凸守「も…漏れるデェス」 森夏「ちょ、あと少しだから(フヒヒ)」
- カテゴリ:中二病でも恋がしたい!
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- 1: 2012/11/21(水) 09:34:29.06 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「(大変デス!)」
森夏「……zzz」
凸守「(起きるのデェス、偽モリサマー!)」
- 3: 2012/11/21(水) 09:38:07.98 ID:ndqkH2Cv0
- 私は唐突に起こされた。
厨房がいる前で無防備に寝るなんて。
それよりここは、どこ?
森夏「知らない天井だ…」
凸守「何を言ってるデスか!」 - 4: 2012/11/21(水) 09:45:03.83 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「ここはプリーステスの拠点デェス」
ああ、そうか。
夏休みに小鳥遊さん家の実家へ遊びに来てたんだっけ。
森夏「何なのよもう…。」
凸守「大変なのデス!協力するデス偽サマー!」
森夏「略すな、じゃなくてサマー言うな。」 - 5: 2012/11/21(水) 09:51:13.19 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「何なのよもう…まだ夜中の二時じゃない。」
森夏「んで、協力って何?」
凸守「我が膀胱が臨海に達しているのデス。」
森夏「ぼうこう?………ああ」
なるほどね。
妙にもじもじしてると思ったら。
森夏「おしっこ行きたいのね。」
凸守「皆まで言うなデス!」 - 8: 2012/11/21(水) 10:00:17.52 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「行ってらっしゃい。」
凸守「お前も来るデス!」
森夏「なんで私なのよ。くみん先輩と行きなさいよ。」
凸守「もう既に起こしに行ったデス。でも…。」
森夏「?」
凸守「まるで起きる気配がないのデス。布団から引きずり出そうにもテコでも動かないのデス。」
森夏「あのコは…。」
昼にあれだけ寝ておいてまだ寝足りないというの? - 9: 2012/11/21(水) 10:08:01.25 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「っしょーがないわね。」
気持ちは解らないでもない。
小鳥遊さんには悪いが、深夜の日本家屋というものは不気味なものである。
まして知らない家となると、一人でトイレへ行くのもためらいがある。
森夏「犬のように付いて来なさい。」
凸守「一言余計デェス!」
一色は…、あいつは起こさなくていいか。
ろくなことにならなかったし。 - 11: 2012/11/21(水) 10:14:49.53 ID:ndqkH2Cv0
- 暗く明かりの無い廊下。
不気味だ。
厨房でなくとも私一人ではおっかない…
…にしても、
森夏「あんた、怖がりなのね(フフ)」
凸守「な、勘違いするなデス。私はただとてつもない霊圧を」
ピシッ
凸守「ひぃ!」 - 12: 2012/11/21(水) 10:25:10.43 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「あははは。ひぃ、だってw」
凸守「笑うなデス!れっきとしたラップ現象デス!」
森夏「ラップ現象?チェケラゥ!」
おどけて見せたが、あの音に少し驚いたのは秘密だ。
森夏「あんなのはねえ、昼夜の気温差で木造建築が収縮する科学的な現象なのよ。」
凸守「だ、黙るデス!あれが悪霊の仕業じゃないという証拠は無いのデス!」
森夏「あんた、それこそ悪魔の理論よ。」
凸守「な…!」
完全に論破されてショックを受けたようだ。
子どもの夢を壊すのは少々大人気なかったか。
凸守「悪魔の理論…かっこいいデス。」
同情の余地無しだった。 - 15: 2012/11/21(水) 10:32:40.66 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「さ、着いたわよ。」
安堵の表情を浮かべる厨房。
妙に可愛いと思ってしまった自分が腹立たしい。
凸守「フン、ご苦労であった、偽モリサマー。」
いらっ。
前言撤回。
可愛くない。
トイレのドアを開けてふと閃く。
厨房、尿意、怖がり、悪魔…。
悪魔が私に囁いた。 - 18: 2012/11/21(水) 10:39:17.40 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「ね…ねえ、私もしたくなっちゃった。先に入ってもいい?」
凸守「ぶ~。」
あからさまに嫌な顔をする厨房。
森夏「ここまでの案内料よ、いいでしょ?」
凸守「仕方がないデスね、小くらいの時間なら猶予があるデス。」
フヒヒ、かかった!
森夏「ありがと、すぐ終わるからね。」
ガチャ - 19: 2012/11/21(水) 10:49:29.62 ID:ndqkH2Cv0
- もちろん私もしたい、なんてのは嘘だ。
このまま篭城して厨房を困らせるのも良いのだが…。
それ以上の悪魔の閃きが私の脳裏をよぎった。 - 20: 2012/11/21(水) 10:52:44.59 ID:ndqkH2Cv0
- 私がトイレのドアを開けた時、最初に目に入ったのは窓だ。
大抵のトイレの窓は最低限の換気ができれば良いので、小さく高めの位置にある。
しかし小鳥遊家のトイレの窓は明かりと風通しを優先しているせいか、私でも難無く出入りできる位置と大きさだった。 - 21: 2012/11/21(水) 10:55:32.91 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「(…どうしたデスか。)」
コンコンコン
凸守「(返事をするデス、偽モリサマー!)」
家主を起こさないようにひっそりとトイレに囁きかかける厨房。
あるいは悪霊に気付かれないように小声で囁いてるのかもしれない。
森夏「フヒヒwアホかわいいwww」 - 23: 2012/11/21(水) 11:00:14.39 ID:ndqkH2Cv0
- トイレの窓から外へ出た私は、裏庭を回りこみ、元のトイレの廊下へと戻って来ていた。
そんなことはつゆ知らず、厨房はトイレに必死に囁きかけていた。
時は来た。
モリサマーの逆襲である。 - 26: 2012/11/21(水) 11:09:04.09 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「(モリサマー!返事が無いからこっちが開けるデス!)」
ガチャ
トイレのドアを開ける凸守。
固まっている。
真後ろで見えないが、その表情は手に取るようにわかった。
恐怖におののいている。
そこへ私が追い討ちをかける。
モリサマー「そこに人はいないわ。」
突然の後ろからの異様に低い声にビクっとなる凸守。
わかりやすいほどに震えている。
モリサマー「私が食べたんだもの。」 - 27: 2012/11/21(水) 11:15:11.05 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「…」
凸守「………」
森夏「あれ?」
まだ震えてる。
やりすぎたかな。
凸守「………ヒック…ヒック」
あれ、泣いてる?
覗きこむと涙がポロポロ頬から零れ落ちてるのが見えた。
やりすぎた。
森夏「あ…あのね…」
凸守「ヒック………返せ…」
森夏「え?」 - 28: 2012/11/21(水) 11:20:47.22 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「モリサマーを返せええええええええええええ」
森夏「えええええええええええええええええ」
何このコ!
バカ!
真性のバカ!
めちゃめちゃ攻撃してくる。
痛い!色んな意味で痛い!
何とかハンマーもかつてない軌道を示し、オールレンジで私を襲う。
森夏「痛い痛い痛い!やめろ厨房!」
凸守「返せ返せ返せ返せ返せえええええええええ」 - 29: 2012/11/21(水) 11:26:09.83 ID:ndqkH2Cv0
- さっきの涙はなんだったのだ。
さっきの震えは…武者震いか!
この攻撃、あり得ない。
かろうじてハンマーを操る両腕を掴み、会話に持ち込む。
森夏「私よ私、モリサマーの偽物よ!」
凸守「やっぱり偽物デスか!本物を返せええええ!」
ああもうややこしい! - 32: 2012/11/21(水) 11:32:45.10 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「悪☆霊☆退☆散」
両腕をふさがれた厨房は例の固い石頭を振り回して私に頭突きを試みる。
怖いのはあんただ!
森夏「ちょ、やめなさい!私はあの窓から出てここに戻ってきただけよ!」
凸守「そんな証拠はどこにもないのデス!」
もう、バカ!
学習しろ!
森夏「仕方が無い、最終手段よ。」 - 33: 2012/11/21(水) 11:43:30.80 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「マビノギオン第48章666節…」
凸守「…!」
森夏「ある高名なエクソシストは唱えた。全ての闇に巣食うゴースト達よ…」
森夏「安らかに天に召されなさい。ここはあなた達の居場所では無いのだから…」
凸守・森夏「レグナー・テラエ・キャンテイト・ディーオー」 - 35: 2012/11/21(水) 11:48:09.99 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「痛い痛い痛い痛いかゆいかゆいかゆいかゆい」
凸守「おおこの反応!まさしく偽モリサマーデス!」
森夏「そ、そうよ…本物の悪霊なら跡形も無く灰になっているわ。」
何でこんなところで黒歴史を掘り返さなけりゃならないのよ!
自業自得だけど。
凸守「良かったぁ。」
森夏「え、ちょっと…」 - 37: 2012/11/21(水) 11:52:12.45 ID:ndqkH2Cv0
- 力無く私に倒れかかる凸守。
やはり相当怖かったのだろう。
悪いことをした。
にしてもこのコ、あったかい。
とってもあったっかくて
アンモニアの匂い…
森夏「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 - 42: 2012/11/21(水) 11:59:30.98 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「漏らしてる!漏らしてるってば!」
凸守「…う…これは…聖水デェス。」
森夏「バカ!ああもう私までびちょびちょ…何でこんな目に…」
自業自得なのは重々承知。
凸守「…うぅ…」
森夏「解ってるって、誰にも言わないから。」
一応恥じらいもあるようだ。
森夏「お風呂借りましょう。夜中だから静にね。」
家が広いせいか、あの一悶着でも誰も起きて来なかったから問題無いだろう。 - 43: 2012/11/21(水) 12:07:21.72 ID:ndqkH2Cv0
- まずは体と服を洗わねば。
替えの服は部屋にある。
風呂場のバスタオルを下に巻いて帰れば、万が一にも一色に遭遇してもセーフだ。
精神的なダメージは拭えないだろうけど。 - 45: 2012/11/21(水) 12:12:09.30 ID:ndqkH2Cv0
- 森夏「(綺麗な肌…)」
思わず口に出しそうになっってしまった。
背中にデカデカと"バカ守"という文字を見ながら思う。
この背中を見せるには、まだ早い。
なのでお互いの背中を流し合おうという提案をしたのだが、意外にあっさり承諾した。
妙に素直だ。 - 47: 2012/11/21(水) 12:21:31.56 ID:ndqkH2Cv0
- 日焼けが痛いと言うので、軽く泡石鹸を手で撫で回すことにした。
凸守「ん…あ…///」
森夏「変な声出さないでよ」
凸守「お前が変なところ触るからデス」
触る度に吐息を漏らすので妙な気分になる。
加えてぬるぬるの石鹸で直に他人の肌に触ることで高揚感が芽生え始めた。 - 49: 2012/11/21(水) 12:28:25.21 ID:ndqkH2Cv0
- 綺麗な肌だ。
綺麗なだけではなく、モチモチしてる。
日に焼いてしまうのがもったいないくらいだ。
凸守「ど、どこを触ってるデスか!そこは自分でやるデス!」
森夏「え?ああ、ごめん。ぼーっとしてた。」 - 50: 2012/11/21(水) 12:33:34.08 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「次は私がお前の背中を流してやるデス。」
森夏「そう?じゃ、お願い。」
さっきから妙に素直だ。
トイレの一件で私に対する畏怖が芽生えたのかな。
あるいは懐かれたのか、可愛い犬め。 - 52: 2012/11/21(水) 12:38:05.29 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守は回り込んでわざわざ私と壁の狭い隙間に移動する。
何か胡散臭い。
けどまあ良い。
この位置では"バカ守"の字は鏡には映らない。
好都合だ。 - 54: 2012/11/21(水) 12:42:43.88 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守が座りやすいように私は少し前に出る。
森夏「私も手で直にやってよ、あんまりゴシゴシされるの好きじゃないし。」
凸守「了解なのデス、フヒヒ」
なんで笑った。
まあいい。
他人に背中を流してもらえるなんていつ以来だろう。
ビクン!
森夏「ひぃ!」 - 59: 2012/11/21(水) 12:50:44.91 ID:ndqkH2Cv0
- 凸守「おや~、何デスか今の声?」
森夏「べ別に何でもな、ひゃぅ!」
これは…くすぐったい!
凸守「そうデスか~何でもないデスか~、じゃあ続けるデェス!」
森夏「ちょっと!あぁ…んふ///」
わざとだ!こいつ確信犯(誤用)だ!
気持ち良いのとくすぐったいのが混ざり合って頭がぐるぐるする。
反撃しようにも体が言うことをきかない。
森夏「あ…ひぃ///…ごめ……もう許してえええ」 - 62: 2012/11/21(水) 13:01:47.97 ID:ndqkH2Cv0
- その後しばらくは凸守の逆襲が続いた。
が、抵抗して振り回した私の拳が見事に凸守の顎を直撃し、その場は収拾したのだった。
二人で下半身にバスタオルを巻きながら部屋へ帰る。
森夏「全く、あんたと絡むとろくなことがないわ。」
凸守「誰のせいデスか。その言葉、そっくりそのままお返しするデス!」
ごもっともだ。
森夏「んで、何であんたは私の布団の中にいるのよ。」
凸守「それは…あの…お前が」
凸守「お前が悪霊でないか見極める必要があるデス!」 - 65: 2012/11/21(水) 13:08:17.76 ID:ndqkH2Cv0
- まだ悪霊かもよ?
などと言ったらまた場が混乱するのでやめておく。
森夏「本当に怖がりなんだから…」
あったかい。
チュ!
突然すぎた。
森夏「なななな、何したのあんた!」
凸守「何って、ただのお休みのちゅーデスよ?」
柔らかい、否、そうじゃない!
私の黒歴史にこれ以上上書きするな!
森夏「バカぁ///」
終わり
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