穂乃果「穂乃果は飽きた」【後編】

274: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 21:58:27.33 ID:M0ioUtY7
前スレ:

穂乃果「穂乃果は飽きた」【前編】




ことり(穂乃果)「えっ……?」

穂乃果(ことり)「本当に、ごめん、なさい……」

ことり(穂乃果)「ま、待ってことりちゃん! ことりちゃんは悪くないよ! むしろ穂乃果のせいで……!」

穂乃果(ことり)「ううん、違うの……」

ことり(穂乃果)「違わないよ! だ、だって穂乃果が『他の誰かになりたい』ってお願いして、おふだを使ったからで!」

ことり(穂乃果)「そのせいで、穂乃果がことりちゃんの身体を取っちゃって!」

ことり(穂乃果)「ことりちゃんに迷惑かけたのは穂乃果の方だよ! だから謝らなきゃいけないのは私で……」

穂乃果(ことり)「違う! 違うんだよ、穂乃果ちゃんっ! そうじゃないのっ!」

穂乃果(ことり)「全部……全部ことりが悪いの! 一番最初に、『お願い』したのはことりなのっ!!」

ことり(穂乃果)「一番、最初に……? それって……?」

穂乃果(ことり)「ねぇ、穂乃果ちゃん」

ことり(穂乃果)「う、うん」

穂乃果(ことり)「穂乃果ちゃんも、この学院が廃校になっちゃうってことは、知ってるよね?」

ことり(穂乃果)「うん……。『ことりちゃん』になったばっかりの時に、絵里ちゃんに聞いたよ」

穂乃果(ことり)「そう。それでね、私たちみんな、音ノ木坂学院を何とか守ろうって、頑張ったんだぁ」

穂乃果(ことり)「みんなに呼びかけて、いっぱいお願いして……絵里ちゃんたちとも何度も話し合って、どうにか出来ないかなって」

穂乃果(ことり)「でも、ダメだった。ダメだったんだぁ……」

ことり(穂乃果)「ことりちゃん……」

穂乃果(ことり)「どんなに頑張っても、上手く行かなくて。みんな、だんだん諦めていっちゃって……」

穂乃果(ことり)「友達も、先生も、お母さんも……誰もが仕方ないことだよって言って」

穂乃果(ことり)「そのうち、絵里ちゃんも、希ちゃんも、生徒会を辞めなきゃならなくて」

穂乃果(ことり)「でも、誰も廃校になる学校で、生徒会をやろうなんて人はいなくて……」

穂乃果(ことり)「だから、ことりが海未ちゃんと一緒に生徒会を引き継いで、ちゃんとやろうって」

穂乃果(ことり)「そう思って、最後の最後まで頑張ろうって……」

穂乃果(ことり)「それなのに……ことりは……ことり、は……」

穂乃果(ことり)「いつの間にか……諦めちゃったんだぁ……」
275: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 21:58:53.47 ID:M0ioUtY7
穂乃果(ことり)「なんで、上手く行かないのかなぁ。なんで、みんな音ノ木坂を守ってくれないのかなぁ」

穂乃果(ことり)「なんで、こんなに頑張っているのに……みんな、力を貸してくれないのかなぁ……」

穂乃果(ことり)「ことり、いつの間にか……そんなことを考えるようになっちゃって」

穂乃果(ことり)「にこちゃんや、絵里ちゃんや、希ちゃんの顔にも、諦めが浮かんで見えて」

穂乃果(ことり)「海未ちゃんも、ことりを手伝ってくれながらも……どこかで諦めちゃってるみたいになって……」

穂乃果(ことり)「会うたびに、みんなその色がどんどん濃くなっていって……」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「そして……ことり自身もね? ある時、気付いちゃったんだぁ」

穂乃果(ことり)「もう『どうにもならないんじゃないのかな』って思っちゃってる、自分がいることに」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「そうしたらね? 何だか、疲れちゃったの」

ことり(穂乃果)「疲れ、ちゃった……?」

穂乃果(ことり)「うん。もう何をやってもダメなら、なんでこんなにつらいことしてるんだろうって」

穂乃果(ことり)「なんでことりが、やらなきゃいけないのかなぁって……」

穂乃果(ことり)「もう、ことりもこんなこと辞めちゃおうかなって」

ことり(穂乃果)「そんな……」

穂乃果(ことり)「身勝手、だよね。『ことり』は他の誰かに任せて……私はそんなこと気にしないでいい、そんな人になりたいなぁって……」

穂乃果(ことり)「そう、想っちゃうなんて」

穂乃果(ことり)「でも……ことりは、願っちゃったんだぁ……」
276: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:00:34.44 ID:M0ioUtY7
穂乃果(ことり)「そうしたらね? 不思議な夢を見たの」

ことり(穂乃果)「夢……?」

穂乃果(ことり)「うん。その夢では、オトノキは廃校になんてならなくて、みんな楽しそうで……」

穂乃果(ことり)「でも、その夢に出てきた女の子は、自分でいることに飽きたって、他の誰かになりたいって……。そう言ってて」

ことり(穂乃果)「それって……その子、って、もしかして……私?」

穂乃果(ことり)「うん。その時は、分からなかったけどね」

穂乃果(ことり)「だから、つい……『じゃあ、ことりと代わってくれてもいいよね?』って思ったら……」

ことり(穂乃果)「……私が、ことりちゃんに……なった……。ことりちゃんが、穂乃果と、入れ替わった……」

穂乃果(ことり)「……うん。私も、目が覚めたらびっくりしたんだぁ」

穂乃果(ことり)「夢だと思ってたのに、全く知らない……ううん、夢の中で見た、女の子になってて」

穂乃果(ことり)「そして、気が付いたら……手には見たことも無いおふだを握りしめてた」

ことり(穂乃果)「それ、って」

穂乃果(ことり)「それを見て、すぐ分かったの。私のお願いが、叶っちゃったんだって。このおふだが、私とこの子を入れ替えちゃったんだって」

穂乃果(ことり)「実を言うと、最初はね? ちょっとだけ、わくわくしたの」

穂乃果(ことり)「夢の中で出てきたその子はとっても可愛くて、いつも明るくて元気な子で。ちょっと、憧れてたところもあったから」

穂乃果(ことり)「不思議な感じがして、その子――穂乃果ちゃんにでいることが楽しくて」

ことり(穂乃果)「それ……分かるよ。私も、ことりちゃんになったことが分かって、ちょっとわくわくしちゃった」

穂乃果(ことり)「ふふっ……そっかぁ。穂乃果ちゃんもそうだったんだぁ」

ことり(穂乃果)「うん……ごめんね? ことりちゃん。その……」

穂乃果(ことり)「謝らないでいいよぉ。ことりも、一緒だから」

穂乃果(ことり)「でも。すぐにね、すごく怖くなっちゃったの」
277: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:02:01.69 ID:M0ioUtY7
ことり(穂乃果)「怖く? どうして?」

穂乃果(ことり)「だって、ことりの勝手なお願いで、穂乃果ちゃんに迷惑かけちゃったと思って」

穂乃果(ことり)「こんなのダメだよって思って、すぐにおふだを使ったの。でも、元には戻らなかった」

穂乃果(ことり)「だから、『ことりになった子』に会って、おふだを渡して、その子にもう一度使ってもらえば、って思ったんだけど」

穂乃果(ことり)「いざ、『ことり』の姿をした穂乃果ちゃんを目にしたら……」

穂乃果(ことり)「ぐすっ……怒られ、るんじゃ……ない、かなぁって……」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』って、呼ばれたら……うっ……ぐす……あたま、真っ白になっちゃって……」

穂乃果(ことり)「穂乃果ちゃんに、つらい思いを……っ、ひっく…………いっぱい、させ、ちゃって……」

ことり(穂乃果)「ことりちゃん、そんなことないよ。私は、全然気にしてない。大丈夫、大丈夫だから……」

穂乃果(ことり)「うぅ……ごめん、なさ……ぐすっ、ごめん……なさい……穂乃果、ちゃん……!」

ことり(穂乃果)「いいの。もう、いいんだよ……ことりちゃん……」

ことり(穂乃果)「ことりちゃんこそ、つらかったでしょ? 誰にも言えずに、一人で。……もう、大丈夫だから」

ことり(穂乃果)「今は私が……側にいるから……」

穂乃果(ことり)「穂乃果ちゃん……ごめん、なさい…………ありがとう……」
278: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:26:23.51 ID:M0ioUtY7




ことり(穂乃果)「大丈夫?」

穂乃果(ことり)「ぐすっ……う、うん。ご、ごめんね穂乃果ちゃん。恥ずかしいところ、見せちゃったよね?」

ことり(穂乃果)「ううん。平気、その……気にしないで?」

穂乃果(ことり)「? 穂乃果ちゃん……? どうしたの? や、やっぱりことりのこと……」

ことり(穂乃果)「あっ、ううん! そうじゃないのっ! 全然迷惑だなんて思ってないよ! 本当本当!!」

穂乃果(ことり)「で、でも……。なんだか、難しい顔してるよぉ……?」

ことり(穂乃果)「そ、それはその……、自分が泣きじゃくってるのを慰めるって、冷静になって考えたらすごく恥ずかしいような気が……」

穂乃果(ことり)「あっ、あぅ……。そういえば、ことりも……。自分自身に抱き付いて、撫でてもらってたんだね……」

ことり(穂乃果)「い、言わないでよぉ……」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「……」

ことり(穂乃果)「ね、これについては、あ、あんまり考えないようにしよう。それがいいよっ!」

穂乃果(ことり)「そ、そうだよねっ!」

ことり(穂乃果)「うんうん! そうしよう! ねっ?」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「……」

ことり(穂乃果)「……ぷっ」

穂乃果(ことり)「……くすっ」

「「あはははははっ」」
279: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:39:51.79 ID:M0ioUtY7
ことり(穂乃果)「あははっ、なんだかおかしいね」

穂乃果(ことり)「そうだねっ、ふふっ、やっぱり変な感じだよぉ」

ことり(穂乃果)「本当だよっ、だって穂乃果がことりちゃんみたいなしゃべり方してるんだもん」

穂乃果(ことり)「それはこっちのセリフだよぉ。だってことりとは思えないくらい、元気いっぱいなんだもん」

ことり(穂乃果)「えぇ~? でも穂乃果の方が変だよっ」

穂乃果(ことり)「そんなことないよぉ。ことりの方が変ですっ」

ことり(穂乃果)「……ふふっ」

穂乃果(ことり)「……くすくす」

ことり(穂乃果)「止めよっか。なんだかどっちのこと言ってるのか、分からなくなってきちゃった」

穂乃果(ことり)「あはは、そうだねっ。それじゃ、これでおしまいっ」

ことり(穂乃果)「……よかった。ことりちゃん、ちょっと元気出たみたいだね」

穂乃果(ことり)「そうかな……? そうだとしたら、穂乃果ちゃんのおかげかも」

ことり(穂乃果)「へっ? 私?」

穂乃果(ことり)「うんっ♪ 穂乃果ちゃんはやっぱりすごいよ」

穂乃果(ことり)「穂乃果ちゃん――今はことりの姿だけど――を見ているとね、一緒にいるとね……元気が湧いてくるんだよっ♪」
280: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:40:20.49 ID:M0ioUtY7
ことり(穂乃果)「そ、そうなの? 特に何かしてるわけじゃないんだけど」

穂乃果(ことり)「ううん。穂乃果ちゃんはいつも一生懸命で、まっすぐに前を見て……精一杯、やろうって……」

穂乃果(ことり)「だから、みんなも力を貸してくれて……みんな、心を動かされて……あんなにすごい、ライブができたんだと思うよ」

ことり(穂乃果)「そう、かな。でも、そうなら、嬉しいかな……」

穂乃果(ことり)「穂乃果ちゃん、ライブの前に言ってたでしょ?」

穂乃果(ことり)「ちゃんと、届いたよ。ことりの心にも、穂乃果ちゃんの……μ’sのみんなの想いが」

穂乃果(ことり)「だから……ことりも。また、頑張ってみようって、思えたの」

ことり(穂乃果)「ことりちゃん……」

穂乃果(ことり)「正直言うとね? ちょっとだけ、自信はないかも。だって、『ことり』になってる穂乃果ちゃん、すごすぎだったんだもんっ」

ことり(穂乃果)「そんなことないよっ! 私の世界のことりちゃんは穂乃果なんて比べ物にならないくらいすっごいんだよ! だから、ことりちゃんも!」

穂乃果(ことり)「えへへっ。そう言われると別の自分のことなのに、なんだかくすぐったいよぉ」

穂乃果(ことり)「でも、そうだねっ、私も穂乃果ちゃんや、あなたの世界の私に負けないように、頑張らなくっちゃ!」

穂乃果(ことり)「お手本は見せてもらったもん。同じには出来ないかもしれないけど……ことりはことりらしく、だよねっ!」

穂乃果(ことり)「だってまだ、終わってなんかいないんだもん! 諦めなければ、願い続ければ……奇跡だって、起きるかもしれないよねっ!」

ことり(穂乃果)「うんっ! 今のことりちゃんなら、きっと上手く行くよっ!」
282: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:01:03.65 ID:KFTxh2C4
ほんとツボ押さえててすごいわ
おつ
283: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:03:35.17 ID:rN8AgRol
続き楽しみ乙!
穂乃果(ことり)はどうやってこっちの世界戻ってきたんだろ
287: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:05:11.36 ID:NrvJmYfk
海未「……それで、話は終わりましたか? 二人とも」

ことり(穂乃果)「ひゃっ!? う、海未ちゃん!? いつからそこに……」

海未「さあ、いつからでしょうか? まったく、着替えもせずにどこで何をやっているかと思えば……」

海未「話に花を咲かせるのは構いませんが、時と場所を考えてください。もうみんな撤収してしまいましたよ」

海未「折角ライブを成功させたというのに、μ’sのリーダーがそんなことでは……」

ことり(穂乃果)「あ、あはは……。ごめんなさいっ! だ、だからお説教は……!」

穂乃果(ことり)「あ……あの……」

海未「それで、そちらの方は……?」

ことり(穂乃果)「あっ!? そうだ! 海未ちゃん、あの、えっとこの子はね?」

海未「ふむ……初めてお会いする方のようですが」ジロ

海未「ファンの方ですか? ですが、流石に終演後まで居残ってというのは……」

穂乃果(ことり)「あ、う」ビク

ことり(穂乃果)「ちっ、違うの海未ちゃん! この子は」

海未「……くすっ、分かっています。普段からかわれているおかえしに、ちょっとからかっただけですよ」

ことり(穂乃果)「え?」

海未「……ふぅ。それにしても、こうして直に目にしてもいまだに信じがたいですね……」

穂乃果(ことり)「ふぇ?」

海未「顔に見覚えはありません。初めて会う方のはずです」

海未「ですが……雰囲気や話し方が、確かに私の記憶の中の彼女と、確かに重なりますね」

海未「で、あれば、間違いないのでしょう」

ことり(穂乃果)「も、もしかして海未ちゃん……この子のこと……」

海未「ええ、分かりますよ。分からないはずがないではないですか」クス

穂乃果(ことり)「え……、え!?」

海未「その姿では初めまして、ですね。いえ、やはりここはこう言うべきでしょうか」

海未「久しぶりですね。そして――『おかえりなさい、ことり』」
288: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:06:08.69 ID:NrvJmYfk
穂乃果(ことり)「……海未、ちゃん……海未ちゃぁん!!」バッ

海未「おっと。ふふ……姿が変わっても、こういうところは同じですね」ギュ

穂乃果(ことり)「ただいま……海未ちゃん……。ことりの……ことりのせいで……大変だったよね? いっぱい、心配かけちゃったよね……?」

穂乃果(ことり)「ごめん、ごめんね……」ギュゥ

海未「もう、いいんですよ……。あなたに会えて、またこうして、話ができた。それだけで……」ナデナデ

ことり(穂乃果)「ことりちゃん……、海未ちゃん……よかった……」グス



海未「さて、ことり……?」

穂乃果(ことり)「何? 海未ちゃん」

ことり(穂乃果)「どうしたの? 海未ちゃん」

「「あっ……」」

海未「ああ、そうですね。これだとどちらに声をかけたのか分かりませんか」

ことり(穂乃果)「ご、ごめんねことりちゃん? 私も『ことり』ちゃんの名前で呼ばれるのに、すっかり慣れちゃったから……」

穂乃果(ことり)「ううん、気にしないでいいよぉ。それだけ、『ことり』として頑張ってくれたんでしょ?」

ことり(穂乃果)「ことりちゃん……ありがとう……」

海未「しかし、このままでは少々不便なのも確かです。そうですね……。私たちだけの時は、心の方の名前で呼びましょうか」

海未「『ことりの心が入っている穂乃果』を『ことり』、『穂乃果の心が入っていることり』を『穂乃果』」

海未「これでどうですか?」

ことり(穂乃果)「うん、いいよ」

穂乃果(ことり)「ことりもそれで大丈夫だよっ」

海未「ありがとうございます。では、話を戻しますが……」

海未「『穂乃果』から聞いた話によれば、『ことり』……あなたは今の状況を引き起こした原因を、持っていますね?」
289: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:10:23.72 ID:NrvJmYfk
穂乃果(ことり)「う、うん。そうだ、それじゃこれ、渡さないと」ゴソゴソ

穂乃果(ことり)「はい、『穂乃果』ちゃん……これ……」

ことり(穂乃果)「あっ、これ……! あの、おふだ……!?」

穂乃果(ことり)「うん。ことりが使っても元には戻れなかったけど……」

穂乃果(ことり)「きっと必要になるって思って。無くさないようにって、ずっと持ってたんだよっ」

ことり(穂乃果)「そ、そうだ! これだよ! 確かにこんな感じだった! よくわかんない模様みたいな文字みたいなの!」

海未「ふむふむ。話には聞いていましたが、確かに奇妙な紋様ですね……文字のようでもありますが、まるで理解できません」

穂乃果(ことり)「うん。ことりも何とか調べてみようとしたけど、さっぱりだったよぉ」

ことり(穂乃果)「私もそうだったよー。裏に使い方が書いてなければ全然だったもん」

海未「仕組みは分かりませんが、世界を越えて心が入れ替わってしまうほどです。そう考えれば、理解など出来ないのも当然なのかもしれませんね」

ことり(穂乃果)「よかった……これで……私は、『穂乃果』に戻れる……」

穂乃果(ことり)「ごめんね、『穂乃果』ちゃん。もっと早くに、こうしていればよかったんだけど……。一度は、逃げちゃったし……」

ことり(穂乃果)「そんなの全然気にしてないよっ! だって、『ことり』ちゃんはちゃんとこうして来てくれたもん!」

穂乃果(ことり)「……ありがとう、『穂乃果』ちゃん」
291: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:20:16.92 ID:NrvJmYfk
ことり(穂乃果)「さってと……」

ことり(穂乃果)「前と同じように、このおふだを枕の下に敷いて寝れば、きっと元に戻れるんだろうね」

ことり(穂乃果)「理屈は分からないけど……なんだか、そう感じるよ」

穂乃果(ことり)「そっかぁ……やっぱり、『穂乃果』ちゃんじゃないとダメだったのかもね。『穂乃果』ちゃんすごいよぉ♪」

海未「何の根拠もないのですが、不思議と信じてしまうのですよね。『穂乃果』の直感は」

ことり(穂乃果)「えへへ……、そっかな?」

海未「ええ、きっとあなたは理屈抜きに、いつも正しいことを選べるのでしょう。そんな人、なのですよ」

ことり(穂乃果)「あはは……海未ちゃんにそう言われると、なんだか照れちゃうよぉ……」

穂乃果(ことり)「ふふっ……今の『穂乃果』ちゃんの顔、真っ赤だねっ♪」

ことり(穂乃果)「で、でもそれってことりちゃんの顔じゃ……? まぁいいか」

ことり(穂乃果)「それじゃ……『ことり』ちゃん、会えたばかりだけど、『穂乃果』はもどるね」

穂乃果(ことり)「うん……ちょっと寂しいけど、それがいいよね」

海未「二人とも、本来あるべき姿に。それが正しいことなのですからね……」

ことり(穂乃果)「そう、だよね……。じゃあ、海未ちゃん。『ことり』ちゃん……さよな」

ガタ

ことり(穂乃果)「えっ?」

海未「今の音は……?」

真姫「ことり……? ねぇ……今の、どういう、意味なの……?」
293: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 00:18:56.30 ID:FhNs1K7r
今夜は>>291までです
299: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 09:43:25.89 ID:FhNs1K7r
穂乃果(ことり)「あ、あなたは……えっと、μ’sの……」

海未「ま、真姫!?」

ことり(穂乃果)「真姫ちゃん!? な、なんでここに……」

真姫「その……ことりがいつまでも着替えに来ないし、海未も探しに行ったまま戻ってこないから、気になって」

真姫「そ、そんなことより、答えてよ」

真姫「さっきの、言葉。意味が分からないんだけど……あなたは『ことり』でしょ? 『穂乃果』って誰? 『もどる』って?」

ことり(穂乃果)「うっ、え、えっと……私、そんなこと言ったかなぁ? 真姫ちゃん、聞き間違えたんじゃないかな?」

海未「そ、そうですよ真姫。それに私もいましたが、ことりはそんなこと、一言も言っていませんでしたよ?」

真姫「ここまできて、誤魔化す気?」

ことり(穂乃果)「そ、そんなこと……」

凛「真姫ちゃんの言ってることが正しいよ。聞き間違えなんかじゃない、だって凛も聞いたもん」

海未「り、凛?」

花陽「わ、私もそう聞こえました」

ことり(穂乃果)「花陽ちゃんまで!?」

花陽「ご、ごめんなさいっ! 盗み聞きするつもりはなかったんです。でも、どうしても気になって……」

凛「ねえ、そっちの子のことを『ことり』って呼んで、ことりちゃんのことを『穂乃果』って呼んでたよね?」

花陽「それに『穂乃果はもどる』って、確かに言ってました。どういう意味かは、分からないですけど……」

真姫「やっぱり、そうよね。ことり、海未、どうして嘘を吐くのよ?」

花陽「私たち『穂乃果』ちゃんって名前は聞いたことないし、その子もはじめて見る人です。でも、海未ちゃんはずっと前から知ってたみたいな……」

凛「ねぇ、ことりちゃん、海未ちゃん。凛たちに、何を隠してるの?」

海未「それは……」

穂乃果(ことり)「……」

真姫「話せないことなの? そう……。私たちは、あなたたちにとってその程度なのね」

凛「凛たち、同じμ’sの仲間じゃ……なかったの?」

花陽「信じて、もらえないんですね。すごく……悲しい、です……」
300: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 09:43:53.63 ID:FhNs1K7r
海未「そ、そんなことは! ですが……」

真姫「もういいわ。そこまで秘密にしたいってことは、考えてみればよっぽどのことなんでしょ」

真姫「無理に聞き出そうとして。悪かったわね」

穂乃果(ことり)「真姫、ちゃん……」

真姫「……。行くわよ、凛、花陽」

花陽「う、うん……」

ことり(穂乃果)「待って! 真姫ちゃん!!」

海未「こ、ことり!?」

真姫「……話す気になったの?」

ことり(穂乃果)「……うん。ごめんなさい、もっと早くに言うべきだったよね」チラ

ことり(穂乃果)「……穂乃果ちゃん、ううん、『ことり』ちゃん、いい?」

穂乃果(ことり)「うん。『穂乃果』ちゃんが決めたことなら。ことりはそれがいいと思うよ」

真姫「!」

凛「や、やっぱりっ!?」

花陽「でも……それっていったい、どういうことなのぉ!?」

ことり(穂乃果)「信じられないかもしれないけど、話すよ。だから聞いて、私の……私たちの、こと」
301: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 10:07:31.26 ID:FhNs1K7r




花陽「そ、そんな……じゃあ、こっちのことりちゃんは……」

ことり(穂乃果)「うん。身体は『南ことり』だけど、心は……『高坂穂乃果』」

真姫「それで、この子の身体が、あなたの本当の身体なのね、高坂さん」

凛「でも今、中に入ってるのは……」

穂乃果(ことり)「うん。私の心が、今までこの世界で生徒会長をやってた、『ことり』なんだ……」

海未「……」

真姫「確かに、にわかには信じがたい話ね。でも、そう考えれば納得のいく部分もいくつもあるわ」

真姫「私が元々持っていたことりのイメージとかけ離れた性格、経験者の絵里たち以上の抜きんでた実力」

真姫「初対面のはずなのに私たちのことをよく知っているようだったし。かと思えば、自分でデザインした服のことなのに知らなかったり」

凛「そっか……だって、ことりちゃんとは別人……そもそも別の世界の人、だから。考えてみれば、当然だよね」

ことり(穂乃果)「うん……」

花陽「海未ちゃんは、知ってたんだよね?」

凛「もしかして、三年生たちも知ってたにゃ?」

海未「はい……、絵里たちも、このことは知っています。すみません……ですが、決して凛たちをのけ者にするつもりはなかったのです」

ことり(穂乃果)「ライブ前で、大変なときだったから……。動揺させたく、なかったの」

真姫「だからって……!」

ことり(穂乃果)「うん。そうだよね……言い訳でしかないよね。本当に、ごめんなさい」

穂乃果(ことり)「原因の私が謝っても、許してもらえないかもしれないけど……ごめんなさい!」

真姫「……」

花陽「でも……ことりちゃんたちの気持ちも、ちょっと分かるかな」
302: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 10:08:43.44 ID:FhNs1K7r
凛「かよちん?」

花陽「きっと、ライブの前だったら私は悩んで、こんなにうまくできなかったと思うの」

花陽「ことりちゃん……『穂乃果』ちゃんは、いつも私たちのことを大切に想って、考えてくれてたから……」

凛「うん……。凛のことをかわいいって、無限の可能性があるって、言ってくれたにゃ……」

凛「練習でも、一番最後に入った凛たちをいつも気遣ってくれて……。優しさは、伝わってきてたにゃ」

真姫「それは……。それは、私も分かるけど……」

花陽「別の世界で、別の人になっちゃって、元に戻れるかもわからないのに……」

花陽「本当に一番大変なのは、つらいのは『穂乃果』ちゃんのはず、だから」

花陽「それに……遅くなったかもしれないけど、こうしてちゃんと話してくれた、でしょ?」

ことり(穂乃果)「花陽ちゃん……」

花陽「だから、このことに関しては、私は怒りません。自分だったら、きっと『穂乃果』ちゃんみたくできなかったと思うし」

真姫「そうね……」

花陽「でも」

ことり(穂乃果)「花陽ちゃん?」

花陽「私は……ずっと今のことりちゃんのままで、いて欲しいです……!」
303: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 10:23:48.94 ID:FhNs1K7r
ことり(穂乃果)「えっ……!? 今の、ままで……」

穂乃果(ことり)「!!」

海未「花陽!? 何を言うのですか!?」

花陽「ごっ、ごめんなさい! 勝手なことを言ってるって……分かってます……」

花陽「でも! それでも……私にとって、μ’sの……私を必要としてくれた、『ことり』ちゃんはあなたなんです!」

凛「り、凛も……凛も、今のことりちゃんと、お別れなんてしたくないにゃ……」

凛「もっと……これからもずっと……一緒に踊って、ライブ、したいにゃ……」

ことり(穂乃果)「花陽ちゃん、凛ちゃん……。で、でも……私は」

真姫「『本当のことり』じゃないって? 違うわ。花陽が言ったでしょ。私たちにとっては、今のあなたこそが『ことり』なの」

真姫「私たちのことを見て、声をかけて、手を差し伸べてくれたのは、他でもないあなたなのよ」

ことり(穂乃果)「だ、だけど……私は、この世界は……私の居場所じゃ……」

真姫「ごめんなさい。私も、わがままだってよくわかってるわ。あなたが自分の世界に戻りたいのは当然だもの」

真姫「でもね……。やっぱり、お別れは、寂しいのよ……」ジワ

ことり(穂乃果)「真姫ちゃん……」

真姫「それに」チラ

穂乃果(ことり)「あっ……」

真姫「途中で何かを諦めてしまうような人に、あなたの代わりが務まるの? μ’sとしてやっていけるの?」

穂乃果(ことり)「そ、それは……」

海未「『ことり』……」

真姫「もし、それでもことり……『穂乃果』が元の世界に戻るのなら、私は……μ’sを辞めるわ」
304: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 10:45:58.48 ID:FhNs1K7r
ことり(穂乃果)「真姫ちゃんっ!? そんなのダメだよっ!!」

真姫「どうして? もうあなたには関係のない話でしょう? だって言葉通り、住む世界が違うんだから」

真姫「この世界の私たちがどうなろうと、いいじゃない。気にせず自分の世界に帰りなさいよ」

ことり(穂乃果)「……っ!」

海未「真姫! だからってそんな言い方は!!」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん……。ことりは……」

花陽「私も……『穂乃果』ちゃんがいないμ’sなら、続けていく自信はありません……」

海未「花陽!?」

花陽「ごめんなさい、海未ちゃん。でも」

凛「凛も……」

海未「凛まで、何を言うのですか……」

凛「だって凛がμ’sに入ったのは……『今のことりちゃん』がいたからだもん。かよちんも、μ’sのみんなも大好きだけど……」

凛「一番最初にやりたくなったのは、『今のことり』ちゃんが見せてくれた、あの楽しそうなダンスなんだにゃ」

凛「それを見て、凛もやりたくなったんだにゃ。だから……いなくなっちゃうのなら……」

ことり(穂乃果)「そんな……二人、とも……」

海未「……」

ことり(穂乃果)(このままじゃ……μ’sが壊れちゃう)

ことり(穂乃果)(『ことり』ちゃんも、もう一度やる気になったのに……みんなでなら奇跡を、起こせるかもしれないのに……)

ことり(穂乃果)(せっかくここにもμ’sが出来て、ライブをやれて……なのに、こんなのはダメだよ……)

ことり(穂乃果)(私が、ことりちゃんのままで、この世界に残ればいいの? でも、それじゃ……)

ことり(穂乃果)(だからって、みんなをこのままにして、元の世界に帰るなんて……できないよ)

ことり(穂乃果)(どうしよう……私は、どうすればいいの……?)
306: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 17:05:59.23 ID:sPLUyRKV
確かにこうなるよな……
307: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 17:08:30.48 ID:ENDVT7CJ
ことりが心配
310: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 23:54:26.71 ID:FhNs1K7r
海未「真姫、花陽、凛。どうしても、ですか……?」

真姫「ええ。悪いけどね」

花陽「ごめん、なさい、海未ちゃん……」

凛「凛も……続けられないよ……」

海未「で、ですが……」

穂乃果(ことり)「……」

ことり(穂乃果)(こんなことに、なるなんて……)

ことり(穂乃果)(私の、せいなのかな……。今は『ことり』なのに――『穂乃果』じゃないのに――『穂乃果らしく』してきたから……?)

ことり(穂乃果)(みんなが私を想ってくれるのは嬉しい。でも、元々『穂乃果』はこの世界にはいないんだ)

ことり(穂乃果)(投げ出すつもりなんかない。でも、『穂乃果』が自分の世界に戻っちゃったら、結局は同じこと)

ことり(穂乃果)(じゃあ、私は何をすれば。何を残していけるんだろう……?)

ことり(穂乃果)(例え『穂乃果』がいなくなっても。μ’sを、続けてもらうためには……何を)

穂乃果(ことり)「……ねぇ、『穂乃果』ちゃん」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃん……?」
311: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/08(土) 23:54:59.02 ID:FhNs1K7r
穂乃果(ことり)「ライブの時に言ってたよね。『穂乃果』ちゃんは、私に会うためだけじゃない、みんなのためにμ’sを作ったって」

ことり(穂乃果)「う、うん……。世界が違っても、私は音ノ木坂学院が、みんなが好きだったから……みんなに笑顔でいて欲しいって思って」

穂乃果(ことり)「そして、μ’sのライブはその願いを叶えた。なら……今度はその想いを、ことりが受け継がなきゃいけないよね」

穂乃果(ことり)「みんなには笑顔でいて欲しい。だってそれは私の想いと一緒だもん」

穂乃果(ことり)「あのライブを見て、もしかしたら、奇跡が起きるかもしれないって思えたのに」

穂乃果(ことり)「なのに……ことりのせいで、何もかもダメになっちゃうなんて、いやだよ」

穂乃果(ことり)「それに。今度こそ、諦めないで……やりたいの」

ことり(穂乃果)(ことりちゃん……すごいよ。やっぱり、この強さ『こっちのことりちゃん』も同じなんだ)

ことり(穂乃果)(そうだよね。ことりちゃんは、今度こそ諦めない、って言ってた。なら、廃校を阻止する可能性だってゼロじゃない)

ことり(穂乃果)(そのためにはきっと、μ’sは必要になる。それに、μ’sは私たちの絆。だから、こんな形で無くしちゃダメなんだ)

ことり(穂乃果)(……まずは、みんなに『ことりちゃん』の想いを、認めてもらわなきゃ……!)

ことり(穂乃果)(『ことりちゃん』が、みんなと一緒にμ’sをやっていくために……!)
317: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/09(日) 14:03:29.35 ID:izpeeri8
ことり(穂乃果)(みんなに認めてもらう。受け入れてもらう。そのためには……もし私なら……)

ことり(穂乃果)(難しいことなんてできない。私には、まっすぐ想いを伝えることしか思い浮かばない)

ことり(穂乃果)(そして、想いを伝えるなら……やっぱりその方法は)

穂乃果(ことり)「……『穂乃果』ちゃん、いいかな?」

ことり(穂乃果)「あっ、ごめんね? 何?」

穂乃果(ことり)「ことりね……ちょっと、やってみたいことがあるの」

ことり(穂乃果)「やってみたいこと? もしかして、『ことり』ちゃんも……私と同じことを?」

穂乃果(ことり)「うんっ! きっと、『穂乃果』ちゃんが考えてることと一緒だよっ♪」

ことり(穂乃果)「そうだね。やっぱり、それしかないかも」

穂乃果(ことり)「力を……貸してくれる?」

ことり(穂乃果)「もちろん! ファイトだよっ! 『ことり』ちゃん!!」

穂乃果(ことり)「ありがとう、『穂乃果』ちゃんっ! ことり、頑張ってみるねっ!」

海未「? 『ことり』、『穂乃果』、さっきからなんの話を?」

穂乃果(ことり)「あの……っ!」

真姫「何? ええと……あなたの方が『ことり』……さんでいいのよね?」

穂乃果(ことり)「うん、そうだよぉ。あっ、さん付けもいらないよ? 他のみんなみたく呼んでくれるとうれしいな」

真姫「わ、わかったわ……。えっと、『ことり』。それで?」

穂乃果(ことり)「うん。まずは……ごめんなさいっ!!!」

花陽「ピャァ!?」

真姫「ちょ、ちょっと。いきなり大声出さないでよ!?」

凛「び、びっくりしたにゃー。『ことり』ちゃん!? いきなりどうしたの!?」

穂乃果(ことり)「あ、えっとね。まずは、ことりのわがままで、みんなに迷惑を掛けちゃったことを謝りたかったんだ」

穂乃果(ことり)「ことりが途中で諦めちゃった。自分から逃げちゃった。それは確かに、真姫ちゃんの言う通りです。言い訳はしません」

穂乃果(ことり)「でも! 今度は……今度こそは、諦めないで最後までやりたいんですっ! みんなと一緒に!」

花陽「『ことり』ちゃん……」
318: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/09(日) 14:05:12.88 ID:izpeeri8
真姫「……言葉だけなら、何とでも言えるわ」

凛「真姫ちゃん、何もそんなこと言わなくても……」

穂乃果(ことり)「ううん、真姫ちゃんの言うことは当然だよね」

真姫「なら、どうするの?」

穂乃果(ことり)「証明、させてほしいんだ。私の想いを。本気だってことを」

花陽「証明って……でも、どうやって」

穂乃果(ことり)「花陽ちゃん、凛ちゃん。『穂乃果』ちゃんは、歌とダンスで、二人の心を動かしたんだよね?」

凛「うん、そうだけど……」

真姫「もしかして」

穂乃果(ことり)「うん。ことりに『μ’sのみんなのためのライブ』をやらせてもらえないかな?」

真姫「私たちのために、ライブを? あなたが? なるほどね……」

海未「『ことり』!? いきなり何を言い出すんですか!?」

穂乃果(ことり)「ごめんね海未ちゃん。でも、これしか思い浮かばなかったんだ」

花陽「確かに、『ことり』ちゃんがどれだけ真剣なのかを見せてもらうには、それが一番いいのかも……」

凛「なんだか楽しみになってきたにゃ」

穂乃果(ことり)「それで、ことりの想いが……みんなの心に届いたなら」

穂乃果(ことり)「……一緒にμ’sをやらせて欲しい。みんなも、μ’sを続けて欲しいの」

穂乃果(ことり)「そして……『穂乃果』ちゃんを、自分の世界に帰らせてあげて、くれないかな……?」

真姫「いいわ。あなたがどれだけ本気か、しっかり見せてもらおうじゃない。上級生相手だろうと、採点は厳しくいくわよ」

花陽「私も……公平に……『ことり』ちゃんの想い、ちゃんと確かめさせてもらいます」

凛「凛もにゃ!」
319: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/09(日) 14:12:04.12 ID:izpeeri8
海未「い、いくらなんでも無茶です! あなたは、『穂乃果』と違って素人なんですよ!!」

海未「せ、せめて準備期間を!」

真姫「そうね。なら二週間後、放課後にここ、講堂でどう?」

真姫「『ことり』のライブで私たちを認めさせられれば、あなたの言うとおりにするわ」

真姫「ああ、それからもちろん、練習とかは『穂乃果』や絵里たちに手伝ってもらってもいいわよ」

ことり(穂乃果)「本番で、私が一緒に踊るのは?」

真姫「それくらいはいいけど……でも、あくまで条件は『ことり』が私たちを納得させられるかどうかよ」

花陽「『穂乃果』ちゃんが、いくら素晴らしいライブにしても……主役の『ことり』ちゃんが、私たちの心を動かせなければ」

凛「認められないにゃ」

ことり(穂乃果)「分かってる。他に条件は?」

花陽「私からは、特にはないよ」

凛「凛も、それでいいにゃ」

真姫「最後に一つだけ。もし、私たちが『ことり』を認められなかったら、どうするの?」

穂乃果(ことり)「……真姫ちゃんたちの、思う通りにしていいよ。それについては、もう何も言わないって約束する」

真姫「ま、当然の条件よね」

花陽「も、もし……だけど、『穂乃果』ちゃんに、もどらないでほしい、って言ったら……?」

穂乃果(ことり)「うん、その時は」

ことり(穂乃果)「私は……このまま……この世界に残るよ」

真姫「……!」

凛「え、ええっ!? それって!?」

海未「!? な、何を馬鹿なことを言っているんですか!? 『穂乃果』、『ことり』!!」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん……、いい?」

ことり(穂乃果)「うん。それでいいよ。『ことり』ちゃんならできる、信じてるから」

穂乃果(ことり)「ありがとう……、私、頑張るからねっ!」

真姫「決まったわね。それじゃ、本番、期待しているわ」

花陽「あの……私がこういうことを言うのは、変かもしれないけど……がんばって、ください」

凛「……楽しみにしてるにゃ」
321: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/09(日) 21:36:45.37 ID:izpeeri8
海未「真姫たちは行ってしまいましたか。まさか、ライブの後にこんなことが起きるとは」

穂乃果(ことり)「……はぁ~……っ、緊張したよぉ~」ペタリ

海未「『ことり』!? し、しっかりしてください!」

ことり(穂乃果)「だ、大丈夫『ことり』ちゃん!?」

穂乃果(ことり)「へ、平気だよぉ。ちょっと気が抜けちゃっただけ」

海未「なら、いいのですが……。これ以上、あまり心配を掛けないでください」

穂乃果(ことり)「えへへ、ごめんね?」

海未「しかし、よかったのですか? あんな約束をして」

穂乃果(ことり)「うん。ことりがみんなに認めてもらうためには、あれくらい出来なきゃだめだって思う」

穂乃果(ことり)「本当のこと言っちゃうと、不安もあるけど……」

ことり(穂乃果)「大丈夫! 私がついてるよ、『ことり』ちゃん!」

海未「ああまで言った以上、今更後戻りも出来ませんからね。真姫たちを納得させられるよう、私も力を尽くしますよ」

ことり(穂乃果)「そうだ、絵里ちゃんたちにも話さないとね」

穂乃果(ことり)「あっ、そうだよね。ちゃんと説明して、手伝ってもらわなきゃ」

海未「約束は二週間後。はっきりいって、時間はそれほどありません。大変ですよ」

ことり(穂乃果)「そうかもしれないけど……大丈夫! 『ことり』ちゃん、『穂乃果』と海未ちゃんがついてるよ!」

ことり(穂乃果)「私たちが三人揃えば、無敵なんだからっ!」

穂乃果(ことり)「うんっ! 『穂乃果』ちゃんがそう言うと、なんだか何でもできそうな気になってくるねっ♪」
322: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/09(日) 21:39:08.51 ID:izpeeri8
海未「はぁ……まったく、楽観的というか何というか……。そもそも私の知っている『ことり』はこんな無謀ではなかったはずですが……」

海未「『ことり』、『穂乃果』の身体になったせいで、知らず知らず穂乃果に染まってしまったのではないでしょうね?」

ことり(穂乃果)「ええっ! 海未ちゃんそれはひどいよぉ!」

穂乃果(ことり)「あははっ、もしかしたらそうかもっ♪」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃんまでっ!?」

穂乃果(ことり)「でも……だからこそ、かなぁ。あんなこと、今までのことりじゃ言えなかったけど……」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃんに勇気をもらったから、踏み出せたのかも♪」

ことり(穂乃果)「こ、『ことり』ちゃん……、そんな、私はなにも……」

海未「そうかもしれませんね。知らず知らずのうちに誰かを支える、勇気をくれる、『穂乃果』はそんな人ですから……」

ことり(穂乃果)「も、もう……海未ちゃんまで何言ってるの! ほ、ほら! 絵里ちゃんたちに説明しに行かなきゃ! でしょ!」

ことり(穂乃果)「急がないと、みんな帰っちゃうよ!!」タタタ

穂乃果(ことり)「ふふっ、『穂乃果』ちゃん、真っ赤だったねぇ」

海未「今はことりの顔ですけどね。さて、私たちも行きましょうか」
323: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/09(日) 22:25:54.50 ID:izpeeri8
――翌日 『アイドル研究部』

絵里「ふぅむ……」

にこ「はぁ~……」

希「スピリチュアルやね」

穂乃果(ことり)「え、ええとぉ……?」

ことり(穂乃果)「あの~、もしもし? にこちゃん? 絵里ちゃん?」

にこ「ん? ああ、ごめん。昨日も聞いたし、事情は知ってたけど……」

絵里「改めてこうして見ると、やっぱり不思議ね」

希「以前うちもちょっとだけ見たけど、まさか穂乃果ちゃんの身体に『ことり』ちゃんの心が入っていたなんてね」

穂乃果(ことり)「ご、ごめんね希ちゃん。あの時はびっくりして、逃げちゃって……」

希「気にしないでいいんよ。とはいえ、二週間後にライブ、かぁ」

にこ「ライブするなら、準備にやらなきゃいけないことはいろいろあるわよ?」

絵里「私たちに出来ることがあれば、もちろん力を貸すけど……」

希「うちもね。最初に言った通り、うちは『穂乃果』ちゃんの味方やから。もちろん、『ことり』ちゃんの味方でもあるよ?」

穂乃果(ことり)「希ちゃん……ありがとう」

にこ「はぁ、しょーがないわねぇ~。μ’sのにこにー伝説をこんなところで終わりにしたくはないからね」

にこ「にこも手伝ってあげるわ」

ことり(穂乃果)「にこちゃんっ! ありがとうっ!」ギュー

にこ「ああもう抱き付かない! とはいえ、『穂乃果』とちがって、こっちの『ことり』は初心者でしょ? 大丈夫なの?」
324: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/09(日) 22:26:44.15 ID:izpeeri8
海未「ええ、ですからダンスに関しては『穂乃果』と私が毎日みっちり練習をみます」

ことり(穂乃果)「うんっ、『ことり』ちゃん、びしびしいくからねっ!」

穂乃果(ことり)「あ、はは……、お、お手柔らかに……」

絵里「無理だけはしないようにね。私も、可能な限り練習を手伝うわ」

穂乃果(ことり)「ありがとう、絵里ちゃんっ!」

海未「絵里のダンスレッスンの効果は花陽や凛、真姫のレベルアップでも実証済みですからね」

穂乃果(ことり)「そうなんだ……。え、絵里ちゃんっ、よろしくお願いしますっ!」

絵里「うふふ。ええ、任せて」

ことり(穂乃果)「あ、絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃん。それとは別に、お願いがあるんだけど……」

にこ「お願い? 何よ?」

希「うちらで出来ること?」

ことり(穂乃果)「うんっ、実はね……?」
333: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/10(月) 22:55:18.75 ID:L/cIdAFd
――神田明神 境内

穂乃果(ことり)「わぁ……! ここで練習していいの?」

絵里「ええ、ちゃんと許可を取ってあるからね。でも、他の参拝客の方の邪魔になってはダメよ」

海未「まさか練習場所として、一部とはいえ境内を貸してもらえるとは……話をつけてくれた希には感謝ですね」

絵里「さあ、時間を無駄にはできないわ。早速練習するわよ!」

海未「ライブでやる曲は、既に選定済みです。『ことり』は振り付けを覚えるところからですね」

ことり(穂乃果)「じゃあ、まずは私がやってみるね。『ことり』ちゃん、よく見ててね!」

穂乃果(ことり)「うんっ! みんな、よろしくねっ!」





海未「『ことり』、指先まで気を抜かないで! 全身隅々まで意識を持ってください!」 

穂乃果(ことり)「は、はいっ!!」

絵里「つなぎが雑になってるわよ! もっとスムーズに! 次を考えてから動いてるから、ワンテンポ遅れるの!」
 
穂乃果(ことり)「は、はいぃっ!!」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃん、顔がこわばっちゃってるよ! 笑顔笑顔!」

穂乃果(ことり)「は、はいぃぃ~……!!」

海未「そこ! 今のステップは違いますよ! もう一度です!!」

穂乃果(ことり)「は、はひぃぃ~……!!!」





穂乃果(ことり)「ひぃ~……、も、もう限界だよぉ……」グッタリ

海未「何を言っているのですか、だらしない! ほら、立って続きですよ!」

穂乃果(ことり)「ひぃぃ……! 向こうの海未ちゃんより厳しすぎるよぉ~! 『穂乃果』ちゃぁ~ん……!」
334: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/10(月) 22:57:21.26 ID:L/cIdAFd
ことり(穂乃果)「ま、まぁまぁ海未ちゃん。ちょっと休憩しようよ」

絵里「そうね、流石にいきなり飛ばし過ぎたかも。焦ってもいいことはないし、怪我したら元も子もないしね」

海未「仕方ありませんね……。確かに、少々無茶が過ぎたかもしれません。すみません、『ことり』」

穂乃果(ことり)「はぁ……はぁ……、謝らないで、海未ちゃん。それだけ、真剣に私のことを考えてくれたってことでしょ?」

海未「『ことり』……ありがとう、ございます」

穂乃果(ことり)「絵里ちゃんも、『穂乃果』ちゃんも。こんなに一生懸命になってくれて、『ことり』、嬉しいよっ♪」

絵里「ふふ、だって、『ことり』はμ’sに入ろうと頑張ってるんでしょ? 未来の仲間のためだもの、一生懸命にもなるわ」

ことり(穂乃果)「うんうん、当然だよっ! それに『ことり』ちゃんだけじゃなくて、私の問題でもあるからね」

穂乃果(ことり)「で、でも……まさか実際に踊るのが、こんなに大変だったなんてぇ~……」

海未「元々スクールアイドルをしていた『穂乃果』の身体のせいか、体力面ではそこまで問題はなさそうですが……」

絵里「ダンスを踊るっていうのには、体力だけあればいいわけじゃないしね。魅せ方とかもあるし、慣れないうちは神経使うでしょうからね」

ことり(穂乃果)「ううむ……なかなか大変だね~」

海未「だからあなたがそれを言いますか……いや、もう今更ですね……」
335: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/10(月) 23:01:24.83 ID:L/cIdAFd
希「どう、みんな、がんばってる~?。これ、うちからの差し入れよ」

ことり(穂乃果)「あっ、希ちゃん! わぁ! ジュースだ!」

希「ちょうど休憩中みたいやね。みんなの分買ってきたから、好きなの選んでな~」

絵里「悪いわね、希。いただくわ」

海未「ありがとうございます。では、私はお茶を……」

穂乃果(ことり)「希ちゃん、ありがとぉ~! う~ん、冷たくておいしぃ~♪」

希「調子はどうなん? ライブ、何とかなりそう?」

海未「体力的には、及第点といったところですね。少なくとも、一曲踊り切るのに問題はなさそうです」

絵里「それに『ことり』の呑み込みが早いから、振り付けを覚えるのは、すぐだと思うわ」

希「ほぇぇ……すごいんやねぇ」

ことり(穂乃果)「さっすが『ことり』ちゃん!」

穂乃果(ことり)「え、えへへ……。なんだか照れるよぉ。それに、まだまだだもん」

絵里「まあ……そうね。普通に踊れるだけでは、真姫たちを納得させるのは難しいでしょう」

海未「確かに。完成度を上げていくのは当然ですが、単に踊るだけではなく、心を動かすようになれなければ」

穂乃果(ことり)「そうだよねぇ……」

ことり(穂乃果)「大丈夫、まだまだ始まったばかりだもん。ここからだよっ、ことりちゃん!」

希「そうそう。こんなところで音を上げたらあかんよ。うちも応援しとるから」

穂乃果(ことり)「ありがとう、『穂乃果』ちゃん、希ちゃんっ!」

絵里「私たちも、しっかりサポートするからね」

海未「ええ、手を抜いたりしませんから。任せてくださいね」

穂乃果(ことり)「あ、あはは……、頼もしいけど……ちょ、ちょっとだけ……力を抜いて、欲しいかなぁ……?」
344: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/11(火) 22:31:08.68 ID:VYFNKZVX
ことり(穂乃果)「んく……んく……はぁ~……生き返るよぉ~」

穂乃果(ことり)「ほんとだねぇ。普通のスポーツドリンクなのに、疲れた時ってなんでこんなにおいしいのかなぁ」

希「ふふ、よろこんでもらえたようでなにより。また差し入れに買ってくるからね」

穂乃果(ことり)「ご、ごめんね希ちゃん。居候させてもらってる上に、差し入れまで……」

希「気にしないでいいんよ。今の状態じゃ自分の家に帰るのはまずいやろうし」

ことり(穂乃果)「むしろ私がごめんなさい……『ことり』ちゃんの家で寝泊まりしちゃってて……」

穂乃果(ことり)「それこそ気にしないでよぉ。だって、今は『穂乃果』ちゃんが『南ことり』なんだもん」

穂乃果(ことり)「逆に、ことりの姿をした『穂乃果』ちゃんが家に帰ってこなかったら大騒ぎになっちゃうよ」

ことり(穂乃果)「そう言われれば、確かに……。でも、やっぱりごめんね」

海未「……ふぅ。そういえば……『ことり』?」

穂乃果(ことり)「うん? 海未ちゃん、何?」

海未「先ほど妙なことを言っていましたね? 『向こうの私』がどうとか……」

絵里「ああ、確かに言ってたわね。『ことり』、それってどういうことなの?」

ことり(穂乃果)「あ、それ私も聞きたいなー。『向こう』ってひょっとして、私がいた世界のこと?」

穂乃果(ことり)「うん、そうだよぉ」

海未「別の世界の私ですか……以前、『穂乃果』に少しだけ話は聞きましたが……」

希「『穂乃果』ちゃんの世界にも、うちらはいるんよね。見た目も性格も、ほとんど同じらしいやん」

穂乃果(ことり)「うん、そんな感じだったかなぁ。だから、別の世界の人って感じがしなかったんだぁ」

絵里「改めて聞くと、不思議な感じね……」

海未「そう言えば『ことり』、今までどうしていたんですか? その……この世界には、『高坂穂乃果』は……」

ことり(穂乃果)「あっ、そうだよ! 『穂むら』にも穂乃果の部屋はなかったし……ま、まさか野宿とか!?」

穂乃果(ことり)「それなんだけど……実はね? 私、何度か、穂乃果ちゃんの世界に行ってたんだよぉ」
345: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/11(火) 22:32:23.43 ID:VYFNKZVX
ことり(穂乃果)「え、ええぇぇっ!?」

海未「ちょ、ちょっと待ってください!? え、それって、別の世界にってことですか?」

穂乃果(ことり)「うん。どうしてか、とかどうやったかは自分でもよくわからないんだけど……そうみたい」

希「本当、スピリチュアルやね……」

穂乃果(ことり)「私も、最初に穂乃果ちゃんになった時には、別の世界だなんて気付かなかったんだけど……」

穂乃果(ことり)「知らない人が私のことをよく知っていたり、オトノキが廃校になってなかったり、いろいろ違ってたし」

穂乃果(ことり)「極め付けにはね? 私とは別の『ことり』がいたりしたから、ここは自分の知ってる世界じゃない、夢で見た世界だって分かったの」

ことり(穂乃果)「ふぇ~。別の自分に会うって、どんな感じなんだろう。私は別の『穂乃果』には会わなかったからなぁ」

絵里「し、しかし『ことり』、ならばあなたは一体どうやってこちらの世界に戻ってきたのですか?」

ことり(穂乃果)「そうだよ。ことりちゃん、どうやったの?」

穂乃果(ことり)「ごめんなさい。方法は……ことりも分からないの」

海未「分からない、とは……?」

穂乃果(ことり)「一度目にこっちに戻ってきた時はね、『穂乃果』ちゃんの身体を取っちゃったことに怖くなって」

穂乃果(ことり)「会って、元に戻らなきゃって思ってたら……いつの間にか……としか」

ことり(穂乃果)「そうだったんだ……。それが、初めてここで会った時なんだね」

穂乃果(ことり)「うん。でも、いざことりになってる『穂乃果』ちゃんを目にしたら、また怖くなって……」

穂乃果(ことり)「逃げ出して、無我夢中でいたら……もう一度、向こうの世界にいたの」

希「ふ~む。うちらが見失った理由はそれだったんやね」

絵里「別の世界に逃げられたら、見つかるはずないわよね」

ことり(穂乃果)「じゃあ、二回目……ライブの時には、どうやったの?」

海未「やはり、こちらの世界に来なければ、と強く思ったからですか?」
346: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/11(火) 22:34:51.34 ID:VYFNKZVX
穂乃果(ことり)「……うん。向こうの世界でね、みんなが励ましてくれたんだ」

穂乃果(ことり)「『不安な気持ちは分かります。ですがちゃんと話をして、ちゃんと謝れば許してくれますよ』」

穂乃果(ことり)「『いつまでも逃げているなんて……『ことり』らしくも、『穂乃果』らしくもありませんよ』」

穂乃果(ことり)「『それとも、あなたが夢で見た女の子は、反省している子を責めるような人でしたか?』って」

絵里「あ、私それを言ったの誰だかわかったわ」

希「そうやね。そんなことを言いそうなのは……」

ことり(穂乃果)「うんうんっ。一人しかいないよねっ」

海未「何でこっちを見るんですか……」

穂乃果(ことり)「あはは。でも、みんなの言葉に勇気をもらって、もう一度会おう、会ってちゃんと謝ろう、って」

穂乃果(ことり)「そう強く思って……気が付いたときには、またこの世界にいたんだぁ」

ことり(穂乃果)「へぇぇ……『ことり』ちゃん、すごいんだねぇ~」

穂乃果(ことり)「ううん、『ことり』がすごいんじゃないよ。すごいんだとしたら、みんなかな?」

ことり(穂乃果)「みんな?」

穂乃果(ことり)「うん。向こうのみんなのおかげで、ちゃんと、『穂乃果』ちゃんと会えた、あのライブを見れた……」

穂乃果(ことり)「そして、こっちのみんながμ’sを作って、ライブをしてくれたから、もう一度、諦めずにやり直そうって思えた」

穂乃果(ことり)「だから、ことりは向こうのみんなにも、こっちのみんなにも、すっごく感謝してるんだよっ♪」
347: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/11(火) 22:36:14.21 ID:VYFNKZVX
ことり(穂乃果)「そっか……」

絵里「なんだか……照れるわね」

希「うん。うちらのやってきたことが、誰かの助けになるって……素敵やね」

海未「ですが、まだまだこれからですよ。私たちも、『向こうのμ’s』のように、廃校を阻止するという奇跡を目指さなければ!」

絵里「ええ! 同じ私たちができたことですもの。こちらでもできないはずがないわ」

希「ふふ、そうやね。話を聞いたら、ますますやる気が湧いてきたやん!」

絵里「しかし、別の世界への移動か……。本当に、SFみたいね」

海未「とはいえ、当の『ことり』でも分からないのでは、その方法の解明はお手上げでしょうけどね」

希「そうやね。考えられるのは、『ことり』ちゃんが例のおふだを持ってたから、ってことくらいやし」

穂乃果(ことり)「うん……ことりもよくわかってないけど……やっぱり、あのおふだのせいだと思う」

穂乃果(ことり)「ご、ごめんね? あんまり役に立てなくて……」

ことり(穂乃果)「ううん、気にしないで? それに今は、『穂乃果』も元の世界に帰ってる場合じゃないし!」

ことり(穂乃果)「この世界のμ’sのために、私の全力を尽くす方が大事だもん!」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん……」

絵里「……そうね。さあ、休憩はそろそろおしまい! 続きやるわよー!」

海未「ですね。それじゃ、もう一度曲の頭からいきましょう。『ことり』やれますか?」

穂乃果(ことり)「うんっ! 頑張るよっ!」
349: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/11(火) 23:21:22.10 ID:VYFNKZVX



コソコソ……

にこ「……そんなところに隠れてないで、出てきて見学したら?」

花陽「ピャァ!?」ガサッ

にこ「……いや、茂みに頭突っ込んでも身体が隠れてないわよ?」

花陽「に、にこちゃん!? あ、あわわ……」

にこ「何よ。そんな慌てて逃げようとすることないでしょ」

花陽「だ、だって……私と、にこちゃんたちは……」

にこ「あんたたちは『ことり』の敵で、にこは味方だからって? そんなの関係ないわよ、まったく」

花陽「え……?」

にこ「あのね。そもそもにこや絵里や希と、あんたや凛や真姫は同じμ’sのメンバーでしょ?」

にこ「仲間内で敵だ味方だ、なんて馬鹿馬鹿しいじゃない」

花陽「あぅ……で、でも……」

にこ「まぁ、あんたたちの気持ちも分からないでもないわよ」

にこ「ほんのちょっとは……『穂乃果』がこのままμ’sに残って、一緒にやれたらって考えないわけでもないわ」

にこ「それに、『ことり』が一度は諦めちゃった、ってことには、少なからず思うとこもあるしね」

花陽「じゃ、じゃあ、にこちゃんは……どうして……?」

にこ「『ことり』と『穂乃果』の手助けをしてるかって? そんなの当り前じゃない」

にこ「目の前に困ってる人がいるのよ? 見て見ぬふりなんて、できっこないわ」

花陽「……そう、だよね」

にこ「それにね? 考えてみなさいよ」

花陽「?」

にこ「別の世界の人間の力を借りなければ……私たちだけじゃ、奇跡を起こせない……なんて思われたら心外じゃない!」

にこ「『穂乃果』なんていなくても、μ’sは無敵なのよ! な・ぜ・な・ら! この銀河ナンバーワンスーパーアイドルにこにーがいるからにこっ!」

にこ「だからあいつは、何も気にせず自分の世界に戻ればいいのよ。そっちで待ってる人が、いるんだから……」

花陽「にこちゃん……」
350: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/11(火) 23:22:14.89 ID:VYFNKZVX
にこ「ま、そうはいっても難しいわよね。特にあんたや凛、真姫は『穂乃果』に惹かれてμ’sに入ったってとこもあるし」

にこ「その憧れがいなくなっちゃう、ってなったら、引き止めたいってのは当然だとも思うわ」

花陽「うん……」

にこ「でも……花陽も、本当は分かってるんでしょ?」

花陽「え……?

にこ「『ことり』がどれだけ真剣に、μ’sを……みんなのことを、考えているかってこと」

にこ「『穂乃果』がいるべき場所が……戻るべき世界があるってこと」

花陽「それ、は……」

にこ「って、こんなのはにこが言うようなことじゃないわね。頭では分かってても、納得できるかってのは別だし」

にこ「ともあれ、二週間後に見せてもらいましょ。あの子の『想い』ってやつが、どれほどのものかを、ね」

花陽「……そうだね。どんなライブを見せてくれるのか……期待して、まってます」

花陽「……そう、『ことり』ちゃんたちに、伝えてもらっていいですか?」

にこ「自分で言いなさいよ、って言いたいとこだけど、まあいいわ。伝えておいてあげる」

にこ「そっちも、にこたちがいないからってサボるんじゃないわよ?」

にこ「次のライブもあるんだし、絵里から指示された練習メニュー、しっかりやっときなさいよね?」

花陽「はっ、はい! それじゃっ!」

にこ「行っちゃったか。……ん? このビニール袋……お茶と、おにぎり?」

にこ「はぁ。まったく……しょーがないわねぇ……」

にこ「後輩がこれだけ応援してるんだから……がんばんなさいよ? 『穂乃果』『ことり』……」
361: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 20:31:13.55 ID:hRgI15+S
――数日後 神田明神 境内

絵里「はい、そこまで」

穂乃果(ことり)「ふう……っ!」

ことり(穂乃果)「やったね、『ことり』ちゃん! 今のは一度も失敗しなかったよっ!」

絵里「うん、振り付けも覚えて、曲を通しで踊れるようになったし……、何とかここまでで、形にはなったわね」

海未「ですね。この短期間でよくぞここまで。がんばりましたね、『ことり』」

穂乃果(ことり)「えへへ……。みんなのおかげだよぉ」

絵里「あとは繰り返し練習して、完成度を上げていくだけね」

海未「そうですね。ライブ当日まで時間もあります。この調子なら、かなりいいものになるのではないかと」

穂乃果(ことり)「そ、そう?」

絵里「ええ。お世辞抜きで、初心者とは思えないわよ。本番も自信もっていいんじゃない?」

海未「残りの時間を苦手な部分の練習に充てれば、完璧に近くできそうですしね」

穂乃果(ことり)「……そう、かなぁ?」

海未「『ことり』、どうしました? 何か問題でも?」

穂乃果(ことり)「ううん、そう言うわけじゃないんだけど……」

穂乃果(ことり)「このままで、大丈夫かなぁって」

絵里「? ええっと……それって、ダンスの難易度をもっと上げた方がいいか、ってこと?」

穂乃果(ことり)「えっと、そういうのじゃなくて……上手く言えないんだけど……」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「ごめん、変なこと言っちゃったね。練習の続き、しよっか?」

海未「そうですね。まだまだ改善すべき点はありますし」

絵里「不安を感じるのは無理もないからね。本番でしっかりできるよう、練習で自信をつけておきましょ」

穂乃果(ことり)「うんっ!」
362: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 20:33:35.60 ID:hRgI15+S




海未「それじゃ、今日はここまでにしましょうか」

穂乃果(ことり)「はぁ……、はぁ、あ、ありがとうございましたぁ~……」

ことり(穂乃果)「お疲れ様、『ことり』ちゃん。はい、タオル」

穂乃果(ことり)「ありがとう、『穂乃果』ちゃん」

絵里「疲れてるだろうけど、ストレッチはしっかりね」

海未「汗もしっかり拭いて、身体も冷やさないようにしてくださいね」

穂乃果(ことり)「はぁ~い」

海未「では、すみませんが私は一足お先に上がらせていただきますね」

絵里「ああ、日舞のお稽古? 大変ね」

海未「そうでもないですよ。もう、生活の一部みたいなものですからね」

絵里「そう言えるのは流石ね……。と、私も行くわ。亜里沙と夕飯の買い物に行く約束があるの」

穂乃果(ことり)「二人ともごめんね? 忙しいのにことりのために、毎日……」

海未「それは言いっこなしですよ」

絵里「そうそう。私たちが好きでやってることだし。それに……μ’sの、オトノキのためだから、ね?」

穂乃果(ことり)「ありがとう……二人とも」

絵里「ふふ、その言葉はライブの後まで取っておきなさい。じゃあ、私たちは帰るわね」

海未「二人も気をつけて。遅くならないうちに戻ってくださいね」

ことり(穂乃果)「うん、それじゃ海未ちゃん、絵里ちゃん、また明日ね~」

絵里「ええ、また学校で」

穂乃果(ことり)「本当……どれだけ感謝しても、し足りないなぁ」

ことり(穂乃果)「そうだね。この世界でも、μ’sのみんなと会えて、本当によかった」

穂乃果(ことり)「うん……。みんなの想い、無駄にはできないね」

ことり(穂乃果)「……さ、『ことり』ちゃん、私たちも支度しよ」

穂乃果(ことり)「そうだね。帰ろっ、『穂乃果』ちゃん」
363: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 20:41:02.39 ID:hRgI15+S




――帰り道

テクテク

ことり(穂乃果)「そういえば、『ことり』ちゃんと二人っきりで帰るのって、あんまりなかったかも」

穂乃果(ことり)「そうなの?」

ことり(穂乃果)「うん。わたしが元いた世界では、海未ちゃんとことりちゃんと一緒が多かったし」

ことり(穂乃果)「こっちに来てからは、海未ちゃんと二人だったから。なんだか新鮮」

穂乃果(ことり)「そうなんだぁ。ことりも海未ちゃんと一緒に帰ることが多かったから」

穂乃果(ことり)「今度は海未ちゃんも誘って、一緒に帰ろうね」

ことり(穂乃果)「うん、そうだねっ」

穂乃果(ことり)「考えてみれば、三人で帰るっていうのはなかったかも。ふふっ、今から楽しみだよぉ」

穂乃果(ことり)「その時は、帰りにいろんなとこ寄ろうねっ♪」

ことり(穂乃果)「だねっ、その時はぜひ『穂むら』もごひいきにっ」

穂乃果(ことり)「あっ、『穂乃果』ちゃんの家の和菓子屋さんだよね。おまんじゅう美味しかったよ!」

ことり(穂乃果)「そっか、『ことり』ちゃんは向こうの世界にも行ってたんだっけ」

ことり(穂乃果)「う~ん、確かに美味しいけど、私はちょっと飽きちゃったかな」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃんダメだよぉ。そんなこと言っちゃ!」

ことり(穂乃果)「あはは……ごめんね?」
364: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 20:41:51.61 ID:hRgI15+S
穂乃果(ことり)「もう! 『穂乃果』ちゃんのお父さんもお母さんも、雪穂ちゃんもみんないい人だったんだから」

ことり(穂乃果)「あ、雪穂にも会ったの? って、当たり前かぁ」

穂乃果(ことり)「うん。『穂乃果』ちゃんの妹さんって、あんな感じなんだねぇ。すごいしっかりしてて、びっくりしたよぉ」

穂乃果(ことり)「スクールアイドルやりたいって言ってたけど、その気持ちも分かるなぁ」

穂乃果(ことり)「だって、こんなにすごいお姉ちゃんが身近にいるんだもん。憧れるのも当然だよね」

ことり(穂乃果)「そ、そんなことないよぉ。私なんてみんなに比べたらまだまだで……」

穂乃果(ことり)「ううん、そんなことないよ。『穂乃果』ちゃんは、すごいよ……」

ことり(穂乃果)「…………」

ことり(穂乃果)「ね、『ことり』ちゃん」

穂乃果(ことり)「何? 『穂乃果』ちゃん」

ことり(穂乃果)「もしかして、今のままじゃ……ダメだって思ってる?」

穂乃果(ことり)「どうしたの? 急に……」

ことり(穂乃果)「これじゃ、真姫ちゃんたちを納得させられない、って感じてるんでしょ?」

穂乃果(ことり)「……」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「…………やっぱり、分かっちゃう、かぁ」
365: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 21:12:42.68 ID:hRgI15+S
ことり(穂乃果)「うん。なんとなく、だけどね」

穂乃果(ことり)「……不思議だね。『穂乃果』ちゃんとは会ってから、まだそんなに経っていないのに」

穂乃果(ことり)「ずっと昔から、一緒にいたみたいな気がするよ」

穂乃果(ことり)「……お互い、入れ替わってるから、なのかなぁ? だから、隠し事もできないのかな」

ことり(穂乃果)「もしかしたら、そうかも。でも、それだけじゃないよ」

穂乃果(ことり)「え?」

ことり(穂乃果)「例え別の世界でも、『ことり』ちゃんは私にとって、大切な人に変わりはないから」

ことり(穂乃果)「悩んでいるなら、力になってあげたいんだ」

ことり(穂乃果)「だから……きっと、伝わるんだと思う」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん……」

ことり(穂乃果)「絵里ちゃんや海未ちゃんが言ってた通り、『ことり』ちゃんは十分上手くなってる」

ことり(穂乃果)「私も、そう思うよ。でも、それだけじゃダメだって感じてるんだよね?」

穂乃果(ことり)「うん……」

穂乃果(ことり)「練習で、だんだん上達してるっていうのは、ことりも感じてるの」

穂乃果(ことり)「難しい振り付けも、間違わないで踊れるようになったし……」

穂乃果(ことり)「みんなには及ばないかもしれないけど、ちゃんとは……出来てると思う」

ことり(穂乃果)「うん。今日の練習でも、ノーミスだったもんね」

穂乃果(ことり)「でも……心のどこかで、これじゃだめだと思ってるんだ」
366: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 21:37:48.52 ID:hRgI15+S
穂乃果(ことり)「μ’sの、『穂乃果』ちゃんのライブは、本当にすごくて……ことりも、感動したの」

穂乃果(ことり)「見ているだけで、勇気が湧いてきて、悩みも消えて。『穂乃果』ちゃんに会おうって……ちゃんと、謝ろうって」

穂乃果(ことり)「そして……もう一度、諦めないでやってみようって思えるくらいの、すごいパワーをもらったんだ」

ことり(穂乃果)「それ……ライブの後、話してくれたことだよね」

穂乃果(ことり)「うん。同時にね、すごい、憧れたんだぁ」

穂乃果(ことり)「だから、私もあんなライブができたら……って」

穂乃果(ことり)「それなら、真姫ちゃんたちもきっと分かってくれる、って思ったんだけど……」

穂乃果(ことり)「自分で踊ってみて、分かったの。『穂乃果』ちゃんとは、何かが違うって」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「やっぱり無理だったのかなぁ……って。ことりが『穂乃果』ちゃんみたいになるなんて……」

穂乃果(ことり)「入れ替わっても、『穂乃果』ちゃんの身体を使っても、私じゃ……」

ことり(穂乃果)「……ねぇ『ことり』ちゃん」

穂乃果(ことり)「? 何、『穂乃果』ちゃん」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃんは、『穂乃果』になりたいの?」
367: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 22:24:33.70 ID:hRgI15+S
穂乃果(ことり)「えっ……?」

ことり(穂乃果)「私のライブを見て、憧れてくれたのはすっごく嬉しいよ」

ことり(穂乃果)「だけど、『ことり』ちゃん、間違えちゃだめだよ」

穂乃果(ことり)「で、でも……μ’sは、あのライブは『穂乃果』ちゃんがいたから……」

ことり(穂乃果)「ううん。私だから、『ことり』ちゃんを……みんなの心を動かしたんじゃない」

ことり(穂乃果)「みんなを笑顔にしたい。その想いを伝えようと、精一杯頑張ったから」

穂乃果(ことり)「想いを……伝えようと」

ことり(穂乃果)「うん。私だけじゃない、μ’sのみんながその想いを持って、ひとつになって……」

ことり(穂乃果)「大好きな学院のみんなのために。その幸せを願ったライブだからこそ、みんなに伝わったんだと思う」

穂乃果(ことり)「じゃ、じゃあ……ことりは、どうすれば……」

ことり(穂乃果)「簡単だよ! もう一度、思い出してみて。 どうして、ライブをしようと思ったのか」

穂乃果(ことり)「あ……」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃんにもあるはずでしょ? 歌うための理由が。譲れない想いが。伝えたいものが」

ことり(穂乃果)「だから、ライブをしたいって思ったはずだよ」

ことり(穂乃果)「難しいことは考えないでいいんだよ。その胸の想いを、素直に表すの」

ことり(穂乃果)「必要なのは技術じゃない。大切なのは、本気で何かを伝えようとすること。心で、心を動かすこと」

穂乃果(ことり)「心で、心を……」
368: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/13(木) 22:25:17.22 ID:hRgI15+S
ことり(穂乃果)「うんっ! 『ことり』ちゃんの心を、歌と、ダンスに乗せて、みんなに届けるの」

ことり(穂乃果)「無理に『穂乃果』みたいになろうとしないで、『ことりちゃん』らしく、ね。そうすれば、きっと伝わるよ」

ことり(穂乃果)「だって、真姫ちゃんたちの願いも、『ことり』ちゃんと……きっと一緒だから」

ことり(穂乃果)「みんな……学院が、学院のみんなが大好きなんだから!」

穂乃果(ことり)「そう、かな……? そう、かも……。うん……なんだか、そんな気がしてきたかもっ」

ことり(穂乃果)「そうそう! だから『ことり』ちゃん、ファイトだよっ!」

穂乃果(ことり)「うん。ありがとう、『穂乃果』ちゃん! ことり、頑張っちゃいますっ♪」

ことり(穂乃果)「その意気その意気!」

ことり(穂乃果)「って偉そうなこと言っても……私も一度、見失ちゃってたんだけどね」

穂乃果(ことり)「そうなの?」

ことり(穂乃果)「うん。『ことり』ちゃんにならなくちゃって思って……でも、海未ちゃんが思い出させてくれたんだ」

ことり(穂乃果)「『私は私らしく』って、一番大切なことを……」

穂乃果(ことり)「……そっかぁ」

ことり(穂乃果)「だから、『ことり』ちゃんも! 他の誰かになろうとしないで、『ことりちゃんらしく』、だよっ!」

穂乃果(ことり)「ことり……らしく……」

ことり(穂乃果)「うん! きっとそれが、一番だと思うよ!」
379: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/15(土) 14:44:34.13 ID:evk4S2/g
凛「あれっ? ことりちゃんたちだにゃ!」

ことり(穂乃果)「あ、やっほー凛ちゃん!」

穂乃果(ことり)「こんにちは、凛ちゃん。今帰りなの?」

凛「やっほー穂乃果ちゃん! うん、そうだよ」

ことり(穂乃果)「一人? 花陽ちゃんたちと一緒じゃないって珍しいね」

凛「うん。かよちんも真姫ちゃんも用があるからって。ことりちゃんたちは練習の帰り?」

ことり(穂乃果)「そうだよ~、終わって帰るとこ」

凛「そっか~。ねえねえ、凛も一緒に帰っていい?」

ことり(穂乃果)「いいよ~。『ことり』ちゃん、いい?」

穂乃果(ことり)「うん! もちろんっ」

凛「あっ、そっか。今は二人とも入れ替わってるんだよね」

穂乃果(ことり)「うん、私が『南ことり』」

ことり(穂乃果)「私は『高坂穂乃果』だよ。もしかして凛ちゃん……忘れてた?」

凛「あ、ええっと……ごめんなさい」

穂乃果(ことり)「気にしないで、凛ちゃん。確かにこんがらがっちゃうよねぇ」

ことり(穂乃果)「うんうん、私も『ことり』ちゃんに初めて会ったとき、自分が誰だか分からなくなりそうだったもん」

穂乃果(ことり)「あはは……流石に、それは……」

凛「『穂乃果』ちゃんはすごいのかすごくないのか、時々わからなくなるにゃ」

穂乃果(ことり)「ふふ、そうかも」

ことり(穂乃果)「ううっ!? 二人とも、いくらなんでもそれはひどいよぉ~」

穂乃果(ことり)「ご、ごめんね?」

ことり(穂乃果)「どうせ私はすごくないですよぉ~だ」

凛「いじけたにゃ」
380: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/15(土) 14:44:59.30 ID:evk4S2/g
ことり(穂乃果)「ふーん……どーせ穂乃果は自分が誰だか分からなくなっちゃう子だも~ん」

穂乃果(ことり)「ど、どうしよぉ……。あ、そうだ! 後でお菓子、作ってあげるから……」

ことり(穂乃果)「ほんとっ!? じゃあじゃあ、何がいいかなぁ~」

穂乃果(ことり)「ほ、『穂乃果』ちゃんの目が輝いてる……」

凛「『穂乃果』ちゃん、ちょろすぎにゃ……」

穂乃果(ことり)「あっ、そうだ。せっかくだし凛ちゃんたちの分も作るね? その時にはみんなで食べて?」

凛「えっ、でもそんな……。悪いにゃ」

穂乃果(ことり)「気にしないで? まだ、ことりがみんなにしてあげられるのはそれくらいだし……喜んでもらえたら、嬉しいから」

凛「……『ことり』ちゃん……」

凛「こっちの『ことり』ちゃんも、優しいにゃ……」

凛「……凛は……」

穂乃果(ことり)「凛ちゃん?」

凛「あ、ううん、何でもないにゃ」

穂乃果(ことり)「そう……?」

ことり(穂乃果)「ねえ凛ちゃん」

凛「何? こと……じゃなくて、『穂乃果』ちゃん?」

ことり(穂乃果)「アイドル、楽しい?」
381: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/15(土) 14:46:24.99 ID:evk4S2/g
凛「うん。かよちんや真姫ちゃんと一緒に練習するの、楽しいよ!」

凛「ライブの衣装は……まだちょっと自信なくて、恥ずかしいけど」

凛「でも、凛があんなに可愛い服を着て、ダンスして……みんなが喜んでくれて、すっごく嬉しかった!」

ことり(穂乃果)「そっか。すごかったもんね、ライブ」

凛「うんっ! だから早く、次のライブしたいなぁ~って。練習の時もわくわくしてるんだ~」

凛「新しいダンスはまだちょっと失敗しちゃうけど、それでも、これをうまく踊れたらどうなるんだろうって考えると、なんだかどきどきするの!」

穂乃果(ことり)「くすっ、凛ちゃんは本当に、アイドルが好きなんだね」

凛「えへへ……かよちんもびっくりしてたにゃ。『凛ちゃんがここまでハマっちゃうなんて』って」

凛「本当に、『ことり』ちゃんの言うとおりだったよ! 凛の中にこんな可能性が眠ってたなんて!」

ことり(穂乃果)「でしょ? 凛ちゃんの可能性は無限大なんだから! これからもっともっとすごいアイドルになるよ!」

穂乃果(ことり)「そうだねぇ。ことりも、凛ちゃんはきっともっと可愛くなると思うよぉ」

凛「そ、そうかな……? なんだか、照れるにゃ」
382: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/15(土) 14:47:21.37 ID:evk4S2/g
凛「あのね……。凛、スクールアイドルやってみてよかった、って思うんだにゃ」

ことり(穂乃果)「そっか。そう言ってもらうと、誘ったかいがあったよ」

凛「だから……もっともっと、続けていきたい」

ことり(穂乃果)「うん……」

凛「真姫ちゃんはどう考えているかは分からないけど……。凛は、μ’sが好きにゃ」

凛「今のことりちゃん……『穂乃果』ちゃんがいなくなっちゃうのは、寂しいし、いなくならないで、って思うけど……」

凛「みんなと一緒に踊って、ライブをできなくなるのも、すっごく悲しい」

穂乃果(ことり)「…………」

凛「それに、『ことり』ちゃんがすっごい頑張ってるってことは、かよちんにも聞いたの」

穂乃果(ことり)「花陽ちゃんに?」

凛「だから、『ことり』ちゃん。次のライブで凛たちを、絶対に納得させて」

凛「そうしたら、頑張って……笑顔で……『穂乃果』ちゃんと、お別れ、するから……」

ことり(穂乃果)「凛ちゃん……」

凛「お別れの寂しさも、悲しさもなくなるくらい……『ことり』ちゃんと一緒に、楽しいμ’sにするから……」

穂乃果(ことり)「……約束するよ、凛ちゃん。きっと、認めてもらう」

穂乃果(ことり)「ううん、そうじゃないね」

穂乃果(ことり)「凛ちゃんたちが、一緒にやりたくなるような、笑顔になるような、すごく楽しく思えるような……そんなライブにするねっ!」

凛「……うんっ! 楽しみにゃ!」
404: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/17(月) 18:58:49.58 ID:3Zkit2tI
―― ライブ前日 神田明神 境内

~♪

穂乃果(ことり)「こ、こんな感じなんだけど……」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「えっと……。ど、どうかなぁ?」

ことり(穂乃果)「……」

穂乃果(ことり)「あの、『穂乃果』、ちゃん?」

ことり(穂乃果)「……いい」

穂乃果(ことり)「え?」

ことり(穂乃果)「いい!! すっごくいいよ!!!」

穂乃果(ことり)「わっ!?」

穂乃果(ことり」「び、びっくりしたよぉ~。もう、『穂乃果』ちゃん、いきなり大きな声出すんだもん」

ことり(穂乃果)「あ、ご、ごめんね」

ことり(穂乃果)「でも……本当にすごかったよ『ことり』ちゃん!! 歌もばっちりだったし、振り付けのミスもなかったし、完璧だよ!」

穂乃果(ことり)「そ、そう? まだちょっと不安だったんだけど、『穂乃果』ちゃんがそう言ってくれると、なんだか安心できるよぉ」

ことり(穂乃果)「大丈夫! すっごく素敵だったよ! 今の『ことり』ちゃん、穂乃果よりずっと上手かったよ! だから明日の本番も自信もって行こう!」

穂乃果(ことり)「それは言い過ぎだよぉ~。まだまだことりじゃ『穂乃果』ちゃんとは比べ物にならないもん」

ことり(穂乃果)「そんなことないって! だって穂乃果が見とれるくらいだもん! ラブライブ出場……ううん、優勝だって夢じゃないよ!」

穂乃果(ことり)「も、もう『穂乃果』ちゃん、お世辞にしても大げさだよぉ! こ、ことりちょっとのど渇いたなぁ? ジュ、ジュース買ってくるね?」タタタ

ことり(穂乃果)「あっ、ことりちゃん」

ことり(穂乃果)「……行っちゃった。うーん、でもお世辞なんかじゃなくて、本気でそう思ったんだけどな~」
405: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/17(月) 19:13:33.08 ID:3Zkit2tI
コツ

真姫「まったく……何やってるのよ」

ことり(穂乃果)「えっ、あっ!?」

真姫「本番は明日でしょ。そんな調子で、本当に大丈夫なの?」

ことり(穂乃果)「真姫ちゃん!? どうしたの、こんなところに。何か、用事?」

真姫「ええ、まぁ、ちょっとね」

ことり(穂乃果)「そっか」

真姫「……」

ことり(穂乃果)「……」

真姫「……いよいよ、ね」

ことり(穂乃果)「……うん」

真姫「落ち着いているのね。そんなに自信があるの?」

ことり(穂乃果)「どうかな……分からないよ」

真姫「分からないって、あなた」

ことり(穂乃果)「でも」

真姫「え?」

ことり(穂乃果)「きっとすごく素敵なライブになる、そんな予感がするんだ」

真姫「……そう」

真姫「『穂乃果』がそう言うのなら……期待できそうね」
406: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/17(月) 19:14:01.52 ID:3Zkit2tI
ことり(穂乃果)「真姫ちゃん、それって」

真姫「勘違いしないで。まだ、答えが出たわけじゃない。明日の出来次第では……」

ことり(穂乃果)「うん。分かってる」

真姫「なら、いいわ」

ことり(穂乃果)「あの、真姫ちゃん、私ね――」

真姫「ストップ」

ことり(穂乃果)「えっ?」

真姫「今は、言わないで。どんな言葉でも……今聞いたらきっと、私、ちゃんと受け止められないと思うから」

真姫「冷静に、公平に……ライブを見て、判断する。そう決めたから」

真姫「だから私も、今は何も言わないわ。全ては明日。『ことり』のライブ次第よ」

ことり(穂乃果)「うん……そうだね」

ことり(穂乃果)「ごめん、真姫ちゃん。今のはちょっと、フェアじゃなかったよね」

ことり(穂乃果)「明日、ステージの上で……ライブで伝えるよ、この胸の想いは」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃんと、一緒に」

真姫「そう」

タッタッタ……

真姫「……あ」

――ほのかちゃぁ~ん! おまたせぇ~!

真姫「……『ことり』が戻って来たみたいね。練習の邪魔になるし、もう行くわ」

ことり(穂乃果)「うん。じゃあ、真姫ちゃん、また明日」

真姫「ええ、また明日。学院でね、『穂乃果』」
407: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/17(月) 22:09:13.48 ID:3Zkit2tI
――ライブ当日 講堂

絵里「……いよいよ、か。希、ことりたちの準備は? 音響と照明を手伝ってくれる子の方も大丈夫よね?」

希「『穂乃果』ちゃんと『ことり』ちゃんはさっき更衣室に行ったやん。裏方も前回のうちらのライブで手伝ってくれた子がやってくれるし」

絵里「そう、そうだったわね。ああでも、やっぱり私も様子を見に行った方が」

希「それは海未ちゃんが行ってるやろ。えりち、少し落ち着いたら」

にこ「そうそう。もっとどっしり構えてなさいよ。あんたが踊るわけでもないんだし」

絵里「そうは言ってもね……」

にこ「ま、分からなくもないけど。とはいえ、もうにこたちができることもないし、黙って幕が開くのを待ってましょ」

希「そうやね。泣いても笑っても、このライブは……『ことり』ちゃんたち次第」

絵里「や、やなこと言わないでよ。成功するに決まってるじゃない。私と海未もみっちり練習に付き合ったんだから」

にこ「おかげでこっちは大変だったわよ。一年生組の練習見る人、いなくなっちゃったんだから」

希「あはは、でもにこっちがちゃーんと指示してくれたから、ね。それでなんとかなったようなもんやね」

絵里「あ……。そうだったの……。ごめんね、にこ」

にこ「別にいいわよ。大変なのは、『ことり』たちの方だってのはにこも分かるから」

にこ「でも、これだけにこたちもサポートしたんだから。半端なものなんて、見せるんじゃないわよ……」

希「『穂乃果』ちゃん、『ことり』ちゃん……頑張るんよ」

絵里「私たちが応援しているわ。しっかりね……」
408: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/17(月) 22:10:54.19 ID:3Zkit2tI
真姫「……意外ね。てっきりエリーたちは『ことり』に最後までついてると思ったんだけど」

凛「うん。海未ちゃんはいないけど、三年生はみんな凛たちと同じく、客席側にいるね」

真姫「自信……いえ、信頼の表れ、かしらね。とはいえ、あの顔からすれば不安は拭えないみたいだけど」

花陽「はうぅ……私もどきどきしてきちゃいました」

真姫「何言ってんのよ花陽。まだ幕も開いてないわよ」

凛「でも、凛もかよちんと同じにゃ。なんだか緊張してきちゃったもん」

花陽「凛ちゃんもなんだ……」

真姫「まあ、私たちμ’sの運命が決まるって言っても過言じゃないし。緊張するのもおかしくないわね」

凛「真姫ちゃんも?」

真姫「……ええ、まあ少し、ね」

花陽「そっか……真姫ちゃんもなんだね」

凛「やっぱり……『穂乃果』ちゃんも、一緒に踊るのかな?」

真姫「かもね。でも、あくまで私たちが見るのは『ことり』よ」

花陽「うん。……『ことり』ちゃんの想いがどれほど強いのかを、ちゃんと確かめさせてもらうんだよね」

凛「それで、凛たちと本当に、一緒にやっていけるのか。凛たちが、『ことり』ちゃんと、一緒にやっていきたいと思えるのか」

真姫「ええ。そして、もし『穂乃果』がいなくなっても……μ’sとして、奇跡を目指せるのか。最後までやり切れるのか」

真姫「見せてもらうわ。しっかりとね」



絵里「それにしても……もうすぐ本番だっていうのに、嫌な雲行きね」

希「本当、いつの間にか、あんなに空が暗く……」

にこ「風も強くなってきたわ。屋内とはいえ、ちょっと気になるわね」

絵里「テレビじゃ雨は降らない、なんて言ってたけど。予報、外れそうね」

希「何も起こらないといいんやけど……」
420: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 13:34:25.33 ID:eO5rt3eH




――講堂 更衣室

ゴロゴロ……

海未「雷が鳴りだしましたか……まだ、遠いようですが……」

ことり(穂乃果)「どうかな? 『ことり』ちゃん?」

穂乃果(ことり)「ん~……あっ『穂乃果』ちゃん、リボンちょっとずれてるよぉ。直すね?」

ことり(穂乃果)「ありがとう『ことり』ちゃん!」

穂乃果(ことり)「どういたしまして♪ ふふっ、ことりが私の姿をした子の衣装を直すって、なんか変な感じだよぉ」

ことり(穂乃果)「私も! 何だかもう一人の穂乃果にやってもらってるみたい」

穂乃果(ことり)「だよねっ。うん、できたよぉ」

ことり(穂乃果)「ありがと~っ!」

海未「用意は済んだようですね」

ことり(穂乃果)「うん、ばっちりだよ。『ことり』ちゃんは?」

穂乃果(ことり)「私も大丈夫だよぉ」

海未「もうすぐ開幕ですが、衣装は問題なさそうですね。二人とも、よく似合っていますよ」

穂乃果(ことり)「そ、そうかな? ありがとう、海未ちゃん」

穂乃果(ことり)「あっ、そういえばこれ、ことりがデザインした服だよね?」

ことり(穂乃果)「うん、そうだよ~、絵里ちゃんが作ってくれたんだ」

穂乃果(ことり)「そうだったんだぁ。絵里ちゃんって裁縫すっごく上手だね、初めて見た時びっくりしたよぉ」

ことり(穂乃果)「だよねっ。……あ。ご、ごめん『ことり』ちゃん、部屋にあったデザインのノート、勝手に見ちゃって」

穂乃果(ことり)「ううん、全然気にしてないよぉ。だって、ことりがデザインした衣装がこんな素敵になって、それを着れるんだもん」

穂乃果(ことり)「お礼を言うのはこっちだよぉ」

ことり(穂乃果)「ありがとう『ことり』ちゃん。そう言ってもらえてほっとしたよぉ」
421: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 13:36:12.47 ID:eO5rt3eH
海未「ほらほら、あまり遊んでいる時間はありませんよ、舞台の方の準備ももう終わるでしょうし」

ことり(穂乃果)「分かってるよぉ。あ~あ、折角なら海未ちゃんも私たちと一緒にライブ出ればよかったのに~」

海未「正直、それも考えなくもありませんでしたが……」

海未「『ことり』を認めさせるためのライブと考えたら、あまり人数を増やしても『ことり』の印象を薄めてしまうことにもなりかねませんからね」

穂乃果(ことり)「そっかぁ、それじゃしょうがないよね……」

ことり(穂乃果)「ちょっと、残念だけどね。でも、ライブはこれだけじゃないからね」

海未「ええ、そうですね」

穂乃果(ことり)「ありがとう、海未ちゃん。毎日練習を見てくれて、いまだって着替えまで手伝ってくれて……」

海未「これくらい、お礼を言われるようなことでもありませんよ。『ことり』、私に気を遣うよりも、自分のことを考えてください」

穂乃果(ことり)「えへへ、ごめんね? でも、海未ちゃんがこうして側にいてくれるから、ことりは緊張しないでいられるんだよぉ」

海未「そ、そうですか? 少しでもお役に立てているなら、なによりです」
422: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 13:37:21.59 ID:eO5rt3eH
穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃんも、ありがとう。『穂乃果』ちゃんがいなかったら、ことりは……きっと、ここまで来られなかったと思う」

ことり(穂乃果)「ううん、違うよ『ことり』ちゃん。確かに、私はきっかけを作ったかもしれないけど」

ことり(穂乃果)「……自分の想いを伝えたいって、一生懸命になって、ここまで頑張ってこれたのは紛れもなく『ことり』ちゃんの力だよ」

海未「そうですね。他の誰でもない、あなた自身が勇気を持ち、偽りなく努力したからこそ、ですよ」

海未「練習に付き合ってきた私が保証します。きっと、上手くいきますよ」

ことり(穂乃果)「うんうんっ! 私も精一杯サポートするからねっ! だから、ファイトだよっ!」

穂乃果(ことり)「海未ちゃん……『穂乃果』ちゃん……」

海未「ほら、本番はまさにこれからですよ。感極まるのにはまだ早すぎます」

ことり(穂乃果)「そうだよ、『ことり』ちゃん。にこちゃんがよく言ってるでしょ? 『アイドルなら、ステージの上ではにっこり笑顔』だよっ」

穂乃果(ことり)「うん……そうだよね。ごめんね?」

穂乃果(ことり)「本当に……ことりは、二人に会えて、よかった……」

ことり(穂乃果)「……うん。私も」

ことり(穂乃果)「行こう、『ことり』ちゃん」ギュ

穂乃果(ことり)「そうだね、行こっ、私たちのステージにっ♪」
423: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 14:28:56.02 ID:eO5rt3eH
ゴロロ……

ビュォォォ……ザァァァ……

花陽「あっ、雨……」

凛「結構降ってきたにゃ。せっかくのライブなのに……」

真姫「仕方ないわよ、こればっかりは。それより、大事なのはステージの方よ」

花陽「そうだね……あ」

凛「幕が上がるにゃ!」

ガチャッ、カッ

花陽「スポットライト!」

真姫「ついに……出てきたわね」

絵里「『穂乃果』……『ことり』……」

希「にこっち、二人はどう?」

にこ「ん~……よし。緊張はしてるんでしょうけど、ガッチガチにはなってないわね」

希「そっか。なら……一安心やね。あっ、海未ちゃんも戻ってきた」

海未「すみません、遅くなりました」

希「お疲れ様。ちょうど幕が上がったとこやよ」

海未「間に合いましたか。ここまできたら、私たちに出来ることはありませんが……」

希「ううん、一つだけ、あるよ」

絵里「一つだけ? あ」

にこ「アイドルの力の源、ファンの応援……」

にこ「私たちの想いをステージまで届けること、でしょ」

希「そう。そして信じよ? あの二人を」

海未「ええ」

絵里「そうね。二人とも、たとえステージに立っていなくても、私たちは一緒よ……」

海未「頑張ってください、『穂乃果』、『ことり』」

真姫「曲が掛かった……始まるわ」
424: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 14:51:33.89 ID:eO5rt3eH
 ―― 確かな 今よりも

 ―― 新しい夢 捕まえたい

海未「出だしは完璧ですね」

絵里「ええ、ミスは無いわ。練習以上にキレもある」

 ―― 眩しい明日 抱きしめにゆこう

 ―― 全部 かなえよう

凛「わぁっ……! 『ことり』ちゃん、すっごく上手になってる!」

花陽「すごい……、私たちと同じ……ううん、『穂乃果』ちゃんと比べても見劣りしないくらいかも!?」

 ―― そうだよ 信じるだけで

 ―― ぐんぐん 前に 進むよ……君が!

希「『ことり』ちゃん、頑張ったもんね……」

にこ「ふん……これくらいやれなきゃ、にこたちμ’sについてこれないわよ」

希「にこっち、素直やないんやから……」

絵里「でも」

 ―― 答えなくていいんだ分かるから

真姫「足りないわ」

花陽「えっ……?」
425: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 14:53:40.50 ID:eO5rt3eH
 ―― 探す ことが 僕らの挑戦

海未「ええ……確かに、『ことり』は上手くなりました。二週間前まで初心者だということを考えたら、驚異的です」

にこ「一生懸命やってる。それは分かる。どれだけ真剣に想って、練習を頑張ってきたか、それも伝わる」

 ―― ゆずらない瞳が……

真姫「でも、それは私たちも……ううん、きっとスクールアイドルならみんなそう。はじめたばかりの私でも、それは分かる」

凛「確かに、そうかも……」

花陽「でも、あんなに上手だよ、『ことり』ちゃん……」

真姫「二週間でここまでになった『ことり』は、素直にすごいと思うわ。真剣さも、私たちに負けないでしょうね」



にこ「でも、それはスタートライン」

希「にこっち……」

絵里「このままでは、不味いわ」

海未「ですが……」
426: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 14:54:53.29 ID:eO5rt3eH
真姫「凛、花陽。あなたたちはどう? 今の『ことり』」

花陽「それは……」

凛「うん……何か、足りない気がする……」



絵里「間奏に入ったわね」

真姫「ここから、後半ね……」

海未「真姫たちの心を動かすための最後の何か、曲の終わりまでに『ことり』たちがそれを伝えられなければ」

凛「凛たちは、『ことり』ちゃんを本当の意味で、μ’sとして認められない……?」

希「正念場やね……」

花陽「『ことり』ちゃん……がんばって」

にこ「しっかりしなさいよ、二人とも……このまま終わったら、許さないわよ……」

絵里「もうすぐ間奏が終わるわ……っ!?」

ガガァァン!!

バチンッ

にこ「なっ!?」

希「停電!? こんな時に……!」

海未「『ことり』っ!」

真姫「『穂乃果』っ!?」
427: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 18:55:37.08 ID:eO5rt3eH
―― ステージ

ことり(穂乃果)(『ことり』ちゃん、すごく一生懸命頑張ってる。ミスもないし、今までで一番上手)

ことり(穂乃果)(でも、一緒に踊ってるからわかる。このままじゃダメだ。一生懸命になりすぎて、大事なことを忘れちゃってる)

ことり(穂乃果)(何とか伝えてあげたいけど……)

バチンッ!

ことり(穂乃果)(――ッ!? 停電!?)

<きゃっ!? 落雷!?

<ま、真っ暗だよ!?

<ちょっと、音楽止まっちゃったよ!? どうすんの?

<電源は!?  懐中電灯探して!

ことり(穂乃果)(裏方の皆も慌ててる! このままじゃまずいよ……)

ことり(穂乃果)(いったん中止? でも、こんな形でライブを終わりになんて……できないよ!)

ことり(穂乃果)(『ことり』ちゃんは……)チラ

穂乃果(ことり)「……『穂乃果』ちゃん」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃん? 大丈夫?」

穂乃果(ことり)「うん、ちょっとびっくりしたけど……」

穂乃果(ことり)「ごめんね、『穂乃果』ちゃん」
428: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 18:56:08.96 ID:eO5rt3eH
ことり(穂乃果)「えっ?」

穂乃果(ことり)「ことり、やっぱりちょっと焦っちゃってたみたい」

穂乃果(ことり)「失敗しないように、上手くやろうってことばっかりで……自分が楽しんでなかったかも」

穂乃果(ことり)「凛ちゃんに、『すごく楽しく思えるようなライブをする』って約束したのに……自分が楽しんでないんじゃ、ダメだよね」

ことり(穂乃果)(『ことり』ちゃん……自分で気付いたんだ)

ことり(穂乃果)「そっか……。でも、それも無理ないよ。それに、まだ曲は終わってない、これからだよ!」

穂乃果(ことり)「うんっ、そうだよねっ!」

ことり(穂乃果)(とはいえ……まだ、電気が点かない。穂乃果たちはどうすれば……)

穂乃果(ことり)「ねぇ、『穂乃果』ちゃん……真っ暗だし、音楽も止まっちゃったけど……」

穂乃果(ことり)「さっきの続きから、やろう?」

ことり(穂乃果)「えっ、続きを?」

穂乃果(ことり)「うんっ! だって……何だか今すぐ、歌いたい気分なんだもんっ♪」

ことり(穂乃果)(『ことり』ちゃん……無理してないし、気負いもない。本当に、歌いたくてたまらない、って感じだ)

ことり(穂乃果)(これなら……)

ことり(穂乃果)「そうだね、やろう! 『ことり』ちゃん!」
431: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 21:44:33.72 ID:eO5rt3eH
海未「くっ! まだ、復旧しないのですか!?」

にこ「落ち着きなさいよ海未! ここで騒いでも仕方ないでしょ!?」

絵里「だけど、このままじゃ不味いわよ。二人とも、変に焦ったりしてないといいけど」

希「うん……裏方のみんなも頑張ってくれてるみたいやけど、肝心の電気が止まったままじゃ……」

海未「こんな時に、ただこうしているだけなんて……」

絵里「……何もできないのかしら……歯がゆいわね」



 ―― 泣いても空の色 変わらないし



花陽「……? 歌声……?」

 ―― いますぐに 会いたいね

凛「この声……『ことり』ちゃんだにゃ! でも、何だか……」

真姫「さっきまでと、違う……。何か、変わった……?」

 ―― 並んで 感じたい 理屈じゃなく 側にいたら
 
 ―― きもちがぐっと 近づく意味が……

絵里「なぜかしら……真っ暗で、ステージはよく見えないのに」

 ―― すぐに伝わるよ

にこ「ええ、伝わるわ。さっきよりもずっと……」

海未「音楽がなくても……二人の歌が……歌いたいという気持ちが、私たちにまで」
432: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 21:45:21.75 ID:eO5rt3eH
花陽「すごい、すごいです……すっごく楽しそうに踊ってる姿が、真っ暗なのに見えるみたい……!」

 ―― そうだね 誰もが ひとつ

 ―― 持ってる 勇気の 欠片は……君と……!

 ―― 一緒だってば ずっとね!!

カッ

希「電気が点いた? あっ!?」

真姫「『ことり』……踊ってる……。それも、あんな笑顔で……」

絵里「不思議ね……ダンス自体は、さっきまでと同じはず。劇的に上手くなったわけじゃない。なのに」

花陽「……何だか、目が離せない……惹きつけられます……」

 ―― 思い付きでいいから追いかけて

 ―― 心躍る場所を探そう

凛「なんだかすごく……楽しそう! 凛も、混ざりたいにゃー!」

花陽「うん……見てる私たちまで、わくわくしてきちゃうね!」

真姫「これが……本当の『ことり』、なの……?」

にこ「ふん、ようやくアイドルらしくなって来たじゃないの。まったく、気が付くのが遅いのよ」
433: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/19(水) 21:46:01.35 ID:eO5rt3eH
 ―― いつまでも 君といたい

 ―― 駆け抜けて 一緒に……

花陽「ぐすっ……」

凛「かよちん、泣いてる、にゃ……」

花陽「凛ちゃん、こそ……」

凛「だ、だって……『ことり』ちゃんの、歌が……すごく」

花陽「うん。あの時の『穂乃果』ちゃんと同じ……。私たちに、伝えてるんだね……」

真姫「……重なるわ、『ことり』が……あの日……部室で歌っていた、楽しそうな『穂乃果』に」

真姫「そうよ……あの楽しそうな姿に惹かれて、私も……」

 ―― 何度でも 諦めずに

 ―― 探す ことが 僕らの挑戦!

希「『ことり』ちゃん……、『穂乃果』ちゃん……うちらへの想い、受け取ったよ」

絵里「私たちも届けるわ……がんばって、『ことり』! しっかりね、『穂乃果』!」

海未「私たちがここにいます。あなたたちを見ています」

にこ「どんなときだって、μ’sは一緒よ! 心は一つよ!」

 ―― あこがれを 語る君の
 
 ―― ゆずらない瞳が……大好き……

真姫「認めざるを得ないわね……。そうよ、『ことり』、私も想いは同じ……」

真姫「私もこの学院が……みんなが……、そして、あなた達が」

 ―― 大好き!
455: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 22:56:54.19 ID:K2R8HT1Y




穂乃果(ことり)「はぁ……はぁ……終わった、の……?」

ことり(穂乃果)「……うん、やりきった、ね……」

穂乃果(ことり)「そっか……、私……ちゃんと、できた、かな……」

ことり(穂乃果)「……もちろんだよ。だって……『ことり』ちゃん、ほら……」

タタタタッ

海未「『ことり』っ!」ダキッ

穂乃果(ことり)「きゃっ!? う、海未ちゃん!?」

にこ「やったじゃない! すっごくよかったわよ! ま、まぁ? にこの次に、だけど!」

にこ「これなら、今日からμ’sに入っても十分やっていけるんじゃない?」

穂乃果(ことり)「にこ、ちゃん……それって」

にこ「まっ、もちろん、にこレベルになるにはまだまだだけどね~」

にこ「それでもこのにこにーに、一緒に踊るのも面白そうって思わせたんだから、しっかりやりなさいよね?」

穂乃果(ことり)「うんっ、ありがとう、頑張るねっ!」

花陽「こ、『ことり』ちゃん……本当、とっても素敵なライブで……私、私……」

凛「そうそう! 本当にすごかったにゃー! えへへ、すごすぎて、凛もかよちんもいっぱい泣いちゃった」

穂乃果(ことり)「凛ちゃん……花陽ちゃん」
456: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 22:58:59.71 ID:K2R8HT1Y
凛「それに……ありがと、ちゃんと約束、まもってくれたんだね」

穂乃果(ことり)「約束……、あ……」

凛「うんっ! 本当に、とっても楽しくて……泣いちゃったけど、それ以上に笑顔になるようなライブだったにゃ!」

花陽「『ことり』ちゃんの想い……ちゃんと、届きました……」

凛「見てるだけじゃ、物足りないくらいだったよ!」

穂乃果(ことり)「そっか、ことり、ちゃんと約束、果たせたんだね……。ありがと、凛ちゃん、花陽ちゃん……」

ことり(穂乃果)「『ことり』ちゃん……よかったね……」

絵里「『ことり』、『穂乃果』も、お疲れ様。流石のパフォーマンスだったわよ」

希「でも、まあ今回の主役は『ことり』ちゃんやったね。うちもまさか、停電の中ライブを続けるとは思わなかったんよ」

海未「ええ。私もびっくりしました。このライブを言い出したこともでしたが、『ことり』があんなに強くなっていたなんて……」

海未「やはり、『穂乃果』と出会えたから、でしょうか」

ことり(穂乃果)「ううん、きっとその強さは、もともと『ことり』ちゃんが持っていたものだよ」

ことり(穂乃果)「私はほんのちょっとのきっかけになっただけ。だから、これからも……『ことり』ちゃんなら、大丈夫だよ」

絵里「そうね。『穂乃果』とタイプは違うかもしれないけど……。あの子、もしかしたら本当に奇跡も起こしちゃうかもしれないわね」

希「うちもそう思う。『ことり』ちゃんと一緒なら、どんなことだってきっとやれる。そんな気がするんよ」
457: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:00:02.50 ID:K2R8HT1Y
海未「そうですね。ならばこそ、私たちも負けていられませんね」

絵里「ええ! μ’sの先輩として、しっかりしなきゃね」

希「せやね。μ’sはまだ始まったばかり、うちらのアイドル活動はこれからなんやから!」



ことり(穂乃果)「だから……ね?」

ことり(穂乃果)「いつまでもそんなところにいないで。こっちに来たら、どう?」

真姫「……あっ」

穂乃果(ことり)「……真姫、ちゃん」

真姫「その……『ことり』……」

穂乃果(ことり)「う、うん」

真姫「……お疲れ様。大変、だったわね」

穂乃果(ことり)「そ、そんなこと……夢中だったし……、『穂乃果』ちゃんが側にいて、一緒に踊ってくれたし」

穂乃果(ことり)「それに、みんなが応援してくれたから……」

真姫「そう……。でも、あんなアクシデントにも負けずに、ライブを完遂できるなんて、並大抵のことじゃないわ」

穂乃果(ことり)「あ、ありがと……」
458: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:00:41.08 ID:K2R8HT1Y
真姫「……認めるわ」

穂乃果(ことり)「えっ?」

真姫「認めるわ、『ことり』……あなたの想いは本物だった」

真姫「きっと今のあなたなら、どんなことがあっても諦めずに進めると思う……私たちと一緒に、μ’sとして」

穂乃果(ことり)「そ、それじゃ……」

真姫「ええ。あなたがμ’sに入ることに、異論はないわ。いえ、違うわね……」

真姫「私も、あなたと一緒にやりたいと思った。それくらい、楽しくて、素敵なライブだったわ」

穂乃果(ことり)「……!」

ことり(穂乃果)「やったね!! 『ことり』ちゃん!!」

絵里「ハラショー!! これで、正式に『ことり』もメンバー加入ね!」

海未「おめでとうございます、『ことり』!」

花陽「よ、よかったです~! こっ、これからよろしくお願いしますっ!」

にこ「はぁ、また部室に人が増えるわけね」

希「またまたにこっちはそんなこと言って。嬉しいなら嬉しいって言えばいいやん」

にこ「べっ、別に嬉しくなんてっ!」

希「そうなん? だってにこっち、『ことり』ちゃんが踊り終わった後、すごい優しい顔で……」

にこ「わー!? わー!! 希っ! デマ流すんじゃないわよ!!」
459: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:01:12.39 ID:K2R8HT1Y
凛「あっ、それ真姫ちゃんもだよ! ライブが終わった瞬間、すっごくほっとしてたもんね!」

真姫「ヴェエエ!!? ちょっと凛、何よそれ! ちっ、違うわよ! ほっとしてなんてないわよ!」

凛「してたにゃー。手を握りしめて、『ことり……やったわね……』ってさー」

真姫「し、してないわよっ! なにそれ! イミワカンナイ!」

穂乃果(ことり)「にこちゃん、真姫ちゃん……」

ことり(穂乃果)「あははは、真姫ちゃんもにこちゃんもとっても優しいもんね」

にこまき「「だからそんなんじゃないってぇー!」」

穂乃果(ことり)「あ……ありがとう、『穂乃果』ちゃん……、みんな……」

穂乃果(ことり)「夢中だったから、よく覚えてない部分もあるけど……」

穂乃果(ことり)「でも、すっごく楽しかった……。ライブ、してよかったよ……」

ことり(穂乃果)「私も。『ことり』ちゃんと一緒に踊れて、よかった」

ことり(穂乃果)「だから、私こそ。ありがとう、だよ」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん……」
460: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:02:09.09 ID:K2R8HT1Y
海未「あ……『穂乃果』……あなたは……」

凛「そういえば……このライブが終わったら、『穂乃果』ちゃんは……」

真姫「帰る、のね」

ことり(穂乃果)「……うん」

花陽「……そう、だよね」

絵里「ほら、そんな顔しないの」

にこ「そ、そうよ。『穂乃果』には、『穂乃果』がいるべき世界があるんだから」

希「長かったようで、あっという間やったね。でも、うちは『穂乃果』ちゃんに会えてよかったと思ってるんよ」

絵里「私もよ。あなたに会えたことが、一番の奇跡かもしれないわね」

にこ「にこもね。……いろいろ、感謝、してるわ」

凛「でも……やっぱり寂しいにゃ」

真姫「凛、仕方ないでしょ……」

花陽「そう、だけど……でも、これで、お別れなんて……」

海未「花陽……」
461: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:02:31.90 ID:K2R8HT1Y
凛「だって……『穂乃果』ちゃんとのライブは、前回のが最後なんて……」

真姫「そ、それは……そうだけど……」

花陽「そうだよね…… 『ことり』ちゃんと『穂乃果』ちゃんとも一緒に、みんなでライブは……もう、出来ないんだね……」

穂乃果(ことり)「それは……」

ことり(穂乃果)「…………」

にこ「…………」

希「…………」

絵里「…………いいえ」

真姫「えっ?」

凛「えっ、えっ? それ、どういう意味?」

海未「希? にこ? 何ですその笑みは……」

ことり(穂乃果)「えへへ……実はね……」

ガチャッ

真姫「え?」
462: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:03:16.91 ID:K2R8HT1Y
<ようやく開いたよー!

<まったく、待ちくたびれちゃった~!

<早く始まらないかなぁ? 今からすっごく楽しみだよぉー!

ガヤガヤ……

海未「なっ、なっ……?」

花陽「ええええっ!? ど、どんどん人が入ってくるよぉ!? どっ、どういうことなのぉー!?」

穂乃果(ことり)「ほ、『穂乃果』ちゃん? これって、一体……?」

凛「え、絵里ちゃん!? どうなってるにゃー!?」

絵里「……『穂乃果』!」

ことり(穂乃果)「うん、ばっちりだね、絵里ちゃん!」

にこ「まーったく、苦労したんだからね?」

希「まあまあ、その甲斐はあったやん?」

にこ「ほら、『穂乃果』、マイク。しっかり決めなさいよ?」

ことり(穂乃果)「うんっ、任せてっ!」

海未「な、何を言ってるんです? にこ?」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん……?」
463: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:06:39.81 ID:K2R8HT1Y
ことり(穂乃果)「……」

ことり(穂乃果)「みんなーっ!! 今日はμ’sのライブに来てくれて、ありがとーっ!!」

\わああああぁぁぁぁ…………っ!!!!/

凛「にゃっ!? ら、ライブ!?」

花陽「そ、それって……」

ことり(穂乃果)「今日は、特別に『9人のμ’s』! スペシャルライブだよっ! 最後まで楽しんでいってねっ!」

海未「ちょ、ちょっと待ってください……!? 9人? それじゃ……」

真姫「も、もしかして……いえ、まさか」

希「まさかもなにも、もうわかってるんやろ? ってことで」

絵里「ほら、『ことり』。前へ前へ」

穂乃果(ことり)「えっ、えっ。や、やっぱり……そういうことなのぉ……!?」
464: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:31:51.64 ID:K2R8HT1Y
ことり(穂乃果)「それじゃ、まず最初に紹介するね! 今日だけの特別メンバー!! 『高坂穂乃果』さんですっ!」

穂乃果(ことり)「あっ、あの……がっ、頑張ります!」

\わあああああああああああぁぁぁぁ…………っ!!!!!!/





―― 講堂 更衣室

真姫「……そういうこと。まったく、『穂乃果』も絵里たちもやってくれるわね」

海未「通りで、練習していても妙な感じがしたわけですね……今更ながらに気付きました」

花陽「そっか、9人用の振り付けだったから……」

凛「ところどころ抜けてるように思えたのは、『穂乃果』ちゃんと『ことり』ちゃんの部分だったんだね」

真姫「ええ。今なら理解できるわ」

花陽「で、でも……それじゃあ」

真姫「ええ、初めから、こうするつもりだったってことね」

凛「三年生や、凛たちの衣装まで、ちゃっかり用意されてたにゃ……」
465: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:32:33.37 ID:K2R8HT1Y
真姫「まったく、『穂乃果』も絵里も、『ことり』が失敗することなんて全然考えてなかったんじゃない」

海未「本当、楽観的というか……。それにしても『穂乃果』も絵里も、人が悪いです。せめて私には教えてくれても……」

凛「でも、おかげで『ことり』ちゃんと『穂乃果』ちゃんと一緒に踊れるにゃー!」

真姫「ま、それには感謝ね。9人全員で踊るのは初めてだけど」

花陽「はい、不思議と心配はありません。なんだかうまく行くような気がしますっ」

海未「ですね。さあ、私たちも急いで用意しましょう。『穂乃果』と『ことり』……そして、みんなが待っています」

凛「うん!」

花陽「はいっ!」

真姫「ええ!」





ことり(穂乃果)「さあ、みんな! 始まるよ! 『私たちのライブ』が!!」

ことり(穂乃果)(これが正真正銘、『みんな』との最後のライブ……。永遠に消えない思い出を、私も心に刻み込むよ!)
466: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:33:23.44 ID:K2R8HT1Y




 ―― さぁ……夢を……叶えるのは みんなの勇気

 ―― 負けない こころで 明日へ 駆けてゆこう――

(本当に、夢みたいだね……)

(信じられないようなことが起こって……つらいことも、悲しいこともあったけど……それだけじゃなかった)

 ―― 強い 強い 願い事が

 ―― 僕たちを 導いてくれた

(世界は違っても、みんなと会えて、同じ時間を過ごして……)

(また、μ’sとして、こうして同じステージに立って……)

(いっぱい、笑顔になって、幸せをもらって……)

 ―― ただの思い出 それだけじゃいやだよ

(何物にも代えがたい思い出ができた。決して消えない絆が生まれた……)

(そして、私は私らしく……そう、とっても大事なことを教えてもらった……)

 ―― さぁ……夢を抱きしめたら 上を向いて

 ―― 君の世界が 大きく 変わるよ

(大丈夫、きっとこの世界でも、奇跡は起こるよ)

 ―― そう……あの日 同じ夢を描いたんだ

(だって、ここにも……μ’sが、みんながいるんだもん)

 ―― 輝く 瞳は 明日を 信じてた

 ―― 負けない こころで 明日を 信じてた

(こんな素敵な笑顔ができるみんななら……どんな夢だって、叶えられる……!)

(そうだよ、だって……)

 ―― いまここで 出会えた奇跡

 ―― 忘れないで 僕たちの季節……
473: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:42:50.87 ID:+FYzud4P
――ことりの部屋

ゴソゴソ……

ことり(穂乃果)「ええっと、このおふだを枕の下に入れて……これでいいかな」

ガチャ

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん、どう?」

ことり(穂乃果)「うん、準備できたよ。『ことり』ちゃんは?」

穂乃果(ことり)「私も。っていっても、パジャマに着替えただけだけどね」

ことり(穂乃果)「そっか。穂乃果がことりちゃんのパジャマ着るとそんな感じなんだね。うーん、なんだか新鮮」

穂乃果(ことり)「うー、今の『穂乃果』ちゃんはことりの姿だから、私の服を着てもそういうのないんだよねぇ」

穂乃果(ことり)「こんなことなら、希ちゃんのパジャマ借りてくればよかったよぉ」

ことり(穂乃果)「あ、あはは……『ことり』ちゃん、まだ私のこと、着せ替え足りなかったんだ……」

穂乃果(ことり)「当然だよぉ。だって、他でもないことりをモデルに出来たんだもん♪」

穂乃果(ことり)「外から見るのって、やっぱり自分で着て鏡で見るのとは全然違うし、おかげでアイディアいっぱい浮かんできちゃった♪」

ことり(穂乃果)「そ、そうなんだ……。それなら、私も着せ替え人形になった甲斐があったよ……」

穂乃果(ことり)「えへへ、ごめんね『穂乃果』ちゃん」

ことり(穂乃果)「ううん、気にしないで。実を言うと私もね……ちょっとだけ、楽しかったし」

穂乃果(ことり)「そう言ってもらえるとことりも嬉しいな。ありがとう、『穂乃果』ちゃん」
474: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:43:34.07 ID:+FYzud4P
ことり(穂乃果)「どういたしまして。それじゃ……そろそろ、寝よっか」

穂乃果(ことり)「うん! あ、ことりのベッド、二人じゃ狭いかもしれないけど……」

ことり(穂乃果)「ん~……あっ! こうやって、手をつないで、ぴったり並べば大丈夫だよっ」ギュ

穂乃果(ことり)「うんっ! そうだねっ♪」ギュッ

ことり(穂乃果)「こうやって『ことり』ちゃんの家に泊まって、一緒に寝るのって久しぶりかも」

穂乃果(ことり)「そうなんだ。ことりは海未ちゃん以外の子がお泊りして、一緒に寝るのは初めてかなぁ」

ことり(穂乃果)「そっか。こっちの世界ではμ’sで合宿とかしてないもんね」

穂乃果(ことり)「合宿かぁ~、何だかそれも楽しそうだねっ」

ことり(穂乃果)「うんうんっ、こっちのμ’sも合宿したら、きっともっと仲良くなるよっ!」

穂乃果(ことり)「……不思議。ライブでいっぱい踊って、くたくたのはずなのに……ちっとも眠くないなんて」

穂乃果(ことり)「まだ、あの興奮が残ってるからかな……」

穂乃果(ことり)「それとも……寝ちゃったら……次に目が覚めたら、って考えちゃうからかな」

ことり(穂乃果)「……そうかも。私も、まだ眠れそうにないや」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃんもなんだ。それじゃ、ことりと一緒だね」

ことり(穂乃果)「うん……」
475: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:44:23.22 ID:+FYzud4P
ことり(穂乃果)「でも、ライブすごかったよね……本当に、みんなが一つになって……」

穂乃果(ことり)「……うん。ことりは絶対に忘れないよ、今日のこと……」

ことり(穂乃果)「…………」

穂乃果(ことり)「…………」

ことり(穂乃果)「ねぇ、『ことり』ちゃん」

穂乃果(ことり)「どうしたの? 『穂乃果』ちゃん」

ことり(穂乃果)「ことりちゃんでいるのも、楽しかったけれど……。私、やっぱり穂乃果が好き」

ことり(穂乃果)「私のできることがある。きっと、穂乃果しかできないことがある。……だから、私は『穂乃果』でいたい」

ことり(穂乃果)「それをこの世界で、改めて感じたよ。みんなに、教えてもらった……」

穂乃果(ことり)「……ことりも。自分じゃない誰かに……穂乃果ちゃんになれたのは不思議な体験だったけど……」

穂乃果(ことり)「向こうの世界で教えてもらったこと、こっちのみんなが私を受け入れてくれたこと……それを想うと……」

穂乃果(ことり)「やっぱり、私は『ことり』でいたいな……。『ことり』として、みんなと一緒に頑張っていきたい」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃんたちμ’sに負けないように」
476: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:44:59.91 ID:+FYzud4P
ことり(穂乃果)「うん、きっとこの世界のμ’sもすっごく素敵なグループになるよっ!」

ことり(穂乃果)「だからファイトだよっ! 『ことり』ちゃん!」

穂乃果(ことり)「ありがとうっ♪ 『穂乃果』ちゃんも、ファイトだよっ♪」

穂乃果(ことり)「だから、もう……穂乃果ちゃんをおかえししないと、いけないよね」

穂乃果(ことり)「『穂乃果』ちゃん、ごめんなさい」

穂乃果(ことり)「そして、本当にありがとう。あなたのおかげで、ことりはいっぱい幸せをもらいました」

ことり(穂乃果)「こちらこそ、ありがとう『ことり』ちゃん。私もとっても大切なことを、いっぱい教えてもらったよ」

ことり(穂乃果)「今なら私……『ことり』ちゃんになれて、よかったって思うよ」

穂乃果(ことり)「私も……『穂乃果』ちゃんになれて……、ことりになってくれたのが、あなたでよかった……」

穂乃果(ことり)「……それじゃ、おやすみなさい、『穂乃果』ちゃん……」

ことり(穂乃果)「おやすみ、『ことり』ちゃん……」



477: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:46:02.87 ID:+FYzud4P




「う……」

「ここは……」

「私の、部屋……」

「そっか。帰って、来たんだ……」

「そうだ、鏡鏡っ」

穂乃果「……あ」

穂乃果(穂乃果だ……。戻ったんだね……)

穂乃果「……うーん?」

穂乃果「何だろう、正真正銘、穂乃果の顔なんだけど……ちょっと不思議な感じ」

穂乃果「あっちじゃずーっと『ことりちゃん』でいたもんね。慣れちゃったかなぁ? 早く感覚も戻さないと」

穂乃果「あっ、そうだ」ゴソゴソ

穂乃果「あったあった。これこれ」
478: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:46:37.06 ID:+FYzud4P
穂乃果「……向こうのことりちゃんも、戻ったんだよね」

穂乃果「今頃……何してるのかな?」

穂乃果「もう、穂乃果には分からないけど……うん、きっと向こうも大丈夫だよね」

穂乃果「だって、向こうにもμ’sが、みんながいるんだもん」

穂乃果「だから穂乃果は、こっちで頑張っていくね!」

穂乃果「よしっ! こっちの世界も久しぶりだしっ、学院に行ってみよっ!!」

ガラッ

雪穂「も~、何騒いでんのさー?」

穂乃果「あっ、雪穂! ただいま! 久しぶり~!」

雪穂「ただいま、って……何言って……え、もしかして……ほ、本物の、お、お姉ちゃん!? 」

穂乃果「そうだよ~! あ、ごめん、私すぐ出かけるから!」

雪穂「ちょっ、ちょっとお姉ちゃん!? 出かけるってどこへ!?」

穂乃果「学院ー! それじゃ、またあとでねーっ!」

雪穂「あっ、待って!? いったい何が……。あ、行っちゃった……」
479: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:48:46.68 ID:+FYzud4P
――音ノ木坂学院 屋上

ガチャッ

穂乃果「とうちゃーく。うーん、久しぶりのはずなのに全然そんな感じはしないなぁ」

穂乃果「って、当たり前だよね、向こうの学院にも、毎日通ってたんだし」

穂乃果「世界が違っても……街も、校舎も、空も……おんなじか~……」

穂乃果「うーん、そのせいかなぁ。まだ何だか変な感じ」

穂乃果「ちょっと前までは私がことりちゃんだったなんて……夢だったのかもって思っちゃうな」

穂乃果「でも、あれは本当のこと、なんだよね。9人で歌って、踊ったあのライブは……夢なんかじゃなかった」

穂乃果「あのライブができたのも、このおふだのおかげ、かな……」

穂乃果「これのせいで……いろいろ大変だったけど……」

穂乃果「いい思い出には、なったかな……」

穂乃果「……このおふだは、破いて捨てちゃった方がいいのかな」

穂乃果「自分じゃない他の誰かになる、なんて。私には、荷が重すぎるよね……」
480: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:53:10.10 ID:+FYzud4P
「そうですね。また、こんなことがあっては困りますし」

「うんっ、私も今の、本当の穂乃果ちゃんが一番だと思うなっ♪」

穂乃果「えっ!? あっ!」

海未「あなたとはずいぶん久しぶりですね、『穂乃果』」

ことり「やっと帰ってきたんだねっ、待ちくたびれちゃったよぉ」

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん!」

海未「まったく。雪穂から戻ってきたと聞いてみれば、こんなところで何をやっているんですか」

ことり「本当だよぉ。でも、また会えてよかった♪ おかえり、『穂乃果』ちゃん!」

海未「事情は『向こうのことり』からも聞きましたが……自分でいることに飽きた、などと……呆れますね」

穂乃果「あ、ええとそれは……」

海未「大体なんですか、『生徒会長もリーダーも穂乃果より別にふさわしい人がいる』などと……」

海未「まずあなたは、みんなが何を思ってあなたを選んだかをですね……」

ことり「まぁまぁ。海未ちゃん、穂乃果ちゃんもこうしてちゃんと戻ってきてくれたんだし、その辺で、ね?」

海未「ぐ……まあ、戻ってきたばかりでお説教というのも、考えてみれば流石に酷ですか……」

穂乃果「はぁ~、助かったよ~。ありがとうことりちゃん~!」

ことり「えへへ、どういたしまして♪」
481: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:53:40.79 ID:+FYzud4P
海未「ことりは穂乃果に甘すぎます。『向こうのことり』が穂乃果に入っていた時もですね……」

ことり「あっ、ほら、それはね……その……ごめんなさい」

穂乃果「まあまあ海未ちゃん、その辺で……」

海未「元はと言えば誰のせいですか。とにかく、もう二度と自分に飽きた、なんてことは言わないでください」

海未「それでまた、あなたがいなくなったら……」

ことり「そうだよぉ。穂乃果ちゃんの代わりなんて、誰にもできないんだからね」

穂乃果「……うん。それは、よくわかったよ。本当に、ごめんなさい」

海未「それならいいです。さて……今度はあなたから、何があったのか話してもらいますからね」

ことり「ことりも聞きたいなぁ。私になって、別の世界でどんなことをしてきたのかって」

穂乃果「うん、長くなるけど、聞いて? いろいろあったんだよ~」

海未「おっと、その前に大事なことを言い忘れていましたね」

ことり「そうだねっ、これはちゃんと言わなくっちゃね」

穂乃果「大事な、こと? 何々?」

海未「おかえりなさい、穂乃果」

ことり「お疲れ様、穂乃果ちゃんっ」

「「こうしてまた会えて、うれしいです」」

穂乃果「……うんっ、ただいまっ!! 私も、また会えてうれしいよ!!」
482: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:54:46.34 ID:+FYzud4P
これにて完結です
読んでくださった方、お付き合いいただいた方、ありがとうございました
483: 名無しで叶える物語(世界最後の大陸)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 17:59:18.72 ID:W/6rxk6X
お疲れ様でした!ストーリーや文章構成などがどのSSよりも優っており非常にすばらしかったです!次回作も楽しみにしてるので是非お願いします!
485: 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 18:50:13.24 ID:mxLhTcBt
乙 本当に面白かった
できれば過去作とか知りたい
497: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 00:38:28.41 ID:Olv/+chp
面白すぎかよ
おつおつ!
499: 名無しで叶える物語(カボス)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 03:08:56.15 ID:ICCtHplp
乙!
めっちゃ面白かったよー
毎日の楽しみがなくなるのは寂しいな
ぜひ別視点別作品よろ

このシリーズ:

穂乃果「穂乃果は飽きた」【前編】


穂乃果「穂乃果は飽きた」【後編】


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