アクア「ねぇカズマ、あんた何だかんだ言って本命は私なんでしょ?」 カズマ「は?」

1 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 19:50:56.00
屋敷


アクア「照れなくていいわよ全部分かってるから。カズマって結構ツンデレだからね!」

カズマ「そうなんだすごいね。なぁダクネス、お兄ちゃんそろそろアイリスに会いたくなってきたんだけど、お前の家のコネで何とかしてくんないか?」

ダクネス「相手は一国の王女様だぞ、そんな気軽に会えるはずがないだろう。まぁ、また魔王軍幹部でも倒せばきっと会えるさ」

めぐみん「カズマカズマ、それでは今からちょっと幹部をしばきにいきましょう! 私もアイリスには会いたいですし!」

ダクネス「もういっそ直接魔王城へ攻め込むのはどうだ? 安心しろ、お前たちは必ず私が守る。もし私が捕まってしまったとしても、遠慮なく置いて行ってくれ!」ハァハァ

カズマ「お前らそれ絶対、一番の目的はアイリスじゃないだろ。王女様をだしにすんなよ怒られるぞ」


アクア「無視しないでよー!!!!!」バンッ!!


カズマ「うるさいぞアクア、無視してないだろ。ちゃんとすごいねって言ってやっただろ」

アクア「雑! 全体的に私の扱いが雑すぎるんですけど!」

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2 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 19:52:18.97
ダクネス「落ち着けアクア。話は聞いていたぞ、カズマの本命はアクア……だったか?」

めぐみん「カズマに本命なんていないでしょう。やらしてくれれば誰でもいいんですよこの男は」

カズマ「おい待て、確かにめぐみんでもダクネスでもやれそうな状況なら遠慮なく手を出す俺だが、思春期の男子的にはそれが普通なんだよ」

めぐみん「開き直りましたよこの男。そんなにやりたいなら、今度また紅魔の里に行きましょうか。カズマは道中の雌オークに預けて行きますから」

ダクネス「ふむ、カズマの遺伝子を受け継いだオークのハーフか…………わ、悪くなさそうだな」ゾクゾク

カズマ「ごめんなさい、俺が悪かったです!」

アクア「……ねぇ、私また会話の外に追いやられてない?」

カズマ「ん、その話まだ続くのか? それより昼飯は外に食いに行かないか? いい酒出す店が新しくできたらしいぞ」

アクア「えっ、本当? 行く行く…………って待ちなさいよ! 何勝手に話終わらそうとしてんのよ、危うく流されるところだったわ!」

めぐみん「あれ、いつもなら今のは完全にアクアが話を忘れる流れでしたが……そんなに大事なことなのですか?」

ダクネス「カズマ、一応話くらいは聞いてやってもいいんじゃないか?」

カズマ「はぁ……分かった分かった。ほら話せ聞いてやるから。腹減ってきたから手短にな」

アクア「その明らかに真面目に聞く気がなさそうな態度が気に入らないんですけど……まぁいいわ。今から私の名推理を披露してあげるから耳の穴かっぽじってよく聞きなさい」

アクア「まず、私はずっと不思議に思っていたのよ。カズマはめぐみんやダクネスの寝込みは襲うくせに、何故馬小屋で隣で寝ていた私には手を出さなかったのか」

アクア「もちろん性欲自体は溜まっていたはずよ。だってたまに隣でごそごそむぐっ!!!」

カズマ「おいいいいいいちょっと黙ろうか!!!!!!」ガシッ
5 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 19:53:34.78
めぐみん「あ、もうカズマに関しては、そのくらいでは特に何も思わなくなってきたので大丈夫ですよ」

ダクネス「うむ、今更だな」

カズマ「……何だろう、このもう取り返しの付かないところまで来ちゃった感じは」

アクア「ぷはっ! いきなり何すんのよクソニート! で、変態鬼畜エロカズマが隣で寝ている超絶美人な女神に手を出さなかった理由なんだけど……」

カズマ「あぁ、それは」


アクア「そう、それはカズマが私のことを真剣に意識しているからよ!」ビシッ

三人「「「…………」」」


アクア「素直じゃないわねぇ、カズマも。まぁ当然私があんたみたいな童貞ニートを相手にするわけないんだけど、私に対する良いアプローチの仕方くらいは教えてあげるわ」

アクア「まずはお酒ね。毎日欠かさずいいお酒を私に供えること。おつまみもセットだとポイント上がるわよ」

アクア「あと私がいかに偉大なのか人々に伝え、アクシズ教徒を増やして全力で私を崇めて甘やかしていれば、もしかしたら」

カズマ「よし話は終わりだな。飯食いに行こうぜー」

めぐみん「結局そのいいお酒を出してくれるお店に行くのですか? それならちゃんと私にも飲ませてくださいよ?」

ダクネス「ダメに決まっているだろう。そもそもカズマ、いくら何でもこんな日の高い内から酒というのもどうかと思うぞ」

カズマ「分かってねーな、これだからなんちゃってお嬢様は。皆があくせく働いている時間帯に飲むのがいいんだろうが」

ダクネス「な、なんちゃってお嬢様……」ズーン

カズマ「ほらさっさと行くぞ。そこの自称なんとかも……」


アクア「わああああああああああああああああっっっ!!!!!!」ガッ


カズマ「いてえ! コラ離せ何なんだよお前は!!」ジタバタ
7 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 19:55:35.88
アクア「ふざけんじゃないわよ、ふざけんじゃないわよ! もっと私の話聞いてよ!!! もっと私に関心持ってよおおおおお!!!!!!!」ブンブン

めぐみん「……あの、カズマ。流石にこんな大泣きしてる人を外に連れて行くというのもアレなんで、どうにかしてください」

カズマ「だーもう面倒くせえな! はいはい、分かったよ、言いたいことがあるなら全部言えよ聞くから!!」

アクア「だから、あんた私のこと好きなんでしょ!? なんでこんな酷いことするの!? 好きな子は虐めたくなっちゃうっていうアレなの!?」

ダクネス「……ん? 好きな相手には虐められたいという方が普通じゃないのか?」

カズマ「よしお前は黙ってようか。あとアクア、俺がお前に手を出さないのはお前のことが好きだからとかいう、頭おかしい前提からちゃんと説明しろよ」

アクア「え、だって、めぐみんよりナイスバディで、ダクネスみたいに変な性癖もない私に手を出さない理由なんてそれくらいしかないでしょ。
    結局は本命の子には手を出せないヘタレなんでしょ?」

めぐみん「なんかさらっとケンカを売られた気がするのですが気のせいでしょうか」

カズマ「そこは流せ面倒だから。アクア、俺がお前に手を出さないのはもっと単純な理由だ。前にも言ったが、要はカテゴリが違うんだよ」

アクア「カテゴリ? なに、もしかして女神様には恐れ多くて手を出せないなんて、まともな人間みたいなことを言うんじゃないでしょうね」

カズマ「それはない。エリス様には普通にセクハラしたくなるし」

ダクネス「罰当たりにも程があるだろう……エリス教徒の私としてはあまり聞き流したくはないぞ……」

アクア「じゃあ何よカテゴリって。エリスと私の何が違うのよ」

カズマ「エリス様は正統派ヒロイン枠」

アクア「……はい?」
8 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 19:57:06.33
カズマ「めぐみんはロリ枠、ダクネスはエロ枠、アイリスは妹枠、ウィズはお姉さん枠」

めぐみん「おい何度も言っているが、私をロリ扱いするのはやめてもらおうか!」

ダクネス「私だって他にも色々あると思うのだが……お嬢様枠とか」

カズマ「バツイチ枠とかな……うおっ、ちょ、やめろ落ち着け筋肉枠!」

アクア「あー、そういえば前にそんなこと言ってたわねあんた。確か私は……」


カズマ「ペット枠。つまり俺がちょむすけやゼル帝に欲情することがないように、お前にも欲情なんざするはずないってわけだ」


ウィズ魔道具店


アクア「ちょっとウィズいるわよね!? ウィズー!!!」ドカドカ

バニル「やかましい! もっと静かに入って来られんのか貴様は! 商品を落としたら買い取らせた上で即刻叩き出すぞ!」

アクア「うっさいわね雑魚悪魔! 今はあんたをぶっ飛ばしてる暇はないのよ!」
12 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 19:58:08.73
カズマ「アクアー、もういいだろ。流石に腹減ったよ、さっさと店行こうぜ」

アクア「いいわけないでしょうが!! ほんっっっっとにあったまきた!!!」

ダクネス「す、少し落ち着けアクア。あれのゲスな物言いはいつものことだろう?」

めぐみん「そうですよ、これはいつだってそうだったじゃないですか」

カズマ「なぁ、あれとかこれとかで人を指すのやめてくんない?」

ウィズ「ど、どうしましたアクア様!? そんなに血相変えて……」オロオロ

アクア「ウィズ、あんた心の声が聞こえる帽子持ってんでしょ!? それ貸して!」

ウィズ「あ、それならまだ一つだけありますけど…………はい、これですね!」スッ

カズマ「悪いなウィズ。いつも迷惑かけて。何か買って行くからさ……」

ウィズ「いえいえ……でも急にどうしたのですか?」

カズマ「大したことじゃないよ、よくあるコイツの暴走だ。俺の言葉が余程気に入らなかったみたいで、心の声を聞いて確かめてやるとか言ってんだ」
18 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 20:00:07.67
バニル「どうでもいいが、そこの騒音女にいられると営業妨害もいいところなので、さっさと用を済ませてそいつを引っ張り出すがよい。
    第一王女の婿となって城でちやほやされつつも、仲間の爆裂娘や鎧娘との爛れた関係を築いていきたいと思っている小僧よ」

カズマ「お前俺のこと呼ぶ度に俺の株落としまくるのやめろよ! めぐみんやダクネス、ウィズまでゴミを見るような目で俺を見てんじゃん!!」

アクア「いいからこれ被りなさいよクズマ! そして私の質問に心から答えなさい!」スッ

カズマ「わ、分かったって。ほら、聞けよ」

アクア「あんた、私のことペット枠とか本気じゃないわよね!? 本当は意識しまくってんでしょ!?」

カズマ『はぁ? 何言ってんだこいつ。……まぁ、でも、確かにペット枠ってのは流石になかったかもな』

アクア「っ!! そ、そうよね!! いくら何でもペット枠はないわよね!!!」


カズマ『そうだな。ちょむすけやゼル帝は愛嬌あるし、一緒にしたら可哀想だ。考えてみればアクアにピッタリな枠があったじゃん、年齢不詳のババ』

アクア「わあああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!!」ダダッ!!


バタン!!
20 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 20:02:02.72

カズマ「よし、ありがとなウィズ。帽子返すよ」スッ

ウィズ「え、えぇ……このくらいなら別に……」

ダクネス「今カズマは何と言おうとしたんだ? アクアのあの様子を見る限り相当ゲスいことなのだろうが……」

めぐみん「何にしても、まったく気にした様子を見せない辺りこの男らしいですね」

バニル「ふむ、やはり貴様は悪魔より悪魔らしいな。地獄の公爵である我輩が保証してやろう。次は悪魔に転生するが吉」

カズマ「ほっとけ!」


数日後 屋敷


アクア「ふふふ……ふふふふふふふ……」ニヤニヤ

めぐみん「アクア、何を笑っているのですか? かなり不気味なのですが……」

ダクネス「ここのところ、ウィズの店に通い詰めていたようだが……そのクッキーは何だ?」

アクア「よく聞いてくれたわね! これは惚れ薬よ!!」ビシッ

めぐみん「……あの、もしかしなくてもそれを」

アクア「そう、これをカズマのアホに食べさせるの! これであいつは私にメロメロって寸法よ!
    液体だとうっかり私が触れて浄化しちゃうかもしれなかったから、クッキーに練り込んでもらったの。よく考えたでしょ私!」
22 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 20:02:44.64
ダクネス「おい待てやめておけアクア、ウィズが作ったものだろうそれは? 何かろくでもないデメリットがあるに決まっている」

めぐみん「そうですよ、大方理性が吹き飛んで所構わず襲い掛かってくるとかそういうオチですって」

ダクネス「なに!? つまり……元々変態なカズマが更に無茶な性的要求を…………よし、それは現領主の娘であるこの私が責任をもって預かろう!」ハァハァ

めぐみん「いきなり発情しだすのはやめてくださいエロネス」ジト

ダクネス「し、してない!」ビクッ

アクア「ダメよダメよ! これは私がカズマに使うの! ダクネスがカズマのこと好きなのは知ってるけど、そこは譲れないわよ!!」

ダクネス「っ!? い、いや、ちがっ、私は……!///」

めぐみん「アクア、落ち着いて考え直してくださいよ。あんな男に好かれてもいい事ないですって」

アクア「別に私はカズマとどうにかなりたいってわけじゃないのよ。ただ、アイツが私のことまっっっっったく意識してないってのが腹立つの!
    まるでめぐみんやダクネスと比べて私に魅力がないみたいじゃない! 童貞ニートのくせに生意気よ!!」

めぐみん「……何でしょう、セリフだけ聞くと素直になれない恋する乙女のように聞こえなくもないのですが、アクアが言うと絶対違うと断言できますね」

アクア「そう、私はもっと甘やかされたいの! ちやほやされたいの! 色々貢いでもらったり、アイツをいい様にこき使ったりしたいの!!」

カズマ「なーにオタサーの姫みたいなこと言ってんだお前は」スタスタ
24 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 20:03:41.75
アクア「あ、カズマさんカズマさん! カズマさんに日頃の感謝を込めてクッキーを作ってきたの! 食べてもらえるかしら!!」スッ

カズマ「クッキーねぇ」ヒョイ

めぐみん「ま、待ってくださいカズマ! それは」アセッ


カズマ「お前が食え、この駄女神が」ガッ


アクア「もごっ!!!」ゴクン

めぐみん、ダクネス「「あっ」」

カズマ「ったく、どうせこの前の仕返しに何か盛ってたんだろ。その少ない知力で俺をはめられると思うなよ」ハァ

ダクネス「お、おい……お前なんてことを……!」

カズマ「ん、何だよそんなにマズイものが入ってたのか? でも大丈夫だろ、そいつ状態異常無効の神器が……あれ?」

めぐみん「あの羽衣なら洗濯中でしたよ……」

カズマ「えっ」

アクア「…………」ボー

カズマ「……おいアクア。アクアさん? 大丈夫か? 医者行くか?」ペチペチ


アクア「……あっ、い、いえ、大丈夫です。ご心配おかけしてすみません、カズマさん」ペコッ


カズマ「」
28 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 20:04:25.10
めぐみん「……さて、私は一日一爆裂に向かいましょうか。ダクネス、ついてきてくれますか?」

ダクネス「よし分かった。行こうか」

カズマ「待て待て待て! 真っ先に面倒事から逃げようとすんな!!」グイッ

アクア「あの……どうしました?」キョトン

カズマ「お前がどうしちゃったんだよ! お前はもっとこう、色々俗っぽくて頭が終わってて、いつも何かやらかしてる女神モドキだろ!! 何そのエリス様みたいなキャラ!!!」

アクア「……あ、あはは。確かに私の力が及ばず、カズマさんには助けられてばかりですね。本当に感謝しています」ニコ

カズマ「気持ちわるっ!!!!! ちょ、マジでそれやめてくんない!? 俺が悪かったから!!!!!」ゾクッ


アクア「えっ……」ポロッ


カズマ「!?」

アクア「ご、ごめんなさい……その、私……気持ち悪かったですか……? 私、カズマさんにだけは嫌われたくないです……」グスッ

めぐみん「うわぁ」

ダクネス「おいカズマ……流石にそれは酷いんじゃないか。度を過ぎた言葉攻めは私にだけにしておいた方がいいぞ」

カズマ「待って! 色々ほんと待って!! 悪かった、俺が悪かったから!!! なんか俺がとんでもないクズ野郎みたいになってるから!!!」
30 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 20:05:40.26

ウィズ魔道具店


カズマ「おいウィズいるよな!? ウィズー!!!」ドカドカ

バニル「やかましいわ! 今度は貴様か、爆裂娘の幼い体と鎧娘の豊満な体を同時に楽しめたら幸せだと常々妄想している小僧!」

カズマ「だからやめろって言ってんだろ! 俺の株はとっくに底ついてんだよ!! それよりウィズは!?」

めぐみん「それよりって流しましたよこの男」

ダクネス「まったく、二人きりでならともかく、三人でというのはいくら私でも遠慮したいのだが」ハァ

めぐみん「尻尾出しましたね! 二人きりならともかくとか言いましたよこの淫売!」ガッ

ダクネス「い、いい言ってない! 聞き間違いだ!!///」アセッ

アクア「あの、めぐみんさんもダクネスさんももう少しお静かに……お店にご迷惑がかかるので……」

バニル「……なるほど、これはまた妙なことになっているようだな。この発光女が関わっていると見通し難いのだが、貧乏店主が慌てて飛び出していったのはこれが理由か」

カズマ「飛び出していった? くそっ、入れ違いか!」


ウィズ「カズマさん! 良かった、来てくれていたのですね!」
31 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/16(土) 20:06:28.30
カズマ「ウィズ! 実は惚れ薬とやらで大変なことになってんだ!」

ウィズ「ごめんなさい! 私がそんなものを作ってしまったせいで……」ペコッ

カズマ「いいよ、どうせそこの駄女……あ、いや、アクアが無理言って作らせたんだろうし。それより」

ウィズ「はい、実はこの惚れ薬にある欠陥が見つかりまして……どうやら使った相手の人格が裏返ってしまうみたいなんです!」

カズマ「……なるほどな、すごく納得した。それで、何とかならないのかこれ?」

ウィズ「簡単に治されないようにとのことで作りましたので……薬の効果が切れるのを待つしかないです……」

カズマ「そっか……じゃあどのくらいで効果が切れるんだ? 半日くらい?」

ウィズ「一週間です」


カズマ「…………え?」


めぐみん「なるほど一週間ですか。では私はその間、里にでも帰って修行して強くなってきますね!」グッ

ダクネス「そうだな、私も実家でお父様の手伝いを……」

カズマ「おーい待て逃げるな! え、マジで!? 一週間もこれが続くの!?」

アクア「……あの、ごめんなさい。気持ち悪いようでしたら、私、宿を取ってそちらで寝泊まりしますので……」グスッ

カズマ「い、いいから! 屋敷にいていいから!! 頼むから泣かないでくださいお願いします!!!」
68 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:47:52.08

夜 屋敷


アクア「相変わらずカズマさんのお料理はとても美味しいですね! 私ではどんなに頑張っても、こんなに上手には作れないですよ」

カズマ「まぁ一応料理スキル取ってるからな俺」

アクア「……あの、やっぱりカズマさんはお料理ができる女の子のほうが好きですか?」チラチラ

カズマ「あー、そりゃできるに越したことはないんじゃねえか。女の子の手作り料理って、男的にはかなり心躍るものがあるし」

アクア「な、なるほど……私、もっとお料理覚えますね!」

カズマ「え、なに、お前俺のこと好きなの? 恋する乙女なの?」

アクア「っ!/// ぁ、ぅ……///」カァァァ

カズマ「なんだその反応!?」

めぐみん「こほん。イチャイチャしているところ申し訳ないのですが、一応私達もいることを忘れていませんか?」

ダクネス「こ、これは寝取られ系の新手のプレイか……? むぅ、しかしこれはあまり趣味ではないな……」

カズマ「おい待て違うぞ、今のはショック療法みたいなもんだ!
    もしかしたら『何言ってんのこの童貞、自意識過剰なんじゃないのプークスクス』的な反応と一緒に元に戻るかと思ったんだって!」
69 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:48:43.28
アクア「そんなこと言いませんよ! だ、だって、私はあなたのこと……///」モジモジ

カズマ「それ以上は言わなくていい! 何だこれ、シチュエーション的には大歓迎なんだが、相手がアクアってだけで何かの罰ゲームみたいだ!」

アクア「えっ……」グスッ

カズマ「いや、ちがっ、女神様がこんなクソニート相手に言い寄るなんて罰ゲームでもない限りありえないってことだから!」

アクア「そんなことありません! 私、カズマさんのことが好きです!」

カズマ「分かってる分かってる、“仲間として”好きなんだろ?」

アクア「“男性として”好きなんです! 愛しています!」

カズマ「…………お、おう///」

めぐみん「何を照れているのですかこの童貞は」ジト

カズマ「う、うるせえな、仕方ないだろ童貞なんだから! いくら相手がアクアでも、こんな真正面から好きとか愛してるとか言われたら動揺すんだよ!
    お前も見習えよ、好きとか言ってくるくせに微妙にはぐらかしやがって!」

ダクネス「今何と言ったカズマ! お、おい、めぐみん、どういうことだ!?」

めぐみん「し、知りません、知りませんよ!! 何のことですか!?」ビクッ

カズマ(この場面だけ切り取ると普通にハーレム系主人公なんだけどなー俺)
70 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:49:33.57
アクア「……やはりカズマさんにとって、私から好意を持たれるというのはご迷惑なことなのでしょうね」ショボン

カズマ「……アクア。これは中々自覚し難いことかもしれないけど、今お前はまともな状態じゃないんだよ。ウィズの店で聞いたと思うけど、その気持ちは惚れ薬によるもので」

アクア「えぇ、それは分かっています」

カズマ「えっ」

アクア「この気持ちは薬によって作られたものに過ぎません……それでも、この胸にはあなたへの愛が存在していることには変わりありません」

カズマ「…………」

アクア「こんなの自分勝手なワガママで、カズマさんを振り回しているだけだということは分かっています。
    それでも、今、私はあなたのことを愛しているのだということを、あなたに知っていてもらいたいのです」

カズマ「…………」

アクア「もちろん今以上の関係を望んだりもしません。
    ただ、例え一週間だけであったとしても、あなたを愛したアクアが確かにここにいたことを、たまにでいいですから思い出していただけたら嬉しいです」ニコ

カズマ「よし分かった。結婚しよう」ガシッ

めぐみん、ダクネス「「ちょっ!?」」
71 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:50:11.79

数分後


カズマ「おい何で俺、布団で簀巻にされてんだよダクネスみたいな趣味はないぞ。暑いんだが。つかアクアはどこだよ?」

めぐみん「うるさいですよこの淫獣。アクアは部屋に行かせましたよ、これ以上カズマと同じ部屋にいるのは危険ですので」ジト

ダクネス「それにこのくらいで暑いとはなんだ。これで暖炉に火でもくべれば、暑さも一周回って気持ち良」

カズマ「誤解だめぐみん、いくら俺でも今日はアクアと婚約するだけのつもりだったよ。手を出すのは明日からだって。心配するな」

めぐみん「今の言葉のどこに心配ない要素があるのか、紅魔族の知力でもちょっと理解できないですね! 大体、今のアクアは気持ち悪いとか散々言っておいて、何ですかその掌返しっぷりは!」

カズマ「いや最初は確かにアレだったけど、今のアクアの話を聞いている内に『この子、もう完全にあの駄女神とは別人だわ』って割り切れるようになってな。
    ていうか一週間と言わず一生あれで良くね? ウィズに頼んであの薬を更に強力にしてまた食わせようぜ。あの駄女神は最初から存在しなかったってことで」

めぐみん「もはや人でなしという言葉さえ生温いことを言ってますね! カズマが言うと冗談に聞こえないのですよ!」

カズマ「えっ…………あ、あぁ、流石に冗談だって! いくらあの駄女神相手でも、人格抹消なんて真似するはずがないだろHAHAHA」

めぐみん「…………この男、下手すると人類にとって魔王よりもよっぽど害になるのでは……」

カズマ「まぁめぐみん、よく聞けよ。俺は何も自分の欲求を満たすためだけに女神状態のアクアとくっつこうと思っているわけじゃないんだ」

めぐみん「……話だけは聞きましょうか」
72 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:51:15.13
カズマ「考えてもみろ、今のアクアは一週間限定だ。一週間後には今の女神アクアは消えて、駄女神アクアに戻ってるんだ」

めぐみん「まぁ……そうなりますね……」

カズマ「ここまで言えばお前なら分かんだろ! 可哀想だろ! 今の女神アクアからすれば、一週間後に自分は消えちまうんだぞ! 怖いだろ、悲しいだろ!」ビシッ

めぐみん「うっ」タジタジ

カズマ「そんな女神アクアに、お前は自分の気持ちを抑えたまま一週間後に消えろって言うのか! 鬼畜だなんだ言われてる俺でも、流石にそんなことは言えねえよ!
    少しの時間しか残されていないなら、せめて最大限幸せに過ごさせてやるのが人として当然の行いだろ!」

めぐみん「い、いや、しかしですね…………くっ、分かりました、この一週間限定で彼女の気持ちに応えてあげるというのはいいでしょう。
      ですが、婚姻関係やら肉体関係やら、その場限りではすまないようなことをやらかすのはいかがなものでしょう! 人格は変わっても、籍や身体は変わらないのですよ!」

カズマ「少なくとも籍は、そこのバツネスに頼めば後で何とかなるだろ。な?」

ダクネス「む、無視からの放置プレイ……これは中々……! はっ、ど、どうした私に何か用か!?」ビクッ

めぐみん「で、ですが、身体はどうするのですか! カズマだってふと気が付いたら雌オークに童貞を奪われた後だったらショックでしょう!」

カズマ「おいコラ、さらっと俺をオークと同じ扱いしやがったなコノヤロウ。別にどうでもいいだろアクアの処女なんて」

めぐみん「な、何の迷いもなく言い切りましたねこのクズ男!」

カズマ「つーかお前やたら絡んでくるけど何なの? 俺のこと好きだから他の女の子で童貞卒業してほしくないの? それならアクアとやる前にお前からでもいいけど?」

めぐみん「黒より黒く、闇より暗き漆黒に」ゴゴゴゴゴゴ

カズマ「…………めぐみん? めぐみんさん? ちょっ……おい!? 冗談だよな? 冗談ですよね!? 待って、詠唱止めて!!
    俺が悪かった、俺が悪かったから!! 調子乗ってごめんなさいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっ!!!!!!!」
73 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:52:05.01

次の日 ギルド


カズマ「なぁアクア。俺達、正直金には困ってないし、わざわざ危ない仕事するのは気が進まないんだが……」

アクア「ですが、近頃ジャイアントトードが増えてきていて被害も出ていると聞きました。放っておけません!」

カズマ「……お前あのカエルにはトラウマなかったか?」

アクア「うっ……ま、まぁ、確かにちょっと……いえ、かなり怖いですけど、そうも言っていられません。私はこの世界の人達に笑顔で暮らしてほしいのです」

めぐみん「き、昨日のカズマの言葉ではありませんが、本当にもはや別人ですね……」

ダクネス「よし、カズマ! アクアがこれだけ言っているのだ、腹を括れ! そう、これは民の為だ!」ハァハァ

カズマ「いい事言うなら発情しながら言うなこの変態が。……はぁ、つってもなぁ、俺もあのカエルあんま好きじゃ」

アクア「ダメ……でしょうか?」ウルウル

カズマ「ダメじゃないです。今すぐ行こうか」キリッ

めぐみん「この男、相変わらず何というちょろさですか」ジト


クリス「お、助手君に皆! クエスト受けに来たの? 意外だね、もうお金持ちなのに」


カズマ「ふっ、いくら金を持っていようと冒険者は冒険者。この街の皆の為にクエストをこなすのは当然の義務だろ?」キリッ

クリス「わーかっこいー。で、本当はどうしたの?」
74 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:52:41.32
めぐみん「ジャイアントトードを狩りに来たのです。アクアが放っておけないとのことで」

クリス「あー確かに最近増えてるって…………え、アクアさんが……?」

アクア「はい、ジャイアントトードの恐ろしさは、私が身を持って経験しています。あのような脅威に一般の方々が晒されているというのに、じっとなんてしていられません」

クリス「……?????」

カズマ「ていうかお頭は昼間っから酒かよ、神器集めの方はいいのか?」

クリス「今はこれといった情報はないかなー。いや、ちらほら話は聞くんだけど、大体デマなんだよね。でも、確かな情報が入ったらその時は頼むよ!」グビグビ

ダクネス「あぁ、ぜひとも真っ先に私に教えてほしいものだな。非合法なことはせずに」ジロ

クリス「うっ、わ、分かってるってばー!」アハハ

アクア「神器集めでしたら、私も喜んでお手伝いいたしますので、遠慮無く言ってくださいね。詳しくは言えませんが、私も神器に関しては積極的に関わるべき立場にありますので」

クリス「」ポロッ

ガチャーン!!

アクア「わっ! あ、あの、グラス落としましたよ?」


クリス「ど、どうしたんですかアクア先輩! 大丈夫ですか、頭打ったんですか!? それとも何かの病気ですか!?」ガッ

アクア「えっ……えっ……!?」オロオロ


カズマ「お、落ち着けって! 違うキャラ出てきてるから! ちょっとこっち来い!」グイッ
75 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:53:37.64

数分後


クリス「……なるほど、そういうことだったんだ。ビックリしたよほんと」

カズマ「気持ちは分かるけどさ……つか今更だけど真面目に仕事しようとして、あそこまで驚かれる女神ってどうなんだ。
    まぁ、一週間後には元通りだから。それまでは適当に結婚したり一発やったりして過ごすつもりだ」

クリス「そっか、それなら良かっ…………ねぇ、最後の方なんて言ったの?」

カズマ「そういえばアクアって処女なの?」

クリス「しょっ……!? 助手君、自分が何言ってるか分かってる!?///」カァァァ

カズマ「あはは、顔真っ赤にしてエリス様は可愛いですね。エリス様も処女なんですか?」

クリス「うるさいですよ、うるさいですよカズマさん! 女神をそういう目で見ていると、本当にバチ当てますからね!」


平原


カズマ「アクア、運が上がる魔法頼む!」

アクア「はい! 『ブレッシング』!」

カズマ「狙撃!」

ズドドドドドド!!!

カエル「グェ……」ガクッ

めぐみん「おぉ、今回はカエルの数がかなり多いので危ないかもと思いましたが、意外と楽に終わりましたね」

ダクネス「あぁ、迅速な支援魔法のお陰で、前衛の私が捕食されることもなく……はぁ……」

カズマ「おいお前、ちょっと残念だとか思ったか?」

ダクネス「お、思ってない」
76 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:54:23.79
ボコボコ……!!

アクア「皆さん、まだ終わっていませんよ! 向こうでまた湧き出してきました!」

めぐみん「うわっ、かなりの数ですね……あれだけ固まっているなら、私の爆裂魔法にて一網打尽にできるのですが……」

カズマ「お前はもう今日の分撃っちまってるだろ、大人しくしてろ。一度に全部ってのは無理だと思うが、また俺の狙撃で何とかするから」

ダクネス「安心しろカズマ、何体か撃ち漏らしたとしても、私が食われることで動きを止めよう!」ハァハァ

カズマ「食われること前提かよこの変態! とりあえず、アクア! またさっきの魔法を頼む!」

アクア「あのカズマさん、デストロイヤー戦の時のようにドレインタッチで私の魔力をめぐみんさんに分け与えて、もう一度爆裂魔法を撃ってもらうというのはどうですか?」

カズマ「えっ、い、いや、でもお前、もうあれはやりたくないって……神聖な女神の魔力がどうのこうのとか……」

アクア「そんなこと言っていられないでしょう! 皆さんのお役に立てるなら、この魔力いくらでも使ってください!」

カズマ「わ、分かった。おいめぐみん、こっち来い! もう一発爆裂魔法だ!!」
77 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:54:57.47

ギルド


カズマ「儲かった儲かった。金はいくらあってもいいもんだ!」

めぐみん「……何でしょう、日に二度も爆裂魔法を撃てたのは良かったのですが、調子が狂うというか私達にしてはスムーズに行き過ぎというか」

カズマ「いやいやいやいや、これが普通なんだよ! 毎度毎度トラブルだらけで食われまくり死にまくりってのがおかしいんだ!」

ダクネス「ふむ、やはり今回これほどまでに上手くいったのは、アクアの働きによるものが大きいのではないか?」

アクア「えっ、そ、そんな、私なんて……」

カズマ「……確かにな。いつもだったら、支援魔法一つ使う度に『この私の支援魔法をタダで受けられると思わないことね! 一回毎にカエルの唐揚げ一つよ!』とか馬鹿なこと言って、
    その間に頭からパクっといかれるパターンだったろうな。めぐみんにも快く魔力を分けてくれたし、本来能力的には普通に優秀なんだよなアクアは」

アクア「いえいえ、私はあくまでサポートをする立場ですのでこのくらいは…………あれ、カズマさん? 頬が少し切れているようですね」

カズマ「お? あー、たぶん爆裂魔法で飛び散った破片とかで切ったのかな。このくらいなら別に放っておいても」

アクア「『ヒール』! ダメですよ、小さな傷でもバイキンが入ったら危ないです」ニコ

カズマ「女神様だ……この人本物の女神様だ……! いつもみたいに『そのくらいの傷、ツバでもつけときなさいよ』とか言わない!!!
    あの、アクア様。実は人前には出せないところも怪我してるんですけど、後で俺の部屋に来て治してもらえませんか?」ガシッ

アクア「え、ええっ!?///」
78 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:55:45.32
めぐみん「ウソです! 絶対ウソです!! 行ってはいけませんよアクア!!」

ダクネス「そうだ、この男の部屋で二人きりとか何があってもおかしくない!」

カズマ「……ダクネスは祭りの時、夜に一人で自分から俺の部屋に来たくせに」

めぐみん「!? なっ、ダ、ダクネス、あなたやっぱり完全なビッチではないですか!!!!!」

ダクネス「ま、待て! あれはただお礼がしたかっただけで……!」

めぐみん「つまりそのお礼で体を差し出したということですか!!!」

ダクネス「いや、ちがっ……まだキスまでしかしていないぞ!」

めぐみん「きっ……ダクネス! そろそろ色々とハッキリさせた方が良さそうですね!! 酒場に行きますよ、吐くもの吐いてもらいます!!!」

ダクネス「は、吐くものなど何も……おい、めぐみん、カズマの奴がアクアとどこかに行こうとしているぞ!」

カズマ「どこかって、お前らの邪魔しないように、二人で屋敷に戻ろうとしてるだけだぞ」

めぐみん「何しれっと二人きりになろうとしてるんですか。行かせませんよ」

アクア「あの、ごめんなさい、私ちょっと教会の方に顔出しておきたいなと思っているのですが……施設が新しくなってごたごたしていると聞いたので」

ダクネス「うむ、行ってくるがいい。この男は私達が抑えておこう」

めぐみん「アクアもカズマには気を付けてくださいね。この男は下半身だけで動いているような獣なんです」

カズマ「お前それは言い過ぎだろ! 金でも動くし!!」

アクア「あ、あはは……それでは行ってきます」ペコッ

スタスタ……
79 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:56:17.37
カズマ「はぁ、可愛いなぁアクア様。やっぱもう一生あれでいいんじゃ…………あ、悪い、俺もちょっと行くところあるからこれで」

めぐみん「待ってください。どこ行く気ですか」ガシッ

カズマ「ど、どこでもいいだろ、お前は俺の嫁か! それならまず段階踏んでからだな」

めぐみん「行き先はウィズのお店ではないのですか?」

カズマ「いっ!?」ギクッ

ダクネス「カズマ……お前まさか……」ジト

カズマ「た、確かにウィズの店に行こうとは思ったけど、ただの買い物だって! あそこには色々と便利なものがあるからな!」

めぐみん「例えば惚れ薬とか?」

カズマ「…………」

めぐみん「…………」

ダクネス「カズマ、考え直せ。確かに以前のアクアには色々と問題があったとは思うが、悪いところばかりでもなかっただろう?」

カズマ「……そこをどいてもらおうか。いいか、男には決して譲れないものがあるんだ」

めぐみん「行かせませんよ。えぇ、行かせませんとも。ここを通りたくば私達を倒していくことです」

カズマ「おい馬鹿な真似はよせ、俺達仲間だろ? 俺だって大切な仲間を公衆の面前で全裸に剥くなんてことしたくないんだ」ワキワキ

めぐみん「やれるものならやってみるがいいです! そんなことをすれば、明日あなたは欠片も残さず消し飛ぶことになりますがね!!」

カズマ「はっはっはっはっ! つまり明日までは何もできないってことだろ!! それだけ時間もらえれば、俺にだっていくらでもやりようはあるんだよ残念だったな!!」

ダクネス「いや、ここでスティールを使えば即逮捕に加えて、私の家の力で一生檻の中にいてもらうが」

カズマ「け、権力は汚いだろ!!!!!」
80 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:57:14.70

教会


アクア「あの、やっぱり私、何かお手伝いを……」

セシリー「いえいえいえ、アクア様はどうかそこでゴロゴロしながらお酒でもどうぞ!」

アクア「流石にそこまで甘やかしていただかなくても…………あれ、何ですかこのチラシ」ピラッ

セシリー「それは今度行おうと思っている人形劇の宣伝ですアクア様。子供でも楽しめるような布教を、とのことで始めようと思っています」

アクア「なるほど、それはよい考えですね! どのようなお話なのですか?」

セシリー「ふふ、脚本はこの私が考えさせていただいた自信作です! アクア様の偉大なるご加護を受けたパーティーが、大冒険の末に邪神エリスを打ち倒すという物語で……」

アクア「それはそれは、とても心躍りそうな…………え? あ、あの、邪神の……何と言いましたか?」

セシリー「邪神エリスです、アクア様。最後はカズマさんのスティールで裸に剥かれ、めぐみんさんの爆裂魔法で吹き飛ばされた後にアクア様によって浄化されます」

アクア「待って! 待ちなさい!! それはダメです、何を考えているのですか!?」

セシリー「えっ…………あ、す、すみませんアクア様!」

アクア「……はぁ、分かってもらえるならいいです。今すぐ脚本の書き直しをお願いします。いくら何でもエリスをそんな」

セシリー「で、ですよね、エリスなんかをそんなラスボスなんて美味しい立ち位置にするなんて……申し訳ございません! 序盤に虫けらのように倒されるモブに変更いたします!」

アクア「はい!? ち、違いますよ!? そういう意味で書き直すように言ったのではありませんよ!?」
81 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:58:14.73
セシリー「…………な、なるほど! ではカズマさんのスティールでエリスを裸に剥くという所がお気に召さないのですね!」

アクア「そういうことではなくて! あ、いえ、確かにそこもどうかと思いますが!」

セシリー「確かに、考えてみればカズマさんは、この世のものとは思えない美貌に内面の美しさを持ったアクア様の虜になっている設定。
     つまり、エリスのようなアバズレなんて女として見るはずもなく、裸に剥くなんてことはしないということですね!」

アクア「違います!!! ……え? カ、カズマさんがわた、女神様のと、虜に……?///」

セシリー「はい、アクア様の側にいて、虜にされない男など存在いたしません」

アクア「そ、そんなことありませんって……あの、それで、女神様とカズマさんは最後は結ばれたりとかは……///」

セシリー「ご安心を、もちろんそんなことはありません」

アクア「ええっ!?」ガーン

セシリー「アクア様のような偉大なお方が、たかだか一冒険者であるカズマさんなどに靡くはずもありませんからね。
     カズマさんの分不相応な恋は決して叶わずに、アクア様は天界へと帰ってしまうのです」

アクア「そ、そんなことはないと思いますよ……? その、カズマさんは素敵な男性だと思いますし、例え女神様でも恋することだってあるのではないでしょうか///」

セシリー「」
82 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:59:06.49
アクア「……? どうしました?」

セシリー「あの、とても失礼なことをお聞きしますが、まさかアクア様は…………カズマさんのことが好きなんですか?」

アクア「っ!! え、あ、あの…………はい/// 他の方には内緒ですよ?///」

セシリー「!!!!!?????」

アクア「そ、そんなに私が恋をしていることが意外ですか……?」

セシリー「……は、はい、正直かなり驚きましたが…………分かりました! そういうことでしたら、私達にお任せくださいアクア様!!」グッ

アクア「……えっ?」

セシリー「大丈夫です、私達が全力でアクア様のサポートをいたしますから!」

アクア「は、はぁ……お願いします……?」


次の日 屋敷


ドンドン!!


「おいカズマ起きろ! 大変なことに……何だ、何をするめぐみん!」

「落ち着いてください、今ここでカズマを起こしてもろくなことになりませんよ! この男がどんな反応をするか考えてみてください!」

「……なるほど、それもそうだな。分かった、ここは私達だけで何とかするか。アクアは?」

「すぐに教会の方へ飛び出して行きましたよ。私もギルドへ行って何とか誤解を解いてみます」

「よし、それなら私は家の力でこれ以上情報が広まらないようにしてみよう」

カズマ(……なんだ? 朝からうるさいな…………まぁいいや、二度寝二度寝……)
83 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 17:59:40.25

数時間後 街中


カズマ(起きたら屋敷に誰もいなかったけど、皆どっか遊びに行ってんのか? アクアとデートしようと思ったのに)スタスタ

カズマ(……それにしても)


「よ、カズマ! この幸せもん!」
「ったく、ちょっと金持ったらこれだからな! たまにはギルドにも顔出せよー」
「これを機に、ちょっとは変態鬼畜っぷりを直せよな!」


カズマ「あー、おう、今度酒でも奢ってやるよー!」

カズマ(なーんか周りの奴らがやたら俺に絡んでくるな。確かに金はあって幸せではあるんだけど)

カズマ「お、あれは…………おーい、ダスト! ちょうどいい所にいた、アクア達がどっか行っちまって暇なんだよ、適当に遊ばね?」

ダスト「ん、おう、噂のカズマさんじゃねえか! 何だ何だ、準備とか色々あんだろ、女任せでいいのかよ?」ニヤニヤ

カズマ「は? 準備? いや別に準備するようなことなんて何もねえよ、クエスト行く気もないし。それより、ほら、酒飲んだ後に例の店とかどうよ?」

ダスト「おいおい、お前流石に結婚前のこのタイミングであの店行くのはどうなんだよ。まぁ、クズマらしいって言えばクズマらしいが」

カズマ「誰がクズマだお前にだけは言われたく…………おい待て、今なんて言った」
84 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 18:00:11.30
ダスト「いやだから、このタイミングであの店行くのはどうなんだよって」

カズマ「その前から!」

ダスト「結婚前のこのタイミングで」

カズマ「…………は? お前何言って」

アクア「カズマさん、カズマさん!!!」ダダッ

カズマ「なんだアクア、どうしたそんなに慌てて」

アクア「大変なんです! その、わ、私、もうどうしたらいいか……!」オロオロ

カズマ「落ち着けって。何があったんだ? 例の惚れ薬関係か?」

アクア「いえ、それが」

ダスト「何だ何だ、新婚のお二人さんだけで内緒のお話か? アツいねー」ニヤニヤ

カズマ「は???」

アクア「っ///」カァァ


「お、カズマにアクア! お幸せにな!!」
「式はアルカンレティアでだっけか? 絶対冷やかしに行ってやるからなー!」
「カズマ! 嫁さんできたんだから女遊びはもうやめとけよー!」


カズマ「…………おい。これってまさか」
85 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 18:00:43.65

セシリー「そのまさかよカズマさん! あなたはアクア様と結婚してもらいます!」


カズマ「…………」

アクア「セシリーさん、ですから私はそんな話をした覚えはないと」

セシリー「アクア様、あなたから好意を寄せられてその気にならない男などいません! つまり二人は両想い!
     ですが、カズマさんにはめぐみんさんを始め、女の影がちらほら見えます。ですので、手早く結婚してしまうのが最善だと判断いたしました!」

アクア「……カズマさん、どうやらセシリーさんが私とカズマさんが結婚するとアルカンレティアのアクシズ教団本部の方に報告して……それで……」

カズマ「世界中のアクシズ教徒がこのことを振れ回りまくって、もはや俺達は世界公認の夫婦になってるってことか」

アクア「は、はい……」

カズマ「……セシリーさん」

セシリー「なによ? まさかアクア様からの好意を受け取れないなんて罪深いことを言うつもりじゃ……」


カズマ「よくやった! グッジョブ!!」グッ


アクア「!!!!????」

カズマ「街の皆も祝福ありがとう! 俺とアクアは末永く幸せに暮らしていくからよろしく!!」

アクア「ちょっ、カズマさん!?///」

セシリー「さっすが! それでこそカズマさんね!」


「ヒューヒュー!」
「街中で惚気けてんじゃねえぞカズマー!」
「ちくしょー、羨ましいぞこの勝ち組がー!」
86 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 18:01:58.66

夜 屋敷


ダクネス「…………カズマ、何か言うことはないか?」

カズマ「え、ご祝儀は三万でいいでででででででででで!!!!!」ギリギリ

ダクネス「お前という奴は!! お前という奴は!!!!! どうするのだ本当に!!!!!」

めぐみん「まさか一日中街を巡って結婚報告するとは思いませんでしたよ……アクアなんて完全にショートしてるじゃないですか」

アクア「//////」ポー

カズマ「別にいいだろ、もう世界中に知れ渡ってるんだし。今更だろ」

ダクネス「アクシズ教徒に関しては数はそれ程でもないのだがな……行動力が尋常ではないところが厄介なんだ……」ハァ

めぐみん「カズマ、本当にアクアと結婚するつもりなのですか? 五日後には元のアクアに戻っているのですよ?」

カズマ「だからこそだろ。式はちょうど五日後、アクアが惚れ薬を食ったのは昼過ぎだから、正午の式にはギリギリ間に合う。俺も幸せ、アクアも幸せでウィン・ウィンだ」

めぐみん「その後はどうするのですか! すぐ離婚ですか!?」

カズマ「うん。ダクネス、お前の家の力で俺達の戸籍は綺麗にしといてくれよ。バツイチとか嫌だしな」

ダクネス「ここまでさらっとゲスいことを口走る男を、私は他に知らないぞ……」

カズマ「ほ、褒めるなよ」

ダクネス「褒めてない! というか、もう籍がどうとかいう話ではないぞ! 式には最高責任者のゼスタ殿を始め、世界中のアクシズ教徒が集まるのだぞ!?
     そんな世界規模で大々的に式を挙げておいて、すぐ離婚などしたら頭のおかしいアクシズ教徒が何をやらかすか分からないだろう!!」

カズマ「…………その発想はなかった」
87 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/19(火) 18:03:06.57
めぐみん「この男、目先の欲望に全力で他に何も考えていなかったんですか……しかし、アクシズ教団内でのアクアの扱いは凄いですね。
     まさか本物の女神アクアだと思っているのではないでしょうね」

カズマ(そ、そういや、アクシズ教徒の奴らはアクアの正体知ってるんだよな……やばい、本当に洒落にならないんじゃないか……?)

カズマ「ま、まぁ、女神扱いってのはないだろ流石に……この前の祭りの功績で立場的に偉くなってるとかそんなだって。
    よし、こうしよう。やっぱり惚れ薬を使って、これからもアクアは今のままで」

めぐみん「却下です」

カズマ「ちょっと待てって! どうせアクアの奴も、元に戻ったらギャーギャー騒いで俺と離婚しようとするぞ!?」

ダクネス「そしたらカズマは、アクアに惚れ薬を使って本人の意思を捻じ曲げて結婚まで持ち込んだ男、ということで世界中のアクシズ教徒から襲撃されるだろうな。
     その後、カズマがどんな日々を送っていくのか、少し羨ましくもある。あの連中は本当に容赦ないからな……!」ゾクゾク

カズマ「……ど、どこか遠いところに逃げるとか」

めぐみん「アクシズ教徒は数は少ないですが世界中に散らばっていますから、どこかで見つかるでしょうね」

カズマ「…………」チラッ

アクア「…………?///」ポー

カズマ「…………お助けくださいアクア様」ポツリ

アクア「ふぇ? ふ、ふふ……では子供は二人……男の子と女の子で……///」ポー

カズマ「アクア様ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!????」
127 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:39:10.40

次の日 ウィズ魔道具店


カズマ「俺の考えた計画はこうだ。まずはバニル、お前はアクアに化けて式に出てもらう。それで式の途中で『残念、我輩でした!』って変身を解くわけだ。
    そうなりゃ初めから全部お前が仕組んだことでしたってことにして一件落着って寸法よ」

バニル「断る。なぜ我輩がこの女なんぞに化けねばならんのだ。そもそもそんなことをすれば、我輩が頭のおかしいアクシズ教徒に追われ、ここにはいられなくなるわけだが」

カズマ「頼むよバニル様あああああああああああああああ!!! あなた様だけが頼りなんです!!!!!」ガシッ

バニル「ええい鬱陶しい、離せ! もし本当に結婚するなら家柄的に第一王女か鎧娘が良いと考えている小僧!」

ダクネス「なっ……ま、まったく、お前は相変わらずろくでもないことを……///」ソワソワ

めぐみん「なに満更でもない顔してるんですかダクネス」ジト

ウィズ「ほ、本当にごめんなさい! 元はと言えば私が作った薬のせいで……」ペコッ

カズマ「いや謝らなくていいって、悪いのはそれを無理矢理作らせたアクアだ。こいつがこんなことになったのも自業自得だしな」

アクア「ごめんなさい……」

カズマ「ち、違うぞ!? 今のアクアじゃなくて、前の駄女神ってことだからな!?」

ダクネス「ややこしいな……あ、そうだウィズ。一応言っておくが、カズマがどれだけ頼んでも例の惚れ薬は渡さないようにな」

ウィズ「え……でも先程カズマさんが、薬について調べたいから少し貰いたいと……」

カズマ「おいいいいいいウィズ!?」
128 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:40:25.86
めぐみん「カズマ、選んでください。今すぐ薬を出すか、この場で消し飛ぶか」

カズマ「はっ、俺はそんな脅しには屈しないぞ!」

めぐみん「脅しだと思いますか? いい加減長い付き合いですし、私の頭のおかしさは良く知っているでしょう?」ニコ

カズマ「…………め、めぐみん?」

バニル「待てやめろ爆裂娘。見えるぞ、貴様本気でこんな所でやるつもりだな? 早く差し出すがいい小僧」

カズマ「分かった、出す! 出すから落ち着け!!」スッ

ダクネス「……ウィズ、渡した薬はこれで全部か?」

ウィズ「あの……少ないような……」

カズマ「ウィズううううううっ!? いでででででででででで!!!」

ダクネス「無駄な抵抗はやめろ、さっさと全部出せ。何なら私が出してやろうか」ゴソゴソ

カズマ「きゃーララティーナお嬢様のえっちー! 痛い痛い痛い痛い!!!!! 分かった、俺が悪かったからあああああ!!!!!」

ダクネス「まったく、お前という奴は」パッ

カズマ「うぅ……」ズキズキ

アクア「だ、大丈夫ですか? 『ヒール』!」

カズマ「あぁ……俺の癒やしはアクア様だけだ……」
129 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:41:14.59
ダクネス「なぁ、ウィズ。この惚れ薬はもう処分してしまった方がいいのではないか?」

ウィズ「そうしたいのは山々なのですが、何か他に深刻な副作用が出た時に調べる為に、全て処分してしまうわけにはいかないんです……」

バニル「その薬は店の地下室の一番奥に保管しておくので、安心するがいい。この破産店主が大量に仕入れたガラクタを地下に移すつもりであったしな」

ウィズ「ガラクタなんて酷いです! 凄いものなんですよあれは!」

アクア「……そういえば、このお店からは何か強力な聖なる力を感じますね……聖水? 普段置いているものとは違うようですが」

バニル「流石は腐っても女神か、確かに仕入れたものは強力な聖水。しかも我々の持つ邪悪な魔力で発動されたスキルでは干渉もできんし、見た目では水と区別もできん代物だ。
    故に我輩やこの駄目店主は、取り扱いに十分注意しなければ大惨事になりかねん。そんなものを大量に仕入れる神経が理解できんわ」

ダクネス「だが、まったく売れないということもないのではないか? 元々普通の聖水はそれなりに売れているのだろう?」

めぐみん「……値段ですね」

バニル「その通り、とんでもなく高価であるが故に、余程報酬の良いクエストでもなければ大赤字になること間違いなし。
    加えて、強力過ぎて我輩やこの店主クラスが相手でもなければオーバーキルもいいところで、この街のクエスト程度なら通常の聖水で事足りてしまう。お一つどうか?」

カズマ「いらない」
130 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:41:46.84

夜 屋敷


カズマ「さて、どうしよう?」

めぐみん「どうしようもないのでは? 今までありがとうございましたカズマ。好きでしたよ」

カズマ「好きとか言うなら諦めんなよ! 頑張れめぐみん、お前は出来る子だ。その高い知力は一体何のためにある!?」

めぐみん「そんなもの、爆裂魔法を撃つために決まっているではありませんか」ドヤァ

カズマ「この爆裂脳が! やばいやばいやばい、ホントやばいぞ、どうすんだこれ!!」

ダクネス「落ち着けカズマ。ここまで来てしまったのなら、もはや覚悟を決めアクシズ教徒からの仕打ちを甘んじて受け止めるしかないだろう///」ハァハァ

カズマ「なに頬赤らめてんだド変態! 俺にそんな趣味はないんだよ!!」

アクア「……ごめんなさい、これも私がカズマさんのことが好きだとセシリーさんに言ってしまったことが原因で……」

カズマ「あー、えっと、アクアは気にすんなよ。いくら口が滑っちゃったんだとしても、信者の奴等が暴走し過ぎだ」

めぐみん「あのカズマがここまでアクアに優しいのは本当に珍しいですね。ぶっちゃけ、ちょっと気持ち悪いです」

カズマ「あのな、一応言っとくが、俺はまともな女の子には普通に優しく接するぞ? 誰彼構わず鬼畜っぷりを発揮するカズマさんじゃないぞ?」

ダクネス「な、それではまるで私達がまともではないようではないか!」

カズマ「うん、そう言ってるんだよ。変態ドMクルセイダー」

ダクネス「んんっ!!///」ビクン
131 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:42:18.44
カズマ「大体、手はあるんだよ。惚れ薬でアクアの人格を今の状態に固定するって手がな。これなら俺もアクアも離婚しようとは思わないし、全部上手くいくのに。
    それをお前らが反対するから!」

めぐみん「当たり前でしょう! そんな悪魔の手、誰が使わせると思いますか!!
     確かに普段のアクアは結構……いえ、かなりアレですが、それでも人格を消されるのはいくら何でも可哀想です!!」

カズマ「あー、そこはほら、その内俺達が本当にピンチになった時とかに、覚醒してひょっこり元に戻るかもしんないじゃん。うん、大丈夫大丈夫」

めぐみん「何という曖昧かつ、いい加減な根拠! させませんよ! 例の惚れ薬は、カズマには絶対に渡さないようにウィズに言ってありますから!」

カズマ「ぐっ……こんな時だけ常識人みたいなこと言いやがって……!」

アクア「あの……私に一つ考えがあります」

カズマ「お、何だアクア! 何でも言ってくれ!!」

アクア「この結婚式は私がカズマさんに仕掛けた壮大なドッキリということにするのです。ネタばらしは式場にて大勢のアクシズ教徒の皆さんの前でします。
    信者の方々を騙す形になるのは心苦しいのですが、カズマさんに危害が及ぶよりはずっといいです」

ダクネス「……ふむ、ドッキリか。しかし信者達はそれをまともに信じるだろうか?」

めぐみん「確かにアクシズ教徒ですし何か曲解してくる可能性はありますが……やってみる価値はあるかもしれないですね。
     特に以前までのアクアであれば、そんな馬鹿げたこともやりかねませんし説得力もあります」

カズマ「ドッキリ……か」
132 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:42:59.64
………
……


神父「汝サトウカズマは健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時もこの者を妻として愛し続けると誓いますか」

カズマ「誓います」

神父「汝アクアは健やかなる時も、病める時も、富めるときも、貧しき時もこの者を夫として愛し続けると誓いますか」

アクア「違うわけないでしょ」


全員「「!?」」ザワワッ


アクア「…………ぶっ、あーはっはっはっはっはっはっはっ! あれをご覧なさいな!」ビシッ

カズマ「あれは……立て札? なっ、『ドッキリ成功!』だと!?」

ザワザワ

「ドッキリ?」
「ではアクア様は別にあの男のことを愛しているというわけではない?」
「確かにおかしいとは思ったんだ。あんなどこにでもいそうな男を……」

アクア「まんまと騙されたわねカズマ! あんたみたいなヒキニートがこの私と結婚できると思った? プークスクス!」

カズマ「お、おま……」ブルブル

アクア「それにしても真面目な顔で『誓います(キリッ』ですって! あははははははははははっ! ちょーウケるんですけど!!!」バンバン!!

カズマ「ああああああああああっっ!!! やめろおおおおおおおおおお!!!」

アクア「あーはっはっはっはっ! これに懲りたら、これからは私をぞんざいに扱わずに崇め、敬い、甘やかしまくることね!!」
133 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:43:29.03
………
……


カズマ「…………確かにいけそうだ」

ダクネス「しかし、そんなことをやらかせば、流石にアクアの立場が危ういのではないか?」

めぐみん「そうですね……アクシズ教徒は行動が読めないところがありますから実際どうなるかは分からないですが、普通はただでは済みませんよね」

アクア「……それは覚悟して受け止めるつもりです。惚れ薬といい結婚のことといい、原因は私にあるのですから」

カズマ「アクア、お前……」

アクア「ふふ、大丈夫ですよカズマさん。私はカズマさんが無事ならそれだけで満足です」ニコ

カズマ(大丈夫なわけないだろ……アクアは信者達をあれだけ大切にしていた。それなのに)

カズマ「……まだ結論を出すのは早いだろ。それは最終手段ってことにして、もっと他の手を考えようぜ」

アクア「カズマさん……」

めぐみん「……カズマがまるで真っ当な人間のようなことを言っているのですが」

ダクネス「いや落ち着けめぐみん。この男はたまにちょっと格好良く見える時もあるが、すぐボロが出るものだ」

カズマ「おい言いたい放題だなちくしょう! 否定出来ないけども!!」
134 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:44:02.86

次の日 ダスティネス家


カズマ「いやー、まさかアイリスが俺とアクアの結婚を祝いに来てくれるなんてな」

ダクネス「……お前達、何度も言っているが、あまり粗相のないようにな。打ち解けたとは言え、相手が王族であることを忘れるなよ」

めぐみん「ふっ、それは相手の出方次第ですね。性懲りもなくカズマのことをお兄様などと抜かすようでしたら容赦しません」

カズマ「俺的にはお兄様よりお兄ちゃんの方がぐっとくるんだけどな」

ダクネス「おい分かっているな!? 絶対に何かやらかすなよ!?」

アクア「あの、アイリス様には本当のことを言った方がいいのでしょうか?」

カズマ「あぁ、口止めだけはしてちゃんと言うつもりだ。たぶん俺が結婚するって聞いて落ち込んでるだろうからな」

ダクネス「何故アイリス様から好意を持たれていること前提なのだ……まぁいい。そろそろ時間だ、行くぞ。それと何度でも言うがくれぐれも」

カズマ「おーっすアイリス! お兄ちゃんが来たぞー!!」ガチャ

めぐみん「ふっふっふっ、決着をつける時がきましたよアイリス。真の妹キャラはこの私なのです!」

アクア「ふ、二人とも! そんな街のお友達に会うみたいに……あ、ど、どうも、お久しぶりです、アクアです!」ペコリ

クレア「……相変わらず苦労しておられるようですね、ダスティネス卿」

ダクネス「本当に申し訳ない……」
135 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:44:44.54
カズマ「いやいやいや、いつも苦労してんのは俺だから! だってこいつ、事ある毎に触手系モンスターのクエストに行こもごっ!!」

ダクネス「は、ははははははは、何を言っているんだこいつは!」

アイリス「お兄様……それに皆さん。お久しぶりです」

めぐみん「やはりその呼び方はやめないようですね! いいでしょう、勝負です表に出なさい!!」

カズマ「いきなりケンカはやめろっつの……ていうかどうしたアイリス、元気ないな。俺が結婚するから?」

アイリス「っ……い、いえ、そのようなことは……お兄様、アクア様、この度はご結婚おめでとうございます」ペコリ

クレア「アクア殿、おめでとうございます。……そこの貴様は、あれだけアイリス様を誑かしておきながら、自分はさっさと結婚とは良い度胸だな」ギロ

カズマ「え、なに、何で怒ってんのこの人。王女様につく悪い虫が結婚したんだから、むしろ喜ぶところなんじゃないの?
    もしかして密かに俺のこと認めてくれてて、俺とアイリスの仲も応援してくれていたっていうツンデレさんなの?」

クレア「そんなわけあるか! 理由はどうあれ、アイリス様を悲しませる者は全て憎き敵であるというだけだ!!」

カズマ「めんどくさっ! ララティーナお嬢様といい、こいつといい、貴族は面倒くさい奴しかいねえのかよ!」

ダクネス「なっ……わ、私はそんなに面倒くさい女か!? あとララティーナお嬢様とか言うな!」
136 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:45:27.93
アイリス「…………お兄様、その、結婚してもまた私と遊んでいただけますか……?」

カズマ「アイリス……」

アクア「(カズマさん、そろそろ話した方が……アイリス様がとても辛そうです)」ヒソヒソ

カズマ「(あぁ、そうだな。俺も流石にここまで落ち込んでるとは思ってなかったし、さっさと)」ヒソヒソ

めぐみん「カズマとアクアは本当に結婚するつもりはありませんよ。色々と事情がありまして」

アイリス、クレア「「えっ!?」」

カズマ「お前が言うのかよ! そこ俺のセリフだろ!!」


事情説明中


アイリス「……なるほど、そういうことでしたか。確かにアクア様の雰囲気が以前と違うなとは思っていましたが、そんな事情が」ホッ

カズマ「あれ? アイリス、今ちょっとほっとした? 大好きなお兄ちゃんが結婚するって聞いて不安だった?」

アイリス「っ!!/// な、なな、何を……私はそんなことは……///」アセアセ

カズマ「ほんとかー? 素直になれって、愛しいお兄様が結婚するって聞いて悲しかったんだろう?」ニヤニヤ

アイリス「お、お兄様、意地悪しないでください! そういったお話は……そ、その、二人きりの時に……///」チラチラ

カズマ「よし、分かった! ダクネス、今すぐ空き部屋を一つ用意しろ!」 

ダクネス「お、おい、その辺りでやめておけ……」

カズマ「何言ってんだ! 今アイリスイベントがかなり進みそうなんだよ、ここを逃すわけには」

クレア「なるほど分かった。貴様は結婚式ではなく葬式を挙げたいのだな」シャキン

カズマ「ごめんなさい調子乗りました」
137 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:46:20.30
アイリス「でもどうするのですかお兄様。もう既に各地でアクシズ教徒はお祭り騒ぎですよ?」

カズマ「……やっぱこの街以外でも大事になってる?」

クレア「あぁ。あの連中は元々アレだが、祭りでは羽目を外して更にとんでもないことをやらかすからな。
    レインなんかはテレポートを持っているから、各地での対応で引っ張りだこだ。私達をここに送った後、すぐに仕事へ向かったくらいにな」

アイリス「私から、この結婚は何かの間違いだったと皆さんにお知らせするというのはどうでしょう?」

めぐみん「アクシズ教徒の頭のおかしさを舐めないほうがいいです。残念ながら、例え王女様の言葉だろうと止まらないでしょうね」

カズマ「お前に頭がおかしいとか言われたらおしまいだな」

めぐみん「な、なにおう!」

アクア「ほ、本当はいい子達なんですよ! ちょっとやり過ぎてしまうというか、そういう所はありますが!」

クレア「そもそも、そこの男は本当に結婚を止めようとする気があるのだろうな?
    相手は女神様の如き美貌と能力を併せ持ったアクア殿、この機に乗じてそのまま結婚してしまおうと考えているのではないか?」

カズマ「おいお前、俺のこと何だと」

ダクネス「それはご心配なく。女性であれば誰にでも手を出そうとする女の敵のような男ですが、唯一普段のアクアに関しては例外のようですから」

めぐみん「えぇ、薬の効果は結婚式の後すぐに切れてしまいますし、その後のリスク計算はできる小賢しい男ですから大丈夫ですよ」

カズマ「…………というわけです」ガクッ

クレア「なるほど」コクリ
138 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:47:06.69
アイリス「皆さん、流石に言い過ぎですよ! 確かにお兄様はえっちで女の人に弱いです。
     特にララティーナにはメイドとしてご奉仕させたりお風呂で背中を流させたり、とんでもないことばかりします。ですが、私にとっては大切な」

ダクネス「カズマああああああああああああ!!! アイリス様に何という話をしているのだ貴様、ぶっ殺してやる!!!!!」ギリギリ

カズマ「ちょ、待て、今アイリスが何かいい事言ってるからホント待て!!!!! 首絞めようとすんな……痛い痛い痛い痛い痛い痛い腕痛い折れる!!!!!」

アクア「『ヒール』! 『ヒール』! ダクネスさん、少し落ち着いて!! カズマさんの腕が大変なことになっていますから!!」

数分後

アイリス「それでお兄様、本当にどうするつもりなのですか?」

カズマ「うーん、まだ何とも言えないな。一応アクアに例の惚れ薬を使い続けて、前の人格を封印するっていう手がなくもないんだが」

アイリス「お兄様……」

クレア「貴様……」

カズマ「冗談です、冗談! 特にアイリスにそんな目で見られると、お兄ちゃんかなりショックだからやめて!」

めぐみん「この男はずっとこればかり言っているのです。半分以上本気だと考えていいと思いますよ」ハァ

カズマ「ぐっ、し、仕方ないだろ、今のアクアは男なら誰だってくらっとくるだろ! 結婚だって大歓迎だ!」

アクア「な、何を言っているのですかカズマさん///」カァァ

アイリス「…………」ムッ

クレア「ア、アイリス様?」
139 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:47:41.61
アイリス「……お兄様は魔王を倒すつもりなのでしょう? それならば、未婚のままでいた方がよいと思いますが」

カズマ「え、どういうことだ?」

ダクネス「ん、アイリス様が仰りたいのは魔王を倒した時の報酬のことだろう。代々魔王を倒した者は、王女様と結婚できる権利を得るのだ」

カズマ「マジで!?」

めぐみん「…………」ムッ

クレア「まぁ、こんな男が魔王を倒すなんて万が一にもありえんだろうがな」フッ

カズマ「な、なんだと、俺だって本気出せば凄いんだからな! 具体的に言えば、銀髪盗賊団の仮面の男くらい凄い!」

クレア「はっ、あの仮面の男の戦いぶりを直で見た私が断言するが、貴様なんぞあの者の足元にも及ばん。身の程を知れ」

カズマ「ぐっ……こ、こいつぅ……!!」ギリギリ

ダクネス「(おい、その辺にしておけ。自分が二億の賞金首であることを忘れるな。少なくとも、私はちゃんと分かっている。それでいいだろう?)」ヒソヒソ

カズマ「(よ、良くない……全然良くない……もっと皆から褒められたり、ちやほやされたい……!)」ヒソヒソ
140 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:48:22.30
アクア「えっと……じゃあ、もしもカズマさんが魔王を倒したらアイリス様と……」

アイリス「こ、こほん、そういうことです。その、いずれは私と結婚することになるのですから、お遊びは程々にお願いしますお兄様」

カズマ「なるほど、そういうことか。そういや、ちょうど指輪も持ってるし好都合だな!」

ダクネス「ばっ……!」

アイリス「っ!!」

クレア「指輪?」

カズマ「あっ、い、いや、その……」ダラダラ

ダクネス「こ、こいつは、将来の為に既に結婚指輪を買ってある痛い奴で! しかも魔法でサイズが変わる中々上等なものを!」

クレア「……なるほど。結婚できるかも怪しいのに痛い男だ」

カズマ「痛い男でごめんなさい……」ガクッ

カズマ(この白スーツ、帰り際にスティール食らわせてやる!)
141 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:49:10.20
めぐみん「……何か話が進んでいるようですが、魔王を倒すことで得られるのは王女様と結婚できる“権利”でしょう? つまり別に結婚しなくてもいいわけです」

カズマ「何言ってんだお前、結婚しないわけないだろ」

めぐみん「こ、この男は……いいですか、よく考えてください、アイリスはまだ12歳ですよこのロリコン!」

アイリス「むっ……子供扱いしないでください! 年もめぐみんさんと二つしか変わらないではないですか!」

めぐみん「ふっ、大人ならともかく、この年代での二歳差というのは絶対的な差なのですよ!」

カズマ「お前、以前俺に言ったことと真逆のこと言ってんぞ今」

めぐみん「カズマは黙っていてください! そもそも、アイリスはまだ結婚できる年でもないでしょう、私は14歳なのでもう結婚できますが」ドヤァ

アイリス「そ、それは……」

めぐみん「まさかカズマを二年も野放しにして、何も起こらないとは思っていないでしょうね? それだけ時間があれば、この性獣はそれはもうやりたい放題ですよ」

アイリス「そんな、ことは…………うぅ……」

カズマ「おいアイリス!? そこはちゃんと否定してくれませんかね!?」

めぐみん「分かったら結婚などと馬鹿なことは口にしないで、たまに遊んでもらうくらいで我慢することです。それとお兄様呼びもいい加減やめましょう」

アイリス「それならば法律の方を変えてしまえばいいでしょう! えぇ、そうしましょう! クレア、女性は12歳から結婚できるようにしなさい!!」

クレア「アイリス様!?」
142 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:50:13.41
めぐみん「なっ、そんな横暴が許されると思っているのですか!」

アイリス「私はこの国の第一王女です! 普段はいい子にしているのですから、このくらいのワガママ聞いてもらってもいいでしょう!」

めぐみん「ぐっ……権力を振りかざす悪の王族め、この正義の魔法使いが成敗してくれます!!」

アイリス「なんですかやるのですか!? 負けませんよ!!」

ダクネス「ケンカはよせ、めぐみん! あとお前、領主の件で結婚式に乱入した時は、自分のことを悪い魔法使いだとか言ってなかったか!?」

クレア「アイリス様もどうか落ち着いてくださるよう! それにいくらアイリス様のご提案でも、流石にこれ以上結婚可能な年齢を引き下げるのは難しいと思われます!」

カズマ「……これだよこれ。美少女達が俺を巡ってケンカを始める。こういうのを望んでたんだ俺」ウンウン

アクア「満足そうに頷いている場合ではないですよカズマさん!」

数分後

めぐみん「はぁ……はぁ……中々やりますね。今日のところは引き分けということにしておいてあげましょう」ボロボロ

アイリス「お、王族は強いんですよ、舐めないでください……」ボロボロ

カズマ「……なぁ、王女様がこんなボロボロになって大丈夫なのか色々と」

ダクネス「大丈夫なわけないだろう……本当に申し訳ない。ここはダスティネス家の顔に免じて、どうか温情ある処罰をお願いしたい……」ペコリ

クレア「いや、こちらこそ申し訳ない。まさかアイリス様がここまで喧嘩っ早くなるとは……これもこの男の悪影響か……」

カズマ「それはどっちかというと、めぐみんの影響だろ」
143 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:50:49.51
アクア「二人共動かないでくださいね……『ヒール』! …………あと、アイリス様、ご安心を。私はあなたのカズマさんを取ったりはしませんよ」ニコ

アイリス「えっ……あ、わ、私のだなんて、そんな……/// ですが、あの、アクア様はお兄様のことが好きではないのですか?」

アクア「私はカズマさんのことが好きです。ですが、私は三日後には消えてしまいますから。
    本来この体は私のものではないのですから、あまり好き勝手してカズマさんや本当の私を困らせることはできません」

カズマ「アクア……」

アイリス「本当に、それでよいのですか?」

アクア「はい。私は例え短い時間でも、こうしてカズマさんや皆さんと一緒にいられるだけで十分過ぎる程幸せですから」ニコ

アイリス「…………分かりました。では、私からはもう何も言いません。アクア様は本当にお強い方ですね」

アクア「あはは、そんなことないですって。特にカズマさんにはいつも迷惑ばかり…………カズマさん?」

カズマ「…………」
144 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:51:17.99

夜 屋敷


コンコン……ガチャ


アクア「はーい……カズマさん? どうしました、こんな時間に? あ、え、えと、もしかして夜這い……というものでしょうか?///」

カズマ「そうしたいのは山々なんだが、バレたらめぐみんやダクネスに何されるか分かんないからな……ちょっと話をしに来たんだ」

アクア「お話……ですか? 入ります?」

カズマ「……アクア。俺が言うのも何だが、こんな時間に気軽に男を部屋に入れるもんじゃないぞ?」

アクア「もちろん、私だってそのくらいは分かっています。信頼できるカズマさんだからですよ」

カズマ「俺が女の子から信頼されるとか中々なくて心に染みるな……まぁでも、そんなに長い話じゃないからここでいいよ。アクア、お前俺のこと好きか?」

アクア「えっ!? その……は、はい、好きです/// 何度も言っているじゃないですか///」カァァ

カズマ「そっか。俺も好きだ、アクアのこと」

アクア「っっ!!!???//////」

カズマ「あ、勘違いすんなよ、“今のアクア”が好きなんだ。駄女神はノーサンキュー」

アクア「カ、カズマさん? あの、と、とても嬉しいのですが……急にどうしたのですか?」

カズマ「いや、ちょっと気合入れようと思ってな。あと、なんか女神的なお守りみたいなの持ってたりしないか?」

アクア「お守り……ですか? まぁ、私が魔力を込めれば何にでも加護は加わりますが……ではこの石なんかはどうですか?」スッ

カズマ「お、サンキューな。よし、じゃあ俺ちょっと本気出してくるよ。夜中に悪かったな、おやすみ!」

アクア「??? は、はい……おやすみなさい……」
145 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:51:56.93

ウィズ魔道具店


カズマ(まさかここに盗みに入ることになるとはな……ウィズには悪いがこれは仕方ない。あの惚れ薬がないと、アクアが消えちまう。
    前の駄女神なんか知らん! 俺は今の女神アクア様ともっとラブコメしたいんだ! そう、これも義賊としての行いなんだ!!!)グッ

カズマ(ただ、またアクアに惚れ薬を使ったとしても、問題はめぐみんやダクネスだ。バレたら何されるか分からん。
    やっぱ、アクアを連れて有り金持って逃避行するしかないか? アルカンレティアなら適当に理由作って匿ってもらえそうだし……)

カズマ(……まずは盗みを成功させてからだな。リッチーの店に盗みに入るとか、かなり危うい橋を渡ってる気がするが……この仮面をつけた本気モードの俺ならきっといける!
    とりあえず、どこから侵入したもんかな。この店、ウィズが太陽が苦手だからか窓も少ないし。まさか正面扉が開いてるわけも……)ガチャ

カズマ「……え?」

カズマ(おい開いたよ、開いちゃったよ。不用心にも程があるだろ、罠か何かか? でも罠発見スキルには何も反応ないしな…………よし、行くか)

バタン

カズマ(ウィズやバニルは……いない。敵感知にも反応なし。バニルはともかくアンデッドのウィズは潜伏スキルでやり過ごせる相手じゃないから、十分注意して進まないとな。
    確か惚れ薬は、バニルが地下の一番奥に保管しておくって言ってたな。だったら、どこかに地下へ続く階段とかがあるはずだけど……)コソコソ

カズマ「お……」

カズマ(下に降りる階段……あれか。でもこういうのって、普段は見えないように隠しておくもんじゃないのか? 仕掛け階段みたいな。なんとなく誘われてる気も……。
    いや、でも考えている時間もない。いつウィズやバニルが出てくるか分かったもんじゃないしな。行ってみよう)

カツン、カツン……

カズマ(結構広いな……まるでダンジョンだ。お、敵感知に反応…………数が多い。
    ここの従業員はウィズとバニルだけだし、他の何か…………嫌な予感しかしないけど確認するしかないよな)チラ


ゾンビ「「あー……あー……!」」ゾロゾロ
146 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:52:30.59

カズマ「っっ!?」バッ

カズマ(やっぱまるっきりダンジョンじゃねえか! アクアもいないのに、あんな数のゾンビ相手にできないぞ!! 潜伏でやり過ごすってのもできないし、どうすっか……)

カズマ(……そうだ、ここは魔道具店だ。それなら聖水とか大量に持っていけば何とかなるんじゃないか? 金は後でこっそり置いとけばいい。とりあえず上に戻ろう)

数分後

カズマ「…………はぁ」ガックリ

カズマ(何でこんな日に限って、普通の聖水が売り切れてんだよ! これじゃあ、やっぱどうしようも…………あっ)

カズマ「…………」キョロキョロ

カズマ(そういえば、バニルの奴が、ウィズが仕入れた強力な聖水を地下に移すとか…………これか! なんかあからさまに分かりやすい場所に置いてあるのが気になるけど……。
    しっかし、メチャクチャ高いとか言ってたよなこれ……いくら強力な聖水とは言っても、あれだけの数のゾンビ相手だとかなりの量使わないとダメっぽいな……)

カズマ(……いや、幸い金ならあるんだ。ウィズへの迷惑料だと思って、存分に使うか)

ゾンビ「あー」

カズマ「よっ!」ポイッ

パリン!!

ゾンビ「あああああああああああああああ!!!!!」ジュゥゥゥゥゥ

カズマ「うおっ!」

カズマ(た、確かにすげえ強力だな……よし、これなら進める。聖水もまだまだ沢山あるし、何とかなるな)
147 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:52:58.43
数十分後

カズマ(……ゾンビの数はとんでもないけど、他に危険なモンスターがいるってわけでもないんだな。罠もあるっちゃあるが、俺の罠発見と罠解除スキルで十分どうにかなるレベルだ)

カズマ(にしても、そろそろ終わりが見えてきてもいいと思うんだが…………また敵感知に何か引っかかったな。今度は一体だけ? まさか)


ウィズ「そ、そこまでです、泥棒さん!」


カズマ(ボスキャラ来ちゃったー!)

ウィズ「えっ……銀髪盗賊団の仮面の人……!? こ、ここには、あなたがわざわざ盗むようなものなんてありませんよ!」

カズマ「あー、ごほん。この店には、人の心を惑わす危険な薬が置いてあると聞いて来た。大人しく差し出してほしい」

ウィズ「心を惑わす薬……あ、もしかして惚れ薬のこと……?」チラ

カズマ(あれは……宝箱! あの中にあるのか!!)

カズマ「そうだ、それは恐ろしいものだ。さぁ、早く出すんだ」

ウィズ「で、できません! あなたは義賊と言われていますが、それでも盗賊は盗賊。信用できません!」

カズマ「…………まぁ、そうなるだろうな。仕方ない、それでは強硬手段だ。こっちは時間がない」

ウィズ「お、お相手します!」
148 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:53:38.48
カズマ(……なんか格好つけてみたけど、ウィズに勝つとか普通に考えて無理だ。
    相手はリッチー。最上級モンスターで物理攻撃無効、触れたら状態異常もらうからドレインタッチもダメ、本当だったら逃走スキルで逃げ一択なんだが……)

カズマ「『クリエイト・ウォーター』! 『フリーズ』!」

ピシィィィ!!

ウィズ「……? 何故天井を凍らせたのですか?」キョトン

カズマ「この状況で、ティンダーを使って氷を解かしたらどうなる?」

ウィズ「そうすれば私もあなたもびしょ濡れですけど……でも私は別に水に弱いということはありませんよ?」

カズマ「あぁ、そうだろうな。ただ、もし降ってくるのが、ただの水ではないとしたらどうだ? 例えば……この、お前が仕入れたばかりの強力な聖水とか」スッ

ウィズ「っっ!? え、で、でも、あなたは魔法で水を出して、それを凍らせていたではないですか……!!」ゾッ

カズマ「確かに水の魔法は唱えたが、凍らせたのがその水だけだとは一言も言っていないだろう。
    この聖水はアンデッドであるお前では魔法で干渉できないが、俺は人間だから問題なく凍らせられる。こっそりと聖水を混ぜ込んでいる可能性を、お前は否定できるのか?」

ウィズ「ひっ……」ブルッ

カズマ「そこを動くなよ。少しでも妙な動きを見せれば、すぐに氷を解かして聖水の雨を降らす」

ウィズ「う、うぅ……!!」ブルブル

カズマ(まぁハッタリなんだけどな……ごめん、ウィズ)
149 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:54:22.02
カズマ(とにかく、これで目的達成だ。あとはこの宝箱に入ってる薬を取って、ここから出るだけ……!)パカッ

カズマ「…………」

ウィズ「……? ど、どうしました……?」ビクビク


バニル「フハハハハハハハハハハハハ!!!!! そう、スカである! うむ、これはかなりの悪感情、美味である美味である!!」


カズマ「バ、バニルゥゥ…………ッッッッ!!!!!!」ギリギリ

バニル「フハハハ、フハハハハハハハハハハハハ!!! 悪感情が止まらんな、我輩は笑いが止まらんぞ!!!
    お試しで作らせた簡易ダンジョンでこれほどまでの収穫、本格的なものではどれほどの悪感情を食えるのか!!!!!」

カズマ「お前……ハメやがったな……!」

バニル「さて、何のことだか。それより、貴様が散々ぶちまけてくれた聖水の代金は、当然払ってもらえるのだろうな?
    フハハ、ダンジョンの実験ができた上に、そこの無能店主が仕入れたガラクタまで売り捌けるとは。感謝するぞ仮面の小僧!!」

カズマ(やっぱり、コイツわざと俺にこのダンジョンを攻略させやがった! 考えてみれば、惚れ薬がここにあるって言ったのもコイツだ!!
    この店に普通の聖水が置いてなかったのは売り切れてたわけじゃなく、この高い聖水を使わせようとして隠しやがったな!!!)

バニル「フハハ、そう睨むな。せめてもの礼に、この見通す悪魔が助言でも…………む、眩しくて見通せぬな。女神の加護か何かか? 小賢しくも我輩への対策も練ってきたわけか」
150 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:55:04.55
カズマ「……おい、例の薬はどこにある。言わないと今すぐ聖水の雨が降るぞ」

バニル「ほう、大悪魔である我輩を脅すか。いい度胸である。いざとなれば、そこの貧乏店主を傘代わりにしてくれるわ」

ウィズ「えっ!? じょ、冗談ですよねバニルさん!?」

バニル「まぁそもそも、何だかんだで甘い貴様のことだ。本当に聖水を凍らせているかも怪しいがな」

カズマ「ぐっ……!」

ウィズ「あれ、バニルさんはその方とお知り合いなんですか? そういえば、その方の仮面はバニルさんのもののようですが……」

バニル「そんなことよりも仮面の小僧、ビジネスの話をしようではないか」

カズマ「……ビジネス?」

バニル「あぁ、貴様が心から欲している薬はここに我輩が持っている。正直言って、我輩はあの女神がどうなろうが知ったことではない。むしろ、大人しくなるのであれば歓迎するところだ。
    であるからして、金額次第ではこれを貴様に売ってやろうというわけである。さて、いくらまで出せる?」

ウィズ「な、何言ってるんですかバニルさん、ダメですよ!!」
151 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:55:38.98
カズマ「聖水代だけじゃなく、まだ俺から搾り取る気かよ」

バニル「金はあればあるだけいいものだ。貴様なら分かると思ったが」

カズマ「……そうだな、よく分かるよ。ったく」

カズマ(まぁ金はあるんだ。それで解決するなら、一向に構わない…………が)

バニル「言っておくが、貴様の資産がどれほどなのかは把握しているぞ。安く済ませようなどとは思わぬことだ。
    我輩が満足できぬ金額を提示しようものなら、即座に引っ捕らえて警察に突き出し、貴様の首にかかった賞金を頂くと」

カズマ(やられっぱなしはムカつく!!!!!)


カズマ「『スティール』ッッッ!!!!!」バッ


バニル「…………あ」

ウィズ「……え?」

カズマ「…………」


カズマ「いやっほおおおおおおおおおおお!!!!! ざまあみろクソ悪魔!!!!! バーカバーカ!!!!!」ダダッ!!

バニル「待て貴様!!!!! ぐっ、我輩としたことが、油断したわ!!!!!」ダダッ!!
152 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:56:31.56
カズマ「『ティンダー』!!!」ボォォォ

ジュゥゥゥゥゥ

ウィズ「きゃあああああああああっっ!! て、天井の聖水が!!!」

バニル「店主バリア!!!!!」ガシッ

ウィズ「っ!? やめっ、き、消えちゃううううううううううう!!!!!」


ザバァァァァァァァァァ!!!!!!


バニル「……ふむ、やはりハッタリだったか」ポイッ

ウィズ「ふぇぇ……ひっぐ……!」ポロポロ

バニル「泣くな駄目店主! 追うぞ!!」

タッタッタッ……!!

カズマ「はぁ……はぁ……くっそ、やっぱはえーな!!!」

バニル「フハハハハハハハハ! 本気でこの大悪魔を撒けると思ったか、最弱職の人間風情が!!」
153 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:57:43.99
カズマ「『クリエイト・ウォーター』!!!!!」

ザバァァァァァァァァァ!!!!!!

バニル「ふん、また聖水が混ざっているかもしれないとかいう脅しか?」

カズマ「ならそのでっかい水たまりも、気にせず渡ってこっち来てみろよ。それとも本体の仮面でも投げてみるか?」ニヤ

バニル「ではバニル式殺人光線を……」

カズマ「待て待て待て! お前人間は殺さないんだろ!」

バニル「どうせ殺してもあのチンピラ女神……ではなく、今はただの女神だったか。あれが蘇生してしまうのだろう」

ウィズ「ダメですよバニルさん! でも、私の魔法も手加減が難しいものばかりですので、人間の方を相手に遠距離攻撃はちょっと…………どうしましょう?」

バニル「ならばその身で聖水かどうか確かめれば良かろう。貴様が」グイッ

ウィズ「ひいいいいいいっ! やめて押さないでええええええええええ!!」

カズマ「お、おい可哀想だろ……やめてやれよ……」

バニル「フハハハ、悪魔に何を言っているのだ貴様は。さぁ行け、たまには役に立て!」グイグイ

ウィズ「待って、待ってください! 『カースド・クリスタルプリズン』!!」

ビシィィィィィ!!!

カズマ「凍結魔法…………あっ!」

ウィズ「リッチーである私の魔法では、あの聖水には干渉できないはずです。ですが、ここにあった水は全て凍らせることができました。つまり、これもフェイクです」
154 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:58:32.38
バニル「フハハ、たまにはやるではないかボンクラ店主! さぁ詰みだ小僧!!」

カズマ「くそっ……!」

ツルッ

バニル「ぬっ……おい赤字店主、物凄く走りづらいぞ。さっさとこの氷を解かせ」

ウィズ「…………ご、ごめんなさい、かなりの魔力を込めて撃ったので…………解かすのは時間がかかります」

バニル「…………」

ウィズ「…………」

カズマ「…………じゃあ俺はこれで」ダダッ

ウィズ「……あ、あのバニルさん? 本当にごめんなさきゃあああああっ!! 殺人光線はやめてええええええええええええええええええ!!!!!!」
155 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:59:00.58

屋敷


コンコン


カズマ「アクア、アクア」

アクア「ふぁ……どうしたんですかー……?」ボー

カズマ「寝てるとこ悪かったな、でも大事なことなんだ。今から荷物まとめて一緒に来てくれるか? 例の薬が手に入ったんだ」

アクア「…………えっ!?」

カズマ「バレたら、めぐみんやダクネスに何されるか分からん。だから隠れてアルカンレティアまで行こう。そこまで行けば、アクアが色々言い繕ってくれれば匿ってもらえるはずだ」

アクア「で、でも」

カズマ「いつまでもこうしているのは元のアクアに悪い……だっけか?」

アクア「はい……そうですよ、私は薬によってたまたま出てきただけなのに、そんな……」

カズマ「…………」

アクア「心配してくれるのは凄く嬉しいです……皆さんは色々言いますが、カズマさんは優しい人です。でも、私は大丈夫ですから! この一週間だけで十分幸せですから!」ニコ

カズマ「……俺は」


カズマ「俺は、今のアクアともっと一緒にいたい」
156 : ◆0WipXNi8qk :2016/04/29(金) 12:59:51.39

アクア「っ……」

カズマ「その……ほ、ほら! 流石に一週間ってのは短すぎるだろ! どうせあの駄女神はいつもグータラしてるだけだし、ちょっとくらい長く居座ってもそんなに気にしないって!」

アクア「…………」

カズマ「それに、なんだ、ここの所ずっとバタバタしてて、ろくにゆっくりもできなかったしな! もう少しここにいて遊んだりし」


ギュッ


カズマ「……アクア?」

アクア「ありがとうございます、カズマさん。とても、とても嬉しいです私」

カズマ「そ、そっか……ほーん……」

アクア「……もしかして、照れています? いつもはめぐみんさんやダクネスさんにセクハラばかりしているのに」クスクス

カズマ「う、うるさいな、どうせ俺はダクネスが言うように、肝心なところでヘタれる童貞だよ」

アクア「ふふ、ごめんなさい。…………カズマさん」

カズマ「……何でしょう」


アクア「私を連れて行ってもらえますか?」ニコ

カズマ「任せとけ!」
178 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:41:24.07

次の日 朝 屋敷


めぐみん「いません! やっぱりいませんよ! あの男、ついにやらかしたのではないですか!?」

ダクネス「二人の荷物もなくなっている……くっ、カズマは何だかんだ肝心なところでヘタれると思って油断していた!」

めぐみん「と、とにかく、あの二人だけでは夜中に街を出て遠くへ行くことはできないはずです! まだ街にいますよ、探しましょう!!」

クリス「大変、大変だよ! ちょっと聞いて!!」バタン!!

ダクネス「クリス? 悪いが今はかなり立て込んでいる。話なら後で……」

クリス「そんなこと言ってる場合じゃないんだってば! ウィズ魔道具店に銀髪盗賊団の仮面の男が盗みに入ったとかで、今、街中の冒険者が賞金目当てに探してるんだよ!」

ダクネス「」

めぐみん「銀髪盗賊団!?」

クリス「ねぇ、ダクネス、今回は私は全くの無関係だからね!? 信じてね!?」

めぐみん「ど、どうしてクリスがそこまで慌てているのかは分かりませんが……銀髪盗賊団は何故ウィズの店に? あの方々は悪徳貴族からしか盗みを働かない義賊のはずですが……」

クリス「何でも、ウィズが間違って作っちゃった危険な薬を、他に被害が出ない内に盗んで行ったって話になってるけど……たぶん、例の惚れ薬のことだと思う」

めぐみん「なるほど! 確かにあのまま放っておけば、いつカズマが盗んで行くか分かりませんでした! 今回も義賊としての行いだったということですね!」キラキラ

ダクネス「カズ……仮面の男に、ほ、惚れ薬が……盗まれた……? ウィズやバニルは、何をしているのだ……こ、これではアクアが……」

クリス「店の人は二人共、仮面の人と対峙したみたいだけど、出し抜かれちゃったみたい……」
179 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:41:52.47
めぐみん「ふわあああああああ、あの二人とぶつかって、見事盗みを成功させたというわけですか! ふわああああああ」キラキラ

ダクネス「おいめぐみん、興奮している場合ではないぞ! 銀髪盗賊団が盗みに入ったこのタイミングで姿を消すカズマとアクア……何か思わないか!?」

めぐみん「…………まさか!」

ダクネス(これも仕方ない、めぐみんにはそろそろ盗賊の正体を知ってもらうしかない)

めぐみん「今回の盗みはカズマが銀髪盗賊団に依頼したということですね! 確かに、考えてみれば、あの惚れ薬のことを知っている者は限られています!
     カズマは偶然、もしくは何かしらの方法で銀髪盗賊団にコンタクトを取り、上手いこと言って薬を盗んでもらったということですか!!」

ダクネス「……え?」

めぐみん「そして盗んでもらった後は、自分が責任持って処理するとか何とか言って薬を預かったといったところでしょうか。まったく、あの男は!」

ダクネス「あー、ま、まぁ、そんなところだろうな……とにかく、すぐにカズマを探さなくては! クリス、ありがとう。私達は街に」

クリス「待って、それだけじゃないんだよ! 銀髪盗賊団のこと以外にも街で変な噂が流れてて……」チラ

ダクネス「噂だと? どうした、何故私達を気まずそうに見ている。私達には言いづらいことなのか?」

クリス「……あー、えっと、怒らないで聞いてね?」

めぐみん「安心してください。短気なダクネスはともかく、私は冷静沈着ですから」

ダクネス「なっ、めぐみんがそれを言うか!? …………はぁ、まぁいい。クリス、話してくれないか?」

クリス「う、うん……実はね」
180 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:42:18.55

街中


「お、めぐみんにダクネスだぞ!」
「おい、聞いてみろって」
「嫌だよ何されるか分かんねえだろ! お前が聞けよ!」


めぐみん、ダクネス「「…………」」スタスタ

ダスト「おー、噂の二人じゃねえか! …………何だよ邪魔すんなよ、お前だって気になるだろ?」

リーン「ダメだって、この後の展開が目に浮かんでくるよ! それに噂の出処はアクシズ教徒らしいし、信憑性は……」

ダスト「大袈裟だっての。少し話聞くだけだろうが。なぁなぁ、めぐみんにダクネス。ちょっと聞きたいんだけどよ」


ダスト「カズマをアクアの姉ちゃんに取られたくなくて、夜な夜なカズマのとこに夜這いに行って既成事実作っちまおうとしてるってマごばあああああああああああああ!!!!!!」グシャ


リーン「だからやめなって言ったのに……」ハァ

テイラー「ダストの奴、死んだんじゃないかあれ」

キース「まぁアイツ、無駄にステータスはそれなりだし、大丈夫だろ…………多分」
181 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:42:58.97

教会外


ダクネス「カズマあああああああああああああああああああああああ!!!!! ここにいるのだろう!? ぶっ殺してやる!!!!!!!!!!!」

めぐみん「ダクネス、とりあえずアクアだけでも連れ出してください。そしたら私が爆裂魔法で教会ごとカズマを消し飛ばしますから」

セシリー「来たわね! ここは通さないわよ、カズマさんはアクア様と結婚するのです! そしてめぐみんさんは、私が慰めるのです!!」

めぐみん「……お願い、そこを退いてセシリーお姉ちゃん」ウルウル

セシリー「はいどうぞどうぞ!!! …………はっ、ダ、ダメよ!!! あ、危なかったわ……でもこれはアクア様の幸せの為!!! いくらめぐみんさんでも止められないわよ!!!」

めぐみん「ちっ」

ダクネス「いいからそこを退け! あの男、今度という今度は許さん!!」

セシリー「行かせないと言ってるでしょこの邪教徒……いたっ、痛い痛い痛い、ストップストップ!! 全員、確保―!!!」

アクシズ教徒「「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」

めぐみん「おっと、それ以上寄らないでもらおうか! 我が爆裂魔法は既にいつでも放てる状態なのです!!」ギラ

ザワザワ

「どうする? ハッタリか?」
「いや、相手は頭のおかしい爆裂娘だぞ」
「確かに……頭のおかしい子のことだから本当にやるかも……」

めぐみん「アクシズ教徒にだけは頭がおかしいとか言われたくないのですが!!!!!」
182 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:43:34.92

教会内


アクア「あ、あの、めぐみんさんとダクネスさん、物凄く怒っていますよ! やっぱり今からでも謝って……」

カズマ「謝ってもダメだろあれは……それにこれくらいは覚悟してた。近くの街に住んでるっていう、アクシズ教徒のアークウィザードが来るまで何とか時間を稼いでもらおう」

アクア「でも……あっ、セシリーさんがダクネスさんに吹き飛ばされました!」

カズマ「大丈夫、大丈夫。あの人しぶといし何とかなる」

アクア「そんな……えっ、め、めぐみんさんがこちらに杖向けてますよ! 信者の方々から何か言われたようです!」

カズマ「…………いくらめぐみんでも、アクアがいるのに撃つわけは……」

アクア「な、なんか、めぐみんさんの周りの空気がバチバチいっているのですが……」

カズマ「マジかよあいつ!!! アークウィザードの人早く来てー! 早く来てー!!!!!」


教会外


「抑えろ抑えろ、クルセイダーとは言え一人だぞ!」
「ていうか、なんかこの人興奮して……あ! この人、冒険者の間で有名な貴族のお嬢様クルセイダーじゃないか!?」
「なに!? こんなエロい体してしかもお嬢様とかたまら…………くっ、ダメだダメだ、相手はエリス教徒だ!」


ダクネス「あ、あぁ……むくつけき男共がこの私を…………おのれ、こんな、こんなことで私の怒りは……んんっ///」ビクン!!
183 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:44:03.21
めぐみん「こんなところでも妙な性癖発揮しないでください! まったく、ダクネスは…………ん、あれは……?」

めぐみん(アークウィザードのようですが……何でしょう、どことなくアクシズ教徒達がほっとしたような顔を…………まさか!!!)

ダクネス「どうした、そんなものか! もっと、もっと来てみろぉぉ///」ハァハァ

めぐみん「発情している場合ではないですよダクネス! 今教会に入って行ったアークウィザード、凄く怪しいです!! おそらく、テレポート持ちです!!!」

アクシズ教徒「「!!!!!」」ビクッ

ダクネス「は、発情なんてしてな…………テレポートだと!? くそっ、おい待て!!! お前ら退け!!!!!」

めぐみん「ダクネス、身構えてください!」

ダクネス「えっ」


めぐみん「『エクスプロージョン』ッッ!!!!!」


ドガァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!


アクシズ教徒「「うわああああああああああああああああああっっ!!!!!」」

めぐみん「……ふっ、私くらい爆裂魔法を極めれば、どの辺りに撃てばどの程度の衝撃波を生み出せるのかくらい計算できるの……です……」ガクッ

ダクネス「めぐみん!」

めぐみん「行ってください、ダクネス……あなたなら動けるでしょう……」

ダクネス「くっ……分かった! 必ずあの馬鹿を引っ捕らえてくる!!」ダダッ
184 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:44:49.52

教会内


魔法使い「お、お待たせしました! すぐテレポートしますよ!」

カズマ「頼む! しかしめぐみんの奴、とうとうぶっ放しやがったぞ!」

アクア「だ、大丈夫ですかね皆さん……めぐみんさんのことですから、一応計算して撃ってるとは思いますが……」

カズマ「あぁ、皆もぞもぞ動いてるし、そこまで大きな怪我はないっぽい…………あれ? ダクネスはどこ行った?」

魔法使い「詠唱終わりました! さぁこちらへ」


バタン!!


ダクネス「させるかあああああああああああ」ダダッ!!

魔法使い「ひぃ!!」

カズマ「ダクネス!?」

ダクネス「ふんっ!!」ドカッ!!

魔法使い「うぼあっ!!!!!」
185 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:45:33.27
カズマ「なっ、テレポートの人、大丈夫か!?」

魔法使い「」ガクッ

ダクネス「魔法使いがこの私のタックルを受けて無事で済むわけがないだろう。これでテレポートは使えないぞカズマ!!!」

カズマ「ぐっ……アクア、頼む!」

アクア「は、はい……『ヒール』!」コォォ

魔法使い「……うっ」

ダクネス「ア、アクア!? 何故その男に協力するんだ!」

アクア「あ、ご、ごめんなさい……でも……」

カズマ「テレポートの人! いけるか!?」

魔法使い「な、なんとか……」フラフラ

ダクネス「させないと言っているだろう!!」ダダッ

カズマ「おっと、行かせないぞ怪力令嬢!」ガシッ
186 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:46:00.47
ダクネス「はっ、貧弱なお前がこの私と力比べか? いいだろう…………なに!? お、お前この力……アクアの支援魔法か!」グググッ

カズマ「あぁそうだよ、念の為にかけておいてもらって良かったぜ…………って、ぐおおっ!? 相変わらず馬鹿力出しやがって……『ドレインタッチ』!!」グググッ

ダクネス「ぐぅぅうううううっっ!!! わ、私から体力を吸い取って、動けないところを好き放題弄ぶ気だなこの鬼畜め!!///」ハァハァ

カズマ「んなことしねえよ変態! つか結婚前の男にそういうこと言うなよ!!」

ダクネス「まさかお前が、本当にアクアと結婚しようとするとはな! しかし、寝取られプレイなどに私は屈しない!!!///」

カズマ「お前それ告白してんの!? いつもムードがどうとか俺に言うくせに、自分だって大概じゃねえか!!」

アクア「な、なんだか楽しそうですね二人共……」

魔法使い「エリス教徒のくせに、何という変態っぷり……そしてそれを許容してしまうカズマさんの懐の深さ……流石はアクア様に認められるだけはある!」

カズマ「許容してないけどな!? 諦めてるだけだけどな!? それよりテレポート早く! 腕がヤバイから!!」ゴキゴキ

ダクネス「ま、待て! おいカズマ、アクア!!」

アクア「…………ダクネスさん、私の部屋にある戸棚の中を見てみてください」ニコ

ダクネス「えっ……?」

魔法使い「『テレポート』!!!」
187 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:46:42.33

アルカンレティア


「アクア様だ、アクア様がいらっしゃったぞ!」
「アクア様、よくぞご無事で!」
「カズマさんも、魔性の女紅魔族や変態クルセイダーの魔の手から見事逃れたのですね!」


アクア「あ、ど、どうも! お世話になります!」ペコペコ

カズマ「なぁ、アクア。テレポートする直前、ダクネスに戸棚の中を見ろとか言ってたけど、なんだ?」

アクア「手紙を残していったんです。流石に何もなしで突然出て行くのもどうかと思ったので」

カズマ「律儀だなぁ……いってて、ダクネスの奴、本気で俺の腕握り潰そうとしてたな……」ズキズキ

アクア「私達の行動を考えれば無理もないですよ……『ヒール』! それにしても、薬を手に入れる際、カズマさんはよく銀髪盗賊団の方と接触できましたね?
    アクセルの街に潜伏しているという情報はありましたけど、その居場所はずっと知られていなかったのに」

カズマ「えっ……あ、あぁ、まぁ偶然だ偶然。あと、あの薬なんだけど、出来るだけ今の効果が切れるギリギリに使おうぜ。その方が次の効果が切れるまでの時間を稼げるし」

アクア「…………はい、そうですね。ではこれから、まずは最高責任者のゼスタさんのところに行くんですよね?」

カズマ「あぁ。一応話はセシリーさんから伝わってるらしいけど……すいませーん! ゼスタって人はどこに……」

ゼスタ「ゼスタは私でございます。お待ちしておりました、アクア様、カズマさん。式までの間、どうぞ安心してこの街でお過ごしください」ペコリ

アクア「あ、ありがとうございます、ゼスタさん」ペコ

ゼスタ「いえいえ、アクア様の為とあらばアクシズ教徒として当然の行い。むしろアクア様のお役に立てて光栄であります」ニコ

カズマ(へぇ……アクシズ教徒だけど、結構まともそうな人だな……)
188 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:47:13.90
ゼスタ「ところでカズマさん。あなたは、あの恋愛に無関心そうだっためぐみんさんや、ダスティネス家のご令嬢まで虜にしたという話ですが……」

カズマ「あれ、めぐみんと知り合いなんですか? まぁ、二人共俺にはぞっこんで困ったもんですよ。あ、大丈夫ですよ、俺はアクア一筋なんで」ドヤァ

ゼスタ「素晴らしい!!!」ズイッ

カズマ「うおっ! 近い近い!!」

ゼスタ「ど、どうか、どうかその女性を落とす手練手管をご教授願えないでしょうか!?
    あのロリっ子や巨乳のお嬢様を気の済むままに散々弄んだあと、本命のアクア様をしっかりと射止めるなど、世界広しと言えどあなたにしか出来ないでしょう!」ハァハァ

カズマ「おい待て! その言い方は色々と語弊が……だから近いっての! 息かかってゾワゾワすんだよ!!」

ゼスタ「よく見れば、カズマさんもあどけなさの残った中々そそるお顔をして…………はっ、い、いけませんね、この方はアクア様の……」ブツブツ

カズマ「こわい! 何このおっさんこわい!! こんなのが最高責任者とか、本当にどうなってんだよアクシズ教団は!!!」

ゼスタ「ふふ、そうは言いますがカズマさんはアクア様と結ばれるのですから、我々の同士となるのは自然の流れ。
    大丈夫、欲望に忠実なカズマさんはアクシズ教の教えにとても合っています。どんな欲望も性癖も、それが犯罪でない限り抑えることなかれ、です」

カズマ「え、俺アクシズ教徒になるの!? 嫌なんだけど!! つか、アクシズ教が合ってるとか、今まで言われた中でも最悪レベルの悪口なんだけど!!」

アクア「あ、あのゼスタさん? カズマさんはまだアクシズ教のことをあまり知らないですし、その件はゆっくりと話し合っていくということで……。
    それと、その、欲望などもあまり抑え過ぎないようにというのはその通りだとは思いますが、時には自重も大切だと……」オロオロ

ゼスタ「……な、なるほど! 確かに常時欲望のままに行動していると、その時々の快感が薄れがちになる……そこで時には我慢も必要だと!
    つまりは、毎日自慰行為をするのもいいが、何日か我慢した後にするとより一層気持ちいい、というような事ですね!!」

アクア「何を言っているのですか!? 本当に何を言っているのですかあなたは!?」

カズマ「もういいんだ、諦めろアクア。お前のところの信者は既に手遅れだ……これはお前のせいじゃなく、あの駄女神のせいだからお前が頭を悩ませる必要はないんだ……」ポン
189 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:48:27.92

街中


ガヤガヤ


カズマ「こんなに屋台も出て、本当にお祭りだな。流石祭り好きのアクシズ教徒」キョロキョロ

アクア「あ、以前カズマさんがお店で出していたYAKISOBAもありますよ!」

カズマ「おー、ほんとだ。昼飯もまだだし買ってくか。オッチャン、二つくださーい!」

オッチャン「へい毎度! …………アクア様!?」

アクア「……? ど、どうも」ペコリ

オッチャン「……あー、そ、そうだ! アクア様に普通のYAKISOBAなんて出せないです! 今から特製の物をお作りしますので、少々お待ちを!」

カズマ「へぇ、良かったなアクア」

アクア「あ、あはは、お気持ちはありがたいのですが、あまり特別扱いしていただかなくても結構ですよ……?」

オッチャン「いえいえ、そんなわけにはいきません! はい、どうぞ! こちらがアクア様の分、こちらがカズマさんです!」スッ

アクア「わぁ、美味しそうですね!」
190 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:49:05.07
カズマ「こりゃ凄い出来だな。オッチャン、料理スキル持ちか? ……あれ、でもパッと見だと、特別製って言っても普通のと変わらないように見えるけど」

オッチャン「うっ……あ、そ、それは……」

アクア「見た目では分からなくても、味が違うのではないでしょうか? カズマさん、両方とも一緒に食べ比べて確かめてみましょう」ニコ

カズマ「そうだな、俺も特別製っての食ってみたいし」

オッチャン「えっ!? あ、ちょ、アクア様は……えーと……普通の方は食べない方がいいと思いますよ……?」アセアセ

アクア「え、それは何故……」

「あ、この店だ! 頼む、この金でここのYAKISOBAを買えるだけ買わせてくれ!! 借金までしてきたんだ!!!」
「俺にもだ! さっき食ってから、また食いたくなってたまらねえ!! 他の大切な何を置いても、ここのYAKISOBAが食いてえ!!!!!」
「おい買い占めようとしてんじゃねえよ!!! お、俺なんかもう一度ここのYAKISOBAが食いたくて食いたくて、ふ、震えや……幻覚が……!」ガクガク

カズマ「…………」

アクア「こ、この方達は大丈夫でしょうか……目が危ないように見えますが……」

オッチャン「い、いやー、参りましたね! まさに病み付きになる旨さということでしょうか! あははははは」ダラダラ

カズマ「すいませーんお巡りさーん! なんかこの店、食い物にヤバイもん入れてるみたいなんですけどー!」

警察「なに!?」

オッチャン「なっ、アンタ何してくれんだよ! 俺はただ色々とハッピーになるスパイスを入れただけで……」

カズマ「人の国の食いもんに変なもん入れてんじゃねええええええええええええ!!!!!」ガッ

オッチャン「ぐぇ!!! く、くるし……っ!!!!!」

アクア「カ、カズマさん落ち着いて!」
191 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:50:00.04

数分後


カズマ「ったく、危うくヤク中にされるとこだったぞ。流石にアクアに食わせる気はなかったみたいだが、俺だって一応アクアの夫になるんだから、もうちょっと対応良くしろっての」モグモグ

アクア「ま、まぁ、中毒性は一日で消えるようなものだったようですから……それでもアレですけど。ただ、味は良いですよね、これ」

カズマ「料理の腕は確かってのが逆にムカつく…………お、あれはカニ釣りか。なんかのアニメで見たけど、本当にあるんだな」

アクア「しかも霜降り赤ガニみたいですよ! 高級品じゃないですか!」

カズマ「……どうせまた何かオチがあるんだろ。すいませーん」

お兄さん「いらっしゃい…………アクア様!?」

アクア「こ、こんにちは」ペコリ

カズマ「さっきのオッチャンと同じような反応したぞこの人……あの、これ本当に霜降り赤ガニなんですよね?」

お兄さん「あ、あぁ、もちろん! この鮮やかな色合い、紛れもなく霜降り赤ガニだろう!」

アクア「確かに屋敷で見たのと同じ色をしていますね! でもこれ、どうやって釣るのですか?」

カズマ「この、割り箸に紐をつけた道具を使うんだろ。紐の先にエサがついてるから、それをカニに挟ませる。やってみるか?」

アクア「はい!」

お兄さん「えっ!? あ、危ないですよアクア様!!」アセアセ

カズマ「おい待て、今、危ないっつったか?」ジト

お兄さん「うっ……そ、それは……」
192 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:51:01.23
「おーい兄ちゃん、これ一回やらせてくれ! ……ってうお!? おい、エサも糸も一瞬で切られたぞ!?」
「ちょっと待て、こいつ糸伝って登って来て…………うわああああああああっ!!! 割り箸をスパスパ切りまくってんだけど!?」
「こいつら完全に糸についたエサじゃなくて、俺達を狙ってきてるぞ!! 本当に霜降り赤ガニなんだろうなこれ!!!」

カズマ「アクア、このカニに浄化魔法頼む」

アクア「?? 分かりました……『ピュリフィケーション』!」

お兄さん「あっ!」

シュゥゥゥゥ

アクア「あれ? このカニさん、色が黒くなりましたよ?」

カズマ「…………すいませーんお巡りさーん! この黒いカニ、種類はなんだか分かりますかー?」

警察「ん? なっ、そ、それはジャイアントクラブの子供じゃないか! おいアンタ、モンスターを売るとか何考えてんだ!!」

お兄さん「ち、違うんです! これは……そう! きっとたまたま入り込んでただけで!!」

カズマ「アクア、他のカニにも浄化魔法かけてくれ」

アクア「は、はい……」

お兄さん「ちょ、まっ、いやでも、ジャイアントクラブも結構美味いんですって! 中々癖になる味ですよ!?」

警察「はいはい、続きは署でお願いしますねー」
193 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:51:48.53

数分後


カズマ「相変わらずやりたい放題だなこいつら……」グッタリ

アクア「根は悪い子達ではないんですよ!? 本当に!」

カズマ「つってもなぁ……」チラ

「ねぇちょっと! これは何よ!」
「『エリスの胸パッド抜き』といって、型抜きから思いついたんですけど、こうして胸の部分が盛り上がったエリスの型を用意してですね。この爪楊枝で」
「待ちなさい! こらああああ!!!」
「こうやって胸を削っていって、割らずにどれだけ平面に近付けられるかという遊びで…………いたたたたたた! 何すんだアンタ!!」
「それはこっちのセリフよ! エリス様を冒涜するのもいい加減にしなさいよ!!」

「おい! さっきクジで当たったこのマナタイト、何の魔力もこもってないただの石ころじゃねえか!!」
「お客さん、よく読んでくださいよここ。はい虫眼鏡」スッ
「は? …………『これは子供用のオモチャです』…………舐めんな!!!!!」

「公共の場でこういった店はやめてください! あと服を着てください!」
「何故ですか!? 若い女の子は私を傷めつけてストレス解消できる、私にとってはご褒美、双方に得がある素晴らしい店でしょう! 何でしたら、あなたも一蹴りどうぞ!!」
「警察にセクハラしてんじゃないわよ!! あと服着ろっつってんでしょうが!!!」

アクア「あの、カズマさんごめんなさい! 私、少し信者の方達に注意して回ってもいいでしょうか!?」

カズマ「うん、むしろ頼む」
194 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:52:49.39

夜 酒場


アクア「…………はぁ」グッタリ

カズマ「だ、大丈夫か?」

アクア「はい、なんとか……皆さん、私が何を言っても曲解して変なこと言い出して……」

カズマ「そこはアクシズ教徒だからって言うしかないな……まぁ、とにかくお疲れ。ほら、奢るから好きなだけ飲め飲め。飲んで忘れちまえ」

アクア「ありがとうございます……」ゴクゴク

数十分後

アクア「ねぇ~、聞いてますカズマしゃーん!? わたし、頑張りましたよねぇ!? すっごく頑張りましたよねぇぇ!?」

カズマ「あ、あぁ、聞いてる聞いてる。頑張った頑張った偉いぞー」

カズマ(なんだこれ、酔い方がいつもより面倒くせえ!!)

アクア「そうれすよ、わたしは頑張ったんでしゅ、だからもうあの人達が何やらかそうが、わたしの責任じゃらいんれす……!」ゴクゴク

カズマ「えーと、アクア? そろそろ教会行くか? なんでもアクシズ教団本部の一番良い部屋を貸してくれるらしいぜ」

アクア「やですー! まだ飲みますー!」

カズマ(なんか若干あの駄女神が戻ってきてる感があるな…………そしてどことなく安心感を覚えている俺も頭がヤバくなってきたんだろう)
195 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:53:43.25
アクア「カズマしゃん、カズマしゃん」クイクイ

カズマ「ん?」

チュッ

カズマ「なっ」

アクア「えへへー/// 口が良かったれすかー?」ニコニコ

ザワザワ

「うおおおおおおおお羨ましいいいいいいいいいいいい」
「ぐっ、それでも俺はアクア様が幸せなら……!」
「アクア様を少しでも悲しませたら、あの男絶対に許さん!」

カズマ(居辛い。とんでもなく居辛い)

アクア「カズマしゃーん」スリスリ

カズマ「あー、その……アクア!」

アクア「ふぁい?」

カズマ「もう部屋に行こう! 二人きりになりたい!」

アクア「えっ!? あ、はいはい! 行きます行きますー!///」コクリ
196 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:55:18.45

大教会 寝室


アクア「いいお湯でしたー! 本当にお湯……というか聖水にしちゃったんですけど」ホコホコ

カズマ「まぁ、ここのアクシズ教徒は、温泉よりアクアが浸かった聖水風呂の方がいいとか言ってたから大丈夫だろ。つかまだ酔い覚めてないんだな、さっきよりはマシだけど」

アクア「えへへ、お風呂の中でもクイッとやってましたから!」

カズマ「風呂で酒って体に良くないらしいぞ? あー、そこら辺は女神だから平気なのかもしれんが」

アクア「はい、まだまだいけますよ、わたし!」

カズマ「いや、もう流石に寝ようぜ……今日は色々あったし疲れただろ?」

アクア「んー、そうでもないですけど……カズマさんと一緒に寝られるならいいです! 寝ましょう寝ましょう!!」

カズマ「明らかに寝るテンションじゃないなそれ」

カズマ(……それにしても。こ、これからアクアと一緒に寝るんだよな。これはもう、アレだよな! 期待していいんだよな!?)ゴクリ

アクア「あっ、カズマさんが肉食動物の目でわたしを見てるー! きゃー食べられちゃうー!」

カズマ「俺が言うのも何だけど、ムードもクソもねえな! 悪いけど、お前割と駄女神に戻ってるぞ!?」
197 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:55:55.80
アクア「そんなことないですってー! 女神アクア様ですよー!! よいしょっと…………はい、カズマさんカズマさん、隣へどうぞ!!」ポンポン

カズマ「あ、うん……」ゴソゴソ

ギュッ

カズマ「っ!!」ビクッ

アクア「んー、カズマさん良い抱き心地ですー。落ち着きますー…………ふぁ……なんだか……こうしてると……」スリスリ

カズマ(当たってるっての! ……いいんだよな!? こんなことされて何もしない俺じゃないってのは、コイツもよく分かってんだよな!?)

アクア「…………」

カズマ(よし、行くぞ……めぐみん達にバレたらどうなるかなんて想像したくもねえが、その時はその時だ! 俺は今を生きる男!!)

カズマ「……アクアっ!!」ガバッ


アクア「すぴー……」


カズマ「ふざけんなあああああああああああああああ!!!!!」ペチペチペチペチ
198 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:56:28.90
アクア「んー、むにゃ? にゃんですかぁ……?」

カズマ「お前それは無いだろ! ここまできたら、ほら、こう、エロいことするしかないだろ!!」

アクア「……ふぁ……あー……えっちなことがぁ……したいんですかぁ……?」ウトウト

カズマ「はい、したいです!!!」

アクア「いいですよぉ……はぁい、お好きにどうぞぉ……」

カズマ「…………」

アクア「…………くかー……すぴー…………」

カズマ「…………ったく、腹出てんぞー腹―」クスッ

アクア「……んみゃ…………」ゴロン

カズマ(はぁ……結局馬小屋で隣同士で寝てた時と何も変わんねえじゃねえか)

カズマ(……しっかし俺も、こんな色気も何も無いのに、何故かこんなに安心してるとか……ダクネスにヘタレとか言われても仕方ねえな……)

アクア「……カズマさぁん…………むにゃ……」

カズマ「……ぷっ、くくっ。はいはい、おやすみアクア」
200 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:57:16.07

次の日 昼 寝室


アクア「ごめんなさい! 本当にごめんなさい!!」

カズマ「い、いや、そんな謝らなくていいって。昨日はちょっと酔っ払っただけだろ?」

アクア「それでも……私……うぅ///」カァァ

カズマ「……まぁ、とにかく気にすんな。俺もなんか懐かしい感じがして、結構楽しかったし」

アクア「懐かしい……?」

カズマ「あ、いや、何でもない何でもない」

カズマ(前のアクアみたいで楽しかったとか言ったら、まるで俺が駄女神がいなくなって寂しがってるみたいじゃねえか!)

カズマ「それより、今日はどうする? いよいよ結婚式は明日なわけだが……また屋台でも回るか?」

アクア「そ、その、今日はここでゆっくりしていませんか? 外に出ると、また昨日のように信者の方達に注意して回っている間に一日が終わりそうですし……」

カズマ「……確かに。ただ、ゆっくりするっつっても、ここには温泉くらいしかないぞ? 一緒に入るか?」

アクア「は、入らないです恥ずかしいです/// …………ではお話をしませんか? 私の知らないカズマさんのお話を聞いてみたいです」

カズマ「アクアが知らない? そうなると、卑猥な話ばっかになるぞ?」

アクア「ひ、卑猥な話以外で!」

カズマ「分かった分かった。そうだな……」
201 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 15:59:02.05
数十分後

カズマ「そこでダストの奴は赤い下着姿のまま、貴族の男と二人きりになり、そのまま」

アクア「やっぱりこれも卑猥な話じゃないですか! いいです、いいです! 聞きたくないです!」

カズマ「ちなみにその貴族はアクシズ教徒らしいぞ。お前に感謝してたとか」

アクア「感謝しないでください、私は何も知りませんから! ダストさんに恨まれますよ私!」

カズマ「まぁ、大丈夫だろ。アイツも今ではそんな大きな傷を乗り越えて強く生きてるしさ。そういや、アクアの方は何か面白い話ないのか?」

アクア「私はカズマさんの知らないところでは、よくウィズさんのお店に顔を出していましたね…………それで、その」

カズマ「やっぱいい、聞きたくない。聞かない方が幸せな気がする」

アクア「は、はい、そうだと思います…………ところでカズマさん、めぐみんさんやダクネスさんと良い感じになったといったお話はないのですか?」クスッ

カズマ「えっ、あー、そ、そんな大したことはねえって……」

アクア「本当ですかー?」

カズマ「そ、そもそも、そういう話って結構微妙だろ。一応俺達パーティーメンバーなんだしさ。なんていうか、気まずいというか。アクアの件は勢いでここまで来ちまったけどさ」

アクア「大丈夫ですよ、私達パーティーの仲は、今更そのくらいでどうこうなるものではないはずです」ニコ

カズマ「甘い、甘いぞアクア。アニメとかだと、仲良かった男女グループが恋愛絡みでドロドロになる展開はもはやお決まりだ」
203 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:00:05.68
アクア「そう、なんですか……? でも、私達のパーティーに限ってそんなことは」

カズマ「どうかな。もしかしたら俺とアクアは結婚してるのに、めぐみんやダクネスが俺との子供ができたとか言い出して、アクアは二人の腹を掻っ捌いて確認を」

アクア「怖いですよ! ドロドロっていうか血みどろじゃないですか!!」

カズマ「とまぁ、そこら辺は冗談だとしても、ろくなことにはならないってわけだ。それに俺はもうアクア一筋だからな」

アクア「っ/// そ、そうですか…………あの、カズマさんは結婚した後、どんなことをしてみたいですか?」

カズマ「そりゃもちろんセッ」

アクア「それ以外で!!///」

カズマ「それ以外か…………まぁ、普通に子供作ってのんびり暮らしたいな」

アクア「……ふふ、いいですね。カズマさんは子供好きですもんね」

カズマ「一応言っとくけど、ロリコンではないからな? 純粋に子供が好きなんだからな? なんかよく誤解されるけど」

アクア「分かってますって。……私達に子供が生まれたら、めぐみんさんは名付けをしたがりそうですね」

カズマ「絶対にさせないけどな。あとアクアもアクアで、とんでもなく威厳のありそうな名前つけそうだよな。ゼル帝みたいに」

アクア「えーダメですか? ゼル帝もかなり気に入っているんですが」

カズマ「はは、いや、いいと思うよ。アクアに任せる」

アクア「はい、任せて下さい! でも、子供の方は私よりカズマさんの方に懐きそうですよね……ゼル帝も私には結構そっけなかったりしますし……」

カズマ「そんなことないって。それに男の子だったら、母親がアクアみたいな美人だったら幸せだと思うぞ。子供の方もアクアに似てくれればいいんだけどな」

アクア「ふふ、カズマさんに似ててもいいじゃないですか」
204 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:01:21.96
カズマ「いやいや、外見はもちろん、中身もアクアに似たほうが絶対いいって。つーか、俺に似たらヒキニートになりそうだから嫌だ」

アクア「あ、あはは……でも、女の子だったらむしろカズマさんは溺愛しすぎて、家に置いときたがりそうですけど」クス

カズマ「それは確かにな。もし男なんざ連れてきた日には、相手が逃げ出すまで嫌がらせしまくる自信がある」

アクア「や、やめましょうよ、娘に嫌われますよ…………やっぱり、子供達も冒険者になってパーティー内で相手を見つけるのですかね?」

カズマ「えー、息子だったらともかく、娘に冒険者なんて危ないことさせたくねーな。何となく俺やアクアのトラブル体質受け継いで、結局冒険者になってそうだけども」

アクア「ふふっ、それは想像できますね。私としては、冒険者になる前に学校に行かせてあげたいのですが」

カズマ「そうだな、ダクネスの家に頼んで税金で作ってもらおうぜ。引きこもってた俺が言うのもなんだけど、やっぱ学校はあった方がいいと思うし」

アクア「それにはまず、魔王を倒して平和な世界を作らないといけませんね」ニコ

カズマ「あー、紅魔の里に学校があるのは、紅魔族があれだけ強くて安全を守れるからなんだよな…………しょうがねえな、誰かが魔王を倒すまで待つか」

アクア「あ、あれ!? そこは子供達のために自分が魔王を倒そうという展開では…………いえ、確かにそれはカズマさんの柄ではないですね……」

カズマ「うんうん、俺のことよく分かってくれてるな、流石はアクア。一番付き合いが長いだけあるな」

アクア「何でしょう、あまり素直に喜べないのですが…………ねぇ、カズマさん」

カズマ「ん?」


アクア「カズマさんは、前の私のことをどう思っていましたか?」
205 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:02:44.64

カズマ「な、なんだよ急に……」

アクア「ごめんなさい、何となく聞きたくなって」クスクス

カズマ「うーん……金や酒や食いもんに汚く俗まみれで、頭が弱くてすぐ調子に乗って、少し油断すると厄介事を持ってくる駄女神ってとこかな」

アクア「さ、流石に言い過ぎでは……」

カズマ「……まぁ、あんな風にいつも幸せそうに好き放題騒いでるから、こっちも退屈しないけどな。もはやこの街の名物みたいにもなってるし。
    それに、なに、一応俺はアイツには蘇生とか色々助けられてもいるしな。この世界に連れて来てもらったのもあるし……感謝してるよ」

アクア「…………ふふ、そうですかそうですか」

カズマ「……は、恥ずいなこれ。今の他の連中には言うなよ? 絶対ツンデレだとか馬鹿にされる」

アクア「大丈夫ですよ、言いません。でも、感謝しているのはお互い様ですよ。私やめぐみんさんやダクネスさん、それに前の私だって。
    カズマさんは何だかんだ言って、いつだって最後には私達を助けてくれますから」

カズマ「そ、そっか…………な、なぁ、もうこの話はやめないか? 背中がムズムズする!」

アクア「あはは、分かりました。…………あ、ごめんなさい。私、少し用事があるので行きますね」

カズマ「用事? 何か力になれるなら手伝うぞ?」

アクア「いえ、大したことではないですから、すぐ戻ってきますよ。それでは」ニコ

バタン
206 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:03:31.25
カズマ「…………」ゴロン

カズマ(前のアクアのことをどう思っているのか……か。めぐみんやダクネスはともかく、アクアに関してはそんなこと真面目に考えたことなかったな)

カズマ「……あー!! やめだやめ!!! 何で俺があの駄女神のことで悩まないといけないんだ!!!」ガバッ

ガチャ

カズマ「?? アクアか?」

カズマ(あれ、誰もいない……? なんだよ幽霊じゃあるまいし……幽霊なのか? い、いやいや、ここはアクシズ教団の本部だぞ。しかも真っ昼間)


「『スリープ』」


カズマ「っ!? だ、誰……だ…………」クラッ

カズマ(しまった……光の屈折魔法……で、姿を消し……てた………の、か…………)ガクッ
207 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:04:08.00

夕方


カズマ「…………ん」パチ

ダクネス「おはよう、カズマ。もう夕方だぞ」

カズマ「待て落ち着け、話せば分かる。だから暴力はやめよう」ビクビク

めぐみん「カズマ、こう考えれば良いのですよ。私達のような美少女達にぶん殴ってもらえるというのは、むしろご褒美だと」

カズマ「俺はそんなダクネスみたいな趣味はないんだよ! いや、悪かった!! ホント悪かったから!!」

ゆんゆん「あ、あの、カズマさんも反省しているようですし……」

ダクネス「……はぁ。もういい。例の薬も既に回収したしな」

カズマ「えっ…………そっか、そうだよな……」

アクア「ごめんなさい、カズマさん。私が部屋に置いておいた手紙で、大方の予定を伝えておいたんです。ゼスタさん達には私から言って、皆をこの街に入れてもらいました」

カズマ「なるほどな……俺を眠らせたのはゆんゆんか?」

ゆんゆん「はい、ごめんなさい……めぐみんから事情を聞いて……」

めぐみん「この子は友達という言葉をちらつかせるとすぐ協力してくれるので便利です」

ゆんゆん「そういうのは思ってても本人の前で言わないでよ!!! そもそも、私はそんな友達とかそういうので釣られたんじゃなくて、純粋にアクアさんの事情を知って」

めぐみん「はいはい分かりました分かりました。ではこの件に関してはあなたの役目は終わりましたので、もう帰ってもいいですよ?」

ゆんゆん「ええっ!? で、でも、ほら……お祭りとかやってるし……ね? な、なによその目は!!!」
208 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:05:08.38
カズマ「おいめぐみん、その辺でやめてやれって……あー、それで、つまりアクアはまた薬を使ってまで長く居たいってわけじゃないんだよな……?」

アクア「……ごめんなさい。私、カズマさんが私のことを思って薬を手に入れたり、一緒に逃げてくれたりして、とても嬉しかったです。
    これではいけないと分かっていても、少しの間だけでも、そんなカズマさんに甘えたいと思ってしまいました」

カズマ「…………」

アクア「でも、もう本当にこれで終わりです。カズマさんも分かっているのでしょう? 私はいつまでもここに居られるわけじゃありません。
    期限を先へ先へと延ばせば……おそらく私は、もっとここに居たくなってしまいます。元の私のことを考えずに、そう願ってしまいます。それが、怖いんです」

ダクネス「カズマ、ウィズによるとこの薬はまだ試作品で、使い続けると何が起こるか分からないらしい。最悪、本当に以前の人格が消えてしまう可能性もあるらしい」

カズマ「…………そっか。それはいくら何でも……ダメだよな」

カズマ(そうだ……本当は分かってた。分かってて、分からないふりをしてた。
    適当に逃げてやり過ごしていれば、何だかんだ最後は上手い具合に丸く収まる。アテもないのに、そんなことを考えてた)

アクア「だから、明日でお別れにしましょう。元の私のために……何より、私達のために」

カズマ「…………あぁ、そうだな」

カズマ(これでいいんだ……これで。だけど)
209 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:05:38.64
ダクネス「しかし、どうやってこの騒動を収める? もう考える時間も、何かを準備する時間もあまり残されていないが」

アクア「やはり、私がドッキリを仕掛けたという話でいきましょう。信者の方達が何か曲解してきても、何とか納得させてみせます」

ゆんゆん「え、で、でも、それだとアクアさんの立場が……」

アクア「これも元はと言えば私の責任ですから、自分の立場の心配なんてしていられません」


カズマ(だけど、俺にだって譲れないものはある)


カズマ「なぁ、俺に考えがある」

アクア「ほ、本当ですか!?」

めぐみん「…………」ジッ

カズマ「あぁ。ただ、悪い、アクアには言えないんだ。というか、知らない方が成功すると思う」

アクア「え、私が知らない方が?」

ダクネス「ふむ、敵を騙すには味方からとは言うが……その策、私達には教えてくれるのか? 何か準備は必要ないのか?」

カズマ「準備は特にいらない。策の内容は、ダクネス達には式の前に教えておくよ。…………アクア、俺を信じてくれないか? 誰も傷付かずに収めるには、多分もうこれしかないんだ」

アクア「…………ふふ、私がカズマさんのことを信じないわけがないじゃないですか。ありがとうございます、お願いしますね」ニコ

カズマ「おう! この俺が考えた作戦だ、大船に乗った気でいてくれていいぞ!」

ゆんゆん「流石はカズマさん! …………めぐみん? どうしたの、そんな難しそうな顔して」

めぐみん「…………いえ、何でもありません」
210 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:06:34.34

夜 湖のほとり


カズマ「…………はぁ」

スタスタ

めぐみん「眠れないのですか?」

カズマ「うおっ、なんだめぐみんか……」

めぐみん「なんだとはなんですか。どうしたのですか、結婚前夜ともあって柄にもなく緊張しているとか?」ニヤニヤ

カズマ「あー、まぁ、そうだなー。俺も17で結婚するとか夢にも思わなかったしな」

めぐみん「ふふ、確かにカズマは、何とかという日に女の子からチョコを貰うのにも、賄賂を払わなくてはいけないくらいですからね」

カズマ「その話まだ覚えてたのかよ……そもそも、俺の国だと男が結婚できるのは18からなんだよ。女は16からだから、めぐみんもダメだしな」

めぐみん「ほうほう、それは多分、カズマの国がここよりもずっと平和だからというのがあるのでしょうね。ここはモンスターなどでいつポックリ逝ってしまってもおかしくありませんし」

カズマ「それは身を持って知ってる…………めぐみんは早く結婚したいとか思ってんのか?」

めぐみん「なんですか、結婚前夜に他の女を口説いているのですか?」

カズマ「口説いてねーよ。単に何となく気になっただけだ」
211 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:07:42.74
めぐみん「うーん、そうですね、正直なところ結婚なんてものは、まだ自分からは程遠いものだと感じますね」

カズマ「だよなぁ。まだ10代だぞ、俺ら。ここの法律では成人してても、流石に大人になったとは思えないよな。結婚式だって、実感湧かなくてごっこ遊びみたいに思えてくるだろうよ」

めぐみん「……でも、きっとアクアにとっては特別なものだと思いますよ」

カズマ「あぁ……そうだろうな。だから、俺はどんなに実感が湧かなくても、アクアの為に明日の結婚式は何事も無く挙げてやりたい」

めぐみん「はぁ……」


めぐみん「カズマ、やっぱり策なんて何もないのでしょう?」


カズマ「……皆にもバレてるかな?」

めぐみん「いえ、大丈夫だと思いますよ。それに、とりあえずアクアにさえバレなければいいわけですし。
      まぁ、そりゃ緊張して眠れなくもなりますよね。明日の今頃は、おそらくアクシズ教徒がカズマを絶賛襲撃中でしょうし」

カズマ「おいあんまりビビらせるなよ、ますます眠れなくなるだろ。つっても、実際その通りになるんだろうけど」

めぐみん「アクアには結婚式の後に何か行動を起こすとか言っておくのですか?」

カズマ「そうだな。後はもう流れのままに任せる。大方、薬の切れたアクアが大騒ぎして、薬のことを知ったアクシズ教徒が大暴れって感じだろうな」

めぐみん「まったく、無駄に格好つけて。まぁ、安心してください、アクシズ教徒からの逃亡劇には私も付き合ってあげますよ。その時はうっかり惚れてもいいですよ」

カズマ「……たぶん俺、女神状態のアクアがいなくなったことも合わさって、精神的に相当参ってるだろうから、本当に惚れるかもしれないぞ。いいのかよ」

めぐみん「構いませんよ。ただ、おそらくダクネスもカズマに付き合うと言うと思いますけどね」

カズマ「そっか…………ありがとな」

めぐみん「どういたしまして」ニコ
212 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:08:52.13
カズマ「…………」

めぐみん「…………」

カズマ「……なに、この沈黙。何か話せよめぐみん」

めぐみん「何か、ですか。では…………」


めぐみん「月が綺麗ですね」


カズマ「おいお前、それ間違っても俺みたいな変わった名前の男には言うなよ? 勘違いされるから」

めぐみん「言うわけないでしょう。私のこと、男なら誰にでも告白するビッチだと思っているのですか?」

カズマ「意味知ってんじゃねえか! むしろ何で知ってんだよ!!」

めぐみん「ふにふらとどどんこが読んでいた『ロマンチックな告白100選』に書いてありました。先程のセリフは、変わった名前のチート持ち冒険者に有効だとか」

カズマ「そういや紅魔の里には日本の文化が結構入り込んでるんだっけか…………えっと」

めぐみん「あ、返事は結構ですよ。私は出来るだけ敗北の記憶は残したくないので。死んでもいいというのであれば別ですが」

カズマ「…………死にたくはないな」

めぐみん「そうですか…………って、それ返事してるようなものじゃないですか!
      やめてください、カズマは知らないかもしれませんが、私は意外と逆境に弱いんです! 泣きますよ!!」グスッ

カズマ「わ、悪かったから、泣くなって! あとお前が逆境に弱いのはよく知ってる!!」
213 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:10:11.97

ボコボコ


カズマ、めぐみん「「!?」」ビクッ

カズマ「……おいめぐみん、なんか湖からデカイ泡が出てるんだけど、ここって何かいたっけか?」

めぐみん「さ、魚くらいしかいないはずですが……」


ボコボコボコボコ!!


カズマ「これ、明らかに魚じゃないよな」

めぐみん「カ、カズマ、少し見てきてもらえませんか? こんな真っ暗な湖から浮かび上がる正体不明の物体とか不気味過ぎます」ビクビク

カズマ「やだよこえーよ、めぐみんが行けよ。いざとなったら爆裂魔法で吹き飛ばせるだろ」

めぐみん「い、いやですよ、それにこの私がこんな時間まで爆裂魔法を撃たずに温存してるわけないじゃないですか。今日はもう撃てません。ほらカズマ、男の子なのですから……」グイグイ

カズマ「お、押すなバカ! 俺はな、こういう都合のいい時だけ『男なんだから』とか言って厄介事を押し付けてくる女が大っ嫌……」


ザバァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!


カズマ、めぐみん「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!!」」


バニル「フハハハハハハハハハ!!! 我輩である!!!!! うむ、そのふつふつと込み上げてくるような悪感情、大変に美味…………や、やめろ! 仮面を剥ぎ取ろうとするな!!!」
214 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/07(土) 16:11:47.85

数分後


バニル「まったく、この程度の悪ふざけで本気になりすぎだろう。恨むなら自分達の小心っぷりを恨むことだ」

カズマ「こ、こいつ……で、何の用だよ。こんなことするためにわざわざ湖に潜ってたのか? つかこの街、悪魔に厳しいからバレたらとんでもないことになるぞお前」

バニル「もちろん他に用はある。それに我輩とてアクシズ教徒なんぞと諍いを起こす気などないわ。これでも大悪魔、魔の気配も隠そうと思えば隠せるのである。
     さて、ちょっと格好付けたのはいいが、内心アクシズ教徒からの襲撃に震え上がってチビリそうな小僧、それと見事に振られて内心大泣きしたい爆裂娘よ」

めぐみん「…………」ウルッ

カズマ「うおおおおいバカやめろ! もうこの際俺のことは何て呼んでもいいから、今のめぐみんに追い打ちかけんな!! 俺が言うなって感じかもしれないけど!!」

バニル「『月が綺麗ですね』……『死にたくはないな』…………ぷっ」

めぐみん「…………」ポロッ

カズマ「お、お前いい加減にしろよ!? それ以上言うなら、この街に悪魔が入り込んでるってアクシズ教徒にバラすぞ!!」

バニル「分かった分かった。どうやらガチ凹みしているそこの娘からは、羞恥の悪感情はいただけないようなのでこの辺りにしておこう。
     とにかく貴様ら、何か悲劇の逃避行的な感じに盛り上がっているところ悪いが、それは我輩にとって損になるのでやめることだ」

カズマ「損になる……? なんでだよ」

バニル「我輩、貴様のことは欲望全開でセクハラ三昧な上に小心者で人生舐めてる人間のクズだと思っているが、唯一商才だけは認めている」

カズマ「それ褒めてんの? 明らかに貶してる割合の方が大きいよな!?」

バニル「つまり、我輩にとって貴様は重要な取引先だ。知的財産はもうあらかた食い尽くしたが、それでもまだ貴様からは金を引っ張れると見ている。
     貴様が小賢しくも薬を奪っていっても、すぐに引っ捕らえて警察に突き出すこともせずに、ここまで泳がせてやったのもそういうわけだ」

カズマ「……そりゃ、お前がタダで何かしてくれるわけないよなぁ」

バニル「当然だろう、我輩は悪魔だぞ。さて小僧、今貴様は全てが丸く収まる都合のいい解決方法をご所望であろう。ならばここからは――」


バニル「――――楽しい楽しい、ビジネスの話だ」ニヤ
227 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:50:58.24

次の日 朝 礼拝堂


カズマ「……ふぁ。おはようアクア。隣いいか?」

カズマ(結局、昨日はろくに寝られなかった……まぁ、日本じゃ夜の眷属やってたし、徹夜はそこまでキツくないんだけど)

アクア「あ、カズマさん。おはようございます。もちろんどうぞ」ニコ

ストン

カズマ「女神でも朝のお祈りとかすんのか? 神様が祈るってのも中々面白い絵面だな」

アクア「あはは、いえ、単にここが落ち着くので来てみただけですよ。カズマさんこそ、どうしてここに?」

カズマ「俺は神様に祈りにきたんだよ。もっと女の子とのエロいイベントを増やしてくださいって」

アクア「残念ながら、それは聞き届けられませんね。もっと健全なことを祈りましょう」クスクス

カズマ「そっか、ダメか……エロを司る神様とかどっかにいねえの?」

アクア「いることはいますが、カズマさんには一番教えちゃダメな神様ですよねそれ」

カズマ「なんだよ、教えてくれないんならしょうがねえか……まぁ、俺にとっては街のサキュバス達がエロの神様みたいなもんだし、いっか」

アクア「そ、それ神様じゃなくて悪魔ですから! 一応神と悪魔は宿敵同士なんですよ?」

カズマ「その割には、お前とバニルはケンカしつつも結構楽しそうだよな。あ、そうだ、今日の作戦なんだけど変更することにしたよ。バニルが手伝ってくれることになったから」

アクア「えっ、そうなんですか? もしかして、前に言っていた、バニルさんが私に化けるという作戦ですか? でもそれはバニルさんが嫌がっていましたが……」

カズマ「いや、それと近いと言えば近いが、別の作戦だ。これはアクアも知っておかないといけないから、先に言っとくな」
228 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:51:54.64
作戦説明中

アクア「……なるほど。確かにこれなら……あれ、でもバニルさんは結構な痛手を負うのでは……」

カズマ「まぁ代価はちゃんと払うし、アイツも納得してるから気にしなくていいと思うぞ」

アクア「そうですか、バニルさんが良いと言うのであれば……そういえば、元々カズマさんが考えていた作戦というのは、どういうものだったんですか?」

カズマ「えっ……あー、その……」

アクア「……? そんなに言いづらいことなのですか?」

カズマ「……白状すると、何も考えてなかったんだ。ただ、アクアにはまともな結婚式挙げてやって、その後はもうどうにでもなれって感じで……」

アクア「なっ、そ、そんな事をしようとしていたのですか!?」

カズマ「だってさ、アクアの言ってたドッキリ作戦は、いくら何でもアクアが可哀想だろ。
    ただでさえ、結婚式の後は消えちまうっていうのに、最後にそんな辛い思いさせたくないってのは普通だって」

アクア「…………もう」

コトン

カズマ「っ!!」ビクッ

カズマ(か、肩にアクアの頭が……なんかいい匂いする!!!)ドキドキ

アクア「カズマさんはやっぱり優しいです。いつもは面倒事は嫌がってひたすら安定を求めているのに、たまに誰かの為にとんでもない無茶をしますよね」

カズマ「そ、そりゃな。普段はクズマやらカスマやら散々言われてるが、やる時はやるカズマさんだしな!」

アクア「えぇ。カズマさんのそういうところが大好きです」ニコ

カズマ「っ……いや、その、今のはギャグ的な感じで言ったから、そういう返しは戸惑うんですが……」

アクア「ふふ、照れているのですか? 私とカズマさんは婚約関係にあるのですし、今更でしょう」

カズマ「そ、それはそうかもしれないけど…………ただ、悪かったな。結局、式の方はぶち壊す形になっちまうみたいだ」

アクア「気にしないでください。私はこうしてカズマさんとくっついて話しているだけでも、十分幸せなんですよ?」

カズマ「……そっか。じゃあもうしばらくこうしてるか」

アクア「はい、お願いします」ニコ
229 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:52:39.72

昼 新婦控室前


カズマ「い、いや、別にいいって俺は……」

めぐみん「何を言っているのですか。式はぶち壊すことになってしまうのですから、ドレス姿のアクアをゆっくり見て褒める機会なんてここしかないのです」グイグイ

ゆんゆん「そうですよ! アクアさん、とっても綺麗ですよ?」

ダクネス「カズマ、照れくさいのは分かるが、男としてきちんと感想を言うべきだぞ」

カズマ「なんだよ、じゃあララティーナお嬢様は、アルダープにも自分のドレス姿見せて褒めさせたのかよ」

ダクネス「そんなわけあるか! い、今その話を持ってくるのは卑怯だ!」

めぐみん「いいから言う通りにしてくださいカズマ。もういっそ存分にイチャついてくれた方が、私も楽なんです」

カズマ「うっ……」

ゆんゆん「……え、どういうこと、めぐみん?」

ダクネス「カズマお前、めぐみんと何かあったのか?」ジト

カズマ「…………」

めぐみん「…………」ジッ

カズマ「……分かった、行くよ」

めぐみん「それでいいのです」ニコ

ダクネス、ゆんゆん「「???」」

カズマ「アクアー、俺だー。入っていいか?」コンコン

「あ、はい、どうぞー!」


ガチャ
230 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:53:23.16

カズマ「…………」

アクア「あの……///」モジモジ

めぐみん「ほらカズマ、見惚れるのも無理はないですが、しっかりしてください」コツン

カズマ「……あ、え、えっと……その……綺麗だぞ、アクア……///」

アクア「あ、ありがとうございます……カズマさんも格好良いですよ///」

カズマ「そ、そっか、サンキュ」

カズマ(やばい、想像以上だ……完全に女神様じゃねえか! いや、いつも女神様ではあるんだけど! 綺麗通り過ぎて神々しいんだけど!!)

ゆんゆん「あ、そうだ! 私、魔道カメラ持ってきたんです! せっかくですし、写真撮りませんか?」

ダクネス「おぉ、それはいい考えだ! しかし、いいのか? 魔道カメラはかなり高価なものだろう?」

ゆんゆん「いいんですいいんです。私、クエストはいつもソロですから無駄にお金は貯まりますけど、トランプとかで一人遊びばかりしているので使う場面がないんです。
     友人の結婚式に呼ばれるなんて、私の人生最初で最後になるかもしれませんし、大切な思い出として残しておきたいと思いまして」ニコ

カズマ「凄く悲しくなるからやめて! 俺達で良ければいつでも遊び相手になるから!!」

めぐみん「まぁ、ここはこのぼっち娘に友達っぽい事をさせてあげましょうよ。ほらカズマ、アクア、近寄ってください」グイグイ

カズマ「お、お前本当に血も涙もないこと言うな…………わ、分かったから、引っ張んなって!」

アクア「え、えっと、私はどうすれば……?///」

ダクネス「ふむ、無難に腕を組んだりすればいいんじゃないか? 流石に拘束プレイやらの写真は、カズマはお手のものだろうが、アクアにはハードルが高いだろう」

カズマ「おいコラふざけんな俺にそんな趣味はねえ! ゆんゆんがドン引きしてるからやめろ!! お前本当にバインドで縛って捨てるぞ!?」

ダクネス「なっ……そんな脅しに私は決して屈したりはしない……屈したりはしないが! それでも無理矢理にやるのだろう貴様は! いいだろう、さぁ来い!!///」ハァハァ

ゆんゆん「あの、カズマさん。いくら何でも新婦の前で、新郎が他の女性とそういうことするのはどうかと……」

カズマ「ちちち違うから! そこのド変態が勝手に言ってるだけだから!!」
231 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:54:07.98
めぐみん「いいからさっさとくっついてください。ほら、アクアも腕組んで」

アクア「あ、はい……///」ギュッ

カズマ「っ!!///」ビクッ

めぐみん「何を赤くなっているのですかカズマ。普段は魔力切れの私をおぶっている時に、『お、また少し胸が育ったか? ぐへへ』とか言っているくせに」

カズマ「ぐへへとまでは言ってねえだろ誤解を招く言い方すんな!」

ゆんゆん「そ、そこ以外は合っているんですね…………えっと、じゃあ撮りますよ? はい、チーズ!」

パシャ

カズマ「ちょ、もう撮ったのか!? やばい、俺絶対変な顔してたんだけど!」

アクア「あはは、そんなことないですってー」

めぐみん「カズマが変な顔なのはいつものことじゃないですか。では次はポーズを変えて……」

カズマ「こんのロリっ子が……つか、もう写真はいいだろ! なんか恥ずい!!」

ゆんゆん「でもまだフィルムが残っていますし……まぁ、帰ってからお友達のサボテンを撮ってもいいのですが……」

アクア「えっ、お友達の……何て言いました……?」

ダクネス「よ、よし! それでは私が、めぐみんとゆんゆんを撮ってやろう! 二人は同郷で仲も良いだろう!? それに、せっかく二人もドレス姿なのだし!」

カズマ「そ、そうだ、それがいい! なっ!?」

ゆんゆん「あ……え、えっと、めぐみん? ど、どうしよっか?」チラチラ

めぐみん「嫌ですよそんなの。お断りします」

ゆんゆん「わあああああああああああああ!!!!!」ダダッ!!

バタン!!
232 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:54:43.17
カズマ「こんの悪魔が!!! アクア、こいつにとびっきりの退魔魔法頼む!!!」

めぐみん「悪魔とは失礼な。あんな無駄に色々育った子とドレスでツーショットなんて撮ったら、まるで私が貧相な体であるかのように見えてしまうではないですか」

カズマ「別に誰と写真撮ろうが何しようが、お前の体が貧相なのは変わんねえだろうが! くだらねえことでゆんゆん泣かすなよ貧乳悪魔!!」

めぐみん「おっと、それは喧嘩を売っているのですね! いいでしょう、買いますとも!!」ギラッ

バニル「地獄の公爵である我輩から言わせてもらえば、そこの爆裂娘は悪魔と呼ぶにはまだまだ甘いな。
    我輩なら、あのぼっち娘とツーショットを撮るふりをして、シャッターが切られる寸前にフレーム外に飛び退き、虚しい一人写真にしてやるところだ」

カズマ「ホントお前らろくなこと考えねえなコノヤロウ…………ってバニル!? どっから湧いた!!」

バニル「文字通り地面から湧いたが」

アクア「あ、バニルさん……今回は本当にありがとうございます。よろしくお願いします」ペコリ

バニル「う、うむ……なんだ、やはり気色悪いなこの女神は……」

ダクネス「しかし大丈夫なのかバニル。悪魔とは言え、私達に協力してくれた者が消滅したりしたら後味が悪いのだが……」

バニル「なんだ、神に仕えるクルセイダーが悪魔の心配か? だが安心するがいい、小僧を女神に取られる前に、もっと体を使って迫るべきだったと後悔している娘。
    我輩とていくら利益があろうが、無謀な戦いに挑むほど愚かでは…………おい待て、仮面から手を離せ!!」

めぐみん「まぁ、これでも大悪魔です。一度に残機を全て削られるということもないでしょう。ほらダクネス、いつまで暴れているのですか、私達はそろそろ行きますよ」

カズマ「おいめぐみん、お前ゆんゆんにフォロー入れて連れ戻して来なかったら、アクセルに戻っても屋敷に入れないからな」

めぐみん「ええっ!?」
233 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:55:42.08

礼拝堂 結婚式


シーン……


めぐみん「(あの年中騒がしいアクシズ教徒達が大人しく座っていますよ……不気味です)」ヒソヒソ

ダクネス「(それだけアクアが、アクシズ教徒の中でかなりの立場にいるということだろう)」

ゆんゆん「(あ、二人共出てきましたよ)」


スタスタ


アクア「…………」ドキドキ

カズマ「…………」


めぐみん「(だ、大丈夫でしょうか……特にアクアが若干挙動不審なのですが……)」ハラハラ

ダクネス「(う、うむ……まぁ、いつものアクアではないのだ。そこまで大きなやらかしはないはずだが……)」

ゆんゆん「(どちらにせよ、私達に出来ることはないですから祈るしか…………そろそろですよ)」ゴクリ


ゼスタ「汝サトウカズマは健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時もこの者を妻として愛し続けると誓いますか」

カズマ「誓いますん」


ザワザワッ


「い、今何て言った?」
「『誓います』……だろ? いや、確かに何かおかしかったが……」
「か、噛んだだけだろきっと……アクア様との結婚式だ、緊張するのも無理はない」
234 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:56:31.83

ダクネス「(何を言っているのだアイツは……!! こんなのは予定とは違うぞ!!!)」

めぐみん「(いえ、おそらく簡単には誓えないのでしょう。なにせ)」

ゆんゆん「(……あ、そ、そういうことね!)」

ダクネス「(……? すまない、どういうことなのだ?)」

めぐみん「(後で説明しますよ。幸いなことに、アクシズ教徒達もただ噛んだだけだと思ってくれたようです。問題は次からですよ)」


ゼスタ「……あー、ごほん。では汝アクアは健やかなる時も、病める時も、富めるときも、貧しき時もこの者を夫として愛し続けると誓いますか」

アクア「違うわけないでしょ」


「「!!!!!!??????????」」ザワワッ


ゼスタ「ア、アクア様……?」

アクア「みんな、ごめんね! これには深い訳があるの!!」

カズマ「なっ、いきなり何を言うんだよアクア! 俺とは結婚できないってのか!!」

アクア「当たり前でしょうが。残念だったわね、あんたの考えはお見通しよ!!」ビシッ

「ど、どういうことだ?」
「あの男、アクア様に何かやらかしたんじゃ……」
「何だと!? だとしたら覚悟してもらうことになるな……!」


ゆんゆん「(ね、ねぇ、アクアさんの様子おかしくない? 作戦通りではあるんだけど……)」

めぐみん「(えぇ……これはまさか……)」

ダクネス「(あぁ。この何とも懐かしい感じはおそらく……)」
235 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:57:28.76

カズマ「訳が分からねえよ! ここまできて、俺の何が気に入らないってんだ!」

アクア「何が気に入らないか……ですって?」

カズマ「そうだよ! 何で急に……」

アクア「いいわ、教えてあげる。私が気に入らないことはね……」


アクア「あんたの存在そのものよ、このクソ悪魔!!! 『セイクリッド・エクソシズム』!!!!!」


ジュァァァァァァァァ!!!!!!


カズマ?「ぬっ、ぐぅぅぁぁああああああああああ!!!!!」


「「!!!!!!!!!!?????????????」」


「おい……おいおいおい!! なんかとんでもなく邪悪な気が出てきたぞ!!!」
「退魔魔法でダメージを受けてるってことは……!」
「中身は悪魔!!! アクア様のお仲間に化けていたのか!!!!!」


ゼスタ「なっ……す、すいませんアクア様! この私が悪魔を見破れないとは……!!!」

アクア「無理もないわ。こんなんでも、こいつは公爵級の大悪魔よ。私だからこそ見破れたの」ドヤァ

ゼスタ「おぉ……流石はアクア様!!!!!」


「アクア様すげえ!」
「当たり前だろ、我らがアクア様だぞ!」
「公爵級の大悪魔がなんだ! 俺達にはアクア様がついてる!!」

「「アクア様! アクア様!! アクア様!!! アクア様!!!! アクア様!!!!!」」
236 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:58:44.25

アクア「そうそう、その調子よ! もっと私を褒め称えてちょうだい!!」

カズマ?「ぐっ……いつから気付いていた……」

アクア「もちろん最初からよ。あんたはカズマに化けて私にプロポーズ、そしてそのまま私の夫としてアクシズ教団の中枢に入って、内部から崩壊させようって魂胆でしょ。
    だから私は騙されてるフリをして、あんたを抹消できる絶好の機会がくるまで待った。そう、私が一番目立って、しかも大勢のアクシズ教徒が集まるこの状況までね!!!」

カズマ?「……フハハ、そこまでバレていたなら仕方がない! 我が本気の力、見せてくれよう!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!


アクア「はっ、そんなもんにアクシズ教徒がビビるわけないでしょうが! 行くわよ皆、教えは覚えているわよね!? 悪魔は――」


「「――殺すべし!!!!!」」


ワー!! ギャー!!!


めぐみん「……残念ですが、これは私の出番はなさそうですね」

ゆんゆん「う、うわぁ……みんな目が怖い……悪魔より怖い……」ブルブル

ダクネス「アクシズ教は数は少なくとも信仰心は随一と言われているからな……それがこれだけ集まっているのだから、悪魔にとっては修羅場もいいところだろう」


カズマ?「ぐっ……小癪な人間共め! 『カースド・ダ』」

「『エクソシズム』!」「『エクソシズム』!!」「『エクソシズム』!!!」「『セイクリッド・エクソシズム』!!!!」「『セイクリッド・エクソシズム』!!!!!」

カズマ?「ぬぐぅぅぁぁああああああああああああああああっっ!!!!! お、おのれ……」シュゥゥゥ

アクア「随分弱ってきたわね! じゃあ、トドメと行くわよ!」

カズマ?「さ、させるかああああ! 『カースド・ダークネ』」


アクア「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!!!!!」
237 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 21:59:38.87

夕方 酒場


ワイワイ、ガヤガヤ、ドンチャン


アクア「さぁさぁ寄ってらっさい見てらっさい! アクア様の華麗なる宴会芸よ!! あ、おひねりはやめてねー」

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」


ダクネス「はは、すっかり元通りだな」

ゆんゆん「わぁ、あの芸凄いですね……本当にどうなっているんでしょう?」

カズマ「…………」ジー

めぐみん「どうしました、カズマ? まだアクアの宴会芸のタネを見破ろうとか無駄なことをしているのですか?」

カズマ「ちげーよ、なんつーかアイツ…………いや、何でもない」

ダクネス「……? しかし、良かったではないかカズマ。アクシズ教徒の中ではお前の株も上がったらしいぞ」

カズマ「株が上がったねえ……」チラ

「アクア様は当然として、やっぱカズマさんもすげーよな! 何せ大悪魔に捕まったのに脱出して、アクア様のためにここまで駆けつけてきたんだぜ!」
「流石はアクア様のご加護を得たパーティーメンバーだ!」
「アクア様のご加護こそ世界一! エリスなんて目じゃないぜ!!」

カズマ「あれ完全に俺はオマケだろ。アクアを持ち上げたいだけだろ」

ゆんゆん「あ、あはは……でもビックリしましたね。式の途中にいきなりアクアさんが元に戻るなんて」

カズマ「まぁ、薬の効果がきっちり一週間後ってわけじゃなかったんだろ、たぶん。それか真似事とは言え、バニルと結婚させられそうになって、本能的に目覚めたか」

めぐみん「バニルの方も相当嫌だったでしょうね。誓いの言葉も濁していましたし。その辺は悪魔の契約に関する事情もあるのでしょうが」

ダクネス「あぁ、なるほど。バニルが誓いの言葉の時に変な答え方をしていたのは、悪魔は契約を破れないからか。
     ……それで、あの悪魔は大丈夫なんだろうな? 完全消滅などしたらウィズが悲しむぞ」

めぐみん「どうせ私の爆裂魔法をくらった時のように復活するでしょう。残機は減っているでしょうが」

ゆんゆん「うん、バニルさんが本当にやられちゃうとか、ちょっと想像できないよね」
238 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:00:28.15
カズマ「バニルよりも俺の資産の方がダメージでかいぞ。アイツ、『我輩の残機の価値に見合った金をよこせ』とか言って、本当にとんでもない額を要求してきやがって」ハァ

ダクネス「そもそも公爵級の悪魔の残機が、金で買えるというのがおかしいのだがな……人間の魂に換算すれば、おそらく国一つでは足りんぞ」

ゆんゆん「バニルさんは普段から色々おかしいですからね……もう慣れてきましたよ……」

めぐみん「そういえば、ゆんゆんはバニルのパシ……いえ、友人でしたね。しかし悪魔と友達になったというのは、族長には言わないほうがいいですよ」

ゆんゆん「うん、お父さんに言うつもりは……ねぇ、めぐみん、今何か言いかけなかった? パシ……なんですって?」

めぐみん「何も言っていませんよ。いくら私でも、バニルからすればあなたは友人ではなくパシリだろう、なんて悲しい現実を突き付けるようなことは言いません」

ゆんゆん「言ってるじゃない! 思いっきり言ってるじゃない!! 人が気にしてることをそんなさらっと言わないでよわああああああああああああああああ!!!!!」ガッ!!


ギャー、ギャー!!


カズマ「やめろってケンカすんな! ……ったく、ダクネス、頼んだ」

ダクネス「私に任せるのか!? お、おい、やめないか二人共。まったく、めぐみんはいつもの事だが、ゆんゆんまで……」

セシリー「ふふ、いいじゃない。ああやって歳相応にじゃれ合っているめぐみんさんも可愛いわぁ///」ポー

カズマ「……セシリーさん。あんた来てたのか」

セシリー「もちろんよ! この私がアクア様の結婚式に駆け付けないわけないじゃない!
     まぁでも、全部アクア様が大悪魔を退治するための作戦だったみたいだけどね。私も少しおかしいと思ったのよ、いくら何でもカズマさんはないだろうって」

カズマ「おいコラ、どういう意味だ」

セシリー「それよりもカズマさん! 聞けばあなた、中々のお金持ちみたいじゃない? どうかしら、日頃アクア様のお力を借りている感謝も込めて教団に寄付とか……」

カズマ「誰がするか! むしろアレを飼ってやってる迷惑料よこせ!」

セシリー「もう、相変わらずツンデレなんだから。じゃあ、人に嫌がらせをすることに関しては定評のあるカズマさんに、何かエリス教徒に対する秘策を考えてもらうとかは……」

カズマ「だからしねえっつってんだろうが! つかエリス様にはただでさえ色々迷惑かけてんのに、これ以上何かやらかしたら愛想尽かされるわ!!」
239 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:01:17.72
アクア「ちょっとカズマ、なにエリスなんかの話してんのよ。今日くらい、この私を褒め称えてくれてもいいんじゃない?」

セシリー「アクア様! この度は公爵級の大悪魔討伐、お疲れ様でした! このセシリー、いくらでもお世話させていただきますので、何なりとどうぞ!!」

アクア「ふふふ、あらそう? それなら」

カズマ「おいアクア、ちょっと来い」グイッ

アクア「えっ、ちょ、何よカズマ! 私はまだまだ飲み食いするっていう仕事が」

カズマ「いいからいいから」


湖のほとり


アクア「ねぇねぇ、こんな夕陽が綺麗でちょっと雰囲気良いところに連れて来て何のつもりー? 薬がキマってた私ならともかく、今の私をどうこうできるとでも思ってんのかしらー?」ニヤニヤ

カズマ「……お前、本当に元に戻ったのか?」

アクア「……は、はぁ? 何言ってんのかしら、残念ながら元通りよ。まったく、未練がましいわねぇ……」

カズマ「…………」ジー

アクア「な、なによ、そんなに見つめて……」

カズマ「…………」ジー

アクア「…………あの」

カズマ「…………」ジー

アクア「…………どうして分かったのですか?」
240 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:02:06.18
カズマ「やっぱりか。いや、ハッキリした根拠はなかったよ。ただ、何となく違和感があっただけだ。普段のアイツじゃないなって」

アクア「……ふふ、そうですか。カズマさんは普段の私のことは何でも知っているのですね」

カズマ「ご、誤解を招く言い方するなよ……ただ単に付き合いが長いだけだっての…………それより、なんで元に戻ったフリなんかしたんだよ?」

アクア「それは……その方が湿っぽくならなくて良いと思ったんです。カズマさんにも余計な気を使わせずに済みますし……」

カズマ「……はぁ。お前こそ余計な気を使わなくていいっての。一週間だけとは言え、今のお前と一緒にいられて楽しかったし、お別れくらいちゃんと言わせてくれよ」

アクア「カズマさん…………ごめんなさい、ありがとうございます……!」グスッ

カズマ「な、泣くなって……えっと、もう時間ない感じだよな?」

アクア「そうですね……もういつ消えてもおかしくない感じです」

カズマ「そっか、じゃあ早いとこ済ませないとな。左手を出してくれるか?」

アクア「……? はい…………えっ!?」

カズマ「あー、この世界ではどうなってんのか知らんが、まぁ、ここは俺の世界と同じ薬指でいいよな……?」

アクア「……こ、これ、いつの間に……」

カズマ「そりゃ元々結婚するつもりだったんだから、指輪くらいは用意しとくって。しかし、この世界って便利だよな。指のサイズが分からなくても、自動で合わせ」

ギュッ

アクア「ありがとうございます、とても嬉しいです……一生大事にしますね。…………と言っても、もうすぐ消えちゃうんですが」クスクス

カズマ「……こっちこそありがとな。お前といられて楽しかったし、幸せだったよ」ギュッ
241 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:03:31.97
アクア「……あの、カズマさん。私の事、忘れないでいてくれますか?」

カズマ「当たり前だろ。忘れないよ」

アクア「本当ですか? 他の綺麗な女性に惑わされて、ころっと忘れちゃったりしませんか?」

カズマ「し、しないから! 本当だぞ!? 俺の今までの行いから、疑う気持ちは分かるけど!」

アクア「ふふ、ダメですね信じられません。だから……その、決して忘れられないように行動で示してください///」

カズマ「えっ、い、いや、流石にいきなり野外プレイは」ドキッ

アクア「そ、そそそそそこまで言ってませんから!!! キスですよ、キス!!!!!」

カズマ「な、なんだ、キスか……あービビった」

アクア「私の方こそ驚きましたよ! まったく、ムードも何もないんですから…………それで、あの」チラ

チュッ

アクア「んんっ!!!???///」

カズマ「……ぷはっ。こ、これでいいか……?///」

アクア「ふ、不意打ちじゃないですか!/// もっと、こう、ゆっくり二人が近付いて行って…………みたいな感じじゃないんですか!? ちょっと歯も当たりましたし!!」

カズマ「う、うるせえな、そんなこっ恥ずかしいことできっか!」

アクア「ヘタレ! やっぱりカズマさんはヘタレじゃないですか!!」

カズマ「ヘタレで悪かったな! 思春期の童貞に何期待してんだ!」
242 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:04:10.47
アクア「むぅ……」ジト

カズマ「うっ、い、いや、悪かったって……でもな……」

アクア「…………ぷっ、あははっ!!」

カズマ「ア、アクア?」

アクア「いえ、これはこれで、私達らしくていいかもですね。しょうがないです」クスクス

カズマ「……それもそうだな。しょうがねえ、しょうがねえ。俺達はこんなもんだ、うん」クス

アクア「でもカズマさんは今後の為にも、そのヘタレっぷりは直した方がいいと思いますけど?」ニヤニヤ

カズマ「ぐっ、わ、分かってるっつの…………おい、どこ行くんだ? そっちは」

チャプチャプ

アクア「…………」

カズマ「おいアクア待てって! アクア!!」

アクア「……もうお別れです、カズマさん。最後は水の女神らしく、湖に沈もうかと」

カズマ「こえーよ入水自殺かよ。顔見られたくないだけだろ。こっち向け」

クルッ

アクア「……カズマさんには隠し事ができませんね」ポロポロ

カズマ「お前が分かりやすいだけだっつの。……じゃあな、アクア。愛してる」ニコ

アクア「さようなら、カズマさん……愛してます!」ニコ


チャプン
243 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:05:01.35

カズマ「…………」グスッ

カズマ(泣くな泣くな……こんな顔見られたら、アイツに何言われるか……)


ザバァァァァァァァァァァ!!!!!


アクア「佐藤和真さん。あなたが落としたのは、大人しくて無駄に良い子ぶっている、童貞がころっと騙されそうな女神ですか?
    それとも、いつも明るく元気ハツラツで皆を盛り上げ、ここぞという時には役に立つ誰もが敬う偉大な女神ですか?」

カズマ「俺が落としたのはメインヒロインで相思相愛な美しい女神です。あなたのような駄女神ではありません。それじゃ」スタスタ

アクア「ちょっ、待ちなさいよコラああああああああああああああああ!!!!! あんたいきなりそれってどういうことよ!!!!!」ジャブジャブ

カズマ「…………」クルッ

アクア「や、やっと止まったわね……あんたそろそろいい加減に…………な、何よ?」

カズマ「…………」ジー

アクア「お、怒ってんの? そ、そりゃ、あの薬作れって言ったのは私ですけど! でも元はと言えばあんたが」

カズマ「……お前、本当に駄女神だなぁ」クスッ

アクア「また駄女神って言ったああああああああああああ!!! しかも何よ、そのちょっと悟りを開いたような言い方は!!!!!」

カズマ「なんだよ怒んなよ、珍しく褒めてんだよ駄女神。ほら行くぞー、宴会、まだやってんだろうし」スタスタ

アクア「褒めてないわよね!? 全然褒めてないわよね!? あっ、ま、待ちなさいって、その、ちょっと二人で話したいことが…………だから待ってってばああああああ!!!!!」
244 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:05:49.86

夜 アクシズ教団本部 寝室


カズマ「あー飲んだ飲んだ……」フラフラ

カズマ(いつもはこんなになるまで飲まないんだけどな……まぁ、今日くらいはいいよな……)

コンコン

「カズマー、起きてるー?」

カズマ「寝てるー」

「起きてるわね、入るわよ」

ガチャ

カズマ「はぁ!?」

アクア「なによ、驚きすぎでしょ」

カズマ「そりゃ驚くわ! 俺、ちゃんと鍵締めてたんだけど!?」

アクア「バカねー、カズマあんた合鍵って知らないの? ゼスタって人に頼んだらすぐ貰えたわよ」ドヤァ

カズマ「あんのクソジジイ!!! だーもう、何の用だよ夜這いか痴女め!!!」

アクア「そ、そんなんじゃないわよ! ……えーと、その、ちょっと話を……ね?」チラチラ
245 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:06:32.56
カズマ「話ぃ? 言っとくが、金は貸さんぞ。保証人にもならん」

アクア「ちっがうわよ! あんた一体私のこと何だと思ってんのよ!」

カズマ「すーぐ調子乗って色々とやらかしたり、厄介事を持ってくる駄女神」

アクア「あ、あんたねぇ……! …………なによ、夕方までは真面目な顔して『愛してる』とか言ってくれたくせに」プイッ

カズマ「ちちちちち違うから! おま、お前に言ったんじゃないから!!」

カズマ(こいつ、薬効いてる時の記憶はあるのかよ! まぁ、考えてみればあの綺麗なアクアも、駄女神の時のこと覚えてたしな……)

アクア「……あの、ね? カズマは何か勘違いしてるみたいだけど、あの状態の私と今の私はまるっきり別人っていうわけでもないのよ?
    記憶はずっと続いているし、お互いに影響も受け合う。人格が裏返るっていうのは、普段私が一番見せないような一面が前に押し出されるような感じなのよ」

カズマ「お前にあんなまともな女神みたいな一面ないだろ」

アクア「な、なんですってえええええ!!!」

カズマ(……あれ? でもそういや、キールを昇天させてあげた時とか、こいつにしては珍しく女神っぽかったような……。
    それに、綺麗なアクアが酔っ払った時も、ちょっと駄女神っぽい一面が見えたような…………マジなのか? いやいやいや)

カズマ「あー、つまり、なんだよ何が言いたいんだよお前は」

アクア「えっ、そ、それは……その…………ほら、カズマってば、私にキスしたじゃない……?」チラチラ

カズマ「やめて! ホントやめて!! 金なら貸すし保証人にもなってやるから、そのこと蒸し返すのはマジで勘弁してくださいアクア様!!!」

アクア「な、何よ、無かったことにする気なの!? そうはいかないわよ、私、初めてだったんですけど!!」

カズマ「……本当に初めてだったのか? だってお前、俺より遥かに長く生きてるんじゃ……」

アクア「だから天界は時間の流れがゆっくりだって言ってんでしょ! いい加減、私の年齢のことでどうこう言うと本気でしばくわよ!!」
246 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:07:21.01
カズマ「わ、悪かったって! つまり、お前のファーストキスを奪ったんだから、俺は何か代価を払うべきだとかそういうことか……?
    分かったよ、俺に出来る範囲でなら何でもしてやる。そうだよな、お前だって一応女だし、ファーストキスは大事だよな」

アクア「一応って何よ、一応って。…………ま、まぁ、いいわ。ねぇ、今、何でもしてくれるって言ったわよね?」

カズマ「お、俺に出来る範囲でなら、だぞ!? あと魂とか全財産とかは流石に許してほしいというか……」

アクア「あんたやっぱり私のこと悪魔か何かだと思ってるでしょ!? 女神なんですけど! 清くて麗しい女神様なんですけど!!」

カズマ「分かった分かった! じゃあその清くて麗しい女神様は、俺に何をお願いするんだよ!」


アクア「……もう一度、キスしてほしいの」


カズマ「…………」

アクア「…………///」チラチラ

カズマ「……なるほどな。ここで俺が『任せとけ!』とか言ったら、『何あんた本気にしちゃったの? 期待しちゃったの? プークスクス!』ってなるわけだ」

アクア「そんなこと言わないわよ! ていうか私が言うのもなんだけど、少しは空気読みなさいよ!!」

カズマ「お前、自分が空気読めないってこと認めたな……で、なんだよ、何の冗談だ?」

アクア「冗談じゃないってば……その、ファーストキスなのに薬がキマった勢いで、っていうのが嫌なのよ。だから、やり直してちょうだい!」ビシッ

カズマ「やり直しも何も、もうしちゃったもんはしちゃったんだし、お前のファーストキスは既にどうしようもないと思うが」

アクア「私の中ではあれはノーカンになってるからいいの! いいからさっさとしなさいよ!!」

カズマ「ノーカンになってるなら、しなくてもいいじゃねえか! お前は今まで誰ともキスしたことがない、これでいいだろ!」

アクア「何よ細かいことをグチグチうるさいわね! …………そうよ! ここであんたが私にキスすることによって、前のキスはノーカンになるのよ!」

カズマ「お前それ絶対今考えただろ! 大体、俺とお前はそんな関係じゃないだろ。ファーストキスにするってんなら、もっと相手選べよ」

アクア「……だからカズマに言ってるんじゃない」

カズマ「はぁ? なにお前、俺のこと好きなの?」


アクア「…………///」コクン

カズマ「えっ」
247 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:08:10.08

アクア「だから…………ね?///」

カズマ「おい待てアクア。おかしい、絶対おかしい。今のは『何勘違いしてるの? 馬鹿なの? 童貞なの?』って返すところだろ。
    それは薬がキマってる時のお前の反応であって、間違っても普段のお前の反応じゃ」


ギュッ


カズマ「……アクア?」

アクア「ねぇ、カズマ……」ジッ

カズマ「な、なんだよ」ドキッ

カズマ(あれ……俺なんでアクアにドキドキしてんだ!? これはもう女神様じゃなくて駄女神なんだぞ!?
    あ、でも、外見だけは同じだし、混同してるってことなのか!? くそっ、よく分かんねえ!!!)

アクア「今回のことね、すごく嬉しかったの。カズマ、私のために色々してくれたじゃない。
    好きだって言ってくれたし……アクシズ教徒から追われることを覚悟で、結婚式を挙げようとしてくれたり……」

カズマ「けど、それは……」

アクア「うん、分かってる。正確には私のためじゃなくて、“薬でおかしくなった私”のため、よね。
    でも言ったでしょ? あの状態の私と今の私は、完全な別人っていうわけじゃないの。だからね、あんなに私を想ってくれたカズマを見て……その……好きになっちゃったの」

カズマ「……そ、そっか」

カズマ(なんだこの状況……なんだこの状況!!!!! え、なんか普通に好きとか言われたんだけど!!!!! しかもアクアから!!!!!)

アクア「それにカズマ、普段の私のことも『退屈しない』とか『感謝してる』とか言ってくれたじゃない?」ニコ

カズマ「い、言ったけど! あれはなんつーか、雰囲気に流されたというか!」

アクア「はいはい、カズマはツンデレなんだから。考えてみればツンデレなカズマさんは、いつも私がどれだけ迷惑かけても、色々文句を言いつつも助けてくれるのよね」

カズマ「……まぁ、お前をこの世界に連れて来たのは俺だからな。責任って言葉が大嫌いな俺でも、保護者として面倒くらいは見るっての。感謝しろよ」

アクア「うんっ、ありがとカズマ! 大好き!」ギュー
248 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:08:58.36
カズマ「っ……お前やっぱキャラおかしいって! なに、もしかして薬の後遺症とかそういうのなの!? また別人格が出てきたのか!?」

アクア「全部私よ。大人しい私も、騒がしい私も、こうしてカズマに甘えまくってる私も。それに私のキャラがおかしいって言うなら、それはカズマのせいなんだからね」

カズマ「俺のせい……か?」

アクア「そう、カズマのせいよ。だから……責任とってよ」

カズマ「あー、それはつまり……さっき言ってた……」

アクア「うん……キス、して?」スッ

カズマ「…………」ゴクッ

カズマ(こんな目を閉じてキス待ち状態の美少女を前にして、何もしないなんてのは男じゃない。それは分かってる……分かってるけど、童貞にはハードルが高い!)ドキドキ

カズマ(落ち着け、落ち着け……そうだ、ちょっとキスするだけだ。口と口を一瞬合わせるだけだ。何も難しいことはない。うん、そうだ……)

カズマ「……いくぞ、アクア」

アクア「…………///」コクリ

カズマ(……お父さん、お母さん。生きてる時は家に引きこもって迷惑かけまくってたバカ息子が、今では一日に二回もキスを……)


アクア「ちょっと待って」ガシッ


カズマ「……おい何の真似だ。ここまできて『ドッキリでした!』とか言いやがったら、過去最大級の折檻をお見舞いしてやるぞ」

アクア「そんなこと言わないわよ。カズマのことは大好きだし、キスもしたいんだけど…………」

カズマ「お、おう、そっか……お前そういうこと躊躇わずに言うのな…………で、何が引っかかってるんだ?」
249 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:09:39.73
アクア「うーん……ほら、夕方にカズマが私にキスした時って、シチュエーション的にかなりロマンチックだったと思うの。
    不意打ちではあったけど、夕陽が綺麗な湖のほとりで、時間が残されていない私に別れのキス……みたいな感じで」

カズマ「まぁ、そうだな。あのまんま映画とかのラストシーンに使えそうなくらいにはロマンチックだったかもな」

アクア「それと比べて、今の状況ってそこまでロマンチックじゃなくない? ていうか、ただ私が夜這いかけただけって感じじゃない?」

カズマ「あー、うん、確かに」

アクア「それじゃダメなのよ!!!」

カズマ「な、なんだよ急に! 何がダメなんだよ」

アクア「私はファーストキスの上書きがしたいの! このままキスしても、印象に残るのは絶対湖でのキスの方じゃない!」

カズマ「……えーと、つまり、あれと同じかそれ以上にロマンチックなシチュエーションでキスしたいってことか……?」

アクア「そう、その通りよ! 危ないところだったわ、勢いに任せてこんな初歩的なことを見落とすなんて……」

カズマ「…………めんどくさ」

アクア「な、なんですって!? あんた乙女のファーストキスを何だと思ってんのよそんなんだから童貞なのよ!!」

カズマ「悪かったな童貞で! 大体、お前はもう乙女って年でも」

アクア「それ以上言ったら本気で殴るわよ!!!!!」

カズマ「わ、分かった分かった! で、どんなシチュエーションならいいんだよ?」
250 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:10:09.63
アクア「むー、それって女の子に考えさせるようなことじゃないと思うんですけど…………まぁ、そうね、とりあえず最高級ホテルの一室で綺麗な夜景を眺めながら……ってのは譲れないわね」

カズマ「…………」

アクア「あ、もちろんそこに至るまでのデートの内容も、手抜きは許されないわよ。女神とのデートですもの。とりあえずレストランは三ツ星は絶対ね」

カズマ「…………」

アクア「あとはお洋服とか小物とかも最高級の物を揃えてほしいし……そうだ、もういっそ土地ごと買って綺麗な景色をプレゼントっていうのも悪くないわね!」

カズマ「おいアクア」

アクア「なによ」


カズマ「チェンジ」


アクア「…………カズマさんカズマさん。だからね? 大人しい私も今の私も、全部私で」

カズマ「チェンジ」

アクア「……ねぇ、カズマさん。私のこと愛してるって」

カズマ「チェンジ」

アクア「…………あの」

カズマ「チェンジ」


アクア「わああああああああああああああああ!!!!! なによなによなによおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」ガッ!!
251 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:11:05.36
カズマ「ぐおっ、いでででででで!!! 離せ駄女神!!!」

アクア「酷いんですけど! 酷いんですけど!! 奥さんに対してそれはあんまりだと思うんですけど!!!」ボロボロ

カズマ「奥さんってなんだよ、結婚は無くなっただろうが! 籍も入れてねえし!!」

アクア「結婚指輪くれたじゃない! キスだってしてくれたじゃない!! 私、明日になったら信者の子達に、カズマと結婚するって言うつもりだし!!」

カズマ「ふざけんな!!! そんなもんお前が勝手に喚いてるだけだって言い逃れてやるからな!!!」

アクア「私には証拠があるのよ! ほら!!」スッ

カズマ「なっ、お前その指輪まだ…………返せコノヤロウ! いくらしたと思ってんだそれ!!」ガシッ

アクア「いやあああああああああああああ!!! 奥さんから結婚指輪奪おうとするなんて最低よおおおおおおおおおお!!!!!」

カズマ「いいからよこせ! これは駄女神じゃなく、女神様にあげたんだよ!!」

アクア「絶対渡さない! それ以上やるってんなら、指輪で強化されたゴッドブローくらわせるわよ!!!」

カズマ「お前それ指輪をメリケン代わりにしてんじゃねえかふざけんなよ!!!!!」

アクア「どうしても私から指輪を奪おうってわけね! それなら私にも考えがあるわ!!」ダダッ!!

バタン!!

カズマ「おい待てアクア! お前どこ行く気」バタン!!


アクア「誰か助けてえええええええええ!!! カズマが愛してるって言ってくれて指輪もくれたのに、今になって返せって言うのおおおおおおおおお!!!!!」


カズマ「やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!! 大体合ってるけど色々誤解を招くからマジでやめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
252 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:11:51.62

数週間後 アクセルの街 屋敷


ゆんゆん「ご、ごめんくださーい。ゆんゆんですー」コンコン

ガチャ

ダクネス「ん、どうしたゆんゆん。遊びに来たのか? カズマとアクアは今少し取り込み中だが、私とめぐみんならどこへでも付き合うぞ」

ゆんゆん「あ、えっと、この前の結婚式の写真をお渡ししようと…………どうしたんですか、これ」


アクア「このDV男!!!!! 私の何が気に入らないのよわああああああああああああああああ!!!!!」

カズマ「全部だ全部!!!!! お前結婚したら変わるとか言っときながら何も変わってねえじゃねえかこの駄女神!!!!!」


めぐみん「見ての通り夫婦喧嘩です。おそらく、そろそろスキルが飛び交うことになるので、離れていた方がいいですよ」

ゆんゆん「止めなくていいのそれ!?」

ダクネス「初めの方は止めていたのだがな。何度も何度も繰り返すものだから、それも馬鹿らしくなっていて今は放置している」ハァ

めぐみん「ちなみに今回の喧嘩の原因は、カズマがアクアに薬を盛って綺麗なアクアを呼び出したことですね」

ゆんゆん「えっ? でも、あの薬はもう……」

ダクネス「以前のものは試作品だったようだからな……カズマとバニルによってウィズが言いくるめられて、安全面に配慮された完成品を作ったらしい。
     そしてその完成品を、結構な値段をふっかけられているにも関わらず、カズマが買っているというわけだ」

めぐみん「なんでも、完成品は摂取する量によって一時間単位で効果時間を調整できるようですね。今回のアクアは半日程度綺麗な状態でした」

ゆんゆん「う、うわぁ……」
253 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:12:47.37

アクア「奥さんに薬盛るとか酷すぎるんですけど! 家庭裁判所に訴えるわよあなた!!」

カズマ「あぁいいぞ、訴えろ訴えろ! そのまま離婚してやるからな!!」

アクア「いやあああああああああああ!!!!! お腹に子供もいるのに離婚はいやあああああああああああああ!!!!!」

カズマ「おまっ、そういう分かり難いウソはやめろマジで!!!!! 悪かった、流石に言い過ぎたから!!!!!」

アクア「…………離婚しない?」グスッ

カズマ「しないしない」

アクア「…………薬盛らない?」

カズマ「盛る」

アクア「なんでよおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

カズマ「落ち着け、話を聞け。じゃあこうするぞ。一日の中で駄女神アクアと女神アクアの活動時間を決めておく。
    それで、どちらかが何かをやらかす度に、そいつの活動時間が削られ、代わりにもう一方の時間が伸びるって感じで……」

アクア「そんなのすぐに私の持ち時間が無くなっちゃうじゃない!!!!!」

カズマ「お前いつもやらかしてるって自覚はあったんだな!!! じゃあ少しは直せよ!!!!!」

アクア「うっ……そ、そこも含めて個性ってことで愛してくれませんか……?」チラチラ

カズマ「愛せない。うん、やっぱ合わねえな俺達。離婚すっか」

アクア「また離婚って言ったあああああああああああああああああああああ!!!!!!」


ダクネス「……ふふっ。それにしても、カズマとアクアが本当に結婚すると聞いた時は、このパーティーはどうなってしまうのだろうと思ったのだが……」

めぐみん「えぇ、見事に何も変わりませんね。変わらなすぎて逆に驚きましたよ」クスクス

ゆんゆん「そ、そんなほのぼのとした状況じゃないと思うんだけど…………あ、そうだ! これを見せれば二人を止められるかも!」

ダクネス「ほう……なるほど、良い写真だ。これはぶち壊してしまった結婚式の前に撮ったものか。綺麗なアクアの方だな」

ゆんゆん「はい! それで、こっちは後日行われた結婚式の時の写真です!」

めぐみん「つまり、こっちが普段のアクアの方ってことですね…………ほうほう」ニヤニヤ

ダクネス「……アクアが言っていた、『どちらも私』というのはそういうことか」

ゆんゆん「えぇ。やっぱりあの二人は喧嘩ばかりでも、何だかんだ言って末永く仲良くやっていけると思います。だって――――」


ゆんゆん「――――どちらの写真も、二人共こんなに幸せそうなんですもの」ニコ
254 : ◆0WipXNi8qk :2016/05/13(金) 22:15:19.28
これでおしまいです

アクアは子供が生まれたら良い母親になってそう
ここまで読んでくれた人に感謝!
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/13(金) 22:26:24.29
よかったよ、乙
駄女神がこんなに可愛くなるなんて…
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/13(金) 22:35:36.88

アクア様可愛かった(アクシズ教徒並の感想)
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/13(金) 23:08:38.61
おっつおっつ
これは紛れもないメインヒロイン
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/14(土) 00:14:05.20
アクア様かわいい!!

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