結衣「おかえり、ヒッキー」八幡「……いつまでヒッキーって呼ぶんだ」【後編】

292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:12:41.72
前スレ:

結衣「おかえり、ヒッキー」八幡「……いつまでヒッキーって呼ぶんだ」【前編】




結衣「ねねヒッキー、これどうかな?」

八幡「……いんじゃねぇの」

結衣「そんじゃあこれは?」

八幡「なかなかじゃないですかね」

結衣「じゃあ、これ……」

八幡「いいと思いま……」

結衣「もー!さっきから似たようなことばっかりー!それじゃあ全然参考にならないよー!」

八幡「……いやな、周りの目がな……」

結衣「誰も見てないよ、あたしたちなんて。ほら向こうにもカップルいるじゃん」

八幡「なんでああ堂々とできるのかね……」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:14:08.43
結衣「ヒッキーが思うほど他人は他人のこと気にしてないもんだって。気にしすぎー」

八幡「いや、お前目立ってるから。店の外を通る男の視線見てみ?みんなお前をちらちら見てるぞ」

結衣「えー、そんなことないと思うけどなー」

八幡「自覚なしか。お前可愛いんだよ、俺以外の奴から見てもさ」

結衣「あ、あたしはヒッキーからそう見られてたらそれでいいけど……」

八幡「と言ってもだな…」

結衣「まぁまぁ、もっかい最初からね。これとこれならどっちがいいかな?」

八幡「……どっちも似合うよ、間違いなく」
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:15:17.41
結衣「えへへ、そう?だったらヒッキーの好きな方にする!どっちが好き?」

八幡「すまん。あえて、一つ言わせてもらうとだな……」

結衣「なに?」

八幡「お前が選ぶの、どれも面積が小さすぎるんじゃないでしょうか……」

結衣「え、えー?そうかな……。水着ってこんなもんじゃない?」

八幡「同じビキニでももうちょっと、こう……あるだろ。恥ずかしくねぇの?」

結衣「そう言われるとあたしが痴女みたいでなんかヤダなぁ……」

八幡「あーいや、言い方が悪かった。いやそれもちがくて……あんまり他の男に見せたくねぇとか、そんなこと思ってたり、してたりとか……いろいろ」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:16:04.52
結衣「……ヒッキー、あたしをキュン死させる気?」

八幡「は、は?何その謎の単語……」

結衣「かわいすぎるんだけど。ね、試着するから見てみてよ」

八幡「え?水着って試着できんの?」

結衣「できるよー。もちろん下着の上に着るけどね」

八幡「はー、なるほど……。知らない世界もあるもんだな。で、俺は一人で待つの?無理だからそれ」

結衣「そ、それじゃ意味ないじゃん、見てもらわないとさー」

八幡「つっても、マジ無理。気にする女性客もいるかもだし勘弁してくれよ……」

結衣「うーん、じゃあ試着なしで決める。ヒッキーどれがいいのか教えてよー」
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:17:06.58
八幡「……えと、じゃあ……これで」

結衣「これ?パレオあったほうがいいんだ」

八幡「お、おお。なんか……いい感じ。すまんうまく言えなくて……」

結衣「えへへ、いいよ別にー。ありがと、じゃあこれ買ってくるね!」

八幡「そ、外で待ってるなー」

結衣「うんー」

八幡「………………」

八幡「…………はぁ、ものすげぇ疲れる……」



結衣「お待たせー。じゃあ次行こー」

八幡「あん?まだなんか買うの?」

結衣「次は、あのー……ヒッキーの好きそうな、下着とか……」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:18:07.76
八幡「馬鹿か無理、絶対無理。行かねぇぞ俺は」

結衣「うーん、やっぱりそうかー……」

八幡「あ、当たり前だろ。水着が限界だ……」

結衣「じゃあいいや、帰ろっか」

八幡「いやに素直だな」

結衣「うん?まぁ別にお店で選ばなきゃいけない理由はないしね。あたしもちょっと恥ずかしいし……」

八幡「じゃあ提案すんなよ」

結衣「うん、やっぱあたしたちには合わないかもね。でも一回やってみたかったんだ」

八幡「……やってみて、感想は?」

結衣「嬉し……恥ずかし?でもなんか、楽しかった」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:19:01.72
八幡「なんだその笑顔。…………耐えた甲斐があったな、俺も」

結衣「ん?なんか言った?」

八幡「いーや、なんでも」

結衣「ふーん。ねー、下着なんだけどさ、家でカタログ見て選んでもらうならいいよね?」

八幡「……ま、それなら」

結衣「あと水着も家で着てみるから、ちゃんと見てよ?」

八幡「……おお。あ、ならついでにコスプレ衣装見に行ってみるか。あそこなら俺あんま恥ずかしくねぇかもしれん」

結衣「おー、いいねいいね。あたしもどんなのがあるのかよく知らないから行ってみたい」

八幡「うし、んじゃこっちだな」


一一一
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:19:37.58


八幡「暑くね……」

結衣「夏だからねー」

八幡「人、多くね……」

結衣「海だからねー」

八幡「それ、でかくね……?」

結衣「イルカさんだからねー。ヒッキー助けて疲れたー。うまく膨らまないー」

八幡「えー、俺がやんの?」

結衣「いいじゃん手伝ってよー。ヒッキーも乗っていいからさー」

八幡「いや別に乗らなくていいけど……。まぁやるか、貸せ」

結衣「さすがヒッキー、頼りになるー」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:20:14.48
八幡「…………はぁ、はぁ。疲れた。俺ここで休んでていい?」

結衣「ダメに決まってるし。ほら、海があたしたちを呼んでるよ!」

八幡「幻聴だそれは。もしくは溺れた死者の黄泉からの呼び声だ」

結衣「怖いこと言わないでよ!ほら、あたしイルカさんに乗るんだから引っ張ってくれないと」

八幡「俺労働者じゃねぇか。…………まぁいいか」

結衣「うおー砂浜あつーい」

八幡「なー、今日は聞かねぇの?」

結衣「え?何を?」

八幡「ほら、出掛けるといつも聞くじゃん。どう?似合う?って」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:20:48.05
結衣「うん。でもこの水着はヒッキーのうちで使ったとき、もう言って…………」

八幡「…………」

結衣「ど、どう?似合う、かな?」

八幡「……おお、似合ってる。か、可愛い」

結衣「えっへっへ。ヒッキーも似合ってるよ」

八幡「どうも……」

結衣「あのさー、聞かなくても言ってくれていいんだよ?」

八幡「…………そのうちで」

結衣「うん、わかった。……二人きりのときは結構、無茶するのにねぇ」

八幡「二人のときは別……お、おいっ」

結衣「ほらほら、行くよー」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:21:29.09
八幡「引っ張らないでも行くから……」

結衣「あははっ、それーっ」

八幡「冷た!……くもねぇか。気持ちいいな」

結衣「気持ちいーねっ、ほらヒッキー、ゴー!」

八幡「……へいへい。わかりましたよ、お姫様」

結衣「きゃーっ、あはははっ」

八幡「…………引っ張るより押すほうが楽だな。後ろ行くわー」

結衣「ほーい」

八幡「……おお。なんだこの絶景は……。尻が目の前に……」

結衣「あれ?押すの難しい?」

八幡「あ、すまん。行くぞー」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:22:20.72
結衣「それ行けー」



八幡「はー、結構遠くまできたな」

結衣「うん!あんま人いないねー、この辺だと。そいやヒッキー、意外と泳ぐのうまいんだね」

八幡「なんで意外なのかは知らんが、まぁまぁ得意だぞ。お前は?」

結衣「あたしも得意だよー、昔習ってたし。千葉の人魚姫とはあたしのことだから」

八幡「千葉の魚人?」

結衣「魚人じゃないし!人魚!」

八幡「まぁお前泳ぐのは得意そうだよな。浮き輪二つついてるみたいなもんだし」

結衣「あっ!ヒッキーのえっち」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:23:06.20
八幡「そんな格好で胸隠してもしゃーないだろ……てか隠れてねぇし」

結衣「むぅ……。あ、ヒッキーも乗る?二人乗りしよーよ」

八幡「お、いいの?実はちょっと乗ってみたかった」

結衣「もう、言ってくれればいいのに。じゃあ帰りはあたしが押して戻るよ」

八幡「いや、それはなんか、嫌だからいい。つか、これどうやって乗ればいいんだこっから……」

結衣「引っ張り上げようか?」

八幡「……おし、いいぞ」

結衣「いよっ!ほっ……うわ、わああっ!」

八幡「あー、やっぱり」

結衣「……ぷあっ!もー!何するのー!」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:23:49.90
八幡「いや、別に引きずり落とそうとはしてねぇよ……」

結衣「むー。じゃあヒッキー乗りなよ、一人ならだいじょぶじゃない?」

八幡「じゃあ、よっ……と。おお」

結衣「どう?」

八幡「目線結構高くなるなー。いや、これはなかなか……」

結衣「どーん!!」

八幡「うおあっ!」

結衣「あっはっはっ」

八幡「…………ぷえっ。っはー、やりやがったな」

結衣「怒った?」

八幡「……怒んねぇよ、こんなことで。ほら乗れよ」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:24:47.51
結衣「やり返す気マンマンだし!?」

八幡「ちっ、さすがにわかるか」

結衣「…………あはっ、あはははっ」

八幡「……ぷっ、あっはははっ」

結衣「あはっ、ヒッキーのそんな爆笑初めて見たかも」

八幡「俺だっておかしけりゃ笑うよ、ちゃんと」

結衣「じゃあもっと嬉しい顔とか、気持ちいい顔とか、これから先見れるかな?」

八幡「……かもな」

結衣「あたし次第だよね、よし、がんばろーっと」

八幡「俺も、もっとお前を幸せにしたいから頑張るよ」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/03(土) 15:25:16.78
結衣「…………今、誰も見てないよ」

八幡「……イルカさんで隠すか」

結衣「………………」

八幡「………………」

結衣「……しょっぱいね」

八幡「……だな。戻るか、乗れよ。落とさないから」

結衣「ほ、ほんとにー?」

八幡「ほんとほんと。……たぶん」

結衣「今ちっちゃい声でたぶんって言った!?」

八幡「言ってない言ってない。ほれ行くぞー」

結衣「あ、待ってよー、乗るからー」


一一一
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/04(日) 03:22:14.50
この水着はヒッキーのうちで使ったとき←ナニに使ったんですかね・・・
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/05(月) 01:39:35.01
家で水着を、「使う」……?
はて……
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/05(月) 03:29:36.47
察しろよ>使う
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:38:22.97


結衣「何食べようか?」

八幡「焼きそばだろ。それ以外になんかあんの?」

結衣「いろいろあるみたいだけど……焼きそばでいっか。海で食べる焼きそばって、なんか超おいしーよね」

八幡「ん、買ってくるから待ってていいぞ」

結衣「ううん。あたしも行くー」

八幡「そか。……いや、手繋がんでも……こんなに人いんだしさ」

結衣「ヒッキーが迷子になるかもだし」

八幡「俺かよ」

相模「あれ?もしかしてゆいちゃん?」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:39:10.86
結衣「んー?……おぉ、さがみん?」

相模「わぁ、ほんとにゆいちゃんだー、久しぶりー。髪の色変わってたから一瞬わかんなかったよー」

結衣「あはは。あたし元々はそうだったし、髪痛んじゃうかなーとか思って」

相模「そっかー。あのさー、さっき手繋いでなかった?」

結衣「み、見られてたかー。うん、繋いでた、よ」

相模「ゆいちゃんの彼氏?どんな人?」

結衣「んん?あー…………。ヒッキー、こっち向きなよ」

八幡「…………おす」

相模「なんだ、比企谷か……。え?ってことは、やっぱ……」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:40:00.18
八幡「そんなわけねぇだろ。勘違いす」

結衣「……そうだよ。あたしの、彼氏。付き合ってるの」

八幡「おい」

相模「へ、へー。そうなんだ。うちらなんか女だけで来てるからさー、羨ましいなー」

結衣「でしょー?あたしにはもったいないぐらいの、自慢の彼氏なんだー」

相模「そ、そう……。なら邪魔しちゃしけないよね。じゃあゆいちゃん……と、比企谷。またねー」

結衣「バイバーイ」

八幡「じゃ、じゃあなー」

結衣「…………はぁ、ドキドキしたー」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:40:39.90
八幡「……いいのか?」

結衣「怒るよ?」

八幡「…………すまん」

結衣「あの時も、ほんとはこんな風に言いたかったんだからね?」

八幡「そうか……。腹、くくるか。俺も」

結衣「もー、遅くない?一緒に暮らすんでしょ?自信持ってよ」

八幡「おお。つ、次はもうちょっと堂々としとく。ま、次があればな」

結衣「あるよ、きっと。千葉にいればさ。さがみんだけじゃなくて、いろいろ」

八幡「かもなぁ。お前知り合い多いしな」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:41:15.11
結衣「ヒッキーが少なすぎなんだよ……。あ、あのさ、さっきあたし嫌な女じゃなかった?」

八幡「んなことねぇだろ、感じ悪いの向こうだし。でも、あいつも昔ほど俺を下に見てはないのかもな。値踏みはしてるみてぇだけど」

結衣「あ、あはは。さがみんって昔からあんな感じだなー。ミーハーっていうか、彼氏がステータスみたいな」

八幡「だろうな。俺じゃステータスにはなんねぇってよ」

結衣「んー、あたしは世界中の人たちに自慢したいけどなぁ」

八幡「いや、お前な……。そりゃあれだ、好き好き補正掛かりまくりだから。一般的に俺はそんないい男じゃねぇよ」
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:42:12.18
結衣「それでも、あたしが世界で一番好きな人で、あたしを世界で一番好きでいてくれる人だから。自慢したいよ」

八幡「よくそんなこと真顔で言えるな……」

結衣「い、いや。超無理してるから。でも、今日は言いたかったこと、いろいろ言えたかも」

八幡「……ならせめて、就職先ぐらいは自信持って言えるようにしねぇとな。頑張るかねー」

結衣「おー、ヒッキーがんばれー。あたしはとりあえず内定もらえるように……はぁ、考えたくないなー、憂鬱だぁ」

八幡「ま、今年の夏は、てか今はいいよそんなの。折角ここまで来たんだから楽しもうぜ」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:42:56.97
結衣「……うん。よっし、なんか食うぞーっ」

八幡「だから、引っ張らなくても行くって……」


一一一


八幡「たでーま」

結衣「やっはろー!小町ちゃーん、カーくーんメリークリスマース!」

小町「結衣さんやっはろークリスマース!ほらカー君、結衣さん来たよ……って、おぉ……」

カマクラ「なーお。なーぉ」

結衣「あははっ、カー君、足くすぐったいよー」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:43:34.09
八幡「……なぁ小町。なんでこいつ飼い主以上に由比ヶ浜に懐いてんの?」

小町「うーん……。わかんないけど、ちょっとショックなぐらい懐いてるよね……。小町とかお兄ちゃんに対する反応と全然違うもん」

八幡「最初はおっかなびっくりだったのになぁ。今じゃもうあれだな、お前んとこのサブレより仲良いんじゃねぇの?」

結衣「し、しっけーなっ。あたしはサブレともラブラブだもん!」

小町「でーもー?一番ラブラブなのは~?」

結衣「ひ、ヒッキーかなぁ……えへへ。って、何言わせんの小町ちゃん!」

八幡「まんまと乗せられて何を言ってんだお前は……」
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:44:07.53
小町「いやー、なんか冬なのに熱くなってきちゃったなー」

八幡「…………はぁ。ほっとこ。由比ヶ浜、お前もしかして本当は犬より猫派なんじゃねぇの?」

結衣「えー?そんなことない……と思うんだけどなぁ」

カマクラ「なーぉ……」

結衣「あーごめんごめん。カー君も可愛いよー大好きでちゅよー」

八幡「そんな赤ちゃん言葉使われるほどカマクラは若くねぇぞ」

小町「そだねー。カー君も結構なお年になっちゃったねぇ」

結衣「そっかー。うちのサブレももう成犬なっちゃったからなぁ…………」

カマクラ「うなー」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:44:49.73
結衣「あはっ、どしたのカー君。すりすりしてきて」

小町「うちの猫って気がしない……」

八幡「だな……。お前はどうか知らんけど、少なくとも犬よりは猫に好かれてるな」

結衣「んー、よくわかんないけどそういうもんなんじゃない?お客さんには愛想良く、みたいな。だってサブレもヒッキー超好きだし」

八幡「ああ……。そういやそうだな、あいつ俺の言うことならちゃんと聞くしな」

小町「それって単純に、飼い主の趣味嗜好がペットにも移ってるってことなんじゃ?」

八幡「あん?どういう意味だ?」
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:45:37.12
小町「だから、お兄ちゃんの趣味が移ったカー君は結衣さんが大好きで、結衣さんの趣味が移ったサブレはお兄ちゃんが大好き、みたいな」

結衣「え、えへへ。そうなの、かな?」

八幡「……いや、んなわけねぇだろ。小町適当なこと言うな。てか恥ずかしいからやめろ、やめてください……」

小町「あ、うん。小町も言ってて恥ずかしくなってきた……」

八幡「なら最初から言うなよ。…………小町、チキン食おうぜチキン。共食いだ」

結衣「エグいこと言わないでよ、食べる気なくなるから……。あ、小町ちゃん、ケーキも買ってきたから一緒に食べよー」

小町「わぁい結衣さんさっすがー。……でも、いいんですか?折角のクリスマスイブなのにうちで過ごして。二人がいいのでは……」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 23:46:04.11
結衣「あ、今日はいいの。ヒッキーは毎年イブはおうちで小町ちゃんと過ごすみたいだし。あたしこそ邪魔してよかったのって感じ」

小町「いやもうお兄ちゃんと二人のイブとか飽きましたから!小町はこれで超オッケー☆です」

結衣「ありがと、小町ちゃん。なら今日は楽しもー」

小町「ん?今日はってことは、明日は?」

結衣「え、えー……そりゃあ、ちょっとお兄ちゃん借りてく……かな?」

小町「…………た、楽しんでくださいね」

結衣「え?あ、うん……。たの、楽しむよ!」

八幡「……なんの会話してんだ、お前ら……。ほらカマクラ、メリークリスマス。つってもいつものカリカリだけど」

カマクラ「なー……」

八幡「……切ない声出すんじゃねぇよ」


一一一
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:38:10.17


結衣「ヒッキー、ネクタイ曲がってるよ」

八幡「おぉ、慣れねぇからどうしてもな……」

結衣「はい、これでオッケー」

八幡「……さんきゅ、んじゃ行くかぁ」



結衣「なんか、周りもおんなじような人ばっかだね。みんな合同説明会行くのかな?」

八幡「じゃねぇの、みんなスーツピッカピカだし。全員同じ髪型で同じスーツ着てるように見えるな、気持ちわりぃ。個性重視の風潮はどこ行ったよ」

結衣「そうだねぇ……。けどさ、ヒッキーはスーツ似合ってるよ、かっこいい。それ、好きかも」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:38:38.92
八幡「……そか。お前もなんか、仕事できそうな感じに見えんこともないぞ」

結衣「なにそのビミョーな誉め方……。でもあたしは似合ってる気がしないし、落ち着かないなー」

八幡「ま、お前は着るの就活の間だけだろ、たぶん」

結衣「ん?それどゆこと?もしかしてあたし、すぐ専業主婦になるから、とか、だったり……?」

八幡「いやちげぇよ、照れんな。女子はこんなスーツ着て働く職種って少ねぇだろ。会社の制服があっても私服で通勤できるとこ多いぽいし」

結衣「あぁー、なるほど。でもねー、私服は私服で悩むもんなんだよー。節度ある、とか言われるととにかく地味な感じになっちゃうし」

八幡「はー、まぁそういうもんかね。男のスーツはある意味何も考えなくていいから楽だな」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:39:12.86
結衣「そだよー、ちょっと羨ましい。……ね、終わったらさ、そのままどっかご飯食べに行こーよ」

八幡「おお、そうするか」

結衣「よし、がんばろ」

八幡「いや、ただの説明会だから頑張るも何も。俺はどういうもんかわかったらもう行かねぇと思うわ。あんま意味なさげだし」

結衣「え、そうなの?」

八幡「説明ばっか聞いててもしゃーないだろ、なんとなくわかったらあとはエントリーしまくるわ」

結衣「そ、そっか……。あたしも、ちゃんと考えなきゃね……」

八幡「んー……お前はたぶん、無理な高望みしなきゃなんとでもなるよ。世の中そういう風になってる」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:39:39.40
結衣「え、なんで?」

八幡「…………顔査定があるからだ。人柄が滲み出てるし、お前と仕事したいって思うとこは絶対ある。最低限の教養があればな」

結衣「えー、でも……最低限の教養、あるの?」

八幡「そこはあるって言っとけ……」

結衣「……うん。あ、始まるよ」


一一一


八幡「…………また落ちた」

結衣「……よしよし。競争率高いとこ狙ってるから仕方ないよ」

八幡「落ちてる奴のほうが多いとはいえ、あなたは要りませんって言われるのは堪えるな」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:40:21.12
結衣「だねー……。あたしもいくつか落ちたから、わかるかも」

八幡「…………つってもお前もう内定出てんだよな。情けねぇな、俺」

結衣「あたしはゼミの教授が薦めてくれたところ受けたら、なんかあっさり……」

八幡「はぁ……だいたいのとこ最終面接までは行くんだけどな。受け答えもそれなりにまともにしてるつもりなんだが……何が悪いんだ」

結衣「志望動機とかなんて答えてる?あたしは教授に薦められてとか普通に言っちゃったけど……」

八幡「……あれか、取り繕った回答してるからか?別にここじゃなくても給料がよかったらどこでもいいって言えばいいのか?」

結衣「そ、それは正直すぎてどうだろう……」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:40:47.88
八幡「はぁ……。目か、目が悪いのか。どうすりゃいいんだよもう……」

結衣「よしよし、ヒッキーなら絶対大丈夫だから、自信持って。元気が出ること、する?しよっか?」

八幡「……今お前に甘えたらただのクズになるから、いい。決まるまでそういうのはやめだ」

結衣「えっ……」

八幡「悪い。でも、俺はお前と暮らしたいから、今だけは一人で頑張らせてくれ」

結衣「…………うん。半分はわかった」

八幡「半分?」

結衣「うん。決まるまでそういうのはしないっていうのはわかった。あたしも我慢する。でも、一人で頑張ることなんてない。あたしに何ができるわけでもないけど、あたしもヒッキーを支えたい」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:41:24.99
八幡「……そっか。そうだよな、こんなときに一人でやりたいってんなら結婚なんかしても仕方ねぇよな」

結衣「ヒッキーはたぶん、自分の苦しさとか痛みとかは全部自分のものにしたいんだよね。でももう、無理だよ。ヒッキーだけのものにはしないから」

八幡「幸せ者だな、俺は……」

結衣「え、んっ………………」

八幡「………………。頑張るから、傍にいてくれ」

結衣「……うん。言われなくてもそうする。で、でもさ、そういうことしないって言ったのに、これは、いいの?」

八幡「べ、別にキスぐらいならいいだろ……」

結衣「そうなんだ。じゃあ、これは?」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:41:50.91
八幡「……いいんじゃねぇの」

結衣「こ、これは?」

八幡「いや、直接じゃなくてもあんまやると我慢できなくなるから、勘弁して……」

結衣「あはっ、わかった。それなら手繋いでおこー」

八幡「……ああ。来週も面接あるから、考えとくかぁ」

結衣「おー!ヒッキー頑張れー!」

八幡「お前の誕生日までには決めたいな。夏までは行きたくねぇ」

結衣「……大丈夫だよ。根拠なんか全然ないけど、大丈夫」

八幡「……おお。助かる、ありがとな」


一一一
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:42:53.72


八幡「ん…………結果のメール来てんな」

結衣「う、後ろ向いとく……」

八幡「うし、開くぞ……って、開くまでもねぇじゃん」

結衣「…………ど、どう?」

八幡「見ていいよ。件名」

結衣「……採用内定の通知……ここ、これっ!」

八幡「……受かったみたい」

結衣「や、やったぁぁ!ヒッキー、おめでとう!」

八幡「いやー……。とりあえず、ホッとしたわ……」

結衣「ほんっとよかった!ヒッキー頑張った!……で、これどこの会社なの?」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:43:19.91
八幡「コンサルの会社だな」

結衣「こんさる?」

八幡「前も言っただろうが……。コンサルタント。企業が経営とか業務で抱えた問題の相談を受けて、指導とか提案する仕事だよ」

結衣「あー、奉仕部のことね」

八幡「ああ、そういやそんな覚え方してたなお前」

結衣「だって奉仕部まんまじゃん。魚をあげるんじゃなくて、魚の獲り方とかどうやったらうまく獲れるかを一緒に考えるんでしょ?」

八幡「んー、まぁそんなもんかね……。はぁー、ほんとよかった。結構いいとこだしなー。奇跡ってあるんだな」

結衣「違うよ、奇跡じゃないよ。ヒッキーが大学でも、頑張ってたからだよ。……ほんとに、ほんとにおめでとう」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:46:02.74
八幡「こんなんで泣くなよ……。俺に内定出るとは思ってなかったみてぇじゃん」

結衣「違うよ……。そうじゃなくて、ヒッキーの頑張りをちゃんと見てくれた人がいるんだって思ったら、嬉しくて……」

八幡「そうだな。安堵の気持ちのほうが大きいけど、嬉しいもんだな。…………由比ヶ浜、こっち来て」

結衣「ん…………んむ…………はぁっ」

八幡「…………。なんか、随分激しくないすか……」

結衣「だ、だって、結構我慢してたし……。あ、ヒッキー編集者とかはどうするの?受けてたよね?」

八幡「あ、もういいよそれは。当然駄目だったし。大手は最初から無理だと思ってたからな。うん千人受けて合格者十数名とかだぞ、受かるわけねぇだろそんなの」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:46:28.53
結衣「受験なんかの比じゃないよね、そう聞くと」

八幡「かといって中小の編集なんか激務なだけで給料激安って聞くし。だからもう未練はねぇ」

結衣「そっかー。ヒッキー、コンサルタント会社かー。彼氏の仕事は?って聞かれたらコンサルです!って言えばいいのかな?」

八幡「い、いいんじゃねぇかな。まだ取り消されないとも限らんけど……」

結衣「えへへ、なんかカッコいいなぁ。そいえば会社はどこにあるの?」

八幡「東京だな」

結衣「そっかー。あたしは千葉だから、ちょっと離れちゃうね」

八幡「東京なんだけど……客先で仕事することも多いみたいだから、結構いろんなとこ行くかも」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:46:55.22
結衣「え、転勤、とか?」

八幡「それはたぶんあんまない、と思う。けど実際のとこはよくわからんなぁ。海外も有り得るとかって言ってたし」

結衣「まあ、あたしはどこだってついてくつもりだけど」

八幡「お前も会社あるんだし、その辺はそんとき考えようぜ。本当にまだわかんねぇからさ」

結衣「……わかった。そうする」

八幡「お前もしっかりした医療機器メーカーだし、二人ともなんとかなってよかったな。……違うか、待たせてすまん。不安だったろ?」

結衣「んーん。不安じゃなかったよ。もし、もしダメでもさ、ヒッキーと離れる理由にはなんないもん。あたしが頑張ればなんとかなるかもーとか、思ってたし」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:47:21.50
八幡「そうか……。とりあえずヒモにはならんで済むな……」

結衣「あ、あのさ。こういうこと聞くと、あたしがそれ目当てって思われそうで嫌なんだけど……。給料って、どんなもんなのかな。いやヒッキー割とこだわってたから……」

八幡「んなこと思わねぇから聞いていいよ。んー、成果報酬の部分もあるけど、平均的にはかなりいい方だと思う。ここは年俸制だし」

結衣「あ、いい方なんだ。でも……年俸?」

八幡「年初に一年の給料の総額を提示されて、毎月それを12分割して貰うんだよ。だからボーナスはなし、というか含まれてるみたいな」

結衣「へー。なんか変わってるね」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 17:47:56.58
八幡「おお、まだ日本じゃ珍しいって説明してた」

結衣「ふーん。あ、そうだ。内定のこと報告してきなよ」

八幡「……そだな。教授とかにも報告してくるわ。また夜にでもうち来てくれるか?」

結衣「うん!お祝いしよう!」

八幡「……さんきゅ」

結衣「お楽しみも、用意しとく、ね。…………やだ、凄い久しぶりな気がするからなんかドキドキしてきちゃった……」

八幡「た、楽しみにしとく……」


一一一
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 18:33:45.44
乙です
ここの幸せな二人を見てると落ち着くます
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/18(日) 18:50:34.01
なんか普通のイチャイチャより苦労話の方が二人の夫婦っぷりが出てて甘く感じる
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:26:25.37


結衣「緊張してる?」

八幡「超してる。当たり前だろ」

結衣「あはは、だよね。でも今日パパはいないから。ママもまだ別にいいんじゃないって言ってたし」

八幡「つってもね、こんなん始めてだからな」

結衣「ママなら何度も会ってるじゃん」

八幡「そうなんだけど……。お前の、えー……母さんは、やたら若いし綺麗だから未だに慣れねぇんだよ」

結衣「…………そっかー、義母さんかぁ……。えへへ」

八幡「む、やっぱその呼び方はそう取られるか……。なんて呼ぶのがいいんだ?母親だとおかしいし……母上?お母様?いやなんかちげぇな……」
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:27:19.97
結衣「んー、普通にお義母さん、とかでいいんじゃない?かな?」

八幡「お前の言ってるのはたぶんあっちの字なんだろうな……」

結衣「まー呼び方はなんでも。ママは反対してないから、大丈夫だと思うよ」

八幡「反対されてたら八幡もうおうち帰る!て言ってるわ」

結衣「諦め早くない!?」

八幡「ちょっと心の準備が必要ってだけだ。簡単には諦めねぇよ」

結衣「……うん。よし、行こっかー」

八幡「……ああ」

結衣「ただいまー」

八幡「お、お邪魔します」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:30:24.50
結衣ママ「あら~。ヒッキーくん、待ってたのよ~」

八幡「突然お邪魔して申し訳ありません」

結衣ママ「いいのよ~、結衣から聞いてるから気にしないでも。そんなにかしこまらなくても大丈夫なんだから。すぐにお茶淹れるわね」

結衣「ちょっとママ。恥ずかしいからあんまりはしゃがないでよ、もう……」

八幡「す、すみません。ありがとうございます」

結衣ママ「ちょっと二人で待っててね、ごゆっくり~」

結衣「……はぁ。ほらヒッキー、あんな感じなんだからさ、緊張しなくてもいいって」

八幡「駄目だ、無理だ。面接より緊張する」
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:31:14.37
結衣「えー、そんなに……」

八幡「そりゃそうだろ……。これからもお前と付き合ってくつもりなんだから絶対印象悪くしたくねぇし」

結衣「そ、そっかぁ。でもそーだよね、あたしもヒッキーのご両親に挨拶とかなったらガッチガチになりそうだもん」

八幡「だろ?」

結衣「といっても今日はさ、結婚の許可もらいにきたわけじゃないんだし。一緒に住む前に一度会わせてって言われただけだよ」

八幡「……それは俺が御眼鏡にかなわなかったら駄目って言われるってことなんじゃ」

結衣ママ「ううん、そんなことないわよぉ。ヒッキーくんはとっくに御眼鏡にかなってるもの」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:32:27.88
八幡「そ、そうですか……」

結衣「盗み聞き趣味わるーい」

結衣ママ「聞こえちゃっただけよ。はいヒッキーくん」

八幡「ありがとうございます」

結衣ママ「だから気を楽にしていいのよ。だって、もうすぐヒッキーくんのお義母さんになるんだからぁ」

結衣「ママ!き、き、気が早いよ!」

八幡「………………」

結衣ママ「え~、そうなの?結衣だってそのつもりだって言ってたじゃない」

結衣「そ、そりゃ言ったけどさ……。同棲始めたら嫌になって別れるカップルだって世の中いっぱいいるじゃん……」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:33:36.53
結衣ママ「そりゃあいるわよぉ。男女なんていろいろだもの。でも結衣ならヒッキーくんのこと嫌になったりしないでしょう?」

結衣「あたしは大丈夫だよ、でもヒッキーはまだわかんない……」

結衣ママ「ヒッキーくん、そうなの?」 

八幡「……いえ。俺が由比……結衣さんに愛想を尽かされることはあったとしても、俺から離れることはないです、絶対」

結衣「ひ、ヒッキー……」

結衣ママ「ヒッキーくん……」

結衣「ちょっと?なんでママが見とれてんの!?」

結衣ママ「……ああ、パパのプロポーズを思い出しちゃって。二人がそう思ってるなら大丈夫よね?」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:34:35.78
結衣「うー、ん……」

八幡「……あの。あんまり二人でじろじろ見られると、その……恥ずかしいんですが……」

結衣ママ「ヒッキーくん、かわいいわねー。結衣、こんな一途な人は絶対に離しちゃダメよ~」

結衣「……うん、わかってる」

八幡「………………」

結衣ママ「ヒッキーくん、結衣をよろしくね」

八幡「は、はい。といってもまだ結婚するわけでは……」

結衣ママ「時間の問題よそんなのぉ。ね、孫は何人になる予定?私はいつおばあちゃんになるのかな?」

結衣「ちょっ、だから気が早いって、もう!じゃあ来週からヒッキーのとこに住むから!ヒッキーあたしの部屋行こ!」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:35:14.47
結衣ママ「あらあら、私出掛けたほうがいいのかしら?」

結衣「そんな気遣いいらないっ!うあー!」

結衣ママ「あ、結衣。ちょっとヒッキーくんと二人でお話させてもらえる?」

結衣「え?別に、いいけど……。変なこと吹き込まないでよ!?」

結衣ママ「そんなことしないわよ~。結衣は先に部屋に行っててちょうだい」

結衣「わかった……。ヒッキー、困ること言われたらすぐ逃げていいからね」

八幡「……なんて答えりゃいいんだ」

結衣ママ「ほらほら、早く戻って」

結衣「ぶー。わかったよ戻るよ……」

369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:36:19.54

結衣ママ「ヒッキーくん」

八幡「……はい」

結衣ママ「ありがとうね。結衣を好きになってくれて」

八幡「は、はぁ」

結衣ママ「あの子ね、高校の……二年生頃からだったかしら。帰ってから話すのはいつもヒッキーくんとゆきのんちゃんのことでね。あんなことがあった、こんな感じなんだよって毎日楽しそうに話してくれたの」

八幡「そう……ですか」

結衣ママ「でも寂しそうにして沈み込んでることもあったのよ。ご飯いらないって部屋に閉じ籠ることもあったわぁ」

八幡「………………」

結衣ママ「親バカって笑われるかもしれないけどね、あの子、すごく優しくていい子だと思うの」
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:36:52.92
八幡「…………はい。俺もそう思います」

結衣ママ「ふふ、ありがとう。でもね、昔は結構引っ込み思案でね、自分の気持ちを出さないで我慢してることも多かったの。ほんとは劇の主役やりたいのに、他にやりたい子がいたらあたしはいいよって、すぐに引っ込めちゃう。で、あとから一人でメソメソしてるの」

八幡「………………」

結衣ママ「最近はね、ヒッキーくんとゆきのんちゃんのお陰なのかしら、そういうことはなくなってきたのよ。大学でも、ヒッキーくんと付き合っててすごく楽しそうなの。幸せそうって言ったほうがいいかしら」

八幡「………………」

結衣ママ「私はね、あの子があんな性格で、欲しいものを全部諦めて、譲って、我慢したままになるんじゃないかって心配してたの」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:38:08.60
八幡「……確かに、損な性格してるなって、最初はちょっと思ってました。優しすぎるというか……」

結衣ママ「…………娘の幸せを願わない親なんていないわ。あの子はあなたといると一番幸せになれるんだと思う。だから、結衣を選んでくれてありがとうね」

八幡「そんな……感謝するのは俺のほうです。俺なんかほんと、卑屈で捻くれたろくでもない奴で……。あいつの優しさに、結衣さんに救われてるのは俺のほうで……」

結衣ママ「……ふふふっ。うん、やっぱりヒッキーくんなら大丈夫ね。結衣をよろしくお願いします」

八幡「え、と……。はい。…………なんか、結婚のお願いみたいになってませんかねこれ……」

結衣ママ「私はそのつもりよぉ。パパにもちゃんと根回ししておくから、二人で決めたらいつでもいらっしゃい」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:38:49.12
八幡「……ありがとうございます。でもその時には、えー、お父さんにも、ちゃんと俺の口から言います。納得してもらえるまで」

結衣ママ「やーん、カッコいいわぁ。おばさんもっと若かったら惚れちゃいそう。やっぱり娘と趣味は似ちゃうのかしら……」

八幡「やっ、えぇ!?ちょっ、離しっ…………」

結衣「…………もー、遅いよ。いつまで話して…………何やってんの!?」

結衣ママ「あ、結衣」

結衣「なんで娘の彼氏の手を握ってんのよ!?離して!」

結衣ママ「いいじゃない、このぐらい。ねぇ、ヒッキーくん?」

八幡「あ、いえ、その、困ります……」

結衣ママ「あら、振られちゃった」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:39:36.02
結衣「ほらもう行くよヒッキー!」

八幡「お、おお……」

結衣ママ「ごゆっくりね~」


一一一


八幡「恥ずかしい…………」

結衣「変なママでごめんね、ヒッキー。でもなんでそんなに顔赤いの……」

八幡「なんかお前の母親ってか、姉って気がしてくるんだよな……。若すぎじゃね……」

結衣「えー、凄いフクザツな気分……」

八幡「なぁ、ママさんは同棲してもいいって言ってくれてるけどよ、お父さんはどうなの?」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:40:16.90
結衣「んー、ぶつぶつ言ってたけどママの説得で渋々とだけど認めてるみたい」

八幡「大丈夫か……?やっぱ顔合わせとくほうがいいんじゃねぇのかな」

結衣「いいよ別に、ママも今話しても面倒になるだけだからって言ってたし。ただ結婚するってなったらそうはいかないだろうけど……」

八幡「そりゃあな……。はー、じゃとりあえずは一緒に住めるようになったわけか」

結衣「うん。まぁ反対されたとしてもあたしは出ていくつもりだったけどね」

八幡「んー……。嬉しいんだけどな、やっぱお前にはそういう、なんて言うんだ。世間様に顔向けできないようなあれは、嫌なんだよ俺は。だから内定出てからってことにしたんだし」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:40:53.01
結衣「……ありがとう。凄い嬉しい。あたしはヒッキーが一番大事だけどさ、他にもなくしたくないものがたくさんあるんだ。ワガママでごめんね」

八幡「いや、お前はそれでいいんだ。俺はそんなお前が好きなんだから」

結衣「でもさ、どうしてもどっちかしか選べないってなったらヒッキーについてくから。他の全部をなくしてでも、そうするからね」

八幡「……そんなことになんねぇようにしねぇとな。お前には何も失ってほしくないから」

結衣「うん……。ヒッキー、愛してる……」

八幡「ん………………」

結衣「…………んむ…………んっ…………」

八幡「………………おい。お母さんいんだろが……」
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:41:20.28
結衣「いいよ、このぐらい。部屋には鍵かけたし…………もっと、する?」

八幡「いや、マズイだろさすがに…… 」

結衣ママ「ヒッキーくーん。今日晩ご飯食べていくでしょ?」

八幡「っ!?」

結衣「んなぁぁっ!?」

結衣ママ「あら、お邪魔しちゃったかしら?」

結衣「い、いきなり声かけないでよっ!」

結衣ママ「もしかしてと思ったから部屋には入らずにおいたんだけど……。ママ、孫は男の子がいいなぁ~」

結衣「ああああ!!ここに近寄るなー!」

結衣ママ「はいはい。じゃあ晩御飯用意しておくわね~」
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:43:31.90
結衣「はぁはぁ……」

八幡「え、返事してねぇんだけど……」

結衣「ごめん、なんか決まっちゃったみたい」

八幡「ま、別にいいけど。由比ヶ浜家の味にちょっと興味あるしな」

結衣「…………言っとくけどママはあたしと違って料理うまいからね」

八幡「わかってるよ。だからさ、お前も続けてたらそこまではいけるってことだろ。将来のお前の料理だと思って食べる」

結衣「うぅ、いつになったらあんな風になれるのかなぁ……」

八幡「これから一緒に住むんだから毎日俺かお前が作るんだぞ。そしたらすぐに上達するよ。…………たぶん」
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 11:44:04.01
結衣「……たぶんって言葉が悲しい。よし、ママにいろいろ聞いとこっと」

八幡「そだな、教わっとくといいよ」

結衣「あ、そだ。さっきの続きは…………週明けて、ヒッキーのおうちでね。あの、あれ。初夜?みたいな…………」

八幡「……そうですね」

結衣「ヒッキー、これから大変になる、かもね?」

八幡「の、望むところだ」

結衣「あたしにも、何でも言ってね。頑張るから」

八幡「……いろいろ、考えとく」


一一一
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/31(土) 18:10:50.72
乙!
ニヤニヤです!
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:18:56.94


結衣「や、やっぐなーい」

八幡「何その挨拶……」

結衣「えと、じゃあ、こんばんは……」

八幡「えー、なんだろうなこれ、なんて言うべき?おこしやす?」

結衣「ぷっ、何それ」

八幡「いやだって、住みに来る人に向ける挨拶なんか知らねぇよ俺」

結衣「んー……。ようこそ、とかでいいんじゃないかな?」

八幡「……じゃあ、ようこそ、我が家へ」

結衣「うん。不束ものですが、宜しくお願いします?」

八幡「それ結婚の時に言うやつだから」
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:19:41.03
結衣「まあそのうちするし。……するよね?だから練習練習」

八幡「あー、まぁゆっくりくつろいでくれ。これからお前の家でもあんだから」

結衣「そう、なんだよね……。何回も何回もここには来てるんだけどさ、なんでだろ。ちょっと緊張してる、あたし」

八幡「お前も?」

結衣「てことは、ヒッキーも?」

八幡「……おお」

結衣「えへへ、なんだろうね。凄いドキドキしてる」

八幡「えー、落ち着かんからとりあえず……俺、普段通りに生活してみるな」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:20:16.44
結衣「わかったー。いろいろ決めなきゃね、一緒に、暮らすんだから」

八幡「だな。家事は俺もやるからな」

結衣「ヒッキー、優しい……。好き……」

八幡「え、えぇー……。んな当たり前のことで優しいとか言われても」

結衣「いやー、世の中の男の人なんてね、家事なんかしてくんないんだから!うちのパパもほとんどしないし!」

八幡「そりゃパパさんは働いてるからだろ。今は俺もお前も学生だし、卒業しても暫くは共働きなんだから俺もやるのが当たり前だ」

結衣「……暫く?」

八幡「いやそこ聞かんでくれ。まだ先の話だから……」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:21:06.30
結衣「そ、そだね。…………えと、あのね、家事のこと。洗濯なんだけど……あたしするから。ヒッキーはやんなくていいからね!」

八幡「ん、助かるけど……。なんでよ」

結衣「いやそれ聞かないでよ……」

八幡「あー……。確かに俺もお前の、パンツ、とか洗うのは恥ずいな……」

結衣「あたしもやだよ……。だってさ、血とかで汚れちゃうこと、割とあるし……」

八幡「……あれな。知ってる知ってる」

結衣「あたし割とずれちゃうからさー、ベッドとか汚しちゃうこともあるかも。そうなっちゃったらごめんね」

八幡「別にいいけど、なんか……。一緒に暮らすってなるとそういうことも話さないといけないんだなぁと、よくわかったわ」
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:22:11.94
結衣「ヒッキーもなんか、今まで言ってないけど言わないといけないことってある?」

八幡「んー、特には思いつかねぇな」

結衣「ベッドの下は掃除すんな、とか、大丈夫……?」

八幡「アホか、ねぇよ。男は別に生理なんかねぇし…………あ」

結衣「ん?」

八幡「わざわざ言うことじゃねぇ気がするけど……。あのな、男の生理現象的な奴でな、寝て朝になるとほぼ毎日、その、あれですよ」

結衣「んー?」

八幡「あの、毎朝ほぼ確実に勃起してるんですよ……。けど、あれだから。別に欲求不満とか、お前に満足してないとか、そんなことじゃねぇからな」
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:23:07.78
結衣「あ、あー……。朝勃ちってやつだ」

八幡「そう、それ。……恥ずかしすぎて死にたい」

結衣「え、ほぼ毎日!?」

八幡「……おう。驚くとこそこなの?」

結衣「いや、うん。……ヒッキー、凄いね……」

八幡「……全然凄くねぇよ」

結衣「い、いやー。驚いたよあたし。知ってはいたけど毎日だなんて思わなかった……」

八幡「…………もう止めようぜ。なんか死にたい」

結衣「わ、わかった。やめとこう、そうしよう」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:23:57.18
八幡「なんか腹減ったな……」

結衣「ん?ご飯まだなの?」

八幡「食ったんだけど小腹がな。お前もう食ってきてるよな?」

結衣「うん、ママの手料理食べてきたよー。なんか簡単なもの作ろうか?」

八幡「いや、作ろうにも材料がなんもねぇ。なんか買いにでるかなー、でもめんどくせぇなー」

結衣「あ、じゃああたしもちょっと買いたいものあるからさ、一緒に出ようよ」

八幡「おお、そんならそうするか」

結衣「……の前に、ちょっと荷物整理しとく」

八幡「おお、結構あるなー」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:24:54.92
結衣「ほとんど服だけどね。んー、どこに置こう、というか。あんまり考えてなかったから仕方ないけど、入れるとこがないね」

八幡「俺の収納ボックスがあるだけだからなぁ……。今日はとりあえず鞄のまま置いとくしかねぇな。明日いろいろ入用なもの買いに行こうぜ」

結衣「うん、そうしよっか。じゃあ行こー」

八幡「おー。コンビニでいいか?」

結衣「オッケー」

八幡「何買うもんがあんの?忘れ物?」

結衣「ん、と…………生理用品を……。今日始まっちゃって……」

八幡「…………すまん」
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:25:29.92
結衣「ううん。あのね、だからね、今日初夜だし、スゴいしたかったんたけど……なしで。ごめん」

八幡「そんなことで謝んなよ……。馬鹿だなお前は」

結衣「うん……ありがと」

八幡「…………なんなら風呂でやれんこともないし」

結衣「え、そういうことなの!?汚いし気持ち悪いからやだよー、あたし」

八幡「ま、冗談だ」

結衣「むぅ……。あ、ケーキ買おうよケーキ、お祝いにさ」

八幡「そうだな、今日も一応、記念日にしとくか」

結衣「……ね、手、繋いでもいい?」

八幡「……おお」
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:25:55.43
結衣「………………」

八幡「………………」

結衣「今日のことも忘れないから、あたし」

八幡「……そうか」

結衣「明日からさ、ヒッキーが帰ってきたらおかえりって迎えられるんだよね。今までもたまにバイト終わり待ちとかあったけど、これからは、ずっと」

八幡「そうだな。俺も、お前が帰ってきたらおかえりって迎えるよ」

結衣「……それってさ、スゴい幸せ、だね」

八幡「……だな」


一一一
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:26:22.20


八幡「……んごー…………」

結衣「…………う、ん……。…………?」

八幡「………………」

結衣「……あ、ヒッキーのおうちだった……」

八幡「…………んごー……」

結衣「…………?…………う、うわっ」

八幡「………………」

結衣「ほ、ほんとにこんななるんだ……」

八幡「…………んぁー……」

結衣「寝てるし……。かわいー。でも、これはー……」

八幡「………………」
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:26:48.74
結衣「苦しくないのかな……」

八幡「…………くかー…………」

結衣「…………んしょ、んしょ」

八幡「っ…………」

結衣「…………ちゅっ………んっ………」

八幡「……くかー…………」

結衣「…………れろっ……んんー……」

八幡「きもち、いい……。あ、ん…………?」

結衣「…………はぁっ、んむっ…………」

八幡「…………おはよ」

結衣「……あ、ろはよー…………んっ……」

八幡「……何、してんの?」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:27:26.77
結衣「れーとね、あふぁからくるふぃふぉう」

八幡「咥えたまま喋るな……」

結衣「……はぁっ、えとね、朝から苦しそうだったから、静めたほうがいいのかなーって」

八幡「……お前、馬鹿だろ。それ毎日すんのかよ」

結衣「いーよ?時間さえあれば。あ、もちろんヒッキーがしてほしかったらだけど」

八幡「…………お前さ……フェラ好きなの?」

結衣「……ん、んー……。ヒッキーが喜んでくれるから、好き、かな」

八幡「…………あ、そう……」

結衣「なに?」
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:28:13.65
八幡「いやもう、何も言えん……。でもな、毎日はちょっと、申し訳なくなるから許して……」

結衣「うー、ん。わかったー。とりあえず今日は、続けるね?」

八幡「は、はい、お願いします……」


一一一


結衣「…………ねー、まだ固いんだけど……」

八幡「朝なもので……」

結衣「…………す、スゴいね、やっぱり」

八幡「……なんなのお前。あーもう、こっち来てくれ」

結衣「わぁ……」

八幡「お前みたいな子、世界のどこ探してもいねぇと思うわ」

結衣「そ、そんなことないと思うなー」
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/09(月) 00:28:39.32
八幡「いや、いねぇよ。だからたまに……怖くなるんだ」

結衣「……なんで?」

八幡「だって、お前とこうしたい奴なんていくらでもいる。俺よりいい奴なんて腐るほどいる。だからだ」

結衣「もし仮にそれが本当でもさー、あたしが、えと、フェラしたいなって思うの、ヒッキーだけだし……」

八幡「…………あー、もういいや」

結衣「……もっと強くして」

八幡「……おう」

結衣「んー………………」

八幡「………………」

結衣「もうちょっとしたら朝御飯作るから。それまで、こうしてて……」

八幡「そんなの……お安い御用だ」


一一一
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:09:41.13


八幡「ふー。ただいまー」

結衣「あ、おかえり、ヒッキー」

八幡「お、おぉ……?なにその格好……」

結衣「えと、裸じゃないけど……裸エプロン、的な……」

八幡「……なんで?」

結衣「え、喜んでくれるかと思って……。前こういうの好き?って聞いたら嫌いなやつはいないって言ってたし」

八幡「確かに言ったけど……いきなりすぎだろ」

結衣「イヤだった?なら恥ずかしいし服着るけど……」

八幡「いや違う待て。…………そのままでいて」
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:10:14.20
結衣「えへへ。じゃあ晩御飯作るね。先お風呂入る?」

八幡「いや、後でいい。待ってるわ」

結衣「うん、わかったー」

八幡「………………」

結衣「ふんふんふふーん」

八幡「なんかいいことあった?」

結衣「んー、豚ロースが安かった?」

八幡「……由比ヶ浜って案外生活能力あるよな。俺そんな細かい値段気にしたことがねぇよ」

結衣「ダメだよー。そういう細かい積み重ねがやりくりには重要なんだから」

八幡「あんま考えてなかったけど、仕事始まったらお前に給料預けてもよさそうだな」
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:11:29.54
結衣「うーん……。ヒッキーのお給料なんだからそれもなんだかなぁ。ヒッキーはそんな無駄遣いしなそうだし」

八幡「俺よりは安心できるから別にいいよ。結婚したら二人の金だ」

結衣「……うん。ありがと。お金貯めようね!マイホームマイホーム」

八幡「気が早いわそれ……。あー、そだ。貯めてたバイト代で三月ぐらいにここ引っ越すか。もうちょい広いとこに」

結衣「そだねー。あたしももうちょっと物置くとこあると嬉しいかも」

八幡「ここ完全なワンルームだからな」

結衣「あ、場所は?ヒッキーの会社江東区だよね?」

八幡「あー、向こうよりにするかってことか。まぁ家賃とか間取りもあるけど……探す範囲は少し広げてみるか」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:11:58.46
結衣「うん。いろいろ見てみよーよ」

八幡「そだな。……なぁ、自分の部屋って欲しい?」

結衣「ううん、別にいらない。ただ寝るとこは絶対一緒じゃなきゃヤダかんね」

八幡「……おお。でももうちょいでかいベッドも買うか。さすがに狭いわ」

結衣「えー、狭いのがいいんじゃん」

八幡「いや……それ以前に安物だからギシギシうるせぇんだよこれ」

結衣「あ、あー……。確かに、そうだねー」

八幡「……だろ?…………」

結衣「…………え、えと、お鍋は、えーと」

八幡「上の棚」
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:12:38.36
結衣「あ、そだった。……んしょ」

八幡「………………」

結衣「ひゃんっ!?ひ、ヒッキー」

八幡「……そのままな」

結衣「はぁっ……んっ、そんなとこ、嗅がないでよぉ……」

八幡「……なんだよこれ。結衣ってやらしいよな」

結衣「やらしく、ないよぅ……」

八幡「嘘つけ。…………こんな格好までして、期待してたんだろ?」

結衣「ぅ…………」

八幡「……お前のせいだからな、これ」

結衣「……はぃ……。なんとか、します。……はっ、んちゅ……」
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:13:06.93
八幡「……こんな感じでいいの?恥ずいんだけど……」

結衣「んむぅ…………はぁっ、うん。もっと強気でも、いいよ……」

八幡「…………ちょっと苦しいかも」

結衣「んぇ?…………んぶっ…………んぐぅっ……」

八幡「……はっ……うぁっ」

結衣「んぐっ…………はぁっ、はぁっ、ひっきぃ……」

八幡「……悪い」

結衣「ううん……。あたし、もう、だめ……。早く、はやく……」

八幡「…………立って、足、上げて」

結衣「はぃ……」


一一一
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:13:35.21


八幡「……変態」

結衣「……ヒッキーに言われたくないー」

八幡「ドM」

結衣「……なの、かなぁ……。でも、スゴかった……」

八幡「まぁ、確かに……」

結衣「あのさ、ヒッキーはさ、ナマでしたい、とか。思ったことない?」

八幡「本音を言うなら常時思ってるが」

結衣「え、そうなの……?」

八幡「そりゃそうだろ。それがどうかしたか?」

結衣「……んとね、あたしもしたいなって思って……」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:14:01.65
八幡「つってもそういうわけにはいかんだろ……。もう責任取れないってことでもないけど、お前も就職決まってんだし」

結衣「あ、うん、だからね、その……ピル飲もうかなって」

八幡「……俺そういうのよくわかんねぇんだけど、副作用とか、やめた後とか大丈夫なのか?」

結衣「いろいろ調べたけど大丈夫みたい、そりゃ100%絶対なんて言えないけどさ。もともと生理がずれたり重かったりだから、ありかなって思ってたの」

八幡「あ、ん?それ飲んだらよくなんの?」

結衣「そだよ。女の子的には利点は他にもいっぱいあるよ」
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:14:31.99
八幡「そうなのか……。よく知らねぇからイメージでなんとなくよくないものな気がしてたけど、そうでもねぇのか」

結衣「そうでもないかなー。あたしもよく知らないときはそんな感じだったけどね」

八幡「ほーん。ちょっと俺も調べてみるか……。けどまぁ、お前が楽になるんなら俺は気にしないけど。浮気の心配なんかしてねぇし」

結衣「浮気?なんで?」

八幡「いやだって、その……。誰としても妊娠の心配はないわけじゃん?だから……」

結衣「むー。心外だなー。ヒッキー以外となんて考えられないのに」

八幡「いや俺は心配してねぇって。一般論」
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/15(日) 11:15:10.65
結衣「あたしがしたいのはヒッキーだけだからね。……ゴムあってもこんなに気持ちいいのに、ナマだったら……どうなるのかな?」

八幡「……お前、超エロい顔してるぞ。やっぱやらしい子だな」

結衣「もー、いいよもうそれで。中で出してほしいの!」

八幡「…………引くわー」

結衣「引くなぁ!」

八幡「……嘘だよ。結衣…………」

結衣「あん……。ご飯、作れないよぅ……」

八幡「……お前が悪い」


一一一
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:13:16.86


八幡「ようやく一段落ってとこか」

結衣「そうだね、あとは段ボール開けてけば終わりかな」

八幡「それは追い追いにするか。出すことがなかったらそれは不要なものって扱いにしよう」

結衣「あー、それいいかも。あたし物を捨てるのが苦手でさー、いつか使うかもってなかなか踏ん切りつかないんだよー」

八幡「俺はもういいやって適当に捨てまくるから逆だな。んで捨てちまったのか……ってたまに後悔する」

結衣「なんか二人とも極端だね。合わせたらちょうどよくなりそう」

八幡「そうだな。にしても、はぁ……。ベッドの引き出し作るの超大変だったわ、疲れた……」
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:13:46.83
結衣「おかげでとりあえず寝床は確保できたねー。お疲れさまさまだよー。肩でもお揉みしましょーか?」

八幡「いや、大丈夫。お前も疲れてるだろ」

結衣「いやいやー。重いものは全部ヒッキーたちに任せちゃったからそれほどでも」

八幡「あー、材木座と戸塚にもちゃんとお礼しねぇとな。ほんと助かった」

結衣「だねー、さいちゃんは……式に呼んでくれたらいいよって言ってくれてたね。優しいなぁ」

八幡「ああ。さすがは俺の戸塚だ」

結衣「いやヒッキーのじゃないから」
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:14:13.68
八幡「しかし戸塚は老けないな。あれなんなんだろうか、同じ種類の人間とは思えねぇよ。可愛すぎるし」

結衣「ぶー。ヒッキーはそうやって、さいちゃんのことになるとすぐ素直に褒めるんだから。いやあたしも可愛いなって思うけどさ……」

八幡「そりゃ戸塚が男だってわかってるから言えんだよ」

結衣「そんなのわかってるよ。けどー」

八幡「そう言い聞かせとかないと間違いが起こりかねんからな」

結衣「起こすなし!けどさー、あたしも褒めてほーしーいー」

八幡「いや、俺結構言ってると思うが……。恥ずかしいの我慢して何回も何回も言ってるよ」
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:15:06.13
結衣「んー、まだ足りない……というか、足りないわけじゃないけど……もっと、欲しい。……ワガママだよ!贅沢だよ!」

八幡「……なんて言って欲しいんだ」

結衣「え、えー。んと、んと……普通だけど……今日も可愛いね、とか、好きだよ、とか」

八幡「今日もカワイイナー」

結衣「ぜんっぜんダメ。嬉しくもなんともない」

八幡「うわ超理不尽」

結衣「だって棒読みなんだもん!言わされてるだけじゃん!」

八幡「ん、んんっ。今日も可愛いね」

結衣「声だけイケメンぽくしてもダメー。ヒッキー基本演技下手だし」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:16:03.17
八幡「……文句言ってる割には顔ニヤついてねぇか?」

結衣「え?あ、声だけはなかなかよかった、かな。ずっとそんな感じでもいいよ」

八幡「無茶言うな」

結衣「んー、やっぱさー……。あ、ちょっとこれかけて言ってみてよ」

八幡「あん?」

結衣「ピコピコピシャー!ぽっぺけぺ~、たら~ん♪ブルーなんちゃらグラス~」

八幡「……ひみつ道具の名前が曖昧とか怖すぎんだけど」

結衣「はい、かけてかけて」
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:16:31.97
八幡「……お、おぅ。かけたけど、どうすんだ」

結衣「え、と……。ヒッキーはさ、あたしのどこが好きなの?」

八幡「え、今聞くのそれ?」

結衣「うん。こうしたら素直に言えるかなーって。ねぇ、どこ?」

八幡「な、何度も言ってるだろ……」

結衣「もっと、聞かせて」

八幡「いや、恥ず……」

結衣「お願い……」

八幡「う…………。可愛くて、優しくて、俺に尽くしてくれて、髪も肌も声も綺麗で、スタイルよくて、おっぱいでかくて、エロくて、甘える声とか、怒った顔とか……」

結衣「はふ……」
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:17:08.66
八幡「……お前の、全部」

結衣「あたし、魅力的?」

八幡「おお」

結衣「……好き?」

八幡「当たり前だろ」

結衣「…………犯したい?」

八幡「……おぉ」

結衣「言って……」

八幡「……ぉ、お前を犯したい」

結衣「ナマで、しちゃうの?」

八幡「……いいのか?」

結衣「うん、もう大丈夫だよ。それで…………どうするの?」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:17:40.25
八幡「ど、どうするって」

結衣「最後」

八幡「えー……、中で……出してもいいのか」

結衣「いいけど、そうじゃなくって」

八幡「…………?」

結衣「……中で出すぞ、って言ってね?」

八幡「……はい」


一一一


八幡「もうじき社会人なのに、これでいいんだろうか……」

結衣「いいんじゃ、ない、かなぁ……。はふん……」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:18:15.03
八幡「……大丈夫か?」

結衣「ダイジョブじゃないー……溶けるー……」

八幡「…………あの、嫌だったら答えなくていいけど」

結衣「なに?」

八幡「その、中で出される感覚って、どうなん?」

結衣「ん、んー……。正直、イマイチよくわかんない……」

八幡「あれ、そうなの……」

結衣「あ、でもイったのかなっていうのはわかるよ。ビクビクって動くから」

八幡「ふーん。でもそんなもんなんだな。エロゲはエロゲってことか……」
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:18:41.34
結衣「エロゲだとどんな感じなの?」

八幡「……恥ずかし過ぎるから言いたくない。今度見せる」

結衣「い、いや別にそこまで知りたいことでもないけど……」

八幡「あ、そう……」

結衣「感覚的に近いのは、んとねー……。プール行って耳に水入ったらトントンして出すじゃんか、あの出てくる時みたいな、そんな感じ」

八幡「あー、それならなんとなくわかるな」

結衣「でも一番感じるのはね、幸せだよ」

八幡「……そっか」

結衣「一番好きな人のを感じられて、胸がきゅーってなるの」
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/17(火) 08:19:07.45
八幡「俺も、幸せだな。麻薬ってこんな感じなのかもな」

結衣「かもね」

八幡「……結衣、大好きだ」

結衣「えへへ……。知ってる?さっきいろいろ褒めてもらってたけどさ、好きって言ってくれたのは今が初めてなんだよ?」

八幡「そうだっけ……。言ってる気がしてたけど」

結衣「で、わかったけどさ。あたし、ヒッキーに好きって言ってもらえるのが一番好きだな」

八幡「……そか。これからも、言うよ。何度でも」

結衣「……幸せ。会社でちゃんとやれるか不安だけど、ヒッキーが居たらあたし頑張れると思う」

八幡「俺も、お前が居るから……。いろいろあると思うけど、頑張ろうな。二人で」

結衣「うん……」


一一一
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:50:50.62


八幡「ただいま」

結衣「あ、おかえりヒッキー。どんな感じだったー?」

八幡「他のとこ知らんからなんともだけど……あんなもんなんじゃねぇかなぁ。お前は?」

結衣「んー、普通?社会人としてのマナーとか練習とか、しばらくはそんな感じっぽい」

八幡「俺のとこもそんなもん。うち研修一ヶ月でそれから配属だと」

結衣「あれ、そうなんだ。あたしんとこは三ヶ月研修だって。来月からは現場研修みたい」

八幡「ほーん……。いろいろ違うもんだな」

結衣「あ、忘れないうちに言っとくね。今週末同期のみんなで飲みにいくから、遅くなるー」
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:51:27.78
八幡「あー、俺も同じだから別にいいよ」

結衣「ヒッキーも同期の人と飲みに行くの?」

八幡「おお。なんかいきなり誘われてな。さすがに最初から断るのもあれだし……」

結衣「ふ、ふーん。なんか、珍しいね。……ヒッキー誘ったのって、女の子?」

八幡「……いや、男。女子も来るだろうけどな」

結衣「そ、そか……」

八幡「……俺のほうが心配してんだからな」

結衣「へ?」

八幡「だってお前、可愛いし……」
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:52:01.70
結衣「あ、あたしだって心配だよ。ヒッキーかっこいいし……」

八幡「んなこと言うのお前だけだから」

結衣「でも、でもー……。ごめん。同期の飲み会ぐらい、そりゃ行くよね。あたしもなのに、変なこと言ってごめん」

八幡「いいよ。けど、んー……折角行くんなら気にさせたくはねぇよな、お互い」

結衣「うん……。ヒッキーにはあたしのこと気にせず楽しんでほしい」

八幡「俺もだから。なんかねぇかな」

結衣「…………それがあったら、絶対ってわけでもないけどさ」

八幡「ん?」

結衣「指輪、つけよっか?ペアリング」
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:53:23.26
八幡「それは、左手の……」

結衣「うん、薬指」

八幡「んー……。そのうちちゃんと買おうと思ってたんだけどな」

結衣「そ、そうなんだ……。じゃあ、まずは練習ってことで」

八幡「……そうだな、別にいいか。いつ買いに行く?」

結衣「明日!」

八幡「……言うと思った。よし、んじゃ明日待ち合わせするか」

結衣「うん。安いので十分だからね?一万円ぐらいの。ヒッキーのはあたしが買うから」

八幡「んじゃ俺はお前の買えばいいんだな」

結衣「そそ。といってもペアリングだからさ、セット価格なのかもしんないけど。そうだったら半分ずつね」
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:53:53.82
八幡「わかった。……指輪なんか初めてだから慣れねぇだろうなぁ」

結衣「最初は落ち着かないかもね。そういえばさー、あたしは身に付けてるものヒッキーからもらったのでいっぱいだけど、ヒッキーはそういうのなかったよね」

八幡「そうだな、眼鏡ぐらいだな。お前からもらったもので身に付けるのは」

結衣「だってヒッキーそういうの欲しがらないんだもん」

八幡「まぁな。アクセサリーなんか似合わんし。ブレスレットとかしてたら、んだこれ邪魔くせぇって思いそうだし……」

結衣「……指輪も、邪魔になる、かな」

八幡「あああ、そんな顔すんな、悪い。邪魔なわけねぇだろ。俺、今気がついたことがあるんだ」
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:54:50.28
結衣「うん……なに?」

八幡「俺がお前に身に付けるものプレゼントすんのはな、俺が安心したかったからなんだよ、たぶん」

結衣「……そうなんだ」

八幡「もちろんお前が欲しがってるってのもあるけど……。俺はお前を縛ろうとしてるだけなんだろうな。…………カッコ悪いな、俺」

結衣「……ううん。あたしをもっと縛っていいよ。あたしはヒッキーだけのものだから」

八幡「……俺も、お前が不安ならそうするから。俺にはなんでも話してくれ」

結衣「わかった。キス、して?」

八幡「………………」

結衣「………………はぁっ。抱き締めて」

八幡「………………」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:55:51.18
結衣「…………んへへぇ。幸せ。ご飯にしよっか」

八幡「いや、その前にちょっと……写メ撮らせてくんない?」

結衣「え、何、珍しい」

八幡「同期の奴等と飲み会行ったらさ、どうせ彼女いんのかって話になんの見えてるし。写メ見せて自慢してやる」

結衣「…………超嬉しいんだけど。でも写メ今までにたくさん送ったよね、あたし」

八幡「アホか。お前が送ってくれたの全部保存してるけど、もろエロ写メかそんな感じのばっかじゃねぇか。こんなもん見せれるわけねぇだろ」

結衣「あ、そ、そうか、そうだった。部屋着とかでもアングルとかポーズがアレだった……」

八幡「だから、普通に撮らせてくれよ」
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:56:44.53
結衣「んー……一緒に撮ろうよ。あたしもヒッキー自慢する」

八幡「自慢になんねぇだろ……」

結衣「なる。する。ほら、はい」

八幡「はい、ってなに。どうしろと?」

結衣「ほっぺにキスして。撮るから」

八幡「え、えぇー」

結衣「目は開けててね」

八幡「……マジ?」

結衣「マジ。あたしからする?」

八幡「…………ああもうわかったよ、やるよ」

結衣「うん、キスしたままで待機ね」

八幡「お、おう。………………」
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:57:48.33
結衣「そのままねー、いくよー……」

八幡「はぁ……」

結衣「撮れたー、えへへー。壁紙にしよっと。今度はあたしがキスするから、撮っていいよ」

八幡「……いや、俺にはそんなん見せれんから……。普通に撮るんじゃダメ?つか、お前それ見せんの?」

結衣「……あたしも見せるのは恥ずかしいな。んー、とりあえずヒッキーも撮ろうよ、キスしてるとこ。ちゅー」

八幡「…………撮ったぞ」

結衣「それはヒッキーが大事にしてて。んじゃ今から自慢用の撮ろ」

八幡「……いや、ここまで近くなくても」

結衣「このぐらいなら……見せても大丈夫だよ。顔くっつけてるだけだし。…………よし、撮れたー」
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:58:22.80
八幡「…………撮れたけど、俺顔赤いな……」

結衣「あれだけいろんなことあたしにしといて、なんでこのぐらいで赤くなるかなぁ……」

八幡「そんときは別なんだよ。俺、これでも恥ずいわ……ていうかお前も赤いじゃねぇか」

結衣「え?あ、まぁ、うん。あたしはもうこれでいいや」

八幡「ま、どんな子って聞かれることなかったらわざわざ見せねぇしな」

結衣「さすがに自分から見せたりはしないよねー」

八幡「…………暑い。汗かいた」

結衣「あ、ごめん、スーツ脱がないとだね」

八幡「はー、ネクタイもまだ慣れねぇなー」
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:58:58.58
結衣「あ、あー。まってまって」

八幡「ん?って、なんで結び直してんの」

結衣「ネクタイほどくとこ見れなかったから、はい。ほどいていいよ」

八幡「…………?」

結衣「にへぇ…………」

八幡「意味わからん。なんで嬉しそうなんだ……?」

結衣「わっかんないかなー。ネクタイをほどくとこ、超、超いいんだよ!ヒッキースーツ似合うし!」

八幡「……わかんねぇ」

結衣「これから毎日見れるんだよねー。幸せー」

八幡「これから毎日これ着けるのかー。つれー」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:59:50.05
結衣「むー。いじわる」

八幡「出来ることなら働きたくなんかねぇからな。でもな、お前を幸せにしたいし、…………働くよ」

結衣「働くのは普通なんだけど、うん……。嬉しい」

八幡「よし、飯にすっかー」

結衣「よーし、ちょっと待っててね、ヒッキー」

八幡「おー。今日なに?」

結衣「んとねー、白菜が安かったからねー…………」


一一一
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/23(月) 04:48:04.71
乙です
相変わらず甘いです
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:01:24.97


結衣「ヒッキー、最近遅いなぁー……」

結衣「ご飯作ろうかな……。いや、冷めちゃうから待ってなきゃダメだよね。待ってよっと」

結衣「はぁ…………」

結衣「最近、してないなぁ……」

結衣「ヒッキー…………ん……」

結衣「ヒッキーの匂い…………」

結衣「……んぅっ……だめ、なのに……ひっきぃ……」

結衣「…………はっ……はっ……」

結衣「………………」

結衣「…………」

結衣「……」
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:02:08.75
結衣「……ん、いい匂い……ん?」

八幡「おぉ、おはよ。ただいま」

結衣「あれ……?あたしもしかして寝ちゃってた?ごめん!すぐご飯作るね!」

八幡「あ、もう出来るからゆっくりしてていいぞ」

結衣「え、えぇー。作っちゃったの?…………むぅ、ごめん……」

八幡「いやいや、下ごしらえできてたから合わせて炒めてるだけだし。謝る必要なんかねぇよ。お前だって仕事疲れてるだろ?」

結衣「……あたしは定時だし、近いし……。ヒッキーは残業で遅くなってるんだからあたしが、がんばんなきゃ、いけないのに……」

八幡「……そんな気張らなくていいよ、俺はお前が家で待っててくれてたらそれだけでいいんだ」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:02:55.67
結衣「う……うわぁぁん!ひっきぃ!」

八幡「いでっ、…………泣くなよ」

結衣「うぇぇん……ヒッキーの、ばか」

八幡「え、俺怒られんの?」

結衣「違うよ……。あたしをこれ以上好きにさせてどうするつもりなの?あたし、ヒッキーなしじゃ生きられなくなっちゃうよ……」

八幡「……あれ、俺はとっくにお前なしじゃ生きられる気しないんだけど……」

結衣「……嘘だよそんなの」

八幡「嘘じゃねぇって。信用ないのな、俺。少なくとも今の俺はお前なしの生活は考えられねぇよ。残業しんどくても帰ったらいつも結衣が居てくれるから……すっげぇ嬉しくて、頑張れるんだよ」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:03:32.11
結衣「…………今日は、今日も疲れてる、よね」

八幡「ん?あー、まぁ。ぼちぼち……。なんだ?」

結衣「またヒッキーに我儘言っていい?迷惑かけていい?」

八幡「お前の我儘は全部可愛いからな……駄目だなんて言ったことないだろ今まで。言ってみ」

結衣「……えっちしたい。超したい。我慢できなくて一人でしちゃうぐらい、したいの」

八幡「…………したの?」

結衣「……ぅ、し、した。ヒッキーの匂い嗅いでたら、我慢できなくなっちゃって……」

八幡「だから、可愛過ぎだろそういうの……」
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:03:58.31
結衣「あぅ……。い、いやじゃないの?」

八幡「んなこと思うか、馬鹿」

結衣「じ、じゃあ、ご飯食べたら……待ってるね。あたしはお風呂もう入ったから……」

八幡「お、おお……。なんかちょっと久々だな」

結衣「だ、だね。あのね、今日はヒッキー動かなくていいから、寝てるだけでいい、よ。あたし、頑張るから……」

八幡「…………わ、わかった。とりあえず飯にするか」

結衣「うん……。いっぱい気持ちよくなってもらうから、ね。座っててー、あとはあたしがやるから」

八幡「そんなつもりはねぇんだろうけどよ。お前にそんな風にされたらな、どんな奴でも働こうって思うわこんなの」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:04:31.65
結衣「そ、そーかなー。……でも、それならよかったよ。ごっはんー、ごっはんー。ヒッキーとごっはんー」

八幡「……明日からも頑張るか……」


一一一


結衣「あの……」

八幡「ん?どした?」

結衣「明日ってさ、休みだよね?」

八幡「おお、そうだけど。どっか行きたい?」

結衣「んーん、そうじゃなくて。ゆっくりお話できないかなー、なんて……」

八幡「話?話ならいつもしてるだろ」

結衣「うん、お話ならしてるんだけど、明日したいのはね、もっと、こう……真面目な話」
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:05:02.58
八幡「……今じゃ駄目な話か?」

結衣「ダメってわけでもないけど……。今は食後でお酒も入ってるから、落ち着いて、時間もあるほうが助かるかな」

八幡「…………深刻な話?」

結衣「深刻、といえば深刻、かも」

八幡「…………いい話?」

結衣「…………どだろ、わかんない。ヒッキーにとって喜ばしいのかどうなのか、あたしには……」

八幡「…………まさか、別れ話じゃねぇよな……」

結衣「え?」

八幡「いや、なんでも……。明日話してくれるんだな?」

結衣「……うん。一緒に暮らしてから結構経つし、そろそろ……」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:05:28.44
八幡「………………」

結衣「……あ、ヒッキー。電話鳴ってるよ」

八幡「ん?あ、おお。誰だこんな時間に…………小町?」

結衣「………………」

八幡「……はいもしもし、あー、俺。どした?………………え?そうか…………。わかった。明日だな、行くよ。おお、また明日な」

結衣「…………ヒッキー?」

八幡「……あー、すまん。明日実家戻るわ。お前も行くか」

結衣「どうしたの?」

八幡「…………落ち着いて聞いてくれ」


一一一
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 00:14:46.12

ガハマさんはかわええなあ...
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/27(金) 02:13:46.21
乙です
ガハマさんエロかわいい
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:02:24.64


結衣「……うぇっ…………ひっく……」

八幡「……なぁ。もうお別れ、済んだだろ。いつまで泣いてんだよ」

結衣「だって……うぇぇ……。ヒッキー、傍に居て……」

八幡「……ああ。いるよ、ここに」

結衣「…………ありがと」

八幡「どういたしまして」

結衣「せっかく、仲良くなったのに……なんで、なの……?」

八幡「……仕方ない、寿命だ。苦しんだ末にってわけでもねぇんだから……。顔、見ただろ?寝てるみたいだった……」

結衣「……うん。カーくんって話しかけたら、すぐ、起きる、みたい、なのに…………ぇぐっ……」
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:03:07.87
八幡「……よしよし」

結衣「ヒッキーはもう、悲しく、ないの?」

八幡「そんなわけねぇだろ、泣いてないだけだ。…………ほんとはもっと泣くぐらいには悲しいんだけど、俺は後悔しかしてねぇから……泣きたくない」

結衣「……後悔?」

八幡「ああ……。たぶん、どれだけやったって後悔しないなんてことはねぇんだろうけどな。……もっと可愛がってやれたらよかったとか、遊んでやれば、とか、看取って、やれれば、とか…………」

結衣「悲しいときは、もっと泣いていいんだよ、ヒッキーも」

八幡「……二人して泣いてたら歯止め効かなくなるだろ」

結衣「ヒッキーが泣いてたら、あたしはちゃんと支えるよ。してみせる。だから……」
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:04:00.21
八幡「…………悪い。ちょっとだけ、泣いてもいいか……」

結衣「うん。ちょっと待って」

八幡「ん?」

結衣「……よし、もうあたしは大丈夫」

八幡「……涙、止まってねぇんだけど」

結衣「うぅ……。でも、ヒッキーを支える覚悟はできたから。…………おいで、ヒッキー」

八幡「………………」

結衣「……よしよし」

八幡「……俺、あいつに、ちゃんと感謝できてんのかな。感謝、してくれてんのかな」

結衣「されてるし、してるよ。だからさ、カーくんはあんなに安らかな顔、してたんだよぅ……っ……」
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:04:45.68
八幡「……だと、いいな」

結衣「きっと、そうだから。ヒッキーがすっごい大事にしてたの、カーくんにも、ちゃんと伝わってるよ」

八幡「…………うぁっ……だと、いいんだけど、なぁ……」

結衣「…………だから、今は、カーくんのために、泣いてあげても、いいんだよ」

八幡「…………結衣……」

結衣「うん……?」

八幡「…………お別れって、寂しいな」

結衣「……ふっ…………うぁっ……寂しい、ねぇ……」


一一一
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:05:20.43


八幡「…………で、今度はお前がまた泣くの……」

結衣「ごめん……」

八幡「いやいいよ、お互い様だしな。…………カマクラも幸せ者だと思うわ。お前にもそんなに泣いてもらえてさ」

結衣「…………ううん。違うよ。ごめん、カーくん、ヒッキー」

八幡「何が、違うんだ」

結衣「今のあたしはさ、たぶん……。カーくんとお別れして寂しいんじゃなくて、残されるあたしが悲しくて泣いてるんだと、思う……」

八幡「……俺だって、後悔から泣いてるみたいなもんだ。変わんねぇよ」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:05:54.60
結衣「違うの。ヒッキーはカーくんに向いてるけど、あたしはさ、いつかくるサブレとのお別れとか、そういうのが悲しくて、あたしが可哀想だからって泣いてるの……。全然違うよ」

八幡「…………それでも、お前は優しいよ」

結衣「そんなわけないじゃん……」

八幡「そんなわけある。由比ヶ浜……いや、結衣」

結衣「う、ん……?」

八幡「…………由比ヶ浜、結衣さん」

結衣「は、はい……」

八幡「俺は、お前より……あなたより一日でも長く生きる。あなたを一人残したりしない。そう、約束するから。だから、俺と…………結婚、してもらえますか」

結衣「はい……」
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:06:32.69
八幡「絶対に幸せにするなんて言えねぇけど、絶対に一人にはしない。死んでも生きる。約束、する」

結衣「はい……」

八幡「お前をそんな風に悲しませたり、絶対しないから」

結衣「は、はいぃ…………うわぁぁん」

八幡「……こんなタイミングで、すまん」

結衣「ほ、ほんとそうだよ……。悲しくて、嬉しくて、寂しくて、幸せで……わけわかんないよぅ……」

八幡「……悪い。でも、こんなとこでやっと決意できたんだ。同棲初めて結構経ってるのに、なかなか出来なくて……。待たせたか?」

結衣「……う、うん。実は、急かそうとしてるわけじゃないんだけどさ、まだなのかな、あたし何か足らないのかなってちょっと悩んでた……かな」
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:07:02.60
八幡「……もしかして、話って」

結衣「そう、それ。何かあたしに不満があるなら、ちゃんと言ってもらおうかなって、思ってたの。あと、他に気になる人がいるのかな、とか……」

八幡「いるわけねぇだろ。お前しか見えねぇよ俺には。…………ま、俺も実はな、別れ話じゃねぇだろうなとか思ってたわ」

結衣「え、えー。あたしがそんなこと言うわけないじゃん」

八幡「だって、深刻な話とか言うしよ……」

結衣「し、深刻は深刻じゃん。ヒッキーにとって結婚するって凄い重大なことだし、簡単には決められないのかなぁって思うし……」

八幡「……馬鹿だなお前。ははっ」

結衣「……ヒッキーこそ。あははっ」
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:07:45.55
八幡「お互いさ、もうちょっと……気楽に、信じてみてもいいか」

結衣「そだね。……家族、だしね。心配、もういらないよね」

八幡「…………ま、たまにするだろうけど」

結衣「……あたしも、しちゃうかな」

八幡「カマクラにも報告しねぇとな」

結衣「だね。きっと、喜んでくれるよね?」

八幡「そうだな……。迷惑そうな顔して、変な声で鳴いてくれそうな気がする」

結衣「…………生きてるうちに、したかったね」

八幡「……そうだな。まだ先になると思うけどさ、猫、飼うか。犬も」
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:08:20.40
結衣「うん、飼おうよ。…………ヒッキーはさ、子供は、何人がいい?」

八幡「……それも、もう少し先だな。お前のご両親に挨拶いかねぇと」

結衣「あたしも行かないとね」

八幡「やらなきゃなんねぇこと、たくさんあるんだろうなー」

結衣「二人で、順番にやってこうね。一歩ずつ、あたしたちのペースで」

八幡「……おお。結衣……」

結衣「……ヒッキー……」

八幡「………………」

結衣「………………」
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/28(土) 01:08:47.58
八幡「……いつまでヒッキーって呼ぶんだ?」

結衣「……んー、赤ちゃんできるまで、かな?もしかしたら、ずっとかも」

八幡「……まぁ別にいいか」

結衣「…………はちまん」

八幡「おお……」

結衣「たまに、名前も呼ぶよ」

八幡「……わ、わかった」


一一一
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:45:48.25


結衣「どうする?」

八幡「どうするったって……ここまで来て帰れるか」

結衣「……わかった。なら、行こ。ただいまー」

八幡「し、失礼します」



結衣パパ「駄目だ。許さん」

結衣「もう!なんでそんなこと言うのパパ!」

結衣ママ「そうよ~、ヒッキーくんなら大丈夫よぉ」

結衣「言っとくけどね、パパがどんなに反対してもあたしはヒッキーと結婚するから。もう決めたの」

結衣パパ「結衣……」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:47:27.88
八幡「……結衣、いいよ。俺が話す。お義父さん、聞いてもらえますか」

結衣パパ「君に父と呼ばれる謂れはない」

結衣「パパ……いい加減に……」

結衣ママ「……しー」

結衣パパ「俺はこれまで、結衣のことを何よりも大事にしてきたんだ。俺は結衣を愛している」

八幡「…………わかる、気がします」

結衣パパ「君に……わかるものか」

八幡「俺も、僕も結衣さんを誰よりも愛しています。そう、言います」

結衣パパ「……そうか。だがな……」

結衣ママ「……ねぇ、ヒッキーくん。ヒッキーくんは結衣のどこを好きになってくれたの?」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:47:54.53
八幡「それは……全部です」

結衣ママ「もうちょっと具体的に挙げてみて?」

八幡「……えーと、ちょっと抜けてるとこも守りたくなりまさし、誰よりも優しくて包み込むような温かさもありますし……」

結衣ママ「あら、それは買いかぶりすぎよぉ。結衣はちょっとどころじゃなくて抜けてる子だし、優しいんじゃなくて優柔不断で甘いだけ」

八幡「え、そんなことは……」

結衣ママ「そんなことあるの。料理だってまだまだ下手だろうし、お嫁さんにしたってそんなにいいことなんてないかもよ?」

八幡「いえ、ちが……」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:48:24.96
結衣ママ「まだ先の話かもしれないけど、ヒッキーくんは結衣に立派な母親が務まると思うの?結婚ってことはそういうことも考えてるんでしょ?」

八幡「……は、い。まだ先、だとは思いますけど……。結衣なら、務まると思ってます」

結衣ママ「この子は子供を甘やかして躾もろくにできなくて、逃げ出すかもしれないわよ?全部ヒッキーくんに放り投げちゃうかも」

結衣パパ「……おい、いい加減にしろ。お前は結衣をなんだと思ってるんだ。もっと信用してやれ、俺たちの大事な娘だろう」

結衣ママ「あら、パパは結衣にちゃんとお嫁さんが務まると思うの?」
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:49:02.16
結衣パパ「思うよ。当たり前だろう。結衣は立派な自慢の娘だ、誰に出したって恥ずかしくない子だ。もし足りないところがあるなら俺たちが協力して支えればいいだけじゃないか」

結衣ママ「じゃあ、結衣の選んだ男の子がそんなに不安?結衣は馬鹿な子だから騙されてるだけなの?」

結衣パパ「そんなわけないだろう。結衣が選んだ男なら立派に決まってる。結衣が信じるなら俺もそれだけで信じられる」

結衣ママ「……そうよね、わたしもそう思うわ。だから、話はこれで終わりね」

結衣パパ「…………はっ!?」

結衣ママ「成人した二人の結婚は止められないのよ、パパ。それとも、ここを結衣の帰れなくなる家にしたいの?」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:49:39.98
結衣パパ「…………比企谷君、だったな」

八幡「……は、はい」

結衣パパ「……結衣を、結衣を…………」

八幡「………………」

結衣パパ「幸せにすると約束しろ」

八幡「約束、します」

結衣パパ「……もし悲しませたら、殺すからな」

八幡「…………はい」



結衣「ヒッキー、ごめんね。パパ、普段はあんなんじゃないんだけど……」

八幡「いや、別に。怖かったけど……いいご両親だって思うよ」

結衣「……うん。あたしも、そう思う」
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:50:13.76
八幡「特にお前の母ちゃん、なんかすげぇな……」

結衣「あ、あー、あれかー。あたしもちょっとビックリしちゃった」

八幡「……お前もあんな風になんのかね」

結衣「さ、さぁー、どだろね……。でも、あたしもママみたいになりたいな。優しくて、あったかくて、いつでも見守ってくれてる、みたいな……」

八幡「お前ならなれるよ、絶対」

結衣「…………じゃあさ、あたしをママにしてくれる?」

八幡「……は?」

結衣「赤ちゃん、つくろ?」

八幡「いや待て馬鹿お前、とりあえず帰ってから……」
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:50:44.43
結衣「…………ヒッキーがさっき言ってくれたのがね、嬉しくて……あたし今、…………」

八幡「いやだから、せめて帰るまで……」

結衣ママ「ヒッキーくーん、ご飯の前にお風呂先入る~?」

結衣「……ちぇっ。あ、ヒッキー、一緒に入る?」

八幡「アホか、駄目に決まってんだろ……」

結衣パパ「駄目だーっ!結衣!そんなこと許さんぞ!パパと入るんだ!」

結衣「ちょっ、なんでパパまでいんの!?パパと入るわけないじゃん!」

結衣ママ「ヒッキーくん、どうする~?」

サブレ「ひゃん!ひゃうん!」
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:51:19.25
八幡「……どうすりゃいいの」

結衣「あーもううるさーい!お風呂はご飯のあと!二人ともここから離れてー!」

結衣ママ「はいはい~、わかったわ~」

結衣パパ「うっ、うぅっ、結衣……」

結衣ママ「よしよし、パパはまた今度、わたしと一緒に入りましょうか」

結衣パパ「…………おお」



結衣「…………恥ずかしい」

八幡「…………ま、なんだ。お前は愛されてるんだなってよくわかるよ」

結衣「……だね。結婚式、超泣いちゃいそう」

八幡「はぁ……結婚式か……。俺呼ぶやつそんないねぇよ……」
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/29(日) 11:52:03.04
結衣「その辺はゆっくり考えようよ。披露宴は身内だけでもいいしさ」

八幡「おお、そうだな。そういうのもアリなんだよな」

結衣「そそ、友達には二次会以降で騒いでもらうとかね」

八幡「……じゃあ晩飯までサブレと遊んでるか」

結衣「うん……。ほら、サブレ、おいでー」

サブレ「ひゃん!」

結衣「サブレももう、お爺ちゃんなんだよねぇ……」

八幡「の割には元気だよな。人間みたく老けるわけでもねぇし」

結衣「…………サブレ、今日は一緒に寝よっか!ヒッキー、いいよね?」

八幡「おお、俺は別にいいぞ」

結衣「たくさん、遊ぼうね……。サブレ……」

八幡「…………よしよし」


一一一
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:41:27.75


雪乃「こんばんは」

結衣「あーやっときた、ゆきのん遅いよー」

雪乃「ごめんなさい、帰り際に問い合わせがきちゃって」

結衣「そっかー。まぁあがってあがって」

雪乃「そうね、お邪魔します」

八幡「…………おす。久しぶり」

雪乃「久しぶり。…………変わらないわね、あなたは」

八幡「なわけねぇだろ、変わりまくりだ。有り得ねぇほど仕事してるわ」

雪乃「そ。……でもその反応とかは変わってないと思うわ」
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:41:57.44
結衣「もうちょっとしたら料理できるからさ、ゆきのん座って待っててー」

雪乃「わかったわ、お構い無く。…………比企谷君」

八幡「なんだ?」

雪乃「由比ヶ浜さんの料理は、その……大丈夫?」

八幡「あー、心配すんな、お前みたいに上手くはねぇけど異物はもう出てこねぇよ。……まだたまにわけわからんことするけど」

雪乃「そう、安心したわ。胃薬持ってないからどうしようかと……」

八幡「そう考えると変わったな、結衣も」

雪乃「そうね、呼び方が変わっているものね。そんな風に呼んでいる姿は比企谷君とは思えないわ」

八幡「……これ割と最近なんだぞ、何年も暮らしてるのによ」
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:42:33.84
雪乃「ふふ、いいんじゃない?距離の縮め方は人それぞれよ」

八幡「ま、俺がチキンなだけってことだ。それにもうすぐ名字同じになっちまうからな、変えて慣れとかねぇと」

雪乃「…………そう、なのよね。彼女、比企谷結衣になるのよね。私もいつまでも由比ヶ浜さんとは呼んでいられないわね」

八幡「だな。今日から変えてみたら?」

雪乃「結衣さん、ね。そうしてみようかしら」

結衣「はーい、お待たせー」

雪乃「あ、……結衣さん、私ワインを買ってきたのだけれど」

結衣「……ほえ?結衣さん?」

雪乃「ええ。いつまでも由比ヶ浜さんとは呼べないでしょう。今日はそのお祝いにきたつもりよ」
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:43:03.79
結衣「え、ヒッキー言っちゃったの?」

八幡「え、お前言ってなかったの?」

結衣「うん。驚かせようかなって、報告があるとしか」

雪乃「きっとそうだと思っていたから、ご心配無く」

結衣「なんだー、バレてたのかー。……ゆきのん、あたしたち、結婚するんだ」

八幡「うわ、今更」

結衣「いいよそれでも。ゆきのんにはちゃんと伝えたかったの」

雪乃「……おめでとう、二人とも。私も嬉しいわ」

結衣「ゆきのーん!」

雪乃「暑苦しいから……。料理も冷めてしまうでしょう、結衣さん」
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:43:33.99
結衣「え、えへへ。ゆきのんにそう呼ばれるのは慣れないねー」

雪乃「ワイン、開けましょうか」

結衣「うんー。でもうちじゃあんまり飲まないからワイングラスがないなぁ」

雪乃「なんでもいいわよ。比企谷君は湯呑みでいいでしょうし」

八幡「…………懐かしいな」

結衣「だねぇ……」

雪乃「この家に紅茶はあるのかしら?」

結衣「あ、うん。紅茶ならあるよ」

雪乃「……食後に淹れてあげるわ、二人への餞よ」

結衣「ゆきのん……嬉しい」

八幡「餞て。別に旅立ちはしねぇんだけどな」
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:44:01.25
雪乃「……旅立ちみたいなものよ。二人はこれから新たな人生を歩むのだから」

八幡「……そか、なら頂いておくか。お前はその辺どうなんだよ」

雪乃「それは、追々……。酔いが回ってきたら話してあげるわ」

結衣「わー、なんかちょっと怖い。よし、食べよー!」

八幡「うし、グラスと湯呑み取ってくるわ」

雪乃「…………結衣さん」

結衣「ん?」

雪乃「本当に、おめでとう。幸せになってね」

結衣「……うん。あたしはあの頃も、今も、この先もずっと。ゆきのんがいて、ヒッキーがいるから……。世界で一番、幸せだよ」
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:44:42.80
雪乃「……ならよかったわ。あなたもヒッキーはそろそろ止めないとね」

結衣「うーん……。考えてはいるんだけどねぇ。八幡ってなんか言いにくい……」

八幡「結衣ー、湯呑みってどこ置いたー?」

結衣「あ、乾燥機の中かもー」

雪乃「……お互い、並んで歩いていけばなるようになるのね」

結衣「……うん。ゆきのん……」

雪乃「気に病むことはないわ。あなたが、あなた自身が掴んだ幸せよ。一度は離れていった彼を引き戻したのは、結衣さんの力なの」

結衣「……違うよ、ゆきのんの、おかげだよ」

雪乃「違わないわ。…………今は素直に、私に二人を祝わせてもらえるかしら」
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:45:11.45
結衣「……わかった。えと、えとね。ゆきのんも…………」

八幡「おし、飲もうぜ」

結衣「………………」

雪乃「……ええ、飲みましょうか。結衣さん、わかっているから……大丈夫よ」

結衣「…………よっし!ゆきのん、あたしの料理の腕前見てよ!」

雪乃「いや、もう見た目からしてまだまだね、としか」

結衣「あうっ!?」

八幡「ま、雪ノ下みたいにはいかねぇよな」

雪乃「……でも、上達しているのはよくわかるわ。味はどうなのかしら?」

結衣「……安心の味?」

八幡「安心はあんましたことねぇな……。新作出る度にドキドキもんだよ」
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:45:39.33
雪乃「ふふっ。では頂きましょうか」


一一一


八幡「ただいま……」

結衣「おかえり、今日も遅かったねぇ」

八幡「……起きてなくていいんだぞ、別に」

結衣「やだよー。起きてないと話す時間ほとんどなくなっちゃうもん。朝も早いし昼は誰もいないし……」

八幡「悪いな……もう少ししたら落ち着くと思うから」

結衣「ううん、お仕事なんだし仕方ないよ」

八幡「……そう言ってもらえると助かる。飯食ったらマッサージしてやるよ」
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:46:10.50
結衣「え?い、いいよそんなの。お仕事で疲れてるのに」

八幡「いいんだ、気にしなくて。お前のほうが今大変だろうからさ。体調悪いこともあんだろ?」

結衣「あー、まぁ、うん。でもあたしが望んだんだし……」

八幡「お前だけじゃねぇよ。俺も、欲しかったから」

結衣「ありがと。じゃあ……お言葉に甘えちゃおっかな」

八幡「おう、それでいい」

結衣「あ、ご飯の準備しなきゃ」

八幡「いいからいいから、できてんだから後は俺がやる。そこで転がっとけ、それが今の結衣の仕事だ」

結衣「……あたし、幸せー。友達とかからいろいろ聞くけどさー、こんな出来た旦那さん、他にいないよ?」
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:46:44.36
八幡「んなことねぇよ、自虐してるだけじゃねぇの?」

結衣「んー、どうなんだろ」

八幡「ま、さっさと飯食うわ」

結衣「ゆ、ゆっくり食べてね?」



八幡「……どうですかお客さん。この辺こってるんじゃないですか」

結衣「あー、そこそこ。あぁー……キモチいー」

八幡「だいぶ大きくなったなぁ……」

結衣「だねー。もう一人いるんだと思うと超不思議」

八幡「まさに人体の神秘だな。ほれ、うつ伏せ」

結衣「あいあーい」
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:47:12.12
八幡「………………」

結衣「やん、なんでお尻触るの……。そこ別に、こってないー」

八幡「いや、手が滑って」

結衣「なんか、手つきやらしい……」

八幡「き、気のせいだ」

結衣「…………たまってるの?」

八幡「そ、そんなことねぇよ。馬鹿なこと言うな」

結衣「いたーい、なんでさー、そうやってお尻ペチペチすんの?」

八幡「……なんか叩きたくなるというか、なんというか」

結衣「DVってやつだよねそれ」

八幡「意味も知らんくせに人聞きの悪いこと言うな、殴るぞ」
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:47:43.10
結衣「やっぱDVってやつだ!?」

八幡「DVってなんの略なのか言ってみ」

結衣「D、ど、どめすてぃっく……」

八幡「お、合ってるぞ」

結衣「V、ぶい……。う"、う"ぉうりょく」

八幡「…………」

結衣「いたい!ヴぉうりょくだ!」

八幡「笑わすな。力抜けるだろ」

結衣「あ、あれ。そんなに面白かった?」

八幡「……ああ、超ウケた。けど、母親になる人間がそれでいいのかよって気になった」

結衣「あぅ……。ね、あたしちゃんとママになれるのかな。不安だよ……」
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:51:11.28
八幡「……大丈夫、俺もいるから。お前は一人じゃない。今は無事に産むことだけ考えてろ」

結衣「…………あ、あなた」

八幡「……んだよ、いきなり」

結衣「愛して、ます。この子が産まれても、きっと、ずっと」

八幡「結衣。俺も愛してる。…………」

結衣「………………。名前、考えてくれた?」

八幡「んー……自信はないけど。奈央、とか。奈良の奈に、中央の央」

結衣「奈央……。比企谷奈央かぁ。うん、可愛いと思う」

八幡「一応な、字画判断みたいなのは調べてみたんだけど、別に悪くはねぇかな。なんか人徳があるとか人気があるとか」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:51:38.29
結衣「おお、いいことばっかじゃん」

八幡「中でも一番気にいったのは純粋な心と直感力を持つ、ってとこだな。お前の娘だから相応しいかなと」

結衣「…………嬉しい、素敵な名前だね。なんか英語バリバリできるようになりそう」

八幡「何そのイメージ。お前の娘が英語バリバリって、あんのか?そんなこと」

結衣「勝手なイメージだけど……わ、わかんないじゃん!そんなの」

八幡「まぁ可能性はいくらでもあるな。……なぁ、ヒッキー呼びはこの子が産まれたらやめるのか?」

結衣「んー、かな。パパになると思う、よ」

八幡「パパねぇ……。緊張するわ……」

結衣「大丈夫だよヒッキー、あたしもいるから」
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:52:05.55
八幡「……だな。二人でいい子になってもらおうな」

結衣「……うん。じゃ、そろそろマッサージ交代ね」

八幡「いやいいよそんなの。休んでてくれよ」

結衣「…………普通のじゃなくてー。……こっち」

八幡「あ、え?……なんで?」

結衣「ヒッキー、たまってるし……。浮気は妻の妊娠中に始まることが多いってなんかで見たし!」

八幡「また変な知識を……」

結衣「……いや?してほしくない?」

八幡「そう言われると困るんだが」

結衣「じゃあする。あたしがしたいから。浮気したくてもできなくなるぐらい……しちゃうんだから」
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:52:35.07
八幡「…………はぁ。お前には敵わねぇわ、俺。抗えん……」

結衣「それでいいの。ヒッキー、…………たくさん出してね?」

八幡「…………はい。なんかこのままだと二人目すぐにできそうだな……」

結衣「……かも。次は男の子がいいなぁー」

八幡「それは俺に言われてもどうにもならんな……」


一一一


八幡「ただいまー」

娘「!?はやい!?」

結衣「ほら奈央!パパ帰ったよ!」

娘「おかえりパパー!」
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:53:15.38
結衣「おかえりパパー!」

息子「だぁ!だぁ!」

八幡「ぬぁー、お前らしがみつくなー、重いー」

娘「だってー、パパはやいよ!なにしてたの!」

結衣「なにしてたの!」

息子「だぁ!だぁ!」

八幡「あーもううるせぇ……拓也も暴れるな。何してたって、仕事だよ。たまには早く帰れることだってあるよ」

娘「やったぁ!きょうはパパとごはんたべれるね!」

結衣「奈央、食べれるよ!」

息子「だぁ!」

八幡「うるさい……。先風呂にしていいか?」
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:53:45.35
娘「あたしもはいるー!」

結衣「あたしもはいるー!」

八幡「いや、無理だから。お前は飯作っててくれよ……」

結衣「むぅ……。奈央、ずるーい」

娘「ママはたーくんいるからいいでしょ!えへへぇ。パパとはいるのひさしぶりだねー」

八幡「だなー、一人で頭洗えるようになったか?」

娘「まだー。ちょっとそれはきびしいですな」

八幡「そうかー、厳しいかー。……なんだその言葉遣いは」

結衣「パパー、ママも寂しいんですけどー……」

八幡「……ママ、こっちおいで」
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:54:16.92
結衣「わぁい。んー………………」

八幡「………………。結衣はこいつらが寝てからな」

結衣「はぃ……」

娘「あたしもちゅーするー」

八幡「お、奈央もしてくれるかー。ほれ」

娘「ちゅー。えへへー、パパだいすき!」

結衣「あ、ママもパパ大好き!」

息子「だぁ!」

八幡「張り合うなよ……。俺はどっちも大好きだからさ」

娘「むぅ……。ひきわけか」

結衣「ちぇっ。ママの勝ちだと思ったのに」
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:54:42.75
八幡「奈央ー、いくぞー。」

結衣「いってらっしゃーい。ほらたーくん」

息子「だぁ!」



八幡「いいお湯でしたっと」

娘「っと」

八幡「奈央、真似すんな」

娘「えへへぇ」

八幡「喜び方、ママとそっくりだなお前」

娘「えー、そうかなー」

八幡「そうだよ、超可愛い。絶対嫁には出さんからな」

娘「いいよー。あたしパパのこといちばんすきだから!」
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:55:09.17
八幡「だよなぁー。奈央はいい子だなぁー」

結衣「って言いながらさ、中学生ぐらいになったらファブリーズかけられるようになるんだよ。あたしがそうだったし」

八幡「夢を壊すなぁ!奈央ー、お前はそんな風にはならないもんなー」

娘「うん!ならないよ!」

八幡「ほら」

結衣「……わかりましたよーだ。パパはママより奈央のほうがいいんだよねー」

八幡「えー。…………まぁ、夜は、その、頑張るわ……」

結衣「……そ、そう?なら、あれ着ちゃおうかな……」

娘「ママー、あれってなにー?」
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:55:39.48
八幡「奈央はまだいいんだぞ、知らなくて。…………結衣、こいつら寝てからな」

結衣「う、うん」



八幡「…………寝たか?」

結衣「うん。パパが久しぶりに早かったからってはしゃぎすぎたみたい」

八幡「はー、年々相手すんのに力がいるようになってくんな」

結衣「お疲れ様、ヒッキー」

八幡「……おお、そう呼ばれんのも久々だな」

結衣「あ、そうだね。あの子産まれてからはずっとパパだったもんね。ヒッキーはどっちがいいの?」

八幡「結衣に呼ばれるならなんだっていい。呼ばれるってのはお前が居てくれてるってことだから」
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:56:24.78
結衣「……そっか。あなた」

八幡「おう」

結衣「パパ」

八幡「おお」

結衣「八幡」

八幡「……おぅ」

結衣「ヒッキー」

八幡「…………二人なら、やっぱそれかな。お前も比企谷なんだけど」

結衣「比企谷、結衣です」

八幡「知ってる」

結衣「明日も早く帰ってこれる?」

八幡「たぶんな」
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:57:05.87
結衣「じゃあ明日はさ、おかえり、ヒッキーって迎えるよ」

八幡「……そか。たまにはそれもいいかもな。あの頃を思い出せるし」

結衣「これからも、頑張ってね」

八幡「おお。結衣、幸せな家族になろうな」

結衣「もうなってるけど……。うん」

八幡「……じゃ、俺らの時間、始めるか」

結衣「……ヒッキー、大好きだよ」

八幡「……俺も、大好きだ。あの時も、これからも、ずっと」

結衣「うん……。ずっと、一緒だからね。ヒッキー」


559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 17:59:31.20
完結までに案外時間かかりましたが、これにて終わりです
幸せな八幡と結衣を書くのは幸せでした
ちょっと八幡いい旦那にしすぎた感が少しありますが、まぁいいですよね

幸せになりたい

またなんか書きますのでその時はよろしくお願いします

あでゅー

560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 18:00:38.18
乙乙~
いつも楽しみにさしてもらってたで~
次は何書くんか知らんけど、そっちも楽しみにしとるで~
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 19:16:16.74
乙です!
死ぬほど甘かった!
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/05(土) 19:52:50.23
乙乙
次回作とかあったら楽しみにしてる
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/07(月) 03:59:01.82
乙!
いろはすのSSめっちゃ好きだったわ
作風似てると思ったらあなただったのか
このシリーズSS:

結衣「おかえり、ヒッキー」八幡「……いつまでヒッキーって呼ぶんだ」【前編】


結衣「おかえり、ヒッキー」八幡「……いつまでヒッキーって呼ぶんだ」【後編】



この書き手のSS:

【俺ガイル】比企谷八幡は変化を受け入れる


由比ヶ浜結衣はまた恋をする


一色いろはは諦めきれない


いろは「おかえりなさい、せんぱい」八幡「いい加減先輩ってのは……」


いろは「おかえりなさい、あ、あなた」八幡「……やっぱ先輩にするか……」


関連記事
タグ:

コメントの投稿

とあるSSの訪問者

子供の名前が中のひt…いや気のせいか…

とあるSSの訪問者

なんだこれ最高か
ガハマさんって超尽くしてくれそうだよね
やっぱこの二人には幸せになってほしいなぁ
作者さん素晴らしいものをありがとう、お疲れ様でした

とあるSSの訪問者

ガハマさん可愛いいいいい

スイス在住のハーフ

ああああ奈央ちゃんと拓也くんかわいいぃぃぃガハマさんエロかわいいい
いやーいいSSですた


お知らせ
サイトを見やすいように改造しました

改造したところ:
ページ転移に数字送りを実装
多少の軽量化

時折修正していきますので、今後ともよろしくお願いします

旧ブログはこちら  旧ブログ

スポンサーリンク
最新記事
カテゴリ
人気記事
RSSリンクの表示
リンク