アニ「夕日からの時間」

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:36:41.01
進撃のSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439527000
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:37:28.20
アニ(日差しがうざったい・・・)

アニ(これなら訓練兵のときのほうがマシだったかも)

エレン「暇そうだな」

アニ(街で私に話しかけてくる奴なんて)

アニ「あんたもそうみたいだね」

エレン「久しぶり」

アニ「そうだね」

エレン「所属決めのとき以来か?」

アニ「何の用?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:38:24.25
エレン「何の用でもねーよ。いたから声かけただけだ」

アニ「ふーん、1人?」

エレン「アニもか?」

アニ「そう」

エレン「友達いなそうだもんな」

アニ「早く帰れば?」

エレン「あそこの売店で飲み物買ってくる」

アニ「帰りなよ」

エレン「ほら」

アニ「・・・」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:39:56.92
エレン「いらないのか?隣置いとくぞ」

アニ「いるって言ってない」

エレン「そうか。いややるよ」

アニ「聞いてない?」

エレン「んっ?」

アニ「わかったよ。もらうから」

エレン「おう」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:40:39.86
エレン「何してたんだ?」

アニ「なにも」

エレン「ふーん」

アニ「ここはいいところだから」

アニ「いるだけ」

エレン「いいところって」

エレン「この広場のベンチがか?」

アニ「なんだっていいよ」

アニ「私は1人が好きなんだ」

エレン「急になんだよ」

アニ「友達だとかどうとか」

エレン「気にしてたのたか」

アニ「してない」

アニ「まあ」

アニ「いないけど」

エレン「そうか」

アニ「そうだよ」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:42:01.71
アニ「帰らないの?」

エレン「まだ俺の残ってるし」

アニ「ふーん」

エレン「あー久々だぁ。こんなのんびりしてるの」

エレン「何飲み物見てるんだ?」

アニ「もう終わり?」

エレン「まだ飲むか?いいけど」

アニ「いいや」

エレン「あそこで食い物も売ってるな」

アニ「そうだね」

エレン「食ったことあるか?」

アニ「ないよ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:43:52.76
アニ「・・・」

エレン「・・・」

エレン「食べるか?」アニ「食べる?」

アニ「・・・ハッ」

エレン「ははっ」

エレン「息がそろっちまったな」

アニ「まったくね、私はいいよ」

エレン「俺も、もう戻らなきゃな」

アニ「そう」

エレン「じゃあまたな」

アニ「・・・またね」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:47:25.16
次の日

アニ「・・・」

エレン「おいっ」

アニ「わっ」

エレン「なんだ迷子か?」

アニ「迷っても子供でもない」

エレン「びっくりしてたな」

アニ「驚くって」

エレン「今日もここにいたな」

アニ「それはこっちのセリフ」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 13:48:50.04
アニ「暇なの?」

エレン「暇じゃねーって」

アニ「じゃあ何で?」

エレン「来ただけだって」

アニ「はあ?」

エレン「それがどうかしたのかよ」

アニ「別に」

エレン「そうだ昨日の売店のとこのパン買ってきたから食おうぜ」

エレン「この前のベンチで」

アニ「いらないって言っても意味ないんだろうね」

エレン「いらないなら俺が食うだけだ」

アニ「もらうよ」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 14:00:31.98
エレン「うまい」

アニ「そうだね」

アニ「子供の頃からそうなの?」

エレン「何がそうかは知らねーけど」

アニ「昔からそんな性格なの?」

エレン「そんなってどんなだよ」

エレン「わかんないな自分の性格とかさ」

エレン「多分変わってないだろ」

アニ「それはそれはみんな大変だったろうね」

エレン「そっそんなことねーよ」

アニ「嘘ばっかり」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 14:01:54.99
アニ「きっと幼馴染に迷惑ばかりかけていたんでしょ?」

エレン「俺が助けに行ったりとかしてた」

アニ「否定はしないんだ」

エレン「いいだろ、お前は?」

アニ「さあ?」

エレン「そんな感じか?」

アニ「少なくとも・・・」

アニ「やっぱわかんないね」

エレン「そーか」

アニ「生暖かい風」

エレン「今日は風があるな」

アニ「うん」

アニ「吹き飛ばされるかも」

エレン「そんな訳ないだろ」

アニ「そんな訳ないね」

エレン「なにが言いたいんだよ」

アニ「そうだね」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 14:02:57.68
エレン「まあいいや今日はもう帰るから」

アニ「そう」

エレン「じゃあな」

アニ「エレン」

エレン「?」

アニ「それでね」

エレン「それで?」

アニ「今日は風が強いね」

エレン「なら吹き飛ばされるなよ」

アニ「がんばるよ」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 16:47:35.00
アニ(今日は遅いな)

アニ(パンも飲み物も全部買ったけど)

アニ(食べてないし)

アニ(この時間になっても)

アニ「人が多い」

エレン「独り言か?」

アニ「わっ」

エレン「毎回驚くなよ」

アニ「毎回急に出てこないでよ」

エレン「今日もいたんだな」

アニ「えっ?」

エレン「えっ?って」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 16:50:09.45
アニ「いやなんでもないから」

エレン「あっ悪い」

アニ「なんでもないって」

エレン「なんか買ってくるか」

アニ「あるし」

エレン「おう、食べないのか?」

アニ「さあ?」

エレン「いやいいけどさ」

アニ「はぁ・・・いいよ」

エレン「んっ?」

アニ「食べていいよって言った」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 16:57:15.09
アニ「忙しいの?」

エレン「調査兵団か?近々、大規模な作戦があるみたいだけどな」

アニ「ふーん」

エレン「憲兵団はどうだ?」

アニ「毎日あんたより早くいる時点で察して」

エレン「ふーん」

アニ「そう」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 16:59:38.78
エレン「もう暗くなっちまうから帰るな」

アニ「うん」

アニ「でも」

アニ「もう少し・・・」

エレン「もう少しなんだ?」

アニ「もう少しってなんて言いたいんだろね」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 17:04:30.97
エレン「暗くなったら」

アニ「だって」

アニ「夕日が綺麗になる」

エレン「夕日?・・・ほんとだな良く見える」

アニ「いいところだからね」

アニ「いつもは1人で見ていたんだけどね」

エレン「壁がなかったら最後まで見れるんだな」

アニ「うん壁がなかったらね」

エレン「おっ見てみろよ」

アニ「何を?」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 17:06:57.41
エレン「人の影が」

アニ「影が?」

エレン「巨人みたいに大きいな」

アニ「あの人達は巨人じゃないから」

エレン「知ってるよ」

アニ(私達はどうなんだろ?)

エレン「どうした?」

アニ「どうもないよ」

エレン「じっくり見ることってあまりないけど綺麗だな」

アニ「いつもこんな風なら」

エレン「いいのになぁ」

アニ「良くないよ」

エレン「そうかあ」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 17:12:18.39
エレン「ほらアニ来てみろよ」

エレン「俺は何mに見える?」

アニ「本当にバカだね」

エレン「どうだ?」

アニ「見えない」

エレン「何が?」

アニ「うまく顔が見えない」

エレン「だったら近くにさ」

エレン「ほら」

アニ「引っ張らないでって」

エレン「悪い、服が伸びちゃうな」

アニ「伸びちゃうよ」

アニ「近くにきたけど」

アニ「それでも」

アニ「よく見えないね」

エレン「目が悪いのか?」

アニ「さあ」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/14(金) 17:13:23.45
エレン「大丈夫か?」

アニ「全然大丈夫だよ」

アニ「それよりも」

アニ「もう夕日が」

アニ「見えない」

エレン「夜になるな」

アニ「帰るんでしょ?」

エレン「ああ遅いし」

アニ「じゃあ早く帰れば」

エレン「なんだよ」

アニ「いつも夜には帰るから」

アニ「そう言ったんだよ」

エレン「おうそうだな」

エレン「お前って時間に厳しいんだな」

アニ「あんたはさあ」

アニ「わからないんだね」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 18:50:44.84
アニ(話す言葉が徐々に少なくなっていけば)

アニ(もう話すことなんてない)

アニ(それがいい)

アニ「それでいい」

アニ「わからないね」

エレン「怖いな」

アニ「なっ」

エレン「いてっ・・・蹴るなよ」

アニ「蹴ってない」

エレン「豪快な嘘だな」

アニ「うん」

エレン「今日は何も買ってないのか」

アニ「曇りだから」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 18:52:24.37
エレン「雨降るか?」

アニ「それは知らない」

エレン「この前の巨人のような遊びできないな」

アニ「したくないよ」

エレン「いやだったか?」

アニ「別に」

アニ「1人でやっていたらバカみたいって」

アニ「思っていたくらい」

エレン「えっそうかよ」

アニ「そう」

アニ「でも全然」

エレン「それよりさ、雨が降ったらどうしような」

アニ「帰ればいいでしょ」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 18:56:06.77
エレン「帰るかー」

アニ「降る前に帰ったほうがいいって」

エレン「お前は?」

アニ「近いから」

エレン「いいな」

アニ「いいでしょ」

エレン「じゃあ俺は帰るぞ」

アニ「結構歩くんだ」

エレン「まあな」

アニ「大変だ」

エレン「そんなことねーけど」

アニ「待っている人がいるんだから」

アニ「早くしないと忘れるよ」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 19:04:52.86
エレン「忘れるって?」

アニ「帰る場所とか」

アニ「人とか」

エレン「忘れるかよ」

アニ「ほんとに?」

エレン「あっそうか」

アニ「なにがそうかなの?」

エレン「だからお前は独り言を言ってたんだな」

アニ「忘れてよ」

エレン「ああ忘れる」

アニ「あっ」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 19:07:12.62
アニ「帰る前に」

アニ「帰ったきたことを知った人は」

アニ「なんて言うの」

アニ「なんて言ってくれるの」

エレン「いつも言っていることを」

エレン「聞くだけだろ」

アニ「おかえりとか」

エレン「ただいまとか」

アニ「言ったことは?」

エレン「言うよ」

アニ「ずいぶんいい子だね」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 22:20:42.01
エレン「別に当たり前だっただろ」

アニ「そうだったね」

アニ「子供だった頃」

エレン「ずっとそうだと思ったけどな」

アニ「ずいぶん優しいよ」

アニ「どこかで聞いたことで」

アニ「昔を忘れていけば」

アニ「先のことを思わなくなる」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 22:21:44.02
アニ「そしたら私達は死ぬことなんてない」

アニ「そうだっていうんだって」

エレン「そんなこと」

エレン「誰が言ってたんだよ」

アニ「言っていたような気がするよ」

アニ「知っている人から」

アニ「何回もね」

アニ「・・・」

アニ「いやそうじゃなくて走って帰ろう」

アニ「いい?」

エレン「おお!負けねーぞ」

アニ「いや勝負じゃないから」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/16(日) 23:51:27.78
切ない
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/18(火) 00:11:46.28
エレン「おいっアニ」

アニ「えっ?ああエレン」

エレン「寝てたのかよ」

アニ「寝てないよ」

エレン「目が閉じてたぞ」

アニ「閉じてただけ」

エレン「よだれもか」

アニ「うん?」

アニ「雨が」

エレン「今日は降ってねーよ」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/18(火) 00:12:54.82
アニ「毎日毎日飽きもせず」

エレン「悪いか」

アニ「他のみんなはどうしてんの?」

アニ「あんたみたいに暇してる?」

エレン「俺も暇じゃないけど」

エレン「訓練してる」

アニ「へぇ昔と同じだ」

エレン「壁外調査をするためにな」

アニ「怖くないの?」

アニ「ああごめん。あんたは大丈夫だよね」

アニ「怖いものなんてないし」

エレン「そんなこと言っててなにかになるのか?」

アニ「悪かったね」

エレン「そうじゃねーよ」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/18(火) 00:14:07.63
エレン「・・・」

アニ「・・・」

エレン「動物は」

アニ「動物?」

エレン「巨人は動物襲わないんだよな。そうだよな」

アニ「まあそう習ったね」

エレン「じゃああれか動物に変装すりゃ襲われないのか」

アニ「やってみれば?」

エレン「うーん」

エレン「それで死んだら最悪だ」

アニ「確かにねえ」

エレン「だろ?」

アニ「動物に」

アニ「もし動物に生まれ変わったら」

アニ「鳥なんかどう?」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/18(火) 00:15:05.25
アニ「どこにでも行けるでしょ」

エレン「足が折れそうだな」

アニ「なんで?」

エレン「足が細いだろ」

エレン「お前に蹴られでもしたらひとたまりもないからな」

アニ「鳥蹴らないし」

アニ「その前に逃げてよ」

エレン「飛べるからな」

アニ「うん。飛べるから」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/23(日) 23:15:59.89
アニ「ほらっ今日も暗くなるから帰りなって」

エレン「走ってか?」

アニ「嫌だって」

エレン「じゃあ飛んでだな」

アニ「できるならどうぞ」

エレン「無理いうな」

アニ「バカ」

アニ「今日は悪かったね」

エレン「暗くなったら帰れって言う事が」

エレン「そんなに悪いのか?」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/23(日) 23:18:20.83
アニ「やっぱりあれだよね」

アニ「暗くなったら」

アニ「怖いでしょ」

エレン「お前が?」

アニ「私が」

エレン「本当かよ」

アニ「本当だと思ってくれる?」

エレン「本当ならな」

アニ「また」

エレン「ああ」


アニ「何回言えばいい?」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/23(日) 23:24:49.17
アニ「あっ」

エレン「今日は遅かったな」

アニ「・・・驚かないね」

エレン「驚かそうとしてたのか」

アニ「そうではないけど」

エレン「あってなんだよ」

アニ「不公平じゃない」

アニ「私だけが驚いているの」

エレン「じゃあさ、俺を驚かすことがあったら」

エレン「まとめて驚かせてくれよ」

アニ「それもちょっと」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/24(月) 23:47:23.50
アニ「良くないね」

アニ「そんなことしたら」

アニ「可哀相でしょ?」

エレン「俺が?」

アニ「どうだか」

エレン「もしそんなことがあっても」

エレン「平気な顔してやるからな」

アニ「へえ」

エレン「おう」

アニ「がんばって」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/24(月) 23:48:50.55
エレン「・・・あんまり何回も来てるとさ」

エレン「代わり映えしないよな」

エレン「この景色」

アニ「そう?」

エレン「そうだろ」

アニ「なら」

アニ「昨日の夕日の形を」

アニ「憶えてる?」

エレン「昨日のことだろ」

アニ「ちょっと説明してみて」

エレン「うっ」

アニ「できるでしょ」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/24(月) 23:50:11.69
アニ「どんな形だった?」

エレン「えっと」

アニ「じゃ手を出して」

アニ「広げて」

エレン「だからこういう形のさ」

アニ「うんうん」

エレン「わかったか?」

アニ「いや?」

エレン「おい」

アニ「ちゃんと見てなかったみたい」

アニ「もう一回」

エレン「見てろよ」

アニ「ははっ」

アニ「何回だっていいよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/31(月) 00:50:53.94
エレン「伝わらないな」

アニ「やっぱり難しいね」

エレン「難しいだろ」

アニ「それはいつもそう」

エレン「憶えてはいるんだけどなー」

アニ「うん」

エレン「お前はできるのかよ」

アニ「ほらやっぱりそれは」

アニ「私は見たの初めてだし」

エレン「初めてじゃないだろ」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/08/31(月) 00:58:03.72
アニ「うまく伝えることができなかったら」

アニ「・・・昔の事」

アニ「訓練兵団で過ごしたことなんて」

アニ「すぐに忘れてしまうんだろうね」

エレン「忘れるか?」

エレン「色々あったろ」

アニ「まあね」

エレン「成績良かったよな」

エレン「俺にはお前が何でも簡単にこなしているように見えたから」

アニ「これでもね」

アニ「精一杯だった」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 00:32:35.16
エレン「そうは見えなかったな」

エレン「なあ」

アニ「うん忘れてほしいことはたくさん」

エレン「別にいい」

アニ「憶えているのは」

アニ「いつもは」

アニ「小雨の日とか曇りの日とか」

アニ「空は青いまま濃さを増して」

アニ「暗くなるから」

アニ「その中を」

アニ「帰るところがある人はいいね」

アニ「私達にも昔あったもの」

アニ「でも考えると帰るところがあったときでも」

アニ「いいななんて思わなかったから」

アニ「どうでもいいね」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 23:12:33.84
アニ「もう帰っていい?」

アニ「エレン?」

エレン「子供が遊んでるな」

アニ「だから」

エレン「いいなって思っただけだよ」

エレン「なあお前の家ってどこにあるんだ?」

アニ「憲兵団の寮だって」

エレン「違う」

アニ「忘れたよ」

エレン「俺の家は」

アニ「知ってる」

アニ「言わなくていい」

エレン「俺は知らないけど」

エレン「忘れるわけないだろ」

アニ「帰るから」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 22:21:17.66
アニ(いつも帰り道は最悪で)

アニ(真っ暗で)

アニ(いつもと同じ)

アニ(いつもと同じなら耐えられるはず)

アニ(全然耐えられる)

アニ(そういう風に訓練してるから)

アニ(帰る道だって迷わない)

アニ(いつもと同じだから)
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 22:23:51.61
アニ(今、目を閉じて)

アニ(帰ることができるんだ)

アニ(昔を思い出しても)

アニ(先を思っても)

アニ(同じだからって)

アニ(耐えることができた)

アニ「くそっ」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/13(日) 23:09:15.25
アニ(どうやってばかり示されて)

アニ(どうしてなんて)

アニ(考える訳ないから)

アニ(今、どうしている?なんて)

アニ(誰のためかなんて)

アニ(もうとっくに失くして)

アニ(無い)
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/13(日) 23:12:47.38
アニ(だからこの場所にいるのは)

アニ(昨日の夕日があるこの場所に)

アニ(いるのは)

アニ「おかしいでしょ」

アニ「なんでいるの?」


エレン「お前に言われたくねーよ」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/20(日) 22:51:12.96
エレン「ここに居るしかないだろ」

エレン「ここでしか会えたことがないんだし」

アニ「いつもいるみたいなこと」

エレン「怖い顔だな」

アニ「凶悪顔のくせに」

アニ「そんなこと言う?」

エレン「いやお前に言いたいことがあったんだ」

アニ「言いたいこと?」

エレン「いや聞きたいことか?」

アニ「どっち?」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/20(日) 22:51:50.32
エレン「お前」

エレン「やっぱり」

エレン「家族と仲悪いのか?」

アニ「・・・えっ?」

アニ「あははっ」

エレン「なんだよ。だってお前家族の話したとき」

アニ「ちょっと待って」

エレン「なんだよ」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/21(月) 04:29:26.50
アニ「・・・はぁ」

エレン「落ち着いたかよ」

アニ「うん」

アニ「それじゃあ」

アニ「私も聞きたいね」

アニ「今は昔の話をしている?それとも」

アニ「これからの話?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/21(月) 23:05:33.73
エレン「今の話だ」

アニ「そうだね」

アニ「そうかもね」

エレン「あんまり言う事じゃないけどさ」

エレン「良くないんじゃねーか」

エレン「家族と仲良くないのは」

アニ「そんなのいいよ」

エレン「そんなのって」

エレン「後悔しても知らないからな」

アニ「もう後悔していたら」

アニ「しようもないね」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/22(火) 06:49:53.93
エレン「謝りにいくか?」

アニ「行かないよ」

アニ「誰に?私が悪いことになってない?」

アニ「私は謝らないから」

エレン「俺は謝りたいな」

エレン「言えなくなるなんてすぐだったから」

エレン「いつ最後になるなんてわからなかった」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/26(土) 00:37:56.87
エレン「なあ?」

エレン「どうした?」

アニ「悪いけど」

アニ「珍しく思ってた」

エレン「なんだと思ってたんだよ」

アニ「誰になんて聞かないけど」

アニ「ひとまず私に謝ってくれる」

エレン「はっ?」

エレン「やだよ」

アニ「たくさん驚かしたし」

エレン「それは悪かったな」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/26(土) 00:38:47.46
アニ「まあそれでいいよ」

アニ「じゃあ、あそこの店にいこうか」

アニ「あんたの奢りで」

エレン「奢りかよ」

エレン「絶対お前のほうがたくさん貰ってるだろ」

アニ「うるさいね」

アニ「さあ先に行って」


アニ「私も」

アニ「いつも最後だって思っている」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/26(土) 17:33:55.84
アニ「空いてる?」

エレン「ああ」

アニ「そう」

アニ「ここはいつも空いてるからね」

エレン「よく来るのか?」

アニ「まさか」

アニ「空いてるから来たいとは思ってた」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/26(土) 21:07:07.97
エレン「ここの店員愛想ないな」

アニ「まったくね」

エレン「一瞥しただけだった」

エレン「だから空いてんのかな」

アニ「だとしたらいいね」

エレン「いいか?それ」

アニ「うるさいよりはいいよ」

エレン「何頼む?」

アニ「なんでも、任せるよ」

エレン「じゃあ俺の好きなの」

アニ「あるんだ」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/27(日) 00:42:17.90
エレン「それはあるだろ」

エレン「別にお前も好きなの言えばいいだろ」

アニ「いや、任せるって言ったし」

エレン「流石憲兵団だな」

アニ「どういう意味?」

エレン「まじめだ」

アニ「なにそれ」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/27(日) 00:45:15.99
アニ「この飲み物」

エレン「知ってるか?」

アニ「初めて」

アニ「憲兵団のイメージがまじめって?」

エレン「えっ?そうだろ」

アニ「そうじゃないよ」

アニ「私はそんな風に見える?」

エレン「見えないな」

アニ「うん」

アニ「そんなすぐに答えなくてもいいけど」

エレン「じゃあ調査兵団のイメージはどんなだ?」

アニ「変人」

エレン「・・・そうだな」

アニ「当たり?」

エレン「先輩達が良くないのか?」

アニ「あんた達もどうかな」

エレン「えっ」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/27(日) 03:20:49.53
エレン「このパンって」

アニ「私が」

アニ「調査兵団に入ったらどうなっていたかな」

エレン「いまからでも入れると思うけどな」

エレン「いつも人いないからさ」

アニ「ありがと。でもそうじゃないんだ」

アニ「あんたが憲兵団に入ったら」

エレン「入らねーよ」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/27(日) 03:22:59.86
アニ「どこまで引き返せば」

アニ「間違いを治せると思う?」

アニ「それを考えてみてさ」

アニ「それがずっと昔からだったら」

アニ「それは自分じゃないね」

エレン「今日は話すんだな」

アニ「たまにはいいよね。今までの分も含めてさ」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/27(日) 21:23:12.73
アニ「外がよく見えるところだね」

アニ「まだ人が全然見える」

エレン「壁も見える」

エレン「知ってるかこんな噂?」

アニ「噂って?」

エレン「この壁の中に外の世界に抜け出す」

エレン「抜け穴があるんだってな」

アニ「それって」

エレン「知ってるのか?」

アニ「聞いたことある」

エレン「おう」

アニ「このパンって?」

エレン「教えてくれよ」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/27(日) 23:31:26.66
アニ「私が聞いたのはその逆」

アニ「壁の中に内地に行く」

アニ「抜け穴があるって」

エレン「内地ってどうなんだそれ」

アニ「普通の人はそうは思わないよ」

エレン「普通じゃないみたいに」

アニ「当然」

アニ「安全なほうに行きたいでしょ」

アニ「今度行ってみる?噂の場所はわかるよ」

エレン「おう、いこうぜ」

アニ「へえ」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/27(日) 23:32:54.26
アニ「このお店子供がいるんだ」

エレン「どこにだ?」

アニ「奥のほう。手を洗いにいったときにいた」

エレン「店の子かな」

アニ「そうでしょ」

エレン「へー・・・それでさ」

エレン「お前は行きたいところってあるか?」

アニ「じゃあ」

アニ「あそこ」

エレン「なんだよ外を指差して」

アニ「壁の上に行きたい」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/28(月) 23:52:21.54
エレン「なんであんな所に行きたいんだ?」

アニ「そう、憲兵団になってから行かなくてさ」

エレン「昔はよく訓練で行ったな」

アニ「行ったね」

アニ「そういえば訓練兵のときって」

アニ「あんた割とよく泣いたよね」

エレン「ぜっ全然、泣いたことなんてねーよ」

アニ「悪いなんて言ってないよ」

アニ「まあ私は泣いたことなんてないけど」

エレン「お前な」

アニ「あと何か頼む?」

エレン「まだスープがあるな」

アニ「頼む?」

エレン「えっと」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/30(水) 00:19:36.78
エレン「スープうまいな」

アニ「そうだね」

エレン「指輪」

アニ「えっ?」

エレン「着けてたんだな」

アニ「悪い?」

エレン「悪いなんて言ってねーよ」

アニ「繰り返しみたいな会話」

エレン「悪くないだろ」

アニ「そう」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/30(水) 23:44:37.76
エレン「これとかお前も作れるのか?」

アニ「うーん」

エレン「なんか料理得意な気がしてたな」

アニ「食べたことないよね」

エレン「まあそりゃあ」

エレン「でも調理当番の時とかは」

アニ「あれはそんなんじゃないよ」

アニ「それに私だって分かった?」

エレン「うーん」

アニ「ほら」

エレン「芋の皮むきが上手かった」

アニ「それって・・・どうなの?」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/04(日) 02:37:51.50
アニ「果物がきたよ」

アニ「果物だ」

アニ「デザート」

アニ「すごいね」

エレン「ああ・・・んっ?お前のほうが多くないか?」

アニ「知らないよ。この店のサービスじゃない?」

エレン「いいけどさ」

アニ「いる?」

エレン「お前のだから、いいよ」

アニ「みんなそう言うんだね」

エレン「じゃあくれよ」

アニ「少しは」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/04(日) 21:39:51.86
エレン「食べたか?」

アニ「食べたよ」

エレン「それじゃあ行くか」

アニ「払ったの?」

エレン「さっきな」

アニ「冗談だったんだけど」

エレン「使う時間なんてないからさ」

アニ「払うよ」

エレン「別に」

アニ「あー」

エレン「またでいいよ」

エレン「今度みんなでこようぜ」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/04(日) 21:44:15.57
アニ「できたらいいね」

アニ「でも」

アニ「今度って言えるほど」

アニ「私達」

アニ「そんなに生きていないでしょ」

アニ「ごめん」

アニ「バカみたいだから」

アニ「もう少しちゃんと言えたら」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/04(日) 22:09:06.65
エレン「・・・」

アニ「エレン?」

エレン「あそこ見てみろよ」

アニ「えっ?」

エレン「店の子供が手を振ってる」

アニ「なんで」

エレン「なんでなんてより」

エレン「手を振ってやれよ」

アニ「うん」

アニ「じゃあね」

エレン「ははっ」

アニ「何っ?」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/04(日) 22:13:55.94
アニ「今のお店良くなかった?」

エレン「?うまかったよ」

アニ「へえ」

アニ「ねえ」

アニ「行く?」

エレン「ああ、行こうぜ」

アニ「いまから?」

エレン「まさか」

アニ「そうだね」

エレン「装備を持ってこいよ」

エレン「じゃあな」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/04(日) 22:16:57.28
アニ「そうだね・・・」

アニ「今日は」

エレン「うん?」

アニ「また会えますようにって」

アニ「子供が言ってた」

エレン「さっきの子が?そういや何時仲良くなったんだ?」

アニ「指輪落としたんだ」

アニ「そしたら」

アニ「拾ってくれてね」

アニ「これはあなたの?だって」

エレン「うん」

アニ「そうだよって」

アニ「私は言って」

アニ「キラキラしてるって言ってた」

アニ「それで」

アニ「欲しい?って言ったんだ」

エレン「それで?」

アニ「そしたらね」

アニ「あなたのだからって」

エレン「大事にしなくちゃな」

アニ「ありがとうって言うよ」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/19(月) 19:59:10.52
エレン「来たな」

アニ「来たけどさ」

アニ「そんな言葉使うものなの」

アニ「来たなとか」

エレン「でっかいなー」

アニ「聞いてないふりは良くないね」

アニ「大きいのは知ってるし」

エレン「細かいんだって」

アニ「はいはい。そうだね大きいね」

エレン「だろっ?」

アニ「でも勝手に登っていいの?」

エレン「駐屯兵団に知り合いがいるんだ」

アニ「私の知らない?」

エレン「知らない人だな」

エレン「子供のときからの」

アニ「そう」

アニ「いこうか」

アニ「見上げていても何もない」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/20(火) 00:24:57.69
エレン「アンカー打つから、ちょっと離れてろよ」

アニ「・・・」

エレン「それにしてもさ、訓練でもないのにいるなんて変な気分だな」

アニ「変な気分は前からだけどね」

エレン「気分悪いのか」

アニ「あんたより平気だよ」

エレン「?ならいいけど、見つかるなよ」

アニ「えっ?許可とってないの?」

エレン「知り合いがいるって言っただけで」

エレン「俺が許可なんてとれる訳ない。そうだろ?」

アニ「威張られてもね」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/20(火) 00:27:12.03
アニ「壁の間際ってすごい暗いから」

エレン「ほんとに、ここは夜みたいで」

エレン「どこに日があるのかわからないな」

アニ「早くいこうか」

エレン「あせんなよ」

アニ「わかってる」

エレン「よっと」

アニ「流石5位早いね」

エレン「うるせーな4位」

アニ「誉めてるから」

アニ「素直に受け取るもんだよ」

エレン「わかったよ」

エレン「けどいつまでもそんなこと言ってても仕方ないな」

アニ「いつまでも言えることじゃないね」

アニ「だからほら」

エレン「着いたな」

アニ「・・・明るい」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/20(火) 00:28:56.41
エレン「アニ来てみろよ!」

エレン「俺らがいたところが見える」

アニ「あんな小さいところで話していたんだね」

アニ「でも」

アニ「外も見ようよ」

エレン「おう!」

エレン「どこまでも見えるな」

アニ「どこまでもは見えないけど」

アニ「うんすごく」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/20(火) 00:32:43.13
エレン「すごいな。やっぱりすげえな」

アニ「うん・・・でも」

アニ「何度も見てるのに?」

エレン「こんな風に見ることは無かったさ」

アニ「あんたが前に言ったことだよ」

アニ「私に」

アニ「もう忘れている?」

エレン「そうだっけか」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/20(火) 00:33:50.67
アニ「エレン下を見て、もう一度街を」

アニ「聞いてよ」

アニ「私達の影がさあ、街に映っていれば」

エレン「ははっ、そしたら今度こそ一番大きな巨人だ」

アニ「やっぱり」

アニ「そんな無邪気でさ」

アニ「いられるのはなんで?」

アニ「少し聞いてみたかった」

アニ「巨人になれることをどう思ってるの?」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/21(水) 06:47:39.44
エレン「・・・それはもうさ」

エレン「強くていいだろ、それで倒してやるんだ」

エレン「なにもかも、だから強くて」

エレン「やっつけてやる」

エレン「全然大丈夫だ」

アニ「あー」

アニ「しなくていいんじゃない」

エレン「何をだよ?」

アニ「無理してそんな子供っぽくしなくてもさ」

エレン「はぁ?」

エレン「言うなよ。そんな事を」

エレン「それにそれは」

エレン「お前もだろ」

アニ「それが?」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/22(木) 22:56:25.60
アニ「誰も言ってくれないよね。お互いに」

エレン「俺が無理してるんだったらお前は」

アニ「それっていい事だと思うよ」

アニ「誰も好きにならなくていいんだ」

アニ「さよならを言う手間も」

アニ「謝ることもしなくていいからね」

エレン「俺はただ単純にさ」

アニ「無理してるよ」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:40:54.71
アニ「こんなところにいるんだ」

アニ「大切な作戦の前で」

アニ「逃げだした」

エレン「・・・」

アニ「訳じゃないよね」

アニ「でもそれに近い」

アニ「監視があるの?」

アニ「訓練がきつい?」

アニ「なんでいるの?」

アニ「許可はとれた?」

アニ「前にも聞いた?」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:43:05.71
エレン「許可なんてとれるわけねーって」

エレン「さっき言っただろ」

アニ「ここにいたいんじゃなくて」

アニ「いたくなかったんでしょ」

アニ「あんたを知っている人達から」

アニ「例えば幼馴染とか」

エレン「知ったこと言うなって」

アニ「なんで逃げ出したかったの?」

アニ「なんで私?」

アニ「友達がいなさそうで」

アニ「唯一憲兵団に所属している私が」

アニ「話易かった?」

アニ「それとも憲兵団しか知らないような情報が」

アニ「欲しかった?」

アニ「こっそり壁の外に出るような情報が」

アニ「1人で壁の外に行って」

アニ「ボロボロになって」

アニ「しまいたかった?」

アニ(そう言って欲しいと願うのは)
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:45:00.69
エレン「俺はそんな弱くねーよ」

エレン「弱くないから」

エレン「強くなって」

エレン「全然大丈夫って言うんだよ」

エレン「お前に言ったみたいに」

アニ「私は練習?」

エレン「違う」

エレン「みんなが死んでしまうことなんて」

エレン「考えられないくらいに」

エレン「もっと強くなって、だから」

エレン「この力をもっと上手く使えれば」

アニ「だから壁の外で1人で実戦を?」

アニ「死ぬよ」

アニ「でも残念だったね」

アニ「勝手に壁の外なんか行けるわけないじゃない」

アニ「外にいけるなんて思ってたら結局は」

アニ「どこにも行けないんだ」

アニ「私達どこにも行けないでしょ?そしたら」

アニ「もう日が暮れて帰るしかない」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:45:57.62
エレン「まだ暮れてないだろ」

アニ「うん」

エレン「ここにいるのは」

エレン「お前の言ってること、それだけじゃない」

アニ「それだけだって」

エレン「お前もそれだけじゃない」

アニ「要らないよ」

アニ「全然」

アニ「だからやめよう」

エレン「夕日のときって遊ぶ時間だったんだ」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:48:49.78
エレン「子供の時、そうじゃなかったか?」

アニ「私はそんなこと無かった」

アニ「そんなことしてたら」

アニ「子供の時に見下げられると思うから」

エレン「だから」

エレン「俺らは戦いっぱなしで」

アニ「だったらあんたの幼馴染としてれば」

エレン「それも違ってさ」

エレン「俺、お前のそういうの見たことないんだ」

アニ「やっぱり」

アニ「思ってたとおりに」

アニ「ひどいね」

アニ(ずいぶん優しくて)

アニ(ごめん)
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:51:17.66
エレン「悪い、なんて言ったんだ?」

アニ「やっぱりって」

アニ「それは私だってここで」

アニ「話していたいって思うことだってある」

アニ「だけど最初から夕日になって話すから」

アニ「時間なんて無いんだ」

アニ「わからないけど」

アニ「しらないけど」

アニ「それはきっと誰かのためだから」

アニ「結局のところ」

アニ「今になってなんでそんなことを」

アニ「ちょっとだけだと思う」

アニ「言えるのは明るいとか眩しいねとか」

アニ「そんなことしか言えないでしょ」

エレン「なんでだよ。それで悪いのか」

アニ「それしか言えないんだもの」

アニ「それだけでも好きに言えるのは」

アニ「これで最後にしたいよ」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:53:23.39
アニ「明日になったら」

アニ「そんなのには永遠に成れない」

アニ「それが終らないように思える」

アニ「私達、辿り着けないまま」

アニ「ここから壁が壊れる」

アニ「見てみてよ」

アニ「ある日突然くる脅威」

アニ「壁が壊れるとしたら」

アニ「それは私の名前みたくなっちゃうね」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:55:41.47
エレン「今、壁が崩れたらどうしようもないかも知れないけど」

エレン「壁が壊れる音が聞こえたら」

エレン「ここにいてくれてありがとうって」

エレン「互いに言うのは悪くないだろ」

エレン「無理じゃないさ、そのくらいの時間あるだろ」

エレン「俺達がここにいたことなんてない」

エレン「なんていうか」

エレン「わかるか?」

エレン「俺は今わかった」

エレン「俺達がここにいたことなんてなかったんだよ」

エレン「だからなんとかなんだろ、しなきゃな」

アニ「なんとかなるかな?」

エレン「なんとかなる」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 00:58:28.17
アニ「絶対に?」

エレン「絶対だ」

アニ「なら嬉しいかもね。でも」

アニ「嘘だったらあんたを笑ってやろうかな」

エレン「笑うなよ。本当だったらどうだ」

アニ「なら私を笑ってもいいよ」

エレン「笑うかよ」

アニ「別に・・・これからは・・・」

アニ「恐れないでいいよ」

アニ「怖かったら」

アニ「私に押し付けていい」

アニ「怖がることもないね」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 01:00:29.91
アニ「私は」

アニ「なにも要るものなんてなくて」

アニ「ただ」

アニ「夕日が落ちるまでの間」

アニ「この時間だけでいいんだ」

アニ「私は」

アニ「それから昔も今も明日もずっと先も」

アニ「忘れていい」

アニ「なにも思わなくていい」

アニ「立ち止まった瞬間があって」

アニ「その瞬間が」

アニ「夕日の形が思い出せないような」

アニ「光の中の表情を思い出すような」

アニ「光の中で」

アニ「一瞬以下が」

アニ「私に残して」

アニ「残るから」

アニ「それを信じるんだ」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 01:03:12.67


アニ「暗いね」

エレン「気をつけろよ」

アニ「暗いっていっただけだよ」

エレン「帰ろうぜ」

アニ「怖いね」

アニ「暗くなって」

アニ「どうだろう」

アニ「私達すぐに」

エレン「そういえばさ」

アニ「何?」

エレン「なんで壁の上に来たかったんだ?」


アニ「バカじゃない」

アニ「壁の上って」

アニ「最後まで」

アニ「夕日が見れるから」


エレン「子供泣いてるな」

アニ「嘘だ」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 01:03:56.69
これで終わりです。ありがとうございました。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/26(月) 01:10:45.68

アニには夕日がよく似合う
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/28(水) 18:12:51.34
おつおつ

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