幼馴染「ごめんね俺君、突然あたしの家に呼んだりして」 俺「え、あ、いや、全然いいけど」

1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:19:49.319 ID:9lYoOPnp0
俺「おじゃましまーす」

幼馴染「言わなくていーよ?あたししか家いないし」

俺「!?」

幼馴染「今日ね。とっても面白い話があるの。俺君に聞いてほしくてさー」

俺「お、おう…」

幼馴染「あっ!そうだ!ちょっと左手見せてくれない?」

俺「え?な、なんだよ。ほら」

幼馴染「ありがとう。ごめんねいきなり」

俺「なんか…汚れてたか?」

幼馴染「あはは、ちがうちがう。んーっとね、後で説明したげる」

幼馴染「じゃー話すからそこ座って!紅茶とお菓子用意するからちょっと待っててね!」
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:20:47.675 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「数か月前、あたしの家のポストに封筒が入っててさ」

俺「封筒?」

幼馴染「うん、差出人もなくて。なんだろー?って開けてみたらカード型のちっちゃいラジオが入ってたの」

幼馴染「しかも変なラジオでね。周波数を合わせるダイヤルがないんだ。ONOFFスイッチがあるだけ」

俺「なんだそれ、欠陥品じゃね?」

幼馴染「あたしもそう思ったんだけどスイッチ押したらちゃんと放送が聞こえるんだよね」

幼馴染「一局だけしか聞けない、その放送局専門のラジオみたいなの」

俺「どこに需要あるんだそんなもん」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:21:50.173 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「裏面も見たんだけどさ〈ポルモ〉って文字が印字されてるだけ」

俺「聞いたことないメーカーだな」

幼馴染「でしょ?んで、もっかい封筒見てみたらそれあたしのとこじゃなくてお隣さん宛てだったんだよね…」

俺「あーあ…」

幼馴染「でもさ?間違ったのは郵便屋さんであってあたし悪くないじゃん?事故じゃん!?」

俺「まあそうだけどさ。で、ちゃんとそのラジオ返したの?」

幼馴染「うんまあね、なんかね、こんだけ変なラジオだとさ、なんつーか、気になるじゃない?」

俺「…勝手に放送聞いたな」
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:22:21.769 ID:2GMjmy8v0
雰囲気が怖い
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:24:57.714 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「う…まあ…でもね!ちょっと聞いたらすぐ返そうと思ってたんだよ!?」

幼馴染「そしたらめっちゃ変なのが聞こえてきてさー…」

『…みなさんこんにちは、本日はポルモ歴948年 ヘック月第19日です
 さてはじめは、サレナダ県の話題からです…』

幼馴染「なにこれ?って思ってよくよく聞いてたらさ。やばいよ?」

幼馴染「ニュース番組じゃ聞いたことない地名や政治家の名前がバンバン出てくるし」

幼馴染「バラエティだと全然知らないタレントが話してて、聞いたことない音楽が流れてるの」

俺「なにそれ、異世界じゃん。怖いわ」

幼馴染「それ!まるで異世界からの放送を聞いてる感じ」

幼馴染「あたしたちと同じ言葉喋ってるのに、全く別の世界の話を聞いてる感じっていうか」
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:27:44.558 ID:9lYoOPnp0
俺「ネット放送みたいなノリでどっかのグループがやってんじゃないの?」

幼馴染「あたしも最初そう思ったんだよね。内輪ノリでおふざけでやってるのかなって」

幼馴染「でも違った。聞いてるうちにだんだんわかってきたの。これは本気でやってるって」

幼馴染「つまりね、この国と重なって、まったく同じ場所に」

幼馴染「ポルモ共和国って国があるんだよ!」

俺「……   ん?え?」

幼馴染「あ、今「コイツ頭おかしいんじゃねえか」とか思ったっしょ」

俺「あー…いや、えーっと」

幼馴染「いいもん。絶対そういう反応されると思ったし。でも本当なんだから!」
46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:30:40.550 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「このラジオ放送はね、そのポルモ国の国営放送みたいなもんなんだよ」

幼馴染「あたしたちが使ってるのとは違う帯域値の電波を使ってるから普通のラジオじゃ絶対聞けない」

俺「いやいや…なんのためにそんな事すんだよ」

幼馴染「ポルモ人は普段、あたしたちの中に紛れて何食わぬ顔で生活してるんだよ」

幼馴染「でもこの秘密のラジオ放送をこっそり毎日聞くことで、絶えず意識してるの」

幼馴染「ポルモ共和国っていう目に見えない、自分たちの国家を!」

俺「(目が若干イッてるような…やばいなあ…)そ、そんでラジオは返したのか?」

幼馴染「こんな面白いの返すわけないでしょ!!パクってそれから毎日毎夜ずーっと聞きまくりだよバカ!!」

俺「なんで怒られてるんだ俺」
52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:34:01.587 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「でね、まあ色んな放送があったし飽きることはなかったんだけど」

幼馴染「ある日、こんな放送が耳に入ってきたの」

『本日はポルモ共和国、建国記念日です。この国のあらゆるところにまだ
 あのポルモの赤き旗がひらめいていた頃、長年続くこの受難を誰が想像したでしょう…』

俺「こっちじゃただの平日でも、その国にとっては建国記念日ってことか」

幼馴染「そゆこと、その番組はポルモ共和国の歴史を語る特別番組だったんだけど」

幼馴染「それによると、この国はもともとポルモ共和国だったそうなの」

俺「はぁ!?」

幼馴染「二百年ほど前に、革命が起きて、今の国に変わってしまったってその番組では言ってた」
61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:35:53.982 ID:9lYoOPnp0
俺「そんな歴史聞いたことないぞ。学校でも習わなかったし」

幼馴染「革命の後、それまでの歴史に関する文献は全部焼き尽くされて」

幼馴染「新しい国がもともと存在していたかのように、偽りの歴史が捏造されてしまったんだって」

俺「…それじゃ今、そのポルモ国に生きてた人間はもういないってことか」

幼馴染「そう、でもポルモ人は自分たちの歴史と文化を捨てられず、親から子、子から孫へ受け継いで」

幼馴染「未だに自分自身の事をポルモ国民だと信じているの」

幼馴染「その人たちは、このラジオだけを頼りにそっとこの国の中に紛れて生きてきたんだよ」

俺「それは…まあつらいだろうな」

幼馴染「そしてある時、もっと大変なことを聞いちゃったわけだよ」
81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:39:21.943 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「その日は、ポルモ共和国の大統領が演説してたんだけど」

俺「大統領がいるのか!?」

幼馴染「いるみたい。まあ普段はこの国のどこで、どんなことして暮らしてるのかはわかんないけどね」

『ポルモ国民の皆さん、改めて確認します。革命の日まであと一週間
 その日までにきちんと武器の準備をしておいてください
 また当日は左手の人差し指の爪を黒く塗っておくことも決して忘れないように
血と闘争でもって、この受難の日々を打倒し、ポルモ国を我々の手に取り戻すのです…!!』


幼馴染「わかる!?ポルモ国の人達は一斉蜂起での革命を計画してたんだよ!」

幼馴染「示し合わせたその日!突然ポルモ国民が兵士になってこの国の国民にわーっと襲い掛かる!」

幼馴染「そこらじゅう、手当たり次第に!!」

俺「それって…無差別テロだろ!?マジでやばい連中じゃないか」
89: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:41:07.775 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「あたし思ったんだよね。この計画、100%成功するって」

幼馴染「だってこの平和な国で、毎日顔を合わせてる人達がいきなり襲いかかってくるなんて」

幼馴染「絶対誰も想像できないじゃん?」

俺「いやいや本当にやばいだろ!すぐ警察に通報しないと!」

幼馴染「こんな無茶苦茶な話、警察が信じてくれると思う?」

俺「う…ま、まあ確かに…」

俺「でもさ!呑気に構えちゃいられないだろ!どっか逃げるかなんかしないと!」

幼馴染「ちょ、ちょっと、俺君、落ち着いてってば」

俺「落ち着けるかよ!お前が襲われるかもしれないんだぞ!!」
95: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:43:43.755 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「え」

俺「あ、いや」

幼馴染「…へー、心配してくれてるんですか?ん?」

俺「ま、まあ、古い付き合いだし…普通に心配だろ。普通に」

幼馴染「ふふ、ありがとね。でも大丈夫。とっておきの作戦があるの」

俺「作戦?」

幼馴染「名付けて、あたしもポルモ人になっちゃえばいい作戦!!」

幼馴染「見た目は同じなんだろうし、あたし一人紛れ込んだところで絶対わかんないじゃん?」
102: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:46:33.623 ID:9lYoOPnp0
俺「いやどうやって…ポルモ人に…なるん…だよ」

幼馴染「簡単だよ。革命当日、ちゃんと目印をつけて、ポルモ人としてこの国の国民を何人か殺せばいいだけ」

俺「!? お前…な…何言って…」

幼馴染「だからほら、ちゃんと左手の人差し指の爪、黒く塗ってるでしょ?」

俺「……え?そ、それ…て…」

幼馴染「そう、今日がその革命の日なんだよね」

俺「…んな…まさ…か…  あ…が…」ドサッ

幼馴染「まだ聞こえてるかな?ごめんね。もう体も動かないでしょ」

幼馴染「さっきからおいしそうに飲んでたその紅茶、毒入りなの」

幼馴染「あたし力無いし、大した武器も用意できなくてさ」

幼馴染「こういう方法でしか誰も殺せないなあって」

俺「あ、あ、あ、… あう…  うあ…」
125: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:49:49.761 ID:9lYoOPnp0
幼馴染「叫ぼうとしても無駄だよ?喉も言うこと聞かないはず」

幼馴染「長話に付き合ってくれてた間、全身に毒が周ってるだろうから」

幼馴染「向こうに行ったら、あたしの代わりにパパとママにも謝っておいてね」

俺「…………   」

幼馴染「…俺君とあたしの間、一メートルとちょっと、くらいかな?」

幼馴染「このお菓子と紅茶が置いてある、小さなテーブル」

幼馴染「実はさっきまでここに、敵対国同士の国境があったったってわけ」

幼馴染「ね?面白い話だったでしょ?」



141: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:52:57.228 ID:FMkIJvqtd
星新一みたい
142: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/09(水) 23:53:18.228 ID:J+iWSzakp
いや普通に面白かったけど
こういう話好きだわ
175: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 00:02:27.010 ID:7Y4CiJgY0
星新一のショートショートっていうより世にも奇妙なのエピソードって感じ
なんとも言えないくどさが

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とあるSSの訪問者

久しぶりにゾクッとした

とあるSSの訪問者

あったった

とあるSSの訪問者

星新一ですな、こんな話見た記憶がある


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