提督「指輪を外すんだ、赤城」

1 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:31:06.75


赤城「え?」

提督「…………」

赤城「あ、あの……え」

提督「どうした」

赤城「すみません……あの、今、何と」

提督「指輪を外すように、と言った」

赤城「ど、どうして、ですか?」

提督「……理由は、今言えない。ケースに戻して、戸棚に入れておくんだ」

赤城「……え?」

提督「あと、今日は町まで出掛けるから、その間頼む。仕事は支障ないようにしてあるから」


提督「――それと、今日の夕方からは空けておいてくれ」

提督「君の今後について、大事な話がある……では」


―― バタン


赤城「…………」


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2 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:32:43.44

ただのラブコメです、すみません。

空母艦娘どうしの呼び方(鳳翔へのお母さん呼び)などに独自設定を含みます。
3 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:33:28.62

加賀「――あら、赤城さん?」

赤城「」

加賀「赤城さん、こんなところで寝てると風邪をひきますよ」

赤城「……これが、寝てるように見えますか」

加賀「違いましたか? ――ああ、お腹が空いて動けないんですね」

赤城「私を見たらそういうの、やめてくれませんかね……」

加賀「さっきから聞こえるのは、お腹の音じゃないんですか?」

赤城「いえ、お腹は、空いてるんですけど」

加賀「食べながら聞きますから。ほら、掴まってください」
4 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:35:19.57

鳳翔「おはよう、赤城ちゃん。いつものでいいかしら?」

赤城「あ、ええと……」

赤城(正直、食欲ないんだけど)

赤城(いつもより食べなかったら、お母さん心配するし……)


赤城「い、いつものでお願いします!」

鳳翔「はいはい、ごはん特盛でね。もうできてますよ」

加賀「私も、いつも通りでお願いします」

鳳翔「はい、こちらもすぐ出ますよー」
5 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:37:54.19


加賀「――なるほど、指輪を」

赤城「そう、なんです……朝、いきなり言われて……」

加賀「突然ですね。昨日、何か挙動不審だったりとか?」

赤城「いえ、普段通りです。執務も指揮も変わりなく」

加賀「理由は聞いたんですか?」

赤城「ええ。でも、今言うわけにはいかないと」

加賀「言えない、ですか。ふむ」

赤城「私、私……提督に、嫌われちゃったんじゃないかって……」

加賀(それはないわね)
6 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:41:36.86

加賀「赤城さんに何か、心当たりはあるんですか?」

赤城「心当たり?」

加賀「例えば最近、提督との会話とか、スキンシップが減ったとか」

赤城「いえ、いつも通りだと思いますが……」

加賀「些細なことでもいいんですよ」

赤城「うーん……あっ!」

加賀「ありましたか?」


赤城「そういえば昨日は、1日10回のキスが、9回だったんです!!」


加賀「……ん?」

赤城「お布団に入ってからの、おやすみなさいのキスが無かったんです」

加賀「…………」


加賀「えっ」

赤城「えっ」
7 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:46:52.58

加賀「え、あの、ちょっと待ってくださいね」

赤城「どうしました、頭抱えちゃって」

加賀「今まで、1日10回キスしてたんですか? 毎日?」

赤城「え、だって、私たちは……」


赤城「夫婦、ですし。――きゃっ」

加賀「」イラッ


赤城「夫婦なら普通ですよね?」

加賀「……さあ。私はまだ経験がないので」

赤城「朝起きておはようのキス、執務開始前に頑張りましょうのキス、朝食を運んで行ったときにありがとうの」

加賀「数えてほしいとも教えてほしいとも言ってないんですが」
8 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:47:37.00

赤城「ああ私も、ちゃんと催促しておくべきでした……」

加賀「……つまり、寝る前がいつもと違ったのね」

赤城「いえ、キスが無かったのはお布団に入って、お互いすぐ寝ちゃったからで、横になる前はいつも通りキス――」

加賀「あ、もうそこまでで」

赤城「それからですね、今日はおはようと頑張りましょうはいつも通りしたんですけど、いってらっしゃいのキスがですね、私呆然として忘れちゃって――」

加賀「そ こ ま で で」

赤城「? はい」
9 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:48:50.43

加賀「冗談で言ってるんじゃないわよね、赤城さん」

赤城「なんですか冗談って! 真剣に相談してるのに!!」

加賀「真剣に聞ける話題を持ってきてくれないかしらね」

赤城「加賀さん、私何か、提督に嫌われるようなことしましたかね?」

加賀「あー、えー……順当に考えれば」

加賀「燃費、かしらね」

赤城「!!」

加賀「正規空母の中でも私たちは、補給整備には一番資材を使いますし」

赤城「ケッコンカッコカリの後は、むしろ節約できるじゃないですか!!」

加賀「それでも多いのは変わりないですし。さらに言えば、出撃自体を無くしてしまったほうがいいでしょう」
10 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:49:32.54

赤城「そ、そんな……提督は私を戦力外に……?」ガタッ

加賀「赤城さん、もう食べないんですか?」

赤城「もういらないです……加賀さんが食べてください……」フラフラ

加賀「そうですか、では遠慮なく」



加賀「赤城さんにしては、随分残したわね」

加賀「相当堪えてたみたいだけど、別に愛情はそのまま……」


『1日10回のキスが、9回だったんです!!』


加賀「」イラッ
11 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:51:20.62



加賀「もう一本……あと適当にお料理も……」

鳳翔「あの、こんな時間から飲んでて大丈夫なの?」

加賀「いいんです。今日は出撃も、演習もありませんから」

鳳翔「そうじゃなくてね、体にちゃんと気を使って」

加賀「普段は節制してるんですから、たまにはいいじゃないですか」

鳳翔「一体何があったの?」

加賀「多分、明日になればわかります。今は砂糖吐き出す気分じゃ……あ、酔鯨がいいですね」

鳳翔「まあ、出せと言われれば出しますけど」


―― グォーン……

鳳翔「あら、この音……? それと少し煙い、かしら?」
12 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 02:54:25.99



赤城『パクパクモグモグ!!』

提督『――君は、本当に美味そうに食べるよな。そんなに美味いか?』

赤城『はい、おいしいです!!』

提督『君を見てると、料理と資材の両方を食べられる艦娘が、時々羨ましくなってくるよ』

赤城『食べてみますか? 多分死にますけど』

提督『ふふ、いや遠慮しておく。それに』

赤城『それに?』

提督『私は、君が食べてるところを眺めるのが好きなんだ……君が幸せそうなのを見ると、こっちまで笑顔になる』

赤城『!! あ、ありがとう、ございます……』

提督『良かったら、私の分も食べるか? 好きだったろ』

赤城『はいっ、いただきます!!』



赤城「…………」
13 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:02:36.05





飛龍「――うーん、今日の友永隊もいい感じだね」

蒼龍「江草隊も負けてないよ!」

飛龍「そろそろ、熟練度も上限かな?」

蒼龍「うーん、もう少し急降下の角度が……」

赤城「――調子良さそうね、2人とも」

飛龍「うわっ、赤城さん!? 気配消さないでよ」

赤城「艦載機妖精さんとも息ぴったり……ふふ……加賀さんの言う通り、お役御免の日も近いかも知れませんね」

蒼龍「いきなり何言ってるの、今にも倒れそうな顔して」

飛龍「あー、朝ごはん食べ損ねたんでしょ! お母さんのお店行こうか?」

赤城「だから!! すぐ食べ物に結び付けないでください!!」
14 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:03:21.73

蒼龍「――はー、指輪返せって言われたんだ」

飛龍「どうしたんだろうね、提督」

赤城「私が知りたいですよ……私、嫌われちゃったのかなって」

蒼龍(それはない)

飛龍(それはないね)


飛龍「とりあえず、原因を探ろうよ」

赤城「……相談、乗ってくれるんですか?」

飛龍「任せて! 三度の飯より恋バナ好きな、鎮守府のダブルドラゴンとは私らのことよ」

赤城「それ、首突っ込みたいだけじゃ」

蒼龍「細かいことはいーの」
15 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:06:45.30

飛龍「と言っても、心配しないでいいと思うけどね」

蒼龍「うん。正直2人には入る隙間もないよ」

赤城「でも、いきなり指輪外すなんて」

蒼龍「そういえばずっと嵌めてるよね、ちょっとはずすのも嫌なの?」

赤城「い、嫌ですよ!! 決まってるじゃないですか」

飛龍「それを提督に伝えればわかってくれるよ、きっと」
16 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:08:15.48

赤城「わけもなく、こんなことするような人じゃないんですが……」

蒼龍「原因ねー。なんか思い当たることないの、スキンシップ減ったりとか」

赤城「キスのことですか? 加賀さんにも言われましたけど」

飛龍「それもあるけど。夫婦の関係で減ったっていえば、あっちでしょ」

蒼龍「そうそう、夜の……ね?」

赤城「? ――ああ、夜伽のことですか」

蒼龍「……言い切ったね、せっかく私らがぼかしたのに」

飛龍「なんかこっちが恥ずかしいじゃん……」
17 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:09:15.81

赤城「……そういえば最近、減ったかもしれません」

蒼龍「え、本当!? そりゃまずいかもしれないよ、まだ若いのに」

赤城「やっぱりそう思いますか?」

飛龍「体の切れ目が縁の切れ目っていうしね」

蒼龍「どんなスプラッタなの。お金でしょ」

赤城「お、お金!? 私持ってませんよ」

蒼龍「むしろ養われるほうだよね」

飛龍「やってることは危険手当付きまくりだしね」
18 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:13:08.74

飛龍「アプローチの仕方なら、色々アドバイスできるかも」

蒼龍「言いにくいと思うけどさ、減ったってどのくらい?」

赤城「そうですね、ケッコンしてからは毎日5回ほどだったんですけど……」

飛龍「うん……うん?」

赤城「最近はあの人忙しくて、2、3回だけになっちゃったんです」


飛龍「えっ」

蒼龍「えっ」

赤城「えっ」
19 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:14:21.43

飛龍「待って、ちょっと待って」

蒼龍「え、あの、つまり今まで毎日、その、してたの?」

赤城「そんなに変ですか? だって、私たち……」


赤城「ふ、夫婦、ですし……きゃっ」

蒼龍「」イラッ

飛龍「いきなり照れるな!!」


赤城「ね、どう思います? 2人から見て、原因に心当たりとか」

蒼龍(真面目な恋の相談かと思ったら)

飛龍(盛大に惚気を聞かされたでござるの巻)
20 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:15:42.68

蒼龍「あー、これはあれだね。私たち二航戦の戦力強化を考えてるんだよ、提督は。多分きっとそうだ」

赤城「ど、どういうことですか!?」

飛龍「えー、提督が、偵察機の運用を重視したいとか、言ってたような気がしないでもないね」

赤城「!!」

蒼龍「それで効率良い私たちに、練度の上限突破させてくれるのかもしれないと言えなくもないよ」

赤城「そ、そんな……やはり私はお役御免……」フラフラ
21 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:18:01.36

飛龍「あ、赤城さん! 翔鶴が弓道場に来てほしいってさ」

赤城「翔鶴が? ふふ……最新の空母に、私が教えることなんて……」フラフラ



蒼龍「……大丈夫かな、倒れそうだったけど」

飛龍「ちょっと悪ふざけが過ぎたかな?」


『2、3回だけになっちゃったんです!!』


蒼龍「」イラッ

飛龍「」イラッ
22 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:19:49.90



蒼龍「うおおおおお!! なーにがスキンシップ減った、だ!!!!」

飛龍「天然か!? 当てつけか!? 正妻の余裕なのか!?!?」

鳳翔「はい、いらっしゃい」

「「冷やで一本!!!!」」

加賀「う……響くわね、大きい声出さないで」


鳳翔「貴女たちもなの? まだ明るいのに」

飛龍「大丈夫、今日は提督いないし」

蒼龍「鍛錬も終わって、明日も私たちはオフだしね」

鳳翔「夜まで飲むつもり!?」

加賀「ちょっと飲み過ぎたので、風に当たってきます……すぐ戻ります」フラフラ

鳳翔「すぐじゃなくていいですよ。仕込み、これで足りるかしら……」
23 : ◆GoPzFNH1CI :2015/10/30(金) 03:21:10.89


―― グォーン……

鳳翔「また……これ、機関の音?」

蒼龍「私だってねぇ、ヒック、目の前で見せつけられてねぇ、何も思わないわけじゃないんだからねぇ……」

―― グォーン

鳳翔「ちょっと蒼龍ちゃん、ボイラー……」

飛龍「泣いていいぞぉ蒼龍!! お母さん、焼き鳥10本追加で!!」

―― グオーン!!

鳳翔「ちょっと、ケムリが!! 止めて止めて!!」
38 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:20:45.45



赤城『ただいま戻りました』

提督『お疲れさま……って、修理は?』

赤城『先に報告を、と思いまして。敵の機動部隊は壊滅、損害も私だけです!』

提督『――中破したら、報告の前に入渠するよう言ってるだろう』

赤城『はい、でも……』

赤城『――早く、褒めてほしかったんです』

提督『ん?』

赤城『い、いえ! なんでもありません、はい!』

提督『とにかく早く行ってきなさい、体が冷えるぞ』

赤城『……はい、それでは……』

提督『ああ、そうだ。工廠に用があったんだ』

赤城『えっ?』

提督『君の報告は口頭でも聞きたいから。歩きながら頼むよ』

赤城『――はいっ!!』


赤城「…………」
39 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:21:48.09





瑞鶴「どう、翔鶴姉?」

翔鶴「ううん、やっぱり飛行甲板が重くて……」

赤城「――翔鶴、呼びましたか」

翔鶴「あ、赤城先輩! お忙しいところすみません」

赤城「いえ、今日は別に……どうしたの?」

翔鶴「改装したばっかりでまだ慣れてないので。先輩に射形を見てほしいな、と」

赤城「ふ、五航戦は改二が来て、ますます元気よね……これが若さか」

翔鶴「え?」

瑞鶴「何よ、このめんどくさい空気は」
40 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:22:36.37

翔鶴「よっ――どうでしょうか、先輩」

赤城「うーん、普段よりはねらいが甘いかしらね……」

加賀「ええ甘いわね。継矢くらいできるようになりなさい」

翔鶴「あ、加賀先輩……そんなのお母さんのお手本しか見たことないですよ」

瑞鶴「ん? なんか加賀さんフラフラして――」

加賀「そんなんでは一航戦の座は渡せないわね、翔鶴」フラフラ

瑞鶴「翔鶴姉はあっちだよ! ってか酒くさっ!」
41 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:23:07.44

加賀「――ところで赤城さん」

瑞鶴「あっちだってば」

加賀「指輪の原因はわかったかしら?」

赤城「い、いいえ。もうあの人が帰ってきてから聞きます……」

加賀「それでいいのかしら。秘書艦として、提督の決断に反論すべき時もあるわ」

瑞鶴「なになに、何の話?」

翔鶴「赤城先輩、元気がないのに関係あるんですか?」
42 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:23:36.66

瑞鶴「――へえ、指輪がねー」

加賀「提督はきっと、赤城さんに思い出してほしいものがあるのよ」

翔鶴「今の赤城先輩に足りないものがあると?」

加賀「そう。それが私の読み」

瑞鶴(面白がってる顔にしか見えない)

赤城「な、何ですか、それは!?」

加賀「実は貴女にも関係があるわ、翔鶴」

翔鶴「え、私ですか? 何かありましたっけ」
43 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:24:21.55

加賀「ほら、任務があったでしょう。赤城さんと翔鶴2人に関係して、空母旗艦としての戦力強化に重要なものが」

赤城「!!」

瑞鶴「あー、あれか」

翔鶴「そ、そうですね! それはつまり――」



赤城「マイクだわ!!」

翔鶴「マイクですね!!」

瑞鶴「天山村田た……あれ」


加賀「ふ――そのとおりよ」

瑞鶴「あるぇー?」
44 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:25:33.25

加賀「指輪を外す……すなわち、けがれなき身体に戻るということ」

瑞鶴「えっ」

加賀「そしてそれが不可欠な職業といえば一つ。提督の目的とは――」

赤城「ま、まさか!!」


加賀「そう――赤城さんの、アイドルデビューだったのよ」


翔鶴「な、なんだってー!!」

瑞鶴「…………」
45 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:27:50.27

加賀「指輪を返し、アイドルとしての体を取り戻し、スターの道を駆け上がるのよ、赤城さん」

瑞鶴「え、じゃあ艦娘引退? デビューの前に引退しちゃうの?」

翔鶴「赤城先輩!! それじゃあ、旗艦二代を復活させて、私もお供を――」

加賀「何を言っているの。貴女は赤城さん亡き後の戦線を支えるのよ」

翔鶴「」

瑞鶴「別に死ぬわけじゃないけど。まー、膨大な資材使って装甲化したもんね」
46 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:28:24.81

翔鶴「うわああああん!! やっぱり私はいらない子なんだああああああ!!」ダッ

瑞鶴「あ、ちょっと!! そんなに歌いたかったの!?」

赤城「……そうか。これで私も心置きなく去れるというもの……」

赤城「最後に桟橋を見てきます。止めないでください」フラフラ

瑞鶴「あの、赤城さーん……」

加賀「…………」
47 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:28:56.62

加賀「――ふー……なんてね」

瑞鶴「あ、やっぱり冗談なんですか」

加賀「あの2人を見て別れるのを想像するほうが難しいわよ。私は提督を信頼しているわ」

瑞鶴「まあ普段の2人を見てればわかることですね」

加賀「ええ――ところで瑞鶴」

瑞鶴「はい?」

加賀「肩、貸してもらっていいかしら」フラフラ

瑞鶴「酔いは冗談じゃないんですね。……よいしょっと、行先は?」

加賀「お母さんのお店」

瑞鶴「まだ飲むんですか」
48 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:32:04.63



翔鶴「ごくごく……いっこーせんがなんぼのもんよおおお!!!!」

―― グォオオオオオオン!!!!

鳳翔「きゃあっ、ちょっ、げほっげほっ!! ボイラー止めて!!」

飛龍「よく言った後輩!! 今日は私のおごりだ!!」

蒼龍「お母さん、一升瓶開けるからねー!!」

鳳翔「待ちなさい! ちょっと、煙出したまま厨房入らないで!!」


瑞鶴「あー、始まっちゃった。てかもう出来上がっちゃってるし」

加賀「む、瑞鶴……これ、ウーロン茶じゃないの」

瑞鶴「そうですよ? 今日はやめときます」
49 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:32:46.07

加賀「なに、私の酒が飲めないっていうの!?」

瑞鶴「お、テンプレ。――私が潰れたら、誰が空母寮まで連れて帰るんですか」

鳳翔「貴女だけよ瑞鶴ちゃん……」

加賀「わ、私の酌を断ってただだ、ただで、すむと……」

瑞鶴「この辺にしときましょうよ。ほら、お水もってきましたから」サスサス

鳳翔「貴女だけよ瑞鶴ちゃん! お料理おまけしてあげる」

瑞鶴「あ、ありがとう……カルパッチョ? 珍しいね、イタリアンなんて」

鳳翔「ふふ、勉強したのよ。こういうのがナウなヤングにバカウケなのよね」フンスッ

瑞鶴「言い方が既にナウくないよ……おいしーけど」モグモグ
50 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:33:27.31





赤城『あの、提督。妙なものが届きましたよ』

提督『妙なもの? ――ああ、指輪か』

赤城『ゆ、指輪!?』

提督『艦娘と特別な絆を結び、さらなる練度の上昇を行う……だと。司令部も遊び心が過ぎるな』

赤城『あ、ああ。なんだ、部品ですか……』

提督『どうした落ち込んで』

赤城『な、なんでもないんです。――それよりそれ、誰に渡すんですか?』
51 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:34:14.79

提督『うーん、もう少し経ってから言いたかったんだが……赤城』

赤城『は、はい!!』

提督『君が好きだ』

赤城『えっ』

提督『愛している。1つ目の指輪は、君に受け取ってほしい』

赤城『あ、あの、ちょっと……』

提督『……駄目かな』

赤城『だ、駄目じゃないですよ!! 頂きます、はい!!』

提督『ありがとう。いきなりで悪かったね』

赤城『ちょっとびっくりしましたけど……でも、ありがとうございます』

提督『こちらこそ。これからもよろしく頼むよ』

赤城『はい! 提督となら、あの運命の5分間も――』


赤城「…………」
52 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:36:08.58


赤城「男らしい告白……嬉しかったなー、あの時は」

「今は嬉しくないか?」

赤城「……当たり前ですよ。その指輪を外せって言われたんですよ?」

「たとえ指輪がなくても、私から君への気持ちは変わらない」


赤城「……提督、いくらなんでもデリカシーが足りませんよ」

提督「あー、ごめん。言い方が悪かったよ」
53 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:37:11.12

赤城「ほんとにわかってますか?」

提督「指輪はあくまでもきっかけだから、それは誤解しないでくれ」

提督「君への告白は本当に、時機を見てするつもりだったんだ」


赤城「……提督。部品とはいえ、一度もらった指輪を外すのは、とっても嫌です」

赤城「今朝いきなり言われたときの私の気持ち、わかりますか?」

提督「……確かに言葉が足りてなかった。すまない」

赤城「頭を冷やして考えれば、提督の気持ちを疑うことなんてなかったんですけどね」
54 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:38:45.79

提督「それは、嬉しいけどね」

赤城「あなたが私を傷つけるようなこと、言ったことないのが悪いんです」

提督「ん?」

赤城「普段からケンカも全然しないようだと、今朝みたいなことを突然言われたら頭が真っ白になっちゃいます」

提督「うーん……ごめん?」

赤城「ふふ、いいんですよそのままで」
55 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:39:12.43

赤城「それで、大事な話とは?」

提督「ああ――これを君に。新しい指輪だ」

赤城「指輪……」

提督「ただの指輪じゃない。給料3か月分だ」

赤城「!」

提督「いくらなんでも、他者からもらった指輪をそのままでプロポーズなんて嫌だからな。――では改めて」


提督「あなたを愛しています。どうか私と、結婚してください」

赤城「…………」
56 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:40:20.17

赤城「それなら……そう言ってくれれば……」

提督「な、泣かないでくれよ。『今から指輪取りに行ってくる』なんて、全然ムードが」

赤城「ムードのために女の子を泣かせるんですか」

提督「泣かせたいわけじゃ……それに、それが男ってやつで」


赤城「ふ、ふふ。あはは」

提督「赤城?」

赤城「いえ、私変なこと色々考えてたなーって……心配することなんて、何も無かったのに」

提督「……ごめんよ」

赤城「これからずっと一緒にいてください。辛い時も、楽しい時も――それが条件です」

提督「……ああ。約束するよ、赤城」


赤城「空母として、妻として――私の誇り、お見せします!」



艦!
57 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:43:41.24


~おまけ1~


赤城「でも提督、どうして桟橋にいるってわかったんですか?」

提督「ああ、鳳翔の店に行ったら加賀が教えてくれた」

赤城「あ、そうですか……ん?」

提督「どうした」

赤城「なんで明るいうちから、私が飲み屋さんにいると思ったんですか!?」

提督「なんでと言われても……君はいつも、その、食べてるから」

赤城「て、提督まで!? どこまで私のイメージが食いしん坊に……!」

提督(可愛いからいいんだけどね)
58 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:44:40.73

赤城「提督、カラオケ歌いに行きましょう!!」

提督「カラオケ……どうして?」

赤城「歌が上手なキャラ付けのためです!!」

提督「そうか……それじゃあ、ディナーは今度にするか」

赤城「えっ」

提督「バイキングが部屋食より高いので有名なホテルでな。ようやく予約が取れたんだが」

赤城「……あ、あの」

提督「まあ私はいつでもいいし、君がいいなら改めて別な」

赤城「……ううっ」

提督「……いや、冗談だよ。泣かないでくれ、それには弱い」

赤城「ぐす……腕組んで行ってください」

提督「わかったわかった。……本当、可愛いよな」
59 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:46:13.60


~おまけ2~


加賀「……Zzz……」

瑞鶴「今頃赤城さんは、提督さんとしっぽりデートか……いいなぁ」

蒼龍「おかーさん、ハイボール濃いめで3つね!!」

鳳翔「はいはい」


飛龍「それイッキイッキ!!」

翔鶴「一じゃありません、私は五航戦です!!」

蒼龍「ゴッキゴッキ!!」

翔鶴「やめてください、虫みたいじゃないですか!!」

鳳翔「流石に一気飲みは止めますよ」
60 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:47:29.08

加賀「うーん……やかましいわね……」

瑞鶴「あ、起きた? 加賀さん」

加賀「どうせ騒ぐなら……お母さん、マイクを」

飛龍「いよ、待ってました!!」

蒼龍「一航戦の急に歌う方!!」

翔鶴「選曲は私にお任せください、先輩!!」ピッピッ
61 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:49:12.30

加賀「――目覚めのキッスはまどろむあなたに あやかしリップなお姫様――」


蒼龍「加賀岬じゃ」

飛龍「ないんかーい!!」

翔鶴「あっはっはっはっは、かんぱーい!!」

「「「ぐびぐび……ぷはー!!」」」



「「「麦茶だこれ!!!!」」」

鳳翔「コールするほど酔ってるのに、これ以上飲ませるわけないでしょう」

瑞鶴「流石お母さん、安心して飲めるね」

加賀「――99.8点……ふっ」ガッツポーズ

瑞鶴「そしてデビュー出来るよ加賀さん! てか持ち歌以外も上手いな!」
63 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:50:25.49


~おまけ3~


瑞鶴(あれから少し経って)

瑞鶴(結局加賀さんの言う通り、提督さんも赤城さんも仲が良いまま)

瑞鶴(少しだけ変わったのは――)


瑞鶴「――よっ」

加賀「……どうも押手がぶれるようね」

瑞鶴「やっぱりそうですか? 全面装甲は流石に重いなー」

加賀「こればっかりは、鍛錬で慣らすしかないわね」


瑞鶴(私が装甲空母になって)
64 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:51:14.73


翔鶴「熱燗くださーい……」

鳳翔「駄目よ。もう8本目でしょ」

蒼龍「おかーさん、ふきみそ食べたい……にがーいやつ……」

鳳翔「春の作り置きだから本当に苦いけど……はい」

飛龍「私はまだ5本目だからいいよねぇ……あ、支払いは赤城さんにツケといてね」

鳳翔「……貴女たち、本当に言ってあるんでしょうね?」

「「「大丈夫でーす」」」


瑞鶴(先輩たちと翔鶴姉の、お酒の量がちょっとだけ増えて)
65 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:52:27.36


赤城「――ふっ」

瑞鶴「しかし赤城さんは流石だなー。ねらいも全然ぶれてないし」

加賀「そう? 最近はそうでもないと思うわ」

瑞鶴「? そうですか?」


赤城「…………」指輪キラッ

赤城「うふ、うふ、えへへ……」床ゴロゴロ

加賀「」イラッ

瑞鶴「」イラッ


瑞鶴(赤城さんは常時キラキラ状態になった)
66 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:53:14.20

提督「赤城ー」

赤城「あっ、提督!! 出撃ですか!?」アセアセ

提督「いや、ケーキ買ってきたから。食べるだろ?」

赤城「は、はい! 私お茶淹れますから!!」


瑞鶴「じゃあ、私たちは退散しますか」

赤城「え? 全員分淹れますよ」

加賀「早くここから出たいので(お二人を邪魔したくありませんので)」

瑞鶴「…………」


提督「――加賀、これ皆にもっていってくれるか」

加賀「頂きます。それでは」

瑞鶴「ごゆっくりー」
67 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:53:40.78


赤城「美味しいですね」

提督「うん……それにしても、2回の告白の後も、対して生活は変わらないな」

赤城「艦娘ですからねー。ゆっくりするのは戦いが終わった後です」

提督「戦いか。奥さんを戦いに追いやるなんてろくでもない男だよな」

赤城「場所は違っても、その目的と信念は同じです。そのおかげで、私たちは戦えるんですよ」

提督「……そういうものかな」
68 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:54:58.47

赤城「適切な指揮のおかげで、加賀さんや二航戦の子たちとも、ずっと一緒ですし」

赤城「優しいお母さんに甘えたり、可愛い後輩を指導したりできます」

赤城「でも、これからはわかりません。敵もどんどん強くなります――もちろん、鍛錬は怠りませんけどね」

赤城「もっと大事なのは提督。あなたの采配です」


提督「……うん。わかっているよ、赤城」

赤城「辛い時は遠慮なく、私を頼ってください。ずっとそばにいますから……だって、私たち」


赤城「ふ、夫婦……ですし。ね?」



艦!

69 : ◆GoPzFNH1CI :2015/11/01(日) 23:59:09.19

これにて終了です、読んで頂いてありがとうございました。
はい、途中で予想されてた通りです。特に波乱もなくて申し訳ありませんorz

普段は鳳翔さんメインばかり書いていますが、赤城さんはじめ空母勢が大好きです。
次は飛龍さんか翔鶴さんあたりで描きたいと思います。


それでは、また見かけたら読んで下さるとうれしいです。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/02(月) 08:01:11.69
乙乙
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/02(月) 21:53:12.41
乙です。
ラブコメしてて良かった
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/02(月) 21:55:15.16
乙です。
過去作も出来れば教えて欲しいです。
この書き手のSS:

鳳翔「そこに直りなさい」 正規空母s「……はい」


鳳翔「再びそこに直りなさい」 長門「うむ」



瑞鶴「鳳翔お母さんの女子力が低い?」 飛龍「うん」


鳳翔「夢はあなたと共に」



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