鈴「もしも一夏が、あたしにぞっこんだったら!」

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:46:11.43


   あたしはある日、気分転換にIS学園の裏にある雑木林に出かけた。

   天気も良かったし、気分も上々♪

   ……そして、あたしはアレを見つけた。


   
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:47:03.93
鈴「なにこれ……?」

鈴「なんで電話ボックスがここに?」

鈴「…………」

鈴「……あ」

鈴「そういえば、子供の頃見たアニメに面白い道具があったわね」

鈴「確か……」

   キィ……パタン ガチャ

鈴「もしも一夏が、あたしにぞっこんだったら!」

鈴「な~んて……」



   ジリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!!



鈴「!!?」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:47:56.07
   バタンッ! バタバタバタ……

鈴「…………」 ドキ ドキ ドキ

鈴「……びっくりした」

鈴「なんなのよ……もう」

鈴「行こ……」

   タッ タッ タッ…

  
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:48:43.21
 ――翌日の朝――

 ――IS学園廊下――



鈴「おっはよ! 一夏!」

一夏「おう、おはよう! 鈴」

一夏「今日も可愛いな、鈴……」 ニコ

鈴「!?」 ///

鈴「な、なによ! いきなり!?」 ///

一夏「? 俺、何か変な事、言ったか?」

鈴「か、可愛いって……」 ///

一夏「いつも言ってるだろ? そんな事……」

一夏「鈴は可愛いし、一番輝いてる女の子だよ」 ニコ///

鈴「!!???!?!?!」 ///
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:49:26.65
鈴(えっ!? えっ!? えっ!?) ///

鈴(ちょっ……!? なに!? なにが起こってるの!?) ///

鈴(やば……! い、一夏の顔が見れない……!!) ///

鈴(どどど、どうなってるの!?) ///



一夏「……? どうしたんだ? 鈴?」

鈴「べ……別に……な、なんでも、ないっ」 ///

一夏「そっか……それならいいんだが」

一夏「……っと、もう教室か」

一夏「それじゃあな、鈴」

鈴「う、うん」 ///
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:50:04.60
鈴「…………」 ///

鈴(あ~もう……ニヤニヤが止まらないっ) ///

鈴(…………)

鈴(……て言うか、あの電話ボックス?)

鈴(…………)

鈴(まさか、ね……)
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:50:41.78
 ――昼休み――

 ――食堂――



一夏「鈴、なに食う?」

鈴「そ、そうね……」

鈴「久しぶりに、サバの味噌煮定食にでもしようかな♪」

鈴(よ、よかった……何とかドキドキは収まってる……)

一夏「俺は、カレーにでもするかな」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:51:53.10
一夏「それでさ、鈴」

鈴「うん?」

一夏「明日の休み、どこに行く?」

鈴「……へ?」

一夏「俺としては、遊園地の後、映画を見て晩飯……」

一夏「まあ定番だけど、こんな感じでどうかと思ってるんだが?」

鈴「何の話?」

一夏「おいおい……どうしたんだよ? 鈴?」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:52:36.42


一夏「明日デートしようって、前から言ってたじゃないか」 クスッ



鈴「ぶふぉっ!?」

一夏「ってわぁ!?」

一夏「ホ、ホント、どうしたんだよ? 鈴……」

鈴「ゲホゲホッ……! デ、デート!?」 ///

一夏「おう」

鈴「…………」 ///
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:53:36.01
鈴「ふ、二人だけで?」 ///

一夏「普通そうだろ?」

鈴「う、うん! い、行く! 絶対行く!」 ///

一夏「そうか。 今のプランでいいか?」

鈴「も、もちろん!」 ///

一夏「よし、明日が楽しみだな♪」



鈴(…………) ///

鈴(……だめ、これはもう間違いない) ///

鈴(……あの電話ボックス) ///

鈴(本物ね……) ///

鈴(…………) ///

鈴(明日、何着て行こう……) ///
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:54:17.50
 ――翌日の朝――

 ――モノレールIS学園前駅――



鈴「……あ、一夏!」

鈴(私服の一夏って……なんか新鮮ね♪)

一夏「おう、鈴」

鈴「待たせちゃった?」

一夏「いや、全然」

一夏「それに鈴を待たせるわけには、いかないしな」 ニコ

鈴「一夏……」 ///
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:54:51.63
一夏「鈴、いつも可愛いけど」

一夏「きょ、今日は、格別だな……」 ///

鈴「えへ……えへへ。 ありがとう」 ///

一夏「私服も、そのリボンも、凄く似合ってる」 ///

鈴「も、もう! 褒めすぎだって!」 二ヘラ~///

   アハハハ…… ///

一夏「じゃ……そろそろ行くか!」

鈴「うん!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:55:42.04
 ――午前中――

 ――遊園地――



一夏「さあて、何に乗るかな?」

鈴「定番のジェットコースターは?」

一夏「いきなりは、キツイな……」

鈴「でも早く並ばないと、今日は休日で人が多いから」

鈴「かなり待つことになるんじゃない?」

一夏「むむっ……確かに」

鈴「じゃあ決まり! 行こっ! 一夏!」

一夏(しょっぱなに絶叫マシンかぁ……)
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:56:12.64
一夏「うひぃっぃぃいっぃぃ!!!!」 ゴ――――――――

鈴「きゃああああっ!!」 ゴ――――――――

一夏「あばばばばばばっっ!!!!」 ゴ――――――――

鈴「をををををををおおおおおおっ!!!!」 ゴ――――――――

一夏「あちょおおおおおおおっ!!!!」 ゴ――――――――

鈴「ほぉあたああああああああっつ!!!!」 ゴ――――――――

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:56:58.96
一夏「はあっはあっ……」

鈴「あははははっ!」

鈴「楽しかったね! 一夏!」

一夏「お、おう……」

鈴「次、何乗る?」

一夏「……す、すまん。 休憩させてくれ……」

鈴「うふふ。 いいよ、一夏!」


―――――――――――


一夏「よし! 復活!」

鈴「じゃあ次は……ソフトにミラーハウスとかどう?」

一夏「ん? 乗り物じゃなくてもいいのか?」

鈴「ま、一夏の体調を考えて……ね!」 クスッ

一夏「すまないな……。 でも、正直助かる」 クスッ

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:58:22.40
一夏「……前言撤回、こりゃクラクラするな」

鈴「……ごめん」 シュン…

一夏「はは……俺も初めてだったからな……しかたn いてっ!」 ゴツン!

鈴「あっ、大丈夫? ……キャッ!」 コンッ!

一夏「っと! 鈴!?」

鈴「あはは……平気!」

一夏「……そ、そうか」 ホッ…

一夏「…………」 ///

一夏「よ、よし!」 ///

   ススッ……… ギュッ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:59:01.19
鈴「!!?」 ///

鈴「い、一夏!?」 ///

一夏「こ、こうやって、体を密着させれば……大丈夫だ!」 ///

一夏「鈴は、俺が守る!」 ///



鈴(ふわあああああああああっ!!?) ///

鈴(い、一夏に……抱きよせられてるっ) ///

鈴(あ……あ……なんか、もう……わけ、わかんないっ) ドキドキ///

鈴(一夏の……鼓動が……息遣いが……温もりが……) ドキドキ///

鈴(凄い……近いっ) ドキドキ///
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 20:59:56.97

―――――――――――


鈴「ハー……ハー……」 ///

一夏「……? 鈴、大丈夫か?」

鈴「だ、大丈夫……」 ///

鈴(違う意味で大丈夫じゃないけど……) ドキドキ///

一夏「そ、そうか。 ならいいんだが……」

一夏「そういや、腹減ったな。 そろそろ昼にするか?」

鈴「う、うん! いいわね」

一夏「よし、決まりだ」 クスッ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:00:53.88
一夏「鈴、ホットドッグ」

鈴「あ、ありがと、一夏」

一夏「飲み物は、コーラで良かったか?」

鈴「うん!」 ニコ

一夏「……だいぶ混んできたな」

鈴「休日だもん。 親子連れがやっぱり多いね」

一夏「俺達みたいなカップルも、結構いるけどな」 ハハ…

鈴「」 ///
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:01:49.01
一夏「……? 鈴?」

鈴「う、うん!? な、なに?」 ///

一夏「やっぱり……ちょっと変だぞ?」

鈴「そ……そう?」 ///

一夏「まるで……付き合い始めた頃の鈴みたいだ……」

鈴「!?」 ///
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:02:45.82


鈴(つ、付き合っているんだ……! あたし達……) ///



鈴「そ……そんなに、変、かな?」 ///

一夏「あ、いや、それは言葉のアヤってやつだよ」

一夏「今の鈴も……凄く可愛い……」 ///

鈴「!? も、もう! 一夏ったら……」 モジモジ///

鈴(あ……あたし、ホントにどうにかなっちゃいそう……) ///

一夏「じゃ……そろそろ、次、行くか?」

鈴「うん!」

一夏「どこにする?」

鈴「次は、一夏が行きたい所がいいかな……」 ニコ

一夏「俺の行きたいところ、か……」

一夏「う~ん……」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:03:34.01

―――――――――――


鈴「へえ……遊園地の中にもゲーセンってあるのね」

一夏「ハハハ……鈴、前にも同じ事、言ってたぞ?」

鈴「そ、そうだった?」

一夏「ま、いいさ。 じゃあ……手始めに格ゲーでもどうだ?」

鈴「うん!」

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:04:16.69
一夏「くっ……!」 カタカタ

鈴「よっ……とあっ!」 カタタッ カタッ!

一夏「なんのっ!」 カタッ! カタタンッ!

鈴「わっ!? ちょっ!」 カトトッ!

一夏「うしっ!」 ユー ウィン!

鈴「あーもう! 惜しかった……」 ユー ロスト……

一夏「最後のラッシュ、ヤバかったぜ……」

鈴「そろそろ別のゲームしない?」

一夏「ああ、いいぜ」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:06:08.28
一夏「クレーンゲームか」

鈴「そんなに得意じゃないんだけどね……」

鈴「二人なら、取れるかな~と思って」

一夏「よし、いっちょ、やってみるか!」

鈴「あのモッピー人形なら、いけるんじゃない?」

一夏「おっ、良い具合に腕が引っ掛かりやすそうだな」

一夏「狙ってみよう」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:07:07.68
鈴「……そう、ちょい右!」 ウィ~ン……

鈴「ハ~イ! そこで真っ直ぐ!」 ウィ~ン……

一夏「……よし、こんどこそ!」 グォ~ン……

一夏・鈴「…………」 ドキドキ…

一夏・鈴「!!」

一夏・鈴(そのまま……そのまま……!)

一夏・鈴「…………」 ドキドキ…

   ガコンッ!

一夏「よしっ!!」 ガッツポーズ!

鈴「やったぁ!!」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:08:05.69
鈴「次は……プリクラ!」

一夏「おう、いいぞ」

   パシャ……パシャ……

一夏「……お~い、鈴、何枚撮るんだよ?」

鈴「いいじゃない! 記念よ、記念!」

一夏「そろそろ映画の時間が気になってきてな……」

鈴「え? まだ大丈夫でしょ?」

一夏「……最後に行きたいアトラクションがあるんだよ」

鈴「そう? じゃ、これで最後にするね!」 ニコ

一夏「おう」

一夏(でも……喜んでる鈴、見ているだけで時間が経つのを忘れるな) ///
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:09:16.63

―――――――――――


鈴「……観覧車」 ///

一夏「遊園地のシメといえば、やっぱ、これだろ?」 ///

鈴「う、うん」 ///

一夏「そろそろ……俺達だな」 ///

鈴「うん……」 ///

一夏(鈴……。 なんだよ、この可愛い生き物は……) ///

   ガチン……パタン……

一夏「よっと……」

鈴「ふふ……上がってきた、上がってきた」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:10:09.35
鈴「わあ……」

一夏「良い景色だな」

鈴「うん……。 ねえ、一夏。 IS学園ってどっちの方向?」

一夏「確か……こっちの方かな?」

鈴「あれかな? 湖は見えるけど……建物は無理みたい」

一夏「そりゃそうだ……けっこうな距離だからな」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:10:46.32
一夏「……鈴」

鈴「うん? なに?」

一夏「こっちに……俺の隣に座らないか?」 ///

鈴「!!」 ///

鈴「う、うん……」 ///

   ツツツ……ストン

一夏「…………」 ///

鈴「…………」 ///
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:12:25.16


   静かに思えた。

   ホントは、ゴンドラのきしみや、観覧車の駆動音がしていたハズだけど……

   気にならなかった。



   一夏が、あたしの肩に手を回してきた。

   緊張しているらしく、少しぎこちない感じで……。

   でもそれは……自分も同じだった。


   
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:13:32.51


   あたしは……ゆっくりと一夏の方に顔を向けて、そのまま目を閉じた。



   ……少しして、自分の唇に優しく何かが触れる。

   よく、「甘酸っぱい味」って表現を聞くけど、……それは正確じゃない。



   あたしは、唇で、体で、心で……「五感」と呼ばれるすべてと、もう一つの何かで

   「それ」を感じていたのだから……。


   
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:14:52.26


   言葉では、表現し切れない、そんな体験……。



   ……その後の事を あたしは、ほとんど覚えていない。

   映画を見て、二人で夕食を食べた……と思うんだけど……。



   ふと、我に帰ったのは、IS学園寮の自分の部屋に戻った時だった。



   …………恥ずかしいけど、あたしは度々、一夏との「体験」を思い出しては

   一人、身悶えていた……。


   
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:15:34.66
 ――次の日――

 ――IS学園・廊下――



鈴「♪~♪~♪~」 ウキウキ♪

鈴(はあ……。 あたし、たぶん、ニヤニヤしてるんだろうな……) ///

鈴(いいのかな……こんなに幸せで……) ///

鈴(ふふふふふ~) ///

鈴(…………) ///

鈴(……あ)

鈴(そういえば……他の4人は、どうしているんだろう?)

鈴(…………)

鈴(……あたしがその立場なら)

鈴(顔を合わせ辛いな……)
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:16:17.64
箒「……!」

鈴「……!」



鈴(思っているそばから……)

鈴「……お、おはよう、箒」

箒「……!?」

箒「…………っ」 タッ タッ タッ…

鈴「…………」

鈴(…………やっぱり……そうだよね) ハァ……
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:17:56.83
セシリア「……ちょっと、あなた」

セシリア「そんなところに突っ立って居られると、邪魔なんですけど」

鈴「あっ、ごめん……って、セシリア」

セシリア「……!?」

鈴「?」

セシリア「……何ですの? わたくし達」

セシリア「ファーストネームで呼び合う仲などでは、ございませんけど?」

セシリア「中国の代表候補生……」 ギロッ……

鈴「……!?」 ビクッ!

セシリア「……ふん」 スタ スタ スタ…



鈴(…………)

鈴(…………そりゃ)

鈴(祝福してくれないだろうなって、思ってたけど……)

鈴(あんな……殺意をこめた目で、見なくてもいいじゃない)

鈴(…………)
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:18:50.94
 ――1組・2組・合同実習授業――



千冬「それでは、授業を始める」

千冬「今日は、専用機持ちと一般生徒で短時間の模擬戦を行い」

千冬「それぞれの技量を上げてもらう」

   ハ~イ

鈴(……あれ?)

鈴(シャルロットとラウラ、今日休みかしら?)

鈴(…………)

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:19:29.71
鈴「ね、モブ子」

モブ子「うん? なに?」

鈴「今日……シャルロットとラウラ、休みなの?」



   ザワッ………!



鈴「……えっ!?」

鈴(なに!? この空気……!?)
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:20:20.82
千冬「凰……貴様……!」

鈴「え? え!?」

一夏「ちふ……織斑先生!」

一夏「鈴は、ここの所、記憶が曖昧になってて……」

一夏「様子がおかしかったんです!」

千冬「……」

一夏「今すぐ医療室に連れて行きます!」

千冬「……ふん。 わかった、連れて行け」

一夏「ありがとうございます!」

一夏「さ、ほら、鈴!」 グイッ

鈴「え? え? うん……」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:21:52.80
 ――IS学園・どこかの個室――



一夏「はー……まったく、肝を冷やしたよ……」

鈴「…………」

一夏「……鈴、最近、様子がおかしかったし」

一夏「もしかして、本当に記憶が無いのか?」

鈴「……え~っと、その……そう」

一夏「……マジかよ」

鈴「……ごめん」

一夏「……まあ、そうでなきゃ、あんな事は言わないだろうしな」

一夏「何があったか話すよ……」

鈴「うん、お願い」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:22:43.18
一夏「まず……シャルロットだけどな」

一夏「女だった事は、覚えているか?」

鈴「うん」

一夏「あいつは最初、男としてここに来た」

一夏「問題は、どうして性別を詐称してまで転入してきたか、その理由だ」

一夏「デュノア社の産業スパイとして、この俺と、俺のISに近づく為だった……」

鈴「…………」

一夏「……でも、彼女は俺にバレた時、素直に話してくれたけどな」

一夏「自分の意思ではなかった事や、謝罪もしてくれた」

一夏「けど……同情はしたけど、見過ごす事は出来なかった」

鈴「…………」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:23:34.55
一夏「千冬姉に伝えて、出来るだけ配慮してくれと付け加えておいた」

一夏「それから2~3日後にフランスへ強制送還されたよ」

鈴「……IS学園特記事項は?」

一夏「なに言ってるんだよ、鈴」

一夏「ISの国際条約に明らかに違反するし、彼女の為にもならないだろ?」

鈴「…………」

鈴(……あれ? なんだろ? この気持ち……)
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:24:28.56
一夏「そして、ラウラの事だけど……」

一夏「結論から言うと……彼女は……」

一夏「もう、この世にいない」

鈴「…………」

鈴「えっ!?」

一夏「鈴は、ラウラが俺を憎んでいた事は、覚えているか?」

鈴「……転校初日に一夏をひっぱたいたわ」

一夏「そうだった。 そんな事もあったな」 クスッ…

一夏「だが……あいつは、事もあろうに……」

一夏「鈴を……!」 ギリッ

鈴「……!」 ///
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:25:14.33
鈴「…………」

鈴「えっと……確かその時、セシリアも居なかった?」

一夏「あんな女、どうでもいいよ……」

鈴「…………」

鈴(……まただ)



一夏「俺は、我を忘れて、ラウラに飛び掛った」

一夏「まあ……AICでボコボコにされたんだがな」

一夏「千冬姉が止めに入ってくれ無ければ……」

一夏「俺は……殺られていただろう」

鈴「…………」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:26:04.98
一夏「……だが、ラウラは、何かに火が点いていた」

一夏「尊敬してたはずの千冬姉の静止を振り切って、俺に止めを刺そうとした」

一夏「……千冬姉に切り伏せられたラウラは」

一夏「その場で暴走した」

鈴「…………」

一夏「千冬姉は……なんとかラウラを救おうとしたけど……」

一夏「どんなに切り伏せても、ダメージを与えても」

一夏「暴走したラウラは、止まらなかった」

鈴「…………」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:27:09.01
一夏「……どのくらい時間が過ぎたのか」

一夏「突然、ラウラが倒れて動かなくなった」

一夏「電池の切れたオモチャの様に……」

鈴「…………」

一夏「ラウラは、酷い状態だったらしい」

一夏「直接の死因は、折れた肋骨が肺に刺さり」

一夏「呼吸困難による窒息死だったそうだけど……」

一夏「全身の骨が、何十箇所も折れていたとか」

鈴「…………」

一夏「千冬姉も相当ショックを受けていたな……」

一夏「状況は、仕方なかったとはいえ……ラウラの命を奪ってしまったのだから」

一夏「で……今に至る」

鈴「…………?」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:27:44.74
鈴「福音事件は?」

一夏「……は?」

一夏「なんだ? 福音事件って?」

鈴「……ううん、何でも無い」

鈴(こっちでは、福音事件そのものが無かった事になってるのね……)

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:28:27.79
鈴「一夏……」

一夏「ん?」

鈴「箒とセシリアは……」

鈴「あたしと何かあったのかな?」

一夏「…………」

鈴「……?」

一夏「鈴、あいつらに何かされたのか?」

鈴「……は? ううん、そうじゃないんだけど」

鈴「ちょっと気になっただけ」

一夏「……なら、いいんだが」 ホッ……
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:29:20.29
一夏「箒は、なんだかんだと難癖つけては、俺と鈴の間に入ろうとしてな」

一夏「はっきり『止めてくれ』って言ったら」

一夏「なんか泣きながら俺に告白してきたんだ」

鈴「……!!」

一夏「……ま、気持ちは嬉しかったけど、心を鬼にして」

一夏「『迷惑だ』と突き放した……」

鈴「…………」

一夏「それが……箒の為さ」

一夏「俺には、鈴が居てくれるから」 ///

鈴「う、うん」 ///
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:30:07.28
一夏「セシリアも状況は、箒に似ているんだけど」

一夏「あいつ……振られた腹いせに、事ある毎に鈴に突っかかってな」

一夏「俺の知らない所で、ずい分と鈴を困らせていた」

鈴「…………」

一夏「もちろん俺は注意したさ」

一夏「俺を一方的に好きになって、振られて、その腹いせを何の関係もない」

一夏「鈴にするのが、イギリスの流儀なのか?」

一夏「……ってな」

鈴「うわぁ……」

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:31:00.07
一夏「それからは、俺を毛嫌いするようになったな」

一夏「ま……それがあの女の正体なんだろう」 ヤレヤレ…

鈴「…………」

鈴(……そっか)

鈴(そういう事か……)

鈴(……”違う”んだ。 この一夏は……)



一夏「……鈴?」

鈴「ん? ふふ……なんでもない」

一夏「そうか……」

鈴「…………」

鈴「……ね、一夏」

一夏「なんだ?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:31:46.16


鈴「一夏は、どうしてあたしの事を そんなに好きでいてくれるの?」



一夏「……………………」

一夏「……それ、本気で言ってるのか?」

鈴「……ごめん」

一夏「……………………」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:32:48.35
一夏「……幼い頃、鈴は俺に言ってくれたよな?」

一夏「毎日、酢豚を作ってくれるって」

鈴「うん」

一夏「その時に……表面上は何でもないって顔をしたけど……」

一夏「内心は……鈴が、とても愛おしく思えた」 ///

鈴「う、うん」 ///

一夏「……俺、鈴と離れる事になって」

一夏「それを受け入れられなくて、現実の事として認識していなかった」

鈴「…………」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:34:20.82
一夏「最初は、声だった。 自分を呼ぶ、鈴の声がしないって気がついた」

一夏「いちかーって、元気のいい鈴の声……」

一夏「そして、いつしか鈴を探していた。 ……無意識に」

一夏「いつも隣にいた存在が無くなって、寂しかったんだろう……」

鈴「…………」

一夏「……ある日、俺は」

一夏「鈴の家に……あのラーメン店に行ってみた」

一夏「そこにいるかもって思って……」

鈴「…………」

一夏「……何も無かった」

一夏「店はおろか、建物があった痕跡も何もかも……」

一夏「そこは、ただの更地になっていたんだ」

鈴「…………」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:35:24.82


一夏「…………ああ、もう鈴は、居ないんだ」



一夏「俺は……泣きながら、それをやっと理解したんだ……」

鈴「…………」

一夏「いつか鈴に会いに行こう」

一夏「そう思いながら、色々あってIS学園に編入して」

一夏「しばらくしたら……」

鈴「あたしが転校してきた」 クス

一夏「そう」 クス
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:36:06.93
一夏「まあ……冷静になれば、ちょっと恥ずかしいんだけど」

一夏「あの時、気がついたら鈴を抱きしめてた……」 ///

鈴「えっ……」

一夏「その事は、覚えてるか?」

鈴「……ごめん」

一夏「そっか……」

一夏「ああ、いや……別にいいんだよ」

一夏「思い出は、これからたくさん作っていけばいいんだし、な」 ニコ

鈴「…………」

鈴「……うん、そうだね、一夏」 ニコ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:36:53.13
 ――夜――

 ――IS学園寮・鈴の部屋――



鈴(…………)

鈴(……贅沢だな、あたし)

鈴(あの一夏は……)

鈴(あたしの理想の一夏じゃない)

鈴(一途で、真っ直ぐで、あたしの事だけを見てくれてる……)

鈴(まさに……望んだ通りの一夏……)

鈴(…………)
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:37:33.11
 ――IS学園裏の雑木林――



   ザッ ザッ ザッ…

鈴(……………………)

鈴(……どこだったかな?)

鈴(確か……この辺……)

鈴(……!)

鈴(あった!)
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:38:17.37


   あたしは、あの電話ボックスに入った。

   そして、受話器を取ろうとして……ためらった。


   
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:39:01.00
鈴(……あの一夏は、あたしの理想)

鈴(でも……)

鈴(この世界は)

鈴(こんな世界は)

鈴(あたしは、望んでいない)

鈴(…………)
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:39:48.34
鈴(あたしは、知っているもの)

鈴(一夏を取り合う、ライバル……でも)

鈴(箒は、不器用だけど……とっても真面目だし)

鈴(セシリアは、ちょっと間が抜けてるけど……、一緒に居て楽しいし)

鈴(シャルロットは、抜け目が無くて油断できないけど、頼りになる仲間だし)

鈴(ラウラは、世間知らずで行動が読めない奴だけど、素直な所は可愛いし……)

鈴(……それに)

鈴(一夏は……みんなを悪く言ったりしない) クスッ…

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:40:45.47


   あたしは、受話器を取った。



鈴「………………」

鈴「もとに……」

鈴「もどれ!!」

   ジリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!!

鈴「…………」

鈴「甲龍!」 スウウウウウンッ!

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:41:27.58


   ISを起動させると、あたしは電話ボックス持ち上げ

   湖のど真ん中まで移動した。 そして……


   
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:41:58.80
鈴「……龍砲!!」



   ドゴオオオオオン!!



鈴「………………」

鈴(これで……いいのよ……)
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:42:34.86


   電話ボックスは砕け散って、湖面に消えていった……。

   後悔はある。 でも……あれは、あってはいけない物だと、あたしは思った。


   
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:44:12.23
 ――翌日の朝――

 ――IS学園・1組教室――



鈴「おはよう!」

セシリア「あら、鈴さん。 おはようございます」

箒「おはよう」

ラウラ「おはよう、鈴」

シャル「おはよう。 今日も元気だね、鈴」

鈴「ふふん、まあね」

鈴「…………」

鈴「あのさ、今日のお昼、屋上で食べない?」

鈴「…… 一夏抜きで」

箒・ラウ・セシ・シャ「……?」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:45:03.07
 ――昼――

 ――IS学園・屋上――



   アハハ……ウフフ……

セシリア「たまにはいいですわね、こういうのも」

鈴「でしょ?」

シャル「うん。 不思議だけど……とっても新鮮だね」

ラウラ「……なぜだかわからないが、落ち着くな」

箒「一夏がいると緊張するからかな?」

鈴「たぶんそうね」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:45:50.96
鈴「……あたしね、夢を見たの」

鈴「一夏がね、あたしにぞっこんな夢……」

セシリア「……鈴さん? 何かあると思ったら、夢のご自慢ですか?」

箒(私も見てみたいな……) ///

鈴「途中までは……良かったんだけどね」

シャル「途中まで?」

鈴「そう。 夢の中の一夏は、あたしには優しいんだけど……」

鈴「みんなには、どこか冷めた態度でね」

鈴「……なんか、違うなって思っちゃった」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:46:33.03
ラウラ「ふむ……確かに嫁らしくないな」

シャル「一夏なら誰かと付き合っていても、態度を変えなさそうだもんね」 クスッ

箒「……でも、それはそれでヤキモキしそうだな」

セシリア「箒さんの言う通りですけど……だからこその一夏さんですわ」 フウ…



鈴「そうよね……なんであんなの好きになっちゃったんだか……」

鈴「女心を全っ然、分かろうとしないし」

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:47:22.98
ラウラ「公然と嫁宣言してるのに、一向に振り向かないし」

セシリア「頼りがいのある発言をしたかと思えば、あっさり期待を裏切りますし」

シャル「どんなアピールも、常にナナメ上に受け取るし」

箒「その割には、ハレンチな奇行ををするし」

鈴「うわ……みんな言いたい放題ね」

ラウラ「……だが、反論は難しいな」

シャル「……うん、ホントだね」

セシリア「的確ですわ……」

箒「ハハハ……ハァ……」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:48:10.13
箒「……今頃、一夏は何をしているだろうな?」

ラウラ「昼食を取っているに決まっているだろう?」

シャル「ラウラ、そういう事じゃないんだよ」

セシリア「わたくし達がいなくて、寂しい、とか思っているのでは?」

鈴「だとしたら、ちょっといい気味ね」 クスッ

鈴「たまには、あたし達にヤキモキしなさいっての!」

シャル「あはは、そうだよね!」

箒「そうだな、いつも私達ばかりだしな!」

セシリア「きっと、わたくし達のありがたみを味わって居られるでしょう!」

ラウラ「…………」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:48:44.70
ラウラ「……意外と」

ラウラ「他の女子と、楽しく食事を……」



鈴「……………………」

シャル「……………………」

箒「……………………」

セシリア「……………………」

ラウラ「……………………」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:49:16.44
ラウラ「きゅ、急用を思い出した!」 バッ

シャル「ボ、ボクも!」 バッ

箒「私もだ!」 バッ

セシリア「み、みなさん! 抜け駆けは、許しませんわ!」 バッ

鈴「……ハァ、結局こうなるのね……」 バッ

鈴(ま、……これも楽しいよね) クスッ

75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:50:16.05


   ……こうして、あたしの不思議な体験は、幕を閉じた。

   まるで、本当に夢だったかのように。



   でも……そうじゃない証拠がいくつか、あたしの手元にあった。


   
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:51:01.88
 ――夜――

 ――IS学園寮・鈴の部屋――



鈴「んふふ~♪」 ピラ

鈴(モッピー人形にあの世界で撮ったプリクラ……)

鈴(どうして残っているのか、わかんないけど)

鈴(……これくらい、いいよね?)

鈴(一夏……) チュッ

鈴(~~~~~!!) ジタバタ ジタバタ ///
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:51:57.33
鈴(……………………)

鈴(でも……)

鈴(いつか……)

鈴(あたしの好きな一夏と)

鈴(あんな体験、出来ます様に……) ///



   それは、あたしだけの秘密のお守りになっていた。



   おしまい
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:53:54.70
鈴編でした。
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 21:58:05.51
乙 やっぱり鈴ちゃんはいい子で安心した!

……一組にクラス替えないのかねぇ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/18(土) 22:31:30.91
鈴ちゃん、いい子過ぎかわいい!

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