- 1: 2011/04/02(土) 14:19:30.22 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「お医者さんごっこ?」
梓「あぁー……その様子だとそもそも知らないみたいですね」アァー
紬「うん、知らないわ。なあに?それ」
梓「そのまんまですよ。お医者さんの真似して遊ぶんです。どうですかムギ先輩。やってみませんか?」
紬「え?う、う~ん……」
梓「あ、やっぱりおかしいですよね。高校生でごっこ遊びなんて」
梓「まぁ普通の子はみんな子供の頃に経験しt…」
紬「やる!やりたい!お医者さんごっこしたいわ!」
梓「仕方ないですね。特別ですよ」
- 11: 2011/04/02(土) 14:26:04.53 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「えっと、じゃあ私がお医者さん役をやるから梓ちゃんは患j」
梓「いやいやいや、何言ってるんですか」
紬「え?」
梓「ムギ先輩、お医者さんごっこ初めてですよね?」
紬「うん」
梓「ならまずは患者役からですよ」
紬「でも私、お医者さんやってみたいなぁ」
梓「はぁ…」ヤレヤレ
梓「いいですかムギ先輩。お医者さんごっこっていうのは、経験のあるほうが医者役って決まってるんですよ」
紬「そうなの?どうして?」
梓「どうしてと聞かれましても。子供の遊びに理屈なんてないですよ。そう決まってるものはそうなんです」
紬「そっか。うん、わかったわ。じゃあ私が患者さんで、梓ちゃんがお医者さんね」
梓「はい」 - 14: 2011/04/02(土) 14:31:52.29 ID:mdJnQlBQ0
- 梓「はい、次の方どうぞ」
紬「は~い。けほけほ」
梓「今日はどうされました?」
紬「えっと、昨日からちょっと熱があるみたいなんです」
梓「ふむふむ。咳はありますか?」
紬「あ、はい。けほん」
梓「お腹痛かったりしませんか?」
紬「お腹は平気です」
梓「本当に?月経はちゃんときてますか?」
紬「え?あ、は、はい…大丈夫です……」
梓「最後にきたのはいつですか?」
紬「……」
梓「どうしました?答えてくれないと診察になりませんよ?」 - 19: 2011/04/02(土) 14:38:07.71 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「えっと……四日前に終わりました……」
梓「そうですか。重めでしたか?」
紬「あの、梓ちゃん……これってどうしても答えなきゃいけないの?」
梓「…」
紬「あ、えっと、先生、これって答えなきゃいけないんですか?」
梓「もちろんです。正確な診察をしなくてはいけませんから」
紬「でも……」
梓「私は医者ですよ?信じて下さい。答えなければそのぶんあなたの治療も適切でなくなる可能性が……」
紬「そ、そうですよね。すみません。えっと……いつもよりは軽かったです」
梓「なるほど」 - 20: 2011/04/02(土) 14:45:07.13 ID:mdJnQlBQ0
- 梓「では脈をはかりますので、上着を脱いでください」
紬「は~い。よいしょ。はい、脱ぎました!」
梓「は?」
紬「え?」
梓「いや、脱ぐ真似だけされましても」
紬「え?本当に脱ぐの?」
梓「当たり前ですよ」
紬「え……っと……」
梓「大丈夫ですよ。子供の頃はみんなやってたんです。恥ずかしいかも知れませんが今は自分を子供だと思えばいいんです。私はさっきからムギ先輩を子供と思ってやってますから」
紬「でも子供に生理なんてこな…」
梓「さぁ早く上着を脱いでください。こうしてる間にも病状は悪化しますよ」
紬「そ、そうね。わかったわ」 - 23: 2011/04/02(土) 14:50:43.22 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「……」ヌギヌギ
梓「あ、下着も外してくださいね。心音が聞き取りにくくなりますから」
紬「は、はい」ヌギヌギ
ぽろん
梓「」ブッ
紬「先生、鼻血が……」
梓「お気になさらずに。いつものことです」ポタポタ
梓「では早速触診していきます」
紬「え?心音を聞くってさっき…」
梓「治療方針は臨機応変に変えなきゃいけないんです。病状は刻一刻と変化していきますから」
紬「そうですか……」
梓「では失礼して……」スッ
ガチャ
律「おいーす!」 - 29: 2011/04/02(土) 14:56:47.09 ID:mdJnQlBQ0
- 律「いやー、喉渇いた!ムギー、お茶くれー!」
梓紬「……」
律「って何やってんだお前ら……?」
紬「あ、えっと、これは、その」
梓「急患だあぁぁーーーーっ!!」
律「へっ?」
梓「急患だっ!タンカだタンカ!!急げーーーっ!!」ガシッ
紬「え?梓ちゃん?ちょ、ちょっと……」
梓「急げ急げ!重症だーーーーっ!!」タタタタタ
紬「え?え?どこに行くの?」タタタタタ
ガチャ
バタン
律「……」ポツーン - 36: 2011/04/02(土) 15:04:41.01 ID:mdJnQlBQ0
- 廊下
タタタタタ
紬「ま、待って!どこに行くの梓ちゃん!?」
梓「大学病院です。ムギ先輩は重症なのでウチの設備じゃ治療できません」
紬「だ、大学病院って……」
梓「着きました。ここです」
【保健室】
紬「あ、そ、そうよね。本当に大学病院に連れていかれちゃうのかと思った……」
梓「さぁ、ここで診察の続きをしましょう」
紬「は~い」
ガラガラ バタン
純「今、ハダカのムギ先輩と目の血走った梓がいたような……」 - 41: 2011/04/02(土) 15:11:06.61 ID:mdJnQlBQ0
- 保健室内
梓「よし、保健の先生は留守みたいですね」
紬「そうね」
梓「じゃあそこの椅子に腰かけてください」
紬「うん」
梓「では触診を再開します」
紬「……はい」
もにゅ
梓「」ブフッ
紬「先生、また鼻血が……」
梓「あ、いえ、ははは!気にしないでください!持病ですから!医者の不養生ってやつです!」もにゅもにゅ
紬「んっ……く、くすぐったいよ梓ちゃん……」
梓「診察です!!」もにゅもにゅもにゅもにゅもにゅもにゅもにゅもにゅ
シャッ
澪「う、う~ん……誰かいるの……?」 - 45: 2011/04/02(土) 15:17:31.25 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「あ、澪ちゃん。どうしてここに?」
澪「なんだ、ムギと梓か。いや、私はちょっと貧血で休んで…………って、お、お前ら何やってるんだ……?」
梓「……」もにゅもにゅ
紬「あ……これは、えっと……」
澪「な、なななななな……!///」
梓「ナースコールだああああああああ!!」
澪「へっ?」
梓「ウワアアアア!ナースコールだああああああああ!!」ガシッ
紬「え?え?」
梓「急げーーーっ!!患者は待ってくれないぞーーっ!!」ドタドタドタ
紬「あ、ちょっ……」ドタドタドタ
ガラガラ
バタン
澪「い、行っちゃった……」 - 50: 2011/04/02(土) 15:22:34.62 ID:mdJnQlBQ0
- 梓「ウワアアアア!ウワアアアアアアアア!!」ドタドタドタ
紬「こ……今度はどこに行くの?」ドタドタドタ
梓「あ、はい。精密検査のために専門の施設に行きます」
紬「そ、そうなんだ」
梓「着きました」
【トイレ】
紬「専門……施設……?」
梓「さぁ、入りますよ」
紬「あの……先生、何の検査なんですか?」
梓「尿検査です」 - 57: 2011/04/02(土) 15:27:34.38 ID:mdJnQlBQ0
- トイレ個室内
紬「あ、あの~……先生……?」
梓「どうしました?早く出してください」
紬「なんで先生まで一緒にトイレに入ってるんですか?」
梓「診察のためです。さぁ早く尿を出してください」
紬「でも……」
梓「私は医者です。人の命を救うのが仕事です。あなたの命を、かけがえのない命を救いたいんです」
紬「は、はい」
梓「ですから早く下着を下ろして尿をしてください」
紬「わかりました……」スルスル
梓「」ゴクリ - 61: 2011/04/02(土) 15:36:22.01 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「ん……」ブルッ
紬「ん、ぅ……」チョロチョロチョロ
梓「」ブバァッ
紬「!?せ、先生、鼻血が……!」
梓「だ、大丈夫です。そのまま出し続けてください」ボタボタボタボタ
紬「は、はい……」チョロチョロチョロ
梓「」ゴクリッ! - 62: 2011/04/02(土) 15:39:00.34 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「だ……出しました」
梓「は、はい。良かったです、とても」
紬「良かった?」
梓「あぁ、いえ、何でもありません」
紬「それで、病気のほうは大丈夫なんでしょうか?」
梓「これは……もしかしたら子宮ガンの可能性があるかもしれませんね」
紬「そんな……」
梓「直ちにオペにとりかかります」
紬「えっ」
梓「何か問題ありますか?」
紬「梓ちゃん、さすがにそれはフリだけよね?」
梓「もちろんですよ。本当に切るわけないじゃないですか」
紬「ホッ…」
梓「ではオペのフリをするので脚を開いてこっち向いてください」 - 68: 2011/04/02(土) 15:45:55.03 ID:mdJnQlBQ0
- 紬「え……脚を開いてって……」
梓「なんですか?」
紬「見えちゃうよね……?」
梓「治療部位なんですから見えなかったら意味ないですよ」
紬「そうだけど……」
梓「さぁ、早くしてください。事は一刻を争います」
紬「梓ちゃん、本当にみんなこんな事してるの?」
梓「そりゃ子供の頃ですから、恥ずかしいとかそういうのはあんまりないですし、やってましたね。みんな」
紬「……」
梓「ムギ先輩。私はムギ先輩がお医者さんごっこしたいって言うから、練習したいのを我慢して付き合ってるんですよ?」
紬「あ、うん、そうよね。ごめんね。ワガママ言って」
梓「さぁ、脚を開いてください」
紬「はい……」スッ - 74: 2011/04/02(土) 15:52:13.35 ID:mdJnQlBQ0
- 梓「!」クワッ
紬「ど、どうですか……?」
梓「」まじまじ
紬「先生……?」
梓「あっ、は、はい。いいですよーキレイですよー」ゴクリゴクリゴクリ
紬「キレイ……?」
梓「ではこれから治療していきますね」さわっ
紬「きゃっ!?」バタン
梓「あ!もう、脚閉じちゃダメです!」
紬「ご、ごめんなさい……。びっくりしちゃって……」
梓「じゃあ子宮の中を治療しますからね。じっとしててくださいね~」クパァ
紬「っ……ん……」ピクン
ガチャ
唯「う~!漏れる漏れる~!」 - 80: 2011/04/02(土) 15:59:31.17 ID:mdJnQlBQ0
- 唯「わわっ!?ご、ごめんなさ……」
唯「ってあれ?ムギちゃんとあずにゃん?カギも閉めないでこんなところで何やってるの?」
紬「あ、あのね唯ちゃん、これは……」
梓「火事だあああああああああ!!」
唯「えっ!?」
梓「ギャアアアアアアア!火事だああああああああ!!」ガバッ
紬「きゃっ」
唯「わーっ!火事!?大変だよ!逃げないと!」
梓「火事だああああああああ!!うわあああああああ!!」ドタドタドタ
紬「ま、待って!私まだ裸っ……」ドタドタドタ
梓「ああああああああああああああ!!」ドタドタドタ
ガチャ バタン
唯「わーっ!火事!火事!」アタフタ
唯「……あれ?どこも燃えてないや」
唯「??」 - 84: 2011/04/02(土) 16:05:32.94 ID:mdJnQlBQ0
- 体育館倉庫
梓「はぁ……はぁ……」
紬「梓ちゃん、大丈夫……?」
梓「だ、大丈夫です。患者第一ですから……」ゼーハー
紬「あの、先生、火事って……」
梓「病院は常に死と隣り合わせですから」
紬「それちょっと意味が違うような……」
梓「ここまで来ればもう大丈夫です。ここは自衛隊の救援施設ですし治療も続けられます」
紬「そ、そうですか」
梓「では今一度、脚を開いてこっち向いてください」
紬「はい……」パカッ - 88: 2011/04/02(土) 16:12:38.88 ID:mdJnQlBQ0
- 梓「では指を入れていきますね」
紬「えっ!?」
梓「現代医学ではそれしか治療方法がないんです」
紬「で、でもそれって……」
梓「ちゃんと麻酔しますから」
紬「……」
梓「私を信じて下さい。これでもドイツ医学会から表彰されたこともあるんです」
紬「……痛くしない?」
梓「もちろんです」
紬「……」
紬「わかりました。梓ちゃんなら……」スッ
梓「ダンケ・シェーン!!」
ガチャ
和「そこまでよ」 - 94: 2011/04/02(土) 16:18:50.04 ID:mdJnQlBQ0
- 梓「!?」
和「鈴木さんから通報があったのよ。梓ちゃんが裸のムギを連れ回してるって」ガシッ
梓「なっ!?は、離して!離してください!」ジタバタ
和「ごめんね梓ちゃん。一応学校の風紀は守らなきゃいけないから。とりあえず生徒会室まで来てくれるかしら?」
梓「くそっ!離せ!離せ!」ジタバタ
紬「梓ちゃん……?これは一体……?」
梓「あ、これは、その、医師免許持ってなかったから警察に連行されてるんです」
紬「わぁ……本格的ね」
梓「わー!わー!弁護士!弁護士を呼べー!」ズルズル
和「何言ってるのこの子……」 - 99: 2011/04/02(土) 16:25:30.59 ID:mdJnQlBQ0
-
その後、梓は一週間の停学処分となった。
獄中(自宅)での手記で、梓はこう語ったという。
「私はムギ先輩を……患者を幸せにしたかっただけだ。
その気持ちは今も変わらない。
なお、練習の虫である私がこのような理由で部活を休んでしまっていることを、心より恥じる。」
中野 梓
完
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