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1: ◆1RDL7sAp9k 2013/05/16(木) 03:06:40.93 ID:XCENPMHso
注意

このSSには以下の成分が含まれております。苦手な方はご注意ください。

・ほむらがループを重ね最強の存在になってTUEEEEEします。その関係でほむらが少し厨二病を患ってます。

・独自解釈、独自展開、超展開、ご都合主義があります。

・本編とオリコのキャラが出てきます。

・地の文あり

注意点は以上になりますよろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368641200
2: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:08:41.19 ID:XCENPMHso
[プロローグ]

ピンクの髪の少女が階段を上る。周りには緊急避難用の電灯が灯っているが彼女は目もくれずに最上階を目指す

息を切らしながら屋上にたどり着くとそこに待ち構えているのは白い猫のような生き物-QB-が待っていた

QB「あれがワルプルギスの夜だよ」

QBの視線を追いかけると下半身が歯車でできた青いドレスを着た人形のような魔女がいた。しかし…

QB「結界に隠れる必要さえない最強の魔女…」

QB「そのはずなんだけ、これは一体どういうことなんだい?わけがわからないよ」

一度顕現するだけで都市が滅びると聞いていた少女も驚きを隠せない。

なぜならそこには
3: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:10:12.94 ID:XCENPMHso











普段通りの何一つ変わらない風景が存在していた。
4: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:12:30.50 ID:XCENPMHso
ワルプルギスの夜は一つのビル目掛けて攻撃を仕掛けようとしているようである。そこには朧気にに人影が見えた。

黒髪で長髪の少女だ。彼女もおそらく魔法少女なのだろう。しかし彼女はワルプルギスの夜を前にしても微動だにしない。

QB「あ、危ない!」

黒髪の少女がワルプルギスの夜のが放つ光線を正面から受けてしまったのが見えた。普通の人間は愚か魔法少女でさえ蒸発してしまいそうなエネルギーだ。

QBもピンクの少女も彼女の死を確信したが、そこには先ほどと変わらずに少女が佇んでいた。

QBはかすかに黒髪の少女のつぶやきを聞く。
7: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:16:04.75 ID:XCENPMHso
黒髪の少女「……結界………の範……問題…い……………ワルプ……の脆………」

黒髪の少女「……で全……備が………」

そこから急に歓喜に震えるような声色で荒々しげに少女は叫んだ

黒髪の少女「さあ、世界を救いましょうか」

その言葉を発した直後黒髪の少女は最初からいなかったように消えてしまった。



ピンクの髪の少女「……誰?」
[プロローグの終わり]
9: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:21:40.93 ID:XCENPMHso
[side Madoka]
私-鹿目まどか-が目を覚ます。そこにはなにも変わらない日常があった。ワルなんとかの夜なんていなければ白い猫も黒髪の少女もいない。

まどか「夢オチー?」

どうやら変な夢をみていたみたいです。

ところで今何時だろう。ふと時計に目を向けると時計の針は朝の8時を指していた。

まどか「遅刻!!!」

勢い良くベッドから抜け出し制服に着替え、リビングに行きパパに尋ねた。

まどか「パパ…なんで起こしてくれなかったの?」

まどか父「今日何か用事でもあったのかい?」

少し話が咬み合っていないと感じましたが続けます。

まどか「だって学校…」

パパがカレンダーに視線を向けると同時に私もカレンダーを見ると…

今日が土曜日であることを示しています。

私はすぐにごまかすように笑みを浮かべます。

まどか「ウェヒヒ…今日土曜日だったね」

顔が赤いのが自分でもわかります。

まどか父「せっかくだし散歩でもして、頭をスッキリさせてくるといいよ」

朝食をすまし、私服に着替え直し、顔を洗ってから散歩に出かけることにしました。

エイミーと遊んでこよっと。
10: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:23:19.42 ID:XCENPMHso
数分歩いているとエイミーとよく遊ぶ河原につきました。

エイミーもこちらを見つけたらしくミーっと可愛らしく鳴いてこちらに走ってきます。

私も走りだそうと一歩踏み出しました。







なにかに抑えられる感覚とともに目の前をトラックが通り過ぎました。



11: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:27:07.35 ID:XCENPMHso
そのまま踏み出していたら轢かれて…?

よくわからない思考がうまくまとまらないトラックがなんでこんなところに?なにがおこった?なんで?

まどか「キャー!!!」

急に怖くなり悲鳴をあげてしまう。そのお陰で少し落ち着きました、状況を整理します。

エイミーを見つけ、走ろうとしたら急に何かに抱きとめられるように抑えられ、目の前をトラックが通り過ぎた。

うん、ここまではいい。

…エイミーは?

道路にはエイミーがいたはずだ。

まどか「エイミー!!!!」

すると先程まではいなかった黒髪の少女がエイミーを抱きかかえながら訪ねてきます。

黒髪の少女「エイミーとはこの猫のことかしら?」

[side madoka is over]
12: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:29:57.40 ID:XCENPMHso
[友との出会い]
黒髪の少女は黒猫を抱えまどかに差し出す。

まどか「エイミー!エイミー!」

まどかは泣きながらエイミを抱きしめる。ニャーっと場違いの鳴き声がまどかの涙の量を増量させる。

黒髪の少女はまどかの背中をさすりながら泣き止むのを待つ。

ここでネタばらしをするのならば黒髪の少女が魔法を使い時間を停止させ、まどかの歩みを止めさせエイミーをトラックから救いだしたのだ。




ただし、その前後に服装の変化はなく、手元に宝石をはめた指輪も存在していない。
13: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:33:47.03 ID:XCENPMHso
数分が経過しまどかが泣き止んだのを確認した少女は河原に腰を下ろし話し始めた。

黒髪の少女「落ち着きましたか?」

まどか「あ、あの。ありがとうございます」

黒髪の少女「構わないわ」

黒髪の少女「こちらとしても助かってくれて嬉しい」

微笑しながら黒髪の少女がそう答えるとまどかは尋ねる。

まどか「なにかお礼をさせてもらえないでしょうか?えぇっと」

おそらくまどかは名前を聞いていないことに気づいたのだろう。それを察したのか黒髪の少女は

黒髪の少女「暁美ほむらよ」

ほむら「気兼ねなくほむらと呼んで頂戴」

ほむら「それに大したことをしたわけではないからお礼はいらないわ」

有無を言わさない言い方に少し気圧されたまどかは咄嗟に話題を変えようとする。

まどか「ええっと、大したことじゃないって何をしたの?」

まどかは当然の疑問をぶつけていた。
14: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:36:24.77 ID:XCENPMHso
         
ほむら「私ね、魔法使いなの」

ほむら「専門は時空間操作、簡単にいえば時間を操る魔法が得意ってことよ」

突然の物言いにまどかはポカンとした表情を浮かべる。

ほむら「信じていないようね、まあ無理もないけど…」

ほむら「だからといってもう一度魔法を使って力を誇示することはしないわよ」

まどか「あのね、信じられないとかじゃなくて、いきなり言われて驚いちゃって」

まどかは苦笑いを浮かべるがその表情は半信半疑だというのが見えていた。

15: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:38:30.90 ID:XCENPMHso
ほむら「私のことはまあいいわ…」

ほむらは顎に手をあて少し思考し、どこからか画用紙を1枚取り出した。

最初は何も描かれていない紙であったが、数秒後白い猫のような生物-QB-の絵が浮かび上がってきた。

ほむら「この生物に見覚えはあるかしら?」

まどかはその絵をみて今朝見た夢でQBを見たことを思い出した。そのことが表情にでていたようで、

ほむら「なにか知っているようね」

ほむら「この子はQBと言って願い事一つと引き換えに契約を行い魔法少女を作り出す存在よ」

ほむら「そして魔女と呼ばれる悪しき存在と一生戦い続けることを強いてくるわ」

ほむら「だから、何を言われても貴方はQBと契約したらだめよ」

ほむらは言いたいことを言い切ったかのようにまどかの様子を伺う。
まどかは今言われたことを整理するように思考を続け、疑問を思い浮かべたようで言葉を発する。

まどか「ほむらちゃんも魔法少女なの?」

ほむらは即答する。

ほむら「私はもう少し格上の存在なのだけれど…始まりはQBとの契約だったからその認識で大体あってるわ」
16: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/16(木) 03:43:23.12 ID:XCENPMHso
未だ半信半疑のまどかとそれ以上は語る様子のないほむらは魔法少女の話題は切り上げエイミーと戯れながら雑談を始める。

例えばまどかは学校であったこと、例えばほむらは最近引っ越してきていて見滝原中学校に転校するということ。不思議と2人は気が合い話は弾んでいた。

お昼少し前の時間になりほむらは腰を上げる。

ほむら「そろそろいい時間だし失礼するわ」

まどか「えっ!?もうそんな時間かぁ」

まどか「ほむらちゃんと話してると楽しくて時間が早く感じちゃうね」

ほむらは微笑しながら答える。

ほむら「これも私の魔法かもね」

ほむらの楽しそうな受け答えにまどかはつい見惚れてしまう。

まどか(とっても綺麗な笑顔…)

そうだとほむらは呟きまどかに尋ねる。

ほむら「ねぇまどか?私と友達にならない?」

この時暁美ほむらにこの世界で初めての友ができた。
24: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 00:48:49.20 ID:44BvQi4Co
[お嬢様との出会い]
ほむらは昼食をすませ、散歩を続けた。いままでの時間は常に研究を続けていた彼女にとって街を歩くこと自体が楽しくてしょうがないようだ。

ほむら(こんなに楽しいなら研究なんてさっさと終わらせるべきだったわね)

ほむらの過去についてはいずれ語る機会があるかもしれないが今は触れないでおこう。

商店街に着きウインドウショッピングを1時間ほど楽しみ、更に散歩を続けていると、広い屋敷にたどり着いた。

そこには美国議員に対しての誹謗中傷の限りが綴られており、もとは立派な家屋であったと思われる建物は廃れていた。

さらにはヤジウマらしき人物たちがその屋敷にむかって暴言をはき続ける。

ほむら自身は美国議員のことは知らなかったが、おそらく賄賂を受け取りそれがバレた人物なのだろうと推測した。

ほむら(こんなに天気がいい日に暇な人たちもいるものね…)

ほむら(でもこのまま暴言を続けられると言霊が悪しき影響を作りかねないわね)

一つ一つの言葉に力はないが、ここまで多人数かつ指向性がはっきりしていると少なからず影響が出る。
25: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 00:51:07.22 ID:44BvQi4Co
ほむら(嗜虐性の向上と罪悪感のマヒ、あとは対象者に対する軽い呪詛いといったことかしら)

集団心理といってしまえばそれまでだが、そこには確かに魔法の影響がでそうである。

そして、ほむらは決心するや否や魔法を使う。言霊に対するは言霊を用いた魔法である。

ほむら「偏りし思いよ、均等に馴らし給え。思いは我が力によって霧散し各が糧とせよ」

魔力を込めた言霊が発せられる。刹那かすかな紫の閃光とともにノイズのような音が周囲に響き渡る。

暴言を吐いていた人々は少し戸惑っていたようだが、我に返ると一斉にキビを返し帰っていった。

ほむら(思考誘導と軽い幻覚魔法はうまくいったようね)
26: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 00:54:43.02 ID:44BvQi4Co
だがこんなことは一時しのぎであることはほむら自身もわかっているだろう。

この場を収めても明日には同じ状況になるだろう。そこに介入する義務はなく、義理もない。

ひとまず壁の落書きを時間逆転の魔法で落書き前の状態に戻す。

ついでに結界でも張っておこうと思案してると。一人の銀髪でポニーテールの少女が玄関から出てきて疲れ果てた声でこう言ってきた。

銀髪の少女「今日は一人しかいないのね」

銀髪の少女「もう父はいないというのに…」

さらに苦言を呈そうとしたが、壁の状況をみるとハッと息を飲みほむらに尋ねた。

銀髪の少女「えっ?これは貴方が…?」

戸惑っているのがヒシヒシと伝わってくるが、ほむらは相手がお嬢様なことをを確認すると対抗するようにお嬢様のようにスカートを広げ一礼し答える。

ほむら「はじめまして、暁美ほむらと申します」

ほむら「ただの通りすがりの魔法使いでございますわ」

いろいろと間違っているが、そんなことに気も回らない銀髪の少女体に身についた社交辞令を返す

銀髪の少女「はじめまして、美国織莉子です」

織莉子「魔法使いさんがうちに何か御用でしょうか」

ほむら「気軽にほむらと呼んで頂戴」

ほむら「それにただの通りすがりのといったでしょう?通りすがるのに理由が必要かしら?」

クスクスと笑みを浮かべて話を続けた
27: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 00:56:13.89 ID:44BvQi4Co
ほむら「美国ということは、件の議員さんの娘なのかしら?」

言うや否や織莉子の顔が険しくなる。半分は憤りの表情もう半分は諦めの表情を浮かべていた。

織莉子「あなたも周りと同じなのね」

ほむらは不思議そうな表情を浮かべていた。

ほむら「私は確認をしただけよ?話題提供を間違ったかしら?」

ほむらにしてみたらただ相手の状況を確認し、少し話を広げようとしただけである。もちろん世間一般から見たらそんなことは間違っていることは言うまでもないが、ほむらには少し常識が欠けていた。一方の織莉子は本気で不思議がっているほむらに苦笑し答えた。

織莉子「ほむらさん貴方少しおかしいわね」

織莉子「でも何かをしてくれたのは間違いないようね。お礼がしたいからあがって頂戴」

ほむらは断ろうとしたが、少し喉の乾きを覚えた。

ほむら「お茶一杯で手を打ちましょう」

織莉子「フフッ…本当に不思議な人ね」

それからほむらは思い出したように織莉子に話しかける。

ほむら「ねえ織莉子、私と友達にならない?」

その日二人目の友達ができた。
28: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 00:57:49.74 ID:44BvQi4Co
[織莉子との会話]
[side Oriko]
紅茶の準備をしながら私は思案する。

織莉子(友人とお茶をするなんていつぶりかしら)

父の一件があってから、友人と呼べる人なんていなくなった。代わりに家に来るようになったのはマスコミ関係者かヤジウマばかり。

そんな大人ばかり見てきた私だ、人を見る目特に悪意を感じる視線ははっきりと分かるようになった。

あの黒髪の自称魔法使いからは悪意ある視線なんて感じられないどころか純粋な好奇心が感じ取れた。

そう、とても純粋である。例えるならば小学生や幼稚園児のように見るもの聞くものすべてが新鮮に感じているようだった。

おっとそろそろ準備ができるわね。
29: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:01:30.04 ID:44BvQi4Co
ほむらさんはすでに椅子に座って待っていてもらっているが、少しそわそわしている。

織莉子(何かあったのかしら?)

少し隠れて様子を見ていると、ほむらさんは我慢できなくなったのか席を立ち、飾ってある時計やお皿などの観察し始めた。

すごく目がキラキラしてる。

織莉子(本当に好奇心旺盛なのね)

内心苦笑しお茶を運び込む。ドアをわざと音を立てるように開ける。すると席を立っていたはずのほむらさんがいつの間にか席に座っていた。

織莉子「あら?席を立っていたように見えたのd」

ほむら「気のせいよ」

そんなに恥ずかしいことでもないと思うのですが、少し意地悪したくなりました。

クスクスというよりニヤニヤと言った方が近い笑みを浮かべ、

織莉子「ドアの隙間から見たんですけどね」

ほむらさんは少し顔を赤くし、まくし立てるように語る。

ほむら「これは、えっと、あの、綺麗なものがたくさんあったからあの…」

織莉子「フフッ…別に怒ってるわけじゃないし、見慣れないものなら興味を持っても仕方ないわ。」

ほむらさんはぼそっと呟く

ほむら「……戻し…も………やり直そ…かな」

半分は聞き取れませんでしたが、何やら物騒な予感がしたので仕切りなおすように言った。

織莉子「さあ、お茶会を始めましょう」
[side Oriko is over]
32: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:48:12.63 ID:44BvQi4Co
織莉子との会話はほむらにとって新鮮であり、初めて出会う人とも友達になれるという自信にもつながっていった。

そしてお茶を一口すすり感動したように答えた。

ほむら「おいしい…」

ほむらにとってみればこんなに美味しいものを飲んだのはいつぶりであろう。もちろん絶対的な時間で言えばそれほど時間はたっていないだろう。

では主観的な時間では?何年?何十年?もしかしたら年なんて単位で数えるのがおこがましいくらいの時間ぶりかもしれない。

もしほむらにいつぶりかと尋ねたら、嬉々として「100から先は覚えていないわ」こう答えるだろう。その100の単位は一体どうなるのか…。

一方の織莉子は、そんなほむらの内心などわかるはずもなくこう答えた。

織莉子「口にあったようでなによりだわ」

ほむら「こんなにいいものを飲めるのなら毎日でもごちそうになりたいわ」

織莉子はなにか勘違いしたのか少し頬を染めてごまかすように答える。

織莉子「私なんてまだまだよ」

織莉子「もっと美味しくお茶を入れてくれるお店があるから、今度案内するわ」

ほむらほ少し興奮したように、

ほむら「行きましょう!今すぐにでも!」
33: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:49:32.23 ID:44BvQi4Co
織莉子はその勢いに少し引きながら、また少し意地悪な笑みを一瞬浮かべわざとらしく顔を伏せ、

織莉子「そう、私のものにはもう興味がなくなってしまったのね…」

ほむらは慌てふためき、

ほむら「け、決してそんなことではなくて、えっと私興味が惹かれると周りが見えなくなると言うか…」

織莉子「冗談よ」

織莉子「それに貴方が好奇心旺盛なのはもうわかってるわよ」

織莉子は満面の笑みを浮かべており、ほむらは少しいじけるように、

ほむら「織莉子なんて」

織莉子「嫌い?」

ほむら「人の一面を見てその人すべてを否定する気はないわ」

ほむら「だからこう言わざるをえないわね」

ほむら「好き7割嫌い0.5割不明2.5割よ」

織莉子は少し驚きの表情を浮かべ、やれやれと答えた。

織莉子「ちょっと理屈っぽいわね、もう少し気軽に考えたほうがいいんじゃないかしら?」

ほむらは少し達観した様子でこう答えた。

ほむら「長年付き合ってきた私の性格よ?これはもう変えられないわ」
34: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:51:31.07 ID:44BvQi4Co
それから雑談を続け、必然的に魔法の話題がでてきた。

織莉子「魔法使いさんはどんな魔法をつかえるのかしら?」

ほむら「逆にあなたは魔法といったらどのようなものを思い浮かべるかしら?」

織莉子は少しむっとした感じで、

織莉子「質問で質問を返すのはよくないわよ」

織莉子「でもそうね…」

織莉子が少し思考を始めると、

ほむら「今思い浮かべたことすべてできるわ」

織莉子「えっ?」

織莉子は自分の考えでも読まれたのかと思ったが、疑惑の感情は拭えない。

ほむら「一番得意なのは時空間操作ね」

ほむら「これは2つ上の概念まで昇華させた力だから正確には魔法とは違うけどね」

織莉子は半信半疑だった思いが一信九疑程度になるのを感じながら質問を続ける。

織莉子「そこまで言うならひとつくらい魔法を見せてくださらない?」

間髪入れずに

ほむら「魔力の無駄使いはしない主義なのだけれど…」

でもと呟き、

ほむら「明日、先ほど言っていた喫茶店に案内しなさい」

ほむら「それが対価よ」

ほむらはどうだと言わんばかりの様子だったが、織莉子は呆れながら、

織莉子「それくらい構わないわ」
35: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:53:08.41 ID:44BvQi4Co
ほむら「なら、どんなものが見たいか言って頂戴」

織莉子はいくつかの考えが思い浮かんだが、どうせほとんど信じていないので、おまじない程度のことを頼もうと思った。

織莉子「この家がこれ以上荒らされないようにおまじないをしていただけないかしら」

ほむらは少し驚いた。それは先程自分でやろうとしていたことだからだ。

そう結界魔法。少し高等な魔法であるが、便利な魔法だ。

ほむら「おまじないではなく魔法と言っているじゃない」

ほむら「まったく…信じていないのは仕方ないけど少し癪に障るわね」

織莉子は苦笑いを浮かべるが特に反論はしない。

ほむら「せっかくだし最高傑作の結界を張りましょう」

ほむら「効果は…そうね悪意を弾くとかそこら辺がいいわね」

するとほむらの体から紫色の光が漏れ出すのが見て取れた。ほむらが地面に手をおくと5つの魔法陣が織莉子の家を覆い尽くす。
36: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:54:59.40 ID:44BvQi4Co
結界魔法はいわば回路基板の作成である。何かの役目を用意して魔力を流しその役目を得る。魔力を電気に置き換えるとそれは電気回路である。

そして結界は多重に存在ができる魔法だ。重ね方によっても効力が変わり無限に等しいパターンが存在する。

今回ほむらが用意した魔法陣は5つ、一つ目は悪意を弾く効果を出す魔法陣。もちろんこの陣を敷くだけでは意味がないので、2つ目の魔法陣の出番である。

2つ目は巡回の魔法陣、結界全体に魔力を巡らせるための魔法陣。これも魔力を流したところで一つ目の魔法陣が効果を発したら魔力の総量が減少し結界の維持が困難になるだろう。

3つ目は増幅の魔法陣。魔法陣の流れる魔力を増幅させるアンプのような役目。

4つ目は制限の魔法陣。増幅によって魔力が増えすぎることを抑えるための役目。魔力総量が多すぎるのは破滅への第一歩である。

最後の5つ目は保持の魔法陣。魔力は自然に霧散していく傾向があるので、それを維持していくために物が必要になる。

この全てが重なることで、半永久的にこの結界を維持することができる。
37: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:56:18.96 ID:44BvQi4Co
ほむら「これであなたの言うところのおまじないの完成よ」

魔法陣を敷く際の魔力は可視化されていたが、発動した結界は可視化されておらず、見てもわからない。

織莉子「よくわからないけど、光ったわね」

ほむら「信じる信じないは自由だけど、私としてはいいものができて満足だわ」

ほむらは満足そうな笑みを浮かべていた。

ほむら「さあ、対価を払ってもらうわよ。」

織莉子は呆れたように答える。

織莉子「明日って言ったじゃない、もう忘れたの?」

ほむらはその質問の答えは用意していたというかのように即答した。

ほむら「だから明日の待ち合わせ場所や、時間を決めないといけないでしょう?」

織莉子は、ああそういうことかと納得した表情で

織莉子「アフタヌーンティーがいいわね、明日の2時くらいにまた家に来てもらえない?」
38: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/17(金) 01:58:36.74 ID:44BvQi4Co
しかし織莉子は内心ヒヤヒヤしていた。なぜならこんな寂れた家にもう来たくないと、拒絶されることを恐れた。

もちろんそんな心配は杞憂に終わる

ほむら「構わないわ」

織莉子は安堵の表情を浮かべたが、それを知ってか知らずかほむらはそのまま立ち上がり、

ほむら「それじゃあそろそろ帰るわ」

織莉子は少し寂しそうな顔をしたが、ほむらを玄関までエスコートし、笑顔を浮かべ

織莉子「それじゃあまた明日ね」

ほむらはハッとした表情を浮かべたが、すぐに笑顔になり、

ほむら「ええ、また明日遊びましょう」

人と約束したのは一体いつ以来になるだろうか、ほむらは夕焼けが綺麗な帰り道を歩く。

織莉子はこの日始めて対等な関係の絆を手に入れた
47: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:39:08.66 ID:kCxIR3oAo
[約束の時間は破るもの]
翌日ほむらは朝早くに目を覚ました。織莉子との約束以外特に予定もなくかといって見滝原中学校に転入するのは明日になっているので学校に行くわけにもいかない。

ほむら(暇ね…寝直そうかしら?)

魔法少女であるほむらであったなら武装の補充に精を出すのだろうが、今のほむらにとってその必要はない。

ほむら(織莉子との約束は午後からだけれど…)

着替えを済ませ、外出の準備を行う。

そして、前日と同じ道を歩み、真新しくなった壁に寂れた家屋というミスマッチな家-織莉子宅-に到着した。

ピンポーンとチャイムを鳴らしても誰も出てこない。

仕方ないとほむらは呟き、チャイムを連打する。結界の情報から読み取る限り織莉子が家の中にいることはわかっているからこそできることだ。
48: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:40:25.75 ID:kCxIR3oAo
[side Oriko]
うとうとしていたところに急に家のチャイムが響き渡り目を覚ました。

こんな時間に一体誰かしら?時計を見ると時間は朝の七時を指している。

織莉子(今日の約束が楽しみで寝付けなかったなんて小学生みたいね…)

ひとまずこんな時間に来る人なんて無視してしまおうともう一度布団をかぶる。

すると何度もチャイムが鳴らされる。いくら私でもこれには腹が立つ。

着替えもせずに、玄関を開けるとそこには昨日からの想い人がそこに立っていた。

急に恥ずかしくなり、玄関のドアを閉めた。

ふぅ、寝不足だからといって幻覚でも見たのでしょうね…。

鍵は掛けていなかったので向こう側からおもいっきりドアが開かれる。

ほむら「おはよう織莉子、いい朝ね」
[side Oriko is over]
49: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:42:03.63 ID:kCxIR3oAo
織莉子「約束の時間にはまだ早すぎるのではないかしら?」

少し怒ったような、呆れたような声音で織莉子は問いただす。

ほむら「ええ、確かに喫茶店に行く約束の時間にはまだ早いわね」

ただ、と付け加え、

ほむら「昨日はじめて知ったのだけれどウィンドウショッピングって楽しいのよ?知らなかったでしょう?」

織莉子はキョトンとした表情をしたが、ほむらの言いたいことを理解した。

織莉子「つまり私と一緒にお買い物をしたいということでいいのかしら?」

ほむらはとても楽しそうな表情で

ほむら「ええ、デートをしましょう」

織莉子はデートという単語に反応したのか、少し顔を赤くして照れ隠しのように

織莉子「ならエスコートしてもらおうかしら、魔法使いさん」

でも、と少しの逡巡の後に、

織莉子「私は昔から知っていたのだけれどこの時間にお店は開いていないのよ?知らなかったでしょう?」
50: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:44:47.61 ID:kCxIR3oAo
ほむらは動揺を隠しきれずに、

ほむら「そ、そんな嘘私には通用しないわ」

織莉子はその反応に少しイラッっときたのか少し問い詰めるように

織莉子「本当はわかっているのでしょう?自分の過ちを認めたくないのかしら?」

ほむらは何を思ったのか、それとも織莉子の言葉に反応したのか急に顔から表情が消え失せる。

そして自分の中から湧いてくる暗い感情を抑えるように厳しい顔つきになる。

ほむら「ああ、抑えないと、過去に過ちなんてしでかしてない」

ほむら「私は正しい行いを続けてきた、私が認める、誰にも否定はさせない…」

尋常ではない暗い声で独白を続けるほむらに、

織莉子「ほむらさん落ち着きなさい!」

自分が地雷を踏んだのを察した織莉子は必死に落ち着かせようとする。

織莉子の言葉に耳を貸さないほむらは未だブツブツと何かを呟いている。

織莉子「昔に何があったのか知らないけど、大丈夫よ」

織莉子「どんなほむらでも私がついているわ」

ギュッと織莉子がほむらを抱きしめる。ほむらは母性を感じ取ったせいなのか、安心したように





一粒だけ涙を流した。
51: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:45:59.47 ID:kCxIR3oAo
それがほむらにとっての精一杯の甘えだった。

ほむら「こんな感情捨てたと思ったのに、ままならないものね」

ほむら「もう大丈夫よ、みっともない姿をみせちゃったわね」

織莉子はホッと息を吐き、話題を一気に変えようと

織莉子「朝食はもう済んだ?よかったらごちそうするわよ」

落ち着いたせいか、久しぶりに自分の感情の欠片を表に出したせいか、キューっと腹の虫の音がほむらから響いた

ほむら「い、いただくわ」

ほむらの顔は赤かった。
52: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:46:33.03 ID:kCxIR3oAo
二人で朝食を済ませ織莉子は、外着に着替え終わると時刻は朝の9時30分だった。

織莉子「ここらへんのお店は10時くらいから開くからもう少し時間があるわね」

ほむら「説明感謝するわ」

ほむら「なら先にコンビニにでも行って時間を潰してもいいかしら?」

織莉子はそうねと同意しポーチを持って二人並んで歩きはじめた。

心なしかお互いの距離が縮まっているように見えた。
53: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:49:00.17 ID:kCxIR3oAo
[コンビニで出会ったのは?]
二人でコンビニにたどり着いたあと好きなものを眺める。

新作のお菓子を見てみたり、アイスを眺めてみたり。和気あいあいと話している。

ほむら「ガムでも買っていくわね」

織莉子「いいわね、じゃあ私は飴を買っていこうかしら?」

そして二人でレジに並んでいると前のお客-黒髪の綺麗な少女-が財布からお金を落としたのが見えた。

すぐに拾い終わると思われたが周囲の視線を受けて、萎縮してしまい行動が愚鈍だ。

ほむらに言わせれば、この視線は悪意がもたらす鈍足の魔法ねとでも言うのだろう。

見かねた二人は落としたお金を拾うのを手伝う。

織莉子「これで全部かしら?」

ほむら「見える範囲にはなさそうね」

そして黒髪の少女に話しかける。

ほむら「災難だったわね、でももう大丈夫よ」

織莉子「これからは注意してね?」

二人は笑顔で対応すると、

黒髪の少女は俯いたままうなずき、イソイソと会計を済ませ、逃げるように出て行ってしまった。

黒髪の少女(ああ、なんで私はこんなのなんだろう)

黒髪の少女(今度あったら絶対お礼を言おう…)
54: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:50:01.42 ID:kCxIR3oAo
[ウィンドウショッピング?]
ほむらと織莉子も問題なくコンビニでの会計を終え、いい時間になっていたので商店街へ足を運ぶ。

とあるファッションショップにて。

ほむらはキラキラした目をしながら服を自分の体に当てて、鏡の前に立つ

ほむら「ああ、これもいいわね、ああでもこっちも可愛いわ」

ただ、ボソッと呟き、織莉子の胸元を見てため息をつき、

ほむら「抱きつかれた時も思ったけど、いい大きさね」

織莉子は、うん?と首をかしげ見ていた服を置きほむらのもとに足を運ぶ。

織莉子「呼んだかしら?」

ほむら「ええ、あなたにはこんな服が似合うんじゃないかと思ってね」

ほむらが差し出したのは胸元を派手に見せつけ、さらにはへそ出しもするような、かなり派手なものだった。

織莉子「そ、そんなに派手なもの着れるわけないじゃない」

織莉子の顔は少し赤くなっていた。

織莉子「で…、あな…ふ………っち……な…着……」

織莉子は顔を伏せ呟くが、ほむらには愚かほかの誰の耳にも届くことなく言葉は霧散し、消えていく?

ほむら(織莉子には好意を抱かれているみたいね)

ほむらにはどうやら聞こえていたみたいだ。
55: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:50:37.84 ID:kCxIR3oAo
織莉子「こっちはちゃんとほむらさんに似合うと思うわ?」

そう言って織莉子が差し出すのは薄い紫がかったワンピースだった。

ほむら「あら?なかなかいいセンスしているじゃない」

ほむら「私の魔力と同じ色…」

織莉子からワンピースを受け取り、カウンターへ向かう。

織莉子「あら、買うの?」

ほむら「友人から勧めてもらったものですもの、大事にするわ」

こうしてほむらの私服が一着増えた
56: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:51:53.66 ID:kCxIR3oAo
[喫茶店にて]
織莉子「アフタヌーンティーを楽しむつもりだったけど、例のお店は軽食も美味しいのよ」

との話から昼食を話にあった喫茶店で取ることに決めた二人だった。

ウェイターからメニューとお冷を受け取り、メニューを開く。

ほむら「申し訳ないのだけれど、料理の種類には疎いの」

ほむらは本当に申し訳なさそうに話し出す。

ほむら「よければおすすめを教えてもらえないかしら」

織莉子は少し大人ぶった調子でもったいぶりながら、

織莉子「仕方ないわねぇ、軽食ならカルボナーラ、お紅茶はアールグレイがお勧めよ」

織莉子「それにね……」

織莉子の薀蓄が始まる。その顔はとても嬉しそうであり、楽しげであった。

ほむら(家があの調子なら、友人なんてきっと…)

ほむらは仕方ないと思いつつも、こんな時間も悪くないなと織莉子の話を聞き続ける。

ほむら「日常ってわるくないわね」

織莉子「えっ?なにかいったかしら?」

ほむら「そろそろ注文をしないかしらと言ったのよ」

織莉子「そ、そうね」

織莉子「ごめんなさいね、話を聞いてくれる人がいるのが嬉しくてつい…」

ほむらは優しげな笑みを浮かべ構わないわと言い、お互いに笑いあった。
57: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:53:07.77 ID:kCxIR3oAo
昼食を終え、食後の紅茶を楽しんでいると。

ほむら「美味しいわね、これならあなたが自分のとこをまだまだと言う理由が分かるわ」

織莉子「フフッ…そうでしょう?やっぱり連れてきて良かったわ」

織莉子は今日一日笑みが耐えない。件の一件から今日までの楽しさを取り戻すかのように、今日という一日を楽しんでいた。

そんな一日は急に終わりを告げる。

ほむらは急に立ち上がり窓の外の一点を凝視する。

織莉子「どうしたの?急にそんなに険しい顔をして」

ほむら「ごめんなさい、急用ができたわ」

ほむらは有無を言わさず続ける

ほむら「楽しかった日常を楽しむデートは終わり」
58: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:54:41.16 ID:kCxIR3oAo
ほむら「私は魔法使いだから、魔導の道を歩まないといけないわ」

織莉子は納得したような、不満そうな顔で、

織莉子「そう、そっち関係の話なのね…」

織莉子はふぅっとため息をついて、

      わたし まほう
織莉子「日常と 非日常 どちらが大事なの?」

ほむら「えっ?」

ほむらが返答しようと慌てふためくと、織莉子は少し寂しそうにに笑って

織莉子「冗談よ」

織莉子「さあ行きなさいかっこいい魔法使いさん」

ほむら「埋め合わせはいつか必ず」

言い切ると同時にほむらの姿は織莉子の前から消えていた。

織莉子(いつの間にか彼女無しの生活は考えられなくなってしまったわね)

織莉子(出会ってまだ二日だというのに、人間関係は時間じゃ計れないわねぇ)

織莉子はショッピングの時にほむらから勧められて購入した水晶玉のストラップを眺めながら、行ってしまったほむらのことを想い続ける
59: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:55:45.55 ID:kCxIR3oAo
[新しい出会い]
ほむらが察したのは魔女の気配だった。ほむらにとっては取るに足らない存在だが、人が巻き込まれているとなれば話は別だ。

風見のはぎりぎりほむらの手の届く範囲-ほむらの世界-だ。

ならば彼女は救って救って救い続ける。

何が彼女を掻き立てるのか?過去の約束?贖罪?それとも…?

嗚呼ほむらが戦場へ赴く。

彼女がたどり着いたら戦場は虐殺場へと舞台を変えるだろう。
60: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:57:25.29 ID:kCxIR3oAo
そうしてほむらは魔女の結界-虐殺場-へと辿りついた。

ほむら(結界ごと吹っ飛ばしてもいいのだけれどなかにいる人ごと吹っ飛んでしまうわね)

仕方なく入口から入るほむらの姿を遠巻きに見ていた魔法少女が一人いた

魔法少女(あん誰だありゃ?人の縄張りあらすなんていい根性してんじゃん)

魔法少女はほむらの戦力を分析するためにこっそりと後をつけて結界に入る。

魔女の結界内はあいも変わらずおどろおどろしい雰囲気だ。

結界の成分を分析するなら、精神的弱者への誘いと最低限の結界の維持だろう。

そして結界ないの内装は雰囲気とはうって変わって花畑である。

その香りは侵入者を惑わせ、疲れ果てたところで食料に変える。よくある話だ。

魔力を感知しながら進むほむらにとっては幻覚が見えようと関係はない。

もっともほむらに効果がある幻覚を魔女が使えるかどうかは話が別である。
61: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 22:58:31.13 ID:kCxIR3oAo
歩いていると、十数体の使い魔がほむらに対し襲いかかる。

ほむらはどこからか拳銃-デザートイーグル-を取り出し、トリガーを引く。




甲高い音が一つ響き渡る




と同時に周囲にいた使い魔が全て弾け飛んだ。




ほむら(誘導弾は雑魚相手に優秀ね)

拳銃はもちろん魔法で強化済みであり、弾薬の方も魔法陣を描き、コーティングしている。

今用いたのは誘導弾、悪意ある周囲5mの敵に飛んでいく弾薬だ。

後方に飛んでいった弾が弾かれているのを確認したが、今は先を急ぐのが先決だと思ったのか、歩みを速める

魔法少女(なんだ今のは!並の魔法少女じゃねぇが、もう少し様子見させてもらうぞ)
62: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 23:00:13.30 ID:kCxIR3oAo
そのまま使い魔の妨害を幾度かやり過ごし結界の最新部にたどり着く。

ほむらは即座に魔女に捕食されかけていた幼女を時間を止め救い出す。

この魔女は花畑の魔女とでも言うのだろうか。様々な花のツタがうねうねとしている。

ほむら「もう、大丈夫よ」

ほむらは精一杯の笑顔で恐怖を与えないようにする。そして幼女の周りに防護用の結界を張り、

ほむら「聞きたいことはあるかもしれないけれど、少しじっとしていて頂戴」

ほむらが幼女に声をかけると、弱々しく頷くのが見て取れた。

ほむら「いい娘ね、そういう娘は好きよ」

ほむらはそのまま魔女の方に向き直ると、会話なぞ待っているはずもない魔女がすでにほむらに対して攻撃を開始していた。

重量の単位がトンはあるであろうツタがほむらの上方からものすごいスピードで襲いかかる。

助けられた幼女は息を呑む。後をつけていた魔法少女は飛び出そうと身構える。

ほむら「まったく、悪役がヒロインの救出シーンにでしゃばってくるのはいただけないわね」

土煙の上がる中姿が見えたほむらは無傷。なにも影響はない。

その結果に腹を立てたのか、魔女はほむらにツタを何度も振り下ろす。
63: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 23:00:45.99 ID:kCxIR3oAo






再び舞い上がった土煙が晴れる

結果から言えばそこには誰もおらず、炎上している魔女の近くで笑みを浮かべるほむらがいた。
65: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 23:03:08.27 ID:kCxIR3oAo
時間を数秒巻き戻そう。魔女はほむらにツタを何度も振り下ろす。

一撃目--ほむらは魔力の不可視の盾で弾き飛ばす。

二撃目--時間を止めたのか、それとも自分自身を加速したのか、ツタをかわす。

三~七撃目--変わらず先ほどいた位置を攻撃し続ける。魔女を嘲笑する。

八撃目--馬鹿にするのも飽きたのでどこからか取り出したのか波打った刃が特徴的な一本の剣-フランベルジュ-を取り出す。








九撃目--は打たせない。
66: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/19(日) 23:04:37.91 ID:kCxIR3oAo
ほむらは言霊と供に魔法を繰り出す。

右手で剣を正面に構え

ほむら「我が名はほむら。炎の焔を冠する名を持つ者なり」

左手を自分の胸元に当てて魔力を抽出すし

ほむら「我が刃は魔を断つ浄化の刃なり」

剣を両手で構えなおすと同時に剣が紫色の光を発し始める。

ほむら「我が身と刃の共鳴を成して我が前の敵を葬らん」

剣を天に掲げ

ほむら「浄炎の魔法-ほむら-」

振り下ろす。

斬撃がまず魔女を二つに切断する。少し遅れて紫色の炎が魔女を焼き尽くし始める。

その炎はまるで意思を持つかのように魔女のみを焼いていく。

自分の成果に満足したのか、ほむらは不敵な笑みを浮かべながら魔女のそばに佇む。

その足元にコトリとグリーフシードがこぼれ落ちる。

その日ほむらはこの世界で初めての魔女を討伐した。
85: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:48:52.71 ID:newVhIluo
[家族の絆]
ほむらの生み出した炎が消えると同時に魔女の結界は消滅した。

あとに残されたのはほむらと幼女それから後をつけていた魔法少女それと





下半身がなく血まみれで、酸化したのかどす黒い色の内蔵をこぼれ出している男女の遺体だった
86: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:51:09.40 ID:newVhIluo
その遺体はおそらく幼女の両親であると思われる。

ほむら「間に合わなくて悪かったわ」

ほむらで間に合わなかったのなら他の者ではおそらくこの幼女を救い出すことすら難しかったであろう。

ほむらは反応の薄い幼女を抱きしめる。こうすればきっと心を開いてくれると信じていた。

隠れていた魔法少女は逃げ出そうと一歩後ずさる。

するとほむらは片腕で幼女を抱きかかえ、もう片方の手を横に振ると同時に魔法少女を取り囲むように魔法の檻が出現する。

ほむら「挨拶もなしに帰るのは失礼ではなくて?」

魔法少女「へぇ、あんたの挨拶ってのは相手を拘束することを言うんだね」

魔法少女の必死の強がりの声をほむらは聞き覚えがあった。

ほむら「あら?人の戦力を分析するだけして逃げるのは、お客様ではなく盗人というのよ?」

そんな人に挨拶が必要かしら?と呟きつつ空いている手で幼女の頭を撫でつつ

ほむら「ねぇ佐倉杏子?」
87: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:53:13.43 ID:newVhIluo
杏子「へぇ、あたしの名前も知っているのかい」

杏子は敵意をむき出しにしつつほむらを睨みつける

杏子「そんなあんたは何者だい?」

ほむら「暁美ほむらよ、いい名前でしょ?」

ほむら「そしてただの魔法使いよ」

杏子は目での牽制をやめず、

杏子「この辺はあたしの縄張りだ人のテリトリーを犯す方は盗人じゃないのかい?」

ほむらは声を荒げ、

ほむら「この娘がピンチだったのよ?貴方の縄張りであろうとここは私の手が届く私の世界だ!救って何が悪い!」

それに、と続け、

ほむら「このグリーフシードが欲しいならあげるわ」

ほむら「もう私の生涯には必要のないものですもの」
88: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:54:05.66 ID:newVhIluo
杏子は驚愕の表情を浮かべる。グリーフシードは魔法少女にとっては生命線と言っても過言ではないものだ。

杏子(それをあっさりと渡すだと!?一体何を考えてやがるんだ?)

杏子「何が目的だい?」

ほむらは少し考えるようにしていたが、

ほむら「目的は先程も言ったように私の世界を救うこと」

ほむら「あなた自身に望むものなんて何もないわ」





ほむら「私の慈悲を受けて」




ほむら「私に救われなさい」
89: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:55:21.45 ID:newVhIluo
杏子はほむらの態度に恐怖した。先ほどのほむらの戦いを見てもまだ何とか戦意を失わずに逃げるだけの気力は残すことができた。

しかし、今の一言で杏子の気力は失われてしまった。

杏子(こんなの並の魔法少女じゃ…いや人間ですらない)

杏子「化物が…」

ほむらは嬉しそうに、狂気的ともとれる笑みを浮かべ、

ほむら「あなたって鋭いわ」

ほむら「私の心の片鱗がまで見えてしまったのね」

ほむら「でも、化物になることで世界が救えるなら私は喜んで人間をやめるわ」

そのまま口論を続けると思われた二人だが、ほむらが抱えた幼女が口を挟む

幼女「喧嘩はダメだよ」

幼女は涙目で訴えかける。ほむらは空いている手を振り払い杏子を囲っている檻を開放し

ほむら「行きなさい、引き止めて悪かったわね」

杏子「こっちとしては二度と会いたくないね」

杏子「この偽善者め」

ほむら「きっとまた会うわ」

ほむら「世界の因果がそれを求めるもの」

ほむらの言葉を聞き終わるか終わらないかのうちに杏子は飛び去ってしまった。
90: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:56:14.60 ID:newVhIluo
残されたのは2つの遺体と二人の少女。

ほむら「改めまして、私は暁美ほむらよ」

ほむら「貴方のお名前を聞かせてもらってもいいかしら?」

幼女はなかなか口を開こうとはしなかったが、辛抱強く待っていると、

幼女「ゆま……千歳…ゆま…」

ほむらは怖がらせない少しずつ状況の説明をする。

両親を襲ったのは魔女と呼ばれる怪物であること、魔女は魔法少女と呼ばれる存在が退治しているということ。

ゆま「ならゆまも魔法少女になって、ホムラを手伝う!」

ほむらは嬉しいような、残念のような複雑な表情を浮かべ、

ほむら「気持ちは嬉しいのだけれd」

ゆま「ホムラもゆまのこといらない、役立たずって言うの?」

ゆまのトラウマを抉ってしまったのか、人に必要とされることでアイデンティティを保っているのだろう。

ゆま「ゆ、ゆまにだってできるよ!あんな怪物とだって戦えるし、ホムラの役に立てるよ」

ゆまの目から段々生気がなくなっていく

ゆま「だからゆまを一人にしないで」

ゆまの目から涙が洪水のように流れだす。
91: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:57:02.45 ID:newVhIluo
ほむら「あなたを魔法少女になることを肯定することはできない」

けれど、と続ける

ほむら「ねぇゆま、私と家族にならない?」

その日ほむらに家族という新しい絆が出来た。
92: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 00:58:01.18 ID:newVhIluo
[新しい家族を迎えるために]
ほむらは早速見滝原市の市役所に向かった。

そう、ゆまの新しい戸籍を作り、家族として登録するためだ。

ほむら「今の世の中身分がはっきりしていないと生きていくだけですら困難よ」

ゆまはほえ~とよくわからない表情を浮かべ

ゆま「ホムラの言うことなら間違いないよ」

と絶対的な信頼を置いていた。

ほむらは笑いながらゆまのことを見つめていた。

そして市役所に着く。戸籍の手続きは端折らせてもらおう。

簡単にいえば催眠術の魔法を使い非正規の手段でゆまの戸籍を獲得していた。
93: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:00:43.69 ID:newVhIluo
そしてその足でそのままほむらの家へ向かう。

そしてほむらの住むアパートに着き、執事のように恭しく一礼し、

ほむら「ようこそ、私たちの家へ」

ゆま「お、お邪魔します」

ほむらは人差し指を口の前で振りチッチッと紡ぎ、

ほむら「これからは『お邪魔します』ではなく『ただいま』よ」

ほむら「はい、言って御覧なさい」

ほむらはゆまに視線を合わせて促すと元気よく

ゆま「ただいま!」

ほむら「ええ、おかえりなさい」
94: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:04:21.79 ID:newVhIluo
ほむら「今日から貴方の名前は暁美ゆまよ」

ゆま「暁美…ゆま?」

ほむらはそうよ、と笑みを絶やさずに、

ほむら「家族になるんだもの、最初は慣れないかもしれないけれど我慢してね」

ゆま「うん!ゆまは暁美ゆま!」

ほむら「うん、いい娘ね、じゃあこれからのことを話しましょう?」

話すといってもほむらが決めたことに従ってもらうだけだ

ほむら「まずは学校ね、ゆまには見滝原小学校に通ってもらうわ」

ほむらは市役所での手続きのついでに小学校への編入手続き等一切を終えていた。

ゆま「ゆま学校に行ってもいいの?」

ほむらはその言葉で察した。きっと学校へ行かせられないような虐待を受けていたのだろうと

ほむら「ええ、これからはいっぱいお勉強して、いっぱい遊んで、いっぱいお友達を作りましょうね」

ゆまは突如降って湧いたような幸福な言葉を受け入れられないのか、

ゆま「ホムラがいればゆまはそれでいいよ?」

                        日常
ほむらは少し頭を抱えそうになったが、少しずつ平凡な暮らしを受け入れていけばいいと思った。

ほむら「学校は行かなければならないところなの、私の言うこと聞いてくれないかしら?」

ゆまは当然のように答えた

ゆま「ホムラが言うなら行くよ」

ゆまにとってみればほむらの言葉は神の言葉にでも聞こえるのだろうか、きっとほむらの言うことはなんでも聞くだろう

ほむら(刷り込みってやつに似てるわね)
95: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:05:20.28 ID:newVhIluo
ほむら「日用品は明日買いに行くとして、今日は疲れたでしょう?お風呂に入ってもう寝ましょう?」

ゆま「ゆまホムラと一緒に入るー」

ほむら(あんなことがあった後だもの一人にはしないほうがいいわね)

ほむら「ええ、いま沸かすからテレビでも見て待っていてちょうだい」

ほむらはお風呂場に向かい、魔法を使い風呂場を洗浄し、そのまま魔力の残滓を再利用しお湯を張る。

日常生活を楽にするためにほむらは魔力を惜しまない。

ほむらはゆまのための着替え、昔自分が着ていたパジャマを箪笥から取り出した。

ほむらは居間に戻り、つまらなそうにテレビを見ていたゆまに話しかける

ほむら「準備出来たわ」

ゆまはパァっと顔を輝かせトテトテとほむらの元へ行くと

ゆま「もうお風呂湧いたの?」

ほむら「私は魔法使いですもの、これくらい容易いわ」

ゆまはこれ以上なくらい明るい表情になり、ほむらに尊敬と敬愛の視線を向けていた。
96: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:06:08.18 ID:newVhIluo
[お風呂場にて]
脱衣所で服を脱ぎ、脱衣籠に放り込んでいく。一人暮らしの家でタオルを巻くなんてことはしない。

ほむらは先に脱ぎ終えると、少し脱ぐのに手間取っていたゆまを手伝う。

ほむら「手伝ってあげるわ、ほらばんざーいってしてご覧なさい」

ゆま「ばんざーい」

両手をあげるゆまから上着を脱がすと髪がめくれ上がり、額と髪の付け根部分にタバコを押し付けた痕が見えた。

ほむら(かわいそうに、私が両親の分まで愛してあげないと)

そのままキャミソールと下着を脱がし、二人で生まれたままの姿を晒す。

そのままお風呂場へ入っていき、

ほむら「まずはシャワーで軽く流してから湯船で温まりましょうね?」

ゆま「うん!わかった」

シャワーで二人で汗を流す。少し返り血を浴びていた箇所があったのであろうか、最初は若干赤い水で会ったが流し終える頃には赤みはなくなった

ほむら「若いだけあって綺麗な肌ね」

ゆまの肌がお湯を弾いている様子を見て、ほむらが呟くと

ゆま「ホムラだってすべすべだよー」

ほむらの二の腕をとてもとても大事そうに触れ指を這わせる。

ほむら「もうっ…くすぐったいじゃない」

ほむらはシャワーを止め湯船に浸かる。
97: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:07:19.76 ID:newVhIluo
一人暮らし用で大きくはない湯船だが、ゆまを膝にのせて湯に浸かる。

ほむら「お風呂はいいわね、人類が生み出した傑作のひとつだわ…」

ゆま「うーんホムラの言うとおりだよー」

二人でゆっくりしてると

ゆま「でもすわり心地はあんまり良くないかも」

ゆまの頭はちょうどほむらの胸のあたりを刺激する。

ほむら「はいはい、貧乳でわるかったわね」

ほむらは他人より発育が悪いことを重々承知していたので、特に何も思わない……本当だよ?

ゆまが、でもねと付け加えるように

ゆま「こうするとホムラの顔も見れて安心できるよ」

ゆまは振り返り、ほむらとゆまは抱きあうような格好になる。

ほむらは少し恥ずかしいと思ったが、ゆまの純真無垢な笑みを前にそんな感情は吹き飛んだ。

ほむら「抱きしめるのにちょうどいい大きさね」

とほむらはゆまを優しく抱きしめる。織莉子に抱きしめられてから抱き癖がついたのかもしれない。

ゆま「ムー、ちょっと苦しいよぉ」

ほむら「あら、ごめんなさいね」

ほむらは思ってたほど入っていた力をゆるめるが抱きしめるのはやめない。

お風呂の魔力か、それとも新たな絆の力かがほむらに弱音を吐く隙を与える。

ほむら「何も言わずに聞いてちょうだい」

ほむらは独白する。

ほむら「私は今まで、たくさんの間違いを犯しました」

ほむら「そのなかでたくさんの人を死なせました」

ほむら「それでも自分の欲求のために時間を巡るのをやめませんでした」

ほむら「終いには最後の世界さえ救えば許されると自己完結させました」

ほむら「終わり良ければ全て良しと考え、並列世界の行く末なんて考えません」

ほむら「そんな感情には鍵をかけました」

ほむら「だからこの世界は最後の世界にするために救うことに決めました」

ほむら「それが私にとっての贖罪です」

ほむら「あなたに優しくするのは自己満足以外のなんでもありません」

ほむら「ごめんなさい」
98: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:08:09.48 ID:newVhIluo
ほむらの告白を最後まで聞いたゆまは、その内容の半分も理解できていないだろうに、的確に話す言葉を知っていた

ゆま「許すよ、誰がなんと言おうともゆまはホムラを許す」

ゆま「他の世界なんてよくわかんないし、ゆまはホムラに救ってもらったゆまだよ?」

ゆま「もし世界がホムラを許さなくても許すよ」

ほむらはハッとした表情で、慈愛に満ちた笑みを浮かべ、

ほむら「ありがとう」

そしてこの話は終わりだと言うように、ゆまを抱きかかえ立ち上がり、

ほむら「体を洗っちゃいましょうね」
99: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:09:12.20 ID:newVhIluo
そしてほむらとゆまが体を洗い、髪の毛をお互いに洗い合う。

ゆま「ホムラの髪すべすべ~」

ゆまは気持ちよさそうにほむらの髪を撫でる。

ほむら「ゆまの髪は少し傷んでるわね」

ほむら「念入りにトリートメントしましょうね」

微量の魔力が混じった自家製のトリートメントをゆまの髪につけていく

量の少ないゆまの髪を洗い終わった後、ほむらの髪を二人で丁寧に洗う。

そして洗い流し、髪をまとめるためにタオルを巻き、もう一度シャワーを浴び温まり直し、お風呂場を出る。
100: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/21(火) 01:10:01.33 ID:newVhIluo
着替えを終え、髪を乾かす。ほむらほどの髪ならば、乾かすのに結構な時間がかかるだろうが、

ほむら「私の家では髪を乾かすのに時間をかけないわ」

とゆまに話しかけるとゆまは不思議そうな顔をしたが、パッと顔を輝かせ、

ゆま「魔法だねホムラ」

ほむらはそうよと頷き、ほむらの体から紫の光が一筋浮かび上がるとほむらとゆまの髪が乾いていた。

そのままパジャマに着替え、

布団を敷き、ゆまを手招きし、

ほむら「来なさい」

ゆまはとても嬉しそうに一緒の布団に入り、

ほむら「おやすみなさい」

ゆま「おやすみ」

電気が消える。ほむらの暖かさに安心したのか、それとも疲れがでたのか、数分後ゆまの寝息が聞こえた。

ほむら(いろいろあって今日は疲れたわね)

こっそりと織莉子に無事であったとメールを送り、ほむらも就寝しようと目をつぶる。

この日ゆまは新しい家族のぬくもりを手に入れた。
111: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:32:59.01 ID:lqqDPuYro
[転校初日]
夜が明け、空が白んでくる位の時間、大体6時くらいであろうか、ほむらは起床する。

ほむら(おはようございます)

ほむらは誰に対してでもなく、起きたというスイッチを切り替えるために心のなかで呟いた。

いつも通りに起き上がろうとすると横に小さな膨らみがある事に気づいた。

ほむら(ああ、ゆまと一緒に寝たのだったわね)

ゆまを起こさないように最新の注意を払い布団を抜け出し、お弁当の準備を始める。

外食で食べるようなメニューは疎いが、家庭用の料理は多少の心得があった。

ほむら(といっても簡単な物しか作れないけれどね)

昨日買っておいた自分用の紫色のお弁当箱と薄緑の少し小さめのお弁当箱におかず詰めていく。

簡単に、卵焼きとアスパラのベーコン巻きに冷凍食品の唐揚げをひとつ添えて、間に彩りを添えるために野菜を入れていく

お弁当をつくり終えると朝食の準備を始める。

朝は食パンにヨーグルト、それにコーヒーをブラックで飲むのがほむらの日常だ。

ゆまのためにコーヒーの代わりにココアの準備をする。

ほむら(起きてきたら入れてあげましょう)
112: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:33:49.45 ID:lqqDPuYro
7時少し前にゆまが目を覚ます。少し慌ててリビングに降りてくる。

ゆま「ホムラおはようー」

ほむら「おはよう、ゆま」

ほむらはコーヒーをすすりながら答えた。

ゆま「ごめんね、ゆま朝ごはんの用意も手伝えなくて」

ほむらはこのまま続けさせるとまた泣き出しかねないと思ったのか遮るように、

ほむら「いいのよ、私は朝に強いからね」

代わりに、と続けて、

ほむら「夕食を作るのを手伝ってちょうだい」

ゆま「ゆま、役に立てる?」

上目遣いでゆまが尋ねる

ほむら(上目遣いって可愛いわね)

と、少し場違いな考えが浮かんだが、

ほむら「ええ、役に立ってもらわないと困るわ」

ゆま「うん!ゆま頑張る!」

とても張り切っているのか、元気よく答えた。

ゆま「ねぇねぇ、夜は何を作るの?」

ゆまはワクワクしたように聞いてくる。

ほむら「そうね、学校が終わったら買い物にでも行ってそこでメニューを決めましょうか」
113: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:34:26.47 ID:lqqDPuYro
朝食を終え、学校への準備を終えると、二人で家をでる。

見滝原小学校と中学校は少し離れた位置にある。と言っても徒歩10分程度の距離なのだが。

ほむらはゆまをまず小学校の職員室へ送り届ける。

ほむら「いい子にするのよ」

ゆま「むー、ゆまそこまで子供じゃないよ」

ほむらは優しい笑みをゆまに向けて、

ほむら「はいはい、それでは私も学校がありますので、これで失礼します」

担任の先生に一礼しそのまま振り返り、中学校への道を歩き始める。

その背に先生の美人なお姉さんがいて羨ましいわねぇとゆまに話しかける声が聞こえた。
114: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:35:30.51 ID:lqqDPuYro
[自己紹介]
見滝原中学校へと辿り着いたほむらは、職員室へと向かう。

そこには担任の先生-早乙女和子-が出迎えてくれた。

和子「見滝原中学校へようこそ、私は暁美さんの担任の早乙女和子です」

和子「引っ越してばかりでまだわからないことばかりかもしれないけど困ったことがあったら、なんでも相談してね?」

ほむら(相変わらずこの人は良い人ね…)

ほむら(変わり続けるのは私だけ、か…)

ほむらの表情に一瞬影がさしたが、笑顔を作り返答する

ほむら「暁美ほむらです、お世話になることが多くなるかと思いますがよろしくお願いします」

和子は礼儀正しいほむらの応対に少し驚いたのかすこしどもる、

和子「ええっと、朝のHRで暁美さんを紹介するからそれまでちょっと待っててね」

和子は椅子を用意し、今日は特別よと一言加えお茶を一杯入れてくれた。

ほむら(このお茶、あまり美味しくないわ)
115: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:36:54.19 ID:lqqDPuYro
和子「目玉焼きは、半熟ですか?堅焼きですか?ハイ!中沢くん」

ほむらは教室の外に待機していたが、急にその話題を言い始めた和子にため息を吐く

ほむら(ここはいつも通りね)

ほむら(たまにはイレギュラーが発生して長続きしないのかしら?)

中沢「ど、どっちでもいいかと」

その答えに納得した和子は、卵の焼き加減に文句をつけるような奴とは交際しないようにと注意を促した後

和子「それでは、転校生を紹介します」

呼ばれたほむらはそのまま教室の中に入っていく。

男子の好機の目線と女子のざわめきを聞きながら、教室の前に立つ。

和子「では、自己紹介をどうぞ」

促され、黒板に名前を書く。

ほむら「暁美ほむらです、病気の治療のために見滝原に引っ越して来ました」

ほむら「こんな時期の転校で迷惑をかけるかと思いますが、よろしくお願いします」

無難な自己紹介をする。間違っても名前だけを言う自己紹介なんてしない。

ほむら(ここにいるみんなも私の世界だもの、好意を抱かれるに越したことはないわ)

ほむらはそれと、と呟き

ほむら「卵の焼き加減一つで壊れる絆で恋愛関係なんてありえないわ」

ほむら「先生も大人なら恋愛ごっこは卒業した方がいいわよ」
116: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:37:42.11 ID:lqqDPuYro
先生は涙目でほむらの席を教え、そのままHRは終わりと言い職員室へ帰ってしまった。

ほむら「何か癇に障ることでも言ったかしら?」

ふと、ピンク髪の少女の方と目が合うと少女は小さく手を振っていた

ほむら(まどかは相変わらず可愛いわね)

ほむらは小さく会釈し、着席する。

するとクラスのみんなが集まってきて質問攻めに合う。

どんな学校にいたのか、髪が綺麗だとか、先生にはあまり厳しいこと言わずに見守ってあげたほうがいい等色々聞かれた。

一斉にだ。さすがにほむらも困った様子で、

ほむら「以前はミッション系の学校ね」

ほむら「髪は美容師に勧められたトリートメントを使っているわ」

ほむら「先生には厳しいことを言ったほうが効果ありそうな人だと思うのだけれど…」

そこまで答えて授業開始のチャイムが鳴る。

クラスメイトはぞろぞろと席に戻り始める。
117: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:38:37.35 ID:lqqDPuYro
2限の授業まで終わり、休み時間ごとの質問攻めに少々疲れたほむらは

ほむら「ごめんなさい、保健室に行かないといけないの」

と言い、クラスメイトは連れて行くよーっと申し出てくれたが、

ほむら「係の人に頼むからいいわ、でもありがとうね」

とほほ笑みかけるとクラスメイトは頬を少し赤くし、照れていた。

まどかの席へ歩をすすめ

ほむら「まどか、保健室に案内してくれないかしら?」

以前出会った時にまどかが保健係であるということは話に出てきていたためかすんなり、

まどか「保健室だね、うん、いいよ」
118: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:39:21.93 ID:lqqDPuYro
保健室へ向かう途中

まどか「ほむらちゃんが同じクラスになるなんてびっくりしたよ」

ほむらはこのクラスに転入するのは知っていたがわざとらしく、

ほむら「ええ、私もよ」

ほむら「偶然ってあるものね」

まどかはウェヒヒっと笑い

まどか「これもほむらちゃんの魔法?」

ほむらは何も答えないでいると、まどかは少し慌てふためき、

まどか「えっ?えっ?嘘だよね?」

ほむらはフフッっと笑い、

ほむら「もちろんこんなことに魔法なんて使わないわよ」

まどかは拗ねたように

まどか「もう、ほむらちゃんなんて知らない」

ほむら「あら、嫌われちゃったみたいね、じゃあ他の人に案内を頼むしかないわね」

ほむらは少し周囲を見渡す振りをすると

まどか「じょ、冗談だよ、だからそんなことしなくてもいいよ」

そのまどかの態度にほむらは笑いをこらえる。

まどか「もぅ、また?」

ほむら「ごめんなさいね、からかいすぎたわ」
119: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:40:36.82 ID:lqqDPuYro
ほむら「ところで、例の話は覚えているかしら?」

まどかは少し考えるように、

まどか「魔法少女になっちゃだめってやつだよね」

まどか「うん、QBって子にはまだ出会ってないし約束も覚えてるよ」

まどか「大事なことなんだよね?」

ほむらはそうねと頷き、

ほむら「因果自体は私の方に集中するように細工したとはいえ、それまでに溜まった因果は結構な量だもの」

ほむら「対応するのには骨が折れるわ」

決して不可能と言わないあたりほむらには自信が伺える。

そうしているうちに保健室に到着した。

ほむら「ありがとう、まどか」

まどか「ううん、係の仕事をしただけだよ」

ほむらは少し悲しい顔を浮かべ

ほむら「係の仕事じゃなかったら案内してくれなかったのかしら?少し悲しいわね」

まどか「いや、えーとそんなことはなくて、えーと…」

ほむらは今度は笑いを堪えられず笑い出す。

まどか(笑ったらこんな顔をするんだ)

と見惚れてしまう。
120: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/22(水) 22:41:23.07 ID:lqqDPuYro
ひとしきり笑って満足したほむらは、まどかと別れ保健室に入室する。

3限はサボることに決めた。

ほむら(病弱キャラの強みよね)

と考えていると、ふと嫌な予感がほむらの背筋を走った

ほむら(なにか嫌な予感がしたわね、私自身に対する脅威ではなさそうな気配だと思うのだけれど…)

ほむら(念のため広域スキャンでもしようかしらね)

ほむらの体から紫の魔力の光が一瞬で周囲一帯にほとばしる。

ほむら「えっ…嘘…?」

巧妙に感知されないように展開された魔女の結界が張ってあることを見つけた。

結界を張ってから10分程度だろうか、もう既に犠牲者が出ているかもしれない。

問題はそこではない。

結界が張っている場所は


















見滝原小学校
133: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 01:49:32.64 ID:6gUg834uo
ほむら「ゆま…無事でいて…」

息を吸うように時間を止める。その後紫の閃光とともに見滝原小学校へワープのためのゲートを開く。

一刻も早く辿り着きたいため、詠唱は破棄されていたため精度が悪かったが、今回はそれがプラスに働いた。

ゲートを抜けると目の前に魔女の結界があった。小学校全体を覆う大きな結界だ。

ほむら(こんなのに気がつけないなんて情けない…)

ほむらは止まった時間の中走る。駆ける。駆けろ。

一度結んだ絆が消え去るのに恐怖する。絆で結ばれた世界すら守れない自分に嫌悪する。

いつか別れの時がくるとしたとしても、

ほむら「それは今じゃない!」

結界の最深部にたどり着く。
134: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 01:52:53.67 ID:6gUg834uo
結果だけ述べよう。魔女や使い魔によって出た犠牲者はいない。

なぜならそこには一人の魔法少女とQBがいたからだ。

ほむらはその魔法少女に見覚えがある。薄緑の髪の毛に猫耳のようなフードの魔法少女服

ほむら「ゆま…」

しかしそこにいたゆまは既に満身創痍。初めての戦闘に多くの生徒を守りながらのハンディキャップ。

これで魔女を圧倒していたら天才と呼ぶしかないだろうが、この物語に天才など存在しない。

ほむらは未だ止まった時の中ゆまの怪我の具合を確認する。

ほむら(よく……耐えてくれたわね…ありがとう…ゆま)

ゆまの服はすでにボロボロになっており、切れ目から覗かれる肌には痛々しい打撲の後がちらほら見える。

さらには左手はあらぬ方向に捻じれ曲がっており、右手も小指があったはずの場所からは血が流れていたが、かろうじて大きな杖を抱えている。

右足の膝から下はすでに消失しているが、治療したのか、傷口はふさがっている。

杖と左足でなんとか生徒を守るように魔女の前に立ちふさがるゆま。

ほむら(こんなにボロボロになってまで、守りたいと思ったのね)

ほむら(初めて出会った子達にここまで出来るなんて……)
135: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 01:54:23.70 ID:6gUg834uo
だが特筆すべきはゆまの目だ。そこに諦めの意思は微塵も感じられず、魔女に対する敵愾心がとても強く感じられる。

ほむらはその意思を感じ取る。その目は何にも代え難い至上の価値がある。

ほむら(嗚呼…なんて美しい目をしているのだろう)

その魂は高貴で格別だ。

ほむら(嗚呼…なんて気高い魂をしているのであろう)

千歳ゆま、もとい暁美ゆまはこの日暁美ほむらの隣に立つための階段を一段上った。

ほむら(私はゆまに最大限の敬意を払う)

もしほむらが後数分遅かったならゆまの魂はこの世から消え去っていたであろう。

だが、間に合った。ご都合主義もいいところかも知れないが、

ほむら(知ったことか)

ほむら(2度も間に合ったんだ、もうゆまは失わない)

ほむらは誰にも届かない声をあげる。

ほむら「さあ、ゆまのついでにこの学校ごと救いましょう」
136: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 01:55:00.97 ID:6gUg834uo
ほむらは数種類の結界を張り始める。生徒を守る結界、ゆまの治療の促進のための結界、ゆまの魔力の回復のため結界。

守り一辺倒の選択だが、

ほむら(魔女は私が直々に殺す)

ほむらの目つきが変わる。狩猟者の目だ。

この瞬間から魔女は脅威ではなく、狩られるだけの弱者だ。

ほむら(私のゆまを襲った罪は重いわよ)

そして時間は動き出す。

止まった時間の中殺してやるほどほむらの性格は良くない。
137: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 01:56:20.37 ID:6gUg834uo
ゆま「ほむらのためにもゆまは負けられないんだ!!!!」

ギリギリの時までほむらのことを思っていてくれたようだ

ほむら(嗚呼、こんなにまで思ってもらうなんて私はなんて幸せなんでしょうね)

ほむら「最後まで目を閉じないのはとても、とても立派よ…ゆま」

ゆまの気高き目が歓喜の目に変わる。そして安心したのか涙腺が決壊したように涙があふれだす。

涙が流れるのも関係なしにほむらに近寄ろうとするが、足がないのでそのまま前メリに倒れる。

もちろんほむらはゆまを倒れさせたりしない。すぐに近寄ってゆまを抱える。

ゆま「もぅ、遅いよホムラ」

ほむら「ごめんなさい、何も言い訳できないわ」

ゆま「ううん、来てくれただけで嬉しいよ」

そしてゆまを安全な結界内に降ろし、

ほむら「ねぇゆま、あの魔女は一緒に倒しましょう?」

ゆま「えっ?ゆま一緒に戦いたいけどこんなのじゃあ…」

ゆまは満身創痍な自分自身の体を苛立ちながら見つめる。

ほむら「祈ってちょうだい、私の力になりたいと」

ゆまはよくわからずに首を傾げると、

ほむら「魔法少女の祈りは魔力となりて力となす」

ほむら「さあ、私の力となってあいつをやっつけるわよ」
138: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 01:57:58.08 ID:6gUg834uo
無論ほむらの力なら一人で魔女を退けるのは赤子の手を捻るより簡単であろうが、ほむらは共闘したいと望んだ。

いい変化であろう。一方的な救済の立場から、共闘しようと手を差し出す立場に変わったのだ。

ほむらは自分の貼った結界から抜け出し、魔女と相対する。

おもちゃの魔女のようだ。おもちゃで子供の気を引きそこで捕食するゲスな魔女のようだ。

魔女がほむらに対し突進を繰り出す。それを片手で弾くようにいなすとほむらは分析した。

ほむら(速さだけが売りで決定力が欠けるようね)

魔女の怒りに反応したように周囲のおもちゃ-使い魔-が動き出す。

電車のおもちゃがものすごいスピードでほむらに突っ込んでくる。

飛行機のおもちゃが機関銃のようなものを打ち出す。

人形のおもちゃが爆弾を投げつけてくる。

受けるよりも早くゆまの祈りがほむらに届く。

ほむら(来たわね、始めるわよ)

ゆま(えっホムラの声が聞こえる?)

絆で結ばれ祈りが通じた二人は一心同体。

ほむら(こちらの状況もわかるようになるはずよ)

ゆま(わ、わわ、ホムラ前!前!)

ゆまはほむらとの視界を共有し注意を促す。

ほむら(ええ、対処は簡単よ)
139: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 01:58:56.75 ID:6gUg834uo
ほむらの周囲に魔力によるバリアが貼られる。

使い魔の攻撃をやり過ごしたほむらはアサルトライフル-AK47-を取り出し数発打ち出す。

半径3メートルの円状に数百、数千の弾丸が分裂し使い魔に襲いかかる。

たった一発での面制圧。ショットガンのように拡散するのではなく円のまま跳びかかる弾丸に使い魔はなすすべがなくはじけ飛んだ。

周囲の使い魔にも同様に面制圧で圧殺し、ほむらは魔女に向き直る。

魔女に恐怖の感情があったのか、逃げ出そうとする。

ほむら「逃がすわけないじゃない、ここで死になさい」

既に逃走防止の結界を張っていたほむらに魔女は向き直り、決死の覚悟で飛びかかってくる。

ほむら(ゆま、とどめを刺すわよ)

ゆま(うん、ホムラとならなんでもできるよ!)
140: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 02:00:39.18 ID:6gUg834uo
ほむらの体から紫の光と薄緑の光がこぼれ出す。

魔力が形を成し具現化される。

ほむら(これが私とゆまの武器よ)

ゆま(ごっついね…)

ほむらが手に持っているものは、薄緑のスレッジハンマー。見目にも尋常じゃない大きさだとわかる。

持ち手1.2m、打ち出すためのハンマーの部分は半径約1mになっている反対側には穴を開けるためか、物々しい巨大なトゲが付いている。

とてもこの武器を持って魔法少女などとは名乗れないだろう。圧倒的な存在感に、対峙するだけで恐怖を覚えるであろう。

向かってくる魔女にほむらはハンマーをひと振りすると、魔女の反応の方がやや早く、避けられてしまうがハンマーの風圧でカウンターはさせない。

素早い敵に対して愚鈍な武器を用いるのは愚策である。

ほむら「でしょうね、でもこれで準備は終わりよ」

ほむらはハンマーに魔力を込めクルクル回し始める。

ほむら「当たらないのなら…」

ゆま(当ててしまえばいいんだよ!)

ほむら「ええ、そうよわかってるじゃない、ゆま」

ゆま(えへへ、褒められた)

ゆまは随分嬉しそうな声音で答えた。

刹那、ほむらを中心に竜巻が発生する。

その竜巻はいわば風の結界。魔法陣を貼るだけが結界ではない。

竜巻に巻き込まれた魔女は中心で孤立する。

上空に佇むは暁美ほむら。

ほむら「終わりよ」
141: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 02:02:15.28 ID:6gUg834uo
ほむら(大技いくわよ、あなたの言霊を紡いでちょうだい)

ほむら「風を司りし魔力とともに我らは往く」

ほむらはハンマーをクルっと回し頭上にかざす。

ゆま(ゆまの魔力で暴れちゃえ)

ほむらの胸のあたりから紫色の光と薄緑の光が混在しながら浮かび上がる

ほむら「我らが鉄槌は悪を粉砕せし神器也」

2種類の魔力が魔法陣を描き出しほむらのハンマーを挟み込む

ゆま(ゆまとホムラの絆の力を合わせて!)

魔法陣がハンマーに吸い込まれると、覆うように防風が吹き荒ぶ。

ほむら「去ね!!」

ほむらがハンマーを振りかざし、

ほむら ゆま『浄風の鉄槌-暁美-』

降下しつつ、振り下ろす。

風の結界と、ハンマーから吹く暴風に魔女は身動きがとれない。

ハンマーの風がカマイタチに変わり、魔女の体に無数の切り傷をつける。

魔女が苦痛の悲鳴をあげるが、それが魔女の断末魔となった。

そのままほむらとゆまの鉄槌が魔女を叩き潰す。
142: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/24(金) 02:03:40.23 ID:6gUg834uo
そしてコロリとほむらの足元にグリーフシードが吸い込まれるように転がってくる。

ほむらは不快そうにグリーフシードを睨みつけ、そのままハンマーで叩き潰す。

ほむら「あなたの魂なんて一片たりとも使ってやるもんですか」

ほむら「あなたが存在してたということ自体不快だわ」

ほむら(さて、ゆまに魔法と魔術、グリーフシードや魔法について教えてあげなければならないわね)

魔女の結界がとけるのを確認したほむらは保護していた生徒達の結界に記憶消去の術式を加える。

これでおそらくは謎の集団昏睡事件として片付けられるだろう。魔法が世間に出るのは良いことではない。

そしてゆまの結界に入るとそこには傷が完治したゆまとQBがいた。

QB「君は一体…」

この世界ではなるべく会わないようにしていたが、どうやら縁が合ってしまったようだ。

ほむら「私は暁美ほむら、私のことはそのうち話してあげるわ」

ゆまが元気なところを見せつけるようにほむらのもとに走り寄ってきて、

ゆま「ホムラー、ゆま役にたててた?」

ほむらは優しく頷き、

ほむら「ええ、十全な活躍よ」

ゆまの頭を撫でる。ゆまはエヘッっと照れながら嬉しそうだ。

ほむら「ゆま、夕飯の後にこれからのことを十分に話しましょう」

ほむら「適当に話を合わせて早退して家でゆっくり休んでいなさい」

ほむら「少し休息が必要よ」

ほむらは振り返り、歩みを進める。

ゆま「ホムラどこ行くの?」

ほむら「いい子の私は学校をサボるわけにはいけないの、わるいわね」

子供たちを救った英雄は日常へ帰還する。
168: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:02:33.42 ID:EvVHnhiEo
[友だちとのお弁当]
見滝原中学校に帰還したほむらは保健室には帰らず、教室へ戻った。

先生「おお、どうした?」

ほむら「少し気分が悪くて保健室へ行っていたのですが、よくなってきたので戻って来ました」

先生「わかった、出席にしておくから席につきなさい」

その後は授業を淡々と聞いるだけだった。
169: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:03:44.86 ID:EvVHnhiEo
チャイムが鳴りお昼休み、青髪の少女になにか話しかけられつつ、まどかがほむらの方に歩いてくる

まどか「ほむらちゃん、良かったらお昼ごはん一緒に食べない?」

ほむらは、少し笑みを浮かべ、

ほむら「お誘いはとても嬉しいのだけれど、迷惑じゃないかしら?」

ほむらは後ろに控えている青髪の少女と緑髪の少女に目を向ける。

まどか「二人共ほむらちゃんを誘うのに賛成してくれたから大丈夫だよ」

ほむらはそれなら、と付け加え、

ほむら「ご一緒させてもらおうかしら」

ほむらがお弁当箱を持ち立ち上がると、フワっと髪がなびく、

まどか(ほむらちゃんいい香りがするな…)
170: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:04:53.34 ID:EvVHnhiEo
まどか達の言で屋上で昼食を食べることにした。

屋上につきお弁当を広げる前に、

ほむら「改めまして、暁美ほむらです」

青髪の少女と緑髪の少女に向けて話す。

青髪の少女「美樹さやかちゃんでーっす」

緑髪の少女「志筑仁美です、よろしくお願いしますわ」

ほむら「美樹さんと志筑さんね」

さやか「よろしくね、ほーむら」

ほむらは笑顔で頷き、

ほむら「お互い自己紹介も終わった所で、お昼をいただいちゃいましょう」
171: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:06:43.25 ID:EvVHnhiEo
ほむらがお弁当箱を開くと3人とも驚きの声を漏らす。

まどか「ほむらちゃんのお弁当可愛いねー」

さやか「うーん、これは女子力高いお弁当だわー」

仁美「これは、ご両親がお作りになったのですか?」

ほむらはちょっと得意げに、

ほむら「妹と二人暮らしをしているの、お弁当は自作よ」

ほむら「といっても、大したものではないからそんなに見られると恥ずかしいわ」

さやか「これはもうほむらを嫁にもらうしかない!」

仁美はキラキラした瞳でさやかとほむらを見つめていると、

まどか「そ、それは駄目だよぉ」

さやか「おぉ?まどかはもうほむらにラブなのか」

仁美は更に嬉しそうな表情を浮かべていた。ほむらはそのやり取りを楽しそうに眺めている。

まどか「ええっとほむらちゃんは大切な友だちで、さやかちゃんにも取られたくないかなって」

まどかは顔を赤くして、

まどか「でもそれは変な意味じゃなくて…」

まどかは救いを求めるようにほむらの方に視線を向ける。

まどか「ほむらちゃんもなにか言ってよぉ」

ほむら「嫌だわまどか、あの日のことをもう忘れてしまったのかしら?」

ほむらの笑みの意味に気づいたさやかと仁美は、

さやか「おお?こりゃー意味深ですなー」

仁美「女の子同士で…それは禁断の愛の形ですわ」

まどかはうろたえて、慌てふためきうまく言葉が紡げず顔を真っ赤に染めていると、ニヤニヤしてる3人の視線にようやく気づいた

まどか「もぅ、からかわないでよ」
172: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:08:19.19 ID:EvVHnhiEo
その後お弁当を食べながら話していると、ほむらとまどかの出会いの話になった。

魔法のことを伏せつつエイミーを救った話を聞かせる。

ほむら(一般人に魔法を話すなんてことはしないわ)

さやか「へぇ~、そんなことがあったんだ?まどか、大丈夫だった?」

まどかはウェヒヒっと笑ったあとガッツポーズを作りながら、

まどか「この通りピンピンだよ」

仁美「まどかさんは時々抜けてるところがありますから、気を付けないとダメですよ」

まどかはしょぼんとしながら苦笑いを浮かべる。

さやか「ほむらもありがとね、ほむらのおかげで親友が悲しむ姿を見ないで済んだよ」

仁美「私からも御礼申し上げますわ」

ほむらは首を振り、

ほむら「まどかにも言ったのだけれど、当然のことをしただけだからお礼の言葉は受け取れないわ」

さやかは感心したように頷き、

さやか「これはまどかが惚れるのもわかるわ」

ほむらは不思議そうな顔をし、まどかは照れていた。
173: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:09:38.48 ID:EvVHnhiEo
ほむらは携帯電話のバイブレーションが鳴るのを感じる。

失礼、とだけ言葉で紡いで携帯電話を開く。

From:ゆま

sub:お弁当

本文:美味しかったよ~(*゚▽゚*)
こんな美味しいお弁当初めてだよ!ありがとねホムラ!

ほむらはとても優しそうに微笑み、大事そうにもう一度メールを眺め、空になったお弁当は水につけておくようにと返信をし、顔をあげる

さやか「あんたはママか!」

ほむらはポカーンとしながら、疑問をぶつける。

ほむら「意味がわからないのだけれど、どういう意味かしら?」

仁美「今の携帯を見る表情が母性に満ちあふれた顔をしていたという意味ですわ」

まどかも頷いて同意しているところを確認すると、

ほむら「同い年にそんなこと言われるとは思わなかったわ」

と、全員の笑いを誘う。

またしても携帯が震えるのを確認すると、

ほむら(またゆまかしら?)

From:美国織莉子

sub:

本文:分からない
174: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:10:54.32 ID:EvVHnhiEo
ほむら(分からないのはこのメールの意味よ)

ほむらは宛先を間違えてないか途中送信でもしてしまったのか?と返信を返す。

仁美「さっきとは打って変わった表情をなさいましたね」

ほむら「友達から、おふざけのメールが来ただけよ、特に意味はないわ」

さやかは興味深そうに身を乗り出し、

さやか「前の学校の友達?そーれーとーもー彼氏とか?」

恋愛関係に興味津々な年頃だ、こうやってかまをかけて情報を聞き出したいのだろう。

転校生ともなれば情報量がゼロからはじまるためその標的にさらされるのも仕方がないだろう。

ほむら「今は特定の誰かとお付き合いする気はないわ」

さやかは意外そうな表情を浮かべ、

さやか「そんなに美人なのにもったいないわー」

ほむらはやれやれとした表情を浮かべたが、年相応の会話をするのも悪くないなと思った。

そして昼休みのまったりとした時間は過ぎていく。
175: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:11:59.85 ID:EvVHnhiEo
[放課後の出会い]
時は過ぎ、6限の授業を終え放課後になった。

ほむら(受動的に話を聞くだけとなると退屈ね)

能動的に研究をしてきたほむらにとって、授業は新鮮ではあったが退屈だった

そんなことを考えながら帰りのしたくをしているとまどかとさやかが話しかけてきた。

まどか「あのね、これからデパートにいってCDとか見に行くんだけど、ほむらちゃんも一緒にどうかな?」

ほむら「ごめんなさい、今日は食料品を買って帰らないといけないの」

まどかとさやかは少し残念そうな顔をしていた、

ほむら「けれど、日用品を買う用もあるの」

ほむら「デパートまででよかったらご一緒させてもらえないかしら」

道もあまりわからないしね、と付け加えると

さやか「うんうん、道案内は任せなさーい」

と無駄に元気なさやかに対し苦笑を返すしかなった。

帰り支度が整ったほむら達は校門へ歩みを勧めた。
176: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:14:00.30 ID:EvVHnhiEo
デパートへ向かう途中、

さやか「ほむらはさー、なにか音楽とか聞く?」

ほむらは少し困った顔をして、

ほむら「ごめんなさい、音楽にはちょっと疎くて分からないわ」

さやかはそっか、と少し残念そうに相槌を打つ。

まどかはねぇ、ほむらちゃんと問いかけ、

まどか「さやかちゃんはどんな音楽聴くと思う?」

ほむら(きっと頭の悪そうな音楽もとい、最近の流行りのポップスとか言うんでしょうね)

ほむらは少し考える素振りをみせ、

ほむら「きっと盛り上がりやすい、アップテンポな曲を聴くんじゃないかしら?」

まどかは嬉しそうに、

まどか「ブブー、正解はクラシックでしたー」

ほむらは驚きの表情を浮かべ、

ほむら「意外ね…」

さやかは照れくさそうに視線をそらし、

さやか「幼馴染がバイオリンやってて、その関係で聞くようになったんだよね」

さやかは照れ隠しのように茶化した声で

さやか「だー、ほむらも似合わないってあたしをからかう気か?」

ほむらは首を横に振り、

ほむら「いいえ、いい趣味だと思うわ」

ほむら「たとえ音楽を聞くだけでも、打ち込めるものがあればそれは大きな力になるわ」

ほむら「だから、その気持ちを大事にしたほうがいいわ」

さやかはアハハっと笑うと

さやか「なんかいい事言ってるんだろうけどあたしバカだからわっかんないわ」

まどかもは確認するように、

まどか「継続は力なりってこと?」

さやか「おお、それならあたしにもわかるぞよ」

ほむらはそうよと笑い、道を歩んでいった。
177: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:14:50.00 ID:EvVHnhiEo
デパートに到着し、まどかたちと分かれる。

ほむら(さて、ゆまの日用品とか買い揃えましょうね)

ほむらは雑貨屋に向かい、ゆまに似合いそうなものを選んでいく。

ゆまの色である薄緑のものを優先する。

ある程度揃え終わり、会計を済ませる。

一度荷物を持ち、トイレの個室に入る

ほむら(邪魔な荷物はさっさと倉庫にしまっておきたいのに、人前じゃあしまえないのが不便ね)

ほむらは魔力で生成された自分だけの倉庫空間を開き、荷物をしまい表に出る。

ほむら(さぁ、次は食料品を買って帰りましょうかね)

そう思った刹那デパートの人気のないエリアに魔女の結界が張られるのを感じる。

ほむら(面倒なタイミングで出てきたわね、まどかたちに被害が出る前に倒してしまいましょう)
178: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:16:09.92 ID:EvVHnhiEo
ゆま(魔女が近くにいるみたいだけど、ゆま手伝う?)

ゆまからテレパシーが届いてきた。ほむらは周囲から怪しまれない程度に頬を緩め、

ほむら(あら?もうそんなことまでわかるようになってるのね、なかなか才能豊かじゃない)

ほむら(でも今回はいいわ、もう少し休んでなさい)

ほむらがそう答えると不満そうな口調で、

ゆま(もう充分休んだから大丈夫だよー)

特に急ぐわけでもなかったので歩いて魔女の結界へ向かう。

ほむら(自分ではわからないところに疲労は溜まっていくのよ、我慢してちょうだい)

魔女の結界にまどかたちが迷い込んでしまったことを感知すると、ほむらは早足になる。

ゆま(ほむらがそう言うなら聞くけど、ムー)

ほむら(はいはい、今日はハンバーグでも作ってあげるから許してちょうだい)

ゆま(ハンバーグ!絶対だよ!)

ほむら(ええ、その前に魔女をさくっとやっつけるから待ってなさい)

そして、魔女の結界に入りまどかたちのところへ向かう。
179: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:18:08.79 ID:EvVHnhiEo
そこには既に黄色い魔法少女の先客があった。

なにやらまどかとさやかに話しかけていたようだが、少し行動が遅い。

大量のマスケット銃を呼び出しているようだが、ほむらはしびれを切らしたように拳銃を取り出す。

パァンと甲高い一発の発砲音と共に周囲の使い魔を一掃する。

ほむら「いいところを見せつけたいのかもしれないけれど、行動が遅いし魔力の無駄遣いよ」

黄色の魔法少女「えっ?」

黄色の魔法少女はほうけた様にほむらの方へ目線を向ける。目線の先にいるのはもちろんほむらの姿だった。

ほむら「美樹さんにまどか、怪我はない?」

ほむらは心配そうだ。

まどか「あの人が守ってくれたから大丈夫だよ」

まどかは安堵の表情を浮かべ、

まどか「また助けられちゃったね」

さやかは二人の様子に慌てて、

さやか「ってなに順応しちゃってんのさ!ほむらこれは一体どういうこと!?」

ほむらは黄色の魔法少女に目線を向け、

ほむら「その話はまたあとで、今は彼女と話をつけないといけないわ」
180: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:20:24.59 ID:EvVHnhiEo
ほむらは黄色の魔法少女に近寄り、

ほむら「はじめまして、暁美ほむらよ」

ほむら「今日見滝原中に転校してきた2年生よ」

黄色の魔法少女は敵意がないと感じたのか、少しだけ緊張を緩め、

黄色の魔法少女「私は巴マミ、見滝原中の3年生よ」

マミ「その落ち着き様を見たところあなたもベテランっぽいわね」

未だ警戒は解かないが、提案してくる、

マミ「見滝原のこともまだあまりわからないでしょう?よかったら手を組まない?」

マミの言に少しイラついた表情を浮かべる

ほむら「あなた"も"?あなたの魔法に携わった年月なんて私の何京分の一程度でしょう?」

一緒にされたくないわと吐き捨てるようにつぶやき、

ほむら「それに、今のあなたとは共闘することはできないわ」

呆れた表情を浮かべ、

ほむら「だって共闘って、実力が近しいもの同士がするものでしょう?」

ほむら「だからあなたは」

ほむら「私に」

ほむら「ただ救われるだけでいなさい」
181: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:21:44.82 ID:EvVHnhiEo
マミ「随分と自信満々なのね、ハッタリだとしても京だなんて誇張しすぎよ」

実際にそれくらいの差があることをマミは知るすべもない。

マミ「共闘を望まないと言うことはわかったわ」

なら、と付け加え

マミ「邪魔をしないというのなら不可侵条約を結びましょう」

ほむら「そういうことなら喜んで」

ほむらはどこからか羊皮紙とペンを取り出し、ササッっと記入する。

内容はこうだ、

暁美ほむら、巴マミ両名の間に互いの邪魔をしない誓を結ぶ。

ほむらは指の先を歯で噛み、その紙に血を押し付ける。

ほむら「血の誓いよ、あなたもやってちょうだい」

マミ「非常に怪しいのだけれど?」

マミ「だけれど、ここで信用しないことには何も始まらないわね」

マミは仕方ないと濁し、同様に血を紙に押し付ける。

ほむら「契約は成立よ」

羊皮紙が黄色と紫色に光となり、マミとほむらの中に溶け込む。
182: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/26(日) 00:22:50.13 ID:EvVHnhiEo
そんなことをしているあいだに魔女の結界が溶ける。

ほむら「あら?逃げたようね、なかなか頭のいい魔女だわ」

マミは少し残念そうな顔をし、ほむらに向き直る。

そこにはもうほむらはおらず、既に帰り道の方へ向かっていった。

マミ「どこへ行くのかしら?」

ほむら「妹がハンバーグを待っているの、悪いわね」

マミ「もう少し情報交換がしたいのだけれど?」

ほむらは興味なさ気に振り返り、

ほむら「妹優先よ」

ああそうだ、と付け加えるように

ほむら「まどかと美樹さんに魔法少女について説明しておいてもらえると助かるわ」

ほむらは言いたいことを一方的に言い切る。

そしてもう絡まれるのはごめんだと思ったのか、時間を止めさっさと退散する。

マミとは最悪の出会いとなった。
200: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/30(木) 23:47:59.44 ID:gJFAHdjTo
[新たな魔法少女の誕生]
買い物を済ませ帰宅したほむらは、ゆまの歓迎を受けた。

ゆま「ホムラ、おかえりー」

ほむら「ええ、ただいま」

ほむらはゆまの頭を撫でながら、

ほむら「お出迎えありがとうね」

ゆまは嬉しそうにほむらが手に持っていた買い物袋を受け取り、台所へ運ぶ。

ほむらは異次元の倉庫からデパートで購入したゆまの日用品を取り出し、棚にしまっておいた。

ゆま「それ、ゆまの?」

ほむら「ええ、そうよ」

ゆまはエヘヘっと笑い

ゆま「ありがとうホムラ、大好きだよー」

ほむらはにっこり笑い返し、

ほむら「さあ、まずは夕飯にしましょうか」
201: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/30(木) 23:48:43.20 ID:gJFAHdjTo
宣言通りゆまと共にハンバーグを作り、夕食を済ませ後片付けまで終わらせる。

ほむら「さて、じゃあ魔法少女とか魔法の説明をしましょうか」

ゆまは元気よくハイっと返事をしたが、ほむらとゆまはとある方向へ目を向けた。

ほむら「魔法少女が2人も生まれた…?」

そして、その発生した場所の一つにほむらは覚えがあった。

ほむら「織莉子…?」

ほむらはうっすらとした失望と少々の怒りと、毅然とした決意を持って織莉子の家に急ぐ。
202: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/30(木) 23:53:03.50 ID:gJFAHdjTo
織莉子の家にたどり着くとそこには暗い表情でへたり込んでいる織莉子とQBが佇んでいた。

QB「さぁ、キミの魔法を試してごらん 」

ほむらは拳銃を取り出し撃ちながら、

ほむら「その必要はないわ」

QBが破裂する。織莉子はそのこと自体は気にせずほむらがこの場所に来たことに驚きの表情を浮かべた。

ほむら「こんばんは、織莉子良い夜ね」

ほむらは無表情のまま織莉子に言い放つ。

ほむら「そして馬鹿野郎」

織莉子には人間として、代え難い日常としてほむらの傍にいて欲しかった。だとか切羽詰まった状況でもないのに安易にQBに頼られる自分の不甲斐なさ。

それら言いたいことは山ほどあったが、馬鹿野郎と一言で言い表した。

織莉子はどのように感じたのであろうか大粒の涙を目からこぼし始める。

ほむら「今夜の私は厳しいわよ?泣いた程度で許されると思わないでちょうだい」

そう言うほむらの表情は今にも泣き出しそうであり、苦虫を噛み潰したような表情だ。

ほむら「とりあえずQBと契約する経緯を教えてちょうだい」
203: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/30(木) 23:55:11.14 ID:gJFAHdjTo
織莉子の話をまとめるとこうなる。

ほむらと出会い精神的に多少回復した織莉子はしばらく休んでいた学校に登校することを決意した。

ほむらとうまくいったから大丈夫、自分には心の支えがある。と自信満々であった。

しかしそこに待ち構えていたのは、以前と変わらない…いやそれ以上の陰湿な陰口といじめであった。

また登校してくるなんて何考えているんだ、とか生きてて恥ずかしくないのかとか、机の上には花瓶が乗っていたり、話しかけても無視されるか罵倒が飛んでくる。

クラスメイトはもちろん、他クラスの生徒も先生すらもいじめの参加者だ。

この時点ではまだ織莉子の心は折れていなかった。

お昼休みにこっそりほむらにメールをだして、心の平穏を保とうと思っていたからだ。

嗚呼、この時ほむらの事情を気にしないで電話を掛けていたら、まだ心を保っていられただろうが、そうはならなかった。

メールを打とうと携帯電話を取り出し、少し打ったところでクラスメイトに携帯電話を取り上げられる。

そして勝手に送信され、意味がわからない内容のメールが送られたことだろう。

そこでほむらの存在で保っていた織莉子の心が呆気無く折れた。

そのまま下校し、家でずっと絶望に暮れているとQBがやってきて、願い事を一つ叶えてくれると言った。

そしてこう答える。

織莉子「私の生きる意味を知りたい」
204: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/30(木) 23:57:11.04 ID:gJFAHdjTo
織莉子「そうしたところで、ほむらさんが来たのよ」

事情を話したせいか多少は落ち着いた声で話し終える。

ほむら「そう、事情はわかったわ」

ほむらはでもね、と続ける。

ほむら「生きる意味なんて他人から決められるわけではないわ」

貴方の願いを否定するようで悪いけれどね…と申し訳なさそうに続け、

力強くでも、と言い放つ

ほむら「それでも他人から生きる意味を貰いたいというのなら」




ほむら「私が貴方の生きる意味になりましょう」







ほむら「私のためだけに生きて」







ほむら「私のためだけに死になさい」
205: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/30(木) 23:59:52.30 ID:gJFAHdjTo
心が折れてぐちゃぐちゃになっていた織莉子の心にスッと何かが入り込んできたように感じた。

支えを失ったと思い、頼るものもない織莉子にとってほむらの言葉は神の啓示のように聞こえた。

そのまま織莉子はほむらに頭を垂れ、跪き。

織莉子「畏まりました、ほむら様」

急な態度の変化に動揺したほむらは、

ほむら「はぁ?」

思わず声に出てしまったようだ。

ほむら「様ってなによ、いつも通りにほむらと呼び捨てで呼べばいいじゃない」

織莉子はニコっと笑い、吹っ切れたように、

織莉子「私の生きる意味になって下さるのでしょう?だったら私は仕えないといけないわ」

織莉子「多分そうしないと私はもう私でいられなくなる」

ほむらはため息をつきながら、

ほむら「勝手にしなさい…」

織莉子「畏まりました」

調子狂うわね…とボソっと呟き、風見野の方の気配に気を配る。

どうやら杏子が魔女と戦っているようだ、

ほむら「とりあえず、魔法の事とか色々説明してあげるから明日の放課後うちに来てちょうだい」

織莉子は困ったように答える

織莉子「ごめんなさい、私ほむら様のご自宅を知らないの…」

なるべくほむらの要望に応えたいと思った結果、敬語と話口調がチグハグになっている。

ほむら「先ほどの話だと白女にはもう思い残しはないのでしょう?」

だったら、と続け、

ほむら「貴方も見滝原中に来なさい」

ほむら「めんどくさい手続きもやってあげるわ、ついでに同じクラスになるようにもしてあげる」

織莉子「ほむら様の仰せのままに…」

織莉子はでも、と呟き

織莉子「私は3年生なのだけれど…」

ほむら「だったら戸籍の産まれた年を1書き直すだけじゃない?簡単でしょ?」

織莉子「畏まりました、ほむら様」
206: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:01:23.64 ID:s+84ZeKuo
[赤の魔法少女との和解]
そこまで話を続けると杏子の方の以上に気づいた。

どうやら二重に貼られた魔女の結界の外側だけを破壊し油断したところを魔女に狙われているみたいだ。

ほむら「今日は千客万来ね…」

ほむらは疲れたように続け、

ほむら「あとで詳細な資料は送ってあげるから今日はおとなしくしていなさい」

そして歩みを返すほむらに、恭しく礼をし、

織莉子「いってらっしゃいませ、ほむら様」
207: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:02:10.93 ID:s+84ZeKuo
風見野の方に急いで向かうと、

ゆま(ホムラ、魔女の方に向かってるみたいだけど何かあったの?)

ほむら(緊急事態よ)

ゆま(またゆまの魔力使う?)

ほむらはいいえと否定し、

ほむら(帰りは遅くなると思うから先に寝ていてちょうだい)

ゆま(わかった!お風呂は沸かしたままにしておく?)

ほむらはお願いするわと返事を返し、魔女の結界に入り込む

ほむら(ギリギリね…)

最深部まで時間を停止して直行すると、杏子が今にもやられそうになっている姿が見えた。

とりあえず杏子と魔女の距離を離し、時間を進める。
208: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:04:20.70 ID:s+84ZeKuo
杏子「…まあいいや、もう終わりだし」

と目を瞑りながら呟くが、一向にダメージが来ない。

目を開くとそこには、黒髪長髪の少女がいた。

杏子「なんでてめぇがこんなところにいやがる!」

杏子は叫びながらほむらを睨みつける。

ほむらは涼しい顔で見つめ返す。

杏子はその目にまた恐怖する。

杏子(またこの目か…)

ほむら「言ったでしょう?私の慈悲を受けて、救われなさいと」

ほむら「ここで貴方を救えなかったら私の世界は救えない」

ほむら「こう言うと正義の味方みたいで格好いいでしょう?」

ほむらは優しげな笑みを杏子に見せると、魔女の方に向き直る。
209: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:05:49.11 ID:s+84ZeKuo
杏子は舌打ちしながら、

杏子「あたしもやるよ」

槍を構え直しながらほむらに伝える。

ほむら「なら魔力を貸しなさい」

杏子「はぁ?何いってんだお前」

ほむらは、杏子にもそのうち魔力の使い方を教えるべきかと思った。

杏子は何も答えず、訝しげな目で見てくるほむらにしびれを切らしたのか、

杏子「チッ…これでいいか?」

ほむらに向けてソウルジェムを向けるとソウルジェムが光りだす。

ほむら「ええ十分よ、というか多すぎるわ…」

杏子「これっぽっちでか?」

ほむらは頷き、

ほむら「魔法少女が使う魔術と私の魔法を一緒にしないで貰いたいわ」

ほむらは杏子から受け取った赤色の魔力と自分の魔力を合わせる。

魔力が形作り具現化する。

ほむら「貴方の魔力を使ったのだものもちろん出てくる武器は」

杏子「あたしと同じ槍?いや違う少し大きい…」

赤紫の槍がほむらの手に握られる。
210: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:07:36.41 ID:s+84ZeKuo
魔女が体をぐにゃぐにゃと曲げながらほむらと杏子の元に迫る。

ほむら「杏子、私の動きに合わせなさい」

杏子「命令すんな!」

と言いつつ、ほむらの動きに合わせる。それが最善だと心の何処かでわかっていた。

ほむらが杏子の槍と同様に多節棍のように柄の部分をバラバラにし魔女を追い込む。

ほむら「行ったわよ」

杏子「へっ、わかってるって」

杏子は吐き捨てるように行ったが、こうもうまく魔女の動きをコントロールするとは思っていなかった。

杏子も槍で魔女を拘束しようとする。

杏子「あたしだけじゃ捉え続けるのはきついぞ!」

杏子は悔しそうに叫ぶ。実際魔女の力は想像以上に強く、杏子一人の手に余るほどだ。

ほむら「ええ、一瞬動きを止めるだけでいいのよ」

ほむらの周囲には幾つもの槍が存在していた。

杏子「幻影…?」

ほむら「貴方の魔力だものこれくらい当然よ…」

ただしと続け、

ほむら「全てが実体だけれどもね」

数十本の槍が魔女を雁字搦めに拘束する。

ほむら「さて、終わらせましょうか」
211: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:09:13.41 ID:s+84ZeKuo
ほむら「余裕があるなら貴方も言霊を紡ぎなさい」

杏子は不思議そうな顔をしたが、なんとなく頷いた。

ほむら「炎と多影の魔力と我ら征く」

幾重もの槍の穂先がほむらの言霊に導かれる。

杏子「あたしは、封印したかつての力を受け入れる」

杏子は言うべき言葉が心のどこからか浮かび上がってきて、言葉を紡ぐ。

杏子の槍も増えてく。

ほむら「我らの槍は万物を貫く」

槍の穂先が持ち手の部分から分離されほむらと杏子のもとへ集まる。

杏子「かつての願いは今を救うため」

穂先がそれぞれ二つに分離し、その間に赤色と紫色の魔力が集まる。

ほむら「救世の為に」

穂先が魔女の方を向きながら回り始める

杏子「正義の味方になるために!」

溜まっていた魔力が指向性を持つ

ほむら「浄炎影魔法-杏-」

破壊のためのエネルギーとなった光線が魔女に向けて放たれる。

この幾重にも重なった破壊の嵐に魔女は数秒も持たずに消滅する。
212: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:10:29.94 ID:s+84ZeKuo
杏子は唖然とする。一度は見たことがあるほむらの"魔法"。

その発動に自分も多少なりとも貢献したのだ。今まで感じたことのない魔法の発動方法に、魔力の流れ、全てが初体験だった。

自分で今の魔法を使うにはどうすればいいのか、その糸口すら見つからない。

ならこの力を手にするのは諦めなければならない?

否、そのヒントは目の前にいる。

この力があればきっと、これ以上失うことはないだろう。かつて失われた絆も結び直せるかもしれない。

ほむら「予想以上にえげつない魔法になったわね…」

ほむらは杏子の苦悩に気づかずに見当違いのことを考えていた。

杏子は目の前のチャンスは逃さない。

杏子はほむらの方を向き、土下座をする。

杏子「あたしを弟子にしてくれ!」

ほむら「何を思ったのか知らないけれど、頭をあげなさい」

杏子は頭をあげない。

杏子「ほむらが頷いてくれるまであたしは動かねぇぞ」

ほむらはため息をつく、

ほむら(今日は厄日ね…)

ほむら「いいわ、貴方を指導してあげる」

ほむらは呆れながら、

ほむら「私の指導は厳しいわよ?」

杏子は嬉しそうに顔をあげ、

杏子「よろしく頼むぜ!師匠!」

ほむら「貴方も私を変に呼ぶのね…」
213: ◆Kgl9AS7R4o 2013/05/31(金) 00:13:02.97 ID:s+84ZeKuo
ほむら「今日は夜も遅いから、明日の放課後に私の家に来なさい」

杏子は首を傾げ、

杏子「放課後の時間って何時だ?」

ほむら「杏子、貴方学校は?」

杏子は当然のごとく、

杏子「行ってないけど?」

ほむらは吹っ切れたように、

ほむら「もう、私の周りはこんなのばっかりね」

ほむら「いいわ、まとめて面倒見てあげるわよ」

ほむら「杏子、住居は?」

杏子「家か?いまはホテルを転々としてるけど?」

ほむらは頭を抱える。

ほむら「今日から私の家に住みなさい」

ほむら「学校も私のところに転入する手続きをとってあげる」

杏子は嬉しそうに

杏子「いや、そこまでしてもらうわけには…」

ほむら「拒否は受け付けないわ」

ほむらは断固とした口調で答える。

ほむら「救うべき世界はできるだけ近くに置いたほうがいいもの」

ほむらはそれに、と続け、

ほむら「私は欲深いの、知らなかったでしょう?」

その日ほむらの家に新しい同居人が増えた。
230: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:37:46.86 ID:SVAtv5m6o
[増える家族]
市役所や学校諸々の手続き魔法を用いてサクッと終わらせたほむらは杏子を連れて帰宅する。

玄関を開けると普段より靴の数が多いことに気づく。

最も、魔力の反応を見ているほむらにとってみれば知れていることであった。

ほむら「織莉子…明日の放課後に家に来なさいと言わなかったかしら?」

織莉子「それは午後の待ち合わせの日に朝早くから訪問する人の言う台詞ですか?」

ほむらの頭痛の種は尽きない。

ほむら「それになんでメイド服なのよ…」

織莉子は彼女の家にかつて働いていたのであろうメイドの服を身にまとっていた。

ゆまは心配そうにほむらの方を見て、

ゆま「ホムラの友達って言ってたからあげたけどダメだった?」

ほむらは深くため息をつきながら、

ほむら「とりあえず自己紹介からね…」
231: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:39:18.07 ID:SVAtv5m6o
リビングのソファに案内すると、織莉子が既にお茶を用意していた。

ほむら「さて、とりあえず紹介するわね」

杏子はその言を遮りつつ、

杏子「その前にちょっといいか?」

ほむらはお茶を一口含み、

ほむら「手短にね」

織莉子とゆまも急かすように杏子に目を向ける。

杏子「この家外見に比べてでかすぎねぇか?」

確かに外見から察するにせいぜい1DKがいいところの広さであろうが、この家は6LDK程度はある。

ほむらはその程度のことかと呆れ、ゆまと織莉子は確かに…と言った表情でほむらに目を向ける。

ほむら「私の魔法…いえ概念にまで昇華された力は時空間操作よ」

ほむら「概念としての力とか魔法について詳しくは明日話すわ」

ほむらは説明は終わりだと言った表情で話を続けようとすると、

杏子「いやいや、それだけじゃ意味わかんねぇよ…」

ほむら「簡単に言えば元あった空間を広げたのよ」

ほむら「4次元ポケットと言えば想像がつくかしら?」

全員多少は訝しげながらも納得したように頷く。
232: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:41:32.60 ID:SVAtv5m6o
ほむら「では紹介をしていくわ」

ほむらはまずゆまの方に目を向け

ほむら「この娘はゆま、杏子は知っていると思うけど魔女に襲われているところを救って、それから私の妹になったわ」

杏子「ああ、あん時のガキか」

ゆまは怒ったように、

ゆま「ガキじゃなくてゆま!」

杏子はつまらなさそうに頷き、ほむらはたしなめるように、

ほむら「とりあえず大人しくしていてちょうだい」

ゆまはしょぼんとした表情でウンと頷いた。

織莉子は笑顔で、

織莉子「よろしくね、ゆまちゃん」

ほむらは満足そうに眺め、

ほむら「それで、こっちの銀髪のメイドが美国織莉子」

ほむら「私の友達よ」

織莉子「織莉子です、ほむら様は私の生きる意味であり大切な方です」

織莉子「たとえ誰であれほむら様に手を出すようなことがあれば命に変えてでもお守り致しますわ」

織莉子はよろしくねと続け、ゆまがウンと返事をし、杏子が頷いたところで、

ほむら「この赤いのが佐倉杏子」

ほむら「不本意ながら師としてこの娘を指導することになったわ」

杏子「なんかあたしの扱い雑じゃない?」

杏子はまあいいと呟き、

杏子「佐倉杏子だ、この家に世話になることになったんでよろしくね」
233: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:43:06.18 ID:SVAtv5m6o
織莉子「佐倉さんにはこの家に住むように誘われたのに私誘われてない…」

ほむらはフゥと一息つき、

ほむら「貴方には住む家があるじゃない…」

織莉子はがっつくようにほむらに近づき、

織莉子「私もここに住まわせていただけないでしょうか?」

ほむらは勢いに押されたのか、

ほむら「え、ええ、織莉子がそうしたいなら私は構わないけれど…」

織莉子は満面の笑みを浮かべ、

織莉子「それではよろしくお願いしますね」

ほむらは疲れたように、

ほむら「私はお風呂に入ってくるから自分の部屋とか決めておいてちょうだい」

ほむら「部屋は余ってるし必要なら拡張するから遠慮せずに言って」

織莉子「お背中お流しいたしますわ」

ほむらは結構よと断り、

ほむら「そんなことするくらいなら、まず3人で親交を深めておいてもらえるかしら」

ほむら「くれぐれも喧嘩しないで仲良くしてね」
234: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:44:34.45 ID:SVAtv5m6o
[家族団欒?]
[side Kyoko]
ほむらが風呂場に行っちまったこの部屋の空気ははっきり言って悪い。

なぜならこいつらはあくまでほむらの身内であり、あたしとの関わりなんてないし何をすればいいのかもわからない。

織莉子「佐倉さんはどうしてほむら様に師事を仰ごうとしたのかしら?」

苗字で呼ばれるのは落ち着かないあたしは、

杏子「杏子でいいよ、あたしも織莉子って呼ぶし」

杏子「師匠の力って言葉じゃ表せないくらいヤバイだろ?あたしもその力を手に入れたいと思うのは変かい?」

話したことは決して嘘ではない。重要な部分を話していないだけだ。

過去の清算、家族のことはもうどうしようもないけど清算すべき人が一人だけいる。

黄色い髪でツインテール、マミ…あたしが弱かったからダメだったんだ…

ほむらの力を身につけてマミさんとまた仲良くなるんだ。
235: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:45:56.79 ID:SVAtv5m6o
織莉子「目当てはほむら様の力なのですね?」

あん?何か引っかかることでもあったのか?

杏子「そう言ってるだろ?なんかあんのか?」

織莉子「いいえ、むしろ私の目標とかぶらず嬉しい限りですわ」

あたしが追求しようとするとガキ…ああゆまだったか、が追求をかける。

ゆま「オリコの目標?」

織莉子は何故か照れたように、

織莉子「先程も言ったけれどほむら様は私の生きる意味…」

織莉子「それと同時にお慕いしています」

ちょっと待て胸はないけど師匠は女だぞ…

杏子「マジかよ…」

ゆま「お慕いするって何?」

ガキにはまだわからない世界だろうな…いやあたしも分かりたくないけどな。

織莉子は嬉しそうに笑ってやがるし…

織莉子「ほむら様のことが大好きってことよ」

ゆま「ゆまもホムラのこと好きー」

織莉子「じゃあ私達一緒だねゆまちゃん」

多分ゆまの好きと織莉子の好きじゃ種類が違うんだろうな…
[side Kyoko is over]
236: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:46:53.55 ID:SVAtv5m6o
ほむらがお風呂を上がるとそこには織莉子が待っていた。

ほむら「なにしてるのよ…」

織莉子「お体お拭きいたしますわ」

織莉子は手に持っていたタオルでほむらの体の水滴を丁寧に拭い始める。

湯上りの多少上気したほむらの表情に、

織莉子(ああ素敵…)

織莉子は恍惚な表情を浮かべた。

織莉子「ではお召し物をどうぞ」

と言いつつ織莉子はほむらにぱじゃまを着せ始めようとする。

ほむら「服くらい自分で着れるわ」

と言いつつあながち満更ではない表情を浮かべていた。

織莉子「いいえ、やらせてください」

ほむら「仕方ないわね…」

と、ほむらの体から紫の魔力が溢れ髪が乾く。

服を着終わったほむらは織莉子を横に連れてリビングに戻る。
237: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:47:50.54 ID:SVAtv5m6o
ほむら「部屋は決まったかしら?」

リビングに戻ったほむらが尋ねると、

杏子「ああ、適当に決めといたぜ」

杏子「と言っても荷物なんてほとんどないんだけどな」

ほむらは特に言及はせずに、

ほむら「寝具は織莉子の家にあったものを使わせて貰いたいのだけれど…」

織莉子「え?構わないのですが、今から宅配業者に頼んでも明日になりますが…」

ほむら「いえ、使わせてもらう許可が欲しかっただけよ」

ほむらが言霊を紡ぐとゲートが出現する。座標を含む言霊なので織莉子と杏子には意味は理解できない。

ほむら「さあ適当に取ってきましょうか」
238: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/04(火) 23:48:47.04 ID:SVAtv5m6o
ほむらがゲートから戻ってくると各自の部屋に、ベッドを設置していく。

ほむら「それにしても良い物使ってるわね…」

織莉子の家にあったベッドはとにかく大きく、豪華であった。

織莉子「でしたらこれはほむら様がお使いになってください」

ほむら「寝慣れたモノのほうが貴方も落ち着くでしょう?」

ほむら「それにわたしいつもの布団じゃないと落ち着いて寝れないの」

織莉子は一歩下がりほむらの後ろに控えると、

ほむら「さぁ今日はもう遅いし寝ましょう」

ほむら「お風呂とかは自由に使ってちょうだい」

ほむらは自分の部屋に戻ると既に布団が敷かれていた。

ほむら(織莉子はなんでもやってくれるのね…)

今日のゆまは自分の部屋で就寝についたようだ。

ほむら(私ももう寝ます、おやすみなさい)

時刻はちょうど12時を指していた。長い1日が終わりを告げる合図であった。
254: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:05:46.51 ID:55sD2A8oo
[もう一人の魔法少女]
翌朝、良い香りとともにほむらが目を覚ます。

ほむら(いい匂いね…一体何が起こったのかしら?)

ゆっくりと布団から抜け出し、キッチンへ向かうとメイド服の少女が朝食の準備をしていた。

ほむら「おはよう織莉子、早いのね」

織莉子「おはようございますほむら様、お世話になるからにはこれくらいやるわ」

ほむらはため息をつきながら、

ほむら「杏子にもその心意気を見習ってほしいわ…」

織莉子はクスクスと笑っている。

ほむら「とりあえず、コーヒーをお願いするわ」

と当たり前のように織莉子に注文する自分に内心苦笑する。

織莉子はどこにそんな技能があるのか、朝食とお弁当を作りつつコーヒーを淹れてほむらに差し出す。

織莉子「お砂糖やミルクはどうしますか?」

ほむら「朝はブラックよ、覚えておいてちょうだい」

織莉子は畏まりましたと返事をし、ほむらはコーヒーを啜る。

織莉子「すぐにでも朝食をお出しできますけどどうなさいますか?」

ほむら「せっかくだしみんな揃ってからいただきましょうか」

結局杏子が自分では目を覚まさずほむらが起こすことになった。
255: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:06:43.11 ID:55sD2A8oo
4人「ごちそうさまでした」

その後ほむらとゆまは学校の準備を始める

杏子「織莉子ー、紅茶いれてくれー」

織莉子はニコニコしながら、

織莉子「ご自分でどうぞ」

杏子「チェッ、ケチだなぁ、それくらいやってくれてもいいじゃん」

織莉子「私はほむら様一筋なの」

準備を終えたほむらが自室から出てくる。

ほむら「あなた達なにをやっているの?あなた達も今日から学校よ」

杏 織「えっ?」

ほむら「転入の手続きとかは既に終えているから今日からもう通学できるわよ、言わなかったかしら?」

杏子「だりーから明日からじゃだめか?」

杏子の言にほむらは睨みをきかせる。杏子は頭の後ろに手を組み、

杏子「師匠は厳しいなぁ」

ぽつりと呟いた。
256: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:07:21.81 ID:55sD2A8oo
4人全員学校へ行く支度を整えた。

そして4人仲良く通学路を歩いて行くと、小学校との分岐路についた。

ゆま「じゃあゆまこっちだから行くねー」

ほむら「ゆま、一人で大丈夫?」

ゆまは少し頬を膨らませ、

ゆま「ホムラ!ゆま子供じゃないから大丈夫だよ!」

ほむら「そう…、でも気をつけてね」

ゆまは元気よく頷き、

ゆま「いってきまーす」

とはしゃぎながら歩いて行ってしまった。

ほむら「大丈夫よね…」

杏子は茶化すように、

杏子「もう、師匠は心配症だな、ゆまのやつも大丈夫って言ってたから大丈夫だろ」

織莉子「いざとなったら助けに行けばいいんですよ」

ほむらはそうねと返答し、中学校への道を歩いて行く。
257: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:08:25.21 ID:55sD2A8oo
普通登校するより早い時間なので、通学路に生徒の姿はほぼない。

ほむら「でも嫌な気配がひとつっと」

織莉子と杏子も魔力の気配に気づいたのか少し緊張を高める。

校門の脇に立っていたのは、黒髪で短髪で見滝原中の制服を着ている、おそらくは魔法少女であった。

黒髪の少女「いやーまたあえて嬉しいよ」

と馴れ馴れしく挨拶をしてくる。ほむらは自然体で接しているが、後の二人は臨戦態勢に入ろうとしていた。

黒髪の少女「私の名前は呉キリカ、二人共覚えているかな?」

若干不安そうな声でキリカが尋ねてきた。

ほむら「ああ、織莉子とのデートでコンビニに行った時の」

織莉子「あのお金を落としてた娘ね…」

キリカはパァっと顔を輝かせて、

キリカ「覚えていてくれたんだね!あの時のお礼がしたいんだ、まずは名前を教えてはくれないかい?」

ほむら「名前は暁美ほむらよ、それにお礼は結構よ」

織莉子「美国織莉子です、当たり前のことをしただけだからお礼なんていらないわ」

キリカ「ほむらに織莉子だね、もう心に刻んだ!たとえこの身が滅びても絶対に忘れない名前になったよ」
258: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:09:32.70 ID:55sD2A8oo
一人空気に入れなかった杏子が口を出してくる。

杏子「仲良くしてるとこ悪いけど、ちょっと確認したいんだが?」

キリカは誰こいつ?といった訝しげな目を向けてきた。

杏子「あたしは佐倉杏子だ、この二人とは…まあ友だちみたいなもんだ」

キリカ「ふぅん…で何を確認したいんだい?」

と興味無さげに尋ねる。

杏子「お前、魔法少女だよな?」

キリカはなんだそんなことかといったような冷めた目で杏子を見て、

キリカ「そうさ、ほむらと織莉子との愛を守るために私は魔法少女になったのさ」

杏子(こいつも織莉子と同類か…)

杏子は聞きたいことは以上だ、と言わんばかりにそっぽを向く。

ほむら「そう…私と接点ができてしまったばかりに私と関わってしまったのね…」

ほむら右手で髪をフワッとかきあげた後に一礼する

ほむら「ようこそおいでなさいました、この狂った世界へ」
259: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:11:17.24 ID:55sD2A8oo
キリカ「狂った世界?織莉子とほむらがいる世界が狂っているわけがないじゃないか」

ほむらは首を横に振り、残念そうに、

ほむら「私は客観的に見るのに慣れてるからわかるのよ」

少し影を含んだ笑顔を浮かべ、

ほむら「世界の中にいるとわからないものだけれど、くるって、繰るって、狂っているわ」

ほむらはでもね、と続ける

ほむら「狂った世界でも私の世界よ?この世界を愛し続けるわ」

キリカはアハッと笑顔を浮かべる。見る人が見たらきっと狂気的な笑顔なのだろう。

キリカ「ほむらもわかっているんだ」

織莉子とほむらは頭にハテナマークを浮かべているような不思議な顔をしてキリカの次の言を待つ。

キリカ「愛は無限に有限ということを、さ」

織莉子はフフッと笑い

織莉子「面白いことをいうのね、でもなかなかいい言葉だと思うわ」

ほむら「少し認識の違いがあるわね」

ほむらはキリカの発言に思うところがあるのか、両手を広げ少し気取ったように、、

ほむら「私の愛は世界に平等よ」

キリカは嬉しそうに笑い、

キリカ「つまり世界に招かれた私はほむらの愛を一身に受ける権利が十分にあるってことじゃないか」

織莉子は少し考え込むように、

織莉子(私も愛されているってことよね?)

杏子はまんざらでもなさそうな顔で、

杏子(人に大事に思われるってのも悪くないな)
260: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:13:19.48 ID:55sD2A8oo
織莉子「それでキリカはどうしたいのかしら?」

キリカ「うん?私は織莉子とほむらがいれば他はなんでもいいよ」

ほむらはため息をつき、

ほむら「聞きようによっては、私が死ねと命令したら死にそうね…」

キリカ「私が死ぬことで二人の愛が守られるならこの命なんて安いもんさ!」

杏子(この発言をちょっと戸惑うが受け入れられるあたり、あたしも狂った世界の住人ってわけか…)

ほむらは試してみようかしらと危ない思考が走ったが、気持ちを落ち着かせるように咳払いをひとつして、

ほむら「私とともに歩みたいというのはわかったわ、でも具体的にどうするの?」

ほむら「私たちは今から学校なのだけれど…」

キリカ「今まで学校で見た限りほむらと織莉子を見かけなかったあたり、私と同じ学年ではないのだろう?」

ほむら「ええ、私たちは全員2年生よ」

キリカは頭をかかえながら、

キリカ「なんということだ!これじゃあ授業の時間ほむらと織莉子の愛が薄れてしまう!」

ほむらは何とかしなさいと織莉子に目配せすると、織莉子はキリカを優しく抱きしめ、

織莉子「愛の充電よ、これで放課後までは持たせてくれるかしら?」

キリカは身悶えながら、

キリカ「ハゥゥ…ああ織莉子の愛に満たされていくのがわかるよ」

ほむらは髪をかきあげ、

ほむら「放課後私の家で話があるわ、時間を開けておきなさい」

キリカ「おや?いきなりお呼ばれか、ほむらは大胆なんだね」
261: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/07(金) 03:14:10.41 ID:55sD2A8oo
ほむら「じゃあさっさと教室に行くわよ」

ほむら「ああ、織莉子と杏子はまず職員室ね」

織莉子と杏子は頷き、キリカは残念そうな表情で、

キリカ「名残惜しいけど一旦お別れだね」

と校舎とは逆方向に足を進めようとする。

ほむら「どこに行くきなの?あなたも学校に行くのよ」

キリカは焦ったように首を横に振り、

ほむら「中学校程度の学力がないキリカなんて嫌いになるわよ?」

キリカはウグッと詰まったような声を上げ、杏子も思い当たるところがあるのか苦虫を潰したような表情をしている。

杏子(知識もつけなきゃ師匠には近づけねぇのか…)

キリカ「私の脳のスペースは二人のために開けておきたいんだけど…」

ほむら「そう…キリカなんてもういいわ」

キリカは涙目で、

キリカ「わかったよぅ…行けばいいんだろ?」

ほむら「それでいいのよ、いい子ね」

頭を撫でるとフニャァーっとした幸せそうな表情をしていた。

織莉子「ほむら様時間にはまだ余裕がありますが、そろそろ…」

ほむら「そうね、行きましょうか」

そうしてほむら達は学校への道を歩み始めた。
275: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:14:38.41 ID:Fvg2zGvwo
[朝の一騒動]
朝早く登校したほむらは暇を持て余していた。

ほむら(転校の手続きのせいで早く来たけど明日からはもう少し余裕を持ってもよさそうね)

少しすると教室の扉が開く。扉から見えた人影にほむらは見覚えがある。

ほむら「おはようまどか、早いのね」

まどか「おはようほむらちゃん、実はほむらちゃんに話したいことがあるの…」

ほむらがこんなに早く来ているとは思っていなかったのか少し挙動不審な様子なまどかだった。

まどか「誰かに聞かれると嫌だから、屋上に来てもらってもいいかな?」

ほむらは少し考える様子を見せたが、

ほむら「大事な話みたいね、いいでしょう行きましょうか」
276: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:15:47.41 ID:Fvg2zGvwo
屋上にまどかと二人で屋上に行くと、ほむらはまどかが口を開くのを待つ。

まどか「昨日ねマミさんから魔法少女について聞いたの…」

ほむらは頷き、話の続きを促す。

まどか「ほむらちゃんとの約束だからまだ魔法少女にはなってないけど、マミさんの話を聞く限り私魔法少女になって悪い点があんまりわかんないの…」

ほむらは少し俯いたが、まどかは続ける。

まどか「確かに魔女と戦うのは怖いとは思うけど、それ以上に皆の役に立てるならそれはとっても嬉しいなって」

まどかはその後ボソっと付け足して、

まどか「…ホムラチャンミタイニ」

ほむらはため息をつき、

ほむら「私に憧れるのは別に構わないのだけれど…」

まどかはほむらの指摘に頬を染める。

ほむら「まどかの問題は魔法少女になることより、願いと魔法少女になった後が問題なの」

まどかはよくわからない顔をしながら、

まどか「どういうこと?」

ほむらは話すかどうかを少し迷ったが、少し脅しをかけるように、

ほむら「ここからの話は貴方にも覚悟が必要よ」

ほむらは一歩踏み出して振り返りながら、

ほむら「貴方には人を殺す覚悟がある?」
277: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:16:27.54 ID:Fvg2zGvwo
まどかは少し怯えたような表情で、

まどか「ひ、人殺し?」

ほむらは少し諭すように、

ほむら「実際に人を殺すわけではなく、それくらいの覚悟が必要という話しよ」

ほむら(この場合は自分を殺す覚悟ね…)

まどかは深呼吸を始め、落ち着いたのか、

まどか「うん、聞かせてもらっていいかな?」

間髪をいれず、

ほむら「あなたの願いによっては貴方が概念になり貴方は存在そのものが消えるわ」

ほむら「普通の願いの場合は魔女になり、地球を滅ぼすでしょうね」

その言葉を聞いたまどかの様子がおかしくなったようだ。
278: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:17:03.95 ID:Fvg2zGvwo
[side Madoka]
え?ほむらちゃんの言ってることがわからない。

何を言っているの?私が消える?私が魔女になる?

意味がわからないなんなの?

覚悟が必要ってこういうこと?

理解できない、理解できない、りかいできない、りかいdni、rkいできなi:りkidknai]りkidきi\

真っ白
[side Madoka is over]
279: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:18:01.52 ID:Fvg2zGvwo
ほむらは茫然自失のまどかを介抱するように座らせ、気力が開放するのを待った。

待つことには慣れている。一体あの空間でどれだけ待ったのだろうか。いや空間とも違うものであったか。

一人で魔法のメカニズムを解き明かすのに数万年、あの空間で数京年。時間と共に歩んだほむらにとって数時間程度の待機なんてたかが知れている。

ほむらはまどかの頭を優しく撫でながら。待つ。

待つ




待つ





待つ




待つ




待つ

数分後、まどかが正気を取り戻した。
280: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:18:54.15 ID:Fvg2zGvwo
まどか「ごめんなさい、迷惑かけちゃったよね…」

ほむら「友人のために時間を使うことは悪いことではないわ」

ほむら「貴方の覚悟を甘く見た私の不手際よ」

ほむらは狂気的な笑みを浮かべ、

ほむら「貴方は悪くない」

まどか「ほ、ほむらちゃんちょっと怖いよ…」

ほむら「ごめんなさい、でもこれが私よ」

まどかはまた何度か深呼吸をし、気持ちを落ち着かせようとするが、うまくいかない。

ほむら「落ち着きたいの?私の体で良かったら好きに使っていいわよ?」

ほむらはまどかを受け入れるように両手を広げる。

まどか「いやいやいや、私達女の子同士だし、そもその段階に行くのは早すぎるだし、で、でもほむらちゃんがいいなら、その…」

ほむらは口に手を当て笑いを堪えていた。

ほむら「落ち着いたでしょう?」

まどか「あっ…」

ほむら「質問があるなら聞くわ、もう大丈夫でしょう?」
281: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:20:45.22 ID:Fvg2zGvwo
まどか「うーん、まず願いで概念になるって?」

ほむら「貴方にはそれが叶えられるほどの因果があるということよ」

ほむらは考えるように

ほむら「例えば『魔法少女が魔女になる前に救いたい』と願えば魔女を消し去り続ける概念へと存在をシフトさせるでしょうね」

ほむら(むしろその可能性が高いし、あれもそれを望んでいるものね…)

ほむらは次は?と続け、

まどか「因果ってのはなに?」

ほむら「魔法の才能みたいなものね、世界にどれほど動かせるか、またどれほど関われるかの力ね」

ほむら(ソウルジェム以外から魔力を取り出すためにはこの因果の糸を燃やして魔力を得るのだけれどそこは話す必要はないわね)

ほむら(因果の糸は世界に関わり続ける限り紡がれ続けるから魔力は枯渇しない)

まどかはなんで私がと思ったが、今は別の質問を優先させた。
282: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:22:32.56 ID:Fvg2zGvwo
触れたくはないが、聞かなければいけないことがある。

まどか「じゃあ、わ、私が魔女になるってど、どういうことかな?」

まどかの声が震えている。

ほむら「魔法少女のソウルジェムが一定以上の汚れを貯めこみ反転すると魔女になる」

ほむら(正確に言うのならば陽が減ることで陰が強く見えるから汚れたように見えるだけなのだけれどね)

ほむら「その際に発生するエネルギーがQBの目的」

まどか「ま、魔法少女が魔女になるの?」

ほむらは肯定するように深く頷く。

まどか「そ、そんな…ひどい」

まどかは涙を目に貯めこむ。

ほむら「他人のために涙を流せるのは私にはできないことよ、その才能は少し嫉妬してしまうわね…」

などと場違いなことを行った後に、

ほむら「まどか、このことは誰にも言ってはいけないわ」

ほむら「特に巴マミには言ってはいけない」

ほむらはかつての出来事に思いを伏せる

ほむら「貴方はまだ魔法少女じゃないからいいけど、魔法少女にとって負の感情は敵だからね」

まどかは泣き続け、一向に泣き止む気配はない。

ほむらは指をパチンと鳴らし、まどかとほむら以外の時間を止めまどかと二人っきりの空間を創りだした。

朝の時間は残り少ない、泣き止むのを待つとHRが始まってしまうだろう。
283: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:23:27.74 ID:Fvg2zGvwo
しばらくして泣き止んだまどかがほむらの制服の裾をつまみながら話し始める。

まどか「うん、ほむらちゃんの言うことは多分正しいんだよね…」

なぜかまどかにはその確信があった。

ほむら「特に嘘を言う理由はないわ」

まどか「ほむらちゃん、私もうどうしていいかわからないよ…」

ほむらはその言葉を待っていたかのように、

ほむら「なら、私の言うことを聞いてちょうだい」

まどかは首を振り、

まどか「ほむらちゃんはかっこいいし、なんでもできるヒーローだよ」

また泣きそうな表情で、

まどか「さやかちゃんはいつも活発で周りを元気づける素敵な人だよ」

まどかは涙を流しつつ、それにも構わず、

まどか「仁美ちゃんは習い事を頑張ってるとても素敵なお嬢様だよ」

まどかは泣きながら叫ぶ、喉が枯れるのも構わない。

まどか「でも私には何にもないの!!」

まどか「私も役にたちたい!!」

まどか「ほむらちゃんみたいになりたいの!!」

ほむらはやれやれと落としどころを探す。

ほむら「なら、魔法少女を一足飛ばして魔法使いになってみる気はないかしら?」
284: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/14(金) 03:24:13.71 ID:Fvg2zGvwo
グスンと鼻をすすりながら、

まどか「魔法使いと魔法少女の違いって何…?」

ほむら「それは今日の放課後に他の娘にも話すつもりよ」

ほむら「まとめて話したいからあなたも今日の放課後に私の家に来なさい」

ほむらは柔らかい笑みを浮かべ

ほむら「魔法使いなら魔女のこととか概念のことを考える必要はなくなるから安心していいわ」

まどか「本当に…?」

ほむら「証拠は私、何年も魔法使いを続けているのだけれど問題ないわ」

まどかの顔にようやく安堵の表情が浮かぶ。

ほむらも安心したように、

ほむら「さあ、もういいでしょう、教室に戻りましょう?私の仲間もきっと紹介されるわ」

朝のHRまであと数分のようだ。
303: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:08:53.27 ID:f2KYjSOIo
[新転校生二人]
教室の席につくとほぼ同時に朝のチャイムが鳴る。

それとほぼ同時に担任の和子が教室に入室してくる。

和子も連日の転入生に戸惑っているようだ。無駄な雑談なしに転入生の紹介に入る

和子「えーっと、また転入生がうちのクラスにやって来ました」

教室がざわめく。当然であろう、なにせ昨日ほむらが転入してきたのに更に転入生が増えたというのだ。

和子「では、美国さん、佐倉さん入ってきてください」

織莉子と杏子が扉を開き入ってくる。黒板に名前を書いた後に、

杏子「佐倉杏子だ、わけあってしsh…ほむらの家に居候してる、よろしくな」

織莉子も名前を黒板に書き、心配そうな表情をしている。

ほむら(大丈夫よ織莉子、クラスの皆はどんな貴方でも受け入れてくれるわ)

織莉子は決心したように、

織莉子「美国織莉子と申します、私もほむらさ…んの家で暮らしていますわ」

織莉子「その手続きなどの関係で転入が1日ずれてしまいましたけど、皆様仲良くしていただけると嬉しいです」

織莉子が丁寧に礼をすると、クラスの皆から拍手が起きる。
304: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:09:51.36 ID:f2KYjSOIo
その後の授業は順調に進んだ。杏子が内容がわからずに突っ伏していたが、順次ほむらの解説が入っていくので、眠ることはできなかった。

織莉子の方は一度は習った内容なので、多少は退屈そうではあったが余裕そうにこなしていた。

体育の時間では杏子が持ち前の運動神経を発揮し、クラスの注目を集めていた。

杏子の容姿、性格からしてそのうち女子のファンクラブでもできるのかもしれない。

昼食はクラスとの交友関係を増やすために別々に取ることにした。

ほむらも今日はまどか達とは別の娘達と昼食を取った。

織莉子と杏子を横から見ている限り、そこそこ楽しそうに話をしているようなので交友関係を心配する必要はないだろう。

ほむらは体調不良を理由に午後の授業をサボろうとしたが、杏子の恨みがましい視線と織莉子の本気で心配した視線を理由にサボれなかった。

ほむら(国語と社会なんて生きていく上で必要ないわよ…)
305: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:11:19.41 ID:f2KYjSOIo
["魔法少女"と"魔法使い"]
放課後になり杏子と織莉子を連れ添いまどかを誘う。

ほむら「まどか、朝の約束覚えているかしら?」

まどかは頷き、

まどか「うん、ほむらちゃんの家で説明を受けるんだよね…」

まどかは昼の時点でさやかへの説明を終えていたようで、心配そうな目でさやかがまどかを見つつ。

さやか「ほむらも信用してるけど、まどかに何かあったら承知しないからね」

ほむらは一応さやかを誘うように、

ほむら「必要なら貴方も来てもいいのだけれど?」

さやかはその回答は用意していたようで、

さやか「…今日はマミさんとの約束を優先させてもらうよ」

ほむらはそう、と呟き歩を進める。
306: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:12:57.21 ID:f2KYjSOIo
昇降口を出ると校門の付近に朝見た黒い影が見えた。

キリカ「ほむら!織莉子!やっと来たんだね、もう待ち焦がれて死んでしまうかと思ったよ!」

そう言いながらほむらに抱きつこうとする。

その瞬間淡い紫色の閃光とともにキリカが弾かれる。

キリカ「いてて、もうつれないなぁ…」

ほむら「少しは周りの目線を考えなさい」

ほむら「それに私は抱きつかれるより抱きつくほうが好きなの」

一方の織莉子は少し嫉妬した目でキリカを見ている。まどかは心配そうな目をキリカに向け、杏子は我関せずと言った様子で成り行きを見守っていた。

織莉子「キリカ、ほら私で良かったら来なさい」

キリカは嬉しそうに織莉子の腕に抱きつき、ほむらの家へと向かう。杏子は別のことに興味が有るようで、

杏子「それで、なんでまどかが一緒にいるのか説明してもらえる?」

まどか「えっと、あの…」

まどかは説明しようとするが、うまく言葉がでない。

ほむら「まどかはちょっと特別なの、まどかを魔法少女にしないために色々と説明が必要なのよ」

杏子はフーンとつまらなさそうにしていると、キリカが急かすように。

キリカ「ほむら!はーやーくー」

ほむらは頷き、

ほむら「ええ、行きましょうか」
307: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:14:52.68 ID:f2KYjSOIo
帰宅すると既に学校を終えていたゆまが出迎えてくれた。

織莉子は部屋に戻ると数十秒でメイド服に着替え、キッチンへ向かいお茶を入れ始めた。

ほむらもまどかとキリカをリビングに案内する。杏子とゆまはすでに椅子に座っており、お茶菓子を頬張っていた。

杏子「織莉子ーお茶はまだかー?」

キッチンから少し遠い声で、

織莉子「あと5分位待ってくださいねー」

と声が聞こえる。その会話を聞いたキリカは少し低い声で、

キリカ「杏子って言ったっけ?なんで織莉子に対してそんなに偉そうなの?」

杏子は挑発するように、

杏子「あん?そりゃ居候同士のよしみってやつだろ、あんたとは違うのさ」

一触即発の空気に、

ゆま「喧嘩はダメ!ホムラも怒るよ」

タイミングよく自室で私服に着替えていたほむらが部屋から出てきて、

ほむら「あなた達うるさいのよ、仲良くできないならせめて折り合いをつけなさい」

睨み合っていたキリカと杏子は互いにソッポを向く。

ほむら「ごめんなさいね、あとでよく言ってきかせるから…」

とまどかに謝罪する。

まどか「に、賑やかでいいと思うよ」

と気を使ったように答える。

織莉子「ほむら様、お茶を淹れて参りました」

ほむらはご苦労様と言い、全員分の席にカップが行き渡るのを待ち、

ほむら「では魔導の授業を始めます」
308: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:16:18.53 ID:f2KYjSOIo
ほむら「それじゃあ順を追って話しましょうか」

ほむら「まずは魔法少女についての基礎知識からいきましょうか」

まどかは朝聞いた話を思い出し、俯きながら聞く。

ほむら「まずはソウルジェムね、そこには貴方達の魂が入っているわ」

ほむら「肉体の方は魔力で動かす外付けのハードウェアってことになるわね」

ほむら「ちなみにソウルジェムから大体100m程度離れると肉体の方は機能停止状態に陥るわね」

杏子は憤ったように

杏子「なんだそれ!あたし達はゾンビにされたようなもんじゃねぇか!」

ほむら「魂の在処に固執する必要はないわ、むしろ魔法が使えない魔法少女にとっては不可欠な機能よ」

キリカ「それじゃあこの体がいくら傷ついてもソウルジェムさえ無事なら大丈夫ってことでいいんだよね?」

ほむら「あら?理解が早いわね、その認識で合ってるわ」

杏子「おい、お前らそれでいいのかよ!?」

織莉子はたしなめるように、

織莉子「杏子は、ほむら様のソウルジェムを見たことがある?」

杏子はハッとしたように、

杏子「そりゃないけど…」

織莉子「つまりそういうことよ」

まどかはおどおどしながら口を挟んでくる。

まどか「魔法使いってのになれば大丈夫ってことだよね」

ほむら「ええ、そうよ、だから落ち着いて私の話を聞いてちょうだい」
309: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:17:57.14 ID:f2KYjSOIo
ほむら「次は魔法少女の魔力の精製法についてね」

ほむら「詳しい手順は省くけれど、簡単に言えば魂を燃やして魔力を精製しているわ」

全員が驚きの声を上げる。

杏子「じゃあ魔法少女は自分の身を削って力に変えてるのかよ…」

ほむら「そうね、でも利点はもちろんあるのよ?」

ゆま「でもほむらは何度も魔法を使ってるよね?大丈夫なの?」

ほむらはゆまの方を向き、

ほむら「良い質問ね、私は魂ではなく因果の糸を燃やして魔力を精製しているの」

ほむら「魂を燃やすよりは微々たる魔力の量しか得られないけれど'魔法'を使うには十分すぎる量よ」

ほむらは思い出したかのように、

ほむら「質問は随時受け付けるから何かあったら遠慮なく言ってちょうだいね」

ほむらは説明を続ける。

ほむら「そもそも、魂を燃やして魔力にするなんてそんなものはラスボス戦だけにするべきよね…」

ほむら「それを日常的に行なっているからこそ、魔法少女は短命なのよ」

織莉子は疑問をもったようで、

織莉子「それではグリーフシードというのは…?」

ほむら「そうね、その話をする前に人間の魂の話をしましょうか」
310: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:19:59.52 ID:f2KYjSOIo
ほむら「人間の魂というのは陰と陽に分けられるの」

ほむら「そこらへんは神話なり物語なりで多少は聞いたことがあるかもしれないわね」

まどかとキリカと織莉子は頷いたが、杏子とゆまは顔をしかめた。

ほむら「私の調べによると人間の魂の量は陽が100に対し陰が50、2:1の割合になっているわ」

ほむら「また、感情の機微によって陽が陰に陰が陽に変化したりするわ」

杏子「すまん陰とか陽とかよくわからん」

杏子は申し訳なさそうに話す。

ほむら「正義と悪、光と闇、性善説と性悪説わかりやすいように置き換えてもらって構わないわ」

杏子は納得はできていないが、とりあえず目で話しを続けるように促す。

ほむら「人間として生活する分には魂がどっちかに振れても問題ないのだけれど、魔法少女は陽の魂を燃やして魔力を得る」

ほむら「100あった陽の魂が90、80と減っていき、陰と陽の魂が拮抗し始める」

キリカは嫌な予感がしたのか、

キリカ「陰の魂の方が上回ると?」

ほむら「魂が反転する」

杏子「お、おい、分かる言葉でいってくれよ…」

ほむら「魂が反転すると魔法少女は魔女になる」

ガタンと杏子が立ち上がり、ほむらに肉薄する。

杏子「マジなのか…?」

ほむら「大マジよ」

杏子「それじゃああたしは人殺しをしてきたようなもんじゃないか!」

杏子はいままでの行いを悔いるように叫ぶ。
311: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:21:09.97 ID:f2KYjSOIo
ほむら「そうね、あなたは元人間を殺して今を生きているわ」

ほむら「だったらどうするの?それを懺悔して自殺でもする?それとも私が殺してあげましょうか?」

ほむら「この程度で心が折れる娘なんていらないわ」

ほむらは冷めた目つきで杏子を見つめる。真正面から淡々と。

キリカが口を開く。

キリカ「後悔なら勝手にしてればいいさ、私はそんなこと気にしないからさ」

織莉子も続くように、

織莉子「ほむら様が気になされていないのならこれは私にはあまり関係ない話ね」

ゆま「いままでがそうだったからってこれからもそうある必要はないよね」

杏子は席につき直し、

杏子「悪かったね、続けてよ」

ほむらは咳払いをして、

ほむら「話を戻しましょうか」
312: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:22:24.85 ID:f2KYjSOIo
ほむら「これで、織莉子の疑問に答えられるわね」

ほむら「グリーフシードは陽の魂が50陰の魂が10程度の状態になったソウルジェムといっていいわね」

ほむら「そこから陽の魂を自分のソウルジェムに注ぎ込んでソウルジェムの浄化…魂の補給をしているわ」

ほむらはただし、と付け加えるように。

ほむら「他人の魂を自分の身に注ぎ込むのだから、段々効率が悪くなっていくわ」

ほむら「終いには自分の魂が自分と認識できなくなるか、浄化できなくなって結局魔女になるわね」

ほむらは懐かしむように、

ほむら「ここまで解明するのに約10年程度かかったわね」

ほむら「それからはグリーフシードから魂を燃やして魔力を得るようにしたっけ…」

皆複雑そうな表情をしている。その思い出に自分はおらず、手が出せないからだ。

ほむらは気を撮り直したように、

ほむら「ちなみに魂が反転した時に発生するものすごいエネルギーがQB達の目的よ」

キリカ「つまりQBは敵なんだね、次見つけたら殺そう!」

キリカが過激な発言をしたが、各々似たようなことを考えていた。

ほむら「奴らを殺しても意味がないわ、奴らはネットワークで意識を共有している端末に過ぎないからね」

キリカは舌打ちをし、ほむらの話の続きを待つ。
313: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:23:29.21 ID:f2KYjSOIo
ほむら「そこまで解明し、私はとある疑問を持ったわ」

ほむら「それがなにかわかるかしら?」

皆首を傾げる。

まどか「QBに関係あること?」

ほむらは頷き、

ほむら「やつらは宇宙の熱的死を起こさないようにエネルギーを集めているの」

ほむら「もちろん魔女化する際のエネルギーは魅力的でしょうね」

ここで疑問に思ったのと付け加え、

ほむら「なぜ魔力を用いてエネルギーを得ないのかとね」

ほむら「魔力を媒介としているとはいえ無から有を生み出しているのよ?エントロピーの凌駕なんて朝飯前でしょう?」

織莉子が答えを出したかのように

織莉子「それができない秘密がそこにある…?」

ほむらはええ、と頷き、

ほむら「これで'魔術'と'魔法'の違いについて説明できる段階になったわね」
314: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:24:56.88 ID:f2KYjSOIo
ほむら「魔力というのは保存がきかずに、すぐに霧散してしまうという欠点があるの」

ほむら「だから魔力をエネルギーとして見るには別の形に置き換える必要がある」

まどかが口を挟む。

まどか「QB達はそれができなかった…?」

ほむら「そうよ、それでもなんとか別の形に置き換えたものが魔術」

ほむら「魔術の根本はさっきも言った通り無から有を生み出すこと」

ほむら「そして世界のエントロピーの差を埋めるために大量の魔力を用いて無理やり世界に生み出す、それが魔術」

ほむら「だから魔術を使うのに大量の魔力が必要になるし、QBの目的も達成できない」

ほむら「魔法少女の魔術の知識は全てQBから与えられる、QBは魔術の知識しかないしその先を見据えられなかったから'魔法'の知識に辿りつけなかった」

ゆま「じゃあ魔法っていうのは…?」

ほむらは待っていましたと言わんばかりに、

ほむら「少量の魔力で無から有を生み出すことよ」

ほむら「これが1段階上の世界、'魔法使い'」
315: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:26:33.89 ID:f2KYjSOIo
杏子「1段階上の世界ってどういうことだよ」

杏子は理解が追いついているのかいないのか、頭を抱えながら尋ねる。

ほむら「まずは知的な生命体になるということこれが第1段階」

ほむら「次の段階は文明を手に入れること、さらに次は文化を発達させること」

ほむら「その次の段階が科学を発達させること」

ほむら「この段階が私達の段階であり、QB達の段階よ」

キリカ「文明的な面では人間とQB達に差はないってこと?」

ほむら「そうね、科学の差は結構開いているけれどレベルとしてはそれほど差はないわ」

ほむら「物理的な法則を超越するというものが私の段階よ」

まどかは思い出したように尋ねる。

まどか「えっと、ほむらちゃん確か前に2段階上まで昇華させた力を持っているって…」

ほむら「あら、よく覚えていたわね…そこまで説明する気はなかったのだけれどね」

ほむら「まどかの言うとおり魔法使いの上のレベルが存在する」

ほむら「それが'概念'という存在ね」

織莉子「確か時空間を操るのは概念の力って…」

ほむらは嬉しそうに、

ほむら「そうよ、概念の力はあるべくしてそこにある力と言うべきなのかしら?」

ほむら「言葉では言い表すのは難しいのだけれど、魔力を用いずなんのデメリットもなく力を扱えるといったところね」

ゆまとキリカは憧れのような瞳をほむらに向ける

ほむら「ああ、勘違いしないで欲しいのだけれど概念の力は貴方達には使えないわ」

杏子「どういうことだい?」
316: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:27:32.98 ID:f2KYjSOIo
ほむら「そもそも概念というのは、世界と同義なのよ」

ほむら「だからそこにはいないし、どこにでもいる」

ほむら「この時間にはいないし、どの時間にもいる」

ほむら「そんな存在」

ほむら「私は一度概念と同化し、運良く人の身に舞い戻れた」

ほむら「その名残で概念の力が扱えるの」

杏子「だったらあたしも概念ってやつと同化すればいいだけじゃねぇか!」

ほむらはやれやれと言った様子で、

ほむら「貴方では戻ってこれないわ」

ほむら「そのまま取り込まれて世界を見守るだけよ」

ほむら「まあ、魔法を学べばいずれ辿り着く真理よ」
317: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:29:47.41 ID:f2KYjSOIo
ほむら「話がそれたわね、今は貴方達に魔法を教えるわ」

全員が頷く。

ほむら「適正の話をしておこうかしら」

ほむら「魔力には人によって得意不得意が存在するわ」

ほむら「'ちなみに魔術'は適正があった物しか使えないといったデメリットがあるわ」

ほむら「適性が無い魔術を使おうとするとあっという間に魂がすり減って魔女化するでしょうね」

ほむらはかつて何かあったのかつまらなさそうに語る。

ほむら「'魔法'に関しては適性がなくてもある程度は扱えるから安心していいわ」

ほむら「例えば私の適性は時間操作、属性は炎、それに浄化と侵食にやや適正があるわ」

ゆま「ホムラと一緒に使った魔法って…」

ほむら「そうよ、貴方達の適正の魔力を使って効率的な運用を心がけたつもりよ」

ほむらはそのままゆまの方を向き、

ほむら「ゆまに関しては適正は回復ね、これは生命体に対して強く出ているわ、属性は風よ」

次に織莉子の方を向き、

ほむら「織莉子の適性は予知ね、属性は光、結界の魔法にも高い適正が出そうね」

杏子の方を向き、

ほむら「杏子は幻影の適正、属性は私と同じで炎よ」

ワクワクしているキリカの方を向き、

ほむら「キリカは時間の速度操作ね、属性は闇、召喚の魔法にも適正があるわ」

最後にまどかを見つめる

ほむら「まどかは浄化の適正、属性は聖ね」
318: ◆Kgl9AS7R4o 2013/06/18(火) 20:31:09.63 ID:f2KYjSOIo
キリカ「ほむら!召喚魔法とか結界魔法っていうのは?」

ほむら「ああ、魔法の種類も説明しておくわね」

ほむら「魔法の種類はいくつかあって、結界魔法、言霊魔法、具現化魔法、召喚魔法、干渉魔法等があげられるわね」

ほむらはお茶を一口含み、落ち着いたように

ほむら「まあ読んで字の如くよ」

ほむら「まあ魔法を覚える過程で理解できると思うわ」

ほむら「さあ、私からの説明は以上よ」

ほむら「これからは因果の糸による魔力精製と自分の適性に合った魔法を習得してもらうわ」

ほむら「その前になにか質問はあるかしら?」

次スレ:

ほむら「さあ、すべてを救いましょうか」【後編】


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