- 1: 2013/03/06(水) 20:07:23.93 ID:h/lJRqexO
- 犬子「ごしゅじんさま! さんぽ! さんぽ!」ユサユサ
男「う……ん」
犬子「ごしゅじんさま! ごしゅじんさま!」ユサユサ
男「うるさい……」ゴロン
犬子「……」
- 6: 2013/03/06(水) 20:09:35.96 ID:h/lJRqexO
- テテテ
犬子「ごしゅじんさまっ」
男「んー……」ゴロン
犬子「……」
テテテ
犬子「おきて!」
男「寝かせてくれ……」ゴロン
犬子「……にひひ」 - 8: 2013/03/06(水) 20:11:48.10 ID:h/lJRqexO
- 犬子「ごしゅじんさま!」ダダッ
男「……」ゴロン
犬子「あさ!」ダダッ
男「……」ゴロン
犬子「さんぽさんぽ!」ダダダッ
男「…………」
犬子「はやく! さんぽ!さんぽ!さんぽ」ダダダダダダ - 9: 2013/03/06(水) 20:14:20.18 ID:h/lJRqexO
- 男「…………」モゾ…
犬子「あははは! さんぽ!さんぽ!」ダダダダダダダダ
犬子「……わう?」
男「zzz……」
犬子「ごしゅじんさま?」ユサユサ
男「zzz……」
犬子「ごしゅじんさまってばー」ユサユサ
男「zzz……」
犬子「むーっ」 - 11: 2013/03/06(水) 20:17:45.98 ID:h/lJRqexO
- 犬子「ごーしゅーじーんーさまー」ユサユサ
男「zzz……」
犬子「おきてよー」ボフボフ
男「zzz……」
犬子「いっしょにあそんでよー」ボフボフ
男「…………」
犬子「つまんないつまんないつまんないつまんない」ボフボフボフボフボフボフ
男「うるさいっ」ベシッ
犬子「きゃうんっ」ドテッ - 12: 2013/03/06(水) 20:19:32.02 ID:h/lJRqexO
- 男「日曜ぐらい寝かせろよ……」モゾ
犬子「……」
男「……」
犬子「わうっ」ガバッ
男「……」
ベシッ
犬子「きゃんっ」ゴロン
犬子「……えへへ」 - 14: 2013/03/06(水) 20:21:59.49 ID:h/lJRqexO
- 犬子「わうんっ」ガバッ
ベシッ
犬子「きゃんっ」ゴロン
犬子「えへへ……!」
犬子「ごしゅじんさま!」ガバッ
男「……っ」ブンッ
犬子「おっと!」ササッ
犬子「てや!」ボスンッ
男「うおっ!?」 - 16: 2013/03/06(水) 20:26:10.23 ID:h/lJRqexO
- 犬子「ごしゅじんさまごしゅじんさまー!!」スリスリスリスリ
男「こらっ、やめろ……って」
犬子「んん~! ごしゅじんさま、いいにおい……」クンクンスリスリ
男「…………わかった、わかった! 俺の負けだ!」
犬子「んー?」スリスリ
男「朝飯作るから、どいてくれ」
犬子「ごはん!?」ピクッ
男「ああ、散歩はその後だ」
犬子「さんぽにごはん! やたー!」ピョン - 17: 2013/03/06(水) 20:28:20.31 ID:h/lJRqexO
- 男「あー、目玉焼きとソーセージでいいか」
犬子「わん!」
男「犬子」
犬子「わん!」
男「くっつかれると料理ができない」
犬子「わう?」
男「お座り」
犬子「?」
男「……はぁ」 - 19: 2013/03/06(水) 20:30:38.59 ID:h/lJRqexO
- ジュージュー
犬子「ごしゅじんさま!」
男「なんだ」ジュー
犬子「できましたか!?」
男「まだだ」
犬子「あとどれくらいでごはんですか!?」
男「もう少しだ。だから大人しく待ってような」
犬子「はい!」
犬子「もうできましたか!?」
男「まだだ」 - 22: 2013/03/06(水) 20:37:07.88 ID:h/lJRqexO
- 男「できたぞ」コト
犬子「いいにおい!」クンクン
男「いただきます」
犬子「ます!」
犬子「はぐっ、はむっ、モグモグ……」
犬子「んんー!! おいしい!」
男「犬子、ちゃんとフォーク使え。ポロポロこぼしてるじゃないか」
犬子「わう、ごめんなひゃい」モグモグ
男「謝るか食べるかどっちかにしなさい」
犬子「はぐはぐ……」
男「食べるんかい」 - 24: 2013/03/06(水) 20:41:58.27 ID:h/lJRqexO
- 犬子「わぅ、おなかいっぱいぃー」
男「小さいくせによく食うな」
男「……あ、こら。また口の周りに米粒つけて」
犬子「?」
男「犬食いするから……ほれ」
犬子「ん……はむ」
男「! ……犬子」
犬子「なんれひゅ?」
男「指舐めるの止めろ」
犬子「んー」ペロペロ - 26: 2013/03/06(水) 20:45:15.86 ID:h/lJRqexO
- 男「止めないと散歩はなし」
犬子「わうっ」チュポ
男「お前、わざと口の周りに米粒くっつけてるだろ」
犬子「?」
男「…………まぁいいや」
男「なんでそんなに俺の指舐めたがるんだ?」
犬子「だって、ごしゅじんさまいいにおいするから……」
男「お前は俺を食べようとしてたのか」 - 28: 2013/03/06(水) 20:49:21.57 ID:h/lJRqexO
- 犬子「た、たべないよ! ただ、ごしゅじんさまのにおいをクンクンすると、スリスリしてペロペロしたくなるの」
男「…………」
犬子「……イヤ?」
男「におい嗅ぐのと頬摺りは少しならいいだろう」
犬子「!」パァァ
男「だが舐めるのは駄目だ」
犬子「!」ガーン - 30: 2013/03/06(水) 20:51:32.55 ID:h/lJRqexO
- 犬子「わぅぅ……」シューン
男「……」
男「さ、片付けて散歩行くかな」
犬子「! さんぽ! いく! はやく!」ガタッ
犬子「ごしゅじんさま! はやく!はやく!」ガチャガチャガチャガチャガチャ
男「落ち着け。片付けてからだ」 - 32: 2013/03/06(水) 20:56:42.31 ID:h/lJRqexO
- 男「よし、洗い物終わり」
犬子「ごしゅじんさま!」
男「わかってるって」
男「……犬子」
犬子「わん!」
男「散歩に行く時はちゃんと準備しろって言ってるだろ」
犬子「う……」
男「ちゃんとした服着て、靴下履いて、靴履いて」
犬子「うう……あれキチキチしてていやなのに」 - 34: 2013/03/06(水) 20:58:32.45 ID:h/lJRqexO
- 男「犬子」
犬子「……わん」
男「よし、いい子だ」ナデナデ
犬子「……えへへ」
男「さ、準備して出かけよう」
犬子「わん!」 - 36: 2013/03/06(水) 21:02:12.42 ID:h/lJRqexO
- ……
犬子「あはははは! ごしゅじんさま! はやくはやく!」タタタ
男「おい、犬子ー!」
犬子「あはは! かぜがきもちいい! おひさまがきもちいい!」ピョンピョン
男「……嬉しそうだな」
犬子「ごーしゅじーんさまー!!」ブンブン
男「……」
男「お前足速すぎなんだって!」タタタ - 37: 2013/03/06(水) 21:06:29.27 ID:h/lJRqexO
- 犬子「ごしゅじんさま! ごしゅじんさま!」ピョンピョン
男「なんだ? 犬子」
犬子「ほら! そら!」
男「今日はいい天気だな」
犬子「そら! あんなにたかい!」ピョンピョン
男「そうだな」
犬子「すごいね!」ピョンピョン
男「すごいな」ナデナデ - 39: 2013/03/06(水) 21:10:35.04 ID:h/lJRqexO
- 犬子「クンクン」
犬子「クンクン」
男「さっきから何してんだ?」
犬子「クンクンしてるの」
男「それはわかる。何を嗅いでるんだ」
犬子「くさのにおいとか、きのにおいとか」
男「ふんふん」
犬子「かわのにおい、くものにおい、おひさまのにおい。あとー」
男「ただクンクンしてるだけでそんなにわかるのか」
犬子「あと、はるのにおい」
男「それはすごいな」 - 40: 2013/03/06(水) 21:15:04.78 ID:h/lJRqexO
- 男「ただいまー」
男「犬子?」
犬子「うう……もっとさんぽしたい」
男「ワガママ言うな。何時間散歩させる気だ」
犬子「わう……」シュン
男「おかえり、犬子」
犬子「!」
犬子「た、ただいまです!」 - 41: 2013/03/06(水) 21:17:35.54 ID:h/lJRqexO
- 男「はー、疲れた」
犬子「クンクン」
男「……犬子、何やってんだ」
犬子「ここからごしゅじんさまのにおいが」
男「靴を嗅ぐのだけはやめろ」
犬子「えー!?」
男「駄目ったら駄目だ!」 - 44: 2013/03/06(水) 21:24:15.27 ID:h/lJRqexO
- 男「さて、昼飯の準備でも……」
犬子「んーっしょ!」ヌギッ
男「ああっ、こら! 服が伸びるだろ」
犬子「でも……」
男「窮屈なのはわかった。言えばちゃんと脱がしてやるから」
犬子「わう」
男「はい、手を上に上げて」
犬子「わう」
男(何やってんだろうな、俺)
犬子「んー」スポーン - 47: 2013/03/06(水) 21:28:59.50 ID:h/lJRqexO
- 犬子「わーい! らくちんらくちん!」タタタ
男「ちゃんと部屋着着ろよ」
犬子「あははは!」タタタ
男「……はぁ」
犬子「あはははは!」
男「犬子」ガシッ
犬子「はぐっ!?」
男「部屋着、着ろよな?」
犬子「わ、わぅ」
男「よろしい」 - 48: 2013/03/06(水) 21:32:43.57 ID:h/lJRqexO
- 男「人間の生活に徐々に慣れていかないと駄目だぞ」
犬子「くーん……」モゾモゾ
男「箸はまだ無理にしろ、スプーンとフォークぐらいは早く使えるようにならないとだし」
犬子「……」ショボン
男「……」
ワシャワシャワシャワシャ
犬子「わ!? わう!?」
男「頑張ろう、な」
犬子「…………わん!」 - 49: 2013/03/06(水) 21:39:51.87 ID:h/lJRqexO
- ……
男「ふう、流石に疲れたな。今朝もあまり寝れなかったし」
犬子「ムニャ……ごしゅじんしゃま……」
男「犬子もはしゃぎ疲れて寝ちまったし、俺も寝直すかな」
グイッ
男「ん?」
犬子「すぅ、すぅ……」キュ
男「……」
男「はぁ、仕方ないな」 - 53: 2013/03/06(水) 21:42:48.76 ID:h/lJRqexO
- ……
犬子「…………ん、なんだか……いいにおい」
犬子「それに……あったかい」
犬子「ん? あれ、ごしゅじんさまだ……」
男「zzz……」
犬子「これ、ごしゅじんさまのふとん……?」
犬子「……」
犬子「……んふふ。ごしゅじんさまぁ」
ペロ - 58: 2013/03/06(水) 21:45:59.00 ID:h/lJRqexO
- 犬子「やっぱりごしゅじんさまやさしい」ペロ
犬子「クンクン……やさしい、いいにおい……」
犬子「ごしゅじんさま」ペロペロ
犬子「ごしゅじんさま、すき、すき」ペロペロ
男「う、うーん……」
犬子「すき、すき!」ギュー
ペロペロペロペロ
男「く、くるしい……」 - 60: 2013/03/06(水) 21:50:06.87 ID:h/lJRqexO
- 男「舐めるのは駄目って言ったろ」ベトベト
犬子「……わぅ」シューン
男「ったく、おかげでうなされちまっただろうが」
犬子「……わふ」ショボン
男「罰として風呂掃除な」
犬子「わう!?」ビクッ
男「返事」
犬子「わん……」 - 61: 2013/03/06(水) 21:55:38.97 ID:h/lJRqexO
- 男「ちゃんとやれよ」
犬子「ごしゅじんさま、たまにいじわる……」ゴシゴシ
男「意地悪じゃない。俺は約束に関しては厳しいんだ」
犬子「やくそく?」
男「手を休めるな」
犬子「わう!?」ゴシゴシ
男「俺は約束は守る。だからお前の事も見捨てない」
犬子「……」ゴシゴシ
犬子「わん!」 - 63: 2013/03/06(水) 22:00:33.87 ID:h/lJRqexO
- 男「ご苦労さん」
犬子「うう……てからキツいにおいが……」ツーン
男「洗剤な。犬子にはちゃんと酷だったか」
ピピピ
男「お、風呂が沸いたな。ほら犬子、洗ってやるから来いよ」
犬子「! わん!」 - 66: 2013/03/06(水) 22:05:40.10 ID:h/lJRqexO
- ワシャワシャ
犬子「わう!?」ビクッ
男「しっかり目ぇ瞑ってろよ。しみるぞ」
犬子「~っ」ギュ
男「はは。この調子じゃいつ一人でシャンプーできる日が来るやら」
犬子「犬子はずっとごしゅじんさまにあらってもらうからいいです!」
男「毎日仕事から帰ってきてシャンプーする身にもなれよ」
犬子「ううーっ」 - 69: 2013/03/06(水) 22:11:28.37 ID:h/lJRqexO
- 男「流すぞ」
犬子「っ」ビクッ
ザパー
犬子「んー!」プルプルプル
男「ぶはっ!? 犬子!」
犬子「わふ?」
男「俺にお湯がかかったろうが!」ムニッ
犬子「あふっ、ごめんなひゃいぃひ」ムニー
男「はぁ、犬の習性かな」パッ
犬子「うう……」ヒリヒリ - 72: 2013/03/06(水) 22:17:44.83 ID:h/lJRqexO
- ザパー
犬子「ふいー」
男「のぼせるなよ」
犬子「わうー……」
男「聞こえてないな。犬って風呂嫌がるんじゃないっけか」
犬子「あー……」
男「……まぁいいや。体洗おう」
男「うえ、体中涎でベトベトだ……」ゴシゴシ - 74: 2013/03/06(水) 22:22:28.42 ID:h/lJRqexO
- ザパーン
男「やっぱ狭いな。犬子上がれよ」
犬子「せまくていいの!」
男「なんでだよ。足伸ばせねーだろ」
犬子「犬子、ごしゅじんさまといっしょのおふろだいすきです!」
犬子「ごしゅじんさまぁ」ギュー
男「うおっ、やめろっ。全っ然寛げねぇ! 犬子やっぱあがれ!」
犬子「イヤー!」ギュー - 77: 2013/03/06(水) 22:27:14.59 ID:h/lJRqexO
- ザパー
男「ようやく落ち着いたな」
犬子「そんなにいやがらなくてもいいのに」
男「犬子、お前は風呂の楽しみ方を全然わかってない」
犬子「わう?」
男「いいか? 風呂っていうのはな、1日の疲れを落とす場所なんだ。体の汚れと共に疲れを流し、お湯にゆっくり浸かって体の凝りを溶かす。わかるな?」
犬子「???」
男「うん、今度温泉いこう」 - 79: 2013/03/06(水) 22:31:16.47 ID:h/lJRqexO
- 犬子「よくわからないけど、犬子、おふろはごしゅじんさまとぴったりくっつけるばしょだとおもってた」
男「それはそれは。盛大に勘違いしてたな」
犬子「ごしゅじんさま」
男「なんだ」
犬子「おふろのほかに、ごしゅじんさまとはだかでくっつけるところってどこ?」
男「そんな場所はこの世に存在しない」
犬子「わふー」ショボン - 81: 2013/03/06(水) 22:36:24.14 ID:h/lJRqexO
- ……
犬子「わうんっ」ボスンッ
男「犬子、パジャマ着ろパジャマ」
犬子「わん!」バンザイ
男「……お前も偉くなったもんだな」
男「主人を使おうなんてなッ」コチョコチョ
犬子「ひゃ!? ごめ! ごしゅじんっあははは! ゆるして!」バタバタ
男「いいや許さん! 今日という今日は誰が飼い主か思い知らせてやる!」コチョコチョ
犬子「あひ!? あはは!!」ジタバタ - 83: 2013/03/06(水) 22:39:10.06 ID:h/lJRqexO
- 犬子「は……はひ」ビクッ
男「これに懲りたら少しは俺を敬うように」
男「さて、寝るかな」モゾ
犬子「んー」モゾ
男「さり気なく俺の布団に入ってくるな」グイッ
犬子「あうっ」バタバタ - 86: 2013/03/06(水) 22:43:31.56 ID:h/lJRqexO
- 犬子「犬子もいっしょにねる!」ブンブン
男「犬子の布団はそっちだろ」
犬子「うー……おひるはいっしょにねかしてくれたのに」
男「あれは犬子が俺の服を握ったまま寝たから仕方なく」
犬子「じゃあ犬子ごしゅじんさまにだきついたままねるもん!」ギューッ
男「おいこら犬子!」
犬子「犬子はもうねました!」
男「……」
男「だからパジャマ着ろって」 - 89: 2013/03/06(水) 22:49:30.80 ID:h/lJRqexO
- 犬子「すー……すー……」
男「本当に寝ちまったよ」
犬子「ん……ごしゅじんさまぁ…………」
男「はぁ、我ながら賑やかな奴を拾ったもんだ」
パサッ
男「おやすみ。風邪ひくなよ」 - 90: 2013/03/06(水) 22:55:02.82 ID:h/lJRqexO
- …………
男「ただいま」
猫子「……」
男「……ただいまくらい言えよ」
猫子「ふんっ」プイ
グー
猫子「あ……っ」
男「……はは、そうか、腹が減って不機嫌だったんだな」
猫子「ち、ちがっ」
男「よしよし、今晩飯にするからな」ナデナデ
猫子「さ、触んないでよ!」 - 93: 2013/03/06(水) 22:58:22.48 ID:h/lJRqexO
- トントントントン
猫子「……」ピクッ
ジュー
猫子「……」ムズムズ
猫子「……」チラッ
「もうちょっと待っててなー」
猫子「! べ、別に待ってなんかないわよ!」
「はいはい」 - 96: 2013/03/06(水) 23:02:38.59 ID:h/lJRqexO
- 男「ほい、お待ちどう」コト
猫子「だから待ってないってば」
男「はいはい。いただきますっと」
猫子「ちょっと! 無視しないでよ!」
男「んむ、なかなかうまく出来たな」
猫子「……そう、良かったじゃない」
男「おう。お前も早く食え」
猫子「ふんっ」プイ
男(あれ、またへそ曲げたか) - 99: 2013/03/06(水) 23:05:47.74 ID:h/lJRqexO
- 男「なぁ、お前の分も用意したし、一緒に食おうぜ」
猫子「いらないわ」コロン
男「そう言わずに」
猫子「人間から受ける施しなんてないわ」
男「……」
男「でも、このままだとこの晩飯が可哀想だ」
猫子「……」ピク - 100: 2013/03/06(水) 23:08:52.22 ID:h/lJRqexO
- 男「一番美味い時に食ってもらえないなんて、可哀想じゃないか?」
猫子「……」
男「な、この炒めしを助けると思ってさ」
猫子「……」
猫子「仕方ないわね」ムク
男「恩に着るよ」
猫子「ふ、ふん」プイ
男(尻尾が揺れてる。やっぱり腹減ってたんだな) - 102: 2013/03/06(水) 23:12:57.33 ID:h/lJRqexO
- 猫子「……いただきます」
男「召し上がれ」
猫子「はむ。!?」
猫子「あひゅ!? あっひゅい!!」
男「あ、そういえば熱いの駄目だったっけ」
猫子「あっ……はー!」プルプル - 104: 2013/03/06(水) 23:16:39.90 ID:h/lJRqexO
- 猫子「あ、アンタ謀ったわね!」ブルブル
男「ごめんって! マジで猫舌って事忘れてたわ」
猫子「…………私に関する事忘れてんじゃないわよ」ボソッ
男「猫子……?」
猫子「あーん」
男「え」
猫子「私を嵌めた罰よ! 私が食べれる温度まで冷まして食べさせなさい!」
男「……」 - 105: 2013/03/06(水) 23:19:20.79 ID:h/lJRqexO
- 猫子「ほ、ほら早くなさい!」
男「……はいはい、わかりましたよ」フーフー
男「ほら、あーん」
猫子「あむっ。モグモグ」
猫子「あー」
猫子「あむっ。モグモグ」
男(尻尾が揺れてる。どうやら機嫌を損ねずに済んだらしい) - 121: 2013/03/06(水) 23:59:21.65 ID:h/lJRqexO
- 男「ごちそうさま」
猫子「……」
男「……ごちそうさまも言おうぜ」
猫子「ふん」プイ
男「……はぁ」
男「どうだ、うまかったか?」
猫子「舌がヒリヒリしてよくわからなかったわ」
男「そうか」
男(尻尾が揺れている。うまかったって事かな)
猫子「……なによ」
男「ん、なんでもない」
猫子「……ふん」プイ - 123: 2013/03/07(木) 00:04:51.15 ID:JMLV18BlO
- 男「さて、片付けるかな。猫子、先風呂入っちまえよ」
猫子「……」コロン
男「……入れよなー。確かに言ったぞ」
猫子「……」
男「……」
男(黙っておこう。尻尾が揺れる度にスカートが捲れてパンツが見える事は黙っておこう) - 124: 2013/03/07(木) 00:07:18.58 ID:JMLV18BlO
- ジャー
猫子「……」
カチャカチャ…ジャー
猫子「……」チラッ
猫子「……」
猫子「んー……」ノビー - 126: 2013/03/07(木) 00:10:14.89 ID:JMLV18BlO
- …………
男「あがったか」
猫子「……」プイ
男「じゃ、俺も入るかな」
猫子「……」
男「あ、そういえばずっと疑問だったんだけど、猫って水被るの嫌いじゃないっけか」
猫子「……」
猫子「私をそこいらの猫と一緒にしないでくれる」
男「わ、悪い……」 - 127: 2013/03/07(木) 00:15:20.61 ID:JMLV18BlO
- <ザパー
猫子「猫は綺麗好きなのよ」フキフキ
猫子「……そりゃ、湯船に浸かるのは嫌だけど」フキフキ
猫子「……ふぅ、さて……っと」
カラカラカラ…
猫子「出掛けようかしら」 - 129: 2013/03/07(木) 00:17:56.86 ID:JMLV18BlO
- 男「はー、さっぱりした」
男「あれ、猫子?」
男「……またか。夜行性なのは猫らしいっちゃらしいが」
男「……よし」 - 130: 2013/03/07(木) 00:22:59.15 ID:JMLV18BlO
- …………
猫子「……」
「キミ! 子供が外出していい時間じゃないぞ!」
猫子「!」ビクッ
男「なんて、な」
猫子「……なんのつもり?」
男「迎えに来た。帰るぞ」
猫子「……」ザッ
男「おい」ガシッ
猫子「触らないで!」ブンッ - 133: 2013/03/07(木) 00:28:48.30 ID:JMLV18BlO
- 男「猫子……」
猫子「私の事は放っておいて頂戴」
男「……」
男「断る」
猫子「……え」
男「他の猫はどうか知らないが、俺はお前をそこいらの猫と同じく扱うつもりはない」
男「猫子は俺の家族だ。だから、夜の一人歩きは許さない。……心配なんだ」
猫子「……」 - 134: 2013/03/07(木) 00:31:12.70 ID:JMLV18BlO
- 男「ほら、帰るぞ」
猫子「……っ」タタッ
男「猫子!」
男「く……速すぎだろ」 - 135: 2013/03/07(木) 00:34:50.62 ID:JMLV18BlO
- …………
チュンチュン
男「朝……か」
男「全然眠れなかったな……いつ寝たかも…………」
猫子「くぅ……くぅ……」
男「! 猫子!?」
男「……心配させやがって」ナデ
猫子「くぅ……」キュ - 137: 2013/03/07(木) 00:40:24.19 ID:JMLV18BlO
- 男(その夜以来、猫子は夜に部屋を抜け出す事をやめた)
男(代わりに、俺の布団の上で眠るという「変な寝相」が身についた)
猫子「……なによ」
男「なぁ、なんで毎朝俺の布団の上に乗っかってるんだ?」
猫子「……寝相よ」
男「わざとじゃ」
猫子「寝相」
男「無意識下で俺んとこにくるぐらい寂しいのか?」
バリッ - 139: 2013/03/07(木) 00:43:26.89 ID:JMLV18BlO
- 猫子「引っ掻くわよ」
男「ひっかいてから言うな!」
猫子「ふんっ」プイ
男(素っ気なくしながらも、猫子は今日も俺の布団の上に乗る)
男(まるで「ここが自分の居場所だ」と主張するかのように)
男「な、一緒に寝るか?」
猫子「……」ピク - 141: 2013/03/07(木) 00:52:10.35 ID:JMLV18BlO
- …………
カチャカチャ
犬子「!」ピクッ
「かえったぞー」
犬子「ごしゅじんさ……うっ」
男「おう、犬子ぉ、ただいまぁ」
犬子「ごしゅじんさま……くさい」
男「臭いだとぉ? 主人に向かって臭いたぁ何事だ!」ガシッ
犬子「きゅうん……」プルプル
男「ういっ……ぶぁはぁ~」 - 145: 2013/03/07(木) 00:59:01.37 ID:JMLV18BlO
- 男「飲んでんだから酒くさいのはったりめーだろォ」
犬子「わ、わかったからはなれてよぅ」バタバタ
男「んだ犬子、冷てぇな」グイッ
犬子「うう……きょうのごしゅじんさまへん……」プルプル
男「ん? そういやこの耳……」サワ
犬子「ふぁ……っ!?」ピクッ
男「んー、いい気持ちだ」サワサワ
犬子「きゅ……くぅぅんっ」ビクビク - 148: 2013/03/07(木) 01:07:08.74 ID:JMLV18BlO
- 男「前から気になってたけど、身体の造りどうなってんだ?」サワサワ
犬子「き、気になってたの?」ピクッビクッ
男「そりゃあ気になるだろー」
犬子「そ、そっか。えへへ……ごしゅじんさま犬子にきょうみないとおもってた」
男「お、その笑顔かわいいな! ちゅーしちゃお」
チュ
犬子「!」 - 149: 2013/03/07(木) 01:10:06.93 ID:JMLV18BlO
- 男「んー」チュッチュッ
犬子「!? !?」
犬子(なにこれ……なんだか……アタマがとろけて…………)
男「犬子はかわいいな~」チュッチュッ
犬子(これ……きもちい…………)
チュッチュッチュッチュッ
…… - 153: 2013/03/07(木) 01:15:36.64 ID:JMLV18BlO
- …………
男「くかーっ! くかぁーっ!」
犬子「はぁ……はぁ……!」ドキドキ
犬子「や、やっとおわった……」ドキドキ
犬子「やっぱりきょうのごしゅじんさまはへんだ。犬子にはペロペロするなっていってたのに、ごしゅじんさまがペロペロしてくるし!」ドキドキ
犬子「ふぁ……きもちよかったな……」ドキドキ
犬子「……」チラッ
男「んぐーっ」
犬子「なんだろう、このきもち」ドキドキ - 156: 2013/03/07(木) 01:18:56.27 ID:JMLV18BlO
- 男「ぐー」
犬子「……」ドキドキ
男「ぐー」
犬子「……」ドキドキ
犬子(ねむれない。こんなこといままでなかったのに)
犬子「ごしゅじんさま」
男「ぐー」
犬子「……」ドキドキドキドキ - 157: 2013/03/07(木) 01:22:21.30 ID:JMLV18BlO
- …………
男「うう……ん」
男「うえ……具合悪。飲み過ぎたか」ムク
男「今何時だ? 12時? おかしいな、いつもなら犬子が5時くらいから騒いで……」
犬子「くぅ、くぅ」
男「……珍しい。犬子が寝過ごすとは」
犬子「ごしゅじんさま…………くぅ、くぅ」 - 162: 2013/03/07(木) 01:30:34.18 ID:JMLV18BlO
- ピンポーン
猫子「……」ピク
『ヤマト運輸ですー!』
猫子「……」
ピンポーン
猫子「……」
カタン
猫子「……ふぅ」 - 163: 2013/03/07(木) 01:33:17.31 ID:JMLV18BlO
- 猫子「……」コロン
猫子「……ふぅ」
キーンコーンカーンコーン
猫子「……んっ」ノビー
猫子「……くはぁ」クテ - 165: 2013/03/07(木) 01:36:38.54 ID:JMLV18BlO
- 猫子「……」
カンカンカン…
猫子「!」ピクッ
カチャカチャ
男「ただいまー」
猫子「……」
男「猫子、ただいま」
猫子「……」ピクッ
男(尻尾が揺れた。きっと、心の中では返事をくれているんだと思う) - 166: 2013/03/07(木) 01:40:38.09 ID:JMLV18BlO
- ……
男「猫子は日中出掛けたりしてないのか?」
猫子「……」ピクッ
男「いや、普段何してるのか気になってさ」
猫子「……出歩くなって言った癖に」ムスッ
男「あれは夜の話だろ。日中だったら危険も少ないだろうし」
猫子「人間は、ね」
男「…………」 - 168: 2013/03/07(木) 01:46:02.03 ID:JMLV18BlO
- 猫子「…………モグ」
男(俺と会うまでに猫子はどんな目にあったのだろう)
男(温かい室内から寒空の下に捨てられ、どんな地獄を見て、どんな傷を負ったのだろう)
猫子「…………なに」
男「……いや」
男「今度、一緒に出掛けるか」
猫子「貴方と? 嫌よ」
男「大丈夫」
猫子「……」
男「大丈夫だから」
猫子「……」 - 171: 2013/03/07(木) 01:56:42.61 ID:JMLV18BlO
- …………
男「準備はいいか?」
猫子「……どこへ行くの」
男「特には決めてないよ。まぁ、せっかくだから猫子の服を何着か買おうとは思ってるけど」
猫子「いらない」
男「いや、それ一着着回すのは無理があるし」
男「それに、せっかく可愛いんだから。ちょっとはお洒落しないとバチが当たるぞ」
猫子「…………ふん」プイ - 172: 2013/03/07(木) 02:00:05.65 ID:JMLV18BlO
- 男「……」テクテク
猫子「……」テクテク
男「……」テクテク
猫子「……」テクテク
男(果たしてこれは一緒に出掛けている内に入るのだろうか)
男(まぁ、)
猫子「……」キュ
男(ちょっとは頼りにされている、のかな) - 175: 2013/03/07(木) 02:03:19.24 ID:JMLV18BlO
- 男「ここ……」
猫子「……」
男(あの夜、猫子を見つけた公園)
男(そして、猫子と出会った……猫子が捨てられていた公園)
猫子「行きましょ」クイッ
男「あ、ああ」
猫子「未練なら、もうないから」
男「……そっか」 - 252: 2013/03/07(木) 17:45:45.01 ID:JMLV18BlO
- 「まてー!」タタタッ
「はやくしろよー!」タタタッ
「あはは!」タタタッ
男「おっと!? 飛び出したら危ないぞー」
『ごめんなさーい』
男「やれやれ」
猫子「……」ブルブル
男「猫子?」 - 254: 2013/03/07(木) 17:47:58.09 ID:JMLV18BlO
- 男「猫子、顔色が悪いぞ」
猫子「大丈夫……」ブルブル
男「大丈夫って、お前……」
猫子「……」ブルブル
男「……あそこの日陰で休むぞ。もう決めたからな」
猫子「……」ブルブル - 256: 2013/03/07(木) 17:50:43.39 ID:JMLV18BlO
- 猫子「……」フラッ
男「おっと! もうちょっとだからな」
猫子「ふぅ……ふぅ……」ガタガタ
男「……」
男「さ、ゆっくり腰を下ろして」
猫子「はぁ……ふぅ……」ブルブル
男「大丈夫、支えてるから」 - 258: 2013/03/07(木) 17:52:51.79 ID:JMLV18BlO
- …………
「そっちに行ったぞー!」
「まてー!」
男「落ち着いたか?」
猫子「…………」
男「……」
猫子「…………」 - 259: 2013/03/07(木) 17:57:48.55 ID:JMLV18BlO
- 男「……子供」
猫子「……」ピクッ
男「苦手、なのか」
猫子「…………」
男「猫子が何を抱えていても、俺にとって猫子が家族って事は変わらないから」
男「だから……無理に喋らなくてもいい」
猫子「…………」
猫子「……」コク - 261: 2013/03/07(木) 18:02:14.66 ID:JMLV18BlO
- …………
男「結局、服も買えなかったな」
猫子「…………私の所為って言いたいの?」
男「……」
猫子「ひゃっ!?」ポンッ
男「そんだけ嫌味が言えれば、もう心配いらないな」ナデナデ
猫子「き、気安く触らないでよ……」
男「さ、日が沈む前に帰ろう」
猫子「…………ん」
猫子「……ありがと」ボソッ - 264: 2013/03/07(木) 18:06:30.44 ID:JMLV18BlO
- …………
カチャ
男「お、猫子あがったか」
猫子「ええ」フキフキ
男「」
猫子「なによ」
男「なっ!? お前、ふ、ふく……!」
猫子「服が全部洗濯中だったのよ。仕方ないじゃない」フキフキ
男「だ……でもっ」
猫子「五月蝿いオスね」プイ - 268: 2013/03/07(木) 18:16:33.15 ID:JMLV18BlO
- 猫子「着替え、適当に借りるわよ」
男「お、おう」
猫子「ん……」フリフリ
男(尻尾が……柔らかそうな尻から生えた尻尾が揺れてる)
男「な、なぁ、猫子」
猫子「なによ」
男「裸で家ん中を歩き回るのは……その、どうかと思うぞ」
猫子「アンタ、何言ってるの? 私は猫よ」 - 273: 2013/03/07(木) 18:22:09.40 ID:JMLV18BlO
- 猫子「猫が裸で何が悪いのよ。大体、歩き回るってほど広く」
男「いいからっ。せめてバスタオルを巻いてくれっ」
猫子「…………」
猫子「ははーん。アンタ、まさか猫相手に興奮してるの?」ニヤリ
男「!」
猫子「へぇー、そうなの」ニヤニヤ
男(猫子が! あの猫子が笑った! 最悪な経緯だけど) - 290: 2013/03/07(木) 19:10:20.92 ID:JMLV18BlO
- 猫子「ふーん、私を手込めにする為に拾ったんだ」
男「! ち、ちがう! 俺は、ただお前の事見捨てたくなかったから! だから……!」
猫子「……」
男「……ね、猫子」
猫子「……フフ、冗談よ」
猫子「必死になっちゃって、かわいい」 - 291: 2013/03/07(木) 19:14:56.51 ID:JMLV18BlO
- 男「……」
猫子「ほら、いつまでも呆けてないでお風呂入りなさい」
男「あ、ああ……」
男(笑った猫子はすごく可憐で、一瞬、猫子が人間じゃないという事を忘れる程魅力的だった)
男「でも性格に難ありすぎだろ!!」 - 293: 2013/03/07(木) 19:18:20.85 ID:JMLV18BlO
- …………
男「いってきまーす」
犬子「ますー!」
男「お前は留守番」グイ
犬子「わうっ」
犬子「犬子も! 犬子もいきたい!」ブンブン
男「あのな、俺は遊びに行くんじゃないんだ。仕事に行くの」
犬子「犬子もしごとする!」
男「犬子の仕事は留守番だ」 - 295: 2013/03/07(木) 19:21:10.29 ID:JMLV18BlO
- 犬子「いや! るすばんつまんない!」
男「仕事はもっとつまんないぞ。怖い人に怒られたり、知らない誰かの為に謝ったりしなきゃならないんだ」
犬子「それでもいい!」
男「犬子!」
犬子「おこられてもごしゅじんさまといっしょのほうがずっとずっといい!」
男「……!」 - 296: 2013/03/07(木) 19:23:55.96 ID:JMLV18BlO
- 犬子「ううーっ」プルプル
男「……」
男「犬子」
犬子「ぐるる……!」
男「聞いてくれ犬子」
男「犬子は初めてこの家に来た時の事を覚えてるか?」
犬子「…………」 - 298: 2013/03/07(木) 19:32:07.60 ID:JMLV18BlO
- 男「部屋は散らかり放題で、足の踏み場もなくて、カビ臭くてさ。お前がくるまでのウチは寝床以下だった」
犬子「……」
男「お前は手当たり次第投げたり崩したり、いろいろ踏み荒らしたりでさ、渋々片付けたっけな」
犬子「……」
男「一人ん時は出来合いオンリーだったけど、まだ小さいお前にカップ麺ばっか食わせらんねーし、頑張って毎日料理も作った」
犬子「……」
男「俺が人並みに生活できるのは、実はお前のおかげなんだよ」
犬子「……」
犬子「わ、わう…………」キュ - 299: 2013/03/07(木) 19:36:17.55 ID:JMLV18BlO
- 男「いいか犬子」ポン
犬子「……わう」ピクッ
男「帰る場所を守る、それが留守番だ。俺の帰る家を守ってくれるか?」
犬子「……」ギュ
犬子「わんっ」
男「よし、いいこだ!」ワシャワシャワシャ
犬子「く、きゅーん……っ」 - 301: 2013/03/07(木) 19:39:17.37 ID:JMLV18BlO
- 男「じゃ、一緒に駅まで行くか」
犬子「わう!? いいの!?」
男「見送りが終わったらちゃんと家に帰って待ってるんだぞ」
犬子「わん!」
男「じゃ、いくか」
犬子「ごしゅじんさま! はやくはやく!」
男「犬子! だから靴を履けって!」 - 302: 2013/03/07(木) 19:43:29.40 ID:JMLV18BlO
- …………
男「ただいま」ガチャ
犬子「ごしゅじんさまー」タタタッ
男「犬子……おわっ」
犬子「おかえり!ごしゅじんさまぁ」ギュー
犬子「……? なんだかおいしそうなにおい」クンクン
男「危なく落とすところだった……」
犬子「?」 - 305: 2013/03/07(木) 19:47:31.65 ID:JMLV18BlO
- 犬子「ごしゅじんさま! これは……!?」
男「鳥のササミの甘辛煮だ。行き着けの居酒屋のマスターに作ってもらった」
犬子「クンクン……すごくいいにおい! ごしゅじんさま、きょうはごきげん?」
男「機嫌か……確かに今日はご機嫌かもな」
男「なにせ、今日は犬子と出会った日だからな」
犬子「あ……」 - 307: 2013/03/07(木) 19:54:34.70 ID:OG6IRbEj0
- 男「犬子の生まれた日はわからないけど、出会った日はちゃんと覚えてるからさ、犬子の誕生日は3月7日って事にしといてくれよ」
犬子「ご、ごしゅじん……」ジワ
「誕生日、おめでとう」
男「そして、これからもよろしくな」
犬子「……っ」
犬子「ごしゅじんさまー!!」ガバッ
男「うわっ!?」ドテッ - 310: 2013/03/07(木) 19:58:43.79 ID:OG6IRbEj0
- 犬子「ごしゅじんさま! ごしゅじんさま!」ペロペロ
男「犬子! やめ……っ」
犬子「ごしゅじんさま! すき! すき!」ペロペロペロペロ
男「こらっ、犬子」
犬子「すき! だいすき!」ペロペロペロペロ
犬子「ふいー、よかったぁ」
男「犬子……」ベトベト
犬子「えへへ、いっぱいペロペロしちゃった」
男「後でお仕置き……だ」ガクッ - 313: 2013/03/07(木) 20:07:39.58 ID:OG6IRbEj0
- …………
男「はぁ……はぁ……」
猫子「…………」
男「ゲホッ!ゲホッ!」
猫子「ちょ、ちょっと、しっかりしなさいよ」
男「ごめん……な、猫子……」ゼェゼェ
猫子「あ、謝らないでよ! ……病人苛めてるみたいで気分が悪いわ」
男「はは…………ごめんな」
猫子「……」 - 314: 2013/03/07(木) 20:10:07.15 ID:OG6IRbEj0
- 男「ゲホッゲホッ! ゲホッ!」
猫子「!」
男「はぁ……はぁ……」ブルブル
猫子「…………」
ペタ
男「ぁ…………」
男「猫子の手…………きもちいいな……」ゼェゼェ
猫子「…………ご主人様」 - 316: 2013/03/07(木) 20:13:36.01 ID:OG6IRbEj0
- 男「は…………はぁ……」ガクガク
猫子「ご主人様、すごい汗……」
猫子「水……そうだ、水だわ!」タタタ
ジャー
猫子「ご主人様、水よ!」
男「ぅ…………ぅう……」ブルブル
猫子「……ご主人様」 - 318: 2013/03/07(木) 20:17:10.71 ID:OG6IRbEj0
- 猫子「! そうだわ……!」
猫子「んく……」クイッ
猫子「……ん」
男「…………ンク」
猫子「ぷは…………もう一回」
「……ん」
「……ぷは」
…… - 319: 2013/03/07(木) 20:19:56.78 ID:OG6IRbEj0
- 男「ふぅ……ふぅ…………」
猫子「さっきよりは大分よくなったみたいだけど……」
男「さむい……」ガタガタ
猫子「さむい……? 布団を被って汗までかいているのに?」
男「さむい……さむい…………」ガタガタ
猫子「ど、どうしたら……」 - 325: 2013/03/07(木) 20:23:41.96 ID:JMLV18BlO
- 男「はぁ……はぁ……」
モゾモゾ
猫子(ご主人様、どうか私の熱を使って下さい)ギュ
猫子(私は……どうなってもいいから!)
猫子(だから……お願い、ご主人様!)ギュッ - 326: 2013/03/07(木) 20:26:08.73 ID:OG6IRbEj0
- ……
男「すう……すう……」
猫子「……よかった。無事朝を迎えられたわね」
猫子「……」ジワ
猫子「本当によかった……!」ギュッ - 328: 2013/03/07(木) 20:29:40.55 ID:OG6IRbEj0
- 猫子「……」
男「くー……くー……」
猫子「それにしても……」スンスン
猫子(すごいオスのにおい……一晩中汗をかいてたんだから、無理もないか……)
猫子「…………」
猫子「よ、よし」モゾ - 330: 2013/03/07(木) 20:32:27.46 ID:OG6IRbEj0
- モゾモゾ
猫子「……ご主人様」
猫子「……れろ」
男「……ん」ピクッ
猫子(はやく元気になってね)ペロ
猫子「はぁ……む……れろれろ」ペロペロ
ペロペロ
ペロペロ…… - 337: 2013/03/07(木) 20:38:26.15 ID:OG6IRbEj0
- …………
ピンポーンッ
男「やべっ、定期切れてんじゃん……」
「ごしゅじんさまー!!」
男「!」
犬子「ごーしゅじーんさまー!!」ブンブン
ザワザワザワザワ
男「……あたまいてぇ」 - 338: 2013/03/07(木) 20:41:39.26 ID:OG6IRbEj0
- 男「犬子」
犬子「わん!」ニコニコ
男「大声で『ご主人様』はやめてくれ」
犬子「どうして?」
男「俺の世間体がヤバい」
犬子「???」
男「……はぁ」
男「で、どうした急に。出迎えなんて」
犬子「ごしゅじんさまにはやくあいたくて!」ブンブン
男「留守番はどうした」 - 341: 2013/03/07(木) 20:46:52.77 ID:OG6IRbEj0
- 犬子「だいじょうぶ! ごしゅじんさまがでてこなかったら、はしってもどるもん!」
男「お前、電車が来る度に駅まで来てるのか?」
犬子「うん!」
男(想像した。俺が帰ってくるのを期待して駅まで走る犬子の姿を)
男(そわそわしながら俺が現れるのを待つ犬子の姿を)
男(そして、家まで駆け帰る、犬子の寂しそうな姿を) - 345: 2013/03/07(木) 20:51:03.54 ID:OG6IRbEj0
- 男「お前……」
犬子「わう」
男「バカだな」
犬子「む、誰がバカ犬だ!」
男「バカしか言ってねーよ」
犬子「犬子バカじゃないもん!」
男「いいや、バカ」
犬子「ごしゅじんさまひどいー!」
男「でも、いいバカだ」
犬子「……いい、バカ?」 - 347: 2013/03/07(木) 20:53:42.16 ID:OG6IRbEj0
- 犬子「いいバカって、ごしゅじんさまはすきってこと?」
男「ああ。いいバカは好きだ」
犬子「……うーん、なら、いい……かな?」
男「ああ。犬子はずっといいバカでいてくれ」ワシャワシャ
犬子「……わん!」
犬子「えへへ!」 - 351: 2013/03/07(木) 21:02:52.69 ID:OG6IRbEj0
- …………
男「ちょっと遅くなっちまったな」
『しつこいわね! アンタみたいなのはお呼びじゃないの!』
男「ん? なんか騒がしいな」
『さっさと消えなさい! ド低能!』
男「喧嘩か? 随分口の悪い女だな」
男「……でもなんか聞き覚えが」
猫子「私はね、アンタみたいな品の無いノラが一番嫌いなの!」
ノラ「ニャーッ!!」
猫子「下品なオス……生きてて恥ずかしくないの?」
男(……ノラ猫にマジ切れしてる猫子を見つけてしまった) - 353: 2013/03/07(木) 21:08:12.19 ID:OG6IRbEj0
- 男(っていうか、やっぱり猫の言葉わかるんだな……)
猫子「私には心に決めたオスがいるの! アンタなんかお呼びじゃないわ!」
男「!」
男(あいつ、好きな奴いたんだ……意外だな) - 359: 2013/03/07(木) 21:14:16.31 ID:OG6IRbEj0
- 猫子「そいつは、アンタなんか比べ物にならないくらい心が広くて、優しくて、それでいて芯が強くて……」
男(猫子のはっきりとした言葉……本当にそいつの事を尊敬してて、慕っているんだな)
男(なんか、一緒に住んでるのに知らなくてショックだ)
猫子「私がつい反抗的な態度をとっても笑って受け止めてくれて、人間じゃない……猫の私にもいちいち遠慮して」
猫子「私の事を家族って言ってくれて」
男(……あれ、それって) - 362: 2013/03/07(木) 21:17:53.87 ID:OG6IRbEj0
- 猫子「人間だとか猫だとか関係ない! 私はご主人様が好き! ご主人様になら、この身この命捧げても惜しくない!」
猫子「アンタみたいなサンピンノラ猫が入り込む余地なんか全然ないんだから!!!」
男(猫子が……お、俺を……!?)ドサッ - 368: 2013/03/07(木) 21:22:01.74 ID:OG6IRbEj0
- ……
猫子「はぁ……遅くなっちゃった」ガチャ
男「お、おう」
猫子「あら、帰ってたの」
男「あ、ああ……」
猫子「? 変なやつ」
男「どこ、行ってたんだ?」
猫子「どこでもいいでしょ」プイ
男「…………」
猫子「…………聞かないの?」
男「ま、まあ猫子にも都合があるだろうし」
猫子「……」ムッ - 370: 2013/03/07(木) 21:26:09.02 ID:OG6IRbEj0
- 猫子「……」ガラッ
男「猫子?」
猫子「おやすみ」
スパンッ
男「…………もしかして、怒らせた?」
男「わかんねぇ……」
猫子「苦しいよ…………」ギュッ - 395: 2013/03/07(木) 22:28:12.25 ID:JMLV18BlO
- ……
男「いいか? 時計の針がこういう形になる頃に帰ってくるようにするからな」
犬子「わう……」
男「追々、時間の概念と読み書き算数も教えないとなぁ」
男「っと、もうこんな時間か。そろそろ出るか」
犬子「わん!」 - 397: 2013/03/07(木) 22:36:14.63 ID:JMLV18BlO
- 男「じゃ、いってくるからな」
犬子「いってらっしゃい!」ブンブン
犬子「……」ブンブン
犬子「……」
犬子「……」フルフル
犬子「なかない。犬子がごしゅじんさまのいえをまもるんだもん!」
犬子「いそいでかえろう!」タタタッ - 399: 2013/03/07(木) 22:39:30.14 ID:JMLV18BlO
- ガチャ
犬子「ただいまー」パタン
犬子「わふ」コロン
犬子「…………」
犬子「……かぎ!」ムクッ
トタトタトタ カシャン
犬子「あぶなかった」ホッ - 402: 2013/03/07(木) 22:42:05.76 ID:JMLV18BlO
- 犬子「……」コロン
犬子「…………」コロンコロン
犬子「…………」コロコロコロコロ
犬子「…………」コロコロコロコロコロコロコロコロ…
ガンッ
犬子「わうっ」
犬子「……はぁ」 - 405: 2013/03/07(木) 22:48:21.64 ID:JMLV18BlO
- 犬子「……」チラッ
犬子「ちょっとだけ……ちょっと……だけ」
モゾモゾ
犬子「わう…………ごしゅじんさまのにおい……」ドキドキ
犬子「クンクン、クンクン…………わぅぅん」キュン
犬子「ごしゅじんさま……ごしゅじんさま!」ゴロゴロ
犬子「わうー!!」ゴロゴロゴロゴロ - 409: 2013/03/07(木) 22:55:46.99 ID:JMLV18BlO
- ……
男「で、何をどうしたらこんなに散らかるんだ?」
犬子「わぅ……」シュン
男「黙ってたらわからないだろ」
男(しばらく落ち着いてたのになぁ)
犬子「……ごしゅじんさま」
男「ん」
犬子「ごしゅじんさまといっしょにいないと……ここがいたむの」
男「……」
犬子「犬子、おるすばんなのに、おうちまもらなきゃなのに……」 - 415: 2013/03/07(木) 23:01:33.61 ID:JMLV18BlO
- 犬子「ちゃんてしなきゃって! わかってるのに、おもってるのに!」
犬子「…………でも、がまんできなくて」
男「……うん」
犬子「それで、ちょっとだけ、ごしゅじんさまのにおいをクンクンしようとしてふとんにはいったの」
犬子「でも、クンクンするとドキドキして、どんどんクンクンしたくなって、ドキドキがとまんなくて」
犬子「それで、からだぜんぶがうれしくなっちゃって、それで……」
男「暴れちまったのか」
犬子「ごしゅじんさま、犬子どうしちゃったの? 犬子、じぶんのことがわかんないよ……こわいよ」 - 420: 2013/03/07(木) 23:05:19.11 ID:JMLV18BlO
- 男「……犬子」
犬子「わぅ」
ギュ
犬子「あ……」ドキ
男「こうすると、どうだ」
犬子「……」ドキドキ
犬子「ドキドキする! ドキドキして、からだがあっつくなる」
犬子「ごしゅじんさま、このドキドキはなに? 犬子、このドキドキ、どんどんほしくなっちゃう」 - 429: 2013/03/07(木) 23:16:12.78 ID:JMLV18BlO
- 男「犬子、それは……「好き」って気持ちだ」
犬子「わう? 犬子、ずっとごしゅじんさまのことすきだよ?」
男「……そっか、ありがとうな」ナデナデ
犬子「ん……えへへ」
男「もうちょっと犬子が大人になったら、その「好き」の意味がわかるかもな」
犬子「?」 - 433: 2013/03/07(木) 23:25:45.38 ID:JMLV18BlO
- …………
猫子「これは?」
男「土佐豆腐だ。猫子、こういうの好きだろ」
猫子「……」
猫子「こんなので私が靡くと思ったら大間違いよ」
男「猫子、そんな言い方ないだろ。俺はただ」
猫子「仲良くしたいだけ、でしょ? もうウンザリなの」
男「……猫子」
猫子「何が、何が家族よっ! 私の気持ちも知らないで……!」ジワ
タタタ……バタン
男「気持ちを知ってるから、困ってるんだけどな……」 - 604: 2013/03/08(金) 18:10:13.66 ID:JfuVyENQO
- ……
猫子「…………っ」トボトボ
猫子「えぐ……っ、バカ……私のバカ…………」
猫子「ほん……グスッ…………本当は、ありがとって、いいたいのに……」
猫子「……っほ、ほんとはっ……グスッ…………すきって……いいたいのに……!」
猫子「ぅ……ふぐ……っ」ポロポロ - 607: 2013/03/08(金) 18:14:45.96 ID:JfuVyENQO
- 「お嬢ちゃん」
猫子「!」
「どうかした…………なんだ、猫か」
猫子「!!」
「おかーさん、あのひとなんでしっぽあるの?」
「猫だからよ」
「おい見ろよ、猫がいるぜ」
「なんか泣いてんぞ」
「そりゃ泣きたくもなるだろ。なにせ、猫なんだからな」
猫子「………………」 - 609: 2013/03/08(金) 18:21:52.63 ID:JfuVyENQO
- 猫子(……そうよ。私は猫。人間になりそこない、獣に身を落とすほかなかった、卑しい種族)
猫子(生き残る為に誇りを売った敗北者の末裔)
猫子(……バカね、私。猫のくせに「人間様」に恋をするなんて)
猫子(忘れよう、この恋心は)
猫子(あの人にもらった胸の高鳴りも、かきむしるような葛藤も、全部……)
猫子(全部、置いていこう……) - 611: 2013/03/08(金) 18:30:01.98 ID:JfuVyENQO
- …………
犬子「ごしゅじんさま! ごしゅじんさま!」ピョンピョン
男「だから外でご主人様はやめろって……」
「ワン!ワン!ワン!」
犬子「わう!? ご、ごめんなさい!」
「ワン!ワン!ワン!ワン!」
犬子「い、犬子、ごしゅじんさまとさんぽちゅうなのでっ! ごめんなさい!」コソコソ
男「ど、どうしたんだよ」
犬子「あ、あのひとが、おれのこどもをうめって」
男「」 - 614: 2013/03/08(金) 18:34:12.58 ID:JfuVyENQO
- 犬子「犬子、ごしゅじんさまいがいのオスとしゃべったの、はじめてで……びっくりしちゃった」
男「」
犬子「……わう? ごしゅじんさま?」ユサユサ
男「! お、おう」
犬子「どうしたの?」
男「あ、いや、なんでもない。ちょっとショックな事があった気がしただけだ」
犬子「?」 - 615: 2013/03/08(金) 18:37:59.40 ID:JfuVyENQO
- 犬子「ねー、ごしゅじんさま」クイクイ
男「なんだ?」
犬子「犬子、ずっとふしぎだったんだけど」
男「おう」
犬子「犬子はなんでひもにつながれてないの?」
男「……」
犬子「それに、ほかのひとたちははだかなのに、どうして犬子だけふくをきなきゃならないの?」
男「……」
犬子「ねー、なんで? ごしゅじんさまー」クイクイ - 617: 2013/03/08(金) 18:42:06.72 ID:JfuVyENQO
- 男「犬子」
犬子「わう」
男「俺は……やっぱりお前の事を犬とは扱えない」
犬子「? 犬子は犬だよ?」
男「いいや、犬子は犬じゃない」
犬子「……? じゃあ、にんげん?」
男「…………」
犬子「犬子にんげん?」ピョコピョコ
男「人間……でもない」 - 619: 2013/03/08(金) 18:48:05.60 ID:JfuVyENQO
- 犬子「じゃあ、犬子はなになの?」
男「犬子は……犬子だ」
犬子「わう……ごしゅじんさま、むつかしい」
男「犬子は犬子そのままでいいんだ。無理に動物に身を落とさなくても、人間という枠にはまらなくても。割り切れない存在で……いいんだ」
犬子「それって、いいバカってこと?」
男「……え」
犬子「犬子が犬子なら、ごしゅじんさまのすきないいバカってこと?」
男「……ああ! そうだ、そうだとも!」
犬子「じゃあ、犬子はずっとずっと犬子でいる!」 - 622: 2013/03/08(金) 18:54:25.83 ID:JfuVyENQO
- …………
男「……猫子」
猫子「なんですか? ご主人様」ニコニコ
男「あの、さっきはごめんな」
猫子「そんな。先程も申しましたように、非があったのは私です」
猫子「飼っていただいている身でありながら、非礼の数々……お許し下さい」
男「…………」 - 624: 2013/03/08(金) 19:00:07.62 ID:JfuVyENQO
- 男「どうしたんだよ猫子……」
猫子「ご主人様が戸惑うのもごもっともと思います。しかし、本来はこれが正しい在り方なのです」
男「正しい……?」
猫子「私とご主人様は飼い主と愛玩動物。所有者と所有物。主と従者なのですから、当然かと」
男「俺はお前のこと所有物だなんて思った事は一度もない!」
男「家族だって……言っただろ」
猫子「……」 - 626: 2013/03/08(金) 19:07:39.94 ID:JfuVyENQO
- 猫子「家族、ですか」
男「ああ。猫子はそう言われるの、嫌かも知れないけど、俺は本当にそう思ってる」
猫子「……」
猫子「猫の身には……家族は荷が重すぎます」
男「猫子……」 - 630: 2013/03/08(金) 19:18:09.60 ID:JfuVyENQO
- 猫子「…………身の程を知ったのです」
男「猫子……」
猫子「どんなに人間と似たカタチをしていても、所詮私は猫」
猫子「日々刻々と種が消えていく中、こうして生かしていただけてるだけでも、身に余る幸せです」
猫子「そう、思う事にしたのです」
男「俺は! 俺は猫子を生かしてやってるなんて思ったことない! 人間だとか猫だとか、そんな色眼鏡で猫子を見たことも!」
猫子「……」
猫子「ご主人様は優しいですから……」 - 631: 2013/03/08(金) 19:24:44.51 ID:JfuVyENQO
- ――――パシンッ
猫子「……ごしゅじんさま?」
男「やめろ……!」
男「これ以上俺の好きな猫子を貶めるなら……猫子自身でも許さない……!」
猫子「…………っ! で、でも……!」ジワ
ギュッ
男「俺が猫子を好きな事に、猫も人間も過去も何もかも関係ない」ギュウッ
猫子「…………っ」ギュッ
猫子「う……うわぁぁぁぁぁ……!」 - 636: 2013/03/08(金) 19:30:03.00 ID:JfuVyENQO
- …………
男「電気消すぞ」
犬子「わん!」
パチッ
男「おやすみ犬子」モゾ
犬子「わぅん!」バッ
男「あっ、こら!?」
ボフン
犬子「えへへー」スリスリ
男「……はぁ」 - 637: 2013/03/08(金) 19:32:41.53 ID:JfuVyENQO
- 犬子「ごしゅじんさまぁ」
男「駄目だ」
犬子「まだ何も言ってないのにっ」
男「どうせまた一緒に寝たいって言うんだろ」
犬子「わう……」シュン
男「しょげて見せても駄目だ。さっさと寝ろ」モゾ
犬子「くぅーん」シュ-ン - 639: 2013/03/08(金) 19:35:32.39 ID:JfuVyENQO
- 犬子「……」
男「……」
犬子「ごしゅじんさま」
男「駄目」
犬子「わう!? ちがう! ちがうはなし!」
男「……本当か?」
犬子「ほんとほんと!」
男「……なんだ」
犬子「あのね、こどもってどうやってうむの?」
男「え」 - 646: 2013/03/08(金) 19:40:58.63 ID:JfuVyENQO
- 男「な、なんだよ急に」
犬子「きゅうじゃないよ。ずっとかんがえてたもん」
男「……なんで」
犬子「だって、犬子、ごしゅじんさまのこどもうみたいもん」
男「」
犬子「ごしゅじんさま?」
男「そ、そうかー……犬子は俺の子供を」
犬子「わん!」 - 648: 2013/03/08(金) 19:44:14.88 ID:JfuVyENQO
- 男(落ち着け、俺。所詮は子供の言う事だ……)
男「まだちょっと犬子には難しいかもなー」
犬子「わう、むつかしい?」
男「ああ。もうちょっと大人になったらわかるかもな」
犬子「わうー……」ショボン
男(ふう……犬子が難しい事苦手で助かった) - 650: 2013/03/08(金) 19:50:17.23 ID:JfuVyENQO
- 男「この前あの犬に言われた時から考えてたのか」
犬子「わん」コクッ
犬子「でも、あのひとのこどもを犬子がうむっておもったら、犬子なんだかこわくなって……」
男(まぁ、あんなにがっつかれたらなぁ)
犬子「でも、犬子おもったの。じゃあだれのこどもならうみたいのかなって」モゾ
犬子「そしたら、すぐにごしゅじんさまのかおがうかんだの」モゾモゾ
男「……え」
犬子「ごしゅじんさま、やっぱりおしえてよ。犬子、こどもうむならごしゅじんさまのこどもがいい」ギュ - 655: 2013/03/08(金) 19:54:56.60 ID:JfuVyENQO
- 男「お、おい犬子! 俺の布団に入るなってあれほど」
犬子「わう! おしえてくれるまではなれないもん!」ギュウッ
男「犬子! 怒るぞ!」
犬子「いけないことなの? ごしゅじんさまのこどもほしがるのは、だめなことなの?」
男「う……」ズキッ
犬子「犬子、ひとりぼっちだったから……」ギュ
男「…………」 - 659: 2013/03/08(金) 20:02:30.97 ID:Otq8ufNp0
- 男「わかった! わかったよ! 教えてやるからそんな顔すんな!」
犬子「ほんとに!?」パアァ
男「だけど今じゃないぞ! 犬子がもうちょっと大人になってからだ!」
犬子「わう……ごしゅじんさま、またそれ」
男「いろいろ準備が必要なんだよ!」
犬子「じゅんび?」
男「そう。心の準備とか……身体の準備、とか」
男「だ、だから! 今すぐにとはいかないんだ!」
犬子「わう…………わかった」 - 681: 2013/03/08(金) 20:51:03.07 ID:JfuVyENQO
- 犬子「やくそくだよ?」
男「……わかった。俺は約束を守る男だ」
犬子「んふふー」ギュ
男(……やれやれ、この笑顔には勝てないな)ナデナデ
犬子「えへへー」スリスリ - 682: 2013/03/08(金) 20:54:35.95 ID:JfuVyENQO
- …………
男「落ち着いたか?」
猫子「うん……」
男「……」
猫子「……」
男「猫子」
猫子「……ん」
男「ごめんな」
猫子「……何が?」
男「いろいろとさ」 - 684: 2013/03/08(金) 20:59:27.55 ID:JfuVyENQO
- 男「機嫌を取るような真似したり、よそよそしくしたり……叩いちまったしさ」
男「だから、ごめん」
猫子「…………」
猫子「やっぱり、男らしいわね」ニコ
男「そう、かな」
猫子「うん……」
猫子「私の方こそ、ごめんなさい」
猫子「もう、二度とあんな真似はしないから。だから……」
男「……」 - 686: 2013/03/08(金) 21:02:06.18 ID:JfuVyENQO
- 猫子「…………っ」
ポンッ
猫子「っ!」ビクッ
男「よし、許した!」ニッ
ナデナデ
猫子「あ……」
猫子「……うん」ポッ - 687: 2013/03/08(金) 21:05:57.05 ID:JfuVyENQO
- 男「じゃあこれで仲直りだな」
猫子「う、うん」
男「よし、そしたらちょっと遅いけど、メシにしよう」
男「おかずあっためなおすから、ちょっとだけ待っててくれ」
猫子「わ、わかったわ」
男「よーし」グイッ
猫子「仲直りどころか、いい仲になっちゃった……」ドキドキ - 691: 2013/03/08(金) 21:09:52.64 ID:JfuVyENQO
- ……
男「いただきます」
猫子「い、いただきます……」
男「ん、できたてじゃないけど、うまいな」モグモグ
猫子「……」
男「……? どうした、食べろよ」
猫子「ね、ねぇ」
男「ん?」
猫子「あの、その……」
男「なんだ?」
猫子「……っ」ギュッ
猫子「ごっ、ご主人様の上に座っていいかしら!」カァァ - 695: 2013/03/08(金) 21:15:49.60 ID:JfuVyENQO
- 男「……え」
猫子「だからっ! ご主人様の上でごはんが食べたいの!!」カ-ッ
男「ど、どうして」
猫子「知らないわよバカ! もうそっち行くから!」
男「な、猫子!?」
猫子「……」キッ
男「……」ゴクッ
猫子「お」
男「お……?」
猫子「おじゃましま……す」ポフッ
男「あ、うん……」 - 702: 2013/03/08(金) 21:20:50.62 ID:JfuVyENQO
- 猫子「心臓……ドキドキしてるわね」ドキドキ
男「そりゃ……な」ドキドキ
猫子「……私も」スッ
男「!」
猫子「ほら、ドキドキしてるでしょ?」モニュ
男「あ、ああ……」ドキドキ
猫子「……」ドキドキ - 709: 2013/03/08(金) 21:25:36.10 ID:JfuVyENQO
- 猫子「ずっと、こうしたかったの」
男「そ、そうなのか」
猫子「うん……」
男「でも、気安く触るなって」
猫子「……」
猫子「失うのが……怖いから」
猫子「もう一度温もりを失ったら、今度こそ生きていけない…………そんな気がしてたまらなかったの」
男「…………」
男「手放さないから」ギュッ
猫子「……ん」キュ - 713: 2013/03/08(金) 21:29:56.01 ID:JfuVyENQO
- グー
猫子「!」サッ
男「……はは」
猫子「…………っ」プルプル
男「ほら、何が食べたい?」
猫子「土佐豆腐! かつぶしマシマシで!」
男「あいよ」
猫子「はやく! アタシはくーふくなのよ!」
男「わかったわかった」
猫子「にゃーッ!!」ガーッ - 714: 2013/03/08(金) 21:35:44.10 ID:JfuVyENQO
- …………
男(……最近)
犬子「ごしゅじんさまぁ」レロレロ
男(犬子の舐め方が艶めかしい)
男(それに、)
犬子「ぐるるる……!」
男「こら犬子! すみません、気にしないで下さい」
「は、はい。大丈夫ですから」
男(女の人に過剰に反応する) - 721: 2013/03/08(金) 21:40:51.16 ID:JfuVyENQO
- 男(そして、)
犬子「えへへっ。ごしゅじんさまぁ」クネクネ
犬子「んふー」トロン
男(スキンシップがおかしい)
男(密着度も高いし、なんか腰をくねらせるし、目がとろけてる)
男「まさか……いや、まさかな」
犬子「?」 - 727: 2013/03/08(金) 21:47:49.95 ID:JfuVyENQO
- ……
犬子「わう!」ボフン
男「犬子」ジロッ
犬子「……だめ?」
男「駄目」
犬子「くぅーん……」ショボン
男「電気消すぞ」
犬子「きゅーん……」シューン
男「……」
パチッ - 732: 2013/03/08(金) 21:52:21.64 ID:JfuVyENQO
- 男「zzz……」
犬子「……」パッチリ
犬子(ねれない……なんだか、さむくかんじる)
犬子(むねにあながあいたみたいに、なにかたりないきがする)
犬子(からだぜんぶがムズムズして……さみしいよ)
犬子「ごしゅじんさま……」チラッ
男「zzz……」
犬子「……」 - 735: 2013/03/08(金) 22:01:04.95 ID:JfuVyENQO
- 犬子「ちょっとだけ……」モゾ
モゾモゾ
男「んん……? zzz……」
犬子(これ……このにおい。ごしゅじんさまのにおい)
犬子(あたまぼーっとして、むねがドキドキする)ドキドキ
犬子「ごしゅじんさま……」チロチロ
犬子「ん……」レル
犬子(ごしゅじんさまのからだ……あじ…………すき)レロレロ - 740: 2013/03/08(金) 22:08:13.07 ID:JfuVyENQO
- 犬子「ごしゅじんさま……ぁ」ハァハァ
犬子(わかった。これが『好き』ってきもちなんだ)
犬子(ごしゅじんさまのことであたまがいっぱいて、ごしゅじんさまのにおいにつつまれたくなって)
犬子(ごしゅじんさまのあじをかんじて、ごしゅじんさまのトクントクンをきいて……)
犬子(ごしゅじんさまと犬子の……こどもがほしくなる)キュン
犬子「犬子、ごしゅじんさまの事が好きなんだ」 - 747: 2013/03/08(金) 22:18:52.27 ID:Otq8ufNp0
- …………
猫子「ふぅ、ごちそうさま」
男「うまかったか?」
猫子「ええ。次も期待してるわ」
男「はいはい。じゃ片付けるからよけてくれ」
猫子「い・や」
男「…………いや、じゃなくてさ」
猫子「嫌」
男「猫子」
猫子「ね、せっかくこんた体勢なんですもの。もう少し楽しみましょ?」ギュ
男「う……」 - 754: 2013/03/08(金) 22:37:14.42 ID:Otq8ufNp0
- 猫子「ん……」スリスリ
男「お、おい猫子……」
猫子「あら、私の事好きなんじゃなかったの?」
男「好きだけど、さ」
猫子「『けど』『でも』は男を下げるわよ」
男「猫子……んっ!?」
猫子「ん……チュ…………クチュ、は……ンむ……ちゅっ」
猫子「は……ぁ、おいし」ペロ - 761: 2013/03/08(金) 22:50:13.24 ID:Otq8ufNp0
- 猫子「チュッ……クチュ……はぁ……む……チュッ」
猫子「ぷぁ。……ふふ、案外乗り気じゃない」
猫子「はむ……クチュ……クチュ……れる……ンチュ」
猫子「チュッ……はぁ……いっぱい舐めてあげる。ンチュッ」
猫子「レロ……チュパ……はぁ……チュッ……レロレロ」 - 768: 2013/03/08(金) 22:58:41.62 ID:Otq8ufNp0
- …………
チュンチュン
男「ん……今何時だ?」
男「……犬子、お前また潜り込んだのか」
犬子「え、えへ」
男「こら」
犬子「わう……」
男「…………にしても、こんな時間まて俺を起こさず待ってるなんてどうしたんだ?」 - 772: 2013/03/08(金) 23:09:51.75 ID:Otq8ufNp0
- 犬子「わう、かんがえごとしてたらあさになっちゃって」
男「お前、寝てないのか?」
犬子「わん」
男「……で、なに考えてたんだ?」
犬子「『好き』ってきもち」
犬子「あのね、犬子、ようやくごしゅじんさまがいってた『好き』がわかったの」
男「そう、なのか?」
犬子「わん!」
犬子「『好き』はね、こどもをうみたいってことなの!」
男「え?」 - 831: 2013/03/09(土) 06:31:14.59 ID:cL8/RTjcO
- 犬子「このまえまでの犬子は、ごしゅじんさまにスリスリしてペロペロして、ナデナデされたいだけだった」
犬子「でも、いまはそれだけじゃたりないの! ごしゅじんさまと犬子のこどもがほしいの!」
男「でもお前、こどもがどうやってできるか知らないだろ!」
犬子「しらないけど! しらないけどほしいの!」ブンブン
男(マズい……まともな知識もないのに発情期に入っちまったのか) - 833: 2013/03/09(土) 06:37:49.04 ID:cL8/RTjcO
- 犬子「……ごしゅじんさま、やっぱり犬子のこどもほしくない?」
男「……」
犬子「ごしゅじんさまは、犬子のことすきとちがう?」ジワッ
犬子「い、犬子のこと……きらい?」ポロポロ
男「! 泣くな! 嫌いなもんか!」ギュッ
犬子「……ほんと?」
男「本当だ」
犬子「…………」キュ - 834: 2013/03/09(土) 06:45:49.45 ID:cL8/RTjcO
- 男「犬子のことは嫌いじゃない。だけど、親になるってそんなに簡単な事じゃないんだ」
男「子供が生まれたら今みたいな気ままな生活はできなくなる。俺は犬子達を食わせる為に稼ぎに出る事になって、ほとんど不在になるだろう」
男「犬子だって、今以上に家を守る責任が大きくなる。子供も守らなきゃいけない。自分の事なんて、ほとんどできなくなる」
犬子「……」
男「親になるには、いずれにせよ今の俺達じゃあまりに力不足だ」
犬子「……わぅ」 - 836: 2013/03/09(土) 06:50:30.78 ID:cL8/RTjcO
- 男「だから、いつか親になる時の為にちゃんと準備しよう。な?」
犬子「……犬子、つよくなる。こどもも、おうちも、ごしゅじんさまもまもる!」
男「ああ。俺も犬子を守れるよう強くなるよ」ナデナデ
犬子「ん……」
犬子「こどもも、ね」
男「お、おう」
犬子「ふぁ…………すっきりしたらなんだかねむくなっちゃった」クシクシ - 837: 2013/03/09(土) 06:55:31.03 ID:cL8/RTjcO
- 男「じゃ、一緒に二度寝するか」
犬子「いいの!?」
男「これぐらいは、な」
犬子「わーい!」ギュウッ
男「おっ、……はは」ナデナデ
犬子「ごしゅじんさま、すきぃ」スリスリ
男「おやすみ、犬子」
男(覚悟を決めないとな。誰も助けてくれない世の中を、犬子と歩いていく覚悟を……)ギュッ - 839: 2013/03/09(土) 07:08:42.28 ID:cL8/RTjcO
- …………
猫子「だ、駄目よ! もし子供ができたらきっと後悔するわ」
猫子「そりゃ……私だってご主人様の子供、欲しいけど……」モジモジ
猫子「私達は人間じゃないから結婚もできないし、保証も受けられない……」
猫子「それでも、いいの?」
猫子「は……ぁむ……ンチュ、クチュ……」
猫子(ああ……もう抗えない。体中がご主人様を欲しがってる)キュンキュン
猫子(私、本当にご主人様のものになっちゃう……)ドキドキ - 841: 2013/03/09(土) 07:15:52.19 ID:cL8/RTjcO
- 猫子「あ、あんまりマジマジと見ないで……」
猫子「!? ちょ、顔近い……!」
猫子「う……くぅ…………こんな時に可愛いとか言わないでよ!」
猫子「さ、触るのはいいけど、優しくしてね?」
猫子「んにゃっ!? 今なんか……ピリって」ビクッ
猫子「ん、大丈夫。つ、続けてもいいわよ」
猫子「ン……ふっ……ぁ…………」ピクッピクンッ - 843: 2013/03/09(土) 07:21:19.03 ID:cL8/RTjcO
- …
猫子「はぁ……ぁン」ピクッ
猫子「あ……い、入れるのね」
猫子(ついに、ご主人様と……子作り)キュン
猫子「い、いいわよ。きて……!」ドキドキ
猫子「猫子にご主人様のあかちゃん……生ませて下さい」ドキドキ
猫子「……ぁ!」ビクッ - 846: 2013/03/09(土) 07:35:29.38 ID:cL8/RTjcO
- ……
猫子「はぁ……はぁ…………あっ」ビクッ
猫子(しちゃった……いっぱい、いっぱいしちゃった)
猫子(お腹、あったかい……)スリスリ
男「猫子、俺頑張るから」
男「猫子と……家族みんな守れるよう、頑張るから」ギュッ
猫子「ご主人様……」
猫子「私だって、守られるだけのつもりなんてないんだから」
猫子「ご主人様と、生まれてくる子供と、私達の生活。支え守っていくわ」
男「子供はまだ気が早いんじゃないか」
猫子「あれだけやれば一発で妊娠よ」 - 849: 2013/03/09(土) 07:45:13.44 ID:cL8/RTjcO
- ………………
…………
犬子「あうっ!? わうん!? ごしゅじんさまっ! はげしっ!」ビクッビクッ
犬子「もっ、ぁ! だめっ! 犬子きちゃう! とんじゃ、わうっ!?」ガクガク
犬子「きゃうぅーん!!」
犬子「ごしゅじんさま、絶倫」ペロペロ
男「……なんか、変な言葉まで勉強してないか」 - 851: 2013/03/09(土) 07:54:09.24 ID:+kuBOMH10
- 犬子「赤ちゃん、できたかな?」スリスリ
男「できなかったらまた頑張ればいいさ」
犬子「ごしゅじんさまのエッチ」
男「……」
男「昔『ごしゅじんさまのこどもうみたい!』って騒いでたのは誰だっけ」
犬子「ご、ごしゅじんさま! あれは子供心に純粋にですね」
男「いや、あれは間違いなく発情してた。腰くねらせてたし」
犬子「ううーっ」 - 856: 2013/03/09(土) 07:59:53.96 ID:+kuBOMH10
- 犬子「…………」
犬子「そんなエッチな犬子を、ごしゅじんさまはどうしたいんですか?」
男「……」
男「お前、やっぱりエロいわ」
犬子「ごしゅじんさまに対してだけです」チュ
犬子「れろ……ムチュ……クチュ……は……んチュ……」 - 859: 2013/03/09(土) 08:08:16.38 ID:+kuBOMH10
- ………………
……
男「ただいま」
子猫子「おとーさーん!!」タタタ
子猫子「あっ、にゃう!?」ドテッ
男「おい、大丈夫か?」
子猫子「う……」ジワッ
猫子「子猫子は強い子だから泣かないもんね?」
子猫子「……うん。グシッ、子猫子、なかない!」
男「よしよし、強い子だ」ナデナデ
子猫子「ん……にゃぅ…………」 - 861: 2013/03/09(土) 08:14:31.51 ID:+kuBOMH10
- 子猫子「にゃ……ふにゃ……」スヤスヤ
男「あはは、あっという間に寝ちまった」ナデナデ
猫子「いつもはとっくに寝てる時間ですもの、無理もないわ」
猫子「お父さんが帰ってくるって聞いたら、この子はりきっちゃって」
男「そっか……寂しい思いをさせてるのかな」
猫子「ううん。こうしてちゃんと帰ってきてくれてるもの。心配いらないわ」
男「……ありがとう」
猫子「おかえりなさい、ご主人様」
男「ただいま、猫子」
チュッ - 863: 2013/03/09(土) 08:20:28.14 ID:+kuBOMH10
- 男「つわりは収まったか?」
猫子「ええ、今はだいぶいいわ」
男「そっか。本当は毎日でも帰ってきたかったんだけどな……」
猫子「今が正念場なんでしょ? ご主人様は仕事に集中して下さい」
男「すまないな」
猫子「そして、お腹の子の為にもいっぱいお金を稼いでね」
男「……ああ、まかせろ」
猫子「ふふ、がんばってね」 - 864: 2013/03/09(土) 08:29:41.37 ID:+kuBOMH10
- 男「いってきまーす」
ドタドタドタ
「わたしもいっしょにいくー!」
「わたしもー!」
「だめだよー。おとーさんこまっちゃうよ」
犬子「そうよ。みんな大人しく待ってましょうね」
赤ちゃん犬子「わぅあー」
犬子「あら、あなたも一緒にいきたいの?」ヨシヨシ
男「はは、みんな犬子似で甘えん坊だな」
犬子「ええ、ご主人様の事好きすぎて困っちゃいます」 - 866: 2013/03/09(土) 08:39:33.78 ID:+kuBOMH10
- 犬子「あの子達、大きくなったらご主人様のお嫁さんになりたいんですって」
男「嬉しいな」
犬子「それで毎日ケンカしてるんですよ。我が子ながら、ちょっと焦ります」
男「今だけだって。そのうち『お父さん臭い!』とか言うように……嫌だな」
犬子「大丈夫ですよ。ご主人様の匂いは優しくていい匂いです」
男「そうか?」スンスン
犬子「ええ。初めて会った時と変わらない、心地良い香り……」ポフッ
男「……犬子」ギュッ
犬子「ご主人様、犬子は今幸せです」
終わり - 872: 2013/03/09(土) 08:45:27.94 ID:+kuBOMH10
- お付き合いいただきありがとうございました
ご満足いただける内容だったかはわかりませんが、私なりに出せる力を出し切ったつもりです
連日長時間に渡る保守、ありがとうございました
改めて、御礼申し上げます
少し半端な形ではありますが、これで終わりとさせていただきます
では、またどこかで - 916: 2013/03/09(土) 11:07:10.69 ID:cL8/RTjcO
- …………
「うん、じゃあまた後で。夕飯、楽しみにしてるよ」
ピッ
「ふう……」
(家族の声を聞くと、仕事の疲れも吹き飛ぶな)
(子猫子ももうすぐ5歳か……子供の成長は早いな)
「綺麗な方ですね」
「……え」 - 918: 2013/03/09(土) 11:11:55.82 ID:cL8/RTjcO
- 「待ち受けの人ですよ」
「『人』……?」
「奥さん、ですか?」
「え、ええ。そうです」
(この人……)
「もしかして、あなたもですか?」
「ええ。ほら」パカ
「犬耳……」
「で……こっちが娘達」ピッピッ
「へえ……かわいい娘さん達ですね」
「でしょ」ニヤ - 921: 2013/03/09(土) 11:17:04.63 ID:cL8/RTjcO
- 「……大変だったんじゃないですか?」
「まぁ、ね。正直、今も楽じゃないですよ」
「でも、おたくもこっちを選んだんでしょ。大変だと知ってても」
「ええ。惚れた弱味、ですかね」
「……違いない」
「…………」
「…………」
「子供には同じ苦労をかけたくありませんね」
「そうですね」 - 923: 2013/03/09(土) 11:24:11.19 ID:cL8/RTjcO
- 『三番ホーム、電車が参ります』
「あなたもこっち方向なんですか?」
「ええ、鍛冶町まで」
「じゃあ一緒ですね。どうです? 一緒に夕食でも」
「いいんですか?」
「ええ、何かの縁です。よければご家族揃って来て下さいよ」
「……うん、そうですね。娘達も喜びます」
「よかった。ウチの子は友達がいないみたいだったので、娘さん達が遊んでくれたらきっと喜びます」 - 924: 2013/03/09(土) 11:29:02.33 ID:cL8/RTjcO
- ……
ピンポーン
男「さ、来たぞ」
子猫子「……」ギュ
男「こらこら」
猫子「ちゃんとこんばんはするのよ」
子猫子「…………うん」ギュウ
ガチャ
子犬子「こんばんは!」
子猫子「!」ビクッ
猫子「さ、がんばって」
子猫子「……っ」ギュウ
子猫子「こ、こんばんは……!」 - 925: 2013/03/09(土) 11:30:25.34 ID:cL8/RTjcO
- ありがとうございました
では、本当にお疲れ様でした - 926: 2013/03/09(土) 11:31:14.36 ID:RmJvB9hK0
- 今度こそ終わりか
おつおつ
- 関連記事
コメント
お知らせ
サイトのデザインを大幅に変更しました。まだまだ、改良していこうと思います。