武内P「三村さんが、池に!」
- カテゴリ:アイドルマスター シンデレラガールズ
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- 685: 2017/12/25(月) 20:41:48.43 ID:RpGx4DLXo
- 武内P(頭のどこかで、これは夢だとわかっている)
武内P(わかってはいるが、万が一夢でないという可能性もある)
武内P(だから……私は彼女を――三村さんを助けなければならない!)
ザバーッ!
武内P「!? 池から、何かが……!?」
専務「――三村かな子を池に落としたのは、キミか?」
武内P「安心しました。これは悪夢ですね」
- 686: 2017/12/25(月) 20:44:29.12 ID:RpGx4DLXo
- 専務「悪夢? キミは何を言っている」
武内P「いえ、こちらの話です」
専務「もう一度聞こう。三村かな子を池に落としたのは、キミか?」
武内P「いえ、私ではありません」
専務「何?」
武内P「転がったお菓子を追って、自ら池に飛び込んでいきましたから」
専務「それが、キミの言うパワーオブスマイルか?」
武内P「違います」 - 687: 2017/12/25(月) 20:46:24.19 ID:RpGx4DLXo
- 専務「良いでしょう。質問を変えます」
武内P「はい」
専務「キミが落としたのは、この三村かな子くんか?」
かな子A「ケーキ食べたーい」
武内P「はい、そうです」
専務「話は最後まで聞き給え」
武内P「……」 - 688: 2017/12/25(月) 20:48:25.21 ID:RpGx4DLXo
- 専務「それとも、この三村かな子くんか?」
かな子B「クッキー食べたーい」
武内P「あの、先程と違いが、よく……」
専務「話は最後まで聞き給え」
武内P「……」
専務「それとも、この三村かな子くんか?」
かな子C「クレープ食べたーい」
武内P「あの……皆さん、同じに見えるのですが」
専務「違う。よく見給え」
武内P「……」 - 689: 2017/12/25(月) 20:52:17.51 ID:RpGx4DLXo
- 専務「まず、彼女だが」
かな子A「ケーキ美味しい~」
専務「髪が、普通の三村かな子くんよりも綺麗だ」
武内P「よく、わかりません」
専務「10%ほど美しい。キューティクルは私が保証しよう」
かな子B「クッキー美味しい~」
専務「そして、彼女は肌が10%ほど綺麗で、」
かな子C「クレープ美味しい~」
専務「彼女が、普通の三村かな子くんだ」
武内P「……そう、ですか」 - 690: 2017/12/25(月) 20:54:59.06 ID:RpGx4DLXo
- 専務「さて、もう一度聞こう」
武内P「……」
専務「キミが落としたのは、どの三村かな子くんだ?」
武内P「Cで」
専務「何? キミは、綺麗な彼女達よりも、普通の三村かな子くんを選ぶと?」
武内P「Cで」
専務「もっと、輝きたいとは思わないのか?」
武内P「Cで」
専務「どうやら、私達は平行線のようだな」
武内P「Cで!」 - 691: 2017/12/25(月) 20:59:06.24 ID:RpGx4DLXo
- 専務「……良いでしょう。よく、わかりました」
武内P「わかって、頂けましたか」
専務「キミは有能だ。期待している」
武内P「ありがとう、ございます」
専務「それでは、三人の三村かな子くんを受け取りなさい」
武内P「……は?」
かな子ABC「マシュマロ食べたーい」
武内P「待ってください! これでは、エンゲル係数が危険すぎます!」
専務「ふむ、それが個性か」
武内P「そうですが……あの、一人で十分ですから!」 - 692: 2017/12/25(月) 21:01:30.56 ID:RpGx4DLXo
- 武内P「……――待ってください!」
ガバッ!
武内P「はぁ……! はぁ……!」
武内P「……」
武内P「夢だとわかっていても……何と、恐ろしい」
武内P「……」
武内P「もう一度、寝直しますか」 - 693: 2017/12/25(月) 21:04:35.52 ID:RpGx4DLXo
- ちひろ「貴方が落としたのは、どのかな子ちゃんですか?」
武内P「……見せて、頂けますか」
ちひろ「まず、このかな子ちゃんは――」
かな子D「間食は、あまりしないですー」
ちひろ「――スリムで、綺麗です」
武内P「D! Dでお願いします!」
ちひろ「もう! 話は最後まで聞いてください!」
武内P「……」 - 694: 2017/12/25(月) 21:08:44.09 ID:RpGx4DLXo
- ちひろ「そして、次のかな子ちゃんは――」
かな子E「biscuit食べたーい」
ちひろ「発音が綺麗です」
武内P「Dで」
ちひろ「待って、よく見てください」
武内P「……?」
かな子「biscuit美味しーい」
ちひろ「なんと、サービスで食べ方も綺麗なんですよ!」
武内P「Dで」 - 695: 2017/12/25(月) 21:12:36.60 ID:RpGx4DLXo
- ちひろ「そして、残るかな子ちゃんは――」
武内P「Dで」
かな子C「皆に、ケーキ作ってきたんですー」
ちひろ「普通で、心が綺麗です」
武内P「……!」
ちひろ「さあ、貴方が池に突き落としたかな子ちゃんは、どの子ですか?」
武内P「待ってください! そんな流れだったのですか!?」
かな子CDE「……!」ジッ
武内P「ものすごく恨みがましい目で見てるじゃないですか!」
武内P「私が、そんな事をするなど有り得ません!」 - 696: 2017/12/25(月) 21:16:14.70 ID:RpGx4DLXo
- 武内P「……――待ってください!」
ガバッ!
武内P「はぁ……! はぁ……!」
武内P「……」
武内P「全く……時間が進んでいない……」
武内P「……」
武内P「もう一度……寝直そう」 - 697: 2017/12/25(月) 21:22:24.65 ID:RpGx4DLXo
- 楓「はーい、貴方が落としたのはどのかな子ちゃんですか?」
武内P「Cです」
楓「まだ話してる途中ですよ。Cだけに、シーッ、です」
武内P「……」
楓「このかな子ちゃん?」
かな子F「夢のティアラ♪ みつけるから♪」
武内P「歌声が、ほんの少し綺麗ですね」
楓「綺麗だなんて、そんな」
武内P「貴女の話はしていません」 - 698: 2017/12/25(月) 21:26:05.19 ID:RpGx4DLXo
- 楓「それとも、このかな子ちゃん?」
かな子G「チョコレート食べたーい」キラリン
武内P「目が、ほんの少し綺麗ですね」
楓「私、左右で目の色が違うんですよ」
武内P「貴女の話はしていません」
かな子G「チョコレート美味しいー」キラリン
武内P「Gだけに、ジーッと見つめてきますね」
楓「!?」 - 700: 2017/12/25(月) 21:33:00.51 ID:RpGx4DLXo
- 楓「Cが普通のかな子ちゃんです。それで、どの子です?」
武内P「あの、何か……怒っていますか?」
楓「いいえ、別に。それで、どの子です?」
武内P「では……Cで」
楓「はぁ、そうですか」
武内P「……今度、飲みに付き合いますから」
楓「は~い♪ それじゃあ、正直者には、全部のかな子ちゃんを差し上げま~す♪」
武内P「!?」 - 701: 2017/12/25(月) 21:36:43.64 ID:RpGx4DLXo
- ・ ・ ・
武内P「……とても、恐ろしい夢を見た気がします」
ガチャッ!
ちひろ「ぷっ、プロデューサーさん、来てください!」
武内P「? 千川さん、そんなに焦って……どうかされましたか?」
ちひろ「かな子ちゃんが、沢山!」
武内P「!?」
武内P「何が綺麗な三村さんですか!?」
ちひろ「……はい?」 - 702: 2017/12/25(月) 21:42:22.27 ID:RpGx4DLXo
- ・ ・ ・
かな子「す、すみません……ちょっと、ケーキを作りすぎちゃって~」
武内P「いえ、運ぶのを手伝う程度……何ともありませんから」
かな子「皆、喜んでくれるかな~」ニコニコ
武内P「……良い、笑顔です」
かな子「えっ? 私、笑ってました?」
武内P「やはり、三村さんは、いつもの三村さんが一番ですね」
かな子「えへへ、プロデューサーさんは、Cの私を選んでくれるんですね♪」
武内P「はい。Cの三村さんを……」
武内P「……」
武内P「えっ?」
おわり - 514: 2017/12/22(金) 18:13:02.19 ID:LoXQDoXfo
- 下品なほうのキャラじゃなくていい話のほうのキャラ付けで居眠りして勃起してる武内Pを見てしまうシンデレラプロジェクトの誰か
- 704: 2017/12/25(月) 22:29:05.29 ID:RpGx4DLXo
-
「……すぅ……すぅ」
プロジェクトルームに行くと、プロデューサーが居眠りをしていた。
いつもの無表情はなりを潜め、安らかな寝顔を見せている。
最近は、仕事大変そうですもんね。
だから、仕事中に居眠りするのも仕方ないのかも。
「……すぅ……すぅ」
私だって、授業中とかウトウトしちゃう事あるし。
やっぱり、夜遅くまでギターの練習をしてるのがいけないのかも。
でもねプロデューサー、それでも私は寝てないですよ?
だって、自分が好きなことをして眠いのに、やるべき事に手を抜くのは格好悪いですから。
なんて、ちょっとした現実逃避をしてみても、目の前の状況に変わりはない。
今、この場に居るのは私と、プロデューサーだけ。
だから、この状況を何とか出来るのは、起きている私だけ。
「……すぅ……すぅ」
プロデューサー、私にこんな姿を見られたと知ったらどんな顔するかな。
……駄目、絶対に、気付かれずに何とかしなくちゃ。
「……すぅ……すぅ」
プロデューサー。
全裸で居眠りは、ロックすぎますよ。 - 705: 2017/12/25(月) 22:37:36.31 ID:RpGx4DLXo
-
「……すぅ……すぅ」
こんな時、他の皆だったらどうするのかな。
やっぱり、声を上げて逃げちゃう、よね、絶対。
だけど、ここで逃げ出すのは――ロックじゃない。
「……ん、んん」
プロデューサー、目を覚ましたんですか?
だったら、私にこんな姿を見られたと気付かないよう、すぐに逃げないと!
そう、思ったけれど、違った。
プロデューサーは、横向きだった態勢では寝苦しかったのか、
ゴロリと体を転がし、仰向けに、大の字の態勢に移行した。
「……っ!?」
「……すぅ……すぅ」
思わず上げそうになった悲鳴を手で抑える。
そりゃそうだよね、全裸だもん。
全裸で仰向けに寝たら、そりゃあ見えるよね。
「……すぅ……すぅ」
寝息を立てているプロデューサーに腹が立つ。
愚息を勃てているプロデューサーに腹が立つ。
あっ、今のロックっぽくない? - 706: 2017/12/25(月) 22:47:40.85 ID:RpGx4DLXo
-
「……すぅ……すぅ」
ロックのLIVEでは、テンションが上がって全裸になる人も居るそうだ。
プロデューサーがもしそうだとしたら……ギターをアレで支えれば楽そう。
私は、驚くほど冷静だった。
プロデューサーが眠っているからか、事態の異常性が私の感覚を麻痺させているのか……。
きっと、みくちゃんだったら大騒ぎして大変な事になってたよね。
やっぱり、私はクールでロックなアイドルだ。
「……すぅ……すぅ」
それにしても、本当にスヤスヤ寝てるなぁ。
寝てる状態でも、あんなに元気になるものなの?
わっかんないなぁ……そうだ! なつきちなら、知ってるかも!
――パシャリ!
「……ん……んん」
「……」
セーフ!
シャッター音で起きたらどうしようかと思ったけど、大丈夫だった!
この写真をなつきちに送って、と。
『寝てるのに、こんなに元気になるの?』
……っと。 - 707: 2017/12/25(月) 22:55:56.14 ID:RpGx4DLXo
-
Hey Boys! Rockin’ Emotion♪
「!?」
「……すぅ……すぅ」
電話!?
ちょっ、ちょっと待ってなつきち!
電話なんかしたら、プロデューサーが起きちゃうじゃんか!?
Hey Yeah! ついてきなよ♪
「っ……!」
「……ん……んんん」
はやく! はやく切らないと、プロデューサーが起きちゃう!
急げ急げ急げ急げ!
……よし! 切った!
「……ん……んん」
「……!」
ドクリドクリと、心臓の音が聞こえる。
ゴクリとツバを飲む音すら、鮮明に聞こえる。
「……すぅ……すぅ」
プロデューサーは、起きなかった。
私は、ロックの神に感謝した。 - 708: 2017/12/25(月) 23:12:09.33 ID:RpGx4DLXo
-
「……すぅ……すぅ」
安らかな寝息を立て、勃てているプロデューサーの姿を確認する。
どうやら、起きる心配はなさそうだ。
でも、また電話がかかってきたら今度は起きちゃうかも。
そうなる前に、携帯をマナーモードにして、と……よし、オッケー。
うわわ! またなつきちから着信がきてる!
ゴメンなつきち! 今は、電話に出られないんだよー!
「……すぅ……すぅ」
プロデューサーの寝息をBGMに、私はまた、着信を切った。
すると今度は、
『すぐプロジェクトルームに向かうから』
と、なつきちからLINEが入った。
まずい! このままじゃ、絶対にまずいって!
あああ、さっき撮った写真の背景で、プロジェクトルームに居るってバレたんだ!
やっぱりなつきちは凄い……って、言ってる場合じゃないってば!
「プロデューサー! 起きてください!」
「……すぅ……すぅ」
「なつきちが来ちゃいますから! はやく!」
全裸でプロジェクトルームで居眠りしてる姿なんて、他の皆にバレたら大変ですよ!
はやく起きてください、プロデューサー! - 709: 2017/12/25(月) 23:23:36.13 ID:RpGx4DLXo
-
「プロデューサー、起きて!」
「……ん、んん」
プロデューサーの肩を掴んでゆさゆさと揺すって、大声で声をかける。
よっぽど疲れてたんだろうなぁ、全然起きないんだよ。
私だったら、こんな大声で話しかけられたら耳がキーンってなっちゃう。
「プロデューサー!」
「……んん」
肩を揺する度に、下半身の方もブルンブルンと揺れているが、気にしていられない。
私は、この人のおかげでアイドルとしてここまでやってこられたのだ。
自分には無い可能性を示され、また、曖昧だったロックの在り方を気付かせてくれた。
そんなプロデューサーが、全裸で居眠りしてたとバレたら……?
「プロデューサー!」
最悪の場合も、あり得る。
そんなの……そんなの絶対に嫌だ!
お願いします、目を開けてください、プロデューサー!
「……多田さん?」
必死の声が届いたのか、プロデューサーはゆっくりと目を開けた。
その頬に、ポタリ、ポタリと雫の跡がついていく。
私は、自分でも知らぬ間に、
「何故……泣いて、いるのですか?」
涙を流していた。 - 710: 2017/12/25(月) 23:41:20.23 ID:RpGx4DLXo
-
「だって……プロデューサーが、うっく、目を覚まさな……ひっく!」
あぁ、泣くつもりなんて無かったのに、かっこ悪いなぁ。
これじゃあ、クールさの欠片も無いよ。
「すみません……少し、居眠りをしてしまいました」
知ってますよ、そんなの!
「ですが……多田さんの声が聞こえ、目が、覚めました」
「ひっく……ぐすっ!」
「なのでどうか……泣かないでください」
プロデューサーの声がとても困っている。
その調子が、あまりにもいつも通りで、笑いが込み上げてきた。
泣きながらクスクスと笑う私を見て、プロデューサーは右手を首筋に。
「……はいっ!」
これなら心配ない、大丈夫だ。
私がロックと信じるものが、ロックなように――
「私がプロデューサーと信じるものが、プロデューサーですから!」
「……良い、笑顔です」
全裸でも、居眠りしても、この人は私のプロデューサーなのだ!
最高にロックで、最高なプロデューサーだ!
ガチャリと、大きな音を立てて扉が開いた。
そうだ、なつきちに自慢しよう!
この人が、私のプロデューサーだ! って!
「見て、なつきち!」
凄いんだよ、私のプロデューサーは!
おわり
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