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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:17:26.09
In 登下校の道
~朝の登校~

スタスタ…
俺「ふわぁ」
俺「眠いぜ…」

クロエ「あ!タケシー!」

タッタッタッ

俺「む?」
クロエ「ターケシっ」

ぴょーん
トスッ

俺「………」

ぽにょん、ぽにょん←背中に胸があたる音
俺「がはァっ…」

クロエ「おはよーデス、タケシ~」

俺「………」

ぽにょん、ぽにょん←背中にあたる音
俺「ぶしゃァッ!(吐血)」

クロエ「?タケシ?どしたマシタ?」

俺「………」

クロエ「タケシー?おーい」

俺「とりあえず…背中から降りよっか…」

ぽにょん、ぽにょん←背中にあたる音

クロエ「オー?了解デース」

ぴょーん
スタッ

クロエ「タケシ、おはよーデス」

俺「うん。おはよう」

クロエ(ニコニコ)

俺「………」
俺(常々、疑問に思っていたことがある)

クロエ「ささっ、学校いきマショ」
俺「おう」

クロエ「~~~♪」
俺「………」

俺(こいつもしかして…)
俺(俺を男として認識していなんじゃないか…?)




関連スレ:

クロエ・ルメール「タケシー!ニッポンの夕焼けキレイですネ?」


クロエ・ルメール「タケシー、遊びキマシター」俺「またきた」


2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:19:46.78
男(普通、男相手に気安く抱きつくものだろうか)

俺(男というより、ぬいぐるみ扱い)
俺(あるいは抱き枕、ふなっしー、ペットの犬…etc…)

俺「………」

俺(最近の俺たちは、どうにも距離感が気軽すぎる気がするなぁ…)

俺(なんつーか…緊張感が足りない)

クロエ「タケシ」

俺「…ん。どうした」

クロエ「タケシ飲んでるそのジュース、クロエ初めて見マシタ。

それなんてジュースデスカ?」

俺「………」
俺「おっ!?
今そこツッコむ?ツッコミいれちゃう??」

クロエ「あ。めんどくさそうなのデ、やっぱりイイデス」

俺「よしわかった説明しよう」

俺「この乳酸菌飲料の名前はセノビー。
2000年代初期、「セノビ~♪」という耳に残るキャッチコピーで人気を博し、
一時期はアクエリアスと並ぶほどの売り上げを誇った飲料水だ。
しかし、2014年となった今では、どのコンビニにも見当たらず、
小さなスーパーにたまーに売ってるくらいの超レアな飲み物なのである」


クロエ「な、なんか始まりマシタデス」

俺「ちなみに、俺の手持ちもこれが最後の一本」

クロエ「へぇ。なんだかおいしそーなジュースデスネ」

俺「なんだなんだ?
もしかして飲みたいのか?」

クロエ「飲みタイ!」

俺(ふむ…)

俺「…よしわかった。
"俺の飲みかけ"でよければ、どうぞ飲んでくれ」

俺(そう、これは言わば試金石。
俺を男として見てるか否か試すためのリトマス紙…。

もしこれでクロエが少しでも恥ずかしがる素振りを見せれば…)

クロエ「ヨイのデスカ?ありがとデース!」

俺(見せれば……)

グビグビ!グビグビ!

俺「………」
俺「良い飲みっぷりだ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:21:34.42
俺「………」
俺(ノータイム!躊躇いゼロ!)

クロエ「!?これオイシー!」

俺(俺って男として意識されてないんだなぁ…)しみじみ

ゴクゴク
プハァ!

クロエ「セノビーめっちゃ美味しいデス!」

俺(まぁ…いいか。喜んでるみたいだし…)

俺「そうか…。良かったな」

クロエ「ハイデス。
タケシ、オイシイもの教えてくれてありがとデース!」

俺「うむ。じゃ、返してくれ」

クロエ「え?何をデス?」

俺「?何ってその手にもってるセノビーを」

クロエ「ん!?」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:22:35.89
またお前か(歓喜)
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:22:46.57
クロエ「え」
クロエ「……え?」

俺「『え?』じゃないよ。
セノ・ビー返してくれよ。俺も飲みたいし」

クロエ「タ、タケシも…これ飲むデスカ?」

俺「当たり前でしょう。
それ見つけるのにどんだけ苦労したと思ってる」

クロエ「こ、このペットボトル?」

俺「そりゃ、その一本しかないしねぇ…」

クロエ「で、でもこれ…クロエ、くちを…唇を…」ボソボソ

俺「ん?なんて?」

クロエ「…うっ……うぅ…ウウッ!///」

ガバッ!

俺「は?ちょっ」

グビグビ!

俺「な、何いきなり一気飲みしてんの!?」

グビグビ!
グビグビ!

プハァ!

クロエ「ウ、ウマイ!もうイッポン!」

俺「俺のセノ・ビイイイイイイ!!」

クロエ「す、すみマセン。その、つい…」

俺「ついじゃないよついじゃあアアアアアア!!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:24:28.94
In 教室
俺「はぁ…」
俺「空が青いなぁ…」

トントン←後ろから人差し指で肩をトントンする音

俺「ん?」

クロエ「タケシ…」

俺「おや…貴女はもしかして、クロエ・ルメールさんですか?」

クロエ「ハ、ハイ」

俺「アァ…一瞬誰だかわかりませんでした」
俺「いつもより背が伸びていたので、気づきませんでしたよ」

クロエ「………」

俺「背が伸びたのはもしかして…セノビーを一気飲みしたおかげかな?」

俺「セノビーを飲んで背伸びー(セノビー)た。
つってね。ハハッ」

クロエ「………えと、あの…」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:25:16.57
クロエ「ごめんなサイ。
タケシ、そんなにセノビー好きとは思わなくて…」

ショボン…

クロエ「ごめんなさいデース…」

俺「………」
俺「ちょっといじわる言い過ぎた。ごめん」

クロエ「あの…これ、代わりにナルかわかりませんガ…」

トン←机にペットボトルが置かれる音

俺(乳酸菌飲料のぐんぐんグルト、か)

俺(見た目は似てる。
でも…これじゃ…これじゃダメなんだよ、クロエ)

クロエ「代わりに…なりマセンカ…?」

俺(貰ったからには礼儀としてもちろん飲む)

俺(でもな、クロエ…
セノビーの代わりなんてもの、この世には…存在しないんだ…)

グビッ

俺「………」
俺「ぐんぐんグルトうめぇええええ!」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:26:37.47
グビグビ!
俺「うめえええええ!!ぐんぐんしてきたああああ!!!」

クロエ「タケシ、まだ怒テル…?」

俺「いや!全然!」

クロエ「ほんとデスカ…?」

俺「自分の単純さにビックリするくらいに、
セノビーのことなんてどうでもよくなっちゃったぜ」

クロエ「ホントごめんナサイ!
全部飲むつもり、ホントに無くて、その、アノ、エト……」

俺「いい、いい。もういいんだ。もう謝らなくていい。
ジュースの一本、二本、どうとでもなるさ」

クロエ「タケシ…」

俺「俺こそさっきはごめんな。大人気なかったよ」

クロエ「…ありがとデス。タケシ」

俺「うむ」

クロエ「デモ…」

俺「?」

クロエ「こんな数時間で背は伸びないと思いマス…」

俺「そりゃそうだ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:27:14.80
扉【ガラガラ】
クラスメイト「クロエおはよ~」

クロエ「あ。おはよーデス」

クラスの女子「隣の君はー…えーっと

デントくん…いや、シトロンくんだったかな?
シトロンくんもおはよー」

俺「異次元な間違い方をするんじゃないよ。俺の名前はタk」

クラスの女子「(無視)あ!そうそう!聞いてよクロエ!」

俺「………」

クロエ「へ?あ、ハイ!
えっと、それじゃあタケシ」

俺「おう。いってらっしゃい」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:28:40.15
クロエ「~~~。」
クラス女子「!!~~~。」

俺(友達と話すクロエはなんか新鮮だな)
俺(いつもより気持ち大人しい気がする)

俺「………」じーっ

隣の男子A「なぁ、タケシ」

俺「うおっ!?び、びっくりした…いたのか」

隣の男子A「いたよ。……ずーっとね。
君達がじゃれあってる時もずっと隣にいた」

俺「あぁ…そうか。それはなんかすまん」

男子A「タケシ、さっきからずーっとクロエちゃんのこと見てるね…」

俺「わ、悪いかよ」

男子A「最近やたら仲良いよね君達。
今年に入ってからは特にそうだ」

俺「色々あったからな」

男子A「ふーん…」

俺「なんだよその意味ありげなフーンは」

男子A「タケシってやっぱりクロエちゃんのこと好きなの?」

俺「はぁ!?お、お前には関係ないだろっ」

男子A「そうだね。…その通りだ。

キミが誰を好きになろうと
僕にはこれっぽっちも…関係が、ない…」シュン

俺(シュンってなんだシュンって)
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:31:01.14
男子A「眺めていたくなる気持ちはわかるよ。

かわいいもんねクロエちゃん」

俺「う、うん。
それよりどうした?今日のお前なんか怖いぞ?」

男子A「………」
男子A「なぁ」

俺「?」

男子A「キミ達ってさ、実際のとこどうなの?」

俺「えっ。なんの話だよ」

男子A「…だからさ、」

男子B「だからァ!」
男子C「実際のとこォ!」
男子D「お前らってェ!」

男子一同「「「付き合ってるのォォオ!?」」」

俺(ぞ、続々と湧いて来た)

男子一同「「お前ら最近随分仲良しじゃねーかよおおおお!!」」

クラス女子一同(ジトーっ…)

男子A「落ち着け。朝の教室で大声でする話じゃない」

男子B「そ、そうだな。すまん」
男子C「怒りで我を忘れてな…」

男子D「ここがダメならトイレで話そうぜ」
男子E「男子トイレか。いいね」
男子A「男子トイレ…ふふっ、なんだかドキドキする響きだ」
男子H「男子トイレで男子会じゃぁ!」

俺「………」

男子A「ほら、タケシも行くぞ」

俺「十数人でトイレ行く気か?
そんな男パラダイスな空間に行くのはちょっと…」

男子一同「いいから行くんだよォォオ!!!」

俺「は、はい」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:32:33.55
休憩時間
In廊下
~自動販売機の前~

俺「ふぅ…」
俺(なんかドッと疲れた…)

俺(悪いやつらじゃないんだけどな…)

俺「はぁ…」
クロエ「ふぅ…」

俺「お?」
クロエ「オ?」

俺「あら、こんにちは」

クロエ「あらあら、こんにちワ~」

俺「溜息か?随分とお疲れのようだな」

クロエ「アハハ。お話聞きすぎてちょっピリ疲れただけデスヨ」

俺「そうか」

クロエ「タケシこそ、少し疲れてマス?」

俺「少しだけな」

クロエ「そデスカ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:33:54.18
俺「クロエなに買うの?」

クロエ「んー…どれしましょうカー…」

俺「午後ティーはどうだ午後ティー。なんかフランスっぽいし」

クロエ「あれ、ダメデス。無駄に甘ったるいし香りもイマイチ。

フランスなら、あれのこと、ミルクティーとは絶対呼びマセン」

俺「お、おぉ…さすがフランス人。
言ってることがなんかそれっぽい」

俺「…と、かっこいいことを言いつつ、

ボタンを押す指が午後ティーに向かってるのは何故?」

クロエ「ん?」

俺「あなたついさっき午後ティー批判してなかったっけ」

クロエ「これミルクティーじゃナイ。

でも、これはこれでオイシーからオッケー!」

俺「意外とテキトーだ…」

クロエ「カンヨーと言ってホシーデス」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:35:42.40
俺「なんだそりゃ」

クロエ「テキトーでいいんですよテキトーで」

俺「そうか」

クロエ「ハイ」

俺「………」

俺(クロエが隣いると、なんでこんなにくつろげるんだろう…)
俺(謎だ)

クロエ「あ、そうダ」

俺「ん?」

クロエ「今度機会あったラ、
本場のミルクティーというモノ、タケシにも飲ませてあげマース!」

俺「クロエ紅茶入れられるの?」

クロエ「できマスヨ~。クロエ紅茶大好きデス」

俺「へぇ~そうなんだ」
俺「…でも悪いな。俺に紅茶は必要ない。
なぜなら俺にはこいつがいるからな」

自販機販売機(ガチャコン!)

俺「ぐんぐんグルトだ!」

クロエ「……タケシ、ほんとに気に入っタデスネ、それ」

俺「俺のソウルメイトさ」

クロエ「じゃークロエもそれにしヨー」

自販機販売機(ガチャコン!)

クロエ「エヘヘっ。これでタケシとおんなじデス」

俺「いや同じじゃない。
クロエのは小さいペットボトルだけど、俺のは大きいやつ。
俺の方が信者力は上だ」

クロエ「タケシのその飲み物に対する無駄なこだわり…謎すぎマース」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:36:47.14
In お昼
俺「あっという間のお昼だぜ」

クロエ「タケシ、タケシ」

俺「おう」

クロエ「お昼デスヨ?」

俺「知ってる」

クロエ「タケシ、今日お昼何食べル?」

俺「購買部でパン」

クロエ「クロエも今日はパンデス!」

俺「そうか」

クロエ「タケシ」

俺「なんだ?」

クロエ「お昼、一緒に食べマセンカ?」

教室【ざわ…ざわ…】

クロエの一言を皮切りに、
クラスメイト(主に男子)に緊張が走る…!
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:37:49.46
教室【ざわざわ…ざわざわ…】

男子B(タケシのやつ…最近毎日のようにお昼誘われてね…?)

男子C(どうなってんだよおい!これで何度目のお誘いだよ!!)

男子E(もしかしてあの二人できてるのか!?)

男子A(あの二人…やっぱりそうなんだな。…それでも俺はお前が…っ)

男子D(また誘われてるまた誘われてるまた誘われてる
また誘われてるまた誘われてるウソだウソだウソだウソだ…)


お昼休みの開放感は消え去り、代わりに訪れたのは圧倒的な緊迫感…!!

固唾を飲んだまま一斉に二人に注目する男子一同…!!

男子一同の視線を一身に受け止めながら、
ついにタケシが言葉を発する…!!






タケシ「おっけー」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:38:45.85
俺「なんかさっきの教室、妙な緊張感なかったか?」

クロエ「?クロエよくわかりまセン」

俺「じゃあ気のせいかな」

クロエ「パンも買ったし屋上で食べマショー」

俺「外寒くね?」

クロエ「今日は天気いいからダイジョブデスヨ」

俺「そっか。じゃあ行こっか」

クロエ「ハイ!」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:39:49.52
In 屋上
………
……

クロエ「ごちそー様でした!」

俺「食った食ったー」

クロエ「タケシ、お口汚れてマスヨ?」

俺「え?どこよ」

クロエ「動かないでくだサイネー(フキフキ
ハイ、きれいきれいデース」

俺「お、おう。ありがとう…」

俺(男扱いどころか子供扱いだなこれ)

俺「………」

俺(友達同士、仲良しなのはいいことだけど
このままでいいんだろうか…)

俺(この先もずーっと、こんな感じでダラダラやってくのかなぁ、俺達)


クロエ「今日は珍しく天気イイですね~」
俺「そうだな」
クロエ「ハイです」


俺(現状のこのダルーっとした日常に不満はない。

つーかむしろ楽しいくらいだけど…)

俺(でも…なんだろう、この漠然とした不安は)
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:40:53.68
クロエ「ポカポカ~」
俺「………」じーっ
クロエ「?」


俺(クロエって…結構モテるんだよなぁ)
俺(クラスの男子はみんなクロエに惚れてるみたいだし…)


クロエ「?な、なんでじっと見てるデスカ?」
俺「………」じーっ


俺(もし、クロエに彼氏ができたりしたら
今までみたいにダラダラ過ごすこともできなくなるんだろうな…)


クロエ「ワ、ワタシの顔、なんかついてマス?」

俺「……いや、なんでもない」

クロエ「???」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:48:03.50
俺(クロエに彼氏…うわー想像できねぇ…)

俺「ふむ…」

俺(とりあえず、男扱いされてないのはなんか嫌だな。
とにかくなんか嫌だ。なんか悔しい)


俺(男扱いされてないのは、
ある意味、俺の種としての尊厳そのものを否定されているようなもんだしな)

俺(俺の中の男の部分、そう、俺のダンディズムが泣いている…!!)


俺(今日は、
クロエに俺の男らしさを見せつけてやらねばなるまい…)

俺(別に、クロエに惚れて欲しいから
男らしく振る舞うとかそういうことではなく、
俺の男としてのプライドを守るために…!)

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:48:55.73
スクッ

俺「ふっ…」

クロエ「タケシ?空じっと見つめてどしたデスか?UFOイタ?」


俺「屋上で、風に吹かれながら空を見上げる俺…男らしくね?

クロエ「男らしい!」

俺「ふふ…そうだろうそうだろう…
(いい手応えだ)

俺「もし今の俺にタバコなんてふかせたりしたら、さらにさらにカッコよくなると思わね?

クロエ「思う!思う!」

俺「そうだろうそうだろう
そうだろうと思って…

スッ…

用意しておいたのさ!」

クロエ「それタバコ!?未成年喫煙ダメデスヨ!?」

俺「安心しろ。こいつは…ココアシガレットさ」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:51:14.93
クロエ「ココアシガレット、タバコ違うデスか?」

俺「こいつぁ…ココア味ののお菓子なのさ」

クロエ「お菓子…タバコみたいで面白いデスネー。
クロエもそれ食べてみたいデス!」

俺「ほれ」

クロエ「わーい!」

ポキポキ、ポキポキ

俺「ふぅ…それにしても今日は風が騒がしいな…
何かよくないものを運んできてる味だ…」

ポキポキ、ポキポキ

クロエ「そイエバ、台風またきてるらしいデスヨ?」

ポキポキ、ポキポキ

俺「やれやれ…また奴らが来たのか…。
困ったもんだぜ。まったくよ…キリッ」

ポキポキ、ポキポキ

クロエ「ほんとデス。

電車止まるし洗濯干せないしクロエも困りマース」

ポキポキ、ポキポキ

俺「うーん…いまいち雰囲気でないな」

クロエ「?」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:52:37.03
俺「とりあえず、ポキポキうるさいから舐めてお食べなさい」

クロエ「わかりマシタ」ペロペロ

俺「…絵面的によろしくないからやっぱりいい。今まで通りで」

クロエ「?おっけー」

ポキポキ、ポキポキ

俺「おいしいか?」
クロエ「おいしい!」
俺「そうか」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:53:41.82
ポキポキ
俺「なぁなぁ」

クロエ「?」

俺「さっきの俺、男らしかった?」

クロエ「男らしかったデスヨ~」

俺「なんか適当だな…」

クロエ「んー?
タケシ、さっきからちょっと変デス。どうかシマシタカ?」

俺「どうもしないさ。

ただ、俺は己のダンディズムを…男らしさを証明したいだけなんだ」

クロエ「???
えーっと…つまりタケシは男らしくなりたいデスカ」

俺「ちがう。男らしさを見せたいの」

クロエ「ソレ意味ちがいマスカ…?」

俺「全然違う。スタート地点がまず違う」

クロエ「ハァ、そですカ」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:57:01.39
俺「どうしたら俺の男らしさを見せられるだろうか」

クロエ「ソですね…。じゃあタケシ」

俺「おう」

クロエ「膝枕、してください」

俺「よしわかった。」

コテン
………

俺「ん?どうした?」

クロエ「な、なんでタケシが横なってるデスカっ」

俺「えっ。違うの?」

クロエ「タケシの膝に、ワタシが寝るデスっ」

俺「あぁそういう意味か」

クロエ「あ、あんまりびっくりさせないで欲しいデス」

俺「ごめんごめん」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 22:58:54.08
俺「つーか、男の膝枕って男らしいか?」

クロエ「包容力ある感じして男らしいデスヨ?」

俺「そうかなぁ」

クロエ「そデスヨ」

俺「う、うーん…」

クロエ「ホーラー、はやくしてくだサーイ」バタバタ

俺「…わかったよ。ほれ(ポンポン」

クロエ「ふふふっ。それじゃあ、失礼しマース…」

コテンっ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:01:48.88
クロエ「重くないデスカ?」

俺「普通」

クロエ「ヨカタ~」

俺(軽っ。ララちゃんランドセルだ!)
………
……


クロエ「これがタケシの膝枕…略してタケマクラ…」

俺「心地はどうだ」

クロエ「ヨイ感じですヨー」

俺「マジかよ。
俺の大腿直筋、筋肉ムキムキしてて寝辛くない?」

クロエ「いえ、プニプニデス」

俺「マジかよ…」

クロエ「長年使い続けた低反発マクラみたいな感じデスネ」

俺「ちなみに、値段つけるならいくらつける?」

クロエ「75円」

俺「……安いな」

クロエ「百均に売ってそうな感じのマクラデス。

そして、買った後にセイユーで、
75円で売られてるタケマクラ見て、泣きを見るパターンデス」

俺「無駄に具体的だけどさっぱりわからん例えだ…」

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:02:54.99
クロエ「あ」

俺「どした?」

クロエ「タケシ鼻毛ててマース」

俺「………」
俺「キャッ///恥ずかしっ///見ないでよねエッチ///ポッ!」

クロエ「………」

俺「………」

クロエ「………」

俺「…あの、なんでもいいので
せめてリアクションください」

クロエ「タケシ。何があってもワタシはタケシの味方。
安心してくだサイ」

俺「真顔でそんなこと言わないでっ」

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:03:57.67
ヒュー……

クロエ「あ、飛行機雲!」

俺「ながい雲だなぁ」

クロエ「あの飛行機雲、きっとフランス行きデース!」

俺「いや、方角的には調布空港だな」

クロエ「トーフクーコー?
トーフ…トーフ空港…豆腐空港!?」

俺「トーフじゃなくて、チョーフ」

クロエ「そデスカー」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:06:06.50
俺「あー」

クロエ「あー?」

俺「いや。空綺麗だなーって」

クロエ「オー。デスネー。お空真っ青デース」

俺「おっ。あの雲の形なんとなく蟹っぽくね?」

クロエ「たしカニ」

俺「脚のところなんて特に蟹っぽい」

クロエ「蟹だけに、たし"カニ"!」

俺「え?」

クロエ「え?」

俺「………」

クロエ「………」

俺「おや?向こうの雲はお馬さんに見えないかい?」ニコニコ

クロエ「ホントデース、あれは立派なお馬さんデース」ニコニコ

俺「その隣にあるのはクマさんみたいダネー」

クロエ「エッ。どちらかというとネコぽくないデスカ?」

俺「ネコっちゃネコだけど、

先っぽがチョロンっとなってるあたり、クマ寄りじゃね?」

クロエ「ナルホド。そう言われてみればたしカニ、クマデス」

俺「うむ」

クロエ「あ!あの奥の雲っ!」

俺「あのデカイやつか」

クロエ「あの雲の中、絶対ラピュタありマス!」

俺「流れを読め流れを」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:07:06.45
俺(ボケー)

俺「平和だ…」

俺「あの雲の形は…」
俺「どことなくオッパイの形に似ているな…」

俺「ロケット型だ…」

俺「………」
俺「………」

俺「ん?」

クロエ「ぐー……」

俺「人の膝の上でガチ寝とは…
いい度胸をしている」

クロエ「ぐー…」

俺「脚しびれてきたし、そろそろ起きてくれないかな…」

クロエ「フニャフニャ…

エヘヘ…キャビア…おいしーデース…ムニャムニャ…」

俺「夢の中でも日本語…だと…?」

クロエ「ムニャムニャ…エヘヘ…
味のitカクメーデース…」

クロエ「次はメインディッシュ…まだカナー…」

俺「…デザートまで待ってやるか」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:08:03.54
クロエ「ふわぁ…よく寝たデース…」ゴシゴシ

俺「おはよう」

クロエ「!?太ももが喋ッタ!」

俺「まだ寝ぼけてんのかお前」

クロエ「…オロロ?ワタシ…眠ってたデスカ」

俺「爆睡だったぞ」

クロエ「むむむ…不覚…。恐るべし、タケマクラ」

俺「で?」

クロエ「で?とは」

俺「俺、男らしかった?」

クロエ「寝てたからわからんデス」

俺「だよね」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:10:41.78
In 放課後
クロエ「タケ…」

俺「クロエ!今日は一緒に帰ろうぜ?(キリッ」

クロエ「お、おぉ?ハイ。帰りマショウ!」



俺「クロエ、道を歩く時は俺が車道側を歩くよ(キリッ」

クロエ「え?あ。ありがとデス」



俺「クロエ、カバンは重くないかい?

俺は男だから力持ちだ。持ってあげよう(キリッ」

クロエ「えっ。そんなワルイデスヨ」

俺「そ、そうか…」

クロエ「???」



俺「今日はなんだか風が強いな。

よし、俺が前を歩いてクロエの防風林になる(キリッ」

クロエ「………」
クロエ「今日のタケシ、変デス。チョー変」

俺「そんなことはない。いつも通りさ(キリッ」

クロエ「そのキリッ!ってやつ、やめたほーがイイデス。
その時の顔、ちょい変顔入ってマス」

俺「Oh…変顔て…」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:11:18.64
クロエ「タケシ、何かありマシタ?相談ノリますよ?」

俺「何もないよ」

クロエ「ウソですね」

俺「ウ、ウソじゃないし」

クロエ「タケシ嘘つく時、右頬ピクピクする癖ありマス」

俺「え!?そうなの?!」

クロエ「ほらまた。
タケシ、ほっぺたピクピクしてマース」

俺「ウソっ!マジかよ!し、知らなかった…」

クロエ「ウソです。今の、全部ウソデース」

俺「…あ、そう」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:13:00.46
クロエ「………」じーっ

俺「相談か。まぁ、強いて言うなら」

クロエ「ハイ」

俺「なんか最近の俺達って、緊張感が足りてないきがして」

クロエ「キンチョー感…」

俺「ダラダラお喋りしてるだけでいいのかなー、と思ってさ。

日常にスパイスを盛り込もうと色々頑張ってみた」

クロエ「ハァ、スパイス、デスカ」

俺「うん」

クロエ「タケシは」

俺「うん?」

クロエ「タケシは、なんにもナイ日常、キライデスカ?」

俺「何気ない日常もそれはそれで大事だと思うけどさ

ずーっとそれじゃきっといつか飽きちゃうよ」

クロエ「そうなんデスカ?」

俺「たぶん」

クロエ「そう…かも、しれないデスネ」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:15:38.10
クロエ「タケシはワタシと一緒にいるの、飽きちゃいマシタカ?」

俺「そんなわけないだろ。全然飽きてない。むしろ楽しいぜ」

クロエ「ヨカタデス」

俺「うん」

クロエ「何気ナイ日常…ワタシ大好きデスヨ。

タケシと毎日、しょーもない話するの、超たのしいデス」

俺「……そうか。

クロエ「タケシと一緒だと、毎日新しい。毎日ドキドキデス」

クロエ「同じ毎日なんてワタシにはありまセン」

クロエ「それでもモシ、同じ日常に飽きてしまタラ…」

俺「しまったら?」

クロエ「うーン…」
クロエ「その時はその時で、また考えればイイだけデス!」

クロエ「今たのしーなら、クロエそれでいい。

先のこと考えて、今楽しめないのはもったい無いデスヨ?」

俺「…そうか。そうかもな」

クロエ「ハイ!」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:17:21.02
俺「俺も、クロエとしょーもない話を延々ダラダラとするの好きだよ」

クロエ「ヨカタです。
ワタシも、タケシとお話するの、トテモ好きデス」

俺「そうか」

クロエ「ハイ」

俺(まぁ…それでも、
もしクロエに彼氏できたら今の関係も終わりなんだけどな…)

クロエ「日常にスパイス、でしたっけ?」

俺「え?うん」

クロエ「ワタシ、スパイス持ってマスヨ」

俺「ほう。どんなの」

クロエ「ワタシ、最近好きな人できました」

心象風景【ガタガタッ
どどーん!ばりばり!
ピシャッ!ガラガラ!】

俺「へぇーソウナンダー」

クロエ「ハイ!」ニコニコ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:18:21.13
俺「お、おめでとう
それで?
相手は誰?ねこ?いぬ?さる?とり?」

クロエ「うちの学園の生徒デース」

心象風景【ズトーん!ばぎばき!
ピーガラガラ、ピーガラガラ!
ボキボキ、メキッ】

俺「ヘー。ソウナンダー」

クロエ「写真みたいデスカ?」

俺「ん!?み、見たいカナっ」

クロエ「この子です」

俺「こ、これは…!?」

クロエ「椎名心実サンデース」

俺「女の子じゃねーか!」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:28:17.98
タケシの書くクロエちゃんかわいいからムカつく
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:28:25.61
クロエ「最近仲良くナタデスヨ」

俺「あ、あぁ…そうなの…」

クロエ「ココミさん、とても良い娘。
ワタシの大好きな人デース!」

俺「…そっか。
また新しい友達できて良かったな、クロエ」

クロエ「ハイです!」ニコニコ

男「………」
俺(男じゃなくてほんとに良かった…)

クロエ「ふふーっ…」

俺「な、なんだよ」

クロエ「どでした?スパイス効いてましたカ?」

俺「うん?ま、まぁ、そこそこ、けっこう、わりかし」

クロエ「そデスカ。
今のはけっこー緊張感ありましたネー」

俺「そうね…」

クロエ「ねえねえ、タケシ、タケシ」

俺「なんだ」

クロエ「クロエの隣、ずーっといてくだサイネ?」

俺「……善処します」

クロエ「なんか曖昧な言い回しデスネ…」

俺「頑張ります」

クロエ「ヨシ」

(完)

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/19(日) 23:35:38.42

こういうのすき
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/20(月) 00:43:46.19
三作目おつ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/20(月) 10:02:26.22
たけし乙

クロエ・ルメール・たかしシリーズ:

クロエ・ルメール「タケシー!ニッポンの夕焼けキレイですネ?」


クロエ・ルメール「タケシー、遊びキマシター」俺「またきた」


俺「クロエってレズなの?」クロエ・ルメール「ナニ言ってるデスかタケシ」


クロエ「タケシー、煎餅おかわりー」俺「まだ食うの?太るぞ


クロエ・ルメール「タケシと会えるのも今日で最後デスネ…」俺「え、マジ?」


クロエ・ルメール「健康ランドとディズニーランドって違うんデスカ?」


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