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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:23:01.08 ID:/58dKFl40
野明「だよね」

遊馬「お前、なにを今更」

野明「あれっ、やっぱりみんな気がついてた?」

熊耳「気がつくも何も」

進士「バレバレじゃないですか」

野明「………だよね」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:25:20.73 ID:/58dKFl40
遊馬「普通、良い歳したおっさんが同僚を「しのぶさ~ん」なんて嬉しそうに呼ぶかってーの」

進士「下手な民間企業じゃセクハラ扱いされかねませんよね」

遊馬「俺たちの前じゃ「南雲さん」だとか「南雲隊長」って若干よそよそしくしてるってところもまたアレだよな」

熊耳「まあ、部下の手間っていうのもあるでしょうけど」

野明「なんか私たちが南雲隊長と喋ってるとさ、いっっっつも後藤隊長が上からさりげなーくこっち見てるよね…」

熊耳「後藤隊長の出身、もしかしたら同じ上野周辺でも、伊賀の方から来たんじゃないのかしらって思うとき、あるわ……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:28:59.02 ID:/58dKFl40
山崎「第1小隊が来てるときと来てないときの張り切り様の差と言ったら……」

野明「何時もより多めに髪の毛直してるよね」

遊馬「南雲さんと喋ってるときと競馬の実況聞いてるときと、水虫の薬塗ってるときが一番楽しそうだよな」

進士「この間なんて満面の笑みを浮かべながら南雲さんにペコペコ頭下げてましたよ」

野明「うわあ」

太田「さすがの隊長でも軟弱だ!」

山崎「でも、肝心の南雲さんの方は……」

一同「………」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:30:51.58 ID:/58dKFl40
野明「で、でもでも!南雲隊長は後藤隊長が好きだってこと自体に気がついてないかも知れないよ!」

熊耳「まさか」

進士「あんなにバレバレなのにですか?」

遊馬「いや…確かにあの人はちょっと抜けてるところ、あるからなぁ」

野明「そうそう!南雲隊長だって後藤隊長の気持ちに気がつけばもしや……」

太田「だが、後藤隊長だぞ」

野明「ご、後藤隊長の何がまずいっていうの」

野明「冷静に考えてみると後藤隊長ってすっごいんだぞ!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:33:59.13 ID:/58dKFl40
遊馬「確かに警部補やってる位だから、給料は800万くらい貰ってるか」
太田「俺達の倍か!」

野明「そうそう。経済面もしっかりしてるし」

進士「なぜか広い寮に住んでますしね」
野明「そうそう。家って大事だよ」

熊耳「猫背だから分かりにくいけど身長もなかなかあるのよね、隊長」
進士「早稲田卒ですしね」

野明「そうそう。いわゆる、3高ってやつだよね」

太田「言われてみりゃ若いときの仲代達也に似てないこともないな……」
熊耳「声もいいわ」
山崎「それに今の女性って年上の方が好みなんですよね。包容力っていうか」
遊馬「確かに、隊長やってる位だから包容力はあるんだろうな」

野明「そうそう。ほら、スペックだけ並べて見ると後藤隊長って完璧じゃないか」

熊耳「ま……まあ、確かに言われてみれば一見非の打ち所がないんだけれどね」


一同(でも)


一同(一体何考えてるんだか、分かんないんだよなぁ…………)
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:37:22.86 ID:/58dKFl40
一同「…………」

野明「なんか、ちょっと不気味って、玉にキズかも……ね」

遊馬「いや、キズどころか致命傷だろう……」

野明「ま……まあ、ほら、南雲隊長って察しがいいしさ、優しいからさ、ね」

熊耳「それにほら、南雲隊長って毎日、後藤隊長と2人っきりって時間が一番長いでしょうから」

進士「鋼鉄の胃の持ち主ですよね、南雲隊長って………」

野明「だけど後藤隊長のこと、すっっっごく嫌いだったりしたら一緒に上手く仕事なんかしてないだろうしさ」

山崎「そうですよね。何だかんだで後藤隊長と喋ってるときの南雲さんも楽しそうと言えば楽しそうですし」

野明「ねっ!だから大丈夫だよ!」



遊馬(それこそ、南雲さんが慈悲深いからじゃあないのか………)

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:39:00.99 ID:/58dKFl40
野明「だからさ、やり方さえ上手く行けば、上手く行くかもしれないよ!あの2人!」

熊耳「そうねぇ、あの2人を見ていると、かなりもどかしい時があるわよね」

進士「推しが足りなさそうですからね、あの人」

野明「だからもうここは、玉砕覚悟で愛の告白を!あれだけ仲がいいんだからさ、そんな、振られるわけないってー!」

遊馬「だけど後藤隊長って、なんか気の利かなそーなこと、言いそうだよな」

進士「ああ、告白なんだかなんなんだか分からなそうなこと、言いそうですよね。例えば………」



進士「『俺、待ってるからさ(キリッ)』」

進士「みたいな」

一同「い、言いそう………」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:41:28.00 ID:/58dKFl40
遊馬「こんなんじゃ伝わらないか、もしくは伝わってもシカトされるのがオチだな」

野明「そうだ、既婚者の進士さん。奥さんにはどんな愛の告白、したの~?」ニヤニヤ

遊馬「おお!聞きたい!聞きたい!」

進士「え、僕ですか?やだなぁ、恥ずかしいなぁ」えへえへ

太田「くぅぅ……軟弱者めぇ……」

進士「そんな特別なことはしてないですけど」


進士「多美子さんがハローキティが好きだって言うんで、サンリオピューロランドでキャラクター達にガンバレーって応援されながら告白しました///えへへ///」


一同「うっわ………」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:42:46.50 ID:/58dKFl40
進士「参考になりました?」

野明「ま……まあ……」

遊馬「後藤隊長と南雲隊長で想像、できるか?」




一同「………」

一同「…………」

一同「……………」



野明「い……意外と」

熊耳「ふ、ふしぎね……」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:43:59.61 ID:/58dKFl40
ガチャッ!

シバ「そんなんじゃダメダメダメダメダメダメぇ!!!!!!!!!」

一同「シゲさん!?」

シバ「見てくれに騙される様な安い女じゃないよぉ、南雲隊長は!」

進士「や……安い女って………」

シバ「量より質!記録より記憶に残る愛の告白をしなくっちゃあ!!!」

シバ「と、言うわけで、告白した女性の人数延べ100人を超える!!!私、シバシゲオが伝授して差し上げよう!!!!!」



太田「……告白だけなら誰でも出来るだろうが」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:45:49.03 ID:/58dKFl40
シバ「女の子が喜ぶのはやっぱりアレだね、情熱的で尚且つ誠実な告白!」

野明「たとえば?」

シバ「たとえば………」




シバ「お前が欲しいいいいいい!!!!!!!!!!!しのぶううううううううぅぅぅぅ!!!!!!!」

シバ(裏声)「後藤さああああああん!!!」ギュッ

シバ(裏声)「ごめんなさい後藤さん!私もう離れない!」ギュッ

シバ「しのぶうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううぅ!!!」
シバ(裏声)「後藤さああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」

シバ「二人のこの手がまああああああああああああああああああっかにもえるううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!」


熊耳「し……シゲさん?」

野明「た、確かに……情熱的で誠実だけど、さあ………」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:47:36.30 ID:/58dKFl40
野明「や、やっぱり最初っから告白ってのはハードル高いかもね」

熊耳「大人になるといつの間にか付き合ってたっていうの、多くなるしねぇ」

遊馬「ならやっぱり、後藤隊長と南雲隊長の距離を更に縮めないとな」

野明「って言っても、十分縮まってるような気がするんだけど」

遊馬「……これ以上だ」

シバ「距離を縮めると言えばやっぱり密室かなぁ」

野明「だから、今でも十分隊長室は密室じゃない?」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:49:37.72 ID:/58dKFl40
シバ「だからさ、外部と完全に遮断した密室って意味だってば」

野明「?」

遊馬「なるほど、2人は脱出しようとすることによって、更なる密接な協力関係が生まれて、お互い距離が更に縮まるって事か」

進士「そうですね、吊り橋効果みたいなものですかね」

シバ「おっし!思い立ったら吉日!道具箱もってくるね!」

野明「え、え、何するの?」

遊馬「もちろん、隊長室のドアを弄って、内側から開かなくするんだよ」

野明「え、えええええええええ!!!!」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:50:38.73 ID:/58dKFl40
野明「ちょ、ちょっとまずいよ!」

シバ「だーいじょぶだって!何かあったらすぐ開くようにするし、帰る前に直しにくるからさぁ!」


野明「えええ………」

熊耳「ちょっと!」

シバ「お前たち、手伝えー!」

遊馬「よし!久しぶりに張り切るぞぉ!」
進士「むふふふふふ!」


太田「お………俺は見張りにだな………」ブツブツブツブツ

山崎「だ……大丈夫ですかね」

野明「さ……さあ……」

熊耳「………はぁ」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:51:19.48 ID:/58dKFl40
【隊長室前】


カチャカチャカチャカチャ

シバ「かんりょーう!」

野明「あーあ………」

進士「コレで少しは進展しますかね」

熊耳「……そう単純なものじゃないと思うわよ」

遊馬「恋愛なんて意外と単純なもんなんですよ」

遊馬「うひひひっ!後藤隊長、あわてるぜ!」

後藤「俺が?なんで」

遊馬「そりゃあ、内側からドアがいきなり開かなくなったら……」

遊馬「えっ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:55:48.84 ID:/58dKFl40
後藤「内側からドアが開かなくなっちゃったんだ、これ」

一同「ギャアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!?」

後藤「なによ……そんなガン細胞で作った怪物、見っけちゃったみたいな顔しないでよ」


野明「ご……後藤たいちょ……」

遊馬「い、いつから………」

後藤「さっきから」


シバ「え……じゃあ中には誰が……」

後藤「確か、南雲さんと」



後藤「榊さん」



一同「 」




33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:58:16.23 ID:/58dKFl40
【第2小隊オフィス】

シバ「死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った死ぬかと思った」


遊馬「……あのおっさんの危機回避能力を舐めてたな」

野明「熊耳さんの言うとおり本当に抜忍かなにかかも知れないね……」

熊耳「だってまるで気配がなかったわ………」

遊馬「よし、もうこうなったらアレしかない」

野明「アレって?」

遊馬「いわゆる合同コンパ、略して合コンだな」

野明「ご………っ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:01:05.74 ID:/58dKFl40
遊馬「もとい、南雲隊長と後藤隊長を交えた第2小隊の飲み会を開こうと思う」

シバ「あ、そういや南雲さんは後藤隊長とあんまし飲みに言ったことないって言ってたなぁ……」

熊耳「確かに隊長室に二人を閉じ込めたりなんかするよりかは余程効果がありそうね」

進士「そうですね、お酒は人間の距離を縮めますからね」

シバ「頃合いをみて、邪魔者は退散するとパーペキだね」

遊馬「その後尾行すれば」

男一同「……さらにパーペキ」

遊馬「上手く行けば……」

男一同「ぐへへへへ………!」

遊馬「じゃあ決まりだな!早速予約しろ!野明!」ビシッ

野明「えええっ………!」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:03:54.99 ID:/58dKFl40
【居酒屋】

野明「…………」

進士「………」

熊耳「………」

遊馬「………」

太田「………」

山崎「………」

シバ「…………」


遊馬「……来ないな」

野明「……来ないね」


一同「…………」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:11:01.38 ID:/58dKFl40
遊馬「結局、俺達の作戦は空振りってことか……」

野明「作戦ってよべるかっちゅーの。こんなことでどうにかなるなら、どうにかなってるよ、とっくにさ!」

熊耳「まあ、そうね。第一、あれだけ長い間一緒に居て何も起きないなんて異常だもの」


一同「………」

シバ「……もしや、すでに付き合ってたりして」

一同「ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!」

野明「それは絶対にないよね」

熊耳「ないわよ。第一、何となく南雲さんって隊長のことタイプじゃなさそうだし」
男一同(ひ……酷いことを言う………)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:12:46.86 ID:/58dKFl40
野明「ああ、わかるわかる。なんか父親みたいなタイプが好きそうだよね、南雲さん」

遊馬「後藤隊長は完全に同等か、それ以下に見られてるもんなぁ……」

進士「それに美人だし、頭も良いですし、放っては置きませんよ、誰も」

太田「もう後藤隊長はアレだな、打つ手なしだな」

山崎「でも後藤隊長が可哀相ですよ。あんなに南雲隊長が好きそうなのに」

野明「確かに、後藤隊長じゃないけど、みんなで幸せになりたいもんね」

熊耳「だからって何とかならないのが男女の仲なのよね……」

野明「熊耳さん、説得力がありますね」

熊耳「そ……そうかしら……」ダラダラダラダラ
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:13:41.28 ID:/58dKFl40
遊馬「もうアレだな、後藤隊長が南雲隊長と結婚するなら既成事実を作るしかない」

野明「既成事実って?」

太田「既成事実は既成事実だ」

野明「?」

山崎「////」

遊馬「既成事実さえ作れば、南雲さんは真面目だから多分上手く運ぶ」

熊耳「そんなものかしらねぇ……」

野明「えっ?えっ?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:17:24.09 ID:/58dKFl40
シバ「じゃあ、暇つぶしにシュミレーションしてみようよ!」

遊馬「今は夏だ。例えば…台風か何かの日に出掛ける。で、あえて道が塞がるまで何やかんや繋ぐ」

野明「繋ぐって?」

シバ「場所は軽井沢辺りがいいねぇ。下仁田のこんにゃくでも買いに行けば時間が稼げるし」

進士「それから車はイタリア車がいいですよ。電装系が弱いですからね、雨が降れば雨宿りしようって話になります」

野明「……そんなことして、どうなんのさ」

遊馬「車内はアレだし、当然、雨宿りをしようという話になる」

野明「それで?」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:19:53.97 ID:/58dKFl40
遊馬「雨宿りをしようにも、何せ軽井沢で、夜遅い。だからなかなか見つからない」
遊馬「困った……このままでは……」

遊馬「しかし!二人の前に一筋の光が差し込んだ!」

野明「ひ、一筋の……光?」



遊馬「カップル用のシティホテル」



野明「ぶううううううっ!!」

山崎「////」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:23:46.78 ID:/58dKFl40
野明「そ、それって遊馬!ラ、ラ、ラ!」

遊馬「ま、そこで何やかんや理由をつけて中に入ればもう既成事実は完了だろ」

野明「き……既成事実って………そういう………///」

野明「で、でも、な、何もない事だって」

遊馬「何もないわけないだろ」

進士「何もないわけありませんよ。っていうか、それで何もなかったら」

遊馬「後藤隊長も男として終わりだな」

熊耳「南雲さんもどうかと思うわ」

シバ「でもさ、まさかそんなこと」


一同「あるわけないよねー!!!!」


あはははははははははははは!!!!!!!


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:27:53.27 ID:/58dKFl40
こっそり

後藤「………」

南雲「………」

後藤「………帰ろっか、しのぶさん」

南雲「……ええ」

あはははははははははははは!!!

後藤「………」

南雲「………」

後藤「なんか、飲んで帰る?」

南雲「……そうするわ」



思わぬ形で、作戦を微妙に成功させた第2小隊だったがその事実を知るものは、いない―――




おしまい
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:29:42.45 ID:/58dKFl40
お付き合いありがとうございました

南雲しのぶさんばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:38:00.06 ID:uutHhwrL0
あー、パトレイバー観返したくなってきた

初期OVAな

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