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1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:09:02.43 ID:AWGv/vEk0
上条「実験の協力依頼?」

土御門「そうぜよ。どっかの研究機関がバーチャル空間を利用した仮想ゲームを作成したんだにゃー」

土御門「んで能力なんかもそのまま使えるようにしたんだけど、どこまで動作するか実証データが欲しいとかいってたにゃー」

上条「へー。ついにそんなゲームも開発されたんだなー。でも俺レベル0なんだけど意味あんのかよ?」

土御門「カミやんのレベル0はちょっと特殊だからにゃー。結構偉いところから頼まれてるんですたい。それにエキストラなんかも募集してる」

上条「エキストラ? ゲームなんだろ?」

土御門「ネットゲームみたいに大人数が同時にプレイするタイプなんだよ。ある程度人数いないとゲーム内容が簡単になっちゃうらしいにゃー」

上条「でもなー……」

土御門「もちろん。バイト代もでる」

上条「ぜひやらせてもらおう! いや、やらせてください!」

土御門「金額も聞かないなんてよっぽど切羽詰ってるんだにゃー。あとで日程と場所を伝えるぜい」



2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:11:36.03 ID:AWGv/vEk0
―数日後―
上条「んー。インデックスも連れて来いって言われたんだが、ここでいいのか? 見るからに怪しい建物なんですが」

イン「とうまは心配しすぎなんだよ。まいかの家族がそんな怪しいことさせるわけがないんだよ!」

上条(いやいや、上条さんはむしろ怪しいことばかりさせられている気がしますが! 無断で国境越えたりね!)

イン「それで中はいっちゃってもいいのかな?」

上条「えーと」キョロキョロ

土御門「おっ。待ってたぜい、カミやん。他の連中は先にやってるからあとはカミやんたちだけだにゃー」

上条「んで? 俺たちは何をすればいいんだ?」

イン「たくさん食べるのは得意かも!」

上条「お前説明全然聞いてなかっただろ?」

土御門「詳しくは中で説明するぜよ」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:12:18.21 ID:AWGv/vEk0
―建物内部―
上条「建物の中に入ったのはいいのですが、部屋に椅子しか置いてないですよね!?」

土御門「実験はこいつで行うから問題ない」

イン「なにそれ? 帽子?」

土御門「ちょっと特殊なヘッドセットだにゃー。これで仮想空間へご案内ってね」

上条(そんな安っぽいので大丈夫なのでしょうか? 上条さんはさっきから不安でたまりません)

土御門「大人数向けだからコスト削減目標も設定してるんですたい」

イン「ようするにその『へっどせっと』をつければいいんだね?」カチャカチャ

上条「それで? その仮想空間でどんなゲームをするんだ?」

土御門「この間カミやんに貸したFate/Stay Nightってゲーム覚えてるかにゃー?」

上条「あれか? まださわりしかやってないんだが」

イン「?」

土御門「大丈夫ぜよ。基本設定だけパク……真似しただけらしいし」

上条「おい……。昨日ちょっとやっただけだから内容なんてほとんどわからないぞ。大丈夫なのか?」

土御門「カミやんは主人公のキャラの設定らしいから。質問がないならさっさと起動頼むぜよ」

上条「えぇー!? 大丈夫か否かの質問はスルーですか!?」

土御門「安全性に問題はないですたい」(ちょっと過激なだけどにゃー)ボソ

上条「そ、そうか。ん? 他のメンツっていうのは? ここにはいないみたいだけど?」カチャカチャ

土御門「どうせすぐ会えるぜぃ。さー行った行った。インデックスはもう入ってるっぽいしにゃー」

上条「え! インデックスさんはもうちょっと不安がったりしないのでしょうか!?」

土御門「えいっ☆」ポチ

キュイイイイイイン

上条「ちょっ……」

上条「つち……」
イン「Zzz……」

土御門「いってらっしゃいだにゃー。」

…………
………
……
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:13:42.75 ID:AWGv/vEk0
――冬木市――
―とある土倉―
上条「……う~ん」

上条(なんだか頭がぼんやりする……。もうゲームは始まってるのか?)

???「おはよう。起きて」ユサユサ

上条「誰…だ……?インデックスか?」

上条(あれ? 起こしにくるのは桜だっけ?)ボー

姫神「おはよう。上条くん」

上条「」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:14:39.21 ID:AWGv/vEk0
上条(なんか一気に目が覚めた感じになりましたが!)

上条「姫神?」

姫神「まだ寝ぼけてるの?『秋沙』っていつもは呼んでるのに」

上条「えええええええ!?」

上条(たしかに主人公は『桜』って呼んでた気がします……)

姫神(幼馴染はメインヒロインの代名詞。これで人気も……)

上条「あ、秋沙……?」

姫神「それでいい」

姫神(上条くんとの距離も縮むに違いない)///

上条「そうだ! たしか愛沙も俺のことは先輩って呼んでなかったっけー?」

姫神「残念。設定が同級生。だから上条くんで問題ない」

上条「理不尽だ……」

姫神「朝ごはんできてるから。早く食べて学校行こう」

上条「え! 上条さんが朝ごはんつくらなくてもいいんでせう? あの暴食シスターはどうした!?」

姫神「何をいってるの? ここは冬木市だよ? 学園都市とは違う」

上条(これは不幸じゃない!? 朝飯まで作ってくれるなんてラッキーではありませんか!)

上条(インデックスがどこに行ったかは知らないが今を満喫するべきですよね! ゲームだし大丈夫だろ!)

そのころ
インデックス「とうまの料理よりおいしいんだよ! もっともってくるんだよ!」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:16:05.21 ID:AWGv/vEk0
―居間―
上条(なんて楽なんだろうか。起きたら朝ごはんができているってすばらしい)

姫神「今持って行くから待ってて」

上条「あ。上条さんも手伝いますよ~」

上条「ってあれ……? 確か藤ねえがそろそろ来るんじゃ……? 前に姫神と同居してた小萌先生あたりか?」

姫神「あ。先生おはよう」

黄泉川「おはようじゃん!」

上条「」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:17:32.57 ID:AWGv/vEk0
黄泉川「さすが愛沙。今日も一段とうまいじゃん」モグモグ

姫神「ありがとう。先生」

上条「えーと。黄泉川先生……。でしたよね?」

黄泉川「ん? とうまは何言ってるじゃん? 『黄泉ねえ』じゃん」

上条「ぶふっ! 上条さんはもう騙されませんのことよ! なぜならその会話はさっきもうやられたから!」

黄泉川「まあそれでもいいじゃん。 でも、『黄泉川先生』だとこれから先テンポ悪くなるじゃん」

上条「えー」

黄泉川「『先輩』は敬称だから『上条くん』に変わっても違和感ないじゃん。でも『藤ねえ』を『黄泉川先生』に変えるのはどうかと思うじゃんよ」

上条「ううっ…・・・。一理あるような。いやでも・・・…」

黄泉川「じゃあ『黄泉ねえ』って呼ぶじゃん」

上条「……よ、黄泉ねえ」

黄泉川「オッケーじゃん。でも学校では、黄泉川先生って呼ぶじゃんよ」

上条(不幸だ……)
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:19:54.11 ID:AWGv/vEk0
黄泉川「おっ。もうこんな時間じゃん。先に学校いくじゃんよ。遅れるなよ」

上条「わかりました」

姫神「はい」

上条「じゃあ。食器洗って学校行こうか。姫がm」

姫神「秋沙」///

上条「あ、秋沙」

上条(同級生女子を名前で呼ぶのってなんだか照れるんだよなー。って俺は中学生か!)

姫神「これ、お弁当」

上条「え!作ってくれたのか!?」

姫神「自分のついでだし…」///

上条「学園都市に帰りたくなくなってきた」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:21:05.41 ID:AWGv/vEk0
―校門―
姫神「じゃあ先に教室行ってるね」

上条「ああ」

上条(さて学校での主要人物は……遠坂、慎二、一成あと美綴だったか)

上条(だれが来ても驚かないようにしないとな。心の準備はOKですのことよ)

土御門「いよーう。カミやん。おはようだぜい!」

青ピ「ここでもカミやんは女子と登校かいな。ホンマずるいなー」

上条「えー……なんで土御門がいるの?」

土御門「おもしろそうだったから参加だにゃー!」

青ピ「僕は気づいたらここにいましたが何か?」

上条「あとひとつ聞いていいか! どっちが慎二でどっちが一成だ? つーか一成のまじめキャラポジションとかお前らには無理だろ!」

土御門「一成は青髪だぜい」

上条「」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:22:01.46 ID:AWGv/vEk0
―教室―
青ピ「そら僕は実際にクラス委員長ですから」

上条「そういえばそんな設定だったな。吹寄のが委員長っぽいけども! でも、委員長やっててもきっと担任は小萌先生じゃないぞ?」

青ピ「何いうてんのカミやん。僕はどんな(女の)先生でもどんと来いなんやで~」

上条「ってことは土御門が慎二か?」

上条(どっちにしろあんまりしっくりこないな)

土御門「にゃー。違うんだぜい。あくまで元に作ってるだけで各キャラクター設定が同じわけじゃないんですたい」

上条「そ、そうなのか。じゃあ遠坂は……」ガッカリ

土御門「それなら後ろの席にいるぜよ」

上条「まじで!」クルリ


御坂「……なんか文句あるわけ?」バチン

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:22:51.80 ID:AWGv/vEk0
上条「えぇー。ビリビリかよ。つかサーヴァントよりつえーんじゃねーのか?そんなのありかよ!」

御坂「何いってんのよ。士郎も最後の方はサーバントと互角に戦ってたじゃないの」

上条「え、そうなの?上条さんはまだイリヤに出会ったあたりまでしか知らないんですけど」

御坂「まだまだ先は長いわね……。まあ私もテレビと映画のやつしか見てないけどど」

御坂(それにしても遠坂はいいポジションだわ。アイツが主人公ならこの先の展開で共闘できるじゃない)///

上条「ここじゃサーヴァントも人間だし差はないんでしょうかね?」

御坂「つーかアンタも能力使えば普通に戦えるんじゃないの?」

上条「まぁ。相手によるだろうけど。ん? あれ? というか同じクラス!? お前中学生だろうが!!」

御坂「それだと話進まないらしいから同級生らしいわ。というかアンタより勉強できるし問題はないでしょうよ」

上条「そうでしたね…。」

ガラッ
黄泉川「ハイハイHR始めるじゃんよー」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:23:45.50 ID:AWGv/vEk0
御坂(ねぇ黒子。他のサーヴァントの気配はある?)ボソボソ

白井(今のところは何もいないですの)霊体化中

-ゲーム内前日-
御坂「えーと。詠唱してサーバントを呼び出せばいいのよね?」

詠唱中……

ドーン

御坂「え? 2階!? 私も失敗かよ!」

タタタタ、ガチャン

白井「う~んですの」

御坂「黒子!」

白井「お! お姉様! 黒子はとんでもないマスターに引き当てられたですの! うひょおおおおおおおおおおおお!!!」

御坂「離れろぉぉぉぉぉおおお!!」ビリビリ

白井「おおおおおおおおおおお……。あ……あんまりですの」

御坂「さっそくだけど令呪を使った方がよさそうね」

「必要なとき以外接触しない!!」
-御坂美琴 残り令呪2-

白井「グググ。了解ですの。私アーチャーのサーヴァントですの。よろしくお願いしますわ」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:24:59.14 ID:AWGv/vEk0
-戻って現在-
御坂(放課後になったら『遠坂』よろしく屋上でも行ってみますか)

白井(私は先にそこにいってますわ。お姉様)

-というわけですぐ放課後-
キーンコンカンコーン
黄泉川「あー。上条。お前は残るじゃんよ」

上条「え? な、なんですか?」

黄泉川「お前は補習じゃん。月詠先生から預かってるじゃんよ。これ終わったら帰ってもいいから」ドサッ

上条「小萌先生から? って! さ、さすがにこの量は無理があるんじゃ……? しかも、ここはゲームの中……」

黄泉川「いいからやるじゃんよ」

上条「不幸だー!」

土御門(さすがだにゃー)
青ピ(ジャージ姿の美女も……)
姫神(夕飯どうしよう?)
御坂(あいつはいつも通りね)
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:26:20.01 ID:AWGv/vEk0
上条「結局こんな時間になってしまいましたよ。もう真っ暗じゃねーか」トボトボ

上条「黄泉川先生も少し手加減してくれても……」

ドシャー バチバチ デスノー

上条「なんの音だ? グラウンドの方?」

タタタ

上条「あれは……御坂と白井か? ん!? 水が浮いてる……?」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:28:42.13 ID:AWGv/vEk0
御坂「くっそー。もう戦うことになるなんてー! 屋上なんて行くんじゃなかったわ!」ビリビリ

白井「そんなこといってる場合じゃありませんわ! あのサーヴァントをなんとかしませんと!」

オリアナ「あらあら。まだまだ楽しみはこれからよ。こんなんじゃお姉さんは満足しないんだから!」ビッ

ビュン

白井「くっ!」テレポ

御坂(周りに浮翌遊してる水のほうに電撃が吸収されて本人まで届かないなんて……。本気でうっても大丈夫かしら?)

白井「近づいたら近づいたで、別の攻撃が来ますし…。相手がなんの能力者かわかりませんの。どうしましょう、お姉様」

御坂「今日は様子見ってことで一時撤退しましょう!」

白井「了解しましたわ!」

上条「御坂! 白井!」

御坂(ちょ、あのバカ!)

オリアナ(あら? 3対1かしら? ちゃんと前の男の子との経験を生かさないとね)
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:30:21.81 ID:AWGv/vEk0
オリアナ「坊やもいたのね。ちょうどいいわ。厄介な坊やは先に片付けておきましょうか!」ビッ

ゴッ

上条「うおおおおっ!」キュイーン

上条(なんでオリアナがここに!? 魔術もこの中じゃ使えるのか!?)

オリアナ「ここじゃ私はライダーのサーヴァントよ。よろしくね坊や」

上条「サーヴァント! なんでライダー!?」

オリアナ「フフッ。いろいろ乗るのは得意なのよ。そうね、あなたにも乗ってみようかしら?」

上条「え゙!?」

御坂「アンタは逃げなさいってば! まだサーヴァントもいなんでしょうが!」

上条「でも、お前たちを見捨ててはいけない(キリッ」

御坂「ちょ。///こっちは黒子がいるから脱出できるんだってば!」

白井「こちらでライダーのサーヴァントはこちらで引き付けておきますのでさっさとお逃げくださいな」シッシッ

オリアナ「あらあら、戦闘中にお話だなんてずいぶん余裕があるのね! そんな片手間じゃお姉さんは全然満足できないわよ!」ビッ
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:31:38.62 ID:AWGv/vEk0
上条「うおっと!」キュイーン

上条「とりあえず二手に分かれて逃げるぞ」タタタ

御坂「ちょっと! アンタが狙われてるっていってんでしょうがー!」

御坂「くっ! あのバカ!」

オリアナ「フフッ……。まあいいわ」

オリアナ(やっぱり坊やから仕留めたほうがよさそうね。サーヴァントもまだ召喚してないみたいだし)

御坂・白井「えっ?」

オリアナ「あなたたちに背を向けるのは得策ではないわね。今日のところは引き上げさせてもらおうかしら。またね。お嬢ちゃんたち」ビッ

白井「消えましたの?」

御坂「近くにはいないわね……? ったくあのバカはどこまで走っていったんだか」

白井「……。」

御坂「黒子?どうかしたの?」

白井「いえ。あちらから仕掛けてきたわりに、なにやらあっさり引き過ぎではないのかと思いまして……」

御坂「偵察が目的? あるいは……。ってまさか……!?」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:32:44.97 ID:AWGv/vEk0
―自宅―
上条(ここまでくれば大丈夫だろ)

上条「ん? 夕飯が作ってある。姫神が作ってくれたみたいだな。ありがたい…」

『あら、じゃあ私は坊やをいただこうかしら』

上条「えええ? ち、チクショウ、振り切れてなかったってのか…。どこにいる!?」

オリアナ「う・し・ろ・よ」ビッ

ビュンビュンビュン

上条「ぐおおおおおおおおっ」ガシャーン 居間→庭

オリアナ(坊やの弱点は多方向からの攻撃ね)ニヤ

上条(直撃は避けた。でも、ゲームなのに痛みはそのままあるのかよ!)
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:33:44.20 ID:AWGv/vEk0
上条(この状況を打開するには1対1じゃ無理だ! 確か主人公のサーヴァントは土倉から出現したはず!)

オリアナ「逃がすと思って?」ビッ

ギュオッ

上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」ゴロゴロ 庭→土倉

オリアナ「あらぼうやは、そんな暗いところでするのが好みなのかしら?」クスクス

オリアナ「もう諦めて出てきなさいな。お姉さんが足腰立たなくなるまでいろいろしてあげるわよ?」

上条(サーヴァントはどこだ? ん? 床に魔方陣?)

上条(まさかオリアナの攻撃!! そうはいくかよ!)

ピト キュイーン

神裂(アレ……?)
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:34:37.27 ID:AWGv/vEk0

オリアナ「もうそろそろいいわよね?あなたの右手は厄介だし、土倉ごと潰してあげる!」ビッ

上条(えええっ!やばい。だ、脱出!)土倉→庭

オリアナ「なんてね」ビュオ

上条「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお」ドシャー 庭→土倉

上条(ぐっ。土倉の一番奥まで押し込まれちまった。体もフラフラだ……。ううう……。それにさっきの魔方陣がまた……)

上条(ん? たしかオリアナは同じ魔術は2度使わないんじゃ……!)

ピカー


そのときこんな状況だというのに上条当麻は目を奪われた。そこにはたしかに羽を付けた天使がいた。


神裂「召喚に従い参上した。と、問おう。あなたが私のマスターか?」

上条「」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:35:47.00 ID:AWGv/vEk0
上条「ぶふぉっ! な、なんで堕天使エロメイド…?」

上条(しかもこの前のやつよりもきわどくなってないですか!?)

神裂「し、知りません! 最初からこの格好だったんですよ! あんまりこっち見ないでください!」

オリアナ「ステキなカッコウじゃないの? お姉さんはそういうのも好みよ」クスクス

神裂(くっ。まずは、この状況をなんとかしないといけないようです!)

神裂「上条当麻! 話は後です。今は撃退を!」

上条「お、おう……」///
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:37:25.58 ID:AWGv/vEk0
オリアナ(聖人用の術式があるとはいえ、2対1は厳しいかしら? 今は対策を練らないとだめね)

オリアナ「あら、神裂さん。後ろの少年からいろいろ丸見えじゃないのかしら」

神裂「え?」グリン

上条「///」

オリアナ「フフッ。下見のつもりだったしそろそろ引きどきだわ。じゃあね」ビッ

神裂「しまっ!!」

ピカッ!

神裂「くっ! め、目くらましでしたか。オリアナは……逃げたようですね。ケガはありませんか? 上条当麻」

上条「いや、ええとその」///

ハラリ(スカートが落ちる音)

神裂「」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 00:38:47.86 ID:AWGv/vEk0
御坂「くそー。どこまで行ったのよ」

白井「お姉様ぁ~。あの類人猿のことは放って置いて帰りません?」

御坂「衛宮家はどこだっけ……。PDAでクラッk……検索しましょう」ビリ

白井「お姉様?」ジト

御坂「ば、場所が分かったわ! ここまで連れてって!」

白井「……わかりましたの」

白井(類人猿を抹殺してからゆっくりお姉様と。うふふふふふふふふ…)

-衛宮家前-
御坂「実際に見てみるとまあまあの大きさの家ね。って感心してる場合じゃない! 戦ってる音がするわ!」

白井「行きますわよ」

-中庭-
神裂「上条当麻!」バキィ

上条「ちょ! 神裂さん! 恥ずかしいからって暴れないでください! お願いします!」

御坂・白井「……」

この後神裂は着替えました。



45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:19:01.20 ID:AWGv/vEk0
―居間―
上条「で。流れ的にこれから神父のところに行くんだよな…?」

神裂「神父……、教会ですか…?」

御坂「まぁ。本編だとそうだったわね。私は黒子と昨日行ってきたけど、あれは神父さんじゃなかったわよ」

白井「確かに、あれはまったく神父には見えませんでしたわね……」

上条「てっきりステイルあたりが出てくるのかとも思ったが、違うのか?」

御坂「ゲームとは違うんでしょうよ」

神裂「ゲームですか……?」

上条「こんなストーリーのゲームがあるんだよ。それを俺たちがプレイしてるらしいんだけど」

神裂「私は土御門に呼ばれて、目隠しをしたまま戦う修行だ、とかなんとか言われて目隠しをされたのですが?」

上条「……その割りにはゲームに合った第一声ではありませんでしたかね?」

神裂「はあ。土御門にあなたに会ったらそう言えと言いくるめられて」

上条「あのやろう……」


46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:21:36.46 ID:AWGv/vEk0
御坂「そうなの? 私たちは、『勝てばなんでも願いがかなうゲーム』ってドラゴンボールみたいなこといわれたんだけど」

白井「そうですの。勝ったあかつきにはお姉様とおおおおおお!」

御坂「ちょっと黙ってて!」ビリビリ

白井「ひ、ひどいですわ……お姉様ぁ~……」プスプス

上条「おい……。上条さんはすごく不幸なことが起こる予感がしてきたのですが」

御坂「とりあえずその教会のところにアンタたちを連れて行くわ」

上条「うーん。まあたしかにそいつが一番詳しいんだろうけどな……」

御坂「じゃあさっさと行きましょうか」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:23:19.62 ID:AWGv/vEk0
―教会前―
上条「思ったより離れてるんだな。もっと近いのかと思ってたけどさ」

御坂「確かに結構距離あったわねー。昨日は黒子と来たからあんまり気にしなかったけど」

白井(こちらに来てからの数少ないお姉様とのスキンシップでしたの~ウヘヘヘ)

上条「で? どんな奴だったんだ中にいるやつは? 特徴とかないのかよ?」

御坂「特徴といえば試験管で逆さまになってたわね」

上条「なんかすごく会いたくないんですが……」

神裂「さ、逆さまですか?」

神裂(ステイルが統括理事長のことをそんな風にいっていた気がしますが、まさか……)

ギギギ

-教会内部-
アレイスター「よく来てくれたね、新しいマスターよ。こうやって会うのは初めてかな?」

上条・神裂(逆さまだ……)
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:24:30.69 ID:AWGv/vEk0
アレイスター「どうかしたかね? 聞きたいことがあれば、なんでも聞いてくれたまえ?」

上条「えーと……。どちらさまでしょうか?」

アレイスター「学園都市の統括理事長アレイスター」

上条「……」
御坂・神裂「!」

上条「なんかウソくさいぞ……? というか統括理事長って実際にいるのか?」

御坂「わ、私に聞かれても! いるらしいっていうのは聞いたことあるけど、見たことないのよ……昨日は名乗られなかったし、私も今知ったのよ!」

アレイスター「さて、まず賞品だが、このゲームに勝ち残ったマスターのいるチームにはそれぞれの願いを叶えてやろう」

上条「ええ!? ってことは勝ち残ればインデックスの食費が!」

神裂(上条当麻への借りを返済するチャンスかもしれません!)

御坂「アンタ……。インデックスってあの銀髪シスターよね? よりによってそんな願いって……ん? なんでアンタがアイツの食費出してるわけ?」バチバチ

上条「えぇー。なんで御坂さんが怒っているのでせう? あいつはペットみたいなものでして…」

神裂(この扱いはインデックスが不憫です……)
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:28:34.31 ID:AWGv/vEk0
アレイスター「勝利条件は聖杯を手に入れること。このゲームに参加している人は、『マスター』、『サーヴァント』、『モブ』という役割を担っている」

上条「『モブ』はひどくないでしょうか?」

アレイスター「『マスター』はサーヴァントを使役する者をさす。マスターは3つの令呪によってサーヴァントを縛ることになる」

神裂「令呪というのは……」

アレイスター「サーヴァントに絶対の命令を与える魔術だと思ってくれればいい。通常は3つある。彼の場合左手に出ていると思うがね」

上条(これか……)スッ

アレイスター「あぁ。気をつけたまえ。キミの右手で触ってしまうとそれは消えてしまうから」

上条「あああっっっっっぶねぇえええええええええええええええ!!!」

神裂「……」
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:30:11.99 ID:AWGv/vEk0
アレイスター「『サーヴァント』のもつ特性は2つ。1つは霊体化。自分のマスター以外に目視されなくなる。この状態で幻想殺しが触れると消えてしまうから気をつけたまえ」

アレイスター「そして、2つめはそれぞれの役割に応じた『特殊なスキル』が付与される」

神裂「と、特殊スキルですか?」

アレイスター「知らないかも知れないが、ゲームには7人のマスターと8体のサーヴァントが参加している。ちなみに私は参加者ではない」

神裂「なぜ7人のマスターで8人のサーヴァントなのでしょうか? 1人1体なのでないと不公平では?」

アレイスター「ゲームを面白くするためさ。不公平にならないよう2体のサーヴァントをもつものには、大きなハンデが与えられている。それにいつ気づくかも楽しみの1つではあるがね」

アレイスター「続けよう。役割は7つ。セイバー、アーチャー、ランサー、アサシン、ライダー、バーサーカー、キャスター。特性は自分たちで見つけたまえ」

アレイスター「それに、サーヴァントはマスターがいないと2日程度経過した時点でゲームオーバーだということを覚えていて欲しい」

上条「で、最後の『モブ』っていうのは?」

アレイスター「マスターがだれかわからなくするためのエキストラだよ。キミたち以外のマスターが誰だかは今のところ分っていないだろう」

上条「まあ、確かに……」

※サーヴァントに魔翌力供給は必要ないです。
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:34:48.47 ID:AWGv/vEk0
アレイスター「最後に、聖杯の手に入れ方だが他のマスターかサーヴァントのどちらかをすべて始末すればその時点で聖杯が現れる」

上条・神裂「始末……?」

アレイスター「何も心配することはない。あくまで仮想世界なのだから。殺しても実際に死ぬわけではないさ」

上条「いいぜ、アレイスター。お前はたとえ幻想だからといって、人を殺s――」

アレイスター「殺さずとも、自分以外のマスターやサーヴァントを戦闘不能にさせれば問題はない」

上条「――そうですか……」

アレイスター「最後のマスターあるいは最後のサーヴァントをもつマスターがこの教会に来た時点で聖杯を授ける」

神裂「つまり、どちらかを全て戦闘不能にしてもここまでたどりつかねばならないということですか」

アレイスター「説明は以上だ。他に聞きたいことがあるかギブアップしたいときには、またここに来たまえ」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:36:27.25 ID:AWGv/vEk0
-帰り道-
上条「逆さまになっていた理由を一番聞きたかったんだが」

御坂「確かにあれは気になるわね」

白井「きっと個性を出そうと精一杯なのですわ」

神裂(それは違うのではないでしょうか?)

上条「それにしても令呪を使えばどんな命令も……」

神裂「き、きちんと考えて使ってくださいよ!」

上条「だ、大丈夫に決まってるじゃないですか! やだなー、神裂さんたら!」

御坂 バチン

上条「なんで御坂さんまで攻撃態勢をとっているのでしょうか!?」

白井「おっと、そろそろ分かれ道ですわね。上条さん、神裂さん次にあったら敵ですわね」

白井(今すぐに戦うのは得策ではありませんの。神裂さんの能力もわかっていませんのに、向こうには能力がバレバレですの)

神裂「望むところです」

御坂(アレっ! 共闘フラグ逃した!?たしか……)

カツンカツン

神裂 ピクッ

白井「お姉様! 誰か近づいてきましたわ!」

???「見つけたんだよ。とうま……」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 12:37:59.67 ID:AWGv/vEk0
上条(なんかインデックスの元気があんまりないような?)

上条「イ、インデックスか? お前どこにいたんだよ?」

イン「そ、そんなことよりもやっぱりとうまはとうまなんだね!? そうやって女の子とばっかりいるのはもう慣れたかも!」カチカチ

上条「そう思うなら、その歯をしまってください!」

イン「でも、いいんだよ…。とうまには悪いけど、わたしにもやらなきゃならないことがあるの。だからここで全員降参してもらうんだよ」

神裂(私にあの子と戦えというのですか…!?)

上条「ええー。いくらお前の噛み付きが凶暴でも、聖人やレベル5を倒せるとは思えませんのことよ」

白井「ちょっと、私をお忘れではなくて?」

御坂(ええー! もしかして銀髪シスターがイリヤなの!? 見た目はちょっと似てるかもしれないけどさ)

イン「もちろん私1人でじゃないよ。やっちゃえ。バーサーカー!」

上条・神裂・御坂・白井「!!」


73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 18:33:31.51 ID:AWGv/vEk0
インデックスがそういったかと思うと、彼女の後方に大きな男が現れた。

白井「霊体化していましたの……? い、いえそんなはずは!」

白井のサーヴァントとしての特殊スキルは、『周囲一〇〇mのサーヴァントの感知』。
放課後のオリアナの襲撃では、このスキルのおかげで不意打ちを回避することができた。
しかし、さきほど、バーサーカーと呼ばれる男が現れるまで、あたりには何の反応も感じなかった。
ものすごいスピードで何かが近づいてくる、という反応を感じたときには、すでにそこに立っていたのである。

御坂「何なのあの武器? でかいってレベルじゃないわよ! 三m以上はあるわ……」

インデックスの後ろに現れた大きな男はその巨体の数倍もある武器を1つもっていた。
それは、彼が傭兵時代に使用していた長さ五m近くもある撲殺用の金属棍棒(メイス)。

神裂「あの男は……」

上条と神裂は以前あの男と敵対したこともあったし、イギリスでは共に戦ったこともある。
ただの聖人とは格の違う魔術師『バーサーカー』がそこにはいた。

上条「アックア!!」

アックア「……」



74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 18:35:14.10 ID:AWGv/vEk0
ゆっくりと彼が一歩足を踏み出したとき、上条は我に返った。
――なぜアックアがインデックスといるか、ということを尋ねる余裕もない。

上条「まずい! 御坂と白井は逃げろ!!」

上条は、隣にいた彼女たちにそう叫ぶと、臨戦態勢をとった。この男に対して意味があるとは思えないが、取らざるを得ないほどの威圧感があったのである。
一方、神裂は七天七刀の柄に手をかけたが、ここでアックアに勝つことは不可能だ、と感じとっている。
以前アックアに土を付けることができたのは、天草式の仲間と上条当麻がいたからであり、ここには天草式の仲間はいない。

アックアは、さらに一歩踏み出した。

神裂「私が時間をかせぎます!」

そう叫ぶと、彼女は七天七刀を鞘から抜き放った。一人でも多くの人を救うために――

御坂「何言ってんのよアンタ? 私を誰だと思っているわけ?」ビリッ

だが、御坂と白井は、目の前の男の強さを十分に理解できていなかった。
それはしかたのないことなのかもしれない。学園都市でも、こんな動きをできる人間はみたことがなかったのだから。

白井「そうですのよ。私で十分ですわ」

そういって白井は、相手の動きを窺おうとした。いつの間にか、手にはそれぞれ四本ずつ矢をもっている。
彼女の能力はテレポートであり、一瞬で矢を直接体内に撃ち込むことが出来る。が、それはあくまで『撃ち込む対象が静止していれば』の話である。
演算を開始し、能力を発動させて腕と足に向けて四本ずつ金属矢を飛ばそうとした瞬間、アックアの体がものすごいスピードでブレたようにみえた。

神裂「くっ!!」

接近してくるアックアに対応できたのは、神裂だけだった。彼女は正面からアックアの振るう凶悪な威力のメイスを、その七天七刀で受け止めた。
ものすごい衝撃が神裂を襲うが、当然それだけで攻撃が終わる相手でもない。だんだんと手数は、増していく。
チャリーン、チャリーンと金属矢が地面に落ちる音で、御坂と白井は、どのような相手を目の前にしているのかをやっと把握したのだった。
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 18:38:02.14 ID:AWGv/vEk0
白井(矢が当たりませんでしたの!? なんてスピードでの移動を……)

御坂(今のは人間の出せるスピードじゃなかったわよ!? それにこっちの神裂とかいう女の人も!)

目で戦いを追うことがやっとだった2人だが、ここで簡単にゲームオーバーになるわけにもいかない。
必死に情報を頭の中でまとめ、御坂は1つの結論を導いた。

御坂(『レベル5の肉体強化』のような相手と思って対処すれば!)

確かに、自分一人では敵わない相手かもしれないが、アックアの攻撃を防いでいる神裂と黒子がいれば勝てる相手だ、と判断した。
しかし、上条当麻は、あの男がさらに強力な魔術を使えるということを知っている。

上条「今のでもわかったろ! 御坂は、白井と一緒にここから逃げろ!」

その言葉に二人が同時に反応する。

神裂「私もあまり長くはもちません! あなたもはやく逃げてください。」

御坂「『逃げろ』って!! アンタこそ逃げなさいよ!!」

だが、上条に二人の言葉は聞こえていない。

上条(俺にできることは―― インデックスだ! インデックスを説得できれば戦闘も終わる!!)

アックアのマスターがインデックスなら、彼女を止めることの方が、この状況から抜けられる可能性は高い。
なぜ、いきなり襲うような方法で攻撃を仕掛けてきたのか、どうしてアックアと一緒にいるのか、など聞きたいこともたくさんある。
上条当麻がこうなってしまうと、簡単には止められない。

御坂「ッ!! 黒子!!」

アイコンタクトだけで、御坂と白井は方針を固めた。
そうこうしている間も神裂が、猛烈なアックアの攻撃を防いでいる。

御坂「神裂さんとかいったわね。サポートするわよ!!」

白井「ですの!」
77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 18:41:29.65 ID:AWGv/vEk0
神裂たちがアックアとの激しい攻防を行っている中、上条はインデックスのところへと近づいていった。

上条「インデックス! どうしていきなり、しかもこんな形で俺たちを襲うんだ!?」

上条は右手を強く握り締めて、インデックスに尋ねる。上条の中のインデックスが、ゲームに入る前と後で一致していないような気する。
元々はこのようなことをする性格じゃなかったはずだ。

イン「ごめんとうま。それはいえない。大人しく負けを認めて欲しいんだよ……」

しかし、上条の問いかけをインデックスは拒絶した。どんな理由があるのだろうか?
彼女はうつむいて、こう続けた。

イン「これはね。私たちの『ゲーム』じゃないんだよ……」

ぽつり、とインデックスが口にする。しかし、上条には、彼女が言っている意味が理解できない。


なぜインデックスが、はっきりと理由をいえないのか上条は分からない。
しかし、これ以上うつむいたままの彼女を見たいとは思わなかった。
周りの人まで元気にさせるような少女は、いつもにまして小さく見えた。
彼女の言葉が続く。

イン「――タブンこれ以上は言えないんだよ……。それに後ろに気をつけた方がいいかも。バーサーカーの特殊スキルは『身体能力の向上』なんだよ」

上条が振り向いた瞬間――


アックア「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」


――そこには鬼神がいた。
79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 18:51:00.70 ID:AWGv/vEk0
神裂(さすがに学園都市で戦ったときほどの力は感じません! 力はまだ全快ではないのしょう!)

そう感じながら神裂が戦っていると、後ろの方にいた御坂がアックアに向けて電撃を放った。
アックアは電撃が放たれる前に、とっさにメイスを構え、それで電撃を受け流したがレベル5の電撃は効いたらしい。一瞬だけ動きが止まる。
しかし、神裂は単なるチャンスと受け止めることはできなかった。アックアの殺気の対象が自分から離れる。

神裂(まずい! 攻撃の狙いが、彼女たちの方まで広がってしまうと守りきれません!)

アックアは、いままでより強い力での横薙ぎを神裂にふるった。
彼女は攻撃を受け止めはしたが、少し吹き飛ばされてしまった。その隙を見逃すはずもなく、アックアは神裂の後ろにいた御坂と白井の方へと向かっていく。

アックア「さすが学園都市の誇るレベル5のことだけはある。しかしこれでッ!」

ビュンと風を切るような音がしたかと思うと、アックアは二人の目の前に立っていた。
そしてそのメイスが地面に向けて振り下ろされる。普通の人間がまともに受けたら、粉々になってしまうような一撃だった。
グシャアアアと、地面ごと叩きつける音があたり一面に広がってゆく。しかし、アックアは怪訝な顔をする。手ごたえがまったくない。

白井「後ろですのよ」

そう声が聞こえた瞬間、アックアの体に直接電撃が打ちこまれた。さすがにこれは効いたのか、彼は膝をつく。
振り返ると、御坂の後ろには黒子がぴったりとくっついていた。アックアが動いたのに反応してテレポートし、元々アックアのいた地点に飛んだのである。

アックア「ぐうッ、そっちの女はテレポーターか。実際に見るのは初めてである」

回避には成功したが、白井はこの方法が何回も通用するとは考えていない。彼女のテレポート可能な範囲は八〇m前後。
相手にしてみれば1秒かかるかどうかという距離だろう。テレポート先がアックアの攻撃範囲の五mに入っていたらアウトなのである。

白井「あら、そうですの?人間離れの動きにびっくりはしましたが、これくらいは戦えますのよ」

しかし、白井はそんなことを顔にだすことはしない。この辺は、風紀委員として場数を踏んでいるからこその賜物だろう。
アックアは、少しだけ怪訝な表情を見せはしたが、白井たちに対して難敵だという認識は持たなかった。
それもそのはずである。神裂がなんとかアックアの攻撃を耐えられていたのも、手加減をされていたのだから。

アックア「では、もう少々本気を出させてもらう――」

神裂はその言葉に反応し、御坂たちの前で構えを取る。
そしてアックアは、メイスを取る手を握り締め――

アックア「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」

――全力を出したのである。
80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/28(金) 18:55:14.49 ID:AWGv/vEk0
アックアが叫んだと思った瞬間、さきほどとは比較にならないほど強烈な横薙ぎによる攻撃が、神裂の体に襲いかかってきた。

神裂「ぐうううううううううううううっ!」

なんとか反応するのが精一杯で、体とメイスの間に七天七刀を挟み、攻撃の威力を殺し致命傷自体はさけられた。
だが、ものすごいスピードで、上条のいる方向へと吹き飛ばされてしまう。

それほどの威力の込められた一撃だった。

上条「くそおおおおおおおおおおおおお、神裂!!」

そう叫ぶと、上条は壁へと吹き飛ぶ神裂を受け止めようとして、その足を踏み出した。
考えて反応できる速さではない。彼の体が勝手に動いたのだ。

御坂「ちょ!アンタ何を」

上条「がァあああああッ!!」

当然、その威力を止められるはずもなく、二人ともすごい音をたてて壁に激突してしまう。気絶しているかもしれない。
これで戦えるのは、御坂と白井だけになってしまった。

御坂(なんとか時間をかせがないと! きたないけど、直接銀髪シスターを狙えば、バーサーカーも何らかの行動をするはず!)

白井(了解ですの。さすがに正面から対抗できませんわ!)

それを実行しようとした瞬間、白いシスターがバーサーカーに対してこう言った。

イン「バーサーカー。そこまででいいんだよ」

御坂と白井が気づいたときには、目の前にいたバーサーカーが、インデックスの後ろにいた。

イン「別に私は戦いたいわけじゃないんだよ、短髪。とうまが起きたら降参してれるように言ってくれないかな?」

インデックスは、そんなことを御坂に対して言った。御坂と白井の背中に冷たい汗が流れ落ちる。

御坂「なん…」

理由を聞く前に、インデックスはバーサーカーと共に視界から消え去っていた。
明確な危機が去ったことで、緊張の糸が切れた白井は腰を落とし、息をついた。
しかし、御坂がそこで感じたのは、危機から逃れることができたという安心感ではなく、一つの疑問だった。

御坂(なんだか悲しそうな目をしてた……?)



94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 00:35:48.65 ID:SCVGoTfW0
翌朝
―衛宮家―
上条(ここは……?)

神裂「おはようございます。もう少し横になっていたほうがよろしいのでは?」

上条「痛ッ……! あれ? いつもの病院じゃない?」

上条(たしか神裂をかばって……)

上条「そうだ! インデックスはどうした!?」

御坂「自分の前に、あの子の心配なのね。あの子なら『降参してね』なーんていってどっかいっちゃったわよ」

上条「御坂? いたのか……」

御坂「『いたのか』ですって!? 誰が手当てしたと思ってんのよ!?」

上条「え? この包帯は御坂が?」

白井「最初は神裂さんがやっていたのですけど、あまりにぶっきらぼうでしたのでお姉様が」

白井(お姉様に包帯をまいてもらえるなんて……。お姉様もお姉様ですわ。自分が包帯を巻く!なんて顔を真っ赤にしてしまいまして)イライラ

神裂(細かい作業は苦手です……)


95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 00:37:49.71 ID:SCVGoTfW0
御坂「まあ、軽い打撲みたいだし、すぐに動けるようになるでしょうよ。アンタ、あれだけ強く打ち付けられて、軽い打撲だけってどんな体してんのよ」

上条「そうだ! 神裂はケガとかしなかったのか!? ッ――」

神裂「あまり大きな声を出さないほうが……。私は肋骨を何本か。が、もう治ったようです」

上条・御坂・白井「ええ!?」

上条「聖人ってそこまで治癒能力高いのかよ! 骨折が全治数時間ってどういうことだ!?」

神裂「いえ、聖人といっても回復能力は一般人とそこまで変わりありません。どうやらこれは、セイバーとしての特殊スキルのようですね」

白井「ということは、上条さんは骨折り損でしたわね」

上条「不幸だ……」

神裂(いえ、行動自体には感謝を……。って、上条当麻にまた貸しを作ってしまいました!!)///

御坂(でも、そんなところが……)///

白井「」


96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 00:38:23.63 ID:SCVGoTfW0
上条「それにしても、あの時のインデックスの様子はおかしかった気がする」

神裂「たしかにそうでしたね」

御坂「たしか前に見たときは、もっと元気――というか生意気だったわね」

白井(何回か会ったはずでしたが、あの子のお腹にこの類人猿が張り付いていたイメージが強すぎて、性格まで思い出せませんの)

神裂「それにアックアの方も妙だった気がします」

上条「そうだったか?」

神裂「ええ。前回対決したときには大量の水を操っていたはずなのですが――」

御坂「そうよ! あの男の能力はなんなのよ!? 肉体強化の能力者かと思ってたけど、水を扱う?」

神裂「――彼はまじゅt 上条「うおおおおおおおおおおおお」

上条(神裂さん! 一応ライバルなんだしあんまり情報を与えすぎないようにしたほうがいいのでは!? それに魔術師とか理解させにくいです!!)

神裂(それもそうですね)

神裂「……実は、彼は私と同じサイヤ人の能力者なのです」

上条・御坂・白井「え?」
97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 00:39:20.45 ID:SCVGoTfW0
上条(神裂さん、さすがにその言い訳はどうなんでしょうか!? 上条さんは、神裂さんがそんなユーモア溢れる言い訳をすることに驚きなのですが!?)

神裂(いえ、聖人や魔術師というよりも分かりやすいと思いますが?)

御坂「私――ビックリだわ! まさか女のサイヤ人の生き残りがいたなんて! 色紙どこかにないの!?」

上条(ええー!? なんか食いついてきたんですけど!?)

白井「……サイヤ人が何かは存じませんが、あんな動きを人間ができるはずがないですの」

御坂「魔貫光殺砲と私の全力の超電磁砲どっちが強いかしら……?」

神裂「正確には、サイヤ人のような人間といったところです」

神裂(しかし、アックアは魔術を使えないかもしれないというのは有益な情報です)

上条(あくまで可能性にしておいた方がいいけどな。魔術を使えるという前提で、戦いに挑んだ方がいいだろう)

神裂(それもそうですね)
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 00:40:18.86 ID:SCVGoTfW0
御坂「それで? これからアンタたちはどうするのかしら? リタイアするなら止めはしないけどさ……」

白井(気になってるけど、気にしてないフリをするお姉様……カワイイですの! この類人猿に向けられているというのは非常に気に食わないですけど)

上条「――俺はこのゲームをリタイアしない」

白井「あら? それは意外ですわね。てっきり、『こんな仲間同士で争うゲームはごめんだ!』 とでもいうのではないか、と期待していましたのですけど?」

上条「仲間で争うのはいやだけどな。かといって、仲間同士で戦い合うのを見てろっていうのもな」

上条(どの程度の願いというものが叶うのかは分からないけど、もし、俺のなくしてしまった記憶が取り戻せるなら……)

神裂「かといって、どうするのです? 私もあなたも殺しは『しない』ではなく、『できない』人間だと思うのですが」

上条「教会であの理事長が言ってたろ。戦闘不能にすればいいってさ」

御坂「そりゃ、たしかにいってたけど。どの程度ぼこぼこにすれば戦闘不能扱いになるかもわからないわよ?」

上条「マスターを狙う。マスターの証しである令呪を潰せば、戦闘不能と判断されるかもしれない」

神裂「あなたの右手で打ち消せるともいっていましたか……。フフッ、たしかに私たちらしい戦い方かもしれませんね」

白井「あなたにしかできない方法ですわね」

上条「確証はまだないけどな。動けるようになったら、また教会に行って聞いてくるさ」
99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 00:41:54.79 ID:SCVGoTfW0
御坂「ふう。私たちばっかり情報もらっちゃうのもあれだし、アンタにも私の知ってること少し教えてあげるわ」

上条「いいのか? 敵になるんだぞ?」

御坂「いいわよ。私も知ってることそんなに多くはないけどさ」

御坂(できるだけ楽したいし、コイツに消えてもらってもつまらないしね!)

上条「それでも助かるよ」

御坂「あのシスターは、森の中のアインツベルン城にいると思う」

上条「城? なんでそんなこと――」

御坂「あくまでゲームの通りなら、だけどね。そしてランサーのマスターはサーヴァントを2体持ってるわね」

御坂「可能性は低いけど、アサシンのマスターはキャスターの可能性もあるわ」

御坂(たしかアサシンはキャスターの宝具で無理やりに召喚してたはずだから、別にマスターがいる可能性の方が高いとは思うんだけど)

白井「そこまで教えなくともよろしいですのに……」

神裂「我々は、これからどうしましょう?」

上条「しばらくは保留……だな。まだ、アックアに勝つ方法も思いつかないし。とにかく他のマスターの情報を集めよう」


100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 00:45:53.06 ID:SCVGoTfW0
―某所―
土御門「カミやんがケガしたらしい」

???「あのレベル0のことかァ? ンなことしったことじゃねェ。もっとましなニュースはねェンかよ」

土御門「でも気になってるんじゃないのかにゃー?」

???「……くだらねェ」

???「御坂さんのほうは大丈夫でしたか?」

土御門「カミやんとねーちんだけで、相手が引き返したみたいだ」

???「それはよかったです」

???「で? 俺たちのターゲットは誰にするか決めてンのか?」

土御門「お前が倒される危険性があって、負傷しているカミやんから叩くのが上策だと思うんだが……」

???「ケガなんざしてなくても俺なら問題ねェよ」

???「何か気になることでもあるんですか?」

土御門(アレイスターの言ってた『ハンデ』ってのが気になる。特に体には異常ないしにゃー。サーヴァント2体で令呪が3個ってことくらいしか……)



120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:20:11.38 ID:SCVGoTfW0
―玄関―
白井「さーさ、お姉様ぁ~。帰りますわよ~」

御坂「わかってるって。そう急かさないでよ!」

上条「御坂~、白井~。まじでサンキューな」

神裂「この先、直接戦うことがなければいいですね」

御坂「そうねじゃあまた――」

姫神「おはよ――」ガラ

上条「あれ、秋沙――ってなんでしょうか!? この刺さるような視線は!?」

神裂(また、女の子ですか……。)
御坂(これが桜? 地味過ぎないかしら?)
白井(これはまた地味な女が増えましたの)
姫神(一晩で3人……!?)
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:21:28.50 ID:SCVGoTfW0
黄泉川「どうしたじゃん?玄関で立ち止まったりして――ってとうま、何人連れこんでるんじゃん」

上条「ええ!そう取るの!?」

御坂「ち、違――」///

神裂(どんどん増えますね。一体何人でてくるというのでしょうか……?)

黄泉川「冗談じゃん。うちのクラスの御坂と――」

白井「お姉様のパートナーの白井黒子ですの」

神裂「私は、神裂火織というものです」

姫神「神裂さんは、この人とどんな関係?」

神裂「そ、その……私は、彼の……」

神裂(ど、どうしましょう!? なんとごまかせばいいのでしょうか!?)

神裂「め……」

一同「め?」


神裂「メイドです」


一同「」
122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:22:12.32 ID:SCVGoTfW0
御坂(たしかに初めて見たとき、羽の生えたメイド服みたいの着てたかも!? ってことは本当に?!)

姫神(シスター、巫女……ついにはメイドですって!?)

黄泉川(恥ずかしがり過ぎじゃん? まだ新米じゃんよ)

白井(先ほどといい、ずいぶんとおもしろい方ですのね)

上条「ええッー!! 神裂さん、そんなキャラクターでしたっけー!?」

神裂(他にどう言えというのですか!! とっさに思いつかなかったのですから仕方ないでしょう)

上条(そりゃ、上条さんは全然構いませんけども!! でも、これはアナタの問題なんじゃ!?)

黄泉川「メイド? その割にはだいぶエロい格好じゃんか?」

神裂「あのさらにエロいメイド服を着ろ……というのでしょうか? ご、ご主人様……?」ギロリ

上条「い、いやー。好きな格好でいいんじゃないでせうか?」

上条(いや、待て、上条当麻。ここで押せば、常にあの格好の神裂を見られるんじゃないか!? よ、よーし)
123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:22:43.49 ID:SCVGoTfW0
ピンポーン

男「宅配便でーす」コソコソ

上条「え? な、なにこんな時間に? ん!? メイド服数点!?」

男「ここにサインか判子ををくださいにゃー」

神裂「ちょっと待ちなさい、土御門……」ゴゴゴゴ

土御門「ちょ、ちょっと、カミやん、このメイドを何とかして欲しいにゃー」ププッ

上条「よかったじゃないか。あの恥ずかしいメイド服じゃなくなるぞ!」

神裂「そ、そういう問題では!? だいたい中身は……」ゴソゴソ

・堕天使メイド服
・堕天使エロメイド服
・大妖精チラメイド服
・小悪魔ベタメイド服
・女神様ゴスメイド服

神裂「」

土御門「おじゃましましたー」

黄泉川「と、とうま? これはさすがにやりすぎじゃん?」

服装は変わりませんでした。
124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:23:52.47 ID:SCVGoTfW0
御坂「ア、アンタってやつは!?」ビリビリ

上条「う、うわーっ!? なんで御坂さんが怒ってるんでしょうか!?」

御坂「うっさいわね! アンタ今日の放課後、教会に行くのよね? その前に勝負しなさい! 勝負!!」

上条「なんでそんなことしなくちゃいけないんだよ! それとも何か? また負けたいんですか~?」

御坂「んなワケないでしょ!! それにこれはゲームなんだから! 戦う理由なんてそれで十分でしょうが!!」バチン

神裂「……仕方がありませんね。それで、場所はどこにしましょう?」

御坂「悪いけど、コイツと2人で勝負がしたいの。いいわよね? 黒子も邪魔すんじゃないわよ?」

白井「わ、わかりましたの……」

白井(こっそりついていけば、ばれませんわよね?)

神裂(いつも勝っているなら大丈夫でしょうか?)

上条「え? なに? やる流れなの?」

御坂「場所は学校で言うから首洗って待ってなさい!!」タタタ

白井「え? あ、お姉様、待ってくださいですの!!」シュン

黄泉川「朝っぱらから元気いいじゃん」

姫神(ものすごい置いてきぼり……)
125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:25:15.59 ID:SCVGoTfW0
―居間―
姫神「待ってて、すぐ朝ごはんの準備するから」

黄泉川「これは……窓ガラスが割れてるじゃんよ。あの子たちとケンカでもしたじゃん?」

上条「えーと、まあそんなところです」

上条(魔術師に襲われたっていってもなー)

黄泉川「で、こっちの神裂さんは、いつまでいる予定じゃん?」

神裂「その……しばらくはここでお世話になろうかと」

黄泉川「泊まりがけでご奉仕じゃん!? とうま、間違いは起こすなよ! そうなったらめんどくさいじゃん」

姫神「さすがに泊まりでっていうのは……」

神裂「だめでしょうか……、ご、ご主人様?」

上条「いや、部屋余ってるんだし構いませんけども、そのご主人様っていうのやめてもらえませんかね!?」

上条(その言葉がでるたびに、みんなの視線が痛すぎるんで!)

神裂「そうですか。ありがとうございます、当麻」

姫神「せ、先生。問題が起こったら先生の責任になるんだよ……?」

神裂「問題ないです。私は当麻に使える身ですから。当麻を信じられないというなら話は別ですが」

黄泉川「だ、そうよ?」

姫神「……あんまり信用はできないかも」

上条「そ、そんなことはありませんよ! 上条さんは紳士な男ですから!!」

神裂(自分で言っておいてアレですが、大丈夫でしょうか……)
126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:28:54.33 ID:SCVGoTfW0
朝食後
―玄関―
上条「ちょっと神裂と相談したいことあるから、2人は先に学校行っててくれよ」

姫神「……わかった。お弁当はここに置いておくから」

黄泉川「遅刻はダメじゃんよ~」ガラ

上条「わかったよ。また学校で」

学校へ行く姫神と黄泉川

神裂「それで、相談とはなんでしょうか?」

上条「うん。お前はこれからどうする? 他のマスターに攻撃されるかもしれないし、学校についてくるか?」

神裂「それは目立ってしまうのではないでしょうか?」

上条「? 霊体化すれば問題ないだろ?」

神裂「それはやめておいた方がいいと思いますが」

上条「なんでだよ? 霊体化になんか問題でもあったのか?」

神裂「そうではなく、その右手です。マスターに触れられてゲームオーバーは、さすがに避けたいですので」

上条「そんなに近くにいなくていいだろ」

神裂「しかし……あなたの周囲にいると何が起こるかわかりません」

上条「ん?」

神裂「なにかの拍子に、いきなり私の方に飛んできそうな気がします」

上条「まさか――」

――今までの経験をフラッシュバック中――

上条「が、起こるかもしれないですね……」

教室に入るのは問題なので、屋上で見張ることにしたようです。
127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 12:30:54.49 ID:SCVGoTfW0
―校門―
土御門「にゃー。カミやん、おはようだぜい」

青ピ「今日は女の子と一緒じゃあらへんのな~」

土御門(昨日、3人家に連れ込んでたけどにゃー)

上条「土御門、お前! 朝はよくも!! おかげで大変だったんだぞ!?」

土御門「お、おちつくぜよ。俺はカミやんのことを思ってだなー」

青ピ「ん?カミやん、朝なにかあったん?」

上条「……きょ、今日のところは見逃してやる」

土御門(それにしてもおもしろかったんだにゃー)

上条「ってか、なんでお前はあんなにいいタイミングで入ってきたんだ!? しかも、あれは常に持ち歩いてるの!?」

土御門(おもしろくなりそうだったから外で待機してたんだぜい。知り合いの魔術師に盗聴魔術を借りてにゃー)ボソボソ

上条「そういえば、前の堕天使エロメイドもお前の差し金だったな……」

土御門(本当は近くで聞いてたんだけど、まさか最初のターゲットがカミやんだとも言えないしにゃー)

青ピ「これが放置プレイってやつですか!?」
132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:07:01.08 ID:SCVGoTfW0
―教室―
上条「お! おはよう御坂」

御坂「……アンタ随分お気楽ね? 今朝の話覚えてるのかしら?」

上条「勝負ってやつだろ? それならいつもと同じじゃねーか」

御坂「たしかにそうかもしれないけど!!」

上条「え? 違った?」

御坂「……まあ、いいわ。その口を黙らせてあげる。場所は、人気の少なそうな――そうね、教会に行くんだから教会前でどうかしら?」

上条「教会前ね。時間はどうする?」

御坂「時間の心配はいらないわ。放課後アンタと一緒にそこまで行くから」

御坂(時間で待ち合わせにすると、コイツは遅れてくる気がするのよねー)

上条「ええっ!! マジですか……」

御坂「アンタ……。もしかして逃げる気だったのかしら?」ビリッ


土御門(教会前ね。見に行くとしますか)

姫神(同じ教室なのにこの存在感の薄さ……)
133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:07:29.04 ID:SCVGoTfW0
―屋上―
神裂(ここからなら、ある程度周囲を見渡せるようですね。地理は早めに覚えたほうがいいでしょう)

白井「あら? 反応があったので調べていましたら、あなたでしたのね」

神裂「昨晩は助かりました」

白井「いえ、あちらが見逃したのですわよ……」

白井(いまだに、あのバーサーカーと神裂さんへの対応策が思いつきませんの)

白井「神裂さんは、今日の放課後どうするつもりですの?」

神裂「今朝、上条当麻と2人で話し合ったのですが、やるなら1対1で決着をつけると言われましてね」

白井「離れたところから見ているだけですの?」

神裂「いえ、『白井がちょっかいを出さないように見張っていてくれ、屋上にいれば現れるだろ』と」

白井(あの類人猿に行動を読まれてしまいましたの……)
134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:09:36.25 ID:SCVGoTfW0
―放課後―
キーンコンカーンコーン
上条「よし。帰るか!!」

御坂「アンタ……。本気で言ってるの?」バチン

上条「やだなー。冗談にきまってるじゃないですか」ダラダラ

黄泉川「上条は今日も補習じゃん」

上条「え!?」

御坂「黄泉川先生。それは早めにいってもらえませんでしたか……? 今朝、話してるときいましたよね?」

黄泉川「冗談じゃん。あんまり遅くならないように帰るように」

御坂「わかりました。さ、行くわよ!」

上条「冗談でしたか!? でも素直に喜べないのはなんででしょうかね……」

黄泉川「明日補習があるのは、冗談じゃないじゃん」

上条「」
135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:10:57.39 ID:SCVGoTfW0
―教会前―
御坂「逃げずによく来たわね!今日こそアンタと決着つけてやるわ。覚悟はいいかしら?」

上条「いやいや、お前が引っ張ってきたんだろ……」

御坂「ノリ悪いわね。それじゃ、はじめましょうか!」

御坂(あの神裂って人とコンビ組まれるよりは、まだ勝てる可能性あるわよね)ビリッ

上条「くっ」キュイーン

上条(やっぱり、右手で令呪を消す方法で勝つのがいいか。さすがに殴れないよな)

御坂「行くわよ!!」

御坂(今までただ連敗してた、ってわけじゃないんだから! 今までアイツに攻撃があたったのはあの鉄橋での電撃と――)

御坂(――大覇星祭のときのパンチ! つまり電撃がまったく効かないわけじゃない。電撃を使った近接戦闘なら勝機があるはず!)タタタ
136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:11:35.65 ID:SCVGoTfW0
上条(御坂から近づいてきた!?)

御坂「くらいなさい!!」ブン

上条「これくらい!」スッ

御坂「避けられることくらいわかってるのよ!」バチン

上条「うおおおおおおおおおッ」キュイーン

上条(あっぶねえええええええ。コ、コンボか? パンチより電撃に気をつけないとまずい!)

御坂(アイツの能力は右手だけ! 常に帯電しておいて右手だけ注意すれば大丈夫!!)バチンバチン

上条「み、御坂さん? この距離の戦闘で、それだけ帯電されると非常に怖いのですが……」

御坂「うっさいわね! アンタはだまってくらってその辺に転がってればいいのよ!」ビュン

上条「それをしたら上条さんは死にますけどね!」サッ

御坂(いい感じだわ! 今日こそこいつに勝てるかも!)ビリビリ

上条「くっ」キュイーン

御坂「いつまでそうやって避けていられるかしら!!」バチン

御坂(今日こそ勝って、コイツに悩まされる日々から解放されるんだから!!)
137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:12:47.09 ID:SCVGoTfW0
上条(パンチを右手で受けてめれば勝てるだろうけど。ここら辺でうまくやられておいた方が、あとで絡まれなくていいかもしれねーよな)

上条(電気はあぶないから、適当なところでグーをくらって倒れるか。お嬢さまのパンチだし威力もそんなにないだろ)

バチン キュイーン ブン サッ バチバチ キュイーン ブン

上条(そろそろいいか?)スッ

御坂(チャンス!! くらえええええ!!)ビュン

御坂(あれ……!? もしかしてここで勝っちゃったら、こいつとの関係もここで終わり!?)ピタッ


上条「ぐわあああああああああああ」ドサッ


御坂「……」


138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:15:06.65 ID:SCVGoTfW0
上条「あの……なんでパンチをとめたんでせうか?」


御坂「あ・ん・た・は!! 私をおちょくってたのかあああああああああああああああ!!!」バリバリ


上条「やめろおおおおおおおおおおおお」キュイーン

御坂「なんで本気でやんないのよ!!」

上条「むしろ、どう考えて、『路地裏でケンカしっぱなしの男子高校生』に、『女子中学生のお嬢さま』が殴り合いのケンカで勝てると思ったか、俺が聞きたい!!」

上条(最近はケンカだけじゃなくて、いろいろ経験してるから反応速度とか体の耐久性まであがってますけどね!!)

御坂「ぐっ―――、はぁ……。まあいいわ」

上条「え?」


御坂「引き分けってことで」


上条「どんな判断だ」
139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:24:14.13 ID:SCVGoTfW0
御坂「で? 教会に用事があるんだっけ?」

上条「そうだけど?」

御坂「今朝言ってた令呪を消した場合のことを聞くのかしら?」

上条「それもあるが……」

御坂「他にもなにかあるワケ? わたしも聞きたいことあるしついでに行っていいかしら?」

御坂(特に聞きたいことがあるワケじゃないけど、こいつがなに聞くか知っておいて損はないでしょ)

上条(御坂は俺の記憶喪失を知ってるんだったよな……)

上条「ああ、構わない」

ギギギ

―教会―
アレイスター「幻想殺しに、超電磁砲かね?」

上条「ああ。――御坂、俺が先でいいか?」

御坂「いいわよ」

上条「いくつか確認したいことがある。まず聞きたいのは『勝者の報酬』について」

御坂(令呪のことじゃないの!?)


上条「それは失った記憶も取り戻すことはできるのか?」


御坂「!?」

140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:25:55.08 ID:SCVGoTfW0
アレイスター「ふむ……。可能だ」

上条「いったいどうやって!?」

アレイスター「私は人間の観察が趣味でね」

上条「観察……?」

アレイスター「君は学園都市でも稀な能力を持っていた。だから、君が学園都市に来てから今まで、よく観察させてもらったよ」

上条「あんまり趣味がいいとはいえないんじゃないか?」

アレイスター「しかし、君にとっては好都合だろう。学園都市に来てからという条件はつくが、情報を君に与えることは可能だ」

アレイスター「学習装置(テスタメント)で、私の知っている情報を『直接』君の脳に入れる。もちろん主観情報ではなく、客観的な情報になってしまうがね」

上条「……」


アレイスター「どうする、幻想殺しの少年? 君はそれでもこのゲームを続けるかね?」


141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:26:37.01 ID:SCVGoTfW0
上条「1つ聞かせてくれ。インデックスが、なぜ俺なんかと一緒にいるかも知っているのか?」


アレイスター「君が学園都市に来たのは、まだ小さいころ。彼女に会ったのは数ヶ月前だ」


上条「そうか……」


上条は、昨晩のうつむいているインデックスの顔を頭に浮かべた。


上条「たしかに、その方法じゃ記憶を失う前の『俺』が何を思っていたのかは分からないんだろうな――」


あんな顔をさせてしまったのはどこの誰だろうか? もしかして、自分なのだろうか? そうではないのかもしれない。


だが、これからも彼女にそうさせないという保障もない。


上条「――でも、そのことを俺が知っていれば、少しは、インデックスを悲しませたりしないで済むかもしれない!」


自分が傷ついても、彼女の笑顔が守れるならいい、そう思った。



上条「だから――俺はゲームに勝ち残る」



そう少年は決意した。


142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:46:27.91 ID:SCVGoTfW0
―幕間―
姫神秋沙は、商店街に夕飯の買出しに来ていた。

姫神(今日の夕飯は何にしよう? 昨日は肉じゃがにコロッケとポテトサラダだったから――)

姫神(――今日はから揚げ……。それとも、昨日のじゃがいものあまりでグラタンにでもしようかな)

そんなことを考えていたとき、男から声をかけられた。

???「失礼、お嬢さん。この男を知らないかな?」

声をかけてきたのは、高校生だろうか? 身長180センチほどの茶髪の男だった。

彼の手には、写真が一枚あり、白い髪で赤い目の男と小さな少女が写っている。

姫神「いえ、知りませんが」

そう答えると、彼は「ありがとう」とお礼をいって立ち去っていった。

姫神(なんだったんだろう、あの人……)

しかし、彼女は買い物をしなければならないことを思い出し、目的の店へと入っていく――
143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:50:43.51 ID:SCVGoTfW0
―教会―
アレイスター「さて、他に質問はあるかね?」

上条「……他のマスターの令呪を俺の右手で消したときの扱いを聞きたい」

アレイスター「令呪はマスターの証し。それをなくしてしまったら、プレイヤーは『マスター』から『モブ』へとなる」

上条「つまり、この方法でも『戦闘不能』扱いになるんだな」

アレイスター「そう考えてもらって構わない」

上条「そうか。俺が聞きたいことはこれだけだ。―――御坂、お前も……、御坂?」

御坂「…………」

上条「おい、御坂?」

御坂「……え? あ、な、なんでもない!」

上条「?」


御坂(そんなの聞いちゃったら――)

144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:52:35.75 ID:SCVGoTfW0
―帰り道―
御坂「…………」

上条(結局、御坂さんはあれからずっと黙りっぱなしですか……もしかして、何かしてしまいましたかね?)

上条「御坂……?」

御坂「…………」

上条(やっぱり、わざと負けたのがよくなかったんだしょうか!?)

上条がびくびくしていると、前方から神裂と白井が近づいてきた。

神裂「終わりましたか……? 頃合いだと思い、迎えにきたのですが。勝負はどうなりました?」

白井「お、お姉様? ……あなた、お姉様に何かしましたの?」チャキ

上条「い、いやー。結局、引き分けになっちゃいましてね~」

御坂「…………」

白井「お姉様? 大丈夫ですの?」

御坂「……あ、黒子。だっ、大丈夫よ! 勝負も引き分けだったし!」

白井「そうですの? それにしてはだいぶ元気がないようですか?」

御坂「そんなワケないでしょ~! 私はいつも通りよ!」

白井(これは……カラ元気ですわね。一体何があったといいますの? ま、 まさかこの類人猿が……?)ワナワナ

上条「し、白井さん? なぜそんなににらむのでしょうか?」
145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 18:53:02.44 ID:SCVGoTfW0
御坂「まあ、しばらくは停戦ってことでどうかしら? 最後の2人になったら戦う、みたいの燃えるじゃない?」

上条「え? たしかにそれは燃える展開だけど、お前はそれでいいのかよ?」

御坂「いいわよ。それに今日の勝負も負けたようなものなんだし」

神裂「そうですか。では今後は、他のマスターたちの情報交換などしませんか?」

白井「たしかに。最後に戦うつもりでしたら、他のマスターたちはお邪魔虫ですわね」

御坂「じゃあ、情報交換は学校でしましょうか? あそこなら大丈夫でしょ」

上条「わかった。最後までやられるなよな!」

御坂「それはこっちのセリフよ!」

御坂(最後まで勝ち残る! そしたら――)



しかし、この約束が果たされることはなかった。


147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/29(土) 19:13:30.68 ID:SCVGoTfW0
―幕間2―
―とあるファミレス―
???「やっかいなゲームにまきこまれたもんよね。たしかに『願い』が叶う、なんて魅力的ではあるけどさ」

???「ここのところ超ヒマでしたから、ちょうどいいゲームじゃないでしょうか」

麦野「たしかに、ヒマだったけどさー。このゲームにあとは誰が参加してるわけ?」

絹旗「たまたま、見つけられたからよかったようなものですけどね。浜面、超さっさとおかわりもってきてください!」

浜面「俺かよ……。ま、いいけどよ。で、何か作戦とかあるのかよ」

麦野「それをこれから考えるんじゃないの。ちょっとは頭使いなさいよね」

絹旗「まったくです。これだから浜面は超浜面なんです」

浜面(俺の癒しの滝壺さんはどこ!? 俺すごく泣きそう!!)
159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 12:14:01.32 ID:IjP/90MH0
―衛宮家 居間―
神裂「――やはり、そうですか」

上条は神裂に今日の勝負の流れを話し、令呪を打ち消した場合のことを伝えた。

上条「ああ。これで、俺たちの戦い方は決まりだな」

神裂「了解しました。それで――」


『おじゃまします』
『とうま、きたじゃんよ!』


神裂「どうやら2人が来たようですね」

上条「ん? もうこんな時間か。夕飯の準備をしなくちゃな」

ガラ

姫神「こんばんは、上条くん、神裂さん」

上条「おう、秋沙。手伝うぞ! 今日は何にするんだ?」

姫神「今日はからあげに里芋の煮物、中華スープにしようと思う」

黄泉川「秋沙はレパートリーが豊富じゃん。これならもうお嫁にいっても問題ないじゃんよ」

姫神「///」
160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 12:14:33.65 ID:IjP/90MH0
上条「お、里芋の煮物なら上条さんにもできますよ。からあげとスープは秋沙に任せる」

黄泉川「メイドの神裂さんは、料理どうじゃん……?」

神裂「あ、いえ、簡単な和食や携帯食などは作れますが、それほど得意では……」

黄泉川「じゃじゃーん。そんな方にオススメなのがこれじゃん」

上条「何か持ってると思ってたら……炊飯器? ってなんで4つも!?」

黄泉川「これがあればなんでもできるじゃんよ。蒸す、煮る、焼く、炊くがボタン1つじゃん」

姫神「それは料理じゃないよ、先生」
161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 12:15:07.90 ID:IjP/90MH0
黄泉川「うちの居候たちにも、同じこと言われたことあるけどさ、便利じゃん?」

姫神「料理に必要なのは、『愛情』」

神裂(なるほど、勉強になります。私も多少料理の勉強もした方がいいのでしょうか?)

上条「うちのシスターさんはそんな愛情ごと食べてしまいますよ……」

黄泉川「秋沙も結構クサイこというじゃん!」

姫神「そういわれると照れる」///

上条「じゃあ、ビシッ!と作って食っちゃおうぜ!」

姫神「うん!」
162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 12:15:46.56 ID:IjP/90MH0
―幕間3―
小萌「結標ちゃん、そこの野菜は乱切りにするのですよ」

結標「ねえ、小萌? なにも、ここでまで練習することないんじゃないかしら?」

小萌「そんなことはありません。どこでも学ぶことは必要なのですよ」

結標「まったく、なんでこんなことを……」

小萌「うちの出来の悪い生徒さんにも、補習課題を出しましたから結標ちゃんにだけ甘くするわけにはいきません」

結標(ここで補習とか考えたくないわね)

小萌「わかったらさっさと続きをするのです。先生はもうお腹ぺこぺこなのですよ」

結標「わかったってば、そう急かさないでよ」

夜は更けていく。
173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 17:44:39.88 ID:IjP/90MH0

―衛宮家 廊下―
夕食後、黄泉川と姫神を家に帰し、洗い物を終えた後、上条は神裂を探していた。

上条(さっきまで居間にいたと思ったんだけど……。仕方ない、風呂にでも入るか)

部屋にでも行ったのだろうと思い、脱衣所に入ろうとしたとき、神裂を見つけた。
割と、というかほぼ肌色ばかりの状態で。どうやら、これから入ろうとしていたようだ。

神裂「…………また、ですか?」

上条「あ、あれー。神裂さん、こんなところにいらしたんですかー。というか風呂に入るなら、一言いってくれても――」

神裂「なぜ、あなたは謝ったり、後ろを向いたり、扉を閉めたりしないのでしょうか?」

声色だけは冷静な神裂が、七天七刀を手に取る。

上条「――って待ってください! そんなもので殴られたら、死んでしまいます!!」

そんな上条に対して神裂は七天七刀を振り下ろした。割りと思い切り。

―寝室―
上条「はっ!! あ、あれ…? なんで寝てるんだ?」

神裂「目を覚ましましたか。疲れてしまったのでしょう。居間で寝ていましたよ?」

神裂は顔を引きつらせながら、そんなことを言っている。

上条「えっ、そうだったか? 食器を洗い終わって……神裂を探してたような? そこから、先が思い出せない……」

神裂「い、いろいろあって疲れてたんですよ」///

神裂(覚えていなくていろいろ助かりました)

主に上条当麻の命とか。
174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 17:45:53.92 ID:IjP/90MH0
神裂「それで、私を探していた、というのは?」

上条「ああ。今後の方針を確認しておこうと思ってな。マスターの動向を探るにしても、どうやって情報を得るか」

神裂「そうですね……。現在分かっているのは、オリアナ=トムソンがライダーのサーヴァントということと、インデックスたちのことくらいですか」

上条「そういえば神裂は、『土御門に誘われてきた』って言ってたよな? 他に魔術側の人間がどのくらいここに来ているか分かるか?」

神裂「いえ、私は土御門に誘われてきたわけではないです。土御門からステイル宛てに手紙が届きまして、それに同行してきました」

上条「直接ステイルに名指しで? あれ? 昨日は、修行がどう、とか言ってなかったっけか?」

神裂「はあ。それがナントカ空間だとか、ヘッドセットがどうとか、土御門がわけの分からない単語を羅列し始めまして……」

上条「で、最終的に修行ですか……」

上条(説明を諦めたんだな。とにかく付けさせてスイッチオンかよ……)

上条「でもなんだって、ステイルに同行してきたんだ?」

神裂「それが、その手紙に何人か同行者を連れてきても構わない、と書かれていましたので。幸い、現在の世界は比較的安定していますから、私と数名が」

上条「他には誰が一緒についてきたんだ?」

神裂「私と同じ便だったのは、ステイルだけでしたのでわかりません。が、そこまで人数は多くないようです」

神裂「たまたま私は、ステイルと同じ頃に仕事が片付いていましたので、早めに学園都市に」

上条(それなら、ステイルを探すよりも土御門に話をきくべきか……。あいつなら他の参加者のことも知っているだろうしな)
175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 17:47:09.79 ID:IjP/90MH0
上条「じゃあ、まず、土御門に他の参加者の話しを聞いてみよう」

神裂「しかし……」

上条「なにか心配ごとでもあんのか?」
                                   ・・
神裂「これがゲームだとするならば、簡単に教えてくれるものでしょうか? あの土御門が」

上条「……メイド服を着ろ、くらいのことは言うかもしれないな」

神裂「それに、彼も参加者の1人ですので、マスター、あるいはサーヴァントではないとも限りません。危険ではないでしょうか?」

上条「そうかな? まあ、神裂と一緒にいるときに、聞き出せば大丈夫だろ」

神裂「彼の魔法名は、「Fallere825」……背中を刺す刃、という意味だそうです。サーヴァントだとするとアサシンの危険性があります。油断はできません」

上条「奇襲、不意打ちに気をつけろってことか……」

上条「どちらにしろ、他にあてもないんだ。明日、土御門に話しを聞こう」

神裂「そうですね。話を聞きだすタイミングはお任せします」

上条「ああ、わかった」
176: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 17:48:40.84 ID:IjP/90MH0
―衛宮家 道場―
土御門「やっと、腰を据えることができるにゃー」

一方「昨日のきたねェところよりはましだが、何もねェぞ」

海原「あまり大きな音を立ててしまいますと、彼らにばれてしまいますよ」

一方「だからって、電気まで消すのはやりすぎなンじゃねェのか? 銃の調整もできやしねェ」

土御門「そろそろ、カミやんたちが接触してくるころだろう。戦いは明日になるかもしれない」

海原「そうですか。 準備はしておきましょう」

土御門「カミやんは、補習があるとか言ってたからな。早くても夜だろうさ」

一方「なら、銃の手入れは、明日の昼間にやるかァ」

土御門「お前の相手は、拳銃なんかが通用する相手じゃないぞ」

一方「あァ? あいつのサーヴァントの情報があンのか?」

土御門「ねーちんのことならバッチリだぜい。人間離れした動きはするが、刀と鋼糸(ワイヤー)を使うから、一方通行にまかせる」

土御門「反射の効かない特殊な能力も使ってくるかもしれないが、それは、俺と海原がなんとかする。今日は、ムダに能力を使うなよ」

一方「ンなことは、お前なンざに言われるまでもねェよ。まだこっちに来てから使ってねェから、余裕で30分は戦えるはずだァ」

土御門(30分か。さすがのねーちんもそれだけの長い間、こいつから逃げられるわけないだろう)
177: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 17:49:12.49 ID:IjP/90MH0
翌朝
―校門―
上条(土御門に会ったら、どう切り出すかな……)

土御門「おーっす。カミやん、難しい顔して考え事かにゃー?」

青ピ「どーせ、また女の子のこと考えてたん違います?」

上条「ちげーよ! 人を勝手にそんなキャラにすんな!」

青ピ「えー、もともとそんなキャラですやん」

土御門「だにゃー」

上条「――いいぜ、かかってこいよ。その間違った幻想をぶち殺す!!」

青ピ「こちとら、いい加減カミやんのフラグ体質に我慢ならへんのや!!」

土御門「覚悟だにゃー、カミやん!!」

バキィ ドコォ ガツン

黄泉川「お前ら何やってるじゃん!!」

そんないつもの日常。
178: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 17:53:07.07 ID:IjP/90MH0
―教室―
上条(2人とも思い切り殴りやがって……。おかげで土御門に話しを聞けなかった)

ガラッ
黄泉川「それじゃあHR始めるじゃん」

上条(あれ? 今日は御坂は休みか? まあ、ゲームの中だし、出席日数とか関係ないけど)

HR終了後
上条「おい、土御門。聞きたいことあるんだが」

土御門「んん? シスター、巫女、メイドとバニーどれが一番か、とかかにゃー? 俺は断然メイドですたい」

上条「それは議論を交わしたい――って、このゲームについてのだよ!!」

土御門「……別にいいぜよ。おそらく時間がかかるだろうし、放課後でいいか?」

上条「そうだな。そうするか」

黄泉川「上条、補習忘れちゃだめじゃんよ」

上条「そうでした……」

土御門「じゃあ、港なら人もいないだろうし、そこで待ち合わせってことで」

上条「なんで港? 別に学校でもいいんじゃないか? それに何時になるかわからないぞ?」

土御門「学校だとちょっとにゃー。適当に時間潰してるから、灯台のあたりでよろしく」

上条「了解。補習終われば、な」
179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 17:53:45.59 ID:IjP/90MH0
放課後
上条「やっぱり真っ暗になるまで終わらなかった……。くそっ、早く行かないと」

神裂「フフッ、お疲れ様です」

上条「神裂か。白井は屋上に来なかったか?」

神裂「ええ、御坂さんもこの辺りには来ていないようです」

上条「一体どうしたんだ? 確か、学校で情報交換するっていってたのに」

神裂「彼女に何かあったのでしょうか?」

上条「いやいや、そう簡単にやられる奴じゃありませんことよ」

上条と神裂は学校を離れ、大橋をわたった瞬間、新都がなにやら騒がしいことに気づいた。

上条「なんだ? 警官がいっぱいいるみたいだけど」

神裂「大きな事故でも起こったのでしょうか? どうしますか? 調べていきましょうか?」

上条「いや、きっともう終わっているんだ。あとで調べればいい。今は、待たせている土御門に先に会わないとまずいだろ」

神裂「わかりました。あなたの方針に従いましょう」

そうして、2人は港へと向かって走っていく。
202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/30(日) 22:42:56.05 ID:IjP/90MH0
―港―
土御門(よし、これで大体の準備は完了だ)

先に港に来ていた土御門は、その一帯に神裂の使う魔術を封じる細工を施していた。
対魔術師用のキャパシティダウンのようなもの、と考えてもらえれば分かりやすいだろう。
以前使用した『理派四陣』と同じで、土御門が用意し、海原が魔力を通すというわけだ。
この術式では、聖人の力を完全に封じることはできないが、唯閃や通常の魔術は使えなくなるはずだ。

海原『あの聖人の使う魔術にだけ反応する結界だなんて、あなたも器用な真似ができますね』

霊体化した海原が言う。

土御門「なーに、ねーちんのことはよくわかってる。性格、経歴、3サイズ、使える魔術となんでもにゃー」

一方『サーヴァント対策すンのはいいけどよォ。あのレベル0はどうすンだ?』

土御門「カミやんの相手は俺がする。殴り合いじゃ、カミやんは俺に勝てない。銃を使うほどでもないだろうしな」

海原『あの右手に令呪を触れられないように注意してくださいね?』

土御門「大丈夫、カミやんの右手のことくらいわかってる。一方通行、お前はねーちんを頼む」

一方『チッ、分かったよ。それで我慢してやる』

土御門「じゃあ合図をしたら、これに魔力を通して欲しい」

海原『分かりました』

ちょうど打ち合わせが終わったとき、上条たちが港にやってくるのが見えた。
211: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 10:51:07.75 ID:dB5SvMv00
―――
上条「待たせたな、土御門」

土御門「いやいや、ちょうどよかったぜい」

神裂「早速なのですが、いくつか聞きたいことがあるのですがいいでしょうか?」

七天七刀に手をかけたまま神裂が言う。

土御門「ねーちんは、おっかないにゃー。なにをそんなに警戒してるんだ?」

上条「1つはっきりさせておきたい。お前は、『マスター』か『サーヴァント』なのか?」

土御門(思ったより感づくのが早かったな。さてどうするのが一番いいか――)

上条「答えろよ、土御門!!」

土御門(こっちの準備は完了してるし、特に問題は見当たらないな)


土御門「――いいだろう、答えは“Yes”だ」

212: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 10:51:46.46 ID:dB5SvMv00
神裂は刀を構える。

神裂「こんな人気の少ないところを選んだということを、少々気にしていましたがやはりそういうことですか」

土御門「おいおい、怒るのは筋違いだろう。俺がプレーヤーじゃないなんて一言でもいったか?」

神裂「……たしかにその通りではありますね」

上条「でも、お前だけ他の参加者が分かってる、っていうのは不公平なんじゃないのか?」

土御門「いーや、俺が言われて案内したのは、4人だけだからな。他にだれが参加しているか、なんてのは俺も知らない」

上条「でも、俺たちのことは知っていたのに自分のことは黙っていた……。それはどうなんだ? 土御門――」

土御門「だからそう怒るなって、カミやん。今まで聞かれなかったから答えなかっただけで、さっき答えたじゃないか」

そう言うと彼は、令呪のついた右手を上げた。

それを合図に、一方通行が姿を現す。
213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 10:52:54.52 ID:dB5SvMv00
一方「よォ。ひさしぶりじゃねェか。悪ィがオマエらはここでリタイアだ」

上条「一方通行……」

彼とは以前2度戦ったことがあり、共に勝利はしているが、明らかに神裂との相性は悪すぎる。
上条がグーだとしたら、一方通行はチョキ、神裂はパーだろう。あの黒い翼を使われなければ、だが。

上条(神裂、あいつの相手は俺がする。お前は土御門を頼む)

神裂(たしかに貴方では、土御門相手は相性が悪いかもしれませんね)

そういう意味じゃない、と言おうとしたところにさらに声がかかる。

海原「では、僕はどちらの相手をすればよろしいでしょうか?」

土御門の後ろから海原が次いで現れる。

上条「!! お前は……」

海原「お久しぶりです。ちゃんと約束を守ってもらえているようで嬉しいですよ」

上条(土御門が2体のサーヴァントを持っているってのか! どうする!?)
214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 10:53:49.74 ID:dB5SvMv00
土御門「カミやんは俺が抑える。一方通行はねーちんを頼む」

当然そんな打ち合わせは終わっている。神裂を煽るためのセリフだ。

上条「土御門――」

神裂「……土御門。ずいぶんと舐められたものですね。私が彼に1対1で負けるとでも?」

土御門「ねーちんもご愁傷さまだにゃー。――海原の方は、例のやつを頼む」

海原「わかりました。それ以外は、あまり出番がなさそうです」

上条(――ッ。どうする!? このままじゃまずい!!)

一方「ったくよォ。さっさと片付けてお終いにするかァ」カチン

神裂(来ますか――)

一方「ン?」カチカチ

神裂(――ならば先手必勝です!!)

神裂「七閃!!」ギュガ

一方「あれェ……」
215: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 10:54:41.70 ID:dB5SvMv00
神裂「え……?」

ぎりぎりで神裂が異変に気づき、その手を止める。本来能力が発動していれば、何一つ傷がつかないはずの男に7本の鋼糸による切り傷が浮かんだ。

一方「がァッ!」ブシュ

一方(ど、どういうことだ能力が発動しねェぞ!)

土御門(な……、なにが起こっている? ねーちんの使う魔術は封じているっていうのに!?)

神裂(――彼は本当に強いのでしょうか……? 牽制してみましょう)

そういって、神裂は七天七刀を鞘から抜かずに、一方通行へと振り下ろした。

一方(ッざけンな! 能力なしでこんな女に――)

土御門(しまった!!アレイスターの言っていたハンデってのは、俺じゃなく――)


ゴガンという音がしたと思うと、一方通行は地面に倒れ、気絶していた。


一方「…………」ピクピク

上条・神裂「え?」

土御門・海原「」
216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 10:59:34.19 ID:dB5SvMv00
上条たちがバーサーカーに会う前
―アインツベルン城 外―
イン「ここは私にふさわしいところなんだよ!」

アックア「私には外にあった小屋で十分です」

アックアは、そう言うと森の中へと入っていってしまう。

イン「って広すぎても困るよ! ど、どうしよう」

御坂妹「やっときましたか、とミサカはため息をつきつつ答えます」

10039号「お帰りなさいませ、お嬢さま、とミサカは言ってみたかったセリフとともに出迎えます」

イン「あれ? クールビューティーが2人もいる。なんで?」

10039号「どうやらあなたの世話をしろということのようです、とミサカは返答します」

イン「そうじゃなくて、なんでクールビューティーが2人もいるの? これがブンシンってやつかな?」

御坂妹「いえ、それは私たちが姉妹だからですよ、とミサカは適当にはぐらかします」

イン「あの短髪の?」

10039号「そういうことになります、とミサカは自慢げに答えます」
217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 11:00:10.94 ID:dB5SvMv00
イン「ちょっと見分けが難しいかも。何人姉妹なのかな?」

御坂妹「現在は1万人くらいです、とミサカは大雑把な人数を答えます」

10039号「しかし、ここには学園都市にいた妹達(シスターズ)の4人しかいないようです、とミサカは補足説明します」

イン「ど、どういうこと??? お城の中にまだいるの?」

御坂妹「中に2人いますが、最低限の生命維持活動しかしていません、とミサカは驚愕の事実を伝えます」

10039号「あの白もやしに、それ以外の演算能力を持っていかれているようです、とミサカはさらに補足を加えます」

イン「白もやし!! 中で詳しい話を聞きたいんだよ! あ、あと2人の名前を教えて欲しいかも」

御坂妹「ミサカは10032号です、と製造番号を名乗ってみます」

10039号「こちらのミサカは10039号です、と同じく名乗ります」

イン「じゃあ2人は、『ミニ』と『ミク』って呼んでみる」

御坂妹「いやいや、それはねーだろ、とミサカは呆れ顔でシスターをみます」

10039号「まるで歌姫のような名前で気に入りました、とミサカは喜んでみます」
232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 18:11:31.74 ID:dB5SvMv00
―港―
土御門(このままじゃまずい! どうにかしてねーちんを止めないと。海原、なんとかできるか?)

海原(む、ムチャいわないでくださいよ。聖人なんて相手にできません)

土御門や海原にしては珍しく、見るからに動揺していた。

上条「な、なんで能力を使わなかったんだ……?」

しかし、上条は一方通行の能力を知っているため、そちらに気を取られ、彼らの焦りに気がつかない。

神裂「……さあ、土御門。大人しく投降することを薦め――」


???「ッははははははは!! はははははははははは!!」


そこに声が割り込んだ。
233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 18:12:03.99 ID:dB5SvMv00
神裂「な、誰です!?」

???「いけねえ、あまりの面白さについ笑っちまった」ククク

???「あら、それはあのやられた子にもかわいそうよ?」

???「構うものか。他の人間に聞いてまわって探したっていうのに、見つけたらこのザマか、第一位?」

一同が声のする方――空を見上げると、六枚の翼をもった男と、それにつかまっている1人の魔術師がいた。

上条・神裂「オリアナ!!」

海原(もう片方は、第二位の垣根帝督ですか……!? 生きていたとは)

土御門(だが、これは離脱するチャンスだ。あいつを回収して撤退する)

海原(それしかなさそうですね)
234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 18:12:55.03 ID:dB5SvMv00
垣根「くっくっく、まったく面白すぎるだろうが。この女に、戦闘が起こっているところに連れて行け、なんて言われたときはムカついてたがな」

オリアナ「お姉さんとしては、戦闘を見ているだけのつもりだったんだけどね」

例の土御門が用意した魔術に気がついて、ここに来たようである。

上条「お前がオリアナの……『ライダー』のマスターか!?」

垣根「そうだ。俺の名前は垣根帝督。そしてここでサヨナラだ」

上条「くそ!! やるしかねぇってのか!?」

土御門(よし、一方通行は俺が回収する。海原はあいつらの気を引きつけてくれ)

海原(こうなったら、やるしかありませんね)
235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/31(月) 18:14:07.70 ID:dB5SvMv00
そういって彼は黒曜石のナイフを持つ手をひねり、トラウィスカルパンテクウトリの槍を発動させる。

海原(この位置から気づかれずに、彼らに当てるには金星の位置が少々悪いです)

そう感じ、近くの倉庫や車などに槍を当てていく。が、効果は発動させない。
海原のランサーとしての特殊スキルは“効果”発動のON、OFF。
戦闘を行うときには、常時ONの状態にしているが、このようにOFFの状態でいくつものターゲットを設定しておけば、ONにした瞬間に一斉に効果が発動する。
発動の順番などを設定できないのは不便だが、陽動やトラップには向いている。

土御門(合図をしたら、一気に頼む)

海原(うまくいきますかね?)

土御門(いかなかったら俺たちはおしまいだ)

そうして、『闘争』と『逃走』が始まる。
253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:18:25.77 ID:SHOpukCx0
垣根「まったく、能力が発動しない第一位なんて笑えるもんが見られたぜ」

そういって彼は、背中についた翼のうち一枚を、何枚もの羽に変換し、一方通行へと飛ばした。

上条「一方通行!!」

土御門(しまった!! 間に合わない!)

だが、その羽は一方通行に当たらなかった。彼の前に立っていた神裂がすべての羽を打ち落としたのだ。

神裂「彼はすでに戦闘不能です。追い討ちをかけるのは如何なものでしょうか?」

神裂(しかし、今の羽の手ごたえは……)

垣根「へえ、アレを打ち落とすのか……。邪魔してんじゃねえぞ、女」

オリアナ「今のでわかったと思うけど、あの神裂火織には気をつけた方がいいわよ」

そういってオリアナはつかまっていた手を離し、地面に降りてくる。

垣根「あの女は俺がやる」

オリアナ「あら? なら、あとは私がいただこうかしら」

土御門(よし、視線が神裂に集まった! 今が、チャンスだ、行くぞ!)

海原(はい!!)

そして、海原は黒曜石を構え、槍を垣根に向け槍を発動させた。
254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:18:59.93 ID:SHOpukCx0
―――
垣根「くっ!!」

強烈な力を感じた垣根は、その翼で槍を防ぐ。と、同時に翼がバラバラに分解された。
地上では、倉庫や車がバラバラになっているのが見える。

海原(あれを防がれましたか!! しかし、もう少し時間をかせがねばなりません)

土御門は、まだ一方通行を回収したところだ。

垣根「いいぜ、お前もまとめて死ね」

そういって、再び翼を生やすと羽に変換し、海原に向けて発射する。

海原(こうなったら『原典』を使います。武器の迎撃まではまだできませんが、操作くらいなら!!)

そういって懐から巻物状の『原典』を取り出すと、蛇のように宙をただよわせる。
その『原典』の迎撃用記述内容は『武具を持つ者への反撃』が記されている。
255: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:19:45.94 ID:SHOpukCx0
海原「!!」

しかし、飛んでくる羽の操作ができない。そのまま『原典』にいくつかが当たり、運良く海原には直撃しなかったが、右の肩に羽がかすった。
それだけで、海原は数m飛ばされてしまう。

海原「ぐうううっ! ……ぶ、武器が操作できない?」

垣根「へえ。その巻物スゲェな。ちっと興味がわいてきたぜ」

垣根はその海原の巻物、『原典』を見て言う。

垣根「それに、オマエは相手の武器を操作するのか。お生憎だが、この『未元物質』は俺の体の一部って扱いでな。武器じゃねーんだわ」

そう言うと彼は地上を見渡した。

垣根「ん?」

そこではじめて、垣根は、さきほど羽を打ち落とした女がいないことに気づいた。


神裂「余所見をするのはいけませんね。貴方の相手は私なのでしょう?」

256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:20:44.95 ID:SHOpukCx0
垣根「チッ!!」

垣根はとっさに振り向き、翼を自身の前方に展開させた。

数mの上空にまで飛ばれると思っていなかった彼は、七天七刀の一撃を受け、地面に叩き落された。

しかし、傷は一つもない。

垣根「……まったくムカつく。どいつもこいつも!」

彼は、先ほどまで海原がいたところに目を向けると、誰もいなくなっていることに気づいた。

垣根「おいおい、一方通行もいねえ。逃げられたか」

その近くでは、上条とオリアナが戦っていた。
257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:21:18.81 ID:SHOpukCx0
―――
いきなり周りの建物が崩れ始めると、上条は身を固めた。
上条(なんだってんだ! これは――あのアステカの魔術師が使っていた魔術か!?)

オリアナ「あら坊や。余所見はいけないわよ」

そんな隙を見逃さず、オリアナは強烈な蹴りを上条にお見舞いする。

上条「ぐはッ!!」

上条は肺の中の空気が無理やり外にだされ、ガレキと化した倉庫へと打ち付けられた。

上条(くそっ。あれは陽動か!!)

オリアナ「ほらほら、いくわよ。坊や」

そういって、単語帳のようなページを一つ口で千切ると、一つの大きなガレキが持ち上がり、それがこちらへと飛んでくる。
258: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:22:23.97 ID:SHOpukCx0
上条「うそだろ!? おい!!」

あらゆる異能の力を打ち消す上条でも、あれは打ち消せない。

上条(くそおおおお!)

全力でその攻撃から逃れると、目の前にオリアナがいた。

オリアナ「これで終わりよ」

そう言って、単語帳を千切ろうとした瞬間、横から神裂がオリアナに一撃を加えた。ガレキの中へと吹き飛ばす。

上条「サンキュー。神裂助かったぜ」

しかし、既に神裂はそこにいない。垣根の方へと向かっている。
オリアナが吹き飛ばされたところから、ガラガラとガレキの崩れる音がした。

オリアナ「……まだまだ終わりじゃないわよ? お姉さんはまだまだ欲求不満なんだから!!」

神裂の一撃をくらって、なお、こちらに向かい走ってくる。上条もオリアナに攻撃するため向かっていく。

上条「おおおおおおおおお!!」

上条は右手振るうが、オリアナはそれを難なく避け、左手をクロスカウンター気味に上条に突き刺した。

上条「ぐおおおおおおおッ!」

そこにさらに追撃をかけようとしたとき――彼女のマスターが空から落ちてきた。
259: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:23:22.70 ID:SHOpukCx0
―――
神裂は倉庫が崩れ始めると土御門が動くのに反応した。

神裂「土御門、貴方は――」

土御門は一方通行を抱えながら、神裂の言葉をさえぎるように言う。

土御門「ねーちん、いいのか? カミやんが危ないぞ。空に飛んでる男も狙いを向けるかもしれないしにゃー」

その言葉に、神裂が振り返ると、オリアナが巨大なガレキを上条に向けて飛ばすところだった。

神裂(いけません!!)

ものすごいスピードで近づき、オリアナに近づくと、右ストレートをオリアナに叩き込む。上条に集中していたのか、特に反撃されなかった。

神裂(あちらは……)

目線を空に向けると、さきほどの男が再び羽を飛ばそうとしている。

神裂(上空を押さえられているのはいささか不利です。叩き落としましょう)

聖人の力を行使し、彼の裏側までまわった。―――そして、数mもの高さを跳んで言う。


神裂「余所見をするのはいけませんね。貴方の相手は私なのでしょう?」


そういって七天七刀を彼に向かって振り下ろす。
260: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:23:59.75 ID:SHOpukCx0
―――
垣根「おいおい、一方通行もいねえ。逃げられたか」

軽く首を振ると彼はこう言った。

垣根「おい、ライダー。もういい! あの第一位にも逃げられちまったし、用事を済ませて帰るぞ。こいつらの相手はまた後でだ!」

オリアナ「だってさ。助かったわね、坊や。また会いましょう」

上条「ま、待て!」

止める暇もなく、オリアナは霊体化し、去っていった。垣根ももういない。

神裂が近づいてくる。

神裂「大丈夫ですか? ここはまだ危険ですので、一度屋敷に戻りましょう」

上条「……それもそうだな。他のマスターやサーヴァントの情報も得られた。帰って作戦の立て直しだ」

そういい、神裂に連れられ、その場を後にした。
261: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:24:51.56 ID:SHOpukCx0
―帰り道― 衛宮家付近
上条「それにしても、土御門がマスターだったとはな。一方通行や海原もいたし」

神裂「あの白髪の男たちとも知り合いでしたか」

上条「ああ。あいつはベクトルの変換の能力……分かりやすく言えば攻撃を反射したりできるんだ」

神裂「そうでしたか? その割にはやけにあっさり倒れてましたが」

上条「うーん。土御門なんかも驚いてたしな。あ! あれが理事長の言ってた『ハンデ』ってやつかもしれないな!」

そういって、衛宮家の門をくぐったところで、玄関にだれかうずくまって座っていることに気がついた。

上条「誰だ!!」

しかし、反応がない。警戒しながら近づいてみると、それは御坂美琴だった。
263: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 12:31:17.81 ID:SHOpukCx0
・追加資料
冬木市簡易MAP hollow ataraxia参照
1264556s.gif
268: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 18:35:32.00 ID:SHOpukCx0
同日 午前中
―新都 駅前―
白井「お姉様。学校には行かなくていいんですの?」

新都にある、この街で一番大きなビルの屋上に二人はいた。

御坂「どーせ学校いっても、まだ交換するような情報もないでしょ。だったら少しでも情報収集しないとね」

白井「わかりましたの」

白井(ウヒヒヒヒ。お姉様と学校をサボってデートですの! 黒子は幸せですわ!)

御坂「それで? 反応はある?」

白井の特殊スキルは、サーヴァントの感知。街に反応がないか試しに来たのである。

白井「今のところはなにも」

御坂「そう、じゃあ移動しましょうか」

そう言って、御坂たちはビルから空へとかける。
269: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 18:36:52.44 ID:SHOpukCx0
白井「しかし、あまり人がいませんですの」

地面に降りたところで、白井が言った。

御坂「そりゃそうでしょ。一応平日よ?」

白井「そうでしたわね。そんな平日にお姉様とデートだなんて」

御坂「あんたは人の話を聞いてたのかしら?」

白井「それはもう」

御坂「それならいいけどさ……」

白井「あ、お姉様! あのカフェから反応が!!」

御坂「あんたは、もうちょっとまじめにできないのかしら?」

白井のスキルはあくまで、100m以内のサーヴァントの“感知”であり、正確な場所までは分からないのである。

御坂「でも、まあいいわ。お昼も近いし、あのカフェでお昼にしましょうか」

白井「あら? もうそんな時間でしたか。では、参りましょう! お姉様~」

白井に引きずられる形で、御坂はカフェに入っていく。
270: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/01(火) 18:37:21.39 ID:SHOpukCx0
―新都 大橋付近―
絹旗「麦野、それ超本気でやるつもりですか?」

麦野「当たり前でしょ。その方が手っ取り早いし、相手から来てくれるでしょうよ」

浜面「まじかよ……。昼間っから、『原子崩し』ブッ放しまくるとか……。他の人巻き込むとか考えないのかよ!」

麦野「はぁ、あんたわかってないわね。浜面だけに向かって撃ちながら、暴れるに決まってるでしょ」

浜面「ええー! ちょっとそれは本気でご遠慮願いたいのですが!!」

絹旗「それは超おもしろそうです」

麦野「私が、目立てばあんたたちの存在がうまく隠せるかもしれないでしょ? それに相手が浜面なら、私がプレーヤーでなくとも、攻撃の理由は山ほどある」

絹旗「『マスター』であることを隠して、超暴れるわけですか。それも、個人的な理由で」

麦野「そう。そして集まってきたやつらを片っ端から殺っていく。大物が来ても、私だけなら逃げ切れるし、その後の対策も立てやすい」

浜面「や、山ほども理由あるのかよ……」

麦野「山の高さほど、海の深さほどね」

浜面「言い直す必要ないよね!? ちくしょう! 俺は生き残れるのか!?」

浜面(滝壺……。生きて帰れたら、結婚しようぜ……)

麦野「じゃあ、よーい。ドーン!!」

浜面「ええー!! いきなり!?」
277: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:20:39.34 ID:sY+Kg6tW0
―新都 駅前―
カフェ内
御坂「それにしても、プレーヤーは何人分かってるんだっけ?」

昼食を終え、コーヒーを飲みながら御坂が言う。

白井「えーと、ライダー、白いシスター、バーサーカーとあの殿方のコンビですので私たちを含めますと7人ですわね」

御坂「あと8人か。あのバーサーカー倒してくれるやつはいないかしら?」

白井「でも、そうなりますと、今度は私たちがさらに強い敵と戦わなければなってしまいますの」

御坂「一方通行あたりなら倒してくれるだろうけど……。でもあいつがでてきたら、あのバカにしか勝てなくなるわね……」

白井「どちらにしろ、あのバーサーカーは後回しですわ。今は情報収集をするべきですの」

御坂「それもそうね。あ、ここの勘定は私が持つわ。たまにはこっちの奢りで――」

そう言い、二人が席を立ちかけた時。白井はサーヴァントの反応を感じた。

白井「!! お姉様、近くにサーヴァントがいますわ」

それと同時、戦闘を開始する合図のように、店の外で、ズバァ!!と無数の閃光が迸(ほとばし)った。

278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:21:45.40 ID:sY+Kg6tW0
御坂「あれは……第四位の原子崩し(メルトダウナー)!?」

白井「こちらを狙っているわけではないようですの。――近くに行って何が起こっているのか確かめませんと」

御坂「行くわよ! ―――あ、これ! お釣りはいいから!」

そういって二人は店を飛び出した。

閃光の発信源――麦野沈利の近くまでいくと、路地から様子をうかがう。

すると、大通りで一人の男が、『原子崩し』に追いかけられているのが見えた。

浜面「ちくしょう! なんで俺がこんな目に!?」

ジグザグに走る浜面を、ゆっくり歩きながら麦野は追いかけてゆく。周りはパニック状態だ。

麦野「はーまづらぁ。お前はなんて言って死ぬのかしらねえ!!」

しかし、そんなことは気にせず、思い切り本気で『原子崩し』を撃つ麦野。元々それほど精度がよくないためなかなか当たらない。

建物や車には命中しているが、幸いまだ怪我人などはいないようだ。

御坂(ど、どうする? できれば関わりたくないんだけど)

白井(同感ですけれど、サーヴァントの反応がありましたの。どちらか、あるいは両方ともプレーヤーの可能性がありますわ)

絹旗「へえ。そういうスキルを持ってるんですか。それは超生かして帰せませんね」

振り返ると、同じ年くらいの少女がそこに立っていた。
279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:22:28.54 ID:sY+Kg6tW0
白井(まずい。気づかれましたの!?)

そう思うと同時、少女は御坂に向け拳を振ってくる。

白井「お姉様!!」

御坂「くっ!!」

適当に後ろにある金属に磁力を発生させ、引っ張られるように後ろに下がり距離をとる。

空振りした少女の拳は、近くにあった壁に大きな穴をあけた。

御坂(こいつも肉体強化系の能力者? ……いや、これは――)

麦野「あら、これはこれは。超電磁砲じゃないの。久しぶりね」

下がったことにより、大通りにでてしまい、麦野に気づかれてしまった。

御坂「本当に久しぶりね」

白井「お知り合いでしたの……?」

白井が、御坂の隣に立ち、尋ねる。

御坂「まあ、ちょっとね」

絹旗「麦野。こいつらはサーヴァントを感知できるスキルがあるようです。超厄介なのでここで倒しておきましょう」

麦野「ちょうどいいわ。超電磁砲には借りもあったし。ここで返しておきましょう」

学園都市レベル5同士の戦いが始まる。
280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:23:25.63 ID:sY+Kg6tW0
―――
浜面はまだ逃げ続けていた。

浜面(あれ?原子崩しが飛んでこなくなった。麦野のやつ一体どうしたんだ?)

そう思い、彼は来た道を引き返していく……。
281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:24:04.00 ID:sY+Kg6tW0
―――
白井(お姉様、ここでの戦闘は周りへの被害が……)

御坂(わかってるわ。でも、ここで逃げたらまたさっきの男追い始めるわよ)

白井(結局、周りに被害がでますわね)

御坂(だったら、人がいなくなったこの辺で戦うべきじゃないかしら?)

白井(――わかりましたの)

二人は臨戦態勢を整え、麦野と絹旗に対峙する。

麦野「相談はもういいかしら? それじゃ、こちらから行かせてもらおうかしらねえ!」

そういって二人に向かって、原子崩しを放つ。

白井(いきますわよ。お姉様)

二人は原子崩しをテレポートで回避した。
282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:24:39.35 ID:sY+Kg6tW0
御坂「それっ!」ビリ

お返しとばかりに電撃を打ち込んだ瞬間、麦野が消えた。外れた電撃が、コンクリートに穴を開ける。

麦野は原子崩しをロケットエンジンのように放って移動したのだ。この速さでは、白井も狙いをつけられない。

絹旗「私も、超忘れてもらっては困ります」ブン

白井「くっ!!」

白井は絹旗のパンチをバックステップで回避する。

御坂「チャンス!」ビリ

白井が回避し、距離をとったのを確認すると、御坂は、今度は近づいてきた絹旗に向かって電撃を飛ばそうとする。

麦野「させるかよ!」

それを遮るように麦野は、『原子崩し』を御坂と絹旗の間に向けて放ち、電撃の軌道を逸らせた。

絹旗「今のはちょっと危なかったです。超助かりました」

そう言って、絹旗は麦野の隣に並んだ。
283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:25:24.45 ID:sY+Kg6tW0
しばらく四人は、一進一退の攻防をするが、絹旗はあることに気がついていた。

絹旗(超まずいですね。あの二人との相性が最悪です)

絹旗の能力は、体の周囲の窒素を自由に操る能力『窒素装甲(オフェンスアーマー)』であり、近接戦闘をメインにした戦い方をする。

絹旗(こちらに来たとき武器を持ってなかったので、遠距離攻撃できないのが超痛いです)

『窒素装甲』はライフルの弾も止めることができるが、電気やテレポートによる攻撃は止められない。

絹旗がどうしようかと悩んでいると、後ろから麦野に抱き上げられる。

絹旗「ちょ、む、麦野? 超なんのつもりですか?」

麦野(あんたは超電磁砲を狙いなさい。じゃ、行くわよ!)

絹旗(行くって、え?)

何をするか聞く暇もなく、再び原子崩しをロケットエンジンのように放ち移動する。絹旗を掴んだまま、前に。

御坂「くるわよ、黒子!」

白井「わかってますわ!」

迎撃しようとした瞬間、麦野はそのままの勢いで絹旗を二人に向かって投げ飛ばした。


絹旗・白井・御坂「えええーっ!!」

284: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:26:11.90 ID:sY+Kg6tW0
白井(後ろはすぐ壁ですのに、あんな勢いで投げられたら!?)

絹旗「この扱いは超ひどいと思います!」

御坂(まったくだわ!)

完全に予想外の攻撃だったが、二人はそれぞれ左右にステップで避ける。

麦野「そこだ!」

麦野はその二人の回避した地点に、それぞれ原子崩しを発射する。

白井(お姉様!!)

なんとか白井はテレポートを成功させ、その攻撃も回避する。

御坂「こんなもの!」ビリ

御坂は、さきほど攻撃をそらされたのと同じ要領で、電気で原子崩しの軌道をそらす。

一方、壁に投げられた絹旗は、『窒素装甲』を使い、壁にうまく着地した。メキメキと壁に亀裂が入ったが、突き抜けはしない。

絹旗(超電磁砲を狙えとはこういうことですかね!!)

絹旗は水泳のターンのように壁を蹴り出し、麦野の原子崩しを逸らしている御坂美琴へと飛びかかる。
285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 12:27:29.95 ID:sY+Kg6tW0
―――
浜面が大通りに戻ると麦野たちがいないことに気づいた。

浜面「やべえ。見失っちまったぞ。どこいった?」

それと同時、近くの路地から『原子崩し』の発射音や電撃の流れる音が聞こえてきた。

浜面(こっちか!!)

彼も戦場へと入っていく。
290: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 18:11:19.20 ID:sY+Kg6tW0
―――
御坂「こんなもの!」ビリ

そう言った瞬間、御坂は、先ほど投げ飛ばされた少女が、後ろから飛びかかってくるのを、磁波の乱れから感じ取る。

御坂(ガードじゃダメ! 回避を――)

しかし、ちょうど今、麦野の『原子崩し』を逸らしたところである。

絹旗「超覚悟です」

御坂(間に合わ――)

白井「そうは、させませんわよ」

絹旗のセリフにかぶせるように、御坂の背後、つまり絹旗の目の前に白井がテレポートで現れた。

麦野の『原子崩し』をその位置に移動することにより回避したのである。

白井は、御坂と再びテレポートし、絹旗の一撃も回避する。

白井(ここが、チャンスですの!)

バランスを崩した絹旗に向かって、金属矢を両肩、両膝へとそれぞれ二本ずつテレポートさせる。

あのパワーを見せられて、地面に服を縫い付けるだけでは抑えられないとの判断からである。
291: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 18:11:46.50 ID:sY+Kg6tW0
白井の攻撃は成功し、そのまま絹旗はうつぶせに倒れてしまう。

御坂(助かったわ、黒子)

白井「諦めなさい! もう方は動けませんわよ! 二対一のまま続ける気ですの?」

絹旗「うぐっ……」

しかし、麦野は何かに気がついたのか、笑いながら言う。

麦野「は。ハハッ! それがどぉしたって言うんだよ?」

麦野(やっぱりあのテレポーターは邪魔だ。超電磁砲より先に始末するべきは――)

麦野は右手の令呪をかざして、こう言った。

「そこのうざったいテレポーターを殺れ!!」
―麦野沈利 残り令呪1―
292: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 18:12:22.94 ID:sY+Kg6tW0
すると御坂と白井は近くで何か動くのを感じた。

御坂「く、黒子!!」

白井「!?」

あれは先ほどまで麦野から逃げていた男だっただろうか? 白井の方にレディース用の拳銃を向けている。

タンタンガン!!

白井「かはっ……」

何発か白井に当たり貫通するが、撃たれた白井は倒れない。なんとか踏みとどまっている状態だ。足取りはおぼつかない。

浜面「まったく、俺に女を撃つ趣味はねえんだけどな」

御坂と白井は思う。今のは十分反応できる間(ま)だったはずだ。何故避けられなかった?
293: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 18:13:16.70 ID:sY+Kg6tW0
前日
―新都 某ファミレス―
絹旗「それにしても、超どうやって他の敵を見つけましょうか?」

麦野「そうねえ……」

浜面「何かいい案はないのかねぇ」

絹旗「そうですね。浜面が、敵を超挑発して歩き回るのはどうでしょう?」

浜面「異議あり!! 他の人から見たらただの変人じゃねーか!! あとレベル0の俺がそれやって敵きたら即死するぞ!!」

麦野「そうだ、浜面。あんた、サーヴァントとしての能力が何かわかったの?」

浜面「いや、それなんだが、まったく分からん」

絹旗「きっと超役立たずな能力に決まってますね。浜面ですし」

浜面「いい加減にしとけよ! 泣かすぞ!」ゴン

絹旗「ちょ、痛いです、浜面! 一発は、超一発ですよ!!」

麦野「ん?」

浜面「おい! お前、今、避けたり、能力使ったりできただろ!? わざと喰らって、一発殴る気かよ!!」

絹旗「浜面なんかにやられるなら、自分で殴った方が超マシです!」

麦野「へえ……」

絹旗が、『窒素装甲』を使った拳を浜面に振り回している中、麦野は笑みを浮かべている。
294: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/02(水) 18:14:36.34 ID:sY+Kg6tW0
―新都 大通り―
麦野「ぎゃはは!! 私のサーヴァントは、そこのアホ面した『アサシン』だ!! そいつの攻撃は、敵に『危険』として認識されないらしいのよね!」

麦野「だから、回避行動も取らないってわけ!! さ~て、超電磁砲!! あんたは、次の攻撃、そこのテレポーターなしで避けられるかしらねえ!!」

御坂「く、黒子!!」

白井「こ、ここは一旦お引きください……、お姉様……」

白井黒子はこの状況をなんとか打開できないかを考えた。しかし、どうやら自分が助かる道はなさそうだ。

もし、このまま自分が倒れてしまったら、この後輩思いの少女は暴走してしまうだろう。

今までの付き合いからそう感じた。そうなったら彼女までやられてしまう。

――だからまだ倒れるわけにはいかない。

御坂「バカいってんじゃ――」

致命傷を受け、傷口からは血が大量に流れ、体はゆれている。

白井「こ、ここは、私に任せてくださいな……」

守らなければならないものがある。

御坂「しゃべるんじゃない!!」

白井は御坂の手を取ると、最後の力を振り絞り、彼女をできるだけ遠くにテレポートさせた。

白井「それに――」

彼女は笑って、こう続ける――


白井「――あの方たちは、ここで私が倒してしまいますの……」


―とあるビル内部―
御坂「く、黒子……」

御坂美琴は、『絶対能力進化実験』のとき以来の涙を流した。
309: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 12:11:15.27 ID:+XOmH4wE0
―衛宮家 居間―
上条たちは、今日、新都で御坂に何があったのかを聞いていた。
御坂「それで……どうやってここまで来たのは……覚えてないんだけど……」グス

上条「そ、そんなことがあったってのか……。くそっ!!」

神裂「そうですか、白井さんが……」

神裂には、大切な人が倒れてしまうときのつらさを人一倍わかっていた。それが原因で、天草式を抜けたのだから。

御坂「ううっ…………」

人が死ぬところを見たことがないわけじゃない、ここまで身近な人がいなくなるのが初めてだったのだ。

御坂(……初めて? 本当に?)

ぼんやりとそんなことを思うが、そんなことよりもいなくなってしまった黒子のことで頭の中はいっぱいになってしまう。

神裂「今夜はもう遅い。貴女は少し休んだ方がいいです」

そう言って神裂が、御坂を寝かしつけてくると、上条たちは今後の対策について話すことにした。
310: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 12:11:53.08 ID:+XOmH4wE0
上条「これで、ライダー、アサシン、アーチャー、バーサーカーのマスターとサーヴァントが確認できたわけだ」

神裂「え? は、はい。土御門たちは、御坂さんが言っていたランサーのマスターでしょうか?」

神裂(なにやらいつもの上条当麻より、あっさりし過ぎている気がします。もっと怒るものかと思いましたが)

上条「そうだな。あのアステカの魔術師は、なんとかの槍っていう魔術を使うってインデックスに聞いたことがある」

上条「一方通行の方は、なんの役職かわからないが、能力を使えないんだ。あいつはそこまでの脅威にはならないだろう」

神裂「そうなると、残り一つのキャスターだけがまだ未確認ということですね」

上条「キャスターは多分ステイルだろ。あいつ以上の魔術師が来てるとは思えない」

神裂「オリアナが来ていたことを考えると、ローマ正教などから来ている可能性も考慮した方がよさそうですが」

上条「わざわざ呼び出したんだ。少なくとも、マスターかサーヴァントの可能性は高いと思うぜ」

神裂「……たしかに。その通りですね。それで――」

上条「ん?」

神裂「これから私たちはどのように動きましょうか?」

上条「うーん……、そうだな。とりあえず明日は休日だし、御坂についていてやるのがいいと思うんだ。気を落としているだろうし」

神裂(貴方はまたそうやって無自覚に……)

上条「ん? なんか言ったか?」

神裂「いえ……。別に……」
311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 12:13:01.97 ID:+XOmH4wE0
―新都 某ホテル―
土御門「なんとか逃げ切れたな」

海原「乱入されていなかったら危なかったですね」

一方「…………」

一方(あの第二位のヤツに助けられた、なンてのは何の冗談だァ? 俺も落ちたもンだな……)

一方通行は、先ほど目を覚まし、それから一言も発していない。

土御門「一方通行、お前能力使えないのか?」

一方「……あァ、そォだ。どォやら俺は足手まといみてェだな」

土御門「まったくだぜい」

海原(土御門さん言いすぎですよ……。ただでさえ相当落ち込んでいるんですから)

土御門「フン。それじゃあ、明日の行動予定について説明する」

海原「明日は何をするんでしょうか?」

土御門「明日はそれぞれ個別行動を取る」
312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 12:13:33.67 ID:+XOmH4wE0
一方「なンでそォなンだ? 理由があンだろうなァ?」

土御門「もちろんだ」

海原「それで何を?」

土御門「まず、一方通行は自分のスキルを見極めろ。お前もサーヴァントだ。何か持っているはずだからな」

一方「チッ」

土御門「お前もある程度戦力として数えたい。明日一日でなんとかしろ」

一方「ンなことは言われなくてもわかってる」

海原「能力関係ではないのでしょう? 一日で見つかりますかね?」

土御門「見つからなければ、主戦力としては考えない。銃での後方支援に回させてもらう。」

一方「まァ、それが妥当だろォな」
313: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 12:14:12.16 ID:+XOmH4wE0
土御門「次に海原。お前は仲間になりそうなヤツを探して来い。お前は顔を変えられるから敵に狙われることもないだろ」

海原「仲間……ですか? それは他のマスターと手を組む、ということですか?」

土御門「いや、違う。今日の昼間に『超電磁砲』と、『原子崩し』が街中で暴れたそうだ」

一方「街中で、だと? あの警官どもはそれの後片付けってわけか」

土御門「幸い一般人に死傷者はでなかったが、常盤台のテレポーターがリタイア、アイテムの『窒素装甲』が戦闘不能になったらしい」

海原「それがどう関係するんでしょうか?」

土御門「問題は、その『窒素装甲』がマスターでも、サーヴァントでもないってことだ」

海原「ん、なるほど。そういった人を仲間にして戦闘を有利に進めるわけですね」

土御門「そうだ。できれば、俺たちのことを知っているやつ……。結標あたりがいると助かるんだが」

海原「探してみましょう」
314: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 12:14:39.43 ID:+XOmH4wE0
一方「ンで? お前は何すンだ?」

土御門「俺はオリアナ……、垣根たちの動きが気になる。そっちを調べてみる」

海原「そういえば、『用事を済ませて帰るぞ』とか言っていましたね」

土御門「そう。俺たちの戦いを見る以外にも、港に目的があったと考えるのが妥当だろう」

一方「見当はついてンのか?」

土御門「いや、まだ何も。オリアナが現れたっていう学校と港の両方を調べてみる」

海原「そうですね。いいのではないでしょうか」

土御門「それから、明日は戦闘は一切行うな。敵を見つけてもやり過ごせ」

一方「了解だ。極めて了ォ解」

海原「わかりました」
322: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:10:22.82 ID:+XOmH4wE0
三日目
―衛宮家 寝室―
御坂(うっ……。朝……?)

神裂「起きましたか? 体調はどうでしょう」

御坂(そうか。昨日、黒子は……)

御坂「神裂さん……。おはようございます。体調はもう大丈夫ですよ」

そう答えるが、明らかに元気はない。そこにふすまを開けて上条が入ってくる。

上条「よっと、お! 起きたか。大丈夫か?」

御坂「大丈夫に決まってるじゃない。私をだれだと思ってるわけ?」

上条「無理すんなって。ほら、朝飯。今日は休みだし、ずっと一緒にいてやるからさ」

神裂「あまり無理はしないでくださいね」

御坂「あ、二人とも……ありがとう……」

姫神(作ったのは私……)
323: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:10:49.42 ID:+XOmH4wE0
―学校 校門―
土御門(さーて、どこから探したもんかにゃー?)

青ピ「おーっす。こんな日に学校くるなんて珍しいやん。なんか忘れもん?」

土御門「いや、探し物だぜい。どこにあるかも分からんのがつらいんだけどにゃー」

青ピ「まあ、がんばりやー。ほならなー」

土御門「じゃあにゃー」

土御門(さて、校内は後回し。まずは屋外からだ)
325: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:14:20.15 ID:+XOmH4wE0
―教会裏の森―
一方(ここなら人もこねェだろ。さて、やっぱり銃からかねェ)

そう言って、近くの木に向かって、こちらに来るときに持っていた七発装填のオートマチックの拳銃を試し撃ちをしてみる。

ガンガンガンガンガンガンガン! 能力がなくとも大体同じところに当たる。

一方(だが、こンな精度じゃたかが知れてンな……)

そういい、リロードしようとしたとき――

一方(ン? 弾がもう入ってやがる……。これが能力ってか? オイオイ、使えねェにもほどがあンだろうが……)

そんなことを思い、もう少し試してみることにした。

ガンガンガンガンガンガンガン、カチン!

一方(今度は弾切れか……。能力は一度限りの自動装填か? ……どっちにしろ、こりゃ俺の役職は『ガンナー』で決まりみてェだなァ)

そうして、いろいろ試していく。
326: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:14:53.34 ID:+XOmH4wE0
―学校 屋上―
土御門(さーて、ここには何かあるかにゃー?)

キョロキョロと歩きながら辺りを見回すと、貯水槽に単語帳のようなものがついているのを見つけた。

土御門(オリアナの『速記原典(ショートハンド)』……。さっそくビンゴか。だが、なんでこんなところに?)

以前土御門は、オリアナに手痛い目にあっているので、その速記原典には触れようとしない。

土御門(ふん。記述内容は……赤で『Wind Symbol』か)

これ以上のものは見つからないと感じ、土御門は港へ向かうことにした。
327: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:15:39.51 ID:+XOmH4wE0
―商店街―
海原は深山町にある商店街まで来ていた。元の顔に戻して、である。
エツァリ(さて私はどこから探したものでしょうか……。私たちは基本的に仕事以外のプライベートではあまり関わりませんからね)

そんなことを考えていると、目の前で白い修道服をきた少女が、二人のミサカを連れて歩いてきていることに気づいた。

エツァリ(あれは!? 禁書目録と、御坂さんのクローンですか……。自分は今魔術を使っていませんし、バレることもないでしょう)

そう思い、隣を通り過ぎていく。

イン「明日は、とうまを誘うからちょっと豪勢にしたいかも」

御坂妹「そうですか、とミサカはあの人に久しぶりに会えるのを楽しみにしてみます」

10039号「では買い物を続けましょう、とミサカは先を促します」

そんな会話が聞こえてきた。
328: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:16:21.74 ID:+XOmH4wE0
―港―
土御門「やっぱり、ここにもあったか」

土御門は、倉庫の壁の高いところに速記原典を見つけた。

土御門「なんでこんなところに……。ん?」

その速記原典には『Wind Symbol』と書かれている。赤字で。

土御門(オリアナは、同じ魔術を使わないはず。だがさっきのものとこれは、同じ魔術的な意味をもってる――)

土御門はそこで一つの答えに至った。

土御門(――ということは、これは、二つで一つの魔術と見るべきか)

だが、何か頭に引っかかる。なぜ起動されていない?

土御門(オリアナは衛宮邸にも行っていた――ということは範囲系の魔術か!!)

地図>>265を確認すると、学校、衛宮邸、港を結ぶ三角形には冬木市の半分くらいが入っている。

土御門(だが、これじゃまだ完全とはいえない。ってことは次は教会辺りか!? あそこには一方通行が――)

チッと舌打ちをして、土御門は教会へと走り出した。
329: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:17:10.16 ID:+XOmH4wE0
―商店街―
結標淡希は教師である月詠小萌と夕飯の買出しに来ていた。
小萌「今日は、カレーにするのです」

結標「カレー? 難しくないの?」

小萌「野菜を切って、お肉と一緒に煮るだけの簡単バージョンですよ。いろいろ作り方もありますしねー」

そこに、外人の男が通りかかる。その男に紙の切れ端を渡された結標は小萌に言った。

結標「あ、悪いけど用事を思い出したわ。今日は練習パスで」

小萌「ええ!! それはないのですよ!? 結標ちゃんはカレーの嫌いな子なんですか!?」

結標「違うわよ。用事だってば」

そう言い残し、結標は小萌と別れた。
330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:18:10.84 ID:+XOmH4wE0
―教会裏の森―
一方(大体スキルは把握できた。あとは――)

ちょうどそんなことを考えているとき、金髪の女の外国人が教会の裏側に回ってきたのを見た。

一方(ンだァ? あの女は何してやがる?)

その女は教会の壁に何か貼り付けたかと思うと、そのまま立ち去ってしまった。完全に立ち去ったことを確認すると、一方通行は、それを確認しにいった。

一方(単語帳のページ……か?)

そこには赤で『Wind Symbol』と書かれたページが貼り付けられている。それを思い切り剥がすと、ビリビリに破いてその辺へと捨てる。

一方(ったく邪魔しやがって……)

そこに土御門が走ってくるのが見える。

土御門「おい、一方通行。ここに誰か来なかったか?」

一方「あァ? 金髪の女がきて、単語帳のページみたいの貼り付けてったが、なンかあったのか?」

土御門「そのページはどこに貼った?」

一方「あの辺だったか? だけどよォ、もう破いて捨てちまったぜ」

土御門「破いて捨てた……か」

土御門は、少し考えた後、一方通行に向かってこう言った。

土御門「スキルは把握できたか? できたら、一旦ホテルに戻るぞ」

一方「大体はな。今度はなにさせられンのかねェ……」

そういって、この夜、久々に『グループ』が集合した。
331: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:18:56.57 ID:+XOmH4wE0
三日目 夜
―衛宮家 居間―
御坂「今日は本当にありがとう。わざわざ付いていてくれて」

上条「あんまり無理はするな。このゲームが終わるまではここに泊まっていってもいいんだぞ?」

神裂「一応まだマスターですからね、他の人から狙われる心配もあります」

御坂「ありがとう、お言葉に甘えさせてもらうわ……」

いつもなら、「大丈夫!」と言って断るところだろうが、まだそんな元気もないのかもしれない。

姫神「こうやって。また女の子が増えていく」

上条「仕方ないだろ。こんなに落ち込んでるのに外に放り出せねえよ」

姫神「む。それは確かにそう」

神裂「さて、夕飯の準備でもしましょうか」

特に戦いもなく三日目は終了した。
332: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/03(木) 18:19:46.62 ID:+XOmH4wE0
ボツシーン1
―教会裏の森―
一方「特殊スキルねェ……。やっぱりアレはやっておくかァ?」

そういうとあのポーズをとる。

一方「かァーめェーはァーめェー波ァ―――!!」

しかし、何も起こらない。

一方「なーンか違ェな。」

そう思い、気合を入れなおす。

一方「かァァァァーめェェェェーはァァァァーめェェェェー……波ァァァァ―――!!!」

その様子をアレイスターに見られていたことは、一方通行は知らなかった。
337: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:18:43.39 ID:YGYRCdmk0
四日目 朝
―衛宮家 寝室―
御坂「よし! もう落ち込むのはやめた!!」

御坂(黒子がゲームオーバーになったからって、こんなにくよくよしてたら、終わったときに黒子に笑われるわ)

神裂「なにやら元気がでてきたようですね」

御坂「ええ。心配させちゃったわね。もう大丈夫よ」

神裂「フフッ。では朝食にしましょう」

そうして四日目の朝が始まる。
338: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:19:16.34 ID:YGYRCdmk0
朝食も終わり、今日はどうしようかしばらく悩んでいると、玄関のチャイムが鳴らされた。

上条「ん? 客か? ちょっと見てくる」

神裂「はい」

―玄関―
上条「はいはい。どなたですかーっと?」

ガラガラと玄関を開けると、そこにはインデックスが立っていた。

上条「イ、インデックス!?」

その声を聞いて、神裂が駆けつけてくる。
339: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:19:44.68 ID:YGYRCdmk0
イン「別に今日は戦いに来たわけじゃないんだよ」

幾分、以前戦ったときよりも元気が戻っている気がする。

イン「とうまたちを、お昼ご飯に誘おうかと思ってきたの」

神裂「お昼ご飯ですか?」

御坂「罠じゃないの?」

神裂を追って御坂も玄関に来たようだ。

イン「そう思うと思って、一応信頼してもらうための用意もあるんだよ」

そういうと後ろに霊体化を解いたアックアが現れる。

上条「くっ!!」

とっさに身構えるが、インデックスは令呪の付いた右手を上げてこう言う。

「今日は、こっちからとうまたちに攻撃しない」
 ―インデックス 令呪残り二―
340: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:20:10.65 ID:YGYRCdmk0
上条「えっ!?」

イン「これでとうまが攻撃してこない限り、バーサーカーは攻撃できないんだよ」

神裂「たしかにそうですが……。狙いはなんでしょうか?」

イン「ちょっとお話しがしたいな、と思って」

御坂「令呪使ったんだし、大丈夫かしら?」

そう御坂が言うと、インデックスがキッととうまを睨みつける。

イン「とうま! かおりがここにいるのは分かるけど、なんで短髪までここにいるのかな!?」

上条「ええっー!! いや、あのですね。イロイロ事情がありましてー」

イン「問答無用かも!!」

上条「やっぱり不幸だー!!」

そうして、一行はアインツベルン城へと向かった。
341: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:20:42.30 ID:YGYRCdmk0
―アインツベルン城―
御坂妹「いらっしゃいませ、とミサカは久々に会うあなたに挨拶します」

10039号「いらっしゃいませ、とミサカは他の方々にも適当に挨拶します」

上条「おう。久しぶりだな、御坂妹」

御坂「適当にってね……」

神裂(同じ顔ですね……)

イン「こっちに用意はできてるんだよ」

上条「こ、これは……上条さんの一年分の食費ぐらいかかってそうな食事です!!」

御坂「アンタ、どんな食生活送ってんのよ! これくらい別に普通でしょ」

さらりと、格差社会を示す言葉をつぶやく。

神裂「いえ、これはあまり普通ではないかと……」

イン「とにかく座って、みんなで食べよう」

そうして、緊張感のある食事会が始まった。
342: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:21:16.59 ID:YGYRCdmk0
上条「それで? なんでわざわざ呼び出したんだ?」

イン「お話しをしようと思ったんだよ」

やや顔を曇らせ、そう言う。

イン「できれば、とうまたちにこのゲームから降りて欲しいの」

上条「またそれか……」

神裂「それがどうしてか、はまだ説明してもらえないのでしょうか?」

イン「うん……。ゴメン……」

上条(またあの顔だ……。くそッ! どうしろっていうんだ!)
343: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:21:44.70 ID:YGYRCdmk0
イン「どうしてかは言えないんだけど、『バーサーカー』の話しならしてあげる」

御坂「バーサーカーの?」

イン「うん。本来、バーサーカーの役職につくと、その人格が破壊されて、凶暴になるらしいんだよ」

神裂「そうでしょうか? アックアはかなり冷静に見えましたが」

イン「その特性を理性で押さえつけてるんだってさ。自分の力を制限してまで」

上条「というと制限を解いたのが、この前の叫び声の後か……」

イン「そうなんだよ」

神裂「では、魔術を使っていなかったのは……」

イン「魔術まで暴走しちゃったら、自滅しちゃうからね。自分の体内の調整だけで手一杯だって」

聖人も、筋肉だけを増強したところで、一定のライン以上の力を出してしまうと、自分の筋肉が内臓を圧迫してしまい、結果自滅してしまう。

そうならないよう、無理な力や速度を出した結果起こるであろう、あらゆる弊害や副作用を事前に推測し、補助的な魔術で摘み取っているのである。
344: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:22:11.07 ID:YGYRCdmk0
上条「どうして、そこまでしゃべるんだ? 不利になるのに」

イン「できれば、とうまには勝てないって理解してもらって、降参して欲しかったんだけどね」

御坂「こいつにも、簡単に負けられない理由ができたのよ」

イン「そう……なんだ……。うん、じゃあもうこんなことは言わないようにするんだよ」

上条「悪いな、インデックス」

でも、とインデックスは続ける。

イン「私も簡単には負けられないんだよ」

上条「ああ。お前と戦うのは初めてだけど、手加減しねーからな!」

イン「うん! あ、とうま」

上条「なんだ?」

イン「このお昼ご馳走したかわりに―――頭をなでてくれないかな?」

上条「頭を? 別にいいけど」

そう言って、インデックスの頭に手を伸ばした瞬間、上条の右手が何かを打ち消すような音がした。

イン「―――ありがとう。やっぱり、とうまはとうまなんだね」

少しキョトンとした顔を見せた後、目に涙を浮かべながら彼女はそう言った。
345: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:22:40.05 ID:YGYRCdmk0
―帰り道―
上条(一体あのとき何を打ち消したんだ……?)

上条は、御坂妹の運転する車の中、すっかり暗くなってしまった外を見ながら考えていた。

神裂「あの子が何も言ってくれない以上、私たちにはどうしようもありませんよ」

たしかにそうだ、と上条は思う。未だになぜ理由を言ってくれないのかわからない。

上条「御坂妹は何か知ってるか?」

御坂妹「いいえ、私は直接なにも聞いていません、とミサカは素直に答えます」

御坂「何かあの子の情報知らないかしら?」

御坂妹「そうですね……。たしか妹達のことをしつこく聞いてきたことはありましたが、それ以外は特に、とミサカは首を振ります」

神裂(妹達? 御坂さんの妹たちでしょうか?)

御坂「特に手がかりなしかー」

と御坂はつぶやいた。
346: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 12:23:05.56 ID:YGYRCdmk0
御坂「あ! 私は今日は家に帰るわ」

柳桐寺を過ぎたあたりで御坂が言う。(参考>>265)

上条「大丈夫か?」

御坂「大丈夫よ。これ以上進むと遠くなっちゃうから、ここでいいわ」

御坂妹「わかりました、とミサカはうなずきます」

御坂妹は車を止め、御坂は車を降りる。

御坂「明日、また学校で」

上条「ああ、またな」

神裂「お気をつけて」

別れの挨拶を済ませると、家に向かって通ってきた道を引き返す。歩きながら、これからどうしようかを考えていた。

御坂(やっぱり、一人はきついかな? アイツの仲間になっちゃうべきかしら?)

そんなことを考えていると、柳桐寺の階段から誰か降りてくるのが分かった。その人物は――


――麦野沈利だった。

352: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:12:05.75 ID:YGYRCdmk0
三日目 夜
―新都 某ホテル―
結標「で? 私を呼び出してなんの用かしら?」

不機嫌そうな顔をして結標が言う。

土御門「単刀直入にいう。俺らの戦いのサポートをしろ」

結標「はあ? なんでよ!?」

海原「一方通行さんが能力を使えなくて困っていましてね。こちらが一手足りないんですよ」

一方「…………」

結標「あら? それは面白いわね。前の借りもあるし、今返してしまいましょうか?」

土御門「それで、だ。」

結標「ん?」

土御門「参加すれば、最後まで勝ち残ったときに、なんでも願いが叶う。アレイスターからのお墨付きだ」
353: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:12:38.10 ID:YGYRCdmk0
結標「は?」

一方「おィ。それは俺らだけじゃねェのか?」
                                       ・ ・ ・
土御門「あいつは最初に、『ゲームに勝ち残ったマスターのいるチーム』の願いを叶えるといった」

一方「帰り際に、教会に寄ったのはそれを聞くためか」

土御門「つまり、このゲームに勝ち残れば、『暗部にいる』なんて方法じゃなく、俺たちの守りたいものを守れることになる」

結標「それで? あのアレイスターが約束を守るとでも?」

土御門「ああ。それについては言えないが、そうでもなければ、俺はそもそもこんなゲームに参加していない」

結標「それもそうね……。――いいわ。協力しましょう」

土御門(これでコマはそろった。あとは――)

海原「それで誰を狙いましょうか? またあの幻想殺しですか?」

一方「いいや。――あのクソ野郎(第二位)だ」
354: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:13:45.31 ID:YGYRCdmk0
四日目 午前中
―同所―
土御門「――というわけだ」

海原「なるほど。その規模の魔術を展開するつもりでしたか」

土御門「おそらく、攻撃魔術ではなく、探知魔術だろう。強い魔力に反応するとかな」

海原「そうなると、だいぶ厳しいですね。なにか策はあるんですか?」

土御門「できれば奇襲をかけたい。昨日、教会裏の速記原典は一方通行がやぶったから――」

海原「もう一度張りに来る、と? そのために他の速記原典は取ってしまわなかったのですね」

土御門「ああ、おおよそ正解だ。だが、一度付けた場所にもう一度付けに来るとは思えない」

海原「ではどの場所に?」

土御門「冬木市を囲めて、魔術的な意味でも効果を持ちそうなのは――ここだな」
355: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:14:12.43 ID:YGYRCdmk0
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356: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:14:41.46 ID:YGYRCdmk0
海原「この◎のところですか?」

土御門「ああ。ここには現在使われていない洋館があった。多分そこを使うだろう」

海原「日時は?」

土御門「分からない。今から行って張り込みだな」

海原「あの二人には文句を言われそうですね」

土御門「結標には言われるかもしれないが、一方通行はあの垣根にご立腹だからな。案外俺たちには怒らないかもしれない」

海原「そうだといいんですが」
357: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:15:14.27 ID:YGYRCdmk0
土御門「――という作戦で行こうと思う」

一方「あの野郎をブッ飛ばせるンなら、それで構わねェよ」

結標「本当に大丈夫かしら」

海原「時間も分かりませんし、早めに移動しましょう」

結標「わかったわよ」
358: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:15:54.86 ID:YGYRCdmk0
―幽霊洋館―
土御門「じゃあ、俺、海原、一方通行は外に待機する。結標は洋館の中で待機を頼む」

結標「私は存在がばれてないからね。了解よ」

土御門「それで、この辺りにくるとは思うが、正確な場所までは分からん。ある程度距離を置いて待機する」

海原「では私はあちら側を」

一方「土御門、お前はここだ。俺はこっちへ行く」

土御門「あいつらが来たら各自の判断で奇襲してくれ」

二人は了解と手を上げ、霊体化して消え待機した。
359: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/04(金) 18:16:32.70 ID:YGYRCdmk0
四日目 昼
結標(まだ来ないみたいだけど、お昼はどうすればいいのかしら?)

そんなことを思いながら、ポケットに入れていた飴を舐める。

すると、遠くに、空を飛ぶ物体が見えた。

――垣根帝督だ。金髪の女もぶら下がっている。

ゆっくりと洋館の正面に下りてくる。

垣根「なんでこんなところに連れてこられなきゃいけないんだよ、ったく」

オリアナ「ブツブツ言わないの。終わったら、お姉さんが相手してあげるから」

垣根「御託はいい。さっさと終わらせろ」

オリアナ「あらあら、人使いが荒いわね」

垣根「こんなところまで飛んでこさせたお前には、言われたくはないな」

土御門が二人に合図を送る。土御門、海原がオリアナ。一方通行が垣根を狙うというものだ。

土御門(よし、じゃあ行くぞ。五,四,三,二,一,〇!)

その瞬間、ガン! と銃声が鳴り響いた。
366: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:18:26.35 ID:AeE2Wsm30
垣根「へえ~。本当にお前の言った通り釣れたな」

一方通行の撃った弾をガードしながら垣根が笑って言う。

オリアナ「でしょ? その子はあなたにアゲル。私はこっちの二人と遊ぶわ」

土御門(しまった! 読まれてたか!!)

だからと言って、ここで止めるわけにもいかない。飛び出して行って、オリアナと垣根を分断しようとする。

だが、元々分担するつもりだったのか、二人は別の方向へと移動する。オリアナを土御門、海原で追っていく。

海原が槍の照準をオリアナに向けたとき、オリアナは速記原典を一枚口で千切った。そうすると、オリアナの周りが歪んだ。

オリアナ「フフッ。おそらくあなたの攻撃は光に関係してるんでしょ? だから私の周りの空気の温度を操って、屈折させてもらってるの」

海原(くっ!)

土御門「うおおおおッ!」

それならばと、近接戦闘を仕掛ける土御門に、オリアナは強烈な風をお見舞いした。
367: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:18:57.94 ID:AeE2Wsm30
垣根「よお! 第一位、殺しに来たぜ」

垣根を追ってきた一方通行を確認すると、笑いながらそう言った。

一方「チッ。調子付きやがって」

拳銃を構える第一位に対し、余裕を見せる垣根。それもそのはずである。一方通行が万全な状態であるならば、銃を使う必要もないのだから。

垣根「能力は戻ってねえみたいだな」

笑いながら、一方通行を見る。

その声に反応するように、一方通行は六回引き金を引く。だが、垣根には届かない。

垣根「もうお終いか? 弾切れかよ、つまらねえ。装填したらどうだ? そのくらいならゆっくり待ってやる」

一方「そォかよ」

と、そのまま引き金を引く。ガン! と弾が発射される。弾が入っていないと思っていた垣根は、防御が一瞬遅れた。

垣根の頬をかすめていった弾丸は、一筋の線を残していった。

垣根「テメエのスキルは自動装填ってか? もういい、あばよ」

そういい、垣根は六枚全ての翼を羽に変換し、一方通行へと飛ばした。

その瞬間、彼の目の前のものが丸ごと吹き飛んだ。
368: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:19:30.48 ID:AeE2Wsm30
強烈な風で土御門を吹き飛ばしたオリアナは、海原の方へと近づいていく。

海原「くっ」

トラウィスカルパンテクウトリの槍を発動させるが、あらぬ方向へと曲がってしまう。

オリアナ「そうれっ!!」

そんな掛け声と共に、距離を詰めた海原に強烈な蹴りを喰らわせる。

海原「ぐああああああっ!!」

土御門「くそっ!」

土御門がオリアナに向かって再度走り出した時――


――ガラガラと洋館が崩壊した。

369: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:20:01.55 ID:AeE2Wsm30
垣根「ははははははははは!! 完全に吹き飛びやがった!!」

彼の目の前から三〇〇mはもう何もなくなってしまっている。

……だが、その瞬間―――後ろから悪魔の声が聞こえた。


一方「何がだ?」


ガンガンガンガンガンガン!! と六発の弾丸が発射される。垣根の攻撃が当たる瞬間、結標のテレポートで後ろに移動したのだ。

今まで、結標が垣根に攻撃しても、未元物質がある以上、確実に命中するとは限らない。ギリギリまで粘っての奇襲しかないという作戦だ。

ただ、多少距離があったことやテレポートされたことによる目算の誤差などにより、右肩、左わき腹、左ももに当たるが即死には至らない。

一方通行は撃ち終わっても引き金を引き続けていた。カチンカチンと空を切る音が聞こえる。

垣根「ぐごっっっ!! テレポーターか………、――ふざけやがってえええええええ!!」

再び背中から翼を生やすが、演算に乱れがあるのか、一本しか生えてきていない。

だが、それを強引に振り回し、近くで隠れられる場所――洋館へと叩きつけた。
370: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:20:29.45 ID:AeE2Wsm30
垣根「はははははははははッ!! これで終わりだ!!」

そういい、『未元物質』による翼を一方通行に向けて振ってくる。

一方「オマエがなァ!!」

一方通行が凄惨な笑みを浮かべると、その引き金を引いた。

すると先ほどまで空を切っていた拳銃から、ガン! と弾丸が発射された。
371: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:21:14.75 ID:AeE2Wsm30
垣根「がっ! バ……カな……」

そう言って、頭にモロに弾丸を喰らった垣根が倒れた。

一方「俺のスキルは、自動装填なンかじゃねェンだわ。あえて言うンなら『瞬間装填』だろォなァ」

拳銃に自動的に装填されるのではなく、『自分の意思』で好きなときに装填できるというのが、彼の特殊スキルだった。

一方「じゃあな。クソッタレ」

そう言って倒れた垣根に六発の弾丸を浴びせた。
372: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:21:42.74 ID:AeE2Wsm30
オリアナ「あら? お姉さんのマスターも案外だらしないのね」

それを見ていたオリアナは、そんなことを言うと霊体化してどこかへ消えてしまった。オリアナを追跡するのは不可能だろう。

土御門「にゃー。なんとか生き残れたぜい。さて、次狙うのは柳桐寺のマスター辺りにするか?」

気を抜いたように、息を吐きながら土御門が言った。

海原「そこら辺は作戦を練りましょう……。それにしても、彼女は強いですね」

土御門「肉弾戦メインの俺には魔術、魔術メインのお前には体術と使い分けてたからな」

海原「正直、もう戦いたくはありません」

土御門「まったくだぜい。とりあえず、一方通行とどっかでゲロ吐いてるだろう結標探してさっさと撤退するか」

海原「そうですね」

海原は笑いながら同意すると、結標を探しに行った。
373: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 12:22:09.71 ID:AeE2Wsm30
ボツシーン2
オリアナ「これが私のライダーのスキルよ!!」

そういって垣根の背中に乗ると、手綱のようなものが垣根の頭に絡まる。

垣根「ふほー!! はんはほらー!?(くそー! なんじゃこりゃー!?)」

土御門「マスターをここまで足蹴にするサーヴァントは、さすがにいなかったにゃー」

土御門はそんなことをつぶやいた。

オリアナ「行くわよ? 騎英の手綱(ベルレフォーン)!!」

ものすごい勢いでグループの四人が吹き飛んだ。
378: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 18:29:31.50 ID:AeE2Wsm30
四日目 夕刻
―柳桐寺 麓―
柳桐寺は山の上にある。その山の麓、階段の前には一組の男女がいた。
麦野「ったく。さすがに一昨日のは目立ち過ぎたか」

浜面「当たり前だろ。絹旗も戦闘不能になっちまったしよ」

麦野「つまり、浜面はしばらく私だけの下僕ってことよね?」

浜面「ちげーよ!? もう少し仲間の心配とかしたらどうなの!?」

麦野「これでも心配してるのよ……」

浜面(麦野……)

麦野「私の負担が増えるんじゃないかってね☆」

浜面「くそおおおおおおおお!! 騙されたああああああああ!!」
379: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 18:30:27.29 ID:AeE2Wsm30
二人は階段を上っていく。

浜面「我々は身を隠すために、この冬木市の端にある柳桐寺まで来たわけです」

麦野「誰に向かって言ってんのよ。気味悪いから近づかないでくれる?」

浜面「もうこんな扱いにも慣れましたよ!!」

そんなやり取りをしながら昇っていき、階段も残り少なくなってくるとそこに山門とお寺が見えた。

浜面「さーて、それじゃさっそく見学を―――」

???「待ちたまえ。君たちはプレーヤーだろう? その山門を越えてきたら攻撃させてもらうよ」

山門の向こう側には身の丈二mはある神父と、黒い光沢を放つクワガタのような髪をした男が立っていた。
380: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 18:31:01.54 ID:AeE2Wsm30
浜面「なんでお寺に神父が!?」

建宮「日本じゃ神仏融合なんて珍しくもないのよな。確かに、キリスト教と混ざるのは聞いたことねーけども」

麦野「そういうあなたたちもプレーヤーなのかしら?」

ステイル「そういうことになるね」

建宮「お前さんたちが、最初の敵だからお手柔らかに頼むのよ」

麦野「分かったわ。じゃあ軽く行きましょうかね」

そう言った瞬間、麦野は容赦なく原子崩しを赤髪の神父に向けて放った。
381: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/05(土) 18:31:27.57 ID:AeE2Wsm30
その原子崩しがステイルを貫く。しかし、彼は笑って言う。

ステイル「まったく気の早い人だ。では、こちらからも行かせてもらおうか!」

浜面「ゲッ! あれ喰らってなんともないのかよ」

建宮「お前さんの相手はこっちだ!」

建宮は日本刀を抜くと、浜面に向かって一閃した。いつものフランベルジュは手元になく、代わりにお寺にあった刀を拝借したのである。

浜面「どおおおおおおっ! あっぶねー……」

前転をするようにその攻撃を回避すると、銃を構えて、その男に撃った。

だが当たらない!

……これはただ単に浜面の腕の問題だった。

麦野「ヘタクソ!」

そんな言葉が隣で神父と戦っている麦野からかけられる。
387: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:06:18.32 ID:SZQK89QT0
ステイルは麦野の原子崩しに耐えたわけではない。蜃気楼による屈折現象を利用したのである。

彼はルーンのカードを懐から取り出すと、炎の剣に変える。それを麦野に対して振るった。

麦野たちは能力者だから気が付かなかったが、ステイルは詠唱をしていない。これが、キャスターとしての特殊スキルである。

麦野「へえ~。あんたは発火能力者(パイロキネシスト)なの? だいぶ能力も強そうね」

そう言って、原子崩しをロケットエンジンのように発射してその炎を回避する。

隣を見ると、浜面(マヌケ)が銃を外していた。

麦野「ヘタクソ!」

そんな言葉を投げかけ、どう状況を打開しようか考えた。
388: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:06:45.14 ID:SZQK89QT0
ステイルは一度、二人と距離をとって言う。

ステイル「僕がここに留まっているのには理由があってね」

麦野「へえ? お聞かせ願えるかしら?」

建宮「お、もうあれを使うのか? せっかちな男なのよ」

ステイル「僕は、攻撃よりも一箇所で守る方が得意なのさ。――来い! 『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』!!」

その瞬間、摂氏三〇〇〇度を越える巨人が、二人の前に現れた。

建宮の知識を利用し、地形に沿ってルーンのカードを配置しているため、大きさは五mほどもあった。

日も落ちてきた境内で、太陽のように燃え盛っている。
389: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:07:21.86 ID:SZQK89QT0
浜面「こ、これはないでしょう!?」

麦野(これはマズイわね……思った以上に厄介だわ)

浜面は、その巨人に対して銃を撃つが、弾が当たる前に蒸発してしまっている。

麦野「撤退するぞ! 浜面!」

ステイル「すんなり帰すと思うかい?」

そうステイルが言うと、『魔女狩りの王』は持っている炎の十字架を横薙ぎに振るう。

麦野「チッ!!」

浜面「ちょ、これはっ!!」

それは、もはや爆発だった。境内は炎の海と成り果てた。

建宮「あーああ、跡形も残ってないのよな」

ステイル「そういう攻撃だからね」

そう言って魔術師二人は踵を返した。
390: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:07:48.39 ID:SZQK89QT0
麦野「くそっ!!」

麦野は原子崩しを使い回避できたが、浜面を助けるほどの余裕はなかった。

麦野「なんだっていうんだよ。あのデタラメな能力は!」

勝つのは難しいと悟り、階段を下りてゆく。頬がヒリヒリと痛い。先ほどの攻撃で軽い火傷でもしたのだろうか?

御坂「待ちなさいよ!」

やっと階段を降りきったところで、いきなり声をかけられる。

麦野「あ?」

振り返ると、そこには御坂美琴が立っていた。
391: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:08:16.40 ID:SZQK89QT0
御坂「あんたには黒子のこともあるからね。ここで決着つけてやるわよ」

麦野は非常にいらついていた。浜面を失った直後に会ったのが、よりにもよって御坂だったのだから。

御坂「ここなら周りに人もいないし、私の体調も万全。十分に力を発揮できるわ!」

麦野「調子にのりやがって……。一対一なら勝てるとか思ってんのかあああああああ!!」

そう言って、原子崩しを乱射する。

御坂「今日は随分暴走してるのね。前回黒子がテレポートしてくれなきゃ、私もそうなってたかもしれないけどさ」

冷静に、原子崩しの軌道を曲げながら言う。
392: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:08:50.48 ID:SZQK89QT0
麦野「舐めてんじゃねえ!!」

そう言って、乱射を続ける麦野に対して、御坂は電撃を飛ばした。

麦野「くっ!」

麦野が原子崩しを使い高速に移動する。

御坂「それなら!!」

以前は街中でできなかったが、電撃を一点に集中させるのではなく、広い範囲に放った。

御坂(点での攻撃じゃなく、面での攻撃なら速度があっても当たる!)

麦野「ぐおっ!!」

麦野の動きが一瞬止まる。

御坂「そこっ!」

その瞬間、地面から伸びた砂鉄の剣が麦野を貫いた。
393: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 12:09:17.26 ID:SZQK89QT0
御坂「フン。冷静ならもうちょっといい勝負ができたかもしれないけどね」

砂鉄の剣は、麦野の肩を貫いている。もう、痛みでまともに演算もできないはずだ。

麦野「くそおおおおおおお!!」

だが、それでも麦野はいつくもの原子崩しを発射する。

御坂「ちょ、あんたそれ以上やったら、自爆するわよ?」

ニヤリと麦野は笑うと、全身から原子崩しを放出した。
395: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 18:07:06.16 ID:SZQK89QT0
五日目
御坂は目を覚ますと昨日と同じ部屋にいた。衛宮家である。

―衛宮家 寝室―
御坂「あれ? なんで私ここに?」

外をみるともう、昼過ぎくらいにはなっているだろうか?

上条「お、目覚ましたか?」

御坂「なんで私がここにいるのかしら? 確か昨日、『原子崩し』と……」

上条「ああ。昨日御坂に聞きたいことがあったの忘れてて、俺も車降りて引き返したんだよ」

御坂「ってことは……」

上条「なんか危なそうだったから、あの光から守ったんだが」

御坂「そう、助かったわ……。で、聞きたいことって?」

上条「いや、白井がいなくなったけど、これからどうするのかってさ」

御坂「え?」
396: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 18:07:34.98 ID:SZQK89QT0
上条「ほら、落ち込んでて聞けなかったろ? リタイアするなら止めねーし」

御坂「それだけ?」

上条「はい?」

御坂「それだけを聞くためにわざわざ引き返してきたっていうの?」

上条「いや、他のマスターのことも言ってなかったなーと思ってな」

御坂「それどころじゃなかったからね」

上条「で、どうするんだ?」

御坂「……もうちょっとだけ続けるつもりよ」

そうつぶやいた。
397: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 18:08:08.66 ID:SZQK89QT0
―――
マスターを失ったオリアナは、土御門が柳桐寺にマスターがいると言っていたので、そこに向かっていた。

オリアナ(そろそろマスターを見つけておかないとゲームオーバーになっちゃうのよね。あの幻想殺しよりマシなマスターかしら?)

―柳桐寺―
オリアナが山門をくぐった瞬間、目の前に二人の男が現れる。

ステイル「二日連続で来客とはね。―――オリアナ=トムソン。それ以上進入すると、撃退させてもらうよ」

建宮「そういうことだ。おとなしく帰るのが、ベストってことなのよ」

オリアナは薄く笑う。

オリアナ「あら? 貴方たちのどちらかが、ここにいるマスターなのかしら」

ステイル「答えると思っているのかい? 大人しく帰った方がいい」

オリアナ「そういう訳にもいかないよのねえ。お姉さん、マスターがいなくなっちゃったから、新しいパートナーを探してるの」

建宮「そりゃご苦労なことで」

オリアナ「だけど、あなたたちは好みじゃないわ。でもどうせだし、ここで消えてもらってもいいかしら?」

そう言うと、単語帳のようなものを胸から取り出す。
398: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 18:08:34.45 ID:SZQK89QT0
建宮(おい。あのエロい姉さんはどんな魔術を使うんだ? それによって対策が変わってくるのよ)

ステイル(あの『速記原典』で色々な攻撃をしてくるのさ。同じ術式は二度使わないそうだよ)

建宮(そりゃ、まったくやりにくい相手なのよな)

オリアナ「そうね。赤髪の坊やは腰が砕けるのが早かったけど、そっちのツンツン頭のヒトはどうかしらね」

そう言って速記原典のページを千切った。
399: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/06(日) 18:09:18.90 ID:SZQK89QT0
少ないですが、ここまで。
もう片方がそろそろ書き終わるのでー。
400: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/07(月) 12:01:52.51 ID:1wT/tFnH0
そこからは、水のムチのようなものが伸びる。

オリアナ「いくわよ?」

そのムチが二人に向かって伸びてゆく。だが、難なく避ける。

建宮「さーて、お次は――」

だが、避けたはずのムチが自分を追って急にカーブしてきた。ありえない動きだった。

ステイル「油断しないでくれよ」

そういって、水のムチを炎剣で燃やし尽くす。

オリアナ「あら? 坊やも多少火力を上げたのね」

ステイル「いつまでも同じだと思わないで欲しいね」

建宮「今度はこっちから行くのよなぁ!」

そういい、攻撃に向かうのと同時に、相手が避けたときのための追撃術式を組み立てていく。
401: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/07(月) 12:02:18.29 ID:1wT/tFnH0
それに対して、オリアナは前に向かってきた。

建宮「なっ!」

驚く建宮に、魔術のハンマーを振り下ろす。

建宮「くっ!」

なんとか軌道を逸らすが、刀にヒビが入ってしまった。

ステイル「まったく。相変わらずキミはすごいね。オリアナ=トムソン」

左から回り込んだステイルが、炎剣を振るう。

オリアナ「ほめられるほどのことでもないわ」

炎剣を防御するため、同等の威力の火球を飛ばし、相殺する。

炎がぶつかり爆発を起こしている間に、オリアナは距離をとっていた。
402: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/07(月) 12:02:46.03 ID:1wT/tFnH0
三人はオリアナがここに来たときと同じような配置に戻っている。

つまり、山門前にオリアナ、それと向かい合うようにステイルと建宮が立っている。

オリアナ「そろそろ決着をつけましょうか? そういえばお姉さんあまり時間がないのよね」

そう言うと、速記原典を二枚引きちぎる。ステイルたちが身構えていると、その内の一枚がステイルに似た人形のようなものに変わる。

オリアナ「フフッ。これがなんだか分かるかしら?」

ステイル「それは僕の人形かい? どんな魔術かな?」

オリアナ「いいえ。これは魔術でできた人形であって、魔術って訳じゃないの」

もう一枚の速記原典をくわえたままそう言う。建宮は怪訝な顔をして聞く。

建宮「これで許してください、ってか? お前さんが言いたいのは、そういうわけじゃねーんだろ?」

オリアナ「こういう風に使うのよ!!」

そう言うと口にくわえていた速記原典をステイルに向かって投げた。それと同時にもうオリアナは後ろに向かってその人形を落とす。

ステイル「こんなもの!!」

両手から出した炎の剣を振り、飛んでくる速記原典を吹き飛ばす。

オリアナ「この魔術は、投げられた『速記原典』への攻撃魔術に反応して、その術者と私が設定した物体との位置を交換してしまうの」

ステイルは、視界がブレたと思うと、いつの間にかオリアナの後ろ側にいた。自分が先ほどまでいた場所には、さきほどの人形が見える。
403: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/07(月) 12:03:12.13 ID:1wT/tFnH0
オリアナ「とう!!」

ステイル「ぐううううううッ―――」

オリアナは、呆然としているステイルを後ろの階段に蹴り落としながら、さらに三つものページを千切り、建宮の方に飛ばす。

すると、その速記原典が透明な球体に変わる。オリアナが放った魔術は、『熱源の圧縮弾(フローズンボム)』。

着弾地点の周囲の熱を吸収し、圧縮して爆弾とする魔術だ。蝋燭の火くらいでも、手榴弾程度の威力になる。

防御したのでは、その部分が凍ったあとに、起爆までするのでひとたまりもない。

建宮(今度は何が起こるかわからんのよ。むやみに移動するよりは――)

その『熱源の圧縮弾』に対して、建宮は防御術式を組み立て始めたので、オリアナは完全に勝ったと思ったが――


――そこで予測できなかったことが起きる。


ステイル「―――こ、来い!! 『魔女狩りの王(イノケンティウス)!!』」

先ほど蹴り飛ばしたステイルが、階段から落ちながらも建宮の前に『魔女狩りの王』を呼び出したのだ。

柳桐寺の地形にそってルーンのカードを配置しているため、巨大な『魔女狩りの王』が現れる。
404: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/07(月) 12:03:38.40 ID:1wT/tFnH0
オリアナ(!! マズ――)

オリアナが危険を感じた時にはもう遅く、『熱源の圧縮弾』は『魔女狩りの王』に当たる。着弾した地点がごっそりと削れた。

建宮「これは!? 『魔女狩りの――」

ステイル(くっ!!)

今ので『魔女狩りの王』の形を保てず、爆発すると感じ、特殊スキルである詠唱破棄により一瞬で耐火魔術を完成させる。

その瞬間、『大爆発』が起こった。

柳桐寺が丸ごと吹き飛ぶほどの爆発が、だ。

階段から落ちていたステイルは、爆発が上に向かって起こったことや耐火魔術を完成させていたこともあり、階段の踊り場まで落ちるだけで済んだ。

ステイル(ぐっ……。あの距離で爆発を受けた二人は、さすがに助からないかもしれないね)

彼が、今まで山門があったところを見上げた瞬間――


――背後に白い修道女と、メイスを持った大男が現れた。

423: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:23:09.39 ID:5CiAHnFQ0
―衛宮家―
上条「な、なんだ今の音は?」

御坂「どこかで爆発でもあったのかしら!?」

上条「くそっ!」

神裂「ど、どこへ行こうというのですか!?」

上条「このゲームで誰かが戦ってんだろ! 確かめるんだよ!」

神裂「いけません! そのような危険な場所に行かせるわけには……」

御坂「私も賛成。今日はもう日も落ちるわ。明日になってから確認に行きましょう」

上条「くそっ!」
424: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:23:45.30 ID:5CiAHnFQ0
―新都 某ホテル―
一方「これから俺たちはどォすンだ?」

土御門「残っているマスターは、カミやん、禁書目録、超電磁砲そして、柳桐寺にいるマスターだ」

海原「御坂さんにはサーヴァントがいませんし、それ以外となると、勝ち目があるのは……柳桐寺のマスターでしょうか?」

結標「なに? 一方通行が能力使えないからって勝ち目があるのは、一組しかいないの?」

土御門「それなんだけどにゃー。カミやんのとこにも禁書目録のところにもスゲーのがいるんだぜい」

一方「できれば、そいつらで潰しあってもらえりゃァいいンだがな」

土御門「それはそうだが、待ってるだけという訳にもいくまい」

海原「それも、そうですね。では明日は柳桐寺に向かうということで」

結標「場所はどこなの?」

土御門「深山町の一番遠いところだ」

結標「結構歩くのね……」
425: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:24:11.62 ID:5CiAHnFQ0
六日目
―柳桐寺跡―
土御門「ここか」

土御門(ん?)

海原「これはひどいですね……」

一方「どォすりゃこォなンだよ」

結標「あなたなら、能力でこのくらいできるんじゃない?」

土御門「こりゃ、ここのマスターたちは生きてはいないだろうな」

土御門(これはステイルのしわざか?)

一方「ンで? 俺たちはこれからどォすンだ?」

土御門「ここに拠点を構えて、迎撃する方向で行く」
426: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:24:49.02 ID:5CiAHnFQ0
海原「どういうことですか?」

土御門「残っている連中は二組とも聖人が残ってる」

結標「聖人?」

一方(あの女か……)

土御門「人間の動きを越えた奴らだと思えばいい。そいつらには、正面から行っても勝てないだろう」

海原「それで、なぜここに拠点を?」

土御門「ここは、魔力の吹き溜まりだ。風水を見てもかなりいい条件だ」

一方「あァ? 意味わかンねェよ」

土御門「ここなら、なんとかなるかもしれないってことだぜい」
427: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:25:15.30 ID:5CiAHnFQ0
海原(で、結局どうするんですか?)

土御門(ここなら、運動能力に見合った枷をはめる術式が組めそうだ)

海原(つまり、あの聖人の運動能力を下げて対抗するってことですか?)

土御門(俺たちの運動能力も下がるけどにゃー)

海原(それで大丈夫なんですか?)

土御門(大きい力を持つものには、過大な負荷をってね。カミやんには効かないだろうがな。準備するから手伝え)

海原(わかりました)
428: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:25:45.03 ID:5CiAHnFQ0
―柳桐寺 麓―
上条「この上で、一体何があったんだ?」

御坂「それを確かめに来たんでしょ?」

神裂「では、行きましょう」

―柳桐寺跡―
上条「なにもねぇな。寺の柱とかが、その辺には刺さってるけど」

御坂「ここにあったお寺ごと吹き飛ぶって、どんな爆発だったのよ……」

神裂(当麻。わずかですが魔力の痕跡があります)

上条「じゃあ、やっぱりここにいたのはステイルか?」

神裂「そうかもしれません」
429: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:26:15.16 ID:5CiAHnFQ0
―柳桐寺跡 中腹―
土御門「カミやんたちもここに来たか……」

海原「準備はあらかた終わっています。仕掛けますか?」

一方「あいつらに不意打ちってのは頂けねえなァ」

結標「負けるわけにもいかないでしょうよ」

土御門「それもそうなんだがな」

海原「では、起動しますよ」

土御門「おい。まだ待――」

そしてその術式は起動された。
430: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:26:41.29 ID:5CiAHnFQ0
―柳桐寺跡―
神裂「ぐうううっ!!」

御坂「な、なんなのこれ!?」

上条「どうした!?」

神裂「急に体が重くっ……。敵の魔術かもしれません」

上条「くっ。触ってもだめか! 術者は近くにいるんだな?」

土御門「その通りだぜい」

神裂「土御門!!」

上条「なんでお前がここに……」

土御門「そりゃ、おそらくカミやんと同じ理由ぜよ」

上条「ってことは、あいつらも……」

海原「ええ。港以来ですね」

御坂(海原光貴!? いや、あれは、あのときのニセモノの方?)

上条「あれ? 一方通行は?」

土御門「あー、あいつはにゃー。杖ついててたから、この術式起動したときに立てなくなったぜよ……」

神裂「彼は本当に強いのですか?」

上条「そのはずなんだけどな……」
431: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 12:27:27.00 ID:5CiAHnFQ0
とりあえずここまで。

夜は御坂vs結標の予定。
433: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 18:12:13.72 ID:5CiAHnFQ0
上条「それで? 今日はここでやろうっていうのか?」

土御門「ああ。どうやら、ここ以外じゃ俺たちに勝ち目はなさそうなんでね」

御坂「私も参加させてもらうわよ?」

海原(困りました。御坂さんには攻撃できません)

土御門(じゃあ、俺がカミやんをひきつける。お前はねーちんを頼む)

海原(できるだけやってみますが、御坂さんはどうするんです?)

土御門(倒れてる一方通行と結標でなんとかしてもらうさ)

土御門「じゃあ、いくぞ。カミやん!」

海原「神裂さんの相手は僕がしましょう」

神裂「望むところです」

御坂「私は……?」

結標「あなたの相手は私がしてあげるわ」

御坂「座標移動(ムーブポイント)、結標淡希ね……」
434: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 18:12:39.93 ID:5CiAHnFQ0
結標「この前みたいに簡単に終わるとは思わないでね」

御坂「あら、そう? じゃあもっと早く終わらせるわ!」ビリ

結標「そうは行かないわ!」シュン

御坂(ん? 自分自身をテレポートさせた!? でも今感じた違和感は……)

結標がテレポートした瞬間に、彼女の背中から何か違和感を感じた。だが、確認している暇もない。

結標「今度はこちらから行かせてもらうわ」

そういうと、その辺に落ちている、爆破の名残であろう木片を御坂に向かって飛ばす。
435: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 18:13:10.33 ID:5CiAHnFQ0
御坂「うわっ!?」

御坂(それ程大きな物もないし、動いてれば当たらないと思うんだけど、体が重くて思うように動かないわね)

御坂「これならどう?」ビリ

そういうと、地面から砂鉄の剣を結標に向かって伸ばす。

結標(連続のテレポートはきついけど、泣き言をいってる暇はないわ)

砂鉄の剣をテレポートでなんとか回避する。

御坂(やっぱり! もしかしてこれは……)

結標(かといって、こっちの攻撃は動かれていればなかなか当たらない……。それなら!)

今度は近くにあった木片を、御坂の進行方向の足元へと飛ばす。

御坂(しまっ――)

御坂はそれにつまづき、倒れてしまう。動きを止めてしまってはだめだ。そう思った御坂は返しに、結標に電撃を飛ばそうとした。

結標(よし! これで、次の攻撃を回避すれば一方通行が決めてくれるでしょう)
436: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 18:13:38.56 ID:5CiAHnFQ0
一方通行は上条たち三人に見つからないところに姿を潜ませ、チャンスをうかがっていた。奇襲のチャンスは一度きり。

一方(俺は隠れて適当に撃てばいいンだろ? だが、あのオリジナルを撃てるか?)

ちょうどそんなことを考えているときに、御坂が足を取られて転んだ。これ以上のチャンスはない。

一方(チッ。仕方ねえ。手か足にでも――)

だが、その瞬間思考が停止した。
437: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/09(水) 18:14:07.48 ID:5CiAHnFQ0
結標は御坂が、頭の前に放電しているのを見て、このタイミングなら避けられる、と思っていた。――が、テレポートが発動しない。

結標(な、なんで!? なんで電極が働かないのよ!?)

御坂は、結標がなにか電気的な補強をしていることに気が付き、辺り一体に電磁波を放出していたのだ。

一方通行は、ミサカネットワークから遮断され、結標の低周波振動治療器にも影響を与えていた。

彼女は、九月十四日以来、低周波振動治療器なしでは能力を使えなくなっている。

御坂「残念だったわね」

そこそこに威力を抑えた電撃が、結標に直撃した。
448: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 12:12:57.42 ID:Qgbk+SCt0
土御門「じゃあ、いくぞ。カミやん!」

真っ直ぐ上条に向かって走り出す。だが、その速度は明らかに遅い。

上条「うおおおっ!」

一方、拘束術式の影響を受けていない上条の動きはいつも通りだ。だが、それでも、土御門の方が場慣れしているらしい。鋭いパンチが上条の顔にささる。

上条「ぐうううっ!」

土御門「これくらいのハンデがちょうどいいだろ? 来いよ、カミやん。まだまだこれからだろ」

挑発するように言う。

上条「当たり前だ……。いくぞ、土御門!」
449: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 12:13:24.55 ID:Qgbk+SCt0
海原(ぐっ。こちらは凌ぐのが精一杯です……。いつまで持つか分かりません)

神裂「はああああっ!」

神裂の動きは明らかに鈍い。体力にそこまで自信のない海原が、ギリギリところで回避し、槍で牽制することで粘っていた。

海原(かと言って、彼女と土御門さんが戦っても勝てはしないでしょうけど……)

土御門も、制限されている力は大きい。上条にも、経験による実力差で勝っているだけに過ぎない。動きは、上条の方が良さそうなくらいだ。
もちろん、上条にもここ最近で、いろいろ経験を積んでいるが、それはほぼ対魔術師や能力者に限られてくる。
拳同士による経験は、路地裏のケンカくらいで、それほど積んでいるわけではないのだ。
一方の土御門は、特別な右手もなしに、体一つでそれらを相手にしてきている。経験の質も量も違っていた。

海原(どちらにしろはやく決着をつけて欲しいものです)
450: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 12:14:02.33 ID:Qgbk+SCt0
上条(土御門は明らかに動きが鈍っている! それなら、回避され易いストレートなんかじゃなく……)

近づいてくる土御門に対して右のミドルキックを仕掛ける。

土御門(ここまで、体が重くなるなんてな。これは避けられんが)

その上条のキックを体の左側で受けとめると、返しに右の拳をボディに叩き込んだ。
上条の蹴りをまともに受けても、大してダメージを受けていないように見える。

上条(くそっ! このままやられるわけには!!)

思い切り重いダメージをくらった上条だが、なんとかその右拳を握り、土御門の顔へと叩き込もうとする。だが――

土御門「そんなパンチじゃプロの俺は倒せないぞ」

そんなゾッとするような言葉がかけられる。
土御門が、左腕で上条のパンチの軌道を変えると、さきほどボディに叩き込まれた土御門の右拳が、今度はアッパーカット気味に上条の顎に当たる。
その一撃を受け、後ろに倒れてしまう。

上条(くっ、早く立たないと……)

しかし、土御門は追撃はしてこない。逆に少し距離を取り、上条に話しかけてきた。
451: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 12:14:31.37 ID:Qgbk+SCt0
土御門「カミやんに叶えたい願いがあるように、俺たちにも成し遂げなければならないことがあるんだよ」

上条がなんとか立ち上がる。土御門が発動したという術式がなければ、立てもしなかっただろう。
それにこんな真面目になった土御門を見るのは、あの旅館のとき以来ではないかと思う。

土御門「だから悪いが、カミやんにはここで倒れてもらうぞ」

そう短く言うと、土御門は上条に向かって走り出した。これで止めを刺すという気迫が伝わってくる。

上条「俺だって負けられない。悪いが、勝ちはお前に譲れないんだ!」

上条も負けじと土御門に向かって走り出す。距離はもうない。その上条に、物凄い勢いで土御門の左拳が襲いかかった。
452: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 12:14:57.17 ID:Qgbk+SCt0
土御門「これで終わりだ。カミやん!」

土御門の左ストレートがガツンと音をたて、まともに上条の額に当たる。

土御門「んなっ!?」

だが、その強烈な一撃をくらっても、上条はそこで止まらない。確かに、土御門より実戦経験は乏しいかもしれない。
しかし、強烈な攻撃を何度もくらった経験なら、土御門よりもたくさんあった。

上条「うおおおおおおおおおおおおっ!!」

そのまま、さらに一歩前に踏み出し、右のフックで土御門の顔面を狙う。

土御門「くっ」

とっさに、土御門は右手でそれをガードした。――いや、してしまった。
そのまま、上条の右拳は、土御門の右手ごと顔に突き刺さっていった。それと同時にキュイーンと何かを打ち消す音が響いた。
453: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 12:15:24.90 ID:Qgbk+SCt0
当然、その程度の攻撃では土御門は倒れない。蹴りでもあまりダメージがなかったのだ。満身創痍の上条の拳で倒せるような相手ではない。

土御門「……そういうことだったか。―――カミやん、俺の負けだ」

倒れはしなかったが、土御門は戦いに負けていた。令呪の消えた右手をヒラヒラと上条に見せる。

上条「土御門……」

土御門は上条の方をじっと見たかと思うと

土御門「海原、一方通行、結標。俺たちの負けだ。帰るぞ」

近くで戦闘していた海原、やっと演算能力の戻った一方通行、気絶している結標にそう声をかける。

海原「そうですか。仕方ありません」

一方「チッ」

そう言い、海原は拘束術式を解くと、一方通行と結標を回収して消えてしまった。

土御門「これで残るマスターは三人だ。がんばってくれ、カミやん」

土御門は今どんな気持ちなのか、上条には分からなかった。そのまま、彼は、振り向きもせず、柳桐寺の階段を下りて行く。

土御門「アレイスターの野郎……」

去り際に、土御門がそう呟くのが聞こえた気がした。
454: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 12:15:51.63 ID:Qgbk+SCt0
ボツシーン3
一方(チッ。仕方ねえ。手か足にでも――)

その瞬間、一方通行の持っていた拳銃がバラバラに分解された。

海原「御坂さんには手出しさせません!」

海原の槍による効果だ。

御坂「助かった?」


土御門・一方・結標「海原あああああああああああ!!」

460: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 18:43:32.21 ID:Qgbk+SCt0
―柳桐寺跡―
御坂妹「お疲れ様でしたと、ミサカはあなたたちに労いの言葉をかけます」

御坂「あ、あんた、何でここに!?」

上条「御坂妹か。ってことはインデックスの使いか?」

御坂妹「その通りです、とミサカは肯定します」

神裂「それで、何のようでしょうか?」

御坂妹「あなたたちを、明日、アインツベルンの城に招待します、とミサカはあのシスターの伝言を取り次ぎます」

上条「インデックスからの招待状ってわけか……」

神裂「どうしますか?」

上条「最後の戦いだ。こっちから行ってやるさ。インデックスも罠を仕掛けてくるタイプとは思えないしな」

御坂妹「それでは了承した旨をあのシスターに伝えます、とミサカは確認をとります」

上条「ああ、頼んだ」

御坂「それじゃあ、一旦帰りましょうか」

御坂(私は……)

御坂妹「それではまた明日会いましょう、とミサカは名残惜しんでこの場を立ち去ることにします」
461: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 18:43:58.50 ID:Qgbk+SCt0
―衛宮家 居間―
上条「っててて」

神裂「すみません。私が付いていながら」

上条「いや、そんなことはねえよ。なんとか土御門を倒せたんだ。結果オーライだろ」

御坂「その割には、大分あっさり引き上げていったわね」

上条「そりゃ、マスターがやられたんだ。あのまま続ける理由なんてないだろ?」

御坂「あのね、マスターはサーヴァントがやられてもゲームオーバーじゃないように、サーヴァントもマスターがやられても、そこで終わりじゃないのよ?」

神裂「それはどういうことでしょうか?」

御坂「つまり、サーヴァントは新しいマスターを見つけて、再契約をすれば、まだゲームを続けられるのよ」

神裂「当麻か御坂さんに再契約を持ちかけてきても、おかしくなかったということですか」

御坂「もっとも、一方通行は私たちとは組まないでしょうけどね。海原(偽)なんかは分からないけど……」

上条「どちらにしろ、あと残ってるのは、俺たちとインデックスだけなんだ。明日には決着がつくさ」

神裂「そうですね」
462: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 18:44:28.52 ID:Qgbk+SCt0
上条「ところで、明日の作戦なんだが……」

御坂「悪いけど、私は残るわ。アンタたちのお邪魔でしょうし」

上条「となると……」

神裂「アックアの相手は私がしましょう」

上条「大丈夫か? かなりきついと思うぞ」

神裂「作戦というほど大それたものではありませんが、策はあります」

上条「あのアックアが攻撃魔術を使えないのはいいが、あいつは特殊スキルがあるんだぞ?」

神裂「いえ、あの状態にするのが、私の勝利条件ではないかと考えています」

上条「そうか。その辺はお前に任せる」

御坂「アンタは何すんのよ」

上条「え? それは神裂の邪魔にならないところで……」

御坂「ところで?」

上条「インデックスに説教でも」

神裂「別にあの子は何も悪いことはしてないと思いますが……」


そしていよいよ決着の日が訪れる。

463: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 18:44:55.02 ID:Qgbk+SCt0
七日目
―衛宮家 玄関―
上条「よし。じゃあ行くか」

神裂「はい」

御坂「あ、ちょっと待って。神裂さん、行く前にコイツと二人で話がしたいんだけどいいかしら?」

どうしますか? という目で上条の方を見る神裂。

上条「ああ、じゃあ悪いが神裂は先に外で待っててくれ」

神裂「はい。分かりました」ガラッ
464: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 18:45:24.70 ID:Qgbk+SCt0
上条「で、話ってなんだ?」

御坂「今日、あんたはあのシスターと決着つけにいくんでしょ?」

上条「ああ。今日で全部終わりだ」

御坂「そう。このゲーム、あんたのおかげで割と楽しかったわ」

上条「御坂?」

御坂「それだけよ。こんなこと言うの二人きりじゃないと恥ずかしいじゃない。ほら行ってきなさい! と、その前に……」

そう言って御坂は手を差し出す。

御坂「まあ、ちょっとの間一緒に戦ったんだし、最後に握手くらいね」

上条「ん? ああ、そうだな」
            ・ ・
そう言って、上条は右手を差し出した。
465: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/10(木) 18:45:52.01 ID:Qgbk+SCt0
御坂の令呪を打ち消した音が辺りに響く。

上条「み、御坂……」

御坂「な~に、なっさけない顔してんのよ! 勝って記憶を取り戻すんでしょ?」

そうだ。上条当麻には勝たねばならない理由がある。

上条「ああ」

力強くそう答えた。あとはインデックスとの一騎打ちだ。

玄関を飛び出し、待っていた神裂に確認する。

上条「行くぞ、神裂! 最後の戦いだ!」

神裂「はい!」

二人はアインツベルンの城を目指す。
468: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 12:04:57.16 ID:WEEzYK2D0
―――
―アインツベルンの森―
上条「いよいよか……」

神裂「そうですね」

御坂妹「お待ちしていました、とミサカはお決まりのセリフをかけてみます」

上条「御坂妹?」

御坂妹「はい。お二人にはそれぞれ別の場所で戦っていただきます、とミサカは連絡事項を伝えます」

神裂「別の場所というと……」

御坂妹「貴女はこのアインツベルンの森でバーサーカーと、貴方はアインツベルンの城で、とミサカは引き続き伝えます」

上条「俺はインデックスと戦うのか?」

御坂妹「はい。一人助っ人がいます、とミサカはあなたに注意を促します」

上条「そうか。サンキュー。じゃあ、俺は城に向かう。神裂はアックアを頼む」

神裂「わかりました」
469: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 12:05:25.77 ID:WEEzYK2D0
―――
―アインツベルンの森 深部―
神裂「この辺りにいますね……」

アックア「待っていたぞ。極東の聖人」

神裂「アックア……」

アックア「一人では私には勝てないと分かっていると思ったのだが」

すごい威圧感が周囲に広がる。広いアインツベルンの森を歩いてきて、動物を一匹も見なかったのはこのためか。

神裂き「ええ、以前はそうでしたが、今回はそうはいきません」

その威圧感をさらりと受け流し、答える神裂。

アックア「私が、得意の水魔術を使えないと知って勝機でも見出したか?」

バーサーカーとして、狂気を理性で抑えつけるのが精一杯で、彼は魔術が使えない。そんな状態で魔術を使おうとすれば、待っているのは自滅だ。

神裂「ええ。その通りです」

神裂は笑って、七天七刀を構える。気負いのようなものは感じられない。


アックア「おもしろい。ならば、それを証明してみろ」


その瞬間、二人の聖人は激突し、世界から音が消えた。
470: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 12:05:51.96 ID:WEEzYK2D0
―――
―アインツベルン城―
イン「待ってたんだよ。とうま」

ステイル「来ないかと思ったよ」

上条が城に入った途端、二人から声をかけられる。助っ人というのはステイルだったのか。

上条「助っ人っていうのは、ステイルか」

ステイル「ああ、そういうことだ」

上条「柳桐寺にいたんじゃなかったのか?」

ステイル「僕はあそこで偶然助かってね。そこをこの子に拾ってもらったのさ」

あの爆発から生き残ったというのも驚きだ。あれだけの爆発でどうやって生き残ったのだろうか?

上条「そうかよ」

もっとも、どんな理由にしろ、負けるわけにはいかない。

ステイル「まさか、インデックスを守る立場である君と戦うことがあるとは思わなかったよ」

上条「それに関しちゃまったくの同感だ。」

上条はステイルとの距離はそれほどない。踏み出していけば、十歩もないだろう。

イン「とうま、負けられないんだよ」

インデックスはステイルの後ろからそう声をかけてきた。インデックスの記憶を取り戻すためにインデックスと戦うなんて、おかしなことだと思う。

ステイル「長々とお話をするために来たんじゃないだろう? こい!! 上条当麻!!」
471: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 12:06:22.15 ID:WEEzYK2D0
その言葉を合図に上条当麻は一歩目を踏み出す。上条は、何度か共に戦ったステイルの弱点を分かっている。

上条(接近しないと俺の攻撃は届かない! この距離はステイルの距離だ!)

ルーンのカードを周囲に撒きながら、ステイルは言葉を紡ぐ。彼も、以前戦ったときとは異なり、上条当麻の手の内を知っている。

ステイル「この手に炎を。その形は剣、その役は断罪!」

ステイルの右手から、赤い炎の剣が飛び出した。キャスターの特殊スキルは、『詠唱破棄』であるにもかかわらず、『詠唱とともに』である。

イン(それでいいんだよ。とうまはキャスターであるステイルのスキルを知らない!)

ステイルは、上条の足を止めようとその炎剣を、横薙ぎに振るう。爆発のような炎の塊が上条に向かって近づいてくる。

上条「そんなもんが効かないっていうのは分かってんだろうが!」

上条は右手を体の前に出すと、その炎の中に突っ込んでいく。爆炎を打ち消し、再びステイルとインデックスを視界に捉える。

ステイルとの距離はもうそれほどない。彼は右の拳を強く握り締め、ステイルに飛びかかった。


上条「これで終わりだ!」


幾人もの相手に打ち勝ってきたその右手が、ステイルの顔を貫いた。
475: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 18:40:51.55 ID:WEEzYK2D0
―――
―アインツベルンの森―
神裂の七天七刀とアックアのメイスが真正面からぶつけられると、二人を中心に衝撃波が生まれた。
その衝撃波で、近くの木々は吹き飛び、二人の足は地面にめり込んだ。

神裂(しかし、これでも以前よりは出力が下がっています!)

神裂「七閃!!」

神裂はワイヤーを操り、アックアに対して攻撃を仕掛ける。これで学園都市の戦いで傷をつけたことがある。ダメージは通るはずだ。

アックア「ふん!」

しかし、アックアはそのメイスを振り、ワイヤーを引き千切る。だが、その程度で神裂は攻撃の手を緩めない。
セイバーとしての特殊スキル「治癒能力の向上」は神裂との相性に最適だった。唯閃を使用しての長時間戦闘を可能にしている。
金属音が幾重にも重なり二人の聖人の戦いは続いていた。そんな中アックアが神裂に話しかける。

アックア「今回は限界がなかなか来ないのであるな。何か細工でもしたか?」

神裂は手を止めずに答える。

神裂「ええ、それがセイバーとしての私のスキルのようです」

アックア「それにしては、だいぶ抑えて攻撃をしているのではないか?」

アックアは神裂の刀をかわし、メイスを振り下ろしながら言う。

神裂「私としては、当麻があの子から令呪を消すまで耐えればいいわけですし」

メイスを受け流しながら、さらりと答える。半分は本気だ。あとの半分は、アックアに勝つためにワザと煽るようなことを言っている。
あのバーサーク状態にこそ、勝機を見出しているからである。

アックア「なるほど。そういうことであるか」

メイスで、神裂を吹き飛ばし、距離を取る。神裂は、わざと後ろへ飛んでいるのでダメージはない。

アックア「ならば、出し惜しみなど不要。いくぞ」

神裂(それを待っていました)

その声と共に、荒野と成り果てている場所に咆哮が響いた。
476: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 18:41:19.06 ID:WEEzYK2D0
―――
―アインツベルン城―
上条の拳は文字通りステイルの顔を貫いていた。しかし、手ごたえがない。

ステイル「これは君も知っていると思ったんだがね」

後ろからステイルの声が聞こえる。今になって、オルソラを救出したときに彼が蜃気楼を使っていたのを思い出した。

上条「し、しまっ―――」

振りぬいた拳をそのまま止めず、後ろを向こうとする。

ステイル「これでお終いだ、上条当麻!!」

炎の双剣が瞬間的にステイルの両手に現れ、ゼロ距離の攻撃が上条を襲う。
上条が振り向いた瞬間、容赦のない爆炎が彼を飲み込んだ。

ステイル「どうだ!?」

爆炎に向かってそう言うが、警戒は解かない。あの男は、死んだと思ったそこからが本番なのだから。
しかし、それでも今のは手ごたえを感じた。無傷とは行かないはずだ……。

上条「まじで死ぬかと思ったぜ」

ところどころ服は燃え落ち、髪からも焦げたような匂いがする。だが、生きている。
上条は、間一髪でその右手をステイルとの間に差し込んでいた。たしかに無傷ではないが、それにしても、予想よりもダメージが少な過ぎる。

ステイル「くそっ」

慌てて次の炎剣を発生させる。しかし――

上条「遅せえ!!」

今度こそ、上条の右拳がその炎剣ごとステイルの顔を捉えた。
477: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 18:41:47.54 ID:WEEzYK2D0
―――
―アインツベルンの森―
神裂(それを待っていました)

神裂「七閃!!」

アックアの咆哮が始まると同時に、神裂はワイヤーを操る七閃を繰り出した。しかし、目的はアックアではない。
彼女は、ワイヤーで三次元的な魔方陣を作成する。

神裂(体内にかけている補助魔術を乱せれば!!)

聖人である彼女は、内臓を潰してしまわないように、どの程度の魔術をどの部位に対してどれだけかける必要があるか、ということを十分に理解している。
そうでなければ、ここまで戦えない。ワイヤーで作った魔方陣は、それを乱すものだ。電波を電磁波で妨害するようなものといえば、分かりやすいだろうか。
もちろん、通常の状態ならば、自分もアックアも、なんの問題もない程度の効果しか生み出さない。

神裂(しかし、今のアックアは暴走状態です。これなら―――)

アックア「」

ズドン!! と、もの凄い勢いのメイスが振り下ろされる。

神裂(やはり! スキルで攻撃力は上がりましたが、スピードは格段に落ちています!)

しかし、威力の上昇具合はもの凄く、前回戦ったように、攻撃を受けてしまえば骨折どころでは済まないかもしれない。
だが、今までよりも、神裂にとっては戦いやすいと思えた。

神裂(このような戦いにおいて、重要なのはスピード! 当たれば、結局倒されるのですから、力はもはや関係ありません!)

そして、アックアを暴走状態にしたのには、もう一つ理由があった。
それは『唯閃』を当てるためである。唯閃とは、神速の抜刀術。特定の宗教に対し、別の教義で用いられる術式を迂回して傷つける必殺の一撃だ。
アックアは、神裂と同等かそれ以上に多種多様な術式に精通していた。だからこそ、今まで防がれていたのである。
それを、この暴走状態でまで、できるとは思えない。

神裂「今です!!」

一瞬の隙を見せたアックアに対し、唯閃を放つ。狙いは、本人ではない。メイスだ。武器をなんとかすれば戦闘が終わると思ったからである。

そして、その斬撃は、見事アックアのメイスを根元から切り落とした。
478: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 18:42:14.49 ID:WEEzYK2D0
―――
―アインツベルン城―
イン「ステイル!!」

上条の拳を喰らい、ステイルは後ろに吹っ飛んだ。

ステイル「ぐぁっ!? ん……?」

ステイルは倒れたまま、何かに気づいたような顔をしている。

上条「さあ、インデックス。俺の勝ちだ!」

土御門には効かなかったが、ステイルは体を鍛えているわけではない。今の一撃で立てないだろうと思ったが――

ステイル「くっくっくっく……はっはっはっはっは!! そういうことだったのか」

そんなことを言いながら、ステイルは再び上条の前に立ちふさがった。その顔は先ほどまでとは明らかに違う。

ステイル「やっぱりこの子の言っていたことは正しかった」

上条にはステイルが何を言っているか理解できない。

上条「何をいってやがる……?」

ステイル「いいや、君は知る必要はないよ。僕が知っていれば、立ち上がるには十分な理由なのさ。それに―――」


ステイル「この子を『僕が』守っているということを忘れていたよ。それに気付いてしまったからには、僕は君ごときの攻撃で倒れるわけにはいかないんだ」


そう言って、彼はインデックスを一瞥すると、詠唱を紡ぎだす。

479: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 18:42:41.31 ID:WEEzYK2D0
ステイル「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」


どれだけの歳月を労しても、戻れないと思っていたこの立ち位置に、今、ステイルは立っている。
――忘れていたのではなく、そんなことはありえないと頭のどこかで思っていたのかもしれない。


ステイル「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する光なり」


以前、一人の少女を守るために掴み取った技術があった。
そのために要した多くの痛みや苦しみに今さら後悔などあるはずはない。


ステイル「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を罰する凍える不幸なり」


――嬉しくなった。用済みになったと思われたこの技術を、また少女を守るために使えることを。


ステイル「その名は炎、その役は剣」


一年前に失ったものが大きかっただけに、こんな状況でも、彼の心の隙間が、埋まっていくのを感じた。


ステイル「顕現せよ」


――守ると決めた少女が、再び自分を見ている。そう思うだけで、ステイル=マグヌスは、全身に力がみなぎっていくのを感じていた。


ステイル「我が身を喰らいて力と為せ―――『魔女狩りの王(イノケンテイウス)』!!」


ステイルは、大量のカードを床にばら撒く。そのカードのルーンは、彼を中心に渦を巻いて収束していく。
それと同時に摂氏三〇〇〇度の紅蓮の巨人が彼と上条当麻の間に出現した。


ステイル「行くぞ、『魔女狩りの王』―――」


この少女のためにも、目の前の男に負けることなどできない。

『たとえ君は全てを忘れてしまうとしても、僕は何一つ忘れずに君のために生きて死ぬ』

――そう誓った。


ステイル「Fortis931―――我が名が最強である理由をここに証明しろ!!」


そういって、14歳の少年は、全力で一歩を踏み出した。
480: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 18:43:13.51 ID:WEEzYK2D0
ボツシーン4
ステイル「Fortis931―――我が名が最強である理由をここに証明しろ!!」


そういって、14歳の少年は、全力で一歩を踏み出した。


インデックス(詠唱は必要ないんだよ……)
482: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/11(金) 23:00:06.45 ID:rDp4pKFAO
やだ…なにこのステイル素敵…
486: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/12(土) 12:22:15.32 ID:Va4p/fk60
―――
―アインツベルンの森―
唯閃による攻撃が成功し、ゴドンとアックアのメイスが地面に落ちる音がする。

神裂(これで勝負は付きましたね)

そう警戒を解いた瞬間、アックアの拳が、神裂のこめかみに衝撃を加えた。その威力で、一〇〇m近く吹き飛んでしまう。
気を抜いたところにもらってしまったので、そのダメージは計り知れない。

神裂(ぐっ……。なぜ、そこまでして戦闘を続けるのでしょうか? このまま続ければ、死んでしまうかもしれないというのに)

インデックスに対する忠誠心だろうか? 答えは違った。

アックア「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

アックアはただ暴走しているだけだった。これでは、もはや獣と同じである。

神裂「くっ!! ならば、気絶させるしかありません!!」

セイバーのスキルは外傷のみで、脳の揺れまでは治してくれないようだ。ふらつきながら立ち上がる。

アックア「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

ものすごい勢いで、アックアと神裂の距離が縮む。徒手空拳でもアックアは未だ脅威なのだ。
ここで、神裂は予想外のことに気付く。アックアのスピードが増している! ワイヤーが切れて、魔方陣が壊れたのか? そんなことではない。
だた単に、メイスがなくなったことでスピードが上昇していたのである。

神裂(これでは、手加減をする余裕はありません!!)

七閃を繰り出し、アックアの動きを止めようとする。だが、そのワイヤーをものともせずに、神裂に向かって突っ込んできた。
彼の体には大量の切り傷が浮かび、血が流れる。だが、進む勢いは止まらない。アックアの攻撃を七天七刀で受け続ける。
拳に魔術的な補強をしているのか、金属と金属のぶつかるような音が、鳴り響いた。
487: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/12(土) 12:22:49.80 ID:Va4p/fk60
―――
―アインツベルン城―
上条(あれは……)

上条は目の前に現れた炎の巨人に相対していた。

上条(あれと戦うのは初めてだな)

共に何度か戦った記憶はあるが、ステイルと対戦したという記憶はない。

上条(あれも俺の右手で――。いや……)

そこで思考を止めるな、と叫んでいる自分がいる。

上条(そうだ! 確か、大覇星祭で、あの『魔女狩りの王』にさわったときには、アイツは消えなかったはずだ)

そう、オリアナと対戦したときに一度触っている。あれがなければ、今頃、あれに向かって突っ込んでいたかもしれない。

上条(どうする……?)
488: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/12(土) 12:23:38.09 ID:Va4p/fk60
ステイル(どうする……?)

ステイルは上条よりも焦っていた。魔術とは生命力を変換したものであり、なんとか立っている今の状態では『魔女狩りの王』を維持するので精一杯だ。

ステイル(時間がない。ならばこちらから仕掛ける!)

ステイル「行け! 『魔女狩りの王』!! そこの男を燃やし尽くせ!!」

その声を合図に、炎の巨人が上条に襲い掛かる。

上条(前見たときよりも、動きが遅い? これなら――)

『魔女狩りの王』の攻撃を右手一本で払うと、一旦距離を取る。そこで気付く。右手で触っただけで、『魔女狩りの王』は一回り小さくなっていた。

上条(ステイルも限界ってわけか! 本人を狙うよりも、まずはこの『魔女狩りの王』を消す!)

そして、上条は炎の巨人に向かって駆け出す。
489: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/12(土) 12:24:42.70 ID:Va4p/fk60
次の更新で決着。

最後までとりあえず書けたが、ハッピーエンドじゃないかもしれん。

バットエンドでもないと思うけど。
490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/12(土) 18:04:50.04 ID:Va4p/fk60
―――
―アインツベルンの森―
そんな攻防がどれだけ続いただろうか。神裂も受け続けるのがきつくなってきた。

神裂(そろそろだと思うのですが……。ぐうううううっ!!)

肩にアックアの一撃をくらってしまう。衝撃は受け流したものの、それでも数mは後ろに吹き飛ばされる。
その隙を見逃さず、暴走したアックアはもの凄いスピードで神裂に迫ってきた。これは避けられないかもしれない。

アックア「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

神裂「間に合いませんか……」

そう言ったとき、なんの前触れもなく、アックアの体は糸が切れたように地面に崩れた。神裂が反撃したわけではない。
失血により、気を失ったのだ。七閃で何ヶ所も体を切っていたので、その傷口からは大量の血がこぼれている。
むしろ、よく今まで倒れなかったというくらいの量であった。

神裂「ギリギリでしたか。まあ、あなたも人間ですからね」

そう言い、手当てを済ませると、神裂はアインツベルンの城へ向かった。
491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/12(土) 18:05:20.24 ID:Va4p/fk60
―――
―アインツベルン城―
一方、上条とステイルはまだ戦っていた。しかし、優勢はほぼ決まっている。
右手によって『魔女狩りの王』もすっかり小さくなってしまってたのである。おそらく、次に上条の右手に触られたら、それだけで消えてしまうだろう。

ステイル「くそっ!! 『魔女狩りの王』!!」

なんとか向かってくる上条を止めようと、ステイルが命令を出す。だが―――

上条「これで終わりだ!! 消えろ!!」

上条の右腕が大きく振り上げられる。今の『魔女狩りの王』では避けることもできない。ステイルには、もう上条に勝てるような切り札は残っていなかった。


―――しかし、まだ『インデックス』には一つ切り札が残っていた。


イン「JAB(砕けろ)!!」

スペルインターセプトだ。

上条「し、しま――」


大きく拳を振り上げていた上条の目の前で、『魔女狩りの王』が起爆した。
492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/12(土) 18:05:46.97 ID:Va4p/fk60
その爆発で上条は直撃を受けてしまった。体が五mは離れていた壁に叩きつけられる。

上条「がはっ!!」

そのまま地面に落ちてしまう。意識がもうろうとしてしまっている。ステイルは、もうそちらを見ていなかった。

ステイル「しかし、キミも無理をするね。僕ですら、あんな無茶なことはしないよ?」

イン「だから、あの大きさになるまで使えなかったんだよ」

インデックスと言えど、少しタイミングを間違えてしまえば、『魔女狩りの王』とともにステイルまで吹き飛んでいただろう。そのくらいの綱渡りだった。

ステイル「さて、君は立ち上がれるのかい?」

改めて、ステイルは吹き飛ばした方を見ると、その男はまだ床に倒れていた。

上条「くそっ……」

歯を食いしばるが、とても立てそうにはない。

ステイル「だろうね。あの男ならそれでも立ち上がってくるんだろうが……」

あの男とは誰だろうか、と思ったところで意識が途切れた。
494: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 12:25:14.80 ID:P36tg/Kj0
―――
神裂がアインツベルンの城にたどりついた時には、既に勝負はついていた。彼の右手によって、左手の令呪が消えてしまっている。

神裂「そうですか……。当麻は負けてしまったのですね」

ステイル「ああ。悪いが僕らには負けられない理由があるのでね」

イン「そのためにも、こうするしかなかったんだよ……」

神裂「そうですか」

神裂は、上条の手当てをし始める。

ステイル「放っておいても、もうじき全て終わるんだ。わざわざ手当てするほどのことでもないと思うが」

神裂「いえ、せめてもの侘びのつもりですので」

ステイル「好きにするといいさ」
495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 12:25:41.80 ID:P36tg/Kj0
イン「これでマスターは私一人になったんだけど、かおりはどうする?」

上条の手当てを終えたところへ、インデックスがそう聞いてきた。

神裂「どうする、とはどうのような意味でしょうか?」

イン「私のサーヴァントになれば、いろいろ話せるんだけど」

ステイル「僕たちがなんのために戦っているのか、とかね」

神裂「……遠慮させていただきます」

イン「……どうして?」

神裂「今回私は、上条当麻に恩を返すつもりで参加しました。ですので、彼を守れなかった私が、そちらに付くことはできません」

ステイル「そうかい……。それじゃあ僕たちは教会へ向かうとするよ」

イン「……。わかったんだよ、かおり」

そうして二人は教会へと向かった。
496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 12:26:13.27 ID:P36tg/Kj0
―――
―教会―
アレイスター「ようこそ。君が勝ち残ったのだね」

イン「そうなんだよ」

ステイル「いいから、さっさと進めて欲しいね」

アレイスター「まあ、いい。それでは問おう。君たちの願いは何かね?」

イン「私たちの願いは――」


イン「『元の世界に戻して欲しい』なんだよ」


アレイスター「やはりそうか。この世界は住み心地がいいのではないのか?」

イン「でも、ここにはいられない。だって―――」


イン「とうまは、まだ帰ってきてないんだもん……」

497: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 12:26:44.04 ID:P36tg/Kj0
アレイスター「いいだろう。では元の世界に戻そうじゃないか」

ステイル「あんな魔術を使うなんてね。しかし、一体何のためにこんなことを?」

アレイスター「話す義理もないが、まあ、教えてやろう。私の趣味は人間観察だ。特に、幻想殺しの周辺の人間は非常におもしろい」

イン「そんなことで……」

アレイスター「さて、もういいだろう。全員を元の世界に戻す」

イン「…………」

ステイル「チッ」

そして、二人は最初に元の世界へと戻っていった。
502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:42:10.60 ID:P36tg/Kj0
―――
アレイスター「聞いていたのだろう? 土御門元春」

物陰から土御門が姿をあらわす。闇から急にでてきたような出現のしかただった。

土御門「ああ。俺も真実に気付いたからな」

アレイスター「ほう……真実かね」


土御門「これは『黄金練成(アルス=マグナ)』なんだろ?」


そうアレイスターに問いかけた。
503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:42:38.09 ID:P36tg/Kj0
アレイスター「なぜそう思うのだ?」

土御門「簡単だ。これはゲームにしてはリアル過ぎるんだ。痛みもそれ以外の感覚もな。魔術を使えるというのもおかしい」

アレイスター「それだけかね?」

土御門「いや違う。カミやんはロシアから帰ってきていないからな。あれだけ精巧な幻想殺しを想像できるのだから驚いたが……」

アレイスター「まあ、その話は後でするとしよう。……それで、いつ気がついたのかね?」

土御門「俺は、カミやんの右手で殴られたときだよ」

アレイスター「ああ。あのときか。しっかり見させてもらった」

土御門「おそらく禁書目録は、最初から気がついていたんだろうけどな」
504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:43:16.74 ID:P36tg/Kj0
アレイスター「いや。あれも最初から気がついていたというわけではない」

土御門「どういうことだ?」

アレイスター「初めは、気がついていなかった。他のものと同じくゲームだと思っていたんだろう」

アレイスター「だが、ここに来たときに、私から魔術が発生しているのには気がついた」

土御門「黄金練成だと気がついていたわけじゃない、ってことか」

アレイスター「あれがそれに気がついたのは、城に戻ったときだ」

土御門「城? なぜだ?」

アレイスター「では、君は私がどうやって、黄金練成の呪文を唱えたと思う?」

土御門(こいつは、あの長い呪文を唱えたりはしないだろう。だとすると……。たしかアウレオルス=イザードのときは……)

土御門「まさか……」


アレイスター「そう、『妹達(シスターズ)』だよ」

505: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:44:29.13 ID:P36tg/Kj0
アレイスター「世界に散らばる妹達には別の使い道があるのでね。第三次製造計画を利用させてもらったよ」

土御門(外道め……)

アレイスター「あれは、発動している魔術が『黄金練成』だということに気がつき、またここに来たのだよ。そのときに答えてやった」

土御門「そういうことか」

アレイスター「そして、忠告した。黄金練成についてを自分のサーヴァント以外に話せば、そのことに関する記憶を全て消すとね」

土御門「だが、ならなぜ、俺にステイルを呼ばせた。黄金練成ならわざわざ呼び寄せる必要もなかっただろう」

アレイスター「これは正確には黄金練成ではない」

土御門「黄金練成じゃない……?」

アレイスター「呪文に一部改変を加えた」

土御門「改変を加えてちゃんと術式が起動しているのは驚きだがな」

アレイスター「おかげで、一つの利点と、一つの不具合が生じた」

土御門「利点と……。不具合……」

アレイスター「利点は、自分が不可能と思っていてもある程度は実現可能である点」

土御門「それが、この舞台とカミやんか……」

アレイスター「そして不具合は、その黄金練成の効果が三回しかなかったという点だ」

土御門「それじゃあ……」

アレイスター「私の最終目的の達成は無理だった。そこで、一つ目を幻想殺しに関して使った」

土御門「回数制限があるから、黄金練成を知っている禁書目録とステイルには世界の改変を見せないように目隠しをさせたってわけか」

土御門「やっぱり、あの最初の機械は、ただの催眠誘導装置だったのか」

アレイスター「そうだ。二つ目でこの舞台を用意し、三つ目で勝者の願いを叶えることにした」
506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:45:19.77 ID:P36tg/Kj0
土御門「なぜそんなことをした? まさか、本当に人間観察なんて理由じゃないだろ?」

アレイスター「それについては―――」

ちょうどそのとき、二人は冬木市の教会から、窓のないビルの内部へと戻ってきた。

アレイスター「ちょうどいい。後ろを見てみるとその理由が分かるだろう」

土御門(後ろ?)

振り返ると、そこには傷だらけの上条当麻が倒れていた。ところどころ手当てはされているが、気を失っているようだ。

土御門「なっ!?」

アレイスター「私が一つ目に改変したことは、彼を知っている者に、彼がロシアから生還したという記憶を植えつけたことだった」

土御門「なん……だと……? それは、つまり……」

アレイスター「私の計画に、彼は必要な存在だったのだが、手元から離れてしまった」


アレイスター「―――だから作ったのさ」


土御門「作った……? このゲームが、そのテストだとでも言うのか!?」

アレイスター「ああ。異能を打ち消す機能は従来よりも強く出すぎてしまった。もっとも、私が欲しているのはそんな機能ではないが」

土御門「バカな! このカミやんには違和感がなかったぞ! 妹達ですら、あの超電磁砲とあそこまで違うというのに!」

アレイスター「あれは、超電磁砲の記憶をインプットしていない。これには、記憶をインプットして、仮の感情をもたせた」

土御門「アンダーラインを使っても、学園都市の外の情報は得られないだろうが!」

アレイスター「彼には、外に出るたび、ナノデバイスを仕込んでいた。ロシアで一方通行と戦闘して以降のデータは送信されていないがね」
507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:45:51.87 ID:P36tg/Kj0
土御門「それにしたって……」

アレイスター「ふむ。友人の君が気がつかなかったのだから、『この』幻想殺しもどきは、内面は合格点だろう」

土御門「なんだって? 『この』……?」

アレイスター「まさか君は、これがまだ初めての実験だとでも思っていたのか?」

土御門「そういうことか……。それで? これは何回目の実験(ゲーム)なんだ?」

アレイスター「今回で5722回目だ。今までの幻想殺しもどきは、最後まで生き残れすらしなかった」

土御門「そのたびに、リセットして、調整してやり直しか……」

アレイスター「ああ。君もなかなか楽しめただろう?」

土御門「くそっ!!」

アレイスター「さて、また調整をしなければな」


そうして、アレイスターの計画を止められず、この5722回目のゲームは幕を降ろした。

508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:46:23.88 ID:P36tg/Kj0
―――
イン「ねえ。ステイル?」

ステイル「どうしたんだい?」

イン「いつになったらとうまは帰ってくるかな?」

ステイル「さあね。でも、きっとそんなに先にはならないんじゃないかな?」

ステイル(生きていろよ、上条当麻。この子をこれ以上悲しませるのは、僕が許さない……)


イン「うん! 早く帰ってきてくれないかな、とうま」


しかし、彼女の知る上条当麻はもういない。

                                                  完
509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/02/13(日) 18:48:04.56 ID:P36tg/Kj0
以上です。

長い間ありがとうございました。

続きがありそうな終わり方ですが、多分続きません。

上条さんめっちゃ書きにくかったです。逆にアイテムとか書いてて楽しかった。

また、別の作品で読む機会がありましたら、またよろしくお願いします。

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