武内P「この手は離せません」
- カテゴリ:アイドルマスター シンデレラガールズ
- コメント : 0
- 822: 2018/02/08(木) 14:40:54.29 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「いいえ、今すぐ離しなさい」
武内P「私も、そうしたいのは山々なのですが……」
楓「その話、お受け出来ません」
ぎゅうう!
武内P「……離してくれないのです」
楓「お話することは、ありません」
専務「……」
- 823: 2018/02/08(木) 14:43:08.68 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「キミ達は、プロデューサーとアイドルだろう」
武内P「はい、その通りです」
楓「それが、何か?」
専務「手を繋ぎ続けるというのは、許されない」
武内P「はい、私もそう思います」
楓「……腕を組めと、そう、仰るんですか?」
専務「違う。そうではありません」 - 824: 2018/02/08(木) 14:45:57.87 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「イメージに傷がつくだろう」
武内P「本当に、その通りだと思います」
楓「まあ……私、傷物にされてしまうんですか?」
専務「そういう意味では無い」
武内P「アイドルが男性と手を繋ぎ続けるのは良い事ではありません」
楓「そんな……握手会も、やってはいけないんですか?」
武内P「そういう意味ではありません」 - 825: 2018/02/08(木) 14:49:01.95 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「そもそも……何故、キミ達が手を繋いでいる?」
武内P「私にも、よくわかりません」
楓「とても大きい手で、握っていると安心出来ます」
専務「彼の手の感想を聞いているのではない」
武内P「高垣さんの手は……とても柔らかいと、そう思います」
楓「……///」
専務「イチャつくのはやめなさい」 - 826: 2018/02/08(木) 14:51:33.34 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「いつからだ?」
楓「わかりません……気付いていたら、でしょうか」
専務「高垣くんは黙っていたまえ」
武内P「お互い専務に用があると話していて、気付いたら……」
専務「手を繋がれていた、と」
楓「貴女のおかげです」
専務「私のせいにするのはやめなさい」 - 827: 2018/02/08(木) 14:54:01.27 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「まあ良い、強引にでも引き離しなさい」
武内P「待ってください! それは――!」
専務「キミの意見は聞いていない」
楓「貴女とは、目指す場所が違う」
専務「キミの意見はもっと聞いていない」
武内P「……わかりました。努力は、してみます」
楓「!?」
専務「よろしい」 - 828: 2018/02/08(木) 14:56:46.11 ID:kJ7hCUNQo
- 武内P「高垣さん、手を離してください」
楓「その話、お受け出来ません」
武内P「……!」
ぐいぐいっ!
楓「一緒に階段を登っていきたいんです!」
バシバシッ!
武内P「ぶっ!? へぶっ!? 顔は! 顔は叩かないでください!」
楓「笑顔で!」
武内P「……と、このようになるのです」
専務「笑顔どころか、涙目ではないか」 - 829: 2018/02/08(木) 15:00:37.16 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「なるほど……事態は、理解できた」
武内P「わかって、いただけましたか」
専務「顔を叩かれても我慢しなさい」
武内P「待ってください! それでも――」
専務「キミの意見は聞いていない」
楓「お仕事に、大きいも小さいもありません」
専務「今、その話は全く関係が無い」 - 830: 2018/02/08(木) 15:03:40.23 ID:kJ7hCUNQo
- 武内P「高垣さん、手を離してください……!」
ぐいぐいっ!
楓「笑顔! 笑顔!」
バシバシッ!
武内P「うぐぐっ……!」
…ぱっ!
専務「よし、手は離れましたね」
楓「一緒に!」
ぎゅううっ!
武内P「い、いけません! 抱きつかないでください! いけません!」
専務「ふむ、状況が悪化するとは思わなかった」 - 831: 2018/02/08(木) 15:07:42.65 ID:kJ7hCUNQo
- ・ ・ ・
武内P「……おわかり、いただけましたか」
専務「よくわかった。彼女は、キミから離れる気がないらしい」
楓「おわかり、いただけましたか」
専務「ぶっとばすぞ」
武内P「手を繋いだ状態が一番マシと、そう、考えます」
専務「……そのようですね」
ガチャッ
凛「――待って」
専務「渋谷凛くん、ノックぐらいしなさい」 - 832: 2018/02/08(木) 15:14:08.18 ID:kJ7hCUNQo
- 凛「この状況は何なの? 説明して」
専務「今は大事な話をしている。出ていきなさい」
武内P「渋谷さん、今は……」
凛「アンタが私のプロデューサー」
ぎゅっ!
武内P「あの……何故、手を握ってくるのですか?」
凛「ふーん。悪くないかな」
専務「良くありません」 - 833: 2018/02/08(木) 15:18:05.65 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「キミ達は何だ? 仲良し三人組か?」
武内P「誤解です!」
楓「はい、それは誤解です」
凛「うん。仲良し二人組が二つあるだけ」
楓・凛「ねー」
専務「私は、あまり気が長い方ではない」ギロッ!
武内P「あの、私を睨むのは何故ですか!?」 - 834: 2018/02/08(木) 15:20:45.00 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「三人で、ユニットデビューでもするつもりか?」
武内P「待ってください! それは、あまりにも!」
楓「私と貴女の進む道は違う」
凛「だけど……分かり合えることは出来る」
楓「共に、歩んでいこうと思います」
凛「私達三人から、目を離さないでよね」
武内P「乗り気にならないでください!」 - 835: 2018/02/08(木) 15:24:32.57 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「しかし、キミ達も理解しているはずだ」
楓・凛「?」
専務「彼は、両手が塞がってしまっている」
武内P「途轍もなく不便だと、そう、思います」
専務「キミ達は、彼を困らせたいのか?」
楓・凛「……」
専務「ようやく、話が通じるようになりましたね」 - 836: 2018/02/08(木) 15:28:27.18 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「選びなさい」
専務「彼を困らせ続けるか……」
楓・凛「……」
専務「自らその手を離し、困らせるのを辞めるか」
楓・凛「……どっち?」
武内P「私が、選ぶのですか……!?」
楓・凛「どっちを選ぶ?」
武内P「これは……どっちの手を離すか選ばせていますね!?」
楓・凛「……」
武内P「……!」 - 837: 2018/02/08(木) 15:35:47.55 ID:kJ7hCUNQo
- 武内P「……とりあえず、利き手が自由になった方が」
凛「ふ、ふーん?」
武内P「……申し訳ありません、手を離して頂けますか」
凛「アンタ……私と手を繋ぐの、嫌なんだ」
武内P「あっ、いえ! そういう訳では!」
凛「そういう事でしょ? それ以外考えられない」
武内P「そ、そうではなく……!」
凛「良いよ、わかった。手、手を……は、離せば、い、良いんでしょ!」グスッ!
武内P「……!?」 - 838: 2018/02/08(木) 15:40:51.74 ID:kJ7hCUNQo
- 武内P「あ、あの……渋谷さん、話を!」
凛「話すことなんかない!」
楓「――そうよ、離すことなんかないわ」
凛「楓さん……?」
楓「自分に正直に、しっかりと握らないと」
楓「うふふっ、手を離すのは、悪手だと思うの♪」
凛「……うん、そうだね」
ぎゅううっ!
武内P「……申し訳ありません、恋人繋ぎにされました」
専務「まさか、状況が悪化するとは私も思っていなかった」 - 839: 2018/02/08(木) 15:47:23.93 ID:kJ7hCUNQo
- 専務「……仕方がない」
武内P「この状況を見過ごす、と?」
楓・凛「……」
ぎゅううっ!
専務「そうではない。だが、時間が解決してくれるだろう」
武内P「そう、でしょうか?」
専務「考えてもみたまえ」
武内P・楓・凛「?」
専務「トイレに行く時は、どうする?」
武内P・楓・凛「!」 - 840: 2018/02/08(木) 15:54:30.66 ID:kJ7hCUNQo
- 武内P「成る程……それなら、手を離さざるを得ないですね」
専務「手を離した瞬間、その場から離れなさい」
武内P「わかりました。専務の、仰る通りにします」
楓・凛「……」
凛「ちゃんと見ててよね。手を離したら、承知しないから」
武内P「何を言ってるんですか!?」
楓「一緒に……笑顔で!」
武内P「あの、さすがにそれは! 落ち着いて下さい、お二人とも!」
武内P「わかりました! 逃げませんから!」
武内P「離れませんから、手を離してください!」
おわり
- 関連記事
コメント
お知らせ
サイトのデザインを大幅に変更しました。まだまだ、改良していこうと思います。