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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 20:39:16.73 ID:w+xhzJ8h0
マミ「さ、キュゥべえ。今日のお夕飯よ。ここに置いておくわね」

キュゥべえ「ありがとうマミ、助かるよ! 今日はキャットフードかな? ドッグフードかな?」パタパタ

キュゥべえ「…………」

キュゥべえ「あれ? ……食器が空だ」

キュゥべえ「……どういうことだろう? ……マミ。マミ!」

マミ「どうしたの、キュゥべえ。……あら、もう食べ終わったの? お腹が空いてたのね、ふふ」

キュゥべえ「違うんだ、最初から空だったよ。マミの間違いじゃないのかい?」

マミ「キュゥべえったら、そんな嘘をついてまでおかわりがほしいのね。でも、食べ過ぎると太っちゃうわよ」

キュゥべえ「信じてくれ、マミ。僕は嘘なんか……行かないでくれ、マミ! お腹がぺこぺこなんだ!」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 20:43:36.60 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「はぁ……結局信じてもらえなかった。エネルギーが補給できない……」グゥー

キュゥべえ「僕のエントロピーはかつてないほどに枯渇しているよ……」

キュゥべえ「しょうがない、今日も魔法少女の素質がある少女を探すことにしよう」

キュゥべえ「鹿目まどかさえ契約してくれれば、僕のノルマも達成できる」

キュゥべえ「いや、彼女の魔力さえ回収できれば、僕は一生遊んで暮らせるだろう」

キュゥべえ「それまで辛抱だ……」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 20:48:09.26 ID:w+xhzJ8h0
さやか「おーっす、まどか! 今日もかわいいじゃんか、このこのぉ!」

まどか「やだー、さやかっちゃんってば……」

仁美「禁断の恋ですわ……それもこんな、教室の真ん中で……」

キュゥべえ「見つけたよ、鹿目まどか! 僕と契約して、魔法少女になってよ!」

まどか「きゃっ! 押さないでよ、さやかちゃんっ」

キュゥべえ「むぎゅっ!? み、耳を踏まないでくれないか、鹿目まどか!」

さやか「……どうしたの、まどか?」

まどか「……うぅん。何かを踏んだ気がしたけど、気のせいだったみたい」

キュゥべえ「あれっ? まどか! 聞こえてるんだろう!? 僕の姿も見えてるんだろう!?」

まどか「えーいっ、ティロティロアタック!」

さやか「やったなぁ! 食らえ、さやさやフィナーレ!」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 20:52:36.60 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「まどか! 鹿目まどか!! 僕の話を聞いてくれ!」

さやか「食らえ、まどか! 必殺……さやかちゃんの抱きつき攻撃!」ぎゅうっ

まどか「ちょっ……さやかちゃん! みんな見てるよ!?」

キュゥべえ「痛い痛い! 美樹さやか! 僕の尻尾を踏んでるよ!!」

さやか「でも悪い気はしないんだろー? このこのぉ」

キュゥべえ「痛い! 痛い!! 悪い気ばかりだよ! 足をどけてくれないか、さやか!」

まどか「もう……恥ずかしいから離れてよぉ……」

キュゥべえ「ちゃんと払いのけてくれ、まどか! 僕の尻尾が踏まれてるんだ!」

キュゥべえ「あだだだっ!! 痛い! 早くさやかを振り払ってくれ! マドカァー!!」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:01:15.50 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「……結局、気付いてすらもらえなかった」

キュゥべえ「どうなってるんだろう。こんなことは初めてだ」

キュゥべえ「たしかにまどかも、さやかも、魔法少女の素質はあるはず」

キュゥべえ「間違いなく、まどかからは膨大な魔力係数を感じた。なのに、なんで……」

キュゥべえ「もういい、今日は疲れた……お腹もぺこぺこだし……」

キュゥべえ「今日こそ、マミに大盛りのご飯をもらおう」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:06:02.79 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「マミ! マミ! 僕のご飯は用意できてるかい!」パタパタ

マミ「ええ、今日も頑張ってきたんでしょう? 今日は大盛りよ、嬉しい?」

キュゥべえ「ああ! ああ! 僕に感情はないけど、今なら嬉しいと胸を張って言えるよ!」

マミ「じゃあ、どうぞ。私は射撃練習をしてくるわね」

キュゥべえ「わぁぁ……! 本当に大盛りじゃないか! ありがとうマミ! いってらっしゃい!」

キュゥべえ「ジュルリ……それじゃあいっただっ」

――――――――――
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:10:38.83 ID:w+xhzJ8h0
――――――――――

キュゥべえ「きまぁーっす!……あれ!? ご飯が消えた!?」

キュゥべえ「たった今まで、たしかに目の前に……こんなはずは……一体何が!?」

キュゥべえ「マミ、マミ! 聞いてくれ! 僕のご飯が消えた!!」

マミ「どうしたの、キュゥべえ? そんなに大騒ぎして」

キュゥべえ「聞いてくれ、マミ! 僕のご飯が……あれ? 僕の食器がない」

キュゥべえ「食器まで消えた! どういうことなんだ、これは!」

マミ「キュゥべえ?」

キュゥべえ「マミ、事件だ! 僕たちは魔女に襲われているのかもしれない!」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:16:28.65 ID:w+xhzJ8h0
マミ「キュゥべえ。私はそんなに裕福ではないわ。だから、余分な食事は用意できないの」

マミ「それに、新しい食器を買ってあげることもできないわ。古い食器じゃ、不満でしょうけど」

マミ「嘘をついてまで、物を欲しがるなんて……卑しいわよ」

キュゥべえ「不満じゃない! 不満じゃないよ! でも消えてしまった物は……」

マミ「食器を無くしただなんて、嘘をついてもダメよ。ちゃんとここに持ってくるまで……」

マミ「……ご飯は、お預けね」

キュゥべえ「そ、そんな! お願いだ、マミ! 僕に! 僕にご飯を!!」

キュゥべえ「マミィィィーッ!!」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:20:40.81 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「どういうことだろう……。最近様子がおかしい。ご飯は突然消えるし、食器まで……」

キュゥべえ「お腹がすいた……魔女も全然出ないせいで、グリーフシードも集まらないし……」

キュゥべえ「このままでは餓死してしま……ひっ! 暁美ほむら!?」

ほむら「……また会ったわね」

キュゥべえ「ぼぼぼ、僕をどうする気だ! 僕を殺したって、代わりはいくらでもいるんだよ!」

ほむら「殺しはしないわ。私は、貴方に用事があるのよ」

キュゥべえ「僕に用事? 一体何をたくらんでいるんだ、暁美ほむら……」

ほむら「……私、今、無性にサッカーがしたい気分なのよ」

キュゥべえ「えっ?」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:23:40.08 ID:w+xhzJ8h0
ほむら「暁美選手、華麗なドリブルで相手チームを抜き去っていく。すごい、すごいぞ暁美選手」ゲシッゲシッ

キュゥべえ「いだいっ! いたっ、ぐぁっ! 僕をボール代わりにっ、ぎぃっ! しないでっ、ぎゃあっ!」

ほむら「役に立たないと思っていたけれど、なかなか使えるわね、貴方」

キュゥべえ「ごほっ、僕はボールじゃない! もう許しっ、ぐぁっ! 骨っ、骨が折れるぅ!」

ほむら「貴女に骨なんてないでしょう。……シュートッ!」

キュゥべえ「うぐぅぅっ! げほっ……ごほっ……ち、血が……どうして、こんな真似を……」

ほむら「どうして、って? 死ぬよりはマシでしょう」

キュゥべえ「ひっ……た、助けて、まどか……!」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:28:41.78 ID:3pLVnCEvI
久しぶりにQBがかわいそうに思えて来た…
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:29:12.51 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ『助けて……助けて、まどか!』

まどか「?」

まどか「なんだろう、声がする……」

さやか「……まどか?」

――――――――――

キュゥべえ(早く……早く来てくれ、まどか! この悪魔を止めてくれ!)

ほむら「さぁ……次は何がいいかしら。……キュゥべえ。貴方、野球は好き?」

キュゥべえ「ひっ……野球は好きじゃない! 僕の体じゃ楽しめないスポーツじゃないか!」

ほむら「その身体で、どんなスポーツを楽しむって言うのよ」

キュゥべえ「それは……す、水泳とか……なら楽しめるんじゃないかな……」

キュゥべえ(少しでも時間を……時間を稼がないと! このままじゃ殺されるより酷いことになる!)
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:33:51.85 ID:w+xhzJ8h0
まどか「どうしたのっ!? 一体何があったの!?」

ほむら「……ッ!? まどか……どうしてここに……」

キュゥべえ「やっぱり来てくれたか、まどか! やっぱり君は天使だ!」

ほむら「キュゥべえ……! 相変わらず汚い真似するのね……」

まどか「ほむらちゃん、大丈夫!? 身体に血がついてるよ!?」

ほむら「心配ないわ。ちょっと……色々あっただけ。心配しなくて大丈夫よ」

キュゥべえ「いだだだだぁぁぁっ! まどかァァ!! 耳ィ! 耳を踏まないでくれ!」

まどか「よかった……ほむらちゃんに何かあったら、私……」

ほむら「大丈夫よ。貴女を置いて、行ったりなんかしないから」ギュッ

まどか「あっ……ほむらちゃん……」

キュゥべえ「まどっ、まどかぁ! 尻尾ッ、踏んでる……! 僕に何か起こってるっ、いだっ、ぎいいぃ!」

ほむら(いいザマだわ)
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:36:56.25 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「……どうして鹿目まどかは僕に気付いてくれないんだろうか」

キュゥべえ「それどころか、抜群の位置取りで僕の耳やら尻尾やらを踏むし」

キュゥべえ「ちゃんとさっきの呼びかけには応えてくれていたのに……」

キュゥべえ「もしかして、魔女を倒すための魔法少女を、僕が生み出しているから」

キュゥべえ「魔女に復讐されているんだろうか?」

キュゥべえ「帰ろう……」

キュゥべえ「でも、帰っても、食器がなければ……マミは夕飯を作ってくれないかもしれない」

キュゥべえ「……」グゥゥー

キュゥべえ「傷が痛い……」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:40:52.33 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「ただいま、マミ……」

マミ「あら、おかえ……どうしたの、キュゥべえ! ひどい傷じゃない!!」

キュゥべえ「……暁美ほむらだ。僕をまどかと契約させないために、こんな真似を……」

マミ「車にでもはねられたのかしら……待ってて、今すぐ手当てするから!」

キュゥべえ「マミ? 僕は車になんて一言も……」

マミ「えっと、包帯はどこにあったかしら……消毒もしないとダメよね」

キュゥべえ「……マミ?」

キュゥべえ「……マミの様子がおかしい」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:44:21.88 ID:w+xhzJ8h0
マミ「それじゃ、まず先に消毒するわね? 化膿すると大変だから」

キュゥべえ「お、お願いするよ……。……ぎゃっ!? いだッ、ああぁっ! 痛い、痛いッ!!」

マミ「痛くても我慢するのよ。今消毒しておかないと、後でもっと痛くなるんだから」

キュゥべえ「ぐああぁっ! おねっ、お願いだ、マミ! やめ……ぎいいぃぃっ! ぐっ、ああぁ!!」

マミ「それにしても、尋常じゃないほど痛がってるわね。一体、どうしてこれほどまでの傷を……」

キュゥべえ「死ぬ!! 死んでしまう!! ショック死しそうだァ! マミ! やめて! やめてくれ!!」

マミ「あっ、これ、消毒液じゃなくてタバスコだったわ」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:48:03.67 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「……ぜえぜえ……僕の中では5回くらい死んだ気分だったよ……」

マミ「ごめんなさい、キュゥべえ。私としたことが、ついうっかりしてたわ……」

キュゥべえ「うっかりのレベルじゃないだろう! どうして傷口にタバスコを塗りたくるんだ!!」

マミ「許してちょうだい……あ、そうだ。食器を無くしたって言ってたわね」

マミ「お詫びに、新しい食器を買ってあげるわ。ご飯もとびっきりのを作ってあげる」

キュゥべえ「…………じゃあ、許そう」

マミ「ちょろいわね」

キュゥべえ「えっ?」

マミ「なんでもないわ。それじゃあ、出かける用意をしましょうか」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:51:57.07 ID:w+xhzJ8h0
――――――――――

マミ「準備はいい、キュゥべえ?」

キュゥべえ「あぁ、準備は万端だよ! できれば花柄のかわいい食器がいいな!」

マミ「ふふ、キュゥべえったら女の子みたいね。素敵な食器を探し……あら?」

キュゥべえ「あれ? 僕の食器……どうして玄関に落ちているんだろう」

マミ「……食器が見つかったから、新しい食器を買うのは止めにしましょうか」

キュゥべえ「えっ!? マミ!! 嘘だろう!? 嘘だと言ってくれ!!」

マミ「だって、今ある食器が使えるのに、新しい食器を買うのは勿体無いでしょう?」

キュゥべえ「マミ! マミィィ!! 僕は花柄のかわいい食器が欲しいんだ! マミ! うわああぁぁー!!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:55:19.22 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「どうしてこんな……僕に感情があったら、大粒の涙を零しているところだよ……」

マミ「ふふ、そんなに悲しそうにしなくても……お詫びは、もう一つあったでしょう?」

キュゥべえ「……! そ、そうだ! まだ豪勢な食事があった! 神は僕を見捨ててはいなかった!」

マミ「ほら、今日はステーキよ。美味しく召し上がれ。私は射撃練習をしてくるわね」

キュゥべえ「うわあああぁあぁ!! ステーキ! ステーキだなんて!? いいのかい、マミ!」

キュゥべえ「ああ神よ! 僕にステーキを与えてくれた神を僕は忘れない!! いっただっき」

――――――――――

キュゥべえ「まーすっ! ……ま、また消えた!? ステーキ! ステーキはどこへ!! マミ!! マミっ!」

マミ「どうしたの、キュゥべえ? あらあら、またおかわりがほしいの? でも、おかわりはまた今度ね」

キュゥべえ「違うんだ! ステーキが! 消えて! 煙のように! 消えたんだ! 消えちゃったんだよ、マミ!!」

マミ「あらあら、そんなに嬉しかったの? 喜んでもらえて、私も嬉しいわ」

キュゥべえ「……家畜に神はいない!」グウウウゥゥー
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 21:59:11.68 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「死ぬ……死んでしまう……」フラフラ

キュゥべえ「ご飯は何故か食べようとすると消えるし、傷にタバスコを塗られるし、まどかは僕に気付かないし……」

キュゥべえ「僕の身に何が起こっているんだ……」

キュゥべえ「死にそうだ……お腹が……」グゥゥ

キュゥべえ「そうだ……どうせ僕の姿は一般人には見えないんだ……」

キュゥべえ「少しくらい、そこらの店で盗み食いしても……」

キュゥべえ「……ここで食べ物を少しもらっておこうか。いただきまぁ」

ほむら「あら、キュゥべえ。何をしているのよ」

キュゥべえ「ぁぁぁああああああぁぁぁぁなんでこんな時にいいいぃぃぃぃぃー!!!」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:03:07.59 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「離せ離せ離せ! 僕はこれを食べるんだ!!」

ほむら「ついに盗人にまで堕ちたのね。クズもいいところだわ」

キュゥべえ「それは君もだろう、暁美ほむら!! 君だって……」

ほむら「……」ギロッ

キュゥべえ「……君は聡明で素敵な女性だよ、暁美ほむら。まどかが気に入るのも頷ける」

ほむら「分かればいいのよ。さぁ、今日は家に帰してあげるわ」

キュゥべえ「……夕食が食べれないマミの家なんて、帰ってもしょうがないよ」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:06:54.37 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「散々虐げられたせいで、新しい何かに目覚めたかもしれない……」

キュゥべえ「はぁ……もうマミの家に着いてしまった……憂鬱だ……」

キュゥべえ「ただいマミ……」

マミ「おかえり、キュゥべえ」

キュゥべえ「……ツッコミさえもらえない。やっぱりここは僕の家じゃないんだ」

マミ「どうしたの、キュゥべえ?」

キュゥべえ「なんでもないよ。それより夕飯にしようか」

マミ「私、今日は鹿目さん達と外食よ」

キュゥべえ「」

キュゥべえ「……」

キュゥべえ「…………」

キュゥべえ「………………」ブワッ

キュゥべえ「うっ……うぅ……夕食……ぐすっ、ひっく……お願いだ、マミ……僕に、僕に夕食を……」ボロボロ
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:10:54.01 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「よかった……なんとか夕食はもらえることになった……」

マミ「それじゃあ、ここに置いておくわね」

キュゥべえ「ああ、ああ! ありがとう! マミ、ありがとう! 君は女神だ!! 大好きだ!」

マミ「ふふ、大袈裟ねぇ。急だったから、大したものじゃないわよ?」

キュゥべえ「いいんだ! 今の僕の空腹を満たせるものならなんでもいい!」

マミ「そう。じゃあ、行ってくるわね」

キュゥべえ「ああ! 行ってくるといい! その間の留守番は僕に任せてくれ!」





キュゥべえ「……あ……あぁぁ……こんな、夕食が……これだけなんて……本当に大したものじゃない……」

キュゥべえ「あああああぁぁぁあうんまい棒うんまあぁあぁぁぁぁあああぁぁいいいいいぃぃぃ!!!!」ボロボロ
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:16:13.52 ID:w+xhzJ8h0
ほむら「……どう? うまくいってるかしら?」

マミ「ええ。順調よ」

ほむら「良かったわ。この調子で、どんどんアイツを苦しめましょう」

マミ「暁美さんの魔法のおかげもあるわよ? まさか時間を止めて、キュゥべえの食事を処分していたなんて……」

さやか「さすがはまどかのアイデアだね」

まどか「ウェヒヒ、別に大した案じゃないよー」

杏子「その食事はあたしがもらえたし、あたしは大満足だったよん」

ほむら「家の食べ物は?」

マミ「大丈夫よ。ちゃんと対策済みだわ」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:21:12.54 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「家に! 家の中には何かないのか! 食べもの! 食べもの! 食べ物オオオォォ!!!」

キュゥべえ「クゥアアア!! 冷蔵庫! そうだ、冷蔵庫だ!! 冷蔵庫になら食べ物が……」

キュゥべえ「ぎゃああああぁぁなんだこれは! 鎖ッ! なぜ冷蔵庫に鎖が!? これじゃあ開けられないじゃないか!」

キュゥべえ「どうして!? どうしてだ、マミ! どうして君はこうまでして僕を苦しめる!?」

キュゥべえ「そうか、これが憎しみか! マミ! 君は僕に、憎しみという感情を教えているんだね!!」

キュゥべえ「ならばもう容赦はしない!! 君の外食など、僕が妨害してやろう!!」

キュゥべえ「さあ行くぞ! マミのところへ行って、食事をメチャクチャに荒らしてやる!!」





キュゥべえ「あれっドアも窓も開かない」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:28:13.30 ID:w+xhzJ8h0
マミ「ただいまー」

キュゥべえ「…………」

マミ「キュゥべえ?」

キュゥべえ「…………」

マミ「どうしたの?」

キュゥべえ「…………」グウウゥー

マミ「残ったステーキ、ちょこっと持ってきたわよ」

キュゥべえ「ください! ください、マミ! 早くステーキ! ステーキ! 食べさせてください! ください、ください、マミ!」

キュゥべえ「マミさんマミマミ! 愛してると言っても過言じゃないよ!! 僕の口に直接あーんさせてください!!」

マミ「……あら、どこへやったかしら。落としてしまったかも」

キュゥべえ「マミイイイイイイイィィィィィーッッ!!!!」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:33:27.19 ID:w+xhzJ8h0
さやか「でさー、恭介ってばそこでヨヨモンゴッサしててさー」

まどか「えー、さやかちゃんってばやっぱりオウェいなー」

ほむら「どうせ私はプリファイよ……マミみたいなゴゴボボじゃないもの」

キュゥべえ「やっと、見つ……た、かな……どか……ぜぇぜぇ……」

キュゥべえ「僕と、けいや……く……まほ……うじょに……てよ……」グウウウゥゥー

まどか「ごめん、ちょっと私、お手洗い行ってくるね」

さやか「あーい」

ほむら「ええ」

キュゥべえ「まど……ぐえぇっ!! ふ、踏んで……いく……なんて……あんまりだ……」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:38:42.42 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「もうダメだ」

キュゥべえ「食事はもらえない、契約もしてもらえない」

キュゥべえ「しかも、感情だなんて余計なものまで芽生えてしまった」

キュゥべえ「これで僕も、母星では精神障害者の仲間入り、か」

キュゥべえ「帰るところすらない」

キュゥべえ「この星でも、マミの家に帰ってもしょうがない」

キュゥべえ「お腹も空いて、力が出ない」グウウゥゥ

キュゥべえ「これが絶望というものなのか」

キュゥべえ「はぁ……」





まどか「もういいんだよ、キュゥべえ」

キュゥべえ「あ……まどか……。……まさか……」

まどか「ごめんね」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:45:57.95 ID:w+xhzJ8h0
キュゥべえ「幾多の世界の運命を束ね、因果の特異点となった君ならば!」

キュゥべえ「それはもう、どんな途方もない望みだろうと叶えられるだろうね!」

まどか「…………」

キュゥべえ「そして君が魔女になった時は、前代未聞の膨大なエネルギーが……ジュルリ……」

キュゥべえ「僕のエネルギー回収ノルマなんて、あっという間に達成どころか余りあるだろうね!」

まどか「…………」

キュゥべえ「そうすれば僕は、この宇宙を救った救世主になる!! お腹いっぱい食べられる!」

キュゥべえ「そうなれば、僕は自分の星で、王に……いや神になれるのさ!!」

まどか「…………」

キュゥべえ「さあ鹿目まどか! その魂を対価にして、君はどんなポテトサラダ……」

キュゥべえ「……じゃない、何を願うんだい! 早く! 早く契約してくれ! 早く早く早くぅ!」

キュゥべえ「僕はもうお腹がぺこぺこなんだ! まどか!! 僕は早く帰って良いモノを食べたいんだ!」グギュルルルル

キュゥべえ「まどかぁ! お願いします! まどっち! 僕はほむらちゃん派だ! まどかぁ! まどかさん! 早く早く!」

キュゥべえ「はうあ! またお腹が……早く! まどか! 早く僕にペペロンチーノを! 早く、早く契約してくれ、まどかぁ!!」

まどか「…………」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:50:47.78 ID:w+xhzJ8h0
――――――――――

ほむら「そもそも、あいつの目的って、魔法少女を魔女に変えることではないんじゃないかしら」

マミ「と、言うと?」

ほむら「あいつらが欲しいのは、あくまでその時に発生する感情のエネルギーでしょう」

ほむら「それを回収して、宇宙の寿命を延ばしているって言っていたわね」

ほむら「私たちが選ばれたのは、単にその効率がいい、っていうだけで」

杏子「効率の問題かよ」

ほむら「ええ、そうよ。つまり、端的に言ってしまえば……誰でもいい、と私は思うの」

ほむら「あいつがここに来たのも、単純に、あいつらが感情を持たないからでしょう」

さやか「で、どうすんの?」

ほむら「エネルギーの発生はあいつに任せましょう。あいつにとびっきりの希望を持たせて……」



ほむら「……それからとびッッッきりの絶望を与えてやればいいのよ」

――――――――――
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 22:57:22.26 ID:w+xhzJ8h0
まどか「……キュゥべえが、二度とエネルギーを回収できないようにしたい」

キュゥべえ「えっ」

まどか「みんなには笑顔でいてほしい。それを邪魔するキュゥべえなんて……いじめてやる! 泣かしてやる! それが私の願い!」

まどか「さあ……叶えてよ、インキュベーター!」

キュゥべえ「」

キュゥべえ「………………」ブチッ

キュゥべえ「……なんで! なんでだよ! なんでなんだよ、まどか! そこでその願いはおかしいだろう!? 叶えるわけないだろう! なんで君達は僕の破滅ばっかり願うんだ!」

キュゥべえ「暁美ほむらを助けたいとか、美樹さやかを助けたいとか、色々ある……っていうかそういう前向きな願いをしろって僕は言ってるんだよ!」

キュゥべえ「普通は自分たちの幸せを願うものだろう!? なんで僕の足を引っ張るんだ!? なんで叶えると思っちゃったのかな? ちょっとびっくりしました!」

キュゥべえ「なんでなんだよ! 僕はただ花柄の食器でステーキやポテトサラダをむしゃむしゃ食べたいだけなのに! ガググギギ、お腹すいてるんだよ、僕は!」

キュゥべえ「なんで! どうして! 君達のせいでご飯にすらありつけない日々じゃないか! むしゃむしゃどころかむしゃくしゃだよ!!! きゅっぷいきゅっぷい!」

キュゥべえ「君達は僕達インキュベーターに対する配慮とかそういうのとかなんていうかそういう人間として生まれつき持っている当たり前のやささし痛っ舌噛んだ」

キュゥべえ「くうううぅぅぁグギギこの下等生物ども!! この舌の痛みも君達のせいだ!! 君達に会ったせいで僕の人生は滅茶苦茶なんだよ!! ぷんぷん!!」

キュゥべえ「早く僕においしいご飯を持ってきてくれよ! 今の僕の願いはそれだけなんだよ! さあ叶えてくれよ鹿目まどか!! すごい素質があるんだろ!!! 早く!!!」

キュゥべえ「うわあぁぁ僕の身体が!! 僕じゃなくなっていく! 魔法インキュベーターになりそうじゃないか!! 助けて! 僕のお腹を助けて!! まどぁああああぁぁァー!」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/09(火) 23:05:55.59 ID:w+xhzJ8h0
………………………………

さやか「物凄かったね、爆発したキュゥべえは」

ほむら「ちょっとくらいはエネルギーを発生させるかとは思ったけれど……まさかあれほどとはね」

キュゥべえ「人事じゃないよ! 僕これからどうすればいいんだよ! もう僕こんなんじゃもう帰れないよ!」ムシャムシャ

杏子「その結果どうなるのかも……見越した上だったのか?」

マミ「この子は最大の感情を持って最大のエネルギーを生んでしまったもの」

マミ「当然あとは、インキュベーターの星でいう『精神障害者』になるしかない……遅かれ早かれ、結果は同じよ」

キュゥべえ「君らのせいだよ! 他人事じゃないっていうことを分かってるのかい! 聞いてよ! あぁポテトサラダおいしい!」パクパク

ほむら「さて、こいつのエネルギー回収ノルマは達成できた。後はこいつらインキュベーターの問題ね」

キュゥべえ「もういいよ! どうせエネルギーは回収できたんだし! 君達のせいでね! あっこの人参もおいしい」モグモグ

まどか「キュゥべえは戦わないの?」

キュゥべえ「僕の戦場は――ここだ」ムシャムシャ

キュゥべえ「例え魔女が生まれなくなった世界でも、それで人の食べ物が消え失せるわけじゃない」ガツガツ

キュゥべえ「だから僕は食べ続ける…………きゅっぷい」


おわり

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