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男の娘「ゆっくりリハビリしていこうね」

1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:48:45.036 ID:/Gv5+jNQ0
男の娘「足、まだ痛む?あまり無理をしちゃダメだからね」

男「普通に歩くくらいじゃ痛まないよ、こうして登下校するくらいは大丈夫だって」

男の娘「ケイくん、いっつも無理してるから心配だな…。帰ってくるの遅いからボクに親御さんから連絡きたと思ったら走り込みしてたり」

男の娘「登下校に電車を使わず走って鍛えるなんて毎日だったし、ほんとにあの頃は凄かったよね。みんな、ケイくんの長距離走に期待してて…」

男「そうだな…。でも、部のみんなは俺がいなくてもきっちり大会で結果出すから安心しろって言ってくれたよ」

男の娘「ボクは、ケイくんが競技場で輝く姿が見たかったかな。…怪我した理由もカッコいいよ、歩道橋の階段を踏み外して転びそうな子を庇おうととっさに抱きついてクッションになってだもんね」

男「打ちどころが悪くてこうなったけど、あの子、病室の俺に会いに来てさ。お兄ちゃんありがとうってさ、満更じゃなかったよ。助けを呼んでくれたのもあの子みたいだし」

男の娘「そっか。ケイくんはカッコいいよ。いっつも前を向いててキラキラしててさ、弱虫で小さなボクとも子供の頃から一緒にいてくれたしね」

男の娘「けどね、それももうおしまいだよね。いくら怪我した理由が立派でも、ケイくんの性格に非の打ちどころがなくても、走れないケイくんはここで終わりだよ」

男の娘「陸上で進学するつもりはなかったみたいだけど、真面目に取り組んできた努力が一つ、永遠に報われなくなっちゃったね。だからみんな、ケイくんのことは見ないよ」

男の娘「橘くん見てよ、ケイくんが陸上部を抜けてから生き生きしてると思わない?前より、チヤホヤされてるよね?ケイくんは用済み、だから橘くんが選ばれたんだよ」
10: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 01:23:04.374 ID:/Gv5+jNQ0
男の娘「橘くんだけじゃないよ、一緒に練習してきたみんな、以前よりイキイキとしてるよ。ケイくんが抜けて自分に注目が集まりやすくなったからね」

男の娘「ケイくんは、他の子を疎ましく思ってなかったみたいだけど、他の子からすればケイくんのことは疎ましかったみたいだね」

男の娘「前はそれなりに仲良く話してた様だけど、今はもうまったく話し掛けてきてないよね。橘くん。陸上が大変だって言うけど、クラスメイトだからいつでも話しかけれるのにね」

男の娘「みんな、ケイくんに話しかけてこなくなったと思わない。まるで、用済みになったみたい。キラキラしてるところを無くしたケイくんはもういらないのかな」

「そんなことないんじゃない?ケイのこと、気の毒に思うから以前の様に楽観的に話しかけれなくなったんだと思うよ」

男の娘「チッ……なんでこの道が分かるんだよ…」ボソッ

幼馴染「せっかく小さい声で聞こえないのに、その目で言ってること大体察せちゃうからやめた方がいいよ」

幼馴染「なーんかレイがネガティブな話題振ってるけど、流されない方がいいよ?いっつも、ケイくん好き好きってやってるけどこういう時、露骨に弱らせに掛かってくるから」

男の娘「弱らせてるのはボクじゃないよ、ケイくんの周りの人達だよ。みんな、ケイくんが事故にあってから見る目変えちゃってさ。よそよそしいったら無いよ」

幼馴染「あ、レイね、ケイが休んでる間『ケイくんは自暴自棄で精神的に不安定な状況にあるからそっとしてあげてください』って言いまわってたんだよ」

幼馴染「あと、隣の芝生は青いってヤツ?別にケイが抜けたからって他の子はそこまでチヤホヤされてないと思うよ。実際、ケイが抜けた分を埋めるのにヒーヒー言ってたし」
11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 01:43:39.704 ID:/Gv5+jNQ0
幼馴染「ねえケイ、嘘つきはどっちだと思う?人狼ゲームってあるでしょ、自称村人の人狼が村に紛れてて夜中に人を食べるってゲーム」

幼馴染「この場合の人狼って私だと思う?レイだと思う?人狼はね、ポーカーフェイスで平然と嘘をついちゃうんだよ、自分は無実だーって」

男「人狼ゲーム…?」

男の娘「ケイくんはテーブルゲームとは縁がないからそういう分かりにくい例えしちゃダメだよ。簡潔に言うとね、ヒカリが嘘つきで、ボクを信じていいってことだよ」

幼馴染「どうして?部のみんなや、クラスメイトのことを恨んだり憎しんじゃったりするのって辛いと思わない?ケイのことを見放したりする悪者なんていないんだよ」

男の娘「どうして平然とそんな嘘付けるのかな。みんながみんな、友好的だったなんて綺麗事が過ぎるよ。こういうときに本当の友達が誰だかはっきりするとボクは思うんだけど」

男「毎回のことだけど、2人が揃うと話がややこしくなる…」

男の娘「だよね、ヒカリは嘘や変なことばかり言うから避けて下校しちゃおうと思ったんだけど…」

幼馴染「レイと一緒に帰ると危ないほうに誘導されかねないから私はそれを阻止したいの。レイ、独占欲強いから」

男の娘「分かってるなら身を引いて独占させてくれないかな、他の子達が危ないからボクが守るってだけで別に変なこと吹き込むつもりはないよ」

幼馴染「『今のケイくんはどれだけ頑張っても、体力に自信の無いボクが走れば追い付けないよね』とか、傷口を抉ること言うつもりだったでしょ?」

男の娘「だからボクはケイくんの歩幅に合わせてあげる、みんながケイくんのことを置いて言っても、ボクは傍で一緒に歩くから」

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