花陽「降ってきた幸運」

2 : ◆Rqih6at1hY :2015/09/03(木) 19:37:43.59


花陽「雨、かあ……」

この時期には珍しく、今日は雨。

通り雨だと思ってたんだけど、

花陽「凛ちゃんの様子からして、これは、長引きそう……」

いつも一緒にいる凛ちゃんは、今日は隣にはいません。

凛ちゃんは、実は、偏頭痛持ちなので、

凛『ごめんね、凛、ちょっと頭痛いから、帰る……』

と言い残して、雨の降る少し前に帰って行ったのでした。

どうやら、低気圧が近づくと、なりやすいみたいで。

花陽「私も一緒に帰っちゃえば、良かったかな」

なんて、思ったら、ダメだよね。

本戦も近いし、よし、気を引き締めないと。




3 :トリ上手くいかないので名無しで…… :2015/09/03(木) 19:39:45.96


雨の降る日は、凛ちゃんがいない事が多いので、傘は気分が明るくなるように。

薄緑色の、お気に入りの傘を持ってきています。

花陽「さみしくない、寂しくない。よしっ、お米の銘柄しりとり、しちゃうんだから」

生徒玄関の屋根の下でようやく雨の中に進む決意をしたところに、


「ま、待って、花陽ちゃんッ、待って〜!」


おや?この声は、遠くから聞こえてくるけど……

花陽「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「はあ、はぁ、間に合った〜〜、良かった、一緒に帰ろうっ!」


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 19:42:20.45


穂乃果ちゃんと、二人で帰るのは、初めてかもしれません。

私の側にはいつも凛ちゃんか真姫ちゃん(今日はお家の用事で先に帰っちゃいました)がいてくれるし、

穂乃果ちゃんはことりちゃん、海未ちゃんといます。


花陽「ええっと、ことりちゃんと海未ちゃんは?」

穂乃果「あはは、それが、海未ちゃんとちょっとケンカしちゃって。」

穂乃果「そしたら、ことりちゃんが、『二人が仲直りしないと、私も、しーらないっ!』って……はぁ」

なんだか災難な出来事。(きっと穂乃果ちゃんが原因なんだろうけど、それは言いません)


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 19:54:37.02

花陽「は、早く仲直りしてね、練習にも、支障が出るし……」

穂乃果「にこちゃんにもそう言われたよ〜〜…わかってるよう、頑張るから……」

穂乃果ちゃんは、ケンカしてる時はすごく、なんというか、悪い言い方をすると、ワガママに見えるんですけど、

海未ちゃんとことりちゃんがいざ、いなくなると、しょんぼりしちゃって、反省、してるんです。よく。

穂乃果「まあ、花陽ちゃんと二人っきりで帰れるし、いっかあ!よし!」

花陽「えへへ、私も嬉しい!じゃ、今度こそ、……」

走ってきた穂乃果ちゃんに呼び止められて、まだ玄関先にいた私は、今度こそ、歩こうとしましたが。


穂乃果「あ、……傘、忘れた」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 20:02:57.26

花陽「え、いいよ、入って入って!二人なら入るし!」

穂乃果「じ、実は、生徒会の大事な書類があるから……多分、濡れちゃうと……」

花陽「でも、私、穂乃果ちゃんには、濡れて欲しくないなあ……」

借りパク(他人の傘を借りて自分のものにしちゃうこと)は絶対ダメだし、

さすがに生徒会長がそれをしちゃうのも……。


「わわわ、まーってーっ!お二人さーんっ!」


あれれ?また、似たような状況……?

穂乃果「今の声って、希ちゃん、だよね……」

どったんばったんと、急いで靴を履き替えている音が聞こえます。

3年生の下駄箱は少し、遠い位置にあるので、大変そうです。

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 20:19:06.08

希「よーっ、と!間に合った〜、お二人さん、今から帰るところ?」

花陽「うん、でも……あ、希ちゃんは、ちゃんと傘持ってるんだ」

穂乃果「……花陽ちゃん、馬鹿にしないでよ……?」

わわっ、そういうわけじゃないんです!ごめんね!

希「あらら、穂乃果ちゃん、傘忘れてきてしまったんかあ……御愁傷様」

でも、大丈夫☆うちの傘も使えばー、ほらっ!

そう言って、大きな傘を広げてくれました。

希「二分の一なら、荷物濡れちゃうかもしれないけど。三分の二なら、どやろか?」

実は六分の一しか、差はないんだけど……穂乃果ちゃんは、安心したみたい。

穂乃果「えーっ!ありがたいよ〜、希ちゃん、ありがとう、感謝します……」


花陽「それじゃ、帰りま、しょう!」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 20:43:00.86

希「にしても珍しいメンバーやなあ」

花陽「ほ、本当に……ね。希ちゃんは、どうしたの?絵里ちゃんは……?」

希「ん?ああ、エリチは、亜理紗ちゃんの風邪の様子見るって、速攻帰っちゃった」

穂乃果「妹思いだな〜絵里ちゃんは!穂乃果、そんなことした事………あったか」

花陽「あはは……穂乃果ちゃんも、十分妹思いだよ」

でもなあ、ちょっと、やっぱり……

そう、希ちゃんは続けました。

希「なんとなく、親友、まで行くと、……依存してきちゃうよね、自分で、わかってるんだけど」

寂しそうに笑う希ちゃん、そして、それを真面目な顔で見つめる穂乃果ちゃん。

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 22:42:13.01

穂乃果「依存……?」

花陽「わ、私も、わかります……なんか、自分が一番にいないと、不安になっちゃって」

自分だって、他の人と話したり、過ごしたりするくせして。

信じ込んだ相手から、本当に信用されているのか、不安に、なる。

穂乃果「そっかあ……穂乃果は、そんな事、ないなあ。三人でいつもいるからかなあ」

希「そのままで、いていいんよ。うちらは、多分ちょっとだけ、強欲になってしまった、だけや……」


花陽「……でも、今は、忘れましょう!そんなこと!」

穂乃果「そうだよ〜、折角珍しい三人組なんだからさっ!明るく!」

希「せやね……この状況に感謝、アーメン」

アーメンに雨がかかっているのは分かったけど、巫女さんがキリストに……いや、気にしないでおきましょう。

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 22:43:17.27
花陽「穂乃果ちゃん、そういえば、雨、止ませられないの?」

希「花陽ちゃん……穂乃果ちゃんかて、超能力者じゃないんだから……」

穂乃果「そ、そういえばそうだね……やってみてなかったや」

じゃあ、ちょっと恥ずかしいけど……

そう呟いて、荷物を私たちに託し、穂乃果ちゃんは傘から飛び出しました。

すうっ、と大きく息を吸い、

穂乃果「雨、やめーっ!」

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 22:44:13.11

花陽「いや、まさか、……止むと思ってなかったから」

希「うちも、あれは、偶然やと思ってたなあ」

穂乃果「ん〜〜、なんでだろうね……まあ、晴れ女ってことにしとこう、か!」


見事雨は止んでしまいました。

穂乃果ちゃん、すごいけど、ちょっと……不思議なものを感じます。

穂乃果「えへへーっ、でも、まあ結果オーライだし……」

希「でも、あれやね、雨降らんかったら……」

花陽「……離れちゃって、ちょっとさみしい、かも」

穂乃果「ええっ?!ごめんね?!」

急にあたふたする穂乃果ちゃんが可愛くて、希ちゃんと二人で笑ってしまいました。

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 22:45:15.86

穂乃果「んもー!笑わないでよー!」

希「ふふ……でも、ええやん?ほら……」

花陽「わあっ、虹……綺麗」

虹の色の数は国によって違うと言いますが。

花陽「私たちには、九色に見えるね……」

赤は真姫ちゃんで、橙は穂乃果ちゃん。

黄は…凛ちゃんで、緑が私、小泉花陽。

水色は絵里ちゃん?で、青色…は海未ちゃん、

紫は希ちゃんで、ほんの少し見える桃色はにこちゃん、かな。

そして、空に広がる白い雲、は、ことりちゃん。

穂乃果「……私たちも、みんなを笑顔に出来る、そんな風になりたいね」

にこちゃんがいつも言う台詞のように。

「今日、みんなを一番の笑顔にするわよっ!」

アイドルとして大事なもの、それを忘れちゃいけないよ、って虹が教えてくれた気がしました。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 22:46:06.03
またクスクスと笑う希ちゃん。つられて、私たちも笑顔になりました。

穂乃果「また、この三人で、話そうねっ!」

次はみんなの楽しい話が聞きたいなっ!

そう言って穂乃果ちゃんは、お家の中に入りました。

無事、傘のない穂乃果ちゃんを送り届けた私と希ちゃんは、他愛もない話をしながら、帰路につきました。

花陽「……あれ、穂乃果ちゃんから」

希「ん?どしたん?」


『ごめん!折り畳み傘、カバンの中に入ってた……ありがとうっ(汗)』


希「…あはは、穂乃果ちゃんらしい」

ん?どうやら、続きがあるようで……。

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 22:47:23.07

『家に着いたら、ことりちゃんと海未ちゃんが居て、無事仲直りできました!』


花陽「だって!よかったあ……」

希「やっぱあの三人は、仲良しでいてくれなきゃね!」


ピリリ、ピリリ、希ちゃんの携帯がなりました。

希「あら?エリチからや、なんやろ、もう……」


にこ『のぞみーっ?まだ家に着いてないの?』

希「そうやけど……って、にこっちやん!どうしたん?」

にこ『んもう、絵里とずっと希の家の前にいるのよ、早く帰ってきてっ!』

希「へ?なんやそら!聞いて、ないっ」

にこ『そりゃ知らせてなかったからね……絵里が、雨の日は希は落ち込みやすいの、って言うから、遊びに来たのよ』

希「そんな、無茶な、……もうっ、今行くから」

ピッ、と電話を切って、希ちゃんは、

そういう訳やから、ごめんな、花陽ちゃん、また明日!

と言って、走って行きました。

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 22:48:06.33

急な展開に一人になった、わたし。

穂乃果ちゃんも、希ちゃんも、元気になったみたいで、良かった……。


花陽「次は、わたしの番」

水たまりをぱしゃっと跳ねあげて、私は、参ってる凛ちゃんのお家に向かいました。

18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/04(金) 00:34:45.34
見てたで
乙です
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 13:03:58.41
いい雰囲気のSSだった
次回も期待してる

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