォルケイノ領の端にある町まで行きたいけどどうだろうなぁ」

勇者「状況と自分の状態次第かな」

勇者「ここでゆっくりと英気を養っていくか」ノビー
216: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 20:55:29 ID:sG4rQtfE
勇者「ああ、いい湯だったなぁ」

勇者「食事はなんだろうな。確か部屋に持って来て貰えるって事だったけど」

勇者「滅多にこんなところに泊まらないけども、こういう旅館にある……」ゴソソ

勇者「お茶と茶請け、本当に好き」カササ

勇者「へえ、生姜の味噌漬けが茶請けなんだ。変わってるなぁ」コポポ

勇者「こういうのは甘いものが大抵なのに」スス

勇者「うんうん、いいじゃないか」シャクシャク

勇者「もっと味がキツイかと思ったけど、中々これは」

勇者「どっかで売ってるのかな。いい物を見つけたぞ」
217: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 20:57:39 ID:sG4rQtfE
「失礼致します」ガチャ

勇者「お、きたきた」

「夕食のご用意をさせて頂きますね」

勇者「はい、お願いします」


 山菜と牛肉のすき焼き風鍋
  土台に乗った小柄な鍋に、ネギやシラタキの他にゼンマイ等の山菜と牛肉が入っている。
  土台には火炎魔法の魔石が置いてあり、旅館の人に火をつけてもらう。
 魚の塩焼き
  川魚と思しき魚をまるまる使った塩焼き。
  はじかみという生姜のつけ合わせ付き。
 山菜と野菜の天ぷら
  ナスや芋の他にゼンマイや新芽と思しき天ぷら。
 お吸い物
  透明な吸い物でミツバが浮かぶだけ。とてもいい香り。
 茶碗蒸し
  キノコや鶏肉の入った茶碗蒸し。
  器は小さめ。
218: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 21:00:19 ID:sG4rQtfE
勇者「こりゃあ堪らないなぁ」

勇者(しかもお米は小さ目の容器とはいえ、数杯分は入っているし)

勇者(ご飯足らずなんて事はなさそうだな)

「……」カチャカチャ ボゥ

勇者(この魔石なんかは自分でも火が付けられるけど、合えて旅館の人にやってもらうのが醍醐味ってもんだ)

「では、お鍋は火が消えましたらお召し上がり下さい」

勇者「はい、分かりました」
219: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 21:03:16 ID:sG4rQtfE
勇者「うーん、しかし見事にワカメがない。まだすぐに出すって訳じゃないのかな」

勇者「いや、朝食かな? 何にせよ楽しみだなぁ」

勇者「さて、何から食べようかな」

勇者「まずは天ぷら」サクッ

勇者「ほほぅ、これはいい揚げ具合だ」サクサク

勇者「山菜の天ぷらも、食べた事がなかったけども」サクサク

勇者「うんうん、美味いじゃないか。山菜、侮っていたな」モグモグ

勇者「いかんぞこれは。これだけあってもご飯が足りないんじゃないか?」モグモグ
220: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 21:06:34 ID:sG4rQtfE
勇者「このほぼ具なしお吸い物も」ススゥ

勇者「このいい香りに、口の中に広がる旨み。一体なんだろう、見当もつかないや」

勇者「商談の時から思ったけどもあの人、研究熱心なんだろうな」

勇者「具なしでこれだけ満足する汁物って、そうそうないんじゃないかな」ススゥ

勇者「この魚の塩焼きもなんて美味しそうな事か」パク

勇者「塩がきつ過ぎず、それでいて薄すぎず。なんて絶妙なんだろう」モグモグ

勇者「そしてこの白とピンクの何かの植物の付け合せ。これとっても大好きだ」パク

勇者「味的に口直しか何かなんだろうけど、ついつい普通に食べちゃう」モグモグ
221: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 21:09:28 ID:sG4rQtfE
鍋「」クツクツコトコト

勇者「鍋もいい頃合か」

勇者「火が消える前に手を付けるのは、邪道なんだろうけども」パカッ

勇者「食べてる内に冷めさせてしまうのはもっと邪道だろう」

勇者「この牛肉が何枚も入った鍋。中々お目にかかれないぞ」

勇者「それに負けずと盛りだくさんの野菜と山菜も泣かせてくれる」

勇者「まずは挨拶代わりの牛肉」パクパク

勇者「うーん、美味い! これはいい肉だ」モグモグ

勇者「噛む度に溢れる、味付けを押し返さんばかりの脂と旨み。堪らないな」パクパク

勇者「ああ、困ったぞ。もうご飯の二杯目が終わってしまう。まだ料理は半分近く残っているというのに」
222: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 21:12:25 ID:sG4rQtfE
勇者「野菜も中々」モグモグ

勇者「牛肉の旨みを吸っていていい感じじゃないか」

勇者「この何の為に入っているか分からないシラタキも」パク

勇者「今一美味しさが分からないのに、嫌いになれない存在感」モグモグ

勇者「ううん、やっぱりご飯の量が足らないな」

勇者「とは言え、これに更にご飯そのものをおかわりって訳にはいかないし……」

勇者「何よりそこまで食べきれないだろうし」サスサス

勇者「少し、ご飯のペースを落としていくか」パク
223: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 21:15:42 ID:sG4rQtfE
……
勇者「うぅ、げふぅ……流石に腹9分だ」

勇者「さて、最後に茶碗蒸しだ」カポ

勇者「うーん、この見た目普通の茶碗蒸し」パク

勇者「おぉぅっ! やっぱり美味しいっ!」

勇者「何だろう? やっぱり卵に混ぜるだし汁とかが違うのかな」パクパク

勇者「くー、これがこんな小さい器なのが悔やまれるなぁ」パクパク

勇者「お、これこれ。この銀杏。これがなくちゃ茶碗蒸しじゃないな」パク

勇者「ふう……大満腹だ。腹がはち切れそう」
224: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/17(日) 21:18:35 ID:sG4rQtfE
勇者「いやあ、美味しかったぁ。とは言え、割と品数は絞られていたし」

勇者「タダ券だし、これで一番安い設定なんだろうか」

勇者「だとしてもこれ、軽く700Gは超えるんだろうなぁ」

勇者「一泊二食つき。下手したら1000G……いや、老舗だしもっといくかも……」

勇者「堪らない贅沢だ。あのワカメの乾物、高値で吹っかけたとしても、こっちの方が大きいぞ」

勇者「まあ、暴利を貪るような卑しい真似をしなくたって、強いアドバンテージがあるんだ」

勇者「この調子で得意先を増やしていくのが一番いいのかもしれないな」
227: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/19(火) 06:36:33 ID:FDPkt3xI
どれも美味そうだけど和食はよりリアルに想像できる分、堪らん…
しかし、ぶらりグルメ旅と商売を両立して満喫しとるな、この勇者w
229: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:15:31 ID:wwoyvbmM
ヴォルケイノ火山
勇者「ふう……ふう……」

勇者「相変わらずここは険しいな……」

勇者「うーん、これは上のほうまで行く余裕はないかもしれないな」

「ホロロロロ」

勇者「お……」

ヒクイドリ「ロロロ……」ガサガサ

勇者「ヒクイドリ。珍しいなぁ。確か絶滅危惧種の魔物だったっけ」

勇者「もうヴォルケイノ火山にしかいないんだよな」
230: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:18:10 ID:wwoyvbmM
勇者「肉も卵も中々に美味と聞くのだけども、流石にもう食べる機会はないんだろうな」

勇者「国際条約で保護されているし、獲ったら密猟だからなぁ」

ヒクイドリ「……」バサァッ

勇者「行ってしまったか……」

勇者「お、羽か……随分と形の良い。お小遣いぐらいにはなるかな」サッ

勇者「さて、良いものも見れたし行くとするか」
231: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:21:05 ID:wwoyvbmM

勇者「え? 音信不通?」

「ああ、そうだよ。どうにも謎なんだよなぁ」

「ここから山を、ぐるりと回るルートなんてそう危険はないはずなんだが」

「既に4組ぐらいの勇者様方の消息が不明だ」

「一番初めで3,4週間前にここを経ったのに、他の町に到着した様子がないときていてねぇ。何が何やら」

勇者「どうゆっくり行っても、何処かしらの町には着いていますよね。もしや、役場に寄っていないだけでは?」

「一応ね、宿屋を利用すれば役場に知らせをよこす決まりなんだよ」

勇者「なるほど」
232: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:23:12 ID:wwoyvbmM
勇者「それにしても、そんなに細かく勇者の動向を調べているのですか?」

「まあ、うちの国出身の勇者様限定で把握しているだけさ」

「君が利用した記録自体は残っても、何処の町を何時出たとかは見てないよ」

勇者(それはそれで世知辛い)

勇者「しかし、気になりますね」

「ああ……。そうなんだよ」

「ここら辺でいるのなんか、ヒクイドリと暴れ軍鶏ぐらいなもんだが」

「ヒクイドリは臆病だから襲ってこないし、暴れ軍鶏だってそこまで危険な魔物じゃないし」

「あとは滑落ぐらいか? しかし、四組全員が滑落というのも妙な話だし」

勇者(もっと山頂ならいざ知れず、こんな中腹でか。一体何が起こっているんだろう)
233: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:25:12 ID:wwoyvbmM
勇者(うーん。完全に安全対策を講じるなら下山して、麓から山を回る方がいいんだろうけど)

勇者(しかし、流石にそれは面倒だな)

勇者(とは言え、四組か。偶然ではない数だよな)

勇者「その間に抜けて行った勇者はいますか?」

「いいや。初めの行方不明から残り三組以外は通貨していないよ」

勇者(という事は全員か)

「あ、ああそうだ。もう一組いるよ。と言っても今朝、出発したばかりなんだけどな」

勇者「今朝ですか。分かりました、情報提供ありがとうございます」
234: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:27:29 ID:wwoyvbmM
勇者「急げば追いつけなくもないな」

勇者「しかし、追いついたとしてどうする?」

勇者(……)

勇者(……)グゥゥ

勇者「腹が減ったな……」

勇者「よし、まずは腹ごしらえからだな」
235: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:29:51 ID:wwoyvbmM
勇者「と言っても、流石に火山の中腹。お店の乏しい地域だ」

勇者「料理屋も一軒しかないし、さくっと食べて出発しよう」ガチャ


勇者(さてさて、何があるかな)

勇者(野菜類の炒め物多し、かな。畜産はからっきしかな)

勇者(うん? ヒクイドリの料理がある? え、嘘だろ?)

勇者(本当かな? ううん、信じられない)

勇者「あの、すみません。このヒクイドリって」

「はい、本物ですよー」

勇者「ほ、本物……」
236: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:31:09 ID:wwoyvbmM
「あ、条約違反じゃないですよ?」

勇者「と、言いますと?」

「ここではヒクイドリの養殖を行っていて」

「毎年、何十羽も野生に返しています」

「条約上で取り決められていまして、こちらで育てて野生に返した数の一割を獲っていい事になっているんです」

勇者「へえ、そうだったんですか」

「それなんで、飽くまで一割を家畜として飼い続けているんですよ」

勇者「なるほど……では」
237: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:33:34 ID:wwoyvbmM
 ヒクイドリの親子丼 70G
  スープと漬物がセット。値段の割りにかなり大きめの丼。
  ヒクイドリの肉と卵だけのシンプルな親子丼。
  スープは真っ赤なマグマ草と玉ねぎのピリ辛スープ。

勇者(ほほう。こう来たか)

勇者(しかし、随分と安いものだ。かといって肉や卵の量が少ない訳じゃない)

勇者(何とも太っ腹なものだ)パク

勇者(ふむふむ……こういう味か)モグモグ

勇者(美味しい。確かに美味しいが、何か物凄い感動する味という訳じゃないな)パク
238: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:35:24 ID:wwoyvbmM
勇者「ふう……中々よかった」

勇者「急いで消耗品を補填して出発しないといけないな」

勇者「しかし、これで何か変なものに遭遇したら……」

勇者「ううん……いくつか保険をかけて置いたほうがいいかもしれないな」

勇者「ここの地方でよほど危険な魔物か……」

勇者「レッドグリズリー? フレイムアナコンダ? ヴォルケイノドラゴンもいたか」

勇者「マグマサラマンダーも超危険魔物だよな。しかし、どれもこれももっと上、というか」

勇者「火口付近に生息しているんだよなぁ。こんな中腹で生きていけるもんなのかな」

勇者「というか……ヴォルケイノドラゴンなんか現れたら、必然レベルで死ぬよなぁ」
240: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:37:43 ID:wwoyvbmM
夕暮れ
勇者「……ふう」ザッ

勇者「急いで来てみたけど、それらしい痕跡は何もなかったな」

勇者「まあ、半日で着ける範囲に居るわけがないな」

勇者「今日のところはここら辺で休んで、明朝早くに出発するか」ガツ

勇者「なんだ? 黒い石? 随分と細長い楕円形だな、珍しい」スッ

勇者「手が黒く……? これ、炭か?」

勇者「楕円の炭。人より一回り二周り小さい……」

勇者「! これは死体か!」ゾクッ
241: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:39:08 ID:wwoyvbmM
勇者「しかし手足が伸びている訳でもない? 身を縮こまらせていた? なんだ、どういう事だ?」

勇者「戦って焼かれた訳じゃない? いや、そうか。ここまでじっくり焼く必要ないもんな」

勇者「じゃあ別に理由でか? 一体なんだ? もしかして炭にする事で何かしたかった?」

勇者「あ……フレイムアナコンダに食われたものは、炭になって排出されるって聞いたような……」

勇者「フ、フレイムアナコンダなのか?」ゾゾゾォ

勇者「こ、ここ、こんな場所に?!」

勇者「ま、不味い、野営なんてしている場合じゃないぞ」カラカラ

勇者「石が転がってきた? この上の方?」

勇者「ま、まさか既に上に……」ゾゾォ
242: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:41:04 ID:wwoyvbmM
魔法使い「くおおお!」ガラガラズザザァ

勇者「うわっと!」バッ

魔法使い「う……」ボロボロ

勇者「大丈夫ですか?! 治癒魔法!」パァ

魔法使い「あ、あんた、魔法が、使えるのか……」

勇者「少しですがね」

魔法使い「逃げ、ろ……フレイム、アナコンダが……」ガラ

女勇者「くうう!」ズザザザ

僧侶「きゃああ」ゴロゴロゴロ

勇者(更に二人……他の人はいるのか……うん?)ヌゥ

フレイムアナコンダ「……」チロロ

勇者「っ!」ゾゾォッ
243: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:43:06 ID:wwoyvbmM
女勇者「君は……? くそ、すまない。巻き込んでしまったみたいだね」

女勇者「あたし達の事はいいから逃げてくれ」ヨロ

勇者「他に人は?」

魔法使い「戦士が、いたよ」ヨロヨロ

勇者「過去形……食われたか……」

勇者(だとしたらそれはそれで不味い。フレイムアナコンダは、一度に大量に食す事はないが)

勇者(腐肉だって食べる悪食。食いきれない獲物は足を潰して、逃げられないようにして放置するという)
244: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:44:37 ID:wwoyvbmM
勇者(しかも熱を感知する器官が発達している。今此処で逃げても追いかけてくるだろう)

勇者(転移魔法を使うにしても、行使するのに準備をする時間がかかる。この人達じゃ、時間稼ぎももう……)

勇者(退いてトラップを仕掛けてから転移魔法……ダメだ。とても時間を稼げそうにない)

勇者(しかも複数匹いないとも……いや、一ヶ月で四組。一匹でないと考えるべきだ)

勇者「逃げ切れないでしょうね。俺も戦います」

女勇者「犬死だよ」

勇者「逃げてもさほど変わりませんよ。ならばこそ、可能性がある方に賭けます」
245: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:46:05 ID:wwoyvbmM
僧侶「う、うう……」

勇者(この人は殆ど魔力が残っていなさそうだ)

勇者(魔法使いの人ももう余裕がなさそうだし、きっついなぁ)

勇者「一先ず、治癒魔法、治癒魔法」パァァァ

女勇者「! 凄いな、治癒魔法が使えるのか?」

僧侶「うう、すみません……」

勇者「氷系の魔法は使えますか?」

魔法使い「氷石魔法が二発、それが限界だ」

勇者(出来れば体温を奪いたいが……それと自分が合わせてもろくな効果はないな)
246: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:47:30 ID:wwoyvbmM
勇者「なるべく時間を稼いでもらっていいですか?」

魔法使い「ああ、分かったよ」

女勇者「勝算があるのか?」

勇者「逃げる算段なら、ですね」

勇者「あれは恐ろしい精度の熱感知能力を持っています。その代わり目などはほぼ見えていません」

勇者「そこを利用して逃げる隙を作ります」

勇者「ついてきて下さい。魔法使いの方もです」

魔法使い「あまり、素早く動けないぞ……」

勇者「織り込み済みの作戦です」
247: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:49:00 ID:wwoyvbmM
フレイムアナコンダ「シャーーー!」バッ

魔法使い「氷石魔法!」ドガガガ

フレイムアナコンダ「シャアアァァ!」ズガガガ

フレイムアナコンダ「シィィィ」チロロロ

勇者「警戒した……今のうちに!」

女勇者「た、戦わなくていいのか?」

勇者「近づいても死ぬだけです。本来あれは、魔法兵の部隊で討伐する魔物ですよ」バッ

青い魔石「」カラコロ

僧侶「……氷魔法の魔石?」

勇者「急いで下さい」
248: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:50:30 ID:wwoyvbmM
勇者「よっと」バラッ

赤い魔石「」バラララ

女勇者「ど、どんだけ魔石を持っているんだ」

勇者「小さく砕いたものですよ。今のところ、全部合わせても4000Gにはなりません」

僧侶「よ、よん……!」

魔法使い「ぐ、すまないな」

勇者「自分の命がかかってますからね」


フレイムアナコンダ「……」チロロロ

フレイムアナコンダ「……」ズルズル
249: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:52:01 ID:wwoyvbmM
女勇者「また動き出したか……」

勇者「もう一発お願いします」

魔法使い「ああ、氷石魔法!」ドガガガ

フレイムアナコンダ「……」ヒョヒョイ

僧侶「よ、避けた……」

フレイムアナコンダ「シャーーー!」バッ

勇者「距離がありますからね……ですが」スィ

青い魔石「」カッ

噴水「」ッドオォォン

フレイムアナコンダ「シャアアア!?」
250: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:53:34 ID:wwoyvbmM
女勇者「な……」

勇者「噴水魔法ですよ。当て辛いんでメジャーではないですが、かなり有力な魔法です」

魔法使い「驚いたな……初めて見たぞ」

僧侶「威力が地味なんですよね……」

勇者「しかし、フレイムアナコンダほどの知能があると、警戒してくれるんですよ」

フレイムアナコンダ「シイイイイ」チロロロ

勇者「さあ今です! 散り散りになってあの大きい岩まで移動!」バッ

女勇者「わ、分かった!」

赤い魔石「」ガラカラカラ
251: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:56:10 ID:wwoyvbmM
大岩
僧侶「はあっはぁっ!」

魔法使い「そうか……大量の赤い魔石に複数のルート」

勇者「私一人での単独でしたら、もっと接近されて効果がありませんが、これだけ距離が取れれば」スッ

赤い魔石「」カッ

炎「」ボォォォン
炎の壁「」ゴオオォォ
吹き上げる炎「」シュゴオオオ

女勇者「しかし、この炎の地帯を越えられたら、すぐにこちらを見つけるのでは?」

勇者「ええ、なんでダメ押しでこうです。複合魔法・フランベ!」ゴォォ

火の海「」ゴアアァァァァ
252: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:58:14 ID:wwoyvbmM
魔法使い「全て初級程度の魔法とは言え、複合魔法まで……」

魔法使い「随分と才能があるんだな」

勇者「というより勤勉の賜物ですかね。中級魔法は扱えません」

僧侶「……辺り一面が炎の海で凄いと思ったんですけど、火力低いんですね」

勇者「複合魔法はそれだけで強力とされる中、全然強力にならないため、このフランベを習得する人は殆どいません」

女勇者「しかし、あの魔物には」

勇者「ええ、追走を妨げる効果は絶大。どちらの方角に敵がいったのかも分からないまま」

勇者「道標の高温の地帯を彷徨う事になります。とは言え、運よくこちら側に出てくる可能性もありますが」
253: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 19:59:30 ID:wwoyvbmM
勇者「しかし、よく逃げる判断をしましたね」

女勇者「……正直、仲間を見捨てるのは心苦しいよ」

女勇者「しかし、少し交戦すれば分かる。あんな化け物を倒して腹を掻っ捌くなんてね……」

僧侶「今こうして生きているだけでも不思議なほどです」

魔法使い「とは言え、これからどうしたら……このまま町に進んでいいものなのか?」

勇者「追跡が振り切れていないのなら、今晩中に追いつかれますよ」

勇者「町に連れ込んでしまう危険性で言えば、他にもいるであろうフレイムアナコンダに見つかる事です」

僧侶「ほ、他?」

勇者「流石にあの一匹だけが下りて来たとも思えませんしね」

女勇者「あたしもそう思うよ」
254: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:01:08 ID:wwoyvbmM
勇者「一度、ヴォルケイノ首都に戻りましょう。軍を派遣してもらったほうがいいです」

勇者「準備さえあれば、あと数名いれば討伐できなくもないでしょうが、如何せんあちらの数が分かりませんし」

魔法使い「転移魔法が使えるのか?」

勇者「ええ。その為にも、フレイムアナコンダから逃げ切らないといけなかった訳です」

女勇者「魔法使いは使えないんだよな? それでも初級魔法、なのか?」

勇者「うーん、そうですね。厳密に言えば中級魔法ですね」

魔法使い「手間がかかる魔法なんだよ。それで習得にも無駄に時間がかかる」

魔法使い「おまけに一日一回しか使えない」

魔法使い「だから利便性の割に使える人間が少ないんだ」

僧侶「ですよね……」
255: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:02:41 ID:wwoyvbmM
魔法使い「しかし、こちらも送ってもらえるのか? その、大丈夫なのか?」

勇者「術者と一緒に転移するのであれば、4,5人程度は難しくないんですよ」

勇者「ちょっと手間が増えるだけです」

魔法使い「あ、そういえばそうだったか」

僧侶「転移魔法……行うのを見るのは初めてですが、どのようにするのですか?」

勇者「まず魔方陣を描きます」

女勇者「魔方陣?! 随分と珍しいな」

勇者「これが中々普及しない一因ですね」
256: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:04:14 ID:wwoyvbmM
勇者「地域、環境、天気によって陣も変わります。多少間違っていても転移できますが」ガリガリ

勇者「魔力の消費量や、術後の体調などに大きく影響を与えます」ガリリリ

女勇者「め、面倒臭そうだな」

魔法使い「そう、じゃないんだよ」

勇者「更には転移する場所までの距離によっても変わります」

勇者「ここら辺はかなり大雑把でも問題ないですけどね」

魔法使い「ここで挫折した」

僧侶「複雑……」

勇者「更には道中の地形も影響します」

勇者「ここからなら距離は短いですし、大きな森などがある訳でもないので描くものは少なくて楽ですね」

女勇者「う、うへぇ……」
257: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:05:57 ID:wwoyvbmM
勇者「陣が描けたら外周の円にこの魔法水を垂らしていきます」ターー

勇者「北の方角に描いたこれに自らの血液を垂らし、南に他の動物、魔物でもいいので血や肉などを置きます」

勇者「数分待って、今度は内部の陣に魔法水を……」


20分経過
勇者「これで魔方陣は完成です」

女勇者「うわぁ……」

魔法使い「凄いスムーズでも20分か……」

僧侶「これ……慣れていないと魔方陣を描くだけでも……」

勇者「かなりかかりますよ」

女勇者「普及しない訳だ」
258: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:08:15 ID:wwoyvbmM
ヴォルケイノ首都
勇者「到着です」

女勇者「す、凄い。一瞬で……」

魔法使い「発動させるまでが長いからなぁ」

僧侶「とにかく役場へ行きましょう」

勇者「それでは自分はこれで」

女勇者「え? ま、待ってくれ、せめてお礼を」

勇者「いえ、自分一人でしたら、転移魔法を使う余裕も作れなかったでしょうし」

勇者「共闘と考えて頂いていいですよ」
259: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:09:32 ID:wwoyvbmM
女勇者「しかし……」

魔法使い「引き止めるのも悪いよ」

魔法使い「何はともあれ助かったよ。本当にありがとう」

魔法使い「君の考えはどうあれ、何時か礼を返すよ」

勇者「そうですか? では、その時まで死なないように気をつけます」

僧侶「……戦士さん」

勇者「あ、すみません……」

女勇者「落ち込むなとは言えないが、生き残れた奇跡を噛み締めるんだ」

魔法使い「仲間一人を盾に、ね」
260: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:11:16 ID:wwoyvbmM
女勇者「……あの、もしよろしければ」

勇者「はい?」

魔法使い「女勇者」

女勇者「……」

魔法使い「君をPTに誘うつもりなだけだよ。でも一人で旅をしているのには訳があるんだろう?」

勇者「……ええ、まあ」

魔法使い「ただでさえ、グリーンレイクの勇者がこんな所に一人でいるんだ」

魔法使い「誘うだけ野暮ってもんだよ」

勇者「お気遣いありがとうございます」

魔法使い「ああ、また何処かで」
261: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:12:42 ID:wwoyvbmM
勇者「それにしても随分と回り道をしたもんだ」

勇者「しかし、フレイムアナコンダか……。生還できたのは本当に運がよかった」

勇者「とは言え、フランベの有用性も実証できたし、悪くはなかったな」

勇者「問題は一部ルートが閉鎖された事か」

勇者「フレイムアナコンダは、大きな集団に対しては警戒をするから」

勇者「何もなしに町へは行かないだろうからいいものの」

勇者「うーん、あまりヴォルケイノ火山の付近で行動したくないな」

勇者「商業都市からソードフォレストに向かうか」

勇者「一先ず今日は宿屋に向かうか。もう疲れたなぁ」ファ
262: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:14:05 ID:wwoyvbmM
宿屋 食堂
勇者「ふう、疲れた」グデー

「お待たせしました、こちらが今晩の食事となっています」コトッ

勇者「お、きたきた」ムクリ


 暴れ軍鶏のチリンドロンソース煮
  赤いトマトのソースと鶏肉の料理。
  たまねぎやピーマンなどがみじん切り・短冊切りにされて入っている。


勇者(二食連続で鶏肉か。まあ仕方もなしだな)
263: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:16:02 ID:wwoyvbmM
勇者(鶏肉はぶつ切りにしたものか)

勇者(野菜と一緒にトマトソースで煮たものなのかな)ゴクリ

勇者(うーん、いい香りだ)パク

勇者(うんうん、美味い美味い)モグモグ

勇者(チリンドロンソースか。なんか、へんてこりんな名前だなぁ)モグモグ

勇者(しかし美味いな。このソース、パンとの相性も抜群だぞ)パク
264: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:17:30 ID:wwoyvbmM
勇者(それにしても、彼女達は不憫だな。助かったとは言え仲間が一人犠牲になった)モグモグ

勇者(かなり冷静に対応していたけど、多分それは自身の命も危機に瀕していたから)パク

勇者(今頃、苛んでいる事だろう)モグモグ

勇者(やはり、身一つで身軽でいるほうが、抱え込む事が少なくていいな)パク

勇者(いかんいかん、もっと味わって食べねば勿体無いな)モグモグ

勇者(暴れ軍鶏もしばらくお別れだしな)パク
265: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/05(木) 20:19:04 ID:wwoyvbmM
宿屋 部屋
勇者「ふう……美味かった」ドッカ

勇者「もっと……戦術も考えないとこの先……」ウトウト

勇者「とは言え、物資に頼った戦法も……」ウトウト

勇者「ふああ……今日はもう寝よう」

勇者(それに……この後は……魔王城? 自殺と変わら……なら、何処へ)

勇者(それも……後で……考え……)スゥ
267: 明日役立たない雑学 2016/05/05(木) 20:23:12 ID:wwoyvbmM
今更なことだけど
デミグラス
フランス語で正確にはドミグラスと言い、ブラウンソースを煮詰めたものの事。
ブラウンソースは、小麦粉とバターを茶色になるまで炒めたルーを、ブイヨンで溶かしのばしたソース。
ドミは半分、グラスは氷という意味。
但し料理に使う時は、煮こごりや煮詰める、単純に氷菓子等の意味になる。

亜人ちゃんは語りたいのデミってそういう事なんかね。


チリンドロン
スペイン・アラゴン地方の郷土料理でかなりポピュラーなソースらしい。
Wikiだと焼いた鶏肉からにじみ出る脂を使うらしいけども、
調べてみるとトマトやタマネギ、ピーマン。オリーブやニンニクにパプリカ等を炒め煮したソースっぽい。

トマト煮したもの・少し煮込んだただのトマトソースを、チリンドロンと称するものも見かけるけど、
流石にそれは簡略し過ぎで正しくないんだろう、と思う。
269: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/06(金) 09:29:43 ID:IhZxBN1U
おお、今までにない活躍
フランベってとこが、この勇者らしいw
270: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:10:06 ID:HiLJ52LM
ソードフォレスト 辺境の町
勇者「うーん、いいところだ」

勇者「ここら辺はまだそこそこの森だから、森林浴にももってこいだな」

勇者「ここから先はより鬱蒼とするからな」

勇者「しかし、ソードフォレスト。あまり深くには行った事がないんだよな」

勇者「一体、どんなものがあるんだろう」ワクワク

勇者「ふふ、もう心はすっかり商人だ。勇者にさせられた時はげんなりしたが」

勇者「かなり良い機会だったな」

勇者(最も、肝心の魔王がなぁ)
271: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:14:19 ID:HiLJ52LM
勇者「何か面白そうな物はあるかな」

勇者「なんだこれ……へえ、シイタケ栽培キットか」

勇者「ちゃんと育つのかな、これ」

勇者「試してみたいけど、移動しながらは使えないしなぁ……」

勇者「一応、そういうものがあるってだけでも知っておけば、何時か役立つのかなぁ」

勇者「それにしても、結構色んなキノコの原木栽培ってあるんだな」

勇者「ふーん、結構難しそうなものもあるんだな。そこまでお手軽って訳じゃないんだ」
272: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:16:04 ID:HiLJ52LM
勇者「お、この弓、結構いいな」

勇者「やはり、ソードフォレストは木材を使った物も多くあるなぁ」

勇者「ここら辺にしておくかな」

勇者「腹も減ったし……キノコだな。キノコが食べたい」

勇者「キノコパスタもいいしキノコグラタンもいいな」

勇者「よし、お店を探すか」

勇者「しかし、あまり広くない町だし、そう何件もないんだろうなぁ」
273: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:18:23 ID:HiLJ52LM
勇者「うん? 見当たらないな……」

勇者「あの」

「はい?」

勇者「何処か、食事が出来るお店ってありますか?」

「ああ、それでしたらこの道を真っ直ぐ行って、突き当たりを右に曲がった所にありますよ」


普通の木造建物

勇者「ここ、かな?」

勇者「ううん、全くもって店にすら見えない」

勇者「でも、他にそれらしい建物もないし……」

勇者「しかしこうも様子が分からないと、中々入りづらいな……」
274: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:21:52 ID:HiLJ52LM
勇者「うーん……ん?」

兵士A「ふー食った食った」ガチャ

兵士B「ごちそーさん」

勇者「……」

勇者「町の兵士でも気軽に入れるお店、なのかな」

勇者「よし」


「いらっしゃい」

勇者(中は喫茶店っぽいんだな……ちょっと意外だ)
275: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:24:33 ID:HiLJ52LM
勇者(ほほう……やはりキノコ料理多し)

勇者(キノコ豚炒めミートパスタ。とてつもなく美味しそうだ)

勇者(キノコたっぷりクリームシチュー! 冬場だったら間違いなくこれだな)

勇者(へえ……各種キノコの網焼きか。これはこれでそそるなぁ)

勇者(よく見ると使われているキノコもちゃんと明記してあるんだな)

勇者(この吸い物はムキタケが使われているのか。食べた事がないな)

勇者(うん? ヤマブシタケの卵スープ?)

勇者(ヤマブシタケって凄い珍しいキノコじゃないのか? 栽培方法が確立されているのか)

勇者(食べる機会なんてないしな……)
276: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:27:42 ID:HiLJ52LM
 森林豚のステーキ 110G
  ソードフォレスト固有種の豚のステーキ。
  大きなシイタケとポテトが一緒に焼かれている。
 ヤマブシタケの卵スープ 40G
  鶏がらを使ったスープで、小さくほぐしたヤマブシタケが浮いている。
  希少の割りに安価。


勇者(これがヤマブシタケ……何ていうか、何だろう)

勇者(味はどうだろうか)スス

勇者(う……これはまたキノコ臭というか風味が凄いな)

勇者(ちょっと、キノコ好きの上級者じゃないと食べ辛いな、これ)

勇者(けど、これだけ細かくても弾力があるのは嬉しい。中々の食べ応えだ)
277: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:34:29 ID:HiLJ52LM
勇者(さて、ステーキも)キコキコ パク

勇者(うんうん、肉厚だし美味いし文句なしだ)モグモグ

勇者(付け合せのポテト、ちょっと量が少ないところは気になるが)

勇者(この大きなシイタケでカバーだ)キコキコ パク

勇者(しかし、このシイタケ肉厚でとっても美味いな)モグモグ

勇者(何だか、全体的に弾力のあるものばかりになってしまったな。思った以上に腹が膨れそうだ)

勇者(それに今更だけどこれ、ポテトよりシイタケの方が物量多いんじゃないか?)
278: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:43:54 ID:HiLJ52LM
勇者(しかしこのキノコ三昧、好きな人に堪らないだろう)パク

勇者(もしかしてキノコ料理のレシピとか、どっかでまとめられていないかな)モグモグ

勇者(キノコ豚炒めミートパスタ、売れるんじゃないか?)パク

勇者(うーん、転移魔法が使えるとは言え、取り扱いの幅が広がり続けて行くのは……)ススゥ

勇者(異次元収納魔法だっけ。魔法で存在しない空間を作り、そこに物を出し入れする魔法)モグモグ

勇者(使える人なんて、殆どいないらしい超上級魔法……使えたらいいのにな)

勇者(ふふ、それでするのが行商人だなんて、魔法使いの人でなくても卒倒する話だ)
279: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:45:15 ID:HiLJ52LM
勇者「ふう……中々だった」

勇者「しかし、これからはキノコ料理ばかりになるだろうからなぁ」

勇者「ソードフォレストの人達は、どうやって飽きもせずにいるんだろう」

勇者「うん、この旅でそれも知っておかないと」

勇者「後でどっかのお店で聞いてみようかな」

勇者「キノコを飽きずに食べ続ける方法を聞きながら食べるキノコ料理。はは、なんだか滑稽だな」
280: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:48:52 ID:HiLJ52LM
……
勇者「ふう……ふう……」

勇者「まだまだ奥地でないはずだけど……ここら辺は随分と鬱蒼としているな」

勇者「そういえば、ここら辺って……確かサキュバスがいるんだったっけ」

勇者「聞いた話だと、上手く共存関係になっているとか……どういう状況なんだろ」

勇者「まあ、元々人をとって食う存在じゃないし、逆に有り難がる人もいるだろうし」

勇者「言うほど大変じゃないんだろうな」
281: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:51:52 ID:HiLJ52LM

勇者「へえ……意外と広い。元々開けた場所じゃなかったんだろうな」

勇者「先人の開拓の功績か……こういうところ、好きだな」

勇者「それにしてもサキュバス、全く見かけないな」

勇者「会った事がなかったから期待していたんだけどなぁ」

勇者「まあ仕方なし、か」

勇者「いつも通りにやるとするか」
282: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:54:58 ID:HiLJ52LM
勇者「ここはあんまり土産物ってないんだな」

勇者「それに勇者情報もあんまりだな……」

勇者「森の北にいる巨大アナコンダ注意とかあるけど、地元の人間だし危機管理は十分なんだろう」

勇者「あまり悪い話がないもんだ」

勇者「ともすれば逆に、自分が引っかかりかねないのが怖いところだなぁ」

勇者「一先ずソードフォレストの首都まで目指すんだ。ちゃんと魔物の情報を集めていかないと」
283: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 21:58:38 ID:HiLJ52LM
勇者「とは言え、ここら辺じゃあまり情報が得られなかったな」

勇者「ソードフォレストの中でも、比較的移動が手間な位置らしいし、もっと行き来しやすい」

勇者「大きい町に出てから、だな」

勇者「そうと決まれば今日は早めに休もう。まずは腹ごしらえだ」

勇者「と言っても、さっきから探してはいるけども、全くそれらしい店がない」

勇者「一体何処だ? この間と同じパターンか?」キョロキョロ

勇者「お、あそこはお店っぽいな」

勇者「というか、これで殆ど一周したのか……とりあえず、入ってみるかな」
284: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:00:30 ID:HiLJ52LM
「いらっしゃい。おや? 見慣れない顔とは珍しい」

勇者「そうなんですか?」

「道中大変だったろう。滅多に外から人は来ないよ。商人とか、ここに来る明確な理由がある人でもない限りにね」

勇者「なるほど……うん?」

勇者「このメニュー……あの、ここって食事って出来ないんですか?」

「あー悪いね。食事は宿屋が料理屋を兼任しててさ。ここは食材販売がメインの喫茶店みたいなもんだ」

勇者「はあ……そうでしたか」

勇者(うーん、困ったな。今は腹が減っているから料理が食べたいんだが……)

勇者(何も買わない頼まないは気が引ける)
285: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:03:37 ID:HiLJ52LM
勇者(かといって食材と言ってもなぁ)

勇者(適当にお茶して、宿屋でがっつり食べるか)

勇者(先にデザートというのも変な話だなぁ)

勇者(ケーキ三種にプリンにゼリーがちょっと。圧倒的に種類が少ない……うん? サキュバスプリン?)

勇者(どういう事だろう? サキュバスが従業員? うーん、これは面白そうだ)

勇者(ちょっと冒険気味ではあるけど、敢えて聞かずに頼むのが道理だな)


 コーヒー 10G
  到って普通のコーヒー。しかし安い。
 サキュバスプリン 70G
  超巨大なおっぱい型のプリンで乳首もちゃんとある。納得の名称だけどトラップ。
  巨大プリンの所為で小さく見える生クリームとさくらんぼが、脇に添えられている。  
  あまりの大きさに高いのか安いのかよく分からないけど、作る手間を考えると多分安い。


勇者「」
286: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:10:49 ID:HiLJ52LM
勇者「これは……何とも。酷いですね」

「まあなんだ、滅多に他所の人が来ない楽しみってもんよ」

「因みに頼まなかったら、強めにオススメしている」

「大抵の人は興味本位で頼んでくれるよ」

勇者「でしょうね」

勇者(しかしこの量、食事がいらないほどだ)

勇者(……よし、食べるか)プリュン パク

勇者(!)

勇者(なんだこれ! まったりとしたコクであり、しつこ過ぎない。凄い美味しいぞ)
287: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:12:32 ID:HiLJ52LM
勇者(しかも甘すぎないけどしっかりと甘い!)パクパク

勇者(これはとんでもない物だぞ)プリュパク

勇者(にしても、ソードフォレストってそこまで畜産が高い訳じゃないはず)パクモグ

勇者(一体何のお乳を使ったらこんな美味しいプリンができるんだろう)ススゥ

勇者(コーヒーは普通だな)

勇者(しかし、何とも手が止まらないプリンだ。堪らない、堪らないぞサキュバスプリン)

勇者(これは良いトラップだ。かかって得する。素晴らしい)
288: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:15:12 ID:HiLJ52LM
勇者「うう、げふ……」

「はは、まいど」


勇者「うーん、腹がぱんぱんだ」

勇者「せめて、もうちょっと中腹の町で、キノコ料理の口直しに食べたかったかもしれない」

勇者「まあ、不満はないけども」

勇者「しかしこれは……確実に太るな。恐ろしい食べ物だった」
289: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:18:42 ID:HiLJ52LM
女性「あら貴方、あのプリンを食べたの?」

勇者「え? ええ、そうですが……何故?」

女性「ふふ……」スゥ

サキュバス「あたしがサキュバスだからよ」

勇者「……」

サキュバス「……え、何その反応」

勇者「答えになっていないので、その点については不満ですが」

勇者「町人として共存している事に軽く感動を覚えています」

サキュバス「え、あ、はい……え、そこなの?」
290: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:21:49 ID:HiLJ52LM
勇者「それで、何故分かったんですか?」

サキュバス「貴方からあたし達サキュバスと同じ魔力を感じたからよ」

勇者「どういう事ですか?」

サキュバス「あれはあたし達の母乳よ。だから摂取すると一時的に、あたし達の魔力を帯びるの。僅かにだけどね」

勇者「母乳……出るのですか?」

サキュバス「そりゃあ勿論。少し魔力は消費するけども、子を産まずとも出るわよ」

勇者「へえ、知らなかった。ふーむ、サキュバスのお乳で作った巨乳プリン、面白い事考えるなぁ」

サキュバス「だから何で反応するのがそこなの?」
291: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:24:33 ID:HiLJ52LM
サキュバス「貴方、他所の人でしょ? ふふ、今夜は楽しまないかしら?」ヌラ

勇者「唇舐めながら言われましてもね。この腹具合ですと、正直のんびりしていたいですし」

サキュバス「何この人ブレない」

勇者「むしろ談笑等の方がいいですね。ああ、そうだ。サキュバスの方はどういう食生活を?」

勇者「精だけですか? 必要な道具や欲しい物ってありますか?」

勇者「転移魔法ありますので、各地の特産や材料を販売致しますよ」

サキュバス「何なのこの人」
292: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:27:45 ID:HiLJ52LM
二日後
サキュバス「はい、1000G」

勇者「どうも。しかし、これだけの魚油、どうするんですか?」

サキュバス「美容にいいのよ。ウォーターサーフェスでも、一部でしか作られていないから」

サキュバス「そこの町に行った事がある人で助かったわぁ」

勇者「サキュバスなら精さえしっかり取っていれば、美容を気にする必要がないのでは?」

サキュバス「まあね。でもケアを疎かにしていい理由にはならないわ」

勇者「なるほど」
293: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:32:32 ID:HiLJ52LM
勇者「ですがこの量は流石に」

サキュバス「仲間に売るのよ」

勇者「堂々と転売宣言ですか」

サキュバス「サキュバス相手に、一切抱く気が起きない変人が何言っているのよ。そっち趣味?」

勇者「そういう訳ではないです。そもそもサキュバスの方とは基本、一夜の恋というのも理解しています」

勇者「が、自分はそうした事はもっと真摯に向き合いたいですし、あまり抱える物を多くしたくないのです」

サキュバス「面白い矛盾を言うわね」

勇者「不器用なだけですよ」
294: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:33:36 ID:HiLJ52LM
勇者「ああ、そうだ。伝達魔法の魔石を持っていますので」

サキュバス「ふんふん」サッ

勇者「自前で持っているんですか……」

サキュバス「あたし達からしてみれば、こんなの簡単に作れるしねー」

勇者「へえ」

サキュバス「まあ、元の現物がないと、そっちの魔石の所持者と繋がる物は作れないけれどもね」

サキュバス「あ、あったあった。ま、何かあったらまた連絡するわー」

勇者「ええ、またのご利用お待ちしています」
295: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 22:37:45 ID:HiLJ52LM
勇者「うーん、思いがけず新しい顧客が出来た感」

勇者「出来ればまた話でもして、欲しそうな物を発掘したいものだ」

勇者「逆にこちらから魔法関連で頼む事もあるだろうし……」

勇者「……」

勇者「全ての魔族とこうして交流がなされれば、色々と発展していくのだろうけど」

勇者「まあ、難しいんだろうなぁ」

勇者「何時か、魔王の国の人とも接点を持ちたいものだなぁ」
296: 明日役立たない雑学 2016/05/22(日) 22:40:39 ID:HiLJ52LM
ヤマブシタケ
キノコの一種で白いボンボンみたいな形をしている。
クヌギ・クルミ・シイなどの広葉樹に生える。
広く北半球温帯以北に分布しているが、天然は珍しく中々お目にかかれない。
名前の由来は、子実体が山伏の装束にある梵天というのに似ているからだそうな。
ウサギタケ、ハリセンボン、ジョウコタケなんて呼び方も。

生薬としても利用されていて猴頭という名称。
認知症や更年期障害等への効果が期待されているが、臨床と成分・メカニズムの解明は不十分らしい。

中国では四大山海の一つで、特別な香りや味はないため、スープや吸い物に適している。
卵の中華スープにしてみたけど、めっちゃキノコの風味きつかったんですが。品質の問題?
尚、スーパーなんかでも気軽に買える。群馬だからか?
297: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/22(日) 23:49:33 ID:JnSluTmw
本当にブレないな勇者
299: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/05/23(月) 01:02:16 ID:x0Hdr60M

行商で世界繋いじゃうんじゃなかろうか?この勇者

次スレ:

勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)【後編】




このシリーズ:

勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)【前編】


勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)【後編】


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