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562: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:38:46 ID:D3bTG5yg
………………唯我家

成幸 「ああ。ちょっと教えてもらいたくてさ」

成幸 「毎年俺と家族の分作ってくれるだろ? 今年は俺にも一緒に作らせてもらいたいんだ」

水希 「それはいいけど……」

水希 「……作ったお菓子、誰かにプレゼントするの?」

成幸 「えっ……?」

カァアアアア……

成幸 「ま、まぁ、そうだな」

水希 「……ふーん」

水希 (目を逸らして顔を真っ赤にして、あの表情……)

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

水希 (間違いない。お兄ちゃんは、作ったお菓子を誰かにプレゼントするつもりだ……!)
563: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:39:17 ID:D3bTG5yg
水希 (……どこの女にプレゼントするつもりだろう)

水希 (否。どこの誰が相手だろうと、思うことは変わらない)

水希 (……うらやましい!!!)

水希 (あーもう! どこの誰よ! わたしのお兄ちゃんからチョコを贈りたいと思われる幸せ者は!)

水希 (そんな女のためのチョコ菓子作り、協力するのは躊躇われるけど……)

成幸 「水希? なんかすごい顔してるけど……お菓子、一緒に作っちゃダメか?」 クゥーン

水希 (……こんな捨てられた子犬みたいな顔をするお兄ちゃんのお願いを断れるわけないじゃない)

水希 「いいよ、お兄ちゃん。一緒にとっても美味しいお菓子作ろうね」

成幸 「本当か!? ありがとう! 助かるよ」

成幸 「俺ひとりじゃ美味しく作れる気がしなかったからさ……」

成幸 「……せっかく贈るなら、美味しいのを食べてもらいたいからさ」

水希 (っ……) ズキューン (健気!!! 健気すぎ! 可愛すぎだよお兄ちゃん……!)

水希 (こんなに可愛いお兄ちゃんからチョコをプレゼントされる女……)

水希 (許すまじ……!)
564: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:39:59 ID:D3bTG5yg
………………

水希 「じゃあ、チョコ作りを始めるよ、お兄ちゃん」

成幸 「はい! よろしくお願いします、水希先生」

水希 「や、やだなぁ、先生だなんて……。えへへ」

水希 (先生かぁ……)


ポワンポワンポワンポワン………………

成幸 『水希先生、聞きたいことがあるんですけど……』

水希 『あら、何かしら。成幸くん』

成幸 『あの……先生のことを考えるとドキドキして、頭がボーッとして……』

成幸 『俺、病気なんですかね……』

水希 『あらあら。ふふふ、そうね。病気かもしらないわね』

水希 『でも大丈夫よ。それは、恋の病だから』

成幸 『恋の病……?』

水希 『今から先生が治してあげる。ほら、こっちにおいで。成幸くん』
566: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:40:39 ID:D3bTG5yg
………………ポワンポワンポワンポワン

水希 「……えへへ、うふふ……ぐふっ」 クネクネクネ

成幸 「水希? おい、大丈夫か?」

水希 「はっ……生徒成幸くんとわたしはどこに……?」

成幸 「何を言ってるんだお前は……」

水希 「あ……」 ハッ 「ご、ごめんね、お兄ちゃん。ちょっと考え事をしてただけだよ」

成幸 (どんな考え事をしていたんだか気になるが怖いからスルーしよう……)

水希 「じゃあはりきってやっていこー! 今年作るのはしっとりチョコマフィンだよ!」

成幸 「しっとりチョコマフィン……」 キラキラ 「想像するだけで美味しそうだな」

水希 「生地にココアパウダーを混ぜるだけだと、普通のチョコマフィンになっちゃうから、」

水希 「今日は湯煎して溶かしたチョコを生地に混ぜていくよ」

成幸 「はい、先生!」

水希 「ということでお兄ちゃん、この割れチョコを湯煎するから、包丁で細かく刻んでね」

成幸 「わかった。刻めばいいんだな」
567: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:41:21 ID:D3bTG5yg
成幸 「………………」

ザクザクザクザク……

水希 「えへへ……」 (なんか、こうやって一緒に台所に立っていると……)

水希 (新婚さんみたいだよぅ……)

成幸 「……ふぅ。これくらいでいいか?」

水希 「あ、うん。十分だよ。じゃあ、その刻んだチョコをこのボウルに入れて、バターも入れて……」

水希 「今度はヘラで、ゆっくりかき混ぜながら溶かしてね」

成幸 「わかった。まかせとけ」

水希 (はぅぅ……) キュンキュンキュン (本当に新婚みたいだよ……鼻血出そう……)

成幸 「………………」 ペタペタグルグル

水希 (……すごい、真剣な顔)

水希 (プレゼントする相手のために、あんな顔してるんだよね……)

ズキッ

水希 「っ……」 (悔しいな……)
568: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:42:34 ID:D3bTG5yg
………………

成幸 「最後に、余った割れチョコを上に乗せて……っと。これで生地は完成か?」

水希 「うん。お疲れ様、お兄ちゃん。あとはオーブンで焼くだけだよ」

成幸 「美味しく出来るかな。不安だけど……」 ニコッ 「水希と一緒に作ったんだから、美味しくないはずないよな」

水希 「えへへ。きっと美味しいよ、お兄ちゃん」

水希 「………………」

水希 「……ねえ、お兄ちゃん」

成幸 「うん?」

水希 「こんなにたくさんのマフィン、誰にあげるつもりなの?」

成幸 「ああ、いつもお世話になってる人たちに配りたいと思ってさ」

成幸 「小林とか大森とか……あとは、古橋、緒方、うるか、先輩、先生……」

成幸 「今年一年で友達が増えたからさ。他にも渡したい奴がいるんだ」
569: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:43:06 ID:D3bTG5yg
水希 「そっか……。じゃあ、これは誰にあげるの?」

水希 「……この、ひとつだけ大きいカップのマフィンは」

成幸 「う゛ぇっ……!?」 ギクッ 「い、いや、それは……その……」

成幸 「誰というか……その……」

水希 「………………」 ジーーーッ

成幸 「……な、ナイショ」

水希 「……そっか。わかった」

水希 「無理に聞くつもりはないよ。でも、その人はお兄ちゃんにとってとても大事な人なんだね」

成幸 「あっ……」 カァアアアア…… 「そ、そうだよ。とても……大事な人だよ」

水希 「……うらやましい」 ボソッ

成幸 「へ? なんか言ったか?」

水希 「ううん。なんでもないよ」

ニコッ

水希 「その人が、美味しく食べてくれるといいね」

成幸 「……おう!」
570: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:43:47 ID:D3bTG5yg
………………バレンタインデー当日 一ノ瀬学園 3-B教室前

うるか 「………………」 ドキドキドキドキ…… (手作りのチョコケーキ……)

ガサッ

うるか (持ってきちったけど、これ、成幸に渡せるかな……)

うるか (あー、もう! あたしのバカバカバカー!)

うるか (義理チョコと同じラッピングにすればよかったのに、)

うるか (成幸のラッピングだけめっちゃハートだよ!! こんなの……)

うるか (……これが本命だってバレバレじゃん……////)

理珠 「? おや、うるかさんじゃないですか」

うるか 「あ、リズりん。おいっすー」

理珠 「うるかさんもチョコレートを成幸さんに渡しに来たんですか?」

うるか 「え? あ、うん。そうだケド……。ひょっとしてリズりんも?」

理珠 「はい。成幸さんにはいつもお世話になってますから」

理珠 「揚げたうどんにチョコをトッピングしたうどんチョコです。美味しいですよ」

理珠 「うるかさんの分もありますので、おひとつどうぞ」
571: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:44:23 ID:D3bTG5yg
うるか 「あ、うん。ありがとう、リズりん」

うるか (うどんチョコ……。見た目はポッキーみたいで美味しそうだけど……)

ハムッ

うるか 「……あっ、これめっちゃ美味しい」

理珠 「ふふふ。そうでしょうそうでしょう。うどんは何にでも合うんです」 ムフー

うるか 「じゃあ、あたしからもリズりんに。チョコケーキだよ」

キラキラキラ

理珠 「お、おお……。ありがとうございます、うるかさん。キラキラしててとても美味しそうです」

うるか 「えへへ。お口に合うと嬉しいな」

ワイワイワイ
572: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:44:59 ID:D3bTG5yg
………………物陰

文乃 「………………」

文乃 (で、出て行きにくい……)

文乃 (昨日は手作りチョコにチャレンジしてみたものの、できあがったのはダークマターだし……)

文乃 (味は美味しいかもと思ってお父さんに無理矢理食べさせた――もとい、食べさせてあげたら)


―――― 零侍 『後生だから二度と台所に立たないでくれ』


文乃 (……仲直りからこっち、久々に見たなぁ。あんな真顔のお父さん)

文乃 (だから、朝コンビニで買ってきたチョコしかないよ……)

文乃 (うるかちゃんの綺麗にラッピングされたチョコと、りっちゃんの独創的なチョコと比べられるの、イヤだなぁ……)

文乃 (とりあえず、今は回れ右で教室に帰ろ……――)

「――……あらぁ~、古橋さんじゃないですか~」

文乃 「……!?」

うるか 「へ? 文乃っち? と、鹿島っち」

理珠 「おや、文乃。奇遇ですね。文乃もチョコレートを成幸さんに渡しに来たのですか?」
573: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:45:59 ID:D3bTG5yg
文乃 「い、いや、わたしは……っていうか!」

鹿島 「ふふふ~」 ニンマリ

文乃 「鹿島さん! いまわざと大声でわたしのこと呼んだよね!? っていうかどこから出てきたの!?」

鹿島 「さて~? 何のことやら~」 クスクス 「ではわたしは教室に戻る途中でしたので、これで失礼します~」

うるか 「? どうかしたん、文乃っち?」

文乃 「べつに、なんでもないけど……」

文乃 (うぅ、近くで見れば見るほど、豪華なチョコだようるかちゃん……)

うるか 「ま、いいや。はい、文乃っち。これ文乃っちのだよ」

理珠 「私からもどうぞ。うどんチョコです!」

文乃 「あ……ありがとう。嬉しいな」

文乃 「……わたしからも、これ。手作りじゃなくて申し訳ないけど……」

うるか 「あー、コンビニのバレンタイン限定スイーツじゃん! こーゆうの美味しいんだよねー! ありがとう、文乃っち!」

理珠 「ふむふむ。最近のコンビニはうどんも美味しいですからね。これもきっと美味しいのでしょうね」

理珠 「ありがとうございます、文乃」

文乃 (うぅ……。ひとりだけ既製品って、わたしだけ女子力ゼロみたいだよぅ……)
574: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:46:49 ID:D3bTG5yg
うるか 「じゃ、みんなで成幸にチョコ渡しに行こー!」

文乃 「えっ……!? いや、わたしは……」

うるか 「ってことで、B組に失礼しまーす!」 ガラッ

文乃 (即断即決!? 行動が早いようるかちゃん!)

成幸 「ん? おお、うるかに緒方に古橋か。どうかしたのか?」

うるか 「またまたー、とぼけちゃってー」 カァアアアア……

うるか 「ど、どーせ、チョコをもらえるかもらえないか、昨日は不安で夜も眠れなかったでしょー?」

文乃 (恥ずかしさをこらえるためにわざとテンションを上げてるんだねうるかちゃん。健気な子……)

成幸 「ああ、チョコか。わざわざ作ってきてくれたのか。ありがとな、うるか」

うるか 「え、えへへ……///」

文乃 (そしてさすがだね成幸くん。明らかに本命と覚しきピンクピンクしたハートまみれのラッピングなのに、)

文乃 (眉一つ動かさずお礼を言えるなんて……。まったく分かっちゃいない顔だよあれは)

理珠 「わたしからも、どうぞ。うどんチョコです!」

成幸 「お、おお。また斬新なチョコレートだな。でも美味しそうだ。緒方もありがとな」

理珠 「いえいえ、成幸さんにはいつもお世話になっていますから」
575: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:47:32 ID:D3bTG5yg
文乃 「わ、わたしも……手作りじゃないけど、あげるね」

成幸 「古橋もありがとう。買ってきてくれるだけ嬉しいよ」

文乃 (まぁ、成幸くんはわたしが料理下手だって知ってるもんね……)

文乃 (手作りを期待したりはしてくれないよね)

成幸 「ちょうど良かったよ。俺も放課後渡そうと思ってたけど、いま渡しちゃうな」

文乃 「へ……?」

成幸 「チョコマフィン、昨日水希と一緒に作ったんだ。チョコがしっとりしてて美味しいぞ」

うるか 「な、成幸の手作り!?」

理珠 「ふぉぉお……とても美味しそうです!」

文乃 「………………」

成幸 「べつに男子が贈ってもいいかな、って思ってさ。いつもお前たちにはお世話になってるし」

成幸 「……いつもありがとな」

うるか&理珠 「「……っ」」 ズキューン

文乃 (……ハートを撃ち抜かれた音がしたよ。正直、わたしも撃ち抜かれたい気分だけど) ズーン

文乃 (意中の男の子に既製品のチョコをあげ、その男の子から手作りチョコを返されるわたしって……) ズズズーン
576: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:48:12 ID:D3bTG5yg
文乃 「………………」 ガサガサ

ハムッ

文乃 「……あっ、美味しい」

成幸 「本当か!? いや、一応味見はしたけど、みんなの口に合うか不安でさ……」

文乃 「これ、本当に美味しいよ。マフィンなのにパサパサしてなくて、チョコでしっとりしてる……」

理珠 「わ、私も食べてみます!」  うるか 「あ、あたしも!」

ハムハムハムッ

理珠 「ほあああああ……!! 文乃の言うとおりです! とても美味しいですよ、これ!」

うるか 「うんまーーーーい! さっすがみずきん。とっても美味しいよ!」

成幸 「おいおい、作ったのは一応俺だぞ?」

うるか 「分かってるよー。ありがとね、成幸」

文乃 (手作りチョコをくれるだけでもアレなのに、その上美味しいなんて……) ズズズズーン

文乃 (こ、こうなったら……練習して練習して練習しまくって、美味しいチョコを作ってみせるんだから!)

文乃 (とりあえず今日も作ってみて、またお父さんに食べてもらおう……!!)
577: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:49:07 ID:D3bTG5yg
………………大学

零侍 「っ……!?」

ゾクッ

学生 「? 古橋先生? どうかしましたか?」

零侍 「い、いや、何でもない……」

零侍 (な、なんだ、今の悪寒は……。明確な殺意を向けられたような感覚だったが……)
578: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:49:56 ID:D3bTG5yg
………………夕方 唯我家

水希 「………………」


―――― 『無理に聞くつもりはないよ。でも、その人はお兄ちゃんにとってとても大事な人なんだね』

―――― 『そ、そうだよ。とても……大事な人だよ』


水希 (……お兄ちゃん、“大事な人” に渡せたかな。あのチョコマフィン)

水希 (昨日、オーブンで焼いた後、あの一際大きなチョコマフィンに、ホワイトチョコペンで何か書いてたし……)

水希 (あれは間違いなく本命用だよね……)

ズキズキ……

水希 (……はぁ。昨日は作りながら、何度も頭をよぎった。マフィンをまずくしてやろうか、って)

水希 (でも、食べ物を粗末にするのは絶対にしちゃいけないことだし、何より……)


―――― 『……せっかく贈るなら、美味しいのを食べてもらいたいからさ』


水希 (あんな顔をするお兄ちゃんの邪魔なんて、絶対できないよね……)

ガラッ
579: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:50:26 ID:D3bTG5yg
成幸 「ただいまー!」

葉月 「兄ちゃん帰ってきたー!」 和樹 「帰ってきたー!」

水希 「ん……」 (お兄ちゃん、もう帰ってきたんだ。今日は早いなぁ)

トトトト……

水希 「おかえり、お兄ちゃん。チョコマフィン、食べてもらえた?」

成幸 「ああ、おかげさまで大好評だったよ。みんな美味しい美味しいって喜んでたよ」

成幸 「ありがとな、水希」

水希 「どういたしまして。でも、わたしは何もしてないよ。お兄ちゃんががんばったから美味しくできたんだよ」

ドキドキドキドキ……

水希 「……あの大きなマフィンも渡せたの?」

成幸 「ん……ああ、あれか……」

クスッ

成幸 「実はまだ渡せてないんだよ。これからだな」

水希 「これから……?」
580: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:51:04 ID:D3bTG5yg
………………

成幸 「冷蔵庫の中に……あったあった」

水希 「あっ……昨日の大きいマフィン。冷蔵庫に入れてたの?」

成幸 「ああ。帰ってきたら渡そうと思ってたからさ。ってことで……」

成幸 「はい、水希。いつもありがとう」

水希 「へ……?」

水希 「……こ、これ……わたしに?」

成幸 「毎年お前からチョコをもらってさ、今年は俺もお前にあげたくてさ……」

成幸 「でも俺一人じゃ美味しく作れないと思ったからさ、本末転倒だとは思ったけど、お前に教えてもらったんだ」

水希 「あっ……ありがとう……」


 『いつもありがとう』


水希 「あっ……」 (お兄ちゃん、昨日チョコペンでこれを書いてたんだ……)

水希 (わたしのために……)
581: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:51:55 ID:D3bTG5yg
水希 (そ、そっか……)


―――― 『無理に聞くつもりはないよ。でも、その人はお兄ちゃんにとってとても大事な人なんだね』

―――― 『そ、そうだよ。とても……大事な人だよ』


水希 (“大事な人” って……)


―――― 『……せっかく贈るなら、美味しいのを食べてもらいたいからさ』


水希 (わたしのこと、だったんだ……)

水希 (ど、どうしよう……)

カァアアアア……

水希 (う、嬉しすぎて、お兄ちゃんの顔も見られない……)

水希 (今すぐ踊り出したいくらい、嬉しい……!)

クイクイ

水希 「ん……?」

葉月&和樹 「「………………」」 キラキラキラ
582: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:52:35 ID:D3bTG5yg
水希 「あっ……」

クスッ

水希 「葉月と和樹も食べたいよね。じゃあ、お茶にしましょ」

水希 「このお兄ちゃんの手作りマフィン、みんなでわけっこして食べようね」

葉月&和樹 「「わーい!」」

水希 「お兄ちゃんも一緒に食べよ」

成幸 「ああ。ありがとう」

水希 「えへへ……」

水希 (お兄ちゃんにとって、“大事な人” って……)

水希 (古橋さんでも緒方さんでも、武元先輩でもなく……)

水希 (わたしなんだね……///)

水希 「……ねえ、お兄ちゃん」

成幸 「ん?」

水希 「わたしも、お兄ちゃんのこと、大好きだからねっ」

おわり
583: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:53:26 ID:D3bTG5yg
………………幕間1  『ダブスタ』

女子1 「鈴木先生、バレンタインのチョコです。どうぞっ」

鈴木先生 「おお、わざわざすまんな。ありがとう」

女子1 「あと、佐藤先生も、どうぞ!」

佐藤先生 「手作りかー。嬉しいよ。ありがとう」

真冬 「………………」 (……まったく。お菓子とはいえ、生徒と物の授受をするなんて)

真冬 (鈴木先生も佐藤先生も、教員としての自覚が足りないのではないかしら)

成幸 「失礼します」 ガラッ 「3年B組の唯我成幸です。桐須先生、お願いします」

真冬 「? 唯我くん。どうかしたの?」

成幸 「いえ、大したことじゃないんですけど……」

成幸 「これ、昨日妹と手作りしたチョコマフィンです。よかったら食べてください」

真冬 「へ……?」 カァアアアア…… (唯我くんが、私のために……?)

成幸 「? 先生?」

真冬 「あっ……ありがとう。いただくわ」

真冬 (ま、まぁ、バレンタインデーだものね。お菓子くらいは大目に見るべきね!)
584: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/14(木) 23:54:10 ID:D3bTG5yg
………………幕間2 『殺意の正体』

零侍 「………………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

零侍 (この世のものとは思えない、禍々しい瘴気が立ち上っている……)

零侍 (……果たして、私は明日の朝日を拝むことができるだろうか)

文乃 「………………」

ニコッ

文乃 「お父さん、お帰りなさい。ちょうどよかったよ。いまできたばかりなの」

零侍 (見てくれているかい、静流。私たちの娘はこんなに立派に育ったよ)

文乃 「……さ、たくさんあるから、どんどん食べてね、お父さん」

零侍 (そして私は、思ったより早く君の元に行くことになりそうだよ)

おわり
589: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/15(金) 12:18:04 ID:CxwohszY
ダークマターでもいいから是非食べてみたいですね
591: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/02/16(土) 20:03:29 ID:y4BgMncg
更新乙
貧乳で料理下手っていいよな(混乱)

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