右京「江戸川コナン……?」【後編】<

240 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:34:39.61
前スレ:

右京「江戸川コナン……?」【前編】




――翌日・組織のアジト――

キャンティ「で? どうやって杉下って奴を殺るんだい?」

コルン「俺、早く撃ちたい……」

安室「コルン。気持ちは分かるが、まずはこっちの話を聞け」

安室「一番手っ取り早いのは、一課の刑事を装って特命係を人気のない場所に呼び出す方法だ」

ウオッカ「呼び出すだけなら、所轄の刑事のふりでも良いんじゃないのか?」

安室「いや。杉下の性格からすると、所轄からの連絡では怪しまれる可能性が高い」

安室「普段から特命係と付き合いがあり、信用している者を騙る方が確実だろう」

ジン「……それで奴がノコノコやってきたところを、俺がブチ抜いてやれば良いわけだな?」

安室「あぁ。お前なら簡単だろう?」

ジン「バーボン。誰に向かって言ってやがる」ギロッ

安室「キャンティとコルンは、ジンのサポートをしてくれ」

ジン「必要ない」

安室「念には念だ」

ジン「…………勝手にしろ。ただし、俺の邪魔だけはするんじゃねーぞ」

バタン! カツカツカツ……

キャンティ「ったく。分かってるっつーの」フン

コルン「俺達、サポートだけ……?」

キャンティ「仕方ないだろ。『杉下右京はジンが殺れ』って、あの方直々のご命令なんだからさ」
241 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:37:18.65

ガチャ…パタン

ベルモット「あら。ジンはもう帰ったの?」

安室「……ベルモット。遅いぞ」

キャンティ・コルン「「…………」」ムッ

ウオッカ「一体何をやってたんだ?」

ベルモット「別に。少なくとも、貴方達の邪魔になるようなことじゃないわ」

安室「だと良いがな」フン

ベルモット「……バーボン?」

安室「海外出張中だった内村氏に変装して警視庁に潜入するとは、一体どういうつもりだ?」

安室「警視庁内だけでなく警察庁でも、『内村の偽物が出た』との声が続出しているぞ」

安室「組織が始末した者が生きているように見せかけるための変装ならともかく」

安室「わざわざ杉下に怪しまれるような人物になりすまして、何がしたいんだ?」

ベルモット「杉下右京に協力する警察関係者を見つけ出すためよ」

ベルモット「特命係の協力者の大半は以前調べた時に分かってたけど」

ベルモット「杉下の部下が変わった時、新しくできた人脈もあったりするでしょ?」

ベルモット「それを確認しておきたくてね」

ベルモット「彼らにもまとめて消えてもらえば、後々の手間も省けて良いじゃない?」フフッ
242 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:39:34.06
安室「……本当にそれだけか?」

ベルモット「バーボン。貴方、この間から、私の何を疑ってるの?」

ベルモット「言いたいことがあるなら、ハッキリ言えば?」

安室「……………………いや、いい」フゥ

安室「杉下右京抹殺計画の実行は三日後の夜だ」

安室「お前も現場に来てもらうが、くれぐれも邪魔はするなよ」

ベルモット「ええ、もちろん」

キャンティ「こいつが来ても、やることないだろ? 何のために呼ぶんだい?」

コルン「……見張り」ボソッ

安室「そういうことだ。余計な真似をしないように、な」

ベルモット「皆から信用がないという点では、私と貴方は同じぐらいだと思ってたけど?」

キャンティ「仲間を見殺しにするあんたより、バーボンの方が信用されてるよ」ケッ

コルン「お前、秘密多すぎる……」

ベルモット「まぁ、心外ね。秘密主義はバーボンも一緒でしょ?」

安室「僕が秘密主義なのはプライベートに関してだけだ」

安室「だがお前の場合、仕事や任務でも隠し事が多すぎる」

ベルモット「……必要なことは、ちゃんと報告してるわよ」ムゥ

安室「最低限はな。しかし、それだけだろう?」

安室「もう一度言っておく。くれぐれも、僕達の邪魔はするなよ」

ベルモット「…………分かったわよ。好きにすれば?」ハァ…
243 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:41:41.90
――阿笠博士の家――

ピーンポーン

阿笠「はーい」

ガチャ

ジョディ「ハァイ、阿笠さん♪」

ジェイムズ「こんにちは」

阿笠「お二人とも、ようこそ。さぁ、中へ……」

パタン

コナン「ゴメンね、ジョディ先生。急に来てもらって」

ジョディ「気にしないで。これが私達の仕事だし」

ジェイムズ「君が私にも来てほしいと頼むとは、余程のことがあったんだね?」

コナン「うん……実は、組織に命を狙われる可能性が高い人達がいるんだ」

ジョディ「え?」

ジェイムズ「誰が狙われるのか、分かってるのかい?」

コナン「警視庁特命係の杉下右京警部だよ。それと、部下の甲斐亨刑事」

ジェイムズ「理由は?」

コナン「……二人が半年前のある事件の調書で不審な点を見つけて、色々調べ直してたら」

コナン「偶然、組織の裏取引の情報を掴んじゃったんだ」

ジェイムズ「裏取引?」
244 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:44:16.52
ジョディ「何の取引なの?」

コナン「拳銃密輸をしてた会社社長を恐喝して、口止め料をせしめてたって言ってた」

ジェイムズ「言ってたって……誰が?」

コナン「え……」ギク

コナン「すっ、杉下警部が、だよ。あ、それとね」ドギマギ

コナン「その取引を目撃した人がいるけど、行方が分からなくなっちゃったから捜してるんだって」

ジョディ「……? そう……」

ジョディ(何だか、コナン君らしくないわね。何を慌ててるのかしら?)

ジェイムズ「なるほど。その二人が命を狙われる理由としては十分だな」

ジョディ「ええ。取引相手の社長も目撃者も、組織に消されている可能性が高いですね」

コナン(……目撃者はここにいるけどな。俺のことだけ隠して伝えるって、難しいぜ)
245 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:45:18.03
コナン「特命係が目撃者捜しを続けていれば、奴らもそれを察知して、二人を消すために動くと思うんだ」

コナン「その機会を逃さないようにすれば、奴らの尻尾を掴めるかもしれない」

ジョディ「分かったわ。ボス、特命係の二人には監視を付けましょう」

ジェイムズ「いや。こちらが露骨に動けば、また組織に警戒され、付けいる隙が無くなってしまう」

ジョディ「それは分かっています」

ジョディ「しかし、奴らがいつ仕掛けてくるか分からないのに、護衛一つ付けないというのは……」

コナン「――――それなら、一つ提案があるんだけど」

ジョディ・ジェイムズ「「え?」」


――工藤邸・リビング――

トクトク……カラン

ジョディ『提案って、どんな?』

ジェイムズ『……子供の君に、あまり危険なことはさせたくないんだが』

コナン『大丈夫だよ。あのね……』



昴「…………」ゴク

昴(いよいよ動き出す……か)フフッ
246 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:47:09.03
――二日後・夕方・特命係――

角田「よ! 暇か?」

甲斐「……全然暇じゃないです」

角田「そうは見えないけどな~。あ、こないだ言ってた拳銃密輸の件、何か新しい情報は入った?」

右京「それが、別件でゴタゴタがありましてねぇ。これといった情報は、まだ……」

角田「え~、マジかよ? ……あ、ついでだからコーヒーもらうね」コポコポ

角田「それにしても、お前らが調べてて中々掴めないってことは、よっぽど面倒な連中みたいだな」

角田「ま、組対はそういう奴らを相手にする部署だし、別に良いけどよ」

角田「最近ガサ入れが無いからさ。ウチの連中、お前らからの情報を首を長くして待ってんだ」

甲斐「はぁ……それはどうも」

大木「課長、ちょっと良いですか?」

小松「泥参会の動きについて、気になる情報が入りました」

角田「おう、今行く。そんじゃ」

甲斐「は~い」
247 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:48:00.87

prrrr…prrrr…ピッ

右京「杉下です」

米沢『あ、米沢です。以前お約束していた落語のCDを持ってきたんですが』

米沢『ちょっと一課の方から鑑定に回されてきたものが多くて、そちらに行く暇がありませんで……』

右京「でしたら、こちらから伺います」

米沢『すみませんなぁ』

右京「いえ。そのぐらい、どうということはありませんよ」

米沢『では、お待ちしております』

ピッ
248 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:48:53.17
甲斐「杉下さん、今日はどうします?」

右京「もう五時半になりますし、米沢さんの所に寄ったら、そのまま失礼しますよ」

甲斐「んじゃ、俺も帰ろ……昨夜はあまり寝てなくて」フアァ…

右京「おやおや。睡眠不足は判断力を鈍らせる元ですよ」

甲斐「分かってますって」

甲斐「悦子も仕事でいないし、幸子さんのところで晩飯済ませたら、真っ直ぐ帰って寝るつもりです」

右京「それが良いでしょうね。では、僕はこれで」

甲斐「お疲れ様でーす」

カツカツカツ…



甲斐「さて……幸子さん、今夜は何作ってくれるかなぁ?」カタン…ゴソゴソ

パチン

カツ、カツ、カツ……
249 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:50:00.09
――同時刻・捜査一課――

高木「よし、今回の聴取はこれで終わり……と」

佐藤「コナン君、お疲れ様。はい、ジュース」

コナン「ありがとう、佐藤刑事」

高木「あ、もうこんな時間か……いつも遅くまで付き合ってもらってすまないねぇ」

佐藤「でも、珍しいわね。探偵団の皆とは別に事情聴取に来るなんて」

コナン「どうしても抜けられない用事があって……」

コナン「高木刑事や佐藤刑事は、二度手間になっちゃったでしょ? ゴメンね」

高木「そんなの気にしなくても大丈夫だよ」

コナン「……うん。それじゃ、ボク帰るね」

高木「あ、待って。送ってくよ。また前みたいなことがあったら困るから」

コナン「じゃあ、先にロビーに行って待ってるよ」

高木「うん。すぐに車を回すから」チャリ

佐藤「お願いね、高木君。調書は私がやっておくわ」

高木「はい」

コナン「さよなら、佐藤刑事」

佐藤「またね、コナン君」バイバイ
250 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:52:03.15
――組織犯罪対策5課――

カチャ…

コナン(確か、この奥だったな。特命係があるのは……)

コナン(組対は誰も居ないのか……ま、張り込みかガサ入れにでも行ってんだろ)

コナン(しかし今日は、大尉の飼い主の事件の聴取があって助かったぜ)

コナン(口実も無いのに警視庁へ行くなんて、蘭やおっちゃんにも怪しまれちまうからな)



――特命係――

コナン(よし、誰も入ってくる気配はねーな)

コナン(博士に改良してもらった高性能盗聴器を、ここのコンセントに仕込んで……と)カチャカチャ

コナン(あと、念のためにここにも……)カチャ…

~3分経過~

コナン(これで良い。FBIには複数のパターンの作戦を立ててもらってるし)

コナン(後は、組織の奴らが特命係に何か仕掛けてくるのを待つだけだ)

prrrr…prrrr…ピッ

コナン「もしもし?」

高木『コナン君? 高木だけど。今、どこにいるんだい?』

コナン「あ……まだトイレなんだ。すぐに行くよ」

高木『分かった。入口のドアのところで待ってるから』

ピッ

コナン「んじゃ、行くか」

パタパタパタ…
251 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:53:24.15
――翌日・午後七時・特命係――

右京「今日の調べ物は、僕だけでも構わないんですよ?」

甲斐「いえ、俺も手伝いますよ。ちょっとでも多くの情報を集めたいですし」

右京「そうですか? すみませんねぇ」

prrrr…prrrr…ピッ

右京「杉下です」

???『あ、すみません……急に』

右京「おや、芹沢さん? どうしました?」

???『実は殺人事件の通報を受けたんですけど、一課は別件で人手が足りなくて』

???『伊丹さんには僕から上手く言っとくんで、先に現場へ行ってもらえませんか?』

右京「分かりました。現場はどちらでしょう?」

???『杯戸公園の東屋です。けど通報者が動揺してて、どこの東屋なのか分かんなくて……』

右京「では、現地で確認します。カイト君」

甲斐「はい」カタン

???『お願いします。鑑識には、僕から連絡しておきますんで』

右京「ええ。それでは」ピッ
252 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:55:28.78
甲斐「行きましょう、杉下さん」

右京「あぁ、ちょっと待って下さい。……課長」

甲斐「え?」

角田「おう、何だ?」

右京「先日の件ですが、先程、取引の情報が入ってきました」

角田「ホントか!? 場所は?」

右京「杯戸公園の東屋付近だそうです。しかし、いくつかある中のどこなのかまでは……」

甲斐(……杉下さん!?)

右京「それと、彼らが銃を所持している可能性も十分考えられますので、注意して下さい」

角田「よし! 残ってる奴ら、全員集まれ! 現場へ張り込みに行くぞ!!」

大木・小松「「はい!!」」

刑事A「防弾チョッキ、人数分あるか?」

刑事B「向こうにしまってあっただろ。出してこようぜ」

ガヤガヤ…
253 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 21:59:46.21
甲斐「杉下さん……さっきの電話は、芹沢さんからの応援要請だったんでしょう?」

甲斐「どうして組対に『取引の情報だ』なんて嘘を言う必要があるんですか?」

右京「声は似せていましたが、芹沢さんとは微妙に口調や言葉のアクセントが違っていました」

右京「それに本物の芹沢さんなら、『伊丹さんには自分から言っておく』とは言いませんよ」

甲斐「確かに。『伊丹さんに内緒で』っていうなら分かりますけど」

甲斐「……じゃあさっきのは、例の組織が?」

右京「ええ。おそらく、我々を誘い出すための罠でしょうねぇ」

右京「だから、組対にもお出まし願おうというわけです」

甲斐「なるほど……」

角田「おい。約束通り、お前らにも手伝ってもらうからな!」

右京「もちろん。協力させて頂きますよ」

甲斐「そりゃもう、喜んで♪」
254 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/02(日) 22:01:52.38
――警視庁近くの路上――

角田『よし、行くぞ!』

甲斐『……課長、気合い入りすぎですよ』

右京『久々の捕り物ですし、仕方ないでしょう。行きますよ、カイト君』

甲斐『はーい』



ジョディ「奴らが動いたわ。杯戸公園へ向かって!」

キャメル『了解』

ジェイムズ「杉下右京……罠を見抜いて迎え撃つとは、さすが警視庁随一の頭脳の持ち主だな」

コナン「うん。奴らが杉下警部を邪魔に感じるのも、無理はないと思うよ」

コナン「あの人が捜査を続ければ、いずれ組織の存在が明るみに出てしまうだろうからね」

コナン(でも、組織が杉下警部に罠を見抜かれることを想定してないとは思えねーな)

コナン(特に、ベルモットやバーボン辺りは……)

ジョディ「コナン君。本当に帰らなくて大丈夫なの?」

コナン「え? ……あ、うん」

コナン「博士の家に泊まるって、蘭姉ちゃんに言ってきたから」

コナン「それより、ボクらも杯戸公園へ行こう」

ジェイムズ「そうだな……少し飛ばすから、シートベルトをしっかり締めておいてくれ」

ブロロォ……
257 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/02(日) 23:26:21.23
おお、すごいな。
誰の株も落とさずにここまでうまくできるもんなのか
再開おつ!
258 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:41:22.81
――杯戸公園――

角田「大木と小松は東屋の裏手で、お前らはあっちの方で張り込みだ」

大木・小松・刑事A・刑事B「「「「はい!」」」」

バタバタバタ…

右京「さて……どこから仕掛けてきますかねぇ」

甲斐「一応防弾チョッキは着てますけど、いきなり頭を狙われたらアウトですよ」

右京「大丈夫でしょう。僕達も組対も、悪運は強い方ですから」

甲斐「いや、そういう問題じゃなくて……」

角田「全員、位置に付いたか?」

大木『はい。後はホシが来るのを待つだけです』

角田「よし。周囲に怪しい動きがあれば、すぐに知らせろ」

小松『了解』
259 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:42:50.18

~2時間経過~

角田「中々来ねぇな……」

甲斐「やっぱ夜だし、冷えますね~」ブルブル

角田「それが目下の悩みの種だぜ……う~、カイロ持ってくりゃ良かった」

右京(あれは……レーザーポインター!?)ハッ

右京「課長、伏せて下さい!!」

角田「おわっ!」パキュン!

チュイーン!

甲斐「早くこっちへ!」ダダッ

ガサガサ…カサ…

右京「ケガはありませんか?」

角田「おう。かすり傷程度だ」

小松『課長、どうしました!?』

角田「狙撃だ! たぶん、どっか近くのビルから狙われてる」

小松『……俺ら、偽の取引情報でおびき寄せられたんですか?』

角田「そういうことになるみたいだな……くそっ」

大木『何人かで周辺を探ってみます』

角田「気をつけろよ」

右京「すみませんねぇ、こんなことになってしまって……」

角田「ガセ情報でガッカリするのは日常茶飯事だからな。まずは、この場を切り抜けようぜ」

甲斐「ですね」
260 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:43:39.88
――杯戸シティホール屋上――

キャンティ『あーあ、外してやんの』

コルン『……わざと』

ジン「当たり前だ」

キャンティ『雑魚の掃除は手伝うよ。こっちからは組対の連中が丸見えだねぇ♪』

コルン『狙い放題……』

ジン「杉下と、甲斐とかいう刑事は撃つんじゃねーぞ。俺の獲物だ」

キャンティ『へいへい……』

コルン『俺……杉下を撃ちたかった』

ジン「黙れ、コルン」

コルン『……』チッ
261 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:44:24.87
ベルモット「ま、この三人なら、狙撃だけであぶり出せるわね」

安室「逃げ回っていられるのも、ジン達が遊んでいる間だけだろうな」

ベルモット「……ところで、バーボン。貴方、いつまで私に銃を向けてるつもり?」

安室「この作戦が終わるまでだ」ジャキッ

ベルモット「私なんかより、マークしておくべき人はいるんじゃなくて?」

ベルモット「特に、こないだ組織に戻ってきたばかりの……」

安室「黙れ」ジロッ

安室「自分がキール以上に不審な動きをしているという自覚がないようだな」

ベルモット「あら、そんなに不審だった?」

安室「あぁ。作戦行動中でも、僕やジンが直接見張らなければならないと思うぐらいには」

ベルモット「…………頑固ね」ハァ…

安室「お前もな」フン
262 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:45:11.89
――杯戸公園・東屋付近――

甲斐「……撃ってきませんね」

右京「油断しないで下さい。まだ狙われているはずです」

右京「撃ってこないのは、無駄に弾を消費するような真似はしないということでしょう」

甲斐「随分とありがたい心がけで……」

角田「参ったな……この時間だと暗すぎて、周辺の様子も確認できやしねぇ」

右京「!」ハッ

右京「課長!」

甲斐「避けて!」

ズキューン!

角田「複数のポイントからの狙撃か!!」

大木『課長、大丈夫ですか!?』

角田「俺達のことはいいから、自分らの身を守れ!」

小松『うわっ!!』キュイーン!
263 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:46:00.37
甲斐「……っと!」パァン!!

右京「カイト君、右へ飛んで!」

甲斐「くっ!!」カァン!

角田「狙撃ポイントは二ヶ所……いや、三ヶ所だな!」

パキュン!!

角田「撃たれた奴はいないか!」

大木『今のところは無事です!!』

刑事B『こっちもです!』

右京(彼らは狙撃しながら、我々がバラバラになるように仕向けている……)

右京(やはり、巧妙に仕掛けられた罠でしたか)

右京「おっと!」キィン!!
264 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:49:47.15
――杯戸シティホール屋上――

キャンティ『コルン。そっちへ走ってった二人組、任せるよ』

コルン『俺、杉下の横にいるメガネが良い……』

キャンティ『はいはい。そいつもあんたにあげるから、二人組も頼む』

キャンティ『あたいはあっちの木の近くにいる三人な』

コルン『分かった』

ジン「……遊びも飽きてきたし、終わりにするぞ」ニッ

キャンティ『あぁ』

コルン『人間撃つの、久々……』

ジン「キャンティはのっぽの刑事、コルンはチビの奴だ。俺は甲斐の方から狙う」

キャンティ『OK』

ジン「杉下右京。テメェの部下の死に様、目に焼き付けるが良い」ジャキン

ジン「……ま、すぐに部下の後を追わせてやるがなぁ」ニィィ
265 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:50:42.44
――杯戸公園・東屋付近――

パァン!

角田「左に避けろ!」

チュイーン!!

甲斐「くそっ……このままじゃ埒が明きませんよ! スナイパーを捜し出さないと!!」

右京「彼らは、こちらにそんな余裕を与えるつもりはないようですねぇ!」パキュン!

甲斐「危ねっ!」カァン!!

甲斐「!」ハッ

甲斐(このレーザーポインター、あっちのビルから……!?)

右京「カイト君!!」バッ

甲斐「わ……っ!」キィン!!

ズザザッ

カサ……

右京「どこかケガは?」

甲斐「俺は大丈夫です。ケガしてるのは、杉下さんの方じゃないですか」

右京「ご心配なく。そこの木の枝で引っかけただけですよ」ジワ…

甲斐「……なら良いんですけど」
266 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:51:44.81
――杯戸シティホール屋上――

ジン「チッ……」

ベルモット「珍しいじゃない。貴方が本気で狙って外すなんて」クス

ジン「うるせぇ」ギロッ

ベルモット「ところで、この作戦の後処理はどうするの?」

安室「それなら心配ない」

安室「先月組対が挙げたグループで捕まっていない者の中に、元傭兵で狙撃が得意な男がいてな」

安室「そいつが特命係と組対の刑事達を殺害した容疑者として指名手配される予定だ」

ベルモット「その男、今頃はもう天国なのかしら?」

安室「いや。この作戦が終わったら、潜伏先で始末して、遺書と共に転がしておく手筈だ」

安室「後は、明日の朝を待って、警察へ通報すればいい」

ベルモット「……そう」
267 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:52:51.48

……ファンファンファンファン

ジン・安室・ベルモット「「「!?」」」

コルン『……サイレン?』

ウオッカ『兄貴! 今、警察がそっちに!!』

ジン「どういうことだ。通報システムは、お前が弄ってたはずだろ」

ウオッカ『一般の通報はこっちでも、ちゃんと操作できてやしたが……』カタカタ…タン!

キャンティ『じゃあ、何で警察が来るんだい?』

ウオッカ『今やってくる連中は、一課の刑事に直接連絡がいったみてぇですぜ』

ジン「……確かなのか?」

ウオッカ『警察無線を傍受して確認しやした』

ジン「……フン」

ジン「コルン、キャンティ。一旦引くぞ」

キャンティ『やれやれ、今夜はお預けかい』

コルン『あいつの頭、まだ撃ってなかったのに……』

キャンティ『あたいだって撃ちたかったよ。次に持ち越しだ』

コルン『……』チッ
268 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:53:45.50
――杯戸公園・東屋付近――

…ファンファンファンファン

甲斐「あ……」

右京「……パトカーのサイレンの音ですねぇ」

角田「狙撃も止んだみたいだな。助かった……」ハァ…

キキィ! バタン!!

伊丹「警部殿!!」

佐藤「杉下警部!」

芹沢「大丈夫ですか!?」

右京「ええ」

甲斐(うわ……一課だけじゃなくて機動隊までいるし)

角田「命拾いしたぜ~。来てくれて、サンキュな」

目暮「一体、何があったんだね?」

右京「それが……偽の取引情報でおびき出され、付近のビルから狙撃されましてねぇ」

高木「ええぇ!?」
269 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:55:36.36
佐藤「皆さん、大丈夫なんですか?」

角田「何とかな。君らが来るのがもうちょっと遅かったら、一人や二人は撃たれてただろうけど」

右京「どうして、この現場が分かったんです?」

目暮「工藤君から『組対と特命係が、杯戸公園で何者かと銃撃戦をしている』と通報があったんだよ」

甲斐「……工藤君から?」

目暮「あぁ。通報者が工藤君であることはマスコミに伏せてほしいと言ってたから、他言は無用だ」

甲斐「あ……はい」

目暮「ところで、本当にケガ人は一人もいないのかね?」

右京「ええ。僕も含め、数人がかすり傷を負った程度で済んでいますよ」

目暮「そうか……」

右京「貴方方が来たことで、スナイパー達も逃げたようですし」

右京「機動隊にはお引き取り願っても大丈夫でしょう」

目暮「うーむ。おそらく、非常線を張っても捕まえるのは難しいな」

芹沢「目暮警部。鑑識に頼んで、この周辺の弾痕を調べてもらいますから」

目暮「あぁ、頼む。高木と佐藤、白鳥、千葉は周辺で不審人物を見なかったか聞き込みだ」

高木・佐藤・白鳥・千葉「「「「はい!!」」」」
270 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 17:58:05.38
――杯戸公園・西門近くの路上――

ジョディ「……何とか、一課の到着が間に合ったわね」

コナン「うん……」

コナン(まさか、組対ごと特命係を消そうとするとはな……)

コナン(そこまでやると、さすがに周囲にも不審がられるだろうから可能性は低いと思ってたんだが)

キャメル『ボス。奴らは現在、杯戸町を抜けて池袋方面に逃走中です』

ジェイムズ「また撒かれてしまうだろうが、可能な限り追跡を続けてくれ」

キャメル『了解』

ジェイムズ「さて……あとは連絡待ちだな」

ジョディ「でも考えたわね、クールキッド」

ジョディ「有名な高校生探偵の名前と声を使って、一課の刑事に直接通報するなんて」

コナン「一般の通報システムは、奴らが掌握してると思ったからさ」

コナン「新一兄ちゃんが通報すれば、物証が掴めてなくても、警部達は信用して動いてくれるんだ」

コナン「だから、今回はそれをちょっと利用させてもらっちゃった♪」ニコ

ジョディ(……この子、一体どこまで頭が切れるのかしら)
271 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 18:00:06.66
ジェイムズ「君の予想に違わずだよ。たった今、組織からのハッキングが解除されたようだ」カタカタ

ジェイムズ「今夜はひとまず安心だろう。奴らも、策を練り直す時間が要るはずだからな」

ジェイムズ「送っていくよ、コナン君。阿笠博士の家までで良いのかな?」

コナン「あ、ちょっと待って」

ジョディ・ジェイムズ「「?」」

コナン「ボク、杉下警部に話さなきゃいけないことがあるんだ」

ジェイムズ「私達には、聞かせてもらえないのかい?」

コナン「――――今はまだ、話せない」

ジェイムズ「……そうか」
272 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 18:00:45.36
コナン「ごめんなさい……ボクの方が協力してもらうばっかりで」

ジョディ「謝ることはないわ。以前君に知恵を貸してもらったおかげで、随分と助けられたもの」

ジェイムズ「それに、君にも何か事情があることぐらい、こちらも分かっているよ」ポンポン

ジェイムズ「その時が来たら、ちゃんと話してくれるね?」

コナン「……うん」フッ

コナン「それじゃ、ボクはこれで……」

ジョディ「ええ」

ジェイムズ「また何か動きがあれば、連絡するよ」

コナン「分かった」

ガチャ…バタン!
273 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 18:01:50.16
――杯戸公園・西門付近――

目暮「……しかし、今夜は現場検証と聞き込みで手一杯だな」

右京「我々の聴取は明日ということでしょうか?」

目暮「あぁ。疲れているところを悪いが、朝一番で構わんかね?」

甲斐「いえ。今夜じゃないだけでも、御の字です……」

角田「よし、引き揚げるか」

大木・小松「「はい」」

右京「組対の皆さんには、ご迷惑をお掛けしてしまいましたね。本当にすみませんでした」ペコ

角田「いいって。俺らも特命に手伝ってもらうことが多いんだし」

小松「課長も言ってましたけど、ガセ情報は慣れっこですよ」ハハ…

大木「次は期待してますから」ポン

角田「んじゃ、俺らも帰るわ。お疲れさん」
274 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 18:02:41.57
右京「では、我々も失礼します」

甲斐「失礼しまーす」

目暮「あぁ。気をつけてな」

芹沢「目暮警部! ちょっと……」

目暮「今行く!」タタッ…



甲斐「……杉下さん、車はどこに停めましたっけ?」

右京「あちらの駐車場ですよ」

カツ、カツ、カツ、カツ…
275 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/09(日) 18:04:11.75
――杯戸公園・駐車場・右京の車の前――

…カツ、カツ、カツ…カツン

右京「おや」

コナン「こんばんは、杉下警部」

右京「……小学生が一人で出歩くには、随分と遅い時間のはずですが?」

コナン「あいにくと、見た目通りの歳じゃないもので」

甲斐「じゃあ、やっぱり“君”は――――」

コナン「そこから先は、場所を移してお話しします」シー

甲斐「……!!」

右京「乗って下さい。送っていきますから」ガチャ

コナン「ええ」

バタン! ブロロォ……
279 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/09(日) 20:38:07.40
かっこいいなwww
おつ!
290 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 19:58:40.25
――阿笠博士の家――

灰原「インスタントで悪いけど、紅茶をどうぞ」カチャ

右京「どうも」

コナン「疲れてるのに、わざわざすみません」

甲斐「子供はそんなこと気にしなくていいって」ハハハ

甲斐「それより……話してくれるんだよね?」

コナン「――――確認も兼ねて聞きたいんですけど」

コナン「俺のことや奴らのこと、どこまで掴んでます?」

右京「あの組織の裏取引を“君”が目撃してしまい、彼らに命を狙われたものの」

右京「何らかの理由でその姿になって生き延びている、ということぐらいですかね」

コナン「……じゃあ、俺がこの姿になった原因は知らないんですね?」

右京「ええ。トロピカルランドに駐在する警察官から、“君”がケガを負った経緯は聞きましたが」

右京「その後、何があったんですか?」

コナン「――――毒薬を飲まされたんです」

右京・甲斐「「毒薬?」」

甲斐「……って、どんな毒なの?」
291 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/16(日) 20:00:15.88
おーとうとうバラすか。
292 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:00:19.18
コナン「毒薬の名前はAPTX4869。例の組織が、長い年月をかけて新たに開発したもので」

コナン「遺体から毒物反応が検出されないために、完全犯罪が可能になるという代物ですよ」

コナン「でも俺が投与された時、その薬はまだ試作段階で、未完成だったんです」

右京「つまり……その毒薬の偶発的な作用で、“君”はその姿に?」

コナン「はい」コクッ

右京「なるほど……そういうことでしたか」

甲斐「小っちゃくなっちゃうのは、身体だけ?」

コナン「ええ」
293 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:01:14.79
コナン「神経組織を除いた、骨格、筋肉、内臓、体毛など」

コナン「全ての細胞が幼児期の頃まで後退化するそうなので」

コナン「……だよな? 灰原」

灰原「そうよ」

右京「そちらのお嬢さんも、『江戸川コナン』の正体をご存じなのですか?」

灰原「今の名前は、灰原哀。……“彼”をこんな姿にした薬を作った張本人よ」

甲斐「え!?」ギョッ

右京「では、あなたは組織の一員だったのですね?」

灰原「ええ。姉を殺されたことが原因で裏切ったけど」

甲斐「……もしかして、君も工藤君みたいに……?」

コナン「順を追って話しますよ。そうじゃないと、頭が混乱しちゃいますから」
294 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:04:03.64
~2時間経過~

コナン「……というわけで、FBIの協力も得ながら、奴らの尻尾を掴もうと必死になってるんです」

コナン「今は、毛利探偵の周辺をうろつくバーボンをマークしつつ」

コナン「ベルモットを始めとした、他のメンバーの動きにも注意しているといった状況ですね」

右京「そうでしたか……」

右京「まさかベルツリー急行の爆破にも彼らが関わっていたとは、驚きですねぇ」

甲斐「え……でも、ちょっと待って」

甲斐「CIAはともかく、FBIってアメリカ国外では捜査権が無いはずじゃなかったっけ?」

右京「基本的にはそうですが……」

右京「情報収集を目的としている場合であれば、国外で活動することもありますよ」

右京「しかし、聞かせて頂いた内容からすると、今回の件は明らかに違法捜査にあたるはずです」

コナン「そうまでして追いかけなきゃならない程、厄介な組織だってことですよ」フゥ

コナン「既に何人もの捜査官の命が、組織によって奪われていますから……」

甲斐「……そうだろうな。俺らだって、工藤君が通報してくれなきゃ殺されるところだったし」
295 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:06:39.73
コナン「…………」ギュッ

甲斐「工藤君?」

コナン「俺達のいざこざに巻き込んじゃって……ホント、すみません」

甲斐「いやいや、君が頭を下げる必要なんてないだろ」

甲斐「元はと言えば、奴らが裏世界で暗躍してるせいじゃん?」

コナン「俺は自分の好奇心から首を突っ込んだから、自業自得ですけど」

コナン「特命係のお二人は、完全にとばっちりですから」

甲斐「工藤君……」

右京「一つ、確認しておきたいのですが」

右京「ベルモットという組織のメンバー以外で、君の正体を知っているのは」

右京「あちらにいる阿笠博士、薬の開発者である灰原さん、ロスのご両親と……」

コナン「西の高校生探偵の服部平次と、怪盗キッドも知ってますよ」
296 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:07:36.54
甲斐「服部君は友人だって聞いてるから分かるけど、何でキッドも?」

コナン「以前、博士との電話を奴に盗聴されちまって……それでバレたんです」ハァ…

右京「なるほど。FBIの方々は、ご存じないのですか?」

コナン「まだ話してません」

コナン「まぁ……赤井さんは、何となく知ってる風でしたけど」

甲斐「でも、その人は殉職しちゃったんだろ?」

コナン「あ……はい」ソワソワ

甲斐(何か、工藤君の目が明後日の方を向いてるような……)

右京「君の家に下宿している……沖矢昴さんでしたか。我々も、彼を味方と認識して良いのですね?」

コナン「ええ。それは大丈夫です」
297 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:08:50.30
甲斐「……正直、ちょっと安心したよ」フッ

コナン「?」

甲斐「君のご両親は普段、海外だし。服部君だって、そう頻繁には東京に来れないだろ?」

甲斐「警察にもスパイがいて頼れない中で、たった一人、頑張ってるんじゃないかって心配だったから」

甲斐「奴らに対抗するには少ない人数かもしれないけどさ。味方がいるって分かって、ホントに良かった」

コナン「甲斐刑事……」

甲斐「カイトでいいよ。みんな、そう呼んでるし」

右京「……しかし、組織の存在を知っただけでも抹殺の対象になるというのであれば」

右京「組対や一課にも、組織のことを伏せた方が良さそうですねぇ」

コナン「ええ。組対には、以前摘発した暴力団関係者からの報復とでも思わせて」

コナン「組織の存在に目を向けさせないようにすれば、奴らも手出ししないでしょう」
298 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:10:19.93
コナン「一課の方は、適当な理由を付けて、捜査を打ち切るように命令が下るはずです」

コナン「もちろん、奴らの裏工作ですけどね」

甲斐「伊丹さん達は不満タラタラだろうけど、命には代えられないか……」

甲斐「でも、協力してもらったり助けてもらったりしたのに、嘘をつくのは心苦しいなぁ……」ハァ

コナン「そこはもう、割り切るしかないですよ」

コナン「今のところ、組織が本当に消したいのは杉下警部とカイトさんだけのようですし」

コナン「今夜失敗したからには、もう一度仕掛けてくるはずです」

コナン「それまでの間に、こっちも奴らに対抗する策を考えないと」

甲斐「うん、そうだね」

右京「もう遅いですから、今夜はこれでお暇しますが……」

コナン「ええ。策を考えるのは、また日を改めて。FBIとも連絡を取ってみます」

右京「お願いします」
299 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:11:01.21
甲斐「あ、工藤君」

甲斐「携帯の番号を教えてくれる? 念のために、“コナン君”と“工藤君”の両方を」

コナン「あ……はい」ゴソゴソ

ピコ♪

甲斐「これで良し……と。杉下さんと俺のも送信するね」

ピコリーン♪

甲斐「登録できた?」

コナン「はい」

右京「では、失礼します」

甲斐「おやすみ」

コナン「おやすみなさい」

パタン…
300 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:12:40.13

…カタン

有希子「新ちゃん……」

コナン「大丈夫だって。杉下警部達なら信頼できるよ。なぁ、灰原」

灰原「ええ。彼らが組織のことを口外しなければね」

有希子「……それは分かってるけど」

コナン「つーか、いるんだから挨拶ぐらいすりゃ良いのに」

有希子「だってぇ~、突然三人で帰ってくるんだもの」

有希子「こんな寝間着みたいな格好じゃ、人前に出られないわ」プンプン

コナン「何だよ、それ……」

灰原「男の貴方には分からないでしょうけど、女性は細かい部分まで気を遣うってことよ」

コナン「はぁ?」
301 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:13:49.18
灰原「私ももう寝るわ。おやすみなさい」スタスタ

コナン「……ったく。何なんだよ?」

阿笠「ワシも休むから、玄関の鍵は頼んだぞい」

コナン「おう」

有希子「新ちゃん、私達も隣へ帰りましょ」

コナン「先に帰ってくれ。俺、ちょっとやることあるから」

有希子「あんまり遅くならないようにしてね?」

コナン「へいへい……」

コナン(とりあえず、ジョディ先生に連絡しておかねーとな……)

ピッ…prrrr…prrrr…

コナン「あ、ジョディ先生? コナンです。ちょっと頼みたいことがあるんだけど――」
302 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:15:38.88
――翌日・警視庁内・内村の執務室――

バン!!

伊丹「捜査を打ち切るって、一体どういうことです!」

伊丹「警視庁の組対が、複数の狙撃犯から命を狙われたんですよ?」

芹沢「特命係もですよ、伊丹さん」ボソッ

伊丹「これは立派な殺人未遂だ! 一課が動いて何が悪いんですか!!」

中園「今、一番濃厚な線は、暴力団関係者による組対への報復だ」

中園「なら、一課ではなく組対の領分だろう。向こうに任せればいいじゃないか」

伊丹「しかしですね、参事官!」
303 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:17:05.27
内村「伊丹……つまりお前は」キィ…

内村「警視庁の組対が、偽の情報で容易くおびき出され、ノコノコと出向いた挙げ句」

内村「ライフルで殺されかけた無能集団だと、世間に公表しろと言いたいわけだな?」

伊丹「そんなことは言ってません! これは警察に対する挑戦でしょう!!」

伊丹「このまま狙撃犯を野放しにしておく方が、よっぽど危険じゃないですか!」

伊丹「組対はもちろん、一課も協力して動くべきだと言ってるんです!!」

佐藤「私も同感です、内村刑事部長」

佐藤「理由の説明も一切無く、ただ捜査を打ち切れというのは、納得いきません」

高木「自分もです」

内村「理由は今言った」

佐藤「では、せめて組対との合同捜査をさせて頂けないでしょうか?」

内村「ダメだ。今回の件は、組対に任せろ。お前達が動くことは許さん!」

伊丹・芹沢・佐藤・高木「「「「…………」」」」ムゥゥ…
304 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:17:58.89
――捜査一課――

伊丹「くそっ……!!」ゴン!

芹沢「……伊丹さん。気持ちは分かりますけど、落ち着いて下さいよ」

伊丹「うるせぇ!!」

千葉「荒れてますね、伊丹さん」

高木「あぁ……そういや、そっちはどう? 何か手がかりあった?」

千葉「いえ。さっき、押収した証拠品や捜査資料を組対に持っていかれました」

高木「えぇ、もう!?」

白鳥「組対は『自分達が捜査するから、一課は手を出すな』の一点張りで」

千葉「何が何だか、もうさっぱりですよ」ハァ…
305 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:21:10.30

ガチャ

目暮「朝早くから、すまんかったな」

右京「いえ。目暮警部こそ、夜通しの捜査でお疲れでしょうに」

目暮「刑事部長も『事情聴取が終わったら、特命はもう休め』と言っとったよ」

甲斐「……それって、厄介払いってやつですかね」ポツリ

右京「カイト君。本当のことを言ってはダメですよ」

甲斐「あ、すみませ~ん」ハハハ

目暮「ま、まぁ、たまにはのんびりする機会があっても良いじゃないか」ヒク…

目暮「昨日の捜査資料を見たら、帰って休んでくれ」

目暮「上にはワシが報告しておくからな」

右京「お願いします」

甲斐「お願いしまーす」

パタン…
306 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:23:40.97
千葉「あ……杉下警部。捜査資料は、もう組対が持っていっちゃいまして……」

右京「そうですか。では、角田課長に頼んで見せて頂くとしましょう」

ガシッ

伊丹「丁度良かった……」

右京「おや、伊丹さん。昨夜はすぐに駆けつけてくれたおかげで、助かりましたよ」

甲斐「ホント、ありがとうございました~♪」

伊丹「そんな口先だけのお礼は結構です」ジロッ

右京「はいぃ?」

伊丹「昨夜のことを、洗いざらい吐いてもらいましょうか。本当は何があったんですか?」

甲斐(うわ……伊丹さん、目がヤバい)コソ…

伊丹「こら、カイト! 逃げるんじゃねぇ!!」グイッ
307 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:24:32.26
芹沢「伊丹さん……! もう、特命に八つ当たりしないで下さいよ!!」

伊丹「じゃあお前は、上層部の決定に納得してんのか!」

芹沢「してませんよ! 俺だってムカついてますって!!」

芹沢「でも、『一課は動くな』って命令されたんだから仕方ないでしょ?」

芹沢「刑事部長、背けば懲戒も辞さないようなオーラ出してましたし」

右京「やはり、捜査の打ち切り命令が出されましたか」

芹沢「ええ。けど、納得できるだけの理由も説明も一切無いままで」

芹沢「俺や高木さんも一言、物申してやりたかったぐらいですよ」

芹沢「ま、俺達が言う前に、伊丹さんと佐藤さんが全部言いたいこと言ってくれてましたけどね」フン

甲斐「……伊丹さんだけじゃなくて、芹沢さんにもここまで言わせるってことは」

右京「刑事部長も、相当嫌みな言い方をしたんでしょうねぇ……」

高木「ええ、まぁ……」ハハ…
308 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:26:51.18
千葉「佐藤さん? どうしたんですか?」

佐藤「え? あぁ……前にも、無理矢理捜査を打ち切られたことがあったなぁって」

右京「前にも……というと、いつのことでしょう?」

佐藤「七夕の頃、東京、埼玉、神奈川、静岡、群馬、長野で起きた、広域連続殺人事件です」

白鳥「被害者の遺体発見場所や殺害現場が、地図上で北斗七星の形を描いていた事件ですね?」

佐藤「ええ。あの時、松本管理官になりすまし、捜査会議に参加していた謎の人物がいたんですが……」

佐藤「その人物について調べようとしたら、上からストップがかかったんです」

千葉「あれも本当に不可解でしたよね」

千葉「管理官を拉致監禁して、なりすましただけでなく」

千葉「犯人確保のために現場へ向かった警察官を殴り倒して、捜査を攪乱していたのに」

千葉「その人物について一切捜査するな、なんて命令が下されるなんて」
309 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:28:41.58
高木「東都タワー周辺に現れた、どこの所属か分からない戦闘ヘリのことも」

高木「松本管理官の件と同様に、捜査の打ち切りを言い渡されましたっけ」

白鳥「それに関しては、防衛省も首を傾げていましたね」

白鳥「本来であれば航空自衛隊にも関わってくる問題のはずなのに……」

高木「今回の一件と、何か関係があるんでしょうか?」

伊丹「おい……その話、マジか?」

千葉「え……」

白鳥「知りませんでしたか?」

高木「ボク達は、てっきり皆さんもご存じかと……」

伊丹「戦闘ヘリの捜査を強引に打ち切られたのは知ってるけどなぁ」

芹沢「松本管理官については、俺達も一切聞いてませんよ」

伊丹「どういうことだ? 高木ィ」

高木「い……いや、ボクに聞かれても……」タジタジ
310 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:30:03.66

『杯戸町三丁目のアパートで殺人事件発生! 現場は風呂場、被害者は20代後半~30代の男性で……』

バン!

目暮「白鳥、高木、佐藤は現場に急行してくれ! ワシも後から行く!」

白鳥・高木・佐藤「「「はい!」」」

目暮「伊丹君、芹沢君も聞き込みなどで協力してくれるとありがたいのだが……」

芹沢「了解です」

目暮「係が違うのに、すまんな」

芹沢「いえいえ。こないだは、こっちが聞き込みに協力してもらいましたからね」

伊丹「チッ……」

ワイワイガヤガヤ
311 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/16(日) 20:31:00.56
右京・甲斐「「………………」」

甲斐「杉下さん……」コソ…

右京「おそらく、松本管理官の一件も彼らの仕業でしょう」ヒソヒソ

甲斐「俺達は昼から休みだし、工藤君と連絡を取って、策を練りますか?」

右京「ええ。その前に、腹ごしらえといきましょう」

甲斐「賛成です」
337 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/23(日) 23:55:58.36
――組織のアジト・射撃訓練場――

パシュッ!

キャンティ「チッ……狙いがズレちまった!」

コルン「今日、調子悪い……」ボソ

キャンティ「うるさいよ!!」ジロッ

ガコ…ウィィン

安室「何を言い合っている?」

キャンティ「……あんたには関係ない」

キャンティ「それより昨日の後処理、うまくいったのかい?」

安室「あぁ。容疑者の遺体発見までの筋書きを、少々変更しただけで済んだよ」ククッ

キャンティ「そうかい」フン

キャンティ「ま、あんたはジンみたいなミスはしないだろうと思ってるからねぇ」

安室「それは良かった。そこまで奴と一緒にされるのは、僕も迷惑だ」
338 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/23(日) 23:56:55.46

パシュッ!!

コルン「次……キャンティの番」

キャンティ「バーボン。せっかく来たんだし、あんたもやるかい?」

安室「いや、僕は遠慮しておくよ。今日ここへ来たのは別件でね」

キャンティ「そうかい、残念だね」

コルン「次の作戦……いつ?」

キャンティ「あ、そうだよ。あの刑事達を殺るの、どうする?」

安室「それなんだが……奴らの隙を窺うためにも、時間をおいた方が良いと思ってな」

コルン「……俺、まだあいつを撃てない?」

安室「もう少しの我慢だ。辛抱してくれ」
339 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/23(日) 23:58:06.46
キャンティ「……? 何だか楽しそうだね、あんた」

安室「あぁ。少々面白いことが分かったからな」

コルン「面白いこと……?」

キャンティ「何が分かったっていうんだい?」

安室「悪いが、まだ話せる段階じゃない」

キャンティ「勿体ぶらずに教えなよ。気になるじゃないか」

安室「確証が掴めていないものでね。今の状況では、向こうにシラを切られればそれまでだ」

キャンティ「フン……相変わらずだねぇ」

キャンティ「ま、いいよ。いずれ話してくれるんだろ?」

安室「あぁ、もちろん。それじゃ、僕はこれで」

ウィィン…ガコン
340 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/23(日) 23:59:16.95
――組織のアジト・コンピュータールーム――

カタカタ…カタ…タン!

ベルモット(クールガイのデータは、このフォルダに入っていたはず……)

カチ

ベルモット(……データが消えてる!? そんなバカな!)

安室「お前が探しているデータなら、そこには無いぞ」

ベルモット「!!」ハッ

安室「今日はまた警視庁に潜入するはずじゃなかったのか?」

ベルモット「……その前に、確認しておきたいデータがあったのよ」

安室「工藤新一の死亡を確認したのは誰か――だろう?」

ベルモット「ええ。貴方も確認してるとは思ったけど、私も一応……」

安室「それなら僕に聞けばいいじゃないか。何故わざわざ自分の目で確認しに来た?」
341 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/24(月) 00:01:46.53
ベルモット「……自分の目で見たことじゃないと信じられない。貴方にだって、そういうところはあるでしょ?」

安室「否定はしないさ。だが……これは何だ?」

バサッ

ベルモット「――――何なの、それ?」

安室「聞いているのは僕の方だ」ジャキッ

ベルモット「銃なんて向けないでくれる? 物騒だわ」

安室「お前がそれを言うとは、随分と滑稽だな」フン

安室「言わなくても分かっているだろうが、これは組織のパソコンの使用・閲覧履歴だ」

安室「このページの記録……お前にも覚えがあるだろう?」

ベルモット「…………」ギュッ

安室「この時間、このパソコンを使ったのは、ベルモット。お前だけだ」

安室「監視カメラの映像も確認済みだ。言い逃れは許さない」
342 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/24(月) 00:03:11.95
安室「何の目的で、工藤新一のデータにフェイクを仕掛けた?」

ベルモット「……わざわざ貴方に言わなきゃならないことかしら?」

安室「――――あのデータを入力したのがシェリーだという事実は、お前にとって、かなり都合が悪いようだな」

ベルモット(やはり、あのぐらいのフェイクではごまかしきれなかったわね)

安室「そうまでして『工藤新一は死んだ』と思わせたいということは……やはり彼は生きているんだな?」

安室「それも、我々が思いも寄らなかったような形で……」

ベルモット「……その可能性もある、というだけの話よ」

安室「遺体が見つからなかった以上、工藤新一が生きている可能性が高いことはお前にも分かっていたはずだ」

安室「それに気付いた時点で、どうして上に報告しなかった?」

ベルモット「確かに、私がデータのことに気付いた時、あの坊やが生きている可能性は五分五分だったわ」

ベルモット「でも私なりに色々調べてみたけど、生存・死亡のどちらの確証も得られなかったのよ」
343 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/24(月) 00:04:13.32
ベルモット「確証もないことを、不用意に口に出すものじゃないでしょ?」

安室「では、何故データにフェイクを?」

ベルモット「フェイクを仕掛けたのは、データを入れたのがシェリーだからじゃないわ」

ベルモット「工藤新一の自宅の調査に同行した研究員の一人に、私も目をかけているのがいてね」

ベルモット「中々あの坊やの死亡確認が取れなくて、焦ったその研究員が」

ベルモット「データの入力主を裏切り者のシェリーにしたんじゃないかと思ったのよ」

ベルモット「そうすれば、データが間違っていると分かっても、責任をシェリーになすりつけられるでしょ?」

安室「その研究員の名前は?」

ベルモット「だから、貴方にわざわざそこまで言う義理はないわよ」ムッ

安室「…………フン」チャッ

安室「まぁ良い。僕の推測とお前の言い分、どちらが正しいのかは、いずれ分かる」
344 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/24(月) 00:05:21.64
ベルモット「……ところで、貴方の推測って?」

安室「言って良いのか? この部屋の会話は全て録音されているぞ」

ベルモット「!」

安室「あの方やジン達に聞かれることがあっても支障がないというなら、遠慮無く話すが?」

ベルモット「――――やめておくわ。『推測』ってことは、まだ確証が掴めてないんでしょ?」

ベルモット「そんな不確かな情報、今聞いたって仕方ないもの」

安室「……そういうことにしておいてやる。今はな」

ベルモット「バーボン。私を疑うより、杉下右京抹殺計画を練り直した方が良いんじゃなくて?」

安室「それなら既に考えてある。ジンも了承済みだ」

ベルモット「……私は聞いてないわよ」

安室「お前には今から話す。キャンティやコルンにもだ。後で射撃訓練場へ来い」

ベルモット(……ダメだわ。やはりバーボンは、私に疑いの目を向けたまま……)

ベルモット(この状態では、下手に動けない。クールガイの悪運の強さを信じるしかないわね)
348 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/24(月) 00:58:09.62
バーボンやるねえ…
355 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:10:57.40
――放課後・阿笠博士の家――

有希子「今日はダージリンにしてみたわ。特命係のお二人もどうぞ♪」

右京「急に押しかけて来たというのに、すみませんねぇ」

コナン「いえ。俺も電話しようと思ってたところでしたから」

甲斐「FBIの人達は?」

コナン「もう少しで来ると思いますよ」

ピーンポーン

右京「おや。噂をすれば、いらしたようですね」

阿笠「はーい」
356 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:12:09.63

ガチャ

ジェイムズ「お邪魔します」

ジョディ「こんにちは、クールキッド。阿笠さん達も」

コナン「いらっしゃい、ジョディ先生」

ジェイムズ「……直接お会いするのは、初めてでしたね」

右京「初めまして。警視庁特命係の杉下右京です」

甲斐「甲斐亨です」

コナン「こっちの二人は、FBIのジェイムズ・ブラックさんと、ジョディ・スターリングさん」

ジェイムズ「よろしく」
357 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:13:41.86
甲斐「FBIの人達が日本にいる本当の理由は、一課も知らないんだったよね?」

コナン「ええ。目暮警部達には、『ジョディ先生が捜査中にミスを犯し、長期休暇を取らされ』」

コナン「『日本で傷心旅行中の彼女を心配して、仲間達が様子を見に来た』と説明してあります」

甲斐「……ちょっと無理のある言い訳のような気もするけど?」

灰原「そういえば、以前、高木刑事達にも突っ込まれてたわね」

コナン「そこは、まぁ……大目に見て下さい」ハハ…

甲斐「ま、仕方ないか」
358 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:15:18.21
右京「ところで、今後はどう動くつもりですか?」

コナン「……奴らがもう一度仕掛けてくるまで、そんなに間を空けるとは思っていません」

コナン「どんなに遅くても、一週間以内には何らかの動きがあるはずです」

甲斐「こっちからは何も仕掛けないの?」

コナン「下手に動けば、奴らに付け入る隙を与えるだけです」

甲斐「じゃあ、しばらくは様子見?」

コナン「いいえ。そこまで大人しくしてやるつもりもありませんから」ニッ

コナン「ジョディ先生。頼んどいた件、どうなった?」
359 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:16:11.31
ジョディ「一応コンタクトは取ってみたけど、タイミングが悪かったみたいで」

ジョディ「『かけ直す』って電話を切られちゃってね……」

ジョディ「今は、向こうからの連絡を待ってるところよ」

右京「……頼んでいた件とは?」

コナン「組織に潜入してる、カンパニーのNOCと繋ぎを取ってもらおうと思ってね」

甲斐「あぁ、昨日話してた……」

右京「水無怜奈さんですね?」

prrrr…prrrr…ピッ

ジョディ「はい」

水無『私よ。今朝はごめんなさいね』
360 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:18:02.93
ジョディ「いえ、気にしないで。……電話しても大丈夫なの?」

水無『ええ。何とか一人になれる時間を作れたから……』

コナン「ジョディ先生、スピーカーにしてくれる?」ヒソヒソ

ジョディ「分かったわ」

ピッ

ジョディ「特命係の暗殺に失敗した後、奴らに何か動きはあった?」

水無『詳しいことは分からないけど、バーボンがベルモットに妙な疑いを持っていてね』

ジョディ「妙な疑い?」

水無『以前、組織が暗殺した人物のリストのデータを、ベルモットがいじってたのが分かって』

水無『彼女がまた何か重要な情報を隠してるんじゃないかって、不審を抱いている様子だったわ』
361 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:19:31.17
水無『そのおかげで私からマークが外れ、こうして連絡を取ることができているわけだけど』

ジョディ「他に、何か分かったことは?」

水無『今度、ベルツリータワー周辺にオープンする地下街の下に、組織のアジトがあるの』

水無『私も一度行ったきりだから、内部の詳しい情報までは分からないけど』

水無『組織が新開発した毒薬の研究施設もあるわ』

コナン・灰原「「!!」」

ジョディ「毒薬……?」

水無『ええ。組織が長年進めていた、極秘プロジェクトに関わるものだそうよ』

水無『ドアの隙間から覗いた時に見えたのは、A・P・T・Xに4869というラベルがついたファイルだったわ』

水無『読み方までは分からなかったけどね……』

コナン(――――APTX4869!)
362 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:20:47.53
ジョディ「ベルツリータワー周辺といっても、どの辺りの地下街なの?」

水無『……!』ハッ

水無『ごめんなさい、また連絡するわ』プツッ

ツー…ツー…

ジェイムズ「――――誰かに見つかりかけたか」

ジェイムズ「しかし、かなり有力な情報は得られたな」

ジョディ「ええ……早速、アジトの位置を確認しないと」

甲斐「地下街の更に下にアジトを構えるなんて、大胆っていうか何ていうか……」

右京「後ろめたいことがあると、人は他人の目を避けようとするものですからねぇ」

右京「多くの人が集まる地下街周辺に、犯罪組織のアジトがあるなどとは中々考えません」

コナン「それに、アジトに出入りする工作員も」

コナン「地下街を訪れる客や店員、荷物を搬入する運送業者を装えば、誰も不審に思わない……」

甲斐「奴らが潜むには、うってつけってことか……」
363 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:25:20.13
ジェイムズ「ジョディ、集められるだけ人を集めるぞ」

ジョディ「ラジャー。キャメル達に連絡を取ってきます」

右京「では揃い次第、作戦会議といきましょうか」

コナン「ですね」

ジェイムズ「ところで……今回の件、君達はどう見る?」

コナン「ボク達も組織の詳しい内情までは分からないけど、何か揉めているのは確かだね」

ジェイムズ「ベルモットか……彼女の動きも読みづらいところはあるが」

右京「しかし……これが罠である可能性も考えなければなりません」
364 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:35:14.11
コナン「ええ。水無さんから連絡があったタイミングが良すぎます」

コナン「俺が杉下警部やFBIと接触するのを待っていたかのようでしたから」

コナン「しかも、あの薬の情報をこっちに伝えさせるなんて……」

有希子「コナンちゃん……」

コナン「んな顔すんなって。ここまではこっちも計算通りだ」

コナン「母さんは昴さんを呼んできてくれ。あの人にもやってもらいたいことがあるし」

有希子「……分かったわ。でもコナンちゃん」

コナン「ん?」

ギュウ…

有希子「あんまり無茶しすぎないでね……?」

コナン「母さん……」

灰原「それに関しては、私も同意見よ」

コナン「何だよ、オメーまで……」

灰原「だって貴方に死なれたら、貴重なデータが取れなくなっちゃうもの」プイッ

コナン「……オイ」
365 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:44:10.24
甲斐「素直じゃないんだね、灰原さん」クスクス

右京「俗に言う、ツンデレというものですか」フフッ

コナン「いや……どの辺がデレなのか、俺にはよく分からないんですけど」

有希子「哀ちゃんもコナンちゃんが心配でたまらないのよ」

コナン「何だよ、そんなに信用ねーか?」

有希子「信用してたって、心配なものは心配なの」

ジェイムズ「…………そうか、分かった」

ピッ

ジェイムズ「あと三十分程でこちらは全員揃うよ」

コナン「分かった。母さん、早く昴さんを」

有希子「はいはい」スタスタ

パタン…
366 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/28(金) 00:50:36.48
コナン「……さぁて、この賭けが吉と出るか、凶と出るか」

甲斐「よく言うよ。失敗するなんて、微塵も考えてないだろ?」

コナン「あ、分かります?」

甲斐「表情で丸わかりだよ」クス

右京「ですが……その前向きさが、今の君には、何よりも必要なものですよ」

甲斐「俺達特命係も、諦めは悪い方だからね」

甲斐「凶と出たら吉に変えてみせるぐらいの気概で行かないと、やられちまうって」

コナン「ええ……そうですね」

ガチャ

有希子「コナンちゃん、連れてきたわよ」

昴「こんにちは」

ブロロォ…キキィ! バタン!

ジェイムズ「……随分と早いが、ウチのメンバーも着いたようだ」

甲斐「ホントですね。三十分どころか、五分で来ましたよ?」

コナン「――――じゃあ、早速始めようか」ニコッ
383 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:48:08.24
――組織のアジト――

工作員A『FBIの捜査員が、阿笠の家に入りました』

安室「分かった。引き続き監視を続けてくれ」

工作員A『了解』

ピッ

水無「……あれで良かったんでしょ?」

安室「あぁ。仕込みは十分だ」チャキッ

水無「銃なんて出さなくても、妙なことは言わないわよ。ベルモットじゃあるまいし」

安室「念のためだ」

水無「でも考えたわね、バーボン。私にわざとFBIと連絡を取らせるなんて」

安室「昨夜、僕達の作戦が失敗したことを受けて、こちらの内情を知るために」

安室「お前にも何らかのアプローチをしてくるだろうと踏んでいたからな」

安室「今朝のFBIからの電話は、むしろ遅かったぐらいだ」
384 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:51:08.15
水無「それにしても……何なの? この狭い部屋」

水無「しかも貴方という見張り付きなんて、悪趣味だわ」フゥ

水無「あの方のご命令通り、赤井を始末したっていうのに……いつまで私を疑うのかしら?」

安室「お前を奪回した時、あまりにも上手く行き過ぎたと思ったのはジンだけじゃない。僕も同じさ」

安室「お前が赤井を始末したと聞いた時、不信感を消し去るどころか、逆に強める結果になった」

安室「赤井は、お前に自分を殺させることで、お前が組織で動きやすくなるようにしたんじゃないかとな」

安室「――――自ら命を絶った、お前の父親のように」

水無「!」ハッ

安室「案の定、お前もカンパニーの犬として再び組織に潜り込まされていたようだが……」

水無「言いがかりは止めてくれない?」

水無「私は実の父親を殺した、組織の二重スパイよ?」フフッ

水無「父のおかげでカンパニーにもすんなり入れたし、情報が得やすかったのは確かだわ」

水無「……でも、それだけよ」
385 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:51:54.18
安室「フン……そう言えば、シラを切り通せるとでも?」

安室「ベルモットも十分怪しいが、それに関してはお前も同等だ」

水無「その私に色んな情報をペラペラと喋らせるなんて、一体何を考えてるの?」

水無「特に、組織が新たに開発した薬のことは、極秘事項と聞いてるけど?」

安室「FBIの他にも釣りたい相手がいてね。ああ言えば、必ずやってくるだろう」フッ

水無「本当は薬の現物もデータも、ここに無いとは知らずに?」

安室「いや、それは本当にあるさ」

水無「え?」

安室「餌は上等な方が良いだろう?」クックック
386 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:52:44.88

カツ、カツ…カツン

安室「……分かっているとは思うが、お前も餌の一つだ」ニッ

安室「ここで大人しくしてるんだな」

キィィ…バタン!

水無(……バーボン達は、特命係もろともFBIを消すつもりだわ)

水無(でもあの子なら、きっと……これが罠だと気付いてくれるはず)

水無(あんな小さな子に期待するのはおかしいかもしれないけど、彼なら信じられる)

水無(頼んだわよ、コナン君――――)
387 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:54:16.81
――翌日・警視庁内・組織犯罪対策5課――

伊丹「どうしてもダメですか?」

角田「俺個人としては、昨日の殺しの件は手伝ってもらいたいんだけどな……」

伊丹「なら、俺達一課にも手伝わせて下さい!」

角田「でもよぉ、あのガイシャが俺らを襲った主犯格だったから、組対が動けって命令だったろ?」

角田「悪いけど、刑事部長に睨まれるのはゴメンだ。今回は諦めてくれ」

伊丹「課長!!」

ガチャ

中園「……やっぱりこっちだったか」

芹沢「あ……中園参事官」

中園「伊丹。今は堪えてくれ」

伊丹「参事官……!」

中園「今回の件は、私も釈然とはしておらん。しかし……」

伊丹「それなら尚更です! 何で刑事部長に物申してくれないんですか!!」グイッ

中園「い、伊丹、落ち着け! 苦し……っ」

芹沢「ちょっ……伊丹先輩! 参事官相手に何やってんすか!!」

角田「おいおい、ストップ、ストップ!」
388 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:55:29.67
――特命係――

甲斐「……伊丹さん、今日も大荒れですねー」

右京「一課からすれば、本来は自分達の担当である殺人事件を、他の課に回されるなど」

右京「到底納得いかないという気持ちなのでしょう」

甲斐「そりゃ分かりますけど……かと言って、真相を話したくても話せないですし」ムゥ…

右京「もうしばらくは我慢して頂くしかありませんねぇ」

米沢「どうも、こんにちは」

右京「おや、米沢さん。どうしました?」

米沢「昨日の殺人事件の鑑定結果を組対に届けに来たんですが」

米沢「伊丹さんがあの様子では渡すに渡せませんので。少し避難させて頂いてもよろしいですか?」

甲斐「どうぞどうぞ」

米沢「お邪魔します」
389 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:56:10.70
右京「先日のCDはまだ全部聴けていないので、もう少し借りておいてもよろしいでしょうか?」

米沢「あぁいえ、そちらは大丈夫ですので。じっくり堪能して下さい」

右京「すみませんねぇ」

米沢「ところで、先程の話がチラリと聞こえてしまったのですが……」

米沢「お二人が掴んだ真相とは、何なんですか?」

甲斐「あ……いや、それはちょっと……」

右京「残念ですが、今ここでお話しするわけにはいかないものですから」

米沢「そうですか……今回もまた、結構な危険が伴うようですなぁ」

甲斐「『結構』で済むかは分かりませんけどね……」ハハ…
390 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:56:50.64
米沢「――――何かお力になれることがあれば、いつでも言って下さい」

甲斐「その気持ちだけで十分ですよ」

右京「普段はこちらが力になって頂くばかりですからね。米沢さんには本当に感謝しています」

米沢「……何やら、いつものお二人らしくありませんね。別れの挨拶みたいじゃありませんか」

甲斐「場合によっては、そうなるかも…………」

米沢「は?」

右京「カイト君」

甲斐「あ……すみません」
391 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:57:57.73
角田「よぉ。米沢、こっちに来てるか?」

右京「ええ。伊丹さんはもう一課に戻ったのですか?」

角田「あいつなら、参事官と一課の奴らに引きずっていかれたよ」

角田「やっと静かになったぜ……」ハァ…

米沢「あ、課長。こちらが今回の鑑定結果です」

角田「おう、サンキュー」

大木「課長、ちょっといいですか?」

角田「あぁ、今行く。邪魔したな」スタスタ

米沢「……では、私もこれで失礼します」
392 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:58:58.05
右京「明後日ぐらいには、CDをお返しできると思いますので。その時に、また……」

米沢「――――お二人とも、お気を付けて」

甲斐「そんな心配そうな顔することないですって」

右京「ええ。こちらには、最強の切り札がありますからね」

米沢「警部がそう仰るからには、さぞかし心強い味方なんでしょうなぁ」フッ

右京「もちろん。日本警察の救世主と謳われる人ですから」

米沢「……そうでしたか。確かに“彼”が警部達の味方になれば、向かうところ敵無しでしょう」

右京「他言は無用に願いますよ」

米沢「心得てますとも。それでは……」

カツカツカツ…
393 : ◆rzOq/SCuAA :2014/03/31(月) 23:59:55.00
右京「カイト君。悦子さんのことは?」

甲斐「今夜、国際線のフライトで日本を離れて、戻ってくるのは三日後ですから。心配ありませんよ」

右京「そうですか」

甲斐「幸子さんはどうしますか?」

右京「そちらも心配は無用です」フッ

右京「たまきさんに頼んで、オーストラリアに連れ出してもらいましたのでね」

甲斐「たまきさん……?」

右京「僕の元妻で、『花の里』の前の女将だった人です」

甲斐「え!?」ギョッ

甲斐(杉下さんって、バツイチだったのか……)
394 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:01:20.85
右京「グレートバリアリーフで十日程、ダイビングを楽しんでくると言っていましたから」

右京「少なくともその間は、彼女達が組織に狙われる恐れはないと思いますよ」

甲斐「ありゃ……今夜も『花の里』で食べようと思ってたのになぁ」

右京「明日の大仕事が終わって落ち着いたら、二人で行きましょう」

甲斐「…………はい」
395 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:02:10.81
――翌日・ベルツリータワー地下街入口前の路上・FBIのワゴン車内――

コナン「午後五時……か」

右京「そろそろ、ここに来る運送業者が、地下街の店舗への搬入を始める頃ですね」

甲斐「それに紛れて、工作員が出入りしたり、薬の研究に必要なものを運び入れたりしているわけか」

ジョディ「……コナン君、本当に貴方も行くの?」

コナン「もちろん。子供のボクがアジトの中をうろつくのは、確かに危険だけど」

コナン「例の薬のデータを、絶対手に入れなきゃいけないからね」

ジェイムズ「……今回の作戦は、非常に厳しいものになる」

ジェイムズ「我々もどこまでサポートできるか分からないし、君を守りきれない可能性も高い」

ジェイムズ「それでも良いのかい?」

コナン「――――覚悟の上だよ」

ジェイムズ「分かった」
397 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:02:58.34
ジェイムズ「昨日の調べで見つけた入口の一つは、この写真の店の裏手だ。地図で言うとこの位置にある」

甲斐「一見すると、ごく普通の土産物屋ですね」

コナン「入口は、もう一つ見つけてあるって言ってたよね?」

ジョディ「こことは反対側の入口に程近い、ファストファッション店よ」

キャメル「そちらは工作員と思われる店員も多数いて、忍び込むのは難しいと判断したんだ」

コナン「……『こっちから入れ』って、誘い込まれてる感じだね」

右京「実際、その通りだと思いますよ」

ジェイムズ「だろうな」

コナン「おそらく、向こうの作戦を立案しているのはバーボンです」

コナン「ジンは一昨日の失敗もあって、あまり強くは出られないでしょうから」
398 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:04:33.62
ジェイムズ「ウオッカはジンのサポートに回るだろうし」

ジェイムズ「キャンティやコルンも、接近戦に持ち込めれば勝機はある」

右京「水無怜奈さんは、あの電話の後、アジト内部のどこかで監禁されている可能性が高いですね」

甲斐「この作戦で彼女を助け出さないと、殺されちまう……か」

右京「元人気アナウンサーを救い出すナイト役は、君にピッタリかも知れませんねぇ」フフッ

甲斐「……杉下さん、こんな時に茶化さないで下さいよ」

ジェイムズ「問題はベルモットだ。彼女の動きが、最大の不確定要素だな」

コナン「うん。ジンの奴も油断ならないし……一瞬の隙も見せられないね」

ジェイムズ「……怖くなったかい?」

コナン「ううん、全然。――――むしろ燃えてきたよ」

ジェイムズ「そうか……」フッ
399 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:05:13.26
ジェイムズ「全員、それぞれの役割は把握しているな?」

ジョディ・キャメル「「はい!」」

コナン「そっちは頼んだぜ、灰原。昴さんも」

灰原「……絶対、帰ってきなさいよ」

コナン「おう。そんじゃ、後でな!」

ガチャ…バタン!

灰原「江戸川君……」

昴「そんな顔をするな。彼なら大丈夫さ」フッ

灰原「…………ええ」
400 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:06:14.75
――同時刻・毛利探偵事務所内――

小五郎「お~い、蘭。メシ~」

蘭「お父さんたら。今、五時過ぎよ? 食事の用意をするには早いわ」

小五郎「へ……まだそんな時間なのか?」

蘭「お酒飲んで寝てばっかりだから、時間の感覚が狂っちゃうのよ。飲む量減らせば?」

小五郎「そっ、そういや、あのガキはどうした?」

蘭「もう……都合が悪くなると、すぐに話を逸らして」プンプン

蘭「コナン君なら、新一のお母さんが連れてったわ」

小五郎「有希ちゃんがぁ? 何でまた日本に?」

蘭「さぁ……新一のお父さんと喧嘩でもしたんじゃないの?」

小五郎「ふーん……んで、どこに行くって?」

蘭「久々にコナン君と一緒に遊びたいから、錦座で買い物してくるって言ってたわよ」
401 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:06:45.36
蘭「その後は、博士の家で新しいゲームをするから、向こうで泊まるって」

小五郎「ほー……ガキは気楽で良いよなぁ」

蘭「…………そうでもないかも」ポツリ

小五郎「あん? ……どうした、蘭。しけた顔しやがって」

蘭「え?」ハッ

蘭「な、何でもない」

蘭(何だろ……この感じ。胸の中がすごくモヤモヤしてる)

蘭(コナン君…………明日には、ちゃんと帰ってきてくれるよね?)

蘭(あいつみたいに、突然いなくなったりしないよね……?)
402 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:07:40.00
――地下街通路・アジト入り口前――

ジェイムズ「それでは、手筈通りに行くぞ」

ジョディ・キャメル「「ラジャー!」」

コナン「気をつけて」

ジョディ「コナン君こそ。杉下警部、甲斐刑事、彼を頼んだわよ」

甲斐「任せて下さい」

キィ…パタン

右京「……さて。こちらも行きましょうか」

コナン「ええ」ニッ
403 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:08:27.61
――組織のアジト・地下一階――

カツ、カツ、カツ…

ジョディ「!」ハッ

ジェイムズ「隠れろ」

カツ、カツ、カツ…カツン

安室「別に隠れなくても良いんじゃないか?」

安室「入口に仕掛けられた監視カメラに気付かないFBIでもないだろうに」

ジェイムズ「……フン。やはり、水無怜奈を囮に使った罠だったか」スッ

キャメル「ボス!」

安室「……日本に潜入しているチームのボス自ら出向くとは」

安室「こちらも相応の歓迎をしないといけないな」ジャキッ
404 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:09:15.79

ザザッ……チャキッ、ガチッ

ジェイムズ「……全部で十人といったところか。キャンティとコルンの姿が見えないな」

ジョディ「ボス、下がって下さい」ジャキン

ジェイムズ「ジョディ。あまり私を年寄り扱いしないでくれ」

ジョディ「……貴方のどこが年寄りですか」

パキュン!

ジョディ「く……っ!」ザッ

安室「さて……誰が最初にあの世行きになるかな?」ニィ…
405 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:10:24.03
――地下一階・通路――

コソ…

コナン「……大丈夫、誰もいません」

甲斐「初めて来た敵のアジトの裏道なんて、よく見つけられるね」

右京「地下街の構造から推測していたのでしょう? ここの設計図を熱心に眺めていましたし」

コナン「ええ、まぁ……でもそれは杉下警部も、でしょ?」

右京「もちろん。やはり君と組んで正解でしたよ」

コナン「そう言って頂けて光栄です」フフッ

甲斐「工藤君。中の様子を見て、薬のデータ入手と水無さん探しで二手に分かれるか」

甲斐「優先順位を決めて三人で行動するか、判断するって言ってたよね?」

コナン「こっちも内部の構造を完全に把握しきれていませんし」

コナン「どんな罠が仕掛けられているか分からない今の状況では、二手に分かれない方が良いでしょう」
406 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:11:36.85
甲斐「んじゃ、後者だね。どっちを先にする?」

右京「もちろん人命が最優先ですから、水無さんの捜索が先ですよ」

コナン「ええ。見張り付きの部屋に閉じ込められている可能性が高いと思います」

右京「脱走を防ぐなら、入口や非常口からは遠くにある部屋に閉じ込めるものですが」

右京「彼らにもそれが当てはまるかどうか……」

甲斐「けど、アテもなく中を歩き回って、敵と遭遇したら出たとこ勝負ってわけにもいかないでしょ?」


パァン! ズキュン!


コナン・右京・甲斐「「「!」」」

甲斐「……始まったみたいだね」

コナン「ええ。俺達も動きましょう」
407 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:13:53.65

カチャ…パタン

右京「地下一階は、この監視モニタールームが中心になっているようですねぇ」

コナン「……」ス…

パチン、パチン…カチャカチャ

甲斐「工藤君? 水無さんを探しに行かないの?」

コナン「その前に、昴さんがこっちのサポートをしやすくなるよう、ちょっと細工を……」

コナン「ここのパソコンは、地下二階のコンピューターとも繋がっているはずですからね」

甲斐「ふーん……?」

カチ…ウィィン

カタカタ…カタ…タン!

コナン「外部からのアクセスを……許可、と」

カチ

コナン「これで良し」ニッ
408 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:16:57.81
――FBIのワゴン車内――

灰原「来た!」

カタカタ…カタ…カタ…

灰原「……アクセスできたわ。これで組織のコンピューターにも侵入できる」

昴「第一段階はクリアしたようだね」

灰原「最近はケーブルを直接繋がなくても、無線LANやWi-Fiがどこでも使えるから」

灰原「例の奴も上手くいくはずよ」

昴「さて……向こうはどこまで応戦できるかな?」フフッ
409 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:17:43.23
――組織のアジト・地下一階――

キィン! パキュン!

工作員C「ぐぁっ!」

捜査官A「うっ!」

キャメル「大丈夫か!?」

捜査官A「かすっただけだ!」

カァン!

安室(さすがにしぶといな。あの頭数で、こちらの人数を半減させてしまうとは……)

安室(やはり赤井のいたチームだけはある)

工作員B『う……こ、こちらは動けるのがあと三人です。援護を……!』

安室「!」

安室(役立たず共め……)チッ
410 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:19:00.62
安室「こちらの援護に出られる人数は、何人残っている?」

工作員H『二人です』

安室「二人だと……!? 何故そんなに少ない?」

工作員H『ベルモット様からの指示で、調査や警視庁への潜入など、別の任務に人数を割いてまして』

安室「何? ……その指示、いつ受けた?」

工作員H『午後四時過ぎでしたが……ご存じありませんでしたか?』

工作員H『ベルモット様は、ご自分から話しておくから、と……』

安室「そんな話は一切聞いていない!」

安室(午後四時といえば、僕やジンも最後の作戦会議から少し席を外したタイミング……)

安室(ベルモットは直前になっての作戦変更も多い奴だから)

安室(ここの連中も、偽の指示に騙されたというわけか!)
411 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:19:59.07
安室「必要最小限の人数だけ残して、後はこちらに戻せ! すぐにだ!!」

工作員H『し、しかし、他の連中が向かった先は群馬方面でして。戻るにも一時間は掛かりますが』

安室「……!」

安室(ベルモットめ。表だって動いていないと思ったら、こんな搦め手を……!)ギリッ

安室(しかし、FBIはただでさえ少ない人数だというのに、敵の内部で二手に分かれるとは)

安室(随分と大胆な作戦だな……あのボスが考えたものか、それとも、“彼”が――――?)

チュイーン!
412 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:20:57.27
ジョディ「ボス、このままでは埒が明きません!」

ズキュン!

ジェイムズ「焦るな、ジョディ」パァン!

ジェイムズ「冷静さを失えば、奴らの思うつぼだ」

ジョディ「……イエッサー」ジャキッ



安室(これ以上人数が減れば、こちらが不利か……)

安室「キャンティ、コルン。こちらの援護に回ってくれ」

キャンティ『だーから、あたいらも最初から行くって言ったのにさぁ』

コルン『計算違い……』
413 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:21:42.32
安室「……雑魚が少々屈強すぎたようでな」

キャンティ『そうだね。余計なことしてた奴もいたみたいだし?』

ベルモット『人聞きの悪いこと言わないでよ。伝え忘れてただけじゃない』

キャンティ『あんたねぇ、それで済むと思ってんのかい!?』

安室「キャンティ、今は言い合っている場合じゃない」

安室「どうやら向こうは、強力なジョーカーを味方に付けているらしいぞ」

コルン『……ジョーカー?』

バキュン!

工作員D「ガッ……!」

ドサッ

安室(――これで僕を入れて、残り四人か)
414 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:22:21.80
安室「地下二階はジンとウオッカ、ベルモットがいれば十分だろう。急いでくれ」

キャンティ『へいへい……この貸し、高く付くよ?』

安室「分かったから、早くしろ」

キャンティ『……ま、いいや。こないだは暴れ足りなかったからね。行くよ、コルン』

コルン『おう……』

安室「……キールの監視には、一人だけ残れ。もう一人はコルンの援護を」

工作員H『了解。……お前はここを頼む』

工作員G『あぁ』

プツッ
415 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:23:15.74
――地下二階・コンピュータールーム――

ガチャ

ジン「状況はどうだ?」

ウオッカ「FBIのチームが二手に分かれて、こっちと銃撃戦の真っ最中です」

ジン「……バーボンの奴、何をやってやがる」

ベルモット「キャンティが加わっても、かなり手こずってるみたいね」

ウオッカ「もう一ヶ所の方は、コルンが一人でFBI四人の相手をしてますぜ」

ジン「ここのアジトの奴らは、どうも使えねーな……」

ベルモット「仕方ないんじゃない? ここは情報収集・分析目的で作られた、関東最大のアジト……」

ベルモット「潜入や調査を専門としてる工作員がほとんどで」

ベルモット「貴方達や私みたいに、実行部隊の経験がある者は少ないんだから」
416 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:23:56.06
ジン「チッ……じれったいったらありゃしねぇ」

ウオッカ「兄貴、俺達も行きますかい?」

ジン「いや、お前はここにいろ」

ベルモット「あら。本丸の登場ってわけ?」

ジン「俺はそんなご大層なもんじゃねーよ。邪魔なハエ共を蹴散らしにいくだけだ」

ベルモット「……行ってらっしゃい」

ジン「ベルモット。俺がいないからって妙な真似しやがったら」

ジン「その脳天に容赦なく風穴を開けてやるから覚えとけ」

ベルモット「そんなことするわけないでしょ。それより、早く行ってあげなさいよ」

ベルモット「コルンが一人で頑張ってて、可哀想だわ」

ジン「フン……」

キィィ…パタン
417 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:24:37.50
ベルモット「バーボンとキャンティも相手に傷を負わせてるだけで、人数を減らせてないわね」

ウオッカ「やはり侮れねーな……」

ウィィン……ピッ、ピッ

ウオッカ「……な、何だ!?」カタカタ

ベルモット「どうしたの?」

ウオッカ「外部からのハッキングだ! 一体誰が……!!」カタカタ…カチ

ベルモット「!」ハッ

ベルモット(まさか……!?)

ピッ、ピッ…
418 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:25:36.14
――FBIのワゴン車内――

カタカタ……カタ…カタカタ

灰原「今のところは順調?」

昴「あぁ。あとは、これに向こうが引っかかってくれれば……」クス





――地下二階・コンピュータールーム――

カタカタ…カチ、カチ…カタカタ…

ウオッカ「そっちはどうだ?」

工作員E「ダメです。向こうの侵入が速すぎて、ブロックが追いつきません!」

工作員F「こっちもです!」

ウオッカ「くそっ……」

ジン『ウオッカ、どうした?』

ウオッカ「何者かが、外部から組織のコンピューターにハッキングしてます!」

ジン『……何?』

安室『どういうことだ?』

ベルモット「そんなの、こっちが聞きたいわよ。今は話しかけないで」カタカタ

ベルモット「気になるなら、さっさとFBIの子猫ちゃん達を片付けて、戻ってきてちょうだい」

安室『……分かった』
419 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:27:11.65
――地下一階・通路――

安室(ハッキングだと……? 外部から組織のコンピューターにはアクセスできないはず)ハッ

安室(…………まさか!?)

パキュン!

安室「チッ!」

安室(“彼”の姿が見えないとは思っていたが――――そういうことか!!)





――地下二階・コンピュータールーム――

工作員E「うわ……何だ、これ?」

ウオッカ「どうした!?」

工作員E「ウ、ウィルスです! しかもこれは……!!」

ウオッカ「ナ……ナイトバロン!?」

工作員F「ダメです! こっちはフリーズしました!」

ベルモット「メインへの侵入は、何としても防いで! ここのデータが吹っ飛んだら大変よ!」

ウオッカ「おい。例の薬のデータは、別のアジトにも保存してあるんだろ?」

ベルモット「ええ。でも、ここに入ってるデータが最新のものなの」

ベルモット「だから何としてもメインは死守しないと……!」

ウオッカ「……くそっ!」
420 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:28:07.18
――地下一階・通路――

コナン(……あそこだな、水無さんの監禁場所は)

右京「見張りは一人だけのようですねぇ」

甲斐「あの見張り、どうする?」ヒソ…

コナン「近くまで行けば、時計型麻酔銃で眠ってもらえるんですけど」

右京「では、正攻法でいきましょうか」

コナン「真っ正面からですか?」

右京「それが一番手っ取り早いでしょう。……というわけで、頼みますよ。カイト君」

甲斐「えぇ!? 何で俺が!」

工作員G「誰だ!!」

コナン・右京・甲斐「「「!」」」
421 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:28:44.24
工作員G「……隠れてないで、出てこい」

カツ、カツ、カツ…

コナン・右京・甲斐「「「…………」」」

…カツ、カツ、カツン

工作員G「そこか!」ジャキッ

プス

工作員G「ふにゃ……」

ドサッ

甲斐「……すみません、大声出しちゃって」

右京「いえ。作戦が上手くいって何よりです」

甲斐「あれ、作戦だったんですか?」
422 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:29:31.55
コナン「二人とも。今の内に、水無さんを」

甲斐「あ……そうだったね」


カチャ…

甲斐「中から銃弾が飛んでくる気配は無し……と」

コナン「水無さん?」

水無「……コナン君、来てくれたのね」

コナン・右京・甲斐「「「!」」」ハッ

水無「下に置いてある箱に触っちゃダメよ。これ、全部爆弾だから」

右京「――――見たところ、作り自体は簡単ですねぇ」

コナン「ええ。数が多いので、解体に少し時間が掛かりますが」

水無・甲斐「「え?」」
423 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:30:28.31
右京「カイト君。見張りを頼めますか?」

甲斐「そりゃ良いですけど。くど……いや、コナン君、爆弾処理の仕方なんてどこで……?」

コナン「探偵として役に立ちそうな知識や技術は、あの道楽親父から教わってるんです」

甲斐(世界的な推理小説家を、道楽親父って……)

コナン「まず、手前のコレからいきましょうか」カチャカチャ…カパ

右京「では、僕は蓋を外していきますから。ドライバーをお借りしますよ」

コナン「どうぞ」

カチャカチャ…パチン、パチン…
424 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:31:07.20

~30分経過~

コナン「こいつでラスト……と」パチン!

コナン「はい、終了。水無さん、もう動いても大丈夫だよ」

水無「凄いのね、コナン君……」

甲斐「ホントにね……爆弾一個を解体するの、五分もかかってなかったし」

コナン「それじゃ、次だ。水無さん、薬のデータがどこにあるか分かる?」

水無「NOCじゃないかと疑われたままの私には、そこまで教えてくれなかったわ」

水無「でも、あるとすれば地下二階よ」

水無「そこに新薬の実験室と、都内のアジトで一番大きなコンピュータールームがあるはずだから」

右京「薬のデータも、そのコンピューターの中に保存されている可能性が高いでしょうね」

甲斐「……んじゃ、行きますか」

コナン「ええ」
425 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:32:23.06
水無「一応道案内はするけど、奴らに読まれている可能性が高いわよ?」

コナン「だとしても、奴らがこっちの対応に割ける人数は限られてるはずだよ」

水無「え?」

コナン「バーボン、キャンティ、コルンはFBIとの銃撃戦の真っ最中みたいだし」

コナン「残った奴らも、昴さん達のハッキングをブロックするのに必死だろうからね」

甲斐「ジンって奴は、どっちにいると思う?」

水無「たぶん『埒が明きそうにない』とか言って、銃撃戦に加わってると思うわ」

水無「一昨日の失敗で大分イライラしてたから、鬱憤を晴らしたいでしょうしね」

コナン「そう……なら、ボク達だけで地下二階へ行っても、大丈夫そうだね」

甲斐「俺達、FBIの加勢に行かなくていいの?」

右京「何のために、彼らが我々を別行動にしてくれたと思ってるんですか」
426 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:33:49.63
右京「我々の最大の目的は、水無さんの救出、薬の現物とデータの入手、そしてこのアジトの壊滅です」

コナン「目的の二つを達した今、残りの一つに全力を傾けないと……奴らには勝てませんよ」

甲斐「え、ちょっと待った。……二つ? まだ水無さんを助け出しただけなのに?」

右京「ええ。ここに潜入する前、一課と組対にもアジトの場所を連絡しておきましたから」

甲斐「……はいぃ?」

コナン「『先日、組対を狙った奴らの残党が潜伏しているアジトを見つけた』」

コナン「『かなりの規模なので、人数と装備を揃えて、くれぐれも相手に気取られないように来てくれ』って」

コナン「杉下警部と、“工藤新一”の名前を使って……ね」

コナン「だから、あと一時間以内には来ると思いますよ?」

甲斐「まぁ……嘘は言ってないけど」

コナン「それに、人質として監禁されている人物がいる上、特命係も内部に潜入しているとなれば」

コナン「組対や機動隊が突入する理由もできますしね」

甲斐「……はぁ」

コナン「カイトさん?」

甲斐「何つーか……コナン君って、使えるものはとことん使う主義なんだね」

コナン「今頃気付いたんですか?」ニコッ

甲斐「………………」ヒク…
427 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:35:15.59
――地下一階・通路――

パキュン! キィン!

キャンティ「チッ……たったあれだけの人数なのに、しつこいったら!」

ズギューン!

キャンティ「せっかく二手に分かれてたのを合流させて、まとめて始末しようと思ったのに」

キャンティ「あっちは二人動けなくなっただけかい!」

コルン「……今日、外しすぎ」

キャンティ「うるさい!」

パァン!

安室「無駄口を叩いている暇があったら、さっさと撃て!」

ドギュン!

安室「ウオッカ、そっちはどうだ!」

ウオッカ『ウィルスのメインシステムへの侵入を防ぐので精一杯だ!』

ウオッカ『兄貴やお前らを助けてる暇はねぇ!』

安室「くそ……っ!」
428 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:36:00.40
ベルモット『メインがやられるのも時間の問題ね。薬のデータだけでも、持ち出してくるわ』

安室「!」ハッ

ウオッカ『お……おい、ベルモット!』

ジン「構うな、ウオッカ」

ウオッカ『兄貴……』

ジン「俺が行く。お前はメインシステムを守ってろ」

ウオッカ『へ…へい』

安室「待て! 僕も行く」

ジン「……好きにしろ。止めやしねーよ」フン

キャンティ「ちょっと待ちな! せめてもう一人片付けてから行っておくれよ!!」

ジン「――――仕方ねぇな。バーボン、テメェが先に行け」

安室「分かった」タタッ
429 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:36:44.56
――地下二階・実験室前――

水無「……OK。誰もいないわ」

コナン「こんな大事なところに、見張りも付けないなんて……」

右京「これも何かの罠でしょうかねぇ?」

甲斐「そんだけ向こうも余裕ないってことじゃないの?」

コナン「……だと良いんですけど」

水無「ここのドアは、コードネーム持ちの幹部のカードキーで開くわ」

ピッ…プシュー

甲斐「よし……それじゃ、行こうか」

右京「いえ。君と水無さんは、ここで待機していて下さい」

甲斐「へ?」
430 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:37:30.11
コナン「データを入手するまでの間、中で何があるか分かりませんからね」

コナン「万が一の時は、カイトさんが彼女を連れて地上へ逃げて下さい」

甲斐「でも、それじゃ工藤君と杉下さんが……」

コナン「大丈夫。俺達も、そうやすやすと死んでやるつもりなんてありませんから」

甲斐「…………分かった。二人とも、気を付けて」

右京「そちらこそ」

コナン「それじゃ、また後で」

タタッ





――FBIのワゴン車内――

灰原「……データの転送、まだなの?」ソワソワ

昴「落ち着け。君が焦って動けば、全てが台無しになりかねない」

灰原「――――分かってるわよ」フイ
431 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:39:10.98
――組織のアジト・地下二階――

ベルモット(こっちの薬剤保管庫から、実験室へ回れるはず……)

カチャ…

ベルモット「!」ハッ



右京「ありましたよ。未使用のAPTX4869です」

コナン「この二つのピルケースに、分けて入れて下さい」

コナン「俺と杉下警部で、それぞれ一つずつケースを持ちましょう」

右京「分かりました。そちらの方は?」

コナン「順調です。水無さんのIDでログインできました」カチ…カチ…カタカタ

右京「やはりここのパソコンの中に、例の薬のデータがあるようですねぇ」

コナン「ええ。でもこいつだけ、パスワードでロックが掛かってて……」カタカタ

コナン「あ。これ……」

右京「どうしました?」
432 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:40:10.57

カチ……パッ

コナン「このファイル……組織の構成員のデータみたいですね」

右京「このアジトを中心に活動する、工作員のものでしょうか?」

ベルモット「その通りよ」

コナン・右京「「!」」

コナン「ベルモット……!」

コナン「何をしに……ってのは愚問か」

ベルモット「ええ」ジャキッ

コナン(麻酔銃は使っちまった。ボールはバウンドでパソコンを壊す恐れもあるから出せねーし)

コナン(さて……どうするか)
433 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:41:06.01
右京「…………」ジリ…

ズギュン!

コナン「くっ!」バッ

カァン!

右京「おっと!」


……カツ、カツ、カツ、カツン

安室「さっさと撃ち殺せばいいものを。何をグズグズやっている?」

ベルモット「あら。私も今来たところなんだけど?」

安室「声など掛けずに、引き金を引くだけで良かっただろうと言ってるんだ」ジャキン

ベルモット「この状況で、私に銃を向けてる暇あるの?」

安室「……杉下は銃は使わない主義だ。“彼”も手元に武器はない」

安室「やはり君も来てくれたね。江戸川コナン君」
434 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:42:37.42
安室「いや…………工藤新一君、と言った方が良いかな?」

ベルモット「!」ハッ

コナン「どっちでも好きに呼べばいいだろ?」フン

安室「驚かないんだね。僕が君の正体を知っていても」

コナン「伊豆での一件以来、あんたが俺を疑ってるのは分かってたからな」

コナン「いずれは感づかれると思ってたよ」

安室「なるほど……さすがは平成のシャーロック・ホームズだ」

右京「警察の我々が調べられることは、貴方方、組織のメンバーであれば掴める情報……」

右京「そこから、我々と同じ結論――――『江戸川コナン=工藤新一』に辿り着いたのでしょう?」

安室「そうだ」

安室「工藤君の生存を組織が今まで掴めなかったことに、何か作為的なものを感じてね」

安室「内部で怪しい動きをしている連中を、徹底的に洗い出してみたんだ」

右京「それで水無さんと彼女をマークして、ご自身でも様々な調査を行い」

右京「彼の正体を掴んだというわけですか」

安室「まぁね」フッ
435 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:43:41.27
安室「しかし、こちらも予想外だったよ。まさかAPTX4869に幼児化の副作用があるとはね」

コナン「けど、俺以外にその副作用が現れた奴はいねーんだろ?」

ベルモット「ええ。あの薬を投与された人物は、貴方以外の全員の死亡が確認されているから」

コナン(……ベルモットの奴。やはり、消したことになってる灰原の件は伏せたか)

安室「本来であれば、君も特命係やFBIもろとも抹殺の対象になるんだが……」

安室「幼児化という副作用に、あの方はとても興味を抱いていてね」

ベルモット「え……?」

安室「『工藤新一の幼児化が事実であれば、生け捕りにして連れ帰れ』との仰せだ」

ベルモット「――――この子のこと、ボスに話したの?」

安室「あぁ。まだジン達には言っていないがな」

安室「ボスは『シェリーの後を引き継いだ研究員達に、彼のことを詳しく調べさせたい』と乗り気だったよ」

ベルモット「!!」
436 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:45:26.03
コナン「生け捕り、ねぇ……アイリッシュと同じこと言いやがって」

安室「ほぉ。ではあの時、東都タワーで戦闘ヘリを撃墜したのは君だったのかい?」

コナン「あぁ。おかげで東京のド真ん中だってのに、バンジージャンプするハメになったがな」

安室「……本当に面白いねぇ、君は」クックック

コナン「あいにくと、俺は簡単に捕まってやるつもりはねーぞ?」

安室「そう来ると思った。でも、大丈夫だよ」ニコ

安室「――――『五体満足で連れて行く』とは、一言も言っていないからね」ジャキッ

コナン「!」

パァン!

安室「……ぐぁっ」ドサッ

コナン「え……?」


カラカラ…

安室「ベルモット、貴様……っ!」

ベルモット「ごめんなさいね、バーボン。この子は貴方に渡せないわ」
437 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:46:25.07

ドギュン! チュイン!

安室「がは……っ!」

コナン「……お、おい!」

ベルモット「大丈夫、急所は外してあるわ。動けないようにしただけ」

コナン「そういう問題かよ!」タタッ

コナン「おい、バーボン! しっかりしろ!!」

安室「う……」

右京「工藤君、応急手当は僕が。君はデータの方を」

コナン「でも……」

右京「彼女に我々を攻撃する意志は見受けられません。今の内に」

コナン「――――分かりました。バーボンを頼みます」タタッ

ベルモット「甘いのね、相変わらず」

コナン「何とでも言え。失われる命が少ないに越したことはねーだろ」フン
438 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:47:13.03

カタカタ…カタ…カチ

コナン(まずは、工作員のデータを転送して……と)

ピッ…ピッ…

コナン「後は……こいつだ!」



カタカタ

『 APTX4869 』


ピッ


『 PASSWORD :       』

439 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:48:29.31
コナン「俺達の邪魔はしなくても、ここのパスワードまで教えるつもりはねーんだろ?」

ベルモット「ええ。……と言うより、私も知らないから教えようがない……」ハッ

パァン!

ベルモット「く……っ」ザッ


ジャキッ

ジン「どういうつもりだ、ベルモット」

コナン(ジン……!)

ジン「ここの連中に妙な指示を出してた辺りから、おかしいとは思っていたが」

ジン「……まさかバーボンを撃つとはな」

ベルモット「あら、彼を心配してるの? いつもはあんなに仲が悪いのに」クス

ジン「質問に答えろ」

チラ

ジン「……お前がこんな行動に出たのは、そのガキのせいか?」

コナン「!」

ベルモット「そうじゃないって言っても……貴方は信じてくれないでしょ!?」バッ

ドギュン! カァン!

ジン「チッ……!」
440 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:49:23.71
ベルモット「何してるの!? 早くデータを!」

コナン「え……?」

ベルモット「貴方をここで死なせるわけにはいかないのよ……」

ズギュン! チュイーン!

ベルモット「――――貴方は私が長年待ち望んだ、シルバーブレットなんだから」

パァン!!

ベルモット「その机の陰に隠れて! そこなら、ジンからは死角になるわ!」

コナン「わ……分かった!」バッ

コナン(この小型PC、使えそうだな。上のケーブルを繋いで、と……)カチャカチャ

コナン(よし、これなら大丈夫そうだ)

カタカタ…カタ、カチ
441 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:50:01.96
――実験室前――

パァン! ズギュン!

水無「!」

甲斐「銃声……?」

水無「しまった、薬剤保管庫の方から回り込まれたんだわ!」

ピッ……ピピーッ!!

水無「ダメだわ。中からロックされてる」

甲斐「くそっ……杉下さん!」
442 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:51:00.65
――実験室内――

安室「……まさか、敵に助けられるとはな」

右京「あまり喋らない方が良いですよ。急所は外しているとはいえ、結構な出血量です」

コナン「……ダメだ。こいつも違う」カタカタ

右京「では、『ライヘンバッハ』はどうでしょう?」

カタカタ…ピピッ



『 Incorrect Password(パスワードが違います) 』



コナン「チッ……」
443 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:51:48.57
安室「……ぼ、僕に聞こうとしても無駄だぞ」

安室「そこのパスワードは、薬の研究に携わる者にしか教えられていない」

安室「ベルモットの言う通り、僕達も知らないんだ」

コナン「安心しろ。半死人を尋問するような真似はしねーよ」カタカタ…カタ

安室「フン……」

安室(先日のベルモットの様子からすると、背後から殴り倒そうとはするだろうと思っていたが……)

安室(まさか、僕やジンにも容赦なく撃ってくるとはな)

安室(いずれにせよ、僕の読みが甘すぎたということか……)フッ
444 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:52:57.00

パキュン! キィン!

ジン「テメェもしぶといな、ベルモット」

ベルモット「あら、貴方ほどじゃないわよ!」

ズギュン!

ジン「テメェ一人ならともかく……ケガ人一人と丸腰二人、いつまで庇っていられるかな?」ニィッ

コナン・右京「「!」」

ベルモット「危ない!」

パァン!

ベルモット「……ぁっ!」ズザッ

コナン「ベルモット!」

ベルモット「大丈夫、腕をかすっただけよ」

ジン「フン……強がりは止すんだな。銃を上手く握れてないじゃねーか」ジャキッ

ベルモット「…………」キッ
445 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:53:40.17
――実験室前――

ガァン! ゴンッ!

甲斐「……ダメだ。パイプで叩いたぐらいじゃ、ビクともしない」

水無「私も銃は取り上げられているから、強行突破もできないし……どうすれば……」

…バタバタバタ

ジョディ「遅くなってごめんなさい!」

ジェイムズ「ケガはないかね?」

甲斐「皆さん、無事でしたか」

キャメル「何とかね。敵も含め、負傷者は地上へ向かわせました」

ジョディ「キャンティとコルンには手を焼いたけど」

ジョディ「ジンとバーボンが抜けてくれたおかげで、何とか撤退には追い込んだわ」

キャメル「ウオッカも昴さんのハッキングとウィルスに手を焼いて、こっちには来れないままでしたし」
446 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:54:30.97
ジェイムズ「……データの入手は?」

水無「それが……警部さんとコナン君が中に入った後、奴らにこのドアをロックされてしまって」

甲斐「加勢に入りたくても、入れないんです。中からは銃声も聞こえたんで、たぶん奴らの仲間が……」

ジョディ「二人とも、退いて。キャメル」

キャメル「はい」チャッ

ズギュン! ドギュン! キュイン!

バキッ!!

甲斐「……スゲー」


パァン!

ジョディ「わ……っ」

キャメル「今避けたタイミング、ギリギリセーフでしたね」

ジェイムズ「やはりまだ終わっていなかったか」
447 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:55:17.36

ドギュン!

ベルモット「クールガイ、まだ解除できないの!?」

コナン「そんなすぐになんてできるかよ!!」カタカタ

キュイーン!

ジョディ「ベルモットが、どうしてコナン君を……?」

ジェイムズ「……理由は後回しだ。彼がデータを手に入れるまで、全力でサポートするぞ」

ジョディ「ラジャー!」

ズギュン! パキュン!
448 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:56:11.45
ジン「チッ……キャンティもコルンもやられたか」

ジン「ウオッカ。そっちの状況は?」

ウオッカ『な、何とかメインだけはやられねぇように、死守してる状態です』

ジン「あぁ? まだやられずに済んでんのか?」

ウオッカ『へい』カタカタ…カタ…

ウオッカ『しかし、FBIが薬のデータを手に入れるつもりなら、何故ナイトバロンを……』

ウオッカ『下手すりゃ、データが全部消えちまうってのに』

ジン「…………ウオッカ。そこのまだ無事なデータ、全て本部の方に転送しとけ」

ウオッカ『は?』

ジン「早くしろ!」

ウオッカ『へ、へい!!』

ジン(本当にナイトバロンなら、とっくにメインのデータまで全て消えてるはずだ)

ジン(つまりあれは、ナイトバロンに良く似せた、別のコンピューターウィルス……)

ジン「なるほどな……」
449 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:57:22.71
ジン「そうやって俺達を慌てさせ、薬のデータを手に入れる時間を稼ごうってわけか」フン

コナン「!」

コナン(気付かれたか……)

コナン(でも、あのウィルスを完全に除去するまで、ウオッカもこちらには来れないはず)

コナン(そのために、わざわざ昴さんと博士に作ってもらった奴だからな)

コナン(とにかく、早いとこパスワードを突き止めねーと……)カタカタ

コナン(ホームズやポアロといった、世界中で知られている名探偵の名前でも、シェリングフォードでもない)

コナン(銃撃戦の合間に杉下警部が言ってくれたのも、全部違った……)

コナン(一体、何がパスワードになってるんだ!?)

コナン(ん? ……待てよ。そういや、前に灰原が……)
450 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:58:17.20

~回想・一週間前~

コナン『シルバーブレット?』

灰原『ええ。私の母が遺してくれたテープに入ってた言葉よ。母は、あの薬のことをそう呼んでいたわ』

灰原『薬を完成させるために、私と別れなければならない、とも言ってた』

コナン『シルバーブレット……銀の弾丸、ねぇ』

コナン『それって、狼男に致命傷を与えられるやつだろ?』

コナン『つまりあの薬は、組織そのものをぶっ壊しちまう可能性を秘めた薬ってことか?』

灰原『さぁね。少なくとも、私はそういう印象は持たなかったけど』

灰原『母も何を考えて、あの薬をそんな風に呼んだのかまでは分からないわよ』

コナン『ふーん……』

~回想終了~



ベルモット『――――貴方は私が長年待ち望んだ、シルバーブレットなんだから』


451 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:59:00.24

コナン(まさか……)





カタカタ

『 PASSWORD : SILVER BULLET 』ピッ



カチ


『 UNLOCKED(ロック解除) 』ピピッ



コナン「開いた……!」
452 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 00:59:41.91
――FBIのワゴン車内――

灰原「薬のデータは……まだ?」

昴「まだだ。工作員や関東各地のアジトについてのデータは、こっちにも送られてきたが」

灰原(――――何やってるのよ、工藤君……!)



ピッ…ピピッ

昴「……来たぞ」

灰原「!」
453 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:00:55.12
――実験室内――

ピッ…ピッ…

『 データ転送 : 88% 』


コナン(早く……!)


キィン! ズギュン!

ジョディ「杉下警部、バーボンを連れてこっちへ!」

右京「分かりました」

右京「……大丈夫ですか?」ヨイショ

安室「う……な、情けないな。仲間の裏切り行為すら阻止できないままとは」


ピッ…ピッ…

『 データ転送 : 93% 』


コナン(あと少し……!)
454 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:01:57.73

キィン! ドギュン!

コナン「く……っ!」バッ

右京「大丈夫ですか!?」

コナン「ええ。あ……パソコン!」

右京「何とか弾は直撃しなかったようですよ」


ピピッ


『  データ転送 : 完了  』


コナン「……よし、終わった!」
455 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:02:59.76
――FBIのワゴン車内――

ピッ

カタカタ…カタ…タン!

灰原「これで良いわ。データは全部保存できた」

灰原「後は薬の現物が手に入れば、解毒剤を作る時間も大幅に短縮できるけど……」

昴「では、ここを頼めるかい?」

灰原「え?」

昴「……久しぶりに、顔を見たい人がいてね」ニッ
456 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:04:33.33
――組織のアジト・地下二階・実験室内――

パキュン! カァン!

…バタバタバタ

ウオッカ「兄貴!」

ジン「……もういいのか?」

ウオッカ「言われた通り、残りのデータは本部に送りやした」

ジン「そうか。ご苦労だったな」



ベルモット「……!?」

ジョディ「ベルモット、伏せて!」ジャキッ

ドギュン! ズギュン! パァン!

ウオッカ「チッ……あの女、やっぱり裏切りやがったんですか」

ジン「構わねーさ。奴を始末する、良い理由ができた」ニッ
457 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:05:25.60
ジン「ところで、タイマーはセットできたんだろうな?」

ウオッカ「へい」

ピッ…ピッ…ピッ…

ウオッカ「――――あと七分です」

ジン「このアジトは捨てる。残りの奴らにも脱出させろ」

ウオッカ「了解!」





――地下街入口前の路上――

ブロロォ…キキィ! バタン! バン!

角田「全員、準備は良いな?」

大木・小松「「はい!」」

伊丹「俺達も行くぞ!」

芹沢「はい」

目暮「高木、佐藤は機動隊と向こうの入り口から回ってくれ」

高木・佐藤「「了解!」」

タタッ
458 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:06:19.55
――組織のアジト・地下二階・実験室前――

右京「……さぁ、こっちへ」

安室「ぐ……」

ジェイムズ「杉下警部。貴方のおかげで、重要な証人を殺されずに済みました。感謝しますよ」

安室「せ、せいぜい……僕の口を封じようとする連中に、気をつけるんだな」

右京「もう喋らないで下さい。傷に障りますよ」

ジェイムズ「拘束して、地上へ連れて行け」

ジョディ「はい」

右京「カイト君は?」

ジェイムズ「水無君やキャメルと共に、先に脱出させています」

右京「そうですか」

ジェイムズ「では、手筈通りに警察の誘導を頼みますよ」

右京「分かりました」
459 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:07:26.13
――実験室内――

パァン!

ベルモット「くっ!」

ベルモット(しまった、銃を弾かれた……!)

ジン「ここまでだな」フン

ジン「あの方には、お前の死に様をキッチリ報告しといてやるよ」

ベルモット「…………!」ギリッ

ジン「――――死ね」



ズギューン!!

ジン「ぐは……っ!」

ベルモット「!?」ハッ


…カツ、カツ、カツ…カツン

昴「そういうところは、相変わらずのようだな」ジャキン

昴「――――愛しい宿敵(こいびと)さん?」
460 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:08:53.46
ジン「…………テメェ、まさか」

ベリベリッ

赤井「久しぶりだな、ジン」

ジン「赤井秀一……!」

ジョディ「シュウ!?」

ジェイムズ「赤井君……」

ベルモット「…………生きていたのね」

赤井「あぁ。そこの坊やに、色々と協力してもらってな」

ベルモット「なるほど……有希子が変装を手伝ってたのね?」

コナン「そういうこと。母さんもノリノリだったぜ?」

ジン「チッ……」

ウオッカ「兄貴!」

ジン「ずらかるぞ。もうすぐサツも来るはずだ……!」チャキッ

ウオッカ「へい」ザッ

タタタ…
461 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:09:55.11
コナン「待て!」

赤井「今は深追いしない方が良い。こちらもケガ人が多すぎる」

ジェイムズ「そうだな。薬のデータも手に入ったし、撤収しよう」

ベルモット「……脱出するなら、早く行って」

ベルモット「ジンのことだから、ここの自爆スイッチを既にONにしてるはずよ」

コナン「言われなくても行くさ。だが、オメーにも一緒に来てもらうぜ」

ベルモット「残念だけど、そうはいかないわ」

コナン「何?」

ドォォン! ガラガラ…

コナン「……ベルモット!」

ガシャン!! パキッ…

ベルモット「私のことは良いから、行きなさい」

ベルモット「ここから脱出するルートは把握してるわ」

ベルモット「それに……貴方の帰りを待ってる人が、たくさんいるでしょう?」
462 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:11:49.57

バキバキ、ベキッ…カランカラン…

コナン「……ベルモット。オメー、何で俺を助けた?」

コナン「バーボンやジンに銃を向けた以上、裏切り者になっちまうことは分かってたはずだ」

コナン「なのに、何故……」

ベルモット「理由なんて必要なの?」

コナン「え?」

ベルモット「――――人が人を助けるのに、論理的な思考は存在しないんでしょ?」

コナン「……………………それって」

コナン(以前、俺と蘭がニューヨークで通り魔に遭遇した時に――――)

ベルモット「さ、早く。もう時間がないわ」

ドゴォン! バキバキ…グシャァ!!

コナン「わ……っ」

赤井「こっちへ!!」グイッ
463 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:14:22.16
コナン「赤井さん、離して! 瓦礫に囲まれたままじゃ、ベルモットが!!」

赤井「坊や。残念だが、時間切れだ」

コナン「……でも!」

赤井「心配するな。あの女は、あれぐらいで死ぬような相手じゃない」

赤井「脱出ルートは把握していると、本人も言ってただろう」

ジェイムズ「……火災もあちこちで発生しているようだな。二人とも、急げ!」

赤井「行くぞ、坊や!!」ダダッ

コナン「……くっ!」

タタタタ…





ベルモット(……良かった。これでクールガイを、エンジェルのところへ還してあげられる)

ベルモット(シェリーを葬り去れなかったのは残念だったけど、仕方ないわね)

ベルモット(彼女の頭脳がなければ、APTX4869の解毒剤は作れないんだし……)

ベルモット(こんな形で組織やボスとお別れすることになってしまったのは予想外だけど)

ベルモット(私にも、譲れないものがあるのよ。だから、ここで死ぬわけには……!)

ドガァァン! ゴオォォ…
464 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:15:49.63
――地下街通路――

角田「ん?」

小松「課長、どうしました?」

角田「いや……何か、地震みたいな揺れを感じなかったか?」

大木・小松「「え?」」


ゴゴゴゴゴ……


角田・大木・小松「「「……!?」」」

ドガァァン!

角田「うわっ!」

大木「課長!」

小松「危ない!!」

角田「み、店がいきなり爆発しやがった……」

伊丹「な……何がどうなってやがる?」

目暮「とにかく、一般市民を避難させるぞ! 芹沢君、消防へ連絡してくれ!」

芹沢「はい!」
465 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:17:19.70
――地下街西口・ファストファッション店前――

佐藤「工藤君が言ってた店は、ここね」

高木「ええ」

ダダダ……

高木・佐藤「「……ん?」」

高木「何でしょうね。防火扉の方から、足音がするような……」

バン!!

水無「抜けたわ!」

高木「えぇ!?」

佐藤「……防火扉の壁の奥が、通路に……?」

ダダッ

キャメル「ギリギリセーフですね」フゥ

甲斐「間に合った~!」ハァ…

水無「他の人達は?」

キャメル「負傷した捜査官は、先に抜けてますから。後は、ボス達が来れば……」
466 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:18:49.05

……バタバタバタ

ジョディ「フゥ、やっと追いついたわ」

ジェイムズ「……全員、無事のようだな」

キャメル「ボス!」

右京「さぁ、地上に辿り着きましたよ」

安室「う……っ」

佐藤「安室さん!? どうしたんですか、そのケガ!」

右京「すみませんが、救急車の手配をお願いします」

高木「分かりました」

右京「それと、地下の倉庫で爆発による火災が発生していますから、消防にも連絡を」

機動隊員A「了解」

ガヤガヤワイワイ……
467 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:20:12.50
赤井「やれやれ。幹部クラスで拘束できたのは、バーボンのみか」

ジェイムズ「仕方あるまい。目的のほとんどを達成しただけでも、良しとしよう」

コナン「赤井さん。転送した薬のデータは?」

赤井「茶髪の彼女が保存して、自分のUSBに移していたよ。戻り次第、解析を始めてもらうと良い」

コナン「分かった」

コナン(後は、この懐に入れてある現物を渡せば……)

赤井「これでようやく、君と彼女の枷を一つ外すことができるな」

コナン「――――うん」ニコッ
468 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:21:51.90
――三時間後・警視庁内・捜査一課――

蘭「有希子さんと買い物した後、阿笠博士の家で、ジョディ先生とゲームに夢中になってたら」

蘭「先生にFBIの仲間から呼び出しが掛かって、現場に向かう先生の車にこっそり忍び込んで」

蘭「あまつさえ現場までちゃっかり付いていって、そんなケガして帰ってきたってわけね?」ジト…

コナン「……う、うん……」ハハ…

蘭「もう! ジョディ先生のお仕事は、子供がホイホイ関わっていいものじゃないのよ!?」

蘭「コナン君が付いてったりしたら、FBIの人達が困っちゃうでしょ!」

蘭「腕の火傷も大したことないし、他もかすり傷だったから良かったけど……」

蘭「下手すると、死んじゃってたかもしれないんだよ……?」ウルウル

コナン「…………ごめんなさい」シュン
469 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:23:39.53
蘭「でも良かった……コナン君が無事に帰ってきてくれて」ギュウ

コナン「ら、蘭姉ちゃん?」ドキッ

蘭「それまで当たり前のように一緒にいたのに、突然会えなくなっちゃうなんて……もう嫌だから」

コナン(蘭……)

コナン「大丈夫だよ、そんな心配しなくても」

コナン(――――もうすぐ、本当の姿で帰ってきてやっからさ)

小五郎「ったく……毎度毎度、周りに迷惑ばっか掛けやがって」フン

小五郎「今度余計な真似しやがったら、承知しねーぞ?」

コナン「はぁい……」

右京「毛利さん。今夜はもう遅いですし、事情聴取の続きは明日ということで……」

小五郎「あ……どうも、すみませんでした」

高木「じゃあ、皆さん送っていきますので。下で待ってて下さい」
471 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:25:03.68
小五郎「蘭。帰り着くまでの間、そのガキ、しっかり捕まえとけよ」

蘭「……はいはい。コナン君、手、繋ごっか♪」

コナン「え……あ、うん」モジモジ


ギュ


右京「フフッ……」

蘭・小五郎「「?」」キョトン

右京「あぁいえ、失礼。非常に微笑ましい光景を目にしたものですから」

甲斐「……」クックック…

コナン「カイトさん、笑いすぎ……」ジト…

甲斐「ゴメンゴメン。それじゃ、また明日ね」

コナン「うん。さよなら」

カツカツカツ……


甲斐「これで終わり……ってわけじゃないんですよね?」

右京「ええ。むしろ、戦いは始まったばかりですよ」

右京「今後は我々も積極的に動いていくことになります。手伝ってくれますね?」

甲斐「もちろん。相棒ですからね」
473 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:25:50.62
――翌朝・警視庁内・特命係――

角田「しっかし、昨日はホントにビックリだったよ」

角田「情報提供してもらって、現場に踏み込もうとしたら、いきなりドカンだぜ?」

角田「間一髪で助かったけど、下手したら黒焦げだったかもしれねぇな~」コポコポ

右京「組対の皆さんも、ケガがなくて何よりです」

甲斐「一般人が何人か、爆発に巻き込まれたんでしたよね?」

角田「あぁ。地下街の中を歩いてた人達がな」

角田「今は現場検証と、FBIが取り押さえてた連中の取り調べをやってるよ」

角田「でもあいつらも、知らぬ存ぜぬの一点張りでさ」

角田「今のところ、銃刀法違反の他に、これといった罪状もないままだとよ」
474 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:26:46.81
角田「そうそう……安室とか言ったっけ?」

角田「あいつは重要参考人ってことで、監視付きの病室に押し込んでるそうだ」

甲斐「ま、当然ですね」

右京「ええ。彼は組織の幹部ですから、かなり重要な情報を聞き出せるはずです」

……バタバタバタ

小松「課長!!」

角田「どうした? そんなに慌てて」

大木「安室が病室から脱走しました!」

角田「何ぃ!?」

右京・甲斐「「!」」

角田「見張りの警官は何やってたんだよ! すぐに非常線を張れ!」

小松・大木「「はい!」」
475 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:27:35.67
角田「悪ぃけど、俺行くわ!」

右京「我々にも、手伝えることはありませんか?」

角田「そんじゃ、一緒に来てくれ!」

甲斐「はい!」

バタバタバタ…

甲斐「くそっ、せっかく奴らの尻尾を掴んだっていうのに!」

右京「おそらく、彼らの仲間が見張りの警官を気絶させて、幹部の安室さんを奪回したのでしょう」

甲斐「あ、そうだ。工藤君にも知らせないと……!」

ピッ、ピッ…prrrr…prrrr…

甲斐「工藤君!? 大変だ、実は――――!」
476 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:29:05.12
―― 一時間後・工藤邸・リビング――

服部『おいコラ、工藤ぉ! お前、俺に黙って何をやっとんねん!!』

コナン「オメーなぁ……こんな朝っぱらから、電話口で大声出してんじゃねーよ」

服部『阿笠のじいさんから聞かせてもろたで。例の薬のデータ、手に入ったんやて?』

コナン「あぁ。今、未使用の現物と一緒に、灰原が徹夜で分析してくれてるよ」

服部『そうか……良かったやないか』

コナン「まーな。これでようやく、二度目の小学生生活から抜け出せるぜ」

服部『ほんで? 組織の奴らのことは、どこまで捜査が進んでるんや?』

服部『新聞やTVも、ベルツリータワー周辺の地下街で爆発事故があったっちゅう報道ばっかりで』

服部『あそこが犯罪組織のアジトやったとは、一切表沙汰になってへんみたいやけど』

コナン「おそらく、奴らの隠蔽工作だろうな……俺もさっきカイトさんからの電話で聞いたんだが」

コナン「昨日の死傷者も、『爆発事故に地下街の店員達が巻き込まれた』ってことで」

コナン「強引に片付けられちまったそうだ」
477 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:32:07.25
コナン「それとバーボンの奴も、今朝、病院からいなくなったらしい」

コナン「たぶん、ジン達の指示で奪回されたんだろうな」

コナン「FBIも行方を追ってるけど、見つけるのは難しいと思うぜ」

服部『ベルモットとかいう奴は? お前のことを助けてくれたらしいて、じいさんも言うてたけど』

コナン「……赤井さんとジョディ先生の話だと、現場から奴の遺体は見つかってない」

コナン「だから生きてる可能性が高いだろうが……」

服部『けど、そいつ、お前を守るために仲間と撃ち合いしたんやろ?』

服部『もう組織には居られへんのと違うか?』

コナン「あぁ。今回の一件で、奴は警察だけじゃなく、組織にも追われる側になっちまった」

コナン「これから奴がどう動くつもりかは分からねーが……正直、構ってる余裕はねーよ」

服部『――――いよいよ、組織の本体を潰しに動くわけやな?』

コナン「おぅ。薬と一緒に、関東域内にいる構成員や他のアジトのデータも手に入ったからな」ニッ

コナン「特命係とも協力して、警視庁には国内のアジト潰しに動いてもらうよう誘導するつもりだ」
478 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:33:52.20
服部『本部がどこか、目星は付いてるんか?』

コナン「アメリカの都市にも、いくつか大きなアジトがあるみてーだから」

コナン「その中のどれかだろうとは思ってんだが……」

服部『それ以上は、向こうに行ってみーひんと分からへん……か』

コナン「そういうこと。……そんじゃ、そろそろ切るぞ」

コナン「バーボンの件も含め、今後の作戦について、FBIと打ち合わせがあるんだ」

服部『おう。元に戻れる目処が立ったら、絶対連絡せぇよ?』

コナン「わーってるって。サンキュな、服部」

ピッ
479 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:35:28.83
有希子「新ちゃん、コーヒー飲む?」

コナン「あぁ」

コポコポ…

有希子「はい、どうぞ」

コナン「おう」

キキィ…バタン!

コナン「?」

ガチャ

有希子「あら、優作」

優作「やれやれ。やっと編集のジェフを振り切って、日本に帰ってこれたよ」

コナン「遅ぇっつーの……」

優作「おや。結局、私の出番は無いままかい?」

有希子「残念ながら、ね」ウフ♪

コナン「……ったく」ハァ…
480 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:36:59.48
――三週間後・毛利探偵事務所前――

文代「長い間、この子を預かっていただいて、どうもありがとうございました」ペコ

小五郎「いえいえ。お子さんを預かるぐらい、この毛利小五郎にはお安い御用で♪」ハハハ

蘭「お父さんったら、もう……」ハァ…

歩美「…………コナン君」

元太「ホントに行っちまうのか?」

コナン「何だよ、オメーら。そんな弱気な顔して」

歩美「だって……」

光彦「コナン君が、急に転校することになるなんて……」

文代「ごめんなさいね。私のお仕事の都合で」

文代「でも、今度はママとずっと一緒だから。もう転校しなくて済むわ」

文代「向こうでも、頑張ってお勉強しましょうね♪」

コナン「うん!」ニコ

阿笠「文代さん。そろそろ行かんと、飛行機に間に合わなくなるぞい」

文代「ええ。それでは、失礼します」

小五郎「お気を付けて」
481 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:38:17.47
コナン「オメーら。俺がいなくなっても、探偵団は続けるんだろ?」

光彦「もちろんです!」

コナン「俺が言えた義理じゃねーかもしれねーけど、あんまり無茶しすぎんなよ?」

元太「おぅ……」

コナン「灰原にも、よろしく言っといてくれ」

歩美「……う、うん」グスッ

コナン「泣くなよ。一生会えなくなるわけじゃねーんだからさ」

歩美「ご、ごめんなさい……」ゴシゴシ
482 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:39:55.80
蘭「……コナン君」

ギュウゥ…

コナン「ら……蘭姉ちゃん?」

蘭「元気でね……?」

コナン「――――うん。蘭姉ちゃんやおじさんも、元気で……」

小五郎「……」ワシャワシャ

コナン「わ……おじさん。髪、ボサボサになっちゃうよ~」

文代「コナンちゃん。行きましょ」

コナン「はぁい」
483 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:43:29.39

バタン! …ウィィン

光彦「向こうで落ち着いたら、連絡下さいよ?」

コナン「あぁ」

歩美「手紙書くから、お返事ちょうだいね!」

コナン「……おう」

元太「絶対だぞ!」

阿笠「車を出すから、三人とも、少し下がってくれい」

歩美・光彦・元太「「「…………」」」ウルウルウル

コナン「――――ありがとな。歩美、光彦、元太」

コナン「さよなら、おじさん。蘭姉ちゃん……」

ブロロォ……

歩美「……コナン君!」ダダッ

元太「コナンー!!」

光彦「僕達のこと、忘れないで下さいねー!!」
484 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:46:24.00



蘭「……行っちゃったね」

小五郎「あぁ」

歩美「……ふぇ……え、うぅっ」グスングスン

光彦「……歩美ちゃん」グッ

元太「泣くなよ、歩美……」ウル…

歩美「ごめん……泣いてばかりじゃ、コナン君も安心して、お母さんと外国に行けないよね」グス……ゴシゴシ

小五郎「……お前ら、家まで送ってってやる。蘭、留守番頼んだぞ」

蘭「うん」


蘭(バイバイ……コナン君)
485 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:47:43.32
――阿笠博士の車内――

ブロロォ…

阿笠「三人とも、今頃は大泣きしておるかもしれんなぁ……」

有希子「お別れしなきゃいけないって分かってても、やっぱり寂しいわよねぇ……あの子達」

コナン「あぁ……」

???「結局泣かせたわね」

コナン「へ?」

ゴソゴソ…バサッ

コナン「……灰原。オメー、後部座席に隠れてたのか?」
486 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:48:52.63
灰原「…………」ジト…

コナン「何だよ、その目……」

灰原「ツインタワービルで、私、言ったわよね」

コナン「何を?」

灰原「――――『吉田さんを泣かせたら、許さない』って」

コナン「こればっかりは、しゃーねーだろ? 俺だって泣かせたくなかったっつーの」フン

コナン「それに、オメーだって元に戻るんだから……あいつらとお別れじゃねーか」

灰原「まぁね。でも、貴方みたいに唐突には消えないつもりよ」

コナン「……そっか」
487 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:50:20.56
有希子「哀ちゃん、寝てなくて大丈夫なの?」

有希子「薬のデータが手に入ってからこっち、二~三時間程度しか眠ってないんでしょ?」

灰原「平気よ。明日の朝までは、何があったって倒れないわ」

コナン「おいおい……俺が元に戻った途端、バタンキューなんてやめてくれよ? 心臓に悪ぃ」

灰原「心配ないわ。貴方が元に戻った後も、身体に異状がないか、綿密に検査させてもらうから」

コナン「それが終わるまでは、ってか?」

灰原「ええ」

阿笠「あんまり無茶をせんでくれよ?」

灰原「ご心配なく。検査が終われば、心置きなく休ませてもらうわ」

コナン「へいへい……」フゥ…
488 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:51:53.89
――午後九時・工藤邸・新一の部屋――

プス

灰原「……もう良いわよ。握ってた手を緩めて」

コナン「おぅ……」

灰原「注射は苦手?」フフッ

コナン「苦手じゃねーが、好きでもねーよ」

ピッ、ピッ…カタン

灰原「さっきも言ったけど、この解毒剤は、注射の効力が最大限に現れる時に服用しないとダメよ」

灰原「ここに置いたタイマーが鳴ったら、すぐに解毒剤を飲んで」

コナン「わーってるって」
489 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:53:48.35
灰原「それじゃ、日付が変わった頃に様子を見に来るわ」

灰原「何かあったら、このブザーで知らせてね」

コナン「あぁ。灰原……サンキュな」

灰原「……お礼なら、貴方が元の身体に戻ってからにしてちょうだい」プイ

コナン(相変わらず、素直じゃねーなぁ……)ハハ…

灰原「じゃ、後でね」

パタン

コナン(……とりあえず、服は脱いどかねーとな)ゴソゴソ


~20分経過~

ピピピピッ、ピピピピッ…

コナン「!」

ス…

コナン(やっと戻れるんだ……本当の身体に)

コナン(――――さよなら、“江戸川コナン”)

ゴク

コナン「…………」フゥ


ドクン!


コナン(来た……!)

…ドクン、ドクン
490 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:55:18.83
――三日後・成田空港・国際線ターミナル――

ガヤガヤワイワイ…



……カツ、カツ、カツ

右京「工藤君」

新一「あ……杉下警部。カイトさんも」

甲斐「……アメリカに行くんだね」

新一「ええ。FBIやCIAと協力して、奴らの総本山を叩き潰しにね」ニッ

新一「そちらの捜査はどうですか?」

新一「関東のアジトで潰せたのは、八ヶ所の内、二ヶ所だったと聞いてますけど」

右京「ええ。それも大した収穫は得られませんでしたが……」

右京「あの時、君がアジトや構成員の情報を持ち出したことが、彼らにとってかなりの痛手だったのは確かです」

甲斐「今は組対が中心になって、他の地域のアジト摘発に向けて、各都道府県警と協力してるとこだよ」

新一「そうですか……」
491 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:56:55.30
甲斐「そうそう。灰原さんは?」

新一「俺達とは別の便で渡米する予定ですよ」

新一「それと、今はもう『灰原哀』じゃなくて『宮野志保』ですからね」

甲斐「あー、そうだった。どうも『灰原さん』って呼ぶのに慣れちゃってて……」

新一「俺も未だに『灰原』って呼んじまう時があって、その度に怒られるんですよ」

甲斐「あ、やっぱ工藤君も?」

右京「ところで今回の渡米は、蘭さんには……?」

新一「一応伝えてあります。両親のワガママで、しばらく向こうに行くことになったからって」

右京「なるほど」フフッ

甲斐「破天荒なご両親がいると、そういう言い訳ができて良いよね~」ハハハ

有希子「新ちゃん、手続き終わったから行くわよ~。……あら」
492 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:57:59.53
優作「お久しぶりです、杉下警部。甲斐刑事も」

右京「どうも」ペコ

甲斐「こんにちは」

新一「それじゃ、俺もそろそろ……」

甲斐「うん。日本国内の方は、俺達が頑張るから。工藤君もしっかりな」

新一「頼みます」

右京「――――君は必ず生きて帰ってくると、信じていますよ」

新一「ええ」
493 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 01:59:05.84
――成田空港・展望デッキ――

ゴォォォォ…………





甲斐「行っちゃいましたね、工藤君」

右京「ええ。……では、戻って捜査を続けましょうか」

右京「工藤君が帰国した時、何の成果も挙げられなかったと報告するわけにはいきませんからね」

甲斐「はい!」

カツカツカツ…
494 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 02:04:14.04
――六週間後・東京都内(エピローグ)――

甲斐「う~、寒っ!」ブルブル

甲斐(結局、あの後も組織とのいたちごっこばかりだったな……)

甲斐(ま、国内の拠点を潰せてるだけ、まだマシか)

甲斐(もう七時過ぎ……)

甲斐(電器店の前で料理番組なんてチラ見するもんじゃないな。腹が減る一方だ)グゥゥ…

『……番組の途中ですが、ニュースをお伝えします』

甲斐「ん?」
495 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 02:05:52.43
――花の里――

右京「そうですか……今度は二人でパリに」

幸子「ええ。たまきさん、あちこち案内して下さるって仰ってましたよ」

幸子「でも、あんまり留守にすると右京さん達が困っちゃいますからね。早めに帰ってきます」

右京「そんなに急がなくても良いんですよ?」

幸子「そうですか? ……けど、私もここの仕事をしてないと、何だか調子が狂っちゃって」

幸子「早く戻りたくなっちゃうんですよね。海外にいると、尚更」フフッ

……バタバタバタ

右京「おやぁ?」

ガラッ!

幸子「あら、どうしたんですか? そんなに慌てて……」

甲斐「ハァ……ハァ…………これ、見て下さい」
496 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 02:08:48.10

ピッ

アナウンサー『今日午後三時過ぎ、成田空港に到着した飛行機の中で殺人事件が発生しました』

アナウンサー『トリックを見抜き、犯人逮捕に協力したのは、高校生探偵の工藤新一君です』

レポーター『こちらは、成田空港の到着ロビー前です』

レポーター『先程、警視庁による実況見分が終わり、逮捕された岡部竜一容疑者も千葉県警本部に移送されました』

レポーター『工藤君は現在、容疑者の取り調べに同席しているということで……』



幸子「えっ、嘘!? 工藤新一君!?」

右京「幸子さんも、彼をご存じで?」

幸子「もちろんですよ! ここ最近は音沙汰なかったから、どうしたのかなって思ってたんですけど」

幸子「また活躍し始めたんですね。やっぱカッコイイ~♪」

甲斐「幸子さん、すっげぇ浮かれてる……」

右京「まぁ良いじゃありませんか」フフッ
497 : ◆rzOq/SCuAA :2014/04/01(火) 02:11:56.57
甲斐「……工藤君がマスコミの前に出てきたってことは……」

右京「ええ。彼の戦いも終わって、平穏を取り戻せたのでしょう」

右京「本体が潰れた以上、国内の拠点も総崩れになるはずです」

甲斐「……じゃあ、明日からまた忙しくなりますね」

右京「ええ」

幸子「ねぇねぇ。久々に工藤君を見られた記念に、三人で乾杯しましょ♪」

甲斐「へ?」

右京「良いですねぇ。是非、そうしましょう」

甲斐「――――ですね」


コポコポ…

幸子「はい、二人とも。どうぞ」

右京「工藤君が無事に戻ってきたお祝いと」

甲斐「彼が今後ますます活躍することを願って……」

幸子「乾杯♪」

カチン





【 完 】
499 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/04/01(火) 02:15:59.72
>>1
後半の相棒側の活躍不足は気になったけど
独自に上手く収めてよかった
502 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/04/01(火) 02:19:56.40
乙!すげぇ良かった。やっぱ相棒のクロス物はイイネ!
503 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/04/01(火) 02:43:18.11
かなり良かったぞ!!
また相棒かコナン物書いてくれ
505 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/04/01(火) 03:03:26.04
ラスト100レス以上とか頑張りすぎWWW
読み応えあったわ、乙でした
513 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/04/01(火) 13:14:45.67
お疲れ様でした!

あなたの次回策を楽しみにしてます!
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/04/06(日) 19:50:19.27
最高に面白かった!
次回作も楽しみにしてます
このシリーズSS:

右京「江戸川コナン……?」【前編】


右京「江戸川コナン……?」【後編】




それ以外のこの書き手のSS:

ジン「ウオッカ、花見をするぞ」ウオッカ「へい、兄貴!」


ウォッカ「兄貴、オレンジデーって何なんですかい?」ジン「あぁ?」


ジン「何をしている?」ウォッカ「魚料理のレシピを調べてやして」カタカタ


ジン「弁当男子を目指すだと?」ウォッカ「へい、兄貴」


ジン「どこへ行く?」ウォッカ「パーティー用の食材を仕入れに」


安室「……クシュン!」ウォッカ「風邪か? バーボン」


ジン「純黒のパスタを作りたいだと?」ウォッカ「へい、兄貴」


ウォッカ「兄貴、バレンタインの買い物に行ってきやす」ジン「ん?」



服部「工藤、オレンジデーって知っとるか?」コナン「はぁ?」


コナン「あ~、腹減った……」グゥゥ…


服部「逆チョコを作りたいやて?」コナン「あぁ」



阿笠「たまにはスパイスを使ってカレーを作ってみようかのぉ」灰原「そうね」



コナン「怪盗キッドとの熱愛スクープをでっち上げられて困ってる」



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