サーニャ「…ストライクウィッチーズ」 エイラ「怪異ノ魔女」【前編】
- カテゴリ:ストライクウィッチーズ
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- 2: 2015/02/18(水) 22:34:57.89 ID:GadMtUQQO
- ―西暦1945年 某日―
夜間 アドリア海上空
ブゥゥゥン
サーニャ「~♪ ~~♪」
サーニャ「♪~……?」
《~~》
サーニャ「!」ピク
サーニャ「……」
サーニャ「…………」
サーニャ「…? ………」
- 3: 2015/02/18(水) 22:37:07.70 ID:GadMtUQQO
-
ザザッ ガザザッ
サーニャ「っ! ……」スッ
『…ガザッ …こちら管制室。 リトヴャク中尉、定時報告をお願…します』ザザ
サーニャ「…こちらサーニャ・V・リトヴャク。 ……周辺空域、異常はありません」
『了解しました。 そろそろ夜が明けますので必要範囲の索敵を終了次第帰投ルートへ入ってください』
サーニャ「了解。 ………ぁ…あの…」
『…はい? どうされました?』
サーニャ「あ、その……気のせいかもしれないんですけど――」 - 4: 2015/02/18(水) 22:40:54.19 ID:GadMtUQQO
- ―早朝―
501JFWロマーニャ基地 台所
エイラ「…よし! できたぞ!」
エイラ「あとはトレイ、トレイ~」ガチャガチャ
ミーナ「――あら、エイラさん。 おはよう」ツカツカ
エイラ「おー中佐、おはよう。 中佐も飲み物か?」
ミーナ「ええ。 夜間哨戒の報告を取りに行ったついでにね」
エイラ「……そんなのわざわざ行かなくたって届くだろ?(ていうか宿舎は遠回りだぞ?)」
ミーナ「外の空気を吸う口実作りで偶にこうしているのよ。 ……あら、ココア?」
エイラ「サーニャがさ、あんまり気分が良くなくて寝付けないみたいだから…。 中佐も飲むか? ワタシの分でよければ」スッ - 5: 2015/02/18(水) 22:42:54.02 ID:GadMtUQQO
- ミーナ「私はコーヒーを淹れるつもりだから大丈夫よ。 それはサーニャさんと飲んで頂戴」
エイラ「そっか」
ミーナ「…っいしょ」ガタ
ミーナ「はぁ…」イソイソ
エイラ「……中佐、寝てないのか?」
ミーナ「ふふ、大丈夫よ。 ちゃんと寝てるわ」カチャカチャ
エイラ「ホントかぁ? なんか今朝のサーニャより元気なさそうだぞ? ミルク飲んで休んだ方がいいな」
ミーナ「ありがとうエイラさん、でも心配ないわ。 私って実は低血圧なのよ」コポポ - 7: 2015/02/18(水) 22:44:38.85 ID:GadMtUQQO
- ミーナ「……それよりサーニャさんは大丈夫?」
エイラ「んーちょっと疲れてるみたいだったな。 ……! もしかしてネウロイが出たのか!?」
ミーナ「報告では特に異常はなかったみたいだけど……」ガサ
ミーナ「……えぇと…“一瞬未確認の反応を感じた後、周辺を捜索”…したらしいから、それで少し気を張っていたんじゃないかしら?」ペラ
エイラ「なんだってぇ!?」ガバ
ミーナ「大丈夫よエイラさん。 結局何でもなかったようだし、サーニャさん自身の気のせいだったと報告にあるわ」
エイラ「そ、そうか…」
ミーナ「でもあのサーニャさんが勘違いなんて、…確かに少し疲れているのかしらね?」
ミーナ「……やっぱり押し付け過ぎてるのかしら…」
エイラ「サーニャ…」 - 8: 2015/02/18(水) 22:46:47.41 ID:GadMtUQQO
- エイラーニャ部屋
エイラ「サーニャ起きてるか? ココア淹れてきたぞ」ガチャ
サーニャ「…エイラ」スクッ
エイラ「あ! いいって、座っててくれ。 ワタシが持っていくから……おととっ」パタン
サーニャ「……」トスン
エイラ「はい、サーニャ。 こぼさないように気をつけてな」
サーニャ「うん。 ありがとうエイラ」
サーニャ「………」コクコク
エイラ「……」ズズ
サーニャ「……あったかくておいしい」 - 9: 2015/02/18(水) 22:47:55.66 ID:GadMtUQQO
- エイラ「サーニャのために淹れたからナ。 特別だぞ?」
サーニャ「ふふ」ニッコリ
エイラ「っ!!/// ………っそ、そういえばさっき中佐から聞いたぞ? 哨戒中にネウロイの反応があったって」
サーニャ「……あれは私の気のせい」
エイラ「そんな!? サーニャが間違うはずなんか無いじゃないか!」
サーニャ「でも……本当に一瞬。 …何となくだったし、ネウロイの反応じゃなかったと思う…」
エイラ「えっ! アンノウンだったのか?」
サーニャ「感知にノイズが一瞬入っただけだから……私がぼぅっとしてて勘違いしちゃっただけよ…」コクコク
エイラ「そ、そっか。 ……サーニャがそう言うなら…そうだよな、ウン」ズズ - 10: 2015/02/18(水) 22:49:47.40 ID:GadMtUQQO
- サーニャ「…ごちそうさま」コト
エイラ「ん、寝れそうかサーニャ?」
サーニャ「うん、もう落ち着いたわ。 ……エイラは起きてるの?」
エイラ「ア~、わっワタシはちょっとやる事があるから。 もうちょっとで起床時間だしな」
サーニャ「そう……」モソモソ
エイラ「おやすみサーニャ」
サーニャ「うん。 おやすみ…エイラ」
エイラ「……」
サーニャ「………zzz」スヤァ
エイラ「……カップ洗ってこよ」カチャ
エイラ「………」
エイラ(…気のせいだ。 ……気のせいなんだけど、なんか嫌な予感がするな) - 11: 2015/02/18(水) 22:54:10.12 ID:GadMtUQQO
- 食堂(台所)
エイラ「……ムム~…」ゴクリ
エイラ(スリーカードの2番……)ペラ
エイラ「……デビルの逆位置? …ナンダァ縁起よすぎないか?」
エイラ(いや~な予感がしてたんだけどなぁ)
エイラ「結局私の杞憂か。 ナハハ~」ペラ
エイラ「――……え?」
エイラ「3番が……タワー…!?」
エイラ「こ…これはどう読めばいいんだ……? 今じゃないのか??」 - 12: 2015/02/18(水) 22:55:13.05 ID:GadMtUQQO
- エイラ「……デビルの逆位置から、タワーの未来…」ゴクリ
エイラ(やっぱりなんかヤバそうだ。……よし、次はケルト十字で――)バラバラー
リーネ「あのぉー……エイラさん?」
エイラ「ン? リーネか。 なんか用か?」
リーネ「えと…その。 配膳したいので、そろそろ仕舞ってもらえると有難いんですけど……」オドオド
エイラ「あっゴメンゴメン、ちょっと待ってな? 今かたす」
芳佳「随分真剣そうでしたけど何を占ってたんですか?」ヒョコ
リーネ「芳佳ちゃん!」 - 13: 2015/02/18(水) 22:56:38.93 ID:GadMtUQQO
- エイラ「ん~~まぁ、イロイロだ」イソイソ
芳佳「えぇ~? 教えてくださいよぉ、エイラさん!?」
エイラ「うるせー! はやく朝食用意しろよー!」
芳佳「後は並べるだけですから!」
エイラ「だったら早く並べろぉー! そろそろルッキーニ達が来るぞ!」
ドタドタドタ
ルッキーニ「おっっなかすいたぁー!!」ステテーン
リーネ「ルッキーニちゃん!」
ルッキーニ「おっはよーリーネ、よしか! ごはんまだー??」 - 14: 2015/02/18(水) 22:57:51.96 ID:GadMtUQQO
-
ゾロゾロ
シャーリー「ふわぁ~~~む……ねみぃ」ポリポリ
バルクホルン「大口開けてだらしないぞリベリアン! ……ミーナまでどうした? ぼーっとして」
ミーナ「っ! …そうかしら? いつも通りよ」
ペリーヌ「あら? 少佐はまだいらっしゃらないのですか?」
エイラ「……ほらナ?」
ルッキーニ「よしかぁー? ごはんまだぁー!?」グー
芳佳「はっ、はーい! 今用意するね!」パタパタ - 15: 2015/02/18(水) 23:00:03.35 ID:GadMtUQQO
- ――――
――
―
ミーナ「……」ガタ
バルクホルン「ん? もういいのかミーナ? あまり食べてないようだが…」
ミーナ「ええ。 …今朝はちょっと」
バルクホルン「……疲れてるんじゃないか? 医務室に行った方が――」
ミーナ「大丈夫、そんなんじゃないわ」スタスタ
エイラ「! 待った中佐ぁ……はむっはぐ」ガツガツ
ペリーヌ「エイラさん! もうちょっと落ち着いて食べてくださいまし」 - 16: 2015/02/18(水) 23:01:23.55 ID:GadMtUQQO
-
ミーナ「…ご馳走様。 悪いけど片付けお願いね?」カタ
宮藤「すみません。 お口に合いませんでしたか?」
ミーナ「そんなことないわ、とても美味しかったわよ? ……ちょっと食欲がないだけなの、ごめんなさい」
宮藤「いえ、そんな!」
リーネ「…具合悪いんですか?」
ミーナ「大丈夫よ」
エイラ「――そうは見えないぞ?」カタ
ミーナ「エイラさん…!」 - 17: 2015/02/18(水) 23:03:36.05 ID:GadMtUQQO
- 宮藤「エイラさんも食べ終わりですか?」
エイラ「いや私はおかわり。 半分ずつくらいよそってくれ」
リーネ「あ、はい」ヨッソイ ヨッソイ
エイラ「…あのさ中佐? 今日の夜間哨戒、ワタシも行かせてくれないか?」
ミーナ「……サーニャさんが心配なのね?」
エイラ「なんにも知らないんだけど、さっきの話がどうしても気になって。 ……念のためサーニャの側に居たいんだ」
リーネ「どうぞ、エイラさん。 おかわりです」
エイラ「ン、ありがとな。 ……それに中佐のことも心配だし」
ミーナ「え?」 - 18: 2015/02/18(水) 23:07:10.82 ID:GadMtUQQO
- エイラ「難しい事は手伝えないけど、私とサーニャで夜の空は護っとくからさ。 ……ソノ…あんま無理すんなよ?」
ミーナ「……エイラさん…」
ズイッ
美緒「よく言ったエイラ!!!」
エイラ「ワァ!?」ビクッ
ミーナ「きゃっ!? み、美緒!?」
美緒「はっはっは! 朝練に手間取ってな、少し遅れた」
美緒「……リーネ! 納豆大盛で頼むぞ!?」
リーネ「は、はいっ!」バタバタ - 19: 2015/02/18(水) 23:11:15.29 ID:GadMtUQQO
- エイラ「少佐でもいい! 今日の夜間哨戒私も行かせてくれ!」
美緒「まてまて焦るな、エイラの意見には私も同意だ」ピシ
美緒「中佐は今日くらい休んだ方がいい。 顔色がよくないぞ?」
ミーナ「少佐までそんな…!」
美緒「後の事は私たちに任せろ! 急ぎのデスクワークは私ができる範囲でやっておく。 ……夜の安全はふたりに任せよう」
エイラ「ヤッタ! ありがとう少佐ー!」ピューン
芳佳「あぁ! エイラさん、納豆はいいんですかぁー!?」ネリネリ - 20: 2015/02/18(水) 23:12:59.24 ID:GadMtUQQO
- ミーナ「美緒っ! 何を勝手に…」
美緒「エイラが夜間哨戒に出る事にさほど問題もないだろ? こうして事前に申告もしているしな」
ミーナ「…えぇ……まあ、そうよね。……そうね」アタフタ
美緒「判断・思考力も落ちているな。 やれやれ、また徹夜したのか?」
ミーナ「………に、…ニ時間は寝たわ//」
美緒「机に突っ伏してか?」
ミーナ「……」
リーネ「…なんだか珍しい光景だね、芳佳ちゃん?」ヒソヒソ
芳佳「うん。 こんなミーナ中佐初めて見たかも」ヒソヒソ - 21: 2015/02/18(水) 23:14:40.34 ID:GadMtUQQO
- バルクホルン「――観念しろミーナ。 心配をかけたく無い気持ちはわかるが、強がって無理をされるとかえって心配になる」カタ
ミーナ「トゥルーデ…」
美緒「お前の口からそんな台詞が出るとはな、バルクホルン」ワッハッハ
バルクホルン「意味がわからんな少佐? ……宮藤、おかわりだ!」
芳佳「あ、はい! 納豆はいかがですか!?」ズイ
バルクホルン「いや、いい」
芳佳「そうですか……」ネリネリ
リーネ「…芳佳ちゃん、坂本少佐の分欲しいからそれ貰える?」
バルクホルン「とにかく! 今ミーナに倒れられでもしたら501が……ひいてはロマーニャ防衛戦線が崩壊する」
美緒「その通りだ。 それに私達も心配する。 …少し休んでくれミーナ?」 - 22: 2015/02/18(水) 23:16:13.11 ID:GadMtUQQO
- ミーナ「………わかったわ。 それじゃあお言葉に甘えさせて貰おうかしら…」
美緒「よし! ……宮藤!中佐を医務室まで連れて行ってくれ。 一応診断はしておこう」
芳佳「え? あ、はいっ!」バタバタ
美緒「……このあと手の空いてるものは朝食の片付けを手伝え!! 午後のスケジュールは私が調整して連絡する!」ビシィ
バルクホルン「…午後は全体訓練だったな?」
美緒「訓練指揮は私が代わろう。 エイラも抜けるから数は合う」
シャーリー(……聞こえたぞぉ? やばいなぁ~、今日は流せると思ったんだけど)モグ
ルッキーニ「はぐはぐっ…んぐんぐ!」ムシャコラ
シャーリー「………」
ルッキーニ「ばくばくっ……うじゅー!」
シャーリー「……うまいか? ルッキーニ」
ルッキーニ「んー! おいひー!」モグモグ
シャーリー「……今のうちに幸せを噛み締めとけよ?」ナデリ
ルッキーニ「?」モグモグ
エイラ(私の占い当たったな…)モグモグ - 23: 2015/02/18(水) 23:29:49.78 ID:GadMtUQQO
- ―その夜―
格納庫
エイラ「サーニャ、気分悪くないか?」
サーニャ「大丈夫よエイラ。 魔法力も安定してるわ」
ザザッ
『こちら管制。 発進進路、電波共にクリア! いつでもどうぞ』
サーニャ「了解。 サーニャ・リトヴャク…これより夜間哨戒に出発します」
エイラ「エイラ・イルマタル・ユーティライネン、発進するぞ!」
――――
――
― - 24: 2015/02/18(水) 23:33:58.36 ID:GadMtUQQO
- アドリア海上空
サーニャ「……」フィィイン
エイラ「……どうだサーニャ?」ブゥゥン
サーニャ「…特に反応は無いわ」
エイラ「昨日のポイントはこの辺なんだよな?」
サーニャ「うん。 …でもあれは私の勘違いだか――」
《~~》
サーニャ「――っ!?」ピクッ
エイラ「サーニャ?」
サーニャ「っ……………?……??」 - 25: 2015/02/18(水) 23:39:33.77 ID:GadMtUQQO
- サーニャ「…………」
エイラ「……もしかして?」
サーニャ「…わからない。 ほんの一瞬だったけど……なにか…」
エイラ「ネウロイかっ!?」チャキ
サーニャ(……気のせい…? でも…)
エイラ(くっ…ちくしょー! なんだこの胸騒ぎは)キョロ
エイラ「……ン!?(なんだ? ……雲が――)」
エイラ「――っ!!!!」キュピン
- 26: 2015/02/18(水) 23:44:21.66 ID:GadMtUQQO
- サーニャ(反応は…多分あっちの――)ブゥゥウン
エイラ「サーニャっ!! 待てぇ!!!」ガシッ
サーニャ「!!?」ビクッ
エイラ「はぁ……はぁ…」キョロキョロ
サーニャ「……エイラ…?(ビックリした…)」ドキドキ
エイラ「ッ……それ以上行っちゃダメだっ…サーニャ!!」グッ
サーニャ「…!?」
サーニャ「どうしたのエイラ! 凄い汗よ!?」 - 27: 2015/02/18(水) 23:47:35.40 ID:GadMtUQQO
- エイラ「はぁ…はっ……い、行くなサーニャ…!」ギュッ
サーニャ「ぇ、エイラ…!?? //」
エイラ「はぁ……っはぁ……行っちゃ…やだっ!!」ギュゥゥ
サーニャ「…………??」
サーニャ「…わ、わかったわエイラ。 落ち着いて? 私はここにいるから…」サスサス
エイラ「~~ッ…」ギュッ
サーニャ「……」 - 28: 2015/02/18(水) 23:54:07.38 ID:GadMtUQQO
- ―翌朝―
エイラーニャ部屋
コンコンッ
『サーニャさん、エイラさん? 起きてるかしら?』
サーニャ「はい、どうぞ…」
ガチャ
ミーナ「お邪魔するわね。 ……あら?」
エイラ「ウ~~ン…」グッタリ
サーニャ「…エイラ、しっかり。 お水飲める?」サスサス - 29: 2015/02/18(水) 23:56:12.40 ID:GadMtUQQO
- エイラ「ウゥ……サーニャ。 …行くなぁ」
ミーナ「……記録班から報告は聞いたけど、いったい何があったの?」
サーニャ「私も詳しいことは……。 昨日と同じ違和感がしたので、探ろうとしたら突然エイラに止められて…」
サーニャ「そしたら、エイラの様子が急に変になってたんです」
ミーナ「具体的にどんな様子だったの?」
サーニャ「すごく必死に“それ以上行くな”って私を掴んで…。 息使いも荒くて……すごい様相でした」
ミーナ「………それは例の未確認反応を感じた後なのね?」
サーニャ「はい。でも本当に違和感程度なので…」
ミーナ「……」 - 30: 2015/02/19(木) 00:00:19.08 ID:xKr2Fz/tO
- エイラ「ウ~~ン…そんなぁ……サーニャが…アァ……」
サーニャ「大丈夫よエイラ。 私はここにいるわ」サスサス
ミーナ「……何か、恐ろしい未来を見たのかもしれないわね?」
サーニャ「…未来……ですか?」
ミーナ「あくまで憶測だけど、未来予知の魔法でサーニャさんに危険が及ぶのを察知して止めたって可能性よ」
サーニャ「……じゃあ。 この、うなされてるエイラは…?」
エイラ「ウ~~ン……いゃだ~…」
ミーナ「おそらく相当ショックなものを見てしまったのかもしれないわね。 昨日から随分サーニャさんを心配していたし。 それで必死になって」
サーニャ「エイラ…」
エイラ「ウゥ……」 - 31: 2015/02/19(木) 00:02:30.02 ID:xKr2Fz/tO
- ミーナ「……エイラさんが落ち着いたらまた話を聞きましょう。 場合によっては夜間シフトを組む事になりそうね」
サーニャ「…はい」
ミーナ「サーニャさんは大丈夫?」
サーニャ「え?」
ミーナ「……」スス
サーニャ「…?」
ミーナ「辛かったら遠慮なく言ってね、貴女ひとりで抱え込む必要は無いのよ?」ギュ
サーニャ「あっ…/// ……はい、ありがとうございます。 でも平気です」
サーニャ「…私には皆も……エイラもいますから」
ミーナ「ごめんなさい、サーニャさん。 …ありがとう」
エイラ「……ウ~~ン」 - 34: 2015/02/21(土) 19:14:47.51 ID:rzPqjwtWO
- ―夕方―
ミーナの執務室
コンッコンッ
『中佐、坂本だ。 エイラを連れてきた』
ミーナ「入って」
ガチャ
エイラ「………」
ミーナ「…少しは落ち着いたようね。 話せるかしら、エイラさん?」
エイラ「あぁ…。 中佐も元気そうだな…」 - 35: 2015/02/21(土) 19:21:59.25 ID:rzPqjwtWO
- ミーナ「あなた達のおかげよ。 ……サーニャさんは?」
美緒「戻ってからしばらくエイラの面倒を見ていたようだからな、今は寝ている。 私が許可した」
エイラ「……」
ミーナ「そう…。 エイラさん、昨晩の哨戒中に何があったのか詳しく聞かせて貰えるかしら?」
美緒「私と中佐も記録を見たが、お前が取り乱した理由がわからん。 一体何が起きたんだ?」
エイラ「…そ、その。 ……例のポイント付近に到着して…」
ミーナ「以前サーニャさんが違和感を感知した場所ね?」
エイラ「……サーニャが周辺をサーチしたけど何も反応なかったんだ。 ……それで、…引き返そうとしたらサーニャが感付いて…」
ミーナ「前と同じ反応を感じたのね?」 - 36: 2015/02/21(土) 19:30:08.29 ID:rzPqjwtWO
- エイラ「…サーニャは、ネウロイとは違うかもしれないけどよくわからないって言ってて――」
エイラ「……多分反応先を追うつもりだったんだ。 …さ、先にっ進もうと……して」ウル
美緒「……」
エイラ「…ワタシは魔法を使って警戒…してたんだ。 ……そ、そしたらサーニャが………うっ…」グス
ミーナ「……未来予知で何か視えたのね?」
美緒「サーニャがどうなったんだ?」
エイラ「うっ……サーニャが…ぇっ……し、…しんじゃ……うぐっ」クシャクシャ
ミーナ「墜ちたのね?」
エイラ「ッ~…」コク
美緒「!」 - 37: 2015/02/21(土) 19:36:15.42 ID:rzPqjwtWO
- ミーナ「……わかりました。 ありがとうエイラさん、よく報告してくれました」ガタ
スタスタ
美緒「ミーナ…?」
エイラ「うっ……うわぁぁ~ん…」ペタン
ダキッ
ミーナ「…怖い思いをさせてしまってごめんなさい」サスサス
エイラ「うわぁぁん…ぅあぁ」 - 38: 2015/02/21(土) 20:37:46.79 ID:rzPqjwtWO
- 美緒「……しかしエイラの未来予知で見たという事は……縁起でも無いが、止めなければサーニャはほぼ討たれていたということか」
ミーナ「そうね。 結果的にエイラさんの判断がサーニャさんを救ったわ」サスサス
美緒「サーニャの感じたものの正体も、そのサーニャを墜としたであろう者と考えられるが……」
ミーナ「妥当だけど、根拠はないわね」ナデナデ
エイラ「…うっ……ぐす…」
美緒「いずれにせよエイラが視た悲劇の原因はあるわけだ。 先ずはそちらをなんとかしないとな」スタスタ
美緒「…エイラ、大丈夫か? しっかりしろ!」
ミーナ「坂本少佐! 今は――」
エイラ「………大丈夫だ中佐」グシグシ
ミーナ「エイラさん…!」 - 39: 2015/02/21(土) 20:50:02.90 ID:rzPqjwtWO
- エイラ「……もう平気だ。 …ごめん…」スク
美緒「よし。 流石だ、エイラ」
ミーナ「美緒…」スク
美緒「お前が見たものについて幾つか聞くぞ?」
エイラ「………ま、まかせろっ」ビッ
美緒「いい返事だ! …サーニャが落とされたであろう原因はなんだった?」
エイラ「わかんなかった……あの時の未来予知はちょっとだけで、そんなはっきりと見えたわけじゃないんだけど、…でも攻撃を受けた感じじゃなかったと思う」
美緒「では、いきなり落ちたのか?」
エイラ「ゥ、ウン…。 サーニャが進んだ先で急に意識を失ってその……お、落ちたんだ」 - 40: 2015/02/21(土) 20:54:06.21 ID:rzPqjwtWO
- 美緒「ふむ……どういうことだ?」
ミーナ「進入を止めることで防げたってことは、サーニャさん自身の原因ではないわね」
美緒「やはり“落ちた”のではなく“墜とされた”か…? しかし嵐や落雷の類の現象も特に観測されていない」
ミーナ「まって! さっきのエイラさんの話だとサーニャさんをその……亡失したって言っていたけど、そうとは言い切れないわよ?」
美緒「そうだな。 死ぬような損傷を負った訳でなく、ただ意識を失って落ちた可能性もある」
エイラ「ごめん。 ……気が動転しちゃってて」
美緒「…それでもお前はサーニャを守った。 大事なのはそこだエイラ、自分を恥じるな」
エイラ「うん…」 - 41: 2015/02/21(土) 20:58:05.84 ID:rzPqjwtWO
- ミーナ「……やっぱりネウロイなのかしら?」
美緒「わからんが、警戒すべきだろうな…。 上に言って情報を集めてもらうか?」
ミーナ「どうかしらね? 実際は何も起きていない訳だし、ただの妄言と取られる可能性が高いわ」
美緒「我々ウィッチにとっては信用できるが、エイラの予知は証拠にならんか。 …まったく面倒だな」
ミーナ「現場以外のフットワークが重いのは仕方がないわ。 明日中に周辺空域を哨戒してみましょう」
美緒「…今夜はどうする?」
ミーナ「今日は私がコントロールを務めます。 あなた達のおかげでゆっくり休めたことだし」ウフフ - 42: 2015/02/21(土) 21:00:24.34 ID:rzPqjwtWO
- ミーナ「哨戒機はサーニャさんとエイラさん、…それと念のためバルクホルン大尉の3機で出てもらうわ」
エイラ「……了解」
美緒「まてミーナ、私が行こう」
ミーナ「……いくらなんでも戦力を割きすぎよ?」
美緒「それはバルクホルンでも同じだ」
ミーナ「あなたは戦闘隊長なのよ!?」
美緒「サーニャのレーダーに捕まらない敵なのだとしたら目視するしかない。 夜間で視界は悪いが、私の魔眼で探る価値はある」
ミーナ「でもっ! 危険だわ!!」
美緒「そんなのは誰だって一緒だ! …それに我々は独りではない」ガシ
エイラ「ぐぉ!?」
ミーナ「エイラさん…」
美緒「今夜はお前もいてくれるんだろ? なら心配ない、わっはっは!」
ミーナ「美緒…。 ……わかったわ。 でも無茶はしないで?」
美緒「承知している」
エイラ「……」 - 45: 2015/02/22(日) 11:23:21.09 ID:oqLgiZnMO
- ―同日 深夜―
アドリア海上空
ブゥゥウン
ミーナ『こちら管制。 状況はどうかしら?』ガザ
美緒「……こちら坂本。 今のところ異常はない、静かな夜だ」
ミーナ『もうすぐ例の空域に入るわ。 気をつけて』
美緒「承知した。 ポイントに到着したら鈍行にて周辺を探索する」
エイラ「…サーニャ、私から離れるなよ」ギュ
サーニャ「大丈夫よエイラ。 ちゃんと手も繋いでるでしょ?」ニギ - 46: 2015/02/22(日) 11:26:16.51 ID:oqLgiZnMO
- 美緒「サーニャ! 僅かでも何か感じたら直ぐに知らせろ。 エイラはそろそろ魔法力を循環させておけ、危機を察知したらお前も直ぐに知らせろ」
サーニャ「了解」
エイラ「おう」フィィン
美緒(…私も眼帯を外しておきたいが、魔法力の無駄使いはできん。 この悪視界の中、無防備になれば死ぬ…)
美緒「……」
美緒(シールドも貼れず、烈風丸もそうやたらに抜けないか……くっ!!)ギリ
サーニャ「……坂本少佐、この辺りです」
美緒「よし、一度止まれ」 - 47: 2015/02/22(日) 11:32:08.22 ID:oqLgiZnMO
- エイラ「……」ゴクリ
美緒「……………サーニャ、何か感じるか?」
サーニャ「……半径5km圏内空域に異常反応はありません」
美緒「…エイラ!」
エイラ「今のところナニかくる気配はないな」
美緒「ふむ……サーニャ、もっと遠くまで探ってくれ」
サーニャ「はい」フィイイン
サーニャ「………」
エイラ「……」
美緒「………どうだ?」
サーニャ「…ダメです。 およそ10km圏内全方位にネウロイ、その他アンノウン確認できません」 - 48: 2015/02/22(日) 11:51:07.07 ID:oqLgiZnMO
- 美緒「地平線のさらに地平線まで何もなし……か。 …エイラ!」
エイラ「こっちも相変わらずだ」
美緒「ミーナ、こちら坂本だ! 問題の空域10km圏内を探査したが反応はない」
ミーナ『まさか本当にレーダー探査できないネウロイが…?』ガザ
美緒「だがエイラの予知にも引っかからない。 今のところ危険はなさそうだ」
ミーナ『油断はダメよ、坂本少佐』
美緒「ふっ、誰に言っている! ……仮に敵が潜んでいるとして、今日はもう出ないのかもしれんな」
サーニャ「なにか習慣とか……規則性があるのかも…」
ミーナ『だとしたらやっかいね。 それを把握しない限りこっちは消耗する一方だわ』 - 50: 2015/02/23(月) 00:02:36.11 ID:WbM4vnn7O
- 美緒「…情報が足らんな。 昼間の哨戒報告を待つか?」
ミーナ『そうね……ただの取り越し苦労で、何事もないならそれが一番良いのだけど』
美緒「とりあえずもう少し距離を伸ばして探ってみる」
ミーナ『すでに長時間飛行になっているわ。 戦闘は深追いしすぎないように注意して』
美緒「了解」
美緒「…よし、ではこのまま厳戒体制で距離を伸ばすぞ! いけるかお前たち?」
サーニャ「はい」
エイラ「……」
美緒「どうしたエイラ! へばってきたか!?」
エイラ「え? …あぁっだ、大丈夫だぞ!」 - 51: 2015/02/23(月) 00:07:37.48 ID:WbM4vnn7O
- 美緒「今更お前に言うことではないが、夜間の長距離飛行で無理はするなよ! いくぞ」
エイラ「おう…」
ブゥゥウン
エイラ(…今のこの状況はワタシの所為で起きてんだよな? ……勘違いで説教なら別にそれで良いんだ)
エイラ(でも……なんだ? やっぱり何か胸騒ぎがするぞ)グッ
サーニャ(……エイラ?)
サーニャ「…!」ピク
サーニャ「坂本少佐」
美緒「どうした? 何か探知したか?」
サーニャ「…何か聞こえます……下の方から」 - 52: 2015/02/23(月) 00:11:42.33 ID:WbM4vnn7O
- 美緒「下か…よし雲を降りるぞ! 私が先頭になる。 エイラ、サーニャを頼むぞ」
エイラ「り、了解」
エイラ(この雲……?)
ブゥゥウン↓
美緒「音源は……海面か!」フィイイン
美緒(くっ…暗くて見え辛い!)
美緒「エイラっ!」
エイラ「大丈夫だー少佐ぁ! このまま進める! ……? まてよ、コイツ…!」
キュイキィ キィキュウ
美緒「……イルカだ」 - 53: 2015/02/23(月) 00:17:05.29 ID:WbM4vnn7O
- サーニャ「…この先の海面から大群がこちらの方角へ移動してきます」フィイイン
美緒「凄い数だな…。 そしてうるさい」
エイラ「なんでこんな事してんだコイツら?」
美緒「おそらくネウロイによって住処を追われたのだろう。 他の侵食地域の生物でもこういった例は観測されている……国を追われた我々人類と同じだ」
サーニャ「……」
美緒「やはりこの周辺にネウロイが住み着いている可能性は高い。 …イルカの来た方角へ進路を取る! いくぞっ」ブゥゥウン
エイラ「まったく、驚かせんなよなぁ……――っ!!!」キュピン
- 54: 2015/02/23(月) 00:23:16.91 ID:WbM4vnn7O
- エイラ「少佐ぁ!! 危ないっ!!!」グィイ
美緒「あぐぅっ!!?」グキッ
サーニャ「エイラ!?」
美緒「ぐっ……エイラ…な、なにをする!? 髪を引…っ張るな……ばかものぉ…」グワングワン
エイラ「それ以上進んじゃダメだ少佐!!」
サーニャ「エイラ……まさか…?」
エイラ「うん、…昨日と同じだ」
美緒「っ……なに! 本当か!?」サスサス
エイラ「多分…、後ちょっと進んだら私達やられる」 - 55: 2015/02/23(月) 00:26:16.24 ID:WbM4vnn7O
- 美緒「サーニャ!」
サーニャ「……ダメです。 捕捉できません」フィィィン
美緒「反応も皆無か?」
サーニャ「はい」
美緒「……とりあえず今の位置を保て、雲の上まで錐もみ機動で真っ直ぐ上がるぞ! 前進はするな!」
エイラーニャ「「了解」」
美緒「っ…(確かに嫌な空気だ。 いったい何が起きている…!?)」フィイイン
グルグル
ブゥゥウン↑
- 56: 2015/02/23(月) 00:29:43.59 ID:WbM4vnn7O
- 美緒「むぅ……何も見えない…」
サーニャ「………」フィイイン
エイラ「っ……」フィイイン
美緒「こちら坂本っ! ミーナ応答してくれ!」
――――
――
―
美緒「結局正体どころか捕捉もできないか…」
ミーナ『サーニャさんのレーダー探査にノイズが数度確認できたけど、…それだけじゃ何とも言いきれないわね』
サーニャ「…すみません」
ミーナ『別に責めてるわけじゃないのよサーニャさん? 仕方ないわ……もう時間も無いし、3人とも今日は帰投して頂戴』
美緒「了解した」 - 57: 2015/02/23(月) 00:32:14.74 ID:WbM4vnn7O
- エイラ「ごめん少佐。 …でも本当なんだ、本当に向こうは危なかったんだ」
美緒「はっきり言ってかなり首が痛いが……お陰で助けられたんだ、よくやったぞエイラ! わっはっは!」ベシ
エイラ「少佐…」
ミーナ『エイラさん? 皆あなたの言う事を嘘だなんて思わないわ。 私達は家族なんだから』
サーニャ「…エイラ?」ギュ
エイラ「……ありがとう///」
美緒「よし、では帰るか! 基地に着くまで油断するんじゃないぞ!?」 - 61: 2015/02/24(火) 20:56:28.87 ID:Fss5f2vJO
- ―翌日 正午―
ミーティングルーム
エーリカ「ふんふ~ん♪」テテッ
バルクホルン「遅いぞハルトマン! カールスラント軍人たるもの最低15分前には集合しろ」
エーリカ「間に合ってるんだからいーじゃーん! よっと!」トスン
バルクホルン「……重いぞ? どけ」イラ
エーリカ「む! 乙女にそれは傷つくな~」
バルクホルン「淑女を名乗るなら掃除の一つでも覚えろ」グイ
エーリカ「ぎゃー! ちかんー!」
バルクホルン「誰が痴漢だ!!」
ルッキーニ「んにゃー…おなかすいた……」
シャーリー「おまえ朝飯あんなに食ったろ? もうちょっと我慢だ、これ終わったら昼飯だから」
ルッキーニ「えぇ~お腹がぎゅるぎゅるして気持ち悪いよぉ~」グー - 62: 2015/02/24(火) 21:00:07.37 ID:Fss5f2vJO
-
シャーリー「はぁ……虫が鳴ったか、仕方ない。 ………ほれ、コレ食え」
ルッキーニ「ぅじゅ~……」サクサク
ペリーヌ「ちょっとルッキーニさん? こんな所でお菓子なんて食べないでくださいな! はしたないですわよ!?」
芳佳「あはは……ごはんの用意急いだ方が良さそうだね?」
リーネ「そうだね。 下ごしらえは済んでるからこのあと直ぐやれば多分平気だよ」
芳佳「…それにしてもこんな時間にミーティングなんて、何かあったのかな?」
リーネ「今朝知らない人たちがいっぱい来てたから、きっとその事じゃないかな?」
芳佳「あ! それ私も気になってたんだー! 坂本さんに聞こうとしたんだけど何処にもいなくって…」
――ガチャ
美緒「む? 待たせてしまったようだな」スタスタ
ミーナ「急に徴収かけてごめんなさいね」 - 63: 2015/02/24(火) 21:10:33.56 ID:Fss5f2vJO
- エーリカ「もー待ちくたびれちゃったよ!」
バルクホルン「お前は今来たばかりだろうが」
シャーリー「……ルッキーニ、その一枚で終りにしとけ。 残りは隠すんだ」ヒソヒソ
ルッキーニ「んん……」モグモグ
芳佳「坂本さん、今まで何処にいたんですか? 朝練にもいませんでしたけど…」
美緒「ああ、少し仮眠を取っていたんだが……それも含めてこれから話す。 サーニャ、エイラ! お前たちも早く入れ」
サーニャ「……」ヨロヨロ
エイラ「……」ポケー - 64: 2015/02/24(火) 21:14:20.57 ID:Fss5f2vJO
- ヨロヨロ~ トスン
芳佳「…ふたりとも眠そうだね?」
サーニャ「ぅん…」ウトウト
エイラ「魔法力の使いすぎダナ……」ポケー
ミーナ「はい、では皆さんいいかしら?」
――――
――
―
バルクホルン「なに? ……それは本当なのか?」
ミーナ「ええ、エイラさんの未来予知とサーニャさんの感じた違和感……私は充分信頼できると思うわ」
バルクホルン「だが、結局何も起きてはいないのだろう?」
ミーナ「ふたりが事前に察知してくれたおかげでね」 - 65: 2015/02/24(火) 21:20:21.68 ID:Fss5f2vJO
- バルクホルン「……その2人の勘違いではないのか?」ジロ
エーリカ「えっ…?(トゥルーデ?)」チラ
サーニャ「っ…」
エイラ「ぅ……」
芳佳「バルクホルンさんっ!」ガタッ
リーネ「きゃ! 芳佳ちゃん!?」
美緒「宮藤やめろっ!」
芳佳「ぁ……」
美緒「……座れ」
芳佳「す、すみません」トスン - 66: 2015/02/24(火) 21:24:07.45 ID:Fss5f2vJO
-
シーーーンッ…
バルクホルン「……」フンッ
ミーナ「……(…どうしたのかしら?)」
シャーリー「……」
ルッキーニ「?」キョロキョロ
エーリカ「ぁの…」
ペリーヌ「……」ゴクリ
リーネ「……」ソワソワ
芳佳「……」
美緒「……バルクホルン。 私も一応だが判断材料を持っている」 - 67: 2015/02/24(火) 21:26:59.76 ID:Fss5f2vJO
- バルクホルン「…?」
美緒「昨晩哨戒に出た時、嫌な空気を感じた」
バルクホルン「嫌な空気?」
美緒「そうだ。 ちょうど今のここと同じ感じだな」
ミーナ「ちょっと、坂本少佐!」
バルクホルン「……少佐、ふざけないで欲しい」
美緒「ふざけてなどいない。 今まさに漂っている空気と同じだ…“何かまずい事になっている”という雰囲気とでも言おうか?」 - 68: 2015/02/24(火) 21:28:35.49 ID:Fss5f2vJO
- ミーナ「……ほ、本当なの?」
美緒「ミーナまで疑うか、私は真剣だ! 仲間の命が掛かっているんだぞ?」
サーニャ「……」
エイラ「……」
美緒「とにかくそういう物を感じていた。 魔法でなく私の戦場に立つ者としての感覚だが……バルクホルン、お前に“それ”は信じられないか?」
バルクホルン「……」
美緒「お前もただ突っ立って数多のネウロイを撃墜してきたわけではあるまい」 - 69: 2015/02/24(火) 21:31:12.74 ID:Fss5f2vJO
- バルクホルン「………そうだな。 すまなかった」
芳佳「バルクホルンさん…」ホッ
エーリカ「……トゥルーデごめん。 私のせいで機嫌悪くしてた?」オズオズ
バルクホルン「いや、違う! 違うんだっ………皆すまない、今日は…少し調子が良くないみたいだ」
エーリカ「トゥルーデ……」
芳佳「大丈夫ですか…バルクホルンさん? あの、私……」
バルクホルン「大丈夫だ宮藤。 悪かったな不安にさせて」
シャーリー「………」
シャーリー「……ルッキーニ、リーネ達のところ行ってろ」ヒソヒソ
ルッキーニ「にゃ?」 - 70: 2015/02/24(火) 21:37:40.97 ID:Fss5f2vJO
- バルクホルン「……」
シャーリー「…とりあえずさ、顔でも洗ってこいよバルクホルン?」スク
ミーナ「シャーリーさん?」
ペリーヌ(この空気の中でそんな発言が出来るなんて……流石シャーリーさん…)ヒィィ
シャーリー「……」スタスタ
バルクホルン「リベリアン…」
シャーリー「んー休んだ方がいいかなこりゃ。 顔色悪いぞ? ミーティング内容は後であたしが伝えてやるからさ」ポン
エーリカ「シャーリー…」
シャーリー「お前も昨日言ってたろ? 501やロマーニャ戦線の命がかかってるんだ。 無理なら休めって」 - 71: 2015/02/24(火) 22:17:48.85 ID:Fss5f2vJO
- シャーリー「……ハルトマンですら把握できない状態だったってことだよな、さっきの?」
エーリカ「え? …ぅ、うん。 そうだね」
シャーリー「………らしくないな」ボソ
エーリカ「…ごめん」
シャーリー「ん? あー待った、そういう意味じゃないぞ!? ハルトマンのせいじゃない!」
美緒「なんだ? どうしたんだお前まで?」
シャーリー「いや、ちょっと珍しいなって思って……あたしが着任した頃ならいざ知らず…」
ミーナ「そうねぇ。 皆疲れてるのかしら?」 - 72: 2015/02/24(火) 22:25:55.91 ID:Fss5f2vJO
- シャーリー「なら早く済ませて昼飯にしましょうよ? 今日は宮藤達のメシだから元気でますよ! あははは!」チラ
美緒「!」ピクッ
美緒「……そうだな、私も考えたら腹が減ってきた! 宮藤ぃ! 今日の献立は何だっ!?」ビシッ
芳佳「ぅえ!? あ…えっと」
リーネ「い…今はそれどころじゃ…」
美緒「まぁ何であれ宮藤達の料理なら美味いか! わっはっはっは!!」
ペリーヌ「しょ、少佐……!?」
ルッキーニ「うじゅ~お腹がぎゅるぎゅるしゅる~」モミモミ
リーネ「ひゃあ!? ルッキーニちゃんやめてぇ!!」 - 73: 2015/02/24(火) 22:29:21.74 ID:Fss5f2vJO
- ルッキーニ「うじゅじゅ~」モミンモミン
リーネ「やぁぁあ~!///」
芳佳「おぉぉ……!」ジー
美緒「わっはっは! お前達、あまり騒ぎすぎるとゲンコツだぞ?」ワハハ
シャーリー「あっはは! ルッキーニ、身長伸びる前に戻って来い」
ミーナ「はぁ……さっきよりはマシだけど」ガク
エーリカ「とんだヘルパーだね?」ニシシ - 74: 2015/02/24(火) 22:40:55.38 ID:Fss5f2vJO
- すみません、>>70と>>71の間抜けていました
>>70の続きから改めて、まとめて投稿させていただきます
- 75: 2015/02/24(火) 22:43:38.66 ID:Fss5f2vJO
- シャーリー「お前も昨日言ってたろ? 501やロマーニャ戦線の命がかかってるんだ。 無理なら休めって」
バルクホルン「……」
シャーリー「な?」
バルクホルン「………いや、顔を…洗ってこよう。 いいかミーナ?」スク
ミーナ「…ええ。 いってらっしゃい」
バルクホルン「すまない…」スタスタ
ガチャ バタン
美緒「…うむ、流石だな」
ミーナ「ありがとうシャーリーさん。 助かったわ」ハァー
シャーリー「リベリオンは平和主義ですから」ブイ
エーリカ「シャーリーごめんっ! 今回は私もちょっと予想外で…」
シャーリー「……ハルトマンですら把握できない状態だったってことだよな、さっきの?」
エーリカ「え? …ぅ、うん。 そうだね」
シャーリー「………らしくないな」ボソ
エーリカ「…ごめん」
シャーリー「ん? あー待った、そういう意味じゃないぞ!? ハルトマンのせいじゃない!」
美緒「なんだ? どうしたんだお前まで?」
シャーリー「いや、ちょっと珍しいなって思って……あたしが着任した頃ならいざ知らず…」
ミーナ「そうねぇ。 皆疲れてるのかしら?」
シャーリー「なら早く済ませて昼飯にしましょうよ? 今日は宮藤達のメシだから元気でますよ! あははは!」チラ
美緒「!」ピクッ
美緒「……そうだな、私も考えたら腹が減ってきた! 宮藤ぃ! 今日の献立は何だっ!?」ビシッ
芳佳「ぅえ!? あ…えっと」
リーネ「い…今はそれどころじゃ…」
美緒「まぁ何であれ宮藤達の料理なら美味いか! わっはっはっは!!」
ペリーヌ「しょ、少佐……!?」
ルッキーニ「うじゅ~お腹がぎゅるぎゅるしゅる~」モミモミ
リーネ「ひゃあ!? ルッキーニちゃんやめてぇ!!」
ルッキーニ「うじゅじゅ~」モミンモミン
リーネ「やぁぁあ~!///」
芳佳「おぉぉ……!」ジー
美緒「わっはっは! お前達、あまり騒ぎすぎるとゲンコツだぞ?」ワハハ
シャーリー「あっはは! ルッキーニ、身長伸びる前に戻って来い」
ミーナ「はぁ……さっきよりはマシだけど」
エーリカ「とんだヘルパーだね?」クスクス - 76: 2015/02/24(火) 22:47:12.46 ID:Fss5f2vJO
- ペリーヌ「ちょっとあなたたち! いい加減におよしなさいな!!」
ミーナ「――はいはい! 元気が出過ぎた人には掃除を頼もうかしら?」パンパン
シーン……
ミーナ「よろしい。 ではミーティングを再開します」
ミーナ「……問題の経緯はさっき話した通りです。 何かあるのなら勿論、無いにしてもその確証をとる必要が出てきました」
美緒「警戒すべきという事だ。 仮にネウロイではなくとも、エイラの予知した内容から考えて只事でない可能性は充分ある」
芳佳「只事じゃない……」
リーネ「うぅ…」ギュ - 77: 2015/02/24(火) 22:49:45.12 ID:Fss5f2vJO
- シャーリー「……エイラ、聞いてもいいか?」
エイラ「…あぁ、いいぞ」
シャーリー「昨晩もその前も、見た予知では攻撃は受けてないんだよな?」
エイラ「少なくともネウロイのビームや物理攻撃は無かった…と思う」
シャーリー「敵は確認できた?」
エイラ「いや、全く。 ……さ、最後までサーニャの魔導針にもかかった様子はなかった」
シャーリー「そっか……」
ミーナ「何か気になるの、シャーリーさん?」
シャーリー「いや……もし狙われたんだとしたら、攻撃する瞬間すら何も見えない聞こえないってのはどうかなと思って」 - 78: 2015/02/24(火) 22:55:37.40 ID:Fss5f2vJO
- 美緒「そうだな。 そんなものがいたら戦い様が無いしな」
芳佳「じゃあいったい何でサーニャちゃん達はその…」
ミーナ「自然現象……? でも結局ネウロイと考えるのが妥当なのかしらね?」
ペリーヌ「…こんな不安を抱えたままでは任務も作戦も集中できませんわ」
エーリカ「でも、それを私達に言ったって事はさ…?」
美緒「その通りだ。 我々で探りを入れる」
ミーナ「今のところ夜間での発生例〈※厳密には未発〉しかないけど、戦闘も想定して悪状況を避けた昼間に同空域を哨戒します」キリ
ミーナ「先ずは本日1400時より各ロッテのローテーションで飛んでもらいます。 細かい事は昼食後ブリーフィングを行いますが、第1組だけここで決めてしまいましょう」
美緒「念のため1組目は特に警戒しておきたいが、サーニャとエイラは出せん。 ……となると」 - 79: 2015/02/24(火) 22:58:45.89 ID:Fss5f2vJO
- ミーナ「…やっぱりハルトマン中尉かしらね?」
エーリカ「私?」
美緒「そうだな。 僚機はバルクホルンがベストなんだが……」チラ
ミーナ「ええ……しかたないわね。 シャーリーさん、お願い出来るかしら?」
ルッキーニ「えぇー! シャーリーはあたしとだよぉー!?」
美緒「文句を言うな」
シャーリー「了解です。 ちょっと物騒な話だけどハルトマンとなら心強いし」
ミーナ「それじゃ――」
ガチャ
バルクホルン「待ってくれミーナ! 私が行こう」
エーリカ「トゥルーデ!」 - 80: 2015/02/24(火) 23:03:12.26 ID:Fss5f2vJO
- 芳佳「バルクホルンさん!」
シャーリー「……もういいのかー?」
バルクホルン「問題ない。 …もう平気だ」スタスタ
バルクホルン「ミーナ、迷惑をかけた。 さっきの私は――」
ミーナ「遅刻よ、バルクホルン大尉?」
バルクホルン「……ミーナ?」
ミーナ「さっきまで貴女は居なかったじゃない。 ……そうでしょ?」
美緒「ふっ…」
バルクホルン「………ああ、申し訳なかった。 自室で居眠りをしてしまっていた。 罰は受けよう」
ミーナ「では罰として本日1400時より哨戒任務に着いてもらいます。 監視役としてハルトマン中尉を同行させます! いいですね?」
エーリカ「ミーナ!」ピョン - 81: 2015/02/24(火) 23:04:54.81 ID:Fss5f2vJO
- バルクホルン「了解した。 ……それと」スタスタ
サーニャ「…?」
エイラ「……!」
バルクホルン「ふたりともすまなかった。 謝らせて欲しい」ペコ
サーニャ「いえ、そんな…」
エイラ「……ナンのことだ? 大尉は今来たばっかだろ? 謝る事なんかなにもないぞ? な、サーニャ?」
サーニャ「…ええ」コク
バルクホルン「…………ありがとう」 - 82: 2015/02/24(火) 23:07:07.85 ID:Fss5f2vJO
- エーリカ「ほらほら! なーに暗くなってんのさっ! 私が早起きしたから元気でないのか?」コチョコチョ
バルクホルン「ぅわひゃっ!? …や、やめろハルトマン! 何が早起きだ! 朝食ギリギリに起きただけだろっ!」バタバタ
エーリカ「だって宮藤のご飯は食べないと損だもーん! それそれー!」コチョコチョ
美緒「……ハルトマン、その辺にしておけ」
サーニャ「フフッ……」クス
エイラ「マッタク賑やかだな…」
ルッキーニ「――にゃ!? そーだごはん! ごはんまだぁ~~??」グー
芳佳「あ、そ…そうですね。 もうミーティングは終わりですか?」
ミーナ「いえ、待って宮藤さん!」
ミーナ「…皆も聞いて頂戴! 後ひとつ、別件で連絡事項があります!」パンパン
ピタッ……
- 83: 2015/02/24(火) 23:10:52.08 ID:Fss5f2vJO
- ミーナ「ありがと。 ……えー上層本部からの指示で、今日から暫く遺跡調査班が派遣されてきます」
ペリーヌ「遺跡調査?」
芳佳「あ! もしかして朝来てた人達…?」
美緒「ほう、そんな時間から来ていたのか。 随分と張り切ってるな?」
ミーナ「先日のビーチ付近の遺跡の一件で、少し本格的に調査を行う事になったの」
シャーリー(少佐が“わっしょーい”したやつか)
エーリカ(ミーナが“昇天”した日のあれだね)
美緒「すこし騒がしくなると思うが半ば強制なのでな、我慢して欲しい。 一応宿舎には近寄らないよう厳命はしてある」
バルクホルン「しかし今更こんな時期にそんな所を調べて一体何のつもりなんだ?」 - 84: 2015/02/24(火) 23:12:04.30 ID:Fss5f2vJO
- ミーナ「それは私達にもわからないわ」
美緒「詳しい事は我々には関係ないのだそうだ。 ……やれやれ、こっちは基地の真下まで掘り起こされるというのに」
ミーナ「坂本少佐、部下の前です」
美緒「おっとすまん」
ミーナ「連絡は以上です。 サーニャさんとエイラさん以外は、この後昼食をとってから1330時にブリーフィングルームへ集合してください」
一同「「了解」」
ミーナ「では解散!」 - 88: 2015/02/28(土) 21:25:42.71 ID:s1ycahLQO
- ――――
――
―
アドリア海上空
バルクホルン「……」ブゥゥウン
エーリカ「…なーんにも無いねぇ~」ブゥゥウン
バルクホルン「油断するなハルトマン、もうすぐ問題の空域に到達する」
エーリカ「ねぇねぇ、トゥルーデは敵の正体なんだと思う?」クルクルー
バルクホルン「まだ敵なのかネウロイなのかも解らないだろ」
エーリカ「えぇ~敵だよぉ! サーニャンを虐めるんだから間違いなくてきぃ~っ!」グルグルー
バルクホルン「真っ直ぐ飛べ、落ちても知らないぞ」 - 89: 2015/02/28(土) 21:33:18.38 ID:s1ycahLQO
- バルクホルン(……ん? なんだこの感じは? …この不快感…昼間の――)モヤモヤ
エーリカ「トゥルーデ!!」
バルクホルン「――! どうした?」
エーリカ「あそこっ!」ビッ
バルクホルン「……なっ!? ネウロイ!!」
エーリカ「まだかなり距離はあるけど、多分こっちに向かって来てるよ?」ジィー
バルクホルン「くっ! 本当に居たとは…!」
バルクホルン「基地管制! こちらバルクホルン! 本部応答してくれ!!」
ガザッ
ミーナ『こちら本部。どうしましたバルクホルン大尉?』ガザザ - 90: 2015/02/28(土) 21:37:02.70 ID:s1ycahLQO
- バルクホルン「例の空域の手前でネウロイが出た! 目測で2キロ程離れているがこちらに接近中」
ミーナ『なんですって!? わかりました、直ぐに援軍を出します! …貴方たちは無理に突っ込まず、そのポイントを維持して応戦して頂戴』
エーリカ「えーここから撃つの?」
バルクホルン「ミーナ! 奴の接近を待って迎撃するのか!? 抜かれたら基地へ一直線だぞ!? 先手を打って落とすべきだ!」
ミーナ『ダメよ!! ふたりは援軍が来るまでそれ以上前進しないで! 何が起こるか解らないわ』
エーリカ「それってエイラの予知のやつ?」
バルクホルン「くっ……了解。 …ハルトマン、準備しろ!」
エーリカ「て言ってもここで待つだけだよね?」クルクル
バルクホルン「緊張感を持てと言っているんだっ!!」
エーリカ「……そろそろ来るね」
バルクホルン「ちぃ!」ジャキッ - 91: 2015/02/28(土) 22:45:29.29 ID:s1ycahLQO
- エーリカ「んー……」ジー
バルクホルン「……」
エーリカ「………ハッキリ見えてきた!」
バルクホルン「…! やはり未確認機か!!」
エーリカ「あれ? なんか距離感間違えたかも…?」ジィーー
エーリカ「……あ、これ不味いよトゥルーデ?」
バルクホルン「っ! ……超大型機だと!?」
エーリカ「どーする? あと1キロもないよ?」
バルクホルン「援軍は間に合わん。 ……超大型機のコアをこの戦力で掘り当てるのは無謀だ」
バルクホルン「出来るだけ引きつけて時間を稼ぐぞハルトマン! ……ミーナの指示だ、奴が来た方角へは出過ぎるなよ!」ジャキン
エーリカ「りょうか――…あっ! まってトゥルーデ!?」
バルクホルン「っ!? …なんだ!!?」 - 92: 2015/02/28(土) 22:52:05.89 ID:s1ycahLQO
- ―同刻―
基地 格納庫
ゥゥウウウウ――
美緒「リーネはペリーヌ、宮藤は私に付いて出るぞ! 急げっ!!」
「「「了解」」」ダタッ
ミーナ「――貴女達は基地で防衛待機です。 私も出るから…シャーリーさん、後をよろしく頼むわね?」
シャーリー「了解」
ルッキーニ「いってらっしゃーいっ!」 - 93: 2015/02/28(土) 22:55:20.98 ID:s1ycahLQO
-
エイラ「待ってくれぇ―!」タッタッ
ミーナ「エイラさん…!?」
エイラ「中佐! ワタシも行くぞっ!」
ミーナ「ダメよ、貴方は昨晩からまだ十分に回復してないわ。 今は基地の護りと夜間に備えて頂戴」
エイラ「そんなっ!! でもワタシがいないと――」
美緒「ミーナ! 観測班から連絡が入った、2人が発見したのは大型から超大型の可能性が高い」タタッ
ミーナ「なんですって!?」
エイラ「少佐ぁ! ワタシも行かせてくれぇ!!」ズイッ
美緒「エイラ!? お前――」
エイラ「お願いだぁ!」グイグイ - 94: 2015/02/28(土) 23:00:35.17 ID:s1ycahLQO
- ミーナ「エイラさんっ!! やめなさい!」
美緒「…待ってくれ、中佐」ビッ
ミーナ「美緒…?」
エイラ「しょうさぁ!! 頼むっ!!」グイ
美緒「………いいだろう。 但し勝手はするな? お前は中佐の2番に付け!」
エイラ「! …オウ!!」ダダッ
タッタッタッ――
ミーナ「坂本少佐っ!!!」
ルッキーニ「ぎにゃっ…!?」ビクッ
美緒「ミーナ、甘やかすのはよせ。 敵は恐らく“件の奴”だ。 エイラの力が要る」
ミーナ「で、でも…」
美緒「大丈夫だ。 今のエイラは早まったりしないさ……そんな目をしてた」
ミーナ「……………信じていいのね?」
美緒「ああ。 …我々も急ぐぞ!」 - 95: 2015/02/28(土) 23:52:56.22 ID:s1ycahLQO
- ――――
――
―
アドリア海上空
ブゥゥウン
ミーナ「見えたわ!」
芳佳「うわぁ! おっきぃ!!」
エイラ(アレなのか…? アレがサーニャを――)
美緒「? ……あいつら…どういうことだ?」
エーリカ「……」
バルクホルン「……」
『――バルクホルン! ハルトマン!』ブゥゥウン
エーリカ「…あ、援軍がきたね!」 - 96: 2015/02/28(土) 23:57:01.22 ID:s1ycahLQO
- ミーナ「2人とも、これはいったい…?」
美緒「状況を説明しろ」
バルクホルン「見ての通りだ。 ネウロイはあの位置まで来て停まってしまった」
エーリカ「ここからだと私達の武器じゃ届かないし。 前へ出るとミーナが怖いしね~」クルクル
バルクホルン「現場待機で観察していた」
美緒「うむ、お前達の対応は正しい。 今回は特に警戒する必要がある」
ペリーヌ「あんな大きなネウロイをたったふたりで相手するなんて、無謀ですわね……」
ミーナ「……未確認タイプのネウロイね。 何か解った事はあるかしら?」
バルクホルン「特に動きはないようだが、どうやら周辺を探索している節がある」 - 97: 2015/03/01(日) 00:04:44.64 ID:gbW+A7h/O
- 美緒「周辺を?」
エーリカ「ずぅーっとあそこをウロウロ旋回してるんだよ。 もー飽きてきちゃった」
美緒「やつの射程はわからんが……こちらに気づかないというのはおかしいな?」ジー
ミーナ「……もしかしたら気にしていないのかしら…?」
美緒「我々をか? 馬鹿な」
バルクホルン「…どうするんだミーナ? よりにもよってあのサイズだ。 放っておく訳にはいかないぞ?」
ミーナ「そうねぇ…」
エイラ(……一応警戒しとかなきゃな)フィィイン
エーリカ「もういいよぉ、皆でサクッと倒して早く帰ろ?」ブゥゥウン
エイラ「――っ!!!」キュピン
- 98: 2015/03/01(日) 00:07:33.79 ID:gbW+A7h/O
- ミーナ「ちょっと、待ちなさいハル――」
エイラ「とまれぇハルトマンっ!!!」
リーネ「きゃっ!?」ビクッ
エーリカ「!! …えっ?」ポカン
芳佳「び、びっくりしたぁ! ……エイラさん?」
ペリーヌ「い…一体なんですのっ!? いきなり大声を出して!」プンスカ
美緒「……“みえた”のか? エイラ」
バルクホルン「なにっ!?」 - 99: 2015/03/01(日) 00:13:12.49 ID:gbW+A7h/O
- エイラ「あと少し、あのネウロイの近くへ出ると多分やられる…」
エーリカ「ぇ…それって私がってこと? うわっ、あぶな~!」ヒエー
バルクホルン「なんだと!?」
美緒「……となるとやはり、原因はあのネウロイか」
ミーナ「正体不明の必殺攻撃を持っているなら不用意な接近は危ないわね…」
美緒「しかし距離を詰めねば戦えない――……事もないか。 ここからなら」フィィイン
芳佳「え? どういう事ですか坂本さん?」
バルクホルン「……そうかリーネだな?」
リーネ「!! わ、私ですか…!?」ビク - 100: 2015/03/01(日) 00:19:38.04 ID:gbW+A7h/O
- 美緒「うむ、今ある得物の中で唯一リーネの対装甲ライフルなら届く筈だ」
美緒「幸い奴のコアも体躯同様大きくて狙い易いうえ、位置もそう深くない。 ……こちらに接近する前に同箇所への集中射撃でコアを撃ち抜く!」
リーネ「っ……!!」
エーリカ「でもさ、あーんなデッカい体なのに表面近くにコアがあるのっておかしくない?」
ペリーヌ「…確かに、弱点をやられやすい位置に置くなんて変ですわね?」
エイラ「タマタマじゃないか?」
美緒「そこは気になるが、私の魔眼に見えているものがコアである事は確かだ。 破壊さえすればネウロイは散る」
ミーナ「…このまま放って置く訳にはいかないし……それしか無さそうね」
美緒「ただ、コアまで浅いといっても奴の硬さがわからん。 …上手く倒すには高密度の魔法力を込めて的確に同箇所を撃ち抜く必要がある」 - 101: 2015/03/01(日) 00:20:40.36 ID:gbW+A7h/O
- リーネ「わっ…わたし……そんな…」オドオド
芳佳「リーネちゃん…!?」
ミーナ「リーネさん落ち着いて! …大丈夫、あなたならできる筈よ」
バルクホルン「本来のリーネの実力なら可能な事だ。 少佐もそれを解ったうえでの立案だろう」
エーリカ「トゥルーデ、あんまり言うと逆効果だよ?」
リーネ「でも…わ、私……自信が…」
芳佳「リーネちゃん、大丈夫だよ!」
リーネ「芳佳ちゃん…」
芳佳「私がまた支えになるから! 一緒なら絶対できるよ!」 - 102: 2015/03/01(日) 00:29:22.85 ID:gbW+A7h/O
- リーネ「……うん。 ありがとう」
芳佳「…坂本さん、いいですか?」
美緒「元よりそのつもりだ! だが今回は私も加わる。コアの位置と照準は私が支持するからリーネは狙いと魔弾に集中しろ」ビシ
美緒「宮藤はリーネの土台と私達3人の守備役だ、いいな!」
芳佳リーネ「了解!」
美緒「ミーナ、後の指揮を頼む」
ミーナ「わかったわ。 …ではエイラさんは魔法を使って敵の警戒」
エイラ「さっきからやってるぞ」フィィイン
ミーナ「いえ、今は大丈夫よ。 魔法力が惜しいから作戦開始まで温存しておいて」 - 103: 2015/03/01(日) 00:31:38.20 ID:gbW+A7h/O
- エイラ「でも、そんなコト言ってたら――」
バルクホルン「エイラよせ、既にお前は昨晩に限界近く消耗したはずだ。 無理をするな」グイ
エーリカ「さっきからここにいるトゥルーデと私が平気なんだから、今は安全だよ!」
エイラ「……ゥ、うん。 わかった…」
ミーナ「初撃の後、ネウロイがこちらに反応した場合は特に重要になります。 よろしく頼むわね?」
エイラ「了解…」 - 104: 2015/03/01(日) 00:36:50.22 ID:gbW+A7h/O
- バルクホルン「我々はどうする?」
ミーナ「残りの4人は部隊の護衛と遊撃です! 中型および小型機を搭載している可能性が高いわ」
バルクホルン「了解した」
エーリカ「りょーかい!」
ペリーヌ「了解しましたわ」
ミーナ「坂本少佐! 念のため救助・回収班に待機命令を出しておくわ」
美緒「ああ。 魔法力があるうちに始めよう」
ミーナ「…では各自、作戦準備!」
- 109: 2015/03/02(月) 21:21:10.58 ID:27FZIFM9O
- ――――
――
―
美緒「――もう少し右だ宮藤。 ………行き過ぎだ戻せ……ストップ! …よし、ここだ」
美緒「…いいかリーネ? 今この位置から敵の形が丁度丸く見えるが、その中心を狙え。 奴の図体をスコープの中心に捉えろ」
リーネ「はい……う、撃ちますか…?」
美緒「待て焦るな! 奴は旋回している……次に正面を向いた時が勝負だ」
美緒「宮藤! 反動の制御は任せるぞ!?」
芳佳「はいっ!」
美緒「リーネは射撃に専念しろ、魔法力を集中させるんだ」
リーネ「はい…」
美緒(弾は5発……出来れば一撃で決めたい) - 110: 2015/03/02(月) 21:27:28.50 ID:27FZIFM9O
- ミーナ「…坂本少佐!」
美緒「ああ、こちらの準備は出来た」
ミーナ「ではこれより作戦を開始します!」ビシッ
ミーナ「エイラさんは固有魔法を発動! 遊撃隊も目標警戒!」
「「「了解」」」
ミーナ「坂本少佐、いつでもいけるわ!」
美緒「承知した! ……リーネ、やれるか?」
芳佳「リーネちゃん…」
リーネ「………やれますっ…!」チャ - 111: 2015/03/02(月) 21:45:31.38 ID:27FZIFM9O
- 美緒「……」
リーネ「……」ググッ
美緒「……よし! いい緊張だな、集中している」
リーネ「……」ジィー
美緒「いいかリーネ? 敵の中心を狙え。 そこへコアが来る位置になったら私が合図する……しっかり魔法力を込めるんだ」フィィイン
リーネ「………はい」
芳佳「リーネちゃん頑張って!」
リーネ「…うん……」 - 112: 2015/03/02(月) 21:49:42.98 ID:27FZIFM9O
- 美緒「……」ジー
ミーナ「……」
バルクホルン「……」
エーリカ「……」
ペリーヌ「……」ドキドキ
芳佳「……」ゴクリ
リーネ「……」
エイラ「…っ!」キュピン
美緒「………今だっ!」
リーネ「っ! ふっ……!!!」カチ
ガァァアンッ
- 113: 2015/03/02(月) 22:02:06.04 ID:27FZIFM9O
-
ヒュンッ
リーネ(あたってぇ!)
ミーナ(弾道制御は完璧だわ!)
美緒(よし中るっ!)
エイラ「まだだっ!!」
バァキャォオン
ネウロイ「!」ピタ
美緒「くっ! 狙い通りだがコアまで届いていない……!!」
芳佳「そんな…」 - 114: 2015/03/02(月) 22:19:07.87 ID:27FZIFM9O
- バルクホルン「なんて頑丈なやつだ!」
エーリカ「でもネウロイの動きが止まったよ?」
ミーナ「……流石に目をつけられたわね」
ペリーヌ「あら? しかし中佐、こっちに向って来ませんわ?」
ミーナ「……いいえ、注意してペリーヌさん!」
ミーナ「フラウとトゥルーデも! 内部から出てくるネウロイ群に警戒して!! ただし母艦には近づいては駄目よ」
バルクホルン「了解! ……普通のネウロイならいいがな」ジャキッ
エーリカ「謎の必殺技はお断りだよ~」
エイラ「――っ!」キュピン - 115: 2015/03/02(月) 23:48:12.20 ID:27FZIFM9O
- エイラ「ちがうっ! “撃ってくる”ぞっ!!?」
ミーナ「…えっ?」
エイラ「ビームだ!! 宮藤ぃシールドを――」
バルクホルン「なん――」
ネウロイ「~ーー!」
ビィィイイーーーー
ペリーヌ「なっ!!」
リーネ「ぁ……」
美緒「まず――」 - 116: 2015/03/02(月) 23:50:08.99 ID:27FZIFM9O
- 芳佳「っ!! やぁ!!!」フィィィイン
パァアーーンッ
美緒「……宮藤よくやった! 助かったぞ」
芳佳「はぁっ……はい!(なに今の…!? すごく重い!)」
美緒「リーネ、次弾だ! このまま同箇所にぶち込め!!」
ミーナ「まさかあんな距離から直接ビームを撃ってくるなんて…!」
エーリカ「狙いまで正確だし」
バルクホルン「…しかし子機が出てくる様子はないな?」
エイラ「呑気なこと言ってる場合かっ! 多分また撃ってくるぞ!!」 - 117: 2015/03/02(月) 23:52:03.06 ID:27FZIFM9O
- ミーナ「エイラさんとペリーヌさんは私に、フラウはトゥルーデについて!」
ミーナ「…各隊散開、距離を取ります! 固まっていてはダメだわ」
「「「了解」」」
リーネ「っ……」ドキドキ
美緒「リーネ落ち着け、次だ」
芳佳「リーネちゃん、大丈夫! …私が絶対守るよ!?」ゼェゼェ
美緒「……」
美緒(対装甲ライフルの反動制御をしながら今の巨大ビームを正面から止める……いくら宮藤でもそうのんびりは出来ないっ!)
リーネ「…うっ……!」カチ
ガァァアンッ - 118: 2015/03/02(月) 23:54:42.34 ID:27FZIFM9O
- バギャァオン
美緒「よし!」
芳佳「すごい! リーネちゃん!」
ネウロイ「ーーー!!」ビーム
美緒「なにっ!?」
リーネ「っひゃ!!」
芳佳「わぁあ!? す、すごい撃ってきます坂本さんっ!!」パァァ
美緒「見ればわかるっ! お前は守りに集中しろ!!」
美緒(くそっ! 射程ギリギリとはいえ、大型すら貫くリーネの魔弾を2度も耐えるとは…っ!) - 119: 2015/03/02(月) 23:57:42.70 ID:27FZIFM9O
- 『ミーナまずいよ! ビームが殆ど弾幕で避けきれない!』ガザ
『ちぃっ…! こちらは反撃出来ないから一方的だぞ!!』
『ふたりとも接近してはダメよっ! なるべくこちらに攻撃を集中させるの!』
『ぐっ…! コレじゃヤバイぞ!?』
『なんなんですの! このネウロイは!?』
リーネ「っ………」カタカタ
リーネ「…っ!!」カチ
ガァァアン
ヒュゥゥウン――
リーネ「くぅっ! ……あたってぇ!」
美緒(…狙いがズレている!?) - 120: 2015/03/03(火) 00:03:18.18 ID:8/uePZn+O
- 美緒「待てリーネ!」
リーネ「はぁっ…ふっ……ぐっ!!!」カチ
ガァァアン
ヒュゥゥウン――
美緒「リーネ落ち着けっ! 焦るな!!」
リーネ「はぁ……はぁ…はっ………っはあ…!」
美緒「…肩の力を抜け」 - 121: 2015/03/03(火) 00:12:02.86 ID:8/uePZn+O
- ネウロイ「ーー~ー!」
ビビィィイイーーーー
芳佳「ふぅっ!!! ぐっッ!!」パァァ
リーネ「っ!? 芳佳ちゃ――」
美緒「集中しろっっ!! リーネっ!!!」
リーネ「っ!!」ビクッ
美緒「今お前にできる事は何だっ!!!」
リーネ「……ぅ」
美緒「皆を救いたいなら、役割を果たせ」
リーネ「…わ、わたし……」
美緒「……私が鍛えたんだ。 お前なら出来る!」
リーネ「坂本少佐……」 - 124: 2015/03/03(火) 22:16:29.89 ID:R7qiV0WZO
- 美緒「…決めるぞ? リーネ」
リーネ「……………はいっ!」チャキ
美緒「よし! …弾は残り1発だ」
リーネ「……」ゴクッ
美緒「……いいか? 魔法は想いの力だ」スッ
リーネ「想いのちから……?」
美緒「そうだ。 敵を貫くと強く願え! あのネウロイの外装を破り、コアを砕くイメージをするんだ」
リーネ「…ネウロイを……」
――ガザザッ
『みんな大丈夫っ!?』
『なんとかなってはいるが……長期戦ではシールドがキツイっ!』
『このビーム、普通じゃないよ!?』
美緒「……リーネ、お前なら出来る。 いや…皆を守るためにお前がやらなければならないんだ!」
リーネ「っ…!」 - 125: 2015/03/03(火) 22:28:57.33 ID:R7qiV0WZO
- ネウロイ「ーーー!!」ビーム
芳佳「ぁぐっ!!!」パァァ
リーネ(……わたしにできること)
リーネ「…すぅ……はぁ……」
リーネ「………すぅー」
リーネ「――……………っ!!!」フィィイン
リーネ(行って!)カチ
バガャァアオン
ゴォォオァッ――
ネウロイ「ーーっ!!」ビーム
美緒(相殺!?)
リーネ(絶対あたるっ!!!)フィィイン
ズォォオン
――バキィィインッッ
- 126: 2015/03/03(火) 22:41:59.20 ID:R7qiV0WZO
- ネウロイ「~…………」
ネウロイ「」
ッパァァアン
パラパラパラ……
リーネ「ふぇっ…はぁ………や、…やった…」ガク
芳佳「リーネちゃんっ!! やったぁ!」
美緒「…ふう。 見事だリーネ、よくやった!」 - 127: 2015/03/03(火) 22:55:58.15 ID:R7qiV0WZO
- ――ブゥゥウン
ミーナ「やったわねリーネさん!」
ペリーヌ「一時はどうなるかと思いましたけど、リーネさんも中々やりますわね」
エーリカ「すっごーい! ネウロイのビーム貫いちゃったよ!?」
バルクホルン「少佐の烈風丸の様だな…!」
エイラ「はぁふ……っけほ…これで終わったのか?」ゲッソリ
芳佳「エイラさん!? 大丈夫ですか?」
エイラ「ああ、…ちょっと魔法力が減っただけだ。 気にすんな……」
ペリーヌ「嘘おっしゃいな。 どう見たってバテバテですわよ?」 - 128: 2015/03/03(火) 23:02:59.97 ID:R7qiV0WZO
- バルクホルン「普段より僅かに遠い未来を見続けただけで、それほどに魔法力を消耗するとはな」
芳佳「わ、私達のためにしてくれたんですよね? ……ありがとうエイラさん」ゼェ ハァ
エイラ「う……別に気にすることじゃないぞ。 皆で帰らないとサーニャが悲しむからな……//」
エーリカ「照れちゃって~」ニヤニヤ
ミーナ「うふふ。 皆お疲れ様、…それじゃ――」
ミーナ「っ!? ちょっと待って!」ビクッ
美緒「ん? どうした中佐?」
ミーナ「……まだ何かいるわ」ジー
美緒「なに?」 - 129: 2015/03/03(火) 23:09:50.88 ID:R7qiV0WZO
-
パラパラ………
………
…ぶわっ
エイラ「なんだぁ! アレ!?」
リーネ「黒い……雲? …ね、ネウロイ!?」ドキ
芳佳「こっちに来ますよ!?」
美緒「……中にもう1匹飼っていたか!」
ミーナ「……」フィィイン
ミーナ「これは…っ! 違うわっ!! 1機じゃない、無数の小型機の群れよ!?」
バルクホルン「なんだとっ!?」 - 130: 2015/03/03(火) 23:21:15.16 ID:R7qiV0WZO
- エーリカ「えぇー! あれ全部墜とすのぉ~!?」ガーン
ペリーヌ「しょ、少佐これはいったい…?」
美緒「待て」フィィイン
美緒(くっ、どれだけ小さいんだ……! この距離ではとても…)
芳佳「坂本さん! こっちに来てますよ!?」ワタワタ
美緒「………っ」ジー
美緒「…………!! 視えたっ!」
美緒「やはり敵は“1機”! 本体〈コア〉はあの中のひとつだけだ!」
エイラ「ヒトツって……何体いるんだよ…!?」
バルクホルン「どうする…?」
ミーナ「考えている暇はないわ! ……トゥルーデとフラウは敵の数を減らして! 美緒は本体を狙って頂戴!」 - 131: 2015/03/03(火) 23:27:03.91 ID:R7qiV0WZO
- ミーナ「宮藤さんとリーネさんは坂本少佐に付いて! 私とペリーヌさんでエイラさんの護衛と全体の援護をします!」
美緒「…リーネは私の銃を使え!」ズイ
リーネ「は、はい…っ」
エイラ「わ、ワタシは別に大丈夫だぞ!?」
ペリーヌ「何を言っておりますの! そんな青い顔をして!」
ミーナ「エイラさん! 無理して落ちたりでもしたら私達も、サーニャさんも困るわ」
エイラ(サーニャ…!)
エイラ「……ワカッタ、了解だ」
美緒「ミーナ! 来るぞ!!」
ミーナ「いくわよ皆! ブレイクッ!!」 - 135: 2015/03/06(金) 20:33:09.36 ID:UqGt2U67O
-
エーリカ「んも~~! ぜんっぜん減らないよぉ!!」ブゥゥウン
バルクホルン「……確かに、弾薬も尽きかけてこのままではジリ貧だ! きりがない」
バルクホルン「少佐ぁ! コアはまだやれないのか!?」
美緒『すまない、この中にいる筈だが捉えあぐねている!』ガザ
美緒『本体だけ他よりかなり小さくて素早い! おまけにこの乱戦の中で思う様に追――くっ! でやあっ!! …大丈夫か宮藤!?』
エーリカ「……私達があれだけやっつけたのに、随分向こうに流れてるみたいだね?」
バルクホルン「まずい……物量で押し切られるぞ? 撤退するにも犠牲が……」ギリ
エーリカ「なーに弱気になってるのさトゥルーデ! らしくないよ?」バシ
バルクホルン「ハルトマン…」 - 136: 2015/03/06(金) 20:35:21.43 ID:UqGt2U67O
- エーリカ「私達……まだやり切ってないじゃん?」フフン
バルクホルン「お前……っ! …まさか!」
エーリカ「…でしょ?」
バルクホルン「………わかった、最後まで付き合うぞエーリカ!」キッ
エーリカ「よーっし! じゃあ早く少佐達の所に――」
ミーナ「待ちなさいっ!! あなた達!」ブゥゥウン
バルクホルン「ミーナ!?」
ミーナ「そんなことは絶対に許さないわっ!!」 - 137: 2015/03/06(金) 20:37:21.50 ID:UqGt2U67O
- エーリカ「そんなことって何さ?」
ミーナ「解らないとでも思ってるの!? 無茶はやめなさいっ!! トゥルーデもっ!」
バルクホルン「し、しかしミーナ! このままでは……」
ミーナ「……フラウ? どうせやるならあなたの魔法力、私に預けなさい」
エーリカ「フフッ、……もっちろん!」
バルクホルン「何か…手があるのか?」
ミーナ「ええ。 少し骨を折ることになるわ」スッ
ミーナ「……皆聞いて! これから敵群を一箇所に集めます! 私が引き付けて廻るから合流した人はついて来て頂戴!!」 - 138: 2015/03/06(金) 20:39:37.18 ID:UqGt2U67O
- エーリカ「なーるほど、それで私を……流石ミーナだね!」
美緒『一気に叩くのか!? しかしコアは…?』ガザ
ミーナ「現状のままでは負けるわ! 全員で無事帰るために改善の手を打ちます」
ミーナ「……ペリーヌさん、さっき言った通りでいけるわね?」
ペリーヌ『了解ですわ中佐! おまかせください!』
ミーナ「皆もいいわね!? 敵戦力が集中するけど、なんとかもう少しだけ持ちこたえて!」
『『『了解』』』
ミーナ「……急ぐわよフラウ、トゥルーデ! 皆を助けながらネウロイを集めて廻るわ!」
エーリカ「オッケーイ!」
バルクホルン「了解!」 - 139: 2015/03/06(金) 22:17:32.62 ID:UqGt2U67O
- ――――
――
―
ブゥゥウン
芳佳「はぁ……はぁ…」
リーネ「ふぅ……はぁ…」
エイラ「ぜぇっ…ぅ……っぜは…」
ペリーヌ「3人とも大丈夫ですの!?」パァァ
美緒「お前たち、しっかりしろっ!!」
美緒(…気力で持ちこたえているが、宮藤達はもう限界だ)
ミーナ「皆いるわねっ!?」パァァ
美緒「こちらはどうにか無事だ!」
ペリーヌ「さ……さっきの大型に比べれば、シールドへの負担も何てことありませんわ!」 - 140: 2015/03/06(金) 22:20:22.52 ID:UqGt2U67O
- バルクホルン「こちらも問題ない」パァァ
エーリカ「づがれ゛だ~!」パァァ
バルクホルン「ええい、黙れハルトマンっ! ……こちらも問題ないぞミーナ」
ミーナ「では一気にこの群の中から全速で離脱します!! ハルトマン中尉は私の合図に合わせて!」
エーリカ「まっかせて! ……この数なら“本気”だすからね? 帰りはおんぶしてよ?」
ミーナ「トゥルーデに言っておくわ」フフフ
バルクホルン「おいっ、なぜ私に振る!? ………まあいい特別だ。 思いっきりやれハルトマン」
美緒「ミーナ! 私が道を開く!!」
ミーナ「わかったわ! …坂本少佐に続きます! 全員突撃!!」
美緒「はぁぁあ!! 烈風斬!!!」
ズバァァアア
- 141: 2015/03/06(金) 22:22:06.61 ID:UqGt2U67O
-
ブゥゥウン
ミーナ「――抜けたわ! …フラウッ!」
エーリカ「いよーっしー! 全開シュトルムゥ!!」フィィィン
ビュゴォォオォオオ
美緒「なるほど! 一箇所に“集める”ということか」
バルクホルン「ぐっ…! なんて暴風だ……ハルトマンの奴」
ミーナ「皆、流されない様に気をつけて!」 - 142: 2015/03/06(金) 22:24:27.72 ID:UqGt2U67O
- ミーナ「……よし、上手く全部捉えてるわ! ……ペリーヌさんっ!!」
ペリーヌ「了解ですわ!」ブゥゥウン
ペリーヌ「わたくしも中尉に習って……今まで温存していた鬱憤を――」フィィン
ペリーヌ「……全・開・トネールッ!!!」
バャリバリバリャァア
エーリカ「わぁあ!? あぶなっ!!」ブゥゥウン
ドゥゴバァァアン
ガゴォォ~ー………
バラバラバラ……
- 143: 2015/03/06(金) 22:27:44.96 ID:UqGt2U67O
- リーネ「……っ………すごい…」ゼェハァ
芳佳「ぜ、全部……はぁふ…やっつけたんですかっ…?」ヨロヨロ
エイラ(今度こそ終わったのか? 私は…サーニャを守れたのか?)
エーリカ「あ~………も~だめぇ~」ヒュゥウー
バルクホルン「あっ! おいハルトマン! エンジンを切るな!!」ブゥゥウン
ペリーヌ「うぅ……や、やりましたわ…」プスプス
芳佳(ペリーヌさん、髪がすごいことになってる…!) - 144: 2015/03/06(金) 22:30:20.49 ID:UqGt2U67O
- 美緒「よくやったなペリーヌ! 大手柄だ」
ペリーヌ「ぁ…ありがとうございます少佐ぁ!」
美緒「うむ! ………ミーナ、掃討は完了しているのか?」
ミーナ「待って、今把握するわ」
ミーナ「……」フィィイン
美緒「あの強風だ、漏らしてないとは思うが……本体は一口程に小さい。 注意してくれ」
ペリーヌ「おほほ! 今更あ~んなネズミ一匹残った所で何も出来はしませんわ」
エーリカ「うぅ…ペリーヌの髪型おもしろすぎ……は…ははは…」グッタリ
バルクホルン「しっかりしろハルトマン! こんなになってもふざけるのか!?」
美緒「…窮鼠猫を噛むとも言う。 ……最後まで油断するな、ペリーヌ」
ペリーヌ「へぁ!? は、はいっ! 申し訳ありません少佐!」
美緒(……私の考え過ぎならそれでいいのだが)
- 145: 2015/03/06(金) 22:34:59.86 ID:UqGt2U67O
- エイラ「……」ポケー
エイラ(………終わった。 …今日の哨戒はサーニャとゆっくりできるな、よかったぁ)
エイラ(雲の上で一緒に月を見るぞ! 今夜は確か――…ん?)ピク
エイラ(……そういえば今日のは普通の――)
ミーナ「…っ!! いた! 1体だけまだいるわっ、おそらく本体よ!」フィィイン
芳佳「えぇ!」
ペリーヌ「そんな!?」
美緒「どこだっ! ミーナ!!」チャキ - 146: 2015/03/06(金) 22:36:32.62 ID:UqGt2U67O
- ミーナ「…あそこよっ!」ビッ
リーネ「きゃあ!? エイラさんのストライカーに!?」
ネウロイ「…~」ピトッ
エイラ「………」ボケー
ミーナ「エイラさんっ…!!」
美緒「エイラァッ!!!」クワッ
エイラ「ぅいっ!? …ど、どうした少佐!??」ビクゥ
ネウロイ「~~~~!」
バチバチバチィ
エイラ「うわぁ!? アチッ! なんだぁ!!?」アタフタ - 147: 2015/03/06(金) 22:38:28.73 ID:UqGt2U67O
- 美緒「……うぅごくなぁぁああ!!!」ブゥゥウン
エイラ「ヒィッ!?」
美緒「でぁぁあっ!!」
スパァーッン
ネウロイ「」パキン
パラパラ……
- 148: 2015/03/06(金) 22:44:07.50 ID:UqGt2U67O
- 美緒「…………はぁ」パチン
ペリーヌ「…お、お見事ですわ少佐!!」
エイラ「えっ? なんだ? ……ネウロイ!? なんで!?」
美緒「~……自分から戦場に出たんだ、余所見をするな馬鹿者ぉ!!!」カッ
リーネ「ひっ!」ビクッ
芳佳「ぁ…あの坂本さん」オズオズ
バルクホルン「……ついでにお前も説教してもらうか? ハルトマン」チラ
エーリカ「…zzz」
バルクホルン「……ミーナ、やはりこいつはここに置いて行こう」
ミーナ「うふふ、ダメよ? ……はいはい! 皆かなり消耗したわね、お疲れ様。 今度こそ作戦終了よ」 - 149: 2015/03/06(金) 22:46:52.45 ID:UqGt2U67O
- ミーナ「今近くで待機中の救護班を呼んだので、基地までの余力がない人は輸送用の飛行艇で戻ってください」
芳佳「リーネちゃん、…私はちょっと無理かも…」グッタリ
リーネ「うん…。 私ももう魔法力が無いから、一緒に戻ろ?」
美緒「……エイラ、お前もストライカーが“それ”じゃあ帰れんだろう? 輸送機に乗って休め」
エイラ「…ごめん…なさぃ……少佐」
美緒「反省したならもういい。 よくやったなエイラ! お前のおかげで皆助かった」ポン
エイラ「少佐…」
美緒「今回のネウロイはお前のおかげで早期発見出来たからな」 - 150: 2015/03/06(金) 22:49:19.90 ID:UqGt2U67O
- ミーナ「手強かったわね。 …アレを犠牲者なく上陸前に倒せたのは大きいわ」
美緒「誇っていいぞエイラ! わっはっはっ!!」
ペリーヌ「……はっ! そういえば、わたくしの撃墜数…とんでもないことになっていませんこと!?」
バルクホルン「凄まじい数だったからな。 しかし残念だがペリーヌ――」
ペリーヌ「やっぱり!! わはぁ~~やりましたわ! 遂にわたくしも栄え有る勲章を授与されるのですね!?」キラキラ
バルクホルン「いや、待てペリーヌ? 多分今回のは――」
ペリーヌ「頂いたのちに売り払えばガリア復興の資金に…」
バルクホルン「ってこらぁ!! 何を考えているんだ貴様はぁッ!!」 - 151: 2015/03/06(金) 22:51:04.07 ID:UqGt2U67O
- ミーナ「はいはい、ハルトマンが起きちゃうわトゥルーデ?」
バルクホルン「ぐぬぬ……というか、ミーナは何故さっきからこいつの肩を持つんだ?」
ミーナ「起きたらそのまま、あなたが基地まで背負って帰るのよ? ……ほら、輸送機が来たから今のうちに乗せてきて頂戴」
バルクホルン「……まったく」ブゥゥウン
ペリーヌ「ミーナ中佐? そ、その~200機撃墜の折に金一封……なんて出たり…しませんわよね…?」
ミーナ「…あのねペリーヌさん? 今回のネウロイは超大型1機と中にいた1機だけなの」
ペリーヌ「…………へ?」
美緒「そうだな、コアの数は2つだった訳だから……。 2対8にしてはかなり苦戦してしまったものだ、はっはっはっ!」 - 152: 2015/03/06(金) 22:53:17.96 ID:UqGt2U67O
- ペリーヌ「…ぇ? でも、わたくしが……その…」
ミーナ「中にいたネウロイは、コアを持った本体以外は手足の様なもので――」
ミーナ「あれ全てで1体のネウロイ……ということになるの。 私の200機目もそうだったわ」
ペリーヌ「で……ではわたくしは…」
美緒「見事、手足を落とした…と言った所か?」
ペリーヌ「――!!」ガーン
ミーナ「そうね…。 …残念だけど今回のペリーヌさんの撃墜数は0ね」
ペリーヌ「 」
ペリーヌ「きゅう~」グニャァ
美緒「おい、ペリーヌ!?」ガシッ
ミーナ「…あらあら困ったわ、輸送機足りるかしら?」 - 153: 2015/03/06(金) 22:53:51.36 ID:UqGt2U67O
- つづくゾ
- 158: 2015/03/08(日) 14:30:28.09 ID:UGVRmOCNO
-
501基地
シャーリー「向こう片付いたってさ? 出迎えに行くぞ、ルッキーニ!」
ルッキーニ「うーん…」
――――
――
―
格納庫出口
シャーリー「……ユニットリチューンしたからあたしも飛びたかったなー」
シャーリー「中佐が戻ったら飛行訓練の許可貰いに行こうかな。 …ルッキーニもどうだ? 多分今回のはメチャ速いぞ!」
ルッキーニ「…にゃ……どしよかな…」
シャーリー「んー? …どうした、元気ないな? 夕飯までまだ結構あるぞ?」
ルッキーニ「んー…別にお腹は空いてないんだけど~……」 - 159: 2015/03/08(日) 14:31:57.16 ID:UGVRmOCNO
- シャーリー「なんだよ、具合悪いのか?」
ルッキーニ「じゅ~……なんとなく。 ぐーんってしゅる…」
シャーリー「なんだそりゃ? ……どれ、おデコかしてみな?」ピト
シャーリー「……ん~、熱は無いな。 一応普通に話してるし、風邪とかじゃなさそうか?」
ルッキーニ「べつに、ぐーんってするだけだからだいじょぶ…」
シャーリー「“ぐーん”って、…よくわかんねぇなー」
シャーリー「……っ!」ハッ
シャーリー「もしかして“アレ”か…!?」
ルッキーニ「…うじゅ……わかんない。 そうかも…」 - 160: 2015/03/08(日) 14:39:46.03 ID:UGVRmOCNO
- シャーリー「わかんないって…、自分の事だぞ? “それ”ぐらいはお前ももう分かっとけよ…?」
ルッキーニ「だって知らないもん…」
シャーリー「はぁ……。 ズボン汚れるようなら言えな? 教えっからさ」
ルッキーニ「うん…」
シャーリー(……あたしと違ってルッキーニは精々お腹痛める程度だったはずだけど、…ちょっと重くなったんかな?)
シャーリー「出撃しなくて良かったな? とりあえず落ち着くまで大人しくしてろ」
ルッキーニ「え~…退屈やだ~」
シャーリー「…お前なぁ」
『……ャーリー…ん…』
シャーリー「んお?」クル - 161: 2015/03/08(日) 14:47:30.89 ID:UGVRmOCNO
- サーニャ「……」ヨロヨロ
シャーリー「サーニャ! 寝てなくて大丈夫か?」
サーニャ「はい……なんとか。 ネウロイの反応が気になってあまり寝付けないので…」
シャーリー「ちょうど今大物が出てたんだ。 サーニャみたいに勝手に感応すると辛いよな?」
シャーリー「でも無事やっつけたみたいだからもう大丈夫だ。 皆ももうすぐ帰ってくる」
サーニャ「…は…ぃ…」フラッ
シャーリー「わっ! おい、大丈夫か!?」ガシ
サーニャ「……すみません…」 - 162: 2015/03/08(日) 14:49:53.04 ID:UGVRmOCNO
- ルッキーニ「サーニャ、だいじょぶ…?」
シャーリー「サーニャまで顔色悪いじゃんか」ピト
サーニャ「も…元々ですから……//」
シャーリー「これは違うよ。……熱はない。 昨晩からの疲労でやられたか?」
シャーリー「…ッ! ……もしくはサーニャも…? 疲れてる時は重くなるって言うし」ウーン
サーニャ「…?」
シャーリー(サーニャは流石に自分の世話くらい出来るだろうけど、……一応)
シャーリー「……サーニャ、ズボンがどうしても汚れるようならあたしに言いな? いい方法知ってるから」
サーニャ「ぇ…?/// …あの、それはまさか――」
ルッキーニ「あにゃ~。 かえってきたぁ」
シャーリー「お? ようやくか」 - 163: 2015/03/08(日) 14:52:05.70 ID:UGVRmOCNO
- シャーリー「……ん? 回収機と一緒だぞ! 誰かやられたのか!?」
ルッキーニ「えぇ…っ!」ガビンッ
サーニャ「……エイラがいない…!? そんな………ぁ……」フラッ
シャーリー「だぁ!? サーニャ、しっかりしろ!」ダキィ
ルッキーニ「……ハルトマン、ペリーヌ、リーネ…。 ッ!! 芳佳もいないっ…!?」
ルッキーニ「うぅ……っ」グスッ
シャーリー「おい、ルッキーニまで早まるなっての」
シャーリー「戦闘終了の通信時では特に負傷者の報告は無かったんだ、大丈夫だよ(と願いたいけど…)」 - 164: 2015/03/08(日) 15:00:04.90 ID:UGVRmOCNO
-
ブゥゥウン
ミーナ「ただいま。 シャーリーさん、留守中に異常はなかった?」
シャーリー「ええ…。 こっちは何もありませんでしたけど、そっちは何かあったんですか…!?」
美緒「心配するな。 限界まで消耗した者に大事を取らせているだけだ」
ルッキーニ「うぐっ……じゃあ芳佳達は…?」グシグシ
バルクホルン「勿論、宮藤は傷ひとつ付いていない」
ルッキーニ「……よかった…」
シャーリー「言っただろ? 被害は無かったんだ」
美緒「いや、一応こちらも僅かだが被害は出た」
シャーリー「え?」 - 165: 2015/03/08(日) 15:35:57.14 ID:UGVRmOCNO
- サーニャ「…ぅ……う~ん…?」パチ
バルクホルン「サーニャ、出迎えは嬉しいが部屋で寝た方がいいんじゃないか?」
ミーナ「実は、エイラさんが――」
サーニャ(……エイラ…?)
ミーナ「ネウロイの攻撃を受けて――」
サーニャ(!!?)ガーン
ミーナ「ストライカーをやられたわ」
美緒「幸いエイラ本人は軽症だが、隙をつかれた。 …流石に無理がたたっていたな」
シャーリー「そ、そうですか…」 - 166: 2015/03/08(日) 15:41:12.17 ID:UGVRmOCNO
- ミーナ「だから私は止めたのに…」
美緒「そう言うな中佐。 おかげで皆無事だ!」
ミーナ「確かにそうだけど……もう!」
美緒「わっはっはっは!」
バルクホルン「何にせよ、これで件の問題も解決したな。 ……ん? おい、サーニャ!」
サーニャ「」チーン
シャーリー「エイラが被弾したって聞いてまた気絶しちまったよ」
バルクホルン「……さっきのは気を失っていたのか」 - 167: 2015/03/08(日) 15:46:51.79 ID:UGVRmOCNO
- ルッキーニ「ん~…サーニャばっかズルいなぁ~」クイクイ
シャーリー「だぁー、しょうがねぇだろ! ……とにかくサーニャは部屋に寝かせてくるよ」
美緒「ではその後に輸送機の奴らにも手を貸してやって欲しい。 私達もストライカーを脱いでこよう」
バルクホルン「了解」
ブゥゥウン
シャーリー「……今日は飛行訓練やめとくか…」
ミーナ「シャーリーさん」
シャーリー「え? あ、はい?」ビク
ミーナ「実は私からもお願いが有るの。……私達3人もかなり消耗してしまって、ちょっと休養が必要なの」 - 168: 2015/03/08(日) 15:48:58.68 ID:UGVRmOCNO
- ミーナ「それでなんだけど、 今晩宿舎の見回りを頼めるかしら?」
シャーリー「あちゃー、マジですか……~わかりました。 消灯前に仮眠とってもいいですか?」
ミーナ「ええ。 急で申し訳ないけど、よろしく頼むわね」
サーニャ「ぅ~ん……エイラ…」
ルッキーニ「サーニャ~おきてぇ? あたしとこうたい~」ペチペチ - 172: 2015/03/08(日) 20:58:29.95 ID:UGVRmOCNO
- ―夜―
格納庫
エイラ「なあ中佐ー? どうしてもダメなのかぁ~?」
ミーナ「ダメです。 第一、あなたのストライカーは検査修理の最中よ」
エイラ「じゃあ誰かの貸してくれよぉー?」
ミーナ「……」
エイラ「なぁー、なぁ~? ちゅうさ~」
ミーナ「今晩はゆっくり休んで、しっかりコンディションを戻しなさい」
ミーナ「サーニャさんもハードワークが続いてるから、もしもの時は貴女が夜間の要になるのよ?」
エイラ「もしもってなんだよぉー!?」オイー - 173: 2015/03/08(日) 21:01:16.38 ID:UGVRmOCNO
- サーニャ「エイラ、我儘言わないで?」
エイラ「サーニャ~。 でもさぁ…」
サーニャ「あのネウロイはエイラ達が倒してくれたんでしょ? …ならもう大丈夫よ……」
エイラ「うん、だからさ! 安心して今日は私とゆっくり…」
サーニャ「私もそうしたいけど――」
ミーナ「サーニャさん?」ジト
サーニャ「……す、すみません…」 - 174: 2015/03/08(日) 21:16:25.70 ID:UGVRmOCNO
- サーニャ「…ストライカーが直ったら一緒にね?」ヒソ
エイラ「うぅ……チクショウ…」グヌヌ
サーニャ「それじゃあ行ってきます。 ミーナ隊長」
ミーナ「ええ。 …辛いと思うけどお願いね? 無理そうなら途中帰還も許可するよう言ってあるから」
サーニャ「はい。有難うございます」
スタスタ――
ミーナ「管制! リトヴャク中尉、夜間発進準備に入ります。 コントロールよろしく頼むわね?」
『管制、了解』ガザッ
エイラ「……はぁ。 まいっか、…アイツはもうやっつけたし」
エイラ「…サーニャ居ないんじゃさっさと寝よ……」トボトボ - 175: 2015/03/08(日) 21:49:15.59 ID:UGVRmOCNO
- ―消灯後 深夜―
エイラーニャ部屋
エイラ「………」カキカキ
エイラ「…イヨッシ、出来た! 完璧だ! これで誰よりもワタシがサーニャと一緒だぞっ!」
エイラ「……」
エイラ「はぁ~あ…。 ワタシのストライカーいつ直るんだろ?」ポイ
エイラ「サーニャと過ごす予定組み立てても夜間哨戒付いていけないんじゃなぁ。……なんか虚しくなってきた…」ガタ - 176: 2015/03/08(日) 22:11:13.38 ID:UGVRmOCNO
- エイラ「んー……」トボトボ
エイラ「…んなぁ~っ!」バフッ
エイラ「………あぁ、ダメだ。 疲れたぁ…」
エイラ「このまま寝ちゃうなー……」
エイラ「……」チラ
エイラ「ぉ…!」
エイラ(……タロット…) - 177: 2015/03/08(日) 22:12:57.72 ID:UGVRmOCNO
- エイラ「……」
エイラ「…どら、良い夢見れるかな~?」ペラッ
エイラ「………ン? タワー?」
エイラ「……」
エイラ「……」ムクリ
エイラ「ったく、…冗談キツイよな。 こんな時に」チャチャッ - 178: 2015/03/08(日) 22:16:11.06 ID:UGVRmOCNO
- エイラ「やり直しはご法度だけ~……っど!」ペラッ
エイラ「………は?(またタワーかよ…)」
エイラ「…………」
エイラ「…ま、まったくついてないな~、アハハ。 さー寝よ寝よ! ツカレタナー」バフッ
エイラ「……」
エイラ「………」
。
○
(サーニャ『ネウロイはエイラ達が倒してくれたんでしょ?』)
○
。
エイラ「……そうさ。 ちゃんと最後の一匹だって…」
。
○
(エイラ『……雲が――』)
(美緒『エイラァァアッ!!』)
(エイラ『っ!!?』)
○
。
エイラ「?」
エイラ「…そうだ。 あの時はたしか――」
エイラ「!!」ハッ
- 179: 2015/03/08(日) 22:23:45.35 ID:UGVRmOCNO
- エイラ「ッ…!」バサッ
エイラ「……マズい、……かもしれない」
エイラ(だって結局誰も“アレ”の正体は……!)
。
○
(サーニャ『それじゃあ行ってきます――』)
○
。
エイラ「! ……サーニャ…!?」ゾク
エイラ「…サーニャッ!!」バッ
【前編おしまい】
次スレ:
サーニャ「…ストライクウィッチーズ」 エイラ「怪異ノ魔女」【中編】
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