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474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/01(火) 22:14:15.27
前スレ:

八幡「川崎家に居候することになった」沙希「遠慮しないでいいから」1



陽乃「雪乃ちゃん、比企谷君と話したのは雪乃ちゃんにもちょっとショックな内容だって言ったじゃない。御両親の前で尋ねるなんて何を考えてるの!?」

雪乃「御両親にも話を聞いてもらうべきかと思ったのよ…………まさか恋愛絡みとは思わなかったわ」

小町「まま、二人とも落ち着いてください。それで、早くお兄ちゃんとのお話聞かせてください!」

陽乃「おおぅ、随分食いつくね小町ちゃん…………」

結衣「あ、あたしも聞きたいかなー……って」

雪乃「そうね。比企谷君の居場所のヒントがあるかもしれないし、早く聞かせなさい」

陽乃「…………」

雪乃「姉さん?」

陽乃「その前に雪乃ちゃんに一つ聞いておきたいんだけどさ」

雪乃「何よ改まって」

陽乃「雪乃ちゃんて、比企谷君のことどう思ってるの? あ、もちろん恋愛的な意味でだけど」

雪乃「っ! …………別に、何とも思っていないわ」

陽乃「もうちょっと素直になりなよー。人を好きになるなんて恥ずかしいことじゃないんだからさ」

雪乃「しつこいわね。何故私があんな男を好きにならなければならないのかしら? ひねくれてて碌に友人もいないような男なんて…………」
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/01(火) 22:15:50.90
陽乃「それものすごいブーメランが返ってきてるからね? でも、そっか。雪乃ちゃんは比企谷君を何とも思ってないのかあ」

雪乃「だいたい今は私の話は関係ないでしょう? 比企谷君の話はどうしたのよ」

陽乃「ん? だから比企谷君は雪乃ちゃんのことが好きだったって話をしたんだよ」

雪乃「えっ?」

結衣「ええっ?」

小町「えええっ? ほ、本当ですか!? 本当にお兄ちゃんがそんな話を!?」

陽乃「うん。聞いてみたら何か真剣に考え出してね。気付かないうちにそういう気持ちを持ってたんだって。でも今思い返せばこんな質問に答えるってこと自体変だったんだねぇ。衝撃的で考えが及ばなかったよ」

結衣「そっか……ヒッキーはゆきのんが好きなんだ…………」

雪乃「ま、まああんな男に好かれても嬉しくはないのだけれど。でも逆恨みとかでストーカーになられても厄介だし、今度からはもう少し優しくしてあげてもいいわね」

小町「と言いつつ顔がにやけてますよ雪乃さん」

雪乃「こ、これは比企谷君が私を好きだなんて滑稽な事を言うから可笑しくて…………」

陽乃「あ、それは大丈夫。比企谷君が雪乃ちゃんのことを好きだったのはちょっと前のことだから。今はもう恋愛感情を持ってないらしいから安心していいよ」

雪乃「…………………………え?」
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/01(火) 22:17:14.61
沙希「やっぱりあんた頭良いよね数学以外は。というかもう少し数学も頑張ろうよ」

八幡(二人で漢文の勉強をしていて、俺がアドバイスをしたあと川崎はそう言ってきた)

八幡「いやいや、数学なんて人生の役に立たないだろ。大学だって数学必要ないとこに行くつもりだし」

沙希「何を中学生みたいなこと言ってんのさ…………というかあんたあれでしょ。一回躓いてそこを理解できないまま授業が進んでいって挫折したパターンでしょ?」

八幡「う…………」

沙希「先生に聞くのも躊躇われるし、教えてくれるような友達もいない。んでズルズルここまで来ちゃったわけだ」

八幡「見てきたようなこと言いやがって……合ってるけどさ」

沙希「ちなみにあたしは平均点を常に上回るくらいの成績だよ」

八幡「何だよ自慢かよ?」

沙希「ううん」

八幡(川崎は首を振ったあと、そっとシャーペンを持っている俺の手を上から重ねるように握ってきた)

沙希「わからないところ、最初からあたしが教えてあげるからさ、もう少し頑張ってみない?」

八幡「う……い、いや、俺はもう数学は」

沙希「役に立たないって言うけどさ、そんなのわからないでしょ? 何かの拍子に学んでおけばよかったって思うことがあるかもしれないじゃない。なんなら春休み終わってからも教えてあげるから」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/01(火) 22:19:17.64
八幡「で、でも悪いだろ。お前の迷惑にもなっちまうし」

沙希「ううん、代わりに他の教科を教えてもらいたいんだ。今の漢文みたいにさ。それでおあいこでしょ?」

八幡「う…………」

沙希「あ、ご、ごめん。ちょっと強引だったね…………」

八幡(そう言って川崎は手を引っ込めた)

八幡「い、いや、俺のことを考えてくれてんのは嬉しいぞ、うん」

沙希「…………ごめん。ホントはさ、あんたと少しでも一緒にいられたらなって思って提案した」

八幡「なっ…………」

沙希「あ、でも、勉強教え合いたいってのも本当だから。一人でするより捗るだろうけど、あたしも一緒に勉強するような相手がいないし…………」

八幡「…………まあ、その、考えておくよ」

沙希「うん」

八幡(その後はまた勉強に戻り、ちょっとだけ雑談を挟みながらも復習を済ませる)

八幡「よし、と。こんなもんだな」

沙希「だね。じゃ、そろそろお風呂がわいてるから入ってきなよ。ジャージと下着は用意してあるから」

八幡「おう、ありがとな。んじゃお先にいただくわ」

八幡(俺は教材を片付け、風呂場に向かう)
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/01(火) 23:35:11.03
てゆーかゆきのんはその反応がダメなんじゃ…
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 03:51:52.08
前作読んできたけど砂糖吐いたぞ

八幡「なんだ、かわ……川越?」沙希「川崎なんだけど、ぶつよ?」


512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 16:13:44.13
ゆきのん推しだったけど前作でサキサキ推しになった私
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 23:44:46.66
結衣「ゆきのん大丈夫かなぁ…………」

小町「ええ……まさか雪乃さんがあんなに取り乱して泣くなんて想像も付きませんでしたね…………今日は陽乃さんがマンション送った後も一緒にいるって言ってましたけど」

結衣「うん…………ね、小町ちゃん。今日さ、あたしお泊まりしてもいいかな? ちょっと今一人になりたくなくて…………」

小町「はい、全然構いませんよ! …………その、やっぱり陽乃さんの言ってたこと、気にしてます?」

結衣「う、うん…………あれ、ゆきのんに向けて言ってたけどあたしにも言えることだったし」

小町「結衣さんも、兄のことが好きなんですか?」

結衣「そう……だね。あたしはヒッキーのことが好きだよ」

小町「まあ知ってましたけどね」

結衣「え、嘘!?」

小町「いや、そんな驚くことでも…………多分兄以外はみんなわかってますよ」

結衣「うう…………あたしそんなにわかりやすい?」

小町「はい、すっごく。兄ももしかしたらって思ったことは何度もあるんじゃないですかね?」

結衣「…………でも、ヒッキーの中では違うなって判断されたんだよね。あたしも結構ヒッキーに色々言っちゃってるし」
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 23:45:49.77
小町「まあはっきり想いを伝えない限りは勘違いだと自分に言い聞かせるでしょうね…………でもまさかそんな色恋沙汰に否定的な兄が雪乃さんを好きになっていたとは……いや、小町も結構煽りましたけど」

結衣「うん…………ね、小町ちゃん。明日暇かな?」

小町「え? まあ兄を待つこと以外やることはないですが」

結衣「あ、そっか。ヒッキーの帰りを待ってなきゃいけないか…………」

小町「でも陽乃さんのおかげで無事は確認できましたし、出掛けるのも構いませんよ。というか雪乃さんのとこですよね?」

結衣「うん。やっぱりそばにいてあげたいかなって」

小町「じゃあ明日朝に確認のメールでも入れて訪問しましょう。小町も雪乃さんのこと気になりますから」

結衣「ありがとう小町ちゃん」
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 23:47:17.28
沙希「ふう、いい湯だった…………って、何してんの?」

八幡「ああ、今テレビでやってた問題をCM明けまでに解こうと思ってな」

沙希「どれどれ…………あ、これ知ってる」

八幡「待て! 言うなよ、解けそうなんだから…………こうだ!」

沙希「うん、正解。というか頭の回転もいいんだからやっぱりその気になれば数学もいけるって」

八幡「あーあー聞こえませーん」

沙希「まったく…………お茶淹れるけど飲む?」

八幡「おう、頼むわ」

沙希「はいよ」

八幡(俺と川崎はしばらくの間お茶を飲みながらゆっくりとした時間を過ごす)

八幡(ずっとこんな時間を過ごせたら、なんて考えが頭をよぎるがそういうわけにもいかない)

八幡「なあ川崎、お前の家族っていつこっちに戻ってくるんだ?」

沙希「あと三日くらいの予定だよ。一応帰ってくる前に連絡は母さんから来るから」

八幡「そういや大志経由で小町に連絡行ったりしねえのかな? おぞましいことにあいつらお互いの連絡先知ってんだろ」

沙希「何さおぞましいって…………大丈夫。母さんに連絡はしたけど知ってるの母さんだけだから」

八幡「あ、そうなのか? まあ父親は娘一人の家に男が泊まるなんざ絶対反対だろうしな」
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 23:49:16.48
沙希「バレたってあたしが文句言わせないけどね」

八幡「父親が娘に弱いのはどこも一緒か…………川崎」

沙希「何?」

八幡「俺、明日家に帰ろうと思うけど、どうだ?」

沙希「そう…………ていうか何であたしに許可を求めるのさ? 自分の家に帰るんでしょ? 別にあたしは軟禁してるわけじゃないんだし」

八幡「まあそうなんだけど」

沙希「何時くらいに帰るの?」

八幡「昼前には」

沙希「そう。じゃ、お昼ご飯はいらないね」

八幡(一見平然と会話をしているように川崎の表情はあからさまに曇っていった。俺の身を案じてくれているのだろう)

八幡「まだ少し怖いけどさ、前に進まないわけにもいかねえし」

沙希「そう、だね……」

八幡「だから、その…………ちょっと頼みというか、お願いがあるんだが」

沙希「頼み?」

八幡「えっと…………今夜、一緒に寝てくれねえかな?」

沙希「えっ!?」

八幡「違う違う! エロい意味じゃないから勘違いも通報もするなよ!? その、なんつーか」

沙希「ふふ、いいよ。一緒に寝よう?」

八幡「即答だなおい」

沙希「断る理由なんか無いしね…………じゃ、もう歯を磨いて寝よっか」

八幡「ああ」
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/02(水) 23:51:34.87
八幡(俺達は洗面所に行って歯を磨く。川崎は一旦自分の部屋に戻って枕を持ってき、居間にある俺の布団を敷く)

沙希「よいしょっと」

八幡(灯りを豆電球だけにして暗くし、まず川崎が布団に潜る)

沙希「ほら、おいで」

八幡「…………何で俺の枕の位置がそんなに下がってんの?」

沙希「遠慮しないでいいから。あたしの胸がいいんでしょ?」

八幡「まあ……否定はしない」

八幡(俺も布団に潜り、頭を枕に載せて顔を川崎の胸に埋めるようにし、両腕を川崎の背中に回して抱き付く。川崎は片腕を俺の首に回して抱きしめ、もう片手で頭を撫でてくる)

八幡「ん…………すげー心地良い…………お前の胸でしか眠れなくなったらどうしよう」

沙希「ふふ、その時はちゃんと責任を取るよ…………明日、頑張ってね」

八幡「……ああ」

八幡(俺は少しだけ川崎を抱きしめる力を強め、より密着して体温を感じる)

八幡「あったかいな…………人の身体って、こんなにもあったかいんだ…………」

沙希「安心するでしょ? 何か辛いことがあったらいつでもおいで。あたしがこうしてあげるから」

八幡「ありがとうな、川崎…………」

八幡(俺は柔らかさと暖かさに包まれながら眠りについた)
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:06:57.49
結衣「…………ねえ小町ちゃん、今更だけどゆきのん本当に大丈夫なのかな? やっぱり一人にしといてあげた方が良かったんじゃ…………」

小町「いや、本当に今更ですよそれ。もう雪乃さんのマンション前まで来てるのに。メールしたら来ても構わないって言われたんですよね?」

結衣「うん…………だけどあれ、社交性? かもしれないじゃん」

小町「たぶん社交辞令って言いたいんですよね、それ…………まあ迷惑そうだったらその時点で引き上げればいいんですよ」

結衣「……そうだね。よし、えいっ!」ポチポチピンポーン

『はい、由比ヶ浜さんかしら?』

結衣「あ、ゆきのん! うん、あたしだよ!」

『今オートロックを解除したわ』

結衣「うん、すぐ部屋に行くね!」

小町「声は結構普通そうですね」

結衣「みたいだね。さ、ゆきのんの部屋に行こ」

小町「はいっ」
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:08:02.19
雪乃「いらっしゃい。上がってちょうだい」

結衣「うん、おじゃましまーす」

小町「おじゃまします」

陽乃「あ、二人とも昨日ぶりだね」

雪乃「今あなた達の分も紅茶を淹れるわ。少し待っていてちょうだい」スタスタ

結衣「…………見た感じもう立ち直ったみたいですけどどうなんですか?」ヒソヒソ

陽乃「うーん、立ち直ったというより開き直ったってのが当てはまるかなぁ?」ヒソヒソ

小町「開き直った?」ヒソヒソ

雪乃「なに内緒話をしているのかしら?」カチャカチャ

結衣「あ、紅茶ありがとう!」

小町「ありがとうございます」

陽乃「ねえ雪乃ちゃん。昨晩の事覚えてる?」

雪乃「何度確認させるのよ……ちゃんと覚えているわ。確か…………」

~~~~~~~~~~~~

雪乃『もう、恋愛感情は持っていない?』

陽乃『うん。だってさ、雪乃ちゃんて人間の屑だし気持ち悪いよね』

結衣『えっ!?』

小町『なっ!?』

雪乃『………………そう。そういうことだったのね』

陽乃『んん?』

雪乃『なるほど…………陰口を叩かれたりするのは慣れているつもりだった。でも身近な人間に言われるのは少しキツいわ』

陽乃『雪乃ちゃん…………』
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:09:35.39
雪乃『そして私はあの時だけでなく、ずっと比企谷君に言い続けてきた…………愛想を尽かされてもむしろ当然のことだったのね』

陽乃『まあ比企谷君も比企谷君だけどね。せいぜいちょっと注意するくらいで強く止めさせようとしてこなかったし』

雪乃『いえ、普通に考えればわかることよ。ただ私は比企谷君のその優しさに甘えていたに過ぎないわ』

結衣『ゆきのん…………』

雪乃『今からでも、間に合うかしら?』

陽乃『え?』

雪乃『比企谷君に謝って、またいつも通りの日常に戻って、楽しい日々を過ごせるかしら?』

陽乃『雪乃ちゃん…………うん、きっと大丈夫だよ!』

結衣『それにゆきのんならまたすぐヒッキーが惚れ直しちゃうよ! あたし、ヒッキーのこと諦めて二人を応援するから!』

小町『小町もです! お兄ちゃんにはやっぱり雪乃お義姉ちゃんが一番似合ってますから!』

雪乃『あらあら。いずれ結婚はするでしょうけどまだお義姉ちゃん呼びは早いわよ』

小町『あ、小町ったらうっかり』テヘペロ

雪乃『ふふふ』

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雪乃「…………と、こんな感じだったわよね?」

結衣「全然違うよ! 何であたしがヒッキーのこと諦めてんの!?」
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:10:29.61
小町「雪乃さん、さすがに記憶の捏造はちょっと…………正しくは」

~~~~~~~~~~~~

雪乃『もう恋愛感情は持っていない?』

陽乃『うん。だってさ、雪乃ちゃんて人間の屑だし気持ち悪いよね』

結衣『えっ!?』

小町『なっ!?』

雪乃『姉さん!? いくら姉さんでも怒るわよ!』

陽乃『あれあれー、何でそんなに激昂するのかな? いつも雪乃ちゃんが比企谷君に言っていることじゃない』

雪乃『あ、あれは…………』

陽乃『自分が言うのはいいけど言われるのは嫌だってのはちょっとワガママが過ぎるんじゃない? ねえガハマちゃん?』

結衣『えっ!? え、えっと…………』

雪乃『わ、私は本気で言っているわけではないわ! それは比企谷君もわかってくれているわよ!』

陽乃『うん、それは知ってるって。もし本気で言ってたらとっくに部活を辞めて縁を切ってるってさ』

雪乃『だったら!』

陽乃『それでも辛かったんでしょ。好きな相手から本気じゃなくても蔑みの言葉を投げられるのが。比企谷君言ってたよ、好きなままでい続けるのが苦痛だって』

雪乃『わ、私は…………私は…………』
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:12:11.02
陽乃『ま、雪乃ちゃんが別に比企谷君を好きじゃないのなら気にしなくていいよ。恋愛感情はなくなっても今まで通りに部活仲間として付き合いはするって言ってたし』

雪乃『…………嫌よ』

陽乃『雪乃ちゃん?』

雪乃『嫌、嫌、嫌、嫌』

陽乃『何が嫌なの?』

雪乃『比企谷君は私を好き。なら相思相愛じゃない。只の部活仲間なだけなんて有り得ないわよ』

陽乃『あれ? 雪乃ちゃんは比企谷君が別に好きじゃないんだよね?』

雪乃『そんなことないわ! 私は比企谷君が好きよ!』

陽乃『あ、そうなんだ。でもね雪乃ちゃん、比企谷君はもう雪乃ちゃんのことが好きじゃないの。だから相思相愛じゃないんだよ』

雪乃『どうして!? お互い好き合っていたはずなのに何で!?』

陽乃『いつもお姉ちゃん言ってたよね、素直にならないと駄目だよって。もっと自分から歩み寄れば近付けたはずの関係を壊したのは、雪乃ちゃん自身』

雪乃『嫌! 嫌! 教えて姉さん! どうすればまた比企谷君は私を好きになってくれるの!?』

陽乃『今までのアドバイスを無視してたのにこういう時に頼るのはそれこそ虫のいい話じゃないかな?』

雪乃『あああああああ! 比企谷君! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!』

結衣『ゆ、ゆきのん…………』

小町『雪乃さん…………』

~~~~~~~~~~~~

小町「…………てな感じでずっと陽乃さんの身体にすがりつきながら泣いてましたよね」
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:14:07.84
雪乃「人の記憶は移ろいやすいものね…………だからこそ私達は日々本物を求めて生きているのかもしれないわ」

結衣「なんで良い話ふうにしてんの!? ゆきのんのはただの現実逃避の妄想だからね!?」

雪乃「まあさっきのくだりは冗談なのだけれども…………頭を冷やして一晩考えたわ。要するに私は子供だったのよ、好きな相手には意地悪をしてしまうっていう実に幼稚な類い」

陽乃「雪乃ちゃんは今までまともな恋愛も人を本気で好きになったこともないからねー。ま、私ももうちょっとちゃんとアドバイスできたら良かったんだけど」

雪乃「そうよ、姉さんが悪いわ。だから私と比企谷君が恋人同士になれる策を考えなさい」

小町「雪乃さん、ちょっと開き直りすぎじゃないですかね…………」

結衣「しかも策って言っちゃったよ。正攻法で行く気はないんだね…………」

陽乃「まあ雪乃ちゃんに言われたからには考えてみるけど…………難しいと思うよ? というかその前に比企谷君を見つけないと」

雪乃「そういえばそうね。結局どこにいるのかしら…………」
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:16:37.50
沙希(比企谷は昨夜言っていた通り、昼前に出て行った)

沙希(だけどやたら軽い感じて『んじゃ行ってくるわ』だけなのはどうなのさ!?)

沙希(別にそこまで欲しかったわけじゃないけど、少しは泊めた事に対するお礼や感謝の言葉を言ってくれても良かったんじゃない? あたし胸まで貸したんだよ?)

沙希(はあ…………やっぱりあたしの一人相撲なのかな…………あたしのしたことなんて実は大きなお世話だったりとか)

沙希(お昼ご飯作ったけどあんまり美味しく感じないし…………いいや、これ夕ご飯にしちゃお)

沙希(そう思っておかずにラップをして冷蔵庫にしまったとき、来客を知らせる呼び鈴が鳴る)

沙希(だけど勧誘だろうと宅配便だろうと今は誰かの対応をする気にならない。あたしは居留守を決め込むことにした)

沙希(しかし普通なら立ち去るかもう一度呼び鈴を鳴らすかする場面なのに、あろうことか鍵を開けてドアの開く気配がする。あたしは慌てて玄関に向かう)

八幡「あれ? なんだ、いたのか」

沙希(そこにはバッグをしょった比企谷がいた。そういえば合い鍵渡したまんまだっけ)

沙希「ど、どうしてここに? 帰ったんじゃないの?」
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:18:00.35
八幡「ん? ああ、一回帰ったぞ。誰もいなかったけど。親は仕事だし小町もどっか出掛けてるみたいだから書き置きだけしといた」

沙希「じゃなくて! なんで戻ってきたの? そのまま家にいればいいじゃない」

八幡「おいおい、お前が言ったんだろ。女一人は不用心だから家族が帰ってくるまでいてくれって」

沙希「え…………あっ」

八幡「まあ依頼人が依頼をキャンセルするっていうなら仕方ねえけど…………どうなんだ?」

沙希「っ…………一人で怖かったよ。だから、ウチにいて?」

八幡「おう、引き受けた。着替えや予備校の教材も持ってきたからな、準備は万端だ。数学の参考書も用意したし」

沙希「えっ?」

八幡「教えてくれるんだろ?」

沙希「…………みっちりしごいてあげるよ」

八幡「はは、お手柔らかにな…………ところで、不躾で悪いんだが」

沙希「なに?」

八幡「ウチに何もなくてさ、昼飯食ってねえんだ。食うもんある?」

沙希「! あるよ、残り物でいいなら」

八幡「お前が作ったメシなら文句はねえよ…………その、食べさせてくれるか?」

沙希「うん、すぐに温めて用意するから。手を洗って居間で待ってて」

八幡「ああ」

沙希(さっきまでの陰鬱な気分はどこへやら。あたしはスキップをせんばかりの気分で台所に向かった)
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/03(木) 23:27:58.00
ゆきのん…この立ち直り方ではもっかい絶望に堕ちるでw


598 : ◆zO7AQfurSQ :2015/09/04(金) 23:50:09.25
沙希「お待たせ。あり合わせのおかずで悪いけど」

八幡「贅沢なんか言わねえよ。川崎の作ったメシってだけで充分だって」

沙希「そ、そう? ありがと」

八幡「何でお前が礼を言うんだ? いただきます」

沙希「うん、召し上がれ。あ、比企谷さ、着替えはあるんだよね?」

八幡「ん? ああ。だけど、その…………」

沙希「? 何?」

八幡「図々しいけど、もし、またお前が服を作ってくれるって言うなら、そっちを着たいかなって」

沙希「! あの服、気に入ってくれた?」

八幡「ああ。雪ノ下さんにも誉められたしな」

沙希「雪ノ下?」

八幡「あ、言ってなかったか。昨日予備校の合間に雪ノ下の姉の陽乃さんに会ったんだよ」

沙希「へえ…………何か言われたの?」

八幡「まあ、色々とな。そん時に服を誉められたんだよ、デートでも行くのかって。お前のセンスがいいってことだな」

沙希「あ、あたしは別に…………」

八幡「少なくとも俺よりはマシだろ。小町にも結構突っ込まれるし」

沙希「そうなんだ……でも、うん。比企谷が喜んでくれるなら作るよ」

八幡「そうか、ありがとな…………その、川崎」

沙希「ん?」

八幡「メシ食ったら、話、あるんだけど」

沙希「…………わかったよ」

八幡(俺の神妙な顔付きに何かを察したか、川崎は緊張した表情で頷いた)
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 00:52:16.98
八幡サイドと雪ノ下サイドの温度差w
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 20:58:12.62
婿入り待ったなし!
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 23:52:41.63
沙希「そういえばさ、比企谷」

八幡(縫い物を始めた川崎が手を止めずに話し掛けてきた。本当に器用なやつだな)

八幡「ん、何だ?」モグモグ

沙希「何て書き置きしてきたの? あたしのとこにいるって?」

八幡「いやいや、んなこと言ったら即座に警察沙汰になるわ。俺が捕まる方で」モグモグ

沙希「そんなわけないでしょ…………」

八幡「俺に関しては気を遣いすぎることはないぜ。ちなみに書き置きは『三日後くらいに帰る』とだけメモってテーブルに置いてきた。ついでに俺のスマホあったから小町に同じ文言でメールもな」

沙希「え、それでメール返信とか来てないの?」

八幡「さあ? メール送ったあとは家に置いてきたしな。電話やらメールやら来ても鬱陶しいだけだし」モグモグ

沙希「今頃家でガンガン鳴ってるんじゃない? 妹も心配してるかもよ?」

八幡「かもしれねえしそうでないかもしれねえ。でもここで世話になるのに必要ないしな。小町は帰りにケーキでも買っていけばいいだろ」

沙希「もうちょっと真剣に考えているかもよ、あんたが家出したことについて」

八幡「それならそれでいいさ。というかそれが目的だって川崎も言っていたじゃねえか」
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 23:53:25.77
沙希「まあそうなんだけど…………」

八幡「ん、御馳走様でした。相変わらず旨かったぜ」

沙希「お粗末様でした。食器片付けたらお茶淹れるから待ってて」

八幡「おう。悪いな」

八幡(川崎は食器を流しに持っていって水に浸け、湯呑みを用意して急須にポットからお湯を注ぐ)

沙希「はい」

八幡「ああ、サンキュー」

八幡(お茶を淹れた湯呑みを川崎から受け取る。息を吹いて少し冷まし、一口飲んで喉を潤した)

八幡「なあ、川崎。さっきも言ったけど、俺昨日雪ノ下さんに…………ちょっとややこしいから名前で呼ぶからな、陽乃さんに会ったんだ」

沙希「うん」

八幡「そん時に聞かれたんだ。俺は雪ノ下のことをどう思っているのかって」

沙希「…………へえ」

八幡(川崎の顔が少し強張った。俺は手を伸ばし、テーブルの上に乗せられていた川崎の手に重ねる)

沙希「あ…………」

八幡「とりあえず最後まで聞いてくれ」

沙希「う、うん」

八幡「そこで俺は今までまともに意識していなかったけど、ちゃんと考えてみたんだ。俺が雪ノ下のことをどう思っているのか」

沙希「………………」

八幡「どうやら俺は雪ノ下のことが好きだったらしい」
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 23:55:21.49
沙希「!! ………………そう」

八幡「つっても過去形だけどな。冬になるくらいまでは多分好きだったんだろう。でも二月になるころには異性としての好意はもうなかったと思う」

沙希「…………理由を聞いてもいい?」

八幡「両方か? 好きになったのはなんとなくわかるだろ。一番身近な異性で行動もよく一緒にしていたし、容姿端麗で頭も良いしな」

沙希「好きじゃなくなった理由は?」

八幡「それも想像つくだろ。普段からあんだけ言われてりゃ愛情もなくなるっての」

沙希「身近ゆえの気安さで言っているかもよ?」

八幡「まあ実際その通りなんだろうな。本気だったらとっくに縁は切ってる。でもだからこそ異性として意識されてるってことはないだろ。好きな相手に悪口を言うって小学生じゃあるまいし…………脈無しの恋愛なんて疲れるだけだし無意識に諦めもあったと思う」

沙希「そう言われるとあたしも照れ隠しであんたに何か言っちゃったことがあるかもしれないけど、どう?」

八幡「いや、お前からはほとんど記憶にないな。ただやたら睨まれてるような気はしたが…………あれって睨んでたんじゃなくてもしかして見つめてただけなのか?」

沙希「うん、たぶん。あたしちょっと吊り目だから睨んでるように見えたかも。ごめん」
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 23:57:00.22
八幡「いや、謝ることじゃないだろ。構わねえから…………それでな、今の俺は雪ノ下のことを恋愛感情的には何とも思ってない」

沙希「うん」

八幡「変わりに…………と言ったらお前に失礼だけども、俺はお前を好きになった」

沙希「うん………………え?」

八幡「いや、やっぱり変わりにってのは違うな、すまん。俺は純粋にお前のことが好きになったんだ」

沙希「ひ、比企谷…………」

八幡「というか当たり前だろ。数日前まで俺は好きなやつがいない状態だったんだぞ。そんで精神的に参っている時に好きって言われてあんなに優しくされりゃ好きにならない方がおかしいっての」

沙希「そ、そう…………」

八幡「でもさ、それってなんか軽い感じがしてさ、自分でもそれでいいのかって思う」

沙希「………………」

八幡「だから…………その」

沙希「比企谷はさ」

八幡「え?」

沙希「比企谷は恋愛を難しく考えすぎなんだよ。過去に色々あったのかもしれないけどさ、もっと単純に捉えていいんだって」

八幡「単純、に…………」
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 23:58:20.01
沙希「うん。対象の異性を好きかな? って考えて、好きだな、って思えばもう恋愛なの。極論だけどそれくらいでいいんだよ」

八幡(川崎は片手に重ねられた俺の手をもう片方の手で包み込むように握った。俺はじっと川崎の顔を見つめながら考える。ここ数日の川崎と共にいた時間を思い出し、ふうっと息を吐いた)

八幡「うん。やっぱり俺は、お前のことが好きだ」

八幡(もう一度好意を伝えると、その言葉は自分の心に驚くほどストンと受け入れられた)

八幡「単純だと思われるかもしれねえけど、ここ数日で一気に持っていかれたわ」

沙希「ふふ、頑張った甲斐があったかな?」

八幡「ああ。俺を慰めてくれて嬉しかった。抱きしめてくれて嬉しかった。料理を作ってくれて嬉しかった」

八幡(一旦言葉を切り、俺も両手で川崎の手を握る)

八幡「好きって言ってくれて、嬉しかった」

沙希「…………うん」

八幡(川崎は小さく頷き、頬を少し赤くしながら何かを待つように俺を見つめる。鼓動が早鐘のようになりながらも俺は言葉を発する。過去に何度も口にしたが、これほどまでに報われてほしいと思ったことはない言葉を)
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 23:58:47.53





八幡「好きです。俺と、付き合ってください」




614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/05(土) 23:59:13.54





沙希「…………はい」




615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 00:00:04.59
今日はここまで

飲み会のビンゴで時計が当たった。嬉しくねえな…………
あ、飲み過ぎたりはしてないからドドリアナースは結構です(笑)
というかフリーザ軍いすぎだろこのスレ


今回はゆきのん達の描写なくてすまん。次回は登場します
あ、俺ガイル内のキャラでベストテンに入るくらいはゆきのんは好きなキャラですんで

ではまたノシ
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 00:01:01.83
えんだあああああああああああああああああ
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 00:08:50.99
いやあああああああああああああああああ
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 19:17:45.12
八幡「は」

八幡(今まで何度も言ったことのある言葉だが、返ってきたのは一度も聞いたことのない返事)

八幡「はは」

八幡(その意味が頭に浸透するのに数秒の時間を必要とした)

八幡「ははは」

八幡(肩の力が抜け、妙な笑いが俺の口から漏れる。悲しいわけでもないのに目から涙が溢れる)

八幡「ありがとう…………ありがとう、川崎」ポロポロ

沙希「何で泣くのさ? そもそも最初に好きだって言ったのはあたしからなんだしそんなに緊張しなくてもいいじゃないの」

八幡「そうだな。でも、俺を受け入れてくれたのがすげえ嬉しくて……すまん」ポロポロ

沙希「まったく。仕方ないね」

八幡(川崎は呆れたように笑い、繋いでいた手を離して俺のそばに寄ってくる。そしてここ数日でしてくれたように俺の頭を胸に抱き寄せた)

八幡「ん…………」

八幡(俺は抵抗せずに川崎の胸に顔を埋め、両手を腰に回して抱きしめる)

八幡「なんかすまねえな。せっかく好きって言ってくれてんのに情けないとこばっかり見せちまって」

沙希「ううん。むしろあたしにはそういう弱いとこも見せてほしいかな」ナデナデ

八幡(川崎が俺の頭を撫でてくる。すげえ幸せだ…………)
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 19:19:23.49
沙希「あたしの胸を堪能してるとこ悪いけど、もうすぐ予備校の時間になるよ。そろそろ準備しないと」

八幡「ん、ああ、そうか」

八幡(俺達は互いの両腕を解き、立ち上がる。その際に川崎の顔を見ると視線が絡まり合う)

八幡「………………」

沙希「………………」

八幡(何も言わずにしばらく見つめ合い、川崎が一歩近付いてくる)

八幡(僅かに顎を上げて目を閉じた川崎の頭に手を添え、ゆっくりと自分の顔を近付ける)

八幡(そして、二人の唇の距離がゼロになった)

八幡(どのくらいそうしていたか、俺達がようやく唇を離した頃には少し息が荒くなっていた。呼吸が疎かになっていたようだ)

沙希「…………じゃ、あたし部屋で準備してくるから」

八幡「お、おう」

八幡(さすがに川崎も恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にしてそそくさと自分の部屋に戻ってしまった)

八幡(かくいう俺も色々な想いが頭を駆け巡り、崩れ落ちそうになるのを必死で堪える)

八幡「はぁ…………すっげえ嬉しい…………」

八幡(つい自然にぽつりとそんな言葉を俺は呟いた)
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 19:20:11.24
小町「ごちそうさまでした! やっぱり雪乃さんの料理は絶品ですね!」

結衣「ホントお店に出せるレベルだよね。ごちそうさまでした!」

雪乃「ふふ、ありがとう小町さん、由比ヶ浜さん」

陽乃「そうだ雪乃ちゃん。いい策を思い付いたよ!」

雪乃「策?」

陽乃「言ったじゃない。比企谷君をオトす策を考えてって」

雪乃「いえ、あれは冗談なのだけれど…………」

陽乃「いいからいいから。ずばり、男をオトすには胃袋から! 学校始まったら比企谷君にお弁当を作ってあげよー!」ドンドンパフパフ

雪乃「その擬音どこから出してるのよ…………でもお弁当か、悪くはないわね。小町さん、比企谷君は基本コンビニで買っているのよね?」

小町「はい。ウチは作る人がいないですからね。でも兄は受け取ってくれますかね? 突然そんなことされても戸惑ったり断られたりするんじゃないでしょうか」

雪乃「それは事前に言っておくわよ。今回のお詫びも兼ねてということならきっと受け取ってくれるわ」

結衣「ううー、ゆきのんが相手じゃ分が悪いよー。あたしお弁当作るなんて無理だし…………」
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 19:21:13.17
陽乃「何言ってんの。ガハマちゃんには雪乃ちゃんにない武器があるじゃない」

結衣「え?」

陽乃「おっぱい嫌いな男子なんていないんだからさー、その大きなモノで誘惑すれば一発だって」

結衣「えっ、ええええ!?」

雪乃「くっ…………」

結衣「そ、そりゃあヒッキーはたまにあたしの胸をチラチラ見てくることはあるけど…………あ、でもあたしそんなヒッキーに散々キモいとか変態とか言っちゃってる…………」

陽乃「男の子はつい見ちゃうものなんだけどねー。その辺をある程度容認できるようにならないと男と付き合うのとかが大変だよ」

雪乃「そんな脂肪の塊の何がいいのよ…………全部お腹に移ってしまえばいいのに…………」ブツブツ

小町「ゆ、雪乃さん、落ち着いて!」

陽乃「くくくっ…………ん、あれ? 誰か携帯鳴ってるよ?」

小町「あ、小町のです。メールみたいですね。相手は…………えっ、お兄ちゃん!?」

雪乃・結衣「!!?」

小町「お兄ちゃんのスマホは家に置きっぱなしなのに! 電話、電話!」ピッピッ

小町「…………電源が切られてる。お兄ちゃん、帰ってきたの!?」

陽乃「落ち着いて小町ちゃん。メールは何だって?」

小町「その、三日後くらいに帰るってだけ…………」
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 19:23:42.00
胸も食事も既にサキサキが餌付け済みなんだよな……

椅子取りゲームの勝者数には限りがあって
泣く人が必ずでちゃうのが悲しいね乙
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 19:25:31.90
もう餌付け済んでるんだよなぁ…
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 20:15:17.35
乙!
良妻賢母のサキサキに彼女達が勝てる訳がないじゃないですか~!
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 20:39:46.92
なんとなくコピペ


みんな知ってるサキサキの魅力

・巨乳でスタイルがいい(空手やってたせいか姿勢もいい)
・家族想い
・料理ができる
・裁縫ができる
・ぼっちの心情が理解できる
・スカラシップとれるくらいに頭はいい
・八幡の悪口を言わない
・八幡に告白されたことがある
・妹にけーちゃんがいる
・泣き黒子というアクセント
・外見とは裏腹に結構ウブ
・不良っぽいのにおばけが怖いというギャップ
・髪◯キとパ◯ズリが出来る
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 20:44:26.95
>>654
黒のレースがない、やりなおし
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/06(日) 21:17:28.77
>>654
八幡の悪口言わないってのはあの作品の中では大きいと思う
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/07(月) 21:47:21.03
八幡「よし、んじゃ行くか。一応自転車も持ってきてるけどどうする?」

沙希「歩いて行くにはちょっと微妙な時間だね…………キ、キスに時間取られすぎちゃったかな?」

八幡「おい、そこで恥ずかしがるなよ、俺まで恥ずかしくなるだろうが。昨日までのお前ならそんなふうにはならなそうなもんだが」

沙希「う…………し、仕方ないじゃない。恥ずかしいもんは恥ずかしいんだよ…………でも、うん、そうだよね」

八幡「いや、あまり積極的に来られても俺が困惑するだけだがな。で、どうする? 自転車で行くか?」

沙希「…………ちょっと悪いこと頼んでいい?」

八幡「悪いこと?」

沙希「比企谷の後ろに、乗せてほしいんだけど」

八幡「! 二人乗りってことか…………いいぜ、小町専用席だったけど川崎なら大歓迎だ」

沙希「うん、よろしく」

八幡(俺は川崎が戸締まりをしている間に自転車を準備する)

沙希「じゃ、お願いします、運転手さん」

八幡「おう、しっかり捕まっててください、お客さん」

八幡(俺と川崎の荷物を前カゴに入れ、サドルに跨がる。川崎が荷台に座って俺の腰に手を回したのを確認し、ペダルを漕ぎ始めた)
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/07(月) 21:48:11.96
八幡「一応人通り多いとこは避けるから少し遠回りするぞ」

沙希「ん、了解」ギュッ、ムニュッ

八幡「…………あとあんまり胸を押し付けないでくれ。運転に集中できなくなる」

沙希「あ、そう? じゃ、また次の機会に」スッ

八幡「やっぱりわざとだったのか…………」

沙希「当ててんのよ」

八幡「そのセリフ知ってんのかよ」

沙希「昔大志が古本で買ってきたから。異世界に行くのは明らかに失敗だったよね」

八幡「夜明けの炎刃王はなあ…………」

八幡(そんなたわいもない話をしながら俺達は予備校に向かう)

八幡「到着、っと」キキッ

沙希「ん、ありがと」

八幡「おう。一コマ目何だっけ、英語?」

沙希「うん。同じだよ」

八幡「んじゃ行くか」

八幡(俺と川崎は連れ立って教室に入り、空いている席に並んで座る。直前の講義が終わったばかりのようでちらほらと片付けの終わっていない生徒が残っていた。が…………)

八幡「…………なあ、何か視線を感じるんだけど」

沙希「みたいだね。いつも一人だったあたしたちがつるんでるから気になってるんじゃない?」

八幡「いや、昨日も一緒にいたじゃねえか」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/07(月) 21:49:09.66
沙希「むしろ二日連続だからでしょ」

八幡「そういうもんか?」

沙希「あたしに声を掛けてきた男子も何人かいるしね。一人だとチョロいとか思われてたのかな?」

八幡「え…………ま、まあお前は外見もスタイルも良いから」

沙希「ありがと。ふふ、嫉妬した?」

八幡「…………ちょっとだけ」

沙希「大丈夫、誘いに乗ったことは一度もないから。ま、これからはあんたには虫除けになってもらうからね」

八幡(そう言って川崎は突然顔を寄せてきて俺の頬に唇をつける)

八幡「!? な、な……お前…………」

沙希「ふふっ」

八幡(川崎は楽しそうに笑う。くそっ、可愛いじゃねえか! そして周りを確認するのが怖い。さぞかし怨嗟の視線が俺に突き刺さっていることだろう)

八幡(仕方なく俺は講師が来るまで川崎から目線を離さずに会話を続けたのだった)
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/07(月) 21:49:59.11
小町「…………やっぱりお兄ちゃん、一回帰ってきてたみたいですね。財布なくなってますし、部屋も何かしら漁った跡があります…………」

雪乃「スマホは置きっぱなしだけど、横にあるメモは間違いなく比企谷君の筆跡のようね」

陽乃「へー、雪乃ちゃんて見ただけで比企谷君の筆跡とかわかるんだ?」

雪乃「っ…………!」

結衣「うう……ごめんね小町ちゃん。あたしが誘わなければヒッキーと会えたのに」

小町「いえ、結衣さんのせいじゃありませんよ! もしかしたら兄は誰もいないのを確認してから帰ってきたのかもしれませんし。それに三日後には帰ってくるって言ってますので、それを待てばいいだけですから」

結衣「うん…………でも時間は書いてないよね。何時頃に帰ってくるのかなあ?」

雪乃「小町さん。比企谷君が帰ってきたら連絡をいただけないかしら? その日のうちに行けるようならすぐに向かわせてもらうわ」

結衣「あ、あたしも!」

小町「はい、おまかせください!」

陽乃「じゃあそれまで作戦会議だね。比企谷君を如何にしてオトすか」

雪乃「う…………」

結衣「あう…………お、オトすって……」

陽乃「ほらほら、そんなんじゃ他の女の子に盗られちゃうよ」
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/07(月) 21:52:05.31
結衣「で、でもヒッキーのことを好きな女の子なんてそうそういないし…………怪しいのはいろはちゃんと沙希くらいかな」

雪乃「…………まさかそのどちらかのところに行ってる、なんてことはないわよね?」

結衣「いろはちゃんは春休み初日から田舎に帰るって言ってたけど…………」

小町「多分沙希さんもですね。大志君から初日から田舎のおばあちゃんのところに行くって聞きました」

陽乃「まあさすがに比企谷君も女の子のところに転がり込むなんてことはないでしょ。帰ってきたら聞いてみればいいじゃない」

雪乃「そうね。比企谷君が帰ってきたらまず謝って、すべてはそれからよ」

陽乃「…………ところで雪乃ちゃん、先に一つ厳しいことを言っておくね。さっきまで一緒に盛り上がってた私から言うのもなんだけどさ」

雪乃「何かしら?」

陽乃「楽観的に捉えているかもしれないけど、謝ったところで比企谷君が許してくれるとは限らないんだよ?」

雪乃「!!」

陽乃「表向きは今まで通り仲良くしてくれるかもだけど、心中はどうだかわからないからね。比企谷君は特に」

雪乃「…………」

陽乃「もちろん小町ちゃんもガハマちゃんもね。お姉さんの考え過ぎかもしれないけど」

結衣「うん…………」

小町「はい…………」

小町(ごめんなさいお兄ちゃん。許して貰えるまで、小町何度でも謝るし何でもするから…………早く帰ってきて)
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/07(月) 22:36:41.63
乙です
今更ゆきのんに入り込む余地なんかないやん…
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/08(火) 20:54:04.45
沙希「ただいま、っと」

八幡「ただいま」

八幡(俺と川崎は予備校が終わったあと、スーパーに寄って買い物をしていった。米が少なくなっているのを忘れていたそうだ)

八幡「よっ、と。米はここに置いとけばいいのか?」

沙希「うん、いいよ。ごめんね重いもの持たせちゃって」

八幡「何言ってんだ、これくらいのことならどんどん頼ってくれよ。その、か、彼氏、なんだからさ」

沙希「ふふ、そうだね。ありがとう比企谷」

八幡「お、おう」

八幡(くっ、やはりまだ俺の方が恥ずかしい…………嬉しいけども)

沙希「そろそろ夕飯作り始めようかな。今日はハンバーグにしようと思うけどいいよね?」

八幡「ああ、期待して待ってるぜ。せっかくだから今のうちに浴槽洗っとくわ」

沙希「うん、よろしく。適当にタイマーも仕掛けといて」

八幡「あいよ」

八幡(俺は風呂場に向かい、袖と裾を捲ってブラシで浴槽を洗い始める)ゴシゴシ

八幡(ついでだから床も少し掃除しとこう)ゴシゴシ

八幡(タイマーは…………九時くらいでいいか)ピッピッ

八幡(ひと仕事終えて濡れた手足を拭き、居間に戻るとテーブルにお茶が淹れてあった。川崎が淹れてくれたのだろう)
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/08(火) 20:54:55.03
八幡(礼を言おうと思ったが、料理中に話しかけるのもどうかと思うので止めておく。俺は鞄から数学の参考書を取り出した)

八幡(予備校の合間に少し基礎を教わったのでやってみることにしたのだ。高一の参考書というのが情けない限りだが、せっかく川崎が教えてくれるなら頑張ってみたいじゃないか)

八幡(えっと…………)

八幡(ふむ…………)

八幡(悪戦苦闘しながらも問題を解いていると、川崎が台所から顔を覗かせて声を掛けてくる)

沙希「比企谷、そろそろごはんできるからキリのいいとこで終わらせてテーブル空けといて」

八幡「ん、わかった」

八幡(ちょうど今ちょっとした難問を解き終わったしここまでにしとくか)

八幡(テーブルの上を片付けて布巾で満遍なく拭く。すぐに川崎が御盆を持ってやってきた)

沙希「お待たせ。あとごはんよそってくるから」

八幡(ハンバーグにサラダに味噌汁。実に旨そうだ。俺の皿にはハンバーグが二つ乗っている)

沙希「はい、ごはん」

八幡「おう、サンキュ。これ、二つ食べていいのか?」

沙希「うん。一つじゃ物足りないかと思って。多かったら残してもいいよ」

八幡「いや、全然食える。いただきます」
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/08(火) 20:56:30.51
沙希「ん、召し上がれ。あたしもいただきます」

八幡(早速ハンバーグを箸で一口大に切り、口にする)

八幡「やっぱり期待通り…………いや、期待以上に旨え。本当に凄いよな川崎は」

沙希「ふふ、ありがと。たくさん食べてね」

八幡「おう」ガツガツ

八幡(実際は少し多いかなと思ったのだが、この味の前では杞憂だったようで、あっという間に平らげてしまった)

八幡「ふう、御馳走様でした」

沙希「お粗末様でした。食器洗ったらお茶淹れるからちょっと待ってて」

八幡「あ、そのくらいは俺が…………」

沙希「いいから座ってなって。あたしに世話焼かせてよ」

八幡(川崎は笑いながらそう言って食器を台所に持って行く。なんつーか、甘やかされてんな俺…………)

八幡「………………」

八幡(俺は立ち上がって台所に向かい、スポンジで皿を洗う川崎に近付く)

沙希「ん? どうかしたの?」

八幡(振り向かずに問うてくる川崎には言葉を返さず、川崎の腰に両腕を巻き付けて後ろから抱きしめた)

沙希「あっ…………ひ、比企谷?」

八幡「………………」ギュッ

沙希「………………」

八幡(無言のまま抱く力を少し強めると、川崎は顔を赤らめながらも食器洗いを再開する)
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/08(火) 20:57:34.88
八幡(食器の水気を切り、全て拭き終えた川崎が顔をこちらに向けた)

八幡(しばらく見つめ合ったあと、どちらからともなく顔を近付けて唇を重ねる)

八幡「ん…………」

沙希「ふ…………」

八幡(互いにわずかな声を漏らしたあと、顔を離して再び見つめ合う)

八幡「はは」

沙希「ふふ」

八幡(なぜか二人とも自然と笑いが出てしまう)

沙希「お茶、淹れよっか?」

八幡「ああ。実はちょっと緊張して喉渇いちまったからな」

八幡(身体を離して居間に向かう。川崎が湯呑みを用意してお茶を淹れてくれる)

八幡「はあ…………なんというか、お前とお茶を飲んでると本当に落ち着くな」

沙希「そう?」

八幡「ああ。正直一人でいるのと同じくらい気が休まる感じだ」

沙希「うーん。あたしとしては二人きりの状況にドキドキしてほしいかなって面もあるけど」

八幡「そんなん何度もしとるわ。さっきの台所のやつとか」

沙希「知ってるよ。心臓が凄い速く鳴ってたの、くっついた時にわかったからね」

八幡「う…………いきなり悪かったな。ああしたいって思っちまって、緊張はしたけど止まれなかった」

沙希「ううん、あたしも嬉しかったから」
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/08(火) 20:59:41.09
八幡「そうか。なら良かったわ」

沙希「うん…………ねえ、そっちに行ってもいい?」

八幡「! あ、ああ」

八幡(川崎は立ち上がって移動して俺の横に座り、そっと俺に身体を寄りかからせて肩に頭を乗せてきた。俺は手を川崎の腰に回す)

八幡(無言のまま時が流れていく。だけど全然気まずい雰囲気にはならない)

八幡(風呂のタイマー音が鳴るまで俺達はずっと身体を寄せ合っていた)
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/08(火) 21:06:54.10
しかし確実に居候生活の終わりは近づいている……
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/08(火) 21:20:56.18

居候生活が終わっても、婿入りからの新婚生活が始まるからヘーキヘーキ
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/09(水) 21:50:59.31
沙希「出たよ。どう?」

八幡(風呂上がりの川崎が声を掛けてくる。数学の指定されたいくつかの問題を解いておくよう指示されていたのだ)

八幡「ああ、何とか解けたと思う。二回見直したけど大丈夫なはずだ」

沙希「どれどれ」

八幡(川崎が隣に座り、手元のノートを覗き込んでくる。その際にふわっと良い匂いが俺の鼻に届いた。シャンプーの香りだろうか?)

沙希「ん、ちゃんと出来てるじゃない。やっぱ理解力はあるんだよねあんたって」

八幡「いや、お前のおかげだよ。ありがとうな」

沙希「礼を言うのはまだ早いよ。これから今までの分全部取り戻すからね」

八幡「ああ、よろしく頼む」

沙希「うん。でも今日はここまでにしとこ。最初から飛ばすのも良くないし」

八幡「そうだな、もうすぐ日付変わるし。そろそろ寝るか?」

沙希「そうだね」

八幡(俺達は歯を磨くために洗面所に向かう)

八幡「………………」

八幡(くそ、昨夜は誘えたのに付き合ったら逆に誘いにくくなったぞ)

八幡(そうこうしているうちに歯を磨き終わり、川崎は自分の部屋に引っ込んでしまう)

八幡「あ…………」

八幡(ええー、挨拶も無しか?)
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/09(水) 21:52:38.56
八幡(しかしすぐに再び部屋のドアが開き、川崎が出てきた。その手には枕が持たれている)

八幡「か、川崎」

八幡(川崎は俺の近くまで寄ってき、そっと耳元で囁いてくる)

沙希「一緒に、寝よ?」

八幡「お、おう」

八幡(やった! と飛び上がりそうになるのを堪え、俺は何とか返事をした)

八幡(居間に戻り、川崎が布団を敷く。しかしそのまま入らずに俺を見つめてくる。どうかしたのか?)

沙希「ね、比企谷」

八幡「何だ?」

沙希「…………する?」

八幡「!!」

八幡(主語も目的語もないたった二文字の質問。だけどその意味がわからないほど俺は鈍感ではない。が…………)

八幡「…………いや、しない」

沙希「そう? どうして?」

八幡「その、な。そういうことは責任取れるようになるまでしないつもりなんだ。だから、あと四カ月ちょっと待っててほしい」

沙希「四カ月? ああ、あんたの誕生日か。十八歳になってからってことね?」

八幡「ああ。お前が大事だから特に、な」

沙希「うん、わかった。待ってるから」

八幡「悪いな」

沙希「いいよ。あたしもまだ少し怖かったし。あ、でも我慢できなかったらいつでもいいからね?」
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/09(水) 21:55:10.83
八幡「我慢できなくなるようなことするなよ?」

沙希「ふふ、さあね?」

八幡「おい」

沙希「でも八月か。万一デキちゃっても生む前にちゃんと高校卒業は出来るね」

八幡「いやいや、避妊はしっかりするから」

沙希「万一だってば。ま、あたしはそのままデキ婚しちゃってもいいけど」

八幡「俺が嫌だわ。ちゃんと大学行って就職してからでないと養うものも養えん」

沙希「あれ? あんた専業主夫目指してるんじゃなかった?」

八幡「あー…………お前の為だったら働いてもいいかなって…………そもそも家事とかはお前の方がずっと上だし」

沙希「ふふ、結婚すること自体は嫌じゃないんだね?」

八幡「当たり前だろ。川崎みたいな良い女、他の奴に渡してたまるか。お前は俺のもんだ」

沙希「ありがとう、嬉しい…………さ、もう寝よ? この胸もあんたのものだから好きに使って」

八幡「ああ。じゃあまたその胸で寝かせてくれ」

沙希「うん。おいで」

八幡(川崎は布団に入り、昨夜と同じように俺の使う枕を胸辺りに下げる。俺も続いて布団に入り、川崎を抱きしめながらその豊満な胸に顔を押し付けた)

八幡「川崎…………好きだぜ」

沙希「うん。あたしも比企谷が大好き」

八幡(俺の言葉に川崎が頭を撫でながら返してくる。眠気が一気に押し寄せてきたので俺はそれに身を委ねた)

八幡「おやすみ…………沙希」

沙希「! おやすみ、八幡」
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/09(水) 21:56:52.80
八幡(そのまま一晩抱き合ったまま眠り、翌日も特に変わりのない一日を過ごす)

八幡(川崎の作った料理を食べ、予備校で講義を受け、空いた時間に川崎から数学の手ほどきを受ける)

八幡(変わったことといえばキスの回数がやたら多かったことか。あと夜に寝るとき、今度は川崎が俺の胸に顔を埋める体勢で寝たことくらいだな。その際に頭を撫でたら髪がサラサラですごい気持ち良かった)

八幡(次の日も似たような感じで過ごしたが、前日と違うのはこの日が居候最後の日ということだ)

八幡「家族はもうすぐ帰ってくるんだっけか?」

沙希「うん。あと一時間くらいで着くって」

八幡「んじゃ、そろそろおいとまするか。この数日間、楽しかったぜ」

沙希「ううん、こちらこそ…………ね、本当に大丈夫?」

八幡「ああ。辛いときにはお前がいてくれるって言ってくれたからな。精神的に余裕もあるし丈夫になったと思う」

沙希「そう? ならいいんだけど」

八幡「その代わりお前に裏切られたらそれこそ俺はぶっ壊れちまうかもな。ははは」

沙希「初日のを見る限りなくはないかもね。でもあたしはあんたを裏切ったりしないから。証拠、見せようか?」

八幡「証拠?」
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/09(水) 22:00:33.30
沙希「はい、これ」

八幡(そう言って差し出されたのは川崎の名前が書かれた婚姻届だった)

八幡「こ、これは…………」

沙希「まだ未成年だから保護者欄埋めてなくて使えないけどさ、成人したらあとは判子捺すだけでいつでも使えるよ」

八幡「…………」

八幡(俺は無言でそれを預かり、大切に鞄にしまう)

八幡「川崎」

沙希「何?」

八幡「俺がもうちょっとマシな男になったらプロポーズするからさ、いつか一緒に出しに行こうぜ」

沙希「うん、待ってる」

八幡(俺は荷物をまとめ、鞄をしょって立ち上がって玄関に向かう)

八幡(靴を履いて振り向き、鍵を川崎に差し出す)

八幡「これ、返すわ。世話になったな」

沙希「うん」

八幡(鍵を受け取った川崎は目を閉じて顔を寄せてくる。俺は川崎の後頭部に手を回し、唇を重ねた)

八幡「…………じゃ、帰ったらメール入れるから」

沙希「うん。メルアドのメモ、なくしたりしないでね」

八幡「ああ。それじゃ、また」

沙希「またね」

八幡(俺は軽く手を振り、川崎家を出る。こうして俺の居候生活は終わりを告げたのだった)
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/09(水) 22:14:24.40
デレデレやんけ!やったぜ
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/09(水) 22:15:04.36

八幡は絶望から最愛の嫁を授かったのか。

そして雪乃さんの悪あがきが開幕か。
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/10(木) 20:55:41.17
八幡(ふあ…………すげえ眠い。昨夜は川崎を抱きしめながら寝たからだな、ちょっと感触が勿体なくてなかなか寝なかったし)

八幡(帰ったらすぐ川崎にメールして一眠りするか。あ、その前に小町にケーキ買ってやらねえと。コンビニのでいいか)

八幡(もうすぐ夕飯の時間だが…………いらねえな。予備校のために遅い昼飯になったし、明日の朝まで寝ちまおう)

八幡「ついでにマッ缶飲むか…………コンビニは、と」

八幡(目に入ったコンビニに行き、マッ缶とケーキを買って家に向かう)

八幡(そういやもっとマシな男になったら、って川崎には言ったけどどうすればマシな男として認められるんだろうか。リア充みたいになるってのとは違うよな多分)

八幡(普通に考えればいい大学行ってちゃんと就職することか? まあ、プロポーズするなら養えるだけの甲斐性がないと無理だろうし)

八幡(とりあえずは勉強から、かな。数学もある程度できるようになれば選択肢は広がるはずだし、ちょっとだけ頑張ってみるか)

八幡(そうこう考えているうちに我が家に到着し、自転車をとめて鍵を掛ける。それをポケットにしまい、代わりに家の鍵を取り出して開ける)

八幡「たでーまー」
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/10(木) 20:56:43.69
八幡(玄関で靴を脱いでると、リビングから小町が飛び出してきた)

小町「お、お、お兄ちゃん!?」

八幡「おう、愛しの可愛い妹よ、元気だったか? ほれ、お土産のケーキだ」

小町「え、あ、ありがとう…………じゃなくて! その……」

八幡「あー、悪い。今すっげえ眠いんだ。夕飯はいらねえから明日の朝まで寝かせてくれ」

小町「え…………」

八幡(昼の川崎の数学講座の疲れが今頃来たのだろうか? 頭が少しぼんやりしてきた。ついでに大あくびまで出てしまう)

八幡(多分サキウム不足のせいでもある。ちなみにサキウムってのは元気になる成分のひとつで川崎沙希との触れ合いで摂取できる………………うん、我ながらキモいわ。やっぱり疲れてんな)

八幡「んじゃ。滅多なことでは起こすなよ? せっかくの春休みに安眠を妨害されるなんて御免だし」

小町「で、でも、小町、お兄ちゃんに…………」

八幡「話あるなら明日聞いてやっから。んじゃお休み」

小町「あ…………」

八幡(小町は何か言いたそうだったが、今のコンディションではまともに聞けないだろう。悪いけど明日にしてもらおう)

八幡(部屋に戻り、スマホで川崎に『帰った。寝る』とだけ送り、俺はベッドに飛び込んであっという間に眠りにつく)
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/10(木) 20:58:26.88
沙希「ん、メール?」

沙希(携帯を操作し、届いたメールを見ると短く『帰った。寝る』とだけあった)

沙希「付き合って初めてのメールがこれってどうなのさ…………」

沙希(そう言いつつもあたしはそのメールを保護指定し、うっかり消えないようにする)

沙希「返信は……いいか。起こしたら悪いし、明日の朝にでもしとこう」

沙希(なんか、夢みたいな数日間だった)

沙希(比企谷と一緒にいれて、あまつさえ付き合うことになるなんて)

沙希(料理も食べてくれたし、抱きしめ合ったり、一緒に寝たり、キスまで…………)

沙希(怖いくらい、幸せ…………でも、あいつにとってもっともっと良い女になりたい)

沙希(学校始まったらお弁当を作ってあげよう。服も作ろう。まだまだ色んなことを勉強しなくちゃ)

沙希(あ、あと、いつかのために、エ、エッチなことも…………)

沙希(つい比企谷とそういうことをする想像をしてしまい、悶々としてるところで呼び鈴が鳴り、我に返る)

沙希(みんなが帰ってきたようだ。出迎えに行こう。もう比企谷がいた痕跡は消したはずだし)

沙希(まあ母さんにだけは根掘り葉掘り聞かれるんだろうけど…………他のみんなに黙っててくれたし、帰宅時間とかの情報もくれたからそれくらいは仕方ないか)

沙希(色々からかわれるであろう未来に少しだけ憂鬱になりながらあたしは玄関に向かった)
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 00:58:42.93
八幡「ん…………」

八幡(伸ばした腕が空振り、ポスンと布団に落ちて俺は目を覚ました)

八幡(そうか。帰ってきたから川崎は隣にいないんだな)

八幡(…………そうだ。俺は家出してたんだった。昨夜うっかり小町と普通に会話してしまったな。いや、小町は何か言いたそうだったけど)

八幡「起きるか……」

八幡(時計を見ると五時半といったところだった。何か食うもんあるかな?)

八幡(そう思ってリビングに入ると親父とお袋がテーブルで朝食をとっていた。え? 随分早いな)

八幡「おはよう。俺の食うもんある?」

八幡(しかし二人ともポカンとしたままこっちを見るだけだった。ああ、そういや普通に話し掛けられたって戸惑うに決まってるわな)

八幡「えっと、色々ご迷惑をかけてすいませんでした」

八幡(実際にどのくらい迷惑をかけたかはわからないが、とりあえず頭を下げておく)

比企谷父「…………八幡、頭を上げてここに座りなさい」

八幡(親父がやたら神妙な声で椅子を指差した。そのあとお袋の方に移動し、俺と向かい合う形になる)

比企谷父「八幡」

八幡「はい」

八幡(何やら改まって呼んでくる。まさか本当に俺が必要なくて追い出そうってんじゃないだろうな? いや、さすがにそれはないと思うが、万一そうなったらまた川崎んとこに行くことになんのかな?)
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 00:59:40.94
八幡(そんな的外れな想像をしていると、いきなり両親揃って頭を下げてくる)

比企谷父「お前の気持ちも考えず無神経なことを言ってすまなかった」

比企谷母「ごめんなさい。この馬鹿な母親を許してちょうだい」

八幡「え? お、おい、何だよ突然? 頭上げてくれって」

比企谷父「いや、俺達はこうしなければならん。でなければ完全に親失格だ」

八幡「何でだよ!? そりゃ俺は出来の良い息子ってわけじゃないが、小町みたいな良い子を育ててるじゃねえか」

比企谷父「そんなことはない! お前だって俺達の自慢の息子だ!」

八幡「うおっ、下向いたまま怒鳴るなよ…………とりあえず頭上げろってば。でないとまともに話も出来やしねえ」

八幡(そう言うとようやく二人は頭を上げた)

八幡「で、えーっと、何で俺に謝るんだ?」

比企谷父「何でって……あの日、俺達はお前に色々ひどいことを言ってしまってだな」

八幡「いや、そんなのいつものことだろ。いちいち気にするなよ」

比企谷母「気にしないわけないでしょう! あんたが家を飛び出しちゃって…………」

八幡「あー…………」

八幡(なんだか思っていた以上に心配をかけていたらしい。悪いことをしたな)
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 01:00:46.45
比企谷父「お前のことを貶すようなことを言ったが、あれは本気じゃないんだ。しかし親子とはいえきちんと線引きしなければならんこともあるはずなのに、それを軽んじてしまった。本当にすまない」

八幡「あ、いや、別に慣れてるから」

比企谷母「それがおかしいのよ。慣れるほど言われているというのがそもそも問題なの。それも全て私達のせい。ごめんなさい」

八幡「えーと、うん、わかったからさ、まずは朝飯にしないか? 俺、腹減ってんだけど」

比企谷父「おい。俺達は真面目に話しているんだぞ」

比企谷母「目をそむけないで聞いてほしいの」

八幡(め……)

八幡(面倒くせえええ!)

八幡(あん時はそりゃちょっと悲しかったりもしたけどさ…………いや、かなりか? 実際泣いてしまったりしたわけだし。でも今となっちゃ黒歴史というか恥ずかしい過去なんだよ、親にちょっと貶されて泣いて家出したなんて。あんまり思い出したくない)

八幡(…………多分こんな心境になったのも川崎のおかげなんだろうなあ。あいつ関連で色々衝撃的なことがあったせいでくだらないことに思えてきたんだし。まさかこれも狙いのひとつだったのか?)
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 01:01:45.77
比企谷父「だから八幡、お詫びにお前の願いを何でも叶えてやろう」

八幡「シェンロンかよ」

比企谷父「ただし俺の力を超える願いは叶えられん」

八幡「まんまシェンロンじゃねえか」

比企谷母「正直なところ物で釣るみたいになってるけど、蔑ろにしがちだったあんたのために何かしてあげたいのよ。遠慮しないで言ってごらん」

八幡「あー…………じゃあさ」

比企谷父母「「うん」」

八幡「今回の事、気にすんなよ。んで今まで通りに接してくれればいいから」

比企谷母「え?」

比企谷父「し、しかしそれでは俺達の気が……」

八幡「なんだよ、何でも叶えてくれるんだろ?」

比企谷父「う…………」

八幡「だいたいあの日はたまたまちょっと嫌なことが重なっててな、色々あって泣いちまったんだよ。親父達だけのせいってわけじゃねえから」

比企谷父「…………わかった」

比企谷母「お父さん!?」

比企谷父「母さん、八幡がそうしてほしいと言うならば俺達は従うべきだ。これ以上何かさせるよう仕向けるのは俺達が罰されて楽になりたいだけにしか見えん」

比企谷母「そう……そうね」

八幡「いや、だからそこまで大袈裟なもんじゃねえってば……」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 01:02:44.68
比企谷父「だが八幡、お前も言いたい事は言ってこい。子供だからって遠慮はしなくていいんだぞ」

八幡「だからさっきからメシが食いたいって言ってるじゃねえか…………このトースト食っていいか?」

比企谷母「あ、じゃあもう何枚か焼くよ。ついでに八幡の分のコーヒーも淹れるから」

八幡(そう言ってお袋は台所に向かった。やれやれ、ようやく朝飯にありつけそうだ)

八幡「ところで今日はやけに早くね?」

比企谷父「ああ、今仕事が佳境に入っててな。お前が大変な時なのに仕事にかまけるなど本来は許されないことなのだが…………」

八幡「いやいや、それで俺と小町を養ってくれてんだから感謝してるって。むしろそんな時に迷惑かけて悪かったよ」

比企谷父「そんなことはない。子供に迷惑かけられるのが親の仕事だ。だが、小町もすごく心配していたぞ。雪ノ下さんのお姉さんから話を聞くまでは事故にでもあったりしてないかとかな」

八幡「ああ、陽乃さんに聞いたのか」

比企谷父「色々とな。ところでその時に聞いたが服装が家を出たときと違っていたそうじゃないか。この数日間どこに行っていたんだ?」

八幡「あー…………彼女のとこに泊まってた」
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 01:04:32.00
比企谷父「え…………?」

比企谷母「え…………?」

八幡「うおおっ! 危ねえっ!」

八幡(ちょうどお袋が持ってきたトーストを乗せた皿がテーブルに落ちそうになるのをキャッチする。なに? 俺の言ったことがそんな衝撃的なの?)

八幡(いや、うん、衝撃的ですね。だって俺の口から『彼女』だよ?)

比企谷母「ごめんなさい。ごめんなさい八幡。そんな現実と妄想の区別がつかないほど追い詰められていたなんて…………」

比企谷父「母さん、ここは八幡に合わせるんだ…………そうかそうか! よく出来た彼女じゃないか! 良かったな!」

八幡「全部聞こえてるからな? いや、別に信じなくてもいいけどさ…………」モグモグ

比企谷母「え、ほ、本当なの?」

八幡「あ、やましいことはしてないぞ。ちゃんと相手の親御さんに宿泊許可ももらったし」モグモグ

比企谷父「は、八幡に、彼女が…………」

八幡「絶句するのもわかるけどさ、仕事の時間平気か? 結構な時刻だけど」モグモグ

比企谷父「なに? あ、そろそろ出掛ける準備をしないとならんな。八幡、帰ったら詳しく聞かせろ」

八幡「気が向いたらな」モグモグ

八幡(親父達は慌ただしく着替えて出掛けていった。ええー…………川崎のこと説明すんの?)

八幡(俺達の関係をどの辺りまで伝えていいかあとで川崎に確認しとくか)

八幡(そう考えて次のトーストに手を伸ばした時、リビングのドアが開いて小町が顔を覗かせてきた)

小町「お兄ちゃん…………」
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 06:09:55.03
八幡「まんまシェンロンじゃねえか」

ワロタ
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 23:11:35.27
八幡「おう、おはよう小町。トーストでいいならあるぞ」モグモグ

小町「…………お兄ちゃん、この前は、その…………」

八幡「小町」

小町「は、はい」

八幡「朝飯、一緒に食おうぜ」

小町「う、うんっ」

八幡(少し戸惑いながらも小町は椅子に座った。しかしそこからじっと動かずに俯いている)

八幡(俺は腕を伸ばして小町の頭に手を乗せ、ゆっくりと撫でてやる)

小町「お兄ちゃん…………ごめんなさい、ごめんなさい」

八幡(小町は肩を震わせて泣きながら謝罪の言葉を口にし始めた)

八幡「大丈夫だって。何も怒ってねえから。ほら、泣き止まないと可愛い顔が台無しだぞ」ナデナデ

八幡(しばらくしてようやく落ち着き、小町は顔を上げる。目が赤かったが、もう涙は流れていない)

小町「あれ、嘘だから。お兄ちゃんは小町の大切なお兄ちゃんだから」

八幡「さて、何のことかな? 俺には覚えがないんだが」

小町「もう…………でも、ちゃんと帰ってきてくれて良かった……あとで雪乃さんと結衣さんも来るから」

八幡「あ? 何でだよ?」

小町「二人ともお兄ちゃんに謝りたいんだって」

八幡「何をだよ。面倒臭いだけだ、早く断りの連絡をしろ」
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 23:12:17.16
小町「そんなこと言わないでよ。二人はいつも素直になれなくてお兄ちゃんに色々言っちゃったのを反省してるんだから」

八幡「むしろいつも素直だろあいつらは。やりたい放題言いたい放題じゃねえか」

小町「そうじゃなくて、その…………」

八幡「何だよ?」

小町「ううん、やっぱりその辺は本人達から聞いて。小町が言うことじゃないから」

八幡「? よくわからんが、あいつらは俺に何か言いたいことがあるんだな?」

小町「うん」

八幡「仕方ねえな…………何時頃来るって?」

小町「多分連絡すれば今からでも来るんじゃないかな?」

八幡「は? まだ七時前だぞ?」

小町「うん。それだけお兄ちゃんにしたい話があるんだよ」

八幡「さすがにそれはな…………十時くらいに来るように言っとけ。それとも俺から連絡するか?」

小町「あ、うーん…………ここは小町からしとく」

八幡「おう。んじゃ俺は部屋にいるから」

八幡(食い終わって立ち上がろうとすると小町が俺の服を掴んできた)

八幡「どうした?」

小町「お兄ちゃん…………小町はお兄ちゃんのこと、大好きだからね」

八幡「おう、ありがとうな。俺も小町が大好きだぞ」
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 23:13:40.06
八幡(小町の頭をひとしきり撫で、自室に戻った途端、机の上に置いていたスマホが振動する。どうやらメールのようだ)

八幡(確認すると川崎から『おはよう。大丈夫?』とのメールだった。『問題はない。ちょっと時間あったら電話していいか?』と返信するとすぐに『今でも構わない』との返答が来た。俺は電話番号を入力し、コールボタンを押す)

沙希『もしもし』

八幡「おう、おはよう」

沙希『おはよう。家族とお話した?』

八幡「ああ、めっちゃ謝られた。こっちが恐縮しちゃうくらいだったぜ。小町なんか泣いちまうし」

沙希『ふふ、そう。やっぱりなんだかんだであんたは大事に想われてるんじゃない』

八幡「まあ、そうみたいだな…………でもよ、ちゃんと向き合えたのはお前がいてくれたからだと思う。だから、ありがとうな、川崎」

沙希『どういたしまして。って言ってもそこまで大したことした覚えはないけどね。結局あたしがしたいようにしてただけだし』

八幡「それでも、だよ。んでちょっと相談があるんだけど…………」

沙希『相談?』

八幡「ああ。その、俺達がくっついたこと、他に言ってもいいのか?」

沙希『別にいいんじゃない? 何か問題があるの?』
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 23:15:04.25
八幡「あー、なんつーか…………」

沙希『当ててあげようか? あんたは学校での評判が良くないからその関係であたしにも迷惑がかかるんじゃないかって心配してるんでしょ?』

八幡「何なのお前。エスパーなの?」

沙希『そんくらいちょっと考えればわかるって。ちなみにその心配はいらないよ。あたしだってあんたと同じでぼっちなんだから今更離れるような友達とかいないし』

八幡「そっか」

沙希『ふふ、嬉しいな』

八幡「あ? 何でだ?」

沙希『いつもの比企谷だったらさ、あたしに迷惑がかかったら嫌だと思ってさっさと身を引くでしょ? それをしないってことはあたしと離れたくないって思ってくれてるんだよね?』

八幡「…………マジで何なのお前。俺ってそんなにわかりやすい?」

沙希『さあね? ま、積極的に言いふらすことはしないけど聞かれたり必要だったりしたら言うってくらいでいいんじゃない?』

八幡「そうだな。実はあとで雪ノ下と由比ヶ浜が来るんだが…………」

沙希『早速浮気? 潰すよ?』

八幡「違えよ! 何を潰すんだよ怖えな…………何か話があるとか謝りたいとからしいが」

沙希『そう。それであたしとのことを言うの?』
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 23:17:02.28
八幡「言っといた方がいいだろ。これからのことも考えるとさ」

沙希『そうだね。あたしも同席する?』

八幡「いや、それには及ばねえよ。信用はされないかもしれないがな」

沙希『あたしをどんな手で脅してるんだ? くらいのことは言われそうだね』クスクス

八幡「ま、別に信じてもらわなくてもいいけどな。お前と付き合ってるって事実には変わらないんだし」

沙希『うん。でも何か困ったことがあったら連絡してよ? 力にはなるから』

八幡「わかった。今更遠慮なんかしねえから…………あ、あとさ」

沙希『ん?』

八幡「今日夕方予備校あるだろ? その、迎えに行っていいか?」

沙希『! うん、待ってる』

八幡「おう。んじゃそろそろ切るわ。朝っぱらから電話して悪かったな」

沙希『ん、平気。むしろ声が聞けて嬉しかったよ。また後でね』

八幡「また後でな」

八幡(俺はボタンを押して通話を切った。途端に後悔が訪れる)

八幡(夕方、じゃなくて昼過ぎから会いに行っていいか聞けば良かった…………早く会いてえ。昨日会ったばかりなのに)

八幡(ま、雪ノ下達の話とやらが長引く可能性もあったしな。今日は仕方ないか)

八幡(俺はスマホを置き、数学の参考書を取り出して机に向かった。少しは自分の力で出来るようになっとかないとな)
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 23:23:31.98
八幡に浮気させるとか至難の技だから
奉仕部二人は完全に詰んでるよね
安西先生でもタオルを投げる難易度 乙
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/12(土) 23:51:41.98
>小町「そんなこと言わないでよ。二人はいつも素直になれなくてお兄ちゃんに色々言っちゃったのを反省してるんだから
>八幡「むしろいつも素直だろあいつらは。やりたい放題言いたい放題じゃねえか」

照れ隠しとはいえ確かにあれだけ罵倒されればその発想に辿り着くわな
八幡から2人への好感度の低さが読んでいて気持ちいいわwwwww
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/13(日) 01:16:58.32
両親や妹はともかく、これから来る二人はちゃんと謝って向き合って、素直に好意を告白すればきっと
恋人になれるはずだと希望を抱きながら会いに来るんだよな…

やっべ、ゾクゾクしてきたはwww
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/13(日) 09:14:56.37
乙です

>八幡「むしろいつも素直だろあいつらは。やりたい放題言いたい放題じゃねえか」

この台詞糞ワロタww
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:49:43.85
八幡「んー…………あれ? おかしいな。どうやっても計算が合わない」

八幡(そろそろ休憩しようかと思い、最後の設問を解いていたら行き詰まってしまった)

八幡(どうしたものか、と思っているとドアがノックされて小町が顔を覗かせる)

小町「あ、お兄ちゃん。雪乃さんと結衣さんが来たんだけど…………」

八幡「おう、すぐリビングに行くから」

小町「うん」

八幡(ちょうどいい、雪ノ下に聞いてみるか。俺はノートと参考書を持って部屋を出る)

八幡(リビングに入ると椅子に座っている三人がいた。俺は空いている小町の隣に座る)

結衣「ヒ、ヒッキー…………」

雪乃「比企谷君、その…………」

八幡「なあ、雪ノ下。ちょっと聞きたいことあるんだけどいいか?」

雪乃「え? な、何かしら?」

八幡「これなんだけどよ、なんか上手く合わなくて…………」

八幡(俺は解いている途中の問題とノートを見せる。予想外だったのか雪ノ下は目を見開いて呆けたが、すぐにノートをチェックし始めた)

八幡「どうだ?」

雪乃「…………一番最初の代入がおかしいわ。xとyに代入する値を逆にしてしまっているから辻褄が合わなくなるのよ」
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:50:33.32
八幡「え、マジか? あ、本当だ。ただのケアレスミスじゃねえか」

雪乃「数学は特にケアレスミスが顕著に出る科目よ。それを無くすだけでだいぶ変わるわ」

八幡「えーっと…………こうだな、出来た。サンキュー雪ノ下」

雪乃「いえ、これくらい構わないのだけれど…………あなた数学は捨てたのではなかったかしら?」

八幡「ん、ああ。そのつもりだったけどよ、まだ間に合うかもしれねえしやれるだけのことはやっとこうかなって」

雪乃「あな…………いえ、何でもないわ。それはいい心掛けね」

八幡(雪ノ下は何かを言い掛けてそれを止め、変わりに突然褒めてきた)

八幡「何だよ突然。気持ち悪いな、変なものでも食ったか? らしくないぞ?」

雪乃「…………」

結衣「…………」

小町「…………」

八幡「? どうした?」

雪乃「ごめんなさい比企谷君。こういう時、私はいつも自然にあなたを貶めるようなことを言ってしまっていたわ。でも、本心で言っているわけではないの」

結衣「あ、あたしも! ヒッキーのこと悪く言っちゃう時あるけど、本気で言ってるんじゃないから! でも、ごめん!」

八幡(そう言って二人は頭を俺に下げてきた)
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:51:33.63
八幡「おう、そうか。わかった」

八幡(俺は参考書とノートを閉じながらそう返事をする…………ちょっと喉が渇いたな。まだマッ缶が冷蔵庫にあったはず)

八幡「そういや何も出してねえな。お前ら何か飲むか?」

八幡(俺がそう言うと二人は頭を上げてじっと俺を睨むように目線を向けてくる)

八幡「…………何だよ?」

雪乃「比企谷君、私は真面目に話しているの」

結衣「お願いヒッキー、ちゃんと聞いて」

八幡(あ、これ今朝もあったな。面倒くさいやつだ)

八幡「わかったわかった。でもその前に飲み物をだな…………」

小町「あ、それ小町がやるよ。お兄ちゃんは座ってて」

八幡(すぐに小町がパタパタと台所に向かった。仕方ない、任せよう。ちゃんとマッ缶を持ってきてくれればいいのだが)

八幡「あー…………で、何だっけ? 今まで罵倒とかしてきてごめんなさいってことだろ? うん、俺は気にしちゃいねえからお前らも気にすんな。以上」

雪乃・結衣「え…………?」

八幡「むしろそんなふうに謝られたり優しくされたりする方が違和感あって落ち着かないまである。それにまあ……あんまり的外れってわけでもないからな。キモいのもシスコンなのもひねくれてるのもゴミなのも自覚はしてるから」
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:53:11.89
結衣「そ、そんなこと」

八幡「いいって。揺るぎない事実なんだから。ただお前らが悪意を持って言ってるわけじゃないってのはわかってる。いわゆるコミュニケーションのひとつだろ? だったら申し訳なく思う必要はないし、接し方を変える必要もない」

雪乃「でも、あの日あなたは」

八幡「だからそれは忘れてくれ。ちょっと悪口言われただけで泣いて家出したなんて恥ずかしい黒歴史以外の何でもないんだから」

雪乃「…………」

結衣「…………」

八幡(二人が押し黙ったところで小町がお盆を持ってやってくる。俺の前にはマッ缶が、他の席にはお茶が差し出された)

雪乃「ありがとう小町さん」

結衣「ありがと小町ちゃん」

八幡「ちゃんとマッ缶を持ってくるとはわかってるじゃないか。さすが最愛の妹だな」ナデナデ

八幡(頭を撫でてやると小町がえへへと嬉しそうにはにかむ。が、雪ノ下と由比ヶ浜は何とも言えない表情をした)

八幡「何だ?」

雪乃「…………いえ、何も。でも、もう一度だけ謝らせてちょうだい。あなたのためでなく、私がそうしたいの」

八幡「…………まあ、それでお前の気がすむんなら」

雪乃「ありがとう。そして、ごめんなさい」

結衣「ごめんね、ヒッキー」
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:54:17.81
八幡「あいよ。わかったからもう頭上げろって。今更態度とか変えなくてもいいからな」

雪乃「あなたがそう言うなら…………でも言い過ぎないようには気をつけるわ」

八幡「だからそんな気は遣わなくていいってのに」

雪乃「…………ところで、先日姉さんと会ったそうね? あとで聞いたのだけれど」

八幡「ん、ああ」

雪乃「その際の話を聞いたのよ」

八幡「おう」

雪乃「…………」

八幡「…………?」

雪乃「…………二人の会話内容を聞いたのよ?」

八幡「それが………………あっ」

八幡(俺は陽乃さんとの会話を思い出し、参考書とノートを持って立ち上がろうとする。が、それより早く小町に捕まってしまった)

八幡「離せ小町。俺は今から部屋のベッドで枕に顔を埋めて足をバタバタさせるのに忙しいんだ」

小町「ダメだよお兄ちゃん、まだお話は終わってないんだから」

八幡「あの時の俺はどうかしてたんだ。何で雪ノ下さんにあんなことをベラベラ喋ってしまったんだか…………」

八幡(俺は観念して椅子に座り直す。今逃げたっていずれ避けられなくなるしな)

八幡「あー…………すまん、気持ち悪いことを言って。でも安心してくれ、ストーカーになったりとかはしねえから」
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:55:55.17
八幡(そう言って頭を下げる。というか怖くて雪ノ下の表情が見れん)

雪乃「か、構わないわ。異性から好意を向けられるのは慣れているもの」

八幡(さすが雪ノ下。モテる女は言うことが違いますね。俺もそんな事を一度は言ってみたい…………いや、いらねえな。必要ない苦労をしそうだし、川崎さえいればいいや)

八幡(しかし思ったより悪くない反応だな。それこそ罵詈雑言の嵐が飛んでくると思ったのだが)

雪乃「あの……その……」

八幡(顔を上げると何やらモジモジしている雪ノ下が目に入る。何だ?)

八幡(しばらく続きを待っていたが一向に話す様子がない。その雰囲気に耐えられなくなったか小町が口を開いた)

小町「そ、そういえばお兄ちゃん。陽乃さんが言ってたけど、お兄ちゃんちょっとオシャレしてたみたいじゃない? この数日間どこ行ってたの?」

八幡「ん? ああ、か…………」

八幡(待てよ。ここで『川崎のところ』って言ったらまたややこしいことにならねえか?)

八幡(あいつと付き合ってる事自体はいいんだが、家に泊まったとなると色々言われそうだ。やたら真面目な雪ノ下なら男女が一つ屋根の下で云々言いそうだし。俺はともかく川崎に被害が及ぶのは宜しくないな。しばらく名前は伏せとくか)
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:56:57.98
小町「か?」

八幡「…………彼女のとこに泊まってたんだよ」

雪乃・結衣・小町「……………………え?」

八幡「あ、別にやましいことはしてないぞ。相手の親御さんの許可ももらってるからな」

雪乃「…………比企谷君。『彼女』なんて曖昧な三人称はわかりにくいわ」

八幡「三人称じゃねえよ。恋人的な意味での『彼女』だ。ちなみにおしゃれしてるように見えたっていう服はそいつの見立てな」

結衣「ヒ、ヒッキーに彼女? 嘘、だよね?」

八幡「まあ信じなくてもいいけど…………俺が一番信じられんし。告白されてもしばらくは冗談だと思ってたからな」

小町「ちょ、ちょっとストップストップ!」

八幡「あ、何だよ?」

小町「お兄ちゃん、ちょっとこっち来て!」

八幡(突然小町に引っ張られ、俺はリビングを出る)

八幡「どうしたんだよ? あいつらに聞かれたくない話か?」

小町「ほ、本当なの? お兄ちゃんに彼女がいるって」

八幡「まあな」

小町「だ、だってお兄ちゃん、雪乃さんの事が好きだったんじゃ」

八幡「だから言ってるだろ。『好きだった』って。過去形なんだってば。雪ノ下さんに聞いてないのか?」

小町「そ、それは…………」
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 17:59:23.44
八幡「まあ小町だから言うけどよ。今回のアレ、色々な要因が重なって思わず飛び出しちまったんだ。だからお前らだけが原因てわけじゃない」

小町「…………」

八幡「端から見たら自殺でもしかねない様子だったらしいぜ。そんなふうに落ち込んでる俺を献身的に世話してくれて、尽くしてくれて。本当、俺には勿体ないくらいの彼女だよ」

小町「その…………付き合ってるのはいつからなの?」

八幡「三日くらい前だ」

小町「えっ!?」

八幡「家に泊めたりしてくれて、何でここまでしてくれるんだって聞いたら好きだからって言われたんだ。軽いって思われるかもしれねえけど、そう言って笑うあいつを俺はどんどん好きになっていって、俺から告白して付き合うことになった」

小町「そう……なんだ…………誰? 小町の知ってる人?」

八幡「それはまだ秘密な。いずれ紹介してやるよ。とりあえず戻るぞ」

小町「あ、待ってお兄ちゃん! …………その、しばらく部屋に戻っていてくれない? あとで呼ぶから」

八幡「何でだ?」

小町「お願い…………」

八幡「……何か訳ありか。わかった、部屋にいるから」

小町「うん。ごめんね」

八幡「いいよ、そのくらい」

八幡(俺は小町の謝罪を背に自室に戻る。あ、参考書とかリビングに置きっぱなしだ。仕方ない、他の教科をするか)
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/14(月) 22:06:34.48

これ一番大変なのはこの後ゆきのんたちにフォロー入れる小町だよね
はるのんと一緒になってまだ脈あるよとゆきのんとガハマの二人を煽ってたのに
まさか脈無しだったなんて…
これをフォローするのは胃に穴が開くレベルだよ
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:37:15.52
八幡(暗記ものを一通り頭に詰め込み、一旦間を置こうとしたところでドアがノックされた。小町か?)

八幡「おう、開いてんぞ」

八幡(しかし予想に反して入ってきたのは雪ノ下だった。どうしたんだ?)

雪ノ下「お邪魔するわ」

八幡「あいよ。何か用か?」

雪乃「あなたに話があるのよ」

八幡「そういや小町がそれっぽいこと言ってたな。何だ?」

雪乃「……………………」

八幡「?」

雪乃「これから言うことは冗談でも何でもないわ。全部本当のことよ」

八幡「何だかしこまって」

雪乃「それと多分比企谷君にとって迷惑であろうこともわかっているわ。それでも、私の我が儘で聞いてほしいの」

八幡「お前に振り回されるなんて今更だろ。言ってみろよ」

雪乃「比企谷君」

八幡「おう」

雪乃「私はあなたが好きよ」

八幡「!!」

雪乃「私と、男女のお付き合いをしてください」

八幡「………………………」

雪乃「………………………」

八幡「冗談…………じゃ、なかったんだっけな」

雪乃「ええ」
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:39:04.50
友人枠すら捨てるその覚悟
天晴れだ
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:39:44.57
八幡「ありがとう、こんな俺を好きになってくれて。でもごめん。俺、好きなやつがいるんだ」

雪乃「その子のこと、私よりも好きなのかしら?」

八幡「ああ。これ以上ないくらいに、な」

雪乃「そう…………」

八幡「雪ノ下、その…………」

雪乃「大丈夫よ。私達は春休み前と同じ関係に戻るだけ…………そうでしょう?」

八幡「そう、だな…………」

雪乃「だから由比ヶ浜さん。あなたもきちんと告白して、きちんと振られなさい。でないとちゃんと前に進めないわよ」

八幡「えっ!?」

八幡(雪ノ下がドアの方に呼び掛け、そちらを向くと由比ヶ浜が入ってきた)

結衣「あ、あはは…………」

雪乃「じゃ、私はリビングにいるわ」

八幡(入れ替わるように雪ノ下が出て行き、由比ヶ浜が俺の前に立つ)

結衣「ヒッキー」

八幡「お、おう」

結衣「あたし、ヒッキーのことが好き! だから、あたしと付き合ってください!」

八幡「…………ありがとう、こんな俺を好きって言ってくれて。でも、ごめん。俺、好きなやつがいるから、お前とは付き合えない」

結衣「あたしより、その子の方がいいの?」

八幡「俺にとって、世界一の彼女だよ」

結衣「そっか…………」

八幡「由比ヶ浜…………」

結衣「まあ元々あたしには勝ち目がなかったんだよね、きっと。その子がいなくても、ゆきのんに勝てないもん」
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:40:56.51
八幡「そんなことは…………」

結衣「いいの…………でも、ちょっとだけ待ってて。少ししたら、リビングに来て。そんでいつもみたいにお話しよ?」

八幡「…………わかった」

結衣「じゃ、またあとでね」

八幡(由比ヶ浜は一瞬だけ泣きそうな表情を隠しきれず、すぐに顔を背けて部屋を出て行った。それを部屋の前で見届けた小町が入ってくる)

小町「お兄ちゃん…………」

八幡「訳ありってのはそういうことか…………」

小町「うん…………小町も詳しいことは言わずに本当にお兄ちゃんには彼女がいるって言ったんだけど……けじめをつけるために気持ちを伝えるって雪乃さんが」

八幡「まさか、二人がなあ…………」

小町「これっぽっちも思わなかったの?」

八幡「いや。もしかしたら、くらいは考えたことがある。だけどその割に当たりが強いからやっぱりねえわって思ってた」

小町「二人にもチャンスはあったのかな…………?」

八幡「充分あったんじゃねえか? 今更言っても仕方ないけどよ」

小町「はあー…………で、そのチャンスを逃さずお兄ちゃんを射止めた彼女さんはどんな人なの?」

八幡「あー、スタイルはいいな。胸も大きいし」
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:42:16.68
小町「ふむふむ」

八幡「料理も裁縫もそこらの主婦より全然上手だし、家族想いで気も利くし、頭も良い方だ」

小町「…………」

八幡「顔も美人に分類されるな。何度か男に声を掛けられてるみたいだし」

小町「何その雪乃さんと結衣さんの良いところを掛け合わせたような人。本当にそんな人いるの?」

八幡「だよなあ…………なんで俺なんかを好きになってんだあいつは?」

小町「小町に言われても…………ん? んんー?」

八幡(突然小町は首をひねって考え始めた。何だ?)

小町「ねえお兄ちゃん。もしかしてお兄ちゃんの彼女って、大志君のお姉ちゃん?」

八幡「…………あんま言いふらすなよ、周りで騒がれても厄介だし。というかよくわかったな」

小町「あ、やっぱり。お兄ちゃんの交友関係でそれっぽい人が他にいないもん。ね、詳しく聞いていい?」

八幡「夜にな。親父達も話聞かせろってうるさいからまとめて話すわ」

小町「りょーかい。雪乃さん達には言うの?」

八幡「様子を見て、って感じだな。そろそろリビング行くか」

小町「あ、待って。一回小町が見てくるから」

八幡「…………わかった、頼む」
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:44:25.88
八幡(一度小町に確認してもらい、大丈夫とのことで俺もリビングに向かう。テーブルにはすでに平然とした表情の二人がいた。俺と小町も椅子に座る)

雪乃「比企谷君。今からの会話は嘘や欺瞞、気遣いやごまかしはなしにしてほしいの。あなたには迷惑かもしれないけど、私達が未練を捨てて先に進むために、お願い」

八幡「…………わかった。とことんまで付き合ってやんぜ」

結衣「ありがとうヒッキー」

雪乃「それじゃあまず聞きたいのだけれど…………」

八幡(そこから俺達は色んな話をした。今まであった出来事のこと、その時互いにどう思っていたか。口にしたことと思っていたことが実は違ったりとか、何も言えなかった時に実はこう思っていたりとか)

八幡(色恋沙汰も忌憚なくさらけ出した。本当は二人とも辛いはずだろうに、何も気にしていないふうを装っている。彼女達にとっておそらくこれは乗り越えるべき試練なのだろう)

八幡(あらかた話し終えたところで沈黙が訪れる。しかし気まずい空気ではない。何か、ひと仕事終えたような雰囲気。俺はそこで口を開く)

八幡「なあ、雪ノ下、由比ヶ浜」

雪乃「何かしら?」

結衣「何?」

八幡「俺と、友達になってくれねえか?」

雪乃「ええ、喜んで」

結衣「うん! あたし達、とっくに友達だよ!」

八幡(まるで俺の言うことを予想していたかのように即答してくる二人。俺はつい笑みがこぼれてしまった)

八幡「ありがとうな、二人とも」
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:49:57.77
八幡(結局昼食も四人でとり、以前みたいな空気の中での食事となった)

八幡(雪ノ下が豆知識を披露したり、由比ヶ浜がとんちんかんなことを言ったり、俺が変なことを言って小町が代わりに謝ったり。だけど若干、いや、だいぶ俺に対する当たりが弱くなっている。内容は変わらないものの、表情が優しくなっているのだ)

八幡(男女の関係でこそないものの、俺達三人の繋がりはより強くなったと感じる。正直この今の時間を終わらすのは惜しい。でも…………)

八幡「すまん、俺はそろそろ予備校に行く時間だ。悪いけど…………」

雪乃「あら。そういえば随分と長居してしまったわね。由比ヶ浜さん、私達もそろそろおいとましましょう」

結衣「うん。そうだね」

八幡(雪ノ下と由比ヶ浜を玄関まで見送り、俺も出掛ける準備をする。鞄を背負ったところでカマクラを抱いた小町が話し掛けてきた)

小町「出掛けるにはまだちょっと早いよね。沙希さんとこ行くの?」

八幡「ああ、同じ予備校だからな…………ってそういやカマクラの姿あんま見なかったけどどっか閉じこもってたのか?」

小町「あー……実はあのお祝いの日に雪乃さんが構い過ぎちゃって、苦手意識持っちゃったみたいで雪乃さん来たら隠れるようになっちゃった……」

八幡「あいつは…………」

小町「せっかくだから抱っこしていく?」

八幡「いや。実は川崎は猫アレルギーなんだ。服に毛とか着いたら良くないから」

小町「あ、そうなんだ…………沙希さんのこと、今度ちゃんと紹介してよね」

八幡「おう。自慢の彼女、見せ付けてやるよ。んじゃ、行ってくる」

小町「行ってらっしゃい」

八幡(俺は小町に見送られながら家を出た。目指すは川崎家だ)
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/15(火) 20:51:05.97
八幡(前もって出掛ける際に連絡していたので、俺が着く頃にはもう川崎は家の外で待っていた)

八幡「よう、待たせたか?」

沙希「ううん、平気…………雪ノ下や由比ヶ浜と話したんでしょ? どうだった?」

八幡「あー…………色々あった」

沙希「何それ?」

八幡「ちょっと長い話になるからさ、帰りにどっか寄って話さないか?」

沙希「まあ構わないけど…………ちょっとくらいの浮気ならいいけど本気にはならないでよ?」

八幡「ちょっとくらいならいいのかよ…………いや、しねえけど。俺はお前ひとすじだっての」

沙希「そ、そう、ありがと……」

八幡(俺はそこで周囲を見回し、誰もいないのを確かめて自転車から降りて川崎のそばに寄る)

八幡(ゆっくりと顔を近付け、逃げないのを確認し、唇を合わせる)

八幡「愛してるぜ、沙希」

沙希「あたしも愛してるよ、八幡」

八幡(俺達はしばらく見つめ合って笑い合い、自転車で予備校に向かう。もちろん二人乗りだ)

八幡(この腰に回された腕が、背中に感じる存在が、いつまでも俺のそばにありますように…………なんてな)
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 19:19:27.81
~ エピローグ【数年後】 ~


八幡「うー、寒い…………まだ一月半ばだもんな」

八幡(俺はコートの襟を立て、足を早める。帰ったらとりあえずエアコンを入れて…………メシどうすっかな。作るのも面倒だし今から買い物行くのもなぁ……カップめんでいいか)

八幡「あれ?」

八幡(アパートに着くと俺の部屋の明かりが付いてる。もしかして)

八幡「ああ、やっぱり来てたのか」

沙希「ん、お帰り。お邪魔してるよ」

八幡(ドアを開けると、台所で料理している川崎がいた。俺は部屋に入る)

八幡「はあー、部屋があったけえ、ありがてえわ。何、メシ作ってくれてんの?」

沙希「うん…………ていうかメールしたじゃない。返信なかったけど、見てない?」

八幡「え? あ、マジだ」

八幡(スマホを取り出して確認すると『今日行くから』とシンプルなメールが来ていた)

沙希「ちょっと帰るのも遅いし、残業か飲み会でもあるのかなと思ったけど」

八幡「いや、ちょっと買い物しててな…………ちょうどいいや」

沙希「ちょうどいい?」

八幡「ま、メシの後にでも話すよ。ていうか早く早く。その匂いマジでヤバい。空腹感が抑えきれん」
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 19:21:34.96
沙希「ん。あと十分くらいで出来るから着替えときなって」

八幡「おう」

八幡(俺はコートとスーツを脱いでハンガーに掛け、部屋着に着替える。川崎は私服だったが、川崎のスーツの類はない。どうやら一度家に帰ってからここに来たようだ)

八幡(時々渡してある合い鍵で、大学卒業後に一人暮らしを始めた俺の部屋に来てこんなふうにメシを作ってくれたりする。本当に良い女だよなこいつ)

沙希「お待たせ」

八幡「おう…………って、今日はちょっと量が多いな」

沙希「冷蔵庫の奥に賞味期限近いのがいっぱいあったから全部使った。その辺ちゃんとしないと勿体ないよ…………残ったらラップして明日の分にするから。明日は土曜で休みだし昼もここで食べるんでしょ?」

八幡「まあな。んじゃ、いただきます」

沙希「いただきます」

八幡「お前今日泊まってく?」モグモグ

沙希「うん、そのつもり。用意もしてるし」モグモグ

八幡「あいよ。あ、これ旨え」モグモグ

沙希「それ田舎のお祖母ちゃんとこで作ったやつ。この前送ってきてくれた」

八幡「へえ。礼を言っといてくれ」モグモグ

沙希「うん」モグモグ

八幡(しばらく食べて、腹がいっぱいになって箸を置くと、川崎は残り物のおかずにラップをしていく)
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 19:23:10.18
沙希「じゃ、これ冷蔵庫に入れとくから」

八幡「おう。ごちそうさま」

八幡(テーブルの上を片付け、食器洗いを終えて川崎はお茶を淹れてくれた)

八幡「サンキュ」

沙希「うん」

八幡(俺は一口飲んで喉を潤す)

八幡「ふう…………なあ、川崎。お前、今の仕事に愛着はあるか?」

沙希「何突然? うーん……大学卒業して勤め始めてもうすぐ三年か。仕事自体は面白いんだけど課の上司がクソでね」

八幡「女性がクソとか言うな」

沙希「部下の手柄は自分の物にして失敗は人に押し付ける無能だよ。あたしにはしてこないけど気の弱い女性社員にセクハラまがいのことをするし、女性陣は辟易してる」

八幡「よくクビや降格になんねえな」

沙希「夜の店が好きで人を奢りで連れて行くから男性社員には受けがいいんだ。社長親族にコネもあるみたいだし。まあ環境が良くないから愛着ってのはあんまりないね」

八幡「そっか…………」

沙希「何? あんたの会社で人員募集でもしてんの?」

八幡「あー、そうじゃなくてだな…………これ、最終決定待ちだけどほぼ決まってることなんだが」

沙希「うん」

八幡「俺、関西の支社に行くことになりそうだ」
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 19:25:33.49
沙希「…………左遷? 何をやらかしたの?」

八幡「逆だ逆。うちの会社は有望なやつは三年目くらいになると一度あっちで何年か経験積ませてこっちに戻って栄転ってのがお決まりの出世コースなんだよ」

沙希「へえ、凄いじゃない! あんたが有望株に選ばれたんだ」

八幡「ああ。新人の頃に飲みだの派閥だのの人間関係とかが煩わしくてひたすら仕事の勉強とかに打ち込んでたら生真面目な部長の目に留まってな。そっから自然に…………」

沙希「そうなんだ。行くんでしょ?」

八幡「まあな。チャンスなんだし」

沙希「ふふ、まさか専業主夫になるとか言ってたあんたがねえ……」

八幡「うっせ」

沙希「でも関西か…………なかなか今みたいに気軽に会えなくなっちゃうね」

八幡「そのことなんだけど…………向こうには会社の寮があるんだ」

沙希「あ、だったら家賃もここより安いでしょ。貯金もしやすいんじゃない?」

八幡「ああ、それもそうなんだけど、そこ、家族寮もあるらしくてな」

沙希「? うん?」

八幡「その…………今の仕事をやめて、ついてきてくれねえか?」

沙希「…………え?」

八幡(俺は立ち上がって押し入れにあるファイルから一枚の紙を取り出す)
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 19:26:40.55
八幡「これ、出しに行かないか?」

八幡(そう言ってテーブルの上に出したのは、かつて俺が家出騒動を起こし、その終焉の日に川崎から受け取った婚姻届だ)

八幡(川崎は両手を口に当てて驚愕の表情をしたが、やがてポロポロと涙を流し始める。なんだか追い討ちをかけるみたいだが、やっぱり最後まで言わないと駄目だろう)

八幡「あと、これ。冬のボーナスで買ったんだ。受け取ってくれると嬉しいんだが」

八幡(鞄から出した小さな小箱を川崎に差し出す。中を見ずともわかるだろう。指輪だ)

八幡(川崎は慌ててハンカチを取り出して涙を拭き、深呼吸をする)

沙希「比企谷…………ううん、八幡…………お願い。ちゃんと言葉にして言って欲しい」

八幡「わかった」

八幡(俺も頷き、深呼吸をする)
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 19:27:25.27




八幡「川崎沙希さん。俺と、結婚してください。ずっと、俺のそばにいてください」



沙希「…………はい。末長く、よろしくお願いします」









八幡「川崎家に居候することになった」沙希「遠慮しないでいいから」  ~完~

905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 19:29:08.19
てっきりマスオさんENDになるかと思ってたww
乙でした
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 20:31:03.30
えんだあああああああああああああ
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 20:56:47.37
乙。1の作品はこれからも楽しみにしてる。
どうもありがとう。楽しませて頂きました。
1、愛してる。
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 21:46:02.51
うおおおお
乙ですぅぅぅ
完結してしまって少し寂しいような、、
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/09/16(水) 22:27:38.88
前作共々楽しめました
またサキサキ書いてくれるとうれしいです
お疲れ様でした
このシリーズ:

八幡「川崎家に居候することになった」沙希「遠慮しないでいいから」1


八幡「川崎家に居候することになった」沙希「遠慮しないでいいから」2



関連スレ:

シリーズ一覧及び・この書き手SSまとめ

(川崎沙希好きの書き手です)

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コメント

  1. とあるSSの訪問者 2016年02月03日

    ぶつよ、のやつと同じ作者なんだよなこれ
    どっちもサキサキものなのに方向性違ってこのクオリティは正直凄い

  2. とあるSSの訪問者 2016年05月31日

    誰か言ってるけど、原作内で手打ちは別にして八幡を罵倒しないのって平塚先生と川崎家の3人と姫菜さんだけだったよな?

  3. とあるSSの訪問者 2016年05月31日

    あと戸塚と材木座。絶対忘れたらいかんかったわ

  4. とあるSSの訪問者 2016年08月18日

    ゆきのんまじざます
    原作のゆきのんもこれから偏見の目でみちゃいそうだわ

  5. とあるSSの訪問者 2017年01月04日

    優しくない世界

  6. とあるSSの訪問者 2018年04月02日

    寧ろ八幡にとっては原作よりも優しい世界でしょ

  7. とあるSSの訪問者 2018年05月17日

    最初の鬱展開からの八幡総受けとは...いやお見事!

    サキサキは原作でも3人のヒロイン達に負けない魅力があるよね。

  8. とあるSSの訪問者 2018年10月05日

    ゆきのんは、何もわるくないよ!

    サキサキの正妻力が凄まじかった!それだけの事だよ。

    SAOのヒロインAにも勝てそう。

  9. とあるSSの訪問者 2019年02月24日

    やっぱり、比企ヶ谷君には川崎さんより
    黒髪ロングの清楚系女子がお似合いだと思うわ

  10. とあるSSの訪問者 2019年10月21日

    なんで???(殺意)
    可愛いねウンチして♡

 

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まだまだ、改良していこうと思います。

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