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勇者「その武器重くねぇの?」【後編】

前スレ:

勇者「その武器重くねぇの?」【前編】



676: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:23:22.64 ID:GTsWQF1F0
勇者「さーてと、暖房の実の予備も貰ったし、食料も補充できた」

勇者「さっさと東の火山に向かおうかね」

魔法使い「おー!」

僧侶「……おー」

氷幼女「火山まではしばらく氷原を進んだ後森を越えねばならん」

氷幼女「覚悟しておくんじゃな」

魔法使い「お、おー……?」
678: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:26:45.15 ID:GTsWQF1F0
勇者「んー、やっぱり暖房の実があると大分楽だな」

魔法使い「ほんとにねー……暖房の実様様だよ」

僧侶「……ほんと」

氷幼女「人間とは、貧弱じゃのう。このぐらいの寒さなどどうということないじゃろうて」

魔法使い(普通なら凍えそうな軽装で笑ってる……見てるだけで寒くなるよ、もう!)

僧侶「……からい」モグモグ

勇者「おい、僧侶……ちょっと食べすぎだっての」
679: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:32:55.87 ID:GTsWQF1F0
勇者「全然森が見えてこないなー」

魔法使い「なんか辺り一面雪、雪、雪……おかしくなりそうだよ……」

僧侶「……」ザッ ザッ

氷幼女「むー……小さい体だとどうも歩きにくいのう」

氷幼女「おい、勇者!わらわをおんぶせよ!」

勇者「……マジか」

魔法使い「勇者は荷物持ってるから、私がおんぶしてあげるよ」ヒョイ

氷幼女「む?んん……」

僧侶「……勇者」

勇者「今度は僧侶か、なんだ?」

僧侶「……おんぶ」

魔法使い「……」 氷幼女「……」
680: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:35:50.76 ID:GTsWQF1F0
勇者「あー……荷物も持ってんだぞ、俺は……」ザッ ザッ

僧侶「……♪」

魔法使い「うう……どうしてこうなった……」ズザ ズザ

氷幼女「まぁ、仕方ないであろう……というか、この斧邪魔じゃぞ」

魔法使い「乗ってて文句言うな!」

勇者(少し胸が当たってるな……やはり中ぐらいあったか)
684: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:44:40.87 ID:GTsWQF1F0
勇者「おー……なんか緑が見えてきた……」

魔法使い「やったー!やっと雪ともおさらばだね!」

氷幼女「ふむ……名残惜しいが、この地を去るとするか」

僧侶「……敵」

勇者「……むっ!」

魔物「ギャギー!ギャギギー!」バサッ バサッ

魔法使い「空を飛んでるタイプの魔物……厄介だね」

氷幼女「ふむ……『なぜ、人間とともにいる?』か」

僧侶「……分かるの?」

氷幼女「わらわも魔族であるからな。山の魔物と少し発音が違うが理解ぐらいは出来る」
688: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:52:41.40 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「『人間に肩入れするとは、氷の女王も地に落ちたものだな』か。随分な言われようだな」

氷幼女「まぁ、貴様ら下級の魔物には分からんさ、理由など」

魔物「ゲギャギー」バサッ ヒュバッ

氷幼女「ふん、甘いわ!」クルン クルン ザシュ

魔物「グゲギャ……」ボトッ

氷幼女「ふん、次に頭を付けるならもっと大きな脳みそにするんじゃのう」

勇者(うわー……こっえー、この人……ほんと、味方にしててよかった)

魔物「グギギ……グガァ」ボバァ

氷幼女「こやつ、火を……使いおるか」ズザ
689: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:54:57.25 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「させないよっ!……巻き起これ!暴風!」ビュゴワワワワ

魔物「グギャッゴ……」バサ バサ

僧侶「……いまだ」シャキン

魔物「グ……ゲ」ドサッ

魔法使い「大丈夫だった?氷」

僧侶「……?」

氷幼女「……ふ、ふん」

氷幼女「……か、感謝はしておくぞ」

勇者(……なんか、補助呪文も必要なくなってるんですが……)
690: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 01:58:06.72 ID:GTsWQF1F0
勇者「ここが、東の森か……初めて来た」

魔法使い「木の高さとか、故郷の森とは比べ物にならないねー」

僧侶「……暑い」ダラダラ

勇者「暖房の実食べ過ぎるからだろ……」

氷幼女「ぐ……ふぅ、ふぅ」ダラダラダラダラ

魔法使い(なんかこんまま溶けてもおかしくなさそう……)
693: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:04:33.49 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「く……氷を纏えればこんな暑さなど……」ダラダラ

勇者「ほいさ」ポイ

氷幼女「む、なんだこれは?」

勇者「冷房の実だよ。火山に行くなら必要なもんだしな」

勇者「少しは楽になるんじゃねぇかな、と」

氷幼女「ふむ……もぐもぐ」 「ほう、これは凄い……体がすっきりしよる」

魔法使い「……氷の魔族は貧弱だねぇ。このぐらいの暑さどうってことないでしょ?」

氷幼女「む、むむむむぅ……」
694: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:08:10.32 ID:GTsWQF1F0
勇者「……」ポコ

魔法使い「い、いてっ」

勇者「……」ポコ

氷幼女「な、なにをするのじゃ!」

勇者「喧嘩両成敗、ってやつだ。くだらない争いしてんじゃねーよ」

勇者「それぞれ弱点があって、それを補うのがパーティーなんだから」

勇者「弱みほじくってうじうじ言わないこと」

魔法使い「……ごめん」

氷幼女「……わらわこそ、すまんかった」

僧侶「……あつ」ダラ ダラ
695: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:11:40.03 ID:GTsWQF1F0
僧侶「……ひんやり」モグモグ

勇者「……人が話してるときに、勝手に実を取って食うんじゃねぇっつの」ポコ

僧侶「……いたい」

勇者「で、氷。こっから先はどう行けばいいんだ?火山まで」

氷幼女「……知らぬ」

勇者「え」

氷幼女「わらわは、ここを抜ければ火山があるということを知っているだけじゃ」

氷幼女「火山へいった部下は帰ってこなかったしのう」

勇者「そういうのは先に言ってくれよ……」
696: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:17:31.39 ID:GTsWQF1F0
勇者「遠めに火山が見えてるとかだったらよかったんだけど……」ピギャー  ピギャー

魔法使い「見渡す限りの大森林だね……」

僧侶「……広い」

氷幼女「な、なんじゃ!わらわが悪いと言いたいのか!?」

氷幼女「どうせ、進まないことには話はすすまんじゃろうが!」

勇者「……まぁ、そうだよな。いっつも行き当たりばったりなんだし」

魔法使い「んー、とりあえずまっすぐ行ってみようか」

僧侶「……同意」
697: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:23:50.52 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「うう……さっきより軽くなったとはいえやはり暑いのう……」

勇者「そんなんで火山行って大丈夫なのか?」

氷幼女「……まぁ、その頃には魔力も戻ってるじゃろうて!ハハハ……」

勇者(魔力戻ってなかったらどうすんだろ……)

魔法使い「しっかし、なんか得体の知れないものがいっぱい生えてるねー」

勇者「魔物がまぎれてるかもしんないから気をつけろよー」

僧侶「……周辺警戒」
698: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:28:47.89 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「む……あれは……池か」

勇者「ん?池が珍しいのか、お前」

氷幼女「凍ってない状態の池を見るのは初めてじゃからのう。少々、物珍しい」ぴちゃ

氷幼女「……やはり、ぬくいのう」

勇者「ここらで、いっちょ休憩にするか。大分歩き疲れたし」

魔法使い「さんせー!むしむしして余計体力使うんだもん、ここ……」

僧侶「……疲れた」ぺたん

氷幼女「……なんだか、足止めしたようで悪いの」

勇者「んなこと気にするなって。疲れてたのはほんとなんだから」
704: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:35:15.31 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「もっと冷たかったら気持ちよかったのにのう……」ぱしゃぱしゃ

魔法使い「んー、結構冷たいと思うけどなー」ぴしゃぴしゃ

僧侶「……微妙?」ぱしぱし

勇者(なんかみんな水面叩いて遊んでるな……)

勇者(そこはかとなく男は混じりにくい雰囲気出てるよな、こういうのって)

勇者「……釣りでも、してみるか」ガサゴソ
706: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:40:50.82 ID:GTsWQF1F0
勇者「……餌、どうしよう」

勇者「まぁいいか、餌なしで」ポイ

勇者「……魚がいるかも、知らないけどな」

勇者「…………」

勇者「……昔、村にいたときはよく釣りしてたなぁ」

勇者「そういや、そんときも餌無かった気がする」

勇者「一度も釣れなかったんだっけな、ははは……」くいくい

勇者「……え?」
707: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:44:24.17 ID:GTsWQF1F0
勇者「嘘だろ……なんか引いてるぞ」くいくい

勇者「し、しかもめちゃくちゃ引き強いんだが……」

勇者「まずいな……竿ごと持っていかれそうだ……!」

勇者「う、うぉわぁっ!?」ドパーン

魔法使い「ん……?今の音……」

氷幼女「あちらのほうから聞こえてきおったな」

僧侶「……勇者、いない」

魔法使い「な、なんだって!急がなきゃ!」
711: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 02:52:10.05 ID:GTsWQF1F0
勇者「……ガボ……ゴボボ」

勇者(やばいな、こりゃマジで死ぬかもしれん……)

勇者(しかし、なんだったんだ?さっきの引きは……って、なるほど)

魚魔物「ギャッギャギギィ」ザブ ザブ

勇者(あーあ、すげぇこっち見てるわ……竿あきらめてりゃよかったかなぁ)

魚魔物「ギャギャギャギャ!」ゴオッ

魔法使い「ゆ、う、しゃぁぁぁぁっ!」ザッパーン

勇者(魔法使いの声が聞こえたような……いや、きの、せ、い、か……)
712: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 03:00:16.99 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「ねー、ゆうしゃー」

勇者「ん?どうしたんだよ、まほうつかい」

魔法使い「これねー、プレゼント!」

勇者「なんだよこれ……きのぼう?」

魔法使い「あのねー、今日ゆうしゃ誕生日でしょ?だから、釣竿!」

勇者「うーん……ありがとうな!まほうつかい!」

魔法使い「わーい!よろこんでもらえたー!」
714: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 03:02:46.70 ID:GTsWQF1F0
勇者(それは、釣竿なんて言えた代物じゃないただの木の棒だったけど)

勇者(魔法使いの傷だらけの手と、満面の笑みを見てたら)

勇者(あの釣竿は、世界で一番のものに見えたんだ)

勇者「……あれ、魔法使い」

魔法使い「……」カーッ

氷幼女「……ふむ、起きたか」

僧侶「……よかった」

勇者(なんで魔法使いは顔が赤いんだ……?)
715: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 03:10:39.95 ID:GTsWQF1F0
勇者(服が濡れてる……ってことは、さっきのは夢じゃなかったのか)

魔法使い「……なにしてんのさ!心配かけないって言ったじゃん!」

勇者「す、すまん……」

魔法使い「なんでまた、池に飛び込んだりなんてしたの!」

勇者「釣りを、してたんだよ、久しぶりに」

勇者「そしたら、さっきの魔物がかかっちまってな、引きずり込まれた」

魔法使い「……なんで、竿を離さなかったの?」

勇者「……あれは、思い出の竿だからな……って、竿は無事か!?」
716: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 03:15:11.86 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「ちゃんと回収しといたよ」スッ

勇者「ふぅ、よかった……」

魔法使い「竿の心配より、自分の心配をしたらどうなの?」

勇者「俺は死なないからいいけど、竿は折れたら元に戻らないからな」

魔法使い「……ほんと、バカなんだから……」

氷幼女「……わらわは、溶けてしまいそうじゃ」

僧侶「……」ダラダラ

勇者「ところで、なんで魔法使いは顔が赤かったんだ?」

魔法使い「……!」ギク

魔法使い(よ、よかったぁ……見られては、いなかったみたいだね)

魔法使い「え、えーと……ひ、冷えて風邪でもひいちゃったかなぁ?」

勇者「……大丈夫なのか?体あっためたほうが……」スッ

魔法使い「だ、だいじょうぶだからっ!……くしゅ」

勇者「大丈夫じゃねぇだろ……どうせ俺も火に当たらんといけないし、ほら」

魔法使い「……ありがと」
720: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 03:36:32.15 ID:GTsWQF1F0
パチ パチ
勇者「すっかり暗くなったなぁ……こういう場所は時間感覚が掴めなくて困るな」

魔法使い「うん、そうだね……」

勇者「寒く、ないか?」

魔法使い「ボクは大丈夫だよ……勇者こそ、寒くないの?コートをボクに貸してくれてるけどさ」

勇者「ん、心配すんな。俺は大丈夫だ」



氷幼女「わらわが、なぜテントなんぞを作らねばならんのじゃ……」カン カン

僧侶「……働く」カン カン
731: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:15:32.79 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「やっと、出来た、ぞよ……」カンカンカン

僧侶「……疲労」カンカンカン

氷幼女「疲れた……もうわらわは寝る……」バタ

僧侶「……きゅう」コテン

パチ パチ パチ
勇者「……」

魔法使い「……」

魔法使い(なんだろ……すっごく気まずい……)

魔法使い(あんなことしたから……あんなこ、と……)ボンッ

勇者「お、おい!大丈夫なのか?本当に……顔真っ赤だぞ」

魔法使い「だ、だいじょぶだいじょぶ!」
732: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:21:18.66 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「ね、ねぇ、勇者……」

勇者「なんだ?」

魔法使い「勇者はさ、魔王倒したらどうするつもりなの?」

パチ パチ パチッ

勇者「…………」

勇者「んー……そうだなー……魔法使いはどうなんだ?」

魔法使い「え?ボ、ボク?ボクは……って、質問してるのはボクだぞ!」

勇者「あらら、ダメか……俺は、旅を続けるつもりだよ」

魔法使い「なんで?魔王倒したら旅する必要なんてないじゃん」
734: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:24:40.57 ID:GTsWQF1F0
勇者「もともと、魔王を倒すために旅してたわけじゃないからなー」

勇者「魔王倒したところで、旅する必要が無くなるわけじゃないさ」

魔法使い「ふーん……じゃぁ、なんで魔王倒すのさ」

勇者「……目標も無く旅するよりは、一つ一つ目標があったほうがいいだろ?」

勇者「魔王を倒したら、またなんか適当に新しい目標探すさ」

魔法使い「……そっかー」

勇者「で、お前はどうなんだよ」

魔法使い「え?」

勇者「魔王を倒したら、どうするかって」
735: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:29:43.72 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「え、えーと……ボ、ボクは……」

魔法使い「勇者と、旅を続けたい、かな」

勇者「……」

魔法使い「だって、勇者一人じゃ旅続けられないでしょ?」

魔法使い「一人じゃ戦えないんだから、お供はいたほうがいいよね」

魔法使い「……ダメ、かな?」

勇者「……別に。物好きもいたもんだねー、と思っただけだ」

魔法使い「も、物好きってなにさー!自分が一番物好きなくせに!」

勇者「……違いないな」
736: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:33:07.93 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「……ふわぁ」

勇者「眠いんだったら、寝ても大丈夫だぞ」

魔法使い「……勇者は?」

勇者「全員寝てどうすんだよ。俺は起きとく」

魔法使い「……戦えない、くせに」クス

勇者「うっせーよ……お前ら起こすぐらいは出来るっつの」

魔法使い「はいはい……じゃ、お休み」

魔法使い『頼りにしてるよ、ボクの勇者様』ボソ


勇者「……なんか言ってたみたいだが、なんだったんだ?」
737: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:38:17.16 ID:GTsWQF1F0
魔物「ギャギ、ゲギャギャイイ」

森林王「ほう、氷の女王が……人間と……」

森林王「確かな情報か?それは」

魔物「ギャギョ、ギャギャギャギョイ」バサ バサ

森林王「あの小娘、やはり人間に肩入れしおったか……」ブワサッ

森林王「昔から、いけすかんと思っておった奴じゃ。丁度いい理由が出来たわい」ズーン ズーン

魔物「ギャイ!ギャギャイイイ!」

森林王「魔族とはなんなのか……教えてやるぞ、小娘が」
739: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:43:29.24 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「勇者、勇者!」

勇者「……ん、魔法使いか」

魔法使い「なに暢気なこと言ってるのさ!起きなって!」

勇者「やべ、俺寝てたのか……ってうおわ!?」

魔物ども「ギャギャギャギャギャギャイイ」

勇者「め、めっちゃ囲まれてる……」

僧侶「……勇者、起きた?……」キィィン

魔法使い「ぼさっとしてないで!防御壁早く重ねて!」

勇者「お、おう!」キィイイン (寝ちまうなんて……不覚にもほどがあるぜ)

勇者(しかし、なんで寝てる間に襲わなかったんだ?)

氷幼女(……同族の臭いを、感じるのお……)
741: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:48:02.29 ID:GTsWQF1F0
ズーン ズーン
勇者「な……今度はなんだ?」

魔法使い「凄く大きな足音……」

僧侶「……くる」

バキ バキバキィ

森林王「……よう、氷の小娘。久しぶりじゃな」

勇者(なんじゃこいつ……鳥人間の3、4倍はあるぞ……でか……)

氷幼女「やはり貴様か、森林原人め。野蛮なやり方は変わらぬのう」

森林王「がーっはっはっは。口と姿が噛み合っておらんぞ?おチビさんよぉ」

勇者「……知り合いか?」

氷幼女「……やつも魔族の王の一人じゃ。こいつのことを忘れておるとは、わらわも耄碌したかのう」
742: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 04:50:53.78 ID:GTsWQF1F0
森林王「どうやら、人間に味方したというのは本当だったようじゃな」

氷幼女「味方などしておらんわ……わらわは、わらわの考えどおりにやっておるだけじゃ」

森林王「がっはっは!相変わらず言い訳が達者な小娘だこと」ズシーン  バチチッ

森林王「むぅ?なんじゃこれは……邪魔じゃのう」ブン  バリーン

僧侶「なっ……!」

勇者(多重詠唱の防御壁を腕の一振りで……まじもんの化け物だな、こいつ)
743: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 05:00:44.65 ID:GTsWQF1F0
森林王「貴様が氷の女王をなびかせた男か……どんな強者かと思えば」

森林王「ただの優男ではないか……さては、色で落としたのか?」

氷幼女「な、なにをバカなことをっ!」

森林王「……まぁ、そんなことはどうでもいいか」ガシ

氷幼女「ぐ、ぐうう」

魔法使い「お前っ!氷から手をはなせっ!」ジャキン

氷幼女「止めぬか、ばかものっ!」

魔法使い「っ!」ガシャン

僧侶「……」スッ

氷幼女「周りが見えんのか……この数は流石に辛かろう……うぐぅ」ミシミシ

森林王「健気だねぇ……氷の小娘よ」

氷幼女「貴様ほど野蛮ではないだけだ、森林猿め」
744: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 05:05:36.95 ID:GTsWQF1F0
森林王「今の自分の状況が分かっているのか……?」ギリギリ

氷幼女「く……ふ、はぁ……」

森林王「哀れな女よ。魔族の王として生きればもっと栄華もあったものを」

氷幼女「く……ふは、ふはははは!」

森林王「ついに気が狂ったか?小娘」

氷幼女「気が狂っているのは貴様のほうだ、類人猿」

氷幼女「たとえ魔族で生まれても、人間に生まれてもっ……」

氷幼女「わらわはわらわとして生きるだけだ!貴様らには分かるまい!」

森林王「……あぁ、わかんねーな、そんなこと」

森林王「遺言はそれだけか?じゃぁ、死ね……っ!」ふに ふに

氷幼女「ふ……く、くすぐったいぞよ?」
755: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 07:33:22.81 ID:GTsWQF1F0
森林王「な、なんだとっ……どういうことじゃ!」

氷幼女「……ふんっ!汚い手を離さんか!」バシィ

森林王「ぐ、うっ!?」ズザーッ

氷幼女「ていやぁ!」ジャララララ  ヒュパン

森林王「ぐぬ……俺様の体に、その程度の武器で傷を……」

森林王(何かがおかしい……ここは引くか)バッ

氷幼女「ま、まていっ!」 魔物「グゲゲゲ!」 「ちぃっ!」ズバン

魔法使い「にがすかっ!」 魔物「ウケケケケ!」 「く……どけぇ!」ズドン

僧侶「……追う」 魔物「ギギギギィ!」 「……邪魔」スパン

勇者(随分と統率された動きだな……こりゃ手ごわそうだ)
756: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 07:38:36.95 ID:GTsWQF1F0
森林王「どういうことじゃ……急に氷の小娘が強くなりおったわ」

森林王「……ぬおりゃぁ!」ズドン

森林王「力が入らないわけではないようじゃが……分からぬ」


氷幼女「ぬぅん!」ジャラララ グルグル

氷幼女「まとめて吹きとべい!」ブオン

魔法使い「ナイストス!……押しつぶせ!水流!」ザパアアアン

魔物ども「グギョギョゲギャゴギョォ」プチッ

僧侶「……片付いた」

氷幼女「しかし、完全に見失ったのう……」

勇者「……困ったな」

勇者「俺のあの魔法、どのぐらいの距離まで有効なのか分からないんだ……」

勇者「もしかしたら、解けてしまっているかもしれない」

魔法使い「逃げたほうが、いい感じ?」

氷幼女「それは無理じゃろう……この森の全てが奴の目のようなものじゃ」
758: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 07:48:57.69 ID:GTsWQF1F0
森林王「ふむ……全滅、か」

森林王「あれでも強い魔物を選んでいたんだがな……小娘が手を貸すのは伊達ではないと言うわけか」

森林王「探し出したら、その場で殺して構わんぞ」

魔物「ギャギャゲギャイ!」バサ バサ

森林王(この魔法……どうやったら解けるのだ……?)


魔法使い「じゃぁ……どうするの?」

氷幼女「……倒すしかなかろう、彼奴を」

僧侶「……出来る?」

魔法使い「勇者の魔法が解けてなければ、簡単なんだけどなぁ……」

氷幼女「無理でもやらんとならん。死にたくなければ、な」
760: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 07:53:37.35 ID:GTsWQF1F0
魔物「ゲギャギャギャ」バサバサ

魔法使い「えいやっ!」グシャ

魔物「グゴゴゴゴ」バサバサ

僧侶「……ていっ」ザシュン

魔物「ウゲゴギャガギゴゴゴ」バサバサ

氷幼女「いねいっ!」ジャラララ  ゴシュ

魔物「ウゴギャギャギャ」バサバサ

勇者「……喰らえっ!」ゴシュ

魔法使い「ゆ、勇者っ!」

僧侶「……しまった」

氷幼女「何を無理しとるんじゃ、バカが……」
762: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 07:58:05.18 ID:GTsWQF1F0
森林王「ふむ、男をしとめたか……」

森林王(あの男、そこまで弱かったのか……)

森林王「つまり、あの魔法をかけたのは、あの女のうちのどちらかか……」

森林王「……よし、やつらの場所を教えろ!俺様も行くぞ!」フアサッ

森林王(さっき、木を折ろうとしてみたが……まったくピクリともせんかった)

森林王(確かに力は込めていた……なのに、折れなかった)

森林王(周りへの力が弱まる魔法か……なんとしても解除しなければ……)
859: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 17:47:56.57 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「……この気配、奴か!」 ズドーン

魔法使い「わ、わぁっ!?」よろっ

僧侶「……すごい、煙」

森林王「きさまら……俺様に魔法をかけるたぁいい度胸じゃねぇか」

氷幼女(……勇者の魔法に気付きおったか。ただの脳筋かと思ったら意外とやるのう)

氷幼女「ふん……小娘一人倒せぬ王が何をほざくか」

森林王「き、さ、まぁ……」ブチブチ
864: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 17:52:30.78 ID:GTsWQF1F0
森林王「……笑っておられるのも今のうちだぞ」

森林王「そこの女のどちらかがやったってこたぁ分かってんだ!」

魔法使い「……へ?」

僧侶「……む」

氷幼女(勇者がやられたことで、何だかようわからん勘違いをしておるようじゃのう)

森林王「やれっ!てめぇら!」

魔物「グフフフフ……」ズン ズン

魔法使い(今までの魔物と、大分違うやつだ……!)

僧侶(……でかい)

森林王「俺様が直接手を下せんのはちと悔しいが……しかたなかろう」
867: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 17:57:57.05 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「ていやぁ!」ズガン 「グハハ……」ガシッ

魔法使い「ボ、ボクの武器を離せっ!」

僧侶「……はっ!」ザク 「ゲフフフ……」ギリリ

僧侶「……抜けない」

氷幼女(やはり無能猿め……護衛が手薄ではないかっ!)ダダッ

森林王「……ぐはっははは!ここまで予想通りだと笑いが止まらんな」

氷幼女「な、なんだと……はっ!」 魔物「グゲギョギョギョ!」ボワァ ボゴン

氷幼女「しまっ……ぐ、ぐはぁっ!」ドサッ
869: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:05:24.84 ID:GTsWQF1F0
森林王「さんざん人のことをバカにしてた割りに、ずいぶん簡単な手に引っかかるじゃねぇか?ええ?」

氷幼女(……なんたることじゃ……わらわが謀られるとは)

森林王「……そうだな、さきにてめぇからやらせてもらうか」

魔物「ゲギャ!ゲギャギャフゥ!」ザッ ザッ

魔法使い「くっ!やめろぉっ!巻き起これっ……」ポフ

魔法使い「こんな時に、魔力切れ……っ!?」

僧侶(……く、私も……か)

森林王「てめぇらは黙ってな……すぐに後を追わせてやるよ」
870: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:09:48.70 ID:GTsWQF1F0
魔物「グゲギャギャギャ!」カキン 「ギャギャ!?」

森林王「これは……防御壁か?一体誰が……」

勇者「……間に合った、か」ズル ズル

氷幼女「勇者……!」

魔法使い(ボロボロだ……ぜんぜん治癒しきってないじゃないか……)

僧侶(……まずい)

勇者「流石に形勢逆転、とはいかないか……」
872: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:14:25.47 ID:GTsWQF1F0
森林王「てめぇ……確かに息の根は止めていたと聞いていたが……生きてやがったのか」

勇者「……まぁ、おかげさまでな」

森林王「その姿を見る限り、まともに戦えそうもないみたいだが?」

勇者「……時間稼ぎぐらいは出来るさ」

氷幼女「勇者!逃げるんじゃ!そんな体では……今度こそ死んでしまうぞ!」

魔法使い「そうだよ!ボクたちのことはいいから!」

僧侶「……」コク

森林王「泣かせるねぇ……人間の馴れ合いってのは。おっと、一人魔族だったか」
876: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:28:16.15 ID:GTsWQF1F0
勇者「まぁ、逃げても逃げ切れる気しないから逃げはしないがな」

氷幼女「……く」

森林王「さて……ではまずお前から殺すさせてもらおうか」

魔物「グフ……グフ」ズシン ズシン

勇者(……流石に今度ばかりはまずいかも……)

森林王「今度は……完全に消し炭になるまで燃やしてくれるわ!」

勇者(うわぁ……死んだか?俺)
877: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:32:08.34 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「勇者っ!くそっ!離せっ!はなせぇっ!」ジタバタ

僧侶「……く、ぅ!」ガン ガン

森林王「うるさい小娘どもめ……そんなに死にたいか?」

勇者「……魔法使い、僧侶。俺なら大丈夫だから、心配すんな」

魔法使い「勇者……」

僧侶「……勇者」

氷幼女(大丈夫なわけ、なかろう……死ぬ気か、勇者……)

森林王「ふむ……潔い態度は、嫌いではないぞ」

勇者「お前みたいなむさいゴリラに好かれてもうれしくもなんともないわい」
879: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:39:37.12 ID:GTsWQF1F0
森林王「がっはっは!最後まで口が達者だな」

森林王「……殺せ」 魔物「ギャッギリィィ!」ボボボボボ

氷幼女(く……わらわは、なんと情けないのだ……)

氷幼女(王族でありながら、このような体たらく……人間に守られる始末だ)

氷幼女(こんなことでどうする……わらわは氷の女王であるぞ!)

氷幼女(あのような野蛮猿に負けることなど……あってはならん!)

魔物「ギャギャギャギィ!」 ボバァーッ

勇者(……くっ……万事休す、か)
884: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:45:02.04 ID:GTsWQF1F0
魔物「ギャ……ギャィ……」カチン コチン

勇者「……ん?」

勇者「生きてる……?」

魔法使い「……あ」 魔物「……」カチン コチン

僧侶「……あれは」 魔物「……」カッキーン

森林王「吐いた炎ごと凍ってやがる……まさか!」

氷王女「ふむ……手加減してやったつもりだったのだが……」ヒュゴオオオ

森林王「ぐ……」

氷王女「形勢逆転、かのう?」ニヤリ
894: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 18:54:13.86 ID:GTsWQF1F0
氷王女(まだ本調子ではないようじゃ……じゃが)ヒュゴゴゴゴ

魔物「ゲギャ、グ……」 「ギャギャ、ギ……」カチン コチン

氷王女「このぐらいで十分のようじゃな」パチン

魔物「グガァッ!」ブォン

氷王女「触れるなっ!下郎が!」ヒュン  スパッ

魔物「グ……ゴ……」ドサ

森林王(ぐ……余裕ぶっこいてた結果がこれか……人のこと笑ってる場合じゃなかったわけか)
899: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 19:05:27.23 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「すごい……力が戻ったんだね!」

僧侶「……さむ」

勇者「肝が冷えたぜ、今回ばかりは……」

氷王女「……感謝するぞ、勇者」

勇者「ん?」

氷王女(……気付かせてくれたのは、おぬしじゃからな)

氷王女「今度は、わらわが守る番じゃ!」ヒュウウウ  シパパパパン

森林王「……このまま、黙ってやられるわけにはいかん!」ゴワン

勇者「氷っ!俺の魔力はさっきので尽きちまった……あいつを弱くは出来ないぞ」

氷王女「弱く……?今のわらわに必要だとでも思っておるのか?」

勇者(ほんとうにあの幼女か……?性格まで変わってる気がするぜ)
902: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 19:12:20.78 ID:GTsWQF1F0
森林王「ぐぬおわぁっ!」ボゴオン

魔法使い「わわっ!す、すごい振動……」グラグラグラ

氷王女「……どうした?わらわには傷一つ付いておらんぞ?」

僧侶「……無傷」

森林王(氷の壁すらもやぶれぬか……もはや勝負は決した、か)ズシン

氷王女「む、どうしたというのだ。武器を捨てるとは」

森林王「……もはや戦う意味はない」

森林王「自分の力を過信し、相手を見下しながら戦った」

森林王「その時点で俺様は負けていたのだ……殺すがいい」
909: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 19:22:12.83 ID:GTsWQF1F0
氷王女「……くっくっく、あーっはっはっは!」

森林王「な、なにがおかしい!」

氷王女「くっく……いや、本当に頭の中まで筋肉が詰まってるのじゃな、貴様は」

森林王「ぐっ……今更俺を侮辱してなにがしたい……」

氷王女「殺せと言うものなど、死んでいるも同じ。それを改めて殺して何の意味がある?」

氷王女「死を認めたならば、無様に生きるがよい」

氷王女「それでも死にたくなったら、勝手に死ねい。わらわは知らん」

森林王「……がっはっはっはっは!実に面白い小娘じゃ」

氷王女「これでもまだ小娘と言うか?」

森林王「……感謝するぞ、氷の王よ」

氷王女「ふん……感謝される筋合いなどないわ、戯けが」

919: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 19:33:25.75 ID:GTsWQF1F0
森林王「ふむ、火山へ向かっているのか……」

森林王「しかし、魔王を倒そうとはのう。つくづく面白い奴らじゃ」

勇者「魔王に報告とか、しないのか?」

森林王「……われら魔族の王全てを、魔王が統治しておるわけではない」

森林王「魔王は、魔族の王で最も強い存在であるだけだ」

森林王「むしろ、魔王に従順に従っておる王のほうが少ないはずだ」

森林王「魔王は、居城から出ることもなく、姿もほとんど見せん」

森林王「そんなものを崇拝しろというほうが難しい」

勇者(……魔族の複雑は予想以上だったみたいだな)
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:00:23.83 ID:GTsWQF1F0
勇者「そういえば、魔族の王ってどのぐらいいるんだ?」

森林王「むぅ、難しい質問じゃな……数え切れないぐらいおるのだ」

森林王「それこそ絶大な力を持つものから単なる自称の弱小まで、な」

勇者「でも、魔王の居城に呼ばれることがあるんだろ?」

森林王「……それがものすごい人数が集まるんじゃよ、魔王の居城に」

森林王「それだけ大きく、頑丈な城ということじゃ」

勇者(……王宮とかの城とは比べ物にならなそうだな)
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:04:49.58 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「てことは、魔王の城には普段誰もいないの?」

森林王「それは……分からんな。集会の時以外は入ることが出来んしのう」

僧侶「……残念」

氷幼女「まぁ、魔王の居城と言うぐらいだから、強い魔物を従えておるのじゃろう」

勇者「あぁ、おそらくそうだろうな……ん?」

魔法使い「……あれ?」

僧侶「……」ジー

氷幼女「な、なんじゃ?わらわの顔に……って、なんじゃと!?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:07:14.35 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「体が元に戻っておる……」わなわな

勇者(服がピチピチでいいスタイルしてたのにな……残念だ)

魔法使い「なんか、また変なこと考えてない?」

僧侶「……へんたい」

勇者「勝手に人の考え決めてものを語るなよ……」

森林王「がっはっは!仲がよいのか悪いのか、不思議なものよのう人間は!
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:16:33.99 ID:GTsWQF1F0
森林王「さて、この辺で俺は分かれるぞ」ザッ

勇者「……感謝する」

森林王「勘違いするなよ?負けたから道案内しただけだ。善意でもなんでもない」

氷幼女「ふん、素直じゃない猿じゃ」

森林王「おぬしものう、氷の小娘」

森林王「……魔王は、かなり強いぞ。それこそ魔族の王とは桁違いに」

魔法使い「大丈夫だよ!勇者がついてるから!」

僧侶「……」こくこく

森林王「……勇者よ。弱いその身でなぜに戦う?」

勇者「んー……別に俺は戦ってねぇよ。周りに助けられてるだけだ」

森林王「くくく……違いないな……」ドス ドス

森林王「勇気ある弱者よ!その旅に暗き闇のかからんことを!」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:22:12.87 ID:GTsWQF1F0
勇者「行っちまったな……出来れば仲間になって欲しかったが」

魔法使い「……む、ボクたちじゃ頼りないっての?」

勇者「そうは言わねぇよ。ただ、戦力として優秀かなーと」

僧侶「……確かに」

氷幼女「貴様はあんなデカブツ連れて魔王の居城に乗り込む気だったのか?」

勇者「いや、実はあれも外見がデカイだけで……」パコン

氷幼女「バカなことを言うとらんでいくぞ!」

勇者「へいへい……」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:25:55.68 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「……とは言ったものの……」 グツグツ

魔法使い「……うわー」 ボコン ボココン

僧侶「……あづー……」 ダラダラ

勇者「冷房の実を使ってもこの暑さか……少し舐めていたな」

氷幼女「……こんな所、入れるわけがない……絶対死ぬ……」ズザ ズザ

勇者「おい、さっきまでの威勢はどうした……」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:31:29.65 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「でもさー、勇者。このまま火山入ったらボクたちもキツいと思うよ?」ツー

僧侶「……しぬー」ダラダラ

氷幼女「そ、そうじゃろう?死んでしまうぞ!」

勇者「いや、あんだけ森林王に見送られておいてここでしり込みとか……流石になぁ」

魔法使い「なんかいい方法ないのかな……」

僧侶「……一枚、脱ぐ」ぬぎぬぎ

勇者(おお、僧侶がシャツ一枚に……しかも、汗ですけっ)ゴシャ

魔法使い「なんかいい方法無いかなー」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:39:27.94 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「……ダメだ、暑くてなんにも浮かばない……」

氷幼女「わらわはもう倒れそうぞよ……」

僧侶「……ふぅ」もぐもぐ

魔法使い「この辺に町とかないのかな?火山の近くの町なら何かあるかも!」

氷幼女「この辺の地理にはあいにく詳しくないのじゃ……困ったのう」

?「あの……旅の方ですか?」

氷幼女「むぅ?」

考古学者「私はこの辺の村の者で考古学者と言います。お困りのように見えましたが……?」

魔法使い「天の助けだぁ!」

氷幼女「はよう!はよう村の場所を教えるのじゃ!」

考古学者「あ、は、はい!こちらです」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:47:56.01 ID:GTsWQF1F0
考古学者「ここが私の住んでいる村です」

魔法使い「やったー……人がいるー」

僧侶「……久しぶりな、気がする」

勇者「確かになー、森では化けもんばっかだからな」

考古学者「え……あなた達、あの森を越えてきたのですか!?」

考古学者「あの森の魔物はかなり強いはず……かなり腕が立つのですね」

勇者「まぁ一応、魔王を退治しにきたからな」

考古学者「……え、冗談、ですよね……?」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:54:26.63 ID:GTsWQF1F0
考古学者「火山のゲートですか……確かに、この村に伝承が残っているようです」

考古学者「『かの勇あるもの、光る柱を登り、暗黒の王を討ち果たす』と」

考古学者「しかし……かなり古い文献ですし、信憑性もありません」

勇者「やっぱりだよなぁ……でも、今はそれしかないんだ」

魔法使い「行ける可能性があるなら、試してみなきゃね」

氷幼女「そうは言ってものう……あの火山があの調子じゃ……」

僧侶「……やだ」

考古学者「……」クイ

考古学者「……火山の暑さを防ぐ方法なら、ありますよ」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 21:59:40.81 ID:GTsWQF1F0
考古学者「あの山には、何日かごとに雪山からの冷風が流れ込んでいまして」

考古学者「その日は、火山の中が平温になるのです」

魔法使い「そんな日があったんだ……次はいつ?」

考古学者「ええと、前回が昨日だったので……二日後ですかね」

氷幼女「むぅ、意外と感覚が開くもんなのじゃな」

考古学者「二日ってのも、実は目安なんです。冷風は気まぐれですからね」

勇者「まぁ、とりあえず。火山の中へどう行くかは決まったわけだ」

僧侶「……だね」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:05:04.67 ID:GTsWQF1F0
考古学者「それまでは、この村でゆっくり休んでいってください」

考古学者「なにも無い村ですが、宿屋ぐらいならありますから」

魔法使い「やったー!宿屋だー!お風呂入りたいと思ってたんだー……」

僧侶「……べたべた」

氷幼女「わ、わらわは入らぬぞ!おぬしらだけで入ってまいれ!」


勇者「なぁ、考古学者さんよ」

考古学者「なんですか?勇者さん」

勇者「火山の魔物は、ここを襲ってこないのか?見たところ、火山に近いが」

考古学者「……この辺りの魔物は、あまり活発じゃないんです」

考古学者「私のように貧弱な学者が歩きまわれるのが、その証拠ですよ」ニヘラ

勇者「……そうか」

魔法使い「勇者ー、早く行くよー!」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:09:51.09 ID:GTsWQF1F0
宿主「いらっしゃい、ゆっくりしていってくださいね」

勇者「えっと、四人でお願いします」

魔法使い「おっふろ♪おっふろ♪」

僧侶「……楽しみ」

宿主「当宿は、火山の恩恵を受けた露天風呂を採用しております」

宿主「……と、いうか。温泉ぐらいしか誇れるところがありません故、お楽しみくださいませ」

魔法使い「露天風呂かー……楽しみだなぁ!」

僧侶「……わくわく」

氷幼女「……」げんなり
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:16:48.26 ID:GTsWQF1F0
勇者「今回は、ちゃんと服買ってからいけよー」

魔法使い「……あ」

勇者「やっぱり、忘れてやがったな、こいつ」

僧侶「……勇者」

勇者「……ん?どした」

僧侶「……お金」

勇者「あー、そういえばそうだったな」

氷幼女「そのことなら、心配するな」ジャラ

勇者「う、うおっ!?氷、その金どっから……」

氷幼女「これは……」

ーーーーーーーーーーー
森林王(……)ドシャ

氷王女(……なんじゃ、これは。わらわにほどこしを与える気か?)

森林王(俺様の自己満足とでも思えばいい。黙って持っていけ)
ーーーーーーーーーーーーーー

氷幼女「……見ざる、言わざる、聞かざると言ったところかのう」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:24:57.21 ID:GTsWQF1F0
勇者「……ま、大体分かるというか、一匹しか該当しないがな」

氷幼女「これで、新しい武器や服を買うことにしようかの」

勇者「そうだな、宿主。また来るぞ」カラン カラン


魔法使い「そういえば、自分で服を選ぶなんて久しぶりかも……」

僧侶「……そうなの?」

魔法使い「貧乏旅が長かったからね……服の代えなんてほとんどなかったし」

魔法使い「今思うと、随分酷い生活してたなぁ、ボク」

魔法使い「……まぁ、楽しかったからいいけどさ」

僧侶「……ふぅん」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:31:14.30 ID:GTsWQF1F0
勇者「……」ジー

氷幼女「ほう、ゆうしゃよ。防具屋など眺めてどうしたのだ?」

勇者「……盾を、買おうかと思ってな」

氷幼女「盾、か……そういえば、何ゆえお主は盾を持っておらんのじゃ?」

勇者「……重くて、構えられないからだ。鎧も同じく動けん」

勇者「というか、すぐ死ぬからいらないと思ってたんだ」

勇者「だけど……何も出来ずに突っ立ってるのは嫌だからな、もう」

氷幼女(……ふん、十分がんばっておるよ、おぬしは。などとは言わんがな)

氷幼女「ふん、宝の持ち腐れになるだけじゃろ」

勇者「んー、やっぱそうかな……いや、買おう」チャリーン 「毎度ありー」

氷女王「皮の盾、とはのう……いまさらスライムの体当たりでも防ぐ気か?」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:37:21.43 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「よーし、この服にしよう!」

僧侶「……魔法服?」

魔法使い「そ、魔法服!魔力を増幅させる文字が刻んであるんだよねー」スリスリ

魔法使い「滅多に置いてないんだけどね……ここには職人さんがいるのかな?」

僧侶「……私は、これでいい」スッ

魔法使い「へー、みかわしの服かー……それ胸元すーすーするから苦手なんだよね、ボク」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:45:40.40 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「あ、勇者ー」タタッ

勇者「お前らも買い物終わったのか?」

魔法使い「うん……って、勇者。その盾……」

勇者「ん、あぁ……これか。まったく意味は無いぞ、自己満足だ」

勇者「それより、服は見つかったのか?」

魔法使い「それがねー魔法服あったんだよ、魔法服!」

勇者「へー……ここにも職人がいるのかね?故郷を思い出すな」

魔法使い「でしょー、でしょー!」

氷幼女「わらわにも荷物を持たせるとは……なんたる屈辱!」

僧侶「……持とうか?」

氷幼女「む、あぁ。すまんのう」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:51:37.85 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「さーて、今日は何の心配も無くお風呂です!」ぬぎぬぎ

僧侶「……おー」ぱさ

氷幼女「……なんでわしまで……」

魔法使い「細かいことは言わない言わない、氷だって汗たくさんかいたでしょ?」

氷幼女「……まぁ、水風呂に期待するかのう」

ガララ

勇者「……あれ?」

魔法使い「……え?」

僧侶「……?」

氷幼女「なんじゃ、勇者。今日はおぬしも一緒なのか?」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 22:57:11.89 ID:GTsWQF1F0
勇者「……話聞く前に手を出すなっての……」ズキズキ

僧侶「……だいじょうぶ?」

魔法使い「ここ、混浴だったのか……露天風呂なんて言うから期待してみれば……」

勇者「……とりあえず、俺は先に入っておくぞ」

魔法使い「ボクは入らないぞ!勇者となんて……」

僧侶「……行こう」

氷幼女「そうじゃな、水風呂があるといいが……」スタスタ

魔法使い「……」

魔法使い「なんでこうなるんだよ、もう!」ぬぎぬぎ
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 23:02:54.85 ID:GTsWQF1F0
勇者「いや、お前ら……」

僧侶「……ふー」

氷幼女「水風呂があるとは、分かっておるのう!」ザプン

魔法使い「……ふん」ツーン

勇者「おかしいだろ、どう考えても」

僧侶「……?」

氷幼女「今日は勇者も一緒に入る日なのであろう?何がおかしいのじゃ」

魔法使い「ボクはおかしいって分かってるよ!」ザプン!
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 23:06:45.04 ID:GTsWQF1F0
勇者「……」ゴシゴシ

僧侶「……離れてる」

氷幼女「どうしたのじゃ?勇者ー」

魔法使い「ボクがおかしいのかなぁ……そんなはずは……」

勇者(ほんのラッキースケベを狙ったらこんなとこになるとは……)

勇者(ここまでいくと逆にたのしめねぇっつの)ゴシゴシ

僧侶「……体、洗おう」ザパァ

氷幼女「そうじゃなぁ、湯船にずっと浸かっていてもしかたない」ザバ

勇者「……っ!!」(精神統一だ……俺)
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 23:11:12.25 ID:GTsWQF1F0
氷幼女「……僧侶の胸は、随分柔らかいのう」ふにふに

僧侶「……くす、ぐったい」

氷幼女「わらわはサイズは変えられるが柔らかくないからのー」

氷幼女「衝撃とか受けるとき便利そうじゃなー」もみもみ

僧侶「あ……う」カァ

魔法使い「ボクハオカシクナイボクハオカシクナイボクハオカシクナイ……」

勇者(……俺にどうしろって言うんだ……)
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 23:13:38.63 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「ボクハ……ボクハ……きゅぅ」ザパーン

勇者「……どうしたっ!」バッ

氷幼女「魔法使いが倒れたようじゃな……どうしたんじゃ?」

僧侶「……のぼせた?」

勇者「ぐぼっふぇはっ……」ガクン

氷幼女「なんじゃ、勇者も膝から崩れ落ちたぞ?」

僧侶「……バカ」

勇者「……ここで倒れてる場合じゃ……」

氷幼女「おお!立ち上がりおった!」

僧侶「……バカの、極み」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 23:20:22.14 ID:GTsWQF1F0
勇者「魔法使いっ!大丈夫か!」

魔法使い「……きゅぅぅ」

勇者(完全に気絶してるな……相変わらず絶壁なこった)

勇者「いや、違うだろ!」ザパン

勇者(……軽いな、こいつ。こんな軽い体であんな武器振り回してたのか……)

魔法使い「ん……んん。あれ?勇者……」パチリ

勇者「よかった、起き「きゃあああああああ!!!!!」

魔法使い「へんたい!へんたい!へんたい!へんたい!しんじゃえ!ばか!」

勇者「ち、ちがっ……誤解っ……」

魔法使い「うるさいっ!言い訳禁止!」バシッ バシッ


氷幼女「……見てられんわい」ザパ

氷幼女(魔法使いも、なれればよいものを……いつかは見せるもんなんじゃから)

僧侶「……同意」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 23:46:42.22 ID:GTsWQF1F0
魔法使い「……ふぅ……ふぅ」

勇者(やっと収まったか……?)

魔法使い「……ボクの裸、見たの……?」

勇者(どっち答えても地獄しか見えん……が、嘘をつくよりは……)

勇者「……あぁ、見た」

魔法使い「……どうせ、絶壁だったとか……思ってんでしょ?」

勇者「……あぁ」カッパーン

魔法使い「……ばかぁ!しね!」

勇者「……正直に、答えただけだろうが……」ズキズキ

魔法使い「……どうせ、ボクには魅力が無いよ……」

魔法使い「僧侶ちゃんみたいに、胸大きくないし……」

魔法使い「氷みたいに、綺麗な肌もしてないし……」

魔法使い「……期待はずれで、悪かったね……」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/04(日) 23:50:34.59 ID:GTsWQF1F0
勇者「……別に、期待外れとか思ってねぇけど?」

勇者「いや、そりゃまぁ。僧侶の胸はなかなかだし、氷はすっげー白い肌してるけど」

魔法使い「……む」

勇者「お前にはお前のいいとこあるんだから、そう悲観的になんなって」

魔法使い「……なにさ」

勇者「え?」

魔法使い「ボクの女の子的にいい場所って、どこさ!」

勇者(そうきちゃいますか……って、大体予想は出来てたが)
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:04:13.58 ID:mNbI7WlO0
勇者「お前さ、自分で自分のこと可愛くないとか思ってるだろ?」

魔法使い「……当たり前じゃないか」

勇者「何言ってんだよ。十分、可愛いっての」

魔法使い「……」

勇者「はしゃいでる姿とか、かなしそうな横顔とか、少し怒った表情とか」

勇者「ぜーんぶ含めて可愛いっての」

魔法使い「……」ポカーン 「……え?」

勇者「あの時、守ってやるって言ったのに通じてなかったのか?」

勇者「俺は……」   「こ、こら!押すでない……」 「……見えない」

勇者「……」 魔法使い「……」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:12:53.30 ID:mNbI7WlO0
勇者「……」ガララ

氷幼女「……」 僧侶「……」

勇者「あまりいい趣味とは、言えんな」

氷幼女「な、なんのことじゃ?わらわ達は着替えを……」

僧侶「……ごめん」

氷幼女(こ、こやつめ……そういう手を使いよるかぁっ!)

氷幼女「……すまん」

勇者「……まぁ、目くじら立てるほどの内容でもなかったんだがな」

魔法使い「ねぇ、勇者……」

勇者「さて、湯冷めしたらまずいし俺も上がるかー、ははは……」

魔法使い「……むぅ」

氷幼女「さて、わらわたちも……」ガシッ 僧侶「……うん」ガシッ

魔法使い「お、ま、え、ら……許さないぞ!」ドタン バタン

勇者(……まぁ、今伝える必要性もない、か)
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:22:46.67 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「……本当に、すまんかった」

僧侶「……ごめん、なさい」

魔法使い「……まぁ、別にいいけどさ……勇者の言葉が気になるんだ」

氷女王「あの感じ的に、どう考えてもす「わーわーわー!!!」

魔法使い「……やっぱり、そうなのかな……?」

僧侶「……十中八九」

魔法使い「……」ポー

氷幼女「よかったのう」

僧侶「……」コクコク

魔法使い「……え、よかったって……ボクが勇者を好きみたいじゃないか!」

氷幼女「ん?ちがうのかえ?」

僧侶「……ちがうの?」

魔法使い「…………好きか嫌いかで言えば、好きだと思うよ?」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:30:10.22 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「なんじゃ、はっきりしないのー。好きなら好きと言えばよかろうに」

魔法使い「……ボ、ボクはあんな奴……」カー

僧侶「……嘘」ジトー

魔法使い「……なんだよ、その目……うぅ」

氷幼女(素直じゃないのう、人間というのは……)



勇者「こんな夜中に、なんの用だ」

考古学者「……なに、少しお話をと思いまして」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:35:23.71 ID:mNbI7WlO0
考古学者「……」

勇者「……何か用があったんじゃないのか?」

考古学者「あなたは、自分が魔王を倒すことがどういうことか分かっていますか?」

考古学者「正当な勇者の血を引く人間である、あなたが」

勇者「……どういう、意味だ」

考古学者「あなたは、勇者だ。ゆえに、あなたには死が無く戦える」

考古学者「……言いたい意味が、分かりますか?」

勇者「……あいにく、難しい話はあまり得意じゃないんだ」

考古学者「……そう、ですか。ではあっさり言いましょう」

考古学者「魔王を殺したら、あなたも死にます」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:42:23.89 ID:mNbI7WlO0
勇者「……なん、だと」

考古学者「勇者は、魔王を倒すために死なない肉体を持って生まれてくるのです」

考古学者「では、魔王がいないとどうなるか?そりゃぁ勇者も死ぬでしょう」

勇者「……マジ、なのか?」

考古学者「ギャグ言ってるように見えます?これでも今までの勇者みんなに言ってきた言葉ですから」

考古学者「もちろん、あなたの父親にもね」

勇者「……親父、か」

考古学者「その表情を見る限り、あなたの父親はちゃんと魔王を倒したようですね」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:46:06.72 ID:mNbI7WlO0
勇者「まぁ、『魔王を倒してくる』とか言って母さんと俺を置いて出て行ったクソ親父だ」

勇者「死んでても何とも思わん」

考古学者「おやおや、随分と厳しいのですねぇ……」

勇者「しかし……こんなこと知ってるって、あんた何者なんだ……?」

考古学者「私ですか?私はしがない考古学者ですよ……」

勇者「嘘付け、お前みたいな考古学者いねーよ」

考古学者「ははは……しかし、あなたには可能性を感じますよ」

勇者「どういうことだ?」

考古学者「今までの勇者は『力』が象徴でした。あなたの様な非力な勇者など存在しなかった」

勇者「……悪かったな」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:48:47.44 ID:mNbI7WlO0
考古学者「これでも、褒めているのですよ?」

考古学者「そのおかげで、あなたには何人も仲間がいるではないですか」

考古学者「勇者と言うのは、基本的に孤高の存在です」

考古学者「例外もあったりしますが、基本的に魔王に挑むときは一人」

考古学者「しかし、あなたはそうじゃない。なぜなら一人では戦えませんからね、あなた」

勇者「……バカにしてるだろ、やっぱり」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:55:05.55 ID:mNbI7WlO0
考古学者「くくく……まぁ、今日言いたいことはこのぐらいですね」

勇者「……親父も、一人だったのか?」

考古学者「はい、もちろん一人でしたよ。『わが子には、平和な世界を生きて欲しい』とかなんとか」

考古学者「しかしなんと因果な。その息子も魔王を退治に同じ地に立っているなんて」

勇者「……」

考古学者「……そろそろ、退散させていただきますかね……」

考古学者「では、勇者さんおやすみなさい。後何日あるかも分からぬ命、どうか大切に……」

考古学者(ふふ……期待していますよ、非力な勇者さん)

考古学者(あなたが、どういう結果を残してくれるのか。今までと同じか、それとも……)
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 00:58:08.59 ID:mNbI7WlO0
勇者「……なぁ、親父」

勇者「あんたも、こんな気持ちだったのか……?」

勇者「毎日、心配してたんだぞ、母さんは!」

勇者「俺はあんたを恨んでた……それなのに、こんなの……」

勇者「……どうすりゃいいんだよ……俺は……」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 01:02:59.52 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「……もういいだろ!ボクは出るよ!」バタン

氷幼女「おわっと」 僧侶「……怒った?」

氷幼女「ああいう娘はあのぐらいせんとダメじゃろうて」

僧侶「……そうなの?」

氷幼女「おぬしも、あと5年間齢を重ねれば分かることじゃ」

僧侶(……見た目は、小さいくせに)

魔法使い「もう、なんだんだよ!あの二人!」

魔法使い(ボクは……勇者が好き、なのかな?)

魔法使い(あ、勇者だ……って……何か様子が変だ)
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 01:05:30.94 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「勇者ー」タタ

勇者「……魔法、使いか」

魔法使い「……どうしたのさ、そんなくらい顔して」

勇者「……なんでも、ない」

魔法使い「何でも無いわけないだろー。そんな顔普段してないじゃないか」

勇者「……なんでもないって、言ってるだろ……」ギッ

魔法使い「……ご、ごめん……」

勇者「……すまん。今日は寝させてくれ……」

魔法使い「あ、勇者っ……おや、すみ」   バタン
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 10:38:43.68 ID:mNbI7WlO0
魔法使い(……勇者……どうしたんだよ……)

氷幼女「……む、魔法使いではないか。どうしたのだ、部屋に入らんのか?」

僧侶「……顔、変」

魔法使い「え?あ、うん……なんか、勇者の様子が変なんだよ」

氷幼女「勇者が……?」

魔法使い「あんな怖い顔、初めて見た……ボク何かしちゃったのかな?」グスン

魔法使い「今までの不満が……」ポコン 氷幼女「勝手に深く考えるでない、アホ」
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 10:46:20.50 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「しかし、あの勇者がのう……何があったのじゃろうか」

魔法使い「分からないよ……宿に帰って来たと思ったらすぐ寝ちゃって」

僧侶「……外で、何かが」

氷幼女「むぅ……本人に聞いてみらんことにはなんとも言えんな」

氷幼女「空想で勝手に話を進めては、現実とかけ離れていくだけじゃ」

僧侶「……きっと、大丈夫」ポンポン

魔法使い「……ありがと、二人とも……」
155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 10:51:52.60 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「しかし、勇者がそんな調子ならそっとしておくのがよかろうな」

僧侶「……部屋、変える?」

氷幼女「んー……そうじゃなぁ、もう一部屋借りるとするか」

魔法使い「……うん、そうしたほうがいいかも」

氷幼女「わらわはもう眠いからのう……ふわぁ……」

僧侶「……早く、寝たい」

魔法使い「じゃぁ、ボク宿主さんに言ってくるよ」タタタ

氷幼女「……表面は笑っておるが、相当堪えておるな」

僧侶「……」コクリ
157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 10:56:41.35 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「ゆうしゃー、いきなりたびなんてどうしたの?」

勇者「……おやじが、かえってこないんだ」

勇者「かあさんまいにちないてばかり……おれがさがしにいくんだ!」

魔法使い「でもゆーしゃ、まものとたたかえるの?」

勇者「うぐ……だいじょうぶ……なはず」

魔法使い「もー、しかたないなー、ボクがいっしょにいってあげる!」

勇者「なんでおまえが……」

魔法使い「だって、ボクのほうがゆうしゃよりつよいもん!」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 11:01:11.37 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「なんか、りょこうみたいでたのしいねー」

勇者「……」

魔法使い「さっきからなにさー、ぶすってしちゃってー」

勇者「なんでついてくんだよ……おれはひとりでもだいじょうぶなのに!」

魔法使い「……うそつき、ひとりじゃおおがらすもたおせないくせに」

勇者「……」

魔法使い「ボクがついてきたかったら、ついてきたの!」

魔法使い「かえれっていわれても、かえってやらないぞ!」
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 11:08:32.44 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「うう……いたいよう」

勇者「だいじょうぶか?まほうつかい」ポワァ

魔法使い「わぁ、あったかい……」

勇者「……やっぱり、おまえはかえれ」

魔法使い「だから、ボクは……」

勇者「しんぱいなんだ、おまえがしんだりしないか」

勇者「おれはしなないからだいじょうぶだけど……おまえは」

魔法使い「……ボクも、しんぱいだよ、ゆうしゃのこと」

魔法使い「しなないからって、いつもむちゃばっかじゃないか、ゆうしゃは」

魔法使い「まちにいたらしんぱいすぎてよるもねむれなくなっちゃうもん」

魔法使い「だから……かえれなんて、いわないでよ……」グスン
160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 11:25:21.44 ID:mNbI7WlO0
チュン  チュン

勇者「……ん、朝……結局寝ちまってたのか、俺」

勇者(なんで今頃昔の夢なんか見るんだ……?)

コン コン
魔法使い「……勇者、起きてる?」

勇者「……魔法使いか」

魔法使い「えと……朝ごはん出来てるみたいだけど……どうする?」

勇者「……あぁ、大丈夫だ。今いくよ」
162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 11:33:26.53 ID:mNbI7WlO0
勇者「……」モグモグ

魔法使い「……」モフモフ

勇者「……」

魔法使い「……」チラッ

勇者「……どうか、したか?」

魔法使い「い、いやっ……なんでも」

氷幼女(……な、なんという気まずい空気なんじゃ……)

僧侶(……ご飯が、おいしくない)
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 11:40:39.03 ID:mNbI7WlO0
勇者「……昨日は、すまんかったな」

魔法使い「え?うん、ああ……別に、気にしてないからいいよ」

氷幼女(何を大嘘ついとるか……泣いておったではないか)

魔法使い「……何があったの?勇者」

勇者「……」

僧侶「……知りたい」

氷幼女「このままじゃ旅がぎこちなくなりそうじゃからのう。さっさと吐いたほうがよいぞ?」

勇者「……それがな」
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 11:47:50.95 ID:mNbI7WlO0
勇者「……ってわけだったんだ」

勇者「昨日は黙っててすまんかったな、心の整理が上手くいかんかった」

魔法使い「……え、えと……」

氷幼女(……予想以上じゃったな、こりゃ)

僧侶(……聞かなきゃ、よかった)

魔法使い「それで……勇者は、どうするの?」

魔法使い「自分が死ぬのに、それでも魔王を倒すの?」
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 11:56:07.08 ID:mNbI7WlO0
勇者「んー……そこだよな、やっぱり」

勇者「ちょっと先に聞きたいんだが、お前らはどうしたい?」

僧侶「……魔王は、困る……出来れば、倒したい」

僧侶「……だけど、勇者がいなくなるのは、もっと……いや」

氷幼女「わらわは……別にどっちでもよいわ」

氷幼女「もともと惰性でついて来たのだ。どちらでもついていくだけじゃ」

魔法使い「ボクは……絶対に、やだ」

魔法使い「勇者が死んじゃうなら……魔王なんて、倒したくない」
169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 12:02:52.93 ID:mNbI7WlO0
勇者「……そうか」

勇者「まぁ、俺の意見を言うと……俺は、魔王を倒しに行こうと思うんだよ」

魔法使い「……っ!」 

僧侶「……」 

氷幼女「……ほう」

勇者「俺は勇者だからな、魔王を放っておくことは出来ない」

勇者「……まぁ、これは俺の意見だ」

勇者「恥ずかしいが、俺は直接戦うことが出来ない……だから」

勇者「最終的な決定は、お前らに任せたい」
170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 12:09:52.12 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「……えと」

僧侶「……考えさせて」

氷幼女「そうじゃな、ゆっくり考えるのがよかろう。決断を急ぐ必要はないじゃろう」

勇者「……まぁ、とりあえず朝食を食べてしまおう。作ってくれた人に失礼だ」

魔法使い「……うん」

僧侶「……」もぐもぐ

氷幼女「……」ごく ごく
171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 12:19:32.97 ID:mNbI7WlO0
勇者「ふぅ、ごちそうさま」

魔法使い「……ごちそうさま」

僧侶「……」カタン

氷幼女「む、僧侶。どうしたのじゃ」

僧侶「……少し、歩く」バタン

魔法使い「私も……ちょっと気持ちがまとまってないから……」バタン

勇者「……お前はいいのか?」

氷幼女「さっきも言ったであろう?わらわはどっちでもいいのじゃ」

氷幼女(……悩んでいるのも、事実じゃがのう)
172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 12:33:35.92 ID:mNbI7WlO0
僧侶「……」ボー

魔法使い「……僧侶、ちゃん」

僧侶「……魔法使い……」

魔法使い「横、いいかな?」

僧侶「……」コク

魔法使い「……僧侶ちゃんは……どうするの」

僧侶「……私は……」

僧侶「……勇者が行きたいなら、仕方ないと思う」
174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 12:43:58.07 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「そっかー……僧侶ちゃんは凄いなー……」

魔法使い「ボクは、そんな風にあっさり決められないよ……」

僧侶「……魔法使いは、勇者が好き?」

魔法使い「……うん、大好きだよ。いなくなるなんて……考えられない」

僧侶「……なら」

僧侶「……そう、伝えればいい」

僧侶「……言葉にしないと、伝わらない」

魔法使い「……」
176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 12:54:06.36 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「僧侶ちゃんは、どうなの?勇者のこと」

僧侶「……好き」

魔法使い「え、そうなの……?」

僧侶「……好き、だから」

僧侶「……勇者のしたいように、して欲しい」

魔法使い「……そんなもん、かなぁ。ボクにはわかんないよ」

僧侶「……人、それぞれ」

魔法使い「僧侶ちゃん、妙に達観してるよね……ボクがバカなだけかな?」

僧侶「……分からない」
181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 13:25:02.67 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「しかし、おぬしも強情なやつじゃのう」

勇者「……何がだ」

氷幼女「魔法使いは、おぬしに惚れ込んでおる。まさか、気付いておらん、と言うつもりかえ?」

勇者「……そうは言ってもなぁ」

氷幼女「何をそんなに魔王を倒したいのじゃ?確かに奴は世界を荒らしておるが……」

氷幼女「別に奴を倒したから全てが解決するわけではなかろう。魔族の王はたくさんおるのじゃ」

勇者「……んー」

氷幼女「なんじゃ、煮え切らん男じゃのう!何をうじうじしとるのじゃ!」
184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 13:43:47.57 ID:mNbI7WlO0
勇者「……魔法使いは、普通の人間だ。もちろん僧侶も、な」

勇者「だが……俺は違う。不死身の化け物だ」

勇者「あいつらがおかしいだけだ。普通なら、気味悪がってもおかしくない」

勇者「多分、勇者ってのは魔王と戦って死ぬからこそ、英雄として称えられてるんだ」

勇者(親父……なんであんたが戦うことを選んだか……今なら、分かるような気がする)

勇者「だから、俺は魔王を倒しに行きたい……それが俺の使命だから」

氷幼女「……ほんっとーーーにバカじゃな、おぬし」はぁ
185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 13:50:22.17 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「勇者だからだの化け物だの使命だのと……何を言い訳しとるんじゃ?」

勇者「……言い訳なんかじゃ」

氷幼女「いーや、言い訳じゃ」

氷幼女「わらわは、『勇者様』に聞いておるのでも、『使命を持った男』に聞いてるわけでもない」

氷幼女「『おぬし』が考えた言葉が聞きたいのじゃ」

勇者「俺の、考え……か」

氷幼女「ほれ、何も考えておらんではないか……だからバカじゃと言うのじゃ」
189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 14:10:19.94 ID:mNbI7WlO0
勇者「俺は……どうしたいんだろうな」

氷幼女「そこまではわらわも面倒見切らん……自分で考えるがよい」ガタン

氷幼女(わらわも外の風当たってくるとするかのう……)もぐもぐ

氷幼女(自分の考えを……か。人に言っておきながらわらわ自身もはっきり答えを出しておらんな)

氷幼女「……っと、わらわも随分人間のようにものを考えるようになってしまったものよのう……」くくく

勇者(俺自身が、どうしたいか……か)

勇者(僧侶……魔法使い……あいつらは、どう思ってんだろうか)

勇者(……なさけねぇな、また人に丸投げしようとしてる)

勇者(俺が考えて……決めるんだ)
191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 14:16:51.45 ID:mNbI7WlO0
考古学者「あ、あなたは勇者さんのお仲間の」

氷幼女「きさまは……」キッ

考古学者「おやおや……そんなに睨まないでいただけますか?」

考古学者「何も知らずに魔王を倒して、勇者が突然死ぬよりはマシだったでしょう?」

氷幼女「……ふん。何の用じゃ」

考古学者「あぁ、そうでしたね。予定通りに明日、雪山からの風が来るようです」

氷幼女「……そうか(ついに明日、なのか)」

考古学者「おや?嬉しくないのですか?暑さに弱いあなたには嬉しいことでしょう、氷の女王」

氷幼女「!?」
194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 14:28:17.74 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「きさま……何者じゃ」

考古学者「自己紹介は済ませたはずでしたが……?私は、ただのしがない考古学者です」カチャ

氷幼女「その魔力……きさま、魔族であるな!(この魔力の強さ……あの眼鏡は魔力を隠すものであったのか)」

考古学者「私が魔族で何か問題がありますか?」

氷幼女「おおありじゃろうが!今までのはわらわたちをだます為に……」

考古学者「相変わらず知恵が回るのか回らないのか分からないお方ですねぇ、あなたは」

考古学者「騙すつもりなら、こんな回りくどいことせずに直接殺してますよ」
195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 14:36:03.01 ID:mNbI7WlO0
氷幼女(なんじゃこやつ……考えが読めん)

考古学者「そんなに警戒しないでください。戦うつもりはありませんよ」

氷幼女「……そんな言葉を信じれると思うかえ?」

考古学者「疑りぶかいですねぇ……だから、殺すつもりなら」ガシ

氷幼女「なっ!」ジュー 「あ、あぐぅっ」

考古学者「最初から殺してる、と言ってるでしょう?」パッ

氷幼女「はぁ……はぁ……」(この熱さ……こやつ、火山王か?)

考古学者「おっと、申し訳ない。どうも怒りっぽいものでしてね」シュワー

氷幼女「……」ふー ふー
196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 14:50:43.10 ID:mNbI7WlO0
考古学者「少し、話が逸れましたね。話を戻します」

考古学者「氷の女王よ、なぜにあなたは勇者と共にいる?」

氷幼女「……ふん、おぬしには関係ないであろう」

考古学者「魔族が勇者の仲間になるなど、前代未聞でしてね、少々興味があるのですよ」

氷幼女「別に、わらわはやりたいようにやっとるだけじゃ」

考古学者「つれないですねぇ……流石は氷の女王と言ったところですか」

考古学者「まぁ、ただ単に記録が欲しかっただけですから構いませんが」カキカキ

氷幼女「……変わっておるの、おぬし」(訳の分からんやつめ……)

考古学者「勇者と一緒に旅する魔物ほど変わっていないと思いますがね?」
198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 15:04:26.85 ID:mNbI7WlO0
考古学者「……さて、言いたいことは言ったので帰ります」スチャ

氷幼女「……最後に質問があるぞよ」

考古学者「なんですか?私に答えられる範囲で堪えましょう」

氷幼女「おぬしは、なぜここでそんなことをしておるのだ?」

考古学者「……ふん、お前には関係ないことだろう……とでも言っておきますよ」スタスタ

氷幼女「……最後の最後まで、いけ好かぬ奴じゃったな」

氷幼女「さて、そろそろ帰るとするかのう。変なとこで時間を食ってしまいおったわ」
200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 15:18:45.35 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「……あ」

僧侶「……あ」

氷幼女「……なんじゃおぬしら、入り口にいると邪魔じゃぞ?」

魔法使い「いやー、これは、そのー……」

僧侶「……準備」

氷幼女「めんどくさい奴らじゃのー、さっさと入らんか!」どげしっ

魔法使い「あ、あわわわぁっ!」ドテーン

僧侶「……いたい」

勇者「お前ら……何やってんだ?」

魔法使い「あ……勇者……」
201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 15:29:35.40 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「えと……あのね、その……」

勇者「魔法使い」

魔法使い「えと、は、はいっ!」ガタン

勇者「俺は……魔王のところに行くよ」

魔法使い「……そっか」

勇者「……何暗い顔してんだよ、魔法使い」

魔法使い「……だって……それって勇者が……」

勇者「いや、行くって言っただけだ。倒すとは言ってないだろ?」

魔法使い「……え?」

僧侶「……?」

氷幼女(ふむ……今度はちゃんと考えたようじゃな、勇者よ)
203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 15:38:40.63 ID:mNbI7WlO0
勇者「氷みたいに、話を聞いてくれる魔族もいるんだ。もしかしたら魔王も……ってな」

勇者「希望観測過ぎるかもしれないが、俺にはそれぐらいしか考えられんかった」

勇者「俺は……死にたくない」

勇者「出来るなら、お前と最後まで旅がしたい。気が済むまでずっと」

魔法使い「勇者……」

勇者「俺は……お前のことが……好きなんだ」

魔法使い「……っ!!」


氷幼女(さて……わらわたちは退くかのう)スタスタ 僧侶(……いいとこ)ガシッ(ええい、いくぞよ)ズルズル
206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 15:52:10.59 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「……もう、バカっ!」バシ

勇者「な、なんだ!いてっ」

魔法使い「……ボクが、先に言おうと思ってたのにさ……」

勇者「え?」

魔法使い「ボクだって、全然旅したりないよ」

魔法使い「どこだって、一緒に行ってあげる。ずっとずっと、一緒にいてあげる」す

魔法使い「嫌だって言っても、ついていってやるぞ!」グスン

勇者「……魔法使い……」ギュッ

魔法使い「……ボクだって、勇者のこと、大好きなんだから……」ぎゅぅ




宿主「さて、そろそろ店に戻らないと……」ゴッ 「ぐはっ……」ドサ
僧侶「……空気、読む」
氷幼女「少し手荒じゃが、すまんのう……こればっかりは許してたもれ」
208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 15:59:38.66 ID:mNbI7WlO0
チュン  チュチュン

勇者「……朝、か」

魔法使い「……だね」

勇者「……朝飯、食うか」

魔法使い「……うん」


氷幼女「ゆうべはおたのしみじゃったか?」

勇者「……黙れ、コラ……」

魔法使い「……あう」カーッ

僧侶「……?」

宿主(なんでじゃ……昨晩の記憶がまったく無い……)
210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 16:07:08.56 ID:mNbI7WlO0
勇者「さて、腹ごしらえも済んだし出発するか」

魔法使い「そ、そうだねっ!早く行こう」

僧侶「……おー」

氷幼女「覚悟は、決まっておるか?」

勇者「……まぁ、な」

氷幼女「魔王と戦うことになったら、どうする気なのじゃ?」

勇者「そのときは……んー……倒すしかないんじゃないかね」

氷幼女「それで、魔法使いはよいのか?」

魔法使い「……うん。勇者が決めたなら、ボクは精一杯手助けするだけだよ」

僧侶「……」コクン

氷幼女「……そうか。覚悟が決まっておるならよいのじゃ」
211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 16:19:36.64 ID:mNbI7WlO0
勇者「さて、火山まで来たな……」

氷幼女「ほう、ほんとうに熱さがなくなっておるな」

魔法使い「これなら、簡単に登れそうだね」

僧侶「……楽」

考古学者「みなさん疑っていたのですか?心外ですねぇ……」

勇者「……おい」

考古学者「はい?」
213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 16:28:08.97 ID:mNbI7WlO0
勇者「なんでお前までいるんだ……」

考古学者「いえ、この辺一体の地理には詳しいのでお手伝いしようかと」

氷幼女「いらん、帰れっ!」

考古学者「おやおや、つれないお方だ……門への行き方、分かるのですか?

勇者「……知っているのか?」

考古学者「ええ。とは言っても、古文書の通りなら、ですが」

氷幼女(白々しい奴じゃのう……どうせ記録がうんぬんじゃろうて)

魔法使い「闇雲に歩くより、道案内があったほうがいいんじゃないかな?」

僧侶「……同意」

氷幼女「むぅ……」『変な気を、起こすでないぞ?』ボソ

考古学者『変な気、というのの意味が分かりかねますが、少なくともあなたたちを攻撃はしませんよ』

氷幼女『……ふん。まだ完全には信頼しておらんからな』

考古学者『どうぞご自由に。私はあなた達を信頼しているわけではありませんし』
219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 18:04:28.01 ID:mNbI7WlO0
考古学者「ではみなさん、行きましょうか」

考古学者「涼しくなっていますが、溶岩などは熱いままですから気をつけてくださいね」

勇者「分かった、気をつけよう」

魔法使い「溶岩なんて初めて見るね……こんな感じなんだー」

僧侶「……えい」ゲシッ  ヒュー  ジュッ

氷幼女「石が一瞬で消えおった……なんという火力じゃ」ブルブル

魔法使い(魔法に応用出来たら強そうだな……今度試してみよう)
220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 18:10:12.15 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「ふぅ……ふぅ……結構歩いたね……」

僧侶「……疲れた」 

氷幼女「わらわにはまだ少々暑いのう……ふぅ」

考古学者「えっと、ここをこう行って……と」

考古学者「よし、目印通りですね。この崖です」

勇者「この崖がどうしたんだ?」

考古学者「この上に、魔王城への門があるはずです」

魔法使い「……ここ、登るの?」

僧侶「……上が、見えない」
222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 18:21:38.07 ID:mNbI7WlO0
考古学者「他に道は……無いようです」

勇者「……マジ、かよ」

魔法使い「こんなとこ、どうやって登るのさ……」

僧侶「……ムリ」

氷幼女「……むぅ」チラ

勇者「なぁ、考古学者。古文書に何か書いてないのか?」

考古学者「もう少し、詳しく探してみます……」ペラ ペラ
224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 18:27:39.83 ID:mNbI7WlO0
氷幼女『おい、きさま』ボソ

考古学者『はい、なんでしょうか?』

氷幼女『まさか、ここを素で登れなどとは言わぬよな?』

考古学者『おや、私に何を期待しているのですか?私は古文書の通りに来ただけですよ?』

氷幼女『……頼む』

考古学者『おや、どういう風の吹き回しですか?高飛車なあなたがお願いとは……』

氷幼女『……』

考古学者『……まぁ、最初から手助けするつもりでここまで来たんですが』

考古学者『あなたの困った表情を見ていたら、少しいじめてみたくなりまして』

氷幼女(こやつ……小ばかにしおって……)
225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 18:42:20.04 ID:mNbI7WlO0
考古学者「見つかりましたよ、登る方法が」

魔法使い「よかったー……さすがにここは登れないよ」

僧侶「……」コクコク

勇者「で、どうやって登るんだ?」

考古学者「溶岩を凍らせ、上までの道を作るのです」

勇者「溶岩を、凍らせる……?」
226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 18:46:49.29 ID:mNbI7WlO0
考古学者「はい、強い氷の魔法で溶岩を凍らせ、それを道にするらしいです」

勇者「魔法使い、出来るか?」

魔法使い「ボクの魔法は自然依存だからなぁ……火山で氷はちょっとムリかも」

僧侶「……」じー

氷幼女「な、なんじゃ……その目は」

僧侶「……はぁ」

氷幼女「な、なんなのじゃそのため息は!バカにしおって!」

氷幼女「このぐらいの溶岩、わらわの魔力にかかれば……」ヒュピー  じゅー

氷幼女「はぁっ!むぅん!てやぁっ!」じゅー ジュー ジュー

氷幼女「……」

魔法使い「む、ムリしなくていいんだよ……?」

氷幼女(くそ……魔力が、魔力が戻っておれば……)うるうる
227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 18:54:59.60 ID:mNbI7WlO0
考古学者「困りましたねぇ……」

魔法使い「やっぱり、登るしかないのかな?」

僧侶「……かな?」

勇者「まぁ、しかたねぇか……他に方法がないんじゃな」


氷幼女『ぐ、ぐぬぬ……おい』

考古学者『はい、なんでしょうか?』

氷幼女『……魔力を、くれないか』

考古学者『……構いませんが、分かっていますよね?私の魔力の属性を』

氷幼女『……分かっておる。それでも頼んでおるのだ』

考古学者『……そこまで人間のために尽くす理由が、よく分かりませんねぇ』

氷幼女『奇遇だのう、わらわ自身よう分かっておらんわ』
230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 19:03:04.98 ID:mNbI7WlO0
考古学者『……面白いな、やはり貴様は。ほれ、魔力だ』パシ

氷幼女『ぐ……ぬぐわ……がぁ……』ジュー


勇者「お、おい!氷の様子がっ!」

魔法使い「こ、氷っ!ど、どうしたのっ!?」

氷幼女「う、うろたえ、るで、ない……ぐ、うぐああっ!」ビタン 

僧侶「……あなたの、仕業?」シャキン (魔力は、感じない……)

考古学者「おっと……私よりそちらの方の心配をしたほうがよろしいのでは?」

氷幼女「うああ、ああああ……うぐぅ、はぁ、く」ガクガク

僧侶「……くっ……治癒呪文!」パアア
231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 19:08:14.93 ID:mNbI7WlO0
氷幼女(全身が熱い……体の内側から焼かれている……気さえしおる)

氷幼女(苦しい……体が、自分から離れていくようじゃ……)

氷幼女「うぐ、は、うぐふおっ」ズル ズル

勇者「くそっ……治癒呪文も全然効かない!」

僧侶「……なんで……」

魔法使い「……っ!」ジャギン

考古学者「おやおや……疑われまくりですね、私」

氷幼女「だ、だいじょうぶじゃ、ま、ほう、つかい……そやつ、はかんけい、ない」

考古学者「ね?その物騒なものをおろしてください」

魔法使い「……くっ」ガシャン
233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 19:17:06.02 ID:mNbI7WlO0
氷幼女「う……く」ぐたぁ

勇者「こ、氷っ!」パシ 「うおっ!なんじゃこの熱……」

考古学者(……やはり、ムリだったか?)

考古学者(まぁ、氷の山に引きこもっていたお嬢様じゃ仕方ないか)

考古学者「……っ!」バッ

魔法使い「やぁっ!」ズドン

考古学者「……穏やかじゃ、ありませんねぇ」

魔法使い「やっぱり、お前しかいない!氷に何をした!」

考古学者(ぴーちくうるさい女め……ここで殺してやるか?)


僧侶「……さむ、い?」キョロキョロ
234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 19:20:44.01 ID:mNbI7WlO0
考古学者「……武器をおろして、貰えませんか?」

魔法使い「うるさいっ!お前のせいで氷は……!」

「わらわが、どうかしたかのう?」

魔法使い「え……」バッ

勇者「氷……その姿……」

氷女王「勝手に殺してしまうとは、薄情なものよのう」

僧侶「……さむ」

考古学者(……ほう、耐えたか。楽しませてくれるな)
235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 19:30:54.09 ID:mNbI7WlO0
氷女王「……心配かけてしまったの。だがもう大丈夫じゃ」

魔法使い「えと……なんで……」

勇者「ずいぶんといきなりだな……」

氷女王「まぁ、理由は後で話すのじゃ……それよりまずは」
ヒュゴオオオ カキカキーン

僧侶「……溶岩が、一瞬で」

氷女王「さて、上へ参るかのう」

勇者(やっぱでたらめな強さだな……)

魔法使い(偽者とは分かっていても、あの胸は気になる……)
250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 20:37:33.49 ID:mNbI7WlO0
勇者「お前、魔物だったのか……」

火山王「そうですよ。気付きませんでしたか?」

魔法使い「眼鏡を外したとたんに魔力が……すごい」

僧侶「……隠してたの?」

火山王「流石に魔力ばりばり出して近づくわけには行きませんからね。無駄に警戒されたら困りますし」

氷女王「回りくどい奴じゃな……」

火山王「誰のおかげでその力戻ったと思ってんだ?」

氷女王「……ふん、その点には感謝しておるわ。……ありがとう」

火山王「おお、困った顔もいいが照れた顔もなかなかだな」

氷女王「ば、ばかもんが!」
253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 20:44:58.63 ID:mNbI7WlO0
勇者「これが……」

魔法使い「魔王城への門、か……」

僧侶「……で、かい」

氷女王「しかし、何だか門って感じじゃないのう」

火山王「まぁ、別にこれを開けたら一発で繋がってるわけじゃねぇからな」

氷女王「む、どういうことじゃ?」

火山王「魔族のものがこの上に乗ると、陣が反応して道が出来るんだ」

火山王「門というよりは、橋を作り出す装置って感じだな」

火山王「……む」

魔物「……シンニュウシャ、ハイジョ……」

氷女王「おぬしの部下か?」

火山王「喋る部下がいた覚えは無いな……」
254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 20:52:34.63 ID:mNbI7WlO0
魔物「……ハイジョスル!」ジャギン カシャン

魔法使い「とりあえず、敵ってことは分かるね……」ズドン

僧侶「……構える」シャキン

氷女王「ふむ、肩慣らしにはちょうどいい相手かのう?」ヒュウン ジャキン

勇者(……今までの魔物と、何かが違うな)

火山王(思わぬところでだったが、勇者様の仲間のお手並み拝見といくか)
257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 21:00:45.96 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「うおりゃぁ!」ブゴワッ ギン

魔物「ギギギ……」ギリギリ 魔法使い「なかなかやるね……」

魔法使い「でも、そこおっ!」ガシャン 魔物「ピガー、ガー」プスプス

僧侶「……はっ!」カッキン ギュインギュイン

魔物「ハイジョ、ハイジョ……」 僧侶「……硬い」

魔物「ハイジョォ!」ブオン 僧侶「!!」ぽよん

魔物「……ギギ!?」 僧侶「……ありがと、勇者」ザクッ 

魔物「ピガ、ガ」プシュー

氷女王「ふん、凍りつけ!」ヒュゴオオ

魔物「ハ、イ、ジョ……」ゲシッ パリーン 氷女王「ふん、他愛もない」

火山王「ほお、なかなか強いな、お前さんの仲間は」

勇者「まぁ、ここまで来る間に大分経験地を積んだからな……って、お前は戦わないのか?」

火山王「俺は、記録を取りにきただけだ。協力する気はほとんどない」
259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 21:06:06.02 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「ふぅ、結構手ごわかったね……」

僧侶「……確かに」

氷女王「ふん……わらわには他愛無かったぞよ」

勇者「大丈夫だったか?僧侶」

僧侶「……うん、ありがと」

魔法使い「……む」

氷女王(はぁ……かわらんのう、勇者よ)

火山王「さて、お嬢さんの心配もいいが早く向かっていったほうがいいと思うぞ」

勇者「ああ、そうだな……まだ奴らみたいのがいるとも限らんし」
261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 21:18:34.02 ID:mNbI7WlO0
氷女王「ここに乗ればよいのか?」

火山王「あぁ、そこに乗れば道が出来るはずだ」

氷女王「それならば、おぬしが乗ればよいのではないか?」

火山王「俺は……くくく、遠慮しとくぜ」

氷女王「……なんじゃ、怪しいのう。しかし、まごまごもしておれんか」トン

氷女王(……む……なんだか、変な感じじゃのう……魔力が吸い取られるような……)ふらー

勇者「お、おい……大丈夫なのか?」 ピカアアア

勇者「……これが、魔王城への道か……」

魔法使い「山の向こうに、進んでるね」

僧侶「……きれい」


氷幼女「……なるほど、のう。これが乗らなかった理由か」

火山王「ああ、くくく……ちっちゃいあんたが見たくなってな」

氷幼女「これから魔王と戦うと言うのに……たわけもの!」

火山王「くくく……お前のことぐらいは、カバーしてやるさ」

氷幼女「……バカものが」
267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 21:28:13.62 ID:mNbI7WlO0
ヒュウウウウ

勇者「これ……落ちないよな?」

僧侶「……高い」

魔法使い「ひい……ゆ、ゆうしゃぁ……」ぎゅ

勇者「あー……そういやこういうの苦手だったな、お前」

魔法使い「ぜ、ぜったいにはなさないでね……」

勇者「離さねぇっての」ぎゅ

氷幼女「……降ろさんか、バカもの」

火山王「お前の歩幅でちんたら歩かれると困るんだよ」

氷幼女「そんなこと言いおって……魔法使いの歩き方を見ておらんのか?」

魔法使い「あわわわ……」

氷幼女「おおかた、わらわに触れたいだけなのであろう?」

火山王「まぁ、そうとも言うな」

氷幼女「……この痴れ物めが」
285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 22:12:47.60 ID:mNbI7WlO0
勇者「しかし……なんかうまくいき過ぎてるよな」

僧侶「……確かに」

氷幼女「静かすぎるな……まぁ、魔族ようの道じゃから警戒しとらん可能性も無いとは言えんが」

火山王「出待ちがいたんだ、その可能性は薄いだろう」

魔法使い「てことは……なんでかな?」

勇者「まぁ、今更帰るわけにもいかんし進むしかないだろう」

魔法使い「暗いよ……高いよ……」

僧侶「……なにも、ない……ひま」

火山王「気楽なもんだな、お前ら。魔王と戦うってのに」

氷幼女「今更、気を張っても仕方あるまいて」

火山王(つくづく面白い奴らだ……ついて来て正解だったな)ククク
289: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 22:17:56.93 ID:mNbI7WlO0
勇者「……見えて、きたな」

魔法使い「あれが魔王の城か……おっきーい……」

僧侶「……王宮が、比べ物にならない」

氷幼女「外からは初めて見たが、ずいぶんとでかい城じゃのう」

火山王「……お前ら、現実逃避はほどほどにな」

魔物の群れ「ハイジョ ハイジョ ハイジョ ハイジョ」ぞろぞろぞろ……

勇者「まぁ、うまくいきすぎてるとは思ってたが……いすぎだろ」
290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 22:25:04.84 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「でも……登ってこないね」

魔物ども ぞろぞろぞろぞろ……

僧侶「……チャンス」

火山王「ふむ、どうやらそのようだな」ボワァ

氷女王「バカにはちょうどよいお灸じゃな」ヒュイーン

王二人「ふんっ!」チュイーン ドッゴォン!

バカども「ピガガー ガガー……」ヒュー ゴロゴロ

僧侶「……掃討」

勇者「なんか……ずいぶんと拍子抜けだな」
295: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 22:32:33.34 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「でも……登ってこないね」

魔物ども ぞろぞろぞろぞろ……

僧侶「……チャンス」

火山王「ふむ、どうやらそのようだな」ボワァ

火山王「消えろ、ザコどもが!」ドッゴオオオン

魔物たち「ピガガー ガガー……」ヒュー ゴロゴロ

僧侶「……掃討」

勇者「なんか……ずいぶんと拍子抜けだな」


氷幼女「力は貸さんのでは無かったのかえ?」

火山王「余計な手間をはぶいてやったんだ、ごちゃごちゃ言うな」

氷幼女「……ふん、せっかく褒めてやろうと思ったのに……バカものが」
299: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 22:39:04.56 ID:mNbI7WlO0
勇者「これ、どっから入るんだ……?」

僧侶「……ドアが、ない」

氷幼女「わらわたちも中しか見たこと無いからのう、なんとも言えぬ」

魔法使い「……てぇいやぁっ!」ボゴーン

魔法使い「……いてて」ジーン

勇者「なにしてんだ?」

魔法使い「いや、ぶち破ってみようかなって……ダメ、硬すぎる」ヒリヒリ

火山王「ぬうん!」ボゴオ

火山王「……これも、ダメか」

勇者「やる前に言え!熱いだろうが!」

僧侶「……ひんやり」モグモグ
303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 22:47:47.79 ID:mNbI7WlO0
勇者「しかし、困ったな……」

魔法使い「ここまで来といて入り方が分からない、じゃ笑えないよね……」

僧侶「……あそこ」

氷幼女「む、どうしたのじゃ?僧侶」

魔物「ハイジョー!ハイジョー!」ガシャ ガシャ

火山王「魔物の出入り口、か……お譲ちゃん、ずいぶんといい目してんな」

僧侶「……それほどでもない」

勇者「よし、突っ込むぞ!」
307: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 22:56:02.19 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「くっ……やぁっ!」ドゴン

僧侶「……てあっ!」ガギィン

氷幼女「どけぇい!」ジャララララ ガン

火山王「一匹一匹はめんどくせぇな、さすがに」ドゴォ

勇者「さっきより数は少ない……隙を見て抜けるぞ!」ダッ ザシュ

魔法使い「勇者っ!」

僧侶「……あ」

氷幼女「あやつも学習しないのう……」

火山王「バカは死なんと治らんからな。一生治らんだろ」
310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 23:01:14.53 ID:mNbI7WlO0
魔法使い「なんだかんだで抜けたね……」

火山王「魔物が勇者に気を取られたのがありがたかったな」

勇者「まぁ、俺の作戦通りにことが運んだな」

僧侶「……ほんと?」

氷幼女「なわきゃなかろう。戯言を言いおって」

火山王「しかし、ゆったりもしてらいられんと思うが?」

魔物「テキ、カ……ココハトオサン」ガシン ガシン

勇者(ずいぶんと強そうなやつのおでましだな)

魔法使い「やっと魔王の城、って感じだねー」
312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 23:06:34.04 ID:mNbI7WlO0
魔物「フン!」ブゴォン

魔法使い「うぉわぁっ!」タァン  ドゴオオオン

魔法使い「ボクの斧の何倍あるかな……?」

僧侶「……でかぶつ」

氷幼女「まぁ、どんなに強かろうが……一体では相手にもならんザコじゃな」

勇者「……かわいそうだが、仕方ないな」

魔物「ヌガァッ!」ズオン  ガイン 魔法使い「おりゃぁ!」ガスン
318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 23:18:16.30 ID:mNbI7WlO0
魔物「ググ……」ピピー ピピー どさ

魔法使い「ふぅ、いっちょあがりだね」

勇者「なんか、魔物からすごい音が……」

僧侶「……音」 ズダダダダダ

遠くの音「ハイジョー……ハイジョー……」

氷幼女「こりゃ、マズいかもしれんのう」

火山王「面倒だな……おい」

氷幼女「なんじゃ?ん、んぐぅ!」

火山王「……よし、いくぞ」

氷女王「……乱暴な、やつめ……」

勇者「……」

魔法使い「……」

僧侶「……?」
326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/05(月) 23:30:14.82 ID:mNbI7WlO0
氷女王「ふん!」ヒュゴオオオ

火山王「はぁっ!」ドッゴオオン

僧侶「……すごい」

氷女王「何をボーっとしておるか!はよう行かんか!」

勇者「お、おう!行くぞ、魔法使い、僧侶!」

魔法使い「う、うん……氷!無事でね!」タタッ

僧侶「……頑張って」ダッ


火山王「……なんか、死に役が残すような言葉だったな」

氷女王「ふん……わらわが死ぬわけなかろうぞ」

火山王「まぁ、俺がいるからな」ドゴオ

氷女王「……何を言っておるか、たわけもの」カッキィン
333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 00:02:40.94 ID:ma+wGsz90
魔法使い「氷……大丈夫かな?」

勇者「まぁ、あんだけ強い奴がいりゃ大丈夫だと思うがな」

僧侶「……敵、いない」

勇者「さっきの召集はむしろ好都合だったな。ゆっくりと探せる」

魔法使い「そうだね……急いで魔王を探さなきゃ!」



氷女王「ふぅ……ふぅ……」

火山王「どうした、もう息切れか?」

氷女王「ふん……横にむさくるしい男が、いるでの……」

火山王「褒め言葉として、受け取っておくぞ!」ボゴバアアア
336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 00:12:00.72 ID:ma+wGsz90
ダダダダッ

勇者「……ここは」

魔法使い「なんか、いかにもって感じの扉だね」

僧侶「……魔力、感じる」ブルブル

魔法使い「うん、ボクも……身震いが……」ガクガク

勇者(……何も感じないのだが……)

勇者「……入るぞ」  バアンッ


魔法使い「誰も、いない……?」

僧侶「……でも、玉座」

勇者「暗くて、よく見えんな……」
339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 00:25:54.45 ID:ma+wGsz90
魔法使い「おい!魔王!いるならでてこいっ!」

勇者「ば、おまえっ……!」

魔法使い「あれだけ派手に騒いでれば、どうせばれてるよもう」

勇者「まぁ、それもそうか」

僧侶「……出て、こない」

勇者「……部屋を、調べてみるか」

魔法使い「隠れてたら危ないから、一応警戒はしておこうか」




氷女王「ふぅ……これで全部、かの」

火山王「ふー……流石に疲れたな」ぺたん

氷女王「はよう、あやつらの元へ……あぐ」どさ

火山王「ムリすんなって、ほら」ひょい

氷女王「……むぅ」

火山王「……意外と重いな、お前」

氷女王「う、うるさいっ!それは氷の重さじゃ!」
341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 00:31:55.49 ID:ma+wGsz90
魔法使い「いないなー……逃げちゃったのかな?」

勇者「魔王が逃げる理由がどこにあるんだよ……」

僧侶「……ここ」

勇者「ん?どうした、僧侶。玉座の足なんて眺めて」

僧侶「……動かした、跡」

魔法使い「ほんとだー、よく気付いたね、僧侶ちゃん。えいっ!」バキィ

勇者「隠し扉、か……よほど用心深いやつみたいだな、魔王は」

魔法使い「なんでこんなのが必要なのかな?」

勇者「……罠、か?」
343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 00:38:03.80 ID:ma+wGsz90
僧侶「……気配」

勇者「なにっ!?」

魔法使い「危ない勇者っ!はぁっ!」ドゴォ

鎧騎士「ほう……我が攻撃を受けたか。人間にしてはやりおるの」グググ

魔法使い(凄い力……このままじゃ……)

僧侶「はぁっ!」キュイーン 魔法使い「僧侶ちゃん!」

鎧騎士「ほう、二人がかりか……我は一向に構わんぞ!ぬぇいっ!」ドォン

魔法使い「きゃぁっ!」  僧侶「……く」

勇者(今までの敵と格が違う……だが、一人が相手なら俺の魔法で……)

魔法使い「やぁっ!」 僧侶「……はっ!」 ガッキィン

鎧騎士「どうした、人間ども……この程度か!」ゴワァ


勇者「……なっ……俺の魔法が、効いてない……?」
344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 00:45:27.56 ID:ma+wGsz90
鎧騎士「ふん……なにやら魔法をかけようとしたようだな」

勇者「!!」

鎧騎士「だが、我が鎧に魔法は通じん!」ボゴォ

勇者「ぐはっ……!」ズザー

魔法使い「勇者っ!」

鎧騎士「ほう、貴様は勇者か……にしては、随分と弱いようだが……」

僧侶「……はっ!」ガィン  ガシッ 「あっ」

鎧騎士「強化魔法で包んだ杖、か……非力な人間がやりそうなことだ」ボキィ

鎧騎士「ふん、他愛もない」

僧侶「あ……あ……」

鎧騎士「そこまで殺して欲しいなら、貴様から殺してくれよう」ジャギン

魔法使い「僧侶ちゃんっ!」 (間に合わない……!)

ドゴォォォン
347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 01:01:03.67 ID:ma+wGsz90
鎧騎士「……む、これは……氷?」カキィィン

僧侶「……あ、あ」

氷女王「なんとか間に合ったようじゃな……」

火山王「状況は最悪みたいだがな」

鎧騎士「貴様ら……魔族がなぜ人間の味方をしている!」グワッ

氷女王「くっ!」ヒュゴオオオオ

鎧騎士「その程度の魔法は効かんっ!」ドゴォン

氷女王「!!」バッ

火山王「ぐっ……」ギギギ

鎧騎士「ほう、そのような細身の剣で我が斧を防いだか……」

鎧騎士「だが、いつまで持つかな……?」ギリギリ
353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 01:12:19.95 ID:ma+wGsz90
火山王「ぐ、ぬ……はぁっ!」ボゴオオ

鎧騎士「我に魔法は通じぬと言っておろう!」

火山王「確かに、魔法は通じないみてぇだな……ぐ」

火山王(……鎧の表面に水滴……まさか)

氷女王「はぁっ!」ガィン

鎧騎士「また二人がかりか……だが、なんど来ようと無駄だ!」

火山王『……俺に考えがある。奴に氷の魔法を思いっきりぶつけてくれ」

氷女王『……何か策が、あるのじゃな?』

火山王『ああ……成功するかはしらんが、いちかばちかだ」

氷女王『どうせこのままじゃ勝ち目はないのじゃ。賭けてみるのもまた一興ぞ』
358: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 01:20:50.03 ID:ma+wGsz90
鎧騎士「別れの挨拶は済んだか?」

火山王「ああ、お前さんとの別れの挨拶が終わったところだ」

氷女王(かっこつけおって……いちかばちかのくせに)

鎧騎士「ふん!世迷言を!」

氷女王「……はぁっ!」ヒュゴワアアアア

火山王「……くらえっ!」ボゴオオオ

鎧騎士「なんど言えば……魔法は効かぬと」

火山王「あぁ、お前には魔法が効かないみてぇだな、よく分かる」

火山王「だがその鎧、魔法による温度変化までは無効に出来ないみてぇだな」

鎧騎士「な、なにっ!?」ピシ 「ぬぅ!?」

火山王「極限まで冷やされたものを、いきなり熱するとってな」

氷女王「どうなるのじゃ?」

火山王「知らんかったのか……」

パリィーン
362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 01:27:04.01 ID:ma+wGsz90
鎧騎士「ぐおっ……鎧が……」

火山王「……畳み掛けたいが、もう体が動かん」へたん

氷女王「……奇遇じゃな、わらわもじゃ」とす

鎧騎士「しかし、鎧が壊されただけならまだ戦える!」ブォン

氷女王「あー、残念じゃなぁ。鎧が壊れた時点で負けなのじゃよ、おぬし」

鎧騎士「何をふざけたことを!」ブゴワッ ツルン

鎧騎士「……っ!!」

魔法使い「ええいやぁぁ!!」 鎧騎士「ぬうっ!」ガギ  ズゴォン

鎧騎士「ぐぶほっ……がはっ」ズガン
371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 01:41:54.83 ID:ma+wGsz90
無鎧騎士「ぐ……バカ、な……」

無鎧騎士「魔王様から最強の鎧を与えられたこの我が……負けるだと……」

勇者「お前に仲間がいれば、分からなかったがな」

無鎧騎士「仲間、だと……そんなもの、我には必要ない」

魔法使い「ま、そんなこと言ってるから負けたんだよ」

氷女王「がちがちに頭の固い魔王信者じゃな……」

無鎧騎士「魔王様を侮辱するか……ゆるさっ……ぐぶ」

火山王「この様子だと、情報は得られそうにないな……殺すか」

僧侶「……待って」
373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 01:50:46.89 ID:ma+wGsz90
勇者「僧侶……?」

僧侶「……杖、折った」

僧侶「……謝って」

無鎧騎士「謝る?この我がか?」

僧侶「……」コクン

僧侶「……大事な杖、だった」

無鎧騎士「そんなもの、知るか……」ボゴ 「ぐふ……」

僧侶「謝って」

無鎧騎士「ぐ……す、すまんかった」

魔法使い(魔物に謝らせてる……)

勇者(知能のある魔物って、実はほとんど悪いやついないんじゃないか……?)
377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 01:58:13.81 ID:ma+wGsz90
『情けないな、鎧騎士よ。人間などに負けてしまうとは……』

無鎧騎士「こ、このお声は!」

魔法使い「……空気が、揺れてる……!」

僧侶「……奥から」

氷女王「間違いない、この声は……」

火山王「……魔王だな」

勇者「どこにいる、魔王!」

魔王『その扉の奥へ、来るがよい……』


魔法使い「……罠、かも知れないよ」

勇者「……まぁ、罠でも行くしかないだろ、ここまで来たら」
380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 02:03:57.58 ID:ma+wGsz90
ガチャリ

勇者「……お前が、魔王か」

魔王「いかにも……私が魔王だ」

魔法使い(すごい魔力……息苦しさを感じるよ……)

僧侶(……うぐ)

氷女王(相変わらず、バカみたいな魔力をしておるわい……)

火山王(さて、勇者よどうでる……)


勇者(あれ?森林王みたいなの想像してたけど、意外に普通だな)
381: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 02:13:16.78 ID:ma+wGsz90
魔王「ほう……魔族が味方をしているというのは本当だったのか」

魔王「氷女王に……火山王か。なるほど、どちらも納得できる」

魔王「貴様ら……私に歯向かうということは、覚悟が出来ておるな?」スッ

魔王「ぬぅん!」ブオッ

火山王「ぐぬぁっ!」ビターン 氷女王「火山っ!ぬぐわっ!」バシーン

魔法使い「二人ともっ!……やぁっ!」ダダダッ  ブゴォ

僧侶「……でやぁっ!」ヒュゴッ
 ガイイン
魔王「ふむ、人間にしては悪くない攻撃だ……」

僧侶「……な」  魔法使い「止めてすら、いない……」
385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 02:31:11.90 ID:ma+wGsz90
勇者「……く」

魔王「ここまで来たことは、褒めてやろう勇者よ」

魔王「しかし、貴様もここまでと言うことだ……死ね、勇者よ!」シャキン

魔法使い「勇者っ!」

僧侶「……っ!」

魔王「はぁっ!」ズドッ

勇者「ぐはかっ……」バタン

魔王「……拍子抜け、だな。所詮勇者も人間ということか」
388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 02:47:49.77 ID:ma+wGsz90
魔王「さて、次は……貴様らにするか」

氷女王「く……な、なぜじゃ……」

火山王「ちぃ……体が、動かん……」

魔王「拘束魔法も一緒にかけたからな、貴様らは身動き一つとれん」

魔王「さて、と……どっちを先に殺してやろうか」

「待てよ……」

魔王「!!」

勇者「まずは、俺を殺してからにしてもらおうか……」フラ フラ
390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 02:56:21.42 ID:ma+wGsz90
魔王「驚いた……生きておったか」シャキン

魔王「私の剣は、確かに貴様の心臓を貫いたはず」

魔王「それがなぜ、生きている……?」

勇者「……俺は、死なん。お前を倒すまでは、な」

魔王「ほう、そうか……ならば、貴様以外から血祭りにあげてやろう」

魔王「どうせ死なぬなら……絶望を味あわせたほうが楽しそうだ」

勇者「……く」 (話合いでなんて、甘い考えだったのか……?)
392: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 03:07:40.06 ID:ma+wGsz90
魔王「ふははは!いいぞ、絶望に歪む人間の顔というのは実にいい!」

魔王「さて、余興は終わりだ……一思いに、殺してやろう」

氷女王(ぬぅ……これまでか……)

魔王「魔族の力を持ちながら、人間に加担した愚か者よ。ここで死ぬがよい」ブォンッ ツルン

氷女王「!」

魔王「……なんだと……?とぁっ!」ヒュゴッ ツルン

魔王「なんだ……これは……」

勇者(……効かないかと思って焦ったぜ……効果が遅かったみたいだけみたいだな)

氷幼女(流石に、死を覚悟した……まったく、肝を冷やさせるのう)
428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 15:53:18.67 ID:ma+wGsz90
魔王「貴様……私に何かしたな?」

勇者「単純に……お前に魔法をかけただけだ……」

魔王「魔法……この私を弱くする魔法などが存在すると言うのか!」ダッ  ブォン

カッキィン

魔法使い「……勇者の魔法が効くなら……」ガシャン

僧侶「……戦える!」シュパッ

魔王「ぐ……」ズザ
434: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 16:05:56.57 ID:ma+wGsz90
勇者(……チャンスは、今しかない!)

勇者「……魔王、話がある」

魔王「話だと?」

魔法使い(……勇者……)

勇者「もう止めにしないか、勇者と魔王が争うなんてことは」

魔王「……何を、バカなことを」

魔王「争いを止めるだと……そんなことは、出来ん」

勇者「……なぜだ」

魔王「……戦うことは、魔王として生まれた私の使命だからだ」

勇者「……!」
437: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 16:14:57.57 ID:ma+wGsz90
勇者(……使命、か……まるで、前までの自分を見てるみたいだ)

勇者(こいつも、戦うしか道が無いと信じて、戦ってるんだな)

魔王「話はそれだけか?」ジャキン

勇者「……お前は、どうしたいんだ」

魔王「?」

勇者「使命とか、魔王だからとか、そういうのはどうでもいい」

勇者「お前自身がしたいことを、聞いてんだ」(誰かさんの受け売りだがな)

魔王「私が……したいこと……」
441: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 16:29:19.61 ID:ma+wGsz90
魔王「……分からん」

魔王「そもそも、なぜ勇者を倒さねばいけないのか。理由など考えたことも無かった」

魔王「勇者は魔王を倒しに来る、その勇者を倒す……それが当然と思っていた」

魔王「しかし……そうではないのか……?」

氷幼女(……ふん、少しはものを考えるようになったではないか、勇者よ)

火山王(これは……分からん展開になってきたな)
443: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 16:38:44.10 ID:ma+wGsz90
勇者「なぁ、魔王……俺の仲間になってみないか?」

魔法使い「……え?」

僧侶「……な」

魔王「なんだと……」

勇者「今なら、全財産の半分をやるぞ」

魔法使い(いや、そういう問題じゃ……)


氷幼女「な、なんとっ……!」

火山王「……くくく、魔王を仲間に、なぁ……面白い勇者様だ」

氷幼女「ただバカなだけじゃろうて……」
448: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 16:49:02.54 ID:ma+wGsz90
魔法使い「ゆ、勇者!何考えてんのさ……」

勇者「いや、このまま放っておくってわけにもいかないし……」

僧侶「……だからって」

魔法使い「それに、全財産って言っても3000Gぐらいじゃないか!」

勇者「やっぱり、少なかったかな……?」

魔王(……こやつら……)



火山王「あーあー、始めやがった……くくく」

氷幼女「あやつら、事の重大さが分かっておるのか……?」

火山王「……しかし、今回は違った記録が取れそうだ……しかも、歴史が変わるようなやつをな」
450: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 17:05:22.02 ID:ma+wGsz90
魔王「……よかろう」

魔王「貴様の口車に、乗ってやろうではないか」

勇者「……いいのか、1500Gだぞ」

魔王「貴様の全財産の半分などどうでもよいわ!」

魔王「ただ……少し興味が沸いたのだ、貴様に」

勇者「俺?」

魔王「貴様と共に世界を回れば、少しは分かるかも知れんと思ってな」

魔王「……自分の、やりたいこととやらが」
456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 17:21:47.83 ID:ma+wGsz90
氷幼女「驚いたのう……魔王よ、おぬしが仲間になるとは」

魔王「貴様らに言われる筋合いはないな」

火山王「くくく……違いないな」

魔法使い「……ほんとに、仲間になっちゃった」

僧侶「……信じ、られない」

勇者「まぁ、倒さないで済んでよかったよ……」

魔法使い「そう……だね」ニコ
458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 17:34:07.88 ID:ma+wGsz90
無鎧騎士「ま、魔王様っ!?」

魔王「鎧騎士よ……留守の間、この城を頼むぞ」

無鎧騎士「……はっ!」

無鎧騎士「……勇者。魔王様をくれぐれも頼むぞ」

勇者「くれぐれもって……あいつの力なら」

魔王「ほれさっさと行くぞ、勇者」

魔法使い「置いていっちゃうぞー!」

勇者「すっかり馴染みやがって……適応能力に驚かされるぜ」


無鎧騎士「……魔王様……どうかご無事で」
460: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 17:41:33.19 ID:ma+wGsz90
火山王「さて……まずは村まで戻ってもらおうかね」

氷幼女「む、おぬし……」

火山王「俺は記録を取るためについてきてただけだからな」

勇者「……そうか、残念だ」

魔法使い「一緒に行きたかったのにねー」

氷幼女「……」

魔王「火山の村ぐらいまでなら、全員転移魔法で飛べるな」

勇者「そうか、なら頼む」
461: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 17:49:34.63 ID:ma+wGsz90
シュイーン

火山王「さて、と……む」ぎゅ

氷幼女「……」

火山王「……おい」

氷幼女「……わらわも、残るぞ」ぎゅうう

火山王「なに言ってやがんだ、お前は……ほら、離せ」

氷幼女「……い、や、じゃ」

火山王「……おい勇者、お前からも言ってやれ」

勇者「いや、俺は別に構わんが……」

火山王「……魔法使い」

魔法使い「ボ、ボクは……氷が残りたいなら……」

火山王「……マジか」
463: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 17:56:13.97 ID:ma+wGsz90
火山王「……火山の近くに氷の女王が住むなんて正気か?」

氷幼女「もっと熱い男が、近くにおるであろう?」

火山王「……バカが」

氷幼女「では、世話になったのう、勇者」

勇者「ん、あぁ……達者でな」

氷幼女「それを言うならおぬしらじゃろう」

魔法使い「お幸せにね、氷」

氷幼女「うむ、おぬしも勇者と幸せにのう」
467: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 18:14:40.70 ID:ma+wGsz90
勇者「……さて、これからどうしようか?」

魔法使い「そうだね……今度はどこへ行こうか」

魔王「私はどこでもよいぞ」

僧侶「……どこでも」

勇者「どこでもって……一番困るな、それ」

魔法使い「まぁ、いいじゃないか勇者。もう倒すべき相手なんてものもいないんだし」

勇者「まぁ……それもそうか」

魔法使い「ボクはずっとついてってあげるよ、勇者の旅に」

勇者「……ありがとよ、魔法使い」

魔法使い「だって君は、ボクがいないとダメダメだからねっ!」
472: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 18:29:06.60 ID:ma+wGsz90
――――――――――
――――――

魔法使い「もう、キリがないなぁ!」ズドゴン

僧侶「……む」ズバン

魔王「なかなかやりおるの……しかしまだ甘いわ!」ドゴォ

勇者「……ここも楽勝かな?……あ」グシャ

魔王「あのバカめ……油断したな」タンッ 「はぁぁっ!」ズバッ

魔物「ゴグガァ……」ドサ

僧侶「……これで、全部」

少女「お父さん!大丈夫?」

勇者「……ん、あぁ……一応、な」
475: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 18:35:32.09 ID:ma+wGsz90
魔法使い「……もう、かっこ悪いとこ見せないでよー」

勇者「そうは言ってもなー」

少女「えい!治癒呪文!」

勇者「おう、ありがとう」なでなで


魔王「この辺も、これで大丈夫だな」

僧侶「……」コクン

魔王「人間を守るために戦う魔王、か……前代未聞であろうな」

僧侶「……多分ね」
482: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 18:47:51.95 ID:ma+wGsz90
勇者「まぁ、そのおかげでこの世界も平和になりそうだ」

魔法使い「そうだねー、大分好戦的な魔族も減ってきてるみたいだし」

少女「魔王えらーい!」

魔王「ふん……お前の言葉に感化されただけだ」

魔王「魔族と人間は、戦わねばならぬ宿命にあるわけではない……とな」

僧侶「……えらい」

魔王「えらいえらいと言うな!私は子供か!」

僧侶「……見た目は、十分子供」

魔王「うるさい!城を出ると姿を維持できんと言っておろうが!」

勇者(だから城に篭ってたらしいな……十分子供だ)
486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 18:55:33.19 ID:ma+wGsz90
魔王「……なぁ、勇者」

勇者「どうした?魔王」

魔王「この先、もしも世界が平和になったら……私はどうすればいい」

勇者「どうすればいいって?」

魔王「私は魔族の王……この世界から排除されるべき存在だ」

魔王「世界が平和になれば、きっと邪魔になってしまう」

勇者「……そうでも、ないんじゃないか?」

魔王「……」
488: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 19:00:56.25 ID:ma+wGsz90
勇者「平和的な魔族だっているんだ。魔族全てを排除しないといけないわけじゃない」

勇者「それを言えば、排除されるべき人間だっているさ」

勇者「平和のために確かに犠牲は必要だ。だけど、どちらかが一方的に犠牲になる必要は無い」

勇者「……って言うか、そこまで悩む必要もないと思うんだがな」

勇者「平然と人間の村に住んでる奴らだっているんだし」



氷幼女「……くしゅん」

火山王「なんだ、風邪か?季節の変わり目なんだから気を付けろ」

氷幼女「ふん、わらわが風邪などひくわけ……ん」

火山王「言うこと聞いて黙って寝てろ」

氷女王「ふん……相変わらず乱暴じゃのう」
491: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 19:10:30.74 ID:ma+wGsz90
魔王「……しかし」

魔法使い「魔王は気にしすぎなんだよー、もっと気楽に考えればいいのに」

少女「そうだぞー、魔王のアホー」

魔王「な、なんじゃと!?」

少女「僧侶ちゃんがよく言ってるもん『魔王はアホだ』とか『魔王は心配性』とか」

魔王「なにをっ」

少女「『魔王が心配だ』とか『相談すればいいのに』とか」

僧侶「……そこまで」ガ

少女「むぐぐ」

魔王「……僧侶」

僧侶「……バカ」
499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 19:25:44.93 ID:ma+wGsz90
魔王「……そういえば、お前はどうするつもりなのだ、勇者」

勇者「え、俺?」

魔王「世界が平和になれば、旅をする意味も無かろう」

勇者「んー……俺は……旅を続けるよ」

勇者「旅をする意味は、旅をしながら探すもんだと思うからな」

魔法使い「えー!てっきり、ゆっくり暮らすのかと……」

勇者「あ、あれ……?」

魔法使い「もー、信じられないよ!」

魔王「くはは!世界を救った勇者も惚れた女には敵わぬか……」

僧侶「……みたい」
517: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 20:14:34.03 ID:ma+wGsz90
魔法使い「もう……まぁ、いいよ。ずっとついてってあげるよ」

勇者「魔法使い……」

魔法使い「だって君は、ボクがいないと……」

少女「ダメダメだからね!」

魔法使い「あっ!ボクの台詞!」

少女「へへへ……」

勇者「……魔法使い、ありがとう」

魔法使い「礼はいいよ、その代わり……帰れって言われても、帰ってやらないからね?」

勇者「……帰りたいって言っても、帰してやるつもりはないぞ?」

魔法使い「え?ってきゃあっ!」だきっ

魔法使い「は、恥ずかしいから降ろしてよ……もう、ボクもう帰るー!」


ーーーいちおう、おわる
520: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 20:19:15.00 ID:nTOyHnyS0
楽しませてもらったぜ、乙!
524: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 20:20:49.86 ID:iLP3Sqjt0
乙、魔法使いかわいいよ
530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 20:27:13.19 ID:ma+wGsz90
後日談

少女「やあっ!」ズドン

勇者「あれ、その武器って……」

魔法使い「そ、ボクのお古だよ」

勇者「なんか、将来が見える気がするな……」

魔法使い「ボクみたいに強い女の子に……」

勇者「魔法使いみたいな絶壁に……」ゴシュ

少女「あ……ごめんなさい、お父さん」
536: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 20:42:22.25 ID:ma+wGsz90
火山王「こいつは驚いたな……予想外の組み合わせだ」

魔王「……ふん」

火山王「しかし、魔王が幼児好きとはな、知らなかったぞ」

魔王「貴様に言われとう無いわ!」


僧侶「……何の、話?」

氷幼女「バカのバカ談義じゃ、気にするでない」
541: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 20:49:52.36 ID:ma+wGsz90
ピギャー  ピギャー

森林王「……最近、魔物が静かだ」

森林王「……旅の者なども、めっきりおらん」

森林王「……たまに来るのは、むさ苦しい男ばかり」

森林王「……あいつらに、ついていけばよかった」ハァ
550: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 21:23:09.68 ID:ma+wGsz90
魔法使い「ねぇ、勇者。もし、ボクが死んじゃったらどうする?」

勇者「なんだよ、唐突に」

魔法使い「だってさー、勇者は死なないけどボクはいつか死んじゃうでしょ?」

勇者「……そん時は…………俺も死んでやろうか?」

魔法使い「えー、いいよー……ボクのことを、忘れないでいてくれたらそれでいい」

勇者「……忘れねぇよ、絶対。忘れろって言われても、忘れてやらん」ぎゅ

魔法使い「えへへ……ありがと……勇者、大好き」ぎゅ



魔王「ふん……見てられんな」

僧侶「……ほんと」

氷幼女「見てるこっちが恥ずかしくなるぞよ……」

火山王「ふん、お盛んなこったな」

少女(どこから来たんだろ……?)
554: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 21:35:31.93 ID:ma+wGsz90
鎧騎士「魔王様に任されたこの城!誰も通すわけにはいかぬ!」

僧侶「……どうも」

鎧騎士「む、貴様は……あの時は本当にすまなかったな」

僧侶「……気にしてない」

鎧騎士「しかし、魔王様の后に無礼を……」

僧侶「……后?」

魔王「……鎧騎士、ちょっとこい」ズルズル

鎧騎士「ま、魔王様っ!?も、もうしわけ……アッー」
562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 22:05:01.98 ID:ma+wGsz90
ピギャー  ピギャー
森林王「……暇、だな」

魔物「ギャギャギャギィ」

森林王「……お前ら、何か俺を楽しませろ」

魔物「ギャギャイ!?ギャギャ……」クネ クネ

森林王「いや、そんなムリしなくていい……俺が悪かった」
568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/06(火) 22:32:00.12 ID:NO8/WytMO
遅くなったな
お疲れ様>>1

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