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922: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:12:10 ID:0O24lWYM
………………

あすみ 「はー……」 ノビー

あすみ (今日は捗ったな……。我ながらがんばったぞ)

あすみ (この前の模試の結果もなかなかだし、最近調子いいぞ。にしし……)

あすみ (この調子で、国立医学部確実に合格してやるからな、見てろよ親父)

あすみ 「………………」

あすみ (……もし、もしも)

あすみ (合格できたら……いや、できなくても、)

あすみ (後輩に、なんかお礼してやらないとな)

あすみ (そんときは、もっと素直に、しっかりとお礼を言わないとな……)

グゥゥ……

あすみ 「ん……しかし腹減ったな」

あすみ 「……寒いし、なんか温かいモンでも食ってから帰るか」
923: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:14:25 ID:0O24lWYM
………………緒方うどん

理珠 「……まったく、私には理解できないことです」

成幸 「いや、うん。まぁ、気持ちは分かるけどさ」

成幸 「そうやって意固地になってると、心情理解なんかできないぞ?」

理珠 「この物語はできなくていい気がします……」

理珠 「なぜこの少女は、意中の相手をからかって遊ぶのです?」

理珠 「その心情が理解できるのですか、成幸さんは」

成幸 「……うん。緒方の気持ちはわかるぞ? でも、そうじゃなくてだな……」

理珠 「恋愛とは、相手をからかって遊ぶのが主目的なのでしょうか……」

理珠 「好きなら好きとはっきり言うべきです。相手をからかっていたら、嫌われてしまうと思います」

成幸 (まずい。緒方の思考が受験勉強とはかけ離れたところに行きつつある……)

成幸 (どうしたものか……) ハァ

理珠 「……!?」

理珠 (成幸さんがため息を……!? まさかまた、何か、進路について悩み事が……?)

理珠 (こういうときはやはり……) スッ
924: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:15:04 ID:0O24lWYM
成幸 「……おい、緒方。それは何だ?」

理珠 「? それ、とは何ですか?」

成幸 「五円玉を糸で吊したそれだよ」

理珠 「成幸さんは何も気にしなくていいんです。ただ、この五円玉を見つめていてもらえれば」 フンスフンス

成幸 「鼻息荒くソレを構えるな! やめろ! ぶらぶら揺らすんじゃない!」

理珠 「む……」

ブスゥ

理珠 「なぜ邪魔をするのですか。私は成幸さんのためを思ってしているというのに」

成幸 「俺のためを思ってなぜ俺に催眠術をかけようとするんだ!?」

ガラッ

あすみ 「こんちゃーす。緒方いるかー?」

あすみ 「……って、何してんだお前ら?」

成幸 「あ、先輩……」
925: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:16:00 ID:0O24lWYM
………………

あすみ 「……はぁ? 催眠術だぁ?」 ズルズルズル……

成幸 「はい。実は以前、緒方の催眠術にかかってすごいことになりまして……」


―――― 『ええと…… 私が頭をなでると あなたはだんだん心地よくなって どんどん私に甘えたくなっていきます』

―――― 『よしよしよしよしよしよし いい子いい子です』 ぼたゅん

―――― 『今 ものすごく…… 成幸さんに甘えたい…… です』

―――― 『ひざまくらしてください』 『いい子いい子してください』 『あーんしてください』

―――― 『名前で呼んでください』


理珠 「はうっ……///」

成幸 「っ……///」

あすみ 「……あん? すごいことってなんだ?」

成幸 「い、いや、それは、その、大したことじゃ……」

あすみ 「ふーん。でも眉唾だなぁ。催眠術なんてそう簡単にかかるもんじゃねーぞ?」

理珠 「む……」 プクゥ 「疑われるとは心外です」
926: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:18:03 ID:0O24lWYM
あすみ 「そう怒るなよ。こちとら医学部目指してがんばってるんだ」

あすみ 「医学界でも精神療法で催眠術を用いる場面はままあるが、テレビみたいな催眠術ってのはなぁ……」

理珠 「………………」 スッ

成幸 「緒方? おい、緒方? 五円玉を構えてどうするつもりだ!?」

理珠 「先輩。なら、試しにやってみますか?」

あすみ 「お、面白そうじゃん。アタシはそんなの絶対かかんねーからな」

理珠 「わかりました……。じゃあ、やらせてもらいます」

成幸 「いや、まずいですって先輩。本当に、絶対ろくでもないことに……」

あすみ 「何心配してんだ後輩。アタシが催眠術なんかにかかるように見えるかよ」

成幸 「……んー、まぁ確かに、先輩が催眠術にかかってる姿は想像できないですね」

あすみ 「だろ?」

成幸 (……ま、先輩のことだし。大丈夫だろう。俺は絶対あの五円玉を見ないようにしないと)

理珠 「では、始めます。小美浪先輩。五円玉をよく見つめてください」

あすみ 「はいはい、っと……」
927: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:18:41 ID:0O24lWYM
理珠 (さて、どういう暗示をかけましょうかね。以前成幸さんには “甘える” という暗示をかけましたが……)


―――― 『なぜこの少女は、意中の相手をからかって遊ぶのです?』


理珠 (そういえば、小美浪先輩もよく成幸さんをからかって遊んでいますね)

理珠 (……小美浪先輩はややあまのじゃくですからね。“素直になる” という暗示はどうでしょうか)

理珠 「小美浪あすみさん」

あすみ 「はいよー」

理珠 「あなたは、この五円玉を見つめていると、だんだんとボーッと心地よい気分になっていきます」

あすみ 「ふんふん」

理珠 「そして、あなたはだんだんと、意識が遠のいていきます」

理珠 「次に目が覚めたとき、あなたはとても素直になっています」

あすみ 「……ふーん」

理珠 「心地よくなってきましたね。意識が浮かんでいきます。少しずつ、身体が浮かぶような気持ちで……」

あすみ 「………………」

………………
928: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:19:36 ID:0O24lWYM
………………

あすみ 「………………」 ポーーーーー

成幸 「………………」

成幸 (……ほんとにかかっちゃったじゃないかー!)

理珠 「ふふふ、成功です。やはり私の催眠術の腕は確かなようですね!」

成幸 「言ってる場合か! どうするんだよ、これ!」

理珠 「安心してください。ちゃんと解き方も勉強してありますから」 ドヤッ

理珠 「……まぁ、その前に一度目覚めてもらわないといけないですね」

パン!!!

あすみ 「んっ……あれ、アタシ……」

成幸 「あ、先輩、どうですか? 気分は悪くないですか?」

あすみ 「こう、はい……?」

ギュッ

あすみ 「後輩だぁーっ♪」

成幸&理珠 「「!?」」
929: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:20:31 ID:0O24lWYM
あすみ 「えへへっ、こうはいっ、こうはいっ」 ムギューーーッ

成幸 「先輩!? な、なんでくっつくんですか!?」

あすみ 「何でって、そんなの決まってるだろー?」

あすみ 「後輩にぃ、くっつきたいからだー!」 ムギュムギュムギュッ

成幸 「っ……///」 (せ、先輩の……色々なブブンが、めっちゃ当たって……///)

理珠 「むぅ……」 プクゥ 「……随分と嬉しそうですね、成幸さん?」

成幸 「何でお前が怒ってんだ!? いいから早く催眠を解いてくれよ!」

理珠 「あっ、そ、そうですね」 オホン 「では、小美浪先輩、こっちを向いてください」

あすみ 「やっ」 プイッ

理珠 「……いや、“やっ” ではなく……」

あすみ 「やっ!」 プイプイッ 「後輩をたぶらかすGカップは、やっ!」

理珠 「じ、Gカップって……! 私が胸だけみたいなこと言うのはやめてください!」

あすみ 「やーん、Gカップが怒った。こうはーい、怖いよー」 ムギュゥッ

成幸 (ほぼ抱きつかれてるような姿勢になってるぞ!?)
930: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:21:34 ID:0O24lWYM
理珠 「むぅ……」

理珠 「いいから、こっちを向いてください! いい子ですから!」

あすみ 「アタシいい子じゃないしー」 プイッ

理珠 「ムキー!!」

理珠 「………………」

成幸 「……お、おい、緒方?」

理珠 「……先輩がこっちを向いてくれない限り、私にはどうすることもできません」

成幸 「へ?」

あすみ 「……えへへ、こうはーい♪」

理珠 「まぁ、催眠術は数時間で解けますから」 ムスッ

理珠 「先輩は、成幸さんが責任を持ってお家に届けてあげてください」 ムスムスッ

成幸 「ちょっと待て! 本当に何でお前が怒ってるんだ!?」
931: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:22:23 ID:0O24lWYM
………………帰路

あすみ 「わーい、後輩のおんぶーっ♪ ラクチン~!」

成幸 「わ、わかりましたから、あんまり騒がないでください、先輩」 フラフラフラ……

成幸 (いつもの先輩からは想像できない姿だ……)

あすみ 「えへー、ありがとなー、こうはいっ!」

ハムッ

成幸 「はうあっ!?」 ビクッ

成幸 「みっ、耳をはみはみしないでください……! あっ……ダメですって!」

あすみ 「お礼なのに……」 シューン

成幸 (こ、このままじゃ身が保たない……。早く家に送り届けないと……)
932: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:23:10 ID:0O24lWYM
………………小美浪家

成幸 「ごめんくださーい! 小美浪さん、いらっしゃいますかー?」

シーーーン

成幸 「あれ……?」

成幸 「先輩、お父さんは……?」

あすみ 「親父? 親父は今日は往診なんだ」

成幸 「……ってことは、家にはいないんですか?」

あすみ 「ん! だからふたりっきりだぜ、成くん?」 ムギュッ

成幸 「……!? な、成くんって……」

あすみ 「えへへー、今考えたんだ! ほら、アタシたち恋人同士だろ?」

成幸 「えっ」

あすみ 「なのにいつまでも先輩後輩呼びは変だろ。だから、成くん」

成幸 「い、いやいやいや、恋人同士って、それはあくまでお父さんを誤魔化すためのフリで……」

あすみ 「………………」 ウルッ

成幸 「!?」
933: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:24:01 ID:0O24lWYM
あすみ 「……成くんは、アタシが恋人じゃ、イヤってことか?」 ウルウルウル

成幸 「えっ!? いや、そういう問題じゃ……っていうか、何で泣きそうになってるんです!?」

成幸 (っていうか、これが素直な先輩って……) ボフッ (これじゃまるで、先輩が俺のこと好きみたいじゃないか……)

成幸 (いや、いやいや……いくらなんでもそれは自意識過剰すぎるな)

成幸 (先輩はきっと、俺への感謝の気持ちを “素直に” 表現してるだけだ。うん。絶対そうだ……)

あすみ 「だって……だってぇ……」 ブワッ 「成くんにフラれる~~~~!!!」

成幸 「わーー! 泣き出さないでください! ごめんなさい! 俺が悪かったですから!」

成幸 「嫌じゃないです! 先輩の恋人になれてすごく嬉しいですから!」

あすみ 「………………」 ピタッ 「……えへ~」 ニコッ

成幸 (めっちゃすぐ泣き止んだ。このあたりはいつもの先輩と一緒だ……)

あすみ 「じゃあ、成くんは、アタシのことなんて呼んでくれるんだ?」

成幸 「え……!? えっと……あー……」

成幸 (……いつもの先輩に知られたらめちゃくちゃ怒られそうだけど)

成幸 (また泣かせるわけにもいかないし……)
934: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:24:40 ID:0O24lWYM
成幸 「あっ……」 カァアアアア…… 「“あーちゃん” ……とか?」

あすみ 「………………」

成幸 (……し、しまった。気に入らなかったか?)

ニヘラ

あすみ 「……えへっ。すごくいい。ね、呼んでみてくれよ、成くん」

成幸 「あ、はい……。えっと……あーちゃん?」

あすみ 「うん。成くん。えへへ……」 ギュッ

成幸 「……っ///」 (うー、恥ずかしい、けど……)

あすみ 「?」

成幸 (やっぱり素直な先輩はめちゃくちゃ可愛い……)

ハッ

成幸 (って、何考えてんだ俺は! 催眠術にかかってる相手にそんな……)

あすみ 「ほら、成くん! アタシの部屋行って勉強しよ!」 ギュッ

成幸 「わっ、せ、先輩……じゃなくて、あーちゃん! 引っ張らないでくださいよー!」
935: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:26:05 ID:0O24lWYM
………………あすみの部屋

あすみ 「………………」

成幸 「………………」

カリカリカリ……

成幸 (ほっ。幸い、部屋についた途端、勉強モードに入ってくれた)

成幸 (先輩は根がまじめだもんな。“勉強したい” って気持ちも素直のうちなんだろ)

あすみ 「ねー、成くん。一問解けた! 解けたよ!」

成幸 「あ、はい。よくできましたね」

ナデナデナデ

あすみ 「えへへー♪」

成幸 (……まぁ、問題を解くたびに色々と要求されるけど、これくらいで済むならいいよな)

あすみ 「次の問題解けたらひざまくらしてくれるか?」

成幸 「……いや、それじゃ勉強できないじゃないですか」

あすみ 「……だめ?」 ウルウルウル

成幸 (こうやって感情に揺さぶりをかけてくるあたりはいつもの先輩と一緒だ……)
936: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:26:45 ID:0O24lWYM
成幸 「……じゃあ、一分だけですよ?」

あすみ 「! わかった!」

成幸 (……うん。まぁ、これくらいで済んで僥倖と言うべきだろう)

成幸 (緒方のときは最終的に永久機関ができあがったからな……)

成幸 (……いかんいかん。俺も勉強に集中しないと)

あすみ 「………………」

カリカリカリカリカリカリカリ……

あすみ 「……できた!」

あすみ 「えーい!」 ゴローン

成幸 「わっ……ととと……」

成幸 「もう、あーちゃん? いきなり寝転んでこないでくださいよ」

あすみ 「だって早く成くんに膝枕してもらいたかったんだもん!」

成幸 「まったく……。一分だけですからね?」

あすみ 「はーい」
937: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:27:31 ID:0O24lWYM
成幸 「………………」

カリカリカリ……

あすみ 「………………」 (……真剣な顔して勉強してる成くん、かっこいいなぁ)

あすみ (こんないい人の恋人になれて、アタシは幸せ者だなぁ……)

あすみ (……もっと、成くんと距離を縮めたいな)

成幸 「……ん。そろそろ一分ですよ、先輩。勉強を再開してください」

あすみ 「……んー、もうちょっとー!」

成幸 「約束を破るのはダメですよ。ほら、起き上がってください」 スッ……

あすみ 「はうっ……!?」

成幸 「あっ……///」

成幸 「す、すみません。先輩を起こそうと思ったけど、近づきすぎました……」

あすみ (きっ……) ボフッ (キスされるかと思った……///)

あすみ (……ん、キス?)

あすみ (キス……かぁ)
938: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:28:10 ID:0O24lWYM
成幸 「? あーちゃん?」

あすみ 「……ねえ、成くん。今から小テストやるから、終わったら採点お願いしてもいい?」

成幸 「もちろんです。がんばってくださいね、先輩」

あすみ 「………………」 ジーーーッ

成幸 「あっ……。あーちゃん……」

あすみ 「……うん!」 パァアアアアアア……!!

あすみ 「ねえねえ成くん。もうひとつお願いがあるんだけど、」

成幸 「何です?」

あすみ 「この小テスト、満点取れたらゴホービちょうだい?」

成幸 「ご褒美? また膝枕ですか?」

あすみ 「ううん。今度は……その……、……ゥ、して、ほしい……」

成幸 「?」

あすみ 「……だから……チューして、ほしい」

成幸 「へ……?」

成幸 「……い、いやいやいや! それはさすがにまずいでしょう!?」
939: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:29:04 ID:0O24lWYM
あすみ 「まずいって、どうして?」

成幸 「いや、だって、あーちゃんはいま、催眠術にかかって……」

あすみ 「催眠術にかかってると、チューしちゃいけないのか?」

成幸 「そ、そりゃそうですよ。前後不覚の女性に、そんなこと……」

あすみ 「……むぅ。そんなにアタシとチューするのイヤかよ」

成幸 「むくれてもダメですよ。さすがに、こればっかりは……」

あすみ 「……イヤなんだ」

成幸 「嫌とかそういう問題じゃなくて……」

あすみ 「成くんがイヤじゃないならいいだろ? アタシがしたいって言ってるんだぞ?」

成幸 「………………」

ハァ

成幸 「……分かりました。満点取れたらですからね」

あすみ 「!」 パァアアアアアア……!!! 「うん、がんばる!」

成幸 (……まぁ、大丈夫だろ。先輩がいまやってる問題集、かなり難しいやつだし)
940: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:29:50 ID:0O24lWYM
………………

成幸 「……!?」 (ま、満点……!?)

あすみ 「よっしゃー! 全問正解!」

成幸 「す、すごい。先輩、着実に基礎が身についてるってことですよ!」

成幸 「国立医学部、かなり現実味を帯びてきたんじゃないですか!?」

あすみ 「えへへ。ありがとな、後輩」

あすみ 「……ってことで、ゴホービ、だよな?」

成幸 「あっ……」 (わ、忘れてた……)

成幸 「いや、えっと、その……」 テヘッ 「ご褒美って何でしたっけ?」

あすみ 「あん? それでごまかせると思ってるのか、お前は?」

成幸 「……ですよね」

成幸 「いや、でも、やっぱりキスは……」

あすみ 「………………」 プクゥ 「……やっぱり、アタシとキスすんのイヤなだけじゃねーか」

成幸 「そうは言ってないですけど……」
941: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:30:26 ID:0O24lWYM
あすみ 「ならいいじゃねーか」

スッ……

成幸 「あ、あーちゃん……」

成幸 (目を閉じて、唇を尖らせて……これって……)

成幸 (俺のキスを、待ってるってこと、だよな……)

ドキドキドキドキ……

成幸 (キス……)

成幸 「………………」 グッ 「……先輩」

あすみ 「こう、はい……?」


成幸 「――……やっぱり、ダメです」


あすみ 「……っ」 プイッ 「そんなに、イヤかよ。アタシとキスするの……」

成幸 「違います。いま、先輩は催眠術にかかってるんです。だから、そんな先輩にキスをするのは、卑怯なんです」

成幸 「だから、ダメなんです。分かってください。先輩……いや、あーちゃん」

あすみ 「………………」
942: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:30:59 ID:0O24lWYM
あすみ 「……なぁ、こうは――成くん?」

あすみ 「でも、さっき言ってたよな? 約束を破るのはダメだって」

成幸 「ん……」


―――― 『約束を破るのはダメですよ。ほら、起き上がってください』


成幸 「まぁ、確かに言いましたけど……」

成幸 「でも、やっぱり……」

あすみ 「……それに、さっきの言い回しだと、アタシの催眠術が解けたら、チューしてもいいってことだな?」

成幸 「へ? いや、そういうことじゃ……なくは、ないのかな?」

成幸 「で、でも、催眠術が解けたら、そもそも先輩はべつに俺とキスなんか……――」

――ギュッ……スッ……

成幸 「へ……――」


――――――チュッ……


成幸 「……!?」
943: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:31:46 ID:0O24lWYM
あすみ 「………………」

成幸 「………………」

ッ……

あすみ 「……約束は、約束だからな。恨むなよ」

成幸 「……は? えっ? いや……えっ」

あすみ 「……お茶でもいれてくる」

トトトト……バタン

成幸 「………………」

カァアアアア……

成幸 「い、いま……き、キス……? 口に? えっ? ええっ!?」

成幸 (い、いやいやいやいやいやいやいや、お、おおおお落ち着け、俺)

成幸 (先輩は、催眠術にかかってたんだ。だから、べつに、他意はなくて、そんな大したことじゃ……)

成幸 「………………」

成幸 (……大したことじゃないわけあるかーーーー!!!)

成幸 (せ、先輩にどんな顔して会えばいいんだ? ど、どど、どうしたら……///)
944: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:32:35 ID:0O24lWYM
………………ドアの外

あすみ 「………………」

スッ……

あすみ (……チューって、結構ドキドキするもんなんだな)

あすみ (唇が熱い……気がする)


―――― 『……それに、さっきの言い回しだと、アタシの催眠術が解けたら、チューしてもいいってことだな?』

―――― 『へ? いや、そういうことじゃ……なくは、ないのかな?』


あすみ 「……おまえが悪いんだぞ、後輩」

ドキドキドキドキ……

あすみ 「催眠術が解けているなら、キスしてもいいって、言ったのはお前なんだから」

おわり
945: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:35:28 ID:0O24lWYM
………………幕間1 「あきらめた」

水希 「………………」

ピキューン!!!

水希 「お兄ちゃんがまた女とキスした気がする!!」

花枝 「………………」

和樹 「? 母ちゃん何か言わないの?」

花枝 「もうあきらめたわ」
946: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 15:36:06 ID:0O24lWYM
………………幕間2 「また」

文乃 「また相談したいことがあるって……何かあったの?」

クスッ

文乃 (……なんて、どうせりっちゃんかうるかちゃんのことだろうけど)

成幸 「……うん。実は、これはあくまで友達の話なんだけど……」

文乃 「うんうん」

成幸 「その友達が、知り合いの女の先輩とキスしちゃってさ……」

文乃 「うんう――うん?」

成幸 「……どうしたらいいかな?」

文乃 「………………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

成幸 「……? 古橋?」

文乃 (この男……)

文乃 (またゆきずりの女とフラグを……!!!)

おわり
948: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/04/06(土) 19:04:08 ID:gGGRcViI
先輩の話甘いわ
それがいいんだけどな!!

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