- 1: 2013/05/14(火) 19:24:55.99 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「そも……女一匹音無小鳥」
小鳥「ハタチをちょいと過ぎたけど、諦めきれない華燭之典……」
小鳥「現れ出でたる好青年、ティンと来たわよ立ち姿!」
小鳥「アレやコレやと妄想し、君との恋を疑似体験」
小鳥「夢で微笑む君の顔、現の君は知らぬ顔」
小鳥「夢こそまことと言うけれど、現の夢には程遠い」
小鳥「こうなりゃヤケだよ独り身の、狂気に満ちた恋煩い」
小鳥「色の眼鏡で君を見て、色を仕掛けて何を得る……」
小鳥「ネズミちゅうちゅう三ちゅうちゅう、窮鼠猫噛むこともあり」
小鳥「ヒヨコぴよぴよ三ぴよぴよ、鷹を落とすか我小鳥」
小鳥「さて……」
- 4: 2013/05/14(火) 19:27:02.10 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥(本日は晴天なり……)
P「えーっと、この企画が春香で……あっ、違った……」
小鳥(ふっふっふ……プロデューサーさんは熱心に仕事をしてるわ)
小鳥(聞くところによると、今日はしばらく外出しないとか……)
小鳥(ということは、それまでは二人きり)
小鳥(イッセ・イチダイノBIGショウブ、カミカゼアタックノチャンスナリ!!)
小鳥(私だって、まだ捨てたもんじゃないんだから……)
P「いや、これは捨てていいかな……」
小鳥「えっ?」
P「あ、いえ……コッチの話です」
小鳥(びっくりした) - 5: 2013/05/14(火) 19:30:23.28 ID:1AUjuFLh0
- P「…………」
小鳥(まずは、後ろから近づいて……)
P「う~ん……ここにやよいを持ってきて……」
小鳥「プロデューサーさぁ~ん」
ムニュ
P「わっ! こここ小鳥さん!? ど、どうしました?」
小鳥「なぁにやってるんですかぁ~?」
P「な、何って……仕事です」
P(当たってるんですけどー!)
小鳥(うふふ……照れてる照れてる)
P「みんなのスケジュールの調整を……」
小鳥「へぇ~プロデューサーさんすっごぉ~い」
P「あはは……そ、そんなことないですよ」
小鳥「そんなことありますよぉ」 - 7: 2013/05/14(火) 19:34:26.73 ID:1AUjuFLh0
- P「あ、あの……小鳥さん?」
小鳥「なぁに?」
P「その……肩に、当たって……」
小鳥「えー何が当たってるんですか?」グイグイ
P「い、いえ……」
小鳥「うふふっ、ヘンなプロデューサーさん」
P「ちょ! み、耳元で囁かないでくださいッ!」
小鳥「顔が真っ赤ですね。 耳が良いんですか? ふぅ~」
P「うひゃぁ!」ゾクゾク
小鳥(いやん、可愛い!)
P「どうしたんですか急に?」
小鳥「どうもしませんよ。 コーヒー淹れてきますねー」
P「……あービックリした」
小鳥(よしよし、こうかはグンバツだ!) - 10: 2013/05/14(火) 19:42:57.52 ID:1AUjuFLh0
- P「…………」
P(……小鳥さんがオカシイ)
P(何か変なものでも食べたんじゃ……)
P(もしくは、何か悩みでもある……のか?)
P(言いにくい悩みで、だからあぁいったアプローチを……?)
P(だとしたら、一体どんな……)
P「…………」
P(柔らかかったな……小鳥さんの……)
P(なんか良い匂いがしたし……)
P(って、何考えてんだ俺はーーッ!)
P(小鳥さんが深刻な悩みを抱えているってのに……)
P(出て行けー俺の煩悩!!)ブンブン!!
小鳥(ふふっ、頭が取れそうなくらい首を振ってる)
小鳥(次は何をしようかしら……あっ、そうだ!)
小鳥(ちょっと色仕掛けとは違うかもしれないけど……) - 12: 2013/05/14(火) 19:49:19.91 ID:1AUjuFLh0
- P「…………」
P(小鳥さん……給湯室から戻ってこないな)
P(まさか……隠れて泣いてるとか……)
P(そんなに嫌なことがあったのか……?)
P(心配だな……何も起きなきゃいいが……)
どんがらがっしゃ~ん!!
P「さっそく何か起きたー!!」
P「な、何だ今の音!?」
小鳥「あぁ~ん! プロデューサーさーん、タスケテェ~」
P「小鳥さん!? す、すぐ行きます!!」
小鳥「はやくぅ~」
P「分かってます分かってます!」 - 13: 2013/05/14(火) 19:53:09.85 ID:1AUjuFLh0
- P「あれ? 給湯室の扉はいつも開けてるのに……」
P「……って、そんなこと今はどうでもいい!!」
小鳥(遅いなぁ……)
小鳥「プロデューサーさーん、まだぁ~?」
P「は、はいただいま!」
ガチャ!
P「小鳥さん! どうしました!?」
小鳥「イタタタタ……」
P「」 - 14: 2013/05/14(火) 19:58:46.15 ID:1AUjuFLh0
- P(備品の入ったダンボールの山から、小鳥さんのお尻が顔を出してる!)
P(やっぱり白か……ってそんなこと言ってる場合か!)
P「だ、大丈夫ですか!? ほら、つかまって!」
小鳥「ごめんなさい……転んじゃって……」
P「怪我は無いですか? どこか捻ったりとか……」
小鳥「大丈夫みたいです」
小鳥(そうよ……これが春香ちゃんに学んだ、痛みは少なく音の大きな転び方!)
小鳥「あの……み、見ました?」
P「い、いえ……えっと………ゴメンなさい」
小鳥「私の方こそゴメンなさい……お見苦しいところを……」
P「そんなことないですよ! すごく素敵で……ってそうじゃなくて!!」
P「はぁ……何言ってんだ俺……」
小鳥(いいわよいいわよ! これも効果大ね!)
小鳥(よし、頃合を見計らって……) - 16: 2013/05/14(火) 20:11:42.93 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「あっ……い、痛い!」
P「大丈夫ですか!? どの辺が痛いですか?」
小鳥(『大丈夫? 結婚する?』とはならないかやっぱり……)
小鳥「あの……脚が……」
P「あ、脚……ですか?」
小鳥「さ、さすってくれたら楽になるかも」
P「いや、流石にそれは……」
小鳥「痛い……うぅ」
P「わ、分かりました!」
P「……いきますよ?」
小鳥「……はい」
サワサワ
小鳥「んっ……あん……」
P「////」
小鳥(プロデューサーさん、顔が赤いわ………私もだけど////) - 18: 2013/05/14(火) 20:24:31.31 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「あっ……や、やぁ……」
小鳥(なんか……触り方が上手……)
P(俺、こんなことしていいのかな……)
小鳥「んんっ! ふぁ……あん……」
P「…………ゴクリ」
小鳥(こ、これ以上はマズイわ!)
小鳥「ももももう平気です!」
P「FSSFSSFSSFSSFSSFSSFSS……」
スリスリスリスリスリスリ……
小鳥「ちょ……プ、プロデューサーさん?」
スリスリスリスリスリスリ……
小鳥「いや……あぁん……ダ、ダメェ」
P「…………」
小鳥(完全に我を忘れてる……) - 21: 2013/05/14(火) 20:37:15.76 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「プ、プロデュ……んっ……サ……ふぁ……」
小鳥「これ以上は……ダメ……ですぅ……」
P「FSSFSSFSSFSSFSS…………ハッ!?」
P「ご、ごめんなさい!! つい……」
小鳥「い、いえ……ありがとうございました」
P「ホント、すいません」
小鳥「いいんです……その……気持ち良かったですから」
P(ど、どっちの意味だろう……ってアホか俺は)
小鳥「もっと触りたかったですか?」
P「えぇそりゃーもちろん……って違います!」
小鳥「違うんですか……」
P「いや、正直に言ったら触る以上のことを……」
小鳥「触る以上のこと?」
P「な、なんでもないです! ほら、仕事に戻りますよ!!」
小鳥「うふふっ……はーい」 - 23: 2013/05/14(火) 20:49:13.75 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥(ふぅ……ちょっと危なかったけど、何とか成功!)
小鳥(でも、もう少しでエクスタシーに達するところだったわ)
小鳥(気をつけないと、自爆しちゃうわね……)
P(ふぅ……危なかった……)
P(もう少しでエスカレートしてしまうところだった)
P(気をつけないと、ただの犯罪になってしまうぞ……)
小鳥(さて、次はどうしようかなぁ~)
小鳥(今のが結構過激な感じだったし……)
小鳥(気を落ち着かせる為にも、今度はソフトに……)
小鳥「…………あふぅ」
P「???」
小鳥「あっごめんなさい……欠伸が出ちゃいました」
小鳥「…………ん?」
小鳥(こ、これだわっ!) - 24: 2013/05/14(火) 20:51:14.20 ID:1AUjuFLh0
- P「…………」
小鳥「…………」
P(あれから何事も無かったかのように仕事してるな……)
P(ん~わからん。 一体小鳥さんはどういうつもりなんだ?)
小鳥「…………あふぅ」
P(やたらスキンシップしてくるかと思えば、あんなドジ踏むなんて小鳥さんらしくないし)
小鳥「すぅ……すぅ……」
P(とりあえず様子を見るしか……)
P「ん?」
小鳥「ぐぅ……ぐぅ……」
P「あ、あれ? 寝てる」
小鳥(気づいたわねプロデューサーさん!)
小鳥(これが美希ちゃんを観察しまくって習得した、マジ寝をする人の吐息!)
小鳥(まさか嘘寝だとは思うまい……ククク) - 25: 2013/05/14(火) 20:54:45.18 ID:1AUjuFLh0
- P「なんだ……小鳥さん、疲れてたのか」
P「このまま寝かせてあげよう……少しぐらいなら平気だろうし」
P「もし受け持ちの仕事が間に合わないようなら、手伝えばなんとかなるだろう」
P「……おやすみなさい」
小鳥「…………」
小鳥(プロデューサーさん……)
小鳥(ハッ!? だ、だめよ小鳥! 罪悪感なんて抱いている暇はないわ!)
小鳥(早く次のフェイズに……)
小鳥「う、うぅ~ん……」
P「ん?」
小鳥「……プロデューサーさ~ん」
P「寝言かな……?」
小鳥「す、す……す……き」
P「えっ」
小鳥「す……き、です」 - 27: 2013/05/14(火) 20:59:28.84 ID:1AUjuFLh0
- P「い、いま……すきって……」
小鳥「……////」
小鳥(……まずいわ! 私が照れちゃダメなのに……)
P「ま、まぁただの寝言だし……な」
小鳥(違うんだなぁそれが……)
P(寝言でも……ちょっと嬉しいな)
小鳥(目を瞑っててわからないけど、ものすごく視線を感じるわっ!)
小鳥(あっ! そうだった……次の段階に……)
小鳥「う、うぅ~ん……さ、さむ……」
P(寒そうにしてるな……)
P「えーっと……俺の上着でいいかな」
ファサ
小鳥「…………」
小鳥(どうかと思ってたけど、上着かけてくれた……)
小鳥(やっぱりプロデューサーさん、やさしいなぁ) - 28: 2013/05/14(火) 21:10:57.14 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥(って、このままだと本当に寝ちゃうわね……)
小鳥「……はっ!」
P「おっと!」
小鳥「ご、ごめんなさい! 寝ちゃってたみたいで……ってあれ? この上着……」
P「あぁ、寒そうだったので。 寝ると体温下がりますからね」
小鳥「ま、まさか! 上着をかけるフリして、ヘンなことしたんじゃ……」
P「……は?」
小鳥「さっき私のパンツ見て、脚を触ったから……ム、ムラムラしちゃったんでしょ!」
P「ご、誤解ですって!」
小鳥「ホントですかぁ?」
P「もちろん!」
小鳥「なんか……服も乱れてるし」
P「それは小鳥さんの寝相が悪いからです!」
小鳥「ってことは、そんなに私をジッと見てたんですね?」
P「い、いえ……」 - 31: 2013/05/14(火) 21:22:33.17 ID:1AUjuFLh0
- P「小鳥さん、疲れてるんですよ」
小鳥「えっ?」
P「だからそういう風に感じちゃうんですって」
小鳥「じゃあ、本当に何もしてないんですか?」
P「当たり前じゃないですか!」
小鳥(よしよし、いい流れよ)
小鳥「はぁ……」
P「あ、あれ?」
小鳥「なぁーんか、そんなに強く否定されると……」
P「へ?」
小鳥「そうですよね……私なんて、ただの残念な事務員ですよね……」
P「そんなことないですって!」
小鳥「手を出してくれる人も居なくて……このまま死んでいくんだわ!」
P「そ、そんなに自分を卑下しないでください!」 - 32: 2013/05/14(火) 21:34:23.60 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「上着、お返しします」
P「あ、はい」
小鳥「はぁ……」
P「…………」
P(なんとなく、情緒不安定な感じがするな……)
小鳥「…………」チラッチラッ
P(やっぱり、何か悩みがあるんだよ……)
小鳥「…………」チラッチラッ
P(くっそう! こんなに辛そうな小鳥さんに、何もしてあげられないなんて……)
P(……何がプロデューサーだよ)
小鳥(うんうん、私の色仕掛けが効いてるようね)
P(俺はどうすればいいんだ……)
小鳥(次はどうしようかな……)
P(何か方法があるはずだ……)
小鳥(もっと効果的な方法があるはずよね……) - 35: 2013/05/14(火) 21:45:19.87 ID:1AUjuFLh0
- P(俺はこんなことでいいのか……?)
P(アイドル達には気を遣ってるくせに、目の前の女性には何も出来ないなんて……)
P(アイドルが売れればそれでいいのか? それ以外のことはどうでもいいのか?)
P(違うはずだ!)
P(俺にとって、小鳥さんはアイドルと同じだ!)
P(どんな悩みなのかは分からないが、アイドルに気を取られるあまり……)
P(小鳥さんへの気遣いを忘れるようでは、プロデューサー失格だ!)
P(いや、何もプロデューサーとしてそう思っているわけではない)
P(俺は……俺は小鳥さんが……)
P(とにかく! どうにかして、いつもの小鳥さんを取り戻さないと)
P(その為だったら、俺はなんだって出来る!)
P(この身体がどうなろうが、構うものか)
P(でも、一体どうすれば……)
P「…………」
P(それとも、ただのイタズラか?) - 37: 2013/05/14(火) 21:50:53.47 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥(なんかプロデューサーさんが難しい顔してるけど、そろそろ次に行かないと)
小鳥(といっても、次は何をすればいいかな……)
小鳥(う~ん、普段は妄想があふれ出てくるんだけど)
小鳥(こういうときに限って、なかなか浮かばないのよねぇ)
小鳥(……というか、色仕掛けなんてしたことないんだったわ)
小鳥(する機会がなかったから……ってやかましいわっ!)
小鳥(とにかく! どうにかして、プロデューサーさんをその気にさせないと)
小鳥(その為だったら、私……どんな恥ずかしいことでも出来ちゃうんだから)
小鳥(もうこの身体を全部差し上げたって構わないわ!!)
小鳥「…………」
小鳥(それはちょっと恥ずかしいけど)
小鳥「…………」
小鳥(さて、どうしよう……) - 38: 2013/05/14(火) 21:57:22.40 ID:1AUjuFLh0
- P(もし……俺をからかってるとしたら……)
P(その場合は……俺はどうしたらいいんだ?)
P(……あぁそうか)
P(悩んでたとしても、ただのイタズラだったとしても……)
P(どちらにしろ、俺にはどうしたらいいのか分からないんだ)
P(情けない奴だな、俺という男は)
P(しかし何もしないわけにもいかないな)
P(う~ん、とりあえずは待とう)
P(小鳥さんの様子を見て、判断するしかない)
P(悩んでいるのか、それともからかっているのか……)
P(しかし……どちらかと言うと、イタズラであってもらいたいな)
P(それだと被害を受けるのは俺だけだし、小鳥さんは悩みがないってことだし)
P(もちろん、イタズラなんてして欲しくはない)
P(そりゃ俺だって、度が過ぎたイタズラにはイラッとするけど……) - 39: 2013/05/14(火) 22:04:51.98 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥(……あっ! 一番ベタなやつを忘れてたわ)
小鳥(まずこれをやるべきだったわね……よーっし!)
小鳥「はぁ~あ、なんだか暑くなってきちゃった……」
P「…………」
小鳥「上着なんて脱いじゃおうかしら……」
P「…………」チラチラ
小鳥(見てる見てる!)
P「…………」
小鳥「ソックスも脱いじゃおうかなぁーなんて……」
P「……小鳥さん!!」ダンッ!!
小鳥「わっ! ど、どうしたんですか? 急に立ち上がって……」
P「ちょっと会議室行きましょうか、会議室」
小鳥「えっ? あれ?」
小鳥(お、怒ってる……?)
P「……はぁ」 - 41: 2013/05/14(火) 22:13:45.29 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「あ、あの……違うんです! これは……」
P「いいから、早く」
小鳥「あぁ……そ、そんな……」
小鳥(どうしよう……どう……しよう)
小鳥「違うんです! チガウんです!!」
P「……何が違うんですか?」
小鳥「う、うぅ……」
P「ほら、早く行きますよ」グイッ
小鳥「ご、ごめんなさい! 謝りますから、待ってください!」
P「い・い・か・ら・き・な・さ・いっ!!」
小鳥「ごべんなざいー!!」 - 42: 2013/05/14(火) 22:22:18.16 ID:1AUjuFLh0
- 会議室
小鳥「うぅ……ぐすっ」
P(大泣きする大人なんて、久しぶりに見た……)
P「えっと……」
小鳥(プロデューサーさんに嫌われた……絶対嫌われた)
P「小鳥さん」
小鳥「は、はい……」
P「どうして、早く相談してくれなかったんですか?」
小鳥「……えっ」
P「確かに俺は頼りないかもしれませんし、異性だから言い難いことなのかもしれない」
P「でも俺は、小鳥さんも受け持ちのアイドルと同じだと思ってるんです!」
小鳥「え? な、何の……ぐすっ……話を?」
P「だから小鳥さんも、他のアイドルと同じように、俺を頼ってください!」
小鳥「あの……」
P「何か、深刻な悩みがあるんでしょう?」 - 44: 2013/05/14(火) 22:27:39.33 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「……はい?」
P「だからあんな風に……」
小鳥「…………」
小鳥(これは……どういうこと?)
P「あんなことしなくても、俺はいつだって相談に乗るんです!」
小鳥(まさか……私がやった色仕掛けを……)
小鳥(悩みを打ち明けようとして、気を引いてるっていう風に思ったの?)
P「もし俺に言えるような悩みなら、聞かせてください」
小鳥「い、いえ……確かに悩みは……ありますけど」
P「どんな?」
小鳥「いやだから……それとあの行動とは関係な……ありますけど」
P「???」
小鳥(ど、どうしよう……どう説明したらいいの?) - 45: 2013/05/14(火) 22:32:16.69 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「な、悩みが無いと言えばウソになりますし……」
小鳥「ヘンなことしたのは、その所為でもありますけど……」
P「だったら……」
小鳥「いや、プロデューサーさんが思うような深刻な悩みじゃないっていうか……」
小鳥「もちろん私にとっては深刻なんですけど……う~ん」
P「…………」
小鳥「と、とにかく平気ですから!」
P「本当に?」
小鳥「はい! 大丈夫です!」
P「……そうですか、とりあえずは安心しました」
小鳥「え、えと……ごめんなさい」
P「そんな……謝らないでください」
小鳥「でも……ごめんなさい」
P「俺の方こそ、ごめんなさい。 いろいろ気付いてあげられなくて……」
小鳥「い、いえ……」 - 46: 2013/05/14(火) 22:36:49.02 ID:1AUjuFLh0
- P「もうあんなことしないでくださいよ」
小鳥「……はい」
P「……変な期待しちゃいますから」
小鳥「えっ?」
P「男っていうか、俺って単純な性格で……」
P「ちょっとしたことで『俺に気があるんじゃ……』なんて、勘違いしちゃうんです」
P「こんなモテない男をモテ遊んで……って、洒落じゃないですよ?」
小鳥「勘違い……じゃないんですけど」
P「えっ?」
小鳥「い、いえ」
P「とにかく……何か相談とかあったら、いつでも言ってください」
小鳥「…………」
P「まぁ、俺みたいのが力になれるか分かりませんけどね」
小鳥「そんなこと……ないです」
P「ありがとうございます。 それじゃ、先に出ますね」 - 47: 2013/05/14(火) 22:38:37.19 ID:1AUjuFLh0
- バタン
小鳥「……はぁ」
小鳥「私、なにやってるんだろ……」
小鳥「プロデューサーさんに迷惑かけて、心配までかけて」
『いろいろ気付いてあげられなくて……』
小鳥「それなのに、あんなに優しくて……」
『俺に気があるんじゃ……なんて……』
小鳥「……あんなに鈍感で」
『変な期待しちゃいますから』
小鳥(期待……してたんだ)
小鳥「…………」
小鳥「よーし……よーし!」
小鳥「よーーーーーっし!!!」 - 49: 2013/05/14(火) 22:41:18.08 ID:1AUjuFLh0
- 会議室「ヨーーーーーーッシ!!」
P「ん? 今の声……小鳥さんだよな?」
ガチャ!
P「あっ、来た」
小鳥「プロデューサーさん!!」
P「はい、どうしまし……た?」
小鳥「お話があります!」
P「は、はい!」
P(なんか、すごく怖い目をしてらっしゃる……)
小鳥「ふぅ…ふぅ……」
小鳥(落ち着きなさい小鳥! 緊張に飲み込まれてはダメよ……)
小鳥(深呼吸よ深呼吸……)
小鳥「すぅ……はぁ……」
P(こ、呼吸も荒いぞ) - 51: 2013/05/14(火) 22:43:22.30 ID:1AUjuFLh0
- 会議室
小鳥「…………」
P(会議室に戻ってきたら、小鳥さん……また元気なくなったな)
P(さっきまでの勢いは何だったんだ?)
小鳥(完全にスタートダッシュでガソリンを使い果たしちゃったわ)
小鳥「あ、あの……」
P「はい」
小鳥「さっき……悩みがあってあんなことをしたって、言いましたよね?」
P「えぇ」
小鳥「それは間違いではなくて……確かに悩みはあって……」
小鳥「それで、プロデューサーさんが変な期待をしちゃうのは、むしろ好都合で……」
P「えっと……」
小鳥「だから……つまりその……えっと……」
P「…………」
小鳥「えっと……えっとぉ……」 - 54: 2013/05/14(火) 22:46:09.57 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「うんと……えっと……」
P「あの……ゆっくりでいいですよ?」
小鳥「は、はい……だから、その……」
小鳥「えと……えぇっと……」
P「…………」
小鳥「……あーもうッ! プロデューサーさん!」
P「は、はい!」
小鳥「単刀直入に言います!」
P「……どうぞ!」
小鳥「すぅ……はぁ……」
P「…………」
小鳥「私……私……」
小鳥「プロデューサーさんのことが好きです!!」 - 56: 2013/05/14(火) 22:46:40.93 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥(言っちゃった! 言っちゃったー!!)
P「あっ、そうですか」
小鳥「……あれ?」
P「俺のことが、好き……好きなんですか?」
小鳥「はい」
P「あ、そう……へぇ~」
小鳥「…………」
P「…………」
小鳥「あ、あの……」
P「な……な…………」
P「なんだってぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!!!!!!!」 - 58: 2013/05/14(火) 22:50:22.74 ID:1AUjuFLh0
- P「な、何言ってんすか! 小鳥さんが俺のこと好きなわけないでしょ!」
小鳥「い、いやでも……本人がそう言ってるんですし」
P「ないないないない! 俺なんて小鳥さんと釣り合うわけが……ないないないない!」
小鳥「す、好きです! 好きなんですって!」
P「いや、だってそんなわけ……えー」
小鳥「好きなんです! 何度も言わせないでください!!////」
P「……マジですか」
小鳥「ヘンなことしたのは……あれは、色仕掛けです」
P「色仕掛け?」
小鳥「そうです! あぁやってすれば、気を引けるかなって……思って」
P「じゃあ深刻な悩みって……」
小鳥「プロデューサーさんを好きなことが悩みです! 完全に恋煩いです!」
P「そうだったのか……」
P「実感ないんで、ちょっともう一回好きって……」
小鳥「も、もうダメです!!」 - 60: 2013/05/14(火) 22:52:53.51 ID:1AUjuFLh0
- P「だから変にスキンシップしたり……転んでみたり……」
小鳥「どうにかして、気を引こうと……してまして」
P「そんな必要なかったのに……なんか、すいません」
小鳥「えっ? どういうことですか?」
P「俺は初めて会ったときから、小鳥さんのこと、素敵だなぁって思ってましたよ」
小鳥「……うそ」
P「人は見た目じゃないとは言いますけど、やっぱり最初は見た目じゃないですか?」
小鳥「え、えぇ」
P「だから初めは綺麗な人だなぁ~って、気になってたんですけど」
小鳥(き、綺麗だなんて……)
P「仕事されてる姿やアイドルの子たちと接する姿を見て……」
P「それに、俺なんかにも素敵な笑顔を向けてくれて……」
小鳥「それは……」
P「ふと気が付いたときには、小鳥さんのことが…………」
小鳥「…………////」 - 61: 2013/05/14(火) 22:54:45.81 ID:1AUjuFLh0
- P「小鳥さん」
小鳥「は、はい」
P「今度は俺から言わせてください」
小鳥「…………」
P「いいですか?」
小鳥「きょ、許可なんて……要りません」
P「ずっと貴方のことが好きでした」
P「俺とお付き合いしてください!」
小鳥「…………」
小鳥「…………はい」 - 62: 2013/05/14(火) 22:56:19.22 ID:1AUjuFLh0
- P「あはは、恥ずかしいやら嬉しいやら……何か変な感じですね」
小鳥「そうです……ね」
P「えっと……よろしくお願いします」
小鳥「こ、こちらこそ」
P「て、照れますね……ははは」
小鳥「えぇ、とっても……うふふっ」
P「あ、あははは……」
小鳥「ふふふ……ふふっ」
小鳥「…………」
小鳥「ムッ」
P「わっ! ど、どうしたんですか? 大魔神みたいに、急に怖い顔になって……」
小鳥「むぅ~」
P「……小鳥さん?」 - 65: 2013/05/14(火) 22:57:45.96 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「そうですよ! 大体プロデューサーさんが早く告白してくれたら……」
小鳥「私があんなヘンなことしなくて済んだんですよ!」
P「そ、そう言われましても……」
小鳥「む、胸を押し付けるのなんて……すっごく恥ずかしかったんですから!」
P「いやぁ……あれは良いものだった」
小鳥「ダ、ダメ! 思い出さないでくださいッ!!」
P「ふとももの触り心地も素晴らしかったですよ」
小鳥「へ、変態! ド変態!! EL変態!!!」
P(そっくりそのままお返ししたい……その言葉)
小鳥「も、もうあんなことしませんからねっ!」
P「えー」
小鳥「えーじゃない!」
P「でもプライベートならいいじゃないですか」
小鳥「それは……まぁ、たまになら……」
P「やーりぃ」 - 66: 2013/05/14(火) 22:59:22.56 ID:1AUjuFLh0
- P「楽しみにしてますね、小鳥さん」
小鳥「プ、プライベートなら……呼び捨てでもいいかなぁ……なんて」
P「分かりました。 そしたら、俺からも提案が」
小鳥「なんですか?」
P「プライベートは敬語禁止でどうですか?」
小鳥「えー」
P「ダメですか?」
小鳥「なんか、敬語のカップルって憧れません?」
P「う~ん、まぁそんな気がしないでもないですね」
小鳥「それに、仕事中についうっかり……なんてことになったら」
P「それなら呼び捨てもダメでしょ」
小鳥「あそっか」 - 67: 2013/05/14(火) 23:01:41.53 ID:1AUjuFLh0
- P「まぁ、その辺は追々考えていきましょう」
小鳥「そうですね」
P「ってことで、仕事に戻りますよ」
小鳥「はーい」
ガチャ
P「さぁ仕事しご……と」
律子「…………」
P「」
小鳥「」
律子「おつかれさまです」
P「あっ、おつかれッス」
小鳥「お、おつかれ……ッス」
律子「…………」 - 71: 2013/05/14(火) 23:06:13.12 ID:1AUjuFLh0
- P「ず、随分と……お早い……」
小鳥「お帰りで」
律子「えぇまぁ」
P「竜宮は?」
律子「まだ現場です。 ちょっと確認しなきゃいけないことがあったので、私だけ」
P「あ、そう」
律子「で? なにやってたんですか? 会議室で」
小鳥「それは……その……」
P「そりゃもちろん、会議だよ会議」
律子「へぇそう」
P「そうそう……ねぇ小鳥さん?」
小鳥「いえすいえす」
P「さ、さて! 仕事に戻ろう!」
律子「えぇ、そうしてください」
P「いつまでも会議するわけにいかないからなぁーあっはっはっは」 - 74: 2013/05/14(火) 23:08:41.49 ID:1AUjuFLh0
- 律子「あっ、そうそう」
P「ん?」
律子「恋人同士になった以上、プライベートではイチャイチャしてもいいですけど……」
律子「仕事中は……控えてくださいね?」
P(聞こえてたか……)
小鳥「…………」
律子「どうしました?」
小鳥「いえ……で、でも別に……してませんよ?」
P「えっ」
律子「えっ」
小鳥「確かに会議室で男女が二人きりだったら、したくなっちゃうでしょうけど……」
小鳥「流石にそんな薄い本みたいなこと……服が汚れちゃうし、髪にかかったら……」
律子「あのぅ……何か勘違いしてません?」
P「えっと……ごめんな律子。 この人、頭ん中ピンク色だから」
律子「そのようで」 - 75: 2013/05/14(火) 23:12:56.78 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥『あっ、ダメですよ……みんなに見つかっちゃう……』
小鳥『いいじゃないですか、見せ付けてやりましょう……』
P「おーい、小鳥さーん?」
小鳥『いやっ! そんな……繋がったままジャイアントスイングだなんてぇー』
P「……ダメだ、応答しない」
律子「はぁ……こうなったら当分帰ってこないですよ?」
P「もういいよ、放っておこう」
律子「そうですね」
P「あっ、そうだ! 律子に聞きたいことがあったんだ……」
律子「え? 何ですか……」
P「それがさ、この間の…………」
小鳥『くやしい…! でも…感じちゃう……』
小鳥「ってあれ? 誰もいない」
小鳥「あっ、二人とも! 置いてかないでくださいよ~」 - 76: 2013/05/14(火) 23:19:28.82 ID:1AUjuFLh0
- 律子「結婚式には呼んでくださいね?」
P「いや、まぁまだ当分は……」
小鳥「えぇ~」
P「今はアイドル達のプロデュースに専念したいし」
小鳥「私のプロデュースは?」
P「まぁゆっくり行きましょうよ」
小鳥「私には時間が……」
律子「…………」
小鳥「なぁんて、分かってますよ。 私もみんなにもっと活躍して欲しいですもん」
律子「その言葉が聞きたかった」
小鳥「えっ?」
律子「はい、追加の請求書とみんなのスケジュール。 打ち込んどいて下さいね♪」
小鳥「ぎょえーーっっ!!」 - 77: 2013/05/14(火) 23:26:25.67 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「あっそうだ!」
小鳥「プロデューサーさん、私が寝てるとき手伝ってくれるって……」
律子「はぁっ!? 寝てたんですかぁ!?」
小鳥「いやウソですよ? ウソで寝てたんですよ!?」
律子「寝るのにウソもホントもないでしょ!!」
小鳥「ほ、ほら! プロデューサーさんも何か言ってください!」
P「あっ、そろそろ春香を迎えに行かないと……」
小鳥「あーん! 逃げないでー!!」
P「これがホントの迎春ってか……あっはっはっはー」
小鳥「お待ちになってぇーーーーっ!!」
小鳥「……あっ、プロデューサーさん忘れ物ー」ダッ!
律子「コラ、逃げようったってそうはいかないわよ!」グイッ!
小鳥「ぐぇぁ!」
律子「ほら、さっさとやる!」
小鳥「うわぁ~~ん!」 - 78: 2013/05/14(火) 23:28:16.74 ID:1AUjuFLh0
- 小鳥「そも……終わりに見えし物語」
小鳥「色を仕掛けたその後で、君に伝えし我が心」
小鳥「夢で微笑むあの顔が、ついに現の君の笑み」
小鳥「アレやコレやの妄想も、夢を飛び出しうつし世に」
小鳥「うつし世は夢と言うけれど、現の夢は覚めやらぬ」
小鳥「偶像管理のその裏で、愛を育む二人かな」
小鳥「急がば回る暇はなし、華燭之典へいざ行かん」
小鳥「どうかお身体お元気で、それでは皆さんさようなら」 - 79: 2013/05/14(火) 23:29:59.95 ID:1AUjuFLh0
- 終わりです
お粗末さまでした - 80: 2013/05/14(火) 23:31:48.48 ID:lPMnio8ZT
- 美味しくいただきました
- 82: 2013/05/14(火) 23:34:06.60 ID:J9yqvLyG0
- おっつー
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サイトのデザインを大幅に変更しました。まだまだ、改良していこうと思います。