上条「今日からアイテムの一員になった上条です!」
- カテゴリ:とある魔術の禁書目録
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- 2: 2013/04/02(火) 09:30:25.87 ID:wNJPYNNh0
- ――教室にて
小萌「上条ちゃん、わかってますかー?高校ってのは義務教育じゃねぇんだぞ、って言うかですね。ぶっちゃけ単位が絶望的に足りないんですね」
上条「……不幸だ」
小萌「まぁ確かに上条ちゃんの乗ったバスを三週連続でバスジャックが占拠したり、お前ブ○ース・ウィリスよりも運が悪いんじゃねぇか、ってぐらいのツキの無さは認めますよ?」
上条「センセー。運が悪いのはマクレ○ンであって○ィリスは関係ないと思います!」
小萌「はい上条ちゃんは今良い事言いました。あくまでも俳優は演者であって役は演技にすぎない、と」
小萌「深夜にモヤシと殴り合ったとか、シスター服のカラーギャングをフクロにしていたとか、色々目撃証言もあるんですけど、上条ちゃんはお仕事や義務でやった訳じゃないですよね?」
小萌「上条ちゃんのお仕事は勉学であり、決してファイト○ラブの真似事じゃないんです」
上条「た、他人じゃないですかね?ホラ、『ふーやれやれ』系の主人公って珍しくもないですし!あ、ホラ、学園都市にマクレー○来ちゃったのかも?」
小萌「そこで先生考えました!上条ちゃんに必要なのは生活態度を改める事だと!」
上条「……へ?」
小萌「今から上条ちゃんには課外活動として、体験学習をしてきて貰います。ちょっとハードかもしれませんが、今の上条ちゃんには必要な事なんです!」
上条「た、単位の話はどこへ?」
小萌「勿論、”きちんと仕事をした”ら履修したと見なします。良いですか?”きちんと”ですよ?」
上条「マジですか!?小萌センセマジ天使!」
小萌「と、言う訳で今から指定した喫茶店まで行ってみて下さい。そこに居る女性の指示に従えばいいのですよ」
上条「女性って、つーかどんな仕事なんですか?」
小萌「行けばわかりますよー。ふふ、きっと上条ちゃんもビックリするのです!」
小萌(黄泉川先生のアンチスキル一日体験入隊、なんて言ったら逃げるかもしれませんし)
小萌「あぁでも怪我とかするかもしれないので、くれぐれも気をつけて下さいね」
上条「大丈夫です。俺、入院慣れてますから」
小萌「自慢する事じゃないのですよ!」
- 3: 2013/04/02(火) 09:32:45.02 ID:wNJPYNNh0
- ――とある駅前の喫茶店前にて
浜面(……はぁ、今日から暗部の下っ端かよ。一時期100人以上のスキルアウト束ねた俺が、一体どういう訳だ)
浜面(アイテム、だっけかな?女四人だから行けばわかる、ってぇ話だけど)
浜面(女四人……?オ ン ナ、四人だと!?)
通行人 ビクッ!?
浜面(待て待て浜面、これはチャンスなんじゃねぇのか?いくら暗部つったって相手は女、能力じゃかなわねぇが、腕力や荒事だったら俺の方が上だろ)
浜面(つーか、暗部つったって戦闘特化の決まりがある訳じゃねぇだろうし、もしかしたら俺ボディガード的な役割が求められてんじゃねぇのか?)
浜面(だとすれば、だ)
浜面(こう……敵に襲われてヤラれそうになっている所にだな、俺が颯爽と現われて)
通行人(あの金髪チンピラ、震えたと思ったらニヤニヤしている……頭大丈夫か?)
浜面「それはわたしのおいなりさんだ!」
通行人 ビクウゥゥッ!?
浜面(いや、何か違うな。もっとこうカッコいいのあった筈だろ)
通行人(変○仮面?○態仮面の中の人なの?)
浜面「なんだ、ゴクラクチョウか」
通行人 ビクビクッ!?
浜面(あれ?そう言うのは悪い方だっけ?んじゃ)
通行人(え、どうして○リコンフェニックスなんてニッチな方へ行ったの?バカなの?) - 5: 2013/04/02(火) 09:37:30.35 ID:wNJPYNNh0
- 浜面「デ、ビーーーーールゥゥゥ!!!」
通行人 ビクビクビクッ!?
浜面(やっべぇ超クールじゃねぇ?)
通行人(やっべぇ超フールだ!シカトしよ)
浜面(決まったぜ!なんつっつても悪魔だぜ、悪魔。デーモン族は一杯居るのに、叫んで変身するヤツは一人しかいねぇってのがカッコいい)
浜面(よし。んじゃポーズは決まったし、次は高級車でもパチっておくか。そうすりゃ――)
女の子A(妄想)『やだぁ浜面さんったら用意周到だわ!』
女の子B(妄想)『超浜面超クールですね。惚れました』
女の子C(妄想)『はまづら、頼りになる……』
女の子D(妄想)『テケテケテケテケテケテケッ!!』
浜面「ぎゃああああああああああああぁぁぁぁっ!?テケテケ来たあぁっ!?何か妄想にテケテケ出て来たぁっ!?」
上条「あ、おまわりさんあの人です」
風紀委員「ちょっとお話いいですかぁ?」
浜面「」 - 6: 2013/04/02(火) 09:38:58.93 ID:wNJPYNNh0
- ――喫茶店にて
絹旗「なんか外が超騒がしいんですけど」
麦野「どっかのバカがはしゃいでんのよ。ま、別に気にするような事じゃないわ」
フレンダ「そういう季節だしねー。あ、でも結局学園都市はいつも煩い訳だけど」
絹旗「と言うか麦野。今日から入るのってどんな人なんですか?上からは『便利屋』ってだけで名前も写真も超知らないんですけど」
麦野「私も同じ、つーか別にどうでもいいんじゃないの?能力が聞かされてない、って事は下っ端よね」
フレンダ「いやーそうとは決まってない訳よ」
麦野「と言うと?」
フレンダ「アイテムも大分有名になってきた訳だし、他の……なんだっけ、この間半殺しにした連中?」
絹旗「スクール?」
フレンダ「って事もあったし、実は何か凄い能力を隠し持ってたりするワ――」
麦野「無いわね」
絹旗「超無いですね」
フレンダ「ちょっと!せめて最後まで言わせてよ!」
麦野「能力伏せとく意味が無いのよ。隠しておきたいんだったとしても、私らにまで秘密にするようじゃ頼りに出来ないわ」
絹旗「麦野の話は超極論ですが、相手に知られると――わたしたちに“まで”秘密にする、って事は、裏を返せばいつかわたしたちに能力超使うかも、って事じゃないですか」
滝壺「……そんな人は信用できない?」
麦野「戦力には数えにくいわね。つかそもそもどうして男なんだか。下っ端にしろ同性寄越すのが筋じゃないの?」
フレンダ「と、言う割には新しいシャドウ入れている訳だし?絹旗だっていつもより服短いし」
麦野「よし表行こっかフレンダ。10秒で二次元にしてやる」
絹旗「超お手伝いしますよ麦野」
フレンダ「わーちょっと待った待った!そういう意味じゃない訳よ!ただ、その」 - 7: 2013/04/02(火) 09:41:34.63 ID:wNJPYNNh0
- フレンダ「わたしらってアレじゃない?結局仕事がアレだから、やっぱりその、色々と限られて来ちゃう訳」
フレンダ「あ、いや別に不満があるって訳じゃ……まぁある訳だけど、それは兎も角まだ10代の女の子――じゃない?」
麦野「どうして今一瞬私の方を見て言葉を詰まらせたんだコラ」
フレンダ「あぁ別に並んで歩くと親子に間違――ゴメンナサイ!だから室内で原子崩しは勘弁して!」
絹旗「で?フレンダ超何が言いたいんですか?」
フレンダ「あーうん、やっぱりさ同じ立場にある人じゃないと理解し合えないと思う訳。だからもし格好良かったら色々あるかもー、なんて」
麦野「止めといた方が良いわよ。暗部に来るような男に何期待してるの。顔が良くったって心底クズな人間なんて珍しくもないじゃない」
絹旗「麦野の言う事はもっともですけどね。別に今日明日までに付き合う期限がある訳じゃないですし、じっくり超見極めれば良いのでは?」
フレンダ「えーでも見てる間に彼女出来ちゃったら嫌じゃない?あーあん時こうしてりゃ良かったー、的な訳で」
麦野「だからっつって、即ベッドインってのも淑女じゃねぇでしょうが。全くフレンダは……」
絹旗「えぇ超フレンダですね」
フレンダ「ちょっと!形容詞みたいに言うの止めてよ!ねぇ滝壺」
滝壺「ふれんだだから、しょうがない」
フレンダ「結局全員敵かああぁぁっ!?」
麦野「あーうるさいうるさい……っと、アレ、か?」
絹旗「超キョロキョロしてますね。ツンツン頭の……高校生?」
フレンダ「何か地味ぃな訳よ。期待外れっぽい」
滝壺「……あれ……?」
絹旗「どうしたんですか?」
滝壺「あの人から、電波出てない……」
麦野「って事はレベル0決定っと。何だ本当に使いっ走りじゃない」
絹旗「でもそれ超おかしくないですか?出てないってのは能力開発されてない一般人未満、って事じゃ」
麦野「だったらその程度の能力だって話じゃないの?学園都市だからってもハズレは居るでしょうに。おーい!そこの人―!」 - 8: 2013/04/02(火) 09:44:03.84 ID:wNJPYNNh0
- 女「おーい!そこの人―!」
上条「あぁはい、っと。おねーさん達が」
麦野「初めまして、麦野よ」
上条「上条です。今日は宜しくお願いします」
絹旗「絹旗です。まぁ超よろしくです。で、こっちがフレンダ――フレンダ?」
フレンダ「よ、宜しくしてやっても良い訳よ!」
麦野「(何?何でツンデレ始めてんの?)」
絹旗「(予想以上に超意識したって所じゃないですか)」
上条「あぁ、こちらこそヨロシクな」(ニコッ)
フレンダ「――っ!」
麦野「(デレんの早ぇな、一瞬かよ)」
絹旗「(いえでもわたしたち超異性に慣れていませんし、そもそも暗部にこんなタイプ超居なかったですから、ある意味天敵じゃないですか)」
滝壺「……たきつぼ、です。かみじょー?」
上条「あぁ」(ハイタッチ)
パキィィィィンッ
滝壺(あれ……?頭がクリアになった?)
上条(やべ、なんかの能力打ち消しちまった。まぁ良いか)
絹旗「あ、上条これ支給されている携帯電話です。仕事中はこっち使って下さいね」
上条「おっけー。んじゃ私用のは電源切って、と」 - 10: 2013/04/02(火) 09:46:52.61 ID:wNJPYNNh0
- ――職員室
黄泉川『――アンチスキルの仕事が立て込んでて、上条拾えなくなったじゃん?』
小萌「仕方がないです。ですけど黄泉川先生も気をつけて下さい」
黄泉川『有り難うじゃん』(ピッ)
小萌「上条ちゃんがついてないのはわかっていましたが、まさか今回の狙撃事件も……?いやいや!いくら運が悪いからって黄泉川先生まで影響とか無いですから!」
小萌「……連絡を」(ピッピッピ)
(おかけになったナンバーは、現在電話の繋がらない所にいるか、お客様の電源が――)
小萌(メールを送っておきますけど……まさか、巻きこまれてないですよね?) - 11: 2013/04/02(火) 09:50:25.20 ID:wNJPYNNh0
- ――喫茶店
麦野「――って訳でスクールの連中が狙撃事件をやらかしたわ。どう考える――新入り?」
上条「……陽動、じゃないかな?アンチスキルの注意を引きつけている間に、何かやらかす、とか」
絹旗「……意外に超考えているんですね」
上条「意外じゃねぇよ!むしろ上条さんはお馬鹿だけど、頭は良い的なポジションなんですからねッ!」
フレンダ「いやぁどっちにしろ勉強出来ないんじゃ、頭悪いカテゴリーって訳で」
絹旗「フレンダと同じですね」
フレンダ「ダイレクトに毒を吐かれた!?」
上条「え、俺もフレンダと同じはちょっと……」
フレンダ「アイテムに入ったばかりの後輩に嫌がられている!?」
滝壺「ふれんだ、どんまい……」
麦野「オイコラガキどもぶっ飛ばされたくないんだったら、私の話を聞け?」
四人「ごめんなさい(です)」
上条(この四人……小萌先生の紹介だから、悪い人間じゃないだろうけど……どんな繋がりなんだろう?)
上条(麦野さんが先生で、他の子達は生徒かな?あぁそう言えば学校に行きたがらない子供を集める、って言う団体があるからその繋がりかな)
上条(統括理事?の一人を狙撃したスクールってのを追い掛けて居るんだから、アンチスキルの親戚みたいなもんか)
麦野「つー訳で今からスクールに殴り込みかけるけど。オイ新入り、あんた車の調達とか出来る――訳ないか」
上条「普通の高校生ですよ、俺は」
麦野「の、割にゃ場慣れしている感じがするけど。まぁ良い。今日は私が調達するから」 - 12: 2013/04/02(火) 09:52:55.67 ID:wNJPYNNh0
- ――喫茶店前
浜面(あぁっもうっ!大分時間過ぎてんじゃねぇかよ!アンチスキルの野郎、テメーがもてないからって俺の邪魔しやがって)
浜面(ここは一つでかいワゴン調達でもしておいて、デキる男のオネェ返上でもしますか……)
カチャカチャ……ピキーン
浜面「ロック切ってーと、エンジンかかるようにー」
プチッ、ジジジジジっ……ブゥンッ
浜面「……よっし!んじゃ――」
女性「あ、ごめんなさい。ちょっといいかしら?」
浜面(やっべぇ超おっぱい大きい美人オッパイ大きい!逆ナン?逆ナンなの?俺に風が吹いて来ちゃっているの?)
浜面(よーし浜面頑張るんだ!第一声は紳士!取り敢えず気分の悪くなった彼女をホテルに連れ込んで――)
浜面「おっぱい?」(キリッ)
ドゥン!!!
麦野「アンタが今盗んだ車を寄越して運転するか、○○コ打ち抜かれたいか、どっちかを選べ?」
浜面「」 - 14: 2013/04/02(火) 09:55:52.40 ID:wNJPYNNh0
- ――スクールが乗り込んだ研究所前
上条(あぁは言ったものの、良いのかな……)
――少し前
麦野「じゃあちょっと行ってくる。新入り、あんたは車で待ってなさい」
上条「いや、俺も行く。つーか麦野さん達こそ待ってて下さいよ」
麦野「あぁ!?」
旗面(い、今のウチに逃げよっと)
絹旗「(いや上条超何言ってんですか!?)」
上条「だって狙撃したような連中が居るんだったら危ないし、せめてアンチスキルが来るまでは――」
麦野「……あんたさぁ、さっきのアレ見たわよねぇ?レベル0が何言っているか、分かって言ってんの?」
上条(ムッ)「レベルは関係ないだろ。仲間に危ない橋を渡らせるんだったら、俺が行った方が良い」
麦野(このガキ……拙いか、ここで始末するのは拙い)
フレンダ「(怖いっ!麦野のキレかけ怖いっ!)」
麦野「……えっと、アイテムってのは見ての通りアレな集団だってのは分かるな?だったらアンタが来る前にも色々やってる、つーかこの程度大した事はないわ」
麦野「加えて理事を狙撃したような連中が欲しがるブツ、ってのもさっさと回収しなきゃ拙い。だからこうして話している時間も惜しいんだ」
麦野「だからアンタは車番。逃げる足を確保するの大切だから、オーケー?」
上条「……わかった。ただし、あんまり遅いようだったら俺も乗り込むぞ?」
麦野「っのレベル0が何様のつもりだぁコラ!?下手に出てりゃ調子コキやがって!」
絹旗「超ストップ!敵がいるんですから!上条も!」
上条「危ない所に仲間向かわせて、自分一人安全な場所に居るなんてのは、俺が俺を許せそうにねぇんだよ」 - 15: 2013/04/02(火) 09:58:07.40 ID:wNJPYNNh0
- 麦野「……く」
フレンダ「む、麦野?」
麦野「ふふ、あははははははははっ!」
絹旗「いやだから超敵陣前ですから!」
麦野「なんの冗談だレベル0。この学園第四位の私を、名前も知らねぇようなレベル0が助けるだって?誰も信じやしねぇだろ!」
上条「あぁ別に信じなくても良い。俺が助けたいと思ったら、そうするだけだ」
麦野「レベル0が、か?」
上条「レベル0でも、だ。あと俺の名前は“上条当麻”だ。レベル0なんて名前じゃねぇ……!」
麦野「……」
フレンダ「……ほ、ほら!麦野!行かないと、ね?」
絹旗「そうです!超そうですよ!」
麦野「……新入り」
上条「はい?」
麦野「10分だ!10分経って帰って来なかったら、お前が助けに来い!」
絹旗「ちょっ!?麦野!?」
上条「分かった!」
フレンダ「上条までどういう訳!?」 - 16: 2013/04/02(火) 10:02:30.70 ID:wNJPYNNh0
- ――潜入中の無駄話
フレンダ「……いやー、ビックリしたって訳よ」
絹旗「……超全くです。麦野の能力見てもあれだけ超言える人間ていたんですねー」
フレンダ「でもちょっとナンか、アレな訳よ」
絹旗「何です?まさか自分も心配して欲しかったとか?」
フレンダ「そそ、そんな訳ない訳じゃない訳よ!」
滝壺「ちょう動揺してるー」
絹旗「それはわたしの超口癖です。しかし麦野――麦野?」
麦野「ん、あぁ?」
絹旗「どうしたんですか?やっぱり戻って超殺すとか?」
麦野「アンタら私を殺人鬼かなにかと思ってないか?」
三人「(はい・うん・思っている訳)」
麦野「そうじゃなくってだな、少し前に第一位が負けた、って話は聞いた?」
フレンダ「あーうんうん聞いた聞いた。噂じゃなかったの?」
麦野「噂、は噂なんだけど、その中に『レベル0に負けた』って話があった」
絹旗「超有り得ないです」
フレンダ「どうやって?寝ている間もベクトル反射するような怪物に?」
麦野「まぁ私だって信じてる、って訳じゃなかったが、実際に超電磁砲のクローン計画はある日突然凍結された。それも負けた噂が流れる直前にだ」
絹旗「こないだ超やり合ったばかりですしね」
滝壺「たいみんぐが合いすぎている?」
麦野「そしてあのモヤシが仮に負けたとして、勝った相手が居る筈よ。でも、だったらどうしてソイツは堂々と名乗りを上げないの?」
フレンダ「確かにおかしい訳よ。あたしが勝ったら自慢しまくるし」
絹旗「第三位、だったという話では?クローン計画を超止めるために」
麦野「かも知れない。でも、そうじゃないかも知れない」
麦野「仮の話だけど、表で私に喧嘩売ったみたいな馬鹿だったら、自分から吹聴するような事はしない、って思っただけ」 - 17: 2013/04/02(火) 10:04:32.57 ID:wNJPYNNh0
- ――現在。アイテム四人を待つ上条
上条「9分突入、か。さっきから爆発音ばっかりだけど、本当に大丈夫なのか?」
ドォォォォォォンンッ!!!
上条(壁が内側から弾け――いや、融けた?麦野さんの能力か!)
麦野「逃げるぞ新入りぃぃっ!さっさと車出せ!」
上条「絹旗とフレンダがまだだろ!?」
麦野「あの二人は別ルートから逃走してんだよ!アイツらが狙ってくるのは“ピンセット”持った私らだっ!!」
上条「わかった!――って、鉄球!?」
上条(金髪が逃げたから俺が運転するしかないけど、えっとアクセル踏んでハンドルを)
ペキッ
上条(あ、あれ?ハンドルって取れるんだっけ?)
麦野「あんくらいメルトで融かす――オぉイ」
上条「な、何でしょうか?」
麦野「お前の持ってんのは、なんだ?」
上条「ハンドル、ですかねー」
麦野「どうしてそれがブチ折れてんのか、おねーさんに言ってご覧?きちんと納得したら、年上の奇麗なおねーさんが優しぃく○○ルから原子崩しブチこんでやるから」
上条「いや、確かに麦野さんはタイプだけども!そーゆーハードなのは出会ったばかりなのに早いんじゃないかな!?」
麦野「こんな時に口説いてんじゃねぇわよ!もっと――そう、もっ――」
滝壺「たぶん、車のセキュリティを止めるためにハンドルを外した時、ちゃんと元へ戻さなかったせい」
上条「あの金髪かああぁぁっ!」
麦野「……あのヤロー、次見たらぶっ殺す!」
滝壺「かわいそうな金髪ジャージ……でもわたしには関係ない」
ガゴッ(瓦礫に乗り上げるワゴン)
麦野「アジトで落ち合うわよ!」
上条「あぁ!」
滝壺「りょーかい」
上条(……アレ、俺アジトの場所知ってたっけ?) - 18: 2013/04/02(火) 10:08:32.82 ID:wNJPYNNh0
- ――光の届かない路地裏にて
フレンダ(マズいマズいマズいマズいっ!!!)
心理定規「うん、大丈夫よ。酷い事はしないから、ね?――」
フレンダ(体も動かない訳だし、頭がぼうっとして何も考えられなくなるし……)
心理定規「もう少し待てばお友達もこっちへ向かっているから、きちんと話せば彼も分かってくれるから、ね?全部話してみましょう?」
フレンダ(お友達って第二位って訳!?麦野があっさり負けた相手にどうしようもないって訳)
心理定規「じゃあまず、あなたのお友達の居場所を聞かせて?みんなで行ってお話ししましょ?」
フレンダ「ア、アジトは××学区の――」
心理定規「成程。それじゃ友達はどんな能力を持っているのかな?」
フレンダ(あぁ誰か助け――)
上条「フレンダ!」
フレンダ(上、条……!?)
上条「良かった……無事だったのか。そっちの人は?」
フレンダ(逃げて!近寄っちゃ駄目!)
心理定規「フレンダさんのお友達になったの。そうよね?」
フレンダ「そ、そうな訳よ!」
フレンダ(何言っている訳!?)
心理定規「と言うか近くまで来てくれないかしら?あぁ警戒するのはわかるけど、女の子二人しかいないから大丈夫よ」
上条「そっか」(スタスタ)
心理定規(はい、能力発動っと。義理堅いタイプに見えるから、親友で良いかな?) - 19: 2013/04/02(火) 10:16:00.61 ID:wNJPYNNh0
- 心理定規「あなたのお名前は?」
上条「フレンダ、怪我は?酷い事されなかったか?」
フレンダ「だ、大丈夫だけど」
心理定規「あのー?」
上条「あぁ悪い。なんだっけ?」
心理定規「あなたの名前――」
上条「俺の名前は――」
ガンッ!(上条の拳が心理定規の頭を掠める)
上条「五人目の“アイテム”、上条当麻だ!」
心理定規「ど、どうして……」
バキィィン!
フレンダ「あ、あれ?動ける……?」
上条「車潰そうとしたヒラッヒラのドレスの女なんか、一回見たら忘れる訳ねぇだろ!」
上条「それに――」
上条「空気の読めないフレンダに友達が出来る訳ねぇだろうが!」
フレンダ「えっ」
心理定規「……ごめんなさい、わたしあなたに酷いことしてしまった。嘘でもお友達だなんて、凄い酷い事を!!」
フレンダ「いやいやいやいやっ!居るからっ!普通にアイテムの仲間とか居ますから!」
上条「分かってくれれば良いんだ。これから人を無闇に傷つけなければいい」
フレンダ「なんであたし無視されている訳?つーか上条何処からその設定持ってきたの?」
心理定規「優しい、んですね」
上条「あぁいや、君のような美人相手だけだよ」(キリッ)
フレンダ「かーみーじょーおーっ!!!」
上条「痛っ!?噛みつくな!ナンパしてる訳じゃねぇんだよ!」
フレンダ「だったらどういう訳よ!?」
上条「“スクール”の通信機で聞いているヤツに言ってんだ――こっちは、人質取るつもりねぇよ、って」 - 20: 2013/04/02(火) 10:21:51.46 ID:wNJPYNNh0
- ――某所にて。移動中の垣根
男『こっちは人質取るつもりねぇよ、って――』
垣根「……んだぁ?随分と余裕だなぁオイ。通信代われ、ソイツとだ」
男『フレンダが世話になった』
垣根「いいやぁ、こっちも何人か第四位に潰されているんだが、気にすんな」
男『だよなぁ?元々お前らが統括理事に喧嘩売ったのが先だもんな』
垣根(なんだコイツ?……まぁいい)
垣根「それでだ。俺らから盗んだ“ピンセット”は何処にある?返すんだったらこれ以上おたくらとモメるつもりはねぇよ」
男『返すも何も元々スクールの持ち物じゃない』
垣根「よっし分かったお前らマジ殺し決定な!殺しは好きじゃねぇんだが、ま、仕方がねぇよな」
垣根「アレだろ?アイテム何人かボロクソにすりゃ良いんだろ。お前が持ってるんだったら、『俺を捕まえてみろ』とか格好良い事言うもんなぁ?」
垣根「――と、とーうちゃーく。あーわざわざ連絡くれたのにゴメンナ?今っからちょっとアイテム全滅させるから、終わったら折り返し電話――」
麦野「待ってたぜ、未元物質」
ズオオォォォンッ!!!(垣根の乗った車ごと原子崩しに巻き込まれる) - 21: 2013/04/02(火) 10:25:32.10 ID:wNJPYNNh0
- ――喫茶店へ戻る
浜面「えっと店員さん?待ち合わせなんだけど、女の子四人ぐらいいなかった?」
店員「いやーちょっと分からないですかねぇ。そのくらいのお客様なんて結構居ますし」
浜面「二時間ぐらい前なんだ!頼むっ!俺の命がかかってんだよ!」
店員「ちょっ!?止めて下さい、アンチスキル呼びますよ!」
浜面(クッソ……あの悪魔みたいな五人組から逃げられたのは良いものの、予定の時間は大分過ぎちまった)
浜面(一応上にはメール打ったけど、『もう死ねば?』って返信しか来ねぇ)
浜面(後がねぇんだよおおおぉぉぉっ!働く口もねぇし、俺りゃどうすれば――)
店員「……あのー、お客様?」
浜面「え、は、はい?何すか?」
店員「これ、店長から」(カタン)
浜面「……ココア?俺、頼んで無いんですけど」
店員「『なんか大変そうだけど、これ呑んでガンバレ』って」
浜面「……ぐすっ」
店員「?」
浜面「お願いしゃあぁっす!このお店で働かせて下さい!」 - 23: 2013/04/02(火) 10:30:45.13 ID:wNJPYNNh0
- ――少し前のアジトにて。麦野・絹旗・滝壺合流
ツーツーツー
麦野「――どうして二人とも出ないのよ!」
絹旗「超落ち着いてください麦野。焦ったって仕方がありません」
麦野「滝壺、体晶使え!あの二人を――」
絹旗「……ん、りょうか――」
絹旗「だから超待てって言っているじゃないですか!」
バン!
絹旗「落ち着いて下さい!もしも向こうに捕まっていたら、人質交換を呼びかけてくるでしょう。それが来ないって事はまだ捕まってない――」
麦野「人質としての価値がない、って話もあるわね」
滝壺「……むぎの」
麦野「フレンダは……まぁ、外面は良いから生きているかも知れない。五体満足、かはどうか分からないけど。レベル0はどうよ?」
絹旗「……超、ムシケラ扱いでしょうね」
麦野「あの野郎、人には偉そうなに言っときながら、さっさとくたばってるかもしれねぇ、って事でしょうよ」
麦野「そうなったら笑ってやるわ。面白くはな――」
PiPiPi、PiPiPi……
麦野「フレンダからの通信……もしもし!」
絹旗「スピーカーで超お願いします!」
上条『フレンダが世話になった』
垣根『いいやぁ、こっちも何人か第四位に潰されているんだが、気にすんな』
上条『だよなぁ?元々お前らが統括理事に喧嘩売ったのが先だもんな』
麦野「レベル0!」
絹旗「生きてたんですね。超良かった――」
垣根『アレだろ?アイテム何人かボロクソにすりゃ良いんだろ。お前が持ってるんだったら、『俺を捕まえてみろ』とか格好良い事言うもんなぁ?』
麦野「絹旗、滝壺、あんた達は“ピンセット”を持って逃げなさい」
絹旗「麦野!?わたしも超戦います!」
麦野「アイツは伊達に第二位とは呼ばれてない――つーか、さっき誰に言った気がするけど、アンタじゃ無理、足手まとい、邪魔なの、おわかり?」
絹旗「こんな時まで超上から目線でムカつきますけど、超分かりました。行きましょう、滝壺」
麦野「さってと……あの莫迦も生きてるみたいだし、ムカつく顔面張り倒すため、ちょっと頑張りましょうか、と」
PiPiPi……
麦野「あの女からのメール……?今更、何を――」
麦野「……へぇ、そーゆー事かよ」 - 24: 2013/04/02(火) 10:38:32.72 ID:wNJPYNNh0
- ――逃走中の二人。遠くからは遠雷のように爆発音が聞こえる
滝壺「……かみじょー達と合流しよう」
絹旗「いやいや、超あり得ませんから。フレンダは兎も角、上条は只のレベル0、どうやったって超盾にもなりません」
滝壺「……ほんとうに?」
滝壺「ほんとうに、そう思ってる?」
絹旗「……えっと、そりゃちょっとは超アレですよ。どうやってフレンダ助けたんだー、とか第二位に啖呵切る自信はどこからー、とかは超思いますけど」
絹旗「あなたのAIM拡散力場には、上条は反応しなかったんでしょう?それが超現実です」
絹旗「そんな相手を戦場に立たせるなんて……なんて超幻想ですか」
垣根「えーなに?俺そんな相手から喧嘩売られてたの?引くわー、そんな相手にカッとなった自分に引くわー」
絹旗・滝壺「……!?」
垣根「って言う訳で垣根帝督って言うんだけど、“ピンセット”返してくれるかい?」
垣根「あーうん。第四位はどうした、とか言うんだろ?まぁ俺がここに無傷で立っているんだから、お察し下さいだわな」
絹旗「……滝壺、フレンダ達と合流して下さい。そうすればどうにか、なるかも知れません」
滝壺「きぬはたっ」
絹旗「レベル0ですが、上条には“運”があるみたいです。フレンダを助け出したのも、超そんな感じなんでしょう。だから――」
絹旗「行って、下さい」
滝壺「っ!」
垣根「行かせねぇよ!未元物質!」
絹旗「超させませんよ!」
未元物質と窒素装甲がぶつかり、悲鳴を上げる―― - 25: 2013/04/02(火) 10:42:20.57 ID:wNJPYNNh0
- ――逃走中の一人
滝壺「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
滝壺(早く、早く見つけないと!)
滝壺は普段よりも多い体晶を使っていた――それも、危険とされたレベルを遙かに上回る量を、だ。
投薬によって爆発的にこじ上げられた(開けられた、ではない)AIM拡散力場が周囲に存在する、ありとあらゆる存在を教えてくれる。
滝壺(あれは……むぎの。きぬはたまで)
滝壺が普段から感じられる量よりも弱々しく、麦野に至っては消える前の花火のように不安定な瞬きを繰り返している。
滝壺(時間かがない。もっとひろく、ひろく、ひろく!)
対象を広げ、自分に届く『自分だけの現実』の情報を掻き集める。しかし――。
滝壺(かみじょうは、ない。どこにもいない)
探し求めている、本来レベル4の自分達が縋るべきではない、上条の姿は何処にもなかった。
滝壺(逃げた……?)
視界がブレる。何も考えられなくなる。体晶によって無理矢理広げた知覚の中へ、自分が段々と融けていく錯覚――いや、融けているのだろうか?
境界線が曖昧になり、全てがどうでも良くなる寸前、何故か滝壺は上条が逃げている事を安堵しつつ、その意識を閉ざし――
パシィィンッ!
全てをぶち壊す、幻想を殺す、音が響く。
上条「……悪い。遅くなった」 - 27: 2013/04/02(火) 10:48:23.61 ID:wNJPYNNh0
- ――アイテムvsスクール
ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!
絹旗(あちゃー、これはもう超ダメかも知れませんね……)
垣根「ハッハァ!どぉしたレベル4!そんなもんなのかよおぉっ!」
かつて学園第一位を指して“一方通行”と呼ばれていた。
その戦いぶりなのか、能力なのか、蔑称なのか……彼を見た者は「確かに一方通行だった」と口を揃える。
絹旗「このっ!」
しかし学園第二位と呼ばれる存在もまた、一方的であった。
絹旗が折れていない方の手で殴ろうとしても、垣根の生み出す羽――未元物質によって攻撃は阻まれる。それだけであればまだやりようはあったかも知れない。
だが相手の未元物質はこちらの窒素装甲を透過してくる。フェアには程遠い戦いだ。
垣根「まぁムキになるなって。俺がやってんのは只の八つ当たりだから、お前が必死で抵抗すればする程酷くなる」
絹旗「超悪趣味ですね」
垣根「否定はしねぇがな。お前らんトコの第四位だって似たようなもんじゃねーか」
絹旗「……女の子ですし?人によっては超ご褒美です」
垣根「いやー、アイツはもうちょっとした熟女の域に達してんだろ。十歳ぐらいサバよんでるって」
垣根「いやでも頑張った方だと思うぜ――只まぁ?頑張りに結果がついて来なきゃ意味はねぇが」
絹旗「結果なんて超出ているじゃないですか。今頃フレンダ達と麦野は合流、ホラ後から超狙ってますよ?」
垣根「つまんねぇ遺言だが――じゃあな」 - 28: 2013/04/02(火) 10:50:01.32 ID:wNJPYNNh0
- ゴオウゥンッ!
絹旗(……まぁ、超潮時かもしれませんね。五月計画が終わってからは麦野達と会えましたし。楽しくはありました)
絹旗(心残り……フレンダじゃないですけど、超格好良い彼氏でも欲しかったかもです)
絹旗(いや別に格好良くなくたって超構いません。いつも適当なのに、こう、わたしがピンチになると超助けに来てくれて)
パキィィィンッ!!!
絹旗(そうそう。こうやって超お姫様だっこなんかしてくれて、こう言うんです)
上条「間に合って、良かった」
絹旗「えぇ本当に超遅いですよ。女の子傷物にしたら超責任取らなきゃ許しませんから」
上条「んじゃ絹旗を俺のお嫁さんにすりゃ問題は無い訳か」
絹旗「しょうがないですね。上条で超我慢してあげ――って上条!?どうして上条が!?」
滝壺「……きぬはた、ナイスノリ突っ込み」
上条「降ろすな。滝壺、頼む」
垣根「……おぉい」
上条「あぁすまん。ちょっと待ってくれ」
垣根「つーか誰だよ!?いきなり横から出て来て王子様かよ!ちょっと格好良いじゃねぇか!」
上条「いやー、翼を生やしたヤツには言われたくないわ」
垣根「だよねー……って煩ぇよ!アイテムに五人目の能力者が居るなんて、聞いてねぇぞ!」
心理定規『聞こえる?』
垣根「あぁ!つーかお前殺されなかったのか?」
心理定規『ええ、人質にもされなかったわ』
心理定規『そうじゃなくて、彼もアイテムの一人だわ』
垣根「んー……あぁ!さっき無線で俺にケンカ売ってたヤツか!でも確かソイツって――」
心理定規『レベル0、上条当麻よ』 - 29: 2013/04/02(火) 10:53:02.35 ID:wNJPYNNh0
- ――喫茶店へ戻る
店長「……成程。君が働きたい動機は分かった」
浜面「お願いします!俺、俺ちゃんとした人間になりたいんです!」
店長「だがね。君の服装はどう見てもチンピラ、履歴書の一つもない、アポイントは当然ない。君もいい歳なんだから、社会的な常識は分かるだろう?」
浜面「……すいません」
店長「公の場ではスーツや礼服を着るが、あれはある程度のステータスでもあるんだよ。スーツの銘柄、着こなし方、馴染んでいるかどうかで、相手の“質”を見ているんだ」
店長「そう言う意味で君は駄目な方だね。いや救いようがないと言ってもいいぐらいだ。私達は遊びでやっている訳ではないのだから」
浜面「……」
店長「……でもね。今の君が例え君が望んだ環境でなくたって、人は努力する事が出来る」
浜面「てん、ちょう……?」
店長「身の丈に合っていない服を着ていても、背筋を張って堂々としていれば、いつか必ず君にも似合うようになるさ」
店長「君の場合、人よりもずっと努力が必要になるだろうけど――出来るかい?」
浜面「……はい、はい!宜しくお願いします!」
店長「うん、こちらこそ。今日は外回りから始めてみようか、接客は髪をちゃんとした色に染めるまでダメだからね?」
浜面「よっしくおねあいっしゃぁぁっす!!!」 - 30: 2013/04/02(火) 10:56:22.12 ID:wNJPYNNh0
- ――相対するレベル5vsレベル0
垣根「で、だ。その上条は何しに来たんだよ。今更ピンセット寄越しても、このまま帰すつもりはねぇぞ?」
上条「あぁそうなのか。んじゃこれ、持ってきても意味無かったかもな」
ヒョイッ
垣根「投げるな!……しかも本物かよ。何か爆弾でもついてる、ってオチだと思ったんだが、そう言う訳でもねぇのか」
絹旗「ちょっと超何やって居るんですか!?」
上条「あぁ別にいらねぇだろ。つーかスクールの人に聞いたんだけど、他の連中も動いているって言うし、半壊状態のアイテムで守り続けるのは無理だ」
垣根「良く分かってる。元々コイツはなぁ――」
上条「ゴメン。俺頭悪いから、分かるように頼む」
垣根「……学園は大気中に数千万個の超小型監視カメラを巻いているらしいんだわ。だからソイツを回収して、情報を得てアレイスター――あぁいや、理事側と交渉する」
上条「無理じゃないか?」
垣根「……何だと?」 - 31: 2013/04/02(火) 10:57:50.30 ID:wNJPYNNh0
- 上条「その監視カメラ、数千万個飛び散っているんだろ?でもって今も当然監視している訳だ」
上条「だからってのに、学院側はほぼ放置。おかしくないか?」
垣根「それはアイテムが――」
上条「別にアンチスキルを動員したって良いだろうし、一方通行を呼び出す方法だってある。あまりにも杜撰じゃないか?」
垣根「……」
上条「いや、まぁ別にそれは良い。お前らが学院側へケンカ売ろうってなら、好きにすれば良い。でもな――」
上条「だからっつって――俺がお前を許す理由にはならねぇんだよ!」
垣根「……へぇ、レベル0が怒るってか?」
垣根「いやいや現実を見ようぜ上条くーん。君のお仲間はボッコボコ、レベル5の麦野だって瀕死――あぁもしかしたら死んでるかもな?」
垣根「今君の反論にちょっとそうかなー、と思っていた所だし、能力追跡ブッ潰してから土下座してくれれば許そっかな、ぐらいには考えたんだが――」
上条「煩ぇ、本当に煩ぇよ」
上条「レベル5がどうした?力の差がなんだってんだ?」
上条「お前は相手が強そうだったら、目の前で仲間がボロボロにされていても、黙って見過ごせるのか?」
上条「強者が弱者を一方的に踏みにじって良いなんて幻想、俺がぶち殺してやる!」
垣根「は、やってみろよレベル0!俺の未元物質に常識は――」
バキィィィッ!!! - 35: 2013/04/02(火) 11:02:02.97 ID:wNJPYNNh0
- ――数時間後
垣根「……っ!?」
心理定規「あ、起きたのね」
垣根「俺は……どうして寝ているんだ!?」
心理定規「さぁ?私が来た時には横になっていたから」
垣根(アイツの右手が未元物質を打ち消した――ように、見えたが)
心理定規「で、その彼らから伝言」
垣根「何だって?」
心理定規「あぁもう顔近い近い」
心理定規「えっとね――『次もし同じ事をしたら、二発ぶん殴る』って」
垣根「……はぁ?なに、ぶん殴る?そんな事――」
心理定規「言ってたわ、笑いながら。何か楽しそうだった」
垣根「……なぁ?」
心理定規「何?」
垣根「勝ったんだよな、スクールが」
心理定規「えぇ、ピンセットはわたし達が持って居るみたいだし」
垣根「だったらどうして虚しいんだ?」
垣根「あのガキの言う通りだ。アレイスターが俺達を監視しているのに、連中の尻尾を掴むかも知れない研究を許し、開発を認め、交渉に使おうとする俺達が手に入れた」
垣根「それは偶然なのか?それとも誰かに書かれた脚本なのか?」
垣根「本来であれば戦う必要もなかった第四位やら他の連中を巻き込んだ、大かがりの闘争――あのクソッタレの第一位がしていた、クローン虐殺と何が違うんだ?」
心理定規「わたしには分からないわ」
垣根「……だよな。俺だって分からん」
垣根「俺は、どうすればいい……?」
心理定規「だったら――」
心理定規「聞きに行く、とか?」 - 36: 2013/04/02(火) 11:03:51.74 ID:wNJPYNNh0
- ――そしてまた少し時が戻る。よくある死闘
上条「いやー、流石第二位強いわー――って痛いって!」
絹旗「超自業自得じゃないですか。第二位の攻撃を消したのは良いものの、余波で飛び散ったガラスで切られるなんて、超格好悪いです」
上条「いや、あの頑張ったんですよ?なるべく早く着くように急いだし、お陰でサイフはゼロだけども……ってだから包帯強く締めたら痛い痛い痛い!」
絹旗「まぁ間に合ったから良いですけどね。それよりも上条、あなたは能力者――」
麦野「かーみーじょーおー……」
フレンダ「逃げ、逃げて上条!」
絹旗「超何やってんですか麦野!?アイテムの仲間に!」
麦野「とーぜんだろ?このビ○チはアジトの場所やら私らの能力を喋った裏切り者だ」
麦野「あとソイツはアイテムですらねーんだわ」
滝壺「……え?」
麦野「なーんかおかしいとは思ってたんだけどな。暗部のくせにやたら明るいわ、大した能力は無い――一体全体どこの馬の骨かよ、って話よ」
麦野「さっきクソ女からメールがあってね。本当に配置されるヤツは、浜……ナントカ?って金髪の男らしいわ。高校生な訳ないじゃない」
麦野「つー訳で今からフレンダと一緒にぶち殺すから、そこどきな」
絹旗「超待って下さい!だからとしても上条は一緒に戦ってくれたん――」
麦野「アンタごとやったって良いんだけど。つーかそうしたいわー、今超ハイんなってるし」
上条「……成程。確かに小萌先生の持ってきた話にしては、ちょっとバイオレンス過ぎるとは思ったけど」
上条「まぁ俺は良い。誤解した上に、もしかしたら本当は来る筈だった浜ナントカより、足をひっぱっちまったかも知れない」
上条「けどどうしてフレンダが殺されなきゃならないんだ!同じアイテムの仲間じゃないのか!?大切な仲間なんだろう!?」
麦野「その、大切なお仲間を売ったのよ、コイツは。だから粛正されて当たり前。そうでしょ?」
上条「それは相手の能力にかかったせいだ!だから――」
麦野「うるせぇよ○○野郎。キャンキャン吠えるなみっともない。それが、私らの住んでいる“暗部”って所だ」 - 37: 2013/04/02(火) 11:06:27.18 ID:wNJPYNNh0
- 麦野「それで、だ。レベル0、私はアンタも疑っている」
麦野「高校生が巻き込まれた。まぁそう言うこともあるかも知れない。不幸が重なって、誤解が誤解を生んで、アイテムの一員を一日体験入学するかも知れない」
麦野「まぁそれはいいわ。浜ナントカが入った所でアンタと同じレベル0、活躍したとは思えないでしょうし」
麦野「でも、その全ての試練に悉く打ち勝った挙げ句、結果として生きている上、相手のチームに大切なピンセットを献上している」
麦野「まぁ――最初っからスパイ目的で近づいてきたとか、ねぇ?」
麦野「つー訳でブ チ コ ロ シ 確定ね」
上条「……分かった」
麦野「あぁ何?抵抗しないから楽に殺れって?ゴメン、今ちょっとぶち切れてるから、アジャスト効いてなくって、多分一思いには出来ないと思うわー」
麦野「死に損ないのジジイがやってるダーツみたいに、あっち行ったりこっち行ったりすると思うけど、ゆ・る・し・て・ね?」(ニコッ)
絹旗「だから待って下さい麦野!上条がスパイなんてする訳――」
上条「……絹旗、ここは俺に任せろ」
絹旗「超無茶です!」
絹旗「(フレンダが麦野に掴まれてて、超手出しできないじゃないですか!)」
上条「大丈夫だ、俺なら――俺“達”を信じろ!」
絹旗(上条……)
麦野「おーおー、ウチのメスガキどもに随分懐かれてんのね、羨ましいわー」
麦野「なんだったら今フレンダ灼く前に○○ckしてもいいんだぜ?○貞と処○のまま死んじゃあつまんないでしょうから」
フレンダ「……む、麦野!」
麦野「お、どうした淫乱ゴールド。マジFu○○してぇってのか」
フレンダ「あたしは仕方がないって訳!能力にかかったとは言え、情報を漏らしたのは事実だからっ!」
フレンダ「でも、上条は!上条がアイテムに入ったのが間違っていたんだったら、暗部のけじめを付ける必要は――」
麦野「煩ぇな。もう何発か腹パンすりゃ黙るか」
ブゥンッ - 39: 2013/04/02(火) 11:10:29.94 ID:wNJPYNNh0
- 上条 パシッ
麦野「……んだぁ?手ぇ離せよ」
上条「離すのはお前の方だよ、麦野」
麦野「調子乗ってんじゃねぇぞレベル0があぁっ!!」
バキッ!
上条(くっ!?でもフレンダから手を離した!)「絹旗っ今だ!」
絹旗「フレンダ!わたしの後へ!」
麦野「原子崩し!」
絹旗(一発ぐらいならっ!――って窒素が高温で削られていく!?)
麦野「アンタの窒素装甲じゃ、んなに持ち堪えられねぇだろうがよおぉっ!!!」
上条(クソッ!間に合うかっ!?)
滝壺「曲がって!」
グゥゥンッ!
麦野「アタシの能力に干渉しただと!?ヤバい、制御がああぁぁっ!?」 - 40: 2013/04/02(火) 11:11:55.06 ID:wNJPYNNh0
- 上条「二人とも――いや滝壺も俺の後へ回れ!」
絹旗「上条、これじゃ全員超固まってしまいますよ!」
フレンダ「バラバラになって逃げた方が良い訳!」
滝壺「わたしが抑えているウチに、みんなは逃げ、て」
絹旗「超出来る訳がないです!」
フレンダ「仲間を見捨てて逃げれんだったら、最初からここへ来てない訳よ!」
上条「……絹旗、フレンダ、滝壺。もう一度だけ――いや、何度だって言うぜ」
滝壺「かみ、じょう?」
上条「お前達は俺を信じた。だから今、みんなでフレンダを助ける事が出来た」
上条「俺を信じろ!そうすりゃ麦野なんかに負ける訳が無い!」
麦野「――って、おらああああぁぁぁぁっ!!!」
ドォン! - 41: 2013/04/02(火) 11:14:51.31 ID:wNJPYNNh0
- 麦野「あっははははははははははっ!面白――く、ねぇよクソガキ。私が生まれてから聞いたジョークの中で、一番笑えねぇ話だ」
麦野「あんまり怖くて狂っちまったかぁ?あぁまぁ別に抵抗してくれた方が、楽しいから良いけど」
上条「なぁ……麦野、あんたがそこまで徹底して厳しくするのは何でだ?それは相手になめられたくない、とかって言うんだろう?」
上条「でもな、結局それは“アイテム”を守るためにやっているんだよ!大事な仲間を、大切な人達を、外からの暴力に呑まれないようにするだめだろ!?」
麦野「……るさい」
上条「あんたの能力だってそうだ!本来敵に向けるための武器を、どうして仲間へぶつけなきゃいけないんだ!?」
麦野「……煩い」
上条「逆なんだよ、全てが!」
上条「誰かを守るために戦っているんじゃいないのか!?それともあんたにとって“アイテム”はそんなに簡単にぶち壊しにしても良い関係なのか!?」
麦野「煩い!煩い!煩い!煩い!煩い!煩い!煩い!煩い!」
上条「……オーケー、だったら俺はその幻想をぶち殺す!」
上条「いい加減ダダをこねてんじゃねぇぞ、麦野おおおおぉぉぉぉぉっ!!!」
パシィィィンッ……!!! - 42: 2013/04/02(火) 11:18:06.08 ID:wNJPYNNh0
- ――逃走中のアイテム。いや、凱旋中なのか
麦野(……)
絹旗「……上条、超重くないですか?代わりましょうか?」
上条「ん、あぁ大丈夫。つーか結構軽い。つーか片手折れてんのに無理だろ」
絹旗「決して麦野の超オッパイが背中に当たって、上条の下条が超おっきしている訳ではない、ですか?」
上条「かかかかか上条さんはねっ!紳士だからそんな事ぁ全く考えないのですよ!!」
フレンダ「だったらあたしが!……って無理か。麦野、背高いから足ついちゃう訳よ」
絹旗「これだからフレンダは超使えないんですよ」
フレンダ「あんたの方がチビなのに!?」
滝壺「ふれんだだから、しょうがない」
上条「だよなぁ、フレンダだしなぁ」
フレンダ「あたしの味方は居ないって訳!?」
絹旗「裏切り者のフレンダは超粛正されても仕方がないですし」
上条「こらあんま虐めんなよ。フレンダだって不可抗力だし」
滝壺「そーそー、もしもフレンダがほんとうに裏切ってたら、わたしたちを助けにはこないとおもう」
絹旗「なんですか、わたし超悪役じゃないですか――あぁそうそう、二人に聞こうと思っていたんですが」
絹旗「二人が戻ってきた際、どうしてフレンダは麦野の方へ向かったんですか?性格からして即メルトっても超仕方がなかったと思いますよ?」 - 46: 2013/04/02(火) 11:23:17.57 ID:wNJPYNNh0
- フレンダ「そ、それはホラ!あたしにはあたしなりのケジメって訳よ!こう見えて暗部一員として当然な訳だし」
滝壺「おぉ、ふれんだ格好良い」
フレンダ「ふふん!」(ドヤ!)
絹旗「で、本当の所はどうなんです。上条?」
上条「あぁコレ麦野には内緒な?」
フレンダ「ちょっ!?結局言う訳?」
上条「俺もフレンダに同じような事言ったんだけど、完全にテンパってて、『麦野が!麦野が死んじゃう!』って突っ込んでったつーだけの話」
上条「自分が殺されっかも、とかは頭になくて心配だったみたいだ」
絹旗「フレンダ……」
フレンダ「ちょっ!見ないで!?そんな優しい目で見ないで!?」
絹旗「分かりました。いえ超感動しました。フレンダ――」
フレンダ「きぬ、はた?」
絹旗「今日からわたし達、超友達ですから」
フレンダ「絹旗……うん、今日から友達って訳、仲良くしようね――って違うから!今までは!?今まで友達じゃなかった訳!?」
滝壺「ふれんだ」
フレンダ「な、なによ……滝壺」
滝壺「むぎの、起きちゃうから、しーっ、ね?」
フレンダ「不幸って訳ええぇぇっ!?」
絹旗「――とまぁ、壊れたフレンダはさておき。上条、本当に超只の学生だったんですね。学院二位と四位を一時間以内に負かすなんて、普通の、ではないでしょうけど」
上条「いや、俺は普通のどこにでも居る学生だよ――つーか、だった、かな」
上条「今日からアイテムに加わった以上、ぼちぼちやらせて貰うよ」 - 47: 2013/04/02(火) 11:25:18.54 ID:wNJPYNNh0
- 絹旗「超甘いです上条。わたし達は暗部、今まで酷い事もたくさんやられてきましたし、やってきました」
絹旗「だからこそ、ですが、あなたには――」
上条「あのさぁ、麦野っていくつぐらい?」
絹旗「え?はい、トップ89のアンダー69の超Eカップですね」
上条の下条さん(そっかぁ、背中に当たる感触は圧巻の一言ですしねー)
上条「じゃねぇよ!つーか何でいきなりおっぱいの話になった!?歳の話だ、ト・シ!」
絹旗「こないだ超自慢してやがったので。年齢は多分17、8ぐらいじゃないかと」
上条「軽いんだよ」
絹旗「何を、言って――」
上条「年頃の女の子、背負う機会なんて滅多に……まぁ、そんなにはない――事もない、けど。比べた感じ、他の子と全然代わんないぐらいでさ」
上条「だってのにアイテムのリーダーなんて役目押しつけられて、義務感の強さから仲間にまで牙を剥かなきゃいけなくなって、だ」
絹旗(いえそれは別に麦野の超素だと思います、素だと思います。大事なので以下略)
上条「……何が第四位だ。何が原子崩しだ。暗部の一員だっつったって、別に超人でも何でもない、只の女の子じゃねぇか」
フレンダ(いやー女の“子”ってのは有り得ない訳よ。こないだスキルアウト素手でボコってたし、超人って言ってもおかしくないと思う訳)
上条「お前らだってそうだよ!普通の可愛い子達だってのに、汚い大人の訳分からない戦争に巻き込まれてる!」
滝壺(かわいい……誉められた)
上条「一度知った以上、ほっとく訳にはいかねぇんだよ」 - 48: 2013/04/02(火) 11:26:56.91 ID:wNJPYNNh0
- 滝壺「でも、どうやって……?」
上条「一人で出来ない事はみんなですりゃ良いんだ。だって俺達は“アイテム”の仲間なんだろ?」
滝壺「……うん」
フレンダ「……結局さぁ、何かそれっぽい言葉で誤魔化しているけど、ノープランて訳?」
絹旗「まぁ超仕方がないと思いますよ。所詮は超上条ですから」
上条「悪かったですね!そりゃ確かに成績良くないけどさ!」
絹旗「どうせ止めたって、わたし達が姿をくらましたって、一人で学園へ超喧嘩売るんでしょう?だったら超フォローした方がまだマシじゃないですか」
滝壺「手がかかる……でも、そんなかみじょう、応援している」
フレンダ「結局疫病神って訳」
上条「ひでーよ!?俺は結構真面目に考えてんのに!?――って静かに。麦野が起きちまう」
麦野(最初っから起きてんだけど……まぁ、いい)
麦野(今っから原子崩し仕掛けりゃ、腹ぁ風穴開けられるが……)
麦野(クソが。最悪だ、コイツは)
麦野(……まぁ、今は、な) - 49: 2013/04/02(火) 11:30:22.39 ID:wNJPYNNh0
- ――喫茶店に戻る
店員「はい、パーティセットかける3、サバピザ1、鮭ピザ1、ドリンクは適当に……はい、××ビルの○○号室までですね?……はい、毎度有り難う御座いまーす」
店長「浜面君、最後の配達だ。宜しく頼むよ」
浜面「あ、お疲れっす……って××ビルですか?随分変な所っすね」
店長「うん常連さんでね。店にも良く来てくれるんだ」
浜面「わっかりました!不肖浜面、全力で行ってきぃあすっ!」
店長「(……ちょっとちょっと)」
浜面「(なんすか)」
店長「(娘がね、君が戻ったら歓迎パーティをしたがっているんだけど、今からピザを作るとちょっと時間がかかりそうなんだ)」
浜面(!)
店長「(だから、少しだけゆっくり帰ってきてくれないかな?)」
浜面「(うっす!)」 - 51: 2013/04/02(火) 11:38:23.88 ID:wNJPYNNh0
- ――“悪党”たちの会話
土御門「どうやら“ピンセット”はアイテムの連中が手に入れたようだ」
結標「垣根帝督が健在なのに?アイテムが見逃された、って可能性の方が高いんじゃない?」
土御門「一方通行、お前は第二位と第四位、両方に面識あったよな?」
一方通行「あァ、どっちも小物だったがァよォ」
土御門「二人はどんな感じだ?」
一方通行「第二位は、猟犬かァ?狩りが好きじゃなくっても、命令があればどんな相手でも食い破る、ってェ性格だ」
一方通行「第四位は……まァ、ワニか。それも川にいるヤツじゃねェ。ネバ○ランドで時計呑んだアレだ」
一方通行「一旦獲物と見なした相手ならどこまでも追い回す、噛みついたら相手を殺すか自分が死ぬまで離さねェ」
土御門「にも関わらず、現在アイテムはスクールを追撃する様子を見せていない。何人かは負傷したようだが、誰一人欠けていない状態だ」
一方通行「あァんじゃソレ、アイテムでアタリだな。垣根が最後に日和ったか、取引でもしたんじゃねェのか?」
海原「単純に第四位が下克上を果たしたのではないですか」
一方通行「有り得ねェ。未元物質はンな原子崩し如きで破れる代物じゃねェし、仮にそうだったとして、第四位が第二位を始末しねェ訳がねェ」
結標「……話を聞くに狂犬みたいな連中なのね。上位ランカーさんは何処か壊れているようだし」
一方通行「なァンですかァ?むっすじっめさァァァン?」
海原「いえだからそういう所がアレだと。自分としては結標さんも良い性格をしていると思いますが」
結標「言ってくれるじゃない。中学生にハァハァしている変態ランカーじゃ、あなたも上位へ入ると思うけど?」
土御門「やめろお前達。で、だ。俺達グループはピンセット回収に動くか否か」
海原「相手の能力は――」
一方通行「どォだっていいだろよォ。第四位を含めて何人居るかだけ分かりゃ、取りこぼしが無くていい」
土御門「第四位の麦野とレベル4、この二人が戦闘系。後は遊撃として一人、情報探査系が一人、だったな」
一方通行「……ちょっと待ってろォ……」 - 52: 2013/04/02(火) 11:40:04.48 ID:wNJPYNNh0
- ガスッ(ピザ屋のバイク?を襲撃する)
一方通行「あ、すいまァせェン、アンチスキルなァンですけどォォ、ちょろォっとおっ時ィ間宜しいですかァ?」
ピザ屋の配達人?「は、ははははははいいいっ!?」
ピザ屋の配達人?(なんだコイツ!?超白ぇ、新しい都市伝説かなんかかよ!?)
一方通行「お兄ィさン、あそこの貸しビルに配達するンですよねェ?えっと名札名札――はま、メン?浜メン君?かっけェ、イケメンみたいな名前っすねェ」
浜面「は、はまづら、なんだけど……」
一方通行「悪い人達が集まって居るみたいだからよォ、俺が代わりに持ってってやンよ。オーケー?」
浜面「い、いえお金っ!」
一方通行「あァうんカード大丈夫ゥ?」
浜面「えっと、すいません」
浜面(アレ?ちゃんと払ってくれるの?あぁビックリした……)
一方通行「じゃ他にはナイショ――いや、口ィ軽そうだな。オイ、跳ばせ!」
浜面「え?とば――」
ヒュンッ
土御門「えげつないな、お前」
海原「いえ、多分一番酷いのは違います。どこへ跳ばしたんですか?」 - 53: 2013/04/02(火) 11:42:13.50 ID:wNJPYNNh0
- 結標「全裸に靴下で常盤台中学の学生寮。ちょっとお世話になった子が住んでいるのよね」
土御門・海原(流石S音様)
一方通行「オイ遊んでンなよ三下ども」
土御門「でも良いのか?問答無用で突っ込むよりも、一度話し合った方が――」
一方通行「おいおォい、なァに言ってるンですかァ?俺達は“悪党”だ。それもとびっきりのだ。今更格下相手にビビってンじゃねぇ」
一方通行「――ってェどうした海原ァ。ピィィィツァァ喰いてェんだったら、喰っても良ィぞ」
海原「いえ、そうではなく。枚数多すぎませんか?女性四人にしては大分多いような」
土御門「あぁそう言えば男が一人加わった、と言う情報もあったな。ただしレベル0の浜面とか言う男だそうだ」
結標「下部組織の連中かしら?」
海原「彼を捕まえて、自分が潜入する方法もありますが」
一方通行「いやァ必要ねェだろ。三下相手に面倒な策使う必要が感じられねェ」
土御門「お前の自信は、いつか身を滅ぼすぞ」
一方通行「……俺が怖ェのはたった一人のレベル0だよ。それにしたって守るべきものがある今の俺じゃァ、負ける筈ァねェンだよォ」 - 57: 2013/04/02(火) 11:46:48.04 ID:wNJPYNNh0
- ――アイテムのアジト前2。とある貸しビル前
一方通行「すいませェェェーン!ピィィィィィッツァァ持って来たんですけどォォォ!?」
男『あ、今オートロック開けますー』
一方通行「さァ、パーティの始まりだァ!」
ガチャ
上条「えぇはいそうですねー。パーティセット頼んだ○○号室の者ですー」
一方通行・海原・土御門「」
結標(あ、前にモヤシにぶっ飛ばされた時、救急車呼んでくれた人だわ)
上条「って一方通行?海原も!そっちの女の子は知らない――いやどっかで会ったか?」
上条「あ、ピザ……あぁ良かったー、きちんと働いていたんだなー。ちょっと心配してたんだよ」
上条「御坂妹から打ち止めの保護者になった、ってのは聞いてたけど、また悪い事やらかしそうでさ?うんうん、誰だって更正できるもんな」
上条「あ、ごめーん、フレンダ来てくれるー?」
フレンダ「はいはい、どうした訳よって」
上条「先運んで貰えっかな――おい、おい!お会計お願いしたいんだが」
一方通行「……さ」
一方通行「作戦たァァァイムゥゥ!!」
上条「ど、どうぞ」
海原「あ、お飲み物とサイドメニューはこちらです。あとこれ次回から使える割引券ですから」
フレンダ「ありがとうって訳よ」 - 60: 2013/04/02(火) 11:50:19.84 ID:wNJPYNNh0
- ――作戦たァァァイムゥゥ(in廊下)
一方通行「話がちげェェェだろォォがよォォッ!?なンだそりゃ!?何であのレベル0があそこにいンだァ!?」
海原「(中に聞こえるので、小声で喋ってください!)」
結標「何?アンタらの知り合いなの?」
海原「(自分と一方通行にとっては因縁の相手です)」
結標「負っけ犬―!プークスクス!」
一方通行「(なんだコラまた凧揚げされてェのか露出狂がァァ!)」
結標「きゃーたすけてー目つきの悪い白モヤシにカルピス蕎麦もぐもぐさせられるー」
一方通行 ビクウウゥゥッ!?ガクガクガクガク
結標(弱っ!?まるでハムスターみたいに怯えてる!)
一方通行「(海原からも何か言ってやれ!)」
海原「(いえ、一人でトンズラしたクソメガネに連絡を取っているのですが――あ、繋がりました)」
土御門『おかけになった番号は現在使われていないにゃー。もっかい正しいかどうか確かめてから連絡するにゃー』
一方通行「(ふざけンなよ!テメェノリノリだったじゃねェか!!)」
土御門『あームリムリ、上や――幻想殺しに勝てる気しないにゃー。ってかお前、今普通に動けるのって、シスターズの演算借りているだけだろ?』
一方通行「(それがどォした)」
土御門『幻想殺しに手ぇ上げたら、いくら打ち止めが頑張っても問答無用でMNWから弾かれるぜ?』
一方通行「(!?)」 - 61: 2013/04/02(火) 11:52:20.37 ID:wNJPYNNh0
- 土御門『って事で俺は今回の件から降りる。暴力以外でどうにか出来る、ってなら手を出しても良いと思うが』
海原「(自分もゴメンですね。あの少年を傷つけるのであれば、立場上敵に回らざるを得ません)」
結標「なにそれこわい。ストーカーだけじゃなくて、そっちまで――」
海原「(ある訳無いじゃないですか!……兎に角、今日はここで失礼します)」
一方通行「(で、お前はどうすんだァ?)」
結標「何か、こう、空気がピンクいのよね。危険じゃないんだけど、今入っていったら取り返しがつかなくなるような気がする」
一方通行「(どォしたモンかなァ)」
ガチャ
一方通行 ビクビクッ!?
結標(あ、面白い)
上条「あれ、海原は?」
一方通行「あ、あァ何か帰ったみたいだぜェ?」
上条「そっかぁ。まぁいいか次で。お前ら、一緒にピザ食おうぜ」
結標「あたしも?」
上条「一方通行の友達なんだろ?」
結標「違うわ!同僚よ!」
上条「どっちだっていいよ。兎に角、中へ入れよ、な?」 - 63: 2013/04/02(火) 11:54:12.91 ID:wNJPYNNh0
- ――アイテムのアジト前3。とある貸しビルの廊下
垣根(って来たのは良いんだけど、どうしよう?)
垣根(心理定規は『仕事の時間だから』って帰っちまうし、残ったスクールは俺一人……)
垣根(一体どうすれば、こう、フレンドリーに入っていけるだろうか)
垣根(いやでもレベル0相手だよ?俺が悩む必要なくね?)
垣根(やっぱり『話は聞かせて貰った!』的な?いやー……引くだろ)
垣根(でもちょっと前まで殺し合った相手に、今更協力しようなんて言えないよなぁ)
垣根 モジモジ
――貸しビル内、アジト
麦野「かぁーみーじょーおー」
上条「何だ?」
麦野「監視カメラにさっきのメルヘン野郎が映っているんだけど、アレどーにかしてこい」
上条「え、俺が?」
麦野「あー何か顔が痛いなー、誰かに殴られたせいじゃないかなー、原子崩壊が制御できそうにないなー、おっとあんな所に第二位が」
上条「悪かったよ!つーか持ちネタにするなよ!いいか、絶対だぞ!?」
麦野(いやもうそれやれっつってんのと同じだし)
上条「つーか麦野さん。さっきからどうして俺の方見ないで喋るの?」
麦野「うるせぇな!さっさと行け!」
麦野(ヤベェな。は、恥ずかしすぎて上条の顔、まともに見れねぇ) - 66: 2013/04/02(火) 12:01:02.46 ID:wNJPYNNh0
- ――また廊下
垣根(いやーアレじゃね?ピンセット手に入れたのは良いけどさぁ、よくよく見ると何でこんなん欲しかったの?とか、我に返る時ってあるよな?)
垣根(ガチャのパーフェクトジオ○グMark2欲しかったんだけど、いざ手に入ってみれば、微妙な出来だったり?)
垣根(アレ今にして考えれば、マジ○ガーのパクりっぽい作りだったよなぁ……)
垣根(てかそろそろフェニックス○ンダムの1/144キットも出して欲しいんだけど……)
垣根(……あぁうん!別にいらなくね?こう、黙ってここへ置いておけば、『垣根さん実は良い人、勝ちを譲ってくれた!』みたいな感じで、好感度上がるんじゃねぇか)
垣根(よし!んじゃ早速)
ガチャ
垣根 ビクゥゥッ!
上条「よ、よう!」
垣根「き、奇遇だなぁレベル0!」
上条「……すまん、さっきからカメラに映ってた」
垣根「パーティの時間だぜ!」
上条「それ、一方通行がさっきやった」
垣根「」
上条「……ピザ残ってるんだけど、食べる?」
垣根「……うん」
上条「生サバブルーチーズピザと鮭缶カマンベールピザしか残ってないけど」
垣根「俺のこと嫌いなら嫌いって言えよ!?」 - 68: 2013/04/02(火) 12:06:52.25 ID:wNJPYNNh0
- ――アジト
麦野「なんつーか、まさかアンタらと一緒にメシ食う日が来るとは思わなかったわ」
一方通行「同ゥ感だ。つかどういう状況だよメルヘンくゥン?」
垣根「いや、話降られても。なぁ――えっと?」
上条「上条だ」
垣根「上条に聞いた方が早いだろ」
上条「……成り行き?」
結標「いやいや成り行きでもこうはならないわよ?」
一方通行「普通よォ、テーブルってェのはそれぞれの辺を囲むモンだ、四人いりゃ四人で向かい合うってェのが筋だろ」
結標「まぁ普通は“こう”よね」
(※□はテーブルです)
上
通□結
垣
一方通行「でもどォして“こう”なってンだァ?」
滝 フ
絹上麦
通□結
垣 - 70: 2013/04/02(火) 12:09:16.57 ID:wNJPYNNh0
- 垣根「何?何なの?お前らマップ兵器来たら瞬殺されるよ?」
絹旗「いえ別にわたしは超手が骨折してて使えないので、上条に食べさせて貰ってるだけです」
垣根「いや俺が折ったのは、利き腕じゃない方だよね?一応気ぃ遣ったつもりなんだけど」
絹旗「上条、次はマヨチキ超取ってください」
垣根「アレ今俺説明したよね?食べさせて貰っている必要ないって。もしかしてスタンドなの?スタンド攻撃を受けているの?俺の台詞がズギュウウゥゥゥンって時間が跳ばされているの?」
一方通行「まぁ怪我してンだから、ってェのは分からねェ話でもねェが。後のやつァ何で背後霊みたいにひっついたまま寝てんだ?」
上条「あーうん何かさ。麦野さんおんぶしたのが羨ま――フガっ!?」
麦野「上条、こいつも食え。どうせいつも大した食生活してねぇんでしょうが」
垣根「(で、一番おっかねぇのは隣で甲斐甲斐しく世話焼いている第四位なんだが)」
一方通行「(正直鬼気迫る、つーか、どォして半ギレしてんのか訳分かんねェ)」
結標(まぁこんだけライバル多けりゃ危機感の一つや二つあるでしょうけど)
上条「つーかフレンダ」
フレンダ「な、なによ?」
上条「さっきからウロウロして何やってんの?」
フレンダ「べ、別に上条には関係ない訳だし!」
結標(いや、明らかに出遅れて戸惑ってるだけでしょうが)
上条「あぁうんごめんな。それで、だ」
フレンダ・一方通行・垣根・結標(放置したっ!?) - 71: 2013/04/02(火) 12:12:13.68 ID:wNJPYNNh0
- 上条「垣根、だっけ?どうしてウチまで来たんだ?」
上条「……どうした?何か居心地が悪そうだし」
垣根「あぁいやいや別に何でもねぇ」
垣根(いやいやお前の後で泣きそうになっている子が居るんだけどぉぉ!)
一方通行(幼女じゃねェが何かハブられてると心が痛むぜェ)
結標(どうにかしてあげたいんだけど、部外者が口を挟むのもちょっとアレよね)
垣根「まぁ、なんだ。ホラこれ、手みやげ代わり、つっちゃ何だけど」
麦野「“ピンセット”……?どういう風の吹き回しだ、第二位」
垣根(あれ、普通に話進めんの?……あぁ第四位からは見えないか)
結標(意図的にシカトしている可能性もあるけどね)
垣根「俺らもちったぁ考えたんだが、結局埒が明かなくてな。だったら欲しがってる他の連中に聞きに来た、ってぇ話だ」
絹旗「って言われましても、わたし達は超回収を命じられただけで、それ以上は何も」
一方通行「お前ら手袋でドンパチやってたみてェだけど、フレデ○ゴッコでもしたいんですかァ?」
上条「いやいや、これは空気中の小さな監視カメラを拾える機械なんだよな?」
フレンダ ウロウロ、ウロウロ
一方通行(うわァなんかぼっちになっている昔のオレみてェ……)
垣根(オイどーすんだこれ、誰が収集つけるんだよ?)
フレンダ「(……ぐすっ)」
結標(あ、ヤバい。マジ泣き入りそう)
垣根「だが暗号になってて面倒でなー。だからまぁ他のヤツに任せようかなー、と」
垣根(ホラ、話振ったから!後の子に『立っている人、解析用のデバイス持ってきて』とか頼んで!半泣きになっているのに気づいてあげて!!) - 72: 2013/04/02(火) 12:14:39.20 ID:wNJPYNNh0
- 上条「あぁだったら……一方通行、頼めるか?」
垣根(何やってんのレベル0おおぉぉっ!?俺が折角キラーパス出したってのに、どうしてスルーするんだよぉぉ!?)
フレンダ(ごしごし)
一方通行(おォいィィっ!?話の邪魔になりそうだから、無理矢理堪えたぞォォっ!?)
上条「一方通行……?あぁごめん、気は進まないか。いくらお前が昔暗部みたいな事してたからって、こんな事を頼むのは間違ってるよな」
上条「でもさ、俺は思うんだよ。俺達が力を合わせればなんだって出来る!誰だって救えるんだって!だから――」
一方通行(ヒーローさァァァンッッ、後の子、後の子を救ってあげてェェェ!!!)
垣根(ヤバいから!もっかい大きなの来たら、涙さん決壊するからっ!)
上条「――だから一緒に戦ってくれないか?」
一方通行「チッ、しょうがねェな。お前にゃ借りがあるし、その分だけ働いてやンよ」
一方通行「そのデバイス寄越せ。三分で解析する」
カチッ
垣根(一方さぁぁん、何とかしてよ後の子のHPはもうゼロだからっ!)
一方通行「ってかさっきから後のヤツ、ウロウロ煩ェんだよ。どっか座ってろ!」
フレンダ ビクッ
一方通行(ど、どうだ……?流石にここまで言えば、ヒーローさァンも気付くだろ?) - 74: 2013/04/02(火) 12:18:05.77 ID:wNJPYNNh0
- 垣根(第一位は伊達じゃねぇな!あぁ俺達に出来ない事をやってのける!)
上条「あーそれで、垣根の方なんだけど」
フレンダ シュン
一方通行(そっち!?何それバカ優先するんですかァァ?オレ只の嫌なヤツじゃねェか!)
垣根(俺に話し振る前に後見てぇ、後!前向きだけじゃなくって、たまには後向いてぇぇ!)
垣根「なんだよ、まさか俺にも協力しろ、って話じゃねぇだろうな」
一方通行「(メルヘン何とかしろ!何とかしてフォローしやがれ!)」
垣根「(と、取り敢えず場所作ろうぜ!場所!モヤシ、テーブル引っ張れ)」
滝 フ
絹上麦
通□結↓
垣 - 75: 2013/04/02(火) 12:19:10.63 ID:wNJPYNNh0
- 上条「なぁ第二位、確かに俺は弱いよ。つーか殆どの学園生はそうだな。中には行き場を失ってスキルアウトみたくなっちまうヤツだっている」
垣根(いやいや、今まさにお前が後の子の行き場を無くしている所だからね?むしろ主犯はお前だからね?)
上条「そうかと思えば、俺達みたいなのが誰かの思惑に従って戦わなきゃならない」
一方通行(あ、ちょっと近寄ってきたじゃねェか!)
滝
絹上麦 フ↓
通□結
垣 - 76: 2013/04/02(火) 12:20:03.75 ID:wNJPYNNh0
- 上条「別に戦うのは良いと思う。誰かのために、国のために、大切なものを守るには戦うのは必要だ」
垣根(バッチこーい!もうちょっとだ!勇気を出せ!カモン!)
上条「只、今回の件で思ったんだ、戦うのは俺達じゃなくって、俺達“が”だって事に」
滝
絹上麦
フ↓
通□結
垣 - 77: 2013/04/02(火) 12:20:46.71 ID:wNJPYNNh0
- 上条「俺達が戦わなきゃいけないのは、学生同士じゃない!俺達を良いように扱っている連中――学園側じゃないのか!!」
ズイッ、ズルズルズル
滝 フ!?
絹上麦↓
通□結
垣
垣根「」
一方通行「」 - 78: 2013/04/02(火) 12:21:36.84 ID:wNJPYNNh0
- 上条「俺にはお前の力が必要なんだ!だから、だから学園第二位と呼ばれた、お前が――」
結標(面倒だわ)
ヒュンッ
フレンダ「!?」
滝 □
絹上麦
通フ結
垣 - 80: 2013/04/02(火) 12:22:38.26 ID:wNJPYNNh0
- 上条「俺達の腕で抱えられる命は少ないんだよ!ほら、俺なんかだとフレンダで一杯になっちまう!!」
ギュッ
フレンダ「――っ!?――っ!?」
麦野・絹旗(コ ロ ス)
上条「だが、もし学園を変えようとする人間が多く集まれば、それだけ大勢の人達が――」
一方通行(ナイスババァ!天使ちゃんに全部持って行かれた不人気っぷりは流石だぜェ!)
垣根「良くやった!弟(業界では彼氏を指す事が多い)を溺愛しているだけはある!」
上条「?」
フレンダ スリスリ
垣根「い、いや、よく言ったっつったんだ!」
垣根(あ、ごめん。何の話してたんだっけ?聞いてなかった……) - 82: 2013/04/02(火) 12:23:54.83 ID:wNJPYNNh0
- 上条「ありがとう!手伝ってくれるんだな!」
垣根(て、手伝い?まぁ大したこっちゃないだろうし)
垣根「あぁ当然だ! レベル0、いや上条だったか。俺を負かした相手に頭まで下げられちゃ、手伝わねぇ訳にはいかねぇだろ!」
上条「そうか!じゃあ一緒に学園と戦おう!」
垣根「俺の未元物質を使えば学園なんか簡単に――学園?」
一方通行「……解析終わったぜ。つっても俺らの抗争が殆どだったがなァ」
上条「そっか……」
一方通行「唯一、目新しい事だったのは――“ドラゴン”てェ言葉だけな」
上条「ドラゴン、か。分かる事なんて本当に少しなんだな……」
フレンダ クンカクンカ
一方通行「まァ気長にやってこォぜ?急に変えられるもンでもねェさ」
上条「あぁ宜しくな」
一方通行「おゥ」
一方通行(あれ?俺も仲間にカウントされてねェか?) - 84: 2013/04/02(火) 12:25:47.80 ID:wNJPYNNh0
- ――某中学、女子寮
御坂「こっちは?」
女子生徒「いません!」
御坂「ったくどこのバカよ!常盤台に全裸と靴下で潜入するなんて」
女子生徒「何らかの能力者じゃ?警備の目をかいくぐるなんて、人間業じゃありませんし」
御坂「あり得るわね。見つけたらゼロ距離から超電磁砲お見舞いしてやるんだから!」
浜面(ガクガクブルブル)
浜面(な、何で俺の人生超ハードモードになってやがんだよぉぉ!?)
浜面(何コレ?つーか暗部で失敗してバラされる方がマシだったんじゃねぇか!?)
浜面(どうする!?どうすればいい!?考えろ浜面、どうにかなる――)
浜面()
浜面(わきゃねぇぇぇぇぇだろぅぅぅぉぉぉぉっ!!)
女の子?「ちょっとそこの変態の方?」
浜面 ビクゥゥゥッ?
浜面(な、何で分かった!?こいつ探知系の能力者か!)
女の子?「ロッカーが微妙に震動しているから、猫でも分かりますわね」 - 85: 2013/04/02(火) 12:29:32.86 ID:wNJPYNNh0
- 浜面(ど、どうしよ――)
女の子?「ベタに『にゃあ』とか言ったら即突き出しますから、そのおつもりで」
浜面 ピタッ
女の子?「今からわたくしの質問に答えなさいな。はい、はガタ、いいえ、はガタガタ。宜しいかしら?」
浜面 ガタ
女の子?「ではあなたに質問していきますが、わたくしの気に入った答えであれば解放して差し上げても宜しいですの」
浜面(気に入った答え?)
女の子?「女子寮へ入ったのは下着が目的かしら?」
浜面 ガタガタ
女の子?「」
ガンッ!
浜面(!?外から蹴られた?)
女の子?「そぉ、一回ですわね。素直で宜しいですの」
女の子?「次にあなたはお姉様――いえ、常盤台の超電磁砲のおパンツを盗んでいるかしら?」
浜面(んなおっかない事出来るか!)
浜面 ガタガタ
女の子?「」
ガンッ!
浜面(!?また何で!?) - 86: 2013/04/02(火) 12:33:57.44 ID:wNJPYNNh0
- 女の子?「そうですわよねぇ、何と言っても“あの”レールガンですから、当然欲しがりますわよねー」
女の子?「つまりあなたは『常盤台の超電磁砲のおパンツを盗みに入った』んですわね?」
女の子「だから『あなたが逃げおおせてしまっては、お姉様のおパンツがごっそり無くなるのは仕方がない』――そう、思いませんこと?」
浜面(つまり、これはだ)
浜面(俺が下着ドロに仕立て上げた裏で、コイツが盗むって話か)
浜面 ガタガタガタ
女の子?「大丈夫ですのよ。あなたが捕まってしまっては元も子もありませんから、わたくしが責任もってキチンと脱出させて見せますの」
浜面 ……ガタ
女の子?「あら、素直な殿方は好感が持てますわね。では行きたい場所を仰ってくださいな」
浜面「(△△の、喫茶店の前)」
女の子?「では、ごきけんよう」
ヒュンッ……ドン
浜面「あいたっ」
カチャッ
浜面「良かった……俺、戻って来れたんだっ!!!」
浜面「店長おおっ!ただいま帰って来ましたっ!」 - 87: 2013/04/02(火) 12:36:05.51 ID:wNJPYNNh0
- ――駅前の喫茶店前
上条「何か悪いな。タクシーに相乗りさせて貰っちまって」
麦野「別にいいわよ。私もここから帰った方が結果的に安上がりだから。つーかアンタ学生なんだし、もうちょっとおねーさんを頼りなさいな」
上条「いやー上条さんとしてはあんまり、そうは見えないって言うか」
麦野「んだぁ?人をババア扱いかぁ?」
上条「そんなんじゃねぇよ!そう言う意味じゃなくって、麦野さん可愛いなって」
麦野「な、何を突然――ドッキリか!?」
麦野(つーかどうして“さん”づけに戻ってんのよ)
上条「あぁいや外見とかは年上のキレーなお姉さんって感じだけど、実際に付き合ってみりゃ、直ぐにキレるわダダはこねるわ、割とそんなに代わんねぇな、って話」
麦野「悪かったわね」
上条「いやいや付き合いやすいって意味ですから!背伸びとかしなくても、一緒になってバカやってくれるって感じで!」
麦野「バカはお前だよ、学園第四位にんなナメた口きいたら、ぶっ飛ばされんぞ?」
上条「おう、やってみろ!だがな、俺はその幻想をぶっ殺す!」
麦野「……」
上条「……はは」
麦野「……ふふ」
上条・麦野「あはははははははははっ」 - 88: 2013/04/02(火) 12:38:42.86 ID:wNJPYNNh0
- 麦野(あぁなんだ、コイツぁ“バカ”なのか。それもとびっきりの)
麦野(こっちの都合なんざお構いなしに踏み込んでくるわ、だからといって死んでも見捨てないってぐらいに――)
麦野(ぐらい、じゃないか。実際今日一日だけで何回殺されそうになったかも分からないのに、その全部に体張ってきた訳だし)
上条『あぁ別に信じなくても良い。俺が助けたいと思ったら、そうするだけだ』
麦野(たったそれだけの理由であの子達や私も救っちまった、と)
麦野(ある意味アイテム全滅かも知れないわね。人の事ぁ言えた義理じゃないけど)
麦野「――で、さ。この後ご飯でも食べない?」
上条「あーごめん。持ち合わせが無くて」
麦野「あぁそんぐらいは奢ってあげるわよ」
上条「有り難いけどそう言う訳には行かない。結局ピザ代も払ってないしな」
麦野(あれ?上条が払ったんじゃなかったっけ?)
麦野「だったら作りに行ってあげるわよ、って。材料費出せばロハでやったげるから」
上条「マジですか!?助かる、ウチには大食らいの居候が――」
ヒュンッ、ドゥゥンンッ!
麦野(なんだありゃ、ロッカー?ロッカーがどうしていきなり――)
上条(魔術師の攻撃かっ!?)
上条「麦野危ない!」
ダキッ - 89: 2013/04/02(火) 12:40:44.26 ID:wNJPYNNh0
- 麦野(ちょっ!?いやいやいやいやっ!待て待て待て待てっ!?)
麦野(なんだコレ!いや、私がドーンして終わりだってつーのによ!)
麦野(私が守られるなんて――)
麦野(……あぁ護られる、ってぇのは、こう言う事)
麦野(思ってたよりは……どうって事ぁないわね)
上条(拙いな、ここだと他に被害が出る!)
ギュッ
麦野()
麦野(えぇっと……なんだっけ?何考えてたんだっけか)
麦野(男の子だったら、上条沈麻-シズマ)
麦野(女の子だったら……上条当利-トーリ)
麦野(――いやいやそうじゃねぇわよ!もっと大事な――)
麦野(二人とは限らないわよね!あ、愛し合った結果なんだから!)
麦野(麻利-マリ、沈当-シズト……後は)
麦野(当最-トーサイ、フレンマ、麻理-マリ、琴麻-コトマ、麻織-マオリ……アレ?)
麦野(なんか未来シミュレーターではママが私の他に一杯いる……?) - 90: 2013/04/02(火) 12:49:48.08 ID:wNJPYNNh0
- カチャッ
全裸に靴下の男「良かった……俺、戻って来れたんだっ!!!」
上条・麦野「」
全裸に靴下の男「テンチョオォォ!ただいま帰って来ましたっ!」
麦野「……オイ」
全裸に靴下の男(浜面)「はい?」
麦野「わざわざロッカーまで、多分能力か何かで転移させてだ」
麦野「なのにやる事がストリーキングなんざぁ――変態にも程があるだろうがよおおぉぉっ!!!」
ドオオオオオォォォォォンッ!!!(この日一番の火力)
全裸に靴下の男(浜面)「待て!そうじゃないんだ!これには事情があるんだ!」
麦野「言うだけ言ってみろコラ!つまんねぇ寝言だったら○○○もぐぞ!」
全裸に靴下の男(浜面)「ヒ、ヒィィィィィィィッ!?」
浜面(落ち着け俺!考えるんだ!ピンチな時ほど考えて行動するんだ!) - 91: 2013/04/02(火) 12:52:00.09 ID:wNJPYNNh0
- 浜面(落ち着け俺!考えるんだ!ピンチな時ほど考えて行動するんだ!)
浜面(こんな時、店長ならなんて言うだろう……?)
ピコーン
浜面「……人は努力する事が出来るんだ!」
浜面(あれ、後はなんだっけ?まぁこのオッパイのケースに合わせりゃ行けんだろ)
浜面「い、今はババアっぽい服を着ていても、青筋を張って堂々とそそり立ってれば、いつか必ず歳になるって事だよ!!!」
麦野「……」
全裸に靴下の男(やっべぇ超決まったぜ!)
麦野「……あぁうん、オーケー。つまりアレだ」
麦野「オメェは似合う以前に服すら着てねぇだろうがよおおぉぉっ!!!」
ドオオオオオォォォォォンッ!!!
――科学と魔術が交差する時、物語は生まれる――
上条「今日からアイテムの一員になった上条です!」 -終-
- 124: 2013/04/02(火) 18:30:03.53 ID:wNJPYNNh0
- >>123
極めて個人的な見解ですが、と前置きをした上でのお話ですが、
多分イギリス以後のお話になるので、『戦争』へ入っていきます
鎌池先生は所々で笑いを取るようにもっていきますが、やはり全体量としては少なくなっています
(雰囲気を崩すのでバランスに配慮したんでしょうが。でも禁書って元々シリアス多いですから)
が、更に個人的な話をさせて頂けるのであれば、私のようなクソSSを読むのを切っ掛けに、
原作に興味を持って頂ければ非常に誇らしい事である、とも思います
SSとしては手が生えてくる敵が出る『かも』しれないので、予習するのも宜しいかと存じます(ステマ
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- とある陛下の全知全能 2020年06月04日
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