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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 17:39:26.89 ID:n1C1624G0
ぴんぽーん

男「はーい」

たったったっ がちゃ

女「こんにちは」
男「えっと、どちら様ですか?
  うちはテレビもありませんし、壺を買うお金も無いですよ?」
女「そ、そんな怪しい者ではありませんっ」

男「それ以外に若い女性が、
  我が家を訪ねて来る理由が見当たらないのですが…」
女「これです!」

ぺらっ

男「ああ、新聞ですか」
女「はいっ、どうですか?」
男「ごめんなさい、間に合ってますので」

――きぃ

女「ちょっと話だけでも聞いて下さい、ね?」がんっ
男「そんなドアの間に足を挟まなくても」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 17:46:10.52 ID:6W8pYQ8b0
女「貴方、学生さんですよね?」
男「ええ、まあ」
女「今のうちから社会で起きている出来事を知っておかないと、
  就職活動のときに困りますよ? 社会では、
  情報弱者は淘汰される構造が出来上がっているのですっ」

男「随分脅迫的な新聞勧誘ですね?」

女「一か月、一か月だけでいいですからっ!」
男「いや、だから今のところ新聞取るつもりは無いんで。
  申し訳ないですが」

女「そう…ですか」
男「そんなにしょんぼりされても」

女「已むを得ません、今日のところは撤退します。
  また来ますから、前向きに検討しておいて下さいっ」

男「いや、何度着てもらっても…」
女「さらばっ!」

たったったっ…

男「あーあ、行っちゃった」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 17:52:36.81 ID:6W8pYQ8b0
――数日後


ぴんぽーん

男「はーい」

たったったっ がちゃ

男「げ」
女「馳せ参じました」

男「だから、何度来てもらっても新聞は…」
女「じゃーん、そこで秘密兵器、洗剤です!3箱ですっ!」どんっ

男「いや、洗剤も間に合ってるんですけど」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 17:53:45.43 ID:6W8pYQ8b0
女「とりあえず一か月だけでいいから、ね?」

男「潤んだ瞳で訴えても無駄です」
女「むう、なかなかに強敵じゃのう」
男「分かったなら諦めて下さいよ」

女「なんで新聞取ってくれないんですか?」
男「そんな余裕無いからですよ」

女「むむっ、私だって生活ギリギリですよっ!」
男「なぜ怒る」

女「はぁ、もういいです」
男「やっと諦めましたか」

女「お母さんもう知らないからねっ!」
男「俺は駄々をこねる子供かっ」

女「また来ます!」だっ
男「来なくていいです」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 17:58:42.77 ID:6W8pYQ8b0
ぴんぽーん

男「NHKと壺と新聞なら間に合ってますー」

女「宅急便でーす」
男「……」

がちゃ

男「鼻つまんだってバレバレですから」
女「ども、こんちは!」

男「で、まだ諦めてないんですか?」

女「駅前のパン屋さんでパン買って来ました。
  クルミパン、一日50個限定なんだそうです。
  焼き立てで、とってもいい匂いですよ」がさっ

男「へえ、なら休憩時間に食べて下さい」

――きぃ

がんっ!

女「そうやって一方的な態度しか取れないと、
  これからの人生でいろいろと困りますよ?」

男「ドアの隙間に足を挟む女性に言われたくないです」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 18:07:20.01 ID:6W8pYQ8b0
女「いいですか?時代はコミュ力です」
男「はぁ」

女「私がとてもお腹が空いているので、一緒にパンを食べましょう」
男「パンはコミュ力とは関係無いんじゃないでしょうか」

女「…駄目?」
男「駄目、ゼッタイ」
女「麻薬ダメ、ゼッタイ!」

男「…とにかく、新聞は間に合ってますから」

女「……じゃあ、パン、あげます」がさっ
男「へ?何で?」

女「ただの賄賂ですよ。
  それに私一人で食べ切れる量じゃないですし」

男「そう言うなら貰っておきますけど…」
女「――じゃ、また来ますね」

とぼとぼとぼ…

男「……なんか調子狂うなあ」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 18:14:22.13 ID:6W8pYQ8b0
ざああぁぁあぁっ…
ぴしゃーん、ごろごろごろ…

男(……凄い雨と雷だな)

ぴんぽーん

男「……」

がちゃ がこんっ!

女「痛ったぁ…」
男「……インターホンを鳴らして、
  ドアのまん前に立てばそうなると思いますが」

女「こんにちは」
男「こんにちは」

女「ええと。どうですか、新聞」
男「……そんな事より」
女「ん?」

男「びしょ濡れじゃないですか。
  ああもう、上がってちょっと待ってて下さい」

女「……へっ?」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 18:16:06.34 ID:6W8pYQ8b0
男「――はい、タオル」
女「あ、ありがとう…」ごしごし

男「ドライヤーも置いておきますから」
女「あ、ありがとう…」

男「どうしたんですか?」
女「えっ、なっ、何がっ?」

男「今日はやけに大人しいじゃないですか」
女「そっ、そうですか?」

男「そうですよ。――はい、紅茶。温まります」ことっ
女「あ、ありがとう…」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 18:21:17.59 ID:6W8pYQ8b0
ざあああぁぁぁあぁっ…

男「……ゲリラ豪雨、ってやつですかね」
女「…そうですね」

男「……」
女「――紅茶、おいしい」
男「それはよかった」

女「……初めてお部屋に侵入しました」
男「そうですね」

女「なんだか、申し訳ないです」
男「まぁ、気にしないで下さい」
女「……はい」
男「……」

女「――雨が降ったのが、貴方のところに来る途中で良かったです」ぽそっ
男「…ん?」
女「あ、いや。何でもないです」
男「……?」

女「雨、止みませんね」
男「ええ」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/07(金) 18:34:03.76 ID:n1C1624G0
ぴしゃーん ごろごろごろ…

――ふっ


男「あれっ」
女「停電…ですね」

男「うーん、ブレーカーは落ちてないみたいです」
女「暫くすれば戻りますよ」
男「まあ、そうですね」

女「――真っ暗、ですね」
男「あ、蝋燭あったかなぁ…」がさごそ

女「……」そおっ
男「うーん、確かここに…」がさごそ

女「……わっ!」どんっ
男「うわあっ!」びくっ
女「あはははははっ…、可笑しいっ、あはははっ!」

男「ちっくしょっ……ぷっ、あはははっ!」
女「あははははっ!」


――

―――
49: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 18:36:21.98 ID:n1C1624G0
女「では、お世話になりました」
男「いえいえ、雨も止んで良かったです」

女「あ、折角なので記念に新聞も取ってくれませんか?」
男「何の記念ですか」

女「部屋に初めて女性を入れた記念です」
男「なんでそれを知ってるんだ」

女「新聞勧誘にも色々と下調べがあるのです」
男「……」

女「では、また来ますね」
男「ええ」

女「あっ!」

男「…ん?」
50: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 18:39:31.62 ID:n1C1624G0
女「初めて『来なくていい』って言われませんでした!」
男「あ、別に来なくていいんですけどね」

女「またまたぁ、照れちゃってぇ」つんつん
男「にやにやしながら、肘で身体をつつくのは止めなさい」

女「ま、とにかく今日はこれで」
男「はい」

女「本当に有難うございました。助かりました」
男「なんのこれしき」

女「では、さいならー」たったったっ…

男「はいはいー」
54: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 18:49:54.64 ID:n1C1624G0
ぴんぽーん

男「……どちら様ですか?」
女「悪い奴らに追われてるの!助けて!」

男「……」

がちゃ

女「助けて!もう貴方しか頼れる人がいないの!」
男「……ご近所で噂になるから止めなさい」

女「はーい」

男「……で?」
女「今日も元気に新聞の勧誘に参りました!」
男「その意気で頑張って契約取ってくれ、俺は寝るんで」きぃ

がんっ!

女「だーかーらー、話を聞いて下さいって!」
男「ドア壊れちゃうんでやめて下さいよ」
58: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 18:55:06.47 ID:n1C1624G0
女「じゃじゃーん、今日はこんな物を持参しました!」

男「……何ですかこれ」
女「新聞勧誘10の奥義が1つ、泣く子も黙る野球のチケットですっ」

男「ごめんなさい俺ヤクルト派なんで」
女「おっ、奇遇な事にこれヤクルト戦ですよ」

男「……」
女「あ。今一瞬行きたいかも、って思ったでしょ?」
男「新聞は取りませんよ」

女「仕方ない、無償で差し上げましょう」
男「…ホントに?」
女「まぁ、一塁側ですが。どうぞ、ペア券です」
男「これはどうも」

女「……あ」
男「ん?」
59: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 18:58:51.51 ID:n1C1624G0
女「あれですか、ペア券貰っても一緒に行く人がいない
  所謂一つの『ぼっち大学生』って奴ですか?」

男「別に一人で行くから大丈夫ですよ」

女「もう、仕方ないなぁ」
男「何がですか」

女「私が一緒に行ってあげましょう」
男「いや、遠慮しておきます」

女「じゃあ、当日はここにお迎えに上がりますので!」
男「待て待て、何で勝手に話を進めているんだ」

女「新聞の勧誘は今日は勘弁してあげましょう、
  では私は準備があるので、失礼します」
男「ちょ、ちょっと!」

女「楽しみにしてますからねーっ!」

男「……はぁ」
89: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 20:36:04.96 ID:n1C1624G0
――当日 男アパート


男(いいか、落ち着け。これは一種の洗脳行為だ。
  こうやって仲良くなることで新聞の契約に漕ぎ着けようとする、
  敵の狙いは一目瞭然)

男(……よってこれは決して、
  決してデートなどと謂う高尚な逢瀬では無くてだなっ)

男(心を許すなどは言語道断、
  一寸たりとも隙を見せてはならんのだ)

男(ましてや相手は女子(おなご)。
  これはATフィールド全開で臨むべき相手…
  ――そう、使徒。奴は使徒なんだ!)

ぴんぽーん

男「……総員、第一種戦闘配置」
91: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 20:42:38.65 ID:n1C1624G0
がちゃ

女「参上しました」
男「ああ、こんにち…は」

女「どうしたんですか?」
男「いや…何でも」
女「……ふうん?」

男(し、私服姿だと……。
  意識してなかったけど、この人…美人なのか)

女「どうしたんですか、早く行きましょうよっ」ぐいっ
男「分かったから腕を引っ張るなって」

女「楽しみですねー」

男「そんなに浮かれて、子供かっ」
女「……だって、そりゃあ浮かれますよ」
男「え?」

女「何でもないです。ほらっ、行きましょう!」
97: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 20:53:44.14 ID:n1C1624G0
がたんごとん がたんごとん…

『次はー、水道橋ー、水道橋です。お降りのお客様は…』

女「あ、男さん、東京ドームですよ、東京ドーム!」
男「静かにしてくださいって。
  向かいに座っている男の子の方が大人しいじゃないですか」

女「だって、夏ですよ?」
男「ええ、まぁ」

女「野球場と言えば、キンキンに冷えたビールですよ?」
男「ああ、それはいいですね」

女「それに。ぼっち大学生が、女の子と一緒にナイター観戦なんて
  夢にも思わなかったでしょう?」
男「冗談は冗談だと分かるように言って下さい」

女「うっわぁ、楽しみだなあ…」

男「……」
98: ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 20:57:15.79 ID:n1C1624G0
ぷしゅー。 

『水道橋、水道橋ですー』


男「ほら、降りますよ」
女「あ、男さん!」

男「……何ですか」

女「今日の試合は巨人が頂きますからね!
  なんてったって日本一の原監督が…」
男「えっと、東京ドームはどっちかな」すたすた

女「ちょっと、待って下さいよー」たったったっ…
101: 1 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 21:05:41.40 ID:n1C1624G0
――東京ドーム


女「男さん男さん!」ぐいぐい
男「何ですか?」

女「お弁当、買いましょうよ。幕の内弁当」
男「ああ、そうですね」

女「おばちゃーん、幕の内二つ下さいなー」
おばちゃん「あいよー、お茶はいいのかい?」
女「ビール買うから大丈夫ですー」
おばちゃん「まいどー」

女「お待たせしました、行きましょう」
男「弁当代、後で払うよ」

女「ああ、いいんです」
男「そう言う訳にも…」

女「後でビール奢って貰いますから、お相子です」
男「ああ、そんなもんですか?」
女「人々の熱気が凄いですねー」

男(嬉しそうにしちゃって…)

女「早く席に行きましょ」
男「はいはい」
103: 3 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 21:11:16.32 ID:n1C1624G0
――かきーんっ

女「小笠原打った!」
男「うわ、やられた…」

女「入れ入れ入れ…」
男「やめろ…」

こんっ

女「やった、ホームランです、ホームランですよ男さん!」
男「……はぁ」

女「へへへ、そんなため息つかないで下さいよー」
男「にやにやすんな、余計むかつく」
女「おー、怖い怖い」

お姉さん「良く冷えたビールはいかがですかー?」

男「お姉さん、ビール一つ」
お姉さん「はい、ありがとうございます」

女「あ、二つで!」
お姉さん「はい、千円頂戴します」

男「まだ飲むつもりですか」
女「祝杯を挙げないとですから。小笠原にかんぱーいっ」

男「……」ごくごく
105: 5 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 21:19:59.75 ID:n1C1624G0
アナウンス『ジャイアンツ、ラッキーセブンの攻撃は…』


女「……ねえ、男さん」まぐまぐ
男「んー?」もぐもぐ

女「野球場で食べる幕の内は、
どうしてこんなに美味しいのでしょうか」まぐまぐ
男「巨人が勝ってるからじゃないか?」もぐもぐ

女「それは一理ありますね」まぐまぐ
男「……」もぐもぐ

女「……」まぐもぐ
男「――きっと、」

女「…?」

男「きっと、この雰囲気ですね。
お祭りの屋台で食べる焼きそばが美味しいのと同じ原理です」

女「なるほど、流石です」

男「何にせよ気分の問題ですよね」
女「それってアレですか、隣に私が居るから…とか、
  そういう間接的な告白ですかっ?」
男「さーて、七回ちゃんと抑えてくれよー」

女「うわっ、完璧なスルースキルだっ!」
107: 7 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 21:22:38.18 ID:n1C1624G0
――帰り道


女「んー、夜風が気持ちいいですね」のびーっ
男「そうですね…」

女「そんなに落ち込まないで下さいよ、ほらっ、
  ヤクルトだって善戦したじゃないですか!」
男「ラミレス…どうして巨人なんかに…」

女「もうっ、行きますよ!」ぐいっ
男「え、何処行くんですか。駅はこっち…」

女「今日は満月なので、夜のお散歩に行きます!」
男「……酔っぱらってる?」

女「はい、行きますよー」
男「痛てて、分かったから引っ張るなって…」

女「総武線沿いは何だか好きですっ」

男「……やれやれ」
142: 2 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:12:27.72 ID:h5D30pZ70
りーん… りーん…


女「――夏の夜のお散歩って」
男「…ん?」

女「夏の夜のお散歩って、何だかウキウキしませんか?
  この辺りは緑も豊かだからほら、虫の声も聞こえますよ」
男「…まあ、分からなくないかも」

女「清少納言も言ってますもんね、夏は夜って」
男「月の頃はさらなり…ですか」

女「闇もなほ」
男「蛍の多く飛び違いたる」

女「おお、詳しいですね」
男「これでも一応文学部の学生ですから」
143: 3 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:13:34.42 ID:h5D30pZ70
女「さすがに蛍は…いませんよね」
男「季節はもう夏ですけどね」

女「でも、いいです」
男「…?」

女「今日は楽しい一日だったから、いいんです」
男「……」

女「男さんのお陰です。
初めてこのお仕事しててよかったと思いました」
男「――俺も」
女「…ん?」

男「俺も楽しかったですよ」
女「それは光栄です」にこ
148: 8 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:18:01.51 ID:h5D30pZ70
男「また、行きましょうね。野球見に」

女「勿論です、今度は神宮に行きましょう。
  秋になると、あそこの銀杏並木が紅葉して、長い道が全部黄色で。
それはもう、綺麗なんですよ」

男「じゃあ約束です、また秋になったら」
女「はい、指きりです」

男「ゆ、指きり?」
女「こうでもしないと、男さんは平気で忘れちゃいそうですからね。
  約束破ったら本当に針千本飲んで貰いますからねっ」
男「…はいはい」

女「ゆーびきーりげんまん、
うーそつーいたらはーりせんぼんのーますっ!」

男「あ、もう御茶ノ水ですね」
女「あれ、ほんとだ。じゃあ今日はこの辺で勘弁しておいてあげます」

男「そうですか」
女「あれー?何で少し残念そうな顔してるんですかー?」
男「じゃあ、また」すたすた

女「男さんはスルースキル高すぎますっ!」
150: 0 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:25:50.63 ID:h5D30pZ70
男「貴女が変なこと云うからですよ」すたすたすた

女「ちょ、ちょっと待った!」
男「何ですか?」

女「――また、お家に伺ってもいいですか?」
男「……駄目と言っても来るでしょう?」

女「それはもちろんっ」にこ
男「新聞は取りませんけどね」
女「あはは、一か月だけでいいんですってばー」

男「じゃ、また」
女「はい、おやすみなさいっ」


――

―――
155: 5 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:33:40.43 ID:h5D30pZ70
ぴんぽーん

男「ん、来たか」

たったったっ ――がちゃっ

女「こんにちは」
男「はい、こんにちは」

女「今日は男さんに勝負を申し込みに来ました!」
男「勝負?」

女「はいっ。こいつで私が勝ったら契約、してもらいますよ!」

男「……まあ、玄関先で花札も何だから、とりあえず上がって下さい」
女「いざ、決戦の時!」

男(わざわざ勝負を挑んで来るんだから強いのかな…)
157: 7 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:38:28.79 ID:h5D30pZ70
女「ふふふっ…こいこいです!」
男「……」ぱらっ

ぺちん

女「ああ、雨が!」

ぱらっ

男「お、出来た」ぱらっ
女「……えっ?」
男「赤タン。こいこいはしない」
女「わ、私の三光が…」

男「欲張って雨四光なんて狙うからですね」
女「……負けました」

男「という訳で、残念でした。新聞契約ならず」
女「そ、そんなぁ」
男「それより、こんな所で遊んでていいんですか?仕事中でしょう?」

女「これも勧誘ですから私の仕事ですっ!」
162: 2 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:44:56.14 ID:h5D30pZ70
男「はいはい、俺バイトあるからもう帰って下さいね」

女「へえ、何のバイトしてるんですか?」
男「コンビニで」

女「……ぷぷっ」
男「え、何故笑う」

女「いやあ。コンビニとか、ぼっち大学生がしてそうなバイトだなあ、
  と思いまして」
男「そんな事無いでしょう」

女「もっと居酒屋とか、そういうバイトにすれば、
  せめてバイトの中では、充実した人間関係を育めたかも知れなかったのに…」
男「新聞の勧誘員に云われたくないです」

女「まあ、それもそうなんですけどね。
  じゃ、お暇します。バイト頑張って下さいね」

男「ん、じゃ」
女「はい、またっ」

きぃ ――ばたむ

男「――っておい、花札片付けてから帰れ!」
163: 3 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:50:43.68 ID:h5D30pZ70
――数日後 毎売新聞営業所


所長「という訳で、上半期の優秀者は女さんに決定しました。おめでとう」

ぱちぱちぱち…

所長「皆さんも、女さんを見習って契約取って来て下さいね」
女「いやあ、そんな私なんてまだまだですよ」

所長「そして、商品は…」
女(商品!?)

所長「北海道、二泊三日の旅です、おめでとう!」
女「うわ、ありがとうございます!」

所長「夏休みにでも行って来なさい」
女「はいっ!」

ぱちぱちぱち…

所長「では、今日の朝礼は終わりです。
   皆さん、今日も宜しくお願いします」

一同「よろしくおねがいしまーす」
166: 6 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/07(金) 23:58:49.16 ID:h5D30pZ70
――その日


ぴんぽーん

男「はいはい、っと」

がちゃ

女「今日も読者拡大のため、勝負に参りました!」
男「またやるんですか、花札」

女「じゃんっ!今日はこれです!」
男「……また時間のかかりそうなものを」

女「言っておきますけど、私のお父さんは大の将棋ファンですから!」
男「残念ながら棋力は遺伝しません」
167: 7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/08(土) 00:01:02.97 ID:fifkDAvX0
ぱちんっ

男「王手飛車取り」
女「まっ、待った!」

男「……待ったし過ぎです」
女「今回だけ、今回で終わりでいいですから」

男「仕方ないですね、じゃあ、待ったは今回で最後ですよ」
女「さすが、優しいです!」

ぱちんっ

男「……」

ぱちんっ

男「王手角取り」

女「待った!」
男「おいっ」
169: 9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/08/08(土) 00:06:13.71 ID:fifkDAvX0
女「……ところで」ぱちんっ
男「ん、何ですか?」

女「私、営業所で上半期の実績トップだったんですよ、えっへん」
男「へえ、ちゃんと仕事してたんですか」ぱちん

女「それでそれで」
男「何ですか?」
女「商品を貰ったんですよ!」ぱちんっ
男「へえ」

女「ふふん、何だと思いますか?」
男「うーん…、西瓜とか?――王手」ぱちん

女「なんと正解は、北海道二泊三日です!」
男「へえ、意外と太っ腹なんだ」

女「はい。……待ったしてもいいですか?」
男「駄目」

女「むぅ……。あ、それで。
  まぁペア券じゃない所にケチさを感じざるを得ないんですが」
男「あ、やっぱりそうなんだ」
172: 2 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 00:13:58.32 ID:fifkDAvX0
女「まあ、それで来週の火曜から夏休みなんで。
  丁度いいから行ってこようかなと思ってるんです」ぱちん
男「ふうん、いいじゃないですか。――王手。これで詰みです」ぱちんっ

女「え?まだ詰んでないですよ!」
男「あと数手で詰むんで、別に最後までやってもいいですけれど」

女「あ、それでそれで。
  いいでしょ、北海道。カニ、ウニ、いくらの最強トリオですよ?」
男「いいから早く打って下さいよ」

女「むむぅ…。
で、何かお土産買ってこようと思うんですが、何がいいですか?」ぱちん

男「カニ、かな。王手」ぱちん
女「思考時間短っ!どこのAIですか!」
男「だって手は全部読んであるし」
173: 3 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 00:19:27.29 ID:fifkDAvX0
女「この勝負、負けてくれたらカニ買って来てもいいです」ぱちん
男「新聞代払うくらいならカニ自分で買います。……はい、詰み」ぱちん

女「あのですね、もっと女性に対して手加減とかですねっ…」
男「女さん」
女「はいっ?」

男「――気を付けて行って来て下さいね」にこ
女「……はい」

男「あれれ?女さん、顔紅くなってません?」
女「うるさいっ、にやにやすんなっ!」

男「ま、楽しんでくればいいと思いますよ」
女「一緒に行けなくて残念ですか?」
男「俺バイトなんで、将棋盤持って帰って下さい」

女「……もうスルーされるのにも慣れました」
男「人類の最大の特徴は学ぶ能力にありますからね」
175: 5 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 00:21:32.77 ID:fifkDAvX0
女「ということで、暫くここにも来れなくなりますので」
男「と言っても二泊三日ですよね?束の間の安息です」

女「――という訳で、これ。私の連絡先です」
男「おお、貴女の連絡先が」
女「……何で棒読みなんですか」

男「いやいや、ちゃんと感情込めて云いましたよ」
女「……もういいです」

男「着いたら、ちゃんと連絡してくださいね?」
女「……」
男「約束ですよ?」
女「……はい」

男「よし、偉いぞ」
女(――くそう。結局、男さんの主導権じゃないですか…)
男「ん、何か?」

女「特別に、許してあげます」
男(…何をだっ!?)
190: 0 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 01:14:46.64 ID:fifkDAvX0
――数日後


ぴろりろりんっ♪

男(ん、メールか)かちかち

From : 女
Sub : 無題

これから飛行機に乗ります!初飛行機!
どうやってこの鉄の塊が空を飛ぶのか、
不思議でしょうがありません。
じゃ、白い恋人を食べ尽くしに行って来ます!

男(……なんだこりゃ)かちかち

店長「こおら、男!もう休憩時間終わりだぎゃ!」
男「あ、すいません」


To : 女
Sub : 無題

了解。気を付けて行って来て下さい。
甘いものはあまり食べ過ぎないように。
帰り、待ってます。カニ鍋しよう。
193: 3 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 01:18:12.28 ID:fifkDAvX0
――その夜


がちゃ ――ぱたん

男「ただいま、っと」

男(風呂入って寝ちゃうかなー)

男(女は北海道かぁ、いいなあ)

男(あんな奴でも暫く会わないと寂しいもんだなぁ)

ぴるるるっ ぴるるるるっ

男(――電話?)

ぴっ

男「はい。……なんだ、女さんですか」

男「あ、いや。『なんだ』って言うのはほら、つい口を滑らせただけなんで」

男「あははは…、そんないじけないで下さいよ」
194: 4 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 01:24:12.56 ID:fifkDAvX0
男「うん、うん。――それで、北海道はどうです?」

男「へぇ、いいなぁ。……いや、俺行ったことないんだ。北海道」

男「二人で?――ああ、機会があれば」

男「いやいや、本当に思ってますって。うん」

男「ん、じゃあ、待ってるよ。うん」

男「はい。……うん、おやすみなさい」


――ぴっ
195: 5 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 01:25:37.51 ID:fifkDAvX0
男(……うわっ、俺、今顔にやけてなかった?気持ち悪っ)

男(――風呂入って寝よう)

男(……なんか俺、浮足立ってないですか!?
  だめだ、三次元の女性に恋愛なんてタブーだろ、Vipperとして!)

男(夏だから頭おめでたくなっちゃってるのかよ…。
  俺夏厨かよっ!うわぁ…引くわぁ)

男(彼女なんて都市伝説っと…)

男(風呂、入ろう。今日はお湯溜めようかな…)


――

―――
215: 5 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 01:46:25.72 ID:fifkDAvX0
――翌日


ぴろりろりんっ♪

男(またメール…)かちかち

From : 女
Sub : 無題

今日は市場に行って来ました!
ご要望の通り、なけなしのお金でカニ沢山買ったから!
明日東京帰ったらそのまま家に行くので、
カニ鍋パーティの準備をしといて下さい!
ではよろしく!
218: 8 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 01:47:06.58 ID:fifkDAvX0
男(……ぷぷっ、カニどんだけ買ったんだよ)かちかち

店長「おら、男!さっさとレジ立て!」
男「はい、すいませーん」かちかち

To : 女
Sub : 無題

カニだけじゃなくて鍋に入りそうな魚介もよろしく。
野菜と肉はこっちで準備するよ。
明日もバイトあるので、夕方に来てくれれば大丈夫だと思う。
じゃ、気を付けて帰って来て下さい。


店長「こぅらぁ!」
男「今行きますって!」
221: 1 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 01:57:46.60 ID:Jp2CR4Rn0
――その夜

ぴるるるる ぴるるるるっ

男「はい」
『やっほ、こんばんは!』
男「おお、こんばんは」

『今ね、函館にいるんですよ!』
男「それはよかった」

『夜景が、すっごいんですよ!もう見せてあげたいくらいです!』
男「へえ、行ってみたいですね」
『冬になったら行きましょう!雪まつりも見に行きたいし!』
男「いやあ、冬は寒いでしょう」

『またそんなこと言って。乙女心ってものを少しは学んで欲しいです』
男「あー、生憎それは専門外なんですよ」

『全く…。でも、』

男「ん?」
225: 5 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:03:10.01 ID:Jp2CR4Rn0
『でも、何だかこの景色見てたら、
どうでも良くなってしましました。悩みとか、躊躇いとか』
男「……」

『もうね、最近悩みっぱなしだった訳ですよ。
 男さんは私の事なんて眼中に無いみたいだし』

男「……えっ?」

『やっぱり私はただの新聞の勧誘員な訳ですし。
 ひょっとしたら大学とかバイトとかで彼女いるのかもしれませんし」

男「…いや、」

『いいです、とりあえず最後まで聞いて下さい』

男「――はい」
231: 1 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:07:26.17 ID:Jp2CR4Rn0
『いいですか?もうこの際だからはっきり、きっぱり言っちゃいます』
男「……」

『本当は面と向かって言うべき事なんでしょうけど、
 もうここまで言ったんだし、もう勢いです。
 私、馬鹿だから、あんまり上手く言えないですけれど」

男「……」

『いいですか、言っちゃいますよ!覚悟しろよ!』

男「…はい」

『私は、男さんのことが、好きです。
 普段は素っ気ないくせに、たまに見せる優しい目とか、
 笑うと顔がくしゃって、なるところとか、
 雨の日に紅茶淹れてくれちゃうところとか…」

男「……」

『もうね、全部なんてとても挙げきれないんですよ。
 それくらい好き。大好きなんです。
 本当は今だって隣に貴方がいてくれればいいなぁ、
 なんて思って電話しちゃってる訳ですから」

『ああもう、くそう、何で私こんなことまで言ってるんでしょう。
 恥ずかしいったらありゃしません。
 ええっと、それで……』
232: 2 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:08:17.03 ID:Jp2CR4Rn0
『ほら、野球見に行った時とかも。
 何だかんだで優しかったし、あの日ははすっごく楽しかったんです。
 ええと、ほら。夜のお散歩も付き合ってくれましたし…』


『っもう、何言えばいいか分からなくなりました!
 もういいです!要は、私は貴方が好きだってことです!
 解りましたかこのウスノロ鈍感っ!』

男「……ぷくくっ、あはははっ」

『何故そこで笑うっ!?』
237: 7 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:19:10.42 ID:Jp2CR4Rn0
男「いやあ、見事に混乱してるなぁ、と思って」

『……なんて人だ。人が清水の舞台から飛び降りる覚悟で、
 一世一代の大勝負をしたというのに…』

男「ん、ええっと……、女さん」

『何です?このドSが。
こちとら心臓が破裂しそうなくらい緊張してるんですよ?
わざわざ北海道まで来て何やってるんだって感じですよ全く』

男「俺も、女さ…」

『あーあーあー!聞こえなーい!ストップストップ!』

男「……はっ?」
238: 8 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:19:59.04 ID:Jp2CR4Rn0
『やっぱり、お返事は面と向かって聞かせて下さい。
 何か今のだけでも分かっちゃって、正直、小躍りしそうな気分ですけど、
 ほら、あの……』

男「……?」

『――抱きしめて、欲しくなっちゃうじゃないですか。ほら。
 そんな禁断症状に悩まされたくないので、明日会うまで保留です!
 解りましたか!?』

男「分かったよ」

『よっし、安心しました。じゃ、明日』

男「もう切るんだ?」

『これ以上貴方の声を聞いてると、
会いたくなるから切るんですよ馬鹿っ!』

――ぶつっ  つー、つー、つー
245: 5 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:26:07.71 ID:Jp2CR4Rn0
男「……ぷくくっ、あははははっ」

男「馬鹿だ、絶対に馬鹿だっ!」

男「あいつも相当な馬鹿だけど、俺も馬鹿だ」

男(こんなに直球でぶつかられないと、
  自分の気持ちも分からないなんて…馬鹿すぎる)

男(あー、なんか、駄目だ。死にそうです。
  幸せなのに鬱ってどういうことだよこれ)

男(――明日、埋め合わせ、しないとな)

男(……でも、駄目だ)

男「顔、にやけちゃうわ」


――

―――
259: 9 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:36:07.17 ID:Jp2CR4Rn0
――翌日

男「店長、お早うございます!」
店長「おー、男。どうした、今日はやけに上機嫌じゃないか」

男「いや、そんなことないですよ」
店長「顔がすっごくにやけている訳だが」

男「まあ、いいじゃないですか。着替えて来ます」
店長「うん、着替えたら夕刊の棚出し頼む」

男「了解です」

たったったっ…

店長「――しかし」

ぱらっ

店長「国内線で事故ねぇ。えらいこっちゃ。
   夕刊もこんな様子だし、
   明日の朝刊も一面はこのニュースで決まりだろうなぁ…」
279: 9 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:45:24.41 ID:Jp2CR4Rn0
【国内線で墜落事故】

今日の15時32分に新千歳空港を離陸したJAL国内便が、未明、宮城県上空で
レーダーから消失したことを発表した。
同機は宮城県の山林に墜落し、現在消防が全力で消火・救出活動を続けている。
この事故による死傷者は未だ確認できておらず、警察は搭乗者の確認を急いでいる。
288: 8 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:51:22.42 ID:Jp2CR4Rn0
――ぱさっ

男「……え?」
店長「なあ、酷い事故だよなあ。可哀想に」

男「……店長」
店長「なんだ?」

男「体調が悪いので、早退します」だっ
店長「…え、おい!男っ!」

男「いや、あの飛行機に乗っているとは限らないだろ…」

ぴぴぴぴ…

『この電話は、現在電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため…』

男「――まじ、かよ…」

男「なあ、カニ鍋するって、言ったよな?
  それだけじゃない、秋には神宮に行って、
  冬には雪まつり見に行くんだろ?なあっ!」

ぴぴぴぴ…

『この電話は、現在電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため…』

男「頼むから…電話出てくれよ…」
294: 4 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 02:55:39.90 ID:Jp2CR4Rn0
――翌日

男(昨日は一睡も出来なかった…)

男(電話、掛けてみるか)

ぴぴぴぴ…

『この電話は、現在電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため…』

男「……はぁ」

男「どうすんだよ、このカニ鍋の準備…」

男「もういいや、バイトもサボろう。……寝よ」


――

―――
312: 2 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 03:07:34.92 ID:Jp2CR4Rn0
――夕刻


男「……ぐぅ…ぐぅ」

……ん

男「…すぅ」

……ぽーん

男(何だよ、うるせえな…)

ぴんぽーん

男(――チャイム?)

ぴんぽーん ぴんぽーん

男「……っ!」がばっ


男「……NHKと宗教なら間に合ってますよー」

ぴんぽーん

男「……」
314: 4 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 03:08:45.66 ID:Jp2CR4Rn0
たったったったっ


――がちゃっ


女「新聞、取ってくれませんか?
  一か月、一か月だけでいいですからっ!」

男「……おまえ」
女「こんちわ!……なんて顔してるんですか全く」

男「…え?何で?」

女「ああ、この記事ね。びっくりしましたよ。
  一昨日あの電話の後眠れなくてさ、次の日寝坊しちゃったんですよ。
  んでテレビつけたらこのニュースでしょ」

男「……なんで携帯つながらないんだよ」
女「急いでフェリー乗ったんだけど、充電し忘れちゃって…」

男「――馬鹿野郎」
女「泣くことないでしょー」

男「泣いてない」
女「じゃあ顔こっち向けなよー?」
322: 2 ◆8YB9C3Jg.. 2009/08/08(土) 03:11:00.35 ID:Jp2CR4Rn0
男「ああもう!」くるっ
女「!?」

ぎゅっ

男「……おかえり」
女「ただいま」にこ

男「……カニ鍋食うか」すっ
女「ええー!もう終わりですか!?ちゅー!ちゅーは!?」

男「少し…黙れ」
女「きゃっ!?」

ちゅっ…


>>the end.
>>special thx for reading!

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