森夏「へえ~富樫くんって例の投票で私を選んだんだぁ…?」
- カテゴリ:中二病でも恋がしたい!
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- 7: 2012/11/14(水) 03:09:04.58 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「ま、まあな……」
森さま「ふーん……へぇ~……」
勇太「な、なんだよ」
森さま「別に?」
勇太「ぐっ……」
森さま「……私クラスで一番可愛い?」
勇太「あ、あの時はその……丹生谷の本当の姿知らなかったし……」
森さま「なによ、今は一番じゃないってわけ!?」
勇太「い、いやそうじゃなくて……!」
森さま「じゃあ一番なんでしょ?」
- 41: 2012/11/14(水) 05:08:08.85 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「そうなる……かな」
森さま「やっぱり~」
勇太「で、でも深い意味とかは無いし投票しろって言われたからしただけで……」
森さま「なにそれ?」
勇太「いや、だから……」
森さま「じゃあ……富樫くんは私に興味ないの?」
勇太「え?」
森さま「どうなの?」
勇太「えと……その……」アセアセ
森さま「私のこと……嫌い?」
勇太「きっ、嫌いじゃないよ! 全然そんな……」
森さま「じゃ、じゃあさ……好き?」
勇太「……は? えっ?」 - 44: 2012/11/14(水) 05:19:11.03 ID:f9ccVc1yP
- 森さま「ねぇ……富樫くん?」
勇太「(な、なんだこれ!? 罠か? 罠なのか!?)」
勇太「そ、それはどういう意味なんですかね……?」
森さま「……わからない?」
勇太「ちょっと俺には難しいかなー……なんて、あはは……」
森さま「……」
勇太「丹生谷?」
森さま「バカ……」ボソッ
勇太「え?」
森さま「もういいわよ! この根性なし!」クルッ
勇太「お、おい!」
勇太「……なんだったんだ?」 - 49: 2012/11/14(水) 05:37:39.12 ID:f9ccVc1yP
- 部室
勇太「……」ボー
六花「勇太」
勇太「ん? なんだ?」
六花「最近丹生谷が来ない、なぜ?」
勇太「なぜ俺に聞く」
六花「勇太なら知ってるかと」
勇太「俺が知るわけないだろ?」
くみん「でも森さまちゃんと1番仲いいのって富樫くんじゃない?」
六花「……」
勇太「えぇ~? そんなことありませんよ」
凸守「ふん! とうとう偽モリサマーもこの凸守には叶わないと悟ったようデスね!」 - 51: 2012/11/14(水) 05:50:34.54 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「それはないと思うが……」
凸守「どちらにせよ腐れ一般人なんか結社には必要ないデス!」
くみん「う~ん、でもちょっと心配だよね」
くみん「なんだかんだ来てたのに、急に何も言わず来なくなっちゃうなんて」
勇太「まぁそれはそうですけど……」
六花「……丹生谷は大切な結社のメンバー」
六花「勇太」
勇太「はぁ……わかったわかった」
勇太「とりあえず今夜メールいれてみるよ」
六花「頼んだ」 - 61: 2012/11/14(水) 07:17:00.65 ID:f9ccVc1yP
- 夜
勇太「つってもなぁ……」
勇太「なんてメールしたもんか……」
勇太「あれから俺もまともに話してないし」
勇太「ま、まぁいいや」ポチポチ
勇太「……みんな心配してます、っと」ポチ
勇太「ったくなんで俺がこんなこと」
勇太「……」
勇太「この前のは何だったんだ?」
勇太「丹生谷のやつなんかいつもと違って……」
樟葉「お兄ちゃん、ご飯だよー!」
勇太「おーう!」 - 71: 2012/11/14(水) 08:20:54.66 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「ふ~……最近寒くなってきたし、やっぱり風呂はいいなぁ」
勇太「さーて、ゲームでもして……」
勇太「ん?着信?」
勇太「あ……そうだ丹生谷にメール送ったんだった」
勇太「3回も……結構時間もら経っちゃってるな」ピッピッ
prrrrrr prrrrrr
勇太「にしてもメールで返してくれればいいのに……」
prr
勇太「あ、もしも」
『ちょっと!! なんで出ないのよ!』
勇太「え……あ、ああ悪い……」 - 72: 2012/11/14(水) 08:36:48.47 ID:f9ccVc1yP
- 『全くどれだけ待たせれば……へっくち!』
勇太「ん? 大丈夫か?」
『うるさいわね! とにかく駅まで来なさいよ!』
勇太「駅? どこの?」
『あんたん家の近くの駅に決まってるでしょ!』
勇太「えぇ!? こっちまで来てるのか!?」
勇太「なんでまた……」
『うるさいわね! どうでもいいでしょそんなこと』
勇太「いやぁ……」
『いいから早く来なさい! 5分……いや3分! 遅れたら呪い殺すわよ!」
勇太「いや流石に3分は……」
『とにかく急ぎなさい!』
勇太「は、はいっ!」 - 78: 2012/11/14(水) 09:14:28.86 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「はぁっ……はぁっ……」タッタッ
勇太「ご、ごめん!」
森さま「遅い! 余裕で3分すぎてるじゃない!」
勇太「いや、だから流石に3分は……」
森さま「知らないわよ! 女の子待たせるなんて……」
勇太「す、すみません」
森さま「まあいいわ、で?」
勇太「は?」
森さま「これからどうするの?」
勇太「いや……特には……って」
勇太「それ俺のセリフだよ! なんでこんなとこに……」
森さま「ダメなの?」 - 85: 2012/11/14(水) 09:41:47.64 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「ダメじゃないけど……なんでだ?」
森さま「いいじゃない、別に」
勇太「別にって……」
勇太「夜にこんなところまで来て……」
森さま「うるさいわね、私が良いって言ってるんだからいいでしょ!」
森さま「それに富樫くんも私に用事あったんでしょ?」
勇太「あ、ああ……」
勇太「じゃ、じゃあとりあえずどうしよっか」
森さま「どうするの?」
勇太「えと、ウ、ウチ来る?」
森さま「いいよ」
勇太「え!?」 - 92: 2012/11/14(水) 10:18:27.46 ID:f9ccVc1yP
- 森さま「どうしたの?」
勇太「いやいやいやいや!」
勇太「た、確かに母さんは夜勤でいないけど樟葉も夢葉もいるし!」
森さま「別にいいじゃない」
勇太「そ、それは教育上よろしくないと思います!!」
森さま「何いってるの?」
森さま「別にそんな遅くまで居座るつもりは無いけど……」
森さま「迷惑だと思ってるならなら最初から誘わないでよ」
勇太「ご、ごめん……」
森さま「じゃあその辺の喫茶店にでも……」
勇太「あ」
森さま「?」
勇太「財布持って来てないや……」 - 96: 2012/11/14(水) 10:58:55.81 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「ただいま……」ガチャ
樟葉「あ、お兄ちゃん! 急にどこに……」
森さま「お邪魔しまーす」
樟葉「!?」
勇太「え、えーっと……」
森さま「お兄さんのクラスメイトの丹生谷森夏です、よろしくね」
樟葉「ぁ、はい! あ、兄がお世話になってます!」
樟葉「お、お兄ちゃん?」
勇太「説明は後だ……」
森さま「可愛い妹さんね」
樟葉「あ、いえ……私お茶いれてくる!」
森さま「あぁ、おかまいなく~」 - 97: 2012/11/14(水) 11:06:15.39 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「え、えーっと……それでなんだっけ……?」
勇太「あ、ああそうだ」
勇太「なんで最近部活来ないんだ?」
勇太「みんな寂しがってるぞ?」
森さま「みんな?」
勇太「え? ああ」
森さま「富樫くんも?」
勇太「ぁ~……ま、まあそりゃあ少しは……」
森さま「何それ」
勇太「と、とにかくなんで来ないんだよ」
森さま「……誰かさんのせい、かな」
勇太「誰かさん?」 - 98: 2012/11/14(水) 11:12:02.59 ID:f9ccVc1yP
- 森さま「そ、誰かさん」
勇太「誰だ? ケンカとか……」
森さま「はぁ……ほんと富樫くんって鈍いよね」
勇太「え?」
森さま「なんでもないわよ……」
森さま「別にケンカとかじゃないわ」
森さま「私が勝手に拗ねてただけ」
勇太「拗ねてた?」
森さま「まあワザとって部分もあるけど……」
森さま「結局無意味だったみたいだし」
勇太「??」
森さま「はぁ~あ……」 - 105: 2012/11/14(水) 11:28:48.20 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「なんか話がよくわからんが……つまりどういうことなんだ?」
森さま「大丈夫よ、明日からはちゃんと行くから」
森さま「もちろんチア部と兼ねつつだけどね」
勇太「そうか、そりゃ良かった」
森さま「……」
勇太「どうした?」
森さま「富樫くんってさ……」
ドンドン
森さま「え?」
勇太「……またか」
勇太「よいしょっと」ガラッ - 112: 2012/11/14(水) 11:44:46.09 ID:f9ccVc1yP
- 六花「ゆ、勇太、サポートを!」バタバタ
勇太「はいは……いてっ!」
勇太「暴れるなよ!」
森さま「え……? え?」
六花「勇太、構成員奪還の任務は?」
勇太「今ケリがついたところだよ」
六花「ぁ……丹生谷……」
森さま「小鳥遊……さん?」
六花「なぜ……」
森さま「……ここに?」
勇太「ん? ああ、丹生谷は知らなかったっけ?」
勇太「こいつんちウチの真上なんだ」
森さま「へ、へぇ……」 - 117: 2012/11/14(水) 11:52:20.90 ID:f9ccVc1yP
- 六花「そう」
勇太「そんで丹生谷、明日からはちゃんと来てくれるって」
勇太「良かったな」
六花「……うん」
森さま「……」
六花「……」
勇太「(あ、あれ? なんか空気重くないか?)」
勇太「え、えーっと……」
森さま「私そろそろ帰らなきゃ」
勇太「あ、ああうん! 送ってくよ」
森さま「いいわよ、もう道も覚えたし」
勇太「んな事言ったって女の子がこんな時間に一人は危ないだろ?」
森さま「か、勝手にすればっ!」
勇太「なんで怒ってんだよ……」
六花「……」 - 122: 2012/11/14(水) 12:04:58.66 ID:f9ccVc1yP
- 森さま「……」スタスタ
勇太「(間が持たない……)」
勇太「あ、あいつ困ったヤツだろ?」
勇太「ああやってよくベランダに降りて来てさ」
森さま「……」
勇太「勝手に俺の部屋に上がったりして……」
森さま「……」
勇太「あ、あの~……」
森さま「……なに?」
勇太「何か怒っていらっしゃる?」
森さま「怒ってないわよ!!」
勇太「えぇ!?」 - 125: 2012/11/14(水) 12:08:43.82 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「お、怒ってるよね? 確実に怒ってるよね!?」
森さま「怒ってないって言ってるでしょ!!」
森さま「あんまりうるさいと殴るわよ!」
勇太「す、すみません!」
森さま「ったく……」
勇太「ぅ……」
森さま「……」
勇太「……」
森さま「小鳥遊さん」
勇太「え?」
森さま「仲いいよね、小鳥遊さんと」
勇太「あ、いや……」 - 127: 2012/11/14(水) 12:17:26.41 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「別に仲いいと言うか……勝手に懐かれてるだけで」
森さま「ふーん……」
勇太「それにあいつ友達少ないし……」
森さま「それで?」
勇太「え? いや……それだけだけど」
森さま「……」
勇太「丹生谷?」
森さま「富樫くんって小鳥遊さんのことどう思ってるの?」
勇太「はい?」
森さま「どう思ってるのかって聞いてんの」
勇太「どうって……」
森さま「だから! 小鳥遊さんのことが……その……」
森さま「好きとか……」 - 128: 2012/11/14(水) 12:21:59.88 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「えぇ!? い、いやいやそんなのないよ!」
勇太「ただ一緒にいるだけで俺は六花のことは別に……」
森さま「名前……」
勇太「え?」
森さま「ううん、なんでも」
勇太「……?」
勇太「丹生谷……この前からなんか変じゃないか?」
森さま「うるさいわね、別に変じゃないわよ」
勇太「そ、そうか?」
森さま「そうよ!」
勇太「は、はい」
森さま「……」 - 131: 2012/11/14(水) 12:27:33.86 ID:f9ccVc1yP
- 勇太「……」
森さま「あのさ」
勇太「な、なに?」
森さま「好きな人……いるの?」
勇太「な、なんでそんなこと」
森さま「いいから!」
勇太「ぇと……い、今は特には……」
森さま「そっか……」
勇太「じ、じゃあ丹生……」
森さま「私ね」
勇太「うぉ!?」
森さま「私はね……」 - 132: 2012/11/14(水) 12:33:22.18 ID:f9ccVc1yP
- 森さま「……やーめた」
勇太「え?」
森さま「なんでもない、忘れて」
勇太「でも……」
森さま「いいから忘れなさい!」
勇太「……はい」
森さま「送ってくれてありがと、もういいよ」
森さま「じゃあね、富樫くん」クルッ
勇太「あ、ああ、またな」
森さま「あ」ピタッ
勇太「?」
森さま「また来るね」
勇太「ぇ……?」
森さま「バイバイ」 - 201: 2012/11/14(水) 16:45:31.89 ID:f9ccVc1yP
- 朝
勇太「ふぁ~あ……」
六花「勇太、寝不足?」
勇太「ん? ああ、まあな」
六花「まさか……昨夜管理局との戦いで……?」
勇太「んなわけあるか!」
勇太「ちょっと考え事してたんだよ」
六花「考え事?」
森さま「富樫くん、おはよ♪」
勇太「おっ、おう、おはよ……」
六花「勇太……」
勇太「ん?」
六花「……なんにもない」 - 355: 2012/11/15(木) 00:17:31.70 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「なんにもってなんだよ?」
勇太「明らかに何か言いたそうだっただろ」
六花「……」
勇太「全く……お前といい、丹生谷といい…」
六花「丹生谷……」
勇太「丹生谷がどうかしたか?」
六花「……」
勇太「?」
六花「……昨日」
六花「なぜ丹生谷が勇太の部屋に?」
勇太「あぁ……なんかよくわからんウチにな」
六花「そう……」 - 366: 2012/11/15(木) 00:26:08.60 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「なんでだ?」
六花「……別に」
勇太「別にって……」
六花「……」
勇太「なんかお前機嫌悪いか? 珍しい事もあるもんだな」
六花「悪くない!」
勇太「おぉう!?」
六花「た、ただ勇太の部屋には不可視境界線に関する重要な資料が納められてるから一般人には……」
勇太「そんなものない」ビシッ
六花「あぅ……」
勇太「さぁバカな事言ってると遅刻するぞ」スタスタ
六花「……勇太のバカ」ボソッ - 371: 2012/11/15(木) 00:33:02.28 ID:5h/n6lWGP
- 昼休み
勇太「(あいつ何を怒って……)」モグモグ
一色「よーよー」ツンツン
勇太「ん? どうした?」
一色「この前のさ、お前んとこの先輩の……」
勇太「くみん先輩?」
一色「そうそう! くみん先輩!」
勇太「先輩がどうかしたか?」
一色「先輩ってさ……彼氏とかいんのかな?」ヒソヒソ
勇太「はぁ? なんだよ急に」
一色「いいだろ! お前知らねーの?」
勇太「どうだろうなぁ……」
勇太「そもそも部活でそんな話した事ないし……」 - 381: 2012/11/15(木) 00:53:57.74 ID:5h/n6lWGP
- 一色「話じゃなくてもなんかあるだろ?」
勇太「例えば?」
一色「恋する乙女っぽいストラップとか」
一色「彼氏とお揃いっぽいストラップとか」
一色「彼氏にプレゼントされた微妙に趣味の違うストラップとか」
勇太「全部ストラップじゃねぇか!!」
一色「そんなことはどうでもいいんだよ、な? なんか無いか?」
勇太「って言われてもなぁ」
勇太「くみん先輩ずっと寝てるだけだし……」
勇太「まぁいなさそうではあるけど」
一色「おぉ!! ほんとか!?」
一色「よっしゃああ!」 - 389: 2012/11/15(木) 01:02:43.62 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「いなさそうってだけだぞ? しかも俺の独断だ」
一色「大丈夫だよ! いない!」
勇太「……言い切るのもそれはそれで失礼だろ」
一色「なぁ勇太、なんとか間取り持ってくれよ~」
勇太「えぇ~?」
一色「これで俺にも薔薇色の高校生活が……」
勇太「はぁ……」
勇太「薔薇色の高校生活か……」
勇太「俺には当分縁のなさそうな言葉だな」
勇太「……ん?」
森さま「……」ジー
勇太「丹生谷……?」
森さま「……」パチッ
勇太「ぇ……?」ドクン - 394: 2012/11/15(木) 01:12:43.87 ID:5h/n6lWGP
- 放課後
勇太「ちーっす」ガラッ
六花「勇太、遅い」
凸守「マスターを待たせるとは何事デスか!? ダークフレイムマスター!」
勇太「だからお前ワザとだろ」
凸守「何がデスか? ダークフ」
勇太「もういい!」ポカッ
くみん「でも久しぶりにみんな揃ったね~」
勇太「え? あ、ああ……丹生谷も来てるのか」
森さま「どうしても来てって言われちゃったしね」
勇太「それはどうだろ……」
六花「……」 - 398: 2012/11/15(木) 01:23:07.53 ID:5h/n6lWGP
- 凸守「この凸守に負けたのがよほど悔しくて出て来れなかったんじゃないデスか? 偽モリサマー」
森さま「モリサマいうなって言ってるでしょ!!」
森さま「それにいつ私があんたに負けたのよ!?」
凸守「つ・ね・に、デェス!」
森さま「このクソ中坊!!チビのくせに生意気言ってんじゃないわよ!」
凸守「ぐぬぬ……凸守はチビじゃないデス!!」
森さま「どこがよ!! どうみてもチビじゃない!」
凸守「うるさいデス! 腐れ一般人!!」
六花「凸守はチビじゃない」
六花「これは仮の姿、ミョルニルハンマーの力を解放すれば……」
森さま「なんであんたまで口出してんのよ!」
くみん「まあまあ、せっかくみんなそろったんだから仲良くやろうよ~」 - 400: 2012/11/15(木) 01:34:10.72 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「ほんと、せめて静かにしてくれよ」
凸守「この凸も……」
勇太「あ、そうだ、くみん先輩」
くみん「なぁに?」
勇太「くみん先輩って彼氏とかいるんですか?」
森さま・六花「!?」
くみん「え? どうしたの、急に」
勇太「いや、ちょっとくみん先輩のこと気に……」
凸守「凸守を無視するなデーーース!!」グルグル
森さま「バカ!あんたちょっと黙りなさい!!」ベシッ
凸守「デコッ!?」
凸守「マ、マスター……この偽モリサマー、腐れ一般人にし」
六花「凸守、少し静かにして」
凸守「……わかったデス」 - 403: 2012/11/15(木) 01:41:23.53 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「それでどうなんですか?」
くみん「私はいないよ~」
勇太「へぇーそうなんですか、 そりゃ良かった」
森さま・六花「!?」
くみん「でもどうして?」
勇太「いえ、こっちの話です」
くみん「えぇ~?」
森さま「(ど、どういうこと? 彼氏がいなくて良かったって……)」
六花「(まさか勇太……)」
くみん「気になるよ~」
森さま・六花「(気になる……!)」
凸守「ダンドンダンドンダンドンダンドン……」
森さま・六花「うるさい」
凸守「……」 - 422: 2012/11/15(木) 02:18:04.15 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「あ、じゃあ俺ちょっと用あるから」
六花「まさか不可視境界線を……? しかし一人では」
勇太「ちーがーう」
森さま「でも……何の用?」
勇太「まあちょっとな」
勇太「ということでまた明日」
くみん「じゃ~ね~」
六花「……」
森さま「……」
凸守「マスター……そろそろしゃべっても」
六花「ダメ」
凸守「……」 - 430: 2012/11/15(木) 02:26:12.95 ID:5h/n6lWGP
- 夜
勇太「いや~一色喜んでたなぁ」
勇太「まあちょっと気持ち悪いぐらいくみん先輩に惚れてるし仕方ないか」
勇太「……」
勇太「恋……か」
六花「誰が?」
勇太「うおおおおおい!!」ビクッ
勇太「い、いつからそこにいた!?」
六花「勇太が遠くを見つめながら『恋……か』とつぶやいたところから」
勇太「な、なんか恥ずかしいからやめろ!」
六花「それで?」
勇太「ん?」
六花「誰が?」 - 437: 2012/11/15(木) 02:35:19.36 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「なにが?」
六花「恋が」
勇太「えっ……? は?」
六花「……」
勇太「六花?」
六花「……くみんに」
勇太「え?」
六花「くみんにあんなことを聞いたのはなぜ?」
勇太「あんなこと?」
六花「前世より定められし比翼の枝……」
勇太「それを言うなら比翼の鳥か連理の枝だろ」
六花「そうとも言う」 - 440: 2012/11/15(木) 02:45:11.59 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「あれはただ……」
ピリリリリリ ピリリリリリ
勇太「電話? 丹生谷?」
六花「……!」
勇太「なんだ……? はい、もしもし?」ピッ
『あ、えと……富樫くん? げ、元気?』
勇太「どんな挨拶だよ、今日学校で会ったばかりだろ?」
『べ、別にいいでしょ』
勇太「それで? どうしたんだ?」
『た、たいした用じゃないんだけど……』
『今日部室で先輩に彼氏いるかって聞いたじゃない?』
六花「勇太」クイッ
勇太「ん? ああ、聞いたけど?」パタパタ - 445: 2012/11/15(木) 02:52:56.01 ID:5h/n6lWGP
- 『それで……その後に良かったって言ったでしょ?』
勇太「あ~、多分言ったな」
『それってさ……』
六花「勇太」クイックイッ
勇太「うるさいな! 今電話中!」
『え?』
勇太「い、いや大丈夫、こっちの話!」
『? 』
六花「むぅ……」
勇太「あれはただ……」
六花「危ない、勇太!!」ガシッ
勇太「え!?」
『え?』
六花「伏せて!!」ブンッ - 450: 2012/11/15(木) 03:11:43.41 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「お、おい!!」
ガサッ
勇太「何やってんだお前ー!!」
六花「危なかった……」
六花「あの端末には管理局によって半径2kmを吹き飛ばす自動爆破装置が」
勇太「ついてない!!」ビシッ
六花「あぅ」
勇太「もぉ~! 壊れてたらどうすんだよ!」
勇太「えーっと……あの辺だよな?」
勇太「見つかるかな」ドタドタ
六花「私も管理局の現在の技術力を調べるために回収に」
勇太「当たり前だ! 見つけるまで帰らせないからな!」
六花「私もそのつもり」 - 453: 2012/11/15(木) 03:15:21.32 ID:5h/n6lWGP
- 森さま「もしもし? もしもし、富樫くん!?」
森さま「……」
森さま「どうしたのかしら?」ピッ
森さま「……さっきの小鳥遊さんの声よね?」
森さま「……」
森さま「また富樫くんの家に行ってるんだ……」
森さま「はぁ……」
森さま「しかも理由すら聞き出せなかったし……」
森さま「……寝よ」 - 458: 2012/11/15(木) 03:24:49.26 ID:5h/n6lWGP
- 朝
勇太「全く……お前のせいで散々だ」
六花「あ~……」
勇太「寝るな!」ポコッ
六花「あぅ」
勇太「携帯壊れて無かったからいいものの……」
森さま「おっはよ!」
勇太「あ、丹生谷、おはよう」
六花「……ぉ」
森さま「どうしたの? 寝不足?」
勇太「ああ、ちょっとな」
勇太「それより昨日はごめんな」
森さま「え?」
勇太「いやほら、電話途中で終わっちゃって」 - 462: 2012/11/15(木) 03:34:33.92 ID:5h/n6lWGP
- 森さま「あ、ああ別にいいけど……なんかあったの?」
勇太「こいつがわけわからんこと言って携帯窓から投げやがってさ」
六花「……」プイッ
森さま「なかなかすごいことするわね」
勇太「全く中二病もここまでくると困ったもんだ」
勇太「あ、それでさ、丹生谷」
森さま「何?」
勇太「昨日の電話での話なんだけど……」
森さま「えっ……あっ……う、うん!」
勇太「くみん先輩に彼氏いるかって聞いたのは……」
森さま「き、聞いたのは?」
六花「わ、私も……」 - 466: 2012/11/15(木) 03:44:45.68 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「あれは一色に頼まれてさ」
森さま「へ?」
勇太「ほらあいつ明らかに先輩に惚れてるだろ?」
勇太「それでだよ」
六花「ほっ……」
森さま「なんだ……良かった……」
勇太「え?」
森さま「私、富樫くんがあの人のこと気にしてたらどうしようかと……」
勇太「それ……どういう……」
森さま「え? あ……」
勇太「俺がくみん先輩好きだとなんで丹生谷が」
森さま「わあああああああああ!!」 - 470: 2012/11/15(木) 03:53:29.36 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「えぇ!?」
森さま「なんでもないから! ほんとなんでも!」
森さま「じゃ、じゃあ学校でね!」
勇太「お、おう?」
六花「……」
勇太「なんだったんだ?」
六花「丹生谷……やはり……」
勇太「どうした?」
六花「……なんでもない」
勇太「最近そればっかり聞いてる気がするよ……」
勇太「なんでもない、ねぇ……」 - 481: 2012/11/15(木) 04:28:48.93 ID:5h/n6lWGP
- 放課後
勇太「お? 丹生谷今日はチア部か?」
森さま「まあね、ちゃんと顔出しとかないと意味ないでしょ?」
勇太「キャラ作るのも大変だな」
森さま「今更やめられないし頑張るわよ」
勇太「ま、無理すんなよ」
森さま「ぁ……うん……」
勇太「じゃあ俺も部活に……」
森さま「富樫くん」
勇太「なに?」 - 482: 2012/11/15(木) 04:29:57.31 ID:5h/n6lWGP
- 森さま「私やっぱりあの部活に入って良かったかも」
勇太「え? あんな部活とも言えないような……」
森さま「だって……富樫くんがいるでしょ?」
勇太「ぇ……」
勇太「なっ!? えっ!? そ、それは……」
森さま「なーんてね!」
森さま「じゃ、私部活いくから」クルッ
勇太「あ、おい……!」
勇太「丹生谷……」
勇太「冗談……だったのかな」
勇太「ま、あの丹生谷がそんなこと本気で言うわけないもんな」 - 484: 2012/11/15(木) 04:39:16.79 ID:5h/n6lWGP
- 夜
森さま「うわああああああああ」バタバタ
森さま「なに私あんな恥ずかしいこと言ってんのよ!!」
森さま「思わず茶化しちゃったし……」
森さま「富樫くんもきっと冗談だと思ってるよね……」
森さま「うぅ……もぉ……」
森さま「ヘタレ……」
森さま「……ううん、ここで挫けちゃダメよ、モリサマー」グッ
森さま「苦難を乗り越えたその先にきっと……!」
森さま「……」
森さま「……メールしよ」 - 612: 2012/11/15(木) 16:06:56.53 ID:5h/n6lWGP
- 森さま「えーっと……」
森さま「うーん……」
森さま「なんて送ろうかな」
森さま「……」
森さま「あ~……」
森さま「メールって難しいな」
森さま「……」ポチポチ
森さま「よし、送信!」ピッ
森さま「富樫くん鈍いからなぁ……」 - 615: 2012/11/15(木) 16:10:13.66 ID:5h/n6lWGP
- ♪~
勇太「ん?」ピッ
勇太「丹生谷か……?」
勇太「えーっと……今日言ったこと冗談じゃないよ?」
勇太「今日言ったことって……」
勇太「……あれだよな?」
勇太「俺がいるから入って良かったって……」
勇太「まさか……」
勇太「うーん……」
勇太「なんて返事しよう……」
勇太「メールって難しいよなぁ」 - 623: 2012/11/15(木) 16:38:29.49 ID:5h/n6lWGP
- ♪~
森さま「あ、きたきた」ピッ
森さま「それって部活のことだよな?」
森さま「当たり前でしょ? 全く……」
森さま「まだ気づかないの?」
森さま「ん~……」
森さま「……」ピッ
prrrrrr prrrrr
森さま「あ、もしもし? 富樫くん?」
『あ、お、おう! どうしたんだ?』
森さま「ん~、なんとなくね」
『う、うん』 - 625: 2012/11/15(木) 16:42:52.64 ID:5h/n6lWGP
- 勇太「それでメールなんだけど……」
勇太「そ、その……つまり……」
『そのまんまよ』
『富樫くんがいるから入って良かったって思ってるわ』
勇太「ぁ……う……」
『富樫くん?』
勇太「あ、ああ……いや……それは詰まるところ……」
『なに?』
勇太「な、なんでもない!」
『なによそれ』
勇太「いやぁ……あはは……」 - 626: 2012/11/15(木) 16:46:30.12 ID:5h/n6lWGP
- 森さま「それでさ……」
『う、うん』
森さま「明日一緒に帰らない?」
『え?』
森さま「ダメ?」
『い、いやダメというか……』
『いつもみんなで帰ってるだろ?』
森さま「そうじゃないわよ!」
森さま「だからその……二人で帰ろって言ってるの」
『はい?』
森さま「二人で帰りたいの!!」
『ど、怒鳴らなくても聞こえてるよ』
森さま「なによ、じゃあ返事してよね!」 - 1: 2012/11/16(金) 00:27:38.69 ID:kLauCVjrP
- 『あ、いや……でも……』
森さま「嫌ならいいわよ」
『い、嫌なんてそんなことないよ!』
森さま「そう、じゃあ返事は?」
『い、イエス』
森さま「そ、じゃあ校門で待ってるからね」
『え? いいのか?』
森さま「なにが?」
『ほら……みんなの目とか……』
森さま「なによ、私と二人で帰ってるところ見られるのがそんなに嫌?」
『い、いや、俺は全然……丹生谷がいいなら……』
森さま「じゃあ決まりね」 - 11: 2012/11/16(金) 00:34:29.31 ID:kLauCVjrP
- 『明日チア部の練習無いんだけど富樫くんは部活行く?』
勇太「あ~、どうしようかな」
勇太「でも部活終わりだとなんだかんだみんなで帰ることになりそうだし……」
『それはダメ』
勇太「う、うん……じゃあ部活は休むよ」
勇太「特になにやってるわけでもないし」
『オッケー、じゃあまた明日ね!』
勇太「お、おう、じゃあ……」ピッ
勇太「……」
勇太「お、落ち着け、落ち着くんだ!」
勇太「頼むぞ俺の脳内ハムスター!」ギュイイイン
勇太「これは……つまり……」
勇太「どういうことだぁああああああ!!」 - 18: 2012/11/16(金) 00:46:07.15 ID:kLauCVjrP
- 勇太「丹生谷が俺と二人で帰りたい……?」
勇太「あの丹生谷が?」
勇太「……罠か?」
勇太「いやしかし……もし……」
勇太「うおおおおおおおおお!!」
樟葉「ちょっとお兄ちゃんうるさい!」
勇太「樟葉!!」
樟葉「な、なに?」
勇太「俺と一緒に帰りたいと思うか!?」
樟葉「え……な、なに急に……?」
勇太「学校がえりに校門で待ち合わせして二人きりで! 俺と!」 - 24: 2012/11/16(金) 00:54:08.80 ID:kLauCVjrP
- 樟葉「ちょっとなに言って……」
勇太「いいから!」
樟葉「わ、私はちょっと嫌かな……」
勇太「Nooooooooooooo!!」
勇太「だよな……そうだよな……」
樟葉「で、でもまあ今のお兄ちゃんなら普通だしそう思う人もいるかも」
勇太「ほんとか!?」
樟葉「うん」
勇太「Yeeeeeeeeeeeeees!!」
樟葉「(やっぱりいないかも……)」
樟葉「でもどうして急に?」
勇太「いやぁ実はさっき誘われてさ」
樟葉「そうなの?」 - 26: 2012/11/16(金) 00:59:45.05 ID:kLauCVjrP
- 勇太「ああ、だけど罠なんじゃないかと……」
樟葉「お兄ちゃん考え方が可哀想だよ……」
勇太「仕方ないだろ! そういうのには耐性ないんだよ!」
樟葉「まあ中学時代あれじゃあね……」
樟葉「それで……誘ってきた人って小鳥遊さん?」
勇太「はぁ? なんで六花なんだよ」
樟葉「なんとなくだけど……」
勇太「そもそもあいつとはいつも一緒に帰ってるし」
樟葉「それもそっか」
勇太「誘ってきたのは丹生谷だよ」
樟葉「え!? この前来てたあの可愛い人?」
勇太「あ~……うん」 - 33: 2012/11/16(金) 01:11:02.01 ID:kLauCVjrP
- 樟葉「じゃあやっぱり罠かもね」
勇太「なんでだよ!!」
樟葉「だってあんな可愛い人なんだよ?」
勇太「樟葉、お前は丹生谷を可愛い可愛いと言うが……」
樟葉「でもまぁあんなに可愛い人彼女に出来たらいいね」
勇太「ぉ……か、かかか彼女!?」
樟葉「だってそうでしょ?」
勇太「バ、バカ! お前中学生のくせに何言ってんだ! 」
樟葉「何って……変なお兄ちゃん」
勇太「か、彼女……俺に……」ニヨニヨ
樟葉「にやけてるよ、そんなんじゃ彼女出来ないかもね」
勇太「うるさいな!」
樟葉「はぁ……はいはい、とにかく静かにしてよね」 - 34: 2012/11/16(金) 01:19:22.86 ID:kLauCVjrP
- 朝
勇太「(い、いかんなぜか今から緊張して来た……)」
勇太「(落ち着け俺、まだあわてる時間じゃない!)」
勇太「(期待のし過ぎはよくない)」
勇太「(あくまでクールに……)」
六花「……うた、勇太!」
勇太「おぉう!? な、なんだよ?」
六花「何をボーッとしている」
勇太「別にボーッとなんて……」
六花「している」
六花「戦いの中に身をおいている我々にとって少しの意識の緩みも……」
勇太「あーはいはい、わかったわかった」
六花「……」 - 37: 2012/11/16(金) 01:25:23.33 ID:kLauCVjrP
- 勇太「(でも期待するなっていう方が……)」
六花「勇太、顔が気持ち悪い」
勇太「……うるさいな」
勇太「俺は今人生の重大なターニン……」
森さま「と~が~しくん!」
勇太「うぉあっ!?」
勇太「に、丹生谷!」
森さま「おはよ! 約束、忘れないでよね」
六花「……?」
勇太「う、うん! もちろん!」
森さま「じゃ、また後でね!」
勇太「ああ!」 - 42: 2012/11/16(金) 01:30:30.79 ID:kLauCVjrP
- 六花「約束?」
勇太「ん?」
六花「丹生谷と何を約束したの」
勇太「別にお前には関係ないだろ」
六花「ある」
勇太「なんでだよ?」
六花「勇太は私と契約を……」
勇太「俺は結んでない!」
六花「でも……」
六花「……なんでもない」
勇太「……何拗ねてんだよ、ほら行くぞ」
六花「うん……」 - 46: 2012/11/16(金) 01:36:42.66 ID:kLauCVjrP
- 昼
勇太「(や、やばい……刻一刻と時間が……)」
一色「なあ勇太」
勇太「ん?」
一色「お前なんか今日ソワソワしてないか?」
勇太「!?」
一色「朝からずーっとさ」
勇太「そ、そんなことないぞ! 普通だ、普通!」
一色「そうかぁ? なんかあったんだろ?」
勇太「ないない! ほんと何にも……」
一色「その慌て方……まさか女か!?」ガシッ
勇太「なっ!?」
一色「そうなのか!? そうなんだな!?」ガクガク - 49: 2012/11/16(金) 01:49:20.57 ID:kLauCVjrP
- 勇太「お、落ち着け一色!」
一色「これが落ち着いていられるか!!」
一色「興味ないようなフリしやがってたくせに!!」
勇太「興味ないわけじゃ……」
一色「俺より先に彼女つくりやがってええええ!!!」
勇太「ち、違う! まだそうと決まったわけじゃ……」
一色「ま……だ……?」
一色「つまりもうすぐ出来るってことじゃねえか、ちくしょおおおおお!」
勇太「い、いいから落ち着けって!!」
一色「はぁ……はぁ……」
勇太「いきなり話が飛びすぎだろ」
一色「じゃあ何だっていうんだよ」 - 50: 2012/11/16(金) 01:52:01.89 ID:kLauCVjrP
- 勇太「それは……もうちょっと話がまとまってから……」
一色「この野郎! 俺に……」
勇太「くみん先輩のアドレス!!」
一色「!?」
勇太「聞いといてやるから!」
一色「ほ、ほんとか!?」
勇太「あ、ああ!」
一色「勇太……お前ってやつは……」
一色「うぅっ…….ありがとう……」
勇太「泣くなよ……」
一色「約束だからな!」
勇太「あ、ああ……」
勇太「(先輩すみません……)」 - 52: 2012/11/16(金) 02:04:56.21 ID:kLauCVjrP
- 七瀬「は~い、じゃあ気をつけて帰ってね~」
勇太「(きた!!)」
勇太「(丹生谷は……)」チラッ
森さま「……」ニコッ
勇太「(うおおおおおお!!)」
勇太「(こうしちゃいられない! さっさと校門に……)」スッ
六花「勇太」ガシッ
勇太「……なんだ?」
六花「今日は黒ミサを行う、結社の制服をきてポイントBに……」
勇太「すまん、今日は俺用事あるから部活休むわ」
六花「え?」
勇太「じゃあな!」タッ
六花「ぁ……勇太……」 - 57: 2012/11/16(金) 02:10:52.61 ID:kLauCVjrP
- 校門
森さま「あ、富樫くん!」
勇太「ご、ごめん、待たせた?」
森さま「大丈夫、帰ろっか」
勇太「ああ!」
森さま「ちゃんと部活休むって言った?」
勇太「さっき六花に言ってきたよ」
勇太「丹生谷は?」
森さま「お昼に先輩とばったり会ったから言っといたわ」
勇太「そ、そっか」
森さま「……なんか富樫くんソワソワしてない?」
勇太「し、してないしてない!」
森さま「そう……?」 - 59: 2012/11/16(金) 02:19:53.31 ID:kLauCVjrP
- 六花「……」トボトボ
くみん「あれ? 六花ちゃん?」
六花「くみん……」
くみん「なんか暗いよ? どうしたの?」
六花「……なんでもない」
くみん「そう? ん~、部活行こっか」
六花「……」
くみん「そう言えば今日モリサマちゃんも休みなんだって」
くみん「チア部は無いんだけどなんか用事があるみたい」
六花「……」
くみん「六花ちゃん?」
六花「……今日の活動は中止」
くみん「え?」
六花「私は帰還する」
くみん「六花ちゃん……」 - 63: 2012/11/16(金) 02:30:09.98 ID:kLauCVjrP
- 電車
勇太「……」
森さま「……」
勇太「(間がもたない……)」
勇太「そ、それにしても驚いたよ」
勇太「急に二人で帰りたいなんて言うから……」
森さま「あー……うん」
森さま「やっぱり迷惑だった? ごめんね」
勇太「い、いやそういうんじゃないけど……」
森さま「……」
勇太「な、なんか用事があるとか?」
勇太「話とか……」 - 68: 2012/11/16(金) 02:35:18.36 ID:kLauCVjrP
- 凸守「パパパパーン チャッチャラー チッチャラー タラララーン タッタラー」
凸守「凸守が来たデス!!」ガラッ
シーン
凸守「おや? まだ誰も来ていないようデスね」
凸守「今日は黒ミサを行う大事な日だというのに……」
凸守「仕方ないデス!」
凸守「新しい必殺技を考えながら待つとするデス!」 - 70: 2012/11/16(金) 02:46:07.93 ID:kLauCVjrP
- 森さま「えっと……」
勇太「うん」
森さま「何話そうとか昨日いっぱい考えてたんだけど……」
森さま「緊張して全部忘れちゃった!」
勇太「えっ……?」ドクン
森さま「ごめんね、気まずい思いさせちゃって」
勇太「い、いや! 別にそんなこと……」
次は~○○~○○です
森さま「あ……」
勇太「も、もう着いちゃったな! この電車なら乗り換えいらないんだよな?」
森さま「うん……」 - 72: 2012/11/16(金) 02:53:14.08 ID:kLauCVjrP
- プシュー
勇太「えと……俺ここだから……」
森さま「うん……」
勇太「じゃ、じゃあまた明日」
森さま「明日……」
扉が閉まりま~す、ご注意ください
プシュー
勇太「丹生谷……」
ガタンガタン
勇太「どうして?」
森さま「ごめんね……でも」
森さま「もうちょっとだけ」
勇太「……」
森さま「一緒にいたらダメ?」 - 79: 2012/11/16(金) 03:08:20.22 ID:kLauCVjrP
- 勇太「……」ドキドキ
森さま「……」
勇太「(な、なんださっきの!?)」
勇太「(あんなこと言われたらさらに気まずいだろ!!)」
森さま「ごめんね、わがまま言って」
勇太「い、いや大丈夫!」
勇太「さ、さっきから謝ってばっかで丹生谷らしくないな」
森さま「なによそれ、どういう意味?」
勇太「あ、いや……」
森さま「富樫くんの家の前に公園あったよね」
森さま「そこいこっか」
勇太「あー、うん」 - 82: 2012/11/16(金) 03:22:25.72 ID:kLauCVjrP
- 凸守「おかしいデス!」
凸守「こんな時間になっても誰も来ないなんて……」
凸守「まさか、全員管理局によって異世界に!?」
凸守「だとしたらこの部屋に管理局の者が潜んでいる可能性も……はっ!」
凸守「……」
凸守「開くは心の眼!」
凸守「クレアヴォイアンス!!」カッ
凸守「そこデス!!」ビシッ
シーン
凸守「……」
凸守「今のはなかなか良かったデス」メモメモ - 88: 2012/11/16(金) 03:33:19.53 ID:kLauCVjrP
- 公園
勇太「(うおおお! なんだこれは!)」
勇太「(学校帰りの制服デートみたいじゃないか!)」
勇太「(いや……これはデートと言っても……)」
森さま「富樫くんってさ」
勇太「ひゃい!!」
森さま「彼女欲しいとか思ったりする?」
勇太「え!? な、なんで!?」
森さま「いいから答えなさい」
勇太「ま、まあ俺も高校生だし人並みには……」
森さま「ふ~ん……」 - 89: 2012/11/16(金) 03:38:32.36 ID:kLauCVjrP
- 勇太「そ、そういう丹生谷は?」
森さま「なんで私がそんなこと言わないといけないのよ」
勇太「えぇ……」
森さま「……」
勇太「……」
森さま「……ま、私だって普通の女子高生だからね」
勇太「じゃあ……」
森さま「でも彼氏が欲しいってのは違うかな」
勇太「?」
勇太「どういう……」
森さま「誰でもいいってわけじゃない」
森さま「彼氏にしたい人がいるだけ」 - 92: 2012/11/16(金) 03:47:32.67 ID:kLauCVjrP
- 勇太「……ぇ?」
勇太「そ、それって……」
森さま「寒っ」ブルッ
勇太「え、あ、ああ、日も落ちて来たから……」
森さま「ねぇ……、くっついていい?」
勇太「ああ、別に……は!?」
勇太「な、なななな……」
森さま「だって寒いじゃない」
勇太「いや、そうだけど!!」
森さま「ダメなの? 女の子が寒がってるっていうのに」
勇太「だ、ダメじゃないです……」
森さま「ふふっ」 - 94: 2012/11/16(金) 03:53:05.68 ID:kLauCVjrP
- 凸守「……」
凸守「へっくち!」
凸守「うぅ……寒いデス……」
凸守「こういう時は!」
凸守「うおおおおおおお!」グルグル
凸守「はあああああああ!!」グルグル
凸守「うぉえええええ~」
シーン
凸守「……帰るデス」 - 96: 2012/11/16(金) 03:58:13.03 ID:kLauCVjrP
- 勇太「(ぐあああああ!! これは!!)」
勇太「(ち、近過ぎるだろ!! 髪の匂いが…….)」
森さま「ね、富樫くん」
勇太「な、なんだ?」
森さま「好きな人いたりする?」
勇太「はい?」
森さま「だから! 好きな人!」
勇太「い、いないけど……」
森さま「そっかぁ……良かった……」
勇太「え?」
森さま「でも半分残念かも」 - 99: 2012/11/16(金) 04:06:19.67 ID:kLauCVjrP
- 勇太「残念で……良かった?」
勇太「どういう……」
森さま「ふふ、内緒!」
勇太「……」
森さま「もう遅いね、帰らなきゃ」
勇太「あ、ああ……」
森さま「10秒数えて」
勇太「え?」
森さま「10秒数えるの! そしたら離れるから!」
勇太「う、うん……」
勇太「いーち、にーい……」
森さま「そんなに早く離れて欲しいの?」
勇太「あ、いや、そんなことは……」
森さま「もう……」
六花「……勇太」 - 106: 2012/11/16(金) 04:14:52.95 ID:kLauCVjrP
- 勇太「十!」
森さま「はい!」パッ
森さま「じゃあ帰るね」
勇太「駅まで送ってくよ」
森さま「いいわよ、近いし」
勇太「でも……」
森さま「ダメ! せっかく十秒数えてもらったのに意味なくなっちゃうから」
勇太「……うん」
森さま「じゃあね、富樫くん!」タッタッタッ
勇太「あ、ああ! またな!」
森さま「また一緒に帰ってくれる!?」クルッ
勇太「俺で良ければ!」
森さま「ふふっ、バイバイ!」 - 109: 2012/11/16(金) 04:20:50.02 ID:kLauCVjrP
- 勇太「……丹生谷」
勇太「あれはもう……やっぱりそうだよな?」
勇太「そうだよな!」
勇太「うん……うん!」
勇太「いやぁ……こ、困っちゃうな!」
勇太「まさかあの丹生谷が……」
六花「……」
勇太「お、六花、今帰りか?」
六花「……」
勇太「ずいぶん遅くまで部活やってたんだな」
六花「……」
勇太「?」
勇太「なんだよ、部活休んだぐらいで無視しなくてもいいだろ」 - 112: 2012/11/16(金) 04:27:55.23 ID:kLauCVjrP
- 六花「……」
勇太「……感じ悪いやつだな」
勇太「ま、いいや!」
勇太「お前も早く帰れよ? 風邪引くぞ」
勇太「じゃあな」スタスタ
六花「……勇太」
勇太「ふんふふ~ん♪」スタスタ
六花「っ……」
六花「ネルガルブラスト!!」ボスッ
勇太「いてっ!! なにすん……」
六花「勇太のバカ!!」ダッ
勇太「あっ、おい!!」
勇太「……なんだあいつ」 - 114: 2012/11/16(金) 04:34:46.81 ID:kLauCVjrP
- 富樫家
勇太「樟葉ー! 風呂空いたぞー」
樟葉「あ、うん」
勇太「ふふふふーんふっふふーふっふふー♪」
樟葉「なんかお兄ちゃん帰ってから機嫌いいね」
勇太「ん? そうか?」
樟葉「うん、丹生谷さんと何かあったんでしょ?」
勇太「なっ、お前……!」
樟葉「バレバレだよ、気持ち悪いぐらいニヤけてるし」
勇太「う、うるさいな!」
勇太「早く風呂入れよ!」
樟葉「はぁ~い」 - 123: 2012/11/16(金) 05:05:42.51 ID:kLauCVjrP
- 勇太「お、メール来てる……丹生谷か!」ピッ
[今日は遅くまでごめんね! 楽しかったよ!]
勇太「……んふ」
勇太「いかんいかん、つい気持ち悪い笑いが……」
勇太「えーっと……どうしようかな」
勇太「こ、ここは調子に乗ってもいいところだよな……?」
勇太「……だな!」
勇太「よし!」ポチポチ - 125: 2012/11/16(金) 05:11:32.23 ID:kLauCVjrP
- ♪~
森さま「きた!」バッ
森さま「ん~……」
[俺も楽しかったよ! 今日の丹生谷は可愛かったし]
森さま「!?」
森さま「かっ、かわ……////」
森さま「バ、バカね! メールだからってこんなこと……」
森さま「すぐ調子に乗るんだから」
森さま「……」ポチポチ
森さま「可愛い……」
森さま「えへへ……」
森さま「きゃああああああ」バタバタ - 129: 2012/11/16(金) 05:22:03.64 ID:kLauCVjrP
- 朝
ピピピピッ ピピピピッ
勇太「ん……んぁ……」モゾモゾ
勇太「ふぁああ……朝か……」
勇太「……珍しいな、あいつがちょっかいかけに来ないなんて」
勇太「寝坊でもしてんのかな?」
勇太「後で起こしに行ってやるか」ドテドテ
樟葉「あ、お兄ちゃんおはよー」
勇太「ん、ああ」
樟葉「眠そうだね?」
勇太「ちょっと遅くまで起きてたからな……」 - 130: 2012/11/16(金) 05:28:23.02 ID:kLauCVjrP
- ピンポーン
勇太「……」
ピンポーン
勇太「……おかしいな? まだ寝てんのか?」
勇太「おーい、六花! そろそろ出ないと遅刻するぞー!」
勇太「……」
勇太「おーい!!」ドンドン
ガチャ
勇太「りっ……」
十花「殺されたいのか? 富樫勇太」
勇太「と、十花さん!?」
十花「人の貴重な睡眠時間を削りおって……」
勇太「す、すみません!!」 - 132: 2012/11/16(金) 05:34:05.97 ID:kLauCVjrP
- 十花「……で、何の用だ」
勇太「あ、いや、六花は……?」
十花「もう家を出たぞ」
勇太「え?」
十花「一緒に行く約束でもしてたのか?」
勇太「あ、いや……そういうわけじゃ……」
十花「……?」
勇太「(どうしたんだろ……)」
十花「それよりいいのか?」
勇太「え?」
十花「学校、遅刻するぞ」
勇太「あっ!! す、すみません! 失礼します!」ダッ
十花「全く……」 - 134: 2012/11/16(金) 05:41:16.38 ID:kLauCVjrP
- 勇太「うおおおおお」ダッダッダッ
勇太「セーフ!!」
勇太「はぁ……間に合った……」
一色「どうした、勇太? 寝坊か?」
勇太「いや、そういうわけじゃないんだが……」
勇太「(六花は……普通に来てるな……)」
七瀬「はぁ~い、ホームルーム始めま~す」
一色「それでよ、勇太!」ボソボソ
勇太「ん?」
一色「例のアレは? 手に入れたか?」
勇太「例のアレ?」
一色「くみんさんのアドレスだよ!」 - 135: 2012/11/16(金) 05:54:50.41 ID:kLauCVjrP
- 勇太「あ……」
一色「お前まさか……!」
勇太「き、昨日は部活いかなかったから先輩とも会わなかったし」
勇太「(すっかり忘れてた……)」
一色「そんな言い訳聞きたくない!」
一色「くそ……信じてたのに……」
勇太「いや、本当のことだから仕方ないだろ……」
一色「そんなこと言って昨日女の子と帰ったから浮かれて忘れてたんだろ!」
勇太「ち、違うよ」
一色「いいや違わない!お前は……」
勇太「落ち着け一色!」
一色「……一緒に帰ったのは誰だ?」 - 136: 2012/11/16(金) 06:00:01.04 ID:kLauCVjrP
- 勇太「は?」
一色「一緒に帰ったのは誰だよ!」
勇太「それは話がまとまってからって……」
一色「言え! じゃないと俺はお前を許さない!!」
勇太「わ、わかったよ……」
一色「それで……?」
勇太「……丹生谷だよ」
一色「はぁ?」
勇太「なんだよ」
一色「……ふっ」
勇太「一色?」
一色「お前に先を越される心配はまだないみたいだな」 - 139: 2012/11/16(金) 06:10:34.84 ID:kLauCVjrP
- 勇太「……なんでだよ」
一色「だってあの丹生谷だぞ?」
一色「ないない」
勇太「そ、そんなのわかんないだろ」
一色「わかるだろ? まあ性格は置いといたとしてだ」
一色「あのレベルの女子ってのを考えてみろよ」
勇太「まあそうだけど……」
一色「ま、夢みるなら良いかもしんないけどな」
勇太「お前、くみん先輩のアドレス教えてやらんぞ」
一色「なんでだよ!!」
勇太「……まあいいよ」
勇太「一色がそう言うのもわかるしな」 - 141: 2012/11/16(金) 06:22:05.91 ID:kLauCVjrP
- 放課後
勇太「ちーっす」ガラッ
くみん「おぉ~、富樫くん、今日は来たね~」
勇太「すみません、昨日休んじゃって」
凸守「そうデス! 貴様が休んだせいで……」
くみん「いいよ~、昨日は部活やらなかったもん」
凸守「ぇ?」
勇太「え? そうなんですか?」
くみん「うん、六花ちゃんが休みって」
勇太「へぇ……」
凸守「な、なんで凸守に知らせないのデスか!?」ブンブン
勇太「おわっ!」 - 144: 2012/11/16(金) 06:37:22.34 ID:kLauCVjrP
- 凸守「このっ! このっ!」ブンブン
勇太「仕方ないだろ! 俺も知らなかったんだから!」
くみん「ごめんね、もう知ってるかと思って……」
凸守「うう……ひどいデス……」
ガラッ
六花「……」
凸守「あ、マスター!」
凸守「昨日はなぜ活動を中止したのデスか!?」
六花「それは……」チラッ
勇太「ん?」
六花「……昨日は邪王心眼の力が弱まる日、その状態で活動するのは危険だった」
凸守「そうだったのデスか!」 - 147: 2012/11/16(金) 06:46:31.96 ID:kLauCVjrP
- 凸守「しかしこの凸守がいれば……」
六花「凸守は私のサーバント」
六花「マスターである私の力が弱まればサーバントの力もそれに影響される」
凸守「た、確かにそうデス!」
六花「だから昨日は休みだった」
凸守「さすがマスター!」
勇太「いや、意味わからんだろ」
くみん「今日モリサマちゃんは来ないかな?」
勇太「ああ、今日はチア部らしいです」
勇太「終わって顔出せたら出すとは言ってましたけど」
くみん「モリサマちゃんもなんだかんだこの部活好きだもんね」
勇太「そうですよね」
六花「……」 - 149: 2012/11/16(金) 07:00:08.76 ID:kLauCVjrP
- くみん「すぅ……すぅ……」
六花「ここはこう、そうすれば結界は破れ
ない」
凸守「そんな方法が……」
勇太「どんな方法だよ!」
くみん「むにゃ……2時間だけ仮眠とらせて~……」
凸守「と、いうことはマスター! ここはこうデスね!?」
六花「凸守」
凸守「マスター!」
六花「全然違う」
凸守「……」
森さま「はぁ~、疲れた」ガラッ
六花「……」ピクッ
勇太「丹生谷!」 - 264: 2012/11/16(金) 16:30:17.82 ID:kLauCVjrP
- 森さま「あ、富樫くん」
勇太「来てくれたんだな! 無理しなくても良かったのに」
森さま「いいのよ、来たくて来たんだから」
勇太「うん、嬉しいよ」
くみん「あれ? なんか森さまちゃん機嫌いい?」
森さま「そんなことないわよ」
凸守「うおりゃああああ!!」ビシッ
森さま「いたっ!」
凸守「ふっふっふっ……隙だらけデスね! 偽モリサマー!」
森さま「モリサマ言うなって言ってんでしょ」
凸守「お!? やるデスか!?」
森さま「全く……」 - 271: 2012/11/16(金) 16:40:05.02 ID:kLauCVjrP
- 凸守「……」
森さま「ふー、よいしょ」ストン
凸守「おりゃああああ!」ベシッ
森さま「いつっ……!」
森さま「いい加減にしないさよ」ガシッ
凸守「は、離すデス! 離すデス!」バタバタ
森さま「あんまり生意気言うと牛乳飲ますわよ!」
くみん「あはは、相変わらずなかいいね~」
勇太「丹生谷は面倒見がいいからな」
森さま「なっ……そ、そんなことないわよ……」
くみん「照れなくてもいいのに~」
森さま「照れてないわよ!」
六花「……」 - 4: 2012/11/18(日) 19:42:42.90 ID:9kC6mtmgP
- 六花「今日活動はこれで終了する」
凸「え? もうデスか?」
勇太「せっかく丹生谷も来たのに」
六花「……」
くみん「あ~、雨降って来たよ~」
森さま「うそ!? 傘持って来てないのに!」
勇太「ん~、じゃあ強くなる前に帰るか」
森さま「そうね」
凸守「ふっふっふっ……情けないデスね、
偽モリサマー」
凸守「この凸……」
森さま「今日雨降るって言ってた?」
勇太「場所によっては夕方から降るとか言ってたぞ」
森さま「うぅ……天気予報みとけば良かった……」
凸守「……」 - 7: 2012/11/18(日) 19:49:42.86 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「うわ、結構降ってるな」
くみん「ほんとだね~」
森さま「どうしよう……」
勇太「ぁ、あ~……えーっと」チラッ
森さま「なに?」
勇太「お、おお俺の傘入れよ!」
六花「!?」
森さま「え? いいの?」
勇太「だって傘ないんだろ?」
森さま「うん……じゃあ入ってあげる!」
勇太「なんで俺が頼んでるみたいになってるんだよ!」
森さま「あれ? 違った?」
勇太「い、いや……その……」
森さま「ふふっ、ありがとね」 - 9: 2012/11/18(日) 19:56:21.26 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「じゃあ……」
六花「わ、私もっ!」
勇太「ん?」
六花「私も傘ない……」
森さま「え?」
勇太「何言ってんだ? お前いつも持ってるだろ」
勇太「あの、シュバルツなんとかって」
六花「シュバルツゼクスプロトタイプマークⅡは武器、雨を防ぐために使うものではない」
勇太「いや前使ってたよな」
六花「……今日の相棒は機嫌が悪いようだ」
勇太「だからただの傘だろ!」
六花「とにかくこれでは帰れない……どうすれば……」 - 12: 2012/11/18(日) 20:08:04.65 ID:9kC6mtmgP
- 凸守「つまり……マスターの忠実なるサーバント、この凸守の出番と言うことデスね!」
六花「……」
凸守「ご安心下さいマスター!」
凸守「身を腐らせる雨からはこの凸守の傘が……」
六花「……」バッ
凸守「守って……」
六花「機嫌がなおったようだ、行こう」
凸守「……」
勇太「何がしたいんだ、何が」
森さま「……」
くみん「今日の六花ちゃん変だよね~」
勇太「そうですか? まあいつも変だし……」 - 15: 2012/11/18(日) 20:15:59.14 ID:9kC6mtmgP
- 六花「……」
凸守「くっ、なんという攻撃! まるで矢が雨のように……」
勇太「いや、雨だろ」
森さま「富樫くん、肩濡れてるよ」
勇太「ん? ああ別にいいよ、これぐらい」
森さま「ダメよ、私が入れてもらってるんだから」
勇太「大丈夫だって、丹生谷が濡れなきゃいいんだから」
森さま「でも……」
森さま「……じゃあもっとくっつこっか」
勇太「なっ!? お、おい……」
森さま「だって、濡れちゃうでしょ?」
勇太「あ、ああ……」 - 19: 2012/11/18(日) 20:25:31.03 ID:9kC6mtmgP
- くみん「なんだか富樫くんとモリサマちゃん、恋人みたいだね~」
勇太「えっ!?」
森さま「な、何言ってんのよ!」
くみん「だって相合傘して仲良さそうなんだもん」
勇太「こ、これは丹生谷が傘わすれたから……」
森さま「そ、そうよ! じゃなきゃなんで私が……」
くみん「ほんとにそれだけかな~?」
森さま「うるさい!」
くみん「まあまあ」
くみん「私はなかなかお似合いの二人だと思うよ?」
勇太・森さま「っ!?」
六花「……」ピタッ - 20: 2012/11/18(日) 20:35:05.93 ID:9kC6mtmgP
- 森さま「な、な、な……」
勇太「せ、先輩! 変なこと言わないで下さいよ!」
くみん「そんなに照れなくていいのに~」
凸守「ふんっ! 腐れ一般人には腐れ一般人がお似合いなのデス!」
森さま「あんたは黙ってなさい!!」
凸守「お? やる気デスか? 偽モリ……」
六花「くっ……!」ダッ
凸守「マスター!?」
勇太「お、おい! どうしたんだよ!?」
森さま「……いっちゃった」
勇太「六花……?」 - 23: 2012/11/18(日) 20:42:17.65 ID:9kC6mtmgP
- 電車
勇太「……」
森さま「……」
勇太「こ、困っちゃうよな! くみん先輩が変なこと言うから……」
森さま「変なこと?」
勇太「その……恋人とか……お似合いとか……」
森さま「……」
勇太「丹生谷?」
森さま「富樫くんは嫌?」
勇太「え?」
森さま「私とそういう風に見られるの」 - 26: 2012/11/18(日) 20:51:47.71 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「ぁ……い、嫌じゃないよ!」
森さま「ほんとに?」
勇太「ほんとだよ! むしろ光栄というか嬉しいと言うか…… 」
森さま「……私も」
勇太「?」
森さま「私もそう見られたら嬉しいよ」
勇太「丹生谷……」
勇太「ぇと……あの……」
森さま「ほら、もう着くわよ」
勇太「え? あ、ああ……」
勇太「そうだ、傘持ってけよ」
勇太「まだ降ってるし」 - 27: 2012/11/18(日) 20:58:09.76 ID:9kC6mtmgP
- 森さま「ううん、大丈夫」
勇太「でも……」
森さま「だってほら」スッ
勇太「え……? 折りたたみ……持ってたのか?」
森さま「うん、私が忘れるわけないでしょ?」
勇太「じゃあなんで……?」
森さま「……わからない?」
勇太「あ……」
森さま「富樫くんなら入れてくれると思って」
プシュー
森さま「じゃあね! 」
勇太「あ……お、おう」
勇太「またな! 丹生谷!」 - 32: 2012/11/18(日) 21:08:17.19 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「ふんふふーん♪」
勇太「ん? あれは……」
勇太「……おい」
六花「……」
勇太「何してんだ? こんなところで」
六花「……」
勇太「反応しろよ……急に走り出したと思ったら……」
六花「勇太」
勇太「なんだ?」
六花「勇太は私と契約している」
勇太「は?」
六花「……」 - 39: 2012/11/18(日) 21:20:39.01 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「そもそも契約なんてしてないだろ」
六花「……した」
勇太「はぁ……それで? 何が言いたいんだ?」
六花「……」
勇太「……」
六花「最近丹生谷と仲がいい」
勇太「えっ? いや……」
勇太「そんなこと……」
六花「ある!」
勇太「な、なに怒ってんだよ」
六花「怒ってなどいない」
勇太「……まあ仲いいってのは否定しないけど」 - 43: 2012/11/18(日) 21:33:52.27 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「でもそれはお前に関係ないことだろ?」
六花「ある」
勇太「なんで?」
六花「あるから」
勇太「理由になってないぞ」
六花「……」
勇太「まあいいか、帰るぞ」
六花「うん……」
勇太「すぐやむと思ったけどまだまだ降りそうだな」
六花「勇太」
勇太「ん?」
六花「傘入れて」 - 45: 2012/11/18(日) 21:36:22.75 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「なんで?」
六花「いいから」
勇太「……」
六花「お願い……」
勇太「わかったよ、ほら」スッ
六花「勇太!」
勇太「その代わり暴れるなよ?」
六花「心得ている!」
勇太「まったく……」 - 52: 2012/11/18(日) 21:49:34.07 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「ただいま~」ガチャ
勇太「結局あいつが暴れるから濡れちゃったよ」
勇太「まあわかってたことだけど……」
勇太「うう……寒いな」
勇太「樟葉~!」
樟葉「なぁ~に!?」
勇太「風呂って湧いてる?」
樟葉「私もさっき入ったからすぐ入れるよ」
勇太「お~、サンキュー」
勇太「着替え着替え……」 - 54: 2012/11/18(日) 21:53:41.38 ID:9kC6mtmgP
- 風呂
勇太「ふぅ~、あったまるなぁ……」
勇太「……」
勇太「もうあれだよな……丹生谷」
勇太「そういうことだよな……うん」
勇太「んふ……んふふ……」
勇太「ついに俺もリア充だせ!」
勇太「よっしゃああああああ!!」バシャバシャ
樟葉「お兄ちゃんうるさい!」
勇太「おお! 樟葉! 久しぶりに一緒に入るか!?」
樟葉「……警察に電話するよ?」
勇太「……すみませんでした」 - 58: 2012/11/18(日) 22:06:51.86 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「はぁ~あったまったしゲームでも……」ガチャ
勇太「うおぅ!?」ビクッ
六花「待っていた」
勇太「何やってるんだよ!」
勇太「というか勝手に入るな!」
六花「追っ手を振り切るために仕方なく……」
勇太「あ~、はいはい」
勇太「で、なんの用だ」
六花「……特に用はない」
勇太「なんだそれ」
六花「強いて言うならこの眼が疼いて……」
勇太「目薬貸すから帰れ」
六花「勇太ぁ……ひどい……」 - 63: 2012/11/18(日) 22:18:07.46 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「しらん!」
勇太「用もないのに勝手に上がりこむなよ」
六花「用がない訳ではない」
勇太「さっき無いって言っただろ!」
六花「ただあちらの世界から帰還したばかりで言語プログラムの構成が……」
勇太「無いんだろ?」
六花「……ない」
勇太「やっぱり……」
六花「だって……」
勇太「なんだよ」
六花「用が無かったら来ちゃダメなの?」 - 67: 2012/11/18(日) 22:31:03.98 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「ダメだ」
六花「なぜ?」
勇太「そもそも勝手に人の家に上がりこむのがおかしい」
六花「その方がかっこいい!」
勇太「ただ迷惑なだけだろ!!」
六花「むぅ……」
勇太「とにかく勝手に……」
六花「丹生谷なら」
勇太「はい?」
六花「丹生谷ならいいの?」
勇太「なんで丹生谷が出てくるんだよ」
六花「……」 - 71: 2012/11/18(日) 22:41:53.39 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「そもそも丹生谷は人の家に勝手に上がったりしないだろ」
六花「……だから」
六花「だからすき……」
ピリリリリ ピリリリリリ
勇太「お……」ピッ
六花「勇太……」
勇太「もしもし、丹生谷?」
六花「……」
勇太「どうしたの?」
『明日チア部の練習休みなのよ』
勇太「あ、そうなんだ」
『それでまた一緒に帰れないかなって思って』 - 74: 2012/11/18(日) 22:48:51.41 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「ああ、 いいよ!」
『ほんと? じゃあまた校門で待ってるね』
勇太「うん!」
『あ、でも富樫くん部活……』
勇太「いいよいいよ、部活なんて休むから」
六花「ぇ……」
『いいの? 私は兼部してるからあれだけど……』
勇太「大丈夫だって!」
『そう? わかった、じゃあまた明日ね』
勇太「うん、またな」ピッ
勇太「……ふぅ」
六花「勇太」
勇太「ん? ああ、なんだ?」 - 78: 2012/11/18(日) 22:55:29.50 ID:9kC6mtmgP
- 六花「今の電話……」
勇太「ちょっとな」
六花「明日結社の活動を休むと言った」
勇太「すまん、用が出来たんだ」
六花「……」
勇太「なんだよ、一日ぐらいいいだろ?」
六花「この前も休んだ」
勇太「まあそうだけど……」
六花「不可視境界線の探索は最重要事項」
六花「これより優先される事などあってはならない」
勇太「ただ毎日ふざけてるだけだろ?」
勇太「それに俺にはもっと大事なことがあるの」 - 84: 2012/11/18(日) 23:04:01.27 ID:9kC6mtmgP
- 六花「……丹生谷」
勇太「べ、別に関係ないだろ」
六花「……」
勇太「とにかく明日は部活休むから」
六花「……ダメ」
勇太「ダメと言われても行かないからな」
六花「ダメ……来てくれなきゃ……やだ……」
勇太「……」
六花「勇太……」
勇太「……何度も言ってるだろ、俺は休む」
六花「……」
勇太「用事があるんだ」
六花「……わかった」 - 93: 2012/11/18(日) 23:15:52.75 ID:9kC6mtmgP
- 森さま「……ふぅ」ピッ
森さま「明日また一緒に帰れる……」
森さま「んふふ……」
森さま「お、落ち着きなさい、森夏!」
森さま「こんなことで……」
森さま「……でも相合傘しちゃったし」
森さま「富樫くん優しかったし……」
森さま「うふ……うふふ……」
森さま「きゃああああああああああ!!」バタバタ
森さま「思い出すだけで顔がにやけちゃう……」
森さま「……あっつ」パタパタ - 103: 2012/11/18(日) 23:28:30.79 ID:9kC6mtmgP
- 勇太「なあ一色」
一色「どうした?」
勇太「告白ってのはやっぱり男からするもんだよな?」
一色「なんだよ、いきなり」
勇太「いいからさ」
一色「まあそうなんじゃないか?」
一色「男子にかっこよく告白されたいって女子は多いはずだ」
勇太「ふむ……」
一色「まあ俺は女子に告白されたいけどな!」
勇太「かっこ良く、か……」
一色「俺もいつかくみんさんに……」
勇太「かっこ良く、かっこ良く……」ブツブツ - 108: 2012/11/18(日) 23:36:29.14 ID:9kC6mtmgP
- 放課後
勇太「(くそっ、かっこ良くってなんだよ!)」
勇太「(キミと俺は前世から……)」
勇太「(いやいやいやいや! なんでこういう時中二的な発想しか出てこないんだよ!)」
勇太「(ましてや丹生谷にこんなこと言ったら寒いとか言われちまう……)」
勇太「(考えろ俺! 全ての脳細胞をフル稼働させるんだ!)」
勇太「(えーっと……えーっと……)」
森さま「富樫くん?」
勇太「うわあっ!!」ビクッ
森さま「大丈夫? 何か考え込んでたみたいだけど……」
勇太「い、いやちょっと前世について……」
森さま「なに寒いこと言ってんのよ」
勇太「あ、いや……」 - 115: 2012/11/18(日) 23:48:19.37 ID:9kC6mtmgP
- 森さま「じゃあ帰ろっか」
勇太「お、おう!」
森さま「昨日はありがとね」
勇太「い、いや全然そんな……ん?」
六花「……」
森さま「あ、小鳥遊さん」
勇太「どうしたんだ?」
六花「別に……」
勇太「?」
森さま「今日は部活行かないの?」
六花「この後拠点に向かう」
森さま「そう……」 - 118: 2012/11/18(日) 23:56:08.91 ID:9kC6mtmgP
- 六花「勇太」
勇太「なんだ?」
六花「これが用事?」
勇太「……ああ」
六花「不可視境界線の探索よりも大事な?」
勇太「そうだ」
六花「そう……」
森さま「……」
六花「私よりも……」ボソッ
勇太「え?」
六花「なんでもない」タッ
勇太「あ、おい!」 - 123: 2012/11/19(月) 00:04:00.56 ID:Df91aKQlP
- 勇太「なんだあいつ」
森さま「富樫くんってさ、やっぱり鈍いよね」
勇太「え?」
森さま「ちゃんと謝った方がいいかもね」
森さま「ま、私も謝らないといけないんだろうけど」
勇太「??」
森さま「でもまぁ、とりあえず帰ろ♪」クルッ
勇太「あ、おい! どういうことだよ、丹生谷!」
森さま「だから~! 私も小鳥遊さんも女の子ってこと!」
勇太「ええ??」
森さま「もう、置いてくよ!」 - 127: 2012/11/19(月) 00:17:07.36 ID:Df91aKQlP
- 勇太「(どういう事だ? 女の子?)」
勇太「(い、いや、今はそれどころじゃない!)」
勇太「(告白……そう、告白だ!)」
勇太「(中二病を卒業した俺にとって初めてのチャンス)」
勇太「(このチャンスを逃すわけには……)」
森さま「富樫くんってば!」
勇太「は、はい!!」
森さま「話聞いてた?」
勇太「あ……な、なんだっけ?」
森さま「もう……」
勇太「ご、ごめん」 - 129: 2012/11/19(月) 00:23:07.11 ID:Df91aKQlP
- 森さま「せっかく二人で帰ってるのに……」
勇太「ほんとごめん!」
森さま「……なに考えてたの?」
勇太「え? ぁ……いや……」
森さま「小鳥遊さんのこと?」
勇太「六花? なんで……」
森さま「違うならいいけど……」
森さま「もうすぐね」
勇太「あ、ああ……」
森さま「今日もあの公園行っていい?」
勇太「!?」
勇太「もちろん!」 - 136: 2012/11/19(月) 00:33:30.44 ID:Df91aKQlP
- 部室
凸守「今日は偽サマーもダークフレイムマスターも来ないデスね」
くみん「そうだね~」
六花「……」
くみん「どうしたの? 六花ちゃん」
くみん「最近元気ないよ?」
六花「なんでもない……」
凸守「マスターは連日の不可視境界線探索とそれに伴う戦闘によって著しく魔力を消耗して……」
六花「凸守、黙って」
凸守「……」 - 138: 2012/11/19(月) 00:41:50.65 ID:Df91aKQlP
- 公園
勇太「……」
森さま「……」
勇太「や、やっぱ寒いな!」
森さま「うん」
勇太「ウチ上がる? そのほうが……」
森さま「いいよ、妹さんに気遣わせちゃうし」
森さま「それに……」
勇太「それに?」
森さま「……」
森さま「ねぇ、くっ付いていい?」 - 142: 2012/11/19(月) 00:49:17.40 ID:Df91aKQlP
- 勇太「ぅえ!? あっ……」
森さま「ダメって言われてもくっ付くけどね」ピトッ
勇太「お……ぉ……」
森さま「あとね、手が冷たくて……」
勇太「て、手が?」
森さま「ほら」ギュッ
勇太「!!?」
森さま「富樫くんの手、あったかいね」
勇太「そ、そそそそれはほら! ポポポポケットに手入れてたから!」
森さま「そっか……」
勇太「(これはあああああああああ!!!)」 - 147: 2012/11/19(月) 00:58:51.40 ID:Df91aKQlP
- 勇太「(今か!? 今なのか!?)」
勇太「(考えろ俺! いや……感じろ!)」
勇太「……」
勇太「(女の子って柔らかくていい匂いだなぁ……)」
勇太「(幸せ……って)」
勇太「(ち、違う違う! そうじゃないだろ!)」
勇太「(告白だ、告白! もうここは何も考えず一気に……)」
勇太「(そうだ……ストレートにいこう! それが一番かっこいいはず!)」
勇太「(よ、よし! 頑張れ俺!)」
勇太「(いくぞ……いくぞ!!)」
勇太「あっ、あの……」 - 160: 2012/11/19(月) 01:26:41.82 ID:Df91aKQlP
- 勇太「にぶ…….」
森さま「こうしてるとさ」
勇太「ぇっ? あっ……」
勇太「な、なに?」
森さま「付き合ってるみたいだね、私達」
勇太「え?」
森さま「思わない?」
勇太「あ、う、うん! 確かに恋人っぽいかも……」
森さま「……」
勇太「あの……?」
森さま「なっちゃおっか……ほんとに」
勇太「……は……え?」 - 164: 2012/11/19(月) 01:36:16.33 ID:Df91aKQlP
- 勇太「な、なるって……」
森さま「恋人に」
勇太「それはつまり……」
森さま「……怒るわよ?」
勇太「ご、ごめん! 突然だったから……」
森さま「もう……それで?」
勇太「え、えーっと……俺でいいのか?」
森さま「そうよ」
森さま「私、富樫くんが好き」
勇太「!!」
森さま「……ダメ?」 - 168: 2012/11/19(月) 01:42:16.17 ID:Df91aKQlP
- 勇太「……えと」
森さま「……」
勇太「お、俺も丹生谷が好きだ!」
森さま「!!」
勇太「ほ、ほんとは俺から言おうと思ってて……でも先に言われちゃって……」
勇太「そ、それで……今日はずっとどうやって告白しようか考えてて……」
勇太「だから……」
勇太「と、とにかく丹生谷が好きだ!!」
森さま「富樫くん……」
勇太「付き合って欲しい!」
森さま「……ばか」 - 174: 2012/11/19(月) 01:49:30.93 ID:Df91aKQlP
- 勇太「だ、ダメかな?」
森さま「ばか、先に聞いたのは私でしょ」
勇太「あ、う、うん……」
森さま「ふふっ……よろしくね、富樫くん」
勇太「……ああ!」
森さま「はぁ~……よかった……」
勇太「俺もだよ」
勇太「丹生谷と付き合えるなんて夢にも思ってなかったし……」
勇太「今でも夢なんじゃ……」
森さま「もう!」ギュッ
勇太「うおっ!?」 - 178: 2012/11/19(月) 01:56:47.72 ID:Df91aKQlP
- 森さま「ばかばかばかばか!!」
勇太「お、おい……」
森さま「富樫くん鈍いんだもん! どれだけ私が頑張ったと思ってるのよ!」
勇太「だ、だって俺恋愛の経験とか……」
森さま「私だってないわよ!」
勇太「ご、ごめん……」
森さま「もう……ばか」
勇太「わ、わかったからさ、そろそろ離れてくれないと……」
森さま「ダメ」
勇太「いや、でもほら……通行人の方々が……」
森さま「じゃあ離れたらすぐ向こう向いて」
勇太「え?」 - 181: 2012/11/19(月) 02:01:56.31 ID:Df91aKQlP
- 勇太「なんで……?」
森さま「今の顔、見せられないもん」
森さま「嬉しくて……泣きそうで……きっとすごい顔してる」
森さま「そんなの私のキャラじゃないでしょ?」
勇太「丹生谷……」
森さま「……」
勇太「じゃあ……」
森さま「でもね」
勇太「ん?」
森さま「本当はもう少しこうしてたいっていうのが一番」
森さま「誰が見てたって構わないから……」
勇太「……わかったよ」
勇太「もう少しだけな」 - 185: 2012/11/19(月) 02:17:02.73 ID:Df91aKQlP
- 六花「……こちらイービルアイ」
六花「邪王心眼察によりダークフレイムマスターの精神汚染を確認」
六花「パターンは青……かなり深刻と思われる」
六花「可及的速やかに……対象の……境界内への転移を……」
六花「……You copy?」
六花「……You copy?」
六花「ゅ………うっ……」 - 190: 2012/11/19(月) 02:25:13.78 ID:Df91aKQlP
- 勇太「ただいま~!!」ガチャ
樟葉「うわっ……」
勇太「うわっとはなんだ! 大好きな兄ちゃんが帰ってきたんだぞ!」
樟葉「……」
勇太「ほら樟葉! 胸に飛び込んで来てもいいんだぞ?」
勇太「いや……でももう俺の胸はあいつ専用で……んふふ」
樟葉「おかーさーん! お兄ちゃんがおかしくなったー!」
母「えぇー? またー?」
夢葉「だーくふれいむますたー!?」
勇太「おかしくなってなーい!!」 - 192: 2012/11/19(月) 02:33:40.57 ID:Df91aKQlP
- 勇太「ふんっ、なんだよなんだよ」
勇太「人がせっかくいい気分だってのに」
勇太「まあいいさ! おれは生まれ変わったんだ!」
勇太「そう! 念願のリア充に!」
勇太「しかも彼女はクラス一の美少女……」
勇太「すこしSっ気があるけど面倒見が良くていい子だ!」
勇太「丹生谷……可愛いなぁ……」
勇太「んふ……ふふふ……」
勇太「ふははははははは!」
勇太「このダークフレイムマスターに不可能はない!」ビシッ
勇太「……いかんいかん、浮かれ過ぎだ」
勇太「落ち着け俺、素数を数えるんだ……」
勇太「2、3、5……丹生谷可愛いなぁ……」 - 198: 2012/11/19(月) 02:48:17.81 ID:Df91aKQlP
- 森さま「……丹生谷が好きだ」ボソッ
森さま「うふっ……うふふふふふ」
森さま「やだもう! 富樫ったらー!!」バタバタ
森さま「そんなこと言われたら好きになっちゃうわよ~!!」
森さま「まあもともと好きなんですけどね?」
森さま「きゃあああああああああ」バタバタ
森さま「ああ! 感謝します赤い鬣よ」
森さま「モリサマーの願いは成就しました!」
森さま「これで私は……」
森さま「おっと……」
森さま「お、落ち着かなきゃ……中二病なんて再発してる場合じゃないわ!」
森さま「これで富樫くんと……んふふ」 - 200: 2012/11/19(月) 02:54:08.06 ID:Df91aKQlP
- 朝
勇太「いってきまーす!!」ガチャ
勇太「まさかこんなに学校が待ち遠しいなんて……」
勇太「あの頃の俺からは想像できないな!」
勇太「早くっ! 早くっ!」
勇太「丹生谷もう駅にいるかな?」
勇太「うおおおお! 加速しろ俺えええええ!」ダッ
十花「富樫勇太……」 - 203: 2012/11/19(月) 03:02:32.06 ID:Df91aKQlP
- 勇太「お、おはよ!」
森さま「あ、おはよ!」
勇太「ごめん、待った?」
森さま「ううん、さっきの電車で来たところ」
勇太「そ、そっか」
森さま「あれ? 小鳥遊さんは一緒じゃないの?」
勇太「え? なんで?」
森さま「だって登校するときいつも一緒じゃない」
勇太「あ~、最近そうでもないんだよ」
勇太「先に1人で行ってるみたいだ」
森さま「ふーん……」
勇太「ま、まあ2人の方が俺は嬉しいし……」
森さま「あ、朝からのろけないでよ、ばか!」カァアア - 205: 2012/11/19(月) 03:09:22.79 ID:Df91aKQlP
- 森さま「あはは」
勇太「それでさー……」
一色「おっす! 勇太」
勇太「お、一色」
一色「珍しいな、丹生谷と登校なんて」
勇太「あ~……そうだな」
森さま「別にいいでしょ? ね、富樫くん」
勇太「あ、ああ」
一色「……?」
一色「何かあったのか?」
勇太「それは……えーっと……」チラッ
森さま「私達付き合ってるのよ」
一色「……は?」 - 209: 2012/11/19(月) 03:15:50.40 ID:Df91aKQlP
- 勇太「お、おい……」
森さま「いいじゃない、 本当のことなんだから」
一色「え、えーっと……すまんもう一回言ってくれるか?」
森さま「だから私達付き合ってるのよ」
一色「あ~……そっかぁ……あは……はははは」
一色「はぁ!!!!?」
森さま「なによ」
一色「付き合ってる!?」
一色「勇太と丹生谷が!?」
勇太「じ、実はそうなんだよ」
一色「お、おほほい……じょ、冗談はよしてくれよ……」
一色「誰がそんな冗談信じるって……」
勇太「すまん一色、本当なんだ」
一色「Nooooooooooooooooo!!!!!」 - 211: 2012/11/19(月) 03:24:15.23 ID:Df91aKQlP
- 一色「嘘だろ勇太!! 嘘だと言ってくれ!!!」ガシッ
勇太「一色……」
一色「哀れむような目で俺を見るなああああああああああ!!」
森さま「いい加減信じなさいよ」
一色「う、うるさい! 俺だって……俺だって……」
一色「……」
一色「いつからだ?」
勇太「昨日だ……」
一色「そうか……良かったな……」
一色「性格に難はあるがかわい子ちゃん選手権No.1の丹生谷と付き合うなんて」
森さま「誰が性格に難ありよ!」
一色「い、いや……」 - 213: 2012/11/19(月) 03:29:50.34 ID:Df91aKQlP
- 一色「とにかくよかったよ……」
一色「俺より先に……そうか……」
一色「幸せにな……」トボトボ
勇太「お、おい、一色……」
森さま「あの背中は泣いてるわね」
勇太「ああ……」
森さま「一色!」
一色「……」
森さま「先輩が一色くんは面白くていい子だって、一緒に昼寝したら楽しい夢が見れそうって言ってたわよ!」
一色「ほんとか!?」クルッ
森さま「ええ、私いま機嫌がいいから嘘はつかないわ」
一色「丹生谷……」
一色「いよっしゃあああああああああ!! 今日も一日頑張るぜえええええ!!」
森さま「全く……単純ね」 - 216: 2012/11/19(月) 03:40:28.28 ID:Df91aKQlP
- 教室
森さま「おはよ~」ガラッ
勇太「あれ? 六花まだ来てないみたいだな」
森さま「ほんとだ……寝坊かしら?」
勇太「どうだろ……あいついつも早起きだった気がするけど……」
森さま「じゃあ病欠?」
勇太「さあ……?」
森さま「富樫くんでもわからないことがあるのね」
勇太「え? そりゃあ……」
森さま「ちょっとした皮肉よ、ごめんね」
勇太「あ、ああ……」
森さま「じゃあ帰りね」
勇太「おう」 - 224: 2012/11/19(月) 03:53:50.54 ID:Df91aKQlP
- 昼
勇太「(結局あいつ休みだったな)」
勇太「(ななちゃんも詳しく知らないって言うし……)」
一色「いやーしかし勇太が丹生谷と付き合うとはな~」
勇太「ん? ああ……」
一色「俺はてっきり小鳥遊さんとくっ付くもんだと思ってたよ」
勇太「六花と? なんで?」
一色「だって仲良いだろ? いつも一緒だし」
勇太「別に仲良いってわけじゃ……」
勇太「確かによく一緒にはいるけどさ」
一色「付き合ってるって噂も聞いたことあるぞ?」
勇太「えぇ!? ないない、それはないよ!」
一色「まあどっちにしろそう見られるぐらいの仲ってことだ」
一色「お前がそうでもあっちはどうだかわからないぞ?」
勇太「それは……」 - 229: 2012/11/19(月) 04:04:12.14 ID:Df91aKQlP
- 放課後
森さま「富樫くん、私今日チア部だけどどうする?」
勇太「あ~それなんだけど……」
勇太「俺六花の様子見に行こうかと思って」
森さま「ああ……」
勇太「ななちゃんにも頼まれてるし、心配だろ?」
森さま「そうね……」
勇太「ごめんな、丹生谷」
森さま「いいのよ、私も心配してないわけじゃないもの」
勇太「うん……」
森さま「……富樫くん」
勇太「なに?」 - 230: 2012/11/19(月) 04:08:09.66 ID:Df91aKQlP
- 森さま「私のこと……好き?」
勇太「なっ……!? 何言って……」
森さま「どうなの?」
勇太「い、いやここ学校だし……」
森さま「答えなさい」
勇太「……す、好きだよ」
森さま「世界で1番?」
勇太「に、丹生谷……」
森さま「いいから」
勇太「そ、そうです、世界で1番好きです」
森さま「ふぅ……信じてるから」
勇太「え?」
森さま「じゃあまた明日ね」クルッ
勇太「あ、ああ……」 - 233: 2012/11/19(月) 04:14:10.41 ID:Df91aKQlP
- 小鳥遊家
ピンポーン
勇太「……」
ピンポーン
勇太「おーい、六花~! 大丈夫か~?」コンコン
勇太「……」
勇太「今日がっこ……」
ガチャ
勇太「あっ……」
十花「なんだ?」
勇太「あ、いや……六花が学校休んだんで……」
十花「……入れ」 - 234: 2012/11/19(月) 04:20:42.72 ID:Df91aKQlP
- 十花「何か飲むか?」
勇太「あ、いえ、大丈夫です」
勇太「それより十花さん仕事は……」
十花「休んだ」
勇太「六花の……」
十花「……まあな」
十花「溜まってた有給を消化しただけだ、問題ない」
勇太「それで六花は?」
十花「……」
勇太「十花さん?」
十花「……わからん」
勇太「え?」 - 237: 2012/11/19(月) 04:30:12.89 ID:Df91aKQlP
- 勇太「それどういう……」
十花「このところずっと様子がおかしかった」
十花「塞ぎ込んで……」
勇太「そうなんですか?」
十花「お前が気付いていないとはな」
勇太「え?」
十花「いや、気にするな」
勇太「はぁ……」
十花「私が何かあったかと尋ねても何も答えない」
十花「まあもともと私に何か相談するような子ではないがな」
十花「結局そのまま……今日だ」 - 240: 2012/11/19(月) 04:40:03.82 ID:Df91aKQlP
- 十花「学校に行きたくないと言い出した」
勇太「……え?」
十花「理由を聞いても何も言わない」
十花「部屋に閉じこもったままだ」
勇太「そうだったんですか……」
十花「私は何も知らない……」
十花「学校で何かあったのか?」
勇太「……いえ 、特には」
勇太「あんなことばっかり言ってるからクラスで話す人は少ないですけど……」
勇太「それでも避けられてるだとかましてやイジメなんてのは無いですよ」
十花「……そうか」 - 242: 2012/11/19(月) 04:46:45.31 ID:Df91aKQlP
- 十花「高校に入ってからは楽しそうにしていたんだがな……」
勇太「はあ……」
十花「しかしお前でも知らないとなると……どうしたものか」
勇太「……とりあえず話してみます」
十花「……そうだな」
十花「私はいないほうがいいだろう」
十花「すまないがよろしく頼む」
勇太「はい……」
十花「私は無力だな……」
勇太「そんなこと……」
十花「出かけてくる」スッ
勇太「十花さん……」 - 245: 2012/11/19(月) 04:51:54.86 ID:Df91aKQlP
- 勇太「とは言ったものの……」
勇太「……はぁ」
勇太「おーい、六花? いるんだろ?」コンコン
勇太「……」
勇太「返事ぐらいしたらどうだ?」コンコン
六花「……なに」
勇太「あ~……なんで学校休んだんだ?」
六花「勇太には関係ない」
勇太「そりゃそうかも知れないけど……」
勇太「なんかあったのか?」
六花「……」 - 246: 2012/11/19(月) 04:57:22.89 ID:Df91aKQlP
- 六花「なにもない」
勇太「ないわけないだろ?」
勇太「学校休むぐらいだし……」
勇太「聞いてやるから話してみろよ」
六花「話さない」
勇太「なんでだよ」
六花「話したくないから」
勇太「あのなぁ……みんな心配して……」
六花「勇太には関係ない!!」
勇太「!?」
勇太「な、なに怒って……」
六花「休息に入る、もう話しかけないで」
勇太「六花……」 - 249: 2012/11/19(月) 05:10:10.83 ID:Df91aKQlP
- 勇太「はい、俺にも何も話してくれなくて」
『そうか……』
勇太「しまいには関係ないって怒鳴られちゃいましたよ」
『……』
勇太「十花さん?」
『お前本当に何も知らないのか?』
勇太「え? そうですけど……なんでですか?」
『いや……いい』
勇太「?」
勇太「とりあえず明日部活のメンバーに六花のこと聞いてみますよ」
勇太「俺が気付いてないことがあるかもしれないし」
『ああ、世話になるな』
勇太「いえ、それじゃ」ピッ
勇太「……六花」 - 251: 2012/11/19(月) 05:21:22.41 ID:Df91aKQlP
- 勇太「ただいま~」ガチャ
母「ゆうちゃんおかえり~」
夢葉「だーくふれいむますたーおかえりー」
勇太「だからダークフレイムマスターじゃないって言ってるだろ!」
樟葉「そう言えば最近小鳥遊さん来ないね」
勇太「ん? あ、ああ……そう言えばそうだな……」
母「ええっ!? ゆうちゃん小鳥遊さんと別れちゃったの!?」
樟葉「え!? 付き合ってたの!?」
勇太「母さん! 変なこと言わないでよ!」
母「え~違うの~? お母さんてっきりそういう仲だと」
勇太「違うよ! 」
勇太「それにその……付き合ってる人は別にいるし……」 - 254: 2012/11/19(月) 05:30:29.66 ID:Df91aKQlP
- 樟葉「!?」
母「うそ!? 二股!?」
勇太「なんでそうなるんだよ!」
母「冗談よ、それで? 誰なの?」
勇太「丹生谷森夏って子だよ、母さんは知らないだろうけど」
樟葉「え!? あの人!?」
母「なになに? 樟葉は知ってるの?」
樟葉「すっごく可愛い人だよ! スタイルも良くて優しそうで……」
母「えぇ~!? ゆうちゃんそんないい子と付き合ってるの!?」
母「今度連れてきて合わせてよ!」
勇太「わ、わかったよ……わかったから……」 - 256: 2012/11/19(月) 05:37:55.01 ID:Df91aKQlP
- 勇太「全く……母さんまで俺と六花が付き合ってるなんて……」
勇太「やっぱりそんな風に見えてんのかな?」
勇太「たしかに良く一緒にはいるけど……」
♪~
勇太「ん? 丹生谷か」ピッ
勇太「……小鳥遊さん大丈夫?か」
勇太「大丈夫じゃないんだよなぁ……これが」
勇太「どうしたもんか……」
勇太「……」
勇太「まあ明日の部活の時でいいか」
勇太「学校行きたくない……なぁ」 - 259: 2012/11/19(月) 05:46:58.99 ID:Df91aKQlP
- ♪~
森さま「……」ピッ
森さま「明日詳しく話す?」
森さま「……なに?」
森さま「……」
森さま「小鳥遊さん、大丈夫かしら?」
森さま「私……」
森さま「ううん……明日話を聞いてみなくちゃ」
森さま「それから……」 - 260: 2012/11/19(月) 05:54:49.73 ID:Df91aKQlP
- 次の日 放課後
森さま「ごめん、ちょっと遅れちゃった」
勇太「ううん、大丈夫」
勇太「これで全員か……」
凸守「まだマスターが来てないデス!」
勇太「ああ、その六花のことなんだ」
くみん「六花ちゃんなにかあったの?」
勇太「昨日、今日……六花が学校休んでる」
森さま「……」
くみん「風邪でも引いたのかな?」
勇太「それが……病気じゃないんです」
くみん「え? そうなの?」 - 262: 2012/11/19(月) 06:05:21.81 ID:Df91aKQlP
- 凸守「マスターは度重なる戦闘で……」
勇太「真面目な話なんだ」
凸守「ごめんなさいデス……」
勇太「……それで、昨日家に行ってみたんだ」
森さま「そしたら?」
勇太「学校に行きたくないって言ってるって十花さんが……」
森さま「……」
勇太「俺も話をしてみたんだけど何も言ってくれなくて」
くみん「そうだったんだ……」
勇太「それでみんな何か気付いたことないかと思って」
凸守「そうデスね……最近あまり話をしなくなった気がするデス」
くみん「元気なかったもんね」
勇太「やっぱりそうですか……」 - 263: 2012/11/19(月) 06:11:21.03 ID:Df91aKQlP
- 勇太「それは十花さんも言ってたんですけど……理由がわからなくて」
くみん「私も理由はわからないかな……」
凸守「凸守もデス……」
勇太「うーん……」
森さま「……」
勇太「こうなるといよいよ打つ手が……」
森さま「富樫くん」
勇太「ん?」
森さま「私理由を知ってるわ」
勇太「え? ほんとか!?」
森さま「ええ、たぶんだけどね」 - 266: 2012/11/19(月) 06:25:35.80 ID:Df91aKQlP
- 勇太「それって……」
森さま「……私が小鳥遊さんと話すわ」
勇太「え?」
森さま「理由は言えないけど……」
森さま「私が二人で話してみる」
勇太「丹生谷……」
凸守「お前のような偽物の言葉なんかに……」
くみん「凸ちゃん!」
凸守「……」
勇太「……じゃあ頼むよ」
森さま「ええ、やってみるわ」 - 268: 2012/11/19(月) 06:37:40.81 ID:Df91aKQlP
- ピンポーン
ガチャ
十花「富樫勇太……と確か……」
森さま「丹生谷です」
十花「ああ……」
勇太「丹生谷がたぶん理由を知ってるって……それで」
十花「そうなのか?」
森さま「はい、確証はありませんけど……」
十花「……上がってくれ」
勇太「お邪魔し……」
十花「待て」グイッ
勇太「え?」
十花「二人きりの方がいいんだろ?」
森さま「……はい」 - 274: 2012/11/19(月) 07:02:55.44 ID:Df91aKQlP
- 勇太「えっ? ちょっ……」
十花「いいから」グイッ
森さま「じゃあまた後でね」
バタン
勇太「あ……」
十花「付き合ってるのか?」
勇太「え!? どうして知って……」
十花「ふっ……可愛くていい彼女だな」
勇太「い、いやぁ……」
十花「さ、行くぞ」
勇太「行くぞって……どこに?」
十花「野暮だな……デートだよ、デート」
勇太「え……? えぇっ!?」 - 275: 2012/11/19(月) 07:05:50.99 ID:Df91aKQlP
- 森さま「……」コンコン
森さま「小鳥遊さん、私よ、丹生谷」
六花「っ……!」
森さま「学校……来ないの?」
六花「……」
森さま「行きたくない?」
六花「……」
森さま「富樫くんがいるから?」
六花「ち、違うっ!」
森さま「じゃあ私?」
六花「違う……」
森さま「両方?」
六花「……」 - 276: 2012/11/19(月) 07:15:13.43 ID:Df91aKQlP
- 森さま「富樫くんのこと好きだったんでしょ?」
六花「それは……」
森さま「わかってるから大丈夫よ」
六花「……」
森さま「それで……だから言わないといけないことがあるの」
森さま「私、富樫くんと付き合ってるわ」
六花「……え?」
森さま「本当よ」
六花「ぁ……」
森さま「気付いてたのよね? 私達のこと」
六花「ちが……ぅ……」 - 281: 2012/11/19(月) 07:26:13.73 ID:Df91aKQlP
- 森さま「……違わない」
六花「ちがう……ちがう……」
六花「ゅ……勇太は……ダークフレイムマスターで……」
六花「だから……契約を結んで……」
六花「目が共鳴して……邪王心眼が……」
六花「それで……私の……」
森さま「小鳥遊さん」
六花「私の……」
森さま「逃げても何も変わらないわよ」
六花「……ダークフレイムマスターは精神汚染を」
森さま「っ……!」
六花「だから……管理局の妨害で……」
森さま「いい加減にしなさい!!」 - 286: 2012/11/19(月) 07:39:00.77 ID:Df91aKQlP
- 六花「!?」ビクッ
森さま「そうやって逃げて逃げて逃げて逃げて……」
森さま「自分の世界に篭ってそこで満足して何になるのよ!」
森さま「そりゃあ嫌なことがあったら逃げたくなるし忘れたくなるけど……」
森さま「それじゃいつまでも前に進めないじゃない!」
六花「ぁ……」
森さま「自分でもわかってるくせにいつまでも甘えて……」
森さま「この先ずっとそうやって生きてくつもりなの!?」
六花「……」
森さま「……はぁ」
森さま「……ごめん、ちょっと言い過ぎたわ」
森さま「でも……」
ガチャ
六花「丹生谷……」 - 289: 2012/11/19(月) 07:48:17.07 ID:Df91aKQlP
- 森さま「小鳥遊さん……」
六花「ぅ……うぅ……」ポロッ
六花「だって……勇太が……」ポロポロ
六花「ゆうたが……ゆうたがぁ……」ポロポロ
森さま「……ごめんね」
六花「うあああああああああ!!」ポロポロ
森さま「よしよし……」ギュッ
六花「勇太がっ……好きだった……のに……! なのに勇太は違くて……」ポロポロ
森さま「うん……」
六花「でも言えなくて……それで……」ポロポロ
森さま「うん……」
六花「つらくて……かなしくて……」ポロポロ
森さま「ごめんね……ごめん」 - 290: 2012/11/19(月) 07:56:24.83 ID:Df91aKQlP
- 森さま「落ち着いた?」
六花「……うん」
森さま「そう……」
森さま「それで……どうするの?」
六花「……ダークフレイムマスターに決闘を申し込む」
森さま「告白するのね」
六花「……そうとも言う」
森さま「私が言えた義理じゃないけど、頑張ってね」
六花「いいの?」
森さま「なにが?」
六花「勇太は丹生谷と契約している……なのに」
森さま「当たり前でしょ?」 - 293: 2012/11/19(月) 08:01:18.61 ID:Df91aKQlP
- 森さま「別に好きな人に告白するのに誰かの許可なんて要らないじゃない」
六花「……」
森さま「それに……」
六花「それに?」
森さま「富樫くんは私のことが好きだもの」
六花「ぅぐ……」
森さま「ふふっ、ごめんごめん」
森さま「決めるのは富樫くんよ」
六花「……」
森さま「富樫くんが六花ちゃんを選ぶならそれでいいわ」
六花「わかった……」
六花「……頑張る!」 - 300: 2012/11/19(月) 08:08:41.87 ID:Df91aKQlP
- 十花「帰ったぞ」ガチャ
勇太「お、お邪魔しま~す」
森さま「来たわね」
六花「うん……」
六花「……丹生谷」
森さま「なに?」
六花「その……ありがと……」
森さま「ふふっ、どういたしまして」
勇太「あ、話は終わっ……」
六花「勇太! こっちへ!」グイッ
勇太「えっ!? あっ……ちょ……」
森さま「……ふぅ」
十花「迷惑かけたな」
森さま「友達ですから」
十花「ふっ……」 - 301: 2012/11/19(月) 08:15:10.35 ID:Df91aKQlP
- 勇太「お、おいっ! どこまで……」
六花「この辺りなら……」
勇太「一体なにを……」
六花「ダークフレイムマスター!」
勇太「はっ?」
六花「邪王心眼の名において決闘を申し込む!!」
勇太「け、決闘?」
六花「すぅ……はぁ……」
六花「(逃げない……)」
六花「爆ぜろ、リアル!」
六花「(逃げない!)」
六花「弾けろ、シナプス!」
六花「(勇太が好きだから!)」
六花「バニッシュメント・ディス・ワールド!!」 - 302: 2012/11/19(月) 08:21:20.54 ID:Df91aKQlP
- 勇太「六花……」
六花「……大事な話がある」
勇太「話? 決闘じゃ……」
六花「いいから!」
勇太「う、うん……」
六花「……」
勇太「……」
六花「私は……」
六花「私は勇太が好き!!」
勇太「……え?」
六花「勇太が好きなの」
勇太「六花……」 - 304: 2012/11/19(月) 08:25:45.65 ID:Df91aKQlP
- 勇太「……」
六花「返事を」
勇太「俺は……」
六花「……」
勇太「俺は丹生谷が好きだ!」
六花「……」
勇太「だからお前の気持ちには応えられない」
六花「……そう」
勇太「ごめん……」
六花「ううん、大丈夫……」
六花「ありがとう」
六花「勇太」 - 307: 2012/11/19(月) 08:39:15.26 ID:Df91aKQlP
- 勇太「……」
森さま「終わったみたいね」
勇太「に、丹生谷!?」
六花「全力を出して……負けた……」
森さま「バカね、恋愛は勝ったも負けたじゃないわよ」
六花「うん……」
森さま「……泣かないの?」
六花「大丈夫、心は晴れやか」
森さま「そっか」
六花「丹生谷……」
森さま「なに?」
六花「……前に進めた?」
森さま「もちろんよ」
六花「えへへ……」 - 310: 2012/11/19(月) 08:46:16.17 ID:Df91aKQlP
- 勇太「これで六花も学校にくるようになるんだな」
森さま「そうね」
勇太「しかしまさか六花が俺に惚れてたなんて……」
森さま「はぁ……どんだけ鈍いのよ」
勇太「す、すみません……」
森さま「ま、これにて一件落着ね」
勇太「なあ丹生谷、一つ聞いていいか?」
森さま「なに?」
勇太「もし俺が六花を選んだらって思わなかったのか?」
森さま「あー……まあ考えなかったと言えば嘘になるけど……」
森さま「でも私を選んでくれるって信じてたわ」
森さま「富樫くんのこと好きだもの」 - 311: 2012/11/19(月) 08:51:31.85 ID:Df91aKQlP
- 勇太「なっ……お、おう……」
森さま「それに富樫くんも私のこと好きでしょ?」
勇太「あ……えと……」
森さま「違うの?」
勇太「す、好きです!」
森さま「ふふっ、ほらね」
勇太「ぁぅ……」
森さま「改めてよろしくね、勇太!」
勇太「えっ……? あっ……」
勇太「よ、よろしく……し、森夏」
森さま「えへへ……やっぱり照れちゃうね」
勇太「そ、そうだな……」 - 312: 2012/11/19(月) 08:56:08.35 ID:Df91aKQlP
- 勇太「……」
森さま「……」
勇太「(な、なんかこれっていい雰囲気なんじゃ……)」
勇太「(い、今なら……キ、キキキスとか……)」
勇太「(いや流石に早まり過ぎか!?」
勇太「(でも……)」チラッ
森さま「?」
勇太「(いけるか……? いや……いけるだろ!!)」
勇太「(勇太の勇は勇気の勇!)」
勇太「(いっけえええええ!!!)」
勇太「し、森夏!」 - 315: 2012/11/19(月) 09:03:50.20 ID:Df91aKQlP
- 森さま「今キスしようとか考えてたでしょ?」
勇太「えっ!? はっ!?」
森さま「やっぱりそうなんだ……」
勇太「い、いやそんな……キ、キキキスなんて……」
森さま「バレバレよ」
勇太「……すみません」
勇太「(くそっ……早まった!! 浮かれ過ぎて正常な判断が……)」
森さま「……勇太」
勇太「え?」
チュッ
勇太「…………ぇ?」
森さま「今日はほっぺまで! ばいばい!」タッ
勇太「……またな!森夏!」 - 317: 2012/11/19(月) 09:12:29.15 ID:Df91aKQlP
- 次の日
勇太「や、やめろよ森夏……そんなにしたら……」
勇太「ダメだって……そんな……」
勇太「はっ!?」ガバッ
六花「やっと起きたか」
勇太「六花!? なにやって……あれ?」
勇太「お前眼帯は? コンタクトも……」
六花「外した」
勇太「え……?」
六花「もう私には必要ない」
勇太「……そっか」
六花「それより早くしないと遅刻する」
勇太「うおっ!?」 - 322: 2012/11/19(月) 09:18:31.83 ID:Df91aKQlP
- 勇太「はぁっ……はぁっ……」タッタッ
勇太「ごめん……待った?」
森さま「当たり前でしょ!! 私まで遅刻したらどうすんのよ!」
勇太「いや、ほんとごめん……」
森さま「ってあんた眼帯は?」
六花「外した」
森さま「へ~……ついに中二病卒業ってわけ?」
六花「……」
森さま「邪王心眼」ボソッ
六花「くっ……!!」
森さま「シュバルツゼクスプロトタイプマークⅡ」ボソッ
六花「うわああああああああ!!」 - 325: 2012/11/19(月) 09:27:40.69 ID:Df91aKQlP
- 森さま「あはは! おもしろーい!」
六花「はぁ……はぁ……」
森さま「しばらくは楽しめそうね~」
勇太「おいおい……」
六花「……モリサマー」ボソッ
森さま「!?」
六花「この世界に一番必要なのは……愛」ボソッ
森さま「やめてえええええええええ!!」
六花「ふっ、おもしろい」
森さま「あ、あんた喧嘩売ってんの!?」
六花「それはこっちのセリフ」
勇太「ま、まあまあ……二人とも仲良く……」
森さま・六花「勇太は黙って!!」
勇太「……はい」
おわり
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