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85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 19:47:34.86 ID:I8vnK0VCo
未央「うん、練習相手に困っててさー」

卯月「お願いします、プロデューサーさん!」

凛「それ位良いでしょ?」

武内P「あの……大人のフェロモンとは、練習するものなのでしょうか?」

未央「えっ? そうだよ?」

卯月「はい、ちゃんと練習しないと出ませんから」

凛「何言ってるの。ちゃんとしてよね」

武内P「……」
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 19:50:42.83 ID:I8vnK0VCo
武内P「すみません……よく、わかりません」

未央「えっ? 今の説明でわからない?」

卯月「ええと……フェロモンは知ってますよね?」

武内P「それは……はい」

凛「やっぱり、プロデューサーもおじさんって事かな」

卯月「ちょ、ちょっと凛ちゃん!」

武内P「その、それは常識なのでしょうか?」

未央・卯月・凛「勿論」

武内P「……」
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 19:53:09.14 ID:I8vnK0VCo
未央「私達もさ、花の女子高生なわけじゃん?」

武内P「はい……そうですね」

卯月「女子は、高校に上がると授業で大人のフェロモンの出し方を勉強するんです」

武内P「!? 待ってください! それは日本の話ですか!?」

凛「当たり前でしょ。日本じゃないなら、私達はどこの女子高生なの」

武内P「……」
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 19:55:31.32 ID:I8vnK0VCo
武内P「驚きました……まさか、今の学校教育がそうなっているとは」

未央「へっ? 昔からやってるみたいだよ?」

武内P「!?」

卯月「そのう……あはは」

武内P「!?」

凛「もしかして……本当に知らなかった?」

武内P「……恥ずかしながら」
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 19:58:10.31 ID:I8vnK0VCo
未央「とにかく! 私達に必要なのは、大人のフェロモン!」

卯月「だから、練習相手をお願いしたいんです!」

凛「プロデューサーなら、まあ、安心だしね」

武内P「その、具体的に何を?」

未央「私達が、順番に大人のフェロモンを出して、」

卯月「プロデューサーさんを……その、誘惑しちゃいます///」

凛「他の二人も見張ってるから、万が一の事も無いだろうし」

武内P「……」
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:02:02.08 ID:I8vnK0VCo
武内P「私で……よろしいのでしょうか?」

未央「プロデューサーだから頼んでるの!」

卯月「他の男の人相手だと……ちょっと怖いですから」

凛「逃げないでよね」

武内P「……わかりました。私で良ければ、練習相手を務めさせて頂きます」

未央「やったね! ありがとっ、プロデューサー!」

卯月「うぅ……初めて男の人に使うので、緊張します」

凛「プロデューサー、変な気は起こさないでよね」

武内P「はい、勿論」
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:05:09.29 ID:I8vnK0VCo
卯月「それじゃあ、まずは私から行きますね」

未央「よっ! ニュージェネのお姉さん枠!」

凛「卯月が自分で言ってるだけだと思う」

卯月「もー、凛ちゃん!」

凛「ごめんごめん」

卯月「ゴホン! それじゃあ……」


卯月「島村卯月、頑張ります♪」


卯月「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」


武内P「馬鹿にしてるんですか?」

武内P(あの……その呪文は一体?)
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:09:29.19 ID:I8vnK0VCo
未央「しっ、静かに!」

武内P「本田さん?」

凛「見て、始まった」


卯月「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」ムワッ…


武内P「!? 島村さんから、何と言うか……色気を感じます……!?」

未央「さっすがしまむー!」

凛「やっぱり卯月は凄いね」


卯月「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」ムワッ…


武内P「しかし、あの……やっぱり馬鹿にしていませんか?」
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:12:32.67 ID:I8vnK0VCo
卯月「フェロフェロモンモン……っく!」

ガクッ

未央「しまむー! 大丈夫!?」

凛「卯月! はい、お水!」

卯月「ありがとうございます……ぷはっ!」

武内P「あの……何故、そこまで疲労しているのでしょうか」

未央「大人のフェロモンは、本来大人が出すものだからね」

凛「十代の私達が出そうとすると、極端に疲れるんだよ」

武内P「あ、はい……そうですか」
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:16:19.95 ID:I8vnK0VCo
卯月「はぁ……はぁ……どうでしたか、プロデューサーさん?」

武内P「その……悔しいですが、色っぽい、と感じました」

卯月「本当ですか!? やった、成功です!」

未央「おめでとう、しまむー!」

凛「これは、こっちも負けてられないね」

武内P「あの、まだ続けるのでしょうか?」

未央・凛「当然!」

武内P「……」
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:18:41.10 ID:I8vnK0VCo
未央「それじゃ、次はリーダーの私が!」

卯月「未央ちゃん、頑張ってください!」

凛「未央、セクシー担当の力、見せてよね」

未央「まっかせなさい!」


未央「本田未央、いっきまーす!」


未央「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」


武内P「あの……本当に学校で教えているんですか?」
96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:22:40.52 ID:I8vnK0VCo
未央「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」ムッ…

武内P「……はい、普段よりも少し色っぽく見えます」

未央「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」ムッ…

卯月「未央ちゃん、頑張って!」

凛「ふーん。まあ、悪くないかな」

未央「フェロフェロ……っぶはー! もう駄目だー!」

卯月「ナイスファイトです、未央ちゃん!」

凛「ちょっと持続に問題あり、って感じかな」

武内P「……」
97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:25:26.98 ID:I8vnK0VCo
未央「どうだった!?」

武内P「そうですね……一割増し、と言った所でしょうか」

未央「あー、やっぱりまだそんなもんかー!」

卯月「でも、まだ15歳なのに凄いです!」

未央「さんきゅー、しまむー!」

凛「それじゃあ、次は私の番だね」

武内P「……はい」
98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:28:28.60 ID:I8vnK0VCo
凛「――行くよ、蒼い風が、駆け抜けるように」


武内P「……イメージ的には、ピンク色の気がしますが」

未央・卯月「しっ!」

武内P「……」


凛「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」


武内P「……その呪文は、やはり共通なのですね」


凛「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」プピッ…プ…プスッ


武内P「……ん?」
99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:33:15.92 ID:I8vnK0VCo
凛「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……」プッ…プッ…プスッ


武内P「色っぽ……いや、そうでもな……ああ、いや」


凛「フェロフェロモンモン、悶々ムラムラ……!」プシュ…プス…プッ


武内P「色……っぽくもないような……そうでもないような」


凛「フェロフェロ――……」プスンッ!

……ドサッ!


武内P「!? し、渋谷さん!?」

未央「しぶりん!?」

卯月「凛ちゃん!? しっかりしてください、凛ちゃーん!」
100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:38:04.01 ID:I8vnK0VCo
凛「……ねぇ、どうだった……? 私の、大人のフェロモンは……?」

未央「しぶりん! ほら、ゆっくりお水飲んで!」

卯月「頑張ってました! 凛ちゃん、すっごく頑張ってました!」

凛「ねえ、ちゃんと見ててくれた……?」

武内P「……はい、この目で、しっかりと」

凛「私、色っぽかったかな……?」

武内P「その……色っぽいようで色っぽくない、ちょっと色っぽい渋谷さんでした」

凛「……ふーん……まあ、悪くない……かな」

…ガクッ

未央「しぶりいいいいん!」

卯月「凛ちゃああああん!」

武内P「……」
101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:44:58.50 ID:I8vnK0VCo
  ・  ・  ・

武内P「皆さんの、焦る気持ちは理解出来ました」

未央・卯月・凛「……」

武内P「しかし、倒れてしまうような行為を見過ごすわけにはいきません」

未央・卯月・凛「……はい」

武内P「これからは、適切な指導員の元で……居るかはわかりませんが……」

未央・卯月・凛「……居ます」

武内P「居るんですか……そうですか……」

武内P「……適切な指導員の元で、安全に考慮して練習してください」


ガチャッ


楓「……あら? お取り込み中ですか?」


武内P「なんでこのタイミングで来るんですか!?」

武内P(高垣さん? 何故、ここへ?)
102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:49:59.32 ID:I8vnK0VCo
  ・  ・  ・

楓「……お話はわかりました」

武内P「あの、何故ここへ?」

楓「ここは……大人のフェロモンが薄すぎるわね」

未央・卯月・凛「楓さん?」

武内P「申し訳ありません、意味がわかりません」

楓「だったら……私がフェロモンを出さなくちゃね」

未央・卯月・凛「!」

武内P「!?」

未央「楓さんの――」

卯月「大人のフェロモンが――」

凛「――この目で、見られる!」

武内P「誰も頼んでいませんから!」
103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 20:55:41.39 ID:I8vnK0VCo
楓「……」


未央「……凄い、無詠唱だよ!」

武内P「ここに来て新しい要素を出さないでください!」


楓「……」ムワーン!


卯月「なんだか……楓さんを見てると顔が熱くなります///」

武内P「? いや、色っぽいとは何か、違うような……?」


楓「……」ムワーン!


凛「頭がクラクラして……なんだか目が回る……///」

武内P「それに、この匂い……!?」


楓「……」ムワーン!


武内P「高垣さん、アルコールが! フェロモンじゃなく、アルコールが出ています!」
104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 21:00:58.32 ID:I8vnK0VCo
  ・  ・  ・

武内P「……三人には、医務室で休んでもらっています」

楓「……そう、ですか」

武内P「……」

楓「私……フェロモンを出すの、得意だと思ってたんです」

武内P「……」

楓「だから、後輩の子達に見せてあげよう、って思って……」

武内P「……」

楓「でも、あの子達は……お酒は、避けなきゃいけないですもんね」

武内P「あの、反省していますか?」
105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 21:09:17.93 ID:I8vnK0VCo
楓「……まさか、大人のフェロモンが出せないだなんて」

武内P「その……高垣さんは、十分魅力的です」

楓「そう……でしょうか?」

武内P「はい。私は、そう思います」

楓「具体的には?」

武内P「!?……その……何と言いますか……」

楓「……」


武内P「……すみません、先程のアルコールが、今回ってきたようです」


楓「!?」

バシバシ!



おわり
108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 23:31:19.65 ID:I8vnK0VCo

 目が覚めると、彼の寝顔が目に入った。
 いつもの無表情も、寝ている時ばかりは安らかになるらしい。
 規則正しい寝息を立てる彼の顔を見ながら、私はゆっくりと体を起こした。


「……おはようございます」


 返事はない。
 しかし、それで良い。
 今の挨拶は、返して欲しくてしたものじゃないから。
 それに、まだ彼の寝顔を見ていたいから。


「……」


 音を立てないよう、ゆっくりと上半身を起こす。
 衣擦れの音すらも、彼の耳に届きませんようにと願いながら。
 その願いが聞き届けられたのか、彼は眠ったまま。


「んー……!」


 ゆっくりと、ほぐすように伸びをする。
 これをするだけで、体が目覚めてくれるような気がする。
 差し込んでくる日の光から察するに、時刻はもうすぐ昼前と言った所か。
 昨日は、少し飲みすぎた。
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 23:39:32.91 ID:I8vnK0VCo

 楽しい、とても楽しいお酒だったのは覚えている。
 昔話に花を咲かせ、今の自分達の努力を褒め合い、未来への想像を膨らませる。
 会話が途切れても、そんな時はお酒を口に含んでしまえば良い。
 そうすれば、自然と笑顔になるから。


「……お腹……は、空いてない」


 昨日は、飲みすぎたし、食べすぎた。
 食には関心があると言うだけあって、彼も大いに飲み、食べていた。
 そして、はにかむような笑顔を浮かべていた。


「あー……メイクがそのまま」


 これではお肌が荒れてしまう。
 アイドルだというのに、飲みすぎてそのまま寝てしまうのはいただけない。
 頬に手をやると、案の定少しむくんでいた。


「こんな顔、見せられないわよね」


 私は、アイドルだ。
 だから、輝いていなければならない。
 それに、こんな顔を見られたく無いという、女の意地というものも、ある。
110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/15(金) 23:50:03.32 ID:I8vnK0VCo

 諸々のケアを済ませて戻っても、寝息の演奏は未だに続いていた。
 それがとてもおかしくて、思わず大声で笑ってしまいそうになるけど我慢。
 だって、一方的に無防備な姿を見るなんてそう無いもの。
 写真でも撮って、後で見せてあげようかしら?


「……ふふっ」


 いけない、想像しただけで楽しくて笑っちゃった。
 今は寝かせておいてあげよう。
 だって、起きたらきっと大慌てしちゃうだろうし。


「……」


 足元に気をつけて、元の場所へ戻る。
 音を立てないように、軽やかに、笑いそうな気持ちとステップを我慢して。


「とう、着地で……到着」


 我慢出来なかった。
 トン、と音がしたけれど、今日の私はとっても運が良いみたい。
 寝息は、まだ続いている。
111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:01:17.89 ID:oW8lMPIso

 私は、お酒がとても好きだ。
 愛していると言っても過言ではない。
 お酒もその愛に応えてくれているらしく、私はお酒がとても強いらしい。
 そのおかげで、今のこの状況があるなら感謝しないと。


「……」


 じい、と彼の寝顔を見つめる。
 どうして、と問われれば、珍しいから、としか言いようがない。
 それに、こんなに可愛らしい寝顔をするなんて思ってもみなかったんだもの。
 だから、思わず見ちゃうのは当然でしょ?


「……」


 また、この寝顔が見られれば良いなと思うけれど、それは多分無理。
 だって、彼は今の状況を許せる人間じゃないもの。
 起きたらきっと、顔を真っ青にしてアタフタしちゃう。


「……」


 その時、なんて声をかければ良いのかしら。
 気にしないでください?
 貴方のせいじゃありません?
 お酒のせい……には、お酒が好きな身としては、したくない。
112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:15:52.59 ID:oW8lMPIso

 だったら、何が悪かったのだろう。
 考えてみるけれど、思い当たるものは無い。
 お酒が美味しいのも、お料理が美味しいもの、お話を楽しむのも良い事だ。
 悪いことをしていないんだから、大丈夫よね。
 うん、彼が気にする事なんて無いわ。


「……」


 でも、きっと彼はとっても後悔する。
 二度とこんな事の無い様にと、一緒にお酒を飲まなくなるかも知れない。
 それは、とても寂しい事だと私は思う。


「~♪」


 静かに、子守唄の様に鼻歌を歌う。
 寝息と鼻歌の合唱だ。
 これが続いている間は、楽しいという思いだけをしていられる。
 貴方の顔が、歪むのを見ずに済む。


「~♪」


 けれど、歌はいつか必ず終わるものだと私は知っている。
 だからこそ、私達は精一杯歌うのだ。
 ……なんて、ちょっと格好つけすぎかしら?
113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:24:44.48 ID:oW8lMPIso
「ん……」
「~♪」


 彼が身じろぎをしたが、私は歌うのをやめない。
 だって、今が丁度サビの部分なのよ。
 一番盛り上がる所でやめるなんて、勿体無い。


「……」
「~♪」


 寝ぼけ眼の彼と目が合う。
 きっと、今はまだ状況が飲み込めていないのだろう。


「……」
「~♪」


 何か言われる前に、歌いきった。
 それと同時に彼は状況を理解したのか、目がパッチリと開いた。
 ああ、そうだ、何て言おうか結局考えてなかったわ!
 おはおうございます、はいつも言ってるから……ええと、ええと!


「こ、コーケコッコー!」


 部屋に響き渡る位、大声で叫んだ!


「うわっ!? 何、何!? えっ、何なの!?」
「……うるさいわ」


 いけない、皆起こしちゃった。
114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:40:33.97 ID:oW8lMPIso
  ・  ・  ・

「……もう、二度とお酒は飲みません」


 苦虫を噛み潰したような表情で言う彼に、皆は苦笑いで返した。
 昨日は、皆本当に酔っ払っていた。
 皆大いに盛り上がり、店がなくなったので事務所で、ええと、四次会? になったのよね。


「まあ、そんな寂しい事を言わないでください!」
「……」


 プロジェクトルームに散らばった、空いた酒瓶やおつまみの袋。
 それらを証拠隠滅……だと言い方が悪いから、片付けながらの抗議。
 あっ、この携帯は誰のかしら?


「高垣さんは、お酒に強いはずです」
「あら、よくご存知で」
「……止められたと、私は思うのですが」
「そうですね……言われてみれば、止められたと思います」


 だったら何故、という言葉を彼は飲み込んで片付けに戻った。


 彼は、私がお酒が強いと知っている。
 けれど私は、彼が笑顔に弱いと知っているのだ。



おわり

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コメント

  1. とあるSSの訪問者 2020年03月12日

    タイトル間違ってない?

    そもそもがコレだったら釣り表記欲しい

  2. 管理人 2020年03月13日

    すみません、タイトル間違えていました。
    修正させていただきました

 

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サイトのデザインを大幅に変更しました。
まだまだ、改良していこうと思います。

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