ほむら「魔法少女?」 なのは「うん、魔法少女」


2 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:43:10.83

『プロローグ的な?』

いつか誰かが言った。
目の前にある壁は意外に簡単に壊せるものなんだって。
世界の全ては偶然でできてるんだよ。
と、ある人は言った。
偶然の出会いで始まった魔法少女な生活。
それは、悲劇の始まりでしかなくて。


何度も同じ時を繰り返し。
永遠ともいえる迷宮に迷い込んだ私。
たった一人の親友の、たった一つの願いを叶える為に。
私は戦い続けてきた。
何度も何度も、魔女と戦い、必要とあらば魔法少女とも戦った。
そんな永遠の迷宮を抜け出せず、【諦め】そんな二文字が浮かんでいた私の元に訪れたのは、
違う世界の魔法少女との出会い。





3 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:44:05.21

  第1話

『魔法少女』



まどかを魔法少女にさせない。

してしまったら、QBの思う壺だ。

そんなことさせない。

絶対に。

まどかと交わした約束だから。

私の唯一無二の友達だから。

だから、絶対に―――。





________





_____





__





私はまた、病院のベッドで目を覚ました。

「……まどか」

また。

また。

また!!

また駄目だった。

私は握り締めた拳を、壁にたたきつけた。

何度やっても、勝つことが出来ない。

ワルプルギスの夜。

私が勝てないせいで、まどかが魔法少女になって死んでしまう。





「なんで、なんでよ……」

「どうかしたん?」

「え?」

不意にかけられた声に、素っ頓狂な返事を返す。

「急に壁叩く音が響いたもんやから、何が起きたかって焦ったんよ?」

「ごめんなさい」

私に話しかけてきたのは、茶髪の少女だった。

足が不自由なのか、車椅子に乗っていた。

4 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:44:30.35

今までに一度もなかった出会い。

でも、関係ないこと。

「なんかあったん?」

「別に、何でもないわ」

「……そんなら何もいわへんよ。でももし、なんかあるんなら電話番号教えておくから、気兼ねなくかけてきてええよ」

少女はそう言い、電話番号と名前を書いた紙を私に手渡し、部屋を出て行った。

……。

「ふざけないで。貴女なんかに出来ることなんて、何にもない」

その紙を握りつぶしてポケットへと突っ込む。





……?

周りを見渡して、やっと。

私は異変に気がついた。

いつもと違う病室。

ベッドとかも、今までとは全然違っていた。

どういうこと?

なんで?

「え?」

さらに私を驚かせたのは、

転校する中学校が、私立聖祥大附属中学という、まったく違うところだったということ。

明日には転校。

私がよく理解できないうちに時間は進み、

私は中学校へと向かうことになった。

5 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:44:57.07

_________





____





__







「暁美 ほむらです。よろしくお願いします」

……どうして?

なんで?

私の守りたい存在。

その鹿目まどかが、存在していなかった。

私に話しかけてくる人にまどかの事を聞く。

答えは揃って「知らない」。

初日から学校を早退などという手を使うわけにもいかず、

私は放課後、クラスメイトの誘いの手が伸びるより早く、教室を飛び出した。





昨日から全てが変だった。

出会うはずのない少女に出会い、

知らない病室にいて、知らない学校。

極めつけは、私にソウルジェムがないことだった。

異変に気づいて時間を戻そうとしてみたけれど、

力が使えないどころか、指輪状態のはずのソウルジェムがなかった。

なんで?

どうしてなの?

どこ、どこにいるの?

まどか……。





夜になっても、私はふらふらと路頭に迷っていた。

両親はいないけれど、家がないわけじゃない。

けれど、私は何もなかった。

救いたい人も、救いたい人を救う為に手に入れた力さえも。

そんな時、近くで爆発が起きた。

それと同時に世界から光が消えた。

「結界? 魔女?!」

私に力がないせいか、魔女の存在を感知したりも出来ない。

行っても意味ない……。

でも、もし相手が魔女なら、巴マミや、美樹さやか、佐倉杏子が戦っているはず。

そんな希望ともいえない何かを抱いた私は、その場所へかけていった。


6 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:45:24.41

「え?」

しかし、私の予測や、希望はいとも簡単に打ち砕かれた。

「ジュエルシード回収完了」

「初めてにしては上出来だよ。なのは」

「にゃはは。そうかな」

私の目に映ったのは栗色の髪の少女と、

QBに似た感じだけれど、全く違う。感情を持った生き物。





「「……あ」」

私に気づいた少女と、生き物は同時に声を上げた。

「今の、見た?」

生き物が発した言葉に、私は頷く。

声を出そうにも、出せなかった。

「ユーノくん。見られちゃ駄目だった?」

「駄目ってわけじゃないけど……魔法を見られたりするのは―――」

魔法?

今、あの生き物は……。

「ねぇ……」

「なに?」

「貴女は魔法を使えるの?」

私の言葉に答えたのは少女ではなく、生き物だった。





「うん。なのはは、魔法少女だからね」





魔法……少女?

生き物が口にしたのは、私がなっているはずで、

大切な人になって貰いたくない、魔法少女。だった……。


7 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:46:17.74

  第2話

『誰もいない世界』



私は高町なのはの好意を受け。

というよりは色々と話を聞くために話しに乗って、

高町なのはの家に泊まることになった。





「じゃぁ、貴方はQBを知らない?」

「僕はQBどころか魔女というのを知らないし、

グリーフシードや、ソウルジェムも聞いたことが無いよ」

この子が嘘を言ってるって可能性もあるけど……。

でも、実際に高町なのはには、ソウルジェムが無い。

普通の人間であって、抜け殻じゃない。

「ねぇ、ほむらさんは魔法少女じゃないんですか?」

「魔法少女……いえ、だったが正しいわ」

今、私はただの少女だものね。





「だった? リンカーコアが砕かれたとか?」

「リンカーコア?」

私が不思議そうに訪ねると、ユーノスクライアが頷く。

「こっちのことも色々話すよ。

まず、リンカーコアというのは、君が言うソウルジェムに近い」

「え?」

「と、言っても。それが砕けたら死ぬだとか、それが本体だとか。

そういう類の近いではなく、魔力の塊であるってこと」

魔力の塊?

でも……。

8 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:46:44.93

「そんなものを持っていたら、大変なことになるんじゃない?」

「いや、ならないよ。リンカーコアは人畜無害だ」

「実際、私も今の今まで魔法少女になれる素質があるなんて知らなかったですから」

そう微笑む高町なのは。

なんだろう。

この子を見てると……。

「どうかしたの?」

「あ、いや。ごめんなさい。じゃぁ、高町なのはが魔女になることは無いのね?」

「もちろん。僕はそう断言するよ。もし、魔法少女が君の言う悪い魔女というものになるのだとしたら、

ぼくはなのは……いや、誰一人として魔法少女にはしない。したくもない」

ユーノスクライアが私の目を見つめて言う。

逸らせない。

僕の目を見ろ、僕は嘘はつかない。

全て真実だから。

そう、言いたいのね。





「解った、私の負けよ。貴方のことを信じるわ」

「え? 今まで信じてくれなかったんですか?」

「ふふっ、私は少し疑り深い性格なの」

「そうか、僕がQBというものに似てるといわれてちょっと心配だったんだ。ありがとう」

もちろん、信じるわけが無い。

幾度と無く、私はQBの甘く優しい言葉に騙されるみんなを見てきた。

貴方が言っていることに間違いが無いのだとしても、

もしかしたら何かを省いて話し、解釈の違いを生み出して騙している。

私にはそう思えてしまう。





特に、その自分が被害者というような口調が私は嫌い。

心配だった。ありがとう。なんて言葉が。

……。

「高町なのははなんで敬語使うの?」

「へ? だ、だって、その格好」

あぁ、そういえば着替えてなかった。

「ほむらさん中学生ですよね?」

「え? ええ。そうだけど? 貴女も――」

「私は小学生ですよ?」

え?

「あ、貴女、小学生なの?」

「は、はい……」

驚いた。

出来た子だから、つい同じ歳。

少なくとも中学生だと思った。

9 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:47:23.80

「まぁなんにせよ、敬語じゃなくて良いわ」

「え、で、でも……」

「そこまで馴染むつもりも無いから。適当で良いってこと」

「駄目だよ!!」

?!

「何で急に怒鳴るの?」

「適当で良いなんて悲しいこと言わないで」

っ……。

そうか……。

「ほむらちゃんが馴染むつもりが無いとしても、私はもっと仲良く――」





「ふざけないで」

「え?」

「貴女に何が解るのよ。たったついさっき知り合い、少し話しただけの貴女に。

私は馴染む気は無いと言ったの。今だって、貴女達から情報を貰う為にここにいるだけ」

「ほむ……」

「もう良い、私は帰るわ」

「え? ほむ――」

最後まで言わせずに、私は高町なのはの部屋の窓から飛び出す。

……身体能力に問題はないみたいね。

着地も問題なかった。





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__





「まどかも、巴マミも、美樹さやかも佐倉杏子も。

誰一人としてこの世界にはいないのかしら……」

文明レベル的に見れば、過去の世界っていうのが正しい。

でも、だとしたら私の能力が消えた理由が掴めない。

……なんで力が消えたか。

使いすぎたのか。

それとも、望みすぎた代価か。

どちらにしろ、まどかはこの世界にはいない。

その代わりに。

ええ、まるでその代わりと言わんばかりに

あの高町なのはという少女がいる。

あの目、あの雰囲気。

まるで、まどかのよう。

馴染む気は無いといった私に怒鳴って、

私と親しくしようとする、優しさの強情さ。

10 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:47:50.68

ふざけないでよ……ふざけないで。

夢なら覚めなさいよ。

でないなら、元の世界への戻り方を教えなさいよ。

まどかを助けたいのに、なんでよ。

何度もまどかを死なせてしまった代償なの?

まどかを救えないお前はまどかに会う資格などない。

そういう……ことなのね。

「まどか……」

私の頬を伝う涙など当に涸れ果てた。





……。

でも、でももう。

まどかを失うことは無い。

まどかはこの世界に、いないのだから……。

だからこれで良いのかしら。

力が無いのだから、

戻る方法もわからないのだから。

仕方ない……こと。

諦めるしか……ない?

11 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 17:50:59.18



えっと、まぁとりあえず2話投下してみた。

実は完全な俺得なので、あしからず。

なのはとまどかって、似てるのかな。

うん、似てるはず。

14 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:47:45.17

  第3話

『偶然と必然』





「今日はどうでしょうか?」

「ええ、どうせ暇ですからお付き合いします」

私に話しかけてきたクラスメイトにそう返す。

クラスメイトにそんなことを言うのはいつ以来なのだか。

私の薄れた過去の過去のそれ以上に過去の記憶など、

とうに消え去った。

何回繰り返したんだろうあの1ヶ月。

もう……。

昨日の今日でまたまどか達のことを……。

……。





「ごめんなさい」

「え?」

「会わなければいけない人がいるの。やっぱりまた明日で良いかしら。

明日なら確実に付き合えるわ」

「……仕方ありませんわね」

「それで、聞きたいことがあるの」

「聞きたいこと?」


15 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:48:30.29

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「ねぇ、アリサちゃんはどこの――あ」

「ん? どうし――」

「どうして、中等部の人がここに?」

流石に直接学校に来たのは間違いだったわ。

「――待って」

私が踵を返すと、高町なのはが私の腕を掴む。

「なのはの知り合いなの?」

アリサと呼ばれた金髪の少女が首をかしげる。

「うん。そうなの。だから、また明日ね」

「う、うん」

高町なのはの知り合いの少女達は私達を手を振って見送る。

でも、どこか私に疑いを持っていた。

あの金髪の女の子だけは。

まるで、巴マミのよう。

疑うだけで、私の真意に気づいてくれなかった。

あの女に……。

でも、その彼女も……いない。





「どうして?」

「え?」

「どうしてあそこにいたの?」

公園のベンチに腰掛けた私達。

最初に言葉を発したのは高町なのはだった。

それに私は、聞き返し聞かれ、答えた。

「貴女に、謝ろうと思って」

「謝る?」

あれ?





「何で聞き返すの?」

「それは。だって、ほむらちゃんの言ったことは間違ってないから」

「高町なのは……」

そう言った彼女は落ち込んでいた。

明らかに間違っていたのは、私なのに。

「だって、ほむらちゃんの事情も知らないのに、

私は色々自分勝手だった。ごm――」

「謝らなくて良いわよ」

「でも」

「確かに、貴女は私のことを知らない。

昨日会ったばかりだし、それも偶然で、同じ学校でなければ、年齢だって違う。

要するに、無関係に等しい」

16 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:49:05.35

「それは違うと思う」

「え?」

「無関係なんかじゃないよ。

貴女と私が出会ったのは偶然かもしれない。

でも、貴女があの後、私の家に来たのは偶然?

今日、いまここで私と話してるのも偶然?」

「ええ、そうよ。貴女が偶然魔法少女で――」

言葉が止まった。

私が今ここにいるのは、なんで?

偶然?

偶然、彼女に謝罪したいと思い、

偶然、クラスメイトに小学校の場所を尋ね、

偶然、彼女と今。ここにいる?





「ほむらちゃん」

「なに?」

「世界はね? きっと偶然で出来てるんだと思うの」

「え?」

世界が偶然で出来てる?

「必然はどこにあるのよ」

「それは、言葉。概念……かな」

小学生なの?

本当に……。





「偶然の出会い、偶然の思い、偶然の行動。

全てに偶然って言えるんだと思うんだ。私は」

「……」

「でも……でもね?」



私の手が、高町なのはの暖かさを感じ、

驚いて彼女を見ると、彼女もまた、私を見ていた。


19 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:52:01.64

「偶然が幾つも重なって出来た結果。それが必然だと思う」

「偶然が重なった結果?」

「今貴女がここにいること。それは偶然の重なった結果で、

つまりは偶然なんだけど、だとしても、これは必然的なこと」

彼女自身も自分の言葉を理解できていないらしく、

にゃははっと笑い、「ごめん、意味わからないね」と呟いていた。

風が私達を撫でる。

なぜだろう。

彼女はなぜ、そんな事を言えるのだろう。





「ねぇ、高町なのは」

「なに?」

「どうしても救いたい人がいて、でも、

何度やっても助けられない人がいるの。

その人はどうしたら良いと思う?」

私の問いに、高町なのはは困惑し、考え。

やがて口を開いた。





「諦めない。救う努力をし続ける」

「でも、偶然の重なりで、それは必然なんでしょ?」

そう。

必然なら救うことなど出来っこない。

「でも、偶然だよ。必然なんてものは無いんだよ。

そんなのは、私達が勝手に決め付けちゃった、偶然の集束地点。

そこもまた、偶然なんだよ?」

「じゃぁ、助けられるの?」

「うん。偶然は偶然で助けられるよ。きっと」

そう微笑んだ高町なのは。

やっぱり、似ている。

まどかに、似てる。

20 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:52:42.27

もしも、高町なのはが私達の世界にいてくれたら。

いてくれたらきっと、まどかを救えたかもしれない。

「え? ほむらちゃん?」

でも、もう、その世界には帰れない。

どうしてだろう。

なんでだろう。

こうも、私は駄目なことを考えるのだろう。

帰れても、彼女がその世界に来ることは無い。

所詮は人の欲。

私のそれもまた、希望、願いになってるだけ。

そんな願い、意味無いのに。





「?!」

「ほむらちゃん、平気?」

「まどか?」

「え? いや、わt――」

「まどか、ごめんなさい。救いたくて、手を伸ばしても貴女には――」

「……」

目の前に突然現れたピンク色の髪の少女。

鹿目まどか……。

私が救いたくて、大切な存在。

「ううん、きっと大丈夫だよっ」

あっ……。





高町なのは……。

「救いたくて伸ばしたなら、きっと届く。届かないはずは無いよ」

私の前にいたのはまどかではなく、高町なのは。

彼女が、私に抱きついてきていた。

「ほむらちゃんのこと、私は知らない。

ほむらちゃんが言った、まどかって人も知らない。

その子がどんなことになってて、どう救われたいのか……も。

でも、1つだけ言える。

あなたのその想い、その願い。

強い心があるならきっと、救えるはずだよ。

もし、救えないのなら、偶然が足りないんだと思う」





「どうしても、無理、もう駄目だ。諦めそうになったら私を呼んで。

私の名前、高町なのはではなく、なのはって呼んで」

なのはが微笑む。

でも、でも……。

無理。

無理なの。

もう……遅いのよ……。

私は魔法少女以前の私のように泣きついてしまった。

みっともない姿を、高町なのはに晒してしまった。

貴女達の優しさはずるい。酷い。

私を苦しめる……。

でも、ありがとう。

貴女達の優しさは、心地良いから。

戻れない世界の鹿目まどか。

今いる世界の高町なのは。

似てるけど、違う2人。

でも、私は……。

願うなら、高町なのはを守りたい。

救えないまどか。

でも、この子は傍にいて、触れられるから。

だから、守りたい。

失いたく、ない。

21 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:53:42.06

  第4話

『無力な自分』





彼女の優しさに触れてから数日。

私は彼女のジュエルシードという宝石を集めることに協力していた。

協力と言っても、探して見つけたらなのは達が来るまで誰も触れないようにする。

そんなことしか出来ない。

ジュエルシード。

それもまた平和的なものではなかった。

むしろ、QBに近いものだった。

要求にこたえて力を貸す。

でも、借りた本人は暴走して凶暴な破壊者となる。

魔女のように、人を呪うのではなく、物理的に。





想いを利用するのは、QBと同じ。

でも、これは生きていないけど、QBは生きている。

この違いがあるのに。

とても、意味の無い違い。

「ほむらちゃん、協力してくれてありがと」

「気にしないで。したくてしてることだから」

それに……ボロボロになる貴女を見ていることしか出来ない私だから。

せめて、足で探すくらいは私がしてあげたい。


22 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:54:17.26

__________


______


__


翌日
私達は、月村すずかの家に来ていた。


「ほむらさんって髪綺麗ですよね」
「すずか、会うたびに言ってない?」
「だって、事実だし」
「ありがと、でも貴女達も綺麗よ」
「あ、ありがとうございます」
私はなのはと親しくするうちに、
月村すずか、アリサ・バニングスの2人とも親しくなった。
最初のほうは少しばかり気が引けていたけど、
接していくうちに仲良くなっていた。
私は長い間、人との接触を避けていたから、
高町なのはを含め、3人も友達と呼べる存在が増えたことは、
嬉しかった。


アリサ・バニングスは美樹さやか
月村すずかは、志筑仁美に近い。
もしかしたら、人や世界が変わっただけで、
性格とかは固定されている……。
馬鹿ね。
まどかはまどか。
高町なのはは高町なのは。
それ以上でもそれ以下でも、それ以外でもない。
≪ねぇ、そろそろ君のことを話してくれないか?≫
≪え?≫
≪君が、どういった魔法少女か。教えてくれないか?
君が教えてくれたのは、ソウルジェム、魔女。そしてインキュベーダーのことだけ≫
≪ただの魔法少女よ。魔女を倒すだけの機械≫


≪機械? 君は生きているだろう?≫
≪言ったでしょ? ソウルジェムは魂そのもの。
つまり、私達魔法少女の本体がソウルジェム。私達の体はただの器で、生ける屍同等よ≫
≪……≫
そう言うと、念話が途切れた。
私自身にも魔法を使う素質があるらしく、
何かと便利な念話だけは方法を聞いた。
私達の世界とは対して違いが無い、ただの念話だけれど。



補足

補足

「」←台詞
<>←デバイスの台詞
〔〕←映像の中の音声
≪≫←念話。


23 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 18:54:47.13

すると、甲高い音が響いた。

私と、高町なのは、ユーノ・スクライアだけにしか聞こえなかった。

つまり、ジュエルシード。

≪ごめん、ほむらちゃん、2人をよろしく!!≫

≪任せて、気をつけてね。高町なのは≫

「あぁ、ユーノくんどこいくの?!」

ユーノが自然な感じで林へと駆けていく。

それを高町なのはが追いかける。

「私達も――」

「大丈夫、すぐ戻ってくるわよ。それより、こんな一杯猫が――」

音が消えた。

多分、ユーノスクライアが結界を張った。

これで私に出来ることは……。

「どうかしたんですか?」

「え?」

「あ、いや、その……なんか寂しそうな目をしてたので」

寂しそうな――。

「ふふっ、気のせいよ。それより――」





私達が談笑している間、高町なのはは戦っていた。

そして、私は気づけなかった。

こんなに近くにいたはずなのに、彼女の危機に。

2時間ほど経っても戻らない高町なのはを心配し、私達はなのはが向かったほうへ向かう。

「……?!」

「ほむらさ……なのは?!」

アリサ・バニングスが倒れている高町なのはに駆け寄る。

≪な、にがあったの?≫

≪魔法少女。別の魔法少女が居たんだ≫

≪……敵なのね≫

≪解らない、ただ、ジュエルシードを狙ってるみたいだ……ほむら?≫

「月村すずか、アリサ・バニングス。高町なのはをお願いできる?」

「え?」

「傍にいてあげたいけど、家の用事が入っちゃって」

「それなら、平気です。目を覚ましたら連絡しますね」

「――お願い」

≪待って!! どこに――≫

≪どこでも良いでしょ。私の勝手よ≫





私は月村すずかの家から駆け出した。

無力だ。

無力だ。

私は。

守るって決めてたのに、あんなことになってるなんて。

外傷は見えなかったけど、相手が魔法少女なら傷つかないダメージも可能。

許さない、私を許さない。

許さない、高町なのはを攻撃した魔法少女を、ゆるさない!!

30 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 19:28:02.45

『フェイトとなのは』



なのはがやられてから数日。

私は火薬など、爆弾に必要なものを集め、

そして、完成させた。

「火薬を混ぜて――出来た」

私に魔法は無い。

でも、元々私は魔法攻撃ではなく、

銃など、現実の武器を利用した戦い方。

普通に戦えるじゃない。

ただ、実装の制限があるのが問題。

それに、持ちすぎて重くなるって言うのも。

でも、文句は言えない。

剣と、爆弾しかないわね。

銃は拝借するわけにはいかないし。





それにしても、高町なのはの家ってなんなのだろう?

剣道場があるし、真剣まで置いてあった。

……魔法少女を叩きのめして、

高町なのはが目を覚ましたら聞いてみよう。

だから、だから。

今は、魔法少女を狩るのが私のやることやるべきこと。

……?!

ジュエルシードの反応。

ユーノ・スクライアの言う通りなら、ジュエルシードの傍で待ってれば……。





私は、反応があった海鳴市の公園に来ていた。

「ここから反応があった」

「フェイト、大丈夫かい?」

「大丈夫……?!」

金髪の黒い服装……。

「アンタ誰?!」

狼?

犬?

どっちでも良いけれど、

喋るってことは普通ではないってことね。

31 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 19:28:35.19

フェイト。

フェイト。別に知る必要も無かったけれど。

知ってしまったから。

「暁美ほむらよ。貴女達? 高町なのはを攻撃したのは」

「答える義理は無い!!」

……。

「もう一度聞くわ、高町なのはを傷つけたのは……貴女達?」

「――そう。と答えたら?」

「貴女も彼女と同じ目に合わせる。いいえ、それ以上に」

「フェイト、さがって、ここは私が――」

「魔獣に用事は無い、あるのは魔法少女である、貴女だけ」

喋る獣に爆弾を投げつけ、金髪の魔法少女フェイトに接近する。





「アルフ――っ?!」

「自分の心配しなさい」

爆発して吹き飛ばされた魔獣の名を呼ぶフェイトに、高町なのはの家で拝借した剣で斬りかかる。

「邪魔しないで、ジュエルシー……うあっ?!」

「煩い、邪魔なのは貴女。なのはに攻撃したのはなぜ!」

剣は、斧らしき武器でガードされる。

でも、爆弾までガードは出来ない。





「ジュエルシードが必要だから。あの子がそれを手に入れるのを邪魔した。だから攻撃した」

……。

「正当な理由に見えるけれど、間違いが無いように教えて。

高町なのははジュエルシードを使う為に集めていない。貴女はどう? 使う為に集めていない?」

「そんなこと、貴女には関係ない」

「そうね、私はただ高町なのはを傷つけた貴女が憎いだけ。許せないだけだから――」

「まって、ほむらちゃん!!」

え?

なんでここに……。

向かい合うフェイトと私。

その右方向から、高町なのはが叫んだ。

「どうして、貴女はジュエルシードを集めているの?!

どうしてそんなにも、悲しい顔をしているの?!」





「答えたら? フェイト。貴女に聞いているのよ。高町なのはは」

「フェイト!! 答えなくて良い!!」

……。

「どうして、話を聞かないの?」

「えっ?!」

「アルフ!!」

一瞬で魔獣の前に、私が立ちはだかる。

「攻撃はしても話はしない、間違ってる、間違ってるよ、そんなのは!!」

私の振り下ろした剣がアルフを切り裂く前に、

高町なのはが大声で私を止めた。

32 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 19:29:18.11

「ころしちゃ駄目!!」

「高町なのは……」

「――あのジュエルシードをかけて私と戦って」

戦う?

高町なのはが、武器であるレイジングハートを片手に空を飛び、フェイトと対峙して言う。

「……解った」

「フェイ――?!」

「この戦いの邪魔はさせない」

剣をアルフの喉元にあてがって囁く。

邪魔するつもりなら、殺させてもらう。





「貴女の名前、教えてくれない?」

「……フェイト、フェイト・テスタロッサ」

「フェイトちゃん。私が勝ったら、お話聞かせてもらうから」

高町なのはがそう言い、彼女に相応しい、桃色の魔力で攻撃する。

対してフェイト・テスタロッサは、金色の魔力。

互いの魔力がぶつかり弾け、光を放つ。

僅かに空間が歪んでいるのは気のせい?

2人の攻撃がぶつかるたびに歪んでる。





「次で決めるつもりかな?」

ユーノ・スクライアが呟く。

確かに2人は互いに肩で息をして限界が近そうに見える。

次で決まる。

高町なのは、負けないで。

私はそんな事を、不意に望む。

そして、互いの振りかぶった武器がぶつかる……ことはなかった。





「直ちに戦闘を終了してくれ。こんな場所で戦っていたら次元震――」

「管理局?!」

え?

あっ――。

「不味いっ」

「うわっ――」

突然現れた黒い服の魔法使い? に、

アルフの魔法がぶつけられ、怯んだ隙に2人には逃げられてしまった……。

37 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 20:49:29.19

  第6話

『アースラ』





「それでね――」

……私達は、あの戦闘の後、

時空管理局の巡視船アースラとか言うところに連れてこられた。

任意だった為、ついていかないことも出来たけど、

高町なのはがいくというのに、私が行かないわけにもいかない。

そこで、ユーノ・スクライアが白い生物ではなく、

人間であることが発覚した。

高町なのはもしらなかったようで、少し困惑していた。





現在は、アースラの艦長であるリンディ・ハラオウン艦長より話を聞いていた。

「では、ジュエルシードを私達は探す必要は無い。と?」

「ええ、こちらが探すから貴女達はもう一般人に戻るべきだわ」

……。

「まぁ、一旦お家に帰ってよく考えてみて頂戴」

私達は、戦いに介入してきた少年、

クロノ・ハラオウンに公園まで送ってもらい、家路に着いた。

私は家に帰ることはなく、高町なのはの家に行き、

今後について話すことに。





「私は探す気は無いわ」

「え?」

「でも、それは貴女が探さないというのなら。ということ。ねぇ、高町なのは。貴女はやめるの?」

「……私は。その……」

そんなすぐに決められるわけは――

「……続けたいかな」

え?

「なんていうかさ、途中で投げ出すのは嫌だし、

それにまだ、フェイトちゃんとの答えを聞いてないから」

「フェイト・テスタロッサは敵なのに?」

「敵も敵なりの理由があるってことだよ。ほむら」

敵の敵なりの理由……。


38 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 20:50:06.19

私は、巴マミを途中から敵としか見ていなかった……。

美樹さやかも佐倉杏子も……。

あの子たちには、あの子達の思想があった。

私にあるように、彼女達も各々の……。

もう遅いけれど、

今なら、いいえ、今の私なら協力したいって思える。

まどかだけを中心に考えて、回りを邪魔者にして、

そんなんじゃ、救えるものも救えるわけがないものね。

「じゃぁ、連絡しましょう。私達3人。手伝わせて貰えないかどうか」

フェイト・テスタロッサ。

彼女の真意を知る方法、高町なのはに見せてもらいたい。





そして、

私に親はいないから、問題はなかったものの、

高町なのはには家族がいる。

もちろん、魔法のことを話すわけにもいかず、

高町なのはは少しだけ苦労したが、

なんとかジュエルシード集めに専念できるようになった。





「フェイト・テスタロッサ……」

私はアースラ艦内の与えられた部屋でベッドに倒れ付していた。

彼女が戦う理由。

なんで、ジュエルシードがほしいのか。

望みを叶える力があるって言うのは、聞いてる。

QBの言葉くらい魅力的なものだとは思う。

でも。

でも、彼女は。

少なくとも、彼女が何か望みをかなえようとしている人には見えない。

あの子にはまるで望みなんてない。

いえ、あるかもしれない。

誰かのためにジュエルシードをあつめているのかもしれない。

まどかの為に私が戦い続けていたように。





だとしたら、黒幕がいる……。

彼女にあんなことを命令している誰かが。

でも……誰が?

40 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 20:52:31.46

  第7話

『必要なこと』



それから暫くは、フェイト・テスタロッサが姿を現すことはなく、

私達は淡々と、ジュエルシードを集めて行った。

残り7つ。

残りは海にあるのではないか。

リンディ・ハラオウンの読みも正しく、

そして、彼女もまた、それを予期していた。

海鳴海岸の沖で、フェイト・テスタロッサが魔法によりジュエルシードを強制的に覚醒させた。

そして、私達はリンディ・ハラオウンら、アースラメンバーの指示を無視してフェイト・テスタロッサの元へと向かった。





「何しに来たんだい!!」

「一々、突っ掛からないで。私達は貴女達と敵対するつもりはないわ」

「……高町なのは、フェイト・テスタロッサ。行ける?」

今の私に時間を止めたりする能力はない。

でも、なのはたちに教えてもらった飛行魔法、防御魔法、射撃魔法、武器に魔力を注ぐ方法。

色々ある。

「ディバイィィィン……」

「サンダー……」

借りるわ、巴マミ。

管理局に借りたデバイス『ディザイアー』

その形を、巨大な大砲のような形へと変化させる。

「ティロ……」





「バスタァァァァァ」

「レイジ!!」

「フィナーレ!!」

各々の声が荒れた海に響き、それぞれの魔力砲が海中を撃ちぬく。

砲撃の爆発が起き、水しぶきが高く上がる。

そして、海中から6つのジュエルシードが海中から上がってきた。

……あれ?

でも、確か見つかっていないのは7つ……。

フェイト・テスタロッサが手に入れているの?

42 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 20:53:10.98

「フェイトちゃん……」

「……」

「フェイト・テスタロッサ」

私達は3人、互いにジュエルシードを囲んで、向かい合っていた。

≪高町なのは、貴女に任せる≫

≪ありがと……≫

私にはどうすることも出来ない。

どうにかできるとしたら――。

「フェイトちゃん、私はね? フェイトちゃんと友達になりたいんだ」

……え?

友達?





何か言うと思ったけど、友達?

友達……あぁ、そうか。

まどかも、常に言ってた。

「さやかちゃんと、友達とか……」

「マミさんと仲良く友達に……なんて」

「みんな友達だよ。だから喧嘩なんて止めうよ!」

全部、まどかの言葉。

……友達になるってことが、まどかを救う為の鍵だったの?

幾たびも繰り返して、何億とあるパターンの中、唯一絶対に消えなかった言葉。

友達……か。

「わ、私は――」

フェイト・テスタロッサがその問いに答えようとした時、

雷雲がどよめき、雷がフェイト・テスタロッサを撃ちぬく。

「――母さん?」

母さん?

「フェイト!!!」

「?!」

怯んだ隙にアルフが取ろうとしたジュエルシードを3つ奪う。





「っ……くっ!!」

2人は転移魔法で消えて、少ししてからクロノ・ハラオウンが現れた。

「アースラも攻撃を受けて救出にこれなかった……無事で何よりだ」

「クロノ・ハラオウン。3つ持っていかれた。私のミスだわ」

「いや、3つも取ってくれたことに感謝する。でも、命令違反は罰するから――」

〔クロノ執務官、ならびに、なのはさん、ほむらさん、ユーノくん。アースラに帰還して〕

43 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 20:53:37.45

___________





______





__





「なんで、あんな危険なことを?」

「……黙って見てるなんて嫌だったんです。

ちゃんと、話し合いをしたかったんです。ごめんなさい」

「ほむらさん、貴女も?」

「私は、明確な意思はありません。

ただ、フェイト・テスタロッサには私に近い何かを感じました。

だから、放って置く事が出来ませんでした」

……。

「まぁ、今までの功績もあるし、今回は不問にするけれど、

あんまりほめられたことじゃないからね?」

「「はい」」





「それでね? なのはさん、ほむらさん。

貴女達は、フェイトさんの口から母さんって聞いたのね?」

「ええ、聞きました」

私が頷くと、エイミィ・リミエッタが空中に映像を出す。

「プレシア・テスタロッサ。フェイトちゃんの母親」

……ん?

「元は優秀な人だったのだけれど、違法なものを用いて実験を行った結果、

研究所が爆発しちゃって。その後、急にいなくなっちゃってそれっきり……」

研究所の爆発で事故?

……。

「その事故での死傷者とかは?」

「それが殆ど消されちゃっててね~」

「そうですか」

「何か気になることでも?」

「いえ、なんでも」

44 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 20:54:11.63

リンディ・ハラオウンとのことが終わり、

私は部屋のイスに座ってため息をついた。

近い何か。

それは何かなんてものではなく、

誰かに、

何か1つに固執して、

それを求めて自分を犠牲にする行動。

私は誰の手も借りずに、まどかを救おうとしてきた。

自分ひとりの力で。

フェイト・テスタロッサも、何かを求めてる。

何かの為に、彼女は自信を犠牲にしてまで私達と対峙してた。

さっきの、なのはの言葉で気づいた。





私に、彼女に、

必要だったのは力でも、忍耐力でも、成し遂げようとする心でもない。

そんなのだけじゃ、意味がない。

そんなんじゃ、救うことなんて出来ない。

必要だったのは、誰か。

そう、友達が必要だった。

協力してくれる、仲間、友達。

信頼できる相手が、

話せる相手が……必要だった。

勝手に諦めて、何もかも敵だって決め付けてた私。





フェイト・テスタロッサ。

貴女の生きる意味は何?

頑張る目的は何?

教えて欲しい。

そうすれば、きっと分かり合えるから。

言葉じゃないと、伝わらないことだってある。

でももし、話を聞かせるために力が必要なら、私は遠慮なく使わせて貰う。

そうしないと、いけないのなら。


46 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 20:59:59.54

  第8話

『信じること』





「どうですか?」

「ん~。それがぜ~んぜん。だから多分フェイトちゃんが持ってると思うんだよね~」

私の問いに、エイミィ・リミエッタは小さく笑いながら答える。

私がエイミィ・リミエッタにした依頼は、ジュエルシードの捜索。

海で出てくるはずだった7つに対し、

実際に出てきたのは6つ。

1つ足りなかった。

それが気になった私は、捜索を依頼していた。

けれど結局、捕捉出来ては居らず、フェイト・テスタロッサが持っているのでは?

ということで、終らせた。





「……」

「ほむらちゃん。やっぱり気になるの?」

「ええ、少しね。考えすぎで区切ろうとは思うんだけれど、

嫌に不安になってね。まぁ、探してもないのだから、向こうが持っているんだろうけど」

「違う世界に落ちてるかも」

え?

私が驚いてなのはを見ると、なのはは「冗談だよ」と笑っていた。

でも、もしかしたら。

「その可能性も捨てきれないわね」

「まっさかぁ、ユーノくんが海鳴市に全て落ちた。そう言ってたし」

「そう……よね」

そう、ただの思い過ごし。





「ユーノ・スクライアと言えば、どこにいるの? 最近見かけないけど」

「あ。ちょっと調べものがあるってそれっきり。でも、非常時にはちゃんと戻るって」

「そう……」

調べもの……か。

「ほむらちゃん?」

「ん?」

「あっ、ううん。なんでもない―――」


47 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:00:25.30

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「ごめんね、ほむらちゃん」

目の前のピンク色の髪の少女が私に微笑む。

「まどか……まさか……」

私は涙を流して、まどかに手を伸ばす。

瓦礫に挟まれた足のせいで動けず、伸ばしたても、空を切った。

「ごめんね? でも、私はみんなを守りたいから。失いたくないから」

「駄目!! いや、お願い!!」

「じゃぁ、魔法少女になるかい?」

白い悪魔が、まどかに囁く。

「うん。私は魔法少女になる。私の願いは―――」

まどかは無慈悲にも、魔法少女となり、ワルプルギスの夜と戦闘。

そして……死んでいった。





「――まどか!!」

私はアースラの寝室で叫び声を上げていた。

ここがアースラの寝室でなければ、誰かが駆け込んできていたはずだ。

それほどまでに大きな声だった。

まどか……。

「はぁっ……はぁっ……ま、ど、か……」

魘されてた影響。

何度も体験したことで、すぐに行動することは出来る。

服を全て脱ぎ、用意しておいたタオルで体を拭いて、

新しい服を着る。

まれに見る悪夢という夢。

でも、何度も繰り返してきた中で、見た数はループに等しいか、それ以上だった。


48 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:01:18.07

基本的には、まどかが魔法少女になってしまう夢。

他には、シャルロッテにまどかが食いちぎられるところもある。

巴マミが食われたものの、ソウルジェムが無事だった時に起こる悲劇。

巴マミが自身の回復の為に私を解放、そこから時間を止めて向かった結果、見てしまった悪夢。

他には、廃工場の集団自殺阻止が間に合わなかった時。

大抵、私より早く美樹さやかがたどり着く。

しかし、美樹さやかが魔女に出くわし、

私も出くわしたりした時に、なってしまう。

他にも様々な悪夢がある。

繰り返したループの数だけ悪夢の種類がある。





いくら見てもこれだけは慣れる事が出来ない。

目を覚ませば、体を拭き、着替える。

出来るとしたらそのくらい。

その程度しか、できない。

悪ければ延々と嘔吐するときもあるし、救えなかったことで心が折れそうになった時もある。

その度にまどかの最後の笑顔を思い出し、私は耐えていた。

そして、この世界で私の支えになりつつある少女は扉を叩く。





「大丈夫? ほむらちゃん」

「どうして?」

「声が聞こえたから」

……本来なら、多少なりの防音措置の施された各寝室から声が聞こえるとは思えない。

というよりも、彼女の寝室は隣ではなく、2つ3つ離れた場所にある。

それなのに、彼女は……。

「入って」

「え?」

「何か、話があったんじゃないの?」

扉を開けた私を、驚いた表情で彼女は見つめていた。


49 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:01:45.54

「私の声が聞こえたのって、扉の前でしょ?」

「う、うん……」

申し訳なさそうに頷く彼女をベッドに座らせる。

「みっともない声聞かせたのはこれで2度目ね。ごめんなさい」

「へ? い、いや、その……わ、私が勝手に聞いてしまったというかその……」

高町なのはの慌てぶりに、思わず笑い声が漏れる。

「まぁ、その話は置いておくとして、何の用事だったの?」

「少し、話がしたかったんです」

話……?





「ほむらさん、私達とは全然違う魔法の知識を持っているってことは、この世界の人じゃないんですよね?」

「ええ、そうよ」

「ほむらさんのいう、まどかさんって私に似てるのかなって」

……。

「顔も、服装も、容姿も、似てないわ」

「え?」

でも。

私は高町なのはの頭を撫でて、微笑む。

「仲間思いで、優しくて、そんなところが全く同じ」

「えへへ……」

「馬鹿で素直で、率直なところも」

「うぅっ……」





「ねぇ、高町なのは」

「はぃ?」

「貴女は全てを救うことが、可能だと思う?」

私の意地悪な質問に、高町なのはは答えを選び悩んでいた。

「難しく考えず、ただ、YES or NOで答えてくれれば良い」

「えっと、じゃぁ、イエスで」

「それはなぜ?」

「ふぇぇぇっ?!」

「冗談よ」

「難しく考えずって言ったから……酷いですよ」

私が悪戯に笑うと、彼女も笑っていた。

50 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:02:13.04

彼女のイエスには、自信が篭っていた。

言葉だけ見れば、自信がなさそうな彼女の言葉。

けれど、彼女の目、彼女の声が、自信を持っていた。

「でも、全てを救える人なんて神様くらいよね」

「そうですね。神様くらいです」

歳相応な無邪気な声で言う高町なのは。

普段の大人びた雰囲気も、今はどこか欠如していた。





「――まどかさんって、大切な人ですか?」

「ええ、とっても」

不意に聞かれたその問いに答えるのに、時間はかからなかった。

「いいですね、そこまで思われてる人」

「そう?」

「だって、不意打ちで聞いた私が一瞬固まっちゃうくらい即答でしたよ」

「ふふっ、ありがと」





「それで、本題です」

え?

不意に変わった空気に、緩んでいた口元が結ばれ、

視線は彼女の視線を捕らえていた。

「異世界の人だったら、戻りたいとは思わないんですか?」

……。

戻りたい。

けど。

「戻るのは、貴女とのことが片付いたら戻る」

「戻り方は?」

「え?」





彼女は見透かしたように呟く、

戻る?

異世界に?

どうやって?

そんなことは全く解らない。

そして、私はこの世界に来て一度もしていないことがあった。

それは、戻る方法の思案。

ジュエルシードの事件に介入しているから暇がないといえば、

聞こえは良いかもしれない。

むしろ、戻ることを諦めた。

それも聞こえが良い。

私は、戻れないことを僅かに望んでいた。

51 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:02:44.23

魔法少女は、生きている普通の人間であり、。

魔女なんて敵は存在しない高町なのはの世界。

魔法少女は人間ではなく、生ける屍であり、

魔女という敵と日々戦い続ける私の世界。

どちらが良いと聞かれたら私は迷いなく、前者と答える。

その私の世界の魔法少女があこがれる世界に、私はいる。

帰りたくないと思うのはひつぜ―――。

偶然の、時空移動?

偶然の、出会い?

偶然の、協力?

偶然の、気持ち?

偶然の……願い?





必然の、願い?





「でも、でも。 私は戻らなきゃいけない。戻りたい……」

「どうして? この世界が良いでしょ? 良いよね? この世界にいようよ」

「ひっ……」

思わず悲鳴が上がる。

隣にいた高町なのははゆがみ、まるで魔女のようになっていた。

「この世界が嫌い? 私が嫌い?」

「そうじゃない、そうじゃない。でも、まどかが私を待ってるから!!」

「でも助けられない」

「助けられる!!」

「無理無駄、諦めるべき」

っ……。





「無駄じゃないよ」

「え?」

そう言ったのは、歪んだ高町なのはでも、私でもなく、

正真正銘、普通の高町なのはだった。

「無駄だ、無理だ、諦めるべき」

歪んだ高町なのはが繰り返す。

まるで、壊れたレコーダーのように。

「無駄? 何で無駄なの? 誰かを救おうとすることが無駄だというなら、

それは間違ってるよ。

なんで、無理なの?何で諦めるの?

人間の。私達の願いに。無理なことなんてない。

それに、私達は……魔法少女。なんだから」

52 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:03:50.59

「人間に無理なこともある、魔法少女にも無理なことがある。

万物全てを救えるものなんて、神様くらいだ」

隣にいた歪む高町なのは、その姿を白い……QBへと変えて言い捨てた。

そして、その正面にいた高町なのはの隣に、もう一人出てきた。

黒いバリアジャケットに身を包んだ、魔法少女。

フェイト・テスタロッサ。

彼女は、QBに武器を向けて怒鳴った。

「1人では無理でも、2人なら、2人で無理なら3人なら。

人はそうやって力をあわせて、無理なことを成し遂げてきた。

インキュベーダー!! 人の想いの力、絆。それを成し遂げる基盤の感情。

それがない貴方に、人間に無理だということなんて出来こっない!!」





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そこで、プツリと映像は途切れた。

目を開けると、視界に入ったのは休息室だった。

ついていかない頭に思わず立ち上がる。

「イタッ?!」

「え?」

ゴツッという鈍い音に驚き、

自分のいた場所を見ると、

高町なのはが頭をさすっていた。

え?

あれ?

53 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:04:18.18

「急にどかないでよ~。頭打っちゃった……」

「なんでここに? フェイト・テスタロッサ、それにQBは?」

「フェイトちゃんはまだ捜索中だし、QBっていうのは、ほむらちゃんの世界にしかいないよ」

え?

だって、そんな……。

「寝ぼけてる?」

「ねぼっ――え?」

「ジュエルシードの1つが見つからない話から、ユーノくんの話に入った後、

すこしして、ほむらちゃん寝ちゃってたよ?」

じゃ、じゃぁ、今のは夢?





「どんな夢だったの?」

「私のところにQBがいて、人を助けたりするのが無駄だとかむりだとか囁いて、

そしたら、高町なのはと、フェイト・テスタロッサが、無駄でも無理でもないって怒鳴って……」

そこまで言うと、高町なのはが苦笑しているのが目に映った。

「リアルな夢だね」

「言わなければ良かった」

「あはは、でも。間違ってないよ」

え?





「だって、人助けが無理だとか無駄だとか。

私はそういわれたら、絶対に否定すると思うから」

なのはの曇りのない笑顔が私に向けられていた。

「そう……ね」

私達はその後、特に会話するわけでもなく、

私の部屋に来て、一緒に寝た。

まどか達とも、話したり笑ったり。

いつかできると、私は信じてる。

55 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:10:07.62

  第9話

『視野を広くしなきゃ見えない聞こえない触れられない。そんなものがあるんだってことを』





「フェイトちゃん、まだ見つからないんですか?」

「あぁ、だから君たちは一旦自分の家に帰ると良いよ」

「え?」

「たまには友達に、会いたいでしょ?」

……友達。か。

「学校も行きたいし、はい。じゃぁお言葉に甘えて」

そう言うと、高町なのはが私の腕を引く。

「ちょっ――」

「アリサちゃん達も、友達でしょ?」

高町なのはの笑みに頷く。

そして私達は、2日間だけ地球に戻ることが許可された。





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「あっ、お久しぶりでございます」

「ええ、本当に。でも、またすぐに出なければいけないんだけど……」

正直学校で学ぶことなんてなかった。

ここが遅れているのか、向こうが早かったのか。

まだ、数学? とか、古文とかとりあえず、くだらない分野をやっている。

私がいた世界も一応日本で、こんな世界とははるかにかけ離れた文明世界であり、

私達は中1の時点で、この世界の東京大学? とかいうレベルの勉強まできていた。

確かめたので、間違ってはいないはず。

実際に、模試と言うのをやってみたけれど、ほぼ満点。

実につまらないものだった。

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/05/30(月) 21:10:08.90

ほむほむミッド式魔法覚えたん?

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/30(月) 21:20:58.70

>ほむらならそのくらいはするかなって。

まどか世界はどうやら数学がもの凄く進歩してるっぽいから頑張ればいけるかもね

ミッド式の魔法って基本的にプログラムの詠唱らしいし

57 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:10:33.12

そして放課後。

「この後……」

「すでに予約が入っているので、ごめんなさいね」

私はクラスメイトからの放課後の誘いを断り、

なのは達のもとへと直行した。

「少し待たせた?」

「いえ、待ってませんよ」

月村すずかが答える。





「あの人中等部の人だぜ?」

「綺麗な人だなー」

「なのはさん達とお知り合い見たいですね~」

「綺麗な人と可愛い人って繋がりがあるんですのね~」

……え?

「あはは、若干注目の的にされちゃってるね」

「笑ってないでさっさと行くわよ。なのは。ほむらさんも」

「え、ええ……」

注目の的?

高町なのは達が主に見られてた気がするけれど。





「そういえばね、なのはたちが戻る数日前に大きい犬拾ったのよ」

「大きい犬?」

「亜麻色の毛で、結構な怪我してたから一応私の家で看てるんだけど」

亜麻色?

≪高町なのは、もしかしたら……≫

≪うん。でも、だとしたらなんで……≫

≪とりあえず確かめましょう≫

≪そうだね≫

「じゃぁ、アリサちゃんの家に行こうよ」

「良いわよ。新しいゲームもあるし、そうしましょ」

58 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:11:00.99

……やっぱり。

≪アンタ達……≫

≪アルフ。何があったの?≫

私達がアリサ・バニングスから聞いた大きい犬というのは、

予測正しく、フェイト・テスタロッサの使い魔、アルフだった。

≪アルフさん……≫

私の問いに答えることなく、アルフは私達に背中を向けた。

「あれ? まだちょっと良くないのかな」

「みんな、部屋に行きましょ」

「う、うん……」

「私はもう少し、ここにいて良いかしら」

「え?」

「この子は少し怯えてるみたいだから、それを無くして上げたいの」

「えっと……じゃぁ、少ししたら来て下さいね」

「ええ、我侭言ってごめんなさいね」

「あ、いえ」

私が微笑むと、高町なのはが私を見ていた。





≪ほむらちゃん……≫

≪気にしないで、その2人は貴女の友達。貴女と傍にいたいはずよ≫

≪アルフさんのことお願いします≫

≪ええ、任せて≫

3人が家の中に入っていくのを見送り、

アルフが入れられたケージに寄りかかるように座り込む。

≪アンタ達がいるってことは、管理局も見ているんだろう?≫

≪そうね、そうなるわ≫

アルフの問いに答える。

嘘つくつもりもないし、ついても意味の無いことだし。


59 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:11:29.62

≪フェイトを助けて欲しい≫

≪フェイト・テスタロッサを、助ける? 誰か敵がいるとでも言うの? 私達以外に。

それとも、母親と仲違いした?≫

≪え?≫

≪大体の予測はしていたもの。フェイト・テスタロッサ。あの子は私に似ているから≫

≪アンタに?≫

私は何を話そうとしてるのか。

身の上話なんて余計な……。





≪誰かの為に一生懸命。身も心も削りに削ってる。私にはあの子がそう見えた。違うかしら?≫

≪……≫

だんまり……か。

≪君の持ってる情報を――≫

≪クロノ・ハラオウン。少し黙ってて≫

≪んなっ……≫

余計なことは必要ない。

無理強いすることはいけないこと。





≪あの子は良い子なのね。アルフ。何かの為に一生懸命になれるなんて≫

かといって、私が良い子と聞かれたら、迷わず首を横に振るけれど。

≪……違う。フェイトは間違ってるんだ≫

間違ってる?

≪何が?≫

≪フェイトは、母親に笑って欲しいからって頑張ってるのに。

なのにあいつは!! フェイトに笑うどころか、褒める事すらしない。

フェイトに鞭を振るうだけなんだ……。

あんなの……母親じゃない。化け物だ……≫

≪だからフェイト・テスタロッサが間違ってるって?≫

……そうね。でも。

60 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:11:56.10

≪彼女は間違ってはいないわ≫

≪何言って――≫

≪だって、自身の望みの為にしていることなのでしょう?≫

≪それは……≫

≪何かが間違っているとしたら、それは彼女の母親≫

何の望みかは、知らない。

でも、ジュエルシードを集めて何かしようとしていることは確かなこと。

フェイト・テスタロッサをボロボロになってまで酷使させても気にしないような何か。

≪あるいは、フェイト・テスタロッサは娘ではないのかもしれないわね≫

≪そ、そんなはずは……≫

≪ただの仮定よ。普通の親だったら、どんなに叶えたい望みがあったとしても、

少なくとも、自分の娘を犠牲にはしないはず。私が見てきた家庭はみんなそうだった≫





……でも、自分の娘でも犠牲にする親は、いるかも知れないわね。

今まで見てきたことないけれど。

だとしたら、その親はQB。

その親の望みは叶えさせるわけには行かない。

それに、ジュエルシードが1つ2つで叶わない望み。

まともな望みとは思えない。

世界を作り変えるだとか、滅ぼすだとか。

そう言ったものかしら……。

≪アルフ≫

≪なに?≫

≪フェイト・テスタロッサを助けたい?≫

≪ああ≫

そぅ。

好かれているのね、フェイト・テスタロッサ。

私なんかより、ずっと良い子だわ。





≪彼女の母親を直接止めたいけれど、きっと彼女は邪魔してくるわね≫

≪どんなことをされても、フェイトにとって、母親には変わりないから……≫

それなら。

戦って、話して……。

高町なのははもう、自分の気持ちを伝えてあるから。

≪今度は私が、彼女と戦って、教えてあげる番≫

≪え?≫

≪母親の間違いを教えてあげる、彼女の生きる意味を変えてあげる。彼女は私と同じだから。

何か1つに夢中になりすぎて、周りが見えていないから。

だから、教えてあげる。視野を広くしなきゃ見えない聞こえない触れられない。

そんなものがあるんだってことを≫

61 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:12:47.24

「ほむらさ~ん。アリサちゃん達が待ってますよ~」

上から、月村すずかのお呼びがかかる。

「解った、すぐ行くわ」

私はアルフに一度だけ視線を送る。

≪私は戦わせて貰うわ。彼女と1vs1で≫

≪でも、どこにいるか……≫

≪私達の持つジュエルシード全てを持って、私と高町なのは、クロノ・ハラオウン、フェイト・テスタロッサ。

4人が一度だけ集合した場所。あそこに行くわ≫

≪え?≫

≪彼女は来るわ。何もおきないのは、ジュエルシードが足りていないから。

だとすれば、私達が持つジュエルシードが欲しいはず。

明日……私は、ジュエルシードを全て持って、そこに行く≫

私はクロノ・ハラオウンにそう伝えてアリサ・バニングス達のいる部屋へ向かう。





「ごめんなさい、待たせてしまったわね」

部屋に入って微笑む。

私は、高町なのはに色々と見せてもらった、教えてもらった、考えさせられた。

それで気づいた。

必要なのは、誰かに頼ること。

自分ひとりで頑張ったって、何も出来やしない。

フェイト・テスタロッサ。

貴女が本当にするべき事。

貴女に必要なもの。

私が、教えてあげるから。

63 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:19:38.78

  第10話

『フェイトvsほむら』





「きて、くれるかな?」

不安そうに尋ねる高町なのはに、私は頷く。

来てくれる。

いや、向こうから誘いが来ていたかもしれない。

「フェイト!!」

私の横にいたアルフが叫ぶ。

どうやら来たらしい。





「こんにちは、暁美ほむらよ。よろしくね」

街灯の上に立つフェイト・テスタロッサに声をかける。

けれども、返事は無い。

解ってる。

貴女の考え、貴女の心境。

私に似てるから。

「さっさと戦いましょう……ね。良いわ。戦いながら、お話しましょう?」

フェイト・テスタロッサが武器を構える。

フェイト・テスタロッサは速さ重視の軽武装。





「ディザイアー、フォルム。ツインソード」

<了解>

私がそう言うと、手に持っていった紫色の宝石が、双剣へと変わる。

私の武器、ディザイアーは多重武装デバイス。

1つのデバイスで、何通りもの形状に変化する。

こんな便利なもの、私が使って良いのか。

なんて聞いたところ、このデバイスが私を選んだ。リンディ・ハラオウンはそう言っていた。

生き物に感情がないことがあるように、機械にだって感情があることがあるかもしれない。

偶然の産物?

製作者の悪戯?

なんにせよこのデバイスが作られ、私を選び、私が受け取った。

これが事実だ。

「さぁ、行くよ。ディザイア-」

<了解、ホムラ>

64 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:20:08.28

「バルディッシュ、行くよ」

<イエス・サー>

「貴女のデバイス。バルディッシュって言うのね。かっこ良い名前」

「……貴女も」

……無駄な話は控えたい……か。

私よりよほど切羽詰ってるわね。

「バルデッシュ、フォトンランサー・ファランクスシフト。ファイア!!」

複数の攻撃……ね。





「フォルム、ガトリングキャノン!!」

私が向こうの世界で得た、武器の知識。

それにあわせて、このデバイスは形を変えてくれる。

<イグニッション>

ディザイアーが発した声に続き、銃口から魔弾が連続射撃が行われ、

フェイト・テスタロッサの放った魔法攻撃を全て打ち落とした。

「っ……バルディッシュ、アークセイバー!」

「フォルム、ツインソード」

再び双剣に戻し、身構える。





その瞬間、バルディッシュから黄色い刃が放たれ、

私に向かってきた。

なるほど、軌道が読みにくい攻撃ね。

厄介ね。でも、防御は必要ない。

「行くよ、ディザイアー。見せてあげよう。私達の、戦い方を」

<了解>

「なっ……」

放たれた黄色い刃に向かって突撃し、

片方の剣で、それを切り落とす。

「フェイト・テスタロッサ! 貴女は母親が間違ってるとは思わない?」

「母さんは、間違ってなんかっ――」

「母親がなぜ、ジュエルシードを必要なのか。貴女は知ってる?」

バルディッシュとディザイアーが共に接触した状態で、私が聞く。

65 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:20:46.79

「それは……」

「知らないの? なのに貴女はそれの為に命を懸けるの?」

「違う、母さんの――」

「笑って欲しい。聞いたわ。それはとても優しい願いだと思うわ

でも、それで命を懸けるのは馬鹿らしい」

「貴女に何が解る!!」

「っ……」

弾かれ、バインドでの拘束。

「何も知らないのに、勝手なこと言わないで」

彼女の下に魔方陣が展開される。

「アルカス・クルタス・エイギアス。

疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。

フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー」





「ディザイアー!!」

<任せて>

「ティロ……フィナーレ!!」

巴マミと同じ砲撃。

少し違うのは弾ではなく、魔力ビーム砲。

フェイト・テスタロッサの攻撃を相殺する。





「何も知らない、でも知ってるわ」

「……」

「貴女を見てると、嫌になる」

「えっ?」

「だって貴女。まるで私だから。何かに夢中になって、周りが見えてない。

だから少し、頭冷やしなさい。ディザイアー。よろしく」

<了解、ホムラ>

私が声をかけるとデバイスが変形し、まどかと同じ弓の形に変わる。

「っ……?!」

「チェーンバインドよ。少し動かないで」

紫色のチェーンがフェイト・テスタロッサを捕獲し、私が狙う。

67 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:22:37.94

「トリシューラ」

先端が三つに分かれた槍。

私の手に握られたその槍を、ディザイアーに装填。

<イグニッション>

そして、放つ。

放たれた槍が、フェイト・テスタロッサに衝突し、爆発する。

爆発の余波が爆風を巻き起こし、海が荒れた。

……。





「多少なりと加減したのだけれど……やりすぎたわね」

<少し、やりすぎたかと>

「……」

落下していくフェイト・テスタロッサを抱えあげ、微笑む。

「頭は冷えたかしら?」

<酷い落ち着かせ方ですね>

……。

時々、このデバイスが実は人間なんじゃないかって思えてくる。





「貴女のお母さんの目的、まずはそれを知って、手伝えるなら私達も手伝うから。

1人で頑張ろうとしては駄目」

「……」

<ジュエルシード、リリース>

バルディッシュから、ジュエルシードが抜け出す。

<じゃぁ、受けと――ホムラ!!>

「何?!」

<雷砲撃、来ます、オハン全方位展開!!>

ディザイアーが叫び、巨大な黄金の盾へ変化して空中に現れ、

天空から落ちてきた稲妻を防ぐ。

68 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:23:34.85

「っ……」

<ジュエルシード、盗られました>

……ということは、今のはフェイト・テスタロッサの母親の攻撃。

娘を巻き込むことも止むなしと見たのね。

ますます気に入らないわ。

〔ジュエルシードは盗られちゃったけれど、おかげで相手の居場所が解ったわ〕

「……フェイト・テスタロッサはどうしますか?」

〔連れてきて頂戴〕

「了解」

<解せませんね>

「何が?」

<あの雷撃は、確実に我々ではなく、フェイト・テスタロッサを狙っていた>

「本当?」

<嘘はつきません>

「……そう」





<ギャグですか?>

は?

「何言ってるの?」

<嘘とそう。嘘を逆にして、そうって言ったのでは? 大して笑えませんが>

「少し黙ってなさい」

<まぁ、そう恥かしがらずに>

……もう嫌。このデバイス。





そして、私達は転送魔法でアースラへと、帰艦した。

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/30(月) 21:25:33.26

ディザイアーは何だか「ティヒヒ」って笑いそうだ

79 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 21:59:14.01

  第11話

『違和感』





「ただいま戻りました」

「お疲れ様。フェイトさんを連れて部屋に行っててくれる?」

「なんでですか?」

高町なのはの質問に、リンディ・ハラオウンが申し訳なさそうな表情でフェイト・テスタロッサに目を向けた。

「母親が逮捕されるところを見せるのは――」

〔プレシア・テスタロッサ。貴女を次元犯罪の容疑で捕縛します!!〕

……始まったみたいね。

「フェイト・テスタロッサ。行きましょ」

私が彼女の腕を掴み、部屋に行こうとした時だった。





〔この部屋は?!〕

局員の声と映像が流れ、部屋が映し出された。

「え?」

「なっ……」

<ホムラの予測通りでしたね>

〔娘に触らないで!!〕


〔うわぁぁぁぁぁぁぁ!!〕

突入した人たちに雷が落ち、全滅した。

「エイミィ!! 管理局の人たちを戻して!!」

「はいっ!!」





……私の予測。

それは、フェイト・テスタロッサがプレシア・テスタロッサの娘ではないという事。

「ほむらさん、貴女……」

「なんとなく、予測はしていたわ。

娘へとは思えない扱いだったので、もしかしたら。と」

〔フェイト、貴女はもう用済みよ〕

「……母さん」

〔足りるか解らないけど、これでアルハザードへの道を開――〕

アルハザード?

映像が途切れ、最後までは聞けなかった。

80 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:00:19.60

「っ……」

「フェイトちゃん?!」

フェイト・テスタロッサが、その場に崩れ落ち、高町なのはが支える。

心の支えを失っちゃったからか……。

私もまどかがいなくなったらこうなってたかな。

「艦長!! 要塞内部に無数の敵勢反応!!」

「クロノ執務官は?!」

「向かってます」

……。

「私達も」

「うん。行こう」





私達はフェイト・テスタロッサを医務室に運び、

アルフに任せて、クロノ・ハラオウンの元へと向かう。

「私達も行くわ」

「……わかっ――」

「僕も行くよ」

「ユーノくん!!」

私達のところに、調べものでいなくなっていたユーノ・スクライアが、現れた。

「時間が無い。行くよ」

「ええ」

81 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:00:47.20

____________





______





__





「かなりの敵の量ね」

「うん、じゃぁ……」

「いや、なのは達は何もしなく良いよ。僕がやる」

「いえ、私がやるわ」

「え?」

面倒だもの、一撃で消し去った方が楽。

「ディザイアー」

<了解、レーヴァテイン>

ディザイアーは巨大な剣へと姿を変えて、私の右手に握られていた。

「邪魔しないで頂戴」

横一閃。

私が横に動かした剣は、敵を全て切り裂く。

「さっさと行くわよ。プレシア・テスタロッサが何かしでかす前に」

私が言うとクロノ・ハラオウンが頷き、私達は要塞の内部へと侵入した。





……やっぱり沢山いたわね。

すし詰め状態じゃない。

「僕は、プレシア・テスタロッサのところへ向かう。

君たちは駆動炉の封印を!!」

「了解!」

「じゃぁ、道を開けて貰うわよ。ツインソード」

<了解>

「高町なのは。準備は良い?」

「うん。ユーノくん、しっかり捕まってて」

「ああ」

「いk――」

<行きますよ!! ホムラ!>

……なんだろう。

凄く苛立ってきた。

82 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:01:13.44

「はぁぁぁ!!」

階段の方へ一直線に向かい、立ちはだかる敵だけを切り落として進む。

「ねぇ、ほむらちゃん」

「なにかしら?」

「ほむらちゃんと、フェイトちゃん。似てるって……」

「ええ。とっても。何かに固執して、追い続けることに関してはね」

「ほむらちゃんが追いかけてるのって……」

……。

「いまはそれより、戦闘に集中しましょう」

「あ、うん……」





私がこの世界の人間でないことはすでに伝えてある。

高町なのはたちはそのことに対して言及する素振りもなく、

私も話すつもりもなかった。

ただ、リンディ・ハラオウン達は、私が戻る方法を探してあげる。と言い、

私の世界の情報を聞いてきた。

でも、なんとなく解る。

どうやったら戻れるか。

きっと、この戦いが終れば戻れる。

大きな戦いの後に戻る。

向こうの世界でも、そうだったから。





「まったく、次から次へと……」

<有限だと言うのが救いですよ>

「私達も有限よ」

<貴女達の想いは無限なのでは?>

「そうね」

想いだけじゃ、意味ないけれど。

というか、ディザイアーって本当に機械なのかしら。


83 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:01:40.26

「ほむらちゃん!!」

「ええ、わかってるわ」

<ホムラ。どうやら来たようですよ?>

来たって?

「アーク、セイバー!!」

「?!」

私の背後に迫っていた敵が真っ二つに裂けて爆発する。

今のは……。





「フェイト・テスタロッサ」

「フェイトちゃん……」

私と高町なのはの間に下りてきた黒いバリアジャケットに身を包んだフェイト・テスタロッサ。

「私も、戦う」

「……良いの? 母親と戦うことになるわよ?」

「うん。母さんに言いたいことがあって来たから。

戦う必要があるなら、私は戦う」

そう。





そんな会話をしていると、爆発が起こり、

超大型の敵が出てきた。

「じゃぁ、あの大型を撃ち抜こう」

「うん。やろう」

「あの背中の……」

「厄介ね」

「……でも、3人なら」

「うん! うんうん!!」

思わず、微笑む。

話せば分かり合える。

少し、手荒な方法をとったけれど、

私達は分かり合えた。

だから。

84 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:02:14.42

「ディバイィィィン……」

「サンダー……」

「ティロ……」

あの時と同じ技。

同じ連携。

でも、私達の関係は変わった。

――仲間。

「バスタァァァァァ」

「レイジ!!」

「フィナーレ!!」





私達の攻撃は容易く大型の鎧兵を撃ち抜き、破壊した。

「駆動炉はあのエレベーターに乗っていけばすぐに着く」

「貴女は、行くのね?」

「……うん」

「頑張りなさい。貴女の言葉で母親に伝えてあげなさい」

「頑張って、フェイトちゃん」

私と高町なのはでフェイト・テスタロッサの手を握り囁く。

「ありがとう」

フェイト・テスタロッサがそう言って走っていく。

私と高町なのはとユーノ・スクライアが駆動炉

フェイト・テスタロッサとアルフがプレシア・テスタロッサの元へと向かった。





「ほむらちゃん、ユーノくん。頑張ろう」

「ええ、背中は任せなさい。私があなたを守ってあげる」

「僕は君を守るよ。ほむら」

<それは私の役目ですっ>

「貴女は守るんじゃなくて共闘でしょう?」

<そうです。共に戦って、ホムラを守る>

「はいはい」

さて、行くわよ。

85 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:02:44.44

「ディザイアー」

<任せてください>

「ガトリングキャノン、フルオートモデル」

<我々の邪魔はさせません、絶対に>

「私達も、やるよ。レイジングハート!」

<了解です、マスター>

<レイジングハート、いけるよね?>

<当然です。やりましょう。ディザイアー>





「はぁぁぁ!!」

「ディバインシューター、フルパワー、シュート!!」

敵を次々と落としていく。

多いわね。

でも、この程度なら……。

「ほむらちゃん!!」

えっ?

<武装変更が出来な――>

「ほむら!!」

私と、敵の間に緑色の魔法シールドが張られ、攻撃を防ぐ。





<どうしたというのですか、ホムラ。魔力が途切れてましたよ?>

「……」

なんで、今。

今、何もできなかった。

私が、私で無くなってしまった様な……。

……まさか。

その後、私達は3人で協力して敵を倒しつつ、駆動炉の封印に成功した。

「やったね、なのは」

「うん。ユーノくん」

……。





「高町なのは」

「なに?」

「フェイト・テスタロッサのところに――?!」

「きゃぁ?」

「うわっ……」

大きなゆれが私達を襲った。

次元震?

「急ぎましょう!」

「うん!!」

私達は、駆動炉から出てフェイト・テスタロッサ及び、

プレシア・テスタロッサ、クロノ・ハラオウンのいる最深部へと向かった。

87 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:04:16.31

  第12話

『機械ですから』





「……不味い」

<もうすぐ、最深部です>

「うん、急ごう。レイジングハート」

……。

「高町なのは」

「なに?」

「貴女に、伝えておきたいことがある」

「え?」





<最深部です!!>





レイジングハートの声が響く。

崩れた床。

すでに、プレシア・テスタロッサがいないことから、

眼下に広がる時空のゆがみに消えたんだと私は理解した。

「フェイトちゃん!!」

今にも崩れそうな場所に、フェイト・テスタロッサとアルフがいた。

……。

「貴女はどうする?」

<何をでしょうか?>

88 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:04:46.69

「解っているでしょう?」

<解りかねます>

〔転送しまっ……え?〕

「どうした!エイミィ!!」

〔ほむらちゃんが捕捉できないの!!〕

「そんなはずない!! ここにいるぞ!!」

〔いない、いないの!! 魔力感知が出来ない!!〕





やっぱり。

「そろそろお別れのようね」

「え?」

さっきの戦闘で気づいたけど。

私は、この世界からもうすぐ消える。

多分、私の役目は終ったから。

「ありがとう、もうお別れよ」

「どういうこと?」

「フェイト・テスタロッサ」

「なに?」





「高町なのはを――」





〔このままじゃ全員助からない!! みんな!! 転送します!!〕





「ほむらちゃん!!」

「――――」

「?!」





私以外のみんなが転送魔法に包まれて消える。





「最後まで付き合う気? ディザイアー」

<とうぜんです。私は貴女の剣、貴女の盾。貴女の……相棒ですから>

「馬鹿ね。機械の癖に」

<機械ですから>

89 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:05:19.09

__________





_______





___









次の瞬間。

プレシアさんの要塞は、跡形もなく吹き飛んだ。

「え? あ……え?」

「……」

「なんで、どうして……」

「エイミィ、状況の報告を」

私達がアースラに転送されてすぐに、要塞が吹き飛んだ。

ほむらちゃんを残したまま……





「彼女は私に……」

「フェイトちゃん……」

泣いていた私を、フェイトちゃんの優しさが包み込む。

「ほむらはきっと、自分の世界に帰ったんだ」

「……ユーノ……くん?」

「なのは、このことが終ったあと僕を手伝ってくれないか?」

「え?」

「少し、やりたいことがあるんだ」





私はそれに頷く。

ほむらちゃんは最後、私達に言った。

「ありがとう、なのは。

フェイト・テスタロッサ、なのはをよろしく」

まだ、私はお礼を言ってない。

自分だけ言っていなくなるなんてそんなこと……させないから。

94 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:46:33.41

  第13話

『巴マミ』





「……」

目を覚ますと、いつもの病室だった。

まどか達のいる世界の病室。

壁にかけられたカレンダーは、数日後の25日に印がついていた。

「戻ってこれたのね」

不意に呟いた一言。

嬉しいのか、嬉しくないのか。

いや、嬉しい。

でも、なのはたちにはもう。会えない。

そう思うと、途端に悲しくなった。





<この世界で、ホムラにはすることがあるんですね?>

え?

思わず、周りを見渡す。

誰も居ない。

それに、今の声は。

<私はここですよ?>

本来あるべきはずものがなく、ないはずのものがそこにあった。

ないのはソウルジェム。

あるのは、ディザイアーだった。





「どうして?」

<さぁ、解りません。ただ、爆発の直前転送魔法の一種に捉えられたのだと、推測します>

多分、私の時間跳躍魔法だ。

なんにせよ、戻ってこれたことに変わりはない。

相変わらず失われたままの、時間操作魔法。

でも、もう良い。

私はこの時間軸で、まどかを救ってみせる。

なのはと過ごした時間は、かけがえの無いものになった。

95 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:47:11.13

<嬉しそうですね、ホムラ>

「ええ、これで私の願いが叶えられるはずだから」

<願い。desire。私の名前です>

「そうね、だから手伝ってくれるわね?」

<もちろんです。貴女の願いは私の願いですから>

私は笑う。

嘗て、感じたこともない幸福感。

私は確信できていた。

今の私なら。

私達なら、ワルプルギスの夜を倒せると言うことを……。





__________





______





__







「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

そして、25日。いつも通り私は入学し、挨拶をした。

まどかがいて、美樹さやかがいて、志筑仁美がいる。

私が知っている世界。

何度も繰り返した世界。

私がまどかに微笑むと、向こうは少し焦ったような笑みを向けた。

……とりあえずは、QBを殺すふりをしなければ。

でないと、巴マミ、美樹さやか、まどかの3人が出会う事はない。

じゃないと、話が進まないから。

それ以外の意思はない。

別にQBを殺したいからするわけじゃない。

96 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:47:47.92

「暁美さんって前はどこの学校だったの?」

「私立聖祥大附属中学よ」

「部活とかは~?」

「してなかったわ」

授業のチャイムが鳴り、クラスメイト達が私の周りから離れていく。

《喋りたいです》

《黙ってなさい》

なんで?

なのはたちが言うには、

デバイスは念話に参加できないはずなのに、

何でこのデバイスは念話できるのかしら。





そんな余計な考えをしている間に、学校が終わる。

私はクラスメイトの誘いを断って、QBを追い詰めに向かう。

もちろん、殺しても無駄なのだから追い込んで、まどか達を呼ばせるだけで良い。

そして、私の思惑通りに事は進み、

美樹さやか、まどか、巴マミと、私は対峙した。

「魔女は逃げたわよ?」

「ええ、そうね」

「見逃してあげるって言ってるの。解らない?」

巴マミは聊か好戦的。

それも全て、私がQBを攻撃していたから。

けれど、そんなことはどうでも良い。


97 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:48:17.63

「巴マミ」

「なにかしら?」

「私は貴女と協力がしたい」

「キュゥべえを攻撃していたのに何言ってるの?」

巴マミがマスケット銃を私に向けて聞く。

……今までなら。

すでに私はいない。

でも、今度こそ私は救う為に、私は。

「信じてくれとは言わない。もし怪しい動きをしたと思うなら私をそれで撃ち抜いてくれて構わない。

だから、私と協力をして欲しい。私にはどうしても失いたくないものがある。

でも、1人じゃ出来ないから。だから、お願い」

「「「?!」」」





私は頭を下げて、続ける。

「私に協力して。……お願い」

「ちょっ、貴女一体……」

「じゃぁ、なんでこのキューべえ? だっけ? こんなになるまで攻撃したんだ?」

美樹さやかが聞く。

「それは、敵だから」

「あら、私はキュゥべえの味方よ? つまり敵って事」

<聊か面倒な方たちですね>

……なんで。

どうしてだろう。

このデバイスはなんで余計なことを言うんだろうか。

98 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:48:43.55

「い、今の、なに?!」

「巴マミ、今のは気にし――」

<気にしてください。私はここに居ますから>

「貴女いい加減にしてくれない?」

<だって、喋らせてもらえなかった>

「学校であなたに喋らせるわけにいかないでしょう?!」

<ここ学校じゃないよ>

……頭痛くなってきた。





「あ、貴女大丈夫?」

「……精神的に駄目かもしれないわ」

<不屈の心の貴女にそんなことは言えませんよ>

「そんなの貴女のせいでブレイクされたわ」

「あ、暁美さん……あの、その……」

まどかか怯えたように言葉を発する。

そういえば、大分話からずれてしまっていたわね。

さて。

「巴マミ。では、貴女に伝えておくわ」

「何を?」

99 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:49:09.66

≪まず、キュゥべえはインキュベーダーという侵略者≫

≪そんな話……≫

≪ええ、信じられない。そして、もう1つあるわ≫

≪え?≫

≪魔法少女の本体は、私達肉体ではなく、魔法少女が持つソウルジェムなのよ≫

「えっ?!」

巴マミが口を押さえて、首を小刻みに横に振る。

≪嘘でしょ?≫

≪嘘だと思うなら、インキュベーダーに聞けば良い。私を信じていないのだから。

真実と私を信じたのなら、見滝原の中央公園。明日の昼時に来て頂戴≫

私は念話でそう伝え、そこから出て行く。





これで良い。

彼女がQBに聞いたら真実だと告げるはず。

だから彼女は明日、確実に来てくれる。

<上手くいきました?>

「貴女のせいで失敗しそうだったわ」

<ですが、成功したんですよね?>

「ええ、当然よ。失敗なんて出来ないし、するはずがない。

今回が最後のチャンスなのだから」

だからこそ、あのことは伏せておく。

魔法少女が、魔女になってしまうことは。





私は、夕暮れの光に照らされる道を駆け抜け、魔女、魔女の使い魔の消滅に動いていた。

100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) :2011/05/30(月) 22:50:19.10

このデバイス面白すぎるwwwwwwwwww

101 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/30(月) 22:51:19.84

うん。

これで満足です。今日は。

因みに、明日で最終話までぶっ飛ばす予定です。

残り何話かは、秘密です。



13話。

マミにほむらが頭を下げてまで協力を頼む。

今までしたことないけど、

QB殺そうとしなければ良い話じゃね?

っていうのは、無しでよろしく。

115 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:17:19.60

  第14話

『十分すぎる理由』



転入から数日後、



「ね、ねぇ。あの、暁美……さん」

「? ほむらで良いわ。そう余所余所しくされると、対応に困るわ」

「あ、ごめん」

昼休み、私に話しかけてきたのは他でもないまどかだった。

本来なら会ったその日の時点でここのやり取りは終えていたはずだけれど、

クラスメイトとの会話で時間を使い、話してはいなかった。

その日話すのも今日話すのも。

大して変わりはない。

「鹿目まどか。ちょっと、付き合ってもらえる?」

「おい、まどかを連れて行くなら私も連れて行け」

「構わないわ。できればそこにいる白いのは来ないで欲しいけれど、

美樹さやかが来ても支障はない。むしろ好都合」





私の言葉に彼女達は驚きながらも、美樹さやかが私を睨む。

完全に目の敵にされてるわね。

「それじゃぁ、屋上にでも?」

「う、うん」


「行くならさっさと行けよ。私達は後ろからついていく」

「ありがとう」

「?」

……。

私はさっさと教室を出て、屋上に向かう。

その後ろを2人分の足音が着いてきていた。

116 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:17:50.92

「素直についてきたのね」

「……」

「えっと、それで?」

まどかは、少し怯えた感じで私に尋ねる。

何で怯えているのかしらね。

QBもしっかりと、美樹さやかが抱えてるし。

「s――」

<それで、話したいことというのは――>

「いい加減にして頂戴」

<あぅっ……>

「話したいこと?」

「ええ、貴女達どうせそこの白いのに「魔法少女にならない?」なんて誘われたのでしょう?」





「う、うん。誘われたけど……」

「君は一体何者なんだい? 暁美ほむら」

「貴方に教える義理はないわね」

「へぇ、じゃぁ、私達にも教えてくれないのか?」

美樹さやか。

彼女の言葉が必ず針を持ってる。

いままで、単にウザイだとかいらつくだとか。

そう思ってたし、

単なる私への敵対心だけだと思ってた。

でも、よくよく考えれば、貴女は必ずまどかの前にいる。

後ろにはいない。

自分なりのやり方で守ってた。





「美樹さやか」

「な、なんだよ」

「貴女にまず言わせて貰うわ」

「え? あ、うん」

「ごめんなさい」

「はぃ?」

私が頭を下げると、

美樹さやかの口から素っ頓狂な声が漏れた。

私が謝ることが意外だった?

117 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:18:17.97

「なんだよ、急に」

「貴女を誤解していたから」

「誤解も何も、この前会ったばかりだろ?」

まぁ、そうなのだけれど。

私は貴女ともう、何ヶ月という期間過ごしたから。

その間、私はずっと貴女が嫌な人だって思ってたから。

「貴女は思ってたより、ずっと良い人だわ」

「な、なんだよ。煽てたってこの前のことは――」

「だからこそ、私は貴女達に危険な目には遭って欲しくない」

「危険な目?」





「ええ、そこの白いのは貴女達を魔法少女にして魔女と戦わせたいだけ」

「魔女って、マミさんが言ってた?」

そういえば、この時間軸の2人は巴マミについて行って戦いを見ていないのね。

まぁ、私が阻止したからなのだけれど……。

でも、魔女については巴マミを通して聞いているらしいし、

私のことについて話さない限りは特に問題はない。

この時期にQBに私の正体がばれるのは、私の計画に支障をきたしてしまう。

「巴マミ、来ているのでしょう?」

私が聞くと、私達が来たところから巴マミが出てきた。





「マミさん?」

「こんにちは、鹿目さん、美樹さん」

「まったく、君まで僕と敵対するつもりかい?」

「いえ、そんな気は無いわ」

巴マミが微笑む。

当然。

彼女から、真実を知った上での覚悟は聞いてある。

あの日の翌日。

彼女は私の元に来た。

もちろん、QBを置いて。

118 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:18:44.70

__________





______





__





「こんにちは。暁美さん」

「2人から聞いたの?」

「ええ、貴女の名前だけだけれど」

公園のベンチに座っていた私に、彼女は話しかけてきた。

「貴女を信じるわ。というよりも貴女の言葉が真実だと、キュゥべえが認めたわ」

彼女の自嘲気味な笑いが、私には少しだけ辛く、

けれども、彼女が魔法少女であることへの安心感。

私は自分が少しだけ、嫌いになった。





どんなに頑張っても、彼女を魔法少女の運命から救い出すことは出来ない。

けれど、彼女が魔法少女であり、仲間になってくれるかもしれないことが、

私には少しだけ、いいえ。とても嬉しかった。

そんな、彼女の気持ちを考えない私の感情が許せなかった。

「私、人間じゃない。のよね」

「ええ、死んでもいないけれど」

「でも、私はこれで良いと思うわ」

え?

119 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:19:14.79

「私は本来死んでいたはずだから、今ここに存在して、誰かを守れていること。

鹿目さん、美樹さん、暁美さん。貴女達に会えたことも感謝しているの」

巴マミ……貴女は……。

「だから。と言って、キュゥべえを擁護はしない。

逆に私は、貴女を手伝いたいって思ってる」

「どうして? 感謝対象であるキュゥべえの敵よ? 私は」

「貴女は私に真実を教えてくれた。騙されたままの馬鹿な私ではなく、

真実を知っても戦う覚悟のある巴マミにしてくれた。それだけで、私が貴女と協力するのには十分すぎる理由だわ」





……。

「だからと言って、キュゥべえは殺させない。これは絶対条件。呑んでくれるわよね?」

「当然よ。それに、QBはいくら殺しても代わりがいるから無意味」

風が木々の間を通り抜けてメロディを奏でる。

私達の協定を、まるで祝福してくれているようだった。

「それで? 失いたくないものって?」

「鹿目まどか、美樹さやか。2人を魔法少女にしないこと。いえ、私達以外の誰も、魔法少女にはしないこと」

「え? 失うって……」

「私が守りたいのは、彼女達が人間であると言うこと。友人との関係、家族関係。それら全て」

「それは、魔法少女になったら失ってしまうものだから? だから、魔法少女にしないよう手伝って欲しいって事?」

なるほど、察しが早いのはありがたいことね。





「それもある。けれど、来るべきワルプルギスの夜の討伐を手伝って欲しい」

「ワルプルギスの夜?」

「ええ、そこら辺にいる魔女みたいに結界に隠れる必要なんて微塵も無いとてつもなく強大な力を持つ魔女」

「でも、そんなに強いのなら、2人で倒せるかしら……」

「いいえ、あと1人あてがあるわ。その3人で私達はワルプルギスの夜を倒す」

私が握った拳を、巴マミが包む。

「頑張りましょう。暁美さん」

120 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:19:44.38

______________





________





___





「私はキュゥべえと敵対しない、これからも魔女も使い魔も倒すわ。

でも、暁美さんの協力要請も受けるわ」

「何を言っているんだい? 訳がわからないよ」

解るわけないわよね。

貴女には、彼女の気持ちも覚悟も理解なんて出来ないのだから。

いいえ、もとより人間と言う存在自体、理解していないのだから。

「ほむらちゃんと協力して何するんですか?」

「貴女達を魔法少女にしないこと」

「え?」

「……」

美樹さやか?





「美樹さん? どうかしたの?」

「え? なんでもないですよ。ただ、何でそんなことのためにって思って」

そんなこと。か。

まぁ、他人からしてみたらそんなこと程度で終ってしまうわよね。

「私にとってはとても大切なことだから」

「魔法少女になることがいけないことなの?」

まどかの純粋な探求の目が私に向けられる。

貴女はその瞳を失ってしまう。

いいえ、全てを失ってしまう。

「魔法少女は、人間ではなくなってしまう。そうでしょ? キュゥべえ」





私の変わりに、巴マミがQBへと言葉を投げかけた時だった……。

121 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:24:01.81

14話投下完了。

少しばかり無理な切れかたしてるね。

今回はマミさんの決意を語って頂きました。

マミさんは騙されていた自分が悪いって考えたのか、QBは殺させないなんて言うとは。

中々に素晴らしい人だ。





次は15話なんだけど。

少しお待ちを。




122 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:29:34.09

  第15話

『人間』



それに反応したのは、美樹さやかだった。





「人間じゃなくなる? ど、どういう意味?」

え?

嘘。

まさか!

私がQBを睨むと、相変わらずの表情で私を見ていた。

「そうさ。美樹さやかは僕と契約したんだ」

「な、んで?!」

「だって、恭介が、恭介が苦しそうだったから……私……」

っ……。





私は彼女の望みを知っていたのに……

「QB。貴方、なにをしたの?」

「偶然、上条恭介が魔女に呪われて、偶然彼女と僕がそこにいただけだよ」

偶然……。

偶然の中での必然……。

美樹さやかの魔法少女化は避けられない。と?

まさか、シャルロッテ戦より先にそんなことになるなんて……。

この時間軸は私の知ってる。

私の見てきた流れとは違う、本当の未来がある世界だ。

この先に何が起きて、どうなるのか。

全く予測がつかない世界。

でも、魔女にしないことは出来る。

123 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:30:02.06

「……美樹さやか。大丈夫?」

「……」

「ごめんなさい。私が――」

「謝らなくて良いよ……私が望んだことだから。後悔先にたたずって言うけど。まっさに。そのとおりだわ」

1人笑う美樹さやか。

それを悲しそうに見つめるまどかと巴マミ。

「……で、さ。暁美さん」

「何かしら?」

「私はもう人間じゃないって言うのは事実なんだよね?」

「ええ、QB。教えてあげなさい」

「? 教える必要性がつかめないけど、別に良いよ。

美樹さやか。君のソウルジェムを貸してくれないかな」

そう言って、QBの前に美樹さやかがソウルジェムを置いた瞬間、

QBがそれを踏みつけた。





「あぐっ……がぁっ?!」

「さやかちゃん?!」

美樹さやかが倒れこみ、もだえる。

「苦しいだろう? 何でかって言うと、このソウルジェムが君の本体だからさ。

君のその肉体はただの器なんだよ」

「酷いよ!! それじゃさやかちゃんはまるで……」

「まるで、ゾンビみたい……よね」

巴マミが呟く。

124 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:30:30.11

「むしろ便利だろう? 心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても、その身体は魔力で修理すればすぐまた動くようになる。

ソウルジェムさえ砕かれない限り君たちは無敵だよ。弱点だらけの人体よりも、余程戦いでは有利じゃないか」

……。

「そうね、そうだろうけれど、私はそれが良いことだとは思えない」

私はなのはが、フェイト・テスタロッサが、

ユーノ・スクライアが、アルフが、クロノ・ハラオウンが。

人間でありながらも、戦っていたのを見た、一緒に戦った。

だからこそ、私は思う。

「人間の全てが便利じゃないといけないことなんてない。

どこかに欠点があるからこそ、私達は頑張ることが出来る。

戦いが有利? そんな理由で人間じゃなくなって良いほど、私達人間は安物なんかじゃない」

「安物? 人間は自分達に値段でもつけているのかい? それはそれとして、

君たちだって、豚や牛。家畜がいるだろう? それと同じさ」





「私達が、キュゥべえにとっては家畜だと?」

「げほっげほっ……」

「さやかちゃん!」

「そうだよ。彼らは人間の糧になることを前提に生存競争から保護され、淘汰されることなく繁殖している」

……。

「牛も豚も鶏も、他の野生動物に比べれば種としての繁殖ぶりは圧倒的だ。君たちは皆、理想的な共栄関係にあるじゃないか。

寧ろ僕らは人類が家畜を扱うよりも、ずっと君たちに対して譲歩しているよ? 曲がりなりにも知的生命体と認めた上で交渉しているんだしね」

「もし、貴方達に感情があったのなら、世界はもっと違っていたかもしれないわね」

「そんなことを言ったって仕方のないことさ。僕らには感情がない。これが事実なんだから」

キュゥべえが笑う。

向こうとしては、笑っているとさえ思っていないのだろうけど。


125 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:31:04.53

「……暁美さん」

「なにかしら、美樹さやか」

「人間じゃなくても、心はあるんだよね?」

……人間じゃなくても心がある?

どうかしら。

でも、なのはならきっと。

「人間に心があるんじゃない、心があるから、人間なんだと思う」

「訳がわからない解答だね」

「感情がなければ理解も出来ないわよ」

「じゃぁ、さ。私、暁美さんたちと協力するよ」

「さやかちゃん?!」





美樹さやかが、QBの前に置いた自分のソウルジェムを拾って笑う。

「マミさんと同じく、魔女ってやつらと戦う。

1人でも多く、魔法少女になる人が減るようにがんばる。

まどかを絶対に魔法少女にはさせない。まどかの分も私が頑張れば良いだけ。でしょ?」

「違うわ」

<そうですね。全く違います>

……どうしてこうも空気を壊すのかしら、私のデバイスは。

<貴女ががんばるのではなく、私達が頑張るのです。そうですね? ホムラ>

「そうだけど、貴女いい加減止めてくれないかしら」

<何をでしょうか。私には生憎感情というものが欠如……>

「いや、アンタそれ嘘でしょ」

美樹さやかがクスッと笑う。

<そう……>

「……はぃ?」

126 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:31:44.12

<今のギャグなんですが……>

もう、止めて頂戴。

本当に。

「あの……さやかちゃん、マミさん、ほむらちゃん……その……」

「気にしないで、私達はそれぞれ私達の理想の為に戦うの。だから、貴女がどうこう悩むことじゃない。

悩むくらいなら、魔女との戦闘以外では傍にいて欲しい。人間じゃないけれど、人間として接して欲しい」

「ほむらちゃん達は人間だよ!」

「……僕には理解できないな」

<さっきから何度も言っています。感情のない貴方に、理解できはしない>

「そうだね」

QBはそう呟き、どこかへと消える。





<まったく、気に入りませんね>

「私は貴女が気に入らない」

<なんでですか、少しくらいボケても良いじゃないですか>

「良いわけがない。すこしじゃない。良い加減にして欲しい」

「暁美さんのそれってなんなんですか? それにソウルジェムは?」

「私にソウルジェムはないわ」

「「「え?」」」

<私がソウルジェムです>

……。

これが私の魂。

ありえない。

いや、でも……同族嫌悪……そんなはずは。

127 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:32:11.00

「私のも喋ったり……」

「出来ないわよ。私のがたまたま手違いで不良品なだけ。

交換も利かないから仕方なくこれを使ってるのよ」

「なんだぁ、残念。喋る相手が出来ると……あ」

「「「え?」」」

……。

<でも、これからは私達みんな仲間です。気兼ねなく会話できますよ。念話で>

「私とまどかはキュゥべえを介してじゃないと――」

<それなら私がサポートしますよ。あれに念話を聞かれるのは不愉快なので>

本当に機械なのかしら……このデバイス。





兎に角、私と巴マミ、美樹さやかは協力関係を結び、

まどかを魔法少女にしないこと、人々を、魔女と使い魔から守ることを誓い合った。

あとは、佐倉杏子。

彼女がこの町に来るのを待つだけ。

130 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:43:25.17

  第16話

『憧れ……かしらね』





「ディザイアー!」

<お任せください>

「フォルム、カノン。ディバインバスター!」

お菓子の結界の中、私と巴マミ、美樹さやかでシャルロッテを撃墜した後のことだった。

「みんな、お疲れ様。このあとお茶でもしようよ」

「おお。まどかのナイスアイデア。みんな、行こう!」

「美樹さん、少しお静かに。注目されてますよ」

「まったく、冷静さが欠けてるわね」

軽く笑いながら、私達は喫茶店へと向かった。





本来、この時点で巴マミは死亡。

美樹さやかもまだ魔法少女ではない。

けれど、今。

巴マミは生存し、美樹さやかは魔法少女であり、

そしてなにより、私達全員が協力関係にある。

これほどまでに素晴らしいことは、嘗て一度もおきたことはない。

巴マミが敗北するはずだった魔女。シャルロッテ。

私達は3人で協力したことですばやく、魔力消費も少なく戦いを終えることが出来た。

もちろん、誰も欠けることなく。

そして、まどかが笑顔で傍にいること。

私は、これが嬉しかった。

131 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:43:53.82

「でさ? ほむら」

「なにかしら?」

「いつも気になってたんだけど、必殺技の名前って必要?」

「なっ……」

そ、そういえば、なのはたちの時はみんな、普通に名前つけてたから気にしてなかった。

だからそのままこっちでも……。

そういえば、こっちの魔法少女で必殺技的な名前付けてるのって巴マミくらい……。





「べ、別に良いんじゃないかしら」

「ほむらちゃんの技の名前って何?」

「え゙?!」

「確か、ディバインバスター、アークセイバー……えっとぉ?」

<フォトンランサー、ゲイボルグ、トリシューラ、レーヴァテインこれが今のところ使った名前ですね>

「貴女捨てて良いかしら」

<ご冗談を>

「真面目よ。大真面目」

私の。最早黒歴史と言える……。

でも、なのは達との記憶を忘れないようにって使ってるのよね。

「マミさんもティロフィナーレってつけてるからなぁ」

「え、ええ。まぁ、なんとなく雰囲気出るし、その方が魔法少女っぽいじゃない?」

巴マミ。べつに弁解の必要は……ってまさか。


132 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:44:22.04

「もしかして、お茶会に乗り気だったのって」

「そうっ。私の必殺技考えて」

<喜んで>

「おっ、ディザイアーは優しいね」

<当然です。意地悪なホムラの代わりに優しいんです>

「貴女、タンクローリーでひき潰されたい?」

<まっさかぁ、ご冗談を>

「大真面目よ」

「ほむらちゃんは優しいよ。十分すぎるくらいに」

「貴女ほどではないわよ」

「そうかなぁ」





って、必殺技を考えると言われても……。

何か良い案ないかしら。

え~っと。

「蒼勇の刃(ブレイブエッジ)なんてどうかしら」

私が考えていると、巴マミが呟く。

「い、今なんて?!」

「へっ?! な、なんでもないわ美樹さん。気のせいじゃない?」

「ううん。マミさんなんか言ってたよ」

まどか。

見逃してあげれば良いのに。





<蒼勇の刃。マミはそう言っていたよ。サヤカ>

「?! ディザイアー?!」

<なんでしょうか、マミ。私的には素晴らしい名前かと。それに、蒼と勇が似合うサヤカにぴったりだと思ったのですが>

「あら、ディザイアー貴女は余計なことばかり言うのではないのね」

<心外です。泣きますよ?>

「泣いてみれば?」

<うわぁぁぁぁん>

「ただの棒読みじゃない」

「2人の漫才は置いておいて、マミさん。その案貰って良いですか?」

漫才……デバイスのせいで漫才だって。

私、ループ前の性格に戻ってきた?

いやそれ以上に、美樹さやかやなのはみたいな性格に影響されて、

それに近くなってるのかもしれない。

……憧れ。かしらね。

133 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 08:44:56.03

________





_____





___







その後、上機嫌の美樹さやか、巴マミ、まどかと別れ、私は帰宅した。

「ねぇ」

<なんでしょうか>

「私、変わった?」

<変わってるんじゃないでしょうか>

「どんな風に?」

<根暗から活発な子に……ごめんなさい。だからハンマー片付けてください>

根暗……か。

確かに、周りとの接触を避けていたのだからそうよね。

<きっと、良い変化ですよホムラ>

「そうね、そうだと……良いわ」

140 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 11:15:06.02

  第17話

『佐倉杏子』





「また魔女……ねっ!!」

「すばしっこいのがめんどくさい!」

「美樹さやか。私が追い詰めるから止めよろしく」

「はいよ!」

逃げ回る魔女。ズライカ。

逃げ回っても無駄。





<フォルムガトリングバレル。いつでも良いですよ>

「準備が良いじゃない」

<当然です>

「イグニッション」

私の声と共に、ガトリングとなったディザイアーから魔弾が連続で放たれる。

それを避ける為に、魔女が上へ上へと逃げていく。

でも、それはただの誘導。

「貰ったわよ!!」

魔女に向かって美樹さやかが突っ込む。

「はぁぁぁぁぁ、ブレイブ・エッジ!!」

美樹さやかの必殺技により魔女が消滅し、グリーフシードが手に入った。




141 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 11:15:33.25

「いやぁ、なんか技名叫ぶとなんとなく気合が入るね」

「そうでしょ?」

「そうね」

私の本当の意味はもっと違うのだけれど。

「アンタ達。ちょっと良いかい?」

来た。

戦闘を終えて歩いていると、

赤い髪をなびかせた少女。

私が本来3人目として選んでいた魔法少女が話しかけてきた。





「佐倉、杏子」

「え? なんで……?」

それよりも、巴マミ、美樹さやか。そして私の3vs1に態々挑んでくる気かしら。

なんにせよ、QBが呼んだことに間違いはない。

「アンタ、何しに来たの?!」

「美樹さん、まずは穏便に話を――」

「狩りだよ。ここの領域をアタシがQBに任されたのさ」

なるほど。

ここら辺に変わりはないようね。





「それで、邪魔な私達を――」

<フラッシュムーブ>

「――片付けようって算段かしら?」

一瞬で杏子の背後に移動する。

時間を止めたわけじゃなく、

瞬間的な速度を上げて動いただけ。

れっきとした移動魔法。

「なっ?! 何だ今の……」

「み、美樹さん。今の移動。見えました?」

「全く見えなかった」

「だったら、どうだっていうんだ?」

142 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 11:16:02.35

「貴女も私達と一緒に戦ってくれないかしら」

「それになんのメリットがある?」

「魔女を倒すのに必要な魔力が各自少量に出来る、

私達が倒して手に入れたグリーフシードを共有できる。

情報交換が出来る。

戦闘においての死ぬ可能性をほぼゼロにできる」

「デメリットは?」

「特にないわ」

「ええ、ないわね」

「うん。ない」

「そんな怪しい取引に応じるわけねぇだろ」





やっぱり、駄目かしらね。

嘘も誤魔化しも解釈の違いもないようにって思ったのだけれど。

確かにむしが良すぎる話よね。

「じゃぁ、デメリット。貴女には私達と一緒に戦って力を使ってもらう」

「そんなのデメリットでもなんでもねぇよ。本当の目的は何なんだよ」

そうね。

もう、頃合かも知れないわね。

「巴マミには伝えてあるのだけれど、この際だから美樹さやか、佐倉杏子」

「なに?」

「なんだよ」





「2週間後、この町にワルプルギスの夜が来るわ」





「は? 何でそんなことが解るんだ?」

「っていうか、ワルプルギスの夜ってなに?」

「アンタ知らないのかよ」

佐倉杏子が美樹さやかに聞く。

「じ、じゃ、じゃぁ、貴女知ってるの?」

「うん」

「えっ?」

「と、とりあえず、私の家に来て頂戴」

143 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 11:16:29.47

_________





______





___







「隠してたなんて酷いな~」

「ご、ごめんなさい。今日言う予定だったのよ。美樹さやか」

「そ、それなら良いけどさ」

まぁ……嘘ではないわよね。

佐倉杏子が今日会いに来るのは今まで通り。

そして、話をする予定だったのも事実なのだから。

「で、じゃぁ教えてくれるんだろ?」

佐倉杏子がイスに座って聞く。

それに対して私は頷いて、様々なことが書いてある紙を机の上に置く。





「ワルプルギスの夜が来ると踏んだのは、統計の結果よ」

「統計? 前に来たことあんのかこの町?」

「そうではなく、北半球、南半球、西、東と来てる」

「これの情報が定かではないけれど、確かに。暁美さんの言う通りだわ」

ワルプルギスが過去に現れた場所。

本当は嘘なのだけれど……。

それらを線で結び、中心には。

「見滝原……」

「ええ、だからここにって」

「その2週間後って言うのはなんでなの? ほむら」


144 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 11:16:58.25

「それは仮説の状態。けれど、可能性がなくはないって言うのは、

他のところが襲われたときも、同じ季節だったからよ」

「ふ~ん。まぁ、良いけど。で? アタシにもそいつの討伐に手を貸せってやつか?」

「ええ、暁美さん、美樹さん、私。すでに3人いるけれど、

ワルプルギスの夜の力を考えると、この3人で勝つことが出来るかどうかって言うのも微妙なところなのよ」

「な、なんだそれ。かなりやばいじゃんか」

「怖気づいたのかよ。さやか」

「なっ……っていうか人の名前を……」

「いーじゃんか。これから共闘するんだ。そのくらい。させてくれても良いだろ?」





割と簡単に協力を許可してくれたわね。

「全く、杏子。君まで……」

突然、キュゥべえが現れて呟く。

「悪いね、キュゥべえ。協力することにデメリットがない以上。

私は協力することにするよ。ワルプルギスの夜を倒してみたいしな」

杏子がそう言うと、キュゥべえは相変わらずの表情で私達を見回す。

「まぁ、僕としては君たちが魔女を倒してくれればそれで良いけどね」

そう言い残し、キュゥべえが出て行く。

145 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 11:17:27.04

「それで、貴女に言うことがあるわ。佐倉杏子」

「ん?」

「私達魔法少女は、人間じゃない」

「は?」

驚くのは当然。

でも、事実。

これだけは教えといた方が良い。

あれは教えられないけれど。

教えてもデメリットしかないのだから。





「私達魔法少女の本体はそれぞれが持つソウルジェム」

「そんなの聞いてないぞ?!」

「キュゥべえ曰く、聞かれなかったから教えなかったらしいわ」

「っ……」

しまっ……。

「さくっ――」

「私に任せて」

「美樹さやか……」

飛び出していった佐倉杏子を美樹さやかが追いかけていく。

「大丈夫、ここは美樹さんに任せましょう?」

「……ええ」

154 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:10:35.93

  第18話

『私達は、後悔なんてしない、迷わない。絶対に』



「……見つけた」

「なんだ、さやかかよ」

「ほむら達が良かった?」

私がそうたずねると、彼女は何も言わずただ風の音が聞こえるだけだった。

そして不意に、彼女が口を開いた。

「さやかは、知ってたのかよ」

「この事?」

「それ以外に―――」

「契約した時は知らなかった」

私がそう即答すると、杏子は私を不思議そうに見つめてきた。





「嫌じゃ、ないのか?」

「嫌だよ。とっても。……でも、嫌だった。かな」

私は言い直す。

このことは私のとても良い言い訳になっていたから。

「私はね、好きな人がいた」

「……」

「その人は、バイオリンがとっても上手だった。けど……」

思わず言葉が詰まる。

あんなことがなければ……今頃?

いいや、きっと、魔法少女じゃないだけで、何も変わらなかったと思う。

155 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:11:05.23

「さやか?」

「ああ、ごめん。けど、その人が事故で、左腕が不自由になってしまった」

「アンタ……」

「お人よしとでも呼んでくれて良いわよ?

杏子の考えたとおり、私は彼の腕を直す願いで魔法少女になった」

私はそう言いながら、彼女の隣へと移動する。

「それで?」

「そこまでは良かった。でも、私の友達が、彼のことを好きだって私に伝えてきた」

「マミ達か?」

「違う。魔法少女じゃない普通の友達」

「……で、どうしたんだ?」





彼女の問いから、少しだけ間が空いた。

これはまだ、私が後悔しているからなんだろうか。

「その時に、さっきのことが伝えられた」

「え?」

彼女の驚いた顔が私の視界を埋めた。

「正直、選べなかった私にとって、良い言い訳になったよ。

友達を応援したい。でも、私も彼が好きだった。

どっちも選べない優柔不断な私を、魔法少女って言う力が導いてくれた」

「お前はそれでよかったのか?」

「うん。良かったと思う」

「なんで、何で割り切れたんだ?」

156 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:11:35.53

「好きな人と親友が付き合って、それで守りたいものが出来たから。かな」

「え?」

「だって、親友と好きな人。その未来を応援したいじゃん。

それに、もう1人の親友を守りたいって気持ちもあるからさ」

「守れても、アタシ達は人間なんかじゃ……」

「ううん、それは違う」

「?!」

私は杏子を抱き寄せて囁く。

「人間は、魂の在りかでなんて決まらない。

たしかに、普通の人から見たらゾンビとか、そういう類かもしれないけれど、

私達からしてみれば、人間で、仲間で、親友で。

誰かを助けたい、守りたいって心があるんだから。

そんな人を思う心があるんなら、私達は人間。そう思わない?」





「ア、アタシは別にそんなの……」

「ない?」

「家族もみんな死んで、私は1人なんだ。友達も、家族もいない……」

「私達が友達だよ。仲間だよ。だから私達を守って、助けて欲しい。貴女が人間である証明の為に。

私達が、私が貴女を助けて、守るように。貴女も……それじゃ、駄目?」

「友達? ついさっき会ったばかりじゃんかよ……」

「そうだけどさ、友達になるのは会って、名前で呼び合って。それでもう友達なんじゃないの?」

私は微笑み、彼女から離れて右手を差し出す。


157 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:12:05.23

「友達だって思ってくれるなら、私のこの手を握ってよ」

彼女は私の顔を見て、私の手を見る。

そして、彼女は自分の手を見る。

「友達に、なってくれるのか?」

「私は大歓迎。あとは、貴女がこの手を握れば友達って事」

「じゃぁ、よろしく頼むよ。さやか」

「簡単に言うね、後悔するかもよ?」

「後悔なんて先には解らないだろ。それならまずは、目の前の幸福を掴むに決まってる」

杏子はそう言って、笑顔で私の手を取った。





「杏子、私は杏子を守るから。友達に誘ったからにはね」

「じゃぁ、アタシはさやかを守ってみせる。アタシの大切な、友達1人目なんだから」

私達は軽く笑いながら、ほむら達の待つ、ほむらの家へと帰っていった。





「「私(アタシ)達は、後悔なんてしない、迷わない。絶対に」」

160 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:20:45.37

 第19話



『vsワルプルギスの夜』





〔直ちに避難してください!! 繰り返します!! 直ちに――〕





運命の決戦の日、ワルプルギスの夜が訪れる兆候として、スーパーセルが見滝原に来ていた。

「みんな……」

「だいじょーぶ。まどか、安心して待っててよ。絶対に帰ってくるからさ」

「そうだぜ、さやかもみんなも、アタシが絶対守るからさ」

「ええ、もちろん私もみんなを守るわ」

「鹿目まどか、私はみんながいるから絶対に大丈夫だと思える。

今まで、こんな気持ちになったことはなかった。だから、きっと……」

私が言い終わる前に、まどかが私に抱きつく。





「絶対だよ。絶対だからね?」

「うん、約束する」

<貴女の願いは私が受け取ります>

「ディザイアーよろしくね?」

「それじゃぁ行こうか、ほむら」

「ええ」

私達は避難所の出入り口から出て行く。

……。

「ほむらちゃん!! みんな!! 頑張って!! 一生懸命応援してるから!!」

そう言って手を振るまどかに私達は全員揃って拳を突き出す。





「ええ、頑張る。貴女の想いと共に!!」

161 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:21:13.33

___________





______





___







「暁美さんの予測ポイントはここよね」

「ええ、ここに来るはず」

「なんだ?!」

私達が話していると、あたりに霧が立ち込め、

魔女の結界の中にいる生き物達のようなのが、私達の横を歩いていく。

「来たわ。あれが、ワルプルギスの夜」

「きゃはははっきゃははははははっ」

私が指差す先に、巨大な歯車を回転させ、青と白のツートンカラーのドレスを着たような女性にも見える魔女が現れた。

「で、でけぇな……おい」

「なに? 今更怖気づいても逃げられないからね? 杏子」

「さやかこそ逃げんなよ?」

「さぁ、私達一世一代の大勝負ね」

「各自、グリーフシードは1つ持ってるわね?」





私達は、戦いを終えて魔女になる気などない。

もちろん、魔法少女が魔女になることはみんなに教えていない。

教えても意味は無い、むしろ、戦意喪失させるだけだから。

<準備は良いですか? ホムラ>

「当然よ」

<なのはやフェイトとの共闘を思い出しますね>

「そうね、でも、こっちのほうが人数が多いわよ」

<その分敵も、強大ですが>

「そうね、けれど」





「「「「<私達ならやれる、絶対に>」」」」

162 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:26:18.18

まずは先手を撃たせてもらう。

「遠距離砲撃、行くわよ、暁美さん!」

「ええ、巴マミ。ディザイアー!」

<了解、私達の願いを叶える為に>

巴マミが、巨大な大砲を構え、

私のデバイスも同じ形へ変わる。





「「ティロ・フィナーレ!!」」





巴マミの巨大な弾丸と、私の魔力ビームがワルプルギスの夜に直撃する。

でも、まだ。

「続くよ! おくれんなよ、さやか!」

「そっちこそ!! 杏子!!」

「みんなが考えてくれた必殺!! ブレイブ・エッジ!!」

「てめぇが魔女なら、コイツで撃ちぬく! ガ・ジャルグ!!」

杏子の巨大な槍の一撃、さやかの剣撃の一撃がワルプルギスの夜に直撃する。

「きゃはははっきゃははははははっ」





全然効いてない?

そんなこと、あるわけない!!

「ディザイアー!!」

<解ってます!!>

「ディバイン・バスター!!」

「ティロ・フィナーレ!!」

「はぁぁぁぁぁ!! ブレイブ・エッジ!!!」

「打ち砕けぇ!! ガ・ジャルグ!!」

4人の一斉集中攻撃。

163 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:26:48.50

しかし……。

「きゃはははっきゃははははははっ」

ワルプルギスの夜はまるで無駄だと言わんばかりに笑うだけで、先に進んでいく。

「っざけんな畜生!!」

「杏子、まだ終ってない!」

「暁美さん、私達も!」

<死ぬ時まで、諦めるという言葉は必要ありません。そうでしょう? ホムラ>

「ええ、前に回りこんで、押し返す!!」

私達は私の転移魔法でワルプルギスの夜の正面に回る。

この転移魔法でワルプルギスを……出来たら良いけど、

質量の問題で出来ない。

例えできたとしても、倒せたことにはならない。





「いくわよ、ディザイアー。巴マミ、佐倉杏子、美樹さやか。

これが私達の全力全開。受け切れるなら、受けきって見せなさい!」

<だんだん、なのはに似てきましたね>

「手加減無用!!」

「ぶった切ってあげるわよ!!」

「撃ち抜きます!!」

「ディザイアー」

<なんでしょうか?>

「これで、決めるわ」

<了解です、ホムラ>

「レーヴァテイン!!」

「ブレイブ・エッジ!!」

「ガ・ジャルグ!!」

「ティロ・フィナーレ!!」





私達4人の全力全開の一撃が、ワルプルギスの夜を襲った。

164 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:28:49.42

はい、19話。

展開が(ry

眠い眠い眠い。

あとは、22時くらいに投下。すると思う。

でも、23時になるかも。



あと、3話です。

168 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:38:21.14

  第20話

『偶然』





いつか誰かが言った。

目の前にある壁は意外に簡単に壊せるものなんだって。

世界の全ては偶然でできてるんだよ。

と、ある人は言った。

偶然の出会いで始まった魔法少女な生活。

それは、悲劇の始まりでしかなくて。





何度も同じ時を繰り返し。

永遠ともいえる迷宮に迷い込んだ私。

たった一人の親友の、たった一つの願いを叶える為に。

私は戦い続けてきた。

何度も何度も、魔女と戦い、必要とあらば魔法少女とも戦った。

そんな永遠の迷宮を抜け出せず、【諦め】そんな二文字が浮かんでいた私の元に訪れたのは、

違う世界の魔法少女との出会い。

169 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:38:51.67

彼女もまた、偶然の中に魔法少女になった。

けれど、魔法少女の役割は私とは全然違うもので、

いずれ魔女なんて化け物になるなんてこともなくて。

彼女は笑っていた、偶然だとしても、貴女がここにいることは必然なんじゃないかと。

偶然の、時空移動

偶然の、出会い

偶然の、協力

偶然の、気持ち

偶然の、願い





それらが積み重なって、私は彼女と短いけれど、生活を共にした。

その中で、出会った敵は、魔法少女で。

私に似た、一途な子で。

騙されてるわけではない。

ただ、自信の願いの為に頑張ってて。

そんなところが似ていて。

私達はその子と戦い、そして教えてあげた。

私が学んだ大切なことを。

1人で何でも出来るなんてことは絶対にない。

どんなに無理だって思う事だって、みんなでやれば絶対にできるんだって。

孤独じゃ勝てないから、だから協力するんだって。

私は教えて貰ったから。

170 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:39:18.86

それを彼女に教えた。

そして、彼女は本当の自分を始める為に、自分の母親とだって戦った。

そんなことを体験して。

わたしはまた、永遠の監獄に相棒と共に戻ってきた。

少し生意気で、イラッと来る時があるけれど。

とても頼りになる仲間。

二度と同じ事を繰り返さない為に、私は無限のループでしたことの無い行動をした。

巴マミに頭を下げて協力を頼み、

美樹さやかは予定外だけれど、彼女ととも和解して協力した。

佐倉杏子も、一時は危なかったけれど、美樹さやかのおかげで協力関係になることが出来た。





私と彼女達。

私達4人いえ、5人ならワルプルギスの夜を倒せると確信していた。

今までは1人だった。

だから無理だった。

でも、5人いれば、倒せるんだって思った。







けど―――。

171 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:39:44.42

「「「「きゃぁぁ?!」」」」

「きゃはははっきゃははははははっ」

ワルプルギスの笑い声が、響いた。

<大丈夫ですか、ホムラ>

私達の一斉攻撃は、簡単に防がれた。

いえ、ダメージは与えられた。

でも、ワルプルギスの夜が逆さまから普通の体勢に戻った瞬間。

私達は、地面に跪いていた。





突然走った黒い衝撃波に、私達はビルや地面に叩きつけられた。

「ごめん、足が挟まれて動けない。ディザイアー。みんなの確認は?」

<生きていますが、かなりの重傷です>

「みんな!!」

「……暁美さん?」

「……ほむら?」

「……どうしたんだ?」

「私達はまだ終ってないよね? 戦えるわよね」

<アークセイバー>

172 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:40:16.68

ディザイアーが、自動で私の足を挟んでいた瓦礫を破壊する。

「ああ、おわってねぇ!」

「当然でしょ。みんなで生きて帰る。みんなを守る。それが私達の約束だよ!」

「ええ、そうですよ。美樹さんの言う通り、約束は果たさなければ意味がありませんから」

「無理じゃない、やれる倒せる、守りきる。みんなで頑張れば、絶対に」

私達はまた、ワルプルギスの夜の前に立ちはだかった。

「その体勢が本気って訳?」

「本気にならなきゃ抵抗できないほどアタシらは強いってことかな!」

「そうですね、でも」

「ほん……」

<本気になっても勝てません。なぜなら>

まったく、私の台詞をとらないで欲しいわね。





「私達全員が本気だから」





私達は微笑む。

ワルプルギスの夜は不気味に笑う。


173 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 20:41:00.89

そんな時だった。

ワルプルギスの夜に緑色と、こげ茶色の鎖が巻き付いた。

え?

あれって。

「――やぁっと、見つけたよ。ほむらちゃん」

背後からの効きなれて、ずいぶん懐かしく感じてしまう声。

「え?」

「あ、アンタ達誰?!」

「暁美さんの知り合い?」

なんで?

どうして、いや。

「どうやってここに?」

「偶然だよっ。ほむらちゃん」





「話は後で良いよね。まずはあれを片付けようよ。なのは」

「そうだね、フェイトちゃん」

「なのは……フェイト……」

私達のところに来たのは、

高町なのは、フェイト・テスタロッサ、

ユーノ・スクライア、アルフの4人だった。

177 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:12:37.30

  第21話

『全力全開』





「さぁて、レイジングハート。全力全開だよ」

<了解です。マスター>

「バルディッシュ。いけるよね」

<イエス・サー>

「ディザイアー。やるわよ」

<了解です。ぶっ飛ばしちゃいましょう>

……なんかおかしい。

私のデバイスだけ絶対に何かおかしい。

「わ、私達も」

「ええ、これで最後です」

「いくぞぉ!」





「僕達のバインドも限界だ」

「大丈夫だよ。ユーノ。あの子達なら、やれる」





「スターライトォォォ……」

「サンダァァァ……スマッシャー」

「レーヴァァァ……テイン」

「ティロ・フィナーレ!!」

「ブレイブ・エッジ!!」

「ガ・ジャルグ!!」





「「「「「「ブレイカァァァァァァァ」」」」」」

178 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:13:03.57

私たち六人の一斉攻撃。

さっきは4人の魔法少女。

今度は6人の魔法少女。

たった2人の増援かもしれない。

でも、ユーノ・スクライアと、アルフが動きを止めてくれるから、

私達が全力全開フルパワーで、攻撃できる。

前の私は、時間を止めてフルパワーで攻撃できたけど、

それでもやっぱり孤独な戦いだった。

でも今は、デバイスを含めれば11人で協力してる。





これなら!!







「ほむらちゃん、フェイトちゃん、さやかちゃん、巴ちゃん、杏子ちゃん!!」

「なのは、杏子、さやか、マミ、フェイト!!」

「ほむら、なのは、マミ、杏子、さやか!!」

「杏子、ほむら、なのは、マミさん、フェイト!!」

「さやか、ほむら、マミ、フェイト、なのは!!」

「暁美さん、なのはさん、美樹さん、フェイトさん、佐倉さん!!」

<ディザイアー、バルディッシュ>

<ディザイアー、レイジングハート>

<レイジングハート、バルディッシュ>

全員で、名前を呼び合う。

これで、倒してみせる。





「「「「「「<<<全力……全開!!>>>」」」」」」


179 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:13:29.51

「きゃははh……」





大爆発がおき、ワルプルギスの夜が砕け散って消し飛ぶ。

終った。

勝った。

私達は……。

それぞれ持っていたグリーフシードでソウルジェムを浄化したため、魔女化の心配もない。

「やっと……倒せた……みんな、生き……てる……」

私はふらふらと力尽き、その場に倒れこんだ。

しかし、体が地面につく前に、暖かく優しい何かに私は包まれた。

そのまま私は、気を失った。

180 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:14:15.42

_____________





_______





___







「?!」

目を覚ますと、見慣れた病室。

まさか、また?

またループしてしまったと言うの?

そんな絶望に襲われかけた時だった。

すやすやと、静かな寝息を立てるまどかの姿が、すぐ横にあった。

ずっと付き添っててくれたのだろうか……。

「おっ、目を覚ましたね。ほむらちゃん」

病室の扉が開き、なのはが入ってきた。

「なのは……」

「急に倒れるものだから焦っちゃったよ」

「……どうやってここに?」

私が聞くと、なのはが少し小難しそうな表情を浮かべて微笑む。

181 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:14:49.61

「実は、ほむらちゃんがいなくなった後、色々調べたんだよ。ユーノ君たちと」

「え?」

「まぁ、大半はユーノ君が調べておいてくれたんだけどね」

なんで?

要塞ごと爆発したのに、なんで。

「死んでるとは思わなかったの?」

「まったく」

なんて即答。

それに、なんて自信に満ちた表情。

でも、嬉しい。





「まさか、時空管理局の管理外世界だったとはね」

管理外世界?

「管理外って事は……え? きて良かったの?」

「うん。友達を助ける為に。それに、ロストロギアの回収もあったし」

ロストロギアって……。

「ジュエルシード?」


「そうだよ。まぁ、ジュエルシードはあの大きな敵が持ってたんだけどね」

大きな敵。

ワルプルギスの夜。

182 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:15:17.19

「だからあんなに強かったんだ……」

「私達が頑張って倒したんだよねっ」

嬉しそうに言うなのは。

それを見て、私も思わず笑みが零れる。

「そういえば……みんなは?」

「みんなは……アースラにいるよ」

え?

アースラ?

「なんで?」

「私達の目的だよ」

「どういうこと?」







計り知れない不安に、私は襲われた。

みんなに何かあったの……?

186 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:48:26.96

  最終話

『本当の魔法少女まどか☆マギカ』





「じつは、この世界にずいぶん昔からロストロギアが逃げ込んでいたみたいなの」

え?

まさか、私達の中にそのロストロギアが?

そう思った私の手を、なのはが握る。

「まえにお話してくれたよね、インキュベーターについて」

「え? まさか……」

QBが、ロストロギア……だと?

でも、え?

それが事実なら。





「コードネーム。インキュベーター。侵略者と名づけられたそれは、

その名の通り、世界を滅ぼして、そしてまた別の世界へ。

それを繰り返していたの」

滅ぼす?

魔女……。

「まさか、魔女って……」

「QBが生み出す敵だったの。それを利用して少女を対象に魔法少女にして戦わせる。

リンカーコアをソウルジェムへと変換させて、時が来ればその魔法少女は魔女へと変わってしまう。恐ろしいロストロギア」

なのはが悲しそうに言う。

187 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:48:56.12

「みんなは、みんなはどうなるの?」

「大丈夫。ちゃんとリンカーコアに戻せるよ。QBを封印したらね」

扉が開き、声が進入してきた。

「ユーノくん?」

私達の話に入ってきたのは、ユーノ・スクライアだった。

「どういうこと?」

「君がソウルジェムを無くしたのは、リンカーコアに戻ったからなんだ」

「だから私は時間操作の魔法が消えた……と?」

「QBの支配領域から逃れたことで、君の力は失われた。

でも、あの次元の狭間での戦いの時。

たまたま君の世界の近くだったんだ。

そのせいで、君はQBの世界での君の能力に巻き込まれた」





なるほど。

それで、ディザイアーも一緒にきていたのね。

「それに、ディザイアーが一緒に行ったおかげで、君のリンカーコアが再びソウルジェムへ変換されることが防がれた」

「まさか、貴方が調べていたと言うのはこの事だったのね」

「そう。QBというのは少し聞いたことがあったからね」

「なら何であの時、知らないふりを?」

「知っていると言っても、君を世界に戻すことは出来なかったからだよ」

彼は彼なりに私のことを考えてくれていたのね……。

「じゃぁ、QBはもう?」

「うん、すでに封印。本局に持っていかれたよ」

「そう、お別れくらい言いたかったわね」

188 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:49:32.06

彼を好きではない、むしろ嫌いなくらい。

でも、彼のおかげでまどか達と出会い、私の病弱な体が治り、

そして、なのはたちとも出会えた。

この点に関しては感謝しているわ。QB。

そして、これでようやく。

ようやく……。

「私達は魔法少女から解放されるのね」

私が言うと、なのはとユーノ・スクライアが頷く。





「ん……ぬむっ……」

「……まどか。おはよう」

ようやくおきたまどかに微笑む。

2回3回と、目を擦り、そして。

「ほ、ほむらちゃん!!」

「まどか、ごめん。心配かけたわね」

≪決戦から1週間も眠ってたんだよ? ほむらちゃん≫

≪そのあいだずっと、まどかは……≫

≪うん。見守ってくれてたよ。数日すれば、みんなも戻ってくるよ≫

≪ありがとうなのは≫

≪こちらこそ、いろいろとありがとうね、ほむらちゃん≫

なのは達はそう言うと、手を振って病室から出て行った。





「まどか、私達はもう魔法少女から解放されたわ」

「うん。聞いたよ」

私はまどかの笑顔が見たかった。

あの地獄の1ヶ月間はもう来ない。

私の魔法の能力も消えた。

少し、惜しいことをしたかもしれない。

それはべつに時間魔法ではなくて、デバイスを手放すことになることが。

「ねぇ、ほむらちゃん。提案があるんだけどね?」

「なに?」

私は微笑むまどかに耳を貸す。

そして……数日が過ぎたころ。

189 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:49:58.69

_____________





_______





____





「まどか!! ほむら!!」

さやかの声が響く。

「ただいま。ってやつだな」

「帰ってきましたわね」

時空管理局で検査をしていたさやか、マミ、杏子が見滝原市に戻ってきた。

「まどかに変なことしてないよね?!」

出会い頭のさやかの言葉。

「さぁ、どうだか」

私はプイッとそっぽを向いて呟く。

「え? ほむら? な、何したのか吐きなさい!」

「嫌よ。力ずくで言わせてみなさいよ」

私はさやかをからかって走って逃げる。

いつ以来だろうか。

心から笑えるのは。

これからはずっと、こんな風に楽しい毎日が帰ってくる。

190 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:50:24.66

「ほむらちゃん!! みんな!!」

そして、なのはたちが来た。

フェイトは、裁判があるから来ていない。

プレシア・テスタロッサの思惑を知らなかったわけであり、

彼女自身、純粋な気持ちで動いていただけ。

クロノ・ハラオウン達によれば、無罪確定との事だ。

じゃぁ、なのは達の達って言うのは?

それは……。

<まったく、私は平気だと言ったのに>

「ばかね。いつでもベストな状態でいる為よ」

<そうですがね……>

「とりあえず、お帰り。ディザイアー」

<はい、ただいま>





「これからがんばろ~ね、アヴァロン」

<解っています。よろしくお願いしますね、まどか>

まどかのピンク色の指輪型デバイスのアヴァロン。

「アタシ達もな、さやか。それに、グングニール」

<はい、仰せのままに。マスター杏子>

杏子の赤い腕輪型デバイスのグングニール。

「うん。そうだね杏子、エクスカリバー」

<もちろんですよ、さやか>

さやかの青い腕輪型デバイスのエクスカリバー。

「私達もね。ティロ」

<了解です。マイスターマミ>

マミのヘヤピン型デバイスのティロ。

「これからもよろしく頼むわね。ディザイアー」

<ホムラこそ、せいぜい足は引っ張らないで下さいね>

そして相変わらずの紫色の宝石型デバイスのディザイアー。

……。

191 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:50:50.44

「なのは、やっぱり返す」

なのはにディザイアーを突き出す。

<私もその方が良いです、貴女とは組みたくない>

「えっ? えっ?」

<マスター。ただのお戯れですよ>

「違う、私は真面目に……」

<そうですよ、レイジングハート真面目に……>

<その割には、意見が一致しているし、仲がよさそうですね?>

レイジングハートが面白そうに言う。

<レイジングハートの言う通りだよ。ディザイアー>

<煩いです、エクスカリパー>

<パーじゃなくて、バーです>

<どっちも一緒よ>

<全然違います>





なんなんだか、まったく。

デバイス同士で喧嘩始めてどうするのかしら……ん?

「なんだか、人間みたいだね」

「そうだね、まどかちゃん」

「なのはちゃん、どう思う?」

「仲良しさん。かな」

「喧嘩するほど仲が良いって言うやつ?」

「それに私は含まれてたりするの?」

楽しそうに話す2人に尋ねる。

「「もちろん」」

なのはとまどか。

2人が笑顔で頷く。

192 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:51:25.36

……まぁ、楽しいから良いわよね。

これから、私達の世界が始まる。

魔女なんていない平和な世界の幕開け。

でも、まだ世界にはQBみたいに危ないロストロギアが散らばっている。

そんなのを見逃すわけには行かないよ。

それが数日前、病室で聞いたまどかの提案。

だから、これから始まります。





「本当の魔法少女まどか☆マギカ」





人間じゃなくならない魔法少女。

魔女にならない魔法少女。



「時空管理局嘱託魔道師、暁美ほむら」

「時空管理局嘱託魔道師、鹿目まどか」

「時空管理局嘱託魔道師、高町なのは」

「時空管理局嘱託魔道師、巴マミ」

「時空管理局嘱託魔道師、佐倉杏子」

「時空管理局嘱託魔道師、美樹さやか」

「時空管理局嘱託魔道師、フェイト・テスタロッサ」





私達7人。

これからも魔法少女……続けていきます!





― Not It repeats itself Yes GO To Next Stage ―

193 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:52:50.20

はぃ、最終話終了しました。

ご都合主義で、悪かったです。はい。

では、補足や、キャラ紹介。

194 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:53:20.93

意味わかんねぇよ。

なんて人の為に捕捉。



QB(インキュベーター)

・侵略者と呼ばれる。

・ロストロギア。

・魔女を作り出し、それと戦う為と言い、魔法少女を作り出す。

・リンカーコアを、ソウルジェムへと変化させる。

・侵略と言うより、破壊者が適切。

・文明を滅ぼした後、別の世界へと転移する。

・管理局の見解では、9体目と言う意味での『キュゥ』べえではないかと考えている。



ソウルジェム(SJ)

・リンカーコアが強制変化させられたもの。

・色がにごると、そのSJの持ち主は魔女になる。

・QBを封印することで、リンカーコアへの回帰可能。





こんな感じかな。

QBいないならハッピーエンドじゃない?

そんなこと言っちゃ駄目だよ。

どんな幸せだって、誰かの犠牲はつき物さ。

まどか達みんなの幸せの為に、QBは犠牲になったのさ



じゃぁ、全員の紹介もしておこうか。

195 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:53:55.19

メイン的登場人物





・暁美ほむら(魔法少女まどか☆マギカ)



本作の主人公。



時間に関係する願いの為、時間操作の魔法を所持していた。

なのは世界に来た後、ソウルジェムと共にその力を消失。

以後、暫くは無力だったが、なのはの危機に気づけず、協力できない弱さに苛立ち、

火薬等入手し、フェイトと戦闘。

その日に出会ったアースラの人達から、多種武装変化デバイス『A-207』を受け取る。

因みに、デバイスは『ディザイアー』願いを意味する英単語から命名。

戦闘スキルは、クロノと同等、またはそれ以上の戦闘スキルの持ち主。

多彩な武器を駆使して魔女と戦い続けてきた彼女にとって、

多彩な姿へ変わるディザイアーはまさに適任と言える。



なのは達と過ごしていくうちに、

まどかを救う為に必要なことに気づき、性格も明るくなっていく。



プレシア戦後、元の世界へと戻り、巴マミに頭を下げてまで協力を要請。

自身の持つ情報の一部を提供。

その結果、マミは協力を承諾。

その後、さやかが予定よりはやく魔法少女になったことを後悔しつつ、彼女と和解。

彼女とも協力関係になる。

その時にはすでに、笑顔も増え普通の少女に近づいていた。

デバイスとの会話はそれを思わせるものが多く、

さやか曰く「デバイスとの漫才」らしい。



そして現れた佐倉杏子とも戦闘なくして協力関係を作り上げ、ワルプルギスの夜との万全の戦闘へ

ジュエルシードを取り込み、強化されていた魔女との戦闘。

攻撃が通らない絶望的な状況でも、みんながいるから大丈夫。そう信じて立ち向かう。

そして、最後の最後、自分を変えてくれた仲間達との協力により、ワルプルギスの夜を撃破。

その後、



まどかの提案もあり、なのはたちと同じ時空管理局嘱託魔道師になることを決意した。


196 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:54:34.32

・鹿目まどか(魔法少女まどか☆マギカ)



原作では主人公。

本作では脇役レベルの出場回数。

QB曰く「最強の魔法少女になる素質の持ち主」

ほむらが魔法少女になる理由を作った少女。

まどか自体はごく普通の少女だったりもする。

時折ずれているらしいけど、本作では真面目な部分しかないし、

登場回数も(ry



さやからとの約束により、ワルプルギスの夜との戦いの時、

QBに囁かれながらも行くことを拒み、みんなの勝利を願い続けていた。

その後は、QBや、なのはの世界の事を聞き、

他の世界の人たちが、ほむらちゃんみたいな苦しい思いをしないように。

そういう理由で、時空管理局嘱託魔道師になることを提案した。



まどかのデバイスは弓型デバイス『TS-222』

名前は、私達の理想の世界を守り続ける為の力と言い、

『アヴァロン』と名づけている。

197 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:55:24.17

・巴マミ(魔法少女まどか☆マギカ)



ほむらと協力してワルプルギスの夜を撃墜した魔法少女の1人。

原作では酷い目に遭っていたけれど、本作ではそんなことはない。

ただし、ほむらのループ世界(記憶)ではかなり酷いらしい。



ほむらの懇願してまでの協力要請と、ほむらが与えた情報。

それにより、真実を知ったマミは、

「貴女は私に真実を教えてくれた。騙されたままの馬鹿な私ではなく、

真実を知っても戦う覚悟のある巴マミにしてくれた。それだけで、私が貴女と協力するのには十分すぎる理由だわ」

と言っている。

あんまり好戦的ではなく、仲間であるQBを襲うからほむらが敵であっただけであり、

「QBを殺さないことが条件での協力の承諾」

これにより、ほむらを敵対視する理由を無くしている。



本作で描写はないものの、かなりの紅茶マニアとも言える。

自宅の本棚には紅茶関係の資料がたくさんあるのだとか。

因みに、彼女は厨ニ病ではない。

彼女は紅茶を楽しむ為に、イタリア語や、英語、スペイン語。

とりあえず、数ヶ国語の言葉を理解しており、

その中でも、止めの一撃を表すために。

そういう意味でティロ・フィナーレを用いている。



さやかの技名も彼女が考えたもの。

蒼い服装に、壮健を握る姿が勇ましい。

そこから考え、蒼勇の刃と名づけた。

本人も、さやかも気に入っている。

彼女のデバイスは銃剣型デバイス『NW-602』

因みに、名前はティロ。

射撃が好きだから。とのこと。



辛い人に癒しを与えたい。

との理由で、時空管理局嘱託魔道師になることを決意した。


198 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:55:51.55

・美樹さやか(魔法少女まどか☆マギカ)



ほむらと協力してワルプルギスの夜を撃墜した魔法少女の1人。

本作中、ほむら以外で1話丸まる視点が貰えた唯一の子。

原作ではかなり酷い目に遭っているが、本作ではそんなことは全くない。

親友と幼馴染の恋愛を影から見守ることを決めている。

彼女曰く、恭介より杏子の方が、今は大切。とのこと。

真実を知らされ、悲しんでいた杏子を説得し、友達になったりと、実はかなりの活躍をしている。



ほむら曰く、「まどかの前に立ち、自分なりのやり方でまどかを守っていた良い人」

ほむらが良い人と素直に認めた。

少しばかりボーイッシュなところがあり、喧嘩っ早いところがある原作と違い、

杏子や、ほむらにあった事や、

マミの死がない事もあり、喧嘩っ早い部分は抑制されている様子。

杏子とは親友以上だけど何か? とのこと。



彼女のデバイスは、双剣型デバイス『RB-472』

名前は『エクスカリバー』

どんなものからでも、みんなを守り通せる力。らしい。



私達みたいな思いをする人を減らす為に。

そういう理由で、時空管理局嘱託魔道師になることを決意した。

199 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:56:43.55

・佐倉杏子(魔法少女まどか☆マギカ)



ほむらと協力してワルプルギスの夜を撃墜した魔法少女の1人。

結構好戦的だったりするんだけど、ツンデレに近い子だから、つい優しくしちゃう。不思議。

マミと同レベルの戦闘能力の持ち主。

原作では魔女さやかと心中するけれど、本作にそんな設定は微塵もない。

孤独ゆえに人とともに歩むことを拒絶がちな杏子。

自分が人間ではなくなったと知り、ショックを受けるが、さやかにより復活。

さやかの言葉はよほど効いたらしく、さやかは他の『仲間』とは違い、親友の域を超えてる感がある。



実は、本作では一切触れていないけれど、食べ物とかはほむら達と協力関係になるまで盗んでいた。

協力後は、さやかと同居している。

さやかの両親は、そのことについては承諾しているのでなんら問題はないとのこと。

きつい言葉を吐く時もあるが、大抵は優しい言葉ばかり。

彼女自身、新人のさやかに色々言うものの、かなりしっかりとした連携を作り上げていたりする。



彼女のデバイスは槍型デバイス『JV-499』

名前は『グングニール』

全てとは言わない。でも、守れるものは守りたいから。

そういう理由で、時空管理局嘱託魔道師になることを決意した。

200 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:57:11.01

・高町なのは(魔法少女リリカルなのは)



原作では主人公。

本作ではヒロイン的立ち位置。

本作において、ほむらの性格、言動。

何もかもに一番影響を与えた人物。

ほむら曰く、「雰囲気等、まどかに似ている」とのこと。

ほむらと出会う少し前までは普通の少女だった。

彼女の魔法少女はほむら達とは違い、魔女にはならない。

最初の時は、ほむらに敬語を使い、

馴れ合うつもりはないと言われて怒鳴る。



なのはは、世界は偶然で出来ていると言ったり、

聊か、小学生離れした考えをしている時もあるけど、

小学生です。

ほむらだけでなく、フェイトにも影響を与えている。

本作においては、ほむらという仲間であり、相談相手。

まぁ、相談を受ける方が多いけど。

とにかく、いる為、

アリサやすずかと喧嘩した場面はない様子。

あんまり解らないが、少しだけほむらに好意があるっぽい。

そういえば、ユーノのことを話していた時にほむらが別のことを考えて上の空だったことを、

彼女は……。



さておき、友達を追いかけて違う世界にまで来ることから、

かなり、友達想いであることがわかる。

魔力や素質がかなり高いけれど、どの程度のレベルかは不明。

戦闘能力も、訓練がないため、戦闘が僅かに多いさやかに技術面では劣る可能性がある。



使用デバイスは『レイジングハート』

人の役に立ちたいから魔法少女になった。

原作でそう言っているが、本作で言っていたら、ほむらに引っ叩かれていたかもしれない。

因みに、本作での理由はほむら達と一緒。

この手で救える人がいるのなら、私は救ってあげたいから。

そういう理由で、時空管理局嘱託魔道師になることを決意した。

202 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:57:47.86

・フェイト・テスタロッサ(魔法少女リリカルなのは)



原作ではヒロイン。

本作でもヒロイン。

唯一立ち位置に変動がない。

最初のころは、なのはたちの敵。

なのはと話し、ほむらと話し。

それで徐々に変わっていった。



ほむら曰く「あの子は私と似ている」とのこと。

母親に笑ってもらいたいから。

そんなたった一つの願いの為に奔走する姿は、

まどかを助ける為に。

そんな思いで延々と同じ時間を生き続けていたほむらと、

どこかしらに類似している。



基本無口で、というか単に恥かしがり屋でもある。

敵対関係になければ話すのだが、

友達の名前を呼ぶだけで顔を赤くする。

巷では、なのはが好きなんじゃない?

とか言われている。



戦闘スキルは、マミ、杏子に少し劣る程度。

ただし、魔力的にはなのはを超えていると、エイミィさんは仰っておりました。



使用デバイスは、『バルディッシュ』

魔法少女になったのは元々。

なのはと、ほむら。みんなの世界をみんなと共に。

そういう理由で、時空管理局嘱託魔道師になることを決意した。

203 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:58:14.79

デバイスたち



・ディザイアー(オリジナルデバイス)



正式名称。多種武装変化デバイス『A-207』

かなり、というかとてつもなくふざけた性格をしている。

空気が重いところでかならず、口を出している。

ほむら曰く「本当に機械なのかしら」

その言葉通り、全てのデバイスの中で、一番個性豊かである。

ほむらに喋りたい。と愚痴ったり、

マミに頭を下げてまで協力を願っている最中に、

相手に対し、「聊か面倒な方たちですね」と言って、

しかも、真面目な空気を壊した理由が、

ディザイアー曰く、「学校で喋らせてもらえなかった」から。



ただ、ほむらからしてみれば、まんざらでもない様子であり、

かけがえのない大切な仲間だと思われる。

そのことは最終話において、



私の魔法の能力も消えた。

少し、惜しいことをしたかもしれない。

それはべつに時間魔法ではなくて、デバイスを手放すことになることが。



と、心の中で呟いてることからも伺える。

だが、戦闘においては完璧すぎるほどにほむらたちをサポート。

自動で盾を形成したり、瓦礫を砕いたりするほど。

ほむらは貴女と呼んでいるため、女性なのかも。

因みに、名前の由来は、願い。desire。である。



たびたびほむらをからかう光景は、

さやか曰く「2人の漫才」

さやかが人間ではないことを知ったときも、

その2人の漫才は、良い意味での笑いをさやかに与えている。

因みに、ディザイアーはみんなを呼び捨て。「ホムラ、サヤカ、マミ」等。カタカナである。

実は、まどか達のデバイスの感情プログラムに少しだけ影響を与えていたりする。

204 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:58:43.75

・アヴァロン(オリジナルデバイス)



正式名称。弓型デバイス『TS-222』

性格は多分真面目。

真面目だが、潔癖と言うわけではない。

ディザイアーには劣るが、アヴァロンもまた個性がある。

口調等に激しい変化はない。

むしろ、普通の少女みたいな感じ。

登場は少しだけなので、戦闘能力等は不明。

ただ名称通り、展開すると弓である。



名前の由来は、理想郷を示す『アヴァロン』から。





・ティロ(オリジナルデバイス)



正式名称。銃剣型デバイス『NW-602』

性格は幼女っぽい感じがある。

ちなみに、他のみんなと違い、

彼女だけは「マイスターマミ」というふうに、

私の主である証明をつけている。

アヴァロン同じく戦闘能力は不明。



展開すると、銃口の先に刃物がついており、

それはほむらの指示である。

万が一接近されたらどうしようもないから。

それの保険になっている。



ソウルジェム時代とは異なり、

同じマスケット銃に見えるが、単発どころか連射可能。

さらに、直射系ビーム砲撃まで可能にしたティロの名の通り射撃デバイス。



因みに、ティロとは、射撃と言う意味がある。

205 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 21:59:09.36

・エクスカリバー(オリジナルデバイス)



正式名称。双剣型デバイス『RB-472』

性格は少し真面目。

最終話ではディザイアーにからかわれている描写がある。

アヴァロン同じく(ry



展開すると、双剣になる。

右手に蒼色、左手に紅色。

蒼色は言うまでもなくさやか、紅色は杏子を意味する。

二つを融合させて巨大な黄金の剣にすることも可能。



残檄を飛ばしたり、斬りつけたり。

近距離中距離型だと思われがちだが、

離れてしまえば、黄金の剣で真っ二つがオチ。



名前の由来は伝説に出てくる『エクスカリバー』





・グングニール(オリジナルデバイス)



正式名称。槍型デバイス『JV-499』

性格は従順。



彼女の要望で蒼色。

理由はいうまでもない。

長くもなく短くもないほどよい長さ。

しかし、巨大化から収縮まで。

自由自在。



名前の由来は、伝説の武器『グングニール』

213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/05/31(火) 22:22:30.62

乙カレー!!

すごく面白かった!

ワルプル戦でのなのは達参戦にはテンションあがった

マジでA′sまでやって欲しいです

よろしくお願いします!!

216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/05/31(火) 22:26:56.61

いやぁ、面白かった!
やはり物語はハッピーエンドであればこそだよね
いいSSをありがとう



219 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 22:41:30.68

――気軽に電話してきてええよ。





物語の始まりは、数ヶ月前の病院での出来事。

握りつぶされたその紙は、机の中に入っていた。

ただの好奇心?

暁美ほむらは、その連絡先へ電話をかけた……。





そしてそこから、全ては始まった。





――まどか!!





美樹さやかの悲鳴が上がる。

リンカーコアを奪われ、音もなく崩れる鹿目まどか。

彼女達の前に現れた、鎧に身を包んだ女性魔道師。





――できれば、傷つけたくはない。





そう言いながらも、襲い掛かるさやかを……。





そしてなのはたちを襲う、魔法少女狩り。





――恨みはないけど、狩らせて貰うから。その命。





突如現れた魔法少女、魔法少女を狩る、彼女の真意とは?





――私は八神はやて。よろしく





足が不自由な少女との再会。

そして、その家族との出会い。

一方で、仲間達に訪れた危機。





――そんな、なんで? なんで、貴女達は……






敵との邂逅……それは、ほむらの逃げられない選択肢を突き出す。





魔法少女リリカルなのはAs×真・魔法少女まどか☆マギカ





正義が正義と対峙する時、物語は動き出す。

225 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 23:33:35.86

『探求者』





「さぁ、覚悟してもらうよ。QB」

私とフェイトちゃんは巨大な魔女との戦闘後、

本来の目的に戻っていた。

「まったく、驚きだよ。僕のことがばれるなんて」

目の前の白い生き物QB、インキュベーターが呟く。

「生きたロストロギア破壊者」

フェイトちゃんが睨む。





「やだな。僕は破壊なんて望んでいないよ。むしろ、君たち人間のせいで滅んでいるだけじゃないか」

「何を言ってるの?」

「そうだろ? 僕は君たちに願いを叶えてあげるから星を守る戦士になってと頼んでいるだけであって、

滅ぼすつもりはこれっぽっちもないんだよ」

「勝手なことを!!」

バルディッシュが、黄色い刃を輝かせる。

私達の目的は、QBの捕獲。

QBはロストロギアで、かなり危険度の高いものだった。

226 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 23:34:17.96

「じゃぁ、なんで魔女なんて生み出すの?」

「生憎、僕には感情と言うものがない」

「知ってる」

「だからさ、人は戦いの中で、怒り、悲しみ、憎しみ、嘆き、喜び、嬉しさ。様々な感情とかいうものを見せてくれる

僕は、それが見たいだけだよ」

そんなことの為に?

みんなを傷つけてきたの?

そんな酷いことって……。





「金髪の君は、今、どんな感情だい? 僕に教えてくれよ。白い魔法少女。君は?」

「ふざけてる、貴方は、恐ろしすぎる」

「恐怖? だけど、そうには見えないね。言葉と、実際は違うものなのかな?」

私とフェイトちゃんは目の前の生き物が恐ろしかった。

感情がないとは聞いていた。

自分がしていることが、みんなを苦しめ、死に至らしめているのに、

QBは意に介さずって表情だった。

だからこそ、私は……。





「私は、物凄く悲しいよ。QB」

「ん? 悲しい?」

興味があるのか、ないのか。それはどうでも良いことで。

「だって、貴方は可哀想だから」

「可哀想? 僕が? 訳がわからないよ」

「だからだよ。感情がないせいで、貴方もきっと辛いんだよね?

知りたいのに知れず、傷つけたくないのに、傷つけちゃうんだよね?」

「急にどうしたんだい?」

「今、助けてあげるよ」

227 : ◆LFImFQtWF6 :2011/05/31(火) 23:34:48.20

私は、そっとQBを抱え上げ、ロストロギアを持ち運びする為のケースに収めた。

「……やれやれ。君と言う人間は良く解らないよ。助ける?

何からだい?」

QBは、その赤い目を私に向ける。

私は目を逸らさずに、QBを見つめて微笑む。

「永遠に終らない、無感情と言う監獄から」

私はそう言って、ケースの蓋を閉めた。





その日のうちに、ケースは管理局へと引き渡した。





「フェイトちゃん」

「どうしたの? なのは」

「QBを作った人は、感情があったのかな」

今では確かめることが出来ないそのことに、私は疑問を抱いた。

感情があるなら、QBにも感情を与えてくれたら、

みんな苦しまず、QBも……。

「きっと、作った人も感情がなかった。ううん。確定は出来ないけれど、

感情というものを知りたくてQBを作ったんじゃないかな」

フェイトちゃんはそう言って、少しだけ悲しそうな表情を浮かべた。





QB。それは、破壊者なんかではなくて、ただの探求者。だったのかもしれない。

私はそんな事を考えながら、ほむらちゃんの眠る病室へと足を運んだ。

229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) :2011/05/31(火) 23:41:06.23



宇宙に寿命なんてなかったww

230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/31(火) 23:50:47.12

乙ー!ありがとー!!



>感情というものを知りたくてQBを作ったんじゃないかな

ああ、この仮定は面白いな

案外作った人は真面目に人間の社会性の根源を追求してたのかもしれないね

238 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/01(水) 23:04:54.90

  番外編

『理想郷』





「アヴァロン、じゃぁ射撃練習しようよ」

<何にする? 近距離、中距離、遠距離、複数射撃、偽装射撃、狙撃、精密射撃は基本だけど。どうする?マドカ>

「ん。じゃぁとりあえず、近、中、遠、狙、複、偽って順番でどうかな」

<それってとりあえずというより、全部やるってことでは?>

私はアヴァロンの疑問に頷く。

「もちろんだよ。頑張ってほむらちゃんより強くなるんだから」

<がんばるのは構いませんよ。無理は禁物ですからね?>

う~ん。

でもなぁ。





ほむらちゃんはめちゃくちゃレベル的には上なんだよね。

ほむらちゃん曰く、すぐにでも私より強くなれるって言ってたけれど。

さてと。

人が滅多に来ない公園のベンチに空き缶を置いて離れる。

「アヴァロン、距離は?」

<今は6m程。近距離圏内です>

よし。

「じゃぁ、行くよ」

服装はそのままで、アヴァロンが弓の形に変わる。

近距離射撃は、近くに攻撃するだけの単純なもの。

でも、近くの敵の傍に味方がいた時、

中距離、遠距離を使って敵を貫通して味方まで撃ちぬく可能性がなくもない。

つまり、近距離射撃の練習は私の魔力制御の特訓。

239 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/01(水) 23:05:20.94

「シュート!」

私が放った魔力の矢が、空き缶を突き抜けていく。

「今のは?」

<1.361mのオーバー。味方にあたりますよ?>

「うぐっ、細かくない?」

<味方を傷つけたくないでしょう?>

それはそうなんだけど……ミリ単位まで見なくても。

でも、確かに130cmは超えすぎたかな。





「じゃぁ、もう一度」

<頑張って>

「撃ち抜かず、体内で止める……」

<……え?>

「シュート!」

私の二回目の挑戦は、空き缶に直撃し、貫通することはなく、

私のピンク色の魔力が、空き缶に開いた穴から光って見えていた。

<誤差0です。やりましたね>

「うん。それで、アヴァロン」

<はい?>

「新技考えた」





私はそう言って微笑み、私の魔力が納まったままの空き缶を空に投げる。

「バースト」

私がそう呟くと、空き缶が爆発して欠片が飛び散る。

「どうかな?」

<必要ないから忘れてください>

「えー、かっこ良くない?」

<使う場面なんてありませんよ。敵が機動兵器とかなら解るけど>

「じゃぁ、保留にしておこうよ」

<なんで?>

「いずれ大技になるかも」

<夢は大きくても構わないけど、まずは基本を完璧にしようね?>

うぅ……デバイスに怒られた。

240 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/01(水) 23:05:48.00

「ところでさ」

<はぃ?>

「アヴァロンの感情とかってどうなってるの?」

<基本ベースは、ディザイアーです>

えっ?

あぁ。

でも、あの子もいいよなぁ。

<とりあえず、狙撃です。今、富士山の頂上に空き缶転送したので撃ち抜いて下さい>

「富士山?! 海鳴市からどれだけ遠いと思ってるの?!」

<たかだか、2百キロ程度ですよ。高さからしてみれば、ここプラス2千mくらいです>

「鬼教官!!」

<それで結構、それで実践において、貴女が苦しまないでいられるから>





「酷いよ、そこでそういうこと言うかなぁ。普通」

<生憎、普通じゃないんですよ。私>

ですよねー。

っていうか、これ、完全にディザイアーだよ。

基本ベースディザイアーって言うのは伊達じゃないよ……。

<さぁ、さっさと狙ってください。マドカ>

「はぁいって、空き缶がスコープのぞけば見えるって何事?!」

<私は、200万キロ圏内なら狙撃可能ですから>

「弓だよね?」

<弓です>

「スナイパーライフルの間違いじゃなくて?」

241 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/01(水) 23:06:18.26

<へ? スナイパーライフルがお好みならそれに変化でき……あ>

「え?」

……まさか?

まさか?

そうなの?

ねぇ。

「ねぇディザイアー」

<わ、私はアヴァロンですよ>

「へぇ、アヴァロンって強度あるからハンマーで叩いても平気なんだよね~」

<え? ちょ、止めて下さい!! ごめんなさい、嘘です。ディザイアーです!>

「まぁ、嘘なんだけど」

<図られた?!>

「なんで、アヴァロンの振りしてたの?」





<まーどーかー!!!!!!>

へ?

声の方向を見ると、ほむらちゃんがいた。けど。

今の声って。

「ほむらちゃんどうしたの」

「どうしたもこうしたもないよ。そこにいるディザイアーとかいうふざけたデバイスをいますぐ私に頂戴」

<ディザイアー! 室内で魔法使って散らかした挙句私のせいにするとは許せません!!>

あ、アヴァロン

<し、仕方ないんだって>

「何が仕方ないのか、なのはに対し語ってあげなよ」


242 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/01(水) 23:06:57.57

実は、私達は、海鳴市のなのはちゃんの家に泊まりに来ていたんです。

私は早朝特訓の為に家を出てきたんだけど……。

まさか、アヴァロンに扮したディザイアーと合流前に聞こえた騒音って。

「寝ぼけて武器化するデバイスは廃棄処分するから!」

<ちょっ、それは、ホムラが私に魔力を注いだからであってですね、私は別に……>

「いや、私はそんなことしてない!」

あらら、喧嘩始めちゃった。





<まどか、私ではないと気づけなかったんですか?>

「えへへ、だって、指輪の形になってたから」

<まったく、それで? 特訓はどうです?>

「狙撃しようかと」

<どこを?>

「富士山」

<そんな近場で良いんですか?>

「え?」

<私の射程は、200万キロですから、その程度なら近場です>

ディザイアーも嘘ではなかったんだ。





「さて、じゃぁ、狙撃練習しようか」

<そうですね、私もあの2人には関わりたくなくなってきました>

アヴァロンが呟く。

私達がいることなんて、もはや思考の外にある2人。

ほむらちゃんと、ディザイアー。

「いい加減にして」

<貴女がね>

「ふざけてる?」

<ふざけてる?>

「じゃぁ、100歩譲って私も悪いことにするわ。兎に角、なのはに謝りに……」

<いやいや、私が譲るわけで……あ>

「ええ。じゃぁ、ぜひとも譲ってもらって行こうか」

<はかったな!!>

243 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/01(水) 23:07:37.74

……漫才。

2人はそのまま、なのはちゃんの家へと帰っていく。

「終始私達は空気だったみたいだね」

<まったくですね。それにしても、楽しそうでした>

「まぁ、なんだかんだ仲良いんだよ」

<喧嘩するほど。と言うヤツですね>

「うん」



私はその後、普通に訓練を終えて、なのはちゃんの家に戻った。

結局、ディザイアーはお咎め無しって言うことにはならず、

丸一日喋っちゃいけない罰を与えられていた。

ほむらちゃんはなのはちゃんと一緒に部屋を片付けていて、

と言っても、ディザイアーがやっちゃったのは本棚の破壊。

本を片付ければすみ、あとはいつもののほほんとした時間になった。





「ねぇ、アヴァロン」

<なに?>

「これが私の理想郷」

<では、私はそんな貴女の笑顔が見られる世界が理想郷と言うことで>





絶対に失いたくないと改めて思った日だった。

253 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/03(金) 22:25:26.50



『番☆外☆編』





「ふぅ。疲れたわね」

家に帰って溜息とともに、ベッドへ倒れこむ。

私が動かなければ、物音1つしないこの家。

数年前は、お父さんが、お母さんが。

この家には居た。

家と言ってもアパートで、別に一軒家じゃない。

学校に行って、帰ってきて、魔女を倒しに行って。

そんな毎日は、1ヶ月前に終った。





暁美さん、佐倉さん、美樹さん、

フェイトさん、高町さん、ユーノさん、アルフさん。

考えてみれば、これは凄いことだと思う。

254 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/03(金) 22:29:48.28

暁美さんのお友達。

そう言っていた

フェイトさん、高町さん、ユーノさん、アルフさん。

この4人は実は異世界の人。

ワルプルギスの夜という強大な敵を倒した後聞かされて、

正直、QBの話より、信じられなかった。





けれど、ワルプルギス戦の翌日。

私達は、検査と言うことで、時空管理局というところへ連れて行かれた。

そこの周りは海のようなうねりがあるのに、

不思議な色をしていて、聞くと、次元の波。

そして、検査になった時、気づいた。

魔法によって発展した世界があるんだって


255 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/03(金) 22:38:49.41

検査後、暫くはそこで入院することになって、

私は色々聞きまわった。

時空管理局のこと。

魔法のこと。

見滝原以外の世界のこと。

そして、QBのことも……聞かされた。





QBは、私の大切な友達だった。

事故で死に掛けた私を助けてくれた。

その代わりに、魔法少女になったけれど、

それでも。

それでも良かった。

魔女との戦いに明け暮れる中で、

どうしても出来なくなった友達付き合い。

256 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/03(金) 22:44:52.93

次第にみんなは離れていってしまったけれど、

QBだけは傍に居てくれた。

孤独な私に話掛けてくれた。

魔法少女のことを話せる相手もいない。

いや。

佐倉さんが居たけれど、

どうしても敵対してしまっていた。

そんな時も、QBは私についててくれた。

けど、





そんなQBは……ロストロギアだった。

高町さんとフェイトさんが捕獲して封印したらしくて、

私達に伝えてきた。

魔女を生み出していたのも、QBだった……。

それでも……私は貴方を友達だって思ってる。

257 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/03(金) 22:55:04.96

ベッドの上で、

私は窓の外を見て、

机の上を見て……。

つい、QBを探していた。

いまでもひょこっと顔を出しそうな感覚。

でも、もう居ない。





QBのいる日常は終った。

魔女を探し続ける日常が終った。

そして、新しい日常が始まった。

私はヘヤピンを外して微笑む。

そのヘヤピンは、

私の持っていたソウルジェムと同じ輝きを放っていて、

そして。





<マイスターマミ? どうかしました?>

「ううん、なんでもないわ」

<学校から帰宅したらまずは着替えるんですよね>

「解ってるわ、今日はちょっと疲れてるから、ベッドに。ね」

私は苦笑していた。

258 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/03(金) 23:10:28.59

私以外に人は居ないのに、

会話する相手が居るから。

QBではなく、生き物ではない。

でも、生きてるように、喋る。

私の、大切な相棒。





始まった新しい日常は、この子と……。

鹿目さん、暁美さん、佐倉さん、美樹さん、フェイトさん、高町さん。

この6人の魔法少女達と。

魔女を狩るわけじゃなく、

この世界を守る為に……動く。





そんな日常。





<どうかしたんですか? 笑って>

「ふふっ、少しね、嬉しくて。

ううん、とっても嬉しいの」

<どうしてですか?>

それは……。





「貴女がいて、みんながいて……そこに、笑顔があるからよ」





私はそう言って微笑む。

すると、私のデバイスであるティロから笑い声が漏れる。

<そうですね、だから。この世界は守りましょう。絶対>

「ええ、そうね」

私は1人じゃないから。

みんなが、ティロが居てくれるから。





だから、私は頑張れる。





だから、今。

私は幸せだから、心配しなくて良いよ。

お母さん、お父さん。

私はその意味を込めた紅茶を、両親の仏壇に置いた。


262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/03(金) 23:44:59.66

イイハナシダナー(AA略

267 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 19:57:45.31

『番☆外☆編』



「「「えっ?」」」

ワルプルギスの夜を倒した私達。

平穏な日々に戻った見滝原……。

しかし、私たちが通う学校に事件が起きた。

杏子が、転入という形で私たちのクラスにきた。





「ど、どうも。佐倉杏子です」

少し恥ずかしそうに、

教卓の前で頭を下げる杏子。

思えば私も2か月前はあそこに立ったんだっけ……。

懐かしいわね。

≪貴女どうやって?≫

≪リンディさんが、根回ししてくれた。

中学にも通っていないのは可哀想だからって≫


268 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 20:03:22.18

少し離れた場所に座る杏子に、念話で聞く。

リンディさん。ね。

クロノの母親だったわね、確か。

でも、学費とかを肩代わりしてくれるなんて……。

良いのかしら。





そんな事を思いつつ、1時間目のHRが始まった。

「じゃぁ、席替えしましょうか」

え?

席替え?

そういえば、1ヵ月ごとにやるのよね……。

そうか、そう。

もう、あれから1ヵ月。なのね。

269 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 20:25:07.25

担任がクラスメイトよりはしゃぐ中、

私は窓の外を眺めていた。

転入して2ヶ月。

ワルプルギスの夜を倒してから1ヶ月。

いつの間にかそんなに時間が過ぎていた。





あの永遠に終らないって思いながらも、

戦い続けた1ヶ月は、もう。

2ヶ月前。

なんだか、不思議な感じがする。

いまだに、ループの中に居るんじゃないかって、

時々思う。

目が覚めたら全部夢で、

また、魔女が、QBが……いる。

270 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 20:31:51.72

そう思えて仕方が無い。

「暁美さん、くじ引いて」

「え?」

クラスメイトの声に、現実に引き戻されて、

くじを引く。

引いたくじに書かれた、『9』という数字。





「QB……ね」

≪どうかしたんですか?≫

「ううん、ただ。ただ。私はこれが夢でないことを願うだけなのかなって」

≪言ってる意味が解らないんですが≫

「今までのことが、夢なんじゃないかって。思うのよ」

≪愚者の考えですね≫


271 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 20:35:42.58

「え?」

≪過ぎ去った過去をいくら得ようとしても、

それは不可能なことです。時渡りでも出来ない限り≫

「えぇ……」

≪まぁ、貴女があの1ヶ月の中に、欲しいものがあるとは思えませんが、

この世界が夢だと思うのはなぜですか?≫





「それは……」

≪幸せすぎる、そう思っているのでは?≫

……。

「そうかもしれないわね」

全員のくじ引きが終わり、

黒板に書かれた座席に、

次々と名前が書かれていく。

272 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 20:41:04.74

今までの体験が、

私が幸せの中にあることを拒んでいて、

それを……幸せはないんだと、思おうとしてる。

≪良いですか? 貴女には幸せになる権利がある。

この世界が夢ではなく、現実だと。

現実であると認識する権利がある≫

「どうして?」





≪それは、貴女が今までどれだけ自分の幸せをかき消し、

涙を、笑顔を……感情を押し殺してきたか。

それが答えです≫

……。

私の左隣は、まどか。

前はさやかで、

右は杏子……。

後ろは仁美……か。

273 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 20:49:49.10

黒板の座席は、そうなっていた。

「これって、現実?」

≪ええ、現実です≫

「……そう」

≪なんですか?≫





「なのは達は、元気にやってるのかしらね」

≪そういえば、1週間ほど会っていませんね≫

「今度、会いに行こうかしら」

≪良いんじゃないですか?≫

ディザイアーの機械的な声が頭に響く。

274 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/04(土) 20:54:19.96

「ほむらちゃん!」

「なに?」

まどかに呼ばれて、左側を見ると、

まどかの笑顔がそこにあった。

「なのはちゃん達に会いに行くの?」

「ええ。明日は土曜日だし」

「私も行って良い?」





「ええ、良いわよ」

私はそう言って微笑む。

この世界が現実。

私が追い続けた、理想の世界。

理想、夢だった世界が、今の私達が生きる世界。





「私はこれだけで……幸せよ」

ディザイアーも――

≪独り言多すぎなんだけど。頭大丈夫ですか、ホムラ?≫

≪貴女がいなければ大丈夫よ!!≫

はぁ……でも。

これが、平凡ってものなのよね。きっと。

276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) :2011/06/04(土) 21:15:16.51

ほむほむはマジで幸せになっていいよね


307 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/05(日) 18:01:53.37

『★番☆外☆編★』



<はぁ、めちゃくちゃ暇>

<まぁ、検査なんてそんなものです>

<だけどさぁ。空中にぷかぷか浮かんでるだけだよ?

暇だよ暇だよぉ!!>

私達は今、定期健診の真っ最中。

2週間に一度くらい行われるんですが。

正直、暇、だるい、暴れたい。

308 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/05(日) 18:02:39.81

<ねぇ、ディザイアー>

<なに?>

<ほむらって、何が好きなのかな>

<さぁ、最近はファッション雑誌読んでるの見たけど……>

<そうじゃなくて……>

アヴァロンが困ったように言う。

いやまぁ、何が言いたいかは解るけど、

そこはやっぱ、知りません的な?





<アヴァロンは、ほむらの趣味が知りたいのでは?>

<グングニール。空気読もうよ>

<ん? 何か駄目だったか? だったらすまない>

<いや、別に>

<なっ?! ディザイアー!!>

ホムラの趣味。ねぇ。

っていうか。

真面目に趣味なんかあるの?

あの人。

309 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/05(日) 18:03:10.22

<ほむらさんといえば、コーヒーじゃないですかぁ?>

<あぁ、確かに。飲み物の半分がコーヒーだ>

ティロの言葉に同意して付け足す。

冷蔵庫にブラック、無糖、微糖、激甘、中甘。

そういえば、激辛コーヒーって言うのがあったなぁ。

確か、サヤカ用だったっけ。

<コーヒーか……>

<でも、急にどうした? アヴァロン>

<それが、まどかがほむらちゃんの趣味って何なんだろう。

物凄く気になるって言っていたので>

へぇ。





<じゃぁ、今度聞いておこうか?>

<お願いできますか?>

<ディザイアーにお願いしても――>

<おだまり、エクスカリパー!>

<パーではなく、バーです!>

検査室に、私達の笑い声が響く。

う~ん。

ホムラの趣味。

そういえば、この前何か言ってた気もしなくもない。

でも、思い出せない。

310 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/05(日) 18:03:38.41

<そういえば、グングニール>

<ん?>

<アレはどうなったの? あの話>

私は気になったあのことについて聞く。

アレ。とは、

キョウコが、ハラオウン家の養子になるかどうかって言うこと。

この前、ホムラの学校に転入してきたみたいだけれど……。

<どうだろうか。私が口出しすべきことではないだろう>

<そうですが、杏子さんはどうするんでしょうね>

ティロが嬉しそうに言う。





こういう情報が、ティロは好きなのよね。

なんだっけ?

マミと話す内容が欲しいだとか。

<まぁ、きっと承諾するんじゃない?>

<どうしてそういえるの? ディザイアー>

<だって、キョウコは、家族の暖かさが好きでしょ?

それに、サヤカの家にいつまでも。そういうわけには行かないって事。

しかも、すでにハラオウン家に引越しているんでしょう?>

私が聞くと、「その通り」と、グングニールが言う。


311 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/05(日) 18:05:10.55

<たまには、私達だけの会話って良いよね~>

<そうかな、ディザイアーはほむらといるほうが楽しそうだよ?>

は?

エクスカリバーは何言って……。

<うん、私もそれは同意見かな>

アヴァロンまで……。

<馬鹿なこといわないでよ。私は別に……>

<別にぃ?>

うっ、なっ……視線がないのに、視線を感じる。





<べ、別にホムラなんか好きじゃないんだからね! か、勘違いしないでよね!>





<いや、そのテンプレはない>

<うん。右に同じ>

<私も、右に同じです>

えぇぇぇ……。

<結構いけたと思ったのに>

<ないない>

そして、

マスターたちが入ってきた。

312 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/05(日) 18:06:29.30

「みんな、お疲れ様!!」

<マイスターマミ!!>

「ふぅ、グングニール。調子は?」

<問題ありません>

「エクスカリバーは?」

<私も問題ないです>

「……貴女は?」

<私ですか? ホムラの胸より完璧です>

「なっ?! 貴女ねぇ!!」

<ふふっ、事実じゃないですか>





私は確かに……。

ホムラ、貴女がお気に入りです。

貴女といて楽しいです。

だから、私は貴女のこの世界を守りたいという願いを、

貴女がくれたこの名に誓って、

叶え続けて見せますよ。

313 : ◆LFImFQtWF6 :2011/06/05(日) 18:07:27.46

デバイス達の会話でしたorz

なんていうんだろう。



駄文ですね(笑


319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/06/05(日) 23:07:42.57

お疲れ様でした。

320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/05(日) 23:08:00.59

乙!

322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/06/06(月) 19:31:21.19

乙狩れ!!

A′s 頑張ってぐたさい 応援してます!

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とあるSSの訪問者

そういえば魔女はどうなったんですか?

とあるSSの訪問者

これなんて魔改造もの。在りし日のスパシンものに通ずるものを感じる
(要約:普通にオリ主でやれよ)

あと冷静に考えてAAAランク相当のBJが持ち運べる程度の爆薬や普通の刀で傷つくわけないよね。


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