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895: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:41:07.92 ID:vKkmJcvio
文香「貴方は一体……?」

俺P「見りゃわかんでしょ、プロデューサーよ」


文香「私に……御用でしょうか?」

俺P「頭見て、まぶしそうにすんじゃないわよ」


文香「すみません、そんなつもりは無かったのですが……っ」

俺P「腹見て、驚いた顔すんじゃないわよ」


文香「……その、喋り方、は」

俺P「喋り方を聞いて、複雑そうな顔すんじゃないわよ」


俺P「って、アタシの事はどうだっていいのよ!」
896: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:44:56.12 ID:vKkmJcvio
俺P「アンタ、一体なんでこんな所で本読んでるのよ」

文香「あの……どこかで、お会いしたことが?」

俺P「アタシの事はどうだって良いっつってんでしょ」

文香「……今は、休憩時間中なので」

俺P「そうね。休憩時間に休むのは、とっても大事だわ」

文香「……」

俺P「でもね、アンタアイドルでしょ? アイドルがすっぴん晒してんじゃないわよ!」

文香「あの、それは……!?」

俺P「……」

俺P「あ、もしもし、ちっひ? アタシよアタシ!」

俺P「今からショッピングに行くわよ!」
897: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:50:18.29 ID:vKkmJcvio
俺P「は? 何を企んでるのかって? アンタじゃないんだから!」

俺P「なんか辛気臭い子がすっぴんで居るから、化粧品買いに行くのよ!」

俺P「なんで私が? アンタ、ベタベタ塗りたくるの得意でしょ!」

俺P「五分後に玄関前集合よ! 遅れんじゃないわよブス!」

俺P「……ふぅ、待たせたわね」

文香「あの、もしかして、私も同行するのでしょうか……?」

俺P「そうに決まってんでしょ」

文香「ですが、しかし……」

俺P「つべこべ言ってないで行くわよ!」

文香「……何故、ですか?」

俺P「アタシがプロデューサーだからよ」
898: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:56:34.55 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

ちひろ「ごめんなさいね文香ちゃん、プロデューサーさん強引だから……」

文香「いえ、私も化粧に関しては困っていたものですから」

ちひろ「アイドルだから、普段から少しは慣れておかないとですもんね」


俺P「ハァ……! ヒィ……!」


文香「これから、どこへ行くんですか?」

ちひろ「ちょっと大きなデパートの、化粧品売り場、かしら」

文香「!? い、いきなりそのような所に……ですか」


俺P「ちょっと……! ホヒィ……! 待ちなさいよ……!」


ちひろ「ええ。プロデューサーさんが、プレゼントしてくれる、って♪」

文香「そ、それは……あまりにも……!?」

ちひろ「ねー、プロデューサーさん!」


俺P「フヒィ……! アタシの足見なさいよ! 尺が違うのよ、尺が!」
899: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:05:15.71 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「ああ、ヤダ! アタシこの臭いホント駄目!」

ちひろ「化粧品、いい匂いだと思うんですけど」

俺P「メス臭すぎるのよ! 男の汗の匂いの香水持ってきてちょうだい!」

ちひろ「そんなの置いてませんよ!」

文香「あの……」

俺P「好きに選びなさいよ。遠慮なんかしたらぶっとばすわよ」

文香「何を……どうすれば良いか、わからないのです」

俺P「教えてやんなさいよちっひ、得意でしょ」

ちひろ「私も、そこまで詳しくないですよ?」

俺P「まー、白々しい! 一体何人の男に貢がせてるのかしらね!」

ちひろ「人聞きの悪い言い方はやめてください!」

俺P「兎に角、こんなちひろでも居れば、一人で来るよりはマシでしょ」

ちひろ「こんなって何ですか! こんな、って!」

文香「あの……どうして、ここまでしてくださるのですか?」

俺P「さっきも言ったでしょ」

俺P「アタシがプロデューサーだからよ」
901: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:14:12.24 ID:vKkmJcvio
俺P「良い、文子」

俺P「アイドルってのは、見た目も大事なのよ」

文香「……あの」

俺P「何よ」

文香「文子ではなく……文香、です」

俺P「そんなのどっちだって良いわよ! 面倒だから、ふみふみで良いわ!」

文香「ふ……ふみふみ、ですか」

俺P「良い、アンタはこれから仕事で色んな人の前に出るのよ」

俺P「それなのに、普段から化粧の一つもしないでどうするの」

俺P「慣れない化粧をして、それを気にしてたら仕事になんないじゃない」

文香「……それは、はい、その通りだと思います」

俺P「元は悪くないし、ちょっと辛気臭いけど、その体は稼げるわよー!」

ちひろ「プロデューサーさん、それ、セクハラですよ」

俺P「女同士なんだから良いじゃないの! ねー、ふみふみ!」

文香「は……はい。お、女同士……?」

ちひろ「文香ちゃん、あんまりそうやって甘やかさない方がいいですよ」

俺P「ごちゃごちゃうっさいわね!」

俺P「アンタ達がマゴマゴしてる間、アタシは街行くマッチョ鑑賞でもしてくるわ!」
902: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:24:20.83 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「ちょっと、アンタ達! 調子に乗って買いすぎよ!」

ちひろ「プロデューサーさん、見た目通り太っ腹ですね♪」

俺P「ホントもう、ブス!」

文香「あの、本当に、お金の方は……」

俺P「お金の心配より、アンタはもっと気にする事が山ほどあんでしょ!」

ちひろ「気にしなくて大丈夫ですよ」

俺P「アンタは気にしなさいよ、ちっひ!」

ちひろ「これはですね、プロデューサーさん流の投資なんです」

文香「投資、ですか? すみません、あまり、そう言った事に詳しくないもので……」

ちひろ「文香ちゃんが可愛くなって、いっぱい活躍するための、先行投資です」

文香「成る程……そういう考え方も、あるのですね」

俺P「ちひろー! コレ、アンタ用の化粧品でしょ!?」

ちひろ「……あ、バレちゃいました?」

俺P「はん! 化粧如きで、アンタの本性が隠せると思わないことね!」

文香「……ふふふっ」

俺P「笑い事じゃないわよ!」
903: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:31:44.68 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

文香「あの……どう、でしょうか?」

俺P「何がよ」

文香「化粧をしてみたのですが……」

俺P「アタシの目には、辛気臭いブスしか映ってないわ」

文香「そう、ですか……」

俺P「そうよ。買い物帰りの時のアンタが、一番マシだったわ」

文香「買い物帰りの私、ですか」

ちひろ「プロデューサーさん。ハッキリ言ってあげたらどうですか?」

文香「……?」

ちひろ「文香ちゃん、この人は、笑ってる時の方が可愛いって言いたいんですよ」

俺P「ちょっと! 勝手にアタシのセリフを取らないでちょうだい!」

文香「可愛い、ですか……? 私が」

俺P「マシって言っただけでしょ! ふみふみ、調子に乗んじゃないわよ!?」

文香「は、はい……!」
904: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:38:38.59 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「全くもう! どうしてアタシが女に貢物しなきゃなんないのよ!」

俺P「貢ぐんだったら、マッチョに貢ぐっつーの!」

俺P「でもま、ブスのままいられるよりはマシよね」

俺P「あとは、誰に連絡入れとけば良いかしら」

俺P「もっさい前髪もなんとかするとして……」

俺P「ああもう! 本当面倒くさい子!」

俺P「どうしてこの事務所って、ああいう子ばっかりなのかしら!」

俺P「たまには素直な、言う事聞く子の担当をして楽したいわよ!」


「あー! プロデューサーでごぜーます!」


俺P「あっ、コラ! やめなさい、おチビ!」

俺P「腹を触るんじゃな、って、頭ペチペチもやめなさいよ!」
905: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:47:36.26 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

文香「……はぁ……はぁ」

ルキトレ「今日の基礎レッスンは終了。各自、体を冷やさないようにしておけよ」

文香「……はぁ……はぁ」


俺P「ちょっとヤダ、何よ!」


文香「ぷ、プロデューサー……?」

俺P「ふみふみ、アンタなんでそんなにヘバってるのよ!」

文香「こういった事は経験が無く……ついていくのがやっとです」

俺P「そんなエッチな体で未経験なんて、どうかしてるわ」

文香「は、はい……?」

俺P「アンタには、基礎レッスンの前にやる事があるみたいね」

文香「あの、それは、一体……」

俺P「走るのよ! そして、肉を食うの! 肉を!」

文香「走るのはわかるのですが……お肉を食べる、というのは?」

俺P「体力つけるには、肉を食べるのが一番だからよ」
906: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:57:16.72 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「いくわよふみふみ! 走るのよ!」

文香「あの、それは」

俺P「電動アシストの三輪自転車よ」

文香「そんなものまで、事務所にはあるのですね」

俺P「馬鹿言ってんじゃないわよ。アタシ専用の愛車よ」

文香「専用、ですか?」

俺P「事務所の電動自転車は二輪だからね」

俺P「アタシが乗ったらすぐに悲鳴をあげて逝ったわ」

文香「それは……」

俺P「さあ、話はおしまい! 行くわよ、ふみふみ!」

文香「はっ、はい!」

俺P「ギャランドゥ号、発進!」


  ・  ・  ・


俺P「アタシはタクシーで帰るから。気をつけて戻ってきなさい」

文香「あの、電池が切れたアレは、どうするのですか?」

俺P「あとでちっひに回収させるわ」
907: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:05:24.07 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「ああ、いやらしい! ふみふみは、ホントエッチね!」

文香「あの、もう、からかわないでください……///」

俺P「宣材写真の撮影で水着だなんて、何をアピールするつもりだったのかしら!」

文香「私が、浅はかでした……///」

俺P「まあでも、そのやる気は褒めたげる」

文香「プロデューサー……?」

俺P「良い? アンタ、元はとっても良いのよ」

文香「そう、でしょうか……まだ、自信がありません」

俺P「アタシが言うんだから間違いないわ」

俺P「だって、アタシはプロデューサーだから」

文香「……」

俺P「ほら、もう! またすぐそうやってブスになる!」

むにむにっ

文香「ふっ、ふろひゅーはー?」

俺P「アタシの前でブスで居るなんて、承知しないわよ!」
908: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:18:28.42 ID:vKkmJcvio
俺P「アンタは、アイドルなのよ」

俺P「気合を入れるのは良いけど、ちゃんと笑顔で」

文香「……はいっ」

俺P「ちょっとふみふみ~? アタシの言う事聞いてたかしら?」

むにむにっ

文香「……ふぁい」

俺P「ほら、しっかり笑顔で、仕事がバシバシくるような宣材写真を撮ってきなさい!」

文香「私に、出来るでしょうか?」

俺P「そんなの知らないわよ。とりあえず、今できるだけの事はしなさい」

文香「……わかりました」

文香「今の私に出来る精一杯……見てて、くださいますか?」

俺P「ちょっと見なさいふみふみ! あのスタッフ、良い筋肉してると思わない!?」

文香「……ふふふっ、それでは、行ってきますね」

俺P「さっさと行ってきなさい。帰りは肉食いに行くわよ、肉!」


俺P「……やりゃあ出来るじゃないの」

俺P「って、ちょっとアンタ達! 何見てんのよ!」
909: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:27:20.08 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「ゴッフアァァ……!」

ちひろ「もう! ホント、プロデューサーさんのそういう所嫌い!」

俺P「悪いわね、ちっひ。仕事終わりのビールに、ゲップはつきものなの」

ちひろ「女の子達と食事してるんですから、考えてください!」

俺P「達? おかしいわね、アタシにはふみふみしか見えないわ」

文香「……」

ちひろ「はぁ!?……ごく、ごく……!」

ダンッ!

ちひろ「私だって、まだ女の子です!」

俺P「豪快にビール飲み干しといて馬鹿言ってんじゃないわよ!」

文香「その、ちひろさんは……とっても可愛らしい方だと思います」

ちひろ「聞きました!? ねえ、聞きましたか!?」

俺P「生二つ、追加お願いしま~す♪」

ちひろ「華麗にスルーしないでくださいよ!」

文香「……ふふふっ」
910: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:33:45.29 ID:vKkmJcvio
俺P「ピーチクパーチクうっさいわねぇ、せっかくの焼肉なのに!」

ちひろ「誰のせいだと思ってるんですか、全く!」

文香「お二人は、とても仲が良いのですね」

俺P「大丈夫、ふみふみ? それ、お酒じゃないわよね?」

ちひろ「文香ちゃんは未成年ですから、そうだとしたら困ります」

俺P「やっぱりオレンジジュースにしないよ。オレンジ」

ちひろ「プロデューサーさん、何気にオレンジジュース好きですよね」

俺P「子供心を忘れない、純真な大人の女……それがアタシよ」

ちひろ「女って、さりげなく嘘をつかないでください」

俺P「嘘は女のアクセサリー」

ちひろ「だったら、プロデューサーさんには関係ないですね」

俺P「あーっ! やっと肉が来たわ! アタシの可愛いベイビーちゃん達!」

ちひろ「文香ちゃん! 遠慮してたら、すぐになくなっちゃいますからね!」

文香「は、はい……頑張ります……!」
911: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:42:11.42 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

ちひろ「プロデューサーさん!」

俺P「何よちっひ、怖い顔して。小ジワが増えるわよ」

ちひろ「まだありません! じゃなくて!」

俺P「そう思いたい、ちひろなのであった……」

ちひろ「誤魔化さないでください!」


ちひろ「なんで、文香ちゃんの担当を辞めたんですか!?」


俺P「業務命令よ」

ちひろ「業務命令!?」

俺P「アタシも、所詮はただのサラリースーパーガール……」

俺P「上の命令には、逆らえないわ」

ちひろ「……さりげなく自分を上げないでください」


俺P「プロジェクトクローネ、って聞いてない?」
912: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:51:45.07 ID:vKkmJcvio
俺P「346プロが打ち出した、とっても大きな企画」

俺P「それに、あの子が選ばれたのよ」

ちひろ「でも、担当を外れる必要なんて!」

俺P「ちひろ。これは、あの子にとって大きなチャンスなの」

ちひろ「でも……!」

俺P「アタシが担当を続けるより、絶対に良い経験になるわ」

ちひろ「……文香ちゃんは、何て言ってたんですか?」

俺P「わかりました、って言ってたわ」

ちひろ「それは、プロデューサーさんが、そう言ったからでしょ!?」

俺P「ちひろ!」

ちひろ「……すみません、プロデューサーさんのお気持ちを考えずに」

俺P「ふん! アタシは、面倒な子の担当を外れて清々したわ!」

ちひろ「……」

俺P「オーッホッホッホ! 精々、今後の活躍に期待しようじゃないの!」

ちひろ「……今夜は飲みに行きましょう。奢りますよ」

俺P「馬鹿言ってんじゃないわよ。割り勘よ」
913: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:00:43.89 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

ちひろ「……文香ちゃん、レッスン頑張ってるみたいですね」

俺P「初めてが大舞台だからね。頑張ってもらわないと困るわよ」

ちひろ「走るのも、続けてるみたいです」

俺P「ギャランドゥ号はホコリ被ってきたわ」

ちひろ「二人で、ユニットを組むって」

俺P「おチビ達の一人でしょ。あの子はしっかりしてるから、大丈夫よ」

ちひろ「……詳しいですね」

俺P「何よ、何か文句ある?」

ちひろ「いいえ、別に」

俺P「絶対に、レッスンは見に行かないわよ」

ちひろ「……どうしてですか」

俺P「合わせる顔が無いからよ。わかんでしょ」

ちひろ「……」

俺P「……」
914: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:08:19.63 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「……!」ハラハラ

ちひろ「もうすぐ、文香ちゃん達の番ですね」

俺P「言われなくてもわかってるわよ!」ハラハラ


ちひろ「……あら? プログラムに、変更?」


俺P「!?」

ブボッ!


ちひろ「あっ、臭い!? ちょっ、あ、ホント臭い!」

俺P「ひぎいい!? ちっひ! アンタのオナラ臭すぎるわよ!?」

ちひろ「はぁ!?」


俺P「こんな所には居られないわ! 一刻も早く逃げないと!」

ダッ!……ドシドシドシドシ!


ちひろ「あっ、ちょっと、もう!」

ちひろ「……本当、素直じゃないんですから」

ちひろ「……――違いますよ!? 今の、私じゃないですからね!?」
915: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:15:24.30 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「あのおバカ……! 何やってんのよ……!」

ドシドシドシドシ!


俺P「絶対、何か、あっ……フヒィ……!」

ドシドシドシドシ!


俺P「ハヒィ……! ホヒィ……!」

ドシドシ……ドシン


俺P「はーっ……! ぶふぅーっ……!」

俺P「ひーっ……! ふぶるふぅーっ……!」


「あの……どうして、ここに?」


俺P「!」

俺P「ちょっ……ちょっ、と待ちなさい……! すーっ、はーっ!」
916: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:22:26.74 ID:vKkmJcvio
俺P「すーっ! はーっ!」


「あの……文香さん、急に具合が悪くなっちゃって……!」

「私、どうしたら良いか……わからなくて……!」


俺P「かーっ!」

ブボボッ!


「あっ!? くっ、臭い……!」

「な、何で急に……!?」


俺P「人がオナラをするのに、理由なんてないわ」

俺P「それよりアンタ! 何しょぼくれた顔してんのよ!」


「で、でも……!」


俺P「アンタは、いつもアタシがお腹触られてるのを見てる時みたいにね!」

俺P「ヘラヘラ笑って、ドーンと構えて待ってなさい! クソする時みたいに!」
917: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:27:30.70 ID:vKkmJcvio
俺P「そんな顔で、ファンを魅了できると思ってんの?」

俺P「アイドル舐めんじゃないわよ、オナラ食らわすわよ!」


「もっ、もうくらいました!」


俺P「あらヤダ、そうだったかしら。そんな昔のことは忘れたわ」

俺P「……でもま、その調子で待ってなさい」

俺P「あの子だったら、絶対に戻ってくるから、ね」


「……はいっ!」


俺P「いい返事ね。それじゃあ、アタシは行くわ」

ブボッ!


「!? 臭っ……もう、やめてください!」


俺P「加速装置よ! それに、そんな先の事はわからないわ!」

ドシドシドシドシ!
918: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:36:11.09 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

文香「……」


俺P「ああヤダ、おおヤダ、ホントヤダ!」


文香「!?」

俺P「ハァ~イ、ふみふみ」

文香「プロデューサー……」

俺P「はーっ! 相っ変わらず辛気臭い顔してるわねぇ!」

文香「……すみません、私」

俺P「なんで謝るのよ! アタシは、もうアンタの担当じゃないのよ?」

文香「そう、ですね……そうでした」

俺P「だから、アンタはアタシに謝る必要なんか無いの」

文香「その……どうして、ここに?」

俺P「そんなの決まってんじゃないの」


俺P「アタシは、ふみふみを友達だと思ってるからよ」


文香「……!」
919: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:44:49.58 ID:vKkmJcvio
文香「友達……ですか?」

俺P「一緒に買い物して、一緒に焼肉食ったのよ。そんなの、もう友達でしょ」

文香「……」

俺P「あら、それともハゲで、デブで、オカマの友達はいらないかしら?」

文香「……!」フルフル

俺P「だったら、アタシがここに来ても問題ないわね!」

文香「……私、プロデューサーに見放されてしまったと、思っていました」


俺P「何言ってんの。アタシが担当を外れたのは、友達だと思ってたからよ」

俺P「アンタみたいな稼ぎそうなアイドル、プロデューサーのアタシが手放すはず無いじゃない!」

俺P「だけど、友達だと思ったからこそ、担当を外れた」

俺P「アタシはね、友達の成功を本当に祈れる程、ケツの穴がでかいの」

俺P「……締りは良いのよ!? そこ、勘違いしないでよね!」


文香「……!」
920: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:55:57.51 ID:vKkmJcvio
俺P「アタシは、ふみふみの担当じゃあないけどさ」

文香「……」

俺P「それだけの、仕事だけの関係ってのも寂しいと思わない?」

文香「……友人や、恋人等、でしょうか」

俺P「そうねぇ……アンタが強火でマッチョな艶男だったら、恋人もありね!」

文香「そ、それはもう、別人だと思います……!」

俺P「そ。だから、アンタはアンタ、ふみふみのままで、アタシのダチよ」

文香「こんな事を言われる時が来るなんて……想像もしていませんでした」

俺P「よくあるセリフじゃない。読書量が足りないんじゃない?」


文香「いえ……完全に別人だったら恋人になった、という方です」


俺P「何よ、そんな頭の悪いセリフ……誰が言ったのかしらね?」


文香・俺P「……」

文香「……ふふふっ、さあ、誰だったでしょうか。思い出せません」

俺P「良い顔するようになったわね! LIVE、気合いれてきなさい!」


俺P「打ち上げは、当然焼肉よ!」
921: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 20:02:07.41 ID:vKkmJcvio
  ・  ・  ・

俺P「ああ、ヤダヤダ! なんであの子以外にも焼肉に来たのよ!」

俺P「メスじゃなくて、オスに囲まれてーわー! 男だらけの謝肉祭してーわー!」

俺P「掘れる男はモテるのよ! 覚えておきなさい!」

俺P「……」

俺P「あら? なぁにあの子」

俺P「此処に居るって事はアイドルって事よね?」

俺P「……ああん、もう! 面倒くさいわね!」


ドタドタドタドタ!


俺P「ちょっとヤダ、何よ!」




おわり

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