雪乃「比企谷くんを救うことになった。」 after【前編】

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:08:04.20 ID:gi+EjEyj0

雪乃「比企谷くんを救うことになった。」



このssは↑の番外編になります
物語はゆきのんとガハマさんがヒッキーに嘘告白してから再び顔を合わせるまでの空白の1ヶ月を描いた話です



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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:08:39.85 ID:gi+EjEyj0

<三浦優美子の場合>


葉山「なぁ…二人とも…」


大和「悪いけど…」


大岡「もうお前とは付き合いたくないんだ。」


隼人は大岡と大和の二人に声をかけているがまったく相手にされていない。

2-Fのクラスは昨日から一気に様変わりしている。

その原因はこのクラスの人気者のグループが解散したからだ。

そう、あーしの居たグループは先日解散してしまった。

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:09:19.69 ID:gi+EjEyj0

葉山「あ、優美子!ちょうど良かった。
キミからもみんなに言ってくれないか。またみんなで仲良くやろうって!」


三浦「はぁ…隼人。あーし言ったよね。もうグループはおしまいだって。」


葉山「だからってこのままの状態でいいわけないだろ!
俺とキミはグループの中心だった。俺たちが声をかければまたみんな元に戻れるはずだ!」


三浦「悪いけどあーしはもうどうでもいいから。
それと言っておくけど、隼人はこんなことよりもっとやるべきことがあるんじゃないの?」


あーしの言葉に隼人は首を傾げた。

嘘…まさかわからないってことはないよね?

まあどうでもいいし。

あーしはそんな隼人を無視してさっさと教室を出ていった。

それからある場所へと向かうことに…

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:09:48.81 ID:gi+EjEyj0

三浦「うぅ…緊張する…」


三浦「けど…ビビってられないよね…」


今、あーしは生徒会室の前に立っている。

これからこの部屋にいるヒキオこと比企谷八幡へ謝罪するためだ。

何でヒキオに謝罪するのかだけど…

修学旅行の時、あーしのグループで戸部が海老名に告白するという事件が起きた。

でも海老名に告白を受ける気なんてまったくなかった。

そこで諸々の事情を知ったヒキオは、

あの二人が傷つかないようにと嘘告白をしてその場を収めたそうだ。

正直、酷い話だと自分でも思う。

しかも同じくこの事情をグループのリーダー格の隼人も知っていたからさらにタチが悪い。

そんな理由で先日あーしらのグループは解散してしまい、

あーしはグループの最後のけじめとしてヒキオに謝罪にやってきたわけだけど…

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:10:25.57 ID:gi+EjEyj0

三浦「ダメだ…決心がつかない…」


三浦「結衣があんなことしなきゃもっと気楽に入れたのに…」


まだ扉を開けることに躊躇していた。

実は昨日からある噂が校内に広まっている。

その噂の内容は…



『奉仕部の雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣がヒキタニに嘘告白して自殺未遂に追いやった!』



そんなとんでもない噂だった。

何でそんなことになったのか詳しくは知らない。

でも恐らく修学旅行の一件が絡んでいることはあーしでも想像できた。

だからこそ気が思いやられるわけで…

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:10:53.67 ID:gi+EjEyj0

めぐり「あれ?うちに何か用?」


三浦「あん?誰…?」


めぐり「あ…知らないかな?私は城廻めぐり。元生徒会長だよ。」


あーしに声を掛けてきたのはなんと3年生の城廻めぐり先輩だった。

やばっ!先輩にタメ口きいちゃったよ…!?

あーしは慌てて城廻先輩に謝った。

でも待った…?元…生徒会長…?

元ってどういうこと…?

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:11:47.74 ID:gi+EjEyj0

めぐり「あ、まだ知らないんだ?
私は昨日で生徒会長を比企谷くんに譲って引退したんだよ。」


三浦「え…?ヒキオって生徒会長なんですか!?」


めぐり「本当なら1年生の一色いろはちゃんがなる予定だったんだけど、
本人が嫌がってその代わりで比企谷くんが生徒会長をやることになったんだよ。」


驚いた。

まさかヒキオが生徒会長になっていたなんて…

あーしはてっきり、

生徒会の雑用でも頼まれたからヒキオが生徒会室に出入りしてるのかと思っていたけど…

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:12:33.12 ID:gi+EjEyj0

めぐり「でもひとつだけ問題があってね…」


三浦「問題って…?」


めぐり「実は比企谷くん以外の役員が決まらなかったの。」


三浦「それって大問題だし!でもどうしてそんなことに…あっ!?」


そこであーしは言葉を止めた。

その理由はすぐにわかった。ヒキオのこれまでの悪評が原因だからだ。

そしてその悪評とは何か?

間違いなくあーしらのグループがヒキオに難題を押し付けた件だ。

つまり今度の生徒会に人が集まらないのはヒキオだけが原因じゃない。

あーしらにもあるわけだ。

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:12:59.34 ID:gi+EjEyj0

めぐり「でもこうして来てくれて助かったよ!
三浦さんも今度の生徒会に入ってくれるから来てくれたんでしょ~?」


三浦「え~と…そのあーしは…」


めぐり「とにかく入って!話はそれからだよ~!」


こうしてあーしは城廻先輩によって半ば無理やり生徒会室に入らされた。

その部屋であーしを待っていたのは…


八幡「お前は…三浦…?」


三浦「あ…どうも…」


そこには勿論あーしが謝らなきゃいけないヒキオがいた。

でも意外にもそこにはヒキオ以外にもう一人いたわけで…

それがなんと…!

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:13:49.29 ID:gi+EjEyj0

少女A「三浦さんでしたね。この前は失礼しました。」


三浦「へぇ、アンタもいたんだ…」


めぐり「みんな顔見知りなのかな。
紹介するね。会長の比企谷くんにそれと今日から入ってくれた新しい副会長さんだよ!」


ヒキオの隣にいたのは結衣でも雪ノ下さんでもない。

先日、あーしらのグループを解散させる原因を作った女だ。(名前は知らない…)

そういえばヒキオのことを随分庇っていたけど、

まさかヒキオと一緒に生徒会に入ったなんて…この子ヒキオのことが好きなわけ…?

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:15:27.36 ID:gi+EjEyj0

三浦「アンタが生徒会に入ったのはヒキオがいるからなんだね。」


少女A「はい。お恥ずかしい話ですけど無理やり押しかけてみたものなので…」


八幡「理由はどうあれ助かっているぞ。
このまま俺以外のヤツが決まらなけりゃ、
俺は今度こそ学校から追い出されることになっていたかもしれんからな。」


めぐり「うんうん!何はともあれ役員が入ってくれてよかったよ!」


城廻先輩が頷きながら二人のことを微笑ましく見ていた。

けど正直この光景はあーしとしては思うところがある。

何故ならあーしの友達である結衣はヒキオに片思いしている。

そのヒキオが他の女とイチャイチャしているのは結衣の親友として複雑な心境だ。

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:16:11.79 ID:gi+EjEyj0

少女A「それで三浦さんは何の用事があって生徒会室へ来たの?」


八幡「そうだな。こんな場所にお前みたいなギャルが何の用があるんだよ。」


めぐり「きっと新役員に立候補しに来たんだよ!
今なら30人の推薦人さえ用意してくれればすぐに生徒会役員になれちゃうよ~!」


30人の推薦人集めたらすぐ役員になれるって…つまり不信任投票ってこと…?

うちの学校の生徒会選挙ってそんな適当でいいわけ…!?

まあ生徒会の心配なんてこの際どうでもいいし…

つーかあーしったらヒキオに謝るタイミングを完全に逃している。

それに城廻先輩はあーしが生徒会役員に立候補してくれると勘違いしているし…

実はちがいますなんて言ったら傷つくだろうなぁ…

そんなことを思っていたら部屋の扉が開いた。

誰かがこの部屋へ入ってきたようだ。

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:16:38.30 ID:gi+EjEyj0

海老名「あの…ヒキタニ…いえ…比企谷くんいますか…?」


三浦「海老名…!どうしてここに…!?」


海老名「あ、優美子も来ていたんだ。それはたぶん優美子と同じ理由かな…」


めぐり「オォッ!立候補者がもう一人来てくれたよ!」


なんと生徒会室を訪れたのは海老名だった。

また新しい立候補者が来たと勘違いしている城廻先輩はちょっとうるさいし…!

そんな海老名と一緒にもう一人この部屋に入ってきたのがいた。

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:17:10.29 ID:gi+EjEyj0

戸部「ヒキタニ…いや…比企谷くん…チッス…」


八幡「お前…もしかして…戸部か…?」


少女A「あの…その頭は…どうしたんですか…?」


三浦「あの茶髪のロン毛が…」



「 「 「丸坊主になってる――――ッ!?」 」 」



城廻先輩以外のこの場にいる全員が驚いた。

あのチャラ男だった戸部が坊主にするなんて…

アンタ…それはもしかして…?

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:17:52.62 ID:gi+EjEyj0

戸部「へへっ…サッパリしたっしょ?坊主系も案外イケるみたいな?」


海老名「驚いた?
さっきここへ来る前に戸部っちったらけじめだって言って自分で髪を刈っちゃってね。」


三浦「けじめ…やっぱそういうことなんだね。」


八幡「おい、戸部が坊主になったりお前ら三人が押し寄せたりでわけがわからんぞ。」


めぐり「そうだね。みんな生徒会に入りに来たわけじゃないの?」


やばっ!あーしらだけで話を進めて肝心のヒキオが蚊帳の外だった。

それじゃあ一応揃ったことだし改めて言わなきゃダメだよね。

戸部に至っては頭を坊主にしてまで覚悟を決めたんだから。

それならあーしだっていつまでもウジウジしているわけにはいかないし…!

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:18:51.36 ID:gi+EjEyj0


「 「 「 比企谷くん!ごめんなさい! 」 」 」



八幡「いきなり謝ってどうしたんだよ…?ていうか何でみんな俺に謝るわけ?」


戸部「あれ…?もしかして比企谷くん何も知らない?マジなん?」


三浦「その子が一昨日修学旅行の一件を洗いざらい暴いたわけ。」


何も知らないヒキオのためにあーしはこれまでの事情を話した。

一昨日、奉仕部の部室であーしらのグループが集まり彼女に糾弾されたこと。

あの件に関してあーしらの知らないところで奉仕部に無茶難題を押し付けられていたこと。

そして一昨日、あーしらのグループが解散したことも…

その全てをヒキオは今頃になって知ったらしい。

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:21:31.93 ID:gi+EjEyj0

八幡「そんな…
俺の知らないところでそんなことがあったなんて…
つーかお前…俺の知らないところでとんでもないことしてたんだな。
あの葉山や相模を相手にやりあったとか…無茶苦茶しすぎだな…?」


少女A「比企谷くん勝手な真似をしてごめんなさい。でも放っておけなくて…」


海老名「あなたが謝ることじゃないよ。
一番悪いのは私だから。私があんな無茶な相談をしなきゃこんなことにはならなかった…」


戸部「いや、海老名さんは悪くないから!
一番悪いのは俺かな…俺が自分だけで告白する度胸があれば…」


三浦「ヒキオ一人でこんな問題を押し付けたのがそもそもの間違い。本当にごめんね…」


ヒキオはこの事実を知って驚きを隠せずにいた。

まさか自分が関わっていないところで、

事態が180度変わっていたなんて知ったら驚くだろうしね…

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:22:44.70 ID:gi+EjEyj0

八幡「まずは俺から言わせてくれ。
その…まだうまく状況を把握出来ないんだが…あの件は俺なりに精一杯やったつもりだ。」


三浦「でもあんな無茶ぶりどう考えても叶えられるわけないし…」


八幡「本当ならもっといい手があったかもしれない。
けどあの場でお前らを傷つけずに済むにはあれが最善だったと今でも思っている。」


海老名「でもそれで奉仕部のみんなは気まずくなったよね。
そのせいで比企谷くんはあの二人から見捨てられちゃったみたいだし…」


八幡「別にいつものことだ。
単純な話であの場にいた誰もが傷つくならそれは俺一人が被ればいいに決まって…」


ヒキオが話している最中だった。

今まで黙っていた聞いていた彼女があいつの前に立ってこう言った。

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:23:31.56 ID:gi+EjEyj0

少女A「ダメ…」


八幡「ダメって…いきなり…どうしたんだ…?」


少女A「もうそういうことはやめてと言っているの…!」


八幡「何言って…単純な話だろ。それでみんなが助かるなら…」


少女A「でもそれは比企谷くんの犠牲があったからこその話だよね。
そんなことはもう二度としないで!また昨日みたいなことになったらどうするの!?」


彼女はヒキオに向かって泣きながらそう叫んだ。

そうだ。あの噂が本当ならヒキオは昨日危うく自殺をしそうになったらしい。

こんなこと当然だろうけどヒキオだって人間だ。

傷つけばつらいに決まっている。

それをわかっていながら隼人や海老名は押し付けてしまった。

あーしらは本当に最低なことをヒキオにさせてしまったんだ…

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:24:25.46 ID:gi+EjEyj0

三浦「ヒキオ、その子の言う通りだよ。
あーしらのためにアンタが傷つくことはなかったんだよ…」


海老名「あんなこと頼んで本当にごめんね。
でもここでちゃんと謝らなきゃいけないの。もう逃げるわけにはいからなから。」


戸部「ここでちゃんと謝らなきゃ俺らマジで最低だからさ…」


もうあーしらが頼りにしていた隼人はいない。

いや、そんなのは最初からいなかったのかもしれない。

現に隼人はこの場に来ていない。

もし今回の件について反省しているなら隼人だってこの場にいたはずだ。

そう、グループの仲を戻そうとするよりもまず先にここへ来て謝罪している。

それがいないということは…

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:24:54.22 ID:gi+EjEyj0

八幡「けど…お前ら…葉山はいいのか?
この件を認めちまうってことは…それは葉山がやったことが無駄になるんじゃ…?」


三浦「もう隼人のことは気にしなくていいよ。
あれは最初からアンタを犠牲にする気だったみたいだからさ。」


八幡「でもあいつは自分のグループを守るために頑張っていたはずだろ。」


戸部「それでも比企谷くんが傷ついていいって話じゃないっしょ?」


海老名「隼人くんは自分のグループのために比企谷くんを犠牲にした。
でもそれはつまり、
隼人くんは自分を犠牲にしてまであのグループを守ることができないってことなんだよ。」


三浦「そんな隼人がリーダーやっていたのがあのグループだよ。
たぶん今回の件がなくてもあーしらのグループはいずれ終わっていたはずだし。」


改めて思う。

あーしらのグループはなんて脆いものだったんだろうって…

ヒキオが自分を犠牲にしてまで守ったもの。

でもそれは一度ヒビが入れば簡単に砕け散る程度のものだった。

所詮あれは偽物だったわけだね。

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:25:25.92 ID:gi+EjEyj0

八幡「やっぱり上っ面だけの関係だったわけか。
でもあいつはそれでも必死に守ろうとしていたから…俺も…」


海老名「ハハ、いつもならはや×はちキターって言いたいけど…
悪いけど私の中ではや×はちカップリングはもう終わりかな。
勿論隼人くんだけが悪いわけじゃない。私だって隼人くんと同じだよ。
もっとちゃんと戸部っちの想いに正面から向き合えばこんなことにはならなかった。」


戸部「いんや…悪いのは俺だわ。俺の告白の仕方…今思えば最低だった。
必ず告白を成功させたいって海老名さんの気持ち無視しまくってたし…
俺の一方的な想いだけじゃダメなんだわな。」


三浦「あーしだって同じだよ。
グループのみんなの問題にもっと耳を傾けていればこんなことには…」


あーしらは互いの責任を言い合っていた。

誰もが自分が悪かったと…

けどそんなあーしらを見てヒキオはあることを呟いた。

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:25:51.36 ID:gi+EjEyj0

八幡「それを言うならやっぱり俺が一番悪いのかもしれないな。」


三浦「はぁ?何でアンタが悪いってことになるわけ?」


八幡「それは…俺が身勝手だからだ。
葉山と同じく何も変わらなければ誰も傷つくことはないと勝手に思い込んだだけで…」


たぶんヒキオの言っていることは本当だろう。

でも何かおかしい。

ヒキオは何かを隠している。あーしの勘がそう告げている。

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:26:18.27 ID:gi+EjEyj0

少女A「比企谷くん何か隠していませんか?」


八幡「いや…何も隠してなんか…」


少女A「本当ですか…?それなら私の目をちゃんと見て言ってみて…?」


八幡「わ…わかった!言うから顔をあまり近づけるな!勘違いしちゃうだろ!?」


あの彼女がヒキオの顔を凝視しながら問い質した。

いや…お熱いのは結構だけど…アンタたち…あーしらがいること忘れてないよね…?

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:27:02.52 ID:gi+EjEyj0

八幡「今だから話すが、
俺があんな嘘告白をしたのは別にお前らのためってわけじゃない。
ここだけの話だが…あれは…奉仕部の…雪ノ下と由比ヶ浜のためにやったことなんだ…」


海老名「それってどういうこと…?」


八幡「まあ要するにだ。
あの二つの依頼だがもしも戸部の告白を成功させたいという依頼をやりとげるとしても、
そこに海老名の告白を阻止してほしいという意思がある限り成功することはあり得ない。」


少女A「二つの異なる依頼をどちらも両立させるなんて不可能ですよ。」


八幡「そうだ。だがもしもどちらか片方…
つまりこの場合なら俺が海老名の相談の真意に気づかずに、
奉仕部が戸部の依頼のみを実行していたらどうなっていたと思う…?」


ヒキオの質問にあーしは考えた。

もしも戸部だけの依頼を実行していた場合…?

当然だけど戸部は告白を断られて海老名にフラれる。

それはわかりきっている。

でもそれ以外に何がある…?

例えばあーしらのグループ内はどうなっていただろうか。

たぶんあのグループは気まずい雰囲気になっていたはず。

それに雪ノ下さんや結衣が関わるってことは…あ…そうか…!

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:27:53.07 ID:gi+EjEyj0

八幡「三浦は気づいたようだな。
そう、奉仕部があのまま戸部の依頼を実行していたら間違いなく、
非難されていたのは俺だけじゃなく雪ノ下と由比ヶ浜にまで及んでいたはずだ。」


戸部「ちょっと待った!何で結衣っちたちにまで…!?」


少女A「それはたぶん…
雪ノ下さんは奉仕部の部長として依頼を達成できなかった責任を擦り付けられて、
それに由比ヶ浜さんも依頼を引き受けてしまった身だから、
あなたたちから叱責を受ける可能性があったからじゃないのかな?」


海老名「うん…間違いなくあり得たかもしれない話だね…」


ヒキオの話に思わずあーしも納得していた。

これが本来なら隼人がやろうとしていた顛末だったなんて…

ヒキオがあの嘘告白を行わなければ、

あーしらは結衣と雪ノ下さんまで責めていたとまでは思いたくないけど…

それでもグループ内で結衣が阻害される可能性はあったはずだ。

それをわかっていたからヒキオは敢えてあの嘘告白を行ったわけか。

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:30:08.75 ID:gi+EjEyj0

八幡「正直、あの時の俺はお前たちのことなんて二の次だった。
ただ…奉仕部を…いや…あいつらのことを守りたかっただけだ。
だから本当に謝るべきは身勝手な行動に出た俺の方だ。すまない…」


戸部「ちょ…やめてくれよ…比企谷くんに謝られたら俺ら立場ねーじゃん!」


海老名「身勝手なら私の方こそ…あなたたちに押し付けたのがそもそもの原因だから…」


三浦「ていうかヒキオのは身勝手じゃないっしょ。
結衣のこと守ろうとしていたわけだしさ。やっぱり身勝手なのはあーしらだよ。」


そんな結論を出したけど…

でもやっぱり一番の身勝手なのはこの場にいない隼人だと今更ながら痛感した。

確かにあーしがヒキオに謝罪するとは言ったけど、

海老名や戸部とちがって自分からヒキオの前に姿も見せずにいる。

今にして思えばあーしは何であんな男を好きになってしまったのか疑問を抱くほどだ。

それから戸部は部活の時間だからと部屋を出て行き、

これまで話を黙って聞いていた城廻先輩があることを切り出してきた。

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:31:03.25 ID:gi+EjEyj0

めぐり「あの…話の腰を折るようで悪いんだけど…
それで結局生徒会役員にはなってくれるのかな…?それとも…」


八幡「あ、城廻先輩。すいません…すっかり存在を忘れてました…」


少女A「途中からずっと蚊帳の外だったからね。」


めぐり「だってしょうがないじゃない~!
みんなとは学年ちがうから何の話かまったくわからないし…
それで生徒会に入ってくれるの?それともちがうの?」


そういえばそんな話をしていたような…

そこで生徒会室を見てふと思った。

確かこの生徒会ってヒキオと彼女以外はまだ誰もいないんだよね。

それなら…!

あーしは決心した。

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:32:01.19 ID:gi+EjEyj0

三浦「よし決めた!今度の生徒会にあーしが入るし!」


八幡「お前何言ってんだよ?」


三浦「いいじゃん。どうせ人いないんだしさ。それともアンタに人集めができるわけ?」


八幡「それを言われると痛いな…」


少女A「確かに…比企谷くんに人集めは無理かも…」


めぐり「いいよいいよ!入ってくれるならなんだっていいからね~!」


どうやらあーしの生徒会入りはほぼ確定したようだ。

30人の推薦人だってクラスのみんなに協力してもらえばすぐに集まるだろうし。

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:32:29.75 ID:gi+EjEyj0

海老名「それなら…私も…いいかな?」


八幡「海老名…お前もか…?」


少女A「でも…海老名さん…あなたは…」


海老名「うん…わかってる…
修学旅行の一件は私に責任があることは…私自身が一番わかっているよ。
でもここで何もしないで見ているよりはね…」


八幡「なぁお前ら。
こんなこと言いたかないが罪滅ぼしのつもりならやめておけ。お互い気まずいだけだろ。
それに他人から見たらお前らは葉山から俺に乗り換えただけに見られるだけだぞ?」


ヒキオの言う通り確かにあーしらがやろうとしていることは罪滅ぼしみたいなものだ。

それでもあーしらの気持ちは変わらない。

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:33:16.98 ID:gi+EjEyj0

三浦「だからってこのままでいいってわけにはいかないっしょ?」


海老名「うん、誰かに悪く言われたとしても元々は私たちが原因だからね…」


三浦「全部引っ括めてあーしらは覚悟決めたわけ!アンタが気にすることはないよ!」


少女A「いいんじゃないかな。
少なくともこの人たちは比企谷くんの前に謝りに来てくれたんだから。
気まずいからっていう理由で来ない人たちよりはよっぽど信頼できると思うよ。」


彼女の言葉にヒキオもまた納得したようだ。

でも今の言葉は少し引っ掛かる。

たぶんこの子は遠まわしでこう言っているんだ。

この場に来ない隼人、それに結衣や雪ノ下さんは信頼するに値しないってことだよね…

確かにヒキオと同じ部のあの二人ならこの場に居てもいいはずだ。

でもこの部屋に二人の姿はない。

それはつまり信じられないけど昨日のあの噂は本当だということなのかもしれない。

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:34:48.25 ID:gi+EjEyj0

三浦「ねぇ、早速だけどさ…ヒキオじゃないや…
ハチオは今からあーしらのことを苗字じゃなく名前で呼ぶし!」


八幡「何でいきなり名前呼びなんだよ…?」


三浦「うっさい!もう決めたことだから!
これからは堅苦しいの抜きでみんな本音で語りあってく!
じゃないと…また同じことの繰り返しだから…」


海老名「同じことの繰り返し…そうかもしれないね…だからよろしくねハッチー!」


八幡「海老名までかよ…
わーったよ!三浦…じゃなくて優美子…でいいのか…?」


まだ照れくさそうにしているけどまあこれでいいか。

さてと、ここまではお膳立てしてあげたんだから。

あとは彼女さん、アンタの番だよ。

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:36:01.37 ID:gi+EjEyj0

少女A「あの…比企谷くん…じゃなくてその…はち…まん…?」


八幡「え…?ちょ…いきなりどうしたんだよ!?」


少女A「だって…みんな名前呼びなんだから…私も…その…彼女だし…」


八幡「あ…そうだったな…それじゃあ…『 』…これでいいか…?」


少女A「うん!改めてこれからもよろしくね八幡!」


初々しいことで…

でもとりあえずはこれでよかったとあーしは思っている。

結衣には悪いけどアンタがハチオを本気で好きならこの場にこれるはずだよね。

もしもアンタがここへ来る気があるなら、

その時はあーしが親友としてアンタを同じ舞台にまで引き上げてあげる。

でも…アンタがハチオに噂通りのことをやったのなら…

その時は悪いけどあーしはハチオの味方になるよ。

これがあーしのけじめ。

ハチオを苦しませてしまったあーしの罪滅ぼしだ。


<三浦優美子の場合>

end

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 11:36:51.48 ID:gi+EjEyj0
とりあえずここまで

続いて他のヒロインたちの視点で番外編を描いていきます
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/30(土) 13:45:23.45 ID:VC9GZBTEo

いろはがどういう経緯で生徒会に入ったか見たいな
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:52:07.87 ID:oTXMUbh/0

<一色いろはの場合>


いろは「生徒会室、本当なら私がここへ入るはずだったんですよね。」


私こと一色いろははこの生徒会室前にいる。

これからある人の頼みでこの部屋に乗り込まなければいけません。

そう、恋する乙女はいつも真剣勝負なのです。

いざ…!

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:52:36.89 ID:oTXMUbh/0

八幡「よう、一色じゃねーか。今度は何の用だ?」


いろは「先輩…それに…」


私は覚悟を決めて生徒会室へと入った。

当初、私はこの部屋には先輩だけしかいないと思っていた。

けれどその部屋には意外な人たちがいたのです。

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:53:03.64 ID:oTXMUbh/0

三浦「アンタ確かサッカー部のマネージャーやってる1年の一色じゃん!」


海老名「本当だ。戸部っちたちと一緒にいるとこよく見かけたよ。」


いろは「三浦先輩に海老名先輩!?」


なんと部屋に居たのは、

葉山先輩のグループで女王として扱われていた三浦先輩。

それにもう一人は腐女子の海老名先輩だ。

まさかあのお二人がこんな場所になんて…


少女A「一色さんでしたね。どんな用があってこちらへ?」


いろは「あ、確か新しい副会長さんでしたね。その…私がここに来た理由なんですけど…」


私は密かに先輩へ視線を送った。

実は今回ここへ来たのはこの先輩に用があったからだ。

でもまさかこんなに人がいるとは思わなかった。

確か数日前までこの生徒会には先輩一人だけだと聞かされていたから…

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:53:59.64 ID:oTXMUbh/0

少女A「……一色さん大丈夫?もしかして私たちには言いづらいことなの?」


三浦「わざわざここまで来たのに何も言わないはないっしょ。言ってみなよ。」


海老名「二人とも…そんなに脅したら可哀想だって…!」


八幡「お前らとにかく落ち着け。
一色、もしかして俺にだけ話があるんじゃないのか?
お前さえよければ二人で話すこともできるぞ。」


恐っ!この人たち私に対して敵意丸出しじゃないですか…!?

けど先輩が空気を読んでくれて助かりました。

そんなわけで私は先輩を部屋から連れ出すことに成功したのです。

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:54:28.00 ID:oTXMUbh/0

八幡「それで何の用があるんだ?お前の依頼は片付いたはずだぞ。」


いろは「え~と…その件はもういいんです。今日先輩に会いに来たのは…」


正直気まずい。

先輩を呼び出すだけでもこれだけ気を使ったのに、

これからあの話をしなければならないと思うと気が思いやられる…

でも言わなければいけません。

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:55:05.76 ID:oTXMUbh/0

いろは「率直に伺いますね。先輩!あの噂は本当なんですか!?」


八幡「あの噂…?」


いろは「とぼけないでください!
先日、先輩が屋上で自殺未遂しそうになったって噂ですよ!!」


そう、私が先輩に尋ねたのはあの屋上での噂だ。

なんでも雪ノ下先輩たちに貶められて危うく命を絶とうとしたとか…

その真偽を確かめるために私は先輩に話を聞きに来たのです。

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:55:33.53 ID:oTXMUbh/0

八幡「悪いが部外者のお前に話すことは何もないぞ。」


いろは「そうですね。
確かに私が聞き入っていいような話じゃありませんよね。
でも…ある人がこう言っていたんです。
その噂は先輩が自分で流した嘘の内容なんじゃないかって…!」


八幡「それは…どういうことだ…?」


先輩は私に対して疑惑の目を向けてきた。

たぶん今私がやっていることは恥知らずなことだと思う。

以前この人は噂の渦中だったのにも関わらず、

私のためにわざわざ生徒会入りをしてくれた所謂恩人だ。

そんな人を疑わなければならないのだから心苦しい。

でも私は確かめずにはいられなかった。

それは私個人が知っておきたいことでもあり、

それにもうひとつはこの私の行動がある人の頼みでもあるからだ。

その人とは…

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:56:31.50 ID:oTXMUbh/0

葉山「いろは、こんなことを頼んですまなかったね。」


八幡「葉山…お前と一色…これはどういう組み合わせだ…?」


いろは「すいません…実は葉山先輩に頼まれて先輩を呼び出すことになっていたんです。」


葉山「ヒキタニ、雪ノ下さんたちの噂はキミも聞いているだろう。
今、彼女たちは事実無根なこの噂に苦しんでいる。だから俺もこうして動いているんだ。」


そうです。今回私に先輩を呼び出すように頼んできたのは葉山先輩なのです。

葉山先輩は先輩から噂の事実を確かめようと呼びつけた。

でも先輩を呼び出すのに何で私を頼んだのかが些か疑問なんだけどな…?

まあそこはあの葉山先輩に頼られたということで納得しておきましょう。

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:57:11.87 ID:oTXMUbh/0

八幡「葉山、お前だって部外者だ。一色と同じようにお前に話すことは何もないぞ。」


葉山「あぁ、確かに俺は部外者だ。
でも雪ノ下さんや結衣が困っているんだ。放っておけるわけがないだろ。」


八幡「勿体ぶるのがお前の悪い癖だな。言いたいことがあるならハッキリ言ったらどうだ?」


葉山「そうだな。それじゃあ言わせてもらうぞ。
キミだって自分が原因であの二人の悪評を広めたくはないはずだ。
それなら…わかるだろ…?」


葉山先輩はなにやら先輩にだけわかるようなことを言い出してきました。

その言葉に先輩はその腐ったような目をさらに鋭くして葉山先輩を睨みつけています。

何なの…?

葉山先輩は先輩に何を伝えようとしているんですか…?

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 09:58:10.49 ID:oTXMUbh/0

八幡「つまり…俺に文化祭や修学旅行の時のことをやれって言うんだな…?」


葉山「それしか手はない。
噂の真偽はともかくあの二人はキミのせいで傷ついているんだ。
これはキミ自身がやらなければならないことのはずだ!」


いろは「あの…お二人とも…一体何の話をしているんですか…?教えてくださいよ!」


この二人の話に思わず危機感を抱いた私はなんとか問い質そうとする。

けど…ダメだ…

私には何の話なのかさっぱりわからない。

文化祭や修学旅行の時と同じことを先輩にやらせる…?

それって一体どういう意味なんですか…!?

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 10:22:38.20 ID:91hi3fADO

開いた口が塞がらない
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 11:15:08.82 ID:sRIM5pCT0
すごい、本人に「生贄になれ」って直接言う葉山って初めてじゃない?今までは裏でコソコソやるばっかりだったから。それを可能にしたこの作品はやっぱり名作。
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/01/31(日) 11:19:30.34 ID:N1LK/TJN0
こうして1ヶ月後の葉山が出来上がるのね
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:39:13.62 ID:K/l0HbPI0

少女A「いい加減にして!!」


葉山「キミは…」


八幡「お前…どうしてついて来たんだ…?」


三浦「ハチオのことが気になってね。何かあるんじゃないかと思ったけどやっぱり…」


海老名「悪いけどさっきの話は全部聞かせてもらったよ。
私たちがいないからってハッチーに直接生贄になれなんて…
隼人くん油断しちゃったね。」


そこに現れたのは先ほど遠ざけたはずの御三方だった。

どうやら先輩が心配になって様子を見に来てくれたらしい。

先輩って意外と過保護にされていたんですね。

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:39:41.67 ID:K/l0HbPI0

少女A「葉山くん!あなたはどこまで八幡を苦しめれば気が済むの!」


葉山「だが最初に雪ノ下さんたちを苦しめたのはヒキタニだ!彼が責任を取らなければ!」


少女A「そこがおかしいんですよ。
一色さん、その実は八幡が悪かったという話は誰から聞いたの!?」


いろは「それは勿論葉山先輩からですけど…?」


海老名「はぁ…やっぱり…」


三浦「隼人…アンタって人は…」


私の返答に三浦先輩たちはまるで呆れたような顔をして葉山先輩を睨みつけた。

え~とこれって考えたくはないけど…もしかして…?

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:40:44.84 ID:K/l0HbPI0

少女A「その八幡が悪いという話は葉山くんの勝手な憶測ですね。」


海老名「それでハッチーにこの前と同じように面倒事を押し付けよとしているよね。」


三浦「隼人!いい加減にするし!」


葉山先輩の勝手な憶測…?

確かに葉山先輩はこの件に関しては部外者ですから憶測かもしれない。

でも雪ノ下先輩たちが先輩を貶めた噂よりは信憑性はあります。

でも何でそんなことを…?

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:41:10.56 ID:K/l0HbPI0

少女A「確かに八幡の方が悪いという噂の方が周りには信じてもらえますからね。
それも葉山くんが口添えすればさらにその信憑性はさらに高まります。」


海老名「それで雪ノ下さんたちの悪評はなくなるわけだね。」


三浦「でもこれじゃあハチオがまた悪く言われる…」


葉山「だがこれが事実のはずだ!
彼女たちがヒキタニに嘘告白をして貶めたなんてありえるはずがない!?」


葉山先輩は三人の女傑を相手に力強く反論しています。

確かにいろはも先輩を知る前なら葉山先輩の意見に賛成していたでしょう。

けどそれは先輩を知る前の話です。

今は…ちがいます…

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:41:39.62 ID:K/l0HbPI0

いろは「葉山先輩、それは雪ノ下先輩たちから直接聞いた話なんですか?」


葉山「いろは…?」


いろは「憶測で判断するなんてどうかと思いますよ。
仮にも葉山先輩はこれから先輩を糾弾するんですよね?
だったらこの噂が事実か確かめるために加害者の雪ノ下先輩たちを問い詰めるべきです!
それなのに何でいきなり先輩が悪いなんて話に飛躍するんですか!?」


葉山「そんなことが出来るはずないだろ!
あの二人はこの噂で苦しんでいる被害者なんだ!?
そんな彼女たちを問い詰めることなんて俺には…」


確かに葉山先輩は優しい。

以前の私ならそう思えました。

けど何故だろう…

今の私にはこの優しさが紛い物のように感じられます。

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:42:35.18 ID:K/l0HbPI0

少女A「雪ノ下さんたちを問い詰めることはできないけど八幡になら出来るんですね。」


海老名「なんだかおかしな話だよね。」


葉山「何故だ?現に彼女たちはこの噂が原因で苦しんでいるはずだ!」


三浦「だからそれがおかしいんだよ隼人。
何でアンタはまず雪ノ下さんたちの心配するわけ?
この件で一番の被害者はハチオなんだよ。
それに隼人は修学旅行の件を忘れてないよね。
アンタはハチオを糾弾する前に謝罪しなきゃダメじゃん!」


三浦先輩の言うように確かにこの噂の被害者は先輩です。

それを雪ノ下先輩に問わないのは葉山先輩の優しさなのかもしれない。

確かに優しい葉山先輩があの二人を気づかってのことだと思うけど…

でもそんな時、この状況を見かねた先輩が葉山先輩にこう語りかけてきました。

95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:43:22.39 ID:K/l0HbPI0

八幡「葉山もういいぞ。
今のことをみんなの前で話せ。そうすればあいつらの信頼はすぐに回復するだろ。」


葉山「やはり事実だと認めるんだな。」


八幡「事実かどうかなんてこの際関係ない。
だがこうすればあいつらの悪評がこれ以上広まることはないはずだ。」


いろは「先輩待ってください!
ちゃんと話して!この噂は事実なんですか?それともまったくの嘘なんですか!?」


私は先輩を問い詰めた。

冗談じゃない…!

これじゃあ私が先輩を悪人に仕立て上げるみたいじゃないですか!

そんなのダメです…絶対に…!

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:43:58.91 ID:K/l0HbPI0

八幡「一色落ち着け。いつものことだ。俺が泥を被ればそれで解決する問題だろ。」


いろは「ダメです!先輩は私を悪人に仕立てあげたいんですか!?」


八幡「それは…どういう意味だ…?」


いろは「だって…これって事実かどうかもわからない話なんですよ…?
それなのに勝手に先輩が悪いなんてことになったら私…嫌ですよ…
それに先輩には私の代わりに生徒会長になってもらった恩があります。
そんな先輩を悪人に仕立て上げるって…
これじゃあ先輩を呼び出した私が先輩以上の悪人になっちゃいますよ…」


先輩は困った顔をして心配する私とそれに副会長さんたちを見ています。

そうですよ。少しは困ってください。

お願だから私を悪人にさせないで…

だって先輩が傷つく姿なんて見たくないから…!

この光景を目の当たりにしている葉山先輩が戸惑っている。

今ならこの人が小さく見える気がする…

97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:44:25.90 ID:K/l0HbPI0

少女A「葉山くん!これ以上八幡にふざけた相談をするのはやめて!」


葉山「ふざけてなんかいない!俺は真剣だ!」


三浦「でもこの話ってどう考えてもハチオを貶めるようにしか思えないよ。」


いろは「先輩を貶めるってどうして…?」


そこで海老名先輩がこっそりと、

事情を知らない私に文化祭や修学旅行で先輩がやったことを私に教えてくれました。

なるほど、先輩は誰もが傷つかずに済む方法を取ったと…

この人はバカですか?

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:45:17.15 ID:K/l0HbPI0

いろは「先輩はバカですボケナスです八幡です!」


八幡「おい…最後のヤツは貶すようなことじゃないはずだぞ…?」


いろは「だってその通りじゃないですか!
先輩は本当にバカなんですから!何で先輩が傷つかなきゃいけないんですか!?」


八幡「そりゃ…この件は俺に原因があるからな…」


葉山「その通りだ。これはヒキタニに問題が…」


そこで葉山先輩はいきなり言葉を遮られたのです。

この時は私も恐怖しました。

何故ならあの副会長さんが恐ろしい形相で葉山先輩を睨みつけたからです。

本当に恐いです!私も思わずガクガクブルブルです!
99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:46:05.14 ID:K/l0HbPI0

少女A「八幡に問題があるですって?あなた…どこまで八幡を貶めれば気が済むの…!」


葉山「だが…雪ノ下さんたちがあんなことを仕出かしたなんて…
俺にはどうしても思えないんだ!それとも何か証拠があるとでもいうのか!?」


少女A「証拠ならありますよ。私もあの場にいましたから!」


その副会長さんの言葉に葉山先輩は大層驚いていました。

まさかこの場に当事者が先輩の他にもう一人いたなんて予想していなかったんでしょうね。

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:46:32.48 ID:K/l0HbPI0

少女A「あの噂は全て事実です。
私が告白する直前、何故か雪ノ下さんたちはその告白を遮り比企谷くんへ嘘告白をした。
その後は…」


三浦「やっぱり…結衣たちの噂は本当だったんだ…」


海老名「私も半ば話が飛躍しただけかと今まで半信半疑だったけど…」


葉山「そんな…信じられない…」


どうやら三浦先輩と海老名先輩もこの事実を改めて聞いて驚いているようです。

私だって同じ気持ちですよ。

まさかこの学校で人気のあるあの二人がそんなことを仕出かすなんて…

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:47:09.65 ID:K/l0HbPI0

葉山「ヒキタニ…そんな…嘘だろ…言ってくれ!悪いのはキミであの二人は無実だと!?」


八幡「葉山…何でお前はそこまでするんだ…少しおかしいぞ…?」


葉山先輩は先輩の襟首を掴み問い詰めている。

確かに何かがおかしい。

この場にいる誰もが違和感を持ち、

そんな葉山先輩の姿を見た三浦先輩があることを呟いたのです。

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:47:49.88 ID:K/l0HbPI0

三浦「やっぱり、隼人は雪ノ下さんのことが好きなんだね。」


いろは「それってどういうことですか?」


八幡「待て優美子?葉山は雪ノ下から毛嫌いされているはずだぞ?」


海老名「あ、そうか。これってそういうことなんだ!」


少女A「それなら納得ですね。」


どうやら御三方は何か納得したようです。

これって何なの…?

誰か私にもわかるように教えてくださ~い!

103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:48:40.48 ID:K/l0HbPI0

海老名「それじゃあ簡単に説明するね。
隼人くんと私たちが居たあのグループは解散しちゃったの。
あれから何度か隼人くんは私たちに話しかけてくるけど、
私たちはもうあのグループに未練はないんだよね。」


三浦「おまけに隼人が修学旅行で奉仕部に、
戸部と姫菜の件を丸投げしたって話でクラスでの隼人の人気は下回っているし…」


少女A「そんな時に八幡と雪ノ下さんたちの噂が出回った。
この学校で人気者のあの二人が、
八幡を貶めたなんてことは絶対にありえないと葉山くんは思い込んだ。」


いろは「それじゃあ…葉山先輩がやろうとしていることって…
今回の件を利用して先輩を貶めて自分の信頼を回復させるためだったんですか!?」


先輩たちの導き出した答えに私は愚かにもようやくこのことに気づかされました。

あの葉山先輩がまさか…そんなことを…!?

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:49:24.43 ID:K/l0HbPI0

葉山「いや、俺は純粋に彼女たちを救いたいだけなんだ!本当だ!信じてくれ!」


八幡「そうだな…
たぶん葉山が雪ノ下たちのことを助けたいという気持ちは本当のはずだ…」


葉山「そうさ、俺だって本当ならこんなこと頼みたくはない。
けどこのままでは雪乃ちゃんたちはみんなから孤立してしまう!
頼む比企谷…あの時と同じく彼女たちのために…!」


葉山先輩はこれが雪ノ下先輩と結衣先輩のためだと言っている。

それを先輩も一応理解しているみたいだ。

でも…私たちはちがいます…

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:51:13.53 ID:K/l0HbPI0

少女A「冗談じゃない!これ以上あなたの身勝手な頼み事を八幡に押し付けないで!」


葉山「それは…」


三浦「それに隼人って肝心なことを何も言ってないよね。
アンタはこの件を利用して大好きな雪ノ下さんとお近づきになりたいって魂胆なんしょ?」


葉山「なっ…ちがう!そんなことは!?」


海老名「悪いけど男子のハッチーは、
鈍感だから気づかないけど私たち女子から見たらそう思えちゃうんだよね。
もしかして修学旅行で隼人くんがハッチーに問題を押し付けたのも、
ハッチーを遠ざけて自分が雪ノ下さんたちに近づくためだったんじゃないかな?」


いろは「確かに学校内でも、
以前から葉山先輩と雪ノ下先輩が付き合ってるんじゃないかって噂がありますけど…」


葉山「やめてくれ!俺はそんな邪な考えで助けようとしているわけじゃない!?」


たぶん今の葉山先輩の反応からして付き合っているという噂は単なるデマだと思う。

でも葉山先輩は今回の件を解決すれば雪ノ下先輩と近づけると判断したにちがいない。

おまけに雪ノ下先輩と唯一交友がある男子の先輩を排除出来て、

みんなからの信頼を回復することも可能ときている。

これは葉山先輩にとってまさに一石二鳥な超好都合な展開じゃないですか。

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:53:22.62 ID:K/l0HbPI0

八幡「葉山、悪いが今回俺は何もすることはできない。」


葉山「そんな…頼む比企谷!これはキミにしか出来ないことなんだ!」


八幡「今までの俺ならたぶん断れなかったはずだ。
でも今の俺はちがう。ここで今までみたく泥を被れば俺のために悲しむヤツがいる。
優美子や姫菜、それに『 』がな!」


葉山「だが…それでも…!」


八幡「それにお前は今回のことで一色のことを考えたか?」


葉山「いろはが…どういうことだ…?」


八幡「何だよ。雪ノ下と由比ヶ浜のことばかり気にして一色のことは考えてなかったのか?
さっき一色が言っていただろ。俺が今回の件に協力したら自分まで悪人になるって…
つまりこのまま俺が協力してもしも周りに真相がバレてみろ。」


八幡「その時に傷つくのは他の誰でもない。
お前に協力させられた一色にみんなの悪意が向けられちまうんだよ!」


先輩の言葉に気づいた葉山先輩がいきなり私を心配するような視線を向けてきた。

今更こんなことに気づかないでください。

むしろ迷惑です。もうあなたに気なんかありません。本当に勘違いしないで…!

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:53:59.68 ID:K/l0HbPI0

三浦「ていうかそんなに雪ノ下さんたちのこと守りたきゃ隼人が犠牲になれば?」


海老名「無理だよ。隼人くんは自分が可愛いからそんなことは絶対できないよ。」


葉山「待ってくれ優美子!姫菜!俺は…本当に…!?」


葉山先輩は三浦先輩たちに『誤解だ!信じてくれ!』と喚いています。

でも二人の視線は氷のように冷たい。

これがかつて私の憧れていた葉山先輩かと思うと背筋がぞっとしますよ。

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:55:03.06 ID:K/l0HbPI0

少女A「葉山くん、もうここにあなたの味方はいませんよ。」


八幡「葉山、お前が本気で雪ノ下たちのことを心配しているなら、
こんなことしてないでさっさと会いに行ってやればいいだろ。何故そうしないんだ?」


葉山「それは…」


三浦「わかってるし…
手ぶらで行ってもまともに相手にされないから、
ハチオに罪を擦り付けてそれを手土産に雪ノ下さんに近づこうって魂胆だったんだね。
格好つけたがるアンタがやりそうなことじゃん。」


海老名「ハッチーに罪を被せて、
それを隼人くんが暴いたなら正義のヒーロー葉山隼人の完成だもんね。」


葉山「そんなつもりはない…!
お願いだ比企谷!どうかあの二人を助けるためにもキミの力を貸してくれ!!」


葉山先輩はまだ否定してそして先輩に懇願しています。

ここまで往生際が悪いとさすがにみっともないんですけど…

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:56:44.02 ID:K/l0HbPI0

三浦「ていうか一色を使って呼び出したのも、
あーしら…つーかこのハチオの彼女ちゃんにバレるのが恐かったからなんだよね?」


海老名「後輩のいろはちゃんが、
この件に巻き込まれていると知ったらハッチーも無視するわけにはいかないもんね。」


海老名「おまけに生徒会室には、
隼人くんの取り巻きグループを壊滅させた副会長ちゃんがいるからね。
知られたらまた面倒なことになる。だから敢えてハッチーを私たちから遠ざけた。
今の隼人くんは私以上に性根が腐っているよ。」


少女A「葉山くんはどこまで他人を利用すれば…!正直呆れますね!」


あぁ…やっぱり私は利用されていたんだ…

1時間前まで葉山先輩に呼び出されてウキウキしていた自分を張り倒したいですよ。

こんな人に利用されていただけなんて我ながら情けないなぁ…

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:57:13.30 ID:K/l0HbPI0

葉山「確かにいろはに何も伝えずにいたのはすまなかったと思う。
だがこれだけはわかってほしい。俺は純粋に雪乃ちゃんたちを救いたいだけなんだ!
この気持ち、キミなら理解できると思うはずだよ。」


少女A「何であなたの気持ちを私が理解できると…?」


葉山「以前キミはヒキタニのために行動した。
それは俺だって同じだ。俺も守りたい人たちのために動いている!
俺とキミ、まさに同じじゃないか!」


葉山先輩はまだあの副会長さんに食いつこうとしています。

自分と同じく守りたい人のために動いているからと…

でも副会長さんはこう吐き捨てたのです。

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:57:42.08 ID:K/l0HbPI0

少女A「私とあなたが同じ…?葉山くんから見たら確かにそうかもしれないですね。」


葉山「それなら…!」


少女A「でもひとつだけちがいます。
それは八幡が無実で雪ノ下さんと由比ヶ浜さんに非があるということです!」


少女A「葉山くんが庇っている二人は八幡を貶めた人たち…
ところで葉山くんはさっき言いましたよね。守りたい人のために動いていると。
それなら私が八幡のために動いたあの行動を、
あなたは理解してくれているということじゃないんですか!」


そして遂に副会長さんの怒号が飛び散った。

まさにブーメランです。葉山先輩はもう何も言えません。

哀れ葉山先輩は引導を渡され引き下がることに。

けれど…


葉山「俺はまだ諦めない。俺のやり方で必ず雪乃ちゃんたちを救ってみせる!」


この人はさっきの話を理解していたのでしょうか?

正直頭のネジが2、3本ぶっ飛んじゃったんじゃないのかと疑うほどです。

ていうか捨て台詞がまるでどこかの三流の悪役みたいで格好悪いですね。

まあ葉山先輩なんかもうどうでもいいですよ。

そんなことよりも私にはやらなければならないことがありますからね。

112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:58:21.62 ID:K/l0HbPI0

いろは「先輩!本当にごめんなさい!まさかこんなことになるなんて…」


八幡「気にすんな。別にお前のせいなんかじゃない。元々お前は利用されていただけだ。」


いろは「それでも今回ご迷惑をかけたお詫びに何か償えることがあれば…!」


ここで何もしなければ私も葉山先輩と同じ恥知らずになる。

それだけは嫌です。

先輩には恩があります。

それなのにこんな葉山先輩に利用されただけなんて…

だからこのままで終わらせたくはない…!

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 17:59:09.61 ID:K/l0HbPI0

三浦「だったら生徒会に入らない?
まだ人手不足だしアンタなら30人の推薦人くらいすぐに集められるっしょ?」


八幡「おい待て待て!
一色は生徒会に入るのが嫌だから俺が代わりに会長やってんだぞ!?」


海老名「でもいろはちゃんが嫌だったのは生徒会長になることだよね。
役職が生徒会長でなければ大丈夫じゃないのかな。いろはちゃんはどうなの?」


いろは「1年生に生徒会長はさすがに荷が重すぎましたからそれ以外なら…
それにこんなことがあったからもう葉山先輩のいるサッカー部にはいられませんよ。」


少女A「確かにそうかも…
むしろ生徒会に入れた方が一色さんを守ってあげられるんじゃないかな?」


先輩は少し考え込んでいたけど御三方の意見を聞き私の生徒会入りを決断しました。

もっとも推薦人を集めるのはこれからだけど私なら楽勝です!

114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 18:00:01.93 ID:K/l0HbPI0

八幡「なんだか妙なことになっちまったけど、一色はこれでいいのか?」


いろは「はい。むしろこの方が都合いいかも…!
そんなわけなのでこれからよろしくお願いしますね先輩!じゃなくて会長!」


八幡「あぁ、よろしく。一色…じゃなくて…いろは…」


え…?

いきなり名前呼び…?

すいません。いきなりはきついです!勘違いしないでください!

先輩は慌ててこれは三浦先輩がみんなのことを名前で呼べって言うから仕方なく?

そんな言い訳は見苦しいですよ。私に気があるならあるとハッキリ言うべきです!


少女A「…」


あれ?何故か副会長さんの視線が恐いんですけど…私…何かしましたか…?

一色いろはの場合 

End

115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 18:00:36.67 ID:K/l0HbPI0
ここまで

いろはすが仲間になりました

次は小町ちゃんの話です
116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 18:01:37.60 ID:RvYKDP+AO
>>115

最大限に乙!
120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/01(月) 18:16:39.44 ID:bCSrGrBgO
乙。小町は前の話から期待してたので楽しみ。
140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:11:01.24 ID:XnflNv0a0

<比企谷小町の場合>


『そんなわけだからよろしくね小町ちゃん!』


『あなたが頼りなの。お願いできるかしら。』


小町「了解です!小町におっまかせください♪♪」


小町は嬉々としながら携帯である二人と話をしていた。

相手は雪乃さんと結衣さんのお二人。

その話の内容はどうやらここ最近のお兄ちゃんとの不仲にあるらしい。

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:12:01.67 ID:XnflNv0a0

『修学旅行の後…ヒッキーと仲が悪くなって…』


『小町さんに比企谷くんをなんとか説得してほしいの。』


それが雪乃さんと結衣さんの頼みだった。

実は小町もお兄ちゃんが修学旅行から帰ってきて以来、不仲になっている。

これはいい機会だ。

お兄ちゃんをとっちめて二人に謝らせてついでに小町にも謝ってもらおう。

そんなわけで早速お兄ちゃんに連絡をすることにしたんだけど…

携帯に出たお兄ちゃんからは意外な返事が返ってきた。

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:13:46.20 ID:XnflNv0a0

『実は俺も小町に話がある。今日は紹介したいヤツを連れて行くから待っていてくれ。』


え~と…今の聞き違いかな…?

お兄ちゃんが家に誰かを連れてくる…?

この15年間、小町はお兄ちゃんとずっと一緒にいるけど、

お兄ちゃんが誰かを家に連れてきたことは一度としてなかったよね。

それが…いきなり…?

マジで…!?

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:15:20.74 ID:XnflNv0a0

八幡「ただいま。小町いるか~?」


おっと…!

そんなことを考えているうちにお兄ちゃんが帰ってきちゃった。

小町は急いで玄関で出迎えるとそこにいたのは…


少女A「小町ちゃんだよね。初めまして。」


小町「お…女の人…お兄ちゃんこの人は何なの…?」


玄関の前にお兄ちゃんと一緒に現れたのは一人の女の人だった。

その人は雪乃さんでも結衣さんでも大志くんのお姉さんでもない小町の知らない人だ。

そんな狼狽える小町に対してお兄ちゃんは照れ臭そうに目の前にいる女の人を紹介した。

144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:16:15.41 ID:XnflNv0a0

八幡「まずは紹介させてくれ。
俺と同じ生徒会の副会長で…それで…俺の…彼女なんだ…」


少女A「初めまして、八幡とお付き合いさせてもらっています。」


え…今なんて言った…?

かかかかかか彼女…!?

なんですとぉぉぉぉぉぉ!?


小町「とりあえず…上がってください…」


少女A「ありがとう。それにしてもここが八幡のお家なんだ。なんだか緊張しちゃうね。」


八幡「そんなに畏まるなよ。大した家じゃないからな。」


小町「それで一体どういうことなの!ちゃんと説明してちょうだい!?」


それからお兄ちゃんはここ最近の出来事を小町に話してくれた。

まず生徒会に入り生徒会長になったこと。

そしてこの目の前にいる彼女さんと付き合いだしたこと。

どうやら二人が付き合っていることは間違いないらしい。

けれど…

145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:18:19.45 ID:XnflNv0a0

小町「とりあえずお兄ちゃんが彼女さんと付き合っていることはわかったよ。
でも…それは置いといてだよ…雪乃さんたちのことはどうするつもり…?」


八幡「おい待ってくれ。どうしていきなり雪ノ下たちの話になるんだ?」


小町「だってそういうことじゃん!
お兄ちゃんは奉仕部を放り出して生徒会に逃げたんだよ!傍から見たらそう思われるよ!」


さすがに雪乃さんたちから連絡があったことはお兄ちゃんの前で言いたくはない。

一応小町は雪乃さんたちの味方だ。

こんなダメな兄と向き合ってくれた人たちだからこそ蔑ろにしたくはない。

でもお兄ちゃんは雪乃さんでも結衣さんでもない他人を家に招いている。

これは小町ポイント低いよお兄ちゃん。

146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:21:34.73 ID:XnflNv0a0

少女A「小町ちゃん、まずは私から話をさせてほしいの。」


小町「少し黙ってもらえますか。私は兄に話を聞いていますから。」


少女A「悪いけどそれは無理だよ。たぶん大切な妹さんだからこそ話せないと思うから。」


八幡「いや、やっぱりこれは俺が話すべきことだろ。」


少女A「ダメだよ。こんなことあまり話していいことじゃないから…」


二人は見つめ合いながらその時のことを語り合っていた。

あの…二人とも小町がいること忘れていない…?

いきなりイチャつかれても小町ポイント上げられないよ。

でもそんなに言うならあなたの口から聞かせてもらいましょうか。

147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:22:55.92 ID:XnflNv0a0

小町「そうだお兄ちゃん!せっかくお客さんがいるんだからお菓子用意しないと!」


八幡「お菓子って…家に何かあったか?」


小町「たぶんお客さまに出すようなお菓子はないと思うよ。
だから今度駅前に出来た新しいケーキ屋さんで美味しいのを買ってきて!すぐ行ってね!」


八幡「しゃーない。わかったよ。」


私のお願いを聞き入れたお兄ちゃんはそのままお菓子を買いに行った。

これでお兄ちゃんは遠ざけることができました。

さてと、ここからは女同士の話し合いですよ。

お兄ちゃんにとって都合の悪い話を全部聞かせてもらいますからね。

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:24:48.64 ID:XnflNv0a0

少女A「小町ちゃんって意外と策士だね。」


小町「えへへ~♪
これでも学校じゃ生徒会長やってますから!空気の読み方もバッチリです!」


少女A「それならこれで八幡があなたに言えないことを遠慮なく話せるね。」


小町「でも勘違いしないでください。
小町はまだあなたのことを信じてはいません。
いきなり現れたあなたが、
雪乃さんたちを差し置いてお兄ちゃんの彼女になるとかどうなっているんですか?」


少女A「随分と警戒されているね。
わかった、この数日に八幡の周りで起こったことを包み隠さずに全部話すね。」


それからこの彼女さんはお兄ちゃんの周りで起きた出来事を話してくれた。

それは今から数日前、お兄ちゃんが…なんと学校で自殺未遂を起こそうとしたことだった。

え…ちょっと待って!自殺未遂…?

何それ…小町知らない…?

どういうことなの…?

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:26:21.94 ID:XnflNv0a0

少女A「あの日、私は八幡に告白をしようとした。
けどそこへ雪ノ下さんたちが現れて彼女たちが八幡へ嘘の告白をしたの。
何であの二人がそんなことをしたのか理由はわからない。
まあそんなことはどうでもいいけどその後が大変だったの…」


少女A「これは八幡が、
小町ちゃんを心配させたくなかったから言わなかったことかもしれないけど…
あの後、八幡はたぶん雪ノ下さんたちに拒絶されて飛び降り自殺しようとしたの。」


小町「飛び降り自殺…!?」


小町はお兄ちゃんの言葉を聞いて驚かずにはいられなかった。

飛び降り自殺ってどういうこと…?

小町は何も聞いてないよ…!

ていうか雪乃さんたち…

さっきまで連絡していたけど何でこんな大事なことを話してくれなかったの!?

150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:27:52.38 ID:XnflNv0a0

小町「でもどうして自殺を思いとどまったの…?雪乃さんたちが止めてくれたから?」


少女A「それは…止めたのは私だよ…
あの時、雪ノ下さんたちはただ呆然と比企谷くんを見ていただけ。
たぶん恐かったんだと思うけどあの二人は止めようともしなかったよ。」


さっきの雪乃さんたちの連絡だと修学旅行からお兄ちゃんと仲が悪くなったって…

小町は事情を知るためにもう少しお兄ちゃんに質問を続けてみた。

151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:30:36.58 ID:XnflNv0a0

小町「もうひとつ聞きたいことがあります。
お兄ちゃんが小町と仲悪くなったのは修学旅行からでした。
あの時、雪乃さんたちと何かあったんじゃないかと思いますけど何か知りませんか?」


少女A「うん、知っているよ。たぶんショックを受けるけどそれでも聞きたい?」


小町は覚悟を決めてコクッと頷きながら彼女さんの話を聞いた。

それからは驚きの連続だった。

夏の林間学校で出会った葉山さんが、

自分では解決できないグループ内の恋愛事の相談を押し付けていたらしい。

そのせいで奉仕部は不仲となりそして小町とお兄ちゃんの間も…

これは…酷いよ…

みんな小町のお兄ちゃんをなんだと思っているの…!?

でも小町にとってそれよりも気になることがあった。

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:33:45.02 ID:XnflNv0a0

小町「それで…その時…雪乃さんたちは何をしていたんですか?」


少女A「これは私の憶測だけど…たぶんあの二人は何もしていなかったと思う…」


小町「それはどうしてですか?」


少女A「私はその場にいなかったから直接は知らない。
でも八幡のことだから雪ノ下さんたちを巻き込みたくはなかったはずだよ。
それでもあの二人は…」


小町「小町も一応気づいていたけど雪乃さんたちはお兄ちゃんのことが好きなはずです。
それなのに嘘告白なんて目の当たりにしたらお兄ちゃんのことを軽蔑しちゃいますよね。」


小町の返答に彼女さんは小さな声で「そうだね」と答えてくれた。

まったく…お兄ちゃんたら…

こういうことはもっとちゃんと雪乃さんたちに伝えておくべきなんだよ。

少なくとも小町がその場にいたらフォローくらいしてあげたのに…

あの二人は面倒な性格なんだから、

お兄ちゃんはそのことをキチンとわかってあげなきゃいけないんだよ。

けどそれでも言ってやりたい。

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:37:56.97 ID:XnflNv0a0

小町「それで二人はお兄ちゃんのことを…」


少女A「この前、問い詰めた時に一時は見離したと言っていたよ。
でもあの時の八幡はとてもつらそうな顔をしていた。
今思えばそれは信じていた人たちに見捨てられたからなんだよね。」


小町「たぶんお兄ちゃんは信じていたんでしょうね。
雪乃さんたちに自分がやったことをわかってもらえるんじゃないかって。
でも結果はちがったみたいだけど…」


少女A「それは八幡の一方的な身勝手だったのかもしれない。
確かに自分一人で背負い込んだ八幡にも問題があったかもしれないね。
それでも…
何もせずにいたあの二人に八幡を否定する権利はなかったはずだと私は思っているの。」


その彼女さんの言葉には怒りが篭っていた。

小町は思った。

この人は雪乃さんたちに怒りを抱いている。

お兄ちゃんのやったことを何も理解もせずに拒絶したから…

まさか小町以外にここまでお兄ちゃんを愛してくれる人が現れるなんて思わなかった。

もしかしてこの人なら本当にお兄ちゃんと…

そう思った時だった。

小町の携帯に連絡が入った。

それはなんと…

154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:41:38.68 ID:XnflNv0a0

『もしもし、小町ちゃん?ヒッキー帰ってきてる?』


『彼に私たちのことを話してくれたか聞きたいのだけど…』


小町「あ…あの…その…」


なんて酷いタイミングなのかと小町は思わず目眩がしたよ。

連絡してきた相手は雪乃さんと結衣さんだ。

そして小町の目の前にいるのはお兄ちゃんの彼女さん。

え~と…今の小町の状態ってまさに板挟み…?

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:44:23.90 ID:XnflNv0a0

『小町ちゃん、ヒッキーに私たちのことちゃんと言ってくれた?』


『あなたから彼に謝罪させてほしいの。そうすれば私たちもそれに応じるつもりよ。』


小町「そ…その…」


少女A「小町ちゃんどうかしたの?」


小町「な…なんでもありません…ご心配なく…」


これはまずい展開になってしまったよ。

もしここで下手な対応をしたらどうなることか…

間違いなくどちらかに恨まれちゃう…ていうか最悪の場合は両方に…!

小町は傍観者を決め込んでいるのに…どうしてこんなことに…!?

しかもこんな時に限ってお兄ちゃんはいない。

あぁ…そうだった…小町がお使い頼んじゃったんだよね…

なので小町は心の中でこう叫んでいます。

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/02(火) 01:46:33.89 ID:XnflNv0a0





「 「お兄ちゃん!助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!???」 」





188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:47:39.51 ID:+lHhlAm10

『小町さん聞いているの?』


『ねえ小町ちゃん?返事して?』


少女A「小町さん顔色悪いけど大丈夫なの?」


小町「あ…あぁ…」


何この罰ゲーム…?

小町はたった15年の人生でいきなり岐路に立たされているよ。

ていうかちょっと待って。

この目の前にいる彼女さんはお兄ちゃんが被害者だと言っているよね。

そして携帯の向こう側にいる雪乃さんと結衣さんはお兄ちゃんが悪いと…

この二つの異なる主張はどちらが正しいのかという疑問にぶつかってしまう。

勿論小町はお兄ちゃんの味方だ。

出来ればこの彼女さんが言うことを信じてあげたい。

でも雪乃さんと結衣さんだってお兄ちゃんを通じて親しい間柄になっている。

どうしたらいいんだろう。

小町はどっちを信じたらいい…?

189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:48:38.99 ID:+lHhlAm10

少女A「ねぇ、小町ちゃん。もしかして雪ノ下さんたちから連絡が来ているの?」


小町「え…それは…その…」


嘘…バレた…?

この人勘が鋭すぎ!ちょっと怖いんだけど!?


少女A「それであの人たちは悪いのは八幡の方だとでも言っているのかな?」


小町「アハハ…」


恐っ!何なの!?

とりあえず愛想笑いで誤魔化しているけど本当に勘が鋭いよ。

こうなったら下手に隠すよりも打ち明けた方がいいかもしれない。

そう判断した小町はこの彼女さんに、

雪乃さんと結衣さんが小町を頼ってお兄ちゃんとの関係の修復を試みていることを話した。

190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:49:26.78 ID:+lHhlAm10

少女A「そう、やっぱりあの二人はここでも他人任せなんだ。」


小町「それは仕方ないと思います。
兄は気難しい性格だし雪乃さんたちだって素直じゃないですからね。
小町が仲介でもしないとあの三人が仲直りなんて無理ですよ。」


少女A「仲直りか。
そういうのは普通相手の前で直に言うべきことだと思うんだけどな。
それで小町ちゃんは一体誰の味方なの?雪ノ下さんと由比ヶ浜さんたち?それとも…」


小町「勿論小町はお兄ちゃんの味方です。それは何があっても変わりませんよ!」


小町はきっぱりとそう答える。

その答えに彼女さんは何故か安堵した表情を浮かべていた。

191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:50:32.61 ID:+lHhlAm10

少女A「そう、あなたがそう言ってくれてよかった。
八幡は孤独のぼっちだって言ってるけどちゃんとわかってくれる人がいるんだね。
それなら改めて言うね。私がさっき話したことは全部事実だよ。」


小町「でも…それをどうやって信じろと言うんですか…?
悪いですけど小町は今日会ったばかりのあなたより雪乃さんたちの方を信頼しています。
こればかりはさすがに…」


少女A「小町ちゃんの言う通りだね。
いきなり会ったばかりの私のことを信じてほしいというのは無理だとわかってる。
でもそれなら八幡のことを信じてほしいの。」


小町「お兄ちゃんのことを…?」


少女A「そうだよ。小町ちゃんは八幡のことを信じているんだよね。
それなら八幡を信じているあなたが、
もう一度雪ノ下さんたちが言っていることを聞いてほしい。
それでどちらが正しいか判断して。」


彼女さんの話を聞き、小町はもう一度携帯を耳に傾けた。

すると先ほどとは異なる違和感があった。

192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:51:03.49 ID:+lHhlAm10

『早く比企谷くんに謝らせて!そうすれば私たちは彼ともう一度やり直せるの!』


『そうだよ!小町ちゃん!早くヒッキーの声を聞かせて!』


何だろこの人たち…?

自分たちの勝手なことばかり言ってきてるよ。

お兄ちゃんのことなんてまるで心配していない…

嫌だ…何かわからないけど嫌な感じがする…

でも落ち着いて。まだ慌てる時間じゃない。

そして小町は気持ちを落ち着かせて二人にあることを切り出した。

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:52:06.18 ID:+lHhlAm10


「まずは私の質問に答えてください。」



「先日、兄は学校で自殺未遂を起こしたそうですけど雪乃さんたちはこのことを知っていましたか?」



この質問に二人は暫く黙っていた。

何でいきなり黙るの…?

さっきまであんなに饒舌だったのに…!

それからようやく返事が出された。

けれどそれは小町が望んだものじゃなかった。

194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:53:02.19 ID:+lHhlAm10

『小町さん…そのことを誰から聞いたの…?』


小町「そんなことはどうだっていいじゃないですか!
質問に対して質問で答えないで!とにかく本当なのかどうか答えてください!」


『小町ちゃんとりあえず落ち着いて!
あれはね…事故だったの!ヒッキーに間違って伝わっちゃっみたいで…』


『そうね、彼はそれを勘違いしてしまったの。
だからその件について彼の誤解を解かなければいけないのよ。』


何なのこの人たち…

お兄ちゃんが死ぬかもしれなかったのにそれを間違いだの勘違いで済ませようとする。

小町はこんな身勝手な人たちに大切なお兄ちゃんを委ねようとしていたの?

冗談じゃない。お断りだよ!

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:55:17.47 ID:+lHhlAm10

小町「ごめんなさい。
雪乃さんたちがそういう態度なら小町はもう協力することは出来ません!」


『待って小町さん!あなたが仲介に入れば私たちだってそれに応じることが…!』


小町「何が仲介ですか!
大体謝罪させるってどういう意味なの!本来謝るのは雪乃さんたちでしょ!?」


『でも…私たち…ヒッキーと仲直りしたいの。これは本当なんだよ!』


小町「だったらまずは自分たちで何とかしてください!小町を頼らないで!」


小町は声を荒らげながら携帯を切った。

それから何度も雪乃さんや結衣さんの着信が入ったが面倒くさいので全て着信拒否にした。

これ以上こんな馬鹿げた相談に付き合うつもりはないからね。

196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:56:55.66 ID:+lHhlAm10

小町「え~と…まずは疑ってごめんなさい…」


少女A「謝ることはないよ。
小町ちゃんにしてみれば初対面の私のことを信用できないのは当然だからね。」


小町「でも…お兄ちゃんはあなたを信用しているから家に招いたんです。
それなら小町もあなたのことを最初から信用するべきでした。
だから…」


そう、今までお兄ちゃんは他人を家に招いたことはない。

あの雪乃さんや結衣さんだってちゃんと家に招いたことがなかったくらいだ。

それを考えれば、

この人がどれだけお兄ちゃんに信頼されているのか最初からわかるはずなのに…

そんな風に小町が反省している時だった。

お兄ちゃんがようやく帰ってきた。
197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:58:05.60 ID:+lHhlAm10

八幡「おい二人とも帰ったぞ。ほれケーキだ。」


小町「あ…お兄ちゃんお帰り。」


少女A「八幡遅かったね。何かあったの?」


八幡「いんや、女同士積もる話があるかなと思って気を利かせていただけだ。」


いやいや…そこはむしろ妹のためを思ってもっと早く帰ってきてよ!

お兄ちゃんがいない間、小町は未だかつてない修羅場を体験してたんだからね!

本当感謝してよ!今回のことで小町ポイント大幅に消費してるよ!?

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 19:58:33.51 ID:+lHhlAm10

八幡「さてとケーキを食べる前にだ。小町に言いたいことがある。」


小町「いきなり改まってどうしたの…?」


八幡「すまなかった。
修学旅行から帰ってきてから俺のせいでお前にまで迷惑かけちまって…」


お兄ちゃんは小町に対して深々と謝ってくれた。

ダメだよお兄ちゃん。

本当に謝るのは…小町の方だよ…

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 20:00:06.55 ID:+lHhlAm10

小町「そんなことないよ。
小町だって勝手に悪いのはお兄ちゃんだって決めつけちゃったから…」


八幡「いや、何があったとしても千葉の兄が妹に八つ当たりなんてカッコ悪いだろ。
悪いのは兄ちゃんだ。小町が謝る必要なんてねえよ。」


小町「お兄ちゃん…ありがとう…それとごめんね…」


お兄ちゃんは涙ぐんでいる小町の頭をそっと撫でてくれた。

本当につらいのはお兄ちゃんの方なのにね…

ごめんねお兄ちゃん。

小町がもっとしっかりしていたら雪乃さんたちの話に騙されたりはしなかったのに…

それから三人でケーキを食べて楽しいひと時を過ごした。

そして日が暮れて彼女さんが帰る時間になった。

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 20:00:56.67 ID:+lHhlAm10

少女A「八幡、小町ちゃん、今日はお家に招いてくれてありがとう。」


八幡「それじゃあ俺はこいつを送ってくからな。留守番頼んだぞ。」


小町「大丈夫だって!それよりお兄ちゃんこそ彼女さんをしっかり守ってあげるんだよ!」


お兄ちゃんは彼女さんを家まで送ることになった。

彼女さんを大切にしているのはポイント高いけどその反面、

あのゴミィちゃんが巣立つのは寂しいという気持ちがあり妹としては複雑な心境だよ。

でもこの人なら信じられる。

だってこの人はお兄ちゃんのことを本当に愛しているから…!

201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 20:01:53.41 ID:+lHhlAm10

小町「それじゃあバイバイお義姉ちゃん。」


少女A「お義姉ちゃんって…もしかして私のこと…?」


小町「はい。もう小町のお義姉ちゃん候補はあなたに決定です!
こんな頼りない兄ですが、どうかこれからもよろしくお願いします!」


少女A「うん、ありがとう小町ちゃん。」


どうやらお兄ちゃんは心から信じられる人を見つけたみたいだ。

さてと、彼女さんも帰ったことだし…

小町は携帯を取り出してある二件のアドレスを出した。

そのアドレスの登録名は雪乃さんと結衣さん。

今では名前を聞いただけで嫌悪感すらある二人だ。

それから淡々と携帯を操作して削除画面を出した。

202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 20:02:43.15 ID:+lHhlAm10
 
[雪ノ下雪乃] [由比ヶ浜結衣]


[削除しますか?]


[はい] [いいえ]


小町は[はい]を選択してこの二件のアドレスを削除した。

もう候補はいらない。

そう、お兄ちゃんを傷つけるようなお義姉ちゃん候補なんて…

小町にも…それにお兄ちゃんにも必要ないよね…

そうだよね。お兄ちゃん…?


<比企谷小町の場合>


end
204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 20:06:26.60 ID:w1PM4K9DO
乙です
205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/03(水) 20:07:47.84 ID:kkkuMjWl0

小町は天使で良かった
次スレ:

雪乃「比企谷くんを救うことになった。」 after【後編】




このシリーズ:

雪乃「比企谷くんを救うことになった。」【前編】


雪乃「比企谷くんを救うことになった。」【後編】


雪乃「比企谷くんを救うことになった。」 after【前編】


雪乃「比企谷くんを救うことになった。」 after【後編】


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