宗介「ウルズ7はこれよりGGOにダイブする」

1 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/28(日) 19:24:04.63
※フルメタルパニックとSAO(GGO)のクロス。

※勢いで書いたので多少設定に無理があるかもしれません

※フルメタは香港(五巻)終わってから少したったくらい。SAOはGGOがおわって少し終わったくらい

※二つとも西暦が違いすぎる?知ったことか!

※以上が耐えられない方はブラウザーバックを推奨

※なるべく更新は頑張りたいと思います。でも遅くなるかも

※時々安価を取るかも


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2 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/28(日) 19:25:20.90
何の変哲もない生徒会室。

そこで都立陣代高校の生徒であり安全保障担当補佐官の相良宗介は一枚の紙を手にしていた。

宗介「会長閣下。これは?」

そう訪ねられたのは白の詰め襟。オールバックの髪をして、怜悧な目をした林水 敦信生徒会長であった。

林水「知らないかね?GGOと呼ばれているバーチャルゲームだよ」

千鳥「そのバーチャルゲームがどうにかしたんですか?」

そう訪ねたのは生徒会副会長の千鳥 かなめである。

宗介「そのバーチャルゲームに熱狂している内の生徒が居てね。このまま行くと不登校になる可能性が高いのだよ。そこで君にはこのグループの壊滅をして貰いたい」

宗介「壊滅ですか」

林水「そうだ。壊滅だ」

千鳥「ほお、久々にあんただけでも出来る任務じゃない」

宗介「だが、俺は余りゲームは得意じゃないぞ」

林水「その点は安心したまえ。このGGOはアミュスフィアをつかうんだ」

宗介「アミュスフィア……ですか」

林水「そうだ。これを使うとヴァーチャルワールドにダイブ出来るらしい。それにこの世界は銃をメインに使う。君が最も適任だ」

宗介「は!必ず敵の部隊を壊滅してごらんに見せます」

林水「これが彼らの名前と写真だ」

そう言って林水はゲームプレイヤーの名前とキャラクターの写真がプリントされた髪を宗介に渡した。

林水「あと、アミュスフィアは生徒会から提供しよう」

そう言ってパッケージのままのアミュスフィアを渡した。

林水「では頑張ってくれたまえ」

帰ってきた宗介は早速会長閣下から渡されたアミュスフィアを取り出す。今日は幸いにしてクルツがこちらに来ているのでかなめの護衛をクルツに任せることにした。

宗介はいつも道理ベッドの下に入り、まれ無い手つきでアミュスフィアを頭部に設置した。

そして小さく呟く。

「リンクスタート」

すると辺りに色とりどりの線が現れては消え宗介の意識はガンゲイルオンラインの世界へと誘われた。
3 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/28(日) 19:26:31.52
気がつけばそこはガンゲイルオンラインの世界だった。

宗介は違和感を覚えながらも右手を動かしてみた。まるで現実そのままのように動く。

続いて左手。

こちらも問題なかった。

一歩踏み出し足回りをチェックする。こちらも大丈夫のようだ。

「全て問題なさそうだな」

これは案外上手く行くかもしれない。宗介はそんな気になっていた。ゲームだが、今回使うのは体だ。キーボードでもコントロー
ラーでもない。

「そういえば武器が見えんな」

ミスリルからの説明書を読んだ限りこのゲームは銃器を使うらしい。だが、どこにも装備していないのだ。

「一体どこにあるんだ」

しばらく色々触ってみるがどこにも銃らしきものはなかった。

しかし、ここに留まっていても事態は変わらないだろう。

そう思いたつと宗介は街へと飛び出した。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2014/12/28(日) 19:32:44.88
これは期待
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2014/12/28(日) 19:39:35.47
対象のSSを確認した、これより監視する
8 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/28(日) 20:27:30.60
その日、シノンは久しぶりにGGOをプレイしていた。

目的はなかったが、久しぶりにやってみたかったのだ。

しばらくダイブしていなかったので変わっているところがないか都市を歩いていると後ろから声がかけられた。

?「そこの君。少し良いか?」

ナンパだと思って軽くあしらおうとした時。

?「銃はどこで手に入れるんだ?」

なんだ、どうやら新入りらしい。今日は特に予定も入っていないためそれくらいなら案内しようと思った。

シノン「いいわ。案内してあげる」

「そうか。ありがとう」

宗介はどうにか協力者を取り付けることに成功した。最初はどうしたものかと思ったがどうにかなりそうだ。

「所で君は?」

宗介が少女に質問をする。

シノン「私? 私はシノン。そういうあなたは?」

宗介「俺か? 俺は…セガールだ」

シノン「セガール?スティーブン・セガールから取ったの?」

宗介「いや、昔そう呼ばれていてな」

シノン「珍しいわね」

宗介「色々あってな。君こそ、こんなゲームに女性プレーヤーなんて珍しいんじゃないか?」

シノン「私も色々あったの。今じゃ過去だけど」

宗介「そうか」

シノン「あなたは一体なんでこのゲームに?」

宗介「俺か?俺は任務で……いや、面白いゲームがあると聞いたのでな」

シノン「そうなの。とりあえず殺人犯追ってるとかじゃ無くてよかった」

宗介「ん? 殺人犯?」

シノン「少し前にそういうことがあったの。あ、もうすぐよ」

そう言ってシノンは前に指を指す。そこには少し変わった建物が建っていた。

宗介「あそこが銃器店なのか」

シノン「そう」
9 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/28(日) 20:28:56.83
店内に入ってみると宗介は驚いた。なんと言ってもその銃器の量にだ。M4にHK416、AKシリーズに八九式まである。

宗介「こんなに品揃えが」

シノン「けっこう揃ってるでしょ。まあ、あなたの所持金だとそこまで高いもの買えないけど」

宗介「すぐに金が貯まるようなのは無いのか?」

シノン「そうね……無い事はないけどあまりおすすめしないわよ? それとも少しお金貸そうか?最近こっちにダイブしなから余り気にしなくて良いわよ」

宗介「いや、君には案内をして貰っている。これ以上迷惑をかけるわけにはいかない」

シノン「そうなると、あれぐらいしかないけど」

シノンが指示した先には少し空いたスペースに柵で仕切られたコースとその先に西部劇に出てくるような男と粗末な小屋が建てられていた。

宗介「あれは何だ?」

シノン「手前のゲートから入ってNPCガンマンの弾を避けながらどこまで近づけるかってゲーム。でもやめておいた方がいい」

宗介「何故だ?」

シノン「ガンマンの弾丸に被弾しちゃいけないんだけど、八メーター切った辺りから反則みたいな動きで早撃ちしてくるの」

宗介「そんなに大変なのか?」

シノン「私の知り合いが一回成功させたけど、それ以外成功させた所見たこと無い」

宗介「だが、弾を避けるだけなのだろ。簡単だ」

そう言って宗介は機械に手の平を置きゲームに参加した。

シノン「あなた、何やってるの!?あなたは初心者の素人なのよ」

宗介「見ておけ」

宗介はそのままゲートの中に入る。要するに一発も被弾しなければいいのだ。それにたかがゲーム。実銃を撃つこともないのでかなめに怒られることもない。

宗介「いくぞ!」

そのかけ声と共に宗介は走り出した。

初弾を難なくかわし敵に詰め寄る。

シノン「ウソッ!」

次弾も早々と回避。

実にたわいない。

そして宗介が八メートルを切ったときNPCは早撃ちをする。しかし、歴戦の傭兵である宗介にとってたかがコンピューターの射撃などほとんど素人同然だった。

そして最後あと少しという所でガンマンは予備の銃を放ってきた。

さすがの宗介も多少苦しんだがしかし、その程度である。

次の瞬間にはNPCガンマンに触れていた。

宗介「簡単じゃないか」

シノン「あ、あなたも予測線を予測したって言うの」

宗介「予測線?なんだそれは?」

宗介はそう言って不思議そうな顔をした。
18 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/28(日) 23:26:38.99
シノン「予測線って言うのは防御的予測ライン。狙撃の初段を除き狙われたプレーヤーの視界には弾道予測線が表示されるの」

宗介「そんな便利なものがあるのか」

シノン「まさか。あなたもSAOやっていた?」

宗介「ん?SAO。なんだそれは?SASなら分かるが」

シノン「良いの。気にしないで。それでどうする?これだけ資金があるとほとんどの銃は選べるけど」

宗介「そうだな。とりあえずどんな銃があるんだ?」

シノン「この世界には光学銃と実弾銃があるの」

宗介「どう違うんだ?」

シノン「光学銃は主にモンスター狩りに使用するの。実弾銃はどっちかって言うと対人線メイン。後、光剣っていうのもあるけど」

宗介「光剣?」

シノン「光の剣。流石にあなたは剣で弾丸を切ろうとは思わないわね」

すると宗介は顔をゆがめた。

宗介「何を言っているんだ君は? 弾丸を切れるわけ無いだろ」

シノン「それを聞いて安心した」

宗介「で、実弾銃はどこだ?」

シノン「あなた、対人戦をするの?」

宗介「ああ、とあるチームを殲滅しなければならないんだ」

そこでシノンは先ほどと表情を大きく変えた。

シノン「あなた本気!?いきなり対人戦だなんて。倒されて終わりよ」

宗介「しかししなければならないんだ」

シノンは少し考えた。このセガールという人はどうやら悪い人ではなさそうだ。これにつきあってみるのもいいかと少し考える。それに途中でこいつが悪いやつだと分かったら倒してしまえばいいのだ。

シノン「いいわ、協力する」

宗介「協力?殲滅にか?」

シノン「そう。あなただけで倒せないでしょ」

宗介は数瞬考える。

宗介「そうか。では頼もう」

シノン「じゃあ、早速銃ね」

宗介「所でグロックはあるか?」

シノン「グロックならあるわよ。私も使っている」

そう言ってシノンは宗介にグロックを見せた。

宗介「グロック18かそれで良い」

宗介はシノンに案内して貰い早速グロックを手に入れた。

宗介「後はメインの武器か」
27 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/29(月) 23:55:16.39
シノン「どうする?私は狙撃メインだからあなたはスナイパーライフル以外が良いと思うけど」

宗介「そうなるとサブマシンガンかアサルトライフルかもしくはライトマシンガン、ショットガン辺りか」

シノン「敵がどんな所に居るのかわからない以上汎用性がある武器が良いわね。それにあなたゲームはじめたばかりだから余り重い武器は無理ね」

宗介「なら、アサルトライフル辺りだな。よし、これにしよう」

宗介はそう言い棚にあるM4A1を指さした。

シノン「M4ね。まあスナイパーと組むんじゃアサルトライフルくらいしか無いか」

宗介は端末からM4A1を選び、後から来たロボットに対して手の平をかざした。それと交換するように宗介にM4A1が渡される。

宗介「ああ。それにしても良くできている。本物と対して変わらんな」

シノン「そうみたいね」

宗介「ああ、本当に良くできている」

シノン「後は各種装備ね。グレネードとかはあっちだから」

そして宗介は無難にいつも通りの野戦服を仕入れそれに各種武装を買っていった。

宗介「こんな所か」

シノン「大体揃ったと思うけどとりあえずこの世界での戦い方を知らないとね。それに最初のキャラクターで倒すとか無理だしね」

宗介は首をかしげる。

宗介「何故だ?」
28 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/29(月) 23:56:55.07
シノン「……あなたVRMMOをやった経験は?」

宗介「皆無だ」

シノン「なら、これがVRMMOはじめてって事!?」

宗介「肯定だ」

シノンはそのまま頭に手をあててしまった。これはもしかしたら思った以上に大変な作業になるかもしれないと。

シノン「VRMMOのキャラクターにはステータスって言うのがあって、そのステータスでキャラクターの筋力や早さ、それに器用さが決まってくるの」

それからシノンはVRMMOの基礎を宗介にひもといていった。それを聞いた宗介はしばらく考えた。そしてある結論を一つ導く。

宗介「つまり今の俺ではどう頑張っても勝てないと」

シノン「当たり前でしょ」

宗介「そうか、ならば急襲作戦はもう少し後になってしまうな」

シノン「最低限のステータスを向上させとかないと本当にタダの的よ」

宗介「とりあえずそのステータスとやらはどうやってあげるんだ?」

シノン「最初の内は対人戦を避けてモンスターの方を狩るのが賢明ね。まあ、モンスターを狩るなら本当は光学銃の方が良いんだけど狩っちゃ多後だし」

宗介「別に狩れないことは無いんだろ?」

シノン「ええ。だけど大変よ」

宗介「ならば問題ない」

そう言って宗介は持っているM4を確かめる。

シノン「とりあえず、ダンジョンに行ってみましょ」

シノンはメインメニューからこの世界全体の地図を呼び出した。

宗介「そうだな」

シノン「それならとりあえずここね」

そう言ってシノンが指さした辺りは主に初心者が腕を上げるために狩りをするフィールドだった。シノンが指さした範囲に対して宗介はただ、肯定の意を伝えるべく首を前へ倒し肯定の意を示すだけだった。

シノン「なら、手っ取り早く行きたいからこれに乗りましょ」

シノンが案内した先には三輪のバイクが止められていた。前にキリトに乗せて貰ってから運転をマスターと行かなくともそれなりに運転出来るようにキリトから教えて貰ったのだ。

宗介「こんなものまであるのか」

シノン「ええ、さあ乗って」

宗介がシノンに言われて乗り込むとバイクは急加速をしていった。
34 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/30(火) 20:01:21.72
数分後、シノン達は首都SBCグロッケン近郊のフィールドに来た。

このエリアは首都とは違いSFチックな高層ビル群は無く、木々がほどよく茂っている林といった具合だった。

シノン「ここなら慣れるにも丁度良いわよ。本当は地下の下水道くらいから始めるのがいいんだけど、あなたならこっちでも大丈夫でしょ」

宗介「で、敵とはどれだ?」

シノン「もう少し奥に行ったら出てくると思う……ほら、あれ」

宗介「あれがモンスターか」

宗介の視線の先にはイノシシに居たような形のモンスターが一匹で歩いていた。距離は少し離れている。しかし、こちらに気がつくやすぐに襲ってきた。

しかし、ここで驚くような宗介ではなかった。すぐさま手持ちのグロックを取り出し素早く照準。そしてトリガーを引く。

銃弾は銃口から発射されまっすぐと標的に向かうはずだった。だが。

宗介「な!」

銃弾はモンスターから僅かにそれてしまう。続けてトリガーを引くとようやくモンスターに直撃し、HPをゼロにした。

シノン「あなた、凄いわね。二発で仕留めるなんて。それも実弾の拳銃で」

シノンは宗介の技術に驚き絶賛したが、宗介は余り良い表所ではなく、しばらく銃を確認する。

宗介「この銃はきちんとメンテナンスされているのか?」

シノン「買ったばかりなのにメンテナンスも何も無いと思うけど」

宗介「どうも狙った場所からずれているような気がしてな」

シノン「そんなステータスで、しかも拳銃であんな離れた場所にいる敵を倒せるわけ無いでしょ」

宗介「何故だ?」

シノン「そういえば説明してなかったわね。銃で狙ったときにサークルっぽいものが出たでしょ。それがバレットサークル。弾丸はその円の中にランダムに当たるようになって居るの」

宗介「ランダムにか、やはり現実とは違うようだ」

シノン「本当の拳銃の精度がどれほどか知らないけど、もし精度を上げたいなら武器自体をもっと良いものにするかステータスを上げるしかない」

宗介「どうもなれない」

シノン「慣れるまでには時間がかかる。でもなれれば面白いわよ」

宗介「最初はステータスを上げるのが最優先だな」

シノン「だから言ったでしょ。とにかくすすみましょ」

宗介「ああ」

宗介はその後も基本操作を覚えるべく低レベルのモンスターを狩り続けた。もちろん、基本的操作と言っても宗介にとって銃や弾薬の扱いなどは問題ないわけでありむしろゲーム的な操作のである。
35 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/30(火) 20:03:48.30
宗介はその後も基本操作を覚えるべく低レベルのモンスターを狩り続けた。もちろん、基本的操作と言っても宗介にとって銃や弾薬の扱いなどは問題ないわけでありゲーム的な操作の方である。

そしてあらかた宗介が操作を覚えたところで事態が動いた。

宗介「身を低くしろ」

宗介が静かにささやく。シノンもこの戦場で長く戦っているだけあって、すぐさま事態を把握した。

シノン「前の茂みに一人と後ろの茂みに一人ね」

宗介「肯定だ。多分襲ってくる」

シノン「同意。あなたは後ろにいて。死んだらペナルティーあるわよ」

宗介「いや、俺も戦おう」

シノン「確かにあなたの腕はなかなかだけど対人戦だとそれなりのセオリーがあるの。相手によっては実際の戦場なりに頭を使わなきゃ行けないの!」

しかし、それこそが宗介の望むところだった。

宗介「なら、望むところだ。君が前のやつを倒してくれ。俺は後ろをかたづける」

シノン「……わかった。ドジ踏まないでよ」

宗介「安心しろ」

宗介はそう言い低木に身を隠しながら後ろを片付けに行った。シノンも身を屈め前に進む。

どうやら、相手は余り強くは無いらしい。こちらの接近にも気がつかず先ほどまでシノン達が居た場所を今なお監視している。大方、頭を出した瞬間を狙おうとでもしていたのだろう。
シノンは拳銃が確実に当たる距離まで近づき照準した。
相手がバレット・ラインに気がつくと同時にシノンは引き金を引いた。

宗介「大丈夫か」

シノン「それはこっちの台詞あなたは?」

宗介「こちらも問題ない」

シノン「だいぶ扱いに慣れてきたみたいね」

宗介「それも君のおかげだ。感謝している」

シノン「気にしないで。そういえばあなた時間大丈夫?私はあと、一時間くらい余裕あるけど」

宗介「今何時だ?」

シノン「ちょっと待って。今は……九時五分くらい」

宗介「そうか。俺は今日までに仕上げなければならない事があるしな。よし、ここで一度止めておこう」

シノン「そう。なら一度街に戻りましょ」

宗介「君にもいろいろ迷惑をかけてしまったな」

シノン「いいの。それにあなた、面白いし」

宗介「俺がか?」

シノン「そう。じゃあ、今日はこの辺で次はどうする」

宗介「そうだな。俺もしばらく練習したい。次の休日はどうだ」

シノンは次の休日の予定に何も入っていない事を確認する。ALOの方も特に攻略は入っていなかったはず。

シノン「いいわ。じゃあ次の休日。待ち合わせ場所はあのお店でいいわね」

宗介「問題ない」

シノン「じゃあ、街に戻ってログアウトしましょ」

宗介「そうだな」

二人は一度街に戻り宗介はログアウトした。
37 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/30(火) 20:31:33.06
宗介はゆっくりと目を覚ました。

クルツ「お、ソースケ。戻ってきたか」

パソコンで何かしていたクルツは顔だけを宗介の方に向けてそう言った。

宗介「肯定だ。所でクルツ何を見ているんだ」

宗介はクルツが開いているパソコンの画面をのぞき込んだ。

宗介「……これは?」

クルツ「おまえがさっきまで遊んでたゲームのホームページだよ」

宗介「なぜだ」

クルツ「おれもVRっていうの一度やってみたかったんだ」

クルツはそのまま宗介の着けていたアミュスフィアを外す。

宗介「おい、それは生徒会の備品だぞ」

クルツ「堅いこと言うなって。壊す訳じゃ無いんだし。借りるだけ借りるだけ」

そう言ってクルツはベッドに横になるとアミュスフィアをセットした。宗介も流石に壊れるような事は無いだろうと思いクルツをそのまま今日中にミスリルへ送らなければならない書類の制作を始めた。

宗介と入れ替わるようにクルツは現実世界からの別れの言葉を快活に叫ぶ。

クルツ「リンクスタート!」

直後、クルツもまたGGOの世界へと誘われたのである。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2014/12/31(水) 16:05:07.28
クルツとシノンのダブルスナイパーに期待
40 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/31(水) 17:54:01.21
クルツは辺りを見渡す。クルツも宗介と同じように今までVRのゲームなどやったことが無かったので何もかもが新鮮だった。

とりあえず、自分の体になれると宗介がダイブしている間に確認しておいたこのゲームの進め方通りに進める。

何はともあれまずは武器を揃えるところからだ。



シノンはセガールと分かれてから少したった頃。しばらく行っていなかった武器屋に顔を出そうと思い街の中を歩いているとまたもや声をかけられた。

?「おーい、そこの彼女~」

本当ならこれもいつも通りナンパだと思いやり過ごすのだが、今日は色々面白い事があったのでその声に反応してみるのもいいかなと思った。

そう思い、振り返ると金髪の少し長い髪を備えたアバターが手を振っている。装備から見てきっと新人だ。

クルツ「ねえ、道に迷っちゃったんだけどガンショップってどこかな」

シノンはその軽い口に少し違和感を覚えた。もしかしたら、この人はやっぱりナンパが目当てなのでは無いかと。流石にこのままつきまとわれては困るため少し冷ための態度を取る。

シノン「いいけど」

クルツ「そう、じゃあ早速案内してよ」

シノン「こっち」

この様な経緯でシノンに連れられてクルツは大型の武器店にやってきたのだが……。

クルツ「やっぱり高いな」

シノン「それ以前に初心者はいきなりスナイパーライフルなんて使わないんだけど」

やはりと言うべきかクルツが最初に手にしようとした武器は狙撃銃だった。別に他の銃が使えないわけではないが、出来れば狙撃銃が良かった。

クルツ「やっぱり地道に行かなきゃ無理か……」

クルツがスナイパーライフルのコーナーで考えることしばし。何かを思いついたように顔を上げた。

クルツ「君の銃貸してくれない」

シノンはその要求に愕然とした。

シノン「まさかあなたそのまま持ち逃げする気じゃ」

クルツ「しないしない。ただ少し借りるだけだから」

シノンは流石にこれは断りたかった。へカートを貸すつもりは毛頭無いがそれ以外の銃もそれぞれ思い入れがある。

しばらく考えた結果は、前に興味で買ってはみたものの使っていない銃を貸すことだった。これならば無くなってもさほど惜しくもない。それに、売りに出してもさほどの値は付かない。

クルツはそれを受け取るとどこか中レベル程度のフィールドに案内しろと行ってきたのだ。シノンなら問題なく行けるようなフィールドだが、初心者のクルツなどは真っ先にやられてしまうようなところだ。

シノン「本当に良いの? 下手に出ていったら倒されて終わりよ」

クルツ「そんな事はしないさ。ま、みてな」
41 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/31(水) 17:55:19.90
クルツはそう言って辺りを見渡す。このフィールドは市街地のフィールドで辺りには崩れかけた中層のビルが幾つか立っていた。クルツはその中から狙撃に最も良い場所を選びそこの屋上で銃を構え伏せた。

シノン「まさか、ここから狙撃してプレーヤーの持ち物ドロップさせるつもり?」

クルツ「そのとおり」

シノン「……先に忠告しておくけどGGOってそんなぬるいゲームじゃないわよ。重力による弾丸の落下、それに風向き、湿度。考えられるだけの要素が作用するの」

クルツ「いいから見ておけって」

クルツは約八○○メーター先に見ることが出来るビルの屋上を狙っていた。シノンのステータスとへカートならばまず当てられる距離だ。だが初期のステータスであるクルツが狙撃するのはなかなか難しい的だった。

しかし、クルツはその距離に臆することなくゆっくりと息を整える。可能な限り心臓の鼓動を押さえる。

GGOを始めたばかりのクルツの狙撃ではすぐにバレットラインがでてしまう。
それは照準してからのわずか数秒で狙撃を成功させなければならないことを意味していた。そんな事は並の人間では不可能だ。

それを可能にするためにクルツは体と銃を一体化させ一つの精密機械となり引き金を引いた。

薬室で爆発した弾丸はバレットラインをなぞるようにして飛び、相手の頭部を文字通り粉々にした。きっと相手は何があったのか分からなかっただろう。

標的の沈黙を確認したクルツは

クルツ「よし!当たった」

シノン「えっ? あなた本当に当てたって言うの」

真偽を確かめるべくスコープを覗く。

シノン「本当にこの距離から当てたって言うの。一体あなた……」

クルツ「じゃあな、ありがとよ」

そう言ってクルツ・ウェーバーは借りていた銃をシノンに返して相手がドロップした銃を取りに行った。

シノンはその背中をただただ眺めていた。

その後クルツ・ウェーバーはドロップした武器を使い近くのダンジョンへ狩りへと向かった。

宗介がようやく書類を書き終え、学校の宿題も終わらせたころにようやくクルツはこちらの世界へと戻ってきた。
42 : ◆kSJ7Pa2ibE :2014/12/31(水) 17:55:58.79
宗介「戻ったか」

クルツ「なかなか面白かったぜ。それに可愛い子ちゃんとも知り合えたし」

宗介「可愛い子?」

クルツ「そう。まあ、あんまり気にすんな。それより今日は寝ちまおうぜ」

宗介「ああ」

宗介はその可愛いこという言葉に引っかかりを感じながら就寝となった。
51 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/02(金) 15:37:46.86
-翌日-
林水「で、相良君。GGOの方はどうかね」

宗介「は。順調に作戦は推移しております。協力者も取り付けました」

林水「ほう。協力者か」

千鳥「どおせ、あんたのことだら銃で脅したりだとかナイフ突きつけたりとかしたんでしょ」

宗介「いや、俺は始めたばかりだったからな。至って普通に協力者を取り付けた」

千鳥「それで、協力者って?始めたばっかのあんたに協力するんだからもの好きに違いないだろうけど」

宗介「もの好きかどうかは分からんが、スナイパーの女性アバターだった」

千鳥「じょ、女性?」

宗介「肯定だ」

千鳥(たしか、VRMMOって性別変えられないのよね)

千鳥「なんで女性が」

宗介「街で声をかけてな。また今週末に合う約束をした」

かなめはそこで少しムッとする。

林水「どんな経緯があったにしろ協力者を取り付けることが出来たのは暁光だ。生徒がゲームに没頭し不登校になった場合、我が生徒会への影響は甚大だ。ゲームに対する検閲から始まりその後は所蔵書。果ては生徒会の発行物にまでその検閲は広がるだろう。そうなれば我が生徒会の機能は低下する」

千鳥「そんなものですか?」

宗介「いや、会長閣下の言うとおりだ。戦争ではメディア戦略が重要になってくる」

林水「相良君の言うとおりだ。ではこの件は引き続き頼むよ」

宗介「はっ!必ずや会長閣下のご満足行く結果に」

自宅へと帰宅した宗介はまず機械の取り付けを始めた。事前に設置してある監視カメラ、赤外線センサー、音響センサーをアミュスフィアとつないでいるパソコンに接続する。

これによって宗介がダイブ中でも外の異変に気がつくことが出来るのだ。

クルツ「ソースケ、かえってきたのか」

宗介「肯定だ。あまえこそどこへ行っていた」

クルツ「電気屋だよ」

宗介「電気屋?」

クルツ「そ、そんでこれを貰ってきたんだ」

宗介「アミュスフィアか」

クルツ「昔江戸川に住んでた頃に世話になった電気店があってよ。そこのおやっさんとは前から顔見知りでさあ。安値で貰ってきたってわけ」

宗介「だが、何故だ」

クルツ「そりゃあ、お前の手伝いをしようと」

宗介「そうか」

クルツ「そうだよ。さっさとダイブしようぜ」

宗介「わかった。しばし待て」

宗介は警戒装置をパソコンに接続し終えるとベッドの下に潜り込む。クルツはすでに待機済みだ。

宗介「では行くか」

クルツ「おうよ」

宗介「リンクスタート」
クルツ「リンクスタート!!」
52 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/02(金) 15:39:32.59
宗介とクルツはあらかじめ決めておいた集合地点へで落ち合うことに成功した。

クルツ「お前のアバターあっちとあんま変わんね~な」

宗介「そういうお前もだ」

クルツ「まあ、こっちの方がしっくり来ていいぜ。それはそうと、こっからどうする?」

宗介「ダンジョンに潜るのが得策じゃないか」

クルツ「そうだな。おれももう少し遠距離狙える武器が欲しいな」

宗介「そういえば、お前はどうやって武器を手に入れたんだ?」

クルツ「銃借りて、狙撃で遠くにいた間抜けなスナイパーをな」

宗介「そうか」

クルツ「で、どこ行く?一番近いのはここの地下に広がる都市らしいけど」

宗介「ではそこへいこう」

クルツ「よし、そうと決まれば早速」

そうしてクルツと宗介は地下へと潜っていった。

SBCグロッケン地下に広がる旧時代の遺跡である都市には様々なモンスターが潜んで居た。

クルツ「ソースケ! そっち行ったぞ」

宗介「了解だ」

今、二人はモールの中でオークをイメージしたようなモンスター、約二十と交戦していた。幸い敵は銃など装備はしていなかったが当たればただでは済まないであろう、大型の斧を備えていた。

クルツ「にして固いぞこいつら。鎧でも着てあがるのか」

クルツは三階の一角で宗介を援護する形で狙撃をしていた。

クルツは現在、M14を使用している。7.62mm弾を使用する銃だ。

クルツはボルトを前後に動かしそのまま次の標的を狙いにかかる。早さはあまりないが相手が固いのだ。胴体に当てても死なない。

宗介「クルツ!あとどれくらいだ!」

クルツ「約15っとおお、あっぶねー」

クルツのそばにオークが投げた斧が落ちる。

宗介「おおいな」

約二十分後、どうにか敵のオーク部隊を始末することが出来た。

宗介「まさか、これほどの激戦になるとはな」

クルツ「ハハアァ、全くだ」

宗介「だが、これでかなり経験値を稼げた」

クルツ「おれもだ。もうすぐでスナイパーのスキルがとれそうだ」

宗介「なら、もう少し奥に進むか。弾薬もまだ大丈夫だ」

クルツ「なら、いこうぜ」

宗介「ああ」

二人は更に奥へと進み、その間にも何体かのモンスターを撃破してきた。
53 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/02(金) 15:41:49.24
そして、行き着いた先は……。

宗介「ここは……」

クルツ「やばい感じはするがどーせゲームだ。行ってみよう」

宗介とクルツが行き着いた先は小学校らしき建物だ。だが、小学校の辺りにはトラ模様のテープが張られている。

宗介「慎重にな」

クルツ「わかってるよ」

小学校の校門から入り校内を一巡りする。慎重に教室を確認していくが敵の姿は見当たらない。たまにモンスターも出てくるが大した脅威ではない。

クルツ「意外とたいしたことはないな」

宗介「いや、警戒をおこたるな」

クルツ「誰に言ってんだ、タコ」

それから特別室も調べたが理科室に弾薬があっただけで他にめぼしいいアイテムは無かった。

宗介「最後はここだな」

クルツ「なんだ、このカギは」

体育館の入り口には鎖が巻かれ、南京錠が二つほどかかっていた。

宗介「どうする、進むか」

クルツ「当たり前だろ」

クルツは拳銃をホルダーから取り出し南京錠に発砲する。南京錠は弾丸のダメージを受け耐久度が無くなり粉々になった。

宗介「行くぞ」

宗介はM4を構えて前に進む。

中は外が薄暗いのも相まって一層暗かった。クルツがハンドライトで照らしながら宗介が銃を構え先を行く。

少し歩いたところで二人は止まった。

クルツ「なんだ、これは」

クルツがライトで照らす先、そこにはごつごつとした何かがあった。

宗介「気を付けろ」

そこで突如、体育館の照明が点灯する。ゆっくりと明るくなる体育館。その照明が転倒すると同時にその何かはゆっくりと動いた。

クルツ「な、なんだ。ありゃ」

宗介「分からんが……マズイ、外に逃げるぞ!」

クルツ「そこの扉から校庭へ出よう」

クルツは体育館から直接校庭にでれる戸へ走り二人は外に出た。

それを追うように這いながら何かは近づく。宗介は開けっ放しの扉の隙間から動く何かを狙いから銃を放つ。

クルツ「あいつ、こっちに出てこないよな。高さだけでも人の二倍はあるぜ、ありゃあ」

宗介「だと思うが、保証は出来ん」

一瞬諦めたかのように見えた何かは一度奥に下がり突然走ってきた。

クルツ「避けろ!」

その声と同時に体育館の壁には大きな穴が開いた。

そこから出てきたのは大型。それも常識外れな大きさを持つトカゲ型のモンスターだった。
57 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/06(火) 23:23:10.01
クルツ「一体、これは」

宗介「さしずめ、中ボスといったところだろう。来るぞ!」

二人を引き裂くようにしてトカゲは口から目映い炎をはき出した。

クルツ「ソースケ!一旦校舎の中に隠れるぞ」

宗介「了解した」

近くの窓ガラスを蹴破りどうにか校舎の中に潜り込む。

それを追うようにしてトカゲは教室に頭ごと突っ込んだ。

クルツ「危機一髪だぜ」

宗介「そうも言ってられそうもないぞ」

トカゲは多少もがいた後に口を大きく開けて炎をはき出す。

宗介「上に行くぞ」

クルツ「賛成っ」

宗介「屋上からならそれなりに戦える屋もしれない」

クルツ「だな、俺は体育館の屋上で待機する。その間お前はあいつを引きつけておいてくれ」

宗介は階段を一気に駆け上がり屋上へとでた。

宗介「バカな!」

しかしそこで待ち構えていたのはあのトカゲだった。

宗介「まさか、校舎の側面を上ってきたのか!?」

宗介はそのままトカゲに銃弾を浴びせ階段まで後退し、無線でクルツを呼び出した。

宗介『クルツ! あいつは壁を這い上がってくるぞ』

クルツ『なんてっこった。じゃあ、ここも危ないって事か』

宗介『肯定だ。今すぐそこから離脱しろ』

クルツ『分かった』

宗介はマガジンを一つ使い切りトカゲを牽制しつつまた校内へと入った。

宗介(にしても、微々たるダメージしか与えられんな。クルツの狙撃銃を近距離で撃てば……いや、それでも無理だろう)

トカゲは依然として校舎外をグルグルと這い回っているが今はまだ何もしてこない。

宗介「だが、それも時間の問題か」

宗介は使えそうなものが無いかと校舎内を隈無く捜索する。

だが、それでも見つけることが出来たのはC4爆薬のみだった。

そして三階の教室。丁度プールが真上にある場所でクルツから連絡が入った。

クルツ『宗介! 助けてくれ』

宗介『クルツ! 何があった!』

クルツ『校庭通ろうと思ったらやつに見つかっちまった。今は体育倉庫に隠れてっけど、もうじきここもやばい』

宗介『了解した』

宗介は校庭を見渡せ、なおかつ遮蔽物のある保健室へ飛び込んだ。
58 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/06(火) 23:25:12.30
宗介『クルツ、今から援護するしゃがんでいろ』

クルツ『しゃがむも何も五分前からずっと隠れっぱなしだ』

宗介『では、問題ないな』

宗介はそのままトカゲへ銃弾の雨を降らせる。

トカゲは最初、銃弾を気にしては居なかったが、体力の四分の一を切ったところでトカゲは宗介の方を向いたと同時に突進してきた。宗介もそれに合わせて奥へと引っ込む。しかし、保健室に侵入してくるかと思ったが宗介が遮蔽物としていた水道に激突したトカゲが少し弱体化したのだ。

すかさず、そこに5.56mm弾を撃ち込む。

先ほどより二、三倍おおくダメージが入った。

クルツ「宗介、いま逃げてきたがあいつ弱ってないか」

宗介「肯定だ。どうやらやつは水が苦手らしい」

クルツ「そうなりゃ、やることは一つだ」

宗介「そうだな、いくぞ」

クルツと宗介は二手に分かれて急ぎ準備を始める。

クルツは現在外から中に無理矢理侵入しているトカゲをどうにか引きつけ、宗介の方に行かないようにとしていた。

クルツ「ッお! とうとう入って来やがった」

トカゲは校舎内に侵入しじりじりとクルツに迫り始めた。

クルツ『やっこさん、とうとう校舎内に入って来やがった』

宗介『了解だ。こちらは仕掛け終わった。こちらに誘い込め』

クルツ『簡単に言ってくれるぜ』

クルツはその後も必死にトカゲを引きつけ、宗介とあらかじめ決めていた三階の廊下まで連れてきた。

宗介「クルツ!避けろ」

廊下の先で宗介が消火用のホースを抱えていた。クルツが横に飛び退くと同時に宗介の持っていたホースから大量の水が放出される。トカゲはその水を嫌がるようにして手近な教室に逃げ込む。しかし、そこは丁度プールの真下であった。

宗介が手に持っていた起爆ボタンを押し込む。

それに連動し爆薬が天井に大きな穴を穿ち、同時に大量の水がトカゲへと降り注いだ。

水を頭からかぶったトカゲは大きな泣き声を上げる。
59 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/06(火) 23:27:04.41
そこへ容赦なくクルツと宗介の総攻撃が始まる。手榴弾も全て投入した。

だが。

クルツ「くっそ、野郎生きてやがる」

宗介「もう、弾がないぞ」

クルツ「絶体絶命だ」

クルツと宗介が諦めかけたとき、校舎の向こう。民家の屋根がわずかにきらめいた。

次の瞬間、窓が割れる音と同時に残りわずかのHPだったトカゲが粉々となった。

宗介「なんだ!狙撃か」

クルツ「この音!五十口径。対物ライフルだ」

宗介が狙撃ポイントを探すと民家の上でよろめく少女の姿が見えた。

宗介「シノンか」

クルツ「シノン?」

それから十分後、教室にへカート?を備えたシノンが来た。

クルツ「シノンって君だったのか」

シノン「あ、あなた昨日の」

クルツ「そういえば名前言ってなかったな。俺、クルツ君。よろしくな。で、そこのが」

シノン「セガールでしょ」

クルツ「そういえば、お前セガールで登録してたんだな」

宗介「肯定だ」

シノン「え、ちょっとまって。ってことは二人は知り合い?」

宗介「肯定だ」

シノン「じゃあ、昨日二人にあったのは」

宗介「それは偶然だ。俺が生徒会から任務で持ってきたのをこいつが無理矢理借りたんだ」

クルツ「そう。所でなんでこんな所に」

シノン「インしてみたらセガールの位置がここになってたからよ。ここ、初心者じゃ結構危ない所だから飛んできたの」

宗介「そうか、助かった」

シノン「いいのよ。そういえばどうするのこの後」

宗介「弾薬がもう無いからな。一度補給をせねばなるまい」

クルツ「今ので使い切っちまったからな」

シノン「なら、一度街へ戻りましょ」

三人は補給のため一度地上へと戻っていった。
64 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/27(火) 19:54:36.68
地上に戻った三人は弾薬を補給したのちに再びダンジョンに潜ることになったのだが。

シノン「で、どうするの?あそこのダンジョンにもう一度潜る?」

クルツ「俺は別にどうでもいいけど、どうせなら他の場所も行きたいな」

シノン「なら、他の場所に行ってみましょ」

宗介「一体どこにだ?」

シノン「ここから少し離れたところに廃棄された都市があるの。そこなら丁度いいと思う。だけど、少し距離があるから街で乗り物を調達しなきゃ」

宗介「ならば、ショップに行こう」

そうして三人がたどり着いたのは道路沿いに立てられているレンタカーショップであった。

宗介「三人となると少し大きめの車がいいな」

NPC「ならば、このハンヴィーなどどうでしょう。重機関銃などはありませんが走りは確かです」

シノン「でも私、こんな大きいの走らせたことないし」

宗介「ならば俺が運転しよう」

シノン「こんなの運転出来るの!?」

宗介「肯定だ」

クルツ「なんなら、俺が運転してもいいぜ」

シノン「まあ、貴方たち二人が運転出来るって言うなら」

そうして三人は車を借りて北上し始めた。
65 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/27(火) 19:56:10.73
――――
―――
――


―メリダ島基地―

その日、久しぶりの非番だったクルーゾーはニュータイプU.S.A.を読み終えたところで部屋の棚に隠しておいたアミュスフィアを取り出した。

クルーゾーがこのアミュスフィアを買ったきっかけは日本のライトノベルだ。

元はALOというゲームで楽しんでいたのだが、そのライトノベルが次はGGOと言うものをテーマにしだしたので買ってしまったのだ。

こんな所を部下に見つかってしまうとマズイ。

部屋に錠をかけて、もしもに備えて基地の招集ベルとアミュスフィアをつなぐ。

これで準備は出来た。

クルーゾーはアミュスフィアを頭にセットしてベッドに横になった。

「リンクスタート」

こうして、クルーゾーまでもがGGOへ飛び出した。


――
―――
66 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/27(火) 20:01:08.81
車を走らせること約二〇分。

郊外にある街は首都ほどではないがそれなりには栄えていた。ハンヴィーを止めて街に入る。

シノン「この辺だとあっちの方に廃墟があるからあそこでモンスターを狩るけどいい?」

宗介「問題ない」

クルツ「おれもいいぜ」

シノン「なら、行きましょ」

宗介「所で、そのダンジョンには一体何が居るんだ?」

シノン「確か、強化型のオークかゾンビだったかしら」

クルツ「ゾンビかまあ、大丈夫だろう」

シノン「だけど、そのゾンビ武器持ってるわよ」

クルツ「それぐらいなら大丈夫だろ。覗きに比べりゃあ楽なもんだ」

シノン「? まあいいわ。行くわよ」

そうして付いたのは廃墟のビルが立ち並ぶ街だ。

クルツ「所でどうする?俺が前衛に回った方がいいか?」

宗介「いや、前衛は俺一人で大丈夫だろう」

シノン「本当? 一人で大丈夫」

宗介「問題ない。それよりも狙撃位置に付いてくれ」
67 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/27(火) 20:05:15.26
結局、クルツとシノンは別々の狙撃位置に付いた。本来ならばどちらかがスポッターに回るのがいいのだろうが、宗介をカバーするためにはスナイパーに死角がない方がいいためこうなった。

シノン「それにしても凄い。何なの」

クルツと宗介の銃撃戦は息の合った完全なものだった。互いに打ち合う目標が分かるというかそんな感じだ。

クルツの狙撃も完璧であった。次の目標へ銃を向けるのも早く、確実にヘッドショットを決めていた。

宗介も四方に敵がいるというのにそれを気にもとめずに倒していく。

もしかしたらキリトでも苦戦する相手かもしれない。

そうしてあらかた敵を倒したところで三人は大通りで落ち合った。

シノン「あとは、ここのボスを倒すだけね。ボスはここの奥にあるビルの駐車場にいるわ」

クルツ「なら、さっさと行こうぜ」

宗介「いや、まて」

シノンが不審に思い宗介の見ている方を伺う。すると、人が一人出てきた。黒い肌に短い髪。鋭い目。

クルツ「避けろ!」

クルツの一言で二人は近くの物陰に隠れた。
68 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/27(火) 20:06:23.62
クルツ「あの野郎いきなり撃って来やがった」

宗介「どうする」

シノン「少し離れて私が狙撃した方が……」

そう言った瞬間、物陰から男が飛び出してきた。

クルツ「こいつ!」

そう言いながらクルツは相手の足を払おうとしたが逆にクルツが吹き飛ばされてしまった。

宗介「クルツ!」

クルツ「大丈夫だ。お前達は先に行ってくれ!」

宗介「大丈夫なのか」

クルツ「大丈夫だ!どうもこいつの顔を見てるとむかついてきた。あの野郎に似てるから」

宗介「それは大尉どのか」

クルツ「あたりめーだ!」

宗介「ならば任せる。死ぬなよ」

クルツ「お前もな」

宗介はシノンの手を握りボスがいる奥へと走りさっていった。
76 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/31(土) 19:02:49.64
一方、クルツ

クルツ「野郎!」

クルツは遮蔽物に隠れながらの応戦をしていた。

クルツ「このまま行くと押し切られるぞ!」

クルツ(どうにかしなければならない。だが、どうする!)

着実に敵の足音は近づく。

クルツはさっと飛び出し銃弾が降る中を駆け抜ける。

そして少し進んだビルの影に隠れた。

???「隠れてないで出てこい。ここ最近この辺りを荒らしているのは貴様達だな」

クルツ「何の事だ!俺たちは今日ここに来たばかりだ」

???「そうなのか。済まん、人を間違えたようだ。だが仮に間違いだとしてもここまで来て戦わないのか?」

クルツ「ふっ、それもないな」

???「ならば」

そう言って男はクルツの隠れる場所にじわじわと近づく。敵はアサルトライフルで武装している。対するクルツはスナイパーライフルに拳銃だ。それに、拳銃も一番安いものだ。ここで戦っても負けることは明白である。

クルツ(畜生!どうする今は拳銃でやり合ってるがいずれ弾もつきる)

クルツはしばらく考えてある案を思いついた。
77 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/31(土) 19:15:47.41
その男。正確にはクルーゾーのアバター、ベルは狡猾にクルツへと近づく。

だが、その接近は至って簡単だった。予測線のあるこの世界では初弾さえ避ければどうにかなり射線から相手が潜んで居る地域を容易に把握出来るからだ。後は、自分の後ろに回られることの無いようにすればいいだけだ。

クルーゾーは敵が潜んで居るその場所へと一気に肉薄し相手を倒すはずだった。

だが、居ない?

その直後、クルーゾーの斜め横からバレットラインが表示された。先ほど牽制射撃でクルツが撃ってから六〇秒立っていないためだ。

クルーゾーは近くに身を潜める。

だが、バレットラインははクルーゾーの隠れた場所とは違う場所へと向けられた。そして、その直後乾いた発砲音。

クルーゾー「一体、何だ。まさか」

クルーゾーはある危険性を考えたが、そんな事を出来る奴が居るのか?

その時に思い浮かんだ顔は彼の部下であり多少憎くもあるスナイパー。クルツ・ウェーバーだった。

クルーゾーは咄嗟に避けようと動こうとしたが、時はすでに遅し。

クルーゾーはクルツの放った弾丸の跳弾を頭部に喰らいキルされた。

クルツ「ふー、危なかった」

クルツが敵の倒れた場所に言ってみるとそこには拳銃が一つ落ちていた。

クルツ「ラッキー」

そう言ってクルツは敵の落とした拳銃をしまったのである。
78 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/31(土) 19:53:12.12
一方シノン・宗介

宗介「どうも苦戦するな」

シノン「そりゃあ中ボスだからね。でもまだマシな方よ」

宗介「そうか?」

シノン「次、右から来るわよ」

宗介「了解した」

シノンと宗介はひたすら避けては撃つを繰り返し十分ほどで蹴りが着いた。

宗介「ドロップはこれか」

シノン「そうね」

そういってシノンが手にしたのはMLGのM60だった。

宗介「軽機関銃か。人が増えたらそれなりに使いようもあるだろ」

シノン「じゃあ、戻りましょ」

クルツ「おーい」

シノン「クルツさん、生きてたの!?」

クルツ「おいおい、シノンちゃんそりゃあひでーよ。狙撃屋のおれだぜ。ついでにクルツ君でいいよ」

シノン「あら、私もスナイパーよ」

宗介「敵はどうした」

クルツ「かたづけた」

宗介「なら長居は無用だ。戻ろう」
79 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/01/31(土) 19:54:05.28
宗介宅(ミスリルセーフハウス)

クルツ「ふー、楽しかったぜ。にしてもよ敵に奇襲をかけるならもう少し人が居るんじゃないか?」

宗介「肯定だ。三人では技術だけあってもどうにも出来ないからな」

クルツ「ならさ、姉さん誘うぜ」

宗介「マオをか」

クルツ「そ。東京で昼食でもおごれば参加してくれるんじゃねえか」

宗介「誰がおごるんだ?」

クルツ「お前だよ」

宗介「む…まあしかたがない」

そんな話をして二人は就寝した。
86 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/02/02(月) 18:47:23.83
翌日の夕方。

宗介「っと言う具合に上手く行っている」

かなめ「まあ、上手く進んでるならいいんじゃない」

宗介「近日中にはこの任務も完遂出来るだろう」

そうして二人は別れた。

宗介「クルツ、、帰ったぞ」

クルツ「帰ったか。そういえば、お前の探してた連中居たよな」

宗介「作戦目標の事か」

クルツ「そ。そんで今日の午前中ダイブして酒場で聞き込みしてみたんだ。そしたら何でも北部大陸に拠点を持つ組織の一員じゃないかって話になったんだ」

宗介「かなり大きい組織なのか?」

クルツ「最低でも五〇人は確認されてるらしい。奴らは廃棄された城を要塞化して居るらしいんだ」

宗介「なら、要塞の攻略か」

クルツ「で、そこのグループには凄腕のプレや―も居るらしい」

宗介「そのことも含めてダイブしてからシノンと話そう」

宗介「だな」

宗介・クルツ「リンクスタート!」

その数分後。

宗介「で、このグループに関して知らないか?」

シノン「私しばらく別のゲームしてたからわからないわ。でも、あんたの本当の目的が廃ゲーマーになりかけた生徒の更正だたとわね」

宗介「なら、まずは偵察か。そういえばクルツ、マオはどうした」

クルツ「姉さんここのところ忙しいから加われるのは三日後くらいらしい」

宗介「アミュスフィアはどうした?」

クルツ「深川のおやじから送って貰う」

シノン「でも、偵察するなら慎重にいかないとね」
87 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/02/02(月) 18:51:09.14
一方

泉川署の若菜 陽子は今日もSEを丸め込んでGGOにダイブしていた。

その若菜が根城にしているのは北大陸にある古い城を改築して要塞にした場所である。城の各所にはM2などが備えつけてある。それに加えて地雷やセンサーなども豊富だ。

当初、このGGOに入ったばかりの頃には何度も死んでいたが、そのカリスマ性とヒットラーも驚くような演説力を駆使してここまで上り詰めたのだ。

若菜「でもまあ、大半のメンバーは前のドラゴン・オンラインのメンバーなんだけどね」

稲葉「誰に説明してるの?」

若菜「いいのよ。独り言」

稲葉「でも、よくここまで集めましたよね」

若菜「まあ、男共が頑張ってくれたからね」

稲葉「それと、首都の酒場でうちのグループを探ってた奴がいたらしいのよ」

若菜「まあ、大丈夫よ。前回は負けてしまったけど今回は秘策があるわ」

稲葉「はあ」
88 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/02/02(月) 18:58:28.97
宗介「ところで、どうやってそこまで行くんだ?」

シノン「また、車で行くかそれともヘリでいくかね」

クルツ「ヘリなんてあるのか」

シノン「武装はないけど、一応輸送は出来るわ」

クルツ「なら、それで行こうぜ」

宗介「操縦はどうする」

クルツ「おまえ、ゲームのヘリぐらいは運用出来るだろ」

宗介「やってみんとなんとも言えないが」

クルツ「じゃあ、やってみようぜ」

強行偵察と言うこともあり武装は死に戻りしても惜しくないよう最低限の武装にした。そのため、シノンもいつものへカートは置いてきてある。

そして、ヘリ(UH-1N)を借りて北大陸に偵察したのだが……

近づいたところで地対空ミサイルにより撃墜されたわけである。

シノン「警告無しにいきなり撃ってくるってどういうことよ」

クルツ「近くの街までも近づけなかったぜ。ありゃあ、大仕事になりそうだ」

宗介「確かに。だが、勝てないような相手ではあるまい」

クルツ「そうなると情報の収集が先だな」

宗介「ならば俺が偵察に向かおう」

クルツ「俺は首都で情報を集めてみる」

シノン「私はどうしようか」

宗介「俺は一人で十分だが? どうする?君ならば着いてきてもさほど問題にならんだろう」

クルツ「俺の方に着いてきてもいいぜ」

シノン「そうね、宗介の方についていこうかな」

宗介「ならば早めに行くぞ。敵の勢力範囲外までハンヴィーで向かいその後は徒歩での隠密活動になる」

シノン「ちょっと待てて。昔の狙撃銃取りに行くから」

そうして宗介がハンヴィーを借りに行っている間にシノンはへカートとは別の狙撃銃を持ち込んできた。

宗介「いくぞ」

そうして二人は再び敵の本拠地を目指してハンヴィーを走らせた。
89 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/02/02(月) 19:00:24.15
その車中。

シノン「所であなたはなんでそんなに強いの? VRMMOもやってなかったし、これをやるのも生徒会長から頼まれたからでしょ?」

宗介「強くなる必要があったからだ」

宗介はハンドルを握りながらそう答えた。

宗介「君こそ何故、こんな世界に来たんだ?」

シノン「……私、ある事件がきっかけで銃が怖くなったの。それも見るだけで異常に恐怖を覚えるほど。それでもこの世界の銃だけは触れた。だから、この世界でシノンが強くなれば、いずれは私も、現実世界の私も強くなれる気がしたの」

宗介「それは間違えだ」

シノン「……うん。ある人にもそう言われた。でもね、その人のおかげで私は強くなれたんだ」

宗介「銃で強くなれると思って居る奴はアマチュアだ。だが、君はそれに気がつくことだ出来たんだな」

シノン「まあね」

宗介「いいことだ。だが、現実世界では銃は怖い。これだけは覚えて置いた方がいい。銃は人を惑わす」

シノン「分かってる」

宗介「よし、そろそろ車を捨てて徒歩で行こう」

シノン「わかった」

そのまま二人は森林地帯に車をかくして森の中を進む。
90 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/02/02(月) 19:02:48.30
――――
―――
――

一方、メリダ島

マオは今日も一連の書類仕事を終えてそのまま自分の部屋に向かおうとしたが、先ほど荷物が届いたと連絡があった。ミスリルと東京の臨時便でついでに運ばれてきたものだ。実はマオもアミュスフィアには興味があった。電子系に明るいので前から触ってみようと思ってただけにクルツからのそれはありがたかった。

それを取りに総務課に向かう。

総務部でアミュスフィアを受け取り自室に帰ろうとする道すがらに元気の無くしたクルーゾーを見かけたのだ。

マオ「あら、ベン。どうしたのそんな浮かない顔をして」

クルーゾー「マオか?実は……いや、何でもない。ん?それは!」

マオ「ああ、これ?クルツから送られてきたの。なんでもGGOってゲームをやらないかって言われて」

クルーゾー「GGO?まさか、クルツがやっているのでは」

マオ「宗介につられてやってるらしいわよ」

クルーゾー「その、クルツの使っていたアバターは本人に似ているか?アバターの名前は!あいつはどこに居るんだ」

マオ「さあ、聞いときましょうか?」

クルーゾー「……いや、いい」

――
―――
――――
91 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/02/02(月) 19:06:29.11
シノンと宗介はゆっくりと敵の内部へ進行していた。途中敵に見つからないように色々と苦労はした。

宗介「気をつけろ。そこに地雷がある」

シノン「え、よくこんなのきがつくわね」

宗介「当然だ。スペシャリストだからな……伏せろ!」

シノン「え!?何?」

だが、シノンもそこは強者だ。すかさずしゃがむ。

???「かわした?」

宗介「誰だ!」

???「この僕を知らないとわね。このザマを」

宗介「……? もしかして風間か?」

風間「え?もしかして陣高の人?」

宗介「やはり風間か」

風間「もしかして、相良君!?」

宗介「肯定だ。だが、なぜ君が?」

風間「実は、このまえ稲葉さんから誘われてね。で、事情を聞いてみるとこのゲームに参加して欲しいって言われたんだ。何でも、そこのトップをやってる人がこのまえドラゴン・オンラインで頭を務めてた人」

宗介「だが、なぜそちらに加わったのだ?」

風間「実は……その人が警察の人で今度銃器保管庫を見せてくれるって言うんだ」

宗介「それで、そちらの勢力に加わったと」

風間「だから、君を撃たなきゃ行けないんだ。でも、今ここで引いてくれたら見逃してあげるよ」

宗介「無理な相談だな。会長閣下からの命令だ」

風間「なら」

風間が銃口を向ける。

シノン「彼を撃つなら私があなたを撃つわ」

風間「そういえば、その人誰?千鳥さん?ってまさか」

宗介「ああ。つい先日街で知り合ったんだ。シノンと言うらしい」

風間「もしかしてへカート使いの氷の狙撃手!?」

宗介「いや、知らないがへカートなら使ってたぞ」

風間「相良君。その人GGOじゃ結構有名な人だよ。前回のBoBで優勝しているんだから」

宗介「BoB?」

風間「一種の大会だよ」

シノン「そんな事はどうでもいいけどやるの?やらないの?」

風間「え……?それは」

シノン「できれば案内して欲しいんだけど」

その後、二人に脅迫されて風間は案内することになった。
92 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/02/02(月) 19:10:36.49
宗介「で、この先に城があるんだな」

風間「うん」

宗介がゆっくりと近づく。

???「ザマよ!貴様裏切ったな」

風間「お、お前は!」

オノD「ザマよ!ヨーコ様への忠誠を忘れたのか!」

風間「いや、そんな事は。でも」

オノD「もういい、者どもやれ!」

そう言った途端、辺りから重武装したものが最低でも十数人が出てきた。

宗介「LMGにサブマシンガン。M2まであるぞ」

シノン「あれはどうにもならないわよ」

宗介「撤退だ!撤退するぞ」

シノン「分かってる」

宗介・シノン更に風間は牽制射撃を加えつつ後退した。


―ハンヴィー車内―


宗介「何なんだ、あの大火力は!」

シノン「一体、どこからあんなに兵を」

風間「もともとヨーコさんの演説力が凄いからね。更にドラゴン・オンラインからの仲間も加わってるし」

シノン「あれじゃあ、ひとたまりも無いわね」

宗介「だが、どうにかせねばならん。それにこちらにはシノンがいる」

シノン「私は遠距離からじゃないと無理よ!」

宗介「だが、これに後一人も加わる。所で風間、いいのか?所属していた組織を裏切って」

風間「まあ、僕を引き入れた原因は前に負けた原因はザマだからって理由だから」

宗介「未練はないのだな」

風間「武器庫をみれなかったのは惜しいけど、シノンさんもみることで来たし」

宗介「ならば、仲間に加わって欲しい。正直戦力が不安だ」

風間「あの時君たちを案内したときからそうする予定だよ」

宗介「なら、まずは仲間と合流して計画を立てよう」

三人はクルツと合流すべく首都へと急いだ。
98 : ◆iE0OJTnBW2 :2015/02/12(木) 21:37:18.47
クルツと合流

クルツ「それにしてもずいぶんな重武装だな。こりゃあ」

シノン「でも、貴方たちの腕なら出来るんじゃない?」

宗介「だが、せめてマオが来るまで待った方がいい」

クルツ「それまでは待機と情報収集か」

宗介「そうなるな」

クルツ「なら、俺はちょっと用事あるから」

宗介「用事?」

クルツ「ああ、しばらくダンジョンに潜ってるわ」

そう言ってクルツは飛び出していった。

シノン「なら、私たちはどうする?」

宗介「そうだな。俺はもう少しその辺で訓練しようと思う」

シノン「それなら、いいものがあるけど?」

宗介「いいもの?」

シノン「そう。BoBっていうんだけど」

宗介「BoB?さっき言っていたものか?」

シノン「そう。バレット・オブ・バレット。個人戦の大会よ」

宗介「個人戦か。確かに良さそうだ。乱戦なら任せておけ」

シノン「なら、エントリーする?」

宗介「そうだな、何事も経験だ。やってみよう」

シノン「なら、この先にある総督府に行きましょ」


そうして宗介はBoBに参加することになる。
101 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/05(木) 22:06:09.68
宗介「ここが待合室か」

シノン「ええ、あっちで始まるまで座りましょ」

宗介「ここに座っていればいいのか?」

シノン「ええ、始まったら自動的にフィールドへ転送されるわ」

宗介「便利だな」

シノン「始めは順調に進むと思うわよ。少なくてもあなたの腕なら」

アナウンス「みなさま、お待たせいたしました。これより予選を行います」

宗介とシノンはそれぞれ別のフィールドへと転送された。無論宗介は素早く相手を倒して難なくクリア。シノンもだ。

そうして躓くことなく順調に試合は消化されていく。あっという間に決勝だ。

宗介「次が決勝か」

シノン「そうよ。私もあなたとは一度戦ってみたいと思ってたの」

宗介「そうか。だが、俺は負けるつもりはない」

シノン「負けたらなんかおごってよね」

宗介「そうだな、ボン太君でどうだ?」

シノン「あの、ボン太君?」

宗介「そうだ。製品を作ったのはいいのだが、余っているのだ」

シノン「…あなた高校生よね」

宗介「肯定だ」

シノン「まあ、人それぞれ色々あるわよね」

宗介「そろそろ始まるようだ」
106 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/07(土) 18:23:56.73
―決勝戦・ダーナン―

宗介は深い森の中に送られた。説明によると相手とは最低でも一キロ離れているらしい。

まずは、状況の確認だ。

宗介は配られた端末を開く。どうやらここはフィールドの南端らしい。孤島のフィールドは中央に廃棄された都市と、宇宙船の港がある。港は乾ドックがそのまま大きくなったような形だ。

東には草原が広がっており所々に建物がある。さらに北にはちょっとした山岳地形になっている。山岳地帯と草原の間には湖もあるようだ。

さらに西には住宅地帯と海港がある。

宗介はさっとマップを見てすぐに戦略を立て始める。森林地帯は確かに見通しが悪いがそれは敵も同じだ。むしろここで戦った方がやりやすいのではないだろうか。

宗介は辺りを見渡し、即席のトラップを作った。ワイヤーと手榴弾で作れる簡単なものだ。

近くの手頃な木に登り獲物が来るのを待つ。数分経つとすぐに獲物はやってきた。敵は確かに辺りに人が居ないかを気にしている様子だがトラップ等に気をつかっている様子はない。

だが、ワイヤーまで後一歩という所で敵は侵攻を止めた。ワイヤーに気がついたのだ。

宗介はすかさず銃を構えるとワイヤーへ照準を合わせて発砲。弾丸はワイヤーを切断し、ワイヤーにつながれたグリップが外れる。敵は銃声で気がついたようだが、逃げる間もなくプラズマグレネードは目映い閃光を辺りにまき散らした。

宗介はそそくさと次の獲物を捕らえにその場を後にした。
107 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/07(土) 18:25:09.76
シノンが出現したポイントは湖の岸辺だった。都合の良いことに近くには別荘のような建物が建っていた。シノンは二階へ上がると湖を見渡すことができるベランダにうつぶせになりバイポットをたてたへカートから対岸を望む。

湖の直径は一キロちょっと。へカートならば苦もない距離だ。

丁度対岸を歩いていた敵を見つけるとシノンはゆっくりと照準してから発砲。銃口からは大きなマズルフラッシュと共に携帯火器の弾丸としては最大クラスの五十口径弾をはき出す。

数瞬してから弾着。

シノンもまたその場を離れた。
108 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/07(土) 18:29:44.93
宗介は先ほどの爆発を聞いて駆けつけた敵を待ち伏せしてからナイフで音もなく倒すと、他の敵もそうして一人一人倒していった。

宗介「まだ、新兵の方が上手く戦えるぞ」

宗介はそう言ったが、宗介の言う所の新兵はミスリルや特使部隊に入ったばかりの者をいうので一般人に対しては酷な話である。

そろそろサテライトスキャンが始まるので手頃な遮蔽物に身を隠し端末を取り出す。どうやら今この辺りには人が居ないようだ。

人が集中しているのは市街地と湖の畔、それに山岳地帯。

山岳地帯までは少し距離がある。宗介は次のポイントを市街地と決めて素早く動いた。

市街地には一般的な住宅がひしめき合いながら建っている。宗介はそのうちの一つである、見渡しのいいマンションへと入った。そこはどことなくだが、千鳥のマンションに似ていた。

辺りを持参の双眼鏡で覗き確かめる。見える限り二人。

宗介はそのうちの一人に照準。すかさず発砲。

そしてもう一人に照準を向けるがそこに人影は無かった。しばらく辺りを確認するがどこにも見当たらない。

宗介「見失ったか?」

そう思い偵察ポイントを変えようと移動しようとしたところ。

???「見誤ったな!」

先ほどまで目視していた男が玄関に立ち銃を構えていた。金髪の髪をオールバックにして半透明のサングラスをかけていた。戦闘服は赤を基調とし、手には自衛隊が採用している89式小銃を構えている。

男はすかさずに発砲。素人が行うようなフルオート射撃ではなく、トリガーを数回に分けて打っている。

宗介に残された退路はただ一つベランダだった。

ベランダを飛び降り、そのまま二回下の階に入る。

???「逃げたか……」

宗介はその後、安全な所に隠れてサテライトスキャンを待った。先ほどまで居た場所には誰も居ないが少し離れた場所に赤いマーカーがある。

そこをタッチして、名前を表示した。

『練馬レッドドラゴン』

そこにはそう表示された。
116 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/08(日) 17:57:43.92
敵は狡猾だ。素早くこちらを補足したかと思うと、そのまま89式を打ち込んでくる。先ほどまでサテライトスキャンで隠れていた地点から逃げたのにこれだ。

赤城「君はAS乗りだな! 体の動かし方を見れば分かる!」

宗介「なぁ!」

何故、あいつは俺がAS乗りだと!

宗介はたった一発で見破られたことに驚きを隠せない。最も、赤城は相手が軍事経験があるとは思ったものAS乗りだとは思っても居なかった。ただ、言ってみたかっただけなのである。

練馬ダイコンは宗介を廃棄された倉庫まで押しやる。宗介は牽制しつつ、倉庫の中に隠れて使えそうな者を探すが何も無い。

いや。

あった。倉庫に鎮座しているそれはよく宗介の知っているものであった。

宗介「ブッシュネルか」

宗介の扱っているM9ガーンズバックよりは一世代下だが、いまでも各国では主力として使われている。

乗り込んでみると驚くほど良くできていた。メーカーからコックピット辺りの資料を貰っているのだろう。

だが、乗り込んでみて分かった。こいつは使えない。ガスタービンエンジンはあるが、肝心な燃料がない。いま動いているのは補助電源でだ。外部電源も繋がっているようだが、立たせる精一杯と言ったところだろう。ゲームバランスを考えたものだろう。

システムを立ち上げていると、練馬ダイコンが倉庫内へと入ってきた。こちらがASに乗っていると分かったのだろう。相手も近くのAS、自衛隊で採用されている96式に乗った。

どうやらすでに電源は入っていたらしく96式は宗介と同じくらいまでシステムが立ち上がっている。

宗介「早くしろ!」

AI「コンバット・マニューバー……オープン」

宗介「よし!」

すかさず横に置かれていたアサルトライフルを手に取る。時を同じくして96式もアサルトライフルを手に取った。

発砲。この戦場では最も大きいであろう爆発音と、マズルフラッシュが起こり、最大の弾丸が相手へと放たれた。
117 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/08(日) 17:58:53.17
宗介は寸での所をかわそうとしたが、強い衝撃がコックピットを襲う。右の大腿部とライフルに命中。もう、動きがとれない。 手で移動しようにもこの倉庫は狭すぎるのだ。残った武装は単分子カッターのみだ。

モニター越しに96式を確認する。96式は左肩を抉り取られていたが、右肩は無傷。それに両足もしっかりとしている。

ここで機体を捨てるか?

いや、ばかげている。そんな事をしたらダイコンにおろしにされてしまう。

だが、この距離では単分子カッターは届かない。

どうする!

一秒が十秒に感じるほど頭を回す。

そんなとき、画面上の96式に異変が起こった。

96式のセンサーに火花が走り、ひび割れたのだ。

赤城「な、なんだ!」

練馬ダイコンはどこからの攻撃か分からず一瞬体の力を抜いた。宗介はその一瞬を見逃さなかった。左足だけで跳躍。マッスルパッケージにとてつもない負荷が加わる。

だが、知ったことか。

M6は96式に飛びつくと、その胸元に単分子カッターを突き立てる。

96式は耐久値をゼロにされて爆発した。

だが、最後に飛びついた際もがいたために電源ケーブルが破損したためこれ以上の移動は無理らしい。

宗介はコックピットハッチを開けて外に出る。

それにしても先ほどの狙撃は……いや、あの正確な狙撃。それにあれはアンチマテルアルライフルだ。そんな者は彼女しかいないだろう
118 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/08(日) 18:03:44.06
宗介「シノンか」

そう言うと、彼女は倉庫の片隅から現れた。

シノン「ええ、あなた、あのままだと倒されていたから。あなたを倒すのは私よ。他の誰にも譲らないわ」

宗介「望むところだ」

シノン「じゃあ!」

宗介「ああ」

二人は銃を構える。一触即発の状態だ。

お互いが銃を向けて、誰かが声を上げようものならばすぐさま引き金を引くような感じだ。

緊迫した状態がしばし続いたが、宗介が突然叫ぶ。

宗介「いかん! 伏せろ!」

宗介の声と共にシノンも伏せた。直後、それまで二人が立っていた空間にはおびただしい数の鉛弾が通過していく。

シノン「何なの!」

宗介「あれだ!」

宗介が指さしたその先には男、それも大男が一人立っていた。

シノン「あいつは!」

宗介「知っているのか?」

シノン「前にやり合ったわ」

だが、ミニガンでは接近されるとすぐに倒されてしまう。チームプレイでは協力なのだろうが、一体一では。

そんな事を考えていると部紐巣の影からもう一人出てきた。

???「こいつと、一時的に停戦を設けたんだ」

シノン「ダイン!」

ダイン「久しぶりだな、シノン」

宗介「一体、誰だ」

シノン「前に一時パーティーを組んでいたの。強いわ」

宗介「ああ」

ミニガンにアサルトライフル。やれないこともないが、戦いが長引けば漁夫の利を狙った者が現れるだろう。

宗介「早急に終わらせなければな」

シノン「だけど強いわよ」

宗介「俺たちも一時停戦と行かないか?」

シノン「ええ、賛成」

ダイン「祈りは済んだか?お別れだな」

ダインは不敵な笑みを浮かべると引き金に手をかける。
119 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/08(日) 18:04:33.45
宗介「一つだけ言っておこう。獲物を前に舌なめずりは三流のやることだ」

そう言うと宗介は手慣れた手つきでスモークグレネードを転がす。すかさずシノンの手を引いた。

宗介「こっちだ!」

スモークが濃くなる前にダインとベヒモスは引き金を引いたが当たらなかった。

命からがらどうにか逃げ仰せた二人は倉庫から少し離れた民家に逃げ込んだ。

宗介「あの、ミニガンは厄介だ」

シノン「ええ、でも私のへカートなら」

宗介「だが、やるならヘッドショットを狙わないと不味いぞ」

シノン「それくらい簡単よ」

宗介「だが、過信は危険だ。それに二人同時に始末した方がいい。俺が前にでて大通りに出る。そこを撃て」

シノン「ちょっと待って! それじゃあなたが危険じゃない!」

宗介「俺はプロだ。安心しろ、君と戦うまで倒れない」

シノン「宗介……」

宗介「作戦の説明だが……」
123 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/09(月) 20:24:54.30
宗介の提案した作戦は宗介の身を酷く危険にさらすものだった。

シノン「本当に大丈夫なの!?」

宗介「安心しろ、問題ない」

シノン「問題大ありよ」

宗介「隠密行動は慣れている」

宗介はそのままシノンの言葉も聞かずに行ってしまった。

ターゲット二人は民家の建ち並ぶエリアから都市部へと進行していた。狙撃を警戒しているのか、建物の影を歩いている。

宗介「誘い出さねばな」

宗介はもの陰に隠れながら二人の頭上まで近づくと、襲いかかるようにして二人へと飛び降りた。

だが、ダインとベヒモスは宗介の一撃を避ける。

ダインがライフルで牽制射撃をおこない、ベヒモスとの間を空ける。

宗介は間一髪の所で避ける。

宗介(そうだ、こっちにこい)

ゆっくりと宗介は後退し、大通りへと誘い出す。

ダイン「そろそろみたいだな。終わらせようじゃないか」

ベヒモス「Hahaha」

ベヒモスは笑いながらミニガンを振り回し、宗介を追い詰めていく。幾重もの銃弾を寸での所で宗介はかわし、追い詰められていく。

宗介は予定通り、大通りへと追い詰められた。

そして、丁度ベヒモスが大通りの角を曲がったとき。約五百メートル先のビルの屋上でうつぶせになって居たシノンは引き金を引いた。

ベヒモス「オォォ!」

ダイン「大丈夫か!」

宗介はダインが横を向いた一瞬を突いて襲いかかる。

宗介「言ったはずだ。獲物を前に舌なめずりは三流のやることだ」

直後、乾いた発砲音がたった一回辺りに響いた。

ダイン「お前……」

それだけを言い残し、ダインには死亡マークがついた。

シノン「よくあの弾丸を避けていったわね」

宗介「ああ、今回ばかりはきつかった。ゲームだからと言って無理はするものではないな」

シノン「そうよ、見ていた冷や冷やしたわ」

宗介「だが、これで戦える」

シノン「だけど、しばらくするとサテライトスキャンの時間よ。あれが終わってから戦いましょ」

宗介「そうだな」
124 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/09(月) 20:30:31.15
二人はビルに入ってサテライトスキャンの時間を待った。

宗介「始まったな」

宗介は端末を見ながら辺りを確認する。どうやら残ったのはあと四人近くらしい。

この二人はここから余り離れていない場所だ。

だが、そのマーカーが突如として消えたのだ。

シノン「あれ、いま戦闘になったのかな?」

宗介「どうやらそのようだ」

シノン「この距離でやったって事はスナイパーライフルの可能性が高いわね」

宗介「ああ」

再び端末を見る。

宗介「なぁ!」

すると、残って居た光点も消えたのだ。

シノン「なんで、リタイアしたの!?……まさか!」

宗介「なんだ?」

シノン「まって……決勝戦の出場者リストと敗退者の数を……」

宗介「なんだ?」

シノン「出場者が23人。敗退者が20人」

宗介「二人は俺とシノンだ。そうなるとあと一人いるのか。どこか、衛星の陰に隠れていたのか?」

シノン「このステージで都市部にそんな事が出来る場所は無かったはずよ」

宗介「なら、一体どうやって」

シノンがポツリと呟く

シノン「……光迷彩」
125 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/09(月) 20:32:32.36
宗介「なんだと」

シノン「光歪曲迷彩よ。要するに不可視化するのよ」

宗介「つまり、ECSの不可視モードか」

シノン「ええ、そんなところ」

宗介「厄介だ」

シノン「ええ、前の大会で戦ったけど面倒な相手よ」

宗介「何か弱点はないのか? ECS不可視モードならオゾン臭がするのだが」

シノン「オゾン臭? そんな設定のSFあったかしら」

宗介「気にするな」

シノン「で、弱点て程じゃないけど、砂地だと足跡は見えるわ。それに水の中もダメね」

宗介「なら、都市部での戦闘は厄介だな。よし、一か八か砂地へ出よう……ん? 少し楽しそうだな」

シノン「え、そう? 前の大会に似ているからかな」

宗介「そうか」

シノンは思って居た。これじゃあ前と余り変わらないじゃないか。

男だって言うのは確かだけど、お店を紹介してあげて、お金を荒い方法で稼いで。

変なことに巻き込まれて今じゃBoBにまででている。

今は楽しい。あの時みたいだ。あの時より気楽にやっていられる。

宗介「最終決戦と言ったところか」

シノン「そうね。邪魔者が居なくなってから戦いましょ」

そして二人が立ち上がろうとしたその時。

宗介「危ない!こっちだ」

宗介は間に合わないと判断し、シノンを壁際にまで押した。

その光景は最近巷で有名な壁ドン、そのものだった。
126 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/09(月) 20:35:14.43
シノン「な、何を」

宗介「静かにしろ」

宗介とシノンの顔はわずか数センチ。その吐息さえ聞こえるような距離だ。

シノンの心拍数がわずかに上がる。いや、わずかなどではない。大幅にだ。こんな状況でへカートを構えたら敵に当たることはないだろう。

それほどまでに心臓の鼓動が早くなる。

だが、シノンはすぐさまその鼓動を押さえねばならないのであった。

先ほどまでシノンが立っていた場所を何かが横切り、壁に小さな穴が穿たれていた。

シノン「まさか、狙撃!」

宗介「そのようだ。少し待て」

宗介は腰にぶら下げていた最後のスモークグレネードを取り出し、辺りにばらまく。それから残っていたアップルと呼ばれるグレネードを取り出した。

このGGOではアップルなどよりも、プラズマグレネードの方が多く使われているのだが、宗介はいつも使い慣れているものを使っているのだ。

シノン「どうしたの?スモークはもう十分よ」

宗介「いや、まだだ」

宗介はアップルを狙撃手のいるであろう方向に投げる。

シノン「そんなことしてもスナイパーはずっと先よ」

宗介「分かっている。だが、相手はサーモを装備しているかもしれん」

シノン「それの対策なのね」

シノンが興味深くその話を聞いた。

宗介「いまだ!行くぞ」

アップルの爆発と同時に走り出す。

宗介とシノンは疾走し息絶え絶えになりながらも砂地を目指した。
129 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/11(水) 00:46:59.66
宗介とシノンは砂地の岩陰に隠れていた。

シノン「ここに居れば相手が近づいてきても足音で分かるはずよ」

宗介「ああ。俺は奴と近接戦闘をして時間を稼ぐ。シノンは隙を狙ってそいつを撃ってくれ」

シノン「え、それってつまりあなたと近距離で戦っている光迷彩のやつを狙えって言うの? そんなの無理よ!光迷彩でさえ厄介なのに、宗介が近接戦闘している最中に狙うなんて。あなたを誤射するかもしれないわよ」

シノンが真剣な眼差しで宗介を見つめる。それに答えるようにして宗介はシノンの肩を両手で掴んだ。

宗介「俺は君を信じている! 君のその狙撃技術も君という人も」

シノンは宗介の言葉に返す言葉が言えなかった。それどころか、頬が紅く染まり始める。

宗介「俺は君を信じる。だから、シノン! 君も俺を信じてくれ」

シノンは数瞬経ってから断固たる決意を持ってこういった。

シノン「ええ、やってやるわ。 だから、あなたも倒されないで。あなたを倒すのは私よ!」

シノンは一度大きく息を吸い込んで更に言葉を続けた。

シノン「私は、あなたを信じてるから!」

宗介「安心しろ、必ず君と決着を付けよう」

直後、わずかだが宗介の耳には誰かが砂を踏みしめる音が聞こえた。

宗介「どうやら、きたようだ」

宗介とシノンは岩陰から最後の一人を望む。すると、何も無かった空間からECS不可視モードが解けるかのように人が現れた。どうやら、ここでは意味がないと見て光迷彩を捨てたのだ。その姿を見て、一番最初に声を上げたのはシノンだった。

シノン「な、なんで!」

光迷彩を外した敵の格好は黒のマントを着て、背中には長い狙撃銃、L115A3だ。それに腰にはノリンコ54式黒星を下げていた。

宗介「どうしたんだ」

シノン「あいつ、なんで……いや、あいつは今は居ない。それに、私もあの銃を克服した」

宗介「一体どういうことだ」

不思議そうな宗介に対してシノンは簡単にデスガンとのあらましを話した。

宗介「そういうことだったのか」

シノン「ええ。だから、あいつの真似を軽々しくやるなんて許せないわ。勿論、知らずにやっているのかもしれない。でも、私個人は許せないわ。だから、あいつは絶対に私がやる」

宗介「分かった。俺は出来るだけ時間稼ぎをする。シノン、君を信じている」

シノン「ええ、私もあなたを信じてる」
130 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/11(水) 00:49:05.28
デスガン(偽)は素早くこちらへ照準。そして発砲。デスガンはかなり腕がいいらしくバレットラインを出さずに狙いを付けてきた。だが、実戦を生き抜いてきた宗介は銃口から推察して弾丸を避けた。

デスガンは焦りを見せず丁寧で素早い操作でレバーを引き排莢する。

だが、次弾を撃たせる前に宗介は肉薄。デスガンは狙撃を諦め背中に回し、黒星を取り出す。

銃口を向けられた宗介は射線を避けるようにして接近。デスガンも何発か放つがその全てが避けられる。

宗介が後ろ腰に装備されてあるナイフを抜く。デスガンもそれに対して剣を取り出した。

金属音が辺りに響く。

その様子をシノンは八百メートル離れた場所から狙っていた。こんな距離、普段なら一秒と経たずに撃てる。だが、今回ばかりは違った。レンズ越しに動く二人はもの凄く近く、互いに交差し、入れ違い、背中が入れ替わる。

シノンは心臓の鼓動を押さえた。緊張している。だが、今はこれ以上サークルを大きくしてはならない。

分かれる前の宗介の言葉を思い出す。

宗介は私を信じて戦っている。だから、私もそれに応えなければならない。

そう思い、引き金を引いた。

だが、無情にもその弾丸は命中せずに、二人の少し後方に着弾し砂が舞い上がる。

その後も何発か放つが全て外れた。

宗介も厳しい戦いを強いられていた。相手は柔軟で狡猾だ。離れたと思えば素早く拳銃を抜いてくる。宗介も拳銃を撃たなければならなかった。

相手の弾丸が宗介のバックパックを直撃した。そこには丁度予備の弾倉が詰まっている。

これで苦戦を強いられることになった。

シノンも狙撃が安定せずに悩んでいる。

気がつけば弾倉はこれ一つになって居た。

次の一発を外すわけにはいかない。

それにこれ以上宗介を待たせてはならない。焦れば焦るほどサークルが大きくなる。

落ち着け。落ち着け私!

シノンは心でそう念じる。

その時、シノンはレンズ越しにこちらを向いて何かを叫ぶ宗介の姿が見えた。その唇の動きから見て取れた。宗介がなんと言っているのかを。

『信じている!』

シノンは大きく息を吸い込んでサークルを一番小さくする。

辺りに爆音が響いた。

それから少ししてからデスガンの体には死亡を示すマーカーがついた。

131 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/11(水) 00:49:34.24
シノン「宗介!」

へカートでの狙撃を終えたシノンは宗介の元へと走りより両手を広げて抱きついた。

宗介「な、何を!」

シノン「私やったわよ!」

宗介「あ、ああ。君はよく頑張った。だから、その手を。それから決闘は…」

シノンは思い出したかのように宗介から離れた。

シノン「でも、私へカートの弾つかっちゃったし」

宗介「俺もM4の予備弾倉をやられた。残ったのはアップルとグロックの予備マガジン一つだけだ」

シノン「アップル? そういえばあなたプラズマグレネードつかってなかったわね」

宗介「ああ、、使い慣れているほうがいい」

シノン「アップルってどんなやつなの?」

宗介「これだ」

そう言って宗介は腰からアップルを外しシノンに渡した。

シノン「へえ、こんな形をしてるんだ」

シノンはまじまじとそれを見て、ピンを抜いてみた。更に、レバーを外す。

宗介「おい、待て! レバーを話すと爆発するぞ!」

シノン「え! プラズマグレネードだとボタン押すタイプだから」

宗介「とにかく、早く遠くへ投げるんだ」

シノンはそれを見ると何かを思い着いたようだ。

シノン「そうね?」

シノンはそれを持ち、宗介に抱きつく。

シノン「まあ、ばっちりな形で戦いたいからね。終わりは前と一緒でも楽しめたから私は満足だったわ」

宗介「シノン……まさか」

直後、アップルは爆発しBoBの優勝者が決まった。
132 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/11(水) 00:50:06.63
総督府に戻った宗介とシノンは待機室で話し合っていた。

宗介「まさか、二人で優勝になるとはな」

シノン「前も同じようなことやったんだけどね。そういえば、ボン太君はどうするの? あれかけて二人で戦う?」

宗介「いや、君の戦いぶりは見事だった。俺の方から送ろう。……いや、どこかに置いておく方がいいか」

MMOでは個人情報を教えないのは基本だ。

シノン「そうね。でも、あなたに紹介したい人がいるわ。その時に持ってきて」

宗介「合わせたい人?」

シノン「ええ、あなたにちょっぴり似てる人」

そんな話をしつつ二人は総督府を出た。

???「おーい」

すると誰かが声をかけてくる。

宗介「クルツか」

クルツ「ああ。そうだ。こっちの仕事が終わったからな。それにあいつらの情報も少しは集まった」

宗介「なら、反撃と行くか」

クルツ「おう」
134 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:05:12.82
クルツ「おう。あとは、マオ姐さんの参加を待つだけだ」

宗介「そういえばクルツ、マオの武器はどうする?」

クルツ「俺はある程度クレジットあるぜ、それにおめえのクレジット加えればどうにかなるだろ」

シノン「ふたりって始めたばかりよね」

宗介・クルツ「肯定だ/そうだぜ」

シノン「貴方たち一体どんな稼ぎ方してたのよ」

だが、それは二人が答えるまでもなくシノンには容易に想像できた。

今日は遅いのでここまでと言うことになり、三人はログアウトした。ちなみに風間は調べることがあると言って未だにGGOにダイブしている。

翌日、クルツは朝のトレーニングが終わり次第GGOにダイブした。宗介は校内で物品破損を三度。それに発砲を一回やった上での帰宅となった。

帰るとクルツが未だにダイブしている。机の上には皿が二つ置いてあった。一つは何も乗っていない食べ終わった皿。もう一つはラップで麺類が中に入っている。クルツが作った焼きそばだ。

宗介は幾つかの書類をパソコンで作り終わると銃器のメンテナンスをした上でクルツの作った焼きそばを食べ、アミュスフィアを頭部に装着した。

宗介「リンクスタート」
135 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:06:53.42
総督府の前に出た。クルツに連絡をするとすぐ近くにいるらしい。近所にある酒場に入り、ジュースを飲んでしばらく待っているとクルツが入ってきた。クルツの後をついてくるように二人の女性が入ってきた。

クルツ「おお、宗介。帰ってきたか」

宗介「帰ったのは数時間前だ。所でその二人は知り合いか?」

クルツの後ろに立っている二人。一人はショートカットに猫の様な大きな目が特徴的な女性。もう一人は銀色の髪を三つ編みにしている比較的身長の低い女性だった。

クルツ「あったりめえだろ」

???「あら、宗介私の事忘れたの?」

宗介「もしかしてマオか」

マオ「そうよ。久しぶり宗介」

宗介「どうした、仕事は大丈夫なのか?」

マオ「ええ、早めに片付いたの。それで、もう一人連れてきたわ」

宗介「?」

???「相良さん。こんにちわ」

宗介「! テスタロッサ大佐ですか」

テッサ「ええ。私です。でもお、ゲームの中なんですから大佐はなしでテッサと呼んでください」

宗介「しかし、一下士官が……」

テッサ「テッサです」

彼女の満面の笑みに対抗する術もなく宗介はテッサと呼ぶことになった。

宗介「それで、強襲をかけるのか?」

クルツ「ああ、出来れば早めがいい。あいつら大型兵器を入れるらしい。それが入ると厄介だ」

宗介「大型兵器? 戦車か何かか」

クルツ「そこまではわからねえ。でも早い内がいい」

宗介「マオ、装備はどうする」

マオ「それはさっきクルツと一緒に仕入れたわ」

そう言ってマオは手に持ったP90を見せた。

宗介「そうか」

テッサ「私は作戦に同行しても足手まといになるので私の武器はこれです」

そう言ってテッサが掲げたのはタブレットPCだった。

テッサ「私はこれを通して遠方から指示を出します」

クルツ「まあ、そういうことだ。後は、シノンと風間に連絡を取るだけだな」

宗介「それならさっきやった。もうじき来るはずだ」
136 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:10:23.81
シノン「お待たせ」

風間「やあ」

店の中に二人が入ってきた。

そうして入ってきた二人はこの世界には珍しい女性プレイヤーに目が行った。

シノン「この二人が増援?」

宗介「肯定だ」

テッサ「テッサです」

マオ「マオよ」

二人ともありきたりな上に日本人ではないため名前、愛称をそのままつかっている。

シノン「シノンよ。よろしく」

風間「ざ、ザマです」

五人のぎこちない挨拶が終わり話題は攻略へと移った。流石にこの場所で作戦会議を始めるとスパイに情報が漏れるかもしれないため、レストランの個室に移り作戦会議を始めた。

宗介「これが周辺のマップだ。森の中に立っているこの城の周りには城下町らしきものもある。森の中には足すのセンサーにトラップ。これはきっと城内にもあるだろう」

テッサ「正面突破は無理ですね。そうなると森の中から飛び出して強襲するか、上空からの降下作戦ですか」

宗介「ですが、敵は対空装備にも力を入れています。事前の偵察で確認した限りだと高射砲に地対空ミサイルまで揃えています」

テッサ「ですが、森の中にもセンサー類があるとなると厄介ですね」

シノン「なら、どうするの? 空も陸も無理だとどうするの?」

テッサ「完全に無理と決まったわけではありません。空からの侵入はやりよう次第でどうにかなると思いますよ?」

シノン「でも、対空兵装がこれだけ充実していると」

テッサ「安心してください。そのための秘策はあります。相良さん、道中だけでいいので対空網に穴を空けてください」

宗介「は、了解しました」

テッサ「じゃあ、よろしくお願いしますね。それからウェーバーさんはハンヴィーとペイヴ・メアを調達してください」

クルツ「おう」

テッサ「メリッサは偵察をお願いします。偵察拠点はこことここ」

マオ「分かったわ」

テッサ「それから、シノンさんでしたっけ? このゲーム長いんですよね」

シノン「ええ、まあ」

テッサ「では、このお金で照明弾と大きなパラシュートをお願いします。パラシュートは一番大きなものをください」

シノン「一番大きいものっていったら物資降下用のパラシュートだけど」
137 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:12:01.74
テッサ「ではそれを二つお願いします」

シノン「二つも!」

テッサ「よろしくお願いします。お金はこれで」

そう言ってテッサがシノンに渡したお金の額はかなりの量だった。

シノン「え!あなた今日始めたばかりよねえ」

テッサ「ええ、そうですよ」

シノン「一体どうやったらこんなにお金を」

テッサ「秘密です」

テッサは笑みを浮かべてそう答えた。

テッサの稼いだお金はギャンブルで稼いだものだ。テッサにかかればポーカーやブラックジャックなどたわいもないのである。

テッサ「それではよろしくお願いします。作戦開始は明日です」

それだけ言ってテッサはログアウトした。

その後、宗介達は各自の仕事に就いた。

宗介はC4を持ち込むと借りたハンヴィーで指示された地点へと向かった。対空兵器にC4を貼り付けていく。容易に発見できない場所にだ。

クルツは近くのレンタルショップでペイヴ・メアとハンヴィーを借りる。流石に借りっぱなしには出来ないので明日の予約をするだけだ。

マオは指示されていた偵察地点へと赴く。城の近くまで来たが警備が厳重で城に入れそうもない。入り口にはセントリーガンまでついている。

シノンはなじみの店でテッサから指示されていたものを購入していた。

風間は特にやることがなかったため、シノンの手伝いを使用としたところ、クルツにつれて行かれた。
138 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:17:49.56
そうして、決戦の日は来た。

皆が集まったのはSBCグロッケン郊外にあるヘリポートだ。

そこにはMH-63ペイヴ・メアとその横にハンヴィーが並んでいた。

そして、並んだ戦士達。

それを指揮するように彼女テッサが立っている。

テッサ「皆さん、いよいよ決戦です。これが貴方たちとの最初で最後の作戦になるかもしれません。昨日入ってきたばかりの私が言うのも何ですが皆さんは最高のチームだと思って居ます」

その場の雰囲気というものは怖いもので宗介やマオのみならず、シノンまで直立不動の状態だった。

テッサ「一人の戦死者も出さずに帰ってきてください」

皆が合わせるように返事を返す。

テッサ「それでは今日皆さんを運んで貰うヘリのパイロットを紹介します。サントスさんです」

テッサの横に並んだ女性はだった。服装はみんなとは違ったパイロットスーツだ。

宗介「ゲーボ9か」

エバ「そうよ。テッサに呼び出されたの」

テッサ「時間があったみたいなので呼んでみました」

エバ「始めてGGOっていうのにきたけど、かなりリアルね」

それを聞いたシノンは宗介に耳打ちするようにして不安そうに聞く。

シノン「ねえ、彼女初めてとか言ったけど大丈夫なの? ヘリの操縦ってかなり大変よ」

宗介「大丈夫だ。そこは安心してくれていいはずだ」

エバ「じゃあ、飛ぶわよみんな乗って」

エバの声に従いぞろぞろとそれぞれの火器を携えて行く。それぞれがペイヴ・メアに乗り席に着くとシノンは一つ気になることがテッサに質問をした。

シノン「そういえば、ハンヴィーは何のために使うの? 大体、みんな乗っちゃったら誰が運転するの?」

事前に作戦は説明されていたが、そこにはハンヴィーのことなど出てこなかった。それを聞いたテッサは軽く微笑む。

テッサ「私たちと一緒に行くんですよ」

シノン「へ?」

テッサ「ワイヤーで運ぶんですよ」

シノン「それってつり下げるって事」

テッサ「そうです」

シノン「マジで言ってるの!? どれだけ難しいか分かってる?GGO内でも出来る人なんて数える程よ!」

テッサ「安心してください」

そんな会話をしている時、エバの無線が耳に入る。

エバ「えっと、これがエンジン点火スイッチね。えっとこれが」

途端、機体が振動する。

シノン「やっぱり私降りる」

宗介「いや、危険だ!」

シノン「下ろして。お願いだから」

悲痛な叫びと共にペイヴ・メアは空高く舞い上がり始めた。
139 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:20:22.63
ものの数分は酷く振動したペイヴ・メアだったがそれも大分静かになった。敵の対空レーダーに映らないように低空飛行で進行する。

シノン「彼女はなに者? 初めてGGOのヘリ乗って数分で乗りこなすなんて」

宗介「パイロットが本職だからな」

それから更に十数分後、ゲーボ9の声がインカムに入る。

エバ「こちらゲーボ9、目標を補足」

それと同時に下方から幾つもの弾丸が上空へと舞い上がっていく。

テッサ「相良さん、お願いします」

宗介「了解です」

宗介は手に持っていた起爆装置を押し込む。それと同時に爆音がする。しかし、それ以降は機銃の掃射音がやむことになった。

テッサ「対空機銃はひとまず大丈夫です。あとはウェーバーさん、お願いします」

クルツ「おう、任せとけ」

そう言ってクルツは今までアイテムストレージに格納していた狙撃銃を取り出した。

シノン「それって、PSG-1じゃない。一体どうしたの!?」

PSG-1、それはH&K社が開発したセミオートマチック式の狙撃銃だ。精度もよく、GGO内ではへカートなどの対物ライフルには劣るが、かなりのレア銃だ。

クルツ「地下迷宮籠もって見つけたんだ。ホントは対物ライフル探してたんだけど、ありゃあ無理だ」

シノン「当たり前よ。今のところ日本サーバーに十丁くらいしか無いんだから」

クルツ「だよなあ。まあ、足りない火力は技術で何とかしてみせるさ」

そう言うと、クルツはペイヴ・メアのドアをスライドさせてヘリの床にうつ伏せになるとPSG-1を構えた。

クルツ「狙い撃つぜ!」

7.56mm弾は城にある対空レーダーの配線を切り落とす。それも一つ、また一つとだ。

直径わずか十数センチの配線を一キロ以上先の揺れるヘリの中から狙撃できるのは彼くらいのものだろう。

シノンはその光景を言葉も出ないと言った表情で見ていた。

テッサ「相良さん、今です照明弾を」

宗介はヘリから乗り出し、グレネードランチャーに詰めた照明弾を空へと打ち上げた。照明弾は煌々と辺りを照らす。

対空機銃についた者はその光源のせいでハッキリとペイヴ・メアを視認することが出来ない。

宗介はそれを幾つも空へと飛ばした。

装甲している間にペイヴ・メアは目標の真上につく。機銃や歩兵の小銃が上空のヘリめがけて乱射されるが、それらの弾はつるしてあるハンヴィーによって遮られた。
140 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:26:14.54
だが、それもいつまでも持つわけではない。

エバ「こちら、ゲーボ9目標についた。兵員、及びハンヴィーを下ろした後に離脱する」

そう言ってゲーボ9がハンヴィーを投下した。投下ポイントは城の真上ではなく、城の庭だった。物資投下用のパラシュートが開き緩やかにハンヴィーは落ちた。

テッサ「私はここで指揮を取ります。幸運を」

おのおの返事をした後、マオ、クルツ、シノン、風間、宗介といった順番で降下していった。

宗介達に一斉に襲い来る敵をペイヴ・メアによるミニガンの掃射によって一掃しようとするが、敵もそれなりの練度を誇っておりすぐに物陰へ隠れた。

誰かがRPGを構える。ゲーボ9はそれを発射寸前で見つけた。

ロケット砲が向かってくる。だが、それもいつまでも持つわけではない。

ヘリを動かして避けようとするが安定翼に被弾した。すぐさまサントスは気体の状態をチェックした。どうやら機体に深刻なダメージはないが、油圧が心配になってきた。

エバ「こちらゲーボ9。済まないがそろそろ限界だ。離脱する」

ペイヴ・メアはテッサをのせ、遠くへ去っていく。
141 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/13(金) 23:28:12.73
――――
―――
――

稲葉「あいつらが現れました。どうしますか?」

若菜「勿論殲滅よ。とうとうあなたの出番ね」

???「ああ。所で相良はこの写真で間違い無いんだろうな」

若菜「ええ、そうよ」

???「感謝するぜ、ここでやつを葬れるんだからな」

若菜「期待してるわよ」

長髪を後ろで束ねた彼は小柄だった。服装は迷彩服などではなく黒いシャツのみである。

彼は腕をまくると、銃器も何も持たずに外へと出て行った。

稲葉「でも、大丈夫なんですか? 彼だけだと一人の相手しかできませんよ」

若菜「大丈夫。そのために手は打ってあるから。彼が最終兵器よ」

若菜が指さしたその先には部屋で木の手入れや銃器の手入れをしているおじさんであった。

稲葉「本当にあのおじさんが訳に立つんですか?」

若菜「ええ、情報によればそのはずよ」
146 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/15(日) 11:42:05.34
中庭に降下した宗介達はハンヴィーを盾にして反撃を試みていた。

宗介「かなりの数だ。それに武器もいい」

鉛がハンヴィーの装甲に阻まれているが敵はロケット弾も装備している。それがこちらに向けば一発だ。

宗介「手榴弾で攪乱した後に、スモークで一時退却するぞ」

マオ「そうね。聞いた!各員それぞれスモークに紛れて逃げるように!」

各員それに答えた。

テッサ『ウルズ2及び7とザマさんシノンさんは付近の門から城内へ突入してください。ウルズ6は階段を上って城壁で狙撃をお願いします。後を追わせないでください』

クルツ「分かった。お前ら死ぬなよ」

宗介「当たり前だ」

シノン「六時方向に気をつけなさいよ」

クルツ「誰に言ってんだ」

マオ「ほら、行くわよ」

宗介の放ったスモークが辺りを白く染め上げる。その間に各員は指示された場所へとばらけた。

マオ「ちゃんとついてきてるわね」

宗介「大丈夫だ。全員居る」

城内は石造りの壁に床には赤いカーペットが敷かれている。ドアも幾つかあった。

テッサ『そのまま直進です』

マオ「了解したわ」

途中で敵に出くわしたりもしたがSRTにとって軍事訓練を受けていないものなど赤子も同然だった。

そうして直進していったが、突如としてマオの前にあった木製の大きな扉が砕け散った。中から爆薬で吹き飛ばしたような感じであった。

それぞれ銃を構える。

現れたのは長髪を後ろで束ねた少年だった。

マオ「敵よ撃って」

仲間じゃないと判断すると、それぞれがトリガーに指をかけ引き金を引く。

だが、少年はそれを驚異的な身体能力を駆使して避けると俊敏さをどれだけあげたのかと疑問に思うほどの早さでザマへと襲いかかり銃を使わずにザマを吹き飛ばす。
147 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/15(日) 11:45:05.05
マオ「何!」

???「大導脈流秘技「致砲掌」」

宗介「まさかその技は……椿か!」

椿「ああ、やっとお前に会えた。ここで殺す!大導脈流究極奥義「臨死堆拳」」

椿がかけ声と共に宗介へと襲いかかる。狭い廊下だ。避けることは難しい。

宗介が受け止めようとしたとき、誰かが椿の拳を受け止めた。

マオ「ウッ。きっついわねえ」

宗介「マオ!」

マオ「大丈夫よ宗介。それよりあんたはシノンと一緒に先に」

テッサ『相良さん、上空からの赤外線捜索で指令部らしき部屋が判明しました。場所はそのまままっすぐの突き当たりの部屋です』

宗介「了解しました」

マオ「先に行きなさい。私がここを押さえるわ」

マオは椿が繰り出す幾つもの打撃をかわしたり受け流したりしながら反撃をする。宗介はマオの無事を祈り先を急いだ。

椿「俺は相良と戦おうと思ってたんだが……いい打撃だ。相手にとって不足無し!」

マオ「光栄ね!」

椿「行くぞ!究極奥義「臨死堆拳」」

椿の究極奥義がマオに迫る。

マオ「きなさい!」
148 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/15(日) 11:48:36.28
シノン「良かったの、置いてきて」

宗介「マオの事か? 心配ない。近距離戦闘は得意なはずだ」

シノン「なら、いいんだけど」

テッサ『相良さん、そのまま進むと敵に出くわします。右へ迂回してください』

宗介達は所々でテッサの指示を受けた上でとうとう指令部へとやってきた。

今までよりも一段と大きな扉を開けると高い天井に広い部屋。部屋が大きいためか所々に白い柱が立っている。天井近くには光取りのステンドガラスが幾つもあった。

そして一番奥には金色に輝く玉座が備えつけられており、そこに彼女は座っていた。

ショートの髪をした彼女はオリーブ色の迷彩服に身を包みHK416を傍らにおいている。

そして、彼女の後ろには装飾の加えられたリボルバーの銃が飾ってあった。

若菜「よくここまでこれたわねえ」

宗介「お前は負ける。すぐに部隊を解散しろ。そうすればこの城までは取らないぞ」

若菜「私が負ける? お笑いねえ」

宗介「すぐに降伏しろ」

若菜「なら撃ってみなさい」

宗介は何のためらいもなく銃口を若菜に向けて撃った。だが、若菜はそれを避ける。弾丸は若菜の後ろに飾ってあった装飾の施されたリボルバーに命中。ガラスが砕けるかのようにそのリボルバーは砕けた。

その光景はその場にいた四人が目撃した。

一人は玉座に座っている若菜。

二人はシノンと宗介。

残りのもう一人は柱の陰でチェーンソーを使いながら部屋に植えてあった針葉樹を伐採していたおじさんであった。

若菜「行きなさい! 大貫用務員!」

宗介「まさか! 大貫さん。だが、なぜあなたがこのゲームに」

大貫「もしかして相良君また君かね? 私はねえ若い世代に近くなろうと思いゲームを始めたんだ。だから、若菜さんには感謝し取るよ。だが、生憎わしは銃の扱いは苦手だった。だから最初のリボルバーをどれだけ綺麗に装飾できるかにチャレンジしようとしていたんじゃ。名前はキャメロン。アメリカの有名な女優から取ったなまえじゃ。ゆくゆくはGGOの大会に出そうとおもっていた。それを壊したんだよ、君は。キャメロンの無念を晴らさせてもらうよ」

宗介「お、落ち着いてください」

大貫は目を赤く変え、改めてチェーンソーのエンジンを始動した。

大貫「kill thme all」

大貫は再び修羅とかし、二人の前に立ちふさがった。
149 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/15(日) 11:51:10.08
宗介「シノン、撃て!」

シノン「分かった」

シノンはへカートを構えると12.7mm弾を敵へと送る。

だが、

シノン「何あれ」

大貫氏は持っていたチェーンソーで12.7mm弾をはじいたのだ。

宗介「シノン、下がってろ!」

宗介は手榴弾を放り投げる。

それをも大貫氏は自らの歯で噛みちぎった。

シノン「あれ、チートじゃないの!?」

宗介「GGOというのは現実で本人が出来る事ならばこちらでも出来るんだろ」

シノン「そうだけど、あんなもの出来る人なんて化け物よ」

宗介「だったら化け物だ」

宗介はアサルトライフルを構え銃弾を放つ。

宗介「シノン、出し惜しみは無しだ。あれを最優先しろ」

シノン「分かった!」

優雅だったその部屋は数秒とせずに無残なものへと変貌していった。

宗介がグレネードランチャーを用いて大貫氏の足を止めてへカートがダメージを増やす。

そうした作戦の上で、宗介のグレネードランチャーとC4爆薬、シノンのへカートが芸術的なコンボをたたき出し大貫氏を葬り去った。

シノン「はぁはぁぁ。一体何なの、用務員は」

宗介「分からん。だが、あれには近づかない方がいい」

だが、これで障害は居なくなった。
150 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/15(日) 11:52:56.99
しかし。

宗介「弾薬が無くなった。ナイフも大貫氏におられた」

シノン「私もよ」

若菜「私はたんまりあるわよ」

これでナイフの一本でもあったら宗介が決着を付けていただろう。しかし、こうなっては。

若菜「じゃあね」

若菜が宗介へと銃口を向ける。

宗介が後ろのドアへと逃げだそうとしたその時、ステンドガラスの一つが割れる。

若菜「そんなバカな」

直後、若菜の胸には赤い被弾エフェクトが光っていた。

バタリと倒れた若菜。

宗介はふと、割れたステンドガラスを見る。

そこに一人、金髪の男が立っていた。

宗介「クルツか!」

クルツ「おう」

それと同時に扉が開く。

宗介「マオ、無事だったか!」

マオ「ええ、何とか。ザマも無事よ」

風間「ああ、何とか急所を外したらしいんだ」

宗介「そうか、よかった」

クルツ「なんかあっけなかったな」

マオ「まあでもこれでやっと終わりね」

シノン「こっちはこっちで大変だったけど」

テッサ『みんなよくやってくれました。私は指示しか出来ませんでしたけど』

エバ『こちらゲーボ9これより中庭へ着陸する』

マオ「さあ、帰るわよ」

中庭に着陸したペイヴ・メアに全員乗り込むとヘリはゆっくりと離陸した。勿論弾避け代わりに使ったハンヴィーも一緒だ。
151 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/15(日) 11:56:47.17
エバ「ゲーボ9、これより帰還する。全員乗ったな」

ヘリは緩やかに上昇し出す。

???「まだよ!」

突如として地上から声がした。

宗介「なんだ、あれは」

宗介が視認したのはまじあり得ないであろうと予想していたものだ。

クルツ「サベージ!」

シノン「まさか、AS!? でも、あれのメンテナンス費用ってもの凄いんじゃ。それに対して使えないからほとんど使ってる人なんて」

宗介「だが、あれはASだ。こちらのの武装では」

テッサ「いいえ、この武装でもいけます」

マオ「テッサ、どうするの」

テッサ「頭部機関砲を狙撃します」

クルツ「それでも機関砲をつぶせたくらいじゃ」

テッサ「二つの砲を同時につぶします。弾薬に引火してさえくれれば爆発が起こるはずです。一門をつぶしただけではちょっとした爆発程度でしょうけど、二つとも同時につぶせば機体のバランスがとれなくなるはずです」

クルツ「そういうことか。一人は俺として……」

シノン「もう一人は私ね」

テッサ「はい」

シノン「でも、ヘリの上からの狙撃なんて」

テッサ「それでもお願いします」

こんな不安定な場所からの狙撃。そんな事は一度もやったことが無い。

だが、ここでやらなければあいつに撃墜されるだろう。

シノン「わかった。やるわ」

テッサ「ありがとうございます」

クルツ「そうなりゃあ早速準備だ」

二人はヘリの床に伏せた。ドアを開けてそれぞれが照準を合わせる。

クルツ「しっかり狙え。心を落ち着かせるんだ。まず、弾道を計算してから位置を掴む。そしたら一度今までの事を忘れるんだ。それから完璧なイメージを作るんだ」

シノン「完璧なイメージ」

シノンはクルツに言われた通り計算をする。それはシステムアシストに頼らないライン無しの照準だ。

本当に出来るのか?酷く不安が心をむしばむ。

だが、そんな事を気にしていては撃てるものも撃てない。

シノンはゆっくりとへカートを動かす。

クルツ「俺の合図で撃て。いけるな」

シノン「ええ」

シノンはしっかりと銃を構え呼吸を落ち着かせた。

クルツ「今だ」

ここだ。

シノンが引き金を引くと薬室内で12.7mm弾は火薬を爆発させて弾丸を回転させながら目標へと舵をとった。

直後大きな爆発。へカート以上の爆音だ。

見ると、直立したカエルが尻餅をつくように後ろへと倒れている。
152 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/15(日) 11:59:03.94
クルツ「よし!」

城の壁はサベージに寄って半壊し、部屋の中にも甚大な被害を与えていた。運悪くもそこは武器庫であり、何かの弾みでプラズマグレネードが爆発する。最初の一個が爆発すると次々に爆発が起きる。城は内部での爆発により崩れていった。

シノン「本当に撃てたの?」

宗介「そのようだ」

クルツ「凄いよ、シノンちゃん」

シノン「私も撃てるなんて思わなかった」

マオ「なかなかの腕よ。ねえ、こんどうちで働かない?」

テッサ「いいかもしれませんねえ」

マオ「なら、狙撃兵を一人空けなきゃいけないわねえ」

クルツ「姐さん、俺のこと言ってるの? そりゃねえよ~」

そんな雰囲気で和むヘリは首都へと帰還していった。

その後は近くの酒場で飲んでくっての大騒ぎをした。

何度かクルツはシノンに手を出そうとしたが、そのたびに宗介によって蹴られることになった。

154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/15(日) 12:23:35.19
乙乙
宗助達はシノンに自衛隊位には思われてるかも?
後日談を楽しみに待ってます。
157 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/18(水) 21:04:39.14
後日談。

放課後の生徒会室。

林水「それで相良君、チームは壊滅できたのだね」

宗介「敵の基地となって居た城は弾薬の誘爆により崩壊。司令官も倒しました」

林水「結構。どうやら、マークしていた生徒もきちんと学校に通っているようだ」

宗介「会長閣下、こちらをお返しします」

宗介はアミュスフィアを林水へ返そうとする。

林水「いや、これは君が持っていてくれ。また、いつかこのような事態に陥ったとき使うだろ」

宗介「了解しました」

林水「それでは下がってくれて構わない」

宗介「了解しました」

宗介は生徒会室を出るとそこで千鳥とあった。小脇に書類を抱えているところを見ると、生徒会室に書類を届けるようだった。

千鳥「ああ、宗介。一緒に帰りましょ。これ、置いたら大丈夫だから。今夜うちで食べる?ビーフシチューにするつもりなんだけど」

宗介「すまない、千鳥。今日は一緒に帰れそうにない」

千鳥「どうして? また仕事? まさか、あんたまた校庭に夜通しで地雷を仕掛けるつもりじゃ」

宗介「いや、そうではない。こういうことを日本語で何というか知らないが、デブリーフィングがあるんだ」

千鳥「で、デブリーフィング」

宗介「ああ、今から人と落ち合う。では」

宗介はそのまま学校を出ると待ち合わせである喫茶店へと向かった。

そこはダイシー・カフェという店だ。

店のカウンターには、がたいのいいスキンヘッドの男が立っていた。
158 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/18(水) 21:06:18.98
「いらっしゃい」

宗介は適当な椅子を見つけると宗介はそこに座り、オーナーらしき男にコーヒーを注文する。

オーナーがコーヒーを持ってくるのと同時に店の扉が開く。

オーナー「おう、シノンじゃないか」

その声を聞いた瞬間宗介は店の入り口の方を振り向いた。

シノン「エギル、ここで待ち合わせしている人が居るんだけど」

宗介「シノンか」

シノン「あなたが宗介?」

宗介「そうだ」

シノン「ちゃんと高校生だったのね。安心した」

エギル「なんだ、知り合いか」

シノン「ええ、GGOで」

エギル「それで、こっちにしばらく顔を見せなかったのか」

宗介「それにしてもイメージが違うな」

シノン「そう?」

宗介「ああ」

たわいもない話をしていると、更に店の扉が開いた。
159 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/18(水) 21:08:05.89
???「おう、エギル。居るか」

エギル「キリトじゃないか。それにアスナさんも」

キリト「あれ、シノンか」

シノン「久しぶり」

キリト「最近GGOにいなかったから心配してたんだぞ」

シノン「ちょっと用があって」

キリト「シノン、所で彼は?」

キリトはシノンの目の前に座っている男を指した。

シノン「その用を作り出した張本人」

宗介「相良 宗介だ」

キリト「桐ヶ谷 和人だ。で、彼女が」

アスナ「結城 明日奈です。で、そのようって」

それから二人はこれまでのあらましを話した。

シノン「そういえば、ボン太くんはどうしたの?」

宗介「それなら心配ない。もう少しすれば届くはずだ」

しばらくするとカフェの前にトラックが止まり、配達員がなにやら大きな荷物を台車に載せて店へと入ってきた。

配達員「相良 宗介さんに配達なんですが」

宗介「届いたようだ」

宗介は荷物を受け取る。

シノン「これは……」

段ボールは人が一人丸々入るであろう大きさだ。
160 : ◆kSJ7Pa2ibE :2015/03/18(水) 21:10:06.17

宗介「箱を空けるぞ」

いつもならばサバイバルナイフで空けるのだが、それは今朝方千鳥に押収されたためエギルからハサミを借りて段ボールを空ける。

キリト「これは一体」

シノン「確かにボン太くんだけど」

明日奈「すっごいやわらかいよ」

シノン「たしかに毛並みは良さそうね」

宗介「超アラミド繊維を使用し7.56mm弾までなら確実にストップする。対BC防御も万全だ。中にも入れASの機構を採用したパワーアシストもある。更に方向性マイク。サーマルセンサー、暗視システム戦術AIまでいれてある」

シノン「凄そうなんだけどどうするの」

どうしようと悩んでいるシノンを尻目にキリトはボン太くんを色々と触っていた。

キリト「これ、乗れるのか」

宗介「ああ、もちろんだ。ハッチオープン」

宗介の声に反応したAIがハッチを開ける。

キリト「おお」

ハッチが開くとそれぞれ中をのぞき込んだ。

キリト「凄いことになってるな」

アスナ「ほんと、モニターがいっぱいある」

シノン「一体どうなってるの」

キリト「乗ってみていいか」

宗介はそう聞かれてシノンの方を見る。シノンは所有権が自分にあることを思いだし、肯定の意志を示した。

宗介はキリトにあれこれと教えるとキリトはボン太くんを動かし始めた。

キリト「凄いぞ、これ」

元々機械いじりが好きな二人である。キリトと宗介は意気投合してあれこれ話し出した。

結局ボン太くんはシノンが持って帰ることが出来ないためダイス・カフェに置かれることになった。

終わり。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/18(水) 22:40:29.85
完結お疲れ様です。
考えてみたらASの動かし方とALOの飛び方は似てる。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/19(木) 08:22:17.35
乙でした
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/19(木) 15:28:00.90
乙乙

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