千冬「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:44:41.43

   キーン コーン カーン コーン

千冬「それでは、授業はここまでとする」

千冬「各自、復習しておくように」

   ハーイ

千冬「…………」 チラッ


セシリア「一夏さん、今日のお昼、わたくしと一緒に……」

ラウラ「当然、夫婦が優先されるよな?」

シャル「そんなの理由にならないよ、ラウラ」

箒「はっきりしろ、一夏」

箒「私と行くつもりだ、と」


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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:46:59.81
   ガラガラッ

鈴「一夏! お昼、行くわよー!」

セシリア「ちょっと鈴さん! いきなり横から顔を出さないでください!」

鈴「うっさいわねー、あんた達は一夏と同じクラスなんだから、少しは遠慮しなさいよ!」

シャル「それなら2組の鈴は、部外者でしょ?」

ラウラ「そうだ。 2組に帰れ」

鈴「ムカ! そんなの関係無いわ!」

鈴「一夏! あたしと……あれ?」

ラウラ「む……?」

セシリア「一夏さんと……箒さんが、いつの間にか居ませんわ!?」

シャル「……しまった!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:48:02.07
セシリア「箒さん! 抜け駆けしましたわね!」 ダッ!

ラウラ「食堂に向かったのなら、こっちだな!」 ダッ!

シャル「ボクは、購買の方を当たってみる!」 ダッ!

鈴「シャルロット! あたしも行くわ!」 ダッ!

   ドドドドドドドド……

千冬「…………」

千冬(やれやれ……)

千冬(これだからガキは……) フウッ…

千冬(…………)
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:49:20.49


   ……少し、気分転換をしようと思った。

   学園の屋上でも良かったのだが、あそこは生徒に開放されてもいる。

   そこで私は学園裏にある、雑木林を抜けた先にある丘を目指した。



   そして……私はアレを見つけてしまう。


   
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:50:40.05
千冬「…………」

千冬「……何だこれは」

千冬(電話ボックスだが……明らかに古めかしいデザイン)

千冬(そして、こんな所に公衆電話など作っても意味はない)

千冬(…………)

千冬(束か……?)

千冬(……いや、あいつなら、こんなデザインにはしないだろう)

千冬(人参にしろ何にしろ、あから様に束の仕業とわかる物にする)

千冬(そういう奴だ……)

千冬(…………)

千冬(そういえば子供の頃、一夏と一緒に見たアニメに、こんな道具があったな……)

千冬(一夏は、テレビに釘付けになって食い入るように見ていた)

千冬(…………) クスッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:51:36.11


   この時の私は……正直どうかしていた。

   一夏の周りには、いつも誰かしら居る。 その事に不満はない。

   ただ……それに加われない自分が……少し、嫌だった。

   それだけだった。



   私は、その電話ボックスに入ると受話器を取り

   アニメと同様に使用した。


   
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:52:16.27


千冬「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」



千冬「…………」

千冬「……何をバk」


   ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!


千冬「!?」

千冬「くっ……!」

   ガチャ キィ……バタンッ!

千冬「…………」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:53:03.08
千冬「…………」

千冬「……いたずら、か?」

千冬「…………」

千冬(だが、人の気配はしない)

千冬(監視カメラの様な物も、その他、電子機器が動いている気配も感じない)

千冬(…………)

千冬「……やれやれ」

千冬「誰の仕業か知らんが、この電話ボックスは不法投棄扱いで」

千冬「後で処分しておこう……」

   テク テク テク…
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:53:45.66
 ――IS学園・中庭付近――



   テク テク テク

一夏「織斑先生」

千冬「む? ……織斑か」

千冬「どうした?」

一夏「いえ……明日の約束の事なんですが」

千冬「明日? 何の事だ?」

一夏「……やっぱり忘れてたか」

千冬「何をだ」

一夏「2週間くらい前に、家のカーテンを買い換えようって、約束してただろ?」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:54:28.30
千冬「…………」

千冬(……真面目にそんな記憶はない……が)

千冬(カーテンが古くなってて、そろそろ換えなければ、と思っていたのも事実だ)

千冬(ここのところ忙しかったし……失念していたかもしれん)


千冬「そうだったか……済まない、織斑」

一夏「いや、いいんだよ」

一夏「そういうところも……」

千冬「?」

一夏「ううん、何でも無い」

一夏「それじゃ明日、朝の8時くらいに迎えに行くから」

千冬「わかった」

一夏「失礼します、織斑先生」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:55:15.75
千冬「…………」

千冬(……おかしい)

千冬(今、何か違和感を感じたが……)

千冬(…………)

千冬(強いて言えば、私をちゃんと『織斑先生』と呼んでいた事くらい)

千冬(…………)

千冬(いかんな……、一夏がやっとケジメをつけられる様になったというのに)

千冬(それをいぶかしる様では、教育者として失格だ)

千冬(…………)

千冬(少し、疲れているのかな……私は) フウッ…

   テク テク テク…
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:55:50.02
 ――翌日の休日――

 ――IS学園寮・宿直室前――



   コン コン

一夏「織斑先生、迎えに来ましたよー?」

   ガチャ…

千冬「時間ぴったりだな」

一夏「そりゃどうも」

千冬「では、行こうか」

一夏「ああ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:56:38.68
千冬「ところで、どこで買うつもりだ?」

一夏「○○町のデパート」

千冬「○○町? ずいぶん遠出するんだな?」

一夏「まあね」

一夏「せっかく外出するんだし……たまにはいいかと思って」

一夏「嫌なら、いつものショッピングモールにしようか?」

千冬「いや……それでいい」

千冬「気分を変えるのは、いい事だな」 クス

一夏「じゃ、決まりだな」 ニコ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:57:24.54
一夏「…………」

一夏「ところで、さ」

千冬「ん?」

一夏「学園から出たら、千冬姉って呼んでもいいかな?」

千冬「何を言っている、一夏」

一夏「!」

千冬「私は、公私混同をするな、と言っている」

千冬「今日は休日だ。 姉弟に戻っても問題はない」

一夏「……そうだな、そうだよな」

一夏「千冬姉」

千冬「ああ」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:57:57.13
 ――○○町・デパート――



   ガヤ ガヤ

一夏「結構な人混みだな」

千冬「休日だし、このくらいは想定の範囲内だ」

一夏「へへ……さてと、カーテン売り場はどこかな?」

千冬「衣類……もしくは、家具売り場の階あたりだろう」

一夏「なるほど」

一夏「えーっと、衣類、衣類……」

一夏「衣類は4階で、家具は5階か」

千冬「じゃあ、のんびり4階から見ていくか」

一夏「よし、まずは4階だな」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:58:28.66
一夏「この階か。 ほとんど婦人服売り場だな」

千冬「メンズ売り場は……別の階か?」

一夏「みたいだ」

一夏「お、この服……千冬姉に合いそうだな」

千冬「そうか?」

一夏「いつもはスーツばかりだけど、こういうトレーナーやシャツも似合うと思うな」

千冬「ふむ……」

千冬「少し見ていっていいか?」

一夏「ああ、構わないぜ!」

千冬「ふふ……♪」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:59:15.72
千冬「つい衝動買いをしてしまった……」

一夏「たまにはいいじゃないか、千冬姉」

一夏「自分で稼いだお金なんだし……問題ないよ」

千冬「……まあそうなんだが」

一夏「弟としても、姉が綺麗でいてくれるのは嬉しいぜ?」

千冬「……!?」 ドキ

千冬「…………」

千冬「馬鹿者……大人をからかうな」

一夏「お? 少し照れてる?」

千冬「ほら、目的の物を見に行くぞ」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 19:59:53.53
一夏「あったあった、カーテン売り場」

千冬「さて……何色にするかな」

一夏「色はともかく、柄物にはしないのか?」

千冬「特にこだわりはないが……」

千冬「一夏は、柄物にしたいのか?」

一夏「滅多にないけど、汚れた時、柄物の方が目立たないからな」

千冬「なる程……そんな利点があるのか」

千冬「じゃあ、今回は柄物にするか」

一夏「いいと思うぜ」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:00:34.53

―――――――――――


一夏「発送手続き、終わったよ、千冬姉」

千冬「うむ。 すまないな、一夏」

一夏「なぁーに、これくらい大した事はないさ」 ニコ

千冬「そうか」 クスッ

千冬「そういえば、そろそろ昼時だな……」

千冬「昼にするか? 一夏」

一夏「待ってました! さっきから腹がグウグウなってたんだよ……」

千冬「全然聞こえなかった」

一夏「人混みがすごいからなー」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:01:14.24
   イラッシャイマセー

一夏「ふう……やっと座れた」

千冬「家族連れが多いからな……仕方ない」

一夏「それじゃあ千冬姉、何食べる?」

千冬「…………」 ウーム…

千冬「ふむ……この天ぷら定食にするかな」

一夏「じゃあ俺は、ハンバーグセットで」

千冬「決めるのが早いな?」

一夏「ハンバーグは、割とハズレが少ないから」

千冬「そうなのか?」

一夏「まあ、俺個人の勝手な経験則だけど」

一夏「すみませーん! 注文、お願いしまーす!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:02:03.72
千冬「…………」

一夏「…………」

一夏「……そういえばさ」

千冬「む?」

一夏「千冬姉はふだん、昼はどこで食べているんだ?」

千冬「職員室だ」

千冬「特にそういう取り決めがあるわけじゃないが……」

千冬「教員は誰も食堂を利用しないな」

一夏「職員室って事は、購買で何か買って?」

千冬「そうだ」

千冬「私はよく幕の内弁当を購入している」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:02:51.79
一夏「…………」

一夏「なあ、千冬姉」

千冬「うん?」

一夏「よかったら、俺が弁当を作ろうか?」

千冬「ほう……それはありがたいな」

千冬「だが、お前の本分は学業だろう?」

千冬「私の弁当を作ってくれるのは嬉しいが……それが成績に影響を与えるかもしれん」

千冬「だから、気持ちだけ受け取っておく、一夏」

一夏「もう少し信用してくれよ……」

千冬「ふふふ…」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:03:23.86
千冬「それに」

一夏「?」

千冬「あの5人はどうなる?」

一夏「5人って……箒たちの事か?」

千冬「……まあ、あまり強くは言えないが」

千冬「いい加減にしないと、お前、後ろから刺されるかもしれないぞ?」

一夏「俺とあいつらは、そんな関係じゃないって」

一夏「本当にただの友達だよ」

千冬(……こいつ、本当に刺されるまで気がつきそうにないな)

千冬(我が弟ながら……まったく) ハア…

一夏「?」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:04:13.25
   アリガトウゴザイマシター

千冬「さて、帰るとするか」

一夏「え? もう?」

千冬「目的の物は購入したし、余計な物も既に買ってしまった」

千冬「……ああ、一夏、何か欲しいものがあるのか?」

一夏「そういうわけじゃないけど……せっかく遠出したんだし」

一夏「天気もいいから散歩がてら、ぶらぶら回りたいかなって」

千冬「私と、か?」

一夏「ダメか?」

千冬「…………」

千冬「……いや」

千冬「たまには、それもいいかもしれないな」 クスッ

一夏「じゃあ、決まり」 クスッ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:05:18.63
 ――どこかの公園――



一夏「う――んッ……」 セノビー

一夏「ふう、気持ちいいな」

千冬「そうだな」 クスッ

一夏「やっぱり、家族連れが多いな、今日」

千冬「ああ……」

   テン テン テン…

子供「すみませーん、ボール、取ってもらえますかー?」

一夏「おう、ほらよ」 ポーン

子供「お兄さん、ありがとう!」

   タッ タッ タッ…
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:06:09.39
千冬「…………」

千冬(一夏にも、あんな頃があったな)

千冬(私は……早く独立したくて、遊びとかで構ってやれなかった)

千冬(一夏のためを思って、甘やかさないつもりで接していたが……)

千冬(寂しい思いをさせたかもしれない)

千冬(…………)


一夏「千冬姉?」

千冬「……ん?」

一夏「どうしたんだ? 考え事か?」

千冬「いや……大した事じゃない」

千冬「一夏にもあんな頃があったな、と懐かしく思っていただけだ」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:07:10.62
一夏「そりゃそうだよ」

一夏「千冬姉だって、そんな頃もあったさ」

一夏「孤児院の先生が、千冬姉の武勇伝を聞かせてくれたぜ?」

千冬「え?」

一夏「近くのガキ大将を再起不能にしたりとか」

一夏「花屋のお兄さんに告白した事とか」

千冬「…!!」 ///

千冬「わ、忘れろ! 今すぐに忘れるんだ!」 ///

一夏「ハハハ……」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:07:45.61


―――――――――――



一夏「そろそろ夕方か……」

千冬「ずいぶん歩いたな」

一夏「疲れたか? 千冬姉」

千冬「私を誰だと思っている?」

一夏「へいへい。 そうでしたね」

千冬「そろそろ帰るか」

一夏「そうだな」

一夏「…………」

一夏「なあ、千冬姉」

千冬「ん?」

一夏「最後に……行きたい所があるんだ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:08:21.22
 ――どこかの神社――



千冬「ここなのか?」

一夏「うん」

千冬「……何の為に来たんだ?」

一夏「深い意味は特にないよ」

一夏「ただ……静かな場所だったから」

一夏「それだけ」

千冬「……?」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:09:21.48
一夏「…………」

一夏「なあ、千冬姉」

千冬「む?」

一夏「俺たち……姉弟だよな」

千冬「ああ」

一夏「そして、唯一の家族だよな」

千冬「そうだ」

一夏「……でも、さ」

一夏「俺……あの時……臨海学校の時」

一夏「はっきりと分かった事がある」

千冬「…………」

一夏「……俺」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:10:03.71


一夏「千冬姉の事が好きだ」



千冬「……」

千冬「は?」

一夏「……真面目に言ってるんだぜ、千冬姉」

千冬「ちょ、ちょっと待て……」

千冬「それは、姉として、なn」

一夏「違う」

千冬「!」 ドキッ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:10:53.96
一夏「そうやって……そう考えて、ごまかしてきてた」

一夏「これは尊敬の、羨望の気持ちだ、と」

一夏「でも」

一夏「はっきりとわかったんだ」

千冬「…………」

一夏「あの時、千冬姉の眩しい水着姿を見て……俺は……」

一夏「千冬姉に『女』を見ているって」

千冬「!?」 ドキッ///

一夏「俺は、ひとりの男として」

一夏「千冬姉を……いや、『千冬』の事が」

一夏「好きだ」

千冬「……」 ゾクッ…
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:11:46.45


   私は

   真剣な眼差しの一夏に……『男』に魅入られた。

   体の奥が、芯の部分が、熱くなってゆく……



   だが

   同時に、恐怖と嫌悪感も感じていた

   矛盾しているが、心地よくもおぞましい……

   そんな感情だった。


   
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:12:34.49
千冬「い、一夏……! 落ち着け」

一夏「落ち着いている」

   ズイッ

千冬「く、来るな……!」

   トンッ…

千冬「!!」

千冬(いつの間にか、か、壁際に!)

一夏「千冬……」

一夏「俺のモノに」

一夏「なれ」

千冬「…っ」 ゾクゾクッ!
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:13:18.90


   私は……言い知れない嫌悪感と恍惚の中

   一夏に唇を奪われた……



   周りに人けのない夕暮れの神社で……



   こんなのはおかしい

   どうして私は抵抗しない?

   その気になれば、一夏を投げ飛ばす事など

   容易く出来るはずだ


   
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:13:29.73
好きレベルが天元突破してるwwwwww
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:14:14.75


   ……どうしてだ?

   望んでいるのか? 私は?



   世の中の理(ことわり)や摂理

   世間の常識や倫理に反して

   血の繋がった 実の姉弟でありながら



   男女の契(ちぎり)を交わす事を!!



   
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:15:18.46


   ドンッ!



一夏「ぐっ!」

千冬「はあっはあっはあっ……」



   ダッ!



一夏「あ……!」

一夏「千冬!」

   タッ タッ タッ…

一夏「…………」

一夏「…………」

一夏「千冬……姉……」

一夏「…………」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:15:58.08

―――――――――――


千冬「はあっはあっはあっ」

千冬「はあっ…はあっ…」

千冬「はあっ……はあっ……」

千冬「はあっ……」

千冬「ふー……」

千冬「…………」

千冬「…………」

千冬(雑木林に……あそこに行かなくては)

千冬(他に思いつく原因が無い!)
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:16:51.88
 ――IS学園裏の雑木林――



   テク テク テク…

千冬「…………」

千冬「……!」

千冬「あった!」

   ガチャ……キィ……パタン

   チンッ☆(受話器を取った)

千冬「元に戻れ!」


   ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!


千冬「…………」

千冬(これで……いい……これで……)
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:17:52.10


   私は

   今まで味わった事のない極度の疲労を感じた。



   も○もボックスを破壊しておかなければ、と思っていたが

   もうそんな気力は無く……自室に戻るので精一杯だった。

   ベッドにそのままの格好で倒れこむ。


   
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:18:55.95


   そして、翌日の早朝に処分を行おうとしたが

   もし○ボックスは跡形もなく……私は、本当に夢でも見ていたのだろうか?

   と、自分を疑ってしまう程だ。



   恐る恐る、だが、それを気取られない様に

   一夏に私と買い物をしたのか訪ねてみた。

   答えは、『ノー』だった。



   だが、数日後。

   あの世界で購入した服やカーテンが自宅に届けられ

   夢などではなかった事が証明されてしまう。


   
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:19:43.54


   私は……

   ただただ困惑した。



   困惑しか、できなかった……。



   
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:20:48.36
 ――更に数日後の夜――

 ――バー・ボウガット イヅル――



山田「お待たせしました、織斑先生」

千冬「山田先生」

山田「マスター、フェリチータ(カクテル)を」

   カシコマリマシタ

山田「ふう……」

千冬「すまない、急に付き合わせてしまって」

山田「いえ」

山田「ここのカクテルは絶品ですし、私も少し飲みたい気分でしたから」

千冬「そうですか……」

千冬「…………」

山田「…………」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:21:41.99
千冬「山田先生」

山田「はい」

千冬「私は……たぶん酔っている」

千冬「だから、くだらないたわ言を言うだろう」

山田「……はい」

千冬「話半分でいいし、冗談だと思ってもらっても構わない」

千冬「……でも、聞いてくれ」

山田「ええ、いいですよ?」 クスッ

千冬「済まないな」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:22:50.26
千冬「――夢を」

千冬「そう……夢を見た」

山田「…………」

千冬「その夢の中で、私は」

千冬「一夏に……実の弟に告白された」

山田「……!?」

千冬「…………」

山田「…………」

千冬「……マスター、マティーニを」

   カシコマリマシタ

千冬「……夢の中で、だが」

千冬「私は、ただ困惑した」

千冬「不覚にも……このまま一夏の気持ちを受け入れたい」

千冬「そんな事も考えてしまった」

山田「…………」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:24:06.92
千冬「軽蔑しただろうな……」

山田「…………」

山田「……いえ」

山田「そんな事はありませんよ」

   フェリチータ、オマタセシマシタ

山田「マスター、ありがとう」

千冬「…………」

山田「織斑くんは、素敵な男の子ですし」

山田「将来は有望そうですし」

山田「女の子なら、放っておきませんよ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:25:34.51
千冬「山田先生、私は――」

山田「いいじゃないですか。 姉弟の禁断の恋」

山田「そういうの、少し憧れがありますよ? 私」 クス

千冬「…………」

   マティーニ、オマタセシマシタ

千冬「ありがとう、マスター」

千冬「…………」 グイッ

千冬「ふう……」

山田「……たとえ」

千冬「ん?」

山田「姉弟であっても、親であっても、どれだけ年を取っても」

山田「女って……”女”を捨てられないものですよ、きっと」

千冬「……!」

千冬「…………」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:26:25.52
山田「それに」

山田「過去の歴史上、兄妹、姉弟の間柄で結婚した事例も記録として残っています」

山田「エジプト古代文明は有名ですね」

千冬「…………」

山田「……」 グイッ

山田「ふう……」

山田「もちろん、オススメはしませんけど」 クスッ

千冬「当然です」

山田「あははは」

山田「…………」

山田「今日は、とことん付き合いますよ、私」 スッ…

千冬「…………」

千冬「ありがとう、山田先生」 スッ…

   ……チンッ☆
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:27:16.55
 ――数日後――

 ――1組教室――



セシリア「一夏さん、今日のお昼なのですが」

シャル「ボクはお弁当を作ってきたんだけど」

ラウラ「嫁よ! 秘密裏に日本国自衛隊の『海軍カレー』パックを購入した!」

箒「もちろん、私と食堂で……」

   ガララ…

鈴「一夏! 久しぶりに酢豚作ったの!」

鈴「会心の出来なんだから、食べなさいよね!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:28:04.63
   ワー キャー ワー キャー

千冬「お前達」

セシリア「! お、織斑先生」

シャル「さ、騒がしかったですか?」

千冬「いや」

ラウラ「それでは……何か御用でしょうか?」

千冬「……そうだな」

千冬「…………」

千冬「たまには、生徒との交流も必要だろう」

千冬「私も昼食を一緒に取りたいのだが」

千冬「構わないか?」

一同「」

一同(ええ――!?)

一夏「あのー、俺の意見は……」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:29:13.04
 ――屋上――



   シーン……

千冬「どうした? いつものバカ騒ぎは?」

セシリア「え、えと……その」

ラウラ(き、緊張してしまうな……)

シャル「……そ、そうだ、織斑先生は」

シャル「どんな学生時代を過ごされたんですか?」

千冬「私の、か……」

シャル「きっとモテたんでしょう?」

一夏(……モテたなんて話、聞いた事無いけど)
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:30:23.83
千冬「まあ、正直言うと」

千冬「そんな事に構っていられなかったな」

千冬「金銭的に一番余裕のなかった時期だったし……」

千冬「私に言い寄ってくる男など、いなかった」

一夏「でもあの時から綺麗なのは確かだぜ?」

ヒロインズ「」

千冬「……」 ///

一夏「千冬姉はモテないって言うより」

一夏「近寄りがたい、って感じだったと思う」

千冬「そ、その辺にしておけ、一夏」 ///

鈴(……この姉弟、本当に怪しい気がしてきた)

箒(幼い頃も一応知っているが……見ていて気が気ではない)
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:33:03.02
一夏「おっ? もしかして照れてる?」

千冬「馬鹿者。 そんなわけがあるか」

千冬「それよりも一夏」

千冬「お前こそ周りに気をつけておけ」

千冬「背中から刺されないようにな」

一夏「何でそんな事になるんだよ?」

一夏「俺は、誰からも恨みを買うような事はしていない」

ヒロインズ「…………」

千冬「…………」 ハア…
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:34:30.97
千冬「……なんと言うか、すまないな、みんな」

セシリア「いえ」

ラウラ「教官のせいではありません」

シャル「気にしないでください」

鈴「慣れています」

箒「幼い頃からこんな感じでした」

一夏「……?」

千冬「…………」

千冬「…………」 クスッ



   私は久しぶりに、楽しい食事をしたと思った。



   おしまい
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:38:36.24
みなさんお疲れ様です。

もしもシリーズ番外編でした。
なんでか千冬姉編、書いて欲しいという要望が多かったんです。
千冬姉のイメージ、違うかもしれませんが
>>1にはこんなふうに見えているので……あしからずです。
喜んで頂ければ幸いです。読んでくれた人、ありがとうございました。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:47:15.09
鈴編

http://ss-navi.com/blog-entry-5873.html


箒編

http://ss-navi.com/blog-entry-5874.html


シャル編

http://ss-navi.com/blog-entry-5875.html


ラウラ編

http://ss-navi.com/blog-entry-5876.html


セシリア編

http://ss-navi.com/blog-entry-5877.html




良ければ、他のもしもシリーズもどうぞです。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 20:58:02.22

やっぱ千冬姉は最高だわ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/20(木) 21:09:55.05
面白
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/21(金) 02:05:05.74
実に良かった
この書き手のSS:

鈴「もしも一夏が、あたしにぞっこんだったら!」


箒「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」


シャル「もしも一夏が、ボクにぞっこんだったら!」


ラウラ「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」


セシリア「もしも一夏さんが、わたくしにぞっこんだったら!」


千冬「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」



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コメントの投稿

とあるSSの訪問者

面白かったです。
よければ簪や楯無編も読みたいです


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多少の軽量化

時折修正していきますので、今後ともよろしくお願いします

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