- 1: 2017/11/17(金) 18:53:44.88 ID:JD5CqFXt0
-
時雨「カップをこうして、あぁして……」
時雨「これで、よしっと!」
時雨「ふふん!指揮官に頼まれてた報告書なんて早々に作り終わっちゃったから」
時雨「今日は悪戯の準備がよ~く捗ったわ♪」
時雨「……それにしても指揮官遅いわねぇ」
時雨「帰って来るまで時間はありそうだし、日課にしてる日記も今のウチに……」
ガチャ……
時雨「あら、噂をすればなんとやらってヤツね!」
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- 2: 2017/11/17(金) 18:58:17.60 ID:JD5CqFXt0
-
指揮官「……戻ったぞ」
時雨「おかえり!遅かったじゃない」
時雨「さぁ指揮官……今日もさっそく、運試しの時間よ~!」
指揮官「今日は海軍省の立食会があったから……たいへん疲れている」
指揮官「そっとしておいてほしいのだが」
時雨「つれないこと言わないの!時雨様だってずっとひとりで退屈してたんだから!」
- 3: 2017/11/17(金) 19:03:23.57 ID:JD5CqFXt0
-
時雨「見なさい!ここに、ふたつのコーヒーカップがあるわ」
時雨「このうちのひとつは指揮官がだ~い好きないつものブラックコーヒー……」
時雨「そして、もう片方には角砂糖が五つも入ったミルクのないM○Xコーヒーもどきが入っているわよ!」
時雨「さぁさ、ちゃちゃっと選びなさいな♪」
指揮官「……」
指揮官「死ぬほど甘い……コーヒーに対する冒涜だ……」
時雨「ふふん♪残念でした~!」
- 4: 2017/11/17(金) 19:13:15.09 ID:JD5CqFXt0
-
――時雨は、悪戯が好きだ
指揮官「時雨、報告書は」
時雨「勿論ちゃんと作っておいたわ!PCを開いて確かめてみたら?」
指揮官「分かった」
ブリュブリュリュリュリュッ!
時雨「引っかかったわね!指揮官のデスクにブーブークッションを仕込んでおいたのよ!」
指揮官「……」
指揮官「ブーブーじゃないだろこれ……」
- 5: 2017/11/17(金) 19:17:20.68 ID:JD5CqFXt0
-
――彼女が私の秘書艦となってからというもの、こういった悪戯が毎日続いている
PC『あなたは|好きですか?』
指揮官「なんか変なポップアップが……」
時雨「ふふっ、さっさと×を押して消しちゃいなさい♪」
PC『あなたは赤|が好きですか?』
PC『ワァァァァァァァッ(大音量)』
指揮官「ウワァ」
時雨「きゃはははっ!びっくりした指揮官の顔、ホント傑作ね!」
- 6: 2017/11/17(金) 19:20:32.34 ID:JD5CqFXt0
-
指揮官「……」
時雨「あーお腹が痛いわ!」
時雨「ひ~!ひぃ~っ!」
時雨「時雨様が用意したトラップ、ぜ~んぶ引っかかっちゃって!プククッ!」
指揮官「時雨……そろそろ怒るぞ」
時雨「ふふん、なーに言ってんのよ!」
時雨「指揮官は、この時雨様にいたずらされるだけで幸運なのよ?」
――個々がどんなに些細な悪戯であっても、数をこなされれば誰だって腹立たしくなるものだ
- 7: 2017/11/17(金) 19:21:37.36 ID:JD5CqFXt0
-
――だから
時雨「ほんっとに分からず屋さんね、うふふ……」
――私は
時雨「まぁ、そういうところが……えっ?ちょっと、きゃあっ!?」
――生意気な彼女の四肢を、シーツで縛り上げることにした
……
…………
………………
- 148: 2017/11/18(土) 02:42:28.15 ID:kPbDw72u0
-
指揮官「ハァ……ハァ……」
時雨「ちょっと……これどういうことよ、バカ指揮官!」
指揮官「これでもう、暴れることはできないな」
時雨「!?」
指揮官「……フフフ」
モジモジッ
時雨「ま……待ちなさいよっ」
時雨「こ、こんなことして、ただで済むと思ってるわけ?」
- 149: 2017/11/18(土) 02:51:59.99 ID:kPbDw72u0
-
時雨「ふふ、この時雨様は上にも可愛がってもらっているのよ?」
時雨「こ、こんなことがお偉方に知れたら……」
指揮官「そんなことは、元より覚悟の上だ」
時雨「えっ……」
指揮官「よくも、楽しみにしていた仕事上がりのコーヒーブレイクを……」
指揮官「よくも、ホラー嫌いの私にあんなものを……!」
時雨「し、しきか……」
時雨(ヤバ……ちょっと、やりすぎちゃったかしら……!)
- 150: 2017/11/18(土) 03:00:48.52 ID:kPbDw72u0
-
時雨(ベッドに寝かされているから姿勢は辛くないけど、手足が全然動かない!)
時雨(し、指揮官はこの時雨様をどうするつも……)
時雨(……いや、決まりきったことじゃない!)
時雨(きっと、このまま……)
時雨「……」
時雨(……あれ?)
- 151: 2017/11/18(土) 03:13:26.95 ID:kPbDw72u0
-
時雨(こうして指揮官にいいようにされてるってのは、ちょっと不本意だけど……)
時雨(よくよく考えたら指揮官に手を出してもらうなんて、いつかは望んでいたことじゃない)
時雨(そうよ!指揮官はスッゴク奥手だから、こんなことでも起こらないと何も……)
時雨(……もしかしてこれって、ケガの功名ってやつなのかしら)
時雨(フフ……やっぱり時雨様には幸運がついているんだわ!これで指揮官との関係も一歩前進よ!)
時雨(そうと決まれば……!)
- 152: 2017/11/18(土) 03:19:46.46 ID:kPbDw72u0
-
時雨「……わかったわよ」
時雨「す、好きに……し、しなさいよ……っ」
時雨「そ、そのかわり!手を出したならその、セキニンはとっ……!」
カタカタカタッ
指揮官「ふむ……報告書は問題なしだな」
指揮官「どれ、次は来年度の給与令の閲覧を……」
時雨「あれ」
- 153: 2017/11/18(土) 03:31:38.67 ID:kPbDw72u0
-
時雨「ちょっと、何やってんのよ!」
指揮官「何って……残った仕事を片付けようと」
時雨「そ、そんなことは後回……ゴホン」
時雨「……いいこと?」
時雨「今、指揮官の目の前には手足を縛られて、身動きの取れない女の子が横たわっているの」
モジモジ
指揮官「あぁ、私がそうしたんだが」
時雨「ゴ、ゴホン!」
時雨「だ、だったら、男がこのまま何もしないわけには……いかないわよね?」
時雨「据え膳食わずば、なんとやら……だから、ね?」
指揮官「え……?」
時雨「……え?」
- 154: 2017/11/18(土) 03:40:52.93 ID:kPbDw72u0
-
指揮官「何をわけの分からないことを言ってるんだ」
指揮官「私はただ、今日の仕事が終わるまで……」
指揮官「時雨が悪さをしないように拘束しておいただけなのだが」
時雨「……えっ」
時雨「そ、そんな理由なの?」
指揮官「え、他に理由なんてないだろ……?」
時雨「え……えぇー……」
時雨(完全に予想外だった……まさか指揮官が、ここまで堅物だったなんて……)
- 155: 2017/11/18(土) 03:45:50.36 ID:kPbDw72u0
-
指揮官「小麦粉の提供が前年度と比べて……」
指揮官「やはり、ユニオンとの国交が切れた影響が……」
時雨(ほ、本当に仕事に集中しはじめたわ)
時雨(この時雨様には目もくれず、数字だらけのモニターに釘づけじゃないの)
時雨(なんでだろ、めちゃくちゃショックだわ……)
時雨(……!)
時雨(だめだめ!落ち込んでる場合なんかじゃない!)
時雨(このままじゃ、時雨様のプライドはズタズタよ!)
時雨(こうなったら……なんとしてでも)
時雨(指揮官の方から手を出させてやるんだから!)
- 156: 2017/11/18(土) 03:58:22.95 ID:kPbDw72u0
-
時雨「ねぇ、指揮官……?」
指揮官「給糧船の本数減少はまずい、前線の士気に関わる……」
時雨「ね、ねぇ」
指揮官「こればかりは、私からも意見具申しておかねば……」
時雨「ちょっと!聞いてよ!」
指揮官「なんだ」
時雨「なんだじゃないわよ!気付くの遅すぎ!」
時雨「……その、あれよ」
時雨「少し、部屋が寒かったから……その……」
モジモジ……
指揮官「あぁ、トイレか」
時雨(ぐ……もう少しデリカシーのある言い方ってものが)
- 157: 2017/11/18(土) 04:07:59.09 ID:kPbDw72u0
-
時雨「そ、そうなの……でもね」
時雨「時雨様は今、ケダモノ指揮官にこうして手足の自由を奪われているじゃない?」
時雨「だからこのままじゃ、当然……で、できないわけで」
指揮官「ふむ……」
ニヤ……
時雨「うふん、どうかしら指揮官?」
時雨「あなたの手で……その……」
時雨「“お世話”、してくださらない?」
指揮官「!」
時雨(決まったわ……!)
- 158: 2017/11/18(土) 04:15:40.66 ID:kPbDw72u0
-
指揮官「悪かったな、気が付かなくて」
時雨「……なんで拘束を解くのよ」
指揮官「こうしないと一人でできないだろう」
時雨「……」
指揮官「用を足したら、すぐ戻ってこい」
時雨「に、逃げちゃったらどうするのよ」
指揮官「別に、仕事の邪魔さえされなければ何も……」
時雨「……」
時雨「……いってくるわ」
指揮官「あぁ」
- 159: 2017/11/18(土) 04:22:30.04 ID:kPbDw72u0
-
時雨「……」 ←ちゃんと戻ってきて、再び手足を縛られた
時雨(トイレ作戦は失敗ね……しゅん)
時雨(でも、めげてる暇はないわ!次の手を打たないと……!)
時雨「あぁん、なんだか身体が……痒いわぁ」
モジモジ
時雨「はぁ……はぁ……」
時雨「そういえばまだ、お風呂に入ってなかったのよねー……」
チラッ……
指揮官「仕方ないな……」
指揮官「また解いてやるから、一人で……」
時雨「ス、ストーップ!」
- 160: 2017/11/18(土) 04:24:47.64 ID:kPbDw72u0
-
指揮官「なんだ」
時雨「こ、拘束を解かれると、その」
時雨「またギュッて縛られるたびに、手首がちょっと痛くなるから……あんまりされたくないかなーって」
指揮官「そ、そうなのか」
時雨「そうなの……だ・か・ら」
時雨「指揮官の手で、この時雨様の身体を拭きなさい!」
指揮官「な……!?」
時雨「どうしたの?それができないほど、指揮官もヘタレじゃないでしょう?」
指揮官「……と、とりあえず……湯を汲んでくる」
指揮官「他に案が思い浮かばなければ、そ、そうしてみる……」
時雨「待ってるわ、指・揮・官♪」
時雨(ふふふ、指揮官が動揺してる……かわいいわねぇ)
- 161: 2017/11/18(土) 04:25:42.19 ID:kPbDw72u0
-
指揮官「時雨、すまない」
時雨「ふふ……いいのよ、指揮官だけ特別なんだから!」
時雨「さ、ちゃっちゃと身体を拭き」
指揮官「いや、そうではなく……」
指揮官「給湯設備が故障したらしく、湯が沸かせない」
時雨「え」
指揮官「よって、10℃以下のキンキンに冷えた水しか使うことができないのだが……」
指揮官「さすがにこれを使うわけには……」
時雨「……そ、そうね」
- 327: 2017/11/19(日) 21:07:54.47 ID:NMr2N7nw0
-
時雨(この手も駄目なの!?そんな~!)
時雨(……こ、こうなったら、次は……!)
時雨「し、指揮官!」
指揮官「はぁ……今度はなんだ」
時雨「この時雨様の前で露骨な溜め息はやめなさい!」
時雨「い、今ね、小虫が服の中に入っちゃったみたいで……んっ」
モジモジ
時雨「胸のあたりが、すごくこそばゆい……の……!」
指揮官「……」
時雨(ま、これも嘘なんだけど♪)
- 328: 2017/11/19(日) 21:18:44.66 ID:NMr2N7nw0
-
時雨「だから、指揮官に……あんっ」
時雨「小虫をとってもらいたいのだけれど……んっ」
指揮官「虫か……」
指揮官「息を止めて、目を瞑っていろ」
時雨「えっ?」
シューッ、シューッ
時雨「きゃっ!?」
指揮官「小虫め……どこへ行った?」
シューッ、シューッ
時雨「む、虫よけスプレーじゃなくてぇ!」
時雨「て……手で取っ……けほっけほっ!」
指揮官「こら、口を閉じていろ!」
……
…………
………………
- 329: 2017/11/19(日) 21:25:36.82 ID:NMr2N7nw0
-
時雨「はぁ……」
時雨(あれから何度も誘惑したのに、一度も上手くいかなかったわ)
時雨(今日に限って、幸運も味方をしてくれないし……)
時雨(……やっぱり)
時雨(指揮官にとって、そんなに魅力がないのかしら……この時雨様は……)
- 330: 2017/11/19(日) 21:33:57.11 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「……ふぅ」
指揮官「よし、あと少しで全部片付く」
時雨「!」
時雨(まずい……このままじゃ)
時雨(何事も無いまま拘束を解かれちゃうわ!)
時雨「し、指揮官ッ!!」
指揮官「……」
時雨「え、えっと!」
時雨(何か考えなきゃ!何か、次の手を!)
時雨「えー……えぇと、その!」
- 361: 2017/11/19(日) 21:41:53.87 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「……いい加減にしてくれないか」
時雨「!」
指揮官「どうしていつもいつも、私の仕事の邪魔をする」
指揮官「私には、時雨にばかりかまけている暇はないんだぞ」
時雨「し、指揮官……」
指揮官「たしかに時雨にとって、私はただの“玩具”でしかないのかもしれない」
指揮官「だけど、私にとって時雨は大事な秘書……」
時雨「ち……」
時雨「違うわよッ!バカ指揮官ッ!!」
指揮官「!?」
- 363: 2017/11/19(日) 21:42:55.84 ID:NMr2N7nw0
-
時雨「……グスッ」
時雨「この時雨様のこと、何も分かっていないじゃない!!」
時雨「指揮官は“玩具”でしかない?勘違いも大概にしなさいよ」
時雨「フン!どうせ、バカ指揮官は今まで碌に女の子と過ごしたことがないから……」
時雨「時雨様の身体に触れるような度胸もないし、女心も何も理解できていないんだわ!」
指揮官「!?」
時雨「指揮官のヘタレ!鈍感!」
時雨「もういいわよ!一生そうして、女の子と何もしないまま過ごして――」
ガシッ
時雨「きゃっ!?」
- 372: 2017/11/19(日) 21:47:40.20 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「舐めるなよ時雨」
時雨「え、え……」
指揮官「私はこう見えても、一艦隊の指揮官を任されている男……」
指揮官「それが、部下の女一人にいつまでも下に見られているようでは……立場が務まらんのだ」
時雨「!」
ドンッ
指揮官「だから……貴様のお望み通り、身体に教え込んでやる」
指揮官「私が、男であるという証をな!」
時雨「指揮官……!」
時雨(き、来た……!)
- 375: 2017/11/19(日) 21:49:07.74 ID:NMr2N7nw0
-
時雨「ま、まって指揮官……!」
指揮官「……」
時雨「し、時雨様にも、心の準備ってものが……」
指揮官「……」
オロオロッ
時雨「……指揮官?」
時雨「も、もしかして……」
時雨「女の子の服の脱がし方……分からないの?」
指揮官「ッ!!」
- 385: 2017/11/19(日) 21:54:17.81 ID:NMr2N7nw0
-
ドキドキドキ……
指揮官「そそそそ、そんなわ↑け↓ないだろ↑」
時雨「声、ひっくり返ってるじゃない!」
指揮官「こ、これは、ただ脱がすだけでは、それは何の変哲もない行為であって、だなっ」
指揮官「その、安易な作戦立案は、愚策であって、だなぁぁぁ」
時雨「指揮官、お……落ち着いてちょうだいっ」
指揮官「えぇい、黙らんかぁぁぁぁ」
指揮官(イ、イカン……女の召し物など、どうすれば……はっ!)
指揮官(そうだ……と、とりあえず、何も身に付けていない箇所を……)
- 387: 2017/11/19(日) 21:55:06.39 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「そ↑れ↓ぇっ」
ガバッ
時雨「ひっ!お、お腹ぁ!?」
――私は、ただ無我夢中だった。
眼前の小生意気な女に馬鹿にされたくない一心だった。
時雨の言う通り……これまで女と碌に付き合うことがなかった私には、ただこうするしかなかったのだ。
- 389: 2017/11/19(日) 21:55:48.92 ID:NMr2N7nw0
-
薄布に包まれていない、時雨のやや長めな腹部はあまりにも綺麗であたたかく、伸びた我が五指は滑りの良い白肌を本能のままに貪った。
「な、なんでお腹……ひゃん!」
時雨の意図にない接触は、そのつど彼女の身体を小刻みに震わせた。
女は存外、腹が敏感な生き物なのだということを今しがた知った私は、驚き半分のまま時雨の肋骨間の僅か下あたりから、徐々に小さなへその上を越え、その更に下まで。
人差し指が触れるか触れないかの高度を維持し、ゆっくりと伝わせる。
「や……そこ、くすぐった……あっ……」
苦悶と困惑、更には嬌声入り混じった時雨の声に、私の中の獣が更なる疼きに咆哮する。
- 392: 2017/11/19(日) 21:56:38.65 ID:NMr2N7nw0
-
しなやかでありながら、程よい肉質のある腹の感触をより味わいたく、もう片方の手が時雨の無防備な脇腹を優しく掴み、揉みしだいた。
「し、しきか、そんなとこばっかじゃなくて……あっ!」
放たれる言葉とは裏腹に、時雨は自由の効かない上体と腰を交互にくゆらせ、襲い来る刺激から逃れようとしている。
そのたび軋むベッドとシーツの揺れが、私たち二人に更なる昂ぶりを。
「く、くすぐったぁ……い……~~っ!」
交互に与え続けたじれったい刺激に、時雨が全身を大きく仰け反らせた――
バサッ……
指揮官「……ん?」
時雨「はぁ……はぁ……え?」
その刹那、彼女の懐から一冊の手帳が転がり落ちた。
- 396: 2017/11/19(日) 21:57:40.33 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「なんだ、この手帳は?」
時雨「そ、それは……!」
時雨(私がいつも日記を付けている手帳!?)
時雨(や……ヤバ!)
時雨(さっき指揮官が部屋に入って来たとき、慌てて懐に入れたから……!)
- 399: 2017/11/19(日) 21:58:12.78 ID:NMr2N7nw0
-
時雨「まって!指揮官、お願いだからそれは見ないでぇ~!!」
指揮官「……怪しいな」
ペラッ
時雨「わ~っ!わぁ~っ!!」
指揮官「えー『10月×日、晴れ。今日は……』」
時雨(こ、声に出して読まないでよ!バカぁ!)
指揮官「『初めての秘書艦だったから、とても不安だった。でも、真面目で大人しそうな指揮官でとても安心した。』……これは、日記か?」
- 402: 2017/11/19(日) 21:58:57.23 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「『10月△日、晴れ』」
指揮官「『今日はどうしても好奇心を抑えきれなくて、指揮官のデスクに赤味噌入りのシュークリームを置いておいた。食べた指揮官はびっくりしていたけど、この時雨様の悪戯だと分かると笑っていた。』」
指揮官「『悪戯をすると指揮官はちゃんとひっかかってくれるし、反応もしっかり返してくれる。だから、一緒にいてて楽しい。こんなどうしようもない悪戯好きを受け入れてくれる指揮官と、もっとたくさんお話がしたい。』」
指揮官「『10月□日、時雨だけに雨 ←上手い☆(*^^)v』」
指揮官「『今日は指揮官に、時雨様の幸運を褒めてもらった。演習で最後まで残って敵艦を全滅に追い込んで、見事MVPを獲得したからだ。』」
指揮官「『本当はそこに至るまでの努力を褒めてほしかったけれど、それでも嬉しかった。照れ隠しでつい、指揮官に憎まれ口を叩いてしまう自分が実にもどかしい。』」
- 407: 2017/11/19(日) 22:00:12.29 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「『11月×日、cloudy ←敵性語なんて使ったら怒られるかしら』」
指揮官「『今日の指揮官は、終始浮かない顔だった。先日アズールレーンに某海域が奪還されたことを受けて、上からの厳しい締め付けがあったらしい。艦隊が直接関わっていないとばっちりのような案件なのに、指揮官は深刻そうに受け止めていた』」
指揮官「『指揮官は優しいけれど、仕事に対して少し真面目がすぎると思う。時雨様には、上に立つ人の責任とかそういうのはよく分からない。……そうだ、こんど指揮官の待遇が少しでも良くなるように、秘書の立場から上に取り入ってみようか。』」
指揮官「『11月△日、雨』」
指揮官「『戦局が激化するにつれ、指揮官からはなんだか余裕がなくなってきている気がする。この時雨様も、艦隊のみんなも頑張っている。だけど、今の劣勢はどうにもならない。』」
指揮官「『事態を重く見ている指揮官の目は明らかに悲痛で、この時雨様も彼とどう接して良いかが分からない。指揮官とは、ちゃんとお話をしたいのだけれど……。なんなんだろう、このむしゃくしゃする気持ちは。』」
- 410: 2017/11/19(日) 22:01:13.81 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「『11月○日、曇り』」
指揮官「『最近の指揮官は、以前にも増して元気がなくなってきている。魚雷でも食らってみてはと冗談を口ずさんではみるものの、反応はイマイチ。ただ、悪戯をしたときだけ、(文句なんだけど)比較的反応を返してくれるぐらい。』
指揮官「『仕事ばかりにお熱な指揮官を見て、やっぱり自分なんかじゃ彼の支えにはなれないのかな?最近は、そんな考えが頭をよぎるようになってきた。』」
指揮官「『だけど、この時雨様はいつまでも指揮官のそばにいていたいと思うの。それがたとえ、悪戯という形でしか接し合えなくても』」
- 413: 2017/11/19(日) 22:02:16.50 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「……」
指揮官「……おい」
時雨「……」
指揮官「なぜ、顔を背ける」
時雨「……はずかしすぎて、しにたい……」
- 416: 2017/11/19(日) 22:02:43.65 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「なぜ今まで、こういうことを直接話してくれなかったんだ?」
時雨「い、言えるわけないじゃない……バカ」
時雨「これまでさんざん、憎まれ口も叩いてきたし……」
時雨「悪戯だって、指揮官が快く思っていないことも……ほんとは、分かってたし」
時雨「こんな女が、大変な思いをしてる指揮官とまっとうにお話ししたいなんて、ちゃんちゃらおかしい話……だし」
指揮官「……はぁ~っ」
- 419: 2017/11/19(日) 22:03:44.92 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「私なんぞ所詮、女心の分からん馬鹿でしかないことが……」
指揮官「今回の一件でよく分かっただろ」
時雨「……」
スル……ッ
時雨「あ……拘束」
指揮官「ほら、こんな阿呆な遊びをしている場合じゃないぞ、時雨」
指揮官「おかげで最後の仕事が手つかずのままだ、手伝え」
- 422: 2017/11/19(日) 22:04:50.60 ID:NMr2N7nw0
-
指揮官「こんなどうしようもない馬鹿には、時雨の支えが必要なんだ」
時雨「!!」
時雨「……プッ、ふふっ」
時雨「はいはい……分かりました♪」
- 428: 2017/11/19(日) 22:07:23.68 ID:NMr2N7nw0
-
時雨「あーあ」
時雨「やっぱりうちの指揮官には、悪い事なんて最後までできっこないわね」
指揮官「悪かったな、ヘタレで」
時雨「ほんとよねぇ~」
時雨「……さて、ぱぱっと済ませてしまいましょうか!」
時雨「指揮官のお馬鹿さんのためなら時雨、な~んでもやってあげるんだから!」
――――――――fin―――――――――
- 435: 2017/11/19(日) 22:10:04.02 ID:NMr2N7nw0
- よし、これならRに書かなくてもいいな!(白目)
色々あって見づらくなってしまいましたが、それでもここまで読んで下さった方、
楽しく書かせていただきありがとうございました。
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