- 2: 2016/12/25(日) 16:38:05.97 ID:W/XNXAhY0
- ◆現在の所持アイテム
◇未使用
・変わった形状の鍵
・入渠ドックの鍵
・暗号メモ(卯月のメモ)
◇使用済み(繰り返し使用可能品のみ)
・寮部屋のマスターキー
・本庁舎東側出入口の鍵
- 10: 2016/12/25(日) 23:18:07.62 ID:W/XNXAhY0
- -港湾施設 入渠ドック前-
阿武隈「なんとかあの化け物と出くわさずにここまで来れたわね」
不知火「ここが『入渠ドック』ですか……。本庁舎に劣らないくらい大きな施設です」
時雨「ただのドックじゃないのかも。見たところ、ここと工廠以外には港湾に建物がないし……ここに港湾機能が集中してるのかもしれないね」
吹雪「あそこが入り口です!」
阿武隈「鉄製の頑丈そうな扉だわ……。時雨ちゃん、鍵を試してみて」
時雨「うん。随分扉に錆が浮いてるけど……鍵穴は無事であってくれ」ガチャ…
ガチンッ!
時雨「……よし! 開けられたよ」ギギギ
阿武隈「入ろう。ここを徹底的に調べて、初霜ちゃんたちと合流しなきゃ!」
時雨「不知火、念のため皆が入ったら扉は閉めておいてくれるかい?」
不知火「わかりました」
- 11: 2016/12/25(日) 23:42:56.81 ID:W/XNXAhY0
- -入渠ドック ラウンジ-
吹雪「うわ……すごい。少し荒れてるけど、ソファーやテーブルがいっぱいある」
阿武隈「ちょっとしたホテル並ね。廃墟じゃなければもっと綺麗だったんだろうけど」
時雨「ここは入渠待ちの艦娘向けの休憩処だったのかな?」
不知火「……あれを見てください。ここの案内板のようです」
阿武隈「本当だわ。みんなライトで照らして」ピカッ
吹雪「えっと……今私たちがいる場所が『ラウンジ』ですね。奥に進むと海に繋がる『ドック』があるみたいです」
不知火「その他にも『治療室』『入渠場』『休憩室』という部屋もあるようですね」
時雨「『娯楽室』『カフェ&BAR』なんて部屋もあるけど、使用禁止のシールが張られてる……」
阿武隈「一見すると、閉鎖的だったって言う鎮守府の環境とは不釣り合いなくらい福利厚生も充実って感じだけど……」
時雨「おそらくこれらの施設が賑わってたのは、前任の提督が居た頃の話なんだろうね」
吹雪「そうか。司令官が変わって閉鎖的な雰囲気になったから、娯楽室とかは使用禁止にされたんだ」
不知火「……ここまでされた艦娘たちの不満や心境は察するに余りあります」
- 12: 2016/12/25(日) 23:48:47.36 ID:W/XNXAhY0
- 阿武隈「それで肝心の『地下への入り口』だけど。時雨ちゃん、何か心当たりとかはある?」
時雨「いや、申し訳ないけどそこまでは、まだないかな……」
吹雪「とりあえず1部屋ずつ見ていきませんか?」
不知火「そうですね。本庁舎ほど部屋数も多くないですし」
阿武隈「じゃあ、まずはどこにいく?」
行動安価>>14
- 14: 2016/12/25(日) 23:55:13.09 ID:V36OK/Pp0
- ドック
- 15: 2016/12/26(月) 00:00:03.36 ID:BpBudmDu0
- 時雨「ここは順当に『ドック』から当たってみよう」
吹雪「案内板を見る限りドックはこの施設の半分近くを占めてるみたい」
不知火「何かある可能性は大いにあり得ますね」
阿武隈「じゃ、そこで決まりね」
吹雪「ドックは……この通路を真っすぐ進めば見えてくるはずです」
時雨「いってみよう」
- 16: 2016/12/26(月) 00:16:53.66 ID:BpBudmDu0
- -ドック-
吹雪「この大きな扉の向こうがドックですね」
時雨「見たところ鍵とかはないみたい。そのまま開けられそうだ」
阿武隈「開けてみよう」
不知火「では不知火が……」グググ
ガチャン!
吹雪「……潮の匂いがする。それに波の音も!」
時雨「結構広大な空間になってるみたいだね。奥の方は……星空が見える。海と繋がってるんだ」
阿武隈「帰還してきた艦娘は、ここから直接入渠や修復が出来るようになってるんだわ」
不知火「なるほど。この施設自体が入渠ドック以外の港湾施設を集約した複合施設という訳ですか」
吹雪「でも、これだけ広いと探すのも大変そう……」
阿武隈「うーん……。とりあえず目に見える場所から調べていきましょう」
時雨「地下への入り口は何らかの形で隠されてる可能性も高い。見落としが無いよう細かく調べよう」
吹雪「うん!」
不知火「了解です」
- 17: 2016/12/26(月) 00:43:08.20 ID:BpBudmDu0
- 吹雪「色々な機械とかもたくさん並んでるけど、どれも錆びたり腐食してたりで酷い状態だ」
時雨「海側が解放されたままになってるから、潮風の影響や高波とかで海水を被ったりしたんだろうね」
阿武隈「普通なら防水用のシャッターとかがあるはずよね?」
時雨「おそらくそれを閉める前にここから人が消えたんだと思う」
不知火「この鎮守府の人の消失は突発的な出来事だったと?」
時雨「僕はそう考えてるよ。他の場所の状態もそれを物語ってるし……」
吹雪「やっぱり……ここにいた艦娘が消えちゃったのは、行方不明事件と何か関係があるのかな?」
時雨「まだ僕にも解らないけど……っと、この先は水場になってるみたいだ」
不知火「だいたいドック内の構造は掴めてきましたが……とりわけ気になる箇所がある訳でもないですね」
阿武隈「そうね。駄目になった機械とかクレーンとかはたくさんあるけど……何かが隠されてそうな所は無さそうね」
吹雪「別の場所に行ってみますか?」
時雨「そうだね。気になるようならまた来ればいいし」
行動安価>>19
- 18: 2016/12/26(月) 00:46:00.08 ID:ktTccpS+0
- 娯楽室やカフェの捜索
後今居る場所ってぽい達が流れ着いた場所とは違うんだろうか・・・地図が頭で描けない - 19: 2016/12/26(月) 00:47:07.89 ID:VjHp9g0so
- ↑
立入禁止は入れの標識 - 21: 2016/12/26(月) 00:57:59.84 ID:BpBudmDu0
- 入渠ドックの見取り図ですが、
海
ドック
治療室 通 休憩室
入渠場 路
娯楽室
カフェ
ラウンジ
入り口
って感じです。
ドック以外では入渠場と娯楽室が大きめの部屋
カフェと娯楽室はラウンジと通路に1つずつ出入口
ドック、治療室は通路からのみ入室可能
右側の休憩室は仕切りがなく、通路の延長線上に存在(通路は逆さL字型)
伝わるかな……? - 22: 2016/12/26(月) 01:03:32.54 ID:BpBudmDu0
- 吹雪「あの娯楽室やカフェって場所は入れないんでしょうかね?」
阿武隈「使用禁止って書かれてた所だよね? どうなんだろ……」
時雨「気になるのかい?」
吹雪「あ、いえ……なんとなく。ですが」
時雨「いいよ。いってみよう」
不知火「見取り図によれば、娯楽室もカフェもさっき通ってきた通路から入室可能ですね」
阿武隈「じゃあ、一回戻ってみようか」
- 26: 2016/12/26(月) 01:12:02.45 ID:BpBudmDu0
- -通路-
不知火「ここが『娯楽室』の出入口ですね。ご丁寧に使用禁止のプレートが掛かってます」
時雨「鍵が掛かってるね……」ガチャガチャ
吹雪「ということは、やっぱり調べるのは無理かな……?」
時雨「……いや、庁舎や寮の扉と比べて頑丈そうではないし。案外壊して入れるかも」
阿武隈「手荒な真似はちょっと……」
時雨「大丈夫だよ……不知火」
不知火「お任せを」
不知火「……ふんっ!」バキッ!
ギィィ…
吹雪「ほ、本当に開いた……」
不知火「やはり燃料が満タンですとパワーが違いますね」フンス
時雨「本庁舎での汚名返上だね」
阿武隈「……これは旗艦として注意した方がいいのかしら?」ブツブツ
- 28: 2016/12/26(月) 01:30:26.38 ID:BpBudmDu0
- -娯楽室-
時雨「この部屋は閉鎖されて長いせいか、とりわけ埃っぽくなってるね」
吹雪「結構広い部屋だね……部屋の中にまた別の部屋がいくつかあるよ」
阿武隈「この部屋は……シアタールーム!?」
不知火「こちらはガラス張りになってる部屋ですね……トレーニングルームのようです」
吹雪「うわぁ、トレーニングマシンがいっぱい! 本格的だ……」
時雨「ここは卓球台が置かれてる。マッサージチェアに飲み物の自動販売機まで……まるで旅館だね」
阿武隈「ビリヤードの台にダーツまであるわ! 休憩用のイスとテーブルもあるし、至れり尽くせりね」
時雨「ここまで娯楽施設が揃ってる鎮守府はそうそうないよ。破格の規模だ……」
不知火「これらは全て、前任の司令が艦娘たちの為に用意したのでしょうか?」
時雨「そうだろうね。後任の提督がこんな場所を増設したとも思えないし」
吹雪「前の司令官は、優しい思いやりのある方だったみたいですね」
阿武隈「ちょっと過保護な気もするけどね……」
- 29: 2016/12/26(月) 01:34:26.11 ID:BpBudmDu0
- 阿武隈「……さて、みんなどうだった?」
吹雪「特に気になる所はありませんでしたね」
不知火「不知火も同じです」
時雨「僕も、何か仕掛けがないか念入りに調べたけど……この部屋には何もなさそうだよ」
阿武隈「ハズレだったってことね……。また別の場所に行きましょう」
行動安価>>31
- 31: 2016/12/26(月) 01:37:29.81 ID:islp7AvcO
- カフェ
- 33: 2016/12/26(月) 01:41:52.76 ID:BpBudmDu0
- 阿武隈「どうせなら同じく使用禁止になってた『カフェ&BAR』って所にいってみない?」
吹雪「はい。いいと思いますよ」
不知火「カフェなら通路に出てすぐの向かい側に入り口があったはずです」
時雨「よし、いこう」
- 34: 2016/12/26(月) 01:45:04.90 ID:BpBudmDu0
- -通路-
吹雪「ここも使用禁止のプレートと鍵が掛けられてるね」
時雨「不知火、お願い」
不知火「はい」
不知火「ふんっ!」バキッ…ギィィ
時雨「よし、開いた。早速中に入ろう」
阿武隈「……無事に帰れたら神通ちゃんに相談しようかな」
- 35: 2016/12/26(月) 02:07:27.25 ID:BpBudmDu0
- -カフェ&BAR-
時雨「ここはまた……豪華な内装だね」
吹雪「カウンターが2つある……。どっちも本物の喫茶店やBARみたい」
阿武隈「埃は被ってるけど、まだお酒やドリンクの瓶なんかが置かれたままになってるわ」
時雨「奥の方には小さな調理場もあるけど……長い間使われた形跡はないね。調理器具は残ってるけど、埃まみれだ」
吹雪「テーブルや椅子もたくさんある……念のため1つずつ見ていこう」
不知火「……! 時雨さん、これを見てください」
時雨「何か発見したの?」
不知火「このバーカウンターの棚に置かれている酒……ナポレオンですよ」
不知火「こっちにはロマネコンティに高そうなシャンパンも無数に……」
時雨「……何かと思えば。真面目に調べてよ」
不知火「あっ……す、すみません」
時雨「まったく……」チラッ
時雨「でも本当に高級酒ばかりだ……那智さんやポーラさんが居たら狂喜してるだろうな」
- 36: 2016/12/26(月) 02:12:49.30 ID:BpBudmDu0
- 吹雪「うーん……。室内のテーブルや椅子は全て調べたけど、なにも無いです」
不知火「調理場、カウンターにも特に仕掛けなどはないようです」
阿武隈「じゃあ、ここも違うって事かしら……?」
時雨「もし地下への入り口が隠されてるのだとしたら、人目に付くような場所は避けるんじゃないかな?」
時雨「この鎮守府の艦娘たちは皆、地下の存在を知らなかったみたいだし」
吹雪「考えてみればそうだよね。じゃあ、人目に付かなさそうな所っていうと……」
行動安価>>38
- 38: 2016/12/26(月) 02:17:06.67 ID:igA0dunZo
- 治療室かな
- 39: 2016/12/26(月) 02:22:06.16 ID:BpBudmDu0
- 阿武隈「『治療室』とか……緊急時以外は出入りも少ないし、出入りする人も限られるんじゃない?」
不知火「たしかにそうですね」
時雨「治療室か……調べてみる価値はありそうだね」
吹雪「じゃあ、次は治療室にいってみよう」
- 41: 2016/12/26(月) 02:31:11.68 ID:BpBudmDu0
- -治療室-
時雨「ここは鍵などは掛かってないね」キィィ
不知火「医療施設にしては、やけに不用心にも見えますね……」
吹雪「いくつかの部屋に分かれてますね。『ベッドがある部屋』と……あっちは『手術室』?」
阿武隈「あそこの個室は『レントゲン室』って書いてあるよ。隣には『ICU』もある」
時雨「手分けして調べてみよう」
行動安価>>43
時雨が調べる部屋は?
- 43: 2016/12/26(月) 02:44:45.88 ID:OaAK6p8A0
- ベッドがある部屋
個人的にはカルテ室と薬剤室があるなら調べたい - 45: 2016/12/26(月) 18:04:57.60 ID:lFrFC2AYo
- 艦娘の治療てお風呂で全て解決じゃないのか
- 48: 2016/12/26(月) 20:13:02.15 ID:BpBudmDu0
- >>45
独自設定になりますが、
小破(明石が修理出来るレベルの軽度な損傷)はお風呂で回復可能
中破~(明石で修理不可)は医療設備で治療が必要
大破は重傷。集中治療および入院が必要
という設定です(バケツ使用の場合を除く)
- 49: 2016/12/26(月) 22:13:08.79 ID:BpBudmDu0
- 時雨「僕はあの『ベッドがある部屋』を調べてみる」
不知火「では『手術室』は不知火が」
阿武隈「あたしは『レントゲン室』を見てみるよ。吹雪ちゃんは『ICU』をお願いできる?」
吹雪「わかりました」
時雨「何があるかわからない……。みんな十分に用心して」
- 50: 2016/12/26(月) 22:36:21.54 ID:BpBudmDu0
- -治療室 病室-
時雨「ベッドが並んでる。1、2……6つか」
時雨「ここは負傷した艦娘用の『病室』だったのかな?」
時雨「負傷者が発生しない限り出入りする人は限られてただろうから、何か隠されてる可能性もあるか」
時雨「考えられそうな箇所を調べてみようかな」
時雨「……」
時雨「……ん? ベッドの幾つかは布団も綺麗に畳まれて患者待ちになってるけど」
時雨「中には布団が敷かれたまま、やけに荒れてるベッドもある?」
時雨「このベッドは隣に点滴と管が繋がれたまま放置されてる。この状況はまるで……」
時雨「……」
時雨「室内に仕掛けとかは無い。役立ちそうな物も特になさそうだ」
時雨「仕方ない。一度戻ろう」
- 51: 2016/12/26(月) 22:57:30.64 ID:BpBudmDu0
- 阿武隈「あ、時雨ちゃん。そっちは何かあった?」
時雨「いや、特には……。阿武隈さんは?」
阿武隈「あたしも何も。レントゲンの機械とかはそのまま残ってたけど、それ以外には何も無かったの」
時雨「そう……」
不知火「すみません、お待たせしましたか?」ガチャ
時雨「不知火。手術室はどうだった?」
不知火「室内は隈なく調べましたが、何か隠されてそうな所はありませんでした」
不知火「手術台や機器、器具などがありましたが、あまり使われていた形跡はありませんでしたね」
阿武隈「手術が必要となるとかなりの重傷者だけだし、滅多には使われなかったのかも」
時雨「……」
阿武隈「あとは吹雪ちゃんだけね」
- 55: 2016/12/26(月) 23:16:24.56 ID:BpBudmDu0
- 吹雪「あ、皆さんちょうど集まってましたか」ガチャ
阿武隈「噂をすれば……どうだった吹雪ちゃん、ICUは?」
吹雪「いえ。残念ながら地下への入り口みたいなのは無さそうでした」
阿武隈「そっか……うーん」
吹雪「あ、でも。ここの艦娘たちの治療記録みたいな物なら纏まってましたね」
時雨「治療記録?」
吹雪「うん。時雨ちゃんなら何かわかるかなって思って、呼びに来たんだけど」
時雨「……たしかに興味深いね。吹雪、ちょっと案内してくれる?」
吹雪「うん。こっちだよ」
- 58: 2016/12/27(火) 00:30:35.72 ID:n32LVotF0
- -ICU-
不知火「ICU……集中治療室ですか。さすがに色々な設備が整っています」
阿武隈「ベッドは1つだけ。特に重篤な娘を入れる為の場所ってことね」
時雨「吹雪、治療記録っていうのはどこに?」
吹雪「あの棚の中だよ」
時雨「これか……」ペラ
時雨「……月ごとの治療記録のようだね。治療や診察をしていたのは明石か。サインが残ってる」
不知火「何か変わった点などは?」
時雨「いや……内容は至って普通だ。特におかしなところも……」ペラペラ
時雨「ん? 2013年の7月以前のサイン……明石以外に提督のサインも残ってる」
阿武隈「提督の?」
不知火「時期的には前任の司令ですね」
吹雪「前任の司令官が明石さんを手伝っていたのかな?」
時雨「かもしれない……この頃の記録には、損傷の具合とかもかなり細かく書かれてるな」ペラペラ
- 66: 2016/12/27(火) 22:59:23.14 ID:n32LVotF0
- 時雨「気になったのはそれくらいか……あとは至って普通の記録みたいだ」パタン
不知火「何か手掛かりになりそうですか?」
時雨「うーん……どうだろう。まだ何とも言えないかな」
吹雪「ねえ、時雨ちゃん」
時雨「なんだい?」
吹雪「そろそろ教えてくれないかな? 時雨ちゃんはどうして、この入渠ドックに地下への入り口があるって思ってるの?」
時雨「……そうだね。一度僕の考えをみんなにも話しておこうか」
- 67: 2016/12/27(火) 23:06:55.67 ID:n32LVotF0
- 時雨「さっきも話した通り、僕は卯月の目撃証言が鍵だと思ってるんだ」
吹雪「卯月ちゃんの話が全て正しかったとしたら…って、さっき言ってたけど。それはどういう意味なの?」
時雨「言葉通りさ。卯月の証言は何も間違っていない。人影はここに入った後、本当に姿を消したんだ」
時雨「この事が、ここに地下への入り口が隠されてると考えられる根拠になるんだよ」
吹雪「それって……まさか」
吹雪「卯月ちゃんが見た人影が消えたのは……隠されていた地下に入っていったからってこと?」
時雨「その通りだよ」
- 68: 2016/12/27(火) 23:07:37.25 ID:n32LVotF0
- 阿武隈「つまり卯月ちゃんが見た人影は、ここに来たあと何処かに隠されている入り口から地下へ入っていった」
阿武隈「だから追いかけてきた卯月ちゃんには、人影が忽然と姿を消したように見えたのね」
時雨「うん。恐らくそれがあの噂の真相だろうね」
不知火「たしかに……それなら辻褄は合いますね」
阿武隈「でも、その隠された入り口っていうのが何処にあるのかが最大の問題な訳だけど」
時雨「それは気になる所を手当たり次第に調べていくしかないね」
時雨「ここは普段から艦娘たちが利用していて出入りも多い。ふとしたことで発見されないような仕掛けになってるんだとは思うけど」
- 69: 2016/12/27(火) 23:36:39.51 ID:n32LVotF0
- 阿武隈「ここを利用してる娘たちにも見つからない所……」
時雨「この部屋に何か隠されてそうな所はなかったんだよね、吹雪?」
吹雪「う、うん。念入りに調べたから見落としはないと思うけど」
不知火「そろそろ次の場所に移動しますか?」
時雨「……」
行動安価>>71
1 まだ『治療室』を調べる(調べる部屋を指定)
2 他の場所にいく(場所を指定)
3 それ以外の行動(行動を指定)
- 70: 2016/12/27(火) 23:43:15.04 ID:hDGTLYbyo
- 手術室が怪しい
- 72: 2016/12/28(水) 00:08:44.74 ID:DY2XvaLP0
- 時雨「その前に、一度手術室を見ておきたいんだけど。いいかな?」
阿武隈「手術室を?」
不知火「そこは不知火が調べましたが……不知火の探索に何か落ち度でも?」
時雨「あ、違うよ。誤解しないで。不知火を疑ってる訳じゃないんだ」
時雨「個人的に少し気になってね……。自分の目で一度見ておきたいんだ」
時雨「だからね、そんな……泣きそうな目をしないでよ」
不知火「……」
吹雪「不知火ちゃんは見ておくから、行ってきて時雨ちゃん」
時雨「……ごめん。お願いするよ吹雪」
- 74: 2016/12/28(水) 00:27:05.30 ID:DY2XvaLP0
- -手術室-
時雨「さて、不知火の言った通り……室内は綺麗であまり使われた形跡はないか」
時雨「手術に使う器具は鍵の掛かった保管ケースの中……。これは強引には開けられなさそうだ」
時雨「室内も……床……壁……特に妙な所はない。隠し扉の類とかはなさそうだ」キョロキョロ
時雨「残るはこの棚くらいか」ガララ
時雨「……手術記録の纏まったファイルがあるけど。普通の記録みたいだ」パラパラ
時雨「さすがに……こんな場所では行われてない、か」ボソッ
- 76: 2016/12/28(水) 00:44:33.96 ID:DY2XvaLP0
- 時雨「仕方がない。別の場所を――」パタン
ヒラッ
時雨「おっと、ちゃんと綴じられてない紙があったのか」ガサッ
時雨「……あれ? これは手術の記録じゃない。報告書の写し書き?」
『先週、鎮××東××岸に漂着し×××のを発××××身元×明の遺×に関する検死×果に××て報告します。』
『遺体は×間の年齢にし×10代~50代と×定。腐×と×壊が××く、当施設の××では年×特×及び性×に××る×定は不××。』
『××からは人×のDNAと深×××固有の××Aが××さ×ま×たが、漂着××付近に多×の×××艦の×骸も××××××た為、』
『×出××たDNAからこの××が×間か×娘か×海×艦かを××する××は極めて困××あると×論。』
『なお、この遺×は少将××の×令により××××××』
『××××年1×月 ×××××』
時雨「これは……」
時雨「この遺体って……いや……だとすると……」ブツブツ
時雨「……考えても今の情報だけじゃ答えは出ないか。本来の目的に戻ろう」
時雨「でも、どうして写し書きがこんなところに……?」
- 77: 2016/12/28(水) 00:52:15.75 ID:DY2XvaLP0
- 阿武隈「時雨ちゃん。どう、何か見つかった?」
時雨「……いや。不知火の言った通り何もなかったみたいだ」
吹雪「そう……」
時雨「妙な誤解をさせてしまってごめんね、不知火」
不知火「あ、いえ……不知火のほうこそ勝手な思い込みをしてしまい、申し訳ありません」
阿武隈「それで次はどうする?」
時雨「そうだね……。ここの探索はこれくらいでいいと思うな」
行動安価>>79
1 他の場所にいく(場所を指定)
2 それ以外の行動(行動を指定)
- 79: 2016/12/28(水) 00:57:02.98 ID:UoCUkAwJo
- 踏み台
- 81: 2016/12/28(水) 01:13:59.58 ID:DY2XvaLP0
- 時雨「次の場所に行ってみよう」
吹雪「あと調べてないのは……『休憩室』と『入渠場』だね」
阿武隈「休憩室ならこの部屋の正面だし、次はそこを調べようよ」
時雨「じゃ、休憩室で決まりだね」
- 82: 2016/12/28(水) 01:26:42.60 ID:DY2XvaLP0
- -休憩室-
吹雪「あれ? たしか休憩室ってここだったよね?」
不知火「ここで間違いないですが……通路とを仕切る壁や扉がありませんね」
阿武隈「自動販売機とテレビにテーブル、椅子のセットが数脚並んでる。この空間が休憩室、なのかな?」
時雨「これじゃあ、休憩室っていうより休憩所って感じだね」
吹雪「見て、奥の方に部屋があるよ」
不知火「何の部屋でしょうかね?」
時雨「とりあえず、入ってみよう」
- 90: 2016/12/28(水) 02:08:16.43 ID:DY2XvaLP0
- -休憩室 シャワールーム-
時雨「ここは……更衣室かな? 奥にまた別の空間があるみたいだけど……?」
吹雪「なんだろう? 小さな個室が4つほど並んでるけど……トイレ?」
阿武隈「あっ、これって個室型のシャワーだわ」
時雨「……シャワー?」
吹雪「ってことは……ここはシャワールームなんだ」
不知火「不知火たちの鎮守府にあるのと同じタイプですね」
阿武隈「演習の後とかによく使うのよね。お風呂もいいけど、軽く汗を流すだけならシャワーの方が便利だし」
- 84: 2016/12/28(水) 01:58:00.18 ID:DY2XvaLP0
- 吹雪「シャワールームも内装はすごく豪華だけど……さすがに水回りは変色したり錆が浮いてたりしてるね」
不知火「水の元栓は生きているのでしょうか?」
阿武隈「もし生きてたら蛇口をひねった瞬間、赤水のシャワー……ううっ、想像しただけでも気持ち悪い」
時雨「ここと更衣室も併せて調べていこう」
不知火「……更衣室のロッカーなどは、怪しいかもしれませんね」ガチャッ
時雨「タオルとか私物が残ってるロッカーもあるね。不知火、奥の壁とかに仕掛けがないか念入りにチェックして」
不知火「了解」ドンドン
吹雪「シャワールームの中は……っ、なんか変な臭いがするっ!」
阿武隈「下水の臭いね……。長い間水を流してなかったから排水溝から臭ってきちゃってるんだよ……」
吹雪「うぅ……でも、とりあえずシャワールームの中を調べないと」ドンドン
阿武隈「うぇぇ……髪の毛に臭いが染みついちゃいそう」トントントン
- 85: 2016/12/28(水) 02:02:18.51 ID:DY2XvaLP0
- 阿武隈「どう、みんな。何か見つけた?」
吹雪「いえ、シャワールームには特に何も……」
不知火「更衣室のロッカーも全て調べましたが、怪しいところはありませんね」
阿武隈「じゃあ……ここも違うのかな?」
時雨「……」
時雨(……なんだろう。何か引っかかるな)
自由安価>>88
- 88: 2016/12/28(水) 02:04:58.81 ID:2chuYUUA0
- うーちゃんのメモ書きってロッカーのダイヤルキーじゃないかなー?
- 91: 2016/12/28(水) 02:16:53.45 ID:DY2XvaLP0
- 時雨(そういえば……秘密基地で見つけたこのメモ)ガサッ
『いちばんおく みぎに3かい ひだりに5かい みぎにぜんかいまでまわして いちどおす こわれているから××は』
時雨(もしかしてこれ、何かの暗証番号なのかな?)
時雨(たとえば……ロッカーのダイヤルキーとか?)
時雨(……いや、このロッカーは鍵式だ。それに念入りに鍵を掛けてるロッカーなんて無かったし、これは違うか……)
時雨(このメモが意味してるもの……いったい何なんだ?)
自由安価>>94
- 94: 2016/12/28(水) 02:41:07.15 ID:yBC9IrRuo
- 卯月のメモの通りにシャワールームの一番奥の個室の蛇口を回す
- 99: 2016/12/28(水) 03:08:28.11 ID:DY2XvaLP0
- 時雨(いちばんおく……みぎ……ひだり……ぜんかい……まわす)
時雨(こわれているから××は……こわれ……)
時雨(……!)
時雨(ひょっとして、このメモの意味って……)
時雨「……試してみるか」
不知火「時雨さん?」
時雨「阿武隈さん、吹雪。シャワールームの個室は全部調べた?」
阿武隈「えっ? う、うん。調べたよ」
吹雪「私も……調べたけど?」
時雨「じゃあ――」
時雨「シャワーのハンドルは回してみた?」
- 100: 2016/12/28(水) 03:10:17.85 ID:DY2XvaLP0
- 吹雪「えっ、シャワーのハンドル?」
阿武隈「そこは……調べてないね」
時雨「ということは……!」ダッ
阿武隈「し、時雨ちゃん!?」
時雨「一番奥の個室……ここだね」ガチャ
時雨「やっぱり……ハンドルは1つ。左右に回すタイプか」
阿武隈「時雨ちゃん! 水が止まってるかもわからないのにシャワーを出したら……!」
時雨「いや……たぶん大丈夫だよ」キュッキュッ
吹雪「うわわっ! って……あれ? 水が出ない?」
時雨「やっぱり……『こわれている』」
時雨「あのメモの千切れた部分に書かれていたのは、『こわれているからみずはでない』だったんだ!」
不知火「どういうことですか、時雨さん?」
時雨「あの卯月が残したメモだよ。あれは……このシャワールームのことを示してたんだ!」
- 101: 2016/12/28(水) 03:11:49.94 ID:DY2XvaLP0
- 時雨「だとすると……あのメモに書かれていた通りにハンドルを回せば……」
時雨「右に3回……」キュキュキュッ
時雨「左に……5回」キュッキュッキュッ
時雨「さらに、右に全開まで回して……1度、押す!」グッ
ガコン!
時雨「!」
阿武隈「なに? 今の音……?」
吹雪「あっ! 時雨ちゃん、それ!」
時雨「……なるほどね。こういう仕掛けだったのか」ギィィ
阿武隈「シャワーがある壁が外れて……奥に空間が!」
不知火「回転扉の仕掛け……ということは、ここが……!」
時雨「うん。『地下への入り口』だ」
- 138: 2016/12/29(木) 20:22:24.24 ID:4DNgkcTl0
- 時雨「中は真っ暗だけど……下に続く階段が見える。ここで間違いないみたいだ」
吹雪「ってことは、この中に初霜ちゃんと夕立ちゃんが……!」
不知火「入ってみますか?」
時雨「ようやく見つけたんだ。入らない選択肢はないさ」
阿武隈「うん。初霜ちゃんたちが待ってるわ!」
時雨「よし……みんなライトを点けて。階段は急だし結構長そうだ。足元に気をつけて降りていこう」
ゴポッ コポポ… - 139: 2016/12/29(木) 20:37:09.05 ID:4DNgkcTl0
- -地下への階段-
阿武隈「本当に長い階段ね……。明かりもついてないし、空気もどんよりしてる」
吹雪「天井のところに電灯みたいな物はありますけど……電気が止まってるのかな?」
不知火「ここだけ電灯が点いていたら、それはそれで怖いですけどね」
時雨「……! 見て、何か見えてきたよ」
阿武隈「これって……通路かしら? 3つに分岐してるわ」
吹雪「真っすぐと右と左。どの通路も同じに見えるけど……」
不知火「どちらに進みましょうか?」
時雨「……」
行動安価>>141
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
- 141: 2016/12/29(木) 20:40:33.10 ID:2mM8na0OO
- 1
- 142: 2016/12/29(木) 21:18:24.42 ID:4DNgkcTl0
- 時雨「真っすぐ進んでみよう」
阿武隈「そうね。下手に動き回ると現在地を見失ってしまうかもしれないわ」
吹雪「いってみましょう」
-地下施設 通路-
阿武隈「まさか鎮守府の地下に、こんな場所があるなんて……」
不知火「先ほどから一本道の通路が続くばかりで扉なども見当たりません。いったい何なんでしょうか、ここは?」
時雨「おそらくだけど、ここは……」
吹雪「あっ、また道が分かれてます!」
阿武隈「今度もさっきと同じ3つの分かれ道……今度はどうしようか?」
行動安価>>144
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
- 144: 2016/12/29(木) 21:26:39.26 ID:YRgMM1rk0
- 2
- 145: 2016/12/29(木) 21:38:52.90 ID:4DNgkcTl0
- 不知火「では、右に行ってみましょう」
吹雪「何か当てがあるの?」
不知火「いえ、勘です」
阿武隈「あれ? 扉が見えるけど行き止まりだわ」
時雨「扉にプレートが填められてる……『オフィス』?」
吹雪「入ってみる?」
不知火「鍵が掛かってますね」ガチャガチャ
阿武隈「うーん……。入れないなら、戻って別の場所にいく?」
時雨「……」
自由安価>>147
- 147: 2016/12/29(木) 21:42:21.42 ID:xifUv/jS0
- 変わった鍵を使う
駄目なら戻って直進 - 148: 2016/12/29(木) 21:56:00.81 ID:4DNgkcTl0
- 時雨「不知火、執務室で見つけた『変わった形状の鍵』を貸してくれる?」
不知火「これをですか?」チャリ
時雨「うん。本庁舎の扉には合わなかったし、もしかすると……」カチャ
カチン!
時雨「ビンゴだ」ギィィ
吹雪「その鍵は、この部屋の鍵だったんだ」
阿武隈「入ってみましょう」
- 151: 2016/12/29(木) 22:26:37.20 ID:4DNgkcTl0
- -オフィス-
吹雪「あれ? 中は普通の部屋だ」
阿武隈「ほんとだ。オフィスっていうから、もっとたくさん机とかが並んでるのかと思ってたけど……」
時雨「テーブルとソファーに、書類が積まれた机。奥にはベッドも見えるね。それに部屋中本だらけだ」
不知火「オフィスというより図書室か……いや、誰かの私室という感じですね」
阿武隈「確かにそんな感じね。なんでオフィスなんだろう?」
行動安価>>153
- 153: 2016/12/29(木) 22:27:47.90 ID:xifUv/jS0
- 部屋の中を調べる
- 157: 2016/12/29(木) 23:58:01.55 ID:4DNgkcTl0
- 時雨「とりあえず、部屋の中を調べてみよう」
阿武隈「すごい数の本ね……。壁は殆ど本棚だし、溢れた本がテーブルや床にまで積み上げられてるわ」
不知火「医学、薬学、生物学に……外国語の本も多いですね。何の本かは解りかねますが」
吹雪「あっ、これベッドじゃないよ。ソファーにシーツを被せただけの簡易的な寝所みたい」
阿武隈「近くに毛布もあるし、ここで誰かが寝てたのかしら……?」
時雨「机いっぱいに山のように書類が積まれてる。ここを弄るのは後回しにしておこう」
時雨「机の中には……あっ、鍵があった」ゴソゴソ
時雨「プレートが付いてる……『検体保管室』?」
時雨「やっぱり、この施設は……」
- 158: 2016/12/30(金) 00:14:17.16 ID:tWKH7xzw0
- 時雨「一応この鍵は回収しておくとして、他の引き出しは……っと」ゴソゴソ
時雨「んっ? この引き出しの奥にまだ何か入ってるな」ゴソゴソ
時雨「これは……日記?」ペラッ
『我×が×って××こと×果×して正××こと×××の×? 初め×××を行っ××の日か×考×続×××る××だが、未だ結×は出×い。』
『××の為に、×験の為に、多くの××を殺×××た事は××ようの×い事×だが、』
『同時に××は、×ぬ××だった××たちを×らせることに成功××とも××る。』
『今では開発××の×入によ××、××を×として使用する××はなく×った。』
『故×多くの×間が知らな××まに×娘たちを運×している。彼××ちが××れるまでにどれほどの××が××れたかを。』
『この××は恐ら×一生×る×に出×こ××ない。××たちの××は時と×に××の闇の×に××れて消××い××××う。』
『×たしてそ×が××ことな×か……その×えが出る××は恐らくないだ×う。』
『仮に私が××に×えて、この××を×に知×××よう×して×、大××がそれを×さない××う。この××が×××に××ことを誰×りも×××いるのは××なのだから。』
『何より私は、××の為にこの禁忌に×を×××のだ。その結×として××を×えたのだから、後悔など×りえない××。』
『我々の×。そして受ける×き罰が××るのは恐らくあの×に行っ××らだろう。』
『今となっては××残りは×だけになっ×××ったが、他の××は×××でどのような沙汰を×××××のだろうか?』
『×××いったあ×××ちに詰め×ら×、×まれ、××××ちが受けた××みと同じ×に×××れている×ろうか。』
『いや、×××たちが行くべき×は天国。我々が××であ×う×獄とは別の××に××××う。きっと××ことはない……』
時雨「…………」
- 159: 2016/12/30(金) 00:24:41.51 ID:tWKH7xzw0
- 『深海棲艦との戦いが始まり×ヶ月が過ぎた。』
『奴らの勢×とその規模は当初の予×をはるかに上回る××だ。我々も日×研究×発を進め、戦況を有×とするべく努力は重ねているが……これでは焼け石に水だ。』
『未だ謎の多い深海棲艦。奴らとの戦いを終わらせる為には、より奴らの事を知る必要がある×かもしれない。』
『最近確認された新型の×海棲艦の報告。人型で高い知能を持つ新型の敵は我々にとって大きな脅威といえるだろう。』
『深海棲艦に関しては謎が多かったが、この新たなる敵の出現によりその謎は×らに深まったといえよう。』
『一方で人類側の損害も目立ち始めている。戦闘の中で撃破され海に沈んでいく艦娘の報告が各地で挙がり始めているのだ。』
『自艦隊で独自に調査を進めた結果、戦闘における損傷の度合いに応じて、艦娘たちを守る機能が低下することが原因のようだ。』
『現状では艤×出力が20%をきるレベルの損傷(大破相当と推定)で機能は喪失し、その状態で更なるダメージを受けることで耐久の限界点を突破し、×沈に至ると思われる。』
『数の劣勢に加えて、新たなる敵の出現。そして艦娘の弱点というべき部分の判明……』
『この戦争の行く末は果たしてどうなるのだろうか……?』
時雨「轟沈のメカニズム……僕たちの鎮守府でもまだはっきりとしたことは解ってないのに」
時雨「そうか。医療室のあれは、そういう……」
- 160: 2016/12/30(金) 00:35:46.55 ID:tWKH7xzw0
- 時雨「まだ続きがある……」ペラッ
『信じ××ない。我々が×ってきた××は一体何だったというのだ!?』
『元からおかしいとは思っていた。×が××につれ×××に××され××く新×の××棲×。よもやと思い××××たが、まさかこんな……』
『極め×けは×××だ。この調×××を早×に××せたに×か××らず、その××は現状××だと? ふざけるな!』
『奴らは×××てい×のだ。この××が××て×××××の×××××の中に××という×とを。××で×れ××で×く××××が全くの××で×ることを!』
『×らは×められ××のだ。自××ちが××な××を×××と×に、××の暗×になる×の非×××な××まで××て生××××た「××」が、』
『××を終×××ることが×××いどころか、この××をよ××××させ××ると××事実が発×××ことを、××て××のだ。』
『それでは××が×って×××とは×だったのだ……この××の×に失わ××××た×××たちの×は、×××たというのだ!?』
『なにより、××××は…… 私××××を、×よりも×い×××中に×××んで××ったというのか……』
時雨「文字が酷く乱れてる……それこの内容は……」
- 161: 2016/12/30(金) 00:42:23.45 ID:tWKH7xzw0
- 時雨「次のページで最後だ……」ペラッ
『なぜ気×かなかったのだろう。答えは簡×ではないか』
『×はすべて滅ぼせばいい。最後の××まで根絶×しにするその×まで……滅ぼすことは人×の得意とする××ではないか。』
『だがその為にはまだ何もかもが×りない。まずは研×を進めていく必要があ××ろう。』
『×××の愚か×共は、この事を××ば間×いなく××を企×××ろう。奴らは××で××××××だから。』
『私の邪×をするな×ば、すべてが×だ。深××艦もろとも×し去って××ばいい。』
『必ずやり遂げて××る。××を、こんな××た××の×から×××すために……』
時雨「これは……」
- 163: 2016/12/30(金) 01:03:36.00 ID:tWKH7xzw0
- 時雨「ここに書かれていること……ということは、やはりここは……」
阿武隈「時雨ちゃん?」
時雨「あっ、ん……はい。なに、阿武隈さん?」
阿武隈「すごく怖い顔してたから気になっただけなんだけど……邪魔しちゃったかな?」
時雨「ううん。少し考え事をしてただけ。それに対したことじゃないから気にしないで」
阿武隈「そう……?」
時雨「さて、あとはこの書類の山か……下手に動かすと一気に崩れちゃいそうだな」ゴソゴソ
時雨「……あれ? 奥の方に何かある……。この山が邪魔で見えないな」ゴソゴソ
吹雪「時雨ちゃん、どうかした?」
時雨「この書類の山の中に何かあるんだけどね……これがなかなか」
吹雪「じゃあ、上のほうから少しずつどかしていけば――」
時雨「あっ、だめ! 下手にいじると!」
ドザザザザッ!!
阿武隈「うわわっ! なに! どうしたの?」
吹雪「す、すみません……机の上の書類を触ったら、崩れちゃって」
不知火「これは不知火の落ち度ではありませんね」
- 164: 2016/12/30(金) 01:23:30.58 ID:tWKH7xzw0
- 吹雪「うぅ……ごめん、時雨ちゃん」
時雨「いや、大丈夫だよ吹雪。おかげで机の上もだいぶ見やすくなった」
吹雪「と、とりあえず、崩しちゃった書類は私が拾い集めておくから、時雨ちゃんは机の上を調べてよ」
阿武隈「あ、吹雪ちゃん。あたしも手伝うわ」ガサガサ
不知火「不知火も手伝いましょう」ガサ
吹雪「すみません。ありがとうございます……」ガサガサ
阿武隈「でもよかったぁ。あの物置のときみたいに埃で滅茶苦茶になっちゃわなくて」
時雨「……え?」
不知火「どうかしましたか、時雨さん?」
時雨「あ、いや……なんでもないよ」
- 167: 2016/12/30(金) 01:29:56.57 ID:tWKH7xzw0
- 時雨「まあいいや……。とりあえず、これで見やすくなったし……あれ?」
時雨「書類の山に埋もれてたこの書類だけ、だいぶ紙が古くなってる……?」ゴソゴソ
時雨「『古びた手記』か」ペラ
『夢を×た。一昨日××た少×の夢だ。』
『あの×は健×組として××に×れて×ら××××の1人。おそらく××だった××ろうが、こんなと×ろに相応×く×いほど明×く屈託の×い子だ××。』
『私×××を××と×び、××診断と××た適×××の×××も他の×××ち××違××の底から×の××を慕××××ている×うだった。』
『そんな子を××に××、××より辛い×しみを××せ、そして××てし×った。』
『実×の日。施設に××て×××めにあの子を×××ときの、私を信×しきった×いの欠片も×じ×××い笑×が×××から××ない。』
『数××後。自分が××に××れるという×とを×ったあの×の怯えた×、私に××を求×る×、××が始×っ×あ××の×が×きる×で響×続××悲×と助×を××る声が×も××××れない。』
『××が××り、物××ぬ無×な××に変×××てた××子の、苦××に歪××まま固×××顔が今も頭から離××い。』
『×かな×ータと引×替×に××れ×××子の……いや、それ×前の×××も×めた××の×。そ××を奪××××人である×に×難する権×など××こ×は××っている。』
『×に××ることは、×××早×××を完×さ××、これ××の××を×××××うに×××とし××来×い。』
『国××為と×××、××は決××許×れ××罪×××××××た。』
『血に×れ××の悪×の××が生み×××果は、××してこの×の希×と××のか、それとも……』
時雨「…………」
- 168: 2016/12/30(金) 01:38:26.99 ID:tWKH7xzw0
- 時雨「これって……あのこと、なのかな?」
時雨「でも、この紙だけ明らかに古い……。だとすると年代が合わないことになるけど……」
時雨「他に何かないか……? これ以外に、年代の古い資料があれば……」ガサガサ
時雨「……この表紙は、作戦書?」ガサッ
時雨「一部だけか……。テキスト名は、『作戦ファイル:終末計画』?」ペラッ
- 169: 2016/12/30(金) 01:54:14.52 ID:tWKH7xzw0
- 『ついに××がきた。これ×上××に××が見×××××合、×を××し新×××段を××るとのこと。』
『××××い、今まで××な×りの××××しを××てきたが、もう××だ。』
『もは××××の本×的な××隊が××さ×××るの××間の××だろう。』
『××はあと1歩とい××まで××いるとい×のに……××がない。』
『こう×××××××は、もは×××を××××の××に苛×××暇××い。』
『「終×××」を実×する×××たのだ。』
『何が×××もこの××を×××××られる×××いかない。』
『×××ことの××××を×××××為に、×××ちを××××る××の××絶望××××ら××為に、』
『×して××りも×切××××為×。』
『より×きな善の××……××は××不×欠な×だ。』
『最終×断は×××に×る×××限が××る×月を××に×××る。』
『×に××までの×××××ら、××に×××る試××××××の××は×××みだ。』
『×××××さ××ば、×××な××××にいる××ご×××の×跡××を××××こと××××。』
『死の××××、廃墟と化した×××の×××××ば、×××の××の××××××ろう。』
『無論××××に×××な×か×××ない。し×し、最××××が××する僅か×××さえ××こ××出×××、それ×いい。』
『願わ×ば、この計×が××に移さ××ことが××こ×を……』
時雨「……」ゾクッ
時雨「終末計画……廃墟と化した……」
時雨「そうか……そういうことか……」
- 173: 2016/12/30(金) 02:07:47.25 ID:tWKH7xzw0
- 時雨「…………」
不知火「時雨さん?」
時雨「! し、不知火、なんだい?」ゴソゴソ
不知火「い、いえ。崩れた書類を纏め終わりましたので……」
時雨「あ、うん。ありがとう」
不知火「……どうしたんですか? 顔色が優れませんが?」
時雨「……なんでもないよ。それより、何か見つかった?」
不知火「纏める際に一応書類も確認しましたが、特に気になる物はなにも」
時雨「そう……」
不知火「本当に大丈夫ですか? 時雨さんはここに来てから無理をし過ぎかもしれません。少し休まれたほうが……」
時雨「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、不知火」
不知火「いえ。そう言われるなら、いいのですが……」
時雨「……」
- 174: 2016/12/30(金) 02:17:57.55 ID:tWKH7xzw0
- 吹雪「とりあえず、役に立ちそうなものはなかったけど。この書類は元あった場所に……っと」ドサッ
吹雪「……あれ? 机の隅のところに何か埋もれてるよ?」ゴソゴソ
時雨「えっ?」
吹雪「ほらこれ……。写真立てみたいだけど」
時雨「中に写真が入ってるね。写真自体が相当古いのか、かなり色あせてて顔もわからないけど……」
時雨「男の人と女の子の写真……?」
阿武隈「もしかして、提督と鎮守府にいた艦娘の写真とか?」
吹雪「いえ、この写真の人たちは2人共私服を着てますし……女の子の方は、たぶん艦娘じゃないと思います」
時雨「そうだね……もう少し状態が良ければ顔や輪郭もはっきりするんだけど」
不知火「ここにいた人の私物でしょうか?」
時雨「……」
- 175: 2016/12/30(金) 02:27:50.17 ID:tWKH7xzw0
- 阿武隈「これで、一応この部屋はすべて調べられたかな?」
吹雪「結局、特に発見はありませんでしたね」
時雨「いや、1つ鍵を見つけたよ」
不知火「何処かの鍵ですか?」
時雨「『検体保管室』って書いてある。おそらくこの地下のどこかにある部屋の鍵だろうね」
不知火「検体保管室?」
吹雪「なんだか不気味な名前だね……。検体って……」
阿武隈「じゃあ、とりあえず、そろそろここを出て別の場所に行きましょう」
不知火「そうですね」
時雨「……」チラッ
吹雪「? 時雨ちゃんどうかした?」
時雨「……ごめん。何でもないよ」
時雨(この部屋……やっぱり何かおかしい)
時雨(さっき書類の山が崩れたとき、あれだけ派手に崩れたのに殆んど埃が舞わなかった……)
時雨(地下空間でしかも密閉されていたから……? いや、それにしては……)
時雨(まるで、つい最近までここに人が出入りしていたみたいな……。まさかね)ギィィ…バタン
- 188: 2016/12/31(土) 15:25:23.58 ID:FODN+TpB0
- 吹雪「オフィスを出て、さっきの分岐の所まで戻ってきましたね」
不知火「左の通路は不知火たちがさっき通ってきた所。階段へ続く通路ですね」
時雨「ってことは、まだ未開の道は、真っすぐか右側の通路だね」
阿武隈「それにしても……初霜ちゃんたち、いったいどこにいるのかしら?」
時雨「そういえば2人が連絡してきたときは、階段を上がった所にいるって言ってたんだよね?」
阿武隈「うん。そう言ってたわ」
時雨(どうして2人はあの階段のところに居なかったんだ? あの入り口以外にも別の出入口でもあるのか……?)
吹雪「とりあえず、どちらに進みます?」
行動安価>>190
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
- 190: 2016/12/31(土) 15:28:19.65 ID:EWWIZO3Qo
- 1
- 191: 2016/12/31(土) 15:58:43.90 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「真っすぐ行ってみよう」
不知火「わかりました」
吹雪「どこまで続いてるんだろう。この地下施設って……?」
-地下施設 研究区画-
時雨「通路が少し広くなってきた……?」
阿武隈「見て! 扉があるわ!」
不知火「左右に2つ……奥にも更に2つ見えますね。4部屋あるのでしょうか?」
吹雪「奥はまだ通路が続いてるみたい」
阿武隈「どうしよう……部屋を調べてみるか、先に進むか」
時雨「……」
行動安価>>193
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 手前左側の扉を調べる
4 奥にある右側の扉を調べる
5 奥にある左側の扉を調べる
- 193: 2016/12/31(土) 16:03:48.40 ID:f+JzIUHMo
- 3
- 194: 2016/12/31(土) 16:14:10.01 ID:FODN+TpB0
- 時雨「少し気になる……部屋を調べてみてもいいかな?」
不知火「どの部屋から当たってみます?」
時雨「じゃあ、左側にあるこの部屋から……プレートには『薬品保管庫』って書かれてる」
阿武隈「薬品保管庫……?」
吹雪「検体なんとか室もそうだけど……この施設って、まるで……」
時雨「何かの実験をしていた施設……そんな感じだね」ガチャ
時雨「部屋の鍵は開いてるみたいだ。入ってみよう」ギィィ
- 195: 2016/12/31(土) 16:48:23.28 ID:FODN+TpB0
- -薬品保管庫-
阿武隈「うっ……なんか、薬臭い……」
吹雪「戸棚がいっぱい……中には色々な瓶とか箱が入ってるけど、これってやっぱり……」
不知火「薬品でしょうね。戸棚に鍵が掛かってますから、中を調べることは出来なさそうですが」
時雨「こっちの頑丈そうな棚の中身は劇物類のラベルが張られてるよ」
阿武隈「劇物!?」
時雨「うん。僕も詳しくはないから、中身の詳細まではわからないけどね」
吹雪「そんな物まで扱って……ここでいったい何を」
時雨「……」
不知火「こっちには机もありますが……ん、何か紙がありますね」ガサガサ
時雨「紙?」
不知火「はい。何か書かれたメモのようですが……どうぞ」
時雨「……『試薬に関するメモ』?」
『先週発×した実×用艦娘の脱×未遂を受け、急遽×策を講じ××要が生じた。』
『×験に用い××体の抵抗を××る為に、薬×によ××抗の喪×が最も有×な手×であるが、検×の身×に影××及ぼす×とがあっては××ない。』
『現在最も×効と××られる×は試作β型の×与だろう。』
『脳×胞の一部を×壊××痺させ自我を×××とで、脳×外の××の身体に××響を及×す×となく××を奪うことが×来る。』
『×だし検体の×応の観察が必×な実×××してはその××ではない。×の場合は別の××を用いるしかないだ××。』
『追記:β×に深××胞から抽×した×質を調合する×××更×る効能を期×でき××もしれない。』
『×存の×型では自我の×失に伴い対象は廃×同然の××になってし×××、先日試×した改×型新薬:試βⅡ型の臨×試験では 』
- 196: 2016/12/31(土) 17:00:30.28 ID:FODN+TpB0
- 時雨「途中で記述が途切れてるか……他に紙とかはある?」
不知火「いえ。机の上にあるのはこの紙だけですね」
時雨「そうか……。しかし、遂に出たね『実験用艦娘』って記述が……」
不知火「ではこの地下施設……いや、この鎮守府で行われていたのは……!」
時雨「艦娘を使った人体実験、だろうね」
吹雪「じ、人体実験……!?」
阿武隈「そんな……」
時雨「執務室に残されていた資料を見たときから薄々感じてたけど、これを見て確信したよ」
時雨「どうやらこの鎮守府に隠されている闇は、想像以上に深いみたいだ……」
- 197: 2016/12/31(土) 17:16:23.61 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「信じられない……そんなことが行われてたなんて」
不知火「まさか、ここで起きていたという艦娘の行方不明事件は……」
時雨「おそらく実験に使う艦娘を秘かに拉致してたんだろう」
阿武隈「それじゃあ、ここの提督も……組織ぐるみで実験が行われていたっていうの!?」
時雨「こんな施設が作られてるんだ。間違いなく提督も関与してるだろうね」
吹雪「そ、そんなことって……」
時雨「……これ以上探すところは無さそうだ。そろそろ出よう」
時雨(……それにしても)
時雨(ここも殆ど埃がない。それに、物も地上ほど劣化してないみたいだ)
時雨(やっぱり地下だから劣化速度が遅い? それとも何か他に理由があるのか……?)
行動安価>>199
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 奥にある右側の扉を調べる
4 奥にある左側の扉を調べる
- 199: 2016/12/31(土) 17:19:28.52 ID:Lr+Iy49r0
- 3
- 200: 2016/12/31(土) 17:25:34.52 ID:FODN+TpB0
- 時雨「もう少しこの通路内の部屋を調べよう。次は……あの部屋に行ってみるか」
吹雪「他の部屋も……実験に関係があるのかな?」
不知火「おそらく……そうでしょう」
阿武隈「……」
時雨「……この部屋は『資料室』か」ガチャ
時雨「扉は開いてる。入ろう」ギィィ
- 202: 2016/12/31(土) 19:31:13.63 ID:FODN+TpB0
- -資料室-
阿武隈「今度は棚いっぱいに並んだ本や冊子の山ね……」
不知火「本庁舎にあった資料室と似てますが、そこよりも綺麗な印象を受けますね」
時雨「これだけあれば情報もたくさん得られそうだ……手分けして調べてみよう」
吹雪「……時雨ちゃんは冷静だね」
時雨「……」
吹雪「時雨ちゃんはいつも冷静で的確な判断が出来て頼りになるけど……」
吹雪「どうして……そんなに冷静でいられるの?」
時雨「……」
- 203: 2016/12/31(土) 19:32:33.75 ID:FODN+TpB0
- 不知火「吹雪さん、それは……」
時雨「いいよ、不知火」
時雨「僕もね……こんなところに迷い込んで、こんな受け入れ難いことを知って……それでいて冷静でいられる自分が、おかしいって思うよ」
阿武隈「……」
時雨「でも……僕だって何も感じてない訳じゃない。感じてるからこそ……冷静でいられるんだ」
吹雪「え……」
時雨「得体の知れない実験が行われていた鎮守府……それを怖がり恐れるのは簡単だけど、僕たちにはやらなきゃいけないことがある」
時雨「初霜と夕立を見つけ出し、誰一人欠けることなく帰還する。それまでは何があっても冷静でいなくちゃ……投げ出す訳にはいかないんだ」
吹雪「時雨ちゃん……」
阿武隈「吹雪ちゃん。時雨ちゃんだって本当は不安なはずだよ。だけどみんなの為に……頑張ってくれてるんだよ」
吹雪「!」
阿武隈「本当ならそれはあたしの役目なんだけどね……あたしがまだまだ頼りないから」
時雨「っ! それは違うよ、阿武隈さんのせいじゃない。僕が……勝手にやってるだけで」
阿武隈「うん。時雨ちゃんは優しいから、あたしの分まで重荷を背負ってくれちゃってる」
阿武隈「それは頼りないあたしの責任。だけど……背負いすぎるのは時雨ちゃんの悪い癖だよ」
時雨「え……」
阿武隈「何でも1人で背負い込もうとしないで。時雨ちゃんはもっとみんなの事を頼ったっていいんだよ」
時雨「……」
吹雪「あの、時雨ちゃん……私」
時雨「気にする必要はないよ。阿武隈さんの言う通り……僕も、1人で何でもやろうって気になってた」
時雨「独り善がりってやつだね……」
吹雪「そんなことないよ! 私たちがここまでこれたのは時雨ちゃんのおかげなんだから!」
不知火「吹雪さんの言う通りです。不知火もあの本庁舎で何度も時雨さんに助けて頂きました」
時雨「……ありがとう」
- 206: 2016/12/31(土) 19:39:21.93 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「さあ、みんな。あまり悠長にしてる時間はないわ。まずはこの部屋を軽く調べて、早く初霜ちゃんたちを見つけよう」
不知火「しかし……本当に膨大な量の資料ですね」
吹雪「とても全て見ていく時間はないけど……どう調べてく?」
時雨「棚ごとに手分けして探して、気になる物を集めていこう。最後にそれをみんなで見るって形でどうかな?」
阿武隈「そうだね。そうした方が時間を掛けずに済むわ」
不知火「では、各自調べ終わったらあの机の前に集合しましょう」
- 207: 2016/12/31(土) 19:48:45.25 ID:FODN+TpB0
- 時雨「この列にあるのはファイル集か……あれ、このファイル」ガサガサ
時雨「やっぱりそうだ。これ、本庁舎の資料室にあったファイルと同じ、深海棲艦に関する研究報告だ」
時雨「空母ヲ級……戦艦ル級……種別に詳しい記録が纏まってる」
時雨「こっちの棚には……ここも何かの研究資料が纏められるみたいだ」
時雨「あれ……このファイルだけ頭が少し出てる」ガサガサ
時雨「『仮説テキスト』?」ペラッ
時雨「……これは」
時雨「この仮説……だとすると、ここで行われていた研究や実験って……」
時雨「このファイルは回収しておこう」
~~~~~~~~~~~~
- 208: 2016/12/31(土) 20:05:48.99 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「みんな、何か気になる物は見つかった?」
吹雪「はい。1冊だけですけど」
不知火「不知火も……妙な資料を1冊」
時雨「僕も1冊。かなり興味深い内容だ」
阿武隈「じゃあ、順に見ていきましょう」
- 209: 2016/12/31(土) 20:09:55.32 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「まずはあたしから。資料に題名とかはなくて、何かのレポートみたいなんだけど」ペラッ
『先日×行した計画により確××れた××棲×化の新た××パ×ーン×ついて。』
『今まで×も×娘に対す××験の中で、人の部×に対×て深×××の×の力が作用し××合、未知の××が生×××とは判××ていたが、』
『生身の××に深海の×が作用×た場合の変×については未知の××だった。』
『詳しい××の理由は未だ不明だが、一つ言えることは××が負××の影×を××た場合、××でも深×××でも×い存在に変×すると××××だろう。』
『個体Aと呼称するこの××は頭部が欠×した人型であるが、身体を×在に液×化させる能×を持ち、その本質は不×形であると考×られ×。』
『また調査の結果、自我と××るようなものや思考×力は持ってお×ず、頭がない××か索×能×も著しく×い。』
『そ×て最も興×深いのが××による××変化である。』
『個体×は接触した×象から何らかの情×を吸収し×いる××と思×れ、接触×象と同じ外×に変化する××を持っているようだ。』
『生態を×査する目的で行った×験では、サ×プルに使った艦×を襲い弱ら×た後、×体化した身体で呑×込み融×を図ったことが確×された。』
『だが×合後も、外見こそ××と同一×××しているものの、その×の能力(特に知×面)は低い××であるこ×も判明した。』
『検体としても素×としても利用×値はないと××し、捕獲×収は行わない××とする。』
『×測だが、あの生×は×物としてイ×ギュラーな×在。即ち失×作ともいうべき××であり、自身をより正規の×に近づける為の贄を×××いるのでは××か?』
『しかし現在までの観×と研究によ×て判明している事実では、あの個体は吸収した生体×報を長×間に亘って×憶し続けることは×××いようだ。』
『どこまでいっ×も所詮は×敗作ということか。お×らくは永劫に××を求めて地×を彷徨×のだろう。』
吹雪「これは……」
阿武隈「読めない部分も多いけど、このレポートに書かれてる内容ってさ……」
時雨「うん。僕たちを襲ったあの怪物の特徴と一致してるね」
- 210: 2016/12/31(土) 20:34:30.49 ID:FODN+TpB0
- 吹雪「だとすると、あの怪物はこの鎮守府で行われていた実験で生まれたってこと?」
時雨「そうみたいだね……。ただ、あんな物が生まれることは実験する側にも想定外だったみたいだけど」
不知火「次は不知火が見つけた資料を見て頂けますか?」パサッ
阿武隈「あれ……不知火ちゃんこの資料って」
不知火「ええ。今のレポートに関連する資料のようです」ペラッ
『先に確認された深×××化の新たなる×ターンについて、実証×験に成××た。』
『2体の艦娘を素×とした××実験の結果、先に×認された個×Aとよく似た×化を遂×た。』
『×体Bと個×Cと呼称するこの両個体は、個体Aと同×に液体××力を持つが、個体Aと×い普段の形×は元の×娘のまま×安定し×お×、任意で××を変えられる。』
『対象の遺伝××を吸収するこ×により短×ではあ×が、融合な×で××に変化する××も確×され、この能×も個体×と比べ高精度である。』
『ただし強い衝×などを受けることで××が解けることも確認×××××、形態×化中の××構造は不安定な××と思われる。』
『また、液体が本質とな×ている為か、一定×下の×××では能力が大幅に×下し、摂×××××の状況下では生××動に×××が×ると予想される。』
『自我こそ××しているが知能も元の××から殆ど劣×するこ××く保たれ×おり、管理下に×くことも十分××であると結論。』
時雨「……」
阿武隈「この資料の内容を推察すると、あの怪物以外にも似たような物を人工的に作り出していたみたいね」
阿武隈「しかも、その素材に艦娘を使って」
吹雪「なんてことを……」
不知火「あの化け物以外にも、まだどこかに同種の化け物が潜んでいるのでしょうか?」
- 213: 2016/12/31(土) 20:53:15.55 ID:FODN+TpB0
- 時雨「じゃあ次は、僕の番かな」パサッ
阿武隈「ファイル?」
時雨「うん。『仮説テキスト』ってタイトルで、内容は研究に関する仮説を纏めた資料みたいなんだけど」ペラッ
『艦娘の×××が起きるメカ××ムとして以下の仮説が考えられる。』
『×××現象が××力によるも×であるとするな×ば、その根幹となる×は何なのか?』
『それはすなわち万物に宿る×と、××が持つ人間としての感×。それこそが強力な×××を生み出す根源なのではないだろ×か。』
『特に後者の場合、轟×という×とし×の×を前にして生まれる無念や未練、絶×、憎悪、生への執着と言った××を持つが故の×の感情の発生は必然で×り、』
『沈んだ××が海底に×ちるまでの×に、そういった××感情が増×し××の持つ何らかの作用と合わさって強力な×の×が発生する。』
『その×に××が呑まれることによって誕×するのが××××なのではないか?』
『この仮説が正しいとすれば、海上で×××艦を撃破した直後に無所属の××が発見される現象や、一部で報告されている××××が××に変化したという目撃×にも説明が付く。』
『つまり、×んだ艦×が負の×によって×海××になるのと×じように、海×で戦い敗れ取り巻く×××が何らかの原因で××れた場合、××××は××に転×する。』
『××と××××。この××はまさに××一×の××であるという私の××が実証されることになる。』
吹雪「状態が悪くて読み取れる箇所は少ないね」
阿武隈「でも、読める所に書いてある記述……これって」
時雨「……まだよくわからないけど、かなり興味深い内容だよね」
- 214: 2016/12/31(土) 21:03:48.08 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「あとは吹雪ちゃんね」
吹雪「はい。私が見つけた物は、ちょっと毛並みが違うみたいなんですけど……」
時雨「古い本だね。これは……アルバム?」
吹雪「うん。写真とかは貼られてないけど、内容はそんな感じ」バサッ
吹雪「ちょっと量が多いから、気になったところを抜粋するね」
『世界各地の海から突如として謎の艦艇群が出現し、わずか1日のうちに人類があらゆる海での制海権を失った日から×年が過ぎた。』
『未知なる敵「深海棲艦」は人類のあらゆる兵器による攻撃を受け付けず、×国が行った核攻撃も失敗に終わった。』
『以後、人類は×年に亘り勢力を拡大し続ける深海棲艦に対し何の抵抗も出来ないまま劣勢を強いられていたが、』
『ある時、我が国内で起こった―――』
『深海棲艦に対して唯一有力な効能を持つことが実証された「旧軍時代の艦の魂」を用いた兵器に関して、国家は正式に研究と開発を了承。』
『同年×月には試作第1号となる001号が開発されたが、001号は××に重大な問題があることが判明。』
『深海棲艦に対する実用性だけでなく運用面にすら×があると判断された結果、開発計画は大きく見直しを迫られることに。』
『我が国の希望となるはずの計画は早くも暗礁に乗り上げる形となった……』
阿武隈「……」
- 215: 2016/12/31(土) 21:11:08.05 ID:FODN+TpB0
- 『同計画に研究××として××された×××により、艦の×を用いるには×××る××が重要であるとの仮説が提唱され、』
『×××の説を基にした研究も同時に進められることになった。』
『そして×年×月。××氏が進めていた研究によって、××××とした兵器「試作081号」が完成。』
『081号は実証実験でこれまでにない成績を叩き出し、以後計画は×××の説を主軸にして進められることに。』
『順調に見えた計画だが、またしても大きな問題が発覚した。』
『研究の為に必要不可欠な素材。すなわち××なる××が不足していたのだ。』
『これまでの研×××とな×××は××。特に××に適性が高いことが判明しているが、未だ研究は発展途上段階である為、研究に使用した素材の再××率は極めて××、』
『研究を進めるためには、より多くの素材の確保が必要不可欠になっていた。』
『そこで××は秘密裏に××××や××、或いは×死×××で××の××みが×いと判断された××××め、兵器開発に利×するという悪魔の手段を計画した。』
時雨「……」
不知火「……」
『開発計画から×年。遂にこの日がきた。』
『完成した試作兵器は「艦娘」と名称され、正式に軍配備が決定。艦娘の製造方法の確立と量産体制の構築がスタートした。』
『研究の最終段階で完成した「××××」の導入により、×××××に代わる艦娘××を確保できた出来たことが完成の決め手となった。』
『これで人類に深海棲艦に対する有力な対抗手段が誕生した。』
『完成した艦娘たちは人類を絶滅の危機から救う最後の×望となるだろう。』
- 220: 2016/12/31(土) 22:09:21.51 ID:FODN+TpB0
- 時雨「これに書かれているのは、僕たち艦娘が生まれた経緯……」
阿武隈「こんなこと……始めて知ったわ」
不知火「不知火もです……」
吹雪「……」
阿武隈「これでみんなが見つけたものは全部ね」
時雨「うん……。ここの探索はこれくらいにしておこう」
吹雪「次はどうします?」
時雨「そうだね……」
行動安価>>222
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 奥にある左側の扉を調べる
- 223: 2016/12/31(土) 22:15:16.47 ID:LauOC/hA0
- あ、踏んだので1で
- 224: 2016/12/31(土) 22:24:20.96 ID:FODN+TpB0
- 時雨「部屋の探索はここまでにして、先に進もう」
阿武隈「賛成。初霜ちゃんたちを探す事を優先しましょう」
不知火「ではあの通路から先に進みましょう」
-地下施設 通路-
吹雪「あれ? また3つに分かれてる」
時雨「地下の通路は網目状になってるのかな……」
不知火「今度はどうしますか?」
行動安価>>226
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
- 226: 2016/12/31(土) 22:27:58.47 ID:Lr+Iy49r0
- クラピカ方式で左で!
- 228: 2016/12/31(土) 22:33:51.67 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「左に行ってみよう」
不知火「また少し通路が広くなってきましたね」
吹雪「……! 見てください、また扉がありますよ」
時雨「通路の左右に1つずつ……。通路はまだ奥まで続いてるね」
吹雪「どうする?」
行動安価>>230
1 先に進む
2 右側の扉を調べる
3 左側の扉を調べる
- 230: 2016/12/31(土) 22:41:15.56 ID:EWWIZO3Qo
- 1
- 231: 2016/12/31(土) 22:46:59.19 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「部屋の探索は後回し。今はとにかく先に進んでみましょう」
不知火「さっき調べなかった部屋やここにある部屋……いったい何の部屋でしょうか?」
時雨「研究や実験に関係のある部屋だとは思うけど……あまり想像したくないね」
吹雪「……あっ、何か見えてきましたよ」
阿武隈「扉だわ。かなり頑丈そう……」
不知火「とりあえず、近くまで行ってみましょう」
- 232: 2016/12/31(土) 22:53:56.10 ID:FODN+TpB0
- 時雨「あれ? 扉が少し開いてるね」
吹雪「こっちに何か書いてありますよ」
不知火「小さな黒板ですね。書かれているのは……『独房』?」
阿武隈「独房って……」
時雨「ここで実験に使った艦娘を閉じ込めておく為の場所だろうね……」
吹雪「どうします……入ってみますか?」
時雨「……」
行動安価>>234
1 進む
2 戻る
- 234: 2016/12/31(土) 22:55:46.00 ID:OQG3hkQh0
- 初霜編の独房の可能性もあるのか?安価にすべてを託す。もし踏んでたら1の進むで
- 235: 2016/12/31(土) 23:00:21.59 ID:FODN+TpB0
- 時雨「いってみよう」
不知火「扉は既に開いてますから、このまま進みましょう」
阿武隈「何があるかわからないわ。みんな、気をつけて」
吹雪「はい」
不知火「では、先頭は不知火が」
時雨「……」
- 236: 2016/12/31(土) 23:05:55.21 ID:FODN+TpB0
- -地下施設 独房区画-
不知火「……ん? 広い空間に出ましたね」
時雨「左側はまだ先が――あれ?」
阿武隈「どうしたの?」
時雨「人影が見える……!」
吹雪「! あれって……!」
阿武隈「!」
不知火「あれは……!」
吹雪「夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」
夕立「ぽいぃ!?」
初霜「え……? その声……吹雪さん?」
- 237: 2016/12/31(土) 23:14:23.60 ID:FODN+TpB0
- 吹雪「やっぱりそうだ! 夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」ダッ
阿武隈「初霜ちゃん!」タタッ
吹雪「夕立ちゃん!」
夕立「ぽーい! 吹雪ちゃん! 無事だったっぽい?」
吹雪「うん! 夕立ちゃんも無事でよかった……!」
時雨「元気そうだね。夕立」
夕立「ぽいっ!? 時雨も一緒っぽい!」
阿武隈「2人共無事でよかった……」
初霜「阿武隈さんたちも、ご無事で何よりです」
- 240: 2016/12/31(土) 23:25:32.78 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「2人共心配したんだよ! 連絡したときにいるって言ってた階段のところにいないし……」
初霜「申し訳ありません……。実は、私たちも始めはそこで待機していたのですが……」
不知火「何かあったんですか?」
初霜「はい。突然階段の下の方から物音が聞こえてきて……」
初霜「それで、そのまま階段のところにいたら袋小路になると思い、階段を下りて他の通路に逃げ込んだんです」
夕立「ぽいっ」コクコク
時雨「物音?」
初霜「はい……それで地下通路を逃げ回った末に、再びここにきて――」
ガァァァンッ!!
初霜「!」
時雨「!!」
不知火「!?」
吹雪「ひゃあっ!?」
阿武隈「なにっ!?」
時雨「今の音……あの独房から聞こえたけど……」
初霜「あれです……あそこにいるのが、私たちを追いかけ回してきた怪物たちなんです」
阿武隈「なんですって!?」
吹雪「初霜ちゃんたちも怪物に襲われたの!?」
初霜「ええ。それでここまで逃げて来た後、一計を案じて、あそこに怪物たちを誘い込んで……閉じ込めたんです」
夕立「結構ヤバかったっぽい……」
阿武隈「そうだったんだ……」
不知火「お2人が無事でよかったです」
- 241: 2016/12/31(土) 23:30:36.06 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「とにかく、2人が無事でよかったわ……。2人共燃料の残りは?」
初霜「殆ど余裕はありません。少ないところをさらにあの怪物たちに追い回されてしまったので……」
不知火「では、すぐに地上に戻り2人の補給を行いましょう」
吹雪「そうだね。夕立ちゃん、歩けそう?」
夕立「大丈夫っぽい!」
阿武隈「えっと……ここから地上に戻るには……」
初霜「そこの通路を通れば、上に上がる階段はすぐです」
時雨「よし。じゃあそこから――」
ズリュッ
- 244: 2016/12/31(土) 23:43:04.32 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「え……この音って」
時雨「っ! あそこだ!」ピカッ
怪物「――――」ズズッ...
不知火「あいつ……っ!」
吹雪「そ、そんな……出口にあの化け物が……!」
時雨「アイツ……僕たちの後を追ってきたのか!?」
- 245: 2016/12/31(土) 23:44:10.99 ID:FODN+TpB0
- 阿武隈「まずいわ……よりにもよって、あたしたちが出ようとしてたところから……」
初霜「あ、あれは……」
不知火「気をつけて! あれは不知火たちを襲ってきた怪物です!」
時雨「良くない時に良くない所から……まったく、最悪の状況だね」
怪物「――――」ズッ
吹雪「! こっちにきます!」
不知火「どうしますか? 時雨さん、阿武隈さん!」
阿武隈「あたしたちが来た道を戻れば、階段の所まで戻れるけど……」
時雨「遠回りになる……。かといって、あの怪物の横をすり抜けて奥の扉を目指すのは……」
初霜「……いっそのこと、戦いますか?」
時雨「えっ?」
初霜「相手は1体です。私たち全員でかかれば、勝てるかも……」
阿武隈「駄目だよ! 危険すぎる!」
吹雪「っ! どんどん迫ってきます! 早く!」
時雨「くっ……どうする……!?」
行動安価>>248
1 怪物の横を突破して階段を目指す
2 来た道を戻って階段を目指す
3 怪物と戦う
- 248: 2016/12/31(土) 23:47:09.83 ID:Lr+Iy49r0
- 2で!
- 282: 2017/01/01(日) 02:05:32.80 ID:dStRVLqW0
- 時雨「っ! 仕方ない、僕たちが通ってきた道を戻ろう!」
阿武隈「で、でも……それじゃあ遠回りになっちゃう。2人の燃料が持つかわからないよ!」
時雨「最悪僕たちで引っ張っていってもいい! とにかく、反対側の出入口に! 急いで!!」
阿武隈「っ! 初霜ちゃん、あたしの手を! 一緒に走って!」
初霜「は、はい!」
吹雪「夕立ちゃん、いこう!」
夕立「ぽいっ!」
不知火「殿は不知火が務めます。みなさん急いで!」
時雨「先頭は僕が。任せたよ不知火!」
不知火「了解。期待に応えて見せます」
- 283: 2017/01/01(日) 02:06:19.12 ID:dStRVLqW0
- 時雨「大丈夫? みんなついて来てる?」
阿武隈「大丈夫だよ!」
吹雪「はいっ!」
時雨「っ! 分かれ道……僕たちが来た道はたしか……」
時雨「右だ! みんなこっちに!」ダッ
阿武隈「不知火ちゃん! 大丈夫!?」
不知火「大丈夫です! しかし敵も追ってきています、急いで!」
- 284: 2017/01/01(日) 02:07:30.03 ID:dStRVLqW0
- 時雨「次の分かれ道か……」
吹雪「夕立ちゃん大丈夫?」
夕立「ぽ、ぽい……まだ、平気だよ……」ハァハァ
阿武隈「初霜ちゃん!」
初霜「す……すみません」ハァッ…ハァッ…
阿武隈「2人共限界寸前だわ! 早く補給しないと!!」
不知火「時雨さん、早く!」
時雨「っ! この分岐は……」
時雨「右だ!」ダッ
阿武隈「初霜ちゃん頑張って……もう少しだから!」
初霜「は、はい……」ハァッ…ハァッ…
- 285: 2017/01/01(日) 02:08:14.16 ID:dStRVLqW0
- 時雨「3つ目の分岐……ここを真っすぐいけば階段だ!」
阿武隈「もう2人が持たないわ。初霜ちゃんはあたしが背負っていくから、吹雪ちゃんは夕立ちゃんを!」
吹雪「は、はい! 夕立ちゃん、私の背中に……」
夕立「ぽ……ぃ」ゼェ…ゼェ…
阿武隈「時雨ちゃんはこのまま先導を!」
時雨「了解。先にいって上から階段を照らすよ」
- 286: 2017/01/01(日) 02:09:54.51 ID:dStRVLqW0
- -階段の果て シャワールーム-
時雨「……よし。扉は開いたままだ」ギィィ
時雨「阿武隈さん! 吹雪! 大丈夫!?」
阿武隈「はぁ……はっ、よし……出口に着いたわよ、初霜ちゃん!」
初霜「は、はい……」
時雨「吹雪!」
吹雪「こっちも、大丈夫!」
時雨「あとは不知火……不知火は?」
不知火「……時雨さん! 扉を閉める準備を!」タッタッタッ
時雨「不知火急いで!」
不知火「~~~っ!!」ダッ
時雨「よし……! 今だっ!」グイッ
バタンッ!
時雨「あとはこの仕掛け扉だけど……閉めるときはおそらく、開けたときと逆の順で……」キュッキュッ
時雨「……どうだ!?」グッ
ガチン!
不知火「……! 仕掛け扉から音が」
時雨「よし……成功したみたいだ」フゥー
- 288: 2017/01/01(日) 02:21:34.30 ID:dStRVLqW0
- 阿武隈「助かった……」ハァハァ
吹雪「ふぅ……夕立ちゃん、もう大丈夫だよ」
不知火「2人共燃料が限界です。急いで補給地点に」
時雨「そうだね。それにここも安全とは言い難い……このままドックを出て、倉庫まで行こう」
阿武隈「初霜ちゃんはこのままあたしが背負っていくわ。吹雪ちゃんは平気?」
吹雪「は、はい。大丈夫です!」
不知火「夕立を運ぶのは不知火が代わります。吹雪さんは休んでください」
吹雪「で、でも……不知火ちゃんだって……」
阿武隈「吹雪ちゃん無理はしないで。不知火ちゃん、いける?」
不知火「お任せください」
吹雪「……わかった。夕立ちゃんをよろしくね」
不知火「はい」
時雨「引き続き僕が先導するよ。ついてきて」
- 289: 2017/01/01(日) 02:27:20.61 ID:dStRVLqW0
- -第3倉庫-
時雨「……着いた。倉庫だ」
阿武隈「初霜ちゃん、こっちに……急いで燃料を補給するわ」
不知火「夕立もこちらに……」
吹雪「なんとか……間に合ったね」
時雨「うん。ギリギリだったけど、間に合ってよかった」
吹雪「でもこれで6人全員揃ったよ。あとは……ここから脱出するだけだね」
時雨「……そうだね」
- 293: 2017/01/01(日) 03:38:26.59 ID:dStRVLqW0
- 阿武隈「危機一髪って感じだったね」
時雨「阿武隈さん。初霜たちの様子は?」
阿武隈「うん。2人共燃料切れ寸前で危なかったけど、なんとか間に合ったわ」
吹雪「よかった……」
阿武隈「あとは少し休んで息を整えれば、すぐに回復するはずだよ」
時雨「……そうか」
阿武隈「これで隊の全員と無事に合流することは出来た。あとはここから脱出するだけなんだけど……」
時雨「それに関しては問題ないよ」
吹雪「えっ?」
阿武隈「どういうこと?」
時雨「本庁舎で海域図を見たから、この島から僕たちが元々通っていた航路までのルートは判明してる」
時雨「唯一の不安は燃料だったけど、それもここで十分に補給が出来てるから問題ない」
吹雪「そ、それじゃあ……」
時雨「うん。あとは海に出さえすれば、帰れるんだ」
時雨「僕たちの……鎮守府に」
- 294: 2017/01/01(日) 03:39:28.52 ID:dStRVLqW0
- 吹雪「ほ……本当に?」
時雨「もちろん。こんな状況で嘘は言わないよ」
阿武隈「あ……あはは……」
吹雪「帰れる……私たちの、鎮守府に」ヘタッ
阿武隈「吹雪ちゃん!?」
吹雪「す、すみません……安心したら……力が抜けちゃって」
時雨「まだ安心はできないよ。あの怪物が地下を抜けてまた来るかもしれない」
吹雪「!」
阿武隈「……そうだね。最後まで油断しちゃ駄目だわ」
時雨「夕立たちの体力が回復するまで、気を抜かずに周囲を警戒しよう」
吹雪「う、うん!」
~~~~~~~~~~~~
- 295: 2017/01/01(日) 03:42:03.65 ID:dStRVLqW0
- 不知火「2人が回復しました」
阿武隈「!」
吹雪「夕立ちゃん!」
夕立「えへへ……心配かけてごめんね」
初霜「お手数をおかけしてしまいました……阿武隈さん、吹雪さん、時雨さん、不知火さん。本当にありがとうございました」
阿武隈「謝る必要なんてないよ。2人共無事で本当に良かった!」
不知火「あとはここから脱出するだけですね」
吹雪「そうだね。2人も回復したことだし、これで海にも出られるよ!」
時雨「……」
阿武隈「時雨ちゃん?」
時雨「……あ、いや。なんでもないよ」
不知火「……結局、この鎮守府で起きたことは……あの地下で行われていた研究や実験とは、何だったのでしょうか?」
時雨「……わからない。それにもう地下へ行くことが出来ない以上、それを知ることも不可能だろうね」
阿武隈「真相は謎のまま……解らずじまい、か」
吹雪「でも……生きて帰ることが出来れば、それ以上の事はないですよ」
吹雪「それに帰ってからこの事を司令官に伝えれば、万全の態勢で調べ直しに来ることも出来ます!」
阿武隈「うん。今はみんなで生きて帰ることが最優先だよ」
時雨「そうだね……じゃあ、皆で埠頭に行こう」
- 296: 2017/01/01(日) 03:43:49.27 ID:dStRVLqW0
- -埠頭-
吹雪「あの怪物は地上に出てきてないみたい……今なら大丈夫だよ!」
阿武隈「よし……じゃあここから海に出よう。みんな、艤装を展開して!」
不知火「展開に問題なし。航行機能にも支障はありません」
時雨「こっちも問題なし。でも弾薬がない以上、道中で敵と遭遇したらまずいね」
阿武隈「出来るだけ交戦は避けて索敵を厳に。ここまで来て普通に戦死なんて……冗談じゃないわ」
吹雪「初霜ちゃんたちも大丈夫?」
初霜「ええ。問題ありません」
夕立「ぽいっ!」
阿武隈「じゃあ出発するよ! あたしと時雨ちゃんを先頭に複縦陣を組んで!」
不知火「了解しました」
阿武隈「時雨ちゃん。航路の指示お願いできる?」
時雨「了解。任せて」
阿武隈「よし……それじゃあ、出発!」
時雨(結局、あの廃墟と化した鎮守府の秘密を解き明かすことは出来なかった……)
時雨(でも吹雪の言う通り……生きて帰れさえすれば。再びここにきて、今度こそ真相を解き明かすことが出来るかもしれない)
時雨(そう……必ず解き明かしてみせる)
時雨(あの鎮守府に隠された秘密を……この手で)
【全滅エンド】
- 297: 2017/01/01(日) 03:54:13.00 ID:/hGFIm4do
- えっ
- 300: 2017/01/01(日) 04:07:02.64 ID:dStRVLqW0
- お疲れ様でした
これで物語は1つのエンディングを迎えました
しかしまだ真相は明らかになっていません
時間を巻き戻して、異なる結末を選び直すことも出来ます
時間を巻き戻し、皆さんの力で物語の真相を目指しますか?
1 自力で真相を目指す
2 すべての真相を自動的に明らかにする(解答ルート)
自力で真相を目指す場合、攻略のヒント入りますか?
>>303 - 303: 2017/01/01(日) 04:15:45.57 ID:/hGFIm4do
- 1、あり
- 306: 2017/01/01(日) 04:26:05.88 ID:dStRVLqW0
- 『自力で真相を目指す』が選ばれたので再び時間を戻します
ヒント:「この結末は全滅エンドでした」
先ほどの結末は謎が残ったから、真相が明らかにならなかったからBadという訳ではありません。全滅エンドです。
この意味をよく考えてみてください。
また、先ほどの状況ではまだ全滅エンドを回避するためのギミックを時雨たちは発見することが出来ていません。
そのギミックとは「地下施設」のある2つの部屋のことです。
上に挙げたギミックに関する伏線だけは、既に時雨たちは発見し読むことに成功しています。
ちなみに弾薬の補給は物語の結末に影響しません。
※最終ルートではBad Endによる再スタートの回数制限は設けません。制限を気にせず攻略を目指してください。
- 322: 2017/01/01(日) 12:52:02.55 ID:dStRVLqW0
- >>220(資料室探索直後)より再スタート
※この再スタートにより失われる情報・アイテムはありません
- 323: 2017/01/01(日) 12:54:56.59 ID:dStRVLqW0
- 時雨「これに書かれているのは、僕たち艦娘が生まれた経緯……」
阿武隈「こんなこと……始めて知ったわ」
不知火「不知火もです……」
吹雪「……」
阿武隈「これでみんなが見つけたものは全部ね」
時雨「うん……。ここの探索はこれくらいにしておこう」
吹雪「次はどうします?」
時雨「そうだね……」
行動安価>>325
1 先に進む
2 手前右側の扉を調べる
3 奥にある左側の扉を調べる
4 来た道を戻る(オフィスの方へ)
- 325: 2017/01/01(日) 13:09:46.09 ID:92knsWN2o
- 2
- 326: 2017/01/01(日) 13:17:35.70 ID:dStRVLqW0
- ちなみにこの研究区画の扉の位置の描写のみ、
初めて区画内に入ったところから見た位置(オフィスを背後に)からの描写に統一しています - 327: 2017/01/01(日) 13:32:07.67 ID:dStRVLqW0
- 時雨「もう少しこの辺りを調べよう」
不知火「残る部屋はあと2つですね」
吹雪「じゃあ、次は隣の部屋を見てみますか?」
阿武隈「えーと、隣は……『検体保管室』って書いてあるわ」
吹雪「! ここってたしか」
時雨「うん。オフィスで見つけたこの鍵が使えるね」カチャ…
カチン!
時雨「開いたよ。中に入ろう」ギィィ
- 328: 2017/01/01(日) 14:04:25.14 ID:dStRVLqW0
- -検体保管室-
阿武隈「っ!?」
吹雪「きゃあっ!?」
不知火「こ、これは……」
時雨「部屋中に大きなガラス管……中に入ってるこれは、人間……?」
阿武隈「これって……生きてるの?」
時雨「いや、既に死んだものを溶液に漬けて保存してるんだ……それにしても、なんて数だ……」
吹雪「し……時雨ちゃん」ブルブル
時雨「どうしたの……!」
吹雪「こ、この管の中に入ってるのって……」
時雨「……艦娘だ」
不知火「こちらをみてください。ここに入ってるのは、深海棲艦の残骸です」
阿武隈「艦娘に深海棲艦まで……。これも全部、実験や研究っていうのに関係があるの……?」
時雨「……」
- 329: 2017/01/01(日) 14:17:14.78 ID:dStRVLqW0
- 時雨「こっちに机がある……資料類も何枚か置きっぱなしだ」ゴソゴソ
時雨「この資料は……『深海細胞に関する記録』?」ペラッ
『採取した深海×艦の細胞はま×に神秘の結晶。我々×類が長く知り得なかった全く未×の×報が無数に詰まっている。』
『これら深海細胞が持つ強×な力は、深海××が持つ因子で×る強力な「負」が×係してい×と思われ、以降これを「負の力」と呼称する。』
『深海細胞は我々の常識を遥かに超越した能×を持ち、一部は自然をも捻じ曲げる程の×を持つ。こ×を完全に解析する××は今の科学では不可能と言わ×るを得な×。』
『×かし、既にこの×胞を用いた一部の実験では一定の成果を挙げることに××しており、深海細胞を基に生成した試×品の開×と研究も順調である。』
『当初の×的である「×海棲×に××る××」に×しても、先日この細胞を基に生成した試作γ17が××××に対して強×な××××を×××ることが確認された。』
『打ち×れぬ盾を破×するには、盾を××する×質を調べそれと×じ×を用いた×を作れば×い。』
『××に近い無謀な賭けであったが、×は私の味方をしてく×て××ようだ。神といっても死神か×しれないが……』
時雨「…………」
- 330: 2017/01/01(日) 14:33:29.03 ID:dStRVLqW0
- 時雨「もう1枚。こっちはまた別の形式みたいだけど」ペラッ
時雨「計画書か……『第3次強化実験』」
『3回目となるこの実験では、最終×験の実×前に×妹艦×を使い前段試×を××。』
『艦×の対××××戦××力の向×及び×化を目×とし×「Z計×」であるが、』
『第1次実験における×題点を分析、改善し×結果、第2次実験×は×概ね試算×りの結果を出すこ×に成功×た。』
『しか×未だ実験後の検体××率は60%程に止まっ××り、今回の実験ではそれの改善及び最終実験に向けた調整を行う。』
時雨「この実験……今までに見てきた資料のとは、何かが……」
時雨「第3次、か……」
- 331: 2017/01/01(日) 14:39:15.43 ID:dStRVLqW0
- 時雨「これで机にある資料は全部か。部屋の中もこれ以上は調べる所はないかな」
阿武隈「吹雪ちゃん、大丈夫?」
吹雪「すみません……少し、気分が悪くなっちゃって」
不知火「ここはもう出たほうがいいですね。正直、不知火もこれ以上ここにいたくはありません……」
時雨「わかった。別のところに行こう」
行動安価>>333
1 先に進む
2 奥にある左側の扉を調べる
3 来た道を戻る(オフィスの方へ)
- 333: 2017/01/01(日) 14:43:05.41 ID:CUdbsrtK0
- 2
- 335: 2017/01/01(日) 14:51:28.07 ID:dStRVLqW0
- 阿武隈「吹雪ちゃん調子はどう?」
吹雪「あ、はい。あの部屋を出たら少し落ち着いてきました。ご心配おかけしてすみません……」
不知火「これでこのフロアで残るのはあそこの1部屋だけですね」
阿武隈「ここまで来たら全部調べておこっか?」
時雨「そうだね」
不知火「この部屋は……『実験室』と書いてあります」
吹雪「っ!」
時雨「……やっぱりあったね」
阿武隈「じゃあ、この部屋で……」
時雨「おそらくこの施設でも最も闇が深いところかもしれない……どうする?」
不知火「……入ってみましょう」
阿武隈「……吹雪ちゃんは平気そう?」
吹雪「……大丈夫です。調べてみよう、時雨ちゃん」
時雨「……よし、鍵は掛かってない。開けるよ」ギィィ
- 336: 2017/01/01(日) 15:40:03.60 ID:dStRVLqW0
- -実験室-
時雨「っ、この臭い……!」
不知火「うっ……」
阿武隈「だいぶ薄れてるけど……血生臭くて、酷い臭い……」
時雨「部屋中に臭いが染みついてるんだ……換気扇もあるみたいけど、電気が止まって動いてないから臭いが籠ったんだろう」
吹雪「床や壁がところどころ変色してるけど、これってまさか……」
時雨「たぶん血の跡だ」
阿武隈「っ!」
不知火「ではやはりここで、様々な実験が……」
時雨「間違いないね……。とにかくみんな、出来るだけ手早く室内を調べよう」
吹雪「そうだね。早くここから出ないと……臭いで吐き気がしそう」
阿武隈「みんな無理しないで。無理だと思ったらすぐに部屋から出ましょう」
- 337: 2017/01/01(日) 15:52:13.96 ID:dStRVLqW0
- 不知火「部屋の真ん中にあるこれは、手術台ですね」
阿武隈「奥の方の……ガラスで仕切られた向こうの空間は何なのかしら……?」
時雨「……高圧実験室って書いてある。何かの実験に使う部屋なんだろうね」
不知火「この棚は……」ガチャッ
不知火「……! 時雨さん、来てください」
時雨「どうしたの?」
不知火「棚の中にこんなものが」
時雨「ファイルだね。中に綴じてあるのは……レポート?」
不知火「ここで行われていた実験の記録ではないでしょうか?」
時雨「……当たりだ。タイトルは『実験記録E-5』」ペラッ
『13´12.17』
『この日は3名の健常な×娘に対する「深×棲×細×移植実験」を実行。その経過観察と結果に××て記載。』
『検体A:腹部に戦×ル×の細胞を×植 検体B:左上腕部に×母ヲ級の××を移植。 検×C:××棲艦のD×Aから生×した試製α11を注射に×り体内に投×。』
『経××察にお×ては、より正×な観察の×にβⅢ型は×いず、検体の自×を残した××で観察を行っ×。』
『 術後6時間を経過し×××ろで、2体の×体(AB)は一様に移×箇所の激×を訴え×め、絶え×ない絶叫や自傷××を始×る。』
『この時点から検体A、Bには××箇所周辺の侵×現象(×海化)が見×け××、特に検×Aの侵食は著しく×い。』
『検体Cに関し××、身体への××化は見受けられ××が精神×染が××しているも×と見られ、異常×動や発狂、錯×な××他、幻覚×状も出て×ると推測さ××。』
『 ×後17時間が経過す×と、検体×は身体の7割が深××し、×神面でも自我を××。周囲に×する激××攻×衝動が確××れた。』
『検体Bは××を移植した左××部を中心に×腕全×と左胸××までの深海×が確認×××が、それ以降の×××は著×く遅×。』
『××箇所に×る違××も考えられ××、それ××にも検体×身が××化に対××抵抗し×××様×が見×××れ、個体によ×適性が存××る×能性も否定××ない。』
『 術後24時間××時点で、検体A×完全××海化。検体Bも一部に艦×の痕跡を残××い××のの精神は×××××化した。』
『検体×のみ、術後13時間経過後から一切の××を示さ×くなり、生命活動は停×していな×が精神が××され廃×と××た。』
『この××のみ身体の深海×は見受けられ××ったが、実験後の生体×剖の結果、内部に未知の変質×象が起こっている事が××した。』
『以上の実験結果を×に、今後の研究×針を×××の××に着目した××××××とする。』
- 338: 2017/01/01(日) 16:18:03.27 ID:dStRVLqW0
- 時雨「間違いない。これは……ここで行われた人体実験の記録だ」
不知火「なんてことを……」
時雨「でも、一応これも収穫だよ。おかげでここで行われていた研究について、少しずつだけど見えてきた」
阿武隈「……あれ? この手術台の上に何か置いてある」ゴソゴソ
阿武隈「計画概要書? どうしてこんなところに」
時雨「阿武隈さん?」
阿武隈「あ、時雨ちゃん。この台の上にこんな物が置かれてたんだけど」
時雨「これ……『第4次強化実験』概要書。さっきの部屋で見た作戦書の続報だ」ペラッ
『前回の××の結果を受け、一部の修正点を×整し「Z×画」は完成に×った。』
『最大の問題であった強×出力と××への負担軽減の両立。そして実験後の××生存×の改×も前回の実験により成功し×。』
『これにより当初の予×通り×計画最××階。×への対深××××闘能××化実験を×う。』
『この××に失敗は決して×××ない。万×を期す為、実験は設備の××た地下実験場にて実×する。』
時雨「…………」
- 339: 2017/01/01(日) 16:40:11.14 ID:dStRVLqW0
- 阿武隈「なにかわかりそう?」
時雨「うん……あ、いや……うん、どうだろう……何とも言えないかな」
阿武隈「な、なんだか煮え切らない感じだね……」
時雨「ごめん……僕自身まだ整理がついてなくて。もう少し時間が欲しいかな」
阿武隈「そっか。ごめんね、急かす様なこと言っちゃって」
時雨「ううん。気にしないで」
- 340: 2017/01/01(日) 16:42:06.27 ID:dStRVLqW0
- 時雨「さて……この部屋の探索はこのくらいにしよう」
阿武隈「そうね。あたしももう限界……」
吹雪「……」
不知火「どうしました? 吹雪さん」
吹雪「あ、不知火ちゃん。部屋の奥の壁についてる、この小さな扉みたいな物なんだけど……」
不知火「……? なんでしょうね。壁に備え付けられてるようですが」
時雨「これは……」
吹雪「わかる? 時雨ちゃん」
時雨「うん。たぶん……この取っ手のような部分を引けば……」グッ
ガシャン!
阿武隈「きゃっ! びっくりしたぁ……」
不知火「これは……ダストシュート?」
時雨「うん。おそらくここで実験に使った後の廃棄物とかを、どこかに流す為の設備だろうね」
時雨「……ほら、中を照らしてみると下の方にベルトコンベヤーみたいな物も見える」
吹雪「廃棄物って……そういうこと、だよね……」
時雨「……うん」
不知火「……」
阿武隈「……みんな。そろそろ出ましょう」
吹雪「……はい」
行動安価>>342
1 先に進む
2 来た道を戻る(オフィスの方へ)
- 342: 2017/01/01(日) 16:52:04.31 ID:WobeCfyEo
- 1
- 343: 2017/01/01(日) 16:56:09.82 ID:dStRVLqW0
- 時雨「これでこの通路の部屋はすべて調べたし、先に進もう」
阿武隈「賛成。初霜ちゃんたちを探さないと」
不知火「ではあの通路から先に進みましょう」
-地下施設 通路-
吹雪「あれ? また3つに分かれてる」
時雨「地下の通路は網目状になってるのかな……」
不知火「今度はどうしますか?」
行動安価>>345
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
- 345: 2017/01/01(日) 17:02:53.67 ID:8CDP3v8Io
- 1
- 346: 2017/01/01(日) 17:09:13.68 ID:dStRVLqW0
- 阿武隈「真っすぐ行ってみよう」
吹雪「あっ、行き止まりですね」
不知火「みたいですね。ですが扉も見えますよ」
阿武隈「えーっと……『配電室』って書いてあるわ。鍵も開いてる」
時雨「配電室か……。入ってみよう」
- 368: 2017/01/02(月) 01:01:02.82 ID:15m4vW6b0
- -配電室-
吹雪「大きな機械がありますね」
時雨「これは配電盤だよ。おそらく地下施設の電気はここから各部屋に通ってるんだ」
阿武隈「でも通路の電灯や部屋の電気は点かなくなってたし、壊れてるのかな?」
時雨「……いや、ブレーカーが落ちてるだけみたいだ。この配電盤を操作すれば復旧も出来ると思う」
阿武隈「!」
時雨「この配電盤は、部屋ごとに電源を操作できるみたいだ」
時雨「今は非常電源と『特別区』って名前のところ以外は全てブレーカーが落ちてるね」
不知火「電気が回復すれば探索もし易くなるかもしれません」
時雨「リスクになる可能性もあるけどね」
自由安価>>370
- 372: 2017/01/02(月) 01:03:00.38 ID:ku58UCSTo
- つける
- 373: 2017/01/02(月) 01:20:02.07 ID:15m4vW6b0
- 阿武隈「とりあえず、全ての電源を回復させてみよう」
時雨「でも、何が起こるかわからないよ?」
阿武隈「承知の上だよ。それに暗闇のままのほうが、あたしたちにとってリスクが大きいだろうし」
時雨「……わかった。やってみるよ」
時雨「この下に落ちてるレバーを上にあげれば……。まずは『廊下』を」ガチャッ
パッ パッ パッ パッ パッ
不知火「! 廊下の電灯が点きました!」
時雨「よし。電源は壊れてないみたいだね」
時雨「次はフロアごとの電源か……『研究区画』、『独房区画』」ガチャッ ガチャッ
時雨「最後は個別の部屋……『オフィス』、『開発室』、『廃棄物処理室』、『冷凍室』、『出撃ドック』」ガチャッ
時雨「これで全てのフロアと部屋の電気は回復したはずだ」
不知火「これで探索もし易くなりますね」
阿武隈「初霜ちゃんたちも、どこかで電気が回復したことに気が付いてるかな?」
時雨「これ以上ここに用はなさそうだ。別の場所に行こう」
- 374: 2017/01/02(月) 01:26:54.37 ID:15m4vW6b0
- -地下施設 通路-
吹雪「廊下の電気が点いてるとなんだか安心するね。ここに来てから初めてライト以外の灯りを目にしたからかな?」
阿武隈「たしかに安心感が違うね。灯りってこんなにありがたいものだったのね」
不知火「先ほどの分岐のところに戻ってきましたね」
時雨「真っすぐ行くと『研究区画』。右と左はまだ未開の通路だね」
不知火「どこに行きます?」
行動安価>>376
1 真っすぐ進む
2 右に行く
3 左に行く
- 376: 2017/01/02(月) 01:33:36.69 ID:LPHvaRgYo
- 2
- 377: 2017/01/02(月) 01:39:43.78 ID:15m4vW6b0
- 時雨「右に行ってみよう」
不知火「おや、少し通路が広くなりましたね」
吹雪「灯りのおかげで奥までよく見えるね……。あっ、奥の方に扉があるよ。それに通路の左右にも部屋があるみたい」
阿武隈「どうする?」
行動安価>>379
1 先に進む
2 右側の扉を調べる
3 左側の扉を調べる
- 379: 2017/01/02(月) 01:45:39.39 ID:IXRdtDImo
- 2
- 380: 2017/01/02(月) 01:51:57.13 ID:15m4vW6b0
- 時雨「少し部屋を見てみよう」
吹雪「えーっと、右側の部屋は……『冷凍室』って書いてあるよ」
阿武隈「冷凍室?」
不知火「こんな施設の事ですから……おそらく実験に使った素材などを保管する為の場所でしょう」
時雨「そうだろうね。吹雪、鍵はどう?」
吹雪「掛かってないみたい。入れそうだよ」
時雨「じゃあ、入ってみようか」
- 381: 2017/01/02(月) 02:05:41.17 ID:15m4vW6b0
- -冷凍室-
阿武隈「あれ? この部屋は既にうっすらと灯りがついてるね」
時雨「たぶん非常電源の電灯だね。どこかに部屋の明かりを点けるスイッチが……あった」パチッ
吹雪「明るくなった! さっきの操作で電源は回復したみたいだね」
不知火「それにしても……冷凍室という割には、室内は普通の部屋のように見えますが」
阿武隈「部屋の奥にある頑丈そうな扉の向こうが『冷凍庫』なんじゃない?」
時雨「ちょっと視てみるよ」
吹雪「この部屋の中にも、机や棚とか箱も置かれてるけど……あまり役に立ちそうな物はなさそう」ゴソゴソ
阿武隈「この空間は、冷凍庫に物を搬入する前の作業スペースってところかしら?」
- 382: 2017/01/02(月) 02:12:00.36 ID:15m4vW6b0
- 時雨「……うん。どうやらこの扉の向こうが冷凍庫で間違いないみたいだよ」
吹雪「本当?」
時雨「ほら、扉の近くに操作盤がある。これで冷凍庫内のファンの操作や温度調整が出来るみたいだ」
時雨「今まで主電源が落ちて非常電源だけで動いてたから、今は低出力モードで運転中って表示されてる」
吹雪「冷凍庫の中に何かあるかな……?」
阿武隈「不知火ちゃんの言った通りなら、実験に使われた検体とかが冷凍保存されてたりするかも……」
不知火「長い間非常電源だけで動いていたのなら、中身も溶けてたりするかもしれませんね」
吹雪「うぇぇ……」
時雨「いや、おそらくは低出力でも冷凍機能は最低限維持されてるだろうから、大丈夫だとは思うけど……」
阿武隈「どうする?」
時雨「……」
行動安価>>383
1 入ってみる
2 やめておく
- 385: 2017/01/02(月) 02:18:04.93 ID:7T1KH4VI0
- 入る
- 386: 2017/01/02(月) 02:26:51.79 ID:15m4vW6b0
- 時雨「入ってみようか」
不知火「大丈夫でしょうか?」
時雨「たぶん平気だと思うよ。僕が入ってみるから、みんなはここに居て」
阿武隈「待って、あたしも入るわ」
吹雪「私も!」
不知火「では不知火も」
時雨「いや、何人かはここに居たほうがいい。万が一全員が中に入った状態で扉が閉まったりしたらまずい」
阿武隈「そうか、こういう冷凍庫って内側からだと開けられないって事もあり得るもんね」
時雨「うん。だから念の為、ここに人を残しておいた方が良い」
時雨「冷凍庫の中は僕と阿武隈さんで調べるから、吹雪と不知火は外で待機しててもらってもいいかな?」
吹雪「なるほど……うん、わかったよ」
不知火「了解しました」
- 387: 2017/01/02(月) 02:31:17.19 ID:15m4vW6b0
- 時雨「じゃあ、操作盤でロックを解除して……と」ピッピッ
ガチン!
時雨「よし、ロックが解除されたみたいだ」
阿武隈「じゃあ、開けるね……」ガチャッ
ビュゥゥゥ
阿武隈「ひゃっ! 寒ぅっ!」ブルブル
吹雪「すごい冷気が……!」
不知火「時雨さんの言った通り、どうやら冷凍機能は生きていたようですね」
時雨「……入ってみよう。吹雪、扉を押さえて開けたままにしておいてくれる?」
吹雪「うん、任せて」
時雨「じゃあ、阿武隈さん。いこう」
阿武隈「うん……」ブルブル
- 388: 2017/01/02(月) 02:45:32.96 ID:15m4vW6b0
- -冷凍庫内-
阿武隈「中は結構広い空間になってるね……さっきまでいた部屋の倍くらいあるかしら?」ブルブル
時雨「壁沿いに設置された棚に、箱や布で包まれた資材とかが並んでる……まさかあの中に」
阿武隈「うぅ……寒ぅ……。時雨ちゃん、ここって今も低出力のままなんだよね?」
時雨「うん。非常電源のままいじってないからね。操作して主電源に切り替えれば本来の機能に戻ると思うけど」
阿武隈「低出力でこんなに寒いなんて……っ、きゃあっ!?」ツルッ
時雨「だ、大丈夫!? 阿武隈さん!」
阿武隈「痛ったぁい……。床の一部が凍ってて、滑っちゃった」
時雨「長い間低出力だったから霜が発生してるみたいだ……。よく見れば天井や床はあちこちが霜だらけだ」
阿武隈「うぅっ……足元にも気をつけないと」
- 389: 2017/01/02(月) 02:57:28.53 ID:15m4vW6b0
- 阿武隈「どう時雨ちゃん、何か気になる物はあった?」
時雨「うん……この布で包まれた資材を見て」
阿武隈「……これ、ガラスケース?」
阿武隈「っ! こ、これの中身って……」
時雨「実験に使われた後の検体の身体だね。不知火の予想した通りだ」
阿武隈「じゃあ……この辺りの同じような資材も全部」
時雨「艦娘か深海棲艦か……とにかくかなりの量があるみたいだ」
阿武隈「……」
時雨「他に役立ちそうな物もないし……そろそろ出ようか? 阿武隈さん」
阿武隈「……うん」
- 390: 2017/01/02(月) 03:05:36.18 ID:15m4vW6b0
- 吹雪「お疲れ様、2人とも」
時雨「っ、流石に結構冷えたよ」ブルル
阿武隈「艦娘の服装って冬季向けじゃないからね……寒かったぁ」ブルブル
不知火「それで、冷凍庫の中は?」
時雨「特に何もなかったよ。冷房機能は未だに現役みたいだけど」
不知火「そうでしたか……」
吹雪「じゃあ、もう扉は閉めちゃうね」ギィィ
ガチャン! ガチン!
時雨「扉を閉めると自動的にロックも掛かるのか」
吹雪「時雨ちゃんの言う通り。みんなで入ってたら大変なことになってたね……」
阿武隈「あんな中に閉じ込められたりしたら……うぅっ、考えただけでも寒気がするよ」ブルルッ
- 394: 2017/01/02(月) 11:37:41.21 ID:15m4vW6b0
- ◆現在の所持アイテム
◇未使用
なし
◇使用済み(繰り返し使用可能品のみ)
・寮部屋のマスターキー
・本庁舎東側出入口の鍵
・入渠ドックの鍵
- 395: 2017/01/02(月) 12:03:23.89 ID:15m4vW6b0
- 不知火「特に役立ちそうな物はないみたいですし、移動しましょう」
阿武隈「そうね。次の場所に行きましょう」
吹雪「先に進むか……もう1つ部屋もありましたね」
行動安価>>397
1 先に進む
2 もう1つの扉を調べる
- 397: 2017/01/02(月) 12:20:13.12 ID:0oEsfBYvo
- 2
- 398: 2017/01/02(月) 13:05:33.97 ID:15m4vW6b0
- 時雨「どうせだ、あの部屋も調べておこう」
不知火「『廃棄物処理室』とありますね」
吹雪「!」
阿武隈「……嫌な響きね」
時雨「ここも鍵は掛かってない。入ろう」ガチャ
- 399: 2017/01/02(月) 14:20:18.60 ID:15m4vW6b0
- -廃棄物処理室-
時雨「部屋は真っ暗だ。電灯のスイッチ……これか」パチッ
吹雪「これ、なんだろう? 何か大きな機械が設置されてるけど」
不知火「部屋の左側の壁と繋がっていますね」
阿武隈「この機械って、もしかして……」
時雨「……廃棄物処理用の大型処理機か」
吹雪「!」
阿武隈「……」
時雨「高圧圧縮に焼却、金属融解、解体分別。あらゆる処理が行える専用の大型処理機みたいだね」
阿武隈「やっぱり、ここで処理されていた廃棄物って」
不知火「! この機械が繋がっている部屋の左側にあるのは、確か……」
時雨「あのダストシュートは、そういうことだったのか……」
- 401: 2017/01/02(月) 14:30:12.77 ID:15m4vW6b0
- 吹雪「それじゃあ……ここは……」
時雨「機械以外には特に何もない……。ここの探索はこれくらいでいいかな」
阿武隈「うん……。早くここを出ましょう」
不知火「……」
行動安価>>403
1 先に進む
2 別の場所に行く(場所を指定)
- 403: 2017/01/02(月) 14:42:34.87 ID:AqZBCdyV0
- 開発室
- 405: 2017/01/02(月) 14:58:32.35 ID:15m4vW6b0
- 阿武隈「さて、次はどうする?」
不知火「そういえば、先程配電室で電源を操作した際に『開発室』という部屋もありましたよね?」
時雨「あったね。でもまだ未発見の部屋だから場所がわからない」
吹雪「ここに来るまでに幾つかまだ見ていない通路があったよね? そこじゃないかな」
阿武隈「ってことは……開発室を探す為には来た道を戻らなきゃいけないわね」
時雨「……」
行動安価>>407
1 先に進む
2 1度道を戻って開発室を探す
- 407: 2017/01/02(月) 15:02:04.24 ID:6CbHADoXO
- 2
- 420: 2017/01/02(月) 22:07:32.41 ID:15m4vW6b0
- 時雨「やっぱり気になるね。一度戻って開発室を探してみないかい?」
阿武隈「別にいいけど……初霜ちゃんたちを探すのはどうするの?」
不知火「居場所が分からない現状では、まずこの施設内の構造を把握する。というのも手かと」
吹雪「運が良ければその間に2人を見つけられるかもしれませんね」
阿武隈「うーん……。わかったわ、一度戻ってみましょう」
時雨「この分岐だけど……左は配電室。右は研究区画があって、正面はまだ未探索か」
吹雪「灯りが復活したから大分奥まで見えるけど……先に何があるかは分からないね」
阿武隈「どうする?」
行動安価>>422
1 真っすぐ進む
2 研究区画の方に行く
- 422: 2017/01/02(月) 22:11:48.20 ID:IXRdtDImo
- 1
- 423: 2017/01/02(月) 22:26:01.22 ID:15m4vW6b0
- -地下出撃ドック-
阿武隈「あれ? なんだか広い空間に出たけど、明かりが点いてないね」
吹雪「……潮の匂いがしませんか?」
不知火「そう言われれば……確かに」クンクン
阿武隈「見て! 向こう側は水が浸食してきてるよ」
時雨「そうか、ここは配電盤に名前があった『出撃ドック』か」
吹雪「こんな地下にドックが?」
阿武隈「灯りを点けられれば全容を把握出来るんだけど……それらしい物は見つからないわね」
時雨「ライトの灯りのみだからはっきりしないけど、そこまで大掛かりなドックじゃないのかな?」
吹雪「どうする? ここはあまり調べられそうな所もないけど……」
時雨「……仕方ない。戻ろうか」
行動安価>>425
1 真っすぐ進む
2 研究区画の方に行く
- 425: 2017/01/02(月) 22:32:58.76 ID:x7Q7WyYPO
- 1
- 426: 2017/01/02(月) 22:46:11.22 ID:15m4vW6b0
- 不知火「また分岐のところに戻ってきましたね」
吹雪「今度はどうするの?」
時雨「通って来た通路であと未探索なのは、オフィスがある分岐の一角だけど……」
阿武隈「考えてみれば、さっきまでいた冷凍室とかがある通路の先って可能性もあり得ない?」
不知火「たしかに……そうですね」
吹雪「じゃあ、このまま真っすぐ行きましょう」
時雨「なんだかバタバタ動き回ってるね、僕たち……」
- 428: 2017/01/02(月) 22:58:50.30 ID:15m4vW6b0
- 吹雪「再び冷凍室の通路に戻ってきたね」
不知火「正面に見えるあの扉ですね。他の扉に比べてかなり頑丈そうですが」
阿武隈「とりあえず、近くまで行ってみましょう」
不知火「おや? 扉が僅かに開いてますね」
時雨「こっちに何か書いてある」
吹雪「小さな黒板? 何か書いてあるみたいだけど……」
時雨「『独房』って書いてあるね」
阿武隈「……独房」
不知火「実験に使った艦娘を閉じ込めておく為の場所でしょうか」
吹雪「そんな……」
阿武隈「どうする? 入ってみる……?」
時雨「……」
行動安価>>429
1 進む
2 戻る
- 429: 2017/01/02(月) 22:59:34.81 ID:W6IExHHS0
- 1
- 430: 2017/01/02(月) 23:07:38.06 ID:15m4vW6b0
- 時雨「いってみよう」
阿武隈「扉が既に開いてるなら、このまま進めるわね」
不知火「元々開いていたのでしょうかね? それとも、何者かがここを開けた……?」
吹雪「もしかして、初霜ちゃんたちが?」
時雨「あり得るね。とにかく中に入ってみよう」
不知火「では、不知火が先頭に立ちます」
阿武隈「灯りは復活してるから大丈夫だと思うけど……独房だし何が起こるかわからないわ。気をつけて」
不知火「了解」
- 432: 2017/01/02(月) 23:14:18.96 ID:15m4vW6b0
- -地下施設 独房区画-
不知火「……ん? 広い空間に出ましたね」
時雨「左側はまだ先が――あれ?」
阿武隈「どうしたの?」
時雨「あそこにいるのって……!」
吹雪「! あれって……!」
阿武隈「!」
不知火「あれは……!」
吹雪「夕立ちゃん! 初霜ちゃん!」
夕立「ぽいぃ!?」
初霜「吹雪さん! それに皆さんも!」
- 434: 2017/01/02(月) 23:26:27.11 ID:15m4vW6b0
- 吹雪「よかった、無事だったんだね! 2人とも!」ダッ
阿武隈「初霜ちゃん!」タタッ
吹雪「夕立ちゃん!」
夕立「吹雪ちゃん! 無事だったっぽい?」
吹雪「うん! 夕立ちゃんも無事でよかった……!」
時雨「元気そうだね。夕立」
夕立「ぽいっ!? 時雨も一緒だったんだ!」
阿武隈「2人とも無事でよかった……」
不知火「これで6人全員が合流できましたね」
初霜「皆さんも、ご無事で何よりです」
- 438: 2017/01/02(月) 23:31:35.03 ID:15m4vW6b0
- 阿武隈「2人共心配したんだよ! 連絡したときに言ってた階段のところにいないし……」
初霜「申し訳ありません……。実は、私たちも始めは階段のところで待機していたのですが……」
時雨「何かあったの?」
初霜「突然階段の下の方から物音が聞こえてきて……。初めは皆さんかと思い声を出したんですが、返事もなくて……」
初霜「それで変だと思って、そのまま階段のところにいたら袋小路になると判断して、階段を下り他の通路に逃げ込んだんです」
夕立「ぽいっ」コクコク
時雨「物音?」
初霜「はい……それで地下通路を逃げ回った末に、再びここにきて――」
ガァァァンッ!!
初霜「!」
時雨「!!」
不知火「!?」
吹雪「ひゃあっ!?」
阿武隈「なにっ!?」
時雨「今の音……あの独房から聞こえたけど……」
初霜「あれです……あそこにいるのが、私たちを追いかけ回してきた怪物たちなんです」
阿武隈「なんですって!?」
吹雪「初霜ちゃんたちも怪物に襲われたの!?」
初霜「ええ。それでここまで逃げて来た後、一計を案じて、あそこに怪物たちを誘い込んで……閉じ込めたんです」
夕立「結構ヤバかったっぽい」
阿武隈「そうだったんだ……」
不知火「お2人が無事でよかったです」
- 440: 2017/01/02(月) 23:36:48.51 ID:15m4vW6b0
- 阿武隈「とにかく、2人とも合流出来たことだし。あとはここから脱出するだけね!」
時雨「2人とも燃料の残りは?」
初霜「殆ど余裕はありません。少ないところをさらにあの怪物たちに追い回されてしまったので……」
吹雪「じゃあ、すぐに地上に戻って2人とも補給を!」
初霜「補給……出来るんですか?」
不知火「はい。不知火たちは今まで地上を探索していましたので、補給可能な燃料も発見済みです」
夕立「!!」
阿武隈「すぐに補給に戻りましょう」
吹雪「夕立ちゃん、動くのは大丈夫?」
夕立「うん。大丈夫っぽい!」
阿武隈「えーと……ここから地上に戻るには……」
初霜「そこの通路を通れば、上に上がる階段はすぐです」
時雨「よし。じゃあそこから――」
ズリュッ
- 442: 2017/01/02(月) 23:40:04.71 ID:15m4vW6b0
- 時雨「……この音!」
不知火「っ! 扉のところです!」
怪物「――――」ズズッ...
阿武隈「あの化け物だわ!?」
吹雪「そ、そんな……階段に向かう出口が……!」
時雨「アイツ……僕たちの後を追ってきたのか!?」
- 446: 2017/01/02(月) 23:46:44.07 ID:15m4vW6b0
- 不知火「まずいですね……よりにもよって、我々が出ようとしてたところから……」
初霜「あ、あれは……」
阿武隈「気をつけて! あれはあたしたちを襲ってきた怪物だよ!」
時雨「最悪のタイミングで最悪の所から……まったく、泣けてくるね」
怪物「――――」ズッ
吹雪「! こっちにきます!」
不知火「どうしますか? 時雨さん、阿武隈さん!」
阿武隈「あたしたちが来た道を戻れば、階段の所まで戻れるけど……」
時雨「遠回りになる……。かといって、あの怪物の横をすり抜けて奥の扉を目指すのは……」
初霜「……いっそのこと、戦いますか?」
時雨「えっ?」
初霜「相手は1体です。私たち全員でかかれば、勝てるかもしれません!」
阿武隈「駄目だよ! 危険すぎる!」
吹雪「っ! どんどん迫ってきます! 早く!」
時雨「……」
行動安価>>449
1 怪物の横を突破して階段を目指す
2 怪物と戦う
- 449: 2017/01/02(月) 23:47:54.00 ID:LPHvaRgYo
- 1
- 455: 2017/01/03(火) 00:08:26.34 ID:3n4ktuel0
- 時雨「……こうなったら、イチかバチか。アイツの横を突破して最短ルートで階段を目指そう!」
阿武隈「あいつの横って……無茶だよ!」
時雨「そうしないと夕立たちの燃料が持たない」
時雨「それにアイツの動きはそこまで俊敏じゃない……この広い空間で散開すれば、強行突破も不可能じゃないはずだ!」
阿武隈「っ! わかったわ……イチかバチか。やってみましょう!」
時雨「燃料の少ない初霜と夕立には誰かが付いたほうがいい。初霜には僕が付く!」
不知火「では夕立には不知火が」
時雨「阿武隈さんは僕たちと、吹雪は不知火たちと同時に、左右からあいつの横を一気に突破しよう!」
阿武隈「わかったわ!」
吹雪「了解!」
- 456: 2017/01/03(火) 00:14:06.73 ID:3n4ktuel0
- 時雨「いくよ……散開!」ダッ
怪物「――――!」
阿武隈「みんな! 止まらずに走って!!」
吹雪「~~~~!!」
怪物「――! ――!」ズッ ズッ
時雨(予想通り左右から同時に動かれて動揺してる。やはり知能は低いみたいだ……)
時雨(これなら……いける!)
- 457: 2017/01/03(火) 00:21:35.32 ID:3n4ktuel0
- 阿武隈「っ、よし! 突破出来たわ!」
時雨「このまま出口を抜けて階段まで! 阿武隈さんは先にいって脱出路の確保を!」
阿武隈「わかったわ! みんなの事をお願いね、時雨ちゃん!」タッタッタ…
初霜「不知火さんたちは……!」
吹雪「よしっ! 突破できるわ!」
不知火「夕立、頑張ってください!」
夕立「ぽいっ! ……!?」フラッ
不知火「っ!?」
吹雪「! 夕立ちゃん!?」
時雨「夕立っ!?」
- 459: 2017/01/03(火) 00:31:09.24 ID:3n4ktuel0
- 夕立「あうっ、足が……」
吹雪「夕立ちゃん! 早く起き上がっ――」
怪物「――――」ズズッ
夕立「ぅぁ……」
吹雪「夕立ちゃん!」
時雨「夕立っ!」
- 460: 2017/01/03(火) 00:34:56.25 ID:3n4ktuel0
- 不知火「っ! 夕立!!」グイッ
夕立「うわっ!」グッ
不知火「早く! 走って!」
夕立「ぽ、ぽいっ!」ダッ
時雨「不知火! 後ろだっ!!」
不知火「っ!?」
怪物「――――」ブンッ
グチャッ!
不知火「ぐっ……!」
時雨「不知火っ!!」
- 461: 2017/01/03(火) 00:43:19.95 ID:3n4ktuel0
- 不知火「ぐっ、ぁぅ……」
怪物「――――」ズズズッ
時雨「不知火! 今助けに――」
不知火「だめ…です! 時雨さん!」
時雨「っ!」
吹雪「不知火ちゃん!?」
不知火「不知火の事はいいです……皆を連れて早く、外へ!」
時雨「なにを、馬鹿な……」
- 462: 2017/01/03(火) 00:45:26.55 ID:3n4ktuel0
- 不知火「状況を見て、成すべきことを! 時雨さんっ!!」
時雨「……っ」
時雨「……いくよ。吹雪、初霜っ!」
夕立「ぽいっ!?」
吹雪「そ、そんなっ!? 不知火ちゃんを見捨てていくなんて!!」
時雨「もう間に合わない! 今は……1人でも多く生き残ることを考えるんだ!」
初霜「吹雪さん早く!」
吹雪「でもっ!」
時雨「行くんだっ!」グイッ
不知火「……そうです。それが正解です」
不知火「最後まで……足手纏いのまま……申し訳ありません」
不知火「……ごめんなさい、陽炎」
グシャッ! - 464: 2017/01/03(火) 00:59:41.60 ID:3n4ktuel0
- -階段-
時雨「……」タッタッタッ
吹雪「どうして……こんな……っ」
阿武隈「みんな! 出口は開いたままだったわ、早く脱出を――」
阿武隈「……みんな?」
時雨「……」
吹雪「うっ……ぐすっ、うぅぅ……」
初霜「夕立さん、しっかり……」
夕立「……っ」
阿武隈「みんな、どうしたの……不知火ちゃんは?」
吹雪「っ!」
時雨「……不知火はやられた」
阿武隈「うそでしょ……時雨ちゃん」
時雨「……」
吹雪「うっ、くぅぅ……っ」
阿武隈「そ、そんな……」
- 469: 2017/01/03(火) 01:14:34.11 ID:3n4ktuel0
- 夕立「夕立のせい! 夕立が……転んだりしたからっ!」
初霜「夕立さん……」
時雨「……夕立のせいじゃないよ」
夕立「でもっ!」
時雨「あんな手段を選んで実行した……僕の責任だよ」
時雨「もっと良い方法はあったはずなのに……焦った挙句に最悪の選択をして、皆を危険に晒してしまった」
時雨「その果てに不知火を死なせた。見殺しにしてしまった……」
時雨「全部、僕の責任だ」
夕立「っ!」
初霜「……」
吹雪「……」
- 471: 2017/01/03(火) 01:19:39.27 ID:3n4ktuel0
- 阿武隈「……状況はわかったよ。時雨ちゃん」
時雨「……」
阿武隈「時雨ちゃんのせいじゃないよ。時雨ちゃんは、間違った判断なんてしてない」
吹雪「阿武隈さん!?」
阿武隈「あの状況で何が最良の選択肢だったかなんて誰にもわからない……。時雨ちゃんを責める資格のある人なんて、誰もいないよ」
阿武隈「不知火ちゃんの事だって……時雨ちゃんは状況を見て的確な判断を下した。見殺しなんかじゃないよ」
時雨「……」
阿武隈「責を負うべきはあたし。時雨ちゃんにも、夕立ちゃんにも……責任なんてないよ」
吹雪「……」
夕立「……」
阿武隈「さあ、あの怪物が来る前に……急いでここを出よう」
阿武隈「不知火ちゃんが命を賭けて作り出してくれた時間。絶対に無駄にすることは出来ないわ」
時雨「……そうだね。急いでここから脱出しよう」
吹雪「……はい」
初霜「わかりました……」
夕立「ぽい……」
- 472: 2017/01/03(火) 01:28:01.19 ID:3n4ktuel0
- -入渠ドック 入り口前-
阿武隈「全員出たわね……。時雨ちゃん、ここの鍵を閉めてくれる?」
時雨「うん」ガチャッ
阿武隈「よし、これでひとまずは安心ね」
吹雪「夕立ちゃん……あまり自分を責めないで」
夕立「……」
初霜「これからどうしますか?」
阿武隈「初霜ちゃんたちの燃料を補給する為に、一度倉庫のところまで行こう」
阿武隈「2人の補給が終わったら……海に出てこの島から脱出する」
- 473: 2017/01/03(火) 01:29:33.82 ID:3n4ktuel0
- -倉庫への道-
吹雪「2人とも、もう少しだから頑張って」
初霜「はい……大丈夫です」
夕立「夕立も、大丈夫っぽい」
阿武隈「……時雨ちゃん」
時雨「……ごめんなさい。僕は……阿武隈さんから皆のことを任されてたのに……」
時雨「僕は……また、守れなかった」
阿武隈「……そんなことないわ」
時雨「ごめんなさい……許して……不知火っ」
阿武隈「時雨ちゃん……」
バシュッ
阿武隈「……!」
吹雪「なに? この音」
ヒュゥゥゥゥッ
カッ!
Bad End
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