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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:05:46.15 ID:1OhL414Z0
 
―― バサラの家 ――

バサラ「……は?」

ミレーヌ「だから、私のパンツどこいったか知らないって訊いてんの!」

バサラ「知るかよ。無くしたのか?」

ミレーヌ「分かんない。もしかしたら盗まれたのかもしれないし」

バサラ「盗まれたぁ? んな訳ねーだろ……」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:07:33.94 ID:1OhL414Z0
 
ミレーヌ「なんでそう言い切れるのよ!」

バサラ「当たり前だろ。お前のパンツなんか盗んで誰が得するんだよ」

ミレーヌ「誰がって……やっぱり、男の人とか?」

バサラ「色気もへったくれも無いガキのパンツなんか、欲しがる男がいるとは思えねぇな」

ミレーヌ「あー、ひっどい! サイテー、ヘンタイ!」

バサラ「うるせぇな、いちいち大声出すんじゃねぇよ」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:09:45.81 ID:1OhL414Z0
 
ガチャッ

ミレーヌ「あ、レイ! どうだった?」

レイ「すまん……昨日のライブで使ったステージをくまなく探してみたが、どこにも見当たらなかった」

ビヒーダ「………………」 カカカンカカカン

ミレーヌ「そう……ありがとレイ、ビヒーダも。じゃあやっぱりステージには無いんだ」

バサラ「別にいいだろ、パンツの一枚や二枚」

ミレーヌ「よくない! 見つからなかったら気持ち悪いじゃない!」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:11:36.36 ID:1OhL414Z0
 
レイ「ステージじゃないとすると、やっぱりミレーヌの家にあるんじゃないのか?」

ミレーヌ「家の中はもう何度も探したの! あと着替えるところって言ったらステージ裏の個室くらいだし……」

バサラ「お前、コスチュームに着替える時パンツまで履き替えてんのか?」

ミレーヌ「だって衣装の下からはみ……って何言わせんのよバカ! スケベ!」

レイ「まぁまぁ……とにかく、ステージで無くなったのは確かなわけだ」

ビヒーダ「………………」 カンカンカンカン
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:14:05.21 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「そもそも、なんでパンツが無くなるんだよ。お前、着替えはカバンに入れて持ち運んでるだろ」

ミレーヌ「それはほら……昨日のライブの後、打ち上げに行ったじゃない? バサラは来なかったけどね!」

バサラ「へっ、俺の勝手だろ」

ミレーヌ「もう……それで、打ち上げに行く時に、ステージ裏にカバンを置いてきちゃったの……その後、打ち上げから帰ってきて何か盗られてないか確認したら、パンツが無くなってて」

バサラ「そりゃお前のミスが原因だろうが」

ミレーヌ「むぅ~。でも困ったなぁ。あの白いフリルのやつ、パパからのプレゼントだったのに……」

バサラ(何考えてんだ、あのオッサン……)
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:15:54.96 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「まあ探すなら勝手にやれよ。俺は新曲の調整があるから邪魔すんじゃねぇぞ」

ミレーヌ「えぇ!? ちょっとは手伝ってくれてもいいじゃない! メンバーの持ち物が無くなったのよ!」

バサラ「パンツ探す時間で曲作った方がいいだろ」

ミレーヌ「な……何よそれ! 自分勝手! 無責任!」

レイ「まぁ落ち着けミレーヌ。バサラの分まで俺達が手伝ってやるから」

ミレーヌ「……フンだ! バサラなんて大っ嫌い!」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:18:19.97 ID:1OhL414Z0
 
―― 夜 ――

バサラ「………………」

バサラ「さて、どうすっかな、これ……」


バサラの目の前のテーブルには、『白い』『フリル』のパンツが、ちょこんと鎮座していた。


バサラ「昼間、素直に出しときゃ良かったか? いや、それはそれで面倒だしな……」

バサラ「ちっ、これがあいつのだと分かってたら持ち帰ったりしねぇっての……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:19:54.74 ID:1OhL414Z0
 
―― 先日 アクショのステージ ――

ミレーヌ「ちょっと、待ちなさいよバサラ! どこに行く気!?」

バサラ「どこって、帰るに決まってるだろ。ライブは終わったじゃねーか」

ミレーヌ「これから打ち上げだって言ったでしょ! ほら、行くわよ!」

バサラ「パス。そういうの面倒なんだよ」

ミレーヌ「また自分勝手! 今日のライブ、一人で突っ走って迷惑かけた癖に!」

バサラ「お前が遅れたんだろ。レイとビヒーダは上手く合ってたしな」

ミレーヌ「合ってたんじゃなくて、合わせてもらってたの!」

バサラ「それで上手くいったんだからいいじゃねぇか。過ぎたことをグチグチ言ってんじゃねぇ」

ミレーヌ「……なによバカ! もういい、勝手にすれば!」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:21:58.44 ID:1OhL414Z0
 
―― ステージ裏 個室 ――

バサラ「さて、とっとと着替えて帰るか」

バサラ「そういやミレーヌのやつ、コスチュームのまま打ち上げに行きやがったな。レイとビヒーダは普段からコスチュームだし、何の違和感もねーが……」





グニッ

バサラ「ん、なんか踏んだぞ……?」

バサラ「これは……女の、パンツ……?」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:24:54.65 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「なんでこんなとこにパンツが落ちてんだ? 服とかなら分からなくもねぇけど……」


そのパンツはライブ前にミレーヌが着替え、カバンに服を詰める際に、詰め損ねて落としたものであった。


バサラ「……でもミレーヌも、パンツまで履き替えたりしねーだろ」


レイとビヒーダは着替える必要が無いため、ステージ裏の個室で着替えるのはバサラとミレーヌだけである。
しかしミレーヌがパンツを履き替えているとは考えもしなかったため、
それがカバンに詰め損ねたものだとバサラが気付くことは無かったのである。


バサラ「じゃあこれ……誰の持ち物なんだよ」





結局その日、バサラはそのパンツを持ち帰ってしまった。
恋愛に興味が無いバサラも生物学的には男であり、結局は夜のデカルチャーに使おうと考えていたのだった。
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:27:44.06 ID:1OhL414Z0
 
―― 現在 バサラの家 ――

バサラ「……とりあえず、服のタンスの奥にでも隠しておくか」

バサラ「たかがパンツの話だし、そのうちミレーヌも忘れるだろ」

バサラ「ただ、ミレーヌが俺を疑う可能性もあるしな……その時は知らぬ存ぜぬ、ってやつだ」

バサラ「さて、気を取り直して新曲の練習だ! 燃えてきたぜぇ!」






バサラ「戦い続ける空にぃ~♪」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:30:00.68 ID:1OhL414Z0
 
―― 翌日 バサラの家 ――

バターン!

ミレーヌ「バサラっ!」

バサラ「……なんだ、ミレーヌか。ドアが壊れるだろうが」

ミレーヌ「私、大事なことに気付いたの!」

バサラ「はぁ? なんだよ、藪から棒に」

ミレーヌ「パンツを盗んだ犯人が分かったのよ!」

バサラ「またパンツの話かよ。どうでもいいっての」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:31:52.87 ID:1OhL414Z0
 
ミレーヌ「この間私たち、打ち上げに行ったじゃない?」

バサラ「俺は行ってねぇけどな」

ミレーヌ「その日、ライブでステージに上がる前に履いてたパンツが、無くなった例のパンツだったの」

バサラ「へぇ」

ミレーヌ「しかも私がパンツが無くなったのに気付いたのは打ち上げの後、ステージに帰ってきて衣装カバンを確認した時なのよ」

バサラ「それは知ってる。それとお前が俺の家に突撃してくることに何の関係があるんだよ」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:33:47.30 ID:1OhL414Z0
 
ミレーヌ「つまり! 私がステージに上がる前に着替えるでしょ。その後、コスチュームのまま打ち上げに参加して、ステージに帰ってきたら無くなってたわけ」

バサラ「あっそ。そんじゃあライブ開始から打ち上げが終わるまでの間に無くなったんだろ……ん?」

ミレーヌ「……どう? なんで私がここに来たか、分かった?」






ミレーヌ「パンツが無くなったその僅かな時間、1人だけステージに行くことができた人がいるわ」

ミレーヌ「ね、バサラ?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:36:22.92 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「!?」

バサラ(しまった……俺は打ち上げに参加してねぇから、俺だけアリバイがねぇ……!)

ミレーヌ「という訳で、バサラの家を家宅捜索するわよ!」

バサラ(な、何ぃ!? こいつはまずいぜ……タンスの中を調べられたら終わりじゃねぇか!)

グババ「キキィッ!」

ミレーヌ「ん、どうしたのグババ? あのタンスの中が怪しいの?」

バサラ(な、何を言い出しやがるグババ! 毛長ネズミのクセしやがって!)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:38:29.69 ID:1OhL414Z0
 
ミレーヌ「なるほどね~、木を隠すなら森の中。衣類を隠すにはタンスの中よね」

グババ「キィッ!」

バサラ(クソッ、この状況を打開する手はねぇのか!?)




①あえてパンツを見つけさせ、それは昔の女のものだと言い張る。

②何らかの手段で脅迫する。

③無い。現実は非情である。
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:41:22.31 ID:1OhL414Z0
 
バサラ(①については、ミレーヌのパンツとまったく同じって設定は無理があるぜ……大体昔の女の下着が隠されてるってのもどうなんだよ)

バサラ(諦めるワケにはいかねぇ。ここは②しかねぇが、問題は脅迫する為のネタだ……)







バサラ「おい、ミレーヌ」

ミレーヌ「何? 観念した?」

バサラ「そのタンスに勝手に触るんじゃねぇ」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:44:00.29 ID:1OhL414Z0
 
ミレーヌ「あ、やっぱり! あんたが犯人……」

バサラ「違う。そのタンスには、大事なモンが入ってんだよ」

ミレーヌ「え……大事なもの? 私のパンツが大事ってこと?」

バサラ「だから俺は犯人じゃねぇ! そんなとこにお前のパンツはねぇよ!」

ミレーヌ「じゃあ何よ、大事なものって」





バサラ「……FIRE BOMBER結成前に……俺が組んできた、数々のバンドのコスチュームだ」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:46:23.25 ID:1OhL414Z0
 
ミレーヌ「えっ? それはそれで見たいなぁ」

バサラ「駄目だ! 俺は今、FIRE BOMBERのボーカルだ……過去のバンドとの思い出をお前らに見せて、未練がましいヤツだと思われたくねぇんだよ」

ミレーヌ「だ、だったら捨てちゃえば……」

バサラ「はぁ? 捨てる?」

ミレーヌ「って、ゴメン……そんなの無理だよね」

バサラ「……短い時間だったが、あいつらと過ごした時間を忘れるわけにはいかねぇ。でもなミレーヌ。それでも、今のFIRE BOMBERが最高だってのは間違いねぇよ」

ミレーヌ「バサラ……」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:48:55.19 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「それでもお前がどうしても見たいってんなら、しょうがねぇ」

ミレーヌ「……もしかして、見せてくれるの?」

バサラ「いいや。仲間の思い出に土足で踏み込むようなヤツと一緒にバンドはやれねぇ。FIRE BOMBERは解散だ」

ミレーヌ「え、ええっ!? ま、待ってよバサラ! FIRE BOMBERは最高だって言ってくれたとこじゃない!」

バサラ「親しき仲にも礼儀あり、って言うだろうが。越えちゃいいけねぇ一線ってのがあるんだよ」

ミレーヌ「だ、だからって解散なんてイヤよ! 絶対イヤ!」

バサラ「そうと決まったわけじゃないだろ。お前が俺のタンスを見るか見ないか、ってだけの話じゃねぇか」

ミレーヌ「見ない、見ないよ! だから、冗談でも解散なんて言わないでよ!」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:51:29.44 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「分かった分かった、俺も少し言い過ぎたぜ。とりあえず、俺の家を変に引っかきまわすんじゃねぇ」

ミレーヌ「う、うん……ゴメンね、バサラ。私、もう帰るね……本当に、ごめん……」

バサラ「もういいっつーの。それより、明日の練習遅れんなよ」

ミレーヌ「も、もう……本番にすら遅刻するあんたに言われたくないわよ! それじゃあね!」



ガチャッ…






バサラ(へっ……計 画 通 り、ってやつだな)
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:54:05.19 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「さて、出まかせでミレーヌを撒いたのはいいけど、結局このパンツはどうすっかな」

バサラ「……そういえばあいつ、パンツが無くなったのに気付いたのは『ステージに帰ってきた時』だって言ってたな」

バサラ「その時パンツが無かったってことは、コスチュームのまま帰ったのか?」

バサラ「いや、あいつはステージやバルキリー以外では大抵私服だしな。じゃあ、あの日は私服で、パンツを履かずに帰宅したワケか……」

バサラ「あいつの服って、全52話で全部違うんだっけ? あの日は、スカートだったような……」









バサラ「………………」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:57:18.16 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「……ふぅ」

バサラ「!? 俺は何をしてんだ! あいつはまだ15歳だぞ!」

バサラ「完全に犯罪者じゃねぇか……自分で自分が嫌になるぜ」







バサラ「……とりあえず、こんな重要証拠を残しておくワケにはいかねぇな。色んな意味で危険だ」

バサラ「となると、処分するしか……」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/06(水) 23:59:24.79 ID:1OhL414Z0
 
―― 翌日 バサラの家 ――

ガチャッ

ミレーヌ「おは、よ……え?」

バサラ「おう、遅かったな」

ミレーヌ「え、ええっ!? ば、バサラが起きてる! まだ朝だよ!?」

バサラ「何言ってんだ、練習あるんだから起きてるに決まってんだろ」

ミレーヌ「うそぉ……本番でも私より先に来たこと無いのに……」

バサラ「まぁそれはいいとしてだ。ミレーヌ、お前にちょっと頼みたいことがあんだよ」

ミレーヌ「え? バサラが私に? 珍しいわねぇ」

バサラ「ああ、実はな……」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:01:53.37 ID:FjQeOEy+0
 
―― シティ7 公園 ――



バサラ「おう、待ったか?」

ガムリン「遅い! 約束の時間を10分も過ぎてるだろうが!」

バサラ「そう怒鳴るなよ……俺にしては早い方なんだぜ?」

ガムリン「まったく、ミレーヌさんに取り次がれていなければ帰るところだったぞ…… なぜこのガムリン木崎が貴様と公園で待ち合わせなどしなくてはいかんのだ」

バサラ「へっ、あまり怒るとハゲが進行するぜ」

ガムリン「余計なお世話だ! さっさと用件を言え!」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:04:20.34 ID:1OhL414Z0
 
バサラ「ああ、今日はお前にこれを買ってもらおうと思ってな」

ガムリン「何?」


ピラッ


ガムリン「! こ、これは……!」

バサラ「見ての通り、女のパンツだ」

ガムリン「な、なな、な、なななにを言っているのだ貴様は! 破廉恥なヤツめ!」

バサラ「しかも、ミレーヌのだ」

ガムリン「!?」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:06:45.18 ID:FjQeOEy+0
 
ガムリン「き、貴様、言うに事欠いて、ミレーヌさんの、し、下着だとぉ……!?」

バサラ「おう。プロトデビルンに誓ってもいいぜ」

ガムリン「……そうか、分かったぞ。貴様、私がこれを買わなかった時には裏路地のブルセラショップになど売りだして、どこぞの下劣な男共に買わせる気だな?」

バサラ「具体的すぎて気持ち悪ぃな。でも理解が早くて助かるぜ、ガムリン」

ガムリン「私は軍人だぞ! ダイヤモンドフォースのガムリン木崎だぞ!」

バサラ「そういうのはいいんだよ。買うのか? 買わないのか?」








ガムリン「……いくらだ」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:09:34.37 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「値段はちょっとお高くなるぜ」

ガムリン「くっ、足元を見おって……」

バサラ「綺麗な色してるだろ……使用済みなんだぜ、これ」

ガムリン「な、何ィ!? 使用済みだと!?」

バサラ「何でそんなに驚いてんだよ……」

ガムリン「馬鹿か貴様は! 使用済みの物は使用前の物と比べて入手の難度が格段に上がるんだ!使用前の物は家主が留守の間に家具を漁れば簡単に盗めるが、使用済みの物は着用する本人が脱ぎ、その後洗濯するまでの僅かな間に盗む必要がある!」







バサラ「……そ、そうなのか。知らなかったぜ」

ガムリン「そんな貴重な物を、なぜ貴様が持っている!(キリッ」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:12:42.91 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「バカかお前。経緯なんてどうでもいいんだよ。ライブの時に大事なのは客を楽しませられるかどうかで、客も練習風景なんて見たかねーだろ?」

ガムリン「むぅ……有名バンドに所属する貴様が言うと、妙な説得力があるな……」

バサラ「それよりお前がパンツの入手経路に詳しいのはどういうこった? 軍じゃそういうのも勉強するのか?」

ガムリン「フッ、それこそ経緯なんてどうでもいいだろう……お互い様、というやつだ」

バサラ「言うじゃねぇか。じゃあ取引成立だな」

ガムリン「いいだろう」

バサラ「いくら出せんだ?」

ガムリン「エースの財布を舐めるなよ」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:15:48.41 ID:FjQeOEy+0
 
―― 一週間後 バサラの家 ――


ガチャッ


レイ「……遅れてすまん、バサラ」

バサラ「おーっす、遅かっ……」

ミレーヌ「ひっく……えぐっ……」

バサラ「ん? どうした、ミレーヌ……泣いてんのか?」

ビヒーダ「………………」 カンカンカン

バサラ「おいレイ……こりゃあどういうこった?」

レイ「うむ……ここに来る道中、ちょっと困ったことになっちまってな。練習は少し待ってくれるか」

バサラ「……まぁ、いいけどよ」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:18:22.92 ID:FjQeOEy+0
 
レイ「事情を話すからこっちに来てくれ。ビヒーダはミレーヌを頼む」

ビヒーダ「………………」







バサラ「で、何なんだよ? ミレーヌやビヒーダの前じゃ話しにくいことなのか?」

レイ「まあな……特に、ミレーヌは被害者だからな」

バサラ「? どういうことだよ?」

レイ「実はこの間話した、ミレーヌのパンツなんだが……」

バサラ「けっ、またパンツの話かよ……」

レイ「……さっき、そこのゴミ捨て場で見つかったんだ。お前の家の前のな」

バサラ「……なん……だと……?」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 00:21:54.13 ID:FjQeOEy+0
 
レイ「それだけじゃない……ミレーヌのパンツは、その……精液に塗れて、酷い状態で捨てられていたんだ」

バサラ「何だと? ちっ、胸糞悪ぃな」

レイ「俺は、行き過ぎたファンかストーカーあたりの仕業だと睨んでいる。今思えば、あらかじめステージの暗幕にでも隠れていれば、部外者でもパンツは盗めただろうな」

バサラ(いや、そんなハズはねぇ……あれを盗んだ犯人は俺だ。それに、パンツ自体はガムリンが持ってるハズだ……)

レイ「お前の家の前に捨てたのは、俺達の目に付くように、だろうな。こういう犯人は、必ず被害者の様子を確認しに来る。お前も付近で不審人物を見かけたら……」

バサラ「ああ、分かった……」





バサラ(……くそっ、ガムリンの野郎を問いたださねぇとな。あいつがこんなことをするとは思えねぇが……)
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:02:02.01 ID:FjQeOEy+0
 
―― シティ7 公園 ――

バサラ「お前がミレーヌを泣かせるとは思いもしなかったぜ、ガムリン」

ガムリン「待て、違う! お前は勘違いをしている!」

バサラ「あぁ? あのパンツを持ってたのはお前だろうが!」

ガムリン「そ、それは確かにそうだが……私はパンツを汚すようなことはしない!」

バサラ「は?」

ガムリン「パンツというのは元来神聖なものであるべきだ! それを汚したり、ましてゴミ扱いしたりするものか!あのパンツだってお前の手が触れていなければ、抗菌加工してケースに飾りたいくらいだ!」

バサラ「……そ、そうか。それは別の意味でミレーヌが泣くと思うけどな……」

ガムリン「断じて私ではないッ!(キリッ」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:05:27.74 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「……じゃあ、あのパンツは何なんだよ」

ガムリン「それは分からんが、あの時のパンツは少なくともここにある」


ピラッ


バサラ「お前、いつも携帯してるのかよ……」

ガムリン「お守りのようなものさ。これがあれば、プロトデビルン相手でも負ける気がしない」

バサラ「あぁ!? 勝つとか負けるとかじゃねぇ、アイツらに歌を聴かせるんだって何度言やぁ分かるんだ!」

ガムリン「そういう話は次の機会でいいか。話がズレてるぞ」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:09:11.77 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「しかし、そうするとあれをやった犯人は誰なんだ?」

ガムリン「ミレーヌさんのパンツが盗まれたことを知っていて、まったく同じパンツが用意できて、FIRE BOMBERの練習場がお前の家だと知っている人間なんてそうはいないだろうな」

バサラ「……そんなの、レイくらいしかいねぇ。てめぇレイを疑うってのか!?」

ガムリン「そうは言っていない。ただ、近代の技術ならば犯人を特定する方法は他にもある」

バサラ「……なんだよ」

ガムリン「警察に届け出たのならば、身近な人間……FIRE BOMBERや私自身も容疑者になるとみて間違い無い。しかし少なくとも、精液が採取されれば我々の無実は証明されるだろう」

バサラ「ああ……パンツについてた精液を調べるってことか?だとすると、すぐ調べられる身近な人間は犯人じゃねぇのか。精液調べりゃ一発で分かるんだろ?」

ガムリン「ああ。すぐバレることが分かっていて罪を犯す人間などいるまい……」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:11:23.34 ID:FjQeOEy+0
 
ガムリン「……待てよ」

バサラ「ん、どうした?」

ガムリン「いや、その理屈はおかしい。身近でありながら、捜査の対象外となる人間もいるのではないか?」

バサラ「そんなヤツいるのか? 捜査ってのは親子供まで調べられるんだろ?」

ガムリン「例えば……権力を持った人間ならば、捜査の手が届かないようにすることも可能だ」

バサラ「……上からの圧力、ってやつか?」

ガムリン「そうだ。実際、圧力でもみ消された事件が少ないわけではない」

バサラ「そうすると、ミレーヌに身近で、権力を持った人間が怪しいってことか?」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:15:37.09 ID:FjQeOEy+0
 
ガムリン「……一人だけ、心当たりがある」

バサラ「奇遇だな。俺も一人だけ思いついたぜ」

ガムリン「その人物は、今回の事件のことでミレーヌさんに相談されている可能性が高い。したがって、パンツが盗まれたことについては知っているはずだ」

バサラ「まったく同じパンツを用意すんのも簡単だろ。そのパンツをミレーヌにプレゼントした本人なら、柄も知ってるしな。おまけに権力がありすぎて、同じ柄のを用意するのも苦労しねぇだろ」

ガムリン「FIRE BOMBERの練習場も知っているからな……ピースがはまった、というのはこういうことを言うのか」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:18:37.73 ID:FjQeOEy+0
 
ガムリン「しかし、肝心のものが抜けている」

バサラ「何だ?」

ガムリン「動機だ。その人物が、ミレーヌさんのことを大事に思っているのは知っているだろう」

バサラ「へっ、そいつはご本人に訊いてみりゃいいんじゃねぇか?今もそこの監視カメラで覗いてんだろ、『モニターから目を離すな』とか言ってよ」

ガムリン「監視カメラ!? 馬鹿者! 気付いていたのなら……」

バサラ「さっき、わざと見える位置に移動してやったんだよ。向こうでどんな顔してんのか知らねぇがな」

ガムリン「………………」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:21:20.71 ID:FjQeOEy+0
 
―― バトル7 艦橋室 ――

マックス「モニターから目を離すな(キリッ」







マックス「……いかん。完全に乗せられてしまった……」

マックス「しかし、まずい事態になった。もし彼らが、私が犯人だと吹聴すれば……」

マックス「相手は軍のエース+人気者のサウンドフォース、対して私はテレビで夫婦喧嘩をするダメ艦長。ただでさえ漂流の救助遅延や別居報道で市民からの支持率が下がっているというのに、勝ち目が無い……」

マックス「……しかし私とて天才と言われた男。このまま引き下がる訳にはいかん」

マックス「奴等に、このマクシミリアン・ジーナスの戦い方を見せてやる(キリッ」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:23:28.01 ID:FjQeOEy+0
 
―― 翌日 シティ7某所 ――

バサラ「まさか、あんたから呼び出しがあるとは意外だったぜ」

マックス「そうか……内容については言うまでもあるまい。そう、君の考えている通りだ」

バサラ「……あ? いきなり罪を認めるってのか?」

マックス「ああ。あれをやったのは私だ」

バサラ「けっ……随分と、潔い良いじゃねぇか」

マックス「当然だ。あれは私の信念に基づいてやったことだからな」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:26:51.55 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「信念だぁ?」

マックス「そうだ。正直なところ私は、君やガムリン大尉にあまり娘を会わせたく無いのだ」

バサラ「……親バカなのか、あんた」

マックス「そう思ってもらって構わん。そこで、あのような事件があれば娘が男を嫌いになり、私の所……そうでなくともミリア市長の所には帰ってくれるだろうと考えたのだ」

バサラ「それなら、本人にそう言えば良かったじゃねぇか」

マックス「ミレーヌが意地っ張りなのは君もよく知っているだろう。何度も言ったが、一向に聞いてくれなくてな。結局、最悪の手段をとることになってしまった」

バサラ「………………」

マックス「………………」







バサラ「……そうだったのか。あんたの親心だったってわけか」

マックス「うむ……理解してもらえて助かる、熱気バサラ」
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:30:03.28 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「だってよ、ミレーヌ」

マックス「何!?」


ガサッ


ミレーヌ「……パパ……」

マックス「い、いたのか、ミレーヌ。もしかして、全部聞いて……」

ミレーヌ「パパ……パパがあんなことを……信じられない……」

マックス「す、すまない。しかし私は、どうしてもお前が男と……」









ミレーヌ「パパの……パパの嘘つき!」

マックス「!?」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:32:40.76 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「ねぇパパ……この子のこと、覚えてるよね?」

グババ「キキッ!」

マックス「あ……ああ、グババか。もちろん覚えているとも。そもそもグババを拾ったのは私だ。それをお前が5歳の時にプレゼントしたんだったな」

ミレーヌ「……じゃあ、グババの能力は知ってる?」

マックス「能力……?」

ミレーヌ「グババには、人の気持ちを受け取ったり、逆に気持ちを人に送ったりする能力があるの。いつも私の側にいるから私の気持ちがグババの表情に出ちゃって、たまに困るんだけど……」

マックス「そ、そうなのか。しかし、それが何だというんだね」






ミレーヌ「パパがここに来た時、パパの服にグババをくっつけておいたの」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:35:17.85 ID:FjQeOEy+0
 
マックス「何だって……?」

ミレーヌ「だから、私分かっちゃったの。パパが今どんな気持ちで、バサラと話してたか。酷いよパパ……私のことなんて、全然大事に思ってなかったんだ……」

マックス「ち、違う! お前のことを忘れたことなど一時たりと無い!」

ミレーヌ「そうだよね! でも、いつもいやらしいことしか考えてなかった!今だってそうじゃない! さっきから太股ばっかり見てる!」

マックス「ぐっ……」

ミレーヌ「……バサラに着いて来いって言われた時、最初は断ったわ。パパがあんなことをしたなんて考えたくなかった。でも、パパの口から『違う』って言ってもらえればすっきりすると思って、ここまで来たの。それなのに……」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:37:45.17 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「パパ……嘘でもいい、違うって言って! パパがやったんじゃないって!」

マックス「…………すまない、ダメな父親で……」

ミレーヌ「パパぁ……!」

バサラ「天才も落ちぶれたもんだぜ、この変態野郎!」

マックス「それは違う、私は変態ではない!」

バサラ「じゃあ何だってんだよ!」

マックス「私はただ娘の泣き顔を見ているとなにか興奮することに気がついただけなのだ。変態ではない! 仮に変態だとしても、変態という名の紳士だ!」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:40:55.34 ID:FjQeOEy+0
 
ピーポーピーポー





バサラ「……自供がある以上、これで事件は解決だな」

ミレーヌ「パパ……ぐすっ、ひっく……」

バサラ「もう泣くな、ミレーヌ」

ミレーヌ「でも……でもぉ……」

バサラ「全部……終わったんだ」
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:43:24.88 ID:FjQeOEy+0
 
グババ「キィッ!」

ミレーヌ「……あれ?」

バサラ「どうした?」

ミレーヌ「何、これ……グババから、安堵感が伝わってくる……」

バサラ「……ちっ」

ミレーヌ「この距離だと……バサラの気持ちだよね、これ」

バサラ「俺も一応、犯人が捕まって安心したんだよ。余計なことしやがる」







ミレーヌ「……そういう綺麗な気持ちじゃないんだけど、これ……」

バサラ「え?」
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:46:13.46 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「なんていうか……さっきのパパに似た、邪念っていうか……」

バサラ(……! しまった! 有耶無耶のまま全部の罪をあいつに擦り付けたっていう、安心感が……)

グババ「キキィッ!」

ミレーヌ「……濡れ衣? ちょっとバサラ、何これ?」

バサラ(ぐあぁぁぁ! しかも現在進行形でダダ漏れになってるじゃねーか!)
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:48:54.86 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「……ねぇバサラ? ちょっと、質問に答えてくれると嬉しいんだけどなぁ」

バサラ「待て、ミレーヌ。俺はこれから新曲、TRY AGAINの練習系の仕事があってだな……」

ミレーヌ「へぇ~? 反応弾で粉々にされる系の仕事とどっちがいい?」

バサラ「お、お前反応弾なんか使えねぇだろ!」

ミレーヌ「ガムリンさんに何とかしてもらうもん。言っとくけど、人生はTRY AGAINできないわよ?」

バサラ(そいつも共犯みたいなもんなんだよ! ちくしょう、なんで俺だけが!)
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:50:52.60 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「言っとくけど、嘘ついたら分かるからね!」

グババ「キイッ!」

バサラ(くそっ……どうしてこうなった……)

ミレーヌ「それじゃあ、一つ目の質問でーす」







ミレーヌ「……バサラ、私のパンツ知らない?」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:53:07.38 ID:FjQeOEy+0
 
一応終わり。付き合ってくれてありがとう。

この後、更にキャラがぶっ壊れたエピローグがある。でもミレーヌがただの痴女。
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:55:54.67 ID:FjQeOEy+0
 
―― 2週間後 バサラの家 ――

ミレーヌ「突撃ラブハァァァァァト!」

レイ「最近調子がいいな、ミレーヌ」


ムクッ


バサラ「ん……おお、おはよう」

レイ「もう昼だ、バサラ。起こしても起きないから、勝手に練習始めてるぞ」

ミレーヌ「なんで起きないのよ! こないだのはマグレ!?」

バサラ「俺は歌いたい時に歌うんだよ」

ミレーヌ「自分勝手! 無責任!」

バサラ「うるせぇ」

ミレーヌ「変態! ロリコン! 色情魔!」

バサラ「………………」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 01:58:15.56 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「それはもう謝っただろうが! 大体普段ガキ扱いすると怒るのにロリコンはねーだろ!」

ミレーヌ「あー、逆ギレだ! 変態には違いないでしょ、私をオカズにしたクセに!」

レイ「ミレーヌ、あまり女の子がそういうことを言うものじゃない」

バサラ「ああ、したよ! 頭の中でお前がどうなってたか言ってやろうか!」

レイ「おいバサラ」

ミレーヌ「いやー! バサラに犯されちゃうよぉ! 助けてグババ!」

グババ「キィッ!」






レイ「……練習にならん。ほとぼりが冷めるまで散歩してくる」

ビヒーダ「………………」 カカンカン
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:01:05.14 ID:FjQeOEy+0
 
―― 10分後 ――

ミレーヌ「あのさぁ」

バサラ「あん?」

ミレーヌ「あんた、私の生足とか見慣れてるでしょ。なのにパンツで興奮するとか、どういうこと?」

バサラ「あれは、不慮の事故みたいなもんなんだよ。お前がパンツを履かずにスカートで帰ったと思ったら、突発的にムラッと来たんだ」

ミレーヌ「それって、私に興奮したのかな?」

バサラ「いや、シチュエーションってやつだな。ステージに上がると練習よりいい歌が歌えることがあるだろ?」

ミレーヌ「ふーん……だよねぇ。バサラが私に興味無いことくらい知ってるもん」

バサラ「それはお互い様ってやつだ」

ミレーヌ「……そうかなぁ」
138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:03:15.94 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「じゃあ今日の私はショートパンツだから、下に何も履いてなくても興奮しないの?」

バサラ「さぁ……多分しねーと思うけど。何なんだその質問」

ミレーヌ「なんとなく。ちょっと待ってて」





―― 3分後 ――

ミレーヌ「はい、これ」

ピラッ

バサラ「ん……って、パンツじゃねぇか。なんかあったかいぞ、これ」

ミレーヌ「うん。今、お手洗いで脱いできたの」

バサラ「そうか。いや、どういうことだよ」
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:06:35.24 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「……どう? 興奮した?」

バサラ「へっ。こんなんじゃ、俺の操縦桿はピクリとも動かねぇな」

ミレーヌ「やっぱ、上も脱いだ方がいいの?」

バサラ「やめとけ、後悔すんぞ」

ミレーヌ「だってぇ……もしかしてその操縦桿、壊れてるんじゃないの?」

バサラ「いいや。この間、市長には反応したぜ」

ミレーヌ「それ、やっぱり壊れてるって……」
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:09:08.16 ID:FjQeOEy+0
 
ミレーヌ「じゃあ、あんたがあっちを向いてる間に脱いで、後ろからその音が聞こえる、とか」

バサラ「それなら……まぁ、少しはな」

ミレーヌ「そっかぁ。やっぱシチュエーションなんだ」

バサラ「何を納得してんだ、今日のお前、ちょっとおかしいぜ」

ミレーヌ「……自分でもそう思う。普段なら赤のパンツなんて履かないもん」

バサラ「そんな豆知識いらねぇ」

ミレーヌ「バサラのバルキリーと同じ色だよ?」

バサラ「それが何なんだよ……」
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:12:15.91 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「あのよ」

ミレーヌ「………………」

バサラ「俺が一緒に演りたいと思ってんのは、よく分からねぇ痴女に成り下がったお前なんかじゃねぇ。うっせぇし融通もきかねぇけど、歌に対して本気になれるミレーヌ・ジーナスだけなんだぜ」

ミレーヌ「うん……だよね。なんか変な感じになっちゃって、ゴメンね」

バサラ「じゃあこの話は終わりだ。とっとと練習始めるぞ」

ミレーヌ「うん! あ、でもレイがいないじゃない」

バサラ「そういや、ビヒーダもいねぇな」

ミレーヌ「え? ビヒーダはいるわよ?」








ビヒーダ「………………」 カンカンカン
147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:14:25.66 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「うおっ、いたのかよビヒーダ!」

ミレーヌ「何言ってんの、ずっといたじゃない。気付いてなかったの?」

バサラ「……ってことは、全部聞いてたのかよ」

ビヒーダ「………………」 カンカンカン

バサラ「……その、悪かったなビヒーダ。変な話を聞かせちまってよ」









ビヒーダ「構わん続けろ」
149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:16:20.72 ID:FjQeOEy+0
 
ガチャッ


バサラ「? レイが帰ってきたか?」

ガムリン「……残念だが、私だ」

バサラ「なんだ、ガムリンかよ……」

ミレーヌ「ガムリンさん! どうしてここに?」

ガムリン「ミレーヌさんの練習を応援しようと思いまして。これ、来る途中に買ってきたものですが」

ミレーヌ「わぁ、綺麗な花束! ありがとうガムリンさん!」

ガムリン「いえいえ、当然のことです」
151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:18:45.07 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「気が利くじゃねぇか」

ガムリン「貴様にじゃない、ミレーヌさんにだ」

ミレーヌ「まぁまぁ、汚いとこですけど上がっていってください。お茶くらい出しますから」

バサラ「汚いってお前な……俺の家だぞ」

ガムリン「いえ、お構いなく。それより熱気バサラに少し話がありまして」

バサラ「あん?」
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:21:11.14 ID:FjQeOEy+0
 
ガムリン「ちょっとこっちに来い!」

バサラ「なんだよ……」

ガムリン「それで……どうなったんだ、あれから」

バサラ「ああ、オッサンが捕まって終わったよ」

ガムリン「しかし、艦長は監視カメラで私たちのやり取りを見ていたのだろう?」

バサラ「まあ、全部じゃねぇだろうがな」

ガムリン「だとすると艦長の自供で、パンツが2つあったことも公になる。そうなると私たちも……」

バサラ「へっ、俺たちが捕まるってのか? 安心しな、それはねーからよ」

ガムリン「なぜそう言い切れる! シティポリスを甘く見るんじゃない!」
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:23:31.50 ID:FjQeOEy+0
 
バサラ「違ぇよ。片方は俺が盗んだってミレーヌにバレちまったからな。ミレーヌも被害届を取り下げたんだよ」

ガムリン「な……なな、何だとぉ!? で、では、私がそれを買ったことは……」

バサラ「それは言ってねぇ。俺が盗んで色々やった後、処分したって言っといたぜ」

ガムリン「そ……そうか。気を使わせたようだな。恩に着るぞ、熱気バサラ」

バサラ「実際お前のやったことはパンツを買っただけだしな。言ったところで何も変わんねーよ」

ガムリン「いや、私の階級が変わるんだ……かなり下に」
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 02:52:51.30 ID:FjQeOEy+0
 
ガチャッ


レイ「よーし、練習再開だ……おや、ガムリン大尉」

ガムリン「お邪魔しています。ミレーヌさんの応援で」

レイ「あぁ、それは結構なんですが……」

バサラ「レイ、遅かったじゃねぇか」

ミレーヌ「そうよレイ、早く練習しましょう!」

ビヒーダ「………………」 カンカンカン

レイ「……ったく、調子のいい奴らだ……」



ミレーヌ「それじゃあ、張り切っていくわよ!」

バサラ「おう! 行くぜ、PLANET DANCE!」




綺麗に完結させておく。深夜なのに読んでくれてありがとう。
166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 03:01:02.52 ID:nfcW2wQb0
乙乙
俺もミレーヌのパンツ欲しい
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/01/07(木) 04:17:28.57 ID:BLLPCtJ3P
面白かった
このバサラ可愛い

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コメント

  1. とあるSSの訪問者 2020年03月03日

    名作が台無しだよコノヤロウwww

  2. とあるSSの訪問者 2020年03月05日

    結構好きです

 

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まだまだ、改良していこうと思います。

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