FC2ブログ

ヒカル「さ・・・い?」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 22:09:01.07 ID:BFiLFJCe0
ヒカル「なぁ佐為」

ヒカル「オレもう23だよ」

ヒカル「あれから10年なんだな」

聞こえるはずのないその声を
進藤ヒカルはつぶやきつづける
今日は5月5日、佐為と別れた日

佐為の秘密――アキラには言うと
言ったけど、結局は言わないまま墓に
行くんだろうとヒカルは思っている
幽霊に碁を教えてもらったなど誰が信じるか
アキラは信じてくれるかもしれない
けど、いう気にはなれないのだ

ふっきれたと思っていた後悔の念は
まだまだヒカルを捕らえて離さない

あのころの期待の新星棋士は
もう囲碁界をしょって背負う青年になっていた


注目記事




11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 22:11:20.51 ID:BFiLFJCe0

アキラ「進藤。何ブツブツ唱えてるんだ
キミはこの季節にはいつも変になるな」

ヒカルのライバル、塔矢アキラは
あのおかっぱ頭を潜め、ショートになっていた
甘いマスクは健在で彼が婚約したと知ったとき
泣いた女性は数知れずとのこと

17: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 22:14:12.27 ID:BFiLFJCe0
アキラ「碁会所なんて久々だな」

ヒカル「だな。でもお前があの受付の人と
結婚するなんて人生何が起こるか
わかんないぜ」

アキラ「市河さんを悪く言うな」

ヒカル「別に悪くいってねーよ。
たく嫁さんのことになるとすぐ
かっかするんだから。
てかなんで苗字呼びなんだよ」

碁会所は相変わらずジジババが多いけど、
着実に子供の数は増えてきてる
未来のオレ達を一目でも見ていこうと、
忙しい合間をぬってきたわけだ
19: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 22:15:50.72 ID:BFiLFJCe0

アキラ「やぁ」

ヒカル「ちわー」

市河「あら、あなた、進藤クン。
久しぶりね~。今日は休み?」

ヒカル「まぁね。ってか何?あの人だかり」

ヒカルが指差したソコには立派なギャラリーが
集まっていた

市河「それがね、今朝スゴイ碁打ちさんが現れたの。
北沢さんに36子置き、しかも後手でコミなし
で勝っちゃったの。」

アキラ「36子?北沢さんていうと自称初段の?」

市河「そ。まぁ腕は確かだけどね。
で、北沢さんてあの性格でしょ?
勝つまでやるぞー!って言って今24局目。
全部負けてるけどね」
21: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 22:18:55.98 ID:BFiLFJCe0

ヒカル「どんなやつだよ。こっからじゃ
ギャラリーで全然見えないぜ」

市河「それがすんごい美人!平成の大和撫子って感じなのよ~」

ヒカル「女のゆう美人は信用できねぇ・・・」

アキラ「失礼だな」

ヒカル「お前が怒るのな。江戸川や小島は?」

江戸川と小島は最近碁会所にきてる小学生だ
バーロォバーロォうるさいが、
弟みたいでかわいいやつらだ

市河「今日はゴールデンウィーク中だから
どちらも旅行ですって」
23: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 22:20:07.82 ID:BFiLFJCe0
ヒカル「おもしろくねーなぁ。ってあっちは
おわったみたいだな」

北沢「ちくしょー!!」

アキラ「負けたみたいだ」

??「ありがとうございました」

かぼそくも、凛とした声がひびいた
どうやら対戦者が帰るらしい
平成の大和撫子を拝んでやろうと
オレは目をやった



すんごい美人がそこにいた



25: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 22:21:17.31 ID:BFiLFJCe0



着物をまとったその姿は、オレが見たどの
TVなんかでやってる和服美人より自然で
今時珍しい黒髪ロングを腰までのばしていて
それでいて痛むことなくなおかつ似合っている

そしてその面影はどことなく・・・

??「では私はこれd・・・アッーーー!
ヒ、ヒカル?!ヒカルじゃないですかーーー!!
元気でした?私ですよ私!!!!」

ヒカル「さ・・・・・い?」

そんな馬鹿な
お前成仏しただろ?

佐為?「ヒカルっっっ!!」
26: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 22:22:14.38 ID:BFiLFJCe0
ガバっと抱きつかれ、オレはしばし
思考が停止した
その様子をアキラと市河さんが呆然と
して見てる(もちろんギャラリーも

佐為?「あ、いきなりこんなこと言われても
信じれませんか?一局打ちましょうか?
そうだ、打ちましょう♪」

佐為?に強引に勝負を持ちかけられ
停止していた思考が徐々に働き出した
一子一子打つごとに推測だったモノが
確信に変わった

ヒカル「この打ち方・・・お前ほんとに」

佐為「はい、藤原佐為です。
ヒカル、私は戻ってきました」
36: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 22:26:43.13 ID:BFiLFJCe0

佐為によると、気がつくと碁会所の前に
このままの姿でいたらしい
自分の使命を果たしたはずなのに何故か
現世によみがえった彼はなぜか美少女に
なっていた
しかし元から女顔だったため、ヒカルにとってはさして違和感はなかった

アキラは「え?え?」と終始うろたえっぱなし
だったし(こいつは碁以外のことに関すると
まるっきり駄目な社会不適応者だ)、
市河さんが「どうゆうこと?!
進藤クンの・・・キャーvvそうゆうことvv」
などと言ってうるさかったのでオレは佐為を連れて
碁会所から急いで一人暮らしのマンションに
戻った

あたりはもう真っ暗だ

ヒカル「なんか心当たりとかないの?戻ってきた理由」
65: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 23:12:50.87 ID:BFiLFJCe0


佐為「そうですね・・・神の一手を極めるのは
私じゃないと悟って清く成仏したはずなので・・・」

そういって佐為はうーんとうなった
そうだよな、とオレはうんうんと心の中でうなずく
なんでかオレは喜びより疑念の方が心境的に大きい
一回死んだと思ったら生まれ変わって美少女になるなんて
こんな都合のいいことがあるのか
いや、あってよかったのだとヒカルは無理やり納得する
こうしてあの日の師匠が帰ってきた
それだけでいいじゃないかと

しかし

ヒカル「お前その・・・若返ってないか?」
66: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 23:13:39.66 ID:BFiLFJCe0
佐為「へ?あぁ、そうですね
元の私に比べたら幾分か」

ヒカル「高校生くらいにみえるぞ;」

霊体だったころの佐為はどう贔屓目に見ても
20代半ばといった印象だったが、
今の美少女佐為はそれこそ16~18の少女だ

佐為「そうですね。
まぁ碁を打つのに外見は関係ないですから♪」

なんつう考えなしだ・・・
まぁ、こっちとしても長髪の野郎よりは
かわいらしい女の子の方がいいけどな、とヒカルは
考え自己嫌悪におちいる

ヒカル(すっかり考えもおっさんぽくなったな・・・)

そんなヒカルを尻目に、佐為は部屋の中を物色し始めた
78: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 23:32:08.27 ID:BFiLFJCe0
ヒカル「何してんだよ!」

佐為「ヒカル!碁盤は?!」

ヒカル「あるから!そんないじんな!!」

佐為「どこにもないじゃないですか!
まさかヒカル、碁をやめて・・・?!」

ヒカル「あほ!部屋掃除するのに邪魔だったから
どかしただけだ。
今トイレにあr

佐為「ひぃぃ!ひ、ヒカルの不潔!!」

佐為の目線の先にはベットの下――
AV倉庫があった
和谷なんかの碁打ちが集うオレの家は
実家住まいのヤツがアダルト~な
ビデオや写真集を隠すうってつけの場所となっている
野郎共の欲望が詰まったこの部屋は、
つまりオレに彼女がいないことも示していた
80: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 23:34:01.17 ID:BFiLFJCe0
ヒカル「あぁわりぃ。でもお前も元男だろ?
そんなにうろたえなくてもさ;」

佐為「わっ私はこんなもの見ません///!!
ヒカルなんて最低です!
あのころのかわいいヒカルを返してください!」

そういって顔を真っ赤にして頭をカポカポたたいてくる
生前が男とは思えない清純っぷりに
ヒカルは困惑しながらも

ヒカル(ま、1000年ありゃぁ性欲も消えるわな・・・)

と己を納得させた
84: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 23:47:03.43 ID:BFiLFJCe0

ヒカル「ごめんてばー」

佐為「・・・」

ヒカル「悪かったって~~~」

あまりにも佐為の反応が面白かったので、
その中から一番ヌルイと思われるエロ本を出し(オレの優しさだな)、
佐為に見せびらかしたのがまずかった
ほれほれ~とページをめくって
目の前につきだし、その度「ひぃぃ///」だの
「変態///」だの反応がある内はよかったのだが、
だんだん声も小さくなり、しまいには
「ぐすんぐすん・・・ヒカルのばかーー!」
と泣き出してしまった

こいつは確かによく喜怒哀楽を体中で表現するが、
女の子でソレをやられると流石に
罪悪感にかられた
85: ID:BFiLFJCe0 2009/06/12(金) 23:48:08.47 ID:BFiLFJCe0
ヒカル「なぁ~」

佐為「・・・ぐすっ・・・」

ヒカル「打とうぜ~~」

佐為「!・・・ぐすん・・・」

ヒカル「今反応しただろぉ~
もうやらねえからぁ~」

佐為「ヒカルなんて・・・私に勝てないくせに・・・」

ヒカル「それ関係ねーだろ;」

佐為「そういうことばっか・・・ぐすっ・・・
覚えて・・・」

ヒカル「ほんじゃぁ勝負するか?」

佐為「え?」
87: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 00:00:20.30 ID:BFiLFJCe0

ヒカル「オレとお前、どっちが強いか」

佐為「そりゃもちろん・・・」

ヒカル「オレだってこの数年、何もしてなかった
ワケじゃないぞ?」

佐為「・・・」

ヒカル「一週間だ」

佐為「?」

ヒカル「一週間くれ。
一週間後、お前と勝負する」

佐為「勝てませんよ・・・」

ヒカル「本因坊、オレあの桑原のじじぃから
勝ち取ったんだぜ」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 00:02:46.27 ID:ICE4YkNiO
なんと
90: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 00:03:25.03 ID:jG7tHvzD0
佐為「!本因坊・・・!」

ヒカル「だからオレは今進藤本因坊。
笑っちゃうよな、オレが本因坊だぜ。
でもお前に不足はないだろう?
ホントの本因坊さん」

佐為「・・・そうですね、
ヒカルがどのくらい強くなったのか。
私はまだ確かめてません。
こうゆう知識ばっかり肥やしてるかも
しれないですしね・・・」

ヒカル「だー!///なんかオレまで
恥ずかしくなってきた///
生理現象だししゃーねぇだろ!!」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 00:08:24.07 ID:4oyYAeDBQ
エロ路線と思いきや真面目路線か
どっちでも面白そうだからいいけどな!
95: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 00:11:00.80 ID:jG7tHvzD0
佐為「よくないですよ!
塔矢アキラをご覧なさい!
あの者はけっしてこのような物を
見てはいませんよ!」

ヒカル「あいつだってやることやってるよ!
結婚したんだぜ、10も上のヒトと!
てかこの話おわり!お前もフロ入って
寝ろ!」

佐為「け、結婚?!はぁ、人は見かけによらない
というか・・・」

ヒカル「もー、いいからさっさとフロ入れ!!」

佐為「はい・・・」

ヒカル(なんだぁ、急に素直になって・・・)




――1時間後
105: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 00:28:00.59 ID:jG7tHvzD0
碁盤に向かい、ヒカルは高永夏(コヨンハ)の
棋譜を並べていた

ヒカル(あの日本惨敗の北斗杯の翌年、オレが大将で
コイツに勝ったが、まだまだ習うことは多い。
そういやアイツも結婚したんだったな・・・)

韓国棋士界の中でカルト的人気を誇る高永夏は
去年の暮れ、通訳の女性と結婚した
アキラに続いての知り合いの既婚者の登場に、
ヒカルはうらやましいだとか妬みの気持ちはなく、
純粋に「よくやるなぁ~」と思ってた

女というモノはやたらと自分達の時間について
大切にしたがる
以前、あかりが「私と碁、どっちが大事なの?!」と
つめよってきた
あかりによるとオレ達は付き合ってたらしい
オレは好きだとか、付き合おうとか言った覚えは
ないのだが、周囲の反応はいたってオレに対して冷たかった
塔矢は「キミ・・・男としてどうなんだ?」っていうし
和谷も「お前なぁ;そりゃちゃんとケジメつけなきゃなぁ」なんていうし
そんなこんなであかりはオレじゃなく、
二十歳の誕生日にオレがシャレで紹介した越智と婚約した

あかりいわく、「ちゃんと私との時間を大切にしてくれる」と
言っているが、あの男尊女卑キノコにそんな心遣いが
あるとは思えない
人は見た目じゃないというが・・・うーん・・・
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 00:31:30.13 ID:vWII+WQo0
まさかのオチwww
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 00:33:33.62 ID:nxISwfYT0
越智wwwwwwwwwwww
130: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 00:57:40.12 ID:jG7tHvzD0

別にオレは女が嫌いってワケじゃぁない
ちゃんとした異性愛者だ
だけど、それにかける時間がもったいないと思う
今の時間でどれくらい碁が打てるかとか、
そうゆうことばっかり考えてしまうのだ
(それがモテない理由だとみんな言う)

「だったら女性棋士ならいいんじゃない?」というのは
4年前に念願の女流プロになった奈瀬だ
「あんたの思想に女としては反感を覚えるけど、
棋士としてはあながち間違いじゃないと思うわ。
女流だったらあんたと合う人いるかもね。
あたしは絶対カンベンだけど」

女流、か
133: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:00:51.99 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「おーい佐為!
フロまだあがんねぇの?」

佐為「ひ、ひがるぅー;」

ヒカル「どーしたぁ?」

佐為「帯がとれませぇん・・・」

まだその段階かよ!
137: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:06:28.12 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「早くいえよ;」

佐為「だってヒカルが・・・」

ヒカル「なんもやってねぇよ;
オレも入りたいんだけど・・・
帯とってやるから開けていいか?」

佐為「!はい・・・
あ、でもなんか負けた気が・・・」

ヒカル「何にだ」

ヒカルはガラッと扉をあけた

145: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:14:48.96 ID:jG7tHvzD0
そこには悪戦苦闘する佐為の姿

ヒカル(そうだ・・・こいつ女だったんだ・・・)

全国の女性が聞いたら総すかんを食らうような
ことをヒカルは思った
だって帯を必死に解こうとする佐為は
目にいっぱいの涙を浮かべて、
疲れてちょこんと座っている

ヒカル(なんかえろー・・・)

その様子がヒカルの神経をなでた
思わず顔が赤くなる

ヒカル(や、こいつ佐為だし・・・)

アブノーマルな世界に飛び込む気は
さらさらないが、
この光景は色々とまずいと思う

佐為「ヒカル・・・脱がして下さい」
148: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:22:09.62 ID:jG7tHvzD0

ヒカル「知らん!」

佐為「え・・・え?!
なんでですか、ヒカルぅ~~」

ヒカル「今日はそのまんまで寝ろ!
明日誰かにとってもらえ!」

佐為「ヒカルぅぅ!
怒ってますか、ねぇねぇ!」

あっさり立場が逆転したことに気づいてない
佐為はヒカルの機嫌を取ろうとする

佐為「もう・・・なんなんですか・・・
あ、碁打ちましょうよ!
一週間までにはまだまだ時間があることですし♪」

ヒカル「オレは勉強中だ」

佐為「私とした方が絶対勉強になりますって」

ヒカル「知らん!!」

佐為「ヒカルぅぅ~~」



そんなこんなで夜が明けた
153: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:29:35.13 ID:jG7tHvzD0
佐為「今度はヒカルがベッドですよ」

ヒカル「あぁ、いいっていいって」

昨日の夜は佐為がベッド、ヒカルが
こたつ(一年中出してある)で寝た

佐為は最後まで「いっしょに寝ましょうよ~」と
言ってきたが、冗談じゃない
流石に佐為とはいえ女といっしょのベッドに
入るというのは気が引ける

ヒカル(つーか、こいつ昨日さんざんオレに
最低最低言ってたけど、
お前の方がどうなんだよ・・・)

佐為「今日はいっしょに寝ましょうね♪」

ヒカル「はいはい;」

ヒカル(平安人はようわかんねー・・・)
163: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:50:21.54 ID:jG7tHvzD0
朝食を食べ、オレはこれからどうしようかと
一人考えていた

ヒカル(棋院にでも連れて行くか?
や、でももし緒方センセイに見つかったら?
あの人40だってのにまだまだ元気だからなぁ・・・
それにもし佐為って呼んでるとこみられたら・・・
ま、流石にsaiはもう覚えてないか)

佐為「ヒカルっ、打ちましょ打ちましょ」

ヒカル(こいつの着物も一晩着てくずれてるしなぁ
こんなの連れまわしてたらオレがつかまるぞ)

ヒカルは今、立派な成人男性
そんなのが崩れた衣服を装備する美少女を
そばに置いていたらどうなるか
一発でお縄だ

ヒカル(どうしたもんか・・・)

ヒカルがモンモンとしている時に
そいつは来た

ピンポーン

165: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:56:25.82 ID:jG7tHvzD0
ただ今の時刻は午前9時
こんな微妙な時間に来るやつは一人しかいない

アキラ「おーい進藤、いないのか」

ヒカル「いるよいるよ、やっぱOKPか」

アキラ「OKP?」

ヒカル「おかっぱのことだよ」

アキラ「もう違うぞ」

ヒカル「はいはい、で、何のよう?」

アキラ「キミ、昨日の女性・・・
saiといってたね?」

ヒカル「!」
167: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 01:59:46.79 ID:jG7tHvzD0
アキラ「あのsaiか?」

ヒカル「・・・」

アキラ「みたところ、女性というより
少女だが」

ヒカル「・・・」

アキラ「忘れてると思ったか?
忘れられるはずがないよ、伝説だ」

佐為「ひゃぁ~~!!!」

ヒ&ア「!」
176: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 02:16:11.14 ID:jG7tHvzD0
アキラ「なんだ?女性の声・・・はっ!
まさか、邪魔だったか」

ヒカル「ちげえ!はっ!じゃねえよ!!」

佐為「ヒカルう!この小さな塊が
動きました~~!!なんですかコレ!
ってヒカルどこですか?
あ、こんなとこに・・・」

アキラ「!」

佐為「!あ、あなたは・・・」

ヒカル「ええっと、これは・・・」

アキラ「進藤・・・!昨日のあの子じゃないか・・・キミってやつは
まだこんな少女を・・・!!」

ヒカル「ち、違うって!こいつは泊めただけだ
なぁ、佐為・・・」
177: ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 02:17:48.72 ID:jG7tHvzD0
アキラ「!やっぱりsaiなのか?!」

ヒカル「お前らウルサイからとりあえず入れ!」

佐為「この塊は・・・」

ヒカル「だー!!それはケータイってゆーんだよ!
お前ってホント間がわりぃな!」

佐為「ぐすん・・・だって・・・」

アキラ「キミは女性に向かってなんてことを・・・」

ヒカル「フェミニストはちょっと黙っとけ!」

この混乱の中で、ヒカルは気付いた
別に佐為がsaiとバレてもいいんじゃないかと。
あのころはヒカルの体に憑いている霊という
非常に説明しにくい状態の佐為だったが、
今は実体もあり、なおかつその腕はまさしくsai
なにを隠すことがあろうか

ヒカル「そう・・・コイツがあのsaiだ」
180: 棋聖転生 2009/06/13(土) 02:23:23.02 ID:jG7tHvzD0
とりあえず佐為とアキラを中にいれ、
落ち着いたところで言った

アキラ「そうか・・・でもにわかには
信じられないな。失礼ですが、
一局打ってもらってもかまいませんか?」

ヒカル(にわかにって・・・
さっきまで必死こいて追及してたの
どこのどいつだよ;
こいつ打ちたいだけだろ・・・)

あのsaiと・・・

佐為「いいでしょう。
互い戦でよろしいでしょうか?」
193: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 02:34:17.69 ID:jG7tHvzD0


アキラ「はい。
おい、進藤、碁盤」

ヒカル「うるせーな。
そんなんじゃ市河さん逃げてくぞ」

アキラ「ふざけるなっ!晴美はそんな軽い女じゃない!」

ヒカル「(軽い・・・?)
ま、とにかく早く打てよ」

佐為「では私が握りましょう」


――30分後
195: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 02:43:45.00 ID:jG7tHvzD0

アキラ「ありがとうございました・・・」

佐為「ありがとうございました」

ヒカル「ま、結果は目に見えてたワケだが」

アキラの健闘ぶりもむなしく、
もちろん佐為の勝利

アキラ「ボクはまだまだ弱いな」

佐為「そんなことありませんよ。
あなたは以前よりとっても
強くなられた。
ただ私がそれより強かっただけです」

あっけからんという佐為に
イヤミはこれっぽっちも見当たらない
佐為にとっての事実を述べているだけなのだ

アキラ「以前・・・ネット碁で打ったときですか?」

佐為「え、ええと・・・;
そうですね、そう、あのころより
ぐーんと」

ヒカル(ホントはもっと前から打ってるけどな)
200: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 02:53:29.85 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「あ、そーだ。
なぁ、お前の知り合いに着物の
着付け出来る人とかいねぇ?」

アキラ「?母さんが出来るが・・・
進藤・・・着るのか?」

ヒカル「あほか。こいつだよ、佐為。
ご覧の通りあのまんま寝ちゃってサ。
こいつも自分で脱げねえし
着られねえしで困ってんのよ」

アキラ「進藤、キミは佐為さんに
何にもしてないね?」

ヒカル「ったりめーだろぉ、な、佐為」

佐為「?はい。私の帯もとれませんものね、
ヒカル」

ヒカル(・・・)

アキラ「キミ・・・!
・・・まぁ、佐為さんも
嫌じゃないし、これでいいのだろうか・・・ブツブツ・・・」

ヒカル「そーゆーことじゃねぇよぉぉ!
誤解すんなって!!!」
202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 02:57:55.33 ID:CIytEj3oO
アキラがもの凄く真面目にエロいこと考えてるwwww
203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 02:58:21.72 ID:RS+BQznK0
なんかほのぼのするな
205: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 03:11:16.35 ID:jG7tHvzD0
アキラ「ボクの家か・・・
それよりも近いところがあるよ。」

ヒカル「え?」

アキラ「緒方さんの家」

ヒカル「・・・は?や、確かに近いけどさ・・・」

アキラの話によると、
緒方センセイの妹さんが着付け教室を開いてるらしい
その妹さんは近々結婚する予定だったらしいのだが、
突然婚約を破棄され、実家に帰るのも
情けないということで、緒方センセイの家に
居候しているとのこと
なので今行けば緒方センセイのコネもあり、
無料で着付けしてもらえると、
緒方センセイ自身がふれまわっているそうだ
206: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 03:13:53.39 ID:jG7tHvzD0

ヒカル「へぇ・・・初耳だな。
てか、後半もうちょいマイルドに
いってくれよ;緒方妹さん可哀想だろ;」

アキラ「はっ、すまない。
ボクとしたことが・・・」

ヒカル「佐為、それでいいか?」

佐為「緒方というと、いつぞやの
酔った席で強引に・・・


アキラ「え?」


ヒカル「佐為、黙っとけ」
208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 03:18:41.22 ID:RS+BQznK0
緒方ってwwww
佐為逃げてー
209: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 03:20:59.29 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「ま、エロの伝道師緒方センセイが直接
関わるわけじゃないしな」

アキラ「キミはいつも失礼だな」

佐為「とりあえず私はこの着物をどうにかしたいです」

ヒカル「よーし決定。
塔矢、乗せろ。」

アキラ「・・・キミはいつも失礼だな」

ヒカル「佐為もこんなでっかい車は初めてだろ?」

佐為「え、ええと・・・
すみません、その、くるまという物に
乗せていって下さいませんか?」

アキラ「はい」

ヒカル(エロOKP・・・市河さんに逃げられろ)

アキラ「何か言ったかい?それとボクは
おかっぱじゃないよ」

ヒカル「聞こえてるじゃねえか・・・」

211: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 03:32:53.76 ID:jG7tHvzD0
佐為「どうでした?」

ヒカル「おっけー」

緒方家に電話をし、午前中、それも
貴重な休みの日だってのにおっけーを
もらってしまった

正直、まだ緒方センセイを信用してない
ヒカルは腹をくくらざるをえなかった

ヒカル(オレがくくっても意味ないけどさ)

(塔矢の)車を走らせ10分
そのマンションはあった
212: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 03:34:28.07 ID:jG7tHvzD0
佐為「大きい家ですねぇ・・・」

ヒカル「だな。センセイの家は・・・
げっ、27階?
前は25階じゃなかったっけ?」

アキラ「変えたんだろ。
緒方さんは変なところで飽きっぽいからな」

ヒカル「なるほど、女も家もアクセサリー
ってわけか」

佐為「ヒカル!私は装飾品ですか!」

ヒカル「さしずめダイヤあたりかな」

佐為「なっ!ヒカルなんてガマガエルです!
ゲコゲコ言ってたらいいんです!」

ヒカル「それカエル差別だぞ・・・」

アキラ「何言ってるんだ。エレベーター来たぞ」
224: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 04:40:23.18 ID:jG7tHvzD0

ピンポーン

ヒカル「なんかチャイムの音が豪華だな」

アキラ「気のせいだろ」

ガチャ

緒方「おぉ、野郎二人はいいんだよ。
着付けしたいって言ってる娘はどこだ?」

ヒカル「こんなに俺たちの事ないがしろにする
人だったかな・・・」

佐為「はい、私です」

緒方「かわいい、合格。
さ、入って。
お前らは外な」

ヒ&ア「え・・・」

バタン

ヒ&ア「・・・」
227: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 04:44:08.13 ID:jG7tHvzD0

佐為「えっと・・・」

緒方「大丈夫、怖がらなくていい」

とは言うものの、目が笑っていない
緒方を見て、佐為はかすかにたじろんだ

緒方「君が、saiなんだろ?」

佐為「!」


232: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 04:55:23.74 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「おい」

アキラ「・・・これは」

ヒカル「これは、じゃねえよ。
アイツ地味に貞操の危機だぞ」

アキラ「まさか、緒方さんでも
いきなりそんな・・・」

ヒカル「汗ダラダラだぞ」

アキラ「あ、そうか」

ヒカル「?」

アキラ「ボクが佐為さんの事電話で言ったから・・・・」

ヒカル「は?」

アキラ「キミが緒方さんの所に電話したとき、
ボクがいることを告げなかっただろ?
だからさっき車を降りた後かけたんだ。
ボクもいるけど大丈夫ですかって」

ヒカル「変なとこで律儀だよな」
233: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 05:00:41.83 ID:jG7tHvzD0
アキラ「そしたら緒方さんが佐為さんのこと進藤の女か?
ってしつこく聞いてくるからさ」

ヒカル「言っちゃったのか・・・」

アキラ「ごめん・・・」

ヒカル「じゃあ何か、純粋にsaiとしての興味に
オレ達が邪魔だったから締め出されたわけか」

アキラ「そうだね、多分」

ヒカル「くそー、こんな豪華なトコじゃなかったら
無理やりにでもドアこじあけるのにさ・・・」

アキラ「キミはどこでもやるだろう」

ヒカル「うるせー」
237: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 05:10:20.35 ID:jG7tHvzD0
緒方「本当に・・・君が・・・sai?」

佐為「えぇ」

こくりと頷くそのあどけない少女の影に、
とてもじゃないがあの盤面上のsaiの
気迫は微塵も感じさせなかった
アキラからはさっき連絡があったばかりで
しばし混乱していた緒方は、
目の前の少女を見て我に返った
あの伝説の――噂では塔矢名人の引退にも
一役買っていたという――saiが
こんな年端もいかない子供だと?

まして、あれは8年ほど前・・・

緒方は信じられなかったが、
塔矢アキラが嘘をつくとは思えないし、
そういった嘘にだまされるとも思えない

ならば・・・

緒方「一局、打ってくれるか?」

佐為「はい」

盤面を見るまでだ
246: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 05:20:57.06 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「あのさ」

アキラ「なんだ?」

ヒカル「お前、結婚して幸せ?」

アキラ「ぶっ!進藤、どうした?」

アキラはヒカルからそんなことを問われたのは
初めてだった
囲碁の世界に生きている彼らにとって、
恋愛というのは関係ないし、
話すこともないだろうとお互いに
割り切っていたからだ

アキラが市河と結婚した時も、
根掘り葉掘り聞かずに、ただ
「おめでとう」とだけ言ったヒカルが
自分からそういったことを質問する
なんてどうしたのだろう

しかし、根が真面目なアキラはとりあえず自分に問われた問いに
答えるべく、

アキラ「・・・幸せ、かな」

と本心を口に出した
249: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 05:25:37.06 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「ほんとか?」

アキラ「あぁ。
なぜ疑う?」

ヒカル「だってよぉ、まぁ確かに市河さんも囲碁打てるけど・・・」

アキラ「囲碁?今は関係ないだろ」

ヒカル「でもお前の場合、囲碁できないヤツは
人としてみなさない傾向があるからさ」

アキラ「進藤・・・君はボクの何を見てきた・・・」

ヒカル「あははっわりぃ。
でもさ、どーゆーときが幸せなわけ?」

281: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 09:49:07.14 ID:jG7tHvzD0
アキラ「そりゃ、いっしょにいるときとか」

ヒカル「うんうん」

アキラ「話してるときとか」

ヒカル「うんうん」

アキラ「・・・ま、毎日、だな・・・///」

ヒカル「お前もゆうようになったな;」

ヒカル(「碁を打ってるとき」とかじゃねーんだ・・・
こいつの事だから四六時中打ってるだけだと
思ってたけど、こいつも人間なんだな)

アキラ「キミの思っていることは手に取るようにわかるよ」

ヒカル「ギクッ」

アキラ「好きな人と一緒にいる時間と碁を打つ時間は
ちゃんと分けてあるよ」

ヒカル「あっそ・・・」

288: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 10:00:50.54 ID:jG7tHvzD0
アキラ「キミは」

ヒカル「ん」

アキラ「結婚しないのか?」

ヒカル「・・・あははっ!オレが?!
塔矢、お前たまに面白いことゆーよな!」

アキラ「至極真面目な話だが」

ヒカル「そうだな、オレは」

――女流だったらあんたと合う人いるかもね

ヒカル「・・・いねぇよ」

アキラ「嘘だっ!」
290: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 10:02:06.86 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「なんだよ;」

アキラ「キミの顔は嘘をついている」

ヒカル「お前たまに気持ち悪いよな;」

アキラ「なっ!」

ヒカル「キモいつったの!聞こえてねーの?
と・う・や・あ・き・ら・く・ん?」

アキラ「・・・」

ヒカル(ありゃ?のってこねー・・・)

いつもだったら、ここからやけに低俗な喧嘩の応酬が
始まるのだが、アキラは煽られなかった

ヒカル(なんだよ・・・)

気まずいまま時は過ぎた
295: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 10:14:11.69 ID:jG7tHvzD0
緒方は震えた
久しく忘れていたその感覚を思い出したからだ

緒方(こいつは・・・)

前にプロ棋士の倉田と飲んだとき、
あいつが興味深い話をしていた

――ほんとに強いやつは下からくるんですよ

現に今、進藤ヒカルと塔矢アキラといった
ひよっこが囲碁界に旋風を巻き起こした

緒方(確かに、あの時も震えたな
ようやく若手が育った歓喜に、ってやつか。
だが、この震えは・・・)

緒方(・・・恐怖か、
自分もまだまだ若いな)

緒方「ありがとうございました」

佐為「ありがとうございました」
299: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 10:25:59.82 ID:jG7tHvzD0
その端整な顔からは想像できない
厳しい瞳
一手一手打つごとに見えるあの気迫
そしてネットでも浮いたやたらと
古い定石を使うクセ・・・

フーっとたばこで一服し、
震えをおさまらせた緒方は結論した

緒方(こりゃ大変だ・・・
この娘は、saiだ・・・)

佐為「あ、あの・・・着物のなおしが・・・」

緒方「あっ・・・
(忘れてた・・・
(あのsaiがくるってんで
起こすの忘れてたけど、あいつ寝起き悪いし
めんどくせえな・・・
うーん・・・
着付けくらい、おふくろに習ったから
出来るだろう)」

緒方「オレがやるよ」

佐為「え?」
300: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 10:27:04.26 ID:jHe5k5x60
変態だー!
303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 10:31:09.51 ID:4oyYAeDBQ
サイは当然下着なんて着けてないよな…
305: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 10:34:15.37 ID:jG7tHvzD0
緒方「別にやましい気持ちはないぜ?」

緒方は本心で言った
先ほどまで可憐な美少女だった彼女は、
もう彼には一人の崇高な棋聖にしか
見えていなかったのだ
それに自分だって、みずしらずの
女性をどうこうしようなどとは考えない

しかし、だからといって
自分の着替えをはい、手伝って下さいと
今日会ったばかりの野郎に頼める
女性はいるのだろうか?

緒方も日常時ならそのような
常識的な考えが働いたかもしれない
だが、アドレナリン大放出中の彼には
そこまで考えが及ばなかった
女性が聞いたら、少し距離を
置かれることでも、

佐為「あ、いいんですか?」

相手が佐為なのが幸いした
328: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:13:29.16 ID:jG7tHvzD0

ヒカル「なぁ、あれから一時間だぜ」

アキラ「・・・少しまずいな」

ヒカル「おとなしく碁を打ってくれてると
いいけど・・・
てか着付けにいったんだよな、俺たち。
大丈夫かな」

アキラ「いや、いくらあの緒方さんでも・・・」

ヒカル「お前まずいっつったじゃん;」

扉の前にずっと居てるというのもアレなので、
いったんアキラの車に戻った二人は
もんもんとしていた
329: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:14:42.95 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「よし、トサカに来た!上に行こう!」

アキラ「えっ」

ヒカル「いいだろ、正当防衛正当防衛!」

アキラ「正当・・・?」

ワケのわからないことを言うのは
それだけヒカルがあせってる証拠だと
アキラは一人で合点し、
二人は27階の緒方家に舞い戻ってきた

アキラ「何してるんだキミは」

ヒカル「聞き耳。見ればわかんだろ。
探偵の基本基本」

アキラ「ボクらは碁打ちだ」 

ヒカル「わーってるよ。
・・・でも流石に頑丈だな、
全然物音が聞こえねえし」

そういってヒカルは扉にグイグイと
耳をおしあてた
330: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:15:32.34 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「ん~・・・あっ!
佐為の声だ」

佐為「・・・ぅ・・・あっ・・・・・・」

ヒカル「・・・」

ヒカル「おがた、てめぇぇ!!!」

ドンドンドンっとヒカルが扉をたたく

アキラ「ど、どうしたんだい?」

ヒカル「開けろっ!!佐為!大丈夫か???」

アキラ「何をしてるんだ、人がくるだろう」

ヒカル「あいつはやっぱりエロ棋士だ!
開けろってば!」

アキラ「何を聞いたんだキミはっ」

バンっ!
そのとき扉が勢いよく開いた
338: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:25:13.06 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「いてっ」

緒方「全く君らは・・・
少しは常識を覚えなさい」

ヒカル「だって佐為がっ」

緒方「え?ああ、確かに彼女は
艶やかな声を出していたが・・・
あれは帯がきつくてうなっていただけだ。
少ししめすぎたかもしれないな。
反省するよ」

ヒカル「は?てかアンタがやってんのかよ!
妹は?!」

緒方「寝てる」

ヒカル「起こせよ!」

緒方「めんどうくさい。
オレがやっても出来は一緒だから
いいだろ?」

ヒカル「よくねぇよ!」

佐為「ヒカル、折角よくしてもらったのに
その言い草はなんです」
340: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:26:11.75 ID:jG7tHvzD0
そういって奥から出てきた佐為は、
朝のボロボロさはどこ吹く風、
髪をアップにし着物もカチリと着こなし、
どこへ出しても恥ずかしくない
和装令嬢と変貌をとげていた

緒方「美人すぎてオレには手がだせねえよ。
女は多少不細工な方がそそる。
それに、オレは帯を手伝っただけだ」

ヒカル「髪も変わってますけど・・・」

緒方「それもやったけど」

ヒカル「帯だけじゃねーじゃん!」

髪を結うなんて芸当がこの人に
出来たのは素直に驚きだ
345: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:32:48.36 ID:jG7tHvzD0
佐為「ヒカルっ!失礼ですよ!
それに、ひ、ヒカルの方が
破廉恥じゃないですか・・・///」

緒方センセイとアキラが「え?」という目で
ヒカルを見てくる

ヒカル「あー、お前はほんとに
ややこしいことばっかすんな!」

緒方「君・・・人には散々いっといてだな・・・」

アキラ「やっぱりキミは!!」

ヒカル「もぅ!めんどいなぁ!行くぞ、佐為!!」

佐為「あ、はい。あ、でもお金・・・」

緒方「いいよ。あのsaiと打てたし。
それに娘といてるみたいだったしな」

ヒカル「娘・・・?」
346: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:37:58.38 ID:jG7tHvzD0
そっか、緒方センセイにとって佐為はそれくらい
見た目も離れてるしな・・・

じゃあなんだ、オレのモンモンとした
気持ちは全部杞憂だったのか・・・

なんだか今までの自分の慌てっぷりに
急に恥ずかしくなったヒカルは
「・・・なんかオレセンセイの事誤解してた・・・」
と謝った

緒方「いや、案外お前らの思ってる通りだぞオレは」

ヒカル「・・・」

今度は謝ったことが恥ずかしくなった
347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:39:35.53 ID:YfJySrzw0
緒方の余裕がちょっとかっこいいな
350: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:47:22.35 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「なぁ、棋院いかね?
オレここ最近休みだったから
すっかりご無沙汰でさ」

緒方家を去り、アキラの車に乗り込んだ
3人は、これからの予定について考えてた
家でずっと碁を打つのも悪くないが、
佐為もいることだし、どこかへ行こうかと
アキラが提案してきた

アキラ「棋院か。
芸がないが仕方がないな。
いいですか?佐為さん」

佐為「えぇ。
(ヒカル、偽者の魚はまだありますか?)」

ヒカル(なくなった)

佐為(え・・・)

ヒカル(嘘だって、泣くなよ)

佐為(もう・・・)
355: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 11:57:23.55 ID:jG7tHvzD0
アキラ「着いたよ」

佐為「変わってませんね、ここも」

アキラ「来たことがあるんですか?」

佐為「えぇ、何度も。
ね、ヒカル♪」

ヒカル「ま、まぁな」

ヒカル(こいつ連れてったら思いっきり
冷やかされるだろうな・・・
和谷とか和谷とか和谷とか・・・)

あいつ棋力はオレに負けてるくせに
人をおちょくるのはいっちょまえに出来る
からな・・・とヒカルが考えながら車から
降りると、棋院の前には見知った
夫婦がいた

ヒカル(げっ・・・越智とあかり・・・)
356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:58:06.13 ID:gg+1VbuP0
オチwwwwwwwwwwwwwwwww
362: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:09:11.86 ID:jG7tHvzD0
ヒカル(なんだよ・・・なんかいい雰囲気だな・・・)

手をつないだまま見つめあってる二人は、
今にもキスしそうなムードだ
結婚当初は誰もが破局が目の前だと
口をそろえていってたが(オレも一年以内に離婚にかけてた)、
蓋を開けてみると見事なおしどり夫婦だ
むしろうっとおしいぐらいの熱々っぷりで、
若干オレ達はイライラしてた

そのままあかりにうつつを抜かして、
碁もないがしろにしてしまえと和谷は妬み半分で
言ってたが(こいつも女にモテない。顔はいいんだがな)、
越智は力を落とす所か逆にドンドン力を
つけてきている

越智いわく、愛を棋力に変えているらしい
そんときはなんかイラっときた

364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 12:10:58.61 ID:gg+1VbuP0
オチうぜええええええええええええええ
365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 12:11:53.49 ID:zaCYGbm+O
オチてめぇ!!!!!!
376: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:20:17.51 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「(キノコのラブシーンとか見たくねえよ・・・)
な、裏口から入ろうぜ」

アキラもそれを見たのか、「あぁ・・・」と力なく言った

佐為「え、なんでですか?」

ヒカル「いいから」

佐為「え、でも偽者の魚は玄関に・・・」

ヒカル「また見せてやるよ」

佐為「またっていつですかぁ!」

ジタバタする佐為
こいつそんなに魚に執着してたかな?
380: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:23:55.57 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「だー、わかったわかった明日明日」

佐為「!ほんとですね!約束ですよ!
はい、ゆびきりげんまん♪」

ヒカル「へいへい・・・」

白くてスラリとした小指をオレの小指に
からめてきた
あたたかい指先にオレはふと気付いた

あ、そうだ
こいつは生きてるんだ
383: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:29:06.31 ID:jG7tHvzD0
あの約2年、オレに憑いていた佐為は
実体もなく、オレの魂と一体化してた
けど、今のコイツはちゃんとした「人間」だ
他の人にも見えるし、触れられる
オレ以外のヤツにも

佐為「・・・のーます、指きった!」

ヒカル「・・・」

佐為「?ヒカル?」

なんだこの気持ち・・・

ヒカル「なんでもねぇ」

そう、なんでもないんだ

387: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:41:59.05 ID:jG7tHvzD0


和谷「おーっす」

和谷はよくもわるくも和谷だ
囲碁界の中堅として頑張ってはいるものの、
今だにタイトルだとかそういったものに恵まれない
実力は申し分ないのだが、何せ同期が
あのヒカルとアキラだ
目立たないのは当然ともいえよう

ヒカル「おぉ、和谷ぁ」

アキラ「やぁ」

和谷「相変わらずお前ら仲いいな・・・って!」

佐為の姿をみるなり、和谷は
オレを連れ出した
388: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:43:18.15 ID:jG7tHvzD0
和谷(どうしたんだよ、あんなかわいい子!
しかも着物ってポイント高すぎだろ!!)

ヒカル(えーっと・・・)

佐為だとゆうべきか・・・
こいつもsaiのことは覚えているだろうが、
言ったら絶対面倒くさいことになる

ヒカル(・・・saiだ)

和谷(!えっ??)

長年の戦友に伝説の人物のことを黙るのは流石に気が引け、
ヒカルとしては珍しい面倒ごとに自ら足を
つっこむ形となった
394: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:57:06.73 ID:jG7tHvzD0
和谷(お前気でも狂ったか?
あのsaiだろ?どうみても
女の子じゃねえか!しかもかなり上玉の)

ヒカル(saiは男だって誰が決めた?)

和谷(!)

ほんとは男だけどね
ヒカルは心の中で和谷にサーセンと謝った

和谷(え、でもさぁ・・・)

ヒカル(ま、とりあえず打ってみろって)

和谷(あ、ああ・・・)

ヒカル「佐為~」

佐為「はい?」

ヒカル「こいつがお前と打ちたいって」
398: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 12:59:15.96 ID:jG7tHvzD0
佐為「!ほんとですか!!
打ちましょ打ちましょ♪
あ、勝手に上がってもいいのでしょうか?」

ヒカル「今日は大会もないしな、大丈夫だろ。
こいつは和谷。せいぜい遊んでやってくれ」

和谷「お前なあ!」

ヒカル「じゃぁオレは外で涼んでくる」

アキラ「ボクは見とくよ」

和谷「え、あ、ちょ・・・
しんどぉ・・・;」

友達の友達というのは実に微妙な仲だ
アキラもいるとはいえ、
フォローもなにもなくいきなり打て!
と言われれば、和谷でなくてもあせるだろう

和谷(う~ん、しかしどこからどう見ても
現代の大和撫子だなぁ・・・)
402: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:05:28.60 ID:jG7tHvzD0
和谷(saiって・・・
進藤・・・あいつ酔ってたかな?)

佐為「今日は対局がたくさん出来て
うれしいです♪」

ニコニコと笑う佐為に和谷は
癒されながら、でもしかし
どこか違和感を感じた

和谷(・・・目の前にいるのに
どこか遠いところにいる気がする・・・
錯覚か?)

佐為「私が黒ですね。
では、おねがいします」

和谷「おねがいします」

アキラ(・・・)
404: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:12:36.06 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「ふう・・・」

売店で一息ついたヒカルは、
売り物の扇子をみていた

ヒカル(いまいちあいつしっくりこねぇと思ったら
これが足りねぇんだな
トレードマークだったのに)

碁石を持てない佐為に、
扇子で場所を教えてもらいオレが
二人分の碁石を並べて対戦していたことは
今やいい思い出だ

ヒカル(あいつに買ってくか。
や、どうせならもっといいのが
欲しいな。しかもオレと
おそろいになるし・・・)

佐為が去ったあと、ここの売店で買った
扇子をヒカルは今でも大事にしていた

本田「あれ?進藤?」

ヒカル「!本田さん」
408: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:22:02.56 ID:jG7tHvzD0
本田さんはいちようプロに
なったものの、俺のいる場所じゃないと
言って引退した元棋士だ
引退間際、実は同性愛者であったことを
告白し、囲碁界で一通りの話題をかっさらった
あと道を退いたあるいみ伝説の人物だ
今はオカマバーを営んでいるらしい

本田「久しぶりだな」

ヒカル「あ、うん」

オカマというくらいだから、
ヒカルはもっと変わり果てた姿を想定していたのだが、
意外に以前の本田と変わってないようにみえる

ヒカル「なんかその、変わんないね」

本田「まぁ公共の場だからな。
店くるか?本当のオレを見せてあげるよ」

ヒカル「いや、いいです」
410: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 13:23:03.15 ID:Ngeo4mXZ0
超展開www
413: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:23:57.52 ID:jG7tHvzD0
本田「つれないな」

ヒカル「なんで今日はここに?」

本田「・・・和谷を見に、かな」

ヒカル「!」

和谷逃げろ!
全力でヒカルは願った
417: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:30:52.95 ID:jG7tHvzD0
本田「で、さっき見たんだけどさ、
あの和谷と対局してた着物美少女だれ?
塔矢に聞いても二人の対局じっとみて
答えてくんないし」

ヒカル「あぁ、オレのいとこ」

本田さんには悪いけど、いう義理も
ないので適当なことを言った
こんなことがサラリと出てくるなんて
オレは嘘が上手くなったなぁ

本田「ふぅん・・・チラっと
覗いてみたけど、ありゃ相当強いな。
女流か?」

ヒカル「!う、うん。まあな」

本田「オレも女流ならいけたのかな・・・」

ヒカル(多分無理だよ・・・)

本田「店の準備があるからオレはこれで。
じゃあな、進藤」

ヒカル「うん、さよなら」
418: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:35:09.86 ID:jG7tHvzD0

ヒカル「みんな変わっていくんだよな」

ヒカル「本田さんは例外だけど」

ヒカル「・・・」

ヒカル「哀愁たれるなんてオレらしくねーの」

ヒカル「でも佐為はかわんねえな」

ヒカル「・・・だからどうしたってんだよな」


426: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:46:21.14 ID:jG7tHvzD0
※指導碁について深くツッコンダラ負け


和谷(負けた・・・
しかもこれは・・・指導碁。
オレなんか敵じゃねぇってことか)

指導碁が指導碁と分かるにはそれなりの棋力が
必要であり、佐為もそれを見越して和谷の棋力を
はかるというつもりでこの一局を打った

佐為(今のは指導されていると分かる
ギリギリのライン・・・
これに気付ければあなたも
立派な棋士です)

佐為の意図など分かるはずもなく、
年下の女の子に指導碁を打たれたという事実に
和谷は情けなくなった

和谷(でもこれで分かった・・・
ほんとにこの娘が佐為かもな)
431: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:57:53.25 ID:jG7tHvzD0
アキラ「そろそろ帰りましょう・・・ね、佐為さん・・・」

佐為「でも棋院は9時まであいてるのでしょう?
ね、もっと打ちましょう♪」

和谷「えぇ・・・」

和谷との対局からかれこれ6時間
あれからアキラと和谷はずっと
佐為の対局の相手をさせられている

棋院に来る人々がグッタリしている二人を
もの珍しそうに見てくるが、
佐為はおかまいなしだ
432: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 13:59:18.75 ID:jG7tHvzD0
オレが代わろうか?と和谷たちにいったが、
佐為は「ヒカルは一週間後です」と
言うばかり
あれは別にそれまでお前と打たないと
いう意味じゃないんだがな・・・と
ヒカルは言ったが、佐為は
「一週間は一週間です」とかえした

ヒカルにだけ見せていた佐為の
碁に対するワガママさがまわりに
あふれはじめ、ヒカルは内心面白くなかった
なんで面白くないのか分からないのも
面白くなかった
433: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:01:06.33 ID:jG7tHvzD0
佐為「あともう一局ぅぅ~」

和谷「カンベンしてください・・・」

ヒカル「・・・」

佐為「おねがいします~~」

ヒカル「・・・かえる」

え?と三人が振り返る
434: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:07:26.32 ID:jG7tHvzD0
佐為「ひ、ヒカル?
あ、もうこんな時間!
すみません、こんなに打ってもらって;
今までありがとうございました」

和谷「あ、いいっていいって
(いい目の保養にもなったし)」

アキラ「送っていこうか?」

佐為「あ、いえ。お気遣いなく。
ヒカルと帰ります。
本当にありがとうございました」

ペコリとおじぎをして佐為は
ゲタをパコパコさせながら去った
435: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 14:08:49.60 ID:xPFBg3leP
佐為可愛いよ佐為
438: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:10:29.32 ID:jG7tHvzD0
和谷「しっかし、本当に囲碁馬鹿とゆうか・・・
お前より囲碁馬鹿なヤツがいるなんてな。
てかsai・・・さんと
進藤って家近いの?なんか一緒に
帰る風だったけど」

アキラ「近いも何も・・・」

一緒に住んでる、なんて言ったらどうなるだろう
和谷の情報網は音速だ
明日からのヒカルは「ロリコン」というレッテルを
貼られて生活しなくてはならなくなるかもしれない
アキラはヒカルの名誉のため、そのことは黙っておいた
444: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:15:45.90 ID:jG7tHvzD0

佐為「ヒカルぅ~」

ヒカル「・・・」

佐為「ごめんなさい~。
かまってあげられなくて~」

ヒカル「!子供扱いすんなよ」

佐為「ぐすん・・・ヒカル・・・」

ヒカル(なんで怒ってんだよオレ・・・)

佐為「えっと・・・
明日は遊んであげますから」

ヒカル「オレもう20だぞ」

佐為「だってヒカルが・・・あっ!」

ヒカル「?」

452: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:21:24.40 ID:jG7tHvzD0
後ろにはよろけたのか転んだ
佐為の姿

佐為「・・・ぐすっ・・・」

ヒカル「あぁ、ごめんごめん。
オレが悪かった」

佐為「・・・」

そっぽを向く佐為

ヒカル「どうした?」

佐為「・・・」

ヒカル「痛いのか?」

佐為「・・・」

ヒカル「おんぶしようか?」

佐為「!わ、私は子供じゃありません・・・」

ヒカル「こっちの台詞だ」
455: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:25:34.96 ID:jG7tHvzD0

佐為「・・・」

ヒカル「ほら乗れ」

そういって背中をオレは差し出す

佐為「・・・」

ヒカル「乗れって」

佐為「ヒカルがそこまで言うなら・・・」

ヒカル「はいはい」

オレはちゃんと佐為が乗ったのを確認して
立ち上がった
468: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:35:30.09 ID:jG7tHvzD0
女子をおんぶするという(一部)男子にとって
夢シチュエーションにもかかわらず、
ヒカルはなんだかとても安堵していた

ヒカル(あったけーな・・・)

もちろん、やましい気持ちは全くなかったわけでもない
背中にあたる感触を全神経を集中させて
感じようとするさまは、とてもじゃないが
親に見せられない

ヒカル(ん~・・・中くらいか?
よくわかんねーけど
着物ってサラシとかしてるから
わかりづれぇんだよな・・・)

佐為「ヒカル、おっきくなりましたね」

ヒカル「そっか?」

佐為「はい」

ふふっと笑う佐為にヒカルは
くすぐったくなる
470: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:40:36.06 ID:jG7tHvzD0
佐為「ヒカル」

ヒカル「ん?」

佐為「あなたに憑いていて本当によかったです」

ヒカル「///急にどうした、
照れるだろ」

佐為「前には言えなかったので。
寅次郎の次があなたで本当によかった」

寅次郎ね・・・

ヒカル「寅次郎とオレ、どっちがよかった?」

佐為「え?」

ヒカル「なんでもねぇ」

ホントどうにかしてる
472: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:46:44.53 ID:jG7tHvzD0

佐為「ここは?」

一旦家に帰ったオレらは近くの銭湯に来た

ヒカル「銭湯。フロだフロ。
帯も中にいる人にとってもらえ」

佐為「ほぉ・・・ヒカルの家のより
とっても大きいですね」

ヒカル「そりゃそーだ。
じゃ、上がったらここ集合な」

佐為「はいっ」

474: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 14:53:59.73 ID:jG7tHvzD0
銭湯の帰り道も佐為をおんぶしてやった
オレのジャージをパジャマ代りにきている佐為
着物より形も大きさもハッキリ分かった

ヒカル「お前って着やせするタイプなのな」

佐為「そうですかね~?」

なんどか言葉をつむぐうちに
オレの背中で佐為は寝た

ヒカル(ふぅ・・・)

なんかとても疲れた


479: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:04:34.06 ID:jG7tHvzD0

――二日目


ヒカル「佐ぁ為ぃぃ~
起きろ~」

佐為「ん~・・・ありがとうございました・・・」

ヒカル「対局の夢?!」

佐為「ヒカルぅ・・・たのしかっ・・・」

ヒカル「・・・なんの夢だ;」

来週まで対局のないヒカルは
お昼になっても起きる気配のない佐為に
つられてゴロゴロしていた
486: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:14:06.03 ID:jG7tHvzD0


佐為「・・・あ、ヒカル。
おはようございます・・・」

むくっと起き上がってキョロキョロ
あたりを見回す姿は、
本当に小動物みたいだ

ヒカル「やっと起きたか。
もうこんにちはって時間だけどな」

佐為「えっ・・・えぇ!!
こんな時間まで私は・・・!!!」

ヒカル「ま、たまにはそういうこともあるさ」

佐為「碁が!碁が打てないじゃないですか!」

ヒカル「な、なんだよ;
じゃオレと打つか?」
488: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:15:19.96 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「な、なんだよ;
じゃオレと打つか?」

佐為「ヒカルは駄目です!」

ヒカル「一週間うんぬんまだきにしてんのか?
いいじゃん、打とうぜ」

佐為「駄目です!」

ヒカル「じゃぁいいよ」

佐為「・・・ばか!」

ヒカル「どっちが!」
489: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:23:13.60 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「お前はテレビでも見とけ。
NHK杯やってるだろ」

佐為「?あの箱はないようですが・・・」

ヒカル「あぁ、あのアナログの
やつはもってねぇや。地デジ化するから
全部このでっかいやつに
しなきゃいけないんだよ」

佐為「ちでじ?・・・あの箱よりとても
薄い気がします」

ヒカル「とっても綺麗にうつるんだぜ」

パチっ

佐為「!美しい!あの箱より美しいです!
ね、ヒカル!!」

ヒカル(こいつには今BSの方が面白いかもな・・・)
491: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:28:31.48 ID:jG7tHvzD0

そんなこんなでオレは碁盤とにらめっこ、
佐為はテレビの前に張り付いておのおのの
時間を過ごした
もう外は夕暮れだった

ヒカル「おい佐為、お前食いたいもんあるか?」

佐為「かれぇが食べたいです♪」

ヒカル「へいへい」

レトルトだが、佐為はたいそう喜んでいる

494: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:42:04.51 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「今日はオレんちのフロでいいよな?」

佐為「はい、着物じゃないですし・・・はっ!
私、今日碁を打ってません!
ヒカルぅ~!」

ヒカル「なんでオレをおこんの;」

佐為「あなた、私をだましましたね!」

ヒカル「だましてねえよ;
なんでそんな一週間後に
こだわるのさ?」

佐為「ヒカルが言ったからでしょう!!」

ヒカル「別にちょっとくらいいいだろ!
あー、なんだよ。
もうお前と打たねぇよ」

佐為「!」

497: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:47:13.65 ID:jG7tHvzD0
ヒカル「・・・・」

佐為「・・・・」

ヒカル「・・・・」

佐為「・・・ごめんなさい」

ヒカル「明日塔矢んち行くか」

佐為「えっ・・・!」

ヒカル「あの塔矢行洋との対局込みだ」

佐為「ひ、ヒカル・・・」

ヒカル「それでいいな?」

佐為「はい・・・」

ヒカル(扱いやすいなぁ・・・
しかしなんてこと言ったんだオレは;
ま、塔矢{息子}のコネもあるし
大丈夫・・・だよな?)
501: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 15:50:59.85 ID:jHe5k5x60
ん・・・アキラって1人暮ら・・・ゲフンゲフン
503: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:57:10.15 ID:jG7tHvzD0
>>501
アッー!
実家に帰省中ってことで・・・


――三日目

計画性のなさに定評のあるヒカルは、
当日にアポを取るという暴挙で
アキラをあきれさせた

アキラ「キミって人は・・・父さんも忙しいんだよ?」

ヒカル「わーってる!
でもこっちはsaiだぜ?
そこをなんとか!!」

504: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 15:57:50.33 ID:jG7tHvzD0
アキラ「信じてもらえないと思うよ」

ヒカル「オレが責任とるからさ」

アキラ「佐為さんに頼まれたのかい?」

ヒカル「え、いや違うけど」

アキラ「自主的にか・・・
キミも相当きてるみたいだね」

ヒカル「何がさ?」

アキラ「まあいい。1時にボクの家に来てくれ」

ヒカル「サンキュ。恩に着るぜ」

514: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 16:35:44.93 ID:jG7tHvzD0


佐為(かの者と一度ならず二度も対局できる喜び…
私は一旦は成仏した身。自分の役目も終えたと
悟ったはずです)

しかし神は私を復活させるだけでなく
この実体のある体も授けてくださった

佐為(神、あなたは私に何を望んでおられる?)

神がなんらかの役目も私に授けたというならば


ヒカル「佐為!行くぞ」

佐為「はい!」

佐為(神よ、またヒカルと別れる時が来るのですか?)


518: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/13(土) 16:39:32.99 ID:jG7tHvzD0

ヒカル「塔矢んちはいつ見てもでけーなぁ」

佐為「すごいですね。在りし日の都を思い出します」

ヒカル「結構なことで」


ピンポーン


ヒカル「やっぱチャイムの重圧が違う・・・!」

佐為「緒方という者の家に行った時も
同じこといってましたね」

ヒカル「金持ちは呼び出し音にも気を使うってか」

696: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 01:17:35.30 ID:Lek9CP7b0
塔矢ママ「あら、ヒカルくん。いらっしゃい。
 えっと、そちらの方は・・・」

アキラ「母さん、代わるよ」

塔マ「アキラさんが呼んだのね。
じゃぁ母さん、晴美ちゃんと
お茶してきますね」

アキラ「あ、うん」

ヒカル(こいつの親子関係が謎だ・・・)

アキラ「とりあえず上がってくれ」

ヒカル「おじゃましまーす」

佐為「おじゃまいたします」
698: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:18:34.99 ID:Lek9CP7b0
ごたごたしてました

塔矢ママ「あら、ヒカルくん。いらっしゃい。
 えっと、そちらの方は・・・」

アキラ「母さん、代わるよ」

塔マ「アキラさんが呼んだのね。
じゃぁ母さん、晴美ちゃんと
お茶してきますね」

アキラ「あ、うん」

ヒカル(こいつの親子関係が謎だ・・・)

アキラ「とりあえず上がってくれ」

ヒカル「おじゃましまーす」

佐為「おじゃまいたします」
701: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:19:18.72 ID:Lek9CP7b0
ギシギシ・・・

ヒカル(いつ来ても緊張するぜ・・・)

佐為(・・・)

ある一部屋の障子の前にアキラが腰を落とす

アキラ「とうさん」
 
佐為(ここが…塔矢行洋の部屋…)

行洋「なんだ」

アキラ「佐為さんが来た」

ヒ&佐「・・・」

行洋「通して差し上げなさい。本物かどうかは
打てば分かる」

アキラ「!・・・はい」
703: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:23:05.88 ID:Lek9CP7b0

佐為と二人きりにするように行洋に
言われた二人は、縁側でくつろいでいた

ヒカル「やけにあっさりだよな。
名人のことだからもっと疑ってかかってくると
思ってた」

アキラ「父さんも興奮しているんだよ。あのsaiが
もう一度来たかもしれないって」

ヒカル「オレには全然落ち着いてるようにみえたぞ?」

アキラ「すごく武者震いしてたよ」

ヒカル「うっそだぁ・・・」
704: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:24:03.25 ID:Lek9CP7b0

佐為「…私が、佐為です」

行洋「そうか…君が、か」

佐為「信じられませんか?」

行洋「ああ…だが、真実なのだろう?
それとも君が嘘をついてると?」

佐為「いえ…」

行洋「まぁいい」

ジャラ

行洋「始めようか」

706: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:26:30.32 ID:Lek9CP7b0

ヒカル「そんなしょぼくれんなって」

佐為「……打てただけで歓喜に震えてしまったのです、
だから私は……」

ヒカル「大丈夫だって。そういう時は誰にもあるから」

佐為vs行洋、その結果は――佐為の半目負け
負けの結果が自分の精神の甘さにあると
分析した佐為は(確かにヒカルから見た佐為は小学生だが)、
一人でウジウジなやんでいる

オレにしてみれば名人に半目差はよくやった方だと思うが、
一度勝った佐為には物足りないのだろう
さっきから部屋の隅でブツブツ言っている

ヒカル(・・・越智かよ)
710: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:29:27.64 ID:Lek9CP7b0

ヒカル「おーい佐為」

佐為「・・・ブツブツ・・・」

ヒカル「フロはいるぞー」

佐為「・・・ブツブツ・・・」

ヒカル「襲うぞー」

佐為「・・・ブツブツ・・・」

ヒカル(・・・ほんとに襲うぞ・・・)

714: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:31:39.83 ID:Lek9CP7b0

めまいが佐為をおそう

ヒカル「おい?どうした?!」

佐為「ひか、る…」

ヒカル「大丈夫か?!」

佐為「ひかる、ぐらぐらしてます…」

佐為「あつい…」

バタンっ

ヒカル「佐為っ!!!」

ひか・・・る・・・
716: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:33:03.98 ID:Lek9CP7b0
虎次郎は本当に優しい子でした
自分のことは二の次な、人の世話焼きっ子
しかしそれが災いし、若くして亡くなって
しまいました

私にその身を貸し与えてくれた虎次郎

最後の言葉は「ごめん」でしたね


次にとりついた子は、寅次郎とは正反対
最初は金儲けだの碁打ちにあるまじき事を
言ってましたが、
私と塔矢アキラの対局を見てから
何かが変わりはじめ、
しまいには自分で打ってました
思わず笑ってしまうほどたくましかったですね

ヒカル、あなたはとっても優しい子です

虎次郎がワガママな私のためにいたというなら、
あなたのために私はいた
721: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:37:34.08 ID:Lek9CP7b0
それでよかったのに

また戻ってきちゃいました


だってあの日々はとても楽しかった


佐為「ん・・・」

ヒカル「あ、起きた!
お前大丈夫か?!」

佐為「え?」
734: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:57:26.62 ID:Lek9CP7b0
佐為「何ですか?どうかしましたか?」

ヒカル「お前・・・何も覚えてないのか」

佐為「えっ?な、何ですか?!」

ヒカル「あのなぁ、お前ぶっ倒れたんだよ。
熱だしてな。
しかもその、またから・・・」

佐為「また?」

ヒカル「・・・熱出して倒れたんだよ」

佐為「嘘!またからなんですか、ヒカル!」

ヒカル「あぁ、人が折角マイルドに事を進めて
やってるってのに!
お前またから、その、血出してたんだよ!
分かるか?生理だ、せ・い・り!」

佐為「!///つ・・・つきもの?ですか?///」
739: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 01:59:44.43 ID:Lek9CP7b0

ヒカル「いきなり倒れたもんだから救急車呼ぼうと
したんだけど、お前のまたから血でてるしさ。
いわゆる生理だって分かって
すぐあかりを召喚したぜ。
あかりに感謝しろよ~、あいつ汚れた所
全部掃除してくれたんだぜ?
流石にオレもこれは手伝えねえしな;//」

唖然とする佐為を片目に、ヒカルはだだーっと
今までの事を述べた

佐為「//////・・・」

つきものの前後に、女人はイライラすると聞きます
私の最近のこのなんともいえない心境は
つきもののせいだったのでしょうか?

そう思うと佐為は、やりきれなくなった

佐為(私は、本当に女性、なのですね・・・)
742: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 02:02:06.32 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「かれこれ三日くらい寝込んでたぞ~。
メシも(無理やり)食べさせたはずだけど、
ほんとに覚えてねえの?」

佐為「み、三日?!私はそんなに・・・」

ヒカル「一週間たったぞ」

佐為「え?」

ヒカル「あれから、一週間だ。
碁、打ってくれるな?」


749: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 02:10:38.08 ID:Lek9CP7b0

一週間後に碁を打つ―――それは、帰ってきた佐為に対する
敬意でもあった



佐為が消えたあの日、オレはまともに碁を
打ってやれなかった
だから、佐為が帰ってきたら真剣に
一局打ってやると心の中で決めていた

叶わない決め事だったはずが、
こうして叶ってしまった

神様、アンタって結構甘いかもなぁ
755: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 02:19:58.95 ID:Lek9CP7b0
佐為「ふふ・・・でも私、強いですよ?」

ヒカル「知ってる。だから一週間なんだろ?
オレがその間何もしてないと思ってたか?」

佐為「へ?」

ヒカル「まず、オレはお前の弱点を見つける事に
専念した。主に碁以外で」

佐為「どういうことですか?」

ヒカル「純粋な棋力だけでは、残念ながら
オレはお前に届いてるかは
分からない。だからオレは、
  
フッ

ヒカルは佐為の耳元まで身をのりだし息をふきかけた

佐為「ひっ!///ヒカル!!」

ヒカル「このように対局中に相手の
集中力をそらす作戦を思いついた」
756: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 02:21:06.33 ID:5T9O2QyEO
ヒカルきたねええええ
757: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 02:21:45.29 ID:1IG9ji/UO
きたない
きたなすぎる
762: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 02:28:28.67 ID:Lek9CP7b0
佐為「ず、ずるいですよ」

ヒカル「あぁ。でもお前寝てる時全然起きなかったから
耳フーは駄目かと思ったけど、
案外いけるな」

佐為「寝てるときって・・・は、破廉恥です!///
ヒカルはそういうところが・・・」

ヒカル「嘘だよ;オレもそこまでの境地に
達してねえし。あ、あと破廉恥ってのは
現代ではあんまり使わない方がいいぞ」

佐為「え?」
763: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 02:30:14.35 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「通報されるから」

佐為「!わ、私外では使ってませんよね?!」

ヒカル「さぁ?だからこれからは、
『えっち』と言えよ。
『ヒカルのえっち!』って」

佐為「ひ、ヒカルのえっち・・・?」

ヒカル「よし!」


オレはまた新しい扉を開いた


764: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 02:32:48.28 ID:5T9O2QyEO
ヒカルがどんどんおかしくなっていく……
765: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 02:34:56.44 ID:MBWNnBJSO
ヒカルの気持ちがわからない…
768: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 02:38:13.78 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「な、佐為」

佐為「はい」

ヒカル「この対局、オレが勝ったら
なんかしてくれる?」

佐為「うーん…私、碁以外できませんからね。
あ、歴史の宿題なら出来ますよ」

ヒカル「学校いってねえし」

佐為「大体、そういう事は勝ってからいって下さい。
ヒカルなんてまだ私に勝てないでしょ?
勝ったらなんでもいうこと聞きますよ♪」

ヒカル「いったなこのヤロウ・・・」



769: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 02:38:49.24 ID:9SbpJAIpO
やばいw
782: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 02:58:23.35 ID:Lek9CP7b0
佐為「私が握ります」

虎次郎、私、強いですよね?

ヒカル「あ、オレが黒だ」

ヒカルなんて目じゃないですよね

「パチ・・・パチ・・・」

ほら、だってヒカルってばまだまだ詰めが甘い

「パチ・・パチ・・・・・・・」

あれ?

「・・パチ・・・」

「パチ・パチ・・・」
784: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 03:02:07.11 ID:Lek9CP7b0
コレがヒカル?

「パチ・・・・パチ・・・」

私が憑いていた時には、
まさしく私のような碁を打っていたヒカル

けれど、この辺りの一手一手の流れ、
まるで知らない人



あぁ、そうか

「パチ・・パチ・・・・・・・」
787: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 03:03:20.36 ID:Lek9CP7b0
成長しましたね、ヒカル


これが「ヒカルの碁」なのですね





ねぇ、虎次郎

詰めが甘かったのは

佐為「あり…ません…」

私の方でした

788: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 03:05:00.21 ID:BS/6Et7eP
>>これが「ヒカルの碁」なのですね

なんかきゅんってなった
796: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 03:11:50.06 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「え、オレ、え・・・」

佐為「ありがとうございました」

ヒカル「あ、ありがとうございました・・・」

勝っちゃった・・・

もちろん勝利はヒカルにとってうれしいこと
この上ない事実なのだが、師匠でもあり
父親でも母親でもあった佐為を
追い抜いてしまったというとまどいの方が
心の中を大きく占めていた

佐為「ヒカル、あなたとても成長していました。
私は負けたことよりもあなたと
このような碁を打てたことを嬉しく思います」

ヒカル(褒められた・・・)


803: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 03:26:51.67 ID:Lek9CP7b0
佐為「さあ、ヒカル。
なんでも言うことを聞きますよ。
お風呂洗い一週間でもどんとこいですよ!
それくらい、今の対局は価値のあるものでした」

ヒカル(あんま嬉しくねえな;)

ヒカル(てか何命令しよう・・・
いざ好きなようにしろ、って言われたら
すんごい困るんだよな~・・・)

ヒカル「ホンとになんでもいいんですか?」

佐為「はい、あ、でも『えっち』なことは駄目ですよ」

ヒカル「はいはい・・・
(チっ・・・こうなりゃとてつもなくひどい
 命令をしてやろう)」
809: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 03:32:39.60 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「あー、じゃぁオレのそばに一生いて
掃除、洗濯やら家事を全部やって
なおかつオレと碁を死ぬまで打ち続けろ!とか」

我ながら上等の罰ゲームだと思う

佐為「うーん、碁だけならいいんですが・・・
というか、え?!」

ヒカル「?なんだ、怖気づいたか・・・って」


何これ、プロポーズじゃん


816: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 03:44:01.95 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「や、あ、その
これは別にそういうわけじゃなくてだな///」

なんなんだよ!
オレはただ最悪なシチュエーションをそろえただけだぜ?!
結婚てそんなマイナスイベントなのかよ!!

佐為「えーっと・・・///」

ヒカル「あぁ、他のヤツにするよ!流石に
重すぎるもんな!!ははっ・・・・」

オレ気持ちわるっ!
しにてー!

佐為「それが、ヒカルの望み、なのですね・・・?」

ヒカル「えーっと・・・」

821: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 03:52:27.43 ID:Lek9CP7b0
佐為「・・・コクっ」

佐為がうなずいた

ヒカル「え?」

佐為「はい、ということです」

ヒカル「は?」

ちょっと待て、コイツはちゃんと
意味を理解して首を縦に振ったのか?

佐為「・・・~ヒカルのばかっ」

826: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 04:00:34.54 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「お前、洗濯できんの?」

佐為「はい!」

ヒカル「掃除は?」

佐為「はい!」

ヒカル「料理は?」

佐為「はい!」

ヒカル「オレの事好き?」

佐為「は!・・・ぃ」

あ、ちゃんと肯定してくれんだ
「ヒカルのばか!」とかじゃないんだ
逆にこっぱずかしいな///
877: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 09:15:32.71 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「お前戸籍とかないだろ?」

佐為「こせき?」

ヒカル「まぁないだろうな。
河合さんに頼んでつくってもらうか・・・ブツブツ・・・」

佐為「?」

ヒカル「あ、別に事実婚でもいいんだよな。
既成事実つくっちまえばこっちのもんだ」

佐為「な、何やら恐ろしいことを考えていますね・・・
ブルッ・・・」


882: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 09:34:47.16 ID:Lek9CP7b0
やたら女々しいヤツだと思ってたが、
まさか女に生まれ変わるなんてな

塔矢にも絶対言えない秘密になっちまった
ははは


ヒカル「お前、これから進藤佐為だな」

佐為「あ、そうですね。
しんどう、さい・・・」

一言一言かみしめるお前は
ホント愛らしい

誰にも渡したくないと思う
883: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 09:37:43.94 ID:Lek9CP7b0
・・・あぁ、そっか
この独占欲は

こいつと和谷が打ってる時に感じてた
違和感、

あれ「嫉妬」って名前だったんだ

霊体だった時には
そんなことなかったもんな

ずっとオレだけの師匠だったもん

・・・いい年こいた大人が
こんなことに気付かなかったなんて、
我ながら情けない
887: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 09:44:24.38 ID:Lek9CP7b0
ヒカル「はぁ~・・・」

佐為「?どうしました?」

ヒカル「いや、オレは思春期のガキか、って思って」

そういってうなだれるヒカルを見て、
私にとってヒカルはいつまでも子供
ですがね♪と心の中でフフンと鼻をならした

・・・嘘です

ヒカルはとても大人っぽくなりました

893: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 09:59:31.12 ID:Lek9CP7b0
神よ、今分かった
あなたが私を現世によみがえらせたのは
かの碁打ち、進藤ヒカルの子孫を残すためですね?

いつまでたっても、おそらくこの先も
パートナーを見つけようとしなさそうですもんね、
ヒカルってば

碁の神がこのままじゃいけないと
思ってだした苦肉の策でしょうが

想像でしかありませんが、
そう思うと神も万能ではないのですね


894: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 10:00:17.40 ID:Lek9CP7b0
佐為「ヒカルヒカルっ」

ヒカル「ん?」

佐為「指きり、です♪」

ヒカル「はいはい」

こんな時も指きりかよ、と
ヒカルは思ったがその無邪気な笑顔の
前には何も言えなかった

ヒカル(こうやってオレコイツのワガママ
なんでも聞いていくんだろうな・・・
ま、いいけど)

896: 棋聖転生 ID:BFiLFJCe0 2009/06/14(日) 10:01:36.03 ID:Lek9CP7b0
佐為「ね、ヒカル」

ヒカル「ん」

佐為「フフっ、呼んでみただけですよ、
ひっかかりましたね♪」

ヒカル「・・・どういうことだよ・・・」

こりゃ、越智とあかり笑えねえや・・・
バカップルになりつつある自分達を
客観的に見て、ヒカルは思う

ヒカル(まぁいいや、神の一手を目指しながら
囲碁界一のおしどり夫婦目指すってのもな?)

ヒカル「な、佐為」

佐為「?はい♪」



<終>
897: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 10:02:36.50 ID:8MXdYHm0O
乙!!!!!!
最高だ!!
899: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 10:02:49.98 ID:kfXYj0vUO
甘酸っぱすぎるwww
乙でしたー
905: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/14(日) 10:04:51.03 ID:BoNBCM49O
超乙!
さいかわいいよおおおおお!
いい家庭をお築き下さい

 

注目記事!




関連記事
  タグ:

コメントの投稿



お知らせ
また、サイトを見やすいように改造しました

改造したところ:
カテゴリをあいうえお順にしました、

時折修正していきますので、今後ともよろしくお願いします

旧ブログはこちら  旧ブログ

Twitter

SSなびのTwitterアカウントです

最新記事
ピックアップカテゴリ
カテゴリ
人気記事
RSSリンクの表示
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


※メールの打ち間違いにお気をつけください。
返事無い時は、メールの打ち間違いの可能性がありますので、再度送信していただくか、コメント欄をご使用下さい。

フリーエリア