モバP「何それ」渋谷凛「ゾンビだけど……」
- カテゴリ:アイドルマスター シンデレラガールズ
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- 1: 2019/10/31(木) 00:54:51.57 ID:8Bd1QtaZ0
- P「そんなことを聞いてるんじゃなくて」
凛「うん」
P「なんで今年はそんなかわいくないやつなの」
凛「え? でも、かわいいって言われたよ」
P「誰に」
凛「小梅」
P「そりゃあそうでしょ……白坂さんはそう言うよ……」
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- 2: 2019/10/31(木) 00:55:26.97 ID:8Bd1QtaZ0
- P「にしても、どうしてまたそんなガチっぽいゾンビの仮装にしたの」
凛「この前、加蓮と買い物に行ってさ」
P「うん」
凛「これを見つけて。ゾンビにしよっか、って」
P「理由は?」
凛「奈緒をびっくりさせるため」
P「なるほど……」
凛「ちなみに、大成功だったよ」
P「それはよかった」
- 3: 2019/10/31(木) 00:56:00.60 ID:8Bd1QtaZ0
- 凛「でもプロデューサーはゾンビはお気に召さなかったんだよね」
P「いや、お気に召さないっていうか、その……怖いじゃん。それ」
凛「……まぁ、ちょっと気合入れてメイクしすぎたかな、とは自分でも思う」
P「でしょ?」
凛「うん」
P「それで電車乗って帰るの、めちゃくちゃ恥ずかしくない?」
凛「だからプロデューサーが外回りから帰ってくるの待ってたんだ」
P「送ってけ、と」
凛「うん」
P「いっそ給湯室とかでメイク落としてけば?」
凛「プロデューサーは私と一緒に帰りたくないんだ」
P「そうは言ってない」
凛「ならいいでしょ?」
P「まぁ、うん……」
- 4: 2019/10/31(木) 00:56:51.10 ID:8Bd1QtaZ0
- P「っていうか、逆になんで凛は俺と帰りたいの?」
凛「理由はさっき言ったでしょ?」
P「いや、そうだけど、ほら、別にメイクをオフする手段はあるだろ?」
凛「うん」
P「なのに、なんでわざわざ俺が戻ってくるの待ってたのかなぁ、って」
凛「んー。どうしても、ってわけではないんだけどね」
P「うん」
凛「せっかくの年に一回のハロウィンだし、顔見てってもいいかな、とか」
P「うん」
凛「結構頑張ってメイクしたし、この仮装見せたいな、とか」
P「うん」
凛「そういうやつ」
P「……ちょっとかわいすぎません?」
凛「すぐそうやって茶化す」
- 5: 2019/10/31(木) 00:57:32.81 ID:8Bd1QtaZ0
- P「いや、理由がこう、かわいかったというか、それストレートに言ってくれるの嬉しいなぁ」
凛「まぁ、隠すようなことでもないしさ」
P「ゾンビでも耳はほんのり赤くなるんだな」
凛「そういうゾンビもいるんじゃない? 詳しくないけど」
P「現に目の前にいるもんな。しぶゾンビ」
凛「りんゾンビじゃなくて?」
P「しぶゾンビのがかわいいよ」
凛「そうかな」
P「ちなみに、しぶゾンはどんなゾンビなの?」
凛「何その略し方」
P「いいからいいから」
凛「どんなも何も、ゾンビはゾンビだよ」
P「えー。映画によってゾンビもいろいろあるじゃん」
凛「例えば?」
P「走るやつとか、知性があるやつとか、ただただのろのろ歩くやつとか」
凛「トゥインキ―探すためにゾンビと戦う映画は観たことあるよ」
P「渋いの観てるなぁ」
凛「しぶゾンビだからね」
P「今度、高垣さんに採点してもらおう」
凛「絶対やめて」
- 6: 2019/10/31(木) 00:58:35.21 ID:8Bd1QtaZ0
- P「ゾンビって感染するのが一般的だけどさ」
凛「うん」
P「そういう場合、どうするのが適切なんだろうな、ってふと思った」
凛「あー。一緒にいる相手がゾンビになっちゃったら、ってこと?」
P「そうそう」
凛「……やっぱり倒すしかないんじゃない?」
P「さっぱりしてんなぁ」
凛「だって、食欲だけに動かされてずっと生きるのって嫌じゃない?」
P「こう、奇跡的に知性が戻るとか。すごい人が元に戻せる治療法を発明しちゃう、とかさ」
凛「なくはない可能性だよね」
P「うん。だから、そういう可能性を自分の手で摘み取るってどうなんかなぁ、と」
凛「でも、その前に他の人に倒されちゃう可能性もあるでしょ?」
P「それは……まぁ、そうだな」
凛「だったら私は知ってる人とか、仲いい人に倒して欲しいかな」
P「じゃあ、そのときに俺が一緒にいないことを祈ってて」
凛「なんで?」
P「たぶん俺は無理だろうから」
凛「おとなしく噛まれちゃう、ってこと?」
P「うん」
凛「そしたら仲良くうろうろしてようね」
P「プロデューサーゾンビとアイドルゾンビだ」
凛「案外、ゾンビになってからもこんな感じでまったりしてたりして」
P「あっちに人間いたから食べに行こうぜ、みたいな?」
凛「ゾンビになっても結構いいコンビネーションだったりするかもね」
P「もしそうだったら、結構嬉しいなぁ」
- 7: 2019/10/31(木) 00:59:14.41 ID:8Bd1QtaZ0
- 凛「なんで嬉しいの?」
P「ほら、知性がなくても連携が取れるってさ。なんか、運命的じゃん」
凛「そっか。……まぁ、私はプロデューサーがゾンビになったら、すぐやっつけるけどね」
P「安心してゾンビになれるな」
凛「うん。安心していいよ」
P「…………冷静に考えると、さっきから物騒な話してるな」
凛「……そうだね」
P「お口直しに、トリートでも食べとく?」
凛「トリックは?」
P「いらない。……けど、参考までに何されるか聞いていい?」
凛「え、考えてなかった」
P「やっぱり、噛む?」
凛「ゾンビらしく?」
P「そうそう」
凛「かもね」
P「………………なるほど」
凛「ちょっとトリックいいな、って思ったでしょ」
P「自意識過剰だ」
凛「……ふーん?」
P「嘘です。いいな、って思いました」
凛「まぁ、噛まないけどさ」
P「ですよね」
- 8: 2019/10/31(木) 00:59:44.33 ID:8Bd1QtaZ0
- 凛「それで? トリートって何があるの?」
P「普通のチョコ。今日、凛に会えると思ってなかったから特別なのは用意してなくて」
凛「でも、チョコはあるんだね」
P「なんか常備するようになっちゃって」
凛「虫歯になるよ」
P「誰のために常備してると思ってるの」
凛「プロデューサーが虫歯にしたい子?」
P「そんな特殊な嗜好はない」
凛「じゃあ、なんでわざわざチョコレートなんて常備してるの?」
P「鈍感ってよく言われる?」
凛「ううん。察しはそれなりに良いほうだと思うよ」
P「だったらわかるだろ」
凛「うん。ちょっとビターめなやつでしょ?」
P「味の話じゃなくて。いや、当たりだけど」
凛「ほら」
P「ほら、って……はぁ。俺の負け!」
- 9: 2019/10/31(木) 01:01:18.05 ID:8Bd1QtaZ0
- 凛「ん。で、誰のために用意したの?」
P「ニヤけた顔のゾンビ。……ほら、はい。チョコ」
凛「んー。三点かな」
P「三点満点中?」
凛「百点満点中」
P「寧ろ何で三点加点されたか聞きたい」
凛「途中式」
P「それってどの辺り?」
凛「さぁ」
P「……さて、ニヤけた顔のゾンビ。送ってくんでしょ? もうおうち帰るよ」
凛「次、その呼び名で私のこと呼んだらSNSに書くよ」
P「エゲつない脅しやめて」
- 10: 2019/10/31(木) 01:01:51.45 ID:8Bd1QtaZ0
- P「だったらなんて呼んだらいいの」
凛「それはプロデューサーが考えなよ」
P「ムスっとした顔のゾンビ」
凛「ゾンビから離れて」
P「………………」
凛「物理的にじゃなくて」
P「はい。承知しました」
凛「精神的にでもないよ」
P「なんでもつっこんでくれてかわいいゾンビだな」
凛「なんでもかんでもボケ倒す厄介なのに日頃から鍛えられてるからね」
P「いい師匠だな。紹介してほしい」
凛「鏡、見てきたら?」
P「歯に青のりついてた?」
凛「お昼ごはん、焼きそばかタコ焼きだったの?」
P「マックのハンバーガー」
凛「……もう疲れたからつっこむのやめるね」
P「急に突き放された」
凛「だって、これ以上付き合うと調子乗るし」
P「よくご存じで」
- 11: 2019/10/31(木) 01:03:28.67 ID:8Bd1QtaZ0
- P「いい加減帰ろうか」
凛「ん。もういいの?」
P「もうちょっとお話しする?」
凛「そっちじゃなくて、お仕事」
P「それはもう大丈夫」
凛「ならいいんだけど」
P「今日はありがとな」
凛「? 送ってもらうのは私なのに、なんで?」
P「わざわざ仮装見せてくれて、嬉しかったからさ」
凛「減るもんじゃないし、代金はサービスしとくね」
P「押し売りじゃん」
凛「クーリングオフはできないよ」
P「悪徳なやつだ」
凛「押し売りついでに、もう一つ」
P「?」
凛「これもあげる」
P「これは?」
凛「トリート。でも、もしかしたらトリックかもね」
P「どちらであっても謹んでお受けします」
凛「ふふっ。まぁ、たぶん普通においしいからさ、安心しなよ」
P「ちなみに、何か聞いてもいい?」
凛「こねて作った薄くて甘いやつ」
P「なるほど……」
凛「先、駐車場で待ってるね」
P「寒いし、俺の帰り支度終わるまで事務所にいなよ」
凛「なら、大事な担当アイドルが凍える前に、急いで来てよ」
P「え。ちょっと」
P「……」
P「行っちゃった」
P「…………かわいいゾンビだなぁ」
おわり
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