- 1: 2019/04/29(月) 21:47:19.611 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女(私は事故で視力を失った……)
少女(もう青い空も白い雲も赤い夕陽も見ることはできないのだと絶望した……)
少女(しかし、そんなある日――)
母「盲導犬を連れてきたわよ」
少女「えっ、ホント?」
盲導犬「ガルルルルルルルルル……!」
少女(ずいぶんと気性が荒そうなんだけど……!)
- 6: 2019/04/29(月) 21:50:10.483 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女「よ、よろしくね」
盲導犬「ガルルルルァ!」
少女「盲導犬って大人しいイメージがあったけど、結構ワイルドな感じなんですね」
トレーナー「多少獰猛ですが、盲導犬としては超一級ですから。ご安心を」
少女「は、はい」
盲導犬「ガオオォォォォォォォン!!!」 - 7: 2019/04/29(月) 21:51:07.859 ID:FD6S7qMC0NIKU
- ま、まあ危険を知らせるには元気な方がね
- 9: 2019/04/29(月) 21:52:47.090 ID:fMXDIo3JrNIKU
- 獰猛犬か
- 10: 2019/04/29(月) 21:53:23.933 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女「散歩に行こうか」
盲導犬「ガルァ!」
スタスタ…
おばさん「あら、こんにちは」
少女「この声は……こんにちは!」
盲導犬「ガルァ!!!」
おばさん「な、なかなか元気な盲導犬ね」 - 12: 2019/04/29(月) 21:56:05.105 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女(誰ともぶつかりそうにならない……みんな避けてくれてるのかな)
盲導犬「……」ギロッ
通行人A「……こわっ」
通行人B「なんつう目つきだよ、あの犬……」 - 13: 2019/04/29(月) 21:59:05.475 ID:Tj1KSQL20NIKU
- パッ
盲導犬「ガルァ!」ピタッ
少女(赤信号か。止まらないと)
パッ
盲導犬「ガールールーガールルー♪」
少女「通りゃんせまで歌ってくれるの!?」 - 16: 2019/04/29(月) 22:03:25.422 ID:Tj1KSQL20NIKU
- DQN「イヤホンしながらのスマホは最高だぜ!」スタスタ
ドンッ
少女「あ、ごめんなさ……」
DQN「ああ!? ざけてんじゃねえぞ!」
少女「私、目が見えなくて……」
DQN「そんなの言い訳になるか! ブン殴ってやる!」
盲導犬「ガルルァ!」
ドゴォッ!
DQN「ぶげぁぁぁっ!」 - 17: 2019/04/29(月) 22:06:16.843 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女「ドッグフードだよ」サッサッ
盲導犬「……」プイッ
少女(……食べない?)
母「ああ、この犬はね……肉が大好物なのよ」ドサッ
盲導犬「ガルルルァ! ガァァァァ!!!」
ガツガツガツ… ブチリッ ブチリッ
少女「音だけで分かるほどのすごい食べっぷり……」 - 18: 2019/04/29(月) 22:09:15.471 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女「今日も出かけようね」
盲導犬「ガァァァ!」
スタスタ…
少女(点字ブロックがあるとやっぱり歩きやすいな……)
少女(あ、ここで途切れちゃうのか……まあ、しょうがないか)
盲導犬「……」 - 20: 2019/04/29(月) 22:12:17.972 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女「……あ」
少女「この辺は点字ブロックが多くて助かる!」
盲導犬「ガルァ!」ズンッズンッ
男「すげえあの犬……足で穴を開けて点字ブロックを作ってる」
盲導犬「ガアアアアア!!!」バッバッ
男「しかも通った後はちゃんと穴を埋めてやがる! まったく……大した盲導犬だぜ」 - 23: 2019/04/29(月) 22:15:28.465 ID:Tj1KSQL20NIKU
- スタスタ…
少女「この辺は車が多いから気をつけないとね」
盲導犬「ガル!」
ブロロロロ…
少女「ん?」
少女(大きな車が近付いてくる……!?) - 25: 2019/04/29(月) 22:16:44.634 ID:Tj1KSQL20NIKU
- ブロロロロロロロロ…
「トラックだ!」 「あの運転手寝ちまってるぞ!」 「あの子が轢かれる!」
少女「きゃーっ!」 - 28: 2019/04/29(月) 22:18:53.947 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 盲導犬「ガルァ!!!」
ドゴォンッ!!!
ズズゥン…
「すげー!」 「トラックをふっ飛ばした!」 「なんてパワーだ!」
盲導犬「ガルルルァ!!!」
少女「……ありがとう」 - 31: 2019/04/29(月) 22:22:32.304 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女「そろそろ家に帰ろうか」
盲導犬「ガル!」
ヒグマ「グオオオオオオッ!」ドドドドドッ
盲導犬「ガァ!?」
少女「なに、この気配!?」
「山から下りてきたヒグマがあの子を狙ってる!」 「ヤバいぞ!」 「逃げろぉぉぉぉぉ!」 - 32: 2019/04/29(月) 22:25:33.700 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 盲導犬「ガルルァァァァ!!!」
ドガァッ!
ヒグマ「ガッ!?」
盲導犬「ガルルルル……!」
盲導犬「ガオォォォォォォォォォン!!!」
ヒグマ「グオオオオオオオオオオオッ!!!」
ドカァッ! バキィッ! ドゴォッ!
少女「きゃああああああっ!」
「なんだあの犬!」 「ヒグマと互角以上に渡り合ってる!」 「死闘だ……!」 - 34: 2019/04/29(月) 22:28:06.576 ID:Tj1KSQL20NIKU
- ヒグマ「グルゥ……」ヨロヨロ…
盲導犬「ガル……」ボロッ…
少女「ありがとう……」
「あの犬ヒグマを追い返したぞ!」 「すげえええ!」 「なんて根性だ!」
ワァァァァァァ… - 35: 2019/04/29(月) 22:30:22.262 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 少女「はい、お肉だよ」
盲導犬「ガアアアアアアア!!!」ガツガツガツガツガツ
少女「あなたがいれば、目が見えないことなんて怖くないわ」
少女「どこへだって行ける!」
盲導犬「ガルルルルァ!!!」
タッタッタ… - 37: 2019/04/29(月) 22:34:43.899 ID:Tj1KSQL20NIKU
- しばらくして――
母「あなたの目について、新しい手術法が見つかったの」
母「この手術を受ければ、もしかしたら目が見えるようになるかもしれない」
少女「ホント?」
母「ただ、かなりハードな手術になることは間違いないわ」
母「……どうする?」
少女「……私、受ける!」
少女「だって私にはものすごく強い盲導犬がついてるんだから! 手術くらいへっちゃらだよ!」 - 39: 2019/04/29(月) 22:37:46.999 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 手術中……
母「さあ、手術の成功とあの子の無事を祈ってあげましょう」
盲導犬「ガオォォォォォォォォォン!!!」
――
少女(あの子の咆哮が聴こえる……私、頑張る!) - 42: 2019/04/29(月) 22:40:48.997 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 母「どうだったでしょうか?」
医者「手術は成功です」
母「本当ですか! ……ありがとうございます!」
盲導犬「ガルルルルルァ!!!」
医者「しばらく入院して頂き、包帯を取れば目が見えるようになっているでしょう」
母「よかったわね!」
少女「……うん!」 - 44: 2019/04/29(月) 22:43:17.019 ID:Tj1KSQL20NIKU
- ……
医者「では包帯を取りましょう」シュルルッ
母「どう?」
少女「……見える! 見えるよ!」
母「ああ……よかった!」
少女「先生、ありがとうございます!」
少女「――あ、そうだ! 盲導犬はどこ? あの子にもお礼いわなきゃ!」キョロキョロ
少女「あっ! いた!」 - 45: 2019/04/29(月) 22:45:39.742 ID:Tj1KSQL20NIKU
- ドーベルマン「……」
少女「わぁっ……私のイメージ通り!」
少女「トラックやクマから私を守ってくれてありがとう……」
ドーベルマン「……」
少女「ところで、いつもよりずっと静かだけどどうしたの?」 - 46: 2019/04/29(月) 22:47:15.340 ID:Tj1KSQL20NIKU
- 母「違うわよ、そのドーベルマンは他の人の犬よ」
少女「え?」
母「あなたの盲導犬はこっち」
少女「……あ」
チワワ「ガルァ!!!」
母「世にも珍しいチワワの盲導犬なのよ」
少女「え~~~~~~~~~~!?」
完 - 50: 2019/04/29(月) 22:50:23.250 ID:Z4VFSL0+MNIKU
- チワワかわいいww
- 55: 2019/04/29(月) 23:00:59.127 ID:OdLbdj0uaNIKU
- あいつ狂暴だしな
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